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2013年

【慰安婦犠牲者の活動と関連記事】

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（1２月）ヘッドライン

大阪府議会／「維新」の暴走に府民が反発／宮原党団長に聞く

「大運動」議論、党員迎える／要求運動を通じ「確信もって」／宇都宮市新婦人グループ

首相の靖国参拝、世界が批判／中国識者コメント

安倍政権１年／暴走と矛盾／上／亀裂・孤立生む「戦争する国」づくり

韓国の「ナヌムの家」／��冬を元気に過ごして�＝^手編み膝かけ贈る／新日本婦人の会徳島県本部

中国人強制連行問題／新たな展開／上／京都・大江山／「未解決、放置せず」

中国人強制連行問題／新たな展開／中／愛知・大府飛行場／兄の死、説明求める

中国人強制連行問題／新たな展開／下／森田太三弁護士に聞く／世界は人道優先へ

２５

おはようニュース問答／教科書には必ず政府見解を書け、だって！

「戦争する国」への暴走／新安保戦略の危険と矛盾／５／周辺国との関係／軍事的対抗と「愛国心」

揺れる維新政治／肝いり議案否決相次ぐ

発言／秘密保護法廃止を／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二さん／批判精神欠いたＮＨＫ

ひと／旧日本軍「慰安婦」を撮り続ける韓国人写真家安世鴻さん（４２）

「深刻な憂慮」で決議

２０

「慰安婦」問題で講演

戦争の痛み写真展／「ニコン訴訟」の安世鴻さん

上海で東京裁判国際シンポ／研究センターの設立を機に／立教大学名誉教授・上海交通大学名誉教授粟屋憲太郎さんに聞く

岡山市母親大会開く

戦争の歴史真実学ぼう／静岡・沼津で集い

「慰安婦」立法解決を／課題話し合う／市民団体が懇談会／高橋・紙・田村各議員が出席

１０

秘密保護法実施させない／大会で特別決議／新婦人大阪府本部

広島で慰安婦学習会

橋下市長の辞任求める／「慰安婦」問題でシンポ／大阪

波動／ＮＨＫ会長の資格とは／隅井孝雄

「慰安婦」根本解決を／研究者ら、吉見氏裁判支援へ

1２月（本文）（Page/Top）

大阪府議会／「維新」の暴走に府民が反発／宮原党団長に聞く

　大阪府議会は、「維新の会」府議４人の造反で、泉北高速鉄道などを運営する第三セクター「大阪府都市開発（ＯＴＫ）」の株式を米投資ファンド・ローンスターに売却する議案を否決し、１６日閉会しました。造反者の除団で「維新」は、みんなの党を含めても過半数割れとなり、議会運営は「厳しい」と口にする松井一郎知事。府政で何が…。日本共産党の宮原威団長に聞きました。

　（大阪府・小浜明代）

　―ＯＴＫの株式売却が否決されたことをどうとらえていますか。

　宮原　定数１０５の府議会で「維新」は５５人（うち１人は議長）でしたが、４人が造反し賛成５１、反対５３で否決しました。

　泉北高速の運賃は、府が開発した府北部の千里ニュータウンに伴い開通した北大阪急行に比べて途中から２倍になり、運賃値下げは沿線住民の悲願です。売却の目的は、運賃値下げとされていたにもかかわらず、松井知事が選定したロ社の値下げ額は１０円、次点の南海は８０円でした。住民の利便性を軽視した選定に住民と議会が一気に反発を強め、３日間で３０００人を超える反対署名が集まりました。造反者の２人は堺市選出、背景に住民の声があります。

　橋下「維新」は「慰安婦」暴言や、７月の参院選、９月の堺市長選、１１月の岸和田市長選で敗北しました。この流れのなかで「維新」発祥の地で暴走に待ったがかかり、「維新」府議団が過半数割れの事態に至ったのです。「維新」の��終わりの始まり�≠ﾌ象徴ではないでしょうか。

戦略の打撃に

　―否決はどういう意味を持ちますか。

　宮原　ＯＴＫの売却の前に府は、りんくうホテルなどＯＴＫが抱えていた不良債権の処理をすませ、黒字体質にしました。そして外資やファンドに高く売り、その売却益は、なにわ筋線など不要不急の大型開発につぎ込もうとしています。

　橋下徹大阪市長が赤字の市バスを切り離し黒字の市営地下鉄を高く売り、その金をなにわ筋線に突っ込むやり方と同じです。ＯＴＫの売却は橋下「維新」流「成長戦略」の典型の一つで、否決は戦略の打撃になります。

論戦に生かす

　―憲法違反の職員政治活動制限条例が可決しましたが…。

　宮原　私たちは参院選での日本共産党の躍進を具体的な論戦に生かす努力をしました。

　労働者の賃上げ問題で知事先頭に関経連に要請に行くよう求めたのに対し、知事は「僕が行って役に立つなら行く」と答えました。

　生活保護では、扶養の意思があって扶養能力があるという二つの条件がそろった場合にのみ扶養が問題になるが、そうでない場合は生活保護を受けることと関係はないと府側が明言しました。国会での小池（晃参院議員）質問を受けて厚労省が通知を出したからです。子どもの医療費助成制度拡大でも、初めて知事が部局に検討を指示しているとの答弁をしました。

　他党にも変化が生まれています。ＯＴＫの売却は公明党が反対しました。自民党は全国最低水準の府職員の給与について、優秀な人材が集まらないと引き上げを求めました。

　政治活動制限条例は賛成した公明も自民も乱用はだめとか、地方公務員法や最高裁判決から、対象を極めて限定的にすべきだと注文をつけました。

　「維新」の強権的で強引なやり方は府民との矛盾をますます広げます。「大阪都」構想はじめ「維新」の暴走を阻止し、府民福祉の向上と大阪産業振興のための広域的役割を果たす大阪府を取り戻すため、奮闘します。

(２０１３年１２月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

「大運動」議論、党員迎える／要求運動を通じ「確信もって」／宇都宮市新婦人グループ

　宇都宮市の新婦人グループは、１１月、１２月と２カ月連続で新しい党員を迎えました。

　支部は、現体制のなかで新入党員を迎えられずにきました。「大運動」について議論し、「新婦人運動の発展のためにも、新しい党員を迎えたい」「一人は必ず迎えよう」と目標を決め、対象者を出し合いました。

　１１月、市田忠義書記局長を迎えて開かれた「集い」後、運動の先頭にたって頑張っている女性に、福田久美子市議とともに入党を働きかけました。これまで何度働きかけても決意には至りませんでしたが、安倍政権の暴走政治に対し「共産党が頑張ってもらわないと、どうなるか分からない」と常日頃から話していました。この間、女性史や日本軍「慰安婦」問題について学習を重ねてきた女性に「あなたが党に入り、確信を持って行動することが、世の中を変える力になります」と訴えると、「分かりました」と入党申込書に記入しました。

　念願の新入党員を迎え、グループのメンバーは「あの人にも年内に働きかけなくちゃ」と１２月２４日、もう一人の対象者にも入党を働きかけました。消費税増税の中止を求める宣伝のあと、１１月に入党した女性も一緒に入党を訴えました。要求実現の運動を通じ、党への信頼を高めていて、「夫との関係で、これまでちゅうちょしていたけれど、自立した女性として、自分が確信を持ったことをしていきたい」と決意しました。

( ２０１３年１２月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

首相の靖国参拝、世界が批判／中国識者コメント

　安倍晋三首相の靖国神社参拝に対して、中国の識者は次のように批判しています。

　（北京＝小林拓也）

国際秩序への挑戦／歩平・中国社会科学院近代史研究所学術委員会主任（前所長）

　靖国神社は、天皇に献身した軍人に対して建設した施設です。戦前の軍国主義教育で一番重要な場所でした。政治家の靖国参拝は、個人の感情の問題ではなく、軍国主義を肯定するということです。

　東京裁判でＡ級戦犯容疑者とされた岸信介の孫である安倍首相の靖国参拝は、安倍首相の歴史認識が岸と同じレベルということだけでなく、戦後の国際秩序に挑戦することを意味します。東アジアの国民の感情を傷つけるだけでなく、日本自身の名誉と利益をも破壊しています。

　平和憲法の改変、「秘密保護法」の強行、「武器輸出三原則」の破壊などと関連して考えると、このような政治家が日本の首相であることは危険なことです。

逆行に前途はない／王少普・上海交通大学日本研究センター主任

　安倍首相は「皇国史観」を堅持していることを自ら暴露しました。靖国神社は１４人のＡ級戦犯が合祀（ごうし）されているだけでなく、侵略戦争を美化する「遊就館」という展示館があります。靖国神社参拝は第２次世界大戦後の国際秩序への公然たる挑戦です。

　安倍首相は２回目の首相就任以降、侵略の歴史を否定するだけでなく、平和憲法改定や軍拡を主張し、秘密保護法を強行するなど、「独裁」を強めているように見えます。安倍首相の時代の潮流に逆行したやり方に前途はありません。

激怒と悲哀感じる／蘇智良・上海師範大学中国慰安婦問題研究センター主任

　安倍首相の靖国神社参拝に対し、激しい怒りと悲哀を感じています。「価値観外交」を大声で叫ぶ安倍首相は、世界各国の歴史観から大きく遠ざかっています。

　日本という船のかじをとる安倍首相は、いったい日本をどこに持っていこうとしているのか。

　秘密保護法の強行、軍事費の増大、平和憲法改定を繰り返し主張することなどと合わせ、憂慮せざるを得ません。日本国民が警戒心を持ち続けることを望んでいます。

( ２０１３年１２月２９日， 「赤旗」) （Page/Top）

安倍政権１年／暴走と矛盾／上／亀裂・孤立生む「戦争する国」づくり

　「政権の暴走だ」―安倍晋三首相が政権発足から１年に強行した靖国神社参拝に国内外から批判がわきおこっています。国民の反対を踏みつけにした暴走政治は「戦争する国」づくり、「暮らし、福祉破壊」となってあらわれ、国民とのあいだで矛盾を深めています。

憲法・秘密保護法／解釈変更強め

　「憲法改正というのは私のライフワークだ」（安倍首相、２２日放送のＮＨＫ番組)｡憲法９条２項を変えて「国防軍」創設を現実の政治日程にのせることを公言している安倍政権は、明文改憲の前にも解釈改憲によって集団的自衛権行使を可能にしようとしています。

　安倍首相は、改憲要件の緩和を狙った９６条改憲が広範な反対世論に直面すると、クーデター的やり方で、集団的自衛権行使容認派の内閣法制局長官へ首をすげかえました。

　先の臨時国会で、米国などの同盟国との軍事情報の共有を目的に｢国家安全保障会議(日本版ＮＳＣ）」設置法を強行。表現や報道の自由などの基本的人権を保障する憲法原理を根底から覆す秘密保護法も、日本維新の会、みんなの党との「修正協議」をてこに国民の強い反対を押し切って成立させました。

　自民党の高市早苗政調会長や谷垣禎一法相は、犯罪行為だけでなく事前の「相談」をしただけで処罰する「共謀罪」の早期新設にも言及しています。

　しかし秘密保護法成立後も、学者・研究者でつくる「特定秘密保護法に反対する学者の会」への賛同が大きく広がり、非政府組織（ＮＧＯ）が秘密保護法から市民社会の自由を守る連携組織を立ち上げるなど、廃止を求める国民の世論と運動が高まっています。

　集団的自衛権の行使容認の動きには「（解釈変更は）やめたほうがいい、できない」（宮崎礼壱・元内閣法制局長官）、「憲法９６条の脱法的行為と言わざるをえない」（柳沢協二・元内閣官房副長官補）など懸念・批判の声があがっており、暴走すればするほど矛盾を深めています。

安保戦略・防衛大綱／平和主義破壊

　安倍政権は１７日、この１年間で進めてきた「戦争する国」づくりの総括であり、今後の基本指針となる文書「国家安全保障戦略」と「防衛計画の大綱」を決定しました。

　「戦略」は、海外での戦争に道を開く集団的自衛権行使解禁をにらんで、政府が憲法の平和主義の下で保持してきた「専守防衛」「軍事大国とならない」との基本理念を事実上放棄しました。

　南スーダンの国連平和維持活動（ＰＫＯ）での自衛隊から韓国軍への弾薬提供も、「戦略」が表明した「武器輸出三原則」の廃止を先取りして、平和主義を踏み破る暴挙です。

　新「防衛大綱」では、自衛隊全体を殴りこみ部隊に変える「海兵隊化」、他国領土を攻撃するための「敵基地攻撃能力」の構築に向けて検討を進める方針を明記。中国や北朝鮮に軍事力で対抗するため、「質」・「量」ともに大幅な軍備増強を進めるものです。

　「戦略」では、「わが国と郷土を愛する心を養う」として、国の軍事・外交政策の一環として「愛国心教育」を進める方針も示しました。国民の内心の領域にまで軍事政策の浸透を図るものです。

　安倍政権は来春にも憲法解釈変更の議論を進める有識者懇談会の報告書をまとめ、来年度にも集団的自衛権行使を解禁する憲法解釈の変更を決断することを狙っています。

　安倍政権の暴走に対し、中国や韓国など周辺諸国からは警戒をもって受け止められているだけでなく、米国の中からも「地域の理解」を求める声があがっています。こうしたなかでの安倍首相の靖国神社参拝には米政府も「失望している」との声明を出す異例の対応で、国際的孤立を深めています。

「教育改革」／国策に従わす

　安倍政権が具体化に踏み出している「教育改革」は、「戦争ができる国」「弱肉強食の経済社会」という国策に従う��人づくり�≠ﾉ狙いがあります。

　「２１世紀の日本にふさわしい教育体制を構築」するとして「教育再生実行会議」を立ち上げ、教育委員会制度など戦後の民主的教育制度を根底からつぶす改悪を次々と打ち出しています。「従軍慰安婦」の否定など、ゆがんだ歴史認識を子どもたちに教え込むために、教科書検定基準の改悪を来年１月に狙っています。

　中央教育審議会などではこうした安倍政権の意向を受け、教育委員会制度や道徳の教科化の審議を強引に進め、通常国会に法案を矢継ぎ早に出そうとしています。

　戦前の軍国主義教育の反省から生まれた合議制の執行機関の教育委員会を、首長の付属機関とする教育委員会制度改悪案は、中教審の複数の委員から「権力が都合のよい教育をしてはならないことは歴史が示している」と強い懸念の声があがり、答申としては異例の別案を載せる形になりました。

　一方、高校・大学の段階的無償化を定めた国際人権規約の留保を撤回したにもかかわらず高校授業料無償化を廃止し、高すぎる教育負担をいっそうひどくします。

　大学入試「改革」をめぐっても、高校在学中から２段階のテストを導入して子どもたちをふるいにかけ、ゆきすぎた競争主義に拍車をかけようとしています。

( ２０１３年１２月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

韓国の「ナヌムの家」／��冬を元気に過ごして�＝^手編み膝かけ贈る／新日本婦人の会徳島県本部

　新日本婦人の会徳島県本部は、会員らに呼びかけて作った毛糸のモチーフをつなぎ合わせた手編みの膝かけ４枚を韓国の「ナヌムの家」に贈りました。

　冬ソナ小組の石躍芳江さん（８０）が、ハングル（韓国語）で「日韓の平和交流をともに続けていきましょう。少しでも暖かくしてください」と書いた手紙を添えました。

　昨年の県本部５０周年記念の韓国平和ツアーでは日本大使館前での日本軍「慰安婦」被害女性への謝罪と補償をもとめる「水曜行動」に参加。そのとき膝かけと折り鶴を渡すと喜ばれました。今回はクリスマスプレゼントとして贈りました。

　祖父江桂子事務局長は「高齢になっているので、寒い韓国の冬を元気で過ごしてほしい」と語りました。

(２０１３年１２月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

中国人強制連行問題／新たな展開／上／京都・大江山／「未解決、放置せず」

　１９９０年代半ばから十数年にわたって争われた１０余件の中国人強制連行裁判は、２０１１年にすべて終結し、被害者約４万人のうち企業との和解によって救済の対象になったのは１５００人余です。全員の救済をめざし、あらたな取り組みが始まっています。

　（尾崎吉彦）

　京都府北部、与謝野町にある大江山鉱山（日本冶金工業）。アジア太平洋戦争が進展するにつれて、兵器生産に欠かせないニッケルの増産が求められ、国内の労働力不足を補うため、１９４４年１０月、中国河南省などから中国人２００人が連行されました。

○「血と汗を償って」

　河南省新郷在住の孟増堂さん（８６）は畑仕事をしているときに日本軍に捕まり、連行されました。１８歳でした。孟さんは、大江山の強制連行問題に取り組んできた「中国人戦争被害者の要求を支える会京都支部」の人たちの聞き取りに証言しています。

　「大江山では、日本兵が銃を構えている中で終日、石を掘り、積み上げ運び、毎日１０時間ほど働かされました。１回の食事はたった１個半の豆かすの団子とおわんに半分の海藻スープで、住むところはバラックの棚。満腹にならず寒さに着る物もない、殴られ、ののしられるのは日常のことでした」

　同事務局長の桐畑米蔵さんは言います。「あしかけ１０年におよぶ裁判闘争は、最高裁の棄却（０７年６月）で終わりました。裁判後も会を存続させ、各地の運動団体と交流するなど活動をつづけてきました。そういうときに、河南省の被害者・遺族から企業と話し合いたいので協力してほしいという手紙がきました」

　河南省の被害者と遺族でつくる大江山分会の会長・鹿金衛さん（４３）は、「日本に行って働いてでも、親たちの血と汗の賠償をたたかいとりたいのです」と訴えていました。

○河南省で聞き取り

　支える会京都支部は今年４月、河南省に代表を派遣し、孟さん、鹿さんから被害の実態や要求を聞き、どのような取り組みをすすめるか話し合いました。企業との交渉による解決には長いたたかいを覚悟しなければならず、中国でも支援者を組織することや、被害者の口述記録を作ることが必要なことも提起しました。

　被害者らは５月に日本冶金上海支社に交渉の申し入れに行きましたが、回答はなく、支える会京都支部の福林徹代表らが７月１２日、日本冶金本社（東京）に赴き、話し合いに応じるよう求めました。

　桐畑さんは、「大江山では、２００人の被害者のうち、救済されたのは６人だけで、１９４人が未解決のままです。このままほうっておくことはできません。広く世論に訴えて解決の道を切り開きたい」と話しています。

( ２０１３年１２月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

中国人強制連行問題／新たな展開／中／愛知・大府飛行場／兄の死、説明求める

　「愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会」は２０１２年９月、第２次世界大戦末期に中国人４９６人を強制連行し、同飛行場で強制労働をさせた岩田地崎建設（当時・地崎組）に対し、謝罪と補償、記念碑建設を求めた生存者５人の「提訴書」を同社名古屋支店に手渡しました。しかし、同社は要求を拒絶し、今後このような要求には対応しないとしていました。

○補償解決はプラス

　支援する会は、１３年９月、遺族の宋殿挙さん（７１）＝中国河北省威県＝とともに札幌市の本社に赴き、直接要求を伝えました。加藤広史総務部長はじめ４人が応対しました。

　宋さんは、「兄は、地崎組のために仕事をしていて亡くなりましたが、会社は死亡診断書もくれませんでしたし、６８年たつのにいまだに私の家に来て説明することも謝罪をすることもしていません」と兄・宋振海さんの死亡にたいする説明を求めました。

　加藤氏は、「心から哀悼の意を表します」とのべつつ、賠償に応じないという従来の立場は変えられないと答えました。

　同席した元北海道訴訟弁護団事務局長の田中貴文弁護士や支援する会の南守夫代表（元愛知教育大学教授）が地崎組の強制連行・強制労働の実態を明らかにするとともに、戦後補償問題を解決することは、企業が海外展開をする上でプラスになることを説きました。

　加藤氏は「われわれの入っている団体がそういう方向（和解の方向）に動く可能性はゼロではないと思っております」「きょう要求されたことは、真摯（しんし）に受け止めさせていただきたい」と答えました。

　しかし１０月に届いた回答書は、哀悼の意を示す言葉はありましたが、賠償に応じないことを改めて表明したものでした。

　南氏は、「裁判終結後に、未解決の問題として直接企業に補償要求をおこなったという意味で意義のある交渉だったと考えています」といいます。１年前に比べて、企業の側に一定の変化が見られたことについて、「中国から遺族が来日したことが大きかったと思います。韓国の朝鮮人強制労働裁判で、新日鉄住金と三菱重工に賠償命令があったことも影響したのでしょう。しかし、それは『前向きの変化』と呼べるようなものではなく、内外の反応と動向を見ていたのだと思われます」と話しました。

○被害者要求は当然

　愛知県で中国人強制連行問題のとりくみが始められたのは、強制連行裁判がほぼ終わった０７年ころからです。０９年以降、毎年９月に大府飛行場で亡くなった中国人５人を追悼し、１０年３月には、生存者から聞き取りをおこなうために調査団を派遣。さらに１１年の追悼式では被害者２人、１３年には遺族１人を招きました。

　支援する会は、「被害者の要求は、不法行為に苦しんだ人間としての当然の訴えです。その要求の実現は、日中関係の改善に貢献するだけではなく、国籍を問わず、労働者の人権侵害を許さない社会を目指すという意味で私たち日本の社会のためでもある」としています。

愛知県への強制連行

　地崎組は、４４年３月、河北省と山東省などから４９６人の中国人を連行し、北海道の水銀鉱山や愛知の大府飛行場（大府市・東海市）建設などに使いました。

( ２０１３年１２月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

中国人強制連行問題／新たな展開／下／森田太三弁護士に聞く／世界は人道優先へ

　中国人強制連行・強制労働全国弁護団の森田太三団長代行に、中国人強制連行問題の現状と課題について聞きました。

　―太平洋戦争時代に徴用された韓国人が日本の企業にたいする損害賠償を請求した裁判で、ソウル高裁や釜山高裁などが相次いで賠償命令を出しました。これらの判決をどうみますか。

　森田　日本政府は、日韓請求権協定で解決済みとしていて、企業にたいして賠償に応じないように求めたと報じられています。しかし､こうした対応では､事態は収まらないと思います。韓国では、日本軍「慰安婦」問題と強制連行問題は、未解決の問題としてとらえられています。歴史問題をきちんと解決しなければ、韓国や東アジアの友好と平和を築けないでしょう。

○特異な判決でない

　―戦後補償問題は、世界的にはどうなっていますか。

　森田　２０００年の判決ですが、ギリシャ最高裁は、第２次世界大戦中にドイツが引き起こした虐殺事件にたいして、原告勝訴の判決を出しました。「主権免除」という国家の行政・権力がおこなった行為の責任は他国では問われないとする原則があるのですが、それを排除した判決です。ギリシャはドイツとの間で請求権放棄もしていますが、それをも乗り越えています。後に特別最高裁でドイツ勝訴になりましたが、侵略戦争による被害は救済されなければならないという人道主義が優先される流れが大きくなりつつあることを示しています。韓国の判決も、けっして特異なものではありません。

　―中国では、韓国の判決はどう受け止められていますか。

　森田　中国でも報じられています。この流れは中国にも波及していくことはまちがいないでしょう。中国人強制連行問題の場合、西松判決が出発点になります。最高裁判決は、中国人個人の裁判を通しての請求権は失われているが、個人の実体的な請求権は残っていると言っています。それを踏まえて、最高裁は付言という形で、国や企業の関係者は解決の努力を促しています。この最高裁の意思は、政府も無視するわけにはいきません。ただその方向に向かうかどうかは、世界の動向や日本国内の世論にかかっているでしょう。

○日本も新しい流れ

　―裁判終結後、弁護団は、三菱マテリアルとの交渉に取り組んできましたが、進展していますか。

　森田　これまで中国の被害者団体間に要求に隔たりがありましたが、ほぼまとまりつつあります。来年には被害者が日本に来て会社と交渉することになりそうです。

　―日本でも新しいとりくみが広がりつつありますね。

　森田　８月に中国人強制連行問題の運動にとりくむ各地の運動団体の連絡会結成が確認され、１０月に「中国人強制連行事件解決をめざす全国連絡会議」が発足しました。三菱マテリアルとの交渉のほか、京都・大江山や愛知・大府のとりくみの支援、各地でとりくまれている追悼式、追悼碑建設、調査活動などの活動の交流をすすめることが話し合われました。強制連行問題の解決にむけた運動が前進すると思います。

西松判決

　西松建設は、広島県の安野水力発電所工事に中国人３６０人を使役。最高裁は２００７年４月、請求を棄却。一連の中国人強制連行訴訟での最高裁としての最初の判断でした。

( ２０１３年１２月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

２５

おはようニュース問答／教科書には必ず政府見解を書け、だって！

　陽子　教科書に政府の見解を必ず書くように検定基準が変えられようとしているんだって？

検定基準の改定

　晴男　文部科学省の教科書検定審議会が、基準の改定案などを盛りこんだ報告をまとめたんだ。例えば、政府の統一見解や最高裁の判例がある場合にはそれに基づいた記述にするという規定を、社会科の検定基準に加えることになっている。

　陽子　日本軍「慰安婦」問題では「解決済み」というのが政府見解だから、検定ではそれを書けと指示されるわけね。

　晴男　教育基本法の「教育の目標」に照らして「重大な欠陥」がある教科書は不合格にするともいう。

　陽子　教育基本法は２００６年に第１次安倍内閣によって改悪されたとき、「目標」の一つに「我が国を愛する態度」を育てることが入れられたわね。

　晴男　日本の侵略について詳しく書いた教科書は「我が国を愛する態度」を育てるという目標に反するとして、「重大な欠陥」があるとされかねないよ。

　陽子　そもそも今回の基準の改悪は、自民党と安倍政権の意向よね。

　晴男　自民党は「教育基本法が変わったのに、いまだに自虐的な記述の教科書が多い」といってきた。

　陽子　彼らのいう「自虐的な記述」というのは、日本の侵略戦争の事実をきちんと書いた記述ということよ。

　晴男　そういう記述をなくして、侵略を美化する教科書にしたいというのが狙いだね。

南京大虐殺数も

　陽子　ほかにはどんな検定基準を？

　晴男　未確定な時事的問題については「特定な事柄を強調しすぎない」ことと、近現代史で通説的な見解がない事項についてはその旨を明示することを基準に設けようとしている。

　陽子　南京大虐殺の犠牲者数などについて「通説がない」と書き込ませようというのね。

　晴男　文科省は来年１月に基準を改定しようと急いでいる。

　陽子　来年度にある中学校教科書の検定に間に合わせようとしているのね。そのために検定審議会もたった２回で十分な審議もなく報告を決めてしまった。こんなやりかた許せないわ。

( ２０１３年１２月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

読者の文芸」この１年／俳句／中嶋鬼谷／批判精神と叙情と

　国民の言論の自由を奪い人権を蹂躙する秘密保護法。この希代の悪法に本紙の俳句は警鐘を鳴らす。

　開戦日たましい今も踊らされ　鈴木　　誠

　極東のとある議会の冬ざるる　北村　和利

　安倍首相の自慢する原発は鼠一匹によって停電するお粗末さ。その原発を再稼働させ外国へも売るという。

　山笑ふ「安全神話」をねずみ噛み　平　としお

　木下闇被爆の国の死の商人　松重　幹雄

　月光の海漂えり汚染水　西川　知子

　そうした中にあっても、漁業再開へ向けて、人々の懸命の取り組みが続けられている。

　月の出や明日発つ試験操業船　渡辺　正一

　橋下大阪市長の慰安婦問題への暴言は内外の顰蹙を買い、「大阪維新」はにわかに凋落した。

　慰安婦の石碑のさけび蟹の丘　福原　　實

　堺町衆「維新」を止めぬさやけしや　平林　光明

　しかし、中央政権による暴政は貧富の格差を拡大。

　日本の餓死者の数字梅雨の記事　鈴木　　強

　本紙の俳句は社会問題に鋭く切り込む一方で、自然の美しさ、人々の生活やぬくもりを叙情豊かに詠む。

　雪解けや半顔濡れし磨崖仏　柴山　芳隆

　草萌えて喃語いよいよ片言に浅子かおい

　なにもかも遠し遠しと法師蝉　松下　佳紀

　秋時雨濡れて乾いて戻りけり　新庄　富美

　川底を波の影ゆく雁渡し��松　良子

　リハビリのじゃんけんぽんや冬が来る　木山　一代

　カーブしてバイク傾く時雨かな　渡辺　徳治

　テーマ・表現ともに充実の１年であった。

( ２０１３年１２月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

「戦争する国」への暴走／新安保戦略の危険と矛盾／５／周辺国との関係／軍事的対抗と「愛国心」

　冷え込む中国、韓国との関係をどう改善するのか。「国家安全保障戦略」が出した��答え�≠ﾍ中国に対する軍事的対抗色を前面に押し出すことでした。対話による外交的解決は後景に追いやられました。

水陸両用戦能力

　「戦略」は、中国による尖閣諸島をめぐる対応や防空識別圏の設定をあげ「力による現状変更の試みと見られる対応を示している」と強く批判しました。

　「戦略」に基づく新「防衛大綱」に盛り込まれたのは、南西諸島防衛強化を口実にした水陸両用作戦能力の強化。「中期防衛力整備計画」（中期防）には水陸両用車や垂直離着陸機オスプレイの導入、戦闘機、護衛艦の増強が書き込まれました。

　米紙「ニューヨーク・タイムズ」１８日付は、安倍政権が「戦略」「大綱」を閣議決定したことに対し、「第２次世界大戦の悲惨な敗北を経て、疑念を持って軍隊を見ていた国としては考えられないような武器を、日本は取得するようになる」と指摘しました。

　韓国国会は１９日の本会議で、日本の集団的自衛権行使容認の動きの中止を求める決議を賛成多数で可決しました。安倍政権の「軍拡」方針に懸念と反発が広がっています。

　軍事的対抗色の強さは、北朝鮮への対応にも表れています。

　「大綱」「中期防」は「弾道ミサイル攻撃への対応」として、「ミサイル発射手段等に対する対応能力のあり方についても検討の上、必要な措置を講ずる」と明記。「敵基地攻撃能力」の保有に道を開きました。

ゆがんだ歴史観

　「戦略」は、韓国を「地政学的にもわが国の安全保障にとって極めて重要な国」と位置づけ、連携強化を打ち出しました。

　しかし、過去の植民地支配と侵略戦争を美化する安倍首相の歴史認識や「慰安婦」問題をめぐり日韓関係は冷え込んだまま。韓国との関係改善の前に歴史認識問題が大きく横たわっています。

　さらに、「戦略」は、「わが国と郷土を愛する心を養う」との文言を盛り込みました。

　国民の内心に踏み込む「愛国心」の強要は時代錯誤であり、世界でも異常な姿勢です。同時に、誤った歴史観にたった「愛国心」の強要は、韓国や中国との関係改善のために求められる歴史認識問題への配慮とは相いれません。

　（この連載は政治部安保外交班が担当しました）

( ２０１３年１２月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

揺れる維新政治／肝いり議案否決相次ぐ

　橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」が地元、大阪でも揺れています。大阪市議会では、市長肝煎りの議案の否決や継続が目立ち、単独過半数を握っていた府議会も先週、初の造反で過半数割れしました。大阪市を解体して府と統合する「大阪都」構想を掲げ、２年前の大阪市長・府知事選では「圧勝」と報じられた「維新」がいま、深刻な行き詰まりに直面しています。

　（藤原直）

　「まあ少数与党ですからね。これ以上できませんよ、僕は」。市議会が閉会した１７日、橋下氏は、地下鉄民営化の３度目の継続審議など議会側の厳しい判断が目立つ現状について問われ、こう話しました。

必ずボロ出す

　９月からの市議会では橋下氏の思い通りにはいかない場面が相次ぎました。市立幼稚園の廃止・民営化では、保護者や連合町会の強い反対にあって第１期１９園のうち１４園の廃止が否決。大阪府立大学との統合に向けた市立大学の定款変更の議案も否決されました。今年５月には「府市統合の象徴」として知事時代から進めてきた水道統合議案も否決されています。

　��力の源泉�≠ﾆいわれた登退庁時の囲み取材で並んだテレビカメラも、１０月から代表撮影に。会見では「頓挫なんて書かないでくださいよ」などと報道内容にケチをつけるのが恒例となっています。

　「改憲型新自由主義は必ずボロを出すんですよ」。二宮厚美神戸大学名誉教授は、今年５月の「慰安婦」暴言以降、橋下氏は「守勢」に回り、常に「言い訳」や「弁明」に追われていると言います。「堺はなくしません」「住民投票があるから安心を」と「都」構想批判への弁明に追われた９月の堺市長選が典型だと言います。

　維新は惨敗した同市長選後、市民から見た橋下氏の人物像が大阪人が好む「挑戦者」から大阪人が嫌う「権力者」に変化したと分析。維新前秘書が出馬した岸和田市長選では「橋下・維新隠し」に徹しましたが、結局、負けました。

独裁的な本性

　二宮氏は橋下氏の「支持率０％になろうが今のまま突き進む」（１１月１９日）との発言に「独裁的本性が現れている」と指摘。「有権者に対するこれほどの侮辱はない。都構想自体もそんなものだ」と批判します。

　奈良女子大学の中山徹教授は、この間の大阪の変化を振り返り「橋下氏の新自由主義的な地域破壊の中で、地域の良心的保守層が立ち上がり、『地域の福祉や自治を守る』という一致点で民主的団体が共同を広げれば、新たな民主的自治体を誕生させる条件ができつつある」と語ります。

　◇

　１９日で就任２年を迎えた橋下市長らが住民にもたらした傷痕と、「維新政治」を揺るがす大阪のたたかいを、「揺れる維新政治」としてシリーズで伝えます。

( ２０１３年１２月２３日， 「赤旗」）（Page/Top）

発言／秘密保護法廃止を／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二さん／批判精神欠いたＮＨＫ

自主・自立の原点に返れ

　秘密保護法の強行採決に至るテレビ報道の中で、強い疑問を持ったのはＮＨＫの報道姿勢でした。いったいこれはどうなったのか、という怒りにも似た印象です。

　これまでも、ＮＨＫはニュース番組で政権の見解を無批判に紹介することが多く、政府広報のようだ、という批判がありました。その傾向が今回の秘密保護法報道で極まった感じです。

批判の欠落

　代表的なニュース番組「ニュースウオッチ９」の１１月の放送では、市民の反対運動や、賛否の議論は含まれているものの、量的には政府見解や、みんなの党、維新などの修正意見の紹介などが大きな部分を占め、法案の本質的な問題点を、条文に即して検証する、という姿勢は見られませんでした。また、キャスターや記者のコメントも、国会審議の見通しを述べる程度にとどまっていました。

　この法律は、国家の行動、とくに軍事的な行動が見えなくなる、という恐るべきものです。これに抗する取材活動にも重大な制約が加えられます。

　ジャーナリズムの任務の核心は権力の監視ですが、この法律が施行されれば、立場が逆転し、権力が捜査権をもってジャーナリズムを監視する社会へと決定的に移行するでしょう。心あるジャーナリストであれば、身に迫る危機感を持つはずです。

　しかし、ＮＨＫニュースには、このような切迫した危機感は感じられず、批判的報道は決定的に欠落していました。

　同じ時期の民放のいくつかのニュース番組は、ＮＨＫとはちがって、政局報道に加えて、法案の危険性を鋭く指摘しています。

　テレビ朝日「報道ステーション」、ＴＢＳ「ＮＥＷＳ２３」、「報道特集」などは、「何が秘密であるかが秘密であり、行政によって秘密が広がり、国民がチェックできない」という法案の本質的な危険性を、何回にもわたって指摘しました。

政権の圧力

　ＮＨＫの秘密保護法報道が、一部の民放番組と違って、どうしてかくも批判精神を欠くものになったのか、その要因の一つは、安倍政権のＮＨＫに対する圧力の存在でしょう。

　安倍政権は、メディアに対して異様に神経質な政権です。各社首脳との会食の繰り返しもありましたし、参院選の時期、出演者の発言を理由にＴＢＳの取材を拒否した事件などがありました。

　ＮＨＫに対しても、第１次安倍内閣の際、親密な関係の人物を委員長候補として経営委員会に送り込んだことがあります。最近でも安倍首相支持が明白な人物を４人も経営委員に任命しました。

　ニュースへの直接の圧力の事実が明らかになったわけではありません。しかし、幹部がこうした政権の動きや意向を「忖度（そんたく）」すれば十分効果的でしょう。

　かつて日本軍「慰安婦」を扱った番組が改変・改ざんされた事件では、幹部が当時の安倍氏ら右翼政治家の意向を「忖度」して改変したことが明らかにされています。

　市民のＮＨＫニュースに対する批判はかつてなく高まっていますが、こうした声に、ＮＨＫは、ニュースは客観的事実を伝え、キャスターや記者の主観、意見は入れないものだ、と抗弁するかもしれません。これは報道現場に長く根付いてきた「客観報道主義」といわれるものです。客観的事実の尊重は重要ですが、大切なことは、事実の取材を通して事柄の真実に至ることです。ジャーナリストは「客観報道」を隠れみのにして、この努力をないがしろにすることは許されません。

　秘密保護法については、事実を取材、追及していけば、必ず法案の危険性という真実に至るはずでした。一連のＮＨＫの報道でその作業があったかは大きな疑問です。

　ＮＨＫは、戦時中政府の統制のもとで、国民を戦争に駆りたてる役割を果たしましたが、その反省の上で、戦後、公共的な放送機関として出発しました。国民の側から権力を監視する自主、自立の原点に返ることが、今ほど必要な時はないでしょう。

(２０１３年１２月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

ひと／旧日本軍「慰安婦」を撮り続ける韓国人写真家安世鴻さん（４２）

　韓国江原道生まれ。結婚を機に日本に住んで３年半になります。東京都練馬区のギャラリー古藤で開催中の写真展（２６日まで）の運営スタッフと、ときに日本語でやりとりも。

　１９９６年、旧日本軍「慰安婦」にされた被害女性が生活している京畿道広州市の「ナヌムの家」を訪れたことをきっかけに今日まで被害女性たちを撮り続けています。

　「ハルモニ（おばあさん）の痛みを『頭』でなく『心』で理解したとき、カメラを手に取るようになりました。どうしたらハルモニを助けられるだろうかと考えています」

　昨年６月ニコンは突然、東京・新宿ニコンサロンで予定していた「慰安婦」の写真展の中止を通告。東京地裁に開催するよう申し立て、新宿で開催しましたが、大阪のニコンサロンではできませんでした。現在、ニコンの中止決定は不当だとして、表現の自由を守るために東京地裁でたたかっています。

　１０代後半に韓国の労働運動家チョン・テイルの評伝を読み、朝鮮半島の統一、労働問題など社会問題に関心を持ちます。それまで単なる趣味だったカメラは真実を伝える手段になりました。

　苦悶の表情を浮かべうつむくハルモニの写真があります。提訴したときにそれを大きく引き伸ばし、自宅に飾りました。「負けないぞと毎日誓っている」。穏やかな表情がきりっと変わり覚悟を感じさせました。

　文　仁田　桃

( ２０１３年１２月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

「深刻な憂慮」で決議

　【ソウル＝時事】韓国国会は１９日の本会議で、日本の集団的自衛権行使容認の動きに「深刻な憂慮」を表明し、推進中断を要求する決議を賛成多数で採択しました。

　決議は「日本政府はまず、歴史の美化、歪曲（わいきょく）をやめなければならない」とし、慰安婦問題での賠償などを要求。「集団的自衛権行使の推進を通じて、北東アジアでの影響力拡大をもくろんではいけない」と強調しました。

( ２０１３年１２月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

２０

「慰安婦」問題で講演

　栃木県壬生町でこのほど、第５回壬生町母親大会が開かれ、満席の１００人余が集いました。（写真）

　吉川春子元日本共産党参院議員が「日本軍『慰安婦』問題の真実」と題して講演。それに先立ち、韓国人の元「慰安婦」の実像を伝える「Ｄ�XＤ」を上映。人権や平和の大切さを考え合いました。

　吉川氏は、「慰安婦」問題の解決と向き合わない安倍内閣を批判し、参院で秘密保護法を強行したことについても言及。アパルトヘイト（人種隔離）の廃止など世界の人権思想が発展しているもとで、戦前の人権侵害の悪法、治安維持法を復活させるような暴挙だと厳しく指摘しました。

(２０１３年１２月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争の痛み写真展／「ニコン訴訟」の安世鴻さん

　韓国人写真家、安世鴻（アン・セホン）さん（４２）＝名古屋市＝の写真展「安世鴻写真展ｉｎ練馬第２弾　重重　〜消すことのできない痕跡〜」が１８日、東京都練馬区の「ギャラリー古藤（ふるとう）」で始まりました。同実行委員会と重重プロジェクトの主催。

　安さんは「去年に続いて２回目の写真展。引き続き活動しているのをみなさんに見てもらいたい。来てくれる人にも『慰安婦』問題に関心を持ち続けてほしい」と語ります。

　写真展は、第２次世界大戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」のほかにフィリピンの被害者、韓国の「ナヌムの家」に住むハルモニ（おばあさん）の新しい写真約４０点を展示しています。

　安さんは現在、「慰安婦」を題材にした写真展がニコンによって突然中止決定（昨年５月）されたことを受け、同社を相手に表現の自由をめぐって裁判でたたかっています。「市民や団体が力を合わせてこの場をつくってくれたことはとても意義があります。写真を通して戦争の痛みを伝えたい」と話しました。

　同展は２６日まで。午前１１時３０分から午後７時３０分。会期中無休。入場料３００円、大学生以下無料。トークイベントは参加費１０００円（要予約・入場料含む）。イベントの予約は�рO３（３９４８）５３２８またはメールｊｊｔｅｎｅｖｅｎｔ＠ｇｍａｉｌ．ｃｏｍへ。

( ２０１３年１２月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

上海で東京裁判国際シンポ／研究センターの設立を機に／立教大学名誉教授・上海交通大学名誉教授粟屋憲太郎さんに聞く

　東京裁判の判決言い渡しから６５年。中国、日本、アメリカの研究者による東京裁判国際シンポジウム（１１月１２〜１４日）が中国の上海交通大学で開かれました。同大学の名誉教授でもある粟屋憲太郎立教大学名誉教授にその模様などを聞きました。

　（神田晴雄）

　シンポジウムは上海交通大学に東京裁判研究センターが昨年設立されたのを機会に開かれ、中国、日本、アメリカの研究者約７０人が参加しました。この大学は中国で四つの指に入る有名な大学です。

世界初の機関、研究者も意欲

　東京裁判に絞った研究機関は中国でも世界でも初めてです。中国はいま東京裁判の速記録の索引をつくったりしています。中国側の中心になった程兆奇教授は「国家的規模でやりたい」と意欲的でした。日本では戦争犯罪裁判の研究機関に政府がお金を出すなんて望むべくもないですが。

　中国の研究者は若手が多く、報告の題目は「東京裁判による戦後国際法発展への影響」「弁護側による中国共産主義脅威論」などです。内容は全体としてこれからという感じでしたが。

　日本からは荒井信一さんや内海愛子さん、芝健介さん、中里成章さん、林博史さんはじめ第一級の研究者たちが参加しました。

　このうち林さんは、連合国の戦犯裁判政策の流れを跡づけ、「人道に対する罪」が朝鮮女性の「慰安婦強制」に適用されなかった要因は、戦時国際法が朝鮮、台湾などの植民地を差別していた限界にあると分析しました。

　『パル判事』の著書がある中里さんは、１１人の判事中ただ一人被告人全員無罪を主張したインドのパルについて、「大東亜共栄圏」「八紘一宇」などのスローガンに親近感を抱くその政治的・思想的背景を報告しました。

相次ぎシンポ、第２のピーク

　東京裁判研究は裁判当時（１９４６〜４８年）を第１次ピークとすれば、現在は第２のピークと言ってよい状況です。この間私が参加しただけでも、国際シンポジウムがベルリン（独）、カン（仏）、メルボルン（豪）で開かれ、ニュージーランドでは資料集が出版されました。

　東京裁判は「勝者の裁き」とか言われますが、中国はずっと侵略戦争の被害者でした。アメリカのように原爆を投下したわけでもない。また、日本の植民地支配における残虐な行為や毒ガス戦など、審判をまぬがれた戦争指導者や重要な出来事が多いことを見ても、「勝者の裁き」論は当たりません。

　また、「平和に対する罪」「人道に対する罪」は事後法であり罪刑法定主義に反するという批判があります。事後法による遡及罰の禁止は国内法では人権を守るために必要ですが、東京裁判当時の国際法では罪刑法定主義は原則となっていませんでした。特に戦争犯罪では禁止しなくてもよいと考えられています。

　中国側は来年か再来年に今度は東京で開きたいと話していました。日中関係は良くないですが、この学術交流が改善のための一助になればと思います。

( ２０１３年１２月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

岡山市母親大会開く

　岡山市母親大会が８日、市内北区で開かれました。主催者を代表し松浦純子さんが「今日の集会を、国民の知る権利を犯し、もの言わぬ国民をつくろうという安倍首相の野望を打ち砕く第一歩にしよう」と呼びかけ。石川康宏氏（神戸女学院大学文学部教授）が、戦争と女性「ゆがめられた人権、慰安婦問題を含めて」と題して講演しました。子どもの医療費無料化や産廃処分場建設反対、消費税増税、年金削減反対の取り組みなど各団体の活動を交流しました。

(２０１３年１２月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争の歴史真実学ぼう／静岡・沼津で集い

　静岡県沼津市で６日夜、「戦争と平和を考える市民のつどい」が行われ、１５０人が参加しました。主催は平和団体のオリーブジャムと沼津母親連絡会です。

　日本軍「慰安婦」問題で、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンターの西野瑠美子共同代表が講演し、俳優の有馬理恵さんが朗読・ひとり語り・ひとり芝居をしました。

　西野代表は、日本軍による強制的な性奴隷化はインドネシアで行われたＢＣ級戦犯裁判で認定されていると説明。安倍総理をはじめ自民党や維新の会が事実を消し去ろうとするのは新たな戦争へ向かう目的を持っていると指摘し、「加害の事実を忘れず、過去を反省し、過ちを二度と繰り返してはいけない」と訴えました。

　有馬さんは、強制連行され性奴隷とされた女性たちの体の痛み、心の傷を表現し、「日本政府が事実を認め、人間としての尊厳を回復してほしい」という被害女性たちの訴えを熱く演じました。

　オリーブジャムの萩原繁之事務局長は、「秘密保護法により民主主義と人権が圧殺され、歴史の事実がなかったかのようになってはいけない。未来のために真実を学び、役立たせていこう」と呼びかけました。

(２０１３年１２月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」立法解決を／課題話し合う／市民団体が懇談会／高橋・紙・田村各議員が出席

　日本軍「慰安婦」問題の早期の立法解決を求める市民団体が１０日、参院会館内で懇談会を開き、解決への課題を話し合いました。

　懇談会では、１９８１年に日本で初めて「慰安婦」の事実を放映したといわれる番組「１１ＰＭ」のビデオを上映。戦後補償ネットワークの有光健世話人代表は「被害女性の梅毒検査を行った軍医の証言や日本の産業『慰安婦』被害者の証言もある貴重な資料だ」と語りました。

　８月に韓国で被害女性の代理人として調停を申し立てた崔鳳泰弁護士があいさつ。日本政府が賠償は解決済みとしている日韓基本条約について、韓国政府が公開し、放棄した請求権に日本軍「慰安婦」などは含まれていないと指摘。「韓国政府が日本政府に要求しているのは日韓請求権協定にもとづく政府間協議だ。協議を進めるために日本も条約を公開することが必要だ」と強調し、立法による解決を求めました。

　日本共産党から高橋ちづ子衆院議員、紙智子、田村智子の両参院議員が出席。紙議員は「歴史の事実をゆがめる安倍内閣は許せない。日韓請求権協定の定めの通り、解釈に紛争があるのだから政府間で協議すべきだと迫っていきたい」と語りました。民主党議員も参加しました。

( ２０１３年１２月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

１０

秘密保護法実施させない／大会で特別決議／新婦人大阪府本部

　新日本婦人の会大阪府本部は８日、第２７回大会を大阪市で開きました。「改憲ゆるさず、くらし、平和、ジェンダー平等を　あふれる女性の願いを行動に、新婦人いまこそ大きく」の大会議案と秘密保護法を実施させない特別決議を採択。安倍自公政権、橋下・「維新の会」の危険な暴走を阻止する決意を固めあいました。

　川本幹子会長はあいさつで、秘密保護法の強行採決を「歴史の歯車が逆戻りしたようなとんでもない法」と批判。「戦後の女性運動の原点は二度と戦争したくないという誓いです。新婦人は憲法改悪に反対し、軍国主義復活を阻止します。元気と勇気を分けあえる仲間がいることを誇りに頑張りましょう」と呼びかけました。

　各支部がくり広げてきた多彩なとりくみを交流しました。

　「秘密保護法許せないリレートーク」では「『知らない間に戦争になっていたということがないように』と４人の子を連れたお母さんが署名」（泉北ニュータウン支部）、「職員に自衛隊の研修をさせるなど、改憲・戦争する国づくりを先取りする市政に対し、平和と暮らしを守る運動を続ける」（泉佐野支部）などの発言がありました。

　豊中支部の森本久美子さん（４０）は「新婦人に出会えたのは私の運命です」と満面の笑みをみせました。「出会うまで社会でおかしいと思うことに声を上げることを知りませんでした。暮らしと政治は密接につながっていることをわかりやすく発信し、仲間を増やしたい」と語りました。

　大阪憲法会議の梅田章二幹事長、「橋下市長の『慰安婦』・性暴力発言を許さず辞任を求める会」の中野冬美さん、日本共産党の宮本岳志衆院議員が来賓あいさつしました。堺市の竹山修身市長がメッセージを寄せました。

(２０１３年１２月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

広島で慰安婦学習会

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークはこのほど、広島市中区の原爆資料館で学習会を開き、約３０人が参加しました。

　同ネット共同代表の一人で、日本軍による強制連行などの裁判に取り組む足立修一弁護士が「政府の『解決済み論』を克服する」と題して講演しました。

(２０１３年１２月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下市長の辞任求める／「慰安婦」問題でシンポ／大阪

　日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークは１日、シンポジウム「維新・橋下市長の歴史認識を問い、辞任を求める」を大阪市内で開きました。吉見義明中央大教授や梁澄子（ヤン・チンジャ）日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表、方清子（パン・チョンジャ）関西ネット共同代表が討論しました。

　吉見氏は、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）が「慰安婦」問題に関する発言を次々変える一方で、一貫して▽軍・政府の責任は認めない▽性奴隷ではない―と内外で対応を使い分けていると指摘。「維新」の桜内文城衆院議員が吉見氏の著書を「捏造（ねつぞう）」だと名誉棄損の発言をしたとして提訴した経緯をのべ、「日本軍『慰安婦』制度は性奴隷制度であったことを多くの方と協力してさらに明確にしていきたい」と話しました。

　梁氏は、問題の解決には事実認定をしたうえで謝罪、その証明としての国家賠償が必要だとし、事実は認めず謝罪に言及する橋下氏の主張は通らないと批判。安倍政権や「維新」が強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話の見直しを掲げており、「橋下氏の主張は基本的に安倍政権と同じで、政権を側面で支える役割を担っている。河野談話を守るというだけでは被害者の望む解決にはならない」と語りました。

　弁護団の大森典子弁護士が裁判の支援を訴え。会場からの「『世界でもやっていた』にどう反論すれば」などの質問に、「『慰安婦』とされた人たちが閉じ込められ、性を強制され暴力を振るわれたことを見れば性奴隷であることは明確」（大森氏）と答えました。

( ２０１３年１２月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

波動／ＮＨＫ会長の資格とは／隅井孝雄

　ＮＨＫをウオッチしている市民団体が、１１月上旬相次いでＮＨＫ会長の公正な選出を求める要望書をＮＨＫ経営委員会に提出した。「ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」「ＮＨＫ問題京都連絡会」、「ＮＨＫ問題を考える会（兵庫）」などだ。いずれも政治的にも公正で見識のある人物を強く望んでいる。

　そうした中で「会長選出の任に当たるＮＨＫ経営委員会の��指名部会�≠ｪ１１月２６日に開かれ、会長資格要件を決めた」という報道に接した。「公共放送の使命への理解、政治的中立性など６項目が要件」（ｙｏｍｉｕｒｉ　ｏｎｌｉｎｅ１１月２６日）だという。１２月１０日に候補を決めることも明らかになった。松本正之現会長の任期切れは２０１４年１月２４日。気になるのは安倍首相の周辺でしきりに会長交代論が出ていることだ。「自民党などから、原発再稼働やオスプレイをめぐるＮＨＫの報道姿勢に不満がくすぶっているとされる、また民主党政権時代の人事は白紙にしたいという思いもある」（東京新聞１１月１９日）との報道もある。

　最近経営委員に安倍首相ときわめて近い人物が選ばれた。会長の選出には１２委員のうち９人の賛成が必要であるため、「首相の意中の会長にするべく送り込んだ」といわれる。安倍首相は以前から、ＮＨＫに対してはなみなみならない関心を抱いていたことでも知られる。従軍慰安婦関連番組の改変についても安倍氏の関与が指摘された（２００７年１月、東京高等裁判所判決）。

　ＮＨＫ経営委員会には１２月から、安倍周辺グループが委員に加わるが、それに先だって政治的中立などの資格要件が決められたことは一定の意味を持っているといえよう。

　ＮＨＫは視聴者の受信料で支えられる公共放送である。当然のことだがその会長は文化的識見を持ち、政治的中立性とジャーナリズムへの深い理解が要求される。また再任にせよ、新任にせよ、候補者の所信表明公表の機会を持つこと、あるいは候補者を公募することなど視聴者の意向を直接反映することも必要ではないか。

　（すみいたかお　ジャーナリスト）

( ２０１３年１２月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」根本解決を／研究者ら、吉見氏裁判支援へ

　日本軍「慰安婦」問題研究者の吉見義明中央大学教授が、自らの著書を日本維新の会の桜内文城衆院議員に｢ねつ造｣と誹謗（ひぼう）されたことについて名誉棄損で東京地裁に提訴した裁判をめぐり、支援する研究者が８６６人の賛同で吉見氏を支持し「慰安婦」問題の解決を求める声明を発表しました。呼びかけ人が２９日、大阪市で会見しました。

　桜内氏は今年５月、日本外国特派員協会での橋下徹大阪市長の記者会見に同席したさい、「吉見さんの本を（司会者が）引用されておりましたけれども、これはすでにねつ造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と吉見氏の著書を侮辱しました。

　ところが、桜内氏側は「ねつ造」と述べたのは吉見氏の著書ではなく「性奴隷」という概念だと主張。「『慰安婦＝日本軍の性奴隷』という虚偽を世界に発信している吉見氏の讒訴（ざんそ）を法廷で粉砕します」などと開き直っています。

　声明では、桜内氏の不誠実な法廷戦術への憤りを表明するとともに、桜内氏側の論理の背景には、過去の日本の過ちから目をそむけ、被害者に責任を転嫁することで自らを正当化する「ゆがんだ歴史観がある」と指摘。｢慰安婦｣問題の根本的解決が近隣諸国との真の和解を成し遂げるために不可欠との認識に立ち、研究の自由を守るためにも、裁判で吉見氏を全面的に支持すると表明しています。

( ２０１３年１２月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

（1１月）ヘッドライン

３０

秘密保護法反対／知ろうとすることが罪に／超党派８市議が宣伝／大阪・高槻

市民が主役の岸和田に／市長選で信貴氏当選／民主市政の会声明

２５

未来のために行動／全国高校生集会が閉幕／広島

日本は過去とどう向き合ってきたか／山田朗著／評者川田文子ジャーナリスト

20

おはようニュース問答／ＮＨＫ新経営委員、早くも報道に影響？

秘密保護法廃案求め声明／憲法を考える歌人のつどい

一点共闘の要、革新懇元気／地域／職場／青年／憲法

ＮＨＫ経営委員／安倍首相��偏向�＄l事／憲法否定／国防軍保持論者ら／公共放送の私物化に

「慰安婦」問題の解決を／小池氏あいさつ／日韓平和シンポ

都議会みんなの党、維新と合同会派結成に向け検討

教科書検定基準改定／近隣諸国条項骨抜きにする／子どもと教科書全国ネット２１の俵義文事務局長の話

潮流

「秘密保護法案」に反対／ジャーナリストの会見から／下

「慰安婦」写真展中止／東京地裁でニコンが説明

１０

韓国大統領「日本は考え方改めよ」

釈迦内柩唄見て人権問題考える／岡山

岸和田に維新市政ノー／「明るい会」女性連絡会が宣伝

婦団連、民法改正へ３署名提出／選択的夫婦別姓など／穀田議員「運動心強い」

アベさまのＮＨＫ？／経営委員人事で何ねらう／秘密保護法や原発報道に影響も

朝の風／強制連行を否定する口実

米副大統領、来月２日に来日

５

日本と会談、意味なし／歴史認識で反省ないと批判／韓国大統領

ＴＰＰに反対／かかしも訴え／群馬県母親大会

全支部で綱領学習／共産党にほれ直した／岡山・倉敷市二福支部のＴ・Ｔさん手記

女子挺身隊賠償命じる／太平洋戦争時「三菱重が過酷労働」／韓国・光州地裁

大阪壊さんとって／ストップ・ハシズム集会

11月（本文）（Page/Top）

30

秘密保護法反対／知ろうとすることが罪に／超党派８市議が宣伝／大阪・高槻

　「秘密保護法案はなんとしても廃案に」と２８日、大阪府高槻市の市議が党派を超えてＪＲ高槻駅前で宣伝を行いました。超党派での宣伝は同市では初めて。１２月４日にはパレードを行います。

　ともに宣伝したのは日本共産党の３氏と社民党、緑の党各１氏、無所属３氏の合わせて８氏。日本共産党の宮原威府議も参加しました。民主党の市議は同時刻に同駅の反対側で宣伝しました。

　８氏はそれぞれ衆院の強行採決に抗議するとともに、「正しい情報が国民に伝わらなくなる。これほど恐ろしい法案はありません」「何が秘密かは秘密にされ、知ろうとするだけで罰せられます。これでは私たちの命は守れず、戦争反対も言えません」と訴えました。

　同市では、自衛隊のイラク派兵反対や、府の教育基本条例制定に反対する意見書、橋下徹市長に対する「慰安婦」暴言への「猛省と責任の自覚を促す決議」など、超党派の議員の賛成で可決してきました。

　今回の超党派の宣伝はこれまでの積み重ねのうえに実現したもので、日本共産党の中村玲子市議団長が無所属の二木洋子市議や民主党市議に声をかけたのがきっかけです。

　訴えに拍手を送っていた松本千峰さん（５４）は、「知る権利や言論の自由が侵害され、なしくずし的に憲法が改悪されていくのでは」と不安を語り、反対の声をあげていきたいと話しました。

(２０１３年１１月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

市民が主役の岸和田に／市長選で信貴氏当選／民主市政の会声明

　大阪府岸和田市長選で「岸和田民主市政の会」が自主的に支持した信貴（しぎ）芳則氏が当選。橋下・「維新」に審判を下した２４日夜、同会は声明を発表しました。

　声明は、会が維新による地方自治破壊を許さない立場で政策の最も近い信貴氏の支持を決め、たたかったと指摘。「橋下・維新が大阪市で進める市民の暮らし切り捨てや従軍慰安婦発言、職員の思想調査など異常な人権感覚に基づいた『維新政治』を歴史と伝統ある岸和田市に持ち込ませるのか、市民が主人公の市政を発展させるのかが問われた選挙だった」としています。

　信貴氏が「岸和田のことは岸和田で決める」「府や大阪市、維新のいいなりにはならない」と反維新を明確に打ち出したと紹介。「維新政治の岸和田市政への持ち込みノー」の目標で党派を超えて幅広い市民との共同の輪が広がり、堺市長選での維新ノーの流れを岸和田でも広げ、維新を隠しても維新政治は受け入れられないことを示したことは大阪での橋下・維新とのたたかいに決着をつける意義のある結果となるものと強調。

