慰安婦トップ

2013年

【慰安婦犠牲者の活動と関連記事】

（1月）　（2月）　（3月）　（4月）　（5月）　（6月）　（7月）　（8月）　（9月）　（１０月）　（１１月）　（１2月）

（Page/Top）

（1２月）ヘッドライン

大阪府議会／「維新」の暴走に府民が反発／宮原党団長に聞く

「大運動」議論、党員迎える／要求運動を通じ「確信もって」／宇都宮市新婦人グループ

首相の靖国参拝、世界が批判／中国識者コメント

安倍政権１年／暴走と矛盾／上／亀裂・孤立生む「戦争する国」づくり

韓国の「ナヌムの家」／��冬を元気に過ごして�＝^手編み膝かけ贈る／新日本婦人の会徳島県本部

中国人強制連行問題／新たな展開／上／京都・大江山／「未解決、放置せず」

中国人強制連行問題／新たな展開／中／愛知・大府飛行場／兄の死、説明求める

中国人強制連行問題／新たな展開／下／森田太三弁護士に聞く／世界は人道優先へ

２５

おはようニュース問答／教科書には必ず政府見解を書け、だって！

「戦争する国」への暴走／新安保戦略の危険と矛盾／５／周辺国との関係／軍事的対抗と「愛国心」

揺れる維新政治／肝いり議案否決相次ぐ

発言／秘密保護法廃止を／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二さん／批判精神欠いたＮＨＫ

ひと／旧日本軍「慰安婦」を撮り続ける韓国人写真家安世鴻さん（４２）

「深刻な憂慮」で決議

２０

「慰安婦」問題で講演

戦争の痛み写真展／「ニコン訴訟」の安世鴻さん

上海で東京裁判国際シンポ／研究センターの設立を機に／立教大学名誉教授・上海交通大学名誉教授粟屋憲太郎さんに聞く

岡山市母親大会開く

戦争の歴史真実学ぼう／静岡・沼津で集い

「慰安婦」立法解決を／課題話し合う／市民団体が懇談会／高橋・紙・田村各議員が出席

１０

秘密保護法実施させない／大会で特別決議／新婦人大阪府本部

広島で慰安婦学習会

橋下市長の辞任求める／「慰安婦」問題でシンポ／大阪

波動／ＮＨＫ会長の資格とは／隅井孝雄

「慰安婦」根本解決を／研究者ら、吉見氏裁判支援へ

1２月（本文）（Page/Top）

大阪府議会／「維新」の暴走に府民が反発／宮原党団長に聞く

　大阪府議会は、「維新の会」府議４人の造反で、泉北高速鉄道などを運営する第三セクター「大阪府都市開発（ＯＴＫ）」の株式を米投資ファンド・ローンスターに売却する議案を否決し、１６日閉会しました。造反者の除団で「維新」は、みんなの党を含めても過半数割れとなり、議会運営は「厳しい」と口にする松井一郎知事。府政で何が…。日本共産党の宮原威団長に聞きました。

　（大阪府・小浜明代）

　―ＯＴＫの株式売却が否決されたことをどうとらえていますか。

　宮原　定数１０５の府議会で「維新」は５５人（うち１人は議長）でしたが、４人が造反し賛成５１、反対５３で否決しました。

　泉北高速の運賃は、府が開発した府北部の千里ニュータウンに伴い開通した北大阪急行に比べて途中から２倍になり、運賃値下げは沿線住民の悲願です。売却の目的は、運賃値下げとされていたにもかかわらず、松井知事が選定したロ社の値下げ額は１０円、次点の南海は８０円でした。住民の利便性を軽視した選定に住民と議会が一気に反発を強め、３日間で３０００人を超える反対署名が集まりました。造反者の２人は堺市選出、背景に住民の声があります。

　橋下「維新」は「慰安婦」暴言や、７月の参院選、９月の堺市長選、１１月の岸和田市長選で敗北しました。この流れのなかで「維新」発祥の地で暴走に待ったがかかり、「維新」府議団が過半数割れの事態に至ったのです。「維新」の��終わりの始まり�≠ﾌ象徴ではないでしょうか。

戦略の打撃に

　―否決はどういう意味を持ちますか。

　宮原　ＯＴＫの売却の前に府は、りんくうホテルなどＯＴＫが抱えていた不良債権の処理をすませ、黒字体質にしました。そして外資やファンドに高く売り、その売却益は、なにわ筋線など不要不急の大型開発につぎ込もうとしています。

　橋下徹大阪市長が赤字の市バスを切り離し黒字の市営地下鉄を高く売り、その金をなにわ筋線に突っ込むやり方と同じです。ＯＴＫの売却は橋下「維新」流「成長戦略」の典型の一つで、否決は戦略の打撃になります。

論戦に生かす

　―憲法違反の職員政治活動制限条例が可決しましたが…。

　宮原　私たちは参院選での日本共産党の躍進を具体的な論戦に生かす努力をしました。

　労働者の賃上げ問題で知事先頭に関経連に要請に行くよう求めたのに対し、知事は「僕が行って役に立つなら行く」と答えました。

　生活保護では、扶養の意思があって扶養能力があるという二つの条件がそろった場合にのみ扶養が問題になるが、そうでない場合は生活保護を受けることと関係はないと府側が明言しました。国会での小池（晃参院議員）質問を受けて厚労省が通知を出したからです。子どもの医療費助成制度拡大でも、初めて知事が部局に検討を指示しているとの答弁をしました。

　他党にも変化が生まれています。ＯＴＫの売却は公明党が反対しました。自民党は全国最低水準の府職員の給与について、優秀な人材が集まらないと引き上げを求めました。

　政治活動制限条例は賛成した公明も自民も乱用はだめとか、地方公務員法や最高裁判決から、対象を極めて限定的にすべきだと注文をつけました。

　「維新」の強権的で強引なやり方は府民との矛盾をますます広げます。「大阪都」構想はじめ「維新」の暴走を阻止し、府民福祉の向上と大阪産業振興のための広域的役割を果たす大阪府を取り戻すため、奮闘します。

(２０１３年１２月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

「大運動」議論、党員迎える／要求運動を通じ「確信もって」／宇都宮市新婦人グループ

　宇都宮市の新婦人グループは、１１月、１２月と２カ月連続で新しい党員を迎えました。

　支部は、現体制のなかで新入党員を迎えられずにきました。「大運動」について議論し、「新婦人運動の発展のためにも、新しい党員を迎えたい」「一人は必ず迎えよう」と目標を決め、対象者を出し合いました。

　１１月、市田忠義書記局長を迎えて開かれた「集い」後、運動の先頭にたって頑張っている女性に、福田久美子市議とともに入党を働きかけました。これまで何度働きかけても決意には至りませんでしたが、安倍政権の暴走政治に対し「共産党が頑張ってもらわないと、どうなるか分からない」と常日頃から話していました。この間、女性史や日本軍「慰安婦」問題について学習を重ねてきた女性に「あなたが党に入り、確信を持って行動することが、世の中を変える力になります」と訴えると、「分かりました」と入党申込書に記入しました。

　念願の新入党員を迎え、グループのメンバーは「あの人にも年内に働きかけなくちゃ」と１２月２４日、もう一人の対象者にも入党を働きかけました。消費税増税の中止を求める宣伝のあと、１１月に入党した女性も一緒に入党を訴えました。要求実現の運動を通じ、党への信頼を高めていて、「夫との関係で、これまでちゅうちょしていたけれど、自立した女性として、自分が確信を持ったことをしていきたい」と決意しました。

( ２０１３年１２月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

首相の靖国参拝、世界が批判／中国識者コメント

　安倍晋三首相の靖国神社参拝に対して、中国の識者は次のように批判しています。

　（北京＝小林拓也）

国際秩序への挑戦／歩平・中国社会科学院近代史研究所学術委員会主任（前所長）

　靖国神社は、天皇に献身した軍人に対して建設した施設です。戦前の軍国主義教育で一番重要な場所でした。政治家の靖国参拝は、個人の感情の問題ではなく、軍国主義を肯定するということです。

　東京裁判でＡ級戦犯容疑者とされた岸信介の孫である安倍首相の靖国参拝は、安倍首相の歴史認識が岸と同じレベルということだけでなく、戦後の国際秩序に挑戦することを意味します。東アジアの国民の感情を傷つけるだけでなく、日本自身の名誉と利益をも破壊しています。

　平和憲法の改変、「秘密保護法」の強行、「武器輸出三原則」の破壊などと関連して考えると、このような政治家が日本の首相であることは危険なことです。

逆行に前途はない／王少普・上海交通大学日本研究センター主任

　安倍首相は「皇国史観」を堅持していることを自ら暴露しました。靖国神社は１４人のＡ級戦犯が合祀（ごうし）されているだけでなく、侵略戦争を美化する「遊就館」という展示館があります。靖国神社参拝は第２次世界大戦後の国際秩序への公然たる挑戦です。

　安倍首相は２回目の首相就任以降、侵略の歴史を否定するだけでなく、平和憲法改定や軍拡を主張し、秘密保護法を強行するなど、「独裁」を強めているように見えます。安倍首相の時代の潮流に逆行したやり方に前途はありません。

激怒と悲哀感じる／蘇智良・上海師範大学中国慰安婦問題研究センター主任

　安倍首相の靖国神社参拝に対し、激しい怒りと悲哀を感じています。「価値観外交」を大声で叫ぶ安倍首相は、世界各国の歴史観から大きく遠ざかっています。

　日本という船のかじをとる安倍首相は、いったい日本をどこに持っていこうとしているのか。

　秘密保護法の強行、軍事費の増大、平和憲法改定を繰り返し主張することなどと合わせ、憂慮せざるを得ません。日本国民が警戒心を持ち続けることを望んでいます。

( ２０１３年１２月２９日， 「赤旗」) （Page/Top）

安倍政権１年／暴走と矛盾／上／亀裂・孤立生む「戦争する国」づくり

　「政権の暴走だ」―安倍晋三首相が政権発足から１年に強行した靖国神社参拝に国内外から批判がわきおこっています。国民の反対を踏みつけにした暴走政治は「戦争する国」づくり、「暮らし、福祉破壊」となってあらわれ、国民とのあいだで矛盾を深めています。

憲法・秘密保護法／解釈変更強め

　「憲法改正というのは私のライフワークだ」（安倍首相、２２日放送のＮＨＫ番組)｡憲法９条２項を変えて「国防軍」創設を現実の政治日程にのせることを公言している安倍政権は、明文改憲の前にも解釈改憲によって集団的自衛権行使を可能にしようとしています。

　安倍首相は、改憲要件の緩和を狙った９６条改憲が広範な反対世論に直面すると、クーデター的やり方で、集団的自衛権行使容認派の内閣法制局長官へ首をすげかえました。

　先の臨時国会で、米国などの同盟国との軍事情報の共有を目的に｢国家安全保障会議(日本版ＮＳＣ）」設置法を強行。表現や報道の自由などの基本的人権を保障する憲法原理を根底から覆す秘密保護法も、日本維新の会、みんなの党との「修正協議」をてこに国民の強い反対を押し切って成立させました。

　自民党の高市早苗政調会長や谷垣禎一法相は、犯罪行為だけでなく事前の「相談」をしただけで処罰する「共謀罪」の早期新設にも言及しています。

　しかし秘密保護法成立後も、学者・研究者でつくる「特定秘密保護法に反対する学者の会」への賛同が大きく広がり、非政府組織（ＮＧＯ）が秘密保護法から市民社会の自由を守る連携組織を立ち上げるなど、廃止を求める国民の世論と運動が高まっています。

　集団的自衛権の行使容認の動きには「（解釈変更は）やめたほうがいい、できない」（宮崎礼壱・元内閣法制局長官）、「憲法９６条の脱法的行為と言わざるをえない」（柳沢協二・元内閣官房副長官補）など懸念・批判の声があがっており、暴走すればするほど矛盾を深めています。

安保戦略・防衛大綱／平和主義破壊

　安倍政権は１７日、この１年間で進めてきた「戦争する国」づくりの総括であり、今後の基本指針となる文書「国家安全保障戦略」と「防衛計画の大綱」を決定しました。

　「戦略」は、海外での戦争に道を開く集団的自衛権行使解禁をにらんで、政府が憲法の平和主義の下で保持してきた「専守防衛」「軍事大国とならない」との基本理念を事実上放棄しました。

　南スーダンの国連平和維持活動（ＰＫＯ）での自衛隊から韓国軍への弾薬提供も、「戦略」が表明した「武器輸出三原則」の廃止を先取りして、平和主義を踏み破る暴挙です。

　新「防衛大綱」では、自衛隊全体を殴りこみ部隊に変える「海兵隊化」、他国領土を攻撃するための「敵基地攻撃能力」の構築に向けて検討を進める方針を明記。中国や北朝鮮に軍事力で対抗するため、「質」・「量」ともに大幅な軍備増強を進めるものです。

　「戦略」では、「わが国と郷土を愛する心を養う」として、国の軍事・外交政策の一環として「愛国心教育」を進める方針も示しました。国民の内心の領域にまで軍事政策の浸透を図るものです。

　安倍政権は来春にも憲法解釈変更の議論を進める有識者懇談会の報告書をまとめ、来年度にも集団的自衛権行使を解禁する憲法解釈の変更を決断することを狙っています。

　安倍政権の暴走に対し、中国や韓国など周辺諸国からは警戒をもって受け止められているだけでなく、米国の中からも「地域の理解」を求める声があがっています。こうしたなかでの安倍首相の靖国神社参拝には米政府も「失望している」との声明を出す異例の対応で、国際的孤立を深めています。

「教育改革」／国策に従わす

　安倍政権が具体化に踏み出している「教育改革」は、「戦争ができる国」「弱肉強食の経済社会」という国策に従う��人づくり�≠ﾉ狙いがあります。

　「２１世紀の日本にふさわしい教育体制を構築」するとして「教育再生実行会議」を立ち上げ、教育委員会制度など戦後の民主的教育制度を根底からつぶす改悪を次々と打ち出しています。「従軍慰安婦」の否定など、ゆがんだ歴史認識を子どもたちに教え込むために、教科書検定基準の改悪を来年１月に狙っています。

　中央教育審議会などではこうした安倍政権の意向を受け、教育委員会制度や道徳の教科化の審議を強引に進め、通常国会に法案を矢継ぎ早に出そうとしています。

　戦前の軍国主義教育の反省から生まれた合議制の執行機関の教育委員会を、首長の付属機関とする教育委員会制度改悪案は、中教審の複数の委員から「権力が都合のよい教育をしてはならないことは歴史が示している」と強い懸念の声があがり、答申としては異例の別案を載せる形になりました。

　一方、高校・大学の段階的無償化を定めた国際人権規約の留保を撤回したにもかかわらず高校授業料無償化を廃止し、高すぎる教育負担をいっそうひどくします。

　大学入試「改革」をめぐっても、高校在学中から２段階のテストを導入して子どもたちをふるいにかけ、ゆきすぎた競争主義に拍車をかけようとしています。

( ２０１３年１２月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

韓国の「ナヌムの家」／��冬を元気に過ごして�＝^手編み膝かけ贈る／新日本婦人の会徳島県本部

　新日本婦人の会徳島県本部は、会員らに呼びかけて作った毛糸のモチーフをつなぎ合わせた手編みの膝かけ４枚を韓国の「ナヌムの家」に贈りました。

　冬ソナ小組の石躍芳江さん（８０）が、ハングル（韓国語）で「日韓の平和交流をともに続けていきましょう。少しでも暖かくしてください」と書いた手紙を添えました。

　昨年の県本部５０周年記念の韓国平和ツアーでは日本大使館前での日本軍「慰安婦」被害女性への謝罪と補償をもとめる「水曜行動」に参加。そのとき膝かけと折り鶴を渡すと喜ばれました。今回はクリスマスプレゼントとして贈りました。

　祖父江桂子事務局長は「高齢になっているので、寒い韓国の冬を元気で過ごしてほしい」と語りました。

(２０１３年１２月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

中国人強制連行問題／新たな展開／上／京都・大江山／「未解決、放置せず」

　１９９０年代半ばから十数年にわたって争われた１０余件の中国人強制連行裁判は、２０１１年にすべて終結し、被害者約４万人のうち企業との和解によって救済の対象になったのは１５００人余です。全員の救済をめざし、あらたな取り組みが始まっています。

　（尾崎吉彦）

　京都府北部、与謝野町にある大江山鉱山（日本冶金工業）。アジア太平洋戦争が進展するにつれて、兵器生産に欠かせないニッケルの増産が求められ、国内の労働力不足を補うため、１９４４年１０月、中国河南省などから中国人２００人が連行されました。

○「血と汗を償って」

　河南省新郷在住の孟増堂さん（８６）は畑仕事をしているときに日本軍に捕まり、連行されました。１８歳でした。孟さんは、大江山の強制連行問題に取り組んできた「中国人戦争被害者の要求を支える会京都支部」の人たちの聞き取りに証言しています。

　「大江山では、日本兵が銃を構えている中で終日、石を掘り、積み上げ運び、毎日１０時間ほど働かされました。１回の食事はたった１個半の豆かすの団子とおわんに半分の海藻スープで、住むところはバラックの棚。満腹にならず寒さに着る物もない、殴られ、ののしられるのは日常のことでした」

　同事務局長の桐畑米蔵さんは言います。「あしかけ１０年におよぶ裁判闘争は、最高裁の棄却（０７年６月）で終わりました。裁判後も会を存続させ、各地の運動団体と交流するなど活動をつづけてきました。そういうときに、河南省の被害者・遺族から企業と話し合いたいので協力してほしいという手紙がきました」

　河南省の被害者と遺族でつくる大江山分会の会長・鹿金衛さん（４３）は、「日本に行って働いてでも、親たちの血と汗の賠償をたたかいとりたいのです」と訴えていました。

○河南省で聞き取り

　支える会京都支部は今年４月、河南省に代表を派遣し、孟さん、鹿さんから被害の実態や要求を聞き、どのような取り組みをすすめるか話し合いました。企業との交渉による解決には長いたたかいを覚悟しなければならず、中国でも支援者を組織することや、被害者の口述記録を作ることが必要なことも提起しました。

　被害者らは５月に日本冶金上海支社に交渉の申し入れに行きましたが、回答はなく、支える会京都支部の福林徹代表らが７月１２日、日本冶金本社（東京）に赴き、話し合いに応じるよう求めました。

　桐畑さんは、「大江山では、２００人の被害者のうち、救済されたのは６人だけで、１９４人が未解決のままです。このままほうっておくことはできません。広く世論に訴えて解決の道を切り開きたい」と話しています。

( ２０１３年１２月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

中国人強制連行問題／新たな展開／中／愛知・大府飛行場／兄の死、説明求める

　「愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会」は２０１２年９月、第２次世界大戦末期に中国人４９６人を強制連行し、同飛行場で強制労働をさせた岩田地崎建設（当時・地崎組）に対し、謝罪と補償、記念碑建設を求めた生存者５人の「提訴書」を同社名古屋支店に手渡しました。しかし、同社は要求を拒絶し、今後このような要求には対応しないとしていました。

○補償解決はプラス

　支援する会は、１３年９月、遺族の宋殿挙さん（７１）＝中国河北省威県＝とともに札幌市の本社に赴き、直接要求を伝えました。加藤広史総務部長はじめ４人が応対しました。

　宋さんは、「兄は、地崎組のために仕事をしていて亡くなりましたが、会社は死亡診断書もくれませんでしたし、６８年たつのにいまだに私の家に来て説明することも謝罪をすることもしていません」と兄・宋振海さんの死亡にたいする説明を求めました。

　加藤氏は、「心から哀悼の意を表します」とのべつつ、賠償に応じないという従来の立場は変えられないと答えました。

　同席した元北海道訴訟弁護団事務局長の田中貴文弁護士や支援する会の南守夫代表（元愛知教育大学教授）が地崎組の強制連行・強制労働の実態を明らかにするとともに、戦後補償問題を解決することは、企業が海外展開をする上でプラスになることを説きました。

　加藤氏は「われわれの入っている団体がそういう方向（和解の方向）に動く可能性はゼロではないと思っております」「きょう要求されたことは、真摯（しんし）に受け止めさせていただきたい」と答えました。

　しかし１０月に届いた回答書は、哀悼の意を示す言葉はありましたが、賠償に応じないことを改めて表明したものでした。

　南氏は、「裁判終結後に、未解決の問題として直接企業に補償要求をおこなったという意味で意義のある交渉だったと考えています」といいます。１年前に比べて、企業の側に一定の変化が見られたことについて、「中国から遺族が来日したことが大きかったと思います。韓国の朝鮮人強制労働裁判で、新日鉄住金と三菱重工に賠償命令があったことも影響したのでしょう。しかし、それは『前向きの変化』と呼べるようなものではなく、内外の反応と動向を見ていたのだと思われます」と話しました。

○被害者要求は当然

　愛知県で中国人強制連行問題のとりくみが始められたのは、強制連行裁判がほぼ終わった０７年ころからです。０９年以降、毎年９月に大府飛行場で亡くなった中国人５人を追悼し、１０年３月には、生存者から聞き取りをおこなうために調査団を派遣。さらに１１年の追悼式では被害者２人、１３年には遺族１人を招きました。

　支援する会は、「被害者の要求は、不法行為に苦しんだ人間としての当然の訴えです。その要求の実現は、日中関係の改善に貢献するだけではなく、国籍を問わず、労働者の人権侵害を許さない社会を目指すという意味で私たち日本の社会のためでもある」としています。

愛知県への強制連行

　地崎組は、４４年３月、河北省と山東省などから４９６人の中国人を連行し、北海道の水銀鉱山や愛知の大府飛行場（大府市・東海市）建設などに使いました。

( ２０１３年１２月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

中国人強制連行問題／新たな展開／下／森田太三弁護士に聞く／世界は人道優先へ

　中国人強制連行・強制労働全国弁護団の森田太三団長代行に、中国人強制連行問題の現状と課題について聞きました。

　―太平洋戦争時代に徴用された韓国人が日本の企業にたいする損害賠償を請求した裁判で、ソウル高裁や釜山高裁などが相次いで賠償命令を出しました。これらの判決をどうみますか。

　森田　日本政府は、日韓請求権協定で解決済みとしていて、企業にたいして賠償に応じないように求めたと報じられています。しかし､こうした対応では､事態は収まらないと思います。韓国では、日本軍「慰安婦」問題と強制連行問題は、未解決の問題としてとらえられています。歴史問題をきちんと解決しなければ、韓国や東アジアの友好と平和を築けないでしょう。

○特異な判決でない

　―戦後補償問題は、世界的にはどうなっていますか。

　森田　２０００年の判決ですが、ギリシャ最高裁は、第２次世界大戦中にドイツが引き起こした虐殺事件にたいして、原告勝訴の判決を出しました。「主権免除」という国家の行政・権力がおこなった行為の責任は他国では問われないとする原則があるのですが、それを排除した判決です。ギリシャはドイツとの間で請求権放棄もしていますが、それをも乗り越えています。後に特別最高裁でドイツ勝訴になりましたが、侵略戦争による被害は救済されなければならないという人道主義が優先される流れが大きくなりつつあることを示しています。韓国の判決も、けっして特異なものではありません。

　―中国では、韓国の判決はどう受け止められていますか。

　森田　中国でも報じられています。この流れは中国にも波及していくことはまちがいないでしょう。中国人強制連行問題の場合、西松判決が出発点になります。最高裁判決は、中国人個人の裁判を通しての請求権は失われているが、個人の実体的な請求権は残っていると言っています。それを踏まえて、最高裁は付言という形で、国や企業の関係者は解決の努力を促しています。この最高裁の意思は、政府も無視するわけにはいきません。ただその方向に向かうかどうかは、世界の動向や日本国内の世論にかかっているでしょう。

○日本も新しい流れ

　―裁判終結後、弁護団は、三菱マテリアルとの交渉に取り組んできましたが、進展していますか。

　森田　これまで中国の被害者団体間に要求に隔たりがありましたが、ほぼまとまりつつあります。来年には被害者が日本に来て会社と交渉することになりそうです。

　―日本でも新しいとりくみが広がりつつありますね。

　森田　８月に中国人強制連行問題の運動にとりくむ各地の運動団体の連絡会結成が確認され、１０月に「中国人強制連行事件解決をめざす全国連絡会議」が発足しました。三菱マテリアルとの交渉のほか、京都・大江山や愛知・大府のとりくみの支援、各地でとりくまれている追悼式、追悼碑建設、調査活動などの活動の交流をすすめることが話し合われました。強制連行問題の解決にむけた運動が前進すると思います。

西松判決

　西松建設は、広島県の安野水力発電所工事に中国人３６０人を使役。最高裁は２００７年４月、請求を棄却。一連の中国人強制連行訴訟での最高裁としての最初の判断でした。

( ２０１３年１２月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

２５

おはようニュース問答／教科書には必ず政府見解を書け、だって！

　陽子　教科書に政府の見解を必ず書くように検定基準が変えられようとしているんだって？

検定基準の改定

　晴男　文部科学省の教科書検定審議会が、基準の改定案などを盛りこんだ報告をまとめたんだ。例えば、政府の統一見解や最高裁の判例がある場合にはそれに基づいた記述にするという規定を、社会科の検定基準に加えることになっている。

　陽子　日本軍「慰安婦」問題では「解決済み」というのが政府見解だから、検定ではそれを書けと指示されるわけね。

　晴男　教育基本法の「教育の目標」に照らして「重大な欠陥」がある教科書は不合格にするともいう。

　陽子　教育基本法は２００６年に第１次安倍内閣によって改悪されたとき、「目標」の一つに「我が国を愛する態度」を育てることが入れられたわね。

　晴男　日本の侵略について詳しく書いた教科書は「我が国を愛する態度」を育てるという目標に反するとして、「重大な欠陥」があるとされかねないよ。

　陽子　そもそも今回の基準の改悪は、自民党と安倍政権の意向よね。

　晴男　自民党は「教育基本法が変わったのに、いまだに自虐的な記述の教科書が多い」といってきた。

　陽子　彼らのいう「自虐的な記述」というのは、日本の侵略戦争の事実をきちんと書いた記述ということよ。

　晴男　そういう記述をなくして、侵略を美化する教科書にしたいというのが狙いだね。

南京大虐殺数も

　陽子　ほかにはどんな検定基準を？

　晴男　未確定な時事的問題については「特定な事柄を強調しすぎない」ことと、近現代史で通説的な見解がない事項についてはその旨を明示することを基準に設けようとしている。

　陽子　南京大虐殺の犠牲者数などについて「通説がない」と書き込ませようというのね。

　晴男　文科省は来年１月に基準を改定しようと急いでいる。

　陽子　来年度にある中学校教科書の検定に間に合わせようとしているのね。そのために検定審議会もたった２回で十分な審議もなく報告を決めてしまった。こんなやりかた許せないわ。

( ２０１３年１２月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

読者の文芸」この１年／俳句／中嶋鬼谷／批判精神と叙情と

　国民の言論の自由を奪い人権を蹂躙する秘密保護法。この希代の悪法に本紙の俳句は警鐘を鳴らす。

　開戦日たましい今も踊らされ　鈴木　　誠

　極東のとある議会の冬ざるる　北村　和利

　安倍首相の自慢する原発は鼠一匹によって停電するお粗末さ。その原発を再稼働させ外国へも売るという。

　山笑ふ「安全神話」をねずみ噛み　平　としお

　木下闇被爆の国の死の商人　松重　幹雄

　月光の海漂えり汚染水　西川　知子

　そうした中にあっても、漁業再開へ向けて、人々の懸命の取り組みが続けられている。

　月の出や明日発つ試験操業船　渡辺　正一

　橋下大阪市長の慰安婦問題への暴言は内外の顰蹙を買い、「大阪維新」はにわかに凋落した。

　慰安婦の石碑のさけび蟹の丘　福原　　實

　堺町衆「維新」を止めぬさやけしや　平林　光明

　しかし、中央政権による暴政は貧富の格差を拡大。

　日本の餓死者の数字梅雨の記事　鈴木　　強

　本紙の俳句は社会問題に鋭く切り込む一方で、自然の美しさ、人々の生活やぬくもりを叙情豊かに詠む。

　雪解けや半顔濡れし磨崖仏　柴山　芳隆

　草萌えて喃語いよいよ片言に浅子かおい

　なにもかも遠し遠しと法師蝉　松下　佳紀

　秋時雨濡れて乾いて戻りけり　新庄　富美

　川底を波の影ゆく雁渡し��松　良子

　リハビリのじゃんけんぽんや冬が来る　木山　一代

　カーブしてバイク傾く時雨かな　渡辺　徳治

　テーマ・表現ともに充実の１年であった。

( ２０１３年１２月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

「戦争する国」への暴走／新安保戦略の危険と矛盾／５／周辺国との関係／軍事的対抗と「愛国心」

　冷え込む中国、韓国との関係をどう改善するのか。「国家安全保障戦略」が出した��答え�≠ﾍ中国に対する軍事的対抗色を前面に押し出すことでした。対話による外交的解決は後景に追いやられました。

水陸両用戦能力

　「戦略」は、中国による尖閣諸島をめぐる対応や防空識別圏の設定をあげ「力による現状変更の試みと見られる対応を示している」と強く批判しました。

　「戦略」に基づく新「防衛大綱」に盛り込まれたのは、南西諸島防衛強化を口実にした水陸両用作戦能力の強化。「中期防衛力整備計画」（中期防）には水陸両用車や垂直離着陸機オスプレイの導入、戦闘機、護衛艦の増強が書き込まれました。

　米紙「ニューヨーク・タイムズ」１８日付は、安倍政権が「戦略」「大綱」を閣議決定したことに対し、「第２次世界大戦の悲惨な敗北を経て、疑念を持って軍隊を見ていた国としては考えられないような武器を、日本は取得するようになる」と指摘しました。

　韓国国会は１９日の本会議で、日本の集団的自衛権行使容認の動きの中止を求める決議を賛成多数で可決しました。安倍政権の「軍拡」方針に懸念と反発が広がっています。

　軍事的対抗色の強さは、北朝鮮への対応にも表れています。

　「大綱」「中期防」は「弾道ミサイル攻撃への対応」として、「ミサイル発射手段等に対する対応能力のあり方についても検討の上、必要な措置を講ずる」と明記。「敵基地攻撃能力」の保有に道を開きました。

ゆがんだ歴史観

　「戦略」は、韓国を「地政学的にもわが国の安全保障にとって極めて重要な国」と位置づけ、連携強化を打ち出しました。

　しかし、過去の植民地支配と侵略戦争を美化する安倍首相の歴史認識や「慰安婦」問題をめぐり日韓関係は冷え込んだまま。韓国との関係改善の前に歴史認識問題が大きく横たわっています。

　さらに、「戦略」は、「わが国と郷土を愛する心を養う」との文言を盛り込みました。

　国民の内心に踏み込む「愛国心」の強要は時代錯誤であり、世界でも異常な姿勢です。同時に、誤った歴史観にたった「愛国心」の強要は、韓国や中国との関係改善のために求められる歴史認識問題への配慮とは相いれません。

　（この連載は政治部安保外交班が担当しました）

( ２０１３年１２月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

揺れる維新政治／肝いり議案否決相次ぐ

　橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」が地元、大阪でも揺れています。大阪市議会では、市長肝煎りの議案の否決や継続が目立ち、単独過半数を握っていた府議会も先週、初の造反で過半数割れしました。大阪市を解体して府と統合する「大阪都」構想を掲げ、２年前の大阪市長・府知事選では「圧勝」と報じられた「維新」がいま、深刻な行き詰まりに直面しています。

　（藤原直）

　「まあ少数与党ですからね。これ以上できませんよ、僕は」。市議会が閉会した１７日、橋下氏は、地下鉄民営化の３度目の継続審議など議会側の厳しい判断が目立つ現状について問われ、こう話しました。

必ずボロ出す

　９月からの市議会では橋下氏の思い通りにはいかない場面が相次ぎました。市立幼稚園の廃止・民営化では、保護者や連合町会の強い反対にあって第１期１９園のうち１４園の廃止が否決。大阪府立大学との統合に向けた市立大学の定款変更の議案も否決されました。今年５月には「府市統合の象徴」として知事時代から進めてきた水道統合議案も否決されています。

　��力の源泉�≠ﾆいわれた登退庁時の囲み取材で並んだテレビカメラも、１０月から代表撮影に。会見では「頓挫なんて書かないでくださいよ」などと報道内容にケチをつけるのが恒例となっています。

　「改憲型新自由主義は必ずボロを出すんですよ」。二宮厚美神戸大学名誉教授は、今年５月の「慰安婦」暴言以降、橋下氏は「守勢」に回り、常に「言い訳」や「弁明」に追われていると言います。「堺はなくしません」「住民投票があるから安心を」と「都」構想批判への弁明に追われた９月の堺市長選が典型だと言います。

　維新は惨敗した同市長選後、市民から見た橋下氏の人物像が大阪人が好む「挑戦者」から大阪人が嫌う「権力者」に変化したと分析。維新前秘書が出馬した岸和田市長選では「橋下・維新隠し」に徹しましたが、結局、負けました。

独裁的な本性

　二宮氏は橋下氏の「支持率０％になろうが今のまま突き進む」（１１月１９日）との発言に「独裁的本性が現れている」と指摘。「有権者に対するこれほどの侮辱はない。都構想自体もそんなものだ」と批判します。

　奈良女子大学の中山徹教授は、この間の大阪の変化を振り返り「橋下氏の新自由主義的な地域破壊の中で、地域の良心的保守層が立ち上がり、『地域の福祉や自治を守る』という一致点で民主的団体が共同を広げれば、新たな民主的自治体を誕生させる条件ができつつある」と語ります。

　◇

　１９日で就任２年を迎えた橋下市長らが住民にもたらした傷痕と、「維新政治」を揺るがす大阪のたたかいを、「揺れる維新政治」としてシリーズで伝えます。

( ２０１３年１２月２３日， 「赤旗」）（Page/Top）

発言／秘密保護法廃止を／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二さん／批判精神欠いたＮＨＫ

自主・自立の原点に返れ

　秘密保護法の強行採決に至るテレビ報道の中で、強い疑問を持ったのはＮＨＫの報道姿勢でした。いったいこれはどうなったのか、という怒りにも似た印象です。

　これまでも、ＮＨＫはニュース番組で政権の見解を無批判に紹介することが多く、政府広報のようだ、という批判がありました。その傾向が今回の秘密保護法報道で極まった感じです。

批判の欠落

　代表的なニュース番組「ニュースウオッチ９」の１１月の放送では、市民の反対運動や、賛否の議論は含まれているものの、量的には政府見解や、みんなの党、維新などの修正意見の紹介などが大きな部分を占め、法案の本質的な問題点を、条文に即して検証する、という姿勢は見られませんでした。また、キャスターや記者のコメントも、国会審議の見通しを述べる程度にとどまっていました。

　この法律は、国家の行動、とくに軍事的な行動が見えなくなる、という恐るべきものです。これに抗する取材活動にも重大な制約が加えられます。

　ジャーナリズムの任務の核心は権力の監視ですが、この法律が施行されれば、立場が逆転し、権力が捜査権をもってジャーナリズムを監視する社会へと決定的に移行するでしょう。心あるジャーナリストであれば、身に迫る危機感を持つはずです。

　しかし、ＮＨＫニュースには、このような切迫した危機感は感じられず、批判的報道は決定的に欠落していました。

　同じ時期の民放のいくつかのニュース番組は、ＮＨＫとはちがって、政局報道に加えて、法案の危険性を鋭く指摘しています。

　テレビ朝日「報道ステーション」、ＴＢＳ「ＮＥＷＳ２３」、「報道特集」などは、「何が秘密であるかが秘密であり、行政によって秘密が広がり、国民がチェックできない」という法案の本質的な危険性を、何回にもわたって指摘しました。

政権の圧力

　ＮＨＫの秘密保護法報道が、一部の民放番組と違って、どうしてかくも批判精神を欠くものになったのか、その要因の一つは、安倍政権のＮＨＫに対する圧力の存在でしょう。

　安倍政権は、メディアに対して異様に神経質な政権です。各社首脳との会食の繰り返しもありましたし、参院選の時期、出演者の発言を理由にＴＢＳの取材を拒否した事件などがありました。

　ＮＨＫに対しても、第１次安倍内閣の際、親密な関係の人物を委員長候補として経営委員会に送り込んだことがあります。最近でも安倍首相支持が明白な人物を４人も経営委員に任命しました。

　ニュースへの直接の圧力の事実が明らかになったわけではありません。しかし、幹部がこうした政権の動きや意向を「忖度（そんたく）」すれば十分効果的でしょう。

　かつて日本軍「慰安婦」を扱った番組が改変・改ざんされた事件では、幹部が当時の安倍氏ら右翼政治家の意向を「忖度」して改変したことが明らかにされています。

　市民のＮＨＫニュースに対する批判はかつてなく高まっていますが、こうした声に、ＮＨＫは、ニュースは客観的事実を伝え、キャスターや記者の主観、意見は入れないものだ、と抗弁するかもしれません。これは報道現場に長く根付いてきた「客観報道主義」といわれるものです。客観的事実の尊重は重要ですが、大切なことは、事実の取材を通して事柄の真実に至ることです。ジャーナリストは「客観報道」を隠れみのにして、この努力をないがしろにすることは許されません。

　秘密保護法については、事実を取材、追及していけば、必ず法案の危険性という真実に至るはずでした。一連のＮＨＫの報道でその作業があったかは大きな疑問です。

　ＮＨＫは、戦時中政府の統制のもとで、国民を戦争に駆りたてる役割を果たしましたが、その反省の上で、戦後、公共的な放送機関として出発しました。国民の側から権力を監視する自主、自立の原点に返ることが、今ほど必要な時はないでしょう。

(２０１３年１２月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

ひと／旧日本軍「慰安婦」を撮り続ける韓国人写真家安世鴻さん（４２）

　韓国江原道生まれ。結婚を機に日本に住んで３年半になります。東京都練馬区のギャラリー古藤で開催中の写真展（２６日まで）の運営スタッフと、ときに日本語でやりとりも。

　１９９６年、旧日本軍「慰安婦」にされた被害女性が生活している京畿道広州市の「ナヌムの家」を訪れたことをきっかけに今日まで被害女性たちを撮り続けています。

　「ハルモニ（おばあさん）の痛みを『頭』でなく『心』で理解したとき、カメラを手に取るようになりました。どうしたらハルモニを助けられるだろうかと考えています」

　昨年６月ニコンは突然、東京・新宿ニコンサロンで予定していた「慰安婦」の写真展の中止を通告。東京地裁に開催するよう申し立て、新宿で開催しましたが、大阪のニコンサロンではできませんでした。現在、ニコンの中止決定は不当だとして、表現の自由を守るために東京地裁でたたかっています。

　１０代後半に韓国の労働運動家チョン・テイルの評伝を読み、朝鮮半島の統一、労働問題など社会問題に関心を持ちます。それまで単なる趣味だったカメラは真実を伝える手段になりました。

　苦悶の表情を浮かべうつむくハルモニの写真があります。提訴したときにそれを大きく引き伸ばし、自宅に飾りました。「負けないぞと毎日誓っている」。穏やかな表情がきりっと変わり覚悟を感じさせました。

　文　仁田　桃

( ２０１３年１２月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

「深刻な憂慮」で決議

　【ソウル＝時事】韓国国会は１９日の本会議で、日本の集団的自衛権行使容認の動きに「深刻な憂慮」を表明し、推進中断を要求する決議を賛成多数で採択しました。

　決議は「日本政府はまず、歴史の美化、歪曲（わいきょく）をやめなければならない」とし、慰安婦問題での賠償などを要求。「集団的自衛権行使の推進を通じて、北東アジアでの影響力拡大をもくろんではいけない」と強調しました。

( ２０１３年１２月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

２０

「慰安婦」問題で講演

　栃木県壬生町でこのほど、第５回壬生町母親大会が開かれ、満席の１００人余が集いました。（写真）

　吉川春子元日本共産党参院議員が「日本軍『慰安婦』問題の真実」と題して講演。それに先立ち、韓国人の元「慰安婦」の実像を伝える「Ｄ�XＤ」を上映。人権や平和の大切さを考え合いました。

　吉川氏は、「慰安婦」問題の解決と向き合わない安倍内閣を批判し、参院で秘密保護法を強行したことについても言及。アパルトヘイト（人種隔離）の廃止など世界の人権思想が発展しているもとで、戦前の人権侵害の悪法、治安維持法を復活させるような暴挙だと厳しく指摘しました。

(２０１３年１２月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争の痛み写真展／「ニコン訴訟」の安世鴻さん

　韓国人写真家、安世鴻（アン・セホン）さん（４２）＝名古屋市＝の写真展「安世鴻写真展ｉｎ練馬第２弾　重重　〜消すことのできない痕跡〜」が１８日、東京都練馬区の「ギャラリー古藤（ふるとう）」で始まりました。同実行委員会と重重プロジェクトの主催。

　安さんは「去年に続いて２回目の写真展。引き続き活動しているのをみなさんに見てもらいたい。来てくれる人にも『慰安婦』問題に関心を持ち続けてほしい」と語ります。

　写真展は、第２次世界大戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」のほかにフィリピンの被害者、韓国の「ナヌムの家」に住むハルモニ（おばあさん）の新しい写真約４０点を展示しています。

　安さんは現在、「慰安婦」を題材にした写真展がニコンによって突然中止決定（昨年５月）されたことを受け、同社を相手に表現の自由をめぐって裁判でたたかっています。「市民や団体が力を合わせてこの場をつくってくれたことはとても意義があります。写真を通して戦争の痛みを伝えたい」と話しました。

　同展は２６日まで。午前１１時３０分から午後７時３０分。会期中無休。入場料３００円、大学生以下無料。トークイベントは参加費１０００円（要予約・入場料含む）。イベントの予約は�рO３（３９４８）５３２８またはメールｊｊｔｅｎｅｖｅｎｔ＠ｇｍａｉｌ．ｃｏｍへ。

( ２０１３年１２月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

上海で東京裁判国際シンポ／研究センターの設立を機に／立教大学名誉教授・上海交通大学名誉教授粟屋憲太郎さんに聞く

　東京裁判の判決言い渡しから６５年。中国、日本、アメリカの研究者による東京裁判国際シンポジウム（１１月１２〜１４日）が中国の上海交通大学で開かれました。同大学の名誉教授でもある粟屋憲太郎立教大学名誉教授にその模様などを聞きました。

　（神田晴雄）

　シンポジウムは上海交通大学に東京裁判研究センターが昨年設立されたのを機会に開かれ、中国、日本、アメリカの研究者約７０人が参加しました。この大学は中国で四つの指に入る有名な大学です。

世界初の機関、研究者も意欲

　東京裁判に絞った研究機関は中国でも世界でも初めてです。中国はいま東京裁判の速記録の索引をつくったりしています。中国側の中心になった程兆奇教授は「国家的規模でやりたい」と意欲的でした。日本では戦争犯罪裁判の研究機関に政府がお金を出すなんて望むべくもないですが。

　中国の研究者は若手が多く、報告の題目は「東京裁判による戦後国際法発展への影響」「弁護側による中国共産主義脅威論」などです。内容は全体としてこれからという感じでしたが。

　日本からは荒井信一さんや内海愛子さん、芝健介さん、中里成章さん、林博史さんはじめ第一級の研究者たちが参加しました。

　このうち林さんは、連合国の戦犯裁判政策の流れを跡づけ、「人道に対する罪」が朝鮮女性の「慰安婦強制」に適用されなかった要因は、戦時国際法が朝鮮、台湾などの植民地を差別していた限界にあると分析しました。

　『パル判事』の著書がある中里さんは、１１人の判事中ただ一人被告人全員無罪を主張したインドのパルについて、「大東亜共栄圏」「八紘一宇」などのスローガンに親近感を抱くその政治的・思想的背景を報告しました。

相次ぎシンポ、第２のピーク

　東京裁判研究は裁判当時（１９４６〜４８年）を第１次ピークとすれば、現在は第２のピークと言ってよい状況です。この間私が参加しただけでも、国際シンポジウムがベルリン（独）、カン（仏）、メルボルン（豪）で開かれ、ニュージーランドでは資料集が出版されました。

　東京裁判は「勝者の裁き」とか言われますが、中国はずっと侵略戦争の被害者でした。アメリカのように原爆を投下したわけでもない。また、日本の植民地支配における残虐な行為や毒ガス戦など、審判をまぬがれた戦争指導者や重要な出来事が多いことを見ても、「勝者の裁き」論は当たりません。

　また、「平和に対する罪」「人道に対する罪」は事後法であり罪刑法定主義に反するという批判があります。事後法による遡及罰の禁止は国内法では人権を守るために必要ですが、東京裁判当時の国際法では罪刑法定主義は原則となっていませんでした。特に戦争犯罪では禁止しなくてもよいと考えられています。

　中国側は来年か再来年に今度は東京で開きたいと話していました。日中関係は良くないですが、この学術交流が改善のための一助になればと思います。

( ２０１３年１２月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

岡山市母親大会開く

　岡山市母親大会が８日、市内北区で開かれました。主催者を代表し松浦純子さんが「今日の集会を、国民の知る権利を犯し、もの言わぬ国民をつくろうという安倍首相の野望を打ち砕く第一歩にしよう」と呼びかけ。石川康宏氏（神戸女学院大学文学部教授）が、戦争と女性「ゆがめられた人権、慰安婦問題を含めて」と題して講演しました。子どもの医療費無料化や産廃処分場建設反対、消費税増税、年金削減反対の取り組みなど各団体の活動を交流しました。

(２０１３年１２月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争の歴史真実学ぼう／静岡・沼津で集い

　静岡県沼津市で６日夜、「戦争と平和を考える市民のつどい」が行われ、１５０人が参加しました。主催は平和団体のオリーブジャムと沼津母親連絡会です。

　日本軍「慰安婦」問題で、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンターの西野瑠美子共同代表が講演し、俳優の有馬理恵さんが朗読・ひとり語り・ひとり芝居をしました。

　西野代表は、日本軍による強制的な性奴隷化はインドネシアで行われたＢＣ級戦犯裁判で認定されていると説明。安倍総理をはじめ自民党や維新の会が事実を消し去ろうとするのは新たな戦争へ向かう目的を持っていると指摘し、「加害の事実を忘れず、過去を反省し、過ちを二度と繰り返してはいけない」と訴えました。

　有馬さんは、強制連行され性奴隷とされた女性たちの体の痛み、心の傷を表現し、「日本政府が事実を認め、人間としての尊厳を回復してほしい」という被害女性たちの訴えを熱く演じました。

　オリーブジャムの萩原繁之事務局長は、「秘密保護法により民主主義と人権が圧殺され、歴史の事実がなかったかのようになってはいけない。未来のために真実を学び、役立たせていこう」と呼びかけました。

(２０１３年１２月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」立法解決を／課題話し合う／市民団体が懇談会／高橋・紙・田村各議員が出席

　日本軍「慰安婦」問題の早期の立法解決を求める市民団体が１０日、参院会館内で懇談会を開き、解決への課題を話し合いました。

　懇談会では、１９８１年に日本で初めて「慰安婦」の事実を放映したといわれる番組「１１ＰＭ」のビデオを上映。戦後補償ネットワークの有光健世話人代表は「被害女性の梅毒検査を行った軍医の証言や日本の産業『慰安婦』被害者の証言もある貴重な資料だ」と語りました。

　８月に韓国で被害女性の代理人として調停を申し立てた崔鳳泰弁護士があいさつ。日本政府が賠償は解決済みとしている日韓基本条約について、韓国政府が公開し、放棄した請求権に日本軍「慰安婦」などは含まれていないと指摘。「韓国政府が日本政府に要求しているのは日韓請求権協定にもとづく政府間協議だ。協議を進めるために日本も条約を公開することが必要だ」と強調し、立法による解決を求めました。

　日本共産党から高橋ちづ子衆院議員、紙智子、田村智子の両参院議員が出席。紙議員は「歴史の事実をゆがめる安倍内閣は許せない。日韓請求権協定の定めの通り、解釈に紛争があるのだから政府間で協議すべきだと迫っていきたい」と語りました。民主党議員も参加しました。

( ２０１３年１２月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

１０

秘密保護法実施させない／大会で特別決議／新婦人大阪府本部

　新日本婦人の会大阪府本部は８日、第２７回大会を大阪市で開きました。「改憲ゆるさず、くらし、平和、ジェンダー平等を　あふれる女性の願いを行動に、新婦人いまこそ大きく」の大会議案と秘密保護法を実施させない特別決議を採択。安倍自公政権、橋下・「維新の会」の危険な暴走を阻止する決意を固めあいました。

　川本幹子会長はあいさつで、秘密保護法の強行採決を「歴史の歯車が逆戻りしたようなとんでもない法」と批判。「戦後の女性運動の原点は二度と戦争したくないという誓いです。新婦人は憲法改悪に反対し、軍国主義復活を阻止します。元気と勇気を分けあえる仲間がいることを誇りに頑張りましょう」と呼びかけました。

　各支部がくり広げてきた多彩なとりくみを交流しました。

　「秘密保護法許せないリレートーク」では「『知らない間に戦争になっていたということがないように』と４人の子を連れたお母さんが署名」（泉北ニュータウン支部）、「職員に自衛隊の研修をさせるなど、改憲・戦争する国づくりを先取りする市政に対し、平和と暮らしを守る運動を続ける」（泉佐野支部）などの発言がありました。

　豊中支部の森本久美子さん（４０）は「新婦人に出会えたのは私の運命です」と満面の笑みをみせました。「出会うまで社会でおかしいと思うことに声を上げることを知りませんでした。暮らしと政治は密接につながっていることをわかりやすく発信し、仲間を増やしたい」と語りました。

　大阪憲法会議の梅田章二幹事長、「橋下市長の『慰安婦』・性暴力発言を許さず辞任を求める会」の中野冬美さん、日本共産党の宮本岳志衆院議員が来賓あいさつしました。堺市の竹山修身市長がメッセージを寄せました。

(２０１３年１２月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

広島で慰安婦学習会

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークはこのほど、広島市中区の原爆資料館で学習会を開き、約３０人が参加しました。

　同ネット共同代表の一人で、日本軍による強制連行などの裁判に取り組む足立修一弁護士が「政府の『解決済み論』を克服する」と題して講演しました。

(２０１３年１２月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下市長の辞任求める／「慰安婦」問題でシンポ／大阪

　日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークは１日、シンポジウム「維新・橋下市長の歴史認識を問い、辞任を求める」を大阪市内で開きました。吉見義明中央大教授や梁澄子（ヤン・チンジャ）日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表、方清子（パン・チョンジャ）関西ネット共同代表が討論しました。

　吉見氏は、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）が「慰安婦」問題に関する発言を次々変える一方で、一貫して▽軍・政府の責任は認めない▽性奴隷ではない―と内外で対応を使い分けていると指摘。「維新」の桜内文城衆院議員が吉見氏の著書を「捏造（ねつぞう）」だと名誉棄損の発言をしたとして提訴した経緯をのべ、「日本軍『慰安婦』制度は性奴隷制度であったことを多くの方と協力してさらに明確にしていきたい」と話しました。

　梁氏は、問題の解決には事実認定をしたうえで謝罪、その証明としての国家賠償が必要だとし、事実は認めず謝罪に言及する橋下氏の主張は通らないと批判。安倍政権や「維新」が強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話の見直しを掲げており、「橋下氏の主張は基本的に安倍政権と同じで、政権を側面で支える役割を担っている。河野談話を守るというだけでは被害者の望む解決にはならない」と語りました。

　弁護団の大森典子弁護士が裁判の支援を訴え。会場からの「『世界でもやっていた』にどう反論すれば」などの質問に、「『慰安婦』とされた人たちが閉じ込められ、性を強制され暴力を振るわれたことを見れば性奴隷であることは明確」（大森氏）と答えました。

( ２０１３年１２月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

波動／ＮＨＫ会長の資格とは／隅井孝雄

　ＮＨＫをウオッチしている市民団体が、１１月上旬相次いでＮＨＫ会長の公正な選出を求める要望書をＮＨＫ経営委員会に提出した。「ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」「ＮＨＫ問題京都連絡会」、「ＮＨＫ問題を考える会（兵庫）」などだ。いずれも政治的にも公正で見識のある人物を強く望んでいる。

　そうした中で「会長選出の任に当たるＮＨＫ経営委員会の��指名部会�≠ｪ１１月２６日に開かれ、会長資格要件を決めた」という報道に接した。「公共放送の使命への理解、政治的中立性など６項目が要件」（ｙｏｍｉｕｒｉ　ｏｎｌｉｎｅ１１月２６日）だという。１２月１０日に候補を決めることも明らかになった。松本正之現会長の任期切れは２０１４年１月２４日。気になるのは安倍首相の周辺でしきりに会長交代論が出ていることだ。「自民党などから、原発再稼働やオスプレイをめぐるＮＨＫの報道姿勢に不満がくすぶっているとされる、また民主党政権時代の人事は白紙にしたいという思いもある」（東京新聞１１月１９日）との報道もある。

　最近経営委員に安倍首相ときわめて近い人物が選ばれた。会長の選出には１２委員のうち９人の賛成が必要であるため、「首相の意中の会長にするべく送り込んだ」といわれる。安倍首相は以前から、ＮＨＫに対してはなみなみならない関心を抱いていたことでも知られる。従軍慰安婦関連番組の改変についても安倍氏の関与が指摘された（２００７年１月、東京高等裁判所判決）。

　ＮＨＫ経営委員会には１２月から、安倍周辺グループが委員に加わるが、それに先だって政治的中立などの資格要件が決められたことは一定の意味を持っているといえよう。

　ＮＨＫは視聴者の受信料で支えられる公共放送である。当然のことだがその会長は文化的識見を持ち、政治的中立性とジャーナリズムへの深い理解が要求される。また再任にせよ、新任にせよ、候補者の所信表明公表の機会を持つこと、あるいは候補者を公募することなど視聴者の意向を直接反映することも必要ではないか。

　（すみいたかお　ジャーナリスト）

( ２０１３年１２月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」根本解決を／研究者ら、吉見氏裁判支援へ

　日本軍「慰安婦」問題研究者の吉見義明中央大学教授が、自らの著書を日本維新の会の桜内文城衆院議員に｢ねつ造｣と誹謗（ひぼう）されたことについて名誉棄損で東京地裁に提訴した裁判をめぐり、支援する研究者が８６６人の賛同で吉見氏を支持し「慰安婦」問題の解決を求める声明を発表しました。呼びかけ人が２９日、大阪市で会見しました。

　桜内氏は今年５月、日本外国特派員協会での橋下徹大阪市長の記者会見に同席したさい、「吉見さんの本を（司会者が）引用されておりましたけれども、これはすでにねつ造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と吉見氏の著書を侮辱しました。

　ところが、桜内氏側は「ねつ造」と述べたのは吉見氏の著書ではなく「性奴隷」という概念だと主張。「『慰安婦＝日本軍の性奴隷』という虚偽を世界に発信している吉見氏の讒訴（ざんそ）を法廷で粉砕します」などと開き直っています。

　声明では、桜内氏の不誠実な法廷戦術への憤りを表明するとともに、桜内氏側の論理の背景には、過去の日本の過ちから目をそむけ、被害者に責任を転嫁することで自らを正当化する「ゆがんだ歴史観がある」と指摘。｢慰安婦｣問題の根本的解決が近隣諸国との真の和解を成し遂げるために不可欠との認識に立ち、研究の自由を守るためにも、裁判で吉見氏を全面的に支持すると表明しています。

( ２０１３年１２月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

（1１月）ヘッドライン

３０

秘密保護法反対／知ろうとすることが罪に／超党派８市議が宣伝／大阪・高槻

市民が主役の岸和田に／市長選で信貴氏当選／民主市政の会声明

２５

未来のために行動／全国高校生集会が閉幕／広島

日本は過去とどう向き合ってきたか／山田朗著／評者川田文子ジャーナリスト

20

おはようニュース問答／ＮＨＫ新経営委員、早くも報道に影響？

秘密保護法廃案求め声明／憲法を考える歌人のつどい

一点共闘の要、革新懇元気／地域／職場／青年／憲法

ＮＨＫ経営委員／安倍首相��偏向�＄l事／憲法否定／国防軍保持論者ら／公共放送の私物化に

「慰安婦」問題の解決を／小池氏あいさつ／日韓平和シンポ

都議会みんなの党、維新と合同会派結成に向け検討

教科書検定基準改定／近隣諸国条項骨抜きにする／子どもと教科書全国ネット２１の俵義文事務局長の話

潮流

「秘密保護法案」に反対／ジャーナリストの会見から／下

「慰安婦」写真展中止／東京地裁でニコンが説明

１０

韓国大統領「日本は考え方改めよ」

釈迦内柩唄見て人権問題考える／岡山

岸和田に維新市政ノー／「明るい会」女性連絡会が宣伝

婦団連、民法改正へ３署名提出／選択的夫婦別姓など／穀田議員「運動心強い」

アベさまのＮＨＫ？／経営委員人事で何ねらう／秘密保護法や原発報道に影響も

朝の風／強制連行を否定する口実

米副大統領、来月２日に来日

５

日本と会談、意味なし／歴史認識で反省ないと批判／韓国大統領

ＴＰＰに反対／かかしも訴え／群馬県母親大会

全支部で綱領学習／共産党にほれ直した／岡山・倉敷市二福支部のＴ・Ｔさん手記

女子挺身隊賠償命じる／太平洋戦争時「三菱重が過酷労働」／韓国・光州地裁

大阪壊さんとって／ストップ・ハシズム集会

11月（本文）（Page/Top）

30

秘密保護法反対／知ろうとすることが罪に／超党派８市議が宣伝／大阪・高槻

　「秘密保護法案はなんとしても廃案に」と２８日、大阪府高槻市の市議が党派を超えてＪＲ高槻駅前で宣伝を行いました。超党派での宣伝は同市では初めて。１２月４日にはパレードを行います。

　ともに宣伝したのは日本共産党の３氏と社民党、緑の党各１氏、無所属３氏の合わせて８氏。日本共産党の宮原威府議も参加しました。民主党の市議は同時刻に同駅の反対側で宣伝しました。

　８氏はそれぞれ衆院の強行採決に抗議するとともに、「正しい情報が国民に伝わらなくなる。これほど恐ろしい法案はありません」「何が秘密かは秘密にされ、知ろうとするだけで罰せられます。これでは私たちの命は守れず、戦争反対も言えません」と訴えました。

　同市では、自衛隊のイラク派兵反対や、府の教育基本条例制定に反対する意見書、橋下徹市長に対する「慰安婦」暴言への「猛省と責任の自覚を促す決議」など、超党派の議員の賛成で可決してきました。

　今回の超党派の宣伝はこれまでの積み重ねのうえに実現したもので、日本共産党の中村玲子市議団長が無所属の二木洋子市議や民主党市議に声をかけたのがきっかけです。

　訴えに拍手を送っていた松本千峰さん（５４）は、「知る権利や言論の自由が侵害され、なしくずし的に憲法が改悪されていくのでは」と不安を語り、反対の声をあげていきたいと話しました。

(２０１３年１１月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

市民が主役の岸和田に／市長選で信貴氏当選／民主市政の会声明

　大阪府岸和田市長選で「岸和田民主市政の会」が自主的に支持した信貴（しぎ）芳則氏が当選。橋下・「維新」に審判を下した２４日夜、同会は声明を発表しました。

　声明は、会が維新による地方自治破壊を許さない立場で政策の最も近い信貴氏の支持を決め、たたかったと指摘。「橋下・維新が大阪市で進める市民の暮らし切り捨てや従軍慰安婦発言、職員の思想調査など異常な人権感覚に基づいた『維新政治』を歴史と伝統ある岸和田市に持ち込ませるのか、市民が主人公の市政を発展させるのかが問われた選挙だった」としています。

　信貴氏が「岸和田のことは岸和田で決める」「府や大阪市、維新のいいなりにはならない」と反維新を明確に打ち出したと紹介。「維新政治の岸和田市政への持ち込みノー」の目標で党派を超えて幅広い市民との共同の輪が広がり、堺市長選での維新ノーの流れを岸和田でも広げ、維新を隠しても維新政治は受け入れられないことを示したことは大阪での橋下・維新とのたたかいに決着をつける意義のある結果となるものと強調。

　「信貴氏を先頭に岸和田で長く培われた市民が主役の『生きる希望の持てるまち・岸和田』をつくっていくスタートになる」と述べています。

(２０１３年１１月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

２５

未来のために行動／全国高校生集会が閉幕／広島

　広島県で行われていた「平和・人権・民主主義を考える第４９回全国高校生集会」は２４日、閉幕しました。３日間で京都、岡山、広島、山口の４府県から、のべ３１２人が参加しました。

　２日目からは海田町の広島国際学院高校で五つの分散会が開かれ、生徒会活動や学校行事、旧日本軍「慰安婦」問題、非正規雇用、スマートフォンの影響など１８本のリポート報告をもとに討論しました。

　閉会集会では「私たちは学びました／核の恐ろしさを／私たちは考えました／地域や学校のことを」「広げよう仲間の輪を／行動しよう未来のために」とのアピールを採択。来年１１月に京都府で開く第５０回記念集会での再会と成功を誓い合い、閉会しました。

( ２０１３年１１月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

日本は過去とどう向き合ってきたか／山田朗著／評者川田文子ジャーナリスト

戦後世代の戦争責任追及の意味

　「美しい国」「強い国」を標榜し、戦争をできる国づくりに邁進する安倍政権下、政界やネット社会で歴史修正主義が蔓延している。「歴史を直視せず、現実にあったことを『なかった』とする考え方」だ。日本が行った侵略戦争を当時の戦争観と同様「アジア解放の戦争」と捉え、植民地支配を肯定する価値観や認識である。

　この書は�@河野談話（「慰安婦」問題）、村山談話（侵略・戦争、植民地支配）、宮沢談話（教科書検定基準の「近隣諸国条項」）の排除をもくろむ政界�A靖国の思想�B歴史修正主義を支える戦争観�C現代における∧戦争責任∨とは何か―の四つの主題について歴史修正主義の誤りを論証している。

　著者は「戦争非体験世代」（人口の８割余）が戦争責任を追及する意味は、歴史状況の中で国家の判断・行動がもたらした結果を実証的に検証し、因果関係や責任の所在を明らかにし、国民の共通認識として定着させることだと指摘する。戦争体験世代ができなかった戦争の後始末を現代に即した形で行うことは新しい社会・国際関係を築き、未来を切り開く作業になる､と｡

　歴史修正主義の戦争肯定、他国・他民族排斥、国家（天皇）中心の思想、無条件での犠牲の神聖視は靖国の思想と重なる。上級司令部の作戦の失敗による部隊全滅を「玉砕」と粉飾、全滅指揮官を「軍神」とあがめ、若者ばかりか４０代まで戦場にかり出し、戦死者を「英霊」として靖国に祀った。�U章の「∧靖国の思想∨と特攻」は近代日本の膨張政策による無謀な戦争の愚かさを照射してあまりある。男女ともに戦争遂行に全生活を犠牲にする、そんな時代を再来させない力を培う書である。

　やまだ・あきら　５６年生まれ。明治大学教授。

( ２０１３年１１月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

20

おはようニュース問答／ＮＨＫ新経営委員、早くも報道に影響？

　晴男　最近のＮＨＫニュースがひどい。

　みどり　同感ね。

　晴男　消費税増税やＴＰＰ問題はもちろん、秘密保護法案も政府・与党の言い分をそのままたれ流すだけなんだ。

　みどり　国会で新たに承認された５人のＮＨＫ経営委員が安倍首相に近い人物だと話題になった。首相の応援団や元家庭教師とか…。

「９条改悪」布陣

　晴男　ニュースに早くも影響が出ているのか。

　みどり　市民団体が開いた集会で、元ＮＨＫのプロデューサーが「首相の意を受けたＮＨＫ経営委員が大量に入ってくるのを怖がって、すでにニュース報道がねじ曲がっているのではないか」と危惧していた。

　晴男　一体、５人はどんな人物なんだい？

　みどり　憲法改悪に反対する人たちを「９条教信者」だの「妄想平和主義者」と悪口を浴びせる作家や、右翼・改憲団体「日本会議」の代表委員を務める学者もいる。

　晴男　「近い人物」どころか、安倍首相が執念を燃やしている「９条改悪」の意を受けた布陣というわけだ。でも、経営委員は、放送内容に口を出せないんだろう？

　みどり　当然よ。でも、番組の制作・編成について責任を負う会長の任免権を持つ。首相の狙いは、来年１月に任期が切れる会長の後任に自分の取り巻きを据えることだと指摘されているわ。

　晴男　現会長の経歴は元ＪＲ東海副会長だよ。

　みどり　今の会長は職員の給料をカットするなど経営に大ナタを振るった。一方で、番組内容については細かくチェックしない人物だという。原発報道や復興予算のムダ遣いを追及した番組に対して、自民党内部から「偏向報道」の強い批判があがったのよ。

首相には��前科��

　晴男　実際、安倍首相には日本軍「慰安婦」を扱ったＥＴＶ番組に圧力をかけて改ざんに追い込んだ��前科�≠ｪある。このままでは、「みなさまの受信料」で支える公共放送が、「アベさまのお友達」が支配する国営放送になりかねない。

　みどり　市民団体が今回の経営委員人事に反対する要望書をＮＨＫや国会に送ったそうよ。委員は私たち視聴者の代表なのだから、これからしっかり言動を監視していく必要があるわね。

　( ２０１３年１１月２０日，「赤旗」）（Page/Top）

秘密保護法廃案求め声明／憲法を考える歌人のつどい

　９回目となる「憲法を考える歌人のつどい」（主催・憲法九条を守る歌人の会）が１６日、東京都内で開かれ約６０人が参加しました。冒頭に、秘密保護法案の撤回と廃案を求め、明文改憲や解釈改憲、国家安全保障法に反対する声明が拍手で確認されました。

　笠原十九司・都留文科大学名誉教授が、「日本軍兵士は中国戦線において何をしたか」と題して講演しました。安倍政権が教科書の検定基準を変えて政府見解を書かせようとしていることに触れ、「中国で日本兵が何をしたかの実態を、いまこそ知る必要がある」と指摘。捕虜刺殺や虐殺を拒んだ兵士・渡部良三が戦争中に詠んだ歌を『歌集　小さな抵抗　殺戮（さつりく）を拒んだ日本兵』から選び、〈隠れ居し老か火達磨に叫びつつまろびいでしを兵は撃ちたり〉〈終身の未決囚の如き兵等いま慰安婦のいのち踏み躪（にじ）るなり〉など、詳しく紹介しました。

　雁部（かりべ）貞夫さんが土屋文明の大陸歌集『韮菁集（かいせいしゅう）』について講演。農婦として生き、戦死した夫を思い歌を詠んだ相原ゆうの歌が『柊（ひいらぎ）の花』から朗読されました。「憲法九条を守る歌人の会」の歌集『憲法を詠む』（第６集）の歌も読みあげられました。

( ２０１３年１１月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

一点共闘の要、革新懇元気／地域／職場／青年／憲法

　「激突の情勢　政治を変える新しい共同を」をスローガンに堺市と大阪市で１６、１７両日開かれた地域・職場・青年革新懇の全国交流会。「一点共闘の要」となり、「政治革新の懸け橋」となる革新懇の役割に確信を深め、新しい日本をつくる勇気と展望が参加者にみなぎる交流会となりました。

地域／市民の声、政治動かす

　「９条守れの駅頭宣伝は９年、消費税増税反対は６年、原発反対は１年、年末年始も休まず続けている。『一点共闘』をやればやるほど、アメリカと財界いいなり政治でいいのか、という声が広がっている」

　粘り強い活動で市民世論を変えていると報告した大阪寝屋川革新懇。「要求実現、政治革新の共同センターの役割を果たそう」と力をこめました。

　「生活密着型の革新懇」と注目された横浜市の岸谷地域革新懇。ＪＲ踏切事故を機に安全対策運動に取り組み、革新懇の署名用紙が町内会に回覧され、署名は有権者の２０％を突破。テレビで全国に紹介され市やＪＲが対策に踏み出したと述べると、驚きの声。「地域から共同を前進させたい」と語りました。

　奈良あすか革新懇は憲法から落語寄席、河川清掃とユニークな活動を紹介。福島、宮城では復興と政治革新を結び付けて活動。山梨・韮崎革新懇は議会請願の改善に取り組み、請願提出者の趣旨説明や、必要な紹介議員数を２人から１人にさせるなど市民の声で政治を動かす取り組みを前進させていると述べました。

　福井県では秘密保護法案反対を県下の各党に呼びかけ共産、民主、社民、維新の野党４党共同アピールが実現したと報告。「地元マスコミで革新懇の呼び掛けで実現したと紹介された」と述べました。

職場／立場の違いを超えて

　職場革新懇は労働組合や立場の違いを超えて活動しています。

　大阪府の国公職場では非正規や委託先の労働者も取り組みの対象とし、管理職も参加。代表は「大きく広げる立場で、今こそ頑張る必要がある」と述べました。山梨県の教育職場では小中高校、大学の教職員、ＯＢなどが参加。学校統廃合問題など教育をテーマに学習会を開き、政治革新の多数派をめざして活動しています。

　参院選での日本共産党の躍進によって革新懇運動にも変化が―。

　大阪市役所の代表は、参院選と堺市長選後、門前配布ビラの受け取りがよくなるなど職場の変化を感じているとのべ、「大阪都」構想を許さない共同を広げていくとのべました。マツダの代表は、山口地裁で正社員と認められた、「非正規切り」とたたかう原告団が職場復帰するまで頑張ると語りました。

　東京の西武鉄道で活動する代表は、利用者の安全を守ることなど、地域に根ざした鉄道をめざす提言活動にも取り組みたいと表明。「利用者ともつながれる課題だ」と述べました。全日空職場の代表は秘密保護法案に対し、米軍機のニアミス報告や米軍規格が多い部品の扱いなどで処罰されかねない危険な法案と批判しました。

　日本共産党の山下芳生書記局長代行が発言。職場情勢の最大の特徴として、�@反共の壁が崩れ、党への新たな期待が広がっている�A賃上げによる景気回復など職場で一点共闘の条件が広がっている�B一点共闘を統一戦線に発展させる上で職場は特別の重要性がある、と述べました。

青年／身近なところから出発

　青年革新懇では、身近なところから政治の実態を知り、政治革新の多数派をつくる動きが始まっています。

　北海道では札幌市議会の傍聴ツアーを実施。「青年が声を上げていかなければならない」と話し合いました。神奈川県では、米軍基地の現地調査を実施。音楽活動をしている女性が「平和的なものと相いれない。米軍基地は断固反対です」と語りました。

　ブラック企業の学習会を開いているのは大阪わかもの革新懇。小玉洋子さん（３６）は社会のことを話せる場が新鮮だと感じたと述べ、「もっと人数を集め、政治や社会を変えていきたい｣と語りました｡

　全国に先駆け青年革新懇を結成した愛知の山本晃子さん（３１）は、各分野の青年の横のつながりがない状況をあげ、「集まりたいと思える企画を立てて、ゆるやかにつながってお互いに励まし合えるネットワークの役割を革新懇が果たしたい」と語りました。

　日本民主青年同盟の田中悠委員長は、３・１１キャンドルデモ、ネット上の「９条、いいね！キャンペーン」などにふれ、青年の感性を大事にしながら幅広い青年を結集していこうと呼びかけました。

　日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は「日本共産党だけで社会を変えられるとは考えていません。広範な人たちと変えていきたい。国会議員は世論の盛り上がりを敏感に感じています。多くの声をあげていただきたい」と期待を込めました。

憲法／改悪反対の世論広げて

　憲法をめぐっては、「９条の会」などと一緒に宣伝署名、集会、保守層との共同など改悪反対の世論を広げています。

　京都府の乙訓革新懇は、地域の全「９条の会」に集会開催を呼びかけ、「あなたは子や孫を国防軍に行かせますか」と連日宣伝。医師、作家、住職、社民党や無所属の市議など各界８２人の賛同で、３３０人が参加する集会となりました。革新懇の代表は、「９条の会」で積極的に奮闘するとともに、憲法を守る政治に変えていくことが重要だと強調しました。

　沖縄革新懇の代表は「軍事基地があるのは日米安保条約が憲法９条を侵しているからだ。革新懇が安保廃棄の世論を広げていく必要がある」と述べて、革新懇の役割を指摘しました。

　日本軍「慰安婦」をめぐる暴言をはじめ橋下「維新」のもとで大阪市民は痛めつけられてきたが力もつけてきた―。こう強調したのは、新婦人大阪府本部の代表。秘密保護法案反対で府内の女性団体に呼びかけて緊急女性パレードを行ったと報告しました。「廃案へたたかいをさらに広げ、戦後ずっと続けてきた憲法９条を守る運動もさらに頑張りたい」と語りました。

( ２０１３年１１月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

ＮＨＫ経営委員／安倍首相��偏向�＄l事／憲法否定／国防軍保持論者ら／公共放送の私物化に

　安倍晋三首相主導の��偏向�＄l事に批判が高まっています。安倍内閣提出の新しいＮＨＫ経営委員を８日、自民、公明、維新、みんなの各党の賛成で承認しました。来年１月に松本正之ＮＨＫ会長の任期切れを控えており、ＮＨＫと政治との距離が、再び大きく問われています。

　同委員会は、ＮＨＫの最高意思決定機関。任期は３年で会長の任免、経営方針の議決などの権限を持っています。ＮＨＫ会長は、委員１２人のうち９人以上の賛成で選ばれます。

　今回補充されたのは５人(新任４人､再任１人)｡このうち新任の百田尚樹氏(作家)と埼玉大学名誉教授の長谷川三千子氏は、昨年の自民党総裁選で安倍首相を支援する民間人有志の会の発起人。日本たばこ産業（ＪＴ）顧問の本田勝彦氏は、首相の小学生時代の家庭教師｡中島尚正氏は､首相のブレーンとされる葛西敬之東海旅客鉄道（ＪＲ東海）会長が副理事長を務める学校の校長です。

　「経営委員会は私的懇談会とは違います。こんなに露骨な縁故主義は聞いたことがない｣というのは｢ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の湯山哲守さん。

　「報道の公正性は権力の恣意(しい)的なコントロール下においてはならないものです。ＮＨＫ会長人事はもちろんのこと、ＮＨＫに番組改変を迫って実現させた実績を持つ安倍氏が首相であることを考えると、政権の放送内容への干渉が極めて憂慮されます」

　その番組とは慰安婦問題を扱った「ＥＴＶ２００１｣｡放送前日、当時官房副長官だった安倍首相は首相官邸に出向いたＮＨＫ幹部に｢公正中立に｣と注文｡その直後に番組は大幅改ざんされました。

　同番組のプロデューサーだった永田浩三さん(武蔵大学教授)は今回の人事で選ばれた長谷川、百田両氏の言動を問題視します。長谷川氏は「第９条の神話を一回、突き崩す必要がある」とネットＴＶチャンネルＡＪＥＲで公言。百田氏もツイッターで「現行憲法下では満足に応戦できない」と国防軍を持つことを主張しています。

　「放送法には経営委員の要件として公正な人とあります。放送法は､不偏不党をうたい､放送が健全な民主主義の発達に資するように、と書いています。放送機関の経営を直接担う人が日本国憲法の根幹をやゆしたり、否定するのは間違っています。明らかに不適格といっていい」

　ＮＨＫには戦前、国策宣伝機関として国民を戦争に駆り立てていった歴史があります。その反省から戦後、ＮＨＫは再出発。経営委員会は、権力からの独立を保障する機関として設置されました。

　しかし､｢それが悪用されかねない事態」だと永田さん。第１次安倍内閣のときに��政治任用�≠ｳれた古森重隆経営委員長が、０７年９月の経営委員会で「選挙期間中の放送については、歴史ものなど微妙な政治的問題に結びつく可能性もあるため、いつも以上にご注意願いたい｣と発言し､大きな問題に。さらにさきの放送法改定で経営委員の権限は格段に強化されました。

　９日、山口市で開かれた「視聴者のみなさまと語る会」（経営委主催）では、今回の人事に視聴者から「安倍さんは、ＮＨＫを自分の息のかかった放送にしようとしているのではないか」と疑問の声があがりました。

　日本共産党は今回の経営委員人事について｢特定の立場､首相との関係に異常に偏った人選になっている。公共放送の私物化になりかねない｣(志位和夫委員長)として反対｡同意人事には「視聴者コミュニティ｣や｢ＮＨＫ問題京都連絡会　京都メディア研究者の会｣｢ＮＨＫ問題を考える会（兵庫）」「放送を語る会」が否決を求める要請文を衆参両院の議長らに送付しました。

(２０１３年１１月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題の解決を／小池氏あいさつ／日韓平和シンポ

　「東北アジアの平和と繁栄のための日韓平和シンポジウム」が１６日、都内の日本プレスセンターで行われました。韓日親善協会、在日本大韓民国民団などの主催で、両国の市民団体、政界、宗教界などの代表ら１５０人が参加しました。この開会式に日本共産党から小池晃副委員長・参院議員が出席し、来賓あいさつしました。

　小池氏は、この地域で友好と協力をすすめ、平和を確かなものにするためにも、「日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台」と強調。特に日本軍「慰安婦」問題の解決は、被害者らの年齢を考えても「待ったなしの課題だ」とのべました。

　アジアや世界で日本の「右傾化」へ懸念が強まっていることに小池氏は、「日本国民の中には、歴史をゆがめる逆流への理性的批判も広がっている」と指摘。自身も参加した在日韓国人などへのヘイトスピーチに反対する市民の大パレードを紹介しました。

　日韓関係の改善と北東アジアの平和のため、いっそうの努力を表明した小池氏には、シンポ参加者から大きな拍手が送られ、「いいあいさつでした」などの感想が寄せられました。小池氏は、韓国の各界の参加者や国会議員と懇談しました。

( ２０１３年１１月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

都議会みんなの党、維新と合同会派結成に向け検討

　都議会の「都議会みんなの党」（野上幸絵幹事長、３人）と「日本維新の会都議団」（柳ケ瀬裕文幹事長、２人）が、年内をめどに合同会派を結成することを検討していることが１５日、明らかになりました。

　みんなの党と日本維新の会は、７月の都議選を前に共通政策をつくり選挙協力を行うことで合意しましたが、橋下徹維新共同代表の「慰安婦」暴言を契機に、協力を解消していました。

　みんなの党は都議選で１人から７人に増え、７月２３日に「都議会みんなの党」の会派結成届を議長に提出。維新側から合同会派結成の提案をうけましたが、幹事長人事などをめぐり、会派結成２日後に「都議会みんなの党」と「みんなの党」（両角穣幹事長、４人）に分裂し、合同会派構想は挫折していました。

( ２０１３年１１月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

教科書検定基準改定／近隣諸国条項骨抜きにする／子どもと教科書全国ネット２１の俵義文事務局長の話

　「プラン」の内容は自民党の教育再生実行本部の報告がいってきたもので、一政党の意見そのままに検定基準の改定をすることは手続き上も問題です。その内容は事実上、近隣諸国条項を骨抜きにするものです。特定の見解を強調するなとして、「南京事件はなかった」という主張も書かせたり、政府見解として「日本軍『慰安婦』の強制連行はなかった」、「解決ずみだ」と書かせることを狙っています。日本の侵略戦争の事実を書く教科書を、教育基本法の愛国心条項に反するとしてなくそうとするものです。

近隣諸国条項

　教科書検定で日本の「侵略」を「進出」などと書き直させていたことが１９８２年に国際的な批判を浴びたことがきっかけで、社会科の教科書検定基準に設けられた条項｡｢近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮」をすることを求めています。

( ２０１３年１１月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

潮流

　「私たちは特定秘密保護法案に反対します」という横断幕を手にずらりと並んだキャスターら８人。みんなテレビでおなじみの人です。励まされると同時に、そこにＮＨＫの人がいないことが残念でなりません▼日本民間放送連盟（民放連）は、６日に開かれた全国大会でも井上弘会長が秘密保護法案について言及。「知る権利と取材・報道の自由は民主主義の要であり礎であります。毅然とした姿勢で報道にあたっていただき、広く国民的関心と議論を喚起していただきたい」と各社に要望しました▼一方のＮＨＫはどうか。会長はもちろん、労働組合も「音なし」の構えです。放送関係者や市民でつくる「放送を語る会」のモニター結果を見ても、秘密保護法案のＮＨＫの報道は民放に比べて及び腰です▼安倍晋三内閣の意向を推察して既に報道の自粛が始まっているのではないか。そんな声も聞かれます。先ごろ国会同意人事で承認されたＮＨＫ経営委員は皆、安倍首相の��側近�≠ﾅした。憲法否定・国防軍保持論者、復古主義者…。思想的偏りは否めません。経営委員会が権力の代弁者になりかねない事態です▼安倍首相は２００１年の「慰安婦」問題を扱った番組でも介入して番組を変えさせた実績を持っています。ＮＨＫはいまだに政治圧力を否定しています▼ならば秘密保護法案も「毅然とした姿勢で」報道にあたるべきでしょう。「健全な民主主義の発達に資する」（放送法）という放送の使命は公共放送こそ担っているはずです。

( ２０１３年１１月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

「秘密保護法案」に反対／ジャーナリストの会見から／下

事実上取材できない／田原総一朗さん／テレビキャスター

　私が大臣を取材するとき、過去の発言との矛盾をついて「本当はどうなんだ」と聞く。この法案が通ったら「教唆・扇動」になると思う。官僚が「名を出さない」という約束で政治家に話す、それを政治家から聞いた記者が「○○省がこう言ってる」と書くと、「（政治家と記者の）共謀」になるだろう。これでは事実上取材ができない。

　もう一つ、自民党国会議員自身が秘密保護法をよく分かってない。アメリカには（保護される秘密について）二重三重にチェックする機関がある。日本には全くないと自民党幹事長に言ったら、「そうですね」と。こういうばかばかしい法律はあってはいけない。

安倍政権の体質反映／田勢康弘さん／日経新聞コラムニスト

　これほどの法案が出ているにもかかわらず、世の中があまり騒然としていないのは「メディアが困るだけだろう」という意識があるからで、その下地にはメディア不信があると思います。そこに政権が便乗している。われわれも反省しないといけません。

　（法案が出た背景に）今の政権の特殊性があります。（右傾化を狙った）憲法９６条改定や、靖国神社参拝、「従軍慰安婦」問題では、アメリカが賛同せず、ダメと言われた。いいと言われたのが、日本版ＮＳＣ（国家安全保障会議）と秘密保護法だったということです。

　政権の体質を見ても、初めからこれほど危ない法案はない。なんとしてもつぶさなければあかんと思います。

「多事封論」のおそれ／金平茂紀さん／ＴＢＳキャスター

　私が腹立たしいのは、「西山事件（外務省の機密漏えい）」が処罰対象になると担当大臣が言っていることです。沖縄返還に絡んで政府がアメリカと「密約」を結んでいたのに、「密約」はないと国民にうそをついていたということが本質です。それが処罰対象とはひどい、と心底憤りを感じます。

　２００２年にメディア規制３法が出たときに比べ、今はもっと息苦しい。当時、筑紫哲也さんは自身が担当していたニュース番組の「多事争論」を引き合いに「多事『封論』」と言っていました。多くの物事を自由に論じ合う空気を封じることを、私たちは体を張って止めなければいけない。法案は廃案にすべきです。

「戦争ができる国」に／鳥越俊太郎さん／テレビキャスター

　私は、ちょっと大きく考えてみたい。安倍政権は「レジームチェンジ（体制変更）」「積極的平和主義」と言っています。政権が求めているのは秘密保護法だけではありません。日本版ＮＳＣ（国家安全保障会議）を司令塔に、特定秘密保護法を手に持ち、最終的に集団的自衛権行使に踏み切る。これは「戦争をするよ」ということだと解釈しています。

　ＮＳＣ、秘密保護法、集団的自衛権の３点セットで「日本が戦争をできる国」にレジーム（体制）を変えるという。そのことを見抜いて、国民全体でこの法案に反対しなければならない。「廃案」を要求したいと思います。

( ２０１３年１１月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

「秘密保護法案」に反対／ジャーナリストの会見から／上

　「特定秘密保護法案」に反対し、１１日に東京都内で記者会見したメディア関係のジャーナリスト８人の発言要旨を２回に分けて紹介します。（発言順）

メディアは声あげよう／青木理さん／テレビコメンテーター・元共同通信記者

　非常に強い懸念を抱いています。法案には「テロ対策」目的なら秘密にできるという文言が入っています。長く警察を取材してきましたが、これが制定されれば、警察関連のほとんどの情報が特定秘密にされかねない。

　公安警察の本（『日本の公安警察』、１９９９年）を書いたことがありました。この法案ができれば、あの本はもう書けない。

　この１０年、メディアが急速に息苦しくなっています。どの社にも共通すると思いますが、みんな臆病になっているんじゃないか。もっと声をあげ、自由に振る舞うべきではないかと思っています。

「伏せ字」問うと教唆に／大谷昭宏さん／テレビコメンテーター・元読売新聞記者

　法案は、２１条で報道の取材については「正当な業務」であれば罰せられないとしている。一方２４条で、共謀、教唆、扇動が罪になると書いています。

　きょう皆さん方にお配りしている私たちの声明に黒塗りのところがあります｡｢この黒字で伏せているところを教えて｣と取材先に言えば｢教唆｣になるんです｡｢これは公共の利益のために必要だから､言ってくれ｣と頼めば､これは｢扇動｣になるわけです｡

　つまり私たちの取材すべてをひっかけられる。（２００９年に廃案にさせた）「共謀罪」を見事に復活させた、といえると思います。

　※共謀罪　犯罪の実行がなくても謀議だけで処罰を可能とする

��知らしむべからず�＝^川村晃司さん／テレビ朝日解説委員

　全文を読むと、基本的な法律の構造が「よらしむべし、知らしむべからず」となっています。とりわけメディアが萎縮してしまうことが懸念されます。

　「正当な行為による取材」と、「不法な方法」とは誰が判断するのか。非常に解釈の幅が広く取られて、メディア規制を前提とした法案になっています。

　たとえば田原（総一朗）さんが番組で「きちっと真実を言ってください」と閣僚に迫った場合でも「教唆」「扇動」と受け取れる。

　今の時点で世論調査では賛成より反対が多い。やはり国民も違和感を覚えているのではないかと思います。

後悔したくないから／岸井成格さん／テレビキャスター・毎日新聞特別編集委員

　今ここに座っているのは「後々後悔したくない」からです。

　なぜこの時期にこの法案が急浮上したか。おそらく最初はアメリカとの軍事情報に限られていたと思うんです。そこへいろんなものが入ってきて悪乗りした、という感じがします。

　報道の自由に配慮すると書いてありますが、あくまで「配慮」。「正当な取材」は問題ないといいますが、政府の考えとメディアの考えはしばしば違います。

　ただ、国民の関心が高まっていないのではないかと危機感を持っています。国会議員の国政調査権も相当制限されます。取材だけの問題ではないと考えてほしい。

( ２０１３年１１月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」写真展中止／東京地裁でニコンが説明

　戦後、中国に置き去りにされた朝鮮人日本軍「慰安婦」を題材にした写真展が会場を運営するニコンから一方的に中止通告された事件で、韓国人写真家の安世鴻（アン・セホン）さん＝名古屋市＝が、同社に損害賠償と明確な中止理由を求めている訴訟の第４回口頭弁論が１１日、東京地裁（志田原信三裁判長）でありました。

　同社は中止の理由を▽写真展に対し抗議の電話やメールが届き、安全性の確保が必要だった▽「慰安婦」問題は世論を二分する問題である▽「慰安婦」問題解決のための手段にされかねない―と主張。また、ニコンサロンがうたっている「写真文化の向上」は、ニコンの企業利益が前提であると説明しました。

　裁判所は中止決定が法律的にどう理由付くのか主張を求めました。

　報告集会で弁護団の岩井信弁護士は、「ニコンはいままでも、多様な題材を取り上げていることを自負している。写真家が企業の顔色をうかがうようになる」と指摘しました。

　安さんは「写真を通して被害者の苦しみを忘れないでほしいと思いました。問題解決のために利用されたと言われることに違和感を覚えます」と話しました。

( ２０１３年１１月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

１０

韓国大統領「日本は考え方改めよ」

　【ブリュッセル＝時事】欧州連合（ＥＵ）と韓国の首脳会議が８日、ブリュッセルで開かれました。韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は共同記者会見で、従軍慰安婦問題などをめぐり、「日本の指導者は考えを真に改めるよう努力する必要がある」と述べ、改めて日本批判を展開しました。

　朴大統領は「日韓は未来志向の関係に向けて成長すべきだが、従軍慰安婦やその他の問題では、過去を向いた指導者もいる」と主張。たとえ日韓首脳が会談しても関係改善につながらなければ、日韓国民は落胆し、逆効果だと語りました。

　朴大統領は英ＢＢＣ放送が４日伝えたインタビューでも、安倍政権が歴史問題で前向きな姿勢を示すまで、日韓首脳会談は困難と強調していました。

( ２０１３年１１月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

釈迦内柩唄見て人権問題考える／岡山

　地域人権運動岡山市連絡会はこのほど、岡山市で「第１０回人権と文化のつどい」を開きました。

　有馬理恵さん（劇団・俳優座所属）が「差別と戦争をなくすために」と、一人芝居「釈迦内柩唄（しゃかないひつぎうた）」のダイジェストを演じました。

　全国の４８０ステージで公演してきた「釈迦内柩唄」との出会いや両親のこと、自らの生い立ちなどに触れながら「ふるえるような怒りの奥底に、すがるような生命の願いがあった」と語り、最後に日本が侵略したフィリピンでの「従軍慰安婦」の叫びを演じました。

(２０１３年１１月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

岸和田に維新市政ノー／「明るい会」女性連絡会が宣伝

　「岸和田市に維新政治を持ち込ませない」と「明るい民主大阪府政をつくる会」女性連絡会と「岸和田民主市政の会」連絡会は７日、岸和田市のショッピングセンター前で宣伝しました。

　１４人が参加し、「子育てする岸和田で」「子ども医療費助成制度を広げよう」と書いた横断幕やのぼりを掲げ、「民主市政の会」のビラと「明るい会」「大阪市をよくする会」作製の橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言を批判したパンフを配りました。

　橋下氏の「慰安婦」に対する暴言は、人権無視の維新政治の本質をよく示しており、維新を名乗れなくても相手候補は、れっきとした維新の候補と指摘。「市民いじめの維新政治をこの岸和田に持ち込ませてはいけない、子育てするなら岸和田でと言われる市民にあたたかい市政を信貴芳則さんで実現しよう」と訴えました。

　「慰安婦」問題への関心は予想以上に強く、市民ら３０人が「パンフを読んでみます」と受け取りました。

(２０１３年１１月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

婦団連、民法改正へ３署名提出／選択的夫婦別姓など／穀田議員「運動心強い」

　日本婦人団体連合会（婦団連）は８日、選択的夫婦別姓の導入、婚外子差別の是正など民法改正を求める請願をはじめ三つの請願署名を国会に提出しました。

　婦団連の堀江ゆり会長ら各団体の代表が７８９７人分の署名（ことし合計約１４万人分に）を駆けつけた日本共産党の穀田恵二衆院議員に手渡しました。

　堀江会長は「最高裁が違憲判断した民法改正も、『慰安婦』問題の解決も『今こそ』と女性たちの運動も盛り上がっています。ぜひ採択を」と語りました。

　穀田議員は「みなさんの運動が心強い」とのべ、与党議員でさえ危険だと感じる秘密保護法案をめぐる国会情勢を語りました。

　三つの署名は、民法改正のほか、日本軍「慰安婦」問題の法的解決を急ぐことを求める請願、女性差別撤廃条約選択議定書のすみやかな批准を求める請願です。

( ２０１３年１１月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

アベさまのＮＨＫ？／経営委員人事で何ねらう／秘密保護法や原発報道に影響も

　大手民放幹部らとの会食を繰り返し、メディアを手なずけてきた安倍首相。公共放送ＮＨＫには自らの意向に沿う人物で経営委員を固めようとする手段に出てきました。首相のねらいはどこにあるのでしょうか。

第１次内閣時も

　あるＮＨＫ職員はいいます。

　「この人事は安倍さんがＮＨＫをコントロールしようとする第一歩。今回決まる委員も含めた経営委員がだれを会長に選ぶのかが、いちばん気になることです。政治権力に対抗して放送していくのが、ジャーナリズムの役目。焦点になっている原発、憲法、集団的自衛権などの問題を鋭く報道し続けられるかどうかにかかわってくる可能性があるからです」

　現在の松本正之会長（元ＪＲ東海副会長）の任期は来年１月まで。経営委員会は、執行部のトップである会長の任命権を持ち、１２人の委員のうち、９人以上の賛成で選ばれます。安倍政権は一気に公共放送の２トップを手中にしようとしているのです。

　安倍首相は、これまでも露骨な形でＮＨＫに介入してきました。第１次安倍内閣の２００７年、富士フイルムホールディングスの古森重隆社長が突然、経営委員長に内定しました。経営委員長は委員会での互選というルールを安倍首相が無視し、「自身との関係の近さ｣を決め手としました｡

　経営委員長にすわった古森氏は、会合で「国際放送では国益を主張せよ」「選挙期間中の歴史もの（番組）の放送には注意を｣と発言｡自民党議員を励ます会にも出席するなど、安倍首相に応えた��実績�≠�残しました。

　２００１年に日本軍「慰安婦」問題を取り上げたＥＴＶ番組へ圧力をかけて改変させたのも、当時官房副長官だった安倍氏です。

国会で否決を

　永田浩三武蔵大学教授は、ＥＴＶ番組のプロデューサーでした。永田氏は４日、神戸市で市民団体が開いたシンポジウムに出席。参加者に訴えました。

　「いま、ＮＨＫの秘密保護法についての扱いはきわめて小さく、自民と公明のやりとりをめぐる政局としてしか報じていない。首相の意を受けた経営委員が大量に入ってくるのを怖がって、すでにニュース報道がねじ曲がっているのではないかと思います」

　安倍首相の戦略に市民団体から批判の声が広がっています。「ＮＨＫ問題を考える会（兵庫）」（貫名初子代表）は１０月３１日、ＮＨＫ経営委員と衆参両院議長に対し「安倍首相の経営委員会人事をテコにしたＮＨＫへの介入と支配に断固反対する」とした声明を送付しました。

　「ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」（醍醐聰、湯山哲守共同代表）も４日、「側近を大量にＮＨＫ経営委員会に送り込む安倍首相の専断的手法を許さないために同意人事の否決を！」と題した声明を発表しました。

( ２０１３年１１月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／強制連行を否定する口実

　政府は１９９３年、「河野官房長官談話」で初めて「慰安婦」問題への軍と政府の関与を認めた。政府資料と関係者の聞き取り調査に基づくものだが「個人情報保護」を口実に開示してこなかった。

　「産経」は、１６人の元「慰安婦」に対するこの政府の聞き取り調査報告書を入手し、「元慰安婦報告書　ずさん調査」「『河野談話』の根拠崩れる」と１面トップで報じた。（１０月１６日付）

　同紙の報じる政府の調査によると、年齢は１５歳以下４人、１６〜１９歳１０人、不詳２人。連れ出した人は巡査４人、軍人・軍属が１０人など。巡査と軍人が一緒に来た例もある。強制的に連行は１１人、だまされてが５人だ。この調査でも、少女を強制連行し、あるいはだまして「慰安所」に送ったことは明らかだ。

　しかし同紙は「証言の事実関係は曖昧で別の機会での発言との食い違いも目立つ」「氏名や生年月日すら不正確」として「河野談話」を攻撃する。

　少女時代に中国などに連れ去られて過酷な体験を経てから半世紀近い「証言」の細部の正確さを求めることに特定の意図を感じる。犯罪を命じる公文書、「軍や官憲による強制連行を示す政府資料」は一切見つかっていない、という同紙の主張は強制連行否定の口実に過ぎない。

　（春）

( ２０１３年１１月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

米副大統領、来月２日に来日

　岸田文雄外相は５日の記者会見で、日本軍「慰安婦」問題で安倍政権が前向きな姿勢を示すまで日韓首脳会談は困難との認識を示した韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領の発言について、「慰安婦問題でのわが国の立場、努力はこれまでも丁寧に説明してきた。現時点で懸念が表明されたのは大変残念だ」と不快感を示しました。

　加藤勝信官房副長官は「韓国は基本的な価値と利益を共有する重要な隣国であり、大局的観点から協力関係を構築すべく引き続き努力していきたい」と述べました。

( ２０１３年１１月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

５

日本と会談、意味なし／歴史認識で反省ないと批判／韓国大統領

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は、英ＢＢＣ放送（電子版）が４日伝えたインタビューで、慰安婦問題など歴史問題で安倍政権が前向きな姿勢を示すまで日韓首脳会談は困難との認識を重ねて強調しました。

　大統領は「（日本は）重要な隣国で、ともに協力することも多い」と述べながらも、日韓関係改善を困難にしている例として、特に慰安婦問題を挙げました。

　その上で「そういう問題が一つも解決されず、日本が考えを全く変えるつもりがない状況で、歴史認識について日本の一部指導者が今後もそういう（反省しない）発言を続けるなら、会談しない方がましだ」と表明。「『過ちはない』として謝罪する考えもなく、苦痛を受けた人を冒涜（ぼうとく）し続ける状況では（会談しても）一つも得るものはないのが現実だ」と語りました。

　一方、「米中関係は、建設的な方向に発展している。われわれには米中両国との関係がともに重要だ。さらに発展させるよう努力している」と強調しました。

( ２０１３年１１月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

ＴＰＰに反対／かかしも訴え／群馬県母親大会

　第５２回群馬県母親大会が１０月２７日、太田市で開かれ約６５０人が参加しました。

　開催地の藪塚本町にちなんだ手づくりの案山子（かかし）が、「ＴＰＰから撤退を」「消費税増税大反対」などの要求を掲げて全体会会場を盛り上げました。

　岡田周子実行委員長は、安倍政権の暴走に対して「私たちは、２倍３倍の勢いで走り続けなれば」とあいさつ。米軍機の低空飛行調査や自校方式の学校給食を求めた運動の経過が報告され、各団体からは、「慰安婦問題」、増税反対、「憲法の力集めて安倍首相退場」などの発言が相次ぎました。

　詩人のアーサー・ビナード氏が講演。言葉のすり替えで現実をごまかしている権力やマスメディアに対し、「からくりを見抜きながら、みんなで言葉を使ってたたかえば流れは変えられる」と語りました。

(２０１３年１１月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

全支部で綱領学習／共産党にほれ直した／岡山・倉敷市二福支部のＴ・Ｔさん手記

　『綱領教室』（全３巻）を読み、講師試験を受験しました。また、水島地域の支部長会議で本の感想を語ると、１１月から、地域支部の党員が集まり、月２回のペースで学習会を始めることになりました。本を読み感じたことは３点です。

　一つは、読めば読むほど綱領学習にかける志位さんの努力、情熱が伝わってきます。志位さんは、「この仕事は、一大覚悟が必要とされるもの」で、「毎回、持てる力をつくして準備にあたった」と述べています。綱領の一行、一文節を解説するのに裏づけ、根拠となる多数の資料の紹介があり説得力抜群です。知力がつき綱領への確信が湧いてきます。

　二つは、志位さんの体験がふんだんに紹介され、綱領の理解に役立ちます。とくに韓国訪問の経験を生かし、朝鮮半島への侵略と植民地支配の歴史が詳しく紹介されていることに感動しました。日本軍が「東学農民革命」の鎮圧に出兵し、「３万人あるいは数万人」を殺害し、翌年には朝鮮王宮を襲撃し王妃を殺害したことなどは、日本ではあまり知られていません。戦前から反戦・平和をつらぬいた日本共産党の委員長ならではの怒りの告発に胸を打たれました。「慰安婦」問題、竹島問題、靖国問題などもより身近にとらえられました。

　三つは、志位さんの本音にふれ、その人間性に親しみがもてました。志位さんが、旧綱領の未来社会論の説明に悩んだことなども率直に語られ、共感し、安心もしました。全面的に書きかえられた未来社会論を、「資本主義社会が人類が到達した最後の社会、理想の社会なのか」と語りかける工夫もありました。垣根のない、人間らしさが伝わり、志位さんと日本共産党にほれ直しました。

( ２０１３年１１月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

女子挺身隊賠償命じる／太平洋戦争時「三菱重が過酷労働」／韓国・光州地裁

　【光州（韓国）＝時事】太平洋戦争中、女子勤労挺身（ていしん）隊員として名古屋市の軍需工場に徴用された韓国人女性４人と遺族１人が三菱重工業に慰謝料の支払いを求めた訴訟で、韓国南西部の光州地裁は１日、三菱重工業に対し、女性１人当たり１億５０００万ウォン（約１３８０万円）、遺族に８０００万ウォン（約７３０万円）の支払いを命じる判決を言い渡しました。

　徴用被害者に対する賠償金支払いを日本企業に命じる判決は７月のソウル、釜山両高裁での差し戻し控訴審に次ぎ３件目。女子徴用被害者への賠償命令は初めて。三菱重工業は控訴する意向を示しました。

　判決は「日本が朝鮮半島を不法支配した状況下で、三菱は１３、１４歳の未成年者だった女性を強制連行し、過酷な労働に従事させ、賃金を支払わなかった」として賠償責任を認定。原告が未成年だったことや労働期間が長かった点、従軍慰安婦と誤解され、精神的な苦痛を受けたことなどを勘案し、三菱重工業に８０００万ウォンの支払いを認めた釜山高裁の判決より高額の賠償金支払いを命じました。

　原告は日本で同様の裁判を起こしましたが、「１９６５年の日韓協定により請求権は消滅した」として２００８年に敗訴が確定。しかし、同種の訴訟で１２年５月、韓国最高裁が徴用被害者の賠償請求を認めたことを受け、韓国でも提訴していました。

( ２０１３年１１月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

大阪壊さんとって／ストップ・ハシズム集会

　「大阪を壊さんとって」と、「ストップ・ハシズム市民大集合」が１０月３０日夜、大阪市中央区で開かれ、会場いっぱいの２３０人が参加しました。

　橋下「維新」の「堺市乗っ取り」をはね返した堺市長選の報告や、橋下徹大阪市長の暴挙とのたたかい、橋下氏を風刺するビデオ「維新のトオルちゃん」の新作上映、「都」構想批判のミニ講演と盛りだくさんの内容に、会場は怒りと爆笑に包まれました。

　現職の竹山修身市長が勝利した堺市長選について、「住みよい堺市をつくる会」の丹野優事務局長が「堺は一つ」と幅広い市民が共同したと報告。「次は大阪市で『都』構想にとどめを刺すこと。いっせい地方選、府知事・大阪市長のダブル選挙で維新政治を完全に葬り去ろう」と呼びかけると、さかんな拍手が送られました。

　橋下市長特別秘書の給与問題、地下鉄・市バス廃止・民営化問題（ビデオ）、政治介入が強まる教育現場の実態、市立大学学長選廃止、「慰安婦」問題などをリレートークで発言。大阪市労組の田所賢治書記長は、５９人が原告になった憲法違反の「思想調査」国賠訴訟のたたかい、人減らしでメンタル問題が増大する職場の実態を告発しました。

　堺市民で落語家の笑福亭竹林さんが「勝因は流した汗の量の差」と述べ、市内全駅で日替わりビラを配布した活動を紹介。「地道な努力は報われると確信した」と話しました。

　「都」構想について講演した森裕之立命館大学教授は、府市統合の効果額や財政調整などの制度設計案のでたらめぶりを解明。「勝手な住民投票に持ち込ませてはいけない」と語りました。

　集会は、秘密保護法案の廃案を求めるアピールを確認しました。

(２０１３年１１月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

（Page/Top）

（10月）ヘッドライン

「山宣碑前祭」／２００人余しのぶ／長野・上田市

つくる会教科書問題で請願採択／「教育への不当支配」／遠藤議員反対討論／宮城県議会

３０

米政府の元高官が懸念／河野談話の「見直し」／首相の靖国神社参拝／アーミテージ氏、ナイ氏

「慰安婦」問題／政府資料の強制性否定／安倍内閣が強弁／赤嶺議員に答弁書

埼玉県平和資料館（東松山市）リニューアル２０日オープン

２０

ひろしまネット宣伝

国連で韓国が「慰安婦」問題に言及

安倍首相、アジア歴訪したが…／中韓首脳との会談途絶え／「領土」打開なし／歴史認識で関係悪化

１０

「慰安婦」引き継がず

日本軍「慰安婦」被害者の証言／「逃げるたび切られた」／若者「事実伝えたい」「日本政府は謝罪早く」

「慰安婦」研究を維新議員が誹謗／吉見中央大教授が弁論で批判／東京地裁

アジア政党国際会議女性特別会合に参加して／参議院議員紙智子／男女平等へ努力交流

堺はひとつ／「維新」敗北の衝撃／「都構想」、市民がノー

５

文化通信／共産党文化後援会が仁比氏と憲法学習会

大府飛行場事件調査報告書を読む／中国人強制連行・労働の貴重な記録／松岡肇

民法改正など懇談／婦団連と共産党５女性国会議員

改憲反対・暮らし守ろう／新婦人「秋の行動」スタート／国会内で集会、署名を提出

堺市長選／市民共同の勝利／つくる会が声明／大阪労連が談話

朝の風／「内部的自由」と携帯電話

堺市長選／永田町に波紋／��維新分裂の序章�∞�「野党再編」困難に��

10月（本文）（Page/Top）

「山宣碑前祭」／２００人余しのぶ／長野・上田市

　長野県上田市別所で２７日、恒例の「山宣碑前祭」が行われ、２００人余りが山本宣治（山宣）をしのび、反戦平和のたたかいを誓いました。今年は山宣が右翼の凶刃に倒れて８４年を迎えます。

　地元・別所旅館組合長の斉藤善哉さん（戦時下、山宣碑を命がけで守り抜いた斉藤房雄氏の孫）に続き、日本共産党長野県委員長の今井誠さんが来賓あいさつしました。

　「当時、非合法状態にあった日本共産党が名誉ある日本共産党員の称号を贈った山宣の偉業を想起し、安倍内閣のたくらむあらゆる反国民的策動に広範な国民と手を携えて全面的なたたかいを展開する」と語りました。

　特別記念講演で、吉川春子さん（元参議院議員）が『日本軍「慰安婦」問題―加害責任を問う』と題し、国会内外での追及、韓国やドイツとの違いを語りました。「ハルモニの話は涙して聞いた。憲法９条は女性の人権の保障だ」などの感想が寄せられました。

(２０１３年１０月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

つくる会教科書問題で請願採択／「教育への不当支配」／遠藤議員反対討論／宮城県議会

　宮城県議会臨時議会が３０日開かれ、「新しい歴史教科書をつくる会」宮城県支部が提出した教科書採択での県教委の指導強化を求める請願が、自民党などの賛成で採択されました。

　同請願に対しては、市民団体から、「教育への政治の不当な介入」であると、採択しないよう求める声が上がっていました。

　日本共産党の遠藤いく子県議と民主党県議が反対討論し、遠藤議員は、同請願の採択は、教育基本法で禁止する「不当な支配」に当たると指摘しました。「つくる会」は、「自由社版教科書」を広めるボランティア団体だと自称し、特定の教科書に利害関係を持つことは明らかで、請願採択は、教科書採択の中立性・公正性を否定すると批判。「私たちが今なすべきは、事実に向き合い、歴史を心に刻み、憲法に基づく日本社会を構築することであり、その土台となる教育の自主性を確立することです」と訴えました。

　傍聴した宮城教育大学名誉教授の中森孜郎氏は、「あまりにもひどい結論であぜんとした。議会は教育行政には権限がないのに、法律をまったく無視し、多数決だけで決めていくというのは、民主主義の危機だ」と話していました。

　同請願は、「つくる会」県支部が２月に県議会に提出し、中学校の歴史・公民教科書を採択する市町村教委に対し、県教委が各社教科書を比較して段階評価した資料を添付して指導することなどを求めています。

　文教・警察常任委員会で審議し、自民党の委員から、「従軍『慰安婦』の強制連行は無かった」「南京大虐殺はウソだ」などの発言があり、市民から批判の声が上がっていました。

　７月の参考人質疑では、請願賛成の立場の参考人からも「比較段階評価資料の作成はありえない」との意見が表明されたにもかかわらず、今月２１日の委員会で、自民党の賛成で委員会採択しました。

(２０１３年１０月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

３０

米政府の元高官が懸念／河野談話の「見直し」／首相の靖国神社参拝／アーミテージ氏、ナイ氏

　元米国務副長官のリチャード・アーミテージ氏と元国防次官補のジョセフ・ナイ氏は２９日、都内で開かれたシンポジウムに出席し、戦時中の日本軍「慰安婦」問題をめぐり強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話「見直し」を安倍晋三首相がもくろんでいることや、日本の首相による靖国神社参拝に対し、懸念の声をあげました。

　ナイ氏は「河野談話のいいことは、歴史問題について明確に処理したことだ」と指摘し、「これを否定すれば日本に大きなダメージとなる。米国との関係を傷つける波及効果も与える」と強調。首相の靖国参拝については、「歴史問題のシンボルのようにとらえられている。靖国神社に参拝すると大きな打撃を近隣諸国に与え、米国との関係でもマイナスの波及効果になる」と述べ、戦没者追悼は別の方法を追求すべきだと求めました。

　アーミテージ氏も靖国参拝について、「日本の首相は選挙で支持をした人たちだけの代表ではなく、すべての国民を代表している」と指摘。「適切な方法をあらゆる知恵を出し決定すべきだ」と述べました。

( ２０１３年１０月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題／政府資料の強制性否定／安倍内閣が強弁／赤嶺議員に答弁書

　安倍内閣は２５日、日本軍による「慰安婦」の強制連行を示す資料＝「バタビア臨時軍法会議の記録」について、強制連行を示す証拠はないとする答弁書を閣議決定しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問主意書への答弁。

　安倍内閣は６月１８日、政府が発見した資料の中に「バタビア軍法会議記録」が含まれていることを初めて認めました（赤嶺氏の質問主意書への答弁書)｡

　同記録は、日本軍がインドネシアで抑留所に収容中のオランダ人女性らを「慰安所に連行し、宿泊させ、脅すなどして売春を強要するなどした」と明記しています。

　６月１８日の答弁書は一方で、同記録に関しても強制性を否定。赤嶺氏は「国民の常識では理解できない」として、記録にある日本軍人らによる強制連行は安倍内閣の言う「いわゆる強制連行」に当たらないという認識かと再度質問主意書を提出しました。しかし、政府は再度、強制性はないとする答弁書を出しました。

　赤嶺氏は、「日本軍人らが女性を収容所から慰安所に連行し、売春を強制しても『強制連行』でないとすれば、どんな強制連行も安倍内閣のいう『強制連行』に当たらないということになる。まったくの虚構であり、こうした見解は撤回すべきだ」と語りました。

( ２０１３年１０月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

埼玉県平和資料館（東松山市）リニューアル２０日オープン

　開館２０周年の埼玉県平和資料館（東松山市）が２０日、リニューアルオープンしました。

　主な変更点は、「埼玉ピースミュージアム」という愛称を新たに定め、入場料を無料にしました。展示では、エントランスに大きな壁画を設置し、映像設備の改善や常設展示の一部変更を行いました。平和授業での子どもの感想文をパネルで展示しています。

　県は「若い世代への戦争の記憶の継承」「平和の創造」を主眼に改装を行ったと説明しています。「平和の創造」では自衛隊のＰＫＯ活動なども取り上げています。

　廊下の「昭和史年表」は全面的に書きかえられ、中学校の歴史教科書７社のうち４社以上が取り上げている事項を記述することにしたため、項目が以前の３分の１に減り、「南京大虐殺」「『慰安婦』問題」などの記述や、「秩父事件」「熊谷空襲」など埼玉県に関する事件の記述もなくなっています。

(２０１３年１０月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

２０

ひろしまネット宣伝

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークはこのほど、韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で開く抗議集会に連帯し、広島市中区のメルパルク広島前で街頭署名を呼びかけました。

　約２０人が横断幕「日本政府はあやまれ、つぐなえ」を掲げて宣伝。土井桂子事務局長らが「１９９２年１月８日に始められた水曜デモは、日本、米国、台湾、フィリピン、インドネシアなど世界各地へ広がりを見せています」と訴えました。

(２０１３年１０月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

国連で韓国が「慰安婦」問題に言及

　【ニューヨーク＝時事】韓国の趙允旋（チョ・ユンソン）女性家族相は１１日、国連総会第３委員会（人権）での討論で従軍慰安婦問題を取り上げ、「責任を負うべき政府が法的責任を認め、被害者に受け入れ可能な適切な措置を取るべく要請する」と述べ、名指しを避けながらも、日本政府に謝罪を含めた対応を改めて求めました。

　日本の梅本和義次席国連大使は答弁権を使い、賠償請求権をめぐる問題は解決済みだとする日本の立場を強調。

( ２０１３年１０月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

安倍首相、アジア歴訪したが…／中韓首脳との会談途絶え／「領土」打開なし／歴史認識で関係悪化

　安倍晋三首相は１０日夜、東南アジア歴訪を終えて帰国しましたが、結局、中国の習近平国家主席、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領との会談の機会はありませんでした。これで、両国首脳との会談は民主党・野田政権時の日中韓サミット（昨年５月１３〜１４日）以来、途絶えています。

尖閣、歴史認識

　今回の外遊は、昨年１２月に発足した第２次安倍政権の１年間の外交の締めくくりといえるものですが、最大の懸案である中韓両国との関係は何ら改善されませんでした。

　安倍首相は「対話のドアは常に開いている」と繰り返しますが、問題の原因を直視しない限り、対話の条件は切り開けません。

　日中関係の悪化について言えば、最大の原因は尖閣諸島の領有権問題にあります。日本側は「尖閣諸島は我が国固有の領土」であり、「領土問題は存在しない」との立場をまったく変えていません。

　中国による「力による現状変更」は許されない行為であり、日本による尖閣諸島の領有は法的にも歴史的にも正当ですが、この問題で対話を拒否し続ける以上、首脳会談の再開は困難です。

　日韓関係は、日本軍「慰安婦」問題をはじめとした日本側の歴史認識＝植民地支配・侵略戦争への無反省に原因があります。

米の力低下も

　一方、ヘーゲル米国防長官が、日韓両国との同盟関係を重視する立場から、９月末の訪韓時に関係改善を求めました。朴大統領は「歴史に逆行した発言をする日本の指導部のせいで信頼を築けない」と拒否しました。

　尖閣問題についても、日米両国が「尖閣周辺は日米安保条約の適用範囲」と繰り返し表明しても、中国は領海・領空侵犯をやめようとしません。

　日本は日米同盟を盾にアジア諸国と向き合ってきましたが、米国の力の低下により、北東アジアの不安定な国際関係を制御できなくなっていることも顕著になりつつあります。

　（竹下岳）

「韓国料理」が「話題」…それで？

　安倍首相の東南アジア歴訪中、インドネシア・バリ島で行われたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）の首脳夕食会（７日）で、首相が朴大統領に「韓国料理を食べています」と話しかけたのが、唯一の「会話」でした。中国の習主席とは、握手を交わしただけ。外務省が腐心した最大限の「演出」ですが、「それで？」と言いたくなります。

( ２０１３年１０月１１日， 「赤旗」）（Page/Top）

１０

「慰安婦」引き継がず

　菅義偉官房長官は９日午後の記者会見で、従軍慰安婦問題をめぐり、野田前政権が韓国政府に人道的措置を含む解決案を提示していたことについて「前政権が交渉に当たり始めたという報道は知っている。しかし、具体的に話は進んでなかったようだから、私どもの政権に引き継がれていることも全くない」と述べました。

( ２０１３年１０月１０日，「赤旗」）

日本軍「慰安婦」被害者の証言／「逃げるたび切られた」／若者「事実伝えたい」「日本政府は謝罪早く」

　日本軍「慰安婦」の被害女性が初めて名乗り出てから２３年。いまだに謝罪も賠償もしない日本政府の対応に国際的な批判が強まっています。このほど東京都内で開かれた集会で来日した３人の韓国人被害女性の訴えから、慰安婦問題とは何か、若者はどう聞いたか、みてみました。

　（染矢ゆう子）

　今回、来日したのは被害女性が共同生活する「ナヌムの家」で暮らす李玉善さん（イ・オクソン、８７）、姜日出さん（カン・イルチュル、８６）、朴玉善さん（パク・オクソン、９０）の３人です。「慰安所」では、どんな生活だったのか。生々しく証言しました。

　１５歳で中国に連れて行かれた李さんは、「慰安所はと殺場のような所だった」と声を震わせて叫びました。

　「私がいた所だけでも毎日のように亡くなった。私も逃げるたびに刀で足や頭部を切られました。暴力で目が見えなくなり、耳も聞こえなくなり、歯もなくした」

　李さんは、食べ物も粗末で、雑穀にみそをつけたものを食べたといいます。終戦時には中国に置き去りにされ、韓国政府が探しだすまで６０年間、韓国に戻れませんでした。

　姜さんは、日本政府への怒りをあらわにしました。「謝罪すべき安倍首相がなぜ、ここにいないのか。日本政府の態度に食事がのどを通らない。消化しきれない思いでいっぱいだ」

　被害者が望んでいるのは一刻も早い日本政府の謝罪と賠償、責任者の処罰です。

　被害女性と一緒に来日した「ナヌムの家」の安信権所長は「韓国政府が求める両国間協議に日本政府が対応し、国会の立法で国家賠償を行うことが必要だ。被害者が次々と亡くなり、切迫している」と訴えました。

力を貸して

　今回の被害女性の来日は、「ナヌムの家」と交流してきた新日本婦人の会（新婦人）に呼びかけがあり、実現しました。

　女性、青年、国際団体との共同で準備した２回の集会に各３００人が参加し、熱心に聞き入りました。

　朴さんは、こうした日本側のとりくみについて次のようにのべました。

「みなさんの真剣な姿を見て、少し安心しました。どうか力を貸してください」

　新婦人の笠井貴美代会長は「集会の記録集やＤＶＤを作成し、全国に普及して、日本政府に謝罪、賠償を求めていく活動を広げていきたい」と語っています。

国連が勧告

　国際社会は、日本軍「慰安婦」制度が戦争犯罪だと認め、日本政府にたいし、勧告を繰り返しています。

　国連の自由権規約委員会が２００８年の最終所見で勧告した日本がとるべき包括的な措置は、次のようなものです。

　▽法的な責任を認め謝罪すること

　▽生存している加害者を訴追すること

　▽すべての生存者を保障する法律をつくり、行政府による措置をとること

　▽生徒や一般の公衆を教育し、被害者を中傷し、出来事を否定するあらゆる企てに反論し、制裁措置をとること

参加した若者の声

　３人の訴えを聞いた若者は、次のように話します。

日本民主青年同盟東京都委員会の佐久間藍さん（２７）

　「日本政府が謝罪、賠償をするよう、話を聞いたぼくたちが追及していきたい。事実を後世に伝えたい」

旅行会社で働く東京都の鈴木史織さん（２９）

　「想像を絶する被害を名乗り出た人たちがいるのに、いまだに解決していないことが恥ずかしい。事実をゆがめる動きを正したい」

教員を志望する東京都の学生（１９）

　「きちんと教科書に書いて被害が忘れ去られてしまわないよう、声を直接聞いたぼくたちが発信していきたい」

旧日本軍「慰安婦」問題

　１９３２年ごろから終戦までの長期にわたり、天皇制政府と日本軍が朝鮮半島などから多数の女性を動員し、「性奴隷」として「売春」を強制したものです。日本軍が中国、東南アジアなど駐在する広範な地域に慰安所を開設し、管理・統制しました。政府も身分証明書を発給し、未成年者の連行などの犯罪行為を黙認しました。被害者は２０万人ともいわれ、韓国では２３７人が被害体験を公表。そのうち存命している人は５６人です。「ナヌムの家」で暮らす人は１０人となり、平均年齢は８８歳です。

( ２０１３年１０月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」研究を維新議員が誹謗／吉見中央大教授が弁論で批判／東京地裁

　日本軍「慰安婦」問題の研究をまとめた著書を「ねつ造」と誹謗（ひぼう）されて名誉と信用を傷つけられたとして、中央大学の吉見義明教授が日本維新の会の桜内文城衆院議員に賠償と謝罪を求めた裁判の第１回口頭弁論が７日、東京地裁（小林久起裁判長）でありました。桜内氏は「提訴は言論封殺だ」と争う姿勢を示し、吉見氏を名誉毀損（きそん）で訴える準備をすすめるとしました。

　桜内氏は今年５月、日本外国特派員協会での橋下徹大阪市長の記者会見に同席し、吉見教授の著書を引用した司会者に対し、「これはねつ造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされています」と発言しました。

　訴状で吉見氏側は、著書は歴史的事実を網羅したものとして不動の評価を得ているとし、桜内氏に１２００万円の賠償と謝罪広告、発言の訂正を要求。

　この日の陳述で吉見氏は、「慰安婦」制度のもとで女性たちには居住、外出、廃業、拒否の自由がなかったと示して、軍がつくった性奴隷制度だったことをあらためて指摘。研究者としての名誉と人格を傷つける桜内氏の発言を「到底容認できない」と批判しました。

　桜内氏は答弁書で、発言は吉見氏の著書を指していないと弁明する一方、この日の意見陳述でも「吉見氏は、慰安婦は性奴隷だという虚構の事実をねつ造した。日本と日本国民の尊厳を損なう」などと主張しました。

　吉見氏は１９９２年に防衛庁（現防衛省）防衛研究所図書館で、日本軍が「慰安婦」の募集、慰安所の設置・管理などに深く関与したと示す資料を発見。９５年に岩波書店から著書『従軍慰安婦』を出版しました。

( ２０１３年１０月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

アジア政党国際会議女性特別会合に参加して／参議院議員紙智子／男女平等へ努力交流

「慰安婦」問題伝える大切さ痛感

　９月１２日から１４日までの３日間、韓国のソウルで開催された、アジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）の女性特別会合に参加しました。

　「女性のリーダーシップと社会的地位向上」をテーマとして、政治や経済活動への女性の参画、平和構築における女性の役割など議論を行い、各国での女性の地位向上の前進のために、経験を共有し、生かすことを確認し合いました。

約２０カ国３２政党

　１９９５年９月の第４回世界女性会議で採択された「北京宣言」および「行動綱領」で決定された、すべての女性の平等、開発及び、平和の目標を推進するために、アジア政党間の協力、調整、連絡を強化しようとの趣旨で開かれました。２０１３年４月の第１回会合で合意された、アジア全女性反貧困銀行または基金の設立、女性への犯罪や暴力防止、さらに１５年の開催が提案されている第５回世界女性会議への取り組みを盛り込んだ「ソウル宣言」を採択しました。

　参加は、オーストラリア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ブータン、カンボジアなどアジア全域から約２０カ国３２政党の代表者と、アフリカ政党会議、及びラテンアメリカ・カリブ政党常設会議のオブザーバーが出席。日本からは日本共産党をはじめ２政党が参加しました。

　各国各政党の発言は全体として、諸課題前進のための努力を重ねているものの、「まだまだ道半ば」というのが、印象です。

握手や記念撮影

　私も日本共産党を代表して、二つの点で発言しました。女性へのあらゆる差別の撤廃を義務付けた国連女性差別撤廃条約の批准から２５年をこえ、いまだ差別是正が立ち遅れている背景に大企業の利益を優先させる日本の政治のゆがみがあること、女性の政治参加についても、１８９カ国中１５９位と低く、この遅れを改善する努力が政府にも各政党にも求められていること。

　もう一つは、アジアと世界の平和と相互理解を進める上で、日本軍「慰安婦」問題など、日本政府の歴史認識と人権感覚の欠如が、重大な障害になっており、日本共産党として政府に植民地支配の謝罪、賠償を求めていくとともに、国内外の人々と共同して地域の平和を進めるために努力する決意を表明しました。

　発言に対しての反響は、あとで握手を求めてきたり、「発言原稿をいただけないか」という議員もいて、発言のどこがよかったのか聞くと「日本で、（日本軍『慰安婦』）被害者の声を直接聞いて取り組んでいることに感動した」といいます。各国代表の対応を手伝う韓国の学生も「発言良かった」と一緒に写真を撮る場面もあり、改めて日本国内で、歴史の逆行を許さず、正面から安倍政権に解決を迫っている事など、国民のたたかいを伝える事の重要性も痛感しました。

　日本における男女平等、女性の地位向上への取り組みを大きく飛躍させる契機としていかなければならないと思いました。

( ２０１３年１０月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺はひとつ／「維新」敗北の衝撃／「都構想」、市民がノー

　全国注視の大阪・堺市長選。９月２９日の投票終了直後、現職の竹山修身（おさみ）市長に「当確」が出るという大差の敗北に、橋下徹大阪市長と「維新の会」に衝撃が走っています。

　田中倫夫記者

　「都構想に打撃」（朝日）、「維新『堺で終わるのか』堺市長選完敗」（産経）、「党勢失速追い打ち」（毎日）―。開票翌日３０日付の各紙にそんな見出しが躍りました。

　２９日夜、堺市長選挙の維新公認候補の事務所に入る橋下「大阪維新の会」代表は、うつむき加減で無言でした。

　候補者の「敗戦の弁」のあと、橋下氏、松井一郎府知事（「維新」幹事長）らが記者会見｡出てくるのは､「『堺がなくなる』という都構想についての大きな誤解が市民の中に広がった」「事実誤認」などと無反省の言葉。今後についても「大阪市における都構想には影響がない」と開き直り、「血みどろでも前へ進む」（松井氏）と居直りました。

　しかし、「都構想」への審判が下ったことは新聞の出口調査でも明らかです。「朝日」によると、「都構想」には賛成３８％、反対５５％。反対する人の９４％が竹山氏に投票。「支持政党なし」の無党派層の６９％が竹山氏に投票しました。

　選挙論戦でも決着がつきました。

論戦でも決着

　橋下氏が繰り返した「堺がなくならない」というウソについて、竹山陣営は、「大都市地域特別区設置法」の中でも「関係市町村を廃止」と明記されていること、橋下氏の説明もくるくる変わっていることなどを具体的に示しました。

　橋下氏は、最終盤「争点設定を失敗した」と、事実上敗北を認めざるをえないほど追いつめられました。

　もともと、日本軍「慰安婦」発言、参院選の��敗北�≠ﾅ辞任の瀬戸際にあった橋下氏。堺市長選に勝利することで「都」構想を推し進め、再度求心力を得ようという「背水の陣」（維新関係者）でした。

　石原慎太郎氏を先頭に、「維新」国会議員６２人全員に３回の堺入りを命じ、国会議員秘書、地方議員らも大挙投入。最後の街頭演説では、橋下氏が「こらぁ、自民党、共産党、社民党…おれの前に出てこい！　おまえらふざけんじゃないぞ」と当たり散らす異様さでした。その動画が共有サイトにアップされると、視聴者から「品性がない」との反響が相次ぎました。

　再選された竹山市長は「市民がノーといっており、都構想には参加しない」と明言。来年に行われる予定の府市統合の住民投票でも厳しい審判が予想されます。

｢大阪都｣構想

　前回の堺市長選(２００９年)後の２０１０年１月、橋下徹府知事（当時）が提唱したもの｡大阪､堺の両政令市や周辺市を廃止、いくつかの特別区に再編し、大阪府にかわる「大阪都」にするねらいです。

　「都」になれば、堺市の税収約１３００億円の３分の１にあたる約４６０億円が「都」に吸い上げられる試算も。「都」に集まったお金で、カジノリゾートなど大型開発を推進する計画です。

(２０１３年１０月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

５

文化通信／共産党文化後援会が仁比氏と憲法学習会

　日本共産党文化後援会は９月２５日、日本共産党本部で第１３７回例会を開き、仁比聡平参議院議員を講師に憲法問題を学習しました。８０人が参加しました。オープニングパフォーマンスでは、ともしび後援会有志が仁比さんの当選と党の躍進を祝って、参加者とともに「花を贈ろう」などを合唱し会場を盛り上げました。

　仁比議員は「ほんとうに憲法を変えていいのか｣と題して講演｡参院選では、維新・橋下代表の日本軍｢慰安婦｣容認発言や､オスプレイ配備強行､憲法９６条｢改正｣など「戦争をする国」への安倍内閣の暴走に反対する民意が示されたと、選挙戦の様相を振り返りながら話しました。躍進した日本共産党が参院のすべての常任委員会に理事を配置できるなど、強化された地歩を活用して、国民運動との共同で安倍内閣を包囲･孤立させることが､改憲を阻むたたかいでも要だと力説しました。

　現行憲法と自民党「改憲草案」との対照表にそって同案の危険性を説明し、この事態を打開するために頑張り抜く決意を語りました。

( ２０１３年１０月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

大府飛行場事件調査報告書を読む／中国人強制連行・労働の貴重な記録／松岡肇

　この調査報告書（『愛知・大府飛行場における中国人強制連行・強制労働　改訂増補版』）は、日中戦争中、愛知県の大府飛行場建設工事で働かされた中国人労工（労働者）についての詳細な調査と聞き取り、記録の綿密な検討に加えて加害企業である地崎組（現岩田地崎建設）に対する謝罪と賠償等を求める要望書などを含む貴重な報告書である。

　中国人強制連行・強制労働事件とは、７０年前の日中戦争の末期に、極度の労働力不足に悩む日本が、各業界の要請を受け、政府の閣議決定（商工大臣・岸信介）で、占領下の中国から、多くの中国人を日本に拉致連行して炭鉱や鉱山、飛行場建設や港湾労働などの重筋労働に強制的に従事させた事件である。全国で３５社、１３５事業場で３万８９３５人の中国人が強制労働をさせられている。休日もなく、賃金も支払われない文字通りの奴隷労働であった。地崎組は、全国で１１事業場、連行労工１７４１人であるが、１１事業場での労工総数は３６３３人である。多くは二つ以上の事業場で働かされているのでその数が一致しない。

　報告書では、大府で働かされた中国人労工の拉致・連行から奴隷労働の実態までを明らかにし、戦後の帰国に至るまでを記録している。この種事件については、全国の１５地裁で裁判が行われ、４０を超える判決があるが、大府については裁判は行われていない。裁判では下級審の勝訴判決もあるが、結局は最高裁で全て敗訴となった。しかし、全ての裁判でこの事件が日本の国と企業による「共同不法行為」であることを認めている。

　現在、これまで裁判をたたかってきた全国の弁護団では、中国の被害者たちと共同して、裁判の結果とは別に、この戦時中の不法行為について、国と加害企業に謝罪と賠償を求める運動を行っている。大府の動きもこれに連動するものである。従軍「慰安婦」問題をはじめ日本の歴史認識が国際的に問われているとき、この報告書はあらためて問題を提起し、新しい運動を盛り上げる一助になるものと思われる。

　（まつおか・はじめ　中国人強制連行・強制労働事件弁護団　弁護士）

　◇

　調査報告書は頒価１５００円。発行＝愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会。連絡先＝日中友好協会愛知県連合会内�рO５２(７６３)１１５２

( ２０１３年１０月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

民法改正など懇談／婦団連と共産党５女性国会議員

　日本婦人団体連合会（婦団連）が１日、さきの参院選で倍増した日本共産党の女性国会議員５氏と、衆院第２議員会館で懇談しました。婦団連からは、堀江ゆり会長、小畑雅子、笠井貴美代副会長、藤原麻子、中野和子幹事ら１０人が出席。女性議員は、高橋ちづ子衆院議員、紙智子、田村智子、吉良よし子、倉林明子の各参院議員です。

　婦団連は２２の女性団体が加盟しています。選択的夫婦別姓制度をはじめとした民法の差別的規定の廃止、改正を求める運動などジェンダー平等に取り組んでいます。今年６０年目を迎えました。

　あいさつに立った堀江会長は、安倍自公政権のもと、雇用や平和、ジェンダー平等などで、逆コースが進められていると指摘。「倍増したみなさんとぜひ国会内外のたたかいを交流して、連携して運動をすすめていきましょう」と語りました。

　参加者からは、婚外子の相続分を定めた民法規定を憲法違反とした最高裁決定を受け、民法改正の運動にさらに強く共同して取り組むことや、男女雇用機会均等法の見直しが実効力のあるものになっていないことについても意見や要望が出されました。そのほか、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）、秘密保護法案、日本軍「慰安婦」問題、原発問題、子どもの権利条約など多岐にわたって意見交流しました。

( ２０１３年１０月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

改憲反対・暮らし守ろう／新婦人「秋の行動」スタート／国会内で集会、署名を提出

　新日本婦人の会は１日、憲法改悪に反対し、大型開発と軍事費削ってくらし・福祉・教育の充実を求める「秋の行動」スタート日として衆院議員会館で院内集会を行いました。同日、安倍首相が引き上げを表明した消費税増税中止などを求めて終日行動しました。

　院内集会では、全国で集めた１８万人分を超える憲法改悪反対署名を駆けつけた日本共産党国会議員団に提出しました。

　あいさつした笠井貴美代会長は、国連で戦時性暴力を批判した安倍首相が日本軍「慰安婦」問題解決を妨害してきた張本人だと批判。「国会も開かず、『女性の活用』を勝手に国際公約してくる安倍政権を私たちの運動と仲間づくりで追いつめよう」と呼びかけました。

　全国の代表が「県民過半数の署名を集めて、原発ゼロ、命・くらし守る運動をすすめる」（福島）「被災者の命綱の医療費負担免除を求めたい」（宮城）「憲法をふみにじる橋下大阪市長（日本維新の会共同代表）は許せないと憲法署名を３万６７００人分集めた。さらに広げる」（大阪）と決意をのべました。

　日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が秘密保護法について講演しました。赤嶺議員以外に佐々木憲昭、塩川鉄也、高橋ちづ子、宮本岳志の各衆院議員、井上哲士、紙智子、仁比聡平、吉良よし子、倉林明子、辰巳孝太郎の各参院議員が出席しました。

　集会を前後して参加者は財務省、厚生労働省、文部科学省、防衛省、復興庁に要請しました。

( ２０１３年１０月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／市民共同の勝利／つくる会が声明／大阪労連が談話

　堺市長選で現職の竹山修身氏が、「大阪都」構想で堺つぶしをたくらむ維新の会候補を破って当選したことを受けて、「住みよい堺をつくる会」（日本共産党も参加）と大阪労連は９月３０日、それぞれ声明と談話を発表しました。

つくる会が声明

　「住みよい堺市をつくる会」は「市民共同の歴史的大勝利」と題した声明を発表しました。

　声明は、「つくる会」に結集して全力で運動をすすめた人、府内・全国から応援に駆けつけた人、良識ある選択をした多くの市民に感謝を表明。「維新の会」による堺市つぶし＝「大阪都」構想を許すのか、「堺はひとつ」の市民共同でくらし応援の市政を継続するのかが問われた選挙であり、あわせて橋下徹大阪市長が進めている市民のくらし切り捨てや「慰安婦」発言、職員の「思想調査」など異常な人権感覚に基づく維新政治に痛打を与えた歴史的な選挙だったとのべています。

　維新は、橋下代表、松井幹事長（府知事）が連日堺入りし、国会・地方議員を総動員する総力戦で臨み、竹山陣営や「つくる会」、日本共産党を「堺なくなる詐欺」「ウソ八百」とののしり、「つくる会」ビラを橋下代表自らが「違法ビラ」呼ばわりして妨害、なりふり構わぬ運動を展開したと告発。一方、「堺はひとつ」「堺をなくすな」の運動は立場を超えた市民共同が広がり、府内と全国からの大きな支援が励ましとなり、勇気を与えてくれたとのべ、「市民共同運動の教訓と財産を生かし、政令市・堺市の発展、市民要求の前進をめざして力を尽くす」としています。

大阪労連が談話

　大阪労連は川辺和宏議長の談話を発表しました。

　談話は、選挙戦で奮闘した堺労連や「住みよい堺市をつくる会」、堺の仲間に敬意を表し、大阪労連の支援要請に応えて奮闘した加盟組織、全労連・近畿ブロックや全国からの支援に感謝を表明。「堺はひとつ」「堺を守れ」の一点で政党や団体、個人の垣根を越えた共同が広がり、橋下・「維新の会」のうそとデマの数々が民意を無視したものであることを浮き彫りにしただけでなく、市民共同こそが政治を前に進める大きな力になることを示したと強調しています。

　民意は、堺のことは堺で決めるという住民自治の本来の姿であり、橋下・維新の強権政治が許されるものではないことにほかならないと指摘。それは、「大阪都」構想の破綻であると同時に、憲法改悪、消費税増税、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加、労働法制改悪などの策動を強める安倍政権の右翼的突撃隊でもある橋下・維新への明確な審判でもあると断じています。

　大阪労連は、選挙戦での勝利と共同の前進をふまえ、憲法無視の暴政拡散を阻止するたたかいを強化し、憲法を守り生かすために奮闘するとしています。

(２０１３年１０月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／「内部的自由」と携帯電話

　以前本欄で、石原都政下での｢君が代問題｣をとりあげようとしたら上司から制止され、原発問題の企画を立てると「読売の社論を逸脱するな」と指示された日本テレビのディレクターの体験談を紹介した。メディア企業内部の記者や編集者の表現活動の自由を保障することにかかわる、日本ではやや等閑視されてきた問題である。

　近刊の『内部的メディアの自由』（花田達朗編、日本評論社）は、この「内部的自由」の概念を本格的に研究した論集で、たとえばドイツ放送界における「編集綱領運動」、フランスのジャーナリストの「精神的自由」を支える「良心条項」、イギリスの新聞メディアにおける「行動規範」など、欧州各国の「内部的自由」を保障する歴史と努力に啓発されるところが多い。

　また、本書で、慰安婦問題に関する「ＮＨＫ番組改編事件」を「内部的自由」にかかわる問題と位置づけていることにも注目した。論文では、西部ドイツ放送協会で同様の介入が起きたらどうなるか、局の「編集者代表会」の代表に聞いている。「私の携帯に一報を入れればよいのです」という。ただちに記者会見で事実経過を公表し、番組「改編」の理由開示など一連の手続きがあり、改編番組をそのまま放送することは難しい、という。

　（鶫）

( ２０１３年１０月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／永田町に波紋／��維新分裂の序章�∞�「野党再編」困難に��

　９月２９日投開票の堺市長選で、日本共産党が支援した現職・竹山修身氏の勝利、維新公認候補の惨敗は永田町にも波紋を広げています。

　（中祖寅一）

　堺に１カ月入り、選挙活動してきたという維新関係者は、「共産党の団結力はすごかった」と述べ、市民の共同に果たした役割を認めました。竹山市長の「実績」について「民主党も自民党も、『赤旗』が言っているのだからそうなのだろうということになった」と語ります。「橋下氏の演説に人は集まったが、ファンだけ、支持している人だけしかいない」と、無党派層の支持離れの��実感�≠熏数窒ｵました。

　１年前には維新との連携を競い合っていたみんなの党の国会議員は、「（この惨敗で）橋下を中心とする野党再編の求心力はなくなった。このままでは、野党再編どころか、１年半後の地方選や、３年後の国政選挙で『橋下維新でいけるのか？』と、不安が広がり、維新分裂となる」と述べます。

　惨敗の要因について同氏は、「現憲法の無効・破棄を宣言するとか、『慰安婦は必要だ』という暴言に示されるような非現実的で極右的な思想に、堺市民だけでなく国民全体が不安を覚えていることがある。『大阪都構想』についても、堺市の住民の意思を尊重せずに強引に堺を分割するかのような『戦略』が、住民の気持ちを逆なでした」と述べます。

　政府関係者の一人は、「堺をなくすという公約をして、市長になるということ自体が無理だった」と述べます。

　自民党議員の一人は、「大阪で維新が負けたことの意味は大きい。同じ関西でも、（兵庫県の）宝塚や伊丹の市長選とは意味が違う」と強調。「お膝元で、代表の橋下氏自身が繰り返し入っての敗北だ。自民党を抜けて維新に流れた部分から、維新を離脱する動きが起こってくる可能性がある。大阪で失速すると、もはや流れとしては回復できない感じになる」と述べます。

　他方、維新と憲法問題などで連携を模索する首相の周辺や自民党の中枢からは、「政策ごとに維新と協力することはあってしかるべきだ」（石破茂幹事長）、「維新にはある程度の力を持ち続けてもらいたい」（首相官邸筋）という声も出ています。

　しかし、国民から見放されつつある維新を頼みにする手法は「両刃の剣」です。

　「参院選で維新の当選が８人にとどまった時点で、自民党は、維新そのものは半ば見放している」。自民党関係者はこう語りました。

( ２０１３年１０月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

（Page/Top）

（9月）ヘッドライン

３０

「慰安婦」問題、謝罪賠償を／首相国連演説うけ声明／「解決全国行動」

朝の風／政府の償いは終わっていない

「慰安婦」問題、日本政府の態度ひどすぎます／ドイツ首都で抗議行動／在住日本人女性ら活動／注目集める

元７３１部隊「国はなぜ隠す」／捕虜を使って人体実験／１９４４年８月ハルビンに配属大川福松さん

ヘイトスピーチ見過ごせない／多様性尊ぶ社会に／「東京大行進」の実行委員で４０人超のマーチングバンドでトランペットを吹いた木野寿紀さん東京・練馬区

政府は名誉・人権返せ／「慰安婦」問題解決へ集い／京都

韓国外相は慰安婦対応要求

首相、「結果の秋」意気込むが内外世論との矛盾必至

「慰安婦」問題解決急いで／京都市長と面談／来日の被害女性

おはようニュース問答／市民の力で差別なくしていきたいね

歴史問題、日本に善処要求／韓国外相

安倍首相の国連総会演説／世界で特異な存在感示す

「慰安婦」問題解決策は／集会で学ぶ／国際婦人年京都連絡会

堺市つぶしと正面対決／共同広げ最後まで／大阪労連などがアピール

堺市長選／つくる会がフル回転／南区

堺はひとつ／市民の誇りなんとしても／市議会会派・ソレイユ堺山口典子堺市議／新しい市民運動の幕開け

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／５／職場支部での党員拡大／情勢の激変に確信もち

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／４／暴走政治とのたたかい／いまこそ「車の両輪」で

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／３／長く増やせていない支部も／党員拡大の��条件�≠�る

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／２／支部会議で率直に討議／自分たちの「大運動」に

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

２５

「慰安婦」問題の早期解決求める／松山市に署名提出

論壇時評／田代忠利／戦後国際政治の原点に背く議論

政府は「慰安婦」解決を／韓国被害女性、国会内集会で訴え

「教育再生」方針テーマに講演会／奈良ネット２１総会

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

堺市長・市議補選／市田書記局長の訴え

「満州事変」８２周年つどい／富山

テレビ時評／「８月番組」に望むもの／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二

20

まど／「大阪都構想」と五輪招致

週間日誌／１３年９月８日〜１４日

日本維新の会１年／「既成政党」「補完勢力」／正体見えて��失速��

15

「８中総へ心一つに」／「マイ名簿」で読者拡大／暴走政権から教育守ろう／北海道の教育関係支部

アジア政党国際会議・女性会合／「慰安婦」問題で紙議員発言

戦後補償、新たな展開／強制労働など学ぶ市民集会／札幌

慰安婦像撤去決議案を否決／「維新」の提案／堺市議会

「大阪都」構想から堺市を守り抜こう／竹山市長必勝へ市民大集合／３氏連帯あいさつ

日本政府、「尖閣」購入から１年／歴史・憲法改定など矛盾拡大／安倍政権で日中関係悪化

埼玉県平和資料館の展示／「慰安婦」など削除表明／会合開く

��堺市長選に勝利を�＝^兵庫県委が大阪府委激励

日本の謝罪不十分／慰安婦問題で国連報告者

「慰安婦」問題解決求める／ひろしまネットが宣伝

堺・つくる会の公開質問状／要旨

憲法を生活の隅々に／愛知母親大会で１３５０人交流

10

堺市長選１５日告示／なくさんとって堺／「都」構想に反対し市民集会

テレビの参院選報道検証／放送を語る会モニター報告／上／��ねじれ解消�°ｭ調で重要争点ぼかす

市長選１５日告示／自治、暮らし、堺つぶす「大阪都」構想反対／竹山市長を支援します

堺市長選で「維新」に審判／大阪労連が特別決議

堺市つぶしノー／市長選・市議補選勝利へ全力／党地区委が活動者会議

政治考／海外メディア注目／共産党躍進、取材相次ぐ／「米国人には想像できない。驚きだ。面白い」

アジアを平和・友好地域に／新潟市で戦争展

堺市長選／党都委が大阪府委激励／「維新」の野望打ち砕こう

「韓日・未来へつなぐ学習ツアー」／「水曜デモ」でスピーチ三嶋あゆみさん

5

堺で女性連絡会が宣伝／市民、「都」構想の正体分かった

旧日本軍による「慰安婦」問題／実態伝える漫画に挑戦／山口かりんさん＝仮名＝／京都

１３年夏に想う／笠井亮衆院議員／もう一つの官邸前行動

韓国の憲法裁判断から２年／進まない「慰安婦」賠償／協議拒否、不誠実な日本政府

侵略戦争賛美の教科書／愛媛の２校採択／教組など撤回要求

関東大震災９０周年で集会／歴史の歪曲許さず／朝鮮人虐殺、伝え続ける

２０１３いま言いたい／俳優・エッセイスト黒田福美さん／日韓の緊張は何も生まない

9月（本文）（Page/Top）

30

「慰安婦」問題、謝罪賠償を／首相国連演説うけ声明／「解決全国行動」

　日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は２８日、安倍晋三首相が２６日の国連総会での演説で紛争下の女性に対する性暴力を批判し、女性の人権を守る国際的取り組みを支援すると表明したことを受け、「慰安婦」問題で謝罪と賠償を求める緊急声明を発表しました。

　声明は、「慰安婦」問題と今日の世界各地における武力紛争下の性暴力問題とは同一線上にあり、「慰安婦」問題で日本政府の謝罪と賠償を勝ち取ることが、現在の性暴力への「不処罰の連鎖を断ち切り、ひいてはこのような暴力を根絶することにつながる」と指摘しています。

　安倍首相と安倍内閣がアジア諸国に対する加害責任と向き合っていないことを批判。「日本が戦時性暴力被害者のために世界に貢献しようとするならば、まず、日本軍『慰安婦』被害者に対する自らの責任を果たさねばならない」とし、同問題の「事実と責任を直視し、被害者への謝罪と賠償を直ちにおこなうよう」求めています。

( ２０１３年０９月３０日， 「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／政府の償いは終わっていない

　さいたま市三室であった「戦争展」の講演のあと会場から、こんな質問が出た。「池上彰さんのテレビ番組で元『慰安婦』の女性には政府も事務費用を負担してお金が支払われていて、すでに日本は謝罪している、と話していたがどうなのか」

　１９９５年、村山内閣のときに「アジア女性基金」がつくられた。元「慰安婦」への基金の「償い金」支払い事業は、基金の運営費を除き、支払い金については税金は使わず全て国民のカンパでまかなった。スタート直後から被害女性や韓国、台湾当局が、これでは日本政府の責任回避だと強く反発し事業の中止を求めてきたのだ。

　しかも日本政府は「受け取った人に迷惑がかかる」として「償い金」の国別支払い人数についてさえ明らかにしていない。

　池上氏は番組で、基金の「償い金」支払いのとき「総理大臣のおわびの手紙も渡している」と解説していた。

　その手紙は、同じひな型に総理が代われば橋本龍太郎とか小泉純一郎とか名前だけ署名し、内容も「道義的責任を痛感しつつ」として国家の法的責任を否定している。とても誠実な謝罪とはいえない。国連および国際社会はこの事業で「慰安婦」問題は解決していないとして、今も謝罪・補償を日本政府に求め続けている。

　（春）

( ２０１３年０９月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題、日本政府の態度ひどすぎます／ドイツ首都で抗議行動／在住日本人女性ら活動／注目集める

　ドイツのベルリン在住の日本人女性たちの会、「ベルリン女の会」が、日本軍「慰安婦」の問題を取り上げて活動し注目を集めています。

　普段はドイツで生活する上で必要な知識を交換し、日本語で話す機会をつくって活動しています。会員は日本人女性３０人です。

　「会」は８月１４日、ベルリンのブランデンブルク門前で「慰安婦」の写真を掲げ、行動しました。「会」のメンバー２０人だけでなく、韓国人グループ、ドイツ人の人たちも参加し、参加者は７０人になりました。

　この日、「慰安婦」への公式謝罪と補償を求めて安倍首相宛てに公開質問状を出しました。国連拷問禁止委員会が５月３１日、日本政府に、被害者の苦難を和らげるべき立法、行政および司法上の措置を取るよう５項目にわたる勧告を出しましたが、日本政府は「勧告に従う義務はない」と否定。これが公開質問状のきっかけとなりました。

　「会」で「慰安婦」問題を担当している梶村道子さん（６７）は、「（日本政府の態度は）まったくひどいと思いました。このことをドイツの人にも知らせなければとドイツのマスコミに知らせ、ドイツの市民グループに一緒に抗議しようと公開質問状をまとめました」と語ります。

　ドイツの大きな女性組織、「ドイツ女性の輪」やアムネスティ・インターナショナルのドイツ支部、キリスト教団体などが賛同し、当日は「会」の代表とともに日本大使館に申し入れました。賛同団体は現在、２６団体に増えました。

　会のメンバーの一人、浜田和子さん（６８）は、「ドイツでは戦争責任のあり方が日本とはまったく違います。韓国人の友達もいるし、そこからさまざまな見方ができます」と話しました。

　（ベルリン＝片岡正明）

( ２０１３年０９月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

元７３１部隊「国はなぜ隠す」／捕虜を使って人体実験／１９４４年８月ハルビンに配属大川福松さん

妊婦も生体解剖、細菌兵器を「開発」

　安倍政権が侵略戦争の史実をゆがめるなか、日本陸軍・細菌戦部隊の凄惨（せいさん）な実態を明らかにしたいと、自身の加害体験に向き合う元隊員がいます。

　本吉真希記者

　元隊員は三重県に住む大川福松さん（９３）。１９４４年８月、中国東北部（旧満州）の北安陸軍病院から、ハルビン市郊外の７３１部隊（正式名称・関東軍防疫給水部）に転属しました。

　７３１部隊で、１人の妊娠中の「慰安婦」を解剖するなど、終戦近くまで１日２〜３人、多いときで５人の生体解剖に関わったと話します。

　「麻酔は鼻にちょっとあてるだけ。捕虜は痛さでもん絶した」。人体実験の��材料�≠ﾉされたのは、中国やロシア、朝鮮の人々でした。

　「ペストや腸チフスに感染させた捕虜を『マルタ○号』と番号で呼んだ｡『１号のペスト菌はどんな成果が出たか』いうて、症状を調べた」

　部隊では心臓や肝臓などを解剖して感染経過を分析。そのデータから強力な細菌兵器を、ジュネーブ条約に違反して極秘に「開発」しました。臓器はホルマリン漬けにして標本にし、研究のため各病院へ送られました。

　どの菌が効果的に人間の害になるかを研究し、培養・増菌しました。菌の培養やワクチンの製造に、血清を使いました。

　血液を分離して血清をつくるため「生きとる人間から血液を抜きとるのも、生体解剖の目的だった」。解剖後はすぐに焼きました。「手術台からそのまま焼却炉に放り込んだ」

　部隊は細菌戦も実行し、大川さんがつくった腸チフス菌はガラス瓶に入れられ、投下されました。大川さん自身も北安陸軍病院にいたときには、討伐行動でコレラ菌を井戸に入れました。

　７３１部隊所属の金子順一軍医が作成した極秘報告書（注）によると、部隊が吉林省や浙江省など六つの地域で行った作戦（４０〜４２年）で、ペスト菌を用いた細菌兵器を使用。死亡者数は１万９６４６人に上りました。

幹部は免責

　東京裁判で７３１部隊は裁かれませんでした。実験データを米軍へ提供するのと引き換えに、幹部らが免責されました。

　大川さんは戦後６０年間、行政によって軍歴を明らかにしてもらえず、軍人恩給を受けることができませんでした。大川さんにとって、戦後一貫して、国が細菌戦部隊について隠してきたことと、いま、安倍晋三首相らが日本軍「慰安婦」の強制連行を否定する動きが重なります。

｢なんで国は隠すんか｡二度と同じ道を歩まんよう、不正なことは社会に明らかにせなあかん」

注(２０１１年､｢７３１･細菌戦部隊の実態を明らかにする会｣が国立国会図書館関西館で発見)

(２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

ヘイトスピーチ見過ごせない／多様性尊ぶ社会に／「東京大行進」の実行委員で４０人超のマーチングバンドでトランペットを吹いた木野寿紀さん東京・練馬区

　多様性を尊ぶ社会をマーチングで表現できたらと思いました。マーチングバンドがいろんな楽器で演奏するように、私たちの社会も多様な人たちが自分のアイデンティティー（主体性）をもって生きられるはずです。

　在特会の差別行為を何年もの間、見て見ぬふりを続けているうちに、大都会の繁華街で公然と凶悪な差別行為が行われるまでになってしまいました。このまま、あのデモを素通りさせるわけにはいかないと思いました。

　「慰安婦」被害者の侮辱やナチス称賛の発言など、政治家による問題発言が相次いでいます。差別がまん延していることを政府が認めていない。この根本を変えないとダメだと思い、デモをしようと考えました。

(２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

政府は名誉・人権返せ／「慰安婦」問題解決へ集い／京都

　旧日本軍による「慰安婦」問題の早期解決をめざす「近畿のつどい」が２８日、性奴隷被害に遭った韓国のハルモニ（おばあさん）を迎えて、京都市内で開かれました。

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす大阪の会と新日本婦人の会京都府本部が主催し、会場いっぱいの３００人が参加しました。

　「慰安婦」問題を国会で追及してきた日本共産党の吉川春子元参院議員の司会進行で、「ナヌムの家」に暮らす朴玉善（パク・オクソン）さん（９０）、李玉善（イ・オクソン）さん（８７）、姜日出（カン・イルチュル）さん（８６）の３人が、無理やり連行され暴行を受けた被害体験を証言し、「日本政府に謝罪してほしい。奪われた名誉と人権を返して」と訴えました。

　意見交流では会場から６人が発言。橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言に対する抗議行動、京都府と地方議会で意見書を可決させる取り組み、日本の戦争加害を伝える活動などを報告し、「慰安婦」問題の一日も早い解決に力を合わせる決意を語りました。

　大阪ＡＡＬＡの四ツ谷光子副理事長、「ナヌムの家」の安信權（アン・シングォン）所長があいさつ。参加者一同で「故郷の春」「アリラン」などを歌い交流しました。

　大阪市から参加した女性（３１）は、「日本政府に早く謝罪をさせるよう、私たちも運動を強めなくてはと思った」と話していました。

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国外相は慰安婦対応要求

　【ニューヨーク＝洞口昇幸】韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は２７日、国連総会の一般討論で演説し、旧日本軍の「慰安婦」問題について「普遍的な人権問題として責任のある手段で犠牲者の名誉を回復させ、彼女らの痛みを和らげることが求められている」と述べ、名指しは避けたものの日紛争下の一般人の保護問題に触れ、「紛争下の性的暴行は、最も深刻な人権侵害の一つで戦争犯罪だ。特に、前世紀の紛争下の性的暴行の被害者の痛みと苦しみは今日まで続く」と「慰安婦」問題を示唆、日本政府を暗に批判しました。

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

本政府に対応を求めました。

　尹外相は、

首相、「結果の秋」意気込むが内外世論との矛盾必至

　「日本に帰ったら１０月、実りの季節だ。内政・外交両面でさまざまな課題にしっかり結果を出していく」。安倍晋三首相は米国・カナダ訪問最終日の２７日朝（日本時間同日夜）、ニューヨークでの内外記者会見でこう意気込みました。

言いたい放題

　安倍首相は訪米中、内政・外交両面にわたり内外の世論に挑戦する言動を繰り返しました。

　消費税増税については「１０月初旬に最終判断する｣とし､法人税については「日本に帰ったら、直ちに大胆な減税を断行する」と言明しました。

　「積極的平和主義」というごまかしの概念を使い、集団的自衛権の行使容認に向けて「国民的な理解が進むように努力したい。公明党の理解を得るための議論を進めたい」と執念を示しました。

　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）については「年内の交渉妥結に向け、日米でリードする」と約束。さらに原発を「放棄することはない」と宣言しました。

　安倍首相は、帰国後早速、１０月１日には消費税増税を決断する構えです。

　同３日には、日米安全保障協議委員会（２プラス２）を開き、「日米軍事協力のための指針（ガイドライン）」再改定の本格着手で合意する見通しです。集団的自衛権の行使容認に向けた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」（安保法制懇）は、年内の報告書取りまとめに向けた議論を進めています。

たたかいの秋

　これに対し国民の反対世論・運動も高まりをみせています。

　２７日には、東京・日比谷野外音楽堂に５０００人以上が集い、「消費税大増税ストップ」の声を上げました。集団的自衛権の行使容認の動きに対しても国民世論は反対が多数です。ＴＰＰ反対や「原発ノー」の取り組みは全国各地、各界に広がっています。

　一方、ハドソン研究所での「右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼べ」という安倍首相の挑発的な発言に対し、中国外務省の洪磊（こうらい）副報道局長から「国際社会の関心と正義の叫びに真面目に向き合うべきだ」と反発の声が上がっています。

　国連総会の一般討論演説で安倍首相は今日における紛争下の性的暴力被害者の救済を表明しましたが、韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は同じ場で「戦時の性暴力被害者の苦痛は今も続いている」と訴え、日本政府に旧日本軍「慰安婦」問題への真摯（しんし）な対応を求めました。

　たたかいの秋―。安倍氏が��実り�≠�得ようと意気込めば意気込むほど、内外の世論との矛盾に突き当たることは避けられません。

　（山田英明）

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題解決急いで／京都市長と面談／来日の被害女性

　韓国から来日中の旧日本軍「慰安婦」被害女性らが２７日、京都市役所を訪れ、門川大作市長と面談し、「慰安婦」問題の早期解決に向け協力を求めました。

　面談は、「京都市議会で『慰安婦』意見書を求める会」に参加する、アムネスティ・インターナショナル日本の「慰安婦」問題チームが要請したもので、李玉善（イ・オクソン）さん（８７）、姜日出（カン・イルチュル）さん（８６）、朴玉善（パク・オクソン）さん（９０）の３人と、「ナヌムの家」の安信權（アン・シングォン）所長が同席しました。

　女性らは、いずれも１５歳の時に連行され、日本軍の慰安所で強制され、戦後も中国に残留の身となり、２０００年以降に母国に帰国しました。

　面談後、李玉善さんは支援者との懇談で、市長が直接、話を聞いてくれたとのべ「もともと、慰安婦として生まれた人はいない。日本政府は、被害者に謝罪、名誉回復し、歴史認識の問題を解決してほしい｣と話しました｡

　同「慰安婦」問題チームコーディネーターの山下明子さんは、京都府議会で早期解決を求める意見書が可決した時（３月）、すぐにインターネットで世界中に発信されたことを面談で紹介し、「国際観光都市の京都が、『慰安婦』問題の早期解決に積極的に取り組むことの重要性を伝えました」と話しました。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

おはようニュース問答／市民の力で差別なくしていきたいね

　ふゆみ　♪こんなデタラメの差別とさよならしたいよ〜。

　のぼる　何を歌っているの？

　ふゆみ　２２日に東京で行われた「差別撤廃　東京大行進」で流れていた曲だよ。大行進に賛同する有名なミュージシャン４人が歌っていたの。実際に行進したミュージシャンもいたんだよ。

卑劣デモに対抗

　のぼる　かっこいいね。僕はインターネット中継で見たよ。先頭に黒いスーツの人たちがいたけど、あれは何だっけ？

　ふゆみ　あれは、５０年前の米国でキング牧師などが人種差別撤廃を求めた「ワシントン大行進」を意識したの。

　のぼる　「私には夢がある」で有名な演説が行われたんだよね。

　ふゆみ　そう。「東京大行進」では、日本政府に対して人種差別撤廃条約の誠実な履行を求めているんだよ。

　のぼる　そうなんだ。

　ふゆみ　「差別をなくそう」「一緒に歩こう」とラップで訴えるＤＪを乗せたトラックや、性的マイノリティー、チマチョゴリを着た人などもいて多様性をアピールしていたよ。

　のぼる　いろいろな人がいていいんだね。だけど、どうして「大行進」をやることになったの？

　ふゆみ　日本のコリアンタウンで「朝鮮人は殺せ」とかいったヘイトスピーチ(憎悪表現)を使ったデモが繰り返し行われているのは知っている？

　のぼる　民族や人種に対する常軌を逸した攻撃は許されないね。

　ふゆみ　卑劣なデモに対抗してきた人たちが中心になって、今回の大行進を企画したんだよ。

政治家の姿勢も

　のぼる　へえ。市民の力を合わせて、世論の力で排外・差別主義を包囲していきたいね。

　ふゆみ　そうね。だけど、ヘイトスピーチデモがエスカレートしているのは、政治家の姿勢が深く影響していると思う。

　のぼる　日本の侵略戦争を美化する安倍晋三首相の歴史認識や、橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」という発言だね。

　ふゆみ　そうそう。それに麻生太郎副総理はナチズムを肯定する発言をしたり…。

　のぼる　過去の過ちに真摯（しんし）に向き合わなければ、解決には近づかないね。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

歴史問題、日本に善処要求／韓国外相

　【ソウル＝時事】韓国外務省によると、ニューヨークで２６日行われた日韓外相会談で、韓国の尹炳世（ユン･ビョンセ）外相は旧日本軍の従軍慰安婦問題について「過去の被害者に対し、納得できる措置が速やかに取られなければならない」と述べ、日本政府の積極的な対応を求めました。

　尹外相は会談で「歴史問題に関する事案の本質を糊塗（こと）するいかなる試みも、決して受け入れることはできない」と指摘。また、在日韓国人らの排斥を主張する日本国内でのデモに懸念を示し、効果的な対応を取るよう岸田文雄外相に要請しました。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

安倍首相の国連総会演説／世界で特異な存在感示す

　国連総会での各国首脳らによる一般討論演説で安倍晋三首相は２６日、日本政府として「新たに積極的平和主義の旗を掲げる」と宣言し、「ＰＫＯ（国連平和維持活動）をはじめ国連の集団安全保障措置に対し、より一層積極的な参加ができるよう図っていく」と言明しました。

「積極的平和主義」

　「積極的平和主義」は、首相が最近「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」（安保法制懇）の会合などで言及し始めたもの。解釈改憲によって集団的自衛権の行使や海外での武力行使を可能にしようとする動きをオブラートに包み、日本国民や周辺国の批判を和らげるためにつくった概念です。内実は、日本国憲法の平和主義に背く、世界の紛争などへの軍事的関与の拡大です。

　「軍事介入が平和をもたらすと考えるのは幻想だ」―。同日の一般討論で初めに演説した中南米ガイアナのラモター大統領は、シリアの内戦に関し、こう述べました。スロベニアのパホル大統領も「政治的解決が唯一、現実的で長続きする」と訴えました。

　今回の一般討論演説では、シリア問題について各地域のさまざまな国が軍事力によらない解決を推奨、確認し合っています。

　これに対し安倍首相は、シリア問題で難民に対する人道支援は強調したものの、紛争の平和的解決の必要性には言及しませんでした。その背景にあるのは、軍事力の行使を中核にした「積極的平和主義」という、世界の平和の流れに逆行する考え方です。

「慰安婦」問題でも

　首相は演説の多くを女性問題に割き､｢憤激すべきは、２１世紀の今なお､武力紛争のもと､女性に対する性的暴力がやまない現実だ｡犯罪を予防し､不幸にも被害を受けた人たちを物心両面で支える｣などと述べました｡旧日本軍｢慰安婦｣問題への国際社会の批判をかわす狙いとみられます｡

　しかし、国際社会が「憤激」しているのは、かつて旧日本軍が行った組織的・系統的な「女性に対する性的暴力」＝「慰安婦制度」への根本的な反省を欠き、被害者への公式謝罪と賠償をかたくなに拒否する安倍政権の姿勢です。

　「日本の存在感を示す」として国連総会に乗り込んだ安倍首相が示したのは、同政権が、世界の平和の流れや国際社会の常識に反する特異な存在であるということでした。

　（洞口昇幸＝ニューヨーク、榎本好孝）

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題解決策は／集会で学ぶ／国際婦人年京都連絡会

　国際婦人年京都連絡会は２３日、第３９回京都集会を京都市内で開き、「慰安婦」問題の解決にむけて学習しました。

　主催者あいさつで、代表の久米弘子弁護士は、「平和・平等・開発」という国際婦人年のスローガンを紹介し、「慰安婦」問題を例に、「平和でなければ、女性の人権が尊重され、調和のとれた社会の発展は望めないことがつくづく分かると思う」と話しました。

　元「慰安婦」女性の証言と研究者や政治家の発言で構成した映画「終わらない戦争」の上映に続き、アムネスティ・インターナショナル日本「慰安婦」問題チームコーディネーターの山下明子さんが講演しました。

　山下さんは、「慰安婦」被害者の証言以降、各国の女性運動の広がりを背景に、性暴力に対する意識が女性の人権の問題として国際的に高まる一方、日本政府の認識の遅れは国際社会から孤立していると強調。「維新の会」共同代表の橋下大阪市長の発言に反論しない態度は、日本が批准している国際条約にも反すると指摘し、「性奴隷制の事実は国際法上、確定しており、きちんと謝罪し早期解決をすべき」だと訴えました。

　参加した女性（４９）は、「日本と国際社会の認識の差を感じた。歴史を若い人に伝えていかなくては」と話していました。

(２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市つぶしと正面対決／共同広げ最後まで／大阪労連などがアピール

　大阪労連など大阪で活動する六つの地方労働団体・労働組合が２６日、「堺市長選で、橋下・維新の会の『大阪都構想』を阻み、独裁政治に明確なノーの審判を下そう」とのアピールを発表しました。

　アピールは、大阪労連のほか、大阪全労協、全港湾関西地方本部、国労近畿地本、連帯ユニオン近畿地本、おおさかユニオンネットワークの連名です。

　堺市長選は、現職の竹山修身市長と、「大阪維新の会」の前堺市議との激しい選挙戦となっています。竹山市長は、維新の「大阪都構想」に反対し、市民の声に基づく市政の実現、「堺のことは堺で決めよう」と呼びかけ、奮闘しています。

　橋下・維新は、関西財界の利益に奉仕する「大阪都構想」など自治体壊しと住民サービス犠牲を強権的手法ですすめるため、「職員基本条例」「政治活動制限条例」で物言わぬ職員づくりを強行し、憲法違反の「思想調査」アンケートや組合事務所強制退去など、労働者と労働組合の権利を侵害する行為を繰り返しています。大阪を国家戦略特区として国家公認の「解雇特区（原案通りの〜ブラック企業特区）」にしようとしており、暴政への批判が広がっています。

　彼らの政治本質は、「憲法と民主主義否定の独裁政治」に他ならず、橋下氏の「慰安婦暴言」に内外から多くの批判が巻き起こっていることは当然です。

　いま橋下・維新は、参院選の失速からの復権を堺市長選に位置づけており、憲法改悪、消費税増税、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加、労働法制改悪などの策動も含めて、今後の国政との関係も軽視はできません。

　堺市では、「大阪都構想から堺市を守る自由と自治・堺の会」が立ちあげられ、市議会でも維新提案の「教育基本条例案」「職員基本条例案」を否決し、６月には「日本維新の会共同代表らによる、いわゆる従軍慰安婦問題等に関する発言の撤回及び謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」を賛成多数で採択、幅広い共同の努力がすすめられてきました。

　いま、これらのたたかいが市長選での幅広い大きな共同となって広がっています。

　私たちは、橋下・維新がすすめる「大阪都構想」への堺市の参加を許さず、橋下氏の「慰安婦暴言」への批判の中で、都議選と参院選で大きく後退した維新が地元の大阪で再び息を吹き返し「独裁政治」を拡散することを許さない立場から、今回の堺市長選で橋下・維新に明確な審判を下し、堺市乗っ取りを阻止していくために、最後までの大奮闘をよびかけるものです。

(２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／つくる会がフル回転／南区

　全国注視の堺市長選（２９日投開票）で現職の竹山修身候補を自主的に支援する「住みよい堺市をつくる会」は２６日、宣伝、対話・支持拡大に全力を挙げました。

　同市南区の事務所では、渡辺法子さん（６０）が若いお母さんと対話。渡辺さんは「ずっと運動してきた子ども医療助成の中学３年生までの拡充が、竹山市政でやっと実現しました」と話し、「『維新の会』が掲げる『大阪都』構想で、堺の税収が『都』に吸い上げらたら、この制度もなくなります」と訴えると、お母さんは「竹山さんに入れます」と応えました。

　「慰安婦制度は戦争中どこでもやっていた」という橋下（徹大阪市長）ファンの７０代の女性に「『都』構想で堺市の税金を吸い上げ、カジノや大型開発に使おうとしているんですよ」と丁寧に話をすると､女性は｢カジノはあかん｡考えてみます｣と返ってきました｡

　連日、対話・支持拡大に奮闘している山岨（やまそ）和子さん（６７）は「『維新』の橋下市長のもとで赤バスや市民病院が廃止され、くらしが破壊されていることをみんな分からないのかと憤る人がいる一方で、『都』になったっていいと言う人もいます。どんどん声をかけ最後の最後までがんばります」と語りました。

( ２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺はひとつ／市民の誇りなんとしても／市議会会派・ソレイユ堺山口典子堺市議／新しい市民運動の幕開け

　大阪府にも、お隣の大阪市にも莫大な借金があります。松井（一郎知事）さんも橋下（徹大阪市長）さんも「堺が」と言う前に、まず自分のところの改革をきちんとすべきですね。

借金の肩代わり

　市税収入１３００億円のうち、毎年４６０億円が「新大阪府」にもっていかれたら、堺の福祉サービスなんか向上するはずがない。堺市民は、大阪府と大阪市の借金の肩代わりをする「大阪都」構想に屈さないし、維新にもひれ伏しません。

　私が一番腹立つのは、「維新の会」が��既得権益をつぶす�≠ﾆ言っておきながら３０億円近くの政党助成金をもらうという。税金ですよ。「改革」というなら、返上するのが当たり前です。政党助成金をもらっていないのは共産党さんだけですよ。かっこいいですね。それでこそモノがいえるんですよ。

　竹山修身市長も退職金を返上しました｡｢堺を守る｣だけでなく､市民のためのまっとうな政治をやろうと頑張っています。

政党の枠超えて

　今回の市長選は従来とはまったく違う、新しい形の選挙です。共産党さんも、「住みよい堺市をつくる会」のみなさんも、政党間の駆け引きや線引きを超えて、竹山候補のビラをまき、地域で汗を流し、「堺はひとつ」で立ち上がっています。

　政党の枠を超えて、「堺を守ろう」「一緒にやろうや」という新しい市民運動の幕開けですよ。「ものの始まりなんでも堺」なら、新しい政治も堺からです。

　橋下さんの「慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる」という暴言は、��男性の性は我慢できない�≠ﾆ決め付けて、��女性は性のはけ口�≠ﾆしているところに根本の問題があります。これは男性にも失礼です。人権や平和、憲法をまもらない人に政治はやれませんよ。

　「維新の会」の市長候補者が誰だかわからないくらい、橋下さんばかりしゃべっていますけど、堺にはいりませんよ、橋下さんの傀儡市長は。

　（聞き手　竹原東吾）

( ２０１３年０９月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／５／職場支部での党員拡大／情勢の激変に確信もち

　２０年、３０年ぶりに新入党員を迎え、喜びにあふれる職場支部が生まれていますが、第２５回党大会後、新入党員を迎えていない５１％の支部の多くが職場支部です。職場の情勢が大きく変わるなか、各地で始まっている努力の一端を紹介し、すべての職場支部が新入党員を迎えるという「大運動」目標に、全党の力をつくすことをよびかけます。

　〈得心ゆくまで討議、具体化〉　Ａ地区は、昨年の「大運動」以来、自覚的な職場支部づくりに努力しています。参院選後も、常任委員会が手分けして、一つひとつの職場支部と懇談。選挙での努力、確信とともに、あきらめや不確信があることもリアルにみて、８中総決定を得心ゆくまで討議し、「大運動」目標と計画をもつことを何より重視しています。

　〈支持者の思いを聞く〉　この連載でも紹介していますが、参院選で党を支持した労働者は、暴走に憤り、「政治を変えたい」との思いを強めています。Ｂ地区は、「職場支部が情勢の激変をつかむには、支持してもらった労働者の思いを聞くことから」とよびかけ、��連合組合の分会長が、安倍政権で憲法が危ない、社民党は力にならない。比例も選挙区も共産党に入れたよ、と話しかけてきた�∞�共産党の話はご法度だったが、管理職の目の前で職員が党の躍進を喜び合う姿に驚いた�≠ﾈど、交流が始まっています。

　〈要求・関心を綱領の目で〉　Ｃ地区の教職員支部は、党大会後、７人を党に迎えています。信頼の厚い元組合委員長の党員が、若い教員の目線で綱領を学ぶサークルを組織し、「こんな日本にだれがした」「学校の息苦しさはどこから来るのか」「朝鮮半島と日本」などを学びつつ、党の「集い」もくりかえし開いています。

　教員、自治体、医療、民間など、職種ごとの要求、関心に綱領の目でこたえる努力は、職場での党支部の役割への理解・共感を広げ、入党の力になっています。

　〈オール○○県の立場で〉　Ｄ県は、職場支部の継承、建設に県党組織全体がもつあらゆる可能性を生かそうと「オール○○で」とよびかけ、地域支部が「民主連合政府へすすむにはＥ大企業の党づくりに自分たちも力を」と、地域に住む労働者を迎えています。地域支部の労働者党員の「職場に迎えたい人が…」との発言をきっかけに、県、地区、労組グループなどが連携し、空白職場での支部づくりも始まっています。

　〈民青班づくりから〉　昨年の「大運動」以来、若い労働者のなかに党をつくることを展望し、民青班をつくり、援助し、「組合青年部を再建し、入党者も迎えた」（自治体支部）、「綱領を学び、社会への思い、仕事のやりがい、悩みを交流し、励ましあう場に」（保育支部）などの経験も生まれています。

( ２０１３年０９月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／４／暴走政治とのたたかい／いまこそ「車の両輪」で

　消費税、社会保障、雇用、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）、原発、憲法と集団的自衛権――安倍政権の暴走とたたかう国民運動が広がり、日本共産党は、国会でも草の根でも、たたかいと共同の発展に力をつくしています。

　「��たたかいのなかで党勢の拡大を�＝A��党勢を拡大し、たたかいの発展を�≠ﾆいう『車の両輪』の活動がいまほど求められているときはない」（８中総決定）――とくに、職場と若い世代・現役世代を党に迎えるうえで、この提起を深くつかむことが大切です。

「政治変えたい」思い

　「保守的な家で育ったが、３・１１から自分は変わった。自民も民主もだめ、党員の友人に誘われ、金曜行動に参加するなかで、共産党しかないと思うようになった」（福島・４０代）、「貧困で治療や検査を受けない人たちに胸が痛む。この現実を変えたい。社会保障改悪など許せない」（香川・医療職員）、「祖父が組合長をしているＪＡが、自民党支持を撤回したことに圧力がかかり、自民党ではホトホトダメだと悟った」（埼玉・青年）――入党した方々の思いです。

　原発、ＴＰＰ、生活保護などの「官邸前行動」に象徴されていますが、切実な願い、要求でたちあがっている国民の運動は、「暴走」政治に憤り、「政治をかえなければ」、「自分も力になりたい」という思いを共有し、強めていることに大きな特徴があります。この思いが参議院選挙で日本共産党の躍進を実現する原動力ともなりました。

　いま、たたかいに参加している方々の思いに耳を傾ければ、その多くが入党を働きかける対象といっても過言ではありません。

丸ごと知ってもらう

　もう一つ大切なことは、ともにたたかう仲間に党を丸ごと知ってもらう「集い」など、入党を働きかける独自の努力を強めることです。職場、地域に、ともにたたかう仲間がたくさん生まれているだけに、たたかいと一体に党員を増やす意識性を発揮することが求められています。

　大阪・堺市長選挙告示後の大激戦のなかで、青年支部が３人を党に迎えています。システムエンジニアとして昼夜逆転で働きながら、連日、フル回転している女性はその一人です。メガホン宣伝の目の前で、橋下代表に��詐欺師集団�≠ﾆののしられたことに青年支部のメンバーは怒り心頭で、「負けられへん」と行動後に参加していた女性に働きかけ、党に迎えました。

　青年支部は会議のたびに対象者一人ひとりにどう働きかけるかを話し合い、入党した３人とも、志位委員長のトークセッション、民青班の学習・交流イベントなどで何度か入党について話し合ってきたことが、激烈なたたかいのさなかの相次ぐ入党に実っています。

( ２０１３年０９月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／３／長く増やせていない支部も／党員拡大の��条件�≠�る

　「大運動」の大切な目標は、長期に迎えていない支部をふくめ、すべての支部が新入党員を迎えることです｡この十数年､大会期ごとに党員を迎えた支部は３〜４割台でしたが、今期は職場支部などの努力もあり､４９%になっています｡

　しかも、参議院選挙での躍進は党内外に大きな変化を生んでおり、２０年、３０年ぶりに党員を迎えた支部が各地に生まれています。

２０年、３０年ぶり入党

　「日ごろ仕事の相談にのり、参院選で後援会活動に参加し、原発問題を真剣に考えている３０代の労働者が、祝勝会で入党してくれた。現役党員は、『綱領・古典の連続教室』を受講し、職場の党の灯を消せないと、永年党員になってはじめて入党を働きかけ、３０年ぶりに党員を迎え、もう１人迎え支部再建をめざしている」（民間職場支部）

　「教育実践サークルで結びついてきた若い教員に、職場講座（教員）に学んで、党としての働きかけが大事と、日曜版は読んでもらえたが、入党は切りだせていなかった。参院選の躍進に背中を押され、『集い』に参加してもらうと、いじめ、『はだしのゲン』、改憲などへの怒りが次つぎだされ、二十数年ぶりに迎えた」（教員支部）

　「支部長が都議選の躍進に非常に励まされ、参院選で久しぶりに工場門前宣伝にとりくみ、職場内で支持も広げた。これに自信をもち、党の躍進で職場の雰囲気も変わり、十数年ぶりに組合の同僚を迎えた」（ＪＲ支部）

　「土地問題の相談にのった方が日曜版を読み、参院選で支持してくれたので、入党をよびかけると、改憲、集団的自衛権容認への憤りを語り、入党した。市町村合併で支部への援助が弱まり、長く党員を増やせていない地域支部が多いなか、１１年ぶりに迎えた」（新潟・地域支部）

躍進に背中を押され

　どんな支部でも党員を迎えられる――８中総決定が明らかにしている情勢の激変、客観的主体的条件の変化はどの支部にも起こっています。

　久しぶりに党員を迎えた支部は、共通して「参院選の躍進に背中を押された」と語っています。どんな支部も、党員は労働者、住民の利益を守るために努力し、相談相手として信頼をえており、参院選でも結びつきを生かし、奮闘しました。選挙で熱心に協力していただいた方も、支持・共感していただいた方も、「暴走」政治への強い怒りをもち、入党のよびかけを真剣に受けとめてくれているのが特徴です。

　��長く増やせていないから困難�≠ﾅはなく、��長く増やせていない支部には条件がある�≠ﾆいう立場で、すべての支部が新入党員を迎えるために力をつくしましょう。

( ２０１３年０９月２６日， 「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／２／支部会議で率直に討議／自分たちの「大運動」に

　「大運動」で支部が新しい党員を迎えるには、８中総決定と党創立９１周年記念講演を討議し、なぜ「大運動」にとりくむのか、なぜ党員拡大が根幹か、条件・可能性の広がりとはどういうことかなどをよく話し合い、支部としての「大運動」の目標と計画をもつこと、「成長・発展目標」「政策と計画」を充実することが大切です。

　党員拡大でよく出される意見は「対象者がいない。何回も働きかけた」「支部会議もひらけていないのに」「若い人を迎えたいが、手がかりがない」などです。率直に意見を出しあうことからはじめ、何を話し合い、どんな計画をたてればいいのでしょうか。

情勢の激変つかんで

　参議院選挙後の情勢の激変が党員とまわりの人たちにどんな変化を生み出しているかを話し合えば、躍進の喜びとともに、選挙後の安倍政権の「暴走」への不安と怒りが出しあわれます。そして、��こういう時こそ、党員を増やそう。党を大きくしよう�≠ﾆいう意欲がわき、「大運動」の意義を自分たちのものにできるし、選挙で協力、支持くれた人たちなど、働きかける対象もこれまで以上に広がります。

　「ブラック企業」が大きな争点となったように、雇用破壊に苦しむ若い世代の共感が広がったことも参院選の大きな特徴であり、ここにも新たな可能性が生まれています。

総合的活動と一体に

　８中総決定が、「総合的前進と一体に、党勢拡大の前進のための独自の追求をはかることが重要」と述べていることも大切です。

　切実な願い、要求でともにたたかい、結びつき・信頼関係を大切にし、党を丸ごと知ってもらう「集い」をひらき、「綱領・古典の連続教室」などを学ぶ――支部がこんな活動にとりくむことで、党員自身が元気になり、党に迎えたい人たちの自覚、党への理解と信頼を深め、入党の決意に実っていきます。

　だれにとっても入党は、日本共産党の一員としての生き方の選択です。ためらいもあり、いろんな疑問もあります。そういう人たちの思い、要求にこたえる支部の活動を充実させていくことで、多くの人たちが入党に一歩一歩近づいていくものです。

　また、新しい党員を迎えることで、支部活動に活気がよみがえることも各地に共通する経験です。

　党大会まで約４カ月、支部会議を粘り強くひらき、討議・具体化と実践を重ね、自覚的で総合的な活動のなかで、意識的に入党を働きかけていけば、かならず新しい党員を迎えることができます。

( ２０１３年０９月２５日， 「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

（はじめに）

　第８回中央委員会総会は、「第２６回党大会成功・党勢拡大大運動｣(｢大運動｣)をよびかけました｡

　８中総決議は、参議院選挙での「躍進は、私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視」し、「今後、どのような情勢のもとでも、開始された��第３の躍進�≠�本格的な流れにしていくために、党の自力の弱点を打開し、強く大きな党をつくることが絶対不可欠であることを、選挙戦の最大の教訓の一つ」と強調しました。この自力の根幹が党員です。

　「大運動」は党員拡大を中心・根幹にすえた運動であり、党員拡大の目標は、前党大会後、新入党員を迎えていない支部をふくめ、「すべての党支部が新しい党員を迎えること」「党の世代的継承のとりくみを特別に位置づけ」ることにあります。

　目標をやりぬくために、各地の実践に学び、参院選後の情勢の激変がつくりだしている客観的・主体的条件、それをくみつくす支部の活動について考えていきます（７回連載の予定）。

　（組織局）

　「出産で雇い止めされ、テレビで共産党がブラック企業を告発し、雇用を守る政党だと知り、共産党本部にメールを送り、地元の党員と会い、自分もたたかいたいと入党」（２０代）

　「中学で憲法の大切さを深く学んだ。これまで考えたことはなかったが、安倍政権の憲法改定の動きに危機感をおぼえ、やめさせられるのは共産党だと思い、ネットで綱領と規約も読み、入党したいと電話した」（５０代、大手企業社員）

　「福島原発事故への対応に強い怒りを感じ、オスプレイやＴＰＰでのアメリカいいなり、慰安婦問題など、一般の新聞では真実がわからないと『赤旗』日刊紙を申し込み、訪ねてきた党員と意気投合し、しばらく考えて入党」（保守が強い山あいにくらす４１歳の女性）

　「２０年近く共産党に共感してきたが、『共産党』と書く勇気はなかった。最近、日曜版を読むようになり、はじめて『共産党』に投票し、カンパもして、自分も力になれるのならと入党」（７２歳の男性）

暴走への不安と憤り

　参議院選挙で党に一票を投じた方、選挙後、新たに注目、関心を寄せている方が、躍進を喜ぶとともに、くらしの切実さ、原発、憲法など、安倍政権の暴走への不安と憤りから、なんとかしたい、できるのは共産党と入党してきています。

　日本共産党は、「民主主義、独立、平和、国民生活の向上、そして日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸を開いている」（党規約）政党ですが、みずから「共産党に入りたい」と申し出る人が各地に生まれていることは、かつてなかったことです。

��自分たちに壁ある��

　「自分たちに壁があることを痛感した。党を大きくするには、自分たちが変わらなければ」――最近の入党の経験にふれた党員の率直な感想です。まず、私たちに求められるのは、党を支持、共感する方々の切実な思い、前向きの変化を受けとめ、こういう方々が入党される可能性が大きく広がる時代を迎えていることをつかむことではないでしょうか。

　もちろん、実際に入党されるには、さまざまな働きかけ、粘り強い努力が必要です。すぐに入党する方もいれば、時間をかけ、ときには何年もかけてという方もいます。職場、地域には入党の障害も少なくありません。支部はどう活動し、働きかければ、迎えられるか、次回から考えていきます。（つづく)

( ２０１３年０９月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

25

「慰安婦」問題の早期解決求める／松山市に署名提出

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める会・松山（井谷カヨコ氏ら共同代表４人）はこのほど、松山市議会の寺井克之議長に、３７９３人分の署名を添えて、「日本政府に対し日本軍『慰安婦』問題の早期解決を要求する意見書」採択を求めた請願を提出しました。

　会員ら１９人が市議会を訪ね、清水宣郎副議長（議長は出席停止処分中）に請願書を手渡しました。

　井谷氏は「国際社会では、日本軍『慰安婦』は、性奴隷制の問題であり、女性の人権侵害であること、日本政府は公式謝罪と賠償の責任を果たすべきであることが共通認識となっています。歴史の事実を否定し、女性の人権を極限まで踏みにじったこの問題を放置し続けていては、アジアや世界の人々との信頼と平和な未来を築くことはできません」と訴えました。

(２０１３年０９月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

論壇時評／田代忠利／戦後国際政治の原点に背く議論

　今月の論壇では、先の戦争や集団的自衛権をめぐる議論に注目しました。

　『文芸春秋』の座談会「中韓との百年戦争にそなえよ」は、靖国参拝、日本軍「慰安婦」など歴史認識をめぐって中国、韓国に非難をあびせています。川村雄介（大和総研副理事長）は、中国の反日デモで被害に遭った日本人は「前の戦争で中国や韓国に迷惑をかけたのは事実だが……なぜ、何代も後の自分たちが罵倒され、襲われなくてはならないのか」という「やりきれなさ」を感じていると発言しています。

「日独伊が侵略」事実認識を共有

　日本への批判を暴力で表すのは決して許されません。後の世代の個人に、生まれる前の問題で罪がないのは当然です。しかし政府には過去に起因する問題を解決する責任があります。それは侵略戦争の反省にたち国際公約でもある憲法を生かした外交をすすめることです。いま日本が中国や韓国から批判されているのは、小泉元首相が靖国神社を参拝したり、安倍首相が、戦争での加害をわびた「河野談話」、「村山談話」の見直しを意図するなど、日本政府が以前の政権と違う姿勢をみせているからです。

　出席者は中国、韓国の「事実観」は日本と違うと強調します。しかし世界で共有されている事実認識はあります。先の戦争が日本、ドイツ、イタリアによる侵略だったという認識はその一つで、これは戦後国際政治の原点です。川村氏らはこの認識をしめしていません。川村氏は、「中国、韓国では『決定事実』、つまり自分たちが人為的に決定した事実こそが『事実』」だとのべ、秦郁彦（現代史家）は、「共通の歴史観などを求めるから、ふりまわされる」とのべます。川村氏らこそ世界に通用しない一方的な「決定事実」の立場です。

軍事対応拒否の世界の現実見ず

　北岡伸一（国際大学学長）「現代における平和と集団的自衛権」（『中央公論』）は解釈改憲による集団的自衛権解禁論です。安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」座長代理でもある北岡氏は、明文改憲論を「手続きを踏んでいるうちに不測の事態が起き、集団的自衛権を行使すべき局面が訪れたらどうするのか」と批判します。急ぐ根拠は、中国が軍備を増強して尖閣で「挑発的な行動」をとり、北朝鮮が「現実の脅威」になるという「国際情勢の激変」です。

　しかし「国際情勢の激変」をいうなら、軍事対応が拒否されつつある世界の現実をみるべきです。アメリカが安倍政権の対中国・韓国政策を懸念していることも新しい要素です。集団的自衛権の解釈変更は「重大なこと」なので多くの国民に「真剣に、具体的に考えてほしい」といいつつ、国会ではなく、首相の宣言か閣議決定で決めよという北岡氏の態度は姑息であり、大義のなさをしめすものです。

　枝野幸男（民主党衆議院議員）「憲法九条私ならこう変える」（『文芸春秋』）は、明文改憲のすすめです。枝野氏は「憲法問題について、極論のぶつかり合いという不幸な事態を、これ以上放置することはできません」と趣旨をのべますが、９条を支持している国民多数の意見を「極論」とみなす感覚が問われます。枝野氏は、憲法に自衛隊を位置づけ、他国と共同した自衛権行使の要件を明記して、時の内閣に憲法解釈変更による武力行使をさせない「歯止め」にせよと提案します。しかし「歯止め」は９条２項の戦力不保持規定です。枝野私案は集団的自衛権行使に道を開くものです。

　山室信一（京都大学人文科学研究所所長）「『崩憲』への危うい道」（『世界』）は、改憲はナチスに学んで誰も気づかないうちにすすめるべきだという麻生副総理の発言と、安倍政権による集団的自衛権の布石が「二重写しとなって見えてくる」と警告します。軍備増強と集団的自衛権行使の容認が他国の警戒と軍事力増強を招き、「取り返しのきかない軍拡競争の悪循環に陥ることも避けられない」という指摘は、集団的自衛権行使容認論への有効な反論です。

　（たしろ・ただとし）

今月の動向（編集部）

　２０１４年４月の消費税増税に対して、財界や安倍首相の経済ブレーンからも懸念の声が上がっています。セブン＆アイ・ホールディングス代表取締役社長の村田紀敏「消費マインドを冷やしてはならない」（『中央公論』）は、「今のタイミングで消費税率を引き上げ、表示価格が上がれば、お客さまは相当な痛みを実感する」とし、消費税率のアップによって「再び経済は落ち込むのではないか」といいます。内閣官房参与の浜田宏一氏は対談「財政再建どころか財政崩壊…アベノミクスの危機を救え」（『正論』）で、「１期の四半期データだけで増税の可否を判断すべきではない」と、消費税増税の「１年ほど延期｣を提案しています｡

( ２０１３年０９月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

政府は「慰安婦」解決を／韓国被害女性、国会内集会で訴え

　日本軍「慰安婦」被害の韓国女性を迎えて２４日、「政府は今こそ日本軍『慰安婦』問題の解決を」と題する院内集会が参院議員会館で行われました。３００人が参加。主催は「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナールや新日本婦人の会などでつくる「ナヌムの家」のハルモニ（おばあさん）を迎える会です。

　日本婦人団体連合会の堀江ゆり会長があいさつしました。新日本婦人の会の笠井貴美代会長が、日本軍「慰安婦」の被害者が共同生活する韓国の「ナヌムの家」からの呼びかけと全国からの募金で３人の来日が実現したと語りました。

　３人とも、怒りに声を震わせて日本政府に謝罪を求めました。

　李玉善さん（８７歳）は逃げようとして捕まって刀で切られた傷を示しながら「生きている間に謝罪、名誉回復・賠償をしてほしい。歴史の真実を必ず教科書に載せて名誉を回復してほしい」と訴え。

　姜日出さん（８６歳）は「安倍首相がなぜこの場にいないのか。きちんと謝罪すべきだ」と憤りました。

　朴玉善さん（９０歳）は「勇気をもって日本に来てみた。みなさんの真剣な姿を見て、すぐにでも解決できると思い、安心しました」と話しました。

　関東学院大学教授の林博史さんとアクティブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館ｗａｍの渡辺美奈事務局長が講演しました。

　日本共産党から紙智子、仁比聡平､吉良よし子､辰巳孝太郎､井上哲士､田村智子の各参院議員、高橋ちづ子衆院議員が参加しました。

( ２０１３年０９月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

「教育再生」方針テーマに講演会／奈良ネット２１総会

　「子どもと教科書　奈良ネット２１」の再開第１回総会と講演会が２２日、奈良市内で行われました。

　「子どもたちがねらわれている　どうする安倍政権の『教育再生』」と題して、子どもと教科書全国ネット２１事務局長の俵義文氏が記念講演。俵氏は、安倍政権の「教育再生」方針では、文科大臣による教育の中央集権化が進められ、教員と教育内容の管理を徹底し、政治教育を行った者には刑事罰（３年以下の懲役または１００万円以下罰金）の規定までもうけようとしているとのべました。

　教科書の内容を国が決めていく「国定化」で、日本軍「慰安婦」否定説など、歴史を歪曲（わいきょく）する記述も記載できるようにし、教育のもつ力で戦前の時代を作ろうとしていると国の動きを批判。「多くの国民はこのことを知らない、マスメディアも全体像がわかる報道をしていない、まずなにより、多くの人に知らせていくことが大切」と語りました。

　橿原市の非常勤講師の女性（５５）は「教え子を再び戦場におくるなと組合活動をしてきました。話をきいてどこから手をつければいいかわかりました。きょうの話を広げていきたいです」と話しました。

(２０１３年０９月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

すべての支部が新入党員を迎えるために／組織局／１／参院選後、入党者の思い／広く党に迎えうる時

（はじめに）

　第８回中央委員会総会は、「第２６回党大会成功・党勢拡大大運動｣(｢大運動｣)をよびかけました｡

　８中総決議は、参議院選挙での「躍進は、私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視」し、「今後、どのような情勢のもとでも、開始された��第３の躍進�≠�本格的な流れにしていくために、党の自力の弱点を打開し、強く大きな党をつくることが絶対不可欠であることを、選挙戦の最大の教訓の一つ」と強調しました。この自力の根幹が党員です。

　「大運動」は党員拡大を中心・根幹にすえた運動であり、党員拡大の目標は、前党大会後、新入党員を迎えていない支部をふくめ、「すべての党支部が新しい党員を迎えること」「党の世代的継承のとりくみを特別に位置づけ」ることにあります。

　目標をやりぬくために、各地の実践に学び、参院選後の情勢の激変がつくりだしている客観的・主体的条件、それをくみつくす支部の活動について考えていきます（７回連載の予定）。

　（組織局）

　「出産で雇い止めされ、テレビで共産党がブラック企業を告発し、雇用を守る政党だと知り、共産党本部にメールを送り、地元の党員と会い、自分もたたかいたいと入党」（２０代）

　「中学で憲法の大切さを深く学んだ。これまで考えたことはなかったが、安倍政権の憲法改定の動きに危機感をおぼえ、やめさせられるのは共産党だと思い、ネットで綱領と規約も読み、入党したいと電話した」（５０代、大手企業社員）

　「福島原発事故への対応に強い怒りを感じ、オスプレイやＴＰＰでのアメリカいいなり、慰安婦問題など、一般の新聞では真実がわからないと『赤旗』日刊紙を申し込み、訪ねてきた党員と意気投合し、しばらく考えて入党」（保守が強い山あいにくらす４１歳の女性）

　「２０年近く共産党に共感してきたが、『共産党』と書く勇気はなかった。最近、日曜版を読むようになり、はじめて『共産党』に投票し、カンパもして、自分も力になれるのならと入党」（７２歳の男性）

暴走への不安と憤り

　参議院選挙で党に一票を投じた方、選挙後、新たに注目、関心を寄せている方が、躍進を喜ぶとともに、くらしの切実さ、原発、憲法など、安倍政権の暴走への不安と憤りから、なんとかしたい、できるのは共産党と入党してきています。

　日本共産党は、「民主主義、独立、平和、国民生活の向上、そして日本の進歩的未来のために努力しようとするすべての人びとにその門戸を開いている」（党規約）政党ですが、みずから「共産党に入りたい」と申し出る人が各地に生まれていることは、かつてなかったことです。

��自分たちに壁ある��

　「自分たちに壁があることを痛感した。党を大きくするには、自分たちが変わらなければ」――最近の入党の経験にふれた党員の率直な感想です。まず、私たちに求められるのは、党を支持、共感する方々の切実な思い、前向きの変化を受けとめ、こういう方々が入党される可能性が大きく広がる時代を迎えていることをつかむことではないでしょうか。

　もちろん、実際に入党されるには、さまざまな働きかけ、粘り強い努力が必要です。すぐに入党する方もいれば、時間をかけ、ときには何年もかけてという方もいます。職場、地域には入党の障害も少なくありません。支部はどう活動し、働きかければ、迎えられるか、次回から考えていきます。（つづく)

( ２０１３年０９月２４日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長・市議補選／市田書記局長の訴え

　日本共産党の市田忠義書記局長が２２日におこなった堺市長選・市議補選の応援演説（要旨）を紹介します。

　堺のことは堺の人間が決める。自由と自治の伝統が脈打つ堺市を守るのか、つぶすのか。いよいよこれからの奮闘が勝敗を決めます。橋下・「維新の会」の堺つぶしを打ち破り、堺市と堺市民の暮らしを守り抜こう。

堺をつぶすか、守り発展させるか

　最大の争点は、堺市をつぶすのか、守って発展させるのかです。維新が出しているビラに「だまされないで下さい！　大阪都になっても、堺を無くしません」とあります。よく言えたものです。維新は最初、「堺市を二つか三つに分ける」といっていました。「大阪都」をつくるための法律には、「関係市町村を廃止」すると書いてあります。「廃止」と書いているのに「なくならない」というのは詐欺です。いくら市民の批判の声におされて苦しくなったといっても、うそをついて市民をだますなど絶対にやってはならないことです。

　維新は、「竹山市長は４年間何もやらなかった」といっていますが、選挙にでるならよく調べてからモノをいうべきです。▽子ども医療費助成を中学卒業まで拡大▽国民健康保険料の４年連続引き下げ▽６５歳以上はどこまで乗っても１００円の「おでかけ応援バス」制度の改善―など実績抜群です。

　だから、堺の維新も昨年まで竹山市長の予算にすべて賛成してきたのに、選挙になったら手のひらを返して「何もやっていない」といい始めるのは、あまりにも無責任です。

　「大阪都」になれば、市の税収の３分の１にあたる４６０億円が「都」に吸い上げられます。堺市の医療や福祉、住民サービスが軒並み削られ、カジノやゼネコン向けのムダな開発につぎ込まれます。

　維新の松井一郎知事は、「仁徳天皇陵にイルミネーション」をといっていますが、いったい何を考えているのか。世界三大墳墓の一つと言われる「仁徳陵」を辱めるものです。ここには堺市の歴史と伝統、文化、市民の願いを頭からないがしろにして恥じない「大阪都｣構想の本質が､わかりやすく表れているのではないでしょうか。「大阪都」は、百害あって一利なしです。

政治姿勢の違いがクッキリ

　竹山市長のモットーは「市民目線」「現場主義」です。市民とひざ詰めで対話を重ね、出された声を市政運営に生かすという政治姿勢を貫いています。

　１８号台風による大雨で、大和川周辺に「避難勧告」がだされました（１６日）。竹山市長はただちに選挙活動を中止し、現場に出向き、陣頭指揮をとりました。

　対岸の大阪市はどうか。市政初の避難勧告が朝８時３０分に発令されましたが、そのとき橋下徹大阪市長は自宅でツイッターをやっていました。９時３２分に「久しぶりのツイッターだな〜」とつぶやいたかと思うと、１０時までの２８分間に１４回つぶやき、それが夕方まで延々と続きました。中身は、台風被害ではなく、竹山市長や共産党への悪口ばかりです。

　どちらの候補者が市民のくらしや安全を守れるのかはっきりしたのではないでしょうか。

　維新は一時、「第三極」ともてはやされましたが、「構造改革」の推進、憲法９条改悪、「慰安婦」容認発言など安倍政権以上に「右翼」的立場の政党だということがはっきりして、先の参院選では大きく票を減らしています。いまこそ、堺市民がきっぱりと審判を下すときです。

　維新は全国から議員、秘書、落選候補を堺に集中しています。彼らに何の大義もありません。あるのは自分たちの生き残りだけです。彼らの反動的気概に負けない頑張りが必要です。日本共産党は「堺を守れ」と願う広範な市民とともに竹山市長の再選に党の総力を挙げてがんばります。

市民の共同恐れる維新

　論戦に追い詰められた橋下氏は「共産党がついているからダメ」という攻撃を盛んに行っています。党派を超えた市民共同を何よりも恐れている証拠です。反共はひとり共産党への攻撃でなく、「堺市を守れ」という広範な市民に向けられた攻撃です。

　堺市をつぶす「都」構想が押し付けられようとしているときに、政治的立場の違いを超えて堺市を守るために共同して立ち上がるのは当たり前です。戦前の｢アカ｣「非国民」「国賊」攻撃と同じ発想の人たちに自由と自治のまち・堺をまかせるわけにはいきません。

　立場は違っても、一致する点で誠心誠意がんばるのが日本共産党です。国政問題で大きく立場は違っても、市民の圧倒的多数がのぞむ「堺をつぶすな」という点で一致するなら、どの党、団体、個人とも力を合わせるのが日本共産党の立場です。「市民が主人公」の立場でブレずに頑張る日本共産党が共同の輪に加わっているから、「堺はひとつ」の勢力の結束は固いのです。この市民共同にくさびを打ち込むのが「アカ」攻撃です。それこそ維新の人たちの大義のなさを自ら証明しているのではないでしょうか。

市議補選での共産党勝利で維新に痛打を

　市長選と同日で行われる市議補選では、日本共産党への１票は堺のまちと暮らし・福祉を守る確かな力であることを強調したい。

　子ども医療費無料化の拡充や国保料の引き下げでも、市民と力を合わせて奮闘してきたのが日本共産党です。

　大阪府や大阪市で維新の医療・福祉カットを、市民の立場でもっとも厳しく追及しているのが日本共産党です。この党が伸びることが、維新に対する厳しい「痛打」となることは間違いありません。

　「市民が主人公」の立場で、絶対にブレないで筋を通す日本共産党が伸びてこそ、市民本位、国民本位に政治を動かすことができます。いま堺市議会では共産党８、自民党７、維新が１０議席です。三つの市議補選ですべて勝利すれば、１１議席で維新を上回ります。この党が伸びれば、堺のまちと暮らしを守り、「大阪都」構想を阻止する決定打になります。

( ２０１３年０９月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

「満州事変」８２周年つどい／富山

　日中友好協会富山支部をはじめ富山県内の五つの民主団体は１８日、富山市内で「９・１８『満州事変』８２周年のつどい」を開きました。

　県歴史教育者協議会の松浦晴芳さんが基調報告しました。松浦さんは、いま安倍政権のもとで中国脅威論、対外強硬論があおられ、「戦争する国」づくりのために、解釈改憲と侵略・植民地支配美化の国定教育が狙われていることを指摘。歴史を直視した不再戦・平和外交、教育の重要性を強調しました。

　この後、中国侵略の加害体験を証言した「泥にまみれた靴で」、韓国の日本軍「慰安婦」が証言した「１５のときは戻らない」のＤＶＤを鑑賞しました。

　参加者からは、「過去の侵略行為への謝罪は不可欠」「韓国に旅し真実を学んでいきたい」「天皇の戦争責任の免罪が無反省な勢力ののさばりを許している」などの意見が出されていました。

(２０１３年０９月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

テレビ時評／「８月番組」に望むもの／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二

　今年の８月も、戦争関連の番組が集中して放送された。

　数年前と比べて、かなり本数が減った感があるが、それでもいくつかの番組は、新しい事実を発掘し、重い問題を提起していた。

リアルな重み

　ＮＨＫスペシャルでは、原爆の被ばくの影響が今になって現れる「骨髄異形成症候群（ＭＤＳ）」を取り上げた「終わりなき被爆との闘い」（６日）、戦争中の軍の宣伝工作に迫った「従軍作家たちの戦争」（１４日）などが強い印象を残した。

　テレビ朝日「ザ・スクープスペシャル・原発と原爆」（１１日）は、原爆の残留放射能を否定したアメリカと、それに屈服した日本政府を批判、水爆実験で被ばくした第五福竜丸乗組員が今も被爆者として認定されていない現実を告発している。

　長期にわたる放射能の影響という点で、ＭＤＳを明らかにしたＮＨＫの番組とともに、原発災害の将来を考えるうえで示唆に富む。

　「従軍作家たちの戦争」は、火野葦平を軸に、多くの作家が宣伝工作のため動員された歴史を追い、日本軍の残虐行為など戦場の真実を描くことが厳しく規制され、封印されたことを丹念な取材で伝えた。

　出演の浅田次郎のコメント、「正当な言論が弾圧されるところから戦争は始まる。どんなときにも言論表現の自由が保障されなければならない」という言葉が、リアルな重みを持ったところにこの番組の成功がある。

　現政権が、海外での戦争を可能にする「集団的自衛権」を、「秘密保護法」を片方で掲げながら主張する時代に、この番組は歴史取材を通じて警告したかたちとなった。

「加害」の除外

　個々の番組はそれぞれ力作ではあるが、戦争を記録する夏の番組群には、依然として大きな欠落がある。

　日本軍「慰安婦」を含むアジア諸国に対する加害の歴史については、これを除外しては先の戦争を語れないにもかかわらず、またいわゆる「歴史認識」が改めて争点になったにもかかわらず、テレビ局が直接調査、報道する番組は絶えて存在しないのである。

　このような事態が続くのは、おそらくそうさせている強固な事情があるからだろう。

　もし加害の歴史を取り上げれば、今、ネットで安倍首相を熱烈に支持するような右翼的勢力から猛烈なバッシングが予想され、街宣車がテレビ局を取り囲むという事態が起こりかねない。そのうえ、現政権は、加害も侵略も認めることに抵抗し続けている。面倒なことは避けたいテレビ局幹部が、自己規制で企画を通さないことは十分考えられよう。

　この状況を打破するのは簡単ではない。

　松江市で、特定の「市民」の申し入れを理由に始まった「はだしのゲン」閲覧制限は、のちに全国の市民の抗議で撤回された。メディアによる戦争の歴史の継承は、今やこうした運動対運動のせめぎ合いの中に置かれている。

　右翼的圧力に対抗して、テレビ局へ要求し、改善を求める市民の力が具体的に加わらなければ、ただテレビ局を批判しているだけでは事態は変わらない。そのような時代にわれわれは生きているのである。

　（とざき・けんじ）

( ２０１３年０９月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

20

まど／「大阪都構想」と五輪招致

　堺市長選で、大阪維新の会の橋下徹代表（大阪市長）が、しきりとオリンピックの招致を口にしています。いわく「『大阪都』構想で、オリンピックをよべるような、大きな自治体、大きな都市をつくりたい」そうです。

　○…「都」構想の大義名分は「二重行政の解消」のはずでしたが、最近は鳴りを潜め、五輪招致が前面にでてきた格好です。２０２０年の東京五輪にかこつけて、「都」構想を堺市民に売り込む「便乗商法」でしょうが、釈然としません。

　○…橋下氏といえば､｢慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる」という暴言で、国内外から「常軌を逸しており無礼」（米国務省）などとごうごうたる非難を浴びた人物です。「大誤報」と居直って、いまだに発言の撤回も謝罪もしていません。オリンピック運動の目的は「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進すること」（五輪憲章）にあります。人間の尊厳をどん底までおとしめる妄言を吐く橋下氏に、五輪招致を口にする資格があるのでしょうか。

　○…堺市議会は、発言の撤回・謝罪にとどまらず、橋下氏の公職辞任まで求める決議（６月２４日）を可決し、国際社会に良識を示しています。その堺で、「五輪」を語るなど、冗談にもほどがあります。

　（吾）

( ２０１３年０９月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

週間日誌／１３年９月８日〜１４日

政治・経済

　◆高額療養費で負担増　社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険部会は、医療機関や薬局での窓口負担を一定額以内に抑える高額療養費制度について、一般所得者や高齢者の上限額を引き上げるなどの負担増を強いる計画を示した（９日）

　◆ＧＤＰ改定値が０・９％増　内閣府が発表した４〜６月期の国内総生産（ＧＤＰ、季節調整済み)改定値は､実質で前期比０・９％増で、速報値から上方修正（９日）

　◆経団連４月増税迫る　経団連が発表した「税制改正」提言で、来年４月からの消費税増税の決断を安倍政権に迫る（９日）

　◆機械受注２カ月連続減　内閣府が発表した７月の機械受注統計（季節調整値）は、「船舶・電力を除く民需」で前月比０・０２％減で２カ月連続の減少（１２日）

　◆入院病床再編案　社会保障審議会の医療部会は、「一般病床の機能分化を推進」と称して、急性期病床減らしにつながる病院の入院ベッドを再編する案を示した（１３日）

社会・国民運動

　◆２０２０年五輪の東京開催が決定　国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）総会が、２０年夏季五輪の開催都市に東京を選出。５６年ぶり２度目（８日）

　◆北側井戸で３２００ベクレル観測と発表　高濃度汚染水が東京電力福島第１原発の貯蔵タンクから漏れた問題で、東電はタンク北側２０�bの観測用井戸の地下水からストロンチウム９０などの放射性物質を１�g当たり３２００ベクレル検出したと発表。漏れた汚染水が地下水に混ざった可能性（９日）

　◆プロ野球タイ記録の５５号　ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手（２９）が史上４人目のシーズン５５本塁打をマーク。１２２試合での達成は最速（１１日）

　◆第２７回日本高齢者大会開く　津市で開かれた同大会には２日間でのべ５３００人が参加（写真）。改憲、消費税増税、社会保障改悪に反対することや、ひとりぼっちの高齢者をつくらない大運動を開始することを確認した（１２〜１３日）

国際

　◆シリアの化学兵器禁止条約参加提案　ロシアのラブロフ外相が、シリアの化学兵器禁止条約への参加と、保有する化学兵器の国際的な管理、廃棄を提案。シリアや、同国への軍事介入を画策する米国からも歓迎の姿勢が示された（９日）

　◆フランス、年金改悪デモに３７万人　フランスのオランド政権が狙う年金保険料の引き上げなど年金制度改革案に抗議し、国内１８０カ所、学生や年金生活者を含む３７万人が参加する大規模なデモが行われた（１０日）

　◆「慰安婦」への謝罪不十分、国連　国連で旧日本軍の従軍「慰安婦」問題を扱うグレイフ特別報告者が、「公式謝罪、国家責任の存在を認めないままの経済補償を元慰安婦は受け入れない」と述べ、日本政府に適切な対応を要求（１１日）

　◆チリ軍事クーデターから４０年　チリで１９７３年に発生した軍事クーデターから４０年、国内各地で犠牲者追悼の催しが開かれた。ピニェラ大統領が｢許されない人権侵害｣だと述べた(１１日)

　◆北朝鮮、原子炉再稼働か　米ジョンズ・ホプキンス大コリア研究所が、北朝鮮・寧辺(ニョンビョン)の黒鉛減速炉(原子炉)敷地内から、白い蒸気が上がっていることを確認。原子炉を再稼働した可能性を指摘した(１１日)

( ２０１３年０９月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

日本維新の会１年／「既成政党」「補完勢力」／正体見えて��失速��

　橋下徹大阪市長が率いる「日本維新の会」が結党を宣言（２０１２年９月１２日）してから１年を迎えました。「第三極」とマスメディアが持ち上げ、昨年末の総選挙で第３党となったものの、７月の参院選では得票を半減させるなど失速。結党１年で何が見えてきたのか―。

　（前野哲朗）

　「日本維新の会だけで勢力を拡大するなんて無理な話ですから、民主党、みんなの党、しっかり一つの野党になるように（国会議員には）しっかりやってもらいたい」「維新の会の存続なんか考える必要もない」

　橋下氏は参院選後、「大阪維新の会」全体会議（７月３０日）でこう述べ、��野党再編�≠ﾉ期待をつなぎました。自身もいったんは共同代表の辞意を表明するなど「日本維新の会」に��興味�≠�なくしたかのよう。一方で、一枚看板である「大阪都構想」のため、「堺つぶし」を狙った市長選に全力を傾注するなど「大阪回帰」を強めています。

古い部分と野合

　橋下氏の意を受け、維新の若手議員は、民主党、みんなの党の議員と「ＤＲＹの会」を結成。��野党再編�≠ﾌ足がかりをつくろうとうごめいています。

　しかし、国民はこうした維新の正体を見抜きつつあります。

　一つは､既成政党批判をくり返していたにもかかわらず､維新自らも｢既成政党｣でしかないことが明らかになっていったことです｡

　国政進出にあたり集まったのは自民、民主、みんなを離党した国会議員。総選挙直前には、原発政策などで違いのある石原慎太郎氏が率いる「太陽の党」と、まさに��野合�≠ﾌ合流をしました。

　『橋下「維新の会」がやりたいこと　何のための国政進出？』の著書がある石川康宏・神戸女学院大学教授は、「意気込んで国政を目指した橋下さんだったが、大阪周辺以外では人気が出ず、最後は石原さんと組まずにおれなくなった。『太陽の党』は既成政党の中でも格別に古い部分だから、これによって維新は『既成勢力とたたかう』という国民への売りをわかりやすく手放すことになった」と語ります。

安倍政権を賛美

　国会でも、安倍政権が発足する中で、自民党の「補完勢力」であることが浮き彫りになりました。

　維新は、大型公共事業など旧来の自民党政治を復活させた１２年度補正予算に賛成。憲法９６条改定を「自民と一緒に大いに進めていきたい」（中田宏衆院議員、２月８日）と��改憲連合�≠�呼びかけました。環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉参加表明に対しては、「素晴らしいリーダーシップ」（木下智彦衆院議員、３月１８日）と安倍政権を賛美してきたのです。

　決定的だったのが、橋下氏自身の日本軍「慰安婦」に関する妄言。「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」（５月１３日）と述べ、謝罪も発言撤回も拒否したのです。「日本を孤立と軽蔑の対象に貶（おとし）め（た）」と憲法を攻撃した維新綱領とあわせ、歴史を逆流させる勢力であることを浮き彫りにしました。

　最近では、安倍首相が狙う集団的自衛権行使のための解釈改憲についても、「時代や状況とともに憲法解釈が変わるのは当たり前だ」「認めないといけない」（１０日）と後押ししています。

「新しい政治を」

　石川教授は言います。

　「国民は二大政党に変わる政治を、一時、みんなの党や維新に期待しようとした。しかし、その政策の基本は自民党と何も変わらないものだった。ところが参院選では少なくない国民が、アベノミクス、原発、ＴＰＰなどで『反自民』という基準をはっきり持った。ここには新しい政治を求める国民の模索の質的な前進があらわれている」

日本維新の会　１年

２０１２年　９月１２日　「日本維新の会」結成宣言

　　　　１１月１７日　太陽の党と合流を決定

　　　　１２月１６日　総選挙　５４議席

２０１３年　２月１２日　石原共同代表が衆院予算委員会で、憲法改定を主張

　　　　３月３０日　党大会、｢占領憲法を大幅に改正｣とする綱領を決定

　　　　４月１４日　兵庫県宝塚市長選、伊丹市長選で敗れる

　　　　５月１３日　橋下共同代表が「『慰安婦』制度が必要なのは誰だって分かる」と暴言

　　　　６月６日　橋下共同代表が米海兵隊オスプレイの訓練について、大阪府八尾空港の活用を検討するよう政府に提案

　　　　６月２３日　東京都議選　２議席

　　　　７月２１日　参院選　８議席

　　　　７月２７日　橋下氏、共同代表の辞任を申し出るが国会議員団が慰留し続投に

( ２０１３年０９月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

15

「８中総へ心一つに」／「マイ名簿」で読者拡大／暴走政権から教育守ろう／北海道の教育関係支部

　「安倍内閣は憲法や教育などの問題で一段と暴走して、私たちが築いてきた民主教育を破壊する方向で動いてくるでしょう。マスメディアはその問題を報道しない。参院選のときには私がいろいろ話せたけど、しばらく大きな選挙がないし、やっぱり『赤旗』を読まないとわからない。ぜひ読んでほしい」

　北海道の教育関係の支部のＡさんは、参院選で対話した同僚・元同僚に「赤旗」を勧め、２人の日曜版読者を増やしました。読者になったのは、４０代と５０代の教師です。Ａさんの真剣な呼びかけに、「その通りですね」とすぐに購読を決めました。Ａさんは「１０年ぶりに増やしました。まだまだこれからです」と笑います。

　Ａさんのまわりでも教職員は長時間の勤務に追われ、部活動の顧問になれば休日も働かなくてはならない実態があります。改憲や増税など安倍政権の暴走に危機感を感じる教職員は少なくなく、参院選でＡさんが支持を訴えた人のうち５０人以上が好反応でした。

　同時に、マスメディアの影響もあって、教育や政治について表面的にとらえる人や、日本軍「慰安婦」問題など侵略戦争の事実をよく知らずに、「維新」に投票した人もいるといいます。

　「『赤旗』で歴史の事実や党のことをよく理解してもらって、信頼して投票してもらえる存在にならないといけない。子どもたちに、過去と今と未来をつなぐ健全な発想を持ってもらうためにも」とＡさん。引き続き「マイ名簿」数十人に働きかける予定です。

( ２０１３年０９月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

アジア政党国際会議・女性会合／「慰安婦」問題で紙議員発言

　アジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）の女性特別会合が１２〜１４日、韓国のソウルで開かれました。日本共産党から紙智子参議院議員が参加し、１３日に発言しました。

　「女性のリーダーシップと社会的地位の向上」をテーマとする会合は、政治や経済活動への女性の参画や、平和構築に女性が果たす重要な役割について、各地から具体的な経験と実態、前進に向けた奮闘が報告されました。

　紙議員は、「女性差別撤廃条約」批准後も、日本の差別是正がたちおくれている現状と背景について述べ、その打開への決意を語りました。

　さらに、北東アジアの平和の問題に言及、日本軍「慰安婦」問題について語り、日本政府の歴史認識と人権感覚の欠如が、同地域の平和と相互理解をすすめるうえで重大な障害になっていると指摘。党として、政府に植民地支配の謝罪、賠償を求めていくとともに、国内外の人々と共同して地域の平和をすすめるために力を尽くす決意を表明しました。

　「慰安婦」問題についての関心は高く、紙議員の発言が終わると、握手を求めたり、「発言原稿がほしい」と声を掛けたりする参加者が相次ぎました。

　「日本で、被害者の声を聞いて行動していることに感銘を受けた」との感想（韓国の国会議員）も寄せられました。

　会合は１４日、男女が力を合わせ、法的・社会的な女性の差別をなくし、社会の発展を実現しようと呼び掛ける「ソウル宣言」を採択して閉会しました。

　会合にはアジア２１カ国から３２政党が参加しました。アフリカや中南米の組織もオブザーバーとして参加しました。

( ２０１３年０９月１５日， 「赤旗」）（Page/Top）

戦後補償、新たな展開／強制労働など学ぶ市民集会／札幌

　「戦後補償問題の新たな展開を学ぶ市民集会」が１２日、札幌市で開かれ、中国人強制連行・強制労働事件の現状と課題や「慰安婦」問題などをめぐる国際社会の新たな動きについて語られました。強制連行され、日本で亡くなった中国人遺族も証言しました。

　同日午前、連行企業・岩田地崎建設と交渉した遺族の宋殿挙さん（７１）は、「６８年たっても兄の死亡についてなんの説明もありません。３１人の遺族を代表して、説明すること、そして、謝罪と賠償を会社に求めました」と語りました。

　宋殿挙さんの兄・宋学海さん＝当時（２７）＝は、１９４４年４月から北海道で８カ月間土木工事をさせられた後、愛知県で滑走路の拡張工事をさせられ、４５年１月、作業中のけがが原因でなくなりました。

　中国河北大学の劉宝辰教授は、西松建設安野（広島県）の被害者調査と裁判にかかわり、和解後、設立された基金の運営に携わってきたことを語り、「残る未解決の被害者の要求実現に日本のみなさんの協力を得たい」と訴えました。

　「愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会」の南守夫代表は、愛知県でのとりくみや岩田地崎建設との交渉を報告。「三菱マテリアル関係では交渉が続けられています。岩田地崎建設には道義的責任があり、各地のたたかいと連帯しながら、未解決の問題に少しでも貢献したい」と述べました。

　川上詩朗弁護士が、「『慰安婦』・強制連行・住民虐殺問題をめぐる国際社会の新たな動き」と題して講演しました。

( ２０１３年０９月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

慰安婦像撤去決議案を否決／「維新」の提案／堺市議会

　堺市議会は１３日の本会議で、大阪維新の会堺市議会議員団が提案した「日本政府に対し米国内の慰安婦像及び碑の撤去を要求することを求める決議」案を否決しました。

　堺市議会では６月２４日、日本維新の会・橋下徹共同代表の「慰安婦制度は必要だった」という発言の撤回と謝罪、公職辞任を求める決議が可決されていました。

　今回、維新から提案された決議案は、米国内で慰安婦像・碑の設置が広がっていると指摘したうえで、「慰安婦は決して『性奴隷』ではなく」「明らかな歴史のねつ造」だと非難。日本政府に対し、米国政府への抗議と慰安婦像・碑の撤去を求めるよう要望しています。

　日本共産党堺市議団を代表して反対討論にたった乾恵美子氏は、維新が同決議案を提案し、橋下氏も発言を撤回せず、メディアの「誤報」だと責任転嫁していることを厳しく批判。「日本の国際的信用を大きく傷つけ、国益を損なう行為だ」とのべて強く反対しました。

　決議案は維新と自民党・市民クラブの賛成少数で否決されました。

( ２０１３年０９月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

「大阪都」構想から堺市を守り抜こう／竹山市長必勝へ市民大集合／３氏連帯あいさつ

　「まちをつくるのは市民」「維新の会には絶対、堺を渡したくない」―。堺市長選（１５日告示、２９日投票）での竹山修身（おさみ）市長の必勝で「大阪都」構想から堺を守り抜こうと会場いっぱいの参加者が決意を固めた１２日の市民大集合。共感をよんだ３氏の連帯のあいさつを紹介します。

堺バラバラにさせない／堺市自治連合協議会会長静又三さん

　われわれ自治会をあずかるものとしては、堺をバラバラにされてたまるかと思っているところです。

　大阪市では校長先生が公募でやってきて、３カ月で辞めたり、セクハラしたり。小学校というのは、地域と学校と一緒になってやるもの。日本人というのはお互いの人間関係がわかってうまくいくものなのに、公募で何もわからない人がやってきて学校教育ができるのか。ワンマンの人に堺を任すわけには、絶対にいきません。

　竹山（修身）さんと、西林（克敏・維新候補）さんのたたかいではありません。たたかいは、橋下・「維新」と市民のみなさんとのたたかいです。堺をバラバラにされたら、先祖にも申し訳ない。ここで踏ん張って、ここに堺があるんだぞということを日本中に示そうではありませんか。

人権と平和を守れるか／堺市議（ソレイユ堺）山口典子さん

　橋下（徹・「大阪維新の会」代表）さんは、「慰安婦」問題の話をすり替えて言い訳ばかりしていますが、見苦しいですね。堺市議会は、辞職勧告決議を決めました。人権や平和の問題を守らない人に政治家なんかやれるはずがない。

　彼のおかげで、たった２、３年の間に大阪の教育がだめになろうとしています。現場の先生方や子どもたちが、大変な目にあっています。橋下さんは今回の民間校長のセクハラを「しょうもないことで」と言いました。セクハラがしょうもないという考え方こそが、人権意識が低いということの証明であります。

　いま堺が一大事。今日ここに来られたみなさんのような市民が堺を守り、これからも素晴らしい町に発展させることができるし、またそうしなければならないと思っています。

自治の伝統に一歩記す／前堺市副市長高橋保さん

　今回の市長選にどう向き合うか、つい先日までちゅうちょしていましたが、橋下氏の維新の会は歴史を危うくする露払いの役を買って出ているように思えてなりません。どうしても維新に市政を委ねるわけにはいかないと思い至りました。

　後世の人々から、この市長選が自治の伝統の上に堺市民が真の民主主義の発展のための新たな一歩を記したと記憶されるか、さもなくば、ワントップの意向がすべてを決する社会への入り口を開いた痛恨の選挙であったとみなされるかの曲がり道かもしれないと自覚して選挙に臨みたい。

　一人のリーダーの価値観に振り回されることなく、多種多様な価値観が尊重され、自由でのびやかで個性あふれる堺のまちを築くため私はこの選挙を精いっぱい駆け抜け、「大阪都」構想にストップをかける決意です。

( ２０１３年０９月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

日本政府、「尖閣」購入から１年／歴史・憲法改定など矛盾拡大／安倍政権で日中関係悪化

　日本政府が昨年９月に尖閣諸島（中国名・釣魚島）の購入を発表してから１１日で１年となりました。この問題をきっかけに日中関係は悪化。その後、安倍政権の誕生で改善の道筋は不透明となっています。中国側の今の受け止め方を探りました。

　（北京＝小林拓也）

　「昨年９月１６日から１８日の３日間で、２００都市以上で日本政府に抗議するデモが起き、合計で２００万人以上が参加した」

　中国の政府高官はこう明かし、日本政府の尖閣諸島購入が中国人の怒りを呼んだと強調します。

　昨年９月に北京、上海など中国各地で大規模な「反日デモ」が発生。一部が暴徒化し日系商店や日本車を破壊する行為にまでエスカレートしました。日中間のさまざまな交流が停止。中国公船の尖閣沖での航行が常態化する事態になりました。

　それから１年。今の日中関係について、上海交通大学日本研究センターの王少普主任は「（１年前の）野田内閣の時は中日間の問題は主に領土問題だった。安倍晋三首相が就任して以降、領土問題だけでなく歴史問題、憲法改定問題まで出てきて、中日間の矛盾はさらに拡大している」と指摘。「いまの状況は１９７２年の国交正常化以降、最も悪い状況だろう」と言います。

　日中の現代史が専門の歩平・中国社会科学院近代史研究所学術委員会主任（前所長）も「安倍政権ができて以降、『慰安婦』問題、侵略の定義についてなどで暴言が相次いでいる。とくに安倍首相が８月１５日に、アジア諸国に対する加害の反省や不戦の誓いを表明しなかったことは大きな怒りを呼んだ｣と指摘します｡

　深刻なのは国民感情の悪化です。日本の民間団体「言論ＮＰＯ」が８月に発表した日中両国の世論調査結果によると、相手国に良くない印象を持つと答えた人は、日本では９０・１％、中国は９２・８％。２００５年の調査開始以来最悪となりました。理由として、日中ともに尖閣諸島をめぐる対立や歴史認識の相違が上位を占めました。

　日本に留学経験のある北京在住の女性（２６）は「日本を知っている人の日本への印象は悪くない。でも多くの中国人の日本のイメージは侵略の加害国だ。そのうえ最近は日本の悪いニュースばかり流れている」といいます。

　日中関係に詳しい清華大学当代国際関係研究院の劉江永副院長は「政治関係と国民感情は相関関係にあり、政治関係が悪化すれば、両国の国民感情も悪くなる」と指摘。そのうえで「日本政府が領土問題は存在しないという立場を変え、対話をする姿勢を見せることが問題解決への第一歩だ。中日両国は対抗するのではなく、協力的な外交関係をつくらなければいけない」と訴えます。

( ２０１３年０９月１３日， 「赤旗」）（Page/Top）

埼玉県平和資料館の展示／「慰安婦」など削除表明／会合開く

　埼玉県平和資料館の運営にあたり、専門的見地から助言を受けることを目的としたアドバイザリーボードの２回目の会合が１０日、東松山市内で開かれました。リニューアル工事に伴い展示の内容を見直し、憲法違反の軍隊である自衛隊の海外活動を「平和の創造」活動として評価する展示を新設する一方で、南京大虐殺や「慰安婦」問題などの記述を年表から削除しようとしていることが明らかになりました。

　会合では、県広聴広報課の担当者が報告し、「平和の創造」と題する展示を新設して、大地震の被害を受けたハイチへの自衛隊派遣など自衛隊の国連平和維持活動（ＰＫＯ）参加を取り上げると説明しました。

