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2016年【慰安婦犠牲者の活動と関連記事】

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（12月ヘッドライン

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*         「慰安婦」合意１年／領事館前、一時「少女像」／市民団体行動／韓国

*         「慰安婦」問題日韓合意から１年／上／誰のための合意なのか

*         「慰安婦」問題日韓合意から１年／中／関心高まり、新たな動き

*         「慰安婦」問題日韓合意から１年／下／本質をつかむ努力共に

*         「慰安婦」新たな協議を／日韓合意で韓国野党元代表

*         「慰安婦」問題／名誉毀損認めず／吉見裁判で不当判決／東京高裁

*         名誉・尊厳の回復を／「慰安婦」被害者の証言／下／「私は歴史の生き証人」

*         名誉・尊厳の回復を／「慰安婦」被害者の証言／上／「何も解決していない」

*         政策協議体設置で合意／国会に憲法改正特委も／韓国与野党

*         台湾に「慰安婦」記念館／開幕式、日米中韓から２００人

*         「慰安婦」被害の生存者、韓国で３９人に／９４歳のパクさん逝く／ハルモニ絶対、忘れないよ／水曜集会

*         主張／「１２・８」から７５年／「平和」の叫び上げ続けてこそ

*         歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／体に電流を流され気絶／李容洙さん（８７）韓国

*         歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／アジア広域に日本軍慰安所／真実の究明、正義の回復を

*         歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／日本軍が駐屯地に連行／エステリータ・バスバーニョ・ディさん（８５）フィリピン

*         歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／一晩に４、５人を強要／イネス・マガリャンイス・ゴンサルベスさん（年齢不明）東ティモール

*         歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／軍刀で「首を落とす」と／チンダ・レンゲさん（８４）インドネシア

*         日韓合意、ソウル地裁「法的効力説明を」

*         籾井ＮＨＫ会長再任困難／世論が批判／同意足りず

（12月本文）

「慰安婦」合意１年／領事館前、一時「少女像」／市民団体行動／韓国

　【ソウル＝時事】韓国南東部・釜山の日本総領事館によると、韓国の市民団体は２８日昼ごろ、慰安婦を象徴する少女像を総領事館前に置きました。約４時間半後、少女像は地元自治体によって撤去されました。「設置」した市民団体の学生らは少女像の周りに座り込み、警察と対峙（たいじ）しましたが、強制的に排除されました。
　ソウルでも同日、日本大使館前で数百人が抗議集会を開き、風船方式で造形したバルーンアートの大型少女像が登場しました。
　日韓両政府は昨年１２月２８日、慰安婦問題をめぐる合意を発表。ソウルの日本大使館前にある少女像の撤去に向けて努力することがうたわれました。
　ソウルの抗議は民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」主催の水曜恒例の集会で、参加者は「韓日合意を破棄しろ」「朴槿恵政権は即刻退陣しろ」と気勢を上げ、外務省前までデモ行進しました。
( ２０１６年１２月２９日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題日韓合意から１年／上／誰のための合意なのか

　日本軍「慰安婦」問題の解決に向け、日韓外相が交わした「合意」（別項）から１年がたとうとしています。発表当初から韓国では、この合意では全面的な解決にはならないと批判の声があがっていました。被害者の現状や解決に向けた思いを、識者や支援者に聞きました。
　（韓国京畿道広州市＝栗原千鶴）

　「安倍さんから何も聞いていないし、合意なんて知らないよ」
　被害者の一人、李玉善（イ・オクソン）さん（８９）が重い口を開きました。李さんは被害者が共同生活をしている「ナヌムの家」で暮らしています。合意は「受け入れられない」と、早くから意志を表明してきました。

声反映せず
　「ナヌムの家」の安信権（アン・シングォン）所長は、「日韓両政府から『合意』前に連絡はありませんでした。私も被害者も、テレビで両外相の共同記者会見を見て、内容を知った」といいます。「誰のための合意なのか。被害者の声を反映していない政治的な合意としか思えなかった。あの時の被害者の気持ちを考えると胸が痛みます」と振り返りました。
　合意発表後の日本側の対応も、被害者の信頼を得られるものではありませんでした。
　自民党の桜田義孝衆院議員は１月、被害者に対して、「職業としての娼婦（しょうふ）」と発言。安倍晋三首相も、１９６５年に日韓で結んだ請求権協定によって「解決済み」の立場であることに変わりはないと強調し、「合意によって戦争犯罪にあたるたぐいのものを認めたわけではない」と主張しました。また８月に、日本政府が拠出する約１０億円を閣議決定した際、岸田文雄外相は「日本側の責務は、果たしたことになる」と語っています。
　ナヌムの家で暮らしていた被害者の柳喜男（ユ・ヒナム）さん（故人）は生前、「１０億円はいらない」と話していました。安所長はいいます。「これはお金の問題ではなく、人権問題です。被害者は１円で構わないから法的賠償をしてほしい、心からの謝罪をしてほしいと願っています」

必要なこと
　いま日本政府に必要なことは何か―。
　「安倍首相は、合意後に朴槿恵（パク・クネ）大統領に電話をして謝罪したといいます。しかし、それでは被害者には伝わりません。この場に来なくてもいい。首相は、日本の戦争犯罪を認め、世界に向けて、公に謝罪すべきです」
　（つづく）

日韓合意
　日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相が、２０１５年１２月２８日にソウルで行った会談で交わした「合意」。文書は作成されていません。会談後の共同記者会見で岸田外相は▽軍の関与のもとに女性の名誉と尊厳を傷つけた問題で日本政府は責任を痛感している。安倍首相は心からおわびと反省の気持ちを表明する▽韓国政府が創設する財団に日本政府の予算で約１０億円を拠出する―などと表明しました。
( ２０１６年１２月２６日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題日韓合意から１年／中／関心高まり、新たな動き

　日韓両外相によって合意が発表された昨年の１２月２８日以降、韓国では「慰安婦」問題へ関心が高まり、活発な議論と新たな動きが広がっています。

研究会発足
　研究者らは合意の発表直後に、「日本軍『慰安婦』研究会」を発足させました。参加者の研究分野は歴史学をはじめ、女性学、社会学、法学など多岐にわたっています。
　会長を務める金昌禄（キム・チャンロク）慶北大学教授は「韓国では個別の研究は行われてきたが、それをまとめる動きはほとんどなかった」と語ります。この間、被害者らが名誉を傷つけられたとして『帝国の慰安婦』の著者を訴えていた問題で、研究者らが被害者支援の立場から共同で声明を発表。「そのときの仲間たちで、日韓合意を機に、さらに『慰安婦』問題を深めようと立ち上げました」
　ほぼ毎月、研究会を開催。金教授は、「これまでの研究を整理し、分析や今後に必要な方向を共に検討している。複眼的に接近することの重要性が、改めて確認された」と語ります。
　被害者が共同で暮らす「ナヌムの家」には、高校生や大学生たちの訪問が相次いでいます。安信権（アン・シングォン）所長は「国内では関心が高まっており、学ぶ気風も広がっている｡しかし､日本の『慰安婦』問題を伝える資料館は入館者が激減していると聞きました。日本では『もう解決したこと』という認識があるからではないか」と心配そうに語ります。

市民ら財団
　ソウルの在韓日本大使館前で開かれている日本軍「慰安婦」問題解決をめざす水曜集会（韓国挺身〈ていしん〉隊問題対策協議会主催）では、これまで以上に募金が寄せられるようになりました。
　大使館前には韓国政府が合意で「適切な解決へ努力する」と日本に約束した「慰安婦」問題を象徴する少女像があります。合意直後から、像を撤去させないと大学生が２４時間テントを張って見守っています。３２の自治体の首長も、「少女像は被害者の名誉と人権回復のために国民が願いを込めて自発的に建設したもの。少女像移転に強力に反対する」とした声明文を発表しました。
　被害者と支援者は６月、「正義記憶財団」を設立しました。日韓の合意で、韓国政府が設立する財団に日本が政府予算で拠出するとした１０億円に相当する１００億ウォンを集めようと呼びかけています。
　この財団の目的は、被害者に現金支給をするのではなく、記憶に残し、次の世代への教育をすることで再発防止を行うことや、韓国以外の中国やフィリピンなどの被害者にも支援をするなどの事業をめざしています。
　（ソウル＝栗原千鶴）
　（つづく）
( ２０１６年１２月２７日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題日韓合意から１年／下／本質をつかむ努力共に

　韓国ソウルの日本大使館前で２５年間、毎週行われてきた日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜集会（韓国挺身〈ていしん〉隊問題対策協議会主催）で、被害者に出会うことができる日は少なくなりました。

平均９０歳に
　韓国政府に登録されている被害者は２３８人です。１年前に日韓政府が合意した際は、４６人が存命でしたが、現在は３９人。平均年齢は９０歳です。
　被害者が共同で暮らす「ナヌムの家」では、１０人の入居者のうち５人が寝たきりです。安信権（アン・シングォン）所長によると、「全国の生存者のうち意思表明できるのは５、６人です。認知症を患う被害者も多く、複雑な合意の内容を理解することも難しい現状だ」と語ります。
　こうした状況のもと、韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」は２３日、合意に基づいて日本が拠出した１０億円の中から合意時の生存者４６人のうち３４人に現金の支給が決まったと発表しました。
　日本軍「慰安婦」研究会会長の金昌禄（キム・チャンロク）慶北大学教授は、「合意内容をちゃんと理解できない被害者を、何人が受けとった、何人が反対したなどと区別することは残酷だ。数にばかり注目していたら問題の本質を見誤る」と指摘します。
　本質とはなにか―。金教授はいいます。「犯罪事実の認定、公式な謝罪、賠償、真相究明、歴史教育、責任者処罰です。１９９０年代初めごろから韓国の女性団体が提起し、人権問題として何度も確認され、国際社会では常識になっています」
　法学者の立場から、歴史的にどう変化してきたかを研究してきた金教授は、今回の合意には、真相究明、歴史教育が記されていないと指摘。「この部分においては９３年の河野談話より後退している」と分析し、「合意は破棄すべきだ」との立場を表明しています。

被害者は誰
　「日本政府は、本質に対して責任を果たす義務があります。まず犯罪行為だったと認め、国が企図し、実行したと明確に述べ、謝罪と賠償をする。その証拠が真相究明と歴史教育です」と力をこめます。
　一方で、被害者に残された時間は長くありません。
　「存命の被害者に、これ以上負担をかけてはいけない時期にきている。短い時間だが幸せに過ごさせたい」と金教授。「そのためにも日韓市民がともに深く考え、互いに方向性を見つける努力が必要だ」と指摘します。「問題の本質をつかみ、同じ方向に手を組んでいけるなら、これまで日本で被害者を支援してきた方々の努力が、本当の意味を持つと思います。被害者は誰か、その質問から出発することが大事です」
　（ソウル＝栗原千鶴）
　（おわり）
( ２０１６年１２月２８日，「赤旗」)

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「慰安婦」新たな協議を／日韓合意で韓国野党元代表

　【ソウル＝時事】来年の韓国大統領選の有力候補で、最大野党「共に民主党」元代表の文在寅（ムン・ジェイン）氏は１５日、ソウル外信記者クラブで会見し、慰安婦問題をめぐる日韓合意について「正当性を認め難い」と述べました。その上で、日韓両政府間で「法的責任と謝罪を明確にする新たな協議」が必要との認識を示しました。
　文氏は、日本が拠出した１０億円に「賠償」の性格があるかどうかをめぐり日韓両政府の説明が異なると指摘。両国間には「真の合意がなかった」と強調しました。在韓米軍への最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」導入については、国内での議論や中国、ロシアを説得する努力が足らず、「拙速に決めた」と批判。次期政権で改めて判断すべき問題だという考えを示しました。
　世論調査機関「リアルメーター」が１５日発表した調査結果によると、大統領候補としての文氏の支持率は１位の２４･０%で、２位の潘基文（パン･ギムン）国連事務総長（１９･５％）をリード。文氏は大統領選について「参戦できれば大きな光栄だ」と意欲を示しました。
( ２０１６年１２月１７日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／名誉毀損認めず／吉見裁判で不当判決／東京高裁

　日本軍「慰安婦」問題を研究する吉見義明中央大学教授が、著作を捏造（ねつぞう）したと言われて名誉を傷つけられたとして、損害賠償と謝罪広告を求めた控訴審判決が１５日、東京高裁（小林昭彦裁判長）であり、原告の控訴を棄却しました。
　問題の発言は２０１３年に日本維新の会の桜内文城（ふみき）衆院議員＝当時＝が、日本維新の会共同代表だった橋下徹大阪市長＝当時＝が外国特派員協会で記者会見した際、「慰安婦」が強制されたことを否定した上で、吉見氏の本について「これは既に捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされている」と述べたもの。第一審は名誉毀損（きそん）にはあたるが意見ないし、論評の範囲として原告請求を棄却しました。
　今回の判決は桜内氏の発言の「これは」がさすものについて、吉見氏の本とも｢慰安婦｣の強制性と考えられるとして、名誉毀損も認めないという一審より後退した判決です。
　判決後の記者会見で原告側弁護団が「入り口論で切り捨てる不当判決」（川上詩朗事務局長）、「被告人を勝たせるという結論先にありきの判決」（大森典子弁護団長）と批判し、上告することを明らかにしました。
　吉見氏は「このようなことが認められるなら名誉毀損がまかり通る。歴史修正主義者の歴史の歪曲（わいきょく）と今後もたたかう」と述べました。
( ２０１６年１２月１６日，「赤旗」)

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名誉・尊厳の回復を／「慰安婦」被害者の証言／下／「私は歴史の生き証人」

フィリピン／エステリータ・バスバーニョ・ディさん（８５）／犯した罪の責任
　「家には１頭の馬と１頭の牛、鶏がたくさんいました」。日本軍元「慰安婦」エステリータ・バスバーニョ・ディさん（８５＝フィリピン）は、戦前の農村での豊かではないけれど落ち着いた家族との生活の様子から語り始めました。「幸せな生活が、日本軍が来て一変した。農園も工場も閉鎖され、家族は山の中に疎開した」
　その日、エステリータさんは、家で作った野菜や卵を市場で売りに出かけました。日本兵たちがトラックでやってきて、教会の広場にフィリピン男性たちを集め、一人ひとり首を切っていきました。陰から見ていたエステリータさんは後ろから髪をつかまれ、手を十字に組まされて、トラックに載せられ、銃剣で脅されてほかの女性たちと一緒に駐屯地に連行されました。
　ある部屋に連れていかれ、いきなり日本兵に次々レイプされました。抵抗したエステリータさんに、先に来ていた女性が「日本兵の好きなようにさせるのよ。でないと殺される」と教えられました。毎日、レイプされ続けました。米軍が近づいているという情報で、日本兵はより凶暴に、残虐になっていきました。
　３週間後、日本兵が姿を消していき、部屋から抜け出して逃げることができました。
　「日韓合意は受け入れられない。日本政府は犯した罪に対して責任を果たすべきだ」と訴えました。

韓国／イ・ヨンスさん（８８）／韓国と日本は隣
　イ・ヨンスさん（８８＝韓国）は「私は歴史の生き証人です」と話し始めました。「私は慰安婦ではない。イ・ヨンスだ。ある夜、日本軍に、特攻隊の部隊に連れていかれて慰安婦にされたのです。電気の拷問や、いろいろな拷問を受けましたが、それでも生きて、ここで自分の経験をのべています。強制連行はなかったというが、私がその証人です」と訴えました。
　ヨンスさんは１９４４年秋に連行され、船上でレイプされて台湾の慰安所に入れられました。「どんなに抵抗しても日本軍人を拒むことはできませんでした」と証言します。日本の敗戦で「解放」されましたが、収容所に入れられ、４６年春になって帰還船で家に帰ることができました。被害を父母にも話せず、知られることを恐れて過ごしました。９２年になって「恐る恐る」名乗り出たあとは、いろいろな場で証言を続けています。
　最後に日本語で、「隣の国です。韓国と日本は。平和的に解決して、若い人たちが手をつないで遊ぶように」と訴えたヨンスさん。「私は２００歳まで生きて女性の人権のために活動します。私は８９歳（※韓国は数え年で表す）です。運動するのにちょうどいい年齢ですよ。みなさん、私に力をください」と締めくくりました。
　（おわり）
( ２０１６年１２月１５日，「赤旗」)

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名誉・尊厳の回復を／「慰安婦」被害者の証言／上／「何も解決していない」