　「信貴氏を先頭に岸和田で長く培われた市民が主役の『生きる希望の持てるまち・岸和田』をつくっていくスタートになる」と述べています。

(２０１３年１１月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

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未来のために行動／全国高校生集会が閉幕／広島

　広島県で行われていた「平和・人権・民主主義を考える第４９回全国高校生集会」は２４日、閉幕しました。３日間で京都、岡山、広島、山口の４府県から、のべ３１２人が参加しました。

　２日目からは海田町の広島国際学院高校で五つの分散会が開かれ、生徒会活動や学校行事、旧日本軍「慰安婦」問題、非正規雇用、スマートフォンの影響など１８本のリポート報告をもとに討論しました。

　閉会集会では「私たちは学びました／核の恐ろしさを／私たちは考えました／地域や学校のことを」「広げよう仲間の輪を／行動しよう未来のために」とのアピールを採択。来年１１月に京都府で開く第５０回記念集会での再会と成功を誓い合い、閉会しました。

( ２０１３年１１月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

日本は過去とどう向き合ってきたか／山田朗著／評者川田文子ジャーナリスト

戦後世代の戦争責任追及の意味

　「美しい国」「強い国」を標榜し、戦争をできる国づくりに邁進する安倍政権下、政界やネット社会で歴史修正主義が蔓延している。「歴史を直視せず、現実にあったことを『なかった』とする考え方」だ。日本が行った侵略戦争を当時の戦争観と同様「アジア解放の戦争」と捉え、植民地支配を肯定する価値観や認識である。

　この書は�@河野談話（「慰安婦」問題）、村山談話（侵略・戦争、植民地支配）、宮沢談話（教科書検定基準の「近隣諸国条項」）の排除をもくろむ政界�A靖国の思想�B歴史修正主義を支える戦争観�C現代における∧戦争責任∨とは何か―の四つの主題について歴史修正主義の誤りを論証している。

　著者は「戦争非体験世代」（人口の８割余）が戦争責任を追及する意味は、歴史状況の中で国家の判断・行動がもたらした結果を実証的に検証し、因果関係や責任の所在を明らかにし、国民の共通認識として定着させることだと指摘する。戦争体験世代ができなかった戦争の後始末を現代に即した形で行うことは新しい社会・国際関係を築き、未来を切り開く作業になる､と｡

　歴史修正主義の戦争肯定、他国・他民族排斥、国家（天皇）中心の思想、無条件での犠牲の神聖視は靖国の思想と重なる。上級司令部の作戦の失敗による部隊全滅を「玉砕」と粉飾、全滅指揮官を「軍神」とあがめ、若者ばかりか４０代まで戦場にかり出し、戦死者を「英霊」として靖国に祀った。�U章の「∧靖国の思想∨と特攻」は近代日本の膨張政策による無謀な戦争の愚かさを照射してあまりある。男女ともに戦争遂行に全生活を犠牲にする、そんな時代を再来させない力を培う書である。

　やまだ・あきら　５６年生まれ。明治大学教授。

( ２０１３年１１月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

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おはようニュース問答／ＮＨＫ新経営委員、早くも報道に影響？

　晴男　最近のＮＨＫニュースがひどい。

　みどり　同感ね。

　晴男　消費税増税やＴＰＰ問題はもちろん、秘密保護法案も政府・与党の言い分をそのままたれ流すだけなんだ。

　みどり　国会で新たに承認された５人のＮＨＫ経営委員が安倍首相に近い人物だと話題になった。首相の応援団や元家庭教師とか…。

「９条改悪」布陣

　晴男　ニュースに早くも影響が出ているのか。

　みどり　市民団体が開いた集会で、元ＮＨＫのプロデューサーが「首相の意を受けたＮＨＫ経営委員が大量に入ってくるのを怖がって、すでにニュース報道がねじ曲がっているのではないか」と危惧していた。

　晴男　一体、５人はどんな人物なんだい？

　みどり　憲法改悪に反対する人たちを「９条教信者」だの「妄想平和主義者」と悪口を浴びせる作家や、右翼・改憲団体「日本会議」の代表委員を務める学者もいる。

　晴男　「近い人物」どころか、安倍首相が執念を燃やしている「９条改悪」の意を受けた布陣というわけだ。でも、経営委員は、放送内容に口を出せないんだろう？

　みどり　当然よ。でも、番組の制作・編成について責任を負う会長の任免権を持つ。首相の狙いは、来年１月に任期が切れる会長の後任に自分の取り巻きを据えることだと指摘されているわ。

　晴男　現会長の経歴は元ＪＲ東海副会長だよ。

　みどり　今の会長は職員の給料をカットするなど経営に大ナタを振るった。一方で、番組内容については細かくチェックしない人物だという。原発報道や復興予算のムダ遣いを追及した番組に対して、自民党内部から「偏向報道」の強い批判があがったのよ。

首相には��前科��

　晴男　実際、安倍首相には日本軍「慰安婦」を扱ったＥＴＶ番組に圧力をかけて改ざんに追い込んだ��前科�≠ｪある。このままでは、「みなさまの受信料」で支える公共放送が、「アベさまのお友達」が支配する国営放送になりかねない。

　みどり　市民団体が今回の経営委員人事に反対する要望書をＮＨＫや国会に送ったそうよ。委員は私たち視聴者の代表なのだから、これからしっかり言動を監視していく必要があるわね。

　( ２０１３年１１月２０日，「赤旗」）（Page/Top）

秘密保護法廃案求め声明／憲法を考える歌人のつどい

　９回目となる「憲法を考える歌人のつどい」（主催・憲法九条を守る歌人の会）が１６日、東京都内で開かれ約６０人が参加しました。冒頭に、秘密保護法案の撤回と廃案を求め、明文改憲や解釈改憲、国家安全保障法に反対する声明が拍手で確認されました。

　笠原十九司・都留文科大学名誉教授が、「日本軍兵士は中国戦線において何をしたか」と題して講演しました。安倍政権が教科書の検定基準を変えて政府見解を書かせようとしていることに触れ、「中国で日本兵が何をしたかの実態を、いまこそ知る必要がある」と指摘。捕虜刺殺や虐殺を拒んだ兵士・渡部良三が戦争中に詠んだ歌を『歌集　小さな抵抗　殺戮（さつりく）を拒んだ日本兵』から選び、〈隠れ居し老か火達磨に叫びつつまろびいでしを兵は撃ちたり〉〈終身の未決囚の如き兵等いま慰安婦のいのち踏み躪（にじ）るなり〉など、詳しく紹介しました。

　雁部（かりべ）貞夫さんが土屋文明の大陸歌集『韮菁集（かいせいしゅう）』について講演。農婦として生き、戦死した夫を思い歌を詠んだ相原ゆうの歌が『柊（ひいらぎ）の花』から朗読されました。「憲法九条を守る歌人の会」の歌集『憲法を詠む』（第６集）の歌も読みあげられました。

( ２０１３年１１月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

一点共闘の要、革新懇元気／地域／職場／青年／憲法

　「激突の情勢　政治を変える新しい共同を」をスローガンに堺市と大阪市で１６、１７両日開かれた地域・職場・青年革新懇の全国交流会。「一点共闘の要」となり、「政治革新の懸け橋」となる革新懇の役割に確信を深め、新しい日本をつくる勇気と展望が参加者にみなぎる交流会となりました。

地域／市民の声、政治動かす

　「９条守れの駅頭宣伝は９年、消費税増税反対は６年、原発反対は１年、年末年始も休まず続けている。『一点共闘』をやればやるほど、アメリカと財界いいなり政治でいいのか、という声が広がっている」

　粘り強い活動で市民世論を変えていると報告した大阪寝屋川革新懇。「要求実現、政治革新の共同センターの役割を果たそう」と力をこめました。

　「生活密着型の革新懇」と注目された横浜市の岸谷地域革新懇。ＪＲ踏切事故を機に安全対策運動に取り組み、革新懇の署名用紙が町内会に回覧され、署名は有権者の２０％を突破。テレビで全国に紹介され市やＪＲが対策に踏み出したと述べると、驚きの声。「地域から共同を前進させたい」と語りました。

　奈良あすか革新懇は憲法から落語寄席、河川清掃とユニークな活動を紹介。福島、宮城では復興と政治革新を結び付けて活動。山梨・韮崎革新懇は議会請願の改善に取り組み、請願提出者の趣旨説明や、必要な紹介議員数を２人から１人にさせるなど市民の声で政治を動かす取り組みを前進させていると述べました。

　福井県では秘密保護法案反対を県下の各党に呼びかけ共産、民主、社民、維新の野党４党共同アピールが実現したと報告。「地元マスコミで革新懇の呼び掛けで実現したと紹介された」と述べました。

職場／立場の違いを超えて

　職場革新懇は労働組合や立場の違いを超えて活動しています。

　大阪府の国公職場では非正規や委託先の労働者も取り組みの対象とし、管理職も参加。代表は「大きく広げる立場で、今こそ頑張る必要がある」と述べました。山梨県の教育職場では小中高校、大学の教職員、ＯＢなどが参加。学校統廃合問題など教育をテーマに学習会を開き、政治革新の多数派をめざして活動しています。

　参院選での日本共産党の躍進によって革新懇運動にも変化が―。

　大阪市役所の代表は、参院選と堺市長選後、門前配布ビラの受け取りがよくなるなど職場の変化を感じているとのべ、「大阪都」構想を許さない共同を広げていくとのべました。マツダの代表は、山口地裁で正社員と認められた、「非正規切り」とたたかう原告団が職場復帰するまで頑張ると語りました。

　東京の西武鉄道で活動する代表は、利用者の安全を守ることなど、地域に根ざした鉄道をめざす提言活動にも取り組みたいと表明。「利用者ともつながれる課題だ」と述べました。全日空職場の代表は秘密保護法案に対し、米軍機のニアミス報告や米軍規格が多い部品の扱いなどで処罰されかねない危険な法案と批判しました。

　日本共産党の山下芳生書記局長代行が発言。職場情勢の最大の特徴として、�@反共の壁が崩れ、党への新たな期待が広がっている�A賃上げによる景気回復など職場で一点共闘の条件が広がっている�B一点共闘を統一戦線に発展させる上で職場は特別の重要性がある、と述べました。

青年／身近なところから出発

　青年革新懇では、身近なところから政治の実態を知り、政治革新の多数派をつくる動きが始まっています。

　北海道では札幌市議会の傍聴ツアーを実施。「青年が声を上げていかなければならない」と話し合いました。神奈川県では、米軍基地の現地調査を実施。音楽活動をしている女性が「平和的なものと相いれない。米軍基地は断固反対です」と語りました。

　ブラック企業の学習会を開いているのは大阪わかもの革新懇。小玉洋子さん（３６）は社会のことを話せる場が新鮮だと感じたと述べ、「もっと人数を集め、政治や社会を変えていきたい｣と語りました｡

　全国に先駆け青年革新懇を結成した愛知の山本晃子さん（３１）は、各分野の青年の横のつながりがない状況をあげ、「集まりたいと思える企画を立てて、ゆるやかにつながってお互いに励まし合えるネットワークの役割を革新懇が果たしたい」と語りました。

　日本民主青年同盟の田中悠委員長は、３・１１キャンドルデモ、ネット上の「９条、いいね！キャンペーン」などにふれ、青年の感性を大事にしながら幅広い青年を結集していこうと呼びかけました。

　日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は「日本共産党だけで社会を変えられるとは考えていません。広範な人たちと変えていきたい。国会議員は世論の盛り上がりを敏感に感じています。多くの声をあげていただきたい」と期待を込めました。

憲法／改悪反対の世論広げて

　憲法をめぐっては、「９条の会」などと一緒に宣伝署名、集会、保守層との共同など改悪反対の世論を広げています。

　京都府の乙訓革新懇は、地域の全「９条の会」に集会開催を呼びかけ、「あなたは子や孫を国防軍に行かせますか」と連日宣伝。医師、作家、住職、社民党や無所属の市議など各界８２人の賛同で、３３０人が参加する集会となりました。革新懇の代表は、「９条の会」で積極的に奮闘するとともに、憲法を守る政治に変えていくことが重要だと強調しました。

　沖縄革新懇の代表は「軍事基地があるのは日米安保条約が憲法９条を侵しているからだ。革新懇が安保廃棄の世論を広げていく必要がある」と述べて、革新懇の役割を指摘しました。

　日本軍「慰安婦」をめぐる暴言をはじめ橋下「維新」のもとで大阪市民は痛めつけられてきたが力もつけてきた―。こう強調したのは、新婦人大阪府本部の代表。秘密保護法案反対で府内の女性団体に呼びかけて緊急女性パレードを行ったと報告しました。「廃案へたたかいをさらに広げ、戦後ずっと続けてきた憲法９条を守る運動もさらに頑張りたい」と語りました。

( ２０１３年１１月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

ＮＨＫ経営委員／安倍首相��偏向�＄l事／憲法否定／国防軍保持論者ら／公共放送の私物化に

　安倍晋三首相主導の��偏向�＄l事に批判が高まっています。安倍内閣提出の新しいＮＨＫ経営委員を８日、自民、公明、維新、みんなの各党の賛成で承認しました。来年１月に松本正之ＮＨＫ会長の任期切れを控えており、ＮＨＫと政治との距離が、再び大きく問われています。

　同委員会は、ＮＨＫの最高意思決定機関。任期は３年で会長の任免、経営方針の議決などの権限を持っています。ＮＨＫ会長は、委員１２人のうち９人以上の賛成で選ばれます。

　今回補充されたのは５人(新任４人､再任１人)｡このうち新任の百田尚樹氏(作家)と埼玉大学名誉教授の長谷川三千子氏は、昨年の自民党総裁選で安倍首相を支援する民間人有志の会の発起人。日本たばこ産業（ＪＴ）顧問の本田勝彦氏は、首相の小学生時代の家庭教師｡中島尚正氏は､首相のブレーンとされる葛西敬之東海旅客鉄道（ＪＲ東海）会長が副理事長を務める学校の校長です。

　「経営委員会は私的懇談会とは違います。こんなに露骨な縁故主義は聞いたことがない｣というのは｢ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の湯山哲守さん。

　「報道の公正性は権力の恣意(しい)的なコントロール下においてはならないものです。ＮＨＫ会長人事はもちろんのこと、ＮＨＫに番組改変を迫って実現させた実績を持つ安倍氏が首相であることを考えると、政権の放送内容への干渉が極めて憂慮されます」

　その番組とは慰安婦問題を扱った「ＥＴＶ２００１｣｡放送前日、当時官房副長官だった安倍首相は首相官邸に出向いたＮＨＫ幹部に｢公正中立に｣と注文｡その直後に番組は大幅改ざんされました。

　同番組のプロデューサーだった永田浩三さん(武蔵大学教授)は今回の人事で選ばれた長谷川、百田両氏の言動を問題視します。長谷川氏は「第９条の神話を一回、突き崩す必要がある」とネットＴＶチャンネルＡＪＥＲで公言。百田氏もツイッターで「現行憲法下では満足に応戦できない」と国防軍を持つことを主張しています。

　「放送法には経営委員の要件として公正な人とあります。放送法は､不偏不党をうたい､放送が健全な民主主義の発達に資するように、と書いています。放送機関の経営を直接担う人が日本国憲法の根幹をやゆしたり、否定するのは間違っています。明らかに不適格といっていい」

　ＮＨＫには戦前、国策宣伝機関として国民を戦争に駆り立てていった歴史があります。その反省から戦後、ＮＨＫは再出発。経営委員会は、権力からの独立を保障する機関として設置されました。

　しかし､｢それが悪用されかねない事態」だと永田さん。第１次安倍内閣のときに��政治任用�≠ｳれた古森重隆経営委員長が、０７年９月の経営委員会で「選挙期間中の放送については、歴史ものなど微妙な政治的問題に結びつく可能性もあるため、いつも以上にご注意願いたい｣と発言し､大きな問題に。さらにさきの放送法改定で経営委員の権限は格段に強化されました。

　９日、山口市で開かれた「視聴者のみなさまと語る会」（経営委主催）では、今回の人事に視聴者から「安倍さんは、ＮＨＫを自分の息のかかった放送にしようとしているのではないか」と疑問の声があがりました。

　日本共産党は今回の経営委員人事について｢特定の立場､首相との関係に異常に偏った人選になっている。公共放送の私物化になりかねない｣(志位和夫委員長)として反対｡同意人事には「視聴者コミュニティ｣や｢ＮＨＫ問題京都連絡会　京都メディア研究者の会｣｢ＮＨＫ問題を考える会（兵庫）」「放送を語る会」が否決を求める要請文を衆参両院の議長らに送付しました。

(２０１３年１１月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題の解決を／小池氏あいさつ／日韓平和シンポ

　「東北アジアの平和と繁栄のための日韓平和シンポジウム」が１６日、都内の日本プレスセンターで行われました。韓日親善協会、在日本大韓民国民団などの主催で、両国の市民団体、政界、宗教界などの代表ら１５０人が参加しました。この開会式に日本共産党から小池晃副委員長・参院議員が出席し、来賓あいさつしました。

　小池氏は、この地域で友好と協力をすすめ、平和を確かなものにするためにも、「日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台」と強調。特に日本軍「慰安婦」問題の解決は、被害者らの年齢を考えても「待ったなしの課題だ」とのべました。

　アジアや世界で日本の「右傾化」へ懸念が強まっていることに小池氏は、「日本国民の中には、歴史をゆがめる逆流への理性的批判も広がっている」と指摘。自身も参加した在日韓国人などへのヘイトスピーチに反対する市民の大パレードを紹介しました。

　日韓関係の改善と北東アジアの平和のため、いっそうの努力を表明した小池氏には、シンポ参加者から大きな拍手が送られ、「いいあいさつでした」などの感想が寄せられました。小池氏は、韓国の各界の参加者や国会議員と懇談しました。

( ２０１３年１１月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

都議会みんなの党、維新と合同会派結成に向け検討

　都議会の「都議会みんなの党」（野上幸絵幹事長、３人）と「日本維新の会都議団」（柳ケ瀬裕文幹事長、２人）が、年内をめどに合同会派を結成することを検討していることが１５日、明らかになりました。

　みんなの党と日本維新の会は、７月の都議選を前に共通政策をつくり選挙協力を行うことで合意しましたが、橋下徹維新共同代表の「慰安婦」暴言を契機に、協力を解消していました。

　みんなの党は都議選で１人から７人に増え、７月２３日に「都議会みんなの党」の会派結成届を議長に提出。維新側から合同会派結成の提案をうけましたが、幹事長人事などをめぐり、会派結成２日後に「都議会みんなの党」と「みんなの党」（両角穣幹事長、４人）に分裂し、合同会派構想は挫折していました。

( ２０１３年１１月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

教科書検定基準改定／近隣諸国条項骨抜きにする／子どもと教科書全国ネット２１の俵義文事務局長の話

　「プラン」の内容は自民党の教育再生実行本部の報告がいってきたもので、一政党の意見そのままに検定基準の改定をすることは手続き上も問題です。その内容は事実上、近隣諸国条項を骨抜きにするものです。特定の見解を強調するなとして、「南京事件はなかった」という主張も書かせたり、政府見解として「日本軍『慰安婦』の強制連行はなかった」、「解決ずみだ」と書かせることを狙っています。日本の侵略戦争の事実を書く教科書を、教育基本法の愛国心条項に反するとしてなくそうとするものです。

近隣諸国条項

　教科書検定で日本の「侵略」を「進出」などと書き直させていたことが１９８２年に国際的な批判を浴びたことがきっかけで、社会科の教科書検定基準に設けられた条項｡｢近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮」をすることを求めています。

( ２０１３年１１月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

潮流

　「私たちは特定秘密保護法案に反対します」という横断幕を手にずらりと並んだキャスターら８人。みんなテレビでおなじみの人です。励まされると同時に、そこにＮＨＫの人がいないことが残念でなりません▼日本民間放送連盟（民放連）は、６日に開かれた全国大会でも井上弘会長が秘密保護法案について言及。「知る権利と取材・報道の自由は民主主義の要であり礎であります。毅然とした姿勢で報道にあたっていただき、広く国民的関心と議論を喚起していただきたい」と各社に要望しました▼一方のＮＨＫはどうか。会長はもちろん、労働組合も「音なし」の構えです。放送関係者や市民でつくる「放送を語る会」のモニター結果を見ても、秘密保護法案のＮＨＫの報道は民放に比べて及び腰です▼安倍晋三内閣の意向を推察して既に報道の自粛が始まっているのではないか。そんな声も聞かれます。先ごろ国会同意人事で承認されたＮＨＫ経営委員は皆、安倍首相の��側近�≠ﾅした。憲法否定・国防軍保持論者、復古主義者…。思想的偏りは否めません。経営委員会が権力の代弁者になりかねない事態です▼安倍首相は２００１年の「慰安婦」問題を扱った番組でも介入して番組を変えさせた実績を持っています。ＮＨＫはいまだに政治圧力を否定しています▼ならば秘密保護法案も「毅然とした姿勢で」報道にあたるべきでしょう。「健全な民主主義の発達に資する」（放送法）という放送の使命は公共放送こそ担っているはずです。

( ２０１３年１１月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

「秘密保護法案」に反対／ジャーナリストの会見から／下

事実上取材できない／田原総一朗さん／テレビキャスター

　私が大臣を取材するとき、過去の発言との矛盾をついて「本当はどうなんだ」と聞く。この法案が通ったら「教唆・扇動」になると思う。官僚が「名を出さない」という約束で政治家に話す、それを政治家から聞いた記者が「○○省がこう言ってる」と書くと、「（政治家と記者の）共謀」になるだろう。これでは事実上取材ができない。

　もう一つ、自民党国会議員自身が秘密保護法をよく分かってない。アメリカには（保護される秘密について）二重三重にチェックする機関がある。日本には全くないと自民党幹事長に言ったら、「そうですね」と。こういうばかばかしい法律はあってはいけない。

安倍政権の体質反映／田勢康弘さん／日経新聞コラムニスト

　これほどの法案が出ているにもかかわらず、世の中があまり騒然としていないのは「メディアが困るだけだろう」という意識があるからで、その下地にはメディア不信があると思います。そこに政権が便乗している。われわれも反省しないといけません。

　（法案が出た背景に）今の政権の特殊性があります。（右傾化を狙った）憲法９６条改定や、靖国神社参拝、「従軍慰安婦」問題では、アメリカが賛同せず、ダメと言われた。いいと言われたのが、日本版ＮＳＣ（国家安全保障会議）と秘密保護法だったということです。

　政権の体質を見ても、初めからこれほど危ない法案はない。なんとしてもつぶさなければあかんと思います。

「多事封論」のおそれ／金平茂紀さん／ＴＢＳキャスター

　私が腹立たしいのは、「西山事件（外務省の機密漏えい）」が処罰対象になると担当大臣が言っていることです。沖縄返還に絡んで政府がアメリカと「密約」を結んでいたのに、「密約」はないと国民にうそをついていたということが本質です。それが処罰対象とはひどい、と心底憤りを感じます。

　２００２年にメディア規制３法が出たときに比べ、今はもっと息苦しい。当時、筑紫哲也さんは自身が担当していたニュース番組の「多事争論」を引き合いに「多事『封論』」と言っていました。多くの物事を自由に論じ合う空気を封じることを、私たちは体を張って止めなければいけない。法案は廃案にすべきです。

「戦争ができる国」に／鳥越俊太郎さん／テレビキャスター

　私は、ちょっと大きく考えてみたい。安倍政権は「レジームチェンジ（体制変更）」「積極的平和主義」と言っています。政権が求めているのは秘密保護法だけではありません。日本版ＮＳＣ（国家安全保障会議）を司令塔に、特定秘密保護法を手に持ち、最終的に集団的自衛権行使に踏み切る。これは「戦争をするよ」ということだと解釈しています。

　ＮＳＣ、秘密保護法、集団的自衛権の３点セットで「日本が戦争をできる国」にレジーム（体制）を変えるという。そのことを見抜いて、国民全体でこの法案に反対しなければならない。「廃案」を要求したいと思います。

( ２０１３年１１月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

「秘密保護法案」に反対／ジャーナリストの会見から／上

　「特定秘密保護法案」に反対し、１１日に東京都内で記者会見したメディア関係のジャーナリスト８人の発言要旨を２回に分けて紹介します。（発言順）

メディアは声あげよう／青木理さん／テレビコメンテーター・元共同通信記者

　非常に強い懸念を抱いています。法案には「テロ対策」目的なら秘密にできるという文言が入っています。長く警察を取材してきましたが、これが制定されれば、警察関連のほとんどの情報が特定秘密にされかねない。

　公安警察の本（『日本の公安警察』、１９９９年）を書いたことがありました。この法案ができれば、あの本はもう書けない。

　この１０年、メディアが急速に息苦しくなっています。どの社にも共通すると思いますが、みんな臆病になっているんじゃないか。もっと声をあげ、自由に振る舞うべきではないかと思っています。

「伏せ字」問うと教唆に／大谷昭宏さん／テレビコメンテーター・元読売新聞記者

　法案は、２１条で報道の取材については「正当な業務」であれば罰せられないとしている。一方２４条で、共謀、教唆、扇動が罪になると書いています。

　きょう皆さん方にお配りしている私たちの声明に黒塗りのところがあります｡｢この黒字で伏せているところを教えて｣と取材先に言えば｢教唆｣になるんです｡｢これは公共の利益のために必要だから､言ってくれ｣と頼めば､これは｢扇動｣になるわけです｡

　つまり私たちの取材すべてをひっかけられる。（２００９年に廃案にさせた）「共謀罪」を見事に復活させた、といえると思います。

　※共謀罪　犯罪の実行がなくても謀議だけで処罰を可能とする

��知らしむべからず�＝^川村晃司さん／テレビ朝日解説委員

　全文を読むと、基本的な法律の構造が「よらしむべし、知らしむべからず」となっています。とりわけメディアが萎縮してしまうことが懸念されます。

　「正当な行為による取材」と、「不法な方法」とは誰が判断するのか。非常に解釈の幅が広く取られて、メディア規制を前提とした法案になっています。

　たとえば田原（総一朗）さんが番組で「きちっと真実を言ってください」と閣僚に迫った場合でも「教唆」「扇動」と受け取れる。

　今の時点で世論調査では賛成より反対が多い。やはり国民も違和感を覚えているのではないかと思います。

後悔したくないから／岸井成格さん／テレビキャスター・毎日新聞特別編集委員

　今ここに座っているのは「後々後悔したくない」からです。

　なぜこの時期にこの法案が急浮上したか。おそらく最初はアメリカとの軍事情報に限られていたと思うんです。そこへいろんなものが入ってきて悪乗りした、という感じがします。

　報道の自由に配慮すると書いてありますが、あくまで「配慮」。「正当な取材」は問題ないといいますが、政府の考えとメディアの考えはしばしば違います。

　ただ、国民の関心が高まっていないのではないかと危機感を持っています。国会議員の国政調査権も相当制限されます。取材だけの問題ではないと考えてほしい。

( ２０１３年１１月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」写真展中止／東京地裁でニコンが説明

　戦後、中国に置き去りにされた朝鮮人日本軍「慰安婦」を題材にした写真展が会場を運営するニコンから一方的に中止通告された事件で、韓国人写真家の安世鴻（アン・セホン）さん＝名古屋市＝が、同社に損害賠償と明確な中止理由を求めている訴訟の第４回口頭弁論が１１日、東京地裁（志田原信三裁判長）でありました。

　同社は中止の理由を▽写真展に対し抗議の電話やメールが届き、安全性の確保が必要だった▽「慰安婦」問題は世論を二分する問題である▽「慰安婦」問題解決のための手段にされかねない―と主張。また、ニコンサロンがうたっている「写真文化の向上」は、ニコンの企業利益が前提であると説明しました。

　裁判所は中止決定が法律的にどう理由付くのか主張を求めました。

　報告集会で弁護団の岩井信弁護士は、「ニコンはいままでも、多様な題材を取り上げていることを自負している。写真家が企業の顔色をうかがうようになる」と指摘しました。

　安さんは「写真を通して被害者の苦しみを忘れないでほしいと思いました。問題解決のために利用されたと言われることに違和感を覚えます」と話しました。

( ２０１３年１１月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

１０

韓国大統領「日本は考え方改めよ」

　【ブリュッセル＝時事】欧州連合（ＥＵ）と韓国の首脳会議が８日、ブリュッセルで開かれました。韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は共同記者会見で、従軍慰安婦問題などをめぐり、「日本の指導者は考えを真に改めるよう努力する必要がある」と述べ、改めて日本批判を展開しました。

　朴大統領は「日韓は未来志向の関係に向けて成長すべきだが、従軍慰安婦やその他の問題では、過去を向いた指導者もいる」と主張。たとえ日韓首脳が会談しても関係改善につながらなければ、日韓国民は落胆し、逆効果だと語りました。

　朴大統領は英ＢＢＣ放送が４日伝えたインタビューでも、安倍政権が歴史問題で前向きな姿勢を示すまで、日韓首脳会談は困難と強調していました。

( ２０１３年１１月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

釈迦内柩唄見て人権問題考える／岡山

　地域人権運動岡山市連絡会はこのほど、岡山市で「第１０回人権と文化のつどい」を開きました。

　有馬理恵さん（劇団・俳優座所属）が「差別と戦争をなくすために」と、一人芝居「釈迦内柩唄（しゃかないひつぎうた）」のダイジェストを演じました。

　全国の４８０ステージで公演してきた「釈迦内柩唄」との出会いや両親のこと、自らの生い立ちなどに触れながら「ふるえるような怒りの奥底に、すがるような生命の願いがあった」と語り、最後に日本が侵略したフィリピンでの「従軍慰安婦」の叫びを演じました。

(２０１３年１１月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

岸和田に維新市政ノー／「明るい会」女性連絡会が宣伝

　「岸和田市に維新政治を持ち込ませない」と「明るい民主大阪府政をつくる会」女性連絡会と「岸和田民主市政の会」連絡会は７日、岸和田市のショッピングセンター前で宣伝しました。

　１４人が参加し、「子育てする岸和田で」「子ども医療費助成制度を広げよう」と書いた横断幕やのぼりを掲げ、「民主市政の会」のビラと「明るい会」「大阪市をよくする会」作製の橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言を批判したパンフを配りました。

　橋下氏の「慰安婦」に対する暴言は、人権無視の維新政治の本質をよく示しており、維新を名乗れなくても相手候補は、れっきとした維新の候補と指摘。「市民いじめの維新政治をこの岸和田に持ち込ませてはいけない、子育てするなら岸和田でと言われる市民にあたたかい市政を信貴芳則さんで実現しよう」と訴えました。

　「慰安婦」問題への関心は予想以上に強く、市民ら３０人が「パンフを読んでみます」と受け取りました。

(２０１３年１１月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

婦団連、民法改正へ３署名提出／選択的夫婦別姓など／穀田議員「運動心強い」

　日本婦人団体連合会（婦団連）は８日、選択的夫婦別姓の導入、婚外子差別の是正など民法改正を求める請願をはじめ三つの請願署名を国会に提出しました。

　婦団連の堀江ゆり会長ら各団体の代表が７８９７人分の署名（ことし合計約１４万人分に）を駆けつけた日本共産党の穀田恵二衆院議員に手渡しました。

　堀江会長は「最高裁が違憲判断した民法改正も、『慰安婦』問題の解決も『今こそ』と女性たちの運動も盛り上がっています。ぜひ採択を」と語りました。

　穀田議員は「みなさんの運動が心強い」とのべ、与党議員でさえ危険だと感じる秘密保護法案をめぐる国会情勢を語りました。

　三つの署名は、民法改正のほか、日本軍「慰安婦」問題の法的解決を急ぐことを求める請願、女性差別撤廃条約選択議定書のすみやかな批准を求める請願です。

( ２０１３年１１月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

アベさまのＮＨＫ？／経営委員人事で何ねらう／秘密保護法や原発報道に影響も

　大手民放幹部らとの会食を繰り返し、メディアを手なずけてきた安倍首相。公共放送ＮＨＫには自らの意向に沿う人物で経営委員を固めようとする手段に出てきました。首相のねらいはどこにあるのでしょうか。

第１次内閣時も

　あるＮＨＫ職員はいいます。

　「この人事は安倍さんがＮＨＫをコントロールしようとする第一歩。今回決まる委員も含めた経営委員がだれを会長に選ぶのかが、いちばん気になることです。政治権力に対抗して放送していくのが、ジャーナリズムの役目。焦点になっている原発、憲法、集団的自衛権などの問題を鋭く報道し続けられるかどうかにかかわってくる可能性があるからです」

　現在の松本正之会長（元ＪＲ東海副会長）の任期は来年１月まで。経営委員会は、執行部のトップである会長の任命権を持ち、１２人の委員のうち、９人以上の賛成で選ばれます。安倍政権は一気に公共放送の２トップを手中にしようとしているのです。

　安倍首相は、これまでも露骨な形でＮＨＫに介入してきました。第１次安倍内閣の２００７年、富士フイルムホールディングスの古森重隆社長が突然、経営委員長に内定しました。経営委員長は委員会での互選というルールを安倍首相が無視し、「自身との関係の近さ｣を決め手としました｡

　経営委員長にすわった古森氏は、会合で「国際放送では国益を主張せよ」「選挙期間中の歴史もの（番組）の放送には注意を｣と発言｡自民党議員を励ます会にも出席するなど、安倍首相に応えた��実績�≠�残しました。

　２００１年に日本軍「慰安婦」問題を取り上げたＥＴＶ番組へ圧力をかけて改変させたのも、当時官房副長官だった安倍氏です。

国会で否決を

　永田浩三武蔵大学教授は、ＥＴＶ番組のプロデューサーでした。永田氏は４日、神戸市で市民団体が開いたシンポジウムに出席。参加者に訴えました。

　「いま、ＮＨＫの秘密保護法についての扱いはきわめて小さく、自民と公明のやりとりをめぐる政局としてしか報じていない。首相の意を受けた経営委員が大量に入ってくるのを怖がって、すでにニュース報道がねじ曲がっているのではないかと思います」

　安倍首相の戦略に市民団体から批判の声が広がっています。「ＮＨＫ問題を考える会（兵庫）」（貫名初子代表）は１０月３１日、ＮＨＫ経営委員と衆参両院議長に対し「安倍首相の経営委員会人事をテコにしたＮＨＫへの介入と支配に断固反対する」とした声明を送付しました。

　「ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」（醍醐聰、湯山哲守共同代表）も４日、「側近を大量にＮＨＫ経営委員会に送り込む安倍首相の専断的手法を許さないために同意人事の否決を！」と題した声明を発表しました。

( ２０１３年１１月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／強制連行を否定する口実

　政府は１９９３年、「河野官房長官談話」で初めて「慰安婦」問題への軍と政府の関与を認めた。政府資料と関係者の聞き取り調査に基づくものだが「個人情報保護」を口実に開示してこなかった。

　「産経」は、１６人の元「慰安婦」に対するこの政府の聞き取り調査報告書を入手し、「元慰安婦報告書　ずさん調査」「『河野談話』の根拠崩れる」と１面トップで報じた。（１０月１６日付）

　同紙の報じる政府の調査によると、年齢は１５歳以下４人、１６〜１９歳１０人、不詳２人。連れ出した人は巡査４人、軍人・軍属が１０人など。巡査と軍人が一緒に来た例もある。強制的に連行は１１人、だまされてが５人だ。この調査でも、少女を強制連行し、あるいはだまして「慰安所」に送ったことは明らかだ。

　しかし同紙は「証言の事実関係は曖昧で別の機会での発言との食い違いも目立つ」「氏名や生年月日すら不正確」として「河野談話」を攻撃する。

　少女時代に中国などに連れ去られて過酷な体験を経てから半世紀近い「証言」の細部の正確さを求めることに特定の意図を感じる。犯罪を命じる公文書、「軍や官憲による強制連行を示す政府資料」は一切見つかっていない、という同紙の主張は強制連行否定の口実に過ぎない。

　（春）

( ２０１３年１１月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

米副大統領、来月２日に来日

　岸田文雄外相は５日の記者会見で、日本軍「慰安婦」問題で安倍政権が前向きな姿勢を示すまで日韓首脳会談は困難との認識を示した韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領の発言について、「慰安婦問題でのわが国の立場、努力はこれまでも丁寧に説明してきた。現時点で懸念が表明されたのは大変残念だ」と不快感を示しました。

　加藤勝信官房副長官は「韓国は基本的な価値と利益を共有する重要な隣国であり、大局的観点から協力関係を構築すべく引き続き努力していきたい」と述べました。

( ２０１３年１１月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

５

日本と会談、意味なし／歴史認識で反省ないと批判／韓国大統領

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は、英ＢＢＣ放送（電子版）が４日伝えたインタビューで、慰安婦問題など歴史問題で安倍政権が前向きな姿勢を示すまで日韓首脳会談は困難との認識を重ねて強調しました。

　大統領は「（日本は）重要な隣国で、ともに協力することも多い」と述べながらも、日韓関係改善を困難にしている例として、特に慰安婦問題を挙げました。

　その上で「そういう問題が一つも解決されず、日本が考えを全く変えるつもりがない状況で、歴史認識について日本の一部指導者が今後もそういう（反省しない）発言を続けるなら、会談しない方がましだ」と表明。「『過ちはない』として謝罪する考えもなく、苦痛を受けた人を冒涜（ぼうとく）し続ける状況では（会談しても）一つも得るものはないのが現実だ」と語りました。

　一方、「米中関係は、建設的な方向に発展している。われわれには米中両国との関係がともに重要だ。さらに発展させるよう努力している」と強調しました。

( ２０１３年１１月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

ＴＰＰに反対／かかしも訴え／群馬県母親大会

　第５２回群馬県母親大会が１０月２７日、太田市で開かれ約６５０人が参加しました。

　開催地の藪塚本町にちなんだ手づくりの案山子（かかし）が、「ＴＰＰから撤退を」「消費税増税大反対」などの要求を掲げて全体会会場を盛り上げました。

　岡田周子実行委員長は、安倍政権の暴走に対して「私たちは、２倍３倍の勢いで走り続けなれば」とあいさつ。米軍機の低空飛行調査や自校方式の学校給食を求めた運動の経過が報告され、各団体からは、「慰安婦問題」、増税反対、「憲法の力集めて安倍首相退場」などの発言が相次ぎました。

　詩人のアーサー・ビナード氏が講演。言葉のすり替えで現実をごまかしている権力やマスメディアに対し、「からくりを見抜きながら、みんなで言葉を使ってたたかえば流れは変えられる」と語りました。

(２０１３年１１月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

全支部で綱領学習／共産党にほれ直した／岡山・倉敷市二福支部のＴ・Ｔさん手記

　『綱領教室』（全３巻）を読み、講師試験を受験しました。また、水島地域の支部長会議で本の感想を語ると、１１月から、地域支部の党員が集まり、月２回のペースで学習会を始めることになりました。本を読み感じたことは３点です。

　一つは、読めば読むほど綱領学習にかける志位さんの努力、情熱が伝わってきます。志位さんは、「この仕事は、一大覚悟が必要とされるもの」で、「毎回、持てる力をつくして準備にあたった」と述べています。綱領の一行、一文節を解説するのに裏づけ、根拠となる多数の資料の紹介があり説得力抜群です。知力がつき綱領への確信が湧いてきます。

　二つは、志位さんの体験がふんだんに紹介され、綱領の理解に役立ちます。とくに韓国訪問の経験を生かし、朝鮮半島への侵略と植民地支配の歴史が詳しく紹介されていることに感動しました。日本軍が「東学農民革命」の鎮圧に出兵し、「３万人あるいは数万人」を殺害し、翌年には朝鮮王宮を襲撃し王妃を殺害したことなどは、日本ではあまり知られていません。戦前から反戦・平和をつらぬいた日本共産党の委員長ならではの怒りの告発に胸を打たれました。「慰安婦」問題、竹島問題、靖国問題などもより身近にとらえられました。

　三つは、志位さんの本音にふれ、その人間性に親しみがもてました。志位さんが、旧綱領の未来社会論の説明に悩んだことなども率直に語られ、共感し、安心もしました。全面的に書きかえられた未来社会論を、「資本主義社会が人類が到達した最後の社会、理想の社会なのか」と語りかける工夫もありました。垣根のない、人間らしさが伝わり、志位さんと日本共産党にほれ直しました。

( ２０１３年１１月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

女子挺身隊賠償命じる／太平洋戦争時「三菱重が過酷労働」／韓国・光州地裁

　【光州（韓国）＝時事】太平洋戦争中、女子勤労挺身（ていしん）隊員として名古屋市の軍需工場に徴用された韓国人女性４人と遺族１人が三菱重工業に慰謝料の支払いを求めた訴訟で、韓国南西部の光州地裁は１日、三菱重工業に対し、女性１人当たり１億５０００万ウォン（約１３８０万円）、遺族に８０００万ウォン（約７３０万円）の支払いを命じる判決を言い渡しました。

　徴用被害者に対する賠償金支払いを日本企業に命じる判決は７月のソウル、釜山両高裁での差し戻し控訴審に次ぎ３件目。女子徴用被害者への賠償命令は初めて。三菱重工業は控訴する意向を示しました。

　判決は「日本が朝鮮半島を不法支配した状況下で、三菱は１３、１４歳の未成年者だった女性を強制連行し、過酷な労働に従事させ、賃金を支払わなかった」として賠償責任を認定。原告が未成年だったことや労働期間が長かった点、従軍慰安婦と誤解され、精神的な苦痛を受けたことなどを勘案し、三菱重工業に８０００万ウォンの支払いを認めた釜山高裁の判決より高額の賠償金支払いを命じました。

　原告は日本で同様の裁判を起こしましたが、「１９６５年の日韓協定により請求権は消滅した」として２００８年に敗訴が確定。しかし、同種の訴訟で１２年５月、韓国最高裁が徴用被害者の賠償請求を認めたことを受け、韓国でも提訴していました。

( ２０１３年１１月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

大阪壊さんとって／ストップ・ハシズム集会

　「大阪を壊さんとって」と、「ストップ・ハシズム市民大集合」が１０月３０日夜、大阪市中央区で開かれ、会場いっぱいの２３０人が参加しました。

　橋下「維新」の「堺市乗っ取り」をはね返した堺市長選の報告や、橋下徹大阪市長の暴挙とのたたかい、橋下氏を風刺するビデオ「維新のトオルちゃん」の新作上映、「都」構想批判のミニ講演と盛りだくさんの内容に、会場は怒りと爆笑に包まれました。

　現職の竹山修身市長が勝利した堺市長選について、「住みよい堺市をつくる会」の丹野優事務局長が「堺は一つ」と幅広い市民が共同したと報告。「次は大阪市で『都』構想にとどめを刺すこと。いっせい地方選、府知事・大阪市長のダブル選挙で維新政治を完全に葬り去ろう」と呼びかけると、さかんな拍手が送られました。

　橋下市長特別秘書の給与問題、地下鉄・市バス廃止・民営化問題（ビデオ）、政治介入が強まる教育現場の実態、市立大学学長選廃止、「慰安婦」問題などをリレートークで発言。大阪市労組の田所賢治書記長は、５９人が原告になった憲法違反の「思想調査」国賠訴訟のたたかい、人減らしでメンタル問題が増大する職場の実態を告発しました。

　堺市民で落語家の笑福亭竹林さんが「勝因は流した汗の量の差」と述べ、市内全駅で日替わりビラを配布した活動を紹介。「地道な努力は報われると確信した」と話しました。

　「都」構想について講演した森裕之立命館大学教授は、府市統合の効果額や財政調整などの制度設計案のでたらめぶりを解明。「勝手な住民投票に持ち込ませてはいけない」と語りました。

　集会は、秘密保護法案の廃案を求めるアピールを確認しました。

(２０１３年１１月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

（Page/Top）

（10月）ヘッドライン

「山宣碑前祭」／２００人余しのぶ／長野・上田市

つくる会教科書問題で請願採択／「教育への不当支配」／遠藤議員反対討論／宮城県議会

３０

米政府の元高官が懸念／河野談話の「見直し」／首相の靖国神社参拝／アーミテージ氏、ナイ氏

「慰安婦」問題／政府資料の強制性否定／安倍内閣が強弁／赤嶺議員に答弁書

埼玉県平和資料館（東松山市）リニューアル２０日オープン

２０

ひろしまネット宣伝

国連で韓国が「慰安婦」問題に言及

安倍首相、アジア歴訪したが…／中韓首脳との会談途絶え／「領土」打開なし／歴史認識で関係悪化

１０

「慰安婦」引き継がず

日本軍「慰安婦」被害者の証言／「逃げるたび切られた」／若者「事実伝えたい」「日本政府は謝罪早く」

「慰安婦」研究を維新議員が誹謗／吉見中央大教授が弁論で批判／東京地裁

アジア政党国際会議女性特別会合に参加して／参議院議員紙智子／男女平等へ努力交流

堺はひとつ／「維新」敗北の衝撃／「都構想」、市民がノー

５

文化通信／共産党文化後援会が仁比氏と憲法学習会

大府飛行場事件調査報告書を読む／中国人強制連行・労働の貴重な記録／松岡肇

民法改正など懇談／婦団連と共産党５女性国会議員

改憲反対・暮らし守ろう／新婦人「秋の行動」スタート／国会内で集会、署名を提出

堺市長選／市民共同の勝利／つくる会が声明／大阪労連が談話

朝の風／「内部的自由」と携帯電話

堺市長選／永田町に波紋／��維新分裂の序章�∞�「野党再編」困難に��

10月（本文）（Page/Top）

「山宣碑前祭」／２００人余しのぶ／長野・上田市

　長野県上田市別所で２７日、恒例の「山宣碑前祭」が行われ、２００人余りが山本宣治（山宣）をしのび、反戦平和のたたかいを誓いました。今年は山宣が右翼の凶刃に倒れて８４年を迎えます。

　地元・別所旅館組合長の斉藤善哉さん（戦時下、山宣碑を命がけで守り抜いた斉藤房雄氏の孫）に続き、日本共産党長野県委員長の今井誠さんが来賓あいさつしました。

　「当時、非合法状態にあった日本共産党が名誉ある日本共産党員の称号を贈った山宣の偉業を想起し、安倍内閣のたくらむあらゆる反国民的策動に広範な国民と手を携えて全面的なたたかいを展開する」と語りました。

　特別記念講演で、吉川春子さん（元参議院議員）が『日本軍「慰安婦」問題―加害責任を問う』と題し、国会内外での追及、韓国やドイツとの違いを語りました。「ハルモニの話は涙して聞いた。憲法９条は女性の人権の保障だ」などの感想が寄せられました。

(２０１３年１０月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

つくる会教科書問題で請願採択／「教育への不当支配」／遠藤議員反対討論／宮城県議会

　宮城県議会臨時議会が３０日開かれ、「新しい歴史教科書をつくる会」宮城県支部が提出した教科書採択での県教委の指導強化を求める請願が、自民党などの賛成で採択されました。

　同請願に対しては、市民団体から、「教育への政治の不当な介入」であると、採択しないよう求める声が上がっていました。

　日本共産党の遠藤いく子県議と民主党県議が反対討論し、遠藤議員は、同請願の採択は、教育基本法で禁止する「不当な支配」に当たると指摘しました。「つくる会」は、「自由社版教科書」を広めるボランティア団体だと自称し、特定の教科書に利害関係を持つことは明らかで、請願採択は、教科書採択の中立性・公正性を否定すると批判。「私たちが今なすべきは、事実に向き合い、歴史を心に刻み、憲法に基づく日本社会を構築することであり、その土台となる教育の自主性を確立することです」と訴えました。

　傍聴した宮城教育大学名誉教授の中森孜郎氏は、「あまりにもひどい結論であぜんとした。議会は教育行政には権限がないのに、法律をまったく無視し、多数決だけで決めていくというのは、民主主義の危機だ」と話していました。

　同請願は、「つくる会」県支部が２月に県議会に提出し、中学校の歴史・公民教科書を採択する市町村教委に対し、県教委が各社教科書を比較して段階評価した資料を添付して指導することなどを求めています。

　文教・警察常任委員会で審議し、自民党の委員から、「従軍『慰安婦』の強制連行は無かった」「南京大虐殺はウソだ」などの発言があり、市民から批判の声が上がっていました。

　７月の参考人質疑では、請願賛成の立場の参考人からも「比較段階評価資料の作成はありえない」との意見が表明されたにもかかわらず、今月２１日の委員会で、自民党の賛成で委員会採択しました。

(２０１３年１０月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

３０

米政府の元高官が懸念／河野談話の「見直し」／首相の靖国神社参拝／アーミテージ氏、ナイ氏

　元米国務副長官のリチャード・アーミテージ氏と元国防次官補のジョセフ・ナイ氏は２９日、都内で開かれたシンポジウムに出席し、戦時中の日本軍「慰安婦」問題をめぐり強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話「見直し」を安倍晋三首相がもくろんでいることや、日本の首相による靖国神社参拝に対し、懸念の声をあげました。

　ナイ氏は「河野談話のいいことは、歴史問題について明確に処理したことだ」と指摘し、「これを否定すれば日本に大きなダメージとなる。米国との関係を傷つける波及効果も与える」と強調。首相の靖国参拝については、「歴史問題のシンボルのようにとらえられている。靖国神社に参拝すると大きな打撃を近隣諸国に与え、米国との関係でもマイナスの波及効果になる」と述べ、戦没者追悼は別の方法を追求すべきだと求めました。

　アーミテージ氏も靖国参拝について、「日本の首相は選挙で支持をした人たちだけの代表ではなく、すべての国民を代表している」と指摘。「適切な方法をあらゆる知恵を出し決定すべきだ」と述べました。

( ２０１３年１０月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題／政府資料の強制性否定／安倍内閣が強弁／赤嶺議員に答弁書

　安倍内閣は２５日、日本軍による「慰安婦」の強制連行を示す資料＝「バタビア臨時軍法会議の記録」について、強制連行を示す証拠はないとする答弁書を閣議決定しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問主意書への答弁。

　安倍内閣は６月１８日、政府が発見した資料の中に「バタビア軍法会議記録」が含まれていることを初めて認めました（赤嶺氏の質問主意書への答弁書)｡

　同記録は、日本軍がインドネシアで抑留所に収容中のオランダ人女性らを「慰安所に連行し、宿泊させ、脅すなどして売春を強要するなどした」と明記しています。

　６月１８日の答弁書は一方で、同記録に関しても強制性を否定。赤嶺氏は「国民の常識では理解できない」として、記録にある日本軍人らによる強制連行は安倍内閣の言う「いわゆる強制連行」に当たらないという認識かと再度質問主意書を提出しました。しかし、政府は再度、強制性はないとする答弁書を出しました。

　赤嶺氏は、「日本軍人らが女性を収容所から慰安所に連行し、売春を強制しても『強制連行』でないとすれば、どんな強制連行も安倍内閣のいう『強制連行』に当たらないということになる。まったくの虚構であり、こうした見解は撤回すべきだ」と語りました。

( ２０１３年１０月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

埼玉県平和資料館（東松山市）リニューアル２０日オープン

　開館２０周年の埼玉県平和資料館（東松山市）が２０日、リニューアルオープンしました。

　主な変更点は、「埼玉ピースミュージアム」という愛称を新たに定め、入場料を無料にしました。展示では、エントランスに大きな壁画を設置し、映像設備の改善や常設展示の一部変更を行いました。平和授業での子どもの感想文をパネルで展示しています。

　県は「若い世代への戦争の記憶の継承」「平和の創造」を主眼に改装を行ったと説明しています。「平和の創造」では自衛隊のＰＫＯ活動なども取り上げています。

　廊下の「昭和史年表」は全面的に書きかえられ、中学校の歴史教科書７社のうち４社以上が取り上げている事項を記述することにしたため、項目が以前の３分の１に減り、「南京大虐殺」「『慰安婦』問題」などの記述や、「秩父事件」「熊谷空襲」など埼玉県に関する事件の記述もなくなっています。

(２０１３年１０月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

２０

ひろしまネット宣伝

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークはこのほど、韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で開く抗議集会に連帯し、広島市中区のメルパルク広島前で街頭署名を呼びかけました。

　約２０人が横断幕「日本政府はあやまれ、つぐなえ」を掲げて宣伝。土井桂子事務局長らが「１９９２年１月８日に始められた水曜デモは、日本、米国、台湾、フィリピン、インドネシアなど世界各地へ広がりを見せています」と訴えました。

(２０１３年１０月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

国連で韓国が「慰安婦」問題に言及

　【ニューヨーク＝時事】韓国の趙允旋（チョ・ユンソン）女性家族相は１１日、国連総会第３委員会（人権）での討論で従軍慰安婦問題を取り上げ、「責任を負うべき政府が法的責任を認め、被害者に受け入れ可能な適切な措置を取るべく要請する」と述べ、名指しを避けながらも、日本政府に謝罪を含めた対応を改めて求めました。

　日本の梅本和義次席国連大使は答弁権を使い、賠償請求権をめぐる問題は解決済みだとする日本の立場を強調。

( ２０１３年１０月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

安倍首相、アジア歴訪したが…／中韓首脳との会談途絶え／「領土」打開なし／歴史認識で関係悪化

　安倍晋三首相は１０日夜、東南アジア歴訪を終えて帰国しましたが、結局、中国の習近平国家主席、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領との会談の機会はありませんでした。これで、両国首脳との会談は民主党・野田政権時の日中韓サミット（昨年５月１３〜１４日）以来、途絶えています。

尖閣、歴史認識

　今回の外遊は、昨年１２月に発足した第２次安倍政権の１年間の外交の締めくくりといえるものですが、最大の懸案である中韓両国との関係は何ら改善されませんでした。

　安倍首相は「対話のドアは常に開いている」と繰り返しますが、問題の原因を直視しない限り、対話の条件は切り開けません。

　日中関係の悪化について言えば、最大の原因は尖閣諸島の領有権問題にあります。日本側は「尖閣諸島は我が国固有の領土」であり、「領土問題は存在しない」との立場をまったく変えていません。

　中国による「力による現状変更」は許されない行為であり、日本による尖閣諸島の領有は法的にも歴史的にも正当ですが、この問題で対話を拒否し続ける以上、首脳会談の再開は困難です。

　日韓関係は、日本軍「慰安婦」問題をはじめとした日本側の歴史認識＝植民地支配・侵略戦争への無反省に原因があります。

米の力低下も

　一方、ヘーゲル米国防長官が、日韓両国との同盟関係を重視する立場から、９月末の訪韓時に関係改善を求めました。朴大統領は「歴史に逆行した発言をする日本の指導部のせいで信頼を築けない」と拒否しました。

　尖閣問題についても、日米両国が「尖閣周辺は日米安保条約の適用範囲」と繰り返し表明しても、中国は領海・領空侵犯をやめようとしません。

　日本は日米同盟を盾にアジア諸国と向き合ってきましたが、米国の力の低下により、北東アジアの不安定な国際関係を制御できなくなっていることも顕著になりつつあります。

　（竹下岳）

「韓国料理」が「話題」…それで？

　安倍首相の東南アジア歴訪中、インドネシア・バリ島で行われたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）の首脳夕食会（７日）で、首相が朴大統領に「韓国料理を食べています」と話しかけたのが、唯一の「会話」でした。中国の習主席とは、握手を交わしただけ。外務省が腐心した最大限の「演出」ですが、「それで？」と言いたくなります。

( ２０１３年１０月１１日， 「赤旗」）（Page/Top）

１０

「慰安婦」引き継がず

　菅義偉官房長官は９日午後の記者会見で、従軍慰安婦問題をめぐり、野田前政権が韓国政府に人道的措置を含む解決案を提示していたことについて「前政権が交渉に当たり始めたという報道は知っている。しかし、具体的に話は進んでなかったようだから、私どもの政権に引き継がれていることも全くない」と述べました。

( ２０１３年１０月１０日，「赤旗」）

日本軍「慰安婦」被害者の証言／「逃げるたび切られた」／若者「事実伝えたい」「日本政府は謝罪早く」

　日本軍「慰安婦」の被害女性が初めて名乗り出てから２３年。いまだに謝罪も賠償もしない日本政府の対応に国際的な批判が強まっています。このほど東京都内で開かれた集会で来日した３人の韓国人被害女性の訴えから、慰安婦問題とは何か、若者はどう聞いたか、みてみました。

　（染矢ゆう子）

　今回、来日したのは被害女性が共同生活する「ナヌムの家」で暮らす李玉善さん（イ・オクソン、８７）、姜日出さん（カン・イルチュル、８６）、朴玉善さん（パク・オクソン、９０）の３人です。「慰安所」では、どんな生活だったのか。生々しく証言しました。

　１５歳で中国に連れて行かれた李さんは、「慰安所はと殺場のような所だった」と声を震わせて叫びました。

　「私がいた所だけでも毎日のように亡くなった。私も逃げるたびに刀で足や頭部を切られました。暴力で目が見えなくなり、耳も聞こえなくなり、歯もなくした」

　李さんは、食べ物も粗末で、雑穀にみそをつけたものを食べたといいます。終戦時には中国に置き去りにされ、韓国政府が探しだすまで６０年間、韓国に戻れませんでした。

　姜さんは、日本政府への怒りをあらわにしました。「謝罪すべき安倍首相がなぜ、ここにいないのか。日本政府の態度に食事がのどを通らない。消化しきれない思いでいっぱいだ」

　被害者が望んでいるのは一刻も早い日本政府の謝罪と賠償、責任者の処罰です。

　被害女性と一緒に来日した「ナヌムの家」の安信権所長は「韓国政府が求める両国間協議に日本政府が対応し、国会の立法で国家賠償を行うことが必要だ。被害者が次々と亡くなり、切迫している」と訴えました。

力を貸して

　今回の被害女性の来日は、「ナヌムの家」と交流してきた新日本婦人の会（新婦人）に呼びかけがあり、実現しました。

　女性、青年、国際団体との共同で準備した２回の集会に各３００人が参加し、熱心に聞き入りました。

　朴さんは、こうした日本側のとりくみについて次のようにのべました。

「みなさんの真剣な姿を見て、少し安心しました。どうか力を貸してください」

　新婦人の笠井貴美代会長は「集会の記録集やＤＶＤを作成し、全国に普及して、日本政府に謝罪、賠償を求めていく活動を広げていきたい」と語っています。

国連が勧告

　国際社会は、日本軍「慰安婦」制度が戦争犯罪だと認め、日本政府にたいし、勧告を繰り返しています。

　国連の自由権規約委員会が２００８年の最終所見で勧告した日本がとるべき包括的な措置は、次のようなものです。

　▽法的な責任を認め謝罪すること

　▽生存している加害者を訴追すること

　▽すべての生存者を保障する法律をつくり、行政府による措置をとること

　▽生徒や一般の公衆を教育し、被害者を中傷し、出来事を否定するあらゆる企てに反論し、制裁措置をとること

参加した若者の声

　３人の訴えを聞いた若者は、次のように話します。

日本民主青年同盟東京都委員会の佐久間藍さん（２７）

　「日本政府が謝罪、賠償をするよう、話を聞いたぼくたちが追及していきたい。事実を後世に伝えたい」

旅行会社で働く東京都の鈴木史織さん（２９）

　「想像を絶する被害を名乗り出た人たちがいるのに、いまだに解決していないことが恥ずかしい。事実をゆがめる動きを正したい」

教員を志望する東京都の学生（１９）

　「きちんと教科書に書いて被害が忘れ去られてしまわないよう、声を直接聞いたぼくたちが発信していきたい」

旧日本軍「慰安婦」問題

　１９３２年ごろから終戦までの長期にわたり、天皇制政府と日本軍が朝鮮半島などから多数の女性を動員し、「性奴隷」として「売春」を強制したものです。日本軍が中国、東南アジアなど駐在する広範な地域に慰安所を開設し、管理・統制しました。政府も身分証明書を発給し、未成年者の連行などの犯罪行為を黙認しました。被害者は２０万人ともいわれ、韓国では２３７人が被害体験を公表。そのうち存命している人は５６人です。「ナヌムの家」で暮らす人は１０人となり、平均年齢は８８歳です。