　また、「日本と世界のあゆみ」と題した年表は、項目を大きく減らして簡略化し、南京大虐殺や「慰安婦」問題などについての記述を削除するとしました。

　会合では、南京大虐殺の項目などを削除するとの説明に対して、アドバイザリーボードの構成員からは、懸念を示す意見は一切出されませんでした。

　傍聴者からは「あの展示で本当に子どもたちに戦争の事実を伝えられるのか」などの声が聞かれました。

( ２０１３年０９月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

��堺市長選に勝利を�＝^兵庫県委が大阪府委激励

　１５日告示の堺市長選（２９日投票）に勝利してほしいと、日本共産党兵庫県委員会は１２日、松田隆彦県委員長代行が日本共産党大阪府委員会の山口勝利委員長と大阪市内で懇談しました。

　握手を交わし、支援カンパを託した松田氏。「『慰安婦』問題やオスプレイ配備での暴言などで参院選で国民から批判を浴びた橋下・『維新の会』の堺市乗っ取りを許してはならない」といいます。「『大阪都』構想で兵庫県の自治体まで吸収しようとした橋下・維新にきっぱりノーを突きつけた宝塚市民のように、堺でも共同を広げて頑張ってください」

　「ありがとうございます。宝塚市長選と堺市長選は、市民の施策を前進させている点でも共通性があります」と山口氏。「『近畿は一つ』との熱い支援を受けて、私たちも思う存分たたかい抜きたいと決意しています」と表明しました。

( ２０１３年０９月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

日本の謝罪不十分／慰安婦問題で国連報告者

　【ジュネーブ＝時事】旧日本軍の従軍慰安婦問題などを扱う国連のパブロ・デ・グレイフ特別報告者は１１日、「いかなる謝罪も元慰安婦の人権を明確に認識した上で行われる必要がある」と述べ、日本の謝罪は不十分との認識を示しました。問題の放置は「（アジアと日本に）相互不信を生む」と懸念も表明、日本政府に適切な対応を促しました。

　グレイフ氏は人権団体が国連欧州本部で開いた会合で「公式謝罪、国家責任の存在を認めないままの経済補償を元慰安婦は受け入れない」と主張。村山政権時の１９９５年に設置された「アジア女性基金」による元慰安婦支援でこの問題は解決していないと訴えました。

　さらに日本の教科書で慰安婦問題を扱わなくなったと指摘し「大いに懸念している」と表明。「過去に触れなければ強い不満に満ちた社会になる」と警告しました。

　会合では韓国人元慰安婦の金福童（キム・ボクトン）さん（８７）が「日本政府が正式謝罪をするだけで十分」と訴えました。また参加者から「日本政府の弱みは国際圧力だ」（人権ＮＧＯ）と、慰安婦問題を国際社会に広く訴える必要があるとの意見が出ました。

( ２０１３年０９月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題解決求める／ひろしまネットが宣伝

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは１１日、広島市中区基町のメルパルク広島前で街頭署名をしました。韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して宣伝したもの。

　２０人が参加して「日本政府はあやまれ、つぐなえ」と書いた横断幕を掲げ、８月１１日に東京で開かれた国際シンポジウムで採択した宣言文「８・１４日本軍『慰安婦』メモリアル・デーを国連の記念日に！」のビラを配布。新婦人県本部の林紀子会長ら３人がハンドマイクで「１９９１年８月１４日は、韓国の金学順さんが日本軍の『慰安婦』被害者であったことを初めて名乗り出た日です」とリレートークをしました。

　ビラを受け取った主婦（６３）＝広島市佐伯区＝は「一人ひとりの人生をずたずたにしたことを、同じ女性として許せない。日本政府は戦争責任をあいまいにしているが、謝罪しなければいけない」と語りました。

(２０１３年０９月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

堺・つくる会の公開質問状／要旨

　堺市長選に立候補する「大阪維新の会」の西林克敏氏に対する「住みよい堺市をつくる会」の公開質問状（１１日）の要旨は次の通りです。

　貴氏と維新の宣伝には市民を欺くものが目立ちます。公正な論争をすすめる立場から以下の質問に速やかにご回答いただくよう求めます。

　第一に市長選の最大争点である「大阪都」構想についてです。

　貴氏は「堺市が参加しないとなれば改革自身が大きく頓挫してしまう」とのべています。ところが「大阪都」の具体的内容については大阪府・市特別区設置協議会で出された、批判の強い「制度設計案」を含め、まともに語ろうとしていません。

　橋下徹代表は「堺市長選は都構想の是非が争点ではない」「負けたとしても都構想が悪いものだとみんなが思ったわけではない」とものべています。

　貴氏と維新は、市長選で「堺つぶしノー」の結果が出た場合、民意を尊重し、きっぱりこの構想を断念するのでしょうか。「都」構想の何を市民に問おうとしているのか、明瞭に示してください。

　第二に貴氏や「維新プレス」が「だまされないで下さい」「堺市はつぶしません」「堺のお金（税金）は取られません」とのべていることについてです。

　貴氏は「市長をなくすだけ」といい、橋下氏は「市役所をなくすだけ」といいますが、「大阪都」で解体の対象となる堺市が「市役所」や「市長」だけだとするのは珍論です。関連の法律でも関係市町村を「廃止」すると明記しています。

　「維新プレス」は、大阪全体のことや成長戦略に関わる「仕事」を堺市から「大阪都」に渡すので、その分のお金を渡すだけだと主張していますが、これは、堺市の財源を「大阪都」に吸い上げ、「成長戦略」にあてることを認めたものです。「お金（税金）が取られ」、住民サービスの低下につながる可能性が高いということは明瞭ではないのですか。

　第三に竹山氏を「裏切り者」などと誹謗（ひぼう）し、あたかも、竹山氏が２００９年９月の前回市長選後、態度を豹変（ひょうへん）させたかのように映し出している件についてです。橋下知事（当時）が「都」構想を打ち出したのは１０年１月。前回市長選の際、「都」構想も「大阪維新の会」もなかったのです。

　竹山氏が当時の橋下知事に推されたことは事実ですが、当時の選挙公報では「自治都市堺」の実現をうたっていました。堺市民への約束を「裏切った」のは、同じ選挙公報のなかで「竹山さんとともに対等な立場で、府・市連携を進めます」とのべていた橋下氏の側ではないのですか。

　第四に竹山市政の評価についてです。「維新プレス」では「現状維持の日和見市長」などと中傷しています。

　しかし、竹山市政が「現状維持の日和見」どころか、大型開発を中止し、子ども医療費の中学校卒業までの助成を実現したこと、国保料の４年連続引き下げ、おでかけ応援バスの平日全日運行など、市民の声に応えた改革をすすめてきたことは事実です。維新堺市議団も、これらの提案や予算案に、市長選を前にした今年度を除き、賛成してきたのではありませんか。

　第五に橋下氏が「竹山市長は共産党公認候補」「共産市長を誕生させていいのですか」などと発言していることについてです。

　日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は「堺市をつぶすな」と竹山市長を自主的に支持していることを広く市民にお知らせしてきました。竹山市長が「共産党公認」ではないことも衆目の一致するところです。

　何をもって竹山氏が日本共産党公認候補になったと認識しているのですか。明確に回答できないのであれば撤回と謝罪を求めます。

　第六に「維新プレス」が、「相乗り」批判を繰り返していることについてです。

　今回の市長選で問われている最大の問題は、「大阪都」構想による堺市廃止・解体の是非です。国政での態度や政党支持の違いをこえ、この一点で幅広い市民の共同が広がっているのです。

　世論調査（８日付「読売」）でも「統合再編の対象に堺市を含めることに６割の市民が否定的」と報道されていることについてどのようにお考えですか。

　「慰安婦制度は必要だった」という橋下氏の発言は、内外から大きな批判をあび、堺市議会では、橋下氏らの公職辞任を求める決議が可決されました。

　ところが橋下氏も維新も居直りを続けています。貴氏はなぜこの問題で沈黙しているのですか。ぜひ見解を明らかにしてください。

( ２０１３年０９月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

憲法を生活の隅々に／愛知母親大会で１３５０人交流

　「生命（いのち）を生み出す母親は、生命を育て、生命を守ることをのぞみます」をスローガンに第５９回愛知母親大会が８日、愛知県豊橋市で開かれました。全体会ではドイツ文学翻訳家の池田香代子さんが講演し、会場いっぱいの１３５０人が熱心に聞き入りました。

　主催者あいさつで、水谷津太枝代表委員は「９条改悪や集団的自衛権の行使を許さず、憲法を生活のすみずみに、誰もが人間らしく生きられる社会をめざして学び合い、手をつないで行動しましょう」と呼びかけました。

　池田さんは自民党改憲草案を厳しく批判し、「若者たちを絶対に戦場に送ってはなりません。いまが私たちのふんばりどころです。憲法を守り抜き、がんばってこの社会を少しでも良くして子どもたちに手渡しましょう」と熱く語りました。

　活動交流では、日本軍「慰安婦」問題の早期解決や、女性の働く権利の確立、福祉・医療制度の充実などをめざす各団体の代表が報告。県内で避難生活を送る福島県出身の母娘が「子どもに少しでも明るい未来を残したい」「もう二度と、お友達と別れるのはいや。原発をなくして」と訴えました。

　参加者は▽子どもの貧困と教育格差解消▽女性の地位向上と男女平等▽核兵器も基地も戦争もない平和な日本の実現▽消費税増税と社会保障制度の改悪阻止▽浜岡原発の即時廃炉と原発ゼロへの転換―を求める大会決議と、憲法を守り生かす草の根の運動を呼びかけるアピールを採択しました。

　地元を中心に活動するサークル「和太鼓ごんべ」の勇壮な演奏が参加者を魅了しました。

　全体会に先立ち、「いま、日本国憲法…戦争と女性」をテーマにしたシンポジウムなど２１分科会が開かれました。

　保育園に通う子ども２人を連れて参加した、シングルマザーの伊佐次飛鳥さん（２８）＝名古屋市天白区＝は「働きながら子育てをするのは本当に大変。行政は学童保育を充実してほしい。将来子どもたちが戦争に行かないよう９条を守りたい」と語りました。

(２０１３年０９月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

10

堺市長選１５日告示／なくさんとって堺／「都」構想に反対し市民集会

　橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」の「大阪都」構想によって廃止・分割がねらわれている堺市で「なくさんとって､うちらの堺｡堺大好き､堺っこ大集合｣と題する集会が７日夜､開かれ､市民らが自らの思いを訴えました｡主催は｢堺大好き堺っこアクション｣です｡

　リレートークでは市民らが「橋下さんは福祉やホームレス問題の解決よりカジノづくりが好きなようだが、人のお金でバクチを打つようなものだ」「慰安婦問題では被害者をおとしめる発言をしている」「自治会活動はトップダウン方式では成り立たない。堺のことは堺で決めたい」と、堺市長選（２９日投開票）での維新候補の当選を危惧する声が次々とあがりました。

　司会も務めた笑福亭竹林さんが、竹山修身市長の人柄を紹介。「僕が好きやなと思ったのは『おせっかいなまちづくり』を掲げていること。貧困とは『貧乏プラス孤独』と言われるが、弱い者にお節介をやこうというのが竹山さん。この積み重ねで堺はきっといいまちになると思う」と語りました。

　大阪生まれで、北海道大学大学院准教授の中島岳志さんが講演。「維新の都構想に対して別のビジョンを生き生きと希望を持てる形で語ることが重要」と熱弁しました。

　集会では、「堺市つぶし」を許さないために行われるパレードやパフォーマンスなど「９月アクション」が提起されました。ネットでもさらに情報を発信していく計画です。

( ２０１３年０９月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

テレビの参院選報道検証／放送を語る会モニター報告／上／��ねじれ解消�°ｭ調で重要争点ぼかす

　自民党が勝利し、民主党惨敗、共産党が躍進した参議院選挙。この政治戦をテレビはどう伝えたのか｡放送関係者や市民でつくる｢放送を語る会」は参院選テレビ報道のモニター活動を行い、報告書「２０１３年参院選・関連テレビ番組を検証する」を発表しました。

　今回の参院選挙からネット上での選挙運動が可能になりましたが、「語る会」は選挙後の世論調査などから依然としてテレビの影響が大きかったとしています。

　「語る会」のこれまでの選挙戦報道の検証は、各局の毎日のニュースを対象としてきましたが、今回は定時の報道番組や特集番組を対象にしました。

三つの視点で

　番組は、各党代表が出演する「政党間討論タイプ」と争点を取り上げる「論評タイプ」に分けられます。そのうえで「語る会」は�@各政党の政策や主張が公平に伝えられたか（発言回数・時間配分など）�A政治的争点がどのように報道されたか（改憲問題、歴史認識、原発・エネルギー政策、ＴＰＰ、消費税、雇用、社会保障など）�Bキャスター、コメンテーターの論評・報道姿勢や編集方針に問題はなかったか、の視点でモニター活動を行いました。

問題点どこに

　浮かび上がった問題点は次の通りです。

　★��ねじれ解消�≠ｪ選挙の焦点という報道の偏向　「衆参のねじれ解消が参院選の焦点」という表現がくりかえされたと指摘。例として「ＮＨＫ・参院代表に問う」司会の解説委員や日本テレビ「ウエークアップ！ぷらす」司会のキャスターなどの発言をあげています。また、「ねじれ解消」のためには自公がどれだけ議席を獲得すればいいかとグラフを示して解説する番組も少なくなかったとしています。

｢ねじれ｣という言葉には不正常という語感がつきまとい､｢解消はよいこと」という心理的な効果を生むことを指摘。改憲､原発､消費税増税など重要な政治的争点の比重を相対的に低下させる作用を果たしたとしています。

弱い政権批判、独自追及

　★政権政党への批判の弱さ〜取材した事実を対置する報道はどこへ　政権政党の政策は、国民に直接影響を与える点で、本来ジャーナリズムの批判・検証の対象となるべきですが、番組全体としてこの姿勢は弱かったと３点を指摘します。

　�@政権が前面に打ち出す｢アベノミクス｣の｢陰｣の部分。貧困と格差の広がり、非正規雇用の実態、ブラック企業の横行などを独自の姿勢で追及する番組はほとんどなかった�A日本共産党の志位委員長が７月３日の記者クラブ主催の党首討論で、自民党によるゼネコンに対する献金請求書の存在を暴露したことや､安倍首相の｢雇用が６０万人増えた」の発言に「正社員は４７万人減っている」と反論したこと(ＴＢＳ｢ＮＥＷＳ２３｣)に対して、発言の真偽を独自に調査し、政党代表を追及した例はない�B歴史認識問題でも「慰安婦の強制連行の証拠はない」の政権のウソを検証した報道はなかった。

　以上からジャーナリズムの劣化・怠慢と批判しています。

　一方、安倍政権の原発輸出を批判したＴＢＳ「報道特集」、毎週、原発問題に焦点を当て、改憲問題も論議したＴＢＳ「サンデーモーニング」を評価し、ジャーナリズムのあり方を示すものとして注目しています。

モニターした番組

（６月から投票日前日の７月２０日まで）

　【ＮＨＫ】「日曜討論」「参院選特集・争点を問う」「参院選特集・参院代表に問う」。【日本テレビ】「ウエークアップ！ぷらす」「ズームイン！！サタデー」「真相報道バンキシャ！」。【テレビ朝日】「報道ステーションＳＵＮＤＡＹ」「朝まで生テレビ！」「そうだったのか！池上彰の学べるニュース」。【ＴＢＳ】「みのもんたのサタデーずばッと」「報道特集」「サンデーモーニング」。【フジテレビ】「新報道２００１」「Ｍｒサンデー」。【テレビ東京】「田勢康弘の週刊ニュース新書」「報道特番　池上彰のニッポンの大疑問」。

( ２０１３年０９月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

市長選１５日告示／自治、暮らし、堺つぶす「大阪都」構想反対／竹山市長を支援します

「堺はひとつ」で力合わせ

　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が執念を燃やす｢大阪都｣構想。その今後を左右するとして、全国的に注目されているのが堺市長選（１５日告示、２９日投開票）です。日本共産党は､｢『橋下･維新』による『堺のっとり』と解体を許さず、住民福祉増進と自治都市・堺を守るたたかい」と位置づけ、現職の竹山修身(おさみ)市長を、自主的に支持してたたかいます。

　豊田栄光記者

　選挙戦は、竹山市長と、「大阪維新の会」堺市議団前幹事長の西林克敏氏（４３）との一騎打ち。

西林氏発言わずか５分

　「維新」は２日、市民会館で市長選に向けた集会を開き､｢自信をもって公認した」と西林氏を紹介しました。しかし、９０分の集会のうち西林氏が発言したのはわずかに５分。時間の９５％は橋下市長と松井一郎大阪府知事の話でした。

　誰が候補かわからない集会に､聴衆が｢西林さんにしゃべらせろ」と何度も抗議する場面が。これにたいし､｢橋下さんが応援するから、西林さんも当選できるんや｣と��聴衆が反論�≠ｷるありさまです｡

　「維新」は危機感でいっぱいです。「（この選挙で）負けたら橋下は終わったといわれる」（橋下市長）といい、参院選での不振を「大阪都」構想を実現させることで挽回する戦略です。それだけに、所属国会議員、地方議員らを大量投入して乗り切る方針です。

権限と財源「大阪都」に

　「維新」がその実現を声高に叫ぶ｢大阪都｣のねらいは何か―。

　大阪市と堺市を廃止・解体。東京２３区のような特別区に再編し、「大阪都」知事に権限と財源を集中させ、関西財界が熱望する大規模開発を推進するのがねらいです。「関空リニア」（関西空港と大阪市中心部を結ぶリニア新幹線）やカジノ建設を軸とした湾岸エリア開発計画などで、堺市の税収入１３００億円のうち４６０億円が「大阪都」に吸い上げられます。

　「大阪都｣の未来は､松井知事が「バーチャル（仮想）大阪都」と呼ぶ府市統合本部（府と大阪市で構成）の方針を見れば一目瞭然です。

　黒字の大阪市営地下鉄の民営化、府・市立大学統合、公立病院統廃合など、住民生活に打撃を与える提案ばかり。民主主義破壊の教育・職員基本条例も、府市統合本部で練り上げられました。

　竹山市長は４年前、橋下知事(当時)の支援を受けて当選しましたが、当時はまだ､｢大阪都」構想も「維新」もありませんでした。堺市をなくす計画が明らかになると、竹山市長はキッパリと反対の立場を鮮明にし、「維新」と正面から対決しています。

　他方、堺市議会では「維新」議員団が提案した、「教育基本条例」「職員基本条例」を市民の声と運動の力で否決に追い込みました。また、橋下氏の「慰安婦問題」発言では､｢撤回および謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」を、日本共産党、自民党、ソレイユ堺（民主党系）、無所属市議２人の賛成多数で可決しました。「維新」の横暴を許さない共同が広がりました。

党派超えた共同すすむ

　こうしたなか、市長選を前に、党派を超えた市民の共同が進んでいます。

　竹山市長自身が「堺市のっとり、堺市つぶし｣を打ち破るために､「広範な政党､団体､市民の固いきずなの連携が必要｣と訴えました｡幅広い人たちが「堺はひとつ　市民の会」を結成｡竹山市長と､地元出身の川淵三郎元Ｊリーグチェアマンがそろって「堺はひとつ！堺を無くすな！」と訴えるポスターが大きな反響を呼びました。

　川淵氏は、織田信長や豊臣秀吉などの時代から��自由･自治の精神を育んできた堺�≠�、「子孫に残していくのは、私たちの責任」との応援メッセージも寄せています。

　日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会｣も､街頭宣伝やビラ配布など活動を強めています。７日には、南海難波駅前で､｢反大阪都構想」の大演説会が開かれ、府内約２０人の首長や神戸市長も駆けつける予定です。

(２０１３年０９月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選で「維新」に審判／大阪労連が特別決議

　大阪労連（全大阪労働組合総連合）は７日、第４７回定期大会を大阪市阿倍野区で開きました。「堺市長選の勝利で、橋下・『維新の会』の『大阪都』構想を阻み、明確な審判を下そう」との特別決議を採択しました。

　特別決議は、「大阪都」構想など橋下・「維新」の暴政にストップをかける重要かつ絶好の機会として堺市長選を位置づけ、堺労連のとりくみを全力で支援していくと表明。橋下・「維新」がすすめる「大阪都」構想への堺市の参加を許さず、橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言への批判のなかで、都議選と参院選で大きく後退した「維新」が地元の大阪で再び息を吹き返すことを許さないため、大阪労連あげてのたたかいで竹山修身堺市長の勝利をつかみとり、橋下・「維新」に明確な審判を下そうとよびかけています。

　川辺和宏議長があいさつ。５年半の大阪での「維新」の政治が大阪府・市民の生活を大きく後退させるとともに、憲法と民主主義を踏みにじる独裁政治・行政の私物化をすすめてきたと強調。「堺市長選で必ず勝利し、府政・市政を住民の手に取り戻すために全力を挙げよう」と訴えました。

　全労連の大黒作治議長、日本共産党の辰巳孝太郎参院議員が来賓あいさつしました。

(２０１３年０９月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市つぶしノー／市長選・市議補選勝利へ全力／党地区委が活動者会議

　日本共産党堺地区委員会は６日夜、目前に迫った堺市長選（１５日告示、２９日投票）と市議補選（２０日告示、２９日投票）勝利に全力をあげようと堺市内で活動者会議を開きました。

　山口勝利党大阪府委員長が報告しました。橋下徹大阪市長が竹山修身堺市長を「共産党の公認候補」で、「オレオレ詐欺の１００倍ぐらいの大詐欺師」と口汚く攻撃していることについて、「誰が『大詐欺師』なのか。市民の共同を恐れ、分断のために持ち出してきたものだ」と批判。日本共産党が綱領で憲法の前文を含む全条項を守り、地方政治では「住民が主人公」を貫き、住民の利益への奉仕を最優先課題とする地方自治を確立すると明記していると紹介し、この綱領的立場から「堺市つぶしから、堺市の自治と自由を守る」一点で竹山氏勝利のために共同する立場を明確にしているとのべました。

　維新候補が発表した「維新・堺八策」が「堺市」をつぶして権限・財源を１人のリーダーに奪い取り、大阪府・市の「属国」扱いの政策と告発。「日本共産党は、福祉、暮らし、まちづくりの要求を重視し、市民の要求実現をめざす選挙として、自主的に支援してたたかう」と語りました。

　維新が反動的逆流の「突撃隊」となるもとで、日本共産党がこれに真正面から立ち向かい、府民の理性の声の最大のよりどころとなってきたと指摘。「有権者の『幻想』を狙う維新に対して、『慰安婦』暴言をはじめ、維新を丸ごと批判し、うそとデマ、反共攻撃をうちやぶることも重要な課題です｣と強調し､補欠選挙も「大きな変化を起こせる条件も可能性もある。勝利めざして堂々とたたかいぬこう」と訴えました。

　阪上良一地区委員長が行動を提起し、補選の３候補が元気いっぱい訴えました。

( ２０１３年０９月０８日， 「赤旗」）（Page/Top）

政治考／海外メディア注目／共産党躍進、取材相次ぐ／「米国人には想像できない。驚きだ。面白い」

　７月の参院選で躍進した日本共産党が海外メディアから注目されています。共産党がどんな政党かに言及するメディアもあります。選挙後も、焦点の政治課題をめぐって共産党の見解を求める取材が相次いでいます。

　（酒井慎太郎）

　「共産党のカムバック　ただし日本で」との見出しで報じたのは、インターネット版の米国の日刊紙「クリスチャン・サイエンス・モニター」（８月５日付）。「選挙民の琴線に触れたことで、日本共産党は現政権に対する最も一貫した野党の地位を固めるチャンスを迎えているのかもしれない」と評しました。共産党が躍進した理由として「一部の有権者は共産党のことを、安倍政権の国粋主義と日本の平和憲法改定の主張に対抗できる唯一の党だとみなしたようだ」と解説しました。

「ネットを活用」

　記事は米国内の大手サイトにも転載され、「すごい」などと２日間で約２万３０００件の反響がありました。

　記事を書いたのは、来日して１６年になるフリージャーナリストのギャビン・ブレアさん（４２）。なぜ共産党に注目したのか？　本紙の取材に、「この２１世紀に共産党がうまくいくなんて、普通の米国人には想像できない。驚きだ。面白い」。ブレア氏の企画提案に、同紙も即決しました。

　共産党の取材は２度目というブレア氏。「派遣切り」が相次いだ４年前、改めて注目された小林多喜二の小説「蟹工船」と青年党員を取材しました。「日本の共産党に対するイメージは��年上�＝i高齢）でした。しかし、ネットをよく活用し、進化しています」

　��進化�≠ﾅ注目したのは、東京選挙区で１２年ぶりに共産党の議席を勝ち取った吉良よし子参院議員やネット選挙。記事は吉良氏の印象について、「にこやかな笑顔で、スマートな着こなしの３０歳」「資本主義撤廃を目指しているようにはとても見えない」と紹介しました。

　解禁されたネット選挙に関しても、「最もうまく活用したのは共産党だったと広く見られている」と指摘。「党は選挙運動で新しいテクノロジーを利用する一方、政策でも人事の面でも日本の他の政党と一線を画す一貫性を誇ることができる」として、その一例をあげました。「志位和夫氏は２０００年以来党の委員長を務め、その間日本の首相は９人交代した。一部の政治家は福島第１原発の事故以来反原発に立場を変えたが、日本共産党は常に原子力発電に反対してきた」

　ブレア氏は、参院選後の政治状況について、「個人的な意見ですが、中国との関係や憲法問題など、もともと右翼の安倍さんは心配だね」といいます。「野党の状況もメチャクチャだ。僕から見ると、党の方針より、この人にお世話になったなどという人間関係に党のベースがある。そこから間違っていると思うな」

　その上でブレア氏は語りました。「共産党の魅力的なポイントは方針がぶれないこと。取材して面白かった。僕の記事が話題になったし、うれしいね」

　吉良氏を取材中､｢聞いていただき、ありがとうございました」と感謝される場面があったといいます｡｢共産党が政権をとったら経済体制はどうなるのか？」。ブレア氏にとって「一番大切な質問」をしたときでした。記事はその吉良氏のコメントで締めました。

中･韓のＴＶも

　海外でも自共対決が注目されています。

　韓国の放送局・ＭＢＣは８月２０日、井上哲士参院議員に「日本の右傾化」のテーマで共産党の見解を取材しました。井上氏は５月の参院予算委員会で、閣僚の靖国神社参拝と日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」発言を追及。この質疑の映像が韓国内で何度も放映され、今回の取材につながりました。

　中国の中国広東テレビは８月２７日、東京電力福島第１原発の汚染水漏れ問題について、共産党の原発・エネルギー問題対策委員会責任者の笠井亮衆院議員を取材しました。

　韓国と中国のテレビ局の取材先はいずれも、共産党と自民党でした。「韓国から見ても日本の政界は自共対決が鮮明になっているようです」（井上氏）

( ２０１３年０９月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

アジアを平和・友好地域に／新潟市で戦争展

　第５回にいがた平和のための戦争展が６日、新潟市の県民会館３階ギャラリーで始まりました（写真）。同実行委員会が主催、８日まで。

　今回のテーマは「アジアを平和と友好の地域に―アジア諸国から信頼される日本に、過去の侵略戦争に無反省な国は世界から信頼されません」です。

　展示項目は、�@冷静に考えよう領土問題�A中国・朝鮮の日本軍「慰安婦」問題の真実�B過去の戦争を美化する「新しい歴史教科書」問題�C集団的自衛権・国防軍―再び海外で戦争する国へ�D戦争に反対した人々がいた�Eアメリカの核戦力に組み込まれた日本の原発―などです。

　遺品コーナーで兵士の遺品、防空頭巾、防毒マスクなどを陳列。戦時中の教科書、学童疎開の写真、教育勅語なども展示し、平和文芸作品展もあります。

　関連行事として、７日に講演「改憲論と『慰安婦』問題」（藤野豊・敬和学園大学教授）、音楽で五十嵐尚子さん（ソプラノ）、中林由美子さん（キーボード）の演奏。８日も講演「２１世紀の羅針盤平和憲法」（工藤和雄弁護士）を企画。入場無料。

(２０１３年０９月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選／党都委が大阪府委激励／「維新」の野望打ち砕こう

　橋下・「維新の会」による堺つぶしは許さないとの声がわきあがるなか、日本共産党東京都委員会の若林義春委員長は６日、大阪市天王寺区の日本共産党大阪府委員会事務所を激励に訪れました。

　山口勝利府委員長が応対。堺市長選の情勢について意見交換し、全国注視の選挙で「維新」の野望を打ち砕き、市民の共同で地方自治を守りぬくたたかいを大いに盛り上げようと話し合いました。

　選挙支援カンパを託した若林氏は、橋下徹大阪市長が「従軍慰安婦」問題での暴言を撤回も謝罪もしない態度が都議選でも参院選でも厳しい審判を受けたと指摘。労働組合や民主団体からも「自由と自治の精神を育んできた堺をつぶさせてはならないと意気込んでいます」と紹介し、「堺は東京から遠いですが、やれることはなんでもやろうと燃えています」とのべました。

　「心強い限りです」と切り出した山口氏。「今回の市長選は、『大阪都』構想反対の一致点だけでなく、国保料４年連続引き下げなど市民に目を向けた施策をすすめた市政の問題でも共同できます。みなさんの熱い声援を受けて頑張ります」と応じました。

( ２０１３年０９月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

「韓日・未来へつなぐ学習ツアー」／「水曜デモ」でスピーチ三嶋あゆみさん

「慰安婦」問題解決へ力あわせ

　旧日本軍「慰安婦」問題や改憲をめぐる発言で日本の右傾化が国際的に批判を浴びるなか、「慰安婦」問題をはじめ、日本の加害の歴史を学び、交流する「韓日・未来へつなぐスタディー（学習）ツアー」が８月中旬に行われ、京都や岡山など５府県から１６人が参加しました。その一人、「水曜デモ」でスピーチをした三嶋あゆみさん（３３）＝京都府＝の感想を紹介します。

　（京都府・稲次かなめ）

　日本では終戦記念日、韓国では「光復節」の８月１５日を前後して、日本軍「慰安婦」被害女性が共同生活する「ナヌムの家」や、「戦争と女性・人権博物館」、独立記念館などの訪問と、日本政府に公式謝罪や法的補償を求める「水曜デモ」に参加しました。

　「水曜デモ」は毎週、在韓国日本国大使館前で、被害女性や支援者が取り組んでいるもので、参加した１４日は１０８７回目。集まった約３０００人の中には高校生や若い人が多く、エネルギーにあふれていました。

意見書を可決

　私たちは、「過去に目をつむる者は　未来に対しても盲目になる」と書いた横断幕を持参し、スピーチをする機会を得ました。

　京都府議会で「慰安婦」への謝罪・保障を求める意見書が可決され、いまは、京都市議会での意見書の採択にむけて働きかけていると報告。日本全体では、４３議会で意見書が可決、「維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の発言に対しては、３０の議会で批判決議があがったことも紹介し、「一緒に頑張りましょう」とよびかけました。

　安倍首相の改憲姿勢への怒りや靖国参拝などをめぐるニュース報道のなか、ハルモニ（おばあさん）たちの心情に配慮して、直接、交流することはできませんでしたが、被害女性の多くが、軍医に貼られた水銀入りの湿布が原因で、今も水銀中毒で苦しんでいると知り、なんてひどいことをしたんだろうと胸が痛くなりました。

同時代の人で

　戦時下の被害だけでなく、現社会の情勢についても見聞きし、同時代を生きる人たちと一緒に「慰安婦」問題の一日も早い解決、世界の平和と女性の人権の前進にむけ、頑張ろうと思いを新たにしました。

( ２０１３年０９月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

5

堺で女性連絡会が宣伝／市民、「都」構想の正体分かった

　「橋下・維新による『堺乗っ取り・堺つぶし』は許せません」―。「明るい民主大阪府政をつくる会」と「住みよい堺市をつくる会」の両女性連絡会は３日、堺市北区の地下鉄新金岡駅前で宣伝をくり広げました。

　大阪労連の鈴木まさよ女性部長、新日本婦人の会府本部の川本幹子会長ら１６人がビラを配り、次々マイクを握って「堺市民の暮らしと福祉、地方自治を守りましょう」と訴えました。「頑張って」と自転車からエールを送る人、宣伝の女性と対話する人の姿が相次ぎました。

　堺母親連絡会の岸上紀代子委員長は、ビラを受け取った堺市の女性と対話しました。

　「『大阪都』構想はいいものと思っていたけど違うの」と驚く女性。岸上氏は「大阪市民のサービスは橋下大阪市長によってばっさり切り捨てられています」と語ると、女性はビラを広げて「橋下さんでは堺市はよくならない」と応じました。

　三隅直美さん（７８）は「維新の会なんて必要ない。竹山さん（修身市長）は『都』構想に反対してますものね。橋下市長は大阪市をよくしないのに、堺に頭を突っ込むな」といいます。

　自転車に乗った男性（４４）は「橋下市長の『慰安婦』発言にがっくりきた。市長を辞めた方がいい」と声を大きくしました。２歳児の女児を抱っこしてビラを受け取った女性（３４）は「私は子どもを大事にしてくれる政治を願っています。竹山さんに期待しています｣と話していました｡

(２０１３年０９月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

旧日本軍による「慰安婦」問題／実態伝える漫画に挑戦／山口かりんさん＝仮名＝／京都

戦争中だって許されない

　京都で｢慰安婦｣問題の解決にむけて取り組む「女性国際戦犯法廷ハーグ判決を実現する会」（略称・ハーグの会）は、旧日本軍による性奴隷被害の実態を漫画で伝えようととりくんでいます。

　子どもを含めて多くの人に知ってもらえるものをと、依頼を受けて描くのは漫画家をめざした経験がある山口かりんさん（３６）＝仮名・京都市＝。２児の母親で、「真実を隠さず伝えたい」と意欲を燃やします。

１冊の本

　原本は、朝鮮半島から戦下の沖縄に連れてこられ、戦後も沖縄で生きてきた女性、ペ・ホンギさんの人生を書き起こした『赤瓦の家』（川田文子著）です。

　話が持ち上がった６月頃、「日本維新の会」共同代表で橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言が話題になっていましたが、「女性たちの被害の実態については詳しくありませんでした」と言います。

　関連する本やインターネットで調べていくうち、入れ墨、暴力による傷害も受け、いまなお心的外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）に苦しむ女性が多いことを知りました。「人権が侵害され、女性がおもちゃのように扱われたことは、戦争中だったからと許されるものではない。闇に葬ってはいけない」との思いが強まりました。

勇気得る

　８月には、原水爆禁止世界大会に初めて参加しました。長崎大会の閉会総会で、「米国の核の傘から出るべき。日本は主権国として米国にものを言わねば」、「むごいものであっても歴史の真実を伝えるべきだ」などと話したオリバー・ストーン映画監督の言葉に勇気を得ました。

　道理にあわないことに、おかしいと言えるストーン監督の姿勢を「かっこよかった」と振り返り、「いま、みんなで立ち上がる時なのではないでしょうか。読み応えのあるものに仕上げていきたい」と話しています。

　（京都府・稲次かなめ）

( ２０１３年０９月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

１３年夏に想う／笠井亮衆院議員／もう一つの官邸前行動

　この夏も、たくさんの祈りがありました。６８回目のヒロシマ・ナガサキと終戦記念日、そして大震災・福島第１原発事故から３度目のお盆。

　私自身も、８月初めに、祖父の三十三回忌で伯叔父たちの戦争体験を聞き、６日朝は、被爆２世として、広島平和公園で当時１４歳だった母に代わって手を合わせました。

　韓国を訪ね、日本軍「慰安婦」被害者の女性たちと再会し、日本の侵略によって、今なお傷いえぬ、アジアの幾百万の人々の存在を考えずにはおれませんでした。８月１５日にアジアの犠牲者にふれなかった安倍首相の異様な演説、その歴史逆行と唯一たちむかう党と民主勢力の役割の重さ。

　そんななか、もう一つの官邸前行動がありました。２００３年１２月から毎月欠かさず行われてきた宗教者による「首相官邸前祈りの行動」です。

　自衛隊のイラク派兵中止を求めて、この２２日で１１６回目。私も、原発なくせ・再稼働反対の金曜官邸前行動に１年半参加し、ＴＰＰ反対や貧困問題を訴える行動にもひろがっていますが、そのはるか前からの行動です。

　命の尊さを訴える宗教者の自衛隊海外派兵中止署名は、９万５９４３人分が提出され、「９６条改定に反対し、憲法９条を守ろう」宗教者共同声明も１万１０００人となりました。

　仏教、キリスト教界など参加者から、靖国参拝、ナチス発言、集団的自衛権行使など、安倍政権による歴史逆行に、静かな、深い怒りがまきおこっています。韓国でも、名刹（めいさつ)･月精寺の正念住職と命と平和への願いを国境を超えて共有できました。祈りから共同の行動へとひろがる夏、そして秋です。

(２０１３年０９月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国の憲法裁判断から２年／進まない「慰安婦」賠償／協議拒否、不誠実な日本政府

　韓国の憲法裁判所が、日本軍「慰安婦」の賠償請求権をめぐり同国政府が日本と交渉する努力をしないのは違憲と判断（２０１１年８月３０日）してから丸２年がたちました。韓国政府は、日韓請求権協定に基づき協議に応じるよう日本政府に再三、要求していますが、日本側は拒否する不誠実な態度を続けています。

　韓国の外務省は３０日、声明を発表し、日本政府が協議に応じないことに「深い遺憾」を表明しました。韓国政府は、憲法裁判所の判断が下された直後の１１年９月と同年１１月に、外交文書を通じ協議を要求。今回も文書で求めると報じられています。

　日韓請求権協定の第３条は▽協定の解釈や実施に関する締結国間の紛争は外交上の経路で解決する▽解決できない場合は仲裁に付託する―ことを明記しています。

　しかし、日本政府は、協定によって財産・請求権問題は解決ずみで、「紛争は存在しない」という立場をとり続けています。

　先月、日本共産党の笠井亮衆院議員の調査によって、同協定締結当時、日本の外務省が、日韓間で対立する見解が生じた場合、外交上の努力によって解決されるべきだとする「条約解説」をまとめていたことが判明しました。この「解説」は、紛争の発生時期について「何ら制約はない」「今後生じることのあるすべての紛争が対象になるべき」だと主張しています。

　「慰安婦」問題は、被害者たちの告発によって１９９０年代以降、問題化したもの。協定上の紛争であることは疑いなく、「解決ずみ」という日本側の主張は成り立ちません。

　韓国の「慰安婦」被害者１２人は８月１５日、日本政府を相手取り慰謝料を求める民事調停をソウル中央地裁に申し立てました。同日、朴槿恵（パク・クネ）大統領は、「光復節」式典での演説で「過去の歴史による苦痛と傷を今も抱えて生きている方に対する、痛みを治癒できる責任ある誠意を持った措置を期待する」と述べました。

　日本政府は韓国側の要求に、速やかに応じるべきです。

　（誠）

( ２０１３年０９月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

侵略戦争賛美の教科書／愛媛の２校採択／教組など撤回要求

　愛媛県教組（新川雄也委員長）は８月２８日、愛媛県教育委員会が来年度県立高校・中等教育学校後期課程の教科書採択の審議で、川之石高校と今治東中等教育学校の２校で、日本の侵略戦争を賛美する明成社版「最新日本史」を採択することを承認したことに抗議し、採択撤回を求める声明を発表しました。

　明成社版は昨年、土居、弓削、三瓶の３校が採択。今回の２校の採択で、県内では計５校が採択したことになります。

　声明では「県立学校５校で明成社版『最新日本史』が採択されたことは、大変残念である。私たちは、歴史の真実を歪（ゆが）め、侵略戦争を賛美するような教科書を高校生に手渡すことに反対し、採択の撤回を求める」と表明しています。

　また、新日本婦人の会県本部の渡部則子副会長も「憲法を真っ先に守るべき教育現場でそれに逆行する教育を行うことは許されません｡安倍内閣のもとで、太平洋戦争を美化したり、従軍『慰安婦』を否定するなどの動きが目立ちますが、それに拍車をかけるものです。採択撤回を強く求めます」と話しています。

( ２０１３年０９月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

関東大震災９０周年で集会／歴史の歪曲許さず／朝鮮人虐殺、伝え続ける

　１９２３年９月１日に起きた関東大震災は、１０万人以上の死者・行方不明者を出し、そのさなか「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言・デマによって多くの朝鮮人・中国人が虐殺される事件がありました。９０周年の節目を迎えるにあたり、「犠牲者を追悼し、史実の歪曲（わいきょく）を許さず歴史の真実を学びあい『今』を考える」記念集会が３１日、東京都内で開かれ、３２０人が参加しました。

　主催は関東大震災９０周年記念行事実行委員会。

　歴史教育者協議会副委員長の坂本昇さんはこの間、東京や横浜で関東大震災について副読本から「虐殺」の文字が消えたことについて報告しました。「慰安婦や南京大虐殺と同様、いま関東大震災の歴史の歪曲が組織的に始められている」とし、「歴史の真実に学び、平和・人権・民主主義の徹底を求める声を若い人とともに世界へ広げていくことが重要」と語りました。

　東京都墨田区で虐殺の実態を調査し、追悼碑の建立運動をすすめてきた「ほうせんか」理事の西崎雅夫さんが、当時の証言を元に報告しました。

　「自分が生まれ育った東京で何があったのか知りたかった」と調査を始めた西崎さんは、犠牲者の遺族や目撃者、加害者の親族などから当時の様子を聞いてきました。「小さな地域ですが具体的にあったことを明らかにすることができた。被害者らから直接、話が聞けた最後の世代だと思う。リアリティーをもって次の世代につなげたい」と語りました。

　また、被害者の実名を調査することにも力を入れ、名簿を作成。今年６月、韓国・ソウルで被害者について報告した際、ある女性から「犠牲者名簿に祖父・洪�風Tの名前がない」と声をかけられた話を紹介。女性は、祖母から「祖父の遺骨を探して一緒の墓に入れてほしいと遺言されている」と話したといいます。孫の代になると個人情報も少なく、探すのはより困難になります。西崎さんは「情報があれば寄せてほしい」と呼びかけました。

　鄭栄桓・明治学院大学准教授は、終戦直後からどのように国家責任が論じられてきたかに言及。「市民は早い時期から国家責任を問うてきた。日本側がどう対応したのか、今後、研究が必要だと思う」と語りました。

　日本弁護士連合会が２００３年に出した勧告（国に対し、謝罪と真相究明を求めたもの）づくりに参加した米倉勉弁護士は、震災当時の判決文を引用し、「軍人や警察、官憲が虐殺に関わった様子が分かる」と述べました。

　国立歴史民俗博物館の北原糸子・客員教授は「関東大震災における、災害史研究の課題」、飛矢�ｱ（ひやざき）雅也・明治学院大学助教は「共同の夢―アナーキズムと震災」について報告しました。

　東京都内に住む大学院生は「歴史系の博物館の仕事に関わっているので、教育者や弁護士、研究者など多彩な報告者が、市民にどう歴史を伝えるのか、興味があって参加した」といいます。「胸に落ちる報告もあれば、違和感を持った報告もあったが、いつかそれが役に立つときもあると思う。勉強になりました」と語りました。

( ２０１３年０９月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

２０１３いま言いたい／俳優・エッセイスト黒田福美さん／日韓の緊張は何も生まない

　いま言いたいのは、私たちがアジア人として、アジアが平和で豊かに発展していくことを考えたら、政治家の言動で日韓関係などが緊張している場合ではないということです。

両国引き裂く力

　３、４年前、韓流ブームが盛り上がって、隣の文化を敬いたくさんの人が行き来して、経済効果も出ていました。ところがいま、ヘイトスピーチ（憎悪表現）のデモなどが一部でやられています。これまで「韓国好き」といっていた人がそう言いにくくなる。これは由々しい、暴力的なことだと思います。

　日韓間の緊張は何も生みません。交流イベントや観光は衰退し、両国ともに経済的打撃を受けるばかり。

　韓国文化を紹介し、在日韓国人への差別問題にかかわってきましたが、３０年前は「ソウルから帰ってきた」というと「ああ、台湾の…」といわれたこともありました。それが当時の私たちの認識だったわけです。いまは韓国に行ったことのある人がたくさんいる。お互いひかれあっているけれど、何か両国を引き裂こうとする力が働くんですね。

事実だけ精査を

　最近出版した『黒田福美の韓国ぐるぐる』（アスク出版）で、ソウル近郊の六つのまちの旅を紹介しました。地方に行くと、日本人なの、と物珍しそうにして、日本の歌知っていますよと歌ってくれる、最高にもてなそうと思ってね。ソウルでは忘れられようとしている韓国人らしい心情にふれてほしいです。

　私も日本軍「慰安婦」を強制されたみなさんのいる｢ナヌムの家｣に行きました｡歴史｢認識･解釈｣と言うから合意できない｡むしろ事実だけを精査し､すり合わせればいい｡韓国でも何かあると｢日の丸｣を焼いたりする人たちがいますが、それはごく一部の右翼的な人たちです。日本のマスメディアが全韓国の市民の意識であるように報道しますが大変危険なことです。

　日韓関係を見つめ、親たちの戦争体験を聞いているぎりぎりの世代として、都市も家族も破壊される戦争は二度と起こってはなりません。日本が戦争放棄の誓いを立てた憲法は守りたいと思います。これからのアジアの平和と発展にとって欠かせないものだからです。

　聞き手・山沢　猛

( ２０１３年０９月０１日， 「赤旗」）（Page/Top）

（8月）ヘッドライン

��維新に堺市乗っ取らせない�＝^市長選勝利へ女性が宣伝

試写室／ＥＴＶ特集摩文仁・沖縄戦・それぞれの慰霊／ＮＨＫＥテレ後１１・００

３０

平和のための戦争展始まる／広島・来月１日まで

堺市議補選／維新の乗っ取り阻止／森田、タマナハ候補が決意

飯能の原水協報告会

「慰安婦」協議を要求

堺市長選「維新」の狙い／「職員の思想・信条統一」「慰安婦」暴言擁護…／市政乗っ取り、歴史わい曲

埼玉県平和資料館リニューアルの課題は／埼玉県平和委員会事務局長二橋元長さんに聞く

論壇時評／宮沢毅／戦後史に逆行首相の侵略戦争無反省

京都に息づく朝鮮文化／穀田氏、企画展を鑑賞

日本軍「慰安婦」問題／問われる橋下市長／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／下

訪韓／笠井議員に聞く／上／「慰安婦」被害者、進む高齢化／日本共産党のメッセージに大きな拍手

ニコン「慰安婦」写真展中止裁判／原告「表現の自由守る」／口頭弁論

日本軍「慰安婦」問題／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／上

日本軍「慰安婦」問題／公開質問状の回答期限迫る／問われる橋下市長

韓国外相「首脳会談が開けず残念」

２５

メディアをよむ／川口彩子／歴史的事実隠しに批判を

韓国で聞いた「頼りは日本共産党」／党衆院議員笠井亮さんが語る／「ナヌムの家」など訪問

「慰安婦」／橋下氏、開き直り書簡／米市議会の非難決議に

国民の願い胸に／参院議員井上哲士／韓国のテレビ取材に驚き

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／中

戦争はごめん／婦団連がつどい

２０

愛媛革新懇が総会／「改憲型新自由主義」と対決／二宮氏講演

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／上

私が見た侵略戦争／強制労働、遺棄化学兵器なども未解決／侵略認めない首相、国際的孤立深める

私が見た侵略戦争／歴史認め謝罪と補償を／中国人戦争被害賠償請求事件弁護団幹事長南典男さん

私が見た侵略戦争／９１歳元日本兵／陸軍固兵団の衛生兵だった松本栄好さん／平和のため語り続ける

終戦６８年／平和へ決意新た／集いも／熊本／大分／香川／高知／広島

侵略戦争くり返させない／憲法守る願い広げて／高橋衆院議員／青森

「過去の清算果たせ」

元「慰安婦」に日本政府は謝罪を／米と台湾でデモ／ロサンゼルス／台北

韓国民団が光復節記念式／笠井議員祝辞「心通う友情築く」

全国戦没者追悼式／安倍首相の式辞／アジアへの反省、確信犯的な削除

終戦記念日／改憲策動許さない／笠井・吉良氏ら訴え／東京・新宿

終戦６８年／過去直視する姿勢を／韓国大統領、日本政府を批判

１５

日本軍「慰安婦」／メモリアルデー、大阪でも運動へ／被害女性会見

日本軍「慰安婦」メモリアルデー／東京で市民らデモ

終戦６８年／歴史に逆行する安倍政権／歴史問題、日中・日韓関係の障害に／靖国参拝／「慰安婦」問題

終戦６８周年記念日にあたって／日本共産党書記局長市田忠義

核兵器廃絶へともに／海外代表迎え女性のつどい／名古屋

慰安所職員の日記発見／朝鮮人男性、ビルマで記述

元慰安婦１２人申し立て／日本に慰謝料求める／韓国

韓国被爆者が自国政府提訴／日本と協議せず違法

靖国参拝／安倍政権の態度は欺瞞／韓国国会特別委が声明

市長選来月１５日告示／「堺市乗っ取り」許さない／共産党、市政前進へ竹山市長支持

過ちは繰り返さない／「平和のための戦争展」開く／愛知

日本軍「慰安婦」被害の国連記念日を／フィリピン女性、涙で蛮行を告発／東京で国際シンポ

麻生氏「ナチスの手口学べ」／国内外で批判沸騰／独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ特派員カーステン・ゲアミスさん／欧米なら辞職が当然

元「慰安婦」人権回復早く／新婦人が署名行動／徳島

堺市長選勝利へ全力／党地区委が活動者会議／大阪

改憲ストップ、核兵器廃絶訴え／猛暑もなんの署名呼びかけ／大阪で「９の日宣伝」

戦争の記憶を引き継ぐ／証言・資料、重い告発

１０

「ナヌムの家」２１周年記念式典への志位委員長のメッセージ

「ナヌムの家」／「慰安婦」問題解決に全力／記念式典に笠井氏出席／志位委員長メッセージ／韓国

平和のための戦争展に学ぶ／あすまで／埼玉・所沢

元「慰安婦」証言／「歴史教科書に記載を」／札幌で集い

ジブリが改憲反対／ホームページに公開／宮崎・高畑・鈴木氏ら

国連勧告無視する日本政府／問われる人権意識／吉田好一

平和のための戦争展開く／京都市北区／和歌山市

「慰安婦」賠償問題／��対立見解は外交で解決�＝^日韓請求権協定締結時に外務省／笠井氏調査で判明

維新の堺市つぶし許さず地方自治守り抜く／市長選で党地区委が声明

５

週間日誌／１３年７月２８日〜８月３日

視点２０１３／ニュースを読む／ヘイトスピーチデモの背景／歴史認識のゆがみ温床に／栗原千鶴

原水爆禁止世界大会／安倍政権の歴史認識が北東アジア不安定要因／緒方副委員長の発言／国際会議

河野談話２０年／「慰安婦」問題解決全国行動が声明

８月１５日の靖国参拝に懸念／��再び周辺地域と緊張の恐れ�＝^米議会報告書

平和のための戦争展開催中／山口市で４日まで

２県都で戦争展／加害と被害の実態を展示・前橋／「核と原発」をテーマに開催・甲府

平和のための戦争展／１万人以上来場／「これからも続けて」／埼玉

日本軍「慰安婦」／学者らサイト開設

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／下／「叫ぶな」銃剣で脅し、暴力

戦時性暴力の被害者が証言／１１日東京でシンポ

潮流

橋下氏の暴言／学習会で論破／ひろしまネット

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／上／日本政府はなぜ謝らないの／「おばあさんの心は苦しい」

米ロス近郊に慰安婦像／「若い世代は正しい歴史を学んで」／韓国系市民ら

８月（本文）（Page/Top）

��維新に堺市乗っ取らせない�＝^市長選勝利へ女性が宣伝

　「明るい民主大阪府政をつくる会」と「住みよい堺市をつくる会」の女性たちは３０日、「堺市長選に勝利しましょう。維新の会市長はノー」と堺市の３駅頭・ターミナルで宣伝をくり広げました。

　悪天候のなか地下鉄なかもず駅前では、２０人余が「橋下『慰安婦』暴言、謝罪・撤回、市長の資格なし」と書いた横断幕を掲げ、ひまわりの造花を手に持って、「市長には竹山修身さん」と呼びかけました。

　「『大阪都』構想どう思いますか」と書いたシールアンケートをよびかけると、多くの人がシールを貼っていきました。

　堺市南区の入江正美さん（３９）は「堺市がなくなるのには反対です」と「反対」にシール。同区に住む女性（４４）は「竹山さんは地道にミニ集会で住民の声を聞いて頑張っていますね」と話していました。

　つくる会事務局の長川堂いく子さんは「橋下・維新の『都』構想は、大阪湾ベイエリア、リニア、カジノ構想に税金をつぎ込むこと。『都』構想にきっぱり反対する竹山市長を応援しましょう」と強調しました。

　新日本婦人の会府本部の川本幹子会長、日本共産党府委員会の太田いつみ副委員長がマイクで訴えました。

( ２０１３年０８月３１日，「赤旗」）

試写室／ＥＴＶ特集摩文仁・沖縄戦・それぞれの慰霊／ＮＨＫＥテレ後１１・００

住民犠牲強いられた歴史象徴

　沖縄本島最南端・摩文仁（まぶに）の丘。断崖絶壁が迫るこの地は沖縄戦最後の激戦地で、本土復帰後には、多くの「慰霊碑・慰霊塔｣が建てられました｡

　６月２３日の「慰霊の日」を中心に、さまざまな立場の遺族や関係者が訪れ、死者を追悼する姿を追います。

　３万５千人の遺骨を集めて建てられた「魂魄（こんぱく）の塔」は、身元が分からないまま野にさらされた遺骨を地元の人々が拾って納めました。「失礼します。ご案内しますよと語りかけて遺骨を運んだ」「日本軍から壕（ごう）を追いだされた」と語る女性の証言が生々しい。

「平和の礎(いしじ)｣は国籍・軍人・民間人を問わず戦没者の名前を刻んでいます。しかし、数千人といわれる朝鮮半島出身の軍夫や「慰安婦」が沖縄にいましたが、数百人しか刻まれておらず、女性の名はありません。

　「私的な行為」といいながら日本軍司令官をまつる「慰霊塔」を、制服姿で参拝する自衛隊員に平和団体が抗議の声をあげます。

　犠牲者を弔う神聖な空間・摩文仁は、戦後６８年になっても住民が犠牲を強いられた沖縄の歴史を象徴しています。

　（森保和史）

( ２０１３年０８月３１日，「赤旗」）

３０

平和のための戦争展始まる／広島・来月１日まで

　第１９回平和のための広島の戦争展が２９日､広島市中区の広島県民文化センター地下展示室で始まりました｡９日１日まで､開場時間は午前１０時から午後６時(最終日は５時)､入場無料です｡

　今年は｢戦争を語り継ぎ､いのち･希望･平和な未来を｣をテーマに､写真パネルや戦争遺品､当時の日常生活用品などを展示｡｢国防軍｣の設置を定めた自民党改憲草案や日本軍｢慰安婦｣問題､福島第１原発事故を告発するコーナーもあり､｢イベント広場｣では､反戦ビデオの上映や戦争体験証言などのミニ講演が連続して開かれます｡

　オープニングセレモニーには約４０人が参加し､広島のうたごえ協議会が｢青い空は｣｢ねがい｣を合唱｡同展実行委員会の尾野展昭委員長は｢戦争展の目的は､二度と戦争という事態を日本が関与してつくりださないということです｡明日の日本を担う若い世代の方々の来場を期待します｣とあいさつし､開会のくす玉を割りました｡

(２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

堺市議補選／維新の乗っ取り阻止／森田、タマナハ候補が決意

　堺市長選と同時にたたかわれる堺市議補選（来月２０日告示、２９日投票）に立候補する日本共産党の森田こういち（３６）＝西区・定数１＝、タマナハ国子（５８）＝中区・定数１＝の両候補は２８日、堺市役所で会見し選挙戦に臨む決意をそれぞれ語りました。

　森田候補は「４年間で竹山修身市長と日本共産党は丁々発止で市政について議論を重ねてきた。市民本位の施策をさらに前進させるために尽力したい」と語りました。

　タマナハ候補は「橋下・『維新の会』の堺市乗っ取りは絶対に認められない。橋下氏の『慰安婦』は必要だったとの暴言は許せない。切実な市民要求を前進させたい」とのべました。

　坂上良一党堺地区委員長、城勝行市議団長が同席しました。

(２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

飯能の原水協報告会

　埼玉県飯能市の原水爆禁止協議会は２３日、同市内で２０１３年原水爆禁止世界大会報告集会を開き、３２人が参加しました。

　長崎市で開かれた世界大会参加者らは、被爆者の「語り部」から聞いた当時の悲惨な状況や、爆心地近くの小学校で生き残った子どもの手記などについて報告。「つらくて悲しい手記の内容に胸が詰まった」などと感想を話し、「子どもたちに平和な未来を残し、核兵器のない世界をつくるために私たちにできることを続けていく」と決意を語りました。

　「歴史認識」問題について学習し、自由の森学園教諭の菅間正道さんが橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題発言や安倍晋三首相の「侵略の定義は定まっていない」などの発言、閣僚の靖国神社参拝問題などを挙げ、日本の侵略戦争の歴史を話しました。

　参加者からは「世界大会参加者の発言を聞き、元気をもらった」「歴史の話は興味があるので、また聞きたい」などの感想が出されました。

(２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

「慰安婦」協議を要求

　【ソウル＝時事】韓国外務省副報道官は２９日、定例記者会見で、韓国憲法裁判所が元従軍慰安婦の賠償請求権をめぐり、韓国政府が日本側と交渉する努力をしないのは違憲との判断を下してから３０日で丸２年になるのに際し、日本政府が日韓請求権協定に基づく協議に応じないのは遺憾だとし、すぐに応じるよう改めて求めました。

　憲法裁判断を受け、韓国政府は、協定解釈などをめぐる紛争は外交交渉を通じて解決すると規定した請求権協定の条項を根拠に、１１年に２回にわたり、外交文書で協議を求めました。しかし、「解決済み」の立場を取る日本側は応じていません。

( ２０１３年０８月３０日，「赤旗」）

堺市長選「維新」の狙い／「職員の思想・信条統一」「慰安婦」暴言擁護…／市政乗っ取り、歴史わい曲

　「大阪維新の会」は９月１５日告示（２９日投票）の堺市長選で堺市議団幹事長を務めてきた西林克敏氏を擁立します。堺市議会での同市議団の振る舞いを見れば、維新候補による堺市乗っ取りが何を目指すものなのか、一目瞭然です。

　維新堺市議団は一昨年１２月、大阪府・市で「政治の介入による教育破壊につながる」「首長いいなりの職員をつくる」と大問題になっていた「教育基本条例案」「職員基本条例案」を堺でも提案しました。西林氏は市議会でこの２条例案について、同年１１月の府知事選・大阪市長選などでの維新の勝利を理由に「大きな方向性は信任いただいている」と強弁しました。しかし、市内では幅広い市民による反対運動が巻き起こり、市議会でも批判が続出しました。教育基本条例案の審議では、市教育長も「教育関連法規に抵触するおそれのある内容が多く含まれており、教育委員会として是認できない」と答弁。両条例案はともに維新以外の全会派の反対で否決されました。

「民意ではない」

　昨年３月には、堺市を廃止・分割する「大阪都」構想を進めるための「府市協議会設置条例案」が維新・公明以外の反対で否決されました。維新は当初、竹山修身市長に提出を求めていましたが、竹山氏が「堺市の分割は民意ではない」ときっぱり拒否したため、維新が議員提案したものでした。

　昨年６月の審議では、維新市議から「（市職員の人事評価は）職員の思想・信条、仕事の進め方を統一するとか…そういったことが重要な目的でなくてはならないんじゃないか」という発言が飛び出したこともあります。これは竹山市長に「職員の思想・信条を統一せんとあかんというふうなこと言ったらえらいことになる」「それはあかんのですよ」と一蹴されました。

橋下氏流の詭弁

　今年６月、堺市議会に日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題に関する暴言に抗議し、橋下氏らの公職辞任を求める決議案が共同提案されると、維新市議は「慰安婦制度が当時は必要だったと表現することがなぜ人権侵害なのか。事実を必要だという表現に変えているだけだ」などと橋下氏流の詭弁（きべん）に終始しました。

　他会派の市議からは「言葉のすりかえのような話をしていても、ここでは問題にならない」「都議選にも結果はあらわれている」と批判の声があがり、決議案は賛成多数で可決されました。

　ところが維新はそれに懲りずに８月２１日の市議会運営委員会に、今度は日本政府に対し米国内の「慰安婦」像の撤去を要求するよう求める決議案を提案。碑の建設を「反日運動」と決めつけ、自分たちの言動を省みることなく、決議案には「米国で展開されている歴史認識は事実を大きく歪曲（わいきょく）している」などと記述しています。

　（北野ひろみ）

( ２０１３年０８月２９日，「赤旗」）

埼玉県平和資料館リニューアルの課題は／埼玉県平和委員会事務局長二橋元長さんに聞く

県民の声聞き充実・発展を／知事はＰＫＯ活動の展示要求

　今年開館２０周年を迎えた埼玉県平和資料館は、現在大規模なリニューアルのため休館中で、１０月半ばにオープン予定となっています。同館の現状と課題について、埼玉県平和委員会の二橋元長事務局長に聞きました。

　（埼玉県・藤中陽美）

　埼玉県平和資料館は、「平和のための埼玉の戦争展｣(１９８４年初開催）など平和を願う多くの県民の声や運動を背景に、１９９３年８月にオープンした全国的にも数少ない県立の平和資料館です。県民の平和への思いが詰まった宝ともいうべき施設です。

管理の一部を民間委託

　しかし、今年４月１日から、管理の一部が指定管理者のもとに置かれ、民間委託されました。あわせていま、開館２０年を記念したリニューアル工事や展示替えを理由に、１０月半ばまで休館となっています。

　問題は、リニューアル工事や展示替えの内容を、県が県民には一切説明していないことです。上田清司知事が「ＰＫＯ活動やＪＩＣＡとか、青年海外協力隊の活動などの平和創造活動の展示もやられるべきだ」（知事会見・２０１２年１０月１７日）と公言したこともあり、県民の間に、自衛隊の海外での活動を「戦後日本の平和国際貢献」などとする展示が行われるのではとの危惧も広がっています。

運営協を一方的廃止に

　今回のリニューアル工事、展示替えでは、計画段階に専門家の意見を取り入れることも、県民の声を反映させるための公聴会やパブリック・コメントも実施していません。

　そればかりか、開館以来、館長の諮問機関として、学識経験者や戦争体験者をはじめ県内各分野から選出された委員で構成する運営協議会（１４人）を６月末には一方的に廃止し、わずか７人の委員によるアドバイザリーボードに改編してしまいました。

　上田知事は０６年６月の埼玉県議会で、「慰安婦はいたが、従軍慰安婦はいなかった」「平和資料館の年表を見ても、間違った記述があるので修正しなくてはいけない」と述べました。

　この知事発言後の０７年１１月、同館入り口にある「昭和史年表」では、１９９１（平成３）年の「従軍慰安婦問題など日本の戦争責任論議多発」の表記から「従軍」の文字が削られ、「戦時中の『慰安婦』問題など…」と、変更されてしまったのです。

知事意向で展示変更も

　専門家のアドバイスも受けず、知事の意向をそんたくして、庁内だけで展示内容が変更されるようでは、知事が変わるたびに展示内容が変えられることにもなりかねません。埼玉県平和資料館の設立趣旨である「県民に戦争の悲惨さおよび平和の尊さを伝えることにより、県民の平和に対する意識の高揚を図り、もって平和な社会の発展に寄与する」が損なわれる恐れがあり、見過ごせません。

　私たちはいま、埼玉県平和資料館の充実・発展をめざしてリニューアルや展示替えの進捗（しんちょく）状況を情報公開し、公聴会やパブリック・コメントを実施することなどを求めて、署名や「一言ハガキ運動」に取り組んでいます。ご支援・ご協力を心からよびかけます。

(２０１３年０８月２８日，「赤旗」）

論壇時評／宮沢毅／戦後史に逆行首相の侵略戦争無反省

　終戦の日の政府式典で安倍晋三首相は最近２０年間歴代首相が言及し続けたアジア諸国への「反省」を一切口にせず、侵略戦争肯定の姿勢を鮮明にしました。

「村山談話」の起案者が語る

　侵略戦争と植民地支配に反省を表明した１９９５年の「村山富市首相談話」案文を内閣外政審議室長として起案した谷野作太郎（元駐インド・中国大使）「『歴史』を正しく語り継ぎ、より確かな未来につなげていくこと」（『世界』）は、自民党を含む当時の連立政権内で「厳しい精査」を受け閣議決定された経過を語り、「談話」は村山氏個人の感慨ではなく「戦後五〇周年にあたっての日本国総理大臣談話」と位置づけられると強調。安倍首相が執着する「村山談話見直し」が、戦後史の到達点を踏みにじる��逆行�≠ﾅあることを明らかにしています。

　また「日本軍が行なった罪深い行為」は当事者の証言などから否定できないと述べ、「過去」を知る作業を「自虐」と決めつける風潮に異議を唱えます。長くアジア外交の現場に身を置いた同氏の歴史歪曲を戒める言葉は、世界に通用しない安倍首相らの歴史認識への批判となっています。

　佐藤健生（拓殖大学教授）「東京はワイマールではない」（『世界』）は、政治家が率先して過去と向き合ってきたドイツは「ナチス『第三帝国』とは異なる国」だという証を繰り返し立ててきたが、日本は「『大日本帝国』とは異なる日本国の証を立てること」に失敗したと強調します。「繰り返される政治家の失言放言に加え」、「証そのものであったはずの平和憲法」を変えようとする動きは「自ら大切な証を放棄」するものであり、侵略戦争肯定と改憲策動が一体のものとしてとらえられ、海外から日本の進路に警戒の目が向けられていると指摘します。

　林博史（関東学院大学教授）「安倍首相・橋下市長の日本軍『慰安婦』発言はどこがまちがっているのか」（『前衛』）は、当時の軍慰安所の実態や諸外国の「軍隊と性管理」を具体的事実で示し、「強制はなかった」などとする正当化論が成り立つ余地のない、世界に通用しない議論であることを示します。

消費税大増税不当さを突く

　安倍首相の消費税増税実施の決断時期が迫るなか、『文芸春秋』が特集「日本の税金　失われた１５年」を組んでいます。その中の座談会「消費税の核心〜いつ、どこまで上がるのか」では野田毅・自民党税調会長らの増税必要論にたいし、岩本沙弓・大阪経済大学客員教授が消費税増税は「購買意欲を縮小させる」と警告、「不公平・大企業優遇」と批判します。さらに税のあり方について「市場競争を良しとする財界」が法人税減税を唱えているが、「競争原理に基づくなら、持っている人が税を払うことがより意識されるべき」だと応能負担を強調し、所得税や法人税の比率引き上げを求めます。

　来年４月の消費税増税中止を唱える富岡幸雄（中央大学名誉教授）「法人税を下げる前に企業長者番付の復活を」も、消費税増税とセットの法人税率引き下げの不当さを告発します。同氏試算の「実効税負担率」では、みずほ銀行０・５％、三井物産５・５％、トヨタ自動車２７・１％など軒並み「法定正味税率」（現在３８・０１％）を下回ります。同氏は、外国子会社収益にほとんど税金がかからない制度や、課税所得を減らす「巨額な内部留保」といえる準備金や積立金の仕組みをフルに使って大企業が税負担逃れに走る実態を解明します。

　「自分の企業さえ儲かれば、日本経済が空洞化しても関係ない」という大企業経営者の姿勢を批判。「企業の社会的責任」とは「黒字を出して雇用とともに、より多くの税金を国に納め」「国民の福祉などに貢献する」ことであり、それが「社会の公器たる企業のあるべき姿」だという提起は重要です。

　国民に負担を迫る一方で大企業を不当に優遇する「アベノミクス」のゆがんだ実態を、社会のあり方として問う論考は注目されます。

　（みやざわ・たけし）

今月の動向（編集部）

　「新聞エンマ帖」（『文芸春秋』）は、「赤旗」がスクープした自民党が日本建設業連合会に４億７１００万円の献金請求書を送りつけた問題を取り上げ「『政策を金で売る最悪の利権政治』という赤旗の主張には十分な説得力があり、報道価値もあったはず」なのに扱いが小さかった大手紙を批判。「こうした情報こそ有権者が投票するための情報として必要なのではないか」と指摘しています。

( ２０１３年０８月２８日，「赤旗」）

京都に息づく朝鮮文化／穀田氏、企画展を鑑賞

　朝鮮半島の美術工芸品を紹介する高麗美術館（京都市北区）で、京都に息づく朝鮮文化をテーマにした企画展が開催されています。

　弥生時代から交流があったことを示す出土品をはじめ青磁、白磁の器、祇園祭の懸装品（けそうひん）や西陣織の由来となる織物など、８０点を超える文物が展示されています。

　２４日には、日本共産党の穀田恵二国対委員長・衆院議員が訪れ、同美術館研究員の山本俊介さんの案内で鑑賞してまわりました。

　穀田議員は、日本共産党が、「朝鮮王朝儀軌（ぎき）」など文化財の返還や「慰安婦」問題の解決にむけた取り組みを通して、韓国と交流を深めていることを紹介し、「京都との古くからの交流をうかがわせる品々で興味深いです」と話していました。

　企画展「朝鮮文化と京都」は１０月１４日まで。

(２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

日本軍「慰安婦」問題／問われる橋下市長／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／下

日本軍・日本政府の責任について

１　貴殿は、外国特派員協会で配布した｢私の認識と見解｣（２０１３年５月２７日）の中で、また、７月２６日付回答で「第二次世界大戦前から大戦中にかけて、日本兵が「慰安婦」を利用したことは、女性の尊厳と人権を蹂躙（じゅうりん）する、決して許されないものであることはいうまでもありません」と述べている。これは、女性の名誉と尊厳を侵害し人権を蹂躙した主体は日本軍ではなく、慰安所に通った個々の日本兵であるとするもので、性奴隷制としての「慰安婦」制度を組織的につくった日本軍の責任を免責し、個々の兵士に責任を押し付けるものではないか。

２　貴殿は、７月２６日付回答で、「日本兵が女性の人権を蹂躙したことについては痛切に反省し、慰安婦の方々には謝罪しなければなりません」と述べ、さらに「第二次世界大戦中のアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍、ドイツ軍、旧ソ連軍その他の軍においても、そして朝鮮戦争やベトナム戦争における韓国軍においても、この問題は存在しました」と述べている。これは、各国軍の個々の兵士の責任を問う議論ではないか。

　また、第２次世界大戦中のドイツ軍を別にすれば、慰安所を軍の施設として組織的かつ大規模に設置し、中央がそれを公認し、女性たちを自らまたは業者を使って集めた軍はないのではないか。このような見解は、日本軍と日本政府の責任を否定ないしあいまいにすることになるのではないか。

３　貴殿は、外国特派員協会で、「韓国の方は、この河野談話をもって、日本が拉致、人身売買したと理解をしています。しかし、日本の多くの歴史学者や多くの政治家は、これは日本国家がやった訳ではなく、民間業者だという主張、このような主張をする歴史学者や政治家も多いのです」と述べているが、多くの歴史学者とは、だれのことか。そのような歴史学者の名前を数多くあげることができるか。

　戦地・占領地で軍が略取や誘拐等を行った事実は明らかになっているのではないか。

　植民地では業者が誘拐・人身売買等により女性たちを連行したことも明らかになっているのではないか。この業者は、軍・官憲によって選定された者であり、身分的には無給軍属または軍従属者であって、純粋の民間人とはいえないのではないか。また、誘拐・人身売買等で連れて来られた女性たちは軍の施設である慰安所で被害にあったのではないか。

４　中国やフィリピンやインドネシアで、軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行があったことは、第１次公開質問状で明らかだが、このような連行は例外的ではなく、また、責任者は日本軍によって処罰されていないのではないか。

　従って、暴行・脅迫を用いた連行を行った個々の軍人・官憲にだけ責任があり、日本軍には責任がない、とはとうてい言えないのではないか。

５　貴殿は、「日本は過去の過ちを真摯（しんし）に反省し、慰安婦の方々には誠実な謝罪とお詫（わ）びを行うとともに、未来においてこのような悲劇を二度と繰り返さない決意をしなければなりません」「日本人は、旧日本兵が慰安婦を利用したことを直視し、真摯に反省、謝罪すべき立場にある」と述べているが、問題を起こした主体は日本軍であり、反省と謝罪をすべき主体は日本政府である、となぜ明言しないのか。

　（おわり）

( ２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

訪韓／笠井議員に聞く／上／「慰安婦」被害者、進む高齢化／日本共産党のメッセージに大きな拍手

　日本軍「慰安婦」の被害者が共同生活を送る「ナヌムの家」（京畿道・広州市）―。この設立２１周年を祝う記念式典に参加するため、日本共産党の笠井亮衆院議員は８月９〜１２日、韓国を訪問しました。滞在中、韓国の国会議員や各界の人々と交流した同議員に、歴史認識や「慰安婦」問題解決への展望、寄せられた党への期待について聞きました。

　（聞き手　島崎桂）

「慰安婦」被害者、進む高齢化／賠償は急務

　昨年１０月、「ナヌムの家」から日本の全ての国会議員に対し、「被害者の話を聞いてほしい」との招待がありました。これにこたえたのは、日本共産党だけで、私が代表して訪れて、被害者の話を聞くことができました。そのような経緯から、今年２１周年を迎えた「ナヌムの家」と、併設する「日本軍『慰安婦』歴史館」１５周年の記念式典に、日本からの来賓として日本共産党が招かれました。

　２度目の訪問で改めて痛感したのは、「慰安婦」問題解決の緊急性です。記念式典（１０日）が開かれた翌日、「ナヌムの家」で暮らしたハルモニ（おばあさん）の一人、李容女さんが亡くなったとの悲しい知らせを受けました。

　１９２６年生まれの李さんは戦中、１６歳の時にミャンマーで「慰安婦」としての生活を強いられました。８７歳で亡くなるまで、「ナヌムの家」と息子の家を行き来する活動的なハルモニだったといいます。

　いま、被害者たちの高齢化が進んでいます。昨年、初訪問した際、ハルモニたちから「私たちのような被害者を二度と生んでほしくない」「日本政府の心からの謝罪を聞くまでは死ねない」との悲痛な訴えが寄せられました。

　日本政府は、被害に遭った方々が生きておられる間にこそ謝罪と賠償を行うべきです。寄せられた被害者の思いに背を向けることは、日本が過去の歴史を清算する機会を失うことにもなりかねません。

　１９６５年の日韓請求権協定は、協定の解釈および実施に関する両国間の紛争がある場合、「まず外交上の経路を通じて解決するものとする」としています。

　日本共産党は、日本政府に対し、この協定に基づき、韓国政府が求めている政府間協議に早急かつ誠実に応じるよう求めています。

　理性的に、大義に立って問題解決を提起する党の立場は、多くの共感を呼びました。１２日にソウルの韓国国会で行った韓明淑元首相、金相姫女性家族委員長との会談で、金委員長は「外交委員長にも紹介する」とのべました。

日本共産党のメッセージに大きな拍手

　日本政府は、６５年の協定で「請求権の問題は解決済み」として、そのとき持ち出されなかった「慰安婦」問題に関する協議に応じる姿勢を示していません。

　しかし、日本軍「慰安婦」問題が、被害者の告発で明らかとなり、政治問題化したのは、９０年代以降のことであり、「解決済み」との主張は成り立ちません。

　なぜ９０年代になって初めて「慰安婦」被害の実態が明らかになったのか｡野党･民主党の李洛淵議員は「女性として、若いときにはとても言えなかったから」「家族もおり、貞節を重んじる国では口外できなかった」と理由を説明していました。

　日本でも、原爆被爆者のなかには、みずから被爆した事実を、さまざまな差別、子どもたちの結婚や孫への影響を恐れ、戦後長い間公表できなかった人たちがたくさんいた。広島で被爆した私の母もそうだったと応じました。

　侵略戦争と植民地支配によって、どれだけ多くの人生を狂わせたか。韓国でも親族間や社会での差別に対する不安や恐れから、被害者の方々が「慰安婦」としての生活を強いられた事実を明らかにできず、ようやく９０年代になって初めて、重い口を開くことができた。日本政府は、その苦悩と思いをしっかり受け止めるべきです。

　記念式典では、志位和夫委員長のメッセージを代読し「日本が、歴史に誠実に向き合い、誤りを真摯に認め、清算をおこなってこそ、末永く日韓両国民の心通う友情を築いていくことができると確信しています」と伝えました。私自身もあいさつで、昨年の訪問後、テレビ討論で橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）に直接、「慰安婦」問題発言の撤回と謝罪、市長の辞任を求め、国会では岸田文雄外相に、「慰安婦」問題解決を迫ったことを紹介しました。

　志位委員長のメッセージに、式典参加の韓国国会議員や地元市長、青年ら３００人から大きな拍手が起こり、再会したハルモニたちからは「また来てくれてありがとう」など歓迎の声が寄せられました。

　２０１５年は、日韓国交正常化５０周年です。この節目を両国の友好関係の中で祝うためにも、「慰安婦」問題の早期解決は不可欠です。

　(つづく)

( ２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

ニコン「慰安婦」写真展中止裁判／原告「表現の自由守る」／口頭弁論

　戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」を題材にした写真展が昨年６月、会場を運営するニコンから急きょ、中止が通告された問題で、原告で韓国人写真家の安世鴻（アン・セホン）さん＝名古屋市＝が同社に損害賠償と、写真展中止の明確な理由を求める裁判の第３回口頭弁論が２６日、東京地裁（志田原信三裁判長）で行われました。

　東澤靖弁護団長は法廷で、わずか１日で中止が決定した社内会議の議事録を提出するようニコン側に求めました。

　報告集会で李春熙（リ・チュニ）弁護士は、過去にニコンサロンでは、植民地支配や東京大空襲などの社会的な問題を取り扱った写真展が開催されており、今回ニコンが主張している、「世論を二分する事柄について一方の意見を推進する活動を支援することはできない」という中止理由は、これまでの姿勢と矛盾すると指摘。「題材によって差別されることは認められない」と話しました。

　安さんは、漫画「はだしのゲン」の閲覧規制にふれ「表現の場が奪われる事例が起きました。真実を伝えていきたい。表現者として表現の自由を守るためたたかいます」とのべました。

( ２０１３年０８月２７日，「赤旗」）

日本軍「慰安婦」問題／中央大学・吉見義明教授の第２次公開質問状から／抜粋／上

国家の意思としての拉致・人身売買という新しい論点について

１　貴殿は、本年５月２７日の日本外国特派員協会での会見において、「２００７年の閣議決定、日本政府の見解では、国家の意思としての拉致、国家の意思としての人身売買を裏付ける証拠はなかったという日本政府の見解が出ております」と述べている。また、７月２６日付回答では、「もし、日本だけが非難される理由が、戦時中、国家の意思として女性を拉致した、国家の意思として女性を売買したということがあるのであれば、それは事実と異なります」と述べている。

　ここで言われている「国家の意思としての拉致、国家の意思としての人身売買」とはどういう意味か。

　また、「国家の意思としての拉致、国家の意思としての人身売買を裏付ける証拠はなかったという日本政府の見解」が出ているというのは、間違いではないか。同年３月１６日の政府答弁書（内閣衆質１６６第１１０号）では、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」と述べているだけではないか。

２　日本外国特派員協会での会見で、貴殿は、「国家の意思として組織的に女性を拉致した、国家の意思として組織的に女性を人身売買した、この点を裏付ける証拠はありませんし、この事実について認めていないというのが日本の立場だと考えております」と述べているが、国家の意思としての組織的拉致、国家の意思としての組織的人身売買とは、どのようなことか。また、日本政府は、いつこのような見解を述べているか。

　貴殿はこれまで、「慰安婦という人たちが軍に暴行・脅迫を受けて連れて来られたという、その証拠がない」（２０１２年８月２１日の記者会見）と主張していたのではないか。いつから、また、なぜ、あなたはこのように見解を変えたのか。

３　（略）

　（つづく）

( ２０１３年０８月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題／公開質問状の回答期限迫る／問われる橋下市長

　日本軍「慰安婦」問題での発言をめぐって、吉見義明・中央大学教授が２回にわたって橋下徹大阪市長に発言の撤回と謝罪を求めた公開質問状の回答期限３０日が迫っています。

　この問題は、橋下氏が昨年８月の記者会見で、「慰安婦」問題に関連して吉見氏が「強制連行という事実はなかった」と語っているかのように発言したことについて、吉見氏が「私の研究の根幹を否定し名誉を毀損（きそん）するもの」として撤回と謝罪を求めているものです。

　同時に質問状は、「慰安婦」問題をめぐる論点、とりわけ「強制性」をめぐる安倍政権や橋下氏の主張に共通する議論にたいし、歴史の事実と証拠を示して橋下氏の認識を問うものとなっています。

　１回目の質問状（６月４日付)にたいし､橋下氏は回答期限(７月５日)を大幅に越えた７月２６日に吉見氏側に回答を寄せました。これに対し吉見氏は、橋下氏の｢慰安婦｣問題に関する「基本的な考え方」をのべたもので「公開質問状に対する回答になっていない」として、同２９日付で第２次の質問状を送付し、８月３０日までに回答を求めました。

　第２次公開質問状のうち、７月２６日付回答などで橋下氏が持ち出した「国家の意思としての拉致・人身売買」など新たな論点や主張に関する質問部分を紹介します。（第１次質問状の要旨は２０〜２２日付で掲載）

( ２０１３年０８月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国外相「首脳会談が開けず残念」

　【ソウル＝時事】民主党の前原誠司元外相は２３日、訪問先のソウルで韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相と会談しました。前原氏によると、尹外相は「（日韓）首脳会談が開けないのは極めて残念」と強調。その上で、朴槿恵（パク・クネ）大統領は原則を重んじ、その一つが歴史認識だと述べ、会談実現には歴史問題をめぐる日本政府の前向きな対応が必要との考えを示しました。

　尹外相は従軍慰安婦問題について、元慰安婦が高齢となっており、時機を逸すれば禍根が残るとして速やかな解決を呼び掛けました。

　前原氏は民間対話「日韓フォーラム」出席のために訪韓。２３日の記者会見で「知日派の人たちから、予想以上に日本への（韓国の）世論が厳しいと伝えられ、ショックだった」と語りました。

( ２０１３年０８月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

２５

メディアをよむ／川口彩子／歴史的事実隠しに批判を

　松江市教育委員会が市立小中学校図書館での「はだしのゲン」閲覧を制限したことが報道され、抗議の声が高まっている。市教委は､｢歴史認識の問題ではなく、あくまで過激な描写が子どもにふさわしくないとの判断だ」と説明する。しかしそれは、毎日新聞２０日付社説に言うとおり「作品に残酷な描写があるのは、戦争や原爆そのものが残酷であり、それを表現しているからだ」。

　日本軍が中国大陸等で働いた蛮行や、アメリカによる原爆投下の恐るべき加害行為を覆い隠してはならない。歴史的事実を子どもたちに伝えること、それが教育にとって最も大切なことだろう。

　実教出版社の高校日本史教科書のこんな記述も問題になっている。

　「国旗・国歌法をめぐっては､日の丸･君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに､思想･良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保護するかが議論となった。政府はこの法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある」

　これも事実を記述したものだ｡ところが､これを理由に､東京都､神奈川県、大阪府の各教育委員会は、各学校で日本史の教科書を選択する際、実教出版社の教科書を選ばないよう圧力をかけた。その結果、これまで実教出版社の教科書を使っていた学校も、今年は別の教科書を選択することとなり、実教出版社教科書を選択する県立学校はゼロとなった。

　歴史的事実を隠そうという動きは、安倍政権になってから顕著だ。植民地支配､侵略､慰安婦問題、南京大虐殺等々の事実を認めてこそ、日本国民が「国際社会において、名誉ある地位を占め」る、出発点とすることができる。メディアは歴史的事実を踏まえ、安倍政権のもとで進められている危険な動きに厳しく批判を加えてほしい｡

　（かわぐち・あやこ＝弁護士）

(２０１３年０８月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国で聞いた「頼りは日本共産党」／党衆院議員笠井亮さんが語る／「ナヌムの家」など訪問

　日本共産党の笠井亮衆院議員が８月９〜１２日、韓国を訪問しました。招待を受け、日本軍「慰安婦」被害者が暮らす「ナヌムの家」（京畿道・広州市）を訪ねるとともに、韓国各界の人々と交流するためです。日本共産党への信頼と期待が表明された今回の訪問について笠井議員に聞きました。

「慰安婦」問題解決は急務―ハルモニらと思い一つに

　「ナヌムの家」を訪ねるのは昨年１０月に続いて２回目です。元「慰安婦」のハルモニ（おばあさん）たちは「また来てくれてありがとう」「元気でしたか？」と、大歓迎してくれ、抱き合って再会を喜びました。

　昨年の訪問は、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）らが「慰安婦」問題での日本軍による強制性を否定したのに対し、「ナヌムの家」の安信権（アン・シングォン）所長が「ぜひ被害者の話を聞いてほしい」と、日本の全国会議員ら７２４人に招待状を送ったのがきっかけでした。これに応えて実際に訪問したのは、日本共産党を代表した私だけでした。

　こうした経過があったので、今年、「ナヌムの家」設立２１周年と、併設する「日本軍『慰安婦』歴史館」開館１５周年を記念する式典に、日本共産党の志位和夫委員長と私に招待状が届いたのです。志位さんは党創立記念講演会と重なって訪韓できないため、私が代表して出席しました。

　式典当日の１０日は激しい雷雨。ハルモニは「この雨は私たちの怒りの涙だ」といいました。

　韓国の国会議員、政府関係者、地元市長をはじめ３００人を前に、日本から唯一の来賓としてあいさつに立った私は、志位委員長のメッセージを代読しました。

　「『慰安婦』問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題です。解決のためには、日本政府としてこの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です」とのべ、「日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるため、全力をつくす」と表明しました。大きな拍手でした。

　私も今年５月、テレビ討論で橋下大阪市長に直接、「慰安婦」発言の撤回と謝罪を求めたことや、国会で岸田文雄外相に日韓請求権協定に基づく韓国との政府間協議（注）に応じるべきだと追及したことを紹介、今後も全力を尽くす決意をのべました。

　こうした日本共産党の立場は大変大きな共感を呼びました。

　「ナヌムの家」後援会長である与党セヌリ党の李翰成（イ・ハンソン）国会議員は来賓あいさつで「日本に歴史認識を共有できる理性的・良心的勢力がいることは大変うれしい」と語り、私と固い握手を交わしました。

　「ナヌムの家」代表理事の宋月珠（ソン・ウォルジュ）大僧正は冒頭のあいさつで、私が昨年の訪問で、慰安婦問題での「謝罪と賠償」に言及し、「（日本への）韓国併合は不法・不当」とのべたことを詳しく紹介しました。宋さんは式典後の懇談で私に話しかけてきて、「日本共産党は暴力革命ではなく選挙で議会を通じて政権を目指す党ですね」「ソ連・中国とは違うんですね」といい、党の路線に大いに注目してくれました。

　１２日にはソウルの韓国国会で韓明淑（ハン・ミョンスク）元首相、金相姫（キム・サンヒ）女性家族委員長と会談し、「慰安婦」問題解決のため、力を尽くしあうことを確認しました。

「歴史の逆流を許さない」―住職、議員らと意見交流

　今回、ソウルから車で４時間の江原道五台山にある月精寺も訪ねました。月精寺は緑豊かな国立公園のなかにあり、真夏でも気温は２４〜２５度と涼しいところです。

　ここは「朝鮮王朝儀軌（ぎき）」のふるさとと呼ばれています。儀軌とは朝鮮王朝の国家行事を記した韓国の貴重な文化財で、植民地時代、この地から日本が持ち去りました。その後、関係者の運動と日本共産党の努力で一昨年１２月、返還が完了しました。

　儀軌返還問題を通じて、月精寺の正念（ジョンニョム）住職とは旧知の間柄です。

　正念住職とは原発問題でも話し合いました。「韓国でも原発への不安は強い。今こそ韓日中で太陽光発電や風力発電などを共同事業でやるべきなのに、関係がうまくいっていないのはいかがなものか」と憂慮していました。また、「資本主義社会は、自分の利益が何より大事。他人を犠牲にしても自分の利益を得ようとする。だが人というものは本来��空�≠ﾅある。人と人とが協力し合って共に生きるという��相生�＝iサンセン）が本当の社会だ」と語り、未来社会論でも相通じるものがありました。

　志位委員長の韓国語版著書『いま、日本共産党』を差し上げたところ、目次をぱらぱらとみては、「��対米従属の異常�＝\これは韓国も同じ。��極端な大企業中心主義�＝\これも韓国と同じだ」と話し、大いに盛り上がりました。

　ソウルでは韓日議連の国会議員らとも意見交換しました。

　野党・民主党の李洛淵（イ・ナギョン）国会議員は「いまは国交正常化以降、最悪の日韓関係」「中国、アメリカもからんで東アジアが難しい情勢だからこそ、日中韓はケンカすべきではない。なのに、安倍晋三首相には戦略がない。中国に対抗し、アメリカさえあればいいというのはおかしい」と話しました。

　他方で、参院選での日本共産党の躍進を喜び、「頼りは日本共産党と一部学者グループだけだ。あなた方の責任は大きい」との期待がどこでも寄せられました。

　「日本国民は右傾化しているのでは」と一色に見ていた議員もいました｡私が｢国民の中には歴史の逆流に対する強い理性的批判の声が広がっている。それは参院選での日本共産党の躍進にも示されている」と説明すると､得心したようでした｡

　２００６年の志位委員長訪韓以来、党として、儀軌問題、日韓議連加盟、大統領就任式出席と韓国との交流を積み重ねてきました。今回の訪問を通じ、また一歩、日本共産党への理解と信頼が広がったことを実感しました。

　聞き手　北村隆志記者

　

　（注）韓国政府は日本軍「慰安婦」被害者の賠償請求権に関して、政府間協議を繰り返し求めていますが、日本政府は一貫して応じていません。日本共産党は１９６５年の日韓請求権協定の規定に従って、協議に早急かつ誠実に応じるべきだと主張しています。

(２０１３年０８月２５日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」／橋下氏、開き直り書簡／米市議会の非難決議に

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は２２日、日本軍「慰安婦」をめぐる自らの発言について米サンフランシスコ市議会が６月に採択した非難決議が「��誤報�≠ﾉよる誤解や事実誤認に基づいている」などとして同市議会に撤回を求める公開書簡を送ったことを明らかにしました。

　橋下氏は、市役所での会見で「世界では戦地・紛争地における女性への人権蹂躙（じゅうりん）行為はいまだおさまる気配はない。これは（こうした問題が）日本だけの問題ではなく世界各国に共通する問題だという認識が乏しいからだ。世界各国が日本だけの問題として誇張した非難をしていくことは世界のためにならない」などと発言しました。

　第２次大戦中、国家が組織的に性奴隷制度をつくったのは、大日本帝国とナチス・ドイツしかありません。橋下氏の発言は、戦時性暴力を根絶していくためにこそ世界が「慰安婦」問題の未解決を問題にしている現状からも目をそらすものです。

( ２０１３年０８月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

国民の願い胸に／参院議員井上哲士／韓国のテレビ取材に驚き

　韓国の民間テレビＭＢＣから２０日、取材をうけました。日曜日放送番組の時事問題コーナーで放映したいとのことで、議員会館で通訳を介してのインタビューです。

　最初に「なぜ、私に申し込まれたのですか？」と聞くと、５月の予算委員会で、維新の会共同代表の橋下徹氏の慰安婦発言に対する安倍総理の認識をただした私の質問が韓国で何度も放映されたのを見たからとのこと。韓国で流されていたなど知らなかったのでまずびっくり。

　さらに「各党にインタビューされるのですか」と聞くと「井上議員と自民党の議員だけです」と返事があり。もう一度びっくり。韓国から見ても日本の政界は自共対決が鮮明になっているようです。

　インタビューでは、８・１５式典での安倍総理の式辞で戦争への反省や不戦の誓いが欠落したことをどう見るか、なぜ日本の右傾化が進んでいるのかなどについて問われました。

　私は、憲法９条の改悪や集団的自衛権行使の動きを強めている安倍内閣は極めて危険であり、その土台には侵略戦争への反省という戦後国際政治の出発点を否定する歴史認識があり、国際社会で孤立するものだと指摘。

　同時に、国会では自民党が多数を占めたが、国民は右寄り路線を支持したわけではなく、世論調査でも憲法９条守れは過半数であることなどお話ししました。

　日本のマスコミも韓国の一部の過激な動きばかりを大きく報道する傾向があります。両国の国民世論や政治状況を正確に伝えてほしいとお願いしました。

(２０１３年０８月２２日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／中

第３　当時の国際法に照らした評価について

　日本は、当時「醜業を行わしむる為の婦女売買取締に関する国際協定」（１９０４年）、「醜業を行わしむる為の婦女売買禁止に関する国際条約」（１９１０年）、「婦人及児童の売買禁止に関する国際条約」（１９２１年）に加入しており、�@満２１歳未満の女性を売春目的で勧誘・誘因・拐去した者は女性の承諾があった場合でも処罰すること、�A満２１歳以上の女性を売春目的で詐欺、暴行、脅迫、権力乱用その他一切の強制手段で勧誘・誘因・拐去した者は処罰すること、という義務を負っていました。

　また、強制労働に関する条約（ＩＬＯ２９号条約）にも加入しており、女性に対するいかなる強制労働をも禁止すべき条約上の義務を負っていました。当時、朝鮮・台湾からは満２１歳未満の女性たちが数多く帝国外の慰安所に入れられています。

あなたは、日本政府がこれらの国際条約上の義務に反したことを認めますか。

第４　日本軍「慰安婦」制度と公娼制度との関係について

１　あなたは、慰安婦にされた女性は公娼であって、官憲が直接暴行・脅迫を用いて連行したのでなければ、慰安所に女性たちを入れたことについて政府に責任はないと述べておられます。

（１）当時、公娼制度においても自由廃業の規定があり、意に反する性行為の強制は違法とされていましたが、あなたはこのことを知っていますか。

（２）公娼制度の実態をみると、女性は居住の自由がなく、外出の自由も１９３３年までは認められず、自由廃業の規定があったにもかかわらず、前借金に縛られて廃業することができませんでしたが、あなたはこのことを知っていますか。

（３）（２）の実態は、当時においても違法といえるのではありませんか。

２　軍慰安所において拒否することができずに性行為を強制されていたことは、当時の規範に照らしても許されないのではありませんか。

第５　軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行

１　あなたは、本件書簡において、インドネシアのスマランで軍・官憲が暴行・脅迫を用いた連行（略取）によりオランダ人女性を慰安所に入れたことを認めておられますが、これは軍・官憲による強制連行ではありませんか。

２　オランダ政府の報告書によれば、上記のスマラン事件以外に、ブロラでの軍による略取（監禁・レイプ）、１９４４年１月のマゲラン事件、同年４月のスマラン・フロレス事件、１９４３年８月のシトボンド事件など８件の軍・官憲による略取（未遂を含む）が挙げられていますが、あなたはこれを知っていますか。

３　また、白人女性ではなく、インドネシア人女性の軍・官憲による略取については、アンボン島で、海軍が「慰安婦狩り」を行ったという元主計将校、坂部康正さんの証言、サパロワ島で民政警察が強制的に連行したという禾晴道（のぎ・はるみち）さんの証言、モア島で地元の女性を強制的に慰安所に入れたという、極東国際軍事裁判の証拠記録（オハラ・セイダイ陸軍中尉の証言）などがありますが、あなたはこのような証言があることを知っていますか。

４　日本の裁判所は、中国の山西省と海南島で、軍が暴行・脅迫を用いて女性たちを連行した事実に関して、たとえば、「日本軍構成員によって、駐屯地近くに住む中国人女性（少女も含む）を強制的に拉致・連行して強姦し、監禁状態にして連日強姦を繰り返す行為、いわゆる慰安婦状態にする事件があった」と認定しています（中国人第１次裁判東京高裁判決・２００４年１２月１５日）。これ以外にも、軍による暴行・脅迫を用いた連行の事実を認定していますが、あなたは日本の裁判所がこのような事実認定をしていることを知っていますか。

５　上記に照らせば、日本軍が暴行・脅迫を用いて女性たちを連行した多数の事実が認められているのではありませんか。（つづく）

( ２０１３年０８月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争はごめん／婦団連がつどい

　日本婦人団体連合会（婦団連）は２０日、東京都内で「２０１３年　戦争はごめん　女性のつどい」を開き、８０人が参加しました。

　主催者あいさつした堀江ゆり会長は、アメリカのベトナム侵略戦争に反対する集会として１９６７年から続けてきた歴史を振り返り、未解決の日本軍「慰安婦」被害を告発。「戦争はごめんだと言い続けなければならない。改憲をねらう安倍政権に対抗して、講演と交流を糧に憲法を守る運動を大きく広げ、仲間を増やそう」と語りました。

　青井未帆学習院大学法務研究科教授が「憲法９条、２４条…平和と女性の人権守る日本・世界を」と題して講演しました。

　当日から販売が開始された『女性白書２０１３―今、女性にとって家族とは』が紹介されました。

　千葉県松戸市から参加した全労働省労働組合の浜野五月さん（４５）は「憲法を変えさせてはならないと未来ある子どもを育てる女性が声をあげていきたい。労働省は戦争のための軍需工場に学徒動員させていました。そんな仕事は二度としたくはありません」と話していました。

( ２０１３年０８月２１日，「赤旗」）（Page/Top）

２０

愛媛革新懇が総会／「改憲型新自由主義」と対決／二宮氏講演

　愛媛革新懇は１７日、砥部町の文化会館で２０１３年次総会と講演会を開き、１００人が参加。二宮厚美神戸大学名誉教授が講演し、安倍内閣の「改憲型新自由主義」とのたたかいの先頭に革新懇が立つようよびかけました。

　川原光明代表世話人が開会あいさつ。小倉誠一郎事務局長は「安倍政権の反動的暴走があらゆる分野で計画されることしは、国民的な共同闘争、一点共闘がきわめて大事になっている」と強調。各地でシンポジウムや学習会を開いて、安倍政権の暴走にストップをかける運動の発展に全力をあげようとよびかけました。

　二宮氏は「参院選後の安倍政権とアベノミクス」と題して講演。「改憲派は天皇制擁護と、太平洋戦争の侵略性の否定が特徴で、橋下氏の『慰安婦』発言のように、必ず暴走、ルール違反をする。その一瞬を見抜いて、果敢に反撃すれば、護憲に流れを変えることができるし、その先頭に立つのが革新懇だ」と呼びかけました。

　総会は、１６人の代表世話人と事務局長に小倉氏を選びました。

(２０１３年０８月２０日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題めぐる中央大学・吉見義明教授の橋下徹大阪市長への公開質問状／上

　いわゆる日本軍「慰安婦」問題をめぐり、中央大学の吉見義明教授が橋下徹大阪市長にたいし、６月と７月の２回にわたって公開質問状を提出しています。

　この質問状は、橋下氏が昨年８月の記者会見で、「慰安婦」について「強制連行という事実はなかった」とあたかも吉見氏が語ったかのように発言したことについて、事実無根だとして撤回と謝罪を求めたものです。７月２９日付の第２次公開質問状は今月３０日までの回答を求めています。

　一連の質問状では、２０年以上にわたる吉見氏の研究成果にたって、今日の「慰安婦」問題をめぐる議論の焦点と考え方が、事実と証拠をもって展開されています。軍や官憲による暴行・脅迫による連行は数多くあったこと、軍や政府が軍慰安所の設置・管理・運営・徴募に深く関与していたこと、慰安所で性行為を強要され居住・外出・廃業・拒否の自由のない軍「慰安婦」は性奴隷制であること、などです。

　安倍晋三首相らが「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった」と主張し、官憲と暴力による「狭義の強制」だけが問題であるかのように描き、軍「慰安婦」を正当化しようという言動を続けています。それがいかに歴史をゆがめる恥知らずな行為か―国民的反撃をひろげる素材として、６月４日付の第１次公開質問状（要旨）を紹介します。

公開質問状（要旨）

第１　日本軍「慰安婦」制度の実態について

１　在日韓国人の宋神道さんが提訴した裁判では、東京地裁は「原告は、その〔武昌の〕慰安所の営業許可直前、泣いて抗ったが、軍医による性病検査を受けさせられ、営業許可後は、意に沿わないまま従軍慰安婦として日本軍人の性行為の相手をさせられた。原告がいやになって逃げようとすると、そのたびに慰安所の帳場担当者らに捕まえられて連れ戻され、殴る蹴るなどの制裁を加えられたため、原告は否応なく軍人の相手を続けざるを得なかった」「原告らは、連日のように朝から晩まで軍人の相手をさせられた。殊（こと）に、日曜日はやってくる軍人の数が多く、また、通過部隊があるときは、とりわけ多数の軍人が訪れ、原告が相手をした人数が数十人に達することもあった」と事実認定をしています（１９９９年１０月１日、東京地裁判決）。また、この事件に関する東京高裁判決（２０００年１１月３０日）も判決文で本件事実認定を踏襲していますが、あなたはこれらの事実認定あるいはその他の裁判で被害者が自由を奪われ性行為を強要された旨の認定があることを知っていますか。

２　極東国際軍事裁判（いわゆる東京裁判）の判決は、「桂林を占領している間、日本軍は強姦（ごうかん）と掠奪（りゃくだつ）のようなあらゆる種類の残虐行為を犯した。工場を設立するという口実で、かれらは女工を募集した。こうして募集された婦女子に、日本軍隊のために醜業を強制した」と認定していますが、あなたはこのことを知っていますか。

３　上記の事例にみられるように、日本軍の慰安所に入れられた女性たちは、そこから逃げ出すことも、性行為を拒否することもできず、１日に数人から数十人を相手にしなければならなかったという事実をあなたは知っていますか。

４　日本軍「慰安婦」制度は、居住の自由、外出の自由、廃業の自由（自由廃業）、拒否する自由がない性奴隷制であり、女性たちは慰安所で軍人の性の相手を強制されたのではありませんか。

５　日本軍は、当時、軍慰安所を軍の施設として設置し、徴募・渡航の方法・条件の指示、軍慰安所規定の制定、監督・統制、衛生管理、軍紀風紀維持などに関して、法規の改正や指示や指導等により主導し、内務省・総督府など関係する行政機関も深く関与していたのではありませんか。

６　日本軍と日本政府が軍慰安所の設置、管理、女性たちの徴募の全般に深く関わっていたことについて、国際社会からは、日本軍と日本政府が日本軍「慰安婦」制度を設置し運用していたとして、日本政府の責任が問われているのではありませんか。

７　軍は、当時、帝国外に移送する目的で人を略取・誘拐または人身売買した者には犯罪が成立するとされていたから（後記第６項参照）、業者が誘拐・人身売買により軍慰安所に女性を連れて来たことを認識した場合は直ちに業者を処罰し、女性を解放して故郷に送り帰すべきところ、そのような行動を取らなかったのではありませんか。

８　日本政府と日本軍は、当時、軍が設置・管理等した軍慰安所には略取・誘拐・人身売買により連れてこられた女性が、拒否する自由もなく性行為を強制されていたことを認容していたといえるのではないですか。

９　日本軍「慰安婦」制度は、当時においても、「慰安婦」とされた女性に対する反人道的な重大な人権侵害であり、被害者が望む内容の被害回復がされていない以上、日本国は、現在においても、被害者の人権を回復すべき責任を負っているのではありませんか。

第２　日本軍「慰安婦」制度に対する国際的評価について

１　国連の自由権規約委員会その他の国際機関は、軍慰安所で女性たちの自由を奪い、性行為を強要したことが人道に反する行為であり、女性に対する暴力の究極的な形態であって、日本軍「慰安婦」制度は性奴隷制度だと指摘していますが、あなたはこのことを知っていますか。

２　（略）

３　拷問等禁止委員会は、本年５月、日本国に対し、「慰安婦」とされていた被害者の救済のために、性奴隷制の犯罪について法的責任をみとめること、公的人物などが「慰安婦」とされた被害者の被った事実を否定する言動を繰り返していることによって再び精神的外傷を受けていることについて反駁（はんばく）すること、この問題について公衆を教育しあらゆる歴史教科書にこれらの事件を記載すること等を求めていますが、あなたは日本国がこれらの要求を受け入れるべきであると考えますか。

　（つづく）

( ２０１３年０８月２０日，「赤旗」）（Page/Top）

私が見た侵略戦争／強制労働、遺棄化学兵器なども未解決／侵略認めない首相、国際的孤立深める

強制労働、遺棄化学兵器なども未解決

　安倍晋三首相は、アジア諸国に「痛切な反省」を表明した「村山富市首相談話」（１９９５年）について「見直し」を主張｡とくに､日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという「談話」の核心部分を今なお認めようとしません。それどころか、「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない」(４月２３日､参院予算委員会)と答弁しました｡

　国連など戦後の国際政治は、日独伊の「不正不義」の侵略戦争を断罪することが土台です｡この土台を覆せば､国際政治に参加する資格を失い、国際的な孤立を深めるだけです。

　また、日本軍「慰安婦」問題についても旧日本軍の「関与」や、「本人の意志に反」する「強制的状況」を認めた「河野洋平官房長官談話」（９３年）の「見直し」が安倍首相の年来の主張です。橋下徹日本維新の会共同代表は「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と公言し、撤回も謝罪もしていません。

共産党「過去の清算必要」

　日本共産党は、日本がアジアと世界から信頼され、国際社会で名誉ある地位を占める国になるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りをきっぱりと認め、その負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠―と主張しています｡日本軍｢慰安婦｣問題では､日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うことを求めています。

侵略認めない首相、国際的孤立深める

　「慰安婦」問題とともに、日本が労働力や兵力の不足を補うため、国策として朝鮮人、中国人を国内や樺太、南方に強制連行した問題も未解決です。

　その数は日本政府などの記録でも朝鮮人７２万４０００人（死亡者６万数千人）、中国人３万８９３５人(同６８３０人)にもなります。炭鉱や水力発電所の建設など過酷な重労働に従事。虐殺や事故死、病死が相次ぎました。

　日本軍は植民地や占領地で、無差別爆撃や住民虐殺、生体実験、財産の収奪など国際人道法に違反する残虐行為を重ねました。

　終戦時には戦犯追及を恐れ、中国各地で毒ガス兵器を遺棄。戦後、建設現場などで兵器による事故が相次いでいます。

　日本政府は化学兵器禁止条約を批准(１９９５年)し、廃棄義務を負いましたが、多くが放置されています。

　９０年以降、日本で起こされた戦後補償裁判は７０件を超えています。しかし、強制労働被害者と企業が和解した７件と係争中の４件を除き、すべて敗訴が確定。人権回復への政治解決が求められています。

(２０１３年０８月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

私が見た侵略戦争／歴史認め謝罪と補償を／中国人戦争被害賠償請求事件弁護団幹事長南典男さん

　侵略戦争を肯定する安倍首相の歴史認識は、９条を変えて「戦争できる国家」にする改憲のねらいとつながっています。中国や韓国の人々に強い不安を与え、東アジアで日本を孤立させています。

　同じ加害国でもドイツは国と企業が２０００年に「記憶･責任･未来」財団を創設しました。ナチスによる強制労働被害者に補償し、アウシュビッツの施設を残すなど記憶の継承をしています。二度と過ちを犯さない証しとして、歴史認識を明確にしたメッセージを伝え続けているのです。

　福岡県大牟田市でも加害の記憶を残そうと、市民が中国人の強制労働被害者の追悼碑を建てました。（写真右下）

個人の被害に

　日本政府は２国間条約で「補償問題は解決済み」といいますが、加害国が個人の被害にどう向き合うかという問題は厳然として残っています。

　日本の最高裁は中国人強制連行の判決で、裁判上の請求権は失ったが法的権利を否定せず、「被害の救済に向けた努力が期待される｣と付言｡国と企業に自主的な解決を促しました。（０７年）

　韓国の憲法裁判所は、韓国政府が「慰安婦」と被爆者の請求権問題で日本政府と交渉を行わないのは違憲と判断（１１年）。大法院（最高裁に相当）は「反人道的な不法行為である強制徴用は日韓請求権協定の対象外」との判断を示しました｡(１２年）

　日本が信頼を築くためには、事実を認めて謝罪し、その証しとしての補償を行うこと。歴史認識と歴史の継承を明確にした基本姿勢と政策を打ち出していくことが大切です。

(２０１３年０８月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

私が見た侵略戦争／９１歳元日本兵／陸軍固兵団の衛生兵だった松本栄好さん／平和のため語り続ける

家畜奪い、女性は「慰安婦」に、中国人で試し切り／「いい娘いないか」と集落襲った

　アジア・太平洋地域に大きな惨禍を与えた日本の侵略戦争。戦後６８年たった今もなお、安倍政権は、侵略戦争と認めず、アジア諸国との関係を悪化させています。戦争に参加した元日本兵の加害の証言を中心に、��未解決の侵略戦争�≠�考えました。

　本吉真希記者

　「中国での戦争体験を語るのはつらいが、生きている私の使命です｣｡９１歳の元日本兵・松本栄好（まさよし）さん＝神奈川県＝は証言します。

　◇

　私が中国に渡ったのは１９４４年２月ごろでした。陸軍の固（かため）兵団（独立旅団）第７大隊の衛生兵として、中国山西省孟（う）県に転属となったのです。そこで軍医が月１回行う「慰安婦」さんの性病検査を手伝うのも、私の仕事でした。

　固兵団は七つの大隊があり、第７大隊の本部だけで朝鮮人の「慰安婦」さんが６、７人連行されていました。

　前線の兵隊たちが中国の集落を急襲する際、最初に叫んだ言葉が「ヨウハオクーニャン！（いい娘はいないか）」。

　半年後、私は大隊本部から３０〜４０�`北の上社鎮という村外れの分遣隊に派遣されました。兵隊たちは集落を荒らし回って、家畜の豚や鶏を盗みました。

　あるとき、逃げ遅れた女性７、８人を捕まえ､兵舎に閉じ込め｢慰安婦｣にしました｡１週間ほどで隊長は女性たちを帰しました。その代わり、村長を脅して別の女性２人を兵舎に入れ、終戦まで監禁しました。

　八路軍（中国共産党軍)の情報を得るため､中国人を捕まえては拷問しました。最後は自分で穴を掘らせ、その前に座らせて（首を落とす）…。刀の切れ味を知るための試し切りです。��地雷探知機�≠ﾆ称して先頭を歩かせたりもしました。

　私たちがしたことは｢現地調達｣という名の強盗、殺人、強かんでした。なのに、押し入った家の戸口に仕掛けられた爆弾で死んだ上等兵が��名誉の戦死�≠ﾅ靖国神社に合祀（ごうし）されました。

根源に天皇制

　モラル喪失の日本人をつくり上げ、侵略戦争に突き進ませた根源は、絶対主義的な天皇制だと思います。戦前の大日本帝国憲法や教育勅語にあるのは「臣民｣｡｢国民｣という言葉は一言もない。自民党改憲草案の第１条「天皇は日本国の元首であり」との記述は、天皇あって国民なしを意味していないか。

　「慰安婦」の存在を否定する人がいるが、私が生き証人です。安倍首相が��証拠はない�≠ﾆいう「強制連行」も実際にありました。

　首相は「誇りある日本を取り戻す」というが、真実を隠していたのでは、ごまかしの誇りです。過去に目を閉ざす者は、また同じことを繰り返します。

　なぜ、私は証言活動を続けるのか｡それは､平和憲法を掲げている日本の将来が心配だからです。

(２０１３年０８月１８日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８年／平和へ決意新た／集いも／熊本／大分／香川／高知／広島

熊本／平和ちょうちん行列

　「平和を守れ・核兵器をなくそう・憲法９条を守ろう」と平和ちょうちん行列が、熊本市中心街を「青い空は」などを歌いながら行進しました。熊本県平和委員会、県原水爆禁止協議会の主催。

　県被団協の中山高光副会長は「戦争の惨禍を再び繰り返してはならない。すべての戦争被害者を救済し、これ以上の被害者を出さない運動をアジアから世界に広げよう」と呼びかけました。

　９歳と７歳の姉弟を連れて参加した熊本市の女性（３１）は「日本のアジア諸国を巻き込んだ戦争で、たくさんの犠牲者を出した歴史を風化させないよう、子どもたちにも伝えたい」と話しました。

　日本共産党から上野美恵子市議が参加しました。

大分／中国での抑留体験者証言も

　大分市では、県平和委員会の「平和と映画のつどい」に４０人が参加。旧日本軍が朝鮮人受刑者を「朝鮮報国隊」として中国・海南島で強制労働させた上に虐殺した事件を告発した映画を見ました。

　意見交換で大分市の男性（９０）が中国での抑留体験を証言。「餓死者が出ても土が凍っているために葬ることができず、壕（ごう）の中に雪をかけて埋めた」「死者の衣類はまんじゅうと交換して飢えをしのいだ」などと紹介しました。「誰もがみな、とても人として生きてゆける状況ではなかった。『二度と戦争を繰り返してはいけない』と生きている限り訴え続けたい」と語りました。

　原水爆禁止世界大会参加者の報告がありました。

香川／体験語り継ぐ

　高松市では８・１５戦争体験を語りつぐ集い実行委員会が集会を開き、沖縄で平和ガイドをする大島和典さんが沖縄の現状を報告しました。

　大島さんは、嘉手納などの米軍基地、特殊部隊の訓練施設、国道を封鎖しての米軍の訓練、辺野古などの実態を映像やスライドを使って報告しました。

　話を聞いた清水聖士さん（２２）は「沖縄に住む人の実体験を聞いて、基地があることで生活に支障が出る。辺野古への基地移設、埋め立ては絶対いけないと強く感じた。沖縄は基地に頼っていると思っていたがそうではなかった」と話しました。

高知／慰安婦問題や強制労働語る

　高知県退職教職員協議会や高知県革新懇など４団体は、戦争を語りつぐつどいを高知市で開き、８８人が参加しました。今年のテーマは「従軍慰安婦と朝鮮人強制労働の真実」。会場からの発言もあり、歴史の事実と向き合う大切さを話し合いました。

　平和資料館「草の家」学芸員の藤原義一氏は、中曽根康弘元首相が海軍主計中尉当時、ボルネオ島の海軍基地に慰安所をつくったことを示す資料を防衛省防衛研究所で見つけたことを報告。「軍が関与した慰安所がなかったような論調があるが、事実を示していくことが大事」とのべました。

　幡多高校生ゼミナールＯＢの中川有紀さんは、同ゼミの活動で高校３年生のとき韓国で、元慰安婦の女性（７３）から証言を聞いた体験をのべ、「事実から目を背けてはいけない。正しい歴史を知ることが真の友好に役立つ」と語りました。同ゼミ顧問の山下正寿氏は、高校生らと朝鮮人強制労働の実態調査をした経験をのべ、若い世代の民間交流が重要と話しました。

広島／反戦詩を朗読

　広島市中区の原爆資料館東館では、原爆詩や反戦詩を朗読する市民の集いが開かれました。「広島文学資料保全の会」と「広島花幻忌の会」が毎年、終戦記念日に開いて１２回目。市民１５人が次々と朗読する詩に、約５０人が聞き入りました。

　今年は、原爆詩人の栗原貞子（１９１３〜２００５）の生誕１００周年にあたり、「保全の会」の土屋時子代表は、貞子の「一度目はあやまちでも二度目は裏切りだ／死者たちへの誓いを忘れまい」という言葉を紹介。貞子と親交のあった詩人の伊藤眞理子さん（７４）＝東京都墨田区＝が講演しました。

　被爆３世の中原奏（かなで）さん（１２）と調（しらべ）さん（８）の姉妹＝広島市東区＝は、曽祖父母の被爆体験にふれて「過去を変えることはできないが、未来を平和にすることはできる」と誓い、それぞれ詩を朗読。土屋代表は三線を弾きながら、特攻隊で命を落とした若者を弔う歌「特攻花」などを参加者とともに合唱しました。

(２０１３年０８月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

侵略戦争くり返させない／憲法守る願い広げて／高橋衆院議員／青森

　日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は、吉俣洋党県書記長、葛西育弘青森市議とともに、青森市新町で演説し、「今こそ、平和憲法守る願いを広げよう」と訴えました。高橋議員は、「憲法改正は自分にとって歴史的使命」と故郷山口県で発言した安倍首相をはじめ、橋下徹大阪市長の「慰安婦発言」、石破幹事長の「軍法会議発言」、麻生副総理の「ナチスの手口に学べ発言」を批判。これらは安倍政権と改憲勢力に共通する誤った歴史認識の下、戦争する国にするための危険な動きであり「断じて許してはいけない」と訴えました。

　その上で、先の参院選で比例５人全員が当選し３選挙区でも勝利した日本共産党の躍進の意味、値打ちを実感していると述べ、「日本共産党の議席の力を存分に発揮していく。一緒に手をつなぎ、安倍政権、改憲勢力の暴走を止めましょう」と決意とともに、日本共産党への支援を呼びかけました。

(２０１３年０８月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

「過去の清算果たせ」

　【ソウル＝時事】北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞は日本の植民地支配からの解放記念日である１５日、「日本は時代の要求を直視し、過去の清算についての法的、道徳的、国際的義務を果たさなければならない」と求めました。朝鮮中央通信が伝えました。

　労働新聞は、慰安婦問題や靖国神社参拝を例に挙げ「人類の良心と歴史の正義に挑戦する犯罪行為として絶対に許すことができない」と非難。「侵略の歴史と戦犯を賛美することが一つの社会的風潮になっている日本社会で育った新世代が、今後いかなる道を歩むかは火を見るより明らかだ」と主張し、「右傾化」を批判しました。

( ２０１３年０８月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

元「慰安婦」に日本政府は謝罪を／米と台湾でデモ／ロサンゼルス／台北

ロサンゼルス

　【ロサンゼルス＝時事】米ロサンゼルスの日本総領事館前で１４日、韓国系市民団体が日本政府に対し、韓国人元「慰安婦」に謝罪するよう求める抗議デモを行いました。

　約３０人の参加者は、１１日に韓国で死去した元慰安婦の李容女（イ・ヨンニョ）さん（８７）を悼み、喪服に身を包んでデモ行進。総領事館が入ったビルの前で「葬儀」を行いました。主催者代表の尹錫元（ユン・ソクウォン）氏は「日本は歴史上最も非人道的な罪を犯したにもかかわらず、安倍政権と新美潤総領事は恥ずべきメッセージを出し続けている」と非難。参加者らは「性奴隷被害者に謝罪せよ」とシュプレヒコールを上げました。

台北

　【北京＝小林拓也】台湾の市民ら約１００人が１４日、台北にある日本の対台湾窓口機関「交流協会」の前で、日本政府に対し、元「慰安婦」に正式な謝罪と賠償を求めるデモを行いました。中国メディアによると、参加者は「日本政府の偽りの仮面をはがせ」「良心はどこにある」「謝罪はそんなに難しいことか」などと書かれたプラカードを掲げ抗議しました。

　台湾側の調査によると、旧日本軍の「慰安婦」にさせられた台湾の女性は２０００人以上にのぼります。現在生存している元「慰安婦」は６人で、平均年齢は８８歳です。

　デモを呼びかけた台湾婦女救援基金会の康淑華執行長は「日本政府は『慰安婦』の事実を正視しないばかりか、一部の政治家は『慰安婦制度は必要だった』などの事実をねじ曲げる言論を繰り返している」と批判。日本政府に対し、明確な謝罪と賠償、「慰安婦」の事実を認めることなどを求めました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国民団が光復節記念式／笠井議員祝辞「心通う友情築く」

　在日本大韓民国民団（民団）は１５日、日本による植民地支配から朝鮮半島が解放された日を記念する第６８周年光復節中央記念式を東京・千代田区の日比谷公会堂で開きました。

　各党代表らとともに日本共産党から笠井亮衆院議員・党政策委員長代理と曽根はじめ都議会議員が来賓として出席。笠井氏は祝辞のなかで植民地支配の誤りを清算してこそ日韓両国民の心通う友情が築けると強調し、大きな拍手を受けました。

　笠井氏は、世界から日本の右傾化への懸念が強まる一方、参院選での日本共産党の躍進に示されるように、歴史の逆流への日本国民の理性的批判が広がっていると指摘。「日韓両国民、日本国民と民団との友好関係発展のため三つのことに力を尽くす」と語りました。

　第一に「歴史の逆行を許さず、誤った歴史の傷跡をただす」として、１０日に日本軍「慰安婦」被害者が共同生活を送る韓国の「ナヌムの家」を訪問して被害者から「生きているうちに日本政府の謝罪と賠償を」との痛切な声を聞いたことを紹介。日本政府は、日韓請求権協定にしたがい協議に早急かつ誠実に応じるべきだと述べました。

　第二に「朝鮮半島の非核化をはじめ、北東アジアの平和的環境をつくりあげる」として、絶対に「紛争を戦争にしない」という立場で、日本が憲法９条を生かし平和外交の先頭に立つべきだと強調しました。

　第三に「永住外国人の地方参政権という重要な懸案の一日も早い解決」をあげました。

　笠井氏は、東京や大阪などで問題になっているヘイトスピーチ・デモについて「民族差別を助長し人権を否定する」と批判。政府や自治体による対処と同時に、そうした言動を許さず生み出さない社会的批判と運動が重要だとして、広範な市民とともに力を尽くすと表明しました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

全国戦没者追悼式／安倍首相の式辞／アジアへの反省、確信犯的な削除

　安倍首相が、終戦の日の戦没者追悼式での式辞で、アジア諸国への加害の反省や不戦の誓いについて触れなかったことは、安倍政権のもとで日本の侵略の歴史の「見直し」の動きが強まっていること、麻生太郎副総理から「ナチス正当化」発言が発せられるに至ったことと不可分であり、確信犯的に行われたものです。

侵略の事実否定

　安倍首相は、日本の植民地支配と侵略に反省とおわびを述べた村山談話や旧日本軍「慰安婦」問題で軍の関与と強制性を認めた河野談話の見直しを公言し、国会答弁でも「国際的に侵略の定義は定まっていない」と述べ、侵略の事実を否定しようとしてきました。これらの発言について、いまだに安倍首相自身が明確に訂正したことはありません。

　また、麻生副総理が「（ワイマール憲法が）いつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口学んだらどうか」とナチズム肯定の発言をしたことについても、安倍内閣は「手口を踏襲する趣旨ではない」などと、意味不明な論理で麻生氏を擁護する答弁書を閣議決定しています（１３日）。

国際社会に挑戦

　こうした動きの根底には、過去のファシズムや侵略戦争を肯定する安倍内閣の歴史逆行の立場があります。安倍首相が終戦の日の式典で、アジア諸国への反省や不戦の誓いに触れなかったことは、意図的な「削除」であり、文字通り国際社会への挑戦です。

　安倍内閣は歴史修正の流れを強めつつ、敵基地攻撃能力や自衛隊の海兵隊機能の保持（防衛計画大綱・中間報告）など侵略的軍備強化を進め、憲法９条の解釈改憲と明文改定を同時進行で進めるという、二重三重の憲法破壊の道を突き進もうとしています。自民党改憲案は、戦争の反省、不戦の誓いを明記した日本国憲法前文を全面的に破棄しています。

　こうした動きの全体が、アジア諸国にとって「軍国主義復活の流れ」と映っても不思議ではなく、アジアの緊張を激化させる重大な要因となっています。安倍内閣の国際的孤立はいっそう深まり、国内の平和民主の世論との矛盾を激化させざるを得ません。

　（中祖寅一）

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦記念日／改憲策動許さない／笠井・吉良氏ら訴え／東京・新宿

　終戦から６８年の１５日、日本共産党と日本民主青年同盟は東京・新宿駅頭で街頭演説を行いました。笠井亮衆院議員、吉良よし子参院議員、田中悠民青同盟委員長が、侵略戦争の反省に立ち、戦争を繰り返させないために、安倍政権の改憲の策動を許さず、憲法を守り生かすたたかいに全力をあげる決意を語りました。

　田中氏は、戦争によって身内が悲惨な亡くなり方をしたという青年劇場の女優、小竹伊津子さんの証言を紹介し、「平和憲法が全世界共通のルールとなるよう頑張っていきたい」と語りました。

　吉良氏は、��憲法改正は歴史的使命�≠ﾆ表明する安倍内閣に対し、「日本政府が学ぶべきはナチスの手口ではない」と批判。２年前に訪れたベルリンで、ナチスドイツの犠牲者を記録し風化させない「つまずきの石」の運動に出合ったこと、ドイツ政府がナチスによる被害者への補償を継続していることを話し、「日本を戦争できる国にしてはならない。戦争は二度と起こさない国民世論を広げましょう」と訴えました。

　笠井氏は、今月１０日、日本軍「慰安婦」被害者が共同生活する韓国の「ナヌムの家」を訪れたことを報告。被害者は「私たちの命のろうそくが消えないうちに解決してほしい」と切実に訴えていると述べ、日本政府は外交と話し合いで解決すべきだと強調しました。「日本共産党は反戦平和を貫いてきた。新たな決意でアジア各国から歓迎される政府をつくっていこうではありませんか」と呼びかけました。

　フェイスブックで街頭演説を知り「生の吉良さんを見たい」と出勤途中に来たという海老原恵（けい）さん（３８）は「共産党には反戦平和を貫いてがんばってほしい。憲法、ＴＰＰなど新しい国会の動きに期待します」と話しました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８年／過去直視する姿勢を／韓国大統領、日本政府を批判

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵大統領は、日本の植民地支配からの解放記念日である「光復節」の１５日、記念式典で演説し「歴史問題をめぐる最近の状況が両国の未来を暗くしている」と安倍政権を批判しました。慰安婦問題などを念頭に「過去の歴史による苦痛と傷を今も抱えて生きている方に対する、痛みを治癒できる責任ある誠意を持った措置を期待する」と述べ、解決に向けた決断を求めました。

　朴大統領の就任後、解放記念日の演説は初めて。演説では「日本は北東アジアの平和と繁栄を共に開く重要な隣国だ」と述べ、刺激的な表現は避けました。しかし「過去を直視しようとする勇気と相手の痛みに配慮する姿勢がなければ、未来に向かう信頼を築くのは難しい」と指摘。日本が歴史問題で前向きな姿勢を取らない限り、韓国から関係改善に動くことは困難との認識を示しました。

( ２０１３年０８月１６日，「赤旗」）（Page/Top）

１５

日本軍「慰安婦」／メモリアルデー、大阪でも運動へ／被害女性会見

　大阪では１４日、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークが大阪市役所で記者会見し、この日を国連の記念日「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」にしようと運動するとしました。フィリピンで「慰安婦」被害にあったエステリータ・ディさんが同席し、「慰安婦」問題解決への支援を訴えました。

　方清子関西ネット共同代表は、維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦」問題への否定的発言を繰り返し、謝罪も撤回もしていないと指摘。「歴史を歪曲（わいきょく）する発言や、日本の政府が過去の歴史としっかり向き合うことなく、憲法を変え、再び戦争ができる体制づくりを急いでいる状況に被害者の方たちもいたたまれない思いだろう」と話しました。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」メモリアルデー／東京で市民らデモ

　日本軍「慰安婦」被害者の尊厳を踏みにじる歴史のねつ造を許さないと１４日、第１回日本軍「慰安婦」メモリアルデーとして東京・新宿でデモ行進がありました。主催は「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動８・１４を国連記念日にしよう！　キャンペーン」です。参加した市民らは、日本政府に対し「慰安婦」被害への謝罪と賠償を求めました。

　昨年開かれた日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議は、韓国人の金学順（キム・ハクスン）さんが被害者として初めて名乗り出た１９９１年８月１４日をメモリアルデーに決めました。

　日本以外でも、韓国、インドネシア、アメリカ、オランダ、ドイツなどで多彩な行動がありました。

　フィリピン人被害者の支援活動をしている女性（２６）＝三鷹市＝が参加。「安倍首相は過去の過ちから学んで被害者に謝罪するべきです。さきの戦争を侵略戦争と認めないかぎりアジアと友好な関係を築くことはできません」と語りました。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８年／歴史に逆行する安倍政権／歴史問題、日中・日韓関係の障害に／靖国参拝／「慰安婦」問題

靖国参拝／過去を美化

　安倍首相、閣僚らの靖国神社参拝に世界は厳しい視線を注いでいます。

　４月に麻生太郎副総理らが靖国神社に参拝、安倍首相も真榊を奉納したときは、日韓外相会談や日中友好議員連盟の訪中が中止となりました。

　安倍首相は「どんな脅かしにも屈しない」「英霊に対し尊崇の念を表明するのは当たり前」と居直っています。

　しかし、靖国神社は、過去の日本の侵略戦争を��自存自衛の正しいたたかいだった�∞�アジア解放の戦争だった�≠ﾆ丸ごと美化・宣伝することを存在理由とする特殊な施設です。首相や閣僚の参拝や奉納は、侵略戦争を肯定する立場に自らの身をおくことであって、絶対に許されません。

「慰安婦」問題／二重矮小化

　安倍首相は「村山談話」とともに、日本軍「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」（９３年）の見直しを表明し、「日本の歴史を否定する新たな試み」（ニューヨーク・タイムズ）などと世界から批判されました。

　安倍首相は「政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」と言います。問題を、「強制連行」があったかどうか、それを示す公文書があるかどうかに二重に矮小化するものです。

　問題の核心は、「強制連行」の有無ではなく、日本軍が設置、管理した慰安所に女性を拘束し、性行為を強制したことです。「河野談話」も、元「慰安婦」の女性たちのヒアリングから「本人がその意に反して慰安婦とされたことは間違いないということになって」（石原信雄官房副長官＝当時）つくられたものです。「強制性を立証する文書がないから強制の事実がなかった」などという議論は成り立ちません。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

終戦６８周年記念日にあたって／日本共産党書記局長市田忠義

　日本共産党の市田忠義書記局長は、１５日に６８周年の終戦記念日を迎えるにあたり、次の談話を発表しました。

　６８年目の終戦記念日にあたり、日本共産党は、日本軍国主義の侵略と植民地支配によって、犠牲になられた２０００万人ものアジアの人びと、国内の３１０万人を超す方がたに、あらためて心からの哀悼の意を表します。

　戦後の世界政治は、日本、ドイツ、イタリアがひきおこした不正不義の侵略戦争を二度と再びおこしてはならないという決意を原点に出発しました。戦後の日本も、野蛮な侵略戦争と植民地支配の根本的反省のうえに、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意を憲法に書き込みました。これは、日本が国際社会に復帰する��誓い�≠ﾅもありました。

　ところが、終戦６８周年の記念日を前に、こうした戦後の世界政治の原点を否定し、世界にたいする日本の戦後の��誓い�≠�捨て去ろうとする重大な事態が進行しています。安倍政権は、侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」などの政府見解を否定しようとしています。日本の侵略戦争の精神的支柱であり、その戦争が「自存自衛の正義の戦争であった」と宣伝する靖国神社に、閣僚があいついで参拝しています。一部の政治家からは、日本軍「慰安婦」問題への軍の関与・強制を否定する発言が繰り返されています。ナチス・ドイツの蛮行を「見習うべきだ」とする麻生副総理発言までとびだしました。歴史に逆行するこうした行為にたいして、日本国内はもとより世界各国からも、厳しい批判の声があがっています。

　軽視できないのは、これらの動きが、「海外で戦争ができる国」にするための「集団的自衛権」の憲法解釈の見直しや、さらには、戦力不保持と交戦権否認を規定した憲法９条を改悪しようとする動きと一体に、公然とすすめられていることです。しかも、安倍政権は、自衛隊に「海兵隊機能」を付与し「敵基地攻撃能力」を保有することも検討するなど、自衛隊の侵略的機能の強化を図ろうとしています。こうした動きは「紛争を戦争にしない」という世界の流れに逆行するもので、日本をますます孤立に導かざるをえません。

　最近の世論調査によれば、過半の国民が憲法９条や９６条を変えることにも、さらに、集団的自衛権を行使することにも反対の声を上げています。日本共産党は、こうした人々と力をあわせ、侵略戦争への徹底した反省とともに、日本国憲法の平和・民主の原則にそって、国民本位の政治、世界の平和に貢献する新しい政治を実現するためにたたかいぬく決意を表明するものです。

( ２０１３年０８月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

核兵器廃絶へともに／海外代表迎え女性のつどい／名古屋

　原水爆禁止世界大会海外代表の５人を迎えた「平和女性のつどい」（同実行委員会主催）が１１日、名古屋市千種区で開かれ、参加者は核兵器廃絶への決意を新たにしました。

　コラソン・ヴァルデス・ファブロスさん（非核フィリピン連合事務局長）は通訳を介して、「広島への原爆投下以来背負わされてきた��重石�≠ｩら人類を解放し、平和な世界を実現するために、お互いがんばりましょう」と述べました。

　ジュディス・ルブランさん（米国・ピースアクション組織責任者）は「世界大会に参加して、核兵器廃絶の運動の重要性を再確認することができました。政治的な議論すらできない職場で労働条件の改善と一体に平和のとりくみを行っている発言があり、大変驚きました」と語りました。

　沢田昭二・日本原水協代表理事は「核兵器使用の非人道性を明らかにした世界大会の成果をてこに、核兵器禁止条約の交渉開始実現に向け、大きく世論を広げよう」と提起しました。

　参加者交流では民主団体の代表が沖縄への「平和ツアー」や、「慰安婦」問題解決に向けた署名運動などのとりくみを報告。原爆症認定訴訟原告の高井ツタエさんは、裁判の傍聴を訴えました。

　嶺村君代・愛知県原水協事務局長は、２０１５年の核不拡散条約（ＮＰＴ）再検討会議に向けた、「核兵器全面禁止のアピール」署名運動を呼びかけました。参加者は海外代表といっしょに「青い空は」を合唱しました。

(２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

慰安所職員の日記発見／朝鮮人男性、ビルマで記述

　【ソウル＝時事】第２次世界大戦中、ビルマ（現ミャンマー）とシンガポールの慰安所で事務の仕事をしていた朝鮮人男性の日記が韓国で発見されました。慰安所職員の日記が見つかったのは初めて。

　男性は１９０５年生まれで７９年に死去しました。韓国の博物館が数年分を欠いた２２〜５７年の日記を古書店から入手。安秉直ソウル大名誉教授らが、慰安所時代の４３、４４年分について、堀和生京都大教授、木村幹神戸大教授と共同研究しました。近く韓国で出版されます。

　日記は「夫婦生活（結婚）することになって慰安所を出た春代と弘子は、兵たんの命令で再び慰安婦として金泉館に戻るようになったという」「兵たん司令部に行って５日間の日報を提出した」などと記述。日本政府も認めている慰安所への軍の関与を裏付けています。

　慰安婦を募集したとみられる４２年の日記は見つかっていません。ただ、「昨年のきょうは、釜山で乗船し、南方行きの第一歩を踏み出した」（４３年７月１０日）、「一昨年慰安隊が釜山から出発するとき、第４次慰安団の団長として来た津村氏が生鮮組合で働いていた」（４４年４月６日）との記述がありました。

　安教授は「第４次慰安団の存在、日本政府が慰安団を組織し、女性を戦線に連れて行ったことが確実になったと言える」と指摘しています。

( ２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

元慰安婦１２人申し立て／日本に慰謝料求める／韓国

　【ソウル＝時事】旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性１２人が１３日、日本政府を相手に、１人１億ウォン（約８７０万円）の慰謝料支払いを求める民事調停をソウル中央地裁に申し立てました。ただ、日本政府が調停に応じる可能性は低く、この場合、韓国での損害賠償請求訴訟も検討しているといいます。

　外国政府は原則的に、民事訴訟の対象外との考えが強い。しかし、元慰安婦側は、日本軍の慰安婦に対する行為は人道に対する罪であり、例外に当たると主張。調停申し立てによって、日本政府が訴訟の対象となるかを探ろうとしています。

　元慰安婦の請求権をめぐり、日本政府は日韓請求権協定で解決済みとの立場ですが、韓国政府は、元慰安婦らは対象外との見解。韓国憲法裁判所は２０１１年８月、政府が日本側と交渉努力をしないのは違憲と判断しました。調停申し立てには、憲法裁の判断から２年が経過しても政府間協議が実現していないことを受け、司法を通じた協議を目指す狙いもあるといいます。

( ２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

韓国被爆者が自国政府提訴／日本と協議せず違法

　【ソウル＝時事】広島や長崎で被爆した韓国人７９人が１２日、被爆者の損害賠償権をめぐり日本政府と協議しないのは違法だとして、韓国政府を相手に１人１０００万ウォン（約８７万円）の慰謝料支払いを求める訴訟をソウル中央地裁に起こしました。この種の提訴は初めて。

　記者会見した原告団は、提訴と並行して、原爆投下を招いた侵略戦争を起こした上、強制徴用で広島や長崎に行かせて被爆させたなどとして、日本政府に謝罪と賠償を要求する考えを表明。さらに、日韓両政府が責任回避を続ける場合、原爆を投下した米国の責任を追及するとしています。

　個人請求権をめぐっては、日本政府は１９６５年の国交正常化の際の協定で解決済みとの立場。一方、韓国政府は被爆者らは含まれていないとの見解を示しています。韓国憲法裁判所は２０１１年８月、被爆者と元従軍慰安婦の賠償請求権について韓国政府が日本側と交渉努力をしないのは違憲との初判断を出しました。

( ２０１３年０８月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

靖国参拝／安倍政権の態度は欺瞞／韓国国会特別委が声明

　【ソウル＝時事】韓国国会の東北アジア歴史歪曲（わいきょく）対策特別委員会は１３日、日本の植民地支配から解放された１５日の「光復節」を前に、南景弼（ナム・ギョンピル）委員長名の声明を出しました。安倍政権に対し「首相、副総理、官房長官、外相は靖国神社参拝を保留すると言いながら、一方では閣僚の参拝を容認するという欺瞞（ぎまん）的態度を見せている」と批判しました。

　声明は「過去の侵略の歴史を歪曲し、第２次世界大戦後の新たな国際秩序を認めない安倍内閣の態度に厳重に警告する」と言明。同時に、韓国政府に対し、参拝した閣僚や国会議員の名簿を把握し、国際社会に公表するよう求めました。

　声明はさらに、ナチス政権の手法を「学んだらどうか」と述べた麻生太郎副総理の発言に触れ「日本が学ぶべきはヒトラーとナチス・ドイツではなく、過った歴史を認め、反省するドイツの姿勢だ」と指摘しました。

　また、国会の女性家族委員会は１３日、慰安婦問題で日本政府が「強制動員」の過ちを真に反省し、賠償するとともに、正しい歴史教育を行うよう求めました。

( ２０１３年０８月１４日， 「赤旗」）（Page/Top）

市長選来月１５日告示／「堺市乗っ取り」許さない／共産党、市政前進へ竹山市長支持

維新の野望、市民の力で阻止

　橋下徹大阪市長が政令市の大阪市と堺市をつぶす「大阪都」構想の実現に向けて、堺市長選（９月１５日告示、２９日投開票）で維新候補の「絶対勝利」を叫んでいます。日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は維新による堺市の乗っ取り、廃止・解体を許さない立場で、「都」構想への参加を拒否している現職の竹山修身市長を自主的に支持することを確認（２日）。党堺地区委員会も４日、「たたかいの先頭に立つ」声明を発表しました。その意義は鮮明です。

　（藤原直）

対決の構図

　日本維新の会は７月の参院選で昨年の総選挙から約６００万票を失い、得票数を半減させました。共同代表の橋下氏は党国会議員に「野党再編に全力を尽くしてもらいたい」と呼びかける一方、「慰安婦」暴言によって連携の障害となった自らは大阪回帰を強めています。２０１５年４月の実現を掲げる「都」構想の推進に専念し、再浮上をはかろうというもくろみです。

　堺市選出の馬場伸幸・維新衆院議員は「堺市長選の結果が都構想に大きな影響を与えるのは間違いないし、都構想がうまくいかなければ維新にも影響する」と指摘。橋下氏らが「戸別訪問もやる」と維新の命運をかけてなりふり構わぬ姿勢を見せていることを明かしています。

　「都」構想とは、大阪市や堺市を廃止して複数の特別区に分割するものです。一番の狙いは、政令市の財源と権限を「都」が吸い上げ、関西財界に「手綱を引いて」とこびる橋下氏の維新が、１人の「指揮官」の下で大規模開発や規制緩和、カジノ誘致などを強権的に進められる体制をつくることにあります。

　日本共産党堺地区委員会は声明で、市長選の最大の争点は「橋下・維新による『堺乗っ取り・堺市つぶし』を断じて許さず､市民の暮らしと福祉､地方自治を守り抜くことにある」と指摘。「橋下・維新の野望を市長選で打ち砕くことは、大阪全体、全国的にも、改憲・反動政治の流れにストップをかけ、国民の声で動くまともな政治の姿をとりもどす一大転機となる」と強調しています。

「都」構想の正体

　市長選でもし維新が当選すると、堺市も「都」構想に巻き込まれていきます。橋下氏はまず堺市長が大阪府市統合本部に参加することになるといいます。統合本部は維新が「バーチャル（仮想）大阪都」（松井一郎知事）と呼んできたもの。そこでは一握りの側近と橋下氏らによって、大阪市営地下鉄・バスなどの廃止・民営化や府市「二重行政」とのレッテル貼りによる大学の統合や病院の廃止など住民を混乱に陥れている方針案が次々と決められてきました。

　橋下氏は８日の会見で「堺市が取り残されている」と不安をあおりましたが、自治体間協議で済むような「細かな事例」しかあげることができず、府と堺市との「二重行政」の例を問われても答えられませんでした。むしろ、堺市は維新の専横から「取り残されている」にすぎません。

　橋下氏が「都」構想の先取りとして大阪市で推進してきた「市政改革プラン」は、「大阪都」実現までの３年間で市民向け施策・事業約３９３億円分を削減する計画です。すでに大阪市民は、敬老パスの有料化や国保料の２％値上げ、大半の世帯での保育料の値上げなど各種の負担増を強いられています。大阪市営地下鉄・バスの廃止・民営化は、市民の批判で市議会でも関連条例案が２回も継続審議になりました。しかし、市バスは今年４月だけでも２９路線減らされ、市民から「病院に行けなくなった」と悲鳴があがっています。

住民目線の現職

　堺市政はどうなっているのでしょうか。竹山市長は０９年９月の前回市長選で、当時知事だった橋下氏の応援を受けて当選したものの、「市民目線」を掲げて「党派を問わず市民のためにどうしていくかの議論を丁々発止」（同氏）で行ってきました。その中で、市民の要望や日本共産党市議団の指摘を取り入れ、堺東駅前再開発ビル建設計画（３５０億円）などの大型開発を中止する一方、国保料の４年連続の引き下げや６５歳以上は１００円でバスに乗れる「おでかけ応援バス」の平日毎日実施への拡充などを実現。なかでも子ども医療費助成の所得制限なしの中学校卒業までの拡充は府内でトップレベルです。

　党市議団は、市民の立場で市政の問題点は率直に批判するとともに、積極的に提言し、この３年間は予算案にも賛成しています。

　竹山市長は、橋下氏が１０年初頭に打ち出した｢都｣構想について、０９年市長選では「話はなかった」と指摘。市民の願いを受け「堺はひとつ。堺をなくすな」と参加拒否を明確にしてきました。

　ここで維新による堺市乗っ取りを許せば、市民要求実現の条件となる民主的市政運営の基盤が崩されかねません。日本共産党は声明で、竹山市政とは今後も率直な意見交換を行い、より住民要求に応える市政に前進するよう力を尽くすと表明。「つくる会」も維新市政・「都」構想を阻止し、要求運動を強化していくことが市政前進の最大の担保だと取り組みを始めています。

( ２０１３年０８月１４日， 「赤旗」）（Page/Top）

過ちは繰り返さない／「平和のための戦争展」開く／愛知

　「第２２回あいち・平和のための戦争展」が名古屋市昭和区の市公会堂４階ホールで１１日から開かれています（１４日午後３時まで）。同展は、戦争の実態を記録・調査し次世代に語り継いでいる４０の市民団体が実行委員会（代表＝倉橋正直・愛知県立大学名誉教授）をつくり１９９２年から毎年開いています。

　会場は、▽憲法第９条は戦争体験から▽空襲と原爆投下▽日本の侵略・植民地・軍「慰安婦」▽沖縄・日本と世界の危険な現状▽平和憲法を変えてもいいですか―のテーマごとに仕切られ、解説パネルや戦争遺品などが多数展示されています。

　実行委員会の倉橋代表は開会あいさつで「日本は過ちを繰り返さないと誓って歩んできましたが、最近は誓いを破る動きが強まっています。一人の力は弱いですが『平和のために何かしたい』のきっかけにしてほしい」と訴えました。

　オープニング企画は「空襲ピアノ」による平和コンサートです。１９４５年の名古屋空襲により損傷したピアノを修理・調律し、金城学園高校・中学校生徒有志が、同ピアノの伴奏で戦後の平和の象徴として歌い継がれている「花の街」（団伊久磨作曲・江間晶子作詞）などを合唱しました。合唱した女子生徒は「空襲の傷痕が残るピアノ演奏なので、平和の大切さを訴えたいと思って一生懸命に歌いました」と話しました。

　夏休みの自由研究のため祖母と訪れた小学５年生の男子児童は原爆パネル展の前で立ち止まり「原爆や戦争は絶対だめだよね」と少し涙声で話し、祖母は「本当だね。いっしょに何かしようかね」と二人で原爆パネル前に置かれた「核兵器廃絶を求める」署名にサインをしました。

(２０１３年０８月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」被害の国連記念日を／フィリピン女性、涙で蛮行を告発／東京で国際シンポ

　日本軍「慰安婦」被害者の尊厳を踏みにじる歴史のねつ造は許さない、と、被害者の証言と国際シンポジウムが１１日、東京都内で開かれ、４００人が参加しました。韓国人の金学順（キム・ハクスン）さんが被害者として初めて名乗り出た１９９１年８月１４日を、国連記念日にしようとするキャンペーンの一環です。主催は、同キャンペーンです。

　昨年、台湾で開かれた日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議は、８月１４日を日本軍「慰安婦」メモリアル・デーに決めました。第１回となる今年の８月１４日は、世界や日本の各地で多彩なアクションが行われます。韓国では毎週デモが行われている水曜日にあたり、大きな行動となります。

　第１部は、フィリピンのエステリータ・デイさん（８３）が、１４歳で日本軍の駐屯地に監禁されたと証言。日本兵に抵抗すると壁に頭を打ちつけられ意識を失い、輪姦（りんかん）を繰り返された苦しみを、戦後５０年も家族に話せずに暮らしてきたと涙ながらに語りました。

　フィリピンの被害者らの組織、リラ・ピリピーナのレチルダ・エクストレマドゥラさんは、「日本国民が立ち上がれば、日本政府も耳を傾けざるをえない。みなさんに運動を起こしてほしい」と訴えました。

　第２部のシンポでは､アンワラル･チャウドリー元国連安保理議長が基調講演。パネリストとして、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会常任代表の尹美香（ユン・ミヒャン）さんと、京都大学教員の岡真理さんが、それぞれ二度と繰り返さないために、連帯しようと呼びかけました。

( ２０１３年０８月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

麻生氏「ナチスの手口学べ」／国内外で批判沸騰／独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ特派員カーステン・ゲアミスさん／欧米なら辞職が当然

　麻生氏の発言は間違っているだけでなく、とても危険です。

　（麻生氏の言うように）ナチは静かに憲法を改正したのではなく、政府だけが政策を決定できるという法律を通し、憲法を無効にしました。多くの反対する人たちを刑務所に入れ、大きな圧力をかけて成立させたのです。静かだったとすれば、それは（反対者を抹殺した）墓場の静けさです。

　米国や欧州で、ナチを模範とできるなどといえば、その日のうちにその政治家は辞職に追い込まれるでしょう。ドイツであれば、まず首相が解任せよと非難され、全野党、全マスコミが要求します。かつて、１９８０年代にドイツの連邦議会議長が��ナチもそんなに悪くない�≠ﾆ言ったときも、辞職に追い込まれました。フランスでもイタリアでももちろん、辞職せざるを得ない。

　麻生氏や安倍氏が変えようというのが、憲法の平和条項９条であり、（国会議員の３分の２で改定を発議する）９６条、（基本的人権の）９７条です。非民主主義的な方向への憲法改定を静かに、公開の討論もなく静かに人々が気づかないようにやろうとしていることは危険です。

　麻生氏はかつて、韓国人の強制労働をやった一族の企業の責任について、「歴史家の判断に任せる」といいました。しかし、歴史から学び、行動していくのが政治家の責任ではないでしょうか。慰安婦問題などでも問われています。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

元「慰安婦」人権回復早く／新婦人が署名行動／徳島

　新日本婦人の会徳島県本部は１０日、旧日本軍「慰安婦」への公式謝罪と補償を求める署名行動をＪＲ徳島駅前で行いました。

　同会事務局長の祖父江桂子さんは、安倍首相の「強制性はなかった」などの歴史の事実を否定する発言を批判し、「被害者は高齢になっており、早期に人権回復をすべき」だと署名への協力を呼びかけました。

　韓国人の友人がいる徳島市の上甲奏（じょうこう・さやか）さん（３７）は「この問題は互いに触れにくい。日本が悪いのだから態度で示してほしい」と署名に応じていました。大学の講義テーマになったという堀本菜緒さん（１９）は「事実を伝えてほしい」と話します。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

堺市長選勝利へ全力／党地区委が活動者会議／大阪

　日本共産党堺地区委員会は９日、９月１５日告示、同２９日投開票の堺市長選へ向けた活動者会議を市内で開き、「市民無視の『維新』政治の持ち込みを許さず、市政前進のため、堺市長・市議補選勝利へ全力をあげよう」と決意を固め合いました。

　党大阪府委員会の中村正男政策委員会責任者が報告しました。

　中村氏は、参院選の結果を示しながら、橋下・「維新」が堺市長選での市政乗っ取り、「大阪都」構想の実現など「大阪回帰」を狙っていると説明。

　「維新」が��最後のとりで�≠ﾆする大阪で痛打を与え、橋下氏の暴走に終止符を打つことが全国的にも大きな意義を持つと述べ「ここで『維新』を破り去るなら、大阪中で橋下・『維新』への幻想を打ち砕き、『都』構想をストップさせることができる」と話しました。

　有権者の中に残る「それでも維新」という幻想を断ち切るため、▽維新による暮らし破壊、自治体つぶしの大阪府・市政持ち込みを絶対に許さない▽市民共同の力で築いた竹山市政の積極面を押し出す▽「大阪都」のうそとペテンを暴く▽「慰安婦」暴言問題でさらに追い詰め、打ち破る―と論戦のポイントを説明。

　堺市では、「維新」提案の「教育基本条例」が否決され、「慰安婦」暴言での橋下氏への公職辞任を求める市議会決議があったことなどを紹介し「『反維新』の広い市民的共同が築かれつつある。たたかいの到達点に自信と誇りをもってたたかおう」と述べ、大奮闘を呼びかけました。

　会場から「公明党に対してはどう臨むか」「全国的にも意義のある選挙、全党的応援を」の意見や質問が出されました。中村氏が「堺つぶしや暴言問題などに手を貸していいのかと、公明党に限らず広い働きかけを」と説明しました。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

改憲ストップ、核兵器廃絶訴え／猛暑もなんの署名呼びかけ／大阪で「９の日宣伝」

　大阪憲法会議・共同センターは９日、「憲法守れ、核兵器廃絶を」と訴えて「９の日宣伝」を繰り広げました。

　大阪市役所前の淀屋橋は、夕方にもかかわらず、ビルの電光掲示板が示す気温は３６度。汗をぬぐいながら３０人が「安倍政権による『戦争する国づくり』を許さず、９条を守り、憲法をくらしと平和に生かそう」「核兵器の廃絶を」とビラを配り、署名をよびかけました。

　大阪労連の川辺和宏議長は「麻生副総理のナチス発言や日本維新の会共同代表の橋下徹市長の『慰安婦』発言など、時代に逆行する動きは許せません。自衛隊を国防軍とするなどの自民党の改憲案は極めて危険です。憲法を守り生かす運動を大きく広げよう」と語りました。

　大阪憲法会議幹事長の梅田章二弁護士は、集団的自衛権の行使を認めようとする憲法９条に対する安倍政権の挑戦を見過ごすことはできないと糾弾。「紛争の平和的な解決、交戦権を否認する、軍隊は持たない、平和主義をうたう憲法９条は、２１世紀の人類と地球の未来をリードするものです。今こそ憲法９条を守ろう」と訴えました。

　門真市の西川勝美さん（６６）は「改憲、原発の再稼働と、安倍さんは国民に迷惑ばかりかけている」と署名。福島区の山本康介さん（４４）は「外交こそしっかりしていれば、戦争をすることはない」と語りました。

　日本共産党の清水忠史大阪府副委員長が訴えました。

(２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

戦争の記憶を引き継ぐ／証言・資料、重い告発

　アジア・太平洋戦争が終わって６８年。戦争経験者が少なくなり、戦争の記憶の継承が難しくなっています。この中で体験を通して戦争の実態を伝える本の出版が相次いでいます。

７０人の肖像

　原発事故や大津波被災を撮り続ける写真家の山本宗補著『戦後はまだ…　刻まれた加害と被害の記憶』（彩流社）は、戦争で耐えがたい経験をした７０人の肖像と証言を記録しています。シンガポールの華僑は日本兵に軍刀で切られた首の傷痕を見せます。「和解は真の謝罪から」という旧日本軍将兵は、中国人老婆の家屋を焼き、殺害したことを告白します。元兵士の祈るように手を合わせた悲痛な表情は自分を責めているようです。写真から戦争の非人道性が浮き立ちます。中国人を生体解剖した元軍医、日本軍「慰安婦」としてフィリピンに連行された韓国人。被爆者、空襲の被害者、元特攻隊員なども証言しています。

　「一人一人の戦争体験と戦後の生き方から、まだ日本は加害者ではないと発言できる政治家がいるとしたら、それは歴史に対する冒涜」。口を閉ざす人も多いなか著者の告発は重い。

　本書に解説を寄せている林博史関東学院大教授は、アジアの諸国民への加害国日本は、同時に、日本人をも犠牲にして恥じない国だったと指摘しています。

「傲慢」批判

　『人間と戦争』（朝日新聞出版）の著者で労働刑法の研究者の荘子邦雄氏は元学徒兵。アメリカの原爆投下、沖縄戦での日本軍首脳の「傲慢」を批判します。戦後に集めたスクラップブック５００冊以上になる新聞記事や文学作品など豊富な資料を使っています。原爆を「人間を殺すのになぜここまで峻烈な兵器が必要なのか｣と憤り､特攻作戦を「『人間の尊厳』を無視して人間のいのちを『兵器』とおなじ消耗品と目した悪魔の『作戦』｣と断じ､平和を希求する思いを伝えます。

１９歳の入隊

　中尾英俊・高橋春雄著『海軍予備生徒・特攻艇長』（さんこう社）は、まだ年端もいかない若者が戦争にのみ込まれる姿を描きます。２人は１９歳の旧制大学、高等専門学校の学徒のとき、軍隊に入ります。半ば強制されながら、敵艦に体当たりする小型潜水艦の特攻要員となります。教官から頻繁に殴られるなど軍隊の「不合理」を指摘し、��二度と戦争はしてはならない�≠ﾆ訴えます。

　こうした戦争の悲劇がどうして起きたのか。太平洋戦争開戦から終戦までを最近の研究成果をまじえ、コンパクトにまとめた吉田裕著『シリーズ日本近現代史�E　アジア・太平洋戦争』（岩波新書）は理解の手助けになります。

　（若林明）

( ２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

「ナヌムの家」２１周年記念式典への志位委員長のメッセージ

　日本共産党の志位和夫委員長が１０日、韓国の「ナヌムの家」設立２１周年・日本軍「慰安婦」歴史館開館１５周年記念式典に送ったメッセージ全文は次の通りです。

　ナヌムの家設立２１周年と日本軍「慰安婦」歴史館の開館１５周年を記念する式典への招待をいただき、心から感謝します。残念なことに本日、東京でおこなわれる私たちの党創立９１周年記念講演会と重なったため、出席がかないません。筆舌に尽くしがたい歴史の生き証人であるハルモニの方々、その生活を支えつつ歴史の事実を粘り強く伝えてこられた方々に、心からの敬意を込めて連帯のあいさつを送ります。

　戦後６８年もたってなお残されている日本軍「慰安婦」問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題です。その解決のためには、日本政府としてこの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です。韓国政府は、１９６５年の日韓請求権協定に基づく両国政府間の協議を繰り返し日本政府に求めています。日本政府は、「請求権の問題は解決済み」として、協議に応じる姿勢を示していません。

　しかし、この協定では、協定の解釈および実施に関する両国間の紛争がある場合には、「まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」としています。日本軍「慰安婦」問題が、被害者の告発によって明らかとなり、政治問題化したのは９０年以降のことであり、「解決済み」との日本側の主張は成り立ちません。日本政府は、協定の規定にしたがい、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきです。

　歴史は決してつくりかえることはできません。しかし、誠実に向き合うことはできます。日本が、歴史に誠実に向き合い、誤りを真摯（しんし）に認め、清算をおこなってこそ、末永く日韓両国民の心通う友情を築いていくことができると確信しています。

　いま世界でもアジアでも、日本の右傾化への懸念が強まっています。同時に日本国民のなかには、歴史をゆがめる逆流に対する、強い理性的批判の声が急速に広がっています。そのことは、先の参議院選挙で、この逆流と真正面から対決した私たち日本共産党が大きく躍進したことにも示されています。９１年前の結党時から、侵略戦争と植民地支配反対をかかげ、韓国・朝鮮の愛国者に連帯してたたかった歴史を持つ党として、日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるため、全力をつくす決意です。

　みなさんのご健康と、活動の発展を心から願っています。

２０１３年８月１０日

東京にて

日本共産党幹部会委員長

　志位和夫

( ２０１３年０８月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

「ナヌムの家」／「慰安婦」問題解決に全力／記念式典に笠井氏出席／志位委員長メッセージ／韓国

　韓国の日本軍「慰安婦」被害者が共同生活する京畿道・広州市の「ナヌムの家」で１０日、同施設の設立２１周年と併設する「日本軍『慰安婦』歴史館」開館１５周年を記念する式典が開かれました。日本からは、日本共産党を代表して笠井亮衆院議員が来賓として出席してあいさつ。志位和夫委員長のメッセージを代読し、「慰安婦」問題解決のために全力を尽くすと強調しました。

　（メッセージ全文４面）

　志位委員長はメッセージで、「『慰安婦』問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題」と指摘。日本政府は、韓国政府が１９６５年の日韓請求権協定に基づいて求めている政府間協議に応じるべきだと述べました。

　世界で日本の右傾化への懸念が強まっているなか、日本共産党は９１年の歴史を持ち先の参院選で躍進した党として、歴史をゆがめる逆流とたたかい、「日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させる」と表明しました。

　「ナヌムの家」代表理事の宋月珠大僧正（前大韓仏教曹渓宗総務院長）は、「志位委員長のメッセージはよく練られた内容で、ありがたく思う」と謝意を表しました。

　式典には日韓両国から約３００人が参加。笠井氏は式典に出席した１０人の「慰安婦」被害者と昨年１０月以来の再会を喜び合い、被害者から次々と「今後もがんばってほしい」と声をかけられました。韓国の国会議員らとも交流し、「慰安婦」問題解決のために協力し合うことを確認しました。

( ２０１３年０８月１１日， 「赤旗」）（Page/Top）

１０

平和のための戦争展に学ぶ／あすまで／埼玉・所沢

　「２０１３所沢平和のための戦争展」が８日、埼玉県の所沢市役所１階市民ギャラリーで始まりました。同実行委員会主催で、１０日まで開かれます。１９８８年から毎年開かれ、今年で２６回目となります。

　今年のメーンテーマは「核も戦争もない世界に」。戦争の実相を伝えるものをはじめ、所沢の基地問題、核兵器廃絶、「従軍慰安婦」問題などのパネル展示が並びます。「青年コーナー」では青年らが展示をもとに作ったクイズを解きながら、熱心に解説を聞く小中学生の姿が目立ちました。

　中学３年生の女子は「戦争展に来るのは３回目です。『慰安婦』問題など展示を見てよくわかりました」と話しました。

　実行委員会の山田裕事務局長は「今年は所沢の久米地区での戦争を特集するなど、地元に関する展示も多くあります。ぜひ若い人にも見にきてほしい」と話しています。

　最終日の１０日には、航空公園内の旧陸軍飛行場の戦争遺跡などを巡る現地研修会、すいとん試食会、平和のうたごえなどのイベントが予定されています。

(２０１３年０８月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

元「慰安婦」証言／「歴史教科書に記載を」／札幌で集い

　７日夜、札幌市で「ロラと語ろう！〜日本のこと、未来のこと〜」と題してフィリピンで日本軍「慰安婦」とされた女性の証言を聞くつどいが開催されました。

　１９９１年に韓国で１人の女性が初めて「慰安婦」被害者として名乗り出た８月１４日を国連記念日にしようというキャンペーンの一環で、日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会が企画しました。

　��ロラ�≠ﾍフィリピンのタガログ語で��おばあさん�≠ﾆいう意味です。

　初めて日本で証言をするエステリータ・ディさんは１４歳で日本軍「慰安婦」とされ、凄惨（せいさん）な日々を過ごしたことを涙ながらに語り「自分たちの正義の回復のために日本政府に謝罪と補償、歴史の教科書に日本軍慰安婦を記載することを求めます」と話しました。

　支援者組織の代表であるリチェルダ・エクストゥラマドゥラさんは「日本の憲法９条を改正しようとする動きをどう思うか」という男子学生の質問に「非常に残念で危機感をおぼえる。戦争は多くの人に苦しみをもたらす。憲法改正をしないよう、特に若い方に団結してほしい」と答えました。

(２０１３年０８月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

ジブリが改憲反対／ホームページに公開／宮崎・高畑・鈴木氏ら

　「憲法改正」を特集したスタジオジブリ発行の無料冊子『熱風』７月号が反響を呼び、編集部はホームページで記事の公開を始めています｡宮崎駿、高畑勲両監督、鈴木敏夫プロデューサーらが改憲反対を主張しています。

　宮崎監督は、「憲法を変えるなどもってのほか」といい、９６条の先行改憲についても、「詐欺」「やってはいけない」と述べています。首相や政党幹部の発言を、「歴史感覚のなさや定見のなさには、呆（あき）れるばかり」、「ちょっと本音を漏らして大騒ぎを起こすと、うやむやに誤魔化（ごまか）して、『いや、そういう意味じゃないんだ』みたいなことを言っている」と批判。「慰安婦」の問題でもきちんと謝罪と賠償をすべきだと述べています。

　高畑監督は、岡山空襲で火の中を逃げ回った体験を語ったうえで、反戦を願うならば、開戦時を思い出す必要があると指摘。戦争に懐疑的だった人々や多くの知識人が、戦争が始まった以上、「あとは日本が勝つことを願うしかない」と「こぞって為政者に協力しはじめた」と振り返り、このように「知性や理性を眠らせないですむ」ための根本理念が９条だと主張しています。

　９条は「理想の旗であり」、現実との間にギャップがあるからといって９条をなくせば、「最低の現実主義で悪い方へずるずるいく」と訴えています。

　鈴木プロデューサーは、平和憲法を持つ日本を侵略する国があれば、世界から非難を受け、世論がブレーキをかけるのが現代だとし、「日本が世界にアピールするとしたら、九条」と述べています。

( ２０１３年０８月０９日， 「赤旗」）（Page/Top）

国連勧告無視する日本政府／問われる人権意識／吉田好一

　いま、安倍政権は世界から人権意識を問われています。

　従軍「慰安婦」問題で、国連の拷問禁止委員会は日本政府に勧告を出しました（５月）。公人が事実を否定する発言を繰り返していることに対し、政府として是正措置をとるよう求めたのです。しかし安倍政権は��勧告に従う義務はない�≠ﾆいう態度です。

　国連は１９６６年に国際人権規約を採択したのをはじめ、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約など人権を守る条約をつくってきました｡これらを批准した国は､一定期間ごとに国内の人権状況を国連の各「委員会」に報告し審査を受けます。

　ＮＧＯ（非政府組織）は審査を傍聴するほか、政府報告書への批判・意見（カウンターレポート）を提出し、委員と会合をもって直接訴えるなど重要な役割を果たしています。

　今年４〜５月、スイスのジュネーブで日本が国際人権規約の社会権規約委員会と拷問禁止委員会の審査を受けた際、私は国際人権活動日本委員会の一員として参加しました。

「慰安婦は強制」

　審査は、国連の委員が当該国の政府代表に質問する形で行われます。委員はＮＧＯの報告書をよく読み、非常に的確な質問をします。一方、日本政府代表は用意したペーパーを読むだけ。質問にかみ合わず建設的議論になりません。

　拷問禁止委員会の審査では、議長役のアメリカのガエル委員が、橋下徹・大阪市長の「慰安婦」発言に触れ、「橋下発言は受け入れられない。（被害）女性には移動の自由はなく強制は明らかだ。性奴隷については前回も勧告しているが、中・高校の教科書の記載が減っているのはなぜか」と日本政府をただしました。

日本大使の暴言

　この審査では驚くべきことが起きました。ある委員が、警察の留置場（代用監獄）に勾留して自白を迫る日本の取り調べについて、「中世のようだ」と指摘しました。これに対し、日本の上田秀明人権人道大使が審査の最後に「日本は中世の国といわれたが、人権先進国の一つだ」と述べたのです。会場に苦笑が起きました。その途端、上田氏が「笑うな！」「シャラップ（黙れ）！　シャラップ！」と声を荒らげたのです。会場は凍りつきました。

　これらの審査で出されるさまざまな「勧告」を、日本政府は無視し続けています。社会権規約委員のシン・へイシュウさん（韓国）は「韓国は国内法を改正し勧告を履行している。日本は後ろ向きだ」と指摘します。

　その結果、たとえば、最高裁判決などに納得できない場合、国連に通報できる個人通報制度を批准していないのはＯＥＣＤ諸国で日本とあと１カ国だけという状況です。人権を国際水準に引き上げるたたかいが求められています。

　（よしだ・こういち　国際人権活動日本委員会代表委員）

( ２０１３年０８月０９日，「赤旗」）（Page/Top）

平和のための戦争展開く／京都市北区／和歌山市

京都市北区

　「平和のための京都の戦争展」が６日から立命館大学国際平和ミュージアム・中野記念ホール（京都市北区）で始まりました。１１日まで。主催は同実行委員会。

　「大東亜共栄圏とは何だったか」をテーマに、満州や中国などで使われていた軍票（日本軍が通貨の代用として発行した手形）、沖縄全島に１３０カ所以上あった「慰安所」マップを初めて展示しています。

　ほかに、建物疎開前の五条通りの復元図や「核兵器」「原発」「平和憲法」をテーマにした資料、解説パネルなど３００点余りを展示しています。

　兵庫県西宮市から祖母と訪れた高校３年の田村彩香さん（１８）は「授業で知っているつもりだったが、実際に写真や資料を見て戦争のつらさや苦しみを感じた。憲法９条は絶対に変えてはダメだと思った」と話していました。

　各日とも午前１０時〜午後４時半。連日、講演会やミニシンポ、映画、アニメなどの企画が催されます。入場無料。問い合わせは、実行委員会０７５（２３１）３１４９まで。

和歌山市

　「平和のための戦争展わかやま」が２、３の両日、和歌山市で開かれました。

　２日、実行委員会を代表してあいさつした県平和委員会の松田健司さんは「憲法が危うくなっている」と指摘し、同展で特設された憲法コーナーをじっくり見てほしいとよびかけました。

　舞台では、読み聞かせサークル「つくしんぼ」が「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」などを朗読。同サークルの別院丁子さん（６６）は、麻生太郎副総理によるナチズム肯定発言について「麻生さんは発言を取り消したが、本音でなければあんなことは言わない。憲法の大切さ、戦争の悲惨さを訴えたい」とのべました。ほか舞台では、紙芝居や戦争体験が語られました。

　会場では、核兵器の悲劇を考える、戦争に反対した人々、和歌山大空襲や県内の戦跡、憲法、日本軍「慰安婦」・強制連行などが企画展示され参加者らが見入っていました。

　３日には、シンガー・ソングライター藪下将人さんとＴＯＹＢＯＸによるピースライブや、絵本読み聞かせなどが行われました。

(２０１３年０８月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」賠償問題／��対立見解は外交で解決�＝^日韓請求権協定締結時に外務省／笠井氏調査で判明

　日本軍「慰安婦」被害者への賠償問題をめぐり、日韓請求権協定（１９６５年）締結当時、日韓間で��対立する見解�≠ｪ生じた場合には外交上の努力で解決されるべきだとする「条約解説」を日本の外務省がまとめていたことが、６日までに日本共産党の笠井亮衆院議員の調べで分かりました。

　日本政府は、日韓請求権協定によって財産・請求権問題は解決ずみで「紛争は存在しない」という立場です。そのため「慰安婦」被害者の賠償要求に応じていません。これに対し、外務省がまとめた文書「解説・日韓条約」（『法律時報』６５年９月号）は、日本政府の立場と明らかに違う内容で注目されます。日韓諸協定で定める紛争処理の規定について、当時、外務省の事務官だった小和田恒・元事務次官が執筆を担当しています。

　同「解説」は、「何が『紛争』に当たるか」について、一方の当事国が「ある問題について明らかに対立する見解を持するという事態が生じたとき」と明記。また、紛争の発生時期については「何らの制限も付されていない」とし、「今後、生じることのあるすべての紛争が対象になるべき」だと説明しています。

　そのうえで、日韓間で紛争が生じた場合は、「まず外交上の経路を通じて解決するため、可能なすべての努力を試みなければならないことはいうまでもない」と指摘しています。

紛争に該当は明白／笠井亮衆院議員

　外務省の当時の「解説」からも、９０年代に入り問題化した「慰安婦」問題での日韓間の解釈の違いは、協定上の紛争に当たることは明白です。日本政府の「請求権問題は解決済み。紛争は存在しない」という主張は成り立ちません。政府は、韓国側との協議に早急かつ誠実に応じ、外交的解決に努めるべきです。

( ２０１３年０８月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

維新の堺市つぶし許さず地方自治守り抜く／市長選で党地区委が声明

　９月１５日告示（２９日投票）の堺市長選について、日本共産党堺地区委員会が４日に発表した声明（全文）は以下の通りです。

　　◇

　日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は２日の臨時総会において、９月におこなわれる堺市長選で橋下・「維新の会」が候補者を擁立するなら、現竹山修身市長を自主的に支持してたたかい、必ず勝利することを決定しました。日本共産党はこの「つくる会」の決定を支持し、その先頭にたつことを表明するものです。

　その理由は、次の３点にあります。

　第１に、３月に発表した党堺地区委員会の市長選挙に臨むにあたっての「声明」に示したとおり、今回の市長選における最大の争点は、橋下・「維新の会」による「堺のっとり・堺市つぶし」を断じて許さず、市民のくらしと福祉、地方自治を守りぬくことにあります。

　参院選において、橋下・「維新の会」は、大阪の比例代表得票を、総選挙時の１４６万票から１０５万票へと大きく減らしました。これは橋下市長による「慰安婦」問題での暴言や改憲・反動の政治路線が府民のきびしい批判にさらされたものであり、はやくも「日本維新の会」の解党・再編もにおわせています。

　同時に、大阪では１００万票を維持したことで、橋下氏が「大阪回帰」、なかでも「大阪都構想」実現への執念を強くしています。その最大の焦点が堺市長選にあると、公明党にも協力を要請するなど、なりふりかまわぬ構えを見せています。

　これにたいして堺の市民の声と運動の力で、橋下・維新が提案した「教育基本条例案」「職員基本条例案」を否決し、６月には、「日本維新の会共同代表らによる、いわゆる従軍慰安婦問題等に関する発言の撤回及び謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」をわが党と自民、ソレイユ堺、無所属市議２人の賛成多数で可決（公明は反対・対案を提出）するなど、維新の横暴を許さないとりくみが大きく広がりつつあります。

　このもとで橋下・「維新の会」の野望を堺市長選で打ち砕くことは、大阪全体、さらには全国的にも、改憲・反動の政治の流れにストップをかけ、国民の声で動く、まともな政治の姿をとりもどす一大転機となるものです。

　第２に、竹山市政に対して、日本共産党はこれまで「是々非々」で臨んできました。竹山市政が、わが党と市民の要望をとりいれ、臨海部までのＬＲＴ（低床式路面電車）路線建設の中止、国保料の４年連続引き下げ、子どもの医療費助成の中学校卒業までの拡充、お出かけ応援バスの平日毎日運行などを実現させてきたことは積極的に評価されるものです（竹山市政の予算案に、わが党は初年度は反対、この３年間は賛成。自民・公明・民主系は４年間賛成、維新は今年度のみ反対）。何よりも橋下氏の支援で当選した経緯をもつ竹山市長が、「大阪都構想」をきっぱり批判し、大阪府・市政にみられる橋下・「維新の会」の横暴な行政運営と明瞭に一線を画した市政運営をすすめてきたことは大きな意義をもつものです。

　同時に、障害者福祉の拡充、シャープへの公金支出をただす問題などでは、わが党の立場とは異なり、不十分さや弱点があることを率直に指摘し、「丁々発止の議論」（竹山市長）をすすめてきました。

　これらをつうじて竹山市長はわが党の提言にも耳を傾ける姿勢を示し、党演説会へのメッセージや参院選後の率直な意見交換などもすすめてきています。

　わが党は竹山市政にたいし、今後も率直な批判や意見交換をつうじて、堺市政がより住民要求にこたえ、前進するために力をつくします。そのためにも、橋下・維新による「市政のっとり」を絶対許さず、この市長選のたたかいをとおして、竹山市政を前進させる立場に立つものです。

　第３に、参院選において、わが党は、大阪では「自民に対決、維新に痛打、抜本的対案を示す」という立場を鮮明に、全国比例５議席を獲得し、選挙区では東京・京都とともに大阪で１５年ぶりの議席を得て、改選３議席から８議席への躍進を果たしました。ここには、「自共対決」、大阪では「維新との対決」という点で一貫した政治姿勢への評価とともに、反対だけではなく、あらゆる問題で抜本的対案を示し、現実政治を動かす点での党の役割への大きな期待が反映しています。

　今回の堺市長選挙において、橋下・「維新の会」が候補者を擁立するなら、わが党として独自の推薦候補を擁立せず、竹山市長を支持してたたかうという政治決断は、参院選にも示された市民の期待に正面からこたえるものだと確信します。

　竹山市長は事務所開きにおいて、「大阪都構想」による「堺のっとり・堺市つぶし」を打ち破るためには、「広範な政党、団体、市民の固い絆の連携が必要」と力説しました。

　わが党は、「大阪都」構想ノーをはじめ、市民のくらしと自治を守り、発展させる市政を前進させる点で一致する、すべてのみなさんと手をたずさえ、その共同の発展と勝利のために、あらゆる面で知恵と力を発揮してたたかいぬく決意です。

(２０１３年０８月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

５

週間日誌／１３年７月２８日〜８月３日

政治・経済

　◆麻生副総理がナチス擁護　麻生太郎副総理（財務相）が東京都内の講演で改憲問題について「（ナチスの）あの手口に学んだらどうかね」と暴言（２９日）

　◆追加オスプレイが陸揚げ　米海兵隊普天間基地（沖縄県宜野湾市）に追加配備される１２機のオスプレイの岩国基地（山口県岩国市）への陸揚げが強行される（３０日）

　◆失業率が４年８カ月ぶりの低水準　総務省が発表した労働力調査によると、全国の６月の完全失業率（季節調整値）は３・９％と前月に比べ０・２ポイント低下。低下は３カ月ぶりで、２００８年１０月以来４年８カ月ぶりに３％台へ低下（３０日）

　◆臨時国会が開会　第１８４臨時国会が召集され、参院選挙で初当選・改選を果たした日本共産党参院議員８氏がそろって初登院（２日）（写真）

　◆社会保障国民会議が全面改悪案を公表　政府の「社会保障制度改革国民会議」が最終報告書案の各論部分を公表し、医療・介護・年金・保育の全分野で改悪方針（２日）

社会・国民運動

　◆安愚楽牧場元社長ら告訴　「和牛オーナー制度」をめぐる特定商品預託法違反事件の被害者は運営元の安愚楽（あぐら）牧場（本社・栃木県那須塩原市）の三ケ尻久美子元社長ら３人を詐欺罪で告訴（２９日）

　◆脱法ハウスを公表　国土交通省は、オフィスや倉庫で使うと称し極端に狭いスペースに人を居住させる「違法貸しルーム」（脱法ハウス）の疑いのある物件がこれまでに３９８件に上ることを明らかにしました。うち３２件で建築基準法違反を確認し、是正を指導（３０日）

　◆ブラック企業被害対策弁護団結成　労働者を酷使して使い捨てにするブラック企業の被害者を支援しようと全国各地の弁護士が参加する弁護団を結成。相談活動や裁判支援を通じて被害救済にあたるほか、ブラック企業の根絶に向けて社会への問題提起や実態調査に取り組む（３１日）

　◆原爆症８人認定　国が原爆症認定の申請を却下したのは違法だと訴えた裁判で、大阪地裁判決。原告８人全員の却下処分を取り消し、「原爆症の認定をすべき」と国に命じる（２日）

国際

　◆カンボジア総選挙野党大幅増　カンボジア下院（定数１２３）の総選挙で野党・カンボジア救国党が２９議席から５５議席に増やし、与党・人民党は単独過半数を維持したものの９０議席から６８議席に後退（２８日）

　◆米ファストフード労働者がスト　ニューヨークやシカゴ、デトロイトなど全米７都市でファストフード店で働く労働者が最低賃金の大幅引き上げと労働組合結成の権利を求めてストライキ（２９日）

　◆中東和平交渉が再開　ケリー米国務長官はワシントンで会見し、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉が約３年ぶりに再開したことを発表（３０日）

　◆ロス近郊に「慰安婦」像　米ロサンゼルス近郊のグランデール市中央の公園で旧日本軍の韓国人「慰安婦」を象徴する少女像の除幕式が行われ、米西岸に「慰安婦」像が初めて設置（３０日）

　◆伊元首相が脱税で有罪確定　脱税罪に問われたイタリアのベルルスコーニ元首相の裁判でローマの破棄院（最高裁に相当）が禁錮４年の高裁判決を支持し、有罪（恩赦法により直ちに１年に減刑）が確定（１日）

( ２０１３年０８月０５日， 「赤旗」）（Page/Top）

視点２０１３／ニュースを読む／ヘイトスピーチデモの背景／歴史認識のゆがみ温床に／栗原千鶴

国連が政府に勧告

　「ヘイトスピーチはあかん」「仲良くしよ〜や」―。そんなプラカードを手に７月、市民が大阪の町をパレードしました。社会問題となっている民族排外主義をあおるヘイトスピーチ（憎悪表現）に対する抗議行動です。ヘイトスピーチがいまなぜ日本で横行するのか、デモの現場から考えました。

　大阪市の繁華街を南北に貫く御堂筋。民族衣装に身を包んだ人たちや、バラや風船を持った人たち約６００人がパレードしました。

形になった差別

　娘と参加した女性（４２）は父親が韓国人で母親が日本人。在日３世にあたりますが国籍は日本です。最近ヘイトスピーチデモが行われていると知り「衝撃を受けた。差別が形になって見えた」といいます。

　デモを行っているのは「在日特権を許さない市民の会（在特会）」を中心とした団体です。今年に入り、各地で頻繁に行われるようになりました。「殺せ、殺せ朝鮮人」「ガス室に朝鮮人、韓国人をたたき込め」などと耳を疑うような言葉を発し、韓国・朝鮮籍の人が多く住む地域でデモをしています。

　国会内で開かれたデモに抗議する集会で、社会学者の鄭暎惠（チョン・ヨンヘ）さんは訴えました。

　「想像してみてください。皆さんがどこか外国で暮らし、週末自宅で休んでいたら家の前の通りから『日本人は首をつれ』と数十人がデモをしている声が聞こえてきたら、どう思われますか。これが現実に日本で起こっていることです」

　鄭さんの夫は日本人。娘も日本国籍ですが、本名は朝鮮の姓を持っています。祖父母の文化も理解したいと東京韓国学校に通っていましたが、安心して暮らしたいと海外での生活を選択しました。時折、涙ぐんで語る鄭さんの姿に被害の深刻さ、無念さが伝わってきて胸が痛みました。

　また、排外主義を考える上で見過ごせないのは、一握りの団体だけの問題ではないということです。４月、東京都町田市の教育委員会が新小学１年生に配布する防犯ブザーを、「北朝鮮情勢」を理由に市内の朝鮮学校にだけ渡さなかった事件がありました。抗議が殺到し、市教委はあわてて撤回しました。

　『ネットと愛国　在特会の「闇」を追いかけて』の著者でジャーナリストの安田浩一さんは「現政権や保守派の改憲への動き、言動は排外主義グループに栄養を『供給』している」と指摘します。

人権感覚を問う

　心ない民族差別が横行している背景には、日本の政治的土壌があります。温床になっているのが安倍晋三首相や「維新」共同代表の橋下徹大阪市長のような過去の戦争を美化・合理化する歴史認識です。

　５月に開かれた国連社会権規約委員会は日本政府に、排外主義グループが日本軍「慰安婦」は売春婦だったという趣旨のヘイトスピーチを繰り返していることに対して改善を求め、日本政府が朝鮮学校だけを高校授業料無償化制度から排除したことにも「差別禁止」が図られるべきだとしました。

　国連拷問禁止委員会でも、政治家が公に「慰安婦」問題を否定し被害者に心的外傷を与え続けていると指摘され、日本政府は早急に効果的な措置をとるよう勧告されました。しかし安倍政権は「従う義務はない」と勧告を無視する態度です。

　戦後の国際秩序はファシズムと侵略戦争への断罪を共通の土台として築かれました。

　１９４８年の第３回国連総会で採択された世界人権宣言は、第２次世界大戦の経験を踏まえ、基本的人権を定めました。

　第１条にはこうあります。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」

　侵略戦争を美化する人物が首相や政党の代表を務め、副総理がナチズムを肯定する―。これがいまの日本政府です。問われるべきは、世界の流れから逆行した歴史認識と人権感覚です。

　（社会部副部長）

( ２０１３年０８月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

原水爆禁止世界大会／安倍政権の歴史認識が北東アジア不安定要因／緒方副委員長の発言／国際会議

　原水爆禁止世界大会の国際会議で４日、同大会議長団の一員で、日本共産党の緒方靖夫副委員長が発言しました。その発言を紹介します。

　参院選挙で、中間的な諸政党が衰退するもとで、自民党政治と真正面から対決した日本共産党が躍進しました。比例代表で自民党対共産党の得票を約３・５対１に縮め、東京と京都という日本を代表する現旧首都で自民党に次ぐ第２党となりました。政治的には「自共対決」の時代に入ったといわれています。

　安倍政権の右翼的性格と国会での安定多数は、アジア諸国、日本国内に懸念をもたらしています。その政策は国民の願いとは異なり、世論と運動の発展により、危険な道を進ませてはなりません。今後の日本をめぐり、危険な道がある一方で、たたかいで切り開く新しい展望があります。

　北東アジアの平和と安定の課題は、世界大会に集まった核兵器廃絶を求める世界の運動に密接に関連しています。北朝鮮による核兵器保有の宣言、日本と中国の領土紛争、米軍の配備と基地の強化などがあります。日本の進歩勢力が積極的に取り組むべき課題は、多様かつ重要です。

　安倍首相が表明してきた歴史認識の問題は、北東アジアの情勢を不安定にする要因になっています。日本が中国や韓国と通常の外交ができないことも、米政権のアジア政策の障害となっています。

　安倍政権は、旧日本軍の「慰安婦」問題で、人権などの普遍的価値に反する存在として問題にされ、世界から孤立する道をすすんでいるときに、安倍首相は「価値観外交」なるものを掲げて、北東アジア周辺を訪問していますが、かえって北東アジアでの日本外交不在が目立つ状況です。

　この特異な安倍内閣の歴史認識を封じ込めることは、日本が当たり前の政治・外交をすすめるうえでの大前提の課題です。

　そのうえで、第一に重要な課題は、日本政府の立場も含めて「核抑止力」論との決別です。

　第二に、世界政治の公認の原則・紛争の平和的話し合い解決の立場に徹することです。

　第三に、日本国憲法を守ることです。

( ２０１３年０８月０５日，「赤旗」）（Page/Top）

河野談話２０年／「慰安婦」問題解決全国行動が声明

　日本軍｢慰安婦｣問題で､軍関与と強制性を認めた河野内閣官房長官(当時)の談話発表から２０年を迎えた４日､日本軍｢慰安婦｣問題解決全国行動(梁澄子､渡辺美奈共同代表)は声明を発表しました｡

　声明は、第２次安倍内閣のスタートとともに再び「河野談話」「村山談話」の見直しを示唆し、「本心が談話の否定にあることは明白」と指摘。「いま首相に求められていることは、憲法改正＝戦争のできる国づくりではなく、過去の歴史に向き合い、アジアの中で信頼関係を築くことであり、国際社会からの信頼を回復すること」としています。

( ２０１３年０８月０５日， 「赤旗」）

懲りない麻生副総理／��ナチスに学べ�≠ｾけじゃない／過去の暴言の数々

　ナチスの手口に学んだらどうか―。麻生太郎副総理・財務相の戦後国際政治の土台を覆す暴言に世界が仰天、批判が集まっています。麻生氏は発言を「撤回」しましたが、同氏の過去の偏見・差別に満ちた右翼的発言の数々（別項）を見るにつけ、今回の発言が偶然の産物ではないことがはっきりしました。本人の副総理辞任はもとより、同氏を任命した安倍首相の責任も問われています。

婦人参政権は失敗／（創氏改名は）朝鮮人の「名字くれ」が始まり／アルツハイマーの人でも分かる／（お年寄りは）さっさと死んで

麻生氏の主な暴言録（カッコ内は発言時の肩書と場所）

　１９８３年２月　「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗」（自民党青年局長、高知県議選の応援演説）

　２００３年５月　「（創氏改名は）朝鮮人の人たちが『名字をくれ』と言ったのがそもそもの始まり」（自民党政調会長、東京大学での講演）

　２００５年１１月　小泉首相の靖国参拝について「祖国のために尊い命を投げ出した人たちをまつり、感謝と敬意をささげるのは当然。首相としても簡単に譲るわけにはいかないと思う」（外相、鳥取県での講演）

　２００６年７月　北朝鮮のミサイル発射について「（朝鮮労働党の金正日総書記に）感謝しないといけないかもしれない」（外相、広島市内での講演）

　同年１０月　核武装をめぐる議論で「隣の国が持つとなった時に一つの考え方としていろいろな議論をしておくことは大事だ」「非核三原則を政府として堅持する立場に変わりないが、日本は言論統制された国ではない。言論の自由を封鎖するということにくみしないという以上に明確な答えはない」（外相、衆院テロ・イラク特別委員会など）

　２００７年２月　米議会の従軍慰安婦決議案に「客観的事実に基づいていないのではなはだ遺憾なものだ」（外相、衆院予算委員会）

　同年３月　中東和平外交で「米国人にできないことを日本がやっている。日本人というのは信用がある。青い目で金髪だったら多分駄目よ」「われわれは幸いにして黄色い顔をしている。そこ（中東）で搾取をしてきたとか、ドンパチ、機関銃撃ったとか一回もない」（外相、長崎県での講演）

　同年７月　日本の農作物輸出に関し「７万８千円と１万６千円はどっちが高いか。アルツハイマーの人でも分かる」（外相、富山県高岡市での講演）

　２００８年８月　「（国会で）審議をしないとどうなるか。ドイツでは昔、ナチスに一度（政権を）やらせてみようという話になった」（自民党幹事長、幹事長就任のあいさつで訪ねた江田五月参院議長に）

　同年１２月　ハローワーク渋谷で「何を自分でしたいか決めないと、なんかありませんかねっていうんじゃ、仕事はみつからないよ。目的意識がきちんとないと、雇う方だってその気にならない」（首相、東京都のハローワーク渋谷）

　２０１３年１月　終末期医療で「政府のお金で（高額医療を）やってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろ考えないと解決しない」（副総理・財務相、政府の社会保障制度改革国民会議）

　同４月　食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている。公平ではない。無性に腹が立つ」（東京都内の会合）

( ２０１３年０８月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

８月１５日の靖国参拝に懸念／��再び周辺地域と緊張の恐れ�＝^米議会報告書

　【ワシントン＝時事】米議会調査局は２日、日米関係に関する報告書を公表し、安倍晋三首相や安倍内閣の閣僚が終戦記念日の８月１５日に靖国神社に参拝すれば「周辺地域の緊張を再び高める可能性がある」と懸念を示しました。

　報告書は「安倍首相や閣僚による歴史問題に関する発言と行動は、周辺国との関係を不安定にさせ、米国の国益を損ねるとの懸念を高めてきた」と説明。靖国参拝のほか従軍慰安婦や島根県・竹島の問題などに関する首相の対応は近隣諸国だけでなく米国からも引き続き注視されていくと指摘しました。

　また、首相は日米同盟強化を打ち出しているものの、中国や韓国との関係悪化を避けられるか疑問も持たれていると紹介。首相が日米関係をどう維持していくか依然として不透明との見方を示しました。

　報告書は日本や日米関係の現状について定期的にまとめているもので、議員への情報提供が目的。

( ２０１３年０８月０４日，「赤旗」）（Page/Top）

平和のための戦争展開催中／山口市で４日まで

　第１６回山口・平和のための戦争展（同実行委員会主催）が、山口市民会館展示ホールで開かれています。４日まで。入場料無料。

　今回は、福島原発事故の「現状と近未来」と題して、放射能汚染状況の紹介や原発の「新規制基準」をＱ＆Ａ方式で解説。新日本婦人の会が６月、上関原発建設に粘り強く反対している祝島の女性たちと交流したようすを写真で紹介。山口市原水協所蔵の「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間」の写真パネル、日本軍「慰安婦」問題で元「慰安婦」の証言、陶器で作った手りゅう弾などを展示しています。

　市民会館に来て戦争展を知ったという４０歳の女性は、「安倍首相が国防軍などと言って何か怖いですね。さらに麻生太郎副総理がナチスを肯定するような発言をして、なおさらその感じが強くなりました。多くの国民が二度と戦争はしてはならないと思っているのに。政治家としての資質が問われると思いますね」と話しました。

(２０１３年０８月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

２県都で戦争展／加害と被害の実態を展示・前橋／「核と原発」をテーマに開催・甲府

加害と被害の実態を展示／前橋

　群馬県前橋市の前橋プラザ元気２１で２日、２０１３平和のための戦争写真展が始まりました。前橋平和委員会など５団体でつくる実行委員会が主催。４日まで。

　会場には、旧日本軍による中国、東南アジア侵略や、広島・長崎の被爆写真など、戦争の加害、被害の実態を示す３００点を超える資料が展示されています。群馬関連では、１９４５年８月５日の前橋空襲や中国人強制連行の資料、県下に爆音被害をもたらしている米軍機の飛行実態を示す資料も展示されています。

　会場を訪れた関口優子さん＝前橋市＝は「戦争体験は語り継がないといけないと思います。子どもにも、関心を持ち続けてほしい」と話しました。息子の真司君（７）は「おじいちゃんから、戦争で小学校も焼けたと聞きました。戦争の写真は怖かった」と述べました。

　６歳の息子と展示を見ていた平井久美さん＝前橋市＝は「ちょうど今朝、息子から��戦争ってなんだったの�≠ﾆ聞かれましたが、うまく説明ができませんでした。子どもと一緒に見て、考えることができる展示はいいですね」と語りました。

　戦争写真展は、３日（土）午前９時〜午後７時、４日（日）午前９時〜午後４時。問い合わせは０２７（２１０）２１８８前橋プラザ元気２１まで。

「核と原発」をテーマに開催／甲府

　８回目の開催となる「平和を願う山梨戦争展」が２日、甲府市のぴゅあ総合ギャラリーで始まりました。７日まで。

　１９９５年からテーマを決めて開いているもので、今回は、「核と原発」をテーマに「チェルノブイリ・フクシマ展」として開かれました。

　主催は、大澤英二氏（山梨ＹＭＣＡ）、手塚正彦氏（山梨高教組）ら５氏が呼びかけた実行委員会。

　会場には、チェルノブイリ原発事故でヨーロッパに広がった放射能汚染の図表や事故を報じる当時の新聞をはじめ、福島原発事故、「従軍慰安婦」問題の資料が展示されています。

　期間中、講演会（４日）や討論会（６日）も行われます。

　呼びかけ人の一人、山梨母親大会連絡会の中原節子さんは、「福島第１原発の事故からすでに２年４カ月。いまだにその実態すら明らかにされず、再稼働、輸出です。核と原発に正面から向き合わなければならない時です。多くの方々の来場をお待ちしています」と話しています。

　問い合わせは、山梨高教組０５５（２２２）４８２８まで。

(２０１３年０８月０３日，「赤旗」）（Page/Top）

平和のための戦争展／１万人以上来場／「これからも続けて」／埼玉

　７月２５日から２９日まで、さいたま市の浦和駅西口のコルソ７階ホールで開かれた「２０１３平和のための埼玉の戦争展」（主催・同展実行委員会）には、昨年をこえる１万人以上が訪れました。

　来場者からは「今の日本国憲法があるから戦争もせず安全な世の中でいられる」「戦争展は貴重。これからもずっと続けてほしい」などの感想が寄せられています。

　戦争展は今年で３０回目。実行委員会によると、「従軍慰安婦」問題や核兵器廃絶を訴えるパネル展示を見ながら、熱心に解説を聞きメモを取る高校生など青年の姿も目立ちました。

　イベントルームではアニメ映画上映、講演などのほかに、被爆体験を語る朗読、青年のピーストークなど多彩な企画が行われました。ピーストークに参加した青年からは「被爆者が高齢化しているなか、伝えつなげていく責任が私たちにある」などの感想が聞かれました。

　２８日には��チンドン屋�≠�先頭に、青年が浴衣を着て浦和駅前でアピール行動。多くの市民が戦争展のチラシを受け取ったといいます。

　田中熙巳（てるみ）実行委員長は「憲法を変えようとする政権のもとで、市民の関心も高まっていると感じた。そういうなかで、特に戦争を知らない若い世代にも日本の過去の侵略戦争の歴史を学んでもらい、二度と戦争をしないためにこれからも戦争展を続けていきたい」と話しています。

(２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

日本軍「慰安婦」／学者らサイト開設

　研究者や専門家、市民などでつくる日本軍「慰安婦」問題ｗｅｂサイト制作委員会（吉見義明、西野瑠美子共同代表）は１日、日本軍「慰安婦」制度にかんする明確な出典・根拠を持つウェブサイト「ＦＩＧＨＴ　ＦＯＲ　ＪＵＳＴＩＣＥ　日本軍『慰安婦』―忘却への抵抗・未来への責任」を開設し、東京都内で記者会見しました。

　「慰安婦」問題の解決をめざし、根拠が明確な資料や証言を提供する同サイトは、「入門編」「Ｑ＆Ａ」「証言」「映像」などの部門に分かれ、支援者からの寄付で運営されます。

　「慰安婦」問題の第一人者で「入門編」を編集した吉見中央大学教授は「インターネットには『慰安婦』を否定するサイトが多く、若い人に事実を知ってもらうためにサイトを開設した」と説明し、若い世代が利用することを期待します。

　「一番力を入れている」という「Ｑ＆Ａ」を担当した林博史関東学院大学教授は「政治家などから、さまざまな暴論が繰り広げられているが、主な論点には反論しているつもりです。継続的に中身を増やしていきます」と話しました。

ｈｔｔｐ：／／ｆｉｇｈｔｆｏｒｊｕｓｔｉｃｅ．ｉｎｆｏ／

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／下／「叫ぶな」銃剣で脅し、暴力

海南島に６２カ所余、女性数千人

　海南島の澄邁県に住む３人の元「慰安婦」が訴えるのが、日本軍に脅されて強制的に「慰安婦」にさせられた経験です。

強制労働に加え

　李美金さん（８９）は１９４１年、１７歳の時に村に来た日本軍に捕まり、日本軍の飛行場で強制労働をさせられました。そのうえ夜は「慰安婦」として、１日に２、３人の日本兵の相手をさせられました。

　１カ月以上、草で作られた粗末な建物に押し込められました。日本軍の暴力が怖く、「お父さん、お母さん助けて」と叫ぶと、日本兵が銃剣を李さんの胸の前に出し、「叫ぶな」と脅しました。「死ぬことが怖かったから、そのまま暴力を受けるしかなかった。常に監視され、逃げる気も起きなかった」といいます。

　父親がお金と食糧を日本軍に渡して、やっと帰ることができました。１９４６年に結婚し、３男３女をもうけました。それでも心の傷は何十年も消えることはありません。

恐怖と苦痛で…

　符美菊さん（９０）は１９４０年、１７歳の時に、労働力として、村の十数人の若者と一緒に日本軍に捕まりました。ほかの人は夜になると村に帰されたのに、符さんは一人だけ残され、「慰安婦」にさせられました。日本軍が道具を置いておく簡単な建物に閉じ込められました。ベッドはなく、床に布を敷いただけ。１日に２、３人の相手をさせられました。

　恐怖と苦痛で、水ものどを通らなくなりました。半月後、日本軍は仕方なく符さんの父親を呼び寄せ、瀕死(ひんし)状態の符さんを引き取らせました。

　１９４９年に夫と結婚し、長男が生まれました。しかし夫と長男は若くして死亡、長男の嫁が家を出て行ったため、一人で孫を育てました。孫は中学卒業後、働きに出て、２０１０年に符さんのために家を建ててくれました。いまも２２歳の孫と２人暮らしです。

抵抗にはビンタ

　王志鳳さん（８９）は１９４１年、１７歳の時、祖母の家から帰る途中で２人の日本兵に捕まりました。ほかの村から連れてこられた５、６人の女性と一緒に約２カ月間、昼は塹壕（ざんごう）掘りをさせられ、夜は日本兵に強姦（ごうかん）されました。抵抗すると、ビンタをされ、足で蹴られました。

　１９４６年に結婚し、３人の子どもが生まれましたが、不幸は続きます。長女は出産時に死亡しました。長男は独立したものの、次男は未婚のまま。王さんの末の弟は結婚できず、１９９０年ごろから一緒に暮らしています。いまでも貧しい暮らしを強いられています。

　海南島の元｢慰安婦｣の調査を何度も実施している上海師範大学・中国慰安婦問題研究センターの蘇智良主任は、わかっているだけでも海南島に６２カ所以上の「慰安所」があったと指摘。「慰安婦」の多くは海南島の各地で日本軍が捕まえてきた女性であり、その数は数千人に上るといいます。「日本軍は残忍だった。彼女たちは『慰安所』で非人間的な苦痛を受けた。どれだけの女性がそこで命を落としたかわからない」と蘇教授は語ります。

　（中国・海南島＝小林拓也）

　（おわり）

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

戦時性暴力の被害者が証言／１１日東京でシンポ

　「国際シンポジウム　戦時性暴力被害者から変革の主体へ」が１１日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザ・ホールで行われます。

　主催は日本軍「慰安婦」問題解決全国行動　８・１４を国連記念日にしよう！キャンペーン。

　フィリピンから日本軍「慰安婦」被害者が特別参加し証言します。

　シンポジウムの基調講演は「女性の参加が平和を持続可能なものにする〜安保理決議１３２５号のコアメッセージ」と題してアンワラル・チャウドリー元国連安保理議長が行います。

　韓国挺身隊問題対策協議会常任代表の尹美香氏は「日本軍『慰安婦』被害者が変革の主体になるとき」、京都大学教員の岡真理氏は「記憶を普遍化し、未来に引き継ぐことの意義」と題して発言します。

　◇

日時　８月１１日（日）午前１１時から

場所　東京ウィメンズプラザ（東京都渋谷区神宮前５の５３の６７）ホール

参加費１０００円

問い合わせ先＝ｉａｎｆｕ―ｋａｉｋｅｔｓｕ＠ｆｒｅｅｍｌ．ｃｏｍ　ファクス０３（３２０２）４６３４

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

潮流

　不破哲三さんが雑誌『前衛』に連載中の「スターリン秘史」を楽しみに読んでいます。ディミトロフの日記を縦軸に、スターリンの覇権主義やソ連が巨悪化する過程を解き明かしていきます▼ソ連史にとどまらず、世界の新たな歴史がわかる連載は、ドイツにナチス政権が生まれる前後から始まりました。ヒトラー率いるナチス党は、政権をとるために財界工作や警察権力を握り、国防軍とも手を結びます▼自分たちで国会に放火しながら共産党に罪をなすりつけ、議席も剥奪。ついにナチス党以外の政党を禁じ、独裁体制へ。そのなかで「全権委任法」を成立させ、ワイマール憲法を葬り去ったのです▼こうしたヒトラーの謀略や暴力的なやり方にまったく触れず、麻生副総理がナチスを肯定するような発言をしました。「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。あの手口学んだらどうかね」▼あまりのことに、内外から驚きと怒りの声がわき起こりました。大戦を引き起こし、ユダヤ人を大虐殺し、世界を恐怖に陥れたナチズムを引き合いに出すとは―。撤回はしたものの、「国際的な常識や規範を大きく逸脱したもの」（朝鮮日報）などと批判されるのも当然です▼それにしても、橋下「慰安婦」発言や侵略戦争を美化する安倍首相をはじめ、国際社会がよって立つ歴史に背く政治家の暴言が相次ぎます。歴史から学ぼうとせず、日本を世界から孤立させる勢力には、政治の舞台に立つ資格はありません。

( ２０１３年０８月０２日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏の暴言／学習会で論破／ひろしまネット

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワーク（土井桂子氏ら５共同代表）は７月２８日、日本維新の会共同代表で大阪市長の橋下徹氏の暴言を告発する学習会を広島市中区の市男女共同参画推進センターゆいぽーとで開き、約４０人が参加しました。広島市立大広島平和研究所の田中利幸教授が「橋下発言、ここが問題」と題して講演し、橋下氏の暴言を事実にもとづいて論破しました。

(２０１３年０８月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」消えない心の傷／中国・海南島／上／日本政府はなぜ謝らないの／「おばあさんの心は苦しい」

　中国の最南端に位置し、リゾート地として知られる海南島は、１９３９年から４５年まで旧日本軍の侵略を受け、多くの悲劇が生まれました。強制的に「慰安婦」にさせられた女性も多く、現在確認されているだけでも約２０人の生存者が生活しています。海南省の澄邁県に住む３人の元「慰安婦」を訪ねました。

　（中国海南省＝小林拓也）

　海南省の省都・海口から西へ車で１時間ほど走り澄邁県の中心部へ。そこからさらに車で山道を１時間ほど走った場所にあるのが、元「慰安婦」が住む村・中興鎮です。村の周辺にはゴムの木やバナナの木が植えられ、放し飼いの黒豚や鶏が走り回っています。澄邁県は「長寿の里」としても知られ、足腰がしっかりした９０歳近い元「慰安婦」たちが元気に迎えてくれました。

銃剣で無理やり

　李美金さん（８９）、王志鳳さん（８９）、符美菊さん（９０）の３人は海南島に侵略してきた日本兵に銃剣で脅され、無理やり「慰安婦」にさせられました。１７歳前後の青春時代、１カ月以上にわたりベッドもない粗末な部屋に押し込められ、床に敷かれた布の上で１日に２、３人の日本兵の相手をさせられました。

　自分の経験を語ってくれた李さんは「アポ（現地語で『おばあさん』）の心は苦しい」と涙を浮かべて記者の手を握りしめました。彼女たちの心の傷は何十年たっても消えることはありません。彼女たちをさらに苦しめているのが、いまだに謝罪も賠償もしない日本政府の態度です。

　王さんは抵抗した時に日本兵に何度もビンタされ、耳がよく聞こえなくなりました。当時の恐怖はいまも消えていません。「こんなに暴力を受けて殴られた。でも日本政府からは、謝罪も賠償も何もない。日本政府は一体どうするつもりなのか」と訴えます。

　李さんは、「慰安婦」にさせられた後、日本兵から受けた暴力と苦痛が頭から離れず、ショックで何も食べられなくなりました。みるみる痩せて、栄養失調で顔が黄色くなりました。

　「私を捕まえて、暴力をしておいて、なぜ日本政府は謝らないのか。いまもし戦争が起きたら、自分には力はないけど、日本軍に仕返ししたい｣と話しました｡

歴史わい曲憤り

　符さんは日本軍の「慰安婦」にさせられた時、恐怖と苦痛で、水さえのどを通らなくなり、瀕死（ひんし）状態に陥りました。父親が家に連れて帰ってからも、１カ月以上寝たきりで過ごしました。

　歴史をねじ曲げる日本政府の態度に対し、「考えられない」と憤ります。また日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度は必要だった」などと発言したことに関しこう語りました。「私たちは強制的に『慰安婦』にさせられた犠牲者だ。橋下氏のいう『必要』というのは銃剣で脅しながら、恐怖を与えながらの必要だ。その必要は正当化できるのですか」

( ２０１３年０８月０１日，「赤旗」）（Page/Top）

米ロス近郊に慰安婦像／「若い世代は正しい歴史を学んで」／韓国系市民ら

　【グレンデール（米カリフォルニア州）＝時事】米ロサンゼルス近郊のグレンデール市中央の公園で３０日、旧日本軍の韓国人慰安婦を象徴する少女像の除幕式が行われました。ソウルの日本大使館前に設置された少女像のレプリカで、韓国系市民団体が寄贈。米西海岸に慰安婦像が設置されたのは初めて。

　式典には韓国系市民ら約３００人が参加。設置を賛成多数で許可した市議会のラウラ・フリードマン議員は「きょう、グレンデールは韓国系市民、世界中の性暴力被害者、全ての罪のない戦争犠牲者と一体となりました。この像は性暴力と性奴隷を思い起こさせるものとして、永遠に立ち続けるだろう」とあいさつしました。

　韓国から参加した元慰安婦、金福童（キム・ボクトン）さん（８７）は「若い世代はこの像から正しい歴史を学んでほしい」と訴えました。

( ２０１３年０８月０１日，「赤旗」）

（Page/Top）

（７月）ヘッドライン

戦争風化させない／「慰安婦」問題を「初めて知った」／松山で平和展

「慰安婦」発言／橋下市長は謝罪と撤回を／尼崎市議会女性議員有志６人

朝の風／橋下氏を問い詰める質問状

論壇時評／谷本諭／侵略美化と「日米同盟」の矛盾つく

鼓動／「横断幕」きっかけに相互理解を深めよう／東アジア杯サッカー

憲法守り非同盟運動に連帯／日本ＡＡＬＡが大会

歌壇／ひたむきに真実に進む

本立て／「慰安婦」バッシングを越えて／「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編

都議会みんなの党分裂／背景に「維新」との統一会派問題／「泥仕合」「節操ない」と批判の声

原発事故の収束宣言を撤回し、再稼働をやめるべきだ／小池副委員長が主張／ＴＢＳ系番組

維新橋下代表は続投／役員会で現体制維持確認

安倍政権「教育再生」メンバーの危険な持論／強制頼みの教育観／ゆがんだ歴史認識

橋下市長の暴走あかん／大阪市労組など宣伝にエール

��新党�≠ﾅ看板かけ替え狙う／橋下氏

「国粋主義への支持ではない」

橋下氏また「誤報」論／メディアが議席とれるか…と挑発

歴史的チャンス／比例５議席必ず／参院選あす投票／共産党に広がる期待と共感

��躍進のチャンス�＝^元国会議員も支持拡大／石井さん、教育関係者らに

憲法生かす政治へ／小池比例候補、都内６カ所で訴え

「慰安婦」認識／橋下氏無回答／吉見氏が声明

ヘイトスピーチ・政党アンケート／在日コリアン青年連合、結果を公表／共産党が回答、対策は「必要」

橋下氏、誤報論はライフワーク

守れ憲法・戦争ごめん／河之口真一さん大阪・大阪市／��安倍・橋下氏は危険�＝^平和のため軍体験語る

フジテレビ系新報道２００１／市田書記局長の発言

斎木次官が韓国外相と会談

参院大阪選挙区候補（定数４）／国民の懐あたため景気回復！格差是正！／走る！たつみコータロー

「四つの転換」訴える共産党／各党と比べると

参院選／この思い託したい／アートディレクター日高千賀子さん（４７）大阪・豊中

東京選挙区各候補の公約は／吉良氏、改憲・増税・再稼働きっぱり反対

「慰安婦」問題の真実を読む／安倍発言のごまかしを正す／吉川春子

参院選―シリーズ「自共対決」これが争点だ／歴史認識／共産・逆流と対決「日本の良心」

参院選各党は／維新の会／「第３の矢」実行売り込む補完勢力／改憲連合もくろむ逆流の先兵

「自共対決」を貫いて、民主・維新にも審判を／演説会で山口党府委員長／大阪

口つぐむ首相

「慰安婦」像設置決まる／西海岸で初めて／米国・グレンデール

日本母親大会来月２４・２５日／早めの申し込みを

激戦参院選／選挙区の様相／大阪（改選数４）／１５年ぶり議席へ大激戦／たつみ候補

抗議意見は「市民の声でない」？／「慰安婦」暴言で橋下氏

比例候補は訴える／小池晃さん／活動地域・東京、南関東／憲法９条の立場で平和外交を

橋下妄言に栃木から抗議／女性議員連盟

参院選比例代表／日本共産党の政見放送

朝の風／強まる高校教科書への攻撃

橋下氏暴言の言い訳に終始

メディアをよむ／須藤春夫／ＮＨＫ国際放送の課題

��国民の声聞く党ね�＝^市田・紙・伊藤氏に共感／埼玉

「軍の管理売春の証拠」／沖縄・大量の避妊具出土報道に相次ぎ反響

「共産党、市民の味方って感じ」／「かえるネット」宣伝対話で青年たち共感／大阪

橋下氏応援演説に聴衆引く

日本よくする第一歩に／対案示し訴え全力／たつみ候補、選挙区駆ける／大阪

��頼み�≠ﾌ大阪…、でも聴衆は激減／維新の街頭演説

「自民とたたかえる党」／共産党第一声、聴衆の声／新宿／大阪

参院選／日本共産党の躍進で、国民の声で動く新しい政治を／志位委員長の訴え／東京での第一声

各党の第一声／消費税増税・原発だんまり／９条改定・規制緩和を主張

各党党首の第一声／立ち位置鮮明／自公、争点隠し／民主、対決の足場ない／維新・みんな、悪政けしかけ

中国元「慰安婦」、日本政府に抗議書渡す

参院選公示初日から元気な党示そう／志位さんの街頭演説こぞって／大阪

憲法改悪を許さない／秋田県母親大会に７１０人

参院選比例５議席で願い実現／あす公示／国政語る集い／七飯新婦人内後援会／北海道

橋下発言質問状／回答結果を公開／キリスト教団体

「結束」呼びかけたが

「慰安婦」国連勧告履行を／安倍内閣の対応批判／緊急集会

日韓外相が会談／歴史認識で韓国が注文

日本外交に提言する／元オランダ大使東郷和彦さんに聞く／戦争回避へ中国と対話を

選挙情報／橋下氏事実ねじ曲げ

７月（本文）（Page/Top）

戦争風化させない／「慰安婦」問題を「初めて知った」／松山で平和展

　第１１回平和展が２５〜２８日、松山市のコミュニティセンターで開かれました。松山市平和資料館をつくる市民の会（畑野稔会長）の主催。畑野会長は「いま、戦争という歴史的事実が風化されつつあります。安倍首相は、憲法を改悪して国防軍を持つと言っています。正義の戦争などありません。歴史的事実を確認し、新しい世界の平和を築きあげたい」と話します。

　ことしは、日本維新の会の橋下徹共同代表の「『慰安婦』は必要だった」などの発言などを受け、「終わらない戦争―慰安婦問題」の企画コーナーも設けられました。

　介護福祉士の女性（２２）は「『慰安婦』問題を初めて知りました。教科書には書かれていなかったので、知りませんでした。資料を実際に目にして、戦争の怖さが分かりました。お話を聞いて、絶対に繰り返してはならないと思いました」と話していました。

(２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」発言／橋下市長は謝罪と撤回を／尼崎市議会女性議員有志６人

　大阪市の橋下徹市長（日本維新の会共同代表）が「慰安婦制度は必要だった」などと発言したことに対し国内外から大きな批判が上がっている問題で、兵庫県の尼崎市議会女性議員有志６人は２９日、謝罪と撤回を求める抗議声明を橋下氏あてに提出しました。

　抗議文は、橋下氏が米軍に対して「風俗の活用」を勧めたことは取り消し、謝罪したものの「女性蔑視、女性の人権と人間の尊厳を踏みにじったことについては、撤回も謝罪もしていません」と指摘。

　橋下氏の一連の発言は、「女性を戦争推進の道具の一つと見ている極めて野蛮な考え」であり「被害者である女性たちの尊厳と名誉を著しく傷つけたばかりでなく、全ての女性を冒涜（ぼうとく）するものであり、公職にある人の発言としては到底許されない」と強調。また、「戦時においては女性への性暴力はつきものであるとの前提に立ち、戦争中であったから仕方がないかの言動は断じて許されない」としています。

　抗議文は、女性市議がいる５会派に呼びかけられ、公明党を除く、日本共産党の真崎一子、松澤千鶴、松村ヤス子各市議のほか、新政会、緑のかけはし、市民グリーンクラブの４会派の女性市議６人の連名。

(２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／橋下氏を問い詰める質問状

　参院選の陰に隠れたが、いま一通の質問状が注目されている。橋下徹大阪市長に対する吉見義明中央大学教授の公開質問状である。

　昨年８月、橋下氏は記者会見で慰安婦問題に関連して、吉見氏が「強制連行の事実までは認められない」と発言した、と述べた。吉見氏は、これは「私の研究の根幹を否定」する発言であるとして発言の撤回と謝罪を要求したが、橋下氏は公には一切回答を拒んだ。そこで７月５日までの期限付きで回答を求める９項目の公開質問状が出されたのである。

　質問は、慰安婦研究の到達点、国際的な水準を踏まえた具体的なもので、かつ質問の根拠となる証言、軍の法令、国際法規、裁判例などを明示している。

　たとえば、軍による強制連行の「証拠はない」とする橋下氏に対し、インドネシアや中国・山西省などで軍による強制連行を認定した数々の判決例を対置。さらに、橋下氏が避けている最大の問題は、日本軍の「慰安所」は軍の施設に軍の命令で作ったものであり、慰安婦はその中で強制されたことだが、そのことを徴募､渡航方法､慰安所規則などの軍の公文書で逐一明らかにしている。

　吉見氏は再度、公開質問状を提出することを発表した。橋下氏はいつまで無責任な態度を続けるのか。

　（鶫）

( ２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

論壇時評／谷本諭／侵略美化と「日米同盟」の矛盾つく

　参院選挙がたたかわれた７月の論壇では、歴史問題・外交・憲法にかかわる安倍政権の暴走を問題視し、その矛盾とほころびをついた論考が目立ちました。

安倍政権が生む対米関係の亀裂

　木下英臣(共同通信記者)「アメリカは第二次大戦の『歴史の修正』を許さない」（『世界』）は、村山談話の「見直し」表明や日本軍「慰安婦」問題への対応など、過去の戦争をめぐる安倍首相の言動が、米国の国民・政界からいかに批判されているかを、米国メディアの論評や米議会調査局報告書を引きながら紹介。侵略を正当化する日本政府の姿勢が戦後の国際秩序への「挑戦」と受けとられ、「同盟国」の米国からも��アジア戦略の障害物�≠ﾆ扱われていることを指摘します。

　侵略美化と｢日米同盟｣の矛盾については、鈴木美勝（時事通信解説委員）「日米同盟派と対米『独立』派に深まる亀裂｣(『中央公論』)も取り上げています。鈴木氏は、安倍政権の支持基盤には、改憲､村山談話｢見直し」、靖国参拝などを推進する勢力と、日米安保を重視する勢力があるが、それらは「完全に重なり合うわけではない」と分析。参院選後、安倍内閣が「ヤルタ･ポツダム体制｣を否定する「戦後レジーム脱却」路線を拡大すれば、政権基盤は弱体化しかねないと指摘します。

歴史逆行を公言／国際社会で孤立

　侵略美化と復古的改憲に突き進む安倍政権の暴走が、対米関係に亀裂をつくり、「日米同盟」を擁護する勢力も批判せざるをえなくなっているのです。

　高橋哲哉（東京大学大学院教授）「自壊する歴史認識」（『世界』）も、「日米同盟」の「強固な支持者」であり、ことあるごとに「自由と民主主義の価値観」を強調する安倍首相が、「戦後レジーム」を否定するのは「自己矛盾」だと指摘。特定の宗教に属さない国立追悼施設である米国のアーリントン墓地を靖国神社と同列視し、国際社会の合意で「侵略」の定義を定めた国連決議（１９７４年・日本政府も賛成）も知らずに「侵略の定義は定まってない｣などと強弁し､｢慰安婦」問題で橋下徹大阪市長を「同志」と持ち上げてきた安倍首相の無知・無定見を全面的に検証･批判します｡

　日本国内でしか通用しない歴史逆行の論理を公言し、米国に批判されると引っ込める、「情けない姿勢」をあらためないかぎり、国際社会で「日本の孤立」はいっそう加速するという高橋氏の指摘は重要です。この政権が、海外で軍事行動を行うために改憲を推進することの危険性を訴えた、同氏の警告は重く響きます。

　安倍政権の改憲策動や自民党改憲草案をめぐっては、かつて防衛庁幹部として自衛隊のイラク派兵を統括した柳澤協二（国際地政学研究所理事長）「今の自民党の憲法改正草案は、戦後の国際秩序そのものを全否定している」（『ＳＩＧＨＴ』夏号）も、「国益を害する」と異論を表明。スタジオジブリ発行の『熱風』７月号では、映画監督の宮崎駿・高畑勲両氏が、「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府が…思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほか」（宮崎氏）、「憲法九条という、世界に向かって掲げた…理想の旗を絶対に降ろすべきでない」（高畑氏）などの思いを語っています。

都議選で躍進の共産党を「特集」

　６月の東京都議選における日本共産党の議席倍増を受け、『週刊ポスト』（７月１２日号）、『週刊朝日』（１２日号）、『サンデー毎日』（１４日号）などで｢共産党特集｣が組まれました。『文芸春秋』の「政界リーダー連続インタビュー」には志位和夫委員長が登場。アベノミクスに対抗する党の経済政策を縦横に展開する志位氏に、インタビュアーをつとめた池上彰氏も、「自共対決の時代を迎えると意気軒昂な共産党」「こういう時期に躍進しないと」と発言しています。

　こうしたなか、日本共産党は参院選でも躍進を遂げました。自民党と対決し、経済・外交・原発などあらゆる分野で根本的対案をかかげる党が前進した大本には、政治と社会の閉塞打開の道をさぐる、国民の模索があります。そうした国民の探求に真正面から応える方向で、論壇が活性化することが望まれます。

　（たにもと・さとし)

( ２０１３年０７月３１日，「赤旗」）（Page/Top）

鼓動／「横断幕」きっかけに相互理解を深めよう／東アジア杯サッカー

　複雑な思いが、消えません。

　サッカーの東アジア・カップ男子の日韓戦。ハングルで書かれた大きな横断幕がスタンドに翻りました。

　「歴史を忘れた民族に未来はない」

　同時に、日本のサポーターの一部が、戦前の日本帝国主義の象徴である旭日旗を掲げたことも報じられています。

　国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）は、応援時の政治的な主張を禁じており、これらは、問題となる行為であることは間違いありません。

　スポーツはさまざまな国の人々が、人種や政治信条を超えて集い、競い合うなかで、互いに理解を深め合うことに大きな役割があります。そこに政治を持ち込み、対立をあおることは、その否定につながるからです。

　同時に、今回の一件は、いまの日韓関係、政治の反映であることも事実です。

　かつて日韓のサポーターの間で、友好的な関係を築いた時期がありました。Ｗ杯の日韓共催が決まって以降です。象徴的だったのは、１９９７年フランスＷ杯アジア最終予選の日韓戦。今回と同じチャムシルスタジアムに、英語の小さな横断幕が掲げられました。

　「ともにフランスに行こう」

　Ｗ杯の出場権をかけた試合で掲げられたこの横断幕。当時、日本サッカー協会会長の長沼健さん（故人）は、その驚きを語っていました。

　「背中に電気が走った。共催が日韓の人々を結びつけた。これがスポーツのよさだと実感した」

　しかし、その後、靖国参拝、竹島、慰安婦問題などで両国政府が対立的になり、日韓関係が冷え込みました。同時に、サポーター同士の関係もしぼんでいきました。今回の事件もそうした中で起きました。

　救いだったのは日本の中心的なサポーターの一人が、こうツイッターでつぶやいていたことでした。

　「今日、韓国側から政治的な旗が出た。なんでサッカー場でわざわざ出すんだろうと思ったら、俺たちの見えない二階席で旭日旗が日本側からも出たと試合後に知った。残念でしかない。…今度、韓国サポーターとも話し合わないとな」

　政治の根本的な解決は、「政治の場」で図られるべきです。同時に、サポーターらが、スポーツを通じて互いに話し合い、知恵をつくし、理解を深め合う。これらがすすむきっかけになればと、願わずにはいられません。

　（和泉民郎）

( ２０１３年０７月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

憲法守り非同盟運動に連帯／日本ＡＡＬＡが大会

　日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会（日本ＡＡＬＡ）は２７日〜２８日、都内で第５１回大会を開きました。

　小松崎栄代表理事が、昨年８月の非同盟諸国首脳会議への参加報告をまじえ、方針を提案。日米安保条約廃棄や米軍基地撤去の運動、改憲や原発の問題など安倍内閣の暴走とのたたかい、「慰安婦」問題での取り組み、組織の拡大・強化などの発言がありました。

　来賓あいさつで日本共産党の緒方靖夫副委員長は、参院選挙のお礼を述べ、日本共産党が綱領で安保条約を廃棄して非同盟諸国会議に参加することを明確にしていると紹介。内外の情勢の下で、日本ＡＡＬＡの運動の大きな飛躍が期待されている、と述べました。

　非同盟諸国会議の議長国イランのナザルアハリ駐日大使は、非同盟運動が大国に頼らず各国の自主性を尊重し、核兵器廃絶、公正で平和な世界秩序をめざしていると述べました。

　南アフリカのペコ大使、キューバのバルデスミランダ臨時代理大使、ベネズエラのカッペッラー一等書記官も、非同盟運動の重要性と、同運動と連帯する日本ＡＡＬＡへの期待を表明しました。

　大会は、�@憲法を守り安保条約を廃棄し、非核非同盟の日本をつくる�A北東アジアでの平和の共同体、非核地帯をめざす�Bそうした運動を支える組織を拡大強化する―などの提案を満場一致で採択しました。

　代表理事に、秋庭稔男、四ツ谷光子、小松崎栄（事務局担当）の各氏を選出しました。

( ２０１３年０７月３０日，「赤旗」）（Page/Top）

歌壇／ひたむきに真実に進む

　渡辺幸一の歌集『イギリス』（ながらみ書房）は読みごたえのあるものだ。著者は障害を持つ息子のため、よりよい教育環境を求めイギリスに移住し、その国籍を取得して２０年。職業としてはロンドンの金融街に働き、巨大な渦巻きの中で生きている。そうした生活が広い視野をもってダイナミックに、生き生きと歌われているのだ。〈妻と子を守り異国に生きて来ぬわれの阿修羅を胸に住まはせ〉という生活感情をふまえて、世界的視野から日本を見る目は鋭く、かつ深い。

　九条の論理を異国で語るなり貧しけれどもわれの英語で

　明らかに異形の国になり果てし遠き母なる日本を憎む

　慰安婦をめぐりたちまち孤立する世界の中の日本を思ふ

　というように「世界の中の日本」が歌われている。日本の現状は日本にいるよりもイギリスにあってよく見えるのだ。そのイギリスもまた、

　増えやまぬ移民と社会制度との矛盾の中でもがくイギリス

　となっていることもそらさずに見つめている。これが現代だ、現代に生きるひとりの人間の良識によって歌われる重たい哀感に支えられたリリシズムなのだと思い、高く評価したい。表現力についてつけ加えるなら、近頃の修辞に凝ったり、言葉遊びに面白がるのとは異なり、ひたむきに真実に進むリアルな態度も注目していいことだろう。

　今月、印象に残ったものとして『芸術と自由』（梓志乃）、『海風』（山本晶子）などに、現代を生きている確かさを感じさせる作品、エッセーがあった。総合誌などの動向とは異なる地道な営みが生きている。

　「義捐金」はどこへ行ってしまったの避難所体育館に扇風機一台

　（『炸』王藤内雅子）

　隔月刊の雑誌ながらも生命力あり、だ。

　（水野昌雄・歌人）

( ２０１３年０７月２９日，「赤旗」）（Page/Top）

本立て／「慰安婦」バッシングを越えて／「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編

　日本軍「慰安婦」問題で日本政府に謝罪と補償を求める運動が始まって二十数年。以来、繰り返されてきた「強制連行」の否定や「公娼」だというバッシング、「河野談話」見直し論に対し、史実や問題をめぐる状況を整理して反論します。

　「河野談話」と「慰安婦」制度の真相究明▽日本政府の法的責任▽問題解決にいま何が必要か―の３部構成からなる本書。被害女性らが求めてきた「正義の実現」とは何かをあらためて確認し、真の解決に向け「日本は何をすべきか」を示します。(大月書店　２２００円)

(２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

都議会みんなの党分裂／背景に「維新」との統一会派問題／「泥仕合」「節操ない」と批判の声

　都議会みんなの党（７人）が発足３日目に分裂し、双方が２６日に記者会見を開き、激しく非難し合う泥仕合を演じました。幹事長人事をめぐる確執に加え、背景には日本維新の会（２人）との統一会派問題があることがわかりました。

　都議会みんなの党は野上幸絵都議のひとり会派でしたが、６月の都議選で７人に増え、２３日に会派結成届を提出。ところが幹事長人事をめぐり意見が二分し、２５日の議員総会で決裂しました。

勝手に離脱届？

　野上代表は同日夜、都議会局に両角穣議員ら４人の会派離脱届を提出、都議会みんなの党の構成は３人と公表しました。一方、４人も同日、新会派「みんなの党」（両角幹事長）の結成届を都議会局に提出しました。

　翌２６日の記者会見で、野上氏らは「４人が出て新会派を結成する運びになった」「（会派離脱は）議員本人が了承しないとできない」と説明しました。

　一方、両角氏らは、新都議の会合の経過を紹介した資料を配り、「私どもは離脱するとは一回も言ったことはない」「（野上氏が）離脱届を勝手に出した」と応酬しました。

　記者から「政治不信に拍車をかけるのではないか」の質問が出され、双方が「大変残念で情けない」「泥仕合のようなことは、本当はやりたくない」と、弁明しました。

本部の代理戦争

　両角氏は「（野上氏が）日本維新の会から統一会派を組みたいと申し出を受けた」と説明。「みんなの党」の音喜多駿都議は会見後、「２５日の会議で、野上氏から維新との統一会派結成について提案があったが、議案は事実上はねられた」と語りました。

　みんなの党と日本維新の会は当初、都議選で選挙協力を行い、選挙後は統一会派を組むことで合意しましたが、橋下徹維新共同代表の「慰安婦」暴言を契機に、選挙協力を解消していました。

　都幹部や職員からは「節操がない。あきれる」「新しい都議会がスタートしたばかりだというのに、どっちもどっち。築地市場移転など政策の違いではなく、執行体制や人間関係の好き嫌いで分かれるとはね。これで都民から託された公人としての責任を果たせるのか」「みんなの党本部の内紛の代理戦争という感じがする。迷惑だ」との声があがっています。