　「慰安婦」問題解決のため、「日韓合意」が昨年１２月２８日に結ばれてから１年。この合意はあくまで問題解決の出発点で、すべての「慰安婦」被害者が人間としての尊厳を回復してこそ真の解決となります。日本政府は「おわびと反省」を表明しましたが、「性奴隷といった事実はない」（１月１８日参院予算委員会で安倍首相）、「終止符を打った」（同２２日衆参両院本会議での施政方針演説）など、誠実に加害の事実に向き合い反省して謝罪する態度とは程遠い言動が繰り返されています。
　こうしたなか、「『日韓合意』は『慰安婦』被害者が求める解決ではない」と、日本軍「慰安婦」被害者たちが声を上げています。
　「慰安婦」被害者は韓国の女性だけではありません。すべての被害者の名誉と尊厳を回復することとあわせて次世代に真実を伝えることこそが解決の道です。
　合意から１年を迎えるにあたって、韓国、インドネシア、東ティモール、フィリピンの４人の被害者たちが１１月に来日し、体験を証言しました。
　（荻野悦子）

インドネシア／チンダ・レンゲさん（８４）／「汚い」といわれ
　公の場で証言するのは初めてというチンダ・レンゲさん（８４＝インドネシア）は、まず、「正義と真実を求めてきました」と自己紹介。「給料をやるといわれて、働きに行き、オケダという日本人に呼ばれていったらレイプされた」といいます。１４歳のときでした。
　それから６カ月間、日本兵にレイプされ続けました。日本が戦争に負け、家に帰ると母親は死亡しており、父親はどこかに連れ去られ、町の人々に「日本軍に犯された娘は汚い」といわれて住むことができなくなりました。
　お手伝いなどの仕事を転々としたのち、菓子作りを教えてくれる人と出会い、仕事を覚えて、菓子を売って歩くようになりました。
　「日本軍に強姦（ごうかん）された女性と一緒になりたいという男性はいませんでした。私は今も、１人で生きています。年をとったので、もうこれ以上お菓子を売り歩くことはできません」
　「もう少し、詳しく話したいのですが、もうしんどくて話せません」と証言を終えたチンダさん。支援をしている通訳者が「両国の政府はもう解決したことにしていますが、何も解決していないのです」と言葉を添えました。

東ティモール／イネス・マガリャンイス・ゴンサルベスさん／私の子はどこに
　イネス・マガリャンイス・ゴンサルベスさん（年齢不明＝東ティモール）は最初に「観光に来たのではない」と強調。「日本軍の占領時代はひどいことばかりだった」と振り返りました。
　「昼間は労働し、夜は家の中に閉じ込められて暴行を受けた。逃げればいいというが、逃げたら殺されると思っていたから逃げられなかった」「被害者はたくさんいたが、ほとんど死んでしまった」といいます。イネスさんは、「慰安婦」にされて妊娠し、女の子を出産しました。その子は日本軍に取り上げられ、行方はわかりません。「どうなったのか、日本政府は教えてほしい｣というイネスさん｡「当時、死んでもおかしくなかったが、ようやく逃げ出して家に帰ることができた。日本政府に正式に謝ってもらいたい。補償してほしい」と訴えました。
　支援者が、「東ティモール政府は関心を抱いてくれない｣と補足｡２００５年からの現地の人権団体と日本の東ティモール全国協議会による合同調査で２０人が「慰安婦」被害者として特定され、そのうち１０人がすでに亡くなりました。「１０人を支援することは難しいことではないのにどうしてできないのか」と訴えました。（つづく）
( ２０１６年１２月１４日，「赤旗」)

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政策協議体設置で合意／国会に憲法改正特委も／韓国与野党

　【ソウル＝栗原千鶴】朴槿恵（パク・クネ）韓国大統領の弾劾訴追案可決を受け、与野党の院内代表は１２日、与野党と政府が参加する政策協議体を設置することで合意しました。国会に憲法改正特別委員会を設置することも確認しました。
　政策協議体の設置は、国政の混乱を収拾するのが目的だとしています。
　最大野党「共に民主党」報道官は同日、日韓両政府が「慰安婦」問題を「最終的に解決する」とした合意や、日韓軍事情報包括保護協定（ＧＳＯＭＩＡ）、米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」の韓国内配備について、見直しを求めていく姿勢を明らかにしました。
　第２野党「国民の党」も同様の立場を表明。政府・与党側との政策調整は難航するとみられています。
　憲法改正については、５年一期限りとされている大統領の任期を４年二期にすることや、大統領の権限を縮小する議院内閣制導入などが論議される見通しです。
　一方、大統領弾劾の可否を判断する憲法裁判所は１２日、審理の準備に向けた初の裁判官会議を開催しました。審理期間は最長１８０日です。
( ２０１６年１２月１３日，「赤旗」)

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台湾に「慰安婦」記念館／開幕式、日米中韓から２００人

　【台北＝小林拓也】台湾で初めての旧日本軍「慰安婦」問題に関する記念館「アマの家―平和と女性人権館」が台北市内につくられ、１０日、開幕式が行われました。記念館は迪化街に残るレンガ造りの古い建物を改修し、「慰安婦」に関する資料や、台湾の被害女性（アマ）が描いた絵などの作品を展示しています。
　開幕式には「慰安婦」被害者である台湾の陳蓮花（ちんれんか）さん（９２）、韓国の李容洙（イ・ヨンス）さん（８８）はじめ、中国大陸や日本、韓国、米国などから約２００人が参加しました。
　あいさつした台湾の鄭麗君（ていれいくん）文化部長は「アマの勇気と、運動を続けた努力に感謝と敬意を表する。記念館が歴史を保存し、事実に向き合い、われわれの社会が再び誤りを犯さないための場になることを望む」と記念館への支持を表明しました。
　日本から参加した「台湾の元『慰安婦』裁判を支援する会」の柴洋子さんは「アジアで被害者を記憶する活動が広がっていくことが大事だ。日本でも連帯しながら活動していきたい」と呼び掛けました。
　記念館を運営する台北市婦女救援基金会の康淑華執行長は「台湾の３人の生存者の願いは、日本政府が誤りを正式に認めることだ。台湾だけでなくすべてのアジアの被害者に謝罪と賠償をするよう日本政府に求めていく」と強調しました。
( ２０１６年１２月１１日，「赤旗」)

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「慰安婦」被害の生存者、韓国で３９人に／９４歳のパクさん逝く／ハルモニ絶対、忘れないよ／水曜集会

この歴史伝えていきたい
　また１人、韓国で「慰安婦」被害者が亡くなりました。９４歳だったパク・スギさんです。韓国政府に登録された「慰安婦」被害者２３８人のうち、生存者は３９人となりました。７日、ソウル市内の日本大使館前（建て替え中）で開かれた「慰安婦」問題の解決をめざす水曜集会（韓国挺身〈ていしん〉隊問題対策協議会〈挺対協〉が主催）では、パクさんの死を悼む声が寄せられ、早期解決を誓う集会となりました。
　（ソウル＝栗原千鶴）

　挺対協によるとパクさんは６日午後、入院先の病院で亡くなりました。１９２２年に慶尚南道南海郡で生まれ、１６歳のころ海岸で潮干狩りをしていたところを日本軍に連行されたといいます。中国で「慰安婦」生活を強いられ、４５年に帰国しています。挺対協の関係者は「パクハルモニ（おばあさん）は名乗り出たのが遅かったので、証言集がない」といいます。

約１５０人が集う
　毎週水曜日に開催され、２５年間続いてきた水曜集会は、この日で１２６０回を迎えました。「（日本政府から）謝罪を受ける前に、次々とハルモニが亡くなっていく。時間がないと痛感している」「パクハルモニに、絶対に忘れないよと言いたい」―。中学生が教師と一緒に参加したのをはじめ、大学生や会社員など、約１５０人が集い、次々と発言しました。
　初めて集会に参加したキム・ヨンウォンさんは、教師を目指す大学４年生です。「高校の歴史の先生に、ソウルの大学に進学したら、水曜集会に参加するように言われた。卒業を前に、やっとくることができた」といいます。「来年から教育現場に出るのですが、子どもたちに、この歴史を伝え、忘れないということを約束したい」と語りました。
　この日、集会には被害者の姿はありませんでした。劇団代表をつとめるイ・ヘソンさんは、「初めて私がこの場所にきたときは、１３０人を超える生存者がいた。いまは３９人になって、気持ちがあせっている」と発言。挺対協のキム・ソンシル共同代表は、「これまで、多くの被害者がここに同席していました。しかし、いまはこの場所をハルモニたちに代わって、未来世代が守ってくれている」と少女像撤去に反対し、泊まり込んで像を監視している学生たちを激励しました。

公式な謝罪を
　集会の最後に声明文が発表され、日本政府に対し、公式な謝罪と賠償を要求。韓国政府にも、昨年１２月２８日に日韓外相会談で合意した「慰安婦」問題の解決に向けた「日韓合意」を廃棄するよう求めています。
( ２０１６年１２月０９日，「赤旗」)

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主張／「１２・８」から７５年／「平和」の叫び上げ続けてこそ

　「帝国陸海軍は本８日未明西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」―。１９４１年１２月８日、日本軍がハワイの真珠湾を攻撃したことを告げる、当時の戦争司令部、大本営陸海軍部の発表です。安倍晋三首相が今月末、日本の首相として初めて訪問を予定している場所でもあります。
　それ以前の中国大陸や東南アジアでの戦争と合わせ、日本は１５年にわたった侵略戦争で自国民とアジアの人々などに莫大な被害を与えました。戦後日本はその反省から出発しました。誤りを繰り返さないため、平和の叫びを上げ続けることが重要です。

歴史に断罪された侵略
　日本軍のハワイ攻撃は、同じ日に行われた当時イギリス領のマレー半島コタバルへの攻撃などとともに、３１年に引き起こした「満州」（中国東北部）への侵略や３７年の中国全土への拡大など、戦前の日本が続けてきた侵略戦争が行き詰まった結果です。ハワイ攻撃の直前まで行われた日米交渉の最大の焦点は中国からの撤兵問題であり、日中戦争とハワイ攻撃後のアジア・太平洋戦争を別の戦争とみることはできません。文字通り一続きの戦争であり、日本の侵略と植民地支配の責任は重大です。
　１５年にわたった戦争で、命を奪われた人だけでも、日本国民は３１０万人以上、アジアの諸国民は２０００万人に上ります。国土の荒廃や、いまだに残る強制労働や日本軍「慰安婦」の深い傷痕など、日本の侵略戦争の被害は文字通り深刻なものがあります。
　日本が４５年に敗戦を認めて受け入れたアメリカ、イギリス、中国の３カ国による「ポツダム宣言」は、当時の日本の支配層が「日本国国民を欺瞞し…世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめた」と批判し、軍国主義勢力の一掃、植民地・占領地の放棄、陸海軍の武装解除、戦争犯罪人の処罰、日本社会の民主化などを求めました。
　これを受け、日本は武装解除などを行うとともに戦犯裁判を受け入れ、敗戦の翌４６年に制定・公布した憲法で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」ことを定めたのです。憲法に盛り込まれた主権在民や平和主義、基本的人権尊重の原則は、侵略戦争の反省そのものです。
　日本が本格的に侵略戦争に踏み出す直前の２２年に誕生した日本共産党は、野蛮な天皇制の専制支配のもと、非合法下での迫害や弾圧・投獄に屈することなく、文字通り命がけで、国民主権と反戦平和、人間解放と未来社会実現の旗を掲げ続けました。「ポツダム宣言」などで日本の侵略戦争が国際的に断罪され、日本国憲法に平和主義が書き込まれたのは、こうしたたたかいの反映でもあります。

再び「戦争する国」許さず
　戦前の日本が破局への道を進んだ「１２・８」から７５年を迎える今日、見過ごすことができないのは安倍政権が憲法の平和主義を踏みにじる戦争法を強行し、再び「戦争する国」へ突き進んでいることです。戦争法強行に飽き足らず憲法を明文改悪し、「国防軍」の創設や海外での無制限な武力行使も可能にしようとしています。
　安倍政権の「戦争する国」への企ては、侵略戦争を肯定・美化する歴史的逆行の政治と一体です。安倍政権の暴走を許さないことこそ､７５年前の教訓を生かす道です｡
( ２０１６年１２月０８日，「赤旗」)

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歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／体に電流を流され気絶／李容洙さん（８７）韓国

　私は１６歳のとき、日本軍に台湾へ連行されました。慰安所の部屋から逃げ出そうとする私を軍人は思い切り蹴り、刀で右太ももをそぎました。私の両手に電話線のようなものを巻きつけました。体にビビビビッと電流が流れ、私は「オンマー（お母さん）」と叫んで意識をなくしました。
　私たちは２５年間、ソウルの日本大使館前で毎週水曜日、デモをしています。「日韓合意」（※）は当事者の私たちに全く知らされず、本当に悔しくて、つらくて、やりきれない気持ちです。私たちはお金が欲しいのではなく、正式な謝罪と法的賠償を求めているのです。
　過ちを繰り返さないため、次の世代に正しい歴史を教えてください。韓国と日本は隣国同士です。解決して手を取り合えるようにしてほしい。

「日韓合意」日本側の履行内容（骨子）
　①軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた。日本政府は責任を痛感。安倍首相は心からおわびと反省の気持ちを表明②日本の予算で、全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる③この発表で、この問題の最終的・不可逆的な解決を確認
(２０１６年１２月０４日，「赤旗」)

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歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／アジア広域に日本軍慰安所／真実の究明、正義の回復を

　「日本政府に正式な謝罪と賠償、正義と真実の究明を求めます」―。日本軍「慰安婦」被害者たちがアジア４カ国から来日し、東京と大阪で証言しました（１１月２～９日）。すべての被害女性の人間としての名誉と尊厳を回復してこそ真の解決です。いま何が問われているのでしょうか。
　本吉真希記者

　日本政府は１９９３年、河野洋平官房長官談話を発表し「旧日本軍の関与と強制」を認め「お詫（わ）びと反省」を表明しました。談話は「本人たちの意思に反して集められ…慰安所での生活は強制的な状況で痛ましいものだった」と初めて強制使役を認めました。
　被害女性が名乗り出てから２年後でした。
　政府は河野談話を受け「女性のためのアジア平和国民基金」（９５～２００７年）を設立（対象は韓国、台湾、フィリピン、オランダ、インドネシアのみ）。被害者への「償い金」は民間の募金を原資にしました。
　この対応に「国家責任があいまい」だと、受けとりを拒否する被害者が多数出ました。
　基金発足から２０年。日本政府は昨年末の「日韓合意」（※）で改めて「軍の関与」を認め「責任を痛感している」と表明しました。他方、被害者のなかからは「どうして政府だけで合意できるのか」との激しい反発の声も出ています。
　安倍晋三首相は国会で「合意によって戦争犯罪に当たる類いのものを認めたわけではない」と答弁（１月１８日、参院予算委員会）。菅義偉官房長官は合意に基づき韓国側が設置した「和解・癒やし財団」への１０億円の支出が完了すれば、「合意に基づく日本側の責務を果たしたことになる」とのべました。（８月３１日、記者会見）
　政府は「責任を痛感」といいながら「慰安婦」問題の本質＝女性たちが軍慰安所で性奴隷状態におかれたという重大な人権問題に向き合おうとしません。
　政府は国連女性差別撤廃委員会への提出文書（１月２９日付）で、アジア女性基金の対象外の国の被害者に補償する「意思はない」と回答しました。
　同委員会は日本政府への最終所見（３月７日）で「（韓国以外の）被害者に国際人権法上の責務を果たしていない」と遺憾を表明｡さらに①日韓合意の実施にあたり被害者の見解を十分考慮し、真実･正義・被害回復への権利を保障②教科書記載③公職者が責任を薄めるような発言をやめる―など強く要請しました。
　被害者らは真の解決のため、日本政府に「犯罪事実と責任の認定」、これに基づく「翻すことのできない謝罪、賠償、真相究明、歴史教育」などを求めています。（１４年「日本政府への提言」）

被害女性が国会要請
　国会議員に直接、声を届けたい―。被害女性たちは国会要請で、性奴隷の実態や、戦後も差別と偏見で社会生活そのものを奪われた苦しみを語りました（１１月７日、国会内）。日本共産党の清水忠史衆院議員は「全面的な解決のため、政府に公式の謝罪と賠償、侵略戦争と植民地支配を正しく伝える歴史教育の推進を迫りたい」と訴えました。
(２０１６年１２月０４日，「赤旗」)

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歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／日本軍が駐屯地に連行／エステリータ・バスバーニョ・ディさん（８５）フィリピン