( ２０１３年１０月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」研究を維新議員が誹謗／吉見中央大教授が弁論で批判／東京地裁

　日本軍「慰安婦」問題の研究をまとめた著書を「ねつ造」と誹謗（ひぼう）されて名誉と信用を傷つけられたとして、中央大学の吉見義明教授が日本維新の会の桜内文城衆院議員に賠償と謝罪を求めた裁判の第１回口頭弁論が７日、東京地裁（小林久起裁判長）でありました。桜内氏は「提訴は言論封殺だ」と争う姿勢を示し、吉見氏を名誉毀損（きそん）で訴える準備をすすめるとしました。

　桜内氏は今年５月、日本外国特派員協会での橋下徹大阪市長の記者会見に同席し、吉見教授の著書を引用した司会者に対し、「これはねつ造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされています」と発言しました。

　訴状で吉見氏側は、著書は歴史的事実を網羅したものとして不動の評価を得ているとし、桜内氏に１２００万円の賠償と謝罪広告、発言の訂正を要求。

　この日の陳述で吉見氏は、「慰安婦」制度のもとで女性たちには居住、外出、廃業、拒否の自由がなかったと示して、軍がつくった性奴隷制度だったことをあらためて指摘。研究者としての名誉と人格を傷つける桜内氏の発言を「到底容認できない」と批判しました。

　桜内氏は答弁書で、発言は吉見氏の著書を指していないと弁明する一方、この日の意見陳述でも「吉見氏は、慰安婦は性奴隷だという虚構の事実をねつ造した。日本と日本国民の尊厳を損なう」などと主張しました。

　吉見氏は１９９２年に防衛庁（現防衛省）防衛研究所図書館で、日本軍が「慰安婦」の募集、慰安所の設置・管理などに深く関与したと示す資料を発見。９５年に岩波書店から著書『従軍慰安婦』を出版しました。

( ２０１３年１０月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

アジア政党国際会議女性特別会合に参加して／参議院議員紙智子／男女平等へ努力交流

「慰安婦」問題伝える大切さ痛感

　９月１２日から１４日までの３日間、韓国のソウルで開催された、アジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）の女性特別会合に参加しました。

　「女性のリーダーシップと社会的地位向上」をテーマとして、政治や経済活動への女性の参画、平和構築における女性の役割など議論を行い、各国での女性の地位向上の前進のために、経験を共有し、生かすことを確認し合いました。

約２０カ国３２政党

　１９９５年９月の第４回世界女性会議で採択された「北京宣言」および「行動綱領」で決定された、すべての女性の平等、開発及び、平和の目標を推進するために、アジア政党間の協力、調整、連絡を強化しようとの趣旨で開かれました。２０１３年４月の第１回会合で合意された、アジア全女性反貧困銀行または基金の設立、女性への犯罪や暴力防止、さらに１５年の開催が提案されている第５回世界女性会議への取り組みを盛り込んだ「ソウル宣言」を採択しました。

　参加は、オーストラリア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ブータン、カンボジアなどアジア全域から約２０カ国３２政党の代表者と、アフリカ政党会議、及びラテンアメリカ・カリブ政党常設会議のオブザーバーが出席。日本からは日本共産党をはじめ２政党が参加しました。

　各国各政党の発言は全体として、諸課題前進のための努力を重ねているものの、「まだまだ道半ば」というのが、印象です。

握手や記念撮影

　私も日本共産党を代表して、二つの点で発言しました。女性へのあらゆる差別の撤廃を義務付けた国連女性差別撤廃条約の批准から２５年をこえ、いまだ差別是正が立ち遅れている背景に大企業の利益を優先させる日本の政治のゆがみがあること、女性の政治参加についても、１８９カ国中１５９位と低く、この遅れを改善する努力が政府にも各政党にも求められていること。

　もう一つは、アジアと世界の平和と相互理解を進める上で、日本軍「慰安婦」問題など、日本政府の歴史認識と人権感覚の欠如が、重大な障害になっており、日本共産党として政府に植民地支配の謝罪、賠償を求めていくとともに、国内外の人々と共同して地域の平和を進めるために努力する決意を表明しました。

　発言に対しての反響は、あとで握手を求めてきたり、「発言原稿をいただけないか」という議員もいて、発言のどこがよかったのか聞くと「日本で、（日本軍『慰安婦』）被害者の声を直接聞いて取り組んでいることに感動した」といいます。各国代表の対応を手伝う韓国の学生も「発言良かった」と一緒に写真を撮る場面もあり、改めて日本国内で、歴史の逆行を許さず、正面から安倍政権に解決を迫っている事など、国民のたたかいを伝える事の重要性も痛感しました。

　日本における男女平等、女性の地位向上への取り組みを大きく飛躍させる契機としていかなければならないと思いました。

( ２０１３年１０月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺はひとつ／「維新」敗北の衝撃／「都構想」、市民がノー

　全国注視の大阪・堺市長選。９月２９日の投票終了直後、現職の竹山修身（おさみ）市長に「当確」が出るという大差の敗北に、橋下徹大阪市長と「維新の会」に衝撃が走っています。

　田中倫夫記者

　「都構想に打撃」（朝日）、「維新『堺で終わるのか』堺市長選完敗」（産経）、「党勢失速追い打ち」（毎日）―。開票翌日３０日付の各紙にそんな見出しが躍りました。

　２９日夜、堺市長選挙の維新公認候補の事務所に入る橋下「大阪維新の会」代表は、うつむき加減で無言でした。

　候補者の「敗戦の弁」のあと、橋下氏、松井一郎府知事（「維新」幹事長）らが記者会見｡出てくるのは､「『堺がなくなる』という都構想についての大きな誤解が市民の中に広がった」「事実誤認」などと無反省の言葉。今後についても「大阪市における都構想には影響がない」と開き直り、「血みどろでも前へ進む」（松井氏）と居直りました。

　しかし、「都構想」への審判が下ったことは新聞の出口調査でも明らかです。「朝日」によると、「都構想」には賛成３８％、反対５５％。反対する人の９４％が竹山氏に投票。「支持政党なし」の無党派層の６９％が竹山氏に投票しました。

　選挙論戦でも決着がつきました。

論戦でも決着

　橋下氏が繰り返した「堺がなくならない」というウソについて、竹山陣営は、「大都市地域特別区設置法」の中でも「関係市町村を廃止」と明記されていること、橋下氏の説明もくるくる変わっていることなどを具体的に示しました。

　橋下氏は、最終盤「争点設定を失敗した」と、事実上敗北を認めざるをえないほど追いつめられました。

　もともと、日本軍「慰安婦」発言、参院選の��敗北�≠ﾅ辞任の瀬戸際にあった橋下氏。堺市長選に勝利することで「都」構想を推し進め、再度求心力を得ようという「背水の陣」（維新関係者）でした。

　石原慎太郎氏を先頭に、「維新」国会議員６２人全員に３回の堺入りを命じ、国会議員秘書、地方議員らも大挙投入。最後の街頭演説では、橋下氏が「こらぁ、自民党、共産党、社民党…おれの前に出てこい！　おまえらふざけんじゃないぞ」と当たり散らす異様さでした。その動画が共有サイトにアップされると、視聴者から「品性がない」との反響が相次ぎました。

　再選された竹山市長は「市民がノーといっており、都構想には参加しない」と明言。来年に行われる予定の府市統合の住民投票でも厳しい審判が予想されます。

｢大阪都｣構想

　前回の堺市長選(２００９年)後の２０１０年１月、橋下徹府知事（当時）が提唱したもの｡大阪､堺の両政令市や周辺市を廃止、いくつかの特別区に再編し、大阪府にかわる「大阪都」にするねらいです。

　「都」になれば、堺市の税収約１３００億円の３分の１にあたる約４６０億円が「都」に吸い上げられる試算も。「都」に集まったお金で、カジノリゾートなど大型開発を推進する計画です。

(２０１３年１０月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

５

文化通信／共産党文化後援会が仁比氏と憲法学習会

　日本共産党文化後援会は９月２５日、日本共産党本部で第１３７回例会を開き、仁比聡平参議院議員を講師に憲法問題を学習しました。８０人が参加しました。オープニングパフォーマンスでは、ともしび後援会有志が仁比さんの当選と党の躍進を祝って、参加者とともに「花を贈ろう」などを合唱し会場を盛り上げました。

　仁比議員は「ほんとうに憲法を変えていいのか｣と題して講演｡参院選では、維新・橋下代表の日本軍｢慰安婦｣容認発言や､オスプレイ配備強行､憲法９６条｢改正｣など「戦争をする国」への安倍内閣の暴走に反対する民意が示されたと、選挙戦の様相を振り返りながら話しました。躍進した日本共産党が参院のすべての常任委員会に理事を配置できるなど、強化された地歩を活用して、国民運動との共同で安倍内閣を包囲･孤立させることが､改憲を阻むたたかいでも要だと力説しました。

　現行憲法と自民党「改憲草案」との対照表にそって同案の危険性を説明し、この事態を打開するために頑張り抜く決意を語りました。

( ２０１３年１０月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

大府飛行場事件調査報告書を読む／中国人強制連行・労働の貴重な記録／松岡肇

　この調査報告書（『愛知・大府飛行場における中国人強制連行・強制労働　改訂増補版』）は、日中戦争中、愛知県の大府飛行場建設工事で働かされた中国人労工（労働者）についての詳細な調査と聞き取り、記録の綿密な検討に加えて加害企業である地崎組（現岩田地崎建設）に対する謝罪と賠償等を求める要望書などを含む貴重な報告書である。

　中国人強制連行・強制労働事件とは、７０年前の日中戦争の末期に、極度の労働力不足に悩む日本が、各業界の要請を受け、政府の閣議決定（商工大臣・岸信介）で、占領下の中国から、多くの中国人を日本に拉致連行して炭鉱や鉱山、飛行場建設や港湾労働などの重筋労働に強制的に従事させた事件である。全国で３５社、１３５事業場で３万８９３５人の中国人が強制労働をさせられている。休日もなく、賃金も支払われない文字通りの奴隷労働であった。地崎組は、全国で１１事業場、連行労工１７４１人であるが、１１事業場での労工総数は３６３３人である。多くは二つ以上の事業場で働かされているのでその数が一致しない。

　報告書では、大府で働かされた中国人労工の拉致・連行から奴隷労働の実態までを明らかにし、戦後の帰国に至るまでを記録している。この種事件については、全国の１５地裁で裁判が行われ、４０を超える判決があるが、大府については裁判は行われていない。裁判では下級審の勝訴判決もあるが、結局は最高裁で全て敗訴となった。しかし、全ての裁判でこの事件が日本の国と企業による「共同不法行為」であることを認めている。

　現在、これまで裁判をたたかってきた全国の弁護団では、中国の被害者たちと共同して、裁判の結果とは別に、この戦時中の不法行為について、国と加害企業に謝罪と賠償を求める運動を行っている。大府の動きもこれに連動するものである。従軍「慰安婦」問題をはじめ日本の歴史認識が国際的に問われているとき、この報告書はあらためて問題を提起し、新しい運動を盛り上げる一助になるものと思われる。

　（まつおか・はじめ　中国人強制連行・強制労働事件弁護団　弁護士）

　◇

　調査報告書は頒価１５００円。発行＝愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会。連絡先＝日中友好協会愛知県連合会内�рO５２(７６３)１１５２

( ２０１３年１０月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

民法改正など懇談／婦団連と共産党５女性国会議員

　日本婦人団体連合会（婦団連）が１日、さきの参院選で倍増した日本共産党の女性国会議員５氏と、衆院第２議員会館で懇談しました。婦団連からは、堀江ゆり会長、小畑雅子、笠井貴美代副会長、藤原麻子、中野和子幹事ら１０人が出席。女性議員は、高橋ちづ子衆院議員、紙智子、田村智子、吉良よし子、倉林明子の各参院議員です。

　婦団連は２２の女性団体が加盟しています。選択的夫婦別姓制度をはじめとした民法の差別的規定の廃止、改正を求める運動などジェンダー平等に取り組んでいます。今年６０年目を迎えました。

　あいさつに立った堀江会長は、安倍自公政権のもと、雇用や平和、ジェンダー平等などで、逆コースが進められていると指摘。「倍増したみなさんとぜひ国会内外のたたかいを交流して、連携して運動をすすめていきましょう」と語りました。

　参加者からは、婚外子の相続分を定めた民法規定を憲法違反とした最高裁決定を受け、民法改正の運動にさらに強く共同して取り組むことや、男女雇用機会均等法の見直しが実効力のあるものになっていないことについても意見や要望が出されました。そのほか、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）、秘密保護法案、日本軍「慰安婦」問題、原発問題、子どもの権利条約など多岐にわたって意見交流しました。

( ２０１３年１０月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

改憲反対・暮らし守ろう／新婦人「秋の行動」スタート／国会内で集会、署名を提出

　新日本婦人の会は１日、憲法改悪に反対し、大型開発と軍事費削ってくらし・福祉・教育の充実を求める「秋の行動」スタート日として衆院議員会館で院内集会を行いました。同日、安倍首相が引き上げを表明した消費税増税中止などを求めて終日行動しました。

　院内集会では、全国で集めた１８万人分を超える憲法改悪反対署名を駆けつけた日本共産党国会議員団に提出しました。

　あいさつした笠井貴美代会長は、国連で戦時性暴力を批判した安倍首相が日本軍「慰安婦」問題解決を妨害してきた張本人だと批判。「国会も開かず、『女性の活用』を勝手に国際公約してくる安倍政権を私たちの運動と仲間づくりで追いつめよう」と呼びかけました。

　全国の代表が「県民過半数の署名を集めて、原発ゼロ、命・くらし守る運動をすすめる」（福島）「被災者の命綱の医療費負担免除を求めたい」（宮城）「憲法をふみにじる橋下大阪市長（日本維新の会共同代表）は許せないと憲法署名を３万６７００人分集めた。さらに広げる」（大阪）と決意をのべました。

　日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が秘密保護法について講演しました。赤嶺議員以外に佐々木憲昭、塩川鉄也、高橋ちづ子、宮本岳志の各衆院議員、井上哲士、紙智子、仁比聡平、吉良よし子、倉林明子、辰巳孝太郎の各参院議員が出席しました。

　集会を前後して参加者は財務省、厚生労働省、文部科学省、防衛省、復興庁に要請しました。

( ２０１３年１０月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／市民共同の勝利／つくる会が声明／大阪労連が談話

　堺市長選で現職の竹山修身氏が、「大阪都」構想で堺つぶしをたくらむ維新の会候補を破って当選したことを受けて、「住みよい堺をつくる会」（日本共産党も参加）と大阪労連は９月３０日、それぞれ声明と談話を発表しました。

つくる会が声明

　「住みよい堺市をつくる会」は「市民共同の歴史的大勝利」と題した声明を発表しました。

　声明は、「つくる会」に結集して全力で運動をすすめた人、府内・全国から応援に駆けつけた人、良識ある選択をした多くの市民に感謝を表明。「維新の会」による堺市つぶし＝「大阪都」構想を許すのか、「堺はひとつ」の市民共同でくらし応援の市政を継続するのかが問われた選挙であり、あわせて橋下徹大阪市長が進めている市民のくらし切り捨てや「慰安婦」発言、職員の「思想調査」など異常な人権感覚に基づく維新政治に痛打を与えた歴史的な選挙だったとのべています。

　維新は、橋下代表、松井幹事長（府知事）が連日堺入りし、国会・地方議員を総動員する総力戦で臨み、竹山陣営や「つくる会」、日本共産党を「堺なくなる詐欺」「ウソ八百」とののしり、「つくる会」ビラを橋下代表自らが「違法ビラ」呼ばわりして妨害、なりふり構わぬ運動を展開したと告発。一方、「堺はひとつ」「堺をなくすな」の運動は立場を超えた市民共同が広がり、府内と全国からの大きな支援が励ましとなり、勇気を与えてくれたとのべ、「市民共同運動の教訓と財産を生かし、政令市・堺市の発展、市民要求の前進をめざして力を尽くす」としています。

大阪労連が談話

　大阪労連は川辺和宏議長の談話を発表しました。

　談話は、選挙戦で奮闘した堺労連や「住みよい堺市をつくる会」、堺の仲間に敬意を表し、大阪労連の支援要請に応えて奮闘した加盟組織、全労連・近畿ブロックや全国からの支援に感謝を表明。「堺はひとつ」「堺を守れ」の一点で政党や団体、個人の垣根を越えた共同が広がり、橋下・「維新の会」のうそとデマの数々が民意を無視したものであることを浮き彫りにしただけでなく、市民共同こそが政治を前に進める大きな力になることを示したと強調しています。

　民意は、堺のことは堺で決めるという住民自治の本来の姿であり、橋下・維新の強権政治が許されるものではないことにほかならないと指摘。それは、「大阪都」構想の破綻であると同時に、憲法改悪、消費税増税、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加、労働法制改悪などの策動を強める安倍政権の右翼的突撃隊でもある橋下・維新への明確な審判でもあると断じています。

　大阪労連は、選挙戦での勝利と共同の前進をふまえ、憲法無視の暴政拡散を阻止するたたかいを強化し、憲法を守り生かすために奮闘するとしています。

(２０１３年１０月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／「内部的自由」と携帯電話

　以前本欄で、石原都政下での｢君が代問題｣をとりあげようとしたら上司から制止され、原発問題の企画を立てると「読売の社論を逸脱するな」と指示された日本テレビのディレクターの体験談を紹介した。メディア企業内部の記者や編集者の表現活動の自由を保障することにかかわる、日本ではやや等閑視されてきた問題である。

　近刊の『内部的メディアの自由』（花田達朗編、日本評論社）は、この「内部的自由」の概念を本格的に研究した論集で、たとえばドイツ放送界における「編集綱領運動」、フランスのジャーナリストの「精神的自由」を支える「良心条項」、イギリスの新聞メディアにおける「行動規範」など、欧州各国の「内部的自由」を保障する歴史と努力に啓発されるところが多い。

　また、本書で、慰安婦問題に関する「ＮＨＫ番組改編事件」を「内部的自由」にかかわる問題と位置づけていることにも注目した。論文では、西部ドイツ放送協会で同様の介入が起きたらどうなるか、局の「編集者代表会」の代表に聞いている。「私の携帯に一報を入れればよいのです」という。ただちに記者会見で事実経過を公表し、番組「改編」の理由開示など一連の手続きがあり、改編番組をそのまま放送することは難しい、という。

　（鶫）

( ２０１３年１０月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／永田町に波紋／��維新分裂の序章�∞�「野党再編」困難に��

　９月２９日投開票の堺市長選で、日本共産党が支援した現職・竹山修身氏の勝利、維新公認候補の惨敗は永田町にも波紋を広げています。

　（中祖寅一）

　堺に１カ月入り、選挙活動してきたという維新関係者は、「共産党の団結力はすごかった」と述べ、市民の共同に果たした役割を認めました。竹山市長の「実績」について「民主党も自民党も、『赤旗』が言っているのだからそうなのだろうということになった」と語ります。「橋下氏の演説に人は集まったが、ファンだけ、支持している人だけしかいない」と、無党派層の支持離れの��実感�≠熏数窒ｵました。

　１年前には維新との連携を競い合っていたみんなの党の国会議員は、「（この惨敗で）橋下を中心とする野党再編の求心力はなくなった。このままでは、野党再編どころか、１年半後の地方選や、３年後の国政選挙で『橋下維新でいけるのか？』と、不安が広がり、維新分裂となる」と述べます。

　惨敗の要因について同氏は、「現憲法の無効・破棄を宣言するとか、『慰安婦は必要だ』という暴言に示されるような非現実的で極右的な思想に、堺市民だけでなく国民全体が不安を覚えていることがある。『大阪都構想』についても、堺市の住民の意思を尊重せずに強引に堺を分割するかのような『戦略』が、住民の気持ちを逆なでした」と述べます。

　政府関係者の一人は、「堺をなくすという公約をして、市長になるということ自体が無理だった」と述べます。

　自民党議員の一人は、「大阪で維新が負けたことの意味は大きい。同じ関西でも、（兵庫県の）宝塚や伊丹の市長選とは意味が違う」と強調。「お膝元で、代表の橋下氏自身が繰り返し入っての敗北だ。自民党を抜けて維新に流れた部分から、維新を離脱する動きが起こってくる可能性がある。大阪で失速すると、もはや流れとしては回復できない感じになる」と述べます。

　他方、維新と憲法問題などで連携を模索する首相の周辺や自民党の中枢からは、「政策ごとに維新と協力することはあってしかるべきだ」（石破茂幹事長）、「維新にはある程度の力を持ち続けてもらいたい」（首相官邸筋）という声も出ています。

　しかし、国民から見放されつつある維新を頼みにする手法は「両刃の剣」です。

　「参院選で維新の当選が８人にとどまった時点で、自民党は、維新そのものは半ば見放している」。自民党関係者はこう語りました。

( ２０１３年１０月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

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（9月）ヘッドライン

３０

「慰安婦」問題、謝罪賠償を／首相国連演説うけ声明／「解決全国行動」

朝の風／政府の償いは終わっていない

「慰安婦」問題、日本政府の態度ひどすぎます／ドイツ首都で抗議行動／在住日本人女性ら活動／注目集める

元７３１部隊「国はなぜ隠す」／捕虜を使って人体実験／１９４４年８月ハルビンに配属大川福松さん

ヘイトスピーチ見過ごせない／多様性尊ぶ社会に／「東京大行進」の実行委員で４０人超のマーチングバンドでトランペットを吹いた木野寿紀さん東京・練馬区

政府は名誉・人権返せ／「慰安婦」問題解決へ集い／京都

韓国外相は慰安婦対応要求

首相、「結果の秋」意気込むが内外世論との矛盾必至

「慰安婦」問題解決急いで／京都市長と面談／来日の被害女性

おはようニュース問答／市民の力で差別なくしていきたいね

歴史問題、日本に善処要求／韓国外相

安倍首相の国連総会演説／世界で特異な存在感示す

「慰安婦」問題解決策は／集会で学ぶ／国際婦人年京都連絡会

堺市つぶしと正面対決／共同広げ最後まで／大阪労連などがアピール

堺市長選／つくる会がフル回転／南区

堺はひとつ／市民の誇りなんとしても／市議会会派・ソレイユ堺山口典子堺市議／新しい市民運動の幕開け

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／５／職場支部での党員拡大／情勢の激変に確信もち

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／４／暴走政治とのたたかい／いまこそ「車の両輪」で

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／３／長く増やせていない支部も／党員拡大の��条件�≠�る

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／２／支部会議で率直に討議／自分たちの「大運動」に

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

２５

「慰安婦」問題の早期解決求める／松山市に署名提出

論壇時評／田代忠利／戦後国際政治の原点に背く議論

政府は「慰安婦」解決を／韓国被害女性、国会内集会で訴え

「教育再生」方針テーマに講演会／奈良ネット２１総会

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

堺市長・市議補選／市田書記局長の訴え

「満州事変」８２周年つどい／富山

テレビ時評／「８月番組」に望むもの／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二

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まど／「大阪都構想」と五輪招致

週間日誌／１３年９月８日〜１４日

日本維新の会１年／「既成政党」「補完勢力」／正体見えて��失速��

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「８中総へ心一つに」／「マイ名簿」で読者拡大／暴走政権から教育守ろう／北海道の教育関係支部

アジア政党国際会議・女性会合／「慰安婦」問題で紙議員発言

戦後補償、新たな展開／強制労働など学ぶ市民集会／札幌

慰安婦像撤去決議案を否決／「維新」の提案／堺市議会

「大阪都」構想から堺市を守り抜こう／竹山市長必勝へ市民大集合／３氏連帯あいさつ

日本政府、「尖閣」購入から１年／歴史・憲法改定など矛盾拡大／安倍政権で日中関係悪化

埼玉県平和資料館の展示／「慰安婦」など削除表明／会合開く

��堺市長選に勝利を�＝^兵庫県委が大阪府委激励

日本の謝罪不十分／慰安婦問題で国連報告者

「慰安婦」問題解決求める／ひろしまネットが宣伝

堺・つくる会の公開質問状／要旨

憲法を生活の隅々に／愛知母親大会で１３５０人交流

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堺市長選１５日告示／なくさんとって堺／「都」構想に反対し市民集会

テレビの参院選報道検証／放送を語る会モニター報告／上／��ねじれ解消�°ｭ調で重要争点ぼかす

市長選１５日告示／自治、暮らし、堺つぶす「大阪都」構想反対／竹山市長を支援します

堺市長選で「維新」に審判／大阪労連が特別決議

堺市つぶしノー／市長選・市議補選勝利へ全力／党地区委が活動者会議

政治考／海外メディア注目／共産党躍進、取材相次ぐ／「米国人には想像できない。驚きだ。面白い」

アジアを平和・友好地域に／新潟市で戦争展

堺市長選／党都委が大阪府委激励／「維新」の野望打ち砕こう

「韓日・未来へつなぐ学習ツアー」／「水曜デモ」でスピーチ三嶋あゆみさん

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堺で女性連絡会が宣伝／市民、「都」構想の正体分かった

旧日本軍による「慰安婦」問題／実態伝える漫画に挑戦／山口かりんさん＝仮名＝／京都

１３年夏に想う／笠井亮衆院議員／もう一つの官邸前行動

韓国の憲法裁判断から２年／進まない「慰安婦」賠償／協議拒否、不誠実な日本政府

侵略戦争賛美の教科書／愛媛の２校採択／教組など撤回要求

関東大震災９０周年で集会／歴史の歪曲許さず／朝鮮人虐殺、伝え続ける

２０１３いま言いたい／俳優・エッセイスト黒田福美さん／日韓の緊張は何も生まない

9月（本文）（Page/Top）

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「慰安婦」問題、謝罪賠償を／首相国連演説うけ声明／「解決全国行動」

　日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は２８日、安倍晋三首相が２６日の国連総会での演説で紛争下の女性に対する性暴力を批判し、女性の人権を守る国際的取り組みを支援すると表明したことを受け、「慰安婦」問題で謝罪と賠償を求める緊急声明を発表しました。

　声明は、「慰安婦」問題と今日の世界各地における武力紛争下の性暴力問題とは同一線上にあり、「慰安婦」問題で日本政府の謝罪と賠償を勝ち取ることが、現在の性暴力への「不処罰の連鎖を断ち切り、ひいてはこのような暴力を根絶することにつながる」と指摘しています。

　安倍首相と安倍内閣がアジア諸国に対する加害責任と向き合っていないことを批判。「日本が戦時性暴力被害者のために世界に貢献しようとするならば、まず、日本軍『慰安婦』被害者に対する自らの責任を果たさねばならない」とし、同問題の「事実と責任を直視し、被害者への謝罪と賠償を直ちにおこなうよう」求めています。

( ２０１３年０９月３０日， 「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／政府の償いは終わっていない

　さいたま市三室であった「戦争展」の講演のあと会場から、こんな質問が出た。「池上彰さんのテレビ番組で元『慰安婦』の女性には政府も事務費用を負担してお金が支払われていて、すでに日本は謝罪している、と話していたがどうなのか」

　１９９５年、村山内閣のときに「アジア女性基金」がつくられた。元「慰安婦」への基金の「償い金」支払い事業は、基金の運営費を除き、支払い金については税金は使わず全て国民のカンパでまかなった。スタート直後から被害女性や韓国、台湾当局が、これでは日本政府の責任回避だと強く反発し事業の中止を求めてきたのだ。

　しかも日本政府は「受け取った人に迷惑がかかる」として「償い金」の国別支払い人数についてさえ明らかにしていない。

　池上氏は番組で、基金の「償い金」支払いのとき「総理大臣のおわびの手紙も渡している」と解説していた。

　その手紙は、同じひな型に総理が代われば橋本龍太郎とか小泉純一郎とか名前だけ署名し、内容も「道義的責任を痛感しつつ」として国家の法的責任を否定している。とても誠実な謝罪とはいえない。国連および国際社会はこの事業で「慰安婦」問題は解決していないとして、今も謝罪・補償を日本政府に求め続けている。

　（春）

( ２０１３年０９月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題、日本政府の態度ひどすぎます／ドイツ首都で抗議行動／在住日本人女性ら活動／注目集める

　ドイツのベルリン在住の日本人女性たちの会、「ベルリン女の会」が、日本軍「慰安婦」の問題を取り上げて活動し注目を集めています。

　普段はドイツで生活する上で必要な知識を交換し、日本語で話す機会をつくって活動しています。会員は日本人女性３０人です。

　「会」は８月１４日、ベルリンのブランデンブルク門前で「慰安婦」の写真を掲げ、行動しました。「会」のメンバー２０人だけでなく、韓国人グループ、ドイツ人の人たちも参加し、参加者は７０人になりました。

　この日、「慰安婦」への公式謝罪と補償を求めて安倍首相宛てに公開質問状を出しました。国連拷問禁止委員会が５月３１日、日本政府に、被害者の苦難を和らげるべき立法、行政および司法上の措置を取るよう５項目にわたる勧告を出しましたが、日本政府は「勧告に従う義務はない」と否定。これが公開質問状のきっかけとなりました。

　「会」で「慰安婦」問題を担当している梶村道子さん（６７）は、「（日本政府の態度は）まったくひどいと思いました。このことをドイツの人にも知らせなければとドイツのマスコミに知らせ、ドイツの市民グループに一緒に抗議しようと公開質問状をまとめました」と語ります。

　ドイツの大きな女性組織、「ドイツ女性の輪」やアムネスティ・インターナショナルのドイツ支部、キリスト教団体などが賛同し、当日は「会」の代表とともに日本大使館に申し入れました。賛同団体は現在、２６団体に増えました。

　会のメンバーの一人、浜田和子さん（６８）は、「ドイツでは戦争責任のあり方が日本とはまったく違います。韓国人の友達もいるし、そこからさまざまな見方ができます」と話しました。

　（ベルリン＝片岡正明）

( ２０１３年０９月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

元７３１部隊「国はなぜ隠す」／捕虜を使って人体実験／１９４４年８月ハルビンに配属大川福松さん

妊婦も生体解剖、細菌兵器を「開発」

　安倍政権が侵略戦争の史実をゆがめるなか、日本陸軍・細菌戦部隊の凄惨（せいさん）な実態を明らかにしたいと、自身の加害体験に向き合う元隊員がいます。

　本吉真希記者

　元隊員は三重県に住む大川福松さん（９３）。１９４４年８月、中国東北部（旧満州）の北安陸軍病院から、ハルビン市郊外の７３１部隊（正式名称・関東軍防疫給水部）に転属しました。

　７３１部隊で、１人の妊娠中の「慰安婦」を解剖するなど、終戦近くまで１日２〜３人、多いときで５人の生体解剖に関わったと話します。

　「麻酔は鼻にちょっとあてるだけ。捕虜は痛さでもん絶した」。人体実験の��材料�≠ﾉされたのは、中国やロシア、朝鮮の人々でした。

　「ペストや腸チフスに感染させた捕虜を『マルタ○号』と番号で呼んだ｡『１号のペスト菌はどんな成果が出たか』いうて、症状を調べた」

　部隊では心臓や肝臓などを解剖して感染経過を分析。そのデータから強力な細菌兵器を、ジュネーブ条約に違反して極秘に「開発」しました。臓器はホルマリン漬けにして標本にし、研究のため各病院へ送られました。

　どの菌が効果的に人間の害になるかを研究し、培養・増菌しました。菌の培養やワクチンの製造に、血清を使いました。

　血液を分離して血清をつくるため「生きとる人間から血液を抜きとるのも、生体解剖の目的だった」。解剖後はすぐに焼きました。「手術台からそのまま焼却炉に放り込んだ」

　部隊は細菌戦も実行し、大川さんがつくった腸チフス菌はガラス瓶に入れられ、投下されました。大川さん自身も北安陸軍病院にいたときには、討伐行動でコレラ菌を井戸に入れました。

　７３１部隊所属の金子順一軍医が作成した極秘報告書（注）によると、部隊が吉林省や浙江省など六つの地域で行った作戦（４０〜４２年）で、ペスト菌を用いた細菌兵器を使用。死亡者数は１万９６４６人に上りました。

幹部は免責

　東京裁判で７３１部隊は裁かれませんでした。実験データを米軍へ提供するのと引き換えに、幹部らが免責されました。

　大川さんは戦後６０年間、行政によって軍歴を明らかにしてもらえず、軍人恩給を受けることができませんでした。大川さんにとって、戦後一貫して、国が細菌戦部隊について隠してきたことと、いま、安倍晋三首相らが日本軍「慰安婦」の強制連行を否定する動きが重なります。

｢なんで国は隠すんか｡二度と同じ道を歩まんよう、不正なことは社会に明らかにせなあかん」

注(２０１１年､｢７３１･細菌戦部隊の実態を明らかにする会｣が国立国会図書館関西館で発見)

(２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

ヘイトスピーチ見過ごせない／多様性尊ぶ社会に／「東京大行進」の実行委員で４０人超のマーチングバンドでトランペットを吹いた木野寿紀さん東京・練馬区

　多様性を尊ぶ社会をマーチングで表現できたらと思いました。マーチングバンドがいろんな楽器で演奏するように、私たちの社会も多様な人たちが自分のアイデンティティー（主体性）をもって生きられるはずです。

　在特会の差別行為を何年もの間、見て見ぬふりを続けているうちに、大都会の繁華街で公然と凶悪な差別行為が行われるまでになってしまいました。このまま、あのデモを素通りさせるわけにはいかないと思いました。

　「慰安婦」被害者の侮辱やナチス称賛の発言など、政治家による問題発言が相次いでいます。差別がまん延していることを政府が認めていない。この根本を変えないとダメだと思い、デモをしようと考えました。

(２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

政府は名誉・人権返せ／「慰安婦」問題解決へ集い／京都

　旧日本軍による「慰安婦」問題の早期解決をめざす「近畿のつどい」が２８日、性奴隷被害に遭った韓国のハルモニ（おばあさん）を迎えて、京都市内で開かれました。

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす大阪の会と新日本婦人の会京都府本部が主催し、会場いっぱいの３００人が参加しました。

　「慰安婦」問題を国会で追及してきた日本共産党の吉川春子元参院議員の司会進行で、「ナヌムの家」に暮らす朴玉善（パク・オクソン）さん（９０）、李玉善（イ・オクソン）さん（８７）、姜日出（カン・イルチュル）さん（８６）の３人が、無理やり連行され暴行を受けた被害体験を証言し、「日本政府に謝罪してほしい。奪われた名誉と人権を返して」と訴えました。

　意見交流では会場から６人が発言。橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言に対する抗議行動、京都府と地方議会で意見書を可決させる取り組み、日本の戦争加害を伝える活動などを報告し、「慰安婦」問題の一日も早い解決に力を合わせる決意を語りました。

　大阪ＡＡＬＡの四ツ谷光子副理事長、「ナヌムの家」の安信權（アン・シングォン）所長があいさつ。参加者一同で「故郷の春」「アリラン」などを歌い交流しました。

　大阪市から参加した女性（３１）は、「日本政府に早く謝罪をさせるよう、私たちも運動を強めなくてはと思った」と話していました。

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国外相は慰安婦対応要求

　【ニューヨーク＝洞口昇幸】韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は２７日、国連総会の一般討論で演説し、旧日本軍の「慰安婦」問題について「普遍的な人権問題として責任のある手段で犠牲者の名誉を回復させ、彼女らの痛みを和らげることが求められている」と述べ、名指しは避けたものの日紛争下の一般人の保護問題に触れ、「紛争下の性的暴行は、最も深刻な人権侵害の一つで戦争犯罪だ。特に、前世紀の紛争下の性的暴行の被害者の痛みと苦しみは今日まで続く」と「慰安婦」問題を示唆、日本政府を暗に批判しました。

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

本政府に対応を求めました。

　尹外相は、

首相、「結果の秋」意気込むが内外世論との矛盾必至

　「日本に帰ったら１０月、実りの季節だ。内政・外交両面でさまざまな課題にしっかり結果を出していく」。安倍晋三首相は米国・カナダ訪問最終日の２７日朝（日本時間同日夜）、ニューヨークでの内外記者会見でこう意気込みました。

言いたい放題

　安倍首相は訪米中、内政・外交両面にわたり内外の世論に挑戦する言動を繰り返しました。

　消費税増税については「１０月初旬に最終判断する｣とし､法人税については「日本に帰ったら、直ちに大胆な減税を断行する」と言明しました。

　「積極的平和主義」というごまかしの概念を使い、集団的自衛権の行使容認に向けて「国民的な理解が進むように努力したい。公明党の理解を得るための議論を進めたい」と執念を示しました。

　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）については「年内の交渉妥結に向け、日米でリードする」と約束。さらに原発を「放棄することはない」と宣言しました。

　安倍首相は、帰国後早速、１０月１日には消費税増税を決断する構えです。

　同３日には、日米安全保障協議委員会（２プラス２）を開き、「日米軍事協力のための指針（ガイドライン）」再改定の本格着手で合意する見通しです。集団的自衛権の行使容認に向けた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」（安保法制懇）は、年内の報告書取りまとめに向けた議論を進めています。

たたかいの秋

　これに対し国民の反対世論・運動も高まりをみせています。

　２７日には、東京・日比谷野外音楽堂に５０００人以上が集い、「消費税大増税ストップ」の声を上げました。集団的自衛権の行使容認の動きに対しても国民世論は反対が多数です。ＴＰＰ反対や「原発ノー」の取り組みは全国各地、各界に広がっています。

　一方、ハドソン研究所での「右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼べ」という安倍首相の挑発的な発言に対し、中国外務省の洪磊（こうらい）副報道局長から「国際社会の関心と正義の叫びに真面目に向き合うべきだ」と反発の声が上がっています。

　国連総会の一般討論演説で安倍首相は今日における紛争下の性的暴力被害者の救済を表明しましたが、韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は同じ場で「戦時の性暴力被害者の苦痛は今も続いている」と訴え、日本政府に旧日本軍「慰安婦」問題への真摯（しんし）な対応を求めました。

　たたかいの秋―。安倍氏が��実り�≠�得ようと意気込めば意気込むほど、内外の世論との矛盾に突き当たることは避けられません。

　（山田英明）

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題解決急いで／京都市長と面談／来日の被害女性

　韓国から来日中の旧日本軍「慰安婦」被害女性らが２７日、京都市役所を訪れ、門川大作市長と面談し、「慰安婦」問題の早期解決に向け協力を求めました。

　面談は、「京都市議会で『慰安婦』意見書を求める会」に参加する、アムネスティ・インターナショナル日本の「慰安婦」問題チームが要請したもので、李玉善（イ・オクソン）さん（８７）、姜日出（カン・イルチュル）さん（８６）、朴玉善（パク・オクソン）さん（９０）の３人と、「ナヌムの家」の安信權（アン・シングォン）所長が同席しました。

　女性らは、いずれも１５歳の時に連行され、日本軍の慰安所で強制され、戦後も中国に残留の身となり、２０００年以降に母国に帰国しました。

　面談後、李玉善さんは支援者との懇談で、市長が直接、話を聞いてくれたとのべ「もともと、慰安婦として生まれた人はいない。日本政府は、被害者に謝罪、名誉回復し、歴史認識の問題を解決してほしい｣と話しました｡

　同「慰安婦」問題チームコーディネーターの山下明子さんは、京都府議会で早期解決を求める意見書が可決した時（３月）、すぐにインターネットで世界中に発信されたことを面談で紹介し、「国際観光都市の京都が、『慰安婦』問題の早期解決に積極的に取り組むことの重要性を伝えました」と話しました。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

おはようニュース問答／市民の力で差別なくしていきたいね

　ふゆみ　♪こんなデタラメの差別とさよならしたいよ〜。

　のぼる　何を歌っているの？

　ふゆみ　２２日に東京で行われた「差別撤廃　東京大行進」で流れていた曲だよ。大行進に賛同する有名なミュージシャン４人が歌っていたの。実際に行進したミュージシャンもいたんだよ。

卑劣デモに対抗

　のぼる　かっこいいね。僕はインターネット中継で見たよ。先頭に黒いスーツの人たちがいたけど、あれは何だっけ？

　ふゆみ　あれは、５０年前の米国でキング牧師などが人種差別撤廃を求めた「ワシントン大行進」を意識したの。

　のぼる　「私には夢がある」で有名な演説が行われたんだよね。

　ふゆみ　そう。「東京大行進」では、日本政府に対して人種差別撤廃条約の誠実な履行を求めているんだよ。

　のぼる　そうなんだ。

　ふゆみ　「差別をなくそう」「一緒に歩こう」とラップで訴えるＤＪを乗せたトラックや、性的マイノリティー、チマチョゴリを着た人などもいて多様性をアピールしていたよ。

　のぼる　いろいろな人がいていいんだね。だけど、どうして「大行進」をやることになったの？

　ふゆみ　日本のコリアンタウンで「朝鮮人は殺せ」とかいったヘイトスピーチ(憎悪表現)を使ったデモが繰り返し行われているのは知っている？

　のぼる　民族や人種に対する常軌を逸した攻撃は許されないね。

　ふゆみ　卑劣なデモに対抗してきた人たちが中心になって、今回の大行進を企画したんだよ。

政治家の姿勢も

　のぼる　へえ。市民の力を合わせて、世論の力で排外・差別主義を包囲していきたいね。

　ふゆみ　そうね。だけど、ヘイトスピーチデモがエスカレートしているのは、政治家の姿勢が深く影響していると思う。

　のぼる　日本の侵略戦争を美化する安倍晋三首相の歴史認識や、橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」という発言だね。

　ふゆみ　そうそう。それに麻生太郎副総理はナチズムを肯定する発言をしたり…。

　のぼる　過去の過ちに真摯（しんし）に向き合わなければ、解決には近づかないね。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

歴史問題、日本に善処要求／韓国外相

　【ソウル＝時事】韓国外務省によると、ニューヨークで２６日行われた日韓外相会談で、韓国の尹炳世（ユン･ビョンセ）外相は旧日本軍の従軍慰安婦問題について「過去の被害者に対し、納得できる措置が速やかに取られなければならない」と述べ、日本政府の積極的な対応を求めました。

　尹外相は会談で「歴史問題に関する事案の本質を糊塗（こと）するいかなる試みも、決して受け入れることはできない」と指摘。また、在日韓国人らの排斥を主張する日本国内でのデモに懸念を示し、効果的な対応を取るよう岸田文雄外相に要請しました。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

安倍首相の国連総会演説／世界で特異な存在感示す

　国連総会での各国首脳らによる一般討論演説で安倍晋三首相は２６日、日本政府として「新たに積極的平和主義の旗を掲げる」と宣言し、「ＰＫＯ（国連平和維持活動）をはじめ国連の集団安全保障措置に対し、より一層積極的な参加ができるよう図っていく」と言明しました。

「積極的平和主義」

　「積極的平和主義」は、首相が最近「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」（安保法制懇）の会合などで言及し始めたもの。解釈改憲によって集団的自衛権の行使や海外での武力行使を可能にしようとする動きをオブラートに包み、日本国民や周辺国の批判を和らげるためにつくった概念です。内実は、日本国憲法の平和主義に背く、世界の紛争などへの軍事的関与の拡大です。

　「軍事介入が平和をもたらすと考えるのは幻想だ」―。同日の一般討論で初めに演説した中南米ガイアナのラモター大統領は、シリアの内戦に関し、こう述べました。スロベニアのパホル大統領も「政治的解決が唯一、現実的で長続きする」と訴えました。

　今回の一般討論演説では、シリア問題について各地域のさまざまな国が軍事力によらない解決を推奨、確認し合っています。

　これに対し安倍首相は、シリア問題で難民に対する人道支援は強調したものの、紛争の平和的解決の必要性には言及しませんでした。その背景にあるのは、軍事力の行使を中核にした「積極的平和主義」という、世界の平和の流れに逆行する考え方です。

「慰安婦」問題でも

　首相は演説の多くを女性問題に割き､｢憤激すべきは、２１世紀の今なお､武力紛争のもと､女性に対する性的暴力がやまない現実だ｡犯罪を予防し､不幸にも被害を受けた人たちを物心両面で支える｣などと述べました｡旧日本軍｢慰安婦｣問題への国際社会の批判をかわす狙いとみられます｡

　しかし、国際社会が「憤激」しているのは、かつて旧日本軍が行った組織的・系統的な「女性に対する性的暴力」＝「慰安婦制度」への根本的な反省を欠き、被害者への公式謝罪と賠償をかたくなに拒否する安倍政権の姿勢です。

　「日本の存在感を示す」として国連総会に乗り込んだ安倍首相が示したのは、同政権が、世界の平和の流れや国際社会の常識に反する特異な存在であるということでした。

　（洞口昇幸＝ニューヨーク、榎本好孝）

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題解決策は／集会で学ぶ／国際婦人年京都連絡会

　国際婦人年京都連絡会は２３日、第３９回京都集会を京都市内で開き、「慰安婦」問題の解決にむけて学習しました。

　主催者あいさつで、代表の久米弘子弁護士は、「平和・平等・開発」という国際婦人年のスローガンを紹介し、「慰安婦」問題を例に、「平和でなければ、女性の人権が尊重され、調和のとれた社会の発展は望めないことがつくづく分かると思う」と話しました。

　元「慰安婦」女性の証言と研究者や政治家の発言で構成した映画「終わらない戦争」の上映に続き、アムネスティ・インターナショナル日本「慰安婦」問題チームコーディネーターの山下明子さんが講演しました。

　山下さんは、「慰安婦」被害者の証言以降、各国の女性運動の広がりを背景に、性暴力に対する意識が女性の人権の問題として国際的に高まる一方、日本政府の認識の遅れは国際社会から孤立していると強調。「維新の会」共同代表の橋下大阪市長の発言に反論しない態度は、日本が批准している国際条約にも反すると指摘し、「性奴隷制の事実は国際法上、確定しており、きちんと謝罪し早期解決をすべき」だと訴えました。

　参加した女性（４９）は、「日本と国際社会の認識の差を感じた。歴史を若い人に伝えていかなくては」と話していました。

(２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市つぶしと正面対決／共同広げ最後まで／大阪労連などがアピール

　大阪労連など大阪で活動する六つの地方労働団体・労働組合が２６日、「堺市長選で、橋下・維新の会の『大阪都構想』を阻み、独裁政治に明確なノーの審判を下そう」とのアピールを発表しました。

　アピールは、大阪労連のほか、大阪全労協、全港湾関西地方本部、国労近畿地本、連帯ユニオン近畿地本、おおさかユニオンネットワークの連名です。

　堺市長選は、現職の竹山修身市長と、「大阪維新の会」の前堺市議との激しい選挙戦となっています。竹山市長は、維新の「大阪都構想」に反対し、市民の声に基づく市政の実現、「堺のことは堺で決めよう」と呼びかけ、奮闘しています。

　橋下・維新は、関西財界の利益に奉仕する「大阪都構想」など自治体壊しと住民サービス犠牲を強権的手法ですすめるため、「職員基本条例」「政治活動制限条例」で物言わぬ職員づくりを強行し、憲法違反の「思想調査」アンケートや組合事務所強制退去など、労働者と労働組合の権利を侵害する行為を繰り返しています。大阪を国家戦略特区として国家公認の「解雇特区（原案通りの〜ブラック企業特区）」にしようとしており、暴政への批判が広がっています。

　彼らの政治本質は、「憲法と民主主義否定の独裁政治」に他ならず、橋下氏の「慰安婦暴言」に内外から多くの批判が巻き起こっていることは当然です。

　いま橋下・維新は、参院選の失速からの復権を堺市長選に位置づけており、憲法改悪、消費税増税、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加、労働法制改悪などの策動も含めて、今後の国政との関係も軽視はできません。

　堺市では、「大阪都構想から堺市を守る自由と自治・堺の会」が立ちあげられ、市議会でも維新提案の「教育基本条例案」「職員基本条例案」を否決し、６月には「日本維新の会共同代表らによる、いわゆる従軍慰安婦問題等に関する発言の撤回及び謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」を賛成多数で採択、幅広い共同の努力がすすめられてきました。

　いま、これらのたたかいが市長選での幅広い大きな共同となって広がっています。

　私たちは、橋下・維新がすすめる「大阪都構想」への堺市の参加を許さず、橋下氏の「慰安婦暴言」への批判の中で、都議選と参院選で大きく後退した維新が地元の大阪で再び息を吹き返し「独裁政治」を拡散することを許さない立場から、今回の堺市長選で橋下・維新に明確な審判を下し、堺市乗っ取りを阻止していくために、最後までの大奮闘をよびかけるものです。

(２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／つくる会がフル回転／南区

　全国注視の堺市長選（２９日投開票）で現職の竹山修身候補を自主的に支援する「住みよい堺市をつくる会」は２６日、宣伝、対話・支持拡大に全力を挙げました。

　同市南区の事務所では、渡辺法子さん（６０）が若いお母さんと対話。渡辺さんは「ずっと運動してきた子ども医療助成の中学３年生までの拡充が、竹山市政でやっと実現しました」と話し、「『維新の会』が掲げる『大阪都』構想で、堺の税収が『都』に吸い上げらたら、この制度もなくなります」と訴えると、お母さんは「竹山さんに入れます」と応えました。

　「慰安婦制度は戦争中どこでもやっていた」という橋下（徹大阪市長）ファンの７０代の女性に「『都』構想で堺市の税金を吸い上げ、カジノや大型開発に使おうとしているんですよ」と丁寧に話をすると､女性は｢カジノはあかん｡考えてみます｣と返ってきました｡

　連日、対話・支持拡大に奮闘している山岨（やまそ）和子さん（６７）は「『維新』の橋下市長のもとで赤バスや市民病院が廃止され、くらしが破壊されていることをみんな分からないのかと憤る人がいる一方で、『都』になったっていいと言う人もいます。どんどん声をかけ最後の最後までがんばります」と語りました。

( ２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺はひとつ／市民の誇りなんとしても／市議会会派・ソレイユ堺山口典子堺市議／新しい市民運動の幕開け

　大阪府にも、お隣の大阪市にも莫大な借金があります。松井（一郎知事）さんも橋下（徹大阪市長）さんも「堺が」と言う前に、まず自分のところの改革をきちんとすべきですね。

借金の肩代わり

　市税収入１３００億円のうち、毎年４６０億円が「新大阪府」にもっていかれたら、堺の福祉サービスなんか向上するはずがない。堺市民は、大阪府と大阪市の借金の肩代わりをする「大阪都」構想に屈さないし、維新にもひれ伏しません。

　私が一番腹立つのは、「維新の会」が��既得権益をつぶす�≠ﾆ言っておきながら３０億円近くの政党助成金をもらうという。税金ですよ。「改革」というなら、返上するのが当たり前です。政党助成金をもらっていないのは共産党さんだけですよ。かっこいいですね。それでこそモノがいえるんですよ。

　竹山修身市長も退職金を返上しました｡｢堺を守る｣だけでなく､市民のためのまっとうな政治をやろうと頑張っています。

政党の枠超えて

　今回の市長選は従来とはまったく違う、新しい形の選挙です。共産党さんも、「住みよい堺市をつくる会」のみなさんも、政党間の駆け引きや線引きを超えて、竹山候補のビラをまき、地域で汗を流し、「堺はひとつ」で立ち上がっています。

　政党の枠を超えて、「堺を守ろう」「一緒にやろうや」という新しい市民運動の幕開けですよ。「ものの始まりなんでも堺」なら、新しい政治も堺からです。

　橋下さんの「慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる」という暴言は、��男性の性は我慢できない�≠ﾆ決め付けて、��女性は性のはけ口�≠ﾆしているところに根本の問題があります。これは男性にも失礼です。人権や平和、憲法をまもらない人に政治はやれませんよ。

　「維新の会」の市長候補者が誰だかわからないくらい、橋下さんばかりしゃべっていますけど、堺にはいりませんよ、橋下さんの傀儡市長は。

　（聞き手　竹原東吾）

( ２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／５／職場支部での党員拡大／情勢の激変に確信もち

　２０年、３０年ぶりに新入党員を迎え、喜びにあふれる職場支部が生まれていますが、第２５回党大会後、新入党員を迎えていない５１％の支部の多くが職場支部です。職場の情勢が大きく変わるなか、各地で始まっている努力の一端を紹介し、すべての職場支部が新入党員を迎えるという「大運動」目標に、全党の力をつくすことをよびかけます。

　〈得心ゆくまで討議、具体化〉　Ａ地区は、昨年の「大運動」以来、自覚的な職場支部づくりに努力しています。参院選後も、常任委員会が手分けして、一つひとつの職場支部と懇談。選挙での努力、確信とともに、あきらめや不確信があることもリアルにみて、８中総決定を得心ゆくまで討議し、「大運動」目標と計画をもつことを何より重視しています。

　〈支持者の思いを聞く〉　この連載でも紹介していますが、参院選で党を支持した労働者は、暴走に憤り、「政治を変えたい」との思いを強めています。Ｂ地区は、「職場支部が情勢の激変をつかむには、支持してもらった労働者の思いを聞くことから」とよびかけ、��連合組合の分会長が、安倍政権で憲法が危ない、社民党は力にならない。比例も選挙区も共産党に入れたよ、と話しかけてきた�∞�共産党の話はご法度だったが、管理職の目の前で職員が党の躍進を喜び合う姿に驚いた�≠ﾈど、交流が始まっています。

　〈要求・関心を綱領の目で〉　Ｃ地区の教職員支部は、党大会後、７人を党に迎えています。信頼の厚い元組合委員長の党員が、若い教員の目線で綱領を学ぶサークルを組織し、「こんな日本にだれがした」「学校の息苦しさはどこから来るのか」「朝鮮半島と日本」などを学びつつ、党の「集い」もくりかえし開いています。

　教員、自治体、医療、民間など、職種ごとの要求、関心に綱領の目でこたえる努力は、職場での党支部の役割への理解・共感を広げ、入党の力になっています。

　〈オール○○県の立場で〉　Ｄ県は、職場支部の継承、建設に県党組織全体がもつあらゆる可能性を生かそうと「オール○○で」とよびかけ、地域支部が「民主連合政府へすすむにはＥ大企業の党づくりに自分たちも力を」と、地域に住む労働者を迎えています。地域支部の労働者党員の「職場に迎えたい人が…」との発言をきっかけに、県、地区、労組グループなどが連携し、空白職場での支部づくりも始まっています。

　〈民青班づくりから〉　昨年の「大運動」以来、若い労働者のなかに党をつくることを展望し、民青班をつくり、援助し、「組合青年部を再建し、入党者も迎えた」（自治体支部）、「綱領を学び、社会への思い、仕事のやりがい、悩みを交流し、励ましあう場に」（保育支部）などの経験も生まれています。

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／４／暴走政治とのたたかい／いまこそ「車の両輪」で

　消費税、社会保障、雇用、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）、原発、憲法と集団的自衛権――安倍政権の暴走とたたかう国民運動が広がり、日本共産党は、国会でも草の根でも、たたかいと共同の発展に力をつくしています。

　「��たたかいのなかで党勢の拡大を�＝A��党勢を拡大し、たたかいの発展を�≠ﾆいう『車の両輪』の活動がいまほど求められているときはない」（８中総決定）――とくに、職場と若い世代・現役世代を党に迎えるうえで、この提起を深くつかむことが大切です。

「政治変えたい」思い

　「保守的な家で育ったが、３・１１から自分は変わった。自民も民主もだめ、党員の友人に誘われ、金曜行動に参加するなかで、共産党しかないと思うようになった」（福島・４０代）、「貧困で治療や検査を受けない人たちに胸が痛む。この現実を変えたい。社会保障改悪など許せない」（香川・医療職員）、「祖父が組合長をしているＪＡが、自民党支持を撤回したことに圧力がかかり、自民党ではホトホトダメだと悟った」（埼玉・青年）――入党した方々の思いです。

　原発、ＴＰＰ、生活保護などの「官邸前行動」に象徴されていますが、切実な願い、要求でたちあがっている国民の運動は、「暴走」政治に憤り、「政治をかえなければ」、「自分も力になりたい」という思いを共有し、強めていることに大きな特徴があります。この思いが参議院選挙で日本共産党の躍進を実現する原動力ともなりました。

　いま、たたかいに参加している方々の思いに耳を傾ければ、その多くが入党を働きかける対象といっても過言ではありません。

丸ごと知ってもらう

　もう一つ大切なことは、ともにたたかう仲間に党を丸ごと知ってもらう「集い」など、入党を働きかける独自の努力を強めることです。職場、地域に、ともにたたかう仲間がたくさん生まれているだけに、たたかいと一体に党員を増やす意識性を発揮することが求められています。

　大阪・堺市長選挙告示後の大激戦のなかで、青年支部が３人を党に迎えています。システムエンジニアとして昼夜逆転で働きながら、連日、フル回転している女性はその一人です。メガホン宣伝の目の前で、橋下代表に��詐欺師集団�≠ﾆののしられたことに青年支部のメンバーは怒り心頭で、「負けられへん」と行動後に参加していた女性に働きかけ、党に迎えました。

　青年支部は会議のたびに対象者一人ひとりにどう働きかけるかを話し合い、入党した３人とも、志位委員長のトークセッション、民青班の学習・交流イベントなどで何度か入党について話し合ってきたことが、激烈なたたかいのさなかの相次ぐ入党に実っています。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／３／長く増やせていない支部も／党員拡大の��条件�≠�る

　「大運動」の大切な目標は、長期に迎えていない支部をふくめ、すべての支部が新入党員を迎えることです｡この十数年､大会期ごとに党員を迎えた支部は３〜４割台でしたが、今期は職場支部などの努力もあり､４９%になっています｡

　しかも、参議院選挙での躍進は党内外に大きな変化を生んでおり、２０年、３０年ぶりに党員を迎えた支部が各地に生まれています。

２０年、３０年ぶり入党

　「日ごろ仕事の相談にのり、参院選で後援会活動に参加し、原発問題を真剣に考えている３０代の労働者が、祝勝会で入党してくれた。現役党員は、『綱領・古典の連続教室』を受講し、職場の党の灯を消せないと、永年党員になってはじめて入党を働きかけ、３０年ぶりに党員を迎え、もう１人迎え支部再建をめざしている」（民間職場支部）

　「教育実践サークルで結びついてきた若い教員に、職場講座（教員）に学んで、党としての働きかけが大事と、日曜版は読んでもらえたが、入党は切りだせていなかった。参院選の躍進に背中を押され、『集い』に参加してもらうと、いじめ、『はだしのゲン』、改憲などへの怒りが次つぎだされ、二十数年ぶりに迎えた」（教員支部）

　「支部長が都議選の躍進に非常に励まされ、参院選で久しぶりに工場門前宣伝にとりくみ、職場内で支持も広げた。これに自信をもち、党の躍進で職場の雰囲気も変わり、十数年ぶりに組合の同僚を迎えた」（ＪＲ支部）

　「土地問題の相談にのった方が日曜版を読み、参院選で支持してくれたので、入党をよびかけると、改憲、集団的自衛権容認への憤りを語り、入党した。市町村合併で支部への援助が弱まり、長く党員を増やせていない地域支部が多いなか、１１年ぶりに迎えた」（新潟・地域支部）

躍進に背中を押され

　どんな支部でも党員を迎えられる――８中総決定が明らかにしている情勢の激変、客観的主体的条件の変化はどの支部にも起こっています。

　久しぶりに党員を迎えた支部は、共通して「参院選の躍進に背中を押された」と語っています。どんな支部も、党員は労働者、住民の利益を守るために努力し、相談相手として信頼をえており、参院選でも結びつきを生かし、奮闘しました。選挙で熱心に協力していただいた方も、支持・共感していただいた方も、「暴走」政治への強い怒りをもち、入党のよびかけを真剣に受けとめてくれているのが特徴です。

　��長く増やせていないから困難�≠ﾅはなく、��長く増やせていない支部には条件がある�≠ﾆいう立場で、すべての支部が新入党員を迎えるために力をつくしましょう。

( ２０１３年０９月２６日， 「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／２／支部会議で率直に討議／自分たちの「大運動」に

　「大運動」で支部が新しい党員を迎えるには、８中総決定と党創立９１周年記念講演を討議し、なぜ「大運動」にとりくむのか、なぜ党員拡大が根幹か、条件・可能性の広がりとはどういうことかなどをよく話し合い、支部としての「大運動」の目標と計画をもつこと、「成長・発展目標」「政策と計画」を充実することが大切です。