　「これはかなり恥ずかしい…小学生が仲間はずれにしているのとどこが違うの？」とツイッターでも批判される始末です。

　（岡部裕三）

(２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

原発事故の収束宣言を撤回し、再稼働をやめるべきだ／小池副委員長が主張／ＴＢＳ系番組

　日本共産党の小池晃副委員長は２７日、ＴＢＳ系番組「サタデーずばッと」で、原発、北朝鮮、消費税増税問題などをめぐり５党代表と討論しました。

原発／電力会社のおごりを助長

　福島第１原発の汚染水流出問題での各党の賛否が問われ、「（東電の隠ぺいを）政府が助長している面がある。収束宣言を撤回すべきだ。今まさに事故の真っ只中なわけで、収束宣言を出すから東電のような無責任なことが許されてしまう。もう一つは（政府は原発を）再稼働する方針だ。電力会社のおごりを助長し、つけあがらせているのは政府の姿勢だ。収束宣言撤回をはっきり言い、再稼働をしないで事故の収束をすべきだ」と主張しました。

　司会の、みのもんた氏が「小池さんが言うように政府が収束宣言撤回をはっきり出したらどうか」と自民党の平沢勝栄政調副会長に問いました。平沢氏が「収束していないことは事実だ」と述べたのに対し小池氏は「だったら、『収束宣言を撤回する』と言うべきだ」と批判しました。

拉致問題／とにかく命あるうちに…

　朝鮮戦争休戦６０周年の行事が行われている北朝鮮をめぐり、みの氏が「現安倍内閣で北朝鮮の拉致問題は解決できるのか」と各党に問い、野党の中で小池氏が「ＹＥＳ」のパネルをはっきりと示したことが注目されました。

　小池氏は「（解決）できるかといえば、それはわからないが（政府に）やってもらわないといけない。昨日（２６日）、横田めぐみさんのご両親が国会に来られた。２００２年の日朝平壌宣言から１１年たっており、とにかく命あるうちに…と本当に切実だ」と指摘。「安倍政権は、日中、日韓の間にささったトゲを抜くべきだ。歴史問題を解決しなければ、アジアが結束して北朝鮮にことをあたることはできない」「日本軍『慰安婦』問題や侵略戦争の問題について間違っていたことを認めることが土台になる」と述べました。

消費税／景気を直撃、増税中止要求

　みの氏が「来年４月からの消費税率を何％にすべきか」と質問。消費税率８％への引き上げを自民、公明が「国際公約だ」と明示。民主党や日本維新の会も「８％」としたのに対し、小池氏は現状の「５％」を示したうえで、「社会保障のためだといいながら、実際は今年１０月分から年金が下がり、さらに連続削減も計画されている」と批判しました。

　小池氏は、大和総研の調査を示し、現役世代で年収５００万円の４人家族で、年金の保険料が上がり、消費税が上がると可処分所得が３０万円減るとの結果を紹介。「（消費税増税は）景気を直撃するし、財政再建どころか、こんなことをやったら税収が減ってしまう。デフレ克服といっているときに、なぜこういうことをやるのか」と批判し、増税中止を求めました。

( ２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

維新橋下代表は続投／役員会で現体制維持確認

　日本維新の会は２７日、橋下徹共同代表（大阪市長）や松井一郎幹事長（大阪府知事）らも出席して、参院選後初の執行役員会を都内の国会議員団本部で開きました。

　橋下氏は大阪市政問題に専念したいと辞任を申し出ましたが、国会議員団側が慰留し続投を決定。執行役員会では橋下氏の国内外で問題となった日本軍「慰安婦」や在日米軍への風俗活用をめぐる発言の責任を問うことなく、石原慎太郎共同代表の続投も含め、現体制を維持することを確認しました。

　執行役員会では参院選の結果を総括し、党運営を協議。その中で橋下氏は松井氏とともに「大阪の課題に集中したい」として辞意を表明しました。しかし、２人以外の役員が反対しました。

　参院選で維新は、「構造改革」路線推進など自民党の補完勢力であることがあらわとなり、目標とした１０議席に届きませんでした。橋下氏は参院選後の記者会見で「勝ちではない」として、自らの進退を執行役員会で議論する考えを示していました。

　松井氏は執行役員会後、記者団に辞意表明について「（選挙結果の）責任をとるという話じゃない」と強調しました。

　また執行役員会で松井氏は「野党がバラバラでは巨大な与党の独断専行を許すことになる」として、政界再編に意欲を示しました。今後の各党との協議については松野頼久国会議員団幹事長が進めるといいます。

　橋下氏は執行役員会後、マスコミの取材に応じることなく国会議員団本部をあとにしました。

( ２０１３年０７月２８日，「赤旗」）（Page/Top）

安倍政権「教育再生」メンバーの危険な持論／強制頼みの教育観／ゆがんだ歴史認識

ＳＭＡＰのヒット曲♪ナンバーワンにならなくてもいい♪／この歌が子どもをダメにする！？

　アイドルグループＳＭＡＰ（スマップ）の大ヒット曲『世界に一つだけの花』が「日本の子供たちをダメにしている」―。こんな持論の持ち主が、「教育再生」のブレーンとして安倍晋三政権の重要ポストに就いています。安倍政権の危険な本質が見えてきます。

　（下渕雅史、浜島のぞみ）

　著書でＳＭＡＰのヒット曲を攻撃しているのは八木秀次氏。安倍政権に教育提言を行う「教育再生実行会議」のメンバーです。「新しい歴史教科書をつくる会」元会長で、「自虐史観によらない教科書」の出版と採択を進めました。過去の日本の侵略や旧日本軍「従軍慰安婦」への軍の関与を認めた「河野談話・村山談話」が「歴史教育を大きく反日自虐的な方向」に向かわせたと主張し、「安倍首相はそのような歴史認識と敢然と戦う政治家」と首相を賛美する��思想的同志�≠ﾅす。若者を戦場に駆り立てた戦前の「教育勅語」の「精神を復活させる」宿願を語っています。

根底に「べっ視」

　八木氏の��教育哲学�≠ﾍ、「教育には何らかの強制が必要であり、子供たちの意思だけに任せていたのでは、とても成り立たない」という��子どもべっ視�≠ﾉ基づいています。子ども自身の内面にある真実や成長への渇望に目を向けない立場です。そこから「手を上げてでも言うべきことを言い、するべきことをさせるのが親の愛情」という暴力必要論が派生しています。

　「ナンバーワンにならなくてもいい」と歌うＳＭＡＰの『世界に一つだけの花』について、八木氏が「こんな歌を学校で歌わされていたのでは子供たちは何も努力しなくなる」と非難するのも、根っこは同じ。競争という「強制力」に頼らなければ子どもの意欲を保てないという教育観・子ども観の貧困です。

　安倍首相が執念を燃やす「教育再生」は、▽国家による統制の強化▽競争の激化▽事実に反した歴史教育の押しつけ▽国家主義的な教育の徹底をねらう道徳の教科化―などを柱としています。八木氏の��信条�≠ﾉぴたりと一致します。

「慰安婦」認めず

　安倍流「教育再生」のもう一人の象徴は、安倍政権が今年から中央教育審議会（文部科学相の諮問機関）の委員に加えた櫻井よしこ氏（ジャーナリスト、「国家基本問題研究所」理事長）です。櫻井氏は「日本政府や軍が慰安婦を強制連行した事実はなかった」と主張し、２００７年と１２年の２度にわたって「歴史事実委員会」の名で米国の新聞に意見広告を掲載。これには安倍首相、下村博文文科相、民主党の北神圭朗氏（元衆院議員）など自民・民主の国会議員が名を連ねました。

　０７年の意見広告の目的は、「従軍慰安婦」問題をめぐるアメリカ合衆国下院の対日謝罪要求決議を阻止することでした。しかし決議は採択され、「日本軍が強制的に若い女性を『慰安婦』と呼ばれる性の奴隷にした事実」を「公式に認めて謝罪」し、「歴史的な責任」を負うよう日本政府に求めました。

　櫻井氏は、「体罰は教育です」と主張する「体罰の会」でも講演。「体罰と呼ぶのか肉体的鍛錬と呼ぶのかの違いがあるかと思うが、そういったことをもう一回取り戻さなければならない」と述べています。

　中教審では、道徳の教科化を「スピードアップしないとならない」とさっそくハッパをかけています。

　世界から孤立するゆがんだ歴史認識や、「強制力」頼みの教育観に立脚する安倍流「教育再生」に、日本の未来をまかせられるでしょうか―。

他にもある、びっくり語録

櫻井よしこ氏「体罰は教育」

　「歴史の事実をゆがめてまで日本国を非難する日本人がいて、彼らが日本非難の大合唱を誘導する」「強制連行を示す資料は皆無だったにもかかわらず、軍による強制を認めて謝罪した河野洋平氏や宮沢喜一氏らも同類」『週刊ダイヤモンド』（今年６月１５日号）

　「（日本は）東京裁判の判決は受け入れたが、日本憎悪から生まれた同裁判の違法性や価値判断まで受け容れたわけではない」（『週刊新潮』２００５年６月１６日号）

　「体罰を教育と位置づけるということは肉体的苦痛をさまざまな形で教育の中に取り入れるということだから、それは人間は無限の可能性を与えられていると同時に、無限の存在じゃないということをきちんと教えることだ」（２００９年、体罰の会講演）

八木秀次氏「教育勅語の精神復活を」

　「教育や躾には強制力が必然的に伴う」「これが望ましく美しいと考える��型�≠ﾉはめるのが教育や躾の本質にほかならない」（『国民の思想』）

　「教育勅語そのものの復活は難しいだろうが、そこに書かれていることは普遍的なことなので、新たな形でその精神を復活させることは必要だ」「母性や父性を重視し『良妻賢母』『父親の威厳』を復権します」（『公教育再生』）

( ２０１３年０７月２７日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下市長の暴走あかん／大阪市労組など宣伝にエール

「慰安婦」暴言、政治家資格なし／敬老パス有料は公約違反

　大阪市役所労働組合（全労連・自治労連加盟）と大阪労連は２５日朝、「ブラック企業化する大阪市役所から住民のいのちとくらしを支えて、福祉を増進させよう」と呼びかけたビラを市役所と２４区の区役所前で配布しました。

　北区役所前では、組合員が流れる汗をふきながら、マイクで訴えます。「橋下市長に批判的です」と出勤する労働者がビラを受け取っていきました。

　「橋下市長の暴走を止めなあかん。頑張ってください」とエールを送るのは北区の男性（５７）。「『慰安婦』は必要だったという発言も、政治家の資格はない」と語ります。

　城東区の男性（６５）は「市長になって敬老パスを有料にするというのは公約違反だ。テレビは取り上げるべき。やっぱりおかしいことはおかしいと言わないといけない」と語気を強めました。

　「橋下市長の『慰安婦』暴言は、市長、政党代表の資格はありません」と大阪教職員組合の田中康寛委員は指摘します。「大阪市の姉妹都市、サンフランシスコ市議会が全会一致で発言撤回を求める決議を採択しました。橋下市長の発言の撤回と謝罪、辞任を求めます」と訴えました。

　約４０分で６０００枚のビラを配りました。

(２０１３年０７月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

��新党�≠ﾅ看板かけ替え狙う／橋下氏

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は２４日、同党が昨年総選挙と比べて参院選で得票率を大幅に後退させたことについて、「慰安婦（発言）問題についてメディアが��大誤報�≠�やった中でも、これだけの数字をいただいている」と自らの暴言を「誤報」とするごまかしで取り繕いました。市役所での会見で語りました。

　橋下氏はまた、「僕らの考え方は自民党と重なるところもあるので浮動票が自民にいった分、僕らの分が減るのは当たり前」との認識を示し、維新の考え方が自民党と大差がないことを認めました。

　そのうえで「僕らを応援してくれていた票が民主党にいかなかったところが重要だ」と強調。民主党の役割は終わったが「維新単独でどんどん勢力を拡大できるわけでもない」と述べ、「自民党にいった票を今度、寄せることのできる政党は、民主党に代わる、維新でもない、自民党に対抗できる新しい政党だ」と話しました。

　橋下氏は２３日にも、「次の総選挙では維新とか、みんなとか、民主とかの看板はなくさないといけない」と述べ、維新、みんな両党と民主の非労組系議員らで��新しい看板�≠ﾌ野党をつくる必要性を説いていました。

( ２０１３年０７月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

「国粋主義への支持ではない」

　【ワシントン＝島田峰隆】米ダートマス大学のジェニファー・リンド准教授は２４日付の米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、「参院選で自民党が勝ったのは、経済の改善を続けるという安倍首相の主要公約によるものであり、国粋主義的な計画を進めるという公約への支持ではない」と指摘しました。

　同氏は、憲法改悪など「近隣諸国を攻撃する方向にあまりに進むなら安倍首相は有権者から厳しい反発を受けるだろう」と指摘。その実例として、日本維新の会の橋下徹共同代表による「慰安婦」発言に国民の大部分が「不適切だ」と反発し、超党派の女性国会議員も批判したことなどを紹介しました。

　「日本の民主主義では、過去の戦争についてより本当のことを語り、それを否定したり無神経に話したりする指導者を許さないという動きが強まっている」とし、安倍首相に教訓を学ぶよう求めました。

( ２０１３年０７月２６日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏また「誤報」論／メディアが議席とれるか…と挑発

　日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は２１日夜､参院選結果について｢僕の立場では勝ちとは絶対言えないし､堂々と誇れるような結果ではない｡民間企業でいけばトップの責任が問われる話でしょうね｣と語りました｡同市内のホテルに設けられた同党開票センターで語りました｡

　橋下氏は「慰安婦制度は必要だった」などとした自らの発言が結果に影響したことを認める一方、「メディアが僕の真意と違う形で伝えた」と「誤報」論を繰り返しました。さらに「あの発言において何十万、何百万（票）という声で後押ししてくれている現実もメディアは見なきゃいけない。今回の発言について僕は間違っているとは思わない」と強弁。「誤報」論に反論するメディアには「政党を立ち上げて挑戦してみたらいい」「何議席得られるのか」とかみつきました。

　また、自らの暴言で政策が似通うみんなの党との選挙協力すら破綻したのに「次の総選挙のときには野党が一つにまとまらないと国民のためにはならない」などと「政界再編」を唱えました。

( ２０１３年０７月２３日，「赤旗」）（Page/Top）

歴史的チャンス／比例５議席必ず／参院選あす投票／共産党に広がる期待と共感

憲法・暮らし…��暴走とめて��

　日本の未来を決める参院選挙が、明日２１日投票日を迎えます。「自民党にはっきり対抗できるのは共産党」「安倍さんの暴走が怖い。共産党頑張って」―「自共対決」の構図が鮮明になるなか、��安倍政権の暴走をとめるには共産党が一番の力�≠ﾆ、スジを通す姿勢と建設的対案に期待と共感が広がっています。１９日も、志位和夫委員長が駆け巡った愛知・京都・大阪、市田忠義書記局長が応援した埼玉・東京・神奈川など、どこでも聴衆の輪が膨れ上がり、共産党コールや手拍子が起こるなど熱気に包まれました。同時に、このままでは比例５議席に届かないと、党支部・後援会は大量宣伝とともに、マイ名簿、テレデータ、選挙はがき名簿などを使って対話・支持拡大に全力をあげました。

　

　「安倍（晋三）首相が憲法改定を言いだし始めた今、憲法を守れるのは日本共産党しかない」。こんな思いで初めて共産党支持を約束した高松市の男性（８９）のように、９条改悪の公言（安倍首相）、「国防軍」の出動命令に従わない場合の「死刑」発言（石破茂自民党幹事長）などに、「恐ろしくなった」「共産党に伸びてほしい」の声が急速に広がっています。

　本紙１７日付に登場し、「９条を守るという一点」で共産党に��ブレーキ役�≠�と発言した自民党千葉県連元幹事長の金子和夫さんには激励の声が。同県建設業協会副会長だった中川栄吉さんからも「まったく同感」「日本共産党が、今度の参議院選挙で伸びてもらわないと、日本の国の行く末が心配」というメッセージが届けられました。

　暮らしの面でも、「小規模業者にはアベノミクスの恩恵などない。共産党の経済政策には期待している」（東京・世田谷区の洋食経営者）など次々と対話が広がります。「増税するなら庶民からじゃなく大金持ちからという主張はもっともだ。今の政治の軸は自民党と共産党だと思う」（同前・塗装業者）と、「国民の所得を奪う政治から国民の所得を増やして景気回復を図る政治へ」という共産党の政策に共感が広がります。

　「日本共産党を伸ばせば、日本の政治は必ず変わります。日本共産党の躍進で国民の声で動く新しい政治をつくろう」。志位氏の訴えが響きます。

　大激戦が続くなか、他党も必死です。自民党は終盤戦に向けた内部文書で、「野党候補は死に物狂い」「少しでも隙を与えたら形勢は大きく動く」と引き締め。安倍首相は「激戦区」に入って檄を飛ばす一方、街頭では争点隠しを続けています。

　民主党は海江田万里代表が「やせても枯れても民主党」という一方、「（総選挙では）本当に厳しいご批判をいただいた。みんなバラバラはやめなきゃダメ」（１６日、千葉県松戸市）と党内事情を嘆く場面も。維新の会の橋下徹共同代表は「慰安婦」暴言に無反省の一方、「自公両党の圧勝は仕方がない」と白旗宣言。みんなの党とともに、共産党に攻撃の矛先を集中しています。

　マスメディアの世論調査でもまだ投票先を決めていない人が「共同」で「４０％前後」、「朝日」で「選挙区で５割、比例区で４割」にのぼるなど、有権者の模索が続いています。最後の最後までの奮闘が勝敗を分ける大激戦のまま、最終日を迎えました。

( ２０１３年０７月２０日，「赤旗」） （Page/Top）

��躍進のチャンス�＝^元国会議員も支持拡大／石井さん、教育関係者らに

　参院選で日本共産党の躍進を必ずと、元国会議員が対話・支持拡大に奮闘しています。石井郁子元衆院議員は大阪の業者後援会員と力を合わせて支持を訴えています。

　「消費税増税を決めたのが自民、公明、民主です。日本共産党を伸ばしてください」と訴える石井さん。業者からは「８％、１０％と消費税が上がったらもうやっていけない。止めてほしい」「働く人の所得を上げて景気回復をという共産党に賛成。周りにも支持を呼びかけたい」と声が返ってきます。

　石井さんは教育関係者にも訴え。「維新共同代表の『慰安婦』暴言は許せない。共産党に伸びてもらい、大阪をよくしてほしい」という声もありました。

　石井さんは「共産党が伸びるチャンスを実感しています。ひと回りもふた回りも支持を広げたい」と話しています。

(２０１３年０７月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

憲法生かす政治へ／小池比例候補、都内６カ所で訴え

　日本共産党の小池晃参院比例候補は１８日、東京都青梅市を皮切りに、練馬、板橋、北、足立、葛飾各区の６カ所でマイクを握り「アメリカ言いなり、財界中心の自民党政治のゆがみに切り込む共産党を勝たせてください」と力強く訴えました。

　小池氏は、今回の参院選を「憲法を壊す政治か、生かす政治か選ぶ選挙です」と強調。自民党や維新の会などが、自衛隊を国防軍に変えるため、９条や９６条の改憲を狙っていることを「アメリカと一緒に海外で武力行使して、自衛隊員の戦死者を出したり、海外で人の命を奪ったりするかもしれない。そんな社会を誰が望むでしょうか」と厳しく批判しました。

　その上で、改憲勢力が先の侵略戦争や「慰安婦」問題を正当化している点を指摘｡｢彼らの戦後政治の出発点を認めない異常な歴史観を正し、９条をよりどころにした真の平和外交を行う。その仕事を共産党にさせてください｣と呼びかけました｡

　演説を聞いた神中貞夫さん（８１）＝西東京市＝は「妻の父は商売人だったがあの戦争に召集され、３９歳で戦死した。軍の命令は絶対で、逃げたくても逃げられない。そのことを若い人に伝えたい」と話しました。

　北千住駅前で演説を聞いた内田博さん（６６）は「９条を変えるということは、社会を戦前に戻すということ。日本が世界から取り残されかねない。憲法を守りたい｣と語りました｡

(２０１３年０７月１９日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」認識／橋下氏無回答／吉見氏が声明

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題での認識をめぐり、吉見義明中央大学教授が橋下氏に提出した公開質問状に、橋下氏が期限を過ぎても回答も連絡も一切していないことが１７日、わかりました。吉見氏は同日声明を出し、「全く無責任な態度」と強く抗議。再度公開質問状を提出するとしています。

　橋下氏は昨年８月２４日の記者会見で「慰安婦」問題に言及し、吉見氏が「強制連行という事実までは認められない」と発言したと述べました。吉見氏は、橋下氏の発言は自らの研究の根幹を否定し、名誉を毀損（きそん）したものだとして同年１０月２３日、発言撤回と謝罪を求めましたが、橋下氏が応じなかったため、今年６月４日に公開質問状を提出。具体的事実を示して橋下氏の認識を問い、７月５日を回答期限としていました。

　声明は、「質問は具体的事実を指摘して認識等を問うているので、回答は容易だ」と指摘。「正々堂々と自らの認識と見解を開陳すべきだ」と、再度提出する公開質問状に責任をもって回答するよう求めています。

( ２０１３年０７月１８日，「赤旗」）

ヘイトスピーチ・政党アンケート／在日コリアン青年連合、結果を公表／共産党が回答、対策は「必要」

　在日コリアン青年連合（ＫＥＹ）はこのほど、民族差別を助長するヘイトスピーチ（憎悪表現）や｢慰安婦｣問題などについて、各党アンケートの結果を公表しました。国会に議席を有する１２党にアンケートを送付、４党から回答を得、自民党、みんなの党からは｢回答しない｣との返答がありました。日本維新の会や生活の党などは回答しませんでした。

　東京や大阪などのコリアンタウンで行われているヘイトスピーチ・デモについて「国による対策が必要か」との問いに、日本共産党は「必要がある」と回答。「首相をはじめ政治家が、ヘイトスピーチを許さない断固とした立場を表明し、社会的批判で包囲する先頭にたつ必要がある」と表明。同時に社会的な背景・要因への対策にも言及し、「歴史認識の誤りや人権感覚の欠如の是正、貧困問題などへの取り組みが必要」「怒りの矛先を日本の悪政にではなく在日外国人に向ける構図を変えなければなりません」としています。

　差別禁止法の制定については｢検討は必要｣とし、「いま問題になっているようなヘイトスピーチは許されず厳しい対処が必要」「人種差別撤廃条約に基づく法的規制、差別禁止法についても、当面の対処をすすめつつ、検討・議論が必要です」としました。

　「慰安婦」問題については、政府による資料公開や事実調査が不十分であると回答。解決のための立法化や、歴史教科書への記述は必要だとしています。

　各党の詳しい回答は同会のホームページに掲載されています。

( ２０１３年０７月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏、誤報論はライフワーク

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は１６日、市役所で囲んだ記者団に対し、５月の日本軍「慰安婦」暴言をめぐるメディアの報道について「毎日新聞も朝日新聞も誤報だとライフワークで言い続けていく。その他の新聞社もテレビもそうだ」と言い放ちました。

　橋下氏は暴言翌日の５月１４日、「朝日新聞も、僕の発現（ママ）を比較的正確に引用してくれていた」「毎日新聞も…かなりフェアに発言要旨を出している」「毎日の一問一答がある意味全て」とツイートしていましたが、発言に対する批判が拡大すると「大誤報をやられた」（同１７日）などとメディアに責任を転嫁。その後の言い訳やすり替えも含めて、橋下氏自身の人間性や歴史認識、人権感覚があらゆる角度から批判されており、問題が橋下氏の発言そのものにあることは疑いようがありません。

( ２０１３年０７月１７日，「赤旗」）（Page/Top）

守れ憲法・戦争ごめん／河之口真一さん大阪・大阪市／��安倍・橋下氏は危険�＝^平和のため軍体験語る

　「慰安婦」問題での暴言を繰り返す「日本維新の会」の橋下徹共同代表が市長を務める大阪市で、「どんなことをしても平和を守らないといけない」と旧日本軍兵士としての戦争体験を語り始めた人がいます。市内在住の河之口真一さん（９３）です。

中国大陸を転々

　河之口さんは１９３９年末に入隊、２０歳になったばかりでした。翌年には大阪港から中国・上海に上陸。終戦で捕虜になり帰国するまでの６年間、主に通信兵として中国大陸を転々としました。

　「日本軍は本当におかしなところでね。上は��略奪するな�≠ﾆ口では言うが、前線には鉄砲の弾はきても食料はこないんです」

　食料調達のために人が集められ、集落を襲ったと言います。「明日生きてるかもわからんから、ひどいことをする。日本軍はそういうことをやってきたんです」

　何度も机をたたきながら話す河之口さん。「帰国した時、母が『真一は人間が変わってしまった』と言った。そら変わりますよ」

　ある夜、戦闘後の遺体が放置された集落に部隊がたどり着き、その中で食事をとりました。「朝起きてみたら、その炊いた飯が赤い。何でかいうたらその（水をくんだ）池に死体が浮かんでる。血で飯が赤いんです。そんなんを平気で食べるようになってしまうんです」

「慰安所」目にし

　集落を占拠してつくられた連隊本部では「慰安所」を目にしました。

　「いわゆる軍の事務官が、各部隊のところへやってきてサックと性病の予防薬を配って『必ず使ってこいよ』と言うんです。中に朝鮮や中国の女の人がおって、小屋の後ろにずらっと兵隊が並ぶんです。前が出てきたら、次が入る。女の人は逃げられませんよ、軍が占拠したところですから。私はいやで行きませんでした」

　河之口さんはいまの「維新」や安倍内閣に危機感を覚えています。「安倍首相や橋下市長は危ない。『大東亜解放のためだった』と言いたいんでしょうが、実際にやってきたことは人を殺し、犯し、焼き…それが事実なんです。戦争はだめ。戦後の日本には憲法９条があったから、戦争に行かなかった。それを忘れちゃいかんのです」

　（北野ひろみ）

( ２０１３年０７月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

フジテレビ系新報道２００１／市田書記局長の発言

　日本共産党の市田忠義書記局長が１４日、フジテレビ系番組「新報道２００１」に出演し、各党代表と議論した内容を紹介します。

集団的自衛権の行使／海外でアメリカと肩を並べて戦争すること

　自民党が公約に掲げる安全保障基本法案に「集団的自衛権の行使を一部可能にする」とあることが議論になり、同党の石破茂幹事長は「行使できるようにすることは今後の日本にとって必要」と発言。維新の会やみんなの党が憲法解釈を変えてでも行使できるようにするべきだと追随し、公明党や民主党も議論し方向性を出すべきだと容認姿勢をみせました。市田氏は次のように述べました。

　市田　歴代政権は「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」としてきました。法制局長官だけではなくて首相も言ってきたし、防衛庁長官も言ってきました。これが歯止めになって、例えばテロ特措法、イラク特措法のときも、「武力行使にあたるようなことはしない、戦闘地域にはいかない」と（いわざるをえなかった）。

　この歯止めを取り払うのが「集団的自衛権の行使を認めろ」ということです。「自衛」という言葉があるから、日本がどこかから攻撃されているときの反撃かなと思ったら、違う。日本が直接攻撃されていないのに、海外でアメリカと肩を並べて軍事行動、武力行使できるようにしようというのが集団的自衛権の行使です。そういうことは絶対に認められません。憲法上も許されない。

　石破氏が「なぜ国連憲章が集団的自衛権を国家固有の権利として書き込んだか」と発言したのに対し、市田氏は次のように述べました。

　市田　国連憲章５１条には集団的自衛権の項目があります。しかし過去、この５１条にもとづく集団的自衛権の行使としてやられたのは、アメリカのベトナム侵略。あるいは旧ソ連のアフガンやチェコへの侵略。すなわち大国の軍事的な干渉や介入です。これをいわば合理化するために使われた議論が集団的自衛権の行使なんです。

　今こそ軍事に頼らずに、憲法９条を生かした平和の外交で、ＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）で広がっているような「平和的安全保障」という考え方でいくべきです。集団的自衛権の行使というのは、どこからみても正しくない。

　石破氏が「集団的自衛権イコール侵略戦争」という議論は「観念論」だと述べたのに対し、市田氏は「観念論ではない。現実に集団的自衛権として行われたことはこういうことだと言っているんです。事実の問題です」と反論しました。

歴史認識／侵略戦争の反省に立たなければ外交は成り立たない

　歴史認識の問題にテーマが移り、橋下氏は、維新の石原慎太郎共同代表が日本の過去の戦争は「侵略には当たらない」と述べているにもかかわらず、「侵略を否定するような政治家がいますよね。これをやってしまうと世界に対する挑戦になる」と発言。他方で「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と発言したことに無反省な態度を示しました。石破氏が「村山談話、河野談話を見直すことはない」と述べたのに対し、市田氏は次のように発言しました。

　市田　村山談話を継承するということは、安倍首相は参院の予算委員会でもいいました。わが党の井上さとし参院議員が、では村山談話に書かれている��国策を誤って侵略と植民地支配を行ったことをわびる�≠ﾆいう点も認めるのかと聞いたら、明示的にはその部分は最後まで認めなかったんです。一般的に「継承する」と述べただけ。もう一つは侵略戦争について「侵略の定義は定まっていない」「それは歴史家が判断することだ」と。

　しかし、ポツダム宣言には、日本が行った戦争は世界征服の侵略戦争だったと書いてあります。そのポツダム宣言を日本は受諾しているわけです。歴史家に委ねるとかいう問題ではない。

　あの侵略戦争でアジアの２０００万人の人びとと、３１０万人の日本国民を犠牲にしたわけだから、その真摯（しんし）な反省の上に立たなかったら、韓国とも中国ともまともな外交をやっていけない。この歴史認識が一番大事な問題です。

「野党共闘」／一致点では協力するが、選挙共闘は基本的な政策の一致が不可欠

　政党間の「共闘」が話題になり、「自民党に近いところがありますよね」と司会者に問われた維新の橋下氏は「近いところはあります」と認めました。

　市田氏は「原発ゼロ、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）反対、憲法９６条・９条の改定反対などで、院内外で一致する勢力とは力を合わせます。しかし選挙共闘ということになると、基本的な政策で一致しないと野合のそしりを免れない」と強調しました。

( ２０１３年０７月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

斎木次官が韓国外相と会談

　【ソウル＝時事】外務省の斎木昭隆事務次官は１２日、韓国外務省で尹炳世（ユン･ビョンセ）外相と会談しました。冷え込んでいる両国関係の改善策を話し合ったほか、北朝鮮問題への対応で日韓や日米韓が連携していく方針を改めて確認したとみられています。

　尹外相は今月１日にブルネイで岸田文雄外相と会談した際、旧日本軍の慰安婦や閣僚の靖国神社参拝を念頭に、歴史問題で韓国の国民感情に配慮した対応を日本側に求めています。韓国側は経済や人的交流面での協力には前向きです。

( ２０１３年０７月１５日，「赤旗」）（Page/Top）

参院大阪選挙区候補（定数４）／国民の懐あたため景気回復！格差是正！／走る！たつみコータロー

大阪の政党の力関係大激変／自民政治と正面対決

　定数１増の参院大阪選挙区（定数４）。１５年ぶりの日本共産党議席獲得へ、３６歳のたつみコータロー候補が全力疾走しています｡自民党政治と正面から対決し、抜本的対案を示す日本共産党の勝利で、安倍自民党と、これに悪政をけしかける日本維新の会に痛打を与える絶好のチャンス到来です。

　１１人が立候補した同選挙区では自民、公明、維新、民主、共産、みんなの主要６党が１人ずつ擁立。この中で唯一、庶民の立場に立つたつみさんの政策は明快です。

　たつみさんの信条は「とことんまで国民の暮らしを守る」ことです。

　国民の所得を増やす「矢」がないアベノミクス。「大企業がもうけた分は働く人の賃金と中小企業への適正な取引価格へ」と求め、国民の懐を温めることを通じた景気回復を訴えます。

　地元民放ＭＢＳラジオの番組で、たつみさんが大企業の内部留保を１％活用するだけで、８割の大企業で月１万円の賃上げが可能なことを示すと、自民党候補も「基本的に賛成」と言わざるをえませんでした。若者を使いつぶす「ブラック企業」を追及、非正規雇用問題の解決に力をつくす若者の代表です。

　自公政権が進める消費税大増税で一番負担に苦しむ庶民と商売人の街、大阪。「増税を撤回せよ」ときっぱり迫るのは共産党とたつみさんだけです。

　政権担当時に自ら増税を決めた民主党は、細野豪志幹事長が大阪に来て「申し訳ないけど、消費税をお願いしなければならない」（４日）と述べました。

　平和憲法を��押し付けられた占領憲法�≠ﾆなじる自民、維新。自民党候補は元首相・中曽根康弘氏の秘書経験を自慢する新憲法制定議員同盟の事務局長です。たつみさんは「自衛隊がアメリカの身勝手な戦争に一緒に出かけ、銃を構えずにすんだのは９条が歯止めになっていたから」と、９条を生かした平和外交を主張しています。

　国政では自民につき従い、大阪では維新べったりでやってきた公明党も、改憲の立場は同じです。

　日本の経済主権を売り渡すＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加でもたつみさん以外の５党候補はこぞって賛成。原発再稼働でも２日の討論会に出席した自民、維新、公明、民主４候補がそろって容認し、明快に反対するたつみさんが光りました。

　今回の選挙は、「慰安婦」暴言で批判を浴びた橋下徹大阪市長が率いる維新の本拠地・大阪での政党間の力関係の大激変の中で行われます。各紙は「『第三極』が揺れている」（３日付「産経」）、「『維新にとどめ』勢いづく関西の共産党」（３日付「大阪日日」）などと報じています。

　橋下氏は「世界各国から批判を受けているが大阪府民は評価していると示してほしい。（大阪で）勢いが落ちたら『やっぱり維新は橋下のバカがとんでもないことをやっているだけ』と思われる」（４日）と話し、候補者の「トップ当選」を求める傲慢（ごうまん）さです。

　「維新の悪政の一番の犠牲者となってきたこの大阪から維新と正面から対決してきた日本共産党を躍進させて決着をつけよう」と訴えるたつみさん。「絶対当選して」と熱い期待が集まっています。

訴えに力こめ

　公示日、たつみ候補の演説後にわき起こる「コータロー」コール。「みなさんの熱気を力に勝ち抜きたい」と意欲満々です。

　��格差是正へ、突っ走るコータロー�≠ﾆ呼ばれます。大阪市此花区の「生活と健康を守る会」事務局員として、９年間で７千件の生活相談を受け、解決のために奔走してきました。

　「身寄りのない高齢者が認知症になり、家賃を払えず追い出されようとしている…」。昼夜を問わず相談が入る日々を経験してきただけに、訴えには力がこもります。

　「高すぎて払えない国民健康保険料や医療費、多重債務。みなさんの苦しみに心を寄せて、解決のために働いてきました。しかし、格差と貧困を生み出している政治の大本を変えなければ、このような問題はなくなりません」

　高校時代は生徒会長でラグビー部。大学は米国に留学、映画を学びました。最近まで「ラジオシネマ　Ｔｏｕｃｈ　ｍｅ！　コータロー」（ラジオ大阪）という番組を持っていました。「大阪の商売人、大阪の気風を前面に出した映画を撮ってみたい」との夢を持っています。

　その商売人の街を脅かす消費税増税。「大阪選挙区で真正面から消費税増税の中止、撤回を求めているのは、日本共産党の私だけです」

　国連ボランティアの経験もして、平和を守り、憲法改悪に反対する思いは人一倍です。

　「９条を変え、戦争ができる国にしてはなりません。紛争は軍事ではなく対話で解決する―が世界の流れです。武力は憎しみの連鎖しか生みません」と訴えます。

辰巳孝太郎＝１９７６年、大阪市西淀川区出身。米エマーソン大学映画学科卒。此花区生健会事務局次長、全大阪生活と健康を守る会連合会常任理事、ラジオ派遣村村長代理など歴任

忘れられない戦争体験／文楽・三味線奏者竹澤團七さん（７７）

　たつみさんに初めて会ったとき、若くて精力的、庶民のために突っ走ってくれる政治家になれると確信しました。世界から戦争をなくしたい、憲法改悪阻止、９条を守る―という彼の政治姿勢は、私の思いと同じです。

　私は、疎開先での戦争体験が忘れられません。当時、私は小学３年生。米軍爆撃機Ｂ２９が撃墜された現場に行くと、ばらばら死体がありました。

　ある青年が「死ねば米兵も同じ仏」というと、背広姿の３人組に連行されました。おそらく特高警察。おとなたちは「拷問され、生きていないかも…」と話していました。ひもじさや、機銃掃射から逃げ回った体験より、恐ろしかった。

　自民党や日本維新の会は憲法を改悪しようとしています。「国防軍」とか「集団的自衛権」とかいっていますが、どんな言葉を使おうと、その意味するところは「戦争ができる国にする」です。

　政府はいま、米軍機オスプレイの自衛隊への導入を検討しています。戦争の道具＝オスプレイを米国から買って、原発を外国に売るなんて、日本はとんでもない国です。

　憲法擁護、原発即時ゼロ―この願いを託せるのは日本共産党と、大阪選挙区では、たつみ候補だけです。

若者に真剣に向き合う人／弁護士宮本亜紀さん（３４）

　戦争放棄の９条だけでなく全面的に国民の自由を制限する自民党改憲案に危機を感じています。地域の学習会で憲法の講師に行くと、「憲法の描く日本社会に希望が持てる、早くそうなってほしい」等の声を聞き、私も、選挙で政治を変えて実現したいと願います。

　日本共産党は、戦前から戦争に反対し、個人の生き方・考え方を大切にする憲法の価値を一貫して政策に反映させています。たつみコータローさんとは、昨年１０月若者が「今の選挙制度はおかしいぞデモ」をして、私が司法修習生の給費制廃止問題を訴えた時に知り合いました。若者の話を真剣に聞いてくれる人です。若手世代を代表して日本国憲法を生かすために国政で活躍してほしい。

(２０１３年０７月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

「四つの転換」訴える共産党／各党と比べると

　２１日投票の参院選。日本共産党は、自民政治と正面から対決し、「四つの転換」を訴えています。志位和夫委員長が選挙第一声などで訴えた「四つの転換」の内容と、党首討論をはじめ各党論戦で浮かび上がった対立点は―。

�@くらし、景気／国民の所得を増やして景気回復をはかる政治へ

日本共産党

　デフレ不況の最大の原因は、長期にわたって国民の所得が減り続けていることにあります。

　ところが安倍内閣の経済政策､アベノミクスには､国民の所得を増やす｢矢｣は一本もない｡｢成長戦略」で検討されている中身は、解雇の自由化､残業代ゼロ､派遣労働の野放図な拡大など、雇用のルールを破壊し、国民から所得を奪う話ばかりです。社会全体を「ブラック企業」に変える雇用のルール破壊に「ノー」を突きつけよう。

　来年８％、再来年１０％への消費税の連続大増税は、総額１３･５兆円｡史上最大の増税です｡一方で､自民党は大企業には「思い切った投資減税｣｢法人税の大胆な引き下げ｣を公約｡方向が百八十度間違っています。やっていることがアベコベで、これでは｢アベコベミクス｣です。

　日本共産党は、大企業が抱えている２６０兆円の内部留保の一部を活用し、賃上げと安定した雇用を増やすために、政府がイニシアチブを発揮することを強く求めます。内部留保の１％を活用すれば、８割の大企業で月１万円の賃上げが可能です。それを突破口に消費を活発にし、内需を増やし、日本経済を健全な成長の軌道に乗せる。これが日本共産党の「暮らし第一の経済成長戦略」です。

自公民／３党合意で消費税増税

　アベノミクスで「経済は動き出した」と自画自賛する安倍首相。テレビで「前年同月比で５月は６０万人雇用が増えた」（７日、「新報道２００１」）と、胸を張りました。しかし、この期間に「増えたのは非正規１１６万人で、正社員は４７万人減。つまり、正社員から非正規への大規模な置き換えが進んだ」と志位氏に反論されました。

　景気回復については､｢実感がないという皆さんがたくさんいる」（安倍首相）、「実感が伴っていない｣(与党・公明党の山口那津男代表）と認めました。

　自民､公明は��大企業がもうければいずれ家計にしたたり落ちる�≠ﾆいう考えです。しかし、実際は、大企業は巨額の利益を労働者や中小企業に回さず、「内部留保」としてため込んでいます。

　安倍首相も､｢志位さんのいうように企業の内部留保が多すぎるということでは同じ」（ＮＨＫ日曜討論、７日）と認めましたが、共産党提案のような具体策はなく、逆に大企業減税推進です。

　民主党は「アベノミクスには副作用がある」と「懸念」を口にするだけで自民党と対決できません。もともと、民主党政権のときに、自民、公明と「３党合意」を結び、消費税増税と社会保障切り捨てで一致しました。「３党合意」という��共犯関係�≠�捨てない限り、自民と対決する足場はありません。

　社会保障でも｢３党合意｣で成立させた「社会保障制度改革推進法｣に基づき､自民党政権下で社会保障制度の切り下げが進行中。生活保護の削減を突破口に、高齢者の医療費窓口負担増、軽度者の介護保険外し、年金支給開始年齢の先延ばしなどをねらっています。

み、維

　みんなの党も日本維新の会も、アベノミクスの方向は基本的に賛成。「第３の矢」の「成長戦略」で大企業応援、庶民を苦しめる規制緩和について､｢自民党は手ぬるい｣｢もっとやれ」とけしかける補完勢力です。

　消費税についても、「維新」の橋下徹共同代表は昨年の総選挙で「消費税１１％」を主張。「みんな」は、増税の「前に」やるべきことがあるといい、結局は消費税を増税します。「将来的な増税を一切否定するわけではありません」と参院選公約にも明記しています。

極端な市場万能論

　「みんな」「維新」両党の経済政策の特徴は、極端な市場万能論です。

　維新は「徹底した競争政策」、みんなの党は「徹底した規制改革」を公約しています。

　「みんな」は、参院選公約で「『無期・直接雇用＝善』という固定観念を捨てる」などとして、不安定雇用をいっそう広げる規制緩和を打ち出しています｡｢維新」も「解雇規制の緩和」を公約。橋下代表は農協の共同購入・販売という協同組合のしくみを敵視し、独占禁止法で規制せよ―とのべ、農協敵視で一貫しています。

　両党とも医療や保育への株式会社の参入を進め、市場任せを強める方針です。貧困と格差を拡大し、破たんした小泉「構造改革」をもっと極端に進める暴論です。

　他方、大企業の法人税をもっと大きく減税することでも両党は自民党と同じ。参院選公約で、「みんな」は法人税を「２０％へと減税」、維新は「大胆な」引き下げを主張しています。

（Page/Top）

�A原発／原発にしがみつく政治から「原発ゼロ」へ

日本共産党

　安倍政権は「成長戦略」の中に原発再稼働と原発輸出を位置づけ、暴走を始めています。しかし、原発事故の収束もできていない、原因究明もできていない、いまなお１５万人もの方々が先の見えない避難生活を強いられているもとで再稼働など論外です。

　原子力規制委員会は事故原因が究明されていないのに再稼働を審査する「新規制基準」をつくりました。しかし、その内容は、原発事故で原子炉格納容器からの放射能放出を前提にしたり、住民の避難計画となる「防災計画」さえない、など穴だらけです。

　今やるべきは、再稼働させずにそのまま廃炉にしていく「即時原発ゼロ」の政治決断を行い、再生可能エネルギーへの大転換をはかることです。

　再生可能エネルギーは、普及が進めば進むほどコストが下がり、供給も安定します。

　「即時原発ゼロ」、自然エネルギー先進国・日本―この願いを日本共産党に託してください。

自公民維み／再稼働容認

　原発輸出推進の自民党や、自民党と連立を組む公明党、政権を持っていたときに原発再稼働をすすめた民主党、さらに、みんなの党、日本維新の会も、「新基準」をもとにした再稼働を推進・容認しています。

高い原発コスト

　「昨年の猛暑を乗り切れたから、電力不足とはいえなくなった」（電力会社元幹部）という電力会社や原発推進勢力。いま声高に叫んでいるのが、��原発再稼働しないと電気料金が上がる�≠ﾆいう脅しです。

　しかし、立命館大学の大島堅一教授のコスト試算では原発のコストは１�`�h時あたり１０・２５円｡火力発電は９･９１円で、原発コストが最も高くなっています。

　政府試算（２０１１年１２月）では、原発コストは８・９円と安くなっていますが、これは虚構の数字です。

　まず、福島原発事故にたいする東京電力の賠償想定（５・８兆円）を低く見積もっており、今後賠償額や収束費用などは膨大に増加します。さらに増え続ける使用済み核燃料の処理費用も大幅にふくらみます。また、原発推進のため税金で負担している地域振興費用なども除外しています。

　火力発電のコストが高くなっているのは、電力会社が輸入している天然ガスの価格が高すぎるからです。国際的には天然ガス価格は低下傾向にあります｡一方､日本は原油平均価格にリンクする契約のため、不当に高い値段となっているのです。

　ムダの改善をすればコストは下がります。そして中長期的にみれば、自然エネルギーに切りかえることが環境問題を考えても、もっとも低コストです。

（Page/Top）

�B憲法／憲法をないがしろにする政治から憲法を守り生かす政治へ

日本共産党

　自民、維新、「みんな」など改憲派の狙いは憲法９条を変え、「海外で戦争する国」につくり変えることです。

　改憲派は９６条改定で改憲のハードル（衆参各院で３分の２以上で発議）を過半数に下げ、９条改憲の突破口にしようとしています。憲法改定の発議が一般の法律と同じ過半数になったら憲法が憲法でなくなる。９６条改定反対の一点で共同を広げ、たくらみを打ち砕きましょう。

　９条は侵略戦争の犠牲を踏まえ、「二度と戦争しない」「世界平和の先駆けとなる」と約束した国際公約です。

　この宝を守り生かす平和外交こそ、アジアと世界から信頼される道。平和憲法を守ろう―この願いを、党をつくって９１年、反戦平和を貫いてきた日本共産党におよせください。

自公民維み／改憲めざす

　自民党は参院選公約に「『憲法改正原案』の国会提出を目指」す、と明記。「国防軍の設置」や、基本的人権を「公益、及び公の秩序」の範囲内に制限するなど全体にわたる改悪が目標です。

　民主党は「未来志向の憲法を構想」（民主党綱領）、公明党は９条に海外派兵などを書きこむ「加憲」、みんなの党は「憲法改正の前にやるべきことがある」といいつつ、９６条や９条の改憲を主張する立場です。

　維新の会は綱領で現憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶（おとし）め」たと攻撃。参院選公約で「まず憲法９６条改正に取り組む」と宣言しています。

歴史問題／侵略いえぬ首相／けしかける維新

　日本の侵略戦争をどう見るか―も争点です。

　３日の日本記者クラブ主催の党首討論会。安倍首相は記者からの質問に「侵略戦争」「植民地支配」と認めませんでした。

　戦後の国際政治は、日独伊による戦争が不正不義の侵略戦争だったということを共通の土台にしています。この土台を覆す勢力は、国際政治に参加する資格はありません。

　この安倍首相の立場をさらに悪い方向に押すのが維新の会。橋下共同代表は、自身の「慰安婦」暴言に反省も撤回もしないばかりか、逆に「自民党もあいまい」と��攻撃�＝B日本軍「慰安婦」の強制連行を裏付ける証拠はないと強弁し、「はっきりすべきだ」と迫るほどです。

（Page/Top）

�CＴＰＰ、安保・外交／「米国いいなり政治」から自主・独立・平和の日本へ

日本共産党

　安倍首相はＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加へ暴走しています｡｢守るべきものは守る｣と弁明するものの､いったん参加したら「守るべきものを守れない」のがＴＰＰ。首相は「強い交渉力」といいますが、米国との事前協議では牛肉、自動車、保険の３分野で米国の要求を丸のみしました。農業を壊し、国民皆保険を壊し、食の安全を壊し、日本を丸ごと売り渡す亡国のＴＰＰ参加は即時撤回を。

　沖縄県民の総意を踏みつけにして普天間基地の「辺野古移設」をごり押しし、オスプレイ配備を強行した安倍政権は許せません。

　アジアで米国中心の軍事同盟が機能しているのは２３の国のうち日本と韓国の二つだけです。２１世紀も日米安保条約を続けていいのか｡｢米国いいなり政治」の根源―安保条約を廃棄し、真の主権回復をはかり、対等・平等の日米友好条約を結びましょう。

自公民維み／ＴＰＰ推進

　自民党はＴＰＰ交渉参加を決め、公明党も「ＴＰＰ交渉で国益の最大化を」と推進の立場です。

　みんなの党は党首討論で「（ＴＰＰに参加しなければ）国益を損なう」（渡辺代表、３日）と、参加をけしかけます。維新の会も公約で「ＴＰＰ参加」を掲げています。

　民主党は政権時代からＴＰＰ推進。今になって「国益が守られるのか」（海江田代表）などと疑問を示しますが、交渉参加が前提です。

　沖縄・辺野古への米軍新基地建設でもオスプレイ配備でも、自民・公明と民主はまさに一体｡みんなの党､維新の会は「米国との同盟関係を深化」「日米同盟を深化」と､公約もそっくり｡維新は公約で「辺野古移設推進」を掲げています。

(２０１３年０７月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

参院選／この思い託したい／アートディレクター日高千賀子さん（４７）大阪・豊中

原発なくす議席は共産党

　先日、家の近所にある共産党の事務所に行き、「お手伝いさせてください」と申し出ました。

　共産党員ではなく、社民党も応援する私がなぜ今回、共産党を応援するのかというと、原発をなくしたいという思いを大阪選挙区で議席につなぐことができるのは共産党だけだからです。

　チェルノブイリを見ても福島の事故からも原発は人類と共存できません。脱原発の法案を通したいと思っていましたが、昨年の総選挙では原発推進の自民党が圧勝しました。原発事故の責任を誰もとっていないのにいま、再稼働への動きがすすみ、海外に輸出までしようとしています。だから今度は負けられないと思っています。

　民主党は「２０３０年代にゼロ」、「維新の会」も「将来はゼロ」といっていますが、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加賛成なのにそれはあり得ないと思うからです。

　脱原発とＴＰＰ参加反対でぶれないのは共産党と社民党です。「維新の会」の橋下共同代表は「慰安婦」制度は必要だったとか八尾空港でオスプレイの訓練をと言いました。「維新」の暴走を許しておけません。「維新」と真っ向から対決している共産党に票をとりもどしたい。

　次の世代への責任は、命と暮らしを守り、安全安心な社会をつくることです。共産党は今、追い風です。なんとしても国会へ出てもらい、脱原発の議員といっしょに法案を成立させてほしい。力をあわせましょう。

(２０１３年０７月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

東京選挙区各候補の公約は／吉良氏、改憲・増税・再稼働きっぱり反対

　参院東京選挙区（改選数５）では、憲法、基地、消費税増税、原発などどの問題でも、日本共産党の吉良よし子候補（新）と自民党２現職候補の自共対決が鮮明です。新聞各紙が掲載した候補者アンケートのうち、「毎日」７日付、「朝日」９〜１０日付、「東京」９〜１１日付をもとに、主要政党の候補者の回答を紹介します。

　吉良よし子氏は、憲法９条や９６条はもとより改憲そのものに反対し、憲法を守りぬく姿勢は鮮明です。米軍普天間基地（沖縄県）の移転先は国外にと主張、日本の「防衛力の強化」（軍拡）や「核武装の検討」にきっぱり反対しています。

　消費税増税、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加や、企業がリストラしやすくする「金銭解雇ルール」の導入に反対しています。将来の年金給付水準については減額せずに維持するとしています。

　日本の原発は「不要」、再稼働についても「原発事故は収束しておらず、原因も経過も未解明で再稼働は許されない。原発は即時ゼロあるのみだ」（「東京」）と主張しています。

自民／丸川氏・核武装／武見氏・増税を

　丸川珠代氏も、武見敬三氏も改憲と軍拡、普天間基地の辺野古移設にそろって賛成しています。丸川氏は日本の核武装について「国際情勢によっては検討すべきだ」（「毎日」）と回答、武見氏も他国への「先制攻撃」に賛成するタカ派政治家です。

　武見氏は来年４月の消費税増税に賛成し、さらなる税率引き上げにも賛成。丸川氏は消費税増税について「どちらとも言えない」と回答し、反対を言えません。武見、丸川両氏ともＴＰＰ参加に賛成です。原発の再稼働について、武見氏は賛成し、丸川氏は「どちらとも言えない」としながらも、「再稼働はやむを得ない」と回答しています。

公明・山口氏／原発当面必要

　公明党は公約で憲法については「加憲」として９条改定の検討を明記しています。ところが、山口那津男氏は党首でありながら、改憲や「防衛力の強化」などについては「どちらとも言えない」とごまかしています。

　普天間基地の辺野古移設や、消費税の来年４月の増税には賛成しています。原発は「当面必要」、原発再稼働やＴＰＰ交渉参加については「どちらとも言えない」としています。

民主・鈴木氏／消費税１０％超

　鈴木寛氏は、憲法改定や軍拡について「どちらとも言えない」、「９６条の先行改正には反対」と答えていますが、改憲自体を否定していません。

　普天間基地の辺野古移設に賛成し、消費税増税を予定通り実施し、１０％以上への税率引き上げを主張。ＴＰＰ交渉参加に賛成しています。原発は「当面必要」、再稼働は「どちらとも言えない」と回答しました。

みんな・桐島氏／先制攻撃賛成

　桐島ローランド氏は、憲法９条、９６条の改定、軍拡、普天間基地の辺野古移設にいずれも賛成しています。

　旧日本軍「慰安婦」について軍の関与と強制性を認めた河野談話の見直しに賛成し、他国への「先制攻撃」にも賛成するなど、歴史逆行のタカ派候補です。

　ＴＰＰ参加、将来の年金減額、金銭解雇ルールには賛成と回答しています。原発は「不要」と答えました。

維新・小倉氏／９条改憲主張

　小倉淳氏は、９条、９６条改憲や軍拡、普天間基地の辺野古移設、将来の年金減額や金銭解雇ルール、ＴＰＰ参加についても賛成しています。

　原発は「当面必要」と答えています。

(２０１３年０７月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」問題の真実を読む／安倍発言のごまかしを正す／吉川春子

　日本は１９３２年から１９４５年までアジア太平洋戦争中に、日本および植民地・占領地の女性約２０万人を性奴隷として将兵の性のはけ口にしました｡この��｢慰安婦｣問題に責任を取らない日本�≠ﾍアジア､欧米諸国と国連･ＩＬＯ（国際労働機関）から厳しく批判されています。

強制を狭く解釈

　１９９１年、半世紀近い沈黙を破って韓国人「慰安婦」・金学順さんが名乗り出て日本政府に補償を求めて提訴しました。日本政府は調査の結果１９９３年に「河野官房長官談話」を発表し、日本軍・政府の関与と「慰安婦」の強制連行を認めました。

　この「談話」を終始敵視し撤回を求め、「慰安婦」制度への日本の責任を否定してきたのが安倍晋三氏です。安倍氏は２００６年首相に就任、「談話の継承」は表明しましたが、「軍・官憲が押し入って人さらいのごとく連行した証拠はなかった」として「慰安婦」の強制連行は否定しています。

　しかし「河野談話」を取りまとめた石原信雄・元内閣官房副長官が語っているように、「当時の軍だって本人の意に反してでも集めろなんて（犯罪行為を指示する・吉川注）文書を出すはずがない」（「毎日」６月１９日付）のです。

　「慰安婦」問題研究者・吉見義明中大教授は「日本軍『慰安婦』問題で最大の問題は、軍慰安所で強制があったかどうかである。女性たちがどんな形で連れてこられたにしても…軍の施設である慰安所で軍人・軍属の性の相手を強制されれば、軍の責任は免れない」と、強制連行を狭く解釈している安倍氏を批判します。（「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編『「慰安婦」バッシングを越えて―「河野談話」と日本の責任』大月書店）

　他方、当時の日本軍の強制連行の証拠は枚挙にいとまがありません。オランダ人女性強制売春・強姦事件で戦後日本将校が死刑、懲役刑に処せられたオランダ軍法会議資料には強制の事実が記されています。（梶村太一郎ほか著『「慰安婦」強制連行〜［史料］オランダ軍法会議資料×［ルポ］私は��日本鬼子�≠ﾌ子』金曜日）

国際社会で孤立

　また１９９１年以降、「慰安婦」が日本政府に損害賠償を求めた１０件の裁判のうち８件の裁判では、厳格な証拠調べの結果、原告たちの痛ましい被害事実を認定しています。（坪川宏子・大森典子編著『司法が認定した日本軍「慰安婦」―被害・加害事実は消せない！』かもがわ出版）

　２００７年米下院は「慰安婦」問題の非難決議を採択し当時の安倍内閣につきつけましたが、その前月、ワシントン・ポスト紙に自民、民主両党国会議員４４人は連名の意見広告「Ｔｈｅ　Ｆａｃｔｓ’」を載せました。彼ら歴史修正主義者の言い分はこうです。

　「自らの意思に反して売春を強いられた歴史文書は発見されていない」、「業者による誘拐を取り締まった」、「軍による強制は例外的だった」、「女性たちの証言は信用できない」、「女性たちの待遇が良かった」

　吉見教授はそのうそを一つ一つ暴いています。（吉見義明著『日本軍「慰安婦」制度とは何か』岩波書店）

　安倍首相のいう「強制連行否定論」は完全に根拠を失い国際社会で孤立しています。

　（よしかわ・はるこ　日本共産党元参院議員）

( ２０１３年０７月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

参院選―シリーズ「自共対決」これが争点だ／歴史認識／共産・逆流と対決「日本の良心」

自民・侵略に無反省、国際問題に

　日本がアジアと世界に信頼されるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りを認め、負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠です。

閣僚の靖国参拝

　ところが安倍内閣が発足して以来、侵略戦争と植民地支配を正当化、美化する勢力が本性をむき出しにし、大きな国際問題となっています。麻生太郎副総理ら４閣僚が侵略戦争を美化する靖国神社に参拝。安倍晋三首相も「真榊（まさかき）」を奉納しました。

　靖国神社は侵略戦争を��自存自衛の正義のたたかいだった�∞�アジア解放の戦争だった�≠ﾆまるごと美化し、宣伝することを存在意義とする特殊な施設です。戦前は陸軍省と海軍省が共同管理し、「死んだら九段（靖国神社の所在地）で会おう」との合言葉で国民を侵略戦争に駆り立てる精神的支柱となりました。

　さらに安倍首相は、「村山談話」（１９９５年）の見直しを表明し、国会で「侵略の定義は定まっていない」と答弁。党首討論会（７月３日）では「そういう（侵略の）定義をした方がうまくいくという考え方は間違っている」と語り、日本政府も賛成したはずの国連の「侵略の定義に関する決議」を否定するところまできています。

　「村山談話」の一番の核心部分は、日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなった反省とおわびを表明したことです。安倍首相は、いまだに「村山談話」の核心部分を引き継ぐと言いません。

　これに対して米議会調査局リポート（５月１日）から「安倍首相の発言は、彼が日本の侵略とアジア諸国民の犠牲の史実を直視することを拒絶する歴史観を持っていることを示している」と指摘されるなど国際問題になっています。

　戦後の国際政治は、日本・ドイツ・イタリアがおこなった戦争が不正不義の侵略戦争だったことを共通の土台にしており、安倍首相の立場とは相いれません。

公人の資格なし

　日本維新の会は「慰安婦制度が必要だった」（橋下徹共同代表）、「戦争に売春はつきもの」「（先の戦争は）侵略じゃない」（石原慎太郎共同代表）と述べ、自民党と同じく侵略戦争と戦争犯罪を正当化する妄言を続けています。

　日本共産党は、「橋下氏にもはや公人たる資格はなく、橋下氏を党まるごと擁護する維新の会には政治に参加する資格はない」と批判しています。

　安倍首相は、橋下暴言に対して国会で問われ、「立場が異なる」というだけで、批判も否定もしていません。安倍首相自身が日本軍「慰安婦」問題での軍の関与と強制性を認めた「河野談話」（９３年）の見直しを狙っているからです。

　安倍首相は第１次内閣の２００７年、「強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」として日本軍の関与と強制性を否定する答弁書を決定しました。しかし、その後、日本共産党の質問に対して、強制連行を示す証拠を政府が保有していることを認めざるをえなくなっています。

　日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた唯一の党として、歴史を逆流させる勢力と真正面から対決。首相や閣僚は靖国参拝をはじめ侵略戦争を美化するような行動をとらないこと、日本軍「慰安婦」問題では、日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うことが不可欠だと主張しています。

韓国で高く評価

　歴史の逆流とたたかう日本共産党の姿は「日本社会の真の良心」として韓国でも高く評価されています。日本共産党の志位和夫委員長の著書『日本共産党とはどんな党か』の韓国語版（『いま、日本共産党』）を読んだ韓国の映画監督チョン・ユンチョルさんは「韓国人たちが一番大変だった過去の帝国主義の植民地時代、ひたすら日本共産党だけがこれに反対し、朝鮮の解放を主張した」と書評を寄せてくれました。

( ２０１３年０７月１４日，「赤旗」）（Page/Top）

参院選各党は／維新の会／「第３の矢」実行売り込む補完勢力／改憲連合もくろむ逆流の先兵

　日本維新の会は、自民党政治の補完勢力ぶりが知られ、東京都議選で惨敗。ショックを受けて、「アベノミクスの『第３の矢』は、既得権益と結びついた自民党には実行できない。改革ができるのは、しがらみのない維新の会だけ」「維新の会が自民党の対抗勢力として根付かないと、かつての自民党政権に逆戻り」（橋下徹共同代表）と��改革政党�≠ﾔりを売り込んでいます。

新自由主義者の極端な姿あらわ

　「第３の矢」の実行力を売り込むこと自体、「対抗勢力」どころか自民党政治の紛れもない補完勢力であることを示すものです。橋下氏も「完全な野党にはなりたくない。他の野党はアベノミクスを否定できますが、僕はそうではありません」（７日）と語るなど、補完勢力ぶりを隠そうともしていません。

　維新が掲げる「第３の矢」は「徹底した規制改革と大胆な法人税減税」です。

　規制改革では「混合診療の解禁」「年金支給開始年齢の引き上げ」「解雇規制の緩和」「農業の企業参入」、違法な「カジノ」解禁まで主張しています。極端な新自由主義者の姿があらわです。

　米軍基地問題では、「安保条約をもとにすればどこかに必ず米軍基地は必要なんです」（橋下氏）といって普天間基地（沖縄県宜野湾市）の辺野古「移設」や、危険なオスプレイの飛行訓練を大阪・八尾空港に移転することを主張。反対の声を上げる八尾市民や市長、市議に対し、「検討する前から反対、沖縄の人に失礼ですよ」「あまりにも身勝手な国民が増えすぎました」とアメリカの代弁者のように八つ当たり。普天間基地撤去、オスプレイ配備撤回を求める沖縄県民の総意を傷つける暴言を重ねています。

　「民間企業に自由に活動してもらう。そのために規制を取っ払っていく」（橋下氏）という通り、「既得権益の打破」どころか、最大の既得権者であるアメリカと財界にまったくものがいえない姿が浮き彫りとなっています。

自民攻撃他方で改憲連合を公言

　維新のもう一つの特徴は、憲法と歴史問題での逆流ぶりです。

　石原慎太郎共同代表は、「前文もこっけい千万。絶対平和の共同幻想」と憲法を攻撃。橋下氏も「決める政治ができない、地方分権がすすまないのは憲法が根本原因」と主張し、「まずは９６条をしっかり改正することが必要。そのために連携していかなければならない」と語り、自民党との改憲連合を表明しています。

　「自民党は選挙目当てで不利なことはいわない。憲法問題なんかフタをしてしまいましたよ」（橋下氏）といって自民党に改憲をけしかける先兵となっています。

　歴史問題でも安倍政権と同根。橋下氏は、「慰安婦は必要だった」との妄言が内外の厳しい批判を浴びたにもかかわらず、参院選中も「マスコミの誤報」「（日本は）ホロコースト（ドイツの大虐殺）と同じことをやったんですか」と開き直っています。

　「自民党に改革はできない」と攻撃しながら、改憲では自民党との連合を公言―「改革」どころか時代逆行の維新に国民の願いを託すことはできないことが鮮明になっています。

( ２０１３年０７月１４日， 「赤旗」）（Page/Top）

「自共対決」を貫いて、民主・維新にも審判を／演説会で山口党府委員長／大阪

　日本共産党大阪府委員会の山口勝利委員長は１１日夜、たつみコータロー参院大阪選挙区候補とともに枚方市の演説会で訴えました。

　山口氏は、「自共対決」に期待と共感が広がるなか、与党は争点隠し、野党は偽りの対決ポーズをとり、民主党が「国民の生活を破壊する安倍政権と対峙（たいじ）する」としながら、国民の所得を奪うアベノミクスの根本にまったく切り込まないと批判。民主代表も候補も「自民党に対抗しうる唯一の受け皿は民主党」と訴えていることについて、「ちょっと待ってください。大問題の消費税増税は誰が手をつけたのか、社会保障も、ＴＰＰ交渉参加も、辺野古への基地建設も、原発の再稼働・輸出も、みんな民主党政権のときに自民党から受け継いでやったことで、いま自公政権が推し進めている」と指摘しました。

　維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦制度は必要」暴言、八尾空港でのオスプレイ訓練にも言及し、橋下氏が「八尾市議会や市長が検討する前から反対なんて沖縄に失礼だ」と強弁していることに、「失礼といえば、沖縄へ行くたびに暴言をくり返す橋下氏こそ、失礼の極みではないか」と反論しました。

　山口氏は「私たちは��自民と対決�≠�貫きます。同時に��民主にも維新にも審判を�≠ﾆよびかけています。日本共産党を伸ばしてもらえれば、日本と大阪の政治が大きく変わります」と訴えました。

(２０１３年０７月１３日，「赤旗」）（Page/Top）

口つぐむ首相

　参院選に入って１週間、安倍晋三首相（自民党総裁）は街頭演説で、憲法９６条改悪、原発再稼働、消費税増税などに口をつぐんでいます。

　九州各地（１１、１２日）で立った街頭演説の中身はもっぱらアベノミクスの自画自賛ばかり。憲法、原発、消費税問題などは、日本記者クラブやテレビの党首討論で質問された場合にかぎって答えていますが、直接有権者に語りかける街頭では自分から口にしようとしません。

　政権復帰以来とっている、安倍政権のいわゆる「安全運転」作戦―国防軍創設の憲法９条改悪や靖国参拝、「慰安婦」問題など批判を浴びる問題は参院選が終わるまで自分の方からは語らない選挙戦術です。

　自民党元総裁の河野洋平氏は雑誌上で批判しています。「『参議院選挙が終わるまでは安全運転』などという安倍政権のレトリックは、…国際的に、また国民に対してもきわめて不誠実な態度だと思います」「少なくとも参議院選挙の前に自らの思うところを述べ、国民の審判を受けるべきでしょう」「反発を受けかねない問題については態度を示さず、選挙で白紙委任を得ようとする態度であっていいはずがありません」（『世界』８月号）

　河野氏ひとりではありません。野党委員長経験者は「自民党圧勝なら、安倍首相の本音中の本音である『３本の柱』―憲法改正、靖国参拝、村山談話の修正を視野に政治工程表を固めていくのではないか」と見ています。

( ２０１３年０７月１３日， 「赤旗」）（Page/Top）

「慰安婦」像設置決まる／西海岸で初めて／米国・グレンデール

　【ロサンゼルス＝時事】米ロサンゼルス・タイムズ紙などが１０日報じたところによると、ロサンゼルス近郊のグレンデール市議会で９日、旧日本軍の従軍慰安婦を象徴する少女像設置の是非を検討する公聴会が開かれ、議員による投票の結果４対１の賛成多数で設置が決まりました。３０日に公開されるといいます。同様の少女像はニュージャージー州などに設置されていますが、米西海岸では初めて。

　市議会は今年３月、中央公園内に像の設置場所を確保。韓国ソウルの日本大使館前に設置された像のレプリカとなるブロンズ像は、重さ約５００�`。計３万�j（約３００万円）の費用は韓国系団体が負担し、６月に韓国から送られていました。

( ２０１３年０７月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

日本母親大会来月２４・２５日／早めの申し込みを

　第５９回日本母親大会（同実行委員会主催）が８月２４、２５の両日に開かれます。実行委員会は積極的な参加をよびかけています。主な日程を紹介します。分科会の会場が七つにわかれているため、事前の申し込みが必要です。

　【８月２４日（土）　全体会】

　午後０時３０分〜５時。千葉市の幕張メッセ・イベントホールで。記念講演「憲法のいきづく国に―私たちに求められるものは」（弁護士の伊藤真さん）。文化行事・朗読劇「死んでもブレストを」（劇団前進座）

　◇

　【８月２５日（日）　東京都内７カ所で分科会】

　子どもと教育、くらしと権利、女性の地位向上、平和と民主主義など３５のテーマをもうけ、分科会や特別企画、シンポジウム、見学分科会で学び、語り合います。時間はいずれも午前１０時〜午後３時です。

　○プラザエフ（ＪＲ四ツ谷駅下車）

　○障害のある子も、ない子も豊かな発達を○これ以上の消費税増税でくらし・営業はどうなる？○現在も将来も安心できる年金のために○障害者も１人の人間として社会の中でくらしたい○ＴＰＰに参加するとどうなるの？○自分らしく生きたい

　○アルカディア市ケ谷（ＪＲ市ケ谷駅下車）

　○教育にもっとお金を○原発・放射能汚染から子どもを守ろう○女性の力をもっと活（い）かしたい！○母親運動の原点に学び、各県、地域の運動交流○日米安保条約と基地、核兵器の問題を考える

　○全国教育文化会館（ＪＲ市ケ谷駅下車）

　○子どもの心によりそって○シンポ「子どもが健やかに育つ学校って？」○特別企画「いっしょに考えよう！　まなびカフェ」

　○二松学舎大学（ＪＲ市ケ谷駅、地下鉄九段下駅下車）

　○安全安心な子育てを○メディアと向き合う力を育てる○人間らしく働き続けたい、仕事も生活も大切に○いつでもだれでも安心して診てもらえる医療を○高齢者の人権が尊重される介護保険制度に○くらしといのちをささえる国･自治体で今､何が？○ふえる心の病

　○ＴＫＰ市ケ谷カンファレンスセンター（ＪＲ市ケ谷駅下車）

　○地域からめざそう、つくろう！　原発ゼロの日本○日本軍「慰安婦」、戦争責任について考える○今こそ日本国憲法の生きる日本を○特別企画・「映画『フードインク』を観（み）て、食の安全について考える」「反戦の女性作家」「映画『放射線を浴びたＸ年後』を観て、制作監督と語る」「平和を語りつぐ」

　○日比谷公会堂（地下鉄日比谷駅下車）　特別企画「ビッグてい談　いのち・平和・ことば」

　○ニッショーホール（地下鉄虎ノ門駅下車）　シンポ「人権としての社会保障の実現を」

　○見学分科会

　○第五福竜丸展示館と東京大空襲・戦災資料センターで戦争と原水爆の悲惨さを考える○江戸の文化とくらしを訪ねて○明治初期に国民の権利保障に重きをおいた五日市憲法草案の再発見○靖国神社と女たちの戦争と平和資料館で日本の戦争責任を考える○前進座のけいこ場見学と座員との交流

■参加するには…　

会員券（１日２５００円）が必要。見学分科会の締め切りは７月末。保育あり（１歳以上、８月１５日までに申し込みを）。申し込み・問い合わせ＝日本母親大会実行委員会　�� ０３(３２３０)１８３６

( ２０１３年０７月１２日，「赤旗」）（Page/Top）

激戦参院選／選挙区の様相／大阪（改選数４）／１５年ぶり議席へ大激戦／たつみ候補

たつみ候補、自民と対決、維新に痛打／庶民の街から「増税反対」

　改選定数が一つ増えた参院大阪選挙区は、４議席を主要６党の候補らが争う大激戦です。１５年ぶりの議席獲得の可能性が報じられている日本共産党は、たつみコータロー候補を先頭に自らの猛奮闘で必ず勝利をつかもうと全力を挙げています。

　「自民党と対決、維新に痛打、抜本的対案を示す」構えで論戦を繰り広げてきた日本共産党のたつみ氏に、いま府民の熱い期待が広がりつつあります。

所得奪う「毒矢」

　自民党は大阪でもアベノミクスを前面に出し「われわれに多数をいただければ必要な法案は一つ残らず通す」（甘利明経済再生担当相）などと宣言。中曽根康弘氏元秘書の選挙区候補が「なによりも憲法改正」と平和憲法改悪を訴えています。

　たつみ氏は、アベノミクスには国民から所得を奪う「毒矢」しかないと告発。大企業の内部留保活用を主張し「消費税増税の影響が一番大きい庶民と商売人の街、大阪から中止・撤回を迫る日本共産党を伸ばしてほしい」と訴えています。憲法でも「日本が戦後、米国の身勝手な戦争に一緒に出かけて銃を構えずに済んだのは９条のおかげだ」と、９条を生かした平和外交を堂々と主張しています。

　民主党陣営は「暮らしを守る力になる」と宣伝していますが「消費税増税は誰が手をつけたのか。社会保障改悪もＴＰＰ（環太平洋連携協定）交渉参加も、辺野古への新基地建設も、原発の再稼働・輸出も、みんな民主党政権が自民党政治を受け継いで手をつけたものです」（７日、日本共産党の市田忠義書記局長）。他の主要政党の候補も改憲やＴＰＰ参加にそろって賛成する中で「『反自民』の受け皿として勢いに乗る共産党」（「産経」１０日付夕刊）のたつみ氏に注目が集まっています。

オスプレイ帰れ

　「慰安婦」暴言で世界中から批判を浴びた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は傲慢（ごうまん）にも選挙区候補の「トップ当選」を要求。維新は戦力を集中していますが、地元大阪でも影響力の低下は必至です。維新とたもとを分かったはずのみんなの党は、公示２日前に候補者を差し替え、元維新政治塾生を擁立するというお粗末さです。

　橋下氏は自分が勝手に提案した米軍機オスプレイ訓練の八尾空港での受け入れ構想について７日、「普天間も同じような住宅地。『八尾は無理』はダメ」と言い放ちました。

　たつみ氏は「沖縄配備自体が間違い。危険なオスプレイはアメリカに帰れ、の声をあげよう」「維新の横暴の一番の犠牲者となってきた大阪から、維新と正面から対決する日本共産党を躍進させて決着をつけよう」と訴えています。

( ２０１３年０７月１２日， 「赤旗」）（Page/Top）

抗議意見は「市民の声でない」？／「慰安婦」暴言で橋下氏

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、自身の「慰安婦」暴言をめぐり、自分が��共産党系�≠ﾆみなした団体を通じて市に寄せられた抗議の意見をまともに市民の声として扱わないという異常な反民主主義的な体質をあらわにしています。

　大阪市によると、橋下氏の発言に関して市に寄せられた意見は９１３９件（５月１３日から６月１２日までの１カ月間）。橋下氏はこれについて「共産党関係の運動団体がやっているファクスを除いたとして、本当の市民の意見の２５００件を分析したら賛否が半々」（６月３０日、鹿児島市）、「６０００通は共産党系。だから反対しかいわない。それは除いて残り３０００の一般市民の方々の意見は賛成、反対が半々」（７日、八尾市）などと繰り返してきました。

　しかし、本紙の取材に市担当者は「寄せられた意見のなかでどれだけが共産党系などという分析はしていない」と言明しています。

　そもそも、市民の抗議の思いがこもった意見を「共産党系」と決めつけ、「本当の市民」の意見ではないなどとするのは、侵略戦争に反対する人を「アカ」と決めつけたり「非国民」とした戦前の暗黒政治をほうふつとさせるような、驚くべき反民主主義的な感覚です。

　橋下氏はこれまでも、市職員に「思想調査」を行ったり、反対がほとんどだった３万件近い「市政改革プラン素案」への市民意見について「文句を言いたい人だけが言ってくる。それが市民の声と言ったら政治は機能しなくなる」と語ったりしてきました。

　自分への批判の声は「市民の声」ではないのでしょうか。参院選は、こんな橋下「維新」の主張は通用しないことを突きつける絶好の機会です。

　（小浜明代）

( ２０１３年０７月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

比例候補は訴える／小池晃さん／活動地域・東京、南関東／憲法９条の立場で平和外交を

　アベノミクスと言うけれど、くらしが良くなった実感などあるでしょうか。

　日本共産党は「バブルと増税」ではなく、国民の所得を増やす本物の景気回復を提案しています。その決め手は、安定した雇用と賃上げです。ところが自民党は、いっそうの雇用破壊を言いだしました。いつでも首切りできる「限定正社員」制度など許せません。日本中に「ブラック企業」が広がってしまいます。

　共産党は、若者を使い捨てにするブラック企業根絶のために頑張ります。そして、力を合わせて、賃上げ社会を実現しましょう。

　こんなときに消費税を増税したら、くらしはこわされ、商店街はさびれ、景気が落ち込んで税収も減ってしまいます。日本共産党を伸ばして、消費税増税を中止させましょう。社会保障の切り捨てをやめ、医療・年金・介護の充実を。認可保育所を増やして、子育てを応援する政治の実現を。財源は「増税するなら富裕層！」です。

　◆

　自民党は憲法９条を変えるために、まず９６条を変えると言います。しかし憲法は、国民を縛るものではなく、国民の権利のために国家権力の手足を縛るものです。時の政府が自分の都合で憲法を書きかえるようになったら、それはもう「憲法」ではありません。

　憲法を変えようという人たちは、あの戦争は正しかった、日本軍「慰安婦」は必要だったと言っています。とんでもありません。

　日本共産党は、世界に通用しない歴史観にもとづく政治をただしていきたい。世界やアジアとまともに向き合える日本をつくっていきたい。その旗印になるのが憲法９条です。

　◆

　「二大政党」には何の違いもありませんでした。「第三極」も自民党の応援団ばかりです。こうして、日本の政治をおおう深い霧が晴れ、見晴らしがよくなってくると、そこに見えてきたのは６０年続いた自民党政治と、それにまっすぐ立ち向かってきた共産党との「自共対決」です。

　福島の苦しみを置き去りにし、原発の再稼働に突き進むような自民党政治に立ち向かい、建設的対案を示して政治を動かします。比例代表５議席を必ず実現し、命を守る政治をつくらせてください。

　（８日、東京都内で）

( ２０１３年０７月１１日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下妄言に栃木から抗議／女性議員連盟

　栃木県地方議会女性議員連盟（会長・大川秀子栃木市議）はこのほど、「『慰安婦』制度は必要だった」などとする橋下徹大阪市長の妄言に対する抗議文を、大阪市役所と大阪維新の会に送付しました。前職を含む県、市、町議計３４人が名を連ねました。

　抗議文は、橋下氏の発言について、国連の「人身売買及び他人の売春からの搾取を禁止する条例」（１９４９年）や女性差別撤廃条約に反するものだと指摘。「女性はもとより人間の尊厳をおとしめ、人権を侵害するもの」と強く批判。発言の撤回と謝罪を求めました。

　日本共産党からは、野村せつ子前県議、福田久美子宇都宮市議ら５人が名を連ねました。

(２０１３年０７月１０日，「赤旗」）（Page/Top）

参院選比例代表／日本共産党の政見放送

　日本共産党の政見放送が好評です。山下よしき書記局長代行が司会し、５人の比例代表候補が決意をのべています。（写真はＮＨＫテレビから。その下は活動地域）

　山下　日本共産党書記局長代行の山下よしきです。日本共産党は、安倍政権に正面から立ち向かうとともに、どんな問題でも抜本的な対案を示してがんばる党です。

　きょうは、私をふくむ５人の候補者が、公約と決意をのべます。

　まず、命を何より大切にする世直しドクター、党副委員長の小池晃さんです。

バブルと増税ではなく国民の所得増やす本物の景気回復を／小池晃候補／東京�ｷ、南関東

　小池　「アベノミクス」というけれども、くらしは厳しくなるばかりです。株価の電光掲示板だけを追い求める政治は、株式市場からも見放されています。

　日本共産党は、バブルと増税ではなく、国民の所得を増やす、本物の景気回復を提案しています。

　その決め手は、安定した雇用と賃上げです。ところが自民党は、いっそうの雇用破壊を言い出しました。いつでも首切り可能な「限定正社員」制度など、許すわけにはいきません。

　働く人を守るルールをつくるとともに、正社員も非正規社員も賃上げを実現しましょう。大企業のため込み金、２６０兆円の内部留保の１％を動かすだけで、８割の大企業で毎月１万円の賃上げができます。力を合わせて賃上げ社会をつくりましょう。

　こんな時に消費税を増税すれば、くらしは壊れ、商店街は消え、景気は冷え込みます。その結果、税収も減って、元のもくあみです。日本共産党を伸ばして、消費税増税を中止させましょう。

　そして、社会保障の切り捨てをやめ、医療、介護、年金の充実を。認可保育所を増やして、子育てを応援する政治をつくりましょう。

　日本共産党は、社会保障の財源は消費税ではなく、「別の道」でつくりましょうと提案しています。増税するなら富裕層です。

　ところが自民党は、大企業への減税を言いだしました。財界には大減税、庶民には史上最大の大増税。政治が顔を向ける方向が百八十度間違っています。

　「アベノミクス」というけれども、庶民からお金を奪い、大企業にばらまくだけの古い政治の焼き直しにほかなりません。

　みなさん。日本の経済は、労働者、中小企業の力が支えてきたのではないでしょうか。ところが、いま日本の財界は、目先の利益、株主の配当だけを追い求め、宝である労働者を、中小企業を「コスト」と切り捨てる。これでは未来がありません。

　財界や大企業には、日本社会への責任を果たしてほしい。これが日本共産党の立場です。働く人や中小企業を中心にすえた経済対策こそくらしを支え、経済も財政も立て直す道です。この道をごいっしょにすすんでいきましょう。

　私、小池晃は、医療現場から国会へ、「命を守る政治を」とがんばってきました。「日本共産党」と広げていただいて、再び国会で働かせてください。どうかよろしくお願いします。

農業と地域経済壊すＴＰＰは撤回を／被災者のくらしと生業の再建こそ／紙智子候補／北海道、東北、北関東

　山下　次は、日本の農林水産業の守り手、党農林・漁民局長の紙智子さんです。

　紙　私は、国会におくっていただいてから１２年間、「命、食と農を原点」に活動してまいりました。女性の願いを国政に届けてまいりました。東日本大震災と原発事故は私たちに、あらためて命の重みと生業（なりわい）の大切さを示しました。

　津波被害や放射能汚染によって、農地を離れざるを得なかった米農家の青年は、「それでも、俺は農業が好きだ。誇りを持って農業を続けたい」と訴えていることが胸に迫ってまいりました。厳しい現実に立ち向かう担い手を応援してこそ、国の責任ではないでしょうか。

　ところが安倍内閣はＴＰＰ（環太平洋連携協定）への参加を決め、将来の希望を奪おうとしていることに、私は我慢なりません。

　関税ゼロが原則のＴＰＰは、農業生産額を半減させ、ただでさえ３９％と低い自給率をさらに引き下げます。世界では、飢餓をなくそうと、食料増産を訴えているときに、北海道から沖縄まで、日本農業と地域経済を崩壊しようとする。

　このようなことだけではありません。医療への株式会社の参入と、食の安全基準、そして遺伝子組み換えへの表示と、アメリカ企業の利益のために、日本のルールや法律まで変えようとする。このようなＴＰＰは断固撤回を求めます。

　日本共産党は、食料自給率を５０％台に引き上げていくことを国づくりの基本にすえて、価格保障と所得補償を組み合わせて、担い手を育てます。家族経営でも大規模経営でも農業を担いうる方向ですすめてまいります。

　震災から、２年４カ月がたちました。仮設住宅を訪ねた時に、「助かった命だから、がんばって生きようと思った。でも、医療や介護の減免が昨年削られ、病院にかかればその分の食費を削らざるを得ない」と切ない訴えです。私は、懸命に生きようとするみなさんを、なんとしても支えたい。被災者のくらしと生業を再建してこそ復興ではないでしょうか。

　私は、復興を最優先に、医療、介護の減免を復活させ、必要な公的支援を行わせます。どうか日本共産党を伸ばしていただいて、私、紙智子をひきつづき国会で働かせてください。

原発即時ゼロへ力を合わせましょう／再稼働も輸出もありえない／井上さとし候補／北陸信越、東海、京都府

　山下　次は、党の参議院議員団の要、国会対策委員長の井上さとしさんです。

　井上　広島で育った被爆２世の私は、核兵器への憤りを原点としてきました。だからこそ、命を粗末にする政治と立ち向かい、国連での２度の会議で核兵器廃絶を訴えてきました。二度と放射能被害を許さない。その思いで、原発即時ゼロを政府に迫ってきました。

　ところが安倍総理は、新しい基準で再稼働させるといい、自らセールスマンになって輸出をすすめています。しかし、福島第１原発の現状を見れば、そんなことはありえません。毎日４００�dもの放射能汚染水が増え続け、あふれ出る瀬戸際です。収束どころか、被害は拡大しています。事故原因の究明も尽くされていません。なぜ「世界一安全」などといえるでしょうか。

　福島第１ではネズミが配電盤に入ってショートして、使用済み核燃料プールの冷却がとまりました。３・１１並みの地震や津波でも大丈夫な対策をとったといいます。しかし、たった１匹のネズミでも大丈夫じゃなかったのに、なぜ大地震で大丈夫などといえるでしょうか。

　地震大国日本に安全な原発はありません。しかも再稼働すれば、処分できない危険な核のゴミが増え続けます。なんて無責任でしょうか。大飯原発もとめ、すべての原発をとめたまま廃炉にすすむ。これが一番現実的です。力合わして原発即時ゼロへとすすもうじゃありませんか。

　「原発事故で死者は出ていない」から再稼働を、という政治家もいます。絶対に許せません。福島では、今なお１５万人以上のみなさんが避難をされています。避難中に亡くなった方もいらっしゃいます。先日、避難中の子育てママたちと懇談しました｡｢私たちのこの苦しみをまったく分かっていない発言だ」と本当に怒っていらっしゃいました。

　いまやるべきことは、事故収束宣言を撤回し、国と東電の責任で収束と廃炉、除染と賠償をやり抜くことです。

　即時ゼロを決断してこそ、自然エネルギーへの転換も大きくすすみます。新しい産業が生まれ、雇用がつくり出され、地域経済も栄えます。この道こそ歩もうじゃありませんか。

　原発をなくしたいという願いは、原発マネーに汚れない党、日本共産党にお寄せいただき、私、井上さとしも、ひきつづき国会で働かせてください。あなたの願い、必ず生かします。

憲法改悪の暴走とたたかい９条生かした平和外交に切り替える／仁比そうへい候補／中国、四国、九州・沖縄

　山下　次は、信念つらぬく熱血弁護士、仁比そうへいさんです。

　仁比　自民党は今度の選挙で、「憲法を変える」といいますが、本当に憲法を変えていいのでしょうか。

　一番の狙いは憲法９条です。「国防軍をつくる」といいますが、自衛隊の看板を変えるだけではありません。９条の歯止めを取り払って、海外で武力を行使し、米軍と肩を並べて「戦争ができる国」に変え、みなさんの知る権利や表現の自由まで縛ろうというのです。

　戦前、国の命令ひとつで国民の権利や自由は奪われ、戦争反対を貫く日本共産党の先輩たちは、文字通り命がけのたたかいを強いられました。その行き着いた先が侵略戦争と植民地支配であり、出征して帰ることのなかった多くの命であり、悲惨な沖縄戦、広島、長崎への原爆の投下でした。

　「こんな戦争は二度と起こさない」「軍隊は持たない」と世界に誓うとともに、時の権力が国民の自由や権利をほしいままにすることは断じて許さないと、豊かな人権を保障し、政府の手を厳格に縛ったのが、私たちの憲法です。「時代に合わない」のは、この世界に誇る憲法を踏みにじってきた、自民党政治のほうではないでしょうか。

　日本共産党は、憲法改悪の暴走と真正面からたたかいます。９条を生かした平和外交に、切り替えます。

　世界は大きく変わっています。「紛争が起こっても絶対に戦争にしない」「軍事に頼らず対話の力で解決する」。この平和の流れこそ本流です。北東アジアにこれを広げましょう。そのもっとも力強いよりどころこそ憲法９条です。

　憲法改悪のハードルを下げようと「まず９６条から変えよう」という企てに、「憲法が憲法でなくなる」と、いま立場を超えた多くのみなさんの声が広がっています。

　「日本軍慰安婦は必要だった」とか「正しい戦争だった」などと、歴史を歪曲（わいきょく）する政治家たちは、国民の声の前に追いつめられつつあります。

　私、仁比そうへいは、弁護士として、人を餓死にまで追い込む生活保護の「水際作戦」や派遣切り、水俣病や「原発なくせ」など、国民の立場から裁判をたたかってきました。

　権利のためのたたかいの力こそ憲法です。なんとしても国会へ。現場から、憲法を政治に生かします。

　最後に、党書記局長代行の山下よしきさんです。

自民党と対決、抜本的対案を示す日本共産党を伸ばせば政治は変わる／山下よしき候補／京都を除く近畿

　山下　いま、公約と決意を訴えたのは、これまでも国会で、みなさんの要求を実現する先頭にたってきた、働きざかりのベストメンバーです。

　私、山下よしきも、「あったかい人間の連帯を国の政治に」をモットーに活動してきました。若者を使い捨てにする「ブラック企業」の問題や、大阪市による職員への「思想調査」の問題を、当事者の誇りと悔しさを胸に、国会で追及してきました。どうか、ひきつづきがんばらせてください。

　日本共産党は、戦前から、「主権在民」「侵略戦争反対」の旗をかかげ、自由と民主主義のためにたたかってきました。戦後は、自民党政治と一貫して対決し、「国民が主人公」の政治への転換を訴えてきました。「政治を変えたい」というみなさんの願いを、ぜひ日本共産党にたくしてください。

　日本共産党は、政党助成金も、企業・団体献金も受け取っていません｡だから､だれにたいしても、国民の立場にたって、堂々とモノをいうことができます。

　「いいことをいうけど、力がないのでは」という声もお聞きしますが、日本共産党は、全国で３１万人の党員、２万の支部、２７００人の地方議員が、草の根でみなさんと結びついて、政治を動かしています。党国会議員団が提起した「賃上げこそデフレ不況打開のカギ」「内部留保の活用を」との主張は、政府も否定できなくなり、不十分ではあっても総理が経済界に賃上げを要請するまでになりました。

　この１０年来、「自民か民主か」「二大政党による政権選択だ」といわれましたが、政権についた民主党の行った政治は、結局、自民党と変わりませんでした。「第三極」といわれる勢力も、自民党の応援団であることが明らかとなりつつあります。

　いま、自民党に立ち向かい、新しい政治への展望を示すことができるのは、日本共産党です。

　日本共産党は、「財界中心」「アメリカいいなり」という古い政治のゆがみをただすしっかりした立場を持っています。「財界中心」の政治からぬけだして、人間らしく働ける「ルールある経済社会」をつくります。予算の主役を社会保障に切り替えます。「アメリカいいなり」の政治にメスを入れ、核兵器も米軍基地もない平和な日本をつくります。そのために安保条約をなくして、対等・平等の日米友好条約に切り替えます。

　みなさん。今度の選挙は、「自共対決」の選挙です。「自民党と対決、抜本的対案を示す」日本共産党を伸ばしていただければ、政治は必ず変わります。

　どうか、比例代表は「日本共産党」とお書きください。ごいっしょに、新しい政治を開こうではありませんか。ありがとうございました。

( ２０１３年０７月１０日， 「赤旗」）（Page/Top）

朝の風／強まる高校教科書への攻撃

　本紙でも報道されたように、東京都教育委員会は、国旗・国歌に関して「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版高校日本史教科書を、都教委の考え方と異なるとし、都立高校で使用することは適切でないとの見解を議決し、各都立学校へ通知した。

　高校の教科書は各学校でそれぞれの教育課程にあわせて選んできた。それをまったく否定し、教育行政当局の考え方と異なる教科書の使用を認めないということは、教育行政当局の考えと異なる考え方を高校生の耳目からまったく遮断し、行政当局の考え方だけを唯一の正しい考え方として教えろということであり、さまざまな事実や考え方を学んで自分の考えを自主的に形成しようとする生徒の学習権の侵害である。戦前の国定教科書の思想と同じものである。

　自民党は、過去の日本の戦争や政治体制の反省すべき事実を客観的に述べた教科書を「自虐的」と非難し、とくに高校教科書へ攻撃を強めている。ねらいは南京虐殺や「慰安婦」記述を教科書から抹消することであり、そのために教科書法も準備しているという。

　都教委の行為は右翼政権と地方の右翼首長が一体となった教科書攻撃、統制強化の先駆けだ。全国から抗議の声をあげたい。

　（比）

( ２０１３年０７月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏暴言の言い訳に終始

　維新・橋下徹共同代表は７日、千葉県内各地の街頭で参院選候補を応援しました。

　橋下氏は、「慰安婦」暴言について言い訳に終始。農協攻撃、混合診療解禁、カジノ解禁などの極端な規制緩和を主張しました。

　ＪＲ柏駅前（柏市）では約１５００人の聴衆で大混雑しましたが、橋下氏が演説を終えるといっせいに立ち去り、同党比例候補が「橋下代表と一緒にがんばります」と訴えましたが、拍手や声援を送る人の姿は見当たりませんでした。

( ２０１３年０７月０８日，「赤旗」）（Page/Top）

メディアをよむ／須藤春夫／ＮＨＫ国際放送の課題

　先月、ＮＨＫ経営委員会は、ＮＨＫが行っている外国人向けテレビ国際放送の改革を執行部に指示しました。経営委員会の諮問を受けた外部有識者による「外国人向けテレビ国際放送」の強化に関する委員会が、半年で答申を作成。それを受けたものです。

　２００７年の放送法改正でＮＨＫの国際放送強化が制度化された際、５年後に見直すとの条件がありました。法制度上の見直し作業は総務省の研究会でなされています。経営委員会はＮＨＫ国際放送の視聴実績が低く、存在感が薄い現状に危機感をもち、独自に対応したといえます。

　指示した改革の方向性は、番組内容の充実によるＮＨＫの認知度向上のほか、インターネットを使った情報発信戦略の構築、プロモーション活動の強化など技術的手法が目につきます。ＮＨＫの総事業経費に占める国際放送の経費は３・１％、約８割が受信料で賄われており（残りは政府交付金）、改革のあり方に国民も無関心ではいられません。

　知名度の高いイギリスＢＢＣの国際放送ニュース番組は、ＮＨＫのそれと比較して信頼性や最新の情報提供などの面で高い評価を得ています。ＢＢＣの報道姿勢は公平性と自律性を重視しており、権力への監視と批判機能を発揮してきた実績が国際社会で認められた結果といえます。

　諮問委員会では、国際放送は政府広報に協力すべきとの意見もあったようです。答申は、独立性・公正性・客観性を堅持した報道姿勢により信頼されるメディアを目指すとまとめられ、国益に沿った報道とは一線を画すよう求めています。

　いま、安倍晋三首相の歴史認識や従軍慰安婦問題に対する人権感覚の欠如が国際的な非難にさらされています。ＮＨＫはこの焦眉の課題を独自の観点から検証し国際社会に発信してこそ、答申の指摘する信頼性獲得をはたす重要な一歩となるでしょう。

　（すどう・はるお＝法政大学名誉教授）

(２０１３年０７月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

��国民の声聞く党ね�＝^市田・紙・伊藤氏に共感／埼玉

子の安心へ原発なくして／物価・税金アップ困ります

　埼玉県越谷、朝霞、所沢の３市で６日、日本共産党の市田忠義書記局長と、紙智子参院比例候補、伊藤岳埼玉選挙区候補が行った街頭演説は、どの会場も聴衆でいっぱいになりました。各弁士の訴えに「そーだ」の声があがり、立ち止まって聞く人、ビルの窓越しに聞く人の姿もありました。

　南越谷駅前で演説を聞いた三郷市の深川智加さん（３１）は「安心して子どもを産むためにも、原発をなくしてほしい。原発再稼働をすすめ、国民の声を聞かない政治家に政治を任せられません」と話しました。

　自転車で駆け付けた原田洋子さん（６９）は「主婦は毎日買い物するので食品などの物価が徐々に上がっているのがわかります。税金は上がり、年金は減り、生活は厳しくなっています。共産党に頑張ってほしい」。

　北朝霞駅前で、子どもと一緒に聞いた和光市の女性（４１）は「共働きしなければ生活できない家庭が多いなかで、金持ちは減税されているなんておかしい。若い人が潤う政治をやってほしい」と期待を寄せました。

　通りかかった男性（３０）は市田書記局長の話に「その通りだと思う。維新の会の橋下共同代表の『慰安婦』発言を聞いて、おかしいと思っていた。最近、共産党がよくテレビにでるので、聞いてみようと思った。いまの時点では共産党に入れます」と語りました。

ＴＰＰ断固撤回／紙参院比例候補

　紙智子参院比例候補は「いのち、食と農」を原点に活動してきた２期１２年間の国会活動を示し、「懸命に生きる農業の後継者を応援するのが政治の責任です」と訴えました。

　紙氏は、日本の農業を壊す環太平洋連携協定（ＴＰＰ）を詳しく解明。「アメリカ企業の利益のために日本のルールや法律まで変えて国民生活を壊すＴＰＰに断固撤回を求めます」と強調しました。「家族経営でも大規模経営でも成り立つ農業をつくり、埼玉の大切な農業も守る」と日本共産党の農業政策を話した紙氏に、聴衆から「頼んだぞ」との声援が飛びました。

　福島第１原発の視察をした紙氏は、北海道、関西、四国、九州の電力４社が原発の再稼働を申請したことを強く批判。「福島第１原発事故は収束すらしていない。原因すら究明されていない。活断層はどうするのか、汚染水はどうするのですか。参院選では、原発推進勢力に怒りの声で厳しい審判を下しましょう」と呼びかけました。

憲法守り生かす／伊藤埼玉選挙区候補

　伊藤岳参院埼玉選挙区候補は「憲法を変え、暮らしを壊す政党に埼玉の３議席を独占させるわけにはいかない」と力を込めました。

　特別養護老人ホームには「待機者」、保育所には「待機児」という、人間らしく生きる権利をうたった憲法が暮らしに生かされていないと語った伊藤氏。安倍政権が介護保険や年金など社会保障全体を次々と切り捨てようとしていることを批判し、「福祉の乱暴な切り捨てをやめ、憲法を暮らしに生かす」と訴えました。

　安倍政権の経済政策（アベノミクス）について、「大企業は大もうけできても、国民は雇用が壊され、所得が増えない貧しい国になる」と批判。安定した雇用と賃上げで所得を増やす党の経済政策を語りました。

　伊藤氏は「日本共産党が伸びれば政治は必ず変わります。憲法を守り、生かす共産党の議席を、なんとしても勝ち取らせてください」とよびかけました。

(２０１３年０７月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

維新・橋下氏また暴言／「慰安所」を必要視／沖縄

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は５日、沖縄県での演説で、米軍占領期の沖縄に日本政府のつくった米兵相手の「特殊慰安施設協会」（ＲＡＡ）があったとして「（米兵による）レイプを止めるため一生懸命、頑張ってくれた沖縄の女性に感謝の念を表す」などとのべ、性暴力から守るためなら「慰安所」を当然視・必要視する暴言をはきました。

　ＲＡＡは１９４５年８月、一般女性の貞操を守るとの名目から、内務省指令で米軍相手の「慰安所」として関東を中心に設置され、多くの女性が犠牲になりました。一方、当時の沖縄は日本の行政権が停止されていたため「慰安施設」に関与できるはずはなく、県内にＲＡＡが存在した事実は確認されていません。

　橋下氏は同日、県内４カ所で街頭演説し、旧日本軍「慰安婦」をめぐる暴言批判に「僕が女性の人権を蹂躙（じゅうりん）していると言うが、それなら沖縄県の女性が一生懸命になってＲＡＡで頑張ってくれたことを全部なしにするのか」と居直りました。

　県女性団体連絡協議会の伊志嶺雅子会長は「女性が軍隊に��性のはけ口�≠ﾆして利用された苦しみは本来、悲惨な事実として記憶されるべきことです。それを、頑張ってくれたと感謝すると言う橋下氏の発言は、今後も米軍相手に『沖縄の女性は頑張ってくださいよ』と言っているようにしか聞こえない。バカにするにもほどがある」と憤りました。

( ２０１３年０７月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

「軍の管理売春の証拠」／沖縄・大量の避妊具出土報道に相次ぎ反響

　旧沖縄守備軍第３２軍司令部配下の部隊などが使用した津嘉山北地区旧日本軍壕（ごう）群跡（沖縄県南風原＝はえばる＝町）から出土した、軍支給品と見られる大量の男性用避妊具（６月２３日付既報）。同県内の沖縄戦研究者から「初めて知った」との声や、「日本軍による管理売春を裏付ける強い証拠」（本紙ホームページへの投稿）などの反響が相次いでいます。

　南風原町史の「（避妊具は）木箱に梱包（こんぽう）された状態で壕内に保管されていたと思われる」との記述に注目、「文献や法廷での証言だけでなく考古学的な資料も出てくるとは」と高い資料価値を指摘する投稿もありました。

　第３２軍は一時、同町津嘉山に司令部を設置。しかし米軍の本格的な空襲など戦況の悪化で首里に移動しました。昨年２月、沖縄県は首里の司令部跡の説明板から「従軍慰安婦」「住民虐殺」の記述を削除、県民の強い反発を受けました。沖縄からの投稿者は「現地（首里の壕跡）で勉強会を開いたが、これはやはり継続して取り組まなければ」と感想を寄せています。

　元南風原町長の金城義雄さん（７７）は、本紙の取材に体験を踏まえていいます。「軍施設の壕近くには慰安所があった。子どもたちが、近くのゴミ箱から避妊具を拾い出し、風船のように膨らませて遊んだ記憶がある」

　（山本眞直)

( ２０１３年０７月０７日， 「赤旗」）（Page/Top）

「共産党、市民の味方って感じ」／「かえるネット」宣伝対話で青年たち共感／大阪

　大阪府の「日本共産党と日本をかえるネットワーク」は６日、大阪市北区の東通商店街前で七夕宣伝を行いました。ゆかた姿や「消費税増税ストップ」「ブラック企業なくして」などのたすきをかけたメンバーも。シールアンケートを活用した対話や、宣伝カーで「私が共産党を応援したい思い」を訴えました。

　シールアンケートでは「いまの政治や社会は変えられると思いますか」「気になっていることを教えてください」と、▽学費・生活費▽競争教育・いじめ・体罰▽原発、震災復興▽「慰安婦」問題▽憲法９６条・９条問題▽経済問題―など８項目で対話しました。

　「景気回復してくれるところがいい」という男性（２２）に、メンバーが「だったら共産党」と、共産党の経済提言を紹介。男性は「いいですね」と共感しました。「安倍さんは、うちらには消費税増税しといて、法人税はめっちゃまけようとしてんねん」というと、男性は「それはいただけないですね」と応えます。

　原発、学費問題でも共産党の政策に共感し、「今まで共産党ってよく知らなかった。市民の味方って感じします」と話し、「赤旗」７月号外を受け取りました。

　対話した若者たちは「給料アップ」「景気回復」などの願いを短冊にしたため、竹笹につるしました。

( ２０１３年０７月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

橋下氏応援演説に聴衆引く

　日本維新の会の橋下徹共同代表は６日、名古屋市内の各地で参院愛知選挙区候補の応援演説に立ち、聴衆に訴えましたが、集まった聴衆は徐々に引いていきました。

　橋下氏は、「株価が上がり、気分的に国民のみなさんが明るくなりました」と安倍政権を高く評価。「完全な野党にはなりたくない」と訴え、自公政権の補完勢力であることを自ら認めました。

　農業「自由化」や混合診療の全面解禁、カジノ誘致、年金制度改悪などを訴え。「慰安婦」問題をめぐる暴言についても「あれはメディアの誤報です」「自民党の政治家は僕よりももっとひどいことを言っていた」と開き直りました。

( ２０１３年０７月０７日，「赤旗」）（Page/Top）

日本よくする第一歩に／対案示し訴え全力／たつみ候補、選挙区駆ける／大阪

　参院選、大阪選挙区は改選数４（１増）に１１人が立つ多数大激戦です。

　日本共産党のたつみコータロー候補は５日、猛暑のなか、大阪府南部を駆け巡り、岸和田、貝塚、泉佐野、泉南の各市の駅やスーパー前で訴えました。

　この日の大阪は気温３３度を超す猛烈な暑さ。強い日差しが照りつけるなか、たつみ候補は、こん身の力で国民の所得を増やす政策、原発ゼロ、憲法を生かし守ると、自民党と正面から対決し、抜本的対案を示す党の姿を語りました。（訴え別項）

　各所で足を止めて聞き入る人や、車の中から「頑張って」と声をかける姿も。南海貝塚駅で訴えを聞いていた女性（６２）は「少ない年金から強制的に介護保険料が天引きされ生活がますます苦しくなっているのに、さらに消費税を引き上げるなんて間違っている。ぜひ消費税の中止、社会保障充実を実現してほしい」と期待を寄せました。

　岸和田市のスーパー前で足をとめた女性（６９）は「維新の会の橋下（徹大阪）市長の『慰安婦』暴言には本当に腹が立った。維新と対決する共産党にがんばってほしい」と話しました。

自民と対決／「維新」に決着／たつみ候補の訴え／要旨

　私は９年間、高すぎる国保料、多重債務など７千件の相談を受け、みなさんの苦しみの解決のために働いてきました。しかし、これ以上苦しむ人を生みださないためには、格差と貧困を生みだす政治の大本を変えなければなりません。どうか、比例で日本共産党を大きく伸ばし、選挙区では私を国会へ送り出してください。

　大企業がもうけた分はちゃんと働く人の賃金へ。中小企業に適正な取引価格を。日本共産党が伸びることが景気、経済を良くすることにつながります。消費税増税で一番苦しむ庶民と商売人の街、大阪から増税中止・撤回の声を私に託してください。

　命を守ります。原発の再稼働も輸出も許されません。自ら命を絶つほどの若者の生きづらさは自然現象ではありません。正社員が当たり前の社会にするために私を若者の代表として送り出してください。

　米国の戦争に戦後日本が直接つきあわなかったのは憲法９条が歯止めになっていたからです。憲法を生かします。どの問題でも自民党と正面対決し抜本的な対案を示しているのは日本共産党です。自民党補完勢力・維新と大阪で決着をつけるためにも正面対決してきた日本共産党を伸ばしてください。私、コータローは走り抜けます。

(２０１３年０７月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

��頼み�≠ﾌ大阪…、でも聴衆は激減／維新の街頭演説

　「維新は橋下徹のせいで大ピンチ」「東京行ったらね、すっごい寒いんですよね。大阪はあったかくていいですよ」。参院選公示日の４日、「日本維新の会」の車から幹事長の松井一郎大阪府知事のこんな訴えが響きました。

　場所は大阪市有数の演説スポット、難波高島屋前。直前まで行われていた第一声で､｢慰安婦」暴言の橋下徹共同代表（大阪市長）は「大阪のみなさんなら分かってくださると思う｣と訴えました｡

　本当にそうでしょうか。聴衆はマスコミを含めても３００人程度。「２００８年の大阪府知事選で最初に街頭演説した時は１３００人を集めた場所だけに、今の苦境を物語っていた」（５日付「スポーツ報知」）と報じられています。

　橋下氏は「慰安婦制度は必要だった」（５月１３日）と語った自らの暴言について、またしても「メディアの大誤報」と演説で言い訳。しかも「（大阪で候補者の）勢いが落ちたら『なんだやっぱり維新は橋下のバカがとんでもないことをやっているだけじゃないか』と思われてしまう」と、大恥をかかされた大阪の有権者にずうずうしく選挙区候補の「トップ当選」を求めたのです。

　日本共産党のたつみコータロー大阪選挙区候補は同日、「維新の悪政の一番の犠牲者となってきた大阪から維新と正面から対決してきた日本共産党を躍進させて決着をつけよう」と力説。府下で「絶対当選して」と熱い期待が集まっています。

( ２０１３年０７月０６日，「赤旗」）（Page/Top）

「自民とたたかえる党」／共産党第一声、聴衆の声／新宿／大阪

憲法が心配／アベノミクスは見せかけ／賃上げで所得増

　参院選公示の４日、東京・新宿駅西口で行われた日本共産党の第一声。街頭を埋める人、人、人…。話を聞こうと足を止める人などでみるみる人垣ができました。志位和夫委員長らの訴えに、「そうだ」「がんばれー」など声援や拍手が送られ、熱気につつまれました。

新宿

　元教員の磯崎百合子さん（６４）＝東京都日野市＝は「父たちが戦後たたかって勝ち取った民主主義が危ないと感じます。子や孫のためにも、憲法は絶対に守りたい」と話します。

　埼玉県から来た福重佳代子さん（４０）は、「９６条を変えるのはおかしい。憲法のあり方が変わったら、土台から全てが変わってしまう。国民として、憲法を変えることは許せない。そもそも憲法が守られていない社会なので、憲法が生きる世の中になってほしい」と語ります。

都議選躍進で関心

　ビラを受け取ってバスターミナルで読んでいた女性会社員（４２）＝練馬区＝は、「勤め先の売り上げは伸びたが、給料は増えない」と嘆きます。

　女性は、賃上げと雇用の安定で国民所得を伸ばす共産党の主張に共感し、「自民党に対抗できる政党が必要。衆院選で入れた民主党が頼りないので、共産党の政策を勉強する」。

　通りがかりに第一声を聞いた埼玉県の男性会社員（４０）は、今まで共産党にあまりいいイメージを持っていませんでしたが、都議選の躍進をみて興味を持ちました。「共産党の特集を組んだ雑誌を読んだりして、ダメなものはダメといえる政党だな、と印象が変わってきています」

　今一番気になるのは経済問題。アベノミクスは無理がある、そのうち大きなほころびが出るのではと、不安です。「僕らはバブル崩壊も経験してるからね、アベノミクスは見せかけに感じる。給料は上がらないし、得をしてるのは投資家だけ」

　私鉄の労働者後援会の仲間と参加した倉橋光男さん（７１）は「日本全体をブラック企業化しようという動きは特に心配。日本の命運がかかった選挙だと実感しました。現場で苦労して働いている後輩たちのためにも、いっそう気合を入れて頑張りたい」。

「家族にすすめる」

　「こんなに人が集まるとは思わなかった」というのは、研究者を目指す男子学生（２３）＝東京都北区＝。「若者にこんな扱いをする国は、長くはもたない。共産党の主張は一貫していて、筋が通っている。何のしがらみもなくたたかえる唯一の政党だと思いました」

　遠くから志位委員長の演説が聞こえて、かけつけた坪枝美子さん（７０）＝新宿区＝は「志位さんの『老若男女が安心して暮らせる社会』という話はいいと思う。孫のためにも共産党を家族にすすめる」と話しました。

大阪

　大阪市内で同日夕、志位委員長の街頭演説をきいていた大阪市中央区の女性（６６）＝元教師＝は「教師をしていたので、若者の雇用のことが気になってきました。ちゃんと就職できていない若者が多いことには胸が痛みます。志位さんたちの話を聞いて、共産党が主張するように『正規社員が当たり前』の世の中をつくらねばならないと思います。選挙でみんなの声を集めて共産党を伸ばさないといけませんね」と話します。

　「維新の会の橋下・慰安婦暴言は絶対に許せない」という竹本妙子さん（７１）＝大阪市西淀川区＝は「人権を無視し、憲法を変えようとする政党には未来はないと思います。共産党の躍進でこのたくらみをストップさせてほしい」と期待を寄せました。

( ２０１３年０７月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

参院選／日本共産党の躍進で、国民の声で動く新しい政治を／志位委員長の訴え／東京での第一声

自民党と対決、抜本的対案を示してたたかう

　４日公示された参院選で、日本共産党の志位和夫委員長が東京・新宿駅西口で行った第一声は次の通りです。

都議選で始まった躍進の流れを、参院選でさらに大きく

　みなさん、おはようございます。日本共産党の志位和夫でございます。（歓声、大きな拍手）

　日本の未来がかかった参議院議員選挙が始まりました。

　さきの都議会議員選挙で、日本共産党は８議席から１７議席に倍増し（拍手）、民主党を抜いて都議会第３党に躍進することができました（「よーし」の声、拍手）。ご支持をいただいた都民のみなさんに、心からのお礼を申し上げます。ありがとうございました。（大きな拍手）

　私たちは、都議選で始まった躍進の流れを、参議院選挙ではさらに大きく発展させる決意でたたかいます。政党を選ぶ比例代表選挙では、日本共産党と書いていただく方を広げに広げ、全国で６５０万票以上、小池晃さんを含む５人全員の勝利をめざして頑張ります。（大きな拍手）

　東京選挙区では３０歳、若さ輝く吉良よし子さんの必勝のためにお力をお貸しください。どうかよろしくお願いいたします。（「頑張れ」の声、大きな拍手）

自民党と正面から対決し、��四つの転換�≠�訴えてたたかいぬく

　みなさん。いまの安倍内閣のすすめる政治はどうでしょうか。「アベノミクスというが、暮らしは苦しくなる一方だ」、「原発事故が収束もしていないのに再稼働とは心配だ」、「憲法９条を変えるという動きに不安が募る」――安倍内閣の暴走に対して、さまざまな不安感や危機感をお持ちの方が広がっているのではないでしょうか。

　参議院選挙で日本共産党は、自民党と正面から対決し、どんな問題でも国民の立場で抜本的対案を示す――「自共対決」という姿勢を貫いて、躍進をめざします。（拍手）

　私たちは、日本の政治のつぎの��四つの転換�＝\―四つのチェンジを訴えてこの選挙戦をたたかいます。

第一の転換――国民の所得を増やして景気回復をはかる政治へ

　第一の転換は、国民の所得を奪う政治から、国民の所得を増やして景気回復をはかる政治への転換です。

アベノミクスの「成長戦略」――日本社会の「ブラック企業」化に「ノー」を　

　いまのデフレ不況の最大の原因はなんでしょうか。長期にわたって国民の所得が減り続けているところに原因があります。ところが、アベノミクスには、国民の所得を増やす「矢」は一本もありません。どれもこれも国民から所得を奪う、「毒矢」ばかりではありませんか。（「その通り」の声、拍手）

　「成長戦略」で検討されている中身をみますと、解雇の自由化、残業代ゼロ、派遣労働の野放図な拡大など、雇用のルールを破壊し、国民から所得を奪う話ばかりであります。日本社会全体を「ブラック企業」に変えてしまう、雇用のルール破壊に断固として「ノー」を突きつけようではありませんか。（歓声、大きな拍手）

大企業に「大胆な減税」、庶民に「空前の大増税」――増税勢力に怒りの審判を　

　来年に８％、再来年に１０％の消費税の連続大増税が強行されようとしています。１３・５兆円、史上最大の増税です。

　その一方で、大企業に対しては、自民党は公約で、「思い切った投資減税を行い、法人税の大胆な引き下げをはかる」などとしています。大企業には「大胆な減税」、庶民には「空前の大増税」。向いている方向が百八十度間違っているではありませんか。（「そうだ」の声、大きな拍手）

　こんなひどい不景気のもとで、こんな大増税をかぶせたら、暮らしも、営業も、経済も、財政も、破綻に陥ることは火を見るよりも明らかです。

　みなさん。日本共産党への１票で、増税勢力に怒りの審判を下し、増税の実施を何としても中止に追い込もうではありませんか。（「そうだ」の声、拍手）

日本共産党の提案――あらゆる政策を総動員して、国民の所得を増やす　

　日本共産党は、大企業が抱えている２６０兆円の内部留保の一部を活用して、賃上げと安定した雇用を増やすために、政府がイニシアチブを発揮することを強く求めます（拍手）。内部留保の１％を活用すれば、８割の大企業で、月額１万円の賃上げが可能となります。それを突破口にして、消費を活発にし、内需を増やし、日本経済を健全な成長の軌道に乗せる。これが日本共産党の「暮らし第一の経済成長戦略」ですが、いかがでしょうか。（大きな拍手、「いいぞ」の声）

　さらにみなさん、労働者派遣法を抜本改正し、均等待遇のルールをつくり、「雇用は正社員が当たり前の社会」をつくっていこうではありませんか。（拍手）

　中小企業いじめをやめさせ、大企業と中小企業が対等に取引をできるルールをつくっていこうではありませんか。（拍手）

　中小企業への手当てをしっかり行いながら最低賃金を時給１０００円以上に引き上げて、この日本から「働く貧困層」といわれる方々をなくしていこうではありませんか。（「そうだ」の声、拍手）

　富裕層・大企業への応分の負担を求める税制改革を行い、消費税に頼らずに医療・介護・年金など、社会保障の再生と拡充をかちとっていこうではありませんか。（拍手）

　みなさん、あらゆる政策を総動員して、国民のみなさんの所得を増やすのが政治の役割であります。国民の所得を増やして景気回復を――この願いをどうか、こぞって日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。（「いいぞ」の声、大きな拍手）

第二の転換――「原発ゼロの日本」へ

　第二の転換は、原発にしがみつく政治から、「原発ゼロの日本」への転換であります。

事故収束もできず、いまなお１５万人が避難生活――原発再稼働など論外　

　安倍政権はいま、「成長戦略」のなかに原発再稼働と原発輸出を位置づけ、暴走をはじめています。

　しかし、原発事故の収束もできていない、原因究明もできていない、いまなお１５万人もの方々が先の見えない避難生活を強いられているもとで、再稼働など論外ではありませんか。（「そうだ」の声、拍手）

　無謀な再稼働反対、その１票を日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。（歓声、大きな拍手）

「即時ゼロ」の政治決断、再生可能エネルギーへの大転換を　

　原発の輸出ほど恥ずかしいものはありません。

　首相は「原発事故を起こした日本こそ、世界一安全な原発を提供できる」などと言っています。みなさん、こんな理屈が通るなら、大事故を起こせば起こすほど輸出がすすむことになるではありませんか。「死の商人」ならぬ「死の灰の商人」はただちにやめよ。この声を突きつけようではありませんか。（大きな拍手）

　いまやるべきは、再稼働や輸出ではありません。「即時原発ゼロ」の政治決断を行い、再生可能エネルギーへの大転換をはかることではないでしょうか（「そうだ」の声、拍手）。再生可能エネルギーは、普及がすすめばすすむほどコストが下がり、供給も安定します。「即時原発ゼロ」、自然エネルギー先進国・日本――この願いを日本共産党への１票に託してください。よろしくお願いいたします。（「頑張れ」の声、大きな拍手）

第三の転換――憲法を守り生かした政治へ

　第三の転換は、憲法をないがしろにする政治から、憲法を守り生かした政治への転換であります。

憲法９条、９６条改定に反対をつらぬく　

　自民党、維新の会、みんなの党などの改憲派の狙いは、憲法９条を変えて、「海外で戦争をする国」に日本をつくり変えることにあります。日本共産党は国民のみなさんと力を合わせて、この危険なたくらみを打ち砕くために、全力をあげることをお約束するものであります。（拍手）

　改憲派は、憲法９６条改定――改憲のハードルを下げることを、９条改憲の突破口としてすすめようとしていますが、こんなやり方は邪道中の邪道であります（拍手）。憲法改定の発議が、一般の法律と同じ過半数でできるようになったら、憲法が憲法でなくなってしまいます。憲法９６条改定反対の一点で、立場の違いを超えた共同を広げ、改憲派のたくらみをみんなで打ち砕こうではありませんか。（「そうだ」の声、大きな拍手）

憲法９条を生かした平和外交こそ、アジアと世界から信頼される道　

　みなさん。日本国憲法第９条は、侵略戦争による２０００万人のアジアの人々、３１０万人の日本国民の犠牲を踏まえて、「二度と戦争をしない」「世界平和の先駆けとなる」と世界に約束した国際公約であります。この宝を守り生かした平和外交をすすめることこそ、日本がアジアと世界から信頼される道ではないでしょうか。（大きな拍手）

　平和憲法を守ろう――この願いを、党をつくって９１年、反戦平和を貫いてきた日本共産党にお寄せください。よろしくお願いいたします。（「頑張れ」の声、大きな拍手）

第四の転換――「アメリカいいなり政治」からの転換

　第四の転換は、「アメリカいいなり政治」から、自主・独立・平和日本への転換です。

農業・国民皆保険・食の安全を壊し、日本を丸ごと売り渡すＴＰＰ参加を許すな

　いま安倍首相は、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加への道を暴走しています。首相は、「守るべきものは守る」といいますが、いったん参加したら、「守るべきものを守れない」のがＴＰＰだということを私は訴えたいと思います。（拍手）

　だいたい、「強い交渉力」などといっておりますが、アメリカとの事前協議では、牛肉、自動車、保険の３分野で、アメリカの要求を丸のみする結果になったではありませんか。他方、米、乳製品、砂糖など重要農産物の関税については、何一つ保証をえることができなかったではありませんか。

　農業を壊し、国民皆保険を壊し、食の安全を壊し、日本を丸ごとアメリカに売り渡す亡国のＴＰＰ参加は即時撤回せよ――この願いを日本共産党に託してください。頑張ります。（「頑張れ」の声、大きな拍手）

日米安保条約を廃棄し、真の主権回復をはかり、日米友好条約を結ぼう　

　安倍政権が、沖縄県民の総意を踏みつけにして普天間基地の「辺野古（へのこ）移設」をごり押しし、オスプレイの配備を強行したことは許すことができません。

　みなさん。アジアを見渡せば、米国中心の軍事同盟が機能しているのは２３の国のうち、日本と韓国の二つだけです。２１世紀も日米安保条約を続けていいのか。いまこそ国民的議論を起こそうではありませんか。

　「アメリカいいなり政治」の根源――日米安保条約を廃棄して、真の主権回復をはかり、対等・平等の日米友好条約を結ぼうではありませんか。（拍手）

どの問題でも「自共対決」は鮮明――他の政党と対比して

　��四つの転換�≠ﾆいうことをお話ししましたが、どの問題でも「自共対決」が鮮明です。昨日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、私は、自民党がゼネコン業界に４億７１００万円と金額まで指定して、献金をせびっている事実を明らかにしました。政治をカネで売る最悪の利権政治をすすめる自民党か、それとも企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、国民の声で政治を動かす日本共産党か――ここでも「自共対決」は鮮明ではないでしょうか。（大きな拍手）

　安倍内閣の暴走に対して他の政党はどうでしょう。

　民主党は、野党になりましたが、自民党と対決する足場を持っていません。消費税増税、社会保障切り捨て、原発の推進、ＴＰＰの推進、辺野古移設、どの問題も自分たちが手をつけたことを自民党が本格的にやっている。ですから対決する足場がもてません。

　「第三極」といわれる勢力も、維新の会にしても、みんなの党にしても、憲法改定をもっとやれ、弱肉強食の「構造改革」をもっとすすめろ、ＴＰＰ推進をもっとすすめろ――自民党に「もっとやれ」とけしかけ、自民党の補完勢力であることがすっかり明らかになったのではないでしょうか。（「そうだ」の声、大きな拍手）

　維新の会の橋下共同代表は、日本軍「慰安婦」問題での暴言を、あれだけ批判されながら反省さえしようとしておりません。もはやこの人物に公人たる資格はありません（「そうだ」の声、大きな拍手）。そしてこの発言を党ぐるみで容認した維新の会に、国政にたずさわる資格なし、このことを言いたいと思います。（大きな拍手、「その通り」の声）

日本共産党を伸ばせば、日本の政治は必ず変わります

　みなさん。日本共産党を伸ばせば、日本の政治は必ず変わります。

　私たちは、国民の運動と共同して、国民世論の前向きの多数派をつくる仕事をやってまいりました。

　「原発ゼロの日本」をめざす市民運動のみなさんとの共同したたたかいで、どの世論調査をみても、６割前後の国民は、再稼働にも原発輸出にも反対という、世論のうねりがつくりだされているではありませんか。（拍手）

　憲法９６条改定反対の一点で幅広い共同を広げ、どの世論調査をみても、過半数の国民が９６条改定、９条改定に反対という声を上げているではありませんか。（拍手、「そうだ」の声）

　日本共産党を伸ばせば、日本の政治は必ず変わります。国民の声で動く新しい政治に必ず変わってまいります。

　どうかみなさん。日本共産党を参議院選挙で躍進させていただいて、安倍内閣の暴走にストップをかけ、子どもさんも、お年寄りも、女性も、男性も、すべてのみなさんが将来に希望をもって暮らせる日本、平和な日本をつくっていく選挙にしていこうではありませんか。みなさんの絶大なご支持を訴え、私も最後まで頑張りぬく決意を表明して、第一声といたします。ありがとうございました。（「頑張れ」の声、歓声、大きな拍手）

( ２０１３年０７月０５日， 「赤旗」) （Page/Top）

各党の第一声／消費税増税・原発だんまり／９条改定・規制緩和を主張

争点隠しに終始／安倍首相

　安倍晋三首相（自民党総裁）は被災地・福島市で第一声をあげました。首相は福島第１原発事故にふれ、「『安全神話』に寄りかかりながら、原発を推進してきたことを反省しなければならない」と言いながらも、県内原発の全廃炉を求める��オール福島�≠ﾌ声を無視して公約に掲げた再稼働方針や原発政策をなんら説明しませんでした。

　農業では「収入を１０年間で倍増していく」と主張しましたが、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）には言及せず。経済対策も都合のよい指標で「改善」を語るだけで消費税増税には言及せず、改憲にも一言もふれずじまいでした。

新基地にふれず／自民・石破幹事長

　自民党の石破茂幹事長は参院沖縄選挙区自民公認候補の出発式で、党本部と県連で異なる公約を掲げている米軍普天間基地（宜野湾市）の「移設」問題にふれず、だんまりを決めこみました。

　石破氏は安全保障について「日本全国で分かち合うべき負担を沖縄に押し付けてはならないというのは当然のこと。私たちは沖縄の思いを誰よりも分かっている」と強弁。県民の怒りを呼んでいる辺野古新基地建設は語らず、「一日も早い普天間基地の危険性除去」を強調するにとどめました。

「ねじれ解消を」／公明・山口代表

　公明党の山口那津男代表は、さいたま市のＪＲ大宮駅西口で、埼玉選挙区を最重要選挙区と位置づけ、「実感できる景気回復を」と述べ、「国会の『ねじれ』を参院選で解消できるかどうかが参院選の最大の争点だ」と訴えました。

再稼働批判せず／民主・海江田代表

　民主党の海江田万里代表は盛岡市と福島市などで、東日本大震災や福島原発事故からの復旧・復興の遅れに言及。民主党政権にも「至らぬ点があった」と釈明しながら、自公政権の公共事業バラマキによって被災地での建設資材不足を招いたのが遅れの原因だと非難しました。

　一方で、「２０３０年代」に「原発稼働ゼロ」を先送りする同党の公約も含め、福島県民が強く願う「原発ゼロ」や県内全原発廃炉の実現については一切言及せず、安倍政権が進める原発の再稼働・輸出戦略についても批判しませんでした。

河野談話を攻撃／維新・石原共同代表

　日本維新の会の石原慎太郎共同代表は東京・有楽町駅前で、中国との領土問題について「（刀の）こい口を切る姿勢を私たちは示さなければだめだ」などと軍事的対応を求め､｢そのためにも憲法を変えないとダメ」と９条改定を主張しました。

　橋下徹共同代表の「慰安婦は必要だった」とする暴言問題では、橋下氏を擁護し、日本軍の関与と強制性を認めた河野洋平官房長官談話（１９９３年）を「とんでもない誤解を生じさせた」と攻撃しました。

競争原理を強調／みんな・渡辺代表

　みんなの党の渡辺喜美代表は、東京都豊島区巣鴨で、「既得権益」を守る規制をなくすことが日本を成長させると主張。電気事業や農業、医療は「徹底した自由化によって新規参入を認めれば、新しい産業が生まれ、経済を引っ張るようになる」と述べ、保育バウチャー制など徹底した競争原理を強調しました。また、３日の日本記者クラブでの党首討論会で、日本共産党の志位和夫委員長が明らかにした自民党の建設業界への献金要請を引き合いに、自民党のバラまきを批判しました。

内部留保に言及／生活・小沢代表

　生活の党の小沢一郎代表は千葉県市原市で、大企業の内部留保が２６０兆円にものぼることを指摘し、「安倍政権は大企業さえもうければいいという強者の論理で政治を推し進めている。これでは弱肉強食の獣の世界と一緒だ」とアベノミクスを批判しました。

　また、自民党がすすめる環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉参加や、若者の非正規雇用の拡大にも触れ、「政治とは国民の生活を守ることである。勇気をもってたたかわなければ生活は守れない」と述べました。

野合を正当化／社民・福島党首

　社民党の福島瑞穂党首は横浜駅西口で、安倍政権の経済政策と原発・環太平洋連携協定（ＴＰＰ）推進、憲法改定の動きを批判。一方で「社民党の良さは、たくさんの人、いろんな党とネットワークができる政党であること」と述べ、社民党の公約とは違って原発再稼働、ＴＰＰ、消費税増税を推進する民主党との選挙での野合を正当化しました。

「共生社会」主張／みどり・谷岡代表

　みどりの風の谷岡郁子代表は東京の浅草・雷門前で、「格差の小さな、みんなで分かち合う共生社会」を目指すと表明。「自然を壊し未来につけを回すのは恥ずかしい」として、「原発はもうやめなければならない」と主張しました。

( ２０１３年０７月０５日， 「赤旗」) （Page/Top）

各党党首の第一声／立ち位置鮮明／自公、争点隠し／民主、対決の足場ない／維新・みんな、悪政けしかけ

　参院選が公示された４日、各党党首の第一声からは、各党の政治的立ち位置が浮かび上がりました。

　自民党は、安倍晋三首相が福島市内で、石破茂幹事長が那覇市内で、それぞれ第一声をあげたものの、肝心な問題にふれない異常な態度でした。安倍首相は「安全神話に寄りかかり原発政策を推進してきたことを深刻に反省」と口にしながら、自らすすめる原発再稼働・原発輸出政策には一切触れませんでした。石破幹事長も「普天間の危険性を一日も早く除去する」とはいうものの、辺野古への米軍新基地建設や欠陥機オスプレイ配備については一言の言及もありませんでした。

　原発事故の被災地と基地被害に苦しむ現場を訪れながら、住民の願いに背を向ける自らの政策について語れない態度は、自民党政治の行き詰まりと政治的腐敗・堕落を示しています。

　同時に、自民党も公明党も一致していたのが、安倍政権の経済政策アベノミクスへの開き直りです。安倍首相も公明党の山口那津男代表も、判で押したように「１〜３月のＧＤＰがプラス４・１％に転じた」と宣伝。「まだまだ実感がないという方がたくさんおられる」（首相）、「実感できないのは家庭、地域、中小企業のみなさん」（山口氏）と言いながら、「だんだんお金は回っていく」（首相）として「この道しかない」と開き直りました。これから進めようとする雇用の破壊や消費税増税計画には一言も触れませんでした。

　さらに安倍、山口両氏は、原発政策や環太平洋連携協定（ＴＰＰ）、米軍基地問題、憲法改定といった重大争点に一切ふれないまま､｢ねじれ解消」でごまかそうとしました。まさに、争点隠し、自民党対共産党の「対決構図」隠しです。

　一方、日本共産党以外の野党はどうか。

　民主党の海江田万里代表は盛岡市での第一声で「国民の生活を破壊する安倍政権に対峙する」といいながら、国民の所得を奪うアベノミクスの根本問題に切り込むこともありませんでした。

　それどころか、自らの政権で年金削減法を強行しておきながら、「年金は下がるんです」と非難するでたらめぶり。自らの政権時代に手がけた消費税増税、原発再稼働、ＴＰＰ、米軍新基地などの重大争点にも触れることができず、対決の足場がないことを露呈しました。

　日本維新の会やみんなの党は、安倍・自民党の暴走をいっそうけしかける姿勢です。

　維新の橋下徹共同代表は、アベノミクスを前提に「第三の矢、徹底した日本改革が必要だが、それは自民党にはできない」として、農協改革、混合診療解禁、カジノ解禁を迫りました。一方で、日本軍「慰安婦」をめぐる暴言問題では反省はなし。石原慎太郎共同代表も橋下氏をかばいました。

　みんなの渡辺喜美代表も、電力自由化や農協改革など、維新と同様の「徹底した自由化」路線を強調。原子力規制委の新基準に適合すれば再稼働を容認する政策を示しているのに「原発はゼロにする」とし、憲法９６条改定を主張しているのに「民主主義を破壊する憲法改正は絶対に認めない」などとウソで固めました。

　生活、社民、みどりの各党は、「脱原発」「反ＴＰＰ」などと主張しましたが、これらと正反対の民主党と選挙協力しています。社民・福島瑞穂党首は「社民党の良さはいろんな党と力を合わせられること」と野合を合理化しました。

　（中祖寅一）

( ２０１３年０７月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

中国元「慰安婦」、日本政府に抗議書渡す

　【北京＝小林拓也】旧日本軍の元「慰安婦」だった中国人女性４人が２日、安倍晋三首相や橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の歴史をめぐる言動に抗議する声明を、日本の華僑団体を通じて日本政府に手渡しました。中国メディアが伝えました。

　声明は、安倍首相と橋下代表が「第２次世界大戦時の日本政府と軍による性暴力を歪曲（わいきょく）する言論を繰り返し、中国の被害者女性の心身を再び虐げている」と批判。歴史を歪曲する言論を撤回し、性暴力の被害者に謝罪するよう求めています。

( ２０１３年０７月０４日， 「赤旗」)

参院選公示初日から元気な党示そう／志位さんの街頭演説こぞって／大阪

　「参院選公示日、志位委員長の街頭宣伝を最大規模の参加で成功させ、初日から元気な日本共産党の姿を示そう」。日本共産党大阪府委員会は、参院選公示日の４日午後６時から、大阪市北区の大阪駅ヨドバシカメラ前で志位和夫委員長を迎えた大街頭演説を開催します。各分野の後援会は「つながりのある人にこぞって声をかけ、参加をよびかけよう」と案内を強めています。各後援会代表の談話を紹介します。

労働者／雇用規制改悪止めないと／大阪労働者日本共産党後援会事務局長・続昌司さん

　労働者の使い捨てが横行するなか、安倍内閣は「雇用規制改革」を閣議決定しました。職務、勤務地限定の「ジョブ型正社員」を普及し、正社員よりも賃金が安く、解雇しやすい労働者を増やすとともに、労働時間規制の緩和、残業代をゼロにする計画です。

　この「雇用規制改革」に断固反対する日本共産党の躍進で、国民・労働者の暮らしと権利を守りましょう。

　志位委員長を迎えての大街頭演説は、そのための大事な集まりです。後援会員のみなさんが、誘い合わせのうえ、こぞって参加するよう訴えます。

女性／対話一気に共産党勝利へ／日本共産党新婦人府本部内後援会代表世話人・川本幹子さん

　「年金の目減りが生活を脅かしている」「正規と同じように働いても、保障もなく給料も少ない」…。新日本婦人の会の女性のくらし実態アンケートはくらしの矛盾が女性に集中していることを示しています。女性の活用を掲げても、現状を無視する安倍内閣は信用できません。

　橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言に怒り「辞任を」と迫ってきた大阪の女性たちは「憲法を変える」政党は女性の人権を守るつもりもないことを見抜いています。広げてきた対話を一気に日本共産党の勝利に！。誘い合って、志位さんの話を聞きにかけつけましょう。

業者／アベノミクスは実感ない／日本共産党大阪業者後援会会長・石倉昇さん

　安倍内閣は、消費税増税の来年４月実施を狙って、「アベノミクス」で「景気回復」をつくりだしていますが、私たち中小業者にはまったく関係がなく、実感もありません。

　府内でも中小業者の営業は困難を極め、消費税が増税されたら、商売が成り立たなくなります。

　共産党の議席は、私たち中小業者の声を代弁してくれる大切な議席だと、身近な人にもどんどん声をかけ、参院選で議席を大きく伸ばして、中小業者を本当に応援する政治を実現させようとがんばっています。街頭演説へぜひ誘い合わせて参加しましょう。

医療／自公政権の暴走ストップ／大阪民医連日本共産党有志後援会副会長・土井康文さん

　昨年の民医連の国民健康保険などの死亡事例調査では、保険証を取り上げられ病院に行けずに症状が悪化し、５８人の命が奪われるなど医療現場では大変な実態が現れています。

　消費税増税と社会保障大改悪をすすめる安倍自公政権の暴走をストップさせるために、参院選で日本共産党を躍進させる必要があります。

　４日の大街頭演説では志位委員長が「自民党と対決、抜本的対案を示す」日本共産党の姿を語ります。友人、知人に声をかけ、誘いあって参加しましょう。

(２０１３年０７月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

憲法改悪を許さない／秋田県母親大会に７１０人

　第６０回秋田県母親大会（加賀谷久子実行委員長）が６月３０日、秋田大学（秋田市）を会場に開かれ、７１０人が参加しました。

　午前中は土崎空襲慰霊碑をめぐる見学分科会や、子育て・暮らし・食の安全・放射能など１５のテーマで分科会を開き、活発な意見交換を行いました。

　午後からは、「九条の会」事務局長の小森陽一東京大学大学院教授が「憲法とわたしたちのくらし」と題して記念講演。小森氏は「憲法改悪を許さない草の根の運動が力を合わせて立ち上がったとき、日本の政治は大きく変わります。一緒にがんばりましょう」と話しました。

　大会の最後に「賃金・雇用を増やす、消費税大増税の中止、即時原発ゼロ、憲法９６条・９条改定反対、橋下維新の会共同代表による慰安婦発言の撤回と公職を辞すること」などを求めるアピールを採択して閉会しました。

　大会後母親パレードしました。「憲法変えて国防軍まったくとんでもありません」「憲法コロコロ変えるため９６条変えないで」など、ラップのリズムでアピール。通りかかった自転車の女性も一緒に唱和していました。

(２０１３年０７月０３日，「赤旗」)

参院選比例５議席で願い実現／あす公示／国政語る集い／七飯新婦人内後援会／北海道

どこでも話題、今回は共産党だ

　北海道渡島（おしま）管内七飯（ななえ）町の日本共産党七飯新婦人内後援会は６月２９日、「国政を語るつどい」を開催しました。参院選に向けた２回目の「つどい」です。

　渡辺真子会長が「東京都議選は共産党の議席が倍増して本当にうれしい。今度の参院選もみんなの力を合わせて頑張りましょう」とよびかけ、比例候補５人のそろい踏みＤＶＤを視聴しました。後援会員からは「若くて素晴らしい候補だ」「訴えがはっきりしていてよくわかる」との感想がでました。

　原田有康渡島・檜山（ひやま）地区委員長が「いま、国政は」と題して話をしました。

　原田委員長は「ネット上で『山口百恵と志位和夫の接点』とありました。どんな接点があるかご存じですか」ときりだし、今度の志位委員長登場のポスター制作者が山口百恵などを撮っていた有名な写真家であることを話し、「安倍首相が所得を１５０万円増やすと言っているが？」「福島原発と海洋汚染」「安倍首相がねらう原発再稼働と海外輸出」「ＴＰＰ参加と北海道の状況」「憲法問題と慰安婦問題」など日本共産党の国会議員団の活動や各地の党の取り組みを紹介しました。

　質問コーナーの時間では参加者のそれぞれの思いが話されました。

(２０１３年０７月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言質問状／回答結果を公開／キリスト教団体

　日本キリスト教婦人矯風会は、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」という発言について、全参院議員に公開質問状を送り、その結果をこのほど公開しました。

　公開質問状は、�@橋下氏の「慰安婦は必要」発言についての是非�A侵略戦争の事実認定�B日本軍による「慰安婦」の強制連行の有無�C米軍への「風俗業活用」発言についての是非―を聞いています。

　全参院議員２３６人、維新の会所属の衆参両議員５６人、維新の会の参院候補１９人に送付しました。

　日本共産党、民主党、みんなの党、日本維新の会、社民党、みどりの風の１９人が回答しました。自民、公明両党から回答はありませんでした。

　日本共産党の市田忠義、紙智子、山下よしき参院議員は橋下氏の発言を「間違い」とし、侵略であり、「慰安婦」の強制はあったとしました。

　維新の新原秀人衆院議員と民主の大野元裕参院議員は、「慰安婦」の強制連行については「その他」とし、明言を避けました。維新の吉田俊之参院候補（福岡）は、日本軍による「（『慰安婦』の）強制（連行）はなかった」としました。

( ２０１３年０７月０３日，「赤旗」)

「結束」呼びかけたが

　維新は２日、衆院議員会館で、橋下徹共同代表ら在大阪幹部も出席して参院選に向けた両院議員総会を開き、結束を確認しました。

　橋下氏は総会の冒頭、一連の「慰安婦」発言に関し「わたしの態度、振る舞いで維新が大変な苦境にさらされている。全てわたしの責任だ」と改めて陳謝。その上で「参院選、一致団結して戦い抜きましょう。勝ちましょう」と訴えました。

　ただ、この日、比例代表候補に内定していた吉田浩巳氏が奈良市での会見で、参院選に立候補しない意向を表明。橋下氏の発言が問題化してから辞退は７人目で、党の結束に冷水を浴びせたかたち。松井一郎幹事長は総会後記者団に対し、吉田氏の辞退について「候補者の決断なので責めることはしない」とぶぜんとした表情で語りました。

( ２０１３年０７月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」国連勧告履行を／安倍内閣の対応批判／緊急集会

　橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」暴言をめぐり国連の拷問禁止委員会が日本政府に対し行った勧告について、安倍内閣が「従う義務なし」という答弁書を決定したことに異議を唱える緊急集会が１日、国会内で行われました。主催はアムネスティ・インターナショナル日本など。約１５０人が参加しました。

　同勧告は「慰安婦」問題について「公人による事実の否定、それの繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」を求めたものです。

　寺中誠アムネスティ日本前事務局長は、勧告そのものには法的拘束力はないが、問題は日本において国際条約が何なのかということだと指摘。「憲法と条約は同じ立場に立っているというのが日本。条約の履行を否定するというのは憲法の国際協調主義に反する」として「違憲にもなりうる」と強調しました。

　阿部浩己ヒューマンライツ・ナウ理事長（神奈川大学法科大学院教授）は「条約は誠実に順守する義務があり、勧告に対しては建設的に話し合い、実現に向けて努力しないといけない」と語り、安倍内閣の対応を批判しました。

　ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子さんや「女たちの戦争と平和資料館」事務局長の渡辺美奈さんらが発言。原発や人種差別、「慰安婦」問題などで国連機関から多くの勧告が出ていることを報告し、その履行を求める国内での運動の大切さを語りました。

( ２０１３年０７月０２日， 「赤旗」)

訂正（７月１日付２面「自民、『自虐史観』攻撃に固執」）

　昨日付「自民、『自虐史観』攻撃に固執」の記事中、１３〜１７行目を以下に訂正します。「自民党などの攻撃の中、中学校教科書からは『従軍慰安婦』の文言が削除されてきました。」

( ２０１３年０７月０２日，「赤旗」)

日韓外相が会談／歴史認識で韓国が注文

　岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は１日、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）関連会合が開かれているブルネイの首都バンダルスリブガワンで会談しました。両外相は、未来志向の関係構築のため、日韓が協力することを確認しました。一方、尹外相は「歴史認識が重要だ」と指摘、「従軍慰安婦」問題などを念頭に日本側をけん制しました。

　日韓外相会談は安倍晋三、朴槿恵の両政権発足後初めて。尹外相は、「４月に日本を訪問したかったが、実現できずに残念だ。なぜそうなったのか岸田氏外相は分かっているはずだ。歴史認識については、細心の注意を払わないと民族の魂を傷つける」と発言しました。これに対して岸田外相は安倍政権の歴史認識に関する姿勢を説明しました。尹外相は４月下旬に訪日を予定していましたが、麻生太郎副総理らの靖国神社参拝に反発して見送りました。外相会談は昨年９月、ニューヨークで当時の玄葉光一郎外相と金星煥外交通商相が行って以来。

( ２０１３年０７月０２日，「赤旗」) （Page/Top）

日本外交に提言する／元オランダ大使東郷和彦さんに聞く／戦争回避へ中国と対話を

外交の本義は相手の意見を聞くこと／橋下暴言を国内世論が認めなかったのは希望

　外務省で、米国公使、ロシア次席公使、条約局長、欧州局長、オランダ大使などを歴任してきた東郷和彦氏に、外交のあり方や、今日の時点で、対中外交をどう考えるべきか話を聞きました。

　同氏は、対ロシア外交をリードしてきた元外交官です。２００２年に退官した後は、オランダ、アメリカ、韓国などで国際関係論の教鞭をとりながら、歴史問題や領土問題で発言してきました。著書などで、「領土問題は存在しない」という日本政府の見解を改め、中国と対話を行うべきだと主張。「毎日」のコラム「風知草」（２０１２年１０月１日付）で志位和夫委員長と並ぶ２人の論客として紹介されました。

　尖閣諸島周辺での中国艦船の領海侵犯が続き、中国側から攻撃用レーダー照射事件も起きています。どんなきっかけで軍事衝突が起き、どのようにエスカレートしていくか予想できません。

　その中で私は、抑止力を強めていくことは不可欠だと考えており、この点は共産党とは考えが違います。かといって戦争したいのかというと、もちろんそうではない。戦争は万難を排して避けるべきで、これが現在の最大の課題です。

　戦争回避へ、抑止の合わせ技は、対話です。いまこそ日本外交のすべてをかけて、中国と戦争しないシナリオをつくり、対話を進めなければなりません。

　　その鍵は、「そもそも外交とは何か」です。外交とは、自分の意見を主張することだという。それは間違いではない。しかし、自分の意見を主張することは、相手にも主張させることであり、相手の意見を聞くことです。それが外交の本義であり、それができなければ外交は壊滅です。

　そこをちゃんとやるとすれば、尖閣問題で日本政府がとっている「領土問題は存在しない」という態度が、絶対に対話を阻害しないように対処すべきです。領土問題での対話が始まるよう工夫しなくてはなりません。

　中国との対話を始めようというときに、歴史認識問題は慎重に扱わなければならない。領土問題と歴史問題が複雑な形でリンクしてしまっており、それを切る必要があります。ところが、いま一部の論客に、歴史問題を同時進行させ、村山談話や河野談話を変えようという人がいます。

　しかし、中国だけでなく韓国、アメリカとの間でも歴史問題を引き起こしている現状は、障害というより、対話の可能性を壊すものです。中国との対話を進める上で、韓国、アメリカとの関係もしっかり安定させなければなりません。

　村山談話は、極東国際軍事裁判（東京裁判）以降、日本政府が自分自身の判断として、唯一はっきりそれなりの手続きをふんで決めたものです。そこに体現されている一種の戦争に対する反省、アジア諸国との和解の姿勢は、私たちの世代全体の感覚の反映でもあります。そこが諸外国にも評価され、アメリカの対日姿勢の根本にもなっています。

　また河野談話は、苦しんだ女性に対するシンパシー、日本のメッセージとして国際社会が理解しています。

　　橋下徹大阪市長による「慰安婦」発言を国内世論が認めなかったことは、日本の世論が国際標準であることを示したものであり、一つの希望です。

　日本共産党が北東アジアにもＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）のように対話の枠組みを広げようと提起していることに、私は否定的ではありません。私は、外務省条約局長時代の国会での論戦などで、共産党には懐かしい思い出があります。

　私自身も、領土を実効支配する側は対話をオープンにする、領土の現状の変更を求める側は実力を使わない、さらに双方で衝突にならないような信頼醸成措置をやる、という北東アジアの行動原則づくりを提唱しています。しかし、現状は、行動原則へと発展していけるような二国間の信頼関係の構築と、そのための対話と行動の組み合わせが必要であり、日本の外交力が試されています。

　（聞き手　中祖寅一）

( ２０１３年０７月０１日， 「赤旗」) （Page/Top）

選挙情報／橋下氏事実ねじ曲げ

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は３０日、鹿児島、福岡、広島の各県で街頭演説しました。

　橋下氏は、大阪市に寄せられている自身の言動への批判の声について「共産党系の団体がやっているファクスを除く本当の市民の声は、賛否が半々だ」と事実をねじ曲げる演説を行いました。

　「アベノミクスでいいことを言うが、自民党に改革はできない」として、農協の解体、７０〜７４歳の医療費自己負担の２割への引き上げ、カジノの解禁などを主張。

　国際社会からも強い批判を受けている日本軍「慰安婦」発言は「誤解された。『慰安婦』を正当化したことはない」と釈明し、「世界各国の軍、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、朝鮮戦争やベトナム戦争では韓国軍も女性を利用した」と開き直りました。

( ２０１３年０７月０１日，「赤旗」)

自民、「自虐史観」攻撃に固執／「教科書法」の制定も検討／侵略戦争美化押し付け

　自民党が、過去の日本の侵略戦争を美化する教科書の押し付けに異様な熱意を見せています。同党の教育再生実行本部は教科書検定のあり方についての中間まとめを２５日に公表。現在の教科書記述は「自虐史観」で「改正」教育基本法に沿わないなどとして、教科書検定・採択の見直しを主張しています。

　自民党などの攻撃の中、中学校教科書からは「従軍慰安婦」の文言が削除されてきました。

　しかし中間まとめは、「多くの教科書にいまだに、自虐史観に立つなど、問題となる記述が存在している」と攻撃。「確定的な見解・学説がない事項」については「確定的に記述しない」などとして、教科書検定基準の改定を打ち出しました。引用資料についても「特定の事柄を特別に強調しない」ことを求め、侵略戦争による加害の事実などを隠蔽（いんぺい）する姿勢を示しました。

　教科書採択についても「教育委員会制度の見直しの方向性を踏まえ」て「権限と責任」の「徹底を図る」とし、首長と国の権限を強化する考えを示しています。

　また、「国定教科書」づくりを目指すものと批判される「教科書法」の制定も今後の課題にあげました。

　これらは全体として、過去の日本の侵略戦争を美化する安倍晋三首相の歴史認識を一方的に押し付ける教育をつくるもの。憲法を改悪して日本を「戦争する国」にしようとする狙いと一体です。

　教育本来の姿をゆがめ、アジアや世界から孤立する道です。

　（下渕雅史）

( ２０１３年０７月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

（6月）ヘッドライン

30日

本立て／憲法を学び、活かし、守る　強まる危機に立ち向かう／小沢隆一著

文化／ＤＶＤ「ＳＴＯＰ戦争への道」監督池田博穂さん／一人一人の選択問われる時代

安倍内閣の「教育再生」／危険な顔ぶれ／侵略美化の歴史観共有／「愛国心」押しつけ、競争と選別の強化

躍進！都議選／豊島区米倉春奈さん／「２５歳若さで政治変えて」の声

参院選７月４日公示／比例５議席勝ち取ろう／ラジオ討論番組に、たつみ候補が出演／大阪

さあ参院選私の決意／埼玉選挙区（定数３）伊藤岳候補（５３）新／憲法暮らしに生かし命が輝く社会実現へ

��橋下市長辞めてんか�＝^大阪市役所囲む��人間の鎖��

ネット党首討論／際立つ「自共対決」／志位委員長の発言

２０１３いま言いたい／脚本家・劇作家・演出家倉本聰さん／まっとうな「原発ゼロ」

29日

橋下「慰安婦」暴言への決議次々／全会一致で抗議を可決／滋賀・湖南市議会

橋下「慰安婦」暴言への決議次々／橋下市長に猛省を促す／大阪・高槻市議会

参院選挙区候補駆ける／静岡／もり大介（４４）新／切実な願いを国政へ

橋下「慰安婦」暴言／撤回求め決議次々／東京・武蔵村山市／東京・立川市／埼玉・八潮市／埼玉・三芳町

橋下市長に辞任要求／「女性と男性に謝れ」／大阪・山中市議

ひと／改憲反対のＤＶＤを製作したプロデューサー森田勝政さん（４１）

28日

島根・飯南町議選／いとう町議を、むこせ氏応援

党演説会／比例５議席必ず／たつみ候補訴え／大阪最南端・岬町

対案示し政治動かす／山下書記局長代行迎え演説会／たつみ候補訴え／大阪・茨木

憲法９６条を先行改定／日本維新の会が参院選公約

27日

日本共産党２０１３年参議院選挙／各分野の政策

「慰安婦」／橋下発言撤回求める／高知市議会が決議

「慰安婦」／政府は誠実対応を／島根県議会が意見書

橋下氏の「私の認識と見解」について／神戸女学院大学石川康宏教授に聞く

選挙情報／参院選公約で「慰安婦」言及／維新

通常国会／日本共産党議員団の１５０日／安倍政権と対決／政治を動かす

26日（Page/Top）

「橋下発言撤回を」「９６条改定反対」／長岡京市議会が意見書／京都

潮流

25日

「米レーダー基地」反対／京都母親大会で特別決議

さあ参院選へ／比例５議席必ず／和歌山／滋賀／兵庫

奈良市議選来月１４日告示／全員当選へ７候補全力／国保下げへ組み替え動議／買収事件を追及

東京都議選の結果、参議院選挙について／志位委員長の記者会見／一問一答

「慰安婦」暴言／橋下・石原両氏、公職辞任を／大阪・堺市議会が決議

24日

週間日誌／１３年６月１６日〜２２日

焦点／「慰安婦」強制連行示す文書／安倍内閣、存在認める／否定派の論拠総崩れ／赤嶺議員への答弁書

都議選／共産党倍増１７議席／民主上回り第３党／議案提出権を回復

23日

都議選論戦／「オール与党」対日本共産党／構図鮮明／志位さんズバリ

都議選論戦／各党幹部ごまかしと弁明／アベノミクス／「オール与党」隠し

自民悪政転換へ共産党大きく／山下書記局長代行、演説会で訴え／和歌山・新宮／大阪・枚方

社会リポート／旧日本軍司令部など地下壕跡／大量の避妊具出土／周辺に軍専用の「慰安所」／沖縄

学者・研究者、共産党に期待します／安斎育郎さん／池上幸江さん／萩原伸次郎さん／宮地正人さん

橋下・石原両氏「関係改善」アピール

他党の動き／維新、自民公約賛成

22日（Page/Top）

泉佐野市政よくする市民連絡会が発足

まど／避難者、怒りのメール

橋下市長の「慰安婦」暴言／山下明子さんに聞く／法律家としての立場疑う／発言自体が拷問と同じ

上院も「慰安婦」決議採択／米ニュージャージー州

21日

橋下発言に抗議決議／京都・向日市議会が可決

橋下暴言謝罪・辞任求める／大阪労働者党後援会が宣伝／山本比例候補・たつみ選挙区候補ら訴え／府庁前

橋下氏暴言撤回を／北九州市議会／静岡・焼津市議会

橋下「慰安婦」発言撤回を／全会一致で決議／大阪市の姉妹都市、米サンフランシスコ市議会

20日（Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言／宮城県内女性議員「即刻辞任を」／党派超え要求

橋下「慰安婦」暴言への国連機関勧告／安倍内閣「従わない」／紙議員に答弁書

「慰安婦」発言／石原氏「大迷惑」／橋下氏「いつでも辞める」／維新に亀裂

「慰安婦」問題、本質は／国会内で集会／オール連帯ネット

19日

水曜随想／参院比例候補仁比そうへい／民の怒りに勇気百倍

橋下発言抗議／猛省促す決議／京都・城陽市議会

「慰安婦」問題／政府資料に強制証拠／赤嶺氏に回答

18日

��参院選で橋下暴言に審判だ�＝^西淀川で集会・パレード／大阪

点描・参院選／民主に賃上げ政策要請せず

「橋下市長は辞任を」／大阪の女性弁護士１０２人

２０１３いま言いたい／岩手県宮古市重茂漁協組合長伊藤隆一さん／共産党が伸びれば変わる

17日

自公政権に正面から対決する党／各地で演説会／大門議員・仁比参院候補／広島

「慰安婦」暴言すり替え／痛みの「改革」正当化／都議選応援、橋下氏開き直る

16日（Page/Top）

赤旗相談／性と生／橋下市長の「慰安婦」発言、男性にも謝罪するべきだ

参院選政策／五つの大争点／鮮明、自共対決／改革掲げ新しい政治切り開く／経済／原発／外交／憲法／歴史

激戦！都議選の焦点／都議会「オール与党」批判噴き出す／知事提出１６７議案すべてに賛成

橋下・維新とのたたかいが前進／機関紙協会大阪府本部が総会

橋下氏は公職辞任を／横浜で昼休みデモ

都議選聞いた／冷たい政治見抜く都民／正社員あてなし／復興こそ／アベノミクス無関係

波動／「ぼく」への違和感／桜宮淳一

憲法生かす運動さらに／参院選勝利へ学者ら講演会／大阪

15日

国防軍にＮＯを／九条の会が宣伝／北海道岩見沢市

橋下氏、市長の資格なし／暴言に怒り／市民が決起集会／大阪

14日

「慰安婦」／市議会も意見書を／早期解決へ市民ら集会／京都

日本の安保に「最悪の環境」／安倍政権の歴史認識を批判／前米ＮＳＣ上級部長

13日

「花開け９条」／新婦人が宣伝／大分市

新潟・新婦人企画／「慰安婦」問題のスタディ・ツアー

憲法生かした社会に／母親大会で多彩な運動交流／石川／福井

「慰安婦」問題政府認識問う／紙氏が質問主意書

12日（Page/Top）

水曜随想／衆院議員赤嶺政賢／訓練移転より基地撤去

橋下暴言／女性が怒り／西宮６女性市議「撤回と謝罪を」／大阪退職教職員女性有志が抗議

橋下市長辞めさせな／オスプレイもあかん／憲法会議・共同センターが宣伝／署名が次々／大阪

山形県母親大会に５００人／人間らしく働きたい／日航客室乗務員原告団長内田氏、講演

戦争責任・子どもと昔話…若い人や親に訴えたいこと／小澤昔ばなし研究所所長小澤俊夫さんに聞く

足元から崩れる維新／大阪の市議も離脱する意向／大阪決起集会、弁解に松井氏躍起

排外デモ・橋下暴言／東京・新宿区長「残念」と答弁

焦点／米中会談と安倍政権／行きづまる価値観外交

11日

滋賀県母親大会／千人超す参加者／「橋下暴言」辞任決議

橋下氏辞任の声次々／長野の新婦人がシール投票

戦争違法化と安倍首相・橋下氏暴言／歴史は反逆を許さない／歴史家荒井信一さんに聞く

女性が輝く政策を／森担当相に緊急要望／婦団連

9日

改憲反対ぶれない共産党/戦争知らない改憲政治家／作家・僧侶瀬戸内寂聴さん

メディアをよむ／阿部裕／分断と懐柔打ち破る時

参院選各界対談／経済壊すアベノミクス／同志社大学教授浜矩子さん／日本共産党副委員長・政策委員長小池晃さん

「慰安婦」暴言「おおむね正しい」／茨木市長へ抗議集会

橋下市長やめてんか／「慰安婦」・オスプレイ訓練移転暴言／八尾で訴え共感広げる／共産党演説会

橋下市長やめてんか／「慰安婦」・オスプレイ訓練移転暴言／大阪・西成でデモ行進

橋下暴言で知事に要請／党北海道委

選挙ズーム／１、２、３、ダー／「逆風」打開？

２０１３いま言いたい／カトリック東京大司教岡田武夫さん／憲法擁護、共産党とも協力

8日

大阪革新懇がシンポ／「都」構想・暴言・改憲語る

橋下「慰安婦」暴言・オスプレイ／友だちにも伝える／党県女性後援会宣伝が反響／滋賀

橋下「慰安婦」暴言／「弁護士も市長もやめてんか」／京都で女性がパレード

「慰安婦」暴言・オスプレイ「八尾移転」／黙ってられない／訓練受け入れ撤回を／大阪労連など府庁前で

「慰安婦」抗議決議も「９６条守れ」も自公反対で不採択／都議会委

��靖国派�％�本会議、都議選４１人立候補／自民・民主・維新・みんな公認

焦点／オスプレイ撤去こそ沖縄の願い／八尾を「第二の普天間」にするのか

7日（Page/Top）

八尾にオスプレイ許さない／各地で怒りと抗議の声／日本から出て行って／大阪で宣伝

札幌市長も改憲反対／井上議員に答弁／市議会代表質問

「憲法ってかっこええな」と１人でも多く／非戦を選ぶ演劇人の会１０周年公演

選挙情報／維新と自民連立訴え

選挙情報／維新２トップ無反省

オスプレイ八尾受け入れを検討／論外であり断固反対／志位委員長が会見

6日

「慰安婦」問題解決へ広島市で宣伝／ハルモニに連帯／中国の被害者も橋下氏を告発

橋下発言／「撤回を」全会一致／東京・清瀬市議会が決議

悪政阻止へたたかう／３団体が国会行動

「国連勧告」めぐり橋下氏が会見

焦点／国連も地方も非難／橋下妄言批判広がり続ける訳は

5日

橋下市長暴言／市長やめてほしい／大正区で集会・デモ

橋下市長暴言の撤回と公職辞任求める／関西ネットが要望書

尖閣問題平和解決を／全国で運動へ／日中友好協会大会

橋下市長「慰安婦」発言問題／京おんなも怒ってるえ／辞任求め宣伝／京都の女性９団体

橋下市長「慰安婦」発言問題／吉見中央大教授が公開質問状／わい曲引用に撤回・謝罪求める

韓国、日本の政治家に「深い憂慮」

4日

橋下暴言／新座市議会が抗議／撤回・謝罪求め決議／埼玉

「慰安婦」問題／橋下市長の辞任要求／宮城の会が宣伝

「過去を語り伝える文化の創造」／ドイツからどう学ぶ／望田幸男

中国元「慰安婦」、橋下氏らに抗議

「慰安婦」国連勧告／歴史認識改め謝罪・賠償を／市田氏が会見

3日

週間日誌／１３年５月２６日〜６月１日

視点２０１３／海外の論調から／妄言リレー、国格を堕落させる

視点２０１３／ニュースを読む／橋下妄言と安倍首相／国際常識にはずれた道／藤田健

2日

橋下氏「慰安婦」暴言／謝罪し市長辞任を／韓国人被害者２人が訴え／大阪での証言集会

橋下氏「慰安婦」暴言／��釈明�≠燻ｸ敗／「国際的には人身売買」「ウソつき」／外国特派員協会

怒りの声、橋下氏に／党女性後援会が宣伝／滋賀・草津

橋下発言／撤回・謝罪求める／吹田市議会

歴史の逆流に厳しい審判を／橋下氏辞任求め決議／大阪労連

橋下発言に防衛相言及／批判の中異例対応／アジア安保会議

「慰安婦」問題／政治家発言に反論を／国連委が日本政府に勧告

１日

橋下市長問責決議案／山中市議が賛成討論／大阪市議会

「慰安婦」発言問題／橋下市長に暴言撤回と辞任要求／緊急女性アピールを発表／５００人超の賛同／実行委

「橋下発言」で首相に要望書／婦団連

��「否決」で幕引きを��

橋下発言には触れず

橋下「慰安婦」暴言／「問責腰砕け」公明に批判／維新と協力��変わらず�＝^学会員も「一切投票しない」

女性蔑視の橋下市長許せない／辞職求め女性行進／大阪

6月（本文）（Page/Top）

30日

本立て／憲法を学び、活かし、守る　強まる危機に立ち向かう／小沢隆一著

　参院選でも大争点の一つとなる憲法問題。本書は、２００６〜０７年の第１次安倍政権から今日までの改憲策動をめぐる情勢を解説。昨年４月に自民党が発表した「憲法改正草案」を逐条的にとりあげ、その危険性を明らかにしています。
　日本軍「慰安婦」問題での「河野談話」や、集団的自衛権をめぐる米シンクタンクの報告書など、資料が豊富です。自民党の改憲案と日本国憲法の条文を対置。日本国憲法を暮らし、仕事に活（い）かす大切さを学べるものになっています。
　（学習の友社　７６２円)
(２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

文化／ＤＶＤ「ＳＴＯＰ戦争への道」監督池田博穂さん／一人一人の選択問われる時代

　安倍晋三首相そっくりさんのコント集団ザ・ニュースペーパーの出演や韓国でのインタビュー。多面的な構成で、憲法と平和主義を守ろうと訴えるドキュメンタリー「ＳＴＯＰ　戦争への道」のＤＶＤが完成しました。監督・脚本の池田博穂（ひろお）さんは、「今、一人一人の選択が問われている時ではないでしょうか」と語ります。
　児玉由紀恵記者

　第１次安倍内閣が発足した２００６年、改憲の動きを食い止めたいと、ドキュメンタリー映画「戦争をしない国　日本」（片桐直樹監督）が作られました。本作は、その続編です。
　「昨年の衆院選で自民党が圧勝し、７月の参院選後には、改憲に突き進むつもりだと思いました。急いで見ていただけるものを作りたかった」と池田さん。
　第２次安倍内閣の閣僚１９人のうち１７人が、改憲を掲げる顔ぶれ。その「改憲シフト内閣」が狙うのは―。
　最大の標的にしているのが９条の改定。自民党の改憲草案では、戦力の不保持を定めた９条２項を削除し、国防軍の創設を打ち出しています。
　その改憲案で、国防が公益として優先され無制限に戦争ができる国になると指摘する伊藤塾塾長の伊藤真さん。米戦略に組み込まれる自衛隊、軍事力の変化を暴くジャーナリストの半田滋さん。両氏らへのインタビューを交え、平和憲法が脅かされている実態を伝えます。
　政権が発足してまもなく安倍首相は、「慰安婦」問題で、日本軍の関与と日本政府の責任を否定する姿勢をあらわにしました。
　それに対し、韓国で「ナヌムの家」（旧日本軍慰安婦の共同生活所）のハルモニ（おばあさん）たちは、「私たちの青春を返してほしい」「日本は、私の人生をだめにした」と訴えます。取材後の、「慰安婦」は必要だったという橋下徹日本維新の会共同代表の発言にも突き刺さる叫びです。
　「まるで現実の流れが、ついてきた感じでしたね」と池田さん。
　韓国では、またイ・キョンジュ・インハ大学教授にインタビュー。「日本国憲法は、日本だけではなくアジアのもの。平和という概念は大事なのに、それをひっくり返して昔のものに帰ろうとするのは、愚かなことです」と語ります。女子大生は、「日本の右傾化は、とても危険だし心配」と―｡
　ザ・ニュースペーパーのメンバーが、安倍首相、麻生太郎財務・金融相、小泉純一郎元首相らに扮（ふん）して登場。「集団的自衛権を行使して世界の平和と秩序を守る」「核保有は避けては通れない道」などの��本音�≠�聞かせ、そっくりぶりで笑いを醸し出します。
　作品は、コンパクトな３０分。その中に、「戦争のできる国」づくりの危険性を明らかにしていきます。
　最後に映し出したのは泣いている赤ちゃん。そして軍靴の響き―。
　「時代は移り変わっていき、今生まれたての子がやがては社会の中核になっていく。彼らに不純なもののない社会を受け渡す責任が私たちにはある、という思いなんですよ｣と池田さん｡
　ちょうどこの１月に発表した、池田さんの初めての劇映画「渡されたバトン　さよなら原発」にも通じる思いです。

今井正、山本薩夫両監督の薫陶受け
　池田さんは、大学卒業後、映画プロダクションに入り、時にアルバイトもしながら映画作りに携わってきました。今井正、山本薩夫両巨匠の薫陶を受けた最後の世代の一人です。
　２００５年、ドキュメンタリー「時代（とき）を撃て・多喜二」で監督デビュー。さらに足尾鉱毒を告発した田中正造、人権弁護士・布施辰治ら、時代にあらがい、民衆とともに生きた人々を描いてきました。
　「生きる権利、平和の尊さを伝えること。貫いているのは、そういうことだと思います」

「ＳＴＯＰ　戦争への道」＝特別価格３０００円｡問い合わせは、シリーズ「憲法と共に歩む」製作委員会普及事務局�рO３(５４８９)２１５３
(２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

安倍内閣の「教育再生」／危険な顔ぶれ／侵略美化の歴史観共有／「愛国心」押しつけ、競争と選別の強化

　発足から２６日で半年の第２次安倍晋三内閣。教育分野では関係する審議機関が「教育再生」の名のもとに「改革」案を矢継ぎ早に打ち出しています。顔ぶれを見ると、侵略戦争を肯定・美化する安倍首相の歴史観と教育観を共有するメンバーが目立ちます。
　本吉真希記者

「愛国心」押しつけ、競争と選別の強化

　７年前、第１次安倍内閣は「愛国心」など戦前の価値観を盛り込んだ改悪教育基本法を成立させました｡その｢現場での具体的な改革」（２月の施政方針演説）のため、首相が審議を急がせているのが、首相直属の教育再生実行会議（構成員１８人）と文部科学相の諮問機関・中央教育審議会（委員３０人）などです。
　実行会議は１月に発足し、これまで三つの提言を提出しています。
　▽第１次提言―いじめの解決策として「道徳の教科化」を第一に位置づけ、「愛国心」や「規範意識」を押しつける。
　▽第２次提言―教育委員会制度を「改革」し、首長に教育長の任免権を与え、教育長を教育行政の責任者にして権限を集中。首長の関与と国家統制を強める。
　▽第３次提言―「グローバル人材」の育成を強調し、競争と選別の教育をいっそう強める。
　中教審はこれらの提言を踏まえ、実施方法や法制化について検討しています。教育委員会制度「改革」については年内に中教審から答申を得て、来年の通常国会に法案を提出する方針です。

侵略美化の歴史観共有

　安倍氏がいう「教育再生」とは「戦争する国」を支える「人づくり」です。実行会議などには首相と��教育観�≠�同じくする委員が多く選ばれています。（表）

安倍氏を評価
　なかでも、実行会議の八木秀次・日本教育再生機構（２００６年発足）理事長は、侵略戦争美化の育鵬社版教科書（歴史、公民）の執筆者です。「慰安婦」の日本軍強制を認めた河野洋平官房長官談話、侵略と植民地支配を反省した村山富市首相談話を「自虐的」と攻撃しています。
　八木氏は第１次安倍内閣当時、安倍氏が「河野談話」や「村山談話」と「最も戦ってきた政治家」（『公教育再生』）と称賛。特に村山談話の「国策を誤り」「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たという核心部分について、安倍氏が「『侵略』や『植民地支配』という文言を使っていない」(同)と��評価�≠ｵてきました。安倍氏は現在もこの核心部分について認めていません。

「慰安婦」強制否定の意見広告にも
　中教審の第７期委員に任命（２月）されたのが、憲法の平和主義を「あほらしい」と言い放つジャーナリストの桜井よしこ氏。育鵬社版教科書（市販本）に推薦のコメントを寄せています。
　同氏は０７年６月、米国のワシントンポスト紙に「慰安婦」の軍の強制を否定する意見広告を「歴史事実委員会」の名で出しました。
　昨年１１月にもニュージャージー州の地元紙「スターレッジャー」に同様の意見広告を掲載。この賛同者に名を連ねたのが当時、自民党総裁に選ばれたばかりの安倍氏です。同様に名を連ねた議員４人が第２次内閣に入閣しました。

教育再生実行会議
八木　秀次
　新しい歴史教科書をつくる会元会長、高崎経済大学教授
曽野　綾子
　作家、沖縄戦「集団自決」で「沖縄住民みずからの決意であり、親族を手にかけたのは、愛ですらあった」（『ある神話の背景』）と日本軍の強制を否定
加戸　守行
　元文部官僚、元愛媛県知事、知事時代の２００２年、扶桑社版（育鵬社版の前身）の採択は「正しかった」と発言
河野　達信
　全日本教職員連盟委員長、教基法に「愛国心」の明記を主張

中央教育審議会
桜井よしこ
　民間憲法臨調代表
小原芳明
　玉川学園学園長、同学園の中学で０６年に扶桑社版を採択
橋本　　昌
　茨城県知事、０７年から全県立高１年に「道徳」を必修化
　(敬称略)

日本共産党はこう考える

　侵略戦争への反省は日本が国際社会に復帰する条件です。日本共産党は公教育が侵略戦争を美化・肯定することを許しません。ゆがんだ歴史認識で教科書を大改悪しようとする自民党などの動きに正面から立ち向かい、侵略戦争と植民地支配の歴史的な事実と反省を子どもたちに伝える教育を大切にします。（「参院選各分野政策」から）
(２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

躍進！都議選／豊島区米倉春奈さん／「２５歳若さで政治変えて」の声

　激戦の都議選で当選した日本共産党の１７人。豊島区、品川区では２０代、３０代のフレッシュな都議が誕生、文京区では２人区で競り勝ちました。２〜４人区で今回、議席を奪還した、候補者の思いや有権者の変化は―。

　全当選者で最年少の米倉春奈さん（２５）。豊島区（定数３）で８年ぶりの党議席です。
　「豊島区では『オール与党』が議席を独占してきたために、この８年間、特養ホームも認可保育園も一つもつくられていません。地域の声を、しっかり都議会に届けていきたい」と決意を語ります｡
　「政治は私たちの力で変えられる」。それが米倉さんの確信です。学生時代の就職難解決の活動が、その原点です。関係省庁や国会議員とも交渉を重ねた結果、政府・企業・大学の三者協議会を設置させました。
　米倉さんと、自民、公明、民主、維新、無所属（みんな推薦）の６人が大激戦。米倉さんの「政治は変えられる」の訴えが、新しい政治を模索する有権者の心をとらえました。
　３年前、共産党を支持し始めたという宮田裕次さん（３０）は「ぼくも以前、職がなくて苦労しました。アルバイトの若者が正社員になれる社会にしてほしい」と期待します。
　米倉さんは学生時代に韓国で慰安婦と面会したことがあり、それをふまえた歴史問題と憲法の訴えも手ごたえがありました。演説にじっと聞き入る青年や、感激して握手を求めてくる高齢者も。
　自民党の長い支持者の商店主（６８）は「若いのにしっかりしている」と、家族にも支持を広げてくれました。
　選挙事務所に駆けつけた中村ひろみさん（６０）は「共産党の地道な誠実さと２５歳の若さで、政治をガラッと変えてほしい」と期待を語ります。
(２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

参院選７月４日公示／比例５議席勝ち取ろう／ラジオ討論番組に、たつみ候補が出演／大阪

「反対」だけでない党浮きぼり
　日本共産党のたつみコータロー参院大阪選挙区候補は２８日、ＭＢＳラジオ「報道するラジオ」に、他の選挙区候補４人とともに出演し、経済政策や年金、原発、憲法で討論しました。
　冒頭、「自民党、維新の会に正面から立ち向かい、抜本的対案を示す日本共産党の姿を打ち出したい」と訴えた、たつみ候補。
　雇用を増やし給料を上げるためどんな政策を実行するか問われ「アベノミクスには個人消費、庶民の懐をあたためる政策は一つもない。何よりも賃上げと雇用安定で所得を増やすことが大事だ」と強調。中小企業を守るルールをつくり、消費税増税はやめ、社会保障改悪に反対という党の政策を語りました。
　論戦に入り、たつみ候補は自民党の柳本卓治氏に質問。共産党は大企業がため込んでいる内部留保の活用で８割の大企業で賃上げが可能なことを提案し、安倍首相らも認めていると述べ「具体的にどうするのか」と迫りました。
　柳本氏は「基本的に賛成」としながらも「どういう形で実現するかは今後の課題」と返答に詰まりました。司会者に「たつみさんの提言については」とさらに促されると、「共産党だから反対とは思ってない」と語り、たつみ候補の父、正夫氏とともに大阪市議を務めたとのべ、「ブレない、いいお父さんでした」という場面も。
　日本維新の会の東徹氏には橋下徹代表の「慰安婦は必要だった」という発言に謝罪も撤回もないと迫り、「維新」綱領に「孤立と軽蔑の対象に貶（おとし）めたのが占領憲法」「大幅に改正」とあると指摘。「侵略戦争の反省を国際公約にして出発したのが憲法。これを否定するのか」とただしました。
　東氏は「（慰安婦発言は）そこだけ切り取られて報道されている。やめてほしい」と言い訳と開き直りに終始。憲法に関してはまともに答えられませんでした。
　たつみ候補は、党名問題での司会者の質問にも、資本主義を乗り越えて搾取のない平等な社会を目指しているとのべ、中国について「��社会主義に到達した国�≠ﾆはみていません」ときっぱり疑問に答えました。
(２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

さあ参院選私の決意／埼玉選挙区（定数３）伊藤岳候補（５３）新／憲法暮らしに生かし命が輝く社会実現へ

ツイッターでも
　―政治、社会の現状をどうみていますか。
　自民党の暴走政治と対決して、県民の願いに応える抜本的な対案を示している日本共産党に熱い期待が寄せられています。
　県内を東奔西走するなかで、「憲法を絶対に守ってください」「これ以上、暮らしを壊さないでください」という訴えとともに、３万円、５万円とカンパをしてくれる方が何人もいました。
　ある工業団地の役員の方は、アベノミクスに対して「一部の輸出大企業のための政策ではないか」「中小企業は丸つぶれだ」と怒っていました。
　ツイッターで知りあった仲間と県内２０カ所で「原発さよならデモ」を行ってきました。今回、メンバーが私を応援しようと、宣伝カーに乗ってくれる約束をしたり私のツイートを広めてくれたりしています。

祖母の言葉重く
　―参院選では何を訴えますか。
　私の共産党員としての原点は「憲法を守り抜く」ことです。憲法を変えようとする動きがあり、「従軍慰安婦は必要だった」と、耳を疑う政治家の発言も出ています。戦後日本の政治の原点を改めて確認する必要があるのではないでしょうか。戦中、多くの特攻隊の若者を見送った祖母は、私に「戦争だけはだめだ」と重い言葉を残しました。憲法９条を守り抜いて戦争を絶対にしない国にするのか、それとも戦争する国にするのかの対決です。
　「憲法を暮らしに生かし、命が輝く社会を実現する」ことを太い柱として訴えていきます。福祉の乱暴な切り捨てをやめさせ、憲法を暮らしに生かします。年金のこれ以上のカットを許さず、最低保障年金制度をつくります。安定した雇用と賃上げで所得を増やし、景気回復に向かう経済改革を実現します。
　埼玉県は、人口あたりの医師数が全国一少ない県です。この現状を打開して、埼玉の地域医療を守ることも訴えたい。県立大への医学部設置や医師負担の軽減、女性医師が生き生き働ける環境整備を実行します。
　日本共産党は、戦前から命がけで反戦・平和を貫き、国民の命と暮らしを守るためにたたかってきた政党です。政治をゆがめる企業・団体献金、政党助成金をいっさい受け取っていません。日本共産党が伸びてこそ政治は大きく変わると訴えていきます。
―決意を聞かせてください。
　自民・公明、民主、「第三極」の大連合が憲法を変え、暮らしを壊そうとしています。紙智子さんをはじめとした比例５氏の当選を必ず勝ち取るために全力で頑張ります。同時に、埼玉で１２年ぶりに議席を必ず奪還する決意です。

【略歴】埼玉県生まれ。文教大学卒。日本民主青年同盟県委員長など歴任。党県委員会常任委員・県民運動委員長、「原発さよならデモ＠埼玉」運営メンバー。
(２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

��橋下市長辞めてんか�＝^大阪市役所囲む��人間の鎖��

　「橋下市長、もう辞めてんか！」。大阪市役所（北区）を囲んだ３３０人の力強い唱和が、２８日の夏の夜空に響き渡りました。
　「ＷＴＣ住民訴訟の会」などでつくる実行委員会が呼びかけた「橋下市長辞めてんか！６・２８大阪市役所包囲行動」。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦は必要だった」「沖縄の米軍は風俗の活用を」「八尾空港にオスプレイを」などの一連の暴言は許さないと市民が集結。市役所を人間の鎖で囲みました。
　同市大正区から参加した松浦倫子さん（６４）は「人権感覚がない、弱い立場の人のことを考えない橋下市長は政治家として失格です。今すぐ辞めてほしい」と怒りをぶつけました。
　包囲行動に先立つ集会では各界から、橋下市長の暴言や橋下・維新による強権・市民いじめに対する抗議と怒りの発言が続き、参加者が力強い拍手で連帯の意思を送りました。
　「オスプレイ来るな八尾連絡会」の代表は「危険な米軍輸送機オスプレイは八尾にも、日本にもいらないと橋下市長や維新の会に怒りの声が渦巻いています。撤回させるまでがんばります」と訴えました。
　藤永のぶよ・おおさか市民ネットワーク代表は、橋下維新の「大阪都構想」を批判し、「乱暴な橋下市長の自治壊しをやめさせましょう｣と呼びかけました｡
( ２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

ネット党首討論／際立つ「自共対決」／志位委員長の発言

　日本共産党の志位和夫委員長が２８日に出演したニコニコ動画の「ネット党首討論」は視聴者の疑問・質問に答える形式で進められ、経済・外交政策をめぐる「自共対決」の様相がくっきり浮かび上がりました。司会は、ジャーナリストの角谷浩一氏でした。

国民へのメッセージ／景気・原発・憲法――どんな問題でも自民党と対決し、抜本的対案を示す
　冒頭、各党党首が１分間ずつ視聴者に訴えました。安倍晋三首相は「次元の異なる３本の矢の政策で日本を覆っていた空気は大きく変わった」と発言。公明党の山口那津男代表は「連立政権の経済対策は確実に実績を生みつつある」、みんなの党の渡辺喜美代表は「アベノミクスが大胆な金融緩和をおとりになったのは大変結構だった」と追随しました。
　民主党の海江田万里代表は「中間層を厚く、そして豊かにする」というだけでその方法を語りませんでした。欠席した日本維新の会の橋下徹共同代表はメッセージを寄せ、日本軍「慰安婦」発言への国内外の批判に対し「批判を恐れず突き進む政党」などと開き直りました。志位氏は次のように訴えました。
　志位　私たちはとくに三つの点を訴えたいと思います。
　第１は、国民の所得を増やして景気回復をはかるということです。そのために、大企業が抱えている２６０兆円の内部留保の一部を活用して、賃上げと非正規社員の正社員化をはかり、景気回復の突破口を開きたい。消費税増税には断固反対です。
　第２は、原発ゼロの日本をつくりたい。（福島原発事故の）原因の究明もされていない、事故の収束もされていない、１５万人が避難されているもとでの再稼働や原発の輸出は論外です。再生可能エネルギーへの抜本的な転換が必要です。
　第３は、日本国憲法を守り、生かしたい。９条を変えて「戦争する国」につくり変えることには断固反対です。９６条を変えて改憲のハードルを下げることにも私たちは反対です。９条を生かした平和日本をつくりたい。
　どんな問題でも自民党と対決し、抜本的対案を掲げて頑張りたいと思います。

経済政策�@／ＴＰＰで雇用はどうなる？
首相「ＴＰＰで雇用は影響を受けない」／志位「ＴＰＰ、『成長戦略』で雇用のルール破壊がすすむ」
　続いて司会の角谷氏が「景気回復は国民誰もが望んでいる」と提起し、経済政策をめぐる討論が始まりました。「ある企業では世界同一賃金の話が話題になったが、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）で雇用も自由化されると日本人の仕事がなくなり、給料が安くなるのではないか。アベノミクスの成果を相殺してしまう気がする」（兵庫県の２０代男性）との視聴者の質問を受け、安倍首相は「ＴＰＰにおいて日本の雇用制度が影響を受けることはない」と弁明。渡辺氏は「ＴＰＰで雇用制度が破壊されるとか国民皆保険がなくなるとかいうのはまったく荒唐無稽な議論」と述べ、自民党政治に加勢する立場を示しました。海江田氏も「交渉の過程の中でお話をしていただきたい」とＴＰＰ交渉参加を後押ししました。
　志位　ＴＰＰというのは、人・モノ・金（の移動）を国境なく自由にしていく、そしてアメリカ型のルールを日本に押し付けるという枠組みですから、当然、雇用のルールの破壊は強く危惧されます。ですから私たちは絶対に反対です。
　アメリカとの関係でいいますと、雇用の問題では９０年代から、たとえば派遣労働の自由化がアメリカから外圧としてかけられて、そして９９年に派遣労働が原則自由化される。２００４年には製造業にまで拡大される。こういうやり方が「使い捨て労働」のまん延を招いてきた。こういう問題があります。
　さらに、いま安倍内閣の下で進められている「成長戦略」には、解雇を自由にする「限定正社員」、あるいは裁量労働制を拡大して残業代ゼロを拡大していく、さらに派遣労働をまったく野放図に自由化する、そういう内容が盛り込まれております。まったく雇用のルールを壊すことになる。反対です。

経済政策�A／賃金低下の原因は？どう転換？
首相「デフレだから賃金が下がる」／志位「賃下げこそデフレの原因、労働のルールをつくり働く人の所得を増やす」
　賃金が低下し続けている問題について、安倍首相は原因をデフレに求め、「デフレのなかで賃金を上げようと思ったって上がりませんから、まずはデフレから脱却して、しっかりと企業が収益を上げていく｣と述べました｡渡辺氏も「デフレだから賃金が下がる」と述べ、安倍首相と同様の認識を示しました。志位氏は次のように発言しました。
　志位　安倍さんの発言は、デフレと賃金の関係が逆転していると思うんです。デフレがあるから賃金が下がったのではない。長期にわたって国民の賃金が下がり続けている。１９９７年をピークにしてずっと下がっている。だからこそ、ものが売れなくて内需が冷え込んでデフレが起こっているわけです。
　なぜ下がっていったかというと、労働市場の規制緩和ですよ。そしてその象徴が派遣労働の拡大ですよ。そして（政府は）その道をもっとやろう、派遣の拡大をもっとやろう（としている）。正社員についても今度は「限定正社員」をつくって職種や地域限定の正社員とし、工場をたたんだらそっくりクビにできる、そういう首切り自由の正社員をつくっていく（といっている）。
　こういう方向にいったら、もっと賃金が下がっていきます。デフレをもっとひどくする。それが、いま政府が進めている道だと思うんです。
　ここを転換して、働く人の所得を増やす。そのためには労働のルールをしっかりつくり直す。派遣法も抜本的に改定する。均等待遇のルールをつくる。これが必要です。
　志位氏の指摘に、安倍首相は「今年の夏、大手６５社でボーナスが増えます」と弁明するのが精いっぱい。労働分野の規制緩和には口をつぐみました。

外交政策�@／米国いいなりから対等な関係をどう築く？
首相「安保改定で日米は対等になった」／志位「世界でも異常な基地の実態、安保条約を廃棄して対等・平等の友好条約を」
　外交政策にテーマが移り、視聴者から「日本とアメリカはどのような関係にあるのがベストか。いまのバランスだとあまりに日本がアメリカのいいなりのように感じる。対等な関係性を築くためにはなにが必要か」（青森の３０代の男性）との質問を受けて、討論に入りました。
　安倍首相は１９６０年の安保条約改定でアメリカに日本の防衛義務を負わせ「だいたい対等になった｣と主張｡各党も「日本の全体的な国力といった関係でアメリカの力を借りることが前提」(山口氏)､「日米関係は外交･安全保障の一番の主軸」(海江田氏)､「（日本の平和と安全は）アメリカと同盟関係を結んで守っていく」（渡辺氏）と述べ、自民党政治を追認する姿勢を際立たせました。
　生活の党の小沢一郎代表は「本当の信頼と同盟を築くためには日本も自己主張する」と日米軍事同盟を前提にし、社民党の福島瑞穂党首は「政府が少しずつでもいうべきことをきちんと言うべきだ」と述べたものの日米安保条約には触れませんでした。志位氏は次のように語りました。
　志位　日本ほど、世界のなかでもアメリカいいなりの異常が際立った国はないと思います。
　米軍基地一つとっても、沖縄のような狭い地域にあれだけの外国軍の基地が置かれているところは、世界広しといえどもあそこにしかありません。沖縄が島ぐるみで反対している普天間基地の辺野古「移設」、あるいはオスプレイの配備を頭越しに強行する。こういう情けない姿勢をとっている国もありません。
　横田、厚木、横須賀と、首都圏に三つもの巨大な米軍基地をもっている国もありません。
　空母と海兵隊という海外への「殴りこみ」専門の部隊に本拠地を提供している国もありません。
　日米安保条約というものを見直す時期にきているのではないか、安保を廃棄してアメリカとは対等・平等の友好条約に切り替える時期がきているというふうに考えております。

外交政策�A／アジアのなかで日本の安全をどう守る？
首相「アジアの安保環境は厳しい、米国の報復力が必要」／志位「アジアの２３カ国で軍事同盟国は２カ国だけ。ＡＳＥＡＮ方式を北東アジアに」
　安倍首相が「アジアの安全保障環境は厳しい」「もし日本が攻撃をされたときに、報復をするのはまさに米国」「その報復力によって抑止力が保たれている」と弁明したのに対し、志位氏は次のように発言しました。
　志位　安倍さんは「アジアの安全保障環境が厳しいので日米安保が必要だ」ということをおっしゃったと思いますが、アジアの２３の国のなかで軍事同盟に入っているのは日本と韓国だけなんです。
　東南アジアには、かつてＳＥＡＴＯ（東南アジア条約機構）という軍事同盟がありましたけれども、いまはそれは解体されて、軍事同盟はなくなっております。軍事同盟の代わりにＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）という、いわば平和の地域共同体がつくられて、紛争問題があっても平和的な話し合い、外交交渉によって解決する。これがＡＳＥＡＮの当たり前の流れになっている。
　この「ＡＳＥＡＮウェイ（方式）」といいますか、これを北東アジアに広げるという発想が必要ではないでしょうか。
　北東アジアにも６カ国協議という枠組みがあります。そういう枠組みを使って、紛争があっても外交交渉、対話によって解決する。そのことが今一番大事であって、そのための一番の財産は憲法９条だと思います。９条を生かした平和外交によってアジアの平和に貢献する日本になるべきだと思います。

外交政策�B／歴史問題にどう向き合うか？
首相「就任後、多くの国々を訪問した」／志位「侵略戦争と植民地支配への反省がなければ、アジアでも世界でも通用しない」
　安倍首相は就任後に訪問した国々の名前をあげ、「アメリカとの同盟関係の存在はアジアの安定にきわめてプラスになっている」と弁明しました。志位氏は次のように発言しました。
　志位　たくさんの国の名前が挙がりましたが、韓国と中国がないんですね。これは一つの大きな問題だと思います。その理由は何か。
　私は歴史問題に対する態度があると思うんです。「村山談話」の見直しということを総理は言われておられます。「侵略の定義は定かでない」とも言われております。一体どこを見直すのか。
　「村山談話」の一番の核心の部分は、過去、「国策を誤り、植民地支配と侵略を行った」ことへのおわびです。この核心部分を引き継ぐのかと何度総理にただしても、引き継ぐといわない。ここが一番の問題だと思います。
　こういう態度がある限り、アジアの国々との心を開いた交流ができない。
　第２次世界大戦後の世界は「日独伊が行った戦争は侵略戦争」という前提の上にできているわけですから、国際政治で通用しなくなると思います。

視聴者からの質問�@／アメリカとの関係を断ち切るのか？
対等・平等の日米友好条約を結ぶ。紛争問題は外交交渉による解決に徹する
　視聴者からの質問に各党党首が答えるコーナーに移り、志位氏に対しては「共産党は改革提言のなかで、アメリカの言いなりをやめ、基地も安保もない日本を目指すと掲げている。気持ちはわかるが、韓国、中国、北朝鮮との関係が思わしくないなかで、アメリカとの関係を断ち切るのは得策ではないのではないか」（大分の３０代男性）との質問が寄せられました。志位氏は次のように答えました。
　志位　私たちは異常なアメリカいいなりを正そうといっています。日米安保条約はその根源ですから、これは国民の合意で廃棄していこうということをいっていますが、アメリカとの関係を断つというのは私たちの方針ではありません。
　それに代えて、本当に対等・平等の関係での日米友好条約を日米間で結んでいこう、本当の友人になろうというのが私たちの大きなビジョンです。
　さきほど東南アジアの国々の話をいたしましたが、東南アジアの国々はアメリカとの軍事同盟を解消した後、「反米」になっているわけではありません。それぞれ友好の関係を築いているわけで、そういう関係を日本も築いていくことは可能だと思っています。
　たしかに中国との関係で紛争問題があります。尖閣の問題などでは、私たちは日本の領有の正当性は国際法上も歴史上も明らかだということをはっきりいっています。こういう問題はいろいろありますけれども、そういうことも含めて、外交交渉による冷静な解決が必要だと思います。
　東南アジアでも同じような領土問題が中国との関係でありますけれども、「南シナ海行動宣言」というのを結んで、問題をエスカレートさせずに、交渉によって、対話によって解決する枠組みをつくっています。そういう枠組みをつくりながら、日本の平和と安定も守っていくことは十分に可能だと考えています。アメリカと縁を切るわけではありません。

視聴者からの質問�A／児童ポルノ禁止法案をどうみるか？
現行法で取り締まることができる。単純保持の禁止などは人権侵害につながる
　国会で継続審議となった児童ポルノ禁止法改定案について、視聴者の質問を受け、各党代表が態度表明しました。山口氏は「改正は必要だ」、安倍首相は「子どもたちをポルノ産業から守るということをきっちり進めていこうという流れ」と発言。志位氏は次のように述べました。
　志位　児童ポルノは子どもに対する最大・最悪の虐待行為であって、おとなの責任で根絶しなければならないのは当然だと思います。
　ただ、いまインターネット上に流布されている児童ポルノはそのほとんどが現行法で取り締まることが可能です。
　一方、児童ポルノ法で単純所持を一律に規制したり、アニメや漫画などの創作物も規制対象にするということになりますと、これは児童ポルノ問題の解決に役に立たないばかりか、表現の自由、あるいは人権の侵害につながってきますので、私たちは反対です。

最後の訴え／��対決者の党�∞�建設者の党�＝\―二つの役割を大いに発揮していきたい
　最後に各党党首が視聴者への訴えを行い、志位氏は次のように語りました。
　志位　二つの役割を大いに発揮していきたいと思います。
　一つは��対決者の党�≠ﾆしての役割です。いまアベノミクスの問題にしても、原発の問題にしても、憲法の問題にしても、安倍内閣の進んでいる方向に危機感や不安感を持っている方々はたくさんいらっしゃると思う。そういう方々にとって、もっとも頼りになる��対決者の党�≠ﾆしてのがんばりをやりたい。
　同時に、打開策をしっかり提示する��建設者の党�≠ﾆしての役割も果たしたいと思っています。

ニコニコ動画
　２００６年に株式会社ドワンゴが設立。不特定多数の利用者が投稿した動画を共有しインターネットで視聴できる「動画共有サイト」です。０７年から自作の番組などを配信する「ニコニコ生放送」を始めました。２８日の「ネット党首討論」の視聴者数は１０万人を超えています。
( ２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

２０１３いま言いたい／脚本家・劇作家・演出家倉本聰さん／まっとうな「原発ゼロ」

　��従軍慰安婦は歴史的には必要なもの�≠ﾆいう政治家の神経は、僕にはわかりませんね｡僕は戦後､韓国、中国へ一度も行っていません。行けないんですよ。

謝罪が疑われる
　僕は当時子どもだったから戦争はしてませんけど、罪の意識があって、足を踏み入れられないんです。戦時中、韓国、中国から強制連行された人たちの数は大変多く、北海道にも多くの人が駆り立てられてきていました。戦後、橋梁の橋げたから骨が出てきました。僕が富良野に移り住んだ（１９７７年）後も、富良野で骨が出ています。
　「村山談話」で「植民地支配と侵略」を謝罪しても、次の首相でそれが覆ったり、橋下徹大阪市長のような発言がでたりすると、��あの謝罪はウソだったのか�≠ﾆ疑われてしまいます。
　ＴＰＰ（環太平洋連携協定）の問題ではね、財界は農業を相手にしていませんよね｡でも､食べたものを３食並べてみると、みそ汁にふきのとうを入れた、これは自然ですね｡みそは大豆､これは農業。だしはこぶ、漁業。ブタ肉のしょうが焼き。ブタは牧畜。しょうがは農業、というように、全部、農業、漁業、自然です。工業、コンピューター、ＩＴでは食料は作れないんです。もっと農業を大事にすべきだと思います。

借りている地球
　原発についても、再稼働を進めようという安倍首相は、何を考えているのか、理解に苦しみますね。核のゴミ処理について方法が見つかっていないのに、再稼働させようとしたり、海外に輸出しようとしたりするなんて、やっちゃいけないことだと思いますね。福島の人たちの気持ちを少しは考えたことがあるんだろうか。
　アメリカの先住民に��地球は子孫から借りているもの�≠ﾆいう言葉がありますけど、その借りている未来をゴミ捨て場にしようとしているわけです。「原発ゼロにいますぐ踏み出す」という共産党の政策は、僕はまっとうなものと感じています。
　聞き手　大井民生
　写真　片桐資喜
( ２０１３年０６月３０日，「赤旗」)

29日

橋下「慰安婦」暴言への決議次々／全会一致で抗議を可決／滋賀・湖南市議会

　滋賀県湖南市議会は２６日、橋下徹大阪市長の「旧日本軍『慰安婦』は必要だった」発言に抗議する決議を全会一致で可決しました。
　決議は「女性だけでなく、すべての国民の人格や人権、そして尊厳を深く傷つけるものである」「発言が、市民の人権を守り抜くべき公人によるものであるということに、私たちは大きな衝撃を受けている」と批判。すべての市民の人権を擁護する立場の湖南市市議会議員として、橋下市長に強く抗議しています。
　提案者は日本共産党市議団の立入善治議員です。
(２０１３年０６月２９日，「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言への決議次々／橋下市長に猛省を促す／大阪・高槻市議会

　大阪府高槻市議会は２６日、「橋下大阪市長に対し猛省と責任の自覚を促す決議」を賛成多数で可決しました。
　日本共産党の中村れい子市議と無所属市議４人が提案し、公明党、民主・元気ネット、自民党、市民連合などの各会派が賛成。「大阪維新の会　高槻」と無所属の議員１人が反対しました。
　意見書は、橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦は必要だった」「米軍は風俗業の活用を」など一連の発言について、「人権を踏みにじられ、一生を台なしにされた方たちを深く傷つけるものであり、同時に基本的人権を尊重する日本の品格をおとしめることになる」と指摘。「アジア諸国との友好を大きく損ない、将来に重大な負の影響をもたらしかねない」とのべ、橋下市長に対し、猛省と政治的責任を自覚した言動を強く求めています。
(２０１３年０６月２９日，「赤旗」)

参院選挙区候補駆ける／静岡／もり大介（４４）新／切実な願いを国政へ

　人の話を聞く持ち味をいかんなく発揮して、各界との懇談、対話、街頭宣伝と静岡県内を駆け回っています。

政治まともなら
　「しんぶん赤旗」県記者を９年務め、政治がまともであればどれだけ多くの人を救えるか痛感してきました。「切実な願いをよく聞き、まっすぐ国政へぶつける」と決意しています。
　運送業界との懇談では、アベノミクスによる物価上昇で燃油価格が値上がり、このまま続くとトラックを止めざるをえないと訴えられました。大企業の内部留保の一部を還流させ、賃上げと内需拡大をすすめる党の公約を説明すると、「アベノミクスは亡国の政治だ。民主党は訳の分からないおわびをしている。維新の会も色あせた。共産党の赤色が鮮やかですね」と賛辞を送ってくれました。
　街頭では、「今まで自民党に入れてきたけど、政党の中で正しいことをいうのは共産党しかない。初めて共産党に投票します」という声が寄せられました。「第三極に期待したが、橋下・維新共同代表の『慰安婦』発言はひどい。憲法を変えてはいけない。共産党に頑張ってほしい」との声も。訴えが届いたところでは気持ちが通じ合い、語れば語るだけ党の出番を感じています。
　フットワークは軽く、４月には天災や農業被害が起こった現地にすぐ向かいました。お茶の凍霜被害を受けた農家を訪問して実情を聞き、山の斜面が崩落した浜松市天竜区春野町では住民を激励しました。

父の立場で参加
　原発再稼働反対の金曜行動には、中学生の子どもを持つ父親の立場として毎週参加しています。東海地震の震源域の真上にある中部電力浜岡原発（御前崎市）は廃炉、即時原発ゼロの政治決断こそ現実的だと大きな声で訴えます。
　静岡選挙区（定数２）には、もり氏のほか、自民現職、民主現職、みんな、維新、幸福の新人が立候補する予定です。
　「自共対決こそ本当のたたかい。比例区での党５議席実現を必ずなしとげ、私も国会へ駆け上がる」。明るい笑顔に日に日にたくましさがましています。
　（静岡県・内田伸治）

　略歴　１９６８年藤枝市生まれ。日本福祉大学卒。民青同盟県委員長、「しんぶん赤旗」静岡県記者、党伊豆地区副委員長などを経て、現在、党県常任委員、党国会議員団静岡県事務所長。
(２０１３年０６月２９日，「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言／撤回求め決議次々／東京・武蔵村山市／東京・立川市／埼玉・八潮市／埼玉・三芳町

東京・武蔵村山市
　東京都武蔵村山市議会は２５日、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の旧日本軍「『慰安婦』は必要だった」とする発言を非難し、撤回を求める決議を日本共産党、公明党、民主党の賛成多数で可決しました。自民党系などは反対しました。
　決議は日本共産党が提出したもの。橋下氏の発言を「女性の人権をじゅうりんし尊厳と名誉を傷つけたという歴史認識に欠け、性暴力被害者をさらに傷つける断じて許されない暴言」と批判。女性を戦争の道具のようにみなすもので、「国際社会の到達した人権基準から見ても到底許されない」としています。

東京・立川市
　東京都立川市議会はこのほど、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言の撤回を求める決議を全会一致で可決しました。
　決議文は、橋下氏の「慰安婦」発言について、「女性の人権を損ない、世界から信用を失いかねない」ものであり、市議会として「発言を非難し、撤回を求める」としています。

埼玉・八潮市
　埼玉県八潮市議会は議会最終日の２０日、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦に関する発言」の撤回と謝罪を求める決議を日本共産党、公明党、自民クラブなどの賛成で可決しました。共産党市議団が呼びかけ、６人の女性市議が共同提案したものです。
　決議は「慰安婦制度は必要だった」との橋下氏の発言について「女性をはじめ多くの人々の人権を侵害し、国際社会での信用を失墜させた」と批判しています。

埼玉・三芳町
　埼玉県三芳町議会はこのほど、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「慰安婦は必要だった」などと発言したことに対し、撤回と謝罪を求める決議を無所属議員１人を除く賛成多数で可決しました。
　決議は橋下氏の発言について「女性を道具のごとく扱う人権感覚の橋下氏に公務を務める資格はない」と非難しています。
(２０１３年０６月２９日，「赤旗」)

橋下市長に辞任要求／「女性と男性に謝れ」／大阪・山中市議

　「慰安婦制度は必要だった」などと語り、一連の暴言に開き直る橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）に対し、日本共産党の山中智子市議は２８日、市議会で、暴言の撤回と謝罪を迫り、市長の辞任を求めました。
　５月１３日の暴言以降の１カ月で市には電話やファクス、来庁による抗議文書提出など９１００件超の意見が寄せられています。発言の撤回や謝罪などを求める地方議会決議は３０を超えています。
　「全国の批判をどう受け止めているか」とただした山中氏に、橋下氏は「発言の真意が伝わってない」と言い訳。頼みの綱とする学者の評価や出演した一民放番組の視聴者投票で約８割が「問題ナシ」としたことを挙げ、「全体を聞いてもらえれば納得してくれる」と強弁しました。
　山中氏は、市長が深刻な国家犯罪としての日本軍「慰安婦」の実態を認めずに「日本だけではない」と言い募る姿自体が世界からも信頼を失い続けているのが現実だと指摘。市長の発言でさらに傷つけられた元「慰安婦」、沖縄県民、恥ずかしい思いをしている大阪市民をはじめ、「モノのように言われた女性、ケダモノのように言われた男性のすべてに謝るべきだ」と主張しました。
　その上で「理解を得られるように全国を回って訴える」（２４日、橋下氏）のは「市民としても本当に迷惑だ」と辞職を要求。橋下氏は「公職についている今の僕の立場だからこそ､世界も耳を傾ける｣と開き直りました。
( ２０１３年０６月２９日，「赤旗」)

ひと／改憲反対のＤＶＤを製作したプロデューサー森田勝政さん（４１）

　昨年末の衆院選で自民党政権が復活。改憲の危険性を感じ、緊急に多くの市民と共に製作したのがＤＶＤ「ＳＴＯＰ戦争への道〜続　戦争をしない国　日本」（池田博穂監督）です。沖縄の米軍機墜落事件を描いた劇映画「ひまわり」の完成直後で、一息つく間もありませんでした。
　自民改憲案の問題点を解きほぐし、ザ・ニュースペーパーのコントが首相の愚行を皮肉り、元日本軍「慰安婦」のハルモニが癒やしようのない悲憤を訴えます。３０分の短編には、参院選を見すえ、「憲法を守る運動を広げるために活用してほしい」との切迫した思いが込められています。
　フリーの撮影助手だった２８歳の時、友人から「ちょっと手伝って」と声をかけられ、独立プロの門をくぐりました。以来、青銅プロダクションに勤めています。６年前、「ちょっとやってみて」の声がかかりプロデューサーに。「流されてるんです」とはにかみながら、「映画を作り続けたい。それだけなんです」。
　プロデューサーの役割は「段取り屋」であり「何でも屋」。方々で謝ってばかり、向いてないと思う事もたびたび。けれど「自分のようなプロデューサーがいてもいいかなぁ」。すべて国民は、個人として尊重される。そう憲法にもうたわれているではないか、人と同じでなくてもいいのだと、自身を励ましてもいます。ＤＶＤの申し込みは普及事務局�рO３（５４８９）２１５３へ。
　文　田中　佐知子
( ２０１３年０６月２９日，「赤旗」)

28日

島根・飯南町議選／いとう町議を、むこせ氏応援

　日本共産党の、むこせ慎一参院島根選挙区候補は２５日、参院選と同時投票で町議選（定数１０）がたたかわれる飯南町で、いとう好晴町議と支援を訴えました。むこせ候補は「従軍慰安婦は必要だった」「侵略の定義は定まっていない」との橋下徹日本維新の会共同代表や安倍首相の発言、安倍首相の経済政策、ＴＰＰ参加表明を批判。党の提案を語り、「こうした政治の大本にはアメリカ・財界いいなりの古い自民党型政治がある。これときっぱり対決する党でなければ政治は変えられない。日本共産党と私に支援を」と呼びかけました。
　いとう町議は国保料１世帯１万円引き下げや子育てサポート体制の拡充、老人保健施設建設、介護サービス充実などを公約。「住民こそ主人公の町政をめざし頑張る」と決意を述べました。
　来島や八神では激励の声が寄せられ、頓原では男性が「都議選はよかった。参院選でも前進を」と期待を表明しました。商工会では住宅リフォーム助成の拡充が話題になりました。
(２０１３年０６月２８日，「赤旗」)

党演説会／比例５議席必ず／たつみ候補訴え／大阪最南端・岬町

　大阪の最南端、岬町で２３日、日本共産党演説会が開かれ、たつみコータロー参院選挙区候補が訴えました。東京都議選の結果が出る前の演説会でしたが、多くの参加者があり、岬町では、この間の国政選挙では初めての規模となり、会場は熱気であふれました。
　党員、後援会員が同級生や趣味を通じての友人など個人的なつながりを生かして気軽に参加を呼びかけ、従来の枠を越えた参加者の広がりをつくりました。
　たつみ候補は、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦」暴言を批判。大企業・大金持ちの利益だけに奉仕し、庶民には増税のアベノミクスの正体を明らかにし、生活保護切り捨てなど福祉の全面改悪を許さず、国民の利益を守ってたたかう日本共産党の姿と決意を語り、参院選でなんとしても比例５議席を絶対獲得し大阪から私を国会に押し上げてほしいと訴えました。
　参加者からは、「あんないい話をする候補者は初めて」「帰ってすぐ夫にたつみさんの話をする」などの感想が寄せられました。共産党のポスターを持ち帰る人や、公示日の行動への協力申し出もあり、「チャンスの大阪で、どうしても山下さん、たつみさんを国会へ」の思いが会場を包みました。
(２０１３年０６月２８日，「赤旗」)

対案示し政治動かす／山下書記局長代行迎え演説会／たつみ候補訴え／大阪・茨木

　日本共産党の山下よしき書記局長代行・参院議員は２６日夜、大阪府茨木市で開かれた党演説会で、たつみコータロー大阪選挙区候補とともに訴えました。
　山下氏は、安倍首相の問責決議が可決され、生活保護改悪法案が参院で廃案になったと報告。「こんな法案に賛成した勢力には一票も渡さない選挙にしよう」と呼びかけると、大きな拍手がわきました。
　参院選の争点として、暮らしと経済、消費税と社会保障、原発、憲法を挙げ、どの問題をとっても「自共対決」が鮮明になっていると紹介。安倍政権と正面から対決し、抜本的対案を示して、政治を動かす党の値打ちを明らかにしました。
　橋下大阪市長の「慰安婦」暴言を「公人の資格はない」と批判。安倍首相の歴史認識も根本は同じで、自民党政治があらゆる分野で行き詰まる中、党の役割を大いに語って躍進しようと訴えました。
　たつみ候補は「生活保護改悪法案を二度と出させない国会を。貧困と格差を解消する政治の実現へ共産党を大きく伸ばし、私を押し上げてください」と力を込めました。
　参加した女性（５７）は「子どもがまともに働けないような社会では困る。周りの人に共産党を知ってもらおうと思う」と話していました。
( ２０１３年０６月２８日，「赤旗」)

憲法９６条を先行改定／日本維新の会が参院選公約

　日本維新の会は２７日、参院選の公約を発表しました。憲法９６条の先行改定、集団的自衛権の行使を可能にする法整備などを打ち出しました。
　なかでも、統治機構改革として「道州制の導入」「首相公選制の導入」「衆参合併による一院制」を掲げました。この三つを行うために「まず、憲法９６条改正に取り組む」としています。
　橋下徹共同代表（大阪市長）の国政進出を念頭に、自治体首長と参院議員の兼職禁止規定の廃止を主張。「天皇の元首としての位置付けを明確化する」としました。衆院議員の定数３割削減も掲げています。
　橋下氏が「必要だった」とした日本軍「慰安婦」については、「歴史的事実を明らかにし、日本国及び日本国民の尊厳と名誉を守る」として、橋下氏の立場にそったものとなっています。
　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）推進や経済・財政に関して、法人税・所得税の引き下げ断行、農業への企業参入促進、農協（ＪＡ）改革など極端な「構造改革」路線を明記。「カジノ、レジャー、ビジネス、エンターテイメントを包括的に含む施設『統合型リゾート』を実現する」と掲げました。
　社会保障については、年金の支給開始年齢の段階的引き上げ、医療費の自己負担割合の一律化、保険外診療を拡大させる危険のある混合診療の解禁など医療・年金破壊の方策を盛り込みました。
　エネルギーでは「発送電分離により自然エネルギーへの移行を進め、市場価格による脱原発依存を実現する」と「脱原発」はあいまいに。消費税に関しては「地方税化」を主張しています。
　外交・防衛や経済対策といった基本政策では自民党の政権公約と同様の目標が並び、「補完勢力」ぶりが明確になっています。
( ２０１３年０６月２８日，「赤旗」)

27日

日本共産党２０１３年参議院選挙／各分野の政策

　日本共産党は、２０１３年参議院選挙政策の各分野政策を、党中央委員会のホームページ（http：／／www．jｃp．or．jp／）に掲載しています。各分野政策の主な項目は以下のとおりです。

１、労働・雇用――賃上げ、解雇規制、限定正社員、派遣法、パート・有期、男女格差、最低賃金
２、医療――窓口負担の引き下げ、国保、後期高齢者医療制度、混合診療、診療報酬、医師・看護師不足、公的病院
３、年金――無年金・低年金の解決、最低保障年金、消えた年金、マイナンバー
４、介護――特養ホーム、介護保険料・利用料､介護労働者､認知症対策
５、保育――認可保育所の増設、待機児童の解消、保育士の待遇改善、営利企業参入
６、生活保護・福祉――生活保護の改悪阻止、バッシング、被爆者、ハンセン病元患者、残留邦人
７、子どもの貧困――就学援助、児童扶養手当、教育負担の軽減、子ども医療費
８、税制――消費税増税中止、不公平税制、中小企業税制
９、中小企業――下請け対策、商店街の活性化、フランチャイズ問題、中小企業憲章
１０、金融――株価の乱高下、金融自由化の規制、中小企業金融
１１、農林漁業――自給率向上、担い手育成、価格保障・所得補償、食の安全、ＢＳＥ
１２、ＴＰＰ――食・農への打撃、「アメリカ型ルール」、「毒薬条項」、食料主権
１３、震災対策――被災者の生活再建、計画的防災計画、コンビナート対策
１４、原発問題――原発即時ゼロ、再稼働・輸出反対、除染と賠償
１５、エネルギー――自然エネルギーの開発・利用、省エネ促進、発送電分離
１６、環境――地球温暖化対策、公害対策、乱開発の規制、生物多様性
１７、公共事業――「国土強靭（きょうじん）化」、ムダ遣いの根絶、復興予算の流用問題、生活密着型への転換
１８、交通――交通基本法、バリアフリー、通学路、バス・トラック・タクシー、リニア・新幹線、空港、日航再建
１９、住宅・マンション――公営住宅、公団住宅、家賃補助制度、定期借家制度、マンション管理支援
２０、地域活性化・まちづくり――「買い物難民」、過疎地、離島
２１、郵政・通信・放送――郵政民営化、全国一律サービス、放送行政
２２、地方自治――道州制、地方の財源保障
２３、公務員制度改革――天下り禁止、公務員賃金、労働基本権の回復
２４、国会改革・選挙制度改革――小選挙区制・政党助成金の廃止
２５、高齢者――社会保障の充実、雇用・就業先の確保
２６、障害者・障害児――総合福祉法、差別禁止法、障害者権利条約
２７、難病――難病対策の新法、難病医療費助成、高額療養費
２８、女性――男女差別の是正、女性の年金､仕事と家庭の両立支援､ＤＶ
２９、子ども・子育て――保育・教育の充実、産科・小児科の確保、子どもの貧困
３０、若い世代――雇用問題、就職難、学費
３１、消費者――食品安全、悪徳商法対策、消費者団体
３２、ＮＰＯ・ＮＧＯ――ＮＰＯ法改正、寄付税制
３３、教育――「いじめ」問題、少人数学級、教育費無償化、教育への政治介入、学童保育
３４、大学改革・科学・技術――大学法人制度、高等教育無償化、総合的振興計画
３５、文化――助成制度、劇場法、著作者の権利、ダンス規制
３６、スポーツ――体罰、「重点プラン」、トップ競技者支援、サッカーくじ
３７、憲法――９６条改憲、憲法９条、自民党改憲案、集団的自衛権
３８、歴史認識・靖国・「慰安婦」――侵略戦争、靖国参拝、村山談話、河野談話、橋下発言
３９、司法・警察――裁判員制度、えん罪、可視化、犯罪被害者の権利、警察改革
４０、市民生活の安全――警察の役割、テロ対策、海賊問題
４１、いのち・人権の保障――ヘイトスピーチ、性的マイノリティー、アイヌ、自殺防止、シベリア・モンゴル抑留者
４２、安保・基地・自衛隊――オスプレイ、基地被害、海外派兵問題、安保条約廃棄
４３、核兵器――核兵器廃絶、核密約の破棄
４４、領土問題――尖閣諸島、竹島、千島問題
４５、北東アジア――北朝鮮の核・拉致問題、日中関係、平和の地域共同体
４６、ＯＤＡ――人道援助への転換、生活分野支援、後発開発途上国支援
( ２０１３年０６月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」／橋下発言撤回求める／高知市議会が決議

　高知市議会は２６日、日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長の「慰安婦」発言の撤回を求める決議を賛成多数で可決しました。
　決議は、「（橋下徹大阪市長の発言は）元『慰安婦』の方々の尊厳を著しく傷つけ、日本社会が尊重する基本的人権を踏みにじるもので看過できない」として「慰安婦」発言の速やかな撤回を求めています。
( ２０１３年０６月２７日，「赤旗」)

「慰安婦」／政府は誠実対応を／島根県議会が意見書

　島根県議会は最終日の２６日、「日本軍『慰安婦』問題への誠実な対応を求める」意見書を賛成多数で可決しました。新日本婦人の会県本部や県母親大会連絡会の請願を受けてのもの。日本共産党はじめ民主県民クラブ、無所属など１３人が紹介議員になりました。
　意見書は、政府は１９９３年「河野談話」により「慰安婦」への旧日本軍の関与を認めて、歴史研究、歴史教育により事実を次世代に引き継ぐとした表明やアメリカ議会下院、オランダなどの決議採択、国連機関からの繰り返しの勧告を指摘しています。
　「政府がこの問題に誠実に対応することが国際社会への我が国の責任、誠意ある対応となる」とし、河野談話の誠実な実行、被害女性が２次被害を被ることがないよう努め、名誉と尊厳を守るべく真摯（しんし）な対応を求めています。
( ２０１３年０６月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏の「私の認識と見解」について／神戸女学院大学石川康宏教授に聞く

「慰安婦」暴言に居直り／問われる政治家の資質
　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長は、日本軍「慰安婦」問題での暴言への内外の批判に、居直りを続けています。それを集大成したのが特派員協会で明らかにした「私の認識と見解」です。市のホームページにも掲載しました。神戸女学院大学の石川康宏教授に話を聞きました。
　（大阪府・小浜明代）

　橋下氏は、「私の認識と見解」で報道によって「本来の私」と「正反対の人物像・政治家像が流布」した、「私は、疑問の余地なく女性の尊厳を大切にしています」と述べました。

見苦しい言い訳
　見苦しい言い訳です。橋下氏は５月１３日「当時、慰安婦制度というのは世界各国の軍が持ってた」「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」と述べました。この「誰だって」の中に橋下氏自身が含まれるとするのは、あまりにも当たり前の日本語の理解です。
　同じ日の夕方には、米軍普天間基地司令官に、米兵の性的エネルギーをコントロールするため「風俗業」の「活用」をすすめたことも明らかにしました。要するにこの人は、過去であれ現在であれ、日本兵であれ米兵であれ、兵士には性の道具、戦争の道具として女性をあてがうことが必要だと考えているのです。
　橋下氏は、日本だけが「慰安婦」を利用したのでない、日本が国家の意思として拉致、人身売買をしたということはない、と言っています。しかし、第２次大戦中に、国家が組織的に性奴隷制度をつくったのは、大日本帝国とナチス・ドイツしかありません。他の国にもあったというのなら、その証拠をキチンと示すべきです。
　また日本の国家がこれを行ったことについては、文書資料もたくさん残っています。１９３８年３月に「慰安婦」の募集は「派遣軍に於て統制」せよとの指示を陸軍省が出しています。３８年６月には北支那方面軍参謀長が、「速に性的慰安の設備を整」えるよう指示しており、さらに４２年には陸軍省課長会報に、アジア各地に４００カ所の「慰安施設」を「作りたり」とした会議録も掲載されました。
　また「日本軍構成員によって」「強制的に拉致・連行して強姦（ごうかん）し、監禁状態にして連日強姦を繰り返す行為」があった等（２００４年東京高裁）、被害者が起こしたさまざまな裁判で、日本の裁判所もこのような事実を認定しています。
（Page/Top）
公娼廃止決議も
　１９３０年代の日本には公娼（こうしょう）制があった、当時の人権状況では仕方がなかったという主張も成り立つものではありません。
　日本は２１年に国際連盟で採択された「婦人・児童の売買禁止に関する国際条約」など一連の条約に加わっていました。それは「詐欺」「暴行、脅迫、権力乱用その他一切の強制手段」によって女性を性的業務に就かせることを禁止し、「罪を犯す者」があれば「処罰する」ことを各国政府に義務づけるものでした。
　こうした世界の動きもあって、日本でも２２の県会で公娼制廃止を求める決議が可決され、１５県は廃止を実施しました。３５年には内務省でも公娼制廃止案が検討されており、公娼制はすでに当たり前のことではなくなっていました。
　今日「慰安婦」問題が世界的に注目されるのは、あらゆる戦時性暴力を根絶しようとの取り組みが強まっているからです。国連安保理は２０００年に「性的」「暴力を含む戦争犯罪の責任者への不処罰の連鎖を断ち切る責任があり、訴追する責任がある」ことを決議しました。日本政府もこれに賛同しましたが、不処罰の最も重要な事例として「慰安婦」問題の未解決が問われているのです。
　橋下氏の「私の認識と見解」はウソとごまかしと、無知とグロテスクな人権感覚の集成でしかありません。大阪市の姉妹都市であるサンフランシスコの市議会でも、橋下氏の発言を強く非難する決議が採択されましたが、前代未聞の事態です。橋下氏を正面から批判することのできない安倍首相ともども、国内外での批判の強まりは避けられません。政治家としての資質が問われています。
( ２０１３年０６月２７日，「赤旗」)

選挙情報／参院選公約で「慰安婦」言及／維新

　日本維新の会幹部は２６日、参院選公約に従軍慰安婦問題を盛り込む方針を明らかにしました。「従軍慰安婦問題などについて歴史的事実を明らかにし、日本国および日本人の名誉と尊厳を守る」と言及する見通し。橋下徹共同代表（大阪市長）が慰安婦問題で「日本が不当に侮辱されている」と主張していることを踏まえました。
　公約は２７日に発表されます。
( ２０１３年０６月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

通常国会／日本共産党議員団の１５０日／安倍政権と対決／政治を動かす

　安倍政権発足後、初の本格論戦の舞台となった通常国会が２６日、閉会しました。暴走する安倍自公政権と真正面から対決する野党は、日本共産党だけとなっていることが浮き彫りになりました。「自共対決」となった１５０日の論戦を振り返ると―。

経済対策／必要なのは「賃上げ」／アベノミクスを批判

　安倍政権が「成果だ」と誇っていた株価は５月に急落。物価高騰が生活と営業を直撃しています。
　「安倍政権になってから景気が回復したという実感があるか」との問いには、７８％が「ない」と回答（「朝日」１１日付）。日本共産党は、破たんがあらわになっているアベノミクスについて、「投機とバブル」をあおる「５本の毒矢」と真正面から批判してきました。
　日本共産党は、デフレ脱却のかぎは賃上げ、内需拡大だとして、大企業の内部留保の活用を提案。政府も「（賃上げが）できる条件が企業の側にある」(麻生太郎財務相)と認めざるを得なくなり、首相が財界に賃上げ要請をするなど現実政治を動かしました。
　一方、安倍首相は企業が海外でもうけた分も含む「国民総所得」（ＧＮＩ）を「１人あたり１５０万円増やす」という目標を「国民の平均年収」などといって、すべての国民の所得が増えるかのようにごまかし。「思い切った投資減税を行い、法人税の大胆な引き下げを実行します」（参院選公約）と、大企業がもうかればやがて国民にも回るという破たんした政策にしがみついています。
　民主党は、消費税増税や社会保障の切り捨てに加え、金融政策も成長戦略も政権時代に進めてきただけに対決する足場がありません。サミット報告が行われた２４日の本会議では、野田佳彦元首相が「（金融緩和の）出口戦略はどうするのか」というだけで、まともな対案もなし。みんなの党は「成長戦略の内容が中途半端だ」（畠中光成氏）と大企業の応援をあおり、維新の会にいたっては「アベノミクスの方向性は正しい」（松田学氏）と安倍政権最大の��補完勢力�≠ﾆなっています。

くらしの面でも「自共対決」鮮明
　くらしの面でも、安倍政権の暴走に日本共産党以外の主要な政党が追随する場面が目立ちました。
　とくに社会保障改悪の突破口として狙われた生活保護法改悪案は、申請時に書類提出を事実上義務付けたり、扶養義務者の調査権限を強化するなど、生活保護申請を窓口で排除する��水際作戦�≠�合法化する内容です。
　国民の命と生活にかかわる改悪案に､衆院では自民､公明に加え、民主､維新､みんな､生活の４政党も賛成｡参院では、首相問責決議で廃案に追い込まれたものの、これらの政党が自公両党と一緒になって改悪法案を衆院で強行しようとした事実は消えません。
（Page/Top）
原発／再稼働と輸出へ暴走／即時ゼロ迫る共産党

　安倍内閣は、「世界最高レベルの安全基準」とうそぶいて、原発の再稼働と原発輸出で暴走しています。
　これに対し、原発ゼロを願う国民の声を代弁して「即時ゼロ」を迫っているのが日本共産党です。
　日本共産党は、事故収束もできず、原因究明も尽くされていないなかで、「世界最高の安全」といえるのかと追及すると、首相も「収束しているとはいえない」と認めざるをえませんでした。
　再稼働を進める「新規制基準」について、１００テラベクレルものセシウム１３７放出を容認していると追及すると、田中俊一・原子力規制委員長は「そういったことをせざるをえないこと自体が異常な状況」だと認めざるをえず、再稼働を進める論拠を突き崩しました。
　民主党は「核燃料サイクル事業は継続すると受け止めていいか」（小林正夫参院議員）と再稼働を迫る始末。維新は「（帰還区域などを）直ちに廃止して、福島の避難県民を全員直ちに帰郷させる、これが科学的には唯一正しい」（西田譲衆院議員）と非科学的主張で再稼働をけしかけました。
　みんなの党は「安全性が確認されたら原発再稼働について基本的には反対しているわけではない」（椎名毅衆院議員）などと、安倍政権と変わらない主張を展開しました。

憲法・歴史認識／立憲主義破壊許さぬ／９６条改定反対で共同

　憲法９６条の先行改定に意欲を示していた安倍首相。日本共産党は「時の権力が都合のいいように簡単に憲法を変えることができるようになる」と批判。憲法が国家権力を縛る立憲主義を根底から覆す暴挙を許さない一点で共同を広げてきました。
　「しんぶん赤旗」で、９条改憲派の小林節慶応大教授や自民党の古賀誠元幹事長が相次いで９６条改定反対を表明。世論調査でも改定反対が急速に増えて、半数を超えています。
　衆参の憲法審査会では、笠井亮、井上さとし両議員が平和主義、基本的人権の尊重などを掲げた憲法の先駆性を強調。「（憲法は）時代にあわなくなっている」とする改憲派を批判し、「今、求められているのは、憲法の平和・人権・民主主義の諸原則を国政の各分野に生かすことだ」と真っ向から主張しています。
　歴史認識の問題では、「侵略の定義は定まっていない」との安倍首相の発言や、「慰安婦は必要だった」という橋下徹・日本維新の会共同代表の発言が国内外からの批判を浴びています。
　日本共産党は、侵略を否定した戦後の国際秩序に背くものと強調。日本が世界で生きていく足場を失うと厳しく批判してきました。

安保外交／オスプレイ配備反対／米軍基地撤去求める

　米軍辺野古新基地建設反対、欠陥機オスプレイ配備反対が��オール沖縄�≠ﾌ声です。
　日本共産党は、「沖縄全４１市町村の首長・議長の『建白書』に込められた県民の思いにこたえよ」（赤嶺政賢議員）と、県民総意の上に立って普天間基地の閉鎖・無条件撤去を訴えてきました。
　安倍政権は米国いいなりで新基地建設、オスプレイ配備押し付けを推進しています。沖縄選出・出身の自民党議員は全員が普天間「県外移設」を公約に当選したのに、「（日米）合意通り辺野古崎」（島尻安伊子内閣府政務官）と公約破りを宣言。民主党は「最低でも県外」との公約投げ捨てを反省もせず、自民党の公約違反を「だれを信じればいいんですか」（白眞勲参院議員）と批判し、「民主党に言われたくない」とやじられるありさまです。維新の会は「日米同盟深化に全面賛成」（藤井孝男総務会長）と辺野古「移設」をけしかけています。

ＴＰＰ交渉では参加撤回を主張
　多くの議員が昨年の総選挙で「ＴＰＰ断固反対！　ウソつかない」のポスターを掲げた自民党は公約を投げ捨て、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉参加を強行しました。
　日本共産党は「公約違反のＴＰＰを直ちに撤回することこそ、国益を守る道だ」と主張。コメ、乳製品など重要品目の関税で何一つ保証を得られず、牛肉、自動車、保険の３分野で米側の要求を丸のみしたことをあげ、安倍首相の「守るべきものは守る」との欺まんを明らかにしました。
　民主党は「ビジネスチャンスが生まれる」（前原誠司前政調会長）などと推進。維新の会は「最大の同盟国アメリカの提唱ですから、話し合いには参加すべき」（平沼赳夫国会議員団代表）、みんなの党も「大きなメリットは韓国の自動車輸出に対して日本の自動車の輸出が負けないようにするものだ」（山田太郎参院議員）と参加をけしかけています。
( ２０１３年０６月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