　１９４４年の１０月か１１月のころです。私が市場で卵を売っていたとき、日本軍が、ゲリラ容疑で捕まえた大勢のフィリピン人男性をトラックで連れてきました。日本軍は彼らを井戸近くに並ばせ、首を切っていきました。
　私は逃げる途中、日本兵に捕まり、別の女性と一緒に日本軍の駐屯地に連れて行かれました。私は立て続けに兵士たちにレイプされました。抵抗すると頭を机に思い切り打ちつけられました。私は気を失いました。その後、何人に強かんされたかはわかりません。そのようなことが３週間続きました。
　日本政府は当時の戦争犯罪について、すべての国の被害者に責任を果たすべきです。
(２０１６年１２月０４日，

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歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／一晩に４、５人を強要／イネス・マガリャンイス・ゴンサルベスさん（年齢不明）東ティモール

初来日
　日本軍は私たちを道路建設や木の伐採などに駆り出しました。私は当時１３歳くらいでした。昼間は働かされ、夜は慰安所に閉じ込められ、一晩に４～５人の日本兵の相手をさせられました。
　私はまだ生理もありませんでした。性器が痛くて、歩くことさえできないときも兵士の相手を拒めませんでした。
　私は妊娠し、慰安所で女の子を出産しました。その子が３カ月になったころ、日本軍に連れ去られました。娘がどうなったのか、日本政府は責任をもって答えてほしい。
(２０１６年１２月０４日，「赤旗」)

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歴史に向き合う／私は性奴隷にされた／軍刀で「首を落とす」と／チンダ・レンゲさん（８４）インドネシア

初来日初証言
　私の母は、日本兵が警備していた綿繰り工場で、無給で働かされていました。母が病気で働けなくなると、日本兵が家に来て１３歳の私を引っ張っていき、住み込みで働かされました。
　あるとき日本兵３人は私を「オケダ」と呼んでいた軍人の宿舎に連れて行きました。服を脱ぐのを拒否した私に、兵士は「首を落とすぞ」と軍刀で脅しました。私はオケダに強かんされました。兵舎では私を連れて来た３人の兵士に輪かんされました。私はまだ初潮も迎えていませんでした。
　私が寝泊まりさせられた建物には三つの部屋があり、一つの部屋に３０人くらいの女の子が詰め込まれていました。高い鉄条網の塀に囲まれ、逃げようとした１５歳くらいの子は銃で撃たれ、殺されました。
　オケダや日本兵は抵抗する女の子がいると、隣接する綿繰り工場から母親を呼び出し、その目の前で強かんしました。
　ある兵補（日本軍の補助部隊として動員されたインドネシア人）は日本兵から「妹に仕事をやるから連れてこい」といわれました。連れて来た妹はオケダに強かんされました。彼女が「なぜ私をひどい目に遭わせるのか」と叫ぶと、兄は耐え切れず、横にあったピストルで自分の頭を撃ち抜きました。
　日本軍が負けて私は解放されました。軍に連行された父は行方不明で、母は亡くなっていました。周囲から「おまえは汚れている」と罵倒され、故郷を追われました。
　私は今日まで、お菓子を作って売りながら生きてきました。しかし、もう限界です。希望もありません。日本政府は私たちの生活に関心を払い、すべての被害者に賠償をしてほしい。
(２０１６年１２月０４日，「赤旗」)

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日韓合意、ソウル地裁「法的効力説明を」

　【ソウル＝時事】旧日本軍の元慰安婦１２人が「慰安婦問題の最終的、不可逆的解決」をうたった昨年末の日韓政府間合意で精神的苦痛を受けたなどとして、韓国政府に１人当たり１億ウォン（約１０００万円）の賠償を求めた訴訟の第１回口頭弁論が２日、ソウル中央地裁で開かれました。判事は政府側に対し、「合意の法的な効力、拘束力はどうなのか説明してもらいたい」と要請しました。判事は「この点があいまいだと裁判所も争点整理ができない」と指摘。政府側の代理人は「書面で回答する」と応じました。次回弁論は来年１月２０日に行われます。
　原告の元慰安婦は「韓国政府は、日本政府が法的責任を認めていないにもかかわらず、『最終的かつ不可逆的な解決』に合意し、精神的苦痛、物理的損害を与えた」と主張しています。
( ２０１６年１２月０４日，「赤旗」)

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籾井ＮＨＫ会長再任困難／世論が批判／同意足りず

　ＮＨＫの籾井勝人会長の再任が困難となったことが２日、分かりました。任命権を持つ経営委員会（委員長・石原進ＪＲ九州相談役）の１２人中、再任に必要な９人以上の同意を得るのが難しい情勢となったため。籾井氏の任期は来年１月２４日までです。
　籾井氏は２０１４年１月の就任記者会見で、「政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない」「従軍慰安婦はどこの国にもあった」などの発言で厳しい世論の批判を受けました。その後も「原発については公式発表を基に」など政府寄りの言動を繰り返しました。
　経営委員会も３度にわたって籾井氏を「厳重注意」しました。こうしたこともあってＮＨＫ予算は野党が反対し、３年連続で全会一致での承認とはなりませんでした。
　就任直後から、市民団体やＮＨＫ退職者などを中心に「籾井会長辞任・罷免を」の声が高まり、「籾井会長再任反対」署名は３万人を超えています。しかし籾井氏は退陣要求は一貫してはねつけてきました。
　経営委員会は１０月、次期会長指名の資格要件で「政治的中立」を重視する姿勢を打ち出し、籾井氏がいっそう追い詰められる状況になりました。経営委は６日に会長指名部会を開き、後任候補の選定作業を進めることにしています。
( ２０１６年１２月０３日，「赤旗」)

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（11月ヘッドライン）

 

*         韓国大統領、条件つき辞任表明／国民の怒り、追い詰めた／格差・強権に不満噴出

*         外相、日韓合意の誠実な履行求める

*         韓国教科書に強制性を明記／「慰安婦」の記述案

*         首里城、旧日本軍壕の説明板／「慰安婦・虐殺」字句復活を／当時の検討委、沖縄県に要請

*         元「慰安婦」合意／〝追加交渉要請、大統領が却下〟／韓国

*         元「慰安婦」２３人に現金／韓国の財団が支給

*         潮流

*         脅迫被害の理解必要／「植村裁判」原告側／札幌地裁口頭弁論

*         公式な謝罪と賠償を／元「慰安婦」が国会議員に要請

*         正式な謝罪と賠償を／アジアの元「慰安婦」４人証言／２００人集う／東京

*         日韓合意の推進強調

*         「慰安婦」被害者の尊厳回復へ努力／日韓・韓日議連が共同声明／井上・辰巳両議員が参加

*         ＮＨＫ会長選任への有識者記者会見／過程の公開必要／歴史伝える責任／受信料何のため

*         朝の風／「慰安婦」被害者の物語の朗読

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【11月本文】

韓国大統領、条件つき辞任表明／国民の怒り、追い詰めた／格差・強権に不満噴出

　事件発覚から５週間。韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領が、任期満了を待たずに条件つきで辞任する意志を表明したことは、国民の怒りの声に追い詰められた結果といえます。１０月末から毎週土曜日に開かれた大集会で、国民は大統領の退陣を求め、「主権者は私たちだ」「国民の声を聞け」と叫び続けてきました。

最大規模の集会
　大集会は、回を重ねるごとに人数が増加し、当初４万人だった参加者は、１２日には１００万人、２６日には２００万人に到達し、１９８７年の民主化以降最大規模になりました。ソウル以外でも、朴大統領の地元・大邱市や保守地盤の釜山でも開催されるなど全国５０以上の都市で行動が広がりました。
　参加者は中高生や大学生、労働者、農民らをはじめ、ベビーカーに子どもを乗せた夫婦など、幅広い層が集まりました。
　事件が明らかになった当初、朴大統領は側近の辞職や首相への政権運営の委任を打ち出すなどして、打開を図ろうとしました。しかし、国民の批判の声はやみませんでした。背景には、韓国で拡大する格差や貧困、非民主的な政権運営などに対する不満があります。
　今年２月、青年層（１５～２９歳）の失業率は過去最悪の１２・５％を記録しました。非正規労働者の増加や就職難、高学費に苦しむ若者たちは就職や恋愛、結婚、持ち家などを放棄したとして「７放世代」と呼ばれました。

生活苦が背景に
　商売が立ち行かない中小企業、家賃や光熱費の値上げなどで生活を切り詰める家庭、大学進学をあきらめる高校生―。苦しい生活が続く市民たちの怒りが大統領の事件をきっかけに噴出した形です。
　国定教科書導入のごり押しや、「慰安婦」問題の解決に向けた日韓合意での韓国政府の不誠実な態度など、強権的な朴政権のやり方に対する批判でもあります。
　国民のこうした批判は、４月に行われた総選挙でも、与野党逆転の国会勢力を作り出し、朴政権に対する痛烈な審判を下す原動力となってきました。
　市民の声は与野党に大きな影響を与えました。首相への権限委任を主張していた最大野党｢共に民主党｣は１１月初旬、初めて退陣に言及。第２野党の国民の党と正義党の野党３党は弾劾訴追案提出で合意しました。
　与党セヌリ党内でも、朴大統領と距離を置く議員らの間で弾劾訴追案に同調が広がり、２８日には、朴大統領に近い議員からも、退陣表明の申し入れが行われていました。
　（栗原千鶴）
( ２０１６年１１月３０日，「赤旗」)

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外相、日韓合意の誠実な履行求める

　岸田文雄外相は２９日、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領が任期満了前に辞任する考えを表明したことを受け、「慰安婦」問題をめぐる日韓合意について「両政府が合意内容を誠実に履行することに尽きる」と述べました。日中韓首脳会談に関しても「議長国として年内開催に向け努力する方針に全く変わりはない」と強調しました。国会内で記者団に語りました。
( ２０１６年１１月３０日，「赤旗」)

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韓国教科書に強制性を明記／「慰安婦」の記述案

　【ソウル＝時事】韓国政府は２８日、来年導入を計画している中学・高校の歴史教科書の原案を公表しました。李俊植（イ・ジュンシク）副首相兼教育相は記者会見で「日本軍による慰安婦動員の強制性と人権侵害、日本政府の責任を明確にした」と明らかにしました。韓国メディアは「慰安婦問題に関する記述を強化したことが国定教科書の特徴だ」（聯合ニュース）として表現を強めたとの見方を示しました。
　公表された中学教科書の原案では「日本軍『慰安婦』とは、１９３０年代初めから日本政府と日本軍により強制的に動員され、日本軍が設置し管理した慰安所などで継続的に性的暴力を受けた女性を指す」と記述しました。
　高校教科書の原案でも「（慰安婦は）自らの意思に反して強制動員され、戦場に設置された慰安所などに強制収容され、持続的に性的暴行を受けた」と記し、「人権を踏みにじられた性奴隷だった」と指摘しました。
( ２０１６年１１月２９日，「赤旗」)

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首里城、旧日本軍壕の説明板／「慰安婦・虐殺」字句復活を／当時の検討委、沖縄県に要請

　首里城（那覇市）の旧日本軍の第３２軍司令部壕（ごう）の説明板設置をめぐって、内容を決める検討委員会の合意文案（２０１１年１０月１４日）から「慰安婦」「住民虐殺」の文字を沖縄県（当時・仲井真弘多知事）が一方的に削除して設置した問題で、検討委員長らが２５日、県担当部長と面談し、「委員会原案の字句の復活」を要請しました。
　要請したのは「第３２軍司令部壕説明板設置検討委員会」の委員長だった池田榮史琉球大学教授と、委員だった新城俊昭沖縄大学客員教授、村上有慶県戦蹟調査委員＝当時＝の３人。
　説明板では、「第３２軍司令部壕内のようす」として牛島満軍司令官など総勢１０００人が雑居していたことを示す記述から「慰安婦」が削られ、「司令部周辺では、日本軍に『スパイ視』された沖縄住民の虐殺などもおこりました」という文章が削除されました。
　池田氏らは「案文は、５人の委員全員の合意で最終案としてまとめたものが、当時の担当部長の独断で削除された｡５年が経過し､当時の司令部壕にいた女性の証言が地元紙にも紹介されるなど新しい証言も出ている」「沖縄戦がどういうものだったのか、その中心が第３２軍司令部壕だったのであり、案文は沖縄戦の記録に欠かせない｣などとして､削除文字の復活、説明板の再検討を求めました。
　応対した金城弘昌・子ども生活福祉部長は「県としては今の説明板で役割を果たしていると判断しているが、要望を受けて何ができるか考えたい」と述べました。
( ２０１６年１１月２６日，「赤旗」)

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元「慰安婦」合意／〝追加交渉要請、大統領が却下〟／韓国

　【ソウル＝時事】２２日付の韓国紙・ハンギョレ新聞は、昨年１２月２８日に発表された日韓両政府間の慰安婦問題をめぐる合意について、尹炳世（ユン・ビョンセ）外相が「３カ月の追加交渉」が必要だと朴槿恵（パク・クネ）大統領に要請したが、朴大統領は受け入れなかったと報じました。協議過程に詳しい韓国政府関係者の話として伝えました。
　尹外相が現行内容での妥結、公表に事実上反対したという証言が浮上したのは初めてといいます。ただ、韓国外務省当局者は時事通信の取材に対し「まったくの事実無根だ」と全面否定しています。
( ２０１６年１１月２３日，「赤旗」)

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元「慰安婦」２３人に現金／韓国の財団が支給

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」の関係者は１６日、元慰安婦２３人に対し、１人当たり１億ウォン（約９００万円）の現金を支給したことを明らかにしました。
( ２０１６年１１月１８日，「赤旗」)

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潮流

　「めんどりが鳴けば国が亡びる」。女性が力を持つとろくなことはない―男尊女卑を反映したこの類いのことわざは世界各国にあるようです。朴槿恵大統領と親友の女性、崔順実氏をめぐる疑惑で騒がしい韓国も例外ではありません▼韓国女性団体連合の代表は「成功すれば『朴正煕大統領の娘だから』、失敗すれば『女だから』と言われるだろうと懸念していた」と語ります▼崔氏は、朴大統領と親密だった新興宗教の教祖が最も信頼を寄せた実娘。国政介入に加え、「韓流」文化とスポーツ振興財団を使った資金流用疑惑もあります。宗教界、芸能界、スポーツ界から「権力との癒着を断て」と声が上がっています▼ソウルで４日、日韓・韓日議員連盟の合同総会が開かれました。韓国側は延期も検討しましたが、「日韓関係に影響を与えてはいけない」と判断しました▼総会の共同声明は、昨年１２月の日韓合意に基づいて、「慰安婦」被害者の「名誉と尊厳が回復され心の傷が癒される｣ために努力すると明記｡しかし日本政府関係者によれば、「慰安婦」問題の象徴としてソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去が最重要課題。朴政権の動揺で履行が不透明になる懸念があると言います▼韓国からは、「日本の言う『懸念』は被害者の名誉と尊厳の回復を無視している」と批判が出ています。「正しい歴史認識に立った未来志向の関係構築」。両国が何度も確認した約束を日本政府は本気で実現する意思があるのか､問われています｡
( ２０１６年１１月０９日，「赤旗」)

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脅迫被害の理解必要／「植村裁判」原告側／札幌地裁口頭弁論

　元朝日新聞記者で日本軍「慰安婦」報道に関わった植村隆氏＝元北星学園大学非常勤講師＝が、「捏造（ねつぞう）記事」などと書かれて名誉を毀損（きそん）されたとして、ジャーナリストの桜井よしこ氏や新潮社などに損害賠償や謝罪広告を求めている裁判の第４回口頭弁論が４日、札幌地裁（岡山忠広裁判長）でありました。
　小野寺信勝弁護団事務局長は「著名な言論人が、雑誌やインターネット上で原告が『慰安婦』記事を捏造などしたと執拗（しつよう）に攻撃し原告の被害、何より家族や勤務先にも脅迫された被害を理解する必要がある」と指摘しました。
　閉廷後の報告集会に１００人が参加。植村氏は、自身の娘がネットで中傷の書き込みをした投稿者を提訴し、勝利判決が出たことを報告。「政府が『河野談話』で軍の関与をもとに女性の名誉を傷つけたとおわびと反省をしたことと、『慰安婦』の記憶を継承したい。バッシングに屈せずたたかう｣と述べました｡
　子どもと教科書全国ネット２１の俵義文事務局長が講演。「安倍政権が改憲のため緊急事態条項から手を付けようとしているが、戦前の戒厳令と同じで内閣が法律をつくり暴走することになる。絶対にさせてはならない」と語りました。
　江別市の志摩恵律さん（４３）は「歴史はなかったことにできないし、暴力でつぶそうとするのは許せない。裁判に勝ってほしい」と述べました。
(２０１６年１１月０９日，「赤旗」)