　党員拡大でよく出される意見は「対象者がいない。何回も働きかけた」「支部会議もひらけていないのに」「若い人を迎えたいが、手がかりがない」などです。率直に意見を出しあうことからはじめ、何を話し合い、どんな計画をたてればいいのでしょうか。

情勢の激変つかんで

　参議院選挙後の情勢の激変が党員とまわりの人たちにどんな変化を生み出しているかを話し合えば、躍進の喜びとともに、選挙後の安倍政権の「暴走」への不安と怒りが出しあわれます。そして、��こういう時こそ、党員を増やそう。党を大きくしよう�≠ﾆいう意欲がわき、「大運動」の意義を自分たちのものにできるし、選挙で協力、支持くれた人たちなど、働きかける対象もこれまで以上に広がります。

　「ブラック企業」が大きな争点となったように、雇用破壊に苦しむ若い世代の共感が広がったことも参院選の大きな特徴であり、ここにも新たな可能性が生まれています。

総合的活動と一体に

　８中総決定が、「総合的前進と一体に、党勢拡大の前進のための独自の追求をはかることが重要」と述べていることも大切です。

　切実な願い、要求でともにたたかい、結びつき・信頼関係を大切にし、党を丸ごと知ってもらう「集い」をひらき、「綱領・古典の連続教室」などを学ぶ――支部がこんな活動にとりくむことで、党員自身が元気になり、党に迎えたい人たちの自覚、党への理解と信頼を深め、入党の決意に実っていきます。

　だれにとっても入党は、日本共産党の一員としての生き方の選択です。ためらいもあり、いろんな疑問もあります。そういう人たちの思い、要求にこたえる支部の活動を充実させていくことで、多くの人たちが入党に一歩一歩近づいていくものです。

　また、新しい党員を迎えることで、支部活動に活気がよみがえることも各地に共通する経験です。

　党大会まで約４カ月、支部会議を粘り強くひらき、討議・具体化と実践を重ね、自覚的で総合的な活動のなかで、意識的に入党を働きかけていけば、かならず新しい党員を迎えることができます。

( ２０１３年０９月２５日， 「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

（はじめに）

　第８回中央委員会総会は、「第２６回党大会成功・党勢拡大大運動｣(｢大運動｣)をよびかけました｡

　８中総決議は、参議院選挙での「躍進は、私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視」し、「今後、どのような情勢のもとでも、開始された��第３の躍進�≠�本格的な流れにしていくために、党の自力の弱点を打開し、強く大きな党をつくることが絶対不可欠であることを、選挙戦の最大の教訓の一つ」と強調しました。この自力の根幹が党員です。

　「大運動」は党員拡大を中心・根幹にすえた運動であり、党員拡大の目標は、前党大会後、新入党員を迎えていない支部をふくめ、「すべての党支部が新しい党員を迎えること」「党の世代的継承のとりくみを特別に位置づけ」ることにあります。

　目標をやりぬくために、各地の実践に学び、参院選後の情勢の激変がつくりだしている客観的・主体的条件、それをくみつくす支部の活動について考えていきます（７回連載の予定）。

　（組織局）

　「出産で雇い止めされ、テレビで共産党がブラック企業を告発し、雇用を守る政党だと知り、共産党本部にメールを送り、地元の党員と会い、自分もたたかいたいと入党」（２０代）

　「中学で憲法の大切さを深く学んだ。これまで考えたことはなかったが、安倍政権の憲法改定の動きに危機感をおぼえ、やめさせられるのは共産党だと思い、ネットで綱領と規約も読み、入党したいと電話した」（５０代、大手企業社員）

　「福島原発事故への対応に強い怒りを感じ、オスプレイやＴＰＰでのアメリカいいなり、慰安婦問題など、一般の新聞では真実がわからないと『赤旗』日刊紙を申し込み、訪ねてきた党員と意気投合し、しばらく考えて入党」（保守が強い山あいにくらす４１歳の女性）

　「２０年近く共産党に共感してきたが、『共産党』と書く勇気はなかった。最近、日曜版を読むようになり、はじめて『共産党』に投票し、カンパもして、自分も力になれるのならと入党」（７２歳の男性）

暴走への不安と憤り

　参議院選挙で党に一票を投じた方、選挙後、新たに注目、関心を寄せている方が、躍進を喜ぶとともに、くらしの切実さ、原発、憲法など、安倍政権の暴走への不安と憤りから、なんとかしたい、できるのは共産党と入党してきています。

　日本共産党は、「民主主義、独立、平和、国民生活の向上、そして日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸を開いている」（党規約）政党ですが、みずから「共産党に入りたい」と申し出る人が各地に生まれていることは、かつてなかったことです。

��自分たちに壁ある��

　「自分たちに壁があることを痛感した。党を大きくするには、自分たちが変わらなければ」――最近の入党の経験にふれた党員の率直な感想です。まず、私たちに求められるのは、党を支持、共感する方々の切実な思い、前向きの変化を受けとめ、こういう方々が入党される可能性が大きく広がる時代を迎えていることをつかむことではないでしょうか。

　もちろん、実際に入党されるには、さまざまな働きかけ、粘り強い努力が必要です。すぐに入党する方もいれば、時間をかけ、ときには何年もかけてという方もいます。職場、地域には入党の障害も少なくありません。支部はどう活動し、働きかければ、迎えられるか、次回から考えていきます。（つづく)

( ２０１３年０９月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

25

「慰安婦」問題の早期解決求める／松山市に署名提出

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める会・松山（井谷カヨコ氏ら共同代表４人）はこのほど、松山市議会の寺井克之議長に、３７９３人分の署名を添えて、「日本政府に対し日本軍『慰安婦』問題の早期解決を要求する意見書」採択を求めた請願を提出しました。

　会員ら１９人が市議会を訪ね、清水宣郎副議長（議長は出席停止処分中）に請願書を手渡しました。

　井谷氏は「国際社会では、日本軍『慰安婦』は、性奴隷制の問題であり、女性の人権侵害であること、日本政府は公式謝罪と賠償の責任を果たすべきであることが共通認識となっています。歴史の事実を否定し、女性の人権を極限まで踏みにじったこの問題を放置し続けていては、アジアや世界の人々との信頼と平和な未来を築くことはできません」と訴えました。

(２０１３年０９月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

論壇時評／田代忠利／戦後国際政治の原点に背く議論

　今月の論壇では、先の戦争や集団的自衛権をめぐる議論に注目しました。

　『文芸春秋』の座談会「中韓との百年戦争にそなえよ」は、靖国参拝、日本軍「慰安婦」など歴史認識をめぐって中国、韓国に非難をあびせています。川村雄介（大和総研副理事長）は、中国の反日デモで被害に遭った日本人は「前の戦争で中国や韓国に迷惑をかけたのは事実だが……なぜ、何代も後の自分たちが罵倒され、襲われなくてはならないのか」という「やりきれなさ」を感じていると発言しています。

「日独伊が侵略」事実認識を共有

　日本への批判を暴力で表すのは決して許されません。後の世代の個人に、生まれる前の問題で罪がないのは当然です。しかし政府には過去に起因する問題を解決する責任があります。それは侵略戦争の反省にたち国際公約でもある憲法を生かした外交をすすめることです。いま日本が中国や韓国から批判されているのは、小泉元首相が靖国神社を参拝したり、安倍首相が、戦争での加害をわびた「河野談話」、「村山談話」の見直しを意図するなど、日本政府が以前の政権と違う姿勢をみせているからです。

　出席者は中国、韓国の「事実観」は日本と違うと強調します。しかし世界で共有されている事実認識はあります。先の戦争が日本、ドイツ、イタリアによる侵略だったという認識はその一つで、これは戦後国際政治の原点です。川村氏らはこの認識をしめしていません。川村氏は、「中国、韓国では『決定事実』、つまり自分たちが人為的に決定した事実こそが『事実』」だとのべ、秦郁彦（現代史家）は、「共通の歴史観などを求めるから、ふりまわされる」とのべます。川村氏らこそ世界に通用しない一方的な「決定事実」の立場です。

軍事対応拒否の世界の現実見ず

　北岡伸一（国際大学学長）「現代における平和と集団的自衛権」（『中央公論』）は解釈改憲による集団的自衛権解禁論です。安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」座長代理でもある北岡氏は、明文改憲論を「手続きを踏んでいるうちに不測の事態が起き、集団的自衛権を行使すべき局面が訪れたらどうするのか」と批判します。急ぐ根拠は、中国が軍備を増強して尖閣で「挑発的な行動」をとり、北朝鮮が「現実の脅威」になるという「国際情勢の激変」です。

　しかし「国際情勢の激変」をいうなら、軍事対応が拒否されつつある世界の現実をみるべきです。アメリカが安倍政権の対中国・韓国政策を懸念していることも新しい要素です。集団的自衛権の解釈変更は「重大なこと」なので多くの国民に「真剣に、具体的に考えてほしい」といいつつ、国会ではなく、首相の宣言か閣議決定で決めよという北岡氏の態度は姑息であり、大義のなさをしめすものです。

　枝野幸男（民主党衆議院議員）「憲法九条私ならこう変える」（『文芸春秋』）は、明文改憲のすすめです。枝野氏は「憲法問題について、極論のぶつかり合いという不幸な事態を、これ以上放置することはできません」と趣旨をのべますが、９条を支持している国民多数の意見を「極論」とみなす感覚が問われます。枝野氏は、憲法に自衛隊を位置づけ、他国と共同した自衛権行使の要件を明記して、時の内閣に憲法解釈変更による武力行使をさせない「歯止め」にせよと提案します。しかし「歯止め」は９条２項の戦力不保持規定です。枝野私案は集団的自衛権行使に道を開くものです。

　山室信一（京都大学人文科学研究所所長）「『崩憲』への危うい道」（『世界』）は、改憲はナチスに学んで誰も気づかないうちにすすめるべきだという麻生副総理の発言と、安倍政権による集団的自衛権の布石が「二重写しとなって見えてくる」と警告します。軍備増強と集団的自衛権行使の容認が他国の警戒と軍事力増強を招き、「取り返しのきかない軍拡競争の悪循環に陥ることも避けられない」という指摘は、集団的自衛権行使容認論への有効な反論です。

　（たしろ・ただとし）

今月の動向（編集部）

　２０１４年４月の消費税増税に対して、財界や安倍首相の経済ブレーンからも懸念の声が上がっています。セブン＆アイ・ホールディングス代表取締役社長の村田紀敏「消費マインドを冷やしてはならない」（『中央公論』）は、「今のタイミングで消費税率を引き上げ、表示価格が上がれば、お客さまは相当な痛みを実感する」とし、消費税率のアップによって「再び経済は落ち込むのではないか」といいます。内閣官房参与の浜田宏一氏は対談「財政再建どころか財政崩壊…アベノミクスの危機を救え」（『正論』）で、「１期の四半期データだけで増税の可否を判断すべきではない」と、消費税増税の「１年ほど延期｣を提案しています｡

( ２０１３年０９月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

政府は「慰安婦」解決を／韓国被害女性、国会内集会で訴え

　日本軍「慰安婦」被害の韓国女性を迎えて２４日、「政府は今こそ日本軍『慰安婦』問題の解決を」と題する院内集会が参院議員会館で行われました。３００人が参加。主催は「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールや新日本婦人の会などでつくる「ナヌムの家」のハルモニ（おばあさん）を迎える会です。

　日本婦人団体連合会の堀江ゆり会長があいさつしました。新日本婦人の会の笠井貴美代会長が、日本軍「慰安婦」の被害者が共同生活する韓国の「ナヌムの家」からの呼びかけと全国からの募金で３人の来日が実現したと語りました。

　３人とも、怒りに声を震わせて日本政府に謝罪を求めました。

　李玉善さん（８７歳）は逃げようとして捕まって刀で切られた傷を示しながら「生きている間に謝罪、名誉回復・賠償をしてほしい。歴史の真実を必ず教科書に載せて名誉を回復してほしい」と訴え。

　姜日出さん（８６歳）は「安倍首相がなぜこの場にいないのか。きちんと謝罪すべきだ」と憤りました。

　朴玉善さん（９０歳）は「勇気をもって日本に来てみた。みなさんの真剣な姿を見て、すぐにでも解決できると思い、安心しました」と話しました。

　関東学院大学教授の林博史さんとアクティブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館ｗａｍの渡辺美奈事務局長が講演しました。

　日本共産党から紙智子、仁比聡平､吉良よし子､辰巳孝太郎､井上哲士､田村智子の各参院議員、高橋ちづ子衆院議員が参加しました。

( ２０１３年０９月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

「教育再生」方針テーマに講演会／奈良ネット２１総会

　「子どもと教科書　奈良ネット２１」の再開第１回総会と講演会が２２日、奈良市内で行われました。

　「子どもたちがねらわれている　どうする安倍政権の『教育再生』」と題して、子どもと教科書全国ネット２１事務局長の俵義文氏が記念講演。俵氏は、安倍政権の「教育再生」方針では、文科大臣による教育の中央集権化が進められ、教員と教育内容の管理を徹底し、政治教育を行った者には刑事罰（３年以下の懲役または１００万円以下罰金）の規定までもうけようとしているとのべました。

　教科書の内容を国が決めていく「国定化」で、日本軍「慰安婦」否定説など、歴史を歪曲（わいきょく）する記述も記載できるようにし、教育のもつ力で戦前の時代を作ろうとしていると国の動きを批判。「多くの国民はこのことを知らない、マスメディアも全体像がわかる報道をしていない、まずなにより、多くの人に知らせていくことが大切」と語りました。

　橿原市の非常勤講師の女性（５５）は「教え子を再び戦場におくるなと組合活動をしてきました。話をきいてどこから手をつければいいかわかりました。きょうの話を広げていきたいです」と話しました。

(２０１３年０９月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

（はじめに）

　第８回中央委員会総会は、「第２６回党大会成功・党勢拡大大運動｣(｢大運動｣)をよびかけました｡

　８中総決議は、参議院選挙での「躍進は、私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視」し、「今後、どのような情勢のもとでも、開始された��第３の躍進�≠�本格的な流れにしていくために、党の自力の弱点を打開し、強く大きな党をつくることが絶対不可欠であることを、選挙戦の最大の教訓の一つ」と強調しました。この自力の根幹が党員です。

　「大運動」は党員拡大を中心・根幹にすえた運動であり、党員拡大の目標は、前党大会後、新入党員を迎えていない支部をふくめ、「すべての党支部が新しい党員を迎えること」「党の世代的継承のとりくみを特別に位置づけ」ることにあります。

　目標をやりぬくために、各地の実践に学び、参院選後の情勢の激変がつくりだしている客観的・主体的条件、それをくみつくす支部の活動について考えていきます（７回連載の予定）。

　（組織局）

　「出産で雇い止めされ、テレビで共産党がブラック企業を告発し、雇用を守る政党だと知り、共産党本部にメールを送り、地元の党員と会い、自分もたたかいたいと入党」（２０代）

　「中学で憲法の大切さを深く学んだ。これまで考えたことはなかったが、安倍政権の憲法改定の動きに危機感をおぼえ、やめさせられるのは共産党だと思い、ネットで綱領と規約も読み、入党したいと電話した」（５０代、大手企業社員）

　「福島原発事故への対応に強い怒りを感じ、オスプレイやＴＰＰでのアメリカいいなり、慰安婦問題など、一般の新聞では真実がわからないと『赤旗』日刊紙を申し込み、訪ねてきた党員と意気投合し、しばらく考えて入党」（保守が強い山あいにくらす４１歳の女性）

　「２０年近く共産党に共感してきたが、『共産党』と書く勇気はなかった。最近、日曜版を読むようになり、はじめて『共産党』に投票し、カンパもして、自分も力になれるのならと入党」（７２歳の男性）

暴走への不安と憤り

　参議院選挙で党に一票を投じた方、選挙後、新たに注目、関心を寄せている方が、躍進を喜ぶとともに、くらしの切実さ、原発、憲法など、安倍政権の暴走への不安と憤りから、なんとかしたい、できるのは共産党と入党してきています。

　日本共産党は、「民主主義、独立、平和、国民生活の向上、そして日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸を開いている」（党規約）政党ですが、みずから「共産党に入りたい」と申し出る人が各地に生まれていることは、かつてなかったことです。

��自分たちに壁ある��

　「自分たちに壁があることを痛感した。党を大きくするには、自分たちが変わらなければ」――最近の入党の経験にふれた党員の率直な感想です。まず、私たちに求められるのは、党を支持、共感する方々の切実な思い、前向きの変化を受けとめ、こういう方々が入党される可能性が大きく広がる時代を迎えていることをつかむことではないでしょうか。

　もちろん、実際に入党されるには、さまざまな働きかけ、粘り強い努力が必要です。すぐに入党する方もいれば、時間をかけ、ときには何年もかけてという方もいます。職場、地域には入党の障害も少なくありません。支部はどう活動し、働きかければ、迎えられるか、次回から考えていきます。（つづく)

( ２０１３年０９月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長・市議補選／市田書記局長の訴え

　日本共産党の市田忠義書記局長が２２日におこなった堺市長選・市議補選の応援演説（要旨）を紹介します。

　堺のことは堺の人間が決める。自由と自治の伝統が脈打つ堺市を守るのか、つぶすのか。いよいよこれからの奮闘が勝敗を決めます。橋下・「維新の会」の堺つぶしを打ち破り、堺市と堺市民の暮らしを守り抜こう。

堺をつぶすか、守り発展させるか

　最大の争点は、堺市をつぶすのか、守って発展させるのかです。維新が出しているビラに「だまされないで下さい！　大阪都になっても、堺を無くしません」とあります。よく言えたものです。維新は最初、「堺市を二つか三つに分ける」といっていました。「大阪都」をつくるための法律には、「関係市町村を廃止」すると書いてあります。「廃止」と書いているのに「なくならない」というのは詐欺です。いくら市民の批判の声におされて苦しくなったといっても、うそをついて市民をだますなど絶対にやってはならないことです。

　維新は、「竹山市長は４年間何もやらなかった」といっていますが、選挙にでるならよく調べてからモノをいうべきです。▽子ども医療費助成を中学卒業まで拡大▽国民健康保険料の４年連続引き下げ▽６５歳以上はどこまで乗っても１００円の「おでかけ応援バス」制度の改善―など実績抜群です。

　だから、堺の維新も昨年まで竹山市長の予算にすべて賛成してきたのに、選挙になったら手のひらを返して「何もやっていない」といい始めるのは、あまりにも無責任です。

　「大阪都」になれば、市の税収の３分の１にあたる４６０億円が「都」に吸い上げられます。堺市の医療や福祉、住民サービスが軒並み削られ、カジノやゼネコン向けのムダな開発につぎ込まれます。

　維新の松井一郎知事は、「仁徳天皇陵にイルミネーション」をといっていますが、いったい何を考えているのか。世界三大墳墓の一つと言われる「仁徳陵」を辱めるものです。ここには堺市の歴史と伝統、文化、市民の願いを頭からないがしろにして恥じない「大阪都｣構想の本質が､わかりやすく表れているのではないでしょうか。「大阪都」は、百害あって一利なしです。

政治姿勢の違いがクッキリ

　竹山市長のモットーは「市民目線」「現場主義」です。市民とひざ詰めで対話を重ね、出された声を市政運営に生かすという政治姿勢を貫いています。

　１８号台風による大雨で、大和川周辺に「避難勧告」がだされました（１６日）。竹山市長はただちに選挙活動を中止し、現場に出向き、陣頭指揮をとりました。

　対岸の大阪市はどうか。市政初の避難勧告が朝８時３０分に発令されましたが、そのとき橋下徹大阪市長は自宅でツイッターをやっていました。９時３２分に「久しぶりのツイッターだな〜」とつぶやいたかと思うと、１０時までの２８分間に１４回つぶやき、それが夕方まで延々と続きました。中身は、台風被害ではなく、竹山市長や共産党への悪口ばかりです。

　どちらの候補者が市民のくらしや安全を守れるのかはっきりしたのではないでしょうか。

　維新は一時、「第三極」ともてはやされましたが、「構造改革」の推進、憲法９条改悪、「慰安婦」容認発言など安倍政権以上に「右翼」的立場の政党だということがはっきりして、先の参院選では大きく票を減らしています。いまこそ、堺市民がきっぱりと審判を下すときです。

　維新は全国から議員、秘書、落選候補を堺に集中しています。彼らに何の大義もありません。あるのは自分たちの生き残りだけです。彼らの反動的気概に負けない頑張りが必要です。日本共産党は「堺を守れ」と願う広範な市民とともに竹山市長の再選に党の総力を挙げてがんばります。

市民の共同恐れる維新

　論戦に追い詰められた橋下氏は「共産党がついているからダメ」という攻撃を盛んに行っています。党派を超えた市民共同を何よりも恐れている証拠です。反共はひとり共産党への攻撃でなく、「堺市を守れ」という広範な市民に向けられた攻撃です。

　堺市をつぶす「都」構想が押し付けられようとしているときに、政治的立場の違いを超えて堺市を守るために共同して立ち上がるのは当たり前です。戦前の｢アカ｣「非国民」「国賊」攻撃と同じ発想の人たちに自由と自治のまち・堺をまかせるわけにはいきません。

　立場は違っても、一致する点で誠心誠意がんばるのが日本共産党です。国政問題で大きく立場は違っても、市民の圧倒的多数がのぞむ「堺をつぶすな」という点で一致するなら、どの党、団体、個人とも力を合わせるのが日本共産党の立場です。「市民が主人公」の立場でブレずに頑張る日本共産党が共同の輪に加わっているから、「堺はひとつ」の勢力の結束は固いのです。この市民共同にくさびを打ち込むのが「アカ」攻撃です。それこそ維新の人たちの大義のなさを自ら証明しているのではないでしょうか。

市議補選での共産党勝利で維新に痛打を

　市長選と同日で行われる市議補選では、日本共産党への１票は堺のまちと暮らし・福祉を守る確かな力であることを強調したい。

　子ども医療費無料化の拡充や国保料の引き下げでも、市民と力を合わせて奮闘してきたのが日本共産党です。

　大阪府や大阪市で維新の医療・福祉カットを、市民の立場でもっとも厳しく追及しているのが日本共産党です。この党が伸びることが、維新に対する厳しい「痛打」となることは間違いありません。

　「市民が主人公」の立場で、絶対にブレないで筋を通す日本共産党が伸びてこそ、市民本位、国民本位に政治を動かすことができます。いま堺市議会では共産党８、自民党７、維新が１０議席です。三つの市議補選ですべて勝利すれば、１１議席で維新を上回ります。この党が伸びれば、堺のまちと暮らしを守り、「大阪都」構想を阻止する決定打になります。

( ２０１３年０９月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

「満州事変」８２周年つどい／富山

　日中友好協会富山支部をはじめ富山県内の五つの民主団体は１８日、富山市内で「９・１８『満州事変』８２周年のつどい」を開きました。

　県歴史教育者協議会の松浦晴芳さんが基調報告しました。松浦さんは、いま安倍政権のもとで中国脅威論、対外強硬論があおられ、「戦争する国」づくりのために、解釈改憲と侵略・植民地支配美化の国定教育が狙われていることを指摘。歴史を直視した不再戦・平和外交、教育の重要性を強調しました。

　この後、中国侵略の加害体験を証言した「泥にまみれた靴で」、韓国の日本軍「慰安婦」が証言した「１５のときは戻らない」のＤＶＤを鑑賞しました。

　参加者からは、「過去の侵略行為への謝罪は不可欠」「韓国に旅し真実を学んでいきたい」「天皇の戦争責任の免罪が無反省な勢力ののさばりを許している」などの意見が出されていました。

(２０１３年０９月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

テレビ時評／「８月番組」に望むもの／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二

　今年の８月も、戦争関連の番組が集中して放送された。

　数年前と比べて、かなり本数が減った感があるが、それでもいくつかの番組は、新しい事実を発掘し、重い問題を提起していた。

リアルな重み

　ＮＨＫスペシャルでは、原爆の被ばくの影響が今になって現れる「骨髄異形成症候群（ＭＤＳ）」を取り上げた「終わりなき被爆との闘い」（６日）、戦争中の軍の宣伝工作に迫った「従軍作家たちの戦争」（１４日）などが強い印象を残した。

　テレビ朝日「ザ・スクープスペシャル・原発と原爆」（１１日）は、原爆の残留放射能を否定したアメリカと、それに屈服した日本政府を批判、水爆実験で被ばくした第五福竜丸乗組員が今も被爆者として認定されていない現実を告発している。

　長期にわたる放射能の影響という点で、ＭＤＳを明らかにしたＮＨＫの番組とともに、原発災害の将来を考えるうえで示唆に富む。

　「従軍作家たちの戦争」は、火野葦平を軸に、多くの作家が宣伝工作のため動員された歴史を追い、日本軍の残虐行為など戦場の真実を描くことが厳しく規制され、封印されたことを丹念な取材で伝えた。

　出演の浅田次郎のコメント、「正当な言論が弾圧されるところから戦争は始まる。どんなときにも言論表現の自由が保障されなければならない」という言葉が、リアルな重みを持ったところにこの番組の成功がある。

　現政権が、海外での戦争を可能にする「集団的自衛権」を、「秘密保護法」を片方で掲げながら主張する時代に、この番組は歴史取材を通じて警告したかたちとなった。

「加害」の除外

　個々の番組はそれぞれ力作ではあるが、戦争を記録する夏の番組群には、依然として大きな欠落がある。

　日本軍「慰安婦」を含むアジア諸国に対する加害の歴史については、これを除外しては先の戦争を語れないにもかかわらず、またいわゆる「歴史認識」が改めて争点になったにもかかわらず、テレビ局が直接調査、報道する番組は絶えて存在しないのである。

　このような事態が続くのは、おそらくそうさせている強固な事情があるからだろう。

　もし加害の歴史を取り上げれば、今、ネットで安倍首相を熱烈に支持するような右翼的勢力から猛烈なバッシングが予想され、街宣車がテレビ局を取り囲むという事態が起こりかねない。そのうえ、現政権は、加害も侵略も認めることに抵抗し続けている。面倒なことは避けたいテレビ局幹部が、自己規制で企画を通さないことは十分考えられよう。

　この状況を打破するのは簡単ではない。

　松江市で、特定の「市民」の申し入れを理由に始まった「はだしのゲン」閲覧制限は、のちに全国の市民の抗議で撤回された。メディアによる戦争の歴史の継承は、今やこうした運動対運動のせめぎ合いの中に置かれている。

　右翼的圧力に対抗して、テレビ局へ要求し、改善を求める市民の力が具体的に加わらなければ、ただテレビ局を批判しているだけでは事態は変わらない。そのような時代にわれわれは生きているのである。

　（とざき・けんじ）

( ２０１３年０９月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

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まど／「大阪都構想」と五輪招致

　堺市長選で、大阪維新の会の橋下徹代表（大阪市長）が、しきりとオリンピックの招致を口にしています。いわく「『大阪都』構想で、オリンピックをよべるような、大きな自治体、大きな都市をつくりたい」そうです。

　○…「都」構想の大義名分は「二重行政の解消」のはずでしたが、最近は鳴りを潜め、五輪招致が前面にでてきた格好です。２０２０年の東京五輪にかこつけて、「都」構想を堺市民に売り込む「便乗商法」でしょうが、釈然としません。

　○…橋下氏といえば､｢慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる」という暴言で、国内外から「常軌を逸しており無礼」（米国務省）などとごうごうたる非難を浴びた人物です。「大誤報」と居直って、いまだに発言の撤回も謝罪もしていません。オリンピック運動の目的は「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進すること」（五輪憲章）にあります。人間の尊厳をどん底までおとしめる妄言を吐く橋下氏に、五輪招致を口にする資格があるのでしょうか。

　○…堺市議会は、発言の撤回・謝罪にとどまらず、橋下氏の公職辞任まで求める決議（６月２４日）を可決し、国際社会に良識を示しています。その堺で、「五輪」を語るなど、冗談にもほどがあります。

　（吾）

( ２０１３年０９月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

週間日誌／１３年９月８日〜１４日

政治・経済

　◆高額療養費で負担増　社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険部会は、医療機関や薬局での窓口負担を一定額以内に抑える高額療養費制度について、一般所得者や高齢者の上限額を引き上げるなどの負担増を強いる計画を示した（９日）

　◆ＧＤＰ改定値が０・９％増　内閣府が発表した４〜６月期の国内総生産（ＧＤＰ、季節調整済み)改定値は､実質で前期比０・９％増で、速報値から上方修正（９日）

　◆経団連４月増税迫る　経団連が発表した「税制改正」提言で、来年４月からの消費税増税の決断を安倍政権に迫る（９日）

　◆機械受注２カ月連続減　内閣府が発表した７月の機械受注統計（季節調整値）は、「船舶・電力を除く民需」で前月比０・０２％減で２カ月連続の減少（１２日）

　◆入院病床再編案　社会保障審議会の医療部会は、「一般病床の機能分化を推進」と称して、急性期病床減らしにつながる病院の入院ベッドを再編する案を示した（１３日）

社会・国民運動

　◆２０２０年五輪の東京開催が決定　国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）総会が、２０年夏季五輪の開催都市に東京を選出。５６年ぶり２度目（８日）

　◆北側井戸で３２００ベクレル観測と発表　高濃度汚染水が東京電力福島第１原発の貯蔵タンクから漏れた問題で、東電はタンク北側２０�bの観測用井戸の地下水からストロンチウム９０などの放射性物質を１�g当たり３２００ベクレル検出したと発表。漏れた汚染水が地下水に混ざった可能性（９日）

　◆プロ野球タイ記録の５５号　ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手（２９）が史上４人目のシーズン５５本塁打をマーク。１２２試合での達成は最速（１１日）

　◆第２７回日本高齢者大会開く　津市で開かれた同大会には２日間でのべ５３００人が参加（写真）。改憲、消費税増税、社会保障改悪に反対することや、ひとりぼっちの高齢者をつくらない大運動を開始することを確認した（１２〜１３日）

国際

　◆シリアの化学兵器禁止条約参加提案　ロシアのラブロフ外相が、シリアの化学兵器禁止条約への参加と、保有する化学兵器の国際的な管理、廃棄を提案。シリアや、同国への軍事介入を画策する米国からも歓迎の姿勢が示された（９日）

　◆フランス、年金改悪デモに３７万人　フランスのオランド政権が狙う年金保険料の引き上げなど年金制度改革案に抗議し、国内１８０カ所、学生や年金生活者を含む３７万人が参加する大規模なデモが行われた（１０日）

　◆「慰安婦」への謝罪不十分、国連　国連で旧日本軍の従軍「慰安婦」問題を扱うグレイフ特別報告者が、「公式謝罪、国家責任の存在を認めないままの経済補償を元慰安婦は受け入れない」と述べ、日本政府に適切な対応を要求（１１日）

　◆チリ軍事クーデターから４０年　チリで１９７３年に発生した軍事クーデターから４０年、国内各地で犠牲者追悼の催しが開かれた。ピニェラ大統領が｢許されない人権侵害｣だと述べた(１１日)

　◆北朝鮮、原子炉再稼働か　米ジョンズ・ホプキンス大コリア研究所が、北朝鮮・寧辺(ニョンビョン)の黒鉛減速炉(原子炉)敷地内から、白い蒸気が上がっていることを確認。原子炉を再稼働した可能性を指摘した(１１日)

( ２０１３年０９月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

日本維新の会１年／「既成政党」「補完勢力」／正体見えて��失速��

　橋下徹大阪市長が率いる「日本維新の会」が結党を宣言（２０１２年９月１２日）してから１年を迎えました。「第三極」とマスメディアが持ち上げ、昨年末の総選挙で第３党となったものの、７月の参院選では得票を半減させるなど失速。結党１年で何が見えてきたのか―。

　（前野哲朗）

　「日本維新の会だけで勢力を拡大するなんて無理な話ですから、民主党、みんなの党、しっかり一つの野党になるように（国会議員には）しっかりやってもらいたい」「維新の会の存続なんか考える必要もない」

　橋下氏は参院選後、「大阪維新の会」全体会議（７月３０日）でこう述べ、��野党再編�≠ﾉ期待をつなぎました。自身もいったんは共同代表の辞意を表明するなど「日本維新の会」に��興味�≠�なくしたかのよう。一方で、一枚看板である「大阪都構想」のため、「堺つぶし」を狙った市長選に全力を傾注するなど「大阪回帰」を強めています。

古い部分と野合

　橋下氏の意を受け、維新の若手議員は、民主党、みんなの党の議員と「ＤＲＹの会」を結成。��野党再編�≠ﾌ足がかりをつくろうとうごめいています。

　しかし、国民はこうした維新の正体を見抜きつつあります。

　一つは､既成政党批判をくり返していたにもかかわらず､維新自らも｢既成政党｣でしかないことが明らかになっていったことです｡

　国政進出にあたり集まったのは自民、民主、みんなを離党した国会議員。総選挙直前には、原発政策などで違いのある石原慎太郎氏が率いる「太陽の党」と、まさに��野合�≠ﾌ合流をしました。

　『橋下「維新の会」がやりたいこと　何のための国政進出？』の著書がある石川康宏・神戸女学院大学教授は、「意気込んで国政を目指した橋下さんだったが、大阪周辺以外では人気が出ず、最後は石原さんと組まずにおれなくなった。『太陽の党』は既成政党の中でも格別に古い部分だから、これによって維新は『既成勢力とたたかう』という国民への売りをわかりやすく手放すことになった」と語ります。

安倍政権を賛美

　国会でも、安倍政権が発足する中で、自民党の「補完勢力」であることが浮き彫りになりました。

　維新は、大型公共事業など旧来の自民党政治を復活させた１２年度補正予算に賛成。憲法９６条改定を「自民と一緒に大いに進めていきたい」（中田宏衆院議員、２月８日）と��改憲連合�≠�呼びかけました。環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉参加表明に対しては、「素晴らしいリーダーシップ」（木下智彦衆院議員、３月１８日）と安倍政権を賛美してきたのです。

　決定的だったのが、橋下氏自身の日本軍「慰安婦」に関する妄言。「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」（５月１３日）と述べ、謝罪も発言撤回も拒否したのです。「日本を孤立と軽蔑の対象に貶（おとし）め（た）」と憲法を攻撃した維新綱領とあわせ、歴史を逆流させる勢力であることを浮き彫りにしました。

　最近では、安倍首相が狙う集団的自衛権行使のための解釈改憲についても、「時代や状況とともに憲法解釈が変わるのは当たり前だ」「認めないといけない」（１０日）と後押ししています。

「新しい政治を」

　石川教授は言います。

　「国民は二大政党に変わる政治を、一時、みんなの党や維新に期待しようとした。しかし、その政策の基本は自民党と何も変わらないものだった。ところが参院選では少なくない国民が、アベノミクス、原発、ＴＰＰなどで『反自民』という基準をはっきり持った。ここには新しい政治を求める国民の模索の質的な前進があらわれている」

日本維新の会　１年

２０１２年　９月１２日　「日本維新の会」結成宣言

　　　　１１月１７日　太陽の党と合流を決定

　　　　１２月１６日　総選挙　５４議席

２０１３年　２月１２日　石原共同代表が衆院予算委員会で、憲法改定を主張

　　　　３月３０日　党大会、｢占領憲法を大幅に改正｣とする綱領を決定

　　　　４月１４日　兵庫県宝塚市長選、伊丹市長選で敗れる

　　　　５月１３日　橋下共同代表が「『慰安婦』制度が必要なのは誰だって分かる」と暴言

　　　　６月６日　橋下共同代表が米海兵隊オスプレイの訓練について、大阪府八尾空港の活用を検討するよう政府に提案

　　　　６月２３日　東京都議選　２議席

　　　　７月２１日　参院選　８議席

　　　　７月２７日　橋下氏、共同代表の辞任を申し出るが国会議員団が慰留し続投に

( ２０１３年０９月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

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「８中総へ心一つに」／「マイ名簿」で読者拡大／暴走政権から教育守ろう／北海道の教育関係支部

　「安倍内閣は憲法や教育などの問題で一段と暴走して、私たちが築いてきた民主教育を破壊する方向で動いてくるでしょう。マスメディアはその問題を報道しない。参院選のときには私がいろいろ話せたけど、しばらく大きな選挙がないし、やっぱり『赤旗』を読まないとわからない。ぜひ読んでほしい」

　北海道の教育関係の支部のＡさんは、参院選で対話した同僚・元同僚に「赤旗」を勧め、２人の日曜版読者を増やしました。読者になったのは、４０代と５０代の教師です。Ａさんの真剣な呼びかけに、「その通りですね」とすぐに購読を決めました。Ａさんは「１０年ぶりに増やしました。まだまだこれからです」と笑います。

　Ａさんのまわりでも教職員は長時間の勤務に追われ、部活動の顧問になれば休日も働かなくてはならない実態があります。改憲や増税など安倍政権の暴走に危機感を感じる教職員は少なくなく、参院選でＡさんが支持を訴えた人のうち５０人以上が好反応でした。

　同時に、マスメディアの影響もあって、教育や政治について表面的にとらえる人や、日本軍「慰安婦」問題など侵略戦争の事実をよく知らずに、「維新」に投票した人もいるといいます。

　「『赤旗』で歴史の事実や党のことをよく理解してもらって、信頼して投票してもらえる存在にならないといけない。子どもたちに、過去と今と未来をつなぐ健全な発想を持ってもらうためにも」とＡさん。引き続き「マイ名簿」数十人に働きかける予定です。

( ２０１３年０９月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

アジア政党国際会議・女性会合／「慰安婦」問題で紙議員発言

　アジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）の女性特別会合が１２〜１４日、韓国のソウルで開かれました。日本共産党から紙智子参議院議員が参加し、１３日に発言しました。

　「女性のリーダーシップと社会的地位の向上」をテーマとする会合は、政治や経済活動への女性の参画や、平和構築に女性が果たす重要な役割について、各地から具体的な経験と実態、前進に向けた奮闘が報告されました。

　紙議員は、「女性差別撤廃条約」批准後も、日本の差別是正がたちおくれている現状と背景について述べ、その打開への決意を語りました。

　さらに、北東アジアの平和の問題に言及、日本軍「慰安婦」問題について語り、日本政府の歴史認識と人権感覚の欠如が、同地域の平和と相互理解をすすめるうえで重大な障害になっていると指摘。党として、政府に植民地支配の謝罪、賠償を求めていくとともに、国内外の人々と共同して地域の平和をすすめるために力を尽くす決意を表明しました。

　「慰安婦」問題についての関心は高く、紙議員の発言が終わると、握手を求めたり、「発言原稿がほしい」と声を掛けたりする参加者が相次ぎました。

　「日本で、被害者の声を聞いて行動していることに感銘を受けた」との感想（韓国の国会議員）も寄せられました。

　会合は１４日、男女が力を合わせ、法的・社会的な女性の差別をなくし、社会の発展を実現しようと呼び掛ける「ソウル宣言」を採択して閉会しました。

　会合にはアジア２１カ国から３２政党が参加しました。アフリカや中南米の組織もオブザーバーとして参加しました。

( ２０１３年０９月１５日， 「赤旗」）（Page/Top）

戦後補償、新たな展開／強制労働など学ぶ市民集会／札幌

　「戦後補償問題の新たな展開を学ぶ市民集会」が１２日、札幌市で開かれ、中国人強制連行・強制労働事件の現状と課題や「慰安婦」問題などをめぐる国際社会の新たな動きについて語られました。強制連行され、日本で亡くなった中国人遺族も証言しました。

　同日午前、連行企業・岩田地崎建設と交渉した遺族の宋殿挙さん（７１）は、「６８年たっても兄の死亡についてなんの説明もありません。３１人の遺族を代表して、説明すること、そして、謝罪と賠償を会社に求めました」と語りました。

　宋殿挙さんの兄・宋学海さん＝当時（２７）＝は、１９４４年４月から北海道で８カ月間土木工事をさせられた後、愛知県で滑走路の拡張工事をさせられ、４５年１月、作業中のけがが原因でなくなりました。

　中国河北大学の劉宝辰教授は、西松建設安野（広島県）の被害者調査と裁判にかかわり、和解後、設立された基金の運営に携わってきたことを語り、「残る未解決の被害者の要求実現に日本のみなさんの協力を得たい」と訴えました。

　「愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会」の南守夫代表は、愛知県でのとりくみや岩田地崎建設との交渉を報告。「三菱マテリアル関係では交渉が続けられています。岩田地崎建設には道義的責任があり、各地のたたかいと連帯しながら、未解決の問題に少しでも貢献したい」と述べました。

　川上詩朗弁護士が、「『慰安婦』・強制連行・住民虐殺問題をめぐる国際社会の新たな動き」と題して講演しました。

( ２０１３年０９月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

慰安婦像撤去決議案を否決／「維新」の提案／堺市議会

　堺市議会は１３日の本会議で、大阪維新の会堺市議会議員団が提案した「日本政府に対し米国内の慰安婦像及び碑の撤去を要求することを求める決議」案を否決しました。

　堺市議会では６月２４日、日本維新の会・橋下徹共同代表の「慰安婦制度は必要だった」という発言の撤回と謝罪、公職辞任を求める決議が可決されていました。

　今回、維新から提案された決議案は、米国内で慰安婦像・碑の設置が広がっていると指摘したうえで、「慰安婦は決して『性奴隷』ではなく」「明らかな歴史のねつ造」だと非難。日本政府に対し、米国政府への抗議と慰安婦像・碑の撤去を求めるよう要望しています。

　日本共産党堺市議団を代表して反対討論にたった乾恵美子氏は、維新が同決議案を提案し、橋下氏も発言を撤回せず、メディアの「誤報」だと責任転嫁していることを厳しく批判。「日本の国際的信用を大きく傷つけ、国益を損なう行為だ」とのべて強く反対しました。

　決議案は維新と自民党・市民クラブの賛成少数で否決されました。

( ２０１３年０９月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

「大阪都」構想から堺市を守り抜こう／竹山市長必勝へ市民大集合／３氏連帯あいさつ

　「まちをつくるのは市民」「維新の会には絶対、堺を渡したくない」―。堺市長選（１５日告示、２９日投票）での竹山修身（おさみ）市長の必勝で「大阪都」構想から堺を守り抜こうと会場いっぱいの参加者が決意を固めた１２日の市民大集合。共感をよんだ３氏の連帯のあいさつを紹介します。

堺バラバラにさせない／堺市自治連合協議会会長静又三さん

　われわれ自治会をあずかるものとしては、堺をバラバラにされてたまるかと思っているところです。

　大阪市では校長先生が公募でやってきて、３カ月で辞めたり、セクハラしたり。小学校というのは、地域と学校と一緒になってやるもの。日本人というのはお互いの人間関係がわかってうまくいくものなのに、公募で何もわからない人がやってきて学校教育ができるのか。ワンマンの人に堺を任すわけには、絶対にいきません。

　竹山（修身）さんと、西林（克敏・維新候補）さんのたたかいではありません。たたかいは、橋下・「維新」と市民のみなさんとのたたかいです。堺をバラバラにされたら、先祖にも申し訳ない。ここで踏ん張って、ここに堺があるんだぞということを日本中に示そうではありませんか。

人権と平和を守れるか／堺市議（ソレイユ堺）山口典子さん

　橋下（徹・「大阪維新の会」代表）さんは、「慰安婦」問題の話をすり替えて言い訳ばかりしていますが、見苦しいですね。堺市議会は、辞職勧告決議を決めました。人権や平和の問題を守らない人に政治家なんかやれるはずがない。

　彼のおかげで、たった２、３年の間に大阪の教育がだめになろうとしています。現場の先生方や子どもたちが、大変な目にあっています。橋下さんは今回の民間校長のセクハラを「しょうもないことで」と言いました。セクハラがしょうもないという考え方こそが、人権意識が低いということの証明であります。

　いま堺が一大事。今日ここに来られたみなさんのような市民が堺を守り、これからも素晴らしい町に発展させることができるし、またそうしなければならないと思っています。

自治の伝統に一歩記す／前堺市副市長高橋保さん

　今回の市長選にどう向き合うか、つい先日までちゅうちょしていましたが、橋下氏の維新の会は歴史を危うくする露払いの役を買って出ているように思えてなりません。どうしても維新に市政を委ねるわけにはいかないと思い至りました。

　後世の人々から、この市長選が自治の伝統の上に堺市民が真の民主主義の発展のための新たな一歩を記したと記憶されるか、さもなくば、ワントップの意向がすべてを決する社会への入り口を開いた痛恨の選挙であったとみなされるかの曲がり道かもしれないと自覚して選挙に臨みたい。

　一人のリーダーの価値観に振り回されることなく、多種多様な価値観が尊重され、自由でのびやかで個性あふれる堺のまちを築くため私はこの選挙を精いっぱい駆け抜け、「大阪都」構想にストップをかける決意です。

( ２０１３年０９月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

日本政府、「尖閣」購入から１年／歴史・憲法改定など矛盾拡大／安倍政権で日中関係悪化

　日本政府が昨年９月に尖閣諸島（中国名・釣魚島）の購入を発表してから１１日で１年となりました。この問題をきっかけに日中関係は悪化。その後、安倍政権の誕生で改善の道筋は不透明となっています。中国側の今の受け止め方を探りました。

　（北京＝小林拓也）

　「昨年９月１６日から１８日の３日間で、２００都市以上で日本政府に抗議するデモが起き、合計で２００万人以上が参加した」

　中国の政府高官はこう明かし、日本政府の尖閣諸島購入が中国人の怒りを呼んだと強調します。

　昨年９月に北京、上海など中国各地で大規模な「反日デモ」が発生。一部が暴徒化し日系商店や日本車を破壊する行為にまでエスカレートしました。日中間のさまざまな交流が停止。中国公船の尖閣沖での航行が常態化する事態になりました。

　それから１年。今の日中関係について、上海交通大学日本研究センターの王少普主任は「（１年前の）野田内閣の時は中日間の問題は主に領土問題だった。安倍晋三首相が就任して以降、領土問題だけでなく歴史問題、憲法改定問題まで出てきて、中日間の矛盾はさらに拡大している」と指摘。「いまの状況は１９７２年の国交正常化以降、最も悪い状況だろう」と言います。

　日中の現代史が専門の歩平・中国社会科学院近代史研究所学術委員会主任（前所長）も「安倍政権ができて以降、『慰安婦』問題、侵略の定義についてなどで暴言が相次いでいる。とくに安倍首相が８月１５日に、アジア諸国に対する加害の反省や不戦の誓いを表明しなかったことは大きな怒りを呼んだ｣と指摘します｡

　深刻なのは国民感情の悪化です。日本の民間団体「言論ＮＰＯ」が８月に発表した日中両国の世論調査結果によると、相手国に良くない印象を持つと答えた人は、日本では９０・１％、中国は９２・８％。２００５年の調査開始以来最悪となりました。理由として、日中ともに尖閣諸島をめぐる対立や歴史認識の相違が上位を占めました。

　日本に留学経験のある北京在住の女性（２６）は「日本を知っている人の日本への印象は悪くない。でも多くの中国人の日本のイメージは侵略の加害国だ。そのうえ最近は日本の悪いニュースばかり流れている」といいます。

　日中関係に詳しい清華大学当代国際関係研究院の劉江永副院長は「政治関係と国民感情は相関関係にあり、政治関係が悪化すれば、両国の国民感情も悪くなる」と指摘。そのうえで「日本政府が領土問題は存在しないという立場を変え、対話をする姿勢を見せることが問題解決への第一歩だ。中日両国は対抗するのではなく、協力的な外交関係をつくらなければいけない」と訴えます。

( ２０１３年０９月１３日， 「赤旗」）（Page/Top）

埼玉県平和資料館の展示／「慰安婦」など削除表明／会合開く

　埼玉県平和資料館の運営にあたり、専門的見地から助言を受けることを目的としたアドバイザリーボードの２回目の会合が１０日、東松山市内で開かれました。リニューアル工事に伴い展示の内容を見直し、憲法違反の軍隊である自衛隊の海外活動を「平和の創造」活動として評価する展示を新設する一方で、南京大虐殺や「慰安婦」問題などの記述を年表から削除しようとしていることが明らかになりました。

　会合では、県広聴広報課の担当者が報告し、「平和の創造」と題する展示を新設して、大地震の被害を受けたハイチへの自衛隊派遣など自衛隊の国連平和維持活動（ＰＫＯ）参加を取り上げると説明しました。

　また、「日本と世界のあゆみ」と題した年表は、項目を大きく減らして簡略化し、南京大虐殺や「慰安婦」問題などについての記述を削除するとしました。

　会合では、南京大虐殺の項目などを削除するとの説明に対して、アドバイザリーボードの構成員からは、懸念を示す意見は一切出されませんでした。

　傍聴者からは「あの展示で本当に子どもたちに戦争の事実を伝えられるのか」などの声が聞かれました。

( ２０１３年０９月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

��堺市長選に勝利を�＝^兵庫県委が大阪府委激励

　１５日告示の堺市長選（２９日投票）に勝利してほしいと、日本共産党兵庫県委員会は１２日、松田隆彦県委員長代行が日本共産党大阪府委員会の山口勝利委員長と大阪市内で懇談しました。

　握手を交わし、支援カンパを託した松田氏。「『慰安婦』問題やオスプレイ配備での暴言などで参院選で国民から批判を浴びた橋下・『維新の会』の堺市乗っ取りを許してはならない」といいます。「『大阪都』構想で兵庫県の自治体まで吸収しようとした橋下・維新にきっぱりノーを突きつけた宝塚市民のように、堺でも共同を広げて頑張ってください」

　「ありがとうございます。宝塚市長選と堺市長選は、市民の施策を前進させている点でも共通性があります」と山口氏。「『近畿は一つ』との熱い支援を受けて、私たちも思う存分たたかい抜きたいと決意しています」と表明しました。

( ２０１３年０９月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

日本の謝罪不十分／慰安婦問題で国連報告者

　【ジュネーブ＝時事】旧日本軍の従軍慰安婦問題などを扱う国連のパブロ・デ・グレイフ特別報告者は１１日、「いかなる謝罪も元慰安婦の人権を明確に認識した上で行われる必要がある」と述べ、日本の謝罪は不十分との認識を示しました。問題の放置は「（アジアと日本に）相互不信を生む」と懸念も表明、日本政府に適切な対応を促しました。

　グレイフ氏は人権団体が国連欧州本部で開いた会合で「公式謝罪、国家責任の存在を認めないままの経済補償を元慰安婦は受け入れない」と主張。村山政権時の１９９５年に設置された「アジア女性基金」による元慰安婦支援でこの問題は解決していないと訴えました。

　さらに日本の教科書で慰安婦問題を扱わなくなったと指摘し「大いに懸念している」と表明。「過去に触れなければ強い不満に満ちた社会になる」と警告しました。

　会合では韓国人元慰安婦の金福童（キム・ボクトン）さん（８７）が「日本政府が正式謝罪をするだけで十分」と訴えました。また参加者から「日本政府の弱みは国際圧力だ」（人権ＮＧＯ）と、慰安婦問題を国際社会に広く訴える必要があるとの意見が出ました。

( ２０１３年０９月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題解決求める／ひろしまネットが宣伝

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは１１日、広島市中区基町のメルパルク広島前で街頭署名をしました。韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して宣伝したもの。

　２０人が参加して「日本政府はあやまれ、つぐなえ」と書いた横断幕を掲げ、８月１１日に東京で開かれた国際シンポジウムで採択した宣言文「８・１４日本軍『慰安婦』メモリアル・デーを国連の記念日に！」のビラを配布。新婦人県本部の林紀子会長ら３人がハンドマイクで「１９９１年８月１４日は、韓国の金学順さんが日本軍の『慰安婦』被害者であったことを初めて名乗り出た日です」とリレートークをしました。

　ビラを受け取った主婦（６３）＝広島市佐伯区＝は「一人ひとりの人生をずたずたにしたことを、同じ女性として許せない。日本政府は戦争責任をあいまいにしているが、謝罪しなければいけない」と語りました。

(２０１３年０９月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

堺・つくる会の公開質問状／要旨

　堺市長選に立候補する「大阪維新の会」の西林克敏氏に対する「住みよい堺市をつくる会」の公開質問状（１１日）の要旨は次の通りです。

　貴氏と維新の宣伝には市民を欺くものが目立ちます。公正な論争をすすめる立場から以下の質問に速やかにご回答いただくよう求めます。

　第一に市長選の最大争点である「大阪都」構想についてです。

　貴氏は「堺市が参加しないとなれば改革自身が大きく頓挫してしまう」とのべています。ところが「大阪都」の具体的内容については大阪府・市特別区設置協議会で出された、批判の強い「制度設計案」を含め、まともに語ろうとしていません。

　橋下徹代表は「堺市長選は都構想の是非が争点ではない」「負けたとしても都構想が悪いものだとみんなが思ったわけではない」とものべています。

　貴氏と維新は、市長選で「堺つぶしノー」の結果が出た場合、民意を尊重し、きっぱりこの構想を断念するのでしょうか。「都」構想の何を市民に問おうとしているのか、明瞭に示してください。

　第二に貴氏や「維新プレス」が「だまされないで下さい」「堺市はつぶしません」「堺のお金（税金）は取られません」とのべていることについてです。

　貴氏は「市長をなくすだけ」といい、橋下氏は「市役所をなくすだけ」といいますが、「大阪都」で解体の対象となる堺市が「市役所」や「市長」だけだとするのは珍論です。関連の法律でも関係市町村を「廃止」すると明記しています。

　「維新プレス」は、大阪全体のことや成長戦略に関わる「仕事」を堺市から「大阪都」に渡すので、その分のお金を渡すだけだと主張していますが、これは、堺市の財源を「大阪都」に吸い上げ、「成長戦略」にあてることを認めたものです。「お金（税金）が取られ」、住民サービスの低下につながる可能性が高いということは明瞭ではないのですか。

　第三に竹山氏を「裏切り者」などと誹謗（ひぼう）し、あたかも、竹山氏が２００９年９月の前回市長選後、態度を豹変（ひょうへん）させたかのように映し出している件についてです。橋下知事（当時）が「都」構想を打ち出したのは１０年１月。前回市長選の際、「都」構想も「大阪維新の会」もなかったのです。

　竹山氏が当時の橋下知事に推されたことは事実ですが、当時の選挙公報では「自治都市堺」の実現をうたっていました。堺市民への約束を「裏切った」のは、同じ選挙公報のなかで「竹山さんとともに対等な立場で、府・市連携を進めます」とのべていた橋下氏の側ではないのですか。

　第四に竹山市政の評価についてです。「維新プレス」では「現状維持の日和見市長」などと中傷しています。

　しかし、竹山市政が「現状維持の日和見」どころか、大型開発を中止し、子ども医療費の中学校卒業までの助成を実現したこと、国保料の４年連続引き下げ、おでかけ応援バスの平日全日運行など、市民の声に応えた改革をすすめてきたことは事実です。維新堺市議団も、これらの提案や予算案に、市長選を前にした今年度を除き、賛成してきたのではありませんか。

　第五に橋下氏が「竹山市長は共産党公認候補」「共産市長を誕生させていいのですか」などと発言していることについてです。

　日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は「堺市をつぶすな」と竹山市長を自主的に支持していることを広く市民にお知らせしてきました。竹山市長が「共産党公認」ではないことも衆目の一致するところです。

　何をもって竹山氏が日本共産党公認候補になったと認識しているのですか。明確に回答できないのであれば撤回と謝罪を求めます。

　第六に「維新プレス」が、「相乗り」批判を繰り返していることについてです。

　今回の市長選で問われている最大の問題は、「大阪都」構想による堺市廃止・解体の是非です。国政での態度や政党支持の違いをこえ、この一点で幅広い市民の共同が広がっているのです。

　世論調査（８日付「読売」）でも「統合再編の対象に堺市を含めることに６割の市民が否定的」と報道されていることについてどのようにお考えですか。

　「慰安婦制度は必要だった」という橋下氏の発言は、内外から大きな批判をあび、堺市議会では、橋下氏らの公職辞任を求める決議が可決されました。

　ところが橋下氏も維新も居直りを続けています。貴氏はなぜこの問題で沈黙しているのですか。ぜひ見解を明らかにしてください。

( ２０１３年０９月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

憲法を生活の隅々に／愛知母親大会で１３５０人交流

　「生命（いのち）を生み出す母親は、生命を育て、生命を守ることをのぞみます」をスローガンに第５９回愛知母親大会が８日、愛知県豊橋市で開かれました。全体会ではドイツ文学翻訳家の池田香代子さんが講演し、会場いっぱいの１３５０人が熱心に聞き入りました。

　主催者あいさつで、水谷津太枝代表委員は「９条改悪や集団的自衛権の行使を許さず、憲法を生活のすみずみに、誰もが人間らしく生きられる社会をめざして学び合い、手をつないで行動しましょう」と呼びかけました。

　池田さんは自民党改憲草案を厳しく批判し、「若者たちを絶対に戦場に送ってはなりません。いまが私たちのふんばりどころです。憲法を守り抜き、がんばってこの社会を少しでも良くして子どもたちに手渡しましょう」と熱く語りました。

　活動交流では、日本軍「慰安婦」問題の早期解決や、女性の働く権利の確立、福祉・医療制度の充実などをめざす各団体の代表が報告。県内で避難生活を送る福島県出身の母娘が「子どもに少しでも明るい未来を残したい」「もう二度と、お友達と別れるのはいや。原発をなくして」と訴えました。

　参加者は▽子どもの貧困と教育格差解消▽女性の地位向上と男女平等▽核兵器も基地も戦争もない平和な日本の実現▽消費税増税と社会保障制度の改悪阻止▽浜岡原発の即時廃炉と原発ゼロへの転換―を求める大会決議と、憲法を守り生かす草の根の運動を呼びかけるアピールを採択しました。

　地元を中心に活動するサークル「和太鼓ごんべ」の勇壮な演奏が参加者を魅了しました。

　全体会に先立ち、「いま、日本国憲法…戦争と女性」をテーマにしたシンポジウムなど２１分科会が開かれました。

　保育園に通う子ども２人を連れて参加した、シングルマザーの伊佐次飛鳥さん（２８）＝名古屋市天白区＝は「働きながら子育てをするのは本当に大変。行政は学童保育を充実してほしい。将来子どもたちが戦争に行かないよう９条を守りたい」と語りました。

(２０１３年０９月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

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堺市長選１５日告示／なくさんとって堺／「都」構想に反対し市民集会

　橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」の「大阪都」構想によって廃止・分割がねらわれている堺市で「なくさんとって､うちらの堺｡堺大好き､堺っこ大集合｣と題する集会が７日夜､開かれ､市民らが自らの思いを訴えました｡主催は｢堺大好き堺っこアクション｣です｡

　リレートークでは市民らが「橋下さんは福祉やホームレス問題の解決よりカジノづくりが好きなようだが、人のお金でバクチを打つようなものだ」「慰安婦問題では被害者をおとしめる発言をしている」「自治会活動はトップダウン方式では成り立たない。堺のことは堺で決めたい」と、堺市長選（２９日投開票）での維新候補の当選を危惧する声が次々とあがりました。

　司会も務めた笑福亭竹林さんが、竹山修身市長の人柄を紹介。「僕が好きやなと思ったのは『おせっかいなまちづくり』を掲げていること。貧困とは『貧乏プラス孤独』と言われるが、弱い者にお節介をやこうというのが竹山さん。この積み重ねで堺はきっといいまちになると思う」と語りました。

　大阪生まれで、北海道大学大学院准教授の中島岳志さんが講演。「維新の都構想に対して別のビジョンを生き生きと希望を持てる形で語ることが重要」と熱弁しました。

　集会では、「堺市つぶし」を許さないために行われるパレードやパフォーマンスなど「９月アクション」が提起されました。ネットでもさらに情報を発信していく計画です。

( ２０１３年０９月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

テレビの参院選報道検証／放送を語る会モニター報告／上／��ねじれ解消�°ｭ調で重要争点ぼかす

　自民党が勝利し、民主党惨敗、共産党が躍進した参議院選挙。この政治戦をテレビはどう伝えたのか｡放送関係者や市民でつくる｢放送を語る会」は参院選テレビ報道のモニター活動を行い、報告書「２０１３年参院選・関連テレビ番組を検証する」を発表しました。