26日

「橋下発言撤回を」「９６条改定反対」／長岡京市議会が意見書／京都

　京都府の長岡京市議会は２０日、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦」発言の撤回を求める意見書を全会一致で可決し、憲法９６条改定反対の意見書を賛成多数で可決しました。

　憲法９６条の意見書は日本共産党、民主党、ほうれんそうの会が賛成し、自民と公明は反対しました。
　「慰安婦」発言の意見書は、橋下氏の発言を「女性をはじめ多くの人々の人格を否定し、人権を侵害するものである」と批判し、発言の撤回と謝罪を求めています。
　憲法９６条の意見書は、憲法が基本的人権を守り、国家権力に縛りをかける国の基本法であると強調。９６条改定による憲法改定手続きの緩和に対して、幅広い分野で疑問や批判が広がり続け、政権中枢からも慎重姿勢の発言が出ていることを指摘しています。
　その上で「極めて低ハードルで、時々の権力者の都合によって憲法改正が行われるようになるならば、憲法が憲法でなくなってしまう」と批判しています。
(２０１３年０６月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

まだ居直る？橋下市長

　「惨敗。完敗です。僕の発言、態度振る舞いによって多くの有権者が維新に対する信頼を失った」。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は２４日、東京都議選の敗因についてこう語りました。ところが、世界中から非難されている「慰安婦」暴言については「僕は間違ったと思ってない」と強弁。日本有数の大都市である大阪市の２６０万市民を代表する市長にふさわしくないことは、もはや明らかです。
　「これ以上、このような許されざる暴言を放置することは、日本国が国際社会から信用を失うこととなり、国益を大きく損ねることにもなりかねない」。大阪府堺市の市議会は同日、橋下氏の公職辞任を求める決議を可決しました。「慰安婦制度は必要だった」という発言について「今なお責任を報道に転嫁し、論点をずらした発言を続けている」と指摘しています。
　先日訪米した維新幹事長の松井一郎大阪府知事は「向こう（米国）では大きな問題になっていない」（「産経」１７日付）とうそぶいていましたが、橋下氏が当初訪問を予定していた、大阪市の姉妹都市のサンフランシスコでも、市議会で橋下氏の言動に対する非難決議があがっています。
　都議選でも１月、朝日新聞社に単独過半数（６４議席）を目指すとまで豪語していた松井氏ですが、投票日前には勝敗ラインを現有３議席にまで下方修正。結局、維新はそれすらクリアできず２議席へと後退しました。
　橋下氏は「（発言に）理解を得られるように全国を回って訴えたい」といいますが、いったいいつまで居直り続けるつもりなのでしょうか。
　（藤原直）
(２０１３年０６月２６日，「赤旗」)

自民の教科書法案／事実上の国定化狙う／子どもと教科書全国ネット２１事務局長俵義文さん

財界・政府が求める人材づくり
　自民党は、現在の教科書は「自虐的だ」などとし、教科書の内容にいっそう国が介入できる仕組みをつくる「教科書法」の制定を打ち出しています。この問題について、子どもと教科書全国ネット２１の俵義文さんに聞きました。
　（高間史人）

　自民党が制定を狙っている「教科書法」は、事実上の「国定教科書」づくりをめざす「教科書国家統制法」です。

国が内容を指示
　同党の教育再生実行本部の「教科書の在り方特別部会」は、５月に教科書会社３社の社長らを呼びつけて、南京事件や「慰安婦」の記述について問い詰めました。そして、６月１２日に「中間まとめ」の案を決定。その中には教科書の内容について「出版社が独自に判断している現状を改め、記述すべき事項を国が示す案などが盛り込まれた」（「朝日」１２日付夕刊）といいます。
　学習指導要領や教科書検定基準を詳細なものにして、国が教科書にこういうことを書けと具体的に指示できるようにするというものです。
　いまは指導要領に示された大枠に従って各教科書会社が独自に教科書をつくり、それを文部科学省が検定する仕組みになっています。その教科書会社の自由を奪い、国が内容を隅々まで指示できるようにするのです。これは近代民主主義国家ではありえない話です。これでは教科書は死んでしまいます。
　彼らが一番狙っているのは、歴史や公民の教科書です。「慰安婦」や南京大虐殺の記述を教科書からなくしたい、侵略戦争や加害、植民地支配の事実を書かせない、安倍首相の歴史認識を反映した教科書にしたいということでしょう。
　憲法を改悪して日本を「戦争をする国」にするために、国に従う人材をつくりたい、財界や政府が求める、国に奉仕する人材をつくりたいからです。
　しかし、侵略戦争を美化することは、アジアで孤立化する道です。自民党の狙いが知られていけば、国際的に大きな批判が起こるでしょう。

押し付ける教育
　子どもにとっても「教科書国定化」では、国家が認めた一方的な情報だけを学ばされ、生きていくうえで必要な豊かな情報が得られなくなります。あらゆる教科で、自由に考えたり、思考したりするのでなく、国が決めた教育内容を一方的に押し付ける教育に変えられてしまいます。
　特に社会科では政権に都合のいい事実だけしか教えられず、国際化のなかでアジアの人たちとちゃんとした対話ができないような歴史認識を学ばされることになります。
　日本ではかつて２度、教科書法案を葬った例があります。１９５６年と８０〜８２年です。いずれも幅広い人々の運動で廃案に追い込んだり、国会上程を断念させたりしました。今回も、さまざまな市民運動と連携して、広範な運動を、できるだけ早く地域からつくりあげていくことが必要です。また、今度の参院選で、自民党など歴史をわい曲する勢力を勝たせないことが重要になっています。
( ２０１３年０６月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

潮流

　街の中心部の急な坂道を行くケーブルカー。太平洋に沈む夕日の鮮やかさ。ワタリガニの一種、ダンジネスクラブの濃厚な味。米西海岸のサンフランシスコ市には訪れた人の心をとらえる魅力があります▼そのサンフランシスコが大阪市と姉妹都市提携を結んだのは、１９５７年でした。「大阪市にとって最初の姉妹都市であり、昨年の平成２４年には提携５５周年を迎えました」。大阪市のホームページでは、両市が半世紀を超えて交流してきたことを紹介しています▼友好関係に影を落としたのは、橋下徹・大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」問題の強制性を否定する発言でした。サンフランシスコ市の市議会は、今月１８日、橋下発言に対して、「撤回を求める決議」を採択したのです▼決議は両市の友好関係の基礎についてこう述べます。「人間の尊厳、権利、歴史上の真実についての相互理解や尊重によって友好関係は育まれ、維持される」▼友好関係ゆえに、「慰安婦」問題という歴史的事実をゆがめることは見逃せないという思いがにじんでいます。決議は「大阪市民に対しては、変わらない深い尊敬と親愛の情を表明する｣とも述べ､交流事業を持続するとしています▼ベトナム戦争当時の１９６０年代末、反戦歌「花のサンフランシスコ」が大ヒットし、日本でも歌われました。この歌を今も市民が口ずさんでいます。反戦平和の伝統や人権の尊重が市民社会のなかに溶け込んでいる。これもサンフランシスコの魅力と言えます。
( ２０１３年０６月２６日，「赤旗」)

25日

「米レーダー基地」反対／京都母親大会で特別決議

　第５８回京都母親大会が２３日、天橋立で有名な京都府宮津市で開かれ、会場あふれる１０００人を超える参加がありました。
　八つの分科会と全体会で学び、大会アピールと、「憲法９条を守りましょう」「経ケ岬への危険な米軍専用レーダー基地の設置計画に反対です」の二つの特別決議を確認しました。
　記念講演で、神戸大学の二宮厚美名誉教授は、人間らしい暮らしが平和の原点であり、憲法９条と２５条を同時に生かすことが重要だと強調。憲法９６条改定や慰安婦問題発言をめぐって、改憲の動向とそれに抗する国民世論の変化を示し、「改憲勢力の正体を暴露すれば反撃できる」と激励しました。
　運動の交流では、福井県の原発群に近く、米軍基地設置計画が浮上する府北部地域を中心に、原発ゼロ、ＴＰＰ参加阻止、米軍基地設置反対の各運動を報告。米軍基地設置に反対する女性１０００人アピールへの協力が呼びかけられました。
　福島原発事故後、ニュージーランドに住む増田とも美さん（２４）は、原発問題の分科会に参加し、「原発の再稼働や輸出など、日本政府の対応は信じられない。もっと反対の声をあげないといけない｣と話していました｡
(２０１３年０６月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

さあ参院選へ／比例５議席必ず／和歌山／滋賀／兵庫

　「さあ、参院選でも躍進を」―。東京都議選での日本共産党の躍進を力に公示日が来週に迫った参院選で山下よしき書記局長代行・参院議員、井上さとし参院議員を含む比例５議席絶対獲得、選挙区での躍進をと、近畿地方の日本共産党は、候補者を先頭に宣伝、対話・支持拡大に全力をあげています。

自共対決の選挙勝ち抜く／日本共産党と語る会／和歌山
　和歌山市の日本共産党四ケ郷後援会は２３日、同市新在家で「日本共産党と語る会」を開き４０人が参加しました。
　原やすひさ参院和歌山選挙区候補は、和歌山選挙区で民主党が候補者擁立を断念し、維新の会も擁立困難と報じられるなか、文字通りの「自共対決」になっていることを紹介しました。
　また、「いま街頭での反応がどんどん変化している。なんとしても比例で５議席以上、和歌山県からは原やすひさを国会に送ってほしい。いっしょにがんばりましょう」と訴えました。
　同会では「円安、株高で大企業や資産家がもうけているというが、これで庶民のくらしはよくなるのか」「共産党は国の財政をどうするのか。どっからお金を持ってくるのか」「介護を受けていないのに保険料だけがどんどん上がる。どうなっているんだ」など質問が出されました。
　これらの質問に、松坂美知子市議と藤井健太郎前県議が、国民のふところを温めて景気良くするという日本共産党の政策を紹介するなど丁寧に答えました。

党労働者後援会が宣伝／和歌山
　日本共産党和歌山県労働者後援会は２２日に、参議院選挙勝利に向けて地域作戦を実施しました。
　各後援会から７人が参加して紀三井寺団地にハンドマイク隊を繰り出しました。のぼり、プラスターで目に見える宣伝もやりました。県労働者後援会の武内正次代表らが共産党の政策を訴えました。「政治を本当に変えるために、自民党と対決する、日本共産党を大きくしてください」と訴えると通行する車からも声援がありました。

憲法を守ってほしい／坪田候補と青年トーク集会／滋賀
　日本共産党の坪田いくお参院滋賀選挙区候補を迎えた「坪田いくお＆青年トーク」集会（民主青年同盟県委員会など主催)が２３日､草津市で開かれました。坪田氏が参院選挙の争点である景気回復や憲法、原発などについて日本共産党の考えを分かりやすく話し、参加者が日ごろ思っている政治や社会への不満、要求をぶつけました。
　飲食店アルバイトの石黒みずほさん（１８）＝栗東市＝は、フリップに「労働時間が長いうえ、給料が上がらない。みんな疲れきっている。憲法改悪でいろんな権利が奪われるのがこわい」と書き、働きがいのある社会の実現を訴えました。病院に勤務する外科医の女性（３２）＝草津市＝は「生活保護など社会保障を充実する。今の憲法を守る」と日本共産党への期待を書き、医療現場の実態にも触れ「いまの政府が（社会保障削減を）好き勝手してますが、少しでも歯止めをかけている憲法だけは守ってほしい」と語りました。
　坪田氏は青年から出された意見や要望について丁寧にコメントしたうえで、「若い人たちが、未来が見える時代をつくるために参院選挙をたたかいたい。みなさんのご支援をよろしくお願いします」と訴えました。

参院選で共産党支援を／かえるネットが宣伝／草津
　滋賀県の「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク（かえるネット）」は２３日、草津市のＪＲ草津駅西口で宣伝し、参院選挙での日本共産党への支援を呼びかけました。かえるネットの会員らは「若者の声を政治に届けるアンケートをやっています」とシールアンケートを呼びかけ、「しんぶん赤旗」号外を配りました。
　アンケートに応じた青年のほとんどが「９条や９６条は変えるべきでない」「橋下大阪市長の『慰安婦発言』は許せない」にシールを貼りました。２１歳の女性は、所得１億円を超えると、大金持ちほど税負担率が減少する不公平税制を知って驚き、「家族７人全員に伝える」と話しました。会社員の男性（３２）＝栗東市＝は「アベノミクスで景気回復の実感はない」と語りました。
　民主青年同盟の佐藤耕平県委員長はマイクを握り、「日本共産党は消費税増税をやめて、所得と仕事を増やす政策を提案しています。ビラをお読みいただいて、参院選挙は日本共産党へのご支持、ご支援をよろしくお願いします」と訴えました。
　宣伝には、日本共産党の黄野瀬明子大津市議も参加しました。
（Page/Top）
自民政治打ち破ろう／宮本議員・金田参院候補ら訴え／兵庫で党演説会
　参院選・知事選勝利をめざし、兵庫県伊丹市（２１日）と西宮市（２２日）で日本共産党演説会が開かれ、宮本岳志衆院議員と金田峰生参院選挙区候補、「憲法県政の会」の田中耕太郎兵庫県知事候補が、西宮市では井沢孝典参院比例候補が訴えました。
　宮本氏は、自公政権の経済政策を批判し、日本共産党の消費税にたよらない経済対策を示し、支持を訴えました。いじめ問題での国会論戦と歴史問題、平和、憲法をめぐる自共対決を強調し、「今度こそ、日本共産党の躍進で行き詰まった自民党政治を打ち破り、新しい日本を開きましょう」と訴えました。
　金田候補は、ルールある働き方、原発ゼロ・自然エネルギーへの転換、オスプレイ配備撤回を訴えました。
　井沢候補は、弱者の立場に立った政治の実現と比例選挙での奮闘を表明しました。
　田中候補は、地域からの経済再生など県政転換を訴えました。
　伊丹市の男性（６５）は「国民のために政治をどうしたらいいか的確な話で感動しました。なんとしても共産党に勝ってもらいたい」。西宮市の男性（４６）は「いじめ対策法に共産党がなんで反対したのかよくわかった。兵庫にもオスプレイが飛来すると聞いて、低空飛行訓練をやめさせるため、金田さんをぜひ、国会に送りたい」と話していました。
(２０１３年０６月２５日，「赤旗」)

子育て世代が「綱領教室」／「学ぶ意味分かった」／京都左京地区

　京都左京地区委員会は、子育て世代対策委員会と女性部が共同し、子育ての条件のなかで、なかなか支部会議に参加できず、学習の機会も持ちにくい党員を対象に、綱領の連続学習会を始めました。テキストは、志位委員長の『綱領教室』（全３巻）で、原俊史地区委員長が講師を務め、保育体制も用意しています。
　第１回は、第１巻の「なぜ綱領を学ぶのか」「戦前の党のたたかいについて」の部分を学習しました。職場支部、地域支部から新入党員を含めて７人が参加しました。
　橋下・維新の会共同代表の「慰安婦」暴言が話題となっている中、タイムリーな歴史問題の学習となり、参加者からは、「やっぱり世界的視野で考えることが大切だと思った」「綱領を学ぶ意味がよくわかった」などの感想が出されました。
　保育体制があっても、子どもが泣き出したり、お母さんを呼びに来たり、にぎやかな中ではありましたが、「なかなか新聞も読めないし、こんな学習は大事」「こうやって勉強すると刺激になる」と好評でした。次回は７月に予定しています。
( ２０１３年０６月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

さあ参院選へ／比例５議席必ず／和歌山／滋賀／兵庫

　「さあ、参院選でも躍進を」―。東京都議選での日本共産党の躍進を力に公示日が来週に迫った参院選で山下よしき書記局長代行・参院議員、井上さとし参院議員を含む比例５議席絶対獲得、選挙区での躍進をと、近畿地方の日本共産党は、候補者を先頭に宣伝、対話・支持拡大に全力をあげています。

自共対決の選挙勝ち抜く／日本共産党と語る会／和歌山
　和歌山市の日本共産党四ケ郷後援会は２３日、同市新在家で「日本共産党と語る会」を開き４０人が参加しました。
　原やすひさ参院和歌山選挙区候補は、和歌山選挙区で民主党が候補者擁立を断念し、維新の会も擁立困難と報じられるなか、文字通りの「自共対決」になっていることを紹介しました。
　また、「いま街頭での反応がどんどん変化している。なんとしても比例で５議席以上、和歌山県からは原やすひさを国会に送ってほしい。いっしょにがんばりましょう」と訴えました。
　同会では「円安、株高で大企業や資産家がもうけているというが、これで庶民のくらしはよくなるのか」「共産党は国の財政をどうするのか。どっからお金を持ってくるのか」「介護を受けていないのに保険料だけがどんどん上がる。どうなっているんだ」など質問が出されました。
　これらの質問に、松坂美知子市議と藤井健太郎前県議が、国民のふところを温めて景気良くするという日本共産党の政策を紹介するなど丁寧に答えました。

党労働者後援会が宣伝／和歌山
　日本共産党和歌山県労働者後援会は２２日に、参議院選挙勝利に向けて地域作戦を実施しました。
　各後援会から７人が参加して紀三井寺団地にハンドマイク隊を繰り出しました。のぼり、プラスターで目に見える宣伝もやりました。県労働者後援会の武内正次代表らが共産党の政策を訴えました。「政治を本当に変えるために、自民党と対決する、日本共産党を大きくしてください」と訴えると通行する車からも声援がありました。

憲法を守ってほしい／坪田候補と青年トーク集会／滋賀
　日本共産党の坪田いくお参院滋賀選挙区候補を迎えた「坪田いくお＆青年トーク」集会（民主青年同盟県委員会など主催)が２３日､草津市で開かれました。坪田氏が参院選挙の争点である景気回復や憲法、原発などについて日本共産党の考えを分かりやすく話し、参加者が日ごろ思っている政治や社会への不満、要求をぶつけました。
　飲食店アルバイトの石黒みずほさん（１８）＝栗東市＝は、フリップに「労働時間が長いうえ、給料が上がらない。みんな疲れきっている。憲法改悪でいろんな権利が奪われるのがこわい」と書き、働きがいのある社会の実現を訴えました。病院に勤務する外科医の女性（３２）＝草津市＝は「生活保護など社会保障を充実する。今の憲法を守る」と日本共産党への期待を書き、医療現場の実態にも触れ「いまの政府が（社会保障削減を）好き勝手してますが、少しでも歯止めをかけている憲法だけは守ってほしい」と語りました。
　坪田氏は青年から出された意見や要望について丁寧にコメントしたうえで、「若い人たちが、未来が見える時代をつくるために参院選挙をたたかいたい。みなさんのご支援をよろしくお願いします」と訴えました。
（Page/Top）
参院選で共産党支援を／かえるネットが宣伝／草津
　滋賀県の「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク（かえるネット）」は２３日、草津市のＪＲ草津駅西口で宣伝し、参院選挙での日本共産党への支援を呼びかけました。かえるネットの会員らは「若者の声を政治に届けるアンケートをやっています」とシールアンケートを呼びかけ、「しんぶん赤旗」号外を配りました。
　アンケートに応じた青年のほとんどが「９条や９６条は変えるべきでない」「橋下大阪市長の『慰安婦発言』は許せない」にシールを貼りました。２１歳の女性は、所得１億円を超えると、大金持ちほど税負担率が減少する不公平税制を知って驚き、「家族７人全員に伝える」と話しました。会社員の男性（３２）＝栗東市＝は「アベノミクスで景気回復の実感はない」と語りました。
　民主青年同盟の佐藤耕平県委員長はマイクを握り、「日本共産党は消費税増税をやめて、所得と仕事を増やす政策を提案しています。ビラをお読みいただいて、参院選挙は日本共産党へのご支持、ご支援をよろしくお願いします」と訴えました。
　宣伝には、日本共産党の黄野瀬明子大津市議も参加しました。

自民政治打ち破ろう／宮本議員・金田参院候補ら訴え／兵庫で党演説会
　参院選・知事選勝利をめざし、兵庫県伊丹市（２１日）と西宮市（２２日）で日本共産党演説会が開かれ、宮本岳志衆院議員と金田峰生参院選挙区候補、「憲法県政の会」の田中耕太郎兵庫県知事候補が、西宮市では井沢孝典参院比例候補が訴えました。
　宮本氏は、自公政権の経済政策を批判し、日本共産党の消費税にたよらない経済対策を示し、支持を訴えました。いじめ問題での国会論戦と歴史問題、平和、憲法をめぐる自共対決を強調し、「今度こそ、日本共産党の躍進で行き詰まった自民党政治を打ち破り、新しい日本を開きましょう」と訴えました。
　金田候補は、ルールある働き方、原発ゼロ・自然エネルギーへの転換、オスプレイ配備撤回を訴えました。
　井沢候補は、弱者の立場に立った政治の実現と比例選挙での奮闘を表明しました。
　田中候補は、地域からの経済再生など県政転換を訴えました。
　伊丹市の男性（６５）は「国民のために政治をどうしたらいいか的確な話で感動しました。なんとしても共産党に勝ってもらいたい」。西宮市の男性（４６）は「いじめ対策法に共産党がなんで反対したのかよくわかった。兵庫にもオスプレイが飛来すると聞いて、低空飛行訓練をやめさせるため、金田さんをぜひ、国会に送りたい」と話していました。
(２０１３年０６月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

奈良市議選来月１４日告示／全員当選へ７候補全力／国保下げへ組み替え動議／買収事件を追及

　奈良市議選（定数３９）は７月１４日の告示（２１日投票）まで３週間を切りました。日本共産党は、同日投票の参院選勝利と、市長選での「明るい革新奈良市政をつくる会」の中村あつ子候補の勝利とともに、現有６議席を１議席増の７人全員当選をめざします。

　党市議団が実施した市民アンケートでは「暮らしは悪くなった」が６６・９％、市政に力を入れてほしいのは「国保料や介護保険料の負担軽減」がトップで５７・８％、次いで「医療・保健の充実」が４２・９％と切実な声が寄せられています。
　党市議団は、議員報酬カットやリニア新幹線駅誘致経費などを国保料軽減の財源にあてるよう提案した予算組み替え動議を提出、市民の願い実現へとがんばりました。
　自民・自民系、公明、民主など共産党以外の会派は、共産党の提案を否決、介護保険料値上げや国保料、保育料の滞納にサラ金なみの延滞金をかける条例に賛成しました。
　また、議長選買収事件や、市税５千万円不納欠損調査の百条調査委員会設置の党市議団の提案にも反対し、不正追及に背を向けました。

住宅改修に助成
　市民のくらし・福祉を守る点でも、不正・腐敗を正す点でも、党市議団の実績は抜群です。１０年前に住宅リフォーム助成制度を要求した際、「考えていない」との答弁でしたが、７年前は「必要性は理解」、３年前には「導入も検討したい」となって、２０１１年に実現しました。
　アンケートには「市民を思って、よく活動している」「これからも不正や腐敗に対し、正々堂々と立ち向かい、改革をすすめてほしい」と期待の声が寄せられています。

他党候補も必死
　すでに選挙戦は激しさを増しています。ある他党候補は、共産党の後援会員宅を訪問、引退する共産党議員の後を「私が引き継ぐことになりました」などと言って、支持を依頼しています。
　政党間の力関係の激変も顕著です。昨年の総選挙で同市で第１党となった「維新の会」は支持率を激減させています。橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言のあと、連名ポスターの橋下氏の部分が切り取られたり、別のポスターで隠すなど、怒りの広がりはとどまる気配がありません。
　市田忠義書記局長、山下よしき書記局長代行を迎え、選挙戦最大の山場と位置づけた１２日の演説会は、第２会場にも参加者が詰めかけ、成功しました。
　これまで政治に関心がなく、知人に誘われて初めて演説会に参加したという女性は「心に残る演説を聞かせてもらいました。共産党のみなさんが好きになりました。できる限り応援しますので、頑張ってください」とエールを送りました。
　演説会の成功と都議選での躍進を力に、党と後援会は、参院選と奈良市長・市議選の三つの選挙での躍進・勝利をなんとしてもと、力強く宣伝や対話・支持拡大に足を踏み出しています。
　◇
　日本共産党は、山口ひろし（４８）、北村たくや（４３）、松岡かつひこ（５８）、井上まさひろ（５９）、山本直子（５３）＝以上現＝、小川正一（５７）、白川ケンタロー（３０）＝以上新＝の７候補を擁立（年齢は投票日翌日）します。
　現時点では市議選に４９人が立候補を準備。参院選と相まって、政党候補が前回の２０人から３４人と激増し、自民公認６・推薦２の８人（前回１）、公明７人（同７）、民主７人（同７）、維新７人が立候補する見通しです。
( ２０１３年０６月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

東京都議選の結果、参議院選挙について／志位委員長の記者会見／一問一答

　東京都議選の開票結果を受け、日本共産党の志位和夫委員長が２３日深夜おこなった記者会見（一問一答）の内容は次のとおりです。

参院選で何を訴えるか――都議選で訴えた政治的主張を発展させていく
　――都議会で野党第１党ということですが、この勢いで参院選に向けてどういうことを訴えますか。
　志位　参院選では、都議選で訴えた国政論での中身が、そのまま訴えの中心点になると考えています。
　経済の問題では、私たちは大企業の内部留保を活用して、国民の所得を増やし、不景気から脱出するという抜本的対案を、アベノミクスに対置して、大いにたたかっていきたい。
　とりわけ消費税増税の実施はストップという主張を大いにやっていきたい。この問題では、自民党が参院選公約の中に大企業にたいする「大胆な減税」を盛り込むという状況がありますから、��庶民に大増税、大企業に大減税のバラマキでいいのか�≠ﾆいうことを大争点にしていきたいと考えています。
　原発の問題では、「原発ゼロの日本」をめざしつつ、再稼働と原発輸出の是非という問題が非常に鋭く問われてくると考えています。再稼働・原発輸出ストップ、「原発ゼロ」と再生可能エネルギーへの大転換を大いに訴えていきたい。
　さらに憲法の問題では、憲法９条を守り生かすという問題とともに、憲法９６条の改定に反対し、立憲主義を守るということも焦点となってきます。日本国憲法を守り生かすという論陣を大いに張っていきたいと考えています。
　この都議選で行った政治的主張を大いに発展させていくという見地で、参院選をたたかいたいと思います。

参院選の勝利には新しい努力が必要――気を引き締めてのぞむ
　――都議選をふまえて、参院選をどうたたかいますか。
　志位　都議選は、いろいろな政党間の組み合わせが選挙区ごとにあるなかで、これだけの議席を得たということがいえるわけですが、参院選の場合は、何といっても全国一区の比例代表が軸になってきます。
　この比例代表で勝つためには、都議選とはまた違った新しい努力が必要だと考えていますので、ここは気を引き締めて新しいたたかいに臨みたいと思っております。
　同時に東京でこういう結果を得たことをふまえて、東京の選挙区をはじめ選挙区でもわが党として風穴を開ける奮闘を大いに意気高くやっていきたいと考えています。
（Page/Top）
都議選躍進の要因――訴えの内容とともに都議団の実績も評価された
　――都議選で躍進した要因についてあらためてお願いします。
　志位　先ほどのべたように、私たちは、都議選で、三つの願いを日本共産党にと訴えてたたかいました。暮らしと景気を良くしてほしいという願い。「原発ゼロの日本」への願い。憲法９条を守り生かすという願い。これを託してほしいという私たちの訴えが、評価されたと考えています。
　同時に私は訴えていまして、日本共産党都議団がこれまで８人だったわけですが、８人でも都政を動かす仕事を、都民のみなさんの運動と結んでいろいろな分野でやってきた。たとえば認可保育園の増設など無数にあります。この実績も評価されたと考えています。
　ですから、そういう期待に応えた奮闘を必ずやっていきたいというふうに思っています。

「自共対決」がいよいよ重要な対決軸になる
　――自公で過半数を取りました。参院選の前哨戦でいずれにしても自公という強い勢力がありますが、そういう状況のなかで共産党としては独自性をどう発揮しますか。民主党は退潮傾向が著しいが、現在の政党状況、「自共対決」の状況はどうなっていくでしょうか。
　志位　自民党に正面から対決し、同時に対決だけではなく抜本的対案を示していく政治姿勢を貫くことがいよいよ大切になります。「自共対決」がいよいよ重要な対決軸になっていくと考えています。
　――橋下徹氏の「慰安婦」発言がどのような影響があったと考えますか。
　志位　都民のみなさんは、厳しい審判を下したのではないかと私は考えています。

参議院選挙にむけての課題は何か
　――今回の結果ですが、参院選に向けての課題はどうでしょうか。
　志位　よく結果の分析をやりたいです。まだ議席の数しか、私たちは見てないのですが、得票がどうなっているか、それもよく見てきちんとした分析を加えてみたいと思っています。
　すぐに参議院選挙が始まります。私たちは、都議選の結果から学ぶべき教訓とともに、いっそうの努力が求められる点もよく引き出して、つぎのたたかいに生かしていく決意です。
( ２０１３年０６月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」暴言／橋下・石原両氏、公職辞任を／大阪・堺市議会が決議

　大阪府堺市議会（定数５２、欠員２）は２４日、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題に関する暴言に「断固抗議」し、橋下市長と、維新共同代表の石原慎太郎衆院議員の公職辞任を求める決議案を公明、維新以外の賛成多数で可決しました。
　決議では、両氏の一連の発言について、「女性を男性の性のはけ口の道具として扱う発言であり、すべての女性の人権を侵害している」と批判。橋下氏の「風俗業活用」発言についても、海兵隊などの「男性が自分の性をコントロールできない」というような間違った考えを助長し、「男性の人権をも侵害している」と指摘しています。
　その上で、一連の発言は、憲法１１条の基本的人権などに抵触し、売春防止法や女子差別撤廃条約などを無視して「人としての尊厳を深く傷つけるもの」であり、これ以上放置すれば日本が「国際社会から信用を失うこととなる」と指摘。「慰安婦」関連発言の撤回・謝罪と両氏の公職辞任を求めています。
　決議案を共同提案したソレイユ堺（１０人。うち議長は採決に加わらず）、日本共産党（８人）、自民党・市民クラブ（７人）の３会派と無所属市議（２人）が採決で賛成。公明党（１２人）と大阪維新の会（１１人）が反対しました。ソレイユ堺には民主党系議員らが所属しています。
( ２０１３年０６月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

24日

週間日誌／１３年６月１６日〜２２日

政治・経済
　◆東欧に原発売り込み　欧州を歴訪した安倍晋三首相は、ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキアの４カ国首脳とポーランドで会談し、原子力分野での協力を盛り込んだ共同声明を発表（１６日）
　◆悪政推進を国際公約　安倍首相は主要国首脳会議（サミット）閉幕を受け、英国で記者会見。「アベノミクス」、消費税増税、社会保障改悪、原発再稼働の推進を言明（１９日）
　◆５月の貿易赤字が過去最大　財務省が発表した５月の貿易統計速報（通関ベース）によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は９９３９億円の赤字。赤字は１１カ月連続。５月としては過去最大（１９日）
　◆大幅円安・ドル高　東京外国為替市場の円相場が、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のバーナンキ議長が量的金融緩和を縮小する方針を示したのを受けて１�j＝９８円１７銭まで急落。午後５時現在は９８円１０〜１０銭と、前日比３円１０銭の大幅円安・ドル高（２０日）
　◆「いじめ防止」法案を強行　自民、公明、民主、維新、みんな、生活が提出していた「いじめ防止対策推進」法案が参院本会議で可決され成立。日本共産党はいじめを厳罰化で押さえ込み、子どもの心をさらにゆがめる問題点を批判し反対（２１日）

社会・国民運動
　◆安愚楽（あぐら）元社長ら逮捕　全国から出資金を集め経営破綻した安愚楽牧場（栃木県、破産手続き中）の旧経営幹部が契約を結ぶ際に事実と異なる説明で顧客を勧誘したとして、警視庁捜査２課は、特定商品預託法違反（不実の告知）容疑で、元社長の三ケ尻久美子容疑者ら３人を逮捕（１８日）
　◆規制委が新基準決定　原子力規制委員会は、原子炉等規制法の改定に伴う、地震・津波対策、重大事故への対策などを求めた新規制基準を決定（１９日）
　◆海近く高濃度汚染水　東京電力は、福島第１原発（福島県大熊町、双葉町）の港湾近くで採取した地下水から、国が定める濃度限度を大きく上回る放射性物質のストロンチウム９０とトリチウムを検出したと発表（１９日）
　◆価格転嫁できず７割　全国商工団体連合会（全商連）は安倍内閣の経済政策（アベノミクス）・急激な円安による中小企業・小規模事業への影響を緊急調査。材料・経費の上昇を「価格に転嫁できていない」が７０・５％（１９日）
　◆「原発やめろ」官邸前行動　首都圏反原発連合（反原連）は首相官邸前などで抗議行動。２０００人が「即時原発ゼロ」「再稼働反対」を唱和。自民党の「再稼働」公約に怒り（２１日）（写真）

国際
　◆イランが他国との信頼強調　イランの次期大統領のロウハニ師が核開発問題で「他国との相互信頼を高める」意向を表明（１７日）
　◆Ｇ８が首脳会議　主要８カ国（Ｇ８）が英国の北アイルランドで首脳会議。内戦の続くシリア問題で平和めざす国際会議の早期開催、多国籍企業の税逃れ対策での連携を確認（１８日）
　◆サンフランシスコ市議会��橋下発言撤回を�＝@大阪市と姉妹都市のサンフランシスコ市議会が、大阪の橋下市長に対し慰安婦制度を必要とした発言の撤回を求めた決議を採択（１８日）
　◆米、核兵器削減の新提案　米国のオバマ大統領が新たな核兵器削減交渉をロシアによびかけ（１９日）
　◆中朝が初の戦略対話　北朝鮮と中国の外務次官が北京で初の戦略対話。北朝鮮側は「交渉を通じて平和的に核問題を解決したい」と表明（１９日）
( ２０１３年０６月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

焦点／「慰安婦」強制連行示す文書／安倍内閣、存在認める／否定派の論拠総崩れ／赤嶺議員への答弁書

　河野洋平官房長官談話（１９９３年）の発表にあたって政府が収集した資料の中に、日本軍による「慰安婦」の強制連行を示す記録があったことが日本共産党の赤嶺政賢衆院議員への答弁書（１８日）で明らかになりました。安倍晋三首相は「強制連行を示す証拠はなかった」などとして、河野談話の見直しを主張していますが、もはや成り立ちません。

道理のなさ
　安倍内閣は２００７年、民主党の辻元清美氏（当時、社民党）への答弁書で、軍の関与と強制性を認めた河野談話を継承するとしながら、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」と書き込みました。０７年の答弁書の狙いが、河野談話が認めた軍の関与と強制性を否定することにあったことは明らかです。
　安倍首相をはじめ日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）ら慰安婦「強制」否定派は、この答弁書を利用して河野談話を攻撃。強制性の範囲を、募集の過程で軍が直接に強制連行していたかどうかに矮小化して、「証拠はなかった」と問題をねじまげてきました。
　しかし、「慰安婦」問題の本質は、本人の意思に反して、慰安所に拘束され無理やり働かされたことにあります。いくら軍が直接に強制連行していないと強弁したところで、騙されたり、脅されたり、人身売買されていれば、とても正当化できるものではありません。
　そして、苦しみの大本となった慰安所は軍によって設置され、慰安所と「慰安婦」は軍により管理されていたのです。軍による強制連行の有無だけで、軍の関与と強制性を認定した河野談話を否定できるものではありません。
　そのうえ、赤嶺議員への答弁書では、これまで安倍首相ら慰安婦「強制」否定派が問題を矮小化したうえで「ない」と主張してきた文書ですら、「あった」ことが明らかになったのです。もはや慰安婦「強制」否定派の根拠は総崩れです。

虚偽性明らか
　政府は河野談話にあたって１９９１年１２月から９３年８月まで関係資料を調査し、関係者からの聞き取りを行い、関係資料は内閣官房外政審議室が文書にまとめています。
　赤嶺氏は、その中に「バタビア臨時軍法会議の記録」が収録されていることを指摘。安倍内閣の答弁書は資料の出典を認め、「ご指摘のような記述がされている」と答えました。
　バタビア臨時軍法会議（スマラン事件）は、日本軍がジャワ島スマランなどでオランダ人女性らを慰安婦として使う計画を立て、その実現に直接・間接に関与したことを明らかにしたものです。「慰安所に連行し、宿泊させ、脅すなどして売春を強要するなどした」などと記されています。
　この事件は、歴史研究者や市民団体など関係者が広く指摘していたもので、自民党有志でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の提言（０７年）でさえ、「（軍や政府による強制連行は）ジャワ島における『スマラン事件』があった」と認めているものです。
　政府は、赤嶺議員の答弁書で初めて、この事実を公式に認めましたが、強制を示す文書を保有していたことを認めた以上、０７年の答弁書の虚偽性は明らかです。安倍内閣はただちに０７年答弁書の誤りを認め、撤回し、戦争犯罪を反省するべきです。
　（佐藤高志）
( ２０１３年０６月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

都議選／共産党倍増１７議席／民主上回り第３党／議案提出権を回復

　参院選の前哨戦として各党が総力をあげ、多党大激戦となった東京都議会議員選挙（定数１２７）は２３日、投開票され、日本共産党は、前回（２００９年）の８人を大きく上回る１７人が当選して都議会第３党に躍進、前回失った議案提出権を回復しました。投票率は、前回を約１１ポイント下回る４３・５０％でした。

　前回、第１党となった民主党は築地市場移転や都立小児病院などの公約違反に厳しい批判を浴び、１５人の当選にとどまり都議会第４党に転落。自民党は５９人で都議会第１党となり、公明党は前回と同じ２３人でした。
　「第三極」をめざした日本維新の会とみんなの党は、維新の橋下徹共同代表の「慰安婦」暴言をきっかけに告示前に選挙協力が崩壊し、支持率も急落。維新は３４人立候補しましたが現有３議席を下回る２人にとどまり、みんなは２０人擁立し７人の当選でした。生活者ネットは３人でした。
　日本共産党は、現有議席の８選挙区すべてを確保。大激戦だった江東区（定数４）で、畔上三和子氏が、足立区（同６）で大島芳江氏がそれぞれ再選を果たし、杉並区（同６）で吉田信夫団長、新宿区（同４）で大山とも子幹事長、八王子市（同５）で清水秀子政調委員長、大田区（同８）で、可知佳代子氏が議席を確保。現職と交代した世田谷区（同８）では里吉ゆみ氏が、板橋区（同５）では徳留道信氏がそれぞれ当選し、党の議席を守りました。
　前回惜敗した選挙区では、定数２の文京区で小竹紘子氏が議席を回復したほか、中野区（定数４）で植木紘二氏、北区（同４）で曽根肇氏、練馬区（同６）で松村友昭氏、江戸川区（同５）で河野百合恵氏がそれぞれ返り咲きました。
　さらに豊島区（定数３）で２５歳の米倉春奈氏が、品川区（同４）で３１歳の白石民男氏がそろって初議席、葛飾区（同４）では和泉尚美氏、北多摩１区（同３）では尾崎あや子氏が初当選しました。
　今回の都議選では２５３人が立候補し、各党とも連日、党幹部や国会議員を投入し、国政選挙なみの選挙戦を展開しました。
　国政では「自共対決」、都政では「オール与党」対日本共産党の対決構図が鮮明になるなか、日本共産党は、４２全選挙区に候補者を擁立し、�@暮らしと景気�A原発ゼロ�B憲法を生かす―の三つのよびかけと攻勢的な論戦を展開しました。

■都議選の党派別当選者数

　　　　　　計　候補者数　改選時　前回当選
共産党　　１７　　　４２　　　８　　　　８
自民党　　５９　　　５９　　３９　　　３８
公明党　　２３　　　２３　　２３　　　２３
民主党　　１５　　　４４　　４３　　　５４
みんな　　　７　　　２０　　　１　　　　―
ネット　　　３　　　　５　　　２　　　　２
維新　　　　２　　　３４　　　３　　　　―
その他　　　０　　　　９　　　０　　　　０
無所属　　　１　　　１７　　　６　　　　２
計　　　１２７　　２５３　１２５　　１２７
　その他は生活、社民、みどりの風、諸派。改選時欠員２
( ２０１３年０６月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

23日

都議選論戦／「オール与党」対日本共産党／構図鮮明／志位さんズバリ

暮らし・原発・憲法、願いは共産党へ

　「こんな『オール与党』政治でいいのか―これこそが都政の大争点だ」｡２３日投票の東京都議選。日本共産党の志位和夫委員長は告示日の１４日､杉並､世田谷､北の３区で都議選の争点を示し､日本共産党の躍進を訴えました。そのポイントを紹介します。

国政では自共対決

　最初に訴えたのが国政での政党対決の構図です。
　４年前の総選挙で荒れ狂ったのが「自民か、民主か」の「二大政党の政権選択」論。今やすっかりすたれました。政権についた民主党は消費税増税などで公約を裏切り、「二大政党｣の体をなしません｡昨年総選挙では、みんなの党や維新の「第三極」がメディアで持ち上げられましたが、結局は「自民党の補完勢力」だと明らかになりました。
　そのなかで、自民党政治と正面から対決し、古い政治を大もとから変える展望を示すのが日本共産党｡｢自共対決｣こそが､真の対決軸です。
　東京都政では、さらにわかりやすい構図です。
　メディアも「オール与党｣と書きます｡猪瀬都政の３月、６月議会を見ても、自民、公明、民主、維新、みんなの各党は、こぞって知事提出の１９０議案に１００％賛成しました。野党の立場で行政をチェックし、抜本的対案を示したのは日本共産党だけです。
　「オール与党政治でいいのか｣が都政の大争点｡｢オール与党｣対日本共産党の正面対決です。
　ところが、選挙になると、自分の党が「オール与党」であることを隠して、「対決ポーズ」をとる政党が続出しています。
　民主党の海江田万里代表などは都議会の「チェック役」を強調し「ダメなものはダメという独立自尊の気概をもった都議会議員が必要」などと演説しました。実際は、民主党は猪瀬知事提案にひとつも「ダメ」と言ったことがありません。にわか��対決ポーズ�≠ﾅ都民を欺くのはフェアな態度ではありません。

　続いて志位氏は、今度の選挙では都民の切実な「三つの願い」を日本共産党に託してほしい、と訴えました。
（Page/Top）
暮らしと景気を良くしてほしい／所得増へ転換します

　第一は、暮らしと景気を良くしてほしいという願いです。
　「朝日」の世論調査でも、安倍政権で「景気回復の実感がない」と答えたのは７８％。「安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びつくと思いますか」という問いにも「結びつく」は３６％、「そうは思わない」が４５％に。「大企業が潤えば、いずれ家計に回ってくる」という安倍晋三首相の言い訳のウソを国民は見抜きつつあります。
　デフレ不況の最大の原因。それは、国民の所得が減り続けていることです。なのに、安倍政権の経済政策、アベノミクスには国民の所得を増やす「矢」は一本もありません。暮らしを壊す「毒矢」ばかりです。
　安倍内閣の「骨太方針」（「経済財政運営の基本方針」、１４日閣議決定）は社会保障を��聖域とはせず�″�減する方針を明記し、生活保護、年金、医療、介護などの切り捨て計画が目白押し。さらに消費税大増税です。
　他方、日本共産党は、大企業がため込んだ２６０兆円もの内部留保を動かし、賃上げや、非正規社員の正社員化、中小企業の下請け単価適正化のために使わせるなど、「国民の暮らし第一の成長戦略」を提案しています。
　志位氏は「消費税増税ストップ、国民の所得を奪う政治から、所得を増やす政策へ転換せよ―。この願いを託してほしい」と呼びかけました。

税金は福祉に
　国の悪政から都民の暮らしを守る「防波堤」となるのが都政の役割です。
　ところが―。認可保育園に申し込んでも入れない子どもが２万１千人。特別養護老人ホームの待機者は４万３千人にも。一方で東京外郭環状道路建設には１�b１億円、総額２兆円もの事業費をつぎ込もうとしています。
　この道路７８０�b分で３万人分の認可保育園が、２・６�`分で２万人分の特養ホームが整備できます。
　「大事な税金を巨大トンネルに使うか、福祉に使うか―どちらを優先すべきかは明らかです」（志位氏）

原発のない日本を／東京から即時ゼロを

　二つ目は、原発ゼロの日本への願いです。
　「収束｣どころか､今なお汚染水処理もできず、｢事故の真っただ中｣にある福島原発｡それなのに､安倍政権は、原発再稼働と輸出を「成長戦略」に位置づけ、暴走を始めています。
　これに対し、日本共産党は、�@「収束宣言」を撤回し、英知を結集して国と東電が責任を持って収束と廃炉、除染と賠償をやりぬく�A再稼働など論外�B日本が「死の灰の商人」となるような原発輸出の中止を―と強く主張しています。志位氏は｢東京から即時原発ゼロ､再生可能エネルギーへの大転換の声を日本共産党の躍進で発信していこう」と呼びかけました。

憲法を守り生かそう／反戦貫く党伸ばして

　三つ目は､憲法を守り､生かそうという願いです。
　改憲勢力の最大のねらいは９条改定。そのために改憲の発議要件を一般の法律なみに緩和しようというのが９６条改定です。これには「憲法が憲法でなくなる」と立場を超えた批判が広がっています。
　さらに、過去の侵略戦争を美化する勢力が改憲派の中枢にいることが矛盾を広げています。
　「植民地支配と侵略」を認めた村山富市首相談話（１９９５年）を見直し、戦後国際政治の共通の土台を覆そうとする安倍首相。｢慰安婦｣問題の暴言を撤回もしない維新の会の橋下徹共同代表。
　志位氏は、「歴史を改ざんする逆流を一掃しよう」「命がけで侵略戦争反対、植民地支配反対を貫いた筋金入りの反戦平和の政党を伸ばしてほしい」と強く訴えました。

調査・提案・論戦力―豊かな実績／共産党躍進で都政は変わる

　現在８人の日本共産党都議団。調査・提案・論戦力と三拍子そろったチームで、豊かな実績があります。
　たとえば、認可保育園増設でも､実態を調査し､利用可能な国有地や都有地まで調べて論戦。都民の運動と一体になって４年間で２万４０００人分の増設を実現しました。
　志位氏は心をこめて訴えました｡｢日本共産党を伸ばせば、必ず都政は変わる。東京が変われば、日本も変わる。躍進を勝ち取らせてほしい」。聴衆から大きな拍手が起こりました。

　演説詳報は「赤旗」日刊紙１５日付、日本共産党のホームページに掲載されています。
(２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

都議選論戦／各党幹部ごまかしと弁明／アベノミクス／「オール与党」隠し

　２３日投票の東京都議選。告示後の党幹部の発言から見えてきた論戦の特徴をみると―。

アベノミクス／自民・首相演説なく実績語れず／公明・庶民直撃の物価高ふれず

　各党が参院選に大きな影響を与えるとして国政選挙並みに位置付ける都議選｡そのなかで､自民党総裁の安倍晋三首相は、都議候補の要請もあったのに第一声に立たないまま欧州歴訪に。告示までの都議選応援で「アベノミクス」を大宣伝していただけに��音なし�≠ｪ際立ちました。

自民
　安倍氏に代わって池袋駅前での第一声に立った自民党の石破茂幹事長も、「アベノミクス」の「ア」の字も語りませんでした。
　いま、そのアベノミクスに、国民の期待が冷め始めています。
　第一の矢の「異次元の金融緩和」で、株価や長期金利などが乱高下。円安で、庶民や中小企業は原材料、燃油高騰などで苦しんでいます。「アベノミクスの本丸」と位置付けた「成長戦略」にも国民の所得を増やす具体策はゼロ。国民には良くなった実感はまるでなく、期待もしぼみ始めました。
　国民の不満、批判のなかで、石破氏は、「雇用を拡大し、所得を増やす」などと弁明しましたが、具体策はなし。今後、国民を襲う消費税増税や社会保障切り捨てなどにもいっさいダンマリを決め込んでいます。自民党は参院選ポスターで「実感を、その手に」などと宣伝しますが、アベノミクスの��実感のなさ�≠ｪ逆に際立ちます。

公明
　同じ与党の公明党・山口那津男代表も消費税増税などは語らず、アベノミクスで金融緩和、財政出動、成長戦略の「３本の柱となる経済政策を打ち出した」と胸を張りました(１４日、中目黒駅前)。すでにアベノミクスの被害が現実に広がっていることには触れませんでした。

「オール与党」隠し／民主・公約破りの予算にも賛成／みんな・１人だと反対できない？／維新・党首は前知事、説得力なし

　都議選論戦の大焦点に浮上してきたのが、都議会は「オール与党」政治でいいのか―という問題です。
　都議会では、猪瀬都政になって初の３月議会と次の６月議会で、自民、公明、民主、「維新」、みんなの党がそろって知事提案の１９０議案に１００％賛成しました（表）。いずれもれっきとした「オール与党」の一員です。
　ところが、都議選では一転、民主党、「みんな」、「維新」が「オール与党批判」を始めたのです。
（Page/Top）
民主
　民主党の海江田万里代表は「知事が暴走したら誰が止めるのか。都議会が止めなければいけない」（１４日）、「賛成だけでは都議会のチェック機能は果たせない」（１５日）などと宣伝しました。同党は、都議選の法定ビラ「東京民主党２０１３マニフェスト」でも、都政の「理不尽をただす」と大きく掲げました。
　しかし、これは前述したようにまったく事実に反します。しかも民主党は「オール与党」の一員であるだけでなく、４年前の都議選で公約したことさえ裏切りました。
　築地市場の豊洲移転や都立３小児病院つぶしに反対するというのが公約でした。
　しかし、選挙後数カ月の１２月議会で、都立小児病院廃止容認の立場に変節。翌年３月議会では築地市場移転経費を盛り込んだ予算にも賛成して公約を投げすてました。これこそまさに「理不尽」です。過去を隠して「チェック役」と言ってみても説得力はありません。

みんな
　みんなの党の渡辺喜美代表は、新宿駅前の第一声で「民主党も維新の会も、いま『オール与党』状態」と批判｡｢そんな都議会に無駄遣いが改革できるのか。みんなの党は徹底して改革のメスを入れていく｣とアピールしました｡
　しかし、記者から同党都議も「オール与党」の一員だったことを指摘されると、「みんなの党は１人しかいませんからね。何人かで会派をつくるようになれば、提案型政治を展開していく」などと��弁明�≠ｵました。「１人だから反対できない」などということは何の理由にもなりません。

維新
　「維新」もにわか「対決」ポーズです。北区の現職候補(１期)は「都議会はオール与党体制」と批判しています。(１６日)
　石原代表も渋谷駅前の第一声で、「自民党でも公明党でも民主党でもない。新しい発想を持った政治家を」とアピールしました｡しかし､前知事として都政の｢オール与党｣体制の真ん中にいたのは石原氏自身です。福祉切り捨て・大型開発優先という古い「自民党政治」を推進したのも石原氏です。
　もう一人の維新共同代表である橋下徹大阪市長｡１６日､板橋区で応援演説に立ちましたが、日本軍「慰安婦」暴言について「自分が言っていることは間違っているとは思わない｣と居直りました｡
　通りがかった男性からは「日本の恥だ」という声がとびました。「維新」が「慰安婦」問題や日本の侵略戦争に反省もできない、もっとも「古い政党」であることが浮き彫りになっています。

違いクッキリ 共産党と｢オール与党｣
　　　　　　　　　　　　　　　　　日本共産党　｢オール与党｣自民･公明･民主･維新･みんな
猪瀬都政への態度
大型開発優先の２０１３年度予算　　　　反対　　　　賛成
築地市場移転予算　　　　　　　　　反対　　　　賛成

都民の願いには
認可保育園増設などを求める請願　　賛成　　　　反対
３０人以下学級の実現を求める請願　賛成　　　　反対
都立３小児病院の存続を求める陳情　賛成　　　　反対
　(注)小児病院存続の陳情の当時は､維新､みんなの会派は発足前
(２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

自民悪政転換へ共産党大きく／山下書記局長代行、演説会で訴え／和歌山・新宮／大阪・枚方

　１０日余に迫った参院選で自身を含む比例５議席絶対獲得をと、日本共産党の山下よしき書記局長代行・参院議員は２２日、和歌山入りし、県南部を分刻みで行動、白浜、串本、那智勝浦各町で関係者と懇談・要望を聞き取り、新宮市で演説会に臨みました。前日の２１日は国会から大阪に戻り、夜、枚方市の演説会で訴えました。

原候補と／和歌山・新宮
　和歌山県新宮市では、原やすひさ選挙区候補とともに訴えました。演説会には一昨年、台風で大きな被害を受けた那智勝浦町など東牟婁（むろ）郡からも参加者が詰めかけ会場はいっぱいに。新宮市長、那智勝浦町長、太地町長からメッセージが寄せられ、紹介されました。
　山下氏は、「アベノミクスの��３本の矢�≠ﾉは、国民の所得をふやす矢は一本もない。雇用破壊や社会保障大改悪と消費税増税をセットでやろうという５本の毒矢だと指摘。賃上げと雇用の安定こそ大事です」と党の政策を語りました。
　旧古座町（現串本町）で住民が原発計画を撤回させた歴史に触れ、「原発をなくす道にすすむのが福島原発事故を経験した私たちの道です」とのべて、再稼働をさらに推進し輸出にも躍起になる安倍政権を批判。「いま、アメリカいいなり、財界中心、歴史逆行の三つのゆがみを抱え根本から腐りきっている古い自民党型政治から抜け出す転換点です」とのべて、そのための日本共産党の役割を詳しく解明しました。
　原候補は「紀伊半島をよみがえらせるには農林水産業を興していかなければならない。農業、林業を切り捨ててきたのはこれまでの政治。若い人たちを支援する国づくりをやらせてほしい」と決意を語りました。
　串本町から参加した北地綾子さん（６６）は「共産党にもっと大きくなってほしい。若い人に選挙に行ってと訴えたい」と話しました。

たつみ候補と／大阪・枚方
　大阪府枚方市では、たつみコータロー参院選挙区候補とともに訴えました。
　山下氏は、原発再稼働と輸出の中止、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）反対、憲法改悪を許さず憲法を生かす、歴史認識の逆行を許さない、など参院選の争点をあげて解明。「どんな問題でも国民の立場から安倍自公政権の暴走に真正面から立ち向かい、抜本的対案を示して現実政治を動かしているのは日本共産党だけ、��自共対決�≠ｪ参院選の本当の対決軸だ」と強調しました。
　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言を批判し、「橋下市長は辞職すべきで、『維新の会』も政治に参加する資格がない」と述べました。
　たつみ候補は、原発事故後すぐに福島から大阪に避難してきた若いお母さんの話を紹介し、安倍内閣の原発再稼働、原発輸出を批判。「くらし、平和、日本の進路がかかった大事な参院選。若者を使い捨て、高齢者や障害者をいじめて、戦争する国づくりをすすめる自民党政治にストップをかけることができるのは日本共産党」と力を込めました。
　演説会に初めて参加した同市の女性（７２）は「危険な原発を海外に売り込むなんてもってのほか。共産党にがんばってほしい」と述べました。
(２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

社会リポート／旧日本軍司令部など地下壕跡／大量の避妊具出土／周辺に軍専用の「慰安所」／沖縄

　県民の４分の１が犠牲になった沖縄戦（１９４５年３月２０日から組織的戦闘が終結した６月２３日）を主導した陸軍沖縄守備隊の３２軍司令部地下壕(ごう)跡(南風原町＝はえばるちょう＝当時は村）などから、避妊具が大量に出土していることが本紙の取材でわかりました。こうした例は全国的にも初めてです。司令部壕などの周辺には日本軍専用の｢慰安所｣がありました。

南風原町が発掘
　「うむ、これは」
　２００５年１２月から０９年５月にかけて行われた同町津嘉山地区に広がる３２軍司令部地下壕など旧軍施設の発掘調査を担当した南風原文化センターの学芸員、上地克哉さんは土中から姿を現した遺物に思わずつぶやきました。「避妊具（コンドーム）だ」
　泥にまみれ、戦時中の米軍の火炎放射攻撃で焼かれ、すすだらけになりながら、かろうじて原形をとどめていたのです。１１本の壕跡から１２７個が出土しました。
　今年３月発行の『南風原町史９巻』は、「コンドームは医薬品と共伴して出土している。その出土状況はひとかたまりになっていることから、他の医薬品と同様、木箱に梱包（こんぽう）された状態で壕内に保管されていたと思われる」と記録、軍の支給品と見ています。
　発掘作業は、沖縄県による国道５０７号改良工事、南風原町による土地区画整理事業にともなう埋蔵文化財発掘調査でした。
　同町には３２軍司令部壕など多数の旧軍施設があり、沖縄戦では住民の４割（３５０５人）が地上戦に巻き込まれるなどで戦死した「戦場の村」です。
　町は１９９０年に沖縄戦の悲惨な歴史を後世に伝えるとして南風原陸軍病院壕を全国初の戦争遺跡「文化財」に指定しています。
　これら旧軍施設の周辺には３カ所の日本軍「慰安所」の存在も確認されています。慰安所は「旧日本軍直属の管理売春施設のこと」（沖縄大百科事典）。
　町教育委員会の呼びかけによる南風原町沖縄戦戦災調査(８８年)の報告書「津嘉山が語る沖縄戦」には慰安所の影響についてこう記しています。
　「日曜日にもなると東花城の門まで兵隊が並んでいたという。使い捨てられたサック（避妊具）を付近の子どもたちが膨らませて風船遊びをしていたため、字の役員がかけあってサックの処理をきちっとさせたこともあった」

歪曲許されない
　日本軍「慰安婦」をめぐっては安倍晋三首相、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会などが歴史的事実の歪曲（わいきょく）発言を繰り返しています。国内外からは「日本政府と軍が慰安所を設置・関与した非人道的な事実が問題」と厳しい批判が集まっています。
　前出の上地さんは「（避妊具出土は）町と住民のこれまでの戦災調査で想定されていたが、司令部などの軍施設からの出土は全国でもめずらしく、軍による慰安所管理の一体性が確認できる貴重な資料だ。多くの県民の命が奪われた沖縄戦の事実を歪曲し、無かったものにすることは許されない」と話します。
　避妊具などの出土品を記録した発掘調査報告書は同町教育委員会が公表しています。
　（山本眞直)

第３２軍司令部津嘉山壕群
　日本軍は１９４４年３月に編成された沖縄守備隊である第３２軍司令部を那覇市内の養蚕試験場に建設を予定。しかし米軍の上陸が確実とし沖縄本島の要塞（ようさい）化、南風原村の津嘉山一帯の地下に司令部壕の建設を決定。糸満など県南部の住民を徴用、総延長１・５�`から２�`もの県内最大級の手掘り壕群を完成させました。しかし同年１０月の大空襲で司令部中枢を首里に移動させ、経理部など後方作戦で重要な各種部隊を配備しました。
( ２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

学者・研究者、共産党に期待します／安斎育郎さん／池上幸江さん／萩原伸次郎さん／宮地正人さん

　学者、研究者から日本共産党への期待が寄せられています。全国学者・研究者日本共産党後援会発行のパンフレット『日本共産党とともに　憲法を生かし、政治を変える』から紹介します。

「原発ゼロ」への道を選び取ることが必要／立命館大学名誉教授安斎育郎さん
　福島原発事故以来、４００回近い講演活動にとりくんだ。しかし、人々の多くが放射線の影響に関心を示しながら、なぜこの国が５４基もの原発を抱え込むことになったのかについて、その背景にあった日米関係や日本の政治・経済のあり方にはあまり関心をもっていないことに危機感を感じた。放射線を怖がっているだけでは原発はなくならない。
　この国に原発が増えた背景には、�@日本のエネルギー生産をアメリカ依存型にするアメリカの対日エネルギー戦略�Aそれを受け入れた日本政府�B政府と結託した電力資本�C原発を認可した官僚機構�Dそれに従属した「御用学者」�Eそのようにして作られた「安全神話」を垂れ流したマスコミ�F補助金ほしさに原発誘致にのめり込んだ地方自治体�G地縁・血縁のしがらみの中で原発推進組織に巻き込まれた一部の人々�H政府に対するチェック機能を果たせなかった司法の実態など、「国民総動員原発推進翼賛体制」があった。いわゆる「専門家」も、相互批判力のない排他的で独善的な原発促進体制に巻き込まれた。
　そうした構造的欠陥を変えずに、再稼働や輸出などあり得ないし、今後、数千世代にわたって放射性廃棄物を「負の遺産」として残す原発は計画的に廃絶する以外にはない。そのためには、直ちに｢原発ゼロ｣の方向を見定め、速やかに原発廃絶への道を歩み出さなければならない。
　そしてそのためには、主権者が主体的に「原発ゼロ」の道を選び取ることが不可欠であり、原発利権に敢然と対抗できる日本共産党を国政の場に送り込むことが重要だ。

国民の一人ひとりが大事にされる政治に／大妻女子大学名誉教授池上幸江さん
　私の父は終戦のときソ連軍の捕虜でしたから、近所では餓死する人もいる中で、幼い子どもを抱えた母の苦労は並大抵ではありませんでした。私の「戦争はご免だ」という気持ちの原点はここにあります。
　意見の違いは、相互理解を深めるための地道な努力で克服すべきです。これは戦争だけの問題ではありません。今の日本では、高齢者、身体障害者、若者、女性などの弱い立場の人々の声に聞く耳持たない政治家や財界が思いのままに国を動かしています。社会の底辺に生きる人々は希望を失い、その日の生活にも事欠く状態に追いやられつつあります。
　今のままでは、平和憲法の維持も難しくなりそうです。多くの国民は平和憲法維持を願っているにもかかわらず、自公政権は９６条改定などの姑息な手段を使おうとしています。アメリカいいなりの姿勢はますます露骨となり、沖縄などの基地､ＴＰＰ(環太平洋連携協定)批准など､国民の生活や権利がアメリカの支配下におかれます。アジアの国々との平和には無神経な政府や支援勢力は、今や世界からの批判に包囲されています。
　若者が希望をもって将来設計が描ける国、子どもや高齢者、身体障害者が安心して暮らせる国、国民の生活を支える農業や漁業の確立などを願う国民の声が届き、国民の一人一人が大事にされる政治こそ、今求められているのではないでしょうか。権利をもたない人々の声に応える政党は今や日本共産党しかありません。きたる政治戦は現在の日本の状態を変える大事な選挙です。真剣に考えてみませんか。

国民利益なきＴＰＰもはや共産党が頼り／横浜国立大学名誉教授萩原伸次郎さん
　安倍晋三首相は、２０１３年３月１５日に、日本がＴＰＰ（環太平洋連携協定）交渉に参加すると表明しました。言うまでもなく、自由民主党は、昨年の衆議院解散・総選挙で、「聖域なき関税撤廃のＴＰＰ参加に反対する」と公約して圧勝したわけですから、明確に公約違反です。
　しかも、そのほか、自由貿易の理念に反する自動車などの工業製品の数値目標は受け入れない、国民皆保険制度は守るなど、ＴＰＰ協定に関わる重要な５項目も付け加え総選挙に勝利したのですから、先の安倍首相の参加表明は、明確に国民をばかにした行為と言わざるをえません。
　そもそも、このＴＰＰ参加問題は、２０１０年１０月１日、当時民主党の菅直人首相によって、「第３の開国」と言うふれこみで日本の参加交渉を進めようとしましたが、国民の大反対によって民主党内が大分裂し、結局、昨年の総選挙で惨敗したわけです。
　ＴＰＰは、日米財界の多国籍企業の利益を考えて創りだされた貿易協定ですから、多くの国民にとっては何の利益もありません。事実そうしたことが明らかにならないように、交渉は秘密裏に進められていますが、ＴＰＰとは「すべての関税の撤廃が原則」なのです。
　自民・民主の両党が大多数の国民の利益を無視し、多くの国民からそっぽを向かれつつあり、維新の会の橋下徹氏の無責任極まりない発言等を聞いていると、もはや日本共産党をおいて他に頼れる政党はないというのが現状です。きたる政治戦での大躍進を期待したいものです。

憲法改悪とたたかい東アジア平和実現を／東京大学名誉教授宮地正人さん
　毎日、新聞を開くたびに暗い気持ちになるのは私だけではないだろう。これほどまでに、日本国憲法を守り、この憲法を拠りどころとして２１世紀の日本と東アジア世界をつくっていこうとする政党が乏しいのか。
　現在、憲法改悪を主張している人々と政党は、満州事変以降の戦争を侵略戦争ではないと主張し、その侵略性と表裏一体の形で形成されていった軍管理下の従軍慰安婦制度の存在を否定する人々と政党なのである。彼等が日本国民に思いこませたがっている常識なるものは、抗日戦争とその勝利を国民統合の最大の根拠としている中国のみならず、朝鮮半島の二つの国家やベトナムも含めた東アジアの人々の共通の非常識なのである。
　侵略戦争との認識とその非人道性への率直な承認こそが、２１世紀の日本と東アジアの平和と安定への第一の前提なのである。この前提なしの、いかなる小手先の試みも決してなんらの成果も生み出さないどころか、日本側に確実な根拠があり、正当性をもつどのような主張も実現させることは不可能となるだろう。むしろ憲法改悪の動きが強まれば強まるほど、この根拠と正当性は感情的にはねのけられていく。
　侵略戦争に反対した唯一の政党として、日本共産党は日本人の名誉と品性を救った。今日の一時的政治反動の時期をはねのけ、２１世紀の核の脅威と恐怖のない東アジアの非核平和の実現に向け、憲法改悪に正面からたたかっている日本共産党の大きな前進を心から期待している。
( ２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下・石原両氏「関係改善」アピール

　亀裂が表面化していた日本維新の会の橋下徹（大阪市長）、石原慎太郎両共同代表は２２日、東京都議選の応援でそろって街頭に立ち、「関係回復」をアピールしました。
　両代表は、豊島区・池袋駅東口の街頭演説で宣伝カーに上がりツーショットを披露。山田宏衆院議員に促され握手を交わし、「一致結束」を演出しました。
　演説で石原氏は「橋下君は舌禍事件を起こしたけど、東京のほうに申し訳ないとメールを送ってくれた。気持ちは収まった」と述べました。
　両代表は、橋下氏について石原氏がインタビューで「終わったね、この人」と語るなど亀裂が表面化していましたが、橋下氏が日本軍「慰安婦」をめぐる一連の発言で「戦況を苦しくしてしまった」と謝罪メールを都議選や参院選候補者に送信。石原氏にも電話でメール送信を伝え、事態の沈静化を図っていました。
( ２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

他党の動き／維新、自民公約賛成

　日本維新の会の橋下徹共同代表は２２日、東京都議選の応援のために都内５カ所で街頭演説に立ちました。
　橋下氏は冒頭、日本軍「慰安婦」は必要だったとした発言について「正当化したこともなければ、いま必要だなんてこと一言もいってない」と開き直り。「自民党の政治家だっていろんな（正当化する）ことを言っていた」と矛先を自民党に向けました。
　自民党の参院選公約に対しては「全部、賛成です」としながら、それを実現するためには「農協（ＪＡ）の大改革」「混合診療の解禁」「カジノの解禁」をやらざるを得ないと主張。「憲法も変えなきゃいけない。自民党は隠し玉選挙。耳当たりのいい目標しか書いていない。維新の会こそ改革ができる」と訴えました。
　豊島区・池袋駅では石原慎太郎共同代表も演説。持論である憲法廃棄を訴えました。
( ２０１３年０６月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

22日

泉佐野市政よくする市民連絡会が発足

　維新の会の政治手法で暴走する泉佐野市の千代松大耕市政をただし、市政をよくする市民運動をすすめようとこのほど、「泉佐野市政をよくする市民連絡会」が発足しました。発足に先立ち「泉佐野市政について語るつどい」が開かれ、１２０人が参加しました。
　「つどい」では千代松市長が強行してきた学力テストの学校別成績の公表や公立小・中学校での来賓も含めた「日の丸・君が代」起立斉唱強制、９月にも条例化を狙う教育行政基本条例の動きなどを語りあいました。
　大阪教育文化センターの山口隆事務局次長が講演し、「慰安婦」問題で暴言を吐き、八尾空港に米軍オスプレイ訓練受け入れを提案した橋下徹大阪市長や維新の会には教育を語る資格はないと批判。維新の会の「教育改革」は競争と管理統制を持ち込む政治介入そのもので、安倍首相が執念を燃やす改正教育基本法の具体化としての「戦争に協力する人づくり」と方向は同じだと指摘しました。
　維新のたくらみは、道理に立った市民の草の根の力で押し返すことができると述べました。
　日本共産党市議や労働組合の代表、市民らが、学力テスト結果公表による学校現場での混乱や来年度から幼保一元化（こども園構想）を強行しようとしている実態などを報告。子どもと教育を守るために奮闘する決意を語りました。
(２０１３年０６月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

まど／避難者、怒りのメール

　「原発事故により苦労している人が、いまなおいるのに、この発言は腹立たしい。私の周りでは、爆発しています」―。
　○…自民党の高市早苗政調会長が１７日、神戸市でおこなった「原発事故で死亡者は出ていない」との発言に、福島から２人の娘さんと東京に避難している女性(４１)の怒りのメールです。震災後、避難生活で亡くなった震災関連死が１４００人を超え、ふるさとを追われた１５万人もの人たちの悲しみや苦労をどう考えているのか。政権党幹部の資質を疑わせるものです。
　○…高市氏は、１８日になって、「趣旨が取り違えられて報道された」。「慰安婦」発言で、国内外の批判をあびた「日本維新の会」の橋下徹共同代表同様、マスコミのせいにしました。自民党福島県連も抗議文を提出するなか、１９日には、「発言を撤回し、自身の進退については安倍総裁に任せる」と言い出しました。
　○…ところが、高市発言の核心は「安全性を最大限確保しながら活用するしかない」と原発再稼働を目指すことでした。安倍首相の対応は、発言に注意し、職務に専念するよう指示しただけ。幕引きを図り、問題発言を擁護したわけです。原発被害者をよそに再稼働に前のめりの安倍政権の姿勢を浮き彫りにしました。
　（忠）
( ２０１３年０６月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長の「慰安婦」暴言／山下明子さんに聞く／法律家としての立場疑う／発言自体が拷問と同じ

アムネスティ・インターナショナル日本／政府の謝罪ない問題が背景に
　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言は国内外から大きな批判をあびています。アムネスティ・インターナショナル日本で「慰安婦」問題チームコーディネーター（調整役）を務める山下明子さんに聞きました。
　（京都府・稲次かなめ）

　橋下市長が、旧日本軍「慰安婦」制度に関してのべた「（戦場では）慰安婦制度は必要だということは誰だってわかる」との発言は、公人としてあるまじき発言です。裁判で認定されている強制性の事実をも否定する態度も法律家としての立場を疑います。
　戦時下におけるレイプや性奴隷制、強制買春は、当時の日本政府が批准していた国際条約（１９２５年批准）に照らしても、日本の刑法に照らしても犯罪で、重大な人権侵害です。ですから、米下院議会や欧州議会、国際機関が、人権を著しく侵害した犯罪行為であり、日本が責任を認め、謝罪することをこれまでにも繰り返し求めているのです。５月に出された国連拷問禁止委員会の勧告は、橋下氏の発言を念頭に「政府や公人による事実の否定、元慰安婦を傷つけようとする試みに反論するよう」日本政府に求めています。
　しかし、なお、発言撤回、謝罪の求めにも応じずに開き直り、「慰安婦」被害女性の気持ちを理解しない態度に憤りを覚えます。被害女性の多くが、心的外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）を抱えて生きておられます。その傷に塩をぬるようなもので、発言自体が拷問と同じなのです。
　橋下氏の発言の背景には、日本政府が、いまだに正式に謝罪していない問題があります。被害女性の高齢化が進むなか、一刻も早く被害者の納得のいく解決が求められます。
　そのためにも、政府に早期解決を求める働きかけを強めることが重要だと思います。
　私の住む京都では、党派を超えて市民や市民団体、労組などでつくる懇談会が働きかけ、府議会が、民主党、共産党、公明党の３会派の賛成で元「慰安婦」被害者に謝罪し、賠償を求める意見書を可決（３月２６日）しました。都道府県議会レベルでは初めてで、府内６市議会に続くものです。被害当事者や支援者から、勇気づけられたと歓迎するお便りが届いています。現在、京都市議会での意見書可決をめざして各会派に働きかけています。
　５月２８日には、「維新の会」系の１人を除くすべての会派の議員が賛成し、橋下発言の撤回と謝罪を求める決議が上がりました。
　国際社会に見識を示すためにも、京都市で意見書が可決されることを願います。

アムネスティ・インターナショナル
　誰もが紛争や貧困、拷問、差別などの人権侵害で苦しむことのない世界の実現をめざし活動する世界最大の人権ＮＧＯ。アムネスティ日本は、アムネスティ・インターナショナルの日本支部として、１９７０年、東京に設立されました。
( ２０１３年０６月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

上院も「慰安婦」決議採択／米ニュージャージー州

　【ワシントン＝山崎伸治】米東部ニュージャージー州議会の上院（定数４０）は２０日、旧日本軍の「慰安婦」問題について、元「慰安婦」の人たちを支持し、日本政府にその「歴史的責任」を認めるよう求める決議を全会一致で採択しました。
　「慰安婦」に関する決議は３月に同議会下院で採決されており、ニューヨーク州議会とともに上下両院での採択となりました。
　決議は「慰安婦」について「強制的に拉致された者」があったと明記。総数がおよそ２０万人で、その４分の３が「慰安婦」として受けた蛮行で死亡し、生存者の多くも日本政府から自分たちの苦難を認められないまま亡くなりつつあると批判しています。
　その上で「慰安婦が自分たちの耐え抜いた苦難を日本政府に認めさせようとたたかっていることを称賛し、支持する」と表明。日本政府に対し「慰安婦」制度に関する「歴史的責任」を認め、「この犯罪について将来の世代を教育する」よう求めています。
　決議案は上下両院で別個に提出され、先に下院で採択されたことを受け、同決議を上院も審議。提出者のジョンソン、ワグナー両下院議員の選挙区であるバーゲン郡は２カ所に「慰安婦」の記念碑が設置されています。
( ２０１３年０６月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

21日

橋下発言に抗議決議／京都・向日市議会が可決

　２０日閉会した京都府の向日市議会（定数２０）で、橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の「従軍慰安婦」に関する一連の発言に抗議する決議が賛成多数で可決されました。
　決議は、日本共産党議員が提出し、日本共産党の６人をはじめ１３人が賛成しました。
　すべての市民の人権を擁護する市の議会として、発言に対し、「厳重に抗議する」としています。
(２０１３年０６月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言謝罪・辞任求める／大阪労働者党後援会が宣伝／山本比例候補・たつみ選挙区候補ら訴え／府庁前

　大阪労働者日本共産党後援会は２０日、「慰安婦」問題などで暴言を繰り返し、撤回・謝罪もなしで開き直る橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）と擁護する松井一郎府知事（同幹事長）は許さないと、大阪市中央区の府庁前で早朝宣伝をくり広げました。
　梅雨前線と台風の影響で大雨が続くなか、５０人が府庁前を埋め、元気よく声をかけながらビラ１５０枚を配りました。
　日本共産党の山本陽子参院比例候補、たつみコータロー選挙区候補が参加。党府議団も勢ぞろいしました。
　たつみ候補は、橋下市長や松井知事の「慰安婦」暴言、八尾空港への米軍オスプレイ訓練の受け入れ提案に府民はもとより国内外から批判の声が上がっていると告発。府民の良識を発揮し、謝罪と辞任を求め、徹底的に追撃していこうと力を込め、「参院選で安倍政権とそれを支える維新の会と正面からたたかう日本共産党を躍進させてください」と支持を訴えました。
　山本候補は「大阪の女性弁護士１０２人が橋下市長の暴言撤回を求めるアピールを出しました。女性の人権をじゅうりんする橋下氏を事実上擁護するのが安倍内閣。日本共産党を伸ばしてください」と呼びかけました。
　川辺和宏後援会代表委員（大阪労連議長）は「橋下市長は『慰安婦』の発言に国際的な批判が上がっているなか、発言撤回も謝罪もしていません。橋下市長に政治をする資格はありません」とのべ、辞任を迫りました。
(２０１３年０６月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴言撤回を／北九州市議会／静岡・焼津市議会

北九州市議会
　北九州市議会は１９日、「橋下徹大阪市長の『慰安婦制度は必要』の発言の撤回と謝罪を求める決議」を賛成多数で可決しました。
　決議は、橋下大阪市長の「慰安婦制度は必要」との発言について、「女性をはじめ多くの人々の人格を否定し、人権を侵害するものであり、到底許されるものではない」と批判。「政治家としての資格が問われるもの」としています。
　決議に反対したのは、日本維新の会の３人などです。

静岡・焼津市議会
　静岡県焼津市議会は１９日、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の暴言に抗議し、謝罪と撤回を求める決議を全会一致で可決しました。日本共産党の片野伸男、深田百合子の両市議が提案したもので、同様の決議は県内で初めてです。
　決議は、橋下氏の「慰安婦制度は必要だった」との発言に、国内外から大きな批判の声がおきていると指摘し、国際社会における日本の信用を失墜させるものだと強く抗議、発言の撤回と謝罪を求めています。
( ２０１３年０６月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」発言撤回を／全会一致で決議／大阪市の姉妹都市、米サンフランシスコ市議会

　【ワシントン＝山崎伸治】「慰安婦制度は必要だ」などとする橋下徹・大阪市長（日本維新の会共同代表）の発言について、同市の姉妹都市、米サンフランシスコ市議会（定数１１人）は１８日、橋下氏に発言の撤回を求めることなどを盛り込んだ決議案を全会一致で採択しました。
　７人の議員が共同提案した同決議は、橋下氏が５月１３日に行った発言で「世界を驚かせ」、同１９日にも「慰安婦」が強制的な「性的奴隷」だった事実を否定したと指摘し、中国や米国をはじめ世界中から非難されたと明記。同２７日の外国特派員協会での講演で「日本だけが非難されている」と述べ、再度、強制の事実を否定したと批判しています。
　その上で、�@橋下氏の態度・発言を強く非難する�A日本の国会が戦時中の残虐行為を公式に認める法律を採択するよう、オバマ米大統領と米議会が日本側に働き掛ける�Bサンフランシスコのリー市長が姉妹都市の市長として、この決議を橋下氏と大阪市議会に届ける―ことなどを決議するとしています。
　橋下氏は６月１１日からサンフランシスコを訪問の予定でしたが、発言に対する批判の強まりから中止。決議案は同日、市議会に提案されていました。
( ２０１３年０６月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

20日

橋下「慰安婦」暴言／宮城県内女性議員「即刻辞任を」／党派超え要求

　橋下徹大阪市長の旧日本軍「慰安婦」をめぐる発言に対して、宮城県内の超党派の女性議員４３人は１９日、強く抗議し、発言の撤回と謝罪を求める声明を出しました。
　記者会見には日本共産党の遠藤いく子、天下みゆき両県議、ふるくぼ和子仙台市議、民主党の遊佐美由紀県議、社民党の樋口典子仙台市議が出席し、経過と趣旨を説明しました。
　５月３１日に国連拷問禁止委員会で勧告が出されましたが、橋下氏がいまだに発言の撤回も謝罪もしていないことから、党派を超えた県内の女性議員６８人に呼びかけたもの。共産、自民、民主、公明、社民、無所属の女性議員４３人（１９日現在）から賛同が寄せられたと報告。「橋下氏は女性の敵だ。人間として許せない。一刻も早く市長辞任を」「抗議の思いを伝えたいと思っていた」などのメッセージも寄せられています。
( ２０１３年０６月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言への国連機関勧告／安倍内閣「従わない」／紙議員に答弁書

　安倍内閣は１８日、日本共産党の紙智子参院議員が提出した質問主意書に対する答弁書で、日本軍「慰安婦」問題での橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の暴言をめぐり国連機関が日本政府に行った勧告について「勧告に従うことを義務付けているものではない」とし、対応する考えがないことを明らかにしました。
　答弁書は、内閣官房で保管している日本軍「慰安婦」問題に関係する文書（１９９３〜９９年度）が５９件あることを明らかにした上で、「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする２００７年の第１次安倍内閣の認識を繰り返しました。
　日本軍の「戦争犯罪」を立証した東京裁判（極東国際軍事裁判）関係文書について法務省が内閣官房に提出していないことについて答弁書は「当時の状況が明らかでないため、お答えすることは困難である」として答弁回避しています。
　一方、「強姦（ごうかん）、性的な奴隷、強制売春…」を「戦争犯罪」と規定した国際刑事裁判所に関するローマ規程第８条については「当該犯罪の防止に貢献するものであると認識している」と政府も認めざるをえませんでした。

「慰安婦」問題をめぐる国連の勧告
　国連拷問禁止委員会は５月３１日、旧日本軍の「慰安婦」問題について、「公人による事実の否定、否定の繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」を日本政府に求める勧告をまとめました。勧告は、「国政および地方の高官や国会議員を含む政治家が本件事実を公に否定し、被害者に新たな心的外傷を与え続けている」と指摘し、「即時かつ効果的な立法的・行政的措置をとるよう」求めています。
( ２０１３年０６月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」発言／石原氏「大迷惑」／橋下氏「いつでも辞める」／維新に亀裂

　日本維新の会の石原慎太郎共同代表が１８日に共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦」発言が党勢低迷を招いたことについて「大迷惑だ」と批判したことが１９日付各紙でいっせいに報道され、同党の混乱は避けがたい状況となっています。
　橋下氏は１９日、「批判的な意見もあるということが表になることはいいことなんじゃないか」と強がってみせましたが、報道内容は両氏の関係に深刻な亀裂が入っていることを示しています。
　報道によると、石原氏は、橋下氏に「仲間に『申し訳なかった』とのメッセージを出したらどうだ」と求めたと説明。「辞めろと言われれば、いつでも辞める」という橋下氏に「そういう居直り方はしない方がいい」と忠告したことも明かしています。
　「慰安婦」発言をめぐる橋下氏の釈明についても石原氏は「言わなくてもいいことを言って、タブーに触れたわけだから、いまさら強弁してもしょうがない。弁護士の限界だ」と述べたといいます。
　１９日の囲み取材で、橋下氏は「慰安婦」暴言を「間違ったと思ってない」と強弁、「有権者に理解を求める」と語りました。
　そのうえで、１９９３年に「慰安婦」問題をめぐる強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話を攻撃しました。
( ２０１３年０６月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題、本質は／国会内で集会／オール連帯ネット

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦制度は必要だった」とする発言に国内外から批判が上がっているなか、「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワークは１８日、「歴史認識・請求権　徹底論議！」と題し国会内で集会を開きました。（写真）
　日本軍「慰安婦」問題の第一人者で歴史学者の吉見義明中央大学教授が講演しました。橋下氏に「慰安婦」問題の認識を問いただす公開質問状を提出している吉見氏は「『慰安婦』問題で問われている本質は、慰安所での強制があったかどうか」とのべ、「強制連行」のみを強調している同氏を批判。「侵略戦争や植民地支配をきちんと謝罪し、克服することが本当の日本人の誇りの回復につながる」と話しました。
　「政府の『解決済み論』を乗り越える」と題して講演した川上詩朗弁護士は、「日本政府は、法的には解決済みと主張しているが、『法的』とはとても多義的」と話し、「日韓の市民レベルで共通のものさしを持って、お互い討論することが必要」とのべました。
　日本共産党の赤嶺政賢衆院議員があいさつしました。
( ２０１３年０６月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

19日

水曜随想／参院比例候補仁比そうへい／民の怒りに勇気百倍

　参院選公示日まで２週間余。いよいよ正念場です。
　ここにきて、各地で「アベノミクスの正体見たり」「結局、金持ちのための政治じゃないか」「憲法改悪だけは許せない」と、政治への怒りに初めて共産党の演説会に足を運んでくださる方々で会場があふれ、勇気百倍です。
　安倍暴走政治の破綻はあらわです。高知新聞には「自民に『二股公約』疑惑」という大特集が載りました。原発問題で安倍政権は「推進」、福島県連は「廃炉」。沖縄米軍基地で党本部は「辺野古」、沖縄県連は「県外移設」。ＴＰＰは「断固反対でウソをつかない自民党」と公約しながら一転「交渉参加」。「公約の二枚舌は政党政治の崩壊といえないか」「この苦し紛れの詐術は、沖縄や福島の民の怒りが強いたもの」と痛烈です。
　「第三極」の正体もあらわになりました。５月１８日、宮古島を訪ねました。沖縄本島からさらに３００�`の小さな島に少なくとも１６カ所、沖縄には１３０カ所の日本軍「慰安所」が置かれたのです。沖縄戦のとき小５だったおじいから「軍の宿舎に１０人ほどの美しい姉様たちがくらすようになった。ある日、片言で『トウガラシが欲しい』と頼まれ、届けたら本当に喜んでくれた」とうかがいました。皆１７、１８歳だったそうです。朝鮮半島から遠く連行され、その屈辱と無念、望郷の思いに胸が締め付けられるようです。この国際法違反の戦争犯罪の真摯（しんし）な謝罪と賠償こそ、政治の責務であり、平和外交の土台です。
　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」という恥知らずな妄言の核心部分を、撤回さえしません。ここにはこの党が、改革者どころかファシズムへの危険をまとう正体が現れています。もはや公党の党首も市長の資格も、そして弁護士の資格もありません。世論と運動で徹底して追い詰め、参院選できっぱり退場の審判を下すときです。絶対に負けるわけにはいきません。
(２０１３年０６月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言抗議／猛省促す決議／京都・城陽市議会

　京都府の城陽市議会（２０人）は１１日、「従軍慰安婦は必要だった」という橋下徹日本維新の会共同代表の発言に抗議し、猛省を促す決議を可決しました。
　無会派の１人を除いて、日本共産党を含めた五つの会派の議員が賛成しました。
　京都府内では、発言の撤回と謝罪を求める決議をあげた京都市議会に次ぐものです。
　決議では、今年４月に英国で開催されたＧ８外相会議で、「紛争下における性暴力防止」が主要議題とされ、どのような状況下でも女性の人権を擁護することが国際的な課題となっていることを紹介。橋下氏に問われているのは倫理の問題であり、人権感覚であるとし、日本外国特派員協会での記者会見（５月２７日）で、「在日米軍に風俗営業の活用を求めた発言については撤回し、謝罪したが、日本の従軍慰安婦問題発言に関しては何の言及もないまま」だと指摘しています。
(２０１３年０６月１９日，「赤旗」)

「慰安婦」問題／政府資料に強制証拠／赤嶺氏に回答

　安倍内閣は１８日、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が提出した質問主意書に対する答弁書で、「慰安婦」問題に関して日本軍による強制連行を示す証拠が政府の発見した資料の中にあることを初めて認めました。
　赤嶺氏は、安倍内閣が「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」（２００７年の答弁書）としていることについて、「『政府が発見した資料』とは何か」と質問。答弁書は「内閣官房内閣外政審議室（当時）が発表した『いわゆる従軍慰安婦問題の調査結果について』において、その記述概要が記載されている資料を指す」とのべ、日本軍による強制連行を示す資料である「バタビア臨時軍法会議の記録」があることを認めました。
　同記録は、日本軍がジャワ島セマランほかの抑留所に収容中のオランダ人女性らを「慰安所に連行し、宿泊させ、脅すなどして売春を強要するなどした」と明記。答弁書は「ご指摘のような記述がされている」と認めています。
　答弁書は「強制連行を示す証拠はなかった」という安倍内閣の認識は「同じである」としていますが、その根拠が根底から覆される内容となっています。

答弁書の誤り認め、ただちに撤回を／赤嶺政賢衆院議員の話
　政府が発見した資料の中に、法務省のバタビア臨時軍法会議の記録があることを認めた以上、第１次安倍内閣が２００７年に閣議決定した「強制連行　資料なし」との答弁書が誤りであったことは明白です。
　２００７年の答弁書は、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）など「慰安婦」強制否定派が最大限に利用していますが、安倍内閣は答弁書の誤りを認めて、ただちに撤回するべきです。
( ２０１３年０６月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

18日

��参院選で橋下暴言に審判だ�＝^西淀川で集会・パレード／大阪

　「慰安婦」暴言をめぐる橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の暴言すり替え、開き直りは許せないと、大阪市西淀川区で１７日昼、「橋下市長はやめろ！緊急集会＆パレード」がおこなわれ、７０人が参加しました。大阪市をよくする会西淀川連絡会が呼びかけたものです。
　橋下氏は暴言に全く反省の色を見せず、日本維新の会共同代表として１６日に東京都議選の応援に立った演説でも「慰安婦問題で僕は自分が言っていることは間違っているとは思わない」などとのべています。
　集会で、日本共産党の北山良三市議団長は「参院選で橋下市長の暴言を認めない審判をくだそう」とあいさつ。参加者は横断幕を掲げ、住宅街や駅前をパレードし「橋下市長は『慰安婦』暴言を撤回・謝罪しろ」「橋下氏は市長を辞めろ」と元気な声を響かせました。
　商店で働く男性やマンションのベランダから見ていた女性などが手をふって応えました。飛び入りで参加した伊丹市の黒木美寿さん（３５）は「橋下氏は米軍に謝罪したのに『慰安婦』にされた人たちに謝らない。腹立たしい」と述べました。
　散歩中の男性（６４）は「彼（橋下市長）はもともと、市長の資質に欠けてる」と話していました。
(２０１３年０６月１８日，「赤旗」)

点描・参院選／民主に賃上げ政策要請せず

　○…連合は、参院選に向け民主党と政策協定を締結しました。参院比例区で民主党から９人を組織内候補として擁立しています。
　連合の参院選対応方針では、橋下「慰安婦」発言などがあったものの、「民主党への支持回復には結びつかず、依然として民主党のおかれた情勢は厳しい」と指摘。政策協定では、「民主党が生活者・働く者の立場に立ち『共生社会』を目指すことを鮮明に打ち出すことにより国民の信頼を再び取り戻す」と記述しています。
　○…１３日の記者会見で、政策協定のなかに「デフレ不況」克服のための賃上げ政策がない、と問われた南雲弘行事務局長は、「賃金は労使自治なので政策協定には盛り込んでいない。民主党のマニフェスト（公約）に入らないと思う」と回答しました。
　記者から、所得を上げるメッセージが見えない、と再度問われましたが、南雲氏は「（賃上げ政策を）要請しません」と答えました。
　○…連合は「東京都議会選挙への対応も含めて、民主党と連携して、民主党と他党の政策の違いを鮮明にする」と強調。ところが、民主党は、自民、公明などとともに猪瀬都政初の３月議会で知事提出の１６７の議案にすべて賛成し、「オール与党」の一員となっています。
( ２０１３年０６月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

「橋下市長は辞任を」／大阪の女性弁護士１０２人

　旧日本軍「慰安婦」問題での「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の暴言をめぐり、大阪の女性弁護士有志が１７日、暴言を撤回しただちに市長を辞任するよう求めるアピールを発表しました。市役所を訪れ、同市長あてにアピールを提出しました。
　事前に連絡したにもかかわらず、秘書課職員が廊下で応対。「１００人の弁護士を代表して来ている。市民に対して失礼だ」と厳重に抗議しました。
　アピールは、寺沢勝子、大野町子、渡辺和恵の３氏の提案で呼びかけられ、わずか５日間で１０２人の女性弁護士が名を連ねました。
　アピールは「『慰安婦制度』が必要との女性の人権を著しく踏みにじる発言を公職にある人が行ったことはこれまでにない」として、国連の人権委員会などが「慰安婦」問題の解決を日本政府に勧告していると強調。橋下氏が「暴行、脅迫を用いて女性を拉致したという証拠はない」と強弁しているが、中国人「慰安婦」訴訟の最高裁判決（２００７年４月）で日本兵に連行され、監禁、強姦被害を受けたと認定しているとのべています。
　米軍司令官に風俗利用を勧めた問題も、「女性を男性の性の慰みものとし、女性をもの扱いする甚だしい女性蔑視発言」と厳しく指摘しています。
　記者会見で、寺沢氏らは「女性の人権を踏みにじる発言を平気でしている。女性としても弁護士としても黙っていられない」と語り、市の応対についても批判しました。
( ２０１３年０６月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

２０１３いま言いたい／岩手県宮古市重茂漁協組合長伊藤隆一さん／共産党が伸びれば変わる

　「守るべきものは守る」とＴＰＰ（環太平洋連携協定）交渉参加に進む安倍首相は言いますが、本当に守れるのでしょうか。東日本大震災で被害を受けた漁港の整備や、漁師が漁船を確保するための補助も、禁止されるかもしれません。

９条あったから
　外国から農水産物が大量に入ってくるだけでなく、国民皆保険制度などわれわれの生活がどうなるのか心配です。ＴＰＰで得をするのは、一部の大企業だけでしょう。政府は、ＴＰＰの情報をもっと公開して、国民に判断させるべきです。
　漁業復興のため行政の力をもっと借りたいのです。しかし、安倍首相はＴＰＰだとか憲法９６条改定に力を入れています。
　改憲の狙いは結局、戦争放棄を定めた９条です。米国の主導でつくられた憲法と言いますが、戦争することなく経済大国として発展できたのは、９条があったからこそです。
　戦争が終わったのは小学１年の時。丘の上の小学校から、日本の輸送船が米軍機の攻撃を受け沈んでゆく光景を何回も見ました。小学校の壁や柱は、銃弾で蜂の巣のようになりました。戦後もしばらく、飛行機の音を聞くたびに機銃で撃たれるのではないかという恐怖を感じていました。
　戦後生まれの安倍首相や、「慰安婦」問題で暴言の橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）は、戦争がどんなに恐ろしく、悲惨で、国民が貧しい生活を強いられるのか全く知らないのでしょう。
　共産党員は戦前、監獄にぶち込まれても戦争に反対しました。

国会に声届けて
　首尾一貫している共産党の見解は、漁協が物事を判断する上で参考にしています。国の復興支援の対象を線引きせず拡充するため、共産党の宮古市議団と紙智子さん（参院議員）は、すぐ行動に移してくれました。
　震災から２年以上すぎましたが、復興はなかなか進んでいません。共産党の議員の数がもっと多ければ、国の対応も変わってくるのではないでしょうか。これからもわれわれの声を国会に届けてほしい。
　聞き手　唐沢俊治
( ２０１３年０６月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

17日

自公政権に正面から対決する党／各地で演説会／大門議員・仁比参院候補／広島

　広島県福山市で１６日、日本共産党演説会が開かれ、大門実紀史参院議員、仁比そうへい参院比例候補、皆川けいし参院広島選挙区候補が訴えました。大西オサム参院比例候補が必勝への決意を表明するメッセージを寄せました。
　大門氏は「今の政治の流れは自公政権が危険な方向に一気に進もうとしているが、それと正面から対決しているのは日本共産党しかいなくなった」と指摘し、「原発輸出も成長戦略だ」とする「アベノミクス」を批判。「改憲勢力が多数派を握ることを許さない正念場の選挙で、共産党が伸びなければだめだ」と呼びかけました。
　仁比氏は、橋下徹日本維新の会共同代表の「慰安婦」発言などの暴言が出る背景に、安倍首相が侵略戦争をすすめたことを認めようとしないことがあり、歴史に逆行するような政治家に日本の政治は任せられないと力説。「みなさんの先頭に立って再び国会の議席を取り戻す」と決意をのべました。
　皆川氏は「県内どこへ行っても噴き出ている生活苦に対する怒りを受け、全力で頑張る」と訴えました。
　日本共産党の演説会に初めて参加した西田巌さん（６７）＝三原市＝は「原発の利権にまとわりつく国会議員に対して、日本共産党が正面から対決している事実を、特に若い人たちに知ってほしい」と語りました。
( ２０１３年０６月１７日，「赤旗」)

「慰安婦」暴言すり替え／痛みの「改革」正当化／都議選応援、橋下氏開き直る

　橋下徹共同代表の「慰安婦」暴言への怒りで支持率が急落している日本維新の会。１６日の都議選応援で橋下氏は「慰安婦問題でも、僕は自分が言っていることは間違っているとは思わない」と開き直りました。そのうえで、橋下氏は「文句を言われることを恐れて、いうべきことをいわなければ日本の改革なんてできるわけがない」と述べ、批判を恐れず国民に痛みを求める「改革」断行姿勢を売り込むために発言を正当化する厚顔無恥な態度を示しました。
　橋下氏は「戦争当時、世界各国の軍が慰安婦を必要としていたことは歴史的事実」と問題をすり替え、「日本だけが不当に侮辱されているなら、異議申し立てする。それが日本の政治家の姿だ」などと弁明。しかし、第２次世界大戦で組織的に｢慰安婦｣制度をつくっていたのは日本とドイツだけ。いくらすり替えやごまかしで��正当化�≠ｵようとしても通用しません。
　人権を蹂躙（じゅうりん)し､歴史をゆがめることを｢改革｣の象徴とする人物に政治を語る資格はありません。
( ２０１３年０６月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

16日

赤旗相談／性と生／橋下市長の「慰安婦」発言、男性にも謝罪するべきだ

回答者／大東学園講師丸山慶喜さん
　日本維新の会共同代表で大阪市長でもある橋下さんが、戦時中、命がけで戦う兵士たちのために「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と言いました。僕は大学の３回生ですが、この発言は許せません。男性にも謝罪すべきだと思うのですが。（京都府・Ｋ生)
　◇　　　◇
　丸山　もう少しお話を聞かせてください。
　――兵士の荒れてすさんだ気持ちを和らげるには、女性をあてがって解消させることが必要だなんて…。男なんてその程度だ、性欲を満たしてやればまた頑張るものだ、などと言われるのは、冗談じゃないですよ。
　丸山　彼は弁護士資格があるそうですが、憲法の「人権」についての学力を少しも持っていないようですね。自分の発言が、女性はもちろん男性をもおとしめ、冒涜（ぼうとく）していることがわからないのです。
　――僕の高校は男子校でしたが、橋下さんが言うみたいな、性欲だけの男集団ではなかったですよ。
　丸山　そうですよね。一方で彼の発言は、戦争や軍隊の異常さ、非人間性を結果として言ってしまいました。平和な時には絶対に考えられないような女性たちへのいわば��国家的集団レイプ�≠�正当化する。決して許されないことが、戦場でたたかうために必要だというのですから。
　――女性たちが発言の撤回と謝罪を求め、抗議していますね。でも僕の周りの男性は「どうしようもない発言だ」とは言いますが、人権の問題として男性の中でも怒りが広がるような状況にはなっていないようです。
　丸山　レイプやＤＶなどの性暴力は、女性が被害者、男性が加害者になることが多いですね。買春を含め「男ってそういうものだ」と暴力的な性衝動を認めてしまう感覚は、古くからこの社会にあります。その上、人間の性をきちんと学習する機会が奪われているので性を「人間の問題」「人権の問題」ととらえるのが難しい面があります。
　でもあなたのような若者が、問題点を見抜いているのも新しい変化の一つですよ。今回の橋下発言をただすなかで、国による人権侵害である「慰安婦・戦時性奴隷」問題の解決と、戦争と軍隊を否定した憲法９条を守ることにつなげていきたいものです。
(２０１３年０６月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

参院選政策／五つの大争点／鮮明、自共対決／改革掲げ新しい政治切り開く／経済／原発／外交／憲法／歴史

　「今度の参院選のキーワードは『自共対決』です」―。日本共産党の参院選挙政策発表（６日）の記者会見で、志位和夫委員長が強調しました。「安倍政権の暴走に立ち向かい、『国民が主人公』の新しい政治を――参院選で問われる大争点と日本共産党の改革提言」（７面に骨子、全文は７日付日刊紙や党ホームページに掲載）と題する政策のポイントを、志位委員長の会見から紹介します。

　発足して半年になる安倍政権。アベノミクス（経済政策）、原発、ＴＰＰ(環太平洋連携協定)、沖縄の米軍基地、憲法、歴史問題とあらゆる分野で暴走し、ほころびと破たんに突き当たっています。
　なぜ「破たん」か―。それは、「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」という、三つのゆがみを持った古い自民党政治が耐用年数をすぎ、根本から腐っているからです。
　日本はいま新しい政治を求める��夜明け前�≠ﾌような状況にあります。
　「二大政党」や「第三極」といっても、中身が古い自民党政治と同じでは、日本の政治を変えることはできません。
　「二大政党論もすたれ、第三極論もすたれるなか、いやが応でも今度の選挙は、自民党対共産党＝自共対決こそが真の対決軸だ、ということが浮き彫りになりつつある」（志位氏）のです。
　この対決構図で参院選の五つの大争点を示したのが参院選政策。政権への批判とともに、党の抜本的な改革提言をおこなっているのが特徴です。

経済／国民の所得増こそ／アベノミクス毒矢だけ

　第一は経済。「アベノミクスの暴走を許さず、消費税増税を中止し、国民の所得を増やす本格的な景気回復の道を｣です｡
　「アベノミクス」について、どの世論調査でも、７〜８割が「景気回復が実感できない」と回答。賃金は下がり、設備投資もマイナスです。「大胆な金融緩和」が「投機とバブル」をあおり、株や為替、長期金利も乱高下。家計と中小企業は急激な円安による輸入品の高騰に苦しんでいます。
　新たに打ち出した「成長戦略」にも、国民の所得を増やす内容はひとつもありません。「ない」どころか、「限定正社員」をつくるなど解雇の自由化をさらに進め、社会保障の大改悪、消費税増税など国民の所得を奪う「毒矢」ばかりです。
　これに対し、日本共産党の対案は―｡志位氏は､「デフレ不況の原因は長期にわたって国民の所得が減り続けているところにある」と指摘、「国民の所得を増やす方向に抜本的に転換する方途を政治の責任でやるのが私たちの対案だ｣とのべました｡そして、政策では、�@消費税増税の中止�A賃上げと安定した雇用、中小企業支援のルールをつくる�B社会保障の大規模削減路線と対決し、現役世代も高齢者も安心できる制度に再生・拡充�C大震災からの復興を最優先課題に―という四つを提案したことを強調しました。
　とくに、来年に８％、１５年に１０％にあげる消費税増税の総額は１３・５兆円という空前の規模。昨年の総選挙で自民党の安倍総裁は、増税実施の賛否を問われ、「マルとかバツとか単純にはいえない」とごまかしました。志位氏は「消費税増税は一度も国民の信任を得ていない｡今度の選挙で審判を｣と訴えました。

原発／再稼働を許さない／再生エネの大幅導入へ

　安倍内閣は、原発再稼働への暴走を開始し、原発輸出の「トップセールス｣に奔走｡｢成長戦略｣には「原発の活用」と明記しました。原子力規制委員会の「新規制基準」の７月施行を受け、全国の原発で再稼働が狙われています。
　これを許すかどうかは今度の選挙の大争点｡志位氏は､�@再稼働も輸出も論外�A「新規制基準」は「世界最高水準」どころか、完全に破たん�B省エネ･節電の徹底と､再生可能エネルギーの大幅導入へ抜本的に転換―という改革案を語りました。

外交／ＴＰＰ反対を貫く／根源の安保条約を問う

　外交では、ＴＰＰ問題が大争点です。
　ＴＰＰが、食と農、雇用と地域経済に大打撃を与える「亡国の道」であり、米国の要求を「丸のみ」し、守るべきものも守れないものだということは、すでに明白です。政策では、交渉参加撤回とともに、日本農業の再生に向けた本格的振興策を提起しました。価格保障と所得補償の拡充や後継者育成支援を柱に、家族経営も大規模経営も成り立たせます。
　基地問題では、オスプレイ配備撤回、普天間基地の無条件撤去などを掲げています。

基地問題でも
　志位氏は「ＴＰＰでも基地でも、根源にあるのは安保条約という対米従属の鎖だ」とし、その是非を国民に問いかけていくことを強調しました。

憲法／共同強め改憲阻止／９条生かした平和構想

　憲法問題では、９６条改定にも、９条改定にも反対し、一致する点で共同を強め、改憲のたくらみを断念に追い込むことを呼びかけました。
　北朝鮮問題や中国との領土問題にはどう対応するのか―｡志位氏は､軍事力強化で対応するのは国民を危険にさらす思慮も分別もない最悪の姿勢だと批判。道理に立った外交交渉による解決に徹することを強調しました。
　紛争があっても戦争にはしないという平和的解決を実践している東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）のやり方を北東アジアに広げる構想を示し、「そのときの一番の財産が憲法９条だ」と力説しました。

歴史／過去の清算へ提案／領土問題の解決にも道

　日本がアジアと世界から信頼されるためには、過去の誤りをきっぱりと認め、負の遺産を清算する立場に立つことが不可欠です。志位氏は次の４点を提案しました。
　―靖国神社参拝など、政府の責任ある立場の政治家が侵略戦争を肯定・美化する行動、言動をしない
　―日本軍「慰安婦」問題では、政府として公式謝罪し、個人補償を行う
　―侵略戦争と植民地支配の歴史を子どもたちに正しく伝える
　―領土問題も侵略戦争への反省があってこそ、国益を守る交渉ができる

攻めの論戦で
　政策は、最後に、三つの角度から日本共産党の政治姿勢を示しています。志位氏は「『自共対決』を際立たせ、大いに攻めに攻める論戦を展開し、必ずいい結果を出したい」と強い決意を表明しました。
(２０１３年０６月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

激戦！都議選の焦点／都議会「オール与党」批判噴き出す／知事提出１６７議案すべてに賛成

民主「チェック役」宣伝の厚顔
　「オール与党ではどうにもならぬ」（「東京」）、「猪瀬人気便乗　『オール与党化』」（「毎日」）。マスメディアからも批判が上がるほど、東京都政での自民、公明、民主、維新、みんなの「オール与党化」がひどくなっています。「巨大開発に熱中する都政をただし、都民の命と暮らし、福祉を守れ」と迫る日本共産党との対決構図が際立っています。

　猪瀬都政発足後初の３月都議会。自民、公明、民主、維新、みんなの各党は、知事提出の１６７議案すべてに賛成しました。生活者ネットも２議案を除いて賛成です。まさに「オール与党」です。
　猪瀬都政の今後３年間の重点計画である「アクションプログラム２０１３」。東京外郭環状道路など巨大開発に総事業費の３１％をつぎ込む一方、子育て対策はわずか２％、高齢者対策は３％と、巨大開発優先で、都民に冷たい姿勢です。
　ところが―。昨年末の都知事選では「自主投票」としていた民主党は、３月議会になると「知事が選挙戦で掲げていたメッセージは、私たち民主党が掲げる目標と軌を一にするもの」（代表質問で酒井大史都議）と��与党宣言�＝B自民党の吉住健一都議も、予算を「首都東京の活力と魅力を高める施策が盛り込まれており、都民の負託にこたえるもの」（賛成討論）と絶賛しました。
　「維新の会」の柳ヶ瀬裕文都議は「猪瀬知事は…一貫して既得権益と対峙（たいじ）し、国益のために高い壁を突破してきた」（一般質問）と礼賛しています。
　これらの「オール与党」は、憲法９６条の改定反対に関する意見書も、認可保育園増設などを求める請願も、反対してつぶしました。

都民を裏切った過去／築地移転も小児病院も
　ところが、民主党は、今回の都議選になると、またまた態度を急転させ、都民をあざむこうとしています。海江田万里・民主党代表が「都議会の第一の役割は、知事の行き過ぎをチェックすること」「知事の人気にあやかりたい、これは都議の資格はない」などと演説しています。都議会で猪瀬知事の提案に１００％賛成したことなどには、全く触れません。
　これまでも民主党は、選挙になると都民向けの公約を示し、その後、都議会でことごとく裏切ってきた過去があります。
　象徴的なのが、有害物質汚染が問題となっている��都民の台所�£z地市場(中央区)の移転問題。民主党は０９年都議選マニフェストで「築地市場の移転に民主党はＮＯ！　自民党はＹＥＳ」と宣伝し、都議会第１党となりました。ところが１０年３月議会で民主党は自民、公明と密室で談合し、移転の土地購入費１２８１億円を含む予算に賛成、移転賛成の立場に転換してしまったのです。
　もう一つは、清瀬、八王子、梅ケ丘の都立３小児病院の廃止問題｡｢子どもたちの命を守る病院をなくさないで」とのべ５０万人を超える反対署名運動も起き､民主党は｢公的病院はもちろん、必要な病院は存続させます」と公約。「廃止反対」を掲げた候補者もいました。
　選挙結果は、日本共産党や民主党など病院存続を公約した議員が過半数となりました｡ところが､民主党は、廃止を前提に受け皿作りや医療体制整備などを都知事に申し入れ、廃止容認・賛成へと態度を変えたのです。

都議会での発言／これが実態だ！

○保育園
　「おとぎ話をしても、認可保育園だって増えない」（都議会自民党の野島善司幹事長、３月１９日）

○外環道
　「一日も早く環状道路を完成させることは急務であり、都が予算をつけるのは至極当然」（公明党の吉倉正美都議、２０１２年３月２７日）
　「外環は、首都圏のみならずわが国の発展を支える重要な道路だ」（民主党の田中健都議、同１１月１３日）

○歴史問題
　「あの戦争は、わが国にとっての自衛戦争だった」（民主党の神野吉弘都議、今年３月１３日）
　「そもそも、日本政府や軍が従軍慰安婦なるものを暴行、脅迫、拉致を行い、強制連行した事実はない」（維新の会の野田数都議＝当時、１２年９月２６日）
(２０１３年０６月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下・維新とのたたかいが前進／機関紙協会大阪府本部が総会

　日本機関紙協会大阪府本部はこのほど、第６５回定期総会を大阪市で開きました。
　大阪民主新報の小西進記者が「取材現場からみた橋下・維新の正体」と題して、最新情報をまじえながら記念講演しました。
　この１年の橋下・維新の会行政に対するたたかいの前進を振り返り、今期も「憲法とくらし守る機関紙・宣伝活動を強化する年に」と草の根ジャーナリズムの奮闘を呼びかける総会決議を採択しました。特別決議「『従軍慰安婦制度必要』『八尾空港でオスプレイ訓練』の妄言を橋下市長、松井知事は撤回せよ」も採択しました。
(２０１３年０６月１６日，「赤旗」)

橋下氏は公職辞任を／横浜で昼休みデモ

　横浜市中区で１４日、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「『慰安婦』制度は必要」「（米軍は）風俗業を活用して」との発言を許さない昼休みデモが取り組まれました。
　神奈川労連、横浜地区労、新日本婦人の会神奈川県本部などがつくる実行委員会が主催し、約１００人が参加。「性暴力は犯罪です」「世界の声を聞きなさい」「橋下（共同）代表はやめなさい」などと訴え、横浜市役所から日本維新の会県総支部まで練り歩きました。柴田豊勝市長候補も参加しました。
　行進参加者は、同支部を訪問し、橋下氏の発言の撤回と謝罪、公職辞任を求める抗議文を提出しました。
(２０１３年０６月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

都議選聞いた／冷たい政治見抜く都民／正社員あてなし／復興こそ／アベノミクス無関係

　東京都議選で１５日、日本共産党の街頭演説（練馬区、国分寺市、立川市）で、本紙が有権者と話し込んだ対話活動。都政や国政への要求や日本共産党への共感が聞かれました。

自民反対の政党に期待
　○…ビラを受け取って知人と演説を聞いていた女性（７６）。「（投票先は）いつも自民党以外。自民党に反対する政党が強くなってほしい。東日本大震災の復興を国がやってほしい。オリンピック招致は反対ですよ」。友人と顔を見合わせ「（共産党は）選択肢の一つですよ」。
　○…練馬区の勝又亮（まこと）さん（４７）＝コンピュータープログラマー＝は「この不景気で、ぜんぜん仕事が来なくて、生活保護の申請をしようかと思っている。景気を何とかしてほしい。こんなときに消費税増税なんてとんでもない。絶対に反対だ」。

上の人たち好き勝手だ
　○…５０代の自営業女性は「アベノミクスなんていってるけれど、私たち一般の人にはぜんぜん関係のない話ばかり。政治家や上（財界）の人たちが好き勝手やっているだけ。自民党はだめだ」。
　○…駅前で看板持ちをしていた多摩市のアルバイトの男性（２４）。「バイトをかけもちして生活している。正社員になりたいけれど、あてがない。戦争にはいきたくないし、税金の使い方もおかしい。投票はしたことないけど、行ってみようかな」

憲法９条は守り抜こう
　○…年金暮らしの練馬区の女性（７０）は「自民党はいやだし、民主党にはもう期待できない。投票先に悩みます」。共産党都議団の実績を特集した５月３１日付「しんぶん赤旗」の紙面を示すと「持って帰って考えてみます」。
　○…小金井市の及川知宣（とものり）さん（３８）＝ストリートピアニスト＝。「日本国民として憲法９条、平和主義、戦争放棄を守るべきだ。日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の（「慰安婦必要」）発言はアメリカでさえ批判している。政党のリーダー、市長が公的な立場としてする発言ではないし、モラルが疑われる。共産党にはぜひ頑張ってほしい」

保育政策は政府に疑問
　○…志位和夫委員長の演説に耳を傾けた男性（３２）。２６０兆円にのぼる大企業の内部留保の１％を活用すれば、８割の大企業で月１万円の賃上げができるとの記者の説明に、「そんなに内部留保をためこむ必要があるのかなと思いますね。勉強して考えてみます」。
　○…八王子市の青山導代さん（４５）＝スポーツクラブ職員＝は「アベノミクスで富裕層は恩恵を受けていますが、消費税増税など、庶民にとっては冷たい政治になっていると思います。共産党の政策には共感できます」と語りました。
　○…ベビーカーで子どもを連れた新宿区の会社員男性（４０）。「保育園に入れるかどうかは運次第というのはおかしい。（政府が進める）『認定こども園』は保護者のニーズに合っていない。切実に必要としている人がもっと入れるようにしてほしい」
( ２０１３年０６月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

波動／「ぼく」への違和感／桜宮淳一

　あの「慰安婦発言」とその後の騒動については、すでに多くのところで論じられているので今さらあらためて書くこともないと思いつつ、かねてから気になっていたあの人の言葉使いについて少し考えてみた。
　橋下徹大阪市長は大阪府知事時代からずっと、つまり政治家になってから一貫して自分のことを「ぼく」と言う。もちろん公の場で、だ。ええ歳して、知事が「ぼく」かいな。最初の頃の印象だ。わたしの周辺で市長の「ぼく」をどう思うか聞いてみた。「まあ、タレント時代からですしねぇ」「もう慣れましたよ」「あれが親近感を呼んでいるのでは」と、あまり気にならないという反応が多かった。
　いやしかし、やっぱり違和感をぬぐえない。試しに手元の現代新国語辞典で「ぼく（僕）」を引くと〈おとなが使う場合は、「私」よりもくだけた言い方で、対等または目下の者に向かって使う〉。また広辞苑では〈今はおもに成人前の男性が同等以下の相手に対して使う〉。
　辞書の説明を振りかざして「おかしい」と指摘したいのではない。橋下市長の「ぼく」は単に言葉使いの問題ではなく、政治家としての姿勢に直結する根深い問題をはらんでいると思えてならないのだ。
　囲み取材の最中に激高して記者を罵倒する。あるいは拗ねて「もう囲み取材は受けない」と打ち切る。気に入らない人間を「バカ」と罵る。自分を批判する相手を勉強不足と決めつけて「もっと勉強せよ」と言い放つ…。ところ構わない感情の発露。自分は何でも知っているという全能感。公人中の公人、政治家が公の場でみせる態度として、わたしにはいずれも信じられないのです。
　だがしかし、これが「成人前の男性」の態度ということなら合点がいく。あきらめる。��ぼくは何にも悪くない、悪いのはまわりなんだ！�≠ﾆ駄々をこねるこどもがいたら、「まあまあぼく、そういわんと。ちょっとおとなしくしとき」。そう言って終わるんですけどね。相手は「大人」、それも強大な権力をもつ政治家なので、なだめ方がわからないのです。
　（さくらのみや・じゅんいち　在阪テレビ局報道記者）
( ２０１３年０６月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

憲法生かす運動さらに／参院選勝利へ学者ら講演会／大阪

　日本共産党を支援する大阪学者・研究者の会は１５日、大阪市内で「憲法９６条も、９条も、改悪を許さない！参院選勝利へ　学習講演会」を開き、約４０人が参加しました。改憲勢力の憲法攻撃を許さず、憲法を生かす運動をさらに広げ、参院選での日本共産党の比例５議席絶対獲得のため奮闘する決意を固めあいました。
　名古屋大学元副学長の森英樹氏が講演。自民党の９６条改定を批判し、「憲法改正権者は主権者国民であって、国会議員でも、首相、内閣でもない」とのべました。改憲勢力の弱点として、「自民党や維新が強調する『自主憲法制定論』には、『鬼畜米英』による『押し付け』という憲法観があるのに、それを主張している人たちが対米追随を深めているという大きな矛盾がある」と強調しました。
　中村正男党府政策責任者が、橋下・維新とのたたかいを報告しました。
　くらし破壊の市政「改革」、憲法違反の「思想調査」、「慰安婦」暴言、市議会での市長問責決議案をめぐる問題などをあげて、「既成政党と違う」「大阪の改革者」といった橋下・維新の幻想は一気にはがれつつあると強調。「安倍、橋下・維新の暴走に正面からたたかってきた党の値打ちを押し出し、橋下『維新』を追い詰め、参院選で痛打を」とよびかけました。
( ２０１３年０６月１６日，「赤旗」)

15日

国防軍にＮＯを／九条の会が宣伝／北海道岩見沢市

　岩見沢九条の会（卜部喜雄代表）は１０日午前７時からＪＲ岩見沢駅前で恒例の早朝宣伝を行いました。
　初夏の晴天の中、４人が参加し、ビラ１５０枚を配布しました。卜部代表が「安倍首相は憲法９条を変えて、国防軍を持ち、米国の戦争に参加するつもりです。日本維新の会共同代表である橋下徹大阪市長の『（旧日本軍）従軍慰安婦発言』は人権感覚の欠如として、国内だけでなく海外からも批判されています。参院選で国民の声を国会に届けようではありませんか」と訴えました。
　客待ちのタクシーの運転手たちもビラを受け取り、訴えに耳を傾けていました。
(２０１３年０６月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏、市長の資格なし／暴言に怒り／市民が決起集会／大阪

　「橋下徹氏の『慰安婦』暴言は辞任をもってしかあがなえない」「『市長の資格なし』の大運動をすすめよう」と、「怒りの緊急決起集会」が１３日夜、大阪市内で開かれ、会場いっぱいの約１７０人の参加者が「地元、大阪での決着」を誓い合いました。「明るい民主大阪府政をつくる会｣と｢大阪市をよくする会｣が主催しました｡
　集会では、神戸女学院大学の石川康宏教授が、橋下氏が特派員協会で読み上げた「私の認識と見解」を徹底批判。「橋下氏の５月１３日の発言の趣旨は『兵士には性と戦争の道具として女性をあてがうことが必要だ』という主張だとしか考えられないが、これのどこが『女性の尊厳を大切にしている』（「見解」）のか」と指摘しました。
　「第２次大戦中、国家が組織的な性奴隷制をつくったのは大日本帝国とナチスしかない」と石川氏。「世界は『戦時性暴力をなくすためにこそ過去の不処罰の連鎖を断ち切る必要がある』と日本に『慰安婦』問題の解決を求めているが、橋下氏はその脈絡が何もわかってない」といいます。
　会場からは、兵庫県尼崎市で市議選のビラを差し出してきた「維新」関係者に「あんた。橋下さんが何言うたか知ってんの」と質問したら慌てて姿を消したとの報告も｡｢歴史上､これだけ世界中から批判された市長が日本にいたのか｣｢大阪の女たちは黙っていない｣｢参院選でも大阪市民の手で審判を」と意気高い発言が相次ぎました。
( ２０１３年０６月１５日，「赤旗」)

14日

「慰安婦」／市議会も意見書を／早期解決へ市民ら集会／京都

　市民らでつくる「京都市議会で『慰安婦』意見書を求める会」は１２日、旧日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざし、府議会に続き京都市議会での意見書可決を実現させようと集いを開きました。
　共同代表としてあいさつした同志社大学の岡野八代教授は「慰安婦」問題をめぐる日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）らの発言が、歴史認識や女性への性暴力についての現社会を象徴していると指摘、「かつての不幸な事件ではなく、日本社会をどう変えるのかを表す問題」と運動を激励しました。
　龍谷大学の李洙任（リー・スーイン）教授が、米国ニュージャージー州を中心とした「慰安婦」記念碑の建立運動について講演。日本へのバッシング（非難）ではなく戦争の悲惨さを訴える運動として広がっていると強調しました。
　同「会」事務局の山下明子さん（アムネスティ・インターナショナル日本「慰安婦」問題チームコーディネーター）は「橋下氏の公人としてあるまじき発言に対し国際社会に見識を示すことになる」と意見書可決の意義を語りました。
　京都市議会から日本共産党の冨樫豊議員があいさつしました。
( ２０１３年０６月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

日本の安保に「最悪の環境」／安倍政権の歴史認識を批判／前米ＮＳＣ上級部長

　【ワシントン＝時事】ベーダー前米国家安全保障会議（ＮＳＣ）アジア上級部長は１２日、ワシントン市内でのシンポジウムで、安倍政権の歴史認識をめぐる言動について「日本の将来の安全保障を議論する上で最悪の環境だ」と指摘し、安倍政権の対応は「控えめに言っても賢くない」と痛烈に批判しました。
　ベーダー氏は、安倍政権の防衛費増額や憲法改正論議に関して「日本が自らの防衛責任や同盟上の軍事的役割を拡大するのは良いことだ」と強調。一方で、「歴史を否定する発言の文脈でそれらが進められるとすれば、われわれは意見を述べる」と言明しました。
　また、橋下徹日本維新の会共同代表による最近の慰安婦発言を「ばかげている」と一蹴。安倍政権が歴史問題でいいかげんな対応を取れば、声を上げていくと警告しました。
( ２０１３年０６月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

13日

「花開け９条」／新婦人が宣伝／大分市

　新日本婦人の会大分県本部は９日、大分市で横断幕「花開け憲法９条、日本に世界に」を掲げて「９の日宣伝」に取り組みました。
　大分支部の森智子さんらが、橋下・維新の会代表（大阪市長）の「慰安婦」暴言批判や現憲法と自民改憲案を比較した手作りビラを配り、９条を守る署名への協力を呼びかけました。
　森さんらの訴えに、若者や女性が次々と署名。「思いやりや配慮のない政治がバッサバッサと行われている。有権者一人ひとりがしっかりしなければ」（６２歳女性）、「とりあえずこれ（憲法）は絶対に変えてはいけない」（２０代女性の２人組）などの声を寄せていました。
(２０１３年０６月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

新潟・新婦人企画／「慰安婦」問題のスタディ・ツアー

　橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の「慰安婦」発言が問題になるなか、新日本婦人の会新潟県本部は、「慰安婦」問題の学習を深めるとともに、日本政府が「慰安婦」問題で韓国政府との協議に応じ、解決を求める運動をしていく力にするため、韓国スタディ（視察・学習）・ツアーを計画しています。
　ツアー（新潟空港発着）は７月２９日から３１日まで、侵略戦争の歴史と「慰安婦」問題の実相を学び、韓国女性団体とも交流するものです。戦争と女性の人権博物館、西大門（ソデムン）刑務所博物館見学、ナムルの家でハルモニとの交流と歴史館見学、韓国女性団体連合（ＫＷＡＵ）、平和をつくる女性たち（ＷＭＰ）との懇談などが計画されています。
　問い合わせは、同県本部０２５（２２３）５２２０まで。
(２０１３年０６月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

憲法生かした社会に／母親大会で多彩な運動交流／石川／福井

石川
　憲法を生かした平和で貧困のない社会を求める「２０１３年石川県母親大会」が９日、金沢市内で開かれました。分科会・全体会を通じて約２３０人が参加し、多彩な運動を交流しました。
　８団体の代表が活動報告に立ち、子ども医療費無料化や原発ゼロ、女性の働き方などについて発言。中小業者の女性たちによる消費税増税の問題点を描いた寸劇、うたごえサークルの合唱などが会場を沸かせました。
　全体会では「子どもの権利・教育・文化全国センター」代表委員の三上満さんが記念講演。本来、国民が権力を縛るはずの憲法を国民の権利を制限する方向に変える自民党改憲案の危険性を解明し、「人類の長い歴史の教訓や国際社会の到達を受け継いだのが今の日本の憲法。その意義をみなさんで繰り返し学び、多くの人に語り広げましょう」と呼びかけました。
　分科会では「学校教育の今」「アベノミクスを考える」「労働契約法」など六つの課題について、助言者の報告も受けながら参加者で交流しました。
　大会は最後に「改憲を許さず憲法を守りいかす」「橋下大阪市長の『慰安婦は必要』発言を許さず、女性の人権尊重を求める」の２本の特別決議を採択。終了後には、市内中心部をデモ行進し、市民らにアピールしました。

福井
　第４５回福井県母親大会（実行委員会主催）が９日、福井市の県教育センターで開かれ、約２００人が参加しました。放射能被ばくや原発、エネルギーの問題を追い続ける映像作家の鎌仲ひとみさんを迎え、監督作品映画の上映や記念講演が行われました。
　鎌仲さんは、アメリカがイラク戦争で使用した劣化ウラン弾に伴う内部被ばくの問題を軽視した態度と、東京電力福島第１原発事故後の内部被ばく問題に対する日本政府の態度を対比し、「イラクで起きていることとそっくりだ」とのべました。また、劣化ウラン弾の原材料が原発の燃料製造過程から生じるとして「日本はアメリカに頼んで（燃料の）濃縮ウランをつくっている。エネルギー問題と戦争はつながっている」と指摘しました。
　原発から自然エネルギーへの転換には、「どんなエネルギーを選ぼうが住民の意思が反映する民主主義が必要だ」と強調しました。
　参加者らは「憲法改悪を阻止し、憲法を守り生かす取り組みを草の根から大きく広げましょう」とする大会アピールと、ＴＰＰ参加に反対する特別決議を採択しました。
　福井市の女性（２２）は「原発をめぐる問題を知り、考えるきっかけになった」と語っていました。
(２０１３年０６月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題政府認識問う／紙氏が質問主意書

　日本共産党の紙智子参院議員は１０日、日本軍「慰安婦」問題の強制連行を示す文書および政府認識に関する質問主意書を安倍内閣に提出しました。
　紙氏は主意書で、「慰安婦制度は必要だ」とする橋下徹大阪市長の暴言に安倍内閣が断固たる姿勢を示していない根底に「侵略の定義は定まっていない」とする歴史認識があると指摘しました。
　その上で、政府に対して、「河野談話」（１９９３年）以降に内閣官房で収集・保管する歴史文書の現状を明らかにすること、国連機関からの勧告を受け止めて必要な措置を講じることを要求。国際刑事裁判所ローマ規程第８条の「戦争犯罪」の認識について見解を示すよう求めています。
　安倍内閣は今年４月、紙氏への答弁書で日本軍「慰安婦」問題で「新しい資料が発見される可能性」に言及したものの、軍や官憲が「慰安婦」被害女性を強制的に連行した証拠資料については答弁を回避しています。
( ２０１３年０６月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

12日

水曜随想／衆院議員赤嶺政賢／訓練移転より基地撤去

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、安倍首相にオスプレイの訓練の一部を大阪府の八尾空港で受け入れる構想を伝えた。８日付の琉球新報社説はこの構想について「沖縄の負担軽減というより、『慰安婦』に対する自身の暴言への批判をかわす小手先の案にみえる。沖縄を政治利用するつもりなら、やめてもらいたい」とのべている。沖縄県民の基地負担を逆手にとるやりかたに、切歯扼腕（やくわん）している県民はきっと多いことだろう。
　橋下氏の提案をうけて、安倍首相は「沖縄の負担を本土でも負担するのは当然だ」と応じた。わが意を得たりというところだろう。安倍、橋下両氏の政治的親密さがよくわかる。彼らの言動は眉唾物だと思いつつ、言っていることに反対はしにくいという人も多い。しかし、沖縄では違う。沖縄タイムスの８日付社説は、八尾空港で「（１０日くらい）うけいれを実施することが沖縄の負担軽減につながると考えるのは幻想だ」とのべている。広大な基地群は、移設論ではなにも変わらない、というのが県民の肌感覚だ。日本政府は米軍基地に手も足も口も出せない植民地並みの属国関係だからだ。
　われわれが向き合っているのは、イラク戦争やアフガン戦争に従事し、罪もない人々を殺りくしてきた米国軍隊だ。長期にわたる戦争で疲弊した米軍の内部では今、性暴力が深刻化している。性犯罪対策部門の責任者だった中佐が性的暴行容疑で逮捕された。「米軍は内部から崩壊している」（バーバラ・ボクサー上院議員）とまで指摘されている。こんな軍隊を受け入れるところはどこにもない。
　一人悶々（もんもん）としていると、次のようなツイッターをみつけた。「オスプレイを八尾ではなく東京にとか、とにかく沖縄県外にという声がありますが、私は反対です。軍隊に何かを提供するということは、その後の殺りくに加担することです。沖縄を含めた全国で拒否しましょう！移転ではなく撤去を！！」―沖縄の知人からの発信だ。沖縄の基地の過重負担の解消は、遠回りに見えるようだが、安保廃棄の世論を多数にする草の根からの取り組みが確実な道だ。
(２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／女性が怒り／西宮６女性市議「撤回と謝罪を」／大阪退職教職員女性有志が抗議

西宮６女性市議「撤回と謝罪を」
　兵庫県西宮市議会の超党派の女性議員６人（公明党除く、日本共産党３人、むの会１人、無所属２人）は７日、日本維新の会共同代表・橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」とする「妄言」への抗議声明を送付すると、西宮市役所内で記者会見しました。
　声明では、橋下氏が「慰安婦」発言について謝罪も撤回もせず、無反省に言い訳を重ね、メディアへ責任転嫁していると批判。女性の人権を踏みにじるとともに、歴史に真摯（しんし）に向き合う姿勢が根本から欠如していると指摘し、怒りを込めて強く抗議し、撤回と誠意ある謝罪を求めています。

大阪退職教職員女性有志が抗議
　大阪退職教職員の女性有志は１０日、「許せません！『慰安婦問題発言』　ただちに辞任を」とする第１６次（８日現在、３６０人）の抗議文を橋下徹大阪市長に送りました。
　抗議文は、「女性の人権を踏みにじる発言を平気でする橋下市長の人権感覚に、国政を語る資格も、市長たる資格もない」と指摘。憲法「改正」を狙う安倍政権、それを後押しする維新の会の誤った歴史認識からくる人権感覚が図らずも露呈されたとのべ、ただちに謝罪、撤回、市長辞任を求めています。
(２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長辞めさせな／オスプレイもあかん／憲法会議・共同センターが宣伝／署名が次々／大阪

　「オスプレイは大阪にも、沖縄にもいらない。橋下氏は暴言を撤回・謝罪し、市長を辞任せよ」と大阪憲法会議・共同センターは１０日夕、大阪市役所に近い淀屋橋で「９の日宣伝」をくり広げました。労組・民主団体から２５人が参加、ビラを配り、署名をよびかけました。

　府立高校教職員組合の志摩毅委員長は、橋下徹市長の「慰安婦は必要だった」との暴言について、「国連の社会権規約委員会、拷問禁止委員会が勧告を出し、国連事務総長も批判しています。侵略戦争はあってはならない汚点というのが国際社会の常識です。政治家の立場からいうのは重大な問題です」と告発しました。
　松井一郎知事と橋下市長が、八尾空港でのオスプレイ受け入れを表明したことに対し、新日本婦人の会府本部の福井依智子さんが批判。「アメリカ本国では許されない低空飛行のオスプレイを、なぜ日本で飛ばすのか。抗議の声を上げましょう」と強調しました。
　大阪労連の川辺和宏議長は、安倍政権や橋下市長の憲法破壊の政治から、憲法を生かす政治に転換させようと力を込めました。
　枚方市の鈴木茂さん（６０）は「オスプレイは沖縄の痛みを分かつというが、沖縄の人たちの願いは基地をなくすことだ。住宅密集地で危険なオスプレイを飛ばすのはやめろ」と署名。東住吉区の竹原亮二さん（５８）は「橋下市長は辞めさせなあかん。オスプレイもあかん」といいます。
　四条畷市の大森正子さん（６８）は「米軍基地をなくさない限り解決にはなりません。オスプレイを八尾に持ってきたら、危険な飛行訓練を多くするだけです」と話しました。
(２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

山形県母親大会に５００人／人間らしく働きたい／日航客室乗務員原告団長内田氏、講演

　第４３回山形県母親大会が９日、山形市内で開かれました。県内各地から５００人が参加し、廣部公子大会実行委員長が歓迎のあいさつを述べました。
　吉村美栄子知事が初めて参加し、「子どもを産み育てるということは大変なことです。安心して子育てできる社会を一緒につくっていきましょう」と祝辞を述べました。
　日本航空の不当解雇とたたかう、日航客室乗務員原告団長の内田妙子さんが「人間らしく生き、働くことのできる社会を」と題して記念講演。
　日航は客室乗務員８４人とパイロット８１人を整理解雇したが、現在日航は深刻な人員不足状態にあり、解雇は女性と労働組合活動家を狙ったものだと批判しました。内田さんは、自らも早朝パートで働きながら活動していることを話し、解雇撤回を求めてたたかっていくと決意を述べました。
　参加者は、たたかいに確信をもち、仲間を信じ明るく強く訴える姿に感動し、激励の拍手を送っていました。
　大会宣言のほか、特別決議「憲法９６条の『改正』に反対します」、緊急特別決議「橋下大阪市長の『慰安婦制度は必要』の発言の撤回と全ての公職の辞任を求めます」が採択されました。
(２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

戦争責任・子どもと昔話…若い人や親に訴えたいこと／小澤昔ばなし研究所所長小澤俊夫さんに聞く

　「憲法を守りぬきましょう」と子どもの本・九条の会の集いで力強く呼びかけた、同会の呼びかけ人の一人小澤俊夫さん（小澤昔ばなし研究所所長）。安倍首相の改憲の動きに危機感をつのらせています。その思いを聞きました。
　（都光子）

　―憲法を変えようという動きが強まっています。
　日本国憲法は、それまでの明治憲法を廃して作られました。「アメリカから押し付けられた」という人がいるが、全然違う。ちゃんと歴史があるんだよ。ドイツのワイマール憲法からの流れ。国家権力をきちんとワクにはめて、国民主権をかかげている。それをきちんと引き継いで作られた。
　安倍首相は逆に明治憲法に戻そうとしている。許しがたいね。
（Page/Top）
批判受け入れる精神力必要だよ
　―同じ戦争に負けたドイツと日本。違いはどこでしょうか。
　僕はドイツ文学が専門で、グリム童話を卒論で書きました。今も毎年「グリム童話の旅」というのを企画してドイツに行っています。とくに南ドイツでは、あちこちに強制収容所跡がきちんと残されていて、僕たちも最後に必ず寄ります。ドイツではナチスやヒトラーを称賛する行為自体法律で禁止されてるんですよ。戦争責任について国として向き合い、きちんと責任をとって決別している。だからこそ今、かつて敵だったフランスとも手を組んで、ＥＵの中心メンバーとして存在している。
　―日本は責任をとっていない。目をつむっているというわけですね。
　そう。だからアジアのなかで信頼を得られない。従軍「慰安婦」問題ひとつとっても、あったかなかったかを議論するんだよ。情けないね。
　安倍さんのおじいさんは侵略戦争をやったときの閣僚でＡ級戦犯の岸信介。おじいさんがやったことを悪かったとは思っていない。いまだにそういう人らが政治を握ってんだから、この国はおかしいよね。
　本当に強い国を望むんなら、きちんと自己批判を受け入れる精神力の強さこそ必要だよ。
　原発事故だって、だれも責任をとってないじゃない。だから再稼働なんて平気で言っちゃう。事故がおきたときは、たまたま民主党政権だったんだけど、民主党もきちんと向き合えなかったね。
　憲法を守るためにも、共産党、社民党にはがんばってもらわないと。
　原発推進、憲法を変えて国防軍なんて、それでいいのかって、とくに若い人たちに訴えたい。
（Page/Top）
子どもの成長期、寝ていることも
　―昔話を、その語り口を守りながら、今の人たちにわかる「再話」と、語り部の養成にとりくんでおられますね。
　昔話って本当は嘘ついたり、だましたり、殺しちゃったりとすさまじかったりする。このごろはよい面ばかりを強調したり、むごいところは変えたりしている。本来の語りを大事にして、きちんとした形にしようと、今、８００ほど再話しました。
　昔話の中で大好きなのは寝太郎の話。寝太郎が若いときは寝てたけど、途中起きて知恵を働かせるって話。考えてみれば、みんな寝ていた時期ってあるでしょ。文字通り居眠りばかりしていたり、適当にさぼってたり。それがおとなになってみんな起きるんだよね。起きて親になったとき、寝ていたことを忘れちゃうんですよ。それでわが子に寝ないでがんばれっていっちゃう。寝太郎の話は、子どもの成長期には寝ていることもあるんだよって教えてくれてるわけです。子育て話になってる。
　僕は子どもたちにのびのび育ってほしい。子どもを育てる人たちを応援したい。だから昔話を広げているんですよ。

　おざわ　としお　１９３０年中国・長春生まれ。口承文芸学者、筑波大学名誉教授。９８年に小澤昔ばなし研究所を設立。季刊『子どもと昔話』を刊行。『昔話の語法』『昔話とは何か』など著書多数。実弟は指揮者の小澤征爾さん、次男はミュージシャンの小沢健二さん。
( ２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

足元から崩れる維新／大阪の市議も離脱する意向／大阪決起集会、弁解に松井氏躍起

　「慰安婦制度は必要だった」とした発言が国内外から大きな批判を浴びている橋下徹大阪市長。共同代表を務める「日本維新の会」への支持は��維新の会発祥の地�¢蜊繧ﾅも崩れ始めています。
　各紙が１１日付で報じた世論調査「参院選比例の投票先」でも支持率下落は明らかです。「朝日」は先月の７％から５％へ。「読売」は「維新　近畿でも退潮　『橋下発言』で女性離れ顕著」と書き、近畿でも５月の１７％から４ポイント低下し１３％でした。
　「退潮」は支持率だけではありません。７月２１日投開票の兵庫県知事選では、「前哨戦」と位置づけた伊丹・宝塚市長選で惨敗し、独自候補の擁立を断念。地域幹部からは「参院選に当選させることで精いっぱい」の声が（「産経」１１日付）。大阪市議会でも、浪速区選出の「維新」市議が離脱する意向と報じられています。
　８日、大阪市内で開かれた「サポーター決起大会」では、参加者は「（約２千人いた）政治塾の受講生、塾生が中心」と紹介されたものの、用意した１６０席が埋まらず、空席が目立ちました。
　「維新の会は強いアゲンスト（逆風）のなか進んでいる」とあいさつを始めた松井一郎幹事長。「橋下発言」と、大阪・八尾空港への「オスプレイ受け入れ」発言に触れ、「慰安婦問題があったからオスプレイ問題を出したのではと言われるが、まったく違う」と弁解に躍起でした。
( ２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

排外デモ・橋下暴言／東京・新宿区長「残念」と答弁

　東京都新宿区などで問題になっている排外主義をあおり立てる集会・デモについて、日本共産党の雨宮武彦・党新宿区議が１０日、区議会本会議であらためて区の認識と対応をただしました。
　雨宮区議は、韓国・朝鮮人を「ぶっ殺せ」と叫ぶ一部若者らのデモを、人種差別の脅しだと批判。「商売をやってられない」「子どもに見聞きさせたくない」「取り締まりはできないのか」などの声が党区議団にも届いていると紹介し、「区長としての声明など具体的対応が必要ではないか」と質問しました。
　中山弘子区長は、差別的言動への批判、デモに伴う事故を懸念する意見が区にも寄せられていると明らかにしたうえで、「こうしたデモが新宿で行われていることを大変残念に思っている」と答えました。「区では国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的違いを認め、理解しあい、ともに生きていく多文化共生のまちづくりを推進している」と強調。警察には住民に危害が及ばないよう厳重な警戒を要請している、とも述べました。
　雨宮区議は、ヘイトスピーチ・デモの背景ともなっている、日本の過去の侵略戦争を認めない安倍首相の歴史認識や維新の会の橋下大阪市長の「慰安婦」をめぐる暴言にも言及。中山区長も橋下発言を「残念だ」と述べました。
( ２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

焦点／米中会談と安倍政権／行きづまる価値観外交

　自由や民主主義、人権などといった「普遍的価値」を掲げ、首脳外交を繰り広げてきた安倍外交(表)。価値観を｢共有しない｣中国を囲い込み、日米同盟を基軸とした優位性を確保しようというもくろみが今､狂いつつあります｡

首相自身が弱点
　「大国間の新しい関係のモデルをつくる」―。米オバマ大統領と中国の習近平国家主席は７〜８日（現地時間）の２日間、米カリフォルニア州で異例の８時間に及ぶ会談でこう語り合いました。両氏は経済、安全保障でも緊密な協力を確認しました。昼食含め１時間半だった日米首脳会談とは別格の扱いでした。
　一方、安倍晋三首相は、就任から半年近くたちますが、中国と対話の糸口を見いだせていません。元外交官の小池政行氏はこう指摘します。
　「いまだに中国、韓国の首脳と会えていないのは本当に恥ずべきことだ。国際社会での中国の存在は圧倒的であり、良好な関係をつくれなければ国益を損なうことになる」
　第１次安倍政権では、最初の外遊で中韓両国を訪問し､中国との｢戦略的互恵関係」を打ち出した安倍首相。第２次政権ではいまだに中韓両国を訪問できないのはなぜか。
　元内閣官房副長官補の柳沢協二氏が会員制サイト「フォーサイト」１月２３日付で、「安倍政権の安保政策『最大の弱点』は安倍氏自身」と指摘し、過去の侵略戦争の責任を否定する安倍首相の特異な歴史認識にその原因があると見ています。
　実際に、日本の植民地支配と侵略に「心からのおわび」を表明した村山談話を､｢そのまま継承しているわけではない」とか「侵略の定義は定まっていない｣(４月２２、２３日､参院予算委員会)との安倍氏の答弁や、閣僚らの靖国神社参拝で、懸念は一気に表面化しました。こうした言動に、中韓両国から厳しい反応が示され、外交日程は相次ぎ中止されました。
（Page/Top）
橋下暴言が拍車
　これに拍車をかけたのは、「慰安婦は必要だった」とする日本維新の会の橋下徹共同代表の暴言でした。世界中から非難の声があがり、橋下氏は米政府当局者から名指しで非難されています。
　さらに、この暴言を、「立場が違う」というだけで一言も批判しない安倍氏に対しても、その立場が橋下氏と同根であることが見透かされています。
　アーミテージ元米国務副長官は、「（暴言が）��安倍政権は右翼のナショナリスト政権だ�≠ﾆ宣伝する中国外交を利し、この地域における中国の拡張主義から注意をそらすことになる。われわれ全員にとって有害な発言だ」（５月３０日、都内での講演）と批判しました。

国際社会から包囲
　その結果、小野寺五典防衛相は６月１日、シンガポールでの第１２回アジア安全保障会議で、「安倍政権は、そのような発言や歴史認識にくみするものではない」との異例の釈明に迫られました。
　しかし、この釈明でも、橋下暴言の中身への批判はありませんでした。元政府高官はこう指摘します。
　「橋下の発言も重大だが､首相が『侵略戦争に定義がない』とする答弁を変えていないことはもっと重大だ。日本の国家観は、侵略戦争肯定の国家観ということになり、近隣諸国とも米国ともあつれきを生むことになる」
　��価値観外交�≠ﾅ中国を｢包囲｣するどころか､逆に国際社会から｢包囲｣されているのが､安倍外交の姿です｡

安倍首相の外遊

第１次安倍内閣
２００６年
　１０月　　　中国、韓国
　１１月　　　ＡＰＥＣ首脳会議（ベトナム）
　　　　　　ベトナム
　１２月　　　フィリピン
２００７年
　１月　　　欧州諸国（英、独、ベルギー、フランス）
　　　　　　東アジアサミット（フィリピン）
　４〜５月　米国
　　　　　　中東諸国（サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、エジプト）
　６月　　　日・ＥＵ定期首脳協議
　　　　　　Ｇ８ハイリンゲンダムサミット（ドイツ）
　８月　　　インドネシア、インド、マレーシア
　９月　　　ＡＰＥＣ首脳会議（豪州）

第２次安倍内閣
２０１３年
　１月　　　　東南アジア(ベトナム､タイ､インドネシア)
　２月　　　　米国
　３月　　　　モンゴル
　４〜５月　　ロシア
　　　　　　中東諸国(サウジアラビア､アラブ首長国連邦､トルコ)
　５月　　　　ミャンマー

　（外務省資料から作成）
( ２０１３年０６月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

１１日

滋賀県母親大会／千人超す参加者／「橋下暴言」辞任決議

　第５９回滋賀県母親大会が９日､長浜市内で開かれ､１０００人超が参加しました｡｢橋下大阪市長･日本維新の会共同代表による『慰安婦は必要』『風俗業活用』の暴言撤回と公職辞任を求める特別決議」を参加者の大きな拍手で採択しました。
　田中靖子実行委員長は「放射能から子どもの命を守り、子どもたちの未来が平和で安心して暮らせる社会になるため、手を取り合っていきましょう」と呼びかけました。平尾道雄米原市長は来賓あいさつで「憲法９６条改定など絶対に許してはならない。９条を守ることが次の時代の子どもたちに命の輝きを間違いなくつないでいくんだということを、自信を持って語り続けることが大事だと思います」と述べました。
　映画監督の纐纈（はなぶさ）あや氏が「いのちの営みをみつめる―反原発の島を撮り続けて」と題して講演しました。原発ゼロや中学校給食、子どもの医療費無料化などの運動が交流され､分科会では子育てや教育､原発､憲法など２１のテーマで話し合われました｡
　日野町から参加した野瀬ひろみさん（３１）は「原発や人権問題を考える機会になりました。講演もよかった」と語りました。
(２０１３年０６月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏辞任の声次々／長野の新婦人がシール投票

　新婦人長野県本部と長野支部は６日、橋下徹大阪市長の人権じゅうりんの暴言に対して、もんぜんぷら座前で抗議行動を行いました。
　「あなたは橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言についてどう思いますか？」のシール投票では、子連れの若い母親や若い女性が足を止め、「怒っている」や「公職をやめるべき」にシールを貼っていました。
　「昔のことだからしょうがない」と言っていた中年の女性も、「戦争が人を変えるから、戦争は二度としちゃいけないよね！」と力を込めました。
　橋下氏の発言の撤回と公職の辞任を求めるビラは、男性も受け取り、関心の高さをうかがわせました。
(２０１３年０６月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

戦争違法化と安倍首相・橋下氏暴言／歴史は反逆を許さない／歴史家荒井信一さんに聞く

　安倍晋三首相や橋下徹・日本維新の会共同代表の歴史問題をめぐる暴言が内外の猛反発を買っています。暴言の背景に人類が乗り越えた古臭い１９世紀的戦争観があると指摘する、歴史家の荒井信一さんに聞きました。
　（神田晴雄）

　安倍首相が、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と発言したのが事実と違うのは言うまでもありませんが、こんな発言が出てくる首相の戦争観が問われなければなりません。

９条に実る
　１９世紀までは、国家は正義を体現している、よって戦争は国と国との正義の衝突であり、正義か不正義かを判定する国際組織もないという「無差別戦争観」が支配的でした。この考えを前提にすれば、国民は国の戦争に献身的に協力すべきだということになります。
　しかし２０世紀の二つの世界大戦によるおびただしい被害を通じて、人類はこの戦争観を一歩ずつ克服し、国際社会に「違法戦争観」を定着させてきました。第１次大戦後のベルサイユ講和条約（１９１９年）、不戦条約（１９２８年）、第２次大戦後のニュルンベルク、東京の二つの裁判（１９４５〜４８年）、そして国連憲章第２条４項や日本国憲法９条に受け継がれています。
　安倍首相が、侵略かどうかは「国と国との関係でどちらから見るかで違う」などと言うのは、無差別戦争観に立っていると告白したようなものです。現代において通用しません。
　戦争に伴う違法行為や犯罪は認めるが、「戦争の時はどこの国もやっていることだ」「戦争だからやむをえない」として加害責任を棚上げし、被害者に対しては受忍と過去を水に流すことを要求する論理に発展していくからです。
　橋下氏が「慰安婦」必要発言のなかで「あたかも日本だけに特有の問題であったかのように非難し」うんぬんと語ったのも同じ論理です。これは第１次世界大戦以来の歴史の蓄積を否定する、歴史への反逆と言うべきです。

訪米できず
　戦争違法化の考え方が定着するにつれて、人間の尊厳や人権を踏みにじる行為が戦争犯罪として処罰されるようになってきました。戦争の違法化を侵略と言いかえるなら、侵略において人権の侵害、女性への迫害・性暴力が問題になり戦争責任が追及されるのが現代です。
　橋下氏の「慰安婦」必要発言と一連の弁解で思い出すのは、第１次安倍内閣の安倍首相発言です。
　安倍首相は組閣直後、河野談話を受け継ぐ（２００６年１０月３日）としたものの、「定義されていた強制性を裏付けるものはなかった」（０７年３月１日）と強制性を否認しました。
　米下院外交委員会に、「慰安婦」にされた女性たちに対し日本政府が公式に謝罪するよう求める決議案が提出（同１月３１日）されます。しかし首相は「（決議案は）客観的事実に基づいていない」「謝罪することはない」（同３月５日）と開き直ります。
　ところが４月のブッシュ大統領との会談前に米紙ニューズウィーク、ワシントン・ポストの記者からの質問に答え、「従軍慰安婦にされた人びとに心の底からの同情を表したい。人間としてまた日本の首相としてこの人たちに謝罪する必要がある」（４月２１日）と軌道修正をはかりました。
　記者から「これまでの発言と違う、あなたは（強制性の）証拠はないといっていた」と突っ込まれます。すると「そんなことを言ったのは私が最初ではない」「軍の関与を示す証拠はないという事実を最初にのべたのは私ではない」（ワシントン・ポスト紙４月２２日付電子版）と苦し紛れに逃げの答弁を繰り返しました。
　謝罪という言葉を口にしながら、核心である強制性を否定した発言をひとごとにした語り口が印象的でした。
　今回、橋下氏は訪米断念に追い込まれました。歴史は反逆を許さないと知るべきです。

　あらい・しんいち　１９２６年生まれ。茨城大学・駿河台大学名誉教授。専攻は国際関係史。｢日本の戦争責任資料センター｣共同代表。著書に『歴史和解は可能か―東アジアでの対話を求めて』『戦争責任論』『原爆投下への道』『空爆の歴史』など。
( ２０１３年０６月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

女性が輝く政策を／森担当相に緊急要望／婦団連

　日本婦人団体連合会（婦団連）の堀江ゆり会長らは１０日、森まさこ少子化対策・男女共同参画担当相に面会し、財界のための「成長戦略」に異議を申し立て、女性が真に輝くための政策を求める緊急要望を行いました。
　各団体の代表が「限定正社員の導入は今ある女性への間接差別を固定化するもの」だと批判し、「国家公務員は３年育休の制度があっても周りに迷惑をかけるとなかなか取得できない。法整備を含めた社会全体の環境整備を」と訴えました。
　緊急要望として▽労働法制の規制緩和をやめ、男女雇用機会均等法、パート労働法改正により、女性や非正規労働者の賃金・労働条件改善を行うこと▽育児介護休業法を改正し、仕事と子育てを両立させて働ける制度の改善、出産・子育て・教育費負担の軽減―などを求めています。
　また、維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の、慰安婦暴言に関連して、「慰安婦」制度が日本軍による戦争犯罪であったと認め、被害者への公式謝罪、個人賠償を行うなどを求めました。
　森担当相は成長戦略の素案を説明。橋下発言を「許せない発言だ」とのべました。
　日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が同席しました。
( ２０１３年０６月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

9日

改憲反対ぶれない/共産党戦争知らない改憲政治家／作家・僧侶瀬戸内寂聴さん

　作家、僧侶の瀬戸内寂聴さん（９１）に、憲法問題と日本の政治について聞きました｡
　田中倫夫記者

　改憲をやりやすくするために憲法９６条を変えたい人たちは、本当は９条を変えたいのです。私は絶対に反対。徹底して反対です。
　自民党は９条を変え、何をやりたいのか。「侵略から守る」というが、実際に戦争になって悲惨な状態におかれるのは国民です。もしアメリカが中国と戦争したら日本の米軍基地も攻撃対象になり、日本という国さえなくなってしまうかもしれない｡それが戦争ですよ｡
　私は９１歳です。北京で敗戦を迎え、引き揚げ、戦争の悲惨さを見てきました。そんな人間はもうほんの一握りしか残っていない。生き残っている私のような人間は戦争に反対するために定命（仏教で、定められた寿命のこと）を延ばされているという気がします。
　これから戦争に行かされるのは若い世代。その人たちを守るためにも９条は守りたい。
　日本共産党は戦争反対、改憲反対でぶれずにやってきたと思います。いま、自分のため、自分の党のために政治をやる政治家が多いなかで、常に庶民のため、国民のためを考えていることは、ありがたいことです。若い人たちにもっともっと働きかけて、選挙でもぜひ、結果を出してほしい。

　私は敗戦の日を北京で迎えました。胡同（路地）の奥に非合法に隠れ住んでいたのですが、１年後見つかって送還されることになりました｡でも､もう日本人の引き揚げは終わった後なので、塘沽（タンクー）の港には引き揚げ船が来ず、何カ月も待たされて、何人もの赤ん坊が死んでいきました。
　やっと引き揚げ船が来て、日本に着いて、そのあと汽車で広島駅に通りかかりました。乗客が「広島だ。広島だ」と叫んでいたので窓から見渡すと、一面何もない。すべて焼き尽くされてまっ平らでした。「これが戦争なんだ」と思いました。
　自民党でも戦争体験のある野中広務さん（元官房長官）とか、古賀誠さん（元幹事長）とかは、戦争経験者なので、戦争はいかん、平和憲法は変えたらいかん、という。でも、いまの大臣たちは戦争を知らない世代だから勇ましいことをいう。そこが本当に恐ろしい。憲法を変えようという政治家は、戦争に対する想像力がないのよね。
　橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」発言にも驚きました。むちゃくちゃです。国連事務総長がいうように、政治家のこんな発言がまかり通っているのはおぞましいし、恥ずかしい｡でも､今度は女の人たちが怒っているから、全国的には支持率が下がってるんじゃないですか。
　◇　　　◇
　原発でも、国民がこんなに苦しんでいるのに、安倍内閣は、原発再稼働を急いだり、外国に輸出しようとしたり。信じられないですよ。被災地復興も進んでいないのに消費税だけを上げようとするのもひどい。
　私たちは、もっと、いやなものはいや、と声を上げるべきです。９１歳のばあさんがこれだけ騒いでいるのだから、若い人は負けずに頑張ってほしい。
　私が脱原発で座り込んだのも、それで勝ち目があると思ったからではありません。原発再稼働にちゃんと反対した者がいたということを歴史に残したいのです。
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

メディアをよむ／阿部裕／分断と懐柔打ち破る時

　安倍晋三首相の｢歴史認識｣や橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の「慰安婦」発言が国際的な批判にさらされています。彼らの発言の中身と同時に、問題のすり替え、責任転嫁にこそ彼らの本質と犯罪性が隠されているのではないでしょうか。
　原発輸出でも同じです。安倍首相は「日本は世界最高の原子力発電技術と安全基準を持つ｣｢過酷事故の経験をいかせる」を売り言葉に、インド、ベトナムや中東にトップセールス。
　福島第１原発の事故原因、責任究明もいまだ手付かず、放射能汚染の拡大に手を焼いています。１６万人が避難生活を余儀なくされ、補償も未解決のままです。この厚顔無恥。被爆国として核廃絶、核不拡散の責任への無自覚にはあきれて物も言えません。
　被災者や国民の利益をないがしろにしながら､財界､電力業界、米国の利益を最優先する姿勢が見え見えです。
　「こんな国家犯罪を見逃したら後世の人々に顔向けできない」という金子勝慶大教授の発言（５月末・鎌倉の集い）には、同時代を生きる知識人の決意を感じました。
　橋下市長は、暴言についての外国特派員協会での釈明記者会見（５月２７日）で「真意をねじ曲げたのはメディアの誤報と誤解」と、責任転嫁に終始しました。彼には公人としての、人道に対する罪の意識、女性の人権や歴史の事実から謙虚に学ぶ姿勢はみじんも感じられません。
　彼のツイッターで名指しされた新聞は堂々と事実に基づき反論すべきです。言論・報道の自由に対する高圧的な挑戦に対しては、メディアが連帯してたたかうことが何よりも大切です。
　安倍首相も橋下市長もメディア分断と懐柔、支配を得意としてきました。歴史をねじ曲げ､言論･表現の自由を踏みにじる政治に対して、今こそ、メディアと市民は彼らのまやかしを打ち破る力を発揮すべき時なのです。
　（あべ・ひろし＝新聞ジャーナリスト）
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

参院選各界対談／経済壊すアベノミクス／同志社大学教授浜矩子さん／日本共産党副委員長・政策委員長小池晃さん

　日本共産党の参院比例候補５人と各界の方々との対談。２回目は、わかりやすい解説が人気のエコノミスト、同志社大学教授の浜矩子さんと、日本共産党副委員長・政策委員長の小池晃さんです。

市場が逆襲／今後は大暴落も

　小池　初めまして。テレビで浜さんの発言をお聞きすると、モヤモヤが吹き飛びます。
　浜　そう言っていただくとうれしいです。
　小池　とくにアベノミクスについてはズバッと鋭い批判をされています。日銀がお札をどんどん供給する安倍内閣の「金融緩和路線」はまだ入り口に入ったばかりですが、株式や債券市場などの異変をみると、予想以上に早く、浜さんの批判が的中していますね。
　浜　これは、異変というより、アベノミクスにたいするきわめて自然な市場の逆襲ですね。私はどうしても「アホノミクス」と言いたくなってしまいますが、その安倍内閣の政策がまさに市場に異変を起こしている。
　いま資金が株に移って、国債が売られています｡その結果､国債が下落し長期金利が上がる。これは当然起こる市場の成り行きです。また、この調子で金融大緩和を続けると、円安を通り越して円の大暴落を自ら演出することになりかねない。

国の財政に影響
　小池　長期金利が上がれば、住宅ローンも借りにくくなるし、国債を償還する負担が増えて国の財政にも深刻な影響が出るのでは。これまでも結果としてバブルになる政策はありました。しかし、最初からバブルを起こすことを目的にした危険で無責任な政策は、歴代自民党政治でもなかったと思います。
　浜　そうですね。彼らは原因と結果を取り違えている。景気が良くなるから、その結果として株が上がる。これが順当な流れです。株が上がるから景気が良くなるわけではない。彼らはそう考えているのか。あるいはそれが間違いであることを百も承知でまやかしをやっているのか。つまり確信犯なのか、単なる思い違い人間たちなのか（笑い）。そこはよくわかりませんが。
　小池　甘利明経済再生相が講演で「アベノミクス成功の秘訣(ひけつ)は成功するまでやりつづけること」だと。私は「秘訣は直ちにやめることだ」と思いますね。（笑い）
　浜　こんな調子で、ばくちのような方向に走っていったら、本当に日本経済は焼け野原になってしまう。
　小池　いま、みなさんとお話ししていても「アベノミクスでくらしがよくなった」という声はまったくありません｡逆に､円安による燃料や原材料の高騰で、庶民や中小企業は苦しんでいます。一番問題だと思うのは、アベノミクスには、内需を温め、所得を増やす政策が一つもないことです。
　浜　そういう考えは、安倍内閣の眼中に無いですね。大企業がため込んでいる内部留保を、もっと建設的な投資や賃上げに使う方向に政策誘導すべきなのに、今の状態だと内部留保さえ投機に回る可能性があります。それが基本的に安倍政権の意図するところだという気さえしますよ。

賃上げこそデフレ脱却の鍵

　小池　この間、日本共産党は国会質疑などで、「賃上げこそデフレ脱却の鍵だ」と訴えてきました。政府は経団連に賃上げの要請もやりましたが、賃金は上がっていません。
　浜　一部でアリバイづくりのような賃上げはありましたが、総体としては上がっていませんね。
　小池　安倍政権になってからも１０兆円以上内部留保が増えています。でも賃上げや設備投資に回さない。
　浜　事業会社がお金をため込んでも何の意味もないですよ。彼らは貯蓄機関ではありませんからね。内部留保をどうするかはデフレ対策として大事なテーマだと思います。
　小池　例えば内部留保の１％を賃上げに回すだけで、８割の大企業で月１万円賃上げができる。非正規雇用でも時給１００円以上の賃上げができます。
　浜　その点はおっしゃる通りです。政府と経営者たちとのやり取りの中で、労働法制の弾力化や規制緩和の推進が話題になっているのも要注意。
　小池　自民党は規制緩和して「世界で一番企業が活動しやすい国をめざす」と言っていますよ。
　浜　本当に恐ろしい言い方です。企業に役に立つ人、競争力強化に役立つ人しか居場所がない国になる。多くの人が落ちこぼれていく構図だと思います。
　しかし、これは効率の悪い経済の回し方です。老いも若きも、強きも弱きも､大も小も､それぞれが参加して役割を果たす。その中で全体の経済を支えていく。これが本来あるべき姿だと思うんです。
　小池　まったく賛成です。安倍政権が考えている、労働法制規制緩和の中身は、限定正社員制度、「残業代ゼロ」のホワイトカラー・エグゼンプション、金銭解決で解雇を可能にするなどです。結局、「世界で一番労働者が生きづらい国」をつくることになってしまいます。所得を増やすのとは逆の方向です。
　浜　たとえ、一部の賃金単価は上げても、非正規雇用を増やし、労働条件を厳しくして、総体としての人件費は増やさないやり方ですね。

ＩＬＯから批判
　小池　ＩＬＯ（国際労働機関）のガイ・ライダー事務局長はこう言っています。
　「雇用の規制緩和が成長をもたらす魔法のような解決策ととらえるのは間違っている」「日本の成長鈍化は、労働市場の硬直性（労働者保護）が原因ではない｣(｢東京｣５月２２日付）と。そして、政府の「成長戦略」について「使用者だけに有利であるといった一方的な政策であってはならない」と批判しました。
　浜　まさにそのとおりです｡いまの閉塞(へいそく）状況といわれる行き詰まりは、実は成長できなくなったからではないんです。９０年代のバブル崩壊後の｢失われた１０年｣の間は、いまのような非正規雇用やワーキングプアの問題は出ていませんでした。問題が出てきたのは「いざなぎ超え」といわれた景気拡大の時（２００２年２月〜０８年２月）です。
　小池　この前、ＮＨＫテレビの「日曜討論」で、私は賃上げを主張しましたが、自民・公明は企業収益をあげるのが先だと言う。しかし企業収益があがっていた時も、賃上げに回らずに内部留保が積み上がっているだけでした。今も同じことが起きています。
　浜　安倍政権がいう「成長戦略の矢」なるものは、完全に過去に向けて放たれた矢です。いまの成熟した経済に無理やり成長ホルモンを注入して、日本経済が育ちざかりだったころの成長力を取り戻そうという。そのためのインフラ輸出の中核は、なんと原発の輸出ですよ。福島原発事故も収束していないのに、本当にあぜんとします。
　小池　まったくそのとおりですね。２本目の「財政出動の矢」もゼネコン向けの大型開発推進という完全な復古政策ですからね。
　浜　ロンドンの『エコノミスト』５月１８日号の表紙はご存じですか？　安倍首相がスーパーマンのように飛んで「鳥か飛行機か…」と。彼の周りには、戦闘機が飛んでいて、記事ではローマ字で「富国強兵」という言葉が使われています。「アホノミクス」で富国を目指し、憲法改正で強兵を目指す。これこそまさしく安倍式富国強兵だなあと､つくづく思いました｡
（Page/Top）
視野にない英国農業の失敗

　浜　農業所得を１０年で倍増させるというのもいかがわしい。
　小池　農業では、食料自給率４０％という外国依存の構造を見直すことがまず必要です。安倍政権がめざす、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加は、食料の外国依存をますます強め、日本農業を壊滅させるものです。農家の平均耕地面積がアメリカは日本の１００倍、オーストラリアは日本の１５００倍。圧倒的な生産条件の格差の中で、農家に大規模化して生き残れというのは、無責任な議論だと思いますね。
　浜　大規模化というのは、ある意味、農業を工業化する、農業が農業でなくなることです。イギリスがその方向でやって、ＢＳＥ（牛海綿状脳症）と口蹄（こうてい）疫で大変な騒ぎになった。やはり昔ながらの伝統的な農法に戻らないとだめだとなったのが、たしか１０年ぐらい前の話です。そういうことが全然視野に入っていないですよね。
　小池　生活保護をますます受けにくくなる法案も国会で通されようとしています。貧しい人、ハンディキャップを持った人にもきちんと権利を保障するのが政治の責任なのに全く逆方向ですよ。
　浜　弱者救済こそ政策の本源的役割なのに、完全にはき違えていますよ。
　小池　他方、一部の人は株高で潤っています。ユニクロの柳井会長と家族の持ち株の時価は半年で１兆円近く増えました。貧困と格差が広がっています。
　浜　明らかにそうなっていきます。最近気になっているのは、生活防衛型投機とでも名付けるほかないような行動です。生活のめどが立たない人たちが、資産を増やせるかもしれないと、なけなしの貯金をはたいて株や不動産を買うように誘導されている。今回みたいにどっと下がったら、それこそ手痛い打撃をこうむる人が結構いると思うんです。

共産党本領発揮の場面です

　小池　日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要だった」という発言は許しがたいですね。
　浜　橋下さんの言い方は、ほかもやっているのに日本だけやり玉に挙げられるのはフェアじゃないと。その発想がすごく皮相で、越えてはいけない一線は、ほかの誰がやっていても越えないというのが、基本的な人間の節度であり、知性だと思います。
　小池　橋下発言の背景には「侵略の定義は定まっていない」といい、日本の侵略戦争を認めない安倍首相の考えがあると思います。
　浜　橋下さんの暴言に目を奪われて、安倍政権の持っている危険な体質が後景に退いてしまうのはよくないですね。２人の発言を聞くと、戦後、二度と同じ道を歩まないための合意を簡単に踏みにじる浅はかさには驚くばかりですね。
　小池　アジアだけでなく世界全体を敵に回すことになります。あの暴言にたいし、国民からこれだけ怒りの声が上がっていることに日本社会の健全性を感じています。
　浜　市民の意識レベルは高いですよ。それに彼らがついてこられていない。そして、そのことに気づいていない。
　小池　今度の参院選挙は､アベノミクスも､憲法や歴史認識もこれだけ問題になっていますから、本当にがんばって議席を伸ばしたいと思っています。
　浜　共産党の頑張りどころ、本領発揮の場面だと思いますよ。ぜひ全面展開でやっていただきたいです。
　小池　今日は、本当に楽しいお話ができました。ありがとうございました。

はま・のりこ＝同志社大学大学院ビジネス研究科教授。一橋大学経済学部卒業後、三菱総合研究所に入社。１９９０年に創設された同研究所ロンドン駐在員事務所の初代所長に就任、同研究所主席研究員を経て２００２年から現職（１１年から研究科長）。著書に『グローバル恐慌』（岩波新書）、『アベノミクスの真相』（中経出版）など

こいけ・あきら＝日本共産党副委員長・政策委員長、医師。１９６０年東京都世田谷区生まれ。東北大学医学部卒。内科医として病院に勤務した後、９８年参院比例代表で初当選｡参院２期｡２００４年から政策委員長、ことし２月に副委員長に｡著書に『これからどうする！　介護と医療』『どうする日本の年金』（いずれも新日本出版社）など
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」暴言「おおむね正しい」／茨木市長へ抗議集会

　大阪府茨木市の木本保平市長が、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言を「おおむね正しい」「慰安婦は職業。強制的に連れて行った証拠はない」などと発言した問題で、抗議、公の場での謝罪・撤回を求める集会が７日、茨木市民会館前で開かれ、市民約５０人が参加しました。
　木本市長の人権無視、女性軽視発言に抗議する志水紀代子追手門学院大学名誉教授や茨木母親大会連絡会、新日本婦人の会茨木支部の代表など７氏が呼びかけたものです。
　志水氏は「茨木市の人権について考えてきた一人として、もっとも卑劣な女性の尊厳を傷つける橋下暴言をサポートする発言は看過できない。みなさんと一緒にただしていきたい」と話しました。
　日本共産党の朝田充市議は「『私の歴史観』やと議会で開き直る木本市長をみなさんと一緒に追及していきたい」と語りました。
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長やめてんか／「慰安婦」・オスプレイ訓練移転暴言／八尾で訴え共感広げる／共産党演説会

痛みは取り除くもの
　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）がオスプレイ訓練の受け入れを提案した八尾空港のある大阪府八尾市で７日夜、日本共産党演説会が開かれ、清水忠史党府副委員長、たつみコータロー参院選挙区候補が訴えました。
　橋下徹氏が安倍首相に訓練受け入れを提案した翌日とあり、弁士の怒りの訴えに会場から大きな共感の拍手がわきました。
　清水氏は「自共対決」の参院選の様相をわかりやすく語るとともに、オスプレイの危険性を身振り手振りも交えて分かりやすく語り「沖縄のみなさんの痛みは分かち合うのではなく取り除くもの」と強調。日米安保条約を廃棄し、アメリカと対等平等の友好条約を結んで沖縄と基地問題を解決しようと訴えました。
　橋下氏の日本軍「慰安婦」問題をめぐる暴言は安倍自民党の歴史認識を背景に出てきたものと指摘。日本共産党と、たつみ氏の勝利でこうした勢力に厳しい審判をとよびかけました。
　たつみ氏は、消費税増税反対、原発ゼロをかかげているのは共産党しかないと強調。生活保護改悪を糾弾し、「憲法が争点になる選挙です。負けるわけにいきません」と訴えました。
　谷沢ちか子八尾市議がオスプレイをめぐる共産党議員団の取り組みや田中誠太八尾市長の姿勢、市議会の動きを報告しました。
　羽衣亭憲坊さんが漫談で橋下「維新」政治を告発しました。
　母親といっしょに参加した女性（３３）は、「八尾空港へのオスプレイ受け入れはとても危険だと思いました」と話していました。
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長やめてんか／「慰安婦」・オスプレイ訓練移転暴言／大阪・西成でデモ行進

　「橋下（徹維新の会共同代表）いらない。市長をやめろ」―。大阪市西成区で７日夕、力強い唱和が響きました。大阪市をよくする西成連絡会と明るい民主府政をつくる西成連絡会がよびかけたもので、「怒」と書いたうちわ、横断幕を掲げ、公園で集会を開き、デモ行進しました。
　１２０人が行動。太鼓の音に合わせて「橋下暴言撤回」「オスプレイいらない」の声に、「何かな」と飲食店から飛んででてくる女性がいました。
　飛び入りで参加した浪速区の女性（３７）は「橋下市長は『慰安婦』暴言もそうだけど、いうことがコロコロ変わるでしょう。米国に謝るよりも、韓国や『慰安婦』にされた人たちに謝るべきです」と話しました。
　「橋下市長はあかんわ」と自転車から見ていた女性（７５）。「敬老パス、赤バス、住吉市民病院も廃止する。橋下氏は自分で勝手に決め、相談せずに実行する。独裁者や」と強い口調でいいます。
　デモに先立つ集会で、日本共産党の尾上康雄市議は「問責決議は否決されたが、橋下市長は責任を取って辞職すべきです。大阪市政を変えて、生活・くらしを守るために声を出して行動しよう」と訴えました。
　渡部結党大阪３区国政対策委員長らがあいさつしました。
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言で知事に要請／党北海道委

　日本共産党北海道委員会は６日、日本維新の会・橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」とのべた発言の謝罪・撤回を拒否している問題で、高橋はるみ知事に緊急の要請をしました。
　要請には、森つねと参院北海道選挙区候補と真下紀子道議ら女性地方議員・候補が参加しました。
　森氏らは､｢橋下氏の暴言は人間の尊厳を深く傷つけるものです。侵略戦争の反省にたった河野談話・村山談話を後退させるべきではありません」とのべました。高橋知事が記者会見で、橋下氏の発言を｢理解しがたい｣と厳しく批判していることを踏まえて、�@橋下氏に「慰安婦」問題に関する一連の発言を撤回し、謝罪するよう求める�A知事として河野談話・村山談話の堅持を表明する―ことを求めました。
　応対した窪田毅知事室長は､｢橋下大阪市長の発言は、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけるものであると考えており、その立場におかれた方々に対し深い同情を禁じ得ない」と応じ、要請を知事に伝えると述べました。
(２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

選挙ズーム／１、２、３、ダー／「逆風」打開？

　「慰安婦」発言で逆風にある「日本維新の会」が、参院選比例代表に、元プロレスラー、アントニオ猪木氏の擁立を決めました。
　○…猪木氏は、１９８９年の参院選で「スポーツ平和党」を立ち上げ、当選、１期務めました。任期中、９１年の都知事選に立候補を表明、断念するなど、その裏で金銭スキャンダルも指摘されてきました。
　○…５日の出馬会見に同席した「維新」共同代表の石原慎太郎衆院議員は「思いがけない形で強いパートナーが現れた。ありがたい」と歓迎しました。猪木氏は、「１、２、３、ダー」という��決めぜりふ�≠�この会見でも、６日、「維新」が東京都内のホテルで開いた政治資金パーティーでも披露しましたが、猪木氏に期待するのは、こういうパフォーマンスか―。
　○…その政治資金パーティー、１枚２万円で、維新の国会議員に当選回数×２０枚を割り当てたもの。約３５００人が集まったというものの、報道によると、「パーティー券がなかなか売れず、地元から大量動員した」という維新議員の嘆きが紹介されていました。
　（忠）
( ２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

２０１３いま言いたい／カトリック東京大司教岡田武夫さん／憲法擁護、共産党とも協力

　安倍政権が持ち出している９６条改定は、憲法を変えやすくすることから改憲を始めるという姑息なものです。改憲手続きを緩やかにしたうえで「本丸」は９条です。「戦争ができる国」への道を作られてしまうことへの恐れを抱きます。
　９条はアジアへの侵略に対する反省の証しであると同時に、９条があったおかげで戦後６０年以上、日本は戦争で一人も殺さず、一人も殺されずにきました。９条は、殺りくと復讐を禁じたイエス・キリストの教えを表すものでもあります。これをなんとしても守り抜きたい。

２大戦への反省
　どんな宗教も、すべての命を大切にし、人々の間に平和を築き、一人ひとりが人間らしく生きられる条件を築くという使命を与えられています。しかし、その使命を私たちが十分果たしてきたかというと、じくじたる思いがあります。
　２００５年に亡くなったローマ教皇・ヨハネパウロ２世は、２０世紀の二つの世界大戦で、全体主義の台頭、基本的人権のじゅうりん、平和の破壊という点で、カトリック教会は神から与えられた本質的な使命を十分果たせなかったことへの反省を促しています。日本でも、戦前の天皇制のもとで結果的にカトリック教会が戦争協力してしまったことへの反省を明らかにしてきました。
　改憲の動きの強まりの中で、宗教者として、その反省を生かし、使命を全うしていくためには、憲法擁護という一点で異なる信条と立場の人々との協力も必要です。
　カトリックと共産党は「正反対」と見られがちです。しかし、基本的人権や平和の擁護、社会的弱者の保護、金権政治への批判、日本軍「慰安婦」問題はじめ侵略の歴史への反省など「地上の課題」では、共産党と私たちは互いに近い位置にいると感じています。

後の世への責任
　憲法問題で「赤旗」紙上で発言することには戸惑いもありました。けれども、憲法の危機的状況の中で、きちんと発言できなければ、先人の過ちを批判する立場も失い、後に続く人に対する責任を果たすこともできないと思ったのです。
　聞き手　中祖寅一
( ２０１３年０６月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

8日

大阪革新懇がシンポ／「都」構想・暴言・改憲語る

　大阪革新懇はこのほど、「明日の日本　どうなる　どうする」との政治シンポジウムを大阪市で開き、１４０人が参加しました。
　薬師院仁志帝塚山学院大学教授は、橋下・「維新」が掲げる「大阪都」構想が「大阪市を解体し、収益があがるものは売り払い、あがらないものはとっぱらう企業の破産整理だ」と批判しました。
　橋下「慰安婦」暴言に抗議したと語る小澤裕子大阪ＹＷＣＡ会長は、文楽への補助金削減をとりあげ、「自分の意見が市民の意見だという橋下氏に、おかしいとなってきている」と指摘します。
　日本共産党の清水忠史府副委員長は、橋下暴言の撤回と辞任を求め、「橋下『維新』を市民的に包囲し打ち破るために奮闘する」と表明しました。
　森裕之立命館大学教授は、「都」構想の一番の問題は財政調整ができないことで、９月の堺市長選が構想を左右すると話しました。
　憲法問題では、小澤氏が「押し付けられたのではないと広げていくことが大事」といい、薬師院氏は「９条があってもなくても平和は守ることが大事」と主張。森氏は「自民も『維新』も言論の自由を著しく制限しようとしている点が共通し、革新懇の運動が大事」と述べました。
　鰺坂真代表世話人があいさつしました。
(２０１３年０６月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言・オスプレイ／友だちにも伝える／党県女性後援会宣伝が反響／滋賀

　日本共産党滋賀県女性後援会は７日夕、大津市のＪＲ膳所（ぜぜ）駅前で抗議の宣伝行動に取り組みました。黄野瀬明子市議や後援会員ら約１０人が「しんぶん赤旗」号外と抗議先を書いたチラシを配布しました。
　号外を受け取った警備員の男性（５１）＝近江八幡市＝は「橋下さんの発言は人間として間違っています。オスプレイの訓練受け入れは、日本がとんでもない方向に行こうとしている気がする」と語りました。後援会員が対話した女子高生は「学校で人権のことを学んでいます。友だちにも伝えたい」とチラシを受け取りました。
　黄野瀬氏らはマイクを握り、「��訓練受け入れ�≠ﾍオスプレイの沖縄配備が前提。沖縄県民の総意は直ちに撤回することです」と訴えました。
(２０１３年０６月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言／「弁護士も市長もやめてんか」／京都で女性がパレード

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による「慰安婦制度は必要だった」との暴言に対し、京都母親連絡会は６日夕、京都市内で暴言の撤回と市長辞職を求めて「女性の怒りのパレード」を行いました。
　参加した６０人が「弁護士も市長もやめてんか」などと書かれたプラカードやうちわを手に、京都市役所前（京都市中京区）から四条河原町まで行進し、「橋下さんは暴言を撤回し市長を辞職せよ」などとアピールしました。
　沿道から声援を送っていたエジプト料理店で働く男性は、「橋下さんはおかしい、間違っている。女性蔑視だよ」と話していました。
　参加した宮崎八栄子さん（６７）＝右京区＝は、「全く思いやりのない暴言だ。被害者の『許すが忘れない』という言葉を重く受けとめ、きちっと謝罪すべきだ。橋下さんの暴言と言い訳は、世界に恥をさらしているものだ」と述べました。
(２０１３年０６月０８日，「赤旗」)

「慰安婦」暴言・オスプレイ「八尾移転」／黙ってられない／訓練受け入れ撤回を／大阪労連など府庁前で

広がる怒り
　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦」問題にかかわる一連の暴言と居直り、米軍普天間基地配備の垂直離着陸機オスプレイの飛行訓練の八尾空港（大阪府八尾市）移転提案に、「暴言を撤回・謝罪し公職辞任を」「オスプレイは撤去しかない」と近畿各地で怒りと抗議の声がさらに広がっています。

　「橋下徹大阪市長はすべての公職を辞任せよ」「松井一郎大阪府知事と橋下氏はオスプレイ受け入れを撤回せよ」。府議会閉会日の７日、「慰安婦」暴言と八尾空港（大阪府八尾市）での米垂直離着陸機オスプレイ訓練受け入れ発言に対し、抗議の唱和が府庁前に響きました。
　大阪労連の川辺和宏議長は「安倍政権は右へ右へとかじを取り、突撃隊の役割の『維新の会』に批判が広がっています。橋下暴言を擁護する松井知事は共同の責任をとるべきです」と強調。新日本婦人の会府本部の川本幹子会長も「『慰安婦は必要だった』発言は撤回せず、米軍への風俗の勧めでアメリカに謝っても沖縄県民や府民には謝らない。女性の性をじゅうりんし、性の商品化を容認するもので言語道断です」と批判しました。
　日本共産党の、たつみコータロー府くらし・雇用対策委員長（参院選挙区候補）が「慰安婦」暴言で橋下氏らの歴史認識が問われていると指摘。オスプレイ問題で「痛みは移動させるのではなく取り除かねばなりません。米軍基地と米兵こそ出て行ってもらうべきです｣と力を込めました｡
　参加した小林友子さん（６５）＝箕面市＝は「痛みをわからない人ですね。すぐにでも辞任してもらいたい」と話していました。
(２０１３年０６月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」抗議決議も「９６条守れ」も自公反対で不採択／都議会委

　７日閉会した東京都議会で、国内外から強い怒りの声があがっている日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦」発言に抗議する決議案が、都議会総務委員会で自民党と公明党の反対で採択できませんでした。
　日本共産党都議団が提出した「慰安婦問題等に対する発言に関する決議（案）」は、橋下氏の「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」などの一連の発言について、「人間の尊厳をおとしめ…世界から信用を失」うと批判し撤回を求めた極めて当たり前の内容です。
　しかし、総務委員会の理事会で自民党と公明党の委員が反対。都議会では意見書や決議は全会一致を原則としているため、採択できませんでした。
　また、日本共産党都議団は、憲法改定の発議要件を現行の３分の２から過半数に緩和しようという９６条改定の動きを、立憲主義に反するとして批判する意見書案を同委員会に提案しました。しかし、自民党と公明党に加え、民主党も反対したため、採択できませんでした。

都議会総務委員会での決議・意見書案への賛否

慰安婦問題等に対する発言に関する決議（案）
共産　○
民主　○
自民　×
公明　×
ネット　○
無所属　○

日本国憲法第９６条の改定反対に関する意見書（案）
共産　○
民主　×
自民　×
公明　×
ネット　○
無所属　×

※いずれも共産党提案　○賛成、×反対
( ２０１３年０６月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

��靖国派�％�本会議、都議選４１人立候補／自民・民主・維新・みんな公認

　東京都議選（１４日告示、２３日投票）に、��靖国派�≠ﾆよばれる改憲・右翼団体「日本会議」の地方議員版、地方議員連盟の正会員計４１人が立候補することが、本紙の調べでわかりました。自民党、民主党、日本維新の会、みんなの党の４党から公認を受けています。

　超タカ派の日本会議の都議候補は現職２９人、元職４人、新人８人｡一番多いのは自民党の３６人（現職２８人）。民主党は現職１人、維新の会は２０１２年１２月の総選挙に立候補し落選した野田数（元自民党）、吉田康一郎（元民主党）の元職２人。みんなの党は中央区議と町田市議の新人２人です。
　４月２６日に開かれた地方議員連盟の総会は「憲法改正」のスローガンをかかげ、３０００人の地方議員組織をめざす方針を確認しました。同議員連盟に加入していた自民党元都議は、「毎月５００円の会費を支払っていた。議員連盟が一番力を入れていたのは、８月１５日の靖国神社への参拝だった」といいます。
　公明党は４年前の都議選で、日本会議の自民党候補の一部を推薦しています。
　日本会議地方議員連盟に所属する野田数氏ら維新の会議員３人（当時）は１２年１０月の都議会本会議で、現行憲法を無効とし、戦前の「大日本帝国憲法」の復活を求める時代錯誤の請願に賛成し、批判を浴びました。
　野田氏は自民党都議だった１０年１２月の都議会本会議でも、明治天皇が首相らに与えた「教育勅語」について「日本人のしんとなる価値が存在している」と賛美｡民主党政権の日韓併合１００年や過去の政権の謝罪談話は大間違いだと非難しました。
　中屋文孝都議（自民）は１０年１１月の都議会総務委員会で、都議会自民党を代表して、「慰安婦問題に関して謝罪及び個人補償をしないよう求める意見書提出を求める陳情」の採択を主張。旧日本軍「慰安婦」問題について、「日本政府が韓国政府及び韓国国民に対する謝罪や個人補償を行うことに反対」と主張しました。
　日本会議は１９９７年に設立され、日本が戦前に行った侵略戦争を��正義の戦争�≠ﾆし、「アジア解放」の戦争だったと賛美する��靖国派�≠ﾌさまざまな団体の総元締めです。石原慎太郎・日本維新の会共同代表（前東京都知事）らが代表委員に名を連ねています。

日本会議地方議員連盟
　２００５年に設立し、都道府県、市区町村の議員で構成。設立趣旨は「地方議会から（天皇を国民統合の中心と仰ぐ）日本の国柄（国体）に基づいた新憲法、新教育基本法の制定」をめざしています｡
( ２０１３年０６月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

焦点／オスプレイ撤去こそ沖縄の願い／八尾を「第二の普天間」にするのか

　八尾空港（大阪府八尾市）への米海兵隊普天間基地（沖縄県宜野湾市）所属の垂直離着陸機ＭＶ２２オスプレイの訓練移転問題が急浮上しています。日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）らの提案を受けて、安倍晋三首相が小野寺五典防衛相に検討を指示したからです。問題はどこにあるのでしょうか。
　◇
　「第二の普天間基地」になりかねない―。航空写真をみればわかるように、同空港は住宅地のど真ん中に位置し、「世界一危険」とされる普天間基地と、まったく同じ状況です。四方を住宅地に囲まれ、滑走路延長線には幼稚園、小・中・高校、特別支援学校、病院などが数多く位置します。
　八尾空港では定期便は飛んでいませんが、セスナやヘリなどの小型機が頻繁に飛行。自衛隊や警察の航空基地も隣接しており、年間離着陸回数は約２万６０００回に達します。墜落事故も頻発しているため、市民の不安が高まっています。
　しかも、オスプレイの機体が不安定になる「転換モード」に入るのは、着陸地点の５�`手前から。周辺の市街地を、危険な状態で飛ばなくてはならず、多くの大阪府民が危険にさらされます。
　そもそも、八尾空港でのオスプレイの運用は現状では不可能です。オスプレイの重量は１６�dに達し、「八尾空港供用規程」（国土交通省大阪航空局作成）に示された、最大離陸重量５・７�dを大きく超えているからです。
　沖縄県民の願いは訓練の分散ではなく、普天間基地撤去・オスプレイ配備撤回です｡橋下氏らの提案は､沖縄・辺野古への新基地建設をも前提としており、二重三重に県民の総意を踏みにじるものです。党利党略でオスプレイ問題を扱うべきではありません。
　（竹下岳）

窮地の橋下氏に手をさしのべた首相
　オスプレイ訓練の八尾空港受け入れ提案は日本軍「慰安婦」発言で窮地に追い込まれた橋下氏の「失地回復」策です。そこに改憲でも歴史観でも考えが重なる安倍首相が手を差しのべた形です。
　「言うべきことは（言って）むちゃくちゃにたたかれることも経験した」「今、日本維新の会に対する信頼が揺らいでいるところはある」。６日の東京・渋谷駅前の街頭演説で橋下氏はこう述べて窮地を訴え。「慰安婦」暴言には開き直りつつ、オスプレイ移転を持ち出して「はじめて全国の自治体で米軍の訓練を引き受けるという表明をした」などと述べました。
　橋下氏は演説の前、安倍首相や菅義偉官房長官と官邸で会いオスプレイの大阪への受け入れを正式に伝達。会談は、５０分に及びました。連立を組む相手でもない野党の代表と首相、官房長官が長時間会談するという異例の対応となりました。菅氏は会談後の記者会見で提案について「素直に歓迎したい」と持ち上げました。
　なぜ維新をここまで持ち上げるのか。安倍首相は執念を見せる改憲に向け、維新は欠かせない連携相手と見ているのです。首相は「慰安婦」問題での強制性を否定する発言を繰り返してきており、歴史認識でも橋下氏と同根です。
　菅氏は記者会見で、逆風の維新への姿勢を問われ「（憲法も含めて）自民党が掲げる政策に理解を示していただける政党であれば、しっかり対応していく」と説明しました。
　（藤川良太）
( ２０１３年０６月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

7日

八尾にオスプレイ許さない／各地で怒りと抗議の声／日本から出て行って／大阪で宣伝

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が６日、安倍首相との会談で、米軍普天間基地配備の垂直離着陸機オスプレイの飛行訓練を大阪府八尾市の八尾空港で受け入れると提案したことに対し、地元八尾市のみならず近畿一円に怒りと抗議の声が沸き起こっています。

　原水爆禁止大阪府協議会は６日、「欠陥機オスプレイは八尾空港に来るな」と書かれた横断幕を掲げて大阪市のＪＲ天王寺駅前で宣伝をくり広げました。
　岩田幸雄理事長、大阪平和委員会の上羽治雄事務局長らがマイクを持ち訴えました。「オスプレイは事故で多くの死亡者を出している欠陥機です。飛行訓練反対。絶対に八尾に持ってくることは許されない」「『沖縄の負担を軽減する』などと言いますが、沖縄県議会は、オスプレイ全機撤収・普天間基地の閉鎖・撤去を全会一致で決議しています。日本からオスプレイは出て行けというのが沖縄県民の総意です。なぜこのことを言わないのか」と訴えました。
　宣伝を聞いた松原市の土佐忠志さん（５５）は「オスプレイは事故を起こすでしょう。橋下市長は市民の意見に関係なくやっていて、上から目線で好き勝手だ。従軍『慰安婦』問題で世界の批判に大恥をかいてアメリカのご機嫌をとろうとする。多くの人はオスプレイに反対ではないか」と強調しました。
　大阪市の女性（２７）は「オスプレイが沖縄で飛んでいるのは他人ごとではない。米国に持ち帰ってほしい」と話しました。
(２０１３年０６月０７日，「赤旗」)

札幌市長も改憲反対／井上議員に答弁／市議会代表質問

　日本共産党の井上ひさ子札幌市議は５日、第２回定例市議会で代表質問を行い、保育や若者の雇用、福祉など６項目について質問しました。
　井上市議は橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の日本軍「慰安婦」問題をめぐる暴言や安倍政権による憲法改定の動きに対する上田文雄市長の見解を求めました。
　上田市長は橋下代表の暴言は「国内外への不快の念を生じさせ、遺憾。（橋下氏は）反省すべきでないかと考えている」と述べました。憲法問題では憲法の成り立ちや大切さを語り「国民の圧倒的多数の賛成でもない限り変えてはいけない」と答弁しました。
　保育の問題で井上市議は、認可保育所の増設、保育士の処遇改善と「保育は公的責任で行うべき」として、国がすすめる株式会社の保育への参入を市として行わないよう求めました。
　井上唯文副市長は、保育所増設は計画目標を上回るようにしていくこと、保育士の処遇改善をすすめていくとのべましたが、株式会社の保育参入については、国と同様に可能にしていく考えを示しました。
　札幌市では、４月１日現在の待機児童数は、求職活動中の世帯も含め１１１１人で、入所は定員の１０４％、８６９人が定員を超えて入所しています。今年度、市では保育所の新設などで１２１０人分を増やす予定です。
　仲間と一緒に議会を傍聴していた北海道青年革新懇の柿田泰成事務局長は「『憲法を守っていきたい』という上田文雄市長の考えが知れてよかった」と感想を話しました。
(２０１３年０６月０７日，「赤旗」) （Page/Top）

「憲法ってかっこええな」と１人でも多く／非戦を選ぶ演劇人の会１０周年公演

　イラク戦争をきっかけに「非戦を選ぶ演劇人の会」が発足して１０年。毎年おこなわれてきた朗読劇のピースリーディングは昨年に続き今年も東京と大阪で開かれます。テーマは「いま、憲法のはなし―戦争を放棄する意志」。大阪公演で演出する、わかぎゑふさんと台本構成の石原燃さんに思いを聞きました。
　（隅田哲）

食卓で憲法自慢／大阪公演演出わかぎゑふさん
　昨年からピースリーディングに参加しています。今年のテーマになっている憲法のことを普段は考えない人たちに、「どうですか」とボールを投げるような感じで演出したいですね。改憲を主張する橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言が問題になっているだけに一石を投じるものになればとも思います。大阪公演の特色は、役者だけではなく落語家や狂言師、放送局のアナウンサーが出演することです。関西では古典芸能や新劇、小劇場の垣根が低く集まりやすい。
　今、一部の政治家が改憲を叫んでいますが、簡単に変えていいのでしょうか。憲法は、日本人がこれを基準にしてどうしていくのか、ということのためにつくられていると思います。第２次世界大戦で犠牲になった大勢の死者への鎮魂であり、日本も世界の国々も成熟した国家にならねばならないという決意の上に憲法はつくられたはずです。
　私が子どもだった昭和３０年代から４０年代、おとなは憲法を自慢していました。父親は明治、母親は大正の生まれで、兄たちは昭和初期に生まれ戦争を体験していました。「日本は戦争をせえへん唯一の国やで」と食卓でも子どもに話す。彼らの自慢話を聞いて私は育ちました。
　今の３０歳代以下の世代は憲法のことがよくわからないという人が多い。今回、２０代、３０代の役者も出演します。彼ら自身が朗読を通して「憲法って、かっこええな」と思い、同じ気持ちになる観客が１人でも多く出てくれたらと願っています。

暴力排除の考え／台本構成石原燃さん
　数年前から非戦を選ぶ演劇人の会の実行委員になっています。朗読劇の台本を１人で執筆するのは今回が初めてです。９条だけでなく、憲法全体の意味を伝えたいですね。従軍慰安婦をめぐる橋下徹大阪市長の暴言にも黙ってはいられない気持ちでいます。
　東京から移り住んで２年になる大阪には、西成の日雇い労働にみられる貧困などさまざまな問題がむき出しになっています。これとも憲法はつながっています。生存権を掲げた２５条は貧困問題にかかわります。
　憲法には平和的生存権があります。戦争のような直接的暴力を排除するだけでなく、差別や抑圧という構造的暴力を排除して初めて平和が来る。そんな考え方を憲法はもっています。自民党が出している改憲案は基本的人権を削ろうとするものですが、人権侵害と戦争は無関係ではありません。
　憲法から、生きろというメッセージが聞こえてくるようです。日本国の枠を飛び越えた普遍性を持っています。改憲論議の前に、まず憲法の中身を知ってほしい。憲法を現実に合わせて改憲をしても、現実は変わりません。現実を憲法に合わせた方が変わっていくのではないでしょうか。

【ピースリーディングの日程】
　〈東京公演〉１１日午後７時、１２日午後２時、全労済ホール／スペース・ゼロ。台本構成＝石原燃、演出＝鵜山仁、演出補＝永井愛。問い合わせ０７０（５４５７）２００３
　〈大阪公演〉２８日午後６時半、２９日午後２時・６時、ドーンセンター１階パフォーマンススペース。台本構成＝石原燃、演出＝わかぎゑふ。問い合わせ０７０（５２６０）０１５２
( ２０１３年０６月０７日，「赤旗」) （Page/Top）

選挙情報／維新と自民連立訴え

　維新の都議候補の後援会が４日、侵略戦争を正当化する言論を展開してきた元航空幕僚長・田母神俊雄氏の講演会を練馬区で開きました。田母神氏は、安倍晋三首相を「歴史観がしっかりしている」と持ち上げ、「麻薬の公明を抜け出し、維新と連立する必要がある」と求めました。
　田母神氏は、維新の参院比例候補の後援会長を務めています。講演で田母神氏は、現憲法をののしり、旧日本軍「慰安婦」問題で「橋下さんの『慰安婦』発言は真実だ」と暴言を擁護しました。
( ２０１３年０６月０７日，「赤旗」)

選挙情報／維新２トップ無反省

　維新の石原慎太郎、橋下徹両共同代表は６日、そろって渋谷駅前で演説しました。
　「慰安婦」問題では「アメリカやイギリス、フランス、韓国も（戦地で）女性を利用していた」（橋下氏）、「慰安婦という問題は戦争のたびにあった問題」（石原氏）と述べるなど、歴史をゆがめ、無反省な姿勢を示しました。
　そのうえ石原氏は、日本軍の関与と強制性を認めた河野洋平官房長官談話(１９９３年)に対し「商売人がやったのに政府がやったということにした」「反省してもらわなければ困る」と攻撃。参院選の大きな争点は「憲法をつくり直すこと」と述べ、憲法の全面改悪を主張しました。
　橋下氏は「慰安婦は必要だった」とする自分の暴言について、ごまかしで釈明しつつ、「僕の発言で維新に対する信頼が揺らいでいる。もう一度力を貸してください」と弱気をのぞかせました。
( ２０１３年０６月０７日，「赤旗」)

オスプレイ八尾受け入れを検討／論外であり断固反対／志位委員長が会見

　日本共産党の志位和夫委員長は６日の記者会見で、維新の橋下徹共同代表（大阪市長）らが、米海兵隊普天間基地（沖縄県宜野湾市）配備のオスプレイの飛行訓練の一部について八尾空港（大阪府八尾市）受け入れを提案したことについて、「論外であり反対だ」と述べました。
　志位氏は、八尾空港が住宅密集地に存在することを指摘。「沖縄県民の総意はオスプレイの撤去であり、訓練の拡散ではない。橋下氏の発言は、沖縄県民の総意にも反している」と強調しました。
　また､旧日本軍｢慰安婦｣問題での暴言の失点を挽回しようとする意図があるのではないかと述べ､｢この問題を党略的に持ち出し、もてあそぶべきではない」と批判しました。
( ２０１３年０６月０７日，「赤旗」) （Page/Top）

6日

「慰安婦」問題解決へ広島市で宣伝／ハルモニに連帯／中国の被害者も橋下氏を告発

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは５日、広島市中区基町のメルパルク広島前で宣伝しました。韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯し、毎月第１水曜日の正午から１時間、宣伝しているもの。
　この日は２７人が参加し、先月各地で開いた被害者から証言を聴く集会の模様を伝えるビラを配布。高雄きくえ共同代表、土井桂子事務局長ら３人がハンドマイクで訴えました。
　高雄共同代表は「証言したハルモニ吉元玉（キル・ウォノク）さんは『戦争は女性や子どもを傷つける。次の世代は、戦争のない平和な世界で生きてほしい』と訴えました」と報告。土井事務局長は、中国の被害女性が今月３日、安倍晋三首相と日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長にあてた抗議声明で「日本政府はいまだに私たちに謝罪していません。ましてや橋下氏に至っては、しきりに口汚い言葉を並べたて、私たちを傷つけています」と告発したことを紹介しました。
　ビラを受け取った女性会社員（４２）＝広島市西区＝は「暴言を平然と繰り返す橋下さんの姿は、ナチス・ヒトラーのような雰囲気があって、怖いですね」と語りました。
(２０１３年０６月０６日，「赤旗」)

橋下発言／「撤回を」全会一致／東京・清瀬市議会が決議

　東京都清瀬市議会は３日、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言の撤回と、元「慰安婦」への謝罪を求める決議を、全会一致で可決しました。
　日本共産党清瀬市議団が呼びかけ、超党派の女性市議が共同提案したものです。
　決議文は、橋下市長の「慰安婦」発言は、女性の人権を蹂躙（じゅうりん）するもので「到底許されるものではない」と批判。「市長や政党代表という公人の資格はもちろん、人間としての姿勢が問われる問題である」と批判しています。
(２０１３年０６月０６日，「赤旗」)

悪政阻止へたたかう／３団体が国会行動

　要求実現と政治の転換を求める国会行動が５日、衆院第２議員会館前で行われ、消費税増税、「成長戦略」の名による雇用破壊の阻止へ「各地・各分野でのたたかいを広げ、参院選で安倍政権へ審判を下そう」との声に包まれました。
　国民大運動実行委員会、中央社会保障推進協議会、安保破棄中央実行委員会の主催。全日本民医連の吉田万三副会長が主催者あいさつし、「生活保護法改悪法案は違法な『水際作戦』を合法化するものだ。悪政を阻止するため、たたかいを広げよう」と訴えました。
　各団体が決意表明。新日本婦人の会の石原和常任委員は「橋下大阪市長に『慰安婦』発言の撤回・謝罪させ、市長が辞任するまで抗議行動を続ける」と語りました。
　埼玉土建の高橋誠一副委員長は「賃金・単価が上がらない一方で、生活物価や資材・燃料費が高騰し、経営と生活の状況が悪化している」と告発。「７月の参院選で、悪政を進める議員たちには退場してもらおう」と訴えました。
　日本共産党の山下よしき書記局長代行が国会情勢を報告しました。
( ２０１３年０６月０６日，「赤旗」) （Page/Top）

「国連勧告」めぐり橋下氏が会見

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は５日の記者会見で、国連拷問禁止委員会がまとめた旧日本軍「慰安婦」に関する勧告を受け、「国家の意思として女性を拉致したのか、人身売買したのか、明確に日本政府は答えなければいけないのではないか」と述べました。勧告は「慰安婦」問題について「政府当局者や公人による事実の否定、被害者を傷つけようとする試みに反対する」ことや、関係者の処罰などを日本政府に求めています。
( ２０１３年０６月０６日，「赤旗」)

焦点／国連も地方も非難／橋下妄言批判広がり続ける訳は

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による「慰安婦は必要」との妄言に対し、国内外からの批判がとどまりません。国連の潘基文（パン・ギムン）事務総長が異例の批判をし、人権に関する委員会が日本政府に勧告を提出。日本国内でも各種団体の抗議をはじめ、地方議会での非難決議があいついでいます。

欠ける歴史認識
　「女性の人権を蹂躙（じゅうりん）し尊厳と名誉を傷つけたという歴史認識に欠け、性暴力被害者をさらに傷つける断じて許されない暴言」「女性を道具のごとく扱う人権感覚の橋下氏に公職を務める資格はない」
　千葉県議会の全女性議員の抗議声明（５月１７日）はこう指摘しました。抗議が広がっているのは、女性を��戦争の道具�≠ﾌようにみなす橋下氏の妄言が、国際社会の到達した人権基準からみても決して許されないからです。
　米国のジョディ・ウィリアムズさん、イランの人権活動家シリン・エバディさんらノーベル平和賞受賞の５人の女性は５月３０日、「戦時中の『性奴隷』は性暴力であり、今日では戦争犯罪と定義されている」とし、「（橋下氏の）嘆かわしい発言を最も強い言葉で非難する」との声明を出しました。深刻な戦争犯罪を「必要」などと容認したのですから、弁明の余地はないのです。

新たな人権侵害
　しかも、橋下氏が妄言を謝罪・撤回するどころか、会見などでくり返し正当化をはかっていること自体が新たな人権蹂躙だとの非難があがっています。
　埼玉県新座市議会の決議は、外国特派員協会での橋下氏の会見について「釈明と論点すりかえの繰り返し」と批判。大阪府吹田市議会決議は、橋下氏が「慰安婦」必要論に固執し続けることは「『慰安婦』の方たちを深く傷つけ、同時に基本的人権を尊重する日本の品格をおとしめることになる」と指摘しています。
　国連の潘事務総長が２日、朝日新聞との会見で、橋下発言とその後の釈明について「国際社会は納得しない」と明言したことは世界に報じられました。
　国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会は５月３１日、橋下発言を念頭に「公人による事実の否定、否定の繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」を政府に求める勧告をまとめました。

逆流全体に警告
　しかも、これらの発言や勧告が、橋下氏だけでなく、日本の歴史逆流の動き全体に警告を発していることも重要です。
　潘氏は、安倍内閣の閣僚らの靖国神社参拝も「周辺国に否定的な反応を引き起こしている」と批判。国連拷問禁止委員会の勧告も「国政および地方の高官や国会議員を含む政治家」が「慰安婦」問題で「事実を公に否定し、被害者に新たな心的外傷を与え続けている」と非難しています。
　橋下妄言への批判からみえてくるのは、人権問題、とりわけ日本軍「慰安婦」問題に真正面から向き合うことなしに、国際社会で生きていくことはできないということであり、それを理解しない人物に政治に携わる資格はないということです。
　（遠藤誠二）

「慰安婦」をめぐる橋下発言への抗議など

〈地方議会での発言撤回(一部は謝罪含む)決議〉
５月２０日　東京都千代田区議会（全会一致）
　　２８日　京都市議会　　　　　
　　３１日　大阪府吹田市議会　　
６月３日　埼玉県新座市議会
　　　　　東京都清瀬市議会

〈国連の勧告等〉
５月２１日　社会権規約委員会　「慰安婦」公衆教育などを求める勧告
　　３１日　拷問禁止委員会　「慰安婦」否定発言反論をもとめる勧告
６月２日　潘基文事務総長が「朝日」との会見で発言批判

〈その他〉　
５月３０日　女性のノーベル賞受賞者５人が発言非難の声明
( ２０１３年０６月０６日，「赤旗」) （Page/Top）

5日

橋下市長暴言／市長やめてほしい／大正区で集会・デモ

　大阪市大正区の大阪市をよくする会・明るい民主大阪府政をつくる会大正区連絡会は１日、橋下徹市長の「慰安婦が必要だってことは誰だってわかる」という暴言に抗議し、「橋下市長は責任をとって辞職せよ！怒りの大正区民集会・デモ」を行い、市長に暴言撤回、謝罪、辞任をもとめました。
　小雨の中、約６０人の区民が集まり、次々とマイクを握り訴え。「橋下徹大阪市長の辞職を求める」決議を採択しました。
　同区選出で日本共産党の小原孝志市議は「市議会で前日まで維新を除く全会派で橋下市長の問責決議を可決しようと一致できたこと自体が画期的。市民が橋下市長を追い詰めていることに確信もってたたかいを広げましょう」と呼びかけました。
　集会後は、「橋下市長は辞職せよ！」「暴言を撤回し、謝罪せよ！」「人権無視を許すな！」などと怒りの声をあげながら、大通り沿いを大正駅まで行進しました。
　沿道には｢橋下市長､やめてほしいわ」と話しかけてくる女子高校生３人組や「頑張って！」と力強く激励していく女性､｢ほんまにありがとう」という男性の姿がありました。
(２０１３年０６月０５日，「赤旗」)

橋下市長暴言の撤回と公職辞任求める／関西ネットが要望書

　「『慰安婦』は必要だった」とする橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の一連の暴言に対し、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークは４日、大阪市役所を訪れ、度重なる暴言の撤回と謝罪、市長の辞職を求める要望書を提出しました。
　同ネットワークはこれまでに抗議署名約９４００人分や公開質問状を提出しています。要望書は「暴言が、被害者たちをどんなに傷つけたことでしょうか。橋下市長には想像さえもできないのでしょう。暴言の撤回も、被害者への謝罪もなされていません」と指摘。▽発言の撤回と被害者への謝罪▽女性を侮辱し男性をもおとしめる発言に対し、すべての人々への謝罪▽政治家、市長、公人として許されない人権意識のない言動を繰り返した責任をとって直ちに市長辞職―を求めるとしています。
　方清子共同代表は会見で「（国会議員らによる）続く一連の発言を、放置している日本政府に対しても国際社会は厳しい指摘をしています。今後、しっかり監視しながら、歴史をわい曲させることは許さない行動を続けていきたい」と話しました。
　同ネットワークは、大阪府茨木市の木本保平市長（「維新」いばらき支部副支部長）が一連の発言を「おおむね正しい」と発言したことに対しても３日、謝罪と撤回を求めています。
(２０１３年０６月０５日，「赤旗」)

尖閣問題平和解決を／全国で運動へ／日中友好協会大会

　日本中国友好協会第６２回大会が１、２の両日、静岡県伊東市で開かれました。日中平和友好条約３５周年の今年、「尖閣問題の平和的な解決を」との各界アピールを近く発表し、賛同を広げる運動を全国で進めることを決めました。
　同大会では、歴史認識をめぐる安倍首相の侵略戦争肯定発言や、日本維新の会の橋下徹共同代表の日本軍「慰安婦」問題での暴言を許さず、憲法改悪の動きに反対し、協会の不再戦平和運動を強化していこうと話し合いました。
　在日中国大使館の湯本淵公使参事官、日朝協会の宮垣光雄事務局長があいさつ。日本共産党を代表して西口光国際委員会副責任者は、尖閣問題での日本共産党の提言を紹介。大会の成功と草の根の活動のいっそうの発展を期待しました。
　大会で選出された役員は、次の通り（いずれも再）。
　名誉会長＝伊藤敬一、会長＝長尾光之、副会長＝阿部兼也、石子順、大村新一郎、松田英子、渡辺武、理事長＝田中義教、副理事長＝大田宣也、丸山至、事務局長＝矢崎光晴
( ２０１３年０６月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長「慰安婦」発言問題／京おんなも怒ってるえ／辞任求め宣伝／京都の女性９団体

　京都の女性団体は４日、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦制度は必要だった」「風俗業の活用を」の発言撤回と市長辞任を求める女性宣伝を京都市の四条烏丸交差点で行いました。
　国際婦人年京都連絡会（久米弘子代表）が呼びかけ、新日本婦人の会や母親連絡会、労働組合、日本共産党など９団体から２０人余が参加。リレートークで訴え、ビラや抗議はがきを手渡して、「抗議の声をあげよう」と呼びかけました。
　久米代表（弁護士）は、橋下氏の発言は、被害女性の人権を踏みにじり、平和への女性の願いに反し、基地被害に苦しむ沖縄の感情を逆なでする許しがたいものだと批判。発言を後押しする勢力にも警鐘を鳴らしました。
　大阪府八尾市の女性は、「暴言に、オスプレイの訓練受け入れなど、橋下市長も松井知事も何を考えてるんや」と怒っていました。
( ２０１３年０６月０５日，「赤旗」)

橋下市長「慰安婦」発言問題／吉見中央大教授が公開質問状／わい曲引用に撤回・謝罪求める

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題に対する認識をただすために歴史学者の吉見義明中央大学教授が４日、同市役所を訪れ、市側に市長あての公開質問状を提出しました。７月５日までの回答を求めています。
　吉見氏は、橋下氏が昨年８月２４日の囲み取材で自らの立場を正当化する根拠として吉見氏の発言をわい曲して引用したことについて改めて撤回と謝罪を要求。その上で、問題の根底には橋下氏の「慰安婦」問題に対する認識があると質問状を提出しました。
　この中で吉見氏は、１９９０年代以降の日本国内での「慰安婦」裁判や東京裁判の判決でも日本軍が女性に性の相手を強制した事実が認定されていることを示し、「知っているのか」と質問。日本軍「慰安婦」制度は外出、居住、廃業、拒否の自由がない「性奴隷制」であり、制度を設置・運用した国の責任が問われていると、根拠となる公文書なども付けて、市長の認識をただしています。
　吉見氏が開いた会見には、１６人の代理人弁護士のうち５人が同席しました。
　大森典子弁護士は「『慰安婦』問題では、軍が女性を強制的に連行したケースも、業者を使った例もあるが、国際社会が問題にしているのは、日本が国家・軍の意思として慰安所の制度をつくり、そこで女性たちが奴隷的状態に置かれたということだ」と指摘。橋下氏が「国家の意思として女性を拉致、人身売買したか」が核心であるかのように語っていることについて「問題をずらしている」と批判しました。
( ２０１３年０６月０５日，「赤旗」)

韓国、日本の政治家に「深い憂慮」

　【ソウル＝時事】スイス・ジュネーブで３日開かれた国連人権理事会の一般討論で、韓国代表は、最近の日本の政治家の従軍慰安婦問題に関する発言について「歴史に対する深刻な無理解と、女性の尊厳、真実に対する冒涜（ぼうとく）を露呈した」として「深い憂慮」を表明しました。韓国外務省が４日、発表しました。
　韓国代表は、慰安婦問題に関し、「日本の指導層が歴史の暗い部分を直視し、過去の過ちに対する責任を正直に、謙虚に認め、時代錯誤的な言動と歴史の歪曲（わいきょく）を正す」ことを求めました。
( ２０１３年０６月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

4日

橋下暴言／新座市議会が抗議／撤回・謝罪求め決議／埼玉

　埼玉県新座市議会（定数２６）は３日、「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長による「従軍慰安婦は必要だった」などの発言に抗議し、撤回・謝罪を求める決議を、日本共産党、公明党、保守会派の賛成で可決しました。みんなの党の２人と無所属の１人は退席しました。
　決議は、橋下氏の一連の発言について「慰安婦ご本人を深く傷つけたことはもとより、全女性への冒涜（ぼうとく）であり、男性に対する侮辱でもある」と指摘。「戦争遂行のために、女性を道具のごとく扱う人権感覚は公職に携わる者としてふさわしくない」と批判し、橋下氏に猛省を促し、発言の撤回と謝罪を求めています。
(２０１３年０６月０４日，「赤旗」)

「慰安婦」問題／橋下市長の辞任要求／宮城の会が宣伝

　日本軍「慰安婦」問題をめぐる日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の暴言に抗議し、発言の撤回と公職の辞任を求める宣伝が２日、仙台市の一番町商店街で取り組まれました。
　主催したのは、日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす宮城の会です。横断幕を掲げ、交代でマイクを握り、「橋下氏の暴言は、人間の尊厳を踏みにじるもので、絶対に許すことはできません。しかも、暴言を撤回しようとせず、謝ったのは米軍とアメリカにだけです。橋下氏は、大阪市長を辞めるべきです。暴言に対する怒りの声を上げていきましょう」と呼びかけながら、参加者がビラを配布しました。
　受け取ったビラを見つめていた泉区の鈴木国雄さん（７１）は、「市長の発言とは思えない、ひどすぎる発言。人権侵害もはなはだしい。市長を辞めて当然だね」と話し、同じく泉区の６１歳の女性は、「橋下市長は日本の恥。市長の発言だから問題です。ともかく品位に欠ける」と嘆いていました。
(２０１３年０６月０４日，「赤旗」) （Page/Top）

「過去を語り伝える文化の創造」／ドイツからどう学ぶ／望田幸男

　もう１０年近く前になるが、友人・知人とともにアウシュヴィッツ収容所をはじめとしたポーランド旅行を試みた。その際、現地のポーランド人案内人が、ナチスによる占領時代の悲惨な体験を語りながらも、他方でこのようにいった。「いまではドイツとドイツ人に怨念もありません。彼らとはフランス人やアメリカ人と同じようにつき合えます」と。

ポーランド人に和解と許しの心
　私は、過去の戦争における不法と残虐行為に対するドイツの反省と謝罪の積み重ねが、被害国民ポーランド人のなかに、このような和解と許しの心を生み出しているのか、と深い感動におそわれた。
　ドイツとドイツ人によるそうした数多くの積み重ねの事例を２、３挙げよう。はやくも１９５２年、フランス・西独などによって「ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体」が発足した。これは石炭と鉄という戦略物資の生産などを国際管理することによって、戦争の物質的原因を除去することをめざした国際条約である。史上いくたびも戦火をまじえてきたフランス・ドイツ双方のまさに不戦の誓いが核心となっていた。この条約こそが、今日のヨーロッパ連合（ＥＵ）の最初の礎石となったのである。

ひたむきな反省、近隣国の信頼に
　また西独首相ブラントが、ポーランドのユダヤ人犠牲者追悼記念碑を前に大地にひざまずいてドイツとドイツ人の「罪」を謝罪したのは、１９７０年のことであった。また１９８５年の敗戦４０周年にあたり、ヴァイツゼッカー大統領は国会で演説を行い、戦時中の「ドイツの罪」に対するひたむきな反省を吐露し、内外からの共感を呼んだ。
　このような政治的パフォーマンスは、歴代の政治指導者たちによって継承され、近隣諸国の政治的信頼を深めさせてきた。こうした努力の総仕上げのように、２０００年には戦時中の強制労働の被害者への補償を定めた「記憶・責任・未来」基金の設立が、全政党の同意のもとに成立した。
　これら一連の積み重ねが、冒頭に紹介したポーランド人のドイツ人観に結実していると考えられる。そこにはドイツとドイツ人の政治的道義の到達度が示されている。それによってドイツは近隣諸国と和解を進め、いまではヨーロッパ連合の指導国となっている。

橋下暴言を生む政治道義の退廃
　これに比して日本はどうであろうか。いまや北東アジアの孤児ともいうべき状態に陥ってはいないだろうか。日本の歴代政府は、戦時の侵略と非人道的行為への反省を怠り、その責任をあいまいにし続けてきた。とりわけ昨今の安倍晋三首相の言動は、戦後秩序の逆転とも思える改憲思想を露骨に表明している。そこには政治的道義の退廃さえ感じさせるものがある。
　こうして行き着いた地点が、従軍慰安婦問題にかんする橋下徹維新の会共同代表の発言であろう。ちなみにドイツでは、この種の暴言を発した場合には、国会議員であれ、大臣であれ、おそらく職にとどまることはできない。
　戦時の非人道行為や戦争犯罪の当事者たちが死に絶えようとしている今日、ドイツでは「過去を語り伝える文化の創造」という見地が強調されている。こうした道義的文化の大道を歩みつつあるドイツから、私たちはなにをどう学び、いかに行動すべきか問われている。
　（もちだ・ゆきお　同志社大学名誉教授・ドイツ近現代史）
( ２０１３年０６月０４日，「赤旗」) （Page/Top）

中国元「慰安婦」、橋下氏らに抗議

　【北京＝時事】旧日本軍の元従軍慰安婦だった中国人女性３人が３日、安倍晋三首相の歴史をめぐる言動や橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の慰安婦発言に抗議する声明を発表しました。３人の代理人を務める弁護士が北京の日本大使館と大阪市に声明文を発送したといいます。
　発表したのは李秀梅さん（８５）ら。声明は安倍、橋下両氏の発言などが「私たちの心身を再び傷つけた」と強く非難。日本政府に対し謝罪と賠償を改めて求めるとともに、橋下氏に対しても発言の撤回と謝罪・賠償を要求しました。
( ２０１３年０６月０４日，「赤旗」)

「慰安婦」国連勧告／歴史認識改め謝罪・賠償を／市田氏が会見

　日本共産党の市田忠義書記局長は３日、国会内で記者会見し、旧日本軍「慰安婦」問題について国連の拷問禁止委員会から日本に出された勧告について見解を問われ、「政府は勧告を正面から受け止めて、謝罪、賠償を行うべきだ」と述べました。
　市田氏は、問題となった日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の発言に関して「大本には安倍（晋三）首相の間違った歴史認識がある」と指摘。安倍首相が国会で追及されても「立場が異なる」としか答えず、批判も否定もしなかったことをあげて、安倍首相の立場が厳しく問われていると強調しました。
　市田氏は勧告で「本件事実を公に否定し、被害者に新たな心的外傷を与え続けている」と指摘されたことは恥ずべきことだと強調。誤った歴史認識を抜本的に改めるとともに、「慰安婦」問題は決着はついていないことを認めて謝罪、賠償を行うのが政府の責任だと述べました。
( ２０１３年０６月０４日，「赤旗」) （Page/Top）

3日

週間日誌／１３年５月２６日〜６月１日

政治・経済
　◆撤回せず責任転嫁　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が日本外国特派員協会で会見し、旧日本軍「慰安婦」に関する自身の発言について「誤報されてしまった」と撤回しない考えを示す（２７日）
　◆日印原子力協定交渉再開　安倍晋三首相とインドのシン首相が首相官邸で会談し、日印原子力協定交渉の再開で合意（２９日）
　◆電力・ガス全社が値上げ　電力１０社と都市ガス大手４社が７月の料金を引き上げると発表。１４社の一斉値上げは４カ月連続。現行制度となった２００９年５月以降の最高料金をいずれも更新（３０日）
　◆住宅ローン金利を引き上げ　みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行が６月に適用する「固定型」住宅ローンの金利を引き上げると発表。長期金利が上昇しているためで、引き上げは２カ月連続（３１日）
　◆生活保護法改悪案を可決強行　生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法案が衆院厚生労働委員会で採決され、自民、公明、民主、維新、みんな各党の賛成多数で可決。日本共産党は「生存権保障の基本理念を侵す」として反対（３１日）

社会・国民運動
　◆Ｂ７８７運航再開　バッテリーのトラブルで運航停止となったボーイング７８７が約４カ月半ぶりに臨時便として営業運航に復帰（２６日）。日本乗員組合連絡会議が、情報開示や安全優先などを求める（２７日）
　◆成年被後見人に選挙権　公職選挙法改正案が可決、成立し、成年被後見人の選挙権が夏の参院選から回復（２７日）
　◆燃油高騰で全漁連が集会　全国漁業協同組合連合会（ＪＦ全漁連）は燃油高騰で政府に対策を求め東京都内で集会。２０００人超が参加し「国は漁業を守れ」と訴え（２９日）（写真）
　◆もんじゅ再開中止を命令　日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の点検漏れ問題で、原子力規制委員会が、もんじゅ運転再開への準備作業停止を命令（３０日）

国際
　◆コロンビア政府と反政府武装集団が合意　南米コロンビアの政府と反政府武装集団コロンビア革命軍（ＦＡＲＣ）が和平交渉の第１テーマ「農地・農業改革」で合意。零細農民への農地提供、総合的な農村開発などを盛り込む（２６日）
　◆ＥＵがシリア反体制派への武器援助容認　欧州連合（ＥＵ）外相会議は、内戦が続くシリアの反体制派への武器援助を事実上容認することを確認。武器禁輸解除に反対する国もあり、ＥＵは外交政策上の全会一致原則を放棄（２７日）
　◆大統領不信任求める署名が７００万人突破　強権政治を進めるモルシ・エジプト大統領の不信任と大統領選挙の早期実施を求める署名の賛同者が、５月１日の開始以来７００万人を突破。署名に取り組む青年中心の新組織��反抗�≠ｪ会見で発表（２９日）
　◆貧困根絶へ国連が新目標を提言　２０１５年より先の国際社会の開発目標となる「ポスト・ミレニアム開発目標」の策定を議論してきた国連ハイレベル・パネルが潘基文（パン・ギムン）事務総長に報告書を提出。１日１・２５�j未満で生活する極貧を３０年までに根絶するなどの目標を示す（３０日）
( ２０１３年０６月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

視点２０１３／海外の論調から／妄言リレー、国格を堕落させる

○韓国紙・東亜日報（５月２８日付社説）
　（５月２７日の日本外国特派員協会での会見で）
　橋下代表は「韓国に異見があるなら国際司法裁判所で解決しよう」とごう慢な姿勢に出ながら、米国には謝罪し、自らの発言を撤回した。強者には屈従し、弱者は踏みつぶす日本の政治家の典型だ。
　安倍晋三首相が「侵略の定義は決まっていない」と述べた後、韓国と中国の批判には張り合っていたのに、米国の批判が始まると一歩引き下がったのとあまりにも似ている。
　日本が過去の過ちを否定すればするほど、歴史のくびきはさらに重くなる。一部の政治指導者の妄言リレーが、国際社会での日本の国格を堕落させている。

○英紙・フィナンシャル・タイムズ（５月２８日付）
　昨年１２月の総選挙後、政界に影響を及ぼす人物になると、多くの人が考えていた大阪市長が今、みずからの政治家生命のためにたたかっている。日本維新の会の支持率は急速に下落している。ある調査では夏の参院選で同党に投票するという人は３％にとどまっている。
　外国特派員協会での会見で、橋下氏は、「慰安所を是認したことは一度もない」「慰安婦の活用は女性の尊厳と人権を蹂躙（じゅうりん）する決して許されないもの」と表明した。
　この表明は彼の元の記者会見での発言と矛盾している。彼が述べていたのは、戦場で緊張と危険にさらされている兵士にとって、「慰安婦制度が必要だったことは誰もがわかる」ということだった。
　在沖縄米軍兵士に風俗業の利用を奨励したことは謝ったものの、他の議論を呼んでいる主張では立場を変えていない。
　橋下氏は、慰安婦の補償問題で韓国政府に国際司法裁判所に訴え出ることを示唆しているが、韓国外相は日本に直接の補償交渉に応じるよう要求している。
( ２０１３年０６月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

視点２０１３／ニュースを読む／橋下妄言と安倍首相／国際常識にはずれた道／藤田健

人道への罪は時代を超えて
　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦」妄言が国内外から痛烈な批判にさらされています。ところが安倍晋三首相は「立場が違う」というだけで、いっさい批判しようとしません。問題はどこにあるのでしょうか。

　「大誤報をやられた」「日本人の読解力不足」―橋下氏は見苦しい責任転嫁をくり返したあげく、外国特派員協会での会見（５月２７日）で「慰安婦の利用を容認したことはこれまで一度もありません」などと自己正当化をはかりました。
　しかし、これが成り立たなかったことは、海外メディアが「３時間に及ぶ支離滅裂な弁明」（仏・フィガロ紙）「歴史を否定する本心は隠せなかった」（韓国・東亜日報）などと報じたことでも明らかです。国内でも「朝日」「毎日」が誤報問題で異例の反論を掲載しました。
　なにより、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」（１３日）という橋下妄言に誤読や誤報の余地はありません。「誰だって」のなかに橋下氏が含まれているのは明白です。

首相の責任重大
　この問題では、安倍首相の責任は重大です。橋下妄言の直接のきっかけは、「侵略の定義は定まっていない」との首相発言への態度を聞かれたことでした。橋下氏は、これに同調するなかで「慰安婦は必要だった」発言をしたのです。また、「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた河野官房長官談話を、安倍首相が見直す姿勢を示してきたことが背景になっています。
　もともと、安倍首相が政界で注目される契機も「慰安婦」問題でした。１９９７年、「日本の前途と教科書問題を考える若手議員の会」を結成し、事務局長に就任。「慰安婦」問題の教科書記述を攻撃し、河野談話を、「確たる根拠もなく『強制性』を先方に求められるままに認めた」と非難したのです。
　２００６年に首相に就任すると、「（慰安婦問題で）強制性を裏付けるものはなかった」と発言（０７年３月）。翌月の訪米で２度にわたる謝罪に追い込まれたのでした。

��ガラパゴス化��
　元オランダ大使の東郷和彦氏は著書『歴史認識を問い直す』で、「慰安婦」制度を戦地における��公娼（こうしょう）制度�≠ﾆみなし、当時受け入れるべきものだったと主張しているグループを「公娼派」とよび、世界の常識からかけ離れた��ガラパゴス化�≠ｾと指摘しています。
　橋下氏の暴言もその流れにあることは明瞭です。「慰安婦」について「当時は必要だった」とくり返し、「国家の意思として組織的に拉致した、人身売買したというのは事実と違う」として、強制連行だけを問題にする姿勢もそのままです。
　しかし、これらの主張が世界の常識といかにかけ離れているか。特派員協会の会見で米紙記者が「人身売買は、女性をだましたり、拉致したりする組織、その女性を移送する組織、拘束する組織、意に反して働かせる組織があって成立する。国際的にはそのすべてを人身売買という」と指摘したとおりです。「強制連行」だけに矮小（わいしょう）化する議論は本質ではありません。
　また、「人道に対する罪」はどの国であれ、いつの時代であれ、非難されるべきで、��当時は必要だった�≠ﾆいう容認論は最悪です。人種差別や外国人排斥問題などを議論した世界会議（ダーバン会議、２００１年）は「植民地主義によって苦痛がもたらされ、植民地主義が起きたところはどこであれ、いつであれ、非難され、その再発は防止されねばならないことを確認する」と宣言しています。日本も０７年に承認した国際刑事裁判所規定では、「あらゆる形態の性的暴力」を「人道に対する犯罪」と規定しています。
　こうした国際社会の常識にたって問題をみないとどうなるのか。東郷氏は「よくても世界の孤児か、最悪の場合は国の形を失うような負け戦に入るのか」「無知は、狂気に通ずる」と警告しています。問題の重大性を指摘する言葉です。
　（政治部長）
( ２０１３年０６月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