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公式な謝罪と賠償を／元「慰安婦」が国会議員に要請

　来日している元日本軍「慰安婦」の女性たちが７日、国会を訪れ、日本政府に公式謝罪と法的賠償、再発防止を求めるよう要請しました。
　国会議員への要請行動に参加したのはインドネシアのチンダさん（８４）とフィリピンのエステリータ・バスバーニョ・ディさん（８５）、韓国のイ・ヨンスさん（８７）の３人。戦時中、日本軍に強制的に連行され強姦され続けた事実を語り、「昨年の日韓合意で解決したというなら、ほかの国の被害者はいなかったことになる」と日本政府の態度に対する憤りを述べました。
　戦後苦労して菓子作りを学び、売り歩いて生計を立ててきたチンダさんは、「年をとり、もう菓子の売り歩きはできない。希望がない」と述べました。
　「耳をとじ、目をふさぎ、その時をやり過ごした」と話したエステリータさん。ヨンスさんは「平和的に解決して若い人たちが手をつなげるように」と日本語で訴えました。
　日本共産党から清水忠史衆院議員が参加。日韓合意で、日本政府が「軍の関与」を認め、「日本政府の責任を痛感」したと明記したことはこれからの解決の前提となるとしたうえで、「当事者が置き去りにされた合意だということを痛感しました。全面的な解決のために、政府に公式謝罪と法的賠償、日本の侵略戦争と植民地支配の事実の正しい歴史教育の推進をせまりたい」と女性たちを激励しました。
( ２０１６年１１月０８日，「赤旗」)

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正式な謝罪と賠償を／アジアの元「慰安婦」４人証言／２００人集う／東京

　証言集会「日韓『合意』は解決ではない！アジアの『慰安婦』被害者たちは訴える」が５日、東京都内で開かれ、約２００人が参加しました。主催は日本軍「慰安婦」問題解決全国行動と戦時性暴力問題連絡協議会。
　４人の元「慰安婦」が「真実と正義を求めて」来日し証言。
　公的な場での初証言となるインドネシアのチンダさん（８４）は、製糸工場で働いていてレイプされ、そのまま「慰安婦」にさせられました。「日本軍の残りかす」といわれ、苦労して戦後を生き抜いてきたと語りました。
　初来日のイネス・マガリャンイス・ゴンサルベスさん（８０代）は、日本軍関連の建設現場で「慰安婦」に。出産した女児は、日本軍が連れ去りました。「その子はどうなったのか、日本政府は教えてほしい｣と訴えました｡
　フィリピンのエステリータ・バスバーニョ・ディさん（８５）は、市場で多数の日本兵に襲われ、駐屯地に連れていかれました。戦後、結婚した夫に被害のことはいえませんでした。「１９９３年にラジオでの呼びかけを聞いて、証言活動を始めた」と語りました。
　１９４４年自宅から日本軍に連行された韓国のイ・ヨンスさん（８７）は、「私は歴史の生き証人です」と自己紹介。「日韓合意は私たちに知らされないまま結ばれた。本当に悔しくてつらくてやりきれない話です。私たちはお金がほしいのではなく、正式な謝罪と法的な賠償を求めているのです｣と訴えました｡
( ２０１６年１１月０６日，「赤旗」)

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日韓合意の推進強調

　菅義偉官房長官は４日午前の記者会見で、慰安婦問題をめぐる日韓合意について「責任を持って実施することは両国にとって極めて重要だ。しっかりと連携して進めていきたい」と強調しました。
( ２０１６年１１月０５日，

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「慰安婦」被害者の尊厳回復へ努力／日韓・韓日議連が共同声明／井上・辰巳両議員が参加

　【ソウル＝面川誠】日韓議員連盟（日本側）と韓日議員連盟（韓国側）の第３９回合同総会が４日、ソウルで開かれ、「『慰安婦』問題が被害者当事者たちの名誉と尊厳が回復され心の傷が癒やされるようにという昨年の１２・２８両国政府の合意にのっとって、これからも相互互恵の精神でともに努力する」との共同声明を採択し、閉幕しました。
　日本側から２５人、韓国側から７０人の国会議員がそれぞれ参加。日本共産党からは井上哲士、辰巳孝太郎の両参院議員が参加しました。
　共同声明は、北朝鮮の核実験やミサイル発射が「北東アジアおよび世界の平和と安定に対する深刻な脅威」と指摘。「北朝鮮による拉致および人権侵害の問題を持続的に世界に発信する」としています。
　また、２０１８年の平昌冬季五輪・パラリンピックと２０年の東京夏季五輪・パラリンピックが「環境問題およびバリアフリーを最大限に考慮した模範的なオリンピック・パラリンピックになるよう協力する」ことで一致しました。
　開幕式であいさつした韓国の丁世均（チョン・セギュン）国会議長は、「北朝鮮核問題の解決と平和と協力の北東アジア秩序構築」のために各国の議会も役割を果たすべきだと指摘。６カ国協議を構成する日本、韓国、北朝鮮、中国、米国、ロシアによる「議会間協力体制の構築」を呼び掛けました。
　共同声明採択に先立ち、総会は安保・外交、経済・科学、社会・文化、法的地位、未来、女性の六つの分科委員会を開催。井上氏は安保・外交分科委に出席、辰巳氏は未来分科委に出席し委員長代理を務めました。
　３日には徐清源（ソ・チョンウォン）韓日議連会長主催の夕食会が開かれ、井上、辰巳両氏は韓国側の議員らと懇談、交流しました。
( ２０１６年１１月０５日，「赤旗」)

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ＮＨＫ会長選任への有識者記者会見／過程の公開必要／歴史伝える責任／受信料何のため

　１０月３１日、ＮＨＫ籾井勝人会長の再選に反対し、公共放送にふさわしい会長選任を求めて有識者代表９人が国会内で記者会見しました。うち３人の発言は１日付１面で既報、他の６人の発言要旨を紹介します。(敬称略)

　岩崎貞明（『放送レポート』編集長）　経営委員会の指名部会で会長の資格要件が確認されたが、最もふさわしくない籾井氏も会長候補の一人となっています。３年前も、誰が候補にあげられたのか、どういう議論で選任したのかは明らかにされていません。ぜひ公開するべきです。
　小田桐誠（ジャーナリスト）　テレビとネットの同時送信や受信料義務化など、ＮＨＫは重大な岐路に立っているのに、危機意識はあるのか｡与党･総務省に視聴者、ＮＨＫの要望をきちんと提起できることが大切です。そんな見識や常識を持っている人が会長や経営委員長になってほしい。
　小林緑（元ＮＨＫ経営委員）　６年間経営委員を務めました。その経験から言うと、ＮＨＫは受信料が黙っていても入るので危機感がないのではないか。しかしそれだけに、視聴率を気にしないでジャーナリズムを追求できるところです。それを実現するためには、次期会長には見識があり、視聴者が「この人なら」と親しみを感じさせるような人でなければなりません。選考過程を一部でも放送で公開したらどうでしょうか。
　佐々木江利子（児童文学作家）　私たち日本児童文学者協会は、「慰安婦」問題など戦争の加害の歴史を伝え、アジアの国と向き合えるようにと活動して、秘密保護法案にも反対してきました。しかし籾井さんが会長になってから、ＮＨＫはじめメディアが萎縮しているようです。次の世代に責任をもって歴史を伝えなければなりません。
　白石草（ＯｕｒＰｌａｎｅｔＴＶ代表）　公共放送、受信料とは何かという根本的な議論がなされていません。戦後のドイツは、地域ごとに放送免許を交付して多様性を確保しています。知る権利のための受信料です。市民が参画して独立した制度をつくる必要があることをメディアは伝えてほしい。
　丸山重威（元関東学院大教授）　「放送を語る会」の調査では、戦争法の中身や審議状況は、ＮＨＫでは十分に放送されていません。籾井会長のもとで、国民の知る権利が侵されています。会長は、ジャーナリズムとしての見識を発信できるような人でなければなりません。
( ２０１６年１１月０３日，「赤旗」)

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朝の風／「慰安婦」被害者の物語の朗読

　「絵本『終わらない冬』出版日本の会」（代表・石田信己氏）が企画し、昨年８月１５日に日本機関紙出版センターから刊行された韓国の日本軍「慰安婦」問題の絵本（６月２９日付の本欄既報）が反響を呼んでいる。
　この中で新たな文化活動が計画されている。青年劇場の俳優有志による朗読会、第１４回「平和へのメッセージ」の中の演目の一つに『終わらない冬』の朗読がおこなわれるのだ。
　青年劇場は、かつて築地小劇場を建てて名優を輩出させた演出家土方与志（１８９８～１９５９）の革新的な伝統を継承する劇団の一つである。土方は「赤い伯爵」と呼ばれ、爵位を剥奪されて逮捕・投獄され、戦後は若い演劇人を多く育てた。
　朗読会は東京の青年劇場のスタジオ「結」で、１２月２日１９時、３日１３時半、同日１７時半の３回開催される。
　『終わらない冬』の朗読は、５人の俳優によりおこなわれる。少女時代、日本軍に拉致・連行された「慰安婦」被害者のハルモニ（おばあさん）の発言「わたしがいままで生きてきた話を、これからしてみましょうか」に始まるという。
　この絵本をとおして「慰安婦」問題にとりくむ活動が各地にひろがってほしい。
　（千）
( ２０１６年１１月０１日，「赤旗」)

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（10月ヘッドライン）

*         朝の風／創業７０年の出版社と研究者

*         長崎県母親大会／のべ４００人が参加／多彩に分科会

*         知人女性に機密情報流出疑惑／韓国大統領、窮地に／資金流用、外交・人事にも介入か

*         日韓合意〝意義ある〟

*         暴言擁護の大阪・松井知事／人権感覚欠如に高まる批判

*         官房長官、「慰安婦」像設置は残念

*         真実を次の世代へ／元「慰安婦」のハルモニに会って

*         上海で「慰安婦」歴史博物館開館／〝若い世代に伝えたい〟／上海師範大敷地に２人の少女像設置

*         元「慰安婦」に現金支給／韓国の「財団」が開始発表

*         韓国外相「国民失望」

*         元「慰安婦」に支給へ

*         元「慰安婦」に現金支給へ／韓国の「財団」

*         志位委員長、韓国大使と懇談

*         「慰安婦」問題学習会に１５０人／北九州

*         焦点フォーカス／「慰安婦」合意、日本の拠出金１０億円って何？／韓国、続く議論

*         国会質問答弁／「慰安婦」へ手紙「考えていない」／安倍首相が答弁

*         「慰安婦」問題／被害者が納得する解決を／国会内で集会

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【10月本文】

朝の風／創業７０年の出版社と研究者

　今年で創業７０年を迎えた大月書店が無料の記念誌『大月書店７０年のあゆみ』を出している。５０㌻余りの小冊子だが、１９５９年から３０年以上かけ刊行された『マルクス＝エンゲルス全集』全５３冊をはじめ、社会科学や人文科学、教育書など世に問うた数々の本の一部を年代順に紹介している。
　１９４０年代後半から５０年代は『マルクス＝エンゲルス選集』全２３巻や『講座　日本語』全７巻。６０年代は国民文庫版『資本論』全１１冊。７０年代は平塚らいてう自伝『元始、女性は太陽であった』全４巻。８０年代は『資料　日本現代史』全１３巻。９０年代は『従軍慰安婦資料集』や『障害を知る本』全１１巻。２０００年代は『イラク「人質」事件と自己責任論』や『ＳＥＡＬＤｓ　民主主義ってこれだ！』など。古典やその時々の問題に取り組んだ軌跡がわかる。
　執筆や編集に携わった研究者が寄稿している。大谷禎之介法政大名誉教授は、経済学事典で野呂栄太郎賞を受賞した久留間鮫造編『マルクス経済学レキシコン』の編集作業を振り返り、未来社会への道標となる古典を残すという出版人の情熱を語る。寄稿者の多くは執筆や編集に携わることで研究者として自身が成長したという。出版のさまざまな意義がわかる。
　（哲）
( ２０１６年１０月３１日，「赤旗」)

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長崎県母親大会／のべ４００人が参加／多彩に分科会

　２０１６年長崎県母親大会が２３日、長崎市内で開催され、のべ４００人が参加しました。午前は「あなたは国が国民を縛る憲法を望みますか」「今！災害が起こったら」「うたの広場」など６分科会で学び合いました。
　午後の全体会では元ＮＨＫディレクターで「女たちの戦争と平和資料館」館長の池田恵理子さんが「日本を戦争する国にさせないために　歴史の真実とマスコミの役割」と題して講演しました。
　長年「慰安婦」問題に取り組んできた池田氏は「被害女性が名乗り出ることにより『慰安婦』問題が国際的に戦争犯罪であると認識された。しかし、日本の右派の政治家などによる『慰安婦』バッシングにより、教科書への『慰安婦』の記述はゼロとなり、日本のマスコミでは『慰安婦』問題がタブーとなっていった」と述べました。
　そして「『慰安婦』問題の解決なしにはアジア諸国の人々と信頼関係を結ぶことはできない」と強調し「市民との連帯で運動を進めていきたい」と語りました。
(２０１６年１０月２８日，「赤旗」)

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知人女性に機密情報流出疑惑／韓国大統領、窮地に／資金流用、外交・人事にも介入か

与野党「大幅刷新」を要求
　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領と旧知の女性、崔順実（チェ・スンシル）氏（６０）をめぐり、機密情報の入手や対日関係を含む外交・人事への介入、資金流用など疑惑が次々と明るみに出ています。与野党からは政府の人事刷新を求める声が強まり、朴大統領は窮地に立たされています。
　テレビ局ＪＴＢＣは２４日、崔氏が以前持っていたパソコンのファイルを分析した結果、朴大統領の演説草稿など機密情報を崔氏が事前に入手していたことが分かったと報じました。パソコンは崔氏側が事務所の管理人に処分を依頼。管理人の了解を得て、ＪＴＢＣの記者が入手したといいます。大統領は２５日、崔氏に資料を渡してアドバイスを受けていた事実を認め、謝罪しました。
　ＪＴＢＣによれば崔氏は演説草稿だけでなく、南北軍事当局者の秘密接触に関する情報、大統領府の警護担当者の候補者リストといった機密情報を入手。外交、人事などにも介入していた疑いがあります。
　対日関係では２０１３年１月、大統領就任直前の朴氏が、安倍晋三首相特使の額賀福志郎元財務相と会談するのを前に作成されたメモが、崔氏に提供されていました。慰安婦問題に関しては「『歴史に対する日本の正しい認識が関係発展の基本だ』と言及することが望ましい」と書かれています。
　疑惑噴出を受けて与党セヌリ党は２６日、幹部会議を開催。大統領府と閣僚の大幅刷新を求めることを決めました。最大野党「共に民主党」も議員総会を開催し、「大統領府の全面刷新」を要求しました。
　韓国メディアによれば、崔氏が大統領府や財界の後押しを受けて設立した二つの財団の資金を流用していた疑惑で、ソウル中央地検は２６日、ソウル市内の崔氏の自宅などを捜索しました。
( ２０１６年１０月２８日，「赤旗」)

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日韓合意〝意義ある〟

　【ソウル＝時事】韓国外務省は２５日、２０１５年の活動を振り返る外交白書を公表しました。白書では、昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意について、安倍晋三首相が被害者に謝罪と反省の立場を表明し、元慰安婦支援事業のために日本政府が１０億円の拠出を決めたことに触れ、「意義がある」と評価しました。
　また、日韓国交正常化５０周年を迎え、約３年半ぶりとなる日韓首脳会談がソウルで開催されたことなどを挙げ、「関係改善の基礎を築いた」と強調。日本に関し「価値と利害を共有する大切な隣国だ」と指摘し、「世界の平和と繁栄のために協力しなければならない仲間」と表現しました。
( ２０１６年１０月２７日，「赤旗」)

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暴言擁護の大阪・松井知事／人権感覚欠如に高まる批判

　沖縄県の米軍北部訓練場で強行されているオスプレイパッド（着陸帯）の建設工事に反対する住民に「ぼけ、土人が」などと差別的発言を行った大阪府警の機動隊員を、大阪府の松井一郎知事（日本維新の会代表）が「出張ご苦労様」とかばっていることに批判が高まっています。松井氏は批判されている意味がまったくわかっていないようです。