　今回の参院選挙からネット上での選挙運動が可能になりましたが、「語る会」は選挙後の世論調査などから依然としてテレビの影響が大きかったとしています。

　「語る会」のこれまでの選挙戦報道の検証は、各局の毎日のニュースを対象としてきましたが、今回は定時の報道番組や特集番組を対象にしました。

三つの視点で

　番組は、各党代表が出演する「政党間討論タイプ」と争点を取り上げる「論評タイプ」に分けられます。そのうえで「語る会」は�@各政党の政策や主張が公平に伝えられたか（発言回数・時間配分など）�A政治的争点がどのように報道されたか（改憲問題、歴史認識、原発・エネルギー政策、ＴＰＰ、消費税、雇用、社会保障など）�Bキャスター、コメンテーターの論評・報道姿勢や編集方針に問題はなかったか、の視点でモニター活動を行いました。

問題点どこに

　浮かび上がった問題点は次の通りです。

　★��ねじれ解消�≠ｪ選挙の焦点という報道の偏向　「衆参のねじれ解消が参院選の焦点」という表現がくりかえされたと指摘。例として「ＮＨＫ・参院代表に問う」司会の解説委員や日本テレビ「ウエークアップ！ぷらす」司会のキャスターなどの発言をあげています。また、「ねじれ解消」のためには自公がどれだけ議席を獲得すればいいかとグラフを示して解説する番組も少なくなかったとしています。

｢ねじれ｣という言葉には不正常という語感がつきまとい､｢解消はよいこと」という心理的な効果を生むことを指摘。改憲､原発､消費税増税など重要な政治的争点の比重を相対的に低下させる作用を果たしたとしています。

弱い政権批判、独自追及

　★政権政党への批判の弱さ〜取材した事実を対置する報道はどこへ　政権政党の政策は、国民に直接影響を与える点で、本来ジャーナリズムの批判・検証の対象となるべきですが、番組全体としてこの姿勢は弱かったと３点を指摘します。

　�@政権が前面に打ち出す｢アベノミクス｣の｢陰｣の部分。貧困と格差の広がり、非正規雇用の実態、ブラック企業の横行などを独自の姿勢で追及する番組はほとんどなかった�A日本共産党の志位委員長が７月３日の記者クラブ主催の党首討論で、自民党によるゼネコンに対する献金請求書の存在を暴露したことや､安倍首相の｢雇用が６０万人増えた」の発言に「正社員は４７万人減っている」と反論したこと(ＴＢＳ｢ＮＥＷＳ２３｣)に対して、発言の真偽を独自に調査し、政党代表を追及した例はない�B歴史認識問題でも「慰安婦の強制連行の証拠はない」の政権のウソを検証した報道はなかった。

　以上からジャーナリズムの劣化・怠慢と批判しています。

　一方、安倍政権の原発輸出を批判したＴＢＳ「報道特集」、毎週、原発問題に焦点を当て、改憲問題も論議したＴＢＳ「サンデーモーニング」を評価し、ジャーナリズムのあり方を示すものとして注目しています。

モニターした番組

（６月から投票日前日の７月２０日まで）

　【ＮＨＫ】「日曜討論」「参院選特集・争点を問う」「参院選特集・参院代表に問う」。【日本テレビ】「ウエークアップ！ぷらす」「ズームイン！！サタデー」「真相報道バンキシャ！」。【テレビ朝日】「報道ステーションＳＵＮＤＡＹ」「朝まで生テレビ！」「そうだったのか！池上彰の学べるニュース」。【ＴＢＳ】「みのもんたのサタデーずばッと」「報道特集」「サンデーモーニング」。【フジテレビ】「新報道２００１」「Ｍｒサンデー」。【テレビ東京】「田勢康弘の週刊ニュース新書」「報道特番　池上彰のニッポンの大疑問」。

( ２０１３年０９月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

市長選１５日告示／自治、暮らし、堺つぶす「大阪都」構想反対／竹山市長を支援します

「堺はひとつ」で力合わせ

　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が執念を燃やす｢大阪都｣構想。その今後を左右するとして、全国的に注目されているのが堺市長選（１５日告示、２９日投開票）です。日本共産党は､｢『橋下･維新』による『堺のっとり』と解体を許さず、住民福祉増進と自治都市・堺を守るたたかい」と位置づけ、現職の竹山修身(おさみ)市長を、自主的に支持してたたかいます。

　豊田栄光記者

　選挙戦は、竹山市長と、「大阪維新の会」堺市議団前幹事長の西林克敏氏（４３）との一騎打ち。

西林氏発言わずか５分

　「維新」は２日、市民会館で市長選に向けた集会を開き､｢自信をもって公認した」と西林氏を紹介しました。しかし、９０分の集会のうち西林氏が発言したのはわずかに５分。時間の９５％は橋下市長と松井一郎大阪府知事の話でした。

　誰が候補かわからない集会に､聴衆が｢西林さんにしゃべらせろ」と何度も抗議する場面が。これにたいし､｢橋下さんが応援するから、西林さんも当選できるんや｣と��聴衆が反論�≠ｷるありさまです｡

　「維新」は危機感でいっぱいです。「（この選挙で）負けたら橋下は終わったといわれる」（橋下市長）といい、参院選での不振を「大阪都」構想を実現させることで挽回する戦略です。それだけに、所属国会議員、地方議員らを大量投入して乗り切る方針です。

権限と財源「大阪都」に

　「維新」がその実現を声高に叫ぶ｢大阪都｣のねらいは何か―。

　大阪市と堺市を廃止・解体。東京２３区のような特別区に再編し、「大阪都」知事に権限と財源を集中させ、関西財界が熱望する大規模開発を推進するのがねらいです。「関空リニア」（関西空港と大阪市中心部を結ぶリニア新幹線）やカジノ建設を軸とした湾岸エリア開発計画などで、堺市の税収入１３００億円のうち４６０億円が「大阪都」に吸い上げられます。

　「大阪都｣の未来は､松井知事が「バーチャル（仮想）大阪都」と呼ぶ府市統合本部（府と大阪市で構成）の方針を見れば一目瞭然です。

　黒字の大阪市営地下鉄の民営化、府・市立大学統合、公立病院統廃合など、住民生活に打撃を与える提案ばかり。民主主義破壊の教育・職員基本条例も、府市統合本部で練り上げられました。

　竹山市長は４年前、橋下知事(当時)の支援を受けて当選しましたが、当時はまだ､｢大阪都」構想も「維新」もありませんでした。堺市をなくす計画が明らかになると、竹山市長はキッパリと反対の立場を鮮明にし、「維新」と正面から対決しています。

　他方、堺市議会では「維新」議員団が提案した、「教育基本条例」「職員基本条例」を市民の声と運動の力で否決に追い込みました。また、橋下氏の「慰安婦問題」発言では､｢撤回および謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」を、日本共産党、自民党、ソレイユ堺（民主党系）、無所属市議２人の賛成多数で可決しました。「維新」の横暴を許さない共同が広がりました。

党派超えた共同すすむ

　こうしたなか、市長選を前に、党派を超えた市民の共同が進んでいます。

　竹山市長自身が「堺市のっとり、堺市つぶし｣を打ち破るために､「広範な政党､団体､市民の固いきずなの連携が必要｣と訴えました｡幅広い人たちが「堺はひとつ　市民の会」を結成｡竹山市長と､地元出身の川淵三郎元Ｊリーグチェアマンがそろって「堺はひとつ！堺を無くすな！」と訴えるポスターが大きな反響を呼びました。

　川淵氏は、織田信長や豊臣秀吉などの時代から��自由･自治の精神を育んできた堺�≠�、「子孫に残していくのは、私たちの責任」との応援メッセージも寄せています。

　日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会｣も､街頭宣伝やビラ配布など活動を強めています。７日には、南海難波駅前で､｢反大阪都構想」の大演説会が開かれ、府内約２０人の首長や神戸市長も駆けつける予定です。

(２０１３年０９月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選で「維新」に審判／大阪労連が特別決議

　大阪労連（全大阪労働組合総連合）は７日、第４７回定期大会を大阪市阿倍野区で開きました。「堺市長選の勝利で、橋下・『維新の会』の『大阪都』構想を阻み、明確な審判を下そう」との特別決議を採択しました。

　特別決議は、「大阪都」構想など橋下・「維新」の暴政にストップをかける重要かつ絶好の機会として堺市長選を位置づけ、堺労連のとりくみを全力で支援していくと表明。橋下・「維新」がすすめる「大阪都」構想への堺市の参加を許さず、橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言への批判のなかで、都議選と参院選で大きく後退した「維新」が地元の大阪で再び息を吹き返すことを許さないため、大阪労連あげてのたたかいで竹山修身堺市長の勝利をつかみとり、橋下・「維新」に明確な審判を下そうとよびかけています。

　川辺和宏議長があいさつ。５年半の大阪での「維新」の政治が大阪府・市民の生活を大きく後退させるとともに、憲法と民主主義を踏みにじる独裁政治・行政の私物化をすすめてきたと強調。「堺市長選で必ず勝利し、府政・市政を住民の手に取り戻すために全力を挙げよう」と訴えました。

　全労連の大黒作治議長、日本共産党の辰巳孝太郎参院議員が来賓あいさつしました。

(２０１３年０９月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市つぶしノー／市長選・市議補選勝利へ全力／党地区委が活動者会議

　日本共産党堺地区委員会は６日夜、目前に迫った堺市長選（１５日告示、２９日投票）と市議補選（２０日告示、２９日投票）勝利に全力をあげようと堺市内で活動者会議を開きました。

　山口勝利党大阪府委員長が報告しました。橋下徹大阪市長が竹山修身堺市長を「共産党の公認候補」で、「オレオレ詐欺の１００倍ぐらいの大詐欺師」と口汚く攻撃していることについて、「誰が『大詐欺師』なのか。市民の共同を恐れ、分断のために持ち出してきたものだ」と批判。日本共産党が綱領で憲法の前文を含む全条項を守り、地方政治では「住民が主人公」を貫き、住民の利益への奉仕を最優先課題とする地方自治を確立すると明記していると紹介し、この綱領的立場から「堺市つぶしから、堺市の自治と自由を守る」一点で竹山氏勝利のために共同する立場を明確にしているとのべました。

　維新候補が発表した「維新・堺八策」が「堺市」をつぶして権限・財源を１人のリーダーに奪い取り、大阪府・市の「属国」扱いの政策と告発。「日本共産党は、福祉、暮らし、まちづくりの要求を重視し、市民の要求実現をめざす選挙として、自主的に支援してたたかう」と語りました。

　維新が反動的逆流の「突撃隊」となるもとで、日本共産党がこれに真正面から立ち向かい、府民の理性の声の最大のよりどころとなってきたと指摘。「有権者の『幻想』を狙う維新に対して、『慰安婦』暴言をはじめ、維新を丸ごと批判し、うそとデマ、反共攻撃をうちやぶることも重要な課題です｣と強調し､補欠選挙も「大きな変化を起こせる条件も可能性もある。勝利めざして堂々とたたかいぬこう」と訴えました。

　阪上良一地区委員長が行動を提起し、補選の３候補が元気いっぱい訴えました。

( ２０１３年０９月０８日， 「赤旗」）（Page/Top）

政治考／海外メディア注目／共産党躍進、取材相次ぐ／「米国人には想像できない。驚きだ。面白い」

　７月の参院選で躍進した日本共産党が海外メディアから注目されています。共産党がどんな政党かに言及するメディアもあります。選挙後も、焦点の政治課題をめぐって共産党の見解を求める取材が相次いでいます。

　（酒井慎太郎）

　「共産党のカムバック　ただし日本で」との見出しで報じたのは、インターネット版の米国の日刊紙「クリスチャン・サイエンス・モニター」（８月５日付）。「選挙民の琴線に触れたことで、日本共産党は現政権に対する最も一貫した野党の地位を固めるチャンスを迎えているのかもしれない」と評しました。共産党が躍進した理由として「一部の有権者は共産党のことを、安倍政権の国粋主義と日本の平和憲法改定の主張に対抗できる唯一の党だとみなしたようだ」と解説しました。

「ネットを活用」

　記事は米国内の大手サイトにも転載され、「すごい」などと２日間で約２万３０００件の反響がありました。

　記事を書いたのは、来日して１６年になるフリージャーナリストのギャビン・ブレアさん（４２）。なぜ共産党に注目したのか？　本紙の取材に、「この２１世紀に共産党がうまくいくなんて、普通の米国人には想像できない。驚きだ。面白い」。ブレア氏の企画提案に、同紙も即決しました。

　共産党の取材は２度目というブレア氏。「派遣切り」が相次いだ４年前、改めて注目された小林多喜二の小説「蟹工船」と青年党員を取材しました。「日本の共産党に対するイメージは��年上�＝i高齢）でした。しかし、ネットをよく活用し、進化しています」

　��進化�≠ﾅ注目したのは、東京選挙区で１２年ぶりに共産党の議席を勝ち取った吉良よし子参院議員やネット選挙。記事は吉良氏の印象について、「にこやかな笑顔で、スマートな着こなしの３０歳」「資本主義撤廃を目指しているようにはとても見えない」と紹介しました。

　解禁されたネット選挙に関しても、「最もうまく活用したのは共産党だったと広く見られている」と指摘。「党は選挙運動で新しいテクノロジーを利用する一方、政策でも人事の面でも日本の他の政党と一線を画す一貫性を誇ることができる」として、その一例をあげました。「志位和夫氏は２０００年以来党の委員長を務め、その間日本の首相は９人交代した。一部の政治家は福島第１原発の事故以来反原発に立場を変えたが、日本共産党は常に原子力発電に反対してきた」

　ブレア氏は、参院選後の政治状況について、「個人的な意見ですが、中国との関係や憲法問題など、もともと右翼の安倍さんは心配だね」といいます。「野党の状況もメチャクチャだ。僕から見ると、党の方針より、この人にお世話になったなどという人間関係に党のベースがある。そこから間違っていると思うな」

　その上でブレア氏は語りました。「共産党の魅力的なポイントは方針がぶれないこと。取材して面白かった。僕の記事が話題になったし、うれしいね」

　吉良氏を取材中､｢聞いていただき、ありがとうございました」と感謝される場面があったといいます｡｢共産党が政権をとったら経済体制はどうなるのか？」。ブレア氏にとって「一番大切な質問」をしたときでした。記事はその吉良氏のコメントで締めました。

中･韓のＴＶも

　海外でも自共対決が注目されています。

　韓国の放送局・ＭＢＣは８月２０日、井上哲士参院議員に「日本の右傾化」のテーマで共産党の見解を取材しました。井上氏は５月の参院予算委員会で、閣僚の靖国神社参拝と日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」発言を追及。この質疑の映像が韓国内で何度も放映され、今回の取材につながりました。

　中国の中国広東テレビは８月２７日、東京電力福島第１原発の汚染水漏れ問題について、共産党の原発・エネルギー問題対策委員会責任者の笠井亮衆院議員を取材しました。

　韓国と中国のテレビ局の取材先はいずれも、共産党と自民党でした。「韓国から見ても日本の政界は自共対決が鮮明になっているようです」（井上氏）

( ２０１３年０９月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

アジアを平和・友好地域に／新潟市で戦争展

　第５回にいがた平和のための戦争展が６日、新潟市の県民会館３階ギャラリーで始まりました（写真）。同実行委員会が主催、８日まで。

　今回のテーマは「アジアを平和と友好の地域に―アジア諸国から信頼される日本に、過去の侵略戦争に無反省な国は世界から信頼されません」です。

　展示項目は、�@冷静に考えよう領土問題�A中国・朝鮮の日本軍「慰安婦」問題の真実�B過去の戦争を美化する「新しい歴史教科書」問題�C集団的自衛権・国防軍―再び海外で戦争する国へ�D戦争に反対した人々がいた�Eアメリカの核戦力に組み込まれた日本の原発―などです。

　遺品コーナーで兵士の遺品、防空頭巾、防毒マスクなどを陳列。戦時中の教科書、学童疎開の写真、教育勅語なども展示し、平和文芸作品展もあります。

　関連行事として、７日に講演「改憲論と『慰安婦』問題」（藤野豊・敬和学園大学教授）、音楽で五十嵐尚子さん（ソプラノ）、中林由美子さん（キーボード）の演奏。８日も講演「２１世紀の羅針盤平和憲法」（工藤和雄弁護士）を企画。入場無料。

(２０１３年０９月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／党都委が大阪府委激励／「維新」の野望打ち砕こう

　橋下・「維新の会」による堺つぶしは許さないとの声がわきあがるなか、日本共産党東京都委員会の若林義春委員長は６日、大阪市天王寺区の日本共産党大阪府委員会事務所を激励に訪れました。

　山口勝利府委員長が応対。堺市長選の情勢について意見交換し、全国注視の選挙で「維新」の野望を打ち砕き、市民の共同で地方自治を守りぬくたたかいを大いに盛り上げようと話し合いました。

　選挙支援カンパを託した若林氏は、橋下徹大阪市長が「従軍慰安婦」問題での暴言を撤回も謝罪もしない態度が都議選でも参院選でも厳しい審判を受けたと指摘。労働組合や民主団体からも「自由と自治の精神を育んできた堺をつぶさせてはならないと意気込んでいます」と紹介し、「堺は東京から遠いですが、やれることはなんでもやろうと燃えています」とのべました。

　「心強い限りです」と切り出した山口氏。「今回の市長選は、『大阪都』構想反対の一致点だけでなく、国保料４年連続引き下げなど市民に目を向けた施策をすすめた市政の問題でも共同できます。みなさんの熱い声援を受けて頑張ります」と応じました。

( ２０１３年０９月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

「韓日・未来へつなぐ学習ツアー」／「水曜デモ」でスピーチ三嶋あゆみさん

「慰安婦」問題解決へ力あわせ

　旧日本軍「慰安婦」問題や改憲をめぐる発言で日本の右傾化が国際的に批判を浴びるなか、「慰安婦」問題をはじめ、日本の加害の歴史を学び、交流する「韓日・未来へつなぐスタディー（学習）ツアー」が８月中旬に行われ、京都や岡山など５府県から１６人が参加しました。その一人、「水曜デモ」でスピーチをした三嶋あゆみさん（３３）＝京都府＝の感想を紹介します。

　（京都府・稲次かなめ）

　日本では終戦記念日、韓国では「光復節」の８月１５日を前後して、日本軍「慰安婦」被害女性が共同生活する「ナヌムの家」や、「戦争と女性・人権博物館」、独立記念館などの訪問と、日本政府に公式謝罪や法的補償を求める「水曜デモ」に参加しました。

　「水曜デモ」は毎週、在韓国日本国大使館前で、被害女性や支援者が取り組んでいるもので、参加した１４日は１０８７回目。集まった約３０００人の中には高校生や若い人が多く、エネルギーにあふれていました。

意見書を可決

　私たちは、「過去に目をつむる者は　未来に対しても盲目になる」と書いた横断幕を持参し、スピーチをする機会を得ました。

　京都府議会で「慰安婦」への謝罪・保障を求める意見書が可決され、いまは、京都市議会での意見書の採択にむけて働きかけていると報告。日本全体では、４３議会で意見書が可決、「維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の発言に対しては、３０の議会で批判決議があがったことも紹介し、「一緒に頑張りましょう」とよびかけました。

　安倍首相の改憲姿勢への怒りや靖国参拝などをめぐるニュース報道のなか、ハルモニ（おばあさん）たちの心情に配慮して、直接、交流することはできませんでしたが、被害女性の多くが、軍医に貼られた水銀入りの湿布が原因で、今も水銀中毒で苦しんでいると知り、なんてひどいことをしたんだろうと胸が痛くなりました。

同時代の人で

　戦時下の被害だけでなく、現社会の情勢についても見聞きし、同時代を生きる人たちと一緒に「慰安婦」問題の一日も早い解決、世界の平和と女性の人権の前進にむけ、頑張ろうと思いを新たにしました。

( ２０１３年０９月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

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堺で女性連絡会が宣伝／市民、「都」構想の正体分かった

　「橋下・維新による『堺乗っ取り・堺つぶし』は許せません」―。「明るい民主大阪府政をつくる会」と「住みよい堺市をつくる会」の両女性連絡会は３日、堺市北区の地下鉄新金岡駅前で宣伝をくり広げました。

　大阪労連の鈴木まさよ女性部長、新日本婦人の会府本部の川本幹子会長ら１６人がビラを配り、次々マイクを握って「堺市民の暮らしと福祉、地方自治を守りましょう」と訴えました。「頑張って」と自転車からエールを送る人、宣伝の女性と対話する人の姿が相次ぎました。

　堺母親連絡会の岸上紀代子委員長は、ビラを受け取った堺市の女性と対話しました。

　「『大阪都』構想はいいものと思っていたけど違うの」と驚く女性。岸上氏は「大阪市民のサービスは橋下大阪市長によってばっさり切り捨てられています」と語ると、女性はビラを広げて「橋下さんでは堺市はよくならない」と応じました。

　三隅直美さん（７８）は「維新の会なんて必要ない。竹山さん（修身市長）は『都』構想に反対してますものね。橋下市長は大阪市をよくしないのに、堺に頭を突っ込むな」といいます。

　自転車に乗った男性（４４）は「橋下市長の『慰安婦』発言にがっくりきた。市長を辞めた方がいい」と声を大きくしました。２歳児の女児を抱っこしてビラを受け取った女性（３４）は「私は子どもを大事にしてくれる政治を願っています。竹山さんに期待しています｣と話していました｡

(２０１３年０９月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

旧日本軍による「慰安婦」問題／実態伝える漫画に挑戦／山口かりんさん＝仮名＝／京都

戦争中だって許されない

　京都で｢慰安婦｣問題の解決にむけて取り組む「女性国際戦犯法廷ハーグ判決を実現する会」（略称・ハーグの会）は、旧日本軍による性奴隷被害の実態を漫画で伝えようととりくんでいます。

　子どもを含めて多くの人に知ってもらえるものをと、依頼を受けて描くのは漫画家をめざした経験がある山口かりんさん（３６）＝仮名・京都市＝。２児の母親で、「真実を隠さず伝えたい」と意欲を燃やします。

１冊の本

　原本は、朝鮮半島から戦下の沖縄に連れてこられ、戦後も沖縄で生きてきた女性、ペ・ホンギさんの人生を書き起こした『赤瓦の家』（川田文子著）です。

　話が持ち上がった６月頃、「日本維新の会」共同代表で橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言が話題になっていましたが、「女性たちの被害の実態については詳しくありませんでした」と言います。

　関連する本やインターネットで調べていくうち、入れ墨、暴力による傷害も受け、いまなお心的外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）に苦しむ女性が多いことを知りました。「人権が侵害され、女性がおもちゃのように扱われたことは、戦争中だったからと許されるものではない。闇に葬ってはいけない」との思いが強まりました。

勇気得る

　８月には、原水爆禁止世界大会に初めて参加しました。長崎大会の閉会総会で、「米国の核の傘から出るべき。日本は主権国として米国にものを言わねば」、「むごいものであっても歴史の真実を伝えるべきだ」などと話したオリバー・ストーン映画監督の言葉に勇気を得ました。

　道理にあわないことに、おかしいと言えるストーン監督の姿勢を「かっこよかった」と振り返り、「いま、みんなで立ち上がる時なのではないでしょうか。読み応えのあるものに仕上げていきたい」と話しています。

　（京都府・稲次かなめ）

( ２０１３年０９月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

１３年夏に想う／笠井亮衆院議員／もう一つの官邸前行動

　この夏も、たくさんの祈りがありました。６８回目のヒロシマ・ナガサキと終戦記念日、そして大震災・福島第１原発事故から３度目のお盆。

　私自身も、８月初めに、祖父の三十三回忌で伯叔父たちの戦争体験を聞き、６日朝は、被爆２世として、広島平和公園で当時１４歳だった母に代わって手を合わせました。

　韓国を訪ね、日本軍「慰安婦」被害者の女性たちと再会し、日本の侵略によって、今なお傷いえぬ、アジアの幾百万の人々の存在を考えずにはおれませんでした。８月１５日にアジアの犠牲者にふれなかった安倍首相の異様な演説、その歴史逆行と唯一たちむかう党と民主勢力の役割の重さ。

　そんななか、もう一つの官邸前行動がありました。２００３年１２月から毎月欠かさず行われてきた宗教者による「首相官邸前祈りの行動」です。

　自衛隊のイラク派兵中止を求めて、この２２日で１１６回目。私も、原発なくせ・再稼働反対の金曜官邸前行動に１年半参加し、ＴＰＰ反対や貧困問題を訴える行動にもひろがっていますが、そのはるか前からの行動です。

　命の尊さを訴える宗教者の自衛隊海外派兵中止署名は、９万５９４３人分が提出され、「９６条改定に反対し、憲法９条を守ろう」宗教者共同声明も１万１０００人となりました。

　仏教、キリスト教界など参加者から、靖国参拝、ナチス発言、集団的自衛権行使など、安倍政権による歴史逆行に、静かな、深い怒りがまきおこっています。韓国でも、名刹（めいさつ)･月精寺の正念住職と命と平和への願いを国境を超えて共有できました。祈りから共同の行動へとひろがる夏、そして秋です。

(２０１３年０９月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国の憲法裁判断から２年／進まない「慰安婦」賠償／協議拒否、不誠実な日本政府

　韓国の憲法裁判所が、日本軍「慰安婦」の賠償請求権をめぐり同国政府が日本と交渉する努力をしないのは違憲と判断（２０１１年８月３０日）してから丸２年がたちました。韓国政府は、日韓請求権協定に基づき協議に応じるよう日本政府に再三、要求していますが、日本側は拒否する不誠実な態度を続けています。

　韓国の外務省は３０日、声明を発表し、日本政府が協議に応じないことに「深い遺憾」を表明しました。韓国政府は、憲法裁判所の判断が下された直後の１１年９月と同年１１月に、外交文書を通じ協議を要求。今回も文書で求めると報じられています。

　日韓請求権協定の第３条は▽協定の解釈や実施に関する締結国間の紛争は外交上の経路で解決する▽解決できない場合は仲裁に付託する―ことを明記しています。

　しかし、日本政府は、協定によって財産・請求権問題は解決ずみで、「紛争は存在しない」という立場をとり続けています。

　先月、日本共産党の笠井亮衆院議員の調査によって、同協定締結当時、日本の外務省が、日韓間で対立する見解が生じた場合、外交上の努力によって解決されるべきだとする「条約解説」をまとめていたことが判明しました。この「解説」は、紛争の発生時期について「何ら制約はない」「今後生じることのあるすべての紛争が対象になるべき」だと主張しています。

　「慰安婦」問題は、被害者たちの告発によって１９９０年代以降、問題化したもの。協定上の紛争であることは疑いなく、「解決ずみ」という日本側の主張は成り立ちません。

　韓国の「慰安婦」被害者１２人は８月１５日、日本政府を相手取り慰謝料を求める民事調停をソウル中央地裁に申し立てました。同日、朴槿恵（パク・クネ）大統領は、「光復節」式典での演説で「過去の歴史による苦痛と傷を今も抱えて生きている方に対する、痛みを治癒できる責任ある誠意を持った措置を期待する」と述べました。

　日本政府は韓国側の要求に、速やかに応じるべきです。

　（誠）

( ２０１３年０９月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

侵略戦争賛美の教科書／愛媛の２校採択／教組など撤回要求

　愛媛県教組（新川雄也委員長）は８月２８日、愛媛県教育委員会が来年度県立高校・中等教育学校後期課程の教科書採択の審議で、川之石高校と今治東中等教育学校の２校で、日本の侵略戦争を賛美する明成社版「最新日本史」を採択することを承認したことに抗議し、採択撤回を求める声明を発表しました。

　明成社版は昨年、土居、弓削、三瓶の３校が採択。今回の２校の採択で、県内では計５校が採択したことになります。

　声明では「県立学校５校で明成社版『最新日本史』が採択されたことは、大変残念である。私たちは、歴史の真実を歪（ゆが）め、侵略戦争を賛美するような教科書を高校生に手渡すことに反対し、採択の撤回を求める」と表明しています。

　また、新日本婦人の会県本部の渡部則子副会長も「憲法を真っ先に守るべき教育現場でそれに逆行する教育を行うことは許されません｡安倍内閣のもとで、太平洋戦争を美化したり、従軍『慰安婦』を否定するなどの動きが目立ちますが、それに拍車をかけるものです。採択撤回を強く求めます」と話しています。

( ２０１３年０９月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

関東大震災９０周年で集会／歴史の歪曲許さず／朝鮮人虐殺、伝え続ける

　１９２３年９月１日に起きた関東大震災は、１０万人以上の死者・行方不明者を出し、そのさなか「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言・デマによって多くの朝鮮人・中国人が虐殺される事件がありました。９０周年の節目を迎えるにあたり、「犠牲者を追悼し、史実の歪曲（わいきょく）を許さず歴史の真実を学びあい『今』を考える」記念集会が３１日、東京都内で開かれ、３２０人が参加しました。

　主催は関東大震災９０周年記念行事実行委員会。

　歴史教育者協議会副委員長の坂本昇さんはこの間、東京や横浜で関東大震災について副読本から「虐殺」の文字が消えたことについて報告しました。「慰安婦や南京大虐殺と同様、いま関東大震災の歴史の歪曲が組織的に始められている」とし、「歴史の真実に学び、平和・人権・民主主義の徹底を求める声を若い人とともに世界へ広げていくことが重要」と語りました。

　東京都墨田区で虐殺の実態を調査し、追悼碑の建立運動をすすめてきた「ほうせんか」理事の西崎雅夫さんが、当時の証言を元に報告しました。

　「自分が生まれ育った東京で何があったのか知りたかった」と調査を始めた西崎さんは、犠牲者の遺族や目撃者、加害者の親族などから当時の様子を聞いてきました。「小さな地域ですが具体的にあったことを明らかにすることができた。被害者らから直接、話が聞けた最後の世代だと思う。リアリティーをもって次の世代につなげたい」と語りました。

　また、被害者の実名を調査することにも力を入れ、名簿を作成。今年６月、韓国・ソウルで被害者について報告した際、ある女性から「犠牲者名簿に祖父・洪�風Tの名前がない」と声をかけられた話を紹介。女性は、祖母から「祖父の遺骨を探して一緒の墓に入れてほしいと遺言されている」と話したといいます。孫の代になると個人情報も少なく、探すのはより困難になります。西崎さんは「情報があれば寄せてほしい」と呼びかけました。

　鄭栄桓・明治学院大学准教授は、終戦直後からどのように国家責任が論じられてきたかに言及。「市民は早い時期から国家責任を問うてきた。日本側がどう対応したのか、今後、研究が必要だと思う」と語りました。

　日本弁護士連合会が２００３年に出した勧告（国に対し、謝罪と真相究明を求めたもの）づくりに参加した米倉勉弁護士は、震災当時の判決文を引用し、「軍人や警察、官憲が虐殺に関わった様子が分かる」と述べました。

　国立歴史民俗博物館の北原糸子・客員教授は「関東大震災における、災害史研究の課題」、飛矢�ｱ（ひやざき）雅也・明治学院大学助教は「共同の夢―アナーキズムと震災」について報告しました。

　東京都内に住む大学院生は「歴史系の博物館の仕事に関わっているので、教育者や弁護士、研究者など多彩な報告者が、市民にどう歴史を伝えるのか、興味があって参加した」といいます。「胸に落ちる報告もあれば、違和感を持った報告もあったが、いつかそれが役に立つときもあると思う。勉強になりました」と語りました。

( ２０１３年０９月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

２０１３いま言いたい／俳優・エッセイスト黒田福美さん／日韓の緊張は何も生まない

　いま言いたいのは、私たちがアジア人として、アジアが平和で豊かに発展していくことを考えたら、政治家の言動で日韓関係などが緊張している場合ではないということです。

両国引き裂く力

　３、４年前、韓流ブームが盛り上がって、隣の文化を敬いたくさんの人が行き来して、経済効果も出ていました。ところがいま、ヘイトスピーチ（憎悪表現）のデモなどが一部でやられています。これまで「韓国好き」といっていた人がそう言いにくくなる。これは由々しい、暴力的なことだと思います。

　日韓間の緊張は何も生みません。交流イベントや観光は衰退し、両国ともに経済的打撃を受けるばかり。

　韓国文化を紹介し、在日韓国人への差別問題にかかわってきましたが、３０年前は「ソウルから帰ってきた」というと「ああ、台湾の…」といわれたこともありました。それが当時の私たちの認識だったわけです。いまは韓国に行ったことのある人がたくさんいる。お互いひかれあっているけれど、何か両国を引き裂こうとする力が働くんですね。

事実だけ精査を

　最近出版した『黒田福美の韓国ぐるぐる』（アスク出版）で、ソウル近郊の六つのまちの旅を紹介しました。地方に行くと、日本人なの、と物珍しそうにして、日本の歌知っていますよと歌ってくれる、最高にもてなそうと思ってね。ソウルでは忘れられようとしている韓国人らしい心情にふれてほしいです。

　私も日本軍「慰安婦」を強制されたみなさんのいる｢ナヌムの家｣に行きました｡歴史｢認識･解釈｣と言うから合意できない｡むしろ事実だけを精査し､すり合わせればいい｡韓国でも何かあると｢日の丸｣を焼いたりする人たちがいますが、それはごく一部の右翼的な人たちです。日本のマスメディアが全韓国の市民の意識であるように報道しますが大変危険なことです。

　日韓関係を見つめ、親たちの戦争体験を聞いているぎりぎりの世代として、都市も家族も破壊される戦争は二度と起こってはなりません。日本が戦争放棄の誓いを立てた憲法は守りたいと思います。これからのアジアの平和と発展にとって欠かせないものだからです。

　聞き手・山沢　猛

( ２０１３年０９月０１日， 「赤旗」）（Page/Top）

（8月）ヘッドライン

��維新に堺市乗っ取らせない�＝^市長選勝利へ女性が宣伝

試写室／ＥＴＶ特集摩文仁・沖縄戦・それぞれの慰霊／ＮＨＫＥテレ後１１・００

３０

平和のための戦争展始まる／広島・来月１日まで

堺市議補選／維新の乗っ取り阻止／森田、タマナハ候補が決意

飯能の原水協報告会

「慰安婦」協議を要求

堺市長選「維新」の狙い／「職員の思想・信条統一」「慰安婦」暴言擁護…／市政乗っ取り、歴史わい曲

埼玉県平和資料館リニューアルの課題は／埼玉県平和委員会事務局長二橋元長さんに聞く

論壇時評／宮沢毅／戦後史に逆行首相の侵略戦争無反省

京都に息づく朝鮮文化／穀田氏、企画展を鑑賞

日本軍「慰安婦」問題／問われる橋下市長／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／下

訪韓／笠井議員に聞く／上／「慰安婦」被害者、進む高齢化／日本共産党のメッセージに大きな拍手

ニコン「慰安婦」写真展中止裁判／原告「表現の自由守る」／口頭弁論

日本軍「慰安婦」問題／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／上

日本軍「慰安婦」問題／公開質問状の回答期限迫る／問われる橋下市長

韓国外相「首脳会談が開けず残念」

２５

メディアをよむ／川口彩子／歴史的事実隠しに批判を

韓国で聞いた「頼りは日本共産党」／党衆院議員笠井亮さんが語る／「ナヌムの家」など訪問

「慰安婦」／橋下氏、開き直り書簡／米市議会の非難決議に

国民の願い胸に／参院議員井上哲士／韓国のテレビ取材に驚き

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／中

戦争はごめん／婦団連がつどい

２０

愛媛革新懇が総会／「改憲型新自由主義」と対決／二宮氏講演

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／上

私が見た侵略戦争／強制労働、遺棄化学兵器なども未解決／侵略認めない首相、国際的孤立深める

私が見た侵略戦争／歴史認め謝罪と補償を／中国人戦争被害賠償請求事件弁護団幹事長南典男さん

私が見た侵略戦争／９１歳元日本兵／陸軍固兵団の衛生兵だった松本栄好さん／平和のため語り続ける

終戦６８年／平和へ決意新た／集いも／熊本／大分／香川／高知／広島

侵略戦争くり返させない／憲法守る願い広げて／高橋衆院議員／青森

「過去の清算果たせ」

元「慰安婦」に日本政府は謝罪を／米と台湾でデモ／ロサンゼルス／台北

韓国民団が光復節記念式／笠井議員祝辞「心通う友情築く」

全国戦没者追悼式／安倍首相の式辞／アジアへの反省、確信犯的な削除

終戦記念日／改憲策動許さない／笠井・吉良氏ら訴え／東京・新宿

終戦６８年／過去直視する姿勢を／韓国大統領、日本政府を批判

１５

日本軍「慰安婦」／メモリアルデー、大阪でも運動へ／被害女性会見

日本軍「慰安婦」メモリアルデー／東京で市民らデモ

終戦６８年／歴史に逆行する安倍政権／歴史問題、日中・日韓関係の障害に／靖国参拝／「慰安婦」問題

終戦６８周年記念日にあたって／日本共産党書記局長市田忠義

核兵器廃絶へともに／海外代表迎え女性のつどい／名古屋

慰安所職員の日記発見／朝鮮人男性、ビルマで記述

元慰安婦１２人申し立て／日本に慰謝料求める／韓国

韓国被爆者が自国政府提訴／日本と協議せず違法

靖国参拝／安倍政権の態度は欺瞞／韓国国会特別委が声明

市長選来月１５日告示／「堺市乗っ取り」許さない／共産党、市政前進へ竹山市長支持

過ちは繰り返さない／「平和のための戦争展」開く／愛知

日本軍「慰安婦」被害の国連記念日を／フィリピン女性、涙で蛮行を告発／東京で国際シンポ

麻生氏「ナチスの手口学べ」／国内外で批判沸騰／独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ特派員カーステン・ゲアミスさん／欧米なら辞職が当然

元「慰安婦」人権回復早く／新婦人が署名行動／徳島

堺市長選勝利へ全力／党地区委が活動者会議／大阪

改憲ストップ、核兵器廃絶訴え／猛暑もなんの署名呼びかけ／大阪で「９の日宣伝」

戦争の記憶を引き継ぐ／証言・資料、重い告発

１０

「ナヌムの家」２１周年記念式典への志位委員長のメッセージ

「ナヌムの家」／「慰安婦」問題解決に全力／記念式典に笠井氏出席／志位委員長メッセージ／韓国

平和のための戦争展に学ぶ／あすまで／埼玉・所沢

元「慰安婦」証言／「歴史教科書に記載を」／札幌で集い

ジブリが改憲反対／ホームページに公開／宮崎・高畑・鈴木氏ら

国連勧告無視する日本政府／問われる人権意識／吉田好一

平和のための戦争展開く／京都市北区／和歌山市

「慰安婦」賠償問題／��対立見解は外交で解決�＝^日韓請求権協定締結時に外務省／笠井氏調査で判明

維新の堺市つぶし許さず地方自治守り抜く／市長選で党地区委が声明

５

週間日誌／１３年７月２８日〜８月３日

視点２０１３／ニュースを読む／ヘイトスピーチデモの背景／歴史認識のゆがみ温床に／栗原千鶴

原水爆禁止世界大会／安倍政権の歴史認識が北東アジア不安定要因／緒方副委員長の発言／国際会議

河野談話２０年／「慰安婦」問題解決全国行動が声明

８月１５日の靖国参拝に懸念／��再び周辺地域と緊張の恐れ�＝^米議会報告書

平和のための戦争展開催中／山口市で４日まで

２県都で戦争展／加害と被害の実態を展示・前橋／「核と原発」をテーマに開催・甲府

平和のための戦争展／１万人以上来場／「これからも続けて」／埼玉

日本軍「慰安婦」／学者らサイト開設

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／下／「叫ぶな」銃剣で脅し、暴力

戦時性暴力の被害者が証言／１１日東京でシンポ

潮流

橋下氏の暴言／学習会で論破／ひろしまネット

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／上／日本政府はなぜ謝らないの／「おばあさんの心は苦しい」

米ロス近郊に慰安婦像／「若い世代は正しい歴史を学んで」／韓国系市民ら

８月（本文）（Page/Top）

��維新に堺市乗っ取らせない�＝^市長選勝利へ女性が宣伝

　「明るい民主大阪府政をつくる会」と「住みよい堺市をつくる会」の女性たちは３０日、「堺市長選に勝利しましょう。維新の会市長はノー」と堺市の３駅頭・ターミナルで宣伝をくり広げました。

　悪天候のなか地下鉄なかもず駅前では、２０人余が「橋下『慰安婦』暴言、謝罪・撤回、市長の資格なし」と書いた横断幕を掲げ、ひまわりの造花を手に持って、「市長には竹山修身さん」と呼びかけました。

　「『大阪都』構想どう思いますか」と書いたシールアンケートをよびかけると、多くの人がシールを貼っていきました。

　堺市南区の入江正美さん（３９）は「堺市がなくなるのには反対です」と「反対」にシール。同区に住む女性（４４）は「竹山さんは地道にミニ集会で住民の声を聞いて頑張っていますね」と話していました。

　つくる会事務局の長川堂いく子さんは「橋下・維新の『都』構想は、大阪湾ベイエリア、リニア、カジノ構想に税金をつぎ込むこと。『都』構想にきっぱり反対する竹山市長を応援しましょう」と強調しました。

　新日本婦人の会府本部の川本幹子会長、日本共産党府委員会の太田いつみ副委員長がマイクで訴えました。

( ２０１３年０８月３１日，「赤旗」）

試写室／ＥＴＶ特集摩文仁・沖縄戦・それぞれの慰霊／ＮＨＫＥテレ後１１・００

住民犠牲強いられた歴史象徴

　沖縄本島最南端・摩文仁（まぶに）の丘。断崖絶壁が迫るこの地は沖縄戦最後の激戦地で、本土復帰後には、多くの「慰霊碑・慰霊塔｣が建てられました｡

　６月２３日の「慰霊の日」を中心に、さまざまな立場の遺族や関係者が訪れ、死者を追悼する姿を追います。

　３万５千人の遺骨を集めて建てられた「魂魄（こんぱく）の塔」は、身元が分からないまま野にさらされた遺骨を地元の人々が拾って納めました。「失礼します。ご案内しますよと語りかけて遺骨を運んだ」「日本軍から壕（ごう）を追いだされた」と語る女性の証言が生々しい。

「平和の礎(いしじ)｣は国籍・軍人・民間人を問わず戦没者の名前を刻んでいます。しかし、数千人といわれる朝鮮半島出身の軍夫や「慰安婦」が沖縄にいましたが、数百人しか刻まれておらず、女性の名はありません。

　「私的な行為」といいながら日本軍司令官をまつる「慰霊塔」を、制服姿で参拝する自衛隊員に平和団体が抗議の声をあげます。

　犠牲者を弔う神聖な空間・摩文仁は、戦後６８年になっても住民が犠牲を強いられた沖縄の歴史を象徴しています。

　（森保和史）

( ２０１３年０８月３１日，「赤旗」）

３０

平和のための戦争展始まる／広島・来月１日まで

　第１９回平和のための広島の戦争展が２９日､広島市中区の広島県民文化センター地下展示室で始まりました｡９日１日まで､開場時間は午前１０時から午後６時(最終日は５時)､入場無料です｡

　今年は｢戦争を語り継ぎ､いのち･希望･平和な未来を｣をテーマに､写真パネルや戦争遺品､当時の日常生活用品などを展示｡｢国防軍｣の設置を定めた自民党改憲草案や日本軍｢慰安婦｣問題､福島第１原発事故を告発するコーナーもあり､｢イベント広場｣では､反戦ビデオの上映や戦争体験証言などのミニ講演が連続して開かれます｡

　オープニングセレモニーには約４０人が参加し､広島のうたごえ協議会が｢青い空は｣｢ねがい｣を合唱｡同展実行委員会の尾野展昭委員長は｢戦争展の目的は､二度と戦争という事態を日本が関与してつくりださないということです｡明日の日本を担う若い世代の方々の来場を期待します｣とあいさつし､開会のくす玉を割りました｡

(２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

堺市議補選／維新の乗っ取り阻止／森田、タマナハ候補が決意

　堺市長選と同時にたたかわれる堺市議補選（来月２０日告示、２９日投票）に立候補する日本共産党の森田こういち（３６）＝西区・定数１＝、タマナハ国子（５８）＝中区・定数１＝の両候補は２８日、堺市役所で会見し選挙戦に臨む決意をそれぞれ語りました。

　森田候補は「４年間で竹山修身市長と日本共産党は丁々発止で市政について議論を重ねてきた。市民本位の施策をさらに前進させるために尽力したい」と語りました。

　タマナハ候補は「橋下・『維新の会』の堺市乗っ取りは絶対に認められない。橋下氏の『慰安婦』は必要だったとの暴言は許せない。切実な市民要求を前進させたい」とのべました。

　坂上良一党堺地区委員長、城勝行市議団長が同席しました。

(２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

飯能の原水協報告会

　埼玉県飯能市の原水爆禁止協議会は２３日、同市内で２０１３年原水爆禁止世界大会報告集会を開き、３２人が参加しました。

　長崎市で開かれた世界大会参加者らは、被爆者の「語り部」から聞いた当時の悲惨な状況や、爆心地近くの小学校で生き残った子どもの手記などについて報告。「つらくて悲しい手記の内容に胸が詰まった」などと感想を話し、「子どもたちに平和な未来を残し、核兵器のない世界をつくるために私たちにできることを続けていく」と決意を語りました。

　「歴史認識」問題について学習し、自由の森学園教諭の菅間正道さんが橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題発言や安倍晋三首相の「侵略の定義は定まっていない」などの発言、閣僚の靖国神社参拝問題などを挙げ、日本の侵略戦争の歴史を話しました。

　参加者からは「世界大会参加者の発言を聞き、元気をもらった」「歴史の話は興味があるので、また聞きたい」などの感想が出されました。

(２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

「慰安婦」協議を要求

　【ソウル＝時事】韓国外務省副報道官は２９日、定例記者会見で、韓国憲法裁判所が元従軍慰安婦の賠償請求権をめぐり、韓国政府が日本側と交渉する努力をしないのは違憲との判断を下してから３０日で丸２年になるのに際し、日本政府が日韓請求権協定に基づく協議に応じないのは遺憾だとし、すぐに応じるよう改めて求めました。

　憲法裁判断を受け、韓国政府は、協定解釈などをめぐる紛争は外交交渉を通じて解決すると規定した請求権協定の条項を根拠に、１１年に２回にわたり、外交文書で協議を求めました。しかし、「解決済み」の立場を取る日本側は応じていません。

( ２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

堺市長選「維新」の狙い／「職員の思想・信条統一」「慰安婦」暴言擁護…／市政乗っ取り、歴史わい曲

　「大阪維新の会」は９月１５日告示（２９日投票）の堺市長選で堺市議団幹事長を務めてきた西林克敏氏を擁立します。堺市議会での同市議団の振る舞いを見れば、維新候補による堺市乗っ取りが何を目指すものなのか、一目瞭然です。

　維新堺市議団は一昨年１２月、大阪府・市で「政治の介入による教育破壊につながる」「首長いいなりの職員をつくる」と大問題になっていた「教育基本条例案」「職員基本条例案」を堺でも提案しました。西林氏は市議会でこの２条例案について、同年１１月の府知事選・大阪市長選などでの維新の勝利を理由に「大きな方向性は信任いただいている」と強弁しました。しかし、市内では幅広い市民による反対運動が巻き起こり、市議会でも批判が続出しました。教育基本条例案の審議では、市教育長も「教育関連法規に抵触するおそれのある内容が多く含まれており、教育委員会として是認できない」と答弁。両条例案はともに維新以外の全会派の反対で否決されました。

「民意ではない」

　昨年３月には、堺市を廃止・分割する「大阪都」構想を進めるための「府市協議会設置条例案」が維新・公明以外の反対で否決されました。維新は当初、竹山修身市長に提出を求めていましたが、竹山氏が「堺市の分割は民意ではない」ときっぱり拒否したため、維新が議員提案したものでした。

　昨年６月の審議では、維新市議から「（市職員の人事評価は）職員の思想・信条、仕事の進め方を統一するとか…そういったことが重要な目的でなくてはならないんじゃないか」という発言が飛び出したこともあります。これは竹山市長に「職員の思想・信条を統一せんとあかんというふうなこと言ったらえらいことになる」「それはあかんのですよ」と一蹴されました。

橋下氏流の詭弁

　今年６月、堺市議会に日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題に関する暴言に抗議し、橋下氏らの公職辞任を求める決議案が共同提案されると、維新市議は「慰安婦制度が当時は必要だったと表現することがなぜ人権侵害なのか。事実を必要だという表現に変えているだけだ」などと橋下氏流の詭弁（きべん）に終始しました。

　他会派の市議からは「言葉のすりかえのような話をしていても、ここでは問題にならない」「都議選にも結果はあらわれている」と批判の声があがり、決議案は賛成多数で可決されました。

　ところが維新はそれに懲りずに８月２１日の市議会運営委員会に、今度は日本政府に対し米国内の「慰安婦」像の撤去を要求するよう求める決議案を提案。碑の建設を「反日運動」と決めつけ、自分たちの言動を省みることなく、決議案には「米国で展開されている歴史認識は事実を大きく歪曲（わいきょく）している」などと記述しています。

　（北野ひろみ）

( ２０１３年０８月２９日，「赤旗」）

埼玉県平和資料館リニューアルの課題は／埼玉県平和委員会事務局長二橋元長さんに聞く

県民の声聞き充実・発展を／知事はＰＫＯ活動の展示要求

　今年開館２０周年を迎えた埼玉県平和資料館は、現在大規模なリニューアルのため休館中で、１０月半ばにオープン予定となっています。同館の現状と課題について、埼玉県平和委員会の二橋元長事務局長に聞きました。

　（埼玉県・藤中陽美）

　埼玉県平和資料館は、「平和のための埼玉の戦争展｣(１９８４年初開催）など平和を願う多くの県民の声や運動を背景に、１９９３年８月にオープンした全国的にも数少ない県立の平和資料館です。県民の平和への思いが詰まった宝ともいうべき施設です。

管理の一部を民間委託

　しかし、今年４月１日から、管理の一部が指定管理者のもとに置かれ、民間委託されました。あわせていま、開館２０年を記念したリニューアル工事や展示替えを理由に、１０月半ばまで休館となっています。

　問題は、リニューアル工事や展示替えの内容を、県が県民には一切説明していないことです。上田清司知事が「ＰＫＯ活動やＪＩＣＡとか、青年海外協力隊の活動などの平和創造活動の展示もやられるべきだ」（知事会見・２０１２年１０月１７日）と公言したこともあり、県民の間に、自衛隊の海外での活動を「戦後日本の平和国際貢献」などとする展示が行われるのではとの危惧も広がっています。

運営協を一方的廃止に

　今回のリニューアル工事、展示替えでは、計画段階に専門家の意見を取り入れることも、県民の声を反映させるための公聴会やパブリック・コメントも実施していません。

　そればかりか、開館以来、館長の諮問機関として、学識経験者や戦争体験者をはじめ県内各分野から選出された委員で構成する運営協議会（１４人）を６月末には一方的に廃止し、わずか７人の委員によるアドバイザリーボードに改編してしまいました。

　上田知事は０６年６月の埼玉県議会で、「慰安婦はいたが、従軍慰安婦はいなかった」「平和資料館の年表を見ても、間違った記述があるので修正しなくてはいけない」と述べました。

　この知事発言後の０７年１１月、同館入り口にある「昭和史年表」では、１９９１（平成３）年の「従軍慰安婦問題など日本の戦争責任論議多発」の表記から「従軍」の文字が削られ、「戦時中の『慰安婦』問題など…」と、変更されてしまったのです。

知事意向で展示変更も

　専門家のアドバイスも受けず、知事の意向をそんたくして、庁内だけで展示内容が変更されるようでは、知事が変わるたびに展示内容が変えられることにもなりかねません。埼玉県平和資料館の設立趣旨である「県民に戦争の悲惨さおよび平和の尊さを伝えることにより、県民の平和に対する意識の高揚を図り、もって平和な社会の発展に寄与する」が損なわれる恐れがあり、見過ごせません。

　私たちはいま、埼玉県平和資料館の充実・発展をめざしてリニューアルや展示替えの進捗（しんちょく）状況を情報公開し、公聴会やパブリック・コメントを実施することなどを求めて、署名や「一言ハガキ運動」に取り組んでいます。ご支援・ご協力を心からよびかけます。

(２０１３年０８月２８日，「赤旗」）

論壇時評／宮沢毅／戦後史に逆行首相の侵略戦争無反省

　終戦の日の政府式典で安倍晋三首相は最近２０年間歴代首相が言及し続けたアジア諸国への「反省」を一切口にせず、侵略戦争肯定の姿勢を鮮明にしました。

「村山談話」の起案者が語る

　侵略戦争と植民地支配に反省を表明した１９９５年の「村山富市首相談話」案文を内閣外政審議室長として起案した谷野作太郎（元駐インド・中国大使）「『歴史』を正しく語り継ぎ、より確かな未来につなげていくこと」（『世界』）は、自民党を含む当時の連立政権内で「厳しい精査」を受け閣議決定された経過を語り、「談話」は村山氏個人の感慨ではなく「戦後五〇周年にあたっての日本国総理大臣談話」と位置づけられると強調。安倍首相が執着する「村山談話見直し」が、戦後史の到達点を踏みにじる��逆行�≠ﾅあることを明らかにしています。

　また「日本軍が行なった罪深い行為」は当事者の証言などから否定できないと述べ、「過去」を知る作業を「自虐」と決めつける風潮に異議を唱えます。長くアジア外交の現場に身を置いた同氏の歴史歪曲を戒める言葉は、世界に通用しない安倍首相らの歴史認識への批判となっています。

　佐藤健生（拓殖大学教授）「東京はワイマールではない」（『世界』）は、政治家が率先して過去と向き合ってきたドイツは「ナチス『第三帝国』とは異なる国」だという証を繰り返し立ててきたが、日本は「『大日本帝国』とは異なる日本国の証を立てること」に失敗したと強調します。「繰り返される政治家の失言放言に加え」、「証そのものであったはずの平和憲法」を変えようとする動きは「自ら大切な証を放棄」するものであり、侵略戦争肯定と改憲策動が一体のものとしてとらえられ、海外から日本の進路に警戒の目が向けられていると指摘します。

　林博史（関東学院大学教授）「安倍首相・橋下市長の日本軍『慰安婦』発言はどこがまちがっているのか」（『前衛』）は、当時の軍慰安所の実態や諸外国の「軍隊と性管理」を具体的事実で示し、「強制はなかった」などとする正当化論が成り立つ余地のない、世界に通用しない議論であることを示します。

消費税大増税不当さを突く

　安倍首相の消費税増税実施の決断時期が迫るなか、『文芸春秋』が特集「日本の税金　失われた１５年」を組んでいます。その中の座談会「消費税の核心〜いつ、どこまで上がるのか」では野田毅・自民党税調会長らの増税必要論にたいし、岩本沙弓・大阪経済大学客員教授が消費税増税は「購買意欲を縮小させる」と警告、「不公平・大企業優遇」と批判します。さらに税のあり方について「市場競争を良しとする財界」が法人税減税を唱えているが、「競争原理に基づくなら、持っている人が税を払うことがより意識されるべき」だと応能負担を強調し、所得税や法人税の比率引き上げを求めます。

　来年４月の消費税増税中止を唱える富岡幸雄（中央大学名誉教授）「法人税を下げる前に企業長者番付の復活を」も、消費税増税とセットの法人税率引き下げの不当さを告発します。同氏試算の「実効税負担率」では、みずほ銀行０・５％、三井物産５・５％、トヨタ自動車２７・１％など軒並み「法定正味税率」（現在３８・０１％）を下回ります。同氏は、外国子会社収益にほとんど税金がかからない制度や、課税所得を減らす「巨額な内部留保」といえる準備金や積立金の仕組みをフルに使って大企業が税負担逃れに走る実態を解明します。

　「自分の企業さえ儲かれば、日本経済が空洞化しても関係ない」という大企業経営者の姿勢を批判。「企業の社会的責任」とは「黒字を出して雇用とともに、より多くの税金を国に納め」「国民の福祉などに貢献する」ことであり、それが「社会の公器たる企業のあるべき姿」だという提起は重要です。

　国民に負担を迫る一方で大企業を不当に優遇する「アベノミクス」のゆがんだ実態を、社会のあり方として問う論考は注目されます。

　（みやざわ・たけし）

今月の動向（編集部）

　「新聞エンマ帖」（『文芸春秋』）は、「赤旗」がスクープした自民党が日本建設業連合会に４億７１００万円の献金請求書を送りつけた問題を取り上げ「『政策を金で売る最悪の利権政治』という赤旗の主張には十分な説得力があり、報道価値もあったはず」なのに扱いが小さかった大手紙を批判。「こうした情報こそ有権者が投票するための情報として必要なのではないか」と指摘しています。

( ２０１３年０８月２８日，「赤旗」）

京都に息づく朝鮮文化／穀田氏、企画展を鑑賞

　朝鮮半島の美術工芸品を紹介する高麗美術館（京都市北区）で、京都に息づく朝鮮文化をテーマにした企画展が開催されています。

　弥生時代から交流があったことを示す出土品をはじめ青磁、白磁の器、祇園祭の懸装品（けそうひん）や西陣織の由来となる織物など、８０点を超える文物が展示されています。

　２４日には、日本共産党の穀田恵二国対委員長・衆院議員が訪れ、同美術館研究員の山本俊介さんの案内で鑑賞してまわりました。

　穀田議員は、日本共産党が、「朝鮮王朝儀軌（ぎき）」など文化財の返還や「慰安婦」問題の解決にむけた取り組みを通して、韓国と交流を深めていることを紹介し、「京都との古くからの交流をうかがわせる品々で興味深いです」と話していました。

　企画展「朝鮮文化と京都」は１０月１４日まで。

(２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

日本軍「慰安婦」問題／問われる橋下市長／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／下

日本軍・日本政府の責任について

１　貴殿は、外国特派員協会で配布した｢私の認識と見解｣（２０１３年５月２７日）の中で、また、７月２６日付回答で「第二次世界大戦前から大戦中にかけて、日本兵が「慰安婦」を利用したことは、女性の尊厳と人権を蹂躙（じゅうりん）する、決して許されないものであることはいうまでもありません」と述べている。これは、女性の名誉と尊厳を侵害し人権を蹂躙した主体は日本軍ではなく、慰安所に通った個々の日本兵であるとするもので、性奴隷制としての「慰安婦」制度を組織的につくった日本軍の責任を免責し、個々の兵士に責任を押し付けるものではないか。

２　貴殿は、７月２６日付回答で、「日本兵が女性の人権を蹂躙したことについては痛切に反省し、慰安婦の方々には謝罪しなければなりません」と述べ、さらに「第二次世界大戦中のアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍、ドイツ軍、旧ソ連軍その他の軍においても、そして朝鮮戦争やベトナム戦争における韓国軍においても、この問題は存在しました」と述べている。これは、各国軍の個々の兵士の責任を問う議論ではないか。

　また、第２次世界大戦中のドイツ軍を別にすれば、慰安所を軍の施設として組織的かつ大規模に設置し、中央がそれを公認し、女性たちを自らまたは業者を使って集めた軍はないのではないか。このような見解は、日本軍と日本政府の責任を否定ないしあいまいにすることになるのではないか。

３　貴殿は、外国特派員協会で、「韓国の方は、この河野談話をもって、日本が拉致、人身売買したと理解をしています。しかし、日本の多くの歴史学者や多くの政治家は、これは日本国家がやった訳ではなく、民間業者だという主張、このような主張をする歴史学者や政治家も多いのです」と述べているが、多くの歴史学者とは、だれのことか。そのような歴史学者の名前を数多くあげることができるか。