2日

橋下氏「慰安婦」暴言／謝罪し市長辞任を／韓国人被害者２人が訴え／大阪での証言集会

　「私たちに申し訳ないと感じ、反省するならば、自身の口から出た妄言を撤回し、謝罪しなければならない」
　韓国から訪日中の日本軍｢慰安婦｣被害者､金福童(キム・ボットン）さん(８７)と吉元玉（キル・ウォノク）さん（８４）は、証言集会（２５日、大阪市内）に先立ち声明を発表し、橋下氏に市長辞任を求めました。
　橋下氏が２人との面談を､｢謝罪パフォーマンスの場」にしようとしていると見て、面談をとりやめた２人｡集会では､改めて自身のつらい体験を語りました。
　金さんは朝鮮半島が日本の植民地だった１９４１年、１４歳で「慰安婦」に。村の区長と日本人に「軍服を作る工場で働く」とだまされ、連行されたのです。
　行き先は「戦場でした。そこで私は日本軍の奴隷となった｣｡中国・広東に着くと「軍医が身体検査し（「慰安婦」が）何人（慰安所に）はいるか知っていた」と証言します。
　広東の慰安所はベニヤ板で仕切られた、ベッドが一つあるだけの部屋。暴力は日常的で、監視がいて逃げ出すこともできない。相手をさせられた兵士の数は１日１５人から５０人以上にも。
　ある朝、軍人が何の説明もなしに、荷物をまとめてトラックに乗るよう言いました。軍の貨物船に乗りかえ、着いた先は香港の慰安所でした｡金さんはその後､インドネシアやシンガポールなど南方地域の前線を日本軍に連れ回され､｢死にたくても死ねず」性奴隷を強いられました。
　戦後､祖国に帰っても｢軍人の相手をさせられたことを胸にしまい込み、暮らしてきた」金さん。「私の願いは安倍政権が心を入れ替え、過去の誤りを解決してくれること。戦争のない平和な世界を望みます」と訴えました。
　吉さんは１１歳で｢慰安婦｣に。頭には当時抵抗した際の傷痕が残っています｡｢戦争が起きれば弱い民衆、特に子どもたちが大変な被害を受ける。再び戦争をしないと約束した日本が戦争するかもしれないと心配になり、来日した」と語りました。
(２０１３年０６月０２日，「赤旗」)

橋下氏「慰安婦」暴言／��釈明�≠燻ｸ敗／「国際的には人身売買」「ウソつき」／外国特派員協会

記者ら驚き
　「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」という発言（５月１３日）を、あくまで撤回しない橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）―。批判と怒りの声がさらに強まっています。日本外国特派員協会での記者会見（２７日）でも、海外記者から「稚拙な議論」「ウソつき」などという厳しい声が―。
　本吉真希記者

　特派員協会で橋下氏は「慰安婦」発言について「メディアの誤報」と責任転嫁｡｢世界各国も戦場で女性を利用していた」などと論点をすり替え、「日本が国家の意思として組織的に女性を拉致した、人身売買した点を裏付ける証拠はない｣とも｡各国記者からは驚きや、ため息が。厳しい質問も飛びました。
　「人身売買は、だましたり、拉致したりする人や組織、移送、拘束、意に反して働かせるさまざまな組織があって成立する。国際的にはそのすべてが人身売買だ」（米紙ニューヨーク・タイムズ記者）。「フランスでは奴隷制度は最も非難すべきもの。われわれから考えると、市長の発言はびっくりだ」（仏記者）。
　「慰安婦」問題での日本軍の強制を認めた１９９３年の河野洋平官房長官談話について、「強制性」が「明確でない」と批判する橋下氏。
　米ＡＰ通信の記者は｢談話を作った官僚も『強制性を否定することはできない』といっている。そこを飛ばさずに説明すべきだ｣と反論しました｡
　「（河野談話を）『明確にしろ』と言うわりには自分は逃げてばかりだ」と感想を語ったのは、イタリアのテレビ局「ＳＫＹ　ＴＧ２４」のピオ・デミリア記者。「彼は総理候補といわれてきたけど、世界にとっては恐ろしいことだ。なぜなら彼はウソつきだからだ」
　橋下氏は会見の翌２８日、今月中旬に予定していた米国視察について、｢総合的に判断し､中止を決定した｣とのべました｡
(２０１３年０６月０２日，「赤旗」) （Page/Top）

怒りの声、橋下氏に／党女性後援会が宣伝／滋賀・草津

　日本共産党滋賀県女性後援会は１日、草津市内で日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「従軍慰安婦は必要だった」との暴言に抗議する宣伝行動に取り組みました。
　節木三千代党県副委員長（前県議）や藤井三恵子、篠原朋子の両草津市議、野並享子野洲市議、後援会員ら約２０人が「しんぶん赤旗」号外と抗議先を書いたチラシを配り、「橋下市長は辞めよと怒りの声を届けましょう」と呼びかけました。
　節木氏らはリレートークで、安倍首相は「橋下氏とは立場が違う」というだけで、日本共産党が国会でいくら問いただしても、過去の侵略と植民地支配について、「国策の誤り」とは決して口にしないと指摘。「東京都議選、参院選で歴史に逆行する勢力にきびしい審判を下しましょう」と訴えました。
　チラシを受け取った女性（４０）＝草津市＝は「政党や行政のトップの人の発言とは思えない。傷つく人がいるのに軽々しすぎます」と話し、別の女性（６１）＝大津市＝は「あの戦争が終わった時点でちゃんと反省し謝るべき問題です。憲法９条を変えて、また戦争する国にしないでほしい」と語りました。
　宣伝には男性からも「共産党頑張れ」と声援が寄せられました。
(２０１３年０６月０２日，「赤旗」)

橋下発言／撤回・謝罪求める／吹田市議会

　大阪府吹田市議会で５月３１日、橋下徹大阪市長（「日本維新の会」共同代表）の「『慰安婦』制度は必要だった」とする発言に対し、撤回と謝罪を求める決議を日本共産党、自民系（２人退席）、公明党、民主系各派の賛成多数で可決しました。決議案は共産党と無所属女性議員３人が共同提案しました。同市では元「維新」府議が市長を務めています。
　決議では、「橋下氏が『慰安婦』必要論に固執し続けることは…元『慰安婦』の方たちを深く傷つけるものであり、同時に基本的人権を尊重する日本の品格をおとしめることになる。このことはアジア諸国と日本の友好を大きく損ない将来に重大な負の影響をもたらしかねない」と指摘。「発言を撤回し、国民と諸外国に謝罪するよう強く要望する」としています。
　市議会では５月１６日、公明党を除く女性議員７人が、橋下氏に発言撤回を求める抗議文を送っています。
(２０１３年０６月０２日，「赤旗」) （Page/Top）

歴史の逆流に厳しい審判を／橋下氏辞任求め決議／大阪労連

　大阪労連は１日に開いた第３９回評議員会で「憲法改悪、歴史の逆流へ暴走する安倍自民党と維新の会に厳しい審判を下そう　橋下大阪市長の『慰安婦』暴言の撤回・謝罪、すべての公職の辞任を求める」との特別決議を採択しました。

　決議は、橋下市長のの暴言は「人権感覚が欠如した、人間の尊厳をおとしめる、歴史を捏造（ねつぞう）する許しがたい発言である」と指摘。暴言と居直りの背景には、安倍政権の歴史観、「村山談話」や「河野談話」の否定と憲法改悪への思惑があり、これに同調する日本維新の会の危険な本質が表面化したものに他ならないと強調しています。
　いま、国民主権、恒久平和、基本的人権擁護を柱とする日本国憲法の改悪を許さないために、安倍政権や日本維新の会などの改憲策動への反撃を「形」で示すことが求められていると指摘。「歴史をゆがめ、憲法改悪へ暴走する安倍政権と、その尖兵（せんぺい）である橋下・日本維新の会に、参議院選挙で明確な審判を下すため、総力を挙げて奮闘する」とのべて全組合員の総決起を呼びかけています。
(２０１３年０６月０２日，「赤旗」)

橋下発言に防衛相言及／批判の中異例対応／アジア安保会議

　【シンガポール＝面川誠】小野寺五典防衛相は１日、シンガポールで開催中の第１２回アジア安全保障会議での演説で、「従軍慰安婦」をめぐる橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の発言に言及しました。閣僚が国際会議で野党党首の言動に言及するのは異例。同会議に出席するアジア諸国や米国からいっせいに批判の声が上がっており、対応を迫られたと言えます。
　ただ、小野寺氏は橋下発言について、「日本の過去の歴史に関し、不適切な発言を繰り返し、周辺諸国に誤解と不信を招いた」と指摘したものの、「安倍政権は、そのような発言や歴史認識にくみするものではない」と発言。安倍晋三首相が「従軍慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制性に言及した「河野談話」見直しに言及したことを隠し、事実をゆがめました。
　また、小野寺氏は「米国のアジア・太平洋地域における軍事プレゼンスは、地域における不測事態に対する抑止力」だとして、「米国のプレゼンスを積極的に支え」ると述べました。
　さらに、アジア・太平洋地域での安全保障に責任を果たすのは｢強い日本｣だと強調｡｢防衛力の態勢強化｣､防衛大綱の見直しなどとともに､｢集団的自衛権をめぐる議論が行われている」ことを「国際社会における役割」だと主張しました。
　一方、尖閣諸島問題を念頭に、領有権紛争が激化しないよう「周辺国との危機管理体制の構築に向けた早期の協力が重要だ」と述べました。
( ２０１３年０６月０２日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題／政治家発言に反論を／国連委が日本政府に勧告

　国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会は５月３１日、旧日本軍の「慰安婦」問題について、「公人による事実の否定、否定の繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」を日本政府に求める勧告をまとめました。橋下徹大阪市長らによる最近の発言をふまえたものです。
　勧告は、日本政府が、「慰安婦」問題に対処するうえで、拷問等禁止条約の義務を果たしていないと懸念を示しました。
　問題点としては、「被害者への適切な救済・名誉回復をしていない」「拷問行為の加害者を訴追し裁判にかけていない」「国政および地方の高官や国会議員を含む政治家が本件事実を公に否定し、被害者に新たな心的外傷を与え続けている」と指摘しています。その上で、日本政府に対して、「即時かつ効果的な立法的・行政的措置をとるよう」求めています。
　拷問禁止委員会は、非人道的な取り扱いを禁止する条約を守っているかどうかを審査・勧告する国際人権機関。日本政府は「慰安婦」問題を拷問禁止条約が発効した１９８７年以前に起きた事象であり、対象外と主張してきました。
　しかし、今回の勧告では、日本政府に「『慰安婦』問題の被害者中心の解決を見いだす」ことを求め、「性奴隷制の罪に対する法的責任を公的に認め、加害者を訴追して、適切な刑罰に科する」よう求めました。
( ２０１３年０６月０２日，「赤旗」)

１日

橋下市長問責決議案／山中市議が賛成討論／大阪市議会

　大阪市議会で橋下徹市長（「日本維新の会」共同代表）に対する問責決議案（日本共産党、自民党、民主党系会派の共同提案）が否決された５月３０日夜の市議会本会議では、採決に先立って行われた討論で、日本共産党の山中智子市議が「問責決議案を議決することこそ２６０万市民に負託された大阪市会の責務だ」と力説しました。
　決議案は、日本軍「慰安婦」問題などをめぐる一連の発言で橋下市長が「市政を混乱させた」ことを批判し、発言には「責任問題が伴うことを自覚すべき」と市長に猛省を求める内容です。
　討論で山中氏は、橋下氏の一連の発言について「女性をモノのように言い、男性をケダモノのように言う人間観、非常識なふるまいへの驚きと憤り」が内外に広がっており、「大阪市民も恥ずかしい思いをしている」と指摘。「市長の責任は重大だ」と発言の撤回と関係者・国民全体への謝罪を求めました。
　同日午前の松井一郎大阪府知事による、問責決議案可決なら出直し市長選を行うとの、どう喝ともとれる発言を受けて、前日に賛成の意向を示していた公明党が反対にひょう変、「猛省と責任の自覚を促す決議案」なるものを独自提出してきたことは残念でならないと指摘しました。
　その上で、市長の発言とその後の居直りの態度は、まさに「市長としての責任を鋭く問うべきものだ」と問責決議案に賛成するよう呼びかけました。
(２０１３年０６月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」発言問題／橋下市長に暴言撤回と辞任要求／緊急女性アピールを発表／５００人超の賛同／実行委

　幅広い女性団体と個人でつくる「おおさか女性行進実行委員会」は５月３１日、大阪府庁で記者会見し、橋下徹大阪市長の旧日本軍「慰安婦」問題をめぐる一連の暴言の撤回と辞任を求める緊急女性アピールを発表しました。２週間足らずで５００人を超える賛同が寄せられました。
　緊急アピールには、昨年の女性行進の呼びかけ人の石田法子弁護士、新日本婦人の会府本部の川本幹子会長、女優の新屋英子さん、ジャーナリストの竹信三恵子さん、世界女性会議ネットワーク関西の森屋裕子さんら１０氏をはじめ、５０３人が賛同。府内を中心に近畿各地、アメリカ在住の研究者など世界からも賛同が寄せられています。
　アピールは、橋下市長は自身の発言の何が批判され、怒りを買っているのかに真摯（しんし）に向き合わず、「とんでもない女性蔑視の考え方に終始している」と批判。「暴言を看過することはできません」と強く抗議しています。
　会見では、「（軍の関与で）最高裁や高裁判決で拉致、強姦（ごうかん）し続けてきたと認定している。詭弁（きべん）だ」（寺沢勝子弁護士）、「問責決議が否決されたのは残念。人権を守るまともな大阪をとり戻すために、発言の撤回、辞任は譲れない」（鈴木まさよ大阪労連女性部長）と、６氏が抗議し、辞任を強く求めました。
(２０１３年０６月０１日，「赤旗」)

「橋下発言」で首相に要望書／婦団連

　日本婦人団体連合会は３１日、堀江ゆり会長名で、大阪維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要だった」とした発言を許さないとの日本政府の立場を明確にすることを求める要望書を安倍晋三首相あてに送りました。
　要望書は、橋下氏が「慰安婦」制度を正当化する発言を繰り返す背景に、「慰安婦」問題について政府の責任を否定する安倍政権の姿勢があると指摘。国連人権委員会をはじめ国際社会が「慰安婦」問題の解決を求めるなか、安倍首相が、日本軍の関与と強制性を認めた「河野談話」の見直しを示唆することは、厳しく追及されなければならないとのべています。
　要望書は、「慰安婦」制度が日本軍による戦争犯罪であった事実を認め、被害者への公式謝罪、個人賠償、次世代への教育を行うことを求めています。
( ２０１３年０６月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

��「否決」で幕引きを��

　日本維新の会の藤井孝男国会議員団選対委員長は３１日の記者会見で、橋下徹共同代表（大阪市長）による旧日本軍「慰安婦」をめぐる発言が国内外で批判を招いたことについて、「橋下氏の発言があり、党の置かれている状況は逆風だ」と述べました。一方で、「大阪市議会の（問責決議案）否決ということで区切りが付いた」として、幕引きを図りたいとの考えを示しました。
( ２０１３年０６月０１日，「赤旗」)

橋下発言には触れず

　日本維新の会は３１日、国会議員や東京都議選候補者らが都内２８カ所で一斉に街頭演説を行いました。日本軍「慰安婦」などをめぐる橋下徹共同代表の発言で染みついた党に対する負のイメージを振り払うのが狙いですが、通勤時間帯とあってか、立ち止まって演説を聞く人はあまりありませんでした。
　小沢鋭仁国対委員長は杉並区のＪＲ阿佐ケ谷駅前で「日本を改革するため橋下徹、石原慎太郎両共同代表と維新を立ち上げた。皆さんの思いを維新にぶつけてください」と訴えました。ただ、橋下氏の発言には一切触れませんでした。
　新宿区の曙橋駅前で演説した西根由佳衆院議員は、橋下氏の名前すら口にせず、「これまでの政権運営はあっぱれだ」と安倍晋三首相を絶賛。一方で「自民党には既得権益のしがらみがある。維新は徹底して規制緩和を行う」と強調しました。
( ２０１３年０６月０１日，「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言／「問責腰砕け」公明に批判／維新と協力��変わらず�＝^学会員も「一切投票しない」

　公明党が、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長)の｢慰安婦制度は必要だ」などの暴言をめぐる問責決議案に一転反対した騒動から一夜明けた３１日、メディアやツイッターで同党への批判や疑問が高まっています。
　日刊スポーツは「辞めてやる！　橋下市長��脅し�＝@辞めないで　公明折れた」と報じ、テレビ朝日系番組で政治アナリストの伊藤惇夫氏は「公明が腰砕けになったことで、慰安婦問題は残ることになった」と指摘しました。表題から「問責」という言葉を抜いた決議案を公明が単独で提出したことについて「毎日」は「わかりにくい対応だった」と批判。ツイッターでは「私は（創価）学会員ですが、国政も含め、今後一切、公明党には投票しません！」との投稿がありました。
　先の衆院選で維新と大阪、兵庫で選挙協力をした公明党の井上義久幹事長は同日、この問題で記者団から質問攻めに｡｢公明は当初問責に賛成する方針だったが」と問われた井上氏は「２９日に公明は橋下市長に猛省を促す申し入れをしている｣｢市議会（公明党）の判断なので、それを尊重したい｣と述べるだけでした｡
　橋下暴言は５月１３日で、公明大阪市議団が橋下氏に「猛省」を促したのは暴言から１６日後。「猛省を促す姿勢は一貫している」（井上氏）どころの話ではありません。
　一方、井上幹事長は３１日の記者会見で大阪都構想や道州制推進で維新の会との協力は「基本的に変わらない」と表明。公明と維新の関係の深さを改めて浮き彫りにしました。
( ２０１３年０６月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

女性蔑視の橋下市長許せない／辞職求め女性行進／大阪

　「橋下市長は暴言を撤回し、謝って、辞任せよ」「歴史をねじ曲げる発言に世界中の女性が怒っている」。大阪市役所前に女性たちの唱和が響きました。「従軍慰安婦は必要だった」との橋下徹大阪市長の暴言撤回と辞任を求める「おおさか女性行進」緊急行動が３１日行われ、市役所周辺をパレードしました。
　呼びかけたのは、大阪ＹＷＣＡや新日本婦人の会府本部などの女性・市民団体、労働組合女性部などでつくるおおさか女性行進実行委員会。「即刻辞任を」「女性蔑視の思想を持つ橋下市長は大阪の恥」と書いたプラカードや横断幕、のぼりを掲げて大阪をはじめ東京や京都、兵庫などから３００人が参加。橋下徹市長の暴言に厳しく抗議しました。
　寝屋川市から参加した女性（６２）は「公明党が問責決議に反対したのは、がっかりした。橋下市長の人権感覚は絶対に許せません、市長失格、辞任すべきです」と憤ります。
　パレードに先立つ集会で、新婦人府本部の川本幹子会長は「市長がどんなに弁明しても逃げても女性たちの怒りのパワーを集め、男性たちもまきこんで、辞任に追い込みましょう」と訴えました。
　日本共産党の山中智子市議が５月３０日の市議会での問責決議をめぐる状況を報告。公明党の対応を批判し、「必ず辞職に追い込んでいくため、全力をあげます」と表明しました。
( ２０１３年０６月０１日，「赤旗」)

（5月）ヘッドライン

31日

橋下市長は辞任を／新婦人長崎県本部が宣伝

橋下氏は辞任を／大阪民医連声明

橋下・維新は追い詰められている／日本共産党大阪府委員会・柳書記長が談話

治維法国賠同盟／秋田県本部が定期総会開く

命・食・農守る力に／紙智子参院議員／女性の人権／市民運動と共に道開く

「慰安婦」発言／韓国国民の尊厳傷つけた／アーミテージ氏が批判

橋下市長は即刻辞任を／大阪労連が宣伝

橋下市長への問責／公明一転反対で否決／共・自・民が提案／大阪市議会

30日

母親大会各地で／分科会など４５０人が交流・宮崎県／橋下氏暴言の撤回を求める・ふくおか地区

暴言橋下氏は辞任を／新婦人が連日行動／外国人記者も「頑張って」／大阪・中央区

橋下暴言に抗議／安倍首相も根は同じ／女性議員が��数珠つなぎ宣伝�＝^京都

「慰安婦」暴言／外国特派員協会／橋下会見、海外から批判／仏／韓／英／米

「慰安婦」発言／橋下市長を懲戒請求／大阪弁護士会に市民ら７３０人

潮流

橋下市長の問責可決へ／共・自・民きょう提案／大阪市議会

29日

吹田革新懇が再開総会開く／大阪

��橋下居直り会見�℃s民は怒ってます／大阪労連など宣伝に反響／和歌山で抗議・党女性議員ら

橋下暴言に批判続く／京都市議会／日本コリア協会・大阪

「慰安婦」知らぬ存ぜぬ／「維新」との関係を隠す／公明党山口代表

橋下市長、訪米中止／「慰安婦」暴言に米国反発

橋下暴言／元「慰安婦」・沖縄に謝罪を／野党女性議員、会見／外国特派員協会

28日

橋下氏は公職やめて／新婦人・党議員ら宣伝／富山

橋下「慰安婦」暴言／暴言に抗議／千葉の新婦人

志位和夫著『綱領教室』全３巻／綱領の奥深い意味を歴史的、理論的に解明した書／長久理嗣

橋下発言は人権侵害／発言撤回・辞任求める／保団連が声明

橋下発言は人権侵害／大阪弁護士会会長が抗議声明

橋下氏会見、ごまかし・すりかえの３時間／責任はメディアになすりつけ

のけぞった橋下氏の��釈明��

河野談話見直し／有識者に委ねる／菅官房長官

高官級交流も容易ではない／韓国外相

主張／橋下市長居直り会見／謝罪や撤回からは、ほど遠い

潮流

「慰安婦」暴言／歴史に向き合う姿勢、根本から欠けている／市田書記局長が批判

「慰安婦」暴言／撤回せず責任転嫁／橋下氏が会見／外国特派員協会

27日（Page/Top）

文化通信／うたごえ協議会、橋下暴言に抗議

朝の風／橋下徹発言の土壌

レーダー／橋下「慰安婦」発言報道／問題の本質への追究なし

「慰安婦」の碑／被害女性の悲しみ後世に／沖縄・宮古島

元「慰安婦」に暴言／ツイッターで面談中止非難／「維新」中山代議士会長

橋下「慰安婦」暴言謝罪を／大阪母親大会開く

テレビ討論「自共対決」／「慰安婦」発言／「橋下氏は撤回と謝罪を」／笠井氏が市長辞任要求／フジ系番組

26日

メディアをよむ／川口彩子／首相と蜜月、鈍る切っ先

「いま激突の情勢」全国革新懇が総会／統一戦線つくる大道、共産党の躍進こそ／志位委員長

自民政務官も／「共産党、政策はっきり」／永田町リポート

橋下「慰安婦」暴言の波紋／問われる安倍首相／軍がつくった「性奴隷」制度／中央大学教授吉見義明さん

橋下「慰安婦」暴言の波紋／問われる安倍首相／国際社会に参加する資格を失う重大問題／志位委員長が警告

橋下「慰安婦」暴言の波紋／問われる安倍首相／「史実否定」では同じ立場

橋下暴言で広島の８団体が共同声明／謝罪と辞任求める

橋下暴言／各団体が声明

橋下暴言／リレーで抗議／党女性議員、倉林候補／京都

橋下暴言擁護の維新／山梨の新婦人が抗議／議員事務所に

妄言を言い、なぜ市長／集会で元「慰安婦」証言／大阪

橋下代表に謝罪要求／「慰安婦」発言で会長が談話／日弁連

おはようニュース問答／民族差別をあおるデモは問題だよ

橋下市長辞任求める／暴言めぐり決議／大教組大会

��風俗�＃ｭ言／橋下氏、米だけに「おわび」／女性・沖縄には謝罪なく無反省

25日

土曜人とき／「真実を求めて」韓国渡航１０回小川洋子さん徳島・小松島市／日韓友好、民間人の絆が大事

「慰安婦」暴言／「橋下氏辞めろ」圧倒的／北九州で新婦人、シール投票実施

「日本軍の奴隷だった」／２人のハルモニが証言／岡山市

橋下暴言／京都市連協が抗議声明発表

橋下暴言、広がる抗議／公職辞職を／大阪人として恥ずかしい／市役所向け唱和／緊急行動

高校生も「橋下市長辞めて」／暴言に怒りの女性行動／岐阜

橋下氏暴言／辞任求める／東京革新懇など

橋下氏、暴言撤回せず

橋下氏「慰安婦」暴言／市役所前で抗議集会開く

橋下氏面会はパフォーマンス／元「慰安婦」が拒否声明

政党助成金／増税、改憲、暴言の政党に７９億円

「性の野獣、世界中同じ」／維新の集会で堺屋氏

橋下発言は「侮辱」／歴史見直し許されない／ロシア局長

白熱国会論戦にみる自共対決／第２回／歴史認識／侵略美化の動きただす

24日（Page/Top）

「慰安婦」発言／橋下氏に抗議しよう／新婦人が宣伝・トーク／長崎

橋下暴言に連日の抗議／人間の命の尊厳真っ向から否定／京都の宗教者ら

橋下暴言に連日の抗議／大阪の恥もええとこや／此花区役所前の宣伝に反響

橋下暴言に連日の抗議／大阪労連、きょう緊急行動

橋下氏暴言に再び抗議行動／青森市で新婦人

オスプレイ飛ばすな／配備撤回へ宣伝／安保中実委

「河野談話」で橋下市長会見

橋下暴言問題／国民の尊厳傷つけた／女性議員有志が抗議／京都・木津川市

暴言問題／橋下市長辞職求める／共産党の大阪府内女性議員

橋下氏の慰安婦発言／国内外ＮＧＯが抗議

23日

熊本県８女性団体が抗議声明／橋下氏、暴言撤回を

橋下暴言、撤回して／名古屋で宣伝

橋下発言／宮城の革新懇は辞職求め抗議文

橋下発言／道労連が抗議文

橋下発言／女性怒る／「撤回・公職辞任を」／札幌で宣伝

橋下市長問題発言／アムネスティ日本が抗議

橋下市長問題発言／日本の市民と解決を／韓国元「慰安婦」が訪問／岡山市議会

橋下暴言に各地で女性怒る／鹿児島・県内２６議員／那覇・全女性市議／大阪・新婦人府本部

「慰安婦」の権利守る措置を／国連委、日本に勧告

首相がブッシュ氏に「申し訳ない」／「慰安婦」発言で政府が統一見解

東京での志位委員長訴え

東京演説会―発見・共感・闘志／共産党いいな

村山談話／核心部分引き継ぐのか／笠井議員が追及／衆院外務委

菅官房長官、河野談話継承明言せず／赤嶺氏「歴史ゆがめるな」／衆院内閣委

主張／歴史歪曲撤回せず／過去反省しないで未来はない

女性の人権尊重する政治を／橋下暴言抗議の緊急集会／��安倍政権の対応背景に��

22日

橋下暴言に抗議・宣伝／真実を重んじ撤回と謝罪を／日中友好協会和歌山県連

橋下暴言に抗議・宣伝／女性と国民を冒涜するもの／滋賀母親大会連絡会

橋下暴言に抗議・宣伝／議会での抗議、各会派に要請／新婦人大阪府本部

橋下氏暴言に抗議／「政治家失格」女性らが宣伝・福井／発言の撤回と公職辞任要求・愛知の団体

憲法改悪許さず子ども教育守る／都教組大会が方針

橋下暴言／女性は許さない／９団体が抗議の宣伝／埼玉

橋下暴言シール投票／「辞めなくてよい」ゼロ／甲府で新婦人

教科書は自虐的／「従軍慰安婦」ちゃんと募集／自民党県議、議会で暴論／宮城

「慰安婦」発言で山中大阪市議、橋下市長に辞任要求

橋下氏暴言／��撤回・辞任�￥･和／大阪労連、府庁前で緊急抗議

都議選でも協力解消

漂う維新参院比例候補／政党渡り歩き／選挙違反で辞職組も

橋下「慰安婦」暴言の根っこに首相の認識／昨年「勇気ある発言」と絶賛、安倍氏

21日（Page/Top）

橋下暴言「撤回、公職辞任を」／維新県総支部に１５団体が抗議文／神奈川

橋下暴言「撤回、公職辞任を」／「被害者さらに傷つける」／千葉・全女性県議が抗議声明

橋下暴言「撤回、公職辞任を」／千代田区議会が決議／発言撤回求め全会一致／東京

維新の支持急落くっきり／各紙世論調査

維新が西村氏を除名

囲み取材を一転再開

橋下発言に抗議／出版労連が声明

橋下氏発言／維新存立問われる／市田氏「誰も誤解してない」

「憲法守る党の躍進を」／東海４県いっせい宣伝

20日

言聞録／２０１３年５月１２日〜１８日

週間日誌／１３年５月１２日〜１８日

全国革新懇総会「報告と提案」／要旨

「慰安婦」暴言／橋下氏、見苦しい言い訳

維新と選挙協力解消

石原氏と橋下氏会談

ヘイトスピーチデモ／市民の力で食い止める／在特会に詳しいジャーナリスト安田浩一さん

「将校が銃剣で私の頭を刺し…」／元「慰安婦」が実態証言／広島で集会

19日

追及！橋下・安倍暴言／国際社会の信頼失う厚顔無恥／西野瑠美子さん

追及！橋下・安倍暴言／米紙「歴史に向き合う能力欠如」／韓国大統領も異例の批判

「慰安婦」橋下維新代表暴言／女性蔑視というより人間蔑視／作家吉永みち子さん

「慰安婦」必要だった／橋下維新代表暴言／世界で日本で怒り噴出／「侵略の事実否定」繰り返す安倍首相

大阪府高教が大会／橋下市長に辞任迫る／歴史の逆行許しません

橋下氏は公職辞任せよ／新婦人岐阜県本部が宣伝

西吾妻九条の会設立記念講演会／群馬

まど／戦後の支配層と同じ発想

市田氏、「慰安婦」碑訪れ懇談／住民が橋下発言批判／宮古島

おはようニュース問答／安倍首相「侵略の定義ない」って、許せないね

全国革新懇総会／革新共同の３目標の実現をめざす日本共産党躍進こそ／志位委員長の発言

橋下暴言に抗議広がる／京都で女性宣伝／京都市議会の超党派女性市議／新聞労連が声明

主張／橋下氏「慰安婦」発言／「必要だった」は撤回していない

橋下暴言／抗議はがき次々／「市長辞めよ」／大阪・共産党宣伝

18日（Page/Top）

９６条改憲やめさせよう／参院選へ定点宣伝開始／岡山

橋下暴言／日本全体の女性・国民を冒とく／抗議つづく／長崎／福岡／広島

橋下暴言／女性の人格否定／代表辞任を要求／京都府保険医協会理事会

震災メモリアル宣伝／被災者見捨てぬ政治に／金田選挙区候補、橋下暴言に抗議／兵庫

あす山下書記局長代行招き経済懇談会／坪田候補が参加呼びかけ／滋賀

比例５議席必ず／いっせい宣伝・対話／��橋下暴言許されぬ�¢iえに激励／たつみ候補／大阪

参院選勝利へ党の風吹かそう／全県いっせい宣伝／静岡

政治は人間大事に／参院選南関東一斉宣伝／神奈川・はたの氏／山梨・えんどう氏

九条の会・おおさか講演会／育てたいのは想像力／赤川次郎氏

「維新」西村議員も暴言／「韓国人は慰安婦」と侮辱／撤回し離党届提出

『いま、日本共産党』韓国語版序文／志位和夫

橋下暴言、各団体の抗議続く

公務員賃下げ撤回めざす／自治労連が中央委

那覇・共産党演説会／安倍政権にノーを／糸数氏

参院選・那覇市議選勝利必ず／市田・仁比・糸数氏訴え／共産党演説会

山田議員が暴言擁護

「慰安婦」制度、人道への罪／ＮＹ下院が非難決議採択

潮流

「慰安婦」発言／「橋下氏、常軌を逸し無礼」／米政府が批判

17日（Page/Top）

橋下暴言に抗議／「女性の人権否定許せない」／「満身の怒り込めて抗議」／新婦人山口県本部

橋下暴言に抗議／「女性の人権否定許せない」／公職辞任求め９団体が宣伝／長崎市

橋下暴言に抗議／「女性の人権否定許せない」／超党派市議ら署名呼びかけ／松山

橋下氏暴言に広がる怒り／「許したら絶対あかん」／大阪・大正区

橋下氏暴言に広がる怒り／きょうからいっせい宣伝・対話／党府委呼びかけ

橋下氏暴言に広がる怒り／ただちに辞任を要求／和歌山・紀の川市で原候補

橋下氏暴言に広がる怒り／��反省せず開き直りひどい�＝^兵庫憲法県政の会が抗議／神戸

橋下発言撤回と辞任求める声明／東京地評女性センター

橋下暴言に怒りの宣伝／「シール投票で怒り肌で実感」／栃木の新婦人

橋下暴言に怒りの宣伝／神奈川の新婦人後援会／はたの氏訴え

歴史の逆行させない／小池氏ら訴え／東京・国分寺演説会

「人権否定の橋下氏は公人失格」／青森新婦人が抗議／維新の会にも抗議文を送付

「橋下暴言」撤回し、辞任を／女性らリレートーク／議員会館前

「慰安婦」問題解決／「女性手帳」中止／婦団連が省庁要請

論戦ハイライト／井上議員が厳しく批判／「世界で生きる立場失う」／橋下暴言／植民地支配と侵略／参院予算委

橋下暴言／橋下氏は無反省／「慰安婦」国連報告を攻撃／「風俗業活用」提案に固執／ＴＶ番組

橋下暴言／世界からは怒り／正義と人類の良識に挑戦／蘇智良さん

橋下暴言／世界からは怒り／歴史・人間性・女性を侮辱／米議員が声明

橋下暴言／発言の撤回求めＡＡＬＡ抗議文

橋下暴言追認の大阪府知事／共産党府議団が抗議／質問状提出

橋下氏「慰安婦」暴言／林博史・関東学院大学教授に聞く／「他の国も同じ」は通用しない

「慰安婦」問題／「誤解解くのは政府責務」／維新が橋下発言容認「見解」／安倍首相を擁護

橋下暴言／問われる維新の存立／「慰安婦必要」党ぐるみで擁護

橋下暴言／超党派女性国会議員が会見

橋下暴言／女性の尊厳への冒涜／首相の立場が厳しく問われる

16日（Page/Top）

橋下暴言にいっせい抗議／政治家失格だ／人間の尊厳を守ろうと訴え／宮崎／高松／佐賀

参院選勝利へキャラバン／原選挙区候補が出発／和歌山

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／教育を語る資格がない／大教組が声明

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／「満身の怒り」共同声明発表／明るい会・よくする会

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／和歌山で５団体が宣伝

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／撤回・謝罪求める／共産党奈良県女性地方議員

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／新婦人が抗議はがき／大阪府

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／大阪市対連が１２０人で宣伝

橋下氏の暴言に抗議／もとむら候補ら宣伝／党愛知県委

参院比例５議席絶対確保へ／北陸信越５県でいっせい宣伝／新潟／長野／石川／富山／福井

橋下発言に怒り続く／普遍的原理を否定するもの／岸横須賀市長候補

橋下発言に怒り続く／年金者組合神奈川／日朝協会都連

５・２２東京演説会／わたしも参加します／新千明さん／中山伸さん／伊藤潤一さん

橋下「慰安婦必要」発言／ゆがんだ思想あきれる／新婦人山形県本部会長が抗議

爆笑・共感、選挙勝利へ／松元さんと小池さん対談／党文化後援会が文化の夕

オスプレイ配備撤回を／沖縄に連帯「１５日行動」／平和委

「慰安婦は必要」橋下発言／広がる海外の批判／「河野談話の堅持を」／フィリピン外務省報道官が声明

「慰安婦は必要」橋下発言／広がる海外の批判／��橋下氏、汚れた古い思考�＝^インドネシア英字紙が社説

橋下氏暴論さらに／言い訳・開き直りの果て

「慰安婦は必要」橋下発言／沖縄選出の５国会議員／謝罪求め抗議声明

「慰安婦は必要」橋下発言／京都の党全女性議員抗議

「慰安婦は必要」橋下発言／抗議・怒りの声続く

『いま、日本共産党』／志位和夫委員長の著書、韓国で初出版／韓国人ジャーナリストが翻訳

村山談話で首相答弁

橋下氏発言／「失望を感じた」／韓国駐日大使が非難

橋下暴言／「人間の尊厳傷つける」／沖縄２５女性団体抗議

１３年度予算成立／��自ＶＳ共�″\図くっきり

��これが一国の総理か�＝^井上氏質問に反響

人権無視橋下市長は辞めよ／女性ら怒りの宣伝／大阪市役所前

橋下暴言、首相否定せず／井上議員、侵略美化許されない／参院予算委

15日（Page/Top）

橋下氏の暴言／最大の女性差別発言／撤回・謝罪求める／京都の労組・女性団体など

橋下氏の暴言／時代逆行させる勢力に日本の政治は託せない／共産党京都府委が緊急宣伝

橋下氏、市長・代表の資格なし／暴言に怒り広がる／大阪・憲法フェスタ／各団体の抗議

橋下氏の暴言／女性の尊厳踏みにじる／人権制限する戦争を肯定／廣田繁雄弁護士

橋下氏の暴言／女性の尊厳踏みにじる／各地で抗議・批判の声／東京・昭島／栃木・新婦人

��結局、侵略戦争の肯定�＝^橋下氏に抗議声明／日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

橋下氏「慰安婦」発言／「驚くべき暴言だ」／党市議団が抗議・申し入れ／大阪市

橋下氏「慰安婦」発言／苦難強要された被害者の尊厳さらに傷つけた／各団体が抗議・怒り

橋下市長の妄言あまりにひどい／各界から怒りの声

橋下氏の発言の要旨

９６条「見直していい」

橋下発言／閣僚から異論も

橋下発言／「驚きと憤慨」／中国副報道局長

橋下発言／危険水位超え／安倍総理いる限り妄言続く／韓国から怒り噴出／��極言まで出た�＝^韓国メディア

橋下発言／危険水位超え／安倍総理いる限り妄言続く／韓国から怒り噴出

首相が橋下・高市発言を誘発／「侵略の定義」撤回せず

主張／橋下氏「慰安婦」発言／公人として人間として落第だ

潮流

橋下・「慰安婦」発言／「軍と売春はつきもの」／石原共同代表が擁護

橋下・「慰安婦」発言に内外から批判／維新の存立が問われる／市田書記局長が会見

橋下・「慰安婦」発言に内外から批判／��ここまでひどいのか��

14日（Page/Top）

橋下「慰安婦必要」発言に抗議／大阪革新懇「謝罪し撤回を」

橋下氏「慰安婦」問題で暴言／ここまできた人権感覚の欠如

「慰安婦」問題で暴言／橋下氏に抗議／性暴力の肯定／新婦人大阪府本部

「慰安婦」問題で暴言／橋下氏に抗議／撤回し謝罪を／党大阪府委

安倍首相の歴史認識／米国が懸念していること／米議会報告書に見る

橋下発言各党に波紋

橋下氏「慰安婦は必要」／人間の尊厳おとしめる／市田氏が厳しく批判

橋下氏「慰安婦は必要」／米軍には「風俗業活用」すすめる／公人の資格ない暴言

ＮＨＫ討論／小池副委員長の発言

安倍政権の危険な教育壊革／統制・処罰・管理／教育長に権限集中／教員免許２段階で／「国定教科書」の道

「慰安婦」問題／「新資料発見の可能性」／紙議員に政府答弁書

首相歴史認識に米懸念／「米の利益損なう」「侵略と犠牲否定」／米議会調査局が報告書

日本の改憲の動き／中国の識者は／両国関係の信頼弱まる・周永生さん／孤立の道を歩まないで・王少普さん

女性差別撤廃３署名を提出／「女性手帳」は中止を／真の少子化対策ぜひ

美術／「富山妙子　現代への黙示―９．１１と３．１１―」／時代にあらがう視点

��河野談話見直さぬ�＝^「慰安婦」問題で菅官房長官

憲法は守り生かすもの／各地で集会・講演会／富山／石川／福井／新潟／愛知／長野／岐阜／静岡／三重

「慰安婦」問題解決を／ひろしまネットが宣伝

憲法施行６６周年記念日にあたって／日本共産党市田書記局長が談話

日本軍「慰安婦」問題早期解決へ／意見書採択求めよう／愛知で集会

5月（本文）（Page/Top）

31日

橋下市長は辞任を／新婦人長崎県本部が宣伝

　橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）による「慰安婦」制度肯定など一連の暴言に抗議して新日本婦人の会長崎県本部は２９日、公職辞任を求める宣伝に１３人で取り組みました。
　３週連続の宣伝で、延べ１０人がリレートークしました。「米軍にだけ謝罪し、被害女性には謝罪しない」橋下氏のやり方に抗議。「ごまかしと開き直りに怒りを覚える。一日も早い謝罪と辞任を」と訴えました。
　抗議署名に応じた１７歳の男性ら数人が飛び入りでビラ配布に参加。「差別はいけない」「若者を戦争に送るようなことにならないように何かしたかった」と宣伝に参加した気持ちを語りました。
　新日本婦人の会は、６月５日も宣伝を予定。「橋下氏が辞任するまで続けるつもりだ」と話しています。
(２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏は辞任を／大阪民医連声明

　大阪民主医療機関連合会（大阪民医連）は２６日、橋下徹日本維新の会共同代表・大阪市長による「慰安婦」問題に関する暴言の撤回と謝罪、ただちにすべての公職を辞任するよう求める理事会声明を発表しました。
　声明は、橋下氏の「慰安婦」問題をめぐる一連の発言について、「発言の中心問題は、女性の人権を根本からじゅうりんし、人間の尊厳そのものを冒す国際的な戦争犯罪について『必要だった』としたことです。これが、大阪市長、政党代表のあるまじき発言であることは言うまでもありません」と指摘。「驚くべき歴史認識、人権感覚の欠如を示すものであり、明らかに一線を越えた『大阪の恥』というべきもの」としています。
(２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下・維新は追い詰められている／日本共産党大阪府委員会・柳書記長が談話

　日本共産党大阪府委員会の柳利昭書記長は３０日、大阪市議会が同日閉会したのを受けて「橋下・維新はいよいよ追い詰められている―大阪市議会閉会に際して」と題する次の談話を発表しました。

　１、本日閉会した５月大阪市議会で、わが党と自民党、ＯＳＡＫＡみらいの３会派は、橋下徹市長への問責決議案を提出しました。
　この決議案が成立する流れをみた橋下・維新は、窮地に陥るなかで、松井知事が「可決なら出直し市長選」と叫び、これに屈した形で公明党が問責決議案への態度をくつがえし、決議案成立ははかることができませんでした。
　しかし、この間の展開は、橋下市長の「慰安婦制度は必要だった」という暴言、さらに外国特派員協会での会見をはじめとする見苦しいいいわけ、居直りが、大阪市民をはじめ、国内外からの憤激を呼び起こす中で、大きく追い詰められた姿をさらけだしたものです。
　２、５月市議会では、橋下市長が「大阪都」構想にむけてゴリ押ししてきた「水道統合案」が否決され、「地下鉄・市バス民営化案」についても、３月市議会に続き、再び「継続審議」となり、成立させられませんでした。「大阪都」構想そのものもゆきづまりの色を濃くしています。
　「慰安婦」暴言問題とともに、大阪市政運営においても、橋下・維新はいよいよ追い詰められています。
　３、わが党は、この到達点にたち、広範な市民諸団体とともに、橋下市長の暴言撤回と謝罪、市長辞任を求め、追い詰め、打ち破るためにさらに徹底したたたかいを広げます。また、国政上の大問題として、橋下氏をかばい続ける安倍自民党ともども、橋下・維新への痛打をあびせるために総力をあげるものです。
(２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

治維法国賠同盟／秋田県本部が定期総会開く

　治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟秋田県本部は２１日、秋田市内で２４回定期総会を開きました。
　運動方針として▽憲法を守る国民的大闘争に貢献できるよう全力を尽くす▽旧日本軍の「慰安婦」問題や国内の空襲被害者など戦後補償問題の解決を目指し協力共同の推進に努力する▽「治安維持法犠牲者国家賠償法」制定運動として、団体署名５００人、個人署名１万２０００人の達成―などが提起されました。
(２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

命・食・農守る力に／紙智子参院議員／女性の人権／市民運動と共に道開く

　日本軍「慰安婦」について、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は「必要だった」との発言を撤回せず、安倍首相も軍の関与と強制性を認めた「河野談話」の見直しを表明してきました。日本共産党の紙智子参院ギイン【比例候補】は市民運動とともに、女性への戦時暴力の徹底究明と、被害者への謝罪・賠償を政府に迫ってきました。夫婦別姓を盛り込んだ民法改正や、配偶者・恋人からの暴力（ＤＶ）防止など、女性のさまざまな権利実現を目指す運動を支えてきました。
　◆　　◇
　「慰安婦」について「強制連行を示す証拠はなかった」とする安倍首相に対し、紙議員は４月２３日の質問主意書で、東京裁判（極東国際軍事裁判）関係文書に、軍の直接関与、被害女性に対する強制、脅迫が具体的に記述されていると指摘し見解を求めました。政府は５月７日の答弁書で、同文書の真実性を否定できず「新しい資料が発見される可能性はある」としました。
　紙議員と情報交換し、資料調査に取り組む市民団体「強制動員真相究明ネットワーク」事務局長の小林久公さん（７１）＝札幌市＝は、「指摘した文書を『新しい資料』として首相に突き付け、強制性を認めさせる道を、紙さんの質問主意書が開きました」と評価します。「市民にはできなくても、国会議員にはできることがあります。紙さんは私たちの期待に応えてくれました。引き続き国会で活躍してほしい」と言います。
　被害者は高齢化し、解決が急がれます。共産党は野党共同で、政府による謝罪と補償を求める解決促進法案を２００１年以来８回提出してきました。
　元「慰安婦」の女性を仙台市に招き集会などを開いている、日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす宮城の会共同代表の青柳優子さん（６３）＝仙台市＝は、「民主党政権時に法案が成立するかと思いましたが、結局何も変わりませんでした。解決に真剣に取り組む議員が増えてほしい」と共産党と紙議員に期待します。「慰安婦」をめぐる政治家の暴言に関し「慰安婦問題と、憲法を改悪し戦争ができる国づくりの動きは結び付いています。歴史にきちんと向き合わなければ、日本は国際社会に顔向けできなくなってしまいます」と訴えます。
　◆　　◇
　セクハラを受けた女性自衛官が、国家賠償を求め札幌地裁に提訴した裁判では、国会内外で原告を支援。０７年５月２８日の参院決算委で、自衛隊のセクハラの常態化を指摘し、加害者を「停職１日」など異常に甘い処分で済ませ、まともな対策をとってこなかった防衛省を追及しました。
　前出の裁判は、国に賠償を命じた原告勝訴の地裁判決（１０年７月２９日）が確定しました。原告弁護団の佐藤博文弁護士＝札幌市＝は「国に控訴を断念させたのは、支援団体と国会質問が両輪となった成果。セクハラに甘い自衛隊の実態を明らかにした紙さんの役割は大きい」と語りました。
　◆　　◇
　ＤＶは、全国の配偶者暴力相談支援センターへの相談件数だけで１１年度８万２０９９件です。ＮＰＯなどと力を合わせてきた紙議員は１１年１１月、仙台市で開かれた全国シェルターシンポジウムの議員フォーラムに出席。配偶者に限定しているＤＶ防止法の対象を交際相手に拡大することや、保護命令制度の改善、被害者が自立できるよう予算充実などを主張しました。
　ＤＶ防止に取り組む小島妙子弁護士＝仙台市＝は「紙さんは、被害者の置かれた状況を理解し、現場に一番何が必要なのか把握しています。ＤＶ防止法のほか、夫婦別姓、婚外子の相続分差別の解消など民法改正も大きな課題です。国会で頑張ってほしい」と期待します。
(２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」発言／韓国国民の尊厳傷つけた／アーミテージ氏が批判

　元米国務副長官のリチャード・アーミテージ氏は３０日、都内で開かれたシンポジウムに出席し、「慰安婦は必要」などと述べた日本維新の会共同代表の橋下徹氏（大阪市長）らの「慰安婦」をめぐる日本の一部政治家の発言について、「韓国国民・国家の尊厳にたいしてどれだけ恥ずべき発言か、彼らがどういう気持ちになるかまず考えるべきだ」と批判しました。
　アーミテージ氏は、「日本は７０年間、人権の尊重について模範だった。慰安婦をめぐる発言はこの水準に達しておらず、この状況を一部の政治家がきちんと理解していないことを示している」と指摘しました。
　また同氏は、「慰安婦」発言が、「��安倍政権は右翼のナショナリスト政権だ�≠ﾆ宣伝する中国外交を利することになり、さらに、この地域における中国の拡張主義から注意をそらすことになる。われわれ全員にとって有害な発言だ」と指摘。「政治家はこの問題について発言しないことがベストだ」と述べました。
( ２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長は即刻辞任を／大阪労連が宣伝

　大阪市議会最終日の３０日､橋下徹市長の｢慰安婦」暴言に「即刻市長を辞任せよ」と国内外から批判の声がわきあがるなか、大阪労連（全大阪労働組合総連合）は大阪市役所前で緊急宣伝しました。
　５０人が横断幕やのぼりを掲げ、「人権無視の『慰安婦』発言は許せません。市長は即時辞任して」と書いた抗議はがき付きのビラを配布。読みながら歩く人、「頑張って」と声をかける人が相次ぎました。
　京都市中京区の男性弁護士（４６）は「大阪市長の資格はない。同じ弁護士として恥ずかしい。市長解任の動きに注目している」。東住吉区の井上加津美さん（５４）は「橋下市長は元『慰安婦』のことを深く考え謝罪してほしい」と語りました。
　川辺和宏議長は「橋下市長のすべての公職からの辞職を強く求める。『維新の会』は公党として責任をとれ」と訴えました。
　鈴木まさよ女性部長は「市長は発言を謝罪せず、辞任しないことは恥ずかしい」と厳しく抗議しました。
( ２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長への問責／公明一転反対で否決／共・自・民が提案／大阪市議会

　旧日本軍「慰安婦」問題などをめぐる一連の発言で「市政を混乱させた」として、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）に対する問責決議案が３０日夜の市議会本会議に提出されました。前日に賛成の意向を示していた公明党が一転、維新の会とともに反対し、同日夜に否決されました。
　決議案は自民党、日本共産党、民主党系の３会派で共同提案したもの。１３日以降の市長の一連の発言に国内外から抗議が相次いでいることを指摘。市長の発言が「市政を大きく混乱させており、すでに深刻な国際問題にまで発展しつつあることは由々しきことである」としています。
　橋下氏に対しては、「市長としての職責を全うしているとは言い難い」と断じ、公人の立場での発言には「責任問題が伴うことを自覚すべき」だと猛省を求めています。
　決議案をめぐっては「維新」幹事長の松井一郎大阪府知事が３０日午前、「（問責は橋下氏が）市長であるべきでないという話だ」と反発。市議会で可決された場合は橋下市長が辞職し、出直し市長選に出馬するとの見通しを示していました。
　日本共産党府委員会の柳利昭書記長は同日、談話を発表。橋下市長をめぐる一連の展開は、暴言問題でも｢大阪都｣構想･市政運営でも､橋下･維新がいよいよ追い詰められている姿を示している―と指摘しました｡
( ２０１３年０５月３１日，「赤旗」) （Page/Top）

30日

母親大会各地で／分科会など４５０人が交流・宮崎県／橋下氏暴言の撤回を求める・ふくおか地区

分科会など４５０人が交流／宮崎県
　宮崎県母親大会が２６日に宮崎市であり、４５０人余が、８テーマの分科会やバザーなどで交流･学習しました｡
　全体会ではジャーナリストの伊藤千尋さんが記念講演。世界中で憲法を生かした市民運動が原発や軍隊を撤退させるなど社会を変えている例を紹介し「現実を理想に近づけることは今からでもできる」と強調。「みんなが意識を持てば変えられる」と語りました。
　知人に誘われて参加した女性（７６）は「人任せでなく、ひとりひとりが動くことが大事だと感じた。自分もできることをしたいと思う｣と話していました｡
　大会は、今の憲法を暮らしに生かし、ひとりひとりが主権者として政治を変える力になれることを強調して、「人間らしく生きる道を切りひらこう」と呼びかけたアピールを採択しました。

橋下氏暴言の撤回を求める／ふくおか地区
　ふくおか地区母親大会（同実行委員会の主催）が２５日、福岡市内で開かれました。１６０人が参加し、改憲反対、ＴＰＰ不参加、消費税増税中止、「慰安婦」問題の早期解決などを訴えました。
　「原発なくそう！九州玄海訴訟」弁護団の近藤恭典弁護士が講演。グローバル企業の原発再稼働要求など生活を無視した利益追求の姿勢や、米軍の世界戦略に呼応した集団的自衛権の行使など憲法９条改悪の動きを説明、背景に新自由主義・「構造改革」があることを述べました。
　大会は、日本維新の会の橋下徹共同代表に暴言の撤回と公職辞任を求める抗議文を採択。参加した市内に住む吉田恵美子さん（４６）は「橋下暴言を聞き、強い怒りとともに、人間性がおとしめられ、ゆがんでいく戦争の恐ろしさを感じた。署名や対話で平和の尊さを周囲や子どもたちに伝えていきたい」と話しました。
(２０１３年０５月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

暴言橋下氏は辞任を／新婦人が連日行動／外国人記者も「頑張って」／大阪・中央区

　「橋下大阪市長の暴言に女性も男性も怒っている」「市長を辞めて」―。大阪市中央区で活動する新日本婦人の会中央支部は、橋下徹市長の「『慰安婦』は必要だった」との暴言の撤回、謝罪、市長辞任を求めて、連日行動しています。
　（西山綱男）

　元「慰安婦」女性２人が橋下氏との面会を「被害者の現実と歴史を謝罪パフォーマンスと引き換えにすることはできない」と拒否した２４日。新婦人の三線小組の先生（奄美・沖縄しまうた文化を考える会の牧志徳代表）の呼びかけで、三線と沖縄を愛するメンバーが抗議に立ちあがりました。「悪質な女性蔑視」「沖縄への侮辱」と橋下氏あての申し入れ書を市の担当者に手渡し、市役所前で抗議を込めて演奏しました。
　音色に誘われるように通行人が共感して近寄り、新婦人府本部が作製した黄色のビラを受け取りました。橋下氏への抗議はがきはすべて売り切れました。
　牧さんは嘉手納飛行場の近くに中学校までいました。１９５５年の少女暴行事件、５９年の米軍機が墜落し、１７人の死者を出した宮森小学校事件をよく覚えています。
　「橋下氏の暴言は、沖縄の基地を戦争のために容認し、固定化するものです。アメリカに謝るより、被害を受け平和を願う沖縄の人たち、『慰安婦』にされた人たちに心から謝罪すべきです」とマイクで力を込めました。
　海外のメディアから取材を受けました。中国メディアは「政党代表として橋下氏の歴史認識をどう思うか」と質問。新婦人会員の山内絋子さんは「河野談話や村山談話を攻撃して、強制連行はなかったと史実を否定する安倍首相の考えと同じです」と答え、同じく東勝代さんも「橋下市長の歴史認識が間違っています。早く辞めてほしい」といいました。
　フランスの記者は「フランスも応援しています。頑張ってください」と抗議はがきに書き込みました。
　韓国メディアにあなたたちはどういう団体かと聞かれ、柿木知子事務局次長は「女性の人権と平和を守る団体です」と語りました。
　一方で、「橋下市長の発言は間違っていない」と怒鳴る人も。
　呉竹陽子事務局長は「歴史を学んでアジアと対等になっていくのには、歴史をゆがめる政治家の発言は許してはいけません。女性の人権を踏みにじる橋下市長の暴言に、即刻辞任を求めて声を上げていきましょう」と話していました。
(２０１３年０５月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に抗議／安倍首相も根は同じ／女性議員が��数珠つなぎ宣伝�＝^京都

　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題の発言に対し、京都府内の日本共産党女性議員５０人が抗議アピールを発表して、府内各地で「数珠つなぎ宣伝」と銘打った宣伝行動を繰り広げています。

　２９日は、前日の市議会で橋下大阪市長に発言の撤回と謝罪を求める決議を可決した京都市内全域で宣伝し、倉林明子参院京都選挙区候補は１０カ所でマイクを握りました。
　白梅町では、女性後援会員が原発ゼロや憲法９条を守ろうなどと書いた手作りのアピールグッズを掲げながら宣伝しました。倉林候補は、橋下氏がいまだ謝罪も撤回もせず、安倍首相も発言が間違いだと言わないことを指摘し、侵略の事実を認めず改憲をすすめる両氏の根は同じだと強調。「参院選で、こういう方々には日本の政界から、おさらばしてもらおう」と話し、反戦平和を貫いてきた日本共産党の躍進が、憲法９条を変える流れに待ったをかける力になると支持を呼びかけました。
　足を止めた男性（８２）は、「橋下氏への辞職の要求は当然。若い人に関心をもってもらいたい」と話していました。
(２０１３年０５月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」暴言／外国特派員協会／橋下会見、海外から批判／仏／韓／英／米

　２７日に日本外国特派員協会で行われた橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の会見を受け、海外メディアは、同氏の「慰安婦」問題での認識について批判的なトーンで報じています。

��支離滅裂�＝^仏・フィガロ
　保守系の仏紙フィガロ２８日付（電子版）は、「スキャンダルにまごつく大阪市長」との見出しをつけ、「（慰安婦制度を）正当化したことを否認はしたが、説得力はなかった」と断じました。
　橋下氏が何度も同じような表現を繰り返したことについては、「３時間に及ぶ支離滅裂な弁明の果てに、報道陣は、有名な大阪市長が何を言いたかったのか分からないまま退出した」と報じました。

またも妄言／韓・東亜日報
　韓国の東亜日報２８日付は､｢橋下『慰安婦強制動員証言、信ぴょう性に疑問』　また妄言｣の見出しで報道しました。
　橋下氏の２７日の記者会見について、「日本の慰安婦制度について何度も謝罪する一方で､『日本政府や軍が組織的に女性を拉致したり、人身売買をした証拠はない』と、これまでの主張を変えなかった。こうした彼の発言に対して、海外メディアだけでなく、日本メディアも冷笑的な反応を見せた｣と指摘｡｢歴史を否定する本心は隠せなかった」と、その素顔がのぞいていることをあげています。

結局は政権／韓・中央日報
　同国の中央日報２８日付は、「第２の橋下氏を防ぐために」との見出しを掲げました。
　このなかで、「橋下氏の凋落（ちょうらく）は最終回ではない。結局は日本政府、安倍政権だ。まだ橋下は侵略を明確に認めているが、安倍政権は決して『侵略』という単語を使わない。このままでは第２の橋下、第３の橋下氏が続いて出て来ざるを得ない構造だ」と警戒心を示し、「国際社会がどれだけ冷ややかな目で日本を見ているのかを外から知らせるしかない」と述べています。

根拠示さず／英・ガーディアン
　英ガーディアン紙２７日付（電子版）は、同日の会見で橋下氏が「米軍に風俗業の活用を勧めたことに謝罪」する一方で、自らの「慰安婦」の見解については「謝らなかった」と報じました。
　橋下氏の「『世界各国の軍』が戦時に慰安所が必要だと思っていた」との反論について同紙は、「米、英、仏、独、そしてロシアもまた、戦時中の女性への性虐待の反省が必要だと橋下氏は述べたが、それらの国々が慰安所を管理していた証拠は何も示さなかった」と指摘しました。

後退に拍車／米・ウォール・ストリート・ジャーナル
　米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル２７日付（電子版）は、参院選で投票したい政党を聞いた「日経」の世論調査（２７日発表）で、橋下氏が共同代表を務める日本維新の会の支持率が３％にとどまり、４月の調査から６ポイント急落したと紹介。同氏の「『慰安婦』をめぐる発言が後退傾向を後押ししたとみられる」と述べています。
　さらに２７日の会見で、自身が招いた混乱の責任をとるために共同代表を辞任するかとの問いに、橋下氏が「有権者が私の発言を拒絶するのであれば、維新の会はおそらく敗北を認めるだろう」と表明したことを紹介。「私が代表としてとどまるべきかどうかは、その時党が決定することになる」と述べたと報じました。
( ２０１３年０５月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」発言／橋下市長を懲戒請求／大阪弁護士会に市民ら７３０人

　橋下徹大阪市長の「慰安婦」などに関する発言は弁護士の品位を害するとして、弁護士や市民ら約７３０人が２９日、大阪弁護士会に懲戒請求しました。橋下市長は弁護士資格を持ち、同弁護士会に所属しています。
　請求代表人の辻公雄弁護士は記者会見し、「橋下市長の発言は前例のない暴言。公人として許されない」と述べました。請求に参加した市民は集会やインターネットなどで募り、今後も追加で懲戒請求するといいます。
　これに対し、橋下市長は同日の定例会見で「懲戒請求権の乱用だ」と反発。「今回の発言は弁護士とは全く違う立場でやっている。僕が弁護士として登録しているという形式的な理由だけで、懲戒請求の対象にするのは横暴極まりない」と批判しました。
　また、「品位を害する」という請求理由について、「ものすごく恣意（しい）的に使われている」と主張しました。
( ２０１３年０５月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

潮流

　あの橋下大阪市長が来月に予定していた米国視察をとりやめました。行っても、会ってくれる人がいないそうです。「風俗業の活用」を公然と勧めて侮辱した相手の顔など見たくもないのでしょう▼中止でかかるキャンセル料は１８０万円とか。みずからの暴言で公務に支障をきたしながら、その後始末に市民の税金が使われてはたまりません。「法的に問題ない」と居直らないで、無駄にしたお金は自分で払ってはどうか▼元「慰安婦」の金福童さんと吉元玉さんも、市長との面会をやめました。自分たちの証言を否定するような人物のパフォーマンス謝罪なんか受けたくない、何をいっても伝わらない―。ハルモニたちがそう思うのも当たり前です▼歴史をねじ曲げる発言に、世界の目はとてもきびしい。大阪の女性団体の抗議宣伝は海外メディアの取材をうけ、フランス人記者からは「応援しています。がんばって」とエールが。共産党の女性議員たちの抗議行動にも海外からすぐに反応があったそうです▼侵略戦争で多大な犠牲者を出した日本の政治家が、平気で史実に反したことを口にする。世界がそれをみすごせば、いまの国際社会は成り立たなくなります。逆にいえば、日本で許したら孤立の道です▼維新の会は、共同代表が示した歴史認識を受け入れています。橋下氏はこのごにおよんで、マスメディアの「誤報」だといいはって責任を転嫁しています。それをいうなら、こんな政党を検証もせずにもちあげたことこそ誤報でしょう。
( ２０１３年０５月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長の問責可決へ／共・自・民きょう提案／大阪市議会

　日本軍「慰安婦」問題などをめぐる橋下徹大阪市長（「日本維新の会」共同代表）の一連の発言を受け、大阪市議会最終日となる３０日の本会議に橋下市長に対する問責決議案が提出され、可決される見通しとなりました。
　決議案は、市議会の自民党、民主党系、日本共産党の３会派の共同提案となる方向で、採決では橋下市政を支えてきた公明党も賛成する見通しです。
　決議案は、１３日以降の一連の発言に国内外から抗議が相次いでいることを指摘するとともに、市長という公人の立場での発言には責任問題が伴うことを自覚すべきだと政治的責任を強調する内容です。
　日本共産党の北山良三市議団長は「首長と議員を住民が直接選ぶ二元代表制のもとで、一方の市民の代表である議会から市長の責任を問うというたいへん重い決議案だ。可決されれば市長もそれを重く受け止め、自らの進退も含めてしかるべき対応を考えるべきだ」と話しました。
( ２０１３年０５月３０日，「赤旗」)

29日（Page/Top）

吹田革新懇が再開総会開く／大阪

　安倍自公政権、橋下「日本維新の会」による暮らし破壊、憲法改悪への動きが強まるなか、政治革新へ幅広い共同をいまこそと大阪府吹田市でこのほど、「平和とくらしを守る吹田革新懇話会」が再開されました。再開総会では「橋下市長の暴言に抗議し、発言の撤回と謝罪、市長職の即時辞任を求める」声明を採択しました。
　吹田市は「維新の会」出身の元府議が市長に就任しています。国、府の悪政に加え、同市では福祉施策の切り捨て、保育や学校給食の民営化、公共料金の引き上げなどが市民のくらしと営業を痛めつけています。
　市民いじめの政治をなんとかしたいと、幅広い市民の共同で政治革新をめざす革新懇運動再開を求める声が高まり、「政治を語る集い」の開催などを通して運動の重要性と確信を深めてきました。
　再開総会では、二宮厚美神戸大学名誉教授が「現代日本の情勢と革新懇活動の意義」と題して記念講演。二宮氏や徳井義幸弁護士ら９氏が代表世話人に就任しました。
　橋下徹大阪市長の「慰安婦」をめぐる暴言への抗議行動、憲法擁護、市民犠牲の「維新」政治を許さない運動などで幅広い市民との共同をすすめていくことを確認しました。
(２０１３年０５月２９日，「赤旗」)

��橋下居直り会見�℃s民は怒ってます／大阪労連など宣伝に反響／和歌山で抗議・党女性議員ら

大阪労連など宣伝に反響
　大阪労連などは２８日朝、「橋下徹大阪市長の『慰安婦』に関する暴言に断固抗議、撤回と謝罪、市長の辞任を求めます」と大阪市労働組合総連合（市労組連）の声明を紹介したビラを大阪市役所と区役所前でいっせいに配布しました。
　小雨が降るなか、市バスから降りてくる人たちが此花区役所に向かいます。大阪労連のメンバーらの「おはようございます」との呼びかけに、ビラを受け取っていきました。
　大阪労連の川辺和宏議長は、橋下氏が府知事、市長として住民サービスを切り捨て、労働者の働く意欲を奪うひどい条例を乱発してきたと批判。「橋下氏の『慰安婦』発言は、女性の人権を踏みにじるものです。昨日の居直り会見では、日本がますます世界の中で孤立してしまいます。橋下氏と『維新の会』は責任を明確にし、市長を辞任すべきです」と指摘しました。
　「市民はみんな怒ってますよ」と話すのは此花区の陶山順子さん（５６）です。「あの人が市長になってからムチャクチャ。発言は冗談じゃない。いっていいことと悪いことがある」と憤ります。
　住吉区の女性（５７）は「橋下市長はとんでもない発言をしました。思いやりが欠落している。私たちが恥ずかしい」と語気を強めていました。

和歌山で抗議／党女性議員ら
　和歌山県の日本共産党女性後援会と奥村規子県議、森下佐知子、南畑幸代の両和歌山市議は２８日、ＪＲ和歌山駅前で「橋下徹日本維新の会共同代表・大阪市長は、暴言を撤回し謝罪せよ」と宣伝しました。
　奥村県議らは、橋下氏の「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」という暴言に「女性としてけっして許すわけにはいかない」と怒り、また石原慎太郎共同代表が「軍と売春はつきもの」、松井一郎幹事長・大阪府知事が「現実に（『慰安婦』制度が）あったということは、必要とされていた」と党ぐるみで擁護し、安倍首相も橋下氏の暴言に「立場が異なる」と批判も否定もしなかったことを糾弾。日本外国特派員協会での記者会見でも「慰安婦」問題での発言に撤回も謝罪もせず、弁明と開き直りに終始した橋下氏に「公人の資格はない」と訴えました。
　勤め帰りの女性らが受け取ったビラに読みいっていました。
(２０１３年０５月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に批判続く／京都市議会／日本コリア協会・大阪

謝罪と撤回求める決議／京都市議会
　京都市議会（定数６９）は２８日、「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦制度は必要だった」などの発言に抗議し、謝罪と撤回を求める決議を賛成多数で可決しました。
　日本共産党、自民党、民主・都みらい、公明党、京都党、無所属の１人が賛成し、無所属の別の１人が反対しました。
　決議は、橋下氏による「第２次世界大戦当時は慰安婦制度が必要だった」との発言について、「米軍幹部に対する発言も含めて、女性をはじめ多くの人々の人格を否定し、人権を侵害するものである」と指摘し、「橋下徹大阪市長に強く抗議し、そのような発言の撤回と謝罪を求める」としています。

歴史歪曲の妄言／首長の資格欠く／日本コリア協会・大阪
　日本コリア協会・大阪（飯田光徳理事長）はこのほど、橋下徹大阪市長の「慰安婦制度は必要だった」発言を批判し、撤回を求める声明を発表しました。
　声明では一連の暴言について「歴史を歪曲（わいきょく）する妄言であり、行政の首長、公党の党首として資格・品性に欠ける」と断じ、協会として「今後も正しい歴史認識のもとに北東アジアの民衆と共に、歴史の教訓を未来に活（い）かす決意」を表明しています。
　声明に添えられた「解説と資料」では橋下氏の主張の問題点を批判しています。��当時、世界各国がやっていたのになぜ日本だけが特別に批判されるのか�≠ﾆいう主張については、「事実に反している」と批判。「百歩譲ってドイツ国防軍もやっていたから日本だけが批判されるのはおかしいという立場に立ったとしても、ナチスに対する批判は国際的に徹底して行われ、ドイツ国民自身の自己批判のレベルも日本の比ではない」と指摘しています。
( ２０１３年０５月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」知らぬ存ぜぬ／「維新」との関係を隠す／公明党山口代表

　公明党の山口那津男代表は、先の衆院選で大阪、兵庫６選挙区で選挙協力をした日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の日本軍｢慰安婦｣をめぐる暴言について毎週のように記者団から質問を受けながら、知らぬ存ぜぬを続けています。
　日本外国特派員協会での橋下氏の発言について問われた山口氏は２８日、「橋下さんの説明を外国特派員の方がどう受けとめるか、報道内容を国民、有権者がどう受けとめるかだ」と人ごとでした。
　２１日も山口氏は、維新とみんなの選挙協力解消について「橋下さんや維新の会の所属議員の発言によって招かれたものだ。われわれがどうこう言う筋合いのものではない」と不機嫌に。
　山口氏が「大阪市政で公明党がキャスチングボートを握っている」（９日、ニコニコ動画）と自慢したとおり、大阪市議会で公明党は、維新と一緒に「君が代」強制条例、教育基本条例、職員基本条例などの悪政に賛成しました。
　公明新聞２４日付は「山梨で維新に協力要請　みんなの党の��ご都合主義�＝vという記事を掲載しましたが、維新との関係を隠す公明党も正真正銘の��ご都合主義�≠ﾅす。
　（Ｓ)
( ２０１３年０５月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長、訪米中止／「慰安婦」暴言に米国反発

　日本軍「慰安婦」は必要だったと発言して、国内外から厳しく批判されている日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は２８日、市役所内で記者団に対し、６月中旬に予定していた米国視察について、一連の暴言に対する米国内での反発が根強いことなどから「いまこの状況で僕が訪米することにメリットはない。総合的に判断し、中止とした」と述べ、訪米中止を表明しました。
　橋下氏は「（首長の）発言で行政が影響を受けることもある」と開き直り、自身の責任については「最終的に選挙での審判にゆだねられる」と突っぱねました。キャンセル料については公費で支出すると言明しました。
　橋下氏は、維新幹事長の松井一郎大阪府知事と共に６月１０日から同１６日の日程で、大阪市の姉妹都市であるサンフランシスコ市や、ニューヨーク市への訪問を計画していました。
( ２０１３年０５月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／元「慰安婦」・沖縄に謝罪を／野党女性議員、会見／外国特派員協会

　日本維新の会を除く野党の女性国会議員が２８日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の旧日本軍「慰安婦」や風俗活用をめぐる発言に対し世界に向けて怒りの声を上げました。日本共産党の田村智子参院議員が出席しました。
　田村氏は、２７日の外国特派員協会での橋下氏の記者会見について「『慰安婦』は必要だったという発言の撤回もせず、元『慰安婦』や沖縄の皆さんに謝罪もしない、居直り会見だったと言わざるを得ない」と批判。「日本政府の関与を否定し、強制性があったことに疑問を呈することをやめていない。しかし、『慰安婦』問題の軍と政府の関与は日本政府の調査によって政府自身が認めている」と指摘しました。さらに、「彼の発言は、過去の問題で歴史に向き合っていないだけでなく、戦後の日本の外交の土台をも崩す非常に重大な発言だ」として発言の謝罪と撤回を求めました。
　無所属の糸数慶子参院議員（沖縄県選出）は「橋下氏がまず謝罪すべきは在沖米軍の性犯罪の被害にあった方、沖縄県民ではないか。（発言は）本当にあきれ、怒りがこみ上げてくるばかりである」と語りました。
　会見は、自民、公明両党の女性議員にも呼びかけましたが出席はありませんでした。
( ２０１３年０５月２９日，「赤旗」)

28日（Page/Top）

橋下氏は公職やめて／新婦人・党議員ら宣伝／富山

　新日本婦人の会富山県本部と日本共産党の女性議員らは２５日、富山市のＪＲ富山駅前で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」との一連の暴言に抗議し、発言の撤回と公職の辞任を求める宣伝をしました。
　新婦人県本部が呼びかけたもので、新婦人、県母親大会実行委員会のメンバーと、ひづめ弘子県議、赤星ゆかり富山市議、高瀬あつこ高岡市議候補ら１４人が参加しました。
　広瀬妙子新婦人県本部会長、ひづめ県議、赤星市議らが交代でマイクを握り、橋下氏が２５日になって、米国に対してだけ「風俗業の活用」発言を撤回したが、「慰安婦は必要」との発言は撤回していないと厳しく批判。もはや公党の代表、市長、政治家として失格だとして公職の辞任を強く求めました。他の参加者は、橋下氏の暴言に抗議するビラを配布し、「日本軍『慰安婦』問題の法的解決を求める請願」署名を呼びかけました。
　通りかかった男子高校生が、宣伝参加者に握手していきました。
(２０１３年０５月２８日，「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言／暴言に抗議／千葉の新婦人

　新日本婦人の会千葉県本部は２５日、ＪＲ津田沼駅北口で、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦」問題での暴言に対し、怒りの宣伝行動を行いました。
　緊急の呼びかけにもかかわらず、県内各地から２０人が集まりました。「��怒�＊\言ゆるさない、すぐやめるべき！」の横断幕をかかげ、シール投票をよびかけ、橋下市長あての抗議の絵はがきを配布しました。
　若い女性は「議員、政治家の言うことではない」と話し「辞任すべきだ」にシールをはりました。「（橋下氏は）思うことをストレートにいう人でいいと思う」という女子高校生にも「慰安婦」問題のことを話すと「それなら辞めてほしい」とシールを。５０代の女性は「一つひとつの言葉、許せないわよ」と近づいてきて、「抗議のはがき出します」と受けとっていきました。シール投票は、１時間で、「市長を辞めるべき」が３３人、「やめなくてもいい」は４人という結果でした。抗議はがきは５０人がうけとりました。
(２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

志位和夫著『綱領教室』全３巻／綱領の奥深い意味を歴史的、理論的に解明した書／長久理嗣

（１）
　志位和夫・日本共産党委員長の新著『綱領教室』全３巻が完結しました。「古典教室」（講師・不破哲三社研所長）とともに、全国をインターネット中継で結んだ「党内通信」での、日本共産党綱領を学ぶ「綱領教室」（２０１０年１２月〜２０１２年３月）の講義に加筆・補正をおこなってまとめられた著作です。第１巻には第１回〜第４回講義（「なぜ綱領を学ぶのか」、綱領の章では、第一章・戦前論、第二章・現在の日本社会の特質）が、第２巻には第５回〜第８回講義（綱領第二章の続き、第三章・世界論）が、第３巻には第９回〜第１２回講義（綱領第四章・民主主義革命と民主連合政府、第五章・未来社会論）が、それぞれおさめられています。両講義はＤＶＤセットとなり、日本共産党中央委員会ホームページにもアップされて、党の「支部教室」などで活用されてきました。今後とも、それらの活用を願うものです。
　そのうえで、本書が、理論的探究の独自の意義をもった成果であり、かつ、豊かな資料を駆使してたいへんわかりやすく書かれた労作であることを強調したいと思います。それだけに、党員のみなさんはもちろんですが、日本の現実と将来を誠実に考える各界のかたがたに広く読まれることを心から期待します。実際、本書は、米軍基地問題、雇用などの「働くルール」、農漁業、原発、社会保障、教育などの問題、（侵略戦争を肯定・美化する）「歴史逆行」とのたたかいなどとしっかり結びついています。国民の運動と結んだ日本共産党の国会論戦も、随所に出てきます。ですから、それこそ「一点共闘」的に、読者の関心ある問題にそくして、どこからでも読みすすめることができる内容です。
（Page/Top）
（２）
　さて、本書の全体をつらぬく魅力、特色を２点あげたいと思います。
　一つは、説明が「綱領の文章にそって、できるだけ逐条的な形でおこな」われていること（第１巻「まえがき」）です。その努力は、第五章の未来社会論にいたるまで、つらぬかれています。そして、そういう形で講義をおこなうなかで、志位さん自身が「あらためて何よりも感動したのは、綱領の一つひとつの文章、一語一句に、実に深い意味が込められ、その組み立て全体が論理的に仕上がっているということでした」（同前）、「綱領のどの一行一行にも、たいへんな奥深い意味があることをあらためて痛感します」、日本共産党の「たたかいの歴史も、理論の探究の歴史も、そのすべてが綱領に刻み込まれています」と書いていることです（第３巻の結び）。私は、講師のこの「感動」に、深く共鳴しました。同時に、この「逐条的な」説明には、日本共産党の綱領を、知る、学ぶ、語る、一つの重要な方法論があると思います。
　いま一つは、著者ならではの鋭い問題意識がすえられていることです。たとえば、朝鮮・韓国問題の解明です。そこでは、「朝鮮の植民地支配の実態はどのようなものであったのか」を知らないといけない（第１巻）という強烈なメッセージが発せられています。そして、韓国での外交活動をふまえた臨場感あふれる叙述があり、「朝鮮王室儀軌」返還や日本軍「慰安婦」問題などに言及しつつ「過去の過ちの清算に積極的に取り組む」べきことを強調（第３巻）するなど、著者ならではの解明となっています。また、戦前の党と人民の不屈のたたかいの部分では、そこに先輩たちの柔軟で創意ある活動があったことに光が当てられていることが特徴です。さらに、沖縄が１９４５年から「本土とはまったく違った苦難の道」を歩んだ歴史を解明し、この点は戦後論で「絶対に欠かしてはならない重大な視点」であるとの強調（第１巻）も印象的です。
（Page/Top）
（３）
　「実践して初めて綱領なのです」（第３巻の結び）――本書の何より重要な内容は、第３巻で民主的改革のビジョンが縦横に、著者の熱い思いをこめて語られていることです。そしてそれは、第１巻、第２巻で、各分野の研究を生かしつつ豊富な資料によっておこなった日本社会の特質についての具体的で歴史的な解明に立脚しています。
　「国の独立・安全保障・外交の分野」では、第１巻で、米軍の全面占領時代の分析、サンフランシスコ平和条約と国民を欺く旧安保条約体制の「三重底」構造の解明、新安保条約体制の「表の条約」と「裏の密約」群との関係の解明、そしてその異常な従属状態が今日どこまで来ているのかの解明があります。これらは、「なぜアメリカへの異常な従属が続くのか」の疑問に、わかりやすく答えたものです。第３巻では、その異常を打破するうえで安保条約第１０条にもとづく「通告による廃棄」が要をなすことを明らかにします。同時に、その先の展望として、綱領がアメリカとの対等平等の友好条約締結を明記していることに注意が喚起されます。ここで、相手側のアメリカを「まるごと知る」必要が強調され、自らの訪米の体験や「マルクスとリンカーンの交流」のエピソードも語られているのが、興味深いところです。自衛隊解消への展望についての党の立場の丁寧な説明があります。「異なる文明間の対話と共存」の問題では、「異なる価値観」もあるが「より深いところ」で「共通する価値観」もありうるのであり、それを「対話と共存」を通じて見いだしていくことが大切だとの指摘などにも注目したいと思います。
　「憲法と民主主義の分野」では、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」綱領の立場が解明されています。これは現在、憲法改悪への策動がつよまるなかで、参議院選挙の争点になってきました。憲法９６条改定問題の「注」もくわえられています。天皇問題では、民主的改革でおこなうべきは、「天皇は国政に関する権能を有しない」などの憲法の制限規定を厳格に実施し、逸脱を許さないことだとの解明がなされましたが、これも４月２８日の「主権回復」式典の強行にさいしての天皇の政治利用として、鋭い政治問題になったところです。
　「経済的民主主義の分野」では、第２巻で、日本の財界・大企業による国民への支配のとらえ方の発展の説明があり、ヨーロッパとは異なる「顔つき」をしているその姿が、各分野のリアルな告発によって全面的に解明されています。これを踏まえた第３巻では、「経済的民主主義」とは何か、その根本的な考え方が示されます。これまで党として発表してきた、「経済提言」「賃上げ・雇用アピール」「景気回復提言」などの根底におかれている考え方が、骨太く語られています。
　原発問題について特筆したいと思います。「連続教室」の途中の２０１１年３月、東日本大震災、福島原発事故が起き、国民の苦難解決に取り組む立党の精神を発揮した全党の活動とともに、「連続教室」でも原発問題の理論的、政治的な解明がなされました。「古典教室」では、不破さんが原発災害を解明し、パンフレット『「科学の目」で原発災害を考える』として活用されました。「綱領教室」では、「原発列島」化も対米従属の枠組みで起きたこと（第１巻）、福島原発事故に政治と経済界がどういう対応をしているか、また日本経済をゆがめる「アメリカの介入」の角度でも語られました（第２巻）。くわえて第３巻に、「綱領と原発・エネルギー政策の発展について」の補論が書き下ろされています。福島原発事故以来、「原発ゼロ」をめざす政策的な発展をはかってきましたが、それは綱領の「安全優先のエネルギー体制」の立場から「エネルギー政策の根本的な転換をはかる」という根本精神にたった努力、具体化であったことが説かれています。そして、第６回中央委員会総会決定までの政策的発展のあらましがまとめられ、日本の原子力問題の歴史、日本共産党の活動の歴史を系統的に知ることができます。
　さらに本書では、そういう民主的改革に取り組む民主連合政府をどうやってつくるのか、その前途の問題での基本的な考え方がよくわかります。統一戦線論での綱領の原則、その規定の一行一行につまっている統一戦線と政府の問題についての探求の歴史をまとめて知ることができます。変革の事業にたいする妨害とのたたかいでは、講義で、日本の巨大メディアが権力と癒着、一体化している異常ぶりが明らかにされ、パンフレット『日本の巨大メディアを考える』となって広く読まれてきましたが、その部分が「社会の革命は上部構造で決着がつけられる」（「古典教室」での解明）という位置づけで本書に収録されています。発達した資本主義国での革命の事業の困難にうちかち、職場での党支部づくりをはじめとする党建設を成功させる決定的重要性が、力をこめて語られています。
（Page/Top）
（４）
　日本共産党の綱領には、日本の進むべき変革の道、ビジョンとともに、世界がどういう方向で動いているのかを示し、どういう世界をめざすのかの旗印が明らかにされています。第２巻の世界論での読みごたえのある解明として、世界の経済と政治に大きな比重を占めつつある中国やベトナムにかんする部分をあげたいと思います。
　著者は、これらの国について考えるとき、綱領が「たいへん慎重で厳密な書き方をしてい」ることに注意を喚起し、徹底して逐条的な説明を試みます。一方で、綱領が何をもって、「資本主義を離脱したいくつかの国ぐに」で「社会主義をめざす新しい探究」が「開始」されているとしているかを説明してゆきます。他方で、「政治上・経済上の未解決の問題」についての党の立場をくわしく紹介します。尖閣諸島をめぐる紛争問題の補論もあります。さらに、それらの国ぐにの「現在と今後」をどう見るか――二つの角度を提起します。一つは、「できあがった社会主義を代表する国ぐに」ではなく「『探究が開始』されている国ぐに」だということです。いま一つは、「生産者が主人公」の大原則への接近の努力がどうなっているか、国民のなかに資本主義の害悪の理解を広め社会主義への自覚を高める努力がどうなっているかを見る角度です。
　世界論では、国連の活動の発展、「核兵器のない世界」をめざす活動などで非同盟諸国が果たしている積極的役割など、人類史、国際政治の巨大な変化が、著者の国際活動の体験をふまえてリアルに語られます。そのなかで、過去にさかのぼって「植民地責任」が問われるようになっている問題にかんして、著者が、「ダーバン宣言」（２００１年、南アフリカのダーバンで開催された国連中心の世界会議の「宣言」）に光を当てた（第１巻、第２巻）ことも、この会議の意義が世界政治の場で陰に隠された面があるだけに、重要な問題提起として記しておきたいと思います。さらに、旧ソ連論や、日本共産党の「自主独立の立場」の確立から覇権主義との闘争の歴史についてのまとまった叙述も、本書の特徴となっています。
（Page/Top）
（５）
　著者は、第１巻「まえがき」で、講義の準備にあたって不破哲三さんの「綱領や古典に関する著作の全体」を参照したと書いています。実際、不破さんの研究の到達点を徹底的にふまえ、そして著者ならではの新しい展開を試みたことが、本書をつらぬくもう一つの特徴だと感じます。
　とくに、第３巻の未来社会論の部分に注目しました。ここでは、「綱領第五章の未来社会論をよくこなして、広範な国民にどうやって語っていったらいいのか」、工夫や研究がいると課題を提起し、それへの回答を試みています。未来社会論をどう語るか。「社会主義は時代遅れでは？」との疑問は、崩壊したソ連が「社会主義」の代表だと思っているところからきているものだから、旧ソ連が社会主義とは無縁の体制であって日本共産党が自主独立の立場でその誤りとたたかいぬいたという話は、当然必要になります。同時に、「あなたはこの資本主義の社会が人類の到達した最後の社会、理想の社会だと考えますか」と問い返してみたらどうでしょう。そこから対話が始まるかもしれません。志位さんは、資本主義がかかえる矛盾の現実から出発し、その解決の道である社会主義的変革の中心課題である「生産手段の社会化」が、社会のあり方、人間のあり方を大きく変えていくことについて語ります。
　では、「社会主義・共産主義社会というのは、一口でいうと、どんな社会なのですか」と問われたらどう答えるか。それには、社会主義的変革の中心は何かという問題とは少し違って、「未来社会の特質は何か」を語ることではないかと、著者は提起します。そして、その特質は「人間の自由、人間の解放」にあると、第２３回党大会の綱領改定の討論についての結語や、「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件であるような一つの結合社会」だという『共産党宣言』を引いたエンゲルスの手紙を紹介して、力説しています。
　「真の自由の国」の説明で、『資本論』第三部のマルクスの示唆をどう読みとるかを深めていることにも注目したいと思います。人間の活動には、本来の物質的生産にあてられる時間（必然性の領域）と、人間が労働から解放されて自由に使える時間（自由の領域）の「二つの領域」があること、未来社会では労働時間の短縮によって「自由の領域」が飛躍的に拡大し「真の自由の国」が開花するという展望です。
　著者は他方で、日本共産党の「自由と民主主義の宣言」（１９７６年に決定。９６年に一部改定）にあらためて光を当てつつ、綱領が展望する未来社会が資本主義時代の価値ある成果のすべてを継承、発展させる――この角度から語っていくことも提起しています。その内容として、近代民主主義と未来社会の自由との関係、特定の世界観や政党を特別扱いすることをきびしくしりぞける問題、「ルールある経済社会」の成果の多くも引き継がれること、「個性の発展」の条件も資本主義が準備する問題などの点を解明しています。
（Page/Top）
（６）
　最後に、この著作を生みだした「綱領・古典の連続教室」が、日本共産党の事業にとってどういう位置づけをもっているかについて述べたいと思います。
　その始まりは、第１巻「まえがき」にあるように、２０１０年９月の第２回中央委員会総会での参議院選挙結果の自己分析にありました。「党の自力をつける」ことに最大の教訓があること、「長期にわたる党勢の後退・停滞を打破し、新たな上げ潮をつくること」を、今後の選挙での前進に不可欠な問題、「それなくしては党綱領の実現はありえない、わが党の死活にかかわる大問題」と位置づけ、新たな挑戦を決意したのです。そこで挑戦していく課題の一つが「綱領的・世界観的確信を全党のものに」することであり、その具体化として「連続教室」の開催を決めたのでした。
　５月８日の第７回中央委員会総会では、今後の選挙戦でも、「つねに綱領的立場から情勢をつかむ」、「党と科学的社会主義の事業の不滅性への確信をもつ」という第６回中央委員会総会（今年２月）決定を堅持して勝利への道を切り開くために、「綱領学習を全党的に抜本的に強化し、『綱領・古典の連続教室』をひきつづき活用」しよう、情勢に曲折や波乱も予想されるなか、「表面の情勢に一喜一憂せず、つねに深いところで情勢をとらえ、困難に負けず不屈にたたかう党をつくりあげながら、選挙をたたかおう」と呼びかけられました。
　それだけに、党が新たな前進を切り開くうえで、この著作を読み、生かしていく実践的な意義は明瞭だと思います。初めて綱領を勉強しようとする人にもとてもわかりやすい本であり、綱領の目でものごとを見るとはどういうことかがよくわかる本です。もちろん、最初にも述べたように、本書は平和と民主主義をねがう人びとに広く読んでいただきたい本です。同時に、この書が党の事業の結実として生まれ、党の前進の道を開くために生かしていこうという性格をもった著作であることも知って、お読みいただければと思います。
　（ながひさ・みちつぐ　党学習・教育局次長）
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」)

橋下発言は人権侵害／発言撤回・辞任求める／保団連が声明

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要」と発言したことに対し、全国保険医団体連合会（保団連）はこのほど、抗議声明を発表し、橋下氏に送りました。発言は、日本軍「慰安婦」制度の被害者の人格の尊厳を無視した重大な人権問題であり、被害女性をさらに傷つけるもので到底許すことはできないと批判。女性全体をぼうとくし、男性の品位をもおとしめるものだとして、発言を撤回し、公職を辞することを求めています。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言は人権侵害／大阪弁護士会会長が抗議声明

　大阪弁護士会の福原哲晃会長は２７日、「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」発言問題に関する抗議声明を発表しました。
　声明は、橋下氏の「慰安婦は必要だった」などの発言は「市民の人権擁護に関する諸施策や教育行政、労働行政等を統括し公権力を行使する立場にある公人が、戦時下の性暴力という最も深刻な人権侵害を正当化し、女性の人としての尊厳を深く傷つける」ものであり「極めて不適切」と批判しています。
　また、声明は、大阪弁護士会が１９９８年の会長声明で「将来にわたって国際社会のより一層の信頼を獲得し名誉ある地位を得ていくためには、自国のたどった歴史的事実を正しく認識することが必要」として、教科書から「慰安婦」問題の記述を削除すべきでないと表明したことも示し、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする立場から、「国政政党の共同代表であり大阪市長である橋下氏が、人権を軽視する風潮を助長し、人権侵害を容認するような発言をしたことに強く抗議する」としています。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏会見、ごまかし・すりかえの３時間／責任はメディアになすりつけ

女性記者、「慰安婦」に謝罪なしひどい／仏人記者、奴隷制最も非難されるもの
　「テリブル（ひどい）、テリブル」。２７日、日本外国特派員協会で行われた橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の会見で配られた同氏の「私の認識と見解」に目を通した海外通信社の女性記者は、隣にいた同僚に言葉を発しました。
　「米国にだけ謝罪して『慰安婦』にはしない。内容がひどい」

誤解の余地なし
　「見解」は、橋下氏が在沖縄米軍の米兵に「風俗の利用」を奨励したことについて、「アメリカ軍とアメリカ国民を侮辱することにもつながる不適切な表現だった」「表現は撤回するとともにおわび申し上げます」と明記。しかし、��戦争の道具�∴ｵいした女性に対しても、侮辱を受けた沖縄県民に対しても謝罪・撤回はありませんでした。
　旧日本軍による「慰安婦制度は必要だった」との１３日の自身の発言に関しては、「慰安婦の利用を容認したことは一度もありません」「発言の一部が切り取られ、正反対の意味をもった発言とする報道が駆け巡った」などと、改めて責任をメディアになすりつける見苦しさ。
　しかし、当日の橋下氏の発言をみれば、誤解や誤報の余地はありません。橋下氏は「銃弾が雨嵐のごとく飛び交うなかで命がけで走っていくとき、猛者集団を休息させてあげようと思ったら慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と語ったのです。「誰だって」のなかに、橋下氏自身が入っているのは明らかです。
　しかも、橋下氏は２７日も「『戦時においては』『世界各国の軍が』女性を必要としていたのではないか」と発言したように、「当時は必要だった」という立場に立っています。深刻な戦争犯罪を当時は必要だったと容認することそのものが世界から批判されていることがいまだにわからないのです。
　米軍に対しての発言についても、同様です。「誤報」と「誤解」があったなどと、自身の発言の解釈を強引にねじまげ責任を回避する―公人としての資格はありません。

論点を矮小化
　もう一つ、橋下氏の見苦しいごまかしが、「慰安婦」問題の論点を、「国家の意思として組織的に女性を拉致、人身売買した」かどうかだけに矮小化しようとしたことです。
　橋下氏は、この立場から、日本軍の関与と強制性を認めた１９９３年の「河野官房長官談話」を「混乱している」「肝心の論点が不明確」と執拗に攻撃しました。
　しかし、河野談話が認めたように、「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送」について旧日本軍が関与したのは明白であり、「慰安婦」の「募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」のです。橋下氏は、「河野談話に書かれていることはおおむね事実」としながら、強制連行・拉致の事実が証明されていないの一点張りで、強制性を否定しています。
　米紙ニューヨーク・タイムズの記者は「人身売買というのは、最初にだましたり、拉致する組織、その女性を移送する組織、拘束する組織、意に反して働かせる組織、さまざまな組織があって成立する。国際的にはそのすべてを人身売買という」と指摘。フランス人の記者は「自国では奴隷制度は最も非難されるものだ。フランス人からみれば橋下氏の発言はびっくりするもの」と語りました。
　米ＡＰ通信の記者は質問で反論しました。「（河野談話は）混乱などしていない。談話をつくった官僚も『強制性を否定することはできない』といっており、そこを飛ばさずに説明すべきだ」
　橋下氏は会見で、アメリカやイギリス、ドイツ、韓国も「戦地で女性を利用した」として、「世界各国は過去を直視していない」「自分たちがやったことをしっかり直視しないといけない」と、自身の女性蔑視の発言を棚に上げ、日本だけが悪いというのは不公平だとの持論を改めて展開。このことについて、ある欧州の記者は「『うちも戦争をしたが、お前の国も戦争をしたじゃないか』というのと同じ。今回は、日本が過去に行った他国とは明らかに違った行為について議論が起きているのに、稚拙な議論だ」と一刀両断に切り捨てました。
　ごまかしとすりかえ、はったりで３時間近く��大演説�≠ｵた橋下氏。最後に「２１世紀、未来にむけて女性の人権をしっかり守るため、戦場における女性の利用をやめる世界の決意が必要だ」と語ると場内から失笑が漏れました。
　（遠藤誠二）
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

のけぞった橋下氏の��釈明��

　日本外国特派員協会の記者会見で配られた橋下徹大阪市長の��釈明�＠pペーパーを見て、昨年から大阪で取材にあたってきた者として、のけぞりました。
　橋下氏いわく、「日本は過去の過ちを真摯（しんし）に反省し、慰安婦の方々には誠実な謝罪とお詫（わ）びを行うとともに…このような悲劇を二度と繰り返さない決意をしなければなりません」―。
　しかし、１３日午前、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と言い放ったのは誰だったのか。
　抗議が殺到した午後になっても「軍の規律を維持するためには当時は必要だったんでしょうね」と言い、「今は違う？」との記者の質問に、ようやく「今は認められないでしょう」と答えた橋下氏が次に述べた話は何だったのか。
　「でも慰安婦制度でなくても風俗業は必要だと思いますよ」。橋下氏はこう語り、米海兵隊に風俗業の活用を勧めた話を得意げに語り始めたのです。
　橋下・「慰安婦」暴言の源流は昨年８月にあります。
　橋下氏は、軍や官憲による強制連行の証拠はないとの主張を繰り返し、「証拠がないんだったら、謝る問題ではなく、大変でしたねと（いう話）」「慰安所は軍が併設している場合もあれば、性を商売にする職業もある。そういう問題として倫理的にどう考えるのかという問題にすべきであって謝罪の問題ではない」（昨年８月２４日）と語っていました。以来、ネット右翼は、橋下氏を礼賛、元「慰安婦」を侮辱するコメントを送り続けました。
　一連の暴言すべてへの謝罪なしに、同じ人物の口から語られる「反省」「おわび」の言葉が信じられるはずがありません。
　（直）
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

河野談話見直し／有識者に委ねる／菅官房長官

　菅義偉官房長官は２７日の記者会見で、日本維新の会の橋下徹共同代表が日本軍「慰安婦」問題をめぐり日本軍の関与と強制性を認めた河野洋平官房長官談話の見直しを提起したことに関し、「内外の歴史学者による研究が行われている。私自身が個人的に（意見を）聞く場合もある」と語り、有識者の検討に委ねる意向を示しました。
　一方、菅長官は、河野談話の継承と同時に「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」と記した第１次安倍内閣の政府答弁書について、「尊重していく」と言明しました。
　菅長官はまた、橋下氏が参院選の結果を踏まえて進退を判断する意向を示したことについて「ある意味で当然のこと」と述べました。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」)

高官級交流も容易ではない／韓国外相

　【ソウル＝時事】韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は２７日の記者会見で、安倍政権下における最近の日本の歴史認識に関する言動を改めて批判した上で「このような雰囲気が改善されない場合、首脳クラスはもちろん、その他の高官級交流も容易ではないかもしれない」と述べました。
　外相は「日本のさまざまな動向にかなり失望している。特に、最近になって相次いでいる歴史退行的言動は、韓日友好関係をさらに強化しようとする韓国政府の意志に冷や水を浴びせている」と批判しました。
　また、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による元従軍慰安婦に関する一連の発言について「国際社会の常識に外れる見るに忍びない恥ずかしい言及だと多くの人々が考えている。そういう話を国連総会や米国議会で行ったらどんな反応が出るだろうか」と非難しました。
　さらに「こういう話をすればするほど日本の良識ある人々までも被害を受け、日本をさらに孤立させかねない」と指摘しました。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

主張／橋下市長居直り会見／謝罪や撤回からは、ほど遠い

　日本軍「慰安婦」は必要だったと発言して、国内外からきびしく批判されている「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が日本外国特派員協会で記者会見し、持論を展開しました。謝罪し、撤回したのではありません。日本軍「慰安婦」は必要だったという発言は取り消さず、問題を戦場での女性の「性利用」一般にすり替え、「どの国でもやっていたことで日本だけが非難されることではない」と開き直ったのです。外国メディアなどから質問が相次ぎ、会見が３時間にわたったことからも、国際的に見てとても通用するものではありません。

「女性尊重」とは噴飯もの
　橋下氏の長時間にわたった弁解を要約すれば、自らとしては報道の自由や女性の人権を尊重しており、日本軍「慰安婦」を正当化しているなどと報道されたのは遺憾の極みだ、戦時下での女性の「性利用」はどの国でもあったことで、日本だけが批判されるのは、国が女性の拉致や人身売買を強制したという誤解があるからだということに尽きます。発言が問題になっていらい橋下氏が繰り返していたことで、何の新味もありません。
　橋下氏が女性の人権を尊重しているなどというのは噴飯ものです。女性の人権を尊重しているなら、なぜ繰り返し、言動が問題になるのか。橋下氏は日本軍「慰安婦」は必要だったと発言したのとほぼ同時期に沖縄の米軍司令官に、米兵の性犯罪を防ぐためには「風俗業の活用を」と勧め、米側のきびしい反発で撤回を余儀なくされています。女性を性の商品扱いにする「風俗業」を肯定する人物が女性の人権を尊重しているなどとは、人間の社会では通用しません。
　橋下氏が、問題を「戦場での性」の問題に一般化し、「日本以外の各国も真摯に向き合わなければならない」などと��説教�≠ｷるのは、問題のすり替えです。橋下氏は「性利用」はどの国でもあったようにいいながら、政府や軍がかかわったのは日本やドイツなど一部の国だけだったことをしぶしぶ認めています。そこが問題です。日本軍「慰安婦」問題を一般的な問題に解消できません。
　しかも橋下氏は、日本だけが非難されるのは、女性の拉致や人身売買に国の意志が働いていたようにいう誤解があるからだといいますが、それこそごまかしです。政府と軍の中央が関わって「慰安所」を設置し、日本兵による強姦や売春を女性に強制したのです。直接手を下そうが民間業者を使おうが、甘言でだまそうが、強制の本質に変わりはありません。橋下氏は、日本軍「慰安婦」に国の責任を認めた「河野洋平官房長官談話」に、拉致など強制はなかったと明確にするよう主張しましたが、そうした歴史の改ざんこそ橋下氏の本音です。

歴史歪める根本にメスを
　人間の尊厳そのものをおとしめた自らの発言が批判されても、謝罪どころか撤回もせず居直りを続ける橋下氏に、公人としての資格がないのはいよいよ明らかです。
　重要なことは、橋下氏の責任追及にとどめず、歴史を歪める動きを日本の政治から一掃することです。日本軍「慰安婦」問題で橋下氏を先導した安倍晋三首相や侵略戦争を否定するもう一人の「維新の会」代表石原慎太郎氏の発言など、後を絶たない逆行は世界に通用しない日本の政治の異常です。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

潮流

　１９６１年の今日、世界中の人権侵害の改善を目指して活動する国際ＮＧＯ、アムネスティ・インターナショナルが発足しました▼イギリスの弁護士、ピーター・ベネンソンが、軍事政権下のポルトガルで２人の学生が「自由のために！」と乾杯しただけで逮捕され７年の刑を受けたという記事に衝撃を受け、新聞に「忘れられた囚人たち」と題した投稿をしたことから運動が始まりました▼当初は、思想や人種、宗教、出自などを理由に捕らわれた人々の釈放を求めて、市民が各国政府に手紙を書く活動を行っていました。シンボルマークの鉄条網に囲まれたロウソクは､｢暗闇を呪うより一本のロウソクに火を灯せ」という中国のことわざに由来しています▼「現在は、女性・子どもの権利、企業の社会的責任、難民と移民の権利、死刑制度の廃止など多様な人権問題に取り組んでいます。世界には貧困や暴力、迫害、差別によって苦しむ多くの人がいることを知り、自分の問題として捉えて、一人ひとりが行動を起こすことが大切だと思います」（若林秀樹アムネスティ・インターナショナル日本事務局長）▼２３日、アムネスティをはじめ世界６８の人権団体が、橋下大阪市長の「慰安婦」制度は必要だった等の発言に対し、国際法に違反する重大な人権侵害を正当化するものとして強く抗議する共同声明を発表しました▼個々の力は微々たるものでも、それが集まると世界に変化をもたらす大きな力になる―どんな運動の原点もここにあります。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」)

「慰安婦」暴言／歴史に向き合う姿勢、根本から欠けている／市田書記局長が批判

　日本共産党の市田忠義書記局長は２７日、国会内で記者会見し、「慰安婦は必要」と妄言をはいた日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が同日の日本外国特派員協会で行った記者会見について問われ、「最も重大な日本軍『慰安婦』問題をめぐる発言について謝罪も撤回もしなかった。弁明と開き直りに終始した」と語りました。
　市田氏は、問題の発端は、橋下氏が「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と言明したことにあり、「誰だってわかると言ったその中に��自分は入っていない�≠ﾆ言いだしてメディアや国民のせいにしている」と指摘。他国の軍隊を例に日本だけがなぜ責められるのかと居直ったことについて、��他人も泥棒しているから、自分もしてもいい�≠ﾆいう論理であり、「歴史と真摯に向き合う姿勢が根本から欠けている」と批判しました。
　市田氏は、日本軍の関与と強制性を認めた「河野談話」に関して橋下氏が、��人さらいのように慰安婦にさせた証拠はない�≠ﾆいう安倍晋三首相と同じ立場に立って否定する姿勢を浮き彫りにしたと言及。「河野官房長官談話は被害者らの証言をもとに軍の関与と強制性を認めたものだ。橋下氏はこれを否定し、歴史をわい曲するものだ」と強調しました。
　在沖縄海兵隊司令官に「風俗業」活用を勧めた橋下氏について市田氏は「女性を慰み者にしていいという人間観・女性観を語っている」と指摘。在日米軍が「殴りこみ部隊」を沖縄に大量に常駐させている根本問題に言及し、「その撤去については一切言わない」と批判しました。
　市田氏は「橋下氏の妄言の根源には、安倍首相の歴史認識がある」と述べ、歴史を偽造し、戦後政治の原点を否定する安倍首相の姿勢が厳しく問われていると語りました。
( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」暴言／撤回せず責任転嫁／橋下氏が会見／外国特派員協会

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は２７日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、旧日本軍「慰安婦」について「必要なのは誰だってわかる」とした発言について謝罪も撤回もせず無反省に言い訳を重ね、責任転嫁に終始しました。一方、在日米軍司令官に風俗業活用を勧めたことに対しては改めて撤回し謝罪しました。
　橋下氏は、当初の発言を見れば自らが｢必要｣としていたのは明らかなのに､｢慰安婦の利用を容認したことはこれまで一度もありません｣と開き直り｡「『戦時においては』『世界各国の軍が』女性を必要としていたのではないかと発言した｣と自身の発言を認めながら､｢『私が』容認していると誤報されてしまった」とメディアに責任転嫁しました。
　さらに、橋下氏は「国家の意思として組織的に女性を拉致した、女性を人身売買した点を裏付ける証拠はない」と正当化。旧日本軍が慰安所の設置・管理・移送に関与し、慰安所に拘束した上、性行為を強制したことそのものが「性奴隷」と批判されているにもかかわらず､拉致･強制連行に問題を矮小化させました。また、発言をめぐる各国の激しい批判に対して「戦場において、世界各国の兵士が女性を性の対象として利用してきたことは厳然たる歴史的事実だ」と反論してみせました。
　質疑で各国記者からは、「人身売買の定義を聞きたい」「フランス人から考えると市長の発言はびっくりした」などの意見が出されました。
　在日米軍司令官に対する発言は撤回し謝罪しましたが、沖縄県民や女性に対する謝罪は一切ありませんでした。
　橋下氏の発言には、記者らから、失笑や人権問題を理解していないことへのため息がひんぱんに漏れ、３時間近くの会見に「独演会だった」「同じフレーズばかり」とあきれた声が聞かれました。

( ２０１３年０５月２８日，「赤旗」)

27日（Page/Top）

文化通信／うたごえ協議会、橋下暴言に抗議

　日本のうたごえ全国協議会（西恒人会長）は１６日、橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題の暴言に対して抗議声明を発表し、暴言の撤回と謝罪、市長の辞任を要求しました。
　声明は、橋下氏の暴言について「その人権感覚、歴史認識の欠如は、公人としての資格が問われ」ると指摘。日本のうたごえ運動が、アジアの人々との音楽交流のなかで歴史認識を共有し、平和な未来をともにつくろうと活動してきたことを紹介。
　今年大阪で開かれる「６５周年記念日本のうたごえ祭典」で、橋下氏の思想差別を許さないたたかいを歌い上げるとのべています。
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」)

朝の風／橋下徹発言の土壌

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の日本軍｢慰安婦｣制度は｢必要だった｣の発言に対し、「強制連行」を否定し河野官房長官談話の改変を意図する安倍内閣閣僚から批判が相次いだのは驚きだ。
　「この時にこの発言をするプラスの意味があるのか」（下村文科相）、「（旧日本軍が）必要性を感じていたからこそ（慰安婦制度が）あったんだろうと思うが、今の時点で強調する必要があるか、大変疑問」（谷垣法相）。発言のタイミングが問題､ということらしい｡
　稲田朋美・行革担当相は「慰安婦制度は女性に対する大変な人権侵害だと思っている」という。日頃の「慰安婦」否定発言や靖国神社参拝との整合性に首をかしげる。
｢慰安婦｣の強制連行はなかったとする橋下氏に、朝のテレビ番組でみのもんた氏が「オランダの例はどうなのか」と質問した。橋下氏は「あれは犯罪なんですよ」と意味不明に答えた。オランダ女性を｢慰安婦｣にした戦犯裁判では日本軍将校らが強制売春・強姦で死刑・懲役刑になった裁判記録が残っている。懲役刑の「慰安所」経営者もいる。事実に目をふさぎ「強制連行の証拠がない」を繰り返し国際世論から孤立している安倍首相の歴史認識が問われている。橋下発言の土壌は自民党政権である。
　（春）
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

レーダー／橋下「慰安婦」発言報道／問題の本質への追究なし

　１３日、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要」、米海兵隊司令官には隊員に日本の��風俗�≠ﾌ活用をすすめたと発言して以来、テレビは多くの時間を割き、この問題を報道してきました。
　１８日（土）放送のＮＨＫテレビの「週刊ニュース深読み」。１３日以来の橋下発言をまとめ、自民、民主、公明、各党の批判を伝えます。共産党の市田忠義書記局長の「国政に関与する資格がない、維新という政党の存立が問われる」との指摘は橋下発言の深刻さを突きます。そして石原慎太郎維新共同代表の擁護論、アメリカ報道官の「不愉快」発言を紹介します。
　しかし番組は「アメリカも韓国も」各国軍隊は「売春を活用した」という１７日の橋下会見で終わります。強制的レイプ制度であった日本軍「慰安婦」問題の本質を知らせず、発言をそのまま伝える。��橋下氏の言うことももっとも�≠ﾆ受けとった人もいたのではないでしょうか。橋下氏も石原氏も一般的「売春」と「慰安婦」を意図的に混同して使っています。
　２０日放送の「とくダネ！」(フジ)は、橋下氏が１７日の記者会見で、報道は「大誤報だ」とした点を、町の声を交え、批判的に検証しました。優れた切り口と思ったのですが、司会者が、「外国も同じことをしたのに、なぜ日本だけが」という橋下氏の思いは「僕らも感じることがある」と一言。「慰安婦問題とは何か」という意識の欠如を指摘せざるをえません。
　みんなの党が維新との選挙協力見直しを表明して以降、橋下問題は政局報道が中心になっていきます。国民の厳しい橋下批判に比して、メディアの突っ込みは弱く、問題の本質から離れていくばかり。「慰安婦」そのものを掘り下げた番組は皆無です。
　ある時までテレビは「慰安婦問題」を取り上げてきました。ある時とは２００１年１月。「慰安婦問題」をテーマにしたＮＨＫのＥＴＶ番組が、自民党幹部の圧力で改変された時です。その時の自民幹部は、現安倍晋三首相。以来テレビは「慰安婦問題」をタブー化してきました。橋下発言の根っこには侵略戦争を美化する安倍氏らの潮流があることもテレビは目を向けてほしい。
　（荻）
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」の碑／被害女性の悲しみ後世に／沖縄・宮古島

「歴史歪曲する者、のさばらしてはいかん」と証言者
　アジア太平洋戦争当時、１６カ所の「旧日本軍慰安所」が存在したとされる沖縄県宮古島市に、朝鮮半島などから連れてこられて、日本軍に「性的奉仕」を強いられた「慰安婦」の悲しみを後世に伝える祈念碑があります。橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の暴言で「慰安婦」問題に注目が集まる中、碑を訪ねました。
　（岡素晴）

　沖縄本島から南西に約３００�`、宮古島のほぼ中央に位置する上野野原集落は、サトウキビや葉タバコの畑が広がる畑作地区です。戦時中、日本軍司令部が置かれた一帯には、現在も航空自衛隊宮古分屯基地が居座り、濃緑色の通信レーダー施設が周囲を威圧してそびえています。
　集落の中の草花に囲まれた一角、「女たちへ」と刻まれた碑があります。日本軍によって女性たちが被害を受けた韓国や中国・台湾、東南アジア諸国など日本を含む１２地域・国の言語で追悼文が記されています。
　「日本軍による性暴力被害を受けた一人ひとりの女性の苦しみを記憶し、全世界の戦時性暴力の被害者を悼み、二度と戦争のない平和な世界を祈ります」

○国内外からカンパ
　碑は、宮古島で「慰安婦」問題に取り組む女性たちや日韓の研究者でつくる「宮古島に日本軍『慰安婦』の祈念碑を建てる会」が呼びかけ、国内外から寄せられた多くのカンパにより２００８年、建立されました。
　日本共産党の上里樹市議は、建立のきっかけとなった０７年３月の市議会でのやり取りを振り返ります。
　「『従軍慰安婦』をめぐる質疑に対し、保守系議員が『地方議会にそぐわない』と反発しました。市に『慰安婦』問題の調査に取り組むよう求めた議員の発言は議事録から削除されたのです」
　事態を憂慮した宮古島の女性たちは同年４月、「宮古島の日本軍『慰安婦』について証言を聞く会」を開催。５月に日韓合同調査団が証言の聞き取りに来島したことで韓国と交流が始まり、碑建立の運動へとつながりました。

○１７〜１８歳の娘が…
　「ここは『慰安婦』の姉さんたちが洗濯の行き帰りに木陰で休んでいた場所でした。みな１７〜１８歳の年頃で、自宅近くの『慰安所』には１０人以上いたと思う」―。碑建立のために私有地を提供した「慰安婦」証言者の一人、与那覇博敏さん（７９）は、この場所を忘れないようにと置いた岩「アリランの碑」に手をふれ、７０年近く前の出来事を語りました。
　トウガラシを分けてあげたら「ありがとう」と喜ばれた１１歳の時のこと。軍の祭りでアリラン（朝鮮民謡）を歌い、舞っていた「慰安婦」たちの姿や「慰安所」に兵隊が長い列をなして並んでいた光景など、鮮明によみがえる記憶とともに、女性たちのその後の身を案じます。
　「私が聞き取りをした近所のおじさんによると、『いい仕事があるからと、だまされて韓国から連れてこられた』と『慰安婦』は話していたといいます。物知り顔で『強制連行はなかった』と言ってはばからない者をのさばらしてはいかん」。与那覇さんは、多くの証言を無視して歴史を歪曲する橋下氏や安倍晋三首相らに強く憤ります。
　自身も戦争と軍隊によって多くの辛酸をなめました。米軍の空襲が始まると、飛行場や弾薬庫に隣接していたため、爆撃・機銃掃射が嵐のように吹き荒れ、家を焼かれました。戦後も食糧難から一時は雑草やバッタ、カタツムリなどを食べて命をつないだと話します。
　「あのむごたらしい戦世をもう二度と繰り返したくない。平和の時代よ、常しえにと願うばかりです。いつかこの碑の周りいっぱいに木を植え、平和の森として子々孫々まで伝えたい」
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

元「慰安婦」に暴言／ツイッターで面談中止非難／「維新」中山代議士会長

　日本維新の会の中山成彬（なりあき）代議士会長は自らのツイッター（２４日）で、韓国人の元日本軍「慰安婦」２人が橋下徹共同代表（大阪市長）との面談を中止したことについて、「橋下氏に強制連行の中身を鋭く追及されるのを恐れたか？　化けの皮が剥がれるところだったのに残念」と非難しました。
　暴言を撤回せず謝罪ポーズだけで批判を逃れようとしていた橋下氏を弁護し、元「慰安婦」側に非があるように言いたてる下劣な暴言です。
　橋下氏自身、面談が実現しても発言を撤回しない態度を示したうえで、「僕の発言によって、傷ついたのだったらおわび申し上げると言いたかった」（２４日）などと形だけの「謝罪」ポーズを示す場として政治利用しようとしていたことは明らかです。発言で傷つけられた元「慰安婦」の方が面談を中止するのは当然です。
　強制の事実は、裁判でも認定されています。歴史をゆがめる橋下氏らの妄言はとうに「化けの皮が剥がれている」のに、いつまで垂れ流すのでしょうか。
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言謝罪を／大阪母親大会開く

　「活かそう憲法！　いのち輝く大阪を」をスローガンに第５８回大阪母親大会が２６日、大阪市中央区内で開かれ、のべ２０００人が参加しました。橋下徹大阪市長に旧日本軍「慰安婦」をめぐる暴言の撤回と謝罪、市長の即時辞任を求める特別決議など二つの特別決議を採択しました。
　うたごえの人たちによる合唱で全体会が開会。植田晃子実行委員長が、橋下市長の一連の暴言は安倍内閣の憲法改悪の動きと無関係ではないと指摘し、「大会は危険な情勢のなかで開かれています。しっかり学び、交流しましょう」とよびかけました。
　講演した渡辺治一橋大学名誉教授は、安倍政権は、戦争できる国づくりへの憲法９条の明文改憲の突破口に、発議要件を緩和する９６条改定を先行させる戦略だと指摘。先にそれを主張したのは「維新の会」であり、公明、民主も足場が揺れているなか、明文改憲を阻んだ今日までの運動を教訓に、９条改悪反対の一点での幅広い共同や地域に根ざした運動、原発反対などの新しい市民運動、全国に７５００もある９条の会などと力をあわせて大きな国民運動をつくることが重要だと語りました。大会終了後、橋下暴言に抗議する宣伝を行いました。
　堺市から参加した女性（６０代）は「橋下発言は恥ずかしい。何か行動を起こしたい」と話していました。
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

テレビ討論「自共対決」／「慰安婦」発言／「橋下氏は撤回と謝罪を」／笠井氏が市長辞任要求／フジ系番組

批判しない首相の姿勢、世界から批判
　日本共産党の笠井亮政策委員長代理（衆院議員）は２６日、フジテレビ系「新報道２００１」に出演し、番組に同席した日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）に対し、日本軍「慰安婦」をめぐる発言は人間の尊厳を冒とくするものだと指摘し、発言の撤回と謝罪、市長辞任を求めました。
　問題の発端の「『慰安婦』制度は必要だった」（１３日）とした自らの発言について橋下氏が「僕自身が必要だと言ったわけではない」などといいだしたことに対して、笠井氏は｢ごまかしてはいけない｣と当日（１３日）の発言内容を読み上げて指摘。「『当時必要だった』ということ自体が問題だ。世界各国はそこに怒っている」と批判しました。
　さらに、橋下氏が在沖縄米軍に風俗業活用を促した発言を米国と米軍にだけ謝罪・撤回することにふれ、「一番肝心なところには謝りも撤回もしない。（両発言に）共通するのは女性を軍隊の道具にするという発想で、女性だけでなく人間に対する冒とくだ」と述べました。
　橋下氏は「今の世界の紛争地でも女性の人権はじゅうりんされている」などと議論をすり替えて正当化。笠井氏は「米国には謝って撤回しても、『慰安婦』発言を撤回しない態度に世界がまた怒っている」と述べ、公職を退くよう求めました。
　さらに笠井氏は、「慰安婦」制度への軍の関与と強制性を認めた河野談話見直しの動きにふれ､｢これを言いだしたのは安倍首相だ。橋下氏の発言を批判すらしない首相の姿勢が、世界各国や国連から批判されている｣と指摘しました｡
( ２０１３年０５月２７日，「赤旗」)

26日（Page/Top）

メディアをよむ／川口彩子／首相と蜜月、鈍る切っ先

　日本維新の会の支持率が落ちている。これまで維新の会は、自民党に続く第２位の地位を守っていたが、参院選での投票先を問う各紙の最新の世論調査では、軒並み第３党に落ちている。
　橋下徹共同代表による「従軍慰安婦が必要だったのは誰だって分かる」との発言には、人気の下落にいら立ちをおぼえた橋下氏が、自身に注目を集めさせて、再浮上をはかろうとしたとの見方もある。
　確かに耳目は集めたが、そのもくろみは外れたようだ。朝日新聞の世論調査では７５％が橋下発言について「問題がある」と回答している。（５月２０日付）
　当然の結果だろう。しかし、これが、毎日のようにテレビや新聞で橋下氏が取り上げられ、持ち上げられていた昨年時点での発言だったら、ここまで批判的に取り上げられたのだろうか。
　昨年１２月の衆院選挙で自民党が大勝し、安倍晋三首相が誕生してから、メディアは一気に橋下共同代表への興味を失い、もてはやす対象を安倍首相にシフトさせている。今回の橋下発言の前に安倍首相の「侵略の定義は定まっていない」という暴言があるのだが、メディアの切っ先は鈍い。
　２１日付「しんぶん赤旗」は、安倍首相と在京テレビ局の幹部やキャスターが頻繁に会食や面会を繰り返していることを報じているが、このような「蜜月」関係にあって、毅然（きぜん）とした批判ができるとは到底思えない。
　市民は、きちんとした報道に接すれば、正しい批判をすることができる。いま安倍自民党政権は、労働者の解雇自由化政策、社会保障の切り捨て、原発の再稼働やＴＰＰ、教育改悪、そして憲法改悪をやろうとしている。これらの内容を分かりやすく解説し、市民に判断材料を提供することが、民主主義を機能させるために不可欠だ。それこそがマスコミの果たすべき役割だ。
　（かわぐち・あやこ＝弁護士）
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

「いま激突の情勢」全国革新懇が総会／統一戦線つくる大道、共産党の躍進こそ／志位委員長

　憲法を生かすなど、三つの共同目標で力を合わせようと結成された全国革新懇。その第３３回総会が１８日開かれ、「いま激突の情勢」として、安倍内閣の暴走に正面から立ち向かう力を強めようと討論しました。

　三上満代表世話人が、総会の議案書である「報告と提案」を説明。「いまや革新懇は出番どころか、歴史の激突の中で、いやがおうでも運動の表舞台に立たざるをえない状況だ」という品川正治代表世話人（経済同友会終身幹事）からのメッセージを紹介しました。
　総会では３１人が発言しました。

政権の破たん
　日本共産党の志位和夫委員長（代表世話人）は発言の中で、発足から５カ月たった安倍政権について「暴走と破たん」と特徴づけました。
　同政権の最大の売り物＝アベノミクスは、給料、中小企業、企業の設備投資という回るべきところにお金が回っていないのが現実です。そのうえ急激な円安で、食料品や燃油などが高騰。アベノミクスが貧困と格差を拡大する経済政策だということは明白になっています。
　憲法問題では安倍首相は、９条改定を目的としながら、「形式論だから国民の賛成を得られるだろう」と９６条改定を先行させることをもくろんでいました。しかし、９条改憲派を含め、「立憲主義を根本から壊す」などと厳しい批判が出され、動揺する事態になっています。
　歴史問題でも、４人の閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相は、過去の侵略と植民地支配を「国策の誤り」と認めた１９９５年の村山富市首相談話（村山談話）の見直しにも言及。国内外の批判が高まっています。
　このなかで日本共産党以外のあらゆる主要な政党が「自民党へ、安倍首相へ」と追従しています。
　志位氏は「安倍内閣の暴走と正面から対決して、抜本的対案を掲げて奮闘しているのは日本共産党です。自民党対共産党―『自共対決』という構図がはっきりしてきました」と強調しました。
　そのうえで総会に提案されている「報告と提案」が、参院選で特定政党の支持はしないものの、「３目標の実現をめざす政治勢力の躍進を強く期待します」と述べていることに触れ、都議選・参院選で日本共産党の躍進をかちとる決意を表明。「三つの共同目標の実現をめざす私たちがいま躍進することが、日本の統一戦線をつくりあげていくうえでも、どうしても必要です」と力を込めました。

広がるたたかい
　発言の中で特徴的だったのは、安倍政権の暴走に立ち向かう国民的なたたかいの広がりでした。
　大阪の代表は、日本維新の会が、日本軍「慰安婦」暴言だけでなく、大阪市による「思想調査」アンケートなど、あらゆる分野で府民･市民の批判に追い込まれている状況を報告。山梨の代表は、原発ゼロをめざす共同アピールにＪＡ、県医師会などが呼びかけ人となり、１カ月で４１６人が賛同したことや、憲法９条守れと求めた地元紙への意見広告に３２４０人から賛同を得た経験を発言しました。
　全労連の代表は、安倍政権が狙う労働法制改悪に反対する集会に連合、全労連、全労協が参加したことを紹介。「財界のいいなりの政治が危機を加速させている点に、政治革新と労働者要求の接点がある」と述べました。

全国革新懇
　正式名称は、平和・民主・革新の日本をめざす全国の会。１９８１年に結成。思想・信条の違いを超えて、三つの共同目標にもとづく政治革新と、その国民多数派の形成をめざしています。

三つの共同目標
　�@日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす�A日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす�B日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

自民政務官も／「共産党、政策はっきり」／永田町リポート

　いま「自共対決」の４文字が目立ってきました。国会論戦でも、マスメディアでも…。国会周辺、永田町からのリポートです。
　田中倫夫記者

自民党の補完勢力／沈む第三極、民主
　「いま、永田町でまともに機能している政党は自民党と共産党だよ」
　衆院本会議場の入り口で足を止めた、ある自民党の大臣政務官がもらしました。
　「政策的にはっきりしているのは自民と共産しかない。あとはなんだかよくわからなくなっている。維新の会など、暴言に次ぐ暴言でわけがわからない。民主党も『反省会』を開いたのに、実際は言い訳ばかり。だから、共産党は参院選で得票を伸ばしてくる気がする。私の地元でもそう感じているよ。安倍内閣の支持率は高いが、バブルのようなもので、うかうかしてはいられない」
　日本維新の会は、石原慎太郎共同代表自身、「維新は賞味期限」（７日）と��予言�≠ｵていた通りの結果に。
　橋下徹共同代表が、旧日本軍「慰安婦｣は｢必要だった」と暴言をはき、言い訳を繰り返したあげく､メディアに｢誤報だ｣と八つ当たり。同党の西村真悟衆院議員は橋下氏を擁護するため､｢日本には韓国人売春婦がうようよいる」と公言して、除名に追い込まれました。批判に逃げ腰となったのがみんなの党｡参院選､都議選での｢維新｣との「選挙協力解消」を宣言しました。それでも政策的な近さは隠しようがなく、「自民党の補完勢力内部のコップのなかの争い」（市田忠義・日本共産党書記局長）です。
　日本共産党の第７回中央委員会総会（８日）。志位和夫委員長が報告で「��自共対決�≠ｱそ、参議院選挙の真の対決軸です」と強調しました。翌日の各紙は「共産、闘志再び　参院選『自共対決』宣言」（「朝日」）、「共産委員長『参院選は自共対決』」（「日経」）といっせいに報道。自民党本部関係者は、「どの新聞も『自共対決』だ。これがこれからの政治のトレンド（傾向）になるのでは」と話しました。

現憲法守る共産党／改憲派と鋭く対決
　「私も、今度の参院選は『自共対決』がクローズアップされると思っています。そんな声はマスコミにも広がっています」。こう語るのは４０年以上、永田町を取材している政治評論家の浅川博忠さん（７０）です。
　「なぜかといえば、憲法改正問題が争点になるからです。９６条改正も、９条２項改正もセットで問われる事態となるのではないか。とくに９条２項ということになると、やはり論争の前面に出るのは自民党と共産党です。そういう意味で自共対決になるということです」
　その憲法問題が問われる舞台の衆院憲法審査会。所属している委員で「現行憲法を守る」という立場を明確にしているのは、日本共産党の笠井亮委員だけです。
　１６日の審議でも、「自共対決｣が際立ちました｡
　侵略戦争への反省の上に制定された憲法について、自民党委員が「侵略戦争との決め付けは東京裁判のみ」と攻撃。笠井議員は、ポツダム宣言や国連憲章などを引いて「侵略戦争であることは国際的に確定している」と反論し、こう主張しました。「（自民党の主張では）戦後の出発点を自ら否定し、アジアや世界の中で日本の孤立を招き、国際社会で生きていく道を失う」
　「第三極」は「占領軍が英語で起草したもので、美しい日本語とはいえない」（維新）、「歴史・伝統・文化の価値観を示すものにあらためるべきだ」（みんな）などと前文改憲を主張しました。

アベノミクス、ＴＰＰ／対案示し転換訴え
　日本共産党の穀田恵二国対委員長は、「国会論戦全般でも、『自共対決』が明確だ」と語ります。例えば―。
　アベノミクス…物価上昇と急激な円安が進み、そのうえ消費税増税では庶民生活が大変になる―と追及するのは日本共産党だけ。他の党は「全体方針は正しい」（民主）、「国際的にも好評」（維新）、「国家経営として最良の策」（みんな）と、礼賛一色。
　ＴＰＰ（環太平洋連携協定）…「保護しているだけではコメ産業は強くならない」（維新）、「聖域はなしで、高いレベルの自由化を」（みんな）とＴＰＰ推進一色の「第三極」。ＴＰＰ交渉参加を推進してきた民主党は、論戦でまともに反対することもできません。自民党の公約違反を徹底追及し、ただちに交渉中止を求めたのも共産党でした。
　「どの問題でも、国民のいのちとくらしを守り、安倍自公政権の悪政にたいして､対案を示し､その転換を呼びかけているのは日本共産党。国会論戦の軸も自共対決となっている」（穀田氏）のが現在の国会です。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言の波紋／問われる安倍首相／軍がつくった「性奴隷」制度／中央大学教授吉見義明さん

　日本軍「慰安婦」制度の最大の問題は、軍がつくった「性奴隷制度」だということです。なぜかといえば▽居住▽外出▽性行為の拒否▽廃業―など女性の自由を奪う強制的制度だったからです。暴力的に連行されたかどうかも問題ですが、「性奴隷」制の中心問題ではありません。
　軍慰安所は軍の施設として軍の命令でつくったものです｡軍が建物を提供し､慰安所規則もつくり､管理･統制し、性病検査もやっていた。このことは日本軍の公文書で確証されています。
　橋下さんは「世界各国の軍は同じように女性を��活用�≠ｵていた」といいますが、どこの国がやったにせよ、悪いものは悪いとちゃんといわなければ話にならない。その根本が最初から抜けています。
　しかも実態は違うのです。米軍の周りにも性暴力はありますが、米政府は売春宿を公認していませんでした。また、米軍は女性を集めていないし、売春宿を自らつくってはいません。

当時でも違法
　第２次大戦中のドイツ軍も、軍中央が公認し推進する慰安所をもっていたといわれます。しかし日本軍と大きく違うのは植民地の女性を戦地に連行していないことです。ドイツ軍は第１次大戦で植民地をすべて放棄したからです。
　日本軍は、特に朝鮮などの植民地で、軍が選んだ業者が誘拐（だまし・甘言）か人身売買で女性を連れて行くケースが数多くありました。これは当時の国内法や国際法にも違反していました。
　橋下さんと安倍さんに共通しているのは「慰安婦」問題での日本政府の責任を否定したいということです。｢軍･官憲が暴行･脅迫で連行したのでない限り責任はない」と言いたいのでしょうが、そういう認識自体がいま世界から問われています。世界の人々は、どんな形で連れて来られたにせよ、軍慰安所で「強制」があれば｢アウト｣と見ているのです。

世界から孤立
　このような発言を繰り返させないために、「慰安婦」問題で何が起こったのかを正確に認識することが必要です。
　過去の過ちをきちんと認めて克服できないと、米軍に「風俗業を活用したらどうか」と橋下さんが言ったように、誤りを繰り返すことになります。
　戦後日本の出発点である侵略戦争への反省や「慰安婦」問題のような歴史の事実を否定したら、日本は世界から孤立します。
　靖国神社参拝､村山談話･河野談話の見直し、集団的自衛権の行使、教科書検定基準の見直し、憲法改定などを狙う一連の動きの中心にいるのが安倍さんです。歴史上の過ちを認めることを拒否することで日本の「誇り」を守り、憲法を変えて日本を「戦争する国家」につくり変えようと狙っているのです。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言の波紋／問われる安倍首相／国際社会に参加する資格を失う重大問題／志位委員長が警告

　日本共産党の志位和夫委員長は１６日の記者会見で、安倍首相による「村山談話」見直し発言について二つの事実を指摘し、「問題は解決されていない」と強調しました。
　第一は、「侵略の定義は定まっていない」という発言を安倍首相が取り消していないことです。第二は、「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をしたという村山談話の核心部分を明示的に「引き継ぐ」とはかたくなに言おうとしないことです。
　志位氏は、安倍首相が「未来志向」の名で村山談話の核心部分をそぎ落とした新たな見解を考えているのは明らかだと指摘。「かりにその方向にいけば、戦後の国際政治の土台をくつがえし、国際社会に参加する資格そのものがなくなるという非常に重大な事態に落ち込むことになる」と警告しました。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言の波紋／問われる安倍首相／「史実否定」では同じ立場

　「慰安婦制度が必要」だったとの橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の発言（１３日）が、内外にさらに波紋を広げています。問われているのは橋下氏だけではありません。安倍晋三首相自身が「慰安婦」問題や侵略戦争などの歴史を否定する動きの先頭に立ってきました。
　本吉真希記者

　「橋下市長のコメントは言語道断で侮辱的。当時、性的目的で取引されたそれらの女性に起こったことは、法外な深刻な人権侵害だ」―米国務省のサキ報道官は１６日の記者会見で、橋下発言を厳しく非難しました。
　ところが橋下氏は「大誤報をやられた」「日本人の読解力不足」と開き直るだけ。維新の会は「韓国女性を強制連行し、性的奴隷にしたとの国際社会での誤解を解くことは…政府の責務」と、橋下発言を容認する見解を発表しました。（１６日）
　これに対して安倍首相は「橋下代表の発言と立場が異なる」と言うだけで、橋下発言の批判さえしません（１５日、日本共産党の井上哲士参院議員の質問への答弁）。もともと、この問題では安倍首相自身の立場が厳しく問われてきました。
　安倍氏は、「慰安婦」問題での日本軍の関与や強制を認めた河野洋平官房長官談話（１９９３年）を攻撃し、「慰安婦の強制連行はなかった」と主張してきました。（別項）
　２００１年に「慰安婦」問題を取り上げたＮＨＫテレビ番組が改変された事件では、安倍氏は官房副長官として介入。０７年の第１次安倍政権は「軍や官憲による強制連行を直接示すような記述」はなかったとの答弁書を閣議決定しました。
　橋下氏は、この安倍内閣の閣議決定を根拠に、｢慰安婦｣は｢性奴隷｣といえないと主張。安倍氏は「大変勇気ある発言…戦いにおける同志だ」と述べていました。（「産経」昨年８月２８日付）
　さらに安倍氏は、「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったと認めた村山富市首相談話（９５年）についても核心部分を認めず、「侵略の定義は定まっていない」と答弁。内外から厳しい批判を受けています。

安倍語録
　○狭義の強制性を裏付ける証言はなかった。官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった（０７年３月５日、参院予算委で首相として答弁）
　○河野談話の核心は強制連行。朝鮮半島で家に乗り込んで強制的に女性を人さらいのように連れて行く、そんなことを証明する資料はなかった。新たな談話を出すべき（１２年９月１４日、自民党総裁選）
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言で広島の８団体が共同声明／謝罪と辞任求める

　日本維新の会共同代表で大阪市長の橋下徹氏が日本軍「慰安婦」問題で繰り返した暴言に抗議して、「広島県の男女共同参画をすすめる会」の構成団体など８団体が２４日、共同声明を発表し、橋下氏に送付しました。
　新日本婦人の会広島県本部が呼びかけたもので、Ｉ（アイ）女性会議広島県本部、広島県商工団体連合会婦人部協議会、広島県労働組合総連合女性センター、婦人民主クラブ広島支部、広島県母親連絡会、ひろしま女性ＮＰＯセンター未来、日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークの代表ら１１人が県庁内で会見。共同声明は、橋下氏に暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任を求めています。
　１１人は会見後、県人権男女共同参画課と懇談し、湯崎英彦知事が「慰安婦」問題での謝罪と賠償を日本政府に求めるよう要請。新婦人県本部の林紀子会長は藤永隆司課長に要請文を提出し、「世界に向かって平和を発信する大切さを知っている広島県知事だからこそお願いしたい」と語りました。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

橋下暴言／各団体が声明

　橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の「慰安婦」問題をめぐる一連の暴言にたいし、大阪府内の各団体から暴言の撤回と謝罪、公職からの辞任を求める声明や抗議が続いています。
　大阪市退職教職員の会は２４日、声明を発表「人権感覚の欠如した橋下市長が、国政・大阪市政に携わることはもとより、子どもたちの人格の完成をめざす教育を語る資格はありません」と指摘しています。
　安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会は２３日、声明を発表。橋下氏の暴言には女性蔑視の考え方と同時に、性暴力を容認する考え方があると指摘し、「人間の尊厳を重要視しない立場にあることは、人間として政治家として市長として許されない」としています。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／リレーで抗議／党女性議員、倉林候補／京都

　日本維新の会の橋下徹共同代表による「慰安婦制度は必要だった」との暴言に抗議して、日本共産党京都府委員会は２５日から、各地の党女性議員がリレー形式で訴える「数珠つなぎ宣伝」をスタートさせました。
　府内の日本共産党の女性議員全５０人が発表した抗議アピールを活用したもので、亀岡市や舞鶴市など４カ所で宣伝しました。２９日は京都市内１０カ所で計画し、６月は府南部や乙訓地域で予定しています。
　福知山駅前（福知山市）では、倉林明子参院京都選挙区候補、地元女性市議らが「橋下大阪市長　妄言許さない」と書かれた横断幕を掲げ、行き交う車から声援がありました。
　倉林候補は「橋下市長は見苦しい言い訳をするが、いまだに謝罪も撤回もしていない。女性と男性の人権をおとしめるこんな人権感覚の持ち主に市長の資格はない」と批判しました。そのうえで「憲法９条を守り戦争反対をつらぬいてきた日本共産党を伸ばしていただき危険な暴走をくいとめよう」とよびかけました。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

橋下暴言擁護の維新／山梨の新婦人が抗議／議員事務所に

　新日本婦人の会山梨県本部は２４日、日本維新の会・小沢鋭仁元環境相（同党国会対策委員長）の地元事務所（甲府市）を訪ね、橋下徹共同代表の「慰安婦」などをめぐる暴言に抗議し、撤回・謝罪を求めました。
　石原靖子会長ら３人が参加し「橋下氏の暴言は女性の人権をじゅうりんするもので、断じて許せない」と批判。「政党として、この発言の擁護と言い訳を繰り返す日本維新の会の政党としての姿勢も問われる」と指摘し、暴言の撤回と公職辞職を要求。文書での回答を求めました。
　応対した地元秘書は「議員に伝えます」と述べ、回答については「わかりました」と答えました。
　小沢氏は昨年の総選挙で、直前に民主党を離党し、維新の衆院南関東比例候補として当選。今回の橋下氏の暴言について「全体を読めば、極めてまともな発言だ」との見解を表明（「山梨日日新聞」２２日付）しています。
(２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

妄言を言い、なぜ市長／集会で元「慰安婦」証言／大阪

　日本軍「慰安婦」問題の解決を求めて、「何度でも語る　歴史の事実はこれです」と題する集会が２５日、大阪市内で開かれ、橋下徹大阪市長に暴言の撤回と謝罪を求めている元日本軍「慰安婦」の韓国人女性２人が証言しました。主催は日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク。約５００席の会場は満席となり、ロビーにも人があふれました。
　元「慰安婦」の金福童（キム・ボクトン）さん（８７）は、まだ少女のとき、日本の植民地支配下の朝鮮で軍需工場に連れていくと言われたが、結局、「慰安婦」としてアジア各地の戦地を連れ回され、「私は日本軍の奴隷となって散り散りに引き裂かれた」と証言。「私たちは罪を憎んでも人は憎んでいない。望むのは平和」と話し、日本の市民に問題解決と戦争反対への協力を呼びかけました。その上で「妄言を言う人がどうして市長でいられるのか」「今後、日本の責任者には素晴らしい人を選んでください」と訴えると参加者は大きな拍手で応えました。集会では、もう一人の吉元玉（キル・ウォノク）さん（８４）も戦争の犠牲者を増やしたくないという切実な思いを強調しました。
　中央大学の吉見義明教授が、橋下氏が「証拠がない」としてきた軍や官憲による強制連行の事例についても十分な証拠があるが、連行形態にかかわらず軍の慰安所で行われたことが強制であったことが最大の問題であり、「慰安所は文字通りの性奴隷制度だった」と指摘しました。
( ２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

橋下代表に謝罪要求／「慰安婦」発言で会長が談話／日弁連

　日本弁護士連合会（日弁連）の山岸憲司会長は２４日、日本維新の会の橋下徹共同代表が「従軍慰安婦は必要」「米軍は風俗業の活用を」と発言した問題で、ただちに発言を撤回して被害女性に謝罪することを求める談話を発表しました。
　山岸氏は談話で、橋下氏の発言を、「今なお癒されることない傷に苦しむ日本軍『慰安婦』制度被害女性に対して更なる苦痛を与えるもの」と強く非難。
　軍人や基地の管理運営に女性の性を利用することが正当化されるという認識は、「憲法が定める個人の尊厳と両性の本質的平等に真っ向から反する」と指摘し、「公権力を行使する立場にある公人の発言として、女性の名誉と尊厳を傷付け不適切極まりない」としています。
( ２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

おはようニュース問答／民族差別をあおるデモは問題だよ

　のぼる　相変わらず韓流かい？
　ふゆみ　そうよ。でも、最近はなんとなく、雰囲気がよくないじゃない？　韓流ファンですっていいにくい、みたいな。
　のぼる　そうだね。ものすごいデモがやられているんだろう？

「仲良くしよう」
　ふゆみ　この間も新大久保（東京都新宿区）に買い物に行ったら、でくわしちゃって。びっくりしたけど、本当にひどいこと言ってるって思ったわ。
　のぼる　ヘイトスピーチ（憎悪表現）っていうらしいね。特定の人種や国籍、宗教などにたいして、侮蔑的な表現でおとしめたり、差別をあおったりするんだろう？　
　ふゆみ　そうよ。以前から右翼の一部が叫んでいたけど、去年、竹島問題がクローズアップされてからエスカレートしているの。毎週のように各地のおもだったコリアンタウンで行われていて問題になっている。
　のぼる　みんな黙ってみているだけなのかい？
　ふゆみ　当事者が声をあげるのは難しいみたいね。でも、同じ日本人として「差別はいけない」と思う人たちが立ち上がっているわ。
　のぼる　カウンターデモっていうんだね。
　ふゆみ　日本語とハングルで「仲良くしよう」と書かれたプラカードを掲げている人たちが、道路の反対側で声をあげていた。
　のぼる　法律で取り締まることはできないのかな。
　ふゆみ　ヘイトスピーチを規制する法律をつくれという動きもあるわ。でも、法で規制して排除すれば解決するという問題ではないのよ。

増幅させるのは
　のぼる　どうして？
　ふゆみ　ヘイトスピーチを増幅させる役割を果たしているのが、橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言や安倍首相の改憲志向などの現政権や保守派の言動よ。日本がおかした侵略戦争の過ちに真摯（しんし）に向き合うこと抜きには解決しない。
　のぼる　だからこそ市民が世論で包囲することが求められているんだね。
　ふゆみ　国連社会権規約委員会も「慰安婦」の権利を守る措置をとるよう日本に勧告したのよ。この点でも安倍首相の姿勢が問われているわ。
( ２０１３年０５月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長辞任求める／暴言めぐり決議／大教組大会

　大阪教職員組合（大教組・全教加盟）は２５日、第１８６回定期大会を大阪市中央区で開き、橋下徹大阪市長の「慰安婦」をめぐる暴言に抗議するとともに、撤回、謝罪と辞任を求める特別決議を採択しました。
　田中康寛委員長は、「『慰安婦』は必要」「米軍は風俗業の活用を」との橋下氏の暴言は「人間の尊厳と人権を丸ごと否定する」「憲法改悪の動きを促進させ『戦争する国づくり・人づくり』を推し進めるもので断じて許せない」と述べ、「公職辞任へとりくみを一気に強めよう」と呼びかけました。
　運動方針は▽憲法を守り、くらしと教育に生かすことを機軸に、政治変革に全力をあげる▽被災地の復旧・復興と結び教職員・国民の命とくらしを守る運動を進める▽維新の会の「大阪こわし」「教育こわし」を許さない共同の運動を発展させる―としています。
　全教の北村佳久委員長、大阪労連の川辺和宏議長、日本共産党のたつみコータロー参院大阪選挙区候補らが来賓あいさつしました。
( ２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

��風俗�＃ｭ言／橋下氏、米だけに「おわび」／女性・沖縄には謝罪なく無反省

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は２５日の日本テレビ系番組で、相次ぐ米兵の性犯罪への��対策�≠ﾆして、在沖縄米軍幹部に風俗業の活用を促した自らの発言について「米軍と米国民にはきちんとおわびと発言の撤回をしっかりしなければいけない」と述べ、米国に対してだけの��撤回�≠ﾌ意向を示しました。
　しかし、女性や沖縄県民に対しての謝意には一切言及せず、米国におもねるだけの無反省ぶりを露呈しました。一方、日本軍「慰安婦」問題に関する発言については「世界各国の軍が女性を利用していたという歴史的文脈で言ったまでだ」と撤回しない考えを重ねて示しました。
　番組内で読売新聞の橋本五郎特別編集委員は「公人ですから、そのことで傷つく人のことをどれだけ話す前に考えていたのか。そこまで考えて発言する責任がある」と指摘。それに対し、橋下氏は「日本国内だけでなく世界各国から、特に女性から批判を受けることも承知していた」と述べるものの、「やっぱり米軍や米国民にはおわびをしないといけない」と謝罪対象を限定しました。
　公人としての人権感覚のありように疑問を呈されながら、沖縄県民に対しては「沖縄の人権侵害をしっかり発信していく」などと的外れな持論でごまかしました。
( ２０１３年０５月２６日，「赤旗」)

25日（Page/Top）

土曜人とき／「真実を求めて」韓国渡航１０回小川洋子さん徳島・小松島市／日韓友好、民間人の絆が大事

　「韓国語のテープ」をいつも携帯している小川さんは、新日本婦人の会小松島支部長です。
　昨年１１月に新婦人県本部創立５０周年の記念行事として、会員９人と韓国を訪問。小川さん１０回目の韓国行きとなりました。
　最初の韓国行きは２００６年。それまで、なかなか韓国の地を踏めなかったと言います。
　「過去の歴史を思うと日本人として行くことはとても重かった。しかし、真実を知らなくてはいけない」と。きっかけは、０５年に韓国との国交再開４０年記念に両国の手芸作家が呼びかけた「友情のポシャギ（韓国の伝統手芸）をつくろう」に参加したこと。それ以来、新婦人の仲間と韓国の旅をし、民主化弾圧の舞台の光州市国立墓地にも行きました。
　１０回目の旅では、日本大使館前で元従軍「慰安婦」のハルモニたちの座り込みデモに参加。事前に許可を得て、代表が「日本の教科書に従軍『慰安婦』の記述が外された。新婦人は、真実を載せなさいと運動している」とのスピーチに拍手が起こったと言います。
　橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の従軍「慰安婦」問題の暴言に「人間としての資質を疑う。米司令官への『風俗の利用を』の発言も同じで到底許せない」ときっぱり。「国同士がいろいろあっても、民間人の絆が大事。みんなが平和の中で暮らせるよう活動したい」と最高の笑顔で話しました。
　（徳島県・湊京子）
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

「慰安婦」暴言／「橋下氏辞めろ」圧倒的／北九州で新婦人、シール投票実施

　北九州市の新日本婦人の会７支部は２３日、橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）の暴言に抗議する街頭宣伝・シール投票を小倉駅前で行いました。
　約２０人が参加。新婦人県本部の三輪幸子会長や日本共産党の高瀬菜穂子元県議らは「橋下市長の発言は、女性に対する人権侵害だけでなく、歴史の真実に向き合おうともせず、人間の尊厳を傷つけるもの。大阪市長として、政治に携わる者として許されるものではない」と批判。「発言の撤回と謝罪、日本維新の会共同代表と大阪市長を辞任すべきだ」と訴えました。
　橋下氏の発言と辞職の是非を問うシール投票では「許せません」「辞めるべき」が圧倒しました。
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

「日本軍の奴隷だった」／２人のハルモニが証言／岡山市

「１３歳で家を出て一度も故郷を訪れることもできない」
　「ハルモニ（おばあさん）の声に耳をすまそう！　心傾けよう！　二度と戦争をおこさないために。再び女性の人権が奪われないように」と、「日本軍『慰安婦』犠牲者証言キャンペーンｉｎおかやま」が２３日、岡山市で開かれました。

　「慰安婦」問題を考える女たちの会・岡山の主催。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」との暴言が日本社会の大問題となるなか、会場の１００席はたちまち埋まり、立っている参加者が多くいました。
　車いすで介添えされた、韓国の「慰安婦」犠牲者の金福童（キン・ボクトン）さん（８７）と吉元玉（キル・ウォノク）さん（８４）が訴えました。
　金さんは、「少女たちは強制連行され、夢開くこともなく日本軍の奴隷にされた」と訴え、「日本政府が過去の過ちを認めず、憲法を変えて戦争をしようとしていると聞くと、私の胸はどうしようもなく騒ぐ」と語りました。「戦争がない国をつくり、私たちの無念を晴らしていただきたい。力を合わせて、大阪市長が政治の場から出ていただければうれしい」と語りました。
　吉さんは「１３歳で家を出てこの年になるまで一度も故郷を訪れることができず、家族たちの消息も知らないまま」と体験を語りました。体調も悪くつらい体を押して「私がこの話をするのは、みなさんが今後つらい体験をしないため。戦争をしない国、平和な国、みなさんが幸せな家庭をつくれる、そんな世界をつくっていただきたい」と語りました。
　参加者の一人、廣松園子さん（３９）は「自分のおばあちゃんのような方たちから聞いたリアルな証言に、橋下大阪市長の発言は、なんと厚顔で無神経なのかと改めて思いました」と話していました。
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

橋下暴言／京都市連協が抗議声明発表

　京都市職員連合部落問題学習協議会（市連協）は２１日、山口陽二会長名の声明「日本軍『慰安婦』問題をめぐる橋下発言に抗議する」を発表し、日本維新の会と橋下徹大阪市長に送付しました。
　声明では、部落問題の正しい理論の普及と学習研究活動の推進を目的に結成（１９７４年）し、基本的人権の尊重とそれを侵すものとのたたかいに参画してきた市連協として、橋下氏の人間を冒讀（ぼうとく）する暴言を看過するわけにはいかないと述べています。
　米軍に「風俗業」の活用をすすめた発言など一連の発言は、単なる失言ではなく、彼の人間観を自ら語ったものだと指摘。職員への思想調査アンケートにみられる憲法違反の行為や歴史認識にもふれて批判した上で、「国民の税金から助成を受ける政党の代表として、また、大阪市長という公職として、その任にしがみつくことを許すことができない」とのべ、「こうした勢力に国民の明瞭な審判が下されることを期待し、われわれ自身も奮闘する」と結んでいます。
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言、広がる抗議／公職辞職を／大阪人として恥ずかしい／市役所向け唱和／緊急行動

　「橋下市長はすべての公職を辞職せよ」「橋下市長は人権無視をやめろ」―。２４日、大阪労連と大阪労連女性部は、橋下「慰安婦」暴言に抗議する緊急抗議行動をくり広げました。

　デモは２コースに分かれ大阪市北区の公園から市役所前までアピール。汗がシャツににじみ、日差しが照りつける中、組合の人たちは元気よく声をあげました。色とりどりののぼり、プラカード、横断幕が注目を集め、車から手を振る男性も。
　「女性蔑視の思想を持つ橋下市長は大阪の恥」と書かれたパネルを掲げたのは堺市の林秀樹さん（５３）。「大阪生まれの大阪育ちですが、大阪人としてこんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだ。やめてもらいたい」と憤りました。
　沿道から視線を向けていたのは大阪市城東区の古井高明さん（２５）。「『風俗業の活用』は暴言。確実に謝罪することが必要だ」。
　北区の男性（３３）は「市長はもっと冷静に物事を考えて、発言してほしいですね」と話しました。
　２コースに分かれたデモは市役所前に集結。集会を開きました。
　大阪労連の川辺和宏議長は「大阪の弁護士のグループが、橋下氏の懲戒請求を議論しています。橋下さんは表現の自由に対する圧力だといいますが『職員基本条例』『政治活動規制条例』は一体何なのか。橋下市長にただちに辞任することを求めます」と訴えました。
　「橋下市長は『慰安婦』暴言を撤回せよ」「橋下市長はすべての公職を辞職せよ」と５００人が市役所に向けて唱和しました。
　「必ず市長に届けてください」「国際問題です。いますぐ辞めてください」と一人ひとりが個人請願を提出。１７２３人分が届けられました。
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

高校生も「橋下市長辞めて」／暴言に怒りの女性行動／岐阜

　岐阜県の３・８国際女性デー実行委員会は２３日昼、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦制度は必要」「米軍の風俗業の活用」の暴言に対する怒りの女性行動を名鉄岐阜駅前で行いました。
　約２０人が参加し、「女性の人権じゅうりんの暴言に抗議！　発言の撤回と公職辞任を求めます」と書いた横断幕を掲げ、ビラを配布。「大阪橋下市長に公職・市長をやめるべきかやめなくてもいいか」を問うシールアンケートを通行人に呼びかけました。
　リレートークでは、日本共産党の大須賀しずか県議らが次々にマイクを握り、「女性の人権をふみにじって恥じない暴言に強い怒りを覚える」「沖縄をはじめ各地の女性や国民を冒とくするもの」「橋下氏のこれまでの暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任を強く求めよう」と訴えました。
　シールアンケートの「やめるべき」だにシールを張った男性（１４）は「女性の人権を無視している」と語りました。
　「慰安婦」を知らないと言う２人組の女子高生に参加者が説明し、公の立場の市長が容認発言をしたことについて尋ねると、「だめ。やめてほしい」とシールを張りました。
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴言／辞任求める／東京革新懇など

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦」をめぐる暴言問題で、東京革新懇（平和・民主・革新の日本をめざす東京の会）、日本中国友好協会東京都連合会は２０日、発言の撤回と、公党の代表や市長からの辞任を求める声明を発表しました。
　東京革新懇の声明は、橋下氏が発言を撤回せず弁明に終始し、石原慎太郎共同代表も発言を擁護していることを批判し、「橋下発言は、慰安婦に貶（おとし）められた女性たちへの限りない侮辱」と告発。「侵略戦争を美化する改憲派の地金がもっとも露骨な形で現れた」としています。
　日中友好協会都連の声明は、橋下氏の暴言を「歴史的な事実をゆがめるものであり、性暴力の深刻な被害を受けた女性たちをさらに傷つける」ものだと批判しています。
(２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

橋下氏、暴言撤回せず

　橋下徹大阪市長は２４日、元日本軍「慰安婦」の面会拒否について「残念だった」と肩を落とした様子を見せましたが、一連の暴言については撤回を拒みました。市役所で記者団に語りました。
　記者団から、橋下氏が、証拠がないとしてきた日本軍による強制連行について、国内での｢慰安婦｣裁判でも事実認定されていると指摘されると「個別の軍人がしたことは戦犯だ｣などと発言｡「軍がつくった慰安所で強制が行われたという事実は認めるのか」との質問には、「歴史学者じゃない」などと逃げ、「僕が言いたいのは日本政府があいまいだというところ。だから誤解を受ける」と政府だけに責任があるかのようにすり替えました。
( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

橋下氏「慰安婦」暴言／市役所前で抗議集会開く

　日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークなど支援団体は、市役所前で抗議集会を開きました。
　支援者が「日本政府の『河野談話』まで覆そうとする策動こそが、橋下の暴言を許している」「人間の尊厳へのぼうとくだ」と抗議。日本共産党のたつみコータロー大阪府くらし・雇用対策委員長（参院大阪選挙区候補）が、市長の辞職を求める党の見解を紹介しました。
( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏面会はパフォーマンス／元「慰安婦」が拒否声明

　元日本軍「慰安婦」の韓国人女性２人は２４日、同日午前に大阪市役所で予定の日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長との面会について「被害者の現実と歴史を橋下市長の謝罪パフォーマンスと引き換えにすることはできない」と拒否、橋下氏に暴言の撤回を要求しました。支援する日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークが市役所で会見し、２人の声明を読み上げました。
　元「慰安婦」の２人は金福童（キム・ボクトン）さん（８７）と吉元玉（キル・ウォノク）さん（８４）。「市長が自身の妄言を撤回し謝罪するために会うと理解し」２４日の面会を予定していました。
　ところが、橋下氏がいまだ「慰安婦制度は必要だった」との暴言を撤回せず、強制性否定の立場を示しているなどの報道に接し、「面談の対象ではなく『審判』の対象」だと判断、この日の面談を中止したものです。
　２人は声明で「私たちに申し訳ないと感じ反省するならば、自身の口から出た妄言を撤回し、公式謝罪しなければならない」とし、橋下氏の政界からの引退を求めています。
( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

政党助成金／増税、改憲、暴言の政党に７９億円

　自民党、民主党、公明党、日本維新の会、みんなの党、生活の党、社民党、みどりの風、新党改革の９党は２４日、総務省が行った２０１３年分の政党助成金（年総額３２０億円）の第１回分交付で計７９億４２０８万円を受け取りました。
　民主､公明､維新､みんな各党とともに消費税増税、憲法改悪などを狙う自民党は３６億３７６３万円で、交付総額の４５％を占めます｡｢慰安婦は必要だった｣発言など相次ぐ暴言で批判を浴びる維新は６億７８９４万円を手にしました。維新、生活、みどり３党は初の受け取りです。
　政党助成金の原資は国民１人あたり年２５０円の税金。支持政党にかかわりなく国民の税金を各党が山分けする政党助成金は、憲法が保障する思想・信条の自由に違反する制度です。また政党本来の財政は、国民との結びつきを通じて自主的につくるべきものです。こうした立場から日本共産党は一貫して政党助成金の廃止を主張し、受け取っていません。

２０１３年分の政党助成金
政党名　　　　第１回の交付額　今後の年内交付額
自民党　　　　３６億３７６３万円　　１０９億１２９０万円
民主党　　　　２１億３３５０万円　　 ６４億 ５１万円
日本維新の会　 ６億７８９４万円　　 ２０億３６８４万円
公明党　　　　 ６億３９４７万円　　 １９億１８４３万円
みんなの党　　 ４億４７３７万円　　 １３億４２１２万円
生活の党　　　 ２億 ４０１万円　　　６億１２０３万円
社民党　　　　 １億３５２６万円　　　４億 ５７８万円
みどりの風　　　　３４６９万円　　　１億 ４０９万円
新党改革　　　　　３１１７万円　　　　 ９３５１万円
今後の年内交付額は参院選結果を受けた再算定で変動あり｡千円以下切り捨て
日本共産党　　政党助成金の廃止を求め､受け取らず
( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

「性の野獣、世界中同じ」／維新の集会で堺屋氏

　「日本維新の会」は２３日夜、大阪市北区で参院比例候補の集会を開き、幹事長の松井一郎大阪府知事らが、橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要だった」などの一連の発言の弁解に追われました。
　松井氏は「人権侵害されてきたのが橋下徹。彼ほど人権に対して大切に思っている政治家はいない。政治家である限り問題提起していくのは当然のことだ｣とかばいました｡
　橋下市政の特別顧問で、「維新」後援会の「最高顧問」と紹介された堺屋太一氏は「改革は本音でやらなければいけない」と強調し「日本人だけが性の野獣だったのか。世界中おんなじですよ」と開き直りました。
( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」)

橋下発言は「侮辱」／歴史見直し許されない／ロシア局長

　【モスクワ＝時事】ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる発言に関し、「朝鮮半島や中国の人々、第２次大戦時に日本軍国主義と戦った全ての人々に対する侮辱」に当たるとして非難しました。国営ロシア通信の質問に答える形で２３日付で声明を出しました。
　情報局長は、橋下氏の発言の背景について「世界で共有されているものとは異なる偏向的な第２次大戦の歴史評価を、一部の政治勢力が日本社会に押し付ける試みが続いている」と指摘。大戦の評価の見直しは許されないとの認識を明らかにしました。
( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

白熱国会論戦にみる自共対決／第２回／歴史認識／侵略美化の動きただす

共産党「橋下暴言追及たのもしい」市民団体／首相、侵略認めず、維新など村山談話否定迫る
　閣僚の靖国参拝、安倍晋三首相による「村山首相談話」見直しと「侵略の定義は定まっていない」発言、そして日本維新の会の橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」暴言―。いま、歴史に逆らう勢力が本性をむき出しに侵略戦争美化の動きに出ています。
　これに対し、日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた唯一の党として真正面からたたかってきました。

日本の足場失う
　１５日の参院予算委員会。井上哲士議員は、橋下暴言についての考えを安倍首相にただしました。
　井上　総理の言動と（橋下発言は）連動・一体だと世界は見ている。（暴言は）「間違いだ」とはっきりのべよ。
　首相　他党の代表の発言で、立場が違う。
　橋下暴言を「間違いだ」といえない首相。井上氏は、根っこに「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったという「村山談話」の核心部分の否定があるのではないかと迫りましたが、首相は「歴史認識については歴史家が決めるものだ」というだけで、核心部分を引き継ぐとは決していいませんでした。
　井上氏は「戦後の国際政治は侵略戦争を否定することで成り立っている。それを否定すれば、日本が世界で生きていく足場を失うことになる」と主張しました。
　視聴者からは「井上さんの質問、大変すばらしかった。それにくらべ安倍総理は橋下発言を公然と批判できず、他党代表のことなのでコメントできないと逃げてばかり。これが一国の総理かと思うと情けない」（新潟県長岡市の女性）との声が寄せられました。

論拠を突き崩す
　紙智子参院議員は質問主意書で、日本軍「慰安婦」問題について、首相が強制連行を示す文書がないとして日本軍の関与と強制性を否定していることに対し「証拠はある」と主張。東京裁判で軍の直接関与と強制性を示す旧日本陸軍将校や中国人被害女性の陳述などが記録されていることを挙げ、論拠を突き崩しました。
　安倍内閣は証拠の存在を否定できず､｢慰安婦｣の強制性を示す｢新しい資料が発見される可能性はある」（７日付答弁書）と答えざるを得ませんでした。
　これに注目した米ＡＰ通信が紙氏の質問主意書の内容も含め答弁書の詳細を配信。米紙ワシントン・ポスト（ネット版）は、紙氏への安倍内閣の答弁書によって、「日本（政府）は（中略）日本軍がアジア女性に性的奴隷制度を強制したとの公的証拠はないと主張するに先立ち、限定的な調査しか行っていなかったことを認めた」と報じました。
　他党はどうか。みんなの党の小野次郎参院議員は「私自身も秘書官のときに何度も小泉（純一郎）総理にお供して靖国神社を参拝した」と述べ、「村山談話」などの見直しに「取り組む意思を持っているか」と迫りました。維新は、橋下氏の「慰安婦」暴言と同様に、「日本の昔の兵隊さん、世界一軍律厳しい軍隊だったと世界から称賛されていた」（中山成彬衆院議員、３月８日）などと述べ、「慰安婦」制度の強制性を全面否定する始末です。民主党も侵略美化の靖国神社に集団参拝する議員を抱え、植民地支配と侵略の歴史的事実について正面から迫る論戦を展開できません。
　「強制的性奴隷が『慰安婦』の実態だったことは国連人権委員会でも日本の裁判でも認定されています。それを『必要』だと言い切った橋下発言について『論評する立場にはない』という安倍首相の姿勢は異常です」
　こう語るのは、「慰安婦」問題に取り組んできたＮＣＣ日本キリスト教協議会女性委員会の北村恵子委員長（６５）です。
　「いま、多くの女性団体が怒りを込めた抗議を官邸や橋下氏に突きつけています。党派を超えて追及すべき問題ですが、共産党がしっかり追及してくれているので、たのもしい限りです」

( ２０１３年０５月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

24日

「慰安婦」発言／橋下氏に抗議しよう／新婦人が宣伝・トーク／長崎

　橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」制度肯定暴言に抗議して、新日本婦人の会長崎県本部は２２日、撤回と公職辞任を求める宣伝を行い１４人が参加しました。
　１５日に続く２回目の宣伝で、延べ７人がリレートークしました。前田保子会長は、「慰安婦｣被害者の｢１５歳の青春を返してほしい」との訴えを紹介し、橋下暴言を批判｡｢歴史の真実を認めないところから発言が出ている。みなさんの大切な人が『慰安婦』とされたらと考えてください」と抗議メッセージへの協力を呼びかけました。
　長崎市内で男女差別に取り組んできた女性団体「ばってんウーマン」の津田尚美さんも前回に続いて共同参加しました。
(２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

橋下暴言に連日の抗議／人間の命の尊厳真っ向から否定／京都の宗教者ら

　京都の宗教家らは１９日、橋下徹大阪市長の「『慰安婦』制度は必要」との発言に対する抗議文を同氏に送付しました。
　送付したのは、「世界の平和を求める京都宗教者連絡会」「京都宗教者平和協議会」「日蓮聖人門下・京都立正平和の会」「京滋キリスト者平和の会」です。
　抗議文では、発言は、人間の命の尊厳を真っ向から否定し蹂躙(じゅうりん)する暴言以外の何物でもないと批判。「慰安婦」必要論の暴言を撤回し、真摯(しんし)に謝罪することを求めています。
(２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

橋下暴言に連日の抗議／大阪の恥もええとこや／此花区役所前の宣伝に反響

　日本共産党大阪府委員会は、橋下徹大阪市長の「慰安婦」暴言を批判した新聞号外スタイルの大判ビラ「わき起こる怒り。市長・政治家の資格なし」を１０万枚作製し、活用をすすめています。
　大阪市此花区では２３日朝、瀬戸一正前大阪市議らが此花区役所前で宣伝しました。ビラを張りつけたボードを掲げる党員たち。「号外です」と声をかけて配りました。「おはようございます」とあいさつしていく職員が相次ぎました。
　瀬戸氏は「橋下市長の『慰安婦』発言は許せません。女性の人権を踏みにじるものです」と訴えました。
　区役所に手続きにやってきた星妙子さんは「橋下市長は独走ばかりで、何もできない。もう終わりでしょう」と言います。
　「橋下氏は大阪の恥もええとこや」と怒るのはクリーニングの仕事をする男性（７８）。「口ばっかりで、人間失格や。日本共産党のたつみコータローさんはこんなこと許せないとはっきりいっているし、えらいわ」と声を上げていました。
(２０１３年０５月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に連日の抗議／大阪労連、きょう緊急行動

　旧日本軍「慰安婦」だった韓国の被害者が大阪市役所を訪れ、橋下徹市長と面会する２４日、大阪労連は橋下暴言に抗議し、撤回と謝罪、市長職の即時辞任を求めて、緊急抗議行動をします。
　橋下市長は、「慰安婦」制度は必要だったと発言し、在日米軍にも、風俗の活用を勧めるなど、女性を男性の性の道具としかみない人権じゅうりんの暴言を吐きました。
　橋下暴言に、日本国内だけでなく、中国や韓国、アメリカからも批判が続出し、国連社会権規約委員会が「慰安婦」の権利を守る措置をとるよう日本政府に勧告するなど、橋下氏の暴言への怒り、批判が急速にわきあがっています。しかし橋下氏は「正しいことを言っている」と暴言撤回を拒否しています。
　緊急抗議行動は午後１時、各単産が宣伝カーをいっせいに出し、市内を流して、つじつじで訴え、同４時に淀屋橋に集結します。
　午後３時には、中之島公園の東端、剣先公園（京阪北浜駅下車）と、扇町公園の南側にある野崎公園（地下鉄扇町駅下車）の２カ所から大阪市役所に向けてデモ行進します。
　午後４時には、市役所南側に集まり、橋下市長あてに個人請願を提出し、抗議のリレートークを行います。
(２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

橋下氏暴言に再び抗議行動／青森市で新婦人

　新日本婦人の会青森県本部と青森支部は２２日、青森市新町で「慰安婦制度は必要だった」と発言した日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）に対し、２回目の抗議行動をしました。
　阿部喜美子県事務局長をはじめ会員たちがリレートーク。「公人として責任を問われないことが異常。女性をもっぱら性の対象としてしか見ない政治家が、市民、国民の人権など守れるはずはありません。橋下氏にこれまでの暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任を強く求めます。一緒に声をあげましょう」と市民に訴えました。
　「他市の市長が発言したら絶対、辞任だよね。おかしいよね」など会員に声をかける市民や、「ビラを１枚ください」と声をかける男性など、市民の反響も大きく、約３０分の抗議行動で、用意したビラはすべてなくなりました。
(２０１３年０５月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

オスプレイ飛ばすな／配備撤回へ宣伝／安保中実委

　日米両政府が米軍欠陥機オスプレイを沖縄へ強行配備し、本土でも訓練を実施するなか、安保破棄中央実行委員会（安保中実委）と同東京実行委員会は２３日、配備撤回を求める署名行動を東京・新宿駅前でおこないました。
　安保中実委の東森英男事務局長らがマイクを握り、米軍普天間基地の撤去や新基地建設に反対する沖縄県民の総意を踏みにじってオスプレイが飛び交っている実態を告発。「国民の命を踏みにじるオスプレイを日本の空に飛ばしてはいけない。オスプレイ配備の撤回を求める運動を全国に広げよう」と呼びかけました。
　東森氏らは、日本軍「慰安婦」を正当化し、米軍に「風俗業利用」をすすめる発言をした日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）を批判。橋下氏の発言を否定しない安倍首相の立場が問われるとし、「侵略戦争の美化を許さず、日本を米国に従属させる安保をなくして安全な国にしよう」と語りました。
　米海軍厚木基地に離着陸する米軍機の騒音に悩む女性（７３）＝神奈川県相模原市＝が、配備撤回を求める署名に応じました。「これ以上うるさくされたらたまらない。いつ落ちるかこわい」と話しました。
　「日本はアメリカの��州�≠ﾉされているかのようだ」と憤りを語る女性（７３）＝東京都新宿区＝が署名。「オスプレイをなくすために、アメリカいいなりの自民党政治を変えなくちゃいけない」と語りました。
( ２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

「河野談話」で橋下市長会見

　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長は２３日、日本軍「慰安婦」をめぐる一連の暴言を撤回・謝罪しないまま、１９９３年の河野洋平官房長官談話の記述について、「募集・移送・施設管理で軍の関与があった。（「慰安所」という）施設において慰安婦が総じて意に反して働いていたというのは歴史的な史実だと思う」と認めました。市役所での会見で話しました。
　橋下氏は、河野談話について、昨年８月２４日には「最悪」とまで述べていましたが、今回は「書いてあることは、ほぼ史実に基づいている」と論調を変更。ただ、��問題がある�≠ﾆの持論は曲げず、「国家の意思としての拉致、人身売買」が「あったのか、なかったのか」を明確にすべきだと主張しました。
　この点については、世界に対しては「違うんじゃないかと言うべき話」としつつも、「慰安婦の方には言う話じゃない」とも発言しました。
　また、昨年は「謝罪の問題ではない」と語っていましたが、「慰安婦におわびもいらないというのは間違っている」と強調。「場所によっては軍の兵士からもつらいことをされたということはあると思う」と述べました。
　橋下氏は２４日に元「慰安婦」の韓国人女性と面会する予定です。
( ２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

橋下暴言問題／国民の尊厳傷つけた／女性議員有志が抗議／京都・木津川市

　京都府木津川市の女性議員有志が２２日、「慰安婦は必要」「風俗業を利用してほしい」との日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の暴言に対し、抗議声明を発表しました。
　議員有志は、日本共産党の西山幸千子議員をはじめ、民主改革クラブ２人、無会派２人の計５人です。同議会（２４人）の女性議員は７人で、自民党系会派と公明は加わりませんでした。
　抗議声明は、一連の発言が女性だけなく、全ての国民の人格や人権、尊厳を深く傷つけると指摘。同議会で、２０１０年に「『慰安婦』問題について政府の誠実な対応を求める意見書」を採択したことなどを紹介した上で、「全ての市民の人権を擁護する立場の木津川市議会議員として、また国際平和を望む女性として」抗議する―としています。
( ２０１３年０５月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

暴言問題／橋下市長辞職求める／共産党の大阪府内女性議員

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度は必要」「米軍は風俗業の活用を」と暴言をはいた問題で、日本共産党大阪府委員会は２３日、市役所内で記者会見し、府内６４人の全女性地方議員のアピールを発表しました。
　アピールは、公人としての歴史認識のひどさに驚くとともに戦時下のみならず女性を男性の欲求の道具としてしか見ない、世界にも通用しない女性観、ゆがんだ人間観は男性の尊厳も踏みにじるものと指摘。「公職の座にいすわり続けながら、女性の人権を繰り返しじゅうりんし、侵略戦争の真実から目をそらし、過去に日本が犯した過ちを自ら認めようとしない態度は許されません」とのべ、発言の撤回と謝罪、公職の辞職を求めています。
　太田いつみ党府副委員長と山中智子、寺戸月美両大阪市議、中村玲子高槻市議ら８人が出席しました。
　山中氏は「元『慰安婦』の人たちや市民、国民に対していっさい謝罪がなく、『日本だけではなかった』と弁明を繰り返している。おためごかしは許せない」と批判。「安倍首相が『立場が違う』というだけで、批判していないことを危惧している｣と話しました｡アピールを橋下市長あてに届けました。
( ２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

橋下氏の慰安婦発言／国内外ＮＧＯが抗議

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による従軍慰安婦をめぐる発言に関し、人権団体アムネスティ・インターナショナル日本の若林秀樹事務局長らが２３日、都内で記者会見し、「重大な女性の人権侵害を正当化しようとする言語道断の発言だ」などとする抗議声明を発表しました。
　声明は、国内外のＮＧＯなど６８団体の連名で、「『慰安婦』とされた被害女性たちの心情をさらに深く傷つけている」と非難。発言の撤回と被害者への謝罪を求めました。
　会見したヒューマンライツ・ナウの伊藤和子事務局長は「国際的にも橋下氏の発言は許せないとの声が強い」としました。
( ２０１３年０５月２４日，「赤旗」)

23日

熊本県８女性団体が抗議声明／橋下氏、暴言撤回を

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による「慰安婦」問題などの一連の暴言について熊本県内の新日本婦人の会（畠田ミツ子会長）など８女性団体の代表らは２１日、県庁で記者会見し、暴言の撤回と謝罪を求める抗議声明を発表しました。日本共産党からは益田牧子熊本市議ら６議員が出席しました。
　代表らは、「女性を道具のように考えている」（新婦人の小田雅子さん）、「人権感覚のない自治体トップは辞職しかない」（上野美恵子熊本市議）などと厳しく抗議しました。
　女性団体代表らは同日、維新の会の松野頼久、園田博之両衆院議員事務所に抗議文を手渡しました。
　久保田悦子多良木町議は松野事務所に批判を真剣に受け止めるよう求めました。
　松野事務所は「議員に内容を伝えます」と答えました。
(２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言、撤回して／名古屋で宣伝

　名古屋市中村区の「日本軍『慰安婦』問題の解決を求める会・中村」は２２日、名古屋駅付近で「慰安婦制度は必要」などと女性の人権をじゅうりんする暴言を吐いた日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）に対し、発言撤回と謝罪を求める抗議宣伝をおこないました。
　参加者らは、橋下氏が安倍晋三首相らとともに歴史の事実をゆがめる発言を繰り返してきたことを指摘し、さらに「制度が必要だ」などとエスカレートさせたことは国際社会に通用しない暴言だと強調。「沖縄の米軍にも風俗業の活用を求めるなど、一連の暴言は米兵の性暴力根絶を求める女性・国民を冒?（ぼうとく）するもの。公党代表と市長辞任を求めよう」と訴えました。
　参加した、会世話人で元社会科教師の筧久江さん（８１）は「橋下氏の暴言は、学校の授業で歴史が軽視され、自身も勉強してこなかったからこそ飛び出したものでしょう。無知や二枚舌が公職にいてはいけないし、次の参院選でも靖国派を多数にさせてはいけない」と話しました。
(２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

橋下発言／宮城の革新懇は辞職求め抗議文

　平和・民主・革新の日本をめざすみやぎの会（宮城・革新懇）は２１日、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」問題での暴言を糾弾し、市長を辞職するよう求める抗議文を同市長宛てに送付しました。
　抗議文では、橋下氏の暴言を「地球上のすべての女性を蔑視し、日本国の品位を貶（おとし）め、大阪市政への信頼を失わせるものであり、『発言の撤回』とか『表向きの反省』ですむものでは（ない）」と批判。「これ以上、詭弁（きべん）・弁解を弄（ろう）することなく、直ちに大阪市長を辞し、その上で関係するすべての人々に謝罪する」よう強く求めています。
(２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

橋下発言／道労連が抗議文

　北海道労働組合総連合（道労連・黒沢幸一議長）は日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の発言に対して２１日、日本維新の会高橋みほ衆院議員札幌事務所に抗議文を提出しました。
　抗議文は橋下氏の「旧日本軍慰安婦は必要だった」という発言は、常軌を逸するものであると指摘し、橋下氏は暴言を直ちに撤回し、旧日本軍「慰安婦」とされた方々と日本や世界の人々に謝罪を行い、すべての公職から即時辞任することを求めています。
　黒沢議長と小田島佳枝女性部事務局次長は高橋議員の秘書に抗議文を手渡し、秘書は「東京にいる高橋議員にしっかりと伝えます」と答えました。
(２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言／女性怒る／「撤回・公職辞任を」／札幌で宣伝

　「自衛隊の海外派兵反対！憲法の平和原則を守る女性連絡会」が札幌市中央区で２２日、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「（旧日本軍）慰安婦は必要だった」と発言したことの撤回と公職の辞任を求める抗議宣伝をしました。
　同連絡会の加盟団体である平和婦人会、新婦人、母親連絡会、高教組らから１０人以上が参加し、怒りを込めて次々に訴えました。
　北商連の和田香織事務局次長は「国際的にも恥ずべき発言であり、自民党と日本維新の会の根っこは同じです」と訴えました。
　北海道平和婦人会の石川一美会長は「橋下氏の発言は女性蔑視、人権を無視するもので心の底から怒りをもって糾弾したい」と強く訴えました。
　宣伝後、日本維新の会高橋みほ衆院議員の札幌事務所を訪問し、発言の撤回と公職の辞任を求める声明を秘書に手渡しました。
(２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

橋下市長問題発言／アムネスティ日本が抗議

　人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」はこのほど、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度が必要なのは誰でも分かる」などと発言したことに対し、強く抗議する声明を発表しました。
　声明は「旧日本軍による組織的な性暴力と性奴隷制を公然と肯定し、女性を軍隊の性の道具と見なすという重大な女性差別にもとづく発言」であり、「最大限の強い言葉で非難する」とのべ、発言の撤回を求めています。
　橋下市長の発言の背景には、これまで被害女性に対し謝罪や賠償を怠ってきた日本政府の姿勢に問題があるとして、▽被害者の損害を公に認め、法的・道義的責任を全面的に受け入れる▽旧日本軍が犯した犯罪について全面的、明確に謝罪する▽歴史の教科書に日本軍性奴隷制度について正しく記載する―などをただちに実行するよう求めています。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

橋下市長問題発言／日本の市民と解決を／韓国元「慰安婦」が訪問／岡山市議会

　「慰安婦」被害者だった韓国の金福童（キン・ボクトン）さん（８７）と吉元玉（キル・ウォノク）さん（８４）は２２日、韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香（ユン・ミヒャン）代表とともに岡山市議会を訪れました。２０１０年の同議会の「日韓両国の新たな百年を創る決議」に感謝をするとともに、侵略や「慰安婦」問題を否定する政治家の発言などの問題を、日本の市民と連帯して解決し、「日本と韓国、アジアの平和を実現したい」と要請しました。
　金さんは「戦後数十年たっても、『慰安婦』問題は解決していない。安倍首相に謝罪と賠償を求めます」とのべ、「いまも憲法を変えて、戦争をしようとしている。それでいいのか問いたい」と語りました。また橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題発言について「怒りと悲しみでいっぱい。こういう発言が出てくるのも安倍政権のもとでの日本社会の問題だと思う」と話しました。
　吉さんは「慰安婦」問題について「私たちが生きて証人となっているのに、証拠を出せというのはおかしい。私たちを人として無視していいわけがない」と語りました。
　尹代表は、「日本では７月に参議院選挙を控えている。その前に心をともにする日本の市民のみなさんと問題を解決したい」と来日の動機を話しました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に各地で女性怒る／鹿児島・県内２６議員／那覇・全女性市議／大阪・新婦人府本部

発言撤回と謝罪を／県内２６議員／鹿児島
　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による旧日本軍「慰安婦」暴言問題で、鹿児島県内の女性議員２６人が２２日、発言の撤回と謝罪を求める抗議文を発表しました。
　日本共産党のまつざき真琴、無所属・県民連合のやなぎ誠子両県議がよびかけたもので、県内１８自治体、２６人の超党派女性議員が名を連ね、橋下市長に抗議文を送付する予定です。
　抗議文は、橋下市長の「慰安婦」「風俗活用」発言に対し、女性を性のはけ口、道具とみており、全ての女性・男性の人権をないがしろにするものと指摘。米軍基地が集中し性犯罪被害に苦しんできた沖縄の人々を傷つけ、国際社会での日本の信用も著しく傷つけるものと批判しています。
　県庁での記者会見には、離島を含む全県から６人の女性議員が出席。まつざき県議は「橋下市長の人権を侵害する発言は多くの人が容認していない。住民の負託を受けた議員として党派を超えた共同で、抗議の声を橋下氏に届けたい」と話しました。

人間に対する侮辱／全女性市議／那覇
　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による「慰安婦」容認と、在沖米軍への「風俗業の活用」暴言に対し、那覇市議会の全女性５議員は２２日、県庁で記者会見し、抗議声明を発表しました。日本共産党の前田千尋市議が呼びかけたもので、同議会の全女性議員が一致して行動を起こすのは初めて。
　抗議声明文は「人間の尊厳と女性の人権を著しく侵害する発言を断じて許すことはできない｣と強く抗議､謝罪と発言の撤回を求めています。維新の会が「発言の撤回はしない」（１９日）と居直ったことについても厳しく批判しています。会見したのは前田氏、平良識子（沖縄社会大衆党）、宮平のり子（社民）、大浜美早江（公明）、前泊美紀(無所属)の５市議です。
　前田氏は「歴史認識で平和外交が求められるなか、他国との信頼関係を損ねるものだ」と批判。「米軍基地の存在を前提に、犠牲を強要する植民地的発言」（大浜氏）、「女性だけでなく男性、人間に対する侮辱だ」（前泊氏）、「��オール沖縄�≠ﾅはね返していきたい」（宮平氏）といった怒りの声が相次ぎました。
　抗議声明は同日、維新の会と大阪市に送付。翁長雄志（おなが・たけし）市長に、市として抗議するよう働きかける予定です。

抗議はがき送ろう／新婦人府本部／大阪
　新日本婦人の会大阪府本部は２２日、橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」暴言に、女性の怒りをぶつけようと、大阪市内の主要ターミナル、京橋駅前で緊急宣伝をしました。
　「みなさん、橋下市長の発言に、新聞やテレビを見て怒っておられると思います」と話す川本幹子会長。「全国で運動が起こっています。辞任を求める抗議のはがきを書いてください」と呼びかけると、子どもを連れたお母さん、テスト帰りの高校生らが次々ペンを走らせ、５４枚のはがきが寄せられました。
　「だまされたらアカンで国民は。即刻辞めろ」という男性（５６）。門真市の枡宇寿江さん（６９）は「橋下市長は政界から去ってほしい。テレビに出んといてほしいねん。言いっ放しで責任とれへん」と憤ります。
　「女の人を卑下している気がしましたね」と力を込めてはがきを書いたのは寝屋川市の笹井昌子さん（４６）。「テレビでの『慰安婦』の発言にほんま腹が立ちますわ」。城東区の外園祝子さんは「橋下市長は政治から出ていけ。みなさん頑張って」と声援を送っていました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」の権利守る措置を／国連委、日本に勧告

　国連社会権規約委員会は２１日までに日本に対して、最低賃金引き上げや、「慰安婦」への必要な措置をとることなどを要求しました。日本は国連の社会権規約（経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約）に加入しており、同委員会は規約の実施状況について定期的に見解をまとめています。
　旧日本軍「慰安婦」問題では、「『慰安婦』とされた女性たちが経済的、社会的、文化的な権利の享受を奪われ」たとして、それら権利の享受を保障するため、「あらゆる措置をとる」よう勧告。「『慰安婦』たちが搾取されたことについて公衆に教育をし、彼女たちに汚名をかぶせるヘイト・スピーチや憎悪表現を防ぐよう」勧告しました。
　朝鮮学校が高校授業料無償化から除外されたことについては、教育の全分野で「差別禁止」が図られるべきだとして、改善を求めました。

最賃引き上げも
　雇用環境については、雇用主が有期雇用から無期雇用への変更を拒否するケースがあると指摘し、「政府として有期雇用契約の乱用を防止する方策をとること」を求めました。さらに、最低賃金の水準が必要な生計費に比べ低いとし、「最賃の水準を決定する際には労働者とその家族にとっての生計費にふさわしいものかどうかを考慮に入れる」ことを求め、最賃引き上げを勧告しました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

首相がブッシュ氏に「申し訳ない」／「慰安婦」発言で政府が統一見解

　菅義偉官房長官は２２日の記者会見で、日本軍「慰安婦」問題について、安倍晋三首相が第１次内閣時の２００７年４月に行ったブッシュ米大統領（当時）との会談で「申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と発言していたことを認めました。
　首相は２０日の参院決算委員会で「首脳会談の中でそう申し上げたわけではない。米議会の皆さんと話をさせていただいた」として、発言は米議会議員との会談でのものだったと主張。首脳会談中の発言を認めたととれる政府答弁書などと食い違いを見せていました。
　これについて、菅長官は会見で「議会の場で申し上げたことをブッシュ大統領にも説明した」との統一見解を示し、混乱の収拾を図りました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

東京での志位委員長訴え

アメリカいいなり
　第三の争点は「アメリカいいなり政治」を続けていいのかです。
　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）、米軍基地国家という二つの問題から語りました。
　このなかで志位和夫委員長は、首都に広がる米軍横田基地では、米国内であれば公共施設の設置が禁止される地域に、小学校や病院、特養ホームなどが多数存在する危険な実態があることを告発。「沖縄のたたかいに連帯し、横田基地の無条件・全面撤去を要求していこう」と訴え。「日米安保条約をなくし、真の主権回復をかちとろう。自主・独立・平和の新しい日本を築こう」とよびかけました。

憲法をめぐる対決
　第四の争点は、憲法をめぐる対決です。
　改憲派が、憲法９条改定の「突破口」として憲法９６条の改定―改憲手続きの緩和―を押し出したことに、各界から批判が広がり、「動揺と混迷」が始まっていると指摘。「ここは攻めどころです。このたくらみを断念に追い込むまで国民的包囲を強めよう」と力説しました。

歴史問題での対決
　第五の争点は歴史問題をめぐる対決です。
　安倍内閣のもとで過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する歴史逆行の勢力が本性をむき出しにし、一大国際問題となっています。
　志位氏は、「村山談話」見直しをすすめる安倍首相の姿勢を厳しく批判。「戦後の国際政治は、日独伊がおこなった戦争が不正不義の侵略戦争であることを共通の土台としています。この土台を覆す勢力に国際政治に参加する資格はありません」とのべました。
　さらに、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が、「慰安婦は必要だった」などという驚くべき暴言を吐いたこと、石原慎太郎共同代表も、維新の会としても、この発言を擁護・容認していることを厳しく指摘。「このような態度を続ける限り､維新の会は､国政であれ、地方政治であれ、日本の政治に関与する資格はありません」とのべました。
　「都議選・参院選で逆行勢力に厳しい審判を下そう。暗黒時代に侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた党として先頭にたって奮闘する決意です」と表明しました。
　都議選・参院選を貫く「五つの大争点」から、「暴走と破たん」という安倍内閣の特徴を示した志位氏。他の諸党が「安倍へ、自民へ」となびくなか、国民とともに安倍内閣の暴走に正面から対決し、「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」という「三つのゆがみ」をただす抜本的改革の対案を示しているのは日本共産党だけ―��自共対決�≠ｱそ「参院選の真の対決軸」だと強調しました。
　「都政ではさらにわかりやすい政党状況が展開しています」と続けた志位氏。猪瀬都政のもとで、自民、公明、民主、維新、みんなの各党が、知事提出の議案に１００％賛成している事実を示し、「『オール与党でいいのか』こそが大争点です。『オール与党対日本共産党』の対決構図のなかで、大激戦を勝ち抜こう」と訴えました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

東京演説会―発見・共感・闘志／共産党いいな

　「共産党を躍進させて悪政の流れ変えようと、元気がわいてきた」「憲法改悪は絶対許さないぞ」―。２２日、東京都江東区の有明コロシアムで開かれた日本共産党東京演説会。都内各地から集った参加者は、参院選、都議選の候補者の訴えに、手を振りわれんばかりの拍手で応えました。二つの選挙の争点を鮮明にした志位和夫委員長の演説に確信を深め、党躍進への期待と奮闘する決意を口々に語りました。

　「志位さんの話を聞いて、スジが通っているなと思った」と話すのは品川区から参加した原田義貴さん（２５）。「橋下大阪市長の暴言は許せないし、維新の会はひどい政党だと思った。民主党も存在感がないし、対決軸として自共対決が鮮明になったと感じます。都議選、参院選ともに勝ちたいです」と意気込みます。
　同じく品川区から車椅子の仲間と参加した深澤時子さん（６３）は「高い介護保険料を払ってきたのに、必要な介護を受けられないのはおかしいと思います。東京都は、大型開発やオリンピック誘致に予算を使うより、介護施設や障害者施設を増やしてほしい」と話しました。

初めて参加
　「官邸前行動に、よく共産党の国会議員が来ているのを見て、共産党の演説会に初めて参加した」という会社員の女性（２８）＝北区＝は「安倍政権には不満を持っています。（原発即時ゼロなど）共産党の政策はいいなと思いました」と話しました。
　「共産党の社会保障政策に関心がある」と語った男子学生（１８）＝江戸川区＝は、生活保護制度をめぐるマスメディアの報道について、「本当に生活が苦しく、保護が必要な人たちの実情を無視して、制度そのものをバッシングするのはおかしい」と批判。憲法をくらしに生かし、社会保障の拡充を求める党の政策に対し、「共感する部分が多いので、応援しています」と期待を寄せました。
　「現状では、目の前の子どもたちも希望が持てない」と話した大田区の森潤さん（２７）＝保育士＝は、大型開発を優先させ、社会保障を後回しにする国政、都政の「逆立ち」状態を指摘した志位委員長の訴えに共感。「子どもの詰め込みを許す規制緩和や営利企業の参入では、本当に子どものための保育は実現できない。共産党の政策を実現するため、周りにも支持を広げていきたい」と述べました。
　大田区の松尾由美子さん（６５）は「志位さんが、ユニクロ社長が株高で１時間あたり２億円以上ももうけた話など、具体例を数字で示して話したことが、分かりやすくてよかった。娘は非正規で働いていますが、長く働き続けることができず、次の勤め先を探すのにも苦労しています。本当に政治を変えるのは共産党しかないと強く感じました。頑張らなくちゃと思いました｣｡

増やしたい
　「月８万円の年金生活で、さらに消費税増税されたら困る」と麻生八重子さん（６０）は、力をこめてこう語りました。「維新の会共同代表の橋下さんの『慰安婦発言』で、みんなの党は選挙協力を解消しました。国民の暮らしを良くしようではなく、私利私欲で動く政党は信頼できません。安心して暮らせる日本のために、ブレない共産党の議員を増やしたい」
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

村山談話／核心部分引き継ぐのか／笠井議員が追及／衆院外務委

　日本共産党の笠井亮議員は２２日の衆院外務委員会で日本の侵略と植民地支配を認めた「村山談話」について取り上げ、「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったという核心部分を引き継ぐのかと追及しました。
　岸田文雄外相は、「侵略あるいは植民地支配、こうしたものも含めて歴代内閣の立場全体を引き継いでいく」と表明しました。
　一方で安倍晋三首相はこの間、「村山談話」の見直しに言及し、その核心部分である侵略と植民地支配について明示的に認めようとしておらず、首相の立場が厳しく問われます。
　笠井氏は、韓国政府が日韓請求権・経済協力協定（１９６５年締結）に基づき、元日本軍「慰安婦」と被爆者の賠償請求権問題に関して、両国政府の協議を日本政府に求めていることについてただしました。
　岸田氏は、これまで韓国側から協議の要請が２度にわたってきていることを認めながらも、請求権については同協定第２条で「完全かつ最終的に解決された」として、政府間協議には応じない姿勢を示しました。
　笠井氏は、協定成立時の椎名悦三郎外相が「両国間の重大な解釈の違いが生じた場合」の協議を認めた答弁（１９６５年８月５日、衆院外務委員会）を指摘。「慰安婦」問題が被害者の告発で政治問題化したのは１９９０年以降のことだと述べ、「解決ずみだという日本政府の主張は成り立たない」と批判。「被害者はもう高齢になっている。早急かつ誠実に対応すべきだ」と主張しました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

菅官房長官、河野談話継承明言せず／赤嶺氏「歴史ゆがめるな」／衆院内閣委

　日本共産党の赤嶺政賢議員は２２日の衆院内閣委員会で、旧日本軍「慰安婦」問題を取り上げ、河野官房長官談話（１９９３年）が認めた軍の関与と強制性を安倍内閣は認めるのかと追及しました。
　菅義偉官房長官は「心が痛むという点では歴代内閣と変わらない」と述べるだけで、軍の関与と強制性について一切言及せず、談話の骨抜きを狙う姿勢を隠しませんでした。
　赤嶺氏は、第１次安倍内閣が２００７年に閣議決定した答弁書が「（河野）談話を継承」としていることをあげ、「立場を変更したのか｣と追及しました｡
　菅氏が「閣議決定を変更するつもりはない」と述べるにとどまったため、赤嶺氏は談話では慰安所の設置・管理、「慰安婦」の移送・募集に軍が関与した事実を認めていると追及。しかし、菅氏は「（０７年の）閣議決定が全てだ」と繰り返すだけで、核心部分について一切の答弁を避けました。赤嶺氏は「『軍の関与はあった』と答弁するのが当然であり、談話の中身に一切触れない姿勢では国民の理解を得られない」と批判しました。
　さらに赤嶺氏は、０７年の答弁書で「強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」としている問題を追及。第１次安倍内閣による「河野談話までに政府が発見した資料」の中には、日本軍によるオランダ人女性の強制連行を示す「バタビア臨時軍法会議の記録」が含まれていると指摘しましたが、菅氏は「答弁書に書いてあることが全てだ」と事実関係の確認さえ拒否しました。赤嶺氏は「沖縄では軍により慰安所が多数設置され、そこでの痛ましい生活の目撃者も多数いる。歴史認識をゆがめることは絶対に許されない」と強調しました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

主張／歴史歪曲撤回せず／過去反省しないで未来はない

　「侵略」の定義はないと主張し、日本の植民地支配と侵略を反省した「村山富市首相談話」を見直そうという安倍晋三首相、侵略戦争だったこと自体を否定した自民党の高市早苗政調会長、日本軍「慰安婦」は「必要だった」と公言する「維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長―日本の侵略戦争の責任を否定する発言が相次ぎました。国際的な批判も受け、安倍首相も橋下氏もそれぞれ言い逃れに懸命ですが、見過ごせないのは発言そのものを撤回しないことです。発言を撤回しないのでは反省したことになりません。過去を反省しないで未来はありません。

あいまいにできない発言
　「村山談話」の見直しを主張した安倍首相は、その後談話を「全体として引き継ぐ」と言い訳していますが、「侵略の定義は定まっていない」という発言は撤回せず、「村山談話」についても、日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったという核心部分は確認しようとはしません。高市氏は、「村山談話」の「国策を誤り」の部分について「おかしい」と、侵略戦争だったことを否定した発言を撤回していません。
　日本軍「慰安婦」は必要だったと公言した橋下氏も、マスメディアの｢誤報｣だったとか、日本人の「読解力に問題がある」などと責任を転嫁していますが、「必要だった」という発言そのものは撤回していません。日本だけが批判されるのは｢強制｣だったと誤解されているからだと問題をすり替え、｢河野洋平官房長官談話｣の見直しに固執しています。｢維新の会｣のなかでは、もう一人の共同代表の石原慎太郎氏が日本の戦争は「侵略戦争でなかった」と認めるべきだとけしかけるありさまです。
　一連の歴史をゆがめる発言が、発言の取り消しも謝罪も行わず、あれこれ言い逃れるだけで批判を免れられるはずのないものなのは、明らかです。
　日本が朝鮮半島から中国大陸、さらにはアジア各地へと戦線を拡大した戦争が、領土と権益の拡大をねらった侵略戦争そのものだったことは明白です。国連は総会決議で、「侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する…武力の行使」と定めています。日本は、日本の戦争が「世界征服」をねらった侵略戦争だったことを弾劾したポツダム宣言を全面的に受け入れて降伏し、講和条約や平和条約を結んで国際社会に参加しました。
　にもかかわらず歴史を歪曲し、あの戦争は侵略戦争ではなかったなどといいはるのは、文字通り国際社会で孤立を招くものです。侵略戦争を美化する発言は､｢政府の行為」による戦争の惨禍を繰り返さないと憲法前文に明記した、日本国民の決意にも背くものです。

口火切った首相の責任
　「村山談話」や「河野談話」の見直しを求め、一連の歴史歪曲発言の口火を切った安倍首相の責任はきわめて重大です。
　日本とともに第２次世界大戦で侵略国となったドイツのワイツゼッカー元大統領はかつて「過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも盲目となります」と演説しました。過去を反省しない安倍政権が、現在を正しく見て未来を切り開くことなどできるはずはなく、その責任がきびしく問われるのは当然といわねばなりません。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

女性の人権尊重する政治を／橋下暴言抗議の緊急集会／��安倍政権の対応背景に��

　「女性の人権を尊重する政治を！」と題して日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」との暴言に抗議する緊急院内集会が２２日、参院議員会館で開かれました。同実行委員会の主催で、４００人以上の参加者が橋下氏に発言の撤回と謝罪、辞職を求め、日本政府に「慰安婦」問題解決を求めるアピールを採択しました。
　地元大阪や弁護士をはじめ、各団体の代表が次々にマイクを握り、発言の撤回と謝罪を求め、「トカゲのしっぽ切りで終わらせず、安倍首相の政治姿勢を追及しよう」との発言が相次ぎました。
　日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の梁澄子共同代表は橋下氏の暴言を事実に基づいて反論。暴言を生む背景には「慰安婦」制度が日本軍による戦争犯罪であった事実を認めない安倍政権の対応があると強調しました。
　日本共産党、社民党、民主党の各国会議員が参加。日本共産党から紙智子参院議員が「歴史の事実を変えさせる危険なたくらみを許さないため、一緒に力を合わせましょう」とあいさつしました。
( ２０１３年０５月２３日，「赤旗」)

22日

橋下暴言に抗議・宣伝／真実を重んじ撤回と謝罪を／日中友好協会和歌山県連

　日中友好協会和歌山県連合会（橋爪利次会長）は２０日、慰安婦発言で橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）に抗議文を送付しました。
　抗議文は、「慰安婦は必要だった」などの発言をいまだに明確な撤回もせず、関係者への真摯（しんし）な反省もしていないことを批判するとともに、同県連が緊急理事会で抗議と暴言撤回、関係者への謝罪を求めることを決議したことを紹介。大阪市が日中貿易促進の先頭に立ち、日中友好と交流で大きな足跡を刻んだ都市であることを指摘し、歴史の真実を重んじ日中友好を大切にする態度に立つよう要求しています。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に抗議・宣伝／女性と国民を冒涜するもの／滋賀母親大会連絡会

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の暴言に対し、滋賀県母親大会連絡会は２０日、「これまでの暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任を重ねて強く求めます」との抗議文を党本部、党県総支部、大阪市役所に送りました。
　抗議文は「（日本軍「慰安婦」は）世界から日本政府に一日も早く責任を認め、謝罪することが求められている問題」「『風俗』発言も、米軍基地の性暴力の被害根絶の声を上げ続けている、沖縄をはじめ各地の女性・国民を冒涜（ぼうとく）するもの」と指摘しています。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」)

橋下暴言に抗議・宣伝／議会での抗議、各会派に要請／新婦人大阪府本部

　「橋下徹大阪市長の『慰安婦は必要』・性暴力容認発言は許せない、市議会で抗議と撤回を求めて」と新日本婦人の会大阪府本部は２１日、市議会の各会派に要請しました。
　要請は、日本軍「慰安婦」問題の真の解決が、かつて「慰安婦」にされた女性たちの勇気ある訴えに日本政府が目をそむけることなく謝罪・補償することだと強調。大阪市議会でも２０１０年３月議会で早期解決を求める決議を採択し、それが市会の総意であり、市民の良識だと考えるが、橋下氏の支離滅裂な暴言は時代を逆行させる意図を感じずにはいられないとして、橋下氏が国際都市大阪の市長にふさわしくない、暴言の撤回を求めてほしいとしています。
　要請で川本幹子会長は「橋下氏の発言はどこにいっても批判の声が上がっている」と語りかけ、各会派の市議らが「橋下市長の女性を物扱いする発言は許せない」「市役所前で抗議の行動をしてますね」と応じていました。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴言に抗議／「政治家失格」女性らが宣伝・福井／発言の撤回と公職辞任要求・愛知の団体

「政治家失格」／女性らが宣伝／福井
　新日本婦人の会福井県本部と県母親大会連絡会は１９日、橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の「『慰安婦』制度は必要だ」との暴言に抗議する宣伝をしました。福井市のアオッサ前で、通行人などに一言メッセージの記入を呼びかけました。
　田島ちゑ子県本部会長は「女性の人権をふみにじって恥じない暴言に、怒りを込めて抗議します。橋下氏は、もはや公党の代表、市長、政治家として失格」だと厳しく批判しました。
　越前市の男性（６５）は、メッセージに「橋下氏は、いますぐ公職から退場してください」と書き、「ああいう発言は許せない」とし、橋下氏の暴言を批判しない安倍首相や、石原慎太郎・日本維新の会共同代表についても「歴史認識がおかしい」と指摘しました。
　この宣伝には日本共産党の山田かずお参院選挙区候補がともに訴え、「こういう倫理観、人間観をもつ人たちが憲法をゆがめようとしている。力を合わせてストップさせよう」と呼びかけました。

発言の撤回と公職辞任要求／愛知の団体
　愛知・日本軍「慰安婦」問題の解決をすすめる会は１７日、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦制度は必要」発言に抗議し、発言の撤回と公職の辞任を求める抗議文を送りました。
　抗議文は「日本軍『慰安婦』問題は、侵略戦争のなかで女性の人権を極限まで蹂躙（じゅうりん）した『性奴隷』制度であり、人権侵害の戦争犯罪として、世界から日本政府に一日も早く責任を認め、謝罪することが求められている問題」とし、「暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任を強く求める」と述べています。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」)

憲法改悪許さず子ども教育守る／都教組大会が方針

　東京都教職員組合は１８日、第１００回定期大会を千代田区で開き、憲法改悪を許さず子どもと教育、教職員の生活と権利を守る運動を進めるとの方針を決めました。
　工藤芳弘委員長はあいさつで、橋下徹「日本維新の会」共同代表（大阪市長）の「慰安婦制度は必要だった」発言を厳しく批判。安倍政権が憲法改悪の動きを強めていることにふれ、「多くの人と運動し、憲法と（改悪前の）１９４７年教育基本法を生かした教育の実現をめざす。『教え子を再び戦場に送るな』のスローガンを掲げ、何としても子どもと教育を守り抜かねばならない。都議選、参院選はその正念場の選挙だ」と強調しました。
　運動方針を提案した大山圭湖副委員長は「改憲を阻止するためには改めて憲法と、自民党憲法草案の恐ろしさを学ぶことが必要だ｣と強調｡地域で憲法の学習会を広げ、憲法を守る取り組みを進めるよう提起しました。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／女性は許さない／９団体が抗議の宣伝／埼玉

　埼玉県の女性団体は２１日、さいたま市のＪＲ浦和駅西口で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「慰安婦制度は必要だ」「（在沖米軍は）風俗業の活用を」と暴言を吐いたことに対し、抗議の宣伝を行いました。母親大会連絡会、新日本婦人の会、埼労連女性部、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会など９団体の３３人が参加しました。
　参加者は、「女性たちは許さない！」と書かれた横断幕を広げ、発言撤回と公職の辞任を求めるビラを配りながら、「女性の人権じゅうりんは許せない」「性をもののように言い放つ人物は公人として落第」など次々と訴えました。
　発言の是非を問うシール投票や日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める署名にも取り組みました。
　男性が飛び入りでマイクを握り「橋下は言い訳ばかりだ。責任を取れ」と訴える場面もありました。
　署名した、さいたま市の元教員の女性（８８）は「あまりにも女性を侮辱した発言。もっと勉強してほしい。（元「慰安婦」の）女性にも気の毒です。市長を辞めてほしい」と話しました。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」)

橋下暴言シール投票／「辞めなくてよい」ゼロ／甲府で新婦人

　新日本婦人の会山梨県本部は２１日、ＪＲ甲府駅前で、「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度は必要」などと発言し、撤回すらしていないことに抗議する宣伝を行いました。

　石原靖子会長や日本共産党の小越智子県議ら６人が参加。シール投票を呼びかけながら、「発言の撤回と謝罪はもちろん、公職を辞任すべきです」と訴えました。
　多くの人が「暴言はもちろん許せないが、（その後も）偉そうな態度でテレビに出ているのが頭にくる」「口がうまくて、信用できない」などと言いながら、シールを貼っていました。３０分間で、１９人が「許せない」に投票し、１６人は「市長を辞職すべき」に投票、「辞めなくてよい」はいませんでした。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

教科書は自虐的／「従軍慰安婦」ちゃんと募集／自民党県議、議会で暴論／宮城

　宮城県議会の文教・警察委員会で、戦後の歴史認識を巡り、驚くべき議論が出されています。教科書採択に対する請願の審議の中で、自民党の議員は２１日、自虐史観を正すべきだと持論を展開しました。
　自民党の藤倉知格議員と本木忠一議員は、現在の教科書は自虐史観だと述べ、「従軍慰安婦」について、「『軍慰安所』は存在したが、強制連行ではなく、ちゃんと募集していた」などと擁護。「南京大虐殺」についても、「人口よりも多い人数が虐殺されたなど、ウソが信じられている」「中国南京市の記念館の写真は捏造（ねつぞう）だ」と強弁しました。
　「戦争という非常事態の中で、どこでもあったことであり、現在の価値観で当時のことを弾劾するのは歴史に対する冒涜（ぼうとく）だ」などと話し、「自虐史観によって戦後、国益が損なわれ、歴史がゆがめられた」と述べ、軌道修正する必要があると語りました。
　日本共産党の遠藤いく子県議は、日本国憲法前文が、侵略戦争を反省する立場で書かれていること、日本軍「慰安婦」問題での日本軍の関与と強制性を認めた「河野談話」は正式な政府の見解だと指摘。「日本国憲法の立場ではない教科書は認められない」と批判しました。
　同議論は、「新しい歴史教科書をつくる会」宮城県支部（饗庭道弘支部長）から出された教科書採択に関する請願に対する審議の中で出されたものです。
　傍聴した宮城県教職員組合の村上智志副委員長は、教員としてショックを受けたと述べ、「事実をあそこまで曲げて、議会の委員会という公式の場で平然と話す人が県議をやっていることがショックです。自虐史観というが事実は否定できない」と批判しました。
(２０１３年０５月２２日，「赤旗」)

「慰安婦」発言で山中大阪市議、橋下市長に辞任要求

　日本共産党の山中智子大阪市議は２１日、市議会財政総務委員会で橋下徹市長の「慰安婦制度は必要だった」など一連の発言問題で市長に謝罪と撤回、辞任を求めました。
　山中氏は、橋下市長が「当時の状況を言った。自分はあってはならないと思っている」と弁明しているのに対し、「本当にそう思っているなら米軍へ風俗活用の言葉は出ない。この言葉を撤回しない限り必要と思っている」と追及しました。
　橋下市長は「戦場で女性への人権じゅうりんは日本だけではない。女性を利用したというのは、みんな非難を受けるべきだ」とすり替えました。
　山中氏は、軍部をあげて慰安所をつくったのはドイツと日本だけというのが研究者の定説であり、「河野談話」も軍の関与と元慰安婦の証言から強制性を認めているとし、「日本だけではないというのは通用しない」と迫りました。
　橋下市長は「慰安婦には反省とおわびをしないといけない」と言いつつも「軍部がどうとか強制連行どうのはいま問題ではない」とごまかしました。
　山中氏は、慰安婦問題の発言撤回と関係者、市民への謝罪を求めました。橋下市長は「自分は正しいと思っている」と拒否したため、「市民にとって迷惑。辞職すべきだ」と指摘しました。
( ２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴言／��撤回・辞任�￥･和／大阪労連、府庁前で緊急抗議

　「橋下市長は暴言を撤回し、辞任せよ」「『維新』は公党として代表の誤りを正せ」。大阪府議会開会日の２１日、大阪労連がよびかけた緊急行動が行われ、府庁前を埋めた人たちが力強く唱和を響かせました。
　「公人としてあるまじき言動」「世界の女性に謝罪しろ」と書いたプラカードや横断幕、のぼりを掲げた労働組合と民主団体から１２０人が参加。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」暴言に厳しく抗議しました。
　川辺和宏議長は「侵略戦争を是認し、遂行のためには『慰安婦は必要であった』という橋下市長、かばいだてする松井一郎知事、『維新の会』幹部の認識は許すわけにはいかない。直ちに橋下氏は公職を辞任し、『維新』幹部は責任を取れ」と訴えました。
　新日本婦人の会府本部の杉本和事務局長は「怒りの声は広がっている。世論で暴言の撤回、辞任をかちとるまでたたかおう」と訴えました。
　日本共産党の堀田文一府議が連帯あいさつしました。行動後、各団体代表は、松井知事と「維新」府議団に要請しました。
( ２０１３年０５月２２日，「赤旗」)

都議選でも協力解消

　日本維新の会東京都総支部（代表・山田宏衆院議員）とみんなの党東京総支部（支部長・松田公太参院議員）は２１日、都議選（６月２３日投票）で確認していた両党の選挙協力を解消すると、相次いで発表しました。
　維新の会都総支部によると、みんなの党の渡辺喜美代表が同日、維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」に関する発言を批判し、山田氏に協力解消を申し入れました。
　両党は、都議選後に都議会で統一会派をつくることを前提に都議選共通政策を発表。維新の会は３５人、みんなの党は２２人の公認候補を決定しています。定数３以下の選挙区は両党が候補者を調整し、みんなの党は維新の会の１１人を、維新の会はみんなの党の５人を推薦することをそれぞれ決めていました。
　維新の会都総支部では、両党の共通政策にも「当然なくなると思う。候補者の追加公認の可能性もなくはない」としています。
( ２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

漂う維新参院比例候補／政党渡り歩き／選挙違反で辞職組も

　橋下徹共同代表の「慰安婦」発言などで、支持率が急落した「日本維新の会」ですが、７月の参院選には比例候補２８人を擁立（２１日現在）します。このうち、１０人いる国会議員経験者の実態は、自民党政権で官房副長官を務めた人物もふくめ、政党を渡り歩いた経歴の持ち主ばかり（表参照）。しかも、当選後、選挙違反で辞職した経歴の持ち主も２人います。

自民政権中枢
　唯一の現職は、福田康夫内閣で拉致問題担当相を務めた中山恭子氏。麻生太郎内閣でも拉致問題担当の総理大臣補佐官を務めましたが、２０１０年６月、「たちあがれ日本」に入党、１２年１１月、「太陽の党」に入党、その後、合流にともない、「維新」となりました。
　森喜朗内閣、小泉純一郎内閣で官房副長官を務めたのは、上野公成元参院議員。旧建設官僚（住宅局住宅建設課長）で、０４年の参院選（群馬選挙区）で落選した後、「都市再生研究所」を設立、理事長に就任し、住宅、建設、不動産、設備機器、電力など大手企業に会員として参加してもらい、支援を受けました。
　上野氏は、０７年参院選でも自民比例で落選。１０年参院選に「みんなの党」から立候補をめざしましたが、同党から難色を示され断念した経緯があります。
　橋下氏の「慰安婦」発言が大問題になっている１５日に、２６人目の比例候補となったのは、室井邦彦前民主党参院議員。野田佳彦内閣で国土交通政務官を務め、ことし４月、「党に保守の居場所がなくなった」として離党届を提出、９日付で辞職したばかりですが、自民、自由、民主と渡り歩いた人物です。
　あとの７人は、いずれも昨年の総選挙で「維新」に転身して立候補、落選し、今回参院選に回ります。
　このうち、民主党公認で当選したことがあるのは、川口浩、中津川博郷の両氏で、５人は自民党公認で当選。その１人、遠藤宣彦氏は、０５年総選挙で自民党から比例復活で初当選するまでの００年総選挙、０１年参院選はいずれも自由党公認でした。

運動員に現金
　当選したものの、選挙違反（買収）で短期間で辞職したのは、近藤浩氏と松本和巳氏。
　近藤氏は、０３年１１月の総選挙で愛知４区から立候補、比例東海で復活当選しましたが、運動員に現金１００万円を渡すなど、買収工作を行ったとして、公職選挙法違反容疑で逮捕され、同年１２月、辞職。わずか１カ月の在職期間でした。総裁派閥の森派所属で、選挙中は小泉首相が応援にかけつけました。
　松本氏も０５年９月の総選挙で「小泉チルドレン」の一人として千葉７区から初当選。しかし、出納責任者がビラ配りを手伝った運動員に報酬約２５０万円を支払い、「資金力で選挙結果を左右しようとするもので、選挙の公正を害した」として有罪判決を受けたことにともない、０６年１月、辞職しました。０９年６月、自民党を離党、同年８月の総選挙では、連座制の適用で同一選挙区からの立候補ができないため、千葉６区から無所属で立候補するという姑息（こそく）な方法をとりましたが、落選。昨年１２月の総選挙では、「維新」に転じ、東京２区から立候補、落選しました。
　衆院議員を３期務めた栗原博久氏が環境政務次官、農林水産副大臣、中野正志氏が経済産業副大臣など、自民党政権の中枢を占めた元議員もいます。
　「第三極」を売り物にしても、橋下氏が自ら言うように、「維新」は「選挙で議席を得るのが主目的の『選挙屋』」（１１日、大阪市内）そのものです。
　（藤沢忠明）

「維新」参院比例候補の政党渡り歩きぶり
中山恭子元拉致担当相　自民→たちあがれ→太陽→維新
上野公成元官房副長官　自民→（みんな）→維新
室井邦彦元国交政務官　自民→自由→民主→維新
遠藤宣彦元衆院議員　　自由→自民→維新
川口浩元衆院議員　　　民主→維新
栗原博久元農水副大臣　自民→維新
近藤浩元衆院議員　　　自民→維新
中野正志元経産副大臣　自民→たちあがれ→太陽→維新
松本和巳元衆院議員　　自民→無所属→維新
中津川博郷元衆院議員　新進→民主→改革無所属の会→維新
( ２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦」暴言の根っこに首相の認識／昨年「勇気ある発言」と絶賛、安倍氏

　日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦制度は必要」（１３日）との暴言について、安倍晋三首相（自民党総裁）は「立場が異なる」（１５日）と人ごとのような態度をとっています。一方で、橋下氏の暴言そのものに対してはいっさい批判せず、「侵略の定義は定まっていない」という自らの発言についてもいまだに撤回していません。首相のごまかしは通用するのでしょうか。

「橋下氏は同志」
　安倍首相と橋下氏は「立場が異なる」どころか、政治的にも思想的にも��蜜月�≠�続けていました（表参照）。焦点となっている日本軍「慰安婦」問題でも「産経」の昨年８月２８日付記事で安倍氏は、「慰安婦」問題の強制性と政府の関与を認めた「河野談話」（１９９３年）を「強制の事実に確たる証拠はない」と非難する維新・橋下氏の発言を絶賛。安倍氏は「私は大変勇気ある発言だと高く評価している。彼はその発言の根拠として、安倍内閣での閣議決定を引用した。戦いにおける同志だと認識している」と述べていました。
　安倍氏は、昨年１１月３０日の日本記者クラブの党首討論でも、「安倍政権時代にそれ（強制連行）を証明する事実がなかったことを閣議決定している」と述べ、「産経」１２月３１日付などで同様の発言を繰り返しています。橋下氏も「僕の発言の根拠は２００７年の閣議決定」（１６日、フジテレビ系番組）と発言しているように、橋下氏の��慰安婦暴言�≠ﾌ根っこには、��強制連行はなかった�≠ﾆする安倍首相らの認識があります。

政府の責任否定
　実際、安倍氏と４人の閣僚が賛同者として名前を連ねた米国紙「スターレッジャー」意見広告（２０１２年１１月４日付）は、「（『慰安婦』は）『性的奴隷』ではない。彼女らは当時世界中のどこにでもある公娼制度の下で働いていた」と述べ、強制性と日本政府の責任を否定する主張をしています。
　これは成り立たない議論です。
　国連人権委員会はじめ国際社会が、「慰安婦」制度を「性奴隷」と批判しているのは、「慰安所」という施設内に女性たちを拘束し、兵士らとの性行為を強制したという否定できない事実そのものです。
　「河野談話」は、「慰安婦」の生活は「強制的な状況の下での痛ましいものであった」こと、「その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」と認めています。安倍、橋下両氏が「発言」の根拠にしている「閣議決定」（０７年の第１次安倍内閣）も実は「河野談話」の継承を表明しているのです。
　このように国際社会で通用しない議論のため、安倍首相が表だって言えなくなったことを今回、橋下氏が代弁。それが国内外からの批判をあび、あわてて「立場が異なる」とごまかしているのが事の真相です。
　政府として「河野談話」継承の立場をとるかぎり、「強制性を立証する文書がないから強制の事実はなかった」などという議論を肯定する余地はまったくありません。選挙直前に批判を受ける維新の姿を見て、自民党があわてるのも無理はありません。
　東京都議選（６月１４日告示、２３日投票）に向けて「前市長の○○」（南多摩選挙区）と連呼して維新を名乗れない候補や、「数日、この問題だけの対応に追われ、本来の選挙活動ができていない」と嘆く維新の参院候補も出てきています。
　維新・橋下氏に対する国内外の批判は、そのまま安倍首相に突き刺さるものです。それは韓国の新聞、東亜日報１４日付が「日本の最高指導者である総理が侵略を否定して以降、保守勢力がはばかることなく本音を明かしている。安倍総理がいる限り、政治家の妄言は続くだろう」と指摘したとおりです。
　（松田繁郎）

安倍首相と維新・橋下氏の密接な関係
２０１２年
２月２６日　大阪市内で開かれた教育シンポで安倍氏は「維新の会の（教育基本）条例は私たち（自民党）の方向とまったく合致している」と述べる
８月２４日　安倍氏が「維新の会との連携も一つの選択肢」とする発言をテレビ朝日系番組が報道
９月１２日　安倍氏が「憲法を変えるには（国会で）３分の２の勢力が必要」「維新の会のパワーに期待したい」と発言
９月２６日　橋下氏が自民党新総裁に選ばれた安倍氏について「非常に期待している。非常に信頼のおける政治家だ。自民党を引っ張っていただきたい」とエールを送る
１０月１５日　橋下氏が各党あいさつ回りで安倍氏に「国会対応は松野頼久国会議員団代表と連絡を取りながらやる。そこで決まったことが覆ることはない」と発言。関西で維新と選挙協力の公明・山口代表は橋下氏に「国政でも力を合わせてやっていく」と確認
１２月１６日　橋下氏は首相指名選挙で１回目からの安倍氏への投票を示唆。自民との連携について「教育、防衛、外交など考え方が一緒の部分はたくさんある」と発言
２０１３年
１月１１日　安倍首相と橋下氏が大阪市内のホテルで会談（当時橋下氏は維新代表代行）
２月２４日　安倍首相が帰国後に橋下氏に電話。ＴＰＰ交渉参加問題をめぐるオバマ米大統領との会談内容を伝える
３月３０日　橋下氏が維新の会の党大会で「安倍首相は、どんどん輝いてきましたね」と政権運営を絶賛
５月１５日　橋下氏の「慰安婦制度は必要だ」との暴言について安倍首相は「他党の代表として立場が異なる」と述べるだけで暴言そのものを批判せず
( ２０１３年０５月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

21日

橋下暴言「撤回、公職辞任を」／維新県総支部に１５団体が抗議文／神奈川

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の暴言に対し、神奈川県内の平和・民主団体の代表は２０日、維新の会県総支部に出向いて抗議文を提出しました。同支部事務局が抗議文を受け取りました。
　抗議文は､軍隊に｢慰安婦は必要だった」などと公言するのはとんでもない暴言だと批判。戦争遂行のために女性の性を利用するのは当たり前などというのは、女性を性の対象にするだけで人間として扱わないということだとして、発言の撤回と謝罪、すべての公職からの即時辞任を求めています。
　新日本婦人の会県本部、県平和委員会、県労働組合総連合、県母親連絡会、安保廃棄・諸要求実現県統一促進会議など１５団体が連名で提出しました。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

橋下暴言「撤回、公職辞任を」／「被害者さらに傷つける」／千葉・全女性県議が抗議声明

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が暴言を続けている問題で、千葉県議会の全女性県議７人が１７日、発言の撤回と謝罪を求める抗議声明を発表し、県庁内で記者会見するとともに、橋下代表に声明を送付しました。
　声明には、日本共産党の岡田幸子県議をはじめ民主、社民、市民ネットの女性議員が名を連ね、会見には５氏が出席しました。
　橋下発言について「女性の人権を蹂躙（じゅうりん）し尊厳と名誉を傷つけたという歴史認識に欠け、性暴力被害者をさらに傷つける断じて許せない暴言だ」と糾弾し、「女性を道具のごとく扱う人権感覚の橋下氏に公職を務める資格はない」と断じています。
　岡田氏は「慰安婦」とされた人たちから直接、凄惨（せいさん）な体験を聞いたことにふれ、「全女性への冒涜（ぼうとく）であり男性に対する侮辱でもある｣と強調しました｡
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

橋下暴言「撤回、公職辞任を」／千代田区議会が決議／発言撤回求め全会一致／東京

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が旧日本軍「慰安婦」をめぐり「慰安婦制度が必要だ」と発言した問題で、東京都千代田区議会は２０日、発言を非難し、撤回を求める決議を全会一致で可決しました。
　決議は日本共産党区議団の呼びかけで、全会派が共同提案したもの。橋下氏の発言を「その状況の中の女性の人権を損ない、世界から信用を失いかねない｣と批判しています｡
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

維新の支持急落くっきり／各紙世論調査

　「朝日」「毎日」「東京」が２０日付で、世論調査の結果を掲載（「東京」は共同通信調査）。いずれも日本維新の会の引き続く凋落（ちょうらく）が顕著になっています。
　維新の橋下徹共同代表が旧日本軍の「慰安婦は必要」などと発言したことについて、「朝日」では７５％が「問題がある」と答え、「毎日」では７１％が「妥当でない」と回答。人間の尊厳を踏みにじる橋下氏の発言に多くの国民が怒っていることが示されました。
　また、維新への支持率は、前回調査と比較すると「毎日」では７％から４％に、「東京」は５.５％から４.８％に下落。
　参院選比例で維新に投票するとした回答も、「毎日」で１１％から５％、「朝日」で１０％から７％、「東京」では８.５％から５.７％と急落しています。
　改憲の発議要件を衆参両院の「３分の２以上」の賛成から「過半数」とする憲法９６条改定については、「毎日」の調査で「反対」が前回より６ポイント増加し５２％の過半数になりました。
　また、「毎日」では、原発輸出に６０％が反対し、賛成３２％の倍という結果が出ました。「東京」では、原発再稼働に「反対」が５４．３％、原発輸出「反対」が４６．２％で、いずれも反対が賛成を上回りました。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

テレビ、安倍政権の拡声器か／一方的な主張を無批判に／首相側から出演売り込み

　安倍晋三首相の民放テレビ生出演が相次ぎます。経緯は「首相ご本人からオファー（売り込み）があった」（日本テレビ「スッキリ！」）とあからさまです。
　朝の情報・ワイド番組や夕方のニュース番組という気軽に見られるものを選んで出演していることがわかります。イメージアップをねらい、それと抱き合わせで政策浸透をすりこもうとする、首相サイドの宣伝戦略が見てとれます。記者が「憲法９６条の改定を任期中にやるという決意でよろしいんでしょうか」（フジテレビ「スーパーニュース」）と、あおる発言まで飛び出し、テレビが安倍政権の拡声器ともなっています。
　一方、最近のＮＨＫテレビの場合は、「ニュース７」で首相の動向、演説、発言をそのまま流し、「ニュースウオッチ９」で、さらに詳しく説明を加えるパターンとなっています。
　２００１年、日本軍「慰安婦」問題を取り上げたＮＨＫのＥＴＶ番組が改変された事件がありました。当時、官房副長官だった安倍氏がＮＨＫ幹部に注文をつけたことが明らかになっています。また、菅義偉官房長官は第１次安倍内閣のときの総務相で、ＮＨＫに国際放送で拉致問題を重点的に扱うようにと求めたことがあります。そんな経緯を踏まえて現在、ＮＨＫ幹部の間で安倍政権にシフトした動きが出ているとも伝えられています。
　７月の参院選を控えて、経済、雇用、くらし、原発、憲法と大きな選択を前に、ジャーナリズムとしてのテレビの役割が問われます。国民の厳しい目が必要です。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

維新が西村氏を除名

　日本維新の会の松井一郎幹事長（大阪府知事）は２０日、旧日本軍「慰安婦」をめぐる自身の発言で「党に迷惑を掛けた」として離党届を提出していた西村真悟衆院議員（比例近畿ブロック）を１８日付で除名処分にしたことを明らかにしました。府庁で記者団に語りました。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

囲み取材を一転再開

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は２０日夕、市役所で記者団の「囲み取材」に応じ、みんなの党の渡辺喜美代表が維新との参院選協力の解消を表明したことについて「選挙にとって有利か不利かというところだけで判断されたのだろう」と批判しました。
　橋下氏は１７日夜の囲み取材の際、記者の質問に憤って「あすからやめます」と拒否を宣言。一転して続けることにした理由について「このまま市長を辞めるまで、囲み（取材）を受けないというわけにはいかないだろうから、早く再開してしまった方がいいということだ」と説明しました。
　一方、橋下氏は、国内外から厳しい批判を浴びている旧日本軍｢慰安婦｣などをめぐる自身の一連の発言に関し、「日本人がこれだけ意識を持つことになったので、いい方向に向かっていけばいい」と強がりました。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言に抗議／出版労連が声明

　日本出版労働組合連合会（出版労連）中央執行委員会は１８日、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」容認発言に対し、断固抗議し、謝罪と撤回、辞職を求める声明を発表しました。
　声明は、橋下氏の発言は日本軍が設置した「慰安婦制度」（性奴隷制度）の被害者女性を侮辱し、傷つけるもので当時の国際法でも違法とされていた事実を踏まえない無責任な発言だと指摘。同氏が在日米軍兵士に「風俗業の活用」を勧めたことも、基地被害に苦しむ沖縄の住民に対する侮辱だとしています。一連の発言は両性の本質的平等を掲げる憲法に違反し、公職にとどまることは不適切だとして、発言撤回と「慰安婦」被害者と沖縄住民への謝罪、公職辞任を求めています。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

橋下氏発言／維新存立問われる／市田氏「誰も誤解してない」

　日本共産党の市田忠義書記局長は２０日の記者会見で、日本維新の会の橋下徹共同代表が石原慎太郎共同代表との会談（１９日）で日本軍「慰安婦」をめぐる一連の発言を撤回せず、「誤解」を生む発言だったとしていることについて見解を問われました。市田氏は「国民は誰も誤解していない。（橋下氏の）本音をそのまま受け取っている。撤回も謝罪もしない確信犯だ。両代表がそろって撤回もせず、（石原氏が橋下氏に）理解を示したことは、党の存立が問われる問題だ」と厳しく批判しました。
　市田氏はまた、みんなの党が維新との選挙協力を見送ったことについても見解を問われ、「参院選をたたかううえで不利になると考えたからだろう」と指摘。維新の綱領が、日本国憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶（おとし）め」た「占領憲法」と口汚くののしっていることや、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）推進、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設など安倍政権の政策を絶賛していることなどをあげ、「そういう党と選挙協力をやるとこれまでいってきたわけで、その意味では、自民党の補完勢力内部のコップのなかの争いだ」と指摘しました。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」)