際立つ異常
　松井氏は２０、２１両日の登庁時の囲み取材でも、暴言が出たのは「行き過ぎた抗議活動」のせいで「売り言葉に買い言葉」だとし、「警察官の労をねぎらうのは当然」と反省の色もありません。いまだに沖縄県民に大阪府のトップとして謝罪もしていません。
　この姿勢は、菅義偉官房長官や坂口正芳警察庁長官が差別的発言を「極めて遺憾」などと述べる中、際立って異常・異質です。日本維新の会沖縄総支部でさえ松井氏に抗議しています。
　もともと政府・防衛省がオスプレイパッドの建設工事を機動隊を導入してまで強行したことが、「混乱」をもたらした元凶です。松井氏の発言は、無法の限りを尽くす政府・防衛省の側に立つ点でも許されません。
　「維新」の人権感覚の欠如はこれに始まったことではありません。橋下徹元代表は「慰安婦は必要だった」と述べ、女性暴行事件を繰り返す在沖米海兵隊員に風俗業活用をよびかけ。私学助成予算の大幅削減計画の撤回を求めた高校生に「日本は自己責任が原則。それがいやなら、日本から出ていくしかない」などと発言し批判を浴びてきました。

挑戦姿勢も
　「極悪知事に仕立て上げたいようですが、全く挫（くじ）けませんしファイトが湧いてきた」。松井氏は２１日のツイッターでも、批判に耳を傾けるどころか、挑戦する姿勢です。
　新潟県の米山隆一新知事はこう語っています。「私なら、自県の職員が、他県で他県の方に敬意のない対応をした時に、謝罪し、以後改めるよう強く指導することはあっても、『出張ご苦労様』ということはありません」（１９日、ツイッター）
　松井氏が知事の資格を問われるのは当然です。
　（大阪府・小浜明代）
( ２０１６年１０月２５日，「赤旗」)

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官房長官、「慰安婦」像設置は残念

　菅義偉官房長官は２４日の記者会見で、中国・上海市内の大学に旧日本軍の「慰安婦」を象徴する少女像が設置されたことについて、「日中関係の改善に資するものと言えず、極めて残念だ」と述べました。
( ２０１６年１０月２５日，「赤旗」)

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真実を次の世代へ／元「慰安婦」のハルモニに会って

　「お金はいらないの。私たちがほしいのは、日本政府の謝罪と賠償、真実を次の世代に伝えること」
　元日本軍「慰安婦」のハルモニ（おばあさん）の明晰（めいせき）な一言ひとことが胸に突き刺さります。
　韓国ソウルの「戦争と女性の人権博物館」日本後援会が主催したスタディーツアーで、ソウルの「平和のウリチプ（わが家）」に住むハルモニたちを訪ねました。

政府と個人は別
　一行をにこやかに迎えてくれたのは、金福童（キム・ボクトン）ハルモニ（９０）と吉元玉（キル・ウォノク）ハルモニ（８８）です。「日本政府の問題と一人ひとりの日本人は別。私たちは日本人を恨んでいるわけではないのです」と語ります。
　金福童ハルモニは、１４歳の時に「慰安婦」にさせられ、中国、香港、シンガポール、インドネシア、スマトラ、マレーシア、ジャワなどを連れまわされました。
　吉元玉ハルモニは１２歳の時に「慰安婦」にされました。中国から仁川に戻った後、軍事境界線が引かれて北側の故郷には帰れなくなってしまいました。
　昨年１２月２８日の「日韓合意」は、ハルモニたちにとって受け入れがたいものとなりました。安倍首相は、「性奴隷といった事実はない」といったり（１月１８日参院予算委員会）、合意が履行されてもいないのに「終止符を打った」（同２２日、衆参両院本会議での施政方針演説）といったり。繰り返されるこうした言動は、日本政府による「おわびと反省」を口先だけのものにしてしまい、誠実に加害の事実を認めて反省し謝罪する態度ではありません。
　金福童ハルモニが静かに断固とした口調で言い切りました。「私たちはあきらめない」
　通訳をしていた日本後援会の代表の梁澄子（ヤン・チンジャ）さんが、途中で突然、絶句しました。
　「ゆっくりと安心して手足を伸ばして、一晩でもいいから、そうして眠ることができてから」。ハルモニの言葉を続けようとしながら、涙があふれて次の言葉が出てきません。やがて、「それから、死にたい」。ハルモニが諭すようにいいました。「私が泣いていないのに、あなたたちが泣いたらだめじゃない」
　「日本の人たちに私たちの思いをしっかり伝えてください」

デモに若い世代
　何もいわずに終始穏やかな表情で見守っていた吉元玉ハルモニ。２人のハルモニに見送られて「平和のウリチプ」を後にしました。
　翌日の水曜デモ（毎週水曜日に日本大使館前で行われているハルモニと支援者たちのデモ）には、多くの支援者に囲まれて座るハルモニたちの姿がありました。韓国では、「日韓合意」後、水曜デモに小中学生、高校生など若い世代の参加が著しく増加しているといいます。１時間ほどの集会のなかで、日本からのツアー参加者が紹介されると、連帯の意思が歓声と拍手になって、わき起こりました。
　（荻野悦子）
( ２０１６年１０月２４日，「赤旗」)

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上海で「慰安婦」歴史博物館開館／〝若い世代に伝えたい〟／上海師範大敷地に２人の少女像設置

　【上海＝小林拓也】中国の上海市にある上海師範大学で２２日、中国「慰安婦」歴史博物館が開館し、中国と韓国の「慰安婦」被害者も参加して開館式が行われました。中国で「慰安婦」をテーマとした記念館は四つめ。
　約３００平方㍍の館内に、同大学の中国「慰安婦」問題研究センターが収集した数万点の資料の一部や、「慰安婦」被害者らが使用した生活用品などが展示されています。センターの蘇智良主任は、中国には１９人の生存者がいると明らかにし、「展示を通じて若い世代が『慰安婦』問題に関心を持ってほしい」と語りました。
　また同日、同大学敷地内に「慰安婦」平和少女像が設置されました。２人の少女像は中国と韓国の被害者を示しているといいます。
　博物館開館に合わせ、日中韓などの研究者が歴史問題シンポジウムを開催。韓国の「慰安婦」被害者、李容洙（イ・ヨンス）さん（８８）は「長生きして、自分の勇気を示し、日本政府に賠償を求めていく」と表明。中国海南島で１５歳の時に日本軍の性的暴行を受けた陳連村さん（８９）は「日本政府の謝罪と賠償という満足できる答えがほしい」と訴えました。
　２７００件の資料を「日本軍『慰安婦』の声」として世界記憶遺産に登録をめざす市民団体「国際連帯委員会」事務局責任者の申蕙秀（シン・ヘス）さんは、申請状況を説明。「日本政府からの圧力があるが、国連教育科学文化機関（ユネスコ）は圧力に影響されることはないと期待している」と述べました。
( ２０１６年１０月２３日，「赤旗」)

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元「慰安婦」に現金支給／韓国の「財団」が開始発表

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に基づき設立された韓国の「和解･癒やし財団」関係者は２１日、元慰安婦への現金支給を開始したことを明らかにしました。
　財団は日本政府から１０億円の拠出を受け、生存者１人につき約１０００万円、死亡者には約２００万円を支給することになっています。日韓両政府が合意を発表した昨年１２月２８日時点での生存者４６人（その後６人死亡）のうち、これまでに本人または家族２９人が受け取る意思を示したといいます。
( ２０１６年１０月２２日，「赤旗」)

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韓国外相「国民失望」

　【ソウル＝時事】韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は１３日の国会で、安倍晋三首相が元慰安婦宛ての「おわびの手紙」に関し、「毛頭考えていない」と断言したことについて問われ、「韓国国民をかなり失望させた」「韓国国民の心を傷つけた」と述べました。
　尹外相は慰安婦問題をめぐる日韓合意について、「政府として求めてきたことが大部分実現したとみているが、『おばあさん（元慰安婦）』の立場からすれば、足りない部分もあると考えるかもしれない」と指摘。「感情に訴える措置では、さらに努力が必要とみている。当事国がいつでも、自らの判断で提起できるとみている」と語り、日本側の今後の対応に期待を表明しました。
( ２０１６年１０月１７日，「赤旗」)

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元「慰安婦」に支給へ

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」は１４日、元慰安婦への現金支給を来週にも開始すると発表しました。
　財団は日本政府からの１０億円の出資を受け、生存者１人につき約１０００万円、死亡者には約２００万円支給します。
　日韓両政府が合意を発表した昨年１２月２８日時点の生存者４６人（その後６人死亡）のうち、これまでに本人または家族２９人が受け取る意思を示したといいます。
　金兌玄（キム・テヒョン）理事長は声明で「財団の事業を受け入れたおばあさん（元慰安婦）にできるだけ早期に支給できるよう努力する」とし、合意に反対している民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」などに対し、「財団はすべての被害者やその家族に会う準備ができている。関係者の協力を求める」と呼び掛けました。
( ２０１６年１０月１６日，「赤旗」)

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元「慰安婦」に現金支給へ／韓国の「財団」

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」は１４日、元慰安婦への現金支給を来週にも開始すると発表しました。
　財団は日本政府からの１０億円の出資を受け、生存者１人につき約１０００万円、死亡者には約２００万円支給します。日韓両政府が合意を発表した昨年１２月２８日時点の生存者４６人（その後６人死亡）のうち、これまでに本人または家族２９人が受け取る意思を示したといいます。
　同財団の金兌玄（キム・テヒョン）理事長は声明で、合意に反対している民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」などに対し、「財団はすべての被害者やその家族に会う準備ができている。関係者の協力を求める」と呼び掛けました。
　これに対し、挺対協は声明で「支給を受ける被害者の数を前面に出し、不当な合意を強行する政府は、被害者の苦痛を倍加させている」と批判、財団の事業を受け入れない立場を改めて明確にしました。また安倍晋三首相が元慰安婦宛ての「おわびの手紙」に関し、「毛頭考えていない」と述べたことについて「無礼の極致を超えている」と非難しました。
( ２０１６年１０月１５日，「赤旗」)

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志位委員長、韓国大使と懇談

　日本共産党の志位和夫委員長は１３日、党本部で李俊揆（イ・ジュンギュ）駐日韓国大使の訪問を受け、懇談しました。
　今年夏に赴任した李大使は、「韓国と日本の関係をさらに発展させたいと思います」と抱負を述べ、「日本共産党もさまざまな分野で韓国との交流を活発にしていただきたい」と語りました。
　志位氏は大使の訪問を歓迎し、２００６年の日本共産党の党首としての初訪韓以来、自身の韓国の政府、政党、大学など各界とのこれまでの交流を紹介。さらに韓国との関係をさらに発展させたいと述べました。
　懇談で志位氏は､党の｢北東アジア平和協力構想｣の韓国語訳を手渡して説明｡李氏は､｢よく分かります｣と応じ､北朝鮮の核開発､歴史問題などこの地域の情勢についても両氏は意見交換しました｡
　その中で志位氏は、日本軍「慰安婦」問題が、元被害者の女性らの人間としての尊厳が回復され、本人たちの納得を得る形で解決されることを願っていると述べました。
( ２０１６年１０月１４日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題学習会に１５０人／北九州

　北九州市の「平和とくらしを守る北九州女性の会」はこのほど、「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」代表の吉川春子さん(元参院議員)を迎えて日本軍｢慰安婦｣問題に関する学習会を同市で開きました。約１５０人が参加しました。
　吉川さんは「日本軍『慰安婦』問題の真の解決のために」と題して講演。同ゼミナールが今年８月、日本政府に対し、日本軍「慰安婦」問題で初めて加害責任を認めた「河野官房長官談話」の立場を発展的に実施するよう申し入れた内容を紹介。「日本軍『慰安婦』問題を解決する責任は日本政府にある」とのべ、日本を含む全ての被害者に対して謝罪・補償を具体化すること、侵略戦争の反省に立って、歴史的な事実を継承するため、▽中学歴史教科書に「慰安婦」問題の事実を復活させる▽歴史資料館、歴史博物館に、加害事実を展示する―ことなどを実現する運動の必要性を強調しました。
　同北九州女性の会の河村智重子代表は「女性の尊厳を踏みつけにされたまま、先に進むことはできない」と話しました。
(２０１６年１０月０７日，「赤旗」)

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焦点フォーカス／「慰安婦」合意、日本の拠出金１０億円って何？／韓国、続く議論

被害者「真実を話し名誉回復し賠償を」
　韓国の国会が国政全般を監査する「国政監査」で９月２６日、「慰安婦」問題をめぐる「日韓合意」について審議し、合意に基づき、日本が拠出した１０億円の性格について、意見が交わされました。この問題をめぐる論点をみました。
　（栗原千鶴　写真も)

　１０億円は賠償金なのか、謝罪金なのか―。最大野党「共に民主党」の姜昌一（カン・チャンイル）議員は、外務省に詰め寄りました。

日本は「賠償」否定
　答弁に立った尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は「日本政府の予算から１０億円を受け取ったことは、過去のどの政権もなしえなかった成果だ」と強調。「日本政府として責任を痛感して、安倍（晋三）首相が謝罪、反省のもとで、それを履行するために政府予算から拠出したものだ。三つを合わせれば国際社会はどのような含意があるのか誰でもわかる」と説明し、質問への直接の回答は避けました。
　日本政府は８月下旬、韓国側が合意に基づき設立した「和解・癒やし財団」の銀行口座に、１０億円を振り込みました。財団側は、合意が発表された昨年末の時点で存命だった４６人の「慰安婦」被害者に１人当たり約１千万円を、故人１９９人については遺族らに約２００万円を上限に、現金支給するとしています。
　日本側は、１０億円は賠償金ではないと言明してきました。日本は１９１０年の「韓国併合条約」を違法とは認めていません。６５年に両国の国交正常化を決めた「日韓基本条約」と同時に結んだ「請求権協定」によって、「慰安婦」問題は、法的に解決済みという立場のままです。
　合意直後から、岸田文雄外相や安倍首相は国会答弁や記者会見などで「戦争犯罪に当たる類いのものを認めたわけではない」「軍や官憲による強制連行を直接示すような資料は見当たらない」と、従来の主張を繰り返してきました。
　国政監査に参考人として出席した被害者の一人、金福童（キム・ボクトン）さんは「私たちに相談もなく（政府同士が）自分たちだけで妥結した」と合意を批判。「私たちはお金がほしくて、たたかってきたのではない。安倍首相が記者たちを集めた場で日本が何をやったのか、真実をきちんと話して、私たちの名誉を回復したうえで、賠償をしてほしい」と訴えました。

市民ら独自の財団
　被害者や支援者からは、韓国政府に、合意を破棄し、日本と再交渉するよう求める声も上がっています。６月には独自の「正義記憶財団」が設立されました。合意後、多くの市民から自発的に募金が寄せられたことを受けたものです。
　正義記憶財団は、被害者が望む「二度と同じ過ちを繰り返させない」という思いを実現することが目的です｡現金支給はおこなわず､被害者の名誉と人権の回復に寄与し、後世に伝える取り組みや戦時性暴力被害の防止などに取り組むとしています。
( ２０１６年１０月０６日，「赤旗」)

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国会質問答弁／「慰安婦」へ手紙「考えていない」／安倍首相が答弁

　安倍晋三首相は３日の衆院予算委員会で、旧日本軍「慰安婦」問題をめぐる昨年末の日韓合意に加え、韓国側から安倍首相による被害女性への「おわびの手紙」を求める意見が出ていることに関し、手紙を出す可能性について「われわれは毛頭考えていない」と話しました。民進党の小川淳也議員への答弁。
( ２０１６年１０月０４日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／被害者が納得する解決を／国会内で集会

　「慰安婦」問題の真の解決をと９月３０日、国会内集会「『日韓合意』後も賠償は可能―被害者の賠償請求権は今も消滅していない―」が開かれました。主催は「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワークで、約８０人が参加しました。
　「慰安婦」問題について、日本政府は２０１５年１２月の「日韓合意」に基づき韓国の財団への１０億円の拠出などで「最終的に不可逆的に解決」させるとする立場をとっています。
　講演した川上詩朗弁護士は原点は被害者の人権の問題だと指摘。「政治・外交問題なら国家と国家の間で解決するが、個人の人権問題なら被害者自身が納得する形での謝罪と賠償があって初めて解決だ」と訴えました。国家の賠償請求権の放棄が国民の請求権を放棄したことにはならないと述べました。
　大森典子弁護士は、日本軍の関与のもとで多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたことに「お詫（わ）び」表明した、河野談話を安倍内閣も継承していることを強調。歴史教育や謝罪、賠償など「河野談話を足がかりにより高い解決をめざす」ことを提起しました。
　韓国の状況について梁澄子氏が報告。韓国の９月２日の世論調査では、日韓合意について「再交渉すべきだ」が６３％と１月の調査時より上がっていることを紹介し、１０億円の拠出で「日韓合意の責務を果たした」とする日本政府に反発があることを指摘しました。
　日本共産党の紙智子参院議員が参加し、「解決のためにともに頑張りたい」とあいさつしました。
( ２０１６年１０月０２日，「赤旗」)