　戦地・占領地で軍が略取や誘拐等を行った事実は明らかになっているのではないか。

　植民地では業者が誘拐・人身売買等により女性たちを連行したことも明らかになっているのではないか。この業者は、軍・官憲によって選定された者であり、身分的には無給軍属または軍従属者であって、純粋の民間人とはいえないのではないか。また、誘拐・人身売買等で連れて来られた女性たちは軍の施設である慰安所で被害にあったのではないか。

４　中国やフィリピンやインドネシアで、軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行があったことは、第１次公開質問状で明らかだが、このような連行は例外的ではなく、また、責任者は日本軍によって処罰されていないのではないか。

　従って、暴行・脅迫を用いた連行を行った個々の軍人・官憲にだけ責任があり、日本軍には責任がない、とはとうてい言えないのではないか。

５　貴殿は、「日本は過去の過ちを真摯（しんし）に反省し、慰安婦の方々には誠実な謝罪とお詫（わ）びを行うとともに、未来においてこのような悲劇を二度と繰り返さない決意をしなければなりません」「日本人は、旧日本兵が慰安婦を利用したことを直視し、真摯に反省、謝罪すべき立場にある」と述べているが、問題を起こした主体は日本軍であり、反省と謝罪をすべき主体は日本政府である、となぜ明言しないのか。

　（おわり）

( ２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

訪韓／笠井議員に聞く／上／「慰安婦」被害者、進む高齢化／日本共産党のメッセージに大きな拍手

　日本軍「慰安婦」の被害者が共同生活を送る「ナヌムの家」（京畿道・広州市）―。この設立２１周年を祝う記念式典に参加するため、日本共産党の笠井亮衆院議員は８月９〜１２日、韓国を訪問しました。滞在中、韓国の国会議員や各界の人々と交流した同議員に、歴史認識や「慰安婦」問題解決への展望、寄せられた党への期待について聞きました。

　（聞き手　島崎桂）

「慰安婦」被害者、進む高齢化／賠償は急務

　昨年１０月、「ナヌムの家」から日本の全ての国会議員に対し、「被害者の話を聞いてほしい」との招待がありました。これにこたえたのは、日本共産党だけで、私が代表して訪れて、被害者の話を聞くことができました。そのような経緯から、今年２１周年を迎えた「ナヌムの家」と、併設する「日本軍『慰安婦』歴史館」１５周年の記念式典に、日本からの来賓として日本共産党が招かれました。

　２度目の訪問で改めて痛感したのは、「慰安婦」問題解決の緊急性です。記念式典（１０日）が開かれた翌日、「ナヌムの家」で暮らしたハルモニ（おばあさん）の一人、李容女さんが亡くなったとの悲しい知らせを受けました。

　１９２６年生まれの李さんは戦中、１６歳の時にミャンマーで「慰安婦」としての生活を強いられました。８７歳で亡くなるまで、「ナヌムの家」と息子の家を行き来する活動的なハルモニだったといいます。

　いま、被害者たちの高齢化が進んでいます。昨年、初訪問した際、ハルモニたちから「私たちのような被害者を二度と生んでほしくない」「日本政府の心からの謝罪を聞くまでは死ねない」との悲痛な訴えが寄せられました。

　日本政府は、被害に遭った方々が生きておられる間にこそ謝罪と賠償を行うべきです。寄せられた被害者の思いに背を向けることは、日本が過去の歴史を清算する機会を失うことにもなりかねません。

　１９６５年の日韓請求権協定は、協定の解釈および実施に関する両国間の紛争がある場合、「まず外交上の経路を通じて解決するものとする」としています。

　日本共産党は、日本政府に対し、この協定に基づき、韓国政府が求めている政府間協議に早急かつ誠実に応じるよう求めています。

　理性的に、大義に立って問題解決を提起する党の立場は、多くの共感を呼びました。１２日にソウルの韓国国会で行った韓明淑元首相、金相姫女性家族委員長との会談で、金委員長は「外交委員長にも紹介する」とのべました。

日本共産党のメッセージに大きな拍手

　日本政府は、６５年の協定で「請求権の問題は解決済み」として、そのとき持ち出されなかった「慰安婦」問題に関する協議に応じる姿勢を示していません。

　しかし、日本軍「慰安婦」問題が、被害者の告発で明らかとなり、政治問題化したのは、９０年代以降のことであり、「解決済み」との主張は成り立ちません。

　なぜ９０年代になって初めて「慰安婦」被害の実態が明らかになったのか｡野党･民主党の李洛淵議員は「女性として、若いときにはとても言えなかったから」「家族もおり、貞節を重んじる国では口外できなかった」と理由を説明していました。

　日本でも、原爆被爆者のなかには、みずから被爆した事実を、さまざまな差別、子どもたちの結婚や孫への影響を恐れ、戦後長い間公表できなかった人たちがたくさんいた。広島で被爆した私の母もそうだったと応じました。

　侵略戦争と植民地支配によって、どれだけ多くの人生を狂わせたか。韓国でも親族間や社会での差別に対する不安や恐れから、被害者の方々が「慰安婦」としての生活を強いられた事実を明らかにできず、ようやく９０年代になって初めて、重い口を開くことができた。日本政府は、その苦悩と思いをしっかり受け止めるべきです。

　記念式典では、志位和夫委員長のメッセージを代読し「日本が、歴史に誠実に向き合い、誤りを真摯に認め、清算をおこなってこそ、末永く日韓両国民の心通う友情を築いていくことができると確信しています」と伝えました。私自身もあいさつで、昨年の訪問後、テレビ討論で橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）に直接、「慰安婦」問題発言の撤回と謝罪、市長の辞任を求め、国会では岸田文雄外相に、「慰安婦」問題解決を迫ったことを紹介しました。

　志位委員長のメッセージに、式典参加の韓国国会議員や地元市長、青年ら３００人から大きな拍手が起こり、再会したハルモニたちからは「また来てくれてありがとう」など歓迎の声が寄せられました。

　２０１５年は、日韓国交正常化５０周年です。この節目を両国の友好関係の中で祝うためにも、「慰安婦」問題の早期解決は不可欠です。

　(つづく)

( ２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

ニコン「慰安婦」写真展中止裁判／原告「表現の自由守る」／口頭弁論

　戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」を題材にした写真展が昨年６月、会場を運営するニコンから急きょ、中止が通告された問題で、原告で韓国人写真家の安世鴻（アン・セホン）さん＝名古屋市＝が同社に損害賠償と、写真展中止の明確な理由を求める裁判の第３回口頭弁論が２６日、東京地裁（志田原信三裁判長）で行われました。

　東澤靖弁護団長は法廷で、わずか１日で中止が決定した社内会議の議事録を提出するようニコン側に求めました。

　報告集会で李春熙（リ・チュニ）弁護士は、過去にニコンサロンでは、植民地支配や東京大空襲などの社会的な問題を取り扱った写真展が開催されており、今回ニコンが主張している、「世論を二分する事柄について一方の意見を推進する活動を支援することはできない」という中止理由は、これまでの姿勢と矛盾すると指摘。「題材によって差別されることは認められない」と話しました。

　安さんは、漫画「はだしのゲン」の閲覧規制にふれ「表現の場が奪われる事例が起きました。真実を伝えていきたい。表現者として表現の自由を守るためたたかいます」とのべました。

( ２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

日本軍「慰安婦」問題／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／上

国家の意思としての拉致・人身売買という新しい論点について

１　貴殿は、本年５月２７日の日本外国特派員協会での会見において、「２００７年の閣議決定、日本政府の見解では、国家の意思としての拉致、国家の意思としての人身売買を裏付ける証拠はなかったという日本政府の見解が出ております」と述べている。また、７月２６日付回答では、「もし、日本だけが非難される理由が、戦時中、国家の意思として女性を拉致した、国家の意思として女性を売買したということがあるのであれば、それは事実と異なります」と述べている。

　ここで言われている「国家の意思としての拉致、国家の意思としての人身売買」とはどういう意味か。

　また、「国家の意思としての拉致、国家の意思としての人身売買を裏付ける証拠はなかったという日本政府の見解」が出ているというのは、間違いではないか。同年３月１６日の政府答弁書（内閣衆質１６６第１１０号）では、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」と述べているだけではないか。

２　日本外国特派員協会での会見で、貴殿は、「国家の意思として組織的に女性を拉致した、国家の意思として組織的に女性を人身売買した、この点を裏付ける証拠はありませんし、この事実について認めていないというのが日本の立場だと考えております」と述べているが、国家の意思としての組織的拉致、国家の意思としての組織的人身売買とは、どのようなことか。また、日本政府は、いつこのような見解を述べているか。

　貴殿はこれまで、「慰安婦という人たちが軍に暴行・脅迫を受けて連れて来られたという、その証拠がない」（２０１２年８月２１日の記者会見）と主張していたのではないか。いつから、また、なぜ、あなたはこのように見解を変えたのか。

３　（略）

　（つづく）

( ２０１３年０８月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題／公開質問状の回答期限迫る／問われる橋下市長

　日本軍「慰安婦」問題での発言をめぐって、吉見義明・中央大学教授が２回にわたって橋下徹大阪市長に発言の撤回と謝罪を求めた公開質問状の回答期限３０日が迫っています。

　この問題は、橋下氏が昨年８月の記者会見で、「慰安婦」問題に関連して吉見氏が「強制連行という事実はなかった」と語っているかのように発言したことについて、吉見氏が「私の研究の根幹を否定し名誉を毀損（きそん）するもの」として撤回と謝罪を求めているものです。

　同時に質問状は、「慰安婦」問題をめぐる論点、とりわけ「強制性」をめぐる安倍政権や橋下氏の主張に共通する議論にたいし、歴史の事実と証拠を示して橋下氏の認識を問うものとなっています。

　１回目の質問状（６月４日付)にたいし､橋下氏は回答期限(７月５日)を大幅に越えた７月２６日に吉見氏側に回答を寄せました。これに対し吉見氏は、橋下氏の｢慰安婦｣問題に関する「基本的な考え方」をのべたもので「公開質問状に対する回答になっていない」として、同２９日付で第２次の質問状を送付し、８月３０日までに回答を求めました。

　第２次公開質問状のうち、７月２６日付回答などで橋下氏が持ち出した「国家の意思としての拉致・人身売買」など新たな論点や主張に関する質問部分を紹介します。（第１次質問状の要旨は２０〜２２日付で掲載）

( ２０１３年０８月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国外相「首脳会談が開けず残念」

　【ソウル＝時事】民主党の前原誠司元外相は２３日、訪問先のソウルで韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相と会談しました。前原氏によると、尹外相は「（日韓）首脳会談が開けないのは極めて残念」と強調。その上で、朴槿恵（パク・クネ）大統領は原則を重んじ、その一つが歴史認識だと述べ、会談実現には歴史問題をめぐる日本政府の前向きな対応が必要との考えを示しました。

　尹外相は従軍慰安婦問題について、元慰安婦が高齢となっており、時機を逸すれば禍根が残るとして速やかな解決を呼び掛けました。

　前原氏は民間対話「日韓フォーラム」出席のために訪韓。２３日の記者会見で「知日派の人たちから、予想以上に日本への（韓国の）世論が厳しいと伝えられ、ショックだった」と語りました。

( ２０１３年０８月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

２５

メディアをよむ／川口彩子／歴史的事実隠しに批判を

　松江市教育委員会が市立小中学校図書館での「はだしのゲン」閲覧を制限したことが報道され、抗議の声が高まっている。市教委は､｢歴史認識の問題ではなく、あくまで過激な描写が子どもにふさわしくないとの判断だ」と説明する。しかしそれは、毎日新聞２０日付社説に言うとおり「作品に残酷な描写があるのは、戦争や原爆そのものが残酷であり、それを表現しているからだ」。

　日本軍が中国大陸等で働いた蛮行や、アメリカによる原爆投下の恐るべき加害行為を覆い隠してはならない。歴史的事実を子どもたちに伝えること、それが教育にとって最も大切なことだろう。

　実教出版社の高校日本史教科書のこんな記述も問題になっている。

　「国旗・国歌法をめぐっては､日の丸･君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに､思想･良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保護するかが議論となった。政府はこの法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある」

　これも事実を記述したものだ｡ところが､これを理由に､東京都､神奈川県、大阪府の各教育委員会は、各学校で日本史の教科書を選択する際、実教出版社の教科書を選ばないよう圧力をかけた。その結果、これまで実教出版社の教科書を使っていた学校も、今年は別の教科書を選択することとなり、実教出版社教科書を選択する県立学校はゼロとなった。

　歴史的事実を隠そうという動きは、安倍政権になってから顕著だ。植民地支配､侵略､慰安婦問題、南京大虐殺等々の事実を認めてこそ、日本国民が「国際社会において、名誉ある地位を占め」る、出発点とすることができる。メディアは歴史的事実を踏まえ、安倍政権のもとで進められている危険な動きに厳しく批判を加えてほしい｡

　（かわぐち・あやこ＝弁護士）

(２０１３年０８月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国で聞いた「頼りは日本共産党」／党衆院議員笠井亮さんが語る／「ナヌムの家」など訪問

　日本共産党の笠井亮衆院議員が８月９〜１２日、韓国を訪問しました。招待を受け、日本軍「慰安婦」被害者が暮らす「ナヌムの家」（京畿道・広州市）を訪ねるとともに、韓国各界の人々と交流するためです。日本共産党への信頼と期待が表明された今回の訪問について笠井議員に聞きました。

「慰安婦」問題解決は急務―ハルモニらと思い一つに

　「ナヌムの家」を訪ねるのは昨年１０月に続いて２回目です。元「慰安婦」のハルモニ（おばあさん）たちは「また来てくれてありがとう」「元気でしたか？」と、大歓迎してくれ、抱き合って再会を喜びました。

　昨年の訪問は、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）らが「慰安婦」問題での日本軍による強制性を否定したのに対し、「ナヌムの家」の安信権（アン・シングォン）所長が「ぜひ被害者の話を聞いてほしい」と、日本の全国会議員ら７２４人に招待状を送ったのがきっかけでした。これに応えて実際に訪問したのは、日本共産党を代表した私だけでした。

　こうした経過があったので、今年、「ナヌムの家」設立２１周年と、併設する「日本軍『慰安婦』歴史館」開館１５周年を記念する式典に、日本共産党の志位和夫委員長と私に招待状が届いたのです。志位さんは党創立記念講演会と重なって訪韓できないため、私が代表して出席しました。

　式典当日の１０日は激しい雷雨。ハルモニは「この雨は私たちの怒りの涙だ」といいました。

　韓国の国会議員、政府関係者、地元市長をはじめ３００人を前に、日本から唯一の来賓としてあいさつに立った私は、志位委員長のメッセージを代読しました。

　「『慰安婦』問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題です。解決のためには、日本政府としてこの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です」とのべ、「日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるため、全力をつくす」と表明しました。大きな拍手でした。

　私も今年５月、テレビ討論で橋下大阪市長に直接、「慰安婦」発言の撤回と謝罪を求めたことや、国会で岸田文雄外相に日韓請求権協定に基づく韓国との政府間協議（注）に応じるべきだと追及したことを紹介、今後も全力を尽くす決意をのべました。

　こうした日本共産党の立場は大変大きな共感を呼びました。

　「ナヌムの家」後援会長である与党セヌリ党の李翰成（イ・ハンソン）国会議員は来賓あいさつで「日本に歴史認識を共有できる理性的・良心的勢力がいることは大変うれしい」と語り、私と固い握手を交わしました。

　「ナヌムの家」代表理事の宋月珠（ソン・ウォルジュ）大僧正は冒頭のあいさつで、私が昨年の訪問で、慰安婦問題での「謝罪と賠償」に言及し、「（日本への）韓国併合は不法・不当」とのべたことを詳しく紹介しました。宋さんは式典後の懇談で私に話しかけてきて、「日本共産党は暴力革命ではなく選挙で議会を通じて政権を目指す党ですね」「ソ連・中国とは違うんですね」といい、党の路線に大いに注目してくれました。

　１２日にはソウルの韓国国会で韓明淑（ハン・ミョンスク）元首相、金相姫（キム・サンヒ）女性家族委員長と会談し、「慰安婦」問題解決のため、力を尽くしあうことを確認しました。

「歴史の逆流を許さない」―住職、議員らと意見交流

　今回、ソウルから車で４時間の江原道五台山にある月精寺も訪ねました。月精寺は緑豊かな国立公園のなかにあり、真夏でも気温は２４〜２５度と涼しいところです。

　ここは「朝鮮王朝儀軌（ぎき）」のふるさとと呼ばれています。儀軌とは朝鮮王朝の国家行事を記した韓国の貴重な文化財で、植民地時代、この地から日本が持ち去りました。その後、関係者の運動と日本共産党の努力で一昨年１２月、返還が完了しました。

　儀軌返還問題を通じて、月精寺の正念（ジョンニョム）住職とは旧知の間柄です。

　正念住職とは原発問題でも話し合いました。「韓国でも原発への不安は強い。今こそ韓日中で太陽光発電や風力発電などを共同事業でやるべきなのに、関係がうまくいっていないのはいかがなものか」と憂慮していました。また、「資本主義社会は、自分の利益が何より大事。他人を犠牲にしても自分の利益を得ようとする。だが人というものは本来��空�≠ﾅある。人と人とが協力し合って共に生きるという��相生�＝iサンセン）が本当の社会だ」と語り、未来社会論でも相通じるものがありました。

　志位委員長の韓国語版著書『いま、日本共産党』を差し上げたところ、目次をぱらぱらとみては、「��対米従属の異常�＝\これは韓国も同じ。��極端な大企業中心主義�＝\これも韓国と同じだ」と話し、大いに盛り上がりました。

　ソウルでは韓日議連の国会議員らとも意見交換しました。

　野党・民主党の李洛淵（イ・ナギョン）国会議員は「いまは国交正常化以降、最悪の日韓関係」「中国、アメリカもからんで東アジアが難しい情勢だからこそ、日中韓はケンカすべきではない。なのに、安倍晋三首相には戦略がない。中国に対抗し、アメリカさえあればいいというのはおかしい」と話しました。

　他方で、参院選での日本共産党の躍進を喜び、「頼りは日本共産党と一部学者グループだけだ。あなた方の責任は大きい」との期待がどこでも寄せられました。

　「日本国民は右傾化しているのでは」と一色に見ていた議員もいました｡私が｢国民の中には歴史の逆流に対する強い理性的批判の声が広がっている。それは参院選での日本共産党の躍進にも示されている」と説明すると､得心したようでした｡

　２００６年の志位委員長訪韓以来、党として、儀軌問題、日韓議連加盟、大統領就任式出席と韓国との交流を積み重ねてきました。今回の訪問を通じ、また一歩、日本共産党への理解と信頼が広がったことを実感しました。

　聞き手　北村隆志記者

　

　（注）韓国政府は日本軍「慰安婦」被害者の賠償請求権に関して、政府間協議を繰り返し求めていますが、日本政府は一貫して応じていません。日本共産党は１９６５年の日韓請求権協定の規定に従って、協議に早急かつ誠実に応じるべきだと主張しています。

(２０１３年０８月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」／橋下氏、開き直り書簡／米市議会の非難決議に

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は２２日、日本軍「慰安婦」をめぐる自らの発言について米サンフランシスコ市議会が６月に採択した非難決議が「��誤報�≠ﾉよる誤解や事実誤認に基づいている」などとして同市議会に撤回を求める公開書簡を送ったことを明らかにしました。

　橋下氏は、市役所での会見で「世界では戦地・紛争地における女性への人権蹂躙（じゅうりん）行為はいまだおさまる気配はない。これは（こうした問題が）日本だけの問題ではなく世界各国に共通する問題だという認識が乏しいからだ。世界各国が日本だけの問題として誇張した非難をしていくことは世界のためにならない」などと発言しました。

　第２次大戦中、国家が組織的に性奴隷制度をつくったのは、大日本帝国とナチス・ドイツしかありません。橋下氏の発言は、戦時性暴力を根絶していくためにこそ世界が「慰安婦」問題の未解決を問題にしている現状からも目をそらすものです。

( ２０１３年０８月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

国民の願い胸に／参院議員井上哲士／韓国のテレビ取材に驚き

　韓国の民間テレビＭＢＣから２０日、取材をうけました。日曜日放送番組の時事問題コーナーで放映したいとのことで、議員会館で通訳を介してのインタビューです。

　最初に「なぜ、私に申し込まれたのですか？」と聞くと、５月の予算委員会で、維新の会共同代表の橋下徹氏の慰安婦発言に対する安倍総理の認識をただした私の質問が韓国で何度も放映されたのを見たからとのこと。韓国で流されていたなど知らなかったのでまずびっくり。

　さらに「各党にインタビューされるのですか」と聞くと「井上議員と自民党の議員だけです」と返事があり。もう一度びっくり。韓国から見ても日本の政界は自共対決が鮮明になっているようです。

　インタビューでは、８・１５式典での安倍総理の式辞で戦争への反省や不戦の誓いが欠落したことをどう見るか、なぜ日本の右傾化が進んでいるのかなどについて問われました。

　私は、憲法９条の改悪や集団的自衛権行使の動きを強めている安倍内閣は極めて危険であり、その土台には侵略戦争への反省という戦後国際政治の出発点を否定する歴史認識があり、国際社会で孤立するものだと指摘。

　同時に、国会では自民党が多数を占めたが、国民は右寄り路線を支持したわけではなく、世論調査でも憲法９条守れは過半数であることなどお話ししました。

　日本のマスコミも韓国の一部の過激な動きばかりを大きく報道する傾向があります。両国の国民世論や政治状況を正確に伝えてほしいとお願いしました。

(２０１３年０８月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／中

第３　当時の国際法に照らした評価について

　日本は、当時「醜業を行わしむる為の婦女売買取締に関する国際協定」（１９０４年）、「醜業を行わしむる為の婦女売買禁止に関する国際条約」（１９１０年）、「婦人及児童の売買禁止に関する国際条約」（１９２１年）に加入しており、�@満２１歳未満の女性を売春目的で勧誘・誘因・拐去した者は女性の承諾があった場合でも処罰すること、�A満２１歳以上の女性を売春目的で詐欺、暴行、脅迫、権力乱用その他一切の強制手段で勧誘・誘因・拐去した者は処罰すること、という義務を負っていました。

　また、強制労働に関する条約（ＩＬＯ２９号条約）にも加入しており、女性に対するいかなる強制労働をも禁止すべき条約上の義務を負っていました。当時、朝鮮・台湾からは満２１歳未満の女性たちが数多く帝国外の慰安所に入れられています。

あなたは、日本政府がこれらの国際条約上の義務に反したことを認めますか。

第４　日本軍「慰安婦」制度と公娼制度との関係について

１　あなたは、慰安婦にされた女性は公娼であって、官憲が直接暴行・脅迫を用いて連行したのでなければ、慰安所に女性たちを入れたことについて政府に責任はないと述べておられます。

（１）当時、公娼制度においても自由廃業の規定があり、意に反する性行為の強制は違法とされていましたが、あなたはこのことを知っていますか。

（２）公娼制度の実態をみると、女性は居住の自由がなく、外出の自由も１９３３年までは認められず、自由廃業の規定があったにもかかわらず、前借金に縛られて廃業することができませんでしたが、あなたはこのことを知っていますか。

（３）（２）の実態は、当時においても違法といえるのではありませんか。

２　軍慰安所において拒否することができずに性行為を強制されていたことは、当時の規範に照らしても許されないのではありませんか。

第５　軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行

１　あなたは、本件書簡において、インドネシアのスマランで軍・官憲が暴行・脅迫を用いた連行（略取）によりオランダ人女性を慰安所に入れたことを認めておられますが、これは軍・官憲による強制連行ではありませんか。

２　オランダ政府の報告書によれば、上記のスマラン事件以外に、ブロラでの軍による略取（監禁・レイプ）、１９４４年１月のマゲラン事件、同年４月のスマラン・フロレス事件、１９４３年８月のシトボンド事件など８件の軍・官憲による略取（未遂を含む）が挙げられていますが、あなたはこれを知っていますか。

３　また、白人女性ではなく、インドネシア人女性の軍・官憲による略取については、アンボン島で、海軍が「慰安婦狩り」を行ったという元主計将校、坂部康正さんの証言、サパロワ島で民政警察が強制的に連行したという禾晴道（のぎ・はるみち）さんの証言、モア島で地元の女性を強制的に慰安所に入れたという、極東国際軍事裁判の証拠記録（オハラ・セイダイ陸軍中尉の証言）などがありますが、あなたはこのような証言があることを知っていますか。

４　日本の裁判所は、中国の山西省と海南島で、軍が暴行・脅迫を用いて女性たちを連行した事実に関して、たとえば、「日本軍構成員によって、駐屯地近くに住む中国人女性（少女も含む）を強制的に拉致・連行して強姦し、監禁状態にして連日強姦を繰り返す行為、いわゆる慰安婦状態にする事件があった」と認定しています（中国人第１次裁判東京高裁判決・２００４年１２月１５日）。これ以外にも、軍による暴行・脅迫を用いた連行の事実を認定していますが、あなたは日本の裁判所がこのような事実認定をしていることを知っていますか。

５　上記に照らせば、日本軍が暴行・脅迫を用いて女性たちを連行した多数の事実が認められているのではありませんか。（つづく）

( ２０１３年０８月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争はごめん／婦団連がつどい

　日本婦人団体連合会（婦団連）は２０日、東京都内で「２０１３年　戦争はごめん　女性のつどい」を開き、８０人が参加しました。

　主催者あいさつした堀江ゆり会長は、アメリカのベトナム侵略戦争に反対する集会として１９６７年から続けてきた歴史を振り返り、未解決の日本軍「慰安婦」被害を告発。「戦争はごめんだと言い続けなければならない。改憲をねらう安倍政権に対抗して、講演と交流を糧に憲法を守る運動を大きく広げ、仲間を増やそう」と語りました。

　青井未帆学習院大学法務研究科教授が「憲法９条、２４条…平和と女性の人権守る日本・世界を」と題して講演しました。

　当日から販売が開始された『女性白書２０１３―今、女性にとって家族とは』が紹介されました。

　千葉県松戸市から参加した全労働省労働組合の浜野五月さん（４５）は「憲法を変えさせてはならないと未来ある子どもを育てる女性が声をあげていきたい。労働省は戦争のための軍需工場に学徒動員させていました。そんな仕事は二度としたくはありません」と話していました。

( ２０１３年０８月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

２０

愛媛革新懇が総会／「改憲型新自由主義」と対決／二宮氏講演

　愛媛革新懇は１７日、砥部町の文化会館で２０１３年次総会と講演会を開き、１００人が参加。二宮厚美神戸大学名誉教授が講演し、安倍内閣の「改憲型新自由主義」とのたたかいの先頭に革新懇が立つようよびかけました。

　川原光明代表世話人が開会あいさつ。小倉誠一郎事務局長は「安倍政権の反動的暴走があらゆる分野で計画されることしは、国民的な共同闘争、一点共闘がきわめて大事になっている」と強調。各地でシンポジウムや学習会を開いて、安倍政権の暴走にストップをかける運動の発展に全力をあげようとよびかけました。

　二宮氏は「参院選後の安倍政権とアベノミクス」と題して講演。「改憲派は天皇制擁護と、太平洋戦争の侵略性の否定が特徴で、橋下氏の『慰安婦』発言のように、必ず暴走、ルール違反をする。その一瞬を見抜いて、果敢に反撃すれば、護憲に流れを変えることができるし、その先頭に立つのが革新懇だ」と呼びかけました。

　総会は、１６人の代表世話人と事務局長に小倉氏を選びました。

(２０１３年０８月２０日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／上

　いわゆる日本軍「慰安婦」問題をめぐり、中央大学の吉見義明教授が橋下徹大阪市長にたいし、６月と７月の２回にわたって公開質問状を提出しています。

　この質問状は、橋下氏が昨年８月の記者会見で、「慰安婦」について「強制連行という事実はなかった」とあたかも吉見氏が語ったかのように発言したことについて、事実無根だとして撤回と謝罪を求めたものです。７月２９日付の第２次公開質問状は今月３０日までの回答を求めています。

　一連の質問状では、２０年以上にわたる吉見氏の研究成果にたって、今日の「慰安婦」問題をめぐる議論の焦点と考え方が、事実と証拠をもって展開されています。軍や官憲による暴行・脅迫による連行は数多くあったこと、軍や政府が軍慰安所の設置・管理・運営・徴募に深く関与していたこと、慰安所で性行為を強要され居住・外出・廃業・拒否の自由のない軍「慰安婦」は性奴隷制であること、などです。

　安倍晋三首相らが「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった」と主張し、官憲と暴力による「狭義の強制」だけが問題であるかのように描き、軍「慰安婦」を正当化しようという言動を続けています。それがいかに歴史をゆがめる恥知らずな行為か―国民的反撃をひろげる素材として、６月４日付の第１次公開質問状（要旨）を紹介します。

公開質問状（要旨）

第１　日本軍「慰安婦」制度の実態について

１　在日韓国人の宋神道さんが提訴した裁判では、東京地裁は「原告は、その〔武昌の〕慰安所の営業許可直前、泣いて抗ったが、軍医による性病検査を受けさせられ、営業許可後は、意に沿わないまま従軍慰安婦として日本軍人の性行為の相手をさせられた。原告がいやになって逃げようとすると、そのたびに慰安所の帳場担当者らに捕まえられて連れ戻され、殴る蹴るなどの制裁を加えられたため、原告は否応なく軍人の相手を続けざるを得なかった」「原告らは、連日のように朝から晩まで軍人の相手をさせられた。殊（こと）に、日曜日はやってくる軍人の数が多く、また、通過部隊があるときは、とりわけ多数の軍人が訪れ、原告が相手をした人数が数十人に達することもあった」と事実認定をしています（１９９９年１０月１日、東京地裁判決）。また、この事件に関する東京高裁判決（２０００年１１月３０日）も判決文で本件事実認定を踏襲していますが、あなたはこれらの事実認定あるいはその他の裁判で被害者が自由を奪われ性行為を強要された旨の認定があることを知っていますか。

２　極東国際軍事裁判（いわゆる東京裁判）の判決は、「桂林を占領している間、日本軍は強姦（ごうかん）と掠奪（りゃくだつ）のようなあらゆる種類の残虐行為を犯した。工場を設立するという口実で、かれらは女工を募集した。こうして募集された婦女子に、日本軍隊のために醜業を強制した」と認定していますが、あなたはこのことを知っていますか。

３　上記の事例にみられるように、日本軍の慰安所に入れられた女性たちは、そこから逃げ出すことも、性行為を拒否することもできず、１日に数人から数十人を相手にしなければならなかったという事実をあなたは知っていますか。

４　日本軍「慰安婦」制度は、居住の自由、外出の自由、廃業の自由（自由廃業）、拒否する自由がない性奴隷制であり、女性たちは慰安所で軍人の性の相手を強制されたのではありませんか。

５　日本軍は、当時、軍慰安所を軍の施設として設置し、徴募・渡航の方法・条件の指示、軍慰安所規定の制定、監督・統制、衛生管理、軍紀風紀維持などに関して、法規の改正や指示や指導等により主導し、内務省・総督府など関係する行政機関も深く関与していたのではありませんか。

６　日本軍と日本政府が軍慰安所の設置、管理、女性たちの徴募の全般に深く関わっていたことについて、国際社会からは、日本軍と日本政府が日本軍「慰安婦」制度を設置し運用していたとして、日本政府の責任が問われているのではありませんか。

７　軍は、当時、帝国外に移送する目的で人を略取・誘拐または人身売買した者には犯罪が成立するとされていたから（後記第６項参照）、業者が誘拐・人身売買により軍慰安所に女性を連れて来たことを認識した場合は直ちに業者を処罰し、女性を解放して故郷に送り帰すべきところ、そのような行動を取らなかったのではありませんか。

８　日本政府と日本軍は、当時、軍が設置・管理等した軍慰安所には略取・誘拐・人身売買により連れてこられた女性が、拒否する自由もなく性行為を強制されていたことを認容していたといえるのではないですか。

９　日本軍「慰安婦」制度は、当時においても、「慰安婦」とされた女性に対する反人道的な重大な人権侵害であり、被害者が望む内容の被害回復がされていない以上、日本国は、現在においても、被害者の人権を回復すべき責任を負っているのではありませんか。

第２　日本軍「慰安婦」制度に対する国際的評価について

１　国連の自由権規約委員会その他の国際機関は、軍慰安所で女性たちの自由を奪い、性行為を強要したことが人道に反する行為であり、女性に対する暴力の究極的な形態であって、日本軍「慰安婦」制度は性奴隷制度だと指摘していますが、あなたはこのことを知っていますか。

２　（略）

３　拷問等禁止委員会は、本年５月、日本国に対し、「慰安婦」とされていた被害者の救済のために、性奴隷制の犯罪について法的責任をみとめること、公的人物などが「慰安婦」とされた被害者の被った事実を否定する言動を繰り返していることによって再び精神的外傷を受けていることについて反駁（はんばく）すること、この問題について公衆を教育しあらゆる歴史教科書にこれらの事件を記載すること等を求めていますが、あなたは日本国がこれらの要求を受け入れるべきであると考えますか。

　（つづく）

( ２０１３年０８月２０日，「赤旗」）（Page/Top）

私が見た侵略戦争／強制労働、遺棄化学兵器なども未解決／侵略認めない首相、国際的孤立深める

強制労働、遺棄化学兵器なども未解決

　安倍晋三首相は、アジア諸国に「痛切な反省」を表明した「村山富市首相談話」（１９９５年）について「見直し」を主張｡とくに､日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという「談話」の核心部分を今なお認めようとしません。それどころか、「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない」(４月２３日､参院予算委員会)と答弁しました｡

　国連など戦後の国際政治は、日独伊の「不正不義」の侵略戦争を断罪することが土台です｡この土台を覆せば､国際政治に参加する資格を失い、国際的な孤立を深めるだけです。

　また、日本軍「慰安婦」問題についても旧日本軍の「関与」や、「本人の意志に反」する「強制的状況」を認めた「河野洋平官房長官談話」（９３年）の「見直し」が安倍首相の年来の主張です。橋下徹日本維新の会共同代表は「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と公言し、撤回も謝罪もしていません。

共産党「過去の清算必要」

　日本共産党は、日本がアジアと世界から信頼され、国際社会で名誉ある地位を占める国になるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りをきっぱりと認め、その負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠―と主張しています｡日本軍｢慰安婦｣問題では､日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うことを求めています。

侵略認めない首相、国際的孤立深める

　「慰安婦」問題とともに、日本が労働力や兵力の不足を補うため、国策として朝鮮人、中国人を国内や樺太、南方に強制連行した問題も未解決です。

　その数は日本政府などの記録でも朝鮮人７２万４０００人（死亡者６万数千人）、中国人３万８９３５人(同６８３０人)にもなります。炭鉱や水力発電所の建設など過酷な重労働に従事。虐殺や事故死、病死が相次ぎました。

　日本軍は植民地や占領地で、無差別爆撃や住民虐殺、生体実験、財産の収奪など国際人道法に違反する残虐行為を重ねました。

　終戦時には戦犯追及を恐れ、中国各地で毒ガス兵器を遺棄。戦後、建設現場などで兵器による事故が相次いでいます。

　日本政府は化学兵器禁止条約を批准(１９９５年)し、廃棄義務を負いましたが、多くが放置されています。

　９０年以降、日本で起こされた戦後補償裁判は７０件を超えています。しかし、強制労働被害者と企業が和解した７件と係争中の４件を除き、すべて敗訴が確定。人権回復への政治解決が求められています。

(２０１３年０８月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

私が見た侵略戦争／歴史認め謝罪と補償を／中国人戦争被害賠償請求事件弁護団幹事長南典男さん

　侵略戦争を肯定する安倍首相の歴史認識は、９条を変えて「戦争できる国家」にする改憲のねらいとつながっています。中国や韓国の人々に強い不安を与え、東アジアで日本を孤立させています。

　同じ加害国でもドイツは国と企業が２０００年に「記憶･責任･未来」財団を創設しました。ナチスによる強制労働被害者に補償し、アウシュビッツの施設を残すなど記憶の継承をしています。二度と過ちを犯さない証しとして、歴史認識を明確にしたメッセージを伝え続けているのです。

　福岡県大牟田市でも加害の記憶を残そうと、市民が中国人の強制労働被害者の追悼碑を建てました。（写真右下）

個人の被害に

　日本政府は２国間条約で「補償問題は解決済み」といいますが、加害国が個人の被害にどう向き合うかという問題は厳然として残っています。

　日本の最高裁は中国人強制連行の判決で、裁判上の請求権は失ったが法的権利を否定せず、「被害の救済に向けた努力が期待される｣と付言｡国と企業に自主的な解決を促しました。（０７年）

　韓国の憲法裁判所は、韓国政府が「慰安婦」と被爆者の請求権問題で日本政府と交渉を行わないのは違憲と判断（１１年）。大法院（最高裁に相当）は「反人道的な不法行為である強制徴用は日韓請求権協定の対象外」との判断を示しました｡(１２年）

　日本が信頼を築くためには、事実を認めて謝罪し、その証しとしての補償を行うこと。歴史認識と歴史の継承を明確にした基本姿勢と政策を打ち出していくことが大切です。

(２０１３年０８月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

私が見た侵略戦争／９１歳元日本兵／陸軍固兵団の衛生兵だった松本栄好さん／平和のため語り続ける

家畜奪い、女性は「慰安婦」に、中国人で試し切り／「いい娘いないか」と集落襲った

　アジア・太平洋地域に大きな惨禍を与えた日本の侵略戦争。戦後６８年たった今もなお、安倍政権は、侵略戦争と認めず、アジア諸国との関係を悪化させています。戦争に参加した元日本兵の加害の証言を中心に、��未解決の侵略戦争�≠�考えました。

　本吉真希記者

　「中国での戦争体験を語るのはつらいが、生きている私の使命です｣｡９１歳の元日本兵・松本栄好（まさよし）さん＝神奈川県＝は証言します。

　◇

　私が中国に渡ったのは１９４４年２月ごろでした。陸軍の固（かため）兵団（独立旅団）第７大隊の衛生兵として、中国山西省孟（う）県に転属となったのです。そこで軍医が月１回行う「慰安婦」さんの性病検査を手伝うのも、私の仕事でした。

　固兵団は七つの大隊があり、第７大隊の本部だけで朝鮮人の「慰安婦」さんが６、７人連行されていました。

　前線の兵隊たちが中国の集落を急襲する際、最初に叫んだ言葉が「ヨウハオクーニャン！（いい娘はいないか）」。

　半年後、私は大隊本部から３０〜４０�`北の上社鎮という村外れの分遣隊に派遣されました。兵隊たちは集落を荒らし回って、家畜の豚や鶏を盗みました。

　あるとき、逃げ遅れた女性７、８人を捕まえ､兵舎に閉じ込め｢慰安婦｣にしました｡１週間ほどで隊長は女性たちを帰しました。その代わり、村長を脅して別の女性２人を兵舎に入れ、終戦まで監禁しました。

　八路軍（中国共産党軍)の情報を得るため､中国人を捕まえては拷問しました。最後は自分で穴を掘らせ、その前に座らせて（首を落とす）…。刀の切れ味を知るための試し切りです。��地雷探知機�≠ﾆ称して先頭を歩かせたりもしました。

　私たちがしたことは｢現地調達｣という名の強盗、殺人、強かんでした。なのに、押し入った家の戸口に仕掛けられた爆弾で死んだ上等兵が��名誉の戦死�≠ﾅ靖国神社に合祀（ごうし）されました。

根源に天皇制

　モラル喪失の日本人をつくり上げ、侵略戦争に突き進ませた根源は、絶対主義的な天皇制だと思います。戦前の大日本帝国憲法や教育勅語にあるのは「臣民｣｡｢国民｣という言葉は一言もない。自民党改憲草案の第１条「天皇は日本国の元首であり」との記述は、天皇あって国民なしを意味していないか。

　「慰安婦」の存在を否定する人がいるが、私が生き証人です。安倍首相が��証拠はない�≠ﾆいう「強制連行」も実際にありました。

　首相は「誇りある日本を取り戻す」というが、真実を隠していたのでは、ごまかしの誇りです。過去に目を閉ざす者は、また同じことを繰り返します。

　なぜ、私は証言活動を続けるのか｡それは､平和憲法を掲げている日本の将来が心配だからです。

(２０１３年０８月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８年／平和へ決意新た／集いも／熊本／大分／香川／高知／広島

熊本／平和ちょうちん行列

　「平和を守れ・核兵器をなくそう・憲法９条を守ろう」と平和ちょうちん行列が、熊本市中心街を「青い空は」などを歌いながら行進しました。熊本県平和委員会、県原水爆禁止協議会の主催。

　県被団協の中山高光副会長は「戦争の惨禍を再び繰り返してはならない。すべての戦争被害者を救済し、これ以上の被害者を出さない運動をアジアから世界に広げよう」と呼びかけました。

　９歳と７歳の姉弟を連れて参加した熊本市の女性（３１）は「日本のアジア諸国を巻き込んだ戦争で、たくさんの犠牲者を出した歴史を風化させないよう、子どもたちにも伝えたい」と話しました。

　日本共産党から上野美恵子市議が参加しました。

大分／中国での抑留体験者証言も

　大分市では、県平和委員会の「平和と映画のつどい」に４０人が参加。旧日本軍が朝鮮人受刑者を「朝鮮報国隊」として中国・海南島で強制労働させた上に虐殺した事件を告発した映画を見ました。

　意見交換で大分市の男性（９０）が中国での抑留体験を証言。「餓死者が出ても土が凍っているために葬ることができず、壕（ごう）の中に雪をかけて埋めた」「死者の衣類はまんじゅうと交換して飢えをしのいだ」などと紹介しました。「誰もがみな、とても人として生きてゆける状況ではなかった。『二度と戦争を繰り返してはいけない』と生きている限り訴え続けたい」と語りました。

　原水爆禁止世界大会参加者の報告がありました。

香川／体験語り継ぐ

　高松市では８・１５戦争体験を語りつぐ集い実行委員会が集会を開き、沖縄で平和ガイドをする大島和典さんが沖縄の現状を報告しました。

　大島さんは、嘉手納などの米軍基地、特殊部隊の訓練施設、国道を封鎖しての米軍の訓練、辺野古などの実態を映像やスライドを使って報告しました。

　話を聞いた清水聖士さん（２２）は「沖縄に住む人の実体験を聞いて、基地があることで生活に支障が出る。辺野古への基地移設、埋め立ては絶対いけないと強く感じた。沖縄は基地に頼っていると思っていたがそうではなかった」と話しました。

高知／慰安婦問題や強制労働語る

　高知県退職教職員協議会や高知県革新懇など４団体は、戦争を語りつぐつどいを高知市で開き、８８人が参加しました。今年のテーマは「従軍慰安婦と朝鮮人強制労働の真実」。会場からの発言もあり、歴史の事実と向き合う大切さを話し合いました。

　平和資料館「草の家」学芸員の藤原義一氏は、中曽根康弘元首相が海軍主計中尉当時、ボルネオ島の海軍基地に慰安所をつくったことを示す資料を防衛省防衛研究所で見つけたことを報告。「軍が関与した慰安所がなかったような論調があるが、事実を示していくことが大事」とのべました。

　幡多高校生ゼミナールＯＢの中川有紀さんは、同ゼミの活動で高校３年生のとき韓国で、元慰安婦の女性（７３）から証言を聞いた体験をのべ、「事実から目を背けてはいけない。正しい歴史を知ることが真の友好に役立つ」と語りました。同ゼミ顧問の山下正寿氏は、高校生らと朝鮮人強制労働の実態調査をした経験をのべ、若い世代の民間交流が重要と話しました。

広島／反戦詩を朗読

　広島市中区の原爆資料館東館では、原爆詩や反戦詩を朗読する市民の集いが開かれました。「広島文学資料保全の会」と「広島花幻忌の会」が毎年、終戦記念日に開いて１２回目。市民１５人が次々と朗読する詩に、約５０人が聞き入りました。

　今年は、原爆詩人の栗原貞子（１９１３〜２００５）の生誕１００周年にあたり、「保全の会」の土屋時子代表は、貞子の「一度目はあやまちでも二度目は裏切りだ／死者たちへの誓いを忘れまい」という言葉を紹介。貞子と親交のあった詩人の伊藤眞理子さん（７４）＝東京都墨田区＝が講演しました。

　被爆３世の中原奏（かなで）さん（１２）と調（しらべ）さん（８）の姉妹＝広島市東区＝は、曽祖父母の被爆体験にふれて「過去を変えることはできないが、未来を平和にすることはできる」と誓い、それぞれ詩を朗読。土屋代表は三線を弾きながら、特攻隊で命を落とした若者を弔う歌「特攻花」などを参加者とともに合唱しました。

(２０１３年０８月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

侵略戦争くり返させない／憲法守る願い広げて／高橋衆院議員／青森

　日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は、吉俣洋党県書記長、葛西育弘青森市議とともに、青森市新町で演説し、「今こそ、平和憲法守る願いを広げよう」と訴えました。高橋議員は、「憲法改正は自分にとって歴史的使命」と故郷山口県で発言した安倍首相をはじめ、橋下徹大阪市長の「慰安婦発言」、石破幹事長の「軍法会議発言」、麻生副総理の「ナチスの手口に学べ発言」を批判。これらは安倍政権と改憲勢力に共通する誤った歴史認識の下、戦争する国にするための危険な動きであり「断じて許してはいけない」と訴えました。

　その上で、先の参院選で比例５人全員が当選し３選挙区でも勝利した日本共産党の躍進の意味、値打ちを実感していると述べ、「日本共産党の議席の力を存分に発揮していく。一緒に手をつなぎ、安倍政権、改憲勢力の暴走を止めましょう」と決意とともに、日本共産党への支援を呼びかけました。

(２０１３年０８月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

「過去の清算果たせ」

　【ソウル＝時事】北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞は日本の植民地支配からの解放記念日である１５日、「日本は時代の要求を直視し、過去の清算についての法的、道徳的、国際的義務を果たさなければならない」と求めました。朝鮮中央通信が伝えました。

　労働新聞は、慰安婦問題や靖国神社参拝を例に挙げ「人類の良心と歴史の正義に挑戦する犯罪行為として絶対に許すことができない」と非難。「侵略の歴史と戦犯を賛美することが一つの社会的風潮になっている日本社会で育った新世代が、今後いかなる道を歩むかは火を見るより明らかだ」と主張し、「右傾化」を批判しました。

( ２０１３年０８月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

元「慰安婦」に日本政府は謝罪を／米と台湾でデモ／ロサンゼルス／台北

ロサンゼルス

　【ロサンゼルス＝時事】米ロサンゼルスの日本総領事館前で１４日、韓国系市民団体が日本政府に対し、韓国人元「慰安婦」に謝罪するよう求める抗議デモを行いました。

　約３０人の参加者は、１１日に韓国で死去した元慰安婦の李容女（イ・ヨンニョ）さん（８７）を悼み、喪服に身を包んでデモ行進。総領事館が入ったビルの前で「葬儀」を行いました。主催者代表の尹錫元（ユン・ソクウォン）氏は「日本は歴史上最も非人道的な罪を犯したにもかかわらず、安倍政権と新美潤総領事は恥ずべきメッセージを出し続けている」と非難。参加者らは「性奴隷被害者に謝罪せよ」とシュプレヒコールを上げました。

台北

　【北京＝小林拓也】台湾の市民ら約１００人が１４日、台北にある日本の対台湾窓口機関「交流協会」の前で、日本政府に対し、元「慰安婦」に正式な謝罪と賠償を求めるデモを行いました。中国メディアによると、参加者は「日本政府の偽りの仮面をはがせ」「良心はどこにある」「謝罪はそんなに難しいことか」などと書かれたプラカードを掲げ抗議しました。

　台湾側の調査によると、旧日本軍の「慰安婦」にさせられた台湾の女性は２０００人以上にのぼります。現在生存している元「慰安婦」は６人で、平均年齢は８８歳です。

　デモを呼びかけた台湾婦女救援基金会の康淑華執行長は「日本政府は『慰安婦』の事実を正視しないばかりか、一部の政治家は『慰安婦制度は必要だった』などの事実をねじ曲げる言論を繰り返している」と批判。日本政府に対し、明確な謝罪と賠償、「慰安婦」の事実を認めることなどを求めました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国民団が光復節記念式／笠井議員祝辞「心通う友情築く」

　在日本大韓民国民団（民団）は１５日、日本による植民地支配から朝鮮半島が解放された日を記念する第６８周年光復節中央記念式を東京・千代田区の日比谷公会堂で開きました。

　各党代表らとともに日本共産党から笠井亮衆院議員・党政策委員長代理と曽根はじめ都議会議員が来賓として出席。笠井氏は祝辞のなかで植民地支配の誤りを清算してこそ日韓両国民の心通う友情が築けると強調し、大きな拍手を受けました。

　笠井氏は、世界から日本の右傾化への懸念が強まる一方、参院選での日本共産党の躍進に示されるように、歴史の逆流への日本国民の理性的批判が広がっていると指摘。「日韓両国民、日本国民と民団との友好関係発展のため三つのことに力を尽くす」と語りました。

　第一に「歴史の逆行を許さず、誤った歴史の傷跡をただす」として、１０日に日本軍「慰安婦」被害者が共同生活を送る韓国の「ナヌムの家」を訪問して被害者から「生きているうちに日本政府の謝罪と賠償を」との痛切な声を聞いたことを紹介。日本政府は、日韓請求権協定にしたがい協議に早急かつ誠実に応じるべきだと述べました。

　第二に「朝鮮半島の非核化をはじめ、北東アジアの平和的環境をつくりあげる」として、絶対に「紛争を戦争にしない」という立場で、日本が憲法９条を生かし平和外交の先頭に立つべきだと強調しました。

　第三に「永住外国人の地方参政権という重要な懸案の一日も早い解決」をあげました。

　笠井氏は、東京や大阪などで問題になっているヘイトスピーチ・デモについて「民族差別を助長し人権を否定する」と批判。政府や自治体による対処と同時に、そうした言動を許さず生み出さない社会的批判と運動が重要だとして、広範な市民とともに力を尽くすと表明しました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

全国戦没者追悼式／安倍首相の式辞／アジアへの反省、確信犯的な削除

　安倍首相が、終戦の日の戦没者追悼式での式辞で、アジア諸国への加害の反省や不戦の誓いについて触れなかったことは、安倍政権のもとで日本の侵略の歴史の「見直し」の動きが強まっていること、麻生太郎副総理から「ナチス正当化」発言が発せられるに至ったことと不可分であり、確信犯的に行われたものです。

侵略の事実否定

　安倍首相は、日本の植民地支配と侵略に反省とおわびを述べた村山談話や旧日本軍「慰安婦」問題で軍の関与と強制性を認めた河野談話の見直しを公言し、国会答弁でも「国際的に侵略の定義は定まっていない」と述べ、侵略の事実を否定しようとしてきました。これらの発言について、いまだに安倍首相自身が明確に訂正したことはありません。

　また、麻生副総理が「（ワイマール憲法が）いつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口学んだらどうか」とナチズム肯定の発言をしたことについても、安倍内閣は「手口を踏襲する趣旨ではない」などと、意味不明な論理で麻生氏を擁護する答弁書を閣議決定しています（１３日）。

国際社会に挑戦

　こうした動きの根底には、過去のファシズムや侵略戦争を肯定する安倍内閣の歴史逆行の立場があります。安倍首相が終戦の日の式典で、アジア諸国への反省や不戦の誓いに触れなかったことは、意図的な「削除」であり、文字通り国際社会への挑戦です。

　安倍内閣は歴史修正の流れを強めつつ、敵基地攻撃能力や自衛隊の海兵隊機能の保持（防衛計画大綱・中間報告）など侵略的軍備強化を進め、憲法９条の解釈改憲と明文改定を同時進行で進めるという、二重三重の憲法破壊の道を突き進もうとしています。自民党改憲案は、戦争の反省、不戦の誓いを明記した日本国憲法前文を全面的に破棄しています。

　こうした動きの全体が、アジア諸国にとって「軍国主義復活の流れ」と映っても不思議ではなく、アジアの緊張を激化させる重大な要因となっています。安倍内閣の国際的孤立はいっそう深まり、国内の平和民主の世論との矛盾を激化させざるを得ません。

　（中祖寅一）

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦記念日／改憲策動許さない／笠井・吉良氏ら訴え／東京・新宿

　終戦から６８年の１５日、日本共産党と日本民主青年同盟は東京・新宿駅頭で街頭演説を行いました。笠井亮衆院議員、吉良よし子参院議員、田中悠民青同盟委員長が、侵略戦争の反省に立ち、戦争を繰り返させないために、安倍政権の改憲の策動を許さず、憲法を守り生かすたたかいに全力をあげる決意を語りました。

　田中氏は、戦争によって身内が悲惨な亡くなり方をしたという青年劇場の女優、小竹伊津子さんの証言を紹介し、「平和憲法が全世界共通のルールとなるよう頑張っていきたい」と語りました。

　吉良氏は、��憲法改正は歴史的使命�≠ﾆ表明する安倍内閣に対し、「日本政府が学ぶべきはナチスの手口ではない」と批判。２年前に訪れたベルリンで、ナチスドイツの犠牲者を記録し風化させない「つまずきの石」の運動に出合ったこと、ドイツ政府がナチスによる被害者への補償を継続していることを話し、「日本を戦争できる国にしてはならない。戦争は二度と起こさない国民世論を広げましょう」と訴えました。

　笠井氏は、今月１０日、日本軍「慰安婦」被害者が共同生活する韓国の「ナヌムの家」を訪れたことを報告。被害者は「私たちの命のろうそくが消えないうちに解決してほしい」と切実に訴えていると述べ、日本政府は外交と話し合いで解決すべきだと強調しました。「日本共産党は反戦平和を貫いてきた。新たな決意でアジア各国から歓迎される政府をつくっていこうではありませんか」と呼びかけました。

　フェイスブックで街頭演説を知り「生の吉良さんを見たい」と出勤途中に来たという海老原恵（けい）さん（３８）は「共産党には反戦平和を貫いてがんばってほしい。憲法、ＴＰＰなど新しい国会の動きに期待します」と話しました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８年／過去直視する姿勢を／韓国大統領、日本政府を批判

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵大統領は、日本の植民地支配からの解放記念日である「光復節」の１５日、記念式典で演説し「歴史問題をめぐる最近の状況が両国の未来を暗くしている」と安倍政権を批判しました。慰安婦問題などを念頭に「過去の歴史による苦痛と傷を今も抱えて生きている方に対する、痛みを治癒できる責任ある誠意を持った措置を期待する」と述べ、解決に向けた決断を求めました。

　朴大統領の就任後、解放記念日の演説は初めて。演説では「日本は北東アジアの平和と繁栄を共に開く重要な隣国だ」と述べ、刺激的な表現は避けました。しかし「過去を直視しようとする勇気と相手の痛みに配慮する姿勢がなければ、未来に向かう信頼を築くのは難しい」と指摘。日本が歴史問題で前向きな姿勢を取らない限り、韓国から関係改善に動くことは困難との認識を示しました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

１５

日本軍「慰安婦」／メモリアルデー、大阪でも運動へ／被害女性会見

　大阪では１４日、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークが大阪市役所で記者会見し、この日を国連の記念日「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」にしようと運動するとしました。フィリピンで「慰安婦」被害にあったエステリータ・ディさんが同席し、「慰安婦」問題解決への支援を訴えました。

　方清子関西ネット共同代表は、維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦」問題への否定的発言を繰り返し、謝罪も撤回もしていないと指摘。「歴史を歪曲（わいきょく）する発言や、日本の政府が過去の歴史としっかり向き合うことなく、憲法を変え、再び戦争ができる体制づくりを急いでいる状況に被害者の方たちもいたたまれない思いだろう」と話しました。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」メモリアルデー／東京で市民らデモ

　日本軍「慰安婦」被害者の尊厳を踏みにじる歴史のねつ造を許さないと１４日、第１回日本軍「慰安婦」メモリアルデーとして東京・新宿でデモ行進がありました。主催は「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動８・１４を国連記念日にしよう！　キャンペーン」です。参加した市民らは、日本政府に対し「慰安婦」被害への謝罪と賠償を求めました。

　昨年開かれた日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議は、韓国人の金学順（キム・ハクスン）さんが被害者として初めて名乗り出た１９９１年８月１４日をメモリアルデーに決めました。

　日本以外でも、韓国、インドネシア、アメリカ、オランダ、ドイツなどで多彩な行動がありました。

　フィリピン人被害者の支援活動をしている女性（２６）＝三鷹市＝が参加。「安倍首相は過去の過ちから学んで被害者に謝罪するべきです。さきの戦争を侵略戦争と認めないかぎりアジアと友好な関係を築くことはできません」と語りました。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８年／歴史に逆行する安倍政権／歴史問題、日中・日韓関係の障害に／靖国参拝／「慰安婦」問題

靖国参拝／過去を美化

　安倍首相、閣僚らの靖国神社参拝に世界は厳しい視線を注いでいます。

　４月に麻生太郎副総理らが靖国神社に参拝、安倍首相も真榊を奉納したときは、日韓外相会談や日中友好議員連盟の訪中が中止となりました。

　安倍首相は「どんな脅かしにも屈しない」「英霊に対し尊崇の念を表明するのは当たり前」と居直っています。

　しかし、靖国神社は、過去の日本の侵略戦争を��自存自衛の正しいたたかいだった�∞�アジア解放の戦争だった�≠ﾆ丸ごと美化・宣伝することを存在理由とする特殊な施設です。首相や閣僚の参拝や奉納は、侵略戦争を肯定する立場に自らの身をおくことであって、絶対に許されません。

「慰安婦」問題／二重矮小化

　安倍首相は「村山談話」とともに、日本軍「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」（９３年）の見直しを表明し、「日本の歴史を否定する新たな試み」（ニューヨーク・タイムズ）などと世界から批判されました。

　安倍首相は「政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」と言います。問題を、「強制連行」があったかどうか、それを示す公文書があるかどうかに二重に矮小化するものです。

　問題の核心は、「強制連行」の有無ではなく、日本軍が設置、管理した慰安所に女性を拘束し、性行為を強制したことです。「河野談話」も、元「慰安婦」の女性たちのヒアリングから「本人がその意に反して慰安婦とされたことは間違いないということになって」（石原信雄官房副長官＝当時）つくられたものです。「強制性を立証する文書がないから強制の事実がなかった」などという議論は成り立ちません。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８周年記念日にあたって／日本共産党書記局長市田忠義

　日本共産党の市田忠義書記局長は、１５日に６８周年の終戦記念日を迎えるにあたり、次の談話を発表しました。

　６８年目の終戦記念日にあたり、日本共産党は、日本軍国主義の侵略と植民地支配によって、犠牲になられた２０００万人ものアジアの人びと、国内の３１０万人を超す方がたに、あらためて心からの哀悼の意を表します。

　戦後の世界政治は、日本、ドイツ、イタリアがひきおこした不正不義の侵略戦争を二度と再びおこしてはならないという決意を原点に出発しました。戦後の日本も、野蛮な侵略戦争と植民地支配の根本的反省のうえに、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意を憲法に書き込みました。これは、日本が国際社会に復帰する��誓い�≠ﾅもありました。

　ところが、終戦６８周年の記念日を前に、こうした戦後の世界政治の原点を否定し、世界にたいする日本の戦後の��誓い�≠�捨て去ろうとする重大な事態が進行しています。安倍政権は、侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」などの政府見解を否定しようとしています。日本の侵略戦争の精神的支柱であり、その戦争が「自存自衛の正義の戦争であった」と宣伝する靖国神社に、閣僚があいついで参拝しています。一部の政治家からは、日本軍「慰安婦」問題への軍の関与・強制を否定する発言が繰り返されています。ナチス・ドイツの蛮行を「見習うべきだ」とする麻生副総理発言までとびだしました。歴史に逆行するこうした行為にたいして、日本国内はもとより世界各国からも、厳しい批判の声があがっています。