「憲法守る党の躍進を」／東海４県いっせい宣伝

　参院選で比例代表５議席絶対確保をめざす愛知、岐阜、三重、静岡の東海４県いっせい宣伝が２０日行われ、井上さとし参院議員（比例候補）が参加しました。井上議員は、名古屋市中区の金山総合駅前で、もとむら伸子参院愛知選挙区候補、東海ブロック責任者の岩中正巳愛知県委員長、山口清明名古屋市議と訴えました。
　井上議員は、維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦制度は必要」との暴言を厳しく批判。「橋下氏の発言と、侵略戦争を認めず、憲法９条改悪をめざす安倍晋三首相の姿勢は根っこが同じ。アジアの国々との友好を深めるため正しい歴史認識をもつことが必要。一貫してアジアの友好を推進し、憲法を守ってきた日本共産党を前進させてほしい」と訴えました。
　訴えを聞いた女性は「橋下市長は石原慎太郎共同代表に『迷惑をかけた』と謝っていたが、謝る相手は、被害を受けたアジアの人たち。維新や自民を伸ばしてはだめ。共産党に頑張ってもらいたい」と話しました。
( ２０１３年０５月２１日，「赤旗」) （Page/Top）

20日

言聞録／２０１３年５月１２日〜１８日

　○「パキスタン新政権と新たな２国間関係を描きたい」（シン・インド首相＝写真、ロイター）＝１２日、パキスタン総選挙後で勝利したシャリフ元首相へのメッセージで。

　○「秘密の情報源との通話内容が発覚し、ＡＰの取材内容が知られてしまう恐れがある」（ＡＰ通信のゲーリー・プルイト社長）＝１３日、米司法省がＡＰ通信の支局などの通話記録を秘密裏に入手したことを批判した書簡で。

　○「日本の指導者たる政治家が、歴史認識や女性の人権を尊重する意識が薄弱であり、失望を感じた」（韓国の申○秀〈シン・カクス〉駐日大使）＝１５日、離任にあたって行われた日本記者クラブでの会見で。

　○「経済情勢は深刻であり､過小に見ても何の役にも立たない｣(オランド仏大統領)＝１５日､国内総生産(ＧＤＰ)の伸びがマイナス成長でフランスが不況に落ち込んだことを受けて｡

　○「この憂慮すべき事実は社会における最も弱い立場の人々を保護する必要があることを裏付けている｣(経済協力開発機構〈ＯＥＣＤ〉のアンヘル･グリア事務局長)＝１５日､先進国内で貧富の差がいっそう拡大するとのＯＥＣＤ報告発表にあたって｡

　○「常軌を逸しており無礼だ」（米国務省のサキ報道官）＝１６日、「慰安婦」は必要だったなどとする橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の発言を批判して。
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」)

週間日誌／１３年５月１２日〜１８日

政治・経済
　◆橋下氏「慰安婦は必要」　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は旧日本軍「慰安婦」問題について、「慰安婦というものが必要なのは誰だってわかる」と、慰安婦制度そのものを正当化し、女性の人権を踏みにじる暴言（１３日）
　◆増税前提の予算成立　２０１３年度予算が成立。日本共産党の田村智子参院議員は予算委員会で「消費税増税を前提とした予算だ」と批判し、反対（１５日）
　◆株価が１万５０００円台　日経平均株価が終値で前日比３３７円６１銭高の１万５０９６円０３銭と大幅反発し、ほぼ５年５カ月ぶりに１万５０００円台。一方、国債から株への資金移動の動きが加速し、新発１０年物国債の利回りが前日比０・０７５％上昇の０・９２０％と約１年１カ月ぶりの高水準（１５日）
　◆２期連続プラス成長　内閣府が発表した２０１３年１〜３月期の国内総生産（ＧＤＰ、季節調整済み）速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比０・９％増、年率換算で３・５％増。プラス成長は２期連続（１６日）
　◆生活保護改悪案を閣議決定　安倍政権は生活保護申請を厳格化して申請者を入り口で締め出すことなどを盛り込んだ生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法を閣議決定し国会に提出（１７日）
　◆「九条の会」３氏が呼びかけ　「九条の会」の大江健三郎氏ら３氏が記者会見し、憲法９６条を手始めに改憲の道を暴走しようとしている安倍政権の企てを許さないための行動を呼びかけ（１７日）（写真）

社会・国民運動
　◆市民監視を元隊長認める　自衛隊情報保全隊による国民監視差し止め訴訟の控訴審が仙台高裁で開かれ、元陸上自衛隊情報保全隊隊長の鈴木健氏が証言に立ち、「一般市民も監視対象であった」「日本中のすべてのイラク派遣に反対する運動が対象になりうる」と認める（１３日）
　◆「もんじゅ」運転再開中止へ　原子力規制委員会は定例会合で、約１万カ所の点検漏れが発覚した日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開準備の中止を命じることを決める。今年度内の運転再開は不可能な状況に（１５日）
　◆敦賀２号機直下に「活断層」　原子力規制委員会の専門家チームは日本原子力発電の敦賀原発２号機の直下を通る破砕帯を活断層と断定する評価書をまとめる。活断層を否定する原電側の主張を「信頼性がかなり低い」と退ける。廃炉が濃厚に（１５日）
　◆笹子事故遺族が提訴　９人が死亡した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故で、犠牲になった２０代会社員５人の両親ら遺族が中日本高速道路と中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京に損害賠償を求め、横浜地裁に提訴。訴状で、会社は老朽化や同種事故を把握しながら、十分な点検や対応を怠ったと指摘（１５日）

国際
　◆四川大地震５年で追悼式典　２００８年５月の中国・四川大地震から５年。被害が大きかった四川省映秀で追悼式典開催（１２日）
　◆米、母の日行進で発砲　米南部ルイジアナ州ニューオーリンズで母の日を祝うパレードの最中に発砲があり、少なくとも１９人が負傷（１２日）
　◆伊首相に禁錮６年求刑　ミラノ検察はベルルスコーニ元首相の未成年買春事件を裁く公判で禁錮６年と公職権の永久停止を求刑（１３日）
　◆国際ブランド企業がバングラ労働安全協定締結　バングラデシュを生産拠点とする国際ブランド企業が労働組合との間で、労働現場の安全の保証をめざす「火災・建造物安全協定」を締結（１４日）
　◆先進国で格差拡大　工業先進国３４カ国が加盟する経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）が、加盟国政府の社会福祉削減によって貧富の格差がさらに広がる恐れを警告（１５日）
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

全国革新懇総会「報告と提案」／要旨

　全国革新懇第３３回総会（１８日）の報告と提案の要旨は次の通りです。

�T、大激動のもとでの革新懇運動と前総会以後の活動（総括）
〈この間の政治の動きと政党状況の変化〉
　○昨年の総選挙で自公政権が復活。自民党が国民の信任を得たわけでなく小選挙区制がもたらした「虚構の多数」によるもの○安倍政権は憲法改悪はじめ、暮らし、民主主義、平和の分野―大企業奉仕のアベノミクス、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）交渉参加、原発固執、沖縄新基地建設推進など―で暴走を始めている。これらは国民との間の矛盾と��破たん�≠ｪ進み、閣僚の靖国神社参拝、「慰安婦」問題など歴史認識でも国際的な非難が高まり孤立を深めている○自民は��靖国派�≠ｪ中枢を占め、維新の会などが自民の「補完」勢力と見抜かれ民主党は対決する足場がないまま。自民・補完勢力と日本共産党という対決構図が浮き彫りに。
〈この間の取り組みと革新懇の役割〉
　○安倍政権の悪政に国民が声をあげ、ＴＰＰ反対、原発ゼロ、消費税増税反対など、どの問題・運動でも共同がかつてなく広がる。全国革新懇は２月、「憲法を守る一大国民運動の発展を」よびかけるアピールを発表○各分野で、初めて学習会やデモに参加した青年など新しい人々とつながりを広げ、保守的な団体も含め広範な人々と手をつないできた○前回総会後、２３の革新懇が結成。地域６５０、職場１５１、青年１５の８１６革新懇談が活動○青年革新懇全国交流会を初めて開催○全国革新懇ニュースは前回総会後７５８部増え、２万８８４８部と最高の峰を更新。
〈希望ある政治へ向かう新しい段階〉
　要求実現の取り組みと「国民が主人公」の政府をめざす国民的な共同の構築をめざす革新懇運動の努力が、希望ある未来をひらくことにつながる新しい段階を迎えている―情勢と活動への確信をしっかり持って統一戦線運動の本格的な発展を正面から追求するとき。

�U、情勢の発展と革新懇運動
〈統一戦線運動の本格的な発展を〉
　自民政治のゆきづまりのもと、希望ある政治に変えたいという国民の願いはかつてなく強いが、これにこたえる政治的展望が共有されない。国政の舞台では、院内外での個々の共有は生まれても、くらし、民主主義、平和の国政の基本目標での一致に基づく政党間の共闘が実現する条件は存在しない。政党間の組み合わせを待つのではなく、「国民が主人公」の政府を求める統一戦線をつくるため、多くの無党派の個人、団体が日本共産党とともに生み出した革新懇運動―この原点に立脚した発展が今こそ求められている。一致点にもとづく共同を大切にしてきた革新懇は各分野で共同をいっそう発展させることに全力をつくす。同時に３目標にもとづく国政の転換を求める合意を広げる独自の努力が決定的に大事。�@当面する切実な要求の実現に全力をあげる�A日本の政治を国民本位に変える力を大きくする―二つの任務を真正面からつかみ統一戦線運動を本格的に発展させよう。統一戦線がかかげる政策目標への発展は、個別要求を単につなげることではない。財界、アメリカいいなり政治から転換する国政での基本目標での合意を広げること。
〈憲法を守り生かすたたかいの大道　革新懇の役割の発揮を〉
　第二次安倍政権の改憲攻撃は９条改憲・国防軍のために、まず改憲要件を緩和する作戦をとっている。国民は政府のねらう改憲など望んでいない。９６条改憲を許してはならない。各分野のたたかいと結んで憲法を守り生かす世論と運動のうねりをつくりだせば改憲の企てを必ず打ち破れる。
〈国政の焦点と要求を結んで―国民のたたかいの諸分野〉
　▽東日本大震災からの復旧・復興　原発ゼロを▽国民運動をひろげＴＰＰ参加を阻止しよう▽消費税増税・社会保障の一体改悪を阻止する国民的共同を▽人間らしいくらしの土台　賃上げと雇用の安定を▽いのちと暮らしを守る各分野の運動を　憲法生かし、ひろげましょう（中小企業・地域経済振興）（医療・福祉・生活保護を守る）（子育て・教育施策の充実）。
〈諸悪の根源＝安保廃棄の多数派を〉
　▽国民の連帯で沖縄への新基地建設を許さず、安保条約廃棄の世論を広げよう▽北朝鮮問題の平和的外交的解決を。北東アジアの平和の地域共同体、核兵器廃絶を。
〈地域の活性化、住みよい街づくりへ〉
　地方政治を住民本位にかえることと結びながら、くらしを守る多彩な活動を進めている。多くの地域住民と多面的に結びつきを広めていること自体、革新懇運動の力の源泉で誇るべき財産。
〈主権者国民ひとりひとりの思いを　参院選を政治革新への転機に〉
　参院選は、日本の進路を左右する重要な政治戦。特定政党の支持はしないが３目標の実現をめざす政治勢力の躍進を強く期待する。

�V、国民の願いと歴史的要請にこたえる革新懇づくりの飛躍を
〈地域・職場・青年革新懇づくりの飛躍を〉
　○すべての自治体に革新懇を―新しい革新懇の結成に大いに挑戦しよう○職場革新懇の活動を本格的に推進しよう○すべての都道府県に青年革新懇をつくり広げよう○全国交流会を成功させよう。
〈賛同団体・政党の力を発揮してこそ〉
それぞれの団体の性格や条件に応じて、団体の影響力をいっそう発揮し、革新懇運動を推進し発展させよう。
〈全国革新懇ニュースを大いに普及しよう〉
〈ＳＮＳの活用を〉
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」暴言／橋下氏、見苦しい言い訳

　「大誤報をやられた」（１７日）―。「日本維新の会」を率いる橋下徹大阪市長が旧日本軍による「慰安婦制度は必要だった」（１３日）という自らの大暴言について見苦しい言い訳を続けています。
　（藤原　直）

○疑問いくらでも
　「（慰安婦制度の）必要性は（第２次世界大戦）当時は感じていたんでしょうね。僕は認めませんよ。『その当時に』『みんなが』ですよ」（１６日朝の民放番組）
　ならばなぜ、最初から、あってはならない制度だったと言えなかったのか。当時でもみんなが認めていたのか―。疑問がいくらでも浮かぶ無様（ぶざま）な言い訳です。
　１７日、国会では「維新」の西村真悟衆院議員が橋下発言を擁護しようとこう述べました。「慰安婦がセックススレイブ（性奴隷）と転換されている。われわれは積極的に『売春婦とセックススレイブとは違うんだ。売春婦は日本にまだうようよいるぞ、韓国人』（と主張し）、反撃に転じた方がいい」
　民族・女性蔑視丸出しで、慰安婦制度の被害者をおとしめる暴言です。「維新」は即撤回、除名へと動き、橋下氏は１７日夜、西村発言に対し「大変申し訳ない」と謝罪。「（自分とは）全く違う。僕は韓国の方や元慰安婦の方を侮辱する意図は全くない」と述べました。
　しかし橋下氏は本当に「全く」違うと言いきれるのでしょうか。
　日本軍「慰安婦」の本質的問題は、旧日本軍が警察や行政組織と一体となって、多くの女性を軍の慰安所に閉じ込め、��軍人の性欲処理の道具�≠ﾆして「性奴隷」状態においてきたところにあります。女性たちを集めた方法は、軍の要請を受けた業者による詐欺・甘言や日本軍自らが強制連行したケースなどさまざまですが、先に述べた本質は変わりません。
　ところが橋下氏は「強制連行があったという前提で（日本は）『性的奴隷』（という）特殊な制度を使っていたと見られてしまっている」と話をすりかえ、「違うところは違うと言わなきゃいけない」（１６日）と語ります。「軍や官憲が暴行・脅迫をもって無理やり強制連行してそういう仕事に就かせた証拠はない」と主張し、「性奴隷」といわれるような深刻な戦争犯罪ではなかったというのです。
　これは無知とごまかしに基づく主張です。
　軍や官憲による強制連行の事例は１９９０年代以降の「慰安婦」裁判でも日本の裁判所が事実認定を確定しています。９４年のオランダ政府報告書にも列挙されており、女性が連行され売春を強制されたスマラン事件については橋下氏自身が昨年１０月に「事実としては認めます」と語っています。

○安倍答弁書でも
　橋下氏が強制連行否定の根拠としてきたのは、第１次安倍政権時代の答弁書（０７年３月１６日）です。この文書で、日本軍の関与と強制性を認めた「河野談話」の発表（９３年）までに政府が発見した資料の中には「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」としています。このこと自体、専門家に疑問を持たれていますが、同答弁書でも結論としては「河野談話」を「継承」するとしており、事実上、強制連行を認めています。
　その安倍晋三首相はかつて、「慰安婦」を「キーセン（妓生）ハウス」になぞらえ、「韓国にはキーセン・ハウスがあって、そういうことをたくさんの人たちが日常どんどんやっている」（９７年刊行の『歴史教科書への疑問』）などという暴言を平然とはいてきました。その発想は西村氏らの暴言と何ら異なりません。
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

維新と選挙協力解消

　みんなの党の渡辺喜美代表は１９日、都内で記者団に対し、維新との参院選での選挙協力について、「解消せざるを得ない。もう関係を断ち切る」と表明しました。橋下徹共同代表の「慰安婦」発言を撤回する意思が維新側にないと判断、解消に踏み切ることにしました。
　両党は参院選について、１２の１人区を含む計２５選挙区での候補者一本化と共通公約作成で合意していましたが、渡辺氏は「ケース・バイ・ケースで候補者擁立を指示している」と述べ、維新候補が出馬する選挙区での対抗馬擁立を検討する考えを明らかにしました。また、速やかに協力解消の党内手続きに入る意向を示しました。渡辺氏は「常軌を逸している。言い訳を百万回繰り返しても国民は理解しない」と批判しました。
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」)

石原氏と橋下氏会談

　日本維新の会の石原慎太郎、橋下徹両共同代表が１９日、名古屋市内で会談し、「慰安婦」発言に伴う混乱収拾に向け、対応を協議しました。橋下氏は「誤解を生む発言で申し訳なかった」と陳謝する一方、「丁寧に説明したい」と撤回はしない意向を伝えました。
　会談で石原氏は、「大阪からどんどん情報が発信されるが、事前に言ってほしい」と苦言。一連の騒動で支持離れが懸念されるとして、「参院選に向け挽回に全力を挙げる」ことで一致しました。
　石原氏は「問題提起をしたいなら国政に打って出るべきだ」と橋下氏に参院選出馬を促しましたが、橋下氏は立候補の意思がないことを明確に伝えました。
　両氏は、日本の侵略や植民地支配などの歴史認識についても意見を調整。橋下氏が「侵略の事実を受け止めるべきだ」と主張し、石原氏は「侵略には当たらない」との認識で、平行線となりました。結局、「歴史観は党員一人一人の問題」とし、党の統一見解はまとめないことを申し合わせました。
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」)

ヘイトスピーチデモ／市民の力で食い止める／在特会に詳しいジャーナリスト安田浩一さん

　この間、行われているヘイトスピーチデモは、朝鮮人は出て行け、殺せなどと叫び、傍観できる段階ではなくなったと感じます。
　自分の努力ではどうにもならない属性を中傷し、揶揄（やゆ）し、攻撃し、自らの優位性を強調している―。これは許しておいてはいけないと思うのです。
　しかし、この問題は、彼らを排除すれば終わるというものではありません。
　橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言や安倍首相の改憲志向など、現政権や保守派の動き、言動は、彼らに栄養を「供給」していると思えてなりません。政治の世界がもっとこのことに敏感になるべきでしょう。
　私は、いまの段階では、ヘイトスピーチを法律で規制することに対して、慎重な立場です。現行法の枠内でできることは、すべてやるべきだと思います。
　可能なら、メディアも含めた、市民の力であらがい、食い止めることが必要です。そして、事実を知った人から、差別や排外主義に対して、ノーの声を上げていってもらいたいと思います。
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

「将校が銃剣で私の頭を刺し…」／元「慰安婦」が実態証言／広島で集会

　日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークは１９日、広島市で被害者から証言を聴く集会を開き、約２２０人が参加しました。
　同ネットワークの土井桂子共同代表が開会あいさつし「ハルモニの言葉を心のひだに染み込ませ、人間の尊厳を回復させたい」と述べました。
　日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の梁澄子共同代表が「日本軍『慰安婦』問題の真実」と題して講演し、橋下徹大阪市長が「慰安婦制度は必要だった」とした暴言を告発しました。
　元「慰安婦」の吉元玉さん（８４）が証言。「将校が酒を飲んで来て、自分の要求をきかないと言って、銃の先についている刀で私の頭を刺したんです。すごくたくさんの血が出ました。服が真っ赤になって、血でベトベトになって脱ぐこともできないのに、将校は自分のしたいことだけはして行ってしまいました」と告発しました。
( ２０１３年０５月２０日，「赤旗」)

19日

追及！橋下・安倍暴言／国際社会の信頼失う厚顔無恥／西野瑠美子さん

ジャーナリスト、「戦争と女性への暴力」リサーチアクションセンター共同代表
　橋下氏の発言は、被害回復と正義の実現を求める被害女性をさらに傷つけるもので、到底許すことはできません。即刻、被害女性に謝罪し、発言を撤回することを求めます。
　慰安所制度がどれほどアジアの女性たちを苦しめた人権侵害制度であったか。それを考えもせず、戦争遂行のために必要だったとするのはあまりに厚顔無恥で、これほど人権感覚がない人が政治リーダーであり続けることがあってはなりません。
　侵略地の女性たちを詐欺や甘言、誘拐などで慰安所に送り込み、性奴隷を強いた慰安所制度は、当時の刑法や国際醜業条約にも違反する犯罪でした。特にアジアの被害女性の大半は未成年でした。
　橋下氏は、どの国もやっていたといいますが、組織的に他国の女性たちを強制的に「慰安婦」にし、国外移送をして大がかりな規模で占領地に慰安所を設置したのは、ナチスドイツに似たケースがあるにせよ、他国に例をみないものです。
　橋下氏の発言の前提には、アジア侵略戦争の肯定があります。安倍首相も「侵略の定義は定まっていない」などと、歴史認識を欠く主張をしていますが、日本の侵略と加害を認め、被害を与えた人々に心から謝罪しない限り、国際社会からも信頼は得られないことを知るべきです。
(２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

追及！橋下・安倍暴言／米紙「歴史に向き合う能力欠如」／韓国大統領も異例の批判

　今回の橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の暴言について、中国外務省の洪磊・副報道局長は１４日、「人類の良識と歴史の正義に挑戦する発言を公然としたことに驚きと憤激を示す」と非難しました。韓国でも、「侵略を否定する首相がいる限り政治家の妄言は続くだろう」といった非難報道が相次いでいます。
　米紙ニューヨーク・タイムズ（１３日付電子版）は、「一連の日本の政治家の発言に続くものだ」と指摘しました。その例としてあげたのが、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」として日本の侵略戦争を否定する安倍晋三首相の発言でした。
　安倍首相は「慰安婦」問題で、日本軍の関与や強制を否定する立場から河野洋平官房長官談話（１９９３年）を批判。日本による「植民地支配と侵略」「国策の誤り」を認めた村山富市首相の談話（９５年）についても、こう答弁しました。
　「侵略という定義については学界的にも国際的にも定まっていない…それは国と国との関係において、どちら側から見るかということにおいて違う」（４月２３日の参院予算委員会）
　この発言は中国や韓国の怒りを呼んだだけでなく、米国をも驚かせ、米代表紙が一斉に社説で批判する異例の事態に。
　「誰が第２次世界大戦を始めたかは、地球が公転しているかとの疑問と同様、解決済みの問題とばかり思っていた。しかし日本の安倍晋三は新鮮な解釈を持っている」―ウォール・ストリート・ジャーナルはこう述べ、「安倍氏の恥ずべき発言」を批判しました。
　「事実は存在する。日本は侵略を犯したのだ」とワシントン・ポストは指摘。安倍氏の「歴史に向き合う能力の欠如」を警告しました。
　米議会調査局の日米関係についての報告書（５月１日付）も、この問題に注目。「論争的な歴史問題についての安倍首相や閣僚の発言と行動は、日本政府が、米国の利益を損なう形で域内の関係を転覆しかねないとの懸念を引き起こしてきた」と指摘しました。
　この状況で訪米した韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は米上下両院合同会議（８日）で演説し、名指しは避けながら異例の日本批判をしました。
　「（北東アジア）地域の経済は影響力を高め、ますます相互連携しているが、歴史から生じる意見の相違が拡大している。過去に目を閉ざす者は将来を見ることができないと言われてきた。これが明らかに現実の問題として存在する」

「侵略の定義」ある―国連決議
　もともと侵略の定義についての安倍首相の答弁そのものが誤りです。
　侵略の定義には一連の国際合意があります。１９３３年には侵略の定義条約が発効。７４年に国連総会は「侵略の定義に関する決議」を採択しました。
　この決議は「侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若（も）しくは政治的独立に対する、又（また）は国際連合憲章と両立しないその他の方法による武力の行使」だと定義。「一国の軍隊による他国の領域に対する侵入若しくは攻撃」などを「侵略行為」として例示しています。
　２０１０年には国際刑事裁判所の規程検討会議が、侵略行為を犯した個人による「侵略犯罪」の定義を採択しました。
　そもそも国連憲章に基づく今日の国際秩序そのものが、日本、ドイツ、イタリアなど「敵国」による戦争が不正、不義の侵略戦争であることを共通の土台とし、そのような戦争の再発防止をめざして成立しています。
　１９４３年のカイロ宣言は「日本国の侵略を制止し罰する」ことが第２次大戦の目的だと明記しました。日本が受諾した４５年のポツダム宣言も「日本国国民を…世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者の権力及勢力は、永久に除去」すべきだと述べています。これが戦後日本の出発点です。
　ところが侵略戦争を推進した指導勢力のうち、戦犯として裁かれたのは一握りだけ。多くは「復権」して日本の政治の中枢を握り、自民党や、その流れの日本維新の会などに受け継がれました。過去の戦争を賛美する暴言が今日も続く歴史的背景には、こうした事情があります。
(２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」橋下維新代表暴言／女性蔑視というより人間蔑視／作家吉永みち子さん

　橋下氏の発言を聞いて、胸がざわざわするような不快感を覚えました。「従軍慰安婦」は必要だといい、米軍には風俗の利用をすすめる。発言の前提には、人間性を否定する戦争の肯定を感じます。
　戦場に駆り立てられる男のすさんだ気持ちを、女の犠牲でまぎらわせろというのは、人を駒としかみない権力者の発想です。女性蔑視というより人間蔑視です。橋下さんは公党の代表ですから、個人の発言では済まされません。
　安倍首相の歴史認識とあわせて、世界は日本をどうみているのでしょうか。日本はまだこんな考えをしているのか、と驚いているのではないでしょうか。恥ずかしくて、うつむきたくなります。
　国益を損なう事態を自らの発言で招いています。国益とは世界から信頼されることだと思います。
　こういう人たちが改憲しようとしていることに恐れを感じます。これらの発言を容認してはいけない。
(２０１３年０５月１９日，「赤旗」)

「慰安婦」必要だった／橋下維新代表暴言／世界で日本で怒り噴出／「侵略の事実否定」繰り返す安倍首相

　「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる｣―｡旧日本軍「慰安婦」の制度を正当化する橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の暴言（１３日）に、国内外から強い怒りと批判が沸き起こっています。それでも居直り続ける橋下氏や維新の会。その背景に何があるのでしょうか。

　先の暴言で批判を受けた橋下氏は、同日午後の会見で､さらに開き直りました｡沖縄の米海兵隊の司令官と会談した際、「もっと風俗業を活用してほしい」と求めたことまで明かしたのです。
　日本維新の会の石原慎太郎共同代表も「軍と売春は付き物」「橋下氏は基本的に間違ったことは言っていない」と擁護しました。
　日本共産党の市田忠義書記局長が厳しく批判しました。
　「これほど人間の尊厳を踏みにじる発言を聞いたことはない。首長の資格はもちろん、国政を語る資格もまったくない。人間としても許されない。日本維新の会という政党の存立そのものが問われる重大問題だ」
　橋下暴言には深い根があります｡同氏はこれまで｢慰安婦」問題で、日本軍の関与や強制を認め「心からのお詫（わ）びと反省」を表明した河野洋平内閣官房長官談話（１９９３年）を執ように攻撃しました。同じ攻撃をしてきたのが自民党の安倍晋三首相、高市早苗政調会長ら、歴史の事実を認めず、過去の日本の侵略戦争を肯定するグループでした。

(２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

大阪府高教が大会／橋下市長に辞任迫る／歴史の逆行許しません

　大阪府立高等学校教職員組合（全教加盟）は１８日、第８４回定期大会を大阪市城東区で開きました。
　志摩毅委員長は、「慰安婦制度は必要」との橋下大阪市長の暴言は「女性の人権、人間の理性や尊厳を乱暴に踏みにじるもので、絶対に許してはならない」と強調しました。
　さらに、この問題が極右政党としての性格をあらわにしている「維新の会」だけの問題ではなく、背景に安倍政権の時代錯誤の偏った歴史認識があるとのべ、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを高く掲げ、平和を求める日本と世界の人々と手を携え、歴史の逆行を許さないたたかいに全力をあげようと訴えました。
　運動方針は、�@安倍政権や「維新」などが狙う教育委員会制度の改悪に反対し、教育への政治介入を許さないとりくみをすすめる�A憲法違反の「思想調査」や政治活動規制条例、労使関係条例を許さないたたかいを重視する�B憲法を守り生かすたたかいを中心に位置づけ、命とくらしを守るたたかいと結合し、壮大な国民運動をすすめるとしています。
　橋下市長の公職からの辞任を求める特別決議を採択しました。
　大教組の田中康寛委員長、日本共産党の清水忠史党府副委員長らがあいさつしました。
(２０１３年０５月１９日，「赤旗」)

橋下氏は公職辞任せよ／新婦人岐阜県本部が宣伝

　新日本婦人の会岐阜県本部は１６日昼、名鉄岐阜駅前で、橋下徹大阪市長の「慰安婦制度は必要」「風俗業活用」などの暴言に対する抗議宣伝を行い、１５人が参加しました。
　「橋下氏は公職をやめるべきかどうか」を問うシール投票では「やめるべき」が２０人、｢分からない｣が２人、｢続ける｣０人でした。
　参加者はハンドマイクで、橋下氏の暴言は女性の人権を踏みにじるものだと強調。公党の代表、市長、政治家としての資格はなく、辞任を強く求めると訴えました。
　年配の女性からは｢ひどい話よね｣と声が出され、「慰安婦」の言葉自体を知らないと言う青年には、新婦人のメンバーが､慰安婦は､戦時中、日本が性暴力を組織的に強制したものだと説明しました。
(２０１３年０５月１９日，「赤旗」)

西吾妻九条の会設立記念講演会／群馬

　群馬県嬬恋村で１６日、「西吾妻九条の会」が設立され、記念講演会が開かれました。約５０人が参加し、申し合わせ事項や設立アピールを確認しました。
　講演した吉村駿一弁護士は、核兵器の不使用を求める共同声明に日本政府が賛同しなかったことや、日本維新の会・橋下徹共同代表の日本軍「慰安婦」問題での暴言などにふれ、「これほど憲法がないがしろにされている国はない。根本には、古い靖国思想と、日米安保条約優先の政治がある」と指摘。憲法制定の経過を解説し、「憲法は二度と戦争はしないという国際公約。九条の会を発展させ、本当に憲法が尊重される国をつくろう｣と呼びかけました｡
　呼びかけ人を代表してあいさつした元教師の青柳健一さんは、高知県の教師・竹本源治氏の「戦死せる教え児よ」の詩を朗読し、「日本国憲法を一字一句も変えさせることなく、子や孫たちに手渡そう」と訴えました。
　アトラクションでは、会員がギター演奏や手品を披露しました。
(２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

まど／戦後の支配層と同じ発想

　「維新」共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言に、国内外から批判の声が広がっています。同氏が米軍司令官に「風俗業の活用を」と勧めたことは、戦後いち早く、占領軍のための性奴隷施設をつくった日本の支配層の発想とまったく同じです。
　○…これは「特殊慰安施設協会」（ＲＡＡ）。終戦３日後の１９４５年８月１８日、内務省の「外国軍駐屯地における慰安施設設置に関する内務省警保局長通牒（つうちょう）」に基づき設立され、全国各地に「慰安施設」が開設されました。
　○…４５年１２月、東京に赴任したシカゴ・サン紙の特派員、マーク・ゲインは『ニッポン日記』に、銀座のＲＡＡ本部で「高級顧問」に取材したことを書いています。それによると、警視庁は８月１５日に芸妓業組合、貸座敷業組合など都内の七つの主要接客業組合の組合長を呼び集め、警視総監が次のように演説、協会設立を命令しました。「米軍がその駐屯中愉快に過ごし、われわれの友人となってくれることは大いに望ましい」
　○…橋下氏は「活用」発言について、「不適切だった」としました。しかし、沖縄の女性をいまなお苦しめている米兵の性犯罪・性暴力をとがめるのではなく、加害者側である米軍に「友人」感覚を持っていることも問題です。
　（忠）
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」)

市田氏、「慰安婦」碑訪れ懇談／住民が橋下発言批判／宮古島

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の暴言で「旧日本軍『慰安婦』問題」に注目が集まる中、日本共産党の市田忠義書記局長は１８日、「慰安婦」の悲しみを告発した沖縄県宮古島市の「女たちへ、アリランの碑」を訪れ、建立に携わった住民と懇談しました。
　のどかな田園風景と航空自衛隊野原基地が隣接する同市上野野原地区。アジア太平洋戦争当時、兵舎や弾薬庫とともに「慰安所」が併設されていた一角に２００８年、地元住民の尽力で「慰安婦」の碑が建てられました。
　碑建立の土地を提供した与那覇博敏さん(７９)は「私が小学５年の時、この碑が建っている場所で、『慰安婦』の姉さんたちが洗濯の帰り道に木陰で休息していた姿を鮮明に思い出す。韓国の女性たちだった」と証言。「『慰安所』が存在したことを知るものとして、戦争の悲惨さを後世に伝える責任を感じた。橋下氏の発言は許せない」と語りました。
　この間の調査で同市内に少なくとも１６カ所の「慰安所」が存在し、１５０人の「慰安婦」が生活していたことが分かっています。
　碑に献花した市田氏は「形にして記憶を残していくことは本当に意味のあることです」と与那覇さんらをねぎらいました。
　市田氏は、戦争中の宮古島で衛生兵としてマラリアや飢餓で多くの兵士が亡くなる現場に立ち会った高沢義人氏（千葉県松戸市の元党市議）の歌碑「補充兵われも飢えつつ餓死兵の骸（むくろ）焼きし宮古（しま）よ八月は地獄」を訪れました｡
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

おはようニュース問答／安倍首相「侵略の定義ない」って、許せないね

　晴男　歴史を逆行させる安倍晋三首相の発言には怒りが収まらないよ。
　みどり　「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちら側から見るかで違う」という国会答弁をいまだに取り消していないのね。
　晴男　「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったことを謝罪した村山談話（１９９５年）について首相は「そのまま継承するわけではない」と前置きし「侵略の定義はない」と発言した。

無反省に逆戻り
　みどり　「植民地支配と侵略」を認めたことは村山談話の核心部分でしょう。それ抜きの新たな「談話」となったら、侵略戦争に全く無反省な状態に逆戻りじゃないの。
　晴男　過去の問題だけじゃないよ。侵略の見方が国によって違ったら、国際連合での議論も成り立たない。
　みどり　侵略の定義も明確にあるわよ。国連の侵略の定義に関する決議（７４年）が全会一致で採択され、日本政府も賛成したと聞いているわ。

国際政治の原点
　晴男　この国連決議についても首相は「個別の案件で過去にさかのぼって決議を安保理として決定しているわけではない」と偽っている。
　みどり　「個別の案件」といいだしたら、日本の侵略戦争こそ、ポツダム宣言で断罪され、国連憲章で｢侵略政策｣と規定されたんじゃないの。
　晴男　首相が「式典」まで強行して祝ったサンフランシスコ平和条約では太平洋戦争を「侵略戦争であった」と認定した東京裁判の判決を受諾している。安倍首相は歴史の道理を知らないのか。
　みどり　日本による戦争が侵略戦争だったことは、「個別の案件」ではなくて、戦後の国際政治の原点よ。このままでは国際社会に参加する資格がなくなりかねない。
　晴男　首相が侵略と認めず、慰安婦問題でも「強制性」を否定しているから、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦制度は必要だ」との暴言、自民党の高市早苗政調会長の「『侵略』という文言を入れている村山談話はしっくりきていない」という暴言が続くんだ。
　みどり　侵略を反省しない自民党や日本維新の会が憲法改悪を狙っている。選挙で審判を下す必要があるわ。
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

全国革新懇総会／革新共同の３目標の実現をめざす日本共産党躍進こそ／志位委員長の発言

　１８日の全国革新懇総会で、日本共産党の志位和夫委員長（代表世話人）がおこなった発言は次の通りです。

　みなさん、こんにちは。共産党の志位和夫でございます。
　総会の議案書は、参議院選挙について、「全国革新懇は特定政党の支持をしませんが、３目標の実現をめざす政治勢力の躍進を強く期待します」とのべています。さきほども、（報告者の）三上満さんから、その部分を力強く読みあげていただきました。ここで「強く期待」されているのは、政党としては私たち日本共産党だと考えておりますので（笑い、拍手）、参議院選挙にむけて、いまの情勢をどうとらえ、どうたたかうかについて、議案書を深める立場で発言したいと思います。

アベノミクス――貧困と格差を拡大する経済政策
　この８日に、私たちは第７回中央委員会総会を開きまして、安倍政権発足から５カ月たって、この政権の特徴は「暴走と破たん」にあるという分析をいたしました。すなわち、あらゆる分野で暴走を始めたけれど、走り出すはなからボロボロとボロが出て、破たんが起こっているという分析をいたしました。
　最大の「売り物」にしているアベノミクスはどうでしょう。一昨日、１〜３月の経済指標が発表されました。しかしよく見てみますと、雇用者報酬は前年比０・３％の減少です。三大銀行グループの中小企業への貸出比率は最低まで落ち込みました。企業の設備投資は５期連続減少です。つまり、日銀が一万円札をどんどん刷って、お金をジャブジャブ供給するといったけれども、回るべきところにお金が回っていないではないですか。給料と中小企業と企業の設備投資という、回るべきところにお金が回っていない。実体経済は冷え込んだままだというのが、はっきりしました。
　そのうえ、急激な円安で、食料品、日用品、燃油などが高騰し、庶民生活をじわじわと痛めつけております。大もうけしているのは、内外の投資家と富裕層です。結局、アベノミクスというのは、貧困と格差を拡大する、そういう方向に働く経済政策だということがはっきりしてきたのではないでしょうか。「大企業の内部留保の一部を使って、賃金を引き上げて、景気回復をはかれ」という抜本的対案を大いに掲げて、頑張りぬく決意を申し上げたいと思います。（拍手）

安倍首相の改憲戦略に矛盾と動揺――ここで破たんに追い込もう
　憲法改定の問題で安倍首相は、９条改憲を目的にしながら、「憲法９６条だったらハードルが低いだろう」「形式論だから、国民の賛成を得られるだろう」という浅はかなもくろみで、ことを進めてみたわけですが、そうはいかなかった。
　９６条改定は、「立憲主義を根本から壊す」「憲法が憲法でなくなってしまう」「これは邪道だ」というような厳しい批判が、９条改憲派の人たちからもだされて、彼らはこの問題で動揺のさなかにあります。
　まずここで、９条改定への道を突破しようとでてみたけど、たいへんな反対に出合って、動揺するというところまで追い込んだわけですから、この出ばなを徹底的にたたいて破たんに追い込めば、憲法９条などとても手をつけられなくなります。ですから、ここは大いに、「９６条改悪許すな」という一点で力をあわせ、同時に、憲法９条を守り、生かすたたかいを発展させていきたいと考えています。

歴史問題――安倍発言の二つの重大問題を引き続き追及する
　そして、歴史問題です。４人の閣僚の靖国参拝、安倍首相が「村山談話」の見直しの動きに内外の批判がたかまり、にっちもさっちもいかなくなっています。
　一部メディアが、首相の「村山談話」見直し問題について、「首相は村山談話の継承へと立場を修正した」と伝えていますが、これはミスリードであります。国会論戦のなかで、二つ事実としてはっきりしていることがありますので、みなさんにご報告しておきたいと思います。
　第一に、首相は、「侵略の定義は定まっていない」という発言については、いっさい撤回していません。
　第二に、「村山談話」の一番の核心部分はどこかといえば、「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという部分にあるわけですが、この核心部分を引き継ぐかと国会論戦で何度ただしても、それを明示的に引き継ぐとはかたくなに言おうとしていないことです。官房長官などが「全体を引き継ぐ」などと、曖昧なことを会見で言ったりもしますが、首相は、「村山談話」の核心部分を明示的に引き継ぐとは絶対に言わないのです。
　ですから、この問題はまったく決着がついておりません。「侵略の定義が定まっていない」ということになったら、日本の戦争を「世界征服」の戦争――侵略戦争だとした「ポツダム宣言を認めないのか」ということになり、戦後の国際秩序の全体の否定になる。だいたい戦争の善悪の区別もつかないような政府では、国際政治に参加する資格はないということを、はっきり言わなければいけないと思います。（拍手）
　この問題は、私たちは絶対にあいまいにしてはならないと決意しています。「侵略の定義は定まっていない」という発言を撤回すること、「村山談話」の一番の核心部分である「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという部分を明示的に「引き継ぐ」ということ――この２点を、私たちは引き続き厳しく求めていくものであります。

「自共対決」の構図――党躍進が統一戦線のうえでもどうしても必要
　なぜこのように走り出すはなから破たんが起こるのか。やはり土台が腐りきっているからです。「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」――三つのゆがみをもつ古い自民党政治が土台から腐って、いよいよ立ち行かなくなったというのが現状です。古い自民党政治はもはや寿命が尽きているのです。
　ただ、いまの国会では、そういう状況にあるにもかかわらず、日本共産党以外のあらゆる主要な政党が、「自民へ、安倍へ」と、草木がなびくというように、追従する状況となっています。
　民主党は、せっかく野党になったのですから（笑い）、対決したらいいのに、消費税増税を決めた自公民「３党合意」で首根っこをおさえられているために、身動きがとれない状況です。
　維新の会は、さんざん「第三極だ」「既成政党の打破だ」といっておきながら、憲法改定のお先棒をかつぎ、自民党の補完勢力の姿をさらけだしました。そういうもとで、橋下共同代表が「慰安婦は必要」という口にだすのもおぞましいような暴言をする。それから、今日つたえられているところでは、石原共同代表が「（日本がおこなった戦争は）侵略ではない」という暴言をおこなう。内外の激しい批判が集中して、２人そろって��火だるま状態�≠ﾆなっています。
　先日、石原共同代表が自ら「賞味期限を迎えつつある」と言いました（笑い）。そのあと、橋下共同代表が自ら「今年中に消滅するかもしれない」と言いました（笑い）。自ら言ったことが現実になりつつある。この反動集団には、絶対に負けるわけにはいきません。（拍手）
　こういうもとで、安倍内閣の暴走と正面から対決して、抜本的対案を掲げて奮闘しているのは日本共産党であります。自民党対共産党――「自共対決」の構図がはっきりしてまいりました。先ほど、品川正治さんから、「まさに自共対決だ」「対決というより激突だ」という力強い励ましのメッセージが寄せられたというご紹介もありましたが、議案書に書かれている「躍進を強く期待する」という言葉に必ずこたえ、都議選・参院選で躍進を勝ち取る決意であります。革新の三つの共同目標の実現をめざす私たちがいま躍進することが、日本の統一戦線をつくりあげていくうえでも、どうしても必要です。それを心に刻んで奮闘したいと思います。
　政党支持の自由という大原則を守りながら、可能な範囲で、さまざまな協力・共同をお願いしたいということを最後に訴えまして、私の発言といたします。ありがとうございました。（大きな拍手）
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に抗議広がる／京都で女性宣伝／京都市議会の超党派女性市議／新聞労連が声明

京都で女性宣伝
　京都市下京区の日本共産党女性後援会は１８日、スーパー前で宣伝し、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の慰安婦問題での発言に抗議するとともに、日本共産党への支持を呼びかけました。
　後援会員らは、橋下氏と暴言を擁護する石原慎太郎同共同代表、否定しない安倍晋三首相の３氏の顔写真に、侵略戦争に反省のない「妄言　三兄弟」と書いたプラスターを新調。京都府内の日本共産党女性議員５０人が連名で発表した抗議声明を手渡しました。日本共産党の山中渡京都市議団長が、マイクで訴えました。

京都市議会の超党派女性市議
　日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦制度は必要」との暴言について、京都市議会の超党派の女性市議１１人が１７日、抗議の意を連名で表明しました。
　表明に加わったのは、日本共産党８人、民主・都みらい１人、京都党１人、無所属１人です。
　表明は、「一連の発言は、女性だけではなく、すべての国民の人格や人権、尊厳を深く傷つけるもの」と批判し、これらの発言が市民の人権を守り抜くべき公人によるものであるということに「大きな衝撃を受けています」とし、「橋下徹大阪市長に対する抗議の意を表明します」と強調しています。

新聞労連が声明
　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要」などと発言したことに対して、日本新聞労働組合連合（新聞労連）は１７日、発言を撤回するよう求める日比野敏陽委員長名の緊急声明をだしました。
　「発言は女性を『活用』する道具としてしか見ていないことが明らかであり、到底許されない」とのべ、「橋下氏の言動は極めて無神経であり、その人権感覚、国際感覚を疑わざるをえない」と批判しています。
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

主張／橋下氏「慰安婦」発言／「必要だった」は撤回していない

　「日本維新の会」の共同代表で大阪市長でもある橋下徹氏の、日本軍「慰安婦」は「必要だった」という発言への批判が広がり続けています。橋下氏や「維新の会」は言い訳に懸命ですが、橋下氏は「必要だった」との主張を撤回していません。それどころか、自分が批判されるのは「日本人の読解力不足」が原因だと開き直り、日本だけが批判されるのは強制的に連行したと思われているからだと、「強制連行の誤解を解く」と言い出しています。「慰安婦は必要だった」という考えを変えない以上、「誤解を解く」などといってもそれは不可能です。

国際的には「性奴隷」
　日本軍「慰安婦」問題は、国連などの報告では「戦時性奴隷」と呼ぶのが常識になりつつあるもので、女性の人権を徹底的に破壊し、人間の尊厳そのものを冒とくする国際的な戦争犯罪です。その「慰安婦」が「必要だった」という橋下氏の発言は、公人の発言とは思えない異常なもので、橋下氏に市長や政党代表としての資格はもちろん、人間としての姿勢が問われているのは当然です。
　現に国内外の女性団体だけでなく、ほとんどのマスメディアや侵略戦争問題では見解を異にすると見られる与野党の政治家でさえ橋下氏の発言を批判しています。アメリカ国務省の報道官は「常軌を逸しており侮辱的」と異例の調子で非難しました。「維新の会」では橋下氏の発言に関連して、西村真悟衆院議員が韓国人女性を侮辱する発言をして除名や議員辞職を求められる事態になっているのに、橋下代表の責任が問題になっていないのも異常です。
　橋下氏と「維新の会」は、「慰安婦は必要だった」という発言を取り消すのではなく、戦争中に軍隊が「慰安婦」を利用するのは世界中でやったことで、日本だけが批判されるのは強制連行したという「誤解」があるためだと主張しています。まったく通用しない態度です。第２次世界大戦で軍が組織的にこうした制度を作ったのは日本とドイツだけです。現地の軍が「慰安所」のような施設を作った例がないわけではありませんが、それらは短期間に政府や軍が中止させており、軍の中枢が計画し推進した「慰安婦」は他に例を見ないというのが研究者の結論です。
　日本の場合とくに軍が方針を立てて「慰安所」を設置し、植民地や占領地から女性を集めて「慰安婦」制度を推進したことが明らかになっています。軍や官憲が関わり、女性を連行し、「慰安所」に閉じ込めて日本兵による強姦や売春を行わせればそれこそ強制そのものです。強制を「誤解」だというのは「慰安婦」は「必要だった」といいはるためのごまかしです。

安倍首相の立場問われる
　もともと日本軍「慰安婦」問題で政府や軍部の「関与」を認めた１９９３年の「河野洋平官房長官談話」に対し、「強制連行の証拠はない」などと言い出したのは自民党内のタカ派で鳴らした安倍晋三現首相らです。安倍氏は第１次政権時代に「強制」をあいまいにする政府答弁書まで決め、橋下氏の「誤解」発言はこれが根拠になっています。
　安倍首相は橋下氏の発言に対しては「立場が異なる」というだけです。侵略戦争を美化する発言を重ねてきたことからも首相の立場がきびしく問われるのは当然です。
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／抗議はがき次々／「市長辞めよ」／大阪・共産党宣伝

　「日本の恥・大阪の恥や」「橋下さん、辞めて」。若者や観光客が次々足を止め、「慰安婦は必要」暴言の撤回と謝罪を求めた橋下徹大阪市長への抗議はがきにペンを走らせます。日本共産党大阪府委員会と女性後援会は１８日夕、大阪ミナミの繁華街でリレートークをくり広げました。
　府内の女性地方議員が「日本共産党」の赤いたすきをかけ、６０人が横断幕、のぼりを掲げて、「橋下市長を一日も早く辞めさせましょう」と声をそろえました。山中智子大阪市議は「橋下市長の発言は、女性に対する冒とくです。ところが市長は、マスコミの誤報だ、国民に読解力がないんだ、アメリカも間違っていると暴言を撤回しません。日本でも世界でも通用しない歴史観・女性観を振りまいているのは許せません」と力を込めました。
　「橋下市長は、女性を物だと思っているのですか」と憤るのは和泉市の女性（１９）。アメリカ人のケムスジン・ブライアンさん（３０）は「私たちからみても汚い発言。本当に恥ずかしい話ですね」。東大阪市の女性（２９）は「アカン。市長の資格ありません」と語りました。
　用意した「郵便ポスト」にはがきと切手代を投函する人も。１時間で１０００枚のビラが受け取られました。
( ２０１３年０５月１９日，「赤旗」)

18日（Page/Top）

９６条改憲やめさせよう／参院選へ定点宣伝開始／岡山

　参院選勝利へ、日本共産党岡山県委員会は１６日夕、岡山駅前で定時、定点宣伝を開始しました。同県委員会では、参院選公示までに１万カ所での宣伝をめざしています。
　松田準一県副委員長は、賃上げや消費税増税の中止などでデフレ脱却の道を示す党の政策を語り、島田清県書記長は「憲法９条改悪の糸口となる９６条改憲をやめさせましょう」と呼びかけました。
　石井ひとみ県委員長は日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要」発言に抗議し、「参院選で、命がけで戦争に反対した党の比例５議席を」と訴えました。
　「憲法９６条を変えるって、どういうこと？」と質問してきた女性（６９）は、説明を聞いて「そうか９条を変えるために９６条を変えようとしているんじゃな。それはいけん、反対じゃ｣と語りました｡
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

橋下暴言／日本全体の女性・国民を冒とく／抗議つづく／長崎／福岡／広島

長崎の女性県議／撤回求める声明／維新議員は不賛同
　長崎県議会の堀江ひとみ県議（日本共産党）と山田朋子県議（改革２１）は１７日、橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の「慰安婦」制度肯定発言に抗議し、撤回を求める声明を発表しました。
　声明は「橋下発言は人間と女性の尊厳に対する重大な冒とく。女性を『戦争の道具』とみなすもので許されない」として強く抗議したものです。
　両議員は「風俗の活用を」との発言も「米軍基地の性暴力に苦しめられ続けている沖縄の歴史や実態を無視した非道な発言で、日本全体の女性・国民を冒とくするもの」として、発言の撤回を求めました。
　県議会のもう一人の女性議員の浅田眞澄美県議（日本維新の会）は「歴史認識の違いもあると思いますので遠慮します」と声明には賛同しませんでした。

新婦人など街頭で訴え／福岡
　新日本婦人の会福岡県本部は１７日、橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）の「慰安婦」問題での暴言に抗議する街頭宣伝・署名行動を福岡市内で行いました。
　同県本部の呼びかけに応えて福岡女性団体交流会や県労連、民医連など１１団体４０人が参加。「女性蔑視　人権じゅうりん　公人失格　市長辞職を」などと書いた横断幕や「日本軍慰安所マップ」のプラカードなどを掲げて宣伝しました。
　参加団体の代表がマイクを握り「女性だけでなく全ての人間の尊厳を傷つける橋下氏に、強い憤りを感じる。市長としても維新の会の代表としても全く資格なし。即刻発言の撤回と謝罪、そして市長と政党の代表の辞職を求めましょう」と訴えました。

広島の女性らリレートーク
　橋下徹・日本維新の会共同代表(大阪市長)が日本軍「慰安婦」問題で暴言を繰り返していることに抗議して、新日本婦人の会広島県本部、広島県労連女性センター、広島県母親連絡会は１７日、広島市中区で宣伝しました。
　２４人が参加して「発言の撤回と公職の辞任を求めます」と書いたビラ３００枚を配布。「女性の人権じゅうりんの暴言に抗議！」と書いた横断幕を掲げ、ハンドマイクで「女性をもっぱら性の対象としてしか見ない政治家が市民、国民の人権を守れるはずはありません」とリレートークをしました。

広島の各団体、抗議文を送付
　橋下徹・日本維新の会共同代表（大阪市長）が日本軍「慰安婦」問題で暴言を繰り返していることに対し、広島県平和委員会、憲法と平和を守る広島共同センター、広島県労連女性センター、新日本婦人の会広島県本部、日本共産党広島市議団は１５〜１６日、橋下氏に発言の撤回と市長の辞職を求める抗議文を、それぞれ送りました。各団体の支部や単組も、相次いで抗議文を送っています。
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／女性の人格否定／代表辞任を要求／京都府保険医協会理事会

　京都府保険医協会理事会は１６日、「慰安婦は必要」（１３日）と述べた日本維新の会の橋下徹共同代表の辞任を要求する抗議文を橋下氏に送付しました。
　抗議文は、発言が女性の人格を否定、男性の尊厳をも踏みにじると批判。女性や子どもへの性犯罪の防止、被害の根絶は、重要な今日的課題だとし、政治や法曹に携わる者は、それら暴力の根絶に力を尽くすべきと述べた上で、政治家としての資格はないとしています。
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

震災メモリアル宣伝／被災者見捨てぬ政治に／金田選挙区候補、橋下暴言に抗議／兵庫

　阪神・淡路大震災メモリアルデーの１７日朝、日本共産党兵庫県委員会と金田峰生参院選挙区候補は、神戸市の元町商店街東口で日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」との暴言に抗議するとともに、４月に発生した淡路地震被災者の生活再建支援を訴えました。
　金田候補は、暴言を吐き続ける橋下代表と日本維新の会を糾弾。侵略戦争を認めず反省もない安倍首相の態度を厳しく批判し、「戦前から平和、民主主義、自由、人権をしっかり掲げ、命がけでたたかった党として暴言を断じて許さず、日本の信頼を取り戻すため力をつくします」と決意を表明しました。
　金田候補は、淡路地震の現地調査と住宅被害が９０００棟を超えている現状を報告。屋根が落ちても一部損壊とするなど、実態からかけ離れた被害判定の是正と生活再建支援の充実を県に要求したことを紹介し、「震災を教訓にして、命さえ助かれば生活再建ができる。被災者をけっして見捨てない、安心できる政治に切り替えます」とのべ、支援を訴えました。
　後援会員、勤務員らが通勤客にビラを手渡し、党への支持を訴えました。
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

あす山下書記局長代行招き経済懇談会／坪田候補が参加呼びかけ／滋賀

　日本共産党の坪田いくお参院滋賀選挙区候補は１７日、大津市内で宣伝し、山下よしき書記局長代行・参院議員が「デフレ不況打開の提案」を説明し意見交換する経済懇談会（１９日午後２時、大津市・コラボしが２１）や、穀田恵二国会対策委員長・衆院議員が話す演説会（２５日午後３時、大津市・びわ湖ホール）への参加を呼びかけました。
　坪田氏は、「日本維新の会」の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」との暴言について「人間や女性の尊厳を踏みにじる、首長の資格、政治を語る資格のない発言だ」と批判し。党支部や後援会の人たちが、「橋下維新代表暴言／怒り噴出」と報じた「しんぶん赤旗」日曜版（１９日号）の記事をコピーしたチラシを配布しました。
　受け取った女性（５２）＝大津市＝は「沖縄の米軍は風俗業を活用してほしいと発言したことも許せない。今回の問題で橋下さんが嫌いになった」と語りました。
　坪田氏は「安倍首相の暴走を食い止めて、暮らしと平和を守るためにも参院選挙で日本共産党を大きく躍進させてください」と、比例５議席絶対確保へ支援を訴えました。
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

比例５議席必ず／いっせい宣伝・対話／��橋下暴言許されぬ�¢iえに激励／たつみ候補／大阪

　「慰安婦」「風俗」問題での暴言を謝罪も撤回もしない「日本維新の会」の橋下徹大阪市長への怒りを広げ、参院選の勝利で憲法を生かす政治を実現しようと、日本共産党大阪府委員会は１７日、いっせい宣伝・対話に立ちあがりました。

　この日、たつみコータロー参院大阪選挙区候補は、東淀川区の党と後援会とともに行動し、町会長ら地域の有力者と対話を重ねました。岩崎賢太市議が同行しました。
　マンション住まいをしている瑞光北町の三谷宏町会長（８０）は、せきを切ったように話しました。地域住民に親しまれていた「健康まつり」への予算の支出を市と区に要望していたが却下されたといいます。集中豪雨で雨漏りがしたという老人憩いの家の運営費がどうなるかと市民サービスを大幅削減する橋下市政への怒りをぶつけました。
　たつみ氏は、市民サービスを切り捨てる橋下市長を批判し、同氏の「慰安婦は必要」などの暴言が女性の尊厳に対する冒（ぼう）とくであり、男性の人権も侵害すると告発。市長の職と両立しないと語りました。
　「ぜひ頑張ってほしい」と激励する三谷町会長に、たつみ氏は、比例５議席の絶対確保と選挙区での議席奪回へ「絶対に勝ちたい。頑張ります」と固く握手を交わしました。
　午後からは、宣伝カーで区内を駆け巡りました。市営住宅前では３０人余が演説に聞き入り、理容店から「待ってました」と女性が声援を飛ばしました。
　演説を聞いていた女性（６８）は「安倍政権や橋下市長たちが憲法を改悪しようと狙っていますが、権力を縛る憲法を守るには、参院選で共産党を伸ばすしかありません」と話していました。
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

参院選勝利へ党の風吹かそう／全県いっせい宣伝／静岡

　日本共産党静岡県委員会は１７日、７月の参院選、県知事選（３０日告示、６月１６日投票）、県議補選（６月７日告示、６月１６日投票）勝利に向け党の風を吹かせようと、もり大介参院静岡選挙区候補、島津幸広県知事候補、ひらが高成県議候補（浜松市中区）を先頭に、全県いっせい宣伝を開始しました。
　１９日までの３日間、県内で１８５０回以上を行う予定です。２５日午後２時から浜松市浜北区・浜北文化センター、２６日午後２時から静岡市清水区・清水マリナートの両演説会成功へ向け参加を呼びかけています。
　もり候補は、静岡市内で山本明久市議らと宣伝。維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」発言について人間の尊厳を踏みにじる暴言だと批判。この問題について安倍首相は批判も否定もせず植民地支配と侵略を行ったことを認めていない立場と説明し、「共産党は侵略戦争と植民地支配に反対した唯一の党です。歴史の逆流と正面からたたかい一掃させる」と強調しました。
　宣伝隊に声をかけてきた６０代の女性は「共産党のいうことはまったくそのとおり。正しいことを言う政党は他にはない。初めて共産党に投票しようと思う｣と話していました｡
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

政治は人間大事に／参院選南関東一斉宣伝／神奈川・はたの氏／山梨・えんどう氏

神奈川・はたの氏
　日本共産党の南関東ブロック（千葉、神奈川、山梨の３県）は１７日、参院選勝利をめざして、いっせい宣伝に取り組みました。
　神奈川県では早朝から、はたの君枝参院神奈川選挙区候補が横浜、川崎の両市で駅頭に立ちました。
　はたの氏は、橋下徹日本維新の会共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要だった」などと暴言した問題を厳しく批判。民主主義と平和を貫き、人間を大事にする政治をつくろうと訴えました。
　雇用問題では、共産党が国会で、大手衣料品販売店「ユニクロ」が新卒社員を長時間・過密労働などで追いつめて大量退職に追い込む「使い捨て」を繰り返す実態を告発し、根絶を求めたと紹介。解雇や労働規制の緩和をすすめようとしている安倍晋三内閣を批判し「７月の参院選は、政治を変えるチャンスです。安倍内閣の動きに待ったをかける共産党を伸ばしていただき、ともに国会を変えていこう」と呼びかけました。
　ＪＲ東神奈川駅前では、柴田豊勝横浜市長候補とともに宣伝。柴田氏は、子どもの成長を助ける中学校給食を実現したいと述べ「３７０万人が暮らす横浜での実現は、全国を大きく励まします。市政を変える力になりたい」と訴えました。

山梨・えんどう氏「暴走止めよう」
　山梨県では、えんどう昭子参院選挙区候補を先頭に、党議員や党支部が、駅頭や住宅地など６カ所で宣伝や署名活動に取り組みました。
　えんどう氏は、内藤司朗甲府市議とともに朝７時半から県道沿いに立ち「おはよう宣伝」。「憲法９６条の改定を突破口にして、アメリカと一緒に戦争をする国へと進む安倍首相の暴走を、国民の大きな力でストップさせましょう｣と訴えました｡
　小越智子県議は、地元党支部と甲府市東部の住宅地で宣伝し、橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦は必要」との暴言を厳しく批判。参院選での支援を訴え、小池晃副委員長（参院比例候補）を迎えて同市内で開く党演説会（２１日）への参加を呼びかけました。
　大月市では、党市委員会が、ＪＲ大月駅前で消費税増税反対の署名を訴えました。
(２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

九条の会・おおさか講演会／育てたいのは想像力／赤川次郎氏

　「九条の会・おおさか」は１７日、作家の赤川次郎氏を招いた講演会「赤川氏が語る　エンタテインメントの中の戦争」を大阪市中央公会堂で開き、会場いっぱいの１２００人を超える市民が講演に聞き入りました。
　同会呼びかけ人の松浦悟郎氏は、憲法は今、会が発足した２００５年と同じような危機にあるが、９６条改憲が先行し、かえって「憲法は誰が守るものなのか」が広がり始めていると指摘しました。
　赤川氏は、最近の流行小説の殺伐とした風潮にふれながら、「どんなに戦闘シーンを詳しく描写しても、本当の戦争の怖さを描いたことにはならない」と指摘。「想像力」の大切さを説き、「想像力が欠如すると人に頼ってしまう。これが一番危険。想像力を育てることが小説家の役割であり、そういう作品を書いていきたい」と話しました。
　宮本憲一・大阪市立大学名誉教授が閉会のあいさつで、「最近の橋下市長の言動は日本人の恥、大阪の恥だ」と辞職を求める運動を呼び掛けると、大きな拍手が起こりました。
　参加した大阪市の宮川光代さん（５０）は、橋下市長の「慰安婦」問題での暴言にあきれ、「赤川さんの話を聞いて、やっぱり『想像力』を働かせるということが大切だと思った」と語りました。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

「維新」西村議員も暴言／「韓国人は慰安婦」と侮辱／撤回し離党届提出

　日本維新の会の西村真悟衆院議員は１７日、同党代議士会で、橋下徹共同代表による日本軍「慰安婦」発言に関して、「売春婦はまだウヨウヨいる。大阪の繁華街で韓国人に『慰安婦』と言ったらいい」などと民族・女性蔑視の暴言を吐きました。西村氏は、その場で「撤回します」と述べ、その後、離党届と会派離脱届を提出しました。
　維新は前日、「国籍を問わず女性の基本的人権を尊重するのが我が党の基本的方針」だとの見解を発表しましたが、まったくのデタラメであることを示す暴言です。
　西村氏は、「外電（外国メディア）では橋下氏の報道が捏造（ねつぞう）され始めている。慰安婦がセックススレイブ（性奴隷）と転換されている。これが広がれば反日暴動、謀略が成功しかねない。反撃に転じたほうがよい」などと述べ、橋下氏とまったく同じ立場で「慰安婦」の歴史的事実を認めない姿勢を示しました。
　代議士会後に記者会見した西村氏は、「韓国と国名を挙げたのは不穏当だった」と述べ無反省。松野頼久国会議員団幹事長も「『慰安婦』問題がセックススレイブのようなイメージで扱われていることに対して、それを何とか誤解を解きたいという思いの一端ではないか」と擁護しました。
　西村氏は会見でも改めて撤回したものの、またたくまに批判が広がり、離党届提出に追い込まれた形です。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

『いま、日本共産党』韓国語版序文／志位和夫

　日本共産党の志位和夫委員長が、著書『日本共産党とはどんな党か』の韓国語版『いま、日本共産党』に新たに書き下ろした序文を紹介します。

　韓国の読者のみなさんへ

　本書は、日本共産党はどんな党か、どんな日本をめざしているのかについて、さまざまな機会に私が語ったものを収録したものです。このたび、韓国語版が出版の運びになったことを、たいへんうれしく思います。出版のために尽力してくださった、すべての方々に心からの感謝を申し上げます。

（１）
　「日本共産党」といっても、韓国の方々には、いったいどんな党か、なじみのない方が多いと思います。そこで、まず、簡単に、私たちの自己紹介をさせていただきます。
　歴史……日本共産党が創立されたのは１９２２年７月で、今年で９１年となります。日本の政党の中でもっとも長い歴史をもつ政党ですが、私たちが誇りとしているのは、戦前（１９４５年の日本の敗戦前）、戦後と、同じ名前で活動している政党は、日本では日本共産党しかないということです。
　戦前、天皇絶対の専制政治のもとで過酷な迫害を受けながら、侵略戦争と植民地支配に反対し、国民主権の日本の旗を掲げ、不屈にたたかった政党は日本共産党だけでした。戦前の時代に、侵略戦争を推進した諸党は、日本の敗戦後、世間に顔向けができず、名前を変えて再出発せざるを得ませんでしたが、私たちにはそうした必要はありませんでした。私たちが、日本共産党という名前を９１年にわたって掲げ続けていることは、反戦平和と国民主権の不屈のたたかいと結びついたものです。
　綱領……私たちは、共産党ですから、人類は、資本主義という利潤第一主義の体制をのりこえて、未来社会（社会主義・共産主義社会）に発展するという展望をもっています。同時に、この変革は一足とびにできるものではありません。社会は、国民多数の合意にもとづいて、一歩一歩、階段をのぼるように段階的に発展するというのが、私たちの立場です。日本共産党の綱領では、こうした立場から、日本の当面する変革の課題を、つぎのように明記しています。
　「現在、日本社会が必要としている変革は、社会主義革命ではなく、異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配の打破――日本の真の独立の確保と政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命である。それらは、資本主義の枠内で可能な民主的改革である」
　草の根……日本共産党の国会での現在の議席は、衆議院議員が８名（定数４８０）、参議院議員が６名（定数２５０）であり、直近の国政選挙での得票数は３６９万票、得票率は６・１３％となっています。国会での力を大きく伸ばすことは、私たちの最大の課題の一つです。同時に、私たちは、国民に根を張った草の根の党という点では、他党の追随を許さないものがあります。日本共産党は、全国に３１万８千人の党員、職場、地域、学園あわせて２万を超える党支部、２７００人を超える地方議員をもち、全国津々浦々で国民の利益をまもって日夜活動しています。わが党は、約１３０万人の「しんぶん赤旗」（日本共産党の中央機関紙・日刊紙と日曜版があります）読者をもっています。企業・団体献金も、国からの政党助成金も受け取らず、すべて財政は国民に依拠してまかなっています。草の根で国民に根を張って活動しているという点では、日本の政党のなかで、最も進んだ党――政党らしい政党が日本共産党です。
　自主独立……「共産党」というと、崩壊した旧ソ連の共産党などを連想する方もいるかもしれません。しかし、日本共産党は、日本の党と運動の進路は、自らの頭で決め、どんな大国であっても外国の指図は受けないという自主独立の立場をつらぬいてきました。１９６０年代に、当時のソ連共産党や中国・毛沢東派から、「自分たちのいいなりになれ」という激しい干渉攻撃がくわえられたときにも、私たちは、自主独立の立場からそれをきっぱりと拒否し、打ち破りました。ソ連がおこなったチェコスロバキア侵略（１９６８年）、アフガニスタン侵略（１９７９年）に対して、日本共産党は「社会主義と縁もゆかりもない暴挙」ときびしく批判し、ソ連と激しい論争をおこないました。１９９１年にソ連共産党が崩壊したさいには、「世界に覇権主義の害悪をもたらした党が崩壊したことを歓迎する」という声明を発表しました。
　日本共産党は、崩壊したソ連の党などとは根本的に違う党です。私たちは、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてを受けつぎ、将来にわたって豊かに発展させるという立場を確固として貫きます。崩壊したソ連で横行したような、「社会主義」の名で人民を抑圧し、他国への侵略をおこなうなどの暴圧は、決して再現させません。議会で国民の多数の支持を得ることによって平和的・民主的に社会発展の道を切り開く――多数者革命をすすめるということが、私たちの立場です。
（Page/Top）
（２）
　本書が日本で出版されたのは、２００７年１月であり、小泉内閣から、第１次安倍内閣までの時期を対象にしています。
　本書では、自民党政治には世界の他の資本主義国にはない、��三つの異常な特質�≠ｪあることをさまざまな角度から明らかにし、どうやってこの異常から抜け出すかについて、日本共産党の立場をのべています。��三つの異常な特質�≠ﾆは――、
　――過去の侵略戦争を正当化する異常。
　――アメリカいいなり政治の異常。
　――極端な大企業中心主義の異常。
　本書の出版後、日本の政治は、２００９年の衆議院選挙で民主党政権への「政権交代」がおこりました。しかし、民主党政権は、「政治を変えてほしい」という国民の願いをことごとく裏切って、自民党とうり二つの政権となり、２０１２年の衆議院選挙では自民党が政権に復帰し、第２次安倍内閣が発足するという展開となりました。しかし、本書で分析した、日本の政治の異常な特質、その打開の展望については、今日の日本政治にもほとんどそのままあてはまります。
　異なる点といえば、本書を執筆した時点とくらべても、自民党政治の行き詰まりが、外交、内政ともに、いよいよ深刻になり、それが崩壊的な危機に陥っていることにあります。極端な大企業中心主義を続けてきた結果、日本では、働く人の所得が減り続け、国内総生産（ＧＤＰ）は１９９７年以降の１４年間に９０％まで落ち込むなど、日本は「経済成長が止まり、衰退を続けている国」に落ち込んでしまっています。異常なアメリカいいなり政治を続けてきた結果、在日米軍基地の矛盾がいよいよ深刻となり、とりわけ基地が集中している沖縄では、保守から革新までの超党派の島ぐるみの意思として、米軍の新基地建設計画に反対するなど、矛盾が沸騰しています。
　いま世界でもアジアでも、日本の情勢を全体として「右傾化の危機」と見る論調が多く見られます。これは一面では、間違いのない事実です。戦争放棄と軍備保持禁止を定めた日本国憲法９条の改定をはじめ、日本のいっそうの右傾化、軍事大国化の危険が存在することは重大であり、私たちは、この危険に強い警鐘を鳴らしています。憲法９条改定問題は、たんに日本の国内問題ではありません。この条項は、アジア太平洋への侵略戦争の反省を踏まえ、日本は二度と再び侵略国とならず、世界平和の先駆けとなるという、��国際公約�≠ﾉほかなりません。この宝を守ることは、日本国民の世界とアジアに対する重大な責任でもあります。憲法改悪の動きを阻止し、憲法９条を守り生かす国民多数派をつくるために全力をあげる決意です。
　同時に、今日の日本の情勢を「右傾化」の一色で見ることは適切ではありません。あらゆる分野で、古い自民党型政治――異常な「アメリカいいなり」「財界中心」が行き詰まり、耐用年数が尽きるもとで、これまでにない広範な国民が声をあげ、たたかいに立ち上がっています。史上最悪規模の福島原発事故を体験して、「原発なくせ」の運動が、日本列島のすみずみで広がっています。ＴＰＰ（環太平洋連携協定）によって日本農業、日本経済の自主性が根こそぎ奪われる危機のもとで、これまで保守といわれていた人々と私たちとの広大な共同が広がっています。国会の中では、憲法改定派が多数ですが、日本国民の中では様相は異なっています。どの世論調査を見ても、日本国民の過半数は憲法９条改定に反対の意思を表明しています。
　古い自民党型政治が、あらゆる分野で行き詰まるもとで、日本の前途には重大な危険とともに、大いなる希望もあります。危機と希望が交錯する歴史的岐路にたちいたっているのが、いまの日本の現状なのです。日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるために、日本共産党の果たすべき役割は大きいと、私たちは考えています。
（Page/Top）
（３）
　本書が特徴づけた��三つの異常な特質�≠ﾌうち、日韓関係に直接かかわってくる問題が､｢過去の侵略戦争を正当化する異常」です。
　日本の政界では、繰り返し、「過去の日本の戦争は正しい戦争だった」「植民地支配といっても、良い面もあった」などという、侵略戦争・植民地支配肯定論が問題になります。これは第２次世界大戦で同じ侵略国であった、ドイツなどではまったく考えられないことです。なぜこんなことが繰り返されるのか。それは、韓国のみなさんから見て、理解しがたい問題だと思います。
　その根は、日本の敗戦後の再出発の過程にあります。日本の敗戦の直後には、侵略戦争をすすめた勢力が、戦争犯罪人として訴追され、あるいは公職追放とされました。ところが、侵略戦争を推進した指導勢力のうち、戦犯として裁かれたのはごく一握りの人々で、多くはまもなく「復権」し、日本の政治の中枢を握ることになりました。そして、そうした勢力は、戦後、長らく政権を握り続けている自由民主党（あるいはその流れの分岐である民主党や日本維新の会など）のなかに、脈々と受け継がれることとなりました。
　靖国神社の参拝問題、歴史をゆがめる教科書問題、過去の戦争や植民地支配を賛美する数々の暴言――これらが今日も続いている歴史的背景には、右にのべたような事情があることを指摘しなければなりません。
　同時に、韓国の読者のみなさんに知っていただきたいことがあります。それはこうした歴史をゆがめる逆流に対して、日本国民のなかにも強い理性的批判の声が存在するということです。そして、日本共産党が、戦前の暗黒の時代に、命がけで侵略戦争と植民地支配に反対してたたかった党として、日本国民のなかに存在する理性の声とスクラムを組んで、歴史の逆流を許さないたたかいの先頭にたっているということです。

（４）
　私は、２００６年９月に、日本共産党党首として初めての訪韓をおこない、韓国政界のリーダーの方々や、歴史学者、学生のみなさんと懇談する機会をもつことができました。その全体を通じて痛感させられたのは、３５年間の日本帝国主義による植民地支配の傷痕、それへの怒りが、いまなお韓国国民のなかに強く残っていることでした。植民地支配によって、自らの国がなくなってしまったことへの痛みの深さは、独特のものがあると、強く感じました。
　そして、その痛苦の歴史的時期に、日本共産党が、韓国・朝鮮の愛国者に連帯し、植民地支配に反対してたたかった歴史をもつ党であることを話しますと、私たちと韓国のみなさんとの気持ちがいっぺんに通いあうという体験を何度も経験しました。
　歴史は決してつくりかえることはできません。しかし、誠実に向き合うことはできます。歴史に誠実に向き合い、誤りを真摯（しんし）に認め、清算をおこなう。そうしてこそ初めて、将来の世代にわたって、日本と韓国の両国間、両国民間の心通う友情を築くことができるというのが、私たちの確信です。
（Page/Top）
（５）
　そのためには、歴史をゆがめる逆流を許さないことはもちろんですが、過去の歴史への根本的な清算は避けて通ることができないと、私たちは考えます。
　日本軍「慰安婦」問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題です。その解決のためには、日本政府としてこの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です。韓国政府は、元日本軍「慰安婦」被害者の賠償請求権に関して、１９６５年の日韓請求権協定にもとづく両国政府間の協議を繰り返し日本政府に求めています。しかし、日本政府は、「請求権の問題は解決済み」として、協議に応じる姿勢を示していません。
　しかし、同協定の第３条１項は、協定の解釈及び実施に関する両国間の紛争がある場合には、「まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」としています。日本軍「慰安婦」問題が、被害者の告発によって明らかとなり、政治問題化したのは１９９０年以降のことであり、「解決済み」との日本側の主張は成り立ちません。日本政府は、日韓請求権協定第３条の規定にしたがい、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきだというのが、私たちの主張です。
　私は、さらに、日本の政界の中に存在する植民地支配への無反省の根源として、１９６５年に締結された日韓基本条約の問題点をあげなければなりません。この条約にいたる交渉過程でも、条約の中でも、日本は、１９１０年の「韓国併合」について、それが不法なものと認めていません。しかし、「韓国併合」に至る歴史の全過程は、日本が、武力による威嚇と武力の行使によって、植民地支配に反対する韓国人民のたたかいを血の海に沈め、「併合」を強行したことを示しています。２年後、２０１５年は、日韓基本条約締結５０年を迎えますが、この機会に、日本は「韓国併合」について「不法・不当」なものだったことを、きっぱりと認めるべきだというのが、私たちの立場です。
　日韓両国の間には、解決が求められる紛争問題も存在します。日本が過去の植民地支配に対して誠実な態度をとり、その根本的清算をはかることは、両国間に存在する懸案課題を解決するうえでも、冷静な話し合いの土台をつくることになるでしょう。私は、そのために力をつくす決意を申し上げるものです。

（６）
　最後に、私は、日本の植民地支配について、今日的視点から、さらに三つの点をのべなければなりません。
　第一は、なぜ朝鮮半島が南北に分断されたのか、という問題です。そこには、さまざまな歴史的な要因があります。南北の分断を固定化したのは、１９５０年から５３年までの朝鮮戦争でした。しかし、南北分断の出発点となったのは、日本の敗戦にともなう、米ソによる北緯３８度線を境にした分割占領でした。韓国・朝鮮の人々は、日本の敗戦を「光復」として喜びました。しかし、朝鮮半島は、敗戦国の植民地として終戦を迎えることになりました。このことが南北分断へとつながったことは、まぎれもない事実です。その意味では、現在なお朝鮮半島が南北に分断されている歴史的な淵源（えんげん）をたどりますと、それは日本の植民地支配と無縁とはいえないと思います。南北の統一は、もとより韓国・朝鮮人民自身の手によって自主的に解決されるべき問題です。同時に、南北が分断された歴史的経過にてらしても、平和的統一が実現するような国際的環境をつくるうえで、日本はその重要な責任の一端を担っていると、私は考えるものです。
　第二は、なぜ韓国で軍事独裁政権が１９８７年まで続いたのか、という問題です。これにもさまざまな歴史的な要因がありますから、一言で言うわけにはいきません。ただ私は、姜萬吉（カン・マンギル）高麗大学名誉教授がその著書『韓国現代史』のなかでのべているつぎの指摘は、重く受け止めなければならないと考えています。
　「植民地であった三五年間は、我が国がまさに専制主義体制を清算し民主主義的政治体制を形成していかなければならない時期であったが、植民支配によって民主主義的な政治訓練を積むことがまったくできなかったのである。……日本の韓半島に対する植民支配が残した最大の政治的被害は、近代社会に入った韓半島の住民から民主主義的な政治体験を積む機会を完全に剥奪（はくだつ）することで、解放後の韓半島に国民主権主義の政治形態を定着させるうえで大きな打撃を与え、韓半島が南北に分断される素地を作った点にあると言えるだろう」
　その通りだと思います。そういう視野にたって、韓国の戦後の歴史をとらえなければならないと、私は考えるものです。
　第三は、２１世紀の国際政治の到達点から植民地支配の問題をとらえるということです。日本の一部に存在する植民地支配合理化論のなかに、「韓国併合は不法・不当というが、当時の列強はそれぞれが植民地をもっていたではないか」という議論があります。
　しかし２１世紀に入って、過去にさかのぼって植民地支配への責任を問う動きが国際政治のなかに生まれていることは、重要なことです。２００１年８〜９月に南アフリカのダーバンでおこなわれた国連を中心とした「ダーバン会議」では、そこで採択された「宣言」のなかで、植民地主義について、それが起きたところは「どこであれ、いつであれ」――地球上のどこであれ、また過去にさかのぼって、「非難」されるべきものだということが、確認されています。「他の国も植民地をもっていたのだから、日本も許される」という合理化論は、２１世紀の世界にあっては許されないものだと、考えるものです。
　よく「未来志向の日韓関係」という言葉が使われます。先々までの未来にわたる日韓両国、両国民の友情は、過去に誠実に向き合うことによって、初めて可能になる。そのことを深くかみしめて、努力をかさねたいと決意しています。

　２０１３年３月６日　　
　東京にて　志位　和夫
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言、各団体の抗議続く

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度は必要だった」などと発言したことに対して、１６、１７の両日も、各団体から発言の撤回や市長辞任などを求める抗議が続いています。
　日朝協会は石橋正夫会長名の声明で、橋下氏の暴言は、旧日本軍の慰安所設置への関与を明らかにした１９９３年の河野洋平官房長官談話の見直しを安倍晋三首相が示唆したことと軌を一にしていると指摘。「彼らの一連の言動に共通しているのは、侵略責任をあいまいにし、憲法９条の『改正』を標榜（ひょうぼう）する、その『歴史認識』である」と批判しています。
　治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟中央本部は抗議文で、橋下氏は人間の尊厳と自由、人権、平和と民主主義についてひとかけらの理解も認識も持ち合わせていない、と指摘。「慰安婦」問題が特別に深刻な問題であるのは、日本が起こした侵略戦争が原因であることを橋下氏はまったく考慮していないとのべています。中央本部女性部と大阪府本部女性部も、「全女性に対する侮辱発言」だとする抗議文をだしています。
　農民運動全国連合会は白石淳一会長名の抗議文で、発言は日本の侵略戦争によって塗炭の苦しみをもたらした中国、韓国などの人々を苦しめ、米軍の性犯罪で被害を受けた人々に耐え難い苦痛を与えるものである、と批判。日本維新の会の石原慎太郎共同代表をはじめ党全体が橋下氏を擁護しているとのべ、維新に対して強い抗議の意思を表明しています。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

公務員賃下げ撤回めざす／自治労連が中央委

　日本自治体労働組合総連合（自治労連）の第４７回中央委員会が１７日、大阪市内で始まりました。安倍内閣が地方自治体に押し付けている地方公務員の賃金削減、憲法改悪などに反対する運動を交流し、夏季闘争方針を確立します。１８日までの２日間です。
　あいさつした野村幸裕委員長は、賃下げ攻撃に対して各地でたたかい、世論を広げるもとで、当局の賃下げ提案を遅らせていると指摘。職場の怒りを糧に賃下げを許さないたたかいを広げることが重要だと語りました。参院選挙は改憲を問う重大な選挙であり、改憲を許さない国民世論を大きくすることが大切だとのべました。橋下徹大阪市長の「慰安婦」発言は人権を蹂躙（じゅうりん）するものであり、許されないと批判しました。
　運動方針を提案した猿橋均書記長は、公務員賃下げに反対する運動で、全自治体を視野にとりくみ、地方自治の自主性を守る一点で自治体当局との一致点をつくるほか、労組・民主団体だけでなく、産業連関表を活用して経済団体への要請もすすめてきたと報告。住民との共同が、賃下げを許さない到達を築いているとして、これを広げ、地方自治を守る取り組みをすすめるとのべました。参院選は、暴走を始めた安倍政権の足を止めるうえで、重大な意義をもっているとして、職場の中での議論を重視すると語りました。
　討論で、大阪市労組の代表は、橋下市長の「慰安婦」発言は、政治家としての資格が問われる重大な発言だとして、「こんな人格の持ち主に市民の命を任せるわけにはいかない。市民と連帯した運動を広げていく」とのべました。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

那覇・共産党演説会／安倍政権にノーを／糸数氏

　参院沖縄選挙区（定数１）で３選をめざす糸数けいこ参院議員（沖縄社会大衆党委員長・無所属、共産党推薦）の１７日開かれた日本共産党演説会での訴え（要旨）を紹介します。
　「慰安婦制度は必要だった」「（海兵隊に）もっと風俗業の活用を」などとのべ、女性の人権を踏みにじり、沖縄に米軍基地を永続させようと考えている橋下徹大阪市長を絶対に許せません。できうるなら日本の政治から消えてほしいほどの怒りに燃えています。
　歴史をわい曲し、新基地建設をはじめアメリカに顔を向けて、県民の立場に寄り添うことなく憲法の主権在民を否定する安倍自公政権。ノーを突きつけることが平和憲法を守りぬく道です。日本共産党のみなさんと一緒に勝ち取ってきた私の平和の１議席、大事な１議席を再び守り、（日本共産党の）仁比そうへいさん（参院比例）と一緒に国会で働かせてください。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

参院選・那覇市議選勝利必ず／市田・仁比・糸数氏訴え／共産党演説会

　参院選と那覇市議選を同日投票でたたかう日本共産党沖縄県委員会は１７日、市田忠義書記局長を那覇市民会館に迎えて演説会を開きました。市田氏は、「日本共産党の躍進、参院沖縄選挙区での勝利で、安倍政権の暴走にストップをかけ、県民の暮らしと平和の願いを大きく前に進めよう」と訴えました。
　梅雨空の下、県内各地から大勢が会場につめかけました。赤嶺政賢衆院議員があいさつ。那覇市議選で１議席増の６議席をめざすフルゲン茂治、我如古イチロー、ワク川朝渉、比嘉みずき、マエダちひろ、翁長大スケの６候補が決意表明しました。
　仁比そうへい参院比例候補は「沖縄の不屈のたたかいを受け継ぐ日本共産党の勝利こそ、オスプレイ・普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対、東村高江へのオスプレイパッド建設反対の確かな力。絶対負けられない」と力を込めました。糸数けいこ参院議員が訴えました。
　市田氏は、安倍自公政権がこれまでのどの政権と比べても沖縄県民の願いを踏みにじっていると暴挙を告発。「��新基地を造らせなければ普天間基地は返さない�≠ﾈど、こんな理不尽なことはあるか。普天間基地の即時閉鎖・撤去、名護市辺野古への新基地建設反対の『オール沖縄』の声に耳を貸さない政権は、民主主義国家と言えない」と断言しました。
　市田氏は、維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要」、沖縄米軍への買春のすすめ発言について、「人間の尊厳をここまで踏みにじる政治家を見たことがない。もともと腐りきった政党だ」と批判すると、「そうだ」の声があがりました。「安倍自公政権を後押しして改憲を進めるだけでなく、国民を辱める維新、この党に協力する諸政党にも厳しい審判をくだそう」と呼びかけると大きな拍手と指笛が鳴り響きました。
　市田書記局長の訴えを初めて聞いたという上里誠さん（２４）は「維新の会の橋下氏の発言は女性をばかにした暴言で許せません。公党の代表も市長の資格もないとの市田さんの訴えはその通り」と語り、「憲法を改悪しようとする安倍政権の危険な狙いを打ち破ってほしい」と共産党への期待を寄せました。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

山田議員が暴言擁護

　日本維新の会の山田宏衆院議員（同党東京都支部長）は１５日、東京都杉並区で開かれた演説会で、同党の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要」との暴言について、「彼は特異な発言をして悪者を演じることで、議論を高めさせるところがある」と擁護しました。
　山田氏は「今回の橋下さんはシャープな言い方でなかった」としつつ、橋下氏の「慰安所はどこの国にもあった」「日本の慰安所は、国が強制的に集めたという証拠はない」などの発言に同調しました。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」制度、人道への罪／ＮＹ下院が非難決議採択

　【ニューヨーク＝時事】米ニューヨーク州下院は１６日までに、旧日本軍の従軍慰安婦問題について、「人道に対する罪」「２０世紀最大の人身売買事件」などといった表現を使い、慰安婦制度を非難する決議案を採択しました。
　決議は７日に採択されましたが、州議会事務局は１５日、報道機関に対し、決議の採択に改めて注意を促す広報文を送付しました。
　同州上院も１月、同様の決議を採択したほか、隣接するニュージャージー州の下院も３月、日本政府に「歴史的責任」を受け入れるよう求める決議を採択しました。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

潮流

　ＮＨＫ連続テレビ小説「あまちゃん」が面白い。テンポよく、脇役も個性的。ドラマの舞台である東北・北三陸の方言「じぇじぇ！」（驚いたときに発する感嘆詞）は、すでに流行語の兆しです。録画して１日４回見ている、という同僚も▼母の故郷で海女を目指すうちに地元のアイドルになるヒロイン。遠洋漁業の漁師である祖父は体調を崩し、引退宣言しますが海への思いを断ち切れず、再び漁に。「オラがいてほしいのは父ちゃんだけだ」とのろけていた祖母��夏ばっぱ�＝B演じる宮本信子さんの唇を結んだ表情が切ない▼笑えて胸がキュンとなるクドカン（通称。宮藤官九郎）の脚本。みんな立派ではないけれど、仲間への思いやりがあって、人を踏みつけて平気な人間は一人も出てきません。橋下徹・維新の会共同代表らの貧しい人間観にうんざりしている私たちとしては、ドラマの中だけでも癒やされたい▼当のお騒がせの橋下氏。暴言から一夜あけた１４日以降、１００回以上ツイッターを更新し、持論を展開しています▼「戦時下では世界各国も性奴隷を活用していたのに、なぜ日本『だけ』が世界から非難を受けているのか」。��夏ばっぱ�≠ﾈら「言い訳すんな。おめえはおめえだ」と叱りつけるのではないでしょうか▼先日、米ニューヨーク州議会下院で旧日本軍の「慰安婦」制度を「残酷さと規模において前代未聞」だとし、「人道に対する罪」と非難する決議が採択されました。「人道に対する罪」には時効がないのです。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

「慰安婦」発言／「橋下氏、常軌を逸し無礼」／米政府が批判

　【ワシントン＝山崎伸治】米国務省のサキ報道官は１６日の記者会見で、橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」発言について「常軌を逸しており無礼だ」と批判しました。
　サキ氏は、「米政府が従来表明してきた通り、あの時代（第２次大戦中）に女性が性的目的で売買されたのは悲しむべきことであり、明らかに重大な人権侵害だ」と指摘。被害者に心からの同情を表明しました。
　「日本が近隣諸国と協力して、この（『慰安婦』）問題など過去から生じる問題を解決し、ともに前進できるような関係を深めるよう希望する」と述べました。
　国務省は会見終了後にホームページで「慰安婦」という表現に関して、どう呼ぶかよりも「深刻な人権侵害」だった事実に注目すると補足。「米政府はどこで起ころうと現代の奴隷制や人身売買を非難する」と強調しました。
( ２０１３年０５月１８日，「赤旗」)

17日（Page/Top）

橋下暴言に抗議／「女性の人権否定許せない」／「満身の怒り込めて抗議」／新婦人山口県本部

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度は必要だ」などと発言していることに対し、新日本婦人の会山口県本部（日坂英子会長）は１５日、「女性の人権をふみにじって恥じない暴言に、満身の怒りを込めて強く抗議する」との抗議文を送りました。
　抗議文では、橋下氏は「もはや公党の代表、市長、政治家として失格」と厳しく指摘し、「暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任」を求めています。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言に抗議／「女性の人権否定許せない」／公職辞任求め９団体が宣伝／長崎市

　橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）の「慰安婦」制度肯定暴言に抗議して新日本婦人の会長崎県本部は長崎市内の女性団体、労働組合、平和団体などに呼びかけて１５日、撤回と公職辞任を求める共同宣伝に取り組みました。
　「橋下氏の暴言に怒りを覚える女性の集まりです」と９団体２７人がビラ１２５０枚を配布。１０人がリレートークし、日本共産党の堀江ひとみ県議は「女性の人権を二重、三重にも否定する発言。許せない」と訴えました。原口敏彦参院長崎選挙区候補も訴えに参加しました。
　長崎支部の山中久美支部長（６５）は「１４、１５歳の少女がだまされたり、誘拐されたりして強制的に『慰安婦』にされた。いつの時代でもあってはならないことで、国際社会では決して認められない。謝罪して辞任すべきです」と話しました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言に抗議／「女性の人権否定許せない」／超党派市議ら署名呼びかけ／松山

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める会・松山は１５日、松山市の坊っちゃん広場で、橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」などの暴言に対して厳しく抗議し、署名宣伝行動に取り組みました。
　井谷カヨコ共同代表、三宮禎子共同代表、日本共産党や市民の窓の松山市議ら１６人が参加。日本軍「慰安婦」問題の法的解決を急ぎ、公式謝罪と賠償を政府に要求する意見書の採択を松山市議会に求める請願署名に取り組み、６０人の署名が集まりました。
　三宮共同代表らは橋下暴言に、「怒りを込めて抗議します。人間の名誉や尊厳を踏みにじる発言です。政治のトップの座にある者の発言として絶対に許されません」と厳しく糾弾しました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴言に広がる怒り／「許したら絶対あかん」／大阪・大正区

　沖縄返還記念日の１５日、安保破棄・諸要求貫徹大阪実行委員会は、沖縄県の出身者が多く住む大阪市大正区で日米安保条約をやめて憲法を生かそうと呼びかけました。
　植田保二事務局長らが住宅密集地、区役所前で訴えました。橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要」との妄言は市長として失格と厳しく批判したビラを１０００枚配りました。
　ビラを受け取った女性（２８）は「『慰安婦は必要』という橋下市長は許せない。政治家や市長は戦争をさせないようにすべきなのに、あってはならない」と憤ります。
　仲吉トヨさん（８０）は、沖縄戦で山に立てこもり、生き延びました。塗炭の苦しみを理解しようとしない橋下氏はやめた方がいいと力を込めました。下地篤一さん（６３）は「橋下氏はひどい。こういう暴言を許したら絶対あかん」とのべました。
　植田氏は「橋下市長が普天間基地を訪れ、県民を苦しめているオスプレイ配備や低空飛行訓練には一言もいわず、『慰安婦は必要』ととんでもないことをいっている。こんな人間性がない人物は市長を続けるべきではない」と訴えました。
　日本共産党の小谷三鈴前府議、渡部結大阪３区国政対策委員長が参加しました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下氏暴言に広がる怒り／きょうからいっせい宣伝・対話／党府委呼びかけ

　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の暴言に怒りが沸騰するなか、日本共産党大阪府常任委員会は１６日、「橋下・安倍暴言を許さず、撤回と謝罪を求める宣伝と対話を大きく広げよう」と１７日から、いっせいに宣伝・対話に打ってでようと呼びかけました。
　橋下氏は「慰安婦は必要だった」「米軍はもっと日本の風俗を活用してほしい」と女性の人権をじゅうりんする発言を行いました。
　市田忠義書記局長が「市長の資格も国政を語る資格もない」と断じ、党大阪市・大阪府の両議員団が市長、松井一郎知事への抗議文を提出しました。地域では、党事務所や街頭宣伝中に激励が寄せられています。
　安倍首相は、日本共産党の井上さとし議員の国会質問に対し、橋下暴言を否定せず、侵略戦争を美化する態度を取り続けています。
　党府委員会は「侵略戦争と植民地支配を美化する勢力を厳しく批判し、それと日本共産党への支持をよびかけよう」と訴え。街頭宣伝用のビラとつじつじで訴えるスポット原稿、橋下暴言批判とともに山下よしき書記局長代行・参院議員とサンリット産業の小池俊二会長との対談を掲載した「しんぶん赤旗」日曜版（１９日号）を活用し、１７日はいっせい駅前宣伝、１８、１９日にかけて地域で宣伝カー、ハンドマイクなどによる宣伝と対話、支持拡大と読者拡大を旺盛に繰り広げようとよびかけています。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下氏暴言に広がる怒り／ただちに辞任を要求／和歌山・紀の川市で原候補

　参院選をめざすキャラバンで和歌山県紀の川市入りした原やすひさ和歌山選挙区候補は１６日、市内各地で宣伝し、橋下大阪市長の辞任を迫りました。
　原氏は、橋下氏の慰安婦発言に対し「日本国内はもちろん世界中から非難の声があがっている。許される発言ではない。ただちに市長をやめよ」と糾弾。慰安婦の強制連行を否定する安倍首相が、憲法９条の改悪を狙っていることについて「自衛隊が武力をもって海外派兵できる日本か、９条で世界に平和を発信する日本かが問われている。まっとうな政治を力を合わせてつくりましょう」とよびかけました。
　原氏は旧粉河町の商店街を訪ね商店主らと懇談し、旧打田町では農業青年らとひざ詰めで対話するなど終日奮闘しました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴言に広がる怒り／��反省せず開き直りひどい�＝^兵庫憲法県政の会が抗議／神戸

　憲法が輝く兵庫県政をつくる会と田中耕太郎兵庫県知事候補は１６日、神戸市の元町商店街で、「日本維新の会」の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」との暴言に抗議し宣伝しました。
　田中候補は「日本の民主主義、平和、女性の尊厳を守るためにも、人類の進歩にもかかわる重大問題」と強調し、暴言を謝罪し、公職の辞任を強く求めました。
　熱心に聞いていた長田区の女性（５８）は「女性を道具としてしか見ていないことが許せない。大阪市役所にも電話をしました。やめさせるまで続けたい」と言い、自転車を止めて聞いていた女性は「反省もせず、開き直っている。本当にひどい。坂本龍馬さんの考えていた維新と全然違う」と話していました。
　代表幹事の石川康弘神戸女学院大学教授、武村義人県保険医協会副理事長と新日本婦人の会県本部の岸本智代会長、日本共産党の練木恵子、喜田結県議が訴えました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下発言撤回と辞任求める声明／東京地評女性センター

　東京地評女性センターは１５日、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による日本軍「慰安婦」制度を正当化し、女性の人権を踏みにじる発言の撤回と、市長の辞任を求める声明を発表しました。
　声明は、橋下氏の「慰安婦」発言について「日本軍の性的被害者の尊厳をさらに踏みにじるもので、断じて許すことはできません」と強調。また、橋下氏が米軍に風俗業の活用を勧める発言をしたことを「政治家としても根本からその資格が問われるもの」だと批判しています。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言に怒りの宣伝／「シール投票で怒り肌で実感」／栃木の新婦人

　新日本婦人の会栃木県本部は１５日、宇都宮市内で日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の暴言に抗議し、その是非などを問う「シール投票」や、国に日本軍「従軍慰安婦」問題の解決を求める署名活動を行いました。
　１１人が参加し、１時間、繁華街で行動。市民ら３５人が、「慰安婦」問題の解決を求める署名にサインしました。年配の男性が「従軍『慰安婦』が、戦場にいた」と話す場面もありました。
　「橋下暴言」に対するシール投票では、３６人が投票し、うち２６人が「発言は許せない」に、１０人が「やむをえない」にそれぞれ投票。「『慰安婦』問題を知っていますか」との聞き取りでは、回答した４４人中、２４人が「知っている」と回答し、１６人が「知らない」と答え、４人が「今回の橋下暴言で知った」と述べました。
　同本部の伊藤直子事務局長は「市民の怒りが肌で伝わってきました。橋下氏の公党代表と市長の辞任を求め、さらに運動を強めます」と述べました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言に怒りの宣伝／神奈川の新婦人後援会／はたの氏訴え

　新日本婦人の会神奈川県本部内日本共産党後援会は１６日、はたの君枝参院神奈川選挙区候補とともにＪＲ桜木町駅前で宣伝し、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要だった」「（米海兵隊に）もっと風俗業を活用してほしい」などと発言したことに抗議しました。
　はたの氏は、昨年７月には米海軍厚木基地（綾瀬市、大和市）でも米兵による女性暴行事件があったと述べ「米軍の性犯罪をとがめるのではなく風俗業の活用をすすめる橋下氏は、愚劣（ぐれつ）です。市長や公党の代表としてだけでなく、人間としても失格だ」と批判。発言を否定しない安倍首相も根は同じだと強調し「人権、人間の尊厳を守る代表として、日本共産党の国会での議席を増やしてほしい」と訴えました。
　新婦人県本部の泉水令恵（よしえ）会長は「女性の人権を踏みにじる暴言に怒りがいっぱいです。発言の撤回と謝罪、党代表と市長の辞任を求めます」と述べました。
　仕事で来県していた鈴木秀昭さん（７４）＝さいたま市浦和区＝は、訴えに足を止め「私の女房は沖縄出身なんだ。怒っているよ。共産党を伸ばさないとな」と激励しました。カンパを手渡す男性もいました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

歴史の逆行させない／小池氏ら訴え／東京・国分寺演説会

　東京都議選（６月１４日告示、２３日投票）の告示まで１カ月を切った１５日、日本共産党北多摩中部地区委員会は、国分寺市内で党演説会を開きました。
　小池晃副委員長・参院比例候補、吉良よし子参院選挙区候補、渡辺しんじ（小金井市）、渡辺じゅん子（北多摩２区）両都議候補の訴えに、声援と大きな拍手がおこりました。「憲法をめぐる問題の大変さを改めて気付かされた」（３０歳女性）と「しんぶん赤旗」を購読する人もいました。
　都議選小金井選挙区（定数１）は、民主現、共産新、自民新の３人が立候補予定。渡辺しんじ氏は、理科実験教室の講師として教えてきた経験を話し、「分かる喜びを伝えることができる教育を、小中学校の全学年で３５人学級を実現させたい」と語りました。
　北多摩２区（＝国分寺市、国立市。定数２）は、民主現、生活者ネット現、自民新、共産新、維新新の５人が立候補を予定しています。渡辺じゅん子氏は「東京民報」記者として、年越し派遣村や貧困問題を取材してきた実感を語り、「外国企業の誘致や大型開発を優先させる都政を転換させ、誰もが安心して暮らせる政治をつくります」と訴えました。
　小池氏は、安倍政権の閣僚による靖国神社の参拝は、国際社会から決して受け入れられないと指摘。「日本維新の会」の橋下共同代表の「慰安婦は必要」という暴言を糾弾し、「歴史逆行と改憲のたくらみを許さず、憲法９条を生かした平和外交で、アジアと世界から信頼される日本をつくりましょう」と述べ、日本共産党支持の大波を起こそうと呼びかけました。
　吉良氏は、２年２カ月がたったいまも、原発事故は収束していないと強調。「原発のない日本を次世代に手渡しましょう」と訴えました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

「人権否定の橋下氏は公人失格」／青森新婦人が抗議／維新の会にも抗議文を送付

　新日本婦人の会青森県本部と青森支部は１６日昼、青森市浪館のスーパー前で「慰安婦制度は必要」と発言した日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）に対し、発言の撤回と公職の辞任を求め、怒りの抗議行動をしました。
　阿部喜美子県事務局長は、慰安婦問題は人権侵害の戦争犯罪として、世界から日本政府に一日も早く責任を認め、謝罪することが求められている問題であると説明した上で､｢橋下市長の発言は歴史認識がされていないことを自ら表明したも同じ｣と痛烈に批判｡「女性の人権を踏みにじり恥じない人権蔑視の発言を許してはいけない。今回の発言は国際社会に通用しない暴言であり、今すぐ謝罪、撤回し一日も早く公職を辞任することを求めます」と訴えました。
　今回の抗議行動を知って参加した、元中学校教員の一戸義規さん（６１）もマイクを握り「男性をも侮辱し、基本的人権を否定した発言だ。人権、憲法を先頭に立って守るべき市長が発言した責任は重い」と怒りの声をあげ、他の参加者からも「人権を守れない弁護士は弁護士ではない」「有権者の半分は女性。ばかにしている｣｢退陣に追い込むまで抗議する」など怒りの声は止まりませんでした。
　また、県新婦人むつ支部など各支部が抗議行動として、橋下氏と維新の会あてに、発言撤回と公職の辞任を求める抗議文をファクスで送ったことも報告されました。
(２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

「橋下暴言」撤回し、辞任を／女性らリレートーク／議員会館前

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は、女性の人権や人間の尊厳を踏みにじる「慰安婦は必要」発言を撤回し、辞任を―。１６日、参院議員会館前で「女性たちの怒りのリレートーク」がおこなわれ、５０人が参加しました。
　日本婦人団体連合会の堀江ゆり会長は「発言について釈明して正当化しようとする橋下氏に、怒りは高まる一方です。女性だけでなく男性の人権も冒涜（ぼうとく）する発言を撤回し、大阪市長も共同代表も辞めるべきです」と訴えました。
　参加者は「『慰安婦』問題の解決に背を向けてきた安倍内閣の責任も大きい。政府として責任をもって対処すべきだ」（新日本婦人の会）、「もう戦争は嫌だとの思いから生まれた団体として、満身の力で抗議したい」（婦人民主クラブ）、「辞めさせなければならない。さっそく署名をつくり、各地で宣伝している」（全労連女性部）、「こんな代表をかかえる維新の会に、政党助成金という税金がつぎこまれているなんて許せない」（全商連婦人部協議会）などと訴えました。
　日本共産党の紙智子、田村智子両参院議員と赤嶺政賢衆院議員が激励あいさつをしました。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

「慰安婦」問題解決／「女性手帳」中止／婦団連が省庁要請

　日本婦人団体連合会（婦団連）は１６日、男女平等や女性の地位向上を求める省庁要請をおこないました。
　堀江ゆり会長があいさつで、安倍晋三内閣が打ち出した成長戦略にふれ、政府にとって都合のいい女性の「活用」ではなく、「本当の意味で女性が輝くような政策をすすめてほしい」とのべました。
　要請では、内閣府や厚生労働省、文部科学省、外務省などに対し▽男女雇用機会均等法の実効ある改正▽少子化を女性の意識問題とし国家が個人の選択の権利に干渉する「女性手帳」の導入中止▽「慰安婦」問題の解決▽公的責任での認可保育所の増設▽女性の政治参画拡大を可能にする比例代表制を中心とする選挙制度への抜本改正▽女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准―などを求めました。

３請願署名１３万人分提出
　要請に先立ち、女性差別撤廃条約にもとづくジェンダー平等実現のための三つの請願署名を国会に提出。紹介議員として日本共産党の紙智子、井上哲士の両参院議員に手渡しました。
　署名総数は１３万３００７人。内訳は▽女性差別撤廃条約選択議定書のすみやかな批准を求める請願▽民法改正を求める請願▽日本軍「慰安婦」問題の法的解決を急ぐことを求める請願―です。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

論戦ハイライト／井上議員が厳しく批判／「世界で生きる立場失う」／橋下暴言／植民地支配と侵略／参院予算委

　「人間の尊厳をおとしめる暴言だ。許せない」―。１５日の参院予算委員会で、日本軍「慰安婦」は「必要だった」とする維新・橋下徹共同代表の暴言を批判した井上哲士議員。質疑を通じて安倍晋三首相の立場も橋下氏と変わらないことが浮き彫りとなりました。

橋下暴言／首相「論評する立場にない」
　井上　橋下氏の発言について、総理の考えは。
　首相　他党の代表の発言で論評する立場にない。
　井上　重要な政治問題だ。「慰安婦」は必要という見解は同じなのか違うのか。
　「慰安婦」の苦しみに「心から同情し、胸が痛む」と述べながら「慰安婦は必要だった」という暴言を否定もしない首相―。
　井上氏は、閣僚の「タイミングが非常に悪い」（下村博文文科相）、「従軍慰安婦は、当時は必要性を感じていたからこそあった」（谷垣禎一法相）という発言を示して、「橋下氏の発言は��タイミングは悪いが、中身は問題ない�≠ﾆいうのが安倍内閣の立場か」と重ねてただしました。首相は「立場が違う」と繰り返すだけでした。
　国内外のメディアは橋下氏の暴言を「戦争を美化する一連の日本人政治家の発言に続くもの」「強制連行認めず　安倍首相の認識踏襲」と報じています。
　井上　（橋下発言は）総理の言動と連動・一体だと世界は見ている。「間違いだ」とはっきり述べよ。
　首相　橋下代表の発言と立場が異なる。
　井上　「間違いだ」となぜいえない。
　首相　他党の代表の発言で、立場が違う。

植民地支配と侵略／首相「歴史家が決めるもの」
　なぜ首相は批判もできないのか。「植民地支配と侵略」を認めて謝罪した��村山�£k話（１９９５年）について、首相は「アジアの国々に対して多大の損害を与えたことについて歴代内閣の立場の全体を引き継ぐ」と述べるだけで、「植民地支配と侵略をおこなった」という核心部分についてはかたくなに口を閉ざしました。
　井上　「全体を引き継ぐ」というが、「植民地支配と侵略」という言葉を含めて受け継ぐのか。
　首相　侵略や植民地支配を否定したことはない。歴史認識については歴史家が決めるものだ。
　日本の行為が「植民地支配と侵略」だったと決して肯定しない首相に対し井上氏は、侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放の戦争」と描き出す靖国神社への閣僚参拝を取り上げました。同神社の博物館「遊就館」で開催中の「大東亜戦争７０年展」では、「アジアの解放と共存共栄の新秩序を確立するという先人達の事跡を拝観していただく」と明記しています。
　井上　靖国神社は侵略戦争を「アジア解放の戦争」と美化する特殊な施設だ。（参拝は）侵略戦争肯定に身を置くことになる。
　首相　コメントしない。歴史は歴史家に任せるべきだ。
　歴史認識は学者が決めると逃げ侵略を認めない首相。「村山」談話とは異なる首相の立場が明らかになりました。井上氏は、「従軍『慰安婦』の肯定と侵略戦争の否定は一体だ。戦後の国際政治は侵略戦争を否定することで成り立っている。それを否定すれば、日本が世界で生きていく足場を失う」と厳しく指摘しました。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／橋下氏は無反省／「慰安婦」国連報告を攻撃／「風俗業活用」提案に固執／ＴＶ番組

　維新の橋下徹共同代表（大阪市長）は１６日、フジテレビ番組に大阪からの中継で出演し、日本軍「慰安婦」問題で日本政府に謝罪と補償を求めた国連人権委員会の報告書について、「（日本は）ここで世界から侮辱され、不当に評価されている」と述べ、国連報告書に攻撃の矛先を向けました。
　国連人権委は１９９６年に採択したクマラスワミ報告書で、旧日本軍「慰安婦」問題で日本政府に謝罪と補償を勧告、「慰安婦」を「軍の性奴隷」と認定しました。９８年の同委小委員会のマクドゥガル報告書は、日本政府に国家賠償と犯罪者の訴追を勧告し、「慰安所」を「レイプセンター」と認定しました。
　橋下氏は「僕の発言の根拠は（第１次安倍内閣が慰安婦連行の強制性を否定しようとした）２００７年の閣議決定だ」と述べるだけ。独自の見識も何もないことを浮き彫りにしました。
　一方､在沖縄米軍司令官に｢風俗業活用」を提案したことについては「日米安保、日米関係を重視するためにも、米兵の性的なエネルギーのコントロールは真剣に建前論ではなくて対策を練るべきだ」と発言。「法律上認められた風俗業」は、米兵の性犯罪に対する「解消策、解決策の一つ」と強弁しました。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言／世界からは怒り／正義と人類の良識に挑戦／蘇智良さん

中国・上海師範大学中国慰安婦問題研究センター主任
　橋下氏の発言は歴史の正義と人類の良識に公然と挑戦するものです。
　日本政府と旧日本軍が軍の性奴隷制度を実施したことは、日本の研究者らが発見した数百にのぼる日本政府の文献や記録で明らかにされています。
　中国、韓国、北朝鮮、フィリピン、東ティモール、オランダなどの国が、元「慰安婦」の証言や大量の資料を示し、日本が侵略戦争の中で「慰安婦」制度を完備していたことは公然の事実となりました。
　「慰安婦」たちは屈辱を与えられ、極めて残虐な扱いを受けました。日本政府と国民は「河野官房長官談話」を厳守し、人類社会の公理に二度と挑戦すべきではありません。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言／世界からは怒り／歴史・人間性・女性を侮辱／米議員が声明

　【デトロイト＝山崎伸治】米下院のマイク･ホンダ､スティーブ・イスラエル両議員（民主）は１５日、「慰安婦」は必要だったとする大阪市の橋下徹市長の発言について「卑劣で吐き気を催す」（ホンダ氏）、「ただうんざりさせられた」（イスラエル氏）とそれぞれ強い調子で非難する声明を共同で発表しました。
　ホンダ氏は２００７年に日本政府に対して元「慰安婦」への謝罪を求めた米下院決議の提案者、イスラエル氏は共同提案者です。
　声明でホンダ氏は、「（橋下氏が）侮辱するのは歴史であり、人間性であり､何よりも､恐ろしい暴力行為を強制された若い女性たちだ」と指摘。橋下氏の発言は「日本政府が（「慰安婦」問題を）公式に認め、謝罪し、歴史的責任を受け入れることの必要性を示している｣と述べています｡
　イスラエル氏も「橋下氏の発言を強く非難し、日本政府に対し、公式に認め、謝罪するよう強く求める」と表明しています。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／発言の撤回求めＡＡＬＡ抗議文

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」などとの発言に対して、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会（日本ＡＡＬＡ）は１６日、発言を撤回し、市長の地位を退くことなどを求める抗議文をだしました。
　発言は、侵略戦争における慰安婦制度の事実を無視し、人生を狂わされ、苦難を強要された被害者の尊厳をさらに傷つけたこととともに、女性を男性の性の道具とし、戦争の遂行に不可欠な道具として見ていると指摘。違法な売買春を公式な場で勧めるなどということは、市長という公人としての発言としても絶対に認めることはできないとしています。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言追認の大阪府知事／共産党府議団が抗議／質問状提出

　日本共産党大阪府議団は１６日、橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」などの暴言を松井一郎知事が追認していることは重大だと抗議し、見解を問う質問状を同知事あてに提出しました。
　松井知事は「（慰安婦制度が）現実にあったというのは必要とされていた」と容認。橋下市長が米軍司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と求めた件では「米軍関係者は風俗店で楽しんで」と述べていました。
　宮原威団長は橋下、松井両氏の発言について、性奴隷被害者と国民を傷つけ、風俗店の勧めが基地被害に苦しむ沖縄県民をさらに傷つけるものだと撤回を要求しました。市長発言が「大阪のアジア、世界での地位を大きく失墜させる。追認などあってはならない」と批判。▽植民地支配と侵略への反省がない▽「慰安婦」制度は必要だったと考えているのか▽米軍には沖縄県民の生命と尊厳が著しく脅かされている事態に厳重に抗議することではないか―と指摘し、回答を求めました。
　応対した小西禎一副知事は「知事に伝える」と述べました。
　提出後、党府議団は記者会見。宮原団長が「慰安婦は必要だった」との橋下市長の発言の取り消しを求める決議案を５月府議会に提出することを明らかにしました。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏「慰安婦」暴言／林博史・関東学院大学教授に聞く／「他の国も同じ」は通用しない

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は、旧日本軍「慰安婦」問題について、「当時の歴史を調べてみたら、日本だけじゃなくていろいろな国で慰安婦制度というものを活用していた」（１３日の会見）と開き直っています。この発言をどうみればいいのか、「慰安婦」問題に詳しい林博史・関東学院大学教授（現代史、軍隊・戦争論）に聞きました。

日独のみが突出
　第２次世界大戦で軍が組織的にこうした制度をつくっていたのは、日本とナチス・ドイツだけです。
　橋下氏の論理は、以前から右翼が使っている論理ですが、「『慰安婦』は売春婦と同じだ」というものです。このようなすりかえをすることによって、石原慎太郎氏（もう一人の共同代表）が「軍と売春はつきもの」（１４日）だと述べたように、ほかの国の軍隊と同じだという言い訳ができるようになります。
　戦争状態になって経済が破壊されて食べ物もない状況の中で、食糧など物資をたくさん持っているのは軍隊ですから、なんとか生きていくために軍隊の周りに女性が集まり、性売買がおこなわれるというのは、残念ながらいろんな戦場で起きることです。軍医がそこで女性の性病検査をおこなうこともありました。しかし、そのことと「慰安婦」制度とは質的に違います。

軍が組織的管理
　日本軍「慰安婦」制度の場合、「慰安所」設置の計画立案、ブローカー（業者）の選定・依頼・資金あっせん、女性集め、女性の輸送、「慰安所」の管理、建物・資材・物資の提供など、全面的に軍が管理運営しました。日本軍は兵員数から必要な女性の人数を計算して計画し、軍の輸送手段で海外に連行しました。ここまで組織的・系統的に軍の管理下に置かれたケースはナチス・ドイツを除くとほかの国ではまずありません。
　ドイツでも国防軍やナチスのＳＳ（親衛隊）がそうした「慰安婦」制度をつくっており、この２カ国が突出していたと言えます。
　さらに日本軍の場合は、軍自らが女性集めをおこなったこともしばしばありましたし、中国や東南アジアなどでは暴力的に拉致してくることもありました。これは被害者の証言だけでなく日本兵の証言もたくさんあります。
　米軍の場合はどうでしょうか。橋下氏は沖縄の司令官に米兵の風俗業利用を提案し拒否されました。国防総省も否定したように、米軍は公式に売春を認めていません。第２次大戦中も米軍はそうした建前をとっていました。末端では建前と違う実態もありましたが、売春宿の利用が本国に知られればオフリミッツ（立ち入り禁止）の措置が取られました。公然と「慰安所」を管理運営していた日本軍とは違います。
　朝鮮戦争のことを橋下氏は持ち出していますが、韓国軍も確かに同じような「慰安婦」制度をつくりました。しかし当時の韓国軍の幹部の多くは旧日本軍の一員でした。つまりそのルーツは日本軍の「慰安婦」制度だったのです。
　日本軍「慰安婦」制度と同じことをやった国がほかにもあるというのであれば、逆にその証拠を出すべきでしょう。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題／「誤解解くのは政府責務」／維新が橋下発言容認「見解」／安倍首相を擁護

　日本維新の会は１６日、橋下徹共同代表の「慰安婦」発言について、党の見解を発表しました。世論の厳しい批判に対応したものですが、「慰安婦制度は必要だった」とする橋下発言を容認するものとなっています。
　見解は、「女性の基本的人権を守るのが我が党の基本的方針」などとしつつ、「韓国女性を強制連行し、性的奴隷にしたとの国際社会での誤解を解くことは、我が国政府の責務」「橋下共同代表の発言は、我が国政府の見解を踏襲したもの」としました。
　「慰安婦」が旧日本軍などに連行された強制性を否定しようとした安倍首相の姿勢（第１次安倍内閣の閣議決定）を支持するだけでなく、各国への働きかけまで政府に求め、反省どころか橋下暴言、安倍首相を擁護する姿勢を示しています。
　他方、「在沖縄米軍司令官に風俗業利用を勧めた発言は不適切だった」「一層の丁寧な説明が必要」とし、米国への「配慮」をにじませました。
　維新幹部は見解について「橋下氏と石原慎太郎共同代表、松井幹事長の３人が受け入れ可能なものとなるよう調整した結果」だと語りました。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言／問われる維新の存立／「慰安婦必要」党ぐるみで擁護

　日本維新の会の橋下徹共同代表が「（戦争で）命をかけて走っていく猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」（１３日）などと述べた「慰安婦必要」発言について、同党幹部から擁護する発言が相次ぎ、党としての存立が問われる事態となっています。

　石原慎太郎共同代表は「軍と売春はつきもの。歴史の原理のようなもの」などと橋下氏を擁護。同党幹部の一人は「個人的見解」としつつ「（橋下発言は）どの国にも慰安婦制度があったという客観的事実を語っただけ」と当然視します。

涙の抗議
　「私は女性なので、『休息』という言葉は、どうしても受け入れられない」（日本維新の会の女性関係者）という声もありますが、党内の大勢にかき消されています。一方、「街頭で『あの発言はひどすぎる』と女性から涙ながらの抗議を受ける」（同党・都議候補）という深刻な事態になっています。
　橋下、石原両共同代表の発言は、人間と女性の尊厳を否定する発言であり、民主主義社会の根本原理、世界普遍の原理を蹂躙（じゅうりん）するものです。同党の公党としての存立そのものが厳しく問われます。
　橋下氏は１６日のフジテレビ番組で「言いたかったのは、世界各国でやっていたのに、なぜ日本だけ特別な非難を受けるのかということだ」と開き直りました。
　しかし、橋下氏の発言は「軍と戦争には慰安婦が必要だ」という��論理�≠�否定せず通しており、「誤解」の余地はありません。

関係解消
　維新の会と共通公約作成を進めてきたみんなの党の渡辺喜美代表は、「両共同代表が古色蒼然（そうぜん）たる歴史認識であることがわかったから、そういう政治勢力とは一線を画す。選挙での推薦依頼があっても推薦しない」（１５日）と明言。同党議員の一人は、「政治家としても人間としても失格の発言だ。橋下も石原もだめになり、維新そのものがだめになる。こんなところと一緒にやっていたらこっちもつぶれてしまう。関係解消は当然だ」と述べます。
　元オランダ大使の東郷和彦氏は都内の講演（１２日）で、「アメリカでは、慰安婦問題は過去の問題ではない。奴隷制度について、黒人には気の毒だったが仕方なかったという議論はまったく通らないのと同じで、（慰安婦制度は）よくないものだという点から出発しなければならない」と述べ、「慰安婦問題」で旧日本軍の関与と強制性を認めた��河野談話�＝i１９９３年）を見直す動きは日米関係を深刻にすると警告しました。「性奴隷制度」の「必要性」を明言した橋下発言に国際的な批判が噴出したのは当然でした。
　橋下氏の発言の根本にあるのは、日本の侵略戦争の正当化に向けた、安倍晋三首相による��村山談話（９５年）・河野談話�′ｩ直しの動きです。安倍政権の「歴史修正主義」そのものが厳しく問われます。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言／超党派女性国会議員が会見

　超党派の女性国会議員が１６日、国会内で記者会見し、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長に対し「『慰安婦制度』は必要」とする暴言の撤回と謝罪を求めました。日本共産党の田村智子参院議員をはじめ民主、生活、社民、みどり、無所属の衆参両院の１１議員が会見に出席しました。
　田村氏は、橋下氏の暴言について「『個人の見解』で済まされない。石原共同代表も同じ発言を繰り返しており、維新の会という政党の存在が問われる」と指摘。在日米軍に「風俗業の活用」を求めた橋下氏の発言に対しても「米軍の性犯罪は、性のはけ口がないことが問題だと言わんばかりだ」と述べました。
　沖縄県選出の糸数慶子参院議員（無所属）は、「戦争中に沖縄県内に１４０カ所の『慰安所』があったことが調査で明らかになっています。弁護士という人間の尊厳を守る仕事、市長、公党の共同代表にあるものの発言とは思えない」とのべました。
　また「安倍首相の主張が橋下氏の発言の引き金になっている」（民主党・辻元清美衆院議員）、「古色蒼然たる妄言を橋下市長は早く撤回し、謝罪すべきだ」（生活の党・森ゆうこ代表代行）、「軍隊も肯定し、『慰安婦』も肯定し、戦争を肯定する点で、発言は問題だ」（社民党・福島みずほ党首）、「戦後、再び信頼を勝ち得るための先人たちの努力を損ねるもの」（みどりの風・谷岡郁子代表）と、それぞれ述べました。
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

橋下暴言／女性の尊厳への冒涜／首相の立場が厳しく問われる

　日本共産党の志位和夫委員長は１６日の記者会見で、日本維新の会・橋下徹共同代表（大阪市長）が日本軍「慰安婦」問題で自らの暴言に釈明を繰り返していることについて見解を問われ、「（発言は）女性の尊厳に対する重大な冒涜です。女性を『戦争の道具』とみなす発言で、最悪の形で尊厳を侵害し、男性の尊厳をも侵害する発言です。彼の人間観を自ら語ったもので、こういう立場にたつ人物は市長の職と両立しないと考えます。言い訳をしてすむ問題ではありません」と厳しく指摘しました。
　そのうえで、「重大なのは、安倍首相が昨日（１５日）、井上哲士参院議員が追及したさい、橋下氏の発言について『立場が異なる』ということしか言わず、批判もしなければ、否定もしていないということです。首相自身の立場がきびしく問われています」と語りました。（関連２面）
( ２０１３年０５月１７日，「赤旗」)

16日（Page/Top）

橋下暴言にいっせい抗議／政治家失格だ／人間の尊厳を守ろうと訴え／宮崎／高松／佐賀

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要」などと暴言を重ねた上に、在沖縄海兵隊司令官に「風俗業」活用まで勧めたことに対し、抗議と怒りの声があがっています。

女性団体が声明／宮崎
　新日本婦人の会宮崎県本部と県母親大会実行委員会は１４日、連名で抗議の緊急声明を発表しました。橋下氏に、これまでの暴言の撤回と謝罪、公党代表と市長の辞任を強く求めました。両団体のメンバー８人と趣旨に賛同する男性７人、あわせて１５人が参加しました。
　県庁での会見で成見幸子・母親大会実行委員長は、「『慰安婦』制度が必要などと言うこと自体、人間の尊厳の冒?（ぼうとく）以外の何物でもない。公党の政治家としてこれ以上とどまるのは許されない」と強調しました。
　両団体は同日、維新の会本部と大阪市、中山成彬、中山恭子、東国原英夫氏ら県関係「維新」国会議員に抗議文を送付しました。

「怒」の文字手に／高松
　香川県の日本共産党や日本民主青年同盟、新日本婦人の会の女性８人が１４日、高松市で抗議行動をしました。
　参加者は「怒」と書かれた紙を手にリレートーク。白川容子県議は「一人の人間として怒りを覚える。人間の尊厳を大事にしない橋下氏は政治の場から退場してもらおう」と呼びかけました。
　大塚昭子新婦人県本部会長は「公党の党首が恥じないのか。『慰安婦』問題は性奴隷制度の問題。謝罪すべきだ」と強調。石田真優民青県委員長は「発言は侵略戦争を美化するもの。弱い人の立場に立って政治をすべきなのに許せない」と訴えました。

公党代表とは恥／佐賀
　新日本婦人の会佐賀県本部は１５日、「女性じゅうりんの暴言に怒りをこめて抗議します」との抗議文を維新の会と橋下大阪市長あてに送付しました。
　田中秀子会長は「国の内外から発言に批判が噴出しているのは当然です。橋下氏のような考えの人が公党の代表、市長であることは日本の恥です」と話しました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

参院選勝利へキャラバン／原選挙区候補が出発／和歌山

　参院選をめざし原やすひさ参院和歌山選挙区候補は１４日、和歌山県橋本市から１０日間かけて県内をめぐるキャラバンに出発しました。
　同市で原氏は、２カ所で開催された「つどい」に参加し、市内各地で街頭演説、支持者・後援会宅の訪問など終日奮闘。富岡清彦、阪本久代両市議が同行しました。
　築９０年という同市橋谷の旧家での「つどい」で原氏は、維新の会・橋下徹共同代表による「慰安婦」発言をきびしく批判。参加者から次々と「慰安婦」発言に怒りの声が上がるなか原氏は「橋下氏の考え方の根本には、安倍首相や靖国神社に参拝した国会議員らと同じものがある。いま憲法９条を変え日本をアメリカとともに戦争する国にするのかどうかが問われています。日本共産党は憲法を守り、９条の考えを世界に広げたいと思っています」とのべ、憲法を守るため全力をあげる決意を表明しました。教員だった男性（７７）は「親戚の集まりで『憲法変えなあかん』『軍隊つくらなあかん』と言うものがおり、それにみなが『そやそや』と同調した。なにも分かっていない」と怒り、平和の大切さを訴えました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／教育を語る資格がない／大教組が声明

　大阪教職員組合は１４日、「『慰安婦』制度を正当化し、侵略戦争を肯定する橋下徹大阪市長の暴言に抗議し、発言の撤回と謝罪、大阪市長職の即時辞任を強く求める」とする声明を発表しました。
　声明は、橋下市長がこの間、教育に対し極めて不当な政治介入を繰り返してきたが、「このような人物に教育を語る資格などない」と指摘。教育の営みは、平和と人間尊重を最も大切にする営みだとのべて、平和と人権を踏みにじる橋下氏に対し、満身の怒りを込めて抗議し、発言の撤回と謝罪、市長の即時辞任を強く求めています。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／「満身の怒り」共同声明発表／明るい会・よくする会

　明るい民主大阪府政をつくる会(前田博史事務局長)と大阪市をよくする会(福井朗事務局長)は１４日､｢日本軍『慰安婦』問題等に関わる橋下大阪市長の発言に抗議を集中し､憲法を生かす大阪へ共同を広げよう｣とする共同声明を発表しました｡
　声明は､｢慰安婦制度｣の必要性を認め､強制の事実を否定することは､被害者に対する侮辱でもあり､満身の怒りを持って抗議するとし､｢人間の尊厳を否定する人物に､政治家としての資格がありません｣と指摘｡橋下氏の一連の言動に厳しい抗議､謝罪と撤回の声を集中し､憲法を生かす大阪づくりへ共同の運動を広げることをよびかけています｡
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／和歌山で５団体が宣伝

　日本維新の会の橋下徹共同代表・大阪市長の慰安婦発言にたいし、和歌山県内の新日本婦人の会、県地評女性部、和商連婦人部、農民連女性部準備会、母親大会連絡会の５団体は１４日、ＪＲ和歌山駅前で抗議の宣伝をしました。
　宣伝に参加した女性たちは、橋下氏が「慰安婦制度は必要だ」「米軍はもっと風俗産業を活用してほしい」と述べたことに「これほどまでに女性の人権を踏みにじって恥じない暴言を女性として絶対に許すわけにはいきません」と糾弾。日本軍が侵略戦争のなか駐屯地に「慰安所」をつくり性暴行を組織的に強制し、５万人とも２０万人ともいわれる被害女性が逃げることもできず「性奴隷」とされたことを示し、「世界から日本政府に対して一日も早く責任を認め、謝罪することが求められています」とのべ、暴言の撤回、公職にある市長の辞任を強く求めました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／撤回・謝罪求める／共産党奈良県女性地方議員

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」などとする人間の尊厳を踏みにじる一連の発言に抗議して、日本共産党奈良県女性地方議員団（２１人、代表・山村幸穂県議）は１５日夕、近鉄大和西大寺駅前で宣伝しました。
　これに先立ち、「『慰安婦は必要』発言に強く抗議するとともに、発言の撤回と謝罪を求める」とする抗議文を２１議員の連名で橋下氏に送りました。
　抗議文は、「慰安婦は必要」との橋下氏の発言は「女性を蔑視し、人としての尊厳をおとしめる暴言」であり、断固抗議するとともに、発言を直ちに撤回し、謝罪するよう求めています。夕方の宣伝には県内の共産党女性議員と党女性後援会会員ら約２０人が参加、橋下大阪市長に送付した抗議文を配布し、橋下氏の暴言は絶対に許せないと訴えました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／新婦人が抗議はがき／大阪府

　橋下徹大阪市長（日本維新の会共同代表）が「『慰安婦』制度は必要だった」と暴言をくり返すなか、新日本婦人の会大阪府本部の川本幹子会長らは１５日、市役所を訪れ、橋下氏あての抗議はがきを提出し、再度、発言の撤回を求めました。
　「人権無視もはなはだしい！」と、「慰安婦」被害者たちの写真を印刷したはがきには、怒りに満ちた抗議の記述があふれました。「自分の経験からのみの人間の尊厳を無視してはばからない発言を繰り返すことは許せません」「女性だけでなく男性も含め人間をおとしめる発言に言葉もない」
　市側は「文書は受け取るが、『日本維新の会』共同代表としての発言であり、市長に行くことはない」と拒んだのが一転、「市長に直接渡すことを確認した」といいます。
　川本氏は「直接目を通してもらえる以上、市長として（撤回・謝罪に対して）回答をしてもらいたい」と重ねて要請。「昨日、市長は公務なく来ていないとのことだったが、ツイッターは何十回と更新されていた。（その時間があるのなら）市民に向き合ってほしい」と求めました。
　申し入れ後、川本氏は「市長・政治家以前に、個人として女性の人権を無視した発言です。昨年の『（強制の）証拠を出せ』との発言から踏みこんだもので、私たちは怒りでいっぱい。そんな市長のもとで市民は暮らしたくないと女性たちは怒っています。辞任してほしい」と話しました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長は辞任を／人権ふみにじる暴言許せない／大阪市対連が１２０人で宣伝

　橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度は必要」「米軍は風俗業の活用を」と暴言を続ける中、大阪市対策連絡会議は、市議会開会日の１５日昼、「戦争肯定・女性蔑視の橋下氏は市長辞任を」と市役所に近い淀屋橋で１２０人を超える参加者で大宣伝しました。
　「女性の人権を踏みにじる暴言は許せません」と書かれたビラを元気よく声をかけて配布。道行く人が「本当に恥ずかしい」「ひどい市長ですよね」と声をかけて受け取り、１時間で６００枚がなくなりました。
　ビラを受け取った４０代の男性は「（橋下市長の暴言連発は）人としても市長という公人としてもいうべき言葉ではない。何を考えているのか」と憤っていました。
　マイクを握った参加者は口々に、「橋下市長の暴言の撤回と謝罪、ただちに辞任せよとの決議をあげました」（年金者組合）、「教育の場に道徳教育を押し付ける橋下市長、女性の人権を踏みにじってどんな道徳を教えよというのか」（大阪市教）などと訴えました。
　新日本婦人の会府本部の川本幹子会長は、「女性の人権を無視した橋下市長はどんな顔をして議会で市民のくらしのことを語るのでしょうか。歴史の真実に目を向けない、市民の声を聞かない人に市政をあずけるわけにはいかない。ただちに辞任すべきです」と力を込めました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下氏の暴言に抗議／もとむら候補ら宣伝／党愛知県委

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「慰安婦は必要」と発言したことに対し、日本共産党愛知県委員会は１４日、名古屋市中区の繁華街で抗議宣伝をしました。もとむら伸子参院選挙区候補ら女性勤務員が参加し、緊急に作製したビラを配りました。
　もとむら候補は「橋下氏の暴言は、女性の人権を否定するもので、絶対に許せない。橋下氏には政党代表、市長の資格はない」と述べ、戦前から一貫して侵略戦争に反対し、女性の人権確立に奮闘してきた党の活動を紹介しました。
　「ビラを下さい」と駆け寄った女性は「女性を見下したような発言をする橋下市長は辞めるべきだ」と話しました。
　足を止めて訴えを聞いていた男性は「男の俺だって女性を侮辱した橋下市長の発言に怒りが湧く。参院選で『維新』を伸ばしてはだめだ」と激励の声をかけました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

参院比例５議席絶対確保へ／北陸信越５県でいっせい宣伝／新潟／長野／石川／富山／福井

　参院選で比例代表の５議席絶対確保をめざす北陸信越ブロック５県の日本共産党は１５日、いっせい宣伝にとりくみました。

憲法守りアジアと友好／新潟
　日本共産党新潟県委員会は、にしざわ博参院選挙区候補を先頭に地方議員、機関役員、党支部員らが各地で宣伝。新潟市のＪＲ新潟駅前では、にしざわ候補、樋渡士自夫県委員長、川俣幸雄書記長、田中俊之新潟地区委員長らが宣伝しました。
　にしざわ候補は、日本維新の会の橋下徹代表が「慰安婦は必要だった」と発言したことに対し「人間の尊厳を踏みにじり、まったく人権感覚のない発言で許されない」ときびしく批判し、発言の取り消しを訴えました。
　にしざわ候補は、こうした発言は、安倍首相や自民党と同じ歴史認識のゆがみと逆行から起こったものだと指摘。アジア諸国と友好関係を築くために、正しい歴史の事実と向き合うとともに、参院選ではアジアの友好と平和憲法を一貫して守ってきた日本共産党を伸ばしてほしいと訴えました。
　「頑張ってください」と声をかける女性もいました。

暮らしに光あてる政治／長野
　長野県では５０カ所以上で、機関役員、地方議員、党支部、後援会が街頭から日本共産党の躍進を訴えました。
　ＪＲ長野駅前（長野市）では、県労働者後援会が「労働者の賃金は上がらず、暮らしは楽にならない」と訴えると、信号待ちの軽トラに乗った男性が「俺も給料が上がらない。今から仕事。頑張ってください」と声援を送りました。
　県労働者後援会長の菅田敏夫氏（県労連副議長）は「労働者や国民の冷え切ったくらしに光を当てた政治が必要だ」と訴え。武田良介・党県常任委員は「参院選は、憲法を守るか、戦争する国になるか―自民党と共産党の天下分け目の対決だ」と強調。比例５議席の確保と、唐沢ちあき参院長野選挙区の議席挑戦へ、日本共産党に支援をと呼びかけました。

大企業にモノ言う党／石川
　石川県では、地方議員・各支部が出勤や退勤時間に合わせて駅頭やスーパー前などで宣伝しました。市田忠義書記局長を迎えて今月２４日に金沢市文化ホールで開く、党演説会への参加も呼びかけました。
　ＪＲ金沢駅前では、会社員らの通勤時間帯に、秋元邦宏県委員長、亀田りょうすけ参院選挙区候補、佐藤正幸県議が街頭に立ちました。
　秋元氏は、経済政策や環太平洋連携協定（ＴＰＰ）、憲法問題など国民の思いに背き続ける自民党政権を批判。「財界や大企業、アメリカにモノを言い、展望を示す共産党を大きく伸ばしてください」と訴えました。
　亀田候補は、業者や農林漁業従事者との懇談の中で、業績の悪化や将来への不安を訴える声が多数寄せられることを紹介。「労働者の賃金を増やし、経済の好循環を生み出すことこそ重要。さらに対話・共同を広げたい」と決意を語りました。
　バス待ちをしていた金沢市の女性（７２）は「庶民の暮らしを応援せんと日本がよくならないというのは、その通り。ぜひ頑張ってほしい」と共感を寄せていました。

政権の暴走を止めよう／富山
　富山県では、高橋わたる参院選挙区候補や地方議員らが富山市、魚津市、高岡市、射水市、砺波市で日本共産党の参院選勝利を訴えました。
　高橋候補は、富山市のＪＲ富山駅南口前と北口前で宣伝。安倍政権がすすめるアベノミクス、ＴＰＰ交渉参加、原発再稼働・推進、憲法９６条改定、侵略戦争肯定問題を取り上げ「参院選で日本共産党をのばしてこそ、安倍政権の暴走にストップをかけ、日本の政治と経済を深刻な危機から救い、国民の暮らしが守れる」と強調しました。橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の「慰安婦は必要」との発言について、人間の尊厳を踏みにじる許されない暴言だと厳しく批判。「結党から９１年、戦争反対と国民主権のために命がけでたたかってきた日本共産党を必ず参院選で躍進させて、歴史の逆流を打ち破ろう」と呼びかけました。
　高橋候補の訴えに対し、通勤者が「がんばれ」と声をかけていきました。

戦火ない未来子どもに／福井
　福井県では、山田かずお選挙区候補を先頭に地方議員、幹部らが、街頭から党への支援を訴えました。
　山田候補は、南秀一県委員長、金元幸枝県書記長らと福井市内を回り、憲法を守り生かす立場で「戦火を交えることのない未来を子どもたちに手渡そう」と訴え「働く人の権利と、暮らしを守ろう」と呼びかけました。
　金元氏は、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が行った「慰安婦は必要」との発言を厳しく批判しました。
　公営住宅前で演説を始めると、住人らが聞きに出てきました。一人暮らしの女性（７４）は「物価が高くなるし、つらくて生きていくのが苦しい」と訴えました。別の女性（７９）は「娘は就職口がなく、ずっと家にいる。生活がだんだん悪くなる」と話し、戦争体験をもつ男性（８８）は「私は実際に戦争に行きました。戦争はもうごめん」と訴えました。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言に怒り続く／普遍的原理を否定するもの／岸横須賀市長候補

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦は必要だった」「（米海兵隊に）もっと風俗業を活用してほしい」などと発言していることについて、神奈川県横須賀市長選（６月２３日告示、３０日投票）で、「『幸せ度Ｎｏ．１のよこすか』をみんなでつくる会」から立候補を予定している岸牧子氏（５６）は１５日、以下のように批判しました。
　◇
　橋下氏は、軍隊や戦争というものを認める思想が根底にあるから、人間の尊厳を踏みつけにしても平気という発想になるのでしょう。基本的人権や平等という人類の普遍的原理を否定するもので、人間をランクづけした奴隷制の時代を思い起こさせます。
　同じセリフを東南アジアの国の中で言えますか。歴史認識のあまりの欠如に国際社会からも受け入れられないでしょう。
　基地のある横須賀では米兵犯罪が頻発し、市民生活と相いれない状況がつづいています。私たちの街にも憲法の保障する平和的生存権は生きていいはずです。
　私たち有権者にも責任があります。市民の世論と投票行動で、こんな人物は政界からしりぞかせなければなりません。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下発言に怒り続く／年金者組合神奈川／日朝協会都連

年金者組合神奈川
　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による「慰安婦は必要」発言や「風俗業活用」発言に対し、年金者組合神奈川県本部（土志田公佳委員長）は１４日、発言の撤回と謝罪、市長の辞任を求める抗議文を橋下氏に送りました。

日朝協会都連
　橋下徹大阪市長が日本軍「慰安婦」問題で「慰安婦制度は必要」などと発言した問題で、日朝協会東京都連合会（吉田博徳会長）は１４日、「信じられないほどの驚きと激しい怒りを覚え」たと抗議し、撤回を求める要請文を同市長に送りました。
　要請文は「慰安婦制度そのものを正当化し、米軍には『風俗業活用』をすすめることは言語道断であり許されない」「歴史の流れに逆行し、女性の人権を踏みにじり、人間の尊厳を貶（おとし）める」と批判。発言は「アジア諸国民との友好親善、北東アジアの平和と安全を損なうもの」だとしています。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

５・２２東京演説会／わたしも参加します／新千明さん／中山伸さん／伊藤潤一さん

　東京都の日本共産党と後援会は、都議選（６月１４日告示、２３日投票）と、引き続きたたかわれる参院選での躍進をめざして、志位和夫委員長を迎えて５月２２日に開催する演説会を成功させようと、宣伝や参加の呼びかけに力を入れています。各界各分野の３氏に演説会への期待や成功へ向けた決意を聞きました。

憲法と人権守られる東京に／全都女性後援会代表委員新千明さん
　女性たちは、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度は必要だ」とのべたことに怒っています。公人がはばかりなく女性の人権を踏みにじる発言をすることを許すわけにはいきません。
　安倍内閣も、侵略戦争の過去を認めず平和憲法を改悪しようとしています。女性の尊厳をおとしめ憲法を改悪しようとする勢力に真正面から対決できるのは、共産党しかありません。
　今こそ、怒りを力に東京中の女性が声をあげるときです。平和憲法があるから女性の人権が輝くということを広げていきたい。一緒に演説会に参加して、人権とくらしが守られる東京にしましょうと呼びかけたいです。

共産党の勝利、都政を左右／革新都政をつくる会事務局長中山伸さん
　くらし、命を守る東京へ、私も都政の転換をめざす多くの都民のみなさんとともに２２日の日本共産党演説会に参加します。
　都議選と都知事選は、都政転換の両輪です。石原前都政の悪政を継承し、安倍政権と一体になった都政をすすめようとしている猪瀬都政に対して、都民の立場を掲げ、力強く、一歩もひるまず奮闘する日本共産党都議団にいつも励まされています。
　日本共産党都議団の勝利・飛躍が都民の暮らし、いのち、都政の今後を大きく左右します。私も全力でたたかいます。演説会をともに大成功させましょう。

賃上げ・安定雇用実現こそ／全都労働者後援会代表委員伊藤潤一さん
　私たち労働者、労働組合にとって、安倍政権の「アベノミクス」で、くらしはよくなるどころか、物価は上がり、従業員３００人以下の中小企業では、賃上げは前年よりマイナスになるなど、いっそう大変になるのではないでしょうか。
　労働者がいま一番求めているのは、賃金の引き上げと、安定した雇用の実現で、安心して働きつづけることができることです。アベノミクスと対決し、この実現をめざしているのが共産党です。
　保育所の待機児童の問題は深刻です。入れる保育所がなければ、職場に戻れず、雇用が守れません。共産党は、認可保育所の増設を主張し、都政を動かしてきました。
　職場の仲間たちに「共産党が伸びてこそ労働者の暮らしを守ることができる。ぜひ志位委員長の訴えを聞いてほしい」と演説会参加の輪を広げていきたい。

日本共産党演説会
　２２日（水）午後６時開場、有明コロシアム。主な弁士＝志位和夫委員長ほか。問い合わせ＝党東京都委員会０３（３３７０）０３１１
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下「慰安婦必要」発言／ゆがんだ思想あきれる／新婦人山形県本部会長が抗議

　新日本婦人の会山形県本部会長の豊川ちゑ子さんは、橋下徹日本維新の会共同代表・大阪市長の「慰安婦は必要」発言に対し抗議のコメントを発表しました。

　橋下徹氏の「慰安婦制度は必要」という暴言に怒りを通り越して、その歴史認識の軽薄さにあきれるばかりです。そして恐ろしいと思いました。
　新婦人は全国いっせいに怒りの集中はがきや抗議文でアクションを起こす準備をしています。今年、ニューヨークの国連本部で、今回初めて「戦時性暴力問題連絡協議会」と日本軍「慰安婦」問題のワークショップが共催され、新婦人の平野恵美子国際部長が発言し、ニューヨークの国際女性デーのデモにも参加して大きな反響をよびました。
　「慰安婦」問題解決は国際的責務です。私たちは、「慰安婦」問題は女性の人権問題として毎年春の行動で学習と署名行動をしてきました。
　私たちは、橋下氏の発言とそのゆがんだ思想を断じて許すことはできません。
(２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

爆笑・共感、選挙勝利へ／松元さんと小池さん対談／党文化後援会が文化の夕

　日本共産党文化後援会は１４日、東京・新宿区の四谷区民ホールで「都議選・参院選勝利をめざす文化の夕」を開き約３００人が参加、選挙勝利に向けた熱気に包まれました。
　安倍晋三首相ら政治家の口調や身振りをまねたコメディアンの松元ヒロさんの時局コントに、何度も爆笑がおきました。その後、松元さんと日本共産党の小池晃副委員長・参院比例代表候補が対談しました。
　「アベノミクスで株価上昇したユニクロ株主、柳井さんのもうけを時給で計算すると７億円です」と語る小池さん。「時給」に笑い、巨額さに驚きが広がります。「慰安婦は必要」と暴言をはいた橋下徹大阪市長を「政治の舞台から、さっさと消えてほしい」と批判すると、共感の拍手が起こりました。
　松元さんはおはこの「憲法くん」を披露。日本国憲法になりきって憲法前文を朗唱し、「私は６６年間、一度も他国の人をあやめなかったことを誇りに思っています」と訴えると、会場は感動に包まれました。
　アイドルの制服向上委員会が脱原発の願いをこめた歌を熱唱。元日本フィル団員の新井豊治さんら「センプリーチェカルテット」が流麗な弦楽四重奏を奏でました。松平晃さんがトランペット演奏。前進座の紫野明日香さんが司会しました。
　大山とも子都議会議員、東京のうたごえ有志後援会と合唱した吉良よし子参院東京選挙区候補が、それぞれ決意を述べました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

オスプレイ配備撤回を／沖縄に連帯「１５日行動」／平和委

　沖縄が日本に返還されてから４１年目の１５日、日本平和委員会は東京・新宿駅前で「沖縄連帯１５日行動」として宣伝や署名を行いました、歌声を響かせながら、沖縄の米軍基地の撤去やオスプレイ配備撤回とともに、橋下徹日本維新の会共同代表の破廉恥発言を批判し、公人の資格なしと訴えました。
　日本のうたごえ、安保破棄実行委員会や東京原水協、日朝協会などのメンバーもふくめ、１５人が参加。ビラの裏面には橋下「維新の会」共同代表の旧日本軍「慰安婦」制度肯定の暴言に抗議する日本平和委員会の声明を掲載し、配りました。
　ビラの受け取りはよく、「家族が沖縄の宜野湾市の出身。本当に危険で大変な状況。安倍さんや橋下さんに本当に危険を感じる」と署名する女性や、「私は神奈川の厚木基地に住んでいて、厚木基地の爆音被害にあっているが、沖縄も大変ですね」と署名する夫婦がいました。修学旅行で北海道から来た高校生たちが、沖縄の基地の状況を聞き、みんなで署名。あちこちで対話になりました。
　うたごえのメンバーが「沖縄を返せ」を歌うと、通行人の何人かも一緒に歌い合う一幕もありました。
　この日は各地で宣伝署名行動が行われました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

「慰安婦は必要」橋下発言／広がる海外の批判／「河野談話の堅持を」／フィリピン外務省報道官が声明

　【マニラ＝時事】フィリピン外務省報道官は１５日、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる発言を受けて声明を出し、日本政府に対し、旧日本軍の従軍慰安婦問題への関与を認めて謝罪した「河野談話」を堅持するよう求めました。
　声明は「フィリピン政府は常に日本の当局者に対し、慰安婦問題に関する発言は（慰安婦だった）人々の感情を傷つけるので、より慎重に行うよう求めてきた」と指摘。河野談話や２００２年に小泉純一郎首相（当時）がフィリピン人の元慰安婦に送った書簡の内容を堅持する重要性を強調しました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

「慰安婦は必要」橋下発言／広がる海外の批判／��橋下氏、汚れた古い思考�＝^インドネシア英字紙が社説

　インドネシアの英字紙「ジャカルタ・ポスト」（電子版）は１５日、「橋下氏の汚れた古い思考」と題する社説を掲載し、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の｢慰安婦は必要｣発言を批判しました｡
　社説は、日本による「アジアの女性の強制売春」の被害者には中国、韓国だけでなくインドネシアの女性も含まれることに触れたうえで、橋下発言に対し「大半の正常な人たちには受け入れられない言葉」「もし犠牲者の１人が橋下氏の母親なら、彼は同じ見解を持っただろうか？」と嫌悪感をあらわにしました。
　そのうえで、「橋下市長の利己的で無責任な行動は、��犠牲者が自らの深刻な苦痛を思い出さないようにしていても、日本は決して過ちを認めるほど成熟しないのでは�≠ﾆいう恐れを周辺諸国の間に生じさせている」と指摘しました。
　社説は、同様の「汚れた古い思考」が「自民党や一部政党の幹部」にあるとも指摘しています。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏暴論さらに／言い訳・開き直りの果て

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長)は１５日､市役所で急きょ囲み取材に応じ、国内外から抗議が殺到している日本軍「慰安婦」問題での暴論をさらに展開しました。
　橋下氏は「慰安婦制度が必要であることは誰でも分かる」と暴言を吐いたことについて｢今､必要だなんて一切いっていない」と言い訳。「第２次世界大戦当時は世界各国が同じようなことをやっていた」「なぜ日本だけが特別な批判を受けるのか。何か特殊性があるのか｣などと､第２次大戦中に軍や政府が公的方針のもと兵士のためのレイプの施設をつくったのは日本とドイツだけだという歴史研究の到達点を無視した論をまくしたてました。
　軍による「慰安婦」連行の強制性については「僕は歴史家ではないから、きちんとした検証は行っていない」と発言しました。
　在日米軍に「風俗業の活用」を求めた問題について「買春とは言っていない。法律で認められた風俗がある」「ルールで性的欲求はおさまるのか。性犯罪がなくなるのか」などと開き直りました。

��風俗の活用、職員に推奨��
　退庁時の囲み取材では市役所内でもわいせつ事案の職員不祥事が増えてきた場合は、性風俗の活用推奨も議論の対象に「なりうる」と発言。「何の罪もない人のところに行くぐらいなら、認められる範囲で対応しなさいというのが本来のアドバイスだ。ほかのアドバイスがあるのか」と言い放ちました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

「慰安婦は必要」橋下発言／沖縄選出の５国会議員／謝罪求め抗議声明

　日本共産党の赤嶺政賢衆院議員はじめ沖縄県選出・出身の野党５人の国会議員が１５日、国会内で記者会見し、日本維新の会の橋下徹共同代表による「慰安婦は必要」「風俗業の活用を」との発言に抗議し、発言の即時撤回とすべての女性への謝罪を求める声明を発表しました。
　声明は、「性風俗店の存在で米軍人・軍人らの性犯罪・性暴力が解消されないことは、本土復帰前のＡサイン制度（米軍公認店舗）下の実態を見れば明らかだ」と指摘。「公党代表として政治を語る資格はない。橋下氏は市長として政治家として、弁護士としても失格の烙印（らくいん）を押さざるを得ない」と強調しています。
　赤嶺氏は、「沖縄県民が苦しめられている米軍による犯罪をなくすためには広大な米軍基地の縮小・撤去しかない。この県民総意を泥靴で踏みにじる発言だ」と発言。糸数慶子参院議員は、「もはや政治家、弁護士としての資格はない。ただちにやめるべきというのが沖縄の女性の思いだ」と述べました。
　生活の玉城デニー衆院議員、社民の照屋寛徳衆院議員、山内徳信参院議員も抗議の意思を表明しました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

「慰安婦は必要」橋下発言／京都の党全女性議員抗議

　「慰安婦」をめぐる日本維新の会・橋下徹共同代表の暴言問題で、京都府内の日本共産党の女性議員全５０人が１５日、連名で妄言の撤回・謝罪と市長辞職を求める抗議の声明を発表するとともに、京都市の四条河原町で宣伝しました。
　声明は、一連の発言について「女性をあたかも性の道具として扱い、人間の尊厳をおとしめるもので女性として絶対に許すことはできない」と強調。さらに海兵隊司令官へ「風俗業の活用」を求めた発言は、米兵による女性や子どもへの事件が相次いでいる原因を全くねじ曲げ、基地被害に苦しむすべての人たちを冒とくするものだと批判しています。
　宣伝では、府・市議らが「女性の人権を踏みにじる絶対に許されない妄言だ」と訴えました。
　ビラを受け取った男性（６０）は「女性を侮辱し、差別する発言だ。市長の資格が問われる」と話しました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦は必要」橋下発言／抗議・怒りの声続く

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」「（米海兵隊は）風俗業の活用を」との発言に対して、１５日までに各団体の抗議が続き、発言の撤回や公職から退くことなどを求めています。

全労連
　全国労働組合総連合は小田川義和事務局長の談話で、橋下氏の発言は、軍隊では女性の尊厳と人格を踏みにじる犯罪行為が容認されるという特異な主張であり、「断じて容認することはできない」と強調。「満身の怒りをこめて断固抗議し、発言の撤回と謝罪、大阪市長などすべての公職から即時辞任を強く求める」とのべています。

全教
　全日本教職員組合は声明で、「戦争遂行のために女性の性を利用することが当然であるかのような発言は、すべての女性、そして人間そのものを冒?（ぼうとく）するものだ」と批判。発言の根底には侵略戦争を肯定する歴史観があり、日本軍「慰安婦」問題の解決を求める国際社会に挑戦するものだと指摘。発言の即時撤回と謝罪を強く求めています。

自由法曹団
　自由法曹団は篠原義仁団長の声明で、発言は旧日本軍の蛮行を免罪し、苦難の人生を歩まざるを得なかった「従軍慰安婦」とされた人々を再度深く傷つけると指摘。「風俗業の活用」発言は、沖縄をはじめ基地被害に苦しむ人々の心情を蹂躙（じゅうりん）するものだとのべています。

婦人民主クラブ
　婦人民主クラブは櫻井幸子会長名の抗議文で、「公人の発言であるだけに、日本の恥を世界中にさらすものです」と批判。「人間の尊厳を深く侵害し、女性のみならず、男性をも侮辱するものであり、被害者をさらに傷つけ日本の罪をいっそう重ねることになる」と強調しています。

日中友好協会
　日本中国友好協会は長尾光之会長名の抗議文で、橋下氏の発言と、維新の石原慎太郎共同代表の「軍と売春はつきもの」との発言に強く抗議。「人権蹂躙にとどまらず、侵略戦争肯定そのものです」と指摘しました。

日高教
　日本高等学校教職員組合は藤田新一書記長の抗議文で、「人間の尊厳をおとしめる発言であり、公党の党首の資格がないだけでなく、市長たる資格も、国政を語る資格もない」としています。

保団連
　全国保険医団体連合会は板井八重子女性部部長の談話で、「健康と命を守る医療人として、命を生み出す女性として､未来永劫(えいごう）、従軍慰安婦のような悲劇を二度と起こさない」ためにも抗議するとしています。

自治労連
　自治労連は猿橋均書記長の談話で、一連の発言の即時撤回を要求。また、「慰安婦」問題への日本軍の関与と強制を認めた「河野官房長官談話」の見直しを安倍首相が表明するなど、政府の姿勢が橋下氏の発言の背景にあると指摘しました。

北海道の会
　「日本軍『慰安婦』問題の解決をめざす北海道の会」の七尾寿子共同代表らは１５日、札幌市役所で記者会見を開き、抗議声明を発表しました。
　声明は「日本軍『慰安婦』被害者を傷つけ、沖縄を貶（おとし）め、人間の尊厳を蹂躙したことに対して怒りを持って抗議します」とのべ、橋下氏に対し謝罪と発言の撤回を求めています。声明には、「慰安婦」問題にとりくんできた市民団体など２３団体と１１人の個人が賛同しています。
　同会は、この抗議声明を橋下氏に送付するとともに、政党、道内選出の国会議員、参院選立候補予定者に、橋下発言への認識を問う公開質問書を送ることも明らかにしました。
　共同代表の一人・金時江さんは「橋下氏の発言は、女性ばかりでなく人の命、尊厳にたいする根本的な侮辱であり、強い怒りを覚えます。発言を撤回し、責任ある態度を示してほしい」とのべました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

『いま、日本共産党』／志位和夫委員長の著書、韓国で初出版／韓国人ジャーナリストが翻訳

　日本共産党の志位和夫委員長の著書『日本共産党とはどんな党か』の韓国語版が２０日に韓国で出版されます。日本共産党の書籍が韓国語に訳されて韓国で出版されるのは初めてのことです。

　韓国語版のタイトルは『いま、日本共産党』（イマジン出版社）です。表紙裏を見ると次のキャッチフレーズが目に飛び込んできます。
　「日本にも共産党があるのか？　
　党員３１万８０００人、機関紙読者１３０万、党支部数２万余、地方議員２７００人余。アジアで最も成功した野党共産党で、日本で最も強力な草の根の政治組織。保守政治に立ち向かう１００年政党について語る　――いま、日本共産党は」

いきさつと意義
　翻訳と出版に尽力された韓国人ジャーナリストの洪相鉉氏は、出版のいきさつとその意義を訳者あとがきに次のように記しています。
　「２００５年８月、日本の某放送チャンネルが放送した『一対一』対決討論で。当時、小泉総理の政治的後継者として連勝街道を走っていた安倍〔晋三〕を迎え、いわゆる『靖国史観』とも言える彼の歴史認識に対して猛攻を浴びせた志位委員長の姿を見て、初めて日本共産党に関心を持つようになった」
　「２０１１年２月、某放送社の取材依頼で代々木にある日本共産党本舎を訪問し、志位委員長との単独インタビューを行い、植民地時代の韓国・朝鮮の愛国者たちと連帯し、反帝国主義のたたかいを展開した初期日本共産党員の皆さんの活躍の姿についての雄弁な証言を聞き、『必ず韓国社会にこの政党を紹介する本を翻訳しなければならない』と決意した」
　洪氏はさらに、『日本共産党とはどんな党か』は、「今日世界的に非正規問題と社会的格差増大などの弊害を量産している新自由主義経済路線を辛辣に批判しつつ、日本共産党がこれに立ち向かって労働現場と連帯するたたかいを通じて勝ち取った成果を紹介している」と述べています。

書き下ろし序文
　志位委員長は新たに書き下ろした韓国語版序文で、歴史、綱領、草の根、自主独立という四つの観点から日本共産党の「自己紹介」をおこなうとともに、日本の政治の「三つの異常な特質」――過去の侵略戦争を正当化する異常、アメリカいいなりの異常、極端な大企業中心主義の異常――について説明しています。
　その上で、日韓関係に直接かかわる「過去の侵略戦争を正当化する異常」の背景にある問題を明らかにしつつ、緊急課題としての「慰安婦」問題の解決の道を提示。さらに、「日本が過去の植民地支配に対して誠実な態度をとり、その根本的清算をはかることは、両国間に存在する懸案課題を解決する上でも、冷静な話し合いの土台をつくることになるでしょう。私は、そのために力を尽くす決意を申し上げるものです」と述べています。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

村山談話で首相答弁

　安倍晋三首相は１５日の参院予算委員会で、侵略戦争と植民地支配を認めた「村山談話」について、「政権としては全体として受け継いでいく」と答弁しました。これまで安倍首相は村山談話について「そのまま継承しているわけではない」などと述べていました。
　一方、安倍首相は「しかるべき時期に２１世紀にふさわしい未来志向の談話を発表したい」と述べ、村山談話の見直しには引き続き含みを持たせています。
　また、安倍首相は「侵略についても否定したことは一度もない」と述べ、これまで「侵略の定義は定まっていない」としていた答弁から表現を変えました。日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度は必要」と述べたことについて、安倍首相は「立場が違う」としか答えませんでした。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下氏発言／「失望を感じた」／韓国駐日大使が非難

　韓国の申○秀（シン・カクス）駐日大使は１５日、離任にあたって都内の日本記者クラブで会見し、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦制度は必要だった」とする発言について、「日本の指導者たる政治家が、歴史認識や女性の人権を尊重する意識が貧弱であり、失望を感じた」と強く非難しました。
　韓国では、最大野党の民主党が橋下氏に謝罪を要求するなど波紋が広がっています。
　申大使は、橋下氏の発言に対する日本国民の反応はおおむね良識的だったことと対比して、「日本国民の意識とかい離した歴史認識を持つ政治家が、慰安婦にされた被害者の苦痛と、女性の人権という普遍的なテーマについて、もう一度考えるべきだ」と注文しました。
　また、過去の植民地支配や侵略戦争を認めた１９９５年の「村山談話」見直しの動きが日本政府や与党内から出ていることについて、申大使は「韓国を含めて、周辺諸国は村山談話を基礎として対日関係を構築してきたが、今になって村山談話を修正するような動きが出ているということはひじょうに不幸なことだ」と述べました。
　麻生太郎副総理らによる靖国神社参拝をきっかけに、４月２６日に予定していた日韓外相会談が中止されたことについて、「靖国参拝に対する韓国国民の認識は否定的だ。韓国も日本も民主主義的な国家で、世論の影響を直接受ける状況にある」と述べ、当面は政府間の交流が復活する見通しはないとの考えを示しました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

橋下暴言／「人間の尊厳傷つける」／沖縄２５女性団体抗議

　日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による「従軍慰安婦」容認と、在沖米軍への風俗業活用を進言した暴言について、沖縄県内の２５女性団体の代表らが１５日、県庁で記者会見し、抗議声明文を発表しました。
　声明文は「女性のみならず男性、すべての人間の尊厳を傷つけるもの」と強く抗議、謝罪と発言の撤回を求めています。
　糸数慶子参院議員（無所属）は「政治家である前に人間としての資質を疑う女性への人権蹂躙（じゅうりん）」と厳しく批判しました。
　女性団体代表が次々と怒りを表明。「自治体の長、政党代表として女性べっ視は到底許されない」（県婦人連合会）、「あまりの見識のなさにがく然とした。人権感覚をみじんも感じない｣(ジェンダー問題を考える会)､｢米軍基地ありきで女性を犠牲にする発想｣(県女性の翼の会)､｢人間そのものへの冒?(ぼうとく)｡全世界の女性に対する謝罪と発言の撤回､辞任を求めたい｣(県母親大会連絡会)などと訴えました｡
　声明文は同日、維新の会と大阪市に送付。日本共産党からは西銘純恵県議、前田千尋那覇市議が出席しました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

１３年度予算成立／��自ＶＳ共�″\図くっきり

　安倍内閣初めての年度予算となった２０１３年度予算案が１５日、成立しました。補正予算から５カ月余におよぶ予算論戦は、��自共対決�≠ｪ政治の対決軸となっていることを浮き彫りにしました。

野党出番なのに
　「歴史認識問題、アベノミクス、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）が安倍政権の３重苦になってくる。野党の出番なのに民主も維新も存在感がない」
　予算成立を受けてマスコミ記者からこんな声が上がりました。
　投機とバブルをあおる金融緩和、日本をアメリカに売り渡すＴＰＰ交渉参加、侵略戦争・植民地支配の美化と憲法改定への執念―暴走に次ぐ暴走を重ねる安倍政権は、国民生活と中小企業を直撃する円安と物価高、ＴＰＰ交渉参加をめぐる「公約違反」との批判、歴史問題での国際社会からの批判の広がりなど、深刻な矛盾とほころびを広げています。
　ところが民主党は、金融緩和、原発、ＴＰＰ、米軍新基地建設など安倍政権がすすめている路線はどれも政権時代に手を付けた問題であり、批判もできません。「３党合意に基づいてといわれるとモノがいえない」「公開反省会を開いたが、��無反省会�≠ｾといわれる」と嘆く声が議員から上がるほどです。
　「第三極」と持ち上げられた維新の会はどうか。「既成政党打破」を掲げて一番最初にやったことは、補正予算に野党で唯一賛成することでした。憲法を変えよ、軍事費を増やせとけしかけ、自民党の「補完勢力」「突撃隊」であることは隠しようがありません。橋下徹共同代表の「慰安婦は必要」発言で、公党としての存在そのものが厳しく問われる事態になっています。

政治動かす力に
　これに対して、安倍内閣の暴走と真正面から対決し、政治を動かす力を発揮しているのは日本共産党です。
　他党が「アベノミクスは正しい」と礼賛するなか日本共産党は、実態は国民の暮らしと経済を破壊する「５本の毒矢」だと真正面から批判。国民の所得を増やして消費を活発にし、内需を増やすという景気回復の大道を歩む対案を示してきました。
　この主張が世論とあいまって政府を動かし、安倍晋三首相も「経営者に賃金の引き上げを要請したい」と賃上げに動きださざるをえなくなりました。
　党の追及は、「過去に賃金が上がらなかった事実を認めさせ、『経営者に賃上げを要請する』との言葉を引き出した」（「朝日」）と報じられました。
　安倍首相が先行改定をねらう９６条改憲についても日本共産党は「��国民主権の立場に立って権力を縛る�≠ﾆいう憲法の本質的性格を壊すものであり、絶対に反対です」（志位和夫委員長）と表明。９６条改定反対の一点で世論と共同を広げ、安倍首相は「一般の法律と同じように（２分の１の賛成で）変えていいとは思わない」といいだしています。
　予算は成立しましたが、国民生活を守り、被災地の復興、歴史の逆流を許さないたたかいはこれからです。
　「非常にいい質問です。拍手を送りたい。『赤旗』日曜版を申し込みます。息子も『共産党が一番まともなことをいっている』といっています。頑張ってください」―��ブラック企業�≠�追及した１４日の山下芳生議員の質問をテレビで見た愛知県の女性から電話が寄せられました。
　日本共産党と国民の共同を広げて、政治を変えるたたかいはすでに始まっています。
　（深山直人）
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

��これが一国の総理か�＝^井上氏質問に反響

　１５日、日本共産党の井上哲士議員の参院予算委員会での質問をテレビなどで視聴した人たちから党本部に電話・メールなどで反響が寄せられました。
　山形県の女性は「『慰安婦は必要』という日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の発言に腹立たしい思いをしていましたが、井上さんの質問はとてもよかったです。橋下発言は安倍首相の歴史認識や憲法問題にもつながっていくと思います。参院選がんばらないといけませんね」と述べました。
　新潟県の女性は「井上さんの質問は大変素晴らしかった。それに比べて安倍首相の答弁はまったくお粗末。橋下発言を公然と批判できず、他党代表のことなのでコメントできないと逃げてばかり。これが一国の総理かと思うと情けない。きょうの井上さんの質問内容を周りの人にも話したい」。東京都足立区の女性は｢安倍首相は『歴史家がどうの』と逃げている｣と指摘｡千葉県の女性も「橋下発言について安倍首相はまともに答えられなかった。今後も追及してください」と語りました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

人権無視橋下市長は辞めよ／女性ら怒りの宣伝／大阪市役所前

　橋下徹大阪市長は暴言を撤回し、市長を辞めよ―。「『慰安婦制度』は必要」と女性の人権と尊厳を踏みにじる橋下市長の暴言に対し、大阪の女性団体有志と個人１５０人が５月議会開会日の１５日、市役所前で怒りの宣伝を行いました。
　女性たちは横断幕やプラカードを掲げて抗議しました。
　沖縄県出身の女性は「怒りをもって抗議する」とのべ､｢橋下市長は沖縄の米軍司令官に日本の風俗活用を勧めた。基地を撤去したら解決する｣と批判しました｡
　代表らは口々に「女性の人権を無視する人を市長として認められない」（大阪ＡＡＬＡ）と抗議。若い男性も「大阪、日本の恥。軍隊に売春や慰安婦が必要なら『国防軍』ができたら日本中に慰安所をつくらないといけなくなる。即時辞職を」と市長辞任を求めました。
　行動を呼びかけた大阪労連の鈴木まさよ女性部長は「『慰安婦』は性奴隷であり戦争犯罪だ。大阪と日本の女性は絶対に許さないと運動を広げていきたい」と訴えました。
　大阪自治労連の岩崎江利子さん（３８）は「橋下市長の人間に対する問題だと思う。市長は辞めてほしい」と話しました。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下暴言、首相否定せず／井上議員、侵略美化許されない／参院予算委

　日本共産党の井上哲士議員は１５日の参院予算委員会で、閣僚の靖国神社参拝と日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」発言を取り上げ、侵略戦争と植民地支配を美化することは許されないと追及しました。

　井上氏は橋下氏の発言を、「人間の尊厳をおとしめる暴言だ。決して許せない」と批判。閣僚が「タイミングが非常に悪い」（下村博文・文科相）、「従軍慰安婦は当時は必要性を感じていたからこそあった」（谷垣禎一法相）と述べていることについて、「タイミングは悪いが、内容は問題ないというのが安倍内閣の立場か」とただしました。安倍晋三首相は、「他党の代表として立場が異なる｣と繰り返すだけでした｡
　井上氏は、マスコミも「強制連行認めず　安倍首相の認識踏襲」と書いていることを示し、「橋下氏と総理の発言は連動している。違うというなら、従軍慰安婦は必要というのは間違っているとのべよ」とただしましたが、首相は最後まで橋下発言を否定しませんでした。
　井上氏は、靖国神社の軍事博物館「遊就館」で開催中の「大東亜戦争７０年展」を紹介。この中で「アジアの解放と共存共栄の新秩序を確立するという先人達の事跡を拝観いただく」とのべているとして、同神社が過去の侵略戦争を「アジア解放の戦争」と美化する特殊な施設だと指摘しました。その上で閣僚の参拝は、「安倍内閣の立場を侵略戦争肯定の立場におくことになる」と強調しました。
　安倍首相は、「コメントすべきではない。歴史については歴史家に任せるべきだ」と靖国神社の歴史観を否定しませんでした。
( ２０１３年０５月１６日，「赤旗」)

15日（Page/Top）

橋下氏の暴言／最大の女性差別発言／撤回・謝罪求める／京都の労組・女性団体など

　旧日本軍「慰安婦」制度を正当化する発言をした日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）に対し、京都府の労組や女性団体らは１４日、撤回や謝罪を求める抗議文を出しました。
　京都教職員組合と同女性部は、「旧日本軍の性奴隷」とされた女性たちに対する歴史認識、人権感覚の欠如を示し、人間の尊厳をおとしめる発言、「公人としての資格がない暴言」と断じ、発言の撤回と謝罪を要求しています。
　京都市教組、京都府立高教組、京都市立高教組も同様に抗議し、京教組は、各地域の教組にも抗議を集中しようと呼びかけています。
　京都自治労連、府職労連、市職労は、各女性部長の連名で、橋下氏に抗議文を送りました。国内でも早期解決を求める意見書が多くの自治体で採択されていることをあげ、「戦時における性暴力」を肯定する度重なる発言は、政党の代表としても、市長としても資格はないと批判しています。
　京都母親連絡会は、「女性に対するこれ以上ない差別発言であり、人権を冒涜（ぼうとく）するもの」と指摘し、「体に鞭（むち）打って謝罪と補償を訴えておられる元慰安婦の人たちに、そして、全世界の人たちに、こころから真摯（しんし）に謝罪を求めます」との抗議文を橋下氏にファクスしました。
　新日本婦人の会京都府本部の森下総子会長は、発言の撤回と謝罪を求めた抗議文で、国連機関はじめ国際的にも批判されている「日本軍『慰安婦』」問題の解決にとって、今回の暴言は歴史の逆行そのものと指摘しています。
(２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

橋下氏の暴言／時代逆行させる勢力に日本の政治は託せない／共産党京都府委が緊急宣伝

　日本共産党京都府委員会は１４日、「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が、戦争で荒れ狂う集団のために「従軍慰安婦制度というものが必要」と暴言を吐いたことに強く抗議し、京都市の烏丸御池駅前で緊急に宣伝しました。
　「維新・橋下氏暴言許せない」と書いたパネルを掲げた渡辺和俊府委員長。「村山談話・河野談話は韓国の従軍慰安婦にされた人から念入りに調査し、公式に認定し謝罪したものです。時代を逆戻りさせる勢力に日本の政治を託すわけにはいかない」と訴えました。
　倉林明子参院候補は「橋下市長にはこの国の未来、私たちの人権を預かる資格はない」と力を込めました。
　「橋下市長は政治家の資格はありません」と書いたビラを受け取った人たちと対話しました。兵庫県伊丹市の大学生（２１）は「橋下氏が『慰安婦』制度を認めることをいうのはムチャクチャだ」。自転車に乗った京都市の男性（３５）は「偏った発言だ」と声をあげました。
(２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏、市長・代表の資格なし／暴言に怒り広がる／大阪・憲法フェスタ／各団体の抗議

　「『慰安婦』制度は必要」「米軍は風俗を活用を」と暴言を連発する「維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長。「市長も、代表の資格もない。ただちに辞任せよ」と、大阪をはじめ、近畿各地で急速に怒りが広がっています。

��辞任求め、たたかう�＝^新婦人など抗議／大阪・憲法フェスタ

　「慰安婦は必要」という、人間の尊厳をおとしめる橋下徹大阪市長の暴言に日本中で怒りが沸き起こる中、地元大阪市で１４日､｢みんなの憲法フェスタ」が開かれ、のべ１０００人が集いました。新日本婦人の会大阪府本部などでつくる同フェスタ実行委員会の主催。
　「平和がいっぱい笑顔がいっぱい」と題したフェスタですが、今回は橋下暴言への怒りと抗議あふれるものとなりました。
　川本幹子実行委員長（新婦人府本部会長）は主催者あいさつで、橋下市長の暴言に「昨日、新婦人として一番に市役所に抗議に行ってきました」と報告。「大阪の女性として『こんなこと言わせてたまるか』と撤回させるまで行動しましょう。６６年間、国民のいのちや平和を守り続けてきた憲法を、今度は私たちが守る番です」と力強く訴えました。
　「わたしと憲法」のリレートークでは、「橋下市長の暴言には言葉を失いました。こんな人間が憲法改正に大きく関与しているなんて、どんな憲法になってしまうか想像がつきます。改憲を黙って許す母にはなりたくありません」「戦争の加害・被害のたくさんの犠牲の上にできた憲法、その犠牲を無駄にしないように憲法９６条、９条を守っていきたい」と次々発言がありました。
　川田忠明・日本平和委員会常任理事が「みんなで考えよう、憲法をいかすということ」と題して記念講演。分科会やピースパフォーマンス＆９条ファッションショーなど多彩なプログラムが繰り広げられました。
　参加した吹田市の女性（６９）は「橋下『慰安婦』暴言は絶対に許せない。女性全体、日本全体が怒っています」と話しました。

侵略戦争の歴史を否定／人間の尊厳ふみにじる／各団体の抗議

「慰安婦」問題大阪の会
　日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす大阪の会は１４日、「『慰安婦は必要』の発言は、正しい歴史認識もなく人間の尊厳も否定するものであり断固抗議する」との声明を橋下徹大阪市長に送付しました。
　声明は「慰安婦制度そのものを正当化する暴言は絶対に許せない。この問題の解決なくしては、アジアの国々との友好的な国際関係を築くことも、国際社会を堂々と歩くことはできない」と、発言の取り消しと謝罪を強く求めています。

大阪原水協
　原水爆禁止大阪府協議会（大阪原水協）は１４日、「人間の尊厳を踏みにじり、侵略を否定する暴言に断固抗議し謝罪と撤回を求める」とする岩田幸雄理事長名の抗議声明を、橋下徹大阪市長に送付しました。
　声明は「侵略戦争の事実を否定し、その下での戦時性的奴隷制度を公然と容認する貴殿の態度には、日本国憲法順守義務を持つ政治家、市長という公人としての資質すら疑われる前代未聞の暴言だ」と批判しています。

大阪安保
　安保破棄諸要求貫徹大阪実行委員会は１４日、植田保二事務局長の談話を発表しました。橋下氏が米軍幹部に「性風俗の利用をすすめる発言は本末転倒」と批判。１９９５年の少女暴行事件で、加害米兵に「犯行に使用した車を借りる金があれば女を買えたのに」と暴言を吐いた当時の米太平洋軍司令官が、沖縄県民の非難を受けて辞任したとのべ「同等の意味を持つ重大発言。断固追及していく」と表明しています。

大阪ＡＡＬＡ
　大阪府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会（大阪ＡＡＬＡ・澤田有理事長）は１４日、「『慰安婦は必要』の発言は絶対許せない！発言の撤回と謝罪を要求する」との抗議文を橋下徹大阪市長に送りました。
　抗議文は、ＡＡＬＡとして、「慰安婦」問題に取り組み、資料の学習と多くの被害者の証言をきき、だまされ、脅迫され戦場に連れて行かれ性暴力を受けたことは否定できない事実であることを学んだとのべ、非人間的な発言をただちに撤回して謝罪せよと抗議しています。

青法協大阪支部
　青年法律家協会大阪支部（上田恭子議長）は１４日、橋下徹大阪市長が「慰安婦制度は必要」「風俗を活用してほしい」と発言したことにたいして、抗議する声明を発表しました。
　声明は、「これらの発言は、女性を男性の性的欲望の対象としてのみとらえる発言であり、女性の人権を否定し蔑視するものとして断じて許されない」と指摘。「このような発言自体が、市長の人権感覚および品性を疑わざるを得ない｣と断じ､強く抗議しています。
(２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏の暴言／女性の尊厳踏みにじる／人権制限する戦争を肯定／廣田繁雄弁護士

中国人強制連行藪塚・月夜野事件群馬訴訟弁護団代表
　何ということを言うのか、あきれて物が言えないというのが率直な気持ちです。
　人権を制限する戦争を肯定し、その飢餓状態の中で「休息」するための暴力が許されていいのか。女性に対する差別と犠牲を前提にして戦争問題を処理していいはずはありません。橋下氏はいい気になりすぎているのではないでしょうか。
　改憲の動きが強まるもとで、歴史認識や過去の侵略戦争への反省が改めて焦点になっています。国際関係においても「慰安婦」問題の解決は大きなテーマです。原点から掘り起こし、国民全体で考えていく必要があります。
(２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

橋下氏の暴言／女性の尊厳踏みにじる／各地で抗議・批判の声／東京・昭島／栃木・新婦人

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が旧日本軍「慰安婦」問題について「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」と正当化したことに、首都圏各地でも批判の声が上がっています。

吉良参院候補が演説／東京・昭島
　日本共産党の吉良よし子参院東京選挙区候補は１４日、昭島市のＪＲ昭島駅前で橋下氏の暴言に対する抗議の街頭演説を行いました。
　吉良氏は「旧日本軍の『慰安婦』制度は、戦争する兵士たちの欲求を解消するために女性を道具のように扱う制度だ」と強調。「慰安婦」にされた女性たちの証言を紹介して「橋下氏は、自分の妻や娘にも同じことをしろと言えるのか。性暴力を肯定し女性の尊厳を踏みにじる暴言を、女性としては絶対に許せない」と訴えました。
　橋下氏と同様に、安倍首相も日本の過去の戦争を侵略戦争と認めず「慰安婦」制度における旧日本軍の関与を認めようとしないと指摘した吉良氏は、「安倍内閣や維新の会が押し進める憲法改悪は、日本を戦争できる国にすることが狙いだ。憲法が改悪されたら国民の命や人権が危険にさらされる。人間の尊厳をおとしめる人々に憲法を改悪させてはならない」と話しました。
　演説を聞いた金子恵子さん（７３）は「戦争を経験した世代として背筋が凍りつく思いだ。暴言や憲法改悪を許してはならない」と述べました。

抗議文を送付／栃木・新婦人
　新日本婦人の会栃木県本部は１４日、旧日本軍の「慰安婦制度」を必要だったとする日本維新の会の橋下徹共同代表の暴言に対し、抗議文を送りました。
　同県本部の各支部と班はこれまで、「慰安婦」問題の解決をめざし、日本政府に韓国政府との協議を急ぐことを求める署名活動に取り組んできました。
　抗議文は、橋下氏の発言を「国際社会に通用しない暴言で、女性・国民を冒涜（ぼうとく）するものだ」と強く批判。暴言の撤回と謝罪、公党代表と大阪市長の辞任を求めています。
　今年２月に韓国の元慰安婦らを訪ねた宇都宮支部の島村京子事務局次長（６５）は「怒り、怒りの一言につきます。私だけじゃありません。怒りを力に署名を集めます」と話しています。
(２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

��結局、侵略戦争の肯定�＝^橋下氏に抗議声明／日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

　「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の暴言に対し、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は１４日、抗議声明を発表しました。
　声明は、橋下氏の発言は「これほど非常識で人権感覚のかけらも見当たらない考え方を『誰だってわかる』という根拠はなんなのだ」と問いかけ、橋下氏の論が「結局、侵略戦争の肯定から始まっている。戦争を否定するならば、男たちが『命をかける』必要も、『慰安婦』制度も必要ないことがわかるはず｣だと断じています｡
　橋下氏が「なぜ日本が世界から非難されているかを日本国民は知らなければならない」と繰り返していることについて、「あなたのような為政者がいるから」と強調。「その人権感覚の低劣さと現状認識のお粗末さ」が国際的に非難されているとして、橋下氏に�@再び日本軍「慰安婦」被害者を傷つけ、癒やし難い傷を負わせたことに対し謝罪する▽沖縄をおとしめ、大阪市民・日本国民が世界に恥をかくような発言をしたことを謝罪する▽人権無視の暴言の責任をとって直ちに退陣する―よう求めています。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」）

橋下氏「慰安婦」発言／「驚くべき暴言だ」／党市議団が抗議・申し入れ／大阪市

　日本共産党大阪市議団は１４日、「慰安婦」をめぐる橋下徹大阪市長の暴言に強く抗議し、撤回を求め、市長に申し入れました。
　北山良三団長は「看過できない発言だ」と指摘。市議会として２０１０年に慰安婦問題の早期解決に関する意見書を採択し、外交問題でも非常に重大な問題だと強調しました。「慰安婦制度を必要だとしたり、沖縄の米軍司令官に風俗業を活用せよと言うのは人権感覚を疑う。歴史認識も異常だ」と批判。「国際問題になり、人権無視発言はきっぱり撤回し、関係者に謝罪すべきだ」と述べました。
　秘書部は「政治家としての発言」としつつも、内容は市長に伝えると述べました。
　申し入れは、「慰安婦制度を正当化する驚くべき暴言」と批判。海外からも日本政府が歴史の真実に背を向け続けていることへ批判が注がれていることを挙げ、「人権感覚の欠如と、歴史認識の欠如をも示すもの。大阪市長としても日本の政治家としても根本から資格が問われている」と抗議しています。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏「慰安婦」発言／苦難強要された被害者の尊厳さらに傷つけた／各団体が抗議・怒り

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が「慰安婦制度は必要だ」「（米海兵隊に）もっと風俗業を活用してほしい」などと発言していることに対して、各団体は１４日、同氏に発言の撤回と市長の辞職などを求める抗議文を送りました。

大阪自治労連婦人部／市長暴言に抗議文
　大阪自治体労働組合総連合婦人部（自治労連加盟）は１４日、大阪市役所を訪れ、「慰安婦制度は必要」との橋下徹大阪市長の暴言に抗議し、撤回せよと抗議文を出しました。
　黒田則子書記長は「女性の人権を認めていない。昨年８月、慰安婦の強制性の証拠がないという発言にも抗議したが、今回は国民として恥ずかしい。辞職を求める」と厳しく抗議しました。
　応対した秘書部の職員は「『維新』の共同代表としての主張なので、役所としてどうこうできない。意見をもらったことは伝える」と答えました。
　黒田さんらは「聞く者にとっては、市長も『維新』代表も同じ」と指摘し、対応を改めるよう求めました。
　抗議文は「大阪市の市長としても政治家としても根本から資格が問われている」とし、「この間、男女共同参画施策を後景に追いやってきたことと軌を一にしている」と強調。「歴史認識を真摯（しんし）にただすとともに、旧日本軍『慰安婦』とされたみなさんの人権を二重にも三重にも踏みにじったことへの謝罪を求める」とのべています。

全労連女性部
　全労連女性部は抗議声明で、「橋下氏の発言は、アジアの中で、今もなお大きな苦しみを抱えて、日本政府の謝罪を待つ日本軍の性的被害者を踏みにじるもので、断じて許せない」「すべての女性を愚弄（ぐろう）し、かつ違法な買売春制度を推奨し、日本の政治家としても、根本からその資格が問われるものである」と指摘。「橋下氏はただちに発言を撤回し、政治の場から手を引くことを求める」としています。

新日本婦人の会
　新日本婦人の会は笠井貴美代会長名の抗議文で、「女性の人権をここまでふみにじって恥じない暴言に、満身の怒りを込めて強く抗議し、もはや公党の代表、市長、政治家として失格であることを厳しく指摘します」と強調しました。国際社会に通用しない暴言だとのべ、発言の撤回と市長の辞任などを要求。「女性をもっぱら性の対象としてしかみない政治家が、市民・国民の人権など守れるはずはありません」としています。

全日本民医連
　全日本民主医療機関連合会（全日本民医連）は、藤末衛会長名の声明で、「人生を狂わされ、筆舌に尽くせぬ苦難を強要された被害者の方々の尊厳をさらに傷つけたことを私たちは到底許すことはできない」とのべ、「風俗業の活用」発言についても、基地があるゆえに犠牲になってきた沖縄県民や女性の苦しみと恐怖を考えない発言で、決して許されないと批判。「ただちにすべての『従軍慰安婦』問題の被害者に心から謝罪するとともに公職を退くよう強く求める」としています。

日本平和委
　日本平和委員会は、「慰安婦制度そのものを正当化し、女性の人権を踏みにじる世界に恥ずべき暴言」だと指摘。「軍人の性的はけ口として売買春や性奴隷制度を当然視する恐るべき人権意識が露骨に示されている」とのべ、「市長を務める資格も、政治家としての資格もない」として、発言を撤回し、市長をただちに辞職することを求めています。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下市長の妄言あまりにひどい／各界から怒りの声

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）による「慰安婦は必要」発言や「風俗業活用」発言にたいして、各界から怒りの声があがっています。

市民の代表にふさわしいのか／神戸女学院大学石川康宏教授
　橋下氏の発言は、女性を男性の性の道具とし、さらに戦争の遂行に不可欠な道具と位置付ける点で二重に異常と言わずにおれません。
　「慰安婦」制度は各国にあったと言っていますが、第２次世界大戦中に軍や政府が公的方針のもとに、兵士のためのレイプの施設をつくったのは大日本帝国とナチス・ドイツだけです。世界史は２０世紀前半から、すでに売買春をなくす取り組みを進めていました。それは「慰安婦」制度や売買春をめぐる歴史研究を少しでも学べば、すぐにわかることです。
　橋下氏は、在日米軍に日本での「風俗業」の活用を勧めたそうですが、驚くべきことです。この国では売買春は違法ですが、それを公式の会談の場で勧めるというこの人の感覚は、まったく理解ができません。
　橋下氏が「河野談話」を批判する根拠にしているのは２００７年３月１６日の政府答弁書でしょうが、この答弁書は最終的に「河野談話」の継承を確認するものとなっています。はたして文書を読んでいるのでしょうか。
　大阪市民を代表するのにふさわしい人物なのかが、あらためて問い直されていると思います。

性奴隷とされたことが問題／日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク方清子共同代表
　昨年から繰り返されている橋下氏の発言に対して、私たちは被害者とともに市役所を訪問するなどして意見を述べてきましたが、あまりにも非常識で人権感覚のない発言に驚き、あきれました。
　��戦場において女性の「性」は必要�≠ﾆいうことを堂々と述べるような発言は、人権侵害であり、女性に対する差別であり、とても許しがたいものです。
　橋下氏は「強制性はなかった」ということを強調していますが、国連人権委員会などの決議では、強制連行があったかどうかということを問題視しているのではありません。戦場において、性奴隷とされたことを問題にしているのであって、��強制的に連れて行っていないのだから問題ない、政府に責任はない�≠ﾆいうことは通用しないでしょう。

日本の国際的信用おとしめる／「慰安婦」問題解決に取り組んできた大森典子弁護士
　「慰安婦」制度に関して、女性が連れてこられ兵士に性の相手としてあてがわれたということは、国際的に知られている事実です。
　もし、橋下市長がその実態を知っていたうえでこうした発言をしているのであれば、人権意識のかけらもない、全く理解ができていない人だといわざるをえません。
　米軍基地の兵士に風俗を活用すると言いましたが、女性の人権という意識が欠如しており、女性を道具としかとらえない差別です。
　このような発言をする橋下市長は、公人としての資格はまったくありません。日本の国際的な信用をおとしめることにもなり、ただちに市長を辞めるべきです。また公党の代表でいることもありえません。党の職も辞めるべきです。

女性の人権そのもの認めず／日本婦人団体連合会堀江ゆり会長
　婦団連は「慰安婦」問題の解決を求めて請願行動を続けてきました。歴史的な問題というだけでなく現代日本が女性への暴力にどう向き合うかが問われる問題でもあるからです。
　今を生きる一人の人間として、女性を男性の性のはけ口としてしか見ていない、女性の人権そのものを認めない橋下氏の発言に非常に強い憤りを覚えます。もちろん、公人としての資格はありません。
　戦争は女性の人権を踏みにじるものです。その点からも、憲法改悪が進められようとしている今、こういう発言が出てくることは非常に危険なことです。幅広く批判の声があがっていますが、そういう人たちとも手を取り合い、決して許さない運動を進めます。

市長の座おりてもらいたい／日本キリスト教婦人矯風会寺岡シホ子業務執行理事
　１８８６年の設立当初から公娼制度の廃止を求め、女性の人権確立のために活動してきた私たちは橋下氏の発言を聞いてあ然としました。女性は男性の性のはけ口となって当然という女性蔑視の最たるもの。このような人権感覚の欠如した人が大阪市長、公人として発言していることは許せません。市長の座をおりてもらいたい。
　被害者が自主的に「慰安婦」になったように言っていることも許せません。１３歳、１４歳の少女が「いい仕事がある」とだまされ、刀で脅されて兵士の相手をさせられた。強制連行の「証拠はない」と言っていますが、軍の関与を認める数々の証拠や証言があり、河野談話が出たのです。
　被害者が求めているのはお金ではなく尊厳の回復です。国が責任を認め、謝罪、賠償をしない限り、彼女たちの尊厳は回復されません。国の名誉も回復されません。

米軍犯罪の擁護につながる／沖縄県女性団体連絡協議会伊志嶺雅子会長
　「海兵隊の猛者の性的エネルギーはコントロールできない」と、在日米軍幹部に風俗業者の活用を求めた彼の発言は、「風俗がないから犯罪を起こす」との論理であり、基地あるがゆえの米軍犯罪・性暴力に対する真摯な認識も反省のかけらもない、聞くに耐えない言語道断の暴言です。開いた口がふさがりません。
　沖縄は戦後、日本国憲法から切り離されたため、無権利状態に置かれた女性たちは米軍によって言語に尽くせない辱め・苦痛を味わい、人生をめちゃくちゃに蹂躪されてきました。戦後６８年間、基地の重圧・苦しみを受け続けてきた県民・女性として、海兵隊の沖縄駐留を当然の前提とし、米軍犯罪の擁護にまでつながるような彼の暴言を断じて許すわけにはいきません。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏の発言の要旨

　日本維新の会の橋下徹共同代表が１３日に行った「慰安婦」問題に関する発言の要旨は次の通り。
　▽１３日午前（大阪市役所で記者団に）
　慰安婦制度というのは世界各国の軍は持っていた。なぜ日本の従軍慰安婦制度だけが世界的に取り上げられるかと言うと、日本は軍を使って国家としてレイプをやっていたという、ものすごい批判を受けている。その点については、違うところは違うと言っていかなければいけない。
　あれだけ銃弾が雨・嵐のごとく飛び交う中で、命を懸けて走っていく時に、猛者集団、精神的に高ぶっている集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる。
　今のところは、日本政府自体が暴行、脅迫をして女性を拉致したという事実は証拠に裏付けられていない。そこはしっかり言っていかなければいけない。
　▽１３日夕（同所で記者団に）
　僕は沖縄の普天間に行ったときに海兵隊の司令官に、もっと風俗業を活用してほしいといった。米軍は禁止といっているというから、そんな建前みたいなことをいうからおかしくなる。性的エネルギーを合法的に解消できる場所を真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的エネルギーをきちんとコントロールできない。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

９６条「見直していい」

　経済同友会の長谷川閑史代表幹事は１４日の記者会見で、国会論議が高まる憲法改正について「必要に応じ変えることはあってしかるべきだ」と述べ、賛意を示しました。改憲の発議要件を定めた９６条改正に関しては、「国会の原理原則は多数決。衆参両院の３分の２（以上の賛成）というハードルは一度見直してもいい」と語りました。
　一方、日本維新の会の橋下徹共同代表が旧日本軍「慰安婦」制度を「必要だった」と発言したことに関し、長谷川氏は「個人的見解であれ、こういうことを述べるのは好ましいとは思えない」と批判しました。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言／閣僚から異論も

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が旧日本軍「慰安婦」制度は「必要だった」と発言したことに対し、１４日の閣議後の記者会見で稲田朋美行政改革担当相は「慰安婦制度は女性の人権に対する大変な侵害だ」と批判。橋下氏が在沖縄米軍幹部に風俗業の活用を促したことに対しても「ちょっと意味が分からない」と不快感を示しました。
　菅義偉官房長官も風俗業に関する発言に関し、「私は全くくみしない」と述べました。ただ「他党の共同代表の発言なので、コメントは控えたい」として、踏み込んだ論評は避けました。
　谷垣禎一法相は「（旧日本軍が）必要性を感じていたからこそ（慰安婦制度が）あったんだろうと思うが、今の時点で強調する必要があるのかどうか大変疑問に思う」と指摘。下村博文文部科学相は「その辺のおじさんが発言しているのではない。党の代表の発言がいかなるものか、もうちょっと認識する必要がある」と苦言を呈しました。
　岸田文雄外相は「個人の発言だ」としつつ、「個々の問題が（日韓の）２国間関係に影響を及ぼさないようしっかりコントロールしていきたい」と強調しました。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

橋下発言／「驚きと憤慨」／中国副報道局長

　【北京＝時事】中国外務省の洪磊・副報道局長は１４日の定例会見で、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が従軍慰安婦を「必要だった」と発言したことについて、「人類の良識と歴史の正義に挑戦する発言を公然と行ったことに驚きと憤慨を示す」と強く非難しました。
　洪副局長は「慰安婦の強制は日本軍国主義が第２次大戦で犯した重大な罪であり、被害者の人格尊厳に関わる重大な人権問題」と強調。「いかに過去に対峙（たいじ）できるかが日本の未来の行方を決定付ける」と述べました。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

橋下発言／危険水位超え／安倍総理いる限り妄言続く／韓国から怒り噴出／��極言まで出た�＝^韓国メディア

　韓国の主要メディアは１３日、橋下氏の発言に即反応し、一斉に報じました。
　韓国放送公社（ＫＢＳ）のアナウンサーは同日夜、「日本政界の妄言が、ここまでひどいかという水準だ。侵略否定の妄言に続き、今回は戦争の状況で慰安婦制度は必要だったという極言まで出た」と非難しました。
　文化放送（ＭＢＣ）は、「日本の政治家たちの妄言が絶えない。ついには『戦争するには慰安婦は必要だった』という発言まで出ており、波紋がひろがっている」と指摘｡「極右派の主張が政界でそのまま再生されながら、危険水位を超えている」と伝えました。
　ソウル放送(ＳＢＳ)は「大阪市長が軍慰安婦は必要なものなのになぜ非難するのかと、また妄言を吐いた」と紹介しています。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言／危険水位超え／安倍総理いる限り妄言続く／韓国から怒り噴出

　【ソウル＝時事】従軍慰安婦制度を是認した日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の発言について、韓国外務省報道官は１４日、聯合ニュースの取材に対し「女性の尊厳に対する冒涜（ぼうとく）であり、歴史を歪曲（わいきょく）する常識以下の発言だ」と強く非難しました。
　一方、１４日付の韓国各紙は「また妄言」などと一斉に報道。東亜日報は「日本の政治家の妄言が勢いづいている」と指摘。「日本の最高指導者である総理が侵略を否定して以降、保守勢力がはばかることなく本音を明かしている。安倍総理がいる限り、政治家の妄言は続くだろう」と予測する専門家の見方を伝えました。
　１４日は外務省報道官の定例記者会見は開かれず、会見を通じての韓国政府の公式見解は明らかにしていません。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

首相が橋下・高市発言を誘発／「侵略の定義」撤回せず

　自民党の高市早苗政調会長が「国家観・歴史観については安倍晋三首相自身、（東京裁判を受け入れた歴代政権と）違った点もある」「侵略という文言を入れている村山談話にしっくりきていない」（１２日）と発言。日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は「慰安婦制度は必要だ」「侵略の定義がないことは安倍首相が言っているとおりだ」（１３日）と異常な暴言を吐いています。
　これらの発言は、日本の過去の「植民地支配と侵略」を謝罪した村山首相談話（１９９５年）と、日本軍「慰安婦」問題の強制性と政府の関与を認めた河野官房長官談話（９３年）を否定する狙いを秘めたものですが、安倍首相の発言に依拠している点で共通しています。
　安倍首相は昨年末の「産経」インタビューで、村山談話と河野談話を見直す発言を行いましたが、日本共産党の志位和夫委員長の追及を受けて日本軍「慰安婦」問題については、発言を「封印」した経過があります。

高支持率背景に
　ところが、高支持率を背景に歴史問題でも「封印」をといて暴走を開始。４月２１日、日本の侵略戦争を正当化する靖国神社に麻生太郎副総理らが参拝、安倍首相自らも真榊（まさかき）を奉納しました。翌２２日の参院予算委員会では安倍首相が、村山談話について「安倍内閣としてそのまま継承しているわけではない」と発言。同２３日には「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と歴史を逆行させる姿勢を示しました。これらの首相発言は、「主権回復の日」式典（４月２８日）や憲法記念日（５月３日）を前に歴史逆流と改憲世論づくりをすすめる役割を果たすとともに、高市、橋下両氏など逆流勢力を調子づかせる結果となっているのです。
　国内外からの批判の大きさに慌てた菅義偉官房長官は、「村山談話を引き継ぐ」（１３日）として高市氏をたしなめ、橋下発言について「歴代（談話）と同様の思いをもって臨んでいる」（１４日）としましたが、安倍首相自身がいまだに「侵略の定義は定まっていない」との発言を撤回していません。政府としても今秋以降に「安倍談話」作成の有識者懇談会を設置する方針を堅持しています。

地位失うことに
　そもそも第２次世界大戦後の世界秩序は、かつての日本とドイツとイタリアによる戦争が不正・不義の侵略戦争だったとの歴史認識を共通の土台としています。日本がこのまま過去の戦争を侵略戦争と認識せず、憲法９条改悪で土台をくつがえしてしまう動きを具体化することになれば、日本が世界で生きていく地位を失うことになりかねません。
　安倍首相の歴史認識とこれに呼応する自民党や日本維新の会の発言は、日本の前途に責任を負わない改憲勢力の正体をさらすとともに、古い自民党政治の「土台が腐りきっている」ことを雄弁に証明しています。
　（松田繁郎）

安倍首相の「侵略」否定発言（いずれも参院予算委）
４月２２日　過去の植民地支配と侵略を謝罪した１９９５年の村山富市首相談話について「安倍内閣としてそのまま継承しているわけではない」
４月２３日　「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」
５月８日　「侵略の定義は学問的なフィールドにおいてさまざまな議論がある。政治家としてそこに立ち入ることはしない」
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

主張／橋下氏「慰安婦」発言／公人として人間として落第だ

　本来なら１５日は沖縄の日本復帰から４１年にあたり、４月に安倍晋三政権が政府主催の｢主権回復｣式典を強行したことからも欠かせないテーマですが、きょうはそれに先立って、「日本維新の会」代表でもある橋下徹大阪市長の一連の発言を取り上げなければなりません。アジア・太平洋戦争中の日本軍「慰安婦」問題に関連して、慰安婦制度が「軍隊にとって必要だった」と積極的に弁護し、あまつさえ、性犯罪が絶えない沖縄の米軍にたいし「もっと風俗業の活用を」などと求めたのです。市長など公人としてだけでなく人間として落第だと断罪するものです。

女性を人間扱いしない
　橋下氏はこれまでも日本軍「慰安婦」問題について､｢強制連行のような事実はなかった」との発言を重ねて批判を受けてきましたが､軍隊に｢慰安婦は必要だった」などと公言するのは、これまでほとんど聞いたことがないようなとんでもない暴言です。橋下氏は、「命をかけてたたかう猛者連中に、どこかで休息をさせてあげよう」などといいますが、戦争遂行のために女性の性を利用するのは当たり前などというのは、女性を性の対象にするだけで人間として扱わないとんでもないものです。
　橋下氏は「日本だけでなくいろんな国で慰安婦制度を活用してきた」といいますが、それこそ他国の例をあげれば自らの責任は免れると考えるさもしい考えです。いわば犯罪をとがめられた人物が、あいつもやっているからと開き直るようなもので、人間の社会で通用するものではありません。
　日本がアジア・太平洋戦争のさなかに、植民地とした朝鮮半島や軍事占領した中国や東南アジアから女性を連行し、日本軍が管理する慰安所で日本兵による強姦や売春を強制したというのは、「慰安婦」とされた女性たちの数多くの証言が示すように動かしがたい事実です。政府は１９９３年の河野洋平官房長官の「談話」で政府の責任を認めました。しかし公的な謝罪や賠償は行っていません。
　しかもその後も安倍晋三氏ら自民党内の侵略戦争を肯定する「靖国」派や橋下氏らが「強制連行はなかった」などの発言を重ねてきました。これに対し、韓国や中国はもちろんアメリカやＥＵ（欧州連合）などの政府や議会、国民から抗議の声があとを絶たないことからも、この問題の歴史的、国際的な重大性は明らかです。
　ことは日本の戦争責任と、女性の人権にかかわる問題です｡｢慰安婦制度が必要だった」などというのは論外ですが、「強制性があったかなかったか」と問題をわい小化するのも日本軍「慰安婦」問題を根本から反省しないからです。いったい「強制」がなければ「慰安婦」制度は許されたのか。強制性の否定から制度そのものの肯定に行き着いた橋下氏の発言は、その本質をあぶり出しています。

「風俗活用」発言も同根
　日本軍｢慰安婦｣制度の肯定に行き着いた橋下氏が、米軍の性犯罪をとがめるのではなく「風俗業」の活用を勧めたのもまさに同根です。橋下氏には女性の人権を尊重する発想がまったくありません。
　安倍氏や橋下氏のように日本の戦争責任を反省せず人権感覚を欠くのでは、国際的に孤立するだけです｡橋下氏の発言の責任を､あいまいにすますことはできません。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

潮流

　金学順さんが日本の軍人に無理やり連れ去られたのは１７歳のときでした。姉とともにトラックに乗せられ、空き家で服を引き裂かれ、犯されました。殴られ、蹴られ、殺すぞと脅されながら。それから毎日、軍人の相手をさせられました▼金さんが勇気をふるい、日本軍の「慰安婦」だったことを証言して以来、同じ被害にあった女性たちが次々に声をあげます。だまされ、暴力によって拉致され、地獄の日々を強いられる。ほとんどが未成年でした▼日本軍が組織的につくった慰安婦制度。その狂気を維新の会の橋下徹代表が「必要だった」と肯定しました。もともと他人の痛みや人権感覚に乏しい人物だと思っていましたが、ここまでとは▼耳をふさぎたくなる発言はその後もつづきます。沖縄の米軍司令官に会ったときに「もっと風俗業を活用してほしい」と進言したことも明らかに。ツイッターでも「男に性的な欲求を解消する策が必要なことは厳然たる事実」と女性をおとしめる持論を展開しています▼「ほんとうに人間の血が流れているのか」（市田共産党書記局長）。人間の尊厳をうばわれた彼女たちに少しでも寄り添えば、口が裂けてもいえない言葉を平然と口にするのですから▼慰安婦問題では安倍首相や閣僚からも歴史に反した言動が相次いでいます。程度のちがいはあっても、戦争責任への無反省さが土壌にあります。「私を１７歳に戻して」。いまは亡き金さんらの心の叫びを聞けない国になっては、世界から孤立するだけです。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

橋下・「慰安婦」発言／「軍と売春はつきもの」／石原共同代表が擁護

　「『慰安婦制度』は必要だった」と発言した橋下氏は１４日も自身のツイッターで､｢男に性的欲求を解消する策が必要なことは厳然たる事実｣など､２５回以上更新して持論を展開しました。石原慎太郎共同代表は記者団に「軍と売春はつきもので、歴史の原理みたいなもの｣｢橋下氏は基本的に間違ったことは言っていない」と述べて擁護。同党あげて人権感覚が欠如していることがあらわになりました。
　松井一郎幹事長（大阪府知事）も、「現実に（慰安婦制度が）あったというのは、必要とされていた」からだとかばいました。
　松野頼久国会議員団幹事長は、「慰安婦」発言や在沖海兵隊司令官に「風俗業」活用を勧めた発言について、橋下氏の「個人的な発言」であり、「党としての決定事項ではない」として、党としては「問題視しない」との見解を示しました。また、橋下氏の発言は、一部を切り取られた報道がされて「大きな影響になっている」と報道に責任を転嫁しました。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

橋下・「慰安婦」発言に内外から批判／維新の存立が問われる／市田書記局長が会見

　日本共産党の市田忠義書記局長は１４日、国会内で記者会見し、日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の旧日本軍「慰安婦」問題をめぐる一連の発言について、「これほど人間の尊厳を踏みにじる発言を聞いたことはない。首長の資格はもちろん、国政を語る資格もまったくない。人間としても許されない」と厳しく批判しました。
　橋下氏は１３日に「慰安婦制度は必要だ」と述べたあとも、ツイッターで「人間に、特に男に、性的な欲求を解消する策が必要」などと居直っています。
　市田氏は「失言ではない。持論をのべたものだ」と指摘。維新の石原慎太郎共同代表も「軍と売春は付き物だ」と同調し、松井一郎幹事長（大阪府知事）も「（慰安婦制度が）必要とされていた」と橋下氏と同じ考えを表明していることをあげ、「共同代表２人と幹事長がともにこういう発言をするのは、日本維新の会という政党の存立そのものが問われる重大問題だ」と厳しく批判しました。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下・「慰安婦」発言に内外から批判／��ここまでひどいのか��

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）の「慰安婦は必要」との発言に対し１４日、国内外から抗議の声が上がりました。大阪では多くの市民団体・民主団体などが大阪市役所に抗議文を提出するなどの抗議行動が広がり、中央諸団体も「公職を退くよう求める」などの声明を発表。海外からは韓国、中国、米国から驚きと非難の声が上がり、「日本政界の妄言がここまでひどいか」（韓国放送公社）などと報じました。日本共産党の市田忠義書記局長は記者会見で「維新の存立そのものが問われる」と批判しました。
( ２０１３年０５月１５日，「赤旗」)

14日

橋下「慰安婦必要」発言に抗議／大阪革新懇「謝罪し撤回を」

　進歩と革新をめざす大阪の会（大阪革新懇）は１３日、橋下徹大阪市長が同日、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」とのべたことにたいし、絶対に許されないとする声明を発表しました。
　声明は、発言は、韓国をはじめ国際世論が慰安婦問題をふくめた歴史認識を正すよう安倍首相に厳しく問いかけているさなかのものであり、異常なものだと指摘。「慰安婦」問題は、残酷で人道に対する罪に当たるとして、日本政府に対して歴史的な責任を認め女性たちへの公式な謝罪をせよというのが世界世論の主流だとのべています。
　また、橋下市長が侵略について問われ、「侵略の定義については学術上きちんと定義がないことは、安倍首相がいわれている通りです」とのべたことについても、「侵略の定義が１９７４年の国連総会決議３３１４で確定されていることを無視するもので国際的孤立を深める発言である」と指摘しています。
　そのうえで声明は、基本的人権感覚を失い、世界平和への努力を全く意に介さず国際世論に逆行する橋下市長は、その暴言の重さを深く謝罪し撤回せよと強調しています。
(２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏「慰安婦」問題で暴言／ここまできた人権感覚の欠如

　「日本維新の会」の橋下徹大阪市長が１３日、旧日本軍の「慰安婦」制度について「（戦場では）慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」と述べたことは、「慰安婦」強制の事実を否定した昨年８月の発言を上回る暴言です。人間の尊厳をここまでおとしめる人物に、公人としての資格はありません。

新たに踏み込む
　橋下氏は同日午前、日本の侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」にふれる中で「『侵略の定義』については学術上きちんと定義がない。安倍首相が言われている通りだ」と発言。その上で、冒頭の「慰安婦」問題での新たな暴言に踏み込みました。
　「慰安婦」問題とは、旧日本軍がつくった「慰安所」に女性を拘束し、軍人らの性行為の相手を強いたという問題です。「慰安婦」の悲惨な実態については、１９９３年の河野洋平官房長官談話も、「軍当局の要請により設営された」ものであり、「強制的な状況の下での痛ましいものであった」ことを認めています。
　女性を人間として扱わず、人権を著しく侵害した犯罪行為であり、国際機関は繰り返し、日本が責任を認め、謝罪することを求めています。

風俗業と同列に
　午前中の発言で市役所に批判が殺到したにもかかわらず、橋下氏は退庁時の囲み取材でも「軍の規律を維持するためには必要だった」と発言。さらに、「現代社会にも風俗業はある」と日本軍に「性奴隷」となることを強制された「慰安婦」を現代の風俗業と同列に並べるという信じがたい論を展開しました。
　その上で、「風俗業は必要だ」と述べ、沖縄の米軍普天間基地を訪問したさいに海兵隊の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と働きかけ、司令官が凍りついたというエピソードを紹介。「『米軍では禁止と言っている』というから、そんな建前論をいうからおかしくなるんですよ」と語ったと自ら明かしました。
　日本の侵略戦争への反省をきっぱりと示せない政治家の人権感覚が、どこまでまひしていたのかを示した歴史に残る暴言といわざるをえません。
　（藤原直）
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題で暴言／橋下氏に抗議／性暴力の肯定／新婦人大阪府本部

　橋下徹大阪市長の暴言にたいし、新日本婦人の会大阪府本部は１３日、橋下市長に撤回を求める抗議文を突きつけました。
　川本幹子会長と沖野純子副会長は「女性の人権を踏みにじる暴言をいう市長は、世界広しといえども他にいない」「市議会での『慰安婦問題の早期解決を求める決議』（２０１０年９月）をないがしろにするものだ」と厳しく抗議しました。
　応対した秘書部の職員は「文書は受け取るが、『日本維新の会』の共同代表としての発言であり、市長に直接行くことはない」と答えたため、「発言したのは市長でしょ。市民の声が直接、市長に届かないのはおかしい」と重ねて抗議。職員は、「回答はさせてもらいます」とのべました。
　抗議文は「昨年８月の『慰安婦』問題暴言に続いて、さらに踏み込んで女性の人権を踏みにじる発言で、驚きと強い怒りを感じる」と強調。「『戦時における性暴力』を『仕方なかった』『時代が時代だった』と肯定する橋下市長のたび重なる暴言は、大阪市政の先頭にたつ市長としての資格が問われる」「国際都市大阪市の市長にふさわしくない」と断じています。
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題で暴言／橋下氏に抗議／撤回し謝罪を／党大阪府委

　橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度は必要だった」とのべた問題で、日本共産党大阪府委員会は１３日、「大阪市長、政治家としての資格が根本から問われる―橋下市長の『慰安婦』問題での妄言に対して」と題した柳利昭書記長のコメントを発表しました。
　コメントは、大阪市長としても、日本の政治家としても、根本から資格が問われる発言であると批判。橋下氏がかつて安倍首相同様に、「『慰安婦』が強制された証拠はなかった」と発言し、内外の大きな批判を浴びてきたと指摘しています。
　実態は「日本軍の性奴隷」とされた女性たちに対し、日本政府が謝罪も、賠償も認めず、歴史の真実から目を背け続けていることへの批判がＥＵ（欧州連合）などから注がれているなか、「橋下市長の発言は、驚くべき歴史認識、人権感覚の欠如を示すものである」と断じています。
　党府委員会は、橋下氏が発言をただちに撤回し、歴史認識を真摯（しんし）にただすとともに、旧日本軍「慰安婦」とされた女性の人権を二重にも、三重にも踏みにじったことへの謝罪を強く求めるとしています。
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

安倍首相の歴史認識／米国が懸念していること／米議会報告書に見る

　米議会調査局が１日付でまとめた日米関係に関する報告書は、安倍晋三首相や閣僚の歴史問題をめぐる言動が中国や韓国をはじめ周辺諸国との関係を緊張させ、米国の利益を損なう可能性があるとして問題視しています。

侵略とアジアの犠牲／史実の直視を拒絶
　「安倍首相の発言は、彼が日本の侵略とアジア諸国民の犠牲の史実を直視することを拒絶する歴史観を持っていることを示している」
　報告書はこう述べたうえで、安倍首相について「日本の行ったことが植民地帝国、戦争国家の行為として不当に批判されていると主張する団体」の人物だと紹介しました。
　そうした団体の一例が改憲・右翼団体「日本会議」であり、太平洋戦争をアジア解放の戦争だったと賛美したり、日本の侵略戦争を推進した指導者を裁いた東京裁判を否定したりする見解を持っていることに触れています。
　報告書は「安倍政権の閣僚人事はこうした見解を反映しているようだ。首相は国家主義的な、またいくつかの場合は超国家主義的な見解を主張することでよく知られる政治家を多く選んだからだ」と強調しました。
　また「多くの専門家は、安倍氏の首相再就任は地域の関係を刺激する可能性があり、地域貿易の統合を妨害し、米国の同盟国間の安全保障協力を危険にさらし、すでに緊張状態にある中国との関係をさらに悪化させると見ている」と述べました。
　報告書は要約部分で、「安倍首相と閣僚の言動は、日本が地域の関係を壊す可能性があり米国の利益も損なわれるという懸念を呼び起こしている」としています。

河野談話見直し／他国との関係に傷
　報告書は、日本軍「慰安婦」問題についての安倍首相のこれまでの発言が「地域の国々から批判されてきた」と指摘。特に「慰安婦」問題をめぐって強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話の見直しに安倍首相が言及していることについて「これは韓国や他の国々と日本の関係を必ず傷つける動きだ」と強調しました。
　また安倍首相が第１次政権のときにも河野談話の有効性を疑問視し、米下院が日本の首相に公式の謝罪と歴史的責任の受け入れを求める決議を採択したことを紹介。その時に談話見直しを求める急先鋒だったのが下村博文官房副長官（当時）であり、安倍首相は第２次政権で同氏を文部科学相に任命していることを指摘しました。

歴史教科書問題／残虐行為を過小に
　「慰安婦」問題に加えて報告書が「日韓関係をギクシャクさせ続けている」問題として挙げたのが、日本の歴史教科書です。
　「韓国は、日本の文部科学省が承認したいくつかの歴史教科書について不賛成の意を表明している。韓国側は、それらの教科書が日本による植民地時代の残虐行為を過小評価、あるいは、ごまかそうとしていると主張している」
　報告書はこう指摘し、「いくつかの閣僚人事は韓国国民の間で懸念を呼び起こしている」として、安倍首相が下村博文氏を文部科学相に任命したことを改めて問題にしています。
　下村氏は「中国や韓国の懸念に過度に服従し、十分に愛国的でないと歴史教科書の会社を批判してきた」人物だとし、同氏を任命したことは「��自虐史観�≠�弱めるという自民党の主張を引き続き推進するという安倍氏の意図を示しているようだ」と述べました。

米議会調査局報告書
　米国連邦議会の議会図書館にある議会調査局が、上下両院議員の立法活動を補佐するために議員に提供する報告書。国政の重要課題について、専門スタッフが調査し、詳細な情報をまとめて作成しています。
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下発言各党に波紋

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）が１３日、旧日本軍「慰安婦」問題について、「『慰安婦』制度は必要だった」との認識を示したことについて、同党の小沢鋭仁国対委員長は、「全体を通して聞いていただくことが重要だ」と釈明しました。しかし、議員団幹部の１人は「歴史のタブーに触れる問題発言だ」と非難。別の幹部も「党の考えを代表したものではない」と火消しに躍起となりました。
　一方、自民党幹部は「論外だ。致命的な発言になるだろう」と批判。民主党の海江田万里代表は「慰安婦制度は必要ない」と強調しました。
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」)

橋下氏「慰安婦は必要」／人間の尊厳おとしめる／市田氏が厳しく批判

　日本共産党の市田忠義書記局長は１３日の記者会見で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「『慰安婦』制度は必要だ」とのべたことについて、「これほど人間の尊厳をおとしめる発言はない。人間の血が流れているのかと思うぐらいだ。公党の党首の資格がないだけでなく、市長たる資格も、国政を語る資格もない」と厳しく批判しました。
　市田氏は、「戦争に行っている軍人のためだったら、休息のためだといって、『慰安婦』制度を公然と認めるなどというのは論外であり許しがたい発言だ」とのべました。
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

橋下氏「慰安婦は必要」／米軍には「風俗業活用」すすめる／公人の資格ない暴言

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は１３日、旧日本軍｢慰安婦｣問題について、「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」として、慰安婦制度そのものを正当化し、女性の人権を踏みにじる暴言をはきました。
　（関連４面）

　橋下氏は、その理由として「日本だけじゃなくていろんな国で慰安婦制度というものを活用していた。あれだけ銃弾が雨嵐のごとく飛び交うなかで命かけて、そこを走っていくときに、猛者集団、精神的にも高ぶっている集団は、どこかで休息させてあげようとおもったら慰安婦制度が必要だ」とのべました。
　これまで橋下氏は「慰安婦」問題について「強制連行」の事実をゆがめてきましたが、今回はさらに踏み込んで制度の「必要性」を説くところまで暴言をエスカレートさせたものです。橋下氏はこの日も「日本政府自体が暴行脅迫をして拉致したという事実はいまのところ証拠で裏付けられていない」として、「事実と違うことで日本が不当に侮辱を受けている」などと発言しました。　
　また、橋下氏は安倍晋三首相が「侵略の定義が定まっていない」などとして、日本の過去の戦争を侵略戦争と認めないための議論を展開していることについて「侵略について学術上きちんとした定義がないことは、安倍晋三首相が言われているとおりだ」とのべました。
　　◇
　橋下市長はまた、同日夕刻のぶら下がり会見で、沖縄県を１日に訪問した際、海兵隊の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と求めたことを明らかにしました。
　橋下氏は「『米軍では禁止といっている』というから、そんな建前みたいなことをいうからおかしくなる。海兵隊の猛者の性的エネルギー、きちんとコントロールできないじゃないか」とのべました。
( ２０１３年０５月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

13日

ＮＨＫ討論／小池副委員長の発言

　日本共産党の小池晃副委員長・政策委員長は１２日、ＮＨＫ「日曜討論」で、��安倍外交�≠笆k朝鮮問題、日中・日韓関係などについて各党の政策責任者らと議論しました。

　安倍首相ら閣僚が「経済外交」と銘打って原発などのトップセールスを行ったことに対し、与党からは「非常に大きな成果」（自民党・高市早苗氏）、「大きく評価する」（公明党・石井啓一氏）などの声が。民主、みんな、維新からも肯定的な意見が出されました。

原発の輸出など「本当に無責任」
　小池　経済外交だといって各国を訪問したけれども、「世界一安全だ」といって原発の輸出をセールスしたわけですよ。福島の事故の収束も原因究明すらできていないときに、世界有数の地震国トルコにまで輸出するなんて本当に無責任だと思う。それから、「経済外交が成功した」とおっしゃるけれども、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）ですね。これは事前交渉段階から大幅譲歩をしてるわけです。たとえば、「自動車の対米輸出関税は今のままでけっこうです」、あるいは「郵便局の簡保は新商品はあきらめます」と、アメリカの要求を丸のみしてるわけです。自民党は「ＴＰＰ断固反対。ウソつきません」と言っていたのに、日本をアメリカに丸ごと売りわたすようなことをやって何が経済外交の成功なのか。本当の意味での経済外交というのであれば、食料主権あるいは経済主権をしっかり国の柱にすえて守り抜くことこそ、外交の基軸にすえなければいけないと思います。
　北朝鮮に対し今後どう日本が動いていくべきか、他党からは関係周辺国との連携が必要だといいながら、同時に「関係国との強力な連携で圧力をかける必要がある」（自民・高市氏）などと圧力を強調する意見が相次ぎました。

東アジアの結束、歴史認識が障害
　小池　北朝鮮の軍事挑発は許されません。同時に、米韓首脳会談でも対話を強調する方向になってきているわけで、北朝鮮の無法に立ち向かうために、とりわけ東アジアが結束して対話の道をこじ開けていくことが非常に求められている。こうした東アジアの協力に障害となっているのが、日本の歴史認識の問題なんです。米韓首脳会談でも朴大統領は、「東北アジアの平和のためには、日本が正しい歴史認識を持たなければならない」といっているわけで、これは避けて通れない重大問題です。アジアへの戦争を侵略戦争と認めない、あるいは日本軍「慰安婦」のような戦争犯罪を正当化する、こうした東アジアの協力関係の障害を、安倍政権は自らまず取り除くべきです。その責任がいま安倍政権に問われていると申しあげたい。
　また北朝鮮との対話に進むため具体的に今後とるべき行動について小池氏は次のように述べました。
　小池　とにかく東アジアの国々が一にも二にも結束して、一致して事にのぞむ。これは制裁の場合であっても、関係国が一致してのぞむということがカギを握ると思います。そのためには徹底した外交努力が必要だということだと思いますね。その点で一言言っておくと、日本では例えば国会で、維新の会の石原共同代表は、北朝鮮問題を取り上げて憲法改正の好機だと言うわけですね。あるいはこのことを利用して軍事力を強化するという方向もでてくるわけですね。結局政治的に利用して日本の軍拡とか改憲に結び付けようってのは、絶対やってはいけないことだと言っておきたい。
　これに対して維新・浅田均氏は「軍事力強化が必要」、自民・高市氏は「圧力中心が安倍内閣の方針」などと軍事的対応を強調しました。

侵略戦争正当化、日本の孤立招く
　日中・日韓関係に関連して閣僚の靖国神社参拝について各党からは、現状では「言われてやめるのはいかがと思うが、不必要な行為」（民主・松本剛明氏）、「歴史的なことは学者同士で研究議論すべきだ」（維新・浅田氏）などと歴史認識にあいまいな態度しか示されませんでした。自民・高市氏は「ここで（参拝を）やめたら終わり」と語り、米国のアーリントン墓地を引き合いに「戦争の評価と慰霊は分けて考えるべきだ」などと主張しました。
　小池　アーリントン墓地と違うんですよ。靖国神社っていうのは、単なる戦没者の慰霊施設ではありません。ここは遊就館というあの侵略戦争を正当な戦争だと宣伝する軍事博物館まで持ってるんですよ。そういうところに、あなた（高市氏）を先頭に１６８人も参拝する。あれは参拝でもなんでもない、デモンストレーションですよ。周辺諸国からどういうふうに見られるか考えるべきだ。まさに日本の政治が、あの戦後の出発点を否定するんだということを世界にアピールすることになるわけですよ。これは、単に日中・日韓だけの問題じゃありません。日本が国際社会で生きていけるかどうかという問題ですよ。先ほど、東京裁判の立脚点を認めないかのようなご発言もあったけれど、そんなことをしたら日本は本当に国際社会で生きていく道を失うと思う。これは単に過去の問題ではなくて、まさに日本を世界から孤立させ、日本の未来を危うくする道だ。こういうやり方は本当に反省して正してもらわないということを思いますよ。日本の未来にとって今の道はあまりにも危険だ。

憲法９条生かす新しい外交必要
　最後に、韓国・中国とどのように付き合っていくか各党が発言しました。
　小池　日米同盟最優先、日米同盟さえ良ければすべてうまくいくというのはもう古い。新しい外交が必要だと思います。アジア全体をしっかりとみすえて、今こそ憲法９条を本当に生かした、存在感のある外交をやっていくということが必要であって、軍事力に頼る、あるいは自民党の改憲案のように、基本的人権も否定するような、あんな改憲案を出したら、まさに世界から孤立する。こういう道ではなくて、新しい外交をつくっていく、これを訴えたいと思います。
( ２０１３年０５月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

安倍政権の危険な教育壊革／統制・処罰・管理／教育長に権限集中／教員免許２段階で／「国定教科書」の道

　「教育再生」を「日本再生の要」とも位置づける安倍政権。教育委員会や教員免許、教科書などの制度を根本から変えようとしています。その危険な中身は―。
　本吉真希記者

　安倍晋三首相は第１次政権の２００６年、教育基本法を改悪し「愛国心」などを盛り込みました。政権に復帰し、今度は改悪教基法に基づき「現場での具体的な改革」（２月の施政方針演説）を急いでいます。
　その方向性を示しているのが、義家弘介・自民党政調会文科部会長（現文部科学大臣政務官）の試案、自民党「教育再生実行本部」中間取りまとめ、それらを基に作られた衆院選の政権公約（いずれも昨年１０月以降に発表）。今年１月には首相直属の「教育再生実行会議」が発足し、教育委員会見直しなどの提言を出しています。
　方向がほぼ共通している、これらの改悪案を現行制度と比べると―。

教育長に権限集中

現行
　教育委員会は教育行政に責任をもつ決定機関です。委員は首長が議会の承認を得て任命。教育方針、教科書採択、教員人事などを合議で決めます。教育長は委員会の事務局トップで委員会が任命します。住民は委員会の傍聴・意見陳述、請願などができます。

改悪案
　教育再生実行会議の提言では教育長が責任者となり、権限を集中させます。教育長は首長が議会の同意を得て任免。首長の関与が強まります。教育委員会は教育長の諮問機関となり、実質的に解体されます。
　自治体に法令違反があった場合、国は是正を指示できるようにします。
　いま社会科教科書をめぐり、侵略戦争を美化する育鵬社版や自由社版が問題になっています。これを採用したい首長や教育長にとって、都合のいい仕組みです。
　教育委員会制度は戦前、政府の介入で軍国主義教育に突きすすんだ反省から、首長から独立してつくられました。提言はその精神を根本から覆すものです。

教員免許２段階で

現行
　教員免許状は大学などで必要な科目の単位を履修し、都道府県教育委員会から交付されます。

改悪案
　自民党案では、大学卒業時に出るのは「准免許状（仮免許）」です。３年以上の教員実務経験をへた上で「試験」と「教員の適性確認制度（仮称）」の合格者に、教育長が「普通免許状（本免許）」を交付します。管理者の意思に左右されかねません。不合格だと失職します。
　また、「教育公務員は教育を利用し、政治的目的をもって児童生徒に政治教育をしてはならない」として、罰則を設けようとしています。日本軍「慰安婦」問題や南京大虐殺の史実、原発の危険性を教えると、処罰される可能性もあります。

「国定教科書」の道

現行
　文科省の学習指導要領は教員が教える内容を示し、各教科書会社は同要領に基づき教科書を作ります。それを検定基準に基づいて同省が検定します。

改悪案
　自民党案は、検定基準が��書いてはいけないこと�≠ﾎかりを決めているとして、文科相が各教科書に共通して��書くべきこと�≠�具体的に定める方式に改めます。指導要領と検定基準をより詳しいものにして、内容をすみずみまで規制できるようにします。検定過程に国会議員＝政権党の議員が介入できるようにし、事実上の「国定教科書」になります。
　歴史教科書の「近隣諸国条項」見直しも主張しています。この条項は日本がアジア諸国に配慮して、侵略・加害の記述に対し検定で削除・修正しないとしたもの。自民党などは｢自虐史観･偏向」と攻撃してきました。
　安倍首相は、「慰安婦」問題で日本軍の強制性を認めた「河野官房長官談話」、植民地支配と侵略を認めた「村山首相談話」の見直しに言及してきました。同条項の見直しは、この動きと連動したものです。

侵略美化の会議メンバー

　教育再生実行会議（構成員１８人）には、安倍首相の歴史観や教育観を共有するメンバーが顔をそろえています。
　▽八木秀次氏（侵略戦争美化の育鵬社版教科書を編集する｢日本教育再生機構｣理事長）
　▽曽野綾子氏（沖縄戦の「集団自決｣で日本軍の強制を否定する作家)
　▽河野達信氏（教育基本法に「愛国心」明記を主張した。育鵬社版の採択を推進する全日本教職員連盟委員長）―など。
(２０１３年０５月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題／「新資料発見の可能性」／紙議員に政府答弁書