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（9月ヘッドライン）

*         「宮良瑛子展いのち」を見て／沖縄の現実を生活者の目線で／上原誠勇

*         政治は変えられる／ストップ！安倍暴走／大阪市在住の団体職員松田晃治さん（２６）／戦争法「ありえへん」と運動

*         テレビ時評／「８月番組」と戦争認識／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二

*         海を渡る「慰安婦」問題／山口智美、能川元一、テッサ・モーリス―スズキ、小山エミ著／評者西野瑠美子「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター共同代表

*         元「慰安婦」訪ね面会

*         安倍首相、少女像の撤去要請

*         「慰安婦」被害者意見聴取を開始へ

*         忘却された支配／伊藤智永著／評者関原正裕歴史教育者協議会会員

*         東アジアの平和、核兵器のない世界をどう築くか／第９回アジア政党国際会議での発言／日本共産党幹部会委員長志位和夫

*         国会議員駆けある記／池内さおり衆院議員／女性の無念思う夏

*         財団への入金を確認

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【9月本文】

「宮良瑛子展いのち」を見て／沖縄の現実を生活者の目線で／上原誠勇

　沖縄県立博物館・美術館で「宮良瑛子展　いのち」が開催中である。代表作はじめ３０点余の絵画とブロンズ彫刻作品１点が展示され、彼女の仕事をダイジェストで知る絶好の機会となっている。
　宮良は１９３５年、福岡県直方市に生まれ、少女期は対馬で戦時下の臣民教育を体験する。東京の武蔵野美術学校時代、東京都狛江町の町議だった沖縄県与那国出身の宮良作氏と出会い、１９５６年、結婚。沖縄へ移住したのは１９７１年、沖縄が日本に復帰する前年で、渡航はパスポートが必要とされた米軍統治下の琉球政府時代のことだった。
　政治家の夫を支えながら制作の手をゆるめず、美術家の道を歩み続けた。象徴的な作品が１９６６年の、次男をおんぶしての「自画像｣であろう｡安心しきった愛児のまなざし。しかし、同じ方向を向く母(宮良)のまなざしは対照的で、内なる自己と外の社会状況への厳しい視線がこちらに向かってくる。まさに彼女の原点とも言える作品である。
　さて、沖縄に生活の場を移した宮良は、そこに何を見たのだろうか。かつての、柳宗悦や岡本太郎ら多くの大和人が琉球に向けたまなざしとは大きな違いがある。その代表的な作品群は、１９７１年から描かれた「那覇の女たち」「水」「壺屋の人」「女たち」である。たくましく、力強い女たちが頭上に物を乗せて働く姿に、カルチャーショックと同時に、感動とある種の畏怖や畏敬の念を抱いたのかも知れない。
　その後、宮良は島の民俗祭りや土着の民衆の踊りなどを描く。１９７３年の「海病む」に見られるように、沖縄の抱える社会的な問題に注目し、生活者の目線から、その矛盾や不条理に焦点を当て、精力的に制作し発表してきた。韓国の光州事件を題材にした「光州」（１９８０年）や、従軍慰安婦問題など、政治権力の暴力で犠牲になる民衆の姿「無辜の民」シリーズを数多く発表し、女性として、母親として、人間として、美術家として、真摯なまなざしを社会に向け続けてきた。
　福岡出身の宮良は、植民地化された沖縄の現実を見つめ、大和人として心を痛め、傷を負うたこともあったに違いない。代表作とも言える大作「レクイエム・沖縄」（１９９４年）は命の尊厳を問い、戦争の愚行を知らしめ、歴史の記憶と不条理を浮上させる作品となっている。
　（うえはら・せいゆう　ギャラリーオーナー）
　１０月１６日まで。沖縄県立博物館・美術館℡０９８（９４１）８２００
( ２０１６年０９月２７日，「赤旗」)

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政治は変えられる／ストップ！安倍暴走／大阪市在住の団体職員松田晃治さん（２６）／戦争法「ありえへん」と運動

たたかいの中で輪が広がった／共に学び、声上げよう
　「僕の周り（の若い人たち）は本当に変わりました」。この１年間、安保関連法＝戦争法をめぐるたたかいのなかで「こんな法律はありえへん」と、戦争法反対の声を上げました。
　参院選では野党共闘と日本共産党の大阪選挙区候補、渡部結さんを全力で応援しました。安倍政権による憲法改悪を阻止するたたかいを通じて、どんどん輪が広がっていくのを実感しました。
　国会前に１２万人が集まった昨年８月３０日の「国会１０万人・全国１００万人大行動」で知り合った女性は、後にＳＡＤＬ（サドル＝民主主義と生活を守る有志）のメンバーとして活動しています。難波・高島屋前で戦争法反対の宣伝中に「一緒にやりたい」という青年と出会い、シールズ関西などが主催したデモに参加したこともありました。

ギャップもある
　一方で、関心がない人とのギャップも感じています。どうすれば興味を持ってもらえるのか。対話では戦争法とともに多様な問題にも話を膨らませます。
　ブラック企業に非正規雇用、維新の会前代表の橋下徹氏（前大阪市長）の「慰安婦」発言に代表されるような政治家による女性蔑視の発言など、「戦争法以外でも共感してもらえることは多い」。
　そして、そうした社会のゆがみは「高校生や大学生など若い層に矛盾となって出てくる」と語ります。

大学での出会い
　高校、大学時代は新自由主義のもとで市場万能論や国際的な競争がもてはやされた時代でした。教育現場にも競争が持ち込まれ、生きづらさに悩みました。そこに光を当ててくれたのが大学で入った社会科学の研究サークルでした。
　「ありがたいことに僕は４年かけて少しずつ学びました。きっかけは何でもいい。政治や社会に疑問を感じたら、まずは根本を知ることが大切だと思う。そうすれば社会と自分との連環もわかる」
　安倍政権下で進む戦争ができる国づくりと若者が抱える生きづらさ。変えていくには若い力が必要です。だからこそ「もっと若い人たちと触れ合いたい。一緒に学び、声をあげましょう。僕自身、いつまでも若者でありたいので」
　（安岡伸通）
(２０１６年０９月２４日，「赤旗」)

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テレビ時評／「８月番組」と戦争認識／元ＮＨＫディレクター戸崎賢二

　戦争と平和に関するテレビニュースなどで紹介される市民の声は、例外なく戦争に反対し、平和は貴重だというものばかりである。
　にもかかわらず、国民の多数が安保法で戦争参加の可能性を拡大した安倍政権を支持しているのはなぜなのだろうか。
　理由は簡単には言えないが、戦争とはいかなるものかについて、私たちの認識には何か問題があるのかもしれない。
　第一は戦争で犠牲となった人々のまぎわの苦しみへの想像力、第二は個人を戦争へ動員し蹂躙する国家の動向とその仕組みの認識、この二つの側面で私たちには足りないところがあるのではないか。
　毎年夏に放送される戦争に関する番組群を見るとき、筆者は前記の二つの側面で触発する力があるかどうかを、評価の基準としてきたように思う。

満州での悲劇
　その基準によれば、ＮＨＫスペシャル「村人は満州へ送られた」（８月１４日）は、一つの典型と受け止めてよい番組だった。
　満州事変以後、政府は旧満州（中国東北部）に移民として農民を送り込んだ。敗戦直前、ソ連軍が侵攻し、関東軍が逃亡する中、取り残された農民の死者は８万人と言われる。
　番組は長野県のある村で、農民を説得して送り出した村長が、敗戦後責任を感じて自死するまでを、発見された日記からたどっている。村からは２７戸９５人の農民が満州へ渡ったが、男たちはすぐ現地で軍隊に召集され、残された女性、子ども、老人は追い詰められて集団自決した。
　当時１５歳でその場に立ち会った８６歳の村人の証言がある。
　「お母さんたちは小さい子どもからどんどん首を絞めて殺し始めた。早く手伝ってくれ、というおばさんたちの声でお子さんたちを絞め殺す手伝いをして、二十数人はお手伝いしたと思うんです…」
　子どもたちは精一杯抵抗したであろう。証言した老人の手には、戦後７１年の今も、いたいけな子どもの首すじの感触が消えないにちがいない。
　死者は当然のことながら死の体験を語ることができない。繰り返し戦争という愚行が絶えないのは、私たちが、戦時の犠牲者の痛苦と恐怖を十分に想像できないからだと思える。映像による証言はこの弱点を補う力がある。
　番組は一方で、満州移民の国策が、村々への強制的な割り当て、応じた村への補助金交付というアメとムチの政策で執拗に行われたことも明らかにした。
　この番組は全体として、私たちの戦争認識の在りように働きかける力を持っていた。

タブー克服を
　８月のＮＨＫの番組では、アメリカが沖縄の村々を破壊して基地の島にした歴史を追ったＮＨＫスペシャル「沖縄　空白の１年」、長崎の被爆者の苛酷な戦後を発掘したＥＴＶ特集「５４枚の写真」などが注目された。
　ＮＨＫの健闘を評価する声もあるが、相変わらず強いタブーがあることを指摘しておきたい。日本のアジア諸国に対する加害の歴史を中心テーマとする番組は、「慰安婦」問題を含め、ここ十数年ＮＨＫにはほとんどないのである。
　政権や右翼の圧力を恐れた自己規制が疑われる。この状況の克服がない限り、ＮＨＫの自主・自律は不完全と言わなければならない。
　（とざき・けんじ）
( ２０１６年０９月１７日，「赤旗」)

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海を渡る「慰安婦」問題／山口智美、能川元一、テッサ・モーリス―スズキ、小山エミ著／評者西野瑠美子「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター共同代表

被害者の尊厳に水差す言動炙る
　「慰安婦」問題は「中国、韓国および『朝日新聞』が日本を貶めるため」の「日本叩き」の「歴史戦」だと主張し世界に発信を続ける日本の歴史修正主義者たち。彼らは、女性たちの尊厳を踏みにじった旧日本軍と政府の責任を隠し、「民族の名誉」の問題にすりかえる。本書は海外に展開する歴史修正主義の言動と絡み合う解決のねじれを克明に炙り出す。
　日本政府は９月１日、韓国の「和解・癒やし財団」に１０億円を拠出。「日本政府の責務は果たした」として、少女像移転を求める働きを強めるという。被害者を蚊帳の外に、「日本の名誉と威信」を守らんとする日本政府と、北朝鮮の脅威を前に日米韓軍事強化を急ぐ韓国政府の利害が一致した「日韓外交合意」は、「被害者の癒やし」を装い、政府拠出というアリバイをもって、日本の加害を曖昧にする決着に突き進む。本書を読み終え改めて感じる畏怖は、「慰安婦」問題をめぐる空回りのスパイラルが行き着こうとしている未来だ。
　この間、私は繰り返し言ってきた。問題の解決を考えるとき、「国家と国家の和解」に取り込まれてはならない。被害女性の「代弁者」になってはならない。加害国日本に生きる者として、加害と責任の主体者としてこの問題に向き合うべきで、「解決」と言うことができるのは「被害者」である。
　「癒やし」とは、被害者の立ち上がる力を支えるものでなければならない。国家と国家の｢歴史戦｣がいかに被害者の尊厳の回復に水を差してきたか。本書が突きつける「歴史戦」の虚しさは、加害国の責任とはどうあるべきかを改めて日本社会に問いかける。

　やまぐち・ともみ　のがわ･もとかず　こやま･えみ
( ２０１６年０９月１１日，「赤旗」)

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元「慰安婦」訪ね面会

　【ソウル＝時事】韓国の姜恩姫（カン・ウンヒ）女性家族相は８日、元慰安婦１０人が暮らす民間施設「ナヌムの家」（京畿道広州市）を訪れ、面会しました。
　施設に住む元慰安婦のうち６人は、日韓合意に基づいて支給される現金の受け取り拒否を決めています。聯合ニュースによると、姜氏は「日本政府は反省し、謝罪している。財団にお金を送って来た」と説明したといいます。
　一方、これに先立ち、第２野党「国民の党」の前共同代表で、次期大統領選挙の有力候補の一人と目される安哲秀（アン・チョルス）議員も８日、「ナヌムの家」を訪問、元慰安婦と面談しました。
　安議員は「誰も日本から謝罪を受けたと思っていない」と主張し、日韓合意を批判しました。また、「安倍（晋三）首相が朴槿恵（パク・クネ）大統領との首脳会談で少女像の撤去を要求したこと自体、適切でない」と指摘。「少女像は（慰安婦の）象徴であり、象徴を消し去ろうとするいかなる試みも容認できない」と強調しました。
( ２０１６年０９月１０日，「赤旗」)

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安倍首相、少女像の撤去要請

　【ビエンチャン＝時事】安倍晋三首相は７日、ラオスのビエンチャンで韓国の朴槿恵大統領と会談しました。首相は、慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意について「（ソウルの日本大使館前の）少女像の問題を含め、着実な実施に向けた努力をお願いしたい」と述べました。韓国政府が努力すると明記した合意を踏まえ、少女像撤去を求めた発言です。
　両首脳の会談は今年３月にワシントンで行って以来。朴大統領は「日韓合意を着実に実施していくことが重要だ」と応じました。
　挑発行為を繰り返している北朝鮮に対し、両首脳は日米韓が連携して圧力を強化すべきだとの認識で一致しました。首相は「日韓、日米韓の防衛協力の強化は不可欠だ」と強調。朴大統領は、中国が反発している在韓米軍への高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）配備について「北朝鮮の脅威に対応するための安全保障策として必要だ」と指摘しました。
( ２０１６年０９月０９日，「赤旗」)

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「慰安婦」被害者意見聴取を開始へ

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」（金兌玄〈キム・テヒョン〉理事長）は５日、日本政府からの１０億円入金を受け、元慰安婦らの需要を把握するため、戸別訪問による意見聴取を開始すると発表しました。
　発表によると、財団は２日、第３回理事会を開催。今月から１０月にかけて、存命中の元慰安婦を訪問して事業計画を説明し、意見の聞き取りを行うことを決めました。具体的な資金支給方法や時期に関しては、意見聴取後に決定します。
　金理事長は「遺族を含む被害者の意思を最大限尊重し、財団の事業が迅速に実施されるよう最善を尽くす」と強調しました。日本政府は、生存者１人につき約１０００万円、死亡者には約２００万円支給すると発表しています。
( ２０１６年０９月０６日，「赤旗」)

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忘却された支配／伊藤智永著／評者関原正裕歴史教育者協議会会員

和解模索し朝鮮人の遺骨掘る人々
　戦後の日本人は朝鮮・台湾を植民地支配していた記憶をしまい込み、思い出そうとはしなかったと著者は言う。その中で、日本国内の各地に残る植民地支配の「かけら」を掘り起こし、支配の歴史に向き合い、和解に向けて模索する日本人の取り組みをルポしたのが本書である。
　海底炭鉱の落盤事故で犠牲となり、今も遺骸は海底に放置されている朝鮮人労働者、北海道・鹿児島での飛行場建設、筑豊の炭鉱、長野のダム建設、紀州の鉱山に動員され、事故・病気・虐待により命を落とした人々、みな戦前の植民地支配のもとで強制連行された朝鮮人である。その身元を特定し、碑を建て、犠牲者を追悼する、遺骨を掘り出して洗い朝鮮半島へ送り返している日本人がいる。
　１２０年前の日清戦争で朝鮮の東学農民軍を大量虐殺した日本軍部隊所属の兵士を探し出している日本コリア協会・愛媛の人々。彼らは兵士の子孫とともに韓国を訪れ農民軍の遺族が集う式典に参加し、民間の「小さな和解」に取り組んでいる。また強制連行された朝鮮人と共に働いた日本人が謝罪すべきなのか、碑は建てても地元の協力・理解がなければ維持はできない。取り組みへの若い人の参加や地域的広がりなど試行錯誤をくり返しながらの活動である。
　戦後７０年の安倍首相談話は次の世代に謝罪は続けさせないと宣言した。昨年末、日韓外相合意で「慰安婦」問題は国家間では決着したが和解には至っていない。植民地支配と向き合う歴史認識とは何か、和解とは何か、理屈ではなく実践の面から数々のヒントを与えてくれる書である。