　軽視できないのは、これらの動きが、「海外で戦争ができる国」にするための「集団的自衛権」の憲法解釈の見直しや、さらには、戦力不保持と交戦権否認を規定した憲法９条を改悪しようとする動きと一体に、公然とすすめられていることです。しかも、安倍政権は、自衛隊に「海兵隊機能」を付与し「敵基地攻撃能力」を保有することも検討するなど、自衛隊の侵略的機能の強化を図ろうとしています。こうした動きは「紛争を戦争にしない」という世界の流れに逆行するもので、日本をますます孤立に導かざるをえません。

　最近の世論調査によれば、過半の国民が憲法９条や９６条を変えることにも、さらに、集団的自衛権を行使することにも反対の声を上げています。日本共産党は、こうした人々と力をあわせ、侵略戦争への徹底した反省とともに、日本国憲法の平和・民主の原則にそって、国民本位の政治、世界の平和に貢献する新しい政治を実現するためにたたかいぬく決意を表明するものです。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

核兵器廃絶へともに／海外代表迎え女性のつどい／名古屋

　原水爆禁止世界大会海外代表の５人を迎えた「平和女性のつどい」（同実行委員会主催）が１１日、名古屋市千種区で開かれ、参加者は核兵器廃絶への決意を新たにしました。

　コラソン・ヴァルデス・ファブロスさん（非核フィリピン連合事務局長）は通訳を介して、「広島への原爆投下以来背負わされてきた��重石�≠ｩら人類を解放し、平和な世界を実現するために、お互いがんばりましょう」と述べました。

　ジュディス・ルブランさん（米国・ピースアクション組織責任者）は「世界大会に参加して、核兵器廃絶の運動の重要性を再確認することができました。政治的な議論すらできない職場で労働条件の改善と一体に平和のとりくみを行っている発言があり、大変驚きました」と語りました。

　沢田昭二・日本原水協代表理事は「核兵器使用の非人道性を明らかにした世界大会の成果をてこに、核兵器禁止条約の交渉開始実現に向け、大きく世論を広げよう」と提起しました。

　参加者交流では民主団体の代表が沖縄への「平和ツアー」や、「慰安婦」問題解決に向けた署名運動などのとりくみを報告。原爆症認定訴訟原告の高井ツタエさんは、裁判の傍聴を訴えました。

　嶺村君代・愛知県原水協事務局長は、２０１５年の核不拡散条約（ＮＰＴ）再検討会議に向けた、「核兵器全面禁止のアピール」署名運動を呼びかけました。参加者は海外代表といっしょに「青い空は」を合唱しました。

(２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

慰安所職員の日記発見／朝鮮人男性、ビルマで記述

　【ソウル＝時事】第２次世界大戦中、ビルマ（現ミャンマー）とシンガポールの慰安所で事務の仕事をしていた朝鮮人男性の日記が韓国で発見されました。慰安所職員の日記が見つかったのは初めて。

　男性は１９０５年生まれで７９年に死去しました。韓国の博物館が数年分を欠いた２２〜５７年の日記を古書店から入手。安秉直ソウル大名誉教授らが、慰安所時代の４３、４４年分について、堀和生京都大教授、木村幹神戸大教授と共同研究しました。近く韓国で出版されます。

　日記は「夫婦生活（結婚）することになって慰安所を出た春代と弘子は、兵たんの命令で再び慰安婦として金泉館に戻るようになったという」「兵たん司令部に行って５日間の日報を提出した」などと記述。日本政府も認めている慰安所への軍の関与を裏付けています。

　慰安婦を募集したとみられる４２年の日記は見つかっていません。ただ、「昨年のきょうは、釜山で乗船し、南方行きの第一歩を踏み出した」（４３年７月１０日）、「一昨年慰安隊が釜山から出発するとき、第４次慰安団の団長として来た津村氏が生鮮組合で働いていた」（４４年４月６日）との記述がありました。

　安教授は「第４次慰安団の存在、日本政府が慰安団を組織し、女性を戦線に連れて行ったことが確実になったと言える」と指摘しています。

( ２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

元慰安婦１２人申し立て／日本に慰謝料求める／韓国

　【ソウル＝時事】旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性１２人が１３日、日本政府を相手に、１人１億ウォン（約８７０万円）の慰謝料支払いを求める民事調停をソウル中央地裁に申し立てました。ただ、日本政府が調停に応じる可能性は低く、この場合、韓国での損害賠償請求訴訟も検討しているといいます。

　外国政府は原則的に、民事訴訟の対象外との考えが強い。しかし、元慰安婦側は、日本軍の慰安婦に対する行為は人道に対する罪であり、例外に当たると主張。調停申し立てによって、日本政府が訴訟の対象となるかを探ろうとしています。

　元慰安婦の請求権をめぐり、日本政府は日韓請求権協定で解決済みとの立場ですが、韓国政府は、元慰安婦らは対象外との見解。韓国憲法裁判所は２０１１年８月、政府が日本側と交渉努力をしないのは違憲と判断しました。調停申し立てには、憲法裁の判断から２年が経過しても政府間協議が実現していないことを受け、司法を通じた協議を目指す狙いもあるといいます。

( ２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国被爆者が自国政府提訴／日本と協議せず違法

　【ソウル＝時事】広島や長崎で被爆した韓国人７９人が１２日、被爆者の損害賠償権をめぐり日本政府と協議しないのは違法だとして、韓国政府を相手に１人１０００万ウォン（約８７万円）の慰謝料支払いを求める訴訟をソウル中央地裁に起こしました。この種の提訴は初めて。

　記者会見した原告団は、提訴と並行して、原爆投下を招いた侵略戦争を起こした上、強制徴用で広島や長崎に行かせて被爆させたなどとして、日本政府に謝罪と賠償を要求する考えを表明。さらに、日韓両政府が責任回避を続ける場合、原爆を投下した米国の責任を追及するとしています。

　個人請求権をめぐっては、日本政府は１９６５年の国交正常化の際の協定で解決済みとの立場。一方、韓国政府は被爆者らは含まれていないとの見解を示しています。韓国憲法裁判所は２０１１年８月、被爆者と元従軍慰安婦の賠償請求権について韓国政府が日本側と交渉努力をしないのは違憲との初判断を出しました。

( ２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

靖国参拝／安倍政権の態度は欺瞞／韓国国会特別委が声明

　【ソウル＝時事】韓国国会の東北アジア歴史歪曲（わいきょく）対策特別委員会は１３日、日本の植民地支配から解放された１５日の「光復節」を前に、南景弼（ナム・ギョンピル）委員長名の声明を出しました。安倍政権に対し「首相、副総理、官房長官、外相は靖国神社参拝を保留すると言いながら、一方では閣僚の参拝を容認するという欺瞞（ぎまん）的態度を見せている」と批判しました。

　声明は「過去の侵略の歴史を歪曲し、第２次世界大戦後の新たな国際秩序を認めない安倍内閣の態度に厳重に警告する」と言明。同時に、韓国政府に対し、参拝した閣僚や国会議員の名簿を把握し、国際社会に公表するよう求めました。

　声明はさらに、ナチス政権の手法を「学んだらどうか」と述べた麻生太郎副総理の発言に触れ「日本が学ぶべきはヒトラーとナチス・ドイツではなく、過った歴史を認め、反省するドイツの姿勢だ」と指摘しました。

　また、国会の女性家族委員会は１３日、慰安婦問題で日本政府が「強制動員」の過ちを真に反省し、賠償するとともに、正しい歴史教育を行うよう求めました。

( ２０１３年０８月１４日， 「赤旗」）（Page/Top）

市長選来月１５日告示／「堺市乗っ取り」許さない／共産党、市政前進へ竹山市長支持

維新の野望、市民の力で阻止

　橋下徹大阪市長が政令市の大阪市と堺市をつぶす「大阪都」構想の実現に向けて、堺市長選（９月１５日告示、２９日投開票）で維新候補の「絶対勝利」を叫んでいます。日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は維新による堺市の乗っ取り、廃止・解体を許さない立場で、「都」構想への参加を拒否している現職の竹山修身市長を自主的に支持することを確認（２日）。党堺地区委員会も４日、「たたかいの先頭に立つ」声明を発表しました。その意義は鮮明です。

　（藤原直）

対決の構図

　日本維新の会は７月の参院選で昨年の総選挙から約６００万票を失い、得票数を半減させました。共同代表の橋下氏は党国会議員に「野党再編に全力を尽くしてもらいたい」と呼びかける一方、「慰安婦」暴言によって連携の障害となった自らは大阪回帰を強めています。２０１５年４月の実現を掲げる「都」構想の推進に専念し、再浮上をはかろうというもくろみです。

　堺市選出の馬場伸幸・維新衆院議員は「堺市長選の結果が都構想に大きな影響を与えるのは間違いないし、都構想がうまくいかなければ維新にも影響する」と指摘。橋下氏らが「戸別訪問もやる」と維新の命運をかけてなりふり構わぬ姿勢を見せていることを明かしています。

　「都」構想とは、大阪市や堺市を廃止して複数の特別区に分割するものです。一番の狙いは、政令市の財源と権限を「都」が吸い上げ、関西財界に「手綱を引いて」とこびる橋下氏の維新が、１人の「指揮官」の下で大規模開発や規制緩和、カジノ誘致などを強権的に進められる体制をつくることにあります。

　日本共産党堺地区委員会は声明で、市長選の最大の争点は「橋下・維新による『堺乗っ取り・堺市つぶし』を断じて許さず､市民の暮らしと福祉､地方自治を守り抜くことにある」と指摘。「橋下・維新の野望を市長選で打ち砕くことは、大阪全体、全国的にも、改憲・反動政治の流れにストップをかけ、国民の声で動くまともな政治の姿をとりもどす一大転機となる」と強調しています。

「都」構想の正体

　市長選でもし維新が当選すると、堺市も「都」構想に巻き込まれていきます。橋下氏はまず堺市長が大阪府市統合本部に参加することになるといいます。統合本部は維新が「バーチャル（仮想）大阪都」（松井一郎知事）と呼んできたもの。そこでは一握りの側近と橋下氏らによって、大阪市営地下鉄・バスなどの廃止・民営化や府市「二重行政」とのレッテル貼りによる大学の統合や病院の廃止など住民を混乱に陥れている方針案が次々と決められてきました。

　橋下氏は８日の会見で「堺市が取り残されている」と不安をあおりましたが、自治体間協議で済むような「細かな事例」しかあげることができず、府と堺市との「二重行政」の例を問われても答えられませんでした。むしろ、堺市は維新の専横から「取り残されている」にすぎません。

　橋下氏が「都」構想の先取りとして大阪市で推進してきた「市政改革プラン」は、「大阪都」実現までの３年間で市民向け施策・事業約３９３億円分を削減する計画です。すでに大阪市民は、敬老パスの有料化や国保料の２％値上げ、大半の世帯での保育料の値上げなど各種の負担増を強いられています。大阪市営地下鉄・バスの廃止・民営化は、市民の批判で市議会でも関連条例案が２回も継続審議になりました。しかし、市バスは今年４月だけでも２９路線減らされ、市民から「病院に行けなくなった」と悲鳴があがっています。

住民目線の現職

　堺市政はどうなっているのでしょうか。竹山市長は０９年９月の前回市長選で、当時知事だった橋下氏の応援を受けて当選したものの、「市民目線」を掲げて「党派を問わず市民のためにどうしていくかの議論を丁々発止」（同氏）で行ってきました。その中で、市民の要望や日本共産党市議団の指摘を取り入れ、堺東駅前再開発ビル建設計画（３５０億円）などの大型開発を中止する一方、国保料の４年連続の引き下げや６５歳以上は１００円でバスに乗れる「おでかけ応援バス」の平日毎日実施への拡充などを実現。なかでも子ども医療費助成の所得制限なしの中学校卒業までの拡充は府内でトップレベルです。

　党市議団は、市民の立場で市政の問題点は率直に批判するとともに、積極的に提言し、この３年間は予算案にも賛成しています。

　竹山市長は、橋下氏が１０年初頭に打ち出した｢都｣構想について、０９年市長選では「話はなかった」と指摘。市民の願いを受け「堺はひとつ。堺をなくすな」と参加拒否を明確にしてきました。

　ここで維新による堺市乗っ取りを許せば、市民要求実現の条件となる民主的市政運営の基盤が崩されかねません。日本共産党は声明で、竹山市政とは今後も率直な意見交換を行い、より住民要求に応える市政に前進するよう力を尽くすと表明。「つくる会」も維新市政・「都」構想を阻止し、要求運動を強化していくことが市政前進の最大の担保だと取り組みを始めています。

( ２０１３年０８月１４日， 「赤旗」）（Page/Top）

過ちは繰り返さない／「平和のための戦争展」開く／愛知

　「第２２回あいち・平和のための戦争展」が名古屋市昭和区の市公会堂４階ホールで１１日から開かれています（１４日午後３時まで）。同展は、戦争の実態を記録・調査し次世代に語り継いでいる４０の市民団体が実行委員会（代表＝倉橋正直・愛知県立大学名誉教授）をつくり１９９２年から毎年開いています。

　会場は、▽憲法第９条は戦争体験から▽空襲と原爆投下▽日本の侵略・植民地・軍「慰安婦」▽沖縄・日本と世界の危険な現状▽平和憲法を変えてもいいですか―のテーマごとに仕切られ、解説パネルや戦争遺品などが多数展示されています。

　実行委員会の倉橋代表は開会あいさつで「日本は過ちを繰り返さないと誓って歩んできましたが、最近は誓いを破る動きが強まっています。一人の力は弱いですが『平和のために何かしたい』のきっかけにしてほしい」と訴えました。

　オープニング企画は「空襲ピアノ」による平和コンサートです。１９４５年の名古屋空襲により損傷したピアノを修理・調律し、金城学園高校・中学校生徒有志が、同ピアノの伴奏で戦後の平和の象徴として歌い継がれている「花の街」（団伊久磨作曲・江間晶子作詞）などを合唱しました。合唱した女子生徒は「空襲の傷痕が残るピアノ演奏なので、平和の大切さを訴えたいと思って一生懸命に歌いました」と話しました。

　夏休みの自由研究のため祖母と訪れた小学５年生の男子児童は原爆パネル展の前で立ち止まり「原爆や戦争は絶対だめだよね」と少し涙声で話し、祖母は「本当だね。いっしょに何かしようかね」と二人で原爆パネル前に置かれた「核兵器廃絶を求める」署名にサインをしました。

(２０１３年０８月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」被害の国連記念日を／フィリピン女性、涙で蛮行を告発／東京で国際シンポ

　日本軍「慰安婦」被害者の尊厳を踏みにじる歴史のねつ造は許さない、と、被害者の証言と国際シンポジウムが１１日、東京都内で開かれ、４００人が参加しました。韓国人の金学順（キム・ハクスン）さんが被害者として初めて名乗り出た１９９１年８月１４日を、国連記念日にしようとするキャンペーンの一環です。主催は、同キャンペーンです。

　昨年、台湾で開かれた日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議は、８月１４日を日本軍「慰安婦」メモリアル・デーに決めました。第１回となる今年の８月１４日は、世界や日本の各地で多彩なアクションが行われます。韓国では毎週デモが行われている水曜日にあたり、大きな行動となります。

　第１部は、フィリピンのエステリータ・デイさん（８３）が、１４歳で日本軍の駐屯地に監禁されたと証言。日本兵に抵抗すると壁に頭を打ちつけられ意識を失い、輪姦（りんかん）を繰り返された苦しみを、戦後５０年も家族に話せずに暮らしてきたと涙ながらに語りました。

　フィリピンの被害者らの組織、リラ・ピリピーナのレチルダ・エクストレマドゥラさんは、「日本国民が立ち上がれば、日本政府も耳を傾けざるをえない。みなさんに運動を起こしてほしい」と訴えました。

　第２部のシンポでは､アンワラル･チャウドリー元国連安保理議長が基調講演。パネリストとして、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会常任代表の尹美香（ユン・ミヒャン）さんと、京都大学教員の岡真理さんが、それぞれ二度と繰り返さないために、連帯しようと呼びかけました。

( ２０１３年０８月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

麻生氏「ナチスの手口学べ」／国内外で批判沸騰／独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ特派員カーステン・ゲアミスさん／欧米なら辞職が当然

　麻生氏の発言は間違っているだけでなく、とても危険です。

　（麻生氏の言うように）ナチは静かに憲法を改正したのではなく、政府だけが政策を決定できるという法律を通し、憲法を無効にしました。多くの反対する人たちを刑務所に入れ、大きな圧力をかけて成立させたのです。静かだったとすれば、それは（反対者を抹殺した）墓場の静けさです。

　米国や欧州で、ナチを模範とできるなどといえば、その日のうちにその政治家は辞職に追い込まれるでしょう。ドイツであれば、まず首相が解任せよと非難され、全野党、全マスコミが要求します。かつて、１９８０年代にドイツの連邦議会議長が��ナチもそんなに悪くない�≠ﾆ言ったときも、辞職に追い込まれました。フランスでもイタリアでももちろん、辞職せざるを得ない。

　麻生氏や安倍氏が変えようというのが、憲法の平和条項９条であり、（国会議員の３分の２で改定を発議する）９６条、（基本的人権の）９７条です。非民主主義的な方向への憲法改定を静かに、公開の討論もなく静かに人々が気づかないようにやろうとしていることは危険です。

　麻生氏はかつて、韓国人の強制労働をやった一族の企業の責任について、「歴史家の判断に任せる」といいました。しかし、歴史から学び、行動していくのが政治家の責任ではないでしょうか。慰安婦問題などでも問われています。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

元「慰安婦」人権回復早く／新婦人が署名行動／徳島

　新日本婦人の会徳島県本部は１０日、旧日本軍「慰安婦」への公式謝罪と補償を求める署名行動をＪＲ徳島駅前で行いました。

　同会事務局長の祖父江桂子さんは、安倍首相の「強制性はなかった」などの歴史の事実を否定する発言を批判し、「被害者は高齢になっており、早期に人権回復をすべき」だと署名への協力を呼びかけました。

　韓国人の友人がいる徳島市の上甲奏（じょうこう・さやか）さん（３７）は「この問題は互いに触れにくい。日本が悪いのだから態度で示してほしい」と署名に応じていました。大学の講義テーマになったという堀本菜緒さん（１９）は「事実を伝えてほしい」と話します。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選勝利へ全力／党地区委が活動者会議／大阪

　日本共産党堺地区委員会は９日、９月１５日告示、同２９日投開票の堺市長選へ向けた活動者会議を市内で開き、「市民無視の『維新』政治の持ち込みを許さず、市政前進のため、堺市長・市議補選勝利へ全力をあげよう」と決意を固め合いました。

　党大阪府委員会の中村正男政策委員会責任者が報告しました。

　中村氏は、参院選の結果を示しながら、橋下・「維新」が堺市長選での市政乗っ取り、「大阪都」構想の実現など「大阪回帰」を狙っていると説明。

　「維新」が��最後のとりで�≠ﾆする大阪で痛打を与え、橋下氏の暴走に終止符を打つことが全国的にも大きな意義を持つと述べ「ここで『維新』を破り去るなら、大阪中で橋下・『維新』への幻想を打ち砕き、『都』構想をストップさせることができる」と話しました。

　有権者の中に残る「それでも維新」という幻想を断ち切るため、▽維新による暮らし破壊、自治体つぶしの大阪府・市政持ち込みを絶対に許さない▽市民共同の力で築いた竹山市政の積極面を押し出す▽「大阪都」のうそとペテンを暴く▽「慰安婦」暴言問題でさらに追い詰め、打ち破る―と論戦のポイントを説明。

　堺市では、「維新」提案の「教育基本条例」が否決され、「慰安婦」暴言での橋下氏への公職辞任を求める市議会決議があったことなどを紹介し「『反維新』の広い市民的共同が築かれつつある。たたかいの到達点に自信と誇りをもってたたかおう」と述べ、大奮闘を呼びかけました。

　会場から「公明党に対してはどう臨むか」「全国的にも意義のある選挙、全党的応援を」の意見や質問が出されました。中村氏が「堺つぶしや暴言問題などに手を貸していいのかと、公明党に限らず広い働きかけを」と説明しました。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

改憲ストップ、核兵器廃絶訴え／猛暑もなんの署名呼びかけ／大阪で「９の日宣伝」

　大阪憲法会議・共同センターは９日、「憲法守れ、核兵器廃絶を」と訴えて「９の日宣伝」を繰り広げました。

　大阪市役所前の淀屋橋は、夕方にもかかわらず、ビルの電光掲示板が示す気温は３６度。汗をぬぐいながら３０人が「安倍政権による『戦争する国づくり』を許さず、９条を守り、憲法をくらしと平和に生かそう」「核兵器の廃絶を」とビラを配り、署名をよびかけました。

　大阪労連の川辺和宏議長は「麻生副総理のナチス発言や日本維新の会共同代表の橋下徹市長の『慰安婦』発言など、時代に逆行する動きは許せません。自衛隊を国防軍とするなどの自民党の改憲案は極めて危険です。憲法を守り生かす運動を大きく広げよう」と語りました。

　大阪憲法会議幹事長の梅田章二弁護士は、集団的自衛権の行使を認めようとする憲法９条に対する安倍政権の挑戦を見過ごすことはできないと糾弾。「紛争の平和的な解決、交戦権を否認する、軍隊は持たない、平和主義をうたう憲法９条は、２１世紀の人類と地球の未来をリードするものです。今こそ憲法９条を守ろう」と訴えました。

　門真市の西川勝美さん（６６）は「改憲、原発の再稼働と、安倍さんは国民に迷惑ばかりかけている」と署名。福島区の山本康介さん（４４）は「外交こそしっかりしていれば、戦争をすることはない」と語りました。

　日本共産党の清水忠史大阪府副委員長が訴えました。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争の記憶を引き継ぐ／証言・資料、重い告発

　アジア・太平洋戦争が終わって６８年。戦争経験者が少なくなり、戦争の記憶の継承が難しくなっています。この中で体験を通して戦争の実態を伝える本の出版が相次いでいます。

７０人の肖像

　原発事故や大津波被災を撮り続ける写真家の山本宗補著『戦後はまだ…　刻まれた加害と被害の記憶』（彩流社）は、戦争で耐えがたい経験をした７０人の肖像と証言を記録しています。シンガポールの華僑は日本兵に軍刀で切られた首の傷痕を見せます。「和解は真の謝罪から」という旧日本軍将兵は、中国人老婆の家屋を焼き、殺害したことを告白します。元兵士の祈るように手を合わせた悲痛な表情は自分を責めているようです。写真から戦争の非人道性が浮き立ちます。中国人を生体解剖した元軍医、日本軍「慰安婦」としてフィリピンに連行された韓国人。被爆者、空襲の被害者、元特攻隊員なども証言しています。

　「一人一人の戦争体験と戦後の生き方から、まだ日本は加害者ではないと発言できる政治家がいるとしたら、それは歴史に対する冒涜」。口を閉ざす人も多いなか著者の告発は重い。

　本書に解説を寄せている林博史関東学院大教授は、アジアの諸国民への加害国日本は、同時に、日本人をも犠牲にして恥じない国だったと指摘しています。

「傲慢」批判

　『人間と戦争』（朝日新聞出版）の著者で労働刑法の研究者の荘子邦雄氏は元学徒兵。アメリカの原爆投下、沖縄戦での日本軍首脳の「傲慢」を批判します。戦後に集めたスクラップブック５００冊以上になる新聞記事や文学作品など豊富な資料を使っています。原爆を「人間を殺すのになぜここまで峻烈な兵器が必要なのか｣と憤り､特攻作戦を「『人間の尊厳』を無視して人間のいのちを『兵器』とおなじ消耗品と目した悪魔の『作戦』｣と断じ､平和を希求する思いを伝えます。

１９歳の入隊

　中尾英俊・高橋春雄著『海軍予備生徒・特攻艇長』（さんこう社）は、まだ年端もいかない若者が戦争にのみ込まれる姿を描きます。２人は１９歳の旧制大学、高等専門学校の学徒のとき、軍隊に入ります。半ば強制されながら、敵艦に体当たりする小型潜水艦の特攻要員となります。教官から頻繁に殴られるなど軍隊の「不合理」を指摘し、��二度と戦争はしてはならない�≠ﾆ訴えます。

　こうした戦争の悲劇がどうして起きたのか。太平洋戦争開戦から終戦までを最近の研究成果をまじえ、コンパクトにまとめた吉田裕著『シリーズ日本近現代史�E　アジア・太平洋戦争』（岩波新書）は理解の手助けになります。

　（若林明）

( ２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

「ナヌムの家」２１周年記念式典への志位委員長のメッセージ

　日本共産党の志位和夫委員長が１０日、韓国の「ナヌムの家」設立２１周年・日本軍「慰安婦」歴史館開館１５周年記念式典に送ったメッセージ全文は次の通りです。

　ナヌムの家設立２１周年と日本軍「慰安婦」歴史館の開館１５周年を記念する式典への招待をいただき、心から感謝します。残念なことに本日、東京でおこなわれる私たちの党創立９１周年記念講演会と重なったため、出席がかないません。筆舌に尽くしがたい歴史の生き証人であるハルモニの方々、その生活を支えつつ歴史の事実を粘り強く伝えてこられた方々に、心からの敬意を込めて連帯のあいさつを送ります。

　戦後６８年もたってなお残されている日本軍「慰安婦」問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題です。その解決のためには、日本政府としてこの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です。韓国政府は、１９６５年の日韓請求権協定に基づく両国政府間の協議を繰り返し日本政府に求めています。日本政府は、「請求権の問題は解決済み」として、協議に応じる姿勢を示していません。

　しかし、この協定では、協定の解釈および実施に関する両国間の紛争がある場合には、「まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」としています。日本軍「慰安婦」問題が、被害者の告発によって明らかとなり、政治問題化したのは９０年以降のことであり、「解決済み」との日本側の主張は成り立ちません。日本政府は、協定の規定にしたがい、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきです。

　歴史は決してつくりかえることはできません。しかし、誠実に向き合うことはできます。日本が、歴史に誠実に向き合い、誤りを真摯（しんし）に認め、清算をおこなってこそ、末永く日韓両国民の心通う友情を築いていくことができると確信しています。

　いま世界でもアジアでも、日本の右傾化への懸念が強まっています。同時に日本国民のなかには、歴史をゆがめる逆流に対する、強い理性的批判の声が急速に広がっています。そのことは、先の参議院選挙で、この逆流と真正面から対決した私たち日本共産党が大きく躍進したことにも示されています。９１年前の結党時から、侵略戦争と植民地支配反対をかかげ、韓国・朝鮮の愛国者に連帯してたたかった歴史を持つ党として、日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるため、全力をつくす決意です。

　みなさんのご健康と、活動の発展を心から願っています。

２０１３年８月１０日

東京にて

日本共産党幹部会委員長

　志位和夫

( ２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

「ナヌムの家」／「慰安婦」問題解決に全力／記念式典に笠井氏出席／志位委員長メッセージ／韓国

　韓国の日本軍「慰安婦」被害者が共同生活する京畿道・広州市の「ナヌムの家」で１０日、同施設の設立２１周年と併設する「日本軍『慰安婦』歴史館」開館１５周年を記念する式典が開かれました。日本からは、日本共産党を代表して笠井亮衆院議員が来賓として出席してあいさつ。志位和夫委員長のメッセージを代読し、「慰安婦」問題解決のために全力を尽くすと強調しました。

　（メッセージ全文４面）

　志位委員長はメッセージで、「『慰安婦』問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題」と指摘。日本政府は、韓国政府が１９６５年の日韓請求権協定に基づいて求めている政府間協議に応じるべきだと述べました。

　世界で日本の右傾化への懸念が強まっているなか、日本共産党は９１年の歴史を持ち先の参院選で躍進した党として、歴史をゆがめる逆流とたたかい、「日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させる」と表明しました。

　「ナヌムの家」代表理事の宋月珠大僧正（前大韓仏教曹渓宗総務院長）は、「志位委員長のメッセージはよく練られた内容で、ありがたく思う」と謝意を表しました。

　式典には日韓両国から約３００人が参加。笠井氏は式典に出席した１０人の「慰安婦」被害者と昨年１０月以来の再会を喜び合い、被害者から次々と「今後もがんばってほしい」と声をかけられました。韓国の国会議員らとも交流し、「慰安婦」問題解決のために協力し合うことを確認しました。

( ２０１３年０８月１１日， 「赤旗」）（Page/Top）

１０

平和のための戦争展に学ぶ／あすまで／埼玉・所沢

　「２０１３所沢平和のための戦争展」が８日、埼玉県の所沢市役所１階市民ギャラリーで始まりました。同実行委員会主催で、１０日まで開かれます。１９８８年から毎年開かれ、今年で２６回目となります。

　今年のメーンテーマは「核も戦争もない世界に」。戦争の実相を伝えるものをはじめ、所沢の基地問題、核兵器廃絶、「従軍慰安婦」問題などのパネル展示が並びます。「青年コーナー」では青年らが展示をもとに作ったクイズを解きながら、熱心に解説を聞く小中学生の姿が目立ちました。

　中学３年生の女子は「戦争展に来るのは３回目です。『慰安婦』問題など展示を見てよくわかりました」と話しました。

　実行委員会の山田裕事務局長は「今年は所沢の久米地区での戦争を特集するなど、地元に関する展示も多くあります。ぜひ若い人にも見にきてほしい」と話しています。

　最終日の１０日には、航空公園内の旧陸軍飛行場の戦争遺跡などを巡る現地研修会、すいとん試食会、平和のうたごえなどのイベントが予定されています。

(２０１３年０８月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

元「慰安婦」証言／「歴史教科書に記載を」／札幌で集い

　７日夜、札幌市で「ロラと語ろう！〜日本のこと、未来のこと〜」と題してフィリピンで日本軍「慰安婦」とされた女性の証言を聞くつどいが開催されました。

　１９９１年に韓国で１人の女性が初めて「慰安婦」被害者として名乗り出た８月１４日を国連記念日にしようというキャンペーンの一環で、日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会が企画しました。

　��ロラ�≠ﾍフィリピンのタガログ語で��おばあさん�≠ﾆいう意味です。

　初めて日本で証言をするエステリータ・ディさんは１４歳で日本軍「慰安婦」とされ、凄惨（せいさん）な日々を過ごしたことを涙ながらに語り「自分たちの正義の回復のために日本政府に謝罪と補償、歴史の教科書に日本軍慰安婦を記載することを求めます」と話しました。

　支援者組織の代表であるリチェルダ・エクストゥラマドゥラさんは「日本の憲法９条を改正しようとする動きをどう思うか」という男子学生の質問に「非常に残念で危機感をおぼえる。戦争は多くの人に苦しみをもたらす。憲法改正をしないよう、特に若い方に団結してほしい」と答えました。

(２０１３年０８月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

ジブリが改憲反対／ホームページに公開／宮崎・高畑・鈴木氏ら

　「憲法改正」を特集したスタジオジブリ発行の無料冊子『熱風』７月号が反響を呼び、編集部はホームページで記事の公開を始めています｡宮崎駿、高畑勲両監督、鈴木敏夫プロデューサーらが改憲反対を主張しています。

　宮崎監督は、「憲法を変えるなどもってのほか」といい、９６条の先行改憲についても、「詐欺」「やってはいけない」と述べています。首相や政党幹部の発言を、「歴史感覚のなさや定見のなさには、呆（あき）れるばかり」、「ちょっと本音を漏らして大騒ぎを起こすと、うやむやに誤魔化（ごまか）して、『いや、そういう意味じゃないんだ』みたいなことを言っている」と批判。「慰安婦」の問題でもきちんと謝罪と賠償をすべきだと述べています。

　高畑監督は、岡山空襲で火の中を逃げ回った体験を語ったうえで、反戦を願うならば、開戦時を思い出す必要があると指摘。戦争に懐疑的だった人々や多くの知識人が、戦争が始まった以上、「あとは日本が勝つことを願うしかない」と「こぞって為政者に協力しはじめた」と振り返り、このように「知性や理性を眠らせないですむ」ための根本理念が９条だと主張しています。

　９条は「理想の旗であり」、現実との間にギャップがあるからといって９条をなくせば、「最低の現実主義で悪い方へずるずるいく」と訴えています。

　鈴木プロデューサーは、平和憲法を持つ日本を侵略する国があれば、世界から非難を受け、世論がブレーキをかけるのが現代だとし、「日本が世界にアピールするとしたら、九条」と述べています。

( ２０１３年０８月０９日， 「赤旗」）（Page/Top）

国連勧告無視する日本政府／問われる人権意識／吉田好一

　いま、安倍政権は世界から人権意識を問われています。

　従軍「慰安婦」問題で、国連の拷問禁止委員会は日本政府に勧告を出しました（５月）。公人が事実を否定する発言を繰り返していることに対し、政府として是正措置をとるよう求めたのです。しかし安倍政権は��勧告に従う義務はない�≠ﾆいう態度です。

　国連は１９６６年に国際人権規約を採択したのをはじめ、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約など人権を守る条約をつくってきました｡これらを批准した国は､一定期間ごとに国内の人権状況を国連の各「委員会」に報告し審査を受けます。

　ＮＧＯ（非政府組織）は審査を傍聴するほか、政府報告書への批判・意見（カウンターレポート）を提出し、委員と会合をもって直接訴えるなど重要な役割を果たしています。

　今年４〜５月、スイスのジュネーブで日本が国際人権規約の社会権規約委員会と拷問禁止委員会の審査を受けた際、私は国際人権活動日本委員会の一員として参加しました。

「慰安婦は強制」

　審査は、国連の委員が当該国の政府代表に質問する形で行われます。委員はＮＧＯの報告書をよく読み、非常に的確な質問をします。一方、日本政府代表は用意したペーパーを読むだけ。質問にかみ合わず建設的議論になりません。

　拷問禁止委員会の審査では、議長役のアメリカのガエル委員が、橋下徹・大阪市長の「慰安婦」発言に触れ、「橋下発言は受け入れられない。（被害）女性には移動の自由はなく強制は明らかだ。性奴隷については前回も勧告しているが、中・高校の教科書の記載が減っているのはなぜか」と日本政府をただしました。

日本大使の暴言

　この審査では驚くべきことが起きました。ある委員が、警察の留置場（代用監獄）に勾留して自白を迫る日本の取り調べについて、「中世のようだ」と指摘しました。これに対し、日本の上田秀明人権人道大使が審査の最後に「日本は中世の国といわれたが、人権先進国の一つだ」と述べたのです。会場に苦笑が起きました。その途端、上田氏が「笑うな！」「シャラップ（黙れ）！　シャラップ！」と声を荒らげたのです。会場は凍りつきました。

　これらの審査で出されるさまざまな「勧告」を、日本政府は無視し続けています。社会権規約委員のシン・へイシュウさん（韓国）は「韓国は国内法を改正し勧告を履行している。日本は後ろ向きだ」と指摘します。

　その結果、たとえば、最高裁判決などに納得できない場合、国連に通報できる個人通報制度を批准していないのはＯＥＣＤ諸国で日本とあと１カ国だけという状況です。人権を国際水準に引き上げるたたかいが求められています。

　（よしだ・こういち　国際人権活動日本委員会代表委員）

( ２０１３年０８月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

平和のための戦争展開く／京都市北区／和歌山市

京都市北区

　「平和のための京都の戦争展」が６日から立命館大学国際平和ミュージアム・中野記念ホール（京都市北区）で始まりました。１１日まで。主催は同実行委員会。

　「大東亜共栄圏とは何だったか」をテーマに、満州や中国などで使われていた軍票（日本軍が通貨の代用として発行した手形）、沖縄全島に１３０カ所以上あった「慰安所」マップを初めて展示しています。

　ほかに、建物疎開前の五条通りの復元図や「核兵器」「原発」「平和憲法」をテーマにした資料、解説パネルなど３００点余りを展示しています。

　兵庫県西宮市から祖母と訪れた高校３年の田村彩香さん（１８）は「授業で知っているつもりだったが、実際に写真や資料を見て戦争のつらさや苦しみを感じた。憲法９条は絶対に変えてはダメだと思った」と話していました。

　各日とも午前１０時〜午後４時半。連日、講演会やミニシンポ、映画、アニメなどの企画が催されます。入場無料。問い合わせは、実行委員会０７５（２３１）３１４９まで。

和歌山市

　「平和のための戦争展わかやま」が２、３の両日、和歌山市で開かれました。

　２日、実行委員会を代表してあいさつした県平和委員会の松田健司さんは「憲法が危うくなっている」と指摘し、同展で特設された憲法コーナーをじっくり見てほしいとよびかけました。

　舞台では、読み聞かせサークル「つくしんぼ」が「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」などを朗読。同サークルの別院丁子さん（６６）は、麻生太郎副総理によるナチズム肯定発言について「麻生さんは発言を取り消したが、本音でなければあんなことは言わない。憲法の大切さ、戦争の悲惨さを訴えたい」とのべました。ほか舞台では、紙芝居や戦争体験が語られました。

　会場では、核兵器の悲劇を考える、戦争に反対した人々、和歌山大空襲や県内の戦跡、憲法、日本軍「慰安婦」・強制連行などが企画展示され参加者らが見入っていました。

　３日には、シンガー・ソングライター藪下将人さんとＴＯＹＢＯＸによるピースライブや、絵本読み聞かせなどが行われました。

(２０１３年０８月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」賠償問題／��対立見解は外交で解決�＝^日韓請求権協定締結時に外務省／笠井氏調査で判明

　日本軍「慰安婦」被害者への賠償問題をめぐり、日韓請求権協定（１９６５年）締結当時、日韓間で��対立する見解�≠ｪ生じた場合には外交上の努力で解決されるべきだとする「条約解説」を日本の外務省がまとめていたことが、６日までに日本共産党の笠井亮衆院議員の調べで分かりました。

　日本政府は、日韓請求権協定によって財産・請求権問題は解決ずみで「紛争は存在しない」という立場です。そのため「慰安婦」被害者の賠償要求に応じていません。これに対し、外務省がまとめた文書「解説・日韓条約」（『法律時報』６５年９月号）は、日本政府の立場と明らかに違う内容で注目されます。日韓諸協定で定める紛争処理の規定について、当時、外務省の事務官だった小和田恒・元事務次官が執筆を担当しています。

　同「解説」は、「何が『紛争』に当たるか」について、一方の当事国が「ある問題について明らかに対立する見解を持するという事態が生じたとき」と明記。また、紛争の発生時期については「何らの制限も付されていない」とし、「今後、生じることのあるすべての紛争が対象になるべき」だと説明しています。

　そのうえで、日韓間で紛争が生じた場合は、「まず外交上の経路を通じて解決するため、可能なすべての努力を試みなければならないことはいうまでもない」と指摘しています。

紛争に該当は明白／笠井亮衆院議員

　外務省の当時の「解説」からも、９０年代に入り問題化した「慰安婦」問題での日韓間の解釈の違いは、協定上の紛争に当たることは明白です。日本政府の「請求権問題は解決済み。紛争は存在しない」という主張は成り立ちません。政府は、韓国側との協議に早急かつ誠実に応じ、外交的解決に努めるべきです。

( ２０１３年０８月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

維新の堺市つぶし許さず地方自治守り抜く／市長選で党地区委が声明

　９月１５日告示（２９日投票）の堺市長選について、日本共産党堺地区委員会が４日に発表した声明（全文）は以下の通りです。

　　◇

　日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は２日の臨時総会において、９月におこなわれる堺市長選で橋下・「維新の会」が候補者を擁立するなら、現竹山修身市長を自主的に支持してたたかい、必ず勝利することを決定しました。日本共産党はこの「つくる会」の決定を支持し、その先頭にたつことを表明するものです。

　その理由は、次の３点にあります。

　第１に、３月に発表した党堺地区委員会の市長選挙に臨むにあたっての「声明」に示したとおり、今回の市長選における最大の争点は、橋下・「維新の会」による「堺のっとり・堺市つぶし」を断じて許さず、市民のくらしと福祉、地方自治を守りぬくことにあります。

　参院選において、橋下・「維新の会」は、大阪の比例代表得票を、総選挙時の１４６万票から１０５万票へと大きく減らしました。これは橋下市長による「慰安婦」問題での暴言や改憲・反動の政治路線が府民のきびしい批判にさらされたものであり、はやくも「日本維新の会」の解党・再編もにおわせています。

　同時に、大阪では１００万票を維持したことで、橋下氏が「大阪回帰」、なかでも「大阪都構想」実現への執念を強くしています。その最大の焦点が堺市長選にあると、公明党にも協力を要請するなど、なりふりかまわぬ構えを見せています。

　これにたいして堺の市民の声と運動の力で、橋下・維新が提案した「教育基本条例案」「職員基本条例案」を否決し、６月には、「日本維新の会共同代表らによる、いわゆる従軍慰安婦問題等に関する発言の撤回及び謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」をわが党と自民、ソレイユ堺、無所属市議２人の賛成多数で可決（公明は反対・対案を提出）するなど、維新の横暴を許さないとりくみが大きく広がりつつあります。

　このもとで橋下・「維新の会」の野望を堺市長選で打ち砕くことは、大阪全体、さらには全国的にも、改憲・反動の政治の流れにストップをかけ、国民の声で動く、まともな政治の姿をとりもどす一大転機となるものです。

　第２に、竹山市政に対して、日本共産党はこれまで「是々非々」で臨んできました。竹山市政が、わが党と市民の要望をとりいれ、臨海部までのＬＲＴ（低床式路面電車）路線建設の中止、国保料の４年連続引き下げ、子どもの医療費助成の中学校卒業までの拡充、お出かけ応援バスの平日毎日運行などを実現させてきたことは積極的に評価されるものです（竹山市政の予算案に、わが党は初年度は反対、この３年間は賛成。自民・公明・民主系は４年間賛成、維新は今年度のみ反対）。何よりも橋下氏の支援で当選した経緯をもつ竹山市長が、「大阪都構想」をきっぱり批判し、大阪府・市政にみられる橋下・「維新の会」の横暴な行政運営と明瞭に一線を画した市政運営をすすめてきたことは大きな意義をもつものです。

　同時に、障害者福祉の拡充、シャープへの公金支出をただす問題などでは、わが党の立場とは異なり、不十分さや弱点があることを率直に指摘し、「丁々発止の議論」（竹山市長）をすすめてきました。

　これらをつうじて竹山市長はわが党の提言にも耳を傾ける姿勢を示し、党演説会へのメッセージや参院選後の率直な意見交換などもすすめてきています。

　わが党は竹山市政にたいし、今後も率直な批判や意見交換をつうじて、堺市政がより住民要求にこたえ、前進するために力をつくします。そのためにも、橋下・維新による「市政のっとり」を絶対許さず、この市長選のたたかいをとおして、竹山市政を前進させる立場に立つものです。

　第３に、参院選において、わが党は、大阪では「自民に対決、維新に痛打、抜本的対案を示す」という立場を鮮明に、全国比例５議席を獲得し、選挙区では東京・京都とともに大阪で１５年ぶりの議席を得て、改選３議席から８議席への躍進を果たしました。ここには、「自共対決」、大阪では「維新との対決」という点で一貫した政治姿勢への評価とともに、反対だけではなく、あらゆる問題で抜本的対案を示し、現実政治を動かす点での党の役割への大きな期待が反映しています。

　今回の堺市長選挙において、橋下・「維新の会」が候補者を擁立するなら、わが党として独自の推薦候補を擁立せず、竹山市長を支持してたたかうという政治決断は、参院選にも示された市民の期待に正面からこたえるものだと確信します。

　竹山市長は事務所開きにおいて、「大阪都構想」による「堺のっとり・堺市つぶし」を打ち破るためには、「広範な政党、団体、市民の固い絆の連携が必要」と力説しました。

　わが党は、「大阪都」構想ノーをはじめ、市民のくらしと自治を守り、発展させる市政を前進させる点で一致する、すべてのみなさんと手をたずさえ、その共同の発展と勝利のために、あらゆる面で知恵と力を発揮してたたかいぬく決意です。

(２０１３年０８月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

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週間日誌／１３年７月２８日〜８月３日

政治・経済

　◆麻生副総理がナチス擁護　麻生太郎副総理（財務相）が東京都内の講演で改憲問題について「（ナチスの）あの手口に学んだらどうかね」と暴言（２９日）

　◆追加オスプレイが陸揚げ　米海兵隊普天間基地（沖縄県宜野湾市）に追加配備される１２機のオスプレイの岩国基地（山口県岩国市）への陸揚げが強行される（３０日）

　◆失業率が４年８カ月ぶりの低水準　総務省が発表した労働力調査によると、全国の６月の完全失業率（季節調整値）は３・９％と前月に比べ０・２ポイント低下。低下は３カ月ぶりで、２００８年１０月以来４年８カ月ぶりに３％台へ低下（３０日）

　◆臨時国会が開会　第１８４臨時国会が召集され、参院選挙で初当選・改選を果たした日本共産党参院議員８氏がそろって初登院（２日）（写真）

　◆社会保障国民会議が全面改悪案を公表　政府の「社会保障制度改革国民会議」が最終報告書案の各論部分を公表し、医療・介護・年金・保育の全分野で改悪方針（２日）

社会・国民運動

　◆安愚楽牧場元社長ら告訴　「和牛オーナー制度」をめぐる特定商品預託法違反事件の被害者は運営元の安愚楽（あぐら）牧場（本社・栃木県那須塩原市）の三ケ尻久美子元社長ら３人を詐欺罪で告訴（２９日）

　◆脱法ハウスを公表　国土交通省は、オフィスや倉庫で使うと称し極端に狭いスペースに人を居住させる「違法貸しルーム」（脱法ハウス）の疑いのある物件がこれまでに３９８件に上ることを明らかにしました。うち３２件で建築基準法違反を確認し、是正を指導（３０日）

　◆ブラック企業被害対策弁護団結成　労働者を酷使して使い捨てにするブラック企業の被害者を支援しようと全国各地の弁護士が参加する弁護団を結成。相談活動や裁判支援を通じて被害救済にあたるほか、ブラック企業の根絶に向けて社会への問題提起や実態調査に取り組む（３１日）

　◆原爆症８人認定　国が原爆症認定の申請を却下したのは違法だと訴えた裁判で、大阪地裁判決。原告８人全員の却下処分を取り消し、「原爆症の認定をすべき」と国に命じる（２日）

国際

　◆カンボジア総選挙野党大幅増　カンボジア下院（定数１２３）の総選挙で野党・カンボジア救国党が２９議席から５５議席に増やし、与党・人民党は単独過半数を維持したものの９０議席から６８議席に後退（２８日）

　◆米ファストフード労働者がスト　ニューヨークやシカゴ、デトロイトなど全米７都市でファストフード店で働く労働者が最低賃金の大幅引き上げと労働組合結成の権利を求めてストライキ（２９日）

　◆中東和平交渉が再開　ケリー米国務長官はワシントンで会見し、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉が約３年ぶりに再開したことを発表（３０日）

　◆ロス近郊に「慰安婦」像　米ロサンゼルス近郊のグランデール市中央の公園で旧日本軍の韓国人「慰安婦」を象徴する少女像の除幕式が行われ、米西岸に「慰安婦」像が初めて設置（３０日）

　◆伊元首相が脱税で有罪確定　脱税罪に問われたイタリアのベルルスコーニ元首相の裁判でローマの破棄院（最高裁に相当）が禁錮４年の高裁判決を支持し、有罪（恩赦法により直ちに１年に減刑）が確定（１日）

( ２０１３年０８月０５日， 「赤旗」）（Page/Top）

視点２０１３／ニュースを読む／ヘイトスピーチデモの背景／歴史認識のゆがみ温床に／栗原千鶴

国連が政府に勧告

　「ヘイトスピーチはあかん」「仲良くしよ〜や」―。そんなプラカードを手に７月、市民が大阪の町をパレードしました。社会問題となっている民族排外主義をあおるヘイトスピーチ（憎悪表現）に対する抗議行動です。ヘイトスピーチがいまなぜ日本で横行するのか、デモの現場から考えました。

　大阪市の繁華街を南北に貫く御堂筋。民族衣装に身を包んだ人たちや、バラや風船を持った人たち約６００人がパレードしました。

形になった差別

　娘と参加した女性（４２）は父親が韓国人で母親が日本人。在日３世にあたりますが国籍は日本です。最近ヘイトスピーチデモが行われていると知り「衝撃を受けた。差別が形になって見えた」といいます。

　デモを行っているのは「在日特権を許さない市民の会（在特会）」を中心とした団体です。今年に入り、各地で頻繁に行われるようになりました。「殺せ、殺せ朝鮮人」「ガス室に朝鮮人、韓国人をたたき込め」などと耳を疑うような言葉を発し、韓国・朝鮮籍の人が多く住む地域でデモをしています。

　国会内で開かれたデモに抗議する集会で、社会学者の鄭暎惠（チョン・ヨンヘ）さんは訴えました。

　「想像してみてください。皆さんがどこか外国で暮らし、週末自宅で休んでいたら家の前の通りから『日本人は首をつれ』と数十人がデモをしている声が聞こえてきたら、どう思われますか。これが現実に日本で起こっていることです」

　鄭さんの夫は日本人。娘も日本国籍ですが、本名は朝鮮の姓を持っています。祖父母の文化も理解したいと東京韓国学校に通っていましたが、安心して暮らしたいと海外での生活を選択しました。時折、涙ぐんで語る鄭さんの姿に被害の深刻さ、無念さが伝わってきて胸が痛みました。

　また、排外主義を考える上で見過ごせないのは、一握りの団体だけの問題ではないということです。４月、東京都町田市の教育委員会が新小学１年生に配布する防犯ブザーを、「北朝鮮情勢」を理由に市内の朝鮮学校にだけ渡さなかった事件がありました。抗議が殺到し、市教委はあわてて撤回しました。

　『ネットと愛国　在特会の「闇」を追いかけて』の著者でジャーナリストの安田浩一さんは「現政権や保守派の改憲への動き、言動は排外主義グループに栄養を『供給』している」と指摘します。

人権感覚を問う

　心ない民族差別が横行している背景には、日本の政治的土壌があります。温床になっているのが安倍晋三首相や「維新」共同代表の橋下徹大阪市長のような過去の戦争を美化・合理化する歴史認識です。

　５月に開かれた国連社会権規約委員会は日本政府に、排外主義グループが日本軍「慰安婦」は売春婦だったという趣旨のヘイトスピーチを繰り返していることに対して改善を求め、日本政府が朝鮮学校だけを高校授業料無償化制度から排除したことにも「差別禁止」が図られるべきだとしました。

　国連拷問禁止委員会でも、政治家が公に「慰安婦」問題を否定し被害者に心的外傷を与え続けていると指摘され、日本政府は早急に効果的な措置をとるよう勧告されました。しかし安倍政権は「従う義務はない」と勧告を無視する態度です。

　戦後の国際秩序はファシズムと侵略戦争への断罪を共通の土台として築かれました。

　１９４８年の第３回国連総会で採択された世界人権宣言は、第２次世界大戦の経験を踏まえ、基本的人権を定めました。

　第１条にはこうあります。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」

　侵略戦争を美化する人物が首相や政党の代表を務め、副総理がナチズムを肯定する―。これがいまの日本政府です。問われるべきは、世界の流れから逆行した歴史認識と人権感覚です。

　（社会部副部長）

( ２０１３年０８月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

原水爆禁止世界大会／安倍政権の歴史認識が北東アジア不安定要因／緒方副委員長の発言／国際会議

　原水爆禁止世界大会の国際会議で４日、同大会議長団の一員で、日本共産党の緒方靖夫副委員長が発言しました。その発言を紹介します。

　参院選挙で、中間的な諸政党が衰退するもとで、自民党政治と真正面から対決した日本共産党が躍進しました。比例代表で自民党対共産党の得票を約３・５対１に縮め、東京と京都という日本を代表する現旧首都で自民党に次ぐ第２党となりました。政治的には「自共対決」の時代に入ったといわれています。

　安倍政権の右翼的性格と国会での安定多数は、アジア諸国、日本国内に懸念をもたらしています。その政策は国民の願いとは異なり、世論と運動の発展により、危険な道を進ませてはなりません。今後の日本をめぐり、危険な道がある一方で、たたかいで切り開く新しい展望があります。

　北東アジアの平和と安定の課題は、世界大会に集まった核兵器廃絶を求める世界の運動に密接に関連しています。北朝鮮による核兵器保有の宣言、日本と中国の領土紛争、米軍の配備と基地の強化などがあります。日本の進歩勢力が積極的に取り組むべき課題は、多様かつ重要です。

　安倍首相が表明してきた歴史認識の問題は、北東アジアの情勢を不安定にする要因になっています。日本が中国や韓国と通常の外交ができないことも、米政権のアジア政策の障害となっています。

　安倍政権は、旧日本軍の「慰安婦」問題で、人権などの普遍的価値に反する存在として問題にされ、世界から孤立する道をすすんでいるときに、安倍首相は「価値観外交」なるものを掲げて、北東アジア周辺を訪問していますが、かえって北東アジアでの日本外交不在が目立つ状況です。

　この特異な安倍内閣の歴史認識を封じ込めることは、日本が当たり前の政治・外交をすすめるうえでの大前提の課題です。

　そのうえで、第一に重要な課題は、日本政府の立場も含めて「核抑止力」論との決別です。

　第二に、世界政治の公認の原則・紛争の平和的話し合い解決の立場に徹することです。

　第三に、日本国憲法を守ることです。

( ２０１３年０８月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

河野談話２０年／「慰安婦」問題解決全国行動が声明

　日本軍｢慰安婦｣問題で､軍関与と強制性を認めた河野内閣官房長官(当時)の談話発表から２０年を迎えた４日､日本軍｢慰安婦｣問題解決全国行動(梁澄子､渡辺美奈共同代表)は声明を発表しました｡

　声明は、第２次安倍内閣のスタートとともに再び「河野談話」「村山談話」の見直しを示唆し、「本心が談話の否定にあることは明白」と指摘。「いま首相に求められていることは、憲法改正＝戦争のできる国づくりではなく、過去の歴史に向き合い、アジアの中で信頼関係を築くことであり、国際社会からの信頼を回復すること」としています。

( ２０１３年０８月０５日， 「赤旗」）

懲りない麻生副総理／��ナチスに学べ�≠ｾけじゃない／過去の暴言の数々

　ナチスの手口に学んだらどうか―。麻生太郎副総理・財務相の戦後国際政治の土台を覆す暴言に世界が仰天、批判が集まっています。麻生氏は発言を「撤回」しましたが、同氏の過去の偏見・差別に満ちた右翼的発言の数々（別項）を見るにつけ、今回の発言が偶然の産物ではないことがはっきりしました。本人の副総理辞任はもとより、同氏を任命した安倍首相の責任も問われています。

婦人参政権は失敗／（創氏改名は）朝鮮人の「名字くれ」が始まり／アルツハイマーの人でも分かる／（お年寄りは）さっさと死んで

麻生氏の主な暴言録（カッコ内は発言時の肩書と場所）

　１９８３年２月　「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗」（自民党青年局長、高知県議選の応援演説）

　２００３年５月　「（創氏改名は）朝鮮人の人たちが『名字をくれ』と言ったのがそもそもの始まり」（自民党政調会長、東京大学での講演）

　２００５年１１月　小泉首相の靖国参拝について「祖国のために尊い命を投げ出した人たちをまつり、感謝と敬意をささげるのは当然。首相としても簡単に譲るわけにはいかないと思う」（外相、鳥取県での講演）

　２００６年７月　北朝鮮のミサイル発射について「（朝鮮労働党の金正日総書記に）感謝しないといけないかもしれない」（外相、広島市内での講演）

　同年１０月　核武装をめぐる議論で「隣の国が持つとなった時に一つの考え方としていろいろな議論をしておくことは大事だ」「非核三原則を政府として堅持する立場に変わりないが、日本は言論統制された国ではない。言論の自由を封鎖するということにくみしないという以上に明確な答えはない」（外相、衆院テロ・イラク特別委員会など）

　２００７年２月　米議会の従軍慰安婦決議案に「客観的事実に基づいていないのではなはだ遺憾なものだ」（外相、衆院予算委員会）

　同年３月　中東和平外交で「米国人にできないことを日本がやっている。日本人というのは信用がある。青い目で金髪だったら多分駄目よ」「われわれは幸いにして黄色い顔をしている。そこ（中東）で搾取をしてきたとか、ドンパチ、機関銃撃ったとか一回もない」（外相、長崎県での講演）

　同年７月　日本の農作物輸出に関し「７万８千円と１万６千円はどっちが高いか。アルツハイマーの人でも分かる」（外相、富山県高岡市での講演）

　２００８年８月　「（国会で）審議をしないとどうなるか。ドイツでは昔、ナチスに一度（政権を）やらせてみようという話になった」（自民党幹事長、幹事長就任のあいさつで訪ねた江田五月参院議長に）

　同年１２月　ハローワーク渋谷で「何を自分でしたいか決めないと、なんかありませんかねっていうんじゃ、仕事はみつからないよ。目的意識がきちんとないと、雇う方だってその気にならない」（首相、東京都のハローワーク渋谷）

　２０１３年１月　終末期医療で「政府のお金で（高額医療を）やってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろ考えないと解決しない」（副総理・財務相、政府の社会保障制度改革国民会議）

　同４月　食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている。公平ではない。無性に腹が立つ」（東京都内の会合）

( ２０１３年０８月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

８月１５日の靖国参拝に懸念／��再び周辺地域と緊張の恐れ�＝^米議会報告書

　【ワシントン＝時事】米議会調査局は２日、日米関係に関する報告書を公表し、安倍晋三首相や安倍内閣の閣僚が終戦記念日の８月１５日に靖国神社に参拝すれば「周辺地域の緊張を再び高める可能性がある」と懸念を示しました。

　報告書は「安倍首相や閣僚による歴史問題に関する発言と行動は、周辺国との関係を不安定にさせ、米国の国益を損ねるとの懸念を高めてきた」と説明。靖国参拝のほか従軍慰安婦や島根県・竹島の問題などに関する首相の対応は近隣諸国だけでなく米国からも引き続き注視されていくと指摘しました。

　また、首相は日米同盟強化を打ち出しているものの、中国や韓国との関係悪化を避けられるか疑問も持たれていると紹介。首相が日米関係をどう維持していくか依然として不透明との見方を示しました。

　報告書は日本や日米関係の現状について定期的にまとめているもので、議員への情報提供が目的。

( ２０１３年０８月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

平和のための戦争展開催中／山口市で４日まで

　第１６回山口・平和のための戦争展（同実行委員会主催）が、山口市民会館展示ホールで開かれています。４日まで。入場料無料。

　今回は、福島原発事故の「現状と近未来」と題して、放射能汚染状況の紹介や原発の「新規制基準」をＱ＆Ａ方式で解説。新日本婦人の会が６月、上関原発建設に粘り強く反対している祝島の女性たちと交流したようすを写真で紹介。山口市原水協所蔵の「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間」の写真パネル、日本軍「慰安婦」問題で元「慰安婦」の証言、陶器で作った手りゅう弾などを展示しています。

　市民会館に来て戦争展を知ったという４０歳の女性は、「安倍首相が国防軍などと言って何か怖いですね。さらに麻生太郎副総理がナチスを肯定するような発言をして、なおさらその感じが強くなりました。多くの国民が二度と戦争はしてはならないと思っているのに。政治家としての資質が問われると思いますね」と話しました。

(２０１３年０８月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

２県都で戦争展／加害と被害の実態を展示・前橋／「核と原発」をテーマに開催・甲府

加害と被害の実態を展示／前橋

　群馬県前橋市の前橋プラザ元気２１で２日、２０１３平和のための戦争写真展が始まりました。前橋平和委員会など５団体でつくる実行委員会が主催。４日まで。

　会場には、旧日本軍による中国、東南アジア侵略や、広島・長崎の被爆写真など、戦争の加害、被害の実態を示す３００点を超える資料が展示されています。群馬関連では、１９４５年８月５日の前橋空襲や中国人強制連行の資料、県下に爆音被害をもたらしている米軍機の飛行実態を示す資料も展示されています。

　会場を訪れた関口優子さん＝前橋市＝は「戦争体験は語り継がないといけないと思います。子どもにも、関心を持ち続けてほしい」と話しました。息子の真司君（７）は「おじいちゃんから、戦争で小学校も焼けたと聞きました。戦争の写真は怖かった」と述べました。