　安倍内閣は１０日までに、「慰安婦」問題で日本軍による関与と強制性を示す証拠があることを指摘した日本共産党の紙智子参院議員の質問主意書に対して、「新しい資料が発見される可能性はある」とする答弁書（７日付）を出しました。紙氏が指摘した証拠については「内閣官房で保管していない」と答弁を避けながらも否定できない内容となっています。
　紙氏は、安倍内閣は「強制連行を示す証拠はなかった」としているが、東京裁判（極東国際軍事裁判）の文書に証拠があると指摘。中国人被害女性の証言や旧日本陸軍中尉の陳述書などで軍の直接関与と女性に対する強制や脅迫が記されていることをあげ、戦争犯罪の事実を受け止めるべきだと求めました。
　答弁書では、文書に対する評価については答えず、軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」までに文書を承知していたかどうかについても不明だとして答弁を避けています。河野官房長官談話については、関係資料の調査や関係者の聞き取りを行い、「全体として判断した結果」だとし、否定する姿勢を示してはいません。

証拠の真実性恐れている／紙智子議員の話
　安倍内閣が答弁を回避していることは、指摘された文書の真実性を認めることをいかに恐れているかを示しています。同時に、文書を否定することができなかったことは重要です。
　答弁書によって、内閣官房が問題の文書を保管していないことが明らかとなりました。
　この文書はもちろん軍の関与と強制性を示す他の数々の歴史的文書を今後も提示することによって、政府に関与と強制性を認めさせ、謝罪と補償につなげていく足がかりにしていきたいと思います。
( ２０１３年０５月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

首相歴史認識に米懸念／「米の利益損なう」「侵略と犠牲否定」／米議会調査局が報告書

　【デトロイト＝山崎伸治】米議会調査局はこのほど、日米関係に関する報告書を公表しました。その中で安倍晋三首相とその閣僚が「慰安婦」や教科書、靖国神社参拝などの歴史問題で「地域の関係をだめにしかねず、米国の利益も損なわれる」と懸念を表明しました。
　同調査局が１日付でまとめた報告書は安倍氏について「民族主義的言明」や「国防・安保問題での強力な立場」で知られ、日本が集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を変えるべきだとの主張は「軍事協力を進めたがっている米政府関係者に歓迎された」としています。
　一方、安倍氏は「日本の歴史について修正主義的見解を持ち、旧日本帝国の侵略とアジア諸国民の犠牲を否定する」と指摘。閣僚には「超民族主義的」見解を持つ者もおり、安倍氏は「激しく民族主義的な維新の会の圧力を受けている」と指摘しています。
　「慰安婦」問題で安倍氏は中国、韓国だけでなく２００７年には米議会からも批判されたと明記。米国内でも記念碑の設置や州議会での決議の採択などを通じ、この問題が知られるようになっているとしています。
　報告書はまた環太平洋連携協定（ＴＰＰ）について「事実上の日米ＦＴＡ（自由貿易協定）」だと明記。日本の参加に歓迎を表明しています。
( ２０１３年０５月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

日本の改憲の動き／中国の識者は／両国関係の信頼弱まる・周永生さん／孤立の道を歩まないで・王少普さん

　安倍政権のもとで憲法改悪の動きが強まっていることについて、中国の識者に話を聞きました。
　（北京＝小林拓也）

両国関係の信頼弱まる／中国外交学院日本研究センター副主任周永生さん
　日本国憲法、特に第９条は中国にとって重要な意義があります。中国と日本の関係は、日本の平和憲法の精神を基礎に発展してきました。中国人の心の深くには日本の侵略戦争の被害国という心理があります。戦後の日本は憲法９条の精神で平和発展の道を歩みました。中日関係も１９７２年以降、順調に発展しました。
　もし日本が憲法を変えるとしたら、さまざまな条項がありますが、憲法９条は改憲の重要な部分でしょう。
　憲法９条を変えたとしても、日本がすぐに軍国主義の道を歩むとは思いません。しかし、少なくとも戦争や軍隊に対する現在のような厳格な制約はなくなるでしょう。
　日本の一部の政治家は、日本は憲法を変え「普通の国」になるべきだと主張しています。「普通の国」になるといって、国防軍を持ち、交戦権を持つとしたら、日本の今後の発展の方向には不確定性が出てきます。
　この不確定性には二つの発展方向があります。一つは平和発展の道を堅持すること。もう一つは、平和発展の道を歩まないということです。この不確定性に対し、中国はとても心配しています。
　「普通の国」になったら、国益を守るという口実で戦争を始める可能性もあります。中国と日本は領土問題を抱えているので、それを口実に武力衝突に発展する可能性もあります。
　もし日本が憲法を変えたら、中日関係に不安定な要素をもたらします。中日関係の信頼の基礎はさらに弱くなるでしょう。

孤立の道を歩まないで／上海交通大学日本研究センター主任王少普さん
　日本の明治時代につくられた大日本帝国憲法は国家の主権が天皇にあり、天皇が軍の最高司令官でした。日本の軍国主義に法律上の基礎を与えていました。
　戦後つくられた日本国憲法では主権が国民にあります。最も重要なのは第９条です。日本は国権の発動する戦争の権利と軍隊を持つ権利を放棄し、平和発展の道を歩むことを決めました。日本の軍国主義の復活を法律面から防いでいます。
　日本の侵略を受けた中国人にとって、日本が平和憲法の基本的精神と原則を保持していることは重要です。
　日本国憲法の基本的精神は、戦後の日本の発展、東アジア地域の平和と安定に有利な条件をもたらしました。もし、日本国憲法が変えられ、憲法の基本的精神と原則が捨て去られたら、日本の発展にとっても、東アジアの平和と安定にとっても不利になります。
　自民党は憲法を変え、自衛隊を国防軍に改変することを打ち出しています。また安倍晋三内閣発足以降、河野官房長官談話見直し、村山首相談話見直しなどを表明しています。これらの動きに中国や韓国は警戒しています。
　日本が憲法を変え、憲法の基本的精神と原則を放棄したら、中日関係、日韓関係、日本とアジアの多くの国々との関係に影響が出るでしょう。日本と米国との関係にも影響が出るかもしれません。日本は侵略を受けたアジアの人々の感情を傷つけ、孤立の道を進むことになります。

河野・村山談話
　１９９３年に「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制を認めたのが河野洋平官房長官の談話です。村山富市首相の談話は９５年、日本の植民地支配と侵略に「心からのお詫（わ）び」を述べたもの。安倍首相は今年年頭に、この二つの談話の見直しを示唆しました。
( ２０１３年０５月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

女性差別撤廃３署名を提出／「女性手帳」は中止を／真の少子化対策ぜひ

　新日本婦人の会（新婦人）は８日、女性差別撤廃条約にもとづいた政府のとりくみをすすめるための三つの請願署名の提出集会を、衆院議員会館内で開きました。笠井貴美代会長をはじめ、東京、千葉、神奈川の代表らが全国から寄せられた６万８３８０人分の署名を、日本共産党の塩川鉄也、宮本岳志両衆院議員に手渡しました。
　三つの署名は、女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める請願、民法改正を求める請願、「戦時慰安婦」問題の最終解決を求める請願です。
　笠井会長は集会あいさつで、安倍内閣がねらった「慰安婦」問題を謝罪した河野談話見直しの動きに国際的な批判が広がり封印したことを指摘。政府が検討している「女性手帳」の導入中止を要請したことを報告しました。笠井会長は、「いつ何人子どもを産むか産まないかを決めるのは国際的に合意された女性の重要な権利であり、科学的な性教育こそ必要」として中止を求め、国際的に遅れている女性差別の解消こそ求められると訴えました。

政府に要請文
　安倍内閣が「骨太の方針」の少子化対策重点対策として導入を検討する「女性手帳」について、新日本婦人の会は８日、検討の中止を求める笠井貴美代会長名の要請文を安倍首相あてに送りました。
　｢女性手帳｣は、１０代からの身体のメカニズムや将来設計について啓発し､｢晩婚･晩産｣に歯止めをかけることをねらい、女性を対象に一斉に配布するというものです。
　要請文では、安倍首相が、少子化を深刻にしてきた自らの責任は一切ふれず、若い世代が産みたくても産めない現実から目をそらしていると批判。少子化対策というなら、賃上げや正規雇用化、認可保育所の緊急増設、男女とも取得しやすい育休や労働時間規制などやるべき施策はたくさんあると指摘します。
　また、「女性手帳」は、「リプロダクティブ・ヘルス／ライツ（性と生殖に関する健康と権利）」から見ても大きな問題があると強調。いつ何人子どもを産むか産まないかを選ぶのは個人の自由であり、女性の自己決定権として重要な権利であるとしています。
　国際的にも恥ずかしく、税金の無駄遣いともなる「手帳」導入の検討をただちに中止し、男女とも人間らしく仕事も子育ても両立できる真の少子化対策を強く求めています。

女性差別撤廃条約選択議定書
　女性差別撤廃条約を批准した国の個人または集団が条約に定める権利が侵害されたとして国連の女性差別撤廃委員会に対し、直接申し立てができるもの。１９９９年の国連総会で採択され、１０４カ国が批准しています。
( ２０１３年０５月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

美術／「富山妙子　現代への黙示―９．１１と３．１１―」／時代にあらがう視点

　いま美術が紡ぎ出す物語には二つの方向性がある。ひとつは身辺のごく私的なもの。そして、もう一方は社会への視点である。後者を一貫して追求してきた作家、富山妙子のエッセンスを味わえる作品展が開催中だ。
　１９７３年のチリ軍事クーデターで喪われた表現者たちの命。１９８０年に多くの市民が虐殺された、韓国の光州民衆抗争。これらの版画はリアリズムによるドキュメントというより、伝承芸術のような象徴性の高い図像だ。そこには、現代の活動家、犠牲者を民話など大衆文化のなかに位置づけようとする作家の意図が窺える。
　コラージュと油彩画、ビデオ作品からなる連作「蛭子と傀儡子・旅芸人の物語」は、９・１１を契機に生まれた、富山の集大成だ。彼女は被差別の漂泊民を題材とすることで、「歴史からこぼれ落ちたものたち」をすくい取ろうとする。
　彼女が幼いころ過ごした日本の植民地・満州、日本軍の戦火の悲惨と従軍慰安婦の哀歌の物語を潜ませる東南アジア、各国の民衆文化、祈りが込められた民間信仰。物語の背景となるこれらモチーフを何層にも積み重ねて生まれる、コラージュと厚塗りの絵画。その濃密さには、軽さ、口当たりの良さを至上とする時代の潮流と真逆のものがある。
　彼女の作品の持つ重みとは、何かにつながることの意味＝物語であり、その人間回復の讃歌は時代への告発でもある。３・１１後の混迷を描いた新作は途中経過にも感じられ、今後の展開を期待したい。
　（アライ＝ヒロユキ　美術・文化社会批評）
　◇
　５月１９日まで。東京アートミュージアム　東京都調布市仙川町１の２５の１�рO３（３３０５）８６８６
( ２０１３年０５月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

��河野談話見直さぬ�＝^「慰安婦」問題で菅官房長官

　菅義偉官房長官は７日の会見で、旧日本軍の関与などを認めた「慰安婦」問題に関する河野官房長官談話（１９９３年）について、「見直しを含めた検討という内容を述べたことはなかった」と語り、見直しはしない考えを示しました。
　河野談話の見直しをめぐっては、３日にシーファー前駐日米大使がワシントンの連邦議会で開かれたシンポジウムで講演し、「米国内に賛同者はいない」として事実上反対を表明していました。
　安倍晋三首相は河野談話について、資料に強制連行を示すような記述はないなどとして、昨年末に見直しを示唆しました。日本共産党の志位和夫委員長が同問題を追及した代表質問（１月３１日）に対して、首相は「政治問題、外交問題化させるべきではない」「官房長官による対応が適当だ」と答弁していました。
( ２０１３年０５月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

憲法は守り生かすもの／各地で集会・講演会／富山／石川／福井／新潟／愛知／長野／岐阜／静岡／三重

　日本国憲法施行６６周年となった３日、安倍自公政権のねらう憲法改悪を許さない集会や講演会が、東海・北陸信越の各地で取り組まれました。

地道に大切さ広げる／富山
　日本国憲法をまもる富山の会と富山県平和運動センターは、富山市の富山国際会議場で「とめよう改憲！５・３富山県民集会」を開きました。６２０人が参加しました。
　精神科医で立教大学教授の香山リカ氏が記念講演。香山氏は、改憲が議論される風潮は、バブル崩壊、阪神・淡路大震災、サリン事件などで、経済大国・日本のイメージが崩壊し、社会不安の強まった１９９０年代から表面化してきたと指摘しました。
　東日本大震災と福島第１原発事故を受けて不安がいっそう強まるなか、改憲勢力は「憲法を変えればすべてがよくなる」かのように主張し国民のなかに入り込んでいると強調。改憲を許さないためには地道に憲法を守ることの大切さを広げるとともに、インパクトのあるとりくみを行うことが大切だと訴えました。
　参加した女性（４７）は、「精神科医の立場で、誰にでもある不安な心理を利用して改憲論が入り込んでいるという話は、新たな視点で新鮮だった」と話していました。

戦争の実態を次世代に／石川
　９条の会・石川ネットが主催する「輝け９条！許すな改憲！平和憲法施行６６年記念・石川県民集会」が金沢市内で開かれ、会場いっぱいの６００人が来場しました。
　集会では、城北病院名誉院長の莇昭三氏、金沢大学客員教授の井上英夫氏、日本キリスト改革派教会・金沢教会牧師の漆崎英之氏の３氏による記念てい談が行われ、「東アジアの平和と９条」をテーマに語り合いました。
　３氏は、旧７３１部隊の戦争犯罪や従軍慰安婦などの日本の戦争責任についてもふれながら、自民党の憲法改定案の問題点を解説。「東アジアの平和と安定には各国と日本が歴史認識を共有する努力を粘り強く続けなければならない」（莇氏）、「戦争の実態を次の世代に語る努力、戦争体験を聞く努力こそ大切だ」（井上氏）、「東アジアの国々とともに生きる視点が真の友好につながる」（漆崎氏）とそれぞれ運動の展望を述べました。

９条は最大の国際貢献／福井
　福井県では、憲法を守ろうと呼びかける集会やパレードが取り組まれました。福井市のアオッサでは県内の九条の会２９団体の共催で集いが開かれ、約３５０人が参加しました。
　長峯信彦・愛知大学教授が「憲法を護ることの歴史的意義と未来への責任」と題して講演を行いました。
　長峯氏は、９６条改定について、「もともと国家権力者を縛るための憲法を自分たち権力者が使いやすくするめちゃくちゃな話だ」と指摘しました。
　「国防軍」が明記された問題では、軍の組織を法律で定めるとした規定により「徴兵制が可能になるということだ」と警鐘を鳴らし、憲法９条を「最大の国際貢献をしてきた功労者だ」と強調しました。
　参加者からは「現憲法を順守しなければならない頂点にある安倍首相が自ら憲法を打ち破るようなことは絶対に許せない」との強い意見が出されました。

真の狙いは国防軍化／新潟
　新潟県長岡市の憲法九条を守る長岡の会は、市内で第８回集いを開き、２００人が参加しました。
　中村啓識（前県仏教会会長）代表世話人が「ディスカッションで何をするべきかを大いに発言してもらいたい」とあいさつしました。
　法政大学教授で上越市頸城区出身の五十嵐仁氏が講演。五十嵐氏は、安倍内閣の狙いはまず憲法９６条の改憲発議のハードルを低め、真の狙いは９条改憲による「国防軍」化にあると指摘。自民党の憲法草案が天皇の元首化、基本的人権保障削除など危険極まりないと力説しました。
　五十嵐氏は、自民党草案の危険性と日本国憲法が世界のあるべき未来を示す理想であることを知らせ、憲法を守り活（い）かす（活憲）ために一人ひとりが学び共同し、声を上げていくことを訴えました。

９６条は立憲主義の根幹／愛知
　憲法施行６６周年を記念する市民集会（愛知憲法会議主催）が名古屋市公会堂で開かれ、例年を大きく上回る２９００人余が詰めかけました。大田昌秀元沖縄県知事が講演しました。
　主催者あいさつにたった本秀紀事務局長（名古屋大学教授）は「自民党改憲案は、憲法とは名ばかりの国民統制法です。これをストップさせるために、憲法の大切さを身近な人に広げて、国民的運動に発展させましょう」と呼びかけました。
　愛知県弁護士会の安井信久会長があいさつし、「憲法９６条は、ときの権力が安易に憲法を変えることのないようつくられた、立憲主義の根幹をなすものです」と強調しました。
　大田氏は「本土復帰した今も、沖縄の人々は米軍によって命の危険にさらされています」と述べ、基地のない、平和憲法が生きる沖縄の実現を訴えました。
　初めて参加した深谷美月さん（１６）＝尾張旭市＝は「９条だけでなく、原発反対などの意見も自由に言えなくなるのはおかしい。憲法についてもっと勉強したい」と語りました。
　日本共産党の、もとむら伸子参院選挙区候補も参加しました。

きれいな日本残したい／長野
　長野県伊那市内では、憲法と原発を考えるシンポジウムが開かれました。専門家らが改憲の動向や、原発事故の健康被害について発言し、参加した３００人を超える市民はメモをとりながら、熱心に聞き入りました。
　基調報告で野口俊邦・信州大学名誉教授は、「参院選で９６条改定勢力に勝たせてはいけない」として、国民的団結を呼びかけました。
　チェルノブイリ救援・中部の小牧崇理事がチェルノブイリ原発事故の健康被害について報告し、中川村の曽我逸郎村長が護憲と脱原発の立場から発言しました。
　長野県内に避難している夫婦は「原発事故を通じて、憲法や環太平洋連携協定（ＴＰＰ）など、日本はたくさんの問題を抱えていることに気がついた。子どもたちにきれいな日本を残したい」と述べました。

やっぱり表現の自由大事／岐阜
　憲法施行６６周年記念岐阜集会が、岐阜市の長良川国際会議場で開かれ、約３００人が参加しました。主催は、憲法９条を守る県共同センターと憲法改悪阻止県各界連絡会議。
　立命館大学大学院法務研究科教授で、関ケ原人権裁判では意見書を判決に反映させた市川正人氏が講演しました。
　市川氏は、民主主義国家を支える上で重要な、憲法の保障する表現の自由が秘密保全法や自民党改憲草案によって脅かされると強調。小学校の統廃合をめぐって住民の請願権や表現の自由への侵害の有無が争われた、関ケ原人権裁判の住民側勝訴は、日本の民主主義の根幹にかかわる意義を持っていたと説明し、表現の自由の重要性を訴えていくことが大事だと述べました。
　主催者代表の近藤真氏（岐阜大学教授）が「改憲について、国民世論の半数以上が反対している。安倍内閣の危険性を広くアピールしていくことが必要」だと呼びかけました。

策動退けた経験ある／静岡
　静岡県憲法会議は３日、静岡市葵区で「憲法を考える市民の集い」を行いました。小沢隆一・東京慈恵会医科大学教授が講演し、参加した約２５０人が聞き入りました。
　小沢氏は「改憲勢力の比重がこれまでになく増大した厳しい情勢ですが、第１次安倍政権の改憲策動を国民の世論の力で退けた経験があり、臆することはありません。改憲の動きに改めてノーの審判を下しましょう」と呼びかけました。
　代表委員の林克・県評議長は「学びを基礎に、日本国憲法を守るために運動を強めよう」と訴えました。
　インドネシアの留学生らが同国の伝統舞踏「サマン・ダンス」を披露しました。
　フェイスブックで知り参加した女性（３８）＝駿河区＝は「国家の力で流されていかないように目を光らせる必要性を感じた。もっと若者が考えるように促したいですね」と語りました。

まっとうな民主主義を／三重
　「憲法記念日に日本国憲法を考える三重県民の集い」が津市の「フレンテみえ」で開かれ、市民や学生約１５０人が参加しました。三重県憲法会議の主催。専修大学法学部教授の白藤博行氏が講演しました。
　白藤氏は、自民党の憲法改正草案の、天皇元首化や国防軍保持、基本的人権抑制など反動的な内容をくわしく紹介。改憲は憲法を潰（つぶ）す��潰憲（かいけん）�≠ｾとし、「潰憲菌のまん延に負けず、まっとうな民主主義を構築しよう」と呼びかけました。
　憲法会議議長の西川洋・三重大学名誉教授は、９６条改定が９条改定に直結していることを国民に広く訴えることが大事だと強調しました。また、副議長の石坂俊雄弁護士は、安倍政権が企てる「秘密保全法」策定の危険性を訴えました。
(２０１３年０５月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題解決を／ひろしまネットが宣伝

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは１日、広島市中区で「日本政府はハルモニに公式謝罪と賠償をしなさい」と書いた横断幕を掲げて宣伝しました。韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯し、毎月第１水曜日に宣伝しているもの。
　この日は１４人が参加し、今月１９日午後１時半から南区西荒神町の広島市留学生会館で開く日本軍「慰安婦」証言集会の案内ビラを配布。証言集会では、被害女性の吉元玉（キル・ウォノク）さん（８４）が訪日し、体験を語ります。資料代＝１０００円（学生無料）。連絡先＝土井桂子共同代表０９０(３６３２)１４１０。
(２０１３年０５月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

憲法施行６６周年記念日にあたって／日本共産党市田書記局長が談話

　憲法施行６６周年記念日にあたり日本共産党の市田忠義書記局長が発表した談話は次の通りです。

　一、今年の憲法記念日は、改憲をめぐる危険な策動が強まっている中で迎えています。昨年の総選挙で改憲に執念を燃やす安倍内閣が誕生し、自民党や維新の会をはじめとする改憲勢力が、声高に「自主憲法制定」を叫んでいます。改憲勢力の最大の狙いは、憲法９条を変え、国防軍の創設など、日本を戦争する国につくりかえることです。アメリカと肩を並べて武力行使ができる体制づくりに向けて、集団的自衛権の見直しなど解釈改憲の動きも強まっています。
　しかし、多くの国民は、憲法９条改定に反対しています。昨年の総選挙では、民意を反映しない小選挙区制というゆがんだ選挙制度のもとで、改憲勢力が圧倒的多数を得ましたが、国民世論とのあいだには大きなズレがあります。
　日本共産党は、憲法９条をはじめ日本国憲法を守り抜くために全力をあげます。
　一、安倍首相は、憲法９６条の改定を「参院選の争点にする」などといいだしていますが、その政治的なねらいが、改憲勢力の最大の目標である憲法９条改定に向けて、ハードルを低くしたい、国民を改憲に「慣れ」させたい、ということにあるのは明らかです。
　しかし、９６条が、衆参両院の３分の２以上、国民投票の過半数という条件を課しているのは、憲法の制定や改定が国民の主権に属する重要な行為であり、権力に縛りをかけることを目的とした憲法が、ときの政権に左右されるようなことがあってはならないからです。これを一般の法律なみの「過半数」に緩和することは、国家による権力の乱用から国民の自由を守るという憲法の根本精神を否定するものです。いま、９６条の改定の動きにたいし、「憲法の本質を無視した暴挙」「近代国家の否定」など、「憲法を変えることには反対しない」人たちも含む広範囲からの強い反対の声がでています。いまの改憲策動の道理のなさを示しています。
　日本共産党は、憲法の精神を守る立場から、思想信条、政党支持、「護憲・改憲」などの違いを超えて、９６条改定反対で一致する人々の力を合わせることを呼びかけるとともに、その共同を広げるために力を尽くします。
　一、安倍首相や現職閣僚の靖国神社への奉納・参拝は、侵略戦争を肯定する許しがたい行為です。日本国憲法９条は、日本がアジアと世界に甚大な被害を与えた侵略戦争の反省を踏まえ、二度と「戦争はしない」「軍備はもたない」と誓った、国際公約です。過去の軍国主義の侵略戦争を、「自存自衛の正義の戦争だった」と美化することを目的とする靖国神社への参拝を当然と居直る姿勢に、国際社会から厳しい批判の目が向けられています。歴史を偽る点では、日本の侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」の見直しや、日本軍「慰安婦」問題での軍の関与と強制を認めた「河野談話」の見直しの動きと同根です。
　一、日本国憲法は、「主権在民」「恒久平和」「基本的人権」「議会制民主主義」「地方自治」という世界でも先駆的な原則をもっています。いま政治に求められているのは、この原則を文字通り徹底し、実践をはかることです。日本共産党は、憲法を生かす政治に変えるために、いっそう奮闘する決意です。
( ２０１３年０５月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題早期解決へ／意見書採択求めよう／愛知で集会

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める市民集会が４月２８日、名古屋市女性会館（中区）で開かれ、会場いっぱいの３５０人がつどいました。「愛知・『慰安婦』問題の解決をすすめる会」が、発足１周年を記念して開催したものです。
　同会は一昨年１２月、学者や弁護士、市民団体代表らの呼びかけで結成。国に被害者への公式謝罪と賠償を求め、運動を繰り広げています。集会では、「国への誠実な対応を求める意見書」の採択を、全自治体に働きかける行動が提起されました。
　主催者あいさつで、水野磯子事務局長は「『慰安婦』問題は人間の尊厳にかかわる問題です。憲法改悪、侵略戦争美化の動きが強まるなか、運動をいっそう強めましょう」と語りました。
　安川寿之輔（名古屋大学名誉教授）、池住義憲（立教大学大学院教授）、吉川春子（元日本共産党参院議員）の３氏が講演。
　安川氏は、歴史的経緯に触れ、「問題の核心は、軍が管理する施設で性の強要、暴行が組織的に行われたこと。日本政府は過去の戦争犯罪の事実から逃れることはできない」と強調しました。
　池住氏は��解決済み�≠ﾆする日本政府を厳しく非難した、国連や韓国、アメリカ、ＥＵの議会決議などの内容を詳しく紹介しました。
　吉川氏は、根底に戦前の家父長制度があると述べ、安倍首相の改憲策動を批判。「女性が再び戦争で苦しむことのないよう、参院選できっぱりＮＯをつきつけよう」と呼びかけました。
　会場発言では「『慰安婦』問題の実態を描いたＤＶＤを１９人の市議のうち１７人に見てもらい、意見書の採択を要請した。本会議では採択まであと一歩の９人が請願に賛成し、運動に確信がもてた。圧倒的多数で採択されるよう、強力に運動をすすめていきたい」（尾張旭市の会の代表）など、各地のとりくみが紹介されました。
　講演に先立ち、新内節（しんないぶし）の岡本宮之助さんが、同問題を題材にした「ぶんや・アリラン」を三味線の弾き語りで演奏しました。
　日本共産党の、もとむら伸子参院選挙区候補も出席しました。
(２０１３年０５月０２日，「赤旗」)

（Page/Top）

（4月）ヘッドライン

靖国参拝で台湾が談話／国民感情傷つける

「北」核問題、現状は…／早稲田大学大学院教授李鍾元さんに聞く／脅し継続しつつ外交局面探る「北」

靖国参拝と首相発言糾弾／韓国国会が決議採択

「慰安婦」／強制連行の証拠ある／紙議員が主意書

靖国参拝／首相のウソと開き直り／侵略の歴史認めてこそ日本人の誇り守れる

靖国参拝／「不要な国粋主義」／ＮＹ・タイムズ紙が社説

靖国参拝、日本の地位失う／「やってはならない行為」／市田氏

侵略巡る安倍首相発言、閣僚の靖国参拝／韓国大統領が批判

靖国参拝問題／毎年の話、いまさら

最多１６８議員靖国参拝／中国・韓国が非難／「高度に警戒」中国／譲歩余地なし・韓国

解説／最多１６８議員靖国参拝／歴史認識でも暴走／中韓抗議に開き直り

最多１６８議員靖国参拝／自民・民主・維新・みんななど

靖国神社への閣僚の相次ぐ参拝／侵略美化の宣伝拠点への訪問／アジアとの協調に深刻な影響

閣僚靖国参拝「私人の行動」／官房長官釈明

韓国外相訪日とりやめ／閣僚の靖国参拝に「遺憾」

首相、靖国神社に供物／０７年につづき２度目／侵略正当化の行為／麻生副総理は参拝

３・１１から２年、福島からの報告／『憲法運動』４・５月号

水曜随想／参院比例候補仁比そうへい／軍事力か外交力か

「慰安婦」解決へ「会」／思想信条超え松山市で結成

中国に残る慰安所跡／旧日本軍の侵略と一体

「慰安婦」問題／被害者に謝罪と補償を／「意見書を市議会でも」／市民ら報告会／京都

学生の関心と響き合い／新歓１０日間で１００人同盟員迎える

「９６条改定」狙いは９条／緒方氏が講演／「改憲許さない」／滋賀で集い

『綱領教室』を読んで／今日的テーマもふんだんに／岩手県委員長菅原則勝

靖国参拝は「当たり前」／安倍首相

「慰安婦」・南京虐殺を否定／自民・維新議員が暴論

潮流

アジア政党会議に女性部門／２２カ国参加し初会合

きょう婦団連創立６０周年／堀江ゆり会長に聞く／平和・平等・国際連帯モットーに

「慰安婦」問題考える／２０日に上映会／ひろしまネットが宣伝

地方議会決議を攻撃／「慰安婦」問題で維新議員

橋下氏��ありえない国際社会観�≠ﾆ憲法攻撃／自民党と同一発想／「外交不在」の曲解

国政にみる「維新」の正体／３／参院選へ新たな野合

国政にみる「維新」の正体／２／響きあう��改憲の同志��

国政にみる「維新」の正体／１／崩れる「第３極」の虚像

前半国会をふり返る／その２／共産党、安倍政権の暴走と対決

前半国会をふり返る／その１／民主、対決の足場持たず／維新・みんな、悪政けしかけ競う

4月（本文）（Page/Top）

靖国参拝で台湾が談話／国民感情傷つける

　【台北＝時事】台湾外交部は２９日、麻生太郎副総理ら閣僚の靖国神社参拝に関して談話を発表し、「日本政府は史実と向き合い、近隣国の国民感情を傷つけるような行動を控えてほしい」と注文を付けました。その上で「前向きな思考で周辺国との関係を発展させるよう望む」と日本に呼び掛けました。
　台湾当局が今回の一連の靖国参拝に関し、公式見解を示すのは初めて。
( ２０１３年０４月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

「北」核問題、現状は…／早稲田大学大学院教授李鍾元さんに聞く／脅し継続しつつ外交局面探る「北」

非核化の外交努力放棄すべきでない
　北朝鮮をめぐる危機的な状況は小康状態になりましたが、依然として核やミサイルによる脅しをつづけています。現状をどう見るか、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の李鍾元教授（国際政治学）に聞きました。
　（聞き手 竹下岳）

　北朝鮮の核問題は、第３段階というべき新段階に入っています。
　第１、第２段階である１９９４年の米朝枠組み合意や、２００３年以後の６カ国協議では、「朝鮮半島の非核化」が前提になっていました。
　ところがこの数年、「核保有」を前提とした新たな土俵をめざすようになってきました。�@不安定なまま発足した金正恩（キム・ジョンウン）体制が国内外に力を誇示して権力を掌握するため�A核能力への自信を深めていった―などが理由として考えられます。

対話への動き
　北朝鮮は昨年、憲法を改正して自国を「核保有国」であると規定し、今年４月には核開発と経済成長の「並進」路線を採用しています。また、「非核化」を前提とする６カ国協議への復帰は全面否定しています。
　さらに３月以降は「核ミサイルの実戦配備」を公言し、射程距離４０００�`でグアムに到達する弾道ミサイル「ムスダン」の存在を誇示します。ケリー米国務長官が初訪韓する１２日前後に発射の危険がありました。
　ただ、その前日に柳吉（リュ・ギル）在韓国統一相が公式に対話を表明しました。さらにケリー長官が「オバマ大統領の意向」であるとして、米韓合同軍事演習の一部を留保したことを明らかにし、対話の姿勢を示してから、当面の危機は回避されつつあります。
　北朝鮮は核・ミサイルの脅しを継続しつつ、外交的な局面への移行を探っている状況だと思います。その証拠に、「核保有を認めろ」といった大きな要求だけではなく、軍事演習の中止や制裁の緩和、さらに韓国内での反北朝鮮団体の活動停止といった、さまざまなレベルの要求を出してきている。「非核化」以外での対話は成立しうるというメッセージだと考えられます。
　とはいえ、北朝鮮が「核保有」を前提としている以上、「非核化」に向けた対話は容易ではありません。米国も「非核化を前提とすることが対話の条件」という原則は崩さないでしょう。
　かといって野放しにすれば、北朝鮮の核能力は確実に増強します。非核化に向けた外交努力を放棄すべきではありません。

「靖国」が障害
　新たな対話の枠組みとして、６カ国協議にＥＵ（欧州連合）やモンゴルなどを加える、また、朝鮮戦争をたたかった南北朝鮮と米中による朝鮮半島の平和体制に向けた枠組みづくりも考えられます。
　２国間対話も重要になってきます。日朝間では昨年８月、局長級での接触がありました。拉致問題の進展を契機としながら北朝鮮の動きを探れば、関係国の利益にもなります。
　ただ、閣僚の靖国参拝問題は関係国の連携に大きな障害を生み出してしまいました。
　首相・官房長官・外相は、在任中は参拝しないという「暗黙の了解」があったとされています。今回、麻生さんが副総理という立場で参拝したことが、中国や韓国に強いインパクトを与えました。
　北朝鮮の核問題をめぐって米中韓でハイレベルの外交が続いていますが、日本は中韓との外交がとん挫して、取り残されています。深刻な問題だと受け止めるべきです。
( ２０１３年０４月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国参拝と首相発言糾弾／韓国国会が決議採択

　【ソウル＝時事】韓国国会は２９日の本会議で、麻生太郎副総理ら閣僚の靖国神社参拝と安倍晋三首相の歴史認識をめぐる発言を糾弾する決議を採択しました。賛成２３８票、棄権１票でした。
　決議は「一部閣僚と多くの国会議員がＡ級戦犯が合祀された靖国神社を参拝し、首相らが侵略戦争を否認する発言をしたことは、未来志向的な韓日関係と北東アジアの平和に深刻な影響を与える」と非難。これらの行為の中止と、心からの謝罪を求めました。
　その上で、韓国政府に強力な対応を要求、国際社会にも問題の深刻さを認識し、共同で対処するよう求めました。
　安倍首相は２３日の国会答弁で、「侵略の定義は国際的に定まっていない」と述べました。
( ２０１３年０４月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」／強制連行の証拠ある／紙議員が主意書

　日本共産党の紙智子参院議員は２６日までに、日本軍「慰安婦」問題の強制連行を示す文書に関する質問主意書を安倍内閣に提出しました。
　安倍首相は１月３１日の衆院本会議で、日本共産党の志位和夫委員長が、慰安婦問題で軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」についての認識をただしたのに対し、「当時の河野官房長官によって表明されたものであり、総理である私からこれ以上申し上げることは差し控え、官房長官による対応が適当であると考えます」と答弁。その一方で２月７日の衆院予算委では民主党議員の質問に、「強制連行を示す証拠はなかった」と答弁しています。
　主意書で紙氏は歴史研究者らの調査によって東京裁判（極東国際軍事裁判）関係文書（国立公文書館）の中に、強制連行の証拠書類が残されていることが判明していると指摘。
　「私らを日本軍俘虜（ふりょ）収容所事務所へ連れて行きました」との被害女性の証言や日本陸軍中尉の宣誓陳述書など「軍の直接関与、被害女性に対する強制、脅迫が具体的に記述されている」と強調しています。
　その上で河野談話は物的証拠がなくても被害女性の証言によって強制性を認定したものだと指摘。さらに数々の歴史的文書が軍や官憲による強制を示しており、戦争犯罪の事実を重く受け止めるよう求めています。
( ２０１３年０４月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国参拝／首相のウソと開き直り／侵略の歴史認めてこそ日本人の誇り守れる

靖国参拝「脅かしに屈しない」というが…
　安倍晋三首相は、閣僚らの靖国神社参拝に対するアジア各国の批判に「どんな脅かしにも屈しない」（２４日）などと開き直り、それ自体が新たな外交問題となっています。首相発言は、国の将来に責任を負うべき政治家の発言というより、ウソを平気でつく詐欺師のようだといわざるを得ません。

さかさまに描く
　一つの詐術は、「脅かしに屈しない」などと自らを被害者かのように、さかさまに描いていることです。
　靖国神社は、日本の侵略戦争を��自存自衛�∞�アジア解放�≠ﾌ戦争だったと正当化し、その宣伝センターの役割を果たしている特殊な神社です。その神社に、閣僚が参拝するということは、政府として侵略戦争正当化の立場に立っていることを内外に示すものです。
　中国政府が「軍国主義の侵略の歴史を否定しようとする意図がある」（外務省副報道局長）といい、韓国政府が「靖国神社は…戦争を美化しているところだ」（外務省報道官）と指摘しているのも当然です。
　日本による韓国・朝鮮の植民地化は侵略そのものですし、１９３１年の「満州事変」以降の中国にたいする戦争も領土拡張と他国の支配を目的とした不正不義の侵略戦争でした。「満州事変」も「終局の目的はこれを領土とするにあり」として始められたものであり、その後も他国領土を勝手に日本の｢生存圏｣とするため侵略戦争をすすめました。
　その侵略戦争で被害を受けた国が抗議しているとき、それを「脅かし」などということ自体が、過去の侵略戦争にまったく反省がないことを示すものです。

侵略戦争推進の施設
　安倍首相は、その批判をかわすため、靖国参拝を「国のために尊い命を落とした、尊いご英霊に対して尊崇の念を表する。これはあたり前のこと」などと合理化しています。
　しかし、靖国神社は単なる慰霊施設ではありません。戦前は陸軍省と海軍省が共同管理し、昭和天皇は戦前・戦中、大元帥姿で参拝しました。「死んだら九段（靖国神社の所在地）で会おう」との合言葉をはやらせ、国民を侵略戦争に駆り立てた施設だったのです。
　戦後、「英霊の顕彰」―つまり旧日本軍兵士の武勲をほめたたえることを目的にすえ、１９７８年には、東京裁判で「平和に対する罪」で裁かれた東条英機元首相らＡ級戦犯を合祀（翌年新聞報道で発覚）。小泉内閣時代まで、同神社はＡ級戦犯を「一方的に��戦争犯罪人�≠ﾆいう、ぬれぎぬを着せられ」（「やすくに大百科」）たと説明していました。
　靖国参拝は侵略戦争美化の点でも、その立場からのＡ級戦犯合祀の点でも「国のために命を落とした」人への慰霊とは違う意味をもっているのです。

「突然の抗議」でない
　第二の詐術は、「韓国では、靖国（神社参拝）について抗議をし始めたのは一体いつなのか。盧武鉉（ノ・ムヒョン）時代（０３年〜）に顕著になった。…中国においてもそうだ」「ある日突然、抗議し始めたわけだ」などと中韓の批判をよこしまな意図があるかのように描くことです。
　だいたい、１９８５年の中曽根康弘首相による公式参拝後、９６年に橋本龍太郎首相が１度だけ自分の誕生日に参拝した以外は、２００１年の小泉純一郎首相の参拝まで首相参拝ができなかったこと自体、アジア諸国の批判が大きかったからでした。
　中曽根氏が公式参拝を正式に中止した際、当時の官房長官談話は、「公式参拝は…近隣諸国の国民の間に…Ａ級戦犯に対して礼拝したのではないかとの批判を生み、ひいては、我が国が様々な機会に表明してきた過般の戦争への反省…に対する誤解と不信さえ生まれるおそれがある」（１９８６年８月１４日）と説明しました。
　そもそも中国、韓国がいつ批判し始めたかを問題にする以前に、過去の侵略戦争への自らの態度を問い直すべきです。侵略戦争を正当化することは、戦後の国際秩序の土台を否定することであり、日本が世界で生きていく道を失わせることになるからです。

国家の過ちへの態度
　首相は「歴史と伝統の上に立った私たちの誇りを守っていく｣などと気取っています｡
　しかし、本当に誇りを守るとはどういうことか。かつて旧日本軍「慰安婦」問題で河野洋平官房長官談話をまとめた石原信雄官房副長官（当時）は「国家の名誉というものは人道主義とは矛盾しない」「国家だってときには過ちを犯すんですから、それを認めるか認めないかという問題です」（『オーラルヒストリー　アジア女性基金』所収）とのべました。
　歴史の事実を事実として認めてこそ、日本人の誇りを守ることになるのです。
　（藤田健）
( ２０１３年０４月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国参拝／「不要な国粋主義」／ＮＹ・タイムズ紙が社説

　【ワシントン＝山崎伸治】２４日付の米紙ニューヨーク・タイムズ（電子版）は、安倍内閣の閣僚ら１６８人の国会議員が靖国神社を参拝したことについて、「日本の不要な国粋主義」と批判する社説を掲載しました。
　社説は、さまざまな国政の課題がある中、「無関係の論争を巻き起こすことは逆効果だが、安倍首相とそれにくみする国会の国粋主義派はまさにそれをやってしまった｣と批判しました｡
　「安倍氏はこれまでも第２次世界大戦中の日本の振る舞いを擁護してきた」と指摘。靖国参拝が「中国や韓国にとって非常に敏感な問題であることを十分わかっている」上で行ったもので、韓国が外相の訪日を中止し、中国が公式に非難するなどした「反応は予測できるものだった｣としています｡
　その上で「北朝鮮とその核開発計画の問題を解決するため協力する必要があるときに、日本が中韓への敵対心をあおるのはとくに無謀にみえる」と批判。
　「歴史的な傷をより深くするのではなく、安倍氏は日本の未来を示すことを重視すべきだ」と論じました。
( ２０１３年０４月２６日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国参拝、日本の地位失う／「やってはならない行為」／市田氏

　日本共産党の市田忠義書記局長は２４日の記者会見で、３閣僚と１６８人の国会議員が靖国神社に参拝したことについて見解を問われ、「日本がアジアと世界で生きていく地位を失うことになる。やってはならない行為だ」と厳しく批判しました。
　このなかで市田氏は、靖国神社は日本の侵略戦争を「自存自衛」の正義の戦争だったと宣伝し続けている特殊な神社だと述べ、「閣僚や国会議員が参拝することはその考えにお墨付きを与えることになる」と指摘。
　そのうえで、日本が侵略戦争を反省し、日本国憲法を制定して二度と「戦争はしない」「軍備はもたない」と誓ったのは国際公約だと強調。憲法９９条によって閣僚も国会議員も憲法尊重・擁護義務を負っていることを示し、「これを守るのは国会議員の責務だ」と指摘しました。
　市田氏は、「植民地支配と侵略」を認めて謝罪した１９９５年の村山富市首相（当時）談話について、安倍晋三首相が「安倍内閣として、そのまま継承しているわけではない」と答弁したことについて問われ、「アジアの平和的な関係を壊していく、重大で危険な発言だ」と厳しく指摘しました。「歴史に向き合い、侵略戦争と植民地支配の反省の上に立ってこそアジアとまともなお付き合いができる」と述べました。
　市田氏はさらに、安倍政権が改憲の手続き要件を定めた憲法９６条を変え、憲法改定のハードルを引き下げることについて、国民主権の立場に立って国家権力を縛るという立憲主義の根本を覆すことになると指摘し、憲法の個々の条文についての意見の違いを超えて「��９６条を変えるのは論外だ�≠ﾆいう一点で一致する、いろんな政党・政治家・団体・個人と大いに力を合わせて頑張りたい」と表明しました。
( ２０１３年０４月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

侵略巡る安倍首相発言、閣僚の靖国参拝／韓国大統領が批判

��正しい歴史認識なくば、未来志向で進むの困難��
　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵大統領は２４日、日本閣僚の靖国参拝や、侵略の定義は国によって異なるとの趣旨の安倍晋三首相の発言に対し、「正しい歴史認識が前提とならない限り、過去の傷が悪化し、未来志向で進むのは難しい」と批判しました。韓国報道機関幹部との昼食会での発言を大統領府が明らかにしました。
　朴大統領は「（日韓は）基本的に協力関係で、共に未来を開いていかねばならない」と指摘。その上で、「（韓国の）痛みと現在の障害物が後世まで続かぬよう断ち切るべきだ。重要なのは韓国の姿勢で、原則を維持して対日関係に取り組まねばならない」と強調しました。
　さらに、「国際社会では周辺国との協力がカギだ。右傾化はアジア諸国全般との関係を難しくし、日本にとっても望ましくない」と述べ、慎重な対応を求めました。
( ２０１３年０４月２５日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国参拝問題／毎年の話、いまさら

　麻生太郎副総理ら３閣僚の靖国神社参拝を中韓両国が批判していることについて、２３日の閣議後の記者会見で閣僚から発言が相次ぎました。麻生氏は「毎年２、３回伺っている。いまさら言われるような話ではない」と開き直り、「海外で反応が出ていると言うが、それは向こうの反応であって、外交に影響が出ることはあまりない」と述べました。
　古屋圭司国家公安委員長も「公人か私人か以前に、私は日本人として参拝した」と言い逃れました。尹炳世（ユン・ビョンセ）韓国外相の訪日取りやめに関しては「こういった問題はよく起きる。深刻な影響があるとは一切考えていない」と述べました。同様に参拝した新藤義孝総務相も「個人の私的行為が近隣諸国に影響を及ぼすとは考えていない」と強弁しました。
　岸田文雄外相は「今回のことで両国との関係に影響が出ないようしっかり対応したい」と強調。韓国外相の訪日について「現在も調整中だ。対話のドアは常にオープンにしている」と述べ、引き続き招請を続ける意向を示しました。
　稲田朋美行政改革担当相も「心の問題。韓国も中国も重要なパートナーなので、影響が及ばないようにあってほしい」と述べました。
( ２０１３年０４月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

最多１６８議員靖国参拝／中国・韓国が非難／「高度に警戒」中国／譲歩余地なし・韓国

「高度に警戒」／中国
　【北京＝時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は２３日の記者会見で、日本の国会議員１６８人が靖国神社を参拝したことについて、「日本の行動と意図はアジアの隣国と国際社会が高度に警戒するに値する」と非難し、「国際社会の信用を得られる行動」を取るよう日本に要求しました。
　華副局長は「（私的か公的かなど）どういう形式であろうと、日本の指導者が靖国神社を参拝することには軍国主義の侵略の歴史を否定しようとする意図がある」と強い口調で批判しました。
　このほか華副局長は沖縄県・尖閣諸島（中国名・釣魚島）の周辺海域に日本の右翼団体関係者が乗った漁船が入ったとされることについて、「日本に対し厳正な申し入れを行い、強烈に抗議した」と述べました。さらに中国の海洋監視船８隻を派遣したことを明らかにし、「右翼の船は釣魚島の領海を既に出た」と主張しました。

譲歩余地なし／韓国
　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は２３日の定例記者会見で、麻生太郎副総理ら閣僚や国会議員が靖国神社に参拝したことに関連し、「北朝鮮の核の脅威などの問題を解決する上で、この地域の国家と国際社会が力と知恵を集めることがお互いにプラスになる」とする一方、「日本に対して譲歩できない原則がある。それは混ぜこぜにすることはできない」と強調しました。
　報道官は「靖国神社は戦争犯罪者が合祀（ごうし）されており、戦争を美化しているところだ。このような神社の参拝が関連国家の国民にどのような思いを抱かせるのか、なぜ検討されていた（尹炳世外相の）訪日が中止になったのか、（日本は）深く省察すべきだ」と指摘しました。
( ２０１３年０４月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

解説／最多１６８議員靖国参拝／歴史認識でも暴走／中韓抗議に開き直り

　日本の侵略戦争をめぐる歴史認識で、安倍政権・自民党が暴走しています。安倍晋三首相による靖国神社への真榊（まさかき）奉納や麻生太郎副総理ら３人の閣僚による参拝に対し中国、韓国両政府が抗議したにもかかわらず、２３日は過去最多の国会議員１６８人が同神社に参拝。開き直りの弁明に終始しました。
　靖国神社は、過去の日本の侵略戦争について、��自存自衛�∞�アジア解放�≠ﾌ戦争だったと美化・正当化する立場にたつ特殊な神社です。同神社の軍事博物館である遊就館では、太平洋戦争を美化する「大東亜戦争７０年展�U」が開かれています。
　閣僚らは、参拝を「私的行為」「心の問題」などと正当化しますが、侵略戦争を美化・正当化する神社に首相や閣僚が参拝や奉納を行うことは、侵略戦争肯定の立場に自ら身をおくことになり、侵略や植民地支配を受けた中国、韓国両国が抗議することは当然のことです。
　ところが菅義偉官房長官は中韓の抗議について「日本としての考え方、立場がある」（２３日）として受け付けない姿勢を表明。被害者に対し、侵略した側の立場・事情を理解しろというのに等しい態度です。
　さらに、すでに深刻な外交問題に発展しているにもかかわらず、「外交に影響が出ることはない」（麻生副総理）、「外交問題になる方がおかしい」（高市早苗・自民政調会長）などの発言が相次ぎました。閣僚・与党幹部としての責任を放棄しており、許されるものではありません。
　安倍内閣が異常な歴史認識を持ち続ける限り、北朝鮮や尖閣問題解決への障害になるばかりか、アジア諸国との関係をさらに悪化させるだけです。
　（遠藤誠二）
( ２０１３年０４月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

最多１６８議員靖国参拝／自民・民主・維新・みんななど

　「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」（会長・尾辻秀久自民党参院議員）のメンバー１６８人が２３日、東京・九段北の靖国神社を集団参拝しました。春季例大祭に合わせたもので、集団参拝の参加者数は記録がある１９８９年以降で最多。麻生太郎副総理兼財務相ら安倍内閣の閣僚も既に参拝しています。
　昨年の春季例大祭の際の参拝者数は８１人で、倍増しました。同日の集団参拝に閣僚は含まれず、同会によると自民党からは高市早苗政調会長や山口俊一財務副大臣ら１３２人、民主党から前田武志元国土交通相ら５人、日本維新の会の平沼赳夫代表代行ら２３人、みんなの党などが参加しました。
　参拝後に記者会見した尾辻氏は、参加者が増えたことについて「新しい議員が参拝してくれたんだと思う」と語りました。高市氏は記者団に対し、閣僚の参拝を中韓が批判していることに関し「尊い命をささげた方々をどう慰霊するかは、日本人が決める日本国内の問題。外交問題になる方がおかしい」と開き直りました。
( ２０１３年０４月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国神社への閣僚の相次ぐ参拝／侵略美化の宣伝拠点への訪問／アジアとの協調に深刻な影響

　安倍内閣閣僚の相次ぐ靖国神社参拝が韓国、中国との外交問題に発展しつつあります。北朝鮮情勢の緊迫化で国際社会の連携した対応が求められる中、過去の侵略戦争を美化する安倍政権のゆがんだ歴史観が、アジア各国との協調に深刻な矛盾をきたしています。

韓国外相が訪日を中止
　靖国神社の春季例大祭（２１〜２３日）に合わせて、麻生太郎副総理（２１日）をはじめ、新藤義孝総務相（２０日）、古屋圭司国家公安委員長や加藤勝信官房副長官（２１日）が相次ぎ参拝。安倍晋三首相本人も２１日､真榊を奉納しました｡
　これを受け、韓国外務省報道官は２２日、閣僚らの参拝などに対し「歴史を忘却した時代錯誤的な行為」と批判し、「深い憂慮と遺憾」を表明。２６、２７日に予定されていた政権発足後初の韓国外相の訪日、日韓外相会談の中止を明らかにしました。来月に予定されていた「日中友好議員連盟」（会長・高村正彦自民党副総裁）の訪中も中止となり、尖閣諸島問題で改善の見通しが立たない日中関係にも波及しはじめています。
　韓国、中国が日本の靖国神社参拝に抗議しているのは当然です。同神社は、領土拡大と他国の支配を目的にし、アジアに２０００万人という甚大な犠牲をもたらした日本の侵略戦争を、��自存自衛�∞�アジア解放�≠ﾌ戦争だと美化・合理化する中心的な宣伝拠点となっているからです。折しも神社併設の軍事博物館「遊就館」では特別展「大東亜戦争７０年展」を開催。展示の趣旨を「アジアの解放と共存共栄の新秩序を確立するという先人達の事跡を拝観いただく」と明記しています。その神社を閣僚が訪問することは、自らを侵略戦争肯定の立場におくことになります。

対北朝鮮も対応に障害
　しかも、麻生副総理は韓国の朴槿恵大統領と２月に会談した際､朴大統領から｢日韓の未来志向の協力のためにも、歴史認識が重要である」とくぎをさされました。それに対して麻生氏自身「お互いの立場を理解することが重要であり、そのために双方の政治家として努力していきたい」と答えていました。その「努力」が靖国参拝だとしたら、これほど「相手の立場」を踏みにじるものはありません。
　いま、北朝鮮が「瀬戸際外交」で軍事的威嚇を繰り返しているなか、国際社会での対応が急務となっています。「もっとも直接に影響を受ける当事者は日韓」「日本としても歴史問題を重要な外交政策の一部分として日韓関係を考えていくという姿勢が必要だ」（木宮正史・東大大学院教授、２１日のＮＨＫ日曜討論）という指摘もあります。
　そのときに、閣僚の相次ぐ靖国参拝と安倍首相の真榊奉納は、北朝鮮問題解決にも逆行する政治行為だといわざるを得ません。
　（池田晋)
( ２０１３年０４月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

閣僚靖国参拝「私人の行動」／官房長官釈明

　菅義偉官房長官は２２日の記者会見で、靖国神社への安倍晋三首相の真榊（まさかき）奉納と麻生太郎副総理ら３閣僚の参拝に関しては「私人としての行動だ」と釈明。「心の問題でもあり、内閣がいちいち制約をかけるべきではない」と述べ、首相や閣僚本人の判断に委ねる意向を改めて示しました。
( ２０１３年０４月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

韓国外相訪日とりやめ／閣僚の靖国参拝に「遺憾」

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は２２日、靖国神社への安倍晋三首相の真榊奉納と閣僚の参拝を受けて論評を出し、「深い憂慮と遺憾」を表明しました。同省当局者は２６、２７両日で検討していた尹炳世外相の訪日について「調整する」と述べ、訪日は事実上取りやめになりました。
　朴槿恵政権発足後初の外相訪日が先送りとなったことで、今後の両国関係や北朝鮮問題への連携に影響が出る可能性もあります。
　論評は「日本政府が歴史を忘却した時代錯誤的行為を即時中断し、近隣国家から信頼を回復できるよう、正しい歴史認識を基に責任ある行動を取ることを重ねて強く求める」と強調しています。
( ２０１３年０４月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

首相、靖国神社に供物／０７年につづき２度目／侵略正当化の行為／麻生副総理は参拝

　安倍晋三首相は２１日、東京・九段北の靖国神社で行われている春季例大祭（４月２１〜２３日）に合わせ、祭具の真榊を同神社に奉納しました。また麻生太郎副総理・財務相は同日夜、同神社を参拝しました。

　靖国神社によると、首相が納めた真榊は「内閣総理大臣」の肩書で、２１日朝から神前に供えられています。安倍首相は第１次内閣時（２００７年）も春季例大祭で真榊を奉納しました。
　現職首相の肩書で供物を奉納するのは、過去の侵略戦争を美化する靖国神社の歴史観を政府として肯定する行為です。これまで首相が同神社に真榊を奉納したのは、安倍首相のほか、麻生首相（０８年、０９年）、中曽根康弘首相（１９８２〜８７年在任）。
　麻生副総理は、２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議出席のための訪米から帰国後、２１日午後７時半ごろに同神社に到着。拝殿前で一礼し、同神社を後にしました。
　２１日は麻生氏のほか、古屋圭司国家公安委員長、加藤勝信官房副長官が靖国神社を参拝。２０日には新藤義孝総務相が参拝しました。昨年１２月の第２次安倍内閣発足以降、閣僚の靖国参拝が確認されたのは３人。
　２１日午前１０時すぎに同神社を訪れた古屋氏は参拝後、記者団に「国務大臣古屋圭司として参拝した」と説明し、「国のために命をささげた英霊に哀悼の誠をささげるのは、国会議員という立場からして当然だ」と述べました。
( ２０１３年０４月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

３・１１から２年、福島からの報告／『憲法運動』４・５月号

　『月刊憲法運動』（憲法会議刊）４・５月号（写真）が発行されました。
　「憲法の眼」は国分稔代表委員（全商連会長）の「日本国憲法と私の半生」。
　「３・１１から２年　福島からの報告」（菅野偉男・福島憲法会議、福島県九条の会）、「国の責任で迅速かつ徹底した除染の実施を」（小川英雄ふくしま復興共同センター事務局次長）の福島からの報告が寄せられています。
　吉川春子さん（日本共産党元参院議員）の「日本国憲法下で許されない『慰安婦』問題の放置」、「明日の自由を守る若手弁護士の会」のメンバーである早田由布子さん（弁護士）の「若手弁護士の視点から見る自民党改憲草案と改憲阻止運動｣を掲載しています｡
　同時発行の「憲法しんぶん」は、「９６条改正」問題について論評しています。
　『月刊憲法運動』４・５月号は４００円（送料６８円）、憲法しんぶんは３０円（送料６０円）。申込先＝憲法会議　電話０３（３２６１）９００７、ファックス０３（３２６１）５４５３。
( ２０１３年０４月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

水曜随想／参院比例候補仁比そうへい／軍事力か外交力か

　北朝鮮の軍事的挑発がエスカレートし、不安が広がっています。「先軍政治」をかかげ、幾度となく国際合意に反する行動をとってきた北朝鮮政権に、強い憤りを覚えます。
　最大の脅威は、実際に戦乱が起きてしまうことです。朝鮮戦争（１９５０年６月２５日〜５３年７月２７日休戦）の犠牲者は３００万人とも５００万人ともいわれます。朝鮮半島の人口が当時の３倍を超えるもとで戦争に至るなら、それ以上の大惨事となることは明らかです。
　食料やエネルギーを海外に依存する日本経済と国民生活も深刻な危機に陥るでしょう。万が一にも核兵器が使われるなら放射性物質の拡散など恐るべき事態となります。
　そうした事態を絶対に起こさせない。政治の最大の目標はそこにおかれねばなりません。世界には、南米やカリブ海、アフリカなど、深刻な軍事的対立から平和的共存に踏み出し、核開発をやめた国々があります。北朝鮮に国際社会が一致して自制を求め、挑発を武力紛争にエスカレートさせずに解決していく外交力こそが肝心です。
　「軍事力や日米軍事同盟で対抗する」道はどうでしょうか。今回も米韓合同演習が緊張を激化させました。「脅せばおとなしくするだろう」というのでは偶発的な軍事衝突のリスクを高めてしまうのです。米軍普天間基地の欠陥機オスプレイは、沖縄やフィリピン、岩国や中四国で訓練を一段と実戦化させています。「四国の険しい山が北朝鮮の山岳部に似通っている」などと強行している低空飛行訓練は、平和的解決への逆流でしかありません。
　驚くべきは、国際社会と協調して平和と安定をつくる直接の責任を負う国会議員が、戦後国際社会で通用するはずのない侵略戦争の美化を行っていることです。先週国会で、自民党議員が「軍隊に一緒について行った売春の話が、連行して性奴隷にしたという話になった」、維新の会議員が「従軍慰安婦も南京事件もなかった」などと呼応したように質問し、安倍総理は歴史教科書検定の見直しに言及しました。
　こんな改憲派に、絶対負けるわけにはいきません。
(２０１３年０４月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」解決へ「会」／思想信条超え松山市で結成

　「日本軍『慰安婦』問題の早期解決を求める会・松山」が１４日、松山市で結成され、約８０人が参加しました。思想・信条、団体・グループの違いを超えて共同するもので、愛媛県内では初めて。
　結成総会で、萩野美枝子準備会世話人（日本キリスト教婦人矯風会松山シャロンの会会長）は｢日本軍の『慰安婦』にされた人たちは､私たちの想像を超えた苦難を背負って生きています。残された時間は限られています。私たちが、何ができるか考え行動しよう」とあいさつしました。
　経過報告に立った三宮禎子同世話人（元日本共産党松山市議）は｢歴史の真実を認め､公式謝罪と被害者への賠償を求める運動が内外で進められてきたが、日本政府はかたくなに背を向け、第２次安倍内閣の誕生を機に、歴史の事実を否定する逆流が大きくなっている」と報告しました。
　県内の各議会に請願署名を提出できるようネットワークをつくることなどを決め、「慰安婦」問題の早期解決を求める安倍首相あての決議を採択。萩野、工水戸富士子、井谷カヨコ、三宮の４人の共同代表を選びました。
(２０１３年０４月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

中国に残る慰安所跡／旧日本軍の侵略と一体

　日本の中国侵略時、旧日本軍は中国に数多くの慰安所をつくり、「慰安婦」にした朝鮮人や中国人の人権を踏みにじりました。中国側の研究によれば、北は黒竜江省から南は海南島まで、日本軍が侵略したところには、どこでも慰安所があったといわれます。江蘇省南京市と上海市に残る慰安所跡地を訪ねました。
　（南京、上海＝小林拓也　写真も）

■アジア最大規模／南京市
　南京市内には４０以上の慰安所があったといわれます。市の中心部にあるのがアジア最大の日本軍慰安所といわれる利済巷慰安所の跡地です。
　２００５年までは低所得者の住宅として使われていました。いまは空き家です。
　建物の多くの窓は割れたまま。０８年の火事で建物の一部が燃えてしまいましたが、外壁はしっかりと当時の面影を残しています。
　現在は、建物を保存し、慰安婦歴史陳列館に改装するための工事の真っ最中。来年の開館を目指しています。
　日本軍は、南京大虐殺（１９３７年）の後に、当時の高級住宅街を慰安所に改造しました。４５年の終戦まで使われ、総面積は４８００平方�b。一帯には三つの慰安所があり、５０人以上の「慰安婦」がいました。
　うち最も大きい「東雲慰安所」と呼ばれた建物は、１階に１４、２階に１６もの部屋がありました。主に朝鮮人の「慰安婦」が連れてこられました。２階には指示に従わない「慰安婦」を閉じ込め、つるし上げて殴る小部屋もあったといいます。
　利済巷慰安所の保存を求めてきた南京師範大学の経盛鴻教授は「侵略の歴史を否定する日本の一部の勢力に対し、日本軍が『慰安婦』を使っていたという生きた証拠として、ここを保存する意義は大きい」と語ります。

■最初の慰安所／上海市
　上海には日本軍の慰安所が１５０以上あったとされます。１９３１年、侵略を開始した日本軍が中国につくった最初の慰安所が上海にある「大一サロン」です。
　建物はほぼ当時のまま残されており、いまは住宅として使われています。内部は暗く、小部屋が並んでいて、日本式の木製ドアや観音開きの窓が当時のまま残されていました。中庭には、日本軍兵士が周りで踊ったという噴水の跡もありました。
　４５年の終戦まで使われ、多いときには約２０人の日本人「慰安婦」がいたといいます。

河野談話見直しは孤立への道で危険／蘇智良・上海師範大学中国慰安婦問題研究センター主任の話
　私たちの研究では、日本軍に「慰安婦」にさせられた中国人は２０万人以上にのぼると見積もっています。今までに証言してくれた元「慰安婦」は１００人余り。多くの「慰安婦」は戦争中や戦後に亡くなっています。
　生存者の多くは収入がほとんどなく、病院にも行けない状態です。地方政府が生活費を援助している場合もありますが、わずかなものです。私たちは寄付を集め、現在約２０人の元「慰安婦」を援助しています。
　旧日本軍が彼女たちを「慰安婦」にしたやり方は、▽家事労働などとだました▽捕虜になった女性兵士を慰安婦にした▽農村などから捕まえてきた―などで、すべて彼女たちの意思に反したものでした。
　安倍晋三首相が「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」の見直しを示唆したことにはとても驚きました。河野談話は日本側の資料で政府と軍の責任を証明したもので、最も基本的な認識です。
　もし河野談話を見直すなら、日本はアジアや世界から孤立するでしょう。これはとても危険なことです。
　安倍首相は日本の平和憲法も変えようとしています。日本は「古い道」を進むのでしょうか。私は日本の未来と前途を心配しています。
( ２０１３年０４月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題／被害者に謝罪と補償を／「意見書を市議会でも」／市民ら報告会／京都

　日本軍「慰安婦」問題の解決にむけ、被害女性に謝罪と補償を求める意見書が京都府議会で可決（３月２６日）されたことを受け、運動をすすめてきた「京都府議会で『慰安婦』意見書を求める会」は１３日、報告会を京都市内で開きました。
　仲尾宏「会」共同代表は、都道府県レベルで初の意見書が可決されたことを評価するとともに、政府に「慰安婦」問題を早く解決させるため、京都市議会の可決にむけた運動を呼びかけました。
　「会」事務局で、アムネスティ・インターナショナル日本「慰安婦」問題チームコーディネーターの山下明子さんが府議会に働きかけた３年間の活動を報告。被害女性を招いての交流や、意見書を可決した府内６市議会と府議会の党派を超えた女性議員らの奮闘が実を結んだと話し、「意見書には拘束力はないが、知恵を出し忍耐をもって被害女性が生きているうちに解決したい」と語りました。
　参加者は京都市議会での意見書可決など新たな運動へ意見交換。被害者の証言を紹介したドキュメンタリー映画「終わらない戦争」を鑑賞しました。
　意見書に賛成した日本共産党、民主党府議が出席。共産党府議団を代表して西脇郁子議員が、歴史に逆行する安倍政権の危険性を指摘し、「国に真の謝罪と賠償を求めて、引き続き力をあわせましょう」と話しました。
( ２０１３年０４月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

学生の関心と響き合い／新歓１０日間で１００人同盟員迎える

　学園では入学式、講義がはじまり、党と民青同盟が協力して宣伝・対話を強め、全国では１０日間で１００人の民青同盟員を迎えています。「人の役に立ちたい」という思い、「学びたい」「行動したい」との意欲、学生生活への期待、不安のなかで、民青や党の活動が響き合い、加盟者や新入党員を迎えています。

��展望学びたいから��
　首都圏のＡ学生班は、被災地ボランティアに関心があるという新入生を３人迎えました。「被災地のことに関心がある。部活で被災地に行ったが復興は大変で、どうしたらいいのか考えていた」という新入生に、ボランティアや原発ゼロの学習会にとりくんだ経験を話すと、「やってみたい」と加盟。別の新入生は、「被災地の復興がすすんでいない。大学に入って、『踏み出さなければ』と考えていた」と加盟しています。
　Ｂ学生班では、「親から国立大にいけと言われたけど落ちた。親と顔をあわすたびに学費のことを言われるのがつらい」という新入生と対話。世界の流れは学費が無償であることなどを紹介すると驚き、民青の学費負担軽減の活動に共感し加盟しました。
　「興味ある問題は貧困、格差。高校の時に、派遣で働いていた父が失職し、今も経済的に不安定」というＣ大学の新入生は、『資本論』の学習に関心をしめし、「学びたい」と加盟しています。

党が親身に援助して
　中部地方のある学生班は、新入生９人を迎えています。党県委員会は、学生党員合宿や綱領学習などの援助を丁寧にすすめて新歓を準備。以前班会議が崩れたことも反省し、班会議を大切にするよう援助をつよめ、食事交流ができるように地域支部が炊き出しをおこなうなど党として支え、激励してきました。成長した新２年生が加盟を訴える先頭にたち、仲間を迎えています。
　首都圏のある学生班は、１２人を迎えました。学生党員は、「連続教室」の学習を力に新歓で訴える確信を深め、働きかけに勢いがでています。
　関西のある学生班は、新入生、在校生のなかで２０人を民青に迎えています。「憲法は変えないほうがいい」「農家出身だがＴＰＰはよくない」「原発をなくしたい」「慰安婦問題に関心がある」など政治や社会への関心が高く模索しているのに対し、「『問題の根本に何があるのか』と語ると加盟につながっている」と確信をもっています。この間の綱領や科学的社会主義の学習が力になっています。

念願の学生支部結成
　関西のある地区は、学生党員を迎え、転籍の党員とあわせ、念願の学生支部を結成しました。さらに高校から進学してくる同盟員を党に迎えようと計画しています。また、昨年秋に結成した学生支部は、３月、４月と連続して新入党員を迎えています。支部を結成して、民青の学生班活動が活性化したことが力になっています。党員が大学に進学した子どもに働きかけて入党につながる経験が、各地で生まれています。
( ２０１３年０４月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

「９６条改定」狙いは９条／緒方氏が講演／「改憲許さない」／滋賀で集い

　平和・民主・革新の日本をめざす滋賀の会（革新の会しが）は１３日、日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者を講師に迎え、憲法改悪を許さない滋賀のつどいを大津市で開きました。会場いっぱいの１３０人が詰めかけました。
　緒方氏は「世界の動きと日本の政治」と題して講演。北朝鮮や中国で起きていることをどう見るか、東アジアでの平和の動き、日本軍「慰安婦」問題でのアメリカの反応など国際情勢について縦横に語り、「憲法９条は日本が平和を希求する国だという証（あかし）で、日本国憲法は世界の平和のパスポートです。改憲議論はそれをひっくり返すものです」と述べました。
　緒方氏は、憲法改正の手続きを定めた９６条の改定を参院選挙の争点にする狙いが９条の改悪にあると指摘し、「憲法を暮らしにいかしていく、たたかいを進めていくことが大事だ」と強調しました。
　革新の会しがの橋本健代表世話人は、憲法を守る運動を強めようと呼びかけました。
　会社員の男性（２５）＝草津市＝は「中国との領土問題をどう考えればいいのか分かりました」と語りました。
( ２０１３年０４月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

『綱領教室』を読んで／今日的テーマもふんだんに／岩手県委員長菅原則勝

　待望の書―『綱領教室』（第１巻）が発刊されました。全国を党内通信で結んで１年がかりの歴史的事業として取り組まれた「綱領・古典の連続教室」。私も可能な限りリアルタイムで受講し、受講できなかった場合は、後日ホームページで講義を聞きました。多くのみなさんとともに格闘し、私も無事修了しました。ＤＶＤが作成され、学習の機会が広がりましたが、今回、手もとにおき、手軽に、立ち戻って学べるように本として出版されて、綱領学習の飛躍の条件がさらにつくられたと歓迎しています。
　総選挙は、全国的には非常に残念な結果でしたが、日本の政治は非常にまれな激動期に入り、１回の国政選挙の結果だけから日本の政治をみるのは性急な状況にあります。
　志位委員長は本書のなかで「情勢というのは、私たちにとって風向きがいいときばかりではなくて、逆向きの変動というのがしばしば起こります。だいたい、私たちは、日本の政治を根本から変革する志をもった革命政党であるがゆえに、古い体制を守ろうとする支配勢力が吹きつけてくる逆風にたえずさらされ、それを打ち破ることで初めて前進をかちとることができます。それだけに、つねに綱領に立ち返り、情勢を根底からとらえてこそ、表面のあれこれの動きに左右されず、大きな展望を見失わずにがんばることができます」と述べ、全党を激励しながら、綱領で情勢を見る大切さを述べています。本書の出版の大きな意義の一つがここにあります。
　第１巻を読み、二つのことが新鮮です。一つは、歴史問題、日本軍「慰安婦」問題、領土問題とともに、朝鮮半島が南北に分断され、歴史と民主主義的経験を積む機会をうばったことも日本の侵略戦争と植民地支配にあったことです。もう一つは、日本がこれほどまでひどいアメリカのいいなりの国になったのが、�@占領下でアメリカ絶対のＤＮＡの刷り込みと�A「表の条約」と「闇の条約」の従属的安保体制にあったことです。新しい資料と最新の到達で解明され、面白く引き込まれていきます。ぜひ、ここは注目してほしいところです。
　最後に、支部で学習を進めていく上で、綱領の章と節の順番で解説され、今日的テーマもふんだんにもりこまれ、豊富な最新の資料となっています。参議院選挙勝利と「成長・発展目標」の実現をめざす党の建設の大きな力になることは間違いありません。
( ２０１３年０４月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

靖国参拝は「当たり前」／安倍首相

　安倍晋三首相は１０日の衆院予算委員会で、日本の侵略戦争と植民地支配を正当化する全国拠点となっている靖国神社への参拝について「（一国の）指導者として尊崇の念を表することは国際的にも当たり前のこと」と述べました。維新の中山成彬氏への答弁。
　中山氏は、首相が訪米時に軍人や民間人が眠るアーリントン墓地を訪れたことをあげ、「日本は（首相が）靖国神社に参拝できない」と戦没者慰霊施設と靖国神社を同列において正当化。首相も「アーリントンには奴隷制を掲げた（南北戦争）南軍の兵士たちも眠っているが、奴隷制を肯定して米大統領は行くわけではない」と同調しました。
( ２０１３年０４月１１日，「赤旗」)

「慰安婦」・南京虐殺を否定／自民・維新議員が暴論

　「軍隊に一緒について行った売春の話が、連行して性奴隷にしたという話になった。いつの時代の戦争でも軍隊でもある話｣―｡１０日の衆院予算委員会で自民党の西川京子氏は､日本軍｢慰安婦｣問題について､日本政府として日本軍の関与と強制性を認めた事実をねじ曲げる主張を展開しました。
　日本維新の会の中山成彬氏も「従軍慰安婦も南京事件もなかった。自虐教科書（の記述）だけが変わっていない」と侵略戦争と植民地支配に無反省の暴言をはき、西川氏とともに教科書検定基準見直しを要求しました。
( ２０１３年０４月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

潮流

　「中学歴史教科書に『慰安婦』記述の復活を求める市民連絡会」主催の講演会で、大阪府内の公立中学校社会科教師・平井美津子さんの授業実践を聞きました▼平井さんは、日本軍「慰安婦」問題を教え続けて１７年。「なぜ戦争で女性たちが性の犠牲にならなければならなかったのかを考えることで、日本軍の本質、戦争の実相、当時の外国人差別と女性蔑視に迫り、日本の戦争責任と戦後補償から現代を問いたいと思いました」▼生徒たちは事実を真っすぐに受け止め、口々に語ります。自分と同世代の子が性奴隷にされたことへの悲しみと痛み、いまだに謝罪も賠償もしない日本政府への憤り、真実を知った人間にはそれを語り継いでいく責任があること▼「４０年以上の沈黙を破って自ら声を上げ、日本政府を告発した慰安婦の人たちの勇気を私も持ちたい」と言った生徒もいました。「慰安婦」は単なる被害者ではなく、歴史を動かす主体であるという視座を、平井さんは生徒から学んだと言います▼「歴史とは現在と過去の対話である」（Ｅ・Ｈ・カー『歴史とは何か』）という言葉の通り、過去を見つめることは、今をどう生きるのか、どんな未来をつくるのかにつながっています▼侵略と植民地支配への反省もなく、「慰安婦」の強制性を否定する安倍政権の行き着く果ては、国防軍の創設であり、世界の平和を再び踏みにじる日本の姿です。「平和を願うなら事実を知らないといけない」―生徒たちの言葉に未来への希望があります。
( ２０１３年０４月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

アジア政党会議に女性部門／２２カ国参加し初会合

　アジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）の女性部門の初会合が４〜６日の３日間、アゼルバイジャンのバクーで開かれ、アジア２２カ国の政党・女性団体の代表が参加しました。日本共産党からは満川知代国際局員が出席し、ホスト国の政権党、新アゼルバイジャン党など各国の代表らと交流しました。
　５日の全体会議で発言した満川氏は、ＩＣＡＰＰ女性部門の発足を歓迎するとともに、日本の女性が直面する政治的、社会的不平等とそれを乗り越えるための党と女性たちの運動について紹介しました。日本軍「慰安婦」問題や福島原発事故による内部被ばく問題などについても訴えました。
　鄭義溶ＩＣＡＰＰ常設委員会共同議長・事務局長は「アジアの女性が直面している苦しみ、不平等、暴力、搾取について多くの発言があった。女性部門は正義と尊厳を女性の手に取り戻すために前進しよう」と会合を締めくくりました。
　会議では、共同議長と地域を代表する５人の副議長を中心に運営していくことなど、女性部門の機構を決めました。
( ２０１３年０４月０７日，「赤旗」) （Page/Top）

きょう婦団連創立６０周年／堀江ゆり会長に聞く／平和・平等・国際連帯モットーに

　日本婦人団体連合会（婦団連）は５日に創立６０年を迎えます。婦団連のこれまでの歩みと、今日の活動、これからの発展について、堀江ゆり会長に聞きました。
　（聞き手　高橋拓丸）

２２団体９０万人が
　―婦団連は、平和、平等、国際連帯をかかげて活動をすすめていますね。
　そうなんです。婦団連は１９５３年の朝鮮戦争のさなか、平和を願う女性の力をひとつにするため、初代会長となる平塚らいてうさんたちにより結成されました。以来６０年間、運動を続けてきました。
　女性団体をはじめ労働組合や市民団体などさまざまな分野の女性組織、国際交流団体が参加し、平和と民主主義・男女平等、女性の地位向上など、女性の切実な要求にもとづく共同行動をすすめています。２２団体９０万人が加盟しています。

初心を貫き続け
　婦団連が結成時に掲げたのは、平和憲法を守って、再軍備による軍国主義の復活と反民主主義の逆コースを許さないことでした。当時、私は小学校に入ったばかりでしたが、いま結成趣意書を見ると、平和とともに婦人の権利と平等を、国際連帯の力で実現しようと書いています。それらは、いま婦団連が掲げる「平和」「平等」「国際連帯」の三つの柱とぴったり一致するんです。初心をつらぬいてここまできました。
　戦前は法律や制度によって、女性が意思表示したり行動したりする可能性はほとんどありませんでした。その足かせが戦後ようやく取りはらわれて、女性がなんでもやっていいという時代になったんです。逆コースは、それをまた昔のようにしてしまうものでもあったため、女性が立ち上がったんです。
　女性団体がまだほとんどなかった時代ですし、今に比べたら運動の条件もきっと悪かったと思いますよ。そういうなかで多彩な運動をやってきたのは素晴らしいことだと思います。

女性の地位向上
　―現在の日本の女性の地位についてはどう考えていますか。
　女性の地位をめぐってはさまざまな問題があり、例えば日本の男女平等の度合いは、世界経済フォーラム（１９７１年に設立したスイスのジュネーブに本部を置く非営利法人）のランクによると、１３５カ国中１０１位です。大きく分けて政治、経済、教育、健康の４項目でランク付けを行うわけですが、政治と経済が圧倒的に低いんです。政治は女性議員の比率、経済は賃金格差。政府は少しずつ賃金格差が少なくなってきているといいますが、正社員を比べても男性の７割、しかも女性の多くは非正規雇用で、改善は置き去りにされています。そういうところがあまりにも国際的にも低い水準にあるということで、男女平等の問題にはとても力を入れています。自営業や農業の女性の地位の問題もあります。

三つの請願運動
　婦団連が２００４年から取り組み、１０年目を迎える選択的夫婦別姓などの民法改正、日本軍「慰安婦」問題の最終解決、女性差別撤廃条約選択議定書の推進―を求める三つの請願運動も強めています。私自身、国連女性差別撤廃委員会の日本の条約実施状況の審査を傍聴し、国際的にも際立っている日本の男女平等のおくれを痛感しました。

世界と連帯して
　―国際的にはこれまでどんな活動がありましたか。
　１９５４年にアメリカがビキニ環礁で水爆実験を強行して第五福竜丸をはじめ多くの船舶や島民が被ばくし、日本の女性たちはとてもショックを受けました。平塚らいてうさんたちが６人の連名で、原水爆禁止の訴えを国際民主婦人連盟に送ったことがきっかけで、世界母親大会が開催されました。それは今も毎年続く日本母親大会につながっています。
　ベトナム戦争のときも、ベトナム人民支援が大きな運動になりました。婦団連の代表がベトナムや国際会議に行っていろんな情報を持ち帰りました。国内に世論をひろげて、さまざまな女性団体とも連携し、いっしょに事務局もつくって大きな運動にしたんです。

憲法守り生かす
　―今の情勢で直面しているもっとも大きな課題はなんですか？
　いまいちばんは憲法改悪反対の運動です。安倍政権が憲法を変えるという姿勢をはっきり打ち出しています。いま女性が立ち上がらないでどうするんだという思いです。
　婦団連の会議でも、「結成の原点に立ち戻ろう」「組織をあげてやるべきだ」と、改憲への怒りの声があがりました。そういう思いで、女性団体で「９条守る女性アピールの会」をつくり、作家や歌手など女性著名人が呼びかけるアピール「女性は戦争への道を許さず、憲法９条を守ります」を発表しました。女性の力で憲法の大事さを訴え、改悪反対の世論と運動への賛同を大きく広げるためのものです。「これだったらさらに広げたい。チラシをもっともっとください」という電話が今どんどんきています。
　日本国憲法には、まだまだ実践されてない部分も多くあります。三つの請願運動の中身だって本当は、憲法が守られていれば実現する問題ばかりなんですよ。これから、この憲法をさらに生かす運動を進めたい。そのためにもまず、９条を守ることはまさに６０周年にふさわしい運動として取り組んでいきます。
　婦団連はいろいろな団体が参加しているため、いつもどこからかアイデアや力が出てくるんです。さまざまな階層の女性の要求や悩みも聞きます。それを討論して課題の一致点を見いだして、ひとつの団体だけではできない大きな運動に発展させ連帯をひろげることに、婦団連の存在意義があると思っています。

国連女性差別撤廃条約選択議定書
　国連女性差別撤廃条約は１９７９年に国連総会で採択された条約で、日本を含む１８７カ国が批准しています。選択議定書は、同条約上の権利が侵害されて、国内手続きでは救済されないときに、個人や団体が女性差別撤廃委員会に申し立てができる制度ですが、日本は批准していません。
( ２０１３年０４月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題考える／２０日に上映会／ひろしまネットが宣伝

　日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは３日、広島市中区で宣伝しました。韓国の被害女性らがソウルの日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯し、毎月第１水曜日に宣伝しているもの。
　この日は１５人が参加し、今月２０日に原爆資料館で開く「日本軍『慰安婦』問題を考える映画上映会」の案内ビラを配布。土井桂子共同代表はハンドマイクで「歴史の真実に向き合い、ともに考える企画に、多くの方の参加をお待ちしています」と呼びかけました。
　２０日の上映会は、「終わらない戦争」など３本のドキュメンタリー映画を�@午前１０時４５分〜�A午後５時１５分〜の２回上映。入場料＝５００円（学生無料）。連絡先＝土井共同代表０９０（３６３２）１４１０
(２０１３年０４月０４日，「赤旗」)

地方議会決議を攻撃／「慰安婦」問題で維新議員

　１日の衆院予算委員会で維新の議員から、過去の日本の侵略戦争と植民地支配を美化する質問が相次ぎました。
　杉田水脈（みお）氏は、兵庫県宝塚市など全国の自治体議会で日本軍「慰安婦」問題で政府に謝罪や補償を求める意見書の採択などが相次いでいることについて、「このような状態を放置しておくと、日本は地方からおかしな状態に陥っていく」と述べました。これには、他党の議員からも「（維新が掲げる）地方主権はどこへいった」とのやじが飛びました。
　三木圭恵(けえ)氏は「道徳の教科書を使って、子どもたちに規範意識というものを一律に教える必要がある｣と述べ､道徳の検定教科書をつくるようけしかけました。
( ２０１３年０４月０４日，「赤旗」)

橋下氏��ありえない国際社会観�≠ﾆ憲法攻撃／自民党と同一発想／「外交不在」の曲解

　日本維新の会の橋下徹共同代表（大阪市長）は３月３０日の同党大会で、「日本国憲法が、ありえない国際社会観を掲げたことがものすごい問題だ」と日本国憲法前文を攻撃し、改憲への強い動機づけとして示しました。

　橋下氏が攻撃する憲法の「国際社会観」とは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」(前文)という記述です｡橋下氏はこれについて、「自分たちの安全と生存を諸国民の信義と公正を信頼するだけで保持するのは、ありえない。日本国民は安全保障について考えたこともないが、ここが元凶だ｣と難癖をつけたのです｡
　これは、憲法前文の規定を「ユートピア的発想による自衛権の放棄」として削除し、不戦の決意や平和的生存権の規定を削除した自民党改憲案と同一の発想です。
　しかし、日本国憲法が「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」するというのは、��状況任せで何もしない�≠ﾆいう消極的態度を示すものでは全くありません。
　この規定は、アジアと世界に対する日本の侵略戦争についての明確な反省を前提に、日本国民が諸国民と共に平和のために努力を継続する決意を表明したものです。
　さらに前文は、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐ（い）る国際社会において、名誉ある地位を占めたい」、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と続けています。
　つまり前文は、紛争の根源に目を向け、平和と自由、民主主義と貧困克服のための国際的実践の先頭に立つことを表明しているのです。��何もしないで平和がやってくる�≠ﾆか��一国平和主義�≠ﾈどというのは憲法を曲解するものです。
　安倍・自民党と共に侵略戦争を正当化し、日本軍「慰安婦」問題での強制性を否定する日本維新の会には、そもそも憲法を論ずる資格がありません。さらに、諸外国との対話のテーブルを広げるイニシアチブも示さず、日米同盟強化と軍事対応に一辺倒の姿こそ、世界の流れから取り残された「外交不在」を示すだけです。
　（中祖寅一）
( ２０１３年０４月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

国政にみる「維新」の正体／３／参院選へ新たな野合

　日本維新の会の松井一郎幹事長（大阪府知事）は同党大会前日となる３月２９日の夜、大阪市内でみんなの党の江田憲司幹事長と会談しました。主題は夏の参院選での選挙協力です。

１２区で一本化
　両党は、夏の参院選挙で２〜３人区では候補者を一本化し、４〜５人区ではそれぞれ候補を擁立するとし、３１ある１人区では１２選挙区で一本化することも確認しました。
　自民党大阪府連の関係者は述べます。
　「（４人区の）大阪ではもともと維新は２人擁立という動きだった。維新にとって『本丸』といえる大阪で１人に絞ったというのは意外。全国的に見てみんなとの協力がよほど必要か、昨年来のギクシャクを解消するためか、みんなの側に譲ったという印象だ」
　維新は昨年夏、みんなとの合流論を否定。松井氏は「みんなの党は広がっていない。あれではいくらいいことを掲げても、（政策の実現は）できない」（８月２０日）などと語っていました。破談された側のみんなの渡辺喜美代表は党内で責任を追及され、陳謝する場面もありました。
　ここへきて、手のひらを返すような動きはどうしてか―。
　みんなの議員の一人は「総選挙で５４議席を獲得したものの、民主、自民、太陽（旧たちあがれ日本）、みんななどの出身者を除いた、純粋な維新からの当選は２０人ちょっとだ。支持率も低下して橋下は落胆している」と述べます。
　日銀総裁人事をめぐっては、国会議員団と橋下徹共同代表との間で不協和音も伝えられました。自公案を評価する国会議員団を橋下氏が批判、「口を出すな」と反発する国会側に橋下氏が「もう維新にはかかわらない」と��絶縁状�≠�たたきつける事態にまで発展したのです。結局、国会議員団側が折れたものの、昨年の総選挙で「選挙互助会」とやゆされた野合ぶりが表面化した形です。

政策跡形なく
　政策面でも、総選挙前、橋下氏が看板にしていた「脱原発」や「企業・団体献金禁止」は跡形もありません。企業・団体献金は、逆に党大会で採択した規約の付則で「当分の間…企業または団体からの寄附を受け取ることができる」と明記されました。
　橋下氏は党大会で繰り返し安倍晋三首相を「礼賛」しながら、「自公過半数阻止」を掲げる倒錯した論理を展開。参院選でも３分の２以上の改憲勢力の結集を明言しました。
　民主、自民、みんななどからの脱落勢力と野合（昨年９月）し、その後、太陽の党（旧たちあがれ日本）と合体（同１１月）、「話題」を次から次へと変え、ついには安倍自民党との「改憲協力」を宣言するところまで行き着いたのです。
　しかし、こうした野合の連続には「『既成政党化』が進んでいる」（「信濃毎日」３月３０日付夕刊）との批判も。自民党関係者からも「もはや何者かわからないというより、何者でもない」という声が漏れます。（おわり）
　（この連載は竹原東吾、中祖寅一、藤川良太が担当しました）
( ２０１３年０４月０３日，「赤旗」)

国政にみる「維新」の正体／２／響きあう��改憲の同志��

　「まず、皇統の問題です」
　１月３０日の衆院本会議。首相の所信表明演説を受けた衆院代表質問で、日本維新の会の平沼赳夫代表代行が真っ先に取り上げたのは、「男系の継承」による皇統（天皇の血筋）の存続でした。

保守色前面に
　��保守色�≠�前面に打ち出し、憲法改定や軍事費増額を次々と問う平沼氏。答弁にたった首相は「格調高い、そして示唆に富んだご質問をいただいた」とほめたたえ、異様な響きあいをみせました。
　そのはずです。平沼氏は、安倍首相が会長を務める改憲タカ派議員グループ「創生日本」の最高顧問。「『戦後レジーム（体制）』の根幹からわが国のあり方を見直」すという理念を共有し、「安倍内閣を全力をもって応援」し、憲法改定に突き進む��同志�≠ﾈのです。
　維新が３月３０日の党大会で決定した新綱領は日本国憲法に「占領憲法」と悪罵を投げつけました。大会で橋下徹共同代表（大阪市長）は憲法前文についても「ありえない国際社会観」と切り捨てました。前文を「ユートピア的発想」として全面改定を狙う自民党の改憲草案に同調するものです。
　維新の特異な国家観は、「国家の対外的な代表者は天皇」「日本は天皇を元首とする立憲君主国であるという趣旨を明記する」（馬場伸幸議員、衆院憲法審査会）という主張にも現れています。自衛隊が「軍隊」であると明確にし、戦争や大災害など「国家非常事態」での「国民の責務」を明文化するという提起も自民党と同じです。

異質な歴史観
　それだけに、歴史観も異質です。
　「日本の戦前の朝鮮や台湾の統治は、欧米諸国の植民地主義とは違っていた」―。維新の中山成彬衆院議員は３月８日の衆院予算委でこう説き、土地・財産の収奪にとどまらず、「創氏改名」（朝鮮名を捨てさせ日本名を名乗らせた）など民族の誇りまで捨てさせた過酷な日本の植民地支配を合理化しました。
　中山氏は自民党時代に暴言を吐き国交相辞任に追い込まれた前歴を持ち、日本の侵略戦争を正当化する名うての「靖国派」です。維新で復活当選した最初の質問で再び、「創氏改名」や日本軍「慰安婦」は強制や強制連行ではないという暴論を展開したのです。
　維新は、侵略戦争正当化のセンターでもある靖国神社への参拝についても「総理がしっかりと英霊のみたまに参拝できる環境をつくっていくことが必要」（桜内文城衆院議員）などと促しています。
　安倍首相、平沼氏、石原氏…。現在・過去と自民党の最右翼を歩んできた人物らに橋下氏が加わり、党の垣根を越えた事実上の改憲・復古連合が形成されています。
　（つづく）
( ２０１３年０４月０２日，「赤旗」) （Page/Top）

国政にみる「維新」の正体／１／崩れる「第３極」の虚像

　昨年末の総選挙で、自民、民主に代わる「第３極」を売り物に５４議席を得た日本維新の会。国政進出から３カ月余、国会活動や党大会から、「正体」がみえつつあります。

安倍氏を礼賛
　「安倍首相がどんどん輝いてきましたね」。３０日の党大会で橋下徹共同代表（大阪市長）は、再三にわたって自民党の安倍晋三首相をほめちぎりました。
　「安倍首相はどんどんいろんなことをしている」「応援するところは応援していかなければならない」。あまりの礼賛ぶりに、大会後の会見では、記者団から「他党のことをあそこまでほめる党大会も珍しい」と皮肉をあびせられるほど。
　それでも橋下氏は「自民党のことはほめていない。安倍首相の大胆な方針、政治行動は高く評価されるべきだ」と開き直りました。自民党を「既得権」集団と切り捨てる一方、「安倍改革」をすすめるには「維新が必要」との売り込みです。
　橋下氏が評価したのはなにか。経済主権と食料主権を米国に売り渡す環太平洋連携協定（ＴＰＰ）の交渉参加表明や、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設などです。米国と財界いいなりの象徴ばかりであり、��亡国�≠ﾌ自民党政治そのものです。
　橋下氏は、新基地建設に関して「県内移設の代替案がなければとりあえず辺野古に移して、普天間の固定化を避ける。責任あるものが考えればその結論しかない」と言い放ちましたが、そこにはどんなに否定しようと自民党政治の補完勢力にすぎない「維新の会」の立ち位置が浮かび上がります。
　国会審議ではもっと鮮明です。大企業支援策と国債増発による大型公共事業という旧来の自民党政治を復活させた２０１２年度補正予算に与党とともに賛成。参院では１票差での可決を後押しました。日銀総裁人事も賛成、ネット選挙解禁では自公と法案を共同提出するまでになりました。
　衆参の予算委員会の審議でも、片山虎之助副政調会長が「日本維新の会と自民党はかなり政策が似ているんですよ」（２月１９日）と言明。安倍首相のＴＰＰ交渉参加表明には「誠に適切であり、高く評価したい」（同３月１８日、山田宏衆院議員）、「素晴らしいリーダーシップ」（同・木下智彦衆院議員）と質問に立った議員が次々と賛美しました。

支持率が続落
　「自民党そのもの」を鮮明にした同党の支持率は急降下。時事通信の世論調査では支持率が１月４・６％、２月３・３％、３月２・０％と続落。共同通信の世論調査では、衆院選直後には１６・５％だった支持率が７・１％（３月）です。メディア関係者からも「色あせた」という感想がもれます。
　そうしたなか、橋下氏は夏の参院選で改憲勢力が３分の２を形成することをめざすと言明。右翼・改憲姿勢を鮮明にしました。
　基本路線で自民党政治を補完するだけに、改憲と新自由主義的改革でより過激に出ることで存在意義を見出すしかない「維新」の今があらわれています。
　（つづく）
( ２０１３年０４月０１日，「赤旗」)

前半国会をふり返る／その２／共産党、安倍政権の暴走と対決

　安倍内閣発足後初めて本格的論戦の場となった通常国会が始まって２カ月。安倍内閣は公約も民意も踏みにじる暴走を強め、国民との矛盾を広げています。こうしたもとで、国会の中で国民の立場にたって対決し、政治を動かしているのが日本共産党です。２カ月の国会論戦から見えてきた対決構図と各党の姿をみてみると―。

ＴＰＰ・守るべきもの守れず／新基地・負担減でなく負担増／原発・再稼働ありえない／９６条改憲・権力の縛りを壊す
　安倍晋三首相が「守るべきものは守る」とうそぶいて、交渉参加を表明（３月１５日）した環太平洋連携協定（ＴＰＰ）。
　「野党にも推進論」（「日経」）と報じられるなか、「いったん参加したら『守るべきものが守れない』のがＴＰＰ交渉だ」（志位和夫委員長、同日）といって論拠を突き崩し、交渉参加の撤回を求めてきたのが日本共産党です。
　「『ルール作りに参加する』どころか、ルールの丸のみをせまられる」（笠井亮議員、１９日衆院予算委）、「交渉前も交渉中も交渉後も国民には中身は知らされない」（宮本岳志議員、２８日同）と追及。マスコミも「ＴＰＰは日本にとって農産品の関税をなくす実質的にはじめての協定となる」（「日経」）と報じるなど、日本共産党が明らかにしてきた危険性が浮き彫りとなっています。
　米軍普天間基地問題で安倍内閣は、県内「移設」反対のオール沖縄の声を踏みにじって辺野古「移設」へ向けて埋め立て申請に踏み出しました。
　日本共産党は、沖縄県民の総意に応えて「県内基地の『たらい回し』では絶対に県民は受け入れない」（赤嶺政賢議員、１２日同）と批判。オスプレイ配備をはじめ「沖縄で起きている事態は、『負担軽減』どころか負担増のオンパレード」（志位氏、５日衆院本会議）と新基地押し付けの論拠を突き崩し、普天間基地の無条件撤去・辺野古「移設」計画撤回を求めています。
　未曽有の惨禍をもたらした福島原発事故から２年。安倍首相は、事故を引き起こしたことに反省もなく、「安全が確認された原発は再稼働する」とのべ、新たな「安全神話」で原発再稼働に踏み出そうとしています。
　日本共産党は、福島原発で処理方法もなく増大する一方の放射能汚染水など深刻な実態を示して、「収束宣言」の撤回を要求。過酷事故を想定しながら、「世界最高の安全」をいうのは根本的な矛盾だと指摘し、「原発再稼働は断じて認められない」（志位氏、同）と批判しています。
　安倍首相は「収束と簡単にいえる状況にない」（２月９日）と認め、事故を免れた福島県内の原発についても「福島県の皆さまの心情を考えると再稼働は容易ではない」（３月２９日）といわざるをえなくなっています。
　あらわになった改憲の野望と過去の日本の侵略戦争・植民地支配の美化についても、真っ向から批判しているのが日本共産党です。
　安倍首相は「憲法改正に向けた国民的な議論を進めよう」「まずは９６条（発議要件）の改正に取り組む」と表明。憲法擁護義務を投げ捨てて、改憲へ踏み出す姿勢を示しています。
　９６条改憲について日本共産党は「��国民主権の立場に立って権力を縛る�≠ﾆいう憲法の本質的性格を壊すものであり、絶対に反対」（志位氏、３月７日）と表明。９条改憲反対と一体で９６条改定を許さない世論と運動を広げています。
　日本軍「慰安婦」問題で軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」の見直し問題では、強制は政府自身の調査に基づいて認定したものであり、強制連行を示す文書がないからといって事実がなかったとはいえないと追及（１月３１日）。首相はこれ以上の発言は「差し控える」と持論を��封印�≠ｹざるをえなくなりました。「いつもながらの入念な準備と周到な組み立てで首相に迫った」（「朝日」２月３日付）と報じられました。

賃上げ／政治動かし財界要請へ
　デフレ不況打開をめぐって他の野党がこぞって経済政策「アベノミクス」を持ち上げるなか、「破綻済みの��折れた矢�＝vだと批判し、道理ある提案で政治を動かしてきたのが日本共産党です。
　日本共産党は「賃上げと安定した雇用の拡大こそデフレ不況打開のカギだ」と主張。大企業の巨額の内部留保の一部を使うだけで賃上げは可能だとして財界に賃上げを要請するよう求めてきました。こうしたなか安倍首相が財界に報酬引き上げを要請。春闘で自動車や電機大手で一時金の満額回答が相次ぐなど、現実政治を動かす力を発揮しています。
　安倍首相は「笠井議員のご指摘もございました」（９日）とのべ日本共産党の提起が財界への賃上げ要請につながったと表明。麻生太郎副総理は「共産党と自民党が一緒になって賃上げをやろうというのは、歴史上始まって以来なんだという感じがする」と語りました。
　日本共産党の提起についてマスコミは「過去に賃金が上がらなかった事実を認めさせ、『経営者に賃上げを要請する』との言葉を引き出した」（「朝日」２月９日）と報道。週刊誌『エコノミスト』は「賃金を上げろ」と題した特集で、３００社の利益剰余金の調査をもとに、賃上げを実施する「財務的に余力がある」と指摘。内部留保のごく一部を使うだけで賃上げは可能だと提起してきた日本共産党の主張の正しさを裏付けています。
( ２０１３年０４月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

前半国会をふり返る／その１／民主、対決の足場持たず／維新・みんな、悪政けしかけ競う

民主／対決の足場持たず
　野党となり、綱領（２月決定）で自らを「改革政党」と位置づけ、自民党との「対決姿勢」を打ち出した民主党。しかし、対決する足場を持たないことが浮き彫りとなりました。
　アベノミクスについて「金融緩和をしてデフレ脱却を目指すアベノミクスの全体方針は正しい」「心から賛成する」（金子洋一議員、２月２日・参院本会議）と大絶賛。ＴＰＰの交渉参加についても「ご英断に敬意を表させていただく」（奥野総一郎議員、１８日・衆院予算委）と持ち上げ、「野党の一部からも首相の決断を評価する声があがった」（「日経」１９日付）と報じられました。
　民主党政権が決めた「２０３０年代原発稼働ゼロ」方針を「白紙から見直す」という安倍政権に対し、反対するどころか「正しいことは早くやってもらいたい」（近藤洋介議員、１５日・衆院経産委）と主張。茂木敏充経産相から「みなさんの（政権の）時代に、原発が半分を占める（計画）、これを見直した方がよかったのでは」と皮肉られるありさまでした。
　消費税増税と社会保障改悪などの自公民３党合意に対しても「民主党政権は、消費税率引き上げにも正面から取り組んできた」（輿石東参院議員会長）と民意も公約も踏みにじる暴挙に反省もなく、「自民党は与党になった途端、（自公民３党合意への）消極姿勢が目立っている」（海江田万里代表）と社会保障の切り捨てや民意切り捨ての議員定数の削減を主張しました。
　こうした姿に党内からは「与党ボケ」（参院幹部）との批判も出されており、代議士会でも「これは野党の発言じゃない。政府の間違った政策を厳しく追及するのが野党の役割だ」との声が公然と上がっています。

維新・みんな／悪政けしかけ競う
　安倍内閣にいっそうの暴走をけしかけているのが、日本維新の会とみんなの党です。
　維新は、「解雇の自由化」について「だっと一気呵成（かせい）にやっていただきたい」（東国原英夫議員、２８日・衆院予算委）と迫り、ＴＰＰでは「保護しているだけではコメ産業は強くならない」（山田宏議員、２月２８日・同）と農業を「聖域」にするなと主張。米軍新基地建設でも、「辺野古への早期の移転が必要」（藤井孝男議員、４日・衆院本会議）と迫っています。
　改憲についても「公明党さんがいなくても日本維新の会がいれば衆院で３分の２あります。自民党とともに大いに進めていきたい」（中田宏議員、２月８日・衆院本会議）と改憲「突撃隊」の役割を浮き彫りにしています。
　社会保障でも「生活保護受給者も医療費を負担すべきだ」（井上英孝議員、１４日・衆院予算委）と切り捨てをけしかけ。福島原発事故による住民避難を「反原発の宣伝」だといって「避難民を帰郷させる。これが科学的に唯一正しい行政だ」（西田譲議員、１３日・同）と暴言。石原伸晃環境相から「帰っていいとは現政権でさえいえない」といわれる始末でした。
　補正予算案に賛成するなど与党にすり寄る姿は、「『政治を変える』期待に応えているかは疑問だ」（「毎日」２８日付）と指摘され､民主党からさえ｢自民党の補完勢力になるなら、組めない」（細野豪志幹事長）といわれるありさまです。
　一方、みんなの党は、安倍政権の金融緩和政策について「国家経営として最良の策であったと高く評価する」（渡辺喜美代表、５日・衆院本会議）と絶賛。ＴＰＰについて「聖域はなしで、農産品も含めて高いレベルの自由化を促進していくべきだ」（江田憲司幹事長、８日・衆院予算委）と農業切り捨てを迫るなど、政権すり寄り、悪政のけしかけで維新と競い合っています。
　改憲についても、「９６条の改正規定の要件緩和に賛成」（渡辺代表、５日・同）と９６条改憲をはじめ集団的自衛権の行使や海外派兵についても主張。改憲の前に道州制など「統治機構改革」をやるべきだとして、憲法の定める地方自治を破壊しながら明文改憲に突き進む姿勢を浮き彫りにしています。
( ２０１３年０４月０１日，「赤旗」)

（3月）ヘッドライン

京都府議会「慰安婦」意見書可決／粘り強い運動が結実／支援者「この成果、跳躍台に」

日本国憲法私の思い／カトリック大阪大司教池長潤さん／人間性の回復かけ改憲に立ち向かう

高校教科書検定公表／海外派兵は「復興支援」／戦後補償も「解決済み」／政府見解通り変更

「慰安婦」問題の早期解決を／京都府議会が意見書／都道府県で初

日韓アジア問題／侵略反省が友好の土台／笠井議員が講演／大阪ＡＡＬＡ主催

憲法改悪阻止、共産党の躍進で／紙参院議員・伊藤選挙区候補が決意／女性後援会がつどい／埼玉

女性を大切にする社会に／地位向上へ「春の行動」／大阪・新婦人

��慰安婦�％�本に責任／米３州目議会決議／ニュージャージー

各地で国際女性デー集会／滋賀県・日本軍「慰安婦」政府に謝罪迫る／兵庫県・女性の低賃金、世界と比べる

福井県議会閉会／共産党・佐藤議員、予算案に反対討論

元日本軍「慰安婦」問題／元龍谷大学教授戸塚悦朗さんに聞く／日韓請求権協定による解決とは

��一自治体が軍事大国を制約�＝^非核「神戸方式」３８年の集い

新談話、１５年に発表／安倍首相が韓国誌で発言

国際女性デー／女性の力生かす社会へ／各地で行動／熊本／鳥取／長崎／宮崎

志位委員長が駐日韓国大使と懇談

「憲法守るのは義務」／奈良県知事、宮本県議に答弁

国際女性デー／みんな幸せになれる社会へ／愛知／新潟／石川／三重／静岡

「慰安婦」伝える記念碑／米ニュージャージー州で除幕式

「慰安婦」認識を封印

維新・中山氏が植民地支配で暴言／衆院委

平和・権利守り抜く／国際女性デー集会・パレード

潮流

「歴史認識が重要」／日韓首脳電話会談で朴大統領

米ＮＹで「慰安婦」問題討論／日本政府に解決迫ろう

あらゆる暴力根絶へ議論／国連女性の地位委が開幕

歴史問題で日本「永遠に被告席」／中国政協報道官

日本軍「慰安婦」問題解決に向け何が必要か／日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表梁澄子さんに聞く

世界キーワード／国連女性の地位委員会

独立運動式典／「日本は歴史直視を」／優先解決求める／韓国大統領

3月（本文）（Page/Top）

京都府議会「慰安婦」意見書可決／粘り強い運動が結実／支援者「この成果、跳躍台に」

　「慰安婦」問題で、旧日本軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」（１９９３年）の見直しを示唆した安倍晋三首相に国内外からの批判が広がるなか、「慰安婦」被害者に謝罪、賠償を求める意見書が２６日、京都府議会で可決しました。都道府県段階では初。粘り強い市民の働きかけが実を結びました。
　（京都府・稲次かなめ）

　意見書可決の報に、支援者からは「今の日本では奇跡に近い」「この成果を跳躍台に問題の早期解決の実現を」など喜びの声が交流されています。
　市民運動団体の府議会への働きかけは２０１０年から。議員への要請や学習会、署名を展開してきました。
　その一人、アムネスティ・インターナショナル日本「慰安婦」問題チームコーディネーターの山下明子さんは、可決の要因として運動の広がりや地道な働きかけ、すでに可決した府内６市議会の党派を超えた女性議員の懇談を指摘します。
　「『慰安婦』問題は、女性の人権問題です。日本でこの問題を解決することは、世界の性暴力問題にストップをかける力になります。意見書を力に、一日も早い解決にむけて運動を広げていきたい」
　日本軍「慰安婦」にされた女性たちの正義の回復をめざして活動する「女性国際戦犯法廷ハーグ判決を実現する会」（略称・ハーグの会）の三嶋あゆみ代表（３２）は、被害女性の証言を直接聞いた学生時代から運動に加わりました。
　侵略戦争という過去の過ちを認めない日本政府の姿勢が昨今、国際的に危険視されるなかで可決されたことを強調。「国民の認識が、政府とは違うということを京都から示すことができてうれしい」と話しています。
　「京都府議会で『慰安婦』意見書をもとめる会」の共同代表で、大輪院の石田良正住職（７６）は「無念の思いのまま亡くなられた被害女性の方々にせめてものはなむけができました」と評価します。安倍首相が改憲を狙う動きに触れ、「平和の流れに逆らう危険な動きを止めるため、意見書を確信に運動を広げねば」と語りました。
　◇
　「慰安婦」問題について、国際社会は女性に対する人権侵害だと重視し、日本政府が責任を認め、謝罪し、賠償することを強く求めています。
　米下院をはじめ、七つの国と地域の議会が決議を採択し、国連人権委員会などの国際機関も、日本政府に勧告しています。
　国内では、府内６市（京田辺、長岡京、向日、八幡、木津川、宇治）議会を含め、全国３９地方議会が意見書を可決しています。
(２０１３年０３月３１日，「赤旗」)

日本国憲法私の思い／カトリック大阪大司教池長潤さん／人間性の回復かけ改憲に立ち向かう

　衆院で大多数の議席を占めた自民党・安倍政権のもとで、憲法の問題でも、原発の問題でも、いつの間にか企業の発言などに押され、政治が国民の希望とまったく異なる方向に動き出しています。これには大変憂慮しています。
　安倍首相は、「国防軍の創設｣や｢集団的自衛権の行使」を公然と繰り返していますが､非常に危険であり､絶対に許してはなりません｡容易ならぬ状況ですが､外見の強さに反して国民の支持は深いものではない。草の根で、広く声を上げていくことが大変重要です。

日本人全体が
　私は、安倍首相の打ち出す今の政治のはらむ危険を克服していくために、日本人全体が自覚すべき大きな問題があると感じています。それは、われわれの中で人間性をゆたかに回復させる必要があるということです。キリストの教えでも、人間にとって一番大切なことは、人間として、他人も自分も大事にすることです。人間性が深いところで問われ、その気づきが求められています。
　従軍「慰安婦」の問題で、政治家の「（『慰安婦』を連行した）強制性はない」という発言が跋扈しています。人間を大切にしないことの象徴です。
　他方、自殺が年３万人前後となり、派遣などの使い捨て労働がはびこるなか無差別殺傷事件が起きる。子どもの世界でいじめが深刻となり、教育現場で体罰という暴力が告発されています｡｢無縁社会｣で､お年寄りや社会的弱者があちこちで孤立死を遂げています。外国から迎えられた農村の花嫁が言葉も教えられず、権利を保障されずにいる。どうしてあんなに復興が遅いのかというほど、被災地が置き去りにされています。
　「構造改革」という名の人間を大切にしない政治のもとで、人間が人間を大切にすることの意味が見失われている。人間性の回復を目指してこそ、憲法擁護や原発反対も生命力のあるものになると思うのです。

ミサでの説教
　ローマでフランシスコ新教皇の就任式に参加する機会を得ました。教皇は就任式のミサの説教で、聖家族ヨゼフの祝日を祝い「ヨゼフは守り人だった」といわれ、「人間は人間を守ることに徹し、環境や自然も守る。それに気がついて世界中の人々が互いに守りぬいていく｣と述べられました｡自分の利益や主張のためにテロや戦争をすることはあってはならないとし、盛んな拍手が送られました。
　宗教者は宣教、布教にあたって、まずこうした人間回復の役目をも果たしてゆきたい。憲法擁護の運動もその役割を負っています。
　（聞き手･写真　中祖寅一)

　いけなが・じゅん　１９３７年、神戸生まれ。上智大学神学修士号取得。イエズス会日本管区長などを経て１９９７年から現職。３月にローマで新教皇の就任式に参加。
( ２０１３年０３月３１日，「赤旗」)

高校教科書検定公表／海外派兵は「復興支援」／戦後補償も「解決済み」／政府見解通り変更

　文部科学省は２６日、２０１２年度の教科書検定の結果を公表しました。今回対象となったのは主に高校２年生が来年４月から使う教科書です。自衛隊の問題などで政府の見解どおりの記述に変えさせる検定意見が目立ちました。

　自衛隊の海外派兵については「後方支援」や「復興支援」のためと書かせました。戦後補償問題でも「すでに解決済み」との政府の立場を書き込ませました。
　原発事故に関連して「脱原発すべきである」と書いた教科書には「誤解するおそれのある表現」だとして、「脱原発をすべきだとする国民の声がひろく聞かれるようになった」と改めさせました。
　一方、日本軍「慰安婦」については日本史で９点中８点、政治・経済で７点中６点の教科書が記載しました。
　侵略戦争の中で日本軍が一般市民を含め大量に虐殺した南京大虐殺（南京事件）は、日本史、世界史のすべての教科書が取り上げました。しかし文科省は、「少なくとも１０数万人が殺害されました」と記述した日本史教科書に、「犠牲者数には諸説ある」と検定意見をつけ、「約２０万人や１０数万人、またそれ以下など諸説あります」と書き直させました。
　今回の検定には一般教科１３５点、農業・工業などの専門教科４６点、計１８１点の申請がありました。うち生物と英語表現�Uで各１点が不合格、コミュニケーション英語�Uの１点が申請取り下げになりました。

■教科書検定の例

申請段階での記述
　（１９２０年代の日本の協調外交について）外に向かって侵略をする姿勢は貫かれていました
検定による修正後の記述
　外に向かう姿勢は、ともに貫かれていました

申請段階での記述
　日本の戦争補償問題は未（いま）だ解決されておらず…
検定による修正後の記述
　日本政府は、戦後補償問題については…解決済みという立場をとっている

申請段階での記述
　自衛隊は戦地であるイラクのサマーワで、多国籍軍の一部隊として支援活動をはじめます
検定による修正後の記述
　自衛隊はイラクのサマーワで、多国籍軍に参加して復興支援活動をはじめます

申請段階での記述
　自衛隊が海外に基地をもつことは、憲法違反の疑いが濃厚である
検定による修正後の記述
　自衛隊が海外に基地をもつことは、憲法違反との指摘もある

申請段階での記述
　今回の原発災害によって、新規の立地をとめ、災害危険地域と老朽化した設備の運転は停止し、脱原発すべきである
検定による修正後の記述
　今回の原発災害によって、新規の立地をとめ、災害危険地域と老朽化した設備の運転は停止し、脱原発をすべきだとする国民の声がひろく聞かれるようになった

申請段階での記述
　派遣労働者の対象業務の自由化を進める規制緩和によって平均賃金が減少し、働いても生活が困難な低所得層（ワーキングプア）が増加し、所得格差が拡大している
検定による修正後の記述
　経済のグローバル化や長引く不況、派遣労働者の対象業務の自由化を進める規制緩和などによって、賃金の低い非正規労働者が増加している
( ２０１３年０３月２７日，「赤旗」)

「慰安婦」問題の早期解決を／京都府議会が意見書／都道府県で初

　京都府議会は２６日、「『慰安婦』問題の早期解決を求める意見書」を賛成多数で可決しました。同様の意見書の可決は都道府県段階では初めてです。
　日本共産党、公明党、民主党が賛成、自民党は反対しました。
　意見書案は日本共産党、公明党がそれぞれ提案。日本共産党の迫祐仁議員が意見書討論に立ち、「慰安婦」問題は日本の起こした侵略戦争のもとで起きた非人道的行為であることを指摘。「従軍慰安婦」問題について謝罪した「河野談話」や「植民地支配と侵略」を反省した「村山談話」の見直しを示唆する安倍晋三首相の歴史認識の危険性を強調し、国による謝罪・賠償、教科書への記述回復などを求めました。
　党議員団は、公明党提案に対して「安倍首相による歴史の見直しの危険性」に触れていない問題点を指摘した上で賛成しました。
　日本共産党は２０１０年１２月の府議会に、日本軍「慰安婦」に関する意見書案を提出しましたが、自民、民主などの反対で否決されました。その後も「慰安婦」問題の解決にむけて議会での意見書可決を働きかけてきた市民団体らと協力し、運動を進めてきました。
( ２０１３年０３月２７日，「赤旗」)

日韓アジア問題／侵略反省が友好の土台／笠井議員が講演／大阪ＡＡＬＡ主催

　日本共産党の笠井亮衆院議員を講師に講演会「世界の動きと日本の進路…日韓・アジアを中心に」が２３日、大阪市で開かれ、会場いっぱいの参加者が熱心に耳を傾けました。大阪府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会（大阪ＡＡＬＡ）が主催しました。
　笠井氏は、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領就任式（２月）に日韓議連の一員とし日本共産党が初めて招待され、志位和夫委員長と出席したことは「感慨深いものがあった」と切り出しました。韓国側と深い信頼を築くうえで、朝鮮王朝儀軌（ぎき）返還（２０１１年）に真っ先に取り組めた根本には「戦前から侵略戦争に反対し朝鮮独立連帯を掲げた党の歴史、進歩的な人たちのたたかいがあった」と述べました。
　元日本軍「慰安婦」が暮らす韓国の「ナヌムの家」に招かれて昨年１０月、日本の衆院議員として初めて訪問し歓迎を受けた経験にもふれながら、「日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は東アジアに平和的環境をつくる土台だ」と重要性を強調。「自民党は改憲草案を出しているが、世界から見たら恥ずかしい限りだ。衆院憲法審査会５０人の委員のうち、憲法を守り生かせと主張するのは日本共産党の一人だけだが、孤立感は感じない。国民多数の世論と運動があるからだ」と述べ、国会の「憲法の番人」として奮闘する決意を述べました。
　参加者からは「歴史に学んで現状を切り開く見本のような、地道だがドラマチックな話に感動した」との感想が寄せられました。
(２０１３年０３月２６日，「赤旗」)

憲法改悪阻止、共産党の躍進で／紙参院議員・伊藤選挙区候補が決意／女性後援会がつどい／埼玉

　埼玉県日本共産党女性後援会は２３日、「春を呼ぶ女性のつどい」を、さいたま市内で開きました。
　参院選での比例５議席獲得、埼玉選挙区での伊藤岳候補の勝利のために、要求で国民と結びつき、あらゆるつながりを生かして力を発揮しようと呼びかけたアピールを確認しました。
　紙智子参院議員、伊藤岳候補があいさつし、参院選勝利の決意を語りました。
　紙議員は、国会で民主党や維新の会などが野党としての対決軸を持たないのに対し、「日本共産党は国民の立場でものを言い、政治を動かしている」と強調。安倍首相が環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加に前のめりになっていることや原発推進の姿勢に対し、多くの国民が抗議の声をあげていると述べ「国民総ぐるみで暴走政治を止めよう」と語りました。
　伊藤候補は「女性の命と尊厳が大切にされる政治の実現へ、体を張って頑張る」と訴えました。
　元参院議員の吉川春子さんが記念講演。日本軍「慰安婦」問題を否定し、憲法改悪を狙う安倍首相を批判し、「過去に向き合うべきだ」と述べました。参院選で歴史認識の点でも安倍内閣の問題点を追及し、憲法改悪を阻止するために日本共産党の躍進をと訴えました。
　集会後、後援会員は浦和駅前で、伊藤候補とともに宣伝を行いました。
(２０１３年０３月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

女性を大切にする社会に／地位向上へ「春の行動」／大阪・新婦人

　女性参政権行使の日の４月１０日にむけて、新日本婦人の会大阪府本部は男女平等と女性の地位向上をめざして「春の行動」を実施しています。２１日は大阪市北区の淀屋橋で、働く女性のくらし実態アンケートやシール投票を呼びかけました。
　川本幹子会長は「男女格差を感じることがありますか、生きづらいのは男女の差別があるのではないでしょうか。アンケートに参加してください」と語りかけました。
　男女平等を示す「日本のジェンダー格差指数１３５カ国中１０１位　人間らしい働き方したい」と書いたビラを配布。民法改正を求める、日本軍「慰安婦」問題の法的解決を急ぐことを求めるの両署名をよびかけました。
　「年金が少ないから大変」と話すのは和歌山県橋本市の山本千恵子さん（７８）。「長いこと勤めてきましたが、同じ仕事をしても男性との差がすごい」
　大阪市淀川区の女性（３８）は「夫婦別姓は願っていました。旧姓の方が好きなので、そうしてほしい」といいました。
　ビラを受け取った南佳輔さん（２１）＝アルバイト＝は「権力をかざしてのパワハラとかＤＶ（配偶者や恋人からの暴力）は嫌。賃金を上げて、女性を大切にする社会にして」と話していました。
(２０１３年０３月２３日，「赤旗」)

��慰安婦�％�本に責任／米３州目議会決議／ニュージャージー

　【ワシントン＝山崎伸治】米東部ニュージャージー州議会は２１日、下院本会議で、旧日本軍の「慰安婦」問題について、元「慰安婦」の人たちに支持を表明し、日本政府にその「歴史的責任」を認めるよう求める決議を全会一致で採択しました。
　「慰安婦」に関する決議が米国の州レベルで採択されるのは、今年１月のニューヨーク州議会に続くもので、１９９７年のカリフォルニア州議会と合わせて３回目です。
　決議は「慰安婦」について「未成年で慰安所に売られた者、仕事や金に困らないという仲介人の勧誘にだまされた者、強制的に拉致された者」があったと明記しています。
　「第２次世界大戦後に日本政府の命令で公式文書がほとんど廃棄された」とした上で、「慰安婦」の総数がおよそ２０万人で、その４分の３が「慰安婦」として受けた蛮行で死亡し、生存者の多くも日本政府から自分たちの苦難を認められないまま亡くなりつつあると批判しています。
　その上で「『慰安婦』が自分たちの耐え抜いた苦難を日本政府に認めさせようとたたかっていることを称賛し、支持する」と表明。日本政府に対し「慰安婦」制度に関する「歴史的責任」を認め、「この犯罪について将来の世代を教育する」よう求めています。
　決議案は同州バーゲン郡選出のジョンソン、ワグナー両議員が昨年９月に提出。同郡では今月８日、「慰安婦」の記念碑が設置されました。
( ２０１３年０３月２３日，「赤旗」) （Page/Top）

各地で国際女性デー集会／滋賀県・日本軍「慰安婦」政府に謝罪迫る／兵庫県・女性の低賃金、世界と比べる

滋賀県／日本軍「慰安婦」、政府に謝罪迫る
　国際女性デー滋賀県集会が１６日、大津市内で開かれました。「女性差別を撤廃し女性がいきいきと働き、くらせるジェンダー平等の日本を実現することを求める」集会アピールを採択しました。
　日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の四ツ谷光子代表理事（日本共産党元衆院議員）が「日本軍『慰安婦』問題解決のために」と題して講演。日本軍が兵士を戦争に駆り立てることを最大の目的に設置したのが慰安所で、「人道に対する罪である」と批判しました。一日も早く政府に被害者への謝罪をさせるため、世論と運動を広げようと呼びかけました。
　参加者は「悪いことは悪いと認識し、責任を取っていくことが大事です」「勉強になった。広げていきたい」と感想をのべました。
　集会では、各団体から妊娠した教員の負担軽減のための加配を実現した経験、自衛隊の戦闘服通勤やＴＰＰ参加に反対する報告がありました。

兵庫県／女性の低賃金、世界と比べる
　兵庫県では、国際女性デー県集会が神戸市内で開かれました。
　１２５人を前に、ジャーナリスト・和光大学教授の竹信三恵子氏が講演し、女性の低賃金など日本の女性が置かれている位置や課題を世界の女性と対比して解明。子育てを母親の仕事と社会的整備を怠ってきた政治を指摘し、「保活」という保育所探しの困難と保育所増設を求めて声を上げる若い母親たちの姿を紹介しました。
　高校学区拡大反対の取り組みや、県立こども病院のポートアイランド（神戸港の人工島）移転反対などの運動を交流しました。
　参加者は「日本がこんなに世界の中で労働条件が遅れている国なんて」「だましのテクニックを見破り、世の中を女性も男性もくらし良い方向にググッとかじを切らせないといけませんね」と感想を寄せました。
　参加者にパンジーが手渡されました。集会に先立ち、実行委員会らが宣伝しました。
(２０１３年０３月２２日，「赤旗」)

福井県議会閉会／共産党・佐藤議員、予算案に反対討論

　２月福井県議会は１９日、北陸新幹線の県内延伸や足羽（あすわ）川ダムなど不要不急の大型公共事業を推進する新年度一般会計予算案を自民、公明、民主などの賛成多数で可決して閉会しました。
　ＪＲ北陸本線特急「サンダーバード」「しらさぎ」の存続や、日本軍「慰安婦」問題の早期の法的解決と謝罪・補償、子ども・子育て支援新制度の見直しのための意見書提出を求めた各請願は不採択になりました。
　ＴＰＰの問題では、アメリカらとこの間行った協議などの情報開示と国民的議論の徹底なく交渉参加することは「断じて認めることはできない」とする意見書を全会一致で可決しました。
　日本共産党の佐藤正雄議員は、新年度予算案について、「財政の危機感があるのかと疑わざるを得ない」と反対討論を行いました。約１５００万円の国際原子力人材育成センター運営事業については、「福井県を原発輸出の拠点にするかのような内容だ」と指摘。東京電力福島第１原発で使用済み燃料プールの冷却システムが停電のため止まった問題にふれ、「事故は収束していない。原発安全神話の繰り返しではなく原発ゼロこそ目指すべきだ」と強調しました。
　佐藤議員は、請願・陳情についてはいずれも採択を求めました。
(２０１３年０３月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

元日本軍「慰安婦」問題／元龍谷大学教授戸塚悦朗さんに聞く／日韓請求権協定による解決とは

　元日本軍「慰安婦」被害女性への賠償に道を開くものとして、日韓請求権協定がクローズアップされています。この問題に詳しい戸塚悦朗・元龍谷大学教授に聞きました。
　（神田晴雄）

　日韓請求権協定（注＝１９６５年締結）に注目が集まっているのは、日本に任意に解決することを求めていた韓国政府が、それまでの態度を一変させ、２０１１年の日韓首脳会談で「慰安婦」問題の解決に絞って決断を迫ったからです。

議論がないのに「解決」できない
　韓国政府の態度を変えさせたのは、憲法裁判所の決定（同年８月３０日）です。被害者ハルモニたち１０９人が韓国政府を相手に、外交保護権を政府として行使しなかったなどを理由とする人権侵害に関する憲法訴願で、憲法裁判所は、同協定第３条が定める手続きに基づいて政府が解決しようとしないのは違憲だと決定したのです。
　３条にこうあります。
　１、この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず外交上の経路を通じて解決する。
　２、１の規定で解決できなかった紛争は仲裁に付託する。仲裁委員は両国から１名ずつ、第三国から１名の計３名で構成する。
　これまで日本政府はサンフランシスコ条約や請求権協定によって「解決済み」として、被害女性たちの賠償要求をはねつけてきました。
　しかし、請求権協定は経済問題を扱っているのであって、日本軍の犯罪である「慰安婦」問題は一切議論していません。そもそも「慰安婦」問題が被害女性たちの告発によって明らかになり政治問題化したのは１９９０年以降です。「解決」しようがありません。
　両国間に見解の相違、つまり「紛争」があるとして韓国政府は外交で解決しようと働きかけましたが、日本政府は応じませんでした。今や仲裁に持ち込む時期に来ていると思います。
　韓国政府が仲裁による解決を求めた場合、日本政府は拒否できません。
　実は私は求められて韓国の憲法裁判所に意見書を提出しました（０９年４月４日）。そこにも書きましたが、日弁連や、世界的に名高い国連ＮＧＯである国際法律家委員会、国連のクマラスワミ報告書、同マクドゥーガル報告書なども、請求権協定は「慰安婦」問題を扱っていないという見解です。扱っていなければ｢解決｣しようがありません。

日本代表「事実あるなら賠償」
　さらに国連人権小委員会は、組織的強姦、性奴隷、奴隷用慣行に関して被害者個人及び国家の権利及び義務を平和条約、協定などの手段によって国際法上消滅させることはできないことに留意する決議を採択しました（９９年８月２６日）。日本政府の態度は国際的に通用しません。
　しかも請求権協定の日韓交渉協議経過記録が韓国で公開され、そこにはこう記録されていたのです。
　久保田貫一郎・日本側首席代表が、「日本は戦争中、東南アジア諸国から略奪したものや破壊したものなどに対して賠償をしようとしているが、日本は韓国ではそういう事実がないので、賠償することはないと思う。もしあるなら、賠償するだろう」と発言したというのです（５３年１０月１３日、日本の外務省で）。
　この事実を報道したのは韓国紙ですが、記録の原本を私はソウルの国家記録院で発見しました。当初、韓国側は「日本政府が秘密にするよう要請している」との理由で閲覧を拒否しましたが。日本政府は保管しているはずの日本側会議記録の原本を公開していません。
　謝罪と賠償を長引かせ「被害女性全員の死亡を待つ」という絶望的なまでに非人間的な政策を、日本政府はただちにやめるべきです。

　とつか・えつろう　１９４２年生まれ。立教大学卒業。ロンドン大学大学院修了。同大学、ソウル大学、ワシントン大学で客員研究員、日弁連海外調査特別委員などを歴任。『日本が知らない戦争責任：国連の人権活動と日本軍「慰安婦」問題』など多数。

（注）「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」。１９６５年１２月１８日発効。
( ２０１３年０３月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

��一自治体が軍事大国を制約�＝^非核「神戸方式」３８年の集い

　神戸港に入港する外国艦船に非核証明書提出を義務づけた非核「神戸方式」のもとになった市議会決議（核積載艦艇拒否決議）から３８年の１８日、「非核『神戸方式』決議３８周年　記念のつどい」（実行委主催）が神戸市内で開かれ、１６０人が参加しました。
　梶本修史・兵庫県原水協事務局長が基調報告。全国の民間港への米軍艦寄港が激増するなか、「神戸方式」実施以降、米軍艦が一度も神戸港に入港していない事実を挙げ、「一自治体の措置が、世界最大の軍事大国を制約する力を持っている」と強調。「核兵器全面禁止のアピール」署名を広げることが「神戸方式」を守る力になるとのべ、また米軍機低空飛行訓練ルート下の兵庫県で、オスプレイ配備・訓練反対の声を大きく、とよびかけました。
　韓国の平和活動のネットワーク団体「平和共感」の研究委員、イ・ジュンキュさんが「激動する東アジア、非核平和の東アジアは可能なのか―朝鮮半島からの視点」と題して記念講演。北朝鮮核問題の解決へ、かつて６カ国協議などで核計画の放棄などを合意した歴史をふまえたアプローチと、核兵器全面禁止の世論による包囲を提起しました。また日本軍「慰安婦」被害者が東日本大震災の支援に参加したことを紹介し、「共感の政治」が大事だとのべました。
( ２０１３年０３月１９日，「赤旗」)

新談話、１５年に発表／安倍首相が韓国誌で発言

　【ソウル＝時事】安倍晋三首相は１８日発売された韓国誌「月刊朝鮮」に掲載されたインタビューで、１９９５年の村山富市首相談話を踏まえて検討する新たな首相談話について、「戦後７０年目の談話を出さなければならない」と述べ、２０１５年の発表を目指す考えを示しました。インタビューは２日に行われました。
　首相は従軍慰安婦問題など歴史認識に関し、「今後、どう対応するかについて専門家や歴史家の意見を聞く。これを外交、政治問題にすることは全く考えていない」と改めて強調しました。
　また、集団的自衛権の行使容認や国防軍創設を掲げるなど、首相や自民党の姿勢が韓国で「極右」とみられていることに対し、「韓国を含めた大多数の国家も採択している安全保障体制と同じようにする行為にすぎない。韓国も『軍』だ。私の主張を極右的だとするなら、世界の国家全てが極右国家になる」と反論しました。
( ２０１３年０３月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

国際女性デー／女性の力生かす社会へ／各地で行動／熊本／鳥取／長崎／宮崎

熊本
　国際女性デー熊本集会が８日、熊本市で行われ、７０人が参加しました。「原発即時ゼロ、自然エネルギーへの転換を求める声を広げよう」との呼びかけや、益城町で給食費補助を実現した報告、看護師の労働環境改善の訴えがありました。
　ＮＥＣ重層偽装請負訴訟原告の柳瀬強、松永政憲、柴田勝之の３氏が控訴審に臨む決意をのべ、支援を呼びかけました。
　阿部広美弁護士が講演し、女性の貧困解消のためには､｢すこしずつでも声を上げなければ社会は変わらない」として、▽女性の社会進出促進▽男女共同参画についての啓発・教育▽女性同士のネットワークの構築―などできることから取り組もうと呼びかけました。
　看護師をしていた田中和香子さん（７４）は「人の生死にかかわる医療現場の労働環境改善は切実な願いです」と話していました。

鳥取
　国際女性デーのつどいが９日、鳥取市で開かれました。
　歴史研究者の谷口肇氏が「ヒットラーと現代日本」をテーマに講演しました。
　谷口氏は、ナチスがベルサイユ体制の打破、ユダヤ人攻撃などをあげて登場してきた背景などを解説。現在の日本の状況がファシズムの背景に近づき、独裁志向の勢力が台頭しつつあることを警告し、憲法９条を守るたたかいを呼びかけました。
　潘基文（パン・ギムン）国連事務総長のメッセージが紹介され、新日本婦人の会、鳥取医療生協労組、民主商工会などの代表が活動報告し交流しました。

長崎
　「３・８国際女性デー長崎集会」（主催＝同実行委員会）が８日開かれ、約４５人が参加しました。
　庄司秀子実行委員長は「憲法があるからこそ、女性の権利は守られる」とあいさつしました。
　長崎県初の男性家庭科高校教諭の北逵（きたつじ）勝久さんは「女性＝料理、裁縫＝家庭科？！」の講演で家庭科を料理や裁縫だけではない「生活学」として教えていると強調しました。
　４団体から発言交流があり、所得税法５６条廃止署名やグループホームの問題点、看護師の夜勤の実態、旧日本軍「慰安婦」問題解決の訴えがありました。

宮崎
　国際女性デーの８日、二つの催しが宮崎市でありました。
　「原発いらんが！女性・お母さんの会」は、「もう原発いらんが！スプリングウォーク」と銘打ち、女性だけのアピール行進を初めて行いました。「さよなら原発」の横断幕を手に「命より大事なものはない」と歌で訴えました。
　国際女性デー宮崎集会実行委員会による集会では、北欧の福祉政策や女性の力を生かす社会についての報告講演などがありました。働く女性を中心に、約６０人が参加しました。
(２０１３年０３月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

志位委員長が駐日韓国大使と懇談

　日本共産党の志位和夫委員長は１２日、駐日韓国大使館を訪ね、２月におこなわれた朴槿恵（パク・クネ）大統領の就任式出席で訪韓したことを伝えながら、申○秀（シン・ガクス）大使と懇談しました。
　「よい訪問だったと聞いています」と迎えた大使に志位委員長は、日本軍「慰安婦」問題を取り上げた衆院での代表質問と安倍首相の答弁、６中総報告の国際問題の部分の韓国語訳を手渡し、「日韓の諸懸案を解決するため日本共産党としても力をつくしたいと考えています」と述べました。
　申大使は、元「慰安婦」の女性らが高齢なことなどをあげ解決は急務だと強調し、日本の政治家の果たす役割への期待を述べました。
　両氏はまた、日本の過去の侵略戦争、植民地支配について日韓が歴史認識を共有する重要性についても意見交換しました。
　懇談には笠井亮衆院議員、田川実国際委員会委員が同席しました。
( ２０１３年０３月１３日，「赤旗」)

「憲法守るのは義務」／奈良県知事、宮本県議に答弁

　奈良県の荒井正吾知事は６日、「憲法を守ることは知事としての義務。憲法の規定のあるなしにかかわらず、平和を守るということは当然のこと」と表明しました。日本共産党の宮本次郎県議の代表質問に答えました。
　宮本氏は、安倍首相が日本の侵略と植民地支配への反省と謝罪を表明した「村山談話」と「慰安婦」問題で日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」を見直すと発言したことは、背景に９条改憲に狙いがあると強調。戦前から一貫して侵略戦争に反対した政党として、認めるわけにはいかないとただしました。
　荒井知事は「知事としての義務」を答弁したうえで、「村山談話」「河野談話」に示されたように日中、日韓の間に不幸な歴史があったことは事実と指摘。奈良時代から奈良県と中国、韓国など東アジア諸国との友好・交流の歴史があることを県の誇りとすべきで、「奈良だからできる東アジアとの交流、国際平和のとりくみを行っていく」と語りました。
　宮本氏はまた、県経済の活性化のために県内企業の労働者の賃金引き上げ、中小零細企業への支援策推進に県がイニシアチブを発揮すべきだと質問。荒井知事は、賃金など労働条件はそれぞれの企業で決定するものであり、「行政が軽々に発言するべきではない」と突っぱねました。
(２０１３年０３月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

国際女性デー／みんな幸せになれる社会へ／愛知／新潟／石川／三重／静岡

　「２０１３年国際女性デー」の８日、東海北陸信越の各地で集会が開かれました。

愛知／ジェンダー平等を訴え
　国際女性デーの愛知県集会は名古屋市中区で開かれ、１３０人が参加しました。岸松江弁護士が講演しました。
　安藤満寿江実行委員長は開会あいさつで「世界の宝である憲法９条を絶対に守らなければなりません。参院選までの４カ月間に、改憲反対の世論を国民の多数にする必要があります。憲法改悪を許さず、ジェンダー平等をめざして、地域や職場で明るく運動を広げましょう」と呼びかけました。
　岸氏は、日本の女性は現行憲法の下で、初めて人間としての尊厳が認められたと力説。自民党の改憲草案の問題点に触れ「戦争できる国づくりや基本的人権の制限、女性に対する家庭責任の押しつけなど許されません。女性はみんなが幸せになれる社会を実現する使命をもっています。声をあげ、一緒に手をつなぎ、憲法を守りましょう」と述べました。
　活動交流では、障害者団体の代表が「戦争は障害者を大量に生み出し、真っ先に障害者を切り捨てます」と述べ、平和憲法を守る意義を強調。障害者に負担を強いる、県の福祉医療制度改悪方針の撤回を訴えました。
　日本軍「慰安婦」問題解決、名古屋市の公立保育園廃止・民営化と保育料値上げの阻止、医療・介護施設の夜勤規制と職員大幅増員を求める署名運動も紹介されました。
　もとむら伸子（日本共産党参院選挙区候補）、水野磯子（愛知・日本軍「慰安婦」問題解決をすすめる会呼びかけ人）、柴田たみお（名古屋市長候補）の各氏が来賓あいさつしました。

新潟／先進的役割はたす憲法
　国際女性デー新潟県集会は、新潟市で開かれ、約１００人が参加しました。
　ベアテ・シロタ・ゴードンさんを描いたドキュメンタリー映画「私は男女平等を憲法に書いた」を視聴したあと、活動交流しました。
　各分野から「食料主権を守るため、人間の尊厳を否定することにつながるＴＰＰ（環太平洋連携協定）交渉参加に強く反対する」（農民連女性部）、「新潟市債権管理課ができて人権無視の税金取り立てが続いているが、運動で改善させていきたい」（民商女性部）、「女性の地位向上と労働条件改善は密接になっている。女性が働きやすい職場をつくっていきたい」（医労連）と発言がありました。
　坂井希美子副実行委員長が「男女平等を実現し、先進的役割を果たす憲法を守り抜こう」と訴えました。

石川／核兵器廃絶世論で実現
　国際女性デー石川県集会は、金沢市内で開かれ、約１００人が参加しました。
　県内で原発ゼロや核兵器廃絶、労働環境改善などを求めて運動に取り組む７団体の代表がリレートーク。「昨年７月以来、原発再稼働反対の毎週金曜行動に取り組んできた。これからも声をあげ続ける」「核兵器廃絶の署名行動に、毎月欠かさず３０年間にわたって取り組んできた。私たちの声で世論を変えよう」など活動を報告し、決意を固め合いました。
　国際政治学者の畑田重夫氏が「命・平和・くらしまもる女性の願い実現へ」をテーマに講演。国際的な比較を見ても依然として賃金や社会進出の分野で男女格差が残る日本の現状を指摘し、安倍内閣の問題点にもふれながら、憲法を基調とした社会づくりの意義を訴えました。
　集会では、日本共産党の亀田りょうすけ参院石川選挙区候補が来賓あいさつ。農民運動石川県連合会から連帯のメッセージが寄せられました。日本国憲法にもとづいた命とくらしを守る政治への転換を求め、県内でも大きく行動を広げていくことを呼びかける行動決議を採択しました。

三重／自分らしく輝き生きる
　国際女性デー三重県集会は、津市のサンワーク津で開かれました。約１００人の参加者は、寸劇やコントも交えて日本国憲法の価値や環太平洋連携協定（ＴＰＰ）の危険性などを学び、「女性が自分らしく輝いて生きられる社会」の実現を呼びかける集会アピールと、生活保護法の改悪に反対する特別決議を採択しました。
　記念講演では、日本平和委員会理事で弁護士の岸松江氏が、仕事と子育ての両立に悩むなかで憲法と女性差別撤廃条約に出合った自身の体験を語り、個人の尊厳原理や男女平等、社会全体の非暴力化など、女性を解放し大切にする憲法の意義を解明しました。
　さらに岸氏は、日本の男女格差指数が世界ランクでまだまだ下位に位置している一方で、自民党など改憲勢力の憲法改悪への危険な動きが強まっている現状にも触れ、参院選に向けて憲法を守る運動を広げるよう呼びかけるとともに、とりわけ女性が、いのち・くらしを守る社会をつくる��使命�≠�持っていることを強調しました。
　集会には、日本共産党の中川たみひで参院三重選挙区候補が来賓参加し、連帯を表明しました。

静岡／仕事と生活両立させる
　国際女性デー静岡県集会は、静岡市駿河区で開かれ、５０人が参加しました。日本婦人団体連合会の柴田真佐子副会長が記念講演しました。
　柴田氏は、日本は妊娠・出産で離職せざるをえないという、世界でも非常識な例をはじめ、男女平等の遅れがあると説明。妊娠・出産を理由とした解雇・不利益取り扱い禁止など国連女性差別撤廃条約にもとづく改善の必要性を強調し、「日本国憲法をいかし、仕事と生活を両立させ、女性も男性も人間らしく生き、働くことができる社会にするべきです」と訴えました。
　主催者あいさつした永井花子実行委員長は「女性にとって差別のない平和な世界の実現をめざそう」と述べ、ジェンダー平等、憲法の改悪は許さない、消費税増税中止、中部電力浜岡原発（御前崎市）廃炉・原発ゼロなどへの要求実現への連帯を呼びかけました。
　「育児のための時短勤務の人員配置をちゃんとしてくれない。子育てとの両立には程遠い現場の改善を」（小学校教師）など、各分野からの発言がありました。
(２０１３年０３月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」伝える記念碑／米ニュージャージー州で除幕式

　【ハッケンサック（米ニュージャージー州）＝山崎伸治】旧日本軍の「慰安婦」とされた数十万の女性を記憶にとどめようと、米東部ニュージャージー州バーゲン郡に記念碑が設置され、国際女性デーの８日、同郡ハッケンサック市の郡庁舎で除幕式が行われました。
　キャスリーン・ドノバン郡知事と郡議会のデービッド・ガンズ議長ら全７人の議員のほか、韓国系・中国系住民の代表ら１００人余りが詰め掛けました。
　式典でドノバン知事は、昨年１０月に韓国・ソウル郊外の「ナヌムの家」を訪問し、元「慰安婦」の方々から記念碑設置の快諾を受けたと紹介。２００７年に米下院が採択した「慰安婦」決議の共同提案者の一人で地元選出のビル・パスクレル下院議員(民主党)は「『慰安婦』の苦難を思い起こすことで、全世界の人権を守ろうという決意がますます強くなる」と述べました。
　記念碑設置を呼び掛けた住民組織「『慰安婦』記念碑委員会」のドンチャン・キムさんは、記念碑が「人道的罪の被害者を忘れてはならないこと、人権侵害者を許してはならないことを世界に伝えるものになる」と訴えました。
　記念碑は、郡庁舎近くの裁判所前に設置。そこには米国の「奴隷制」やナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺（ホロコースト）などの犠牲者にささげた四つの記念碑があります。
( ２０１３年０３月１０日，「赤旗」)

「慰安婦」認識を封印

　安倍晋三首相は８日の衆院予算委員会で、日本軍「慰安婦」問題に関して「総理大臣の私の口からそれを申し上げることは外交問題に発展していくおそれがあるので、歴史家に任せたい」と述べ、軍の関与と強制性を否定する考えを封印する考えを改めて表明しました。民主・辻元清美氏への答弁。
　軍の関与と強制性を認めて謝罪した「河野官房長官談話｣(１９９３年）が、被害者の証言などを総合して責任を認めた経緯について､菅義偉官房長官は｢学術的観点からさらなる検討をすることが望ましいというのが安倍内閣の考え方」との見解を繰り返しました。
( ２０１３年０３月０９日，「赤旗」)

維新・中山氏が植民地支配で暴言／衆院委

　維新の中山成彬議員は８日の衆院予算委員会で、日本による「韓国併合」や台湾植民地化について「ヨーロッパ、アメリカの植民地支配とは違う」と述べ、侵略戦争と植民地支配に無反省な主張を展開しました。
　中山氏は、日本の植民地支配を鉄道や学校整備など近代化に貢献したと正当化。「創氏改名」は強制ではなく、日本軍「慰安婦」問題も「日本の軍隊は規律が厳しかった」としてその存在を否定し、「朝鮮の方というのは粘り強いというか、しつこい」と暴言を吐きました。
　中山氏は自公政権で国交相を務めましたが暴言で辞任。自民にもいられなくなりましたが、看板だけを変えて亡霊のように舞い戻ってきたのです。石原慎太郎共同代表らも同じであり、元自民党と靖国派が維新の中心を担っていることを示しています。
( ２０１３年０３月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

平和・権利守り抜く／国際女性デー集会・パレード

　「『国防軍』とんでもない！　憲法改悪許さない」「まともな雇用ふやして、日本経済の活性化を」などをスローガンに８日、東京で国際女性デー中央大会が開かれ、７００人余が参加しました。
　主催者を代表して堀江ゆり実行委員長（日本婦人団体連合会会長）が開会あいさつしました。「今日は女性の国際連帯の日です。くらしや平和、女性の権利を守るために立ち上がる私たちのたたかいも、その歴史の延長線上にあります」と強調。日本軍「慰安婦」問題や憲法改悪をめぐる攻防などをあげて、「今日を今年の女性のたたかいのスタートの日と位置づけて、憲法を守り抜き、平和とジェンダー平等の日本をつくりましょう」と呼びかけました。
　女性たちがのぼりや横断幕を手に壇上に立って訴えました。
　「今でも大変なのに消費税が１０％になったら商売が続けられない。増税はなんとしてもストップさせたい」（全国商工団体連合会）
　「農業や医療、暮らしを破壊するＴＰＰ（環太平洋連携協定）への参加を阻止しましょう」（農民運動全国連合会）
　「小中学校の全学年で３５人学級をめざしていた計画を国は見送った。少人数学級をすすめるため、これからも運動していきます」（全日本教職員組合）
　日本共産党の小池晃副委員長が来賓あいさつし、「女性の権利と能力を生かすことがよりよい社会の形成につながり、憲法を花開かせる」と語りました。弁護士の大森典子さんが講演しました。
　日米両政府に対する決議を採択。集会後、パレードしました。
( ２０１３年０３月０９日，「赤旗」)

潮流

　母国インドの独立運動を支えた詩聖タゴール。数ある詩のなかで彼はこんな言葉をのこしています。「人間の歴史は虐げられた者の勝利を忍耐強く待っている」（迷える鳥）▼韓国の朴槿恵大統領が電話会談で安倍首相にこう伝えました。「未来志向の日韓関係を構築するためにも、歴史認識が重要だ」。植民地支配で多大な犠牲を強いた過去には目をつぶろうとする日本側の姿勢に、くぎを刺したかっこうです▼いま国連では女性の地位委員会が開かれています。参加する新婦人らは日本軍による「慰安婦」問題の討論会をニューヨークで実施。発言のなかには、日本政府がこの問題にむきあわないのは日本の女性全体を見下している反映だという批判もありました▼過去を閉ざさない動きは国内でも改めておきています。奈良の広陵町議会では「『慰安婦』問題に関する意見書」を昨年９月に可決。しかも、全会一致で決めたものでした▼意見書は、被害者の尊厳回復に努めて誠実な対応をする、次の世代に事実を伝える努力をすることを、国にもとめています。提案した日本共産党の八尾春雄町議は「東アジアに平和を築いていくうえで、避けてとおれない問題」としてのぞんだといいます▼タゴールは東洋文明のもつ価値や、アジアは一つ、の理念を説きつづけてきました。そして、力によって平和をみだし、アジアの盟主になろうとした日本の軍国主義に警告を発していました。歴史から目を背けるものに、未来を語る資格はないでしょう。
( ２０１３年０３月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

「歴史認識が重要」／日韓首脳電話会談で朴大統領

　安倍晋三首相は６日夕、韓国の朴槿恵大統領と約１５分間電話で会談し、未来志向の日韓関係構築に向けて協力していくことを確認しました。５月にも韓国で開催される日中韓首脳会議の際を念頭に、早期の首脳会談実現へ調整するとともに、北朝鮮問題で連携していくことでも一致しました。
　２月２５日の朴政権発足後、両首脳の電話会談は初めて。首相は大統領に祝意を伝え、「両国で新政権が成立した機会を生かし、未来志向の日韓関係を発展させるべく緊密に協力していきたい」と関係改善に意欲を表明。大統領も「重要なパートナーとして関係発展に努力していこう」と応じました。
　また、大統領は「歴史認識は重要だ」と指摘し、「両国関係の発展を妨げている歴史問題を未来の世代に受け継がせないように」と強調。首相は「過去をしっかりと認識しながら未来志向の関係を築いていきたい」と述べました。首相は大統領の早期訪日も招請。
　両首脳は３度目の核実験を強行した北朝鮮に対し、国連安全保障理事会で制裁決議を早期に採択するため、米国も交えた３カ国で緊密に連携していくことを確認。日本政府関係者によると、竹島問題や、「慰安婦」問題には双方とも言及しなかったといいます。
( ２０１３年０３月０７日，「赤旗」) （Page/Top）

米ＮＹで「慰安婦」問題討論／日本政府に解決迫ろう

　【ニューヨーク＝山崎伸治】旧日本軍の「慰安婦」問題を世界に訴え、その解決を日本政府に迫ろうと、４日、ニューヨークでパネル討論会が開かれました。元｢慰安婦｣の人たちに謝罪と補償をすべきだとの議論が繰り広げられ、韓国やカナダの参加者から「いい集会に感謝したい」との声も上がりました。
　これは同日から国連本部で始まった第５７回国連女性の地位委員会の関連行事として、新日本婦人の会（新婦人）と戦時性暴力問題連絡協議会が開いたもの。同委員会の参加者ら１００人あまりが詰めかけました。
　討論会では３人が発言。アンワルル・チョードリー元国連事務次長は日本の教科書に｢慰安婦｣問題が載っていないことについてふれ、「歴史を知らずに大学を卒業して、果たして教育を受けたと言えるのだろうか」と問題提起。自分たちの過去を知ることこそが重要だと強調しました。
　２０００年に東京で開かれた日本軍性奴隷制を裁く「女性国際戦犯法廷」の呼び掛け人の一人、インダイ・サホールさんは「元『慰安婦』の人たちにとって補償とは金銭ではなく、罪を認めて謝罪し、それを二度と繰り返さないことだ」と指摘。日本政府がこの問題に向き合わないのは、「慰安婦」だけでなく、日本の女性全体を見下していることの反映だと批判しました。
　新婦人の平野恵美子・国際部長は、安倍内閣の誕生など右傾化が強まる日本の政治状況について述べました。
　参加者の一人、コロンビアＹＷＣＡのマグダ・ロペスさん（３１）は「とても興味深く話を聞いた。コロンビアでも武装組織が女性に対して同じような暴力行為を行っている」と話していました。
( ２０１３年０３月０６日，「赤旗」)

あらゆる暴力根絶へ議論／国連女性の地位委が開幕

　【ニューヨーク＝山崎伸治】第５７回国連女性の地位委員会が４日、ニューヨークの国連本部で始まりました。「女性と少女に対するあらゆる形態の暴力の予防と根絶」を優先テーマに１５日まで議論が行われます。各国政府代表のほか非政府組織（ＮＧＯ）の代表ら多数が参加しています。
　開会にあたって国連のエリアソン事務次長が演説し、「女性に対する暴力は戦争地帯だけでなく安定した地域にも、主要都市だけでなく郊外にも、公の場所だけでなくプライベートな領域にも広がっている」と指摘。その根絶は開発と平和に直結しており、貧困の根絶を掲げたミレニアム開発目標の達成が重要だと述べました。
　国連ウィメンのバチェレ事務局長は、教育を受ける権利を主張して撃たれたパキスタンの少女や性的暴力を受けた上に殺害されたインドや南アフリカの女性のために、正義を求める声が上がっていると指摘。女性に対する暴力は「普遍的な人権問題であり人間の尊厳の問題だ」として、協調して対処すべきだと述べました。
　委員会には新日本婦人の会（新婦人）など日本のＮＧＯも参加。新婦人は昨年１１月に、「慰安婦」問題を早期に解決することや駐留外国軍兵士による受け入れ国市民に対する暴力を処罰することなどを求める「提言文書」を同委員会に提出しています。
( ２０１３年０３月０６日，「赤旗」) （Page/Top）

歴史問題で日本「永遠に被告席」／中国政協報道官

　【北京＝小林拓也】中国の全国政治協商会議（政協）の呂新華報道官は２日、同会議の３日の開幕を前に記者会見し、「日本が歴史に直接向き合わず、深刻に反省せず、非を改めなければ、道徳の面で永遠に被告席に立つことになる」と批判しました。
　呂氏は、「日本の右翼勢力」は侵略戦争の責任をねじ曲げ、靖国神社参拝、歴史教科書、「慰安婦」などの問題で「傷口に塩をぬっている」と非難。「日本がこのようにして、どうしてアジアの人々の許しを得ることができるのか。隣国はどうして安心できるのか」と述べました。
　また、尖閣諸島（中国名・釣魚島）をめぐる問題について、「もし日本が自衛隊艦艇や航空機を出動させ、中国側の正常なパトロール活動を妨害し、不測の事態が起きれば、一切の責任は日本が負うことになる」と警告しました。
( ２０１３年０３月０４日，「赤旗」)

日本軍「慰安婦」問題解決に向け何が必要か／日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表梁澄子さんに聞く

被害者は心からの謝罪求める
　日本軍「慰安婦」問題の解決にむけ何が必要なのか。長年、解決のため運動を続けている梁澄子（ヤン・チンジャ）さんに話をききました。
　（聞き手　遠藤誠二）

　民主党は野党時代、共産党、社民党と共同で８回、「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」を提出しました。ところが政権を握ったら、同党議員がはっきりと「立法化は無理」と言うようになったのです。与党になったのだから立法化は具体化すると思ったらその逆。韓国の被害者や運動体からはなかなか理解されませんでした。被害者の期待を裏切った民主党の責任は重いです。

憲法裁の判断
　袋小路に入ったと思ったら、２０１１年８月に韓国で憲法裁判所の判断がでました（別項参照）。運動は息を吹き返し、韓国政府が直接、日本政府にたいし解決を促す行動に出ました。
　その年暮れの水曜デモ（被害者たちがソウル・日本大使館前で行うデモ）１０００回目、「慰安婦」に関する資料を集めた「戦争と女性の人権博物館」の開館（１２年５月）もあり、今、韓国の人たちの「慰安婦」問題への関心は、私がいままで見てきたなかで、一番高いと思います。
　この世論の盛り上がりは、被害者や支援者ら運動体が二十数年間たたかってきた成果です。韓国の運動はこの問題を国際世論にしていくうえで中心的な役割を担いました。安倍政権が相手でも、運動側は、世論化に力を入れ備える必要があります。

意思に反して
　��「慰安婦」を強制連行した証拠がないから日本政府には責任がない�≠ﾆの主張ですが０７年の（議論の）繰り返しですね。「寝ているところを押し入って暴力的に連れて行く＝強制連行」は、略取。また、甘言などでだまして連れて行くのは誘拐ですね。刑法では、「誘拐または略取したものは３年の刑」などと書かれています。誘拐であろうが略取だろうが量刑は同じで、一般人でも分かる理屈です。それは当時も今も同じです。朝鮮半島の女性たちはほとんどがだまされて連れて行かれました。
　安倍晋三首相や大阪市の橋下徹市長は、��軍ではなく業者がだまして連れて行った。業者の誘拐の責任を国に問うのはおかしい�≠ﾆいいたいのでしょうが、その業者も軍が選定して命じていたことを示す資料がたくさんでています。実行犯が悪いのか実行犯に指図した者が悪いのか、となれば、常識的に考えたら指図した者がより悪いのです。被害者が��自分たちは強制連行された�≠ﾆいっているのは、自らの意思に反してだまされて連れて行かれたからなのです。

賠償当たり前
　日本政府はいさぎよく事実を認め、謝罪をして賠償をする、それが最低限の線です。事実を認めたら、責任を認めたことになるので当然謝罪となり、その証しとしての賠償は当たり前となります。その３点セットです。これは順番を逆にしちゃいけない。これまで、いつも日本政府から最初にでてくるのは補償の仕方、お金の出し方で、被害者の神経を逆なでしていました。
　このまま解決されずに被害者がみな亡くなったら、「日本政府は何もしなかった」という歴史が残ります。すごくつらいことです。被害者は、この世を去る前に、日本の首相が心から謝る言葉をききたいのです。

韓国憲法裁判断
　１１年８月、韓国政府が「慰安婦」の「賠償請求権」問題で日本政府と交渉を行わないのは違憲と判断。これを受け李明博（イ・ミョンバク）大統領（当時）は同年１２月の日韓首脳会談で「慰安婦」問題の解決にむけた協議を求めましたが日本側は拒否しました。
( ２０１３年０３月０４日，「赤旗」) （Page/Top）

世界キーワード／国連女性の地位委員会

　１９４６年に国連経済社会理事会の機能委員会のひとつとして設立されました。
　政治、経済、市民、社会的および教育分野における女性の権利拡充や、女性の権利について緊急な措置を要する問題に関して、国連経済社会理事会に勧告などを行います。
　年次会合はニューヨークの国連本部で毎年２〜３月に開催。５７回目となる今回（開催は４日〜）は、数十人規模の非政府組織（ＮＧＯ）メンバーが日本から参加します。優先テーマは、「女性と女児に対するあらゆる形態の暴力の根絶と予防」。国連ミレニアム開発目標（ＭＤＧｓ）の実行における課題などについても話し合われます。
　主な議論の論点は、暴力にさらされた女性と女児に対し、各国政府が実施してきた対応などについて、国ごとの格差や優良事例を特定することや、女性と女児への暴力を防止するための戦略について調査を実施し、今後の取り組みに関する提言を合意結論に記載することです。
　参加ＮＧＯのひとつ新日本婦人の会は、議論のなかで、日本軍「慰安婦」問題の一日も早い解決を支援することや、駐留米軍兵士による事件を含め、女性に対するあらゆる形態の暴力を終わらせることなどを考慮するよう求めています。
( ２０１３年０３月０３日，「赤旗」)

独立運動式典／「日本は歴史直視を」／優先解決求める／韓国大統領

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵大統領は１日午前、日本による植民地支配に抵抗して１９１９年に起きた「三・一独立運動」の記念式典で演説し、「日本は歴史を正しく直視し、責任を取る姿勢を取らなければならない」と強調、「韓国と日本がつらい過去を一日も早く治癒し、共栄の未来にともに進めるように、日本政府は積極的な変化と責任ある行動を取らなければならない」と述べ、日本が歴史問題を自ら解決するよう強く求めました。
　（関連２・演説要旨７面）

　朴大統領は２月２５日の就任後、麻生太郎副総理との会談などで、日本に歴史問題への対応を求めていますが、演説で日韓関係についてメッセージを発するのは初めて。竹島、慰安婦問題など具体的懸案には触れませんでしたが、未来に向かうためにまず過去の問題を解決すべきだという内容で、安倍政権に厳しい注文を突き付けた形です。
　大統領は「歴史に対する正直な省察がなされるとき、共同繁栄の未来も共に開ける。加害者と被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わらない」と言明。日本が歴史を直視し、責任ある姿勢を示したとき「両国間に固い信頼が重ねられ、真の和解と協力も可能になる」と指摘し、「両国の未来の世代にまで歴史の重荷を負わせてはいけない。われわれの世代の政治指導者の決断と勇気が必要なときだ」と強調しました。

　三・一独立運動　日本が植民地支配していた朝鮮半島で１９１９年３月１日に起きた独立運動。京城（現ソウル）にあるパゴダ公園（現タプコル公園）で独立宣言文が読み上げられ、「独立万歳」と叫びながらデモ行進が行われました。運動は半島全土に広がり約２００万人が参加。日本は武力弾圧し、７５００人以上に及ぶ死者が出たといいます。
( ２０１３年０３月０２日，「赤旗」)

（2月）ヘッドライン

論壇時評／谷本諭／経営陣を一喝、大企業に賃上げ求める

「河野談話」見直しダメ／「慰安婦」問題講演会開く／大阪

テレビはなぜおかしくなったのか／金平茂紀、永田浩三、水島宏明、五十嵐仁著／評者岩崎貞明放送レポート編集長

旧日本軍「慰安婦」談話／「見直しなら重大な結果」／米下院議員

ニコン「慰安婦」写真展中止事件／写真家が「不当」と陳述／東京地裁

河野談話／総理として議論しない／強制否定の認識封印／首相

日本軍「慰安婦」問題／「責任はない」の議論成り立たず／大森典子弁護士に聞く／韓国と協議し解決を

日本共産党第６回中央委員会総会／その１／新しい政治への大変革求められる時代

中教審委員に桜井氏

国連人権理事会勧告受け入れ女性の人権改善要望／婦団連、外務省に

国会様変わり／対決軸は共産党ＶＳ自民党／上

体罰のない学校に／県教育長に要請／福井・新婦人

「建国記念の日」不承認、集会・パレード／「慰安婦」テーマに学ぶ／埼玉

「慰安婦」問題／府議会は意見書可決を／「会」が女性議員と懇談／京都

つくられた「建国の聖地」／奈良・橿原神宮の歴史学ぶ／青年ら野外研修

全国革新懇ニュース２月号／愛国心もつならば／作家赤川次郎さん

右傾化の動きに対抗／各地で２・１１集会／京都／兵庫／和歌山

改憲のたくらみ阻もう／２・１１各地集い／愛知／富山／福井

外交問題解決は対話で／ＴＶ番組で主張／穀田氏

「河野談話」／作り話じゃない。意に反し「慰安婦」とされた／元官房副長官石原信雄さんが語る

衆参代表質問／自・公与党と民、維新、みんなの��悪政連合�＝^志位氏の「慰安婦」問題追及、内外から注目

衆参代表質問／志位委員長、市田書記局長質問のポイント

深刻デフレ不況／政府は三つの決断を

６中総／「慰安婦」問題／日韓請求権協定にもとづく交渉による解決を／志位委員長

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／５／ホロコーストと重ね合わせ／学生「語り部」が活躍

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／４／記念碑の決断／韓国を訪問して確信

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／３／撤去求める自民議員／新たな記念碑設置も

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／２／最初の記念碑・ニュージャージー州／正しい道歩んでほしい

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／１／ニューヨーク州議会の決議／「きっぱり認め前進を」

日本軍「慰安婦」、人間性に反する／広島市で宣伝

衆院予算委各党質疑から／「見直し」首相自身で／河野談話で前原氏

おはようニュース問答／ＮＹ州議会が「慰安婦」決議あげたね

札幌市南区で新春のつどい

おはようニュース問答／「建国記念の日」って何のため？

巨大開発優先転換を／小松議員、知事を追及／千葉県議会

安倍政権下の「建国記念の日」／歴史の逆流に抗し日本の進路を考えるとき／広川禎秀

日本の遅れた人権、国際水準に／国際人権委員会が要請／市田氏応対

言聞録／２０１３年１月２７日〜２月２日

「慰安婦」問題、志位氏の質問／「いつもながら周到な組み立て」／「朝日」コラムが紹介

政治考／右派連合ＶＳ．共産、鮮明に／「安倍氏自身が最大の弱点」／記者座談会

週間日誌／１３年１月２７日〜２月２日

各党の代表質問にみる／暴走自民と迎合「野党」／共産党、真正面から論戦

「河野談話」／志位委員長質問で注目／元「慰安婦」証言は真実と認定

論戦で政権追い詰める／志位委員長、代表質問傍聴者と懇談

対北朝鮮措置で一層の強化示唆／韓国国連大使

２月（本文）

論壇時評／谷本諭／経営陣を一喝、大企業に賃上げ求める

　デフレ不況の最大の原因が賃金の低下と労働条件の悪化にあることを正面から論じ、大企業は賃上げに動きだすべきだとする論考が、研究者やエコノミストから相次いで出されています。

景気「好循環」へ財界の戦略喪失
　前田昌孝（日本経済研究センター主任研究員）「日本経済　賃上げで好循環を起動させる局面」（「日経」電子版２月１３日付）は、��賃上げ先行�≠�拒否する日本経団連・米倉会長らの主張に対し、２０００年代以後、内部留保が積み上がり、役員報酬が右肩上がりで増え続ける一方、従業員給与だけが減り続けてきた事実を提示。「産業界は発想を切り替え、賃上げを起点にして景気の好循環を引き起こすぐらいの戦略性を持っていい」と提言します。
　前田氏は、賃上げの実現が、国内の需要増と企業の脱外需依存をすすめ、消費者が輸入品を買えるようになることで市場に円安圧力が加わり、企業にさらなる賃上げの余裕ができるという「好循環」の構図を解明。「日本経済をリードする大企業」こそ「お手本」をしめすべきと訴えています。
　森一夫（日本経済新聞特別編集委員）「賃上げで成長　工夫の余地」（「日経」２月１８日付）も、ベースアップを否定して��賃上げはボーナスで�≠ﾆいう発想を崩さない財界首脳に、「思考停止に陥ってないだろうか」と苦言を呈します。１９９０年代に日本の労働分配率の低さを問題視した故・盛田昭夫・ソニー会長の議論を引用し、「低い賃金水準は経営能力の低さを示す」と大企業経営陣を一喝する森氏の主張は、日本資本主義の根本矛盾にせまるものです。

内部留保の活用シンクタンクも
　今年に入り、第一生命経済研究所・熊野英生氏、みずほ総合研究所・杉浦哲郎氏、富士通総研・根津利三郎氏など、財界系シンクタンクのエコノミストから、賃金アップ、雇用の安定化、内部留保の活用などを求めるリポートが次つぎ発表されています。山田久（日本総合研究所調査部長）も、『エコノミスト』（２月１９日号）誌上で、賃上げを要求（「アベノミクスでは賃金は上昇しない」）。先進国のなかで、１０年以上にわたって平均賃金が下落し続けている国は、日本以外にないことを強調しています。これらの論考のなかには、賃上げのためにも「構造改革」推進をと叫ぶなど、賛同できない主張も含まれていますが、経済分析の専門家が異口同音に、財界の戦略眼の欠如を問題視し、政府に賃上げへのイニシアチブ発揮を促しているのは注目されます。

世界が警戒する安倍内閣歴史観
　過去の侵略戦争の名誉回復をねらう安倍内閣の動きに、国際社会から警戒と非難の声が上がっています。
　冷泉彰彦（在米国ジャーナリスト）は、『週刊東洋経済』（２月２日号）に寄稿した論考で、戦前の体制や「慰安婦」の正当化をめざす日本政府の動きが、米国世論からきびしく指弾されている実情を報告。安倍政権が「慰安婦」への日本軍関与を認めた河野談話の「訂正」に走れば、日本は「女性の人権に無自覚な国」とみなされ、日米関係に亀裂を生みかねないと警鐘を鳴らします（「日本の立ち位置が不透明　『価値観』共有に不安も」）。
　『週刊東洋経済』同号では、山本武信（山梨県立大学教授）も、ドイツ、イギリス、フランスなど欧州メディアの安倍内閣評を紹介。旧日本軍が犯した罪を深刻に受けとめようとしない日本政府の態度や、２０年間も経済危機から国を救い出せず、「国家主義へ逃げ込むことで危機から目を背けてきた」日本政府の無策に、いかにきびしい視線が注がれているかを明らかにしています（「島国根性を捨てよ　旧態依然で解決の糸口見えず」）。

政治の大変革期問われる論壇誌
　経済でも外交でも古い枠組みが破綻し、政治の大変革が求められる時代に突入した今、論壇各誌の姿勢も鋭く問われます。
　そうしたなか、今月、「民主党政権３年間の歴史的意味を総括」し、「政治の再構築」の道を探求するとして刊行された『世界』別冊が、自民、民主、社民、新党大地、みどりの風の国会議員にインタビューをしながら、日本共産党の存在を黙殺したことは、同誌の姿勢の問題点を浮き彫りにしています。
　（たにもと・さとし）
( ２０１３年０２月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

「河野談話」見直しダメ／「慰安婦」問題講演会開く／大阪

　「慰安婦」問題の本質を考える講演会が２４日、大阪市内で開かれ１５２人が参加しました。安倍晋三首相が、「従軍慰安婦」問題について謝罪した１９９３年の河野洋平官房長官（当時）の「談話」の見直しを示唆するなか、「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会が開いたものです。
　参加者は、「私たちは『河野談話』の見直しを望みません。歴史の事実に正しく学び、『戦争と人権侵害のない世紀』への正面からの努力を求めます」との、安倍首相あてのアピールを採択しました。
　関東学院大学の林博史教授が「日本軍『慰安婦』制度と米軍の性暴力」と題して講演。野蛮な国家犯罪であった日本軍「慰安婦」制度の実態や、戦後の米軍が沖縄をはじめ各地で繰り返してきた性暴力の実態について詳しく報告しました。
　大阪府和泉市の女性（４２）は、「安倍首相の『河野談話』見直し発言や昨年８月の橋下徹大阪市長の『強制はなかった』と言った発言などおかしいことばかり。『慰安婦』問題の解決のため頑張っていきたい」と語りました。
( ２０１３年０２月２５日，「赤旗」)

テレビはなぜおかしくなったのか／金平茂紀、永田浩三、水島宏明、五十嵐仁著／評者岩崎貞明放送レポート編集長

自戒込め構造的な病理に迫る
　毎週金曜日、大規模に繰り広げられる首相官邸前の脱原発デモが、なぜテレビでほとんど報じられないのか。東京電力福島第１原子力発電所の大規模事故に際して、なぜ原発推進側の「御用学者」ばかりがテレビに露出するのか。決して「不正受給」でない生活保護受給者がなぜバッシングを受けるのか…。
　ニュースやドキュメンタリーの現場で豊富な経験を持つ著者たちが、自戒も込めながら、テレビの構造的な病理に迫った一冊だ。
　本書で注目すべき一つのキーワードは「官尊民卑」だ。今やメディア・コングロマリット（複合企業体）と化した放送局は既にそれ自体が「権威」であり、国家権力と容易に結びつきやすい構造になっているのではないか。であるがゆえに、原子力発電への不安を訴える市民や、生活保護に頼らざるを得ない社会的弱者、そして「従軍慰安婦」として筆舌に尽くしがたい屈辱を受けた東アジアの人々などの声に、耳を傾けることを避けているのではないか――。
　残されているかすかな希望は、「原発三十キロ圏内に入ったジャーナリスト」たちのように、自らの良心に従って組織の論理に抗う制作者を応援し、その仲間を増やしていくことだ。若い世代には「上から目線」の苦言に聞こえるかもしれないが、第一線で番組制作に従事する人々にこそ本書を読んでほしい。
　最後の論考〈「領土紛争」を引き起こした石原慎太郎の責任〉については、著者の指摘に異論はないが、批判の主眼は石原氏の言動そのものにあって、メディア批判は副次的であると考えるのが妥当ではないだろうか。

　かねひら・しげのり、ながた・こうぞう、みずしま・ひろあき､いがらし･じん
( ２０１３年０２月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

旧日本軍「慰安婦」談話／「見直しなら重大な結果」／米下院議員

　【ワシントン＝時事】米民主党の下院議員２人が２０日、安倍晋三首相の訪米に先立ち佐々江賢一郎駐米大使に書簡を送り、旧日本軍の慰安婦問題に関して「日本政府による完全かつ公式な謝罪」を要求しました。また、軍の関与を認めて謝罪した河野洋平官房長官談話の見直しに踏み切れば「日米関係に重大な結果を生じさせる」と警告を発しました。
　書簡を出したのは、カリフォルニア州選出で日系のマイク・ホンダ、ニューヨーク州選出のスティーブ・イスラエル両議員。両州とも韓国系や中国系の住民が多い。ホンダ氏は慰安婦問題をめぐり、２００７年に下院で対日非難決議の採択を主導しました。
　ホンダ氏らは書簡で、日本は１９３０年代から第２次大戦にかけて、「中韓両国などの約２０万人の若い女性を強制的に慰安婦にした」と指摘し、「集団レイプや強制堕胎などの結果、死に至ったケースがある」などと非難。談話見直しは周辺諸国との間で緊張関係を不要に高めかねないとも強調しました。
( ２０１３年０２月２２日，「赤旗」) （Page/Top）

ニコン「慰安婦」写真展中止事件／写真家が「不当」と陳述／東京地裁

　旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」を題材にした写真展が昨年６月、会場を運営する株式会社ニコンから明確な説明がないまま中止が通告された事件で、韓国人写真家の安世鴻（アン・セホン）さん＝名古屋市＝が、ニコンに損害賠償と、ホームページ上での謝罪広告を求めている裁判の第１回口頭弁論が１８日、東京地裁で行われました。
　原告の安さんは冒頭、「私の名誉を回復し、抑圧された『表現の自由』を取り戻すことを強く望んでいます」と陳述しました。
　東澤靖弁護団長は「きちんとした理由がなく不当な中止。これが当たり前として社会で受け入れられるのであれば、表現者の萎縮にもつながります。ニコンサロンの目的の��写真文化の向上�≠ﾉも真っ向から反します」とのべました。
　弁論後の報告集会で安さんは「短い陳述になったが、表現の自由にかける自分の思いを伝えたかった」と話しました。
　同写真展は東京地裁の仮処分決定により、昨年６月に東京・新宿ニコンサロンで開催しましたが、９月に予定していた大阪ニコンサロンでの開催はできませんでした。
( ２０１３年０２月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

河野談話／総理として議論しない／強制否定の認識封印／首相

　安倍晋三首相は１８日の参院予算委員会で、日本軍「慰安婦」問題に関して「河野談話によって不名誉を日本は背負っている」という過去の発言について聞かれ、「総理として議論する考えはない。総理として議論することで外交、政治問題に発展しやすくなる」とのべ、強制性がなかったという認識を封印する考えを改めて表明しました。民主・小川敏夫氏への答弁。
　河野官房長官談話（１９９３年）は日本軍「慰安婦」への軍の関与と強制性を認め謝罪したものです。安倍氏は野党時代の昨年９月に「河野談話によって、強制的に軍が家に入り込み、女性を人さらいのように連れていって慰安婦にしたという不名誉を日本は背負っている」と発言していました。
( ２０１３年０２月１９日，「赤旗」)

日本軍「慰安婦」問題／「責任はない」の議論成り立たず／大森典子弁護士に聞く／韓国と協議し解決を

　日本軍「慰安婦」問題が、改めて注目を浴びています。問題解決には何が求められているのか、長年、「慰安婦」訴訟に関わってきた大森典子弁護士に聞きました。
　（聞き手　遠藤誠二）

　民主党は野党時代、「慰安婦」問題の解決促進にむけ日本共産党、社民党とともに国会に法案を提出してきたので、２００９年に政権をとったときは期待しました。ところが何もできませんでした。民主党政権は全体的に評価できませんが、特に野田佳彦首相は、日韓請求権協定（別項）上の義務として韓国から外交交渉を要求されたのに、「請求権の問題は解決済み」と悪びれもせずに無視し続けました。アジアのなかで近隣諸国とどういう関係を築くのか理念のない方だと思いました。
　昨年、大阪市の橋下徹市長が「慰安婦」で、「強制連行の証拠はなかった。韓国側が証拠を示せ」と主張しました。この姿勢は、基本的に安倍晋三首相と同じです。��強制連行の証拠がなければ被害者に関して日本政府の責任はない�∞�だまされ連れて行かれた人がいたとしても責任はない�＝\専ら強制連行あるなしの議論が前面にでています。

責任免れない
　このこと自体おかしいのです。だまされて連れて行かれても人身売買で売られても、「慰安所」政策をつくった日本軍の責任は免れられないのです。��だまされたのは強制連行とは違う�≠ﾈどという主張は国際社会では絶対通らない。そんなところで議論をたたかわせている日本の状況は、国際的な人権感覚からかい離しています。日本政府は責任を正面から認めないと国際社会のなかで本当に孤立してしまう。
　１９９３年の「河野官房長官談話」は、強制性を示す文書はなくても被害者の証言をもって強制連行の事実を認めたものです。第１次安倍政権は、０７年の閣議決定した質問主意書への答弁書でも、この談話を継承していると答えています。首相や橋下市長らの論理は成り立たないのです。
　安倍内閣は韓国に特使を派遣して、朴槿惠（パク・クネ）新政権との間で「未来志向」で関係を築こうと言っています。韓国側からすれば、目の前にある「慰安婦」問題をきちっと処理した上で、初めて「未来志向へ」となるのです。

なすべき事は
　日本政府のなすべき事は、事実を認める、謝罪する、補償をする、そして繰り返さないための歴史教育をする―解決への四つの柱は変わりません。また、「日本政府は責任がない」との意見がでても、政府として「それは違う」と明確に言うことが必要です。被害国との間で事実についての最低限の共通認識を持ち、これは曲げないということを決めなければいけない。
　憲法裁判所の判断を受け朴大統領は政権あげてこの問題を解決しなければならず、安倍政権も国際社会から圧力がかかり今は自由に動けないようです。河野談話の見直しをさせず、請求権協定に基づき韓国との協議に応じさせ解決をめざす。この世論で日本政府を正しい方向に追い込んでいくしかない。「安倍政権のうちは無理」という人もいるけど、そんなことはいってられないと思います。

日韓請求権協定
　２０１１年８月、「慰安婦」の「賠償請求権」問題をめぐり、韓国政府が日本政府と交渉を行わないのは違憲との韓国憲法裁判所の判断がでました。これを受け李明博（イ・ミョンバク）大統領は同年１２月の日韓首脳会談で「慰安婦」問題の解決にむけ、日韓請求権協定第３条１項に基づき両国間の協議を求めました。韓国政府は、１９６５年に締結した同協定で放棄した請求権には「慰安婦」は含まれないとの立場。また、協定３条１項は、協定の解釈や実施に関する両国間の紛争がある場合、外交上の経路を通じ解決することを定めています。
( ２０１３年０２月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

日本共産党第６回中央委員会総会／その１／新しい政治への大変革求められる時代

　日本共産党の第６回中央委員会総会（９〜１０日、党本部）。志位和夫委員長は、幹部会を代表し、五つの柱で報告をおこないました。�@現在の情勢を大局的にどうつかむか�A国政の焦点と日本共産党の立場�B東アジアの三つの国際問題�C総選挙の総括と教訓�D参院選、都議選への方針―です。そのポイントを紹介します。

現在の情勢を大局的にどうつかむか
　総選挙で３分の２を超す議席を獲得した自民・公明。憲法改定や、弱肉強食の新自由主義を推進する��突撃部隊�＝A日本維新の会は第３党に―。
　政治の表層だけを見ると、反動的逆流が猛威を振るっているように見えます。しかし、深部に目を向けると、６０年間続いた古い自民党型政治の矛盾が蓄積し、崩壊的危機に陥っています。古い自民党型政治は、�@大企業・財界の利益を国民生活の上に置く「財界中心」�A日米軍事同盟を外交と内政の絶対不可侵の指針とする「アメリカいいなり」―という二つのゆがみが特徴です。
　「財界中心の政治」という点でみると―。
　働く人の所得・雇用者報酬は、１９９７年から１４年間で８８％、国内総生産（ＧＤＰ）は９０％まで落下。欧米諸国でも低成長は続いているのに、日本だけが働く人の所得が減り続け、経済成長が止まった「例外国家」になっています。
　なぜ―｡根底には、欧州では確立されてきた、国民の暮らしと権利を守るルールが日本では確立していないという「ルールなき資本主義」という問題があります。異常な長時間労働、不安定雇用の拡大、低すぎる社会保障給付、大企業と中小企業との取引の不公正など、あらゆる面で、欧州との格差が広がっています。
　「アメリカいいなり政治」ではどうか。
　在日米軍基地の実態に矛盾が集中的にあらわれています。
　戦後６８年たつのに、全国に１３２も米軍基地があり、治外法権的特権を行使しています。とくに沖縄では、民有地だった土地が基地として無法に奪われ、事故・犯罪などで住民の命、安全が危険にさらされています。こんな地域は世界のどこにもなく、植民地的実態というほかありません。
　とりわけ、普天間基地の「県内移設反対」、欠陥機オスプレイの配備反対という島ぐるみの意思が蹂躙（じゅうりん）され続けています。ひとつの県の総意を丸ごと否定する国が民主主義の国といえるのかが問われます。
　食料とエネルギーという経済の根幹でも、アメリカにがっちり主権が握られ、日本の食料自給率は主要国で最低の３９％に。日米原子力協定で、原発に必要な濃縮ウランの７３％はアメリカからです。こうした事態の根源には「日米安保条約＝日米軍事同盟を絶対不可侵とする体制」があります。「アメリカいいなり」という点でも日本は世界の「例外国家」です。
　ところが安倍政権は、「危機突破内閣」を標榜（ひょうぼう）しながら、自民党型政治の二つのゆがみがつくりだした危機への打開策を何一つ持ちあわせていません。
　また、過去の侵略戦争を美化する「靖国」派を政権中枢にすえ、いつ具体的な危機になって噴出するかわからない不安定さともろさも抱えています。
　志位氏は次のように強調しました。
　「現在の情勢を大局的に見れば、日本が新しい政治への大変革が求められる時代に入ったことは疑いない。支配勢力と国民との矛盾が存在するかぎり、国民的な規模でその解決を求めての探求と模索が続くことは不可避です。日本共産党の綱領が示す民主的改革の方針が、現在の危機を前向きに打開する唯一の活路です」
　「揺るがぬ深い確信を持って、激動の情勢に働きかけ、危機打開の道を国民に語り、日本の進路を語り合おうではありませんか」

参院選に向かう国政の焦点と党の立場
　総選挙で問われた政治課題はどれも決着がついておらず、いっそう切実な課題になっています。
　志位氏は、参院選に向け攻勢的に争点に押し上げる課題として、次の九つの問題を挙げました。
　――被災地復興を文字通りの最優先課題とし、「生活と生業に必要な公的支援」を最大の要として求めていく。募金とボランティア支援を引き続き強める。
　――経済危機打開のため、働く人の所得を増やす政策転換を図る。�@消費税大増税・社会保障大改悪の計画中止�A財界・大企業の賃下げや首切りを許さず、賃上げと安定した雇用の実現�B人間らしい暮らしを保障するルールづくりという「三つの決断」を求める。
　――社会保障大改悪の企てを許さず、拡充をはかる。高齢者と現役世代、生活保護受給者とその他の国民、公務員と民間労働者を対立させるように仕向ける宣伝に、社会的連帯で反撃する。
　――「即時原発ゼロ」を国民の多数派にするたたかい、再稼働を許さないたたかい、福島再生のたたかいを一体にすすめる。原子力規制委員会の「新安全基準」（骨子案）は、�@福島原発事故の原因究明もされていないもとで小手先の対策を並べた�A地震対策は、活断層が原発の真下に走っていても「露頭」（地表にあらわれた断層）がなければ設置を認めるという骨抜きの内容だ�B実証実験ができない福島原発のような過酷事故を想定しながら、「世界最高水準の安全」をうたうことは根本的な自己矛盾である。
　――ＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加を阻止し、食料主権・経済主権の確立を図る。自民党に公約を守らせ、なし崩しの参加を許さない。
　――普天間基地の閉鎖・撤去、「基地のない沖縄」を目指す沖縄県民の総意に対し、沖縄と本土の連帯したたたかいを発展させ、根源にある安保条約の廃棄を求める国民的多数派をつくる努力を強化する。
　――安倍政権が憲法９条改定を現実の政治日程にのせることを公言するなどきわめて危険な状況にある。二度と侵略国とならず、世界平和の先駆となるという「国際公約」＝９条を守り生かす国民的大闘争で、戦争勢力を包囲する。
　――党の提案「『いじめ』のない学校と社会を」（昨年１１月発表）を活用して多種多様な懇談をおこない、「いじめ」や「体罰」解決へ共同を広げる。
　――小選挙区制を撤廃し、民意が反映する比例代表制への抜本改革を提案するとともに、定数３〜５人の中選挙区制も選択肢にする。１８年間に政党助成金を受けとった政党２８党のうち、２１党はすでに解散した。政党助成金目当てに設立した政党も多く、政党助成金は即時撤廃すべきだ。

東アジアの平和・安定・友好にかかわって
　志位氏は、東アジアの平和・安定・友好にかかわる北朝鮮問題、尖閣問題、歴史を偽造する逆流という三つの国際問題について報告しました。（北朝鮮問題、尖閣問題は２面で紹介）
　このうち、歴史問題では、日本軍「慰安婦」問題で強制性の事実はなかったとする「靖国」派の逆流を国政に持ち込ませないよう安倍首相に迫ることを強調しました。
　問題解決のためには日本政府としての謝罪と賠償が不可欠です。
(２０１３年０２月１７日，「赤旗」) （Page/Top）

中教審委員に桜井氏

　文部科学相の諮問機関である中央教育審議会の第７期委員が１５日付で任命され、日本軍「慰安婦」の強制性を否定し、現行憲法の平和主義を「あほらしい」というジャーナリストの桜井よしこ氏が新たに委員に選ばれました。同氏は、日本の侵略戦争を美化する歴史教科書を称賛しています。
( ２０１３年０２月１７日，「赤旗」)

国連人権理事会勧告受け入れ女性の人権改善要望／婦団連、外務省に

　日本婦人団体連合会（婦団連）の堀江ゆり会長、柴田真佐子副会長ら７人は１３日、国連人権理事会普遍的定期審査（ＵＰＲ）の第２回日本審査の勧告受け入れと女性の人権状況改善について、外務省に要望しました。
　ＵＰＲとは、国連加盟国（１９３カ国）すべての人権状況を定期審査する制度です。
　昨年秋の日本審査を受けて採択された作業部会報告書には、日本政府への１７４項目にわたる勧告が含まれています。これらの勧告について日本政府は、今年３月の第２２会期人権理事会で立場表明をおこなう予定です。
　女性の人権に関わっては、女性差別撤廃条約選択議定書の批准、間接差別を含む女性差別撤廃のための法律整備（民法・戸籍法及び均等法の抜本改正）、男女賃金格差の解消、日本軍「慰安婦」問題の解決―などが勧告されています。
　堀江会長は、女性の人権状況を改善するために、勧告を受け入れ誠実に実施する意志表明をするよう求めるとともに、女子差別撤廃条約選択議定書の批准や、ＵＰＲに関する国内広報活動の強化などを要望しました。
　参加者は、「選択的夫婦別姓実現を」「男女間の賃金格差がどんどん大きくなっている。労働の場での差別撤廃を」と発言。とりわけ日本軍「慰安婦」問題では、「『河野談話』見直しなどをすすめようとする政府に国際的批判が広がっている。高齢の被害者に対し一日も早い解決を」と強く要請しました。
　日本共産党の笠井亮衆院議員が同席しました。
( ２０１３年０２月１６日，「赤旗」)

国会様変わり／対決軸は共産党ＶＳ自民党／上

反対の足場なし・民主／事実上第２与党・維新／悪政をけしかけ・みんな
　安倍自公政権初の本格論戦となった通常国会で、２０１２年度補正予算案が衆院を通過しました。予算に賛成し、悪法をけしかける野党まで登場し、国会の様相は様変わり。「日本共産党ＶＳ自民党」の対決軸が浮き彫りになっています。

　「じゃあなんで賛成するんだよ」。
　補正予算案を採決した１４日の衆院本会議。日本維新の会の山田宏議員が賛成討論で「疑問がないわけではない」と述べると、議場からはこんな声が上がりました。
　予算案賛成は、維新が事実上��第２与党�≠ﾅあることを鮮明に示しました。
　与党から野党になったはずの民主党も、「民主党政権下の『日本再生戦略』で掲げた分野に多くの予算が配分されている。この点は評価する」（奥野総一郎議員）と述べ、反対する足場がないことが露呈。マスコミからは「ブレる軸足」（「東京」１５日付）と指摘されます。
　みんなの党は、「規制緩和」が足りないなどと、悪政をけしかける立場から、提案された法案すべてに反対。維新から「共産党が賛成した法案にも反対する党と連携していいのか」との声が出ている、と報じられています｡
　◇
　日本共産党は、安倍内閣の暴走と対決するとともに、国民の立場にたった打開策を示して論戦。「過去に賃金が上がらなかった事実を認めさせ、『経営者に賃上げを要請する』との言葉を引き出した」（「朝日」９日付）と報じられるなど、政治を動かす力となりました。
　様変わりの国会情勢の中で、各党の姿を見ると―。

デフレ不況・経済対策／共産党・賃上げで打開迫る／首相、財界に��要請�℃ﾀ行
　「減り続けている働く人の所得を増やす方向に転換する。ここにデフレ不況から抜け出す最大のカギがある」（志位和夫委員長）
　日本共産党は、この立場から打開を迫りました。
　「『第１委員会室の男』今こそ」、「『アベノミクス』の急所を突いた」（「朝日」９日付）と報じられた笠井亮議員の質問。麻生太郎副総理が「企業は巨大な内部留保をため込んできた。そのマインドが問題だ」と答弁し、安倍首相は「経営者に賃上げを要請する」と約束。経済の停滞をもたらす巨額の内部留保のため込みを否定できず、首相自ら財界への賃上げ要請に言及するところまで政治を動かしています。
　賃上げ要請後、安倍首相は笠井氏に「今日、笠井議員の要請通り賃上げを要請しましたから」と語りかけてきました。
　民主党は、「日本経済にもっとも必要なのは、民間の成長基盤強化に尽きる」（海江田万里代表）と大企業優先では自民党と変わりありません。「ＴＰＰ（環太平洋連携協定）や規制緩和には歯を食いしばって取り組んでいく」（岸本周平議員）と悪政の断行を求めました。
　みんなの党は「大胆な金融緩和、機動的な財政運営、規制の抜本改革を含む成長戦略。総論はみんなの党も大賛成」（江田憲司議員）と「アベノミクス」を絶賛。維新も「成長戦略こそが、誰も放ったことのない��黄金の矢�≠ｾ」（重徳和彦議員）と応援団と化しています。

憲法・歴史認識／共産党・改憲の動きに反対／危険な暴走あおる維新
　「憲法９６条の改正（改憲の発議要件の緩和）に取り組んでいく」（１月３０日、衆院本会議）。安倍首相は改憲に突き進む姿勢をあらわにしました。
　現行憲法を「守り続けることこそ、日本の真の平和への道」だと真っ向から反対したのは、日本共産党だけでした。
　「慰安婦」問題で軍の関与と強制性を認めた「河野談話」（１９９３年）見直し問題では、志位委員長が「日本が世界とアジアで生きていく足場を失うことになる」と首相を批判。政府自身が強制連行を示す文書がないもとでも、元「慰安婦」の証言は真実であるとして、「河野談話」をまとめたことを示し、��文書がないことをもって事実がなかった�≠ﾆの議論は成り立たないと追及（１月３１日）。安倍氏は、これ以上の発言は「差し控える」と持論を��封印�≠ｹざるをえなくなりました。
　「朝日」（３日付）は、コラム「政治断簡」で「志位委員長VS首相　歴史と政治のはざま」と題してとりあげ、「いつもながらの入念な準備と周到な組み立てで首相に迫った」と報じました。
　一方、民主党の前原誠司氏は、「河野談話」見直しを批判するどころか、安倍氏の「政治信念」だといって「封印」の撤回を求めました。歴史の逆流を許さない共産党の立場が光りました。
　危険な暴走をあおりたてたのは維新です。石原慎太郎代表はじめ各議員が「憲法破棄」や軍事費拡大を要求。中田宏氏は「公明党がいなくても維新がいれば衆院で３分の２ある」と９６条改憲を呼びかけ、危険な「改憲連合」が形作られていることが浮き彫りになりました。

オスプレイ配備問題／共産党・沖縄の怒りを代弁／首相、米国優先変わらず
　全４１市町村代表が上京、抗議するなど沖縄でかつてない運動に発展しているオスプレイ配備問題。しかし、無法な飛行実態をとりあげ、配備撤回を米国に求めるよう迫ったのは、日本共産党の赤嶺政賢議員だけでした。（１３日、衆院予算委）
　赤嶺氏が民家の屋根すれすれの低空飛行や騒音の実態を取り上げた宜野座村城原区では、住民らが公民館や自宅で国会中継を視聴。大嶺自孝区長は「赤嶺さんの質問にはみんな感心していた。一生懸命質問しているのにまともに答えない政府にはあきれた」と感想を話しました。
　赤嶺氏は「県民の意思よりも米軍の運用を優先する姿勢を改めないかぎり、信頼関係は構築できない」と迫りました。
　安倍首相は「よく耳を傾け、信頼関係を構築する」というものの、「配備は大変意味がある」と容認。県民総意に逆らって、米国いいなりに辺野古新基地建設も進める姿勢を鮮明にしました。
( ２０１３年０２月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

体罰のない学校に／県教育長に要請／福井・新婦人

　新日本婦人の会福井県本部は１３日、体罰のない学校づくりや、全国一斉学力テストの中止を林雅則県教育長に要請しました。田島ちゑ子会長ら５人が県庁を訪れ、日本共産党の佐藤正雄県議が同席しました。
　田島氏らは「体罰は、どんな理由であろうと暴力です」として、体罰の禁止の徹底と実態調査を求めました。「子どもの心に寄り添った教育を実施してほしい」とのべ、教員の多忙さの改善を求めました。
　林教育長は体罰については「法律で禁止されていることだから、決してあってはならない」とのべ、研修などを通じた教師への指導や、子どもたちからの聞き取り調査を実施していると答えました。
　林教育長は全国一斉学力テストについては「われわれは意義があると思っている」として中止には応じず、田島氏らは競争をあおる問題点を指摘しました。
　田島氏らは県議会には、日本軍「慰安婦」問題の早期の法的解決と謝罪、補償を国に求めて意見書を提出するよう請願しました。
(２０１３年０２月１５日，「赤旗」)

「建国記念の日」不承認、集会・パレード／「慰安婦」テーマに学ぶ／埼玉

　さいたま市の埼玉教育会館で１１日、「建国記念の日」不承認の県民集会が開かれました。会場いっぱいの約２００人が参加しました。
　集会は日本軍「慰安婦」問題をテーマに学習しました。
　埼玉歴史教育者協議会の小堀俊夫氏が基調報告しました。現在中学校の歴史教科書から「慰安婦」の記述が消されたもとで、授業で「慰安婦」問題を生徒と学んだ経験を語り、「教科書に載せないのは私たちに事実を隠すためだ」など問題を受け止めた生徒たちの感想を紹介しました。
　元参院議員の吉川春子氏が記念講演。国際社会では第２次世界大戦後、「女性に対する暴力は女性の人権を侵す」との人権思想が発展してきたと強調しました。日本政府は侵略戦争に無反省の態度を取り続け、アジアで孤立してきたと指摘。「国民が歴史と向き合って『慰安婦』問題などの事実をきちんと知ることで日本の未来は開ける」と語りました。
　集会参加者は「日本を再び戦争をする国にさせないために憲法を守ろう」と呼びかけるアピールを採択し、集会後、ＪＲ浦和駅までパレードしました。
(２０１３年０２月１５日，「赤旗」)

「慰安婦」問題／府議会は意見書可決を／「会」が女性議員と懇談／京都

　米国ニューヨーク州議会で日本軍「慰安婦」問題についての決議が可決（１月２９日）されるなど、国際的に解決を求める声が高まるなか、「京都府議会で『慰安婦』意見書を求める会」は７日、京都市下京区で、「慰安婦」問題の意見書を可決した府内の６市の女性議員らと懇談会を開きました。同会は２０１０年４月に発足し、府議会に「慰安婦」問題の解決を政府に求める意見書可決を実現させようと活動しています。
　府議会は１０年１２月に、日本共産党、公明党がそれぞれ日本軍「慰安婦」に関する意見書を提出しましたが、自民、民主などの反対で否決しています。府内の自治体で意見書を可決しているのは、京田辺市、長岡京市、向日市、八幡市、木津川市、宇治市です。
　懇談会には、日本共産党の山内佳子府議、意見書を可決した自治体の日本共産党市議、民主党と公明党の府議らが参加しました。
　実態を告発する映画上映のあと、会事務局の山下明子さん（アムネスティ・インターナショナル日本『慰安婦』問題チームコーディネーター）が「犠牲者は高齢であり、私の知っている人もどんどん亡くなっている。一刻も早く解決しなければならない」と訴えました。
　参加者から運動を広げるための意見や発言が相次ぎました。
(２０１３年０２月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

つくられた「建国の聖地」／奈良・橿原神宮の歴史学ぶ／青年ら野外研修

　「建国の聖地」とされる奈良県橿原市の橿原神宮と神武天皇陵をめぐるフィールドワークが「建国記念の日」とされる１１日、同市で行われ、青年１５人を含む５１人が参加しました。
　これは、県内で開催中の日本平和委員会青年研修会オプショナルツアーとして企画され、奈良県と橿原、大和高田両市の各平和委員会、「こどもと教科書」橿原ネット２１の合同企画としておこなわれたものです。
　橿原ネット２１事務局長で、同市平和委員会副会長の樽井幸一郎さんが案内役を務め、橿原神宮のなりたちや施設が拡張されていった経緯、同地にあった住居の強制移転などを図表を使って解説しました。
　樽井さんは「橿原神宮も神武天皇陵も今のような形に拡張されたのは１９４０年、戦争遂行のための『紀元２６００年』記念事業のためでした」とのべ、その前には人々が暮らしている部落や周辺地域の強制移転まで強行した歴史を説明。「安倍晋三首相はじめ右翼勢力は、歴史的事実である『慰安婦』を否定し、うその歴史、紀元節＝『建国記念日』を国民に強制しようとしている。真実を知らせないと、また歴史を誤ることになる」と語りました。
　全国各地から参加していた青年からは「初詣の場所で古代から由緒正しい神社なのかと思っていた」「とても分かりやすい話で悲しい歴史を、見て聞いて感じて学ぶことができた。神話ではなく真実を広げていきたい」などの感想が寄せられました。
(２０１３年０２月１４日，「赤旗」)

全国革新懇ニュース２月号／愛国心もつならば／作家赤川次郎さん

　「全国革新懇ニュース」２月号に作家の赤川次郎さんが登場しています。
　原発推進政策を進める安倍自公政権について、「本当に愛国心をもっているならば、原発なんか日本に置いておけない」と厳しく批判。憲法９条改悪の動きに対しても｢あきらめないことです｡戦争はいやだという人はたくさんいます」と語り、国民的反対運動の大切さを指摘しています。
　このほか、原発や雇用問題などにとりくみつつ若い世代を広く結集し、市議会議員も誕生した佐賀青年革新懇の活動を詳述。「従軍慰安婦」問題を問う女性史研究家・山崎朋子さんの随想も好評です。
　購読料は年間１８００円（送料込み・１部から自宅に郵送）。連絡先は全国革新懇　〒１６０―０００４　新宿区四谷３の８　三橋ビル５Ｆ　電話０３（３３５７）５５１５、ファクス０３（５３６３）８９６５。
( ２０１３年０２月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

右傾化の動きに対抗／各地で２・１１集会／京都／兵庫／和歌山

草の根運動大きく／京都
　「建国記念の日」の１１日、紀元節の復活を企図した祝日は認められないと、「第４６回京都府民のつどい」（同実行委員会主催）が京都市内で行われ、会場あふれる１８０人が参加しました。
　実行委員会から、現在の日本の現状と課題が報告されました。「慰安婦」問題で安倍内閣に国際的な警戒心が強まり、尖閣諸島問題が日中の対立を深刻化させている背景に、戦後、日本政府が戦争責任を曖昧にしてきた問題があるとし、歴史問題、天皇制タブーを打ち破るために国民の立場での議論を深めようと提案しました。
　東アジア近代史学会の井口和起会長が講演し、日本の軍国主義形成と国境・領土問題との関係や与謝野晶子の天皇観、愛国心などの考察をまじえて、「右傾化」する日本社会の弱点とそれを乗り越える展望を語りました。民族主義をあおり、軍事大国化の動きに対抗するには、地道な草の根の運動を大きく広げ続けるしかないと話し、「一番の危険は、あきらめと黙認と怠惰だ」と強調しました。
　参加者からは、教科書検定の問題や「慰安婦」問題で政府に誠実な対応を求める意見書の運動などが報告されたほか、「多数派をつくる上で、原発をなくす運動から経験が学べると思う」「体罰と教育の問題も軍国主義形成と関係している」などの意見が出されました。

９６条改憲に警鐘／兵庫
　改憲の流れが強まるなか「２・１１『建国記念の日』不承認兵庫県民集会」が１１日、神戸市三宮の勤労会館で開かれ、神戸学院大学の上脇博之教授が「衆院総選挙の批判的分析とこれからの改憲問題」と題して講演しました。
　上脇氏は「小選挙区制の問題と憲法改悪はセットです」とのべ、小選挙区制は国民の意思とは正反対の結果をもたらすと強調。昨年の総選挙で原発、消費税問題と同じく憲法でも世論とは異なり、自民、維新の改憲勢力が３分の２を占めたことを指摘しました。
　集団的自衛権行使に向けた「立法改憲」の危険性とともに、９６条改定を先行させる明文改憲について「ハードルを下げると何度でも改憲できるようになる」と警鐘を鳴らしました。改憲阻止へ「身近なところから訴えよう。私のレジュメをその材料にしてください」と語りました。
　明石市立中学校教諭の岩本賢治さんが「総選挙中学生模擬投票」などのとりくみを報告し、政治や社会に目を向けるようになった生徒の姿を紹介しました。
　６０人が参加し、「日本国憲法の諸原則がいかされる社会の実現に向けたとりくみを」とするアピールを採択しました。

戦争の実態報告／和歌山
　「平和・人権・民主主義２・１１和歌山市集会」が１１日、和歌山市で開かれました。
　講演したフリージャーナリストの西谷文和さんは、アフガニスタンやイラクで取材した戦争の実態を映像で報告。
　使われ続ける劣化ウラン弾により内部被ばくし、子どもたちに大きな影響が出ていることを告発するとともに、「劣化ウラン弾は原発のためのウラン濃縮の搾りかすからつくられる。しかしこのことは電力会社から広告をもらっているテレビでは報道されない」と批判しました。
　また戦争を起こすときテレビが情報操作の道具に使われ、原発推進の道具に使われていることを指摘。「同じことが維新の会の橋下市長についても言える」とのべ、テレビによるイメージづくりと、その実態を告発しました。
　西谷さんは、内戦の続くシリアでジャーナリストの山本美香氏が殺された約２週間後にシリア入りして撮影した映像を紹介。「毎日１００人が殺されている。今日も。この戦争を一日も早く止めなければいけない」と訴えるとともに、平和のための世論をつくろうとよびかけました。
(２０１３年０２月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

改憲のたくらみ阻もう／２・１１各地集い／愛知／富山／福井

愛知／４７回目、３００人参加
　「建国記念の日」不承認２・１１愛知県民のつどいが１１日、名古屋市東区で開かれました。教育関係者や歴史学者、ジャーナリストらでつくる実行委員会が主催し、会場いっぱいの３００人が参加しました。つどいは「建国記念の日」が制定された翌年の１９６７年から毎年２月１１日に開催され、今回で４７回目です。
　愛知県高等学校教職員組合の笹山茂晃委員長が開会あいさつし、安倍内閣の改憲の動きを厳しく批判し、「戦争による加害と被害を繰り返さないため、日本を『戦争できる国』にする改憲を阻止するため運動を広げよう」と呼びかけました。
　九条の会事務局長の小森陽一東京大学教授が「この『くに』はどこへ行こうとしているのか、そしてわたしたちの希望は」と題して講演。小森氏は、総選挙結果について「民意」をゆがめる小選挙区制度の帰結と述べ、湾岸戦争以来、憲法９条が自衛隊の海外での武力行使の歯止めになってきたことなど、１９９０年代の歴史的経過を報告。安倍内閣について、歴史否認と憲法改悪を同時に進める極右政権と指摘し、「全国で無数にできた９条の会や反貧困運動との連帯で第１次安倍内閣を崩壊させ、政権交代につなげた。草の根の運動を広げ、多数派の世論を形成し、改憲勢力のたくらみを阻止しよう」と訴えました。
　名古屋市の川上雪絵さん（６２）は「総選挙の結果、改憲政党が議席を増やし、改憲に一気に進むのではないかと心配だった。講演を聞いて元気をもらった。地域の９条の会で憲法学習会などに取り組む」と話しました。

富山／��自虐史観�≠�問う
　「平和と民主主義を守る２・１１富山県民集会」（同実行委員会主催）が１１日、富山市内で開かれ、会場いっぱいの９０人が参加しました。
　主催者を代表して、県歴史教育者協議会の松浦晴芳氏が基調報告しました。
　「なぜ、戦争に反対すると��自虐史観�≠ﾆ攻撃されるのか―安倍ネオ・ファシズム政権が目指す改憲日本」と題して講演した敬和学園大学人文学部教授の藤野豊氏は、日本軍「慰安婦」問題で安倍晋三首相や新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが、「慰安婦」の強制を示す資料が存在していても��資料がない�≠ﾆしてかたくなに強制を認めなかったことを批判しました。
　藤野氏はまた、安倍氏らが、「慰安婦」や日本の侵略戦争を批判することを��自虐史観�≠ﾆ攻撃するのは、日本を再び戦争する国にするため戦争は正義だという流れをつくらないといけないと考えているからだと指摘。改憲の危険が強まる情勢の下、沖縄県民の米軍基地反対のたたかいのように、思想信条の違いを超えて憲法９条を守る点で共同したとりくみをすすめようと呼びかけました。
　参加者からは、「今日聞いた話をまわりに語り伝えていくことが大切だと思う」などの意見が出されていました。

福井／沖縄・若者連帯を
　「建国記念の日」に反対する福井県集会が１１日、福井市内で開かれ、１００人余が参加しました。
　自由法曹団福井県支部事務局長の吉川健司弁護士が「憲法の危機にどう立ち向かうか」と題して講演を行いました。
　吉川氏は、昨年末の総選挙により改憲派議員が衆議院では７割を超えた問題で、マスコミの世論調査結果も引き、自民党の政策への支持ではなく、民主党政権への失望の表れだと強調しました。
　現在の改憲の動きの様相としては、武器輸出三原則の緩和、宇宙利用の軍事化や、改正発議要件を規定した憲法９６条にしぼった明文改憲の画策などを列挙。国会提出がたくらまれている国家安全保障法案についても「憲法が禁止している集団的自衛権を法律で変えて認めてしまうものだ」と告発し、秘密保全法も「秘密探知行為」などを処罰の対象にし、原発関連情報も秘匿（ひとく）されると指摘しました。
　自民党が昨年発表した改憲案で「戦争の放棄」を投げ捨て、国防軍や国旗・国歌尊重義務などを規定した問題点も指摘しました。
　吉川氏は、オスプレイ配備に対する沖縄県のたたかいや、若者も巻き込む９条の会の運動強化と連帯の重要さを訴えました。
　参加者からは「９条だけでなく、憲法がいかにすぐれた中身かの宣伝も大事」などの意見が出されました。
(２０１３年０２月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

外交問題解決は対話で／ＴＶ番組で主張／穀田氏

　日本共産党の穀田恵二国対委員長は１０日放映のテレビ朝日系「ＴＶタックル」に出演し、小野寺五典防衛相や各党議員らと議論しました。
　アルジェリアの人質事件で、小野寺氏は在外邦人を守るため情報を得るには「軍と軍の関係が必要だ」と海外に武官（自衛隊員）を置く必要があると発言。穀田氏は、「（相手が）武官だからこちらも武官という話ではない。（相手国が）国家として他国民の安全に責任をもつというのが本来の原則であり、国と国の関係が問われる問題だ｣とのべました｡
　尖閣諸島をめぐり、穀田氏は「日本の領有権ははっきりしている。それを外交の中でどうしてきたかが問われている」とのべ、「日本の領土だということを国際的にも、中国にたいしても、しっかり分からせることが大事だ」とのべました。
　日本軍「慰安婦」問題で、穀田氏は、１９６５年の日韓基本条約で「請求権の問題は解決済み」とする日本政府の誤りを指摘。「慰安婦」問題は９０年代に新しく政治問題化したものであり、日韓請求権協定３条で「双方の意見の違いがあれば話し合う」と定められており、「しっかり対応していくべきだ」とのべました。
　沖縄の米軍基地問題で、欠陥機オスプレイの配備について、小野寺氏は「ちゃんと注意するようにやっている」と発言。穀田氏は、沖縄県内すべての４１自治体が政府に提出した「建白書」を示しながら、同機の飛行訓練についての「日米合意すら守っていない」と指摘。米軍普天間基地の移設について沖縄県選出の４人の自民党議員全員が「県外移設」の公約をしていたとして、「自民党はこれをどうするのか。（県民の声をきくのは）当たり前のことだ」とのべました。
　千島問題で穀田氏は、ソ連がスターリン時代に領土不拡大の原則に反して不当に領土に編入した経過と、サンフランシスコ条約で千島を放棄した誤りを指摘し、「これらの誤りをただす、そういう原則論に立ちかえった議論をやらなければいけない｣とのべました｡
( ２０１３年０２月１３日，「赤旗」)

「河野談話」／作り話じゃない。意に反し「慰安婦」とされた／元官房副長官石原信雄さんが語る

　「慰安婦」問題での「河野談話」にかかわった石原信雄官房副長官（当時）に聞きました。
　◇
　私は政治的には右でも左でもなく、公務員として竹下内閣から村山内閣の事務に関わってきました。
　宮沢内閣の時に、日本軍の「従軍慰安婦」が日韓の間で問題となりました。
　政府として徹底調査を行いましたが、文書で通達とか指令とか「強制性」を立証する物的証拠は見つからなかった。しかし、「強制された」と訴える被害者がいるので、日本政府が任命した調査官がソウルで、「元慰安婦」の方１６人にお会いして、中立的な環境でヒアリングをしました。
　その内容は、もちろん被害者の人権上、絶対に公表しないことになっていますが､全部､官房長官にも総理にも報告がいっています。その結果は、どう考えても、これは作り話じゃない、本人がその意に反して慰安婦とされたことは間違いないということになりました。
　それを念頭において、あの「河野談話」になったわけです。「河野談話」の表現は官邸のなかでみなで相談して、最終的に決めた「内閣の意思」です。特定の人の意見ではなく、内閣の責任で出した談話だということは間違いありません。
　今回、志位議員が質問し、安倍首相が自分の意見を「差し控える」とのべ、「この問題を政治問題、外交問題化させるべきではない」と答弁されたことはたいへん良かったと思います。私は日韓関係が未来志向で前へと進むことを願うものです。
(２０１３年０２月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

衆参代表質問／自・公与党と民、維新、みんなの��悪政連合�＝^志位氏の「慰安婦」問題追及、内外から注目

　総選挙で与野党が入れ替わった通常国会での各党代表質問。目立ったのは、自民・公明の与党陣営と、民主党、日本維新やみんなの党との��悪政連合�≠ﾌ様相です。
　田中倫夫記者

　自民党関係者が語ります。
　「生活保護はカット、『原発ゼロ』は見直し、消費税増税時の『軽減税率』も先送り…。ここまでやって大丈夫かと思うほどだ」
　自公の暴走を支えるのは、「消費税増税、社会保障削減」の民主党との３党合意、憲法改悪やＴＰＰ推進の日本維新・みんなの党との悪政連合―です。
　代表質問でも―。
　民主党…海江田万里代表は、消費税増税や年金改悪などの社会保障切り捨てをねらう「３党合意」について、「自民党は、与党になったとたん、消極姿勢が目立っている」と、批判。「日米同盟は今後も深化させていく必要がある」「（衆院）定数削減は必ず実現しなくてはならない」とあおります。
　日本維新の会…平沼赳夫国会議員団代表は、「憲法は改めないといけない」「石原代表は廃憲論をのべている。改正ではなく、新しく制定すべきだ」と主張。さらに、「思い切って防衛費を大幅に上げる決断を」と軍拡を求めました。「議員定数は３割から５割を削減を」とも主張。「維新」どころか「復古」の党です。
　みんなの党…渡辺喜美代表は、「２月の日米会談で、ＴＰＰ交渉参加を表明しては」と要求。「リーダーシップを発揮して、抵抗をはねのけよ」とけしかけました。

「与党化」競う姿、マスコミも批判
　まるで、「与党化」の競い合いです。
　マスコミでも「野党として情けない」「政権に足元を見られてしまう」「自民党との保守連携をにらんでいる、と勘ぐられても仕方あるまい」（「朝日」１月３１日付社説）と指摘されました。
　こうしたなかで、注目されたのが、デフレ不況問題や「慰安婦」問題など国政の焦点全体で、政治転換をせまった日本共産党の質問です。
　とくに、志位氏の「慰安婦」問題の追及は、日本の各紙だけでなく、東亜日報、朝鮮日報、ロイター通信など外国の報道機関からも注目されました。
　「朝日」３日付編集委員コラム「政治断簡」は、志位質問について、「いつもながらの入念な準備と周到な組み立てで首相に迫った」と評価。「従軍慰安婦の『筆舌に尽くしがたい、つらい思い』に触れる（安倍首相の）答弁を引き出した」と伝えました。
　質問を視聴して日本共産党本部に２日、電話した「元自民党員」の男性は、「いま、日本の野党で自公政権に対抗できるのは共産党だけだ。総選挙でも投票した。国会でガンガンやってほしい」と話していました。
(２０１３年０２月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

衆参代表質問／志位委員長、市田書記局長質問のポイント

　安倍内閣にたいする初の各党代表質問で、各党の実像がくっきりと見えてきました。日本共産党の志位和夫委員長（衆院、１月３１日）、市田忠義書記局長（参院、２月１日）の代表質問のポイントと各党質問の特徴をみると―。
　北村隆志記者

震災復興
　東日本大震災から間もなく２年なのに、復興は遅れ、被災者の命と暮らしが脅かされています。
　志位氏は、次の３点の抜本的転換を要求しました。

　（１）住宅再建支援金引き上げや中小企業支援の「グループ補助金」拡充、小零細業者への直接助成制度創設など、住宅と生業（なりわい）再建に必要な公的支援をおこなう
　（２）「期限切れ」で打ち切った医療・介護の減免措置を復活する
　（３）原発事故「収束宣言」を撤回し、復興のすべての過程で政府が責任を持つ

　安倍首相は従来政策をくり返し、「収束宣言」撤回を拒否しました。

デフレ不況脱出／中小企業支援
　どうやって深刻なデフレ不況から抜け出すか―国政の大問題です。原因を明らかにせずに対策を立てても「的外れ」になる、と指摘した志位氏。
　賃下げとリストラの繰り返しで、企業利益は増えても働く人の所得が減り続けていることを数字で示し、ここに「最大の原因」があると強調しました。
　「日本をこうした『賃下げ社会』にしたのは誰なのか。その重大責任は自民党政権にある」とズバリ指摘した志位氏。デフレ不況から抜け出すために１面で紹介した「三つの決断」の根拠をくわしく示し、首相にせまりました。

　（１）消費税増税と社会保障削減の中止…消費税１０％でサラリーマン世帯は１カ月分の給料が消える。消費が凍りつき、景気の底が抜け、税収も落ち込む。
　（２）大企業・財界の身勝手な賃下げ、リストラ競争に政治の責任でストップをかける…大企業の内部留保は不況下でも増え続け２６０兆円に。そのごく一部を還元するだけで賃上げは可能。
　（３）人間らしい暮らしを保障するルールを…非正規社員の待遇を改善し、正社員化を進める。中小企業にしっかり手当てしながら最低賃金を時給１０００円以上に引き上げる。独占禁止法の強化などで大企業と中小企業が公正に取引できるルールをつくる―。政府として「賃上げ目標｣こそ持つべきだ｡

　首相はデフレ不況の原因について、「デフレ予想の固定化」をあげました。物価が下がると思うから物価が下がるという観念的な議論です。賃上げについては、まず「企業収益の向上」をあげるだけ。企業収益が上がっても賃金は下がり続けてきた構造を変えることにはまったくふれませんでした。
　参院では、市田氏が、「金融円滑化法」の３月末での打ち切りをやめるよう要求。同法は、金融機関に貸し付け条件の変更など中小企業の要望にこたえる努力義務を課したもの。首相は同法打ち切りを前提にした答弁にとどまりました。

原発問題
　原発再稼働を推進し、新増設も容認する安倍内閣。首相自身が２００６年１２月、巨大地震での原発の安全性を質問した吉井英勝日本共産党議員の質問主意書にたいする答弁書で「安全の確保に万全を期している」と答えていました。
　志位氏は、首相自身が「安全神話」をふりまき、大事故を引き起こしたことへの反省と国民への謝罪を求めました。首相は「安全神話に陥ってしまった」とし、「政府として深く反省しなければならない」と答えましたが、新たな「安全神話」につながる原発安全の「新基準」づくりなど、原発を推進する姿勢を示しました。

ＴＰＰ
　市田氏はＴＰＰ（環太平洋連携協定）について、内閣の姿勢をただしました。
　総選挙公約に「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加には反対する」と掲げた自民党。公明との連立政権合意では「国益にかなう最善の道を求める」と、「反対」の文字が消えました。
　市田氏が「反対の旗は降ろしたのか」と問うたのに対し、安倍首相は「公約で明記した通り」と答えるとともに、「国益にかなう最善の道をすすめる」としました。

沖縄米軍基地問題
　安倍首相は総選挙中は米軍普天間基地問題に具体的な言及を避け、沖縄の４人の自民党公認候補は全員が「県外移設」を公約に掲げて当選しています。
　「選挙が終わったら、手のひらを返して新基地を押し付けるなど、断じて許されない」と追及した志位氏。沖縄県下４１市町村のすべての首長と議会の議長、すべての党派の県議会議員がそろって上京し、オスプレイ配備即時撤回、普天間基地閉鎖・撤去を求めたことを示し、「県民の総意にどうこたえるか」と迫りました。
　首相は普天間基地問題について「現在の日米合意に従って進める」と、新基地建設を押し付ける姿勢を変えず、米軍のオスプレイ配備も「わが国の安全保障に大変大きな意味がある」と、正当化しました。

集団的自衛権
　日本政府自身がこれまで憲法９条違反としてきた集団的自衛権の行使。
　安倍首相はテレビのインタビューで「（最初の日米首脳会談で）オバマ大統領と議論したい」と表明しました。（１月１３日、ＮＨＫ）
　市田氏は「日本の最高法規・憲法にかかわる重大問題を、まずはアメリカ大統領と議論する、一体どこの国の首相か」と厳しく批判しました。
　首相は、「新たな安全保障環境にふさわしい対応をあらためて検討していく」と述べ、集団的自衛権行使を可能にする意向をにじませました。

日本軍「慰安婦」問題
　志位氏は、日本軍「慰安婦」問題をとりあげ、安倍首相が、軍の関与と強制を認めた「河野談話」（河野洋平官房長官名で１９９３年に出された談話）の見直しを主張していることが「大きな国際問題になっている」と批判しました。
　一部では、強制性を立証する文書がないことをもって、強制はなかったとする主張があります。
　それに対して志位氏は、「河野談話」の作成に直接携わった当時の石原信雄官房副長官の証言を紹介しました。
　石原氏は「強制性を立証する物的証拠は見つけられなかった」が、「慰安婦」１６人のヒアリングの結果、「その意に反して慰安婦とされたことは間違いない」と判断して、「河野談話」としたことを語っています。
　志位氏は、「河野談話」がそもそも文書の見つからないことを前提に、元「慰安婦」たちの証言の真実性を認めて出されたと強調。「『強制性を立証する文書がないから強制の事実はなかった』などという議論を肯定する余地はまったくない」と指摘しました。
　さらに志位氏は日本の侵略戦争の事実をねじ曲げて美化すれば、「日本が世界とアジアで生きて行く政治的・道義的立場を失うことになる」と厳しく警告しました。
　首相は、志位氏の事実にもとづく追及に反論できず､｢この問題を政治問題、外交問題化させるべきではない」「総理である私からこれ以上申し上げることは差し控える」と持論を封印しました。
(２０１３年０２月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

深刻デフレ不況／政府は三つの決断を

　安倍内閣発足後初めての代表質問（１月３０日〜２月１日）。日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長が衆参両院で質問に立ち、国政の焦点となっている問題で危機を打開する、政治の根本的転換を求めました。

　このなかで、深刻なデフレ不況からどう抜け出すか―と提起した志位氏。原因の分析もできない安倍首相にたいし、「働く人の所得が減り続けてきたことが最大の原因だ」と指摘したうえで、安倍首相に「デフレ不況から抜け出す三つの決断」（別項）をせまりました。
　「なめられるぞ、野党」（「朝日」社説）と酷評された民主党、日本維新などの代表質問。そのなかで、デフレ不況問題や日本軍「慰安婦」問題をはじめ、国内外で注目された日本共産党の論戦を４・５面でくわしく紹介します。

４・５面で特集

三つの決断

（１）消費税増税や社会保障削減―国民の所得を奪うあらゆる政策を中止せよ。
（２）大企業・財界の身勝手な賃下げ・リストラに、政治の責任でストップを。
（３）人間らしい暮らしを保障するルールを―政府として「賃上げ目標」こそ持つべきだ。
(２０１３年０２月１０日，「赤旗」)

６中総／「慰安婦」問題／日韓請求権協定にもとづく交渉による解決を／志位委員長

　志位氏は６中総報告で、日本軍「慰安婦」問題について「解決のためには、日本政府として植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です」と述べ、日本政府に韓国政府との協議に応じるよう求めました。
　この問題をめぐっては、韓国政府が被害者の賠償請求権問題に関して、日韓請求権協定（１９６５年）にもとづく両国政府間の協議を繰り返し求めていますが、日本政府は「請求権問題は解決済み」として、協議に応じる姿勢を示していません。
　このなかで志位氏は、「慰安婦」問題が被害者の告発で明らかとなり、政治問題化したのは１９９０年以降であり、「解決済み」との日本側の主張は成り立たないと指摘。協定第３条１項が協定の解釈および実施に関する両国間の紛争がある場合には、「まず外交上の経路を通じて解決するものとする」としていることにふれたうえで、「規定にしたがい、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきです。被害者の方がたは高齢となっており、この問題の公正な解決には一刻の猶予もなりません」と強調しました。
( ２０１３年０２月１０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／５／ホロコーストと重ね合わせ／学生「語り部」が活躍

　２０１１年１２月１３日、米ニューヨーク州クイーンズ郡で一つの催しが開かれました。「慰安婦」問題で被害者らが韓国・ソウルの日本大使館前で続けてきた「水曜デモ」が１０００回目を迎えることの記念集会でした。

「証言に説得力」
　元「慰安婦」の李容洙（イ・ヨンス）さんと李玉善（イ・オクスン）さんが韓国から招かれ、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺（ホロコースト）を生き延びた２人の女性とともに自らの体験を語りました。
　「この時の証言には説得力がありました」と振り返るのは、集会を主催したクイーンズボロー・コミュニティー・カレッジの「カプファーバーグ・ホロコースト資料センター」事務局長、アーサー・フルーグ博士です。
　博士は同センターの事業としてホロコーストを生き延びた人たちの証言記録に取り組んできました。集会の成功を受けて一つのアイデアを思い付きます。
　「学生が『慰安婦』問題について知り、自分たち自身の��責務�≠�認識した上で、高齢の元『慰安婦』に代わる『語り部』となってもらおうと思いました」
　１２年秋の学期から、同カレッジに通う１万６０００人の学生に呼び掛け、９人が「アジア社会正義プログラム」のインターン（研修生）に。韓国・ソウルで元「慰安婦」の女性たちが住む「ナヌムの家」とインターネットを通じたビデオ中継で、その証言の聞き取りを始めました。

教訓を生かして
　今年１月にはその成果を発表。今学期はまだ呼び掛けてもいないのに、すでにインターンを申し込む学生がいるといいます。
　「私たちがホロコーストを教える場合、『ドイツを憎め』とは決して言わない。『慰安婦』の場合も同じ」と博士は言います。「実際に起きたことを知り、そこから得た教訓を生かして、前に進む―それが私たちのやり方です」
　ホロコーストをめぐっては、いまだにその事実を認めない人々がいます。「そういった人々が私に『議論しよう』と言ってきます。でも私は事実を議論しない。事実は事実です。議論の余地はありません」（フルーグ博士）
　あと数年で自分たちはいなくなる。自分たちのことも、自分たちの身に起こったことも忘れ去られてしまう―米国の学生たちの活動は、そうした元「慰安婦」の人たちの懸念にこたえるものです。（おわり）
　（ワシントン＝山崎伸治）
( ２０１３年０２月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／４／記念碑の決断／韓国を訪問して確信

　「『慰安婦』の記念碑を設置することは、まったく困難な決断ではありませんでした。それは正しいことですから」

郡裁判所の前に
　このように語るのは米東部ニュージャージー州バーゲン郡のキャスリーン・ドノバン知事（共和党）。２０１１年１月に就任し、昨年１０月、郡裁判所の前に「慰安婦」記念碑を設置することを決めました。そこは２年前には設置が見送られた場所です。
　「記念碑設置を支持するのは、いくつか理由があります。第１に､『慰安婦』を記憶し、敬意を表するためです。第２に、私たちはそれをけっして忘れてはならないし、世界がこれを繰り返してはならないからです」
　「そして第３に『慰安婦』に起きたことが、残念なことに今も人身売買として起きているからです」
　ドノバン知事は昨年１０月、姉妹都市である韓国・唐津市を初めて訪れました。そしてソウル郊外の「ナヌムの家」も訪問。元「慰安婦」の方々にも会いました。
　「非常に心を動かされる一日となりました。生存されている人はあまり多くなく、いずれも高齢です」
　「記念碑を建ててもよいか、みなさんのことを話してもよいか尋ねました。みなさん、『はい、世界に知らせてください』とおっしゃいました。それを聞いて改めてこれは正しいことなのだと確信しました」
　「慰安婦」の記念碑をめぐって、すでにさまざまな議論が繰り広げられる中での決断でした。しかし…。
　「これはけっして日本という国、日本の人たちに敵対するためのものではありません。『慰安婦』のこと、その苦痛を忘れないためのものです」
　「碑文の言葉も慎重に選びました。たとえば『旧日本帝国陸軍』と『日本政府』とは、はっきり区別しています」

繰り返さないで
　在ニューヨーク日本領事館の関係者とも会って話をしましたが、「私は日本政府に対して、こうすべきだというようなことは口にしません」
　それでも「将来に繰り返さないためにも、過去を忘れてはならない」、ドノバン知事は何度もそのように強調しました。
　バーゲン郡の「慰安婦」記念碑はすでに台座の設置が終了。額がすえ付けられるのは間もなくとのことです。
　（つづく）
　（ワシントン＝山崎伸治）
( ２０１３年０２月１０日，「赤旗」)

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／３／撤去求める自民議員／新たな記念碑設置も

　米国で最初の「慰安婦」記念碑を設置した東部ニュージャージー州パリセーズパークを、２０１２年５月１日、在ニューヨーク日本領事館の廣木重之総領事が訪ね、ジェームズ・ロトゥンド市長らに会いました。

��見返り�≠�拒否
　現地の韓国系米国人関係者やその時の地元紙の報道によると、席上、廣木総領事は町に桜の木や図書館の蔵書の寄贈などを持ちかけました。ところが、それは「慰安婦」記念碑の「額」を取り外すことのいわば��見返り�＝B市長は即座に拒否しました。
　その直後の６日には、自民党の古屋圭司衆院議員、山谷えり子参院議員ら「自民党領土に関する特命委員会」の４人の議員が市長や同市の議員らに会い、記念碑の撤去を要求しました。
　ロトゥンド市長がその後、会見で語ったところによると、３時間に及ぶ懇談の中で古屋議員らは、「慰安婦」の数として記念碑に書かれた「２０万人以上」という数字が間違っていると主張。「慰安婦」は自ら進んで「兵士に奉仕した」などと述べたといいます。
　「日本政府の記念碑への対応は残念です｣と｢韓国系米国人市民エンパワーメント」（ＫＡＣＥ）のチェジン・パクさんは振り返って言います。
　バーゲン郡の裁判所前には現在、�@米国の「奴隷制」�A１９１５〜２３年のオスマン・トルコによる「アルメニア人虐殺」�B１８４５〜４９年にアイルランドで起きた「ジャガイモ飢饉（ききん）」�Cナチス・ドイツによるホロコースト（ユダヤ人大虐殺）―の犠牲者にささげた記念碑が建てられています。
　しかしいずれも��加害者�≠ﾆされる国の政府から撤去を求められたことはありません。「アルメニア人虐殺」にいたっては、トルコ政府が公式には認めていない事件です。
　そしてニューヨーク州に記念碑が設置されるのは、この時の日本政府・自民党議員の撤去要求がきっかけでした。「韓国系米国人公共問題委員会」（ＫＡＰＡＣ）会長のデービッド・チョルウ・リーさんが言います。