　いとう・ともなが　毎日新聞編集委員。『靖国と千鳥ケ淵』ほか
( ２０１６年０９月０４日，「赤旗」)

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東アジアの平和、核兵器のない世界をどう築くか／第９回アジア政党国際会議での発言／日本共産党幹部会委員長志位和夫

　日本共産党の志位和夫委員長は３日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれている第９回アジア政党国際会議で発言しました。全文は次の通りです。

アジア政党国際会議――「平和と協力」「多様性の統一」に重要な役割
　尊敬する議長、親愛な友人のみなさん。
　私は日本共産党を代表して、第９回アジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）の開催を歓迎し、アジア全域から参加された友人のみなさんに、心からの祝福と連帯を表明します。
　私たちのすむアジア大陸は、大局で見るならば、２０世紀から２１世紀にかけて、「分断と敵対」から「平和と協力」への歴史的転換の流れが起こっています。
　同時に、この大陸の国ぐには、きわめて豊かな多様性をもっており、政治・社会体制の違い、経済の発展段階の違い、文明の違いを、互いに尊重し、共存と協力をはかる「多様性の統一」―今回の総会のメインテーマである「一つのアジア（ワン・アジア）」をめざすことが大切であると考えます。
　そして、この大陸で生まれたアジア政党国際会議が、イデオロギーの違いをこえ、アジアで活動するすべての政党に開かれたユニークなフォーラムとして、アジアのすべての国ぐにの「平和と協力」を促進する懸け橋となり、アジアの「多様性の統一」を実現するために重要な役割を果たしていることを、私は参加されたみなさんとともに喜びたいと思います。
　私は、クアラルンプールでの総会が、これまでの８回の総会の到達点を踏まえ、さらに新しい前進の一歩を刻むことを願いつつ、「東アジアの平和、核兵器のない世界をどう築くか」というテーマで発言いたします。

ＡＳＥＡＮ――平和の激流に注目、南シナ海問題の前向きの打開を願う
　友人のみなさん。
　私がまず訴えたいのは、東アジアにおける地域の平和協力をどう築くかという問題です。
　アジア大陸における「分断と敵対」から「平和と協力」への歴史的転換を、最も進んだ形で劇的に体現しているのが、ここ東南アジアの国ぐにの取り組みです。私たちはこの間、東南アジアの国ぐにを訪問し、またアジア政党国際会議に参加したさいに東南アジアの諸政党と交流し、この地域に、平和の激流ともいうべき大きな変化が起こっていることに直接接して、目をみはる思いでした。
　東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）は、国連憲章の原則にもとづき武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げた東南アジア友好協力条約（ＴＡＣ）を土台として、ＡＳＥＡＮ地域フォーラム（ＡＲＦ）、東アジアサミット（ＥＡＳ）、東南アジア非核地帯条約、南シナ海行動宣言（ＤＯＣ）など、重層的な平和と安全保障の枠組みをつくりあげ、それを域外に広げています。
　それは、軍事ブロックのように外部に仮想敵を設けず、地域のすべての国を迎え入れるとともに、アジアと世界に開かれた、平和の地域共同体となっています。年間１０００回を超える徹底した対話と信頼醸成の努力を通じて、「紛争を戦争にしない」―紛争の平和解決を実践しています。これらの努力が、２０１５年末には、ＡＳＥＡＮ共同体の設立という実を結んだことは、注目すべき新たな発展です。
　この地域には、南シナ海問題や大国の関与の増大など、難しい問題も存在しています。しかしＡＳＥＡＮは、これらの挑戦課題に対しても、忍耐力、弾力性、新しい知恵と工夫を発揮して、状況を切り開きつつあります。
　７月に開催されたＡＳＥＡＮ外相会議で合意された「共同声明」では、南シナ海問題について、「南シナ海の情勢を複雑化し緊張を高めかねない埋め立てを含むすべての行動での自制と非軍事化の重要性」が強調され、「１９８２年国連海洋法条約（ＵＮＣＬＯＳ）を含む国際法の普遍的に認知された原則に従い、武力の行使または威嚇に訴えることなく、法的および外交プロセスの全面尊重を含む、紛争の平和的解決への共通の誓約」が確認されました。私はこの「共同声明」の内容を歓迎し、この方向で事態の前向きの打開がはかられることを、心から願うものです。
　これらの努力も含めて、私はＡＳＥＡＮの取り組みは、私たちが学ぶべきたくさんの豊かな教訓を含む、未来あるものであると考えるものです。

「北東アジア平和協力構想」――平和の地域協力のための提案
　友人のみなさん。
　ここで北東アジアに目を向けていただきたいと思います｡この地域には､さまざまな紛争と緊張の火種が存在しています。ここには北朝鮮の核兵器問題、歴史問題をめぐる対立と相互不信など、固有の問題があります｡同時に､東南アジアの国ぐにが直面している問題と共通する問題もあります。
　日本共産党はＡＳＥＡＮの実践に学びつつ、北東アジア固有の問題を考慮し、２０１４年１月に開催した第２６回党大会で、以下の目標と原則にたった「北東アジア平和協力構想」を提唱しました。
　――関係諸国を律する平和のルールとして、武力の行使の放棄、紛争の平和的解決、内政不干渉、信頼醸成のための効果的な対話と協力の促進などを定める北東アジア規模の「友好協力条約」の締結をめざす。
　――北朝鮮問題について、「６カ国協議」の２００５年９月の「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・ミサイル・拉致・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させる。
　――この地域に存在する領土に関する紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹する。力による現状変更、武力の行使および威嚇など、紛争をエスカレートさせる行動を厳に慎み、国際法にのっとり、友好的な協議および交渉をつうじて紛争を解決する行動規範を結ぶことをめざす。
　――北東アジアの友好と協力を発展させるうえで、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる。日本軍｢慰安婦｣問題など未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さない。
　以上が、私たちの提案です。
　それは、ＡＳＥＡＮがすでに実践している平和の地域協力の取り組みを、北東アジアでも構築しようというものです。私たちは、この「構想」の方向こそ、この地域に平和と安定をもたらす最も現実的かつ抜本的方策であると確信するものです。
　この間、私たちはこの「構想」をもって、関係各国の政府や政党などとの意見交換を行ってきましたが、多くの賛同と共感が寄せられていることはうれしいことです。この「構想」の実現のために、引き続き力をつくす決意を表明するとともに、総会に参加されたみなさんのご理解と連帯を心から訴えるものです。

「軍事対軍事」の悪循環、力による現状変更を、厳しく退ける
　友人のみなさん。
　そのうえで私は、東アジアに平和秩序を築いていくために、北東アジア、東南アジアに共通する問題として、次の二つの点を強調したいと思います。
　第一は、「軍事対軍事」の危険な悪循環に陥ってはならないということです。国連憲章と国連安保理決議に違反する軍事的挑発は、もとより厳しく批判されなければなりません。同時に、解決の方法は対話しかありません。どんな問題でも、外交的・平和的解決に徹するという態度を堅持することが重要です。さまざまな紛争問題に対して、もっぱら｢抑止力｣の強化、軍事的対応の強化で構えるならば、相手も軍事力増強を加速することになり、危険な軍事的緊張の悪循環のわなに陥ることになります。
　この点に関わって、安倍晋三政権が、この間、「日本国憲法第９条のもとでは、集団的自衛権は行使できない」という戦後半世紀にわたる日本政府の憲法解釈を変更し、日本を「海外で戦争する国」につくりかえる安保法制＝戦争法を強行したことに対して、日本共産党が、他の野党、広範な市民とともに強く反対し、憲法違反の法制の廃止を求めてたたかっていることを、お伝えしておきたいと思います。
　第二に、領土に関する紛争問題の解決にあたっては、力による現状変更、武力の行使および威嚇など、紛争をエスカレートさせる行動を厳に慎むことを、とくに強調したいと思います。国連憲章と国際法の普遍的に承認された原則に従い、友好的な協議および交渉によって紛争を解決するという姿勢に徹すること、それを保障するための行動規範を結ぶことが大切です。
　私たちは、ＡＳＥＡＮと中国による南シナ海行動宣言（ＤＯＣ）から行動規範（ＣＯＣ）をめざす取り組みが成功することを強く期待するものです。また、北東アジアでも領土に関する紛争問題をエスカレートさせない行動規範を結ぶことが急務となっていることを、重ねて強調するものです。
　長年の努力によって、国連憲章の原則にもとづく平和の地域協力の枠組みをつくりあげてきたＡＳＥＡＮの経験を、北東アジアを含むアジアの全地域で生かし、「平和と協力」「多様性の統一」の「一つのアジア（ワン・アジア）」へと前進するために、手を携え、力をあわせようではありませんか。

「核兵器のない世界」へ――国連総会に具体的行動を求める画期的提起が
　友人のみなさん。
　私がいま一つ、訴えたいのは、アジアと世界の平和、人類の生存にとっての深刻な脅威となっている核兵器の問題についてです。
　７１年前、１９４５年８月、米国が投下した２発の原子爆弾は、広島と長崎という美しい二つの都市を一瞬にして言語に絶する地獄に変え、その年の末までに２１万人の命が奪われ、かろうじて生き延びた人々も、放射能による障害に苦しみ、心身に深い傷を負い、今なお苦しみを強いられ続けています。このような非人道的な兵器は、世界のどこであれ、いかなる状況のもとであれ、再び使用されてはなりません。核兵器の使用を防止する最大の保障はその廃絶であり、それは人類の生存にとって緊急課題となっています。
　この間、「核兵器のない世界」の扉を開く新たな画期的な動きが起こっています。
　ジュネーブで開催されていた核兵器の禁止・廃絶に関する法的措置を議論する国連作業部会（ＯＥＷＧ）は８月１９日、国連総会に対して、「核兵器を禁止し、その全面廃絶にいたる法的拘束力を持つ協定を交渉するため、国連総会が２０１７年にすべての国家、国際組織、市民社会に開かれた会議を招集する」ことを勧告する報告書を、賛成多数で採択しました。「核兵器のない世界」の実現にむけ、核兵器禁止・廃絶条約の締結交渉を行うために、国連総会として具体的な行動を起こすことが、２０１７年という期日を決めて提起されたのです。
　私たちは、この動きを心から歓迎します。それが実るように、被爆国の政党として全力をつくす決意です。

核兵器禁止・廃絶条約のすみやかな交渉開始を世界に呼びかけよう
　友人のみなさん。
　こうした前進をつくりだした力がどこにあるでしょうか。まず私は、核兵器の非人道性、残虐性を訴え続けた被爆者を先頭とする、世界の反核平和の運動―市民社会の運動に、前進をつくりだした根本の力があることを指摘したいと思います。今年４月、被爆者代表の連名のよびかけによって、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求める「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」が開始されました。そこではこう訴えています。「平均年齢８０歳を超えた被爆者は、後世の人びとが生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したいと切望しています。あなたとあなたの家族、すべての人びとを絶対に被爆者にしてはなりません」。世界で数億を目標にしたこの署名を成功させるために、総会に参加されたみなさんの連帯と協力を、強く呼びかけるものです。
　同時に、こうした市民社会の運動と連帯した各国政府の取り組みが、積極的な役割を果たしていることは、いうまでもありません。核兵器禁止条約を求める各国政府の動きは、さまざまな形で起こっていますが、とりわけ本総会の開催国であるマレーシア政府が、１９９６年以来、核兵器禁止条約の交渉開始をよびかける決議案を、毎年の国連総会に提出し、昨年は賛成１３７と加盟国の圧倒的多数の賛成で採択される状況をつくりだすなど、一貫して先駆的役割を果たしていることに、私は、心からの敬意を表明するものです。
　そして私が強調したいのは、アジア政党国際会議が、これまでも「核兵器のない世界」の実現を、繰り返し呼びかけてきたことです。２００９年の「アスタナ宣言」は、「あらゆる地域で核兵器のない世界を目標にすべきだ」と世界に呼びかけました。２０１０年の「プノンペン宣言」は、「核兵器禁止条約の交渉を支持する」ことを明記しました。２０１４年の「コロンボ宣言」は、「核兵器禁止条約の速やかな交渉開始を求める」と明記しました。これらの到達点を踏まえ、このクアラルンプールの地から、「核兵器禁止・廃絶条約のすみやかな交渉開始」を世界に向かって呼びかけようではありませんか。
　そうした呼びかけがなされるならば、この秋に始まる国連総会での核兵器禁止・廃絶条約に関する議論への前向きの貢献となり、世界の反核平和運動への大きな励ましになることは、疑いありません。
　「核兵器のない世界」へ―歴史的チャンスが、いま生まれています。私は、被爆国・日本で、戦後一貫して核兵器廃絶のためにたたかい続けてきた政党を代表して、新しい歴史の扉を開くために、知恵と力をつくすことを誓って、発言を終わります。
　ご清聴、ありがとうございました。
( ２０１６年０９月０４日，「赤旗」)

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国会議員駆けある記／池内さおり衆院議員／女性の無念思う夏

　千葉県館山市の婦人保護施設「かにた婦人の村」にある「噫（ああ）従軍慰安婦の碑」の前で８月１５日を迎えた。日本人の女性で「慰安婦」体験を語った城田すず子さん（仮名）の懇願により建立された碑。
　日本人の中にも「慰安婦」を強いられたたくさんの女たちがいた。しかしそうした女たちに〝語らせず〟、この国の戦後７１年は過ぎ去った。戦後とは何だったのだろう。あまたの女たちの奪われた人生に言葉もなく、私はただ手を合わせた。
　この夏、沖縄県恩納村（おんなそん）の女性殺害遺棄現場へ。必ず訪れたかった場所。２０歳の彼女の無念に手を合わせ、目を開けると、奇麗な蝶（ちょう）が頭上を舞った。沖縄で蝶は「亡くなった人の魂」だと考えられているそうだ。彼女の痛みを抱き、蝶は舞っていたのかもしれない。
　過ぎ行く夏を感じながら、私は改めて誓う。全ての人に等しく人間の尊厳が保障される政治をつくるのだと！
　あなたの声を私は必ず受け止める。誰も置き去りにされない社会へ！　共に進もう。
(２０１６年０９月０３日，「赤旗」)

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財団への入金を確認

　【ソウル＝時事】韓国外務省は１日、元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」の銀行口座に、日本政府から１０億円が入金されたと発表しました。日本政府は８月、生存者１人につき約１０００万円、死亡者には約２００万円支給すると発表。８月中にも財団に送金する方針を示していました。韓国外務省によると、１０億円は８月３１日に入金され、９月１日に確認されました。今後、昨年末の日韓合意の時点で生存していた元慰安婦４６人と死亡者１９９人に対し、合意で決まった使途に沿う形で現金支給されます。
( ２０１６年０９月０２日，「赤旗」)

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（8月ヘッドライン）

 

*         元「慰安婦」１２人、韓国に賠償請求

*         少女像移設に反対意見表明／追悼公園推進委員長

*         韓国最大野党新代表に秋氏／ＴＨＡＡＤを批判

*         北朝鮮への厳格対応で日米一致

*         １千万円支給に異論

*         広島の戦争展、明日まで開催／県民文化センター

*         元「慰安婦」、１０００万円受け取り拒否

*         元「慰安婦」に１０００万円

*         元「慰安婦」支援／１０億円拠出閣議決定／日本、韓国側に伝達

*         日中韓の外相会談へ

*         解説／「日本維新の会」に戻る／悪政の全国展開を狙う

*         日中韓外相会談へ詰めの協議

*         「慰安婦」支援財団、１０億円使途決定先送り

*         日本拠出１０億円は「責任・謝罪・反省」裏付け

*         韓国民団「光復節」記念式典での小池書記局長あいさつ

*         少女像関係なく元慰安婦を支援／韓国紙

*         １０億円使途、日韓合意／元「慰安婦」への具体的支援／両政府が発表

*         元慰安婦支援で進展

*         「慰安婦」問題、解決を早急に／市民団体、政府に要請

*         元「慰安婦」支援「一定の進展」

*         戦争の加害の面学ぼう／ＡＡＬＡが講演会／新潟

*         １０ｓ２０ｓＹモード／〝買われた〟中高生当事者が企画展／「Ｃｏｌａｂｏ」代表仁藤夢乃さん（２６）

*         豪初の「慰安婦」像が除幕式

*         世界に生きる／文・工藤律子／写真・篠田有史／フィリピン／歴史の真実を伝える

*         慰安婦像撤去訴えを退ける／米連邦高裁

*         「慰安婦」日韓合意、批判の声多く／財団設立も厳しい船出／少女像撤去、野党が強く反発／韓国

*         第３次安倍再改造内閣の閣僚の横顔／留任除く

*         稲田防衛相に警戒感／中国メディア／韓国メディア

*         元朝日記者の娘をネットで中傷／投稿者に賠償命令

*         潮流

*         小池都知事任命の野田特別秘書／帝国憲法復活に賛成／都議時代

*         日韓局長級が協議へ

*         「慰安婦」登録へ支援

*         ＮＨＫ経営委動向注視を／ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ醍醐聰共同代表