　６歳の息子と展示を見ていた平井久美さん＝前橋市＝は「ちょうど今朝、息子から��戦争ってなんだったの�≠ﾆ聞かれましたが、うまく説明ができませんでした。子どもと一緒に見て、考えることができる展示はいいですね」と語りました。

　戦争写真展は、３日（土）午前９時〜午後７時、４日（日）午前９時〜午後４時。問い合わせは０２７（２１０）２１８８前橋プラザ元気２１まで。

「核と原発」をテーマに開催／甲府

　８回目の開催となる「平和を願う山梨戦争展」が２日、甲府市のぴゅあ総合ギャラリーで始まりました。７日まで。

　１９９５年からテーマを決めて開いているもので、今回は、「核と原発」をテーマに「チェルノブイリ・フクシマ展」として開かれました。

　主催は、大澤英二氏（山梨ＹＭＣＡ）、手塚正彦氏（山梨高教組）ら５氏が呼びかけた実行委員会。

　会場には、チェルノブイリ原発事故でヨーロッパに広がった放射能汚染の図表や事故を報じる当時の新聞をはじめ、福島原発事故、「従軍慰安婦」問題の資料が展示されています。

　期間中、講演会（４日）や討論会（６日）も行われます。

　呼びかけ人の一人、山梨母親大会連絡会の中原節子さんは、「福島第１原発の事故からすでに２年４カ月。いまだにその実態すら明らかにされず、再稼働、輸出です。核と原発に正面から向き合わなければならない時です。多くの方々の来場をお待ちしています」と話しています。

　問い合わせは、山梨高教組０５５（２２２）４８２８まで。

(２０１３年０８月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

平和のための戦争展／１万人以上来場／「これからも続けて」／埼玉

　７月２５日から２９日まで、さいたま市の浦和駅西口のコルソ７階ホールで開かれた「２０１３平和のための埼玉の戦争展」（主催・同展実行委員会）には、昨年をこえる１万人以上が訪れました。

　来場者からは「今の日本国憲法があるから戦争もせず安全な世の中でいられる」「戦争展は貴重。これからもずっと続けてほしい」などの感想が寄せられています。

　戦争展は今年で３０回目。実行委員会によると、「従軍慰安婦」問題や核兵器廃絶を訴えるパネル展示を見ながら、熱心に解説を聞きメモを取る高校生など青年の姿も目立ちました。

　イベントルームではアニメ映画上映、講演などのほかに、被爆体験を語る朗読、青年のピーストークなど多彩な企画が行われました。ピーストークに参加した青年からは「被爆者が高齢化しているなか、伝えつなげていく責任が私たちにある」などの感想が聞かれました。

　２８日には��チンドン屋�≠�先頭に、青年が浴衣を着て浦和駅前でアピール行動。多くの市民が戦争展のチラシを受け取ったといいます。

　田中熙巳（てるみ）実行委員長は「憲法を変えようとする政権のもとで、市民の関心も高まっていると感じた。そういうなかで、特に戦争を知らない若い世代にも日本の過去の侵略戦争の歴史を学んでもらい、二度と戦争をしないためにこれからも戦争展を続けていきたい」と話しています。

(２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」／学者らサイト開設

　研究者や専門家、市民などでつくる日本軍「慰安婦」問題ｗｅｂサイト制作委員会（吉見義明、西野瑠美子共同代表）は１日、日本軍「慰安婦」制度にかんする明確な出典・根拠を持つウェブサイト「ＦＩＧＨＴ　ＦＯＲ　ＪＵＳＴＩＣＥ　日本軍『慰安婦』―忘却への抵抗・未来への責任」を開設し、東京都内で記者会見しました。

　「慰安婦」問題の解決をめざし、根拠が明確な資料や証言を提供する同サイトは、「入門編」「Ｑ＆Ａ」「証言」「映像」などの部門に分かれ、支援者からの寄付で運営されます。

　「慰安婦」問題の第一人者で「入門編」を編集した吉見中央大学教授は「インターネットには『慰安婦』を否定するサイトが多く、若い人に事実を知ってもらうためにサイトを開設した」と説明し、若い世代が利用することを期待します。

　「一番力を入れている」という「Ｑ＆Ａ」を担当した林博史関東学院大学教授は「政治家などから、さまざまな暴論が繰り広げられているが、主な論点には反論しているつもりです。継続的に中身を増やしていきます」と話しました。

ｈｔｔｐ：／／ｆｉｇｈｔｆｏｒｊｕｓｔｉｃｅ．ｉｎｆｏ／

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／下／「叫ぶな」銃剣で脅し、暴力

海南島に６２カ所余、女性数千人

　海南島の澄邁県に住む３人の元「慰安婦」が訴えるのが、日本軍に脅されて強制的に「慰安婦」にさせられた経験です。

強制労働に加え

　李美金さん（８９）は１９４１年、１７歳の時に村に来た日本軍に捕まり、日本軍の飛行場で強制労働をさせられました。そのうえ夜は「慰安婦」として、１日に２、３人の日本兵の相手をさせられました。

　１カ月以上、草で作られた粗末な建物に押し込められました。日本軍の暴力が怖く、「お父さん、お母さん助けて」と叫ぶと、日本兵が銃剣を李さんの胸の前に出し、「叫ぶな」と脅しました。「死ぬことが怖かったから、そのまま暴力を受けるしかなかった。常に監視され、逃げる気も起きなかった」といいます。

　父親がお金と食糧を日本軍に渡して、やっと帰ることができました。１９４６年に結婚し、３男３女をもうけました。それでも心の傷は何十年も消えることはありません。

恐怖と苦痛で…

　符美菊さん（９０）は１９４０年、１７歳の時に、労働力として、村の十数人の若者と一緒に日本軍に捕まりました。ほかの人は夜になると村に帰されたのに、符さんは一人だけ残され、「慰安婦」にさせられました。日本軍が道具を置いておく簡単な建物に閉じ込められました。ベッドはなく、床に布を敷いただけ。１日に２、３人の相手をさせられました。

　恐怖と苦痛で、水ものどを通らなくなりました。半月後、日本軍は仕方なく符さんの父親を呼び寄せ、瀕死(ひんし)状態の符さんを引き取らせました。

　１９４９年に夫と結婚し、長男が生まれました。しかし夫と長男は若くして死亡、長男の嫁が家を出て行ったため、一人で孫を育てました。孫は中学卒業後、働きに出て、２０１０年に符さんのために家を建ててくれました。いまも２２歳の孫と２人暮らしです。

抵抗にはビンタ

　王志鳳さん（８９）は１９４１年、１７歳の時、祖母の家から帰る途中で２人の日本兵に捕まりました。ほかの村から連れてこられた５、６人の女性と一緒に約２カ月間、昼は塹壕（ざんごう）掘りをさせられ、夜は日本兵に強姦（ごうかん）されました。抵抗すると、ビンタをされ、足で蹴られました。

　１９４６年に結婚し、３人の子どもが生まれましたが、不幸は続きます。長女は出産時に死亡しました。長男は独立したものの、次男は未婚のまま。王さんの末の弟は結婚できず、１９９０年ごろから一緒に暮らしています。いまでも貧しい暮らしを強いられています。

　海南島の元｢慰安婦｣の調査を何度も実施している上海師範大学・中国慰安婦問題研究センターの蘇智良主任は、わかっているだけでも海南島に６２カ所以上の「慰安所」があったと指摘。「慰安婦」の多くは海南島の各地で日本軍が捕まえてきた女性であり、その数は数千人に上るといいます。「日本軍は残忍だった。彼女たちは『慰安所』で非人間的な苦痛を受けた。どれだけの女性がそこで命を落としたかわからない」と蘇教授は語ります。

　（中国・海南島＝小林拓也）

　（おわり）

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

戦時性暴力の被害者が証言／１１日東京でシンポ

　「国際シンポジウム　戦時性暴力被害者から変革の主体へ」が１１日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザ・ホールで行われます。

　主催は日本軍「慰安婦」問題解決全国行動　８・１４を国連記念日にしよう！キャンペーン。

　フィリピンから日本軍「慰安婦」被害者が特別参加し証言します。

　シンポジウムの基調講演は「女性の参加が平和を持続可能なものにする〜安保理決議１３２５号のコアメッセージ」と題してアンワラル・チャウドリー元国連安保理議長が行います。

　韓国挺身隊問題対策協議会常任代表の尹美香氏は「日本軍『慰安婦』被害者が変革の主体になるとき」、京都大学教員の岡真理氏は「記憶を普遍化し、未来に引き継ぐことの意義」と題して発言します。

　◇

日時　８月１１日（日）午前１１時から

場所　東京ウィメンズプラザ（東京都渋谷区神宮前５の５３の６７）ホール

参加費１０００円

問い合わせ先＝ｉａｎｆｕ―ｋａｉｋｅｔｓｕ＠ｆｒｅｅｍｌ．ｃｏｍ　ファクス０３（３２０２）４６３４

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

潮流

　不破哲三さんが雑誌『前衛』に連載中の「スターリン秘史」を楽しみに読んでいます。ディミトロフの日記を縦軸に、スターリンの覇権主義やソ連が巨悪化する過程を解き明かしていきます▼ソ連史にとどまらず、世界の新たな歴史がわかる連載は、ドイツにナチス政権が生まれる前後から始まりました。ヒトラー率いるナチス党は、政権をとるために財界工作や警察権力を握り、国防軍とも手を結びます▼自分たちで国会に放火しながら共産党に罪をなすりつけ、議席も剥奪。ついにナチス党以外の政党を禁じ、独裁体制へ。そのなかで「全権委任法」を成立させ、ワイマール憲法を葬り去ったのです▼こうしたヒトラーの謀略や暴力的なやり方にまったく触れず、麻生副総理がナチスを肯定するような発言をしました。「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。あの手口学んだらどうかね」▼あまりのことに、内外から驚きと怒りの声がわき起こりました。大戦を引き起こし、ユダヤ人を大虐殺し、世界を恐怖に陥れたナチズムを引き合いに出すとは―。撤回はしたものの、「国際的な常識や規範を大きく逸脱したもの」（朝鮮日報）などと批判されるのも当然です▼それにしても、橋下「慰安婦」発言や侵略戦争を美化する安倍首相をはじめ、国際社会がよって立つ歴史に背く政治家の暴言が相次ぎます。歴史から学ぼうとせず、日本を世界から孤立させる勢力には、政治の舞台に立つ資格はありません。

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏の暴言／学習会で論破／ひろしまネット

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワーク（土井桂子氏ら５共同代表）は７月２８日、日本維新の会共同代表で大阪市長の橋下徹氏の暴言を告発する学習会を広島市中区の市男女共同参画推進センターゆいぽーとで開き、約４０人が参加しました。広島市立大広島平和研究所の田中利幸教授が「橋下発言、ここが問題」と題して講演し、橋下氏の暴言を事実にもとづいて論破しました。

(２０１３年０８月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／上／日本政府はなぜ謝らないの／「おばあさんの心は苦しい」

　中国の最南端に位置し、リゾート地として知られる海南島は、１９３９年から４５年まで旧日本軍の侵略を受け、多くの悲劇が生まれました。強制的に「慰安婦」にさせられた女性も多く、現在確認されているだけでも約２０人の生存者が生活しています。海南省の澄邁県に住む３人の元「慰安婦」を訪ねました。

　（中国海南省＝小林拓也）

　海南省の省都・海口から西へ車で１時間ほど走り澄邁県の中心部へ。そこからさらに車で山道を１時間ほど走った場所にあるのが、元「慰安婦」が住む村・中興鎮です。村の周辺にはゴムの木やバナナの木が植えられ、放し飼いの黒豚や鶏が走り回っています。澄邁県は「長寿の里」としても知られ、足腰がしっかりした９０歳近い元「慰安婦」たちが元気に迎えてくれました。

銃剣で無理やり

　李美金さん（８９）、王志鳳さん（８９）、符美菊さん（９０）の３人は海南島に侵略してきた日本兵に銃剣で脅され、無理やり「慰安婦」にさせられました。１７歳前後の青春時代、１カ月以上にわたりベッドもない粗末な部屋に押し込められ、床に敷かれた布の上で１日に２、３人の日本兵の相手をさせられました。

　自分の経験を語ってくれた李さんは「アポ（現地語で『おばあさん』）の心は苦しい」と涙を浮かべて記者の手を握りしめました。彼女たちの心の傷は何十年たっても消えることはありません。彼女たちをさらに苦しめているのが、いまだに謝罪も賠償もしない日本政府の態度です。

　王さんは抵抗した時に日本兵に何度もビンタされ、耳がよく聞こえなくなりました。当時の恐怖はいまも消えていません。「こんなに暴力を受けて殴られた。でも日本政府からは、謝罪も賠償も何もない。日本政府は一体どうするつもりなのか」と訴えます。

　李さんは、「慰安婦」にさせられた後、日本兵から受けた暴力と苦痛が頭から離れず、ショックで何も食べられなくなりました。みるみる痩せて、栄養失調で顔が黄色くなりました。

　「私を捕まえて、暴力をしておいて、なぜ日本政府は謝らないのか。いまもし戦争が起きたら、自分には力はないけど、日本軍に仕返ししたい｣と話しました｡

歴史わい曲憤り

　符さんは日本軍の「慰安婦」にさせられた時、恐怖と苦痛で、水さえのどを通らなくなり、瀕死（ひんし）状態に陥りました。父親が家に連れて帰ってからも、１カ月以上寝たきりで過ごしました。

　歴史をねじ曲げる日本政府の態度に対し、「考えられない」と憤ります。また日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度は必要だった」などと発言したことに関しこう語りました。「私たちは強制的に『慰安婦』にさせられた犠牲者だ。橋下氏のいう『必要』というのは銃剣で脅しながら、恐怖を与えながらの必要だ。その必要は正当化できるのですか」

( ２０１３年０８月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

米ロス近郊に慰安婦像／「若い世代は正しい歴史を学んで」／韓国系市民ら

　【グレンデール（米カリフォルニア州）＝時事】米ロサンゼルス近郊のグレンデール市中央の公園で３０日、旧日本軍の韓国人慰安婦を象徴する少女像の除幕式が行われました。ソウルの日本大使館前に設置された少女像のレプリカで、韓国系市民団体が寄贈。米西海岸に慰安婦像が設置されたのは初めて。

　式典には韓国系市民ら約３００人が参加。設置を賛成多数で許可した市議会のラウラ・フリードマン議員は「きょう、グレンデールは韓国系市民、世界中の性暴力被害者、全ての罪のない戦争犠牲者と一体となりました。この像は性暴力と性奴隷を思い起こさせるものとして、永遠に立ち続けるだろう」とあいさつしました。

　韓国から参加した元慰安婦、金福童（キム・ボクトン）さん（８７）は「若い世代はこの像から正しい歴史を学んでほしい」と訴えました。

( ２０１３年０８月０１日，「赤旗」）

（Page/Top）

（７月）ヘッドライン

戦争風化させない／「慰安婦」問題を「初めて知った」／松山で平和展

「慰安婦」発言／橋下市長は謝罪と撤回を／尼崎市議会女性議員有志６人

朝の風／橋下氏を問い詰める質問状

論壇時評／谷本諭／侵略美化と「日米同盟」の矛盾つく

鼓動／「横断幕」きっかけに相互理解を深めよう／東アジア杯サッカー

憲法守り非同盟運動に連帯／日本ＡＡＬＡが大会

歌壇／ひたむきに真実に進む

本立て／「慰安婦」バッシングを越えて／「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編

都議会みんなの党分裂／背景に「維新」との統一会派問題／「泥仕合」「節操ない」と批判の声

原発事故の収束宣言を撤回し、再稼働をやめるべきだ／小池副委員長が主張／ＴＢＳ系番組

維新橋下代表は続投／役員会で現体制維持確認

安倍政権「教育再生」メンバーの危険な持論／強制頼みの教育観／ゆがんだ歴史認識

橋下市長の暴走あかん／大阪市労組など宣伝にエール

��新党�≠ﾅ看板かけ替え狙う／橋下氏

「国粋主義への支持ではない」

橋下氏また「誤報」論／メディアが議席とれるか…と挑発

歴史的チャンス／比例５議席必ず／参院選あす投票／共産党に広がる期待と共感

��躍進のチャンス�＝^元国会議員も支持拡大／石井さん、教育関係者らに

憲法生かす政治へ／小池比例候補、都内６カ所で訴え

「慰安婦」認識／橋下氏無回答／吉見氏が声明

ヘイトスピーチ・政党アンケート／在日コリアン青年連合、結果を公表／共産党が回答、対策は「必要」

橋下氏、誤報論はライフワーク

守れ憲法・戦争ごめん／河之口真一さん大阪・大阪市／��安倍・橋下氏は危険�＝^平和のため軍体験語る

フジテレビ系新報道２００１／市田書記局長の発言

斎木次官が韓国外相と会談

参院大阪選挙区候補（定数４）／国民の懐あたため景気回復！格差是正！／走る！たつみコータロー

「四つの転換」訴える共産党／各党と比べると

参院選／この思い託したい／アートディレクター日高千賀子さん（４７）大阪・豊中

東京選挙区各候補の公約は／吉良氏、改憲・増税・再稼働きっぱり反対

「慰安婦」問題の真実を読む／安倍発言のごまかしを正す／吉川春子

参院選―シリーズ「自共対決」これが争点だ／歴史認識／共産・逆流と対決「日本の良心」

参院選各党は／維新の会／「第３の矢」実行売り込む補完勢力／改憲連合もくろむ逆流の先兵

「自共対決」を貫いて、民主・維新にも審判を／演説会で山口党府委員長／大阪

口つぐむ首相

「慰安婦」像設置決まる／西海岸で初めて／米国・グレンデール

日本母親大会来月２４・２５日／早めの申し込みを

激戦参院選／選挙区の様相／大阪（改選数４）／１５年ぶり議席へ大激戦／たつみ候補

抗議意見は「市民の声でない」？／「慰安婦」暴言で橋下氏

比例候補は訴える／小池晃さん／活動地域・東京、南関東／憲法９条の立場で平和外交を

橋下妄言に栃木から抗議／女性議員連盟

参院選比例代表／日本共産党の政見放送

朝の風／強まる高校教科書への攻撃

橋下氏暴言の言い訳に終始

メディアをよむ／須藤春夫／ＮＨＫ国際放送の課題

��国民の声聞く党ね�＝^市田・紙・伊藤氏に共感／埼玉

「軍の管理売春の証拠」／沖縄・大量の避妊具出土報道に相次ぎ反響

「共産党、市民の味方って感じ」／「かえるネット」宣伝対話で青年たち共感／大阪

橋下氏応援演説に聴衆引く

日本よくする第一歩に／対案示し訴え全力／たつみ候補、選挙区駆ける／大阪

��頼み�≠ﾌ大阪…、でも聴衆は激減／維新の街頭演説

「自民とたたかえる党」／共産党第一声、聴衆の声／新宿／大阪

参院選／日本共産党の躍進で、国民の声で動く新しい政治を／志位委員長の訴え／東京での第一声

各党の第一声／消費税増税・原発だんまり／９条改定・規制緩和を主張

各党党首の第一声／立ち位置鮮明／自公、争点隠し／民主、対決の足場ない／維新・みんな、悪政けしかけ

中国元「慰安婦」、日本政府に抗議書渡す

参院選公示初日から元気な党示そう／志位さんの街頭演説こぞって／大阪

憲法改悪を許さない／秋田県母親大会に７１０人

参院選比例５議席で願い実現／あす公示／国政語る集い／七飯新婦人内後援会／北海道

橋下発言質問状／回答結果を公開／キリスト教団体

「結束」呼びかけたが

「慰安婦」国連勧告履行を／安倍内閣の対応批判／緊急集会

日韓外相が会談／歴史認識で韓国が注文

日本外交に提言する／元オランダ大使東郷和彦さんに聞く／戦争回避へ中国と対話を

選挙情報／橋下氏事実ねじ曲げ

７月（本文）（Page/Top）

戦争風化させない／「慰安婦」問題を「初めて知った」／松山で平和展

　第１１回平和展が２５〜２８日、松山市のコミュニティセンターで開かれました。松山市平和資料館をつくる市民の会（畑野稔会長）の主催。畑野会長は「いま、戦争という歴史的事実が風化されつつあります。安倍首相は、憲法を改悪して国防軍を持つと言っています。正義の戦争などありません。歴史的事実を確認し、新しい世界の平和を築きあげたい」と話します。

　ことしは、日本維新の会の橋下徹共同代表の「『慰安婦』は必要だった」などの発言などを受け、「終わらない戦争―慰安婦問題」の企画コーナーも設けられました。

　介護福祉士の女性（２２）は「『慰安婦』問題を初めて知りました。教科書には書かれていなかったので、知りませんでした。資料を実際に目にして、戦争の怖さが分かりました。お話を聞いて、絶対に繰り返してはならないと思いました」と話していました。

(２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」発言／橋下市長は謝罪と撤回を／尼崎市議会女性議員有志６人

　大阪市の橋下徹市長（日本維新の会共同代表）が「慰安婦制度は必要だった」などと発言したことに対し国内外から大きな批判が上がっている問題で、兵庫県の尼崎市議会女性議員有志６人は２９日、謝罪と撤回を求める抗議声明を橋下氏あてに提出しました。

　抗議文は、橋下氏が米軍に対して「風俗の活用」を勧めたことは取り消し、謝罪したものの「女性蔑視、女性の人権と人間の尊厳を踏みにじったことについては、撤回も謝罪もしていません」と指摘。

　橋下氏の一連の発言は、「女性を戦争推進の道具の一つと見ている極めて野蛮な考え」であり「被害者である女性たちの尊厳と名誉を著しく傷つけたばかりでなく、全ての女性を冒涜（ぼうとく）するものであり、公職にある人の発言としては到底許されない」と強調。また、「戦時においては女性への性暴力はつきものであるとの前提に立ち、戦争中であったから仕方がないかの言動は断じて許されない」としています。

　抗議文は、女性市議がいる５会派に呼びかけられ、公明党を除く、日本共産党の真崎一子、松澤千鶴、松村ヤス子各市議のほか、新政会、緑のかけはし、市民グリーンクラブの４会派の女性市議６人の連名。

(２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／橋下氏を問い詰める質問状

　参院選の陰に隠れたが、いま一通の質問状が注目されている。橋下徹大阪市長に対する吉見義明中央大学教授の公開質問状である。

　昨年８月、橋下氏は記者会見で慰安婦問題に関連して、吉見氏が「強制連行の事実までは認められない」と発言した、と述べた。吉見氏は、これは「私の研究の根幹を否定」する発言であるとして発言の撤回と謝罪を要求したが、橋下氏は公には一切回答を拒んだ。そこで７月５日までの期限付きで回答を求める９項目の公開質問状が出されたのである。

　質問は、慰安婦研究の到達点、国際的な水準を踏まえた具体的なもので、かつ質問の根拠となる証言、軍の法令、国際法規、裁判例などを明示している。

　たとえば、軍による強制連行の「証拠はない」とする橋下氏に対し、インドネシアや中国・山西省などで軍による強制連行を認定した数々の判決例を対置。さらに、橋下氏が避けている最大の問題は、日本軍の「慰安所」は軍の施設に軍の命令で作ったものであり、慰安婦はその中で強制されたことだが、そのことを徴募､渡航方法､慰安所規則などの軍の公文書で逐一明らかにしている。

　吉見氏は再度、公開質問状を提出することを発表した。橋下氏はいつまで無責任な態度を続けるのか。

　（鶫）

( ２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

論壇時評／谷本諭／侵略美化と「日米同盟」の矛盾つく

　参院選挙がたたかわれた７月の論壇では、歴史問題・外交・憲法にかかわる安倍政権の暴走を問題視し、その矛盾とほころびをついた論考が目立ちました。

安倍政権が生む対米関係の亀裂

　木下英臣(共同通信記者)「アメリカは第二次大戦の『歴史の修正』を許さない」（『世界』）は、村山談話の「見直し」表明や日本軍「慰安婦」問題への対応など、過去の戦争をめぐる安倍首相の言動が、米国の国民・政界からいかに批判されているかを、米国メディアの論評や米議会調査局報告書を引きながら紹介。侵略を正当化する日本政府の姿勢が戦後の国際秩序への「挑戦」と受けとられ、「同盟国」の米国からも��アジア戦略の障害物�≠ﾆ扱われていることを指摘します。

　侵略美化と｢日米同盟｣の矛盾については、鈴木美勝（時事通信解説委員）「日米同盟派と対米『独立』派に深まる亀裂｣(『中央公論』)も取り上げています。鈴木氏は、安倍政権の支持基盤には、改憲､村山談話｢見直し」、靖国参拝などを推進する勢力と、日米安保を重視する勢力があるが、それらは「完全に重なり合うわけではない」と分析。参院選後、安倍内閣が「ヤルタ･ポツダム体制｣を否定する「戦後レジーム脱却」路線を拡大すれば、政権基盤は弱体化しかねないと指摘します。

歴史逆行を公言／国際社会で孤立

　侵略美化と復古的改憲に突き進む安倍政権の暴走が、対米関係に亀裂をつくり、「日米同盟」を擁護する勢力も批判せざるをえなくなっているのです。

　高橋哲哉（東京大学大学院教授）「自壊する歴史認識」（『世界』）も、「日米同盟」の「強固な支持者」であり、ことあるごとに「自由と民主主義の価値観」を強調する安倍首相が、「戦後レジーム」を否定するのは「自己矛盾」だと指摘。特定の宗教に属さない国立追悼施設である米国のアーリントン墓地を靖国神社と同列視し、国際社会の合意で「侵略」の定義を定めた国連決議（１９７４年・日本政府も賛成）も知らずに「侵略の定義は定まってない｣などと強弁し､｢慰安婦」問題で橋下徹大阪市長を「同志」と持ち上げてきた安倍首相の無知・無定見を全面的に検証･批判します｡

　日本国内でしか通用しない歴史逆行の論理を公言し、米国に批判されると引っ込める、「情けない姿勢」をあらためないかぎり、国際社会で「日本の孤立」はいっそう加速するという高橋氏の指摘は重要です。この政権が、海外で軍事行動を行うために改憲を推進することの危険性を訴えた、同氏の警告は重く響きます。

　安倍政権の改憲策動や自民党改憲草案をめぐっては、かつて防衛庁幹部として自衛隊のイラク派兵を統括した柳澤協二（国際地政学研究所理事長）「今の自民党の憲法改正草案は、戦後の国際秩序そのものを全否定している」（『ＳＩＧＨＴ』夏号）も、「国益を害する」と異論を表明。スタジオジブリ発行の『熱風』７月号では、映画監督の宮崎駿・高畑勲両氏が、「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府が…思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほか」（宮崎氏）、「憲法九条という、世界に向かって掲げた…理想の旗を絶対に降ろすべきでない」（高畑氏）などの思いを語っています。

都議選で躍進の共産党を「特集」

　６月の東京都議選における日本共産党の議席倍増を受け、『週刊ポスト』（７月１２日号）、『週刊朝日』（１２日号）、『サンデー毎日』（１４日号）などで｢共産党特集｣が組まれました。『文芸春秋』の「政界リーダー連続インタビュー」には志位和夫委員長が登場。アベノミクスに対抗する党の経済政策を縦横に展開する志位氏に、インタビュアーをつとめた池上彰氏も、「自共対決の時代を迎えると意気軒昂な共産党」「こういう時期に躍進しないと」と発言しています。

　こうしたなか、日本共産党は参院選でも躍進を遂げました。自民党と対決し、経済・外交・原発などあらゆる分野で根本的対案をかかげる党が前進した大本には、政治と社会の閉塞打開の道をさぐる、国民の模索があります。そうした国民の探求に真正面から応える方向で、論壇が活性化することが望まれます。

　（たにもと・さとし)

( ２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

鼓動／「横断幕」きっかけに相互理解を深めよう／東アジア杯サッカー

　複雑な思いが、消えません。

　サッカーの東アジア・カップ男子の日韓戦。ハングルで書かれた大きな横断幕がスタンドに翻りました。

　「歴史を忘れた民族に未来はない」

　同時に、日本のサポーターの一部が、戦前の日本帝国主義の象徴である旭日旗を掲げたことも報じられています。

　国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）は、応援時の政治的な主張を禁じており、これらは、問題となる行為であることは間違いありません。

　スポーツはさまざまな国の人々が、人種や政治信条を超えて集い、競い合うなかで、互いに理解を深め合うことに大きな役割があります。そこに政治を持ち込み、対立をあおることは、その否定につながるからです。

　同時に、今回の一件は、いまの日韓関係、政治の反映であることも事実です。

　かつて日韓のサポーターの間で、友好的な関係を築いた時期がありました。Ｗ杯の日韓共催が決まって以降です。象徴的だったのは、１９９７年フランスＷ杯アジア最終予選の日韓戦。今回と同じチャムシルスタジアムに、英語の小さな横断幕が掲げられました。

　「ともにフランスに行こう」

　Ｗ杯の出場権をかけた試合で掲げられたこの横断幕。当時、日本サッカー協会会長の長沼健さん（故人）は、その驚きを語っていました。

　「背中に電気が走った。共催が日韓の人々を結びつけた。これがスポーツのよさだと実感した」

　しかし、その後、靖国参拝、竹島、慰安婦問題などで両国政府が対立的になり、日韓関係が冷え込みました。同時に、サポーター同士の関係もしぼんでいきました。今回の事件もそうした中で起きました。

　救いだったのは日本の中心的なサポーターの一人が、こうツイッターでつぶやいていたことでした。

　「今日、韓国側から政治的な旗が出た。なんでサッカー場でわざわざ出すんだろうと思ったら、俺たちの見えない二階席で旭日旗が日本側からも出たと試合後に知った。残念でしかない。…今度、韓国サポーターとも話し合わないとな」

　政治の根本的な解決は、「政治の場」で図られるべきです。同時に、サポーターらが、スポーツを通じて互いに話し合い、知恵をつくし、理解を深め合う。これらがすすむきっかけになればと、願わずにはいられません。

　（和泉民郎）

( ２０１３年０７月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

憲法守り非同盟運動に連帯／日本ＡＡＬＡが大会

　日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会（日本ＡＡＬＡ）は２７日〜２８日、都内で第５１回大会を開きました。

　小松崎栄代表理事が、昨年８月の非同盟諸国首脳会議への参加報告をまじえ、方針を提案。日米安保条約廃棄や米軍基地撤去の運動、改憲や原発の問題など安倍内閣の暴走とのたたかい、「慰安婦」問題での取り組み、組織の拡大・強化などの発言がありました。

　来賓あいさつで日本共産党の緒方靖夫副委員長は、参院選挙のお礼を述べ、日本共産党が綱領で安保条約を廃棄して非同盟諸国会議に参加することを明確にしていると紹介。内外の情勢の下で、日本ＡＡＬＡの運動の大きな飛躍が期待されている、と述べました。

　非同盟諸国会議の議長国イランのナザルアハリ駐日大使は、非同盟運動が大国に頼らず各国の自主性を尊重し、核兵器廃絶、公正で平和な世界秩序をめざしていると述べました。

　南アフリカのペコ大使、キューバのバルデスミランダ臨時代理大使、ベネズエラのカッペッラー一等書記官も、非同盟運動の重要性と、同運動と連帯する日本ＡＡＬＡへの期待を表明しました。

　大会は、�@憲法を守り安保条約を廃棄し、非核非同盟の日本をつくる�A北東アジアでの平和の共同体、非核地帯をめざす�Bそうした運動を支える組織を拡大強化する―などの提案を満場一致で採択しました。

　代表理事に、秋庭稔男、四ツ谷光子、小松崎栄（事務局担当）の各氏を選出しました。

( ２０１３年０７月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

歌壇／ひたむきに真実に進む

　渡辺幸一の歌集『イギリス』（ながらみ書房）は読みごたえのあるものだ。著者は障害を持つ息子のため、よりよい教育環境を求めイギリスに移住し、その国籍を取得して２０年。職業としてはロンドンの金融街に働き、巨大な渦巻きの中で生きている。そうした生活が広い視野をもってダイナミックに、生き生きと歌われているのだ。〈妻と子を守り異国に生きて来ぬわれの阿修羅を胸に住まはせ〉という生活感情をふまえて、世界的視野から日本を見る目は鋭く、かつ深い。

　九条の論理を異国で語るなり貧しけれどもわれの英語で

　明らかに異形の国になり果てし遠き母なる日本を憎む

　慰安婦をめぐりたちまち孤立する世界の中の日本を思ふ

　というように「世界の中の日本」が歌われている。日本の現状は日本にいるよりもイギリスにあってよく見えるのだ。そのイギリスもまた、

　増えやまぬ移民と社会制度との矛盾の中でもがくイギリス

　となっていることもそらさずに見つめている。これが現代だ、現代に生きるひとりの人間の良識によって歌われる重たい哀感に支えられたリリシズムなのだと思い、高く評価したい。表現力についてつけ加えるなら、近頃の修辞に凝ったり、言葉遊びに面白がるのとは異なり、ひたむきに真実に進むリアルな態度も注目していいことだろう。

　今月、印象に残ったものとして『芸術と自由』（梓志乃）、『海風』（山本晶子）などに、現代を生きている確かさを感じさせる作品、エッセーがあった。総合誌などの動向とは異なる地道な営みが生きている。

　「義捐金」はどこへ行ってしまったの避難所体育館に扇風機一台

　（『炸』王藤内雅子）

　隔月刊の雑誌ながらも生命力あり、だ。

　（水野昌雄・歌人）

( ２０１３年０７月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

本立て／「慰安婦」バッシングを越えて／「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編

　日本軍「慰安婦」問題で日本政府に謝罪と補償を求める運動が始まって二十数年。以来、繰り返されてきた「強制連行」の否定や「公娼」だというバッシング、「河野談話」見直し論に対し、史実や問題をめぐる状況を整理して反論します。

　「河野談話」と「慰安婦」制度の真相究明▽日本政府の法的責任▽問題解決にいま何が必要か―の３部構成からなる本書。被害女性らが求めてきた「正義の実現」とは何かをあらためて確認し、真の解決に向け「日本は何をすべきか」を示します。(大月書店　２２００円)

(２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

都議会みんなの党分裂／背景に「維新」との統一会派問題／「泥仕合」「節操ない」と批判の声

　都議会みんなの党（７人）が発足３日目に分裂し、双方が２６日に記者会見を開き、激しく非難し合う泥仕合を演じました。幹事長人事をめぐる確執に加え、背景には日本維新の会（２人）との統一会派問題があることがわかりました。

　都議会みんなの党は野上幸絵都議のひとり会派でしたが、６月の都議選で７人に増え、２３日に会派結成届を提出。ところが幹事長人事をめぐり意見が二分し、２５日の議員総会で決裂しました。

勝手に離脱届？

　野上代表は同日夜、都議会局に両角穣議員ら４人の会派離脱届を提出、都議会みんなの党の構成は３人と公表しました。一方、４人も同日、新会派「みんなの党」（両角幹事長）の結成届を都議会局に提出しました。

　翌２６日の記者会見で、野上氏らは「４人が出て新会派を結成する運びになった」「（会派離脱は）議員本人が了承しないとできない」と説明しました。

　一方、両角氏らは、新都議の会合の経過を紹介した資料を配り、「私どもは離脱するとは一回も言ったことはない」「（野上氏が）離脱届を勝手に出した」と応酬しました。

　記者から「政治不信に拍車をかけるのではないか」の質問が出され、双方が「大変残念で情けない」「泥仕合のようなことは、本当はやりたくない」と、弁明しました。

本部の代理戦争

　両角氏は「（野上氏が）日本維新の会から統一会派を組みたいと申し出を受けた」と説明。「みんなの党」の音喜多駿都議は会見後、「２５日の会議で、野上氏から維新との統一会派結成について提案があったが、議案は事実上はねられた」と語りました。

　みんなの党と日本維新の会は当初、都議選で選挙協力を行い、選挙後は統一会派を組むことで合意しましたが、橋下徹維新共同代表の「慰安婦」暴言を契機に、選挙協力を解消していました。

　都幹部や職員からは「節操がない。あきれる」「新しい都議会がスタートしたばかりだというのに、どっちもどっち。築地市場移転など政策の違いではなく、執行体制や人間関係の好き嫌いで分かれるとはね。これで都民から託された公人としての責任を果たせるのか」「みんなの党本部の内紛の代理戦争という感じがする。迷惑だ」との声があがっています。

　「これはかなり恥ずかしい…小学生が仲間はずれにしているのとどこが違うの？」とツイッターでも批判される始末です。

　（岡部裕三）

(２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

原発事故の収束宣言を撤回し、再稼働をやめるべきだ／小池副委員長が主張／ＴＢＳ系番組

　日本共産党の小池晃副委員長は２７日、ＴＢＳ系番組「サタデーずばッと」で、原発、北朝鮮、消費税増税問題などをめぐり５党代表と討論しました。

原発／電力会社のおごりを助長

　福島第１原発の汚染水流出問題での各党の賛否が問われ、「（東電の隠ぺいを）政府が助長している面がある。収束宣言を撤回すべきだ。今まさに事故の真っ只中なわけで、収束宣言を出すから東電のような無責任なことが許されてしまう。もう一つは（政府は原発を）再稼働する方針だ。電力会社のおごりを助長し、つけあがらせているのは政府の姿勢だ。収束宣言撤回をはっきり言い、再稼働をしないで事故の収束をすべきだ」と主張しました。

　司会の、みのもんた氏が「小池さんが言うように政府が収束宣言撤回をはっきり出したらどうか」と自民党の平沢勝栄政調副会長に問いました。平沢氏が「収束していないことは事実だ」と述べたのに対し小池氏は「だったら、『収束宣言を撤回する』と言うべきだ」と批判しました。

拉致問題／とにかく命あるうちに…

　朝鮮戦争休戦６０周年の行事が行われている北朝鮮をめぐり、みの氏が「現安倍内閣で北朝鮮の拉致問題は解決できるのか」と各党に問い、野党の中で小池氏が「ＹＥＳ」のパネルをはっきりと示したことが注目されました。

　小池氏は「（解決）できるかといえば、それはわからないが（政府に）やってもらわないといけない。昨日（２６日）、横田めぐみさんのご両親が国会に来られた。２００２年の日朝平壌宣言から１１年たっており、とにかく命あるうちに…と本当に切実だ」と指摘。「安倍政権は、日中、日韓の間にささったトゲを抜くべきだ。歴史問題を解決しなければ、アジアが結束して北朝鮮にことをあたることはできない」「日本軍『慰安婦』問題や侵略戦争の問題について間違っていたことを認めることが土台になる」と述べました。

消費税／景気を直撃、増税中止要求

　みの氏が「来年４月からの消費税率を何％にすべきか」と質問。消費税率８％への引き上げを自民、公明が「国際公約だ」と明示。民主党や日本維新の会も「８％」としたのに対し、小池氏は現状の「５％」を示したうえで、「社会保障のためだといいながら、実際は今年１０月分から年金が下がり、さらに連続削減も計画されている」と批判しました。

　小池氏は、大和総研の調査を示し、現役世代で年収５００万円の４人家族で、年金の保険料が上がり、消費税が上がると可処分所得が３０万円減るとの結果を紹介。「（消費税増税は）景気を直撃するし、財政再建どころか、こんなことをやったら税収が減ってしまう。デフレ克服といっているときに、なぜこういうことをやるのか」と批判し、増税中止を求めました。

( ２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

維新橋下代表は続投／役員会で現体制維持確認

　日本維新の会は２７日、橋下徹共同代表（大阪市長）や松井一郎幹事長（大阪府知事）らも出席して、参院選後初の執行役員会を都内の国会議員団本部で開きました。

　橋下氏は大阪市政問題に専念したいと辞任を申し出ましたが、国会議員団側が慰留し続投を決定。執行役員会では橋下氏の国内外で問題となった日本軍「慰安婦」や在日米軍への風俗活用をめぐる発言の責任を問うことなく、石原慎太郎共同代表の続投も含め、現体制を維持することを確認しました。

　執行役員会では参院選の結果を総括し、党運営を協議。その中で橋下氏は松井氏とともに「大阪の課題に集中したい」として辞意を表明しました。しかし、２人以外の役員が反対しました。

　参院選で維新は、「構造改革」路線推進など自民党の補完勢力であることがあらわとなり、目標とした１０議席に届きませんでした。橋下氏は参院選後の記者会見で「勝ちではない」として、自らの進退を執行役員会で議論する考えを示していました。

　松井氏は執行役員会後、記者団に辞意表明について「（選挙結果の）責任をとるという話じゃない」と強調しました。

　また執行役員会で松井氏は「野党がバラバラでは巨大な与党の独断専行を許すことになる」として、政界再編に意欲を示しました。今後の各党との協議については松野頼久国会議員団幹事長が進めるといいます。

　橋下氏は執行役員会後、マスコミの取材に応じることなく国会議員団本部をあとにしました。

( ２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

安倍政権「教育再生」メンバーの危険な持論／強制頼みの教育観／ゆがんだ歴史認識

ＳＭＡＰのヒット曲♪ナンバーワンにならなくてもいい♪／この歌が子どもをダメにする！？

　アイドルグループＳＭＡＰ（スマップ）の大ヒット曲『世界に一つだけの花』が「日本の子供たちをダメにしている」―。こんな持論の持ち主が、「教育再生」のブレーンとして安倍晋三政権の重要ポストに就いています。安倍政権の危険な本質が見えてきます。

　（下渕雅史、浜島のぞみ）

　著書でＳＭＡＰのヒット曲を攻撃しているのは八木秀次氏。安倍政権に教育提言を行う「教育再生実行会議」のメンバーです。「新しい歴史教科書をつくる会」元会長で、「自虐史観によらない教科書」の出版と採択を進めました。過去の日本の侵略や旧日本軍「従軍慰安婦」への軍の関与を認めた「河野談話・村山談話」が「歴史教育を大きく反日自虐的な方向」に向かわせたと主張し、「安倍首相はそのような歴史認識と敢然と戦う政治家」と首相を賛美する��思想的同志�≠ﾅす。若者を戦場に駆り立てた戦前の「教育勅語」の「精神を復活させる」宿願を語っています。

根底に「べっ視」

　八木氏の��教育哲学�≠ﾍ、「教育には何らかの強制が必要であり、子供たちの意思だけに任せていたのでは、とても成り立たない」という��子どもべっ視�≠ﾉ基づいています。子ども自身の内面にある真実や成長への渇望に目を向けない立場です。そこから「手を上げてでも言うべきことを言い、するべきことをさせるのが親の愛情」という暴力必要論が派生しています。

　「ナンバーワンにならなくてもいい」と歌うＳＭＡＰの『世界に一つだけの花』について、八木氏が「こんな歌を学校で歌わされていたのでは子供たちは何も努力しなくなる」と非難するのも、根っこは同じ。競争という「強制力」に頼らなければ子どもの意欲を保てないという教育観・子ども観の貧困です。

　安倍首相が執念を燃やす「教育再生」は、▽国家による統制の強化▽競争の激化▽事実に反した歴史教育の押しつけ▽国家主義的な教育の徹底をねらう道徳の教科化―などを柱としています。八木氏の��信条�≠ﾉぴたりと一致します。

「慰安婦」認めず

　安倍流「教育再生」のもう一人の象徴は、安倍政権が今年から中央教育審議会（文部科学相の諮問機関）の委員に加えた櫻井よしこ氏（ジャーナリスト、「国家基本問題研究所」理事長）です。櫻井氏は「日本政府や軍が慰安婦を強制連行した事実はなかった」と主張し、２００７年と１２年の２度にわたって「歴史事実委員会」の名で米国の新聞に意見広告を掲載。これには安倍首相、下村博文文科相、民主党の北神圭朗氏（元衆院議員）など自民・民主の国会議員が名を連ねました。

　０７年の意見広告の目的は、「従軍慰安婦」問題をめぐるアメリカ合衆国下院の対日謝罪要求決議を阻止することでした。しかし決議は採択され、「日本軍が強制的に若い女性を『慰安婦』と呼ばれる性の奴隷にした事実」を「公式に認めて謝罪」し、「歴史的な責任」を負うよう日本政府に求めました。

　櫻井氏は、「体罰は教育です」と主張する「体罰の会」でも講演。「体罰と呼ぶのか肉体的鍛錬と呼ぶのかの違いがあるかと思うが、そういったことをもう一回取り戻さなければならない」と述べています。

　中教審では、道徳の教科化を「スピードアップしないとならない」とさっそくハッパをかけています。

　世界から孤立するゆがんだ歴史認識や、「強制力」頼みの教育観に立脚する安倍流「教育再生」に、日本の未来をまかせられるでしょうか―。

他にもある、びっくり語録

櫻井よしこ氏「体罰は教育」

　「歴史の事実をゆがめてまで日本国を非難する日本人がいて、彼らが日本非難の大合唱を誘導する」「強制連行を示す資料は皆無だったにもかかわらず、軍による強制を認めて謝罪した河野洋平氏や宮沢喜一氏らも同類」『週刊ダイヤモンド』（今年６月１５日号）

　「（日本は）東京裁判の判決は受け入れたが、日本憎悪から生まれた同裁判の違法性や価値判断まで受け容れたわけではない」（『週刊新潮』２００５年６月１６日号）

　「体罰を教育と位置づけるということは肉体的苦痛をさまざまな形で教育の中に取り入れるということだから、それは人間は無限の可能性を与えられていると同時に、無限の存在じゃないということをきちんと教えることだ」（２００９年、体罰の会講演）

八木秀次氏「教育勅語の精神復活を」

　「教育や躾には強制力が必然的に伴う」「これが望ましく美しいと考える��型�≠ﾉはめるのが教育や躾の本質にほかならない」（『国民の思想』）

　「教育勅語そのものの復活は難しいだろうが、そこに書かれていることは普遍的なことなので、新たな形でその精神を復活させることは必要だ」「母性や父性を重視し『良妻賢母』『父親の威厳』を復権します」（『公教育再生』）

( ２０１３年０７月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下市長の暴走あかん／大阪市労組など宣伝にエール

「慰安婦」暴言、政治家資格なし／敬老パス有料は公約違反

　大阪市役所労働組合（全労連・自治労連加盟）と大阪労連は２５日朝、「ブラック企業化する大阪市役所から住民のいのちとくらしを支えて、福祉を増進させよう」と呼びかけたビラを市役所と２４区の区役所前で配布しました。

　北区役所前では、組合員が流れる汗をふきながら、マイクで訴えます。「橋下市長に批判的です」と出勤する労働者がビラを受け取っていきました。

　「橋下市長の暴走を止めなあかん。頑張ってください」とエールを送るのは北区の男性（５７）。「『慰安婦』は必要だったという発言も、政治家の資格はない」と語ります。

　城東区の男性（６５）は「市長になって敬老パスを有料にするというのは公約違反だ。テレビは取り上げるべき。やっぱりおかしいことはおかしいと言わないといけない」と語気を強めました。

　「橋下市長の『慰安婦』暴言は、市長、政党代表の資格はありません」と大阪教職員組合の田中康寛委員は指摘します。「大阪市の姉妹都市、サンフランシスコ市議会が全会一致で発言撤回を求める決議を採択しました。橋下市長の発言の撤回と謝罪、辞任を求めます」と訴えました。

　約４０分で６０００枚のビラを配りました。

(２０１３年０７月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

��新党�≠ﾅ看板かけ替え狙う／橋下氏

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は２４日、同党が昨年総選挙と比べて参院選で得票率を大幅に後退させたことについて、「慰安婦（発言）問題についてメディアが��大誤報�≠�やった中でも、これだけの数字をいただいている」と自らの暴言を「誤報」とするごまかしで取り繕いました。市役所での会見で語りました。

　橋下氏はまた、「僕らの考え方は自民党と重なるところもあるので浮動票が自民にいった分、僕らの分が減るのは当たり前」との認識を示し、維新の考え方が自民党と大差がないことを認めました。

　そのうえで「僕らを応援してくれていた票が民主党にいかなかったところが重要だ」と強調。民主党の役割は終わったが「維新単独でどんどん勢力を拡大できるわけでもない」と述べ、「自民党にいった票を今度、寄せることのできる政党は、民主党に代わる、維新でもない、自民党に対抗できる新しい政党だ」と話しました。

　橋下氏は２３日にも、「次の総選挙では維新とか、みんなとか、民主とかの看板はなくさないといけない」と述べ、維新、みんな両党と民主の非労組系議員らで��新しい看板�≠ﾌ野党をつくる必要性を説いていました。

( ２０１３年０７月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

「国粋主義への支持ではない」

　【ワシントン＝島田峰隆】米ダートマス大学のジェニファー・リンド准教授は２４日付の米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、「参院選で自民党が勝ったのは、経済の改善を続けるという安倍首相の主要公約によるものであり、国粋主義的な計画を進めるという公約への支持ではない」と指摘しました。

　同氏は、憲法改悪など「近隣諸国を攻撃する方向にあまりに進むなら安倍首相は有権者から厳しい反発を受けるだろう」と指摘。その実例として、日本維新の会の橋下徹共同代表による「慰安婦」発言に国民の大部分が「不適切だ」と反発し、超党派の女性国会議員も批判したことなどを紹介しました。

　「日本の民主主義では、過去の戦争についてより本当のことを語り、それを否定したり無神経に話したりする指導者を許さないという動きが強まっている」とし、安倍首相に教訓を学ぶよう求めました。

( ２０１３年０７月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏また「誤報」論／メディアが議席とれるか…と挑発

　日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は２１日夜､参院選結果について｢僕の立場では勝ちとは絶対言えないし､堂々と誇れるような結果ではない｡民間企業でいけばトップの責任が問われる話でしょうね｣と語りました｡同市内のホテルに設けられた同党開票センターで語りました｡

　橋下氏は「慰安婦制度は必要だった」などとした自らの発言が結果に影響したことを認める一方、「メディアが僕の真意と違う形で伝えた」と「誤報」論を繰り返しました。さらに「あの発言において何十万、何百万（票）という声で後押ししてくれている現実もメディアは見なきゃいけない。今回の発言について僕は間違っているとは思わない」と強弁。「誤報」論に反論するメディアには「政党を立ち上げて挑戦してみたらいい」「何議席得られるのか」とかみつきました。

　また、自らの暴言で政策が似通うみんなの党との選挙協力すら破綻したのに「次の総選挙のときには野党が一つにまとまらないと国民のためにはならない」などと「政界再編」を唱えました。

( ２０１３年０７月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

歴史的チャンス／比例５議席必ず／参院選あす投票／共産党に広がる期待と共感

憲法・暮らし…��暴走とめて��

　日本の未来を決める参院選挙が、明日２１日投票日を迎えます。「自民党にはっきり対抗できるのは共産党」「安倍さんの暴走が怖い。共産党頑張って」―「自共対決」の構図が鮮明になるなか、��安倍政権の暴走をとめるには共産党が一番の力�≠ﾆ、スジを通す姿勢と建設的対案に期待と共感が広がっています。１９日も、志位和夫委員長が駆け巡った愛知・京都・大阪、市田忠義書記局長が応援した埼玉・東京・神奈川など、どこでも聴衆の輪が膨れ上がり、共産党コールや手拍子が起こるなど熱気に包まれました。同時に、このままでは比例５議席に届かないと、党支部・後援会は大量宣伝とともに、マイ名簿、テレデータ、選挙はがき名簿などを使って対話・支持拡大に全力をあげました。

　

　「安倍（晋三）首相が憲法改定を言いだし始めた今、憲法を守れるのは日本共産党しかない」。こんな思いで初めて共産党支持を約束した高松市の男性（８９）のように、９条改悪の公言（安倍首相）、「国防軍」の出動命令に従わない場合の「死刑」発言（石破茂自民党幹事長）などに、「恐ろしくなった」「共産党に伸びてほしい」の声が急速に広がっています。

　本紙１７日付に登場し、「９条を守るという一点」で共産党に��ブレーキ役�≠�と発言した自民党千葉県連元幹事長の金子和夫さんには激励の声が。同県建設業協会副会長だった中川栄吉さんからも「まったく同感」「日本共産党が、今度の参議院選挙で伸びてもらわないと、日本の国の行く末が心配」というメッセージが届けられました。

　暮らしの面でも、「小規模業者にはアベノミクスの恩恵などない。共産党の経済政策には期待している」（東京・世田谷区の洋食経営者）など次々と対話が広がります。「増税するなら庶民からじゃなく大金持ちからという主張はもっともだ。今の政治の軸は自民党と共産党だと思う」（同前・塗装業者）と、「国民の所得を奪う政治から国民の所得を増やして景気回復を図る政治へ」という共産党の政策に共感が広がります。

　「日本共産党を伸ばせば、日本の政治は必ず変わります。日本共産党の躍進で国民の声で動く新しい政治をつくろう」。志位氏の訴えが響きます。

　大激戦が続くなか、他党も必死です。自民党は終盤戦に向けた内部文書で、「野党候補は死に物狂い」「少しでも隙を与えたら形勢は大きく動く」と引き締め。安倍首相は「激戦区」に入って檄を飛ばす一方、街頭では争点隠しを続けています。

　民主党は海江田万里代表が「やせても枯れても民主党」という一方、「（総選挙では）本当に厳しいご批判をいただいた。みんなバラバラはやめなきゃダメ」（１６日、千葉県松戸市）と党内事情を嘆く場面も。維新の会の橋下徹共同代表は「慰安婦」暴言に無反省の一方、「自公両党の圧勝は仕方がない」と白旗宣言。みんなの党とともに、共産党に攻撃の矛先を集中しています。

　マスメディアの世論調査でもまだ投票先を決めていない人が「共同」で「４０％前後」、「朝日」で「選挙区で５割、比例区で４割」にのぼるなど、有権者の模索が続いています。最後の最後までの奮闘が勝敗を分ける大激戦のまま、最終日を迎えました。

( ２０１３年０７月２０日，「赤旗」） （Page/Top）

��躍進のチャンス�＝^元国会議員も支持拡大／石井さん、教育関係者らに

　参院選で日本共産党の躍進を必ずと、元国会議員が対話・支持拡大に奮闘しています。石井郁子元衆院議員は大阪の業者後援会員と力を合わせて支持を訴えています。

　「消費税増税を決めたのが自民、公明、民主です。日本共産党を伸ばしてください」と訴える石井さん。業者からは「８％、１０％と消費税が上がったらもうやっていけない。止めてほしい」「働く人の所得を上げて景気回復をという共産党に賛成。周りにも支持を呼びかけたい」と声が返ってきます。

　石井さんは教育関係者にも訴え。「維新共同代表の『慰安婦』暴言は許せない。共産党に伸びてもらい、大阪をよくしてほしい」という声もありました。

　石井さんは「共産党が伸びるチャンスを実感しています。ひと回りもふた回りも支持を広げたい」と話しています。

(２０１３年０７月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

憲法生かす政治へ／小池比例候補、都内６カ所で訴え

　日本共産党の小池晃参院比例候補は１８日、東京都青梅市を皮切りに、練馬、板橋、北、足立、葛飾各区の６カ所でマイクを握り「アメリカ言いなり、財界中心の自民党政治のゆがみに切り込む共産党を勝たせてください」と力強く訴えました。

　小池氏は、今回の参院選を「憲法を壊す政治か、生かす政治か選ぶ選挙です」と強調。自民党や維新の会などが、自衛隊を国防軍に変えるため、９条や９６条の改憲を狙っていることを「アメリカと一緒に海外で武力行使して、自衛隊員の戦死者を出したり、海外で人の命を奪ったりするかもしれない。そんな社会を誰が望むでしょうか」と厳しく批判しました。

　その上で、改憲勢力が先の侵略戦争や「慰安婦」問題を正当化している点を指摘｡｢彼らの戦後政治の出発点を認めない異常な歴史観を正し、９条をよりどころにした真の平和外交を行う。その仕事を共産党にさせてください｣と呼びかけました｡

　演説を聞いた神中貞夫さん（８１）＝西東京市＝は「妻の父は商売人だったがあの戦争に召集され、３９歳で戦死した。軍の命令は絶対で、逃げたくても逃げられない。そのことを若い人に伝えたい」と話しました。

　北千住駅前で演説を聞いた内田博さん（６６）は「９条を変えるということは、社会を戦前に戻すということ。日本が世界から取り残されかねない。憲法を守りたい｣と語りました｡

(２０１３年０７月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」認識／橋下氏無回答／吉見氏が声明

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題での認識をめぐり、吉見義明中央大学教授が橋下氏に提出した公開質問状に、橋下氏が期限を過ぎても回答も連絡も一切していないことが１７日、わかりました。吉見氏は同日声明を出し、「全く無責任な態度」と強く抗議。再度公開質問状を提出するとしています。

　橋下氏は昨年８月２４日の記者会見で「慰安婦」問題に言及し、吉見氏が「強制連行という事実までは認められない」と発言したと述べました。吉見氏は、橋下氏の発言は自らの研究の根幹を否定し、名誉を毀損（きそん）したものだとして同年１０月２３日、発言撤回と謝罪を求めましたが、橋下氏が応じなかったため、今年６月４日に公開質問状を提出。具体的事実を示して橋下氏の認識を問い、７月５日を回答期限としていました。

　声明は、「質問は具体的事実を指摘して認識等を問うているので、回答は容易だ」と指摘。「正々堂々と自らの認識と見解を開陳すべきだ」と、再度提出する公開質問状に責任をもって回答するよう求めています。

( ２０１３年０７月１８日，「赤旗」）

ヘイトスピーチ・政党アンケート／在日コリアン青年連合、結果を公表／共産党が回答、対策は「必要」

　在日コリアン青年連合（ＫＥＹ）はこのほど、民族差別を助長するヘイトスピーチ（憎悪表現）や｢慰安婦｣問題などについて、各党アンケートの結果を公表しました。国会に議席を有する１２党にアンケートを送付、４党から回答を得、自民党、みんなの党からは｢回答しない｣との返答がありました。日本維新の会や生活の党などは回答しませんでした。

　東京や大阪などのコリアンタウンで行われているヘイトスピーチ・デモについて「国による対策が必要か」との問いに、日本共産党は「必要がある」と回答。「首相をはじめ政治家が、ヘイトスピーチを許さない断固とした立場を表明し、社会的批判で包囲する先頭にたつ必要がある」と表明。同時に社会的な背景・要因への対策にも言及し、「歴史認識の誤りや人権感覚の欠如の是正、貧困問題などへの取り組みが必要」「怒りの矛先を日本の悪政にではなく在日外国人に向ける構図を変えなければなりません」としています。

　差別禁止法の制定については｢検討は必要｣とし、「いま問題になっているようなヘイトスピーチは許されず厳しい対処が必要」「人種差別撤廃条約に基づく法的規制、差別禁止法についても、当面の対処をすすめつつ、検討・議論が必要です」としました。

　「慰安婦」問題については、政府による資料公開や事実調査が不十分であると回答。解決のための立法化や、歴史教科書への記述は必要だとしています。

　各党の詳しい回答は同会のホームページに掲載されています。

( ２０１３年０７月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏、誤報論はライフワーク

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は１６日、市役所で囲んだ記者団に対し、５月の日本軍「慰安婦」暴言をめぐるメディアの報道について「毎日新聞も朝日新聞も誤報だとライフワークで言い続けていく。その他の新聞社もテレビもそうだ」と言い放ちました。

　橋下氏は暴言翌日の５月１４日、「朝日新聞も、僕の発現（ママ）を比較的正確に引用してくれていた」「毎日新聞も…かなりフェアに発言要旨を出している」「毎日の一問一答がある意味全て」とツイートしていましたが、発言に対する批判が拡大すると「大誤報をやられた」（同１７日）などとメディアに責任を転嫁。その後の言い訳やすり替えも含めて、橋下氏自身の人間性や歴史認識、人権感覚があらゆる角度から批判されており、問題が橋下氏の発言そのものにあることは疑いようがありません。

( ２０１３年０７月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

守れ憲法・戦争ごめん／河之口真一さん大阪・大阪市／��安倍・橋下氏は危険�＝^平和のため軍体験語る

　「慰安婦」問題での暴言を繰り返す「日本維新の会」の橋下徹共同代表が市長を務