「このままでは」
　「このままではいけないと思い、二つ目の記念碑をつくろうと呼び掛けたんです。２週間で実現しましたよ」
　そして今、バーゲン郡で新たな「慰安婦」記念碑設置が進んでいます。
　（つづく）
　（ワシントン＝山崎伸治）
( ２０１３年０２月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

日本軍「慰安婦」、人間性に反する／広島市で宣伝

　日本軍｢慰安婦｣問題解決･ひろしまネットワークは６日､広島市中区で宣伝しました｡韓国の被害者ハルモニらが日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯し､毎月第１水曜日に宣伝しているもので､｢米ニューヨーク州上院が『日本軍慰安婦は犯罪』決議案を満場一致で採択｣と書いたビラを配りました｡
　土井桂子共同代表はハンドマイクで｢採択された決議案は２０万人の女性が『慰安婦』として強制動員されたという事実を確認し､人間性に反する犯罪行為を想起させる象徴物になったと明らかにしています｣と解説しました｡
(２０１３年０２月０８日，「赤旗」)

衆院予算委各党質疑から／「見直し」首相自身で／河野談話で前原氏

　民主党の前原誠司元政調会長は７日の衆院予算委員会で、戦時中の「慰安婦」の旧日本軍の関与と強制を認めた「河野官房長官談話」（１９９３年）見直しについて、「安倍総理が自ら政治信念としてやってきた問題だ。ご自身がこたえられるのが当然だ」と述べ、見直しを官房長官ではなく安倍晋三首相自身が行うべきだとただし、��見直し�§_をむし返しました。
　安倍首相は、衆院本会議代表質問（１月３１日）で日本共産党の志位和夫委員長から「文書がないから強制がないという議論は成り立たない」と追及された答弁のなかで、「政治・外交問題化させるべきでない。総理である私から申し上げることは差し控える」と、官房長官が対応する考えを示していました。
　この日の答弁で安倍首相は「いたずらに外交・政治問題にするべきではない」と改めて表明。これに対し、前原氏は、第１次安倍内閣が閣議決定した答弁書（２００７年）で「強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」としていることに言及し、首相による見直しを重ねて求めました。
　首相は「人さらいのように『慰安婦』にしたということを示すものはなかったことを（答弁書で）明らかにした」と指摘。「談話というかたちがいいかどうかも含めて、（河野談話と答弁書を）どう考えていくか、有識者にまずは話を聞いていく」とのべました。
( ２０１３年０２月０８日，「赤旗」)

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／２／最初の記念碑・ニュージャージー州／正しい道歩んでほしい

　米ニュージャージー州バーゲン郡は、ハドソン川をはさんでニューヨーク・マンハッタン島の対岸にあります。同郡の南に位置するパリセーズパーク市、人口約２万人の半数が韓国系というこの市に、米国で最初の「慰安婦」記念碑が設置されています。

忘れられぬよう
　２００９年４月のこと、韓国人のチェジン・パクさん（４１）は考えあぐねていました。米連邦下院が、「慰安婦」に対し日本政府が公式な謝罪を行うよう求める決議を採択したにもかかわらず、日本政府は２年近くたっても何もしていない―。
　パクさんは、ニューヨーク、ニュージャージーに住む韓国系米国人・韓国人の支援組織「韓国系米国人市民エンパワーメント｣(ＫＡＣＥ)のスタッフの一人。ＫＡＣＥは下院決議の実現に大きな役割を果たしました。
　「何かいい考えはないか」とバーゲン郡の郡庁所在地ハッケンサックの裁判所前を通りかかったパクさんは、入り口の広場でアフリカ系の人たちの一団を目にします。
　「何をしているのかと見たら、『奴隷制』犠牲者の記念碑の前で集会を開いていたんです。これだ、と思いました」
　「慰安婦」の方々は亡くなってしまえば忘れ去られてしまうけれども、記念碑があれば忘れられることはない―「慰安婦」記念碑設立を求める署名運動を始めました。

「大好きだから」
　設置に必要な費用６０００�jも寄付で集めました。２０００人の賛同署名が寄せられ、デニス・マクナーニー郡知事（民主党、当時）も支持して設置は認められたものの、すでに四つの記念碑がある裁判所前への設置は却下されます。
　その時、代わりに受け入れを表明したのがパリセーズパークのジェームズ・ロトゥンド市長（民主党）でした。０９年８月に市議会が決議を採択。翌年１０月、町の図書館の一角に米国で最初の｢慰安婦｣記念碑が建てられました。
　パクさんは言います。
　「私たちは日本政府に『慰安婦』の人たちのことを認めてもらいたいだけです」「私は日本が大好きです。だから日本には正しい道を歩んでほしいと思っています」
　ところが、パリセーズパークの記念碑をめぐって、昨年５月、驚くべき��事件�≠ｪ巻き起こりました。
　（つづく）
　（ワシントン＝山崎伸治）
( ２０１３年０２月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

おはようニュース問答／ＮＹ州議会が「慰安婦」決議あげたね

　のぼる　旧日本軍の「慰安婦」問題に対する日本政府の態度が改めて問われているね。
　ふゆみ　米ニューヨーク州議会上院は１月２９日、「慰安婦」問題を記憶にとどめる決議を全会一致で採択したわ。州内に「慰安婦」の苦痛を象徴する記念碑が設置されたことを受けてのものよ。

被害者は２０万人
　のぼる　決議案を提出したアベラ議員は、「慰安婦」制度を「２０世紀最大の人身売買事件の一つ」だと非難した。
　ふゆみ　同感ね。１９３０年代から太平洋戦争を通じて、被害者の数は数万人から２０万人にのぼるといわれているわ。
　のぼる　アベラ議員は記者会見で、日本政府が被害者に対して公式に謝罪することを求めていたけど、そもそも現在に至るまで謝罪が行われていないことが問題だ。
　ふゆみ　原因は、歴史的事実と向き合おうとしない安倍晋三首相や橋下徹大阪市長など一部の政治家の姿勢にあるわ。
　のぼる　彼らは当時の日本政府が被害者に対して「慰安婦」になることを強制したか否かに論点を集中。強制を示す文書がなかったことを理由に「慰安婦」という痛ましい事実までなかったかのように振る舞っている。
　ふゆみ　文書が残っていなくても証言者が大勢いるわ。だから１９９３年当時の河野洋平官房長官も談話の中で、証言を基に「（慰安婦は）本人の意思に反して集められた」と認めたのよ。

談話見直し封印
　のぼる　日本共産党の志位和夫委員長は１月３１日の代表質問の中、安倍首相に対し、「河野談話」を継承するという立場をとる限り、��文書がないから事実もない�≠ﾆいう議論を「肯定する余地は全くない」と迫った。
　ふゆみ　安倍首相は「慰安婦問題についても、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛みます」と答弁した。「慰安婦」への思いは「歴代の総理大臣と変わらない」とも述べ、「河野談話」見直しを封印した形になった。
　のぼる　事実に背を向ければ、待っているのは国際的な孤立だ。
　ふゆみ　当時の日本が侵略戦争を進め、「慰安婦」という悲劇を生んだ事実を認めることこそ、国際社会の一員として果たすべき責任ね。
( ２０１３年０２月０７日，「赤旗」)

「慰安婦」の悲劇忘れない／米国での取りくみ／１／ニューヨーク州議会の決議／「きっぱり認め前進を」

　この悲劇を決して忘れないでほしい―旧日本軍による「慰安婦」問題をめぐり、米国でこうした声が上がっています。１月２９日、東部ニューヨーク州議会の上院は「慰安婦」を記憶にとどめるとした決議を採択。記念碑の設置も相次いでいます。ニューヨーク、ニュージャージー両州でこの問題をめぐる関係者の思いを聞きました。
　（ワシントン＝山崎伸治　写真も)

　「本議会はその審議に際し、世界中に『慰安婦』として知られるようになった人々に敬意を表したニューヨーク州の記念碑を記念するよう決議する」
　ニューヨーク州議会上院が発声による採決で全会一致、採択した決議の一節です。ここでいう「ニューヨーク州の記念碑」は、昨年６月に同州ナッソー郡ウェストベリーにあるアイゼンハワー公園の退役軍人記念広場に設置されました。

「象徴的な場所」
　ニューヨーク・マンハッタンから東に電車とバスを乗り継いで約１時間半。ゴルフコースが三つもあるという広大な公園の一角、退役軍人の記念塔を中心に、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺（ホロコースト）の記念碑をはじめ、さまざまな碑が点在する中に「慰安婦」の記念碑はあります。
　「この場所に設置したのは、ここが象徴的な場所だと思ったからですよ」
　こう語るのは、民間組織「韓国系米国人公共問題委員会」（ＫＡＰＡＣ）会長のデービッド・チョルウ・リーさん（５８）。この記念碑の設置を呼び掛けた一人です。決議の採決にも招待され、議場で紹介されました。
　その記念碑にはこう刻まれています。
　「『慰安婦』として世界に知られた、１９３０年代から４５年まで大日本帝国政府の軍隊によって性的奴隷とされるため拉致された２０万人以上の女性と少女を記念して。彼女らが人道に対する憎むべき罪の犠牲となったことは、知られないままであってはならない。彼女らが受けた人間の尊厳の重大な侵害を忘れてはならない」

謝罪なしに衝撃
　米国民の間で「慰安婦」のことがそれほど知られているわけではありません。でも、「『慰安婦』のことを知った人たちは一様に『どうしてこんなことが起きたんだ』と驚きます」（リーさん）
　州議会に決議案を提出したトニー・アベラ議員（民主党）もそうした一人でした。
　「『慰安婦』にはショックを受けました。そして日本政府が公式な謝罪を行っていないということにも、ショックを受けました」
　決議が採択された後の記者会見でこう振り返ったアベラ議員は、「私たちは過去の過ちを認め、それが将来二度と起きないようにしなければならないのです｣と強調します｡
　州議会の決議は外交問題に触れることはできません。そのため今回の決議も当初の案にはあった日本政府への言及がなくなっています。しかしアベラ議員は静かに言いました。
　「私は日本政府に求めたい。きっぱりと過去に起きたことを認めて、そして前に進もうではありませんか」
　（つづく)
( ２０１３年０２月０７日，「赤旗」) （Page/Top）

札幌市南区で新春のつどい

　日本共産党の札幌豊平・清田・南地区委員会と党南区後援会は３日、札幌市南区で「新春のつどい」を開きました。
　紙智子参院議員からメッセージが寄せられ、昨年の衆院選を候補としてたたかった野呂田博之氏があいさつをしました。
　森つねと参院北海道選挙区候補は、「しんぶん赤旗」の記事を紹介しながら「日本軍『慰安婦』問題で、軍の関与と強制性を認めた��河野談話�≠ﾌ見直しを安倍首相が主張していることは、歴史をねつ造するとんでもないことです」と述べ、「国民の世論と運動が政治を変えます。紙さんと一緒に国会に送ってください」と訴えました。
　舞台では、寸劇、獅子舞や紙参院議員のお面をつけた女性が鬼めがけて「鬼は外、福は内！」と豆をぶつけて鬼退治をしました。
(２０１３年０２月０６日，「赤旗」)

おはようニュース問答／「建国記念の日」って何のため？

　のぼる　１１日は「建国記念の日」だね。
　ふゆみ　なぜ建国記念日ではなく「建国記念の日」なのか知っている？
　のぼる　「の」があるか、ないかで何か違うのかい。
　ふゆみ　多くの国が制定しているように、他国の支配から独立したり、古い体制を倒し、国民主権の政府を作るような明確な根拠のある日が建国記念日なの。それと比べて日本の２月１１日は根拠がほとんどない。だから、「いちおう記念する日」という意味なのよ。

神話上の作り話
　のぼる　神武天皇が天皇になった日じゃないの。
　ふゆみ　『日本書紀』にそう書かれているけど、学問の常識では、神武天皇の存在は、神話上の話なの。『書紀』がいう紀元前６６０年には少なくとも天皇はいなかった。弥生時代の話になるんだから。
　のぼる　なぜそんな日を「建国記念の日」にしたんだい。
　ふゆみ　明治政府が、��神武即位�≠ﾌ日を２月１１日と決め、「紀元節」とよんだのよ。
　のぼる　そうなのか。
　ふゆみ　中国への侵略戦争が��泥沼化�≠ｵていた１９４０年には「神武即位２６００年」だとして全国で祝いの行事が大々的にやられ、国民を戦争に追い込む思想準備になったのよ。
　のぼる　それは知らなかった。

侵略戦争に利用
　ふゆみ　戦後、「紀元節」は廃止されるけど、自民党政府はくりかえし「紀元節」を復活させようとした。歴史家、教育者、宗教家などの反対で、何度か廃案にしたけど、６６年に法案が通されたのよ。
　のぼる　侵略戦争に利用された日を建国記念の日にするのはおかしいね。
　ふゆみ　国が学問研究の成果に逆らい、歴史の偽造をすることは大変危険なことよ。
　のぼる　安倍晋三首相は、旧日本軍「慰安婦」問題でも強制ではなかったかのようにいってきたけど、世界にたいし恥ずかしいことだ。
　ふゆみ　そうね。６７年の第１回から「『建国記念の日』不承認の集会」が１回も欠かさず毎年全国各地で開かれている。今年は４７回目よ。集会に一緒に行きましょう。
( ２０１３年０２月０６日，「赤旗」) （Page/Top）

巨大開発優先転換を／小松議員、知事を追及／千葉県議会

　千葉県議会本会議で１月３１日、日本共産党の小松実県議が代表質問に立ちました。２期目の出馬を表明した森田健作知事を追及し、「大企業・巨大開発優先から、福祉・暮らし支える県政へ転換をめざす」と決意を表明しました。
　小松氏は日本の侵略戦争や「従軍慰安婦」問題を謝罪した「村山談話」「河野談話」への認識をただし、「論評する立場にない」と逃げる森田知事に、「大事な認識で見解を示せないのでは知事の資格が問われる」と厳しく批判しました。
　小松氏は、県民１人あたりの民生費全国４７位、老人福祉費４６位、児童福祉費４７位と全国最低水準の福祉行政を批判。坂本森男副知事は「単純な比較は困難」と弁明し、政府が切り下げを決めた生活保護は「国の決定にもとづき対応する」と容認しました。同副知事は２０１１年度の県内不正受給額は０・６％であり、「（生活保護の不正受給が）まん延しているとは考えていない」と答えました。
　小松氏が、八ツ場ダム、つくばエクスプレス沿線開発、巨大道路建設などの浪費を見直し、福祉の財源確保と中小企業が潤う事業への転換を迫ったのに対し、森田知事は巨大事業を「着実に進める」と強弁しました。
　小松氏は、１５００億円の県費を投入した「かずさアカデミアパーク」や、５０億円の立地補助金を支出して誘致したものの７年で撤退した旧「ＩＰＳ」など、大企業呼び込み型の経済政策の失敗を批判。知事は「企業立地補助金は有効」と反省の姿勢はありませんでした。
　小松氏が、全国８都府県が実施している法人事業税超過課税を実施すれば、毎年１００億円を超す新財源を確保できると検討を求めたのに対し、石渡哲彦副知事は「実現は難しい」と拒否しました。
(２０１３年０２月０５日，「赤旗」)

安倍政権下の「建国記念の日」／歴史の逆流に抗し日本の進路を考えるとき／広川禎秀

　今年は、安倍晋三内閣が憲法「改正」を公言し、「歴史」の塗り替えに執念を燃やし、国民が日本の進路の選択を鋭く問われるなかで、２月１１日を迎える。

紀元節復活に込めた狙いは
　この「建国記念の日」は、戦前の「紀元節」の復活である。明治新政府は、天皇神格化のため、１８７２年、日本書紀にある第１代神武天皇即位の日を２月１１日とし、これを紀元節と呼ぶこととした。紀元前６６０年の神武即位も、２月１１日もまったく架空の話である。しかし紀元節や神武神話は、国民を天皇崇拝、軍国主義と植民地支配に駆り立てるうえで絶大な役割を果たした。日中戦争が「泥沼化」していた１９４０年、この年が「神武即位２６００年」に当たるとして、全国各地で奉祝行事や記念事業が大々的に行われたが、それは国民を太平洋戦争に追いこむ思想的準備となった。植民地朝鮮では、１９４０年２月１１日を期し、朝鮮人を「皇民化」するための「創氏改名」が実行に移されたが、それは逆に朝鮮人の民族的自覚を促すことにもなった。
　戦後、新憲法の理念に反するとして紀元節が廃止されたのは当然であった。しかし、自民党などは早くから紀元節の復活をめざし、６６年、佐藤内閣はこれを「建国記念の日」として復活した。その狙いは、国民が侵略戦争の歴史を反省し、皇室の歴史を客観的にとらえ、民主主義を発展させようとする歴史意識を眠りこませるためであった。歴史研究者、教育者、宗教者から大きな反対の声があがり、世論の高まりに押された政府は、「建国記念日」を「建国をしのぶ日」とすり替え、２月１１日を「建国記念の日」としたのである。いま、自民党改憲案には日本を「天皇を戴く国家」とするなど紀元節復活に込めた狙いがふんだんに盛り込まれている。「建国記念の日」はけっして過去の問題ではない。

憲法いかした平和と和解へ
　安倍内閣は、植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」と日本軍「慰安婦」問題で軍の関与・強制を認めた「河野談話」の見直し、歴史教科書検定基準の「アジア配慮」の修正など、「歴史」の書き換えをめざしている。挑発的でさえある。尖閣、竹島問題で噴出した日中韓の偏狭なナショナリズムをあおるからである。「中国脅威論」などを追い風に、国民の歴史意識をマヒさせ、集団的自衛権容認と９条改憲を実現する政治的狙いがあるとみなければならない。それはアメリカが望むところでもある。
　しかしこの道は、日本国民に取り返しのつかないわざわいをもたらすに違いない。未曽有の犠牲がはらわれて国民が得た「人類普遍の原理」たる日本国憲法を失うからである。
　日本国民にとって、世界史、とくに東アジアの歴史の趨勢を深くとらえ、歴史の選択を誤らないことがとくに重要になっている。アメリカ覇権主義の後退、中国やアセアン諸国の経済成長のなかで、平和的な東アジア共同体の形成は世界史を左右する意味をもっている。諸国民の独立・平和・和解と平和地域創造の流れは歴史の趨勢である。アセアンや沖縄などにその探求の先端をみることができる。困難を乗り越え、日本国憲法を生かした揺るぎない平和的日本の創造こそ、人々に希望を与え、東アジア諸国民への力づよい平和と和解のメッセージとなるであろう。
　「建国記念の日」に対し、１９６７年の第１回集会以来、「不承認集会」が１回も欠かすことなく毎年全国各地で開かれ、今年は４７回目を迎える。この日を、歴史の逆流に抗し、日本の進路を深く考え、私たちの課題をともに考える日として迎えたい。
　（ひろかわ・ただひで　大阪市立大学名誉教授・日本近現代史）

創氏改名
　戦前、朝鮮を植民地支配していた日本が、朝鮮民族古来の姓名を廃止し、日本の氏名制に変えさせたこと。従わないものは非国民扱いを受けるなど社会的な制裁が加えられた。
( ２０１３年０２月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

日本の遅れた人権、国際水準に／国際人権委員会が要請／市田氏応対

　国連ＮＧＯ（非政府組織）の「国際人権活動日本委員会」（鈴木亜英議長）は４日、国会内で、日本の遅れた人権状況を国際水準に引き上げるために政府への働きかけなどに力を尽くすことを、日本共産党に要請しました。市田忠義書記局長が応対しました。
　鈴木氏は、各国の人権状況を審査する国連人権理事会で、女性への差別解消の取り組み、死刑廃止問題、日本軍「慰安婦」問題、「代用監獄」制度の撤廃、東日本大震災と福島第１原発事故などさまざまな問題で懸念や勧告が示されたことを指摘。多くの国際機関が日本の人権状況の改善を強く求めているのに、日本政府がこれをほとんど無視していることをあげ、「日本は人権後進国だと痛感している」とのべました。
　その上で、日本政府が国連諸機関の懸念・勧告を受け入れ、日本の人権を国際基準に引き上げるよう政府に働きかけること、とくに個人が直接、国際機関に人権救済を求める「個人通報制度」の実現に全力をあげるよう要請しました。
　市田氏は、「要請の内容には全面的に賛成です。国会質問や『しんぶん赤旗』でのキャンペーンを含め、今後とも重視してがんばっていきたい」と答えました。
( ２０１３年０２月０５日，「赤旗」)

言聞録／２０１３年１月２７日〜２月２日

　○「（ユダヤ人を迫害した）人種法はムソリーニの最悪の誤りで、その他では多くのよいことをやった」（ベルルスコーニ元伊首相）＝２７日、ファシスト独裁者ムソリーニを礼賛。

　○「この地域は民主主義を回復し、経済成長と雇用創出の能力、そして世界に対等な立場で加わっていく能力を回復した」（チリのピニェラ大統領＝写真、ロイター）＝２７日、中南米カリブ海諸国共同体（ＣＥＬＡＣ）の第１回首脳会議の開幕演説で。

　○「独裁終えんから２０年以上たって、ようやくすべての犠牲者に正義がもたらされる。すべての世代が暗い暴力の過去を忘れないことが、正義を確実にする」（フィリピンのベロ下院議員）＝２８日、比議会がマルコス政権（１９６５〜８６）下での弾圧被害者に対する補償法を可決したことで声明。

　○「われわれは過去の誤りを認め、将来二度と起きないようにせねばならない」（米ニューヨーク州のアベラ上院議員）＝２９日、旧日本軍の「慰安婦」問題を記憶にとどめるとする決議を同州議会上院で採択後、記者会見で。

　○「人権や自由、民主主義はそれ自体では機能しない。人間的な社会を構築するためには、自身と他者に責任を持ち、互いに尊敬し合い、気を配り合う人々が必要だ」（ドイツのメルケル首相）＝３０日、ナチスによる政権掌握から８０年で催されたベルリンの式典で。
( ２０１３年０２月０４日，「赤旗」)

「慰安婦」問題、志位氏の質問／「いつもながら周到な組み立て」／「朝日」コラムが紹介

　「いつもながら入念な準備と周到な組み立てで首相に迫った」
　朝日新聞３日付の編集委員コラム「政治断簡」は、日本共産党の志位和夫委員長が衆院本会議（１月３１日）で行った「慰安婦」問題の質問をこう評しました。
　記事は、「従軍慰安婦の『筆舌に尽くしがたい、つらい思い』に触れる（安倍晋三首相の）答弁を引き出した」のが志位氏だと紹介しました。
　安倍首相は、日本軍「慰安婦」への「おわびと反省の気持ち」を表明した「河野官房長官談話」の見直しを公言。その口実に、当時の日本軍が女性を強制的に連れて行って「慰安婦」にした資料がないからだと主張していました。
　衆院本会議代表質問で志位氏は、この議論が成り立たないと批判。河野談話の作成に直接携わった石原信雄官房副長官（当時）の証言をもとに、強制性を裏付ける物証が見つけられなかったもとで「慰安婦」だった女性１６人からの聞き取り調査を行い、作り話ではないと政府が判定し、河野談話とした経過を明らかにしました。
　「文書はないから強制はなかった」という議論は成り立たないとの志位氏の追及に、安倍首相が「この問題を政治問題・外交問題化させるべきではないと考えています」として、これ以上の発言は「差し控え」ると答弁しました。コラム「断簡」は、「首相側にも、これを機にこの問題についての姿勢を整理して明らかにしておこうという考えがあったのかもしれない」と推測し、「それも、志位氏の質問があってのことである」と指摘しています。
　（良）
( ２０１３年０２月０４日，「赤旗」) （Page/Top）

政治考／右派連合ＶＳ．共産、鮮明に／「安倍氏自身が最大の弱点」／記者座談会

　安倍自公政権が復活してから、最初の国会が始まりました。発足から１カ月余で、内閣支持率は上昇したものの、抱える矛盾は深刻です。担当記者で話し合いました。

　Ａ　「暮らしと平和を踏みつぶす暴走を開始していることは大変危険な動きだが、同時に致命的な弱点をもっている」。日本共産党の志位和夫委員長が安倍政権について、国会開会日にこう指摘したことが印象的だ。
　Ｂ　直面する課題に解決策をもたず、危機をつくりだした張本人の反省も自覚もない、さらには国民多数の声に背くというのが「弱点」の中身だが、この１カ月余でこの「弱点」は鮮明だね。

経済政策的外れ
　Ｃ　今年度補正と来年度当初案で、いずれも過去最大規模の予算案を組んだ。大型公共事業と軍事費には大盤振る舞いだが、社会保障費削減の突破口と狙う生活保護費削減や年金減額、３５人学級実施見送りなど国民生活には散々な中身だ。
　Ｅ　高齢者の終末期医療で「さっさと死ねるようにしてもらわないと困る」とした麻生副総理の暴言は政権の本音だ。
　Ｃ　しかし、最大の課題とするデフレ不況の打開策は原因の分析がないうえ、的外れだ。金融緩和、公共事業、成長戦略と「三本の矢」とも破綻済みの「矢」だ。民主党から「自分たちの政権もやってきた」「焼き直しだ」と指摘された。
　Ｄ　２％の物価上昇目標にも「実現はとても困難」との指摘が専門家からあいついでいる。「三本の矢」の結果、借金の山が残ったり、金利が上昇したりで、「財政危機、バブルのいずれのケースをたどるにせよ、相当に危険な賭けのように思われる」（『エコノミスト』２月５日号）との批判も出ている。

「対立を先鋭化」
　Ｅ　外交問題でも、元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は、会員制情報サイトで「安倍政権の安保政策『最大の弱点』は安倍氏自身」と指摘した。「憲法を『戦後レジーム』として否定し、戦争への『反省』を『自虐史観』として排斥する安倍氏の国家像（自己認知）は、対立を先鋭化する」と警告する。
　Ａ　実際、ニューヨーク州議会では日本軍「慰安婦」問題で「２０万人が軍に強制され売春させられた」との日本批判の決議が採択された。
　Ｂ　この問題では、志位和夫委員長が「文書がないからといって強制がなかったは成り立たない」と追及し、安倍首相も「政治問題化させない」と答弁した。軍の関与と強制性を認めた「河野官房長官談話」を見直すとした自らの「持論」を封印した。
　Ｅ　意識しなければならないのは、国際世論だけではない。国会開会日には、沖縄から復帰後最大の上京団が「オスプレイ配備撤回・普天間基地の閉鎖撤去」を安倍首相に直訴した。「憲法を守れ」と開かれた院内集会や賃上げ・増税中止・原発ゼロなど国民諸要求の実現を求めた集会も、かつてない盛況だった。国民は民意に背く政治を許さないという決意を感じた。
　Ｄ　マスメディア関係者は、代表質問をみて「自民、維新、みんなの右派連合と共産党の対決という構図がクリアになっている」と指摘していた。
　Ａ　民主党は｢３党合意｣に縛られた｢増税与党｣だし､維新･みんなは｢改憲与党｣だ｡安倍内閣の｢三つの致命的弱点」に切り込み、政治の根本的転換を迫る―日本共産党への期待は大きいね。
　Ａ　危機をつくりだした張本人としての反省がないという点はどうだろう。

原発の新増設も
　Ｂ　なんといっても原発推進姿勢だね。民主党政権の「２０３０年代原発稼働ゼロ」方針を「ゼロベースで見直す」として再稼働を加速させ、原発の新増設まで容認しようとしている。
　Ｅ　なにしろ、経済財政諮問会議には原発メーカー・東芝の社長を入れたり、首相の政務秘書官には大飯原発再稼働で暗躍した経産省官僚を据えたり、原発推進布陣だからね。
　Ｃ　代表質問初日には、電気事業連合会と経産相との懇談が開かれ、経産相が「前政権の政策はしっかり見直したい」と約束した。
　Ｄ　それでも、志位氏が福島原発事故に対して、安倍首相が「Ａ級戦犯」だという証拠を示して追及したら、さすがに首相も「心からのおわび」を初めて表明せざるを得なかったね。
　Ａ　第１次安倍政権のときに、日本共産党の吉井英勝衆院議員（当時）が質問主意書で「巨大地震の発生で全電源喪失となった場合の検討をしているのか」とただしたのに対し、安倍首相が答弁書で「安全の確保に万全を期している」と回答したことだね。
　Ｂ　的確に弱点をつくなら、安易に原発推進など口にできない証拠だよ。

改憲・ＴＰＰ…
　Ｃ　国民多数の民意に背くという点でも、改憲や環太平洋連携協定（ＴＰＰ）、オスプレイ配備や米軍新基地問題など、安倍内閣は深刻な矛盾を山と抱えている。
　Ｅ　憲法改悪については、所信表明演説では触れなかったが、「維新」や自民党の改憲派に問われて、改憲手続きを定めた９６条からはじめると明言し、「国防軍」創設の狙いも明らかにした。
　Ｄ　しかし、世論調査では、９条改憲反対が過半数だし、改憲反対が賛成を上回っている。中国や韓国などアジア諸国との関係でも、歴史問題とあわさって懸念を広げている。
　Ａ　「日経」（１月２８日付）は「親米３カ国　地域の火種」とする記事を掲載し、「欧米からみれば、日本は韓国や中国との関係悪化によって、アジア地域に緊張をもたらす存在とも映る」と指摘した。米国にも日中・日韓関係の悪化は戦略上もよくないとのいら立ちがある。
　Ｃ　首相が初訪問した沖縄では、抗議の声が出迎えた。地元紙は「どうぞ正確に『声』を聴いていただきたい。そうすれば、沖縄はもう元には戻らない、県内移設を拒否する県民の民意は不退転だと容易に気付くでしょう」と書いた。
　Ｅ　ＴＰＰでも農業者をはじめとする国民の厳しい批判が自民党内にも反映し、反対派が集会を開いた。首相も「参院選までに方向性を出す」といったん発言したが、すぐに撤回せざるを得なくなった。

弱い国民的基盤
　Ｂ　先の総選挙で自民党は公明党とあわせて衆院３２５議席の巨大与党となったが、国民的基盤は非常に弱いという指摘も多い。２００５年総選挙後の小泉政権や０９年総選挙後の民主党３００議席とは違う。
　Ｄ　自民党シンクタンクの元事務局長の講演を聞いたが、「自民党の支持基盤は０９年からまったく回復していない。国民の自民党離れ、自民党批判の動向は当時とほとんど変化がない。しかも、自民党の改革もストップし、古いバラマキや官僚依存に回帰した。このままでは、参院選の比例では勝てない」と指摘していた。
　Ｅ　自民党関係者も「スピード感をもって結果を出さないと、期待が大きいだけに反動がくる。急激な変化を予測できない」と厳しい表情を見せる。
　Ａ　野党性を失った民主党、改憲や社会保障切り捨てをけしかける「維新」やみんななど、安倍自公政権に対決する政党ではない。いよいよ自民党ＶＳ日本共産党という対決構図が非常に鮮明になっている。「防波堤の党」「変革者の党」「国民共同をすすめる党」という国民的役割を果たす日本共産党の使命がますます大きくなっているね。
( ２０１３年０２月０４日，「赤旗」) （Page/Top）

週間日誌／１３年１月２７日〜２月２日

政治・経済
　◆通常国会開会　政権復帰した安倍自公政権発足後、初めての論戦が交わされる国会。安倍晋三首相が所信表明演説（２８日）
　◆１３年度予算案を閣議決定　一般会計の総額は９２兆６１１５億円（１２年度当初予算比２・５２％増）と当初予算としてはこれまでで最大規模。軍事費を４００億円増額する一方で、生活保護費や地方交付税は削減（２９日）
　◆志位和夫委員長が衆院本会議で代表質問　震災復興やデフレ不況からの脱出、原発問題や米軍基地問題などで政治の根本的転換を求める（３１日）
　◆現金給与総額が過去最低　２０１２年の勤労統計調査によると、基本給、残業代、賞与などを合わせた１人当たりの現金給与総額は、月平均３１万４２３６円と前年比０・６％減少。比較可能な１９９０年以降で最低（３１日）
　◆市田忠義書記局長が参院本会議で代表質問　賃上げ、リストラ中止、中小企業への応援を求め、集団的自衛権・「国防軍」の狙いを追及（１日）

社会・国民運動
　◆オスプレイ断固反対　沖縄市町村長、議長、県議が東京へ　昨年９月にオスプレイ配備に反対する沖縄県民大会を１０万人の参加で成功させた同大会実行委員会が主催して安倍首相に直訴する東京集会が開かれ４０００人が参加（２７日）
　◆春闘総決起集会に１１００人　２０１３年春闘で賃上げと安定した雇用を実現し、デフレからの脱却をはかろうと、国民春闘共闘委員会、東京春闘共闘会議が東京都内で総決起集会（３０日）
　◆女子柔道日本代表監督が辞意表明　女子選手１５人が、監督やコーチから暴力やパワーハラスメントを受けたと告発していた問題で、園田隆二監督が暴力行為を認めて辞任の意向を表明（写真）（３１日）
　◆いじめが自殺の直接要因と第三者委　２０１１年１０月に自殺した大津市立中学２年の男子生徒に対するいじめの事実関係を解明するため市が設置した第三者調査委員会が、「いじめが自死につながる直接的要因」とする最終報告書を市長に提出（３１日）

国際
　◆ＣＥＬＡＣ、ＥＵ首脳会議が閉幕　中南米カリブ海諸国共同体（ＣＥＬＡＣ）と欧州連合（ＥＵ）の初の首脳会議が閉幕。対話や価値観の共有、戦略的パートナーシップの進展を掲げた「サンティアゴ宣言」と行動計画を採択（２７日）
　◆エジプトで軍に市民逮捕権を付与　治安部隊と反体制デモ隊との衝突で多数の死者が出たことを受け、エジプト政府が軍に市民逮捕権を付与する新法を制定（２８日）
　◆マリ介入の仏軍、世界遺産都市を奪還　アフリカ西部のマリ北部を実効支配するイスラム武装勢力の掃討作戦を続けるフランス軍とマリ政府軍が、マリ北部第２の都市で、世界遺産都市のトンブクトゥを奪還（２８日）
　◆米ニューヨーク州議会が「慰安婦」問題で決議　米ニューヨーク州議会上院が「慰安婦」問題を記憶にとどめるとする決議を全会一致で採択（２９日）
( ２０１３年０２月０３日，「赤旗」)

各党の代表質問にみる／暴走自民と迎合「野党」／共産党、真正面から論戦

　衆院で自民、公明両党合わせて３２５議席と３分の２以上を占める巨大与党が出現した国会。安倍晋三首相は「参院選までは安全運転」といわれながらも、「国防軍」創設を示唆し、改憲手続きを緩める９６条改憲、原発の再稼働推進・新増設の検討を行う姿勢を表明するなど、暴走を開始しています。この暴走に真正面から対決するのはどの党なのかが早くも鮮明になってきました。

　「野党として情けない」「政権に足元をみられてしまう」「自民党との保守連携をにらんでいる、と勘ぐられても仕方あるまい」（「朝日」１月３１日付社説）。様変わりした国会で、民主党や維新の会に対して、こんな声があがるなか、暴走する安倍政権に真正面から論戦を挑んだのが日本共産党でした。

「慰安婦」問題で鋭く首相を追及
　「河野談話　見直し論封印」（「朝日」）、「慰安婦問題『発言差し控える』」（「日経」）
　こんな見出しで報じられたのが、志位和夫委員長による日本軍｢慰安婦｣問題での追及でした。
　志位氏は、軍の関与と強制を認めた「河野談話」について、強制性を立証する文書が見つからないもとで、慰安婦とされた人たちの証言にもとづいて強制性を認めたものだと指摘。��文書がないからといって強制の事実がなかった�≠ﾆいう議論は成り立たないとただしました。
　安倍首相はこの指摘を否定できず、「この問題を政治問題、外交問題化させるべきではない」とし、「官房長官による対応が適当だ」とのべざるをえなくなったのです。
　質問は、韓国の主要紙・東亜日報や朝鮮日報、英国のロイター通信などが速報し、世界に流れました。歴史の逆流に正面から立ち向かう日本共産党ならではの追及となりました。

原発事故でも首相が「おわび」
　原発問題でも、志位氏は巨大地震による全電源喪失の危険を指摘してきた日本共産党の吉井英勝氏の２００６年の質問主意書をとりあげ、安倍首相の責任を追及。「安全神話」をふりまき、吉井氏の警告を一顧だにしなかった安倍首相は福島原発事故について初めて「心からのおわび」を表明し、「複合災害の視点を欠如させていた」との「反省」をのべました。
　デフレ対策が問題になっていますが、志位氏は、今日の危機をつくりだしてきた張本人としての自公政権の責任をただしました。

「賃上げ」による不況打開を迫る
　経済政策をめぐっては、エコノミストなどからも「物価だけが上昇し、給料などが増えなければ、暮らしの影響は深刻だ」「国民の期待は賃金の上昇だ」などの指摘が上がっています。石破茂・自民党幹事長や麻生太郎副総理までもが、大企業の「内部留保」の活用に言及せざるを得なくなっています。ところが、代表質問で、「政府として『賃上げ目標』こそ持つべきです」とズバリ賃上げによって国民の所得を増やして不況打開をと迫ったのは、志位氏と市田忠義書記局長だけでした。
　他党が、物価を名目だけ上げるための金融緩和や、大企業支援の「成長戦略」を競い合う中で、消費税増税など負担増中止、大企業のリストラストップ、人間らしいルールづくりという「三つの決断」を迫ったのも日本共産党だけでした。

対抗できるのは 「共産党だけ」
　日本共産党は、消費税増税反対、原発ゼロ、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）反対、米軍普天間基地撤去・オスプレイ配備反対―こうした国民多数が求める課題を取り上げて、民意にそむく安倍政権の暴走を批判しました。
　党本部には、「元自民党員」から「いま、日本の政党で自公政権に対抗できるのは、共産党だけだ」との声が寄せられました。

民主・維新・みんな／対決姿勢なし

　安倍政権と正面から対決しない民主党、日本維新の会、みんなの党などの姿勢も目立ちました。

「３党合意」固執
　たとえば経済政策。民主党の海江田万里代表は、安倍政権に「チェック機能を果たしていく」「対峙する」と対決ポーズを示したものの、どうしたら「デフレ不況」を脱するのかの方策はなし。民主・野田政権も１％のインフレ目標で金融緩和策を実行してきたと誇り、成長戦略も民主党政権時にやってきたと弁解がましく主張するだけでした。
　一方で、消費税大増税など「一体改革」については、「自民党は与党になった途端、消極姿勢が目立っている」と批判。増税と社会保障改悪を迫るなど、政権から転落後も「３党合意」に縛られた姿をさらしました。

まるで与党質問
　日本維新の会やみんなの党はどうか。
　「維新」の平沼赳夫国会議員団代表は、「私どもは総理の姿勢に共感をおぼえる」と、まるで与党のような立ち位置から質問。経済政策では、「『三本の矢』を総合的な抜本改革によって日本再生のため、がんばっていただくことを祈念する」と「アベノミクス」を全面賛美しました。
　一方で、「女性宮家」に反対して男系の「万世一系」の皇室維持を主張するなど異常な復古調の演説。「違法な手段、不法な条件で意図的に（帝国憲法から）改正された」として日本国憲法廃棄を唱えるなど「改憲連合」ぶりを発揮しました。
　みんなの党の渡辺喜美代表も「大胆な金融緩和が不可欠」だと首相の「アベノミクス」に同調。「日米首脳会談でＴＰＰ（環太平洋連携協定）交渉参加を表明したらどうか」と尻をたたくなど、野党として対峙する姿勢はみえませんでした。
( ２０１３年０２月０３日，「赤旗」) （Page/Top）

「河野談話」／志位委員長質問で注目／元「慰安婦」証言は真実と認定

��文書がないから強制の事実ない�≠ﾍ成り立たない／作成経過を振り返る
　日本軍「慰安婦」問題で、日本共産党の志位和夫委員長の追及に対する安倍晋三首相答弁が国際的にも注目を集めています。日本軍「慰安婦」問題で、軍の関与と強制性を認めた河野洋平官房長官談話（１９９３年８月）を見直すという「持論」を、首相が��封印�≠ｵたとの見方が出ているためです。あらためて、「河野談話」がどのようにつくられたか、強制性をどう認定したのかをみておきます。

　安倍首相などの「河野談話」見直し論は、旧日本軍が強制的に婦女を連行した文書＝証拠がみつからなかったから、強制の事実そのものがなかったかのようにいう議論です。
　志位氏は、１月３１日の衆院本会議でこの議論を批判。「河野談話」の作成に直接かかわった石原信雄元官房副長官の証言も示して、談話が強制性を示す文書がみつからなかったことを前提に、「慰安婦」とされた人たちの証言の真実性に基づいて、政府として真実だと判定したものだと指摘しました。そして、��文書がないから強制の事実はない�≠ﾆの議論が成り立たないと批判しました。
　安倍首相は、この指摘に反論できず、「首相としてこれ以上申し上げることは差し控え、官房長官による対応が適当だ」と答弁したのです。

石原元官房副長官の証言
　日本軍「慰安婦」問題は、１９９０年代になって表面化し、国際問題に発展しました。１９８０年代後半に、韓国が民主化するまでは、政治的係争に韓国社会の関心がのみ込まれていたこと、「慰安婦」の経験があまりに悲惨で生々しく公然と声をあげられなかったことなどが影響しました。
　石原氏によると、日本政府がこの問題を認識したのは宮沢喜一内閣(１９９１〜９３年)当時。「韓国での首脳会談の場で、慰安婦問題が韓国で非常にシビアな問題になってるということを初めてわれわれは認識した」（証言は『オーラルヒストリー　アジア女性基金』所収）というのです。
　それを受けて、第１回の調査が行われ、９２年の加藤紘一官房長官談話で慰安所の「設置」「運営」に「政府の関与があったことが認められた」ところまで明らかにしました。しかし、韓国側が「最大の問題」としたのは「強制（連行）された人がいたという事実を日本政府が認めていないこと」（石原氏）でした。
　そのため、国内官庁、国会図書館、沖縄や米国の公文書館などに対象を広げて第２回の調査がおこなわれます。しかし、「慰安婦の輸送の手配とか、慰安所の衛生管理とかをしっかりやれという文書が出てきた」のですが、強制連行については「通達とか指令とか…文書で強制性を立証するようなものは出てこなかった」のです。

元「慰安婦」証言から判明
　そこで、宮沢内閣は政府関係者を韓国に派遣し、元｢慰安婦｣１６人から聞き取りを実施します。
　その結果、「明らかに本人の意に反して連れて行かれた人、だまされた人、普通の女子労働者として募集があって行ったところが慰安所に連れて行かれたという人…がいた」「一六人のヒヤリングの結果は、どう考えても、これは作り話じゃない、本人がその意に反して慰安婦とされたことは間違いない」となったのです。
　石原氏はその証言の真実性について、「彼女たちは決してだれかに言われて証言したんじゃなくて、自分自らの体験を、本当に真実を訴えると言って、聞いてもらおうとして話した」「韓国政府だとか挺対協（挺身隊問題対策協議会）だとかそういう団体のプレッシャーのもとで話したことではない」と指摘しています。
　その報告を宮沢首相も河野官房長官も聞き、「調査団の報告をベースとして政府として強制性があったと認定した」のです。つまり、「河野談話」は「内閣の意思」であり、一官房長官の個人的見解ではないのです。
　河野洋平元官房長官自身も『世界』（１２年１０月号）で批判しています。
　「明確な文書資料がない、強制した証拠はないという軽々しい批判が最近もありますが、まず、当事者がいるのです。日本政府の調査に対し、当事者の方々がその辛（つら）い体験を話してくださったのは、こちらの姿勢への信頼が生まれて初めて語ってくださったのです。『証拠がない』という批判は、その信頼を裏切るものだと指摘しておきたい」

真摯な対応が求められる
　元「慰安婦」の被害については日本の裁判のなかでも８件が事実認定されています。
　文書がなかったという問題についても、敗戦とともに日本政府・軍部が大量の��証拠文書�≠�焼却した事実が大きく関係しています。
　安倍首相は３１日の答弁で、「この問題を政治問題、外交問題化させるべきではないと考えています」と述べ、官房長官にげたを預けると表明しました。しかし、問題は２０世紀最大規模の人権侵害問題です。安倍政権が真摯（しんし）に向き合わなければ、国際社会から孤立することは避けられません。
( ２０１３年０２月０２日，「赤旗」)

論戦で政権追い詰める／志位委員長、代表質問傍聴者と懇談

　日本共産党の志位和夫委員長は、３１日の衆院本会議の代表質問の後、１都３県から訪れた約３０人の傍聴者と国会内で懇談しました。
　志位氏は、論戦で安倍首相が震災復興やデフレ不況脱却、オスプレイ配備強行の問題などで何一つ正面から答弁できていなかったことを指摘。「安倍政権が民主党時代の悪い政策は全部引き継ぎ、多少とも前向きのものはすべて否定するという姿勢がはっきりした」と述べました。
　その上で今回の論戦でいくつかの重要な答弁を引き出したと語りました。
　まず歴代自民党政権が「安全神話」で原発政策を推し進めた点をおわびしたことを挙げ、「実際にやろうとする政策とは違うということを攻めていく足がかりになります」と強調しました。
　日本軍「慰安婦」問題で「強制性を立証する文書がない」ことを理由に、強制の事実はなかったとする議論は成り立たないという主張を否定できなかったことを挙げ、「安倍首相は否定できず、歴史を改ざんする動きに一つくぎを打てた」と力説。大いに自公政権を論戦で追い詰める決意を語ると、参加者は大きな拍手で応えました。
　川崎市川崎区の会森勝太郎さん（８３）は「自民党議員のやじが大きい中、志位さんは復興や生活保護の重要性をきちんと訴えていて良かった」と話していました。
　田村智子参院議員と、吉良よし子（東京）、はたの君枝（神奈川）、えんどう昭子（山梨）の各参院選挙区候補があいさつしました。
(２０１３年０２月０１日，「赤旗」) （Page/Top）

対北朝鮮措置で一層の強化示唆／韓国国連大使

　【ニューヨーク＝時事】２月に国連安保理の議長国を務める韓国の金塾（キム・スク）国連大使は３０日、日本人記者団と会見し、北朝鮮が核実験を実施した場合の対応について「彼らが一線を越えた場合、韓国だけでなく日本、米国の手元には（北朝鮮に対する措置に）含めることのできる多くのアイテム（項目）がある」と述べ、制裁など対北朝鮮措置の一層の強化を示唆しました。
　２０１２年１２月の事実上の弾道ミサイル発射を受け、先月採択された安保理決議は、新たな核実験や発射には「重大な行動を取る」と警告しています。
　金大使はまた、安保理で２月１２日に「武力紛争下での一般市民の保護」をテーマに公開討論を行う予定を明らかにしました。討論で旧日本軍の従軍慰安婦問題が取り上げられる可能性について、「排除しない」と述べました。
　韓国は１月から２年の任期で安保理非常任理事国メンバーを務めています。
( ２０１３年０２月０１日，「赤旗」)

（１月）ヘッドライン

米ニューヨーク州議会上院可決「慰安婦」問題に関する決議／全文

旧日本軍「慰安婦」問題／��２０万人が軍に強制され売春させられた�＝^米ＮＹ州議会が決議

消費税増税を中止し、内需拡大の政策に転換を／全国中小業者決起大会での市田書記局長のあいさつ

安倍政権��三つの弱点�＝^所信表明でもくっきり

主張／所信表明演説／危機あおるだけで展望示せぬ

メディアをよむ／仲築間卓蔵／国民が握る「バトン」

ケインズ派大瀧雅之東京大学教授、日本共産党小池晃政策委員長徹底討論

憲法守る運動さらに／兵庫県共同センターが総会

情勢の大局をつかみ国民のなかへ／１月２３日／学習・教育局長山谷富士雄

解説／政府ＡＳＥＡＮ外交方針／アジアの信頼得られない

「慰安婦」問題、河野談話見直し／世界で生きる地位失う／志位委員長が批判

「慰安婦」問題、河野談話見直し／右バネききすぎ外交上問題／元内閣官房長官・前衆院議員加藤紘一さん

「慰安婦」問題、河野談話見直し／世界の常識は「人道の罪」

週間日誌／１３年１月１３日〜１９日

女性の共同広げよう／創立６０周年婦団連が総会

東大で白熱討論／ケインズ経済学者大瀧雅之さん／共産党政策委員長小池晃さん

おはようニュース問答／「慰安婦」問題、安倍首相に大きな批判が

ドイツ「過去の克服」日本と大きな違い／欧州紙の論調

ドイツ「過去の克服」日本と大きな違い／安倍政権に正面から問う／欧州発展の基礎は「侵略戦争の反省」

米で「慰安婦」決議案／日本政府の責任追及／ＮＹ州議会

「９条守れ」と１０年目／新年初の宣伝／大阪「野崎駅周辺の会」

水曜随想／参院比例候補仁比そうへい／草の根から「返り討ち」に

安倍首相「慰安婦」発言を正す／連行は拉致・だましが大多数／西野瑠美子さんに聞く

２７日オスプレイ配備撤回東京集会こぞって／大黒作治さん／笠井貴美代さん／山田義勝さん

政治の風景／安倍政権の新年始動／兵器業界の熱い視線、行く手は薄氷

政治考／安倍政権への警戒感／日本共産党への期待／��暴走止める存在感��

新しい政治の扉開くために／党旗開き志位委員長のあいさつ

「侵略」「慰安婦」談話見直し／アジアから尊敬されない／ソウル市立大学教授鄭在貞さん

「侵略」「慰安婦」談話見直し／安倍首相の「恥ずべき欲求」／米紙も批判

平和を守る声一緒に／山下議員訴え／党東大阪地区委新春のつどい

アジア女性交流史　昭和期篇／山崎朋子著／評者米田佐代子女性史研究者

女性は９条守り抜く／田村・吉良氏ら党後援会が宣伝／東京・新宿

鳥取県革新懇新春のつどい

謝罪・賠償、被害女性に／「慰安婦」問題、広島市で宣伝

河野・村山両談話「堅持が日米の国益」／米モチヅキ教授、安倍政権に注文

主張／「防衛大綱」凍結／軍事費増へなりふり構わず

新春随想／衆院議員笠井亮／ハルモニとの約束

重み増す日刊紙の存在、その役割を果たすために／１月８日／赤旗編集局長小木曽陽司

「慰安婦」問題で決議案提出へ／「人道に対する罪」日本政府に謝罪求める／米ＮＹ州議会

��安倍内閣は過激な国粋主義者たち�＝^��アジア地域に悪い予兆だ�＝^英誌『エコノミスト』指摘

日本軍「慰安婦」問題／河野談話見直し／０７年、安倍首相はこうして謝罪に追い込まれた

米紙「慰安婦」否定意見広告に賛同した国会議員／昨年１１月当時

潮流

日本軍「慰安婦」強制を否定／安倍首相が賛同／米紙に意見広告、４閣僚も／昨年１１月

第２次安倍内閣の閣僚／右翼改憲派ずらり／日本会議議連１３人、新憲法制定議員同盟８人

参院選勝利へ��三つの国民的役割�＃ｭ揮を／２０１３年党旗びらき志位委員長のあいさつ

新政権機に協力推進

「未来志向の安倍談話」検討／有識者で素案策定／官房長官

主張／安倍首相歴史発言／世界に逆らいどこへ行くのか

村山・河野談話／首相見直し明言／「産経」で

村山・河野談話見直しは「過去の偽造」／米紙（ニューヨーク・タイムズ）が社説、安倍氏批判

引き渡し要求認めず

２０１３外交展望／安倍政権の「日米同盟強化」路線／国民・近隣諸国と矛盾

1月（本文）

（Page/Top）

米ニューヨーク州議会上院可決「慰安婦」問題に関する決議／全文

　米ニューヨーク州議会上院が２９日、全会一致で可決した「慰安婦」問題に関する決議（全文）は次の通りです。
　世界中に「慰安婦」として知られるようになった人々に賛辞を呈したニューヨーク州の記念碑を記念する決議
　２０１２年６月１６日、「慰安婦」制度の犠牲者を称賛し、記憶にとどめるため、「慰安婦記念碑」がニューヨーク州ウェストベリーにあるアイゼンハワー公園の退役軍人記念広場に設置されており、
　１９３０年代から第２次世界大戦を通じて、日本がアジア・太平洋諸島を植民地および戦時占領した間、およそ２０万人の若い女性が脅迫されて、強制的な軍による売春行為である「慰安婦」制度に組み入れられており、
　記念碑は米国内で２番目となるもので、「慰安婦」が耐えた苦痛を象徴し、「慰安婦」制度を通じて犯された人間性に対する罪を思い起こさせるものとなっており、
　歴史上起こった重大事件についての意識を高めるために設置されたニューヨーク州内の歴史的記念碑を表彰することは本議会の慣例であり、
　国連は世界中で２４０万人が常に人身売買の犠牲者となっており、その８０％が性的奴隷とされていると報告している。よってここに、
　本議会はその審議に際し、世界中に「慰安婦」として知られるようになった人々に賛辞を呈したニューヨーク州の記念碑を記念するよう決議し、さらに、
　本決議の写しをしかるべき正式文書として、韓国系米国人広報委員会、カプファーバーグ・ホロコースト資料センター、韓国系米国人市民エンパワーメントに送付するよう決議する。
( ２０１３年０１月３１日，「赤旗」)

旧日本軍「慰安婦」問題／��２０万人が軍に強制され売春させられた�＝^米ＮＹ州議会が決議

提案議員「日本政府は謝罪を」
　【オルバニー（米ニューヨーク州）＝山崎伸治】米東部ニューヨーク州議会上院は２９日、旧日本軍の「慰安婦」問題を記憶にとどめるとする決議を全会一致で採択しました。米国では２００７年７月に連邦下院が「慰安婦」問題で日本政府に謝罪を求める決議を採択。州レベルで「慰安婦」に関係する決議が採択されるのは、カリフォルニア州議会が１９９７年８月に採択して以来２回目です。
　今回の決議は、１２年６月、ニューヨーク州ウェストベリーにあるアイゼンハワー公園の退役軍人記念広場に「慰安婦」制度の犠牲者を記憶にとどめる記念碑が設置されたことを受けたものです。
　決議は、「１９３０年代から第２次世界大戦を通じて、日本がアジア・太平洋諸島を植民地および戦時占領した間、およそ２０万人の若い女性が脅迫されて、強制的な軍による売春行為である『慰安婦』制度に組み入れられた」と指摘。「世界中に『慰安婦』として知られるようになった人々に賛辞を呈したニューヨーク州の記念碑を記念する」よう決議しています。
　同決議を提案したアベラ議員は本会議での演説で「慰安婦」を「２０世紀最大の人身売買事件の一つ」だと非難。決議案を支持したステースキー議員は、「女性に対する犯罪だ」と述べました。
　本会議後の記者会見でアベラ氏は、「われわれは過去の誤りを認め、将来二度と起きないようにせねばならない」と強調。「慰安婦」問題について日本政府が公式に謝罪するよう求めました。また記念碑の設置に尽力した「韓国系米国人広報委員会」のデービッド・チョルウ・リー会長は決議について「けっして日本政府や日本の人たちに敵対するものではない」と強調しました。
　同様の趣旨の決議案は現在、ニューヨーク州に隣接するニュージャージー州議会にも提出されており、１７日に下院の委員会を通過しています。
( ２０１３年０１月３１日，「赤旗」)

消費税増税を中止し、内需拡大の政策に転換を／全国中小業者決起大会での市田書記局長のあいさつ

　２９日に開かれた全国中小業者決起大会でおこなった日本共産党の市田忠義書記局長のあいさつは、次の通りです。

　昨日から通常国会がはじまりました。
　安倍自公政権は、国民多数の支持を受けて成立した内閣ではありません。総選挙で自民党が獲得した得票は、有権者比では小選挙区で２４％、比例代表で１５％にすぎません。３分の２を超える議席は小選挙区制というマジックがつくりだした「虚構の多数」にほかなりません。
　うちだしている政策も民意に背くものばかりです。国民のなかでは少数派です。
　安倍首相は、「大胆な金融緩和」、「機動的な財政出動」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を「緊急経済対策」としておしすすめようとしています。
　この政策には、「国民の所得をいかに増やすか」という姿勢はひとかけらもありません。電機産業などの大リストラを野放しにし、金融緩和といいながら、この３月には金融円滑化法を廃止し、中小企業のみなさんへの資金繰りをきびしくする。日銀に「２％の物価上昇率目標」を設定させて無期限の金融緩和をやらせる、その中身は「国土強靭（きょうじん）化」計画と称して２００兆円もの大型公共事業のバラまきをすすめ、そのための国債を日銀に買い取らせるというものです。成長戦略は大企業を応援し、格差と貧困を深刻にした小泉構造改革の焼き直しにすぎません。
　どれをとっても「破たんずみの折れた矢」ばかりで、的はずれになるのは当然です。
　所得が増えないのに物価だけが上がる、物価は上げるのにデフレだから生活保護を切り下げるという、こんなでたらめはありません。

デフレ脱却へ国民の懐をあたためて
　デフレ不況の脱却のためには、国民の懐をあたため、内需を活発にする政策に転換をはかることが必要です。なによりもまず消費税の増税を中止すること、政治の力でルールや制度を確立し、労働者への無法な首切りや非正規労働者への置き換えをやめ、賃金を引き上げることです。何も大企業の懐に手をつっこもうというのではありません。内部留保のごく一部をまわすだけで、自分の企業の社員の給料を上げる、関連下請けにまともな単価を保障することは可能です。そのことが、ひいては企業利益にもつながり、まともな経済発展をはかることになります。
　内需を拡大し、地域循環型で仕事と資金が中小業者のみなさんにまわるようにすることが大切です。中小業者のみなさんへの官公需の発注を拡大する、大規模公共事業ではなく地域の生活に密着した社会資本の補修や耐震化をすすめる、被災地での生業（なりわい）の復興を全面的に支援する、原発事故にたいする完全賠償をおこなわせる、ものづくりを支える町工場への固定費補助を実施する等々であります。２０１０年に閣議決定された中小企業憲章には次のようなくだりがあります。「中小企業は経済を牽引（けんいん）する力であり、社会の主役である…創意工夫を凝らし、技術を磨き、雇用の大部分を支え、くらしに潤いを与える」「政府が中核となり、国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そしてどんな問題も中小企業の立場で考えていく」。みなさん、この通り実行させようではないですか。

さまざまな分野で国民的たたかい　　
　いま、悪政を許さない国民的たたかいは、さまざまな分野で新たに広がっています。
　消費税の増税、社会保障の改悪、原発の再稼働、ＴＰＰ参加、オスプレイ配備の問題など、いのちと暮らしのかかった切実な要求で、多くの国民は引くに引けない状況にあります。
　安倍内閣は、暮らしを壊すだけではありません。海外でアメリカと一緒に戦争ができるようにしようと集団的自衛権を認める解釈改憲をおこない、さらに憲法９条を改定し、国防軍を設置することまで公言しています。しかし、「９条かえるな！」の声は「毎日」（昨年１２月２８日付）の世論調査でも５２％、過半数です。過去の侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」や、日本軍「慰安婦」問題について軍の関与と強制を認めた「河野談話」を見直すことも公言していますが、これにはアジア諸国やアメリカからもきびしい批判の声が上がっています。もし、このような野望が具体化されるならば、日本はアジアと世界で生きていく政治的・道義的立場を失うことになってしまいます。
　いまこそ９条を守り、暮らしのなかに憲法をいかす国民的運動をいっそう広げようではありませんか。

暮らしと営業、平和守るため全力尽くす
　政治の表面では逆流が国会で多数をしめることもおこります。しかし、その深部では自民党型政治の二つのゆがみ、アメリカいいなり、財界中心の政治の矛盾が鋭くなり、日本が新しい政治への大変革が求められる時代に立ち至っていることは明瞭です。この点をしっかりと大局的につかんでがんばることが、いまほど大事なときはないと確信しています。
　日本共産党も、暮らしと営業、平和を守るため、みなさんとともに全力を尽くして頑張り抜くことをお誓いし、連帯のあいさつとします。
( ２０１３年０１月３０日，「赤旗」) （Page/Top）

安倍政権��三つの弱点�＝^所信表明でもくっきり

　２８日、首相選出後初めて所信表明演説を行った安倍晋三首相。「危機の突破」と大見えを切る一方、改憲など野望をひた隠しにしました。しかし、直面する課題の解決策もなく、自らつくった危機への反省もなく、民意にも背く―という三つの致命的弱点は隠せず、早くも矛盾に突き当たっているのが現実です。

「物価だけ上がり給料増えなければ」／破たん証明済みの「三本の矢」

　安倍首相は、無制限の金融緩和、大型公共事業のばらまき、大企業支援の「成長戦略」の「三本の矢」でデフレ・不況を打開し、「『強い経済』を取り戻す」と強調しました。
　しかし、これらはいずれも、これまでの政権が行い、破綻が証明ずみのものばかりです。
　これまで「ゼロ金利」「量的緩和」などの金融緩和を繰り返し、「景気対策」として巨額の公共投資が行われましたが、景気はよくならず、巨額の借金だけが残りました。小泉「構造改革」路線で国民生活を痛めつけ、大企業を支援した結果、貧困と格差をひどくし、不況の悪循環から抜け出せなくなっているのです。
　必要なのは、大リストラの中止、賃上げ、安定した雇用の創出で国民の所得を増やし、内需を拡大する施策です。しかし首相は国民の所得拡大にはまったく無策です。
　応援団のマスコミからも、物価だけが上がり「給料などが増えなければ、暮らしへの影響は深刻だ」（「読売」２２日付）、緊急経済対策について「問題は国費の半分を占める公共事業の妥当性である」（「日経」１２日付社説）との指摘があがっています。『アエラ』１月２１日号は安倍首相の経済政策の評価についてのエコノミスト２０人のアンケート結果を特集。「金融政策だけでデフレを脱却するのは難しい。実現可能であれば、自民党政権下においてもできたはず」（市川眞一クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト）、消費税増税についても「デフレ継続下での増税は駆け込み需要の後に、さらなる景気悪化を招き、税収も増えない」（岩田規久男学習院大学教授)と指摘されています｡
　どの問題でも打開策を示すことができない致命的弱点が浮き彫りになっています。

雇用・震災復興・原発…／自らつくった危機に反省なし

　「日本の未来をおびやかしている数々の危機を何としても突破していかねばならない」
　首相は所信で、こう胸を張ってみせましたが、その危機をつくりだした張本人という自覚も反省もありません。
　首相は「どれだけまじめに働いても暮らしがよくならない」と述べました。しかし、その原因は、自民党政治が労働者派遣法の原則自由化（１９９９年）に始まる労働法制の規制緩和を進め、派遣やパートなど非正規雇用を拡大し、��賃下げ社会�≠�つくったことにあります。
　また、首相は「遅々として進んでいない東日本大震災からの復興」と述べましたが、その原因も、生活と生業の再建に必要な公的支援を怠ってきたことにあります。３月末で打ち切りになる医療・介護の減免措置の延長も、住宅再建に不可欠な支援金の拡充も安倍政権は打ち出そうとはしていません。
　そのうえ首相は、未曽有の事故を経て国民的多数が「なくせ」と求めている原発問題には一言も触れませんでした。
　首相は日本共産党の度重なる警告にもかかわらず、「万全」などといって「安全神話」にしがみつき、大地震への対策も取らず、原発事故を引き起こした��Ａ級戦犯�≠ﾅす。
　にもかかわらず、首相は財界・大企業のいいなりに原発の再稼働と新増設、海外輸出まで進めようとしています。全国各地で原発直下に活断層の可能性が相次いで明らかになっているのに、再稼働を進めるなど危険で無責任なことはありません。
　首相は、被災地の少女の話を引き合いに、��将来への希望を持て�≠ﾆ説きましたが、危機をつくりだした自覚も反省もないまま暴走を進めれば、国民との矛盾は深まるばかりです。

オスプレイ、ＴＰＰ…米国従属鮮明／国民世論に逆行「地域の火種」

　「日米同盟を一層強化して、日米の絆を取り戻す」―。安倍首相はこう述べ、「普天間飛行場の『移設』をはじめとする沖縄の負担軽減に全力で取り組む」と強調。辺野古（同県名護市）への米軍新基地建設を最優先課題に掲げました。

日米同盟の矛盾
　しかし、オスプレイ配備撤回を求めて沖縄から上京した４１市町村長ら（代理含む）の過去最大規模の抗議行動（２７、２８日）が象徴するように、米軍基地問題をはじめ、増税、改憲、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）など、安倍政権が進めようとしていることは、いずれも国民多数の意思に背くものばかりです。
　沖縄では、オスプレイ撤回だけでなく、辺野古への新基地建設についても、県知事含む全４２首長が反対。米国いいなりで強行すれば、基地の全面撤去につながりかねません。
　民意に背く矛盾は、２月下旬の日米首脳会談で焦点になるＴＰＰ交渉参加問題でも同じです。
　１８日の日米外相会談では、クリントン国務長官から交渉参加を促されたものの、自民党の支持団体をはじめ党内からも反対論が噴出。総選挙で「ＴＰＰ反対」を掲げて当選した同党議員が１６０人にのぼるもとで、所信表明では何一つ言及できませんでした。

アジア外交でも
　外交では「アジア太平洋地域において先導役として貢献を続けていく」と述べ、同地域を重視する考えを表明。しかし、安倍政権中枢が日本の過去の侵略戦争と植民地支配の美化など自らの言動を政権の方針として具体化すれば、アジアと世界で生きていく政治的・道義的立場を失うことになります。

謝罪「見直し」に
　実際、安倍首相が就任早々、過去の植民地支配と侵略について謝罪した村山首相談話（１９９５年）と日本軍「慰安婦」をめぐる強制性と軍の関与を認めた河野官房長官談話（９３年）の見直しに言及したことについて、米紙ニューヨーク・タイムズは「歴史を否定するもう一つの試み」だと社説で批判。英誌『エコノミスト』は安倍内閣を「危険なほどに国粋主義的」だと指摘しています。「日経」２８日付は、「親米３カ国地域の火種」とする特集を載せ、日本が「アジア地域に緊張をもたらす存在とも映る」と指摘しています。
( ２０１３年０１月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

主張／所信表明演説／危機あおるだけで展望示せぬ

　３年ぶりに自民党政権を復活させた安倍晋三首相の所信表明演説を聞きました。日本経済も、震災からの復興も、外交・安全保障も、教育も危機だと、もっぱら「危機」をあおる内容です。１期目の所信表明演説で「未来への明るい展望」をうたいあげていたのとは様変わりです。何でもかんでも悪いことは民主党の責任に押し付けて、自らの政権復帰を正当化しようとしてもそれは通用しません。肝心の危機の原因についての分析も、処方箋もありません。「強い日本」をめざすというのも掛け声だけです。これでは国民に展望を示すことはまったくできません。

自らの責任自覚がない
　だいたい安倍首相は経済や外交の危機をいいたてますが、自らに責任はないとでも思っているのか。経済では莫大な国民の所得と産業の競争力が失われ、「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」と告発してみせますが、２０年近くにわたって経済が停滞しているほとんどの期間、政権を担当していたのは自民党です。
　日本経済が停滞している一番の原因は、国民の所得が落ち込み、物をつくっても売れないためです。大企業のリストラや非正規雇用の拡大を放置し、それどころか労働者派遣法の改悪などでそれに拍車をかけてきたのは自民党です。安倍首相自身、１期目の政権のさい小泉「構造改革」にたいする国民の批判によって参院選で敗北し、最後の所信表明演説で「反省」したではなかったか。経済や外交で陥っている危機の責任への自覚も反省も示さず、ただただ危機だとあおって悪政を押し付けるのは、まさに扇動の手法です。
　安倍政権の発足から１カ月、安倍政権が打ち出してきた政策には、危機の原因を分析し、正しい処方箋を示したものはありません。経済では「アベノミクス」を自称し、「強い経済」のため「三本の矢」なるものを持ち出してきました。しかしその中身は、異常な金融緩和にせよ公共事業の拡大にせよ破綻した対策の寄せ集めで、国民の所得が落ち込んでいる根本原因を打開するものではありません。
　外交や安全保障でも安倍政権が持ち出してきているのは、日本が攻撃されていなくても同盟国アメリカの戦争に参加する「集団的自衛権」の行使や、きびしい財政事情で国民に増税まで押し付けているのに軍事費だけは増額する予算編成など、国民の願いに反した方向です。過去の侵略と植民地支配を反省した「村山談話」や日本軍「慰安婦」問題での「河野談話」の見直しを言い出すなど、日本を国際的に孤立させようとしていることも重大です。日本の危機を打開するどころか危機を深めさせることにしかなりません。

都合の悪いこと語らない
　安倍首相が所信表明演説で、原発の再稼働・新設問題や環太平洋連携協定（ＴＰＰ）への参加問題など、政権が直面している重大問題にふれなかったことも見過ごせません。都合の悪いことは国民に語ろうともしないというのではまさに「独裁」そのものです。
　昨年の総選挙の結果、国民は民主党政権には「ノー」を突きつけましたが、だからといって自民党に白紙委任したわけではありません。安倍政権に対する国会での追及とともに、悪政を許さない国民のたたかいがいよいよ重要です。
( ２０１３年０１月２９日，「赤旗」) （Page/Top）

メディアをよむ／仲築間卓蔵／国民が握る「バトン」

　今回は、「テレビ番組考」から離れて、完成したばかりの映画「渡されたバトン��さよなら原発�＝v（脚本・ジェームス三木、監督・池田博穂、製作・「日本の青空�V」製作委員会）についてです。この作品は、１９６９年、「新潟日報」のスクープで発覚した新潟県巻町の、東北電力による原発建設計画に対する巻町の人たち（建設推進派、反対派が交錯する）の３４年間に及んだとりくみを描いたものです。
　脚本の初稿を読ませてもらったとき、タイトルが「渡されたバトン」となっていることに、まず納得でした。なぜなら、「私たち一人ひとりが、歴史の中継ランナー。子孫にどんなバトンを渡すべきかを、じっくり考えなければならない」というのが、ジェームス三木さんの持論だからです。
　彼の「バトン」論を聞いたのは２０１０年１１月。九条の会・東京連絡会「９条まつり」のオープニングスピーチでした。このときの「バトン」は「憲法９条」でした。
時代によって「バトン」は変わります。この映画で渡そうとしているのは��さよなら原発�≠ﾌバトンです。
　いま、国民の多くが切実に握りしめているバトンは、ほかに「消費増税ＮＯ」「社会保障切り下げＮＯ」「ＴＰＰ　ＮＯ」「オスプレイＮＯ」「日米安保廃棄」があります。
　従軍慰安婦問題でおわびと反省の気持ちを示した９３年の河野官房長官談話と、侵略戦争について謝罪した９５年の村山首相談話も、安倍首相の「見直し発言」があるなか、大事な「バトン」です。
　いま、大手メディアの関心は、安倍内閣が財界向けに打ち出している国民生活とは無関係の経済・金融政策のようですが、国民の多くが握りつづけている「バトン」に気づかないふりをすることは許されないでしょう。あらためて大手メディアの「視点」が問われる１年になります。
　（なかつくま・たくぞう＝元ワイドショープロデューサー）
(２０１３年０１月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

ケインズ派大瀧雅之東京大学教授、日本共産党小池晃政策委員長徹底討論

物価目標２％は１２％増税だ／所得増やす経済政策が必要
　「ケインズ派と日本共産党」という異色の対談（１７日、日本民主青年同盟東大駒場班主催）が東大キャンパスで実現しました。テーマは「徹底討論　日本経済をどうする！」。登場したのは、ケインズ経済学者の大瀧雅之東京大学教授と小池晃日本共産党政策委員長。立場の違いを超え一致したのは「安倍内閣の経済政策、アベノミクスはとても危うい」―。
　北村隆志記者

　ケインズは２０世紀前半のイギリスの近代経済学者。その学説は主要資本主義国でも、政府の実際の経済政策として採用されました。その立場から、今の日本経済はどう見えるのか―。

日本経済をどう見る
　大瀧氏「今の日本経済の一番の問題は失業が増え、所得分配の不平等が著しく進んでいることだ。失業者に対する包容力も弱まっている」
　小池氏が応じました。
　「現状認識は私も同じ。企業の経常利益は増えているのに、国民の所得は減っている。不正義であるとともに合理的でないことがおきている。所得を増やす経済政策への転換が必要だ」

インフレ政策絶対反対
　これが討論の冒頭。さらにアベノミクスの目玉である、物価上昇をめざすインフレターゲット（インフレ目標）政策にも「絶対反対」で一致しました。
　「危険で無益なインフレターゲット政策は中止すべきだ」と批判した小池氏。リーマン・ショック後、日銀は資金供給を４割も増やしたのに、銀行に眠っているだけで、実際に活用されていないことを指摘し､｢これでは実体経済の改善につながらないし、投機マネーという形で副作用が生まれるだけ」と語りました。
　大瀧氏は「インフレで得するのは投機のツケをチャラにできる一部の金持ちだけ」「インフレは消費とともに、国民の貯蓄にかかる��税金�≠ｾと知ってほしい」と、次のように説明しました。
　「日本の年間消費は２８０兆円あり、家計のもつ金融資産は５倍強の１５００兆円ある。物価上昇１％で消費と貯蓄の両方がその分（約１８兆円）目減りする。結局、６％の消費税課税と同じなんです」
　「（物価目標２％を掲げる）安倍首相は、１２％の消費税増税と同じことをやろうとしている。超金融緩和政策は絶対やめさせないといけない」

海外直接投資規制が必要
　もう一つの話題は、工場の海外移転などの大企業の海外直接投資です。
　大瀧　大企業は自分たちが海外でもうけたドルを円に替え、円高を起こしている。海外直接投資は国内の雇用を奪っており、規制が必要だ。
　小池　重要な指摘だ。政府は海外直接投資に減税措置をとっているのに、企業が海外に出て行かないようにといって法人税を下げている。やることが矛盾している。
　さらに大瀧氏は「多国籍企業の利益と私たちの利益の間に相反がある」とのべ、多国籍企業への規制が「経済政策の大問題だ」とのべました。
　多国籍の大企業にたいする民主的規制の必要性でも一致しました。

財政・税制問題では
　財政・税制問題では―。
　大瀧氏は財政規律を強調し、歳入について「証券優遇税制の廃止と所得税・相続税の累進強化」や「消費税増税」をあげました。
　小池氏は消費税以外の歳入改革については大瀧氏に同意しつつ、「消費税ではない別の道がある」と日本共産党の提案を説明。「これだけ格差が広がっているもとで、逆進的な消費税の引き上げは格差を広げ、景気も冷やし、税収も下げる」と指摘しました。

雇用の流動化止めよ
　雇用について小池氏は「労働者を守るルールが必要」として派遣や有期雇用の制限、正規・非正規労働や男女の均等待遇を呼びかけました。大瀧氏も「結論は基本的に小池さんと同じ」とのべ、「雇用の流動化を止めて、アジアへの直接投資を少なくしなければならない」と訴えました。

歴史観と憲法重視しよう
　最後に、小池氏は、侵略戦争への反省をのべた村山富市首相の「談話」や、「日本軍慰安婦」で軍の関与や強制を認めた河野洋平官房長官の「談話」を変えようという、安倍首相の動きにふれてこう訴えました。
　「安倍政権の歴史観は、日本経済の危機にもつながる。アジア諸国だけでなく、欧米との関係でも決定的亀裂をつくってしまう」
　これにたいし、大瀧氏も「憲法９条の経済的効果を考えたい。日本はもう戦争をしないということで周りの国に信頼を得てきた」と指摘。「９条放棄は致命的だ」と強調し、聴衆の大きな拍手で対談は幕を閉じました。
(２０１３年０１月２７日，「赤旗」) （Page/Top）

憲法守る運動さらに／兵庫県共同センターが総会

　憲法改悪ストップ兵庫県共同センターは２３日、第９回総会を開きました。１７団体４地域から参加し、熱心に討論しました。
　津川知久代表は、安倍首相の明文・解釈改憲・憲法無視の動きを示し、国民の憲法を守り生かす動きも前進していることを強調しました。国民の政治を変えたいという思いが総選挙の棄権票や白票につながったことや選挙後の世論調査で９条改定反対が過半数をしめていることを指摘し、「国民と国会のねじれは一層激しくなっていることに確信もって憲法まもる運動を発展させよう｣と訴えました｡
　和田邦夫事務局長は、但馬共同センターが３月に発足することや署名が４３万４７５９人分に到達し１００カ所以上で学習会が開かれたことを報告。情勢学習の強化と地域センターの活性化、過半数署名の追及、地域九条の会との協力・共同などを提案しました。
　参加者は「総選挙で若い世代に紙芝居で学習し、憲法紙芝居も準備中」（新婦人）、「憲法コースを開設、学習会で活用を」（学習協）や毎年の「つどい」開催、従軍「慰安婦」問題の韓国学習ツアー計画などの取り組みを報告しました。
(２０１３年０１月２６日，「赤旗」)

情勢の大局をつかみ国民のなかへ／１月２３日／学習・教育局長山谷富士雄

　１月初めに、私はあるベテラン党員と「なぜ選挙がうまくいかないのか」と議論する機会がありました。この方は、こんどの選挙結果を、「国民は格差拡大や原発問題など社会不安が高まっているもとで、それに応えない政治への怒りを爆発させたもの」と分析しつつ、その一方で、「常幹声明は、前進への足がかりをつかんだというが、果たしてそういえるのか」との強い疑問をぶつけてきました。私はこの議論をとおして、党が正しい方針を持っていればいつでも必ず前進するということにはならないこと、情勢の大局的な流れに確信をもち、現実の複雑さを単純化しないでつかみ、ねばり強く国民に働きかけていく、そこに今日の党の役割があることを認識してもらう大事さを痛感しました。
　「党旗びらき」あいさつの討議でも、「なかなか勝てない」といった意見がさまざまな形で出されています。たしかに、情勢を表面的にとらえれば、「自民圧勝」「改憲勢力が国会を覆う」状況ですし、マスメディアの描く情勢の図式も「いわゆる護憲派は後退している」というものです。それだけに、「なかなか展望がもてない」といった気持ちは出てきやすいのですが、そこを打ち破るために深い解明をおこなっているのが、「党旗びらき」あいさつであり、１３日のＮＨＫ「日曜討論」での志位委員長の発言です。

安倍政権は、経済でも、外交でも展望がない
　「党旗びらき」あいさつは、「現状を、大局的な視野で見れば、６０年間続いた『アメリカいいなり』『財界中心』という古い自民党型政治がいよいよ行き詰まり、日本が新しい政治を求める新しい時代に入ったことは間違いありません」とのべ、安倍自公政権が経済でも外交でも行き詰まりを打開する展望をいっさい持てないことを明らかにしました。
　ＮＨＫの「日曜討論」で安倍政権について司会者の質問に答え、志位委員長が次のように解明しました。
　「緊急経済対策」で「三本の矢」として掲げた「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」は、いずれもすでに破たんが証明ずみの��折れた矢�≠�三つ並べただけのもので、なぜデフレ不況がここまで深刻化したかの原因の分析がなく、経済とくらしをどう立て直すかのまともな処方箋がなにもない中身になっています。外交でも、安倍首相らは改憲論を主張していますが、総選挙後の世論調査をみても、憲法９条改定にたいして毎日新聞で５２％、朝日新聞で５３％が反対と国民の多数が反対です。
　また、憲法改定の動きにたいして、世界とアジアからも批判と懸念の声が広がっており、世界と日本の大勢から見れば、それに逆らうものであることははっきりしており、この点でも展望がありません。
　さらに安倍内閣は、日本軍「慰安婦」問題をはじめとする「歴史問題」を抱えています。村山・河野談話見直しの動きに、ニューヨーク・タイムズは、「安倍氏の恥ずべき衝動」という厳しい社説を書きました。この問題は第２次世界大戦後の世界の秩序をひっくりかえすものであり、世界中を敵に回すことになります。このように、経済でも、外交でも、安倍政権がやろうとしていることは行き詰まり、まったく展望がないものです。
　こうした「日曜討論」での志位委員長の発言からしっかり学ぶことが大切です。

��冬の時代�≠ﾅなく、新しい政治を求める激動の時代
　新しい政治を求める国民の探求も、さまざまな政治的体験を積み重ねるなかで、発展しています。今回の総選挙で、国民が「民主党政権にノー」という審判を下したこと自体は極めて積極的なものです。同時に、新しい選択先がわが党に向かうのではなく、自民党の政策や実績を評価したわけではなくて、消極的に自民党に投票したか、「第三極」といわれる政党にまわったか、棄権にまわりました。たしかにジグザグはありますが、ここにも、国民のあいだの新しい政治を求める模索と探求の過程が確実にあらわれています。
　消費税増税やＴＰＰ（環太平洋連携協定）、米軍基地、原発の問題も、総選挙が終わったからといってなにも解決されていませんし、年明けから首相官邸前の行動は新たな意気込みで開始され、「３・１０原発ゼロ・大行動」も計画されています。こうしたさまざまな国民的運動が大きく高揚していることにも、新しい政治を求める国民の模索と探求のプロセスがあらわれていると思います。
　「党旗びらき」あいさつは、「どんなに古い政治が行き詰まっても、それは自動的に崩壊し、変わるわけではありません。新しい政治を求める国民の探求が、さまざまな政治的体験を経ながら前進し、成熟してこそ、新しい政治の扉は開かれます」と述べています。ここをしっかりと討議することが大切ではないでしょうか。
　日本共産党の位置についていえば、日本の現実とこれからを展望する「北斗七星」のような輝きを増す時代になっていると思います。情勢の全体像をよくつかみ、いまの情勢が党にとって「��冬の時代�≠ｪやってきて耐え忍ばなければならない時代」ではなく、情勢のあらわれ方は単純ではありませんが、「新しい政治を求める激動の時代」に入っているという見方を、党機関や支部の会議でよく討議し、つかんでいくことが大事です。
　そして、日本共産党が、「防波堤の党」、「変革者の党」、さらに「国民共同をすすめる党」として意気高く奮闘し、参院選、東京都議選の前進・勝利をめざし、１月活動の前進――とりわけ国民との結びつきを強める努力と一体に、情勢をきりひらく根本の力、党勢拡大の前進のために手だてをつくしましょう。
( ２０１３年０１月２４日，「赤旗」) （Page/Top）

解説／政府ＡＳＥＡＮ外交方針／アジアの信頼得られない

　「日米同盟は、かつてにも増して重要な意義を帯びてくる」―。安倍首相による外交政策演説（安倍ドクトリン）はこう強調しています。
　同演説は、東南アジア外交の原則をうたっているはずなのに、前面に出ているのは日米同盟です。「海は、力によってではなく、法とルールの支配するところでなくてはなりません」とする考えには、中国の台頭や軍事的進出を念頭において、日米とインド、オーストラリア、そして東南アジアを巻き込んだ��包囲網�≠�形成しようという意図が見えます。
　かつて１９７７年８月１８日に福田赳夫首相（当時）がフィリピン・マニラで行った政策演説（福田ドクトリン）は「わが国は、諸国民の公正と信義に信頼してその安全と生存を保持しようという歴史上かつて例をみない理想を掲げ、軍事大国への道は選ばないことを決意した」と宣言したものでした。
　実際は福田政権時代も軍事費が右肩上がりに増えており、日米同盟強化が進んでいましたが、少なくとも侵略戦争の反省にたった日本国憲法にのっとって外交を進めるという発想を見て取ることができます。だからこそ、東南アジアでも受け入れられたのです。
　安倍首相の演説で「わたくしの国が、この『福田ドクトリン』を忠実に信奉し、今日まできた」と述べたのも、こうした評価を意識したためです。
　しかし、安倍首相は、「福田ドクトリン」が軍事大国化への道は歩まないと述べた肝心の部分には一切触れませんでした。それどころか、昨年１２月の総選挙で「国防軍」創設と「集団的自衛権の行使を可能にする」と公約に掲げたのは安倍首相自身です。憲法９条改定も公然と掲げ、アジア・太平洋地域で「（米国と）パートナーをなすのが理の当然」と軍事的協力関係を探求しようという安倍首相にアジア太平洋地域からの信頼は広がらないでしょう。
　実際、オーストラリアのカー外相は日本軍「慰安婦」問題に関する１９９３年の河野洋平官房長官談話「見直し」問題について、「見直しが行われることは望ましくない」（岸田文雄外相との共同記者会見、１３日）と述べるなど、安倍政権の動きに対する不信感がアジア・太平洋地域に広がっています。
　米国中心の軍事同盟（ＳＥＡＴＯ）が解消したもとで、ＡＳＥＡＮ諸国は、域内を発展させることに力を尽くしてきた歴史があります。こうしたＡＳＥＡＮ諸国でつくられている平和と安全保障の仕組みを貫いているのは、軍事的手段、軍事的抑止力に依存した安全保障という考え方から脱却し、地域のすべての国を迎え入れ、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的なアプローチで安全保障を追求するという��平和的安全保障�≠ﾆいう考え方です。
　日米同盟堅持・拡大を宣言した安倍ドクトリンほど、ＡＳＥＡＮ諸国で発展する平和外交の流れに逆行するものはありません。
　（山田英明）
( ２０１３年０１月２２日，「赤旗」)

「慰安婦」問題、河野談話見直し／世界で生きる地位失う／志位委員長が批判

　日本共産党の志位和夫委員長はＮＨＫ討論番組（１３日）で、河野談話などを見直そうとする安倍首相の姿勢を批判しました。
　志位氏は、第２次世界大戦後の世界秩序は、かつての日本とドイツとイタリアによる戦争が不正・不義の侵略戦争だったことを共通の土台としていることを指摘｡｢この土台をくつがえしてしまう動きを、万が一にも具体化することになれば、日本が世界で生きていく地位をまさに失うことになる。絶対にやってはならない」と警告しました。
(２０１３年０１月２０日，「赤旗」)

「慰安婦」問題、河野談話見直し／右バネききすぎ外交上問題／元内閣官房長官・前衆院議員加藤紘一さん

　朝鮮半島出身のいわゆる「従軍慰安婦」問題については、私が宮沢喜一内閣の官房長官だったとき、９１年１２月から９２年７月まで調査しました。
　関係資料が保管されている省庁で調べて､｢慰安所の設置、慰安婦の募集に当たる者の取り締まり、慰安所施設の築造・増強、慰安所の経営・監督、慰安所・慰安婦の衛生管理、慰安所関係者への身分証明書の発給等について、政府の関与があったことが認められた」と結論を出しました。その時点で、すでに、政府として「筆舌に尽くしがたい辛苦をなめられた全ての方々に対して、改めて衷心よりお詫(わ)びと反省」を表明しました。
　私の次の河野洋平官房長官のときに、さらに調査して「強制性」を認めました。この一連の調査や見解をくつがえそうという今の動きに、私としては賛成できないし、右バネがききすぎて、外交的にも大丈夫なのかと思います。
　こういう状況になると、当然、近隣諸国が懸念を持つでしょう。近隣諸国ばかりか、アメリカもこの問題に強い関心を持っていることに私も驚いたことがあります｡２００７年の安倍首相･ブッシュ大統領の会談では、安倍首相が「お詫び」せざるを得ませんでした。アメリカは、人権問題という点からこの問題をとらえていたのでしょう。
　近隣諸国やアメリカの関心は、軍の強制連行があったかなかったか、といった狭い議論ではありません。全体として人権侵害があり、それを否定することなど考えられないと見ているのです。
(２０１３年０１月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題、河野談話見直し／世界の常識は「人道の罪」

　安倍晋三首相が「慰安婦」問題で、旧日本軍の関与と強制を認めた河野洋平官房長官談話（１９９３年）の見直しを表明したことに、国際社会からの批判が強まっています。そもそも「慰安婦」問題は世界でどう見られてきたのか。改めてふりかえると―。

｢河野談話は､近代史で最も暗い出来事の一つへの認識を示したもので、見直しは望ましくない」
　１３日、豪紙オーストラリアン（電子版）によると同国のカー外相は、シドニーでの日豪外相会談後の共同会見でこう述べました。米紙ニューヨーク・タイムズなど海外メディアの批判に続き、外国政府からも異論が突きつけられた形です。
　安倍氏の見直し論は、「慰安婦」を強制連行したと直接示した資料はないとし、この立場を「加味して内閣の方針」を今後示すというもの。（「産経」昨年１２月３１日付）
　安倍氏自身はこれ以上語ってはいません。しかし同氏が賛同し昨年１１月に米紙に掲載された「歴史事実委員会」の意見広告は「慰安婦」について「世界中のどこにでもある公娼制度」などと正当化しています。
　しかし、「慰安婦」にされた当の女性たちをはじめ、国際社会は、そんな主張を受け入れず、日本政府の責任を追及してきました。その基本にあるのは、国連人権委員会で採択された報告書（１９９６年、クマラスワミ報告）と、それを補強した報告書（９８年、マクドゥーガル報告）です。
　９６年の報告書は､元｢慰安婦」から証言を直接聞き取った内容を詳しく紹介。１日に４０人もの相手をさせられ、抵抗した少女の首を日本軍が切り落とした証言も示し、「慰安婦」の実態を「軍性奴隷制の実施であった」と定義づけています。
　９８年の報告書は「この犯罪の性質を適切に述べるとすれば、人道に対する罪としか言いようがない」と強調。両報告は、当時の国際法でも、奴隷制、強制売春、レイプは認められておらず、違法と断じています。
　強制的に連行されたという元「慰安婦」の証言もあります。しかし国際社会が指摘する問題の核心は、軍の管理のもとで多くの女性が閉じ込められ、レイプが組織的に行われていたという人権侵害です。
　第１次安倍内閣（２００６〜０７年）でも安倍氏は問題を「強制連行」の有無にわい小化し、正当化をはかろうとしました。しかし米下院やオランダ下院､カナダ下院､欧州議会､フィリピン下院､韓国国会、台湾立法院で日本政府に謝罪や賠償を求める決議が採択されるなど、国際的に包囲される事態になりました。
　当時、日米同盟強化が持論のマイケル・グリーン氏（元米国家安全保障会議上級アジア部長）でさえ「（連行が）強制されたかどうかは関係ない。日本以外では誰もその点に関心はない。問題は慰安婦たちが悲惨な目に遭ったということであり、永田町の政治家たちは、この基本的な事実を忘れている｣と批判しました｡(｢朝日｣０７年３月１０日付)
(２０１３年０１月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

週間日誌／１３年１月１３日〜１９日

政治・経済
　◆１２年度補正予算を決定　安倍内閣は総額１３・１兆円にのぼる２０１２年度補正予算案を決定（１５日）
　◆９地域中８地域で下方修正　日銀の「地域経済報告」（さくらリポート）が、全９地域のうち北海道を除く８地域で２０１２年１０月の前回報告から景気判断を下方修正。前回報告に続き、８地域での引き下げ。生産については、全地域で判断引き下げ（１５日）
　◆首相が初外遊開始　安倍首相がベトナム、タイ、インドネシアの東南アジア３カ国歴訪を開始。就任後、初の外遊（１６日）
　◆日米外相会談　訪米中の岸田文雄外相とクリントン国務長官が会談。国務長官が沖縄・米軍普天間基地の辺野古「移設」推進を要請（１８日）
　◆円相場が２年７カ月ぶりに９０円台　東京外国為替市場の円相場が２０１０年６月２３日以来約２年７カ月ぶりに１�j＝９０円台に急落。午後５時現在は９０円０２〜０２銭と前日比１円４２銭の円安・ドル高。一方、日経平均株価の終値は前日比３０３円６６銭高の１万０９１３円３０銭と、１０年４月３０日以来約２年９カ月ぶりの高値（１８日）

社会・国民運動
　◆新成人１２２万人　「成人の日」を迎え全国で１２２万人が新成人に（１４日）
　◆Ｂ７８７緊急着陸、当面運航中止　山口宇部発羽田行きの全日空のボーイング７８７型機（乗客乗員１３７人）から「コックピット（操縦室）から煙が出た」と連絡があり、高松空港に緊急着陸し、緊急脱出装置で全員が機外に避難。全日空も日航も当面運航を中止（１６日）
　◆阪神・淡路大震災から１８年　６４３４人

国際
　◆仏軍がマリ北部空爆　アフリカ西部マリの政府軍支援のため軍事介入したフランスは、イスラム武装勢力が支配する北部の主要都市への空爆を初めて実施（１３日）
　◆南シナ海「米中一方に偏らない」　シンガポールとタイはそれぞれ、南シナ海問題で米国と中国のどちらか一方に偏った態度を取らずに東南アジア諸国連合が共通の立場を確立し、南シナ海行動規範を中国と締結すべきだと強調（１４日）
　◆ＮＹ州議会「慰安婦」決議案　米ニューヨーク州議会に日本軍「慰安婦」問題をめぐり、日本政府の責任を改めて追及する趣旨の決議案が提出（１６日）
　◆米大統領が銃犯罪抑制策を発表　オバマ米大統領は銃犯罪抑制策を発表し、そのうち銃購入者の身元調査に関する情報を政府機関が共有することなど２３項目を大統領令として公布（１６日）
　◆イスラム武装組織が外国人拘束　アルジェリアで発生した外国人拘束事件に関し、国際テロ組織アルカイダ系とみられるイスラム武装組織が声明で日英仏などの外国人を人質に取ったことを認め、解放の条件として仏軍のマリへの軍事作戦停止を要求（１６日）
( ２０１３年０１月２０日，「赤旗」)

女性の共同広げよう／創立６０周年婦団連が総会

　創立６０周年をむかえる日本婦人団体連合会（婦団連）は１９日、東京都内で第３９回総会を開き、憲法を守り平和とジェンダー平等実現へむけて女性の共同を広げる活動方針を決めました。
　堀江ゆり会長は主催者あいさつで、安倍内閣が憲法改悪や、日本軍「慰安婦」問題で政府として「おわびと反省」を表明した河野官房長官談話（１９９３年）の見直しなど恥ずべき政策を進めていることを批判。「女性がしっかり立ち向かっていかなければなりません。６０年の活動を確信に、憲法を守る一致点で大きな共同行動を呼びかけ、これまで以上に幅広く運動を広げていきましょう」と呼びかけました。
　榎本よう子事務局長が議案の説明に立ち、▽憲法改悪を許さず、日本を「戦争する国」にさせない▽核兵器廃絶、比例定数削減阻止、消費税増税反対、ＴＰＰ交渉参加反対、原発即時ゼロなどの運動を強化する▽憲法と女性差別撤廃条約に基づくジェンダー平等をめざす―ことなどを提案しました。
　討論では「総選挙では紙しばいを作って政治の実態について話し合いました。参院選挙までに、こういう輪をもっと広げて力にしたい」（新日本婦人の会）、「憲法について話し訴える『Ｉ　ＬＯＶＥ憲法１０万人教職員メッセージ』運動に取り組んでいます」（全日本教職員組合女性部）などの発言が続きました。
　国際婦人年連絡会の実生律子世話人、日本共産党の田村智子参院議員が来賓あいさつしました。
　選出された新役員は次の通りです。
　▽会長＝堀江ゆり（再）▽副会長＝中岩春子（再）、伍淑子（再）、柴田真佐子（再）、笠井貴美代（再）、櫻井幸子（再）、小畑雅子（新）、大石邦子（再）、石川一美（再）、伊藤啓子（再）、久保田みき子（再）▽事務局長＝榎本よう子（再）（敬称略）
( ２０１３年０１月２０日，「赤旗」) （Page/Top）

東大で白熱討論／ケインズ経済学者大瀧雅之さん／共産党政策委員長小池晃さん

不平等の拡大が問題／労働者守るルールを
大瀧雅之さん／民を救うのが経済の目的。失業増が日本経済の一番の問題
小池晃さん／働く人の所得減と大企業の内部留保増。この不正義正そう
小池／安倍政権の歴史観は日本経済の危機にも
大瀧／不戦の信頼得た９条。放棄は致命的です

　東京大学駒場キャンパス（東京都目黒区）で１７日、異色の討論会が開かれました。ケインズ経済学者の大瀧雅之・東大教授と日本共産党の小池晃政策委員長が対談する「徹底討論　日本経済をどうする！」。格差の拡大を解決するために何が必要か−財政、金融、雇用をめぐり、立場を超えて思いを共有しました。日本民主青年同盟東大駒場班が主催しました。

　冒頭、大瀧氏が述べたのは経済学の現状への強い危機感です。
　「世をたばね、民を救うのが経済学の目的です。そういうことに対する経済学者の認識が甘くなっていることが非常に危うい。失業がすう勢的に増え、所得分配の不平等が著しく進んでいることが今の日本経済の一番大きな問題です。同時に失業者に対する社会全体の包容力がなくなっている」
　「これ以上ひどくならないために」として大瀧氏は「超金融緩和」でインフレをあおることをやめることや、雇用を奪う海外直接投資の抑止を呼びかけました。
　小池氏は「不平等を打開していくことが日本にとって大きな課題だという思いはまったく同じです」と応じました。働く人の所得が減る一方、大企業が増やした内部留保を設備投資に回さず、手元で眠らせていることについて「不正義であると同時に合理的でないことが起きている。これを打開していくことが日本の経済不況を打開していく一番のかぎになるでしょう」と語りました。その上で�@消費税増税の中止�Aリストラ、賃下げを政治の責任でやめさせる�B人間らしい暮らしを保障するルールをつくる―の三つを提起しました。

所得税などの累進制強化を
　財政政策について大瀧氏は財政規律を強調。証券優遇税制の廃止や所得税、贈与税、相続税の累進制強化を呼びかけました。企業の国内立地を増やすため、東日本大震災の復興のために工場を建てる企業に法人税を「思い切っておまけする」ことを提案しました。また、安倍政権が進めようとしている国債の日銀引き受けは「財政法で禁じられた脱法行為」と厳しく批判しました。
　また、大瀧氏は、企業のもうけに占める海外の割合が増え、もうけを円に還元しようとしたときに円高を起こしているとして、規制の必要性を訴えました。
　海外直接投資の増加が円高効果を生み出して企業が自分で自分の首を絞めているという大瀧氏に小池氏は「重要な指摘だ」と賛成し、「海外直接投資に減税措置をとっているのに、海外に出て行かないように法人税を下げるという政府の言い分は本当に矛盾している」と批判しました。
　小池氏は日本共産党の「社会保障充実、財政危機打開の提言」の内容を紹介し、応能負担による税財政政策と、国民の所得を増やす経済改革で内需主導の経済成長を図る政策を説明しました。

物価上昇政策「危険で無益」
　安倍内閣が日銀に迫っているインフレターゲット政策について小池氏は「危険で無益」と批判。リーマン・ショック後、日銀は資金供給を４割も増やしたが貸し出しで市中に流れていないことを指摘し、「このようなことをしても実体経済の改善につながらないし、投機マネーという形で副作用が生まれるだけ」と語りました。
　小池氏は、経済不況の原因をすべて日銀に押し付ける安倍内閣の姿勢について「あまりに無責任。退廃している」と批判しました。金融緩和といいながら、中小企業のための金融円滑化法を打ち切ろうとする政府を批判し、「地域社会に貢献する金融機関の責任を果たさせる恒久的な仕組みを提起していきたい」と述べました。
　小池氏の話をうなずきながら聞いていた大瀧氏は｢ほとんど同じ｣と賛意を示し、「なぜ右寄りの勢力を中心にインフレをあおる動きがあるのか」と問いかけました。大瀧氏は、金持ちや大企業がバブル経済の時代に投機でつくった債務をインフレで帳消しにしようというのが今の動きだと解説し、そのために「普通に働いている人がどうなっても構わないという考え方です。こんなことを許していいわけはない」とインフレターゲット政策を厳しく批判しました。

構造改革以来、視野が短期的
　雇用については小池氏が「労働者を守るルールが必要です」として解雇規制法の制定や労働者派遣法の抜本改正、有期雇用の限定などの必要性を強調し、「正社員も非正規の労働者も人間らしい雇用を」と呼びかけました。
　大瀧氏は「結論は基本的に小池さんと同じ」と述べて、「企業は株主のもの」という最近の風潮に異を唱えました。「短期的金もうけのためにどんなに賃金を値切って労働者を奴隷のように使っても構わないという考え方は非経済的。構造改革以来、視野が短期的になった。雇用の流動化を止め、アジアへの直接投資を少なくしなければならない」と訴えました。
　最後に話は憲法に及びました｡日本軍｢慰安婦」などをめぐって小池氏が「安倍政権の歴史観は日本経済の危機にもつながるのではないか。欧米と決定的亀裂をつくっていくのではないかと危機感を持っている」と述べました。大瀧氏は「日本はもう戦争をしないということで周りの国に信頼を得た」という意味で「９条の経済的効果」があったことを指摘。「９条を放棄したら致命的なことになる」と応じました。
( ２０１３年０１月１９日，「赤旗」) （Page/Top）

おはようニュース問答／「慰安婦」問題、安倍首相に大きな批判が

　秋平　安倍晋三首相が、日本軍「慰安婦」問題否定の意見広告に賛同していたんだって？

賛同者を閣僚に
　晴男　そうなんだ。米国ニュージャージー州の「スターレッジャー」という新聞に昨年１１月４日、「慰安婦」問題で「日本軍の強制はなかった」という広告が出た。これに日本の国会議員３９人が賛同したが、そのなかに安倍氏の名前もある。
　秋平　安倍氏が昨年９月に自民党総裁に返り咲いた直後のことだね。
　晴男　そればかりじゃない。総選挙後に首相の座についた安倍氏は、意見広告に賛同した��お仲間�≠ｩら４人を閣僚に起用した。安倍内閣は、「慰安婦」問題を認めない「極右」の政権だという国際的なメッセージを発したようなものだ。
　秋平　日本政府の正式な立場は、１９９３年に当時の河野洋平官房長官が「おわびと反省」を表明した談話なんだろう。
　晴男　ところがその直後から、河野談話を否定しようとしてきた急先ぽうの政治家が、安倍氏たちだったんだ。
　秋平　それにしても「強制はなかった」という政治家たちの無責任さにはあきれるね。
　晴男　「慰安婦」は、軍や警察に強制されたのではなく「稼ぎに行った売春婦だから日本政府に責任はない」という論理で、日本の加害責任を逃れようなんて、通用する話じゃないよ。
　秋平　国際社会は「慰安婦」問題を、女性に対する暴力の問題として重視し、日本政府が責任を認め、謝罪し、賠償することを強く求めている。
　晴男　米下院をはじめ七つの国と地域の議会が決議をあげ、国連人権委員会など国際機関も、日本政府に勧告している。

日本の孤立にも
　秋平　河野談話は、こうした国際社会の要求に一応こたえたものと扱われ、それを現実の政策で実行することが求められてきたものだ。
　晴男　ところが、安倍首相は、河野談話を見直すと表明し、歴史の歪曲(わいきょく)をさらにすすめようとしていると大きな批判を呼んでいる。
　秋平　安倍氏ら日本の右翼勢力は「日本の誇り」を強調し、「自虐史観」を改めるというけど…。
　晴男　それでは、アジアからも、国際社会からも、日本を孤立させかねないね。
( ２０１３年０１月１８日，「赤旗」)

ドイツ「過去の克服」日本と大きな違い／欧州紙の論調

　ルクセンブルク第２の日刊紙ターゲブラット１２日付（電子版）は、「和解か戦争か」と題する記事で、欧州共同の経済の発展という繁栄が独仏の和解なしにはできなかったように、今、東アジアで日本の反省と和解が求められていると強調しました。日本政府が南京大虐殺などの戦争犯罪を徹底的に反省しなければならないという主張です。
　欧州でも質が高い新聞といわれるスイスのノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング１１日付（電子版）は「安倍首相はその明瞭な国粋主義的態度が東アジア地域で注視されている」と指摘し、同氏が日本軍の｢慰安婦｣問題での河野官房長官談話を見直そうとし、韓国との関係を緊張させていると指摘しました。
( ２０１３年０１月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

ドイツ「過去の克服」日本と大きな違い／安倍政権に正面から問う／欧州発展の基礎は「侵略戦争の反省」

　ドイツが侵略戦争を徹底して反省し、宿敵フランスと和解できたように日本はそれができるのだろうか―欧州のマスメディアの中で、安倍自民党政権に真っ向から問う論調が出ています。欧州の経験はドイツの過去の反省なしには共同の繁栄もなかったことを示しているからです。第２次大戦時には同じ日独伊三国同盟の一員だった日本とドイツには大きな違いがあるといいます。ドイツの「過去の克服」の取り組みをみてみました。
　（片岡正明）

戦争犯罪追及と謝罪／指導者の姿勢が浸透
　米ニューヨーク市の繁華街タイムズスクエアに、旧日本軍の「慰安婦」問題で、日本に謝罪を求める看板が掲げられたのは昨年秋のこと。看板には、旧西ドイツのブラント首相が１９７０年にポーランドで、ナチス・ドイツによるユダヤ人犠牲者の碑の前にひざまずいて虐殺を謝罪した際の写真が示されました。「彼の行動が欧州の和解を進めた」と書かれてあります。ドイツの戦争犯罪への謝罪を象徴する場面でした。
　隣国への侵略戦争や６００万人を殺害したといわれるホロコースト（ユダヤ人大量虐殺）など数々の戦争犯罪を犯したナチス・ドイツが連合軍に敗れ去った後、ニュルンベルク国際法廷はナチスの最高幹部１９人を有罪としました。
　日本でも東京裁判がありましたが、違いは旧西独ではその後、自国の裁判所で裁判が続けられたことです。１９５０年代末までに６０００人近くに有罪判決が出されました。
　以来、戦争犯罪には時効は適用されないとして、現在でも容疑者が捕まれば戦争犯罪の裁判を開いています。
　当初は自国の戦争犯罪に思いをめぐらせた人は少数でした。
　敗戦直後の国民が直面したのは膨大な戦争被害。ドイツ人の犠牲者は死者、行方不明者合わせて３００万人以上、捕虜となったのは２００万人でした。主要都市では半分から７割の家屋が連合軍の攻撃で破壊されました。戦時中、ナチスの党員は全人口の７％を占め、米英仏ソ連の占領下で非ナチ化は掲げられたものの、急速に進んだ冷戦の中で徹底されませんでした。
　６０年代から活発化した学生運動で「祖父や父はナチスの時代に何をしたのか。なぜナチスに抵抗しなかったのか」を問う動きが発展。６９年の総選挙で社会民主党が第１党となり、反ナチの闘士だったブラント氏が首相に就任し、７０年のひざまずきになるのです。
　さらに、８５年に「過去に目を閉ざすものは現在にも盲目になる」「歴史の真実を直視しよう」と呼び掛けたワイツゼッカー大統領などの政治指導者の態度が国民にも浸透していきました。

教育／周辺諸国と歴史研究
　二度と侵略戦争や戦争犯罪を起こさないために、力を入れたのが教育です。
　ドイツ側から働きかけ、ナチス・ドイツの被害を受けた国々との共同の歴史研究、教科書づくりが進められました。
　「国民間の敵意をなくすために共通の認識をつくり、まず子どもたちに教えていこうとしました」
　戦後６０年の２００５年のとき、記者の取材にゲオルク・エッカート国際教科書研究所のロベルト・マイヤー研究員はこう答えました。
　同研究所を中心にドイツは戦後すぐからフランス、オランダ、スカンジナビア諸国と共同研究に取り組みました。冷戦のため遅れていた東欧諸国では、１９７２年にポーランドとの間で開始しました。
　しかし、その成果を国民が受け入れるまでの道は決して平たんではありませんでした。７６年、ドイツ・ポーランド歴史教育委員会がナチスの犯罪とドイツの戦争責任を明確にした「歴史と地理の教科書に関する勧告」を発表すると教育行政を管轄する各州当局からさまざまな意見が出ました。最も大きな問題となったのは、第２次大戦後のドイツ人追放についてでした。
　マイヤー氏は「共同研究が徹底した国民討論の触媒となり、その結果、ドイツ国民の間に『ドイツには侵略戦争を始めた責任がある』という理解が進んだ｣と語りました｡
　最近では教育内容でナチスの人種優越主義や排外主義への反省から「少数者（少数民族や宗教での少数者)への寛容｣にも重点が置かれています。

補償／被害者の救済へ尽力
　昨年１１月、戦争被害者への補償問題で新たな動きがありました。ショイブレ財務相が、ナチス・ドイツ時代のホロコースト被害者救済のために、新たに約８万人に１人当たり２５５６ユーロ（１ユーロ＝約１１８円）を補償するなどの合意文書に署名したのです。
　ドイツ政府は、１９５２年、イスラエルとユダヤ人団体との間で、ナチスの戦争犯罪に対する補償を定めた協定を締結し、これまで約３７万人以上のユダヤ人被害者に補償金を支払ってきました。
　ユダヤ人被害者への補償は１９９２年に、旧ソ連・東欧に住んでいる人にも広げましたが、今回はこれまで政治的な混乱などが原因で補償を受けられなかった人を対象にしたものでした。
　ショイブレ氏は、ベルリンのラジオ局に「いかなる支援も（被害者の）苦しみに比べれば見劣りするが、ドイツはホロコーストの犠牲者への歴史的責任をはたす」と強調。「ホロコーストの犯罪はわれわれがまだすべての犠牲者の名前や補償を受ける権利のある人の名を知ることができないほど大きいし、それに（補償などの支援を）合わせていかなければならない」と語りました。
　日本と同様に大きな問題となっていた強制労働従事者への補償では難航、１９９０年代までは取り残されました。
　これも、９６年に憲法裁判所が強制労働に対する個人の請求権を認め、動き出しました。ドイツ政府と企業は折半で１００億マルク（１９９９年当時の為替レートで５５３８億円）を集め、補償基金「記憶・責任・未来」をつくり補償金支払いを決め、２００７年には支払いを終えたと発表しました。
( ２０１３年０１月１８日，「赤旗」) （Page/Top）

米で「慰安婦」決議案／日本政府の責任追及／ＮＹ州議会

　【ワシントン＝山崎伸治】米ニューヨーク州議会に、旧日本軍の「慰安婦」問題をめぐり、日本政府の責任を改めて追及する趣旨の決議案が提出され、１６日、上院の財政委員会に付託されました。
　決議案表題は「韓国系米国人社会が、世界中に��慰安婦�≠ﾆして知られるようになった人々に賛辞を呈する記念碑を寄贈したことを称賛する決議案」。
　決議案は、日本政府が１９３０年代から第２次世界大戦の間、アジア各国から、約２０万人の若い女性を「軍の性的奴隷とするためだけの目的で捕らえるよう公に命じた」と指摘。「慰安婦」制度は「日本政府による強制的な軍のための売春であり、その残虐さと規模において前例がない」「２０世紀最大の人身売買事件の一つ」と非難しています。
　また２００７年に、米連邦議会下院が日本政府に対し、首相の公式表明として「慰安婦」について謝罪するよう決議したことに触れています。
　さらに「元『慰安婦』が、自分たちのことが正しく認識され、日本政府が謝罪するよう求めてたたかっていることを称賛し、支持する」、「米連邦下院決議の勧告に同調し、日本政府が歴史的責任を受諾して、こうした犯罪について将来の世代を教育するよう促す」よう決議するとしています。
( ２０１３年０１月１８日，「赤旗」)

「９条守れ」と１０年目／新年初の宣伝／大阪「野崎駅周辺の会」

　「憲法と平和を愛し野崎駅周辺で共同する会」（略称・野崎駅周辺の会）は２００４年の結成以来、毎月３日または８日（憲法記念日と太平洋戦争開戦日）に大阪府大東市のＪＲ野崎駅前で宣伝行動をしています。
　１０年目となる２０１３年、新年初の宣伝行動は、８日に９人が参加し、着ぐるみのプーさんも登場し横断幕を掲げ、元気よく宣伝。道行く人の顔がほころび、ビラの受け取りもよく、注目度も広がりました。
　リレートークと、会の独自ビラ（１０２号）で、憲法改定勢力の台頭に警鐘を鳴らし、９条を守ろうと呼びかけました。
　４人がマイクを握ったリレートークでは、自民・公明の絶対多数の議席は「虚構の多数」であって、原発再稼働、消費税増税や、社会保障切り捨てなど、国民の声を代表するものではないことを得票数や国民の願いを示して解明しました。　さらに、「９条に国防軍を書き込むなどは、アジアの緊張を高めることでしかありません。９条を守り抜きましょう」とよびかけ、アジアで生きるためには、過去の戦争の歴史に正面から向き合うことこそ大切だと指摘し、戦争と植民地支配に反省を表明した「村山談話」や、従軍「慰安婦」への旧日本軍の関与を認めた「河野談話」の変更の動きを厳しく批判しました。
　夏の参院選で、暮らしと憲法を壊す政治にストップをかけましょうとよびかけました。
(２０１３年０１月１７日，「赤旗」)

水曜随想／参院比例候補仁比そうへい／草の根から「返り討ち」に

　夏の参院選は、７月４日公示・７月２１日投票が、ほぼ確実となった。
　報道によると、安倍総理側近は「参院選までは景気回復だけを訴える。参院選に勝利し、ねじれ国会を克服すればあとは長期政権」のシナリオを披露したという。この「当面は安全運転で参院選勝利」というもくろみを許すなら、その後３年、国政選挙の審判を受けずに改憲と弱肉強食政治に暴走することは火をみるよりも明らかである。
　しかし、オオカミがかぶれば羊の皮は破れるものである。
　「従軍慰安婦」問題で日本政府に公式謝罪を求める決議案が米州議会に提出されることになった。侵略戦争の美化が国際社会で通用することはありえない。「アベノミクス」で深刻な不況から脱け出せるのか。「年金減らしはごめん」「結局金持ちとゼネコンのための大借金じゃないか」と早くも怒りの声が上がりはじめた。演説会で「見せかけの景気を春までは、というのはなぜでしょう」と問いかけると、すかさず「消費税増税じゃ！」と合いの手が飛ぶ。
　３・１１に無反省のまま「原発輸出で成長を」と東芝社長を経済財政諮問会議委員にすえ、原発の再稼働と新増設の大合唱。「地元でいうことと国会でやることが違う政治家はいらない」という根本矛盾にさらされるＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加。米空軍オスプレイや自衛隊オスプレイなどありえない！
　改憲国民投票の発議可能な３分の２以上を自民と維新だけで占める衆議院となっても、肝心なのは、主権者国民は「国防軍」や「核武装」など真っ平ごめんということである。草の根から「返り討ち」にする運動がはじまっている。
　石にかじりついても必ず議席を奪還し「憲法が生きる時代」の砦（とりで）をうちたてる。
　迎えた新春。初詣で「神頼みでも何でも」とおみくじを引いた。運勢は「吉」「花の咲き揃（そろ）えるが如（ごと）し」と。いいでしょう。願望「叶（かな）う」。争事「短気をつつしめば勝つ」。
　あせらず、一日一日を大切にして、みんなで力を合わせてたたかいを広げたい。みなさん、どうぞお力をお貸しください。
(２０１３年０１月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

安倍首相「慰安婦」発言を正す／連行は拉致・だましが大多数／西野瑠美子さんに聞く

　日本軍「慰安婦」の事実を否定しようとする安倍晋三首相が、さっそく国際的非難を浴びています。問題の核心はどこにあるのか。長年被害女性たちに寄り添い、問題解決に取り組んできた西野瑠美子さんに聞きました。
　（神田晴雄）

　安倍氏はかつて、「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行く狭義の強制性はなかった」「慰安婦狩りのような官憲による強制連行的なものがあったと証明する証言はない」などと発言（０７年３月）し、このたび再度首相に就任して、過去の侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」、日本軍「慰安婦」問題について軍の関与と強制を認めた「河野談話」の見直しを表明（「産経」１２年１２月３１日付）しましたが、発言にはいくつものごまかしがあります。

当時の刑法と条約にてらし
　まず、強制連行とは人さらいとか誘拐、「慰安婦狩り」のようなものだけを指すのではありません。「いい仕事がある」「勉強ができてお金がもうかる」などの甘言をろうして連れ去る詐欺・騙しも含みます。
　「何人たるを問わず醜業を目的として未成年の婦女を勧誘し誘引しまたは拐去（だまして連れ去る）したる者は本人の承諾を得たるときといえども罰せらるべし」（国際醜業条約第１条）
　「未成年者を略取または誘拐してはならない」（刑法第２２４条）
　このように未成年を甘い言葉で騙して連れ去れば罰せられたのです。強制連行を刑法や当時、日本も加盟していた国際醜業条約に基づいて定義すれば次の４つにまとめられます。
　�@未成年の女性を「慰安婦」にした�A詐欺・暴行・脅迫・権力乱用その他一切の強制手段で勧誘・誘因・かどわかして「慰安婦」にした�B日本国外に移送する目的で略取・誘拐した�C略取・誘拐・売買された者を日本国外へ移送。
　「人さらい」「慰安婦狩り」があったかなかったかだけを問題にする安倍氏言い分が成り立たないことはあきらかです。

証言集で調査、未成年が９割
　では実際にどのように女性たちは集められたのでしょうか。
　私が、被害女性たちの証言集や、彼女たちが日本政府を相手に謝罪と賠償を求めた「慰安婦」裁判での訴状や、国内で刊行されている証言集などをもとに調べた結果、たとえば朝鮮人女性５２人中、未成年が４５人で８７％をしめます。その連行形態＝重複＝は、拉致１１人（２１％）、詐欺・騙し３４人（６５％）でした。
　中国人女性（２８人）の場合は未成年７１％で、日本兵による暴力的、拉致による連行９６％。フィリピン女性（５８人）は未成年７８％で、日本兵による暴力的・拉致９８％。東ティモール人女性（２１人）は暴力的・脅迫的連行が１００％など、です。
　「暴力的・拉致的に連行された」と証言している女性が分かっただけでもこれほどいるのです。「慰安婦」裁判では謝罪・補償要求は棄却されましたが、連行や慰安所での状況は事実認定がされています。裁判所も認める動かしがたい事実です。

米紙「性奴隷」戦後置き去り
　「慰安婦」問題を語る時、問題は連行の状態にとどまりません。彼女たちは汽車や船に乗せられて移送の過程でも監禁状態でした。「慰安所」でも自由意思はなく、抵抗すれば殴られ、拒否する自由はありませんでした。最初から最後まで強制・監禁状態でした。ニューヨークタイムズの社説（３日付）も「慰安婦」を「性奴隷」と呼んだように、それがことの本質です。
　さらに敗戦で日本軍は自分たちだけ逃げだし、女性たちの多くは置き去りにされました｡戦後､国に帰ることもできず望郷の念にかられながら異国で暮らす女性たちが少なくありませんでした。原状復帰しなかった責任も重大です。
　安倍氏が「慰安婦」問題を朝鮮人だけに矮小しているのもごまかしです。「慰安婦」問題はさきにみたようにアジア全域に及びました。安倍氏のような言い分はアジアでも世界でも相手にされません。

にしの・るみこ　「戦争と女性への暴力」リサーチアクション・センター共同代表
( ２０１３年０１月１６日，「赤旗」) （Page/Top）

２７日オスプレイ配備撤回東京集会こぞって／大黒作治さん／笠井貴美代さん／山田義勝さん

　米軍欠陥機オスプレイの配備に反対する沖縄県民大会（昨年９月９日）を１０万人の参加で成功させた同大会実行委員会の代表が上京し、２７日（日）午後３時から、東京・日比谷野外音楽堂で「オスプレイ配備撤回　総理直訴　１・２７東京集会」を開催します。
　終了後、銀座をパレード。翌２８日（月）には、沖縄県民大会の代表（４１市町村長・議員、県議、各団体代表ら）が、首相や関係省庁への要請行動をおこないます。
　全労連、新日本婦人の会、沖縄県統一連などの労組･市民団体は、２７日の集会への参加を呼びかけています。

沖縄県民と連帯し、たたかおう／全労連議長大黒作治さん
　沖縄県民総ぐるみの配備反対の声を無視して、米軍普天間基地に強行配備されたＭＶ２２オスプレイは、夏までに１２機追加配備される予定です。
　さらに１１日、米空軍長官は夜間低空で侵略することを任務とするＣＶ２２オスプレイを、米軍嘉手納基地に配備することを示唆しました。どこまでも沖縄県民を無視する日米政府に、県民の怒りは沸点に達しています。
　４１市町村長をはじめ県議、市町村議など１００人規模の上京団が、オスプレイ配備撤去、普天間基地閉鎖・撤去、辺野古への米軍基地移設撤回を求めて安倍首相などに要請をおこないます。代表団を激励し、沖縄県民と連帯してたたかうために、東京集会にこぞっての参加を呼びかけます。

「平和守れ」運動の原点かけて／新日本婦人の会会長笠井貴美代さん
　年明け、女性たちは「平和守れ」「憲法９条守れ」と戦後からの運動の原点をかけて、いっせいに各地で行動を起こしています。
　安倍政権がまやかしで得た数の力で、日本軍「慰安婦」謝罪の見直し、国防軍や集団的自衛権へと、改憲へ、軍事費増額へと暴走。さらに、沖縄へのオスプレイ配備強行に加え、より危険な機種の嘉手納基地への配備など、怒りにふるえます。
　この瞬間も、沖縄では、いつオスプレイが墜落するともしれない恐怖のもとでの暮らしを余儀なくされ、あの美しい高江は騒音と爆風にさらされています。
　オスプレイの配備撤回、それができないというなら全基地撤去をという沖縄県民の憤りは、そのまま私たちの思いです。心からの連帯の気持ちを、２７日の集会への参加と成功で示そうではありませんか。

暴挙許さないため全県民一丸／沖縄県統一連事務局長山田義勝さん
　昨年の「オスプレイの配備撤回を求める」沖縄県民大会以降も多くの自治体が独自のオスプレイ配備を糾弾する大会を開催しており、県民の怒りはますます大きく広がっています。
　しかし、県民感情を逆なでするかのように米軍は１２機の追加配備、米軍嘉手納基地へのオスプレイ配備計画を次つぎと表明し、自衛隊もオスプレイの配備計画を打ち出しています。
　このような日米政府の暴挙を許さないため、全県民一丸となってたたかっていく決意です。県民大会実行委員会は１月２７日から２８日まで１００人の大要請団で上京し、日比谷野音で集会と銀座パレードを計画しています。全国の仲間のみなさまにもご支援をいただいて大きく成功させ、日米両政府にオスプレイを撤去させるまでたたかい続けましょう。
( ２０１３年０１月１６日，「赤旗」)

政治の風景／安倍政権の新年始動／兵器業界の熱い視線、行く手は薄氷

車寄せに到着する黒塗りの乗用車やマイクロバスから制服姿の陸海空３自衛隊の高級幹部が次々に降りたつ。いくぶん上気した表情は、今年が「国防軍」元年の足がかりになるかもしれないという思いが頭をかすめているからかもしれない。出迎える兵器メーカーの首脳陣は「国防景気」の兆しが見え始めたと頬が緩む――。
　１０日昼、東京・明治神宮外苑の明治記念館―。「日本防衛装備工業会平成２５年賀詞交歓会」の光景です。約１３００人を超える参加者でにぎわいました。日本防衛装備工業会（１２８社）は１９５３年設立の日本兵器工業会から出発した兵器メーカーの業界団体。自衛隊を｢国防軍｣に変えるという安倍政権の復活に熱い視線を向けています。
　佐藤育男同工業会長（日本製鋼所社長）は「新年になり、（安倍政権の誕生で）明るい兆しが生まれつつある。１１年ぶりの防衛関係費の増額を大いに期待する。武器輸出三原則見直しに伴う前進をはかってほしい」。
　小野寺五典防衛相は「精いっぱい対応させていただく｣と応じ､菅原一秀経済産業副大臣は「防衛産業が成長戦略の一丁目一番地になるくらいの思いで取り組む｣とのべ､業界側を喜ばせました。
　安倍内閣下の防衛省は同日までに固めた今年度補正予算案で１回の補正予算としては過去最大の２１２４億円を要求。国防景気を煽ります。

　７日朝。自民党本部の仕事始めは「君が代」斉唱ではじまりました。
　安倍首相は「君が代をしっかり歌う政党に政権が移ったわけだ。まさに日本を取り戻す第一歩を踏みしめることができた」と一度は挫折した「戦後レジーム（体制）からの脱却」への再チャレンジ（挑戦）に自信を示しました。

有権者の意思
　しかし、こうもいっています。「期待を裏切れば参院選で勝利を得ることはできない。毎日毎日薄氷を踏む思いで緊張感を持って頑張っていきたい」
　期待とは昨年１２月総選挙で示された有権者の意思を指します。安倍政権に改憲・軍拡、戦後民主主義を覆す政治を期待したわけではありません。安倍首相が進めたい政治と国民が求める政治の間に大きいギャップがあります。それは第２次安倍政権がはらむ決定的な弱さです。薄氷踏む政権運営を強いられるという安倍首相のことばの意味がここにあります。
　内閣官房など関係者から聞かれる当面の政権運営の方向は、
　―通常国会で大きな政党間対立を招くような法案は提出を控える。批判的な世論を沸騰させるような閣議決定は避ける。
　―景気対策にしゃにむに取り組む姿をソーシャルネットワークを利用することを含めて積極的な広報戦略を展開する。
　―外交は韓国とは融和路線、対中国外交は日米同盟の深化と日ロ関係の改善、東南アジア諸国との連携強化などを通じる包囲網形成。
　―７月の参院選で、参院における多数を確保するために、政策運営、政局運営の照準をすべてあわせる。

猫かぶり作戦
　一部メディアが「参院選までは『猫被（かぶ）り』」路線と報じたところ、安倍晋三事務所から、即座に、「失礼じゃないか」とクレームが届きました。
　猫被りとは、本性をつつみかくして、おとなしくすること（『三省堂国語辞典』）。ずばり安倍戦略の狙いを突いた表現が気に障ったようです。
　自民党総裁選へ出馬の意思を固めた時期とされる昨年５月１０日に安倍氏は、自身が会長をする右派政策集団「創生日本」東京研修会における基調講演で、第２次安倍政権構想の骨格を示しています。
　安倍構想の核心部分は、第１次安倍政権が掲げ、挫折した「戦後レジームからの脱却」の再チャレンジ。「占領軍がつくった憲法を日本人自らの手で作り直すことが、戦後レジームからの脱却となる」と言いきっていました。
　猫被り作戦は「イチジクの葉」にすぎません。党・内閣の要所に安倍首相直系の改憲正面突破派を配置。他方、新内閣の布陣をみると憲法改正に必ずしも積極的でない派閥から９条や安保・防衛にかかわる外相、防衛相、法相を起用するなど自民党内を改憲体制へ仕向けています。
　参院選で多数を占めて脱兎（だっと）のごとく改憲軍拡・歴史修正路線を突っ走る―という思惑です。
　しかし、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」にチャレンジし挫折した第１次内閣当時以上に、実現のハードルが高くなっています。
　総選挙結果に見られるように議席は多くても得票をみれば比例代表の絶対得票率が１０％台で、国民的基盤が弱い政権であること、侵略戦争の反省に原点をおく戦後政治の歩みや日本軍「慰安婦」問題に見られる歴史修正主義にたいするアメリカ、韓国、中国、東南アジアをはじめとする諸外国と国際世論の批判が広く深くなっていること、などです。
　９０年代半ばの自社さ連立政権で自治相だった元衆議院議員は「国民は間違いなくリベラルな政治を求めているのに、永田町だけは別の方向へ向かっている。政治は国民の考えに従って滔々（とうとう）と流れざるを得ない」と語ります。民意と隔たりが大きい安倍改憲路線が早晩行き詰まるとの見方です。
( ２０１３年０１月１５日，「赤旗」) （Page/Top）

政治考／安倍政権への警戒感／日本共産党への期待／��暴走止める存在感��

　師走の総選挙で「虚構の多数」を得た自公両党が第２次安倍内閣を発足させてから２週間余。発足直後から憲法改悪への執念や歴史問題での逆行ぶりをむきだしにする安倍晋三首相に対して、国内外から懸念と警戒の声があがっています。その一方で、こうした逆流に立ち向かう唯一の野党としての日本共産党への視線は―。

　４日、青森市内のホテルで開かれた市と青森商工会議所主催の新春互礼会。ある商工会の幹部はあいさつで「自民党は国民から信任されて政権をとったわけではない」とクギを刺しました。出席した日本共産党の高橋ちづ子衆院議員に「自民党の暴走を許してはいけない」と語る参加者も。ある郵便局長は「ＴＰＰ（環太平洋連携協定）に反対して頑張ってくれるのは共産党だけ」と期待の声を寄せました。
　日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は地元メディアの幹部から声をかけられました。「与党がこれだけ圧倒的多数のなかで、野党らしい存在感を発揮し、沖縄問題を真正面から追及できるのは共産党だけです」
　沖縄県では新年から、嘉手納基地へのＣＶ２２オスプレイの配備計画など米軍のいっそうの無法に怒りが広がっています。
　安倍内閣への警戒と一体に共産党への期待が語られるのは、国会議員周辺だけではありません。各地の新春宣伝などでも「憲法を守ってください」「自民党に対するチェック役を期待しています」などの声が例年以上にかかります。
　それにはわけがあります。総選挙の結果、衆院では政権与党の自民・公明両党が３２５議席を獲得。一方、野党といっても、「増税連合」の一角・民主党が第一党、「改憲連合」をにらむ日本維新の会とみんなの党が第２、第３党。安倍内閣の暴走と真正面から対決する野党は名実ともに日本共産党だけになったからです。
　安倍内閣への警戒感は、国内だけではありません。英誌『エコノミスト』５日付は「新政権の真の性質は��保守�≠ﾅはなく、過激な国粋主義者たちによる内閣だ」と論評。米ニューヨーク・タイムズ紙が、植民地支配と侵略への反省とおわびをのべた村山首相談話と日本軍「慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認めた河野官房長官談話を安倍首相が見直すと表明したことを痛烈に批判したことは衝撃を呼びました。仏紙ルモンド（昨年１２月１８日付）も「日本の次期首相のナショナリズムが、北京と東京の対立する領土問題を激化させる」と警告しています。
　「安倍総理は『国防軍』を認めさせるために憲法改正が必要だという立場です。戦後の日本が『戦争を行わない国』として信頼されてきたことが崩されます。そんなことは許されない」。紙智子参院議員は新年から北海道内の各種催しで、憲法を守る決意をこうのべています。ある自治体での新年互礼会では、紙氏のあいさつを聞いた市議会の幹部が「私も憲法問題は危険だと感じている。取り組んでいかないといけないと思っています」と語りかけてきました。
　「現役を離れてみると、共産党が一番筋がとおっているということがよくわかる」。ある全国紙元論説幹部は昨今の政治状況をみてこう感想を漏らしました。
安倍内閣に対する国民の側の反撃もすでに始まりつつあります。

障害者ら集まる
　７日、参院議員会館で開かれた障害者団体の集会。障害者自立支援法違憲訴訟で原告らが、同法廃止と新法制定を約束した「基本合意」は自公政権復活のもとでも生きているとの声があがりました。全国から集まった障害者や関係者で会場はあふれ、急きょ設置された別会場まで参加者が埋め尽くしました。
　参加した日本共産党の田村智子参院議員は、参加者から「障害者の問題でも介護の問題でも共産党に頑張ってもらわないと困る。がんばってほしい」と激励されました。
　「原発やめるまで抗議の声あげ続ける」。１１日には、今年最初の首相官邸前での「原発ゼロ」を求める抗議行動が繰り広げられました。ここにも日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子・都雇用と就活室長が参加。「原発がなくなるまでこの行動をガンガンやっていきましょう」とあいさつしました。
　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）反対、消費税増税などで「困っちゃう人々」などの官邸前行動も新年から動き始めています。
　各地の「九条の会」も立ち上がりつつあります。

好き放題させぬ
　富山市の「水橋九条の会」事務局長の岡田美乃利さん（６８）は新年会のお誘いに会員を訪ねると、先々で「安倍総理はとんでもないことをいいだした。平和憲法をどうしても守らなければならないし、あの勢力に好き放題をさせてはダメだ」と言われます。
　あるお寺では、住職の母親が「あんたたちはよくがんばっている。安倍首相らの憲法変えるということは許してはならない」とカンパを寄せました。
　「自公の政権合意では『憲法改正に向けた国民的な議論を深める』と書いている。憲法改正についての『是非』についての議論ではない。方向性は明確だ」。こう指摘するのは、日弁連憲法委員会副委員長の井上正信弁護士。
　同氏は、集団的自衛権の行使を容認する国家安全保障基本法案について「通常国会に出てきてもおかしくない」と指摘。「私は非常に憂慮しているし、これからそれに対して全力で立ち向かっていかないといけないと思っている」と語ります。
( ２０１３年０１月１４日，「赤旗」) （Page/Top）

新しい政治の扉開くために／党旗開き志位委員長のあいさつ

　安倍晋三首相の自民・公明政権のもと、日本共産党がはたすべき役割は何か―。４日の「党旗開き」であいさつした日本共産党の志位和夫委員長は、安倍政権下での党の三つの国民的役割を提起、東京都議選、参院選の勝利をめざす活動を呼びかけました。あいさつのポイントを紹介します｡(全文は｢赤旗｣日刊紙５日付と党ホームページに掲載）

総選挙結果、安倍政権／どうとらえ、立ち向かうか

　日本共産党が「６５０万票、議席倍増」の目標を掲げ、１議席減となった総選挙結果。志位氏は冒頭、「委員長として責任を痛感して」いるとのべ、きたる第６回中央委員会総会（２月２〜３日）で、「党内外の方々のご意見に耳を傾けつつ、自己検討を深め、半年後に迫った東京都議選、参議院選挙のたたかいに生かす」と、表明しました。
　そのうえで、今回総選挙の比例代表では、前回参議院選挙（２０１０年）より１３万票増の３６９万票を獲得、得票率を６・１０％から６・１３％にわずかながら前進させるなど、「前進への足がかりをつかんだことは重要」と訴えました。
　とくに東北ブロックで比例票を前回参院選の１・２倍に増やし議席を守り抜いたことは、被災地復興を考えても「きわめて重要な勝利」と指摘しました。そして、この勝利は、「『国民の苦難の軽減のために献身する』という立党の精神に立ち、国民に溶け込み、結びつき、その利益のために奮闘するならば、全国どこでも前進が可能だということを示している」と強調。この教訓を全国で生かしたいとのべました。
　◆
　総選挙後の安倍自公政権をどうとらえ、どう立ち向かうか―。
　志位氏は、まず、安倍政権が衆院では３分の２を超す議席を持っているが、「国民的基盤を持っていない」と指摘しました。自民党の得票は有権者比では小選挙区で２４％、比例代表で１５％。それでも６割を超す議席を得たのは小選挙区というマジックがつくりだした「虚構の多数」です。
　内容をみても、自民党「大勝」は、民主党政権の裏切りへの国民の激しい怒りの結果です。自民党の政策や実績が評価されたものではなく、国民は、自公に信任状を与えたわけではない―。
　さらに、志位氏は、安倍政権が、次のように重要問題でも何一つ、まともな解決策を持ち合わせていないことをくわしく指摘しました。
〈深刻なデフレ不況〉
　―安倍内閣は無制限の金融緩和と大型公共事業バラマキという、過去失敗ずみの経済政策しか持たない。最大のカギとなる「国民の所得をいかに増やすか」という姿勢はかけらもない。金融緩和と公共事業で見せかけの「経済成長」を演出し、消費税大増税を予定通り強行することが「アベノミクス」（安倍氏の経済政策）の本当の狙い。
〈原発問題〉
　―国民多数の「原発ゼロ」の声にさからって原発再稼働推進を宣言。新増設も公言する。これは、原発直下の活断層が次々指摘されるような現実とは相いれない、危険で無責任極まる路線だ。
　―もともと、安倍氏は、前回の首相在任時の２００６年１２月、日本共産党の吉井英勝議員が内閣への質問主意書で、大規模地震による原発の全電源喪失の危険性をただしたのにたいし、「安全の確保に万全を期しております」と答えていた。安全神話をふりまいた、いわば「Ａ級戦犯」なのに、その反省さえない。
〈憲法改定と歴史問題〉
　―安倍内閣は憲法改定の野望を実行に移そうとしている。�@まず、歴代政府が「憲法違反」としてきた集団的自衛権（注）を行使するため、憲法解釈を変える�A憲法９６条が定める憲法改定の発議要件（衆参の各３分の２）を緩和し、宿願の９条改定へ進む―というスケジュールを打ち出した。
　―安倍首相は、過去の侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」や、「慰安婦」問題で軍の関与と強制を認めた「河野談話」について、見直しを公言した。これを行えば、日本はアジアと世界で生きていく政治的・道義的地位を失う。
　志位氏は、「今年を、憲法改悪のあらゆる企てに厳しく反対し、憲法９条を守り生かす国民的運動の新たな発展の年にしていこうではありませんか」と、強く呼びかけました。

日本共産党の��三つの国民的役割��

　こうした新しい政治情勢のもとで、「わが党が果たすべき役割は、きわめて重大」と強調した志位氏。「日本共産党が三つの国民的役割を発揮し、新たなたたかいを起こす」と表明しました。

防波堤の党
　第一は、暮らし・平和・民主主義を破壊する逆流に正面から立ちはだかる｢防波堤の党｣としての役割です。
　新しい国会での政党配置を見ると、日本共産党が特別の役割をになっているのは一目瞭然です。
　消費税増税では自民・公明・民主３党の「増税連合」、憲法改定では自民・公明にくわえ、「維新の会」とみんなの党が「改憲連合」をつくりつつあります。この「増税連合」「改憲連合」と正面から対決する野党としての仕事をしっかり果たすことのできる政党は、日本共産党をおいてほかにありません。
　志位氏は、総選挙後、保守政治家から寄せられた日本共産党への期待の声を紹介しました。
　ある保守の有力政治家は、「（安倍政権に）正面からたたかいを挑める政党は共産党しかいないでしょう。共産党が正面からたたかってくれることで、背筋がしゃんとする政治家がいる」と。
　別の、ある保守政党で有力な役割を果たしてきた政治家は、つぎのような期待を寄せました。
　「私は、共産党の考え方を全部支持するわけではありません。しかし、今日の政治が米国従属、財界中心の政治という指摘はよく分かります。現在、政治が右へ右へとなびくような事態について憂えています。このような時に、共産党の存在自体が右傾化の動きに対する歯止め・ブレーキ役になっていると思います。ぜひ頑張ってください」
　志位氏は、反戦平和と主権在民の旗を不屈に掲げ続けた戦前の日本共産党を「北斗七星」にたとえた評価にふれ、「『北斗七星』としての輝きが大いにます時代であることに自信と誇りを持って奮闘しよう」と呼びかけました。

集団的自衛権…自国が攻撃されていなくても、同盟国が攻撃されたら、自国が攻撃されたとみなして反撃する「権利」。これを認めれば、自衛隊が米軍の戦争に参加できるようになる。
(２０１３年０１月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

「侵略」「慰安婦」談話見直し／アジアから尊敬されない／ソウル市立大学教授鄭在貞さん

日韓首脳の合意で設立された日韓歴史共同研究委員会の元委員
　「慰安婦」問題の河野談話は、日本政府が責任をもって調査して発表したものです。日本軍の関与と強制性があったことは、すでに学問的にも、裁判でも証明されています。それをなぜ今さら見直そうとするのか。
　安倍さんは��強くて美しい国をつくる�≠ﾆいいます。しかし、国際社会では、力だけでなく道徳や人道などの面で評価されることこそが､��強くて美しい国�≠ﾅす｡安倍さんはそれに反することをやろうとしています。
　私は日本の憲法をうらやましいと思っていました。世界のあちこちで、紛争やテロで血を流す事件があります。しかし、日本はそんな危険にさらされない、世界でいちばん平和な憲法を持っています。それをあえて変え、��危ない国�≠ﾉしようとしている。この憲法こそ世界に発信すべきものなのに、みずからそれを壊すというのは､情けないことです｡
　歴史問題でも平和問題でも、どんどん発信してアジアをリードしていくべきなのに、逆のことをする。これではアジアから尊敬されないでしょう。これまで築いてきたものを日本が覆せば、両国関係もいっそう厳しくなるでしょう。
(２０１３年０１月１３日，「赤旗」)

「侵略」「慰安婦」談話見直し／安倍首相の「恥ずべき欲求」／米紙も批判

「安倍氏の恥ずべき欲求」―。安倍晋三首相が最重要視する同盟国・米国の有力紙ニューヨーク・タイムズが新年早々、安倍氏を手厳しく批判する異例の社説（３日付）を掲載しました。世界とアジアの目には、安倍政権のとんでもない暴走が鮮明に見えているのです。
　田中一郎、田中倫夫記者

　「恥ずべき欲求」とは―。安倍首相が産経新聞のインタビュー（昨年１２月３１日付）で語った、二つの「談話」の見直しです。
　標的は、�@日本の植民地支配と侵略に「心からのお詫（わ）び」をのべた村山富市首相の談話（１９９５年）�A「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制を認めた河野洋平官房長官の談話（９３年)｡とくに河野談話については､｢慰安婦」の「強制連行」を示す資料はないとし、それを「加味して内閣の方針」を示す。「未来志向の安倍内閣」の談話も出す―というのです。
　世界に衝撃が走りました。ニューヨーク・タイムズは「日本の歴史を否定する新たな試み」と題した社説で「過去の偽造」と断定。「歴史に関する周辺国の批判を正面突破」（韓国紙・東亜日報）するものとして韓国、中国、英国でも批判されました。

憲法９条も標的
　歴史だけでなく、憲法９条も標的です。日本が二度と「侵略国」にならず、世界平和に先駆的役割を果たそうと「国際公約」したのが憲法９条。その改定をねらう安倍内閣に国内外の批判が急速に強まっています。
自民党と公明党の第２次安倍晋三内閣。侵略戦争への無反省、集団的自衛権行使、改憲…。早くもその危険性がむき出しになってきました。

現閣僚４人も
　日本軍「慰安婦」問題で「おわびと反省」をした河野洋平官房長官談話（１９９３年）の見直しを求める安倍首相。過去に何度も同じ言動を繰り返してきました。これは本音中の本音です。
　昨年１１月４日、米ニュージャージー州の地元紙「スターレッジャー」に、「慰安婦」問題を否定する意見広告が掲載されました。
　ジャーナリストの桜井よしこ氏らでつくる「歴史事実委員会」名で出されたこの広告はこう主張します。
　「女性がその意思に反して日本軍に売春を強要されていたとする歴史的文書は…発見されていない」「（「慰安婦」は）『性的奴隷』ではない。彼女らは当時世界のどこにでもある公娼制度の下で働いていた」
　広告賛同者は、自民、民主などの国会議員３９人。当時、自民党総裁に返り咲いたばかりの安倍首相のほか、現閣僚の古屋圭司国家公安委員長、稲田朋美行革担当相、下村博文文科相、新藤義孝総務相４人が含まれていました。同委員会は０７年６月にも米紙ワシントン・ポスト紙に同様の意見広告を出し、内外の批判にさらされました。

０７年の反省なし
　安倍首相は、第１次安倍内閣（０６〜０７年）でも、同じ発言をして大問題となり、謝罪に追い込まれました。
　０７年１月、米下院で「慰安婦」問題で日本の謝罪を求める決議案が提出され、２月、元「慰安婦」３人（韓国人２人、オランダ出身者１人）が下院公聴会で証言しました。その直後の３月、安倍首相は「強制性を裏付ける証拠はなかった」と発言。同趣旨の答弁書を閣議決定（同）しました。
　各国から非難が殺到。「（安倍発言は米国内に）破滅的な影響を及ぼす」と駐日米大使が警告し、中韓両国の外相、豪首相、シンガポール首相と、遺憾表明や批判の声が広がりました。
　結局、安倍氏は４月の訪米で、ペロシ下院議長ら米与野党の議会指導者と会談し、「河野談話」の継承と、元「慰安婦」へのおわびを表明せざるを得なくなりました。日米首脳会談でも「慰安婦」が人権侵害だったことを事実上認め、おわびしました。
　それなのに、反省もせず、今回の発言です。
　安倍氏らが繰り返す主張は、「慰安婦」問題を狭い意味での軍の「強制連行」の有無にすり替える内容です。もちろん、こうした「強制連行」の証言もありますが、米議会をはじめ、各国が問題にした「強制性」の核心は、軍が管理する施設で、女性にたいする性の強要、暴行が組織的に行われたこと自体です。
　元外務官僚の東郷和彦氏（条約局長、欧亜局長、オランダ大使を歴任）は、「（「強制連行」の有無は）この問題の本質にとって、まったく無意味」「日本国内でしか通用しないガラパゴス化現象」の議論と指摘しています。（『世界』１２年１２月号）

右翼改憲団体の面々ずらりそろった１３閣僚

　安倍政権の危険性は、閣僚の顔ぶれにも表れました。自民党の元衆院議員がいいます。
　「右翼の『お友だち』内閣だ。問題発言を起こすのではないか。夏までもつだろうか…」
　目につくのは、右翼・改憲団体の「日本会議」の国会版、「日本会議国会議員懇談会」の面々。閣僚１８人中、麻生太郎副総理、谷垣禎一法相、岸田文雄外相などその数１３人。第１次安倍内閣の１２人を上回りました。
　「日本会議」は、日本の侵略戦争は正しかったという歴史観に立ち、天皇元首化、国民の「国防の義務」などを明記する憲法制定を主張してきた団体です。

９条改憲が狙い
　安倍首相は、昨年の自民党総裁選のときから「改憲のための橋＝国民投票法は（前の）安倍政権でつくった。いよいよ、橋を渡って新しい日本へ」と街頭演説していました。
　政権交代後、�@歴代政府が憲法違反としてきた集団的自衛権行使に道を開く�A憲法９６条を変えて、改憲発議に必要な要件を両院の「３分の２」以上から「過半数」にする―という動きを強めています。改憲の最大の狙いは戦争放棄・戦力不保持を定めた憲法９条です。
　自民党が昨年４月にまとめた「憲法改正草案」は、９条２項の戦力不保持規定を削除し、「国防軍」創設などを盛り込んでいます。

「河野談話」
　旧日本軍による「慰安婦」問題について、１９９３年８月４日に発表した河野洋平官房長官の談話。「慰安婦」について「旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」こと、「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」ことなどを認めました。元「慰安婦」におわびと謝罪を表明し、「永く記憶にとどめ、同じ過ちを繰り返さない」と約束しました。
(２０１３年０１月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

平和を守る声一緒に／山下議員訴え／党東大阪地区委新春のつどい

　日本共産党東大阪地区委員会と後援会は８日、新春のつどいを東大阪市で開きました。
　会場を駆け回って獅子舞を熱演した浅野耕世市議に、参加者は拍手喝采。
　山下よしき参院議員が「安倍首相は、植民地支配と侵略の反省を表明した『村山談話』と軍の関与と強制があった『従軍慰安婦』についての『河野談話』を見直すと表明しましたが、それでは日本はアジアと世界で生きていけなくなります」と警告。「世界から見て通用しない。一緒に平和を守る声をあげましょう」と訴えました。
　たつみコータロー参院選挙区候補は「日本国憲法制定にかかわったベアテ・シロタ・ゴードンさんが亡くなりました。娘さんによると、ベアテさんは生前、９条（戦争放棄）と２４条（婚姻・両性の平等）を変えてはいけないと語っていたそうです。参院選で、憲法９条を守る大阪の議席を私に託してください」とよびかけました。
　吉井英勝前衆院議員が、日米原発利益共同体の正体を告発しました。谷藤久地区委員長、朽原亮府議があいさつしました。
　同市で働く上岡論さん（４１）は「何でも身近なつながりから信頼してもらい、日本共産党のよさを広げたい」と話していました。
(２０１３年０１月１３日，「赤旗」)

アジア女性交流史　昭和期篇／山崎朋子著／評者米田佐代子女性史研究者

「負の交流」にも連帯の芽生え見る
　本書は「明治期篇」「大正期篇」に続く３部作の完結編で､５００�n近い大作である｡「従軍慰安婦」とされたアジア女性（日本女性を含む）や「大陸の花嫁」「内鮮結婚」へと送り出された日本女性たちのほか、｢国策｣により朝鮮王族に嫁いだ皇族の娘・方子や「満州国」皇弟・溥傑と結婚した華族の娘・浩、さらに舞踊家・崔承喜や李香蘭＝山口淑子などの著名女性も登場する。「交流」という言葉にとまどう読者もいるかもしれないが、日本のアジア侵略時代の｢負の交流｣と著者はいう。
　彼女らへの著者のまなざしは、「国策の犠牲者」といった見方にとどまらない。「〈もっとも不幸な〉アジア女性交流」とされる「慰安婦」についても、戦後、当事者をはじめとする女性たちの連帯のなかに「新たなアジア女性交流の芽生え」を見いだそうと試行錯誤する過程が書かれている。戦前、朝鮮人と結婚して現地の孤児を守る活動に身をささげたキリスト者・田内千鶴子の、娘から孫へと親子３代にわたる日韓交流のドラマも、その可能性に近づく一歩と思われる。
　本書ではまた、中国人と結婚して反戦運動を展開したエスペランティスト長谷川テルの夫・劉仁に「童養?」と呼ばれる現地妻がいたことや、現在も進行中の「ジャパゆきさん」―農村の「嫁」として来日する東南アジアの女性たちもとりあげられている。かくも歴史の波しぶきにさらされた「生身のアジア女性交流史」を通じて、「マイナス」の座標軸から「プラス」に転換する道を求める著者の、自ら「頽齢」（高齢の意）と名乗りつつなお抱き続ける情熱に打たれる思いであった。

　やまざき・ともこ　３２年生まれ｡『サンダカン八番娼館』『朝陽門外の虹』ほか。
( ２０１３年０１月１３日，「赤旗」)

女性は９条守り抜く／田村・吉良氏ら党後援会が宣伝／東京・新宿

　全国・全都日本共産党女性後援会は１１日、東京・新宿駅西口で新春街頭宣伝を行いました。田村智子参院議員ら５人の弁士が訴えるなか、「憲法改悪反対」「原発即時ゼロ」の署名、「しんぶん赤旗」購読を呼びかけました。
　田村氏は、原発再稼働・新増設、消費税増税、「慰安婦」談話の見直しや憲法改悪など、安倍政権が国民の生命・財産と日本経済、国際関係を危機にさらしていると批判。原発即時ゼロやデフレ不況打開のための日本共産党の政策などを紹介し「自民党、公明党に昔の政治をやらせるわけにはいかない。要求の一致点で運動を繰り広げ、新しい政治の希望を切り開きましょう」と訴えました。
　吉良よし子参院東京選挙区候補、かち佳代子都議（大田区）が、参院選と都議選で勝利する決意を述べ、支援をよびかけました。
　全国女性後援会の笠井貴美代代表委員が「女性の願いをかなえ、世界の宝、憲法９条を守りぬき、外交による平和を広げるためにも日本共産党への支援を」と話しました。業者婦人後援会・全国女性後援会の小林淳子世話人は「消費税１０％になれば中小企業の倒産と失業が激増し、地域経済の破壊につながります」と述べ、消費税増税にたよらない党の経済政策のビジョンについて話しました。
( ２０１３年０１月１２日，「赤旗」) （Page/Top）

鳥取県革新懇新春のつどい

　鳥取県革新懇は９日、鳥取市で「革新・民主・平和を語る新春のつどい」を開き、各界の代表があいさつしました。
　鳥取市革新懇の中村宏事務局長は、安倍内閣が侵略戦争と「慰安婦」問題を反省した河野談話、村山談話の見直しをすすめ、憲法９条改悪をめざすなど右傾化・反動化するもとで、平和と民主主義を守る革新懇運動の重要性を強調。また、鳥取市議会の３６議席を４議席削減する定数削減が急浮上している問題で、民主主義を守る観点からも論戦したいと語りました。
　県平和委員会の金田靖典事務局長は、オスプレイが新たに嘉手納基地に配備されるなど安保条約と国民との矛盾が激しくなるとして、いっそうのたたかいを呼びかけました。
　日本共産党の小村勝洋県委員長は「国政の重要な問題でたたかいはこれから。国民を励ます活動が大事だ」と強調しました。
　参加者は、安保条約をなくした日本の展望を大いに語ろうと話し合いました。
(２０１３年０１月１１日，「赤旗」)

謝罪・賠償、被害女性に／「慰安婦」問題、広島市で宣伝

　日本軍｢慰安婦｣問題解決・ひろしまネットワークは９日、広島市中区で宣伝しました。韓国の被害者ハルモニらが日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して毎月、宣伝しているもの。
　２３人が参加し、「２０１３年　今年こそ謝罪と賠償の実現を、高齢の被害女性たちにとどけましょう！」と書いたビラを配布。土井桂子共同代表はハンドマイクで「慰安婦」問題の「おわびと反省」を表明した河野官房長官談話（１９９３年）を見直すことを示唆した安倍晋三首相を批判しました。
(２０１３年０１月１１日，「赤旗」)

河野・村山両談話「堅持が日米の国益」／米モチヅキ教授、安倍政権に注文

　「知日派」として知られる米ジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ教授は１０日、国会内で開かれたシンポジウムに出席し、安倍政権が見直しの動きを見せている「慰安婦」問題での「河野官房長官談話」と日本の植民地支配についての「村山首相談話」について、「日本とアメリカの国益、そして東アジアの繁栄のためにも堅持すべきだ」との見解を示しました。
　モチヅキ氏は、米紙ニューヨーク・タイムズや英紙エコノミストが昨年の総選挙を受けて発足した安倍政権が歴史認識の見直しをするのでないかと警戒を示していると指摘。「とりわけ、『従軍慰安婦』への謝罪をした『河野談話』と日本の戦争責任を認めた『村山談話』を見直すのではとの警戒が強い」と述べました。
　その上で、「過去に日本が東アジアで起こした悲劇を見直すことで、初めて東アジアの明るい未来が開ける」と訴えました。
　沖縄の普天間基地問題でモチヅキ氏は「辺野古移設は実現性に乏しい」と指摘。「実現不可能な計画に時間と労力を費やすべきではない」として、在沖縄海兵隊の米本土への撤退を求めました。
　シンポジウムの主催は今夏の発足をめざす「ニュー・ディプロマシー・イニシアチブ」設立準備委員会。
( ２０１３年０１月１１日，「赤旗」)

主張／「防衛大綱」凍結／軍事費増へなりふり構わず

　安倍晋三政権が軍拡に拍車をかけようとしています。民主党政権下で２０１０年１２月に策定された「防衛計画の大綱」（大綱）と「中期防衛力整備計画」（中期防）を凍結し、２０１３年度は１年限りの方針をつくって軍事費増にふみだすとともに、「大綱」そのものを見直し､改定するとしています｡
　過去の侵略戦争や日本軍「慰安婦」を謝罪した「村山談話」や「河野談話」の見直しを言い出すなど誤りの反省も行わず、なりふり構わず軍事費増にふみだせば、アジアをはじめ世界から孤立を招くのは明らかです。

まさに強権発動
　防衛省は早速、週明けに決定する１２年度補正予算案に新たに２１２４億円の軍事費を計上し、１３年度予算案では今年度より１２００億円程度増やして、約４兆８０００億円の軍事費を要求する構えです。深刻な財政危機の中で、政府は軍事費も１０年連続で前年度より削減をしてきましたが、安倍政権は事実上の１５カ月予算を編成して、軍事費の大幅増に転換しようという魂胆です。「大綱」や「中期防」の凍結はそのための異常きわまるやり方です。
　「大綱」とそれを具体化した「中期防」は、危険な日米軍事同盟の強化と軍備増強のための計画書ですが、民主党政権が策定したさいには軍事費を削って国民生活に回せという国民の声を無視しきれず、人件費「抑制」や自衛官の「２千人削減」などをもりこんでいます。「中期防」は、１１〜１５年度の５年間で軍事費の総額を２３兆円余りと定めています。安倍首相はそれが気に入らないからと凍結し、都合のいい計画書に改定するというのです。文字通り異例な、強権発動そのものです。
　今年度補正予算案や来年度予算案に盛り込むという内容は重大です。Ｆ１５戦闘機の戦闘力を強化するための改修をはじめ自衛隊員の増員や東シナ海での空自の空中警戒管制機（ＡＷＡＣＳ）、早期警戒機（Ｅ２Ｃ）、護衛艦などの運用強化をめざしています。墜落の危険がある新型輸送機オスプレイの導入のための調査費８００万円も計上します。尖閣諸島周辺などでの偵察・監視活動を強めるといいますが、力まかせの対応は平和的に解決すべき領土問題の解決をいっそう困難にするだけです。
　安倍首相がなりふり構わずに軍事費増にふみだすのは、軍事力で対応するという「軍事対抗主義」を推し進めるとともに、自衛隊が米軍と一体になって軍事活動を強化し、アジア太平洋地域を重視したアメリカの新たな軍事戦略に貢献するためです。日本が海外で戦争できるような軍事能力をもつのは、戦争を放棄した憲法に違反します。新たな「大綱」や「中期防」の策定が日本をいよいよ危険な方向に引き込むのは明らかです。

平和と生活守る声強め
　安倍首相は軍事費を増額し軍拡を進める一方で、憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めることを狙っています。日本が攻撃されなくても、アメリカと一緒にたたかうということです。憲法９条をふみにじる危険な企てです。
　「村山談話」や「河野談話」の見直しを言い出し、軍拡と軍事同盟強化の路線をひた走る安倍政権に国際的な批判は必至です。安倍政権の策動に立ち向かい、平和と生活を守ることが重要です。
( ２０１３年０１月１１日，「赤旗」) （Page/Top）

新春随想／衆院議員笠井亮／ハルモニとの約束

　「新政権は隣国との関係悪化から始まる」―年明け、安倍首相の歴史否定発言に国際的な危惧と非難が集中しています。
　しきりに思うのがハルモニたちのことです。日本の植民地時代に「慰安婦」とされた被害女性８人が生活する「ナヌムの家」を訪ねたのは昨秋。問題の強制性を否定する動きが大阪・東京から相次ぐなか、「行って証言したいが高齢。全国会議員を招待する」と。それに応え、ただ一人訪問したのが日本共産党の私でした。
　平均年齢８７歳。「日本政府の心からの謝罪を聞くまでは死ねない」と涙ながらに語り、努力を約束する私の手を握りしめてきたハルモニの姿が忘れられません。反戦・平和９０年の党への熱い期待です。
　総選挙後、「ナヌムの家」からメールが来ました。安倍自民「大勝」に複雑だったが、「すぐに（笠井）当選報告が入ってきたので、今度は胸が詰まって少し救われた気持ちになりました。どうぞハルモニの残された命のろうそく、最後の１本が消えるまでに、何とか努力していただきたい」。
　衆院憲法審査会で憲法９条を守るのは５０人中、文字通り一人だけとなりました。都議選・参院選の年、アジア・世界との友好・平和を担って決意新たにスタートです。
　（かさい・あきら）
(２０１３年０１月１０日，「赤旗」)

重み増す日刊紙の存在、その役割を果たすために／１月８日／赤旗編集局長小木曽陽司

　「九条の会」のよびかけ人の一人で評論家の加藤周一さんは、「しんぶん赤旗」日刊紙の熱心な読者でした。２００８年１２月に亡くなるまで、折に触れ、「赤旗」への意見をいただいてきました。米英によるイラク侵略戦争目前、情勢が緊迫の度を増していた２００３年２月１２日付のメモには、加藤さんのこんな発言が記されています。
　「私は長年『赤旗』を愛し、この新聞がなかったら世界と日本の真実、本当の動きがまるでわからず、この世は闇だと思ってきたが、今ほどその感を深くしているときはない。イラク問題をめぐる情勢が手にとるように分かるのは『赤旗』だけだ。私は毎日『赤旗』を待ちかね、手にするやむさぼり読んでいる。おそらく日本中の『赤旗』読者がそうだろう」

「赤旗」なかりせば
　それから１０年。小選挙区制マジックで「虚構の多数」を得た安倍自公政権は、日本の植民地支配と侵略に「心からのおわび」をのべた「村山談話」と、日本軍「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制を認めた「河野談話」の見直しを明言、歴史否定の暴走を始めました。１０年前の加藤さんと同じように、「『赤旗』なかりせば、この世は闇…」の感を深くしておられる読者も少なくないでしょう。
　安倍発言には米紙ニューヨーク・タイムズが、「日本の歴史を否定する新たな試み」という社説を掲げたのをはじめ、海外メディアは強い警戒感を示しました。が、肝心の国内メディアは沈黙、安倍発言を正面から批判する論調は見当たりません。そんななか、米紙社説の警告を１面で報じ、安倍発言が具体化されたら、日本はアジアと世界で生きていく政治的・道義的地位を失うと厳しく告発するキャンペーンを展開しているのは「赤旗」だけなのですから。党本部には、さっそく激励の電話が寄せられました。
　「ニューヨーク・タイムズの社説を紹介した『赤旗』記事は素晴らしい。私が読んでいるＡ紙は全く無視している。日本の一般紙は情けない。『赤旗』はもっともっとがんばってほしい」
　激動の情勢下、世界と日本の日々の動きを変革の立場で伝える日刊紙の存在と役割が、こんなに重みを増しているときはありません。
　ジャーナリズムの本来の使命は、「権力の監視」「真実を伝える」ということです。しかし、日本の巨大メディアは、その使命を投げ捨て、権力と一体化し、お先棒かつぎさえしています。消費税増税、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）など財界が切望するテーマを「ぶれずに突き進め」とハッパをかけ、選挙になれば「政権選択が焦点」と「自民党型政党」の動静だけをとりあげ、真の対決軸である日本共産党の姿を覆い隠す―「日本の巨大メディアの体制擁護の深い堕落の実態」（志位委員長）は、誰の目にも明らかです。
　それだけに、巨大メディアが伝えない真実をタブーなく伝える「赤旗」は、「本当が分かる。明日が見える」新聞として、日本の社会変革のたたかいの発展にとって不可欠のものです。各分野の国民のたたかいが世論を変え、政治を動かす歴史的高揚を見せる中で、国民共同の新聞としての「赤旗」の役割は試されずみです。どんな弾圧、迫害にも屈せず、創刊以来８５年にわたって真実を伝え続けてきた歴史をもつ「赤旗」だからこそ、安倍改憲・靖国派政権の危険に真正面から立ち向かうことができます。

部数でも内容でも
　昨年暮れの総選挙の際には、山口県在住の２０代半ばの女性から、「これまで友達に政治がらみの話をしたことがなく、突然選挙や共産党の話をしたら、うざったく思われるのでは」と支持依頼をためらっていたが、全国各地で奮闘する党員の姿を「赤旗」で知って、「背中を押してもらった。『最後まであきらめない』大切さを教えてくださり、ありがとう」というメールをいただきました。自分の結びつきを党の結びつきに発展させる「踏み切り」へ、全国の仲間の奮闘を伝える「赤旗」が背中を押してくれたという、うれしい便りでした。
　東日本大震災の際には、「暗闇の洞くつで出口を導いてくれる一条の光」と配達を待ち望まれ、購読料値上げに際しては、「『赤旗』は心の財産。人間いかに生きるかということを教えてくれる。何とか日刊紙を守ってほしい」と激励をいただいた「赤旗」日刊紙の存在。こんなに多くの人々に愛され、支えられているメディアなのです。
　そんな日刊紙ですが、いまの情勢にふさわしい役割を果たすためには、部数の面でも紙面の内容でも、現状にとどまっていいわけはありません。一人でも多くの方に読んでいただき、とりわけまだ読んでいない党員のみなさんには、このさいぜひ読んでいただきたいのです。
　私たちは、昨年も拡大数を上回る減紙が出ているという実態を直視し、この１月から「減らさず前進をはかる」ために、読者のみなさんとしっかりと結びつき、「読んでよかった」といわれるような紙面の改革に全力をあげます。
( ２０１３年０１月０９日，「赤旗」) （Page/Top）

「慰安婦」問題で決議案提出へ／「人道に対する罪」日本政府に謝罪求める／米ＮＹ州議会

　日本軍の「従軍慰安婦」は人道に対する罪だとして日本政府に公式に謝罪を求める決議案が、近く米ニューヨーク州議会上下両院に提出される予定です。決議案を検討している同州議会のトニー・アベラ上院議員とチャールズ・ラビン下院議員が７日、ニューヨーク市郊外の記者会見で明らかにしました。

　アメリカではこれまで、１９９９年にカリフォルニア州議会上院で同様の決議案が通過し、２００７年には連邦議会下院で決議が採択されました。昨年９月にはニュージャージー州議会でも類似した内容の決議案２件が上程されています。
　ＮＨＫによると、ニューヨーク州議会に近く提出される決議案の草案は、「従軍慰安婦」は多くの人が巻き込まれ、残酷で人道に対する罪に当たるとし、日本政府に対して歴史的な責任を認め、女性たちへの公式な謝罪を求めています。
　２人のニューヨーク州議会議員は、「アメリカは日本という素晴らしい国の同盟国で友人だ。しかし、過去の罪や過ちは忘れてはならない。安倍首相の訪米の際にはそのようなメッセージを伝えたい」などと述べました。来週にも決議案を州議会上下両院に提出し、採択を目指すとしています。
( ２０１３年０１月０９日，「赤旗」)

��安倍内閣は過激な国粋主義者たち�＝^��アジア地域に悪い予兆だ�＝^英誌『エコノミスト』指摘

　英誌『エコノミスト』５日付（電子版）は、安倍新内閣について「安倍氏の恐ろしいほどの右寄りの閣僚選びは（アジア）地域にとって悪い予兆だ」などと題して論評記事を掲載し、「新政権の真の性質は��保守�≠ﾅはなく、過激な国粋主義者たちによる内閣だ」と述べています。
　同誌は、安倍内閣の閣僚の多くが戦争時の日本の残虐さをほとんど否定していると強調。多数が「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」や日本軍「慰安婦」記述の抹殺を狙う「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の構成員、改憲右翼団体・日本会議を支援してきた議員だと指摘しています。
　安倍首相については、「憲法や戦後日本の平和主義、愛国心を軽視してきた教育法を修正したいと望んできた」と紹介しています。
　同誌は、日本が韓国とは竹島の領有権問題、中国とは尖閣諸島の領有権問題などがあることを述べながら「少なくとも参院選挙まで、安倍氏は慎重に進む姿勢を国外に示す」と指摘。「しかし、安倍氏自身の国粋主義者としての本能や自民党内の過去の亡霊を抑え続けることは難しく、ほとんど不可能だろう」と結論付けています。
( ２０１３年０１月０８日，「赤旗」) （Page/Top）

日本軍「慰安婦」問題／河野談話見直し／０７年、安倍首相はこうして謝罪に追い込まれた

　安倍晋三首相が、村山首相・河野官房長官談話（１９９５年・９３年）の見直しを表明したことで、中国、韓国、米有力紙などから厳しい批判が上がっています。第１次安倍政権（２００６〜０７年）でも、河野談話否定の発言に国際的批判が沸き起こり、当時首相の安倍氏が謝罪に追い込まれた経過があります。いま河野談話見直しに踏み込めば、そのとき以上の批判にさらされるのは確実です。
　（藤川良太）

米中韓など厳しく非難
　０６年９月１３日、米下院外交委員会（ハイド委員長）は日本政府に対し第２次世界大戦中の「慰安婦」についての責任を認めるよう求める決議を可決しました。本会議での採決は行われず廃案となりました。米紙は、日本政府がロビイストを使って妨害したと報道。在米日本大使館は「あらゆる案件で必要な努力をしている」としました。
　０７年１月には、前年よりも踏み込み日本の首相に謝罪表明を求めた決議案が提出されます。翌月には米議会で初めて元「慰安婦」の公聴会が開かれました。
　これに対して安倍氏は３月１日、「強制性を裏付ける証拠はなかったのは事実だ」と発言。同７日には、加藤良三駐米大使が米下院外交委員長に、日本政府の謝罪を求めた超党派決議案は採択しないよう申し入れました。同１６日には、日本政府として「強制連行を示す記述はなかった」との答弁書を閣議決定しました。
　旧安倍政権の動きには各国から非難が沸き起こりました。米国のシーファー駐日大使が安倍首相発言は「（米国内に）破滅的な影響を及ぼす」と警告。中韓外相の強い遺憾表明に続き、オーストラリアのハワード首相も批判、シンガポールのリー首相は「過去を真摯に受け止める努力」を求めました。
　結局、安倍氏は４月の訪米で、ぺロシ下院議長ら米与野党の議会指導者と会談し、「河野談話」の継承と、元「慰安婦」に対し「極めて苦しい状況に置かれたことに申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」とおわびを表明する事態に追い込まれました。日米首脳会談でも「慰安婦」が人権侵害だったことを事実上認めブッシュ大統領（当時）におわびしました。

「強制連行」にわい小化
　一連の動きのなかで問われたのは、安倍氏のいう「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった。狭義の強制性を裏付ける証言はなかった」との主張でした。安倍氏らは、だから「慰安婦」は強制されたものではないという議論を展開しました。
　自民、民主両党の「靖国」派の国会議員４４人が米紙ワシントン・ポストに意見広告を掲載（０７年６月）。米下院の決議案が「故意の歪曲」だと主張しました。
　しかし、「慰安婦」問題で問われた「強制性」の核心は、軍が運営する施設で暴行・強姦が組織的に行われた重大な人権侵害事件だということでした。もちろん、強制連行があったとの証言も多数あります。安倍氏らが否定したがる河野談話は、政府として関係資料の調査や当事者からの聞き取りを含めて調査したうえで、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」としています。施設の運営・移送での旧日本軍の関与と強制を認め、募集でも官憲が関与した事例を認めたのでした。
　それを否定する安倍氏らの議論に対して米下院では、「日本政府による強制的な軍の売春である『慰安婦』制度は、２０世紀における最大の人身取引事件の一つ」とした決議案への賛同者が急増。安倍氏らのように、強制連行の有無だけにわい小化する主張は国際社会では受け入れられないものであることが露呈しました。
　旧日本軍の「慰安婦」問題で日本政府に公式な謝罪を求める決議は０７年７月３０日、米下院本会議で採択されました。
　同決議は、日本軍「慰安婦」を「身体損傷や死、自殺をもたらした集団強姦、強制中絶、屈辱、性的暴力など、その残酷さと規模において未曽有のもの」と断罪。「慰安婦」の悲劇、第２次世界大戦における他の日本の戦争犯罪を軽視しようとしていること、戦時中の日本軍「慰安婦」問題をめぐり強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話を「無効にしようとする願望」に警鐘を鳴らしています。
　その後も決議可決の動きは続きました。オランダ下院、カナダ下院、欧州連合、フィリピン下院、韓国国会、台湾立法院が米議会決議と同様の決議を採択・可決することとなりました。

「重大な人権侵害」と決着
　「慰安婦」問題では、国連人権委員会差別防止と少数者保護小委員会が１９９８年、事実上の奴隷であり、「当時ですら、奴隷制を禁じた慣習的国際法に明らかに違反していた」との報告書を採択しています。国際社会では「慰安婦」問題は世界的にも重大な人権侵害であったということが決着しています。
　さらに、「慰安婦」問題をめぐっては２０１１年１２月１８日の日韓首脳会談で韓国の李明博大統領から当時の野田佳彦首相がきびしい調子で日本政府の公的な解決＝謝罪と賠償を求められました。このような状況で河野談話の見直しに踏み込めば、アジアと世界で孤立することは明らかです。

第１次安倍政権と「慰安婦」問題をめぐる主な動き

【２００６年】
９月１３日　米下院委で日本政府に責任を認めることを求める決議が可決（本会議にかけられず廃案へ）
　　２０日　安倍氏が自民党新総裁に選出
　　２６日　衆参本会議で安倍氏が首相指名
【２００７年】
１月３１日　米下院に日本政府の公式な謝罪を求める決議案提出
２月１５日　米下院外交委の小委員会公聴会で元慰安婦３人が証言
３月１日　安倍首相が慰安婦問題で「強制性を裏付ける証拠はなかった」と発言
　　１６日　日本政府が強制性を否定する答弁書を閣議決定
４月２６日　首相が米与野党の議会指導者と会談し元「慰安婦」へのおわびを表明
　　２７日　首相が日米首脳会談でもブッシュ大統領に同様のおわびを表明
５月２日　決議の共同提案者が１００人突破
６月１４日　米紙に自民、民主などの国会議員４４人らが強制性を否定する意見広告
　　２６日　米下院外交委が決議を可決
７月３０日　米下院が本会議で決議を採択
９月１２日　安倍首相が辞任表明
１１月８日　オランダ下院が日本政府に元「慰安婦」への謝罪と賠償を求める決議を全会一致で可決
　　２８日　カナダ下院が日本政府に真摯な謝罪を求める動議を全会一致で可決
１２月１３日　欧州議会が日本政府の公式謝罪や歴史事実の国民教育を求める決議を可決
【２００８年】
３月１１日　フィリピン下院外交委が同様の決議を採択
１０月２９日　韓国国会が同様の決議を全会一致で採択
１１月１１日　台湾立法院が同様の決議を採択
( ２０１３年０１月０６日，「赤旗」) （Page/Top）

米紙「慰安婦」否定意見広告に賛同した国会議員／昨年１１月当時

民主党
福島伸亨、花咲宏基、金子洋一、松原仁、三浦昇、向山好一、長尾敬、柴橋正直、田村謙治、渡辺周、吉田泉

自民党
安倍晋三、有村治子、衛藤晟一、古屋圭司、稲田朋美、磯崎仁彦、伊東良孝、金子恭之、岸宏一、岸信夫、北村誠吾、北村茂男、熊谷大、松野博一、西田昌司、世耕弘成、下村博文、新藤義孝、高市早苗、竹本直一、塚田一郎、上野通子、山本順三、山本有二、山谷えり子、義家弘介

その他
平沼赳夫、中山恭子
( ２０１３年０１月０６日，「赤旗」)

潮流

　真っ暗な部屋に入ると、いきなり響いてくるドラムのような音。強くなり、弱くなり。間があいたり小刻みだったり▼天井からつるした明かりが一つ、音に合わせ明滅します。小豆島のお隣、瀬戸内海の豊島の海辺に立つ小さな美術館「心臓音のアーカイブ」です。すでに世界各国３万人以上の心臓音を記録し、大音量で再生しています▼別の部屋では、パソコンで検索してお目当ての人の心臓音も聞けます。もし故人が音を登録していれば、家族や友だちは、島にきて彼・彼女の生きた証しを確かめられます▼作者は、現代美術家のクリスチャン・ボルタンスキーです。彼は、一人ひとりの人間のかけがえのなさを、生きた証しの復元や記録で表してきました。人の忘れっぽさに逆らうように。１９４４年フランス生まれのユダヤ人。ナチス・ドイツに虐殺された人々の記憶を写真などでよみがえらせる作品も名高い▼彼は、あらまし次のようにいいます。ナチスは、人を物体としてあつかった。たとえば、「きょう収容所に１０００人来た」ではなく「○�d着いた」。しかし、かりに１０００人でもただ１０００人ではない。スパゲティ好き。サッカー好き。つねに、１人＋１人＋１人なのだ…▼のどかな瀬戸内で、ボルタンスキーの仕事に敬意を表しました。人が忘れっぽいだけでなく、権力者は人々の記憶から現に生きている人の姿さえ消そうとします。日本軍「慰安婦」への屈辱の強制がなかったかのように語る政治家さえいるのですから。
( ２０１３年０１月０６日，「赤旗」)

日本軍「慰安婦」強制を否定／安倍首相が賛同／米紙に意見広告、４閣僚も／昨年１１月

国内外の批判は必至
　米国の新聞に昨年１１月に掲載された日本軍「慰安婦」問題を否定する意見広告に、安倍晋三首相と４人の閣僚（別項）が、賛同者として名前を連ねていることがわかりました。安倍首相は、「慰安婦」問題で政府として「おわびと反省」を表明した河野官房長官談話（１９９３年）を見直すことを示唆しており、そのこととあわせて内外から強い批判が起こることは避けられません。（賛同議員名簿２面・関連３面）
　
　意見広告は、米ニュージャージー州地元紙「スターレッジャー」２０１２年１１月４日付に掲載されました。「女性がその意思に反して日本軍に売春を強要されていたとする歴史的文書は…発見されていない」「（「慰安婦」は）『性的奴隷』ではない。彼女らは当時世界中のどこにでもある公娼制度の下で働いていた」などとのべ、強制性と日本政府の責任を否定する主張をしています。
　広告の主張は、「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」と認定した河野談話の内容を否定するものです。
　広告はジャーナリストの桜井よしこ氏らでつくる「歴史事実委員会」名で出されています。これに賛同者として自民、民主などの国会議員３９人が名前を連ねています。閣僚のほか内閣官房副長官になった世耕弘成氏、首相補佐官になった衛藤晟一氏や自民党政調会長の高市早苗氏も賛同しています。
　同委員会は０７年６月にも米紙「ワシントン・ポスト」に同じ内容の意見広告を出しました。これには国際的な批判が広がり、米国政府も強い不快感を示しました。
　当時、米下院では「慰安婦」問題で日本政府に公式の謝罪を要求する決議案が採択され、その後７つの国・地域で同様の決議が採択されています。
　安倍氏が昨年９月、自民党総裁に再任した直後に、「慰安婦」否定の意見広告に賛同し、賛同者に名を連ねた議員から４人を入閣させたことは、安倍政権の歴史認識の反動性を改めて内外に示すものです。

第２次安倍内閣の意見広告賛同者
安倍晋三首相
古屋圭司公安委員長
稲田朋美行革担当相
下村博文文科相
新藤義孝総務相

日本軍「慰安婦」問題
　アジア・太平洋戦争中に、日本軍が組織的に、各地の女性を「慰安所」に閉じ込め、レイプを繰り返した問題。１９９１年に元「慰安婦」の韓国人女性が謝罪と賠償を求める訴えを起こしたことをきっかけに日本政府は全面的な調査を行い、９３年には河野洋平官房長官（当時）が「おわびと反省」の談話を発表しました。安倍晋三氏ら日本の侵略戦争は正しかったと主張する右翼グループは、「狭義の強制はなかった」「河野談話を見直す」と繰り返し主張し、内外の厳しい批判を浴びています。
( ２０１３年０１月０６日，「赤旗」)

第２次安倍内閣の閣僚／右翼改憲派ずらり／日本会議議連１３人、新憲法制定議員同盟８人

　第２次安倍晋三内閣の１９人の閣僚のうち、右翼・改憲団体の日本会議国会議員懇談会（日本会議議連)に１３人､超党派の改憲議連「新憲法制定議員同盟｣に８人が関わっていることが分かりました｡６年前の第１次安倍内閣に続き、超タカ派・改憲勢力が、再び政権中枢に躍り出たかたちです。

　日本会議議連構成員の閣僚は、第１次安倍内閣直前の小泉純一郎内閣では７人程度でした。２００６年９月に発足した第１次安倍内閣では、１８人の閣僚のうち１２人が日本会議議連構成員となり、「任期中に憲法改定を必ず実現する」と公言した安倍首相と足並みをそろえました。
　新憲法制定議員同盟（会長・中曽根康弘元首相)は､超党派の議員で改憲推進を求める大会を開くなどしています。東日本大震災後には「災害からの復興についても現憲法は重大な欠陥を有している｣と､災害まで口実に改憲をすすめることに執念を燃やしています。
　安倍首相はいずれの議連にも加わっており、こうした場で行動をともにしている活動的なメンバーを、今回の組閣でも、重用。二つの議連のいずれにも加わっていない閣僚は３人しかいません。

教育への介入強まる懸念／右派勢力の動向に詳しい「子どもと教科書全国ネット２１」の俵義文事務局長の話
　「従軍慰安婦」問題は認めない、日本の過去の侵略戦争の反省もしないという日本会議の歴史観は、欧米なら「極右」といわれて当然のものだ。そうした勢力が閣僚の７割を占め、改憲をすすめようとしていることが安倍内閣の特徴だ。安倍氏らが自民党の歴史わい曲の舞台として使った「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」のメンバーが９人もいることも特筆すべきで、教育への国家介入が強まることは明らかだ。

日本会議国会議員懇談会関連の新閣僚
安倍晋三総理
麻生太郎副総理
谷垣禎一法相
岸田文雄外相
下村博文文科相
田村憲久厚労相
茂木敏充経産相
小野寺五典防衛相
菅義偉官房長官
根本匠復興相
古屋圭司公安委員長
甘利明経済再生相
稲田朋美行革相

新憲法制定議員同盟関連の新閣僚
安倍晋三総理
麻生太郎副総理
谷垣禎一法相
下村博文文科相
林芳正農水相
石原伸晃環境相
山本一太沖縄・北方相
稲田朋美行革相

日本会議国会議員懇談会
　１９７０年代から改憲や元号法制化、夫婦別姓反対の運動をすすめていた右翼改憲団体を再編・総結集して９７年５月に設立された「日本会議」の国会版。日本の侵略戦争は正しかったという歴史観に立ち、天皇元首化、憲法９条全面改定、国民に「国防の義務」を課すなどの主張をしています。会長の平沼赳夫氏（「日本維新の会」国会議員団代表）は総選挙前の昨年３月、「（国会に）２５２名を超える同志」とその勢力を誇示しました。
　◇
新憲法制定議員同盟
　改憲だけを目的に掲げ自民、公明、民主、みんななど各党の議員を結集している集団。１９５５年に旗揚げした「自主憲法期成議員同盟」が前身で２００７年３月に再発足。０９年総選挙で加盟議員が大量落選しましたが、今回の総選挙で多くのメンバーが国政復帰しました。
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

参院選勝利へ��三つの国民的役割�＃ｭ揮を／２０１３年党旗びらき志位委員長のあいさつ／その１

日本共産党の志位和夫委員長が４日、党本部で開いた「２０１３年党旗びらき」でおこなったあいさつは次の通りです。

　みなさん、２０１３年、明けましておめでとうございます。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、新春にあたって心からのあいさつを送ります。

総選挙の結果について――自己検討をつぎのたたかいに生かす決意

後退は悔しい結果――中央として自己検討を深め、つぎのたたかいに生かす
　まず、昨年１２月１６日に投開票がおこなわれた総選挙で、日本共産党にご支持をお寄せいただいた有権者のみなさん、寒さのなか、ご支援をいただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに、あらためて心からのお礼を申し上げます。ありがとうございました。（拍手）
　日本共産党は、この総選挙を、「６５０万票、議席倍増」という目標を掲げてたたかいましたが、結果は、比例代表で３６９万票、９議席から８議席への後退となりました。「今度こそは躍進を」という思いで準備を重ね、たたかっただけに、たいへんに残念で悔しい結果であります。情勢が求める結果を出せなかったことに対して、私は、委員長として責任を痛感しております。
　２月２日、３日には、第６回中央委員会総会を予定しています。どうしたら本格的な前進に転じられるかについて、党内外の方々のご意見に耳を傾けつつ、自己検討を深め、半年後に迫った東京都議選、参議院選挙のたたかいに生かす決意であります。

全党と後援会員の奮闘によって、第一歩だが前進への足がかりをつかんだ
　議席を後退させたなかでも、全党と後援会のみなさんの奮闘によって、第一歩ではありますが、前進への足がかりをつかんだことは、重要だと考えます。
　私たちが、「出発点」と位置づけた２０１０年参議院選挙との比較では、わが党は、比例代表で得票を３５６万票から３６９万票に、得票率を６・１０％から６・１３％に、わずかですが前進させました。
　小選挙区で、「全区立候補」に挑戦し、４７０万票、７・８９％を獲得したことも、積極的意義をもつものであり、このたたかいの先頭にたって日夜奮闘された全国の候補者のみなさんに、心からの敬意と感謝を表明するものです。（拍手）

東北ブロックの勝利から深い教訓を引き出し、全国のたたかいに生かしたい
　とりわけ、東北ブロックで、比例票を参院比例票の約１・２倍に増やして議席を守り抜いたことは、被災地復興の今後を考えても、きわめて重要な勝利であり、支援にとりくんだ全国のみなさんの喜びともなっています。この勝利は、何よりも、自ら被災しながら、被災者の苦しみに心を寄せ、一緒に運動にとりくみ政治を動かしてきた、被災地の党組織の奮闘が、住民の方々の信頼を得た結果であります。同時に、この勝利は、「国民の苦難の軽減のために献身する」という立党の精神にたち、国民に溶け込み結びつき、その利益のために奮闘するならば、全国どこでも前進が可能だということを示していると思います。そういう立場にたって、東北のたたかいから深い教訓を引き出し、全国のたたかいに生かしたいと考えています。
　大震災から、１年９カ月が経過しましたが、いまだに約３２万人もの方々が苦しい避難生活を強いられています。わが党は、被災者の緊急の要求にもとづく施策を一つひとつすすめる努力をはかりつつ、「住まい」と「生業（なりわい）」の再建に必要な公的支援をおこなうことを、国の災害政策の基本原則にすえることを強く求めてたたかいます。すべての被災者の方々が「安心して住み続けられる故郷」を取り戻すまで、ともに力をつくして頑張り抜く決意を、年頭にあたって表明するものです。（拍手）

安倍自公政権をどうとらえ、どう立ち向かうか

　総選挙の結果、自民・公明両党が３２５議席を占め、第２次安倍政権がつくられました。安倍自公政権をどうとらえ、どう立ち向かうか。

国民は信任状を与えていない――この事実をきびしく自覚した行動を求める
　まず指摘したいのは、この政権は、衆院で３分の２を超える多数をもつにいたりましたが、国民的基盤をもっていないということであります。
　総選挙で自民党が獲得した得票は、有権者比では小選挙区で２４％、比例代表で１５％にすぎません。６割を超える議席は、小選挙区制というマジックがつくりだした「虚構の多数」にほかなりません。国民の民意と国会の議席がここまでかけ離れたことは、かつてありませんでした。
　数字の上でのかい離だけではありません。自民党の「大勝」は、自民党自身が認めているように、民主党政権の裏切りへの国民の激しい怒りが集中した結果であり、自民党の政策や、ましてや実績が評価された結果ではありません。民主党への激しい怒りの「風」が吹いたわけですが、自民党への期待の「風」が吹いたわけではないのであります。
　安倍首相は、選挙後、表面上は、「緊張感」、「謙虚さ」などを装いながら、早くも、暮らしと平和を押しつぶす暴走を開始しようとしています。しかし、国民は、自公に信任状を与えたわけでは決してありません。私は、安倍自公政権に、この事実をきびしく自覚した行動をとることを、まず強く求めるものであります。

国民が解決を望んでいる重要問題に何一つ解決策なし――経済でも、原発でも
　安倍政権は、国民的基盤をもっていないだけではありません。国民が解決を望んでいる重要問題に対して、この政権は、何一つ、まともな解決策を持ち合わせていません。
　たとえば、深刻なデフレ不況からどう抜け出すかは、国民が切望している大問題です。しかし、安倍政権は、日銀に「２％の物価上昇率目標」を設定させる無制限の金融緩和と、「国土強靭（きょうじん）化」と称して２００兆円もの大型公共事業のバラマキをすすめるという、古い自民党政治のもとで失敗ずみの経済政策しか持ち合わせていません。そこには、デフレ不況から抜け出すうえで最大のカギとなる「国民の所得をいかに増やすか」という姿勢は、かけらも見られません。反対に、金融緩和と公共事業で見せかけの「経済成長」を演出し、消費税大増税を予定通り強行しよう。ここに、「アベノミクス」なるものの本当の狙いがあります。国民の暮らしも、経済も、財政も、どん底に突き落とす破局への道を絶対に許すわけにはいきません。
　原発問題をどう解決するか。安倍政権は、国民多数の「原発ゼロ」の声に逆らって、原発再稼働の推進を宣言し、新増設の推進を公言しています。しかし、この路線は、全国各地の原発の直下に活断層が存在する可能性がつぎつぎに明るみに出るなど、原発をめぐる現実とまったく相いれない、危険で無責任きわまるものであります。
　だいたい、２００６年１２月に、日本共産党の吉井英勝議員が、質問主意書で、「大規模地震で、送電鉄塔の倒壊などで外部電源が得られなくなり、内部電源も働かなくなったときに、原子炉はどうなっていくか。検討をおこなっているのか」とただしたのに対して、政府は何と答えたか。答弁書で、「ご指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しております」と答えたのであります。そして、この答弁をしたのは、当時の安倍首相当人だったのであります。安倍自公政権に、何をさておいても、いま求められているのは、こうした「安全神話」をふりまき、大事故を引き起こしたことへの深刻な反省、自己検証、そして国民とりわけ福島県民への謝罪ではないでしょうか（拍手）。原発事故を引き起こした「Ａ級戦犯」が、そのことへの反省もなしに、再稼働や新増設を口にするなど、絶対に許されるものではありません。

憲法改定の野望と歴史問題――９条を守り生かす国民的運動の新たな発展の年に
　安倍政権が、憲法改定の野望を実行にうつそうとしていることは、きわめて重大です。
　まず、集団的自衛権の行使にむけた解釈改憲と、憲法９６条が定めた憲法改定の発議要件の緩和をおこない、宿願の憲法９条改定にすすむ。これが彼らの改憲スケジュールですが、この道をすすむならば、平和を願う日本国民との激しい矛盾を引き起こすことはもとより、アジア諸国民の強い不信と批判をよびおこさざるをえないでしょう。
　憲法９条問題は、日本の国内問題にとどまるものではありません。この条項は、アジアと世界に甚大な被害をあたえた侵略戦争の反省を踏まえ、日本が二度と再び侵略国とならず、世界平和のための先駆的役割を果たすという「国際公約」であります。これを投げ捨てることは、日本の国際的信頼のはかりしれない失墜となるでしょう。
　さらに、安倍首相は、過去の侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」を見直し「安倍談話」なるものに置き換えること、日本軍「慰安婦」問題について軍の関与と強制を認めた「河野談話」を見直すことを公言しています。過去の侵略戦争と植民地支配を美化しようという野望が万が一にも具体化されるならば、日本はアジアと世界で生きていく政治的・道義的地位を失うことになるということを、私は厳しく警告しなければなりません。
　私は、年頭にあたって心からよびかけます。今年を、憲法改悪のあらゆる企てに厳しく反対し、憲法９条を守り生かす国民的運動の新たな発展の年にしていこうではありませんか（拍手）。「９条の会」をはじめとする草の根の運動を大いに発展させる一翼をになって、日本共産党は奮闘するものであります。

日本共産党が果たすべき三つの国民的役割――意気高く新たなたたかいを

　安倍自公政権の「復活」と総選挙後の新しい政治情勢のもとで、わが党が果たすべき役割は、きわめて重大です。
　私は、日本共産党が、つぎの三つの国民的役割を発揮し、新しい年に、新しいたたかいをおこす決意を表明するものです。

暮らし・平和・民主主義を破壊する逆流に立ちはだかる「防波堤の党」として
　第一は、暮らし・平和・民主主義を破壊する逆流に正面から立ちはだかる「防波堤の党」としての役割を果たすことです。
　新しい国会における政党配置を見ると、日本共産党が特別の役割をになっていることは、一目瞭然となります。
　まず消費税をめぐっては、自公民３党は、「３党合意」を結び、大増税と社会保障改悪を共同ですすめようとしており、この３党を中心に、「増税連合」が国会内では多数を占める状況があります。他方、憲法をめぐっては、自公に加えて、「維新の会」とみんなの党が、憲法改定に賛成との立場をとり、「改憲連合」が衆議院の３分の２を占める危険な情勢が生まれています。安倍自公政権を中心に、一方で「増税連合」がつくられ、他方で、それと重なり合う形で「改憲連合」がつくられつつあります。
　そういう政党配置のもとで、多数の国民の声を代弁して、安倍自公政権と「増税連合」「改憲連合」に正面から対決する野党としての仕事をしっかり果たすことのできる政党は、日本共産党をおいてほかにありません。
　総選挙後、日本共産党のこの役割に注目し、政治的立場の違いを超えて、「ここは共産党に頑張ってもらわないと」という新たな期待が寄せられる状況があります。
　ある保守の有力政治家は、つぎのような声を寄せてくれました。
　「国防軍といったり、『日の丸』部隊が応援団の安倍政権に、共産党は正面からたたかってほしい。正面からたたかいを挑める政党は共産党しかいないでしょう。共産党が正面からたたかってくれることで、背筋がしゃんとする政治家がいる」
　別の、ある保守政党で有力な役割を果たしてきた政治家は、つぎのような期待の声を寄せてくれました。
　「私は、共産党の考え方を全部支持するわけではありません。しかし、今日の政治が、米国従属、財界中心の政治という指摘はよく分かります。現在、政治が右へ右へとなびくような事態について憂えています。このような時に、共産党の存在自体が右傾化の動きに対する歯止め・ブレーキ役になっていると思います。ぜひ頑張ってください」
　わが党の「存在自体」がもつ重みについて、こうした期待が寄せられています。
　かつて、戦前、激しい弾圧に抗して、反戦平和と国民主権の旗を不屈に掲げ続けた日本共産党の役割について、「すべての陣営が大勢に順応するなかで、日本共産党だけは、動かぬ一点を守り続けてきた。それは北斗七星のように自分がどれほど時流に流されたかを計る尺度として、日本の知識人によって用いられてきた」と評されたことがあります。
　もちろん、戦前とはまったく条件は異なりますが、逆流がこれだけ表面に出るもとで、日本共産党の「北斗七星」としての輝きが、大いにその輝きをます時代となっていると思います。そのことに大いに自信と誇りをもって、奮闘しようではありませんか。（拍手）

新しい政治を求める国民の模索と探求にこたえる「変革者の党」として
　第二は、新しい政治を求める国民の模索と探求にこたえる「変革者の党」としての役割を果たすことであります。
　今回の総選挙にむけて、日本共産党は、一連の政策提言――「経済提言」、「外交ビジョン」、「即時原発ゼロの提言」、「尖閣問題の提言」、「いじめ問題解決の提案」、「震災・災害政策の転換の提案」などを提起するとともに、それらを集大成し発展させた総選挙政策を掲げてたたかいました。
　これは、２０１０年の参議院選挙を総括した２中総決定の教訓――国民の「探求にこたえ」「展望をしめす」という点で、わが党の政策活動に大きな弱点があったという痛苦の教訓をふまえた努力であり、積極的な意義をもつものであると確信するものです。
　この選挙戦をともにたたかった全国の党組織や候補者からの感想を見ても、共通して、「確信をもって訴えることができた」、「訴えが有権者に届けば支持が広がった」などの声が寄せられていることは、うれしいことです。
　わが党の一連の政策提言は、参議院選挙にむけても、今後の情勢の進展におうじて発展させつつも、その基本点はそのまま使っていける内容となっています。総選挙でおこなった日本共産党の主要な訴えもパンフレット（『２０１２年総選挙　日本共産党の訴え』）にまとめましたが、これも今後のたたかいに生かすことができるものだと考えます。全党の英知を集めて築いた政治的・政策的到達点を、引き続くたたかいに活用していただくことを、訴えるものであります。
　同時に、進路を模索し、迷っている有権者の気持ちにかみあって、わが党の改革ビジョンを伝えるという点では、党中央がおこなった政策・宣伝活動には、まだまだ改善しなければならない問題があるということを、選挙戦を振り返って痛感しています。
　たとえば、「財界中心の政治のゆがみをただす」という場合、日本共産党の立場は、大企業をつぶそうなどと考えているわけでも、大企業の経営がどうなっても知らないという姿勢でも、もちろんありません。大企業にその力相応の社会的責任と負担を果たしてもらう、そのために政治の責任で大企業の横暴を抑える「ルールある経済社会」をつくる、そうしてこそ、働く人の暮らしがよくなるだけでなく、日本の経済と産業の未来が開かれ、企業の経営にとってもまともな発展の道が開かれる、これが日本共産党の経済改革の方針です。そのことを、「まず企業が繁栄してこそ労働者の生活も成り立つ」と考えている広範な労働者・サラリーマンにも、誤解の余地なく、説得的に伝えていくうえで、私たちの政策・宣伝活動はいっそうの改善・発展が必要だと思います。

　この点では、有権者の反応などを踏まえて、選挙中も改善の努力をおこないました。たとえば、大企業の横暴を批判するさいにも、大企業が「業績悪化」を理由に、ごく目先の利益をあげることだけを最優先してリストラ競争をおこなえば、個々の企業には利益になるように見えても、社会全体の需要をいよいよ冷え込ませ、大企業の経営もいよいよ立ち行かなくなる自縄自縛におちいる、だからこそ「ルールある経済社会」をつくるうえで政治が役割を発揮する必要がある、という訴えへと改善をはかりました。しかし、こうした努力は、本来、日常的・系統的にとりくまれるべきものであります。進路を模索している国民の気持ちに寄り添い、かみあって、改革のビジョンを日常的に語り、国民と語り合う力を、党中央としてもっとつけなければならないと考えています。
　そうした努力も含め、大激動の情勢のもとで進路を探求する国民に、明るい前途を照らし出す「変革者の党」としての役割を発揮するために、さらに知恵と力をつくす決意を表明するものであります。

各分野の国民運動をさらに発展させる「国民共同をすすめる党」として
　第三は、各分野の国民運動をさらに発展させる「国民共同をすすめる党」としての役割を果たすことです。
　今回の総選挙は、各分野の国民運動の歴史的高揚のなかでたたかわれました。いま、強調したいのは、どの分野でもたたかいの決着はついていない、たたかいの決着をつけるのはこれからだということであります。
　国民運動の力は、選挙戦のなかでも相手側への大きな圧力となって働きました。
　たとえば、消費税増税問題について、これを推進した自公民３党は、それを選挙戦のなかで一切語らず、「増税隠し」に終始しました。自民党の安倍総裁は、選挙中の民放テレビの党首討論会で、増税の是非を問われ、「○」の札も「×」の札もあげないという態度をとり、出席者の失笑をかいました。そこまでして隠したのです。
　ＴＰＰ（環太平洋連携協定）問題についても、自民党は、「『聖域なき関税撤廃』を前提とする限り反対」を公約とし、安倍総裁もＮＨＫの党首インタビューでＴＰＰへの態度を問われ、「△」と書きました。１６０人を超える自民党候補者が「ＴＰＰ反対」を掲げて当選しました。
　米軍普天間基地問題についても、自民党は公約で「県内移設」の明示を避け、沖縄の自民党候補者は「県外移設」を掲げて当選しました。
　このように自民党の「圧勝」は、個々の政策課題をとっても、「争点隠し」に終始した結果であり、国民はどの問題についても、自民党に信任状を渡してはいないのであります。安倍政権は、総選挙が終わると、手のひらを返したように、これらの課題をすすめようとしていますが、それは、たちまち国民との矛盾を広げ、新たな怒りをよびおこし、国民運動のいっそうの発展をよびおこさざるをえないでしょう。
　国民運動との共同という点では、この間の活動で、私たちはさまざまな教訓を得ていると思います。ここでは、２点ほど強調しておきたいと思います。
　一つは、各分野の運動と日常的に息長く交流・共同していくことの重要性であります。たとえば、ＪＡ・農協との関係では、ＴＰＰ反対のたたかいを共同してすすめるなかで、今回の選挙戦でわが党を公然と支持していただいたところも生まれました。ポスター掲示やビラ配布などさまざまな協力をしていただいたところも生まれました。一方、自民党支持というところもあります。地域によってさまざまです。これまで長い間、保守の立場にあった組織ですから、こういう組織と共同していく仕事には、いろいろなプロセスも必要でしょうし、時間もかかることだと思います。そういう立場で、中央も、地方も、日常的に息長く交流・共同を続けていくことの重要性を強調したいと思います。
　いま一つは、それぞれの国民運動の掲げる切実な要求を支持し、その実現のために誠実に力をつくすという態度を堅持することであります。たとえば、原発ゼロの運動との関係でも、私たちは、それに参加するさい、「特定の団体の宣伝はしない」、「一致点を大切にし共同を広げる」という「ルール」を、厳格に守って行動してきました。そのことが結果として、少なくない人々のわが党への信頼を広げることにつながっていることも、私は重要な教訓だと考えます。
　みなさん。新しい情勢のもとで、各分野での「一点共闘」をさらに発展させ、日本の政治を変える統一戦線をつくりあげるために、「国民共同をすすめる党」としての役割を大いに発揮して意気高く奮闘しようではありませんか。（拍手）

参院選勝利へ――「国民に溶け　込み結びつく力」を豊かに発展　させる探求と努力を

党の自力の問題を、「国民に溶け込み結びつく力」という根本から自己検討を
　総選挙の結果をうけての常任幹部会声明で、私たちはつぎのようにのべました。
　「古い自民党政治が崩壊的危機にあるにもかかわらず、また、党員と支部、後援会のみなさんの燃えるような奮闘があったにもかかわらず、この選挙でそれを議席の前進に結びつけることができませんでした。私たちは、その最大の理由が、党の自力の問題にあることを、選挙戦の全体を通じて痛感してきました。党の力の根源は、何よりも、さまざまな困難に直面しその解決を求める各層の広範な国民に溶け込み結びつく力にこそあります。日本共産党が持つ『草の根の力』は、他党と対比するならば、抜群のものがあります。しかし、それも、いま情勢が求めているものに比べればまだまだ小さいし、これまでより弱まっている面も少なくないのです。……どこをどう改善すれば強く大きな党をつくれるかについて、中央自身も、苦労して奮闘しておられる現場のみなさんの実態をふまえた方策を探求し、開拓と努力をはかる決意です」
　常任幹部会声明が、党の自力の問題を、「国民に溶け込み結びつく力」という根本から提起したことに、新鮮な注目が寄せられています。全国各地から、ここに注目して、いま私たちのもとに、党活動改善のさまざまな積極的提案が寄せられていることは、たいへんにうれしいことであります。
　この問題での現状分析と方針提起は、６中総の課題となりますが、「国民に溶け込み結びつく力」を、広い視野で豊かにとらえ、総合的に発展させるうえで、何が大切か。私は、ここで、総選挙のなかで生まれている教訓も踏まえて、いくつかの角度から私たちの活動に自己検討をくわえてみたいと思います。そして、全党のみなさんの探求と実践をよびかけたいと思います。

一人ひとりの党員がもっている結びつきを、どうやって党の結びつきに発展させるか
　第一の角度は、一人ひとりの党員が現にもっている結びつきを、どうやって党の結びつきに発展させるかということであります。
　参院選から教訓を引き出した２中総決定では、「一人ひとりの党員は、家族や親せき、知人や友人、要求実現の活動、世話役活動、大衆組織や各種サークル、市民運動、自治会や老人会、同窓会など、さまざまな形で、多面的な結びつきを持っています。対話と支持拡大の活動を、それらすべてに光をあて、生かしたとりくみに改善・刷新していくことが必要です」ということを強調しました。この点で私たちの活動がどうだったか。
　山梨県甲府市のある地域支部から、つぎのような報告が寄せられました。
　「昨年の『大運動』で入党したＡさんは、毎週ヘラブナ釣りに出かけ、釣り仲間とは固い結びつきがありました。Ａさんは、月１回の支部会議で何度か、『支持依頼で訴えたい人がいるが、気まずくなるのではないかと心配だ』という話をしていました。そこで市議会議員の石原つよし同志が、『市議の石原さんから頼まれているので協力してほしい』と言ってみたらどうかと助言しました。その助言にこたえて、Ａさんが釣り仲間に訴えてみたら、思いのほか、どんどん支持が広がりました。この結果に勇気を得たＡさんは、釣り仲間以外の自分のつながりにも訴えを始めました。全部で３３人の支持を広げることができました」
　こういう報告であります。ここからは、たくさんの教訓が読み取れると思います。まずＡさんがヘラブナ釣りをつうじて、固い結びつきをもっていたということです。つぎは、Ａさんが、最初は、「市議会議員から頼まれたから」という形で、次には自ら堂々と自分は日本共産党員だと名乗って、ヘラブナ釣りの結びつきを党の結びつきに発展させるために、勇気をもって党員としての「踏み切り」をおこなったということであり、党組織や地方議員がそれを温かく援助しているということであります。
　こうした活動をすすめるためには、わが党の活動にこうした趣味の活動も含めた党員の多面的な活動を大切にし、それを保障するための「余裕」が必要となってくるでしょう。同時に、一人ひとりの党員の「踏み切り」――成長を保障するための支部会議の開催や学習などのとりくみも不可欠になってくるでしょう。とくに、すべての党員が「しんぶん赤旗」日刊紙を読む気風をつくりあげることは、きわめて重要であると思います。
　本腰を入れて、そうした活動の改善・強化をはかり、一人ひとりの党員がもっている結びつきを、党の結びつきに発展させ、党への信頼と共感に発展させることができれば、幾百万という人々に日本共産党の声を届け、支持を広げることは可能であります。
　わが党がもっているすべての潜在的な力に光をあて、それを生かした党活動、その可能性をくみつくした選挙戦に、新たな意気込みで挑戦しようではありませんか。

有権者の動向の変化にそくして、どうやって新しい結びつきを広げるか
　第二の角度は、有権者の動向の変化にそくして、どうやって新しい結びつきを広げるかということであります。
　各地からの報告で、「電話がつながる有権者が減っている」、「ビラも声も入りにくいマンションが増えている」、「職場で労働者がバラバラにされ、話もできない」など、有権者と結びつくうえで客観的困難が生まれているという声が寄せられています。
　同時に、その一方で、とくに大震災以降、「孤独死を生まない支え合いの地域づくりを」、「被災地や福島の子どもたちの応援を」、「原発のない安心して暮らせる社会を」など、社会的連帯を求める新しい動きが起こっており、その媒体としてインターネットが大きな威力を発揮していることも報告されています。
　新たな困難をリアルに直視しそれに対応した活動の発展をはかるとともに、新たな可能性に注目して、国民との新しい結びつきを広げる創造的なとりくみに、大いに挑戦したいと思います。
　その萌芽となる経験は、全国からたくさん報告されています。
　「原発ゼロ」「放射能から子どもたちを守りたい」などの要求にこたえ、地域での結びつきや、ツイッターやフェイスブックなどを活用した新しい結びつきなど、これまで党と接点がなかった人々と共同の輪を広げながら運動をすすめ、党への信頼と支持を広げている経験が、全国各地で生まれています。
　連合指導部による民主党一党支持への怒りが広がるもとで、大企業の横暴なリストラ問題をとりあげた日本共産党の宣伝物、職場新聞が、吸い込まれるように労働者に受け取られ、職場で話題となり、職場支部に労働者の深刻な悩みや苦しみが寄せられるようになり、党の支持を広げた経験が各地に生まれています。
　滋賀県のある青年支部では、学習を重ねるなかで、誰に対話をするかが議論になりました。でも自分が共産党を応援していることを直接語ることは想像ができない。そんな議論のなかでメールで応援をよびかけることになりました。３００人の青年にメールを送り、その半数近くから返信が寄せられ、温かい応援の声がたくさん寄せられたという経験も報告されています。
　有権者の動向の変化にそくして、どうやって新しい結びつきを広げるか。とりわけ、労働者と若い世代のなかに、どうやって新しい結びつきを広げるか。全国の先駆的な経験に学んで、新鮮で創造的なとりくみを開拓していきたいと決意しています。

「国民に溶け込み結びつく」ことと一体に、党勢拡大の独自の努力を
　第三の角度として、党と国民との結びつきといった場合に、党員を増やすことはその根幹となりますし、「しんぶん赤旗」を中心とした活動、後援会活動の強化などが、その土台となることはいうまでもありません。
　この仕事にとりくむさいにも、広い視野で「国民に溶け込み結びつく力」をつくることと一体に、党勢拡大の独自の努力をはかるという姿勢が重要になると思います。
　また同時に、一人ひとりの党員、一人ひとりの読者を増やすことを、新しい結びつきを広げていくという角度からも、きわめて重要な仕事と位置づけて、それを生きた力にしていくという姿勢も大切になってくると思います。
　この間の３回の国政選挙――２００９年総選挙、２０１０年参院選挙、２０１２年総選挙で連続して比例代表の得票と得票率を増やした自治体は、全国に１７あります。そのうち最も多く得票を増やしたのは和歌山県西牟婁（にしむろ）郡白浜町で、今回１１８７票、１０・１７％を獲得しています。その最大の教訓として報告されているのは、「集い」を活動の軸にすえ、後援会員の拡大・後援会ニュースの定期発行と届けを系統的におこなうなど、有権者と日常的・系統的に結びつく努力に一貫して力を注いでいるということであります。選挙直前の対話だけでは、その支持は弱いものになる。やはり日常的に結びつく努力をおこなってこそ、かたい支持を広げることができる。こうした努力と一体に、白浜町では、この１年間で２５人の党員を迎え、「しんぶん赤旗」読者拡大でも、前回選挙比で日刊紙１０６％、日曜版１０４％と増やして選挙をたたかっています。このとりくみは、「溶け込み結びつく力」をつけながら、それと一体に党勢を拡大し、それを力にさらに結びつきを広げるという、いわば��好循環�≠�つくりだしている法則的な活動として、たいへん豊かな教訓に満ちていると思います。
　「しんぶん赤旗」の活動の発展を展望するときも、「溶け込み結びつく」ことと一体に読者を増やし、いったん読者になってもらったら相手の関心や願いによく耳を傾けてさらに結びつきを強め、紙面の魅力とあいまって、「減らさず、前進をはかる」というとりくみに、新たな意気込みで挑戦したいと思います。
　一つ数字を紹介いたします。昨年１年間で、全党の努力によって拡大した読者は、日刊紙と日曜版をあわせますと約３２万人にのぼります。たいへんなエネルギーをここに注ぎこみ、これだけの数の読者を増やしているわけです。しかし同時期に、約３５万人の読者を減らして、差し引きでは３万人の読者減となりました。かりに減らした読者を半分にすることができれば、拡大数が同じでも、年間約１４万人の読者増になるということになります。
　白浜町の党組織に、読者で前回比を超えてたたかうことができた最大の要因は何ですかとうかがいますと、「読者とよく結びつき、減紙率が少ないことにあった」という答えが返ってきました。こうした活動に、全党が挑戦しようではありませんか。
　参議院選挙の勝利にむけて、国民に「溶け込み結びつく力」を強めることと一体に、すべての支部が新しい同志を迎え、すべての都道府県、地区委員会、支部が、毎月着実に読者を増やす党へと前進することを、心から訴えるものであります。

自己検討を深め、実践に踏み出しつつ、みんなで新鮮な方針をつくりあげよう
　三つの角度から探求と実践をよびかけました。
　６中総にむけて、中央も地方も、こうした諸点もヒントにしながら自己検討を深め、新たな実践に足を踏み出しつつ、みんなで国民に根を張った不抜の党をつくりあげるための新鮮な方針をつくりあげようではありませんか。積極的な提案と経験を中央にぜひお寄せいただくことを、心からお願いするものであります。

東京都議選、参議院選挙の前進･躍進をめざして、ただちに足を踏み出そう
　同時に、東京都議選と参議院選挙は、期日の決まったたたかいです。国民に根をはった党づくりへの本格的努力を開始しながら、前進・躍進をめざして、新春からただちに足を踏み出そうではありませんか。
　約３６０万人の後援会員、約１３０万人の読者、総選挙で支持を訴えたすべての方々に、新年のごあいさつをおこない、次の選挙での協力依頼をおこない、条件におうじて入党や購読のよびかけを大胆におこなおうではありませんか。新春からのダッシュで今度こそ前進に転じようではありませんか。（拍手）

新しい政治を求める新しい時代――それを担う強く大きな党をつくろう

　みなさん。現状を、大局的な視野で見れば、６０年間続いた「アメリカいいなり」「財界中心」という古い自民党型政治がいよいよ行き詰まり、日本が新しい政治を求める新しい時代に入ったことは間違いありません。
　２００６年から２０１２年までのわずか６年間に、自民党で３人、民主党で３人、合計６人も総理大臣が代わりました。こんな国は世界の主要国で日本だけであります。かつては「１８人の総理と対決」というと重みがあったものですが、いまはだいぶ軽くなってしまっています。毎年、首相を「使い捨て」にしなければやっていけないところまで、古い支配体制は行き詰まっているのであります。
　そればかりか、政党の「使い捨て」までが横行しているではありませんか。日本共産党封じ込めのための「二大政党づくり」のために、財界が直接関与してつくられた「民主党」は、早くも「使い捨て」られようとしています。今回の総選挙では、たった５日間で沈んだ「太陽」もあれば、たった１カ月で「未来」を失い「使い捨て」られた政党もあらわれました。行き詰まりを打開する方策を何一つもたず、目先の担い手を取り換え、「使い捨て」ることだけに頼って、延命をはかろうという勢力に、これ以上日本のかじ取りをまかせるわけにはいきません。（拍手）
　どんなに古い政治が行き詰まっても、それは自動的に崩壊し、変わるわけではありません。新しい政治を求める国民の探求が、さまざまな政治的体験を経ながら前進し、成熟してこそ、新しい政治の扉は開かれます。そのためには、日本共産党が「防波堤の党」「変革者の党」「国民共同をすすめる党」として意気高く奮闘し、国民に溶け込み結びついた強大な党へと成長することが不可欠であります。
　来るべき東京都議選、参議院選挙の前進・躍進をめざして、ただちにこの仕事にとりかかることを心からよびかけて、年頭にあたってのあいさつといたします。今年も頑張りましょう。（大きな拍手）
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」) （Page/Top）

新政権機に協力推進

　【ソウル＝時事】安倍晋三首相の特使として韓国を訪問した自民党の額賀福志郎元財務相（日韓議員連盟幹事長）は４日、ソウル市内で朴槿恵次期大統領と会談しました。朴氏は「歴史」に言及したものの、「韓日関係の信頼を深めたい」と表明。双方は、経済や対北朝鮮などの分野で協力していくことを確認しました。竹島や従軍慰安婦問題などの具体的懸案は取り上げられませんでした。
　額賀氏は首相の親書を手渡すとともに「日韓それぞれの新政権スタートを機に、両国が良い関係を築くための良い船出をしたい」との首相メッセージを伝えました。朴氏は「歴史を直視しつつ、融和と協力の関係をつくりたい」と語りました。
　朴氏側の説明によると、額賀氏は「既存の世代の傷を癒やすように努力すべきで、未来世代が正しい道を歩むのに既存世代が障害になってはいけない」と指摘しました。
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」)

（Page/Top）

「未来志向の安倍談話」検討／有識者で素案策定／官房長官

　菅義偉官房長官は４日、新聞・通信各社のインタビューに応じ、政府の歴史認識に関し「２１世紀にふさわしい、未来志向の新たな談話を考えたい」と述べ、「安倍首相談話」を検討する方針を表明しました。有識者による検討会を設けて素案を作る考えを示し、「その方向性を受けながら考えていきたい」と語りました。
　菅氏は、日本の植民地支配と侵略を謝罪した１９９５年の村山首相談話について、「引き継いでいく」とする一方で、新談話について、「未来志向を重点にしたものが、アジアの安定、平和、経済を考えたときに必要だろうと判断した」と述べました。策定時期については、明言しませんでした。
　さらに、日本軍の関与などを認めた「慰安婦」問題に関する河野官房長官談話（１９９３年）についても、「歴史学者が研究中なので、私がそうした方々の意見を聞くこともあり得る」とのべ、見直しについて検討する考えを改めて表明。ただし、有識者会議の新設については「考えていない」としました。
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」)

（Page/Top）

主張／安倍首相歴史発言／世界に逆らいどこへ行くのか

　安倍晋三首相が政権発足直後の昨年末、産経新聞とのインタビューで、戦前の日本の「植民地支配と侵略」を反省した１９９５年の村山富市首相（当時）の「談話」や、いわゆる「従軍慰安婦」問題について謝罪した９３年の河野洋平官房長官（同）の「談話」について見直しを示唆したことに、内外で批判の声が上がっています。アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズ３日付は、「韓国との緊張をかきたて、協力をさらに困難にするような深刻な間違いで、在職期間を開始したいと思っている」と批判する社説を掲載しました。

国際的に通用しない
　安倍氏は、戦前の日本の侵略戦争を美化し、靖国神社に合祀された「Ａ級戦犯」も「国内法では戦犯ではない」などの発言を重ねてきた、根っからの「靖国派」です。いわゆる「従軍慰安婦」問題でも、「（家の中に踏み込んで無理やり連れ出すような）狭義の強制性はなかった」などといい逃れて、一貫して「謝罪」の見直しを主張してきました。
　「村山談話」は、戦後５０年目にあたり村山首相が閣議決定を経て発表したもので、「国策を誤り、植民地支配と戦争によってアジア諸国民に多大の損害と苦痛を与えた」と「おわび」を表明したものです。日本が侵略戦争と植民地支配の責任を認め反省することは、戦後日本が国際社会の仲間入りをするための前提です。安倍氏が｢村山談話｣を見直し､｢２１世紀にふさわしい未来志向の安倍内閣としての談話を発出したい」と口にすること自体、国際社会を裏切るものだと取られるのは免れません。
　安倍氏が｢村山談話｣を破棄するといわず新しい「安倍談話」を出すといっているのは、「村山談話」が閣議で決定されているからというだけのごまかしであり、安倍氏の発言の危険性は明らかです。
　他方、安倍氏が「河野談話」について、「狭義の強制性はなかった」と批判し、変更の意向を隠していないのは、「河野談話」が閣議で決定されていないというだけが根拠です。しかし、「河野談話」は当時の政府（宮沢喜一政権）あげての「従軍慰安婦」問題の調査にもとづくもので、「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」などと認めています。「狭義の強制」などというごまかしで、当時の政府や軍が行った強制の事実は否定できません。
　安倍氏自身、第１次政権を担当した２００７年３月、「狭義の強制性」を否定する答弁書を閣議決定したため、内外からきびしい批判をあび、訪米などのさい、「河野談話」の継承を約束しなければなりませんでした。一部の「靖国派」有識者がその後も米紙に強制連行を否定する意見広告を載せたため、アメリカ、オランダ、カナダ、ＥＵ（欧州連合）などの議会で非難決議が採択され、日本が孤立する事態に追い込まれました。

世界から孤立招くだけ
　安倍氏の「産経」インタビューを批判したＮＹタイムズ社説は、「犯罪を否定し、謝罪を薄めようとするいかなる試みも、日本の野蛮な戦時支配を受けた、韓国、さらには中国とフィリピンを激怒させる」と指摘しています。
　歴史と世界に逆らう妄言がアジアだけでなく世界から批判されることを安倍氏は自覚すべきです。
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」)

（Page/Top）

村山・河野談話／首相見直し明言／「産経」で

　ニューヨーク・タイムズが取り上げた産経新聞の単独インタビューで安倍首相は、日本の過去の植民地支配と侵略について「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した村山首相談話に対して「あれから時を経て２１世紀を迎えた。２１世紀にふさわしい未来志向の安倍内閣としての談話を発出したい」と表明し、「未来志向」の名で謝罪をうち消す方向を示唆していました。内容や発出時期は有識者を集め検討する考えを示していました。
　また、戦時中の日本軍「慰安婦」問題をめぐり強制性と日本軍の関与を認めた河野官房長官談話について「閣議決定していない談話だ」と強調。第１次安倍政権で「慰安婦」問題について「政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」との答弁書を閣議決定していることを示し、「この内容も加味して内閣の方針は官房長官が外に対して示していく｣としていました｡
　これは、日本軍が運営する施設で暴行し性行為を強制したという「強制」の核心をすり替え、施設に連れてくるときに「強制連行」があったかなかったかにわい小化する議論です。
　村山談話については歴代内閣の立場を引き継ぐ考えを示していた菅義偉官房長官も４日の新聞・通信各社のインタビューで、政府の歴史認識に関し「２１世紀にふさわしい、未来志向の新たな談話を考えたい」と述べ、「安倍首相談話」を検討する方針を表明しました。
　（関連２面）
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」)

（Page/Top）

村山・河野談話見直しは「過去の偽造」／米紙（ニューヨーク・タイムズ）が社説、安倍氏批判

　米紙ニューヨーク・タイムズは３日、安倍晋三首相が昨年末の産経新聞のインタビューで、侵略戦争と植民地支配に対する日本政府の謝罪を見直す考えを示唆したことについて、「犯罪を否定し、謝罪を薄めようとするいかなる試みも、日本の野蛮な戦時支配を受けた韓国、中国、フィリピンを憤激させるだろう」ときびしく批判する社説を掲げました。
　「日本の歴史を否定する新たな試み」とした社説では、安倍首相が「朝鮮人その他の女性を性奴隷として使ったことを含む日本の第２次世界大戦での侵略についての謝罪の見直しを求めるかもしれないと示唆している」ことをとらえ、「安倍晋三氏は韓国との緊張をかき立て、協力をさらに困難とするような深刻な間違いで、彼の在職期間を開始したいと思っているようにみえる｣と指摘しています｡
　社説は日本の植民地支配と侵略に「心からのおわび」をのべた村山富市首相談話（１９９５年）を「未来志向の声明」に置き換えたいとしていることや、日本軍「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制を認めた河野洋平官房長官談話（１９９３年）を見直すとしていることを紹介。「安倍氏がいかに謝罪を改定するのかは明らかではないが、これまで、自国の戦争時の歴史を書き直したいとの願望を隠そうとはしていない」と批判しています。
　そのうえで、「安倍首相の恥ずべき欲求」が北朝鮮の核兵器計画のような問題で、地域の重要な協力を危うくするかもしれないとの懸念も示し、「そのような修正主義は、過去の偽造ではなく長引く経済停滞の改善こそに集中すべき国を窮地に陥れるものだ」と述べています。
　◇
　米紙ロサンゼルス・タイムズ（１２月３１日付電子版）は、安倍晋三首相が打ち出した村山談話（９５年）の見直しについて「（首相である）安倍氏自身から出た言葉は、中国と朝鮮半島の反日感情に火をつけ、新政権は隣国との関係悪化から始まる」と論じました。
　また、安倍政権が河野談話（９３年）の見直しを求め、下村博文文部科学相が現在の歴史教育を「自虐的」として大幅な方針転換を求めている点を指摘｡｢日本の閣僚たちが謝罪への逆行を提案している｣と述べました｡
( ２０１３年０１月０５日，「赤旗」)

（Page/Top）

引き渡し要求認めず

　【ソウル＝時事】２０１１年１２月に靖国神社の門に放火した疑いで日本政府が引き渡しを求めている中国人の劉強容疑者（３８）について、韓国のソウル高裁は３日、「政治犯」として日本への引き渡しを認めない決定を下しました。韓国法務省は「司法の決定を尊重する」としており、法相の判断を経て中国に帰国する見通し。劉容疑者は１２年１月に在韓日本大使館に火炎瓶を投げ、韓国で服役していました。
　高裁は「政治的罪を犯した劉氏を日本に引き渡すことは、韓国の政治秩序と憲法理念だけでなく、大多数の文明国の普遍的価値を否定するものだ」と指摘。「靖国神社は、日本の対外侵略戦争を主導した戦犯が合祀（ごうし）されている政治的象徴性があるところと評価される」とし、「劉氏の犯行は政治的大義のために行われた」と強調しました。
　劉容疑者に対しては、靖国神社の門に放火した疑いが強まり、日本政府が日韓犯罪人引き渡し条約に基づき、韓国政府に引き渡しを要請。中国政府は、国内世論を意識し、政治犯の場合は引き渡しを拒否できる条約の規定を根拠に、中国への帰国を主張していました。
　劉容疑者は、祖母が旧日本軍の従軍慰安婦で、日本政府の慰安婦問題への対応に腹が立ったとして大使館に火炎瓶を投げました。懲役１０月の判決を受けて１２年１１月まで服役。
( ２０１３年０１月０４日，「赤旗」)

（Page/Top）

２０１３外交展望／安倍政権の「日米同盟強化」路線／国民・近隣諸国と矛盾

　安倍晋三首相は昨年末、首相指名を待たずオバマ米大統領と電話会談し、「日米安保協力の強化と経済連携の深化」を確認しました。その下で集団的自衛権行使、沖縄の米軍新基地建設、ＴＰＰ（環太平洋連携協定）参加の動きなどが次々打ち出されつつあります。こうしたアメリカ言いなりの外交・安保政策の推進は、日本国民や近隣諸国民との矛盾を一層深刻にせざるを得ません。
　（榎本好孝）

　安倍首相は初の外遊先に米国を選び、１月にもオバマ大統領と首脳会談を行う意向です。

集団的自衛権行使の検討へ
　首相は就任会見で「（民主党政権で失われた）日米同盟の絆を改めて強化していくことが日本の外交・安全保障立て直しの第一歩だ」と強調。そのために小野寺五典防衛相に次の点を指示しました。
　▽米国の新国防戦略と連携して自衛隊の役割を強化し、日米軍事協力の指針（ガイドライン）を見直す
　▽民主党政権が２０１０年に策定した軍事力の整備方針である「防衛計画の大綱」とこれに基づく「中期防衛力整備計画」を見直す
　▽沖縄の米海兵隊普天間基地（宜野湾市）の名護市辺野古への「移設」を含め在日米軍再編を進める
　さらに首相は就任会見で集団的自衛権行使（海外での武力行使）について、第１次安倍政権下の０７年に設置した諮問機関のメンバーから意見を聞き、検討を始める考えを表明しました。この諮問機関は０８年、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとする政府見解の変更を求める報告書をまとめています。
　米国の新国防戦略はアジア太平洋重視を打ち出し、「大国化」する中国への軍事的優位と同地域での軍事行動の自由を確保するのが狙いです。米国防費削減の下で日本などの同盟国に一層の軍事力拡大と役割分担も求めています。同戦略に基づく対日要求を進んで具体化しようというのが首相の指示です。
　これは日本の軍事費や兵器の増強に直結します。米海兵隊のオスプレイ配備や新基地建設に反対する沖縄での島ぐるみのたたかいに敵対するとともに、東アジアの緊張を高めます。
　日米首脳会談では、ＴＰＰへの日本の交渉参加問題も大きな焦点になります。
　首相は就任会見で「状況を分析しながら総合的に検討していきたい」と表明しました。「聖域なき関税撤廃を前提とする以上、交渉参加に反対」との総選挙公約から後退し、交渉参加に含みを持たせており、すでに反発の声が上がっています。

尖閣問題での交渉は否定
　近隣外交では、領土や歴史認識の問題で悪化している中国や韓国との関係が焦点です。
　首相は就任会見で「国益を守る、主張する外交を取り戻さなければならない」と強調しました。しかし尖閣諸島問題では昨年の総選挙で「中国と交渉することはあり得ない」と発言。日本領有の正当性を主張する外交交渉も否定し、問題解決の道を閉ざしています。
　「慰安婦」問題で安倍新政権は、日本軍の関与を認め謝罪した１９９３年の河野洋平官房長官談話の継承を明言していません。首相は昨年９月の自民党総裁選で強制連行の事実を否定し、新たな談話を出すべきだと発言。韓国などから非難の声が上がっていました。
　米国でも、河野談話の見直しで日米韓３国の連携がうまくいかなくなれば、東アジアでの戦略的立場が弱体化するとの懸念があります。このためキャンベル米国務次官補が首相に河野談話見直しを棚上げするよう要請したと伝えられています。（米紙ニューヨーク・タイムス昨年１２月２０日付電子版）
　「慰安婦」問題や靖国神社参拝などで、安倍政権が過去の侵略戦争や植民地支配を美化する動きを強めれば、日本は国際的な孤立を深めることになります。

２０１３年　主な外交・海外日程

１月
　オバマ米大統領が２期目就任
　安倍首相が訪米、オバマ大統領と首脳会談
　世界経済フォーラム年次総会（ダボス会議）（スイス）

２月
　オバマ大統領が一般教書演説
　韓国大統領に朴槿恵（パク・クネ）氏就任

３月
　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）
　第１６回交渉会合（シンガポール）
　中国の全国人民代表大会、習近平共産党総書記が国家主席就任

６月
　主要８カ国首脳会議（Ｇ８サミット）（英国）

８月
　日中平和友好条約調印から３５年

９月
　２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議（ロシア）

１０月
　アジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議（バリ島）
( ２０１３年０１月０３日，「赤旗」)

（Page/Top）