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【8月本文】

元「慰安婦」１２人、韓国に賠償請求

　【ソウル＝時事】旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性１２人が３０日、「慰安婦問題の最終的、不可逆的解決」をうたった昨年末の日韓政府間合意で精神的損害などを受けたとして、韓国政府を相手取り、１人当たり１億ウォン（約９００万円）の賠償を求める訴訟をソウル中央地裁に起こしました。
　日韓合意に反対する民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」の主導で設立された財団が発表しました。存命中の元慰安婦は４０人で、原告はその３割に当たります。
( ２０１６年０８月３１日，「赤旗」)

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少女像移設に反対意見表明／追悼公園推進委員長

　【ソウル＝時事】ソウルの韓国統監官邸跡地で２９日、旧日本軍の慰安婦を追悼する公園「記憶の場」の除幕式が行われました。
　崔英姫（チェ・ヨンヒ）造成推進委員長はあいさつで、日本大使館前に設置されている少女像について「だれも動かすことはできない」と述べ、追悼公園に移設する案に断固反対する立場を表明しました。
　慰安婦だった韓国人女性、金福童（キム・ボクドン）さん（９０）も「わが国に建てた少女像に対し、（日本が）移せとは何だ」と語り、日本側の移転要請に強く反発しました。
( ２０１６年０８月３０日，「赤旗」)

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韓国最大野党新代表に秋氏／ＴＨＡＡＤを批判

　【ソウル＝時事】韓国最大野党「共に民主党」は２７日、ソウルで党大会を開き、新たな党代表に秋美愛（チュ・ミエ）議員（５７）を選出しました。秋議員は慰安婦問題をめぐる日韓合意を「史上最悪の外交惨事」と批判。在韓米軍への地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」配備についても反対の立場を示しており、与野党間の対立は激化しそうです。
　秋議員は朴槿恵（パク・クネ）大統領と同じ南部・慶尚北道の大邱出身。来年末の次期大統領選で、共に民主党の候補者として有力な文在寅（ムン・ジェイン）前代表に近いとされます。
　共に民主党は第２野党「国民の党」とともに、４月の総選挙で議席を伸ばし、与党セヌリ党を過半数割れへと追い込みました。
( ２０１６年０８月２９日，「赤旗」)

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北朝鮮への厳格対応で日米一致

　【ナイロビ＝時事】ケニア訪問中の岸田文雄外相は２７日、ケリー米国務長官と電話会談し、北朝鮮による２４日の潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）発射は明白な国連安保理決議違反だとして、国際社会が厳しく対応すべきだとの認識で一致しました。安保理が北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難する声明を発表したことを歓迎、日米同盟強化や日米韓３カ国の安保協力推進を確認しました。
　また、岸田氏は「慰安婦」問題に関する日韓合意の履行状況を説明、ケリー氏は「安倍晋三首相と岸田外相のリーダーシップを高く評価する」と応じました。両氏は中国の海洋進出を念頭に、引き続き連携していくことで一致しました。
( ２０１６年０８月２９日，「赤旗」)

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１千万円支給に異論

　自民党は２５日、外交部会などの合同会議を党本部で開き、日韓政府間合意に基づき、日本が元慰安婦の生存者１人につき１０００万円程度を支出することについて議論しました。出席議員からは「事実上の一括支給で個人賠償と取られる。納得できない」などの異論が出ました。これに対し、外務省側は「金額は目安であって、（賠償問題は解決済みとする）日韓請求権協定には違反しない」と理解を求めました。
( ２０１６年０８月２８日，「赤旗」)

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広島の戦争展、明日まで開催／県民文化センター

　第２２回平和のための広島の戦争展が２８日まで、広島市中区の県民文化センター地下展示室で開かれています。
　講演や朗読などを約１時間で１２回開催するイベント広場のトップとして、亡き夫が被爆者の栗栖純子（くりす・すみこ）さん（８０）＝広島市中区＝が証言しました。
　栗栖さんは、亡き夫の洋さん（１９３０～９７）が新日本婦人の会県本部編集の被爆体験手記集『木の葉のように焼かれて』に寄せた手記「若い世代にヒロシマを伝えたい」を紹介。中学校教師として３８年間、平和教育に情熱を傾けた洋さんは「二度と再び私たちのような被爆者をつくらせない」と決意していたと述べました。
　日本軍「慰安婦」問題の講座があり、５月に韓国ソウルで開かれた「第１４回日本軍『慰安婦』問題解決のためのアジア連帯会議」に出席した「日本軍『慰安婦』問題解決ひろしまネットワーク」の岡原美知子事務局長が報告しました。
　戦争展は入場無料。開場時間は午前１０時から午後６時半（最終日５時）まで。連絡先＝０９０（９７３３）４１１８（利元さん）
(２０１６年０８月２７日，「赤旗」)

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元「慰安婦」、１０００万円受け取り拒否

　【ソウル＝時事】日本政府が韓国の財団を通じ、元慰安婦の生存者１人につき１０００万円程度の支出を決めたことを受けて、慰安婦だった韓国人女性、金福童（キム・ボクドン）さん（９０）らが２６日、記者団の取材に応じ、受け取りを拒否する考えを強調しました。
　金さんは「日本と合意するなら、事前に元慰安婦に話さなければならない。一言も相談せずに、こそこそと合意した」と批判。「日本政府が私たちの前で謝罪するまで、お金を受け取ることはできない」と断言。日本大使館前の少女像の移転に断固反対する立場を示しました。
( ２０１６年０８月２７日，「赤旗」)

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元「慰安婦」に１０００万円

　外務省は２４日、日韓政府間合意に基づき元「慰安婦」を支援する韓国の「和解・癒やし財団」に日本が拠出する１０億円の使途に関し、生存者１人につき１０００万円程度、死亡者には２００万円程度支出すると発表しました。日本政府は財団への１０億円を今月中に送金する方針です。
　元｢慰安婦｣への支援は、財団が対象者の個別の需要を把握し、日韓が合意した使途の範囲内で、現金で支出します。具体的な使途としては医療･介護、葬儀関係費、親族の奨学金などを想定しています。
　昨年１２月末の日韓合意の時点で、支援の対象となる元「慰安婦」のうち生存者は４６人、死亡者は１９９人。財団は両政府に事業の実施状況を定期的に通知します。
( ２０１６年０８月２６日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援／１０億円拠出閣議決定／日本、韓国側に伝達

　政府は２４日の閣議で、日韓合意に基づいて元「慰安婦」の女性を支援するため韓国が設立した「和解・癒やし財団」へ１０億円を拠出することを決定しました。岸田文雄外相が同日会談した韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相に直接伝えました。
　両外相は１２日の電話会談で、１０億円の使途を元「慰安婦」の医療や介護とすることで大筋合意。岸田氏は、手続きを速やかに進めると伝えていました。政府は１０億円を予備費で支出します。
　岸田氏は、１０億円の拠出によって「日韓合意に基づく日本側の責務は果たしたことになる」としており、今後はソウルの日本大使館前に設置された慰安婦少女像の速やかな移転を韓国側に求めていく方針です。
　菅義偉官房長官は閣議後の記者会見で、「韓国側に対して、それぞれの問題の解決に向けた努力を含め、引き続き日韓合意の着実な実施を求めていきたい」と語りました。
( ２０１６年０８月２５日，「赤旗」)

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日中韓の外相会談へ

　外務省は２２日、日中韓外相会談を２４日に東京で開催すると発表しました。岸田文雄氏、中国の王毅氏、韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）氏が出席します。
　外相会談では、核実験と弾道ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮への対応や、世界各地で頻発するテロ対策などについて協議。また、日中韓自由貿易協定（ＦＴＡ）や、アジア広域ＦＴＡとなる「域内包括的経済連携（ＲＣＥＰ）」の締結、青少年交流の在り方などについても意見を交わします。
　日中と日韓の外相会談も実施される見通しです。外相就任後、初の来日となる王氏との会談で岸田氏は、尖閣諸島周辺海域への中国公船による侵入や南シナ海問題について提起する考えです。日韓では、慰安婦問題をめぐる合意に基づき日本政府が韓国の財団に１０億円を拠出する時期などが議題になるとみられています。
　３カ国外相会談の開催は昨年３月以来。同１１月には、３年半ぶりとなる３カ国首脳会談がソウルで開催されました。
( ２０１６年０８月２４日，「赤旗」)

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解説／「日本維新の会」に戻る／悪政の全国展開を狙う

　これまで「改革の象徴」としてきた「おおさか」の文言を外し、前身の「日本維新の会」への党名変更を決めた党大会。松井一郎代表は「大阪でやれている改革を全国に広げていく」と力を込めました。
　おおさか維新の会は、前代表の橋下徹氏（前大阪市長）が「もう一度本物の維新をつくる」ことを掲げて昨年１０月に結党。しかし、１年もたたないうちの党名変更となりました。
　今回の党名変更は、いわば〝原点回帰″です。極端な新自由主義路線と憲法改悪を掲げた党の理念を全国に広げようという、悪政の全国展開に他なりません。
　「われわれはエリア（地域）にこだわるのではない。改革の中身にこだわって、一人ひとりの政治家が集まった集団だ」。松井氏はこう強調しましたが、その「改革」の中身は、国政での悪政の先取りや住民施策の切り捨てのオンパレードです。
　大阪府では、橋下、松井府政のもとで１５５１億円もの暮らしにかかわる予算を削減し、大阪市でも「ぜいたく」だと言ってどんどん住民施策を切り捨てました。さらに、思想・信条にかかわる質問まで市職員に答えさせる｢思想調査｣など憲法違反の独裁的な手法や「慰安婦は必要だった」などの暴言を繰り返し行ってきました。
　国政でも改憲をあおり、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加や大企業に都合のいい「解雇規制の緩和」などを掲げており、アメリカ・財界言いなり政治そのものです。名称を変えても、真の改革政党とは程遠い安倍政権の補完勢力である本質になんら変わりはありません。
　（笹川神由）
( ２０１６年０８月２４日，「赤旗」)

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日中韓外相会談へ詰めの協議

　日中韓３カ国は２１日、東京都内で外務次官級協議を開き、２３、２４両日の開催で調整している日中韓外相会談について詰めの協議を行いました。日本から秋葉剛男外務審議官、中国の劉振民外務次官、韓国の金炯辰外務次官補が出席。
　秋葉氏は協議に合わせて劉氏と個別に約１時間半会談。尖閣諸島周辺で頻発している中国公船の領海侵入について、厳重に抗議しました。金氏とも会い、核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応で連携を確認。慰安婦問題に関する合意を着実に実施していくことでも一致しました。
( ２０１６年０８月２３日，「赤旗」)

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「慰安婦」支援財団、１０億円使途決定先送り

　【ソウル＝時事】日韓政府間合意に基づき元慰安婦の支援を行う韓国の「和解･癒やし財団」の金兌玄(キム･テヒョン)理事長は１８日、時事通信の取材に対し、前日に理事会を開いたものの、日本が拠出する１０億円の具体的な使途については決定を先送りしたことを明らかにしました。金理事長は「支援方法をめぐりたくさんの意見が出たが、事業の具体的内容については決まらなかった」と述べました。
　ただ、金理事長は「支援策としては医療・介護関連が想定されている」と説明し、大枠の方向性に関しては合意が得られているという認識を示しました。
　韓国外務省当局者も１８日、記者団に「１０億円の具体的な使途や財団の事業に関しては、まだ決まっていない」と語りました。
( ２０１６年０８月１９日，「赤旗」)

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日本拠出１０億円は「責任・謝罪・反省」裏付け

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は１６日の記者会見で、慰安婦問題をめぐる合意に基づき日本政府が韓国の財団に拠出する１０億円について、「賠償金と理解できるか」という質問に直接は答えず、「岸田文雄外相が昨年１２月に表明した日本政府の責任、謝罪や反省の立場を実質的に裏付ける履行措置だ」と述べました。
　「賠償金」と断定することを避けながらも、事実上、賠償金の性格を帯びているという認識を示唆しました。
　日本政府は、拠出金が「賠償金」と受け止められることを警戒。岸田外相は１２日、尹炳世（ユン・ビョンセ）外相との電話会談後、記者団に対し「慰安婦問題に関する請求権の問題は法的に解決済みだという立場は、全く変わりない」と述べています。
( ２０１６年０８月１７日，「赤旗」)

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韓国民団「光復節」記念式典での小池書記局長あいさつ

　１５日の韓国民団「光復節」記念式典での小池晃書記局長のあいさつは、以下の通りです。

　こんにちは、日本共産党の小池晃です。今日は、日本帝国主義による植民地支配からの解放を記念する韓国の大事な式典への招待、ありがとうございます。日本共産党を代表して心からお祝い申し上げるとともに、この日にあたり、日本の侵略戦争で犠牲となった２０００万を超すアジアの人々を追悼し、過ちを二度と繰り返させない決意を新たにするものです。また今年は民団の創設７０周年とうかがいました。在日韓国人の権利の擁護と向上、日韓両国の友好のために長年心血を注いでこられた皆さんの活動に、心からの敬意を表するとともに、さらなる発展を願っています。おめでとうございます。（以上韓国語）
　ヘイトスピーチ対策法が国会で成立しました。人間としての尊厳を深く傷つける差別扇動行為を一刻も早くなくしてほしいという、在日の方々をはじめとした市民の強い声と運動で実現しました。国会での超党派の取り組みによる、画期的な成果です。川崎市では、６月に計画されていたヘイトデモが、新たな法律を踏まえた市の対応と市民の抗議により、中止に追い込まれました。新しい法律を力にしながら、ヘイトスピーチの根絶と共生社会の実現に向け、さらに前進していきましょう。
　日本軍「慰安婦」の問題については、昨年末に両国政府の合意が結ばれ、その後さまざまな取り組みがおこなわれてきました。言葉に尽くせない被害を受けた元「慰安婦」の方々一人一人の思いをくみ取りながら、人間としての名誉と尊厳が回復され、問題の根本的な解決が図られるよう、両国政府の努力を求めたいと思います。
　領土をめぐる問題については、日韓とも緊張を高めるような行動は自制し、あくまでも歴史的事実と国際法上の道理にもとづき、冷静な話し合いで解決をはかるべきだと思います。
　こうした課題に取り組み、これからの両国民の本当に心の通った友好を発展させるうえで何が必要でしょうか。私は、日本側としては、過去の歴史に正面から向き合い、過ちを真摯（しんし）に反省し、未来への教訓としていく―この姿勢をしっかりと土台に据え、堅持し続けることが、何よりも大事だと考えます。そしてその国際公約ともいえる日本の憲法を守り、いかしていくことが、今こそ求められていると思います。
　日本共産党の先輩たちは、戦前、朝鮮における独立のたたかいと連帯し、過酷な弾圧をうけながらも、日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配に反対を貫きました。私たちはそうした党として、日韓の友好と北東アジアの平和のため、皆さんとの交流・協力を大事にしながら、引き続き頑張りたいと思います。カムサハムニダ（ありがとうございます）。
( ２０１６年０８月１６日，「赤旗」)

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少女像関係なく元慰安婦を支援／韓国紙

　【ソウル＝時事】１３日付の韓国紙は、日韓外相の電話会談で元慰安婦支援財団への１０億円の拠出が決まったことについて「日本、少女像と関連付けず」（中央日報）、「少女像と関係なく１０億円拠出」（朝鮮日報）などと報じました。
　中央日報は「これにより、昨年１２月の合意を受けた政府レベルの後続協議は大枠で終了した。財団は本格的な活動に入れる」と伝えました。ただ、朝鮮日報は、日本側が１０億円の使途に関し「医療や介護」を挙げているのに対し、韓国側は「決まっていない」と説明していると指摘しました。
　京郷新聞は、朴槿恵（パク・クネ）大統領が植民地支配からの解放記念日（光復節）に当たる１５日の演説で「慰安婦問題をめぐる合意が履行されたと強調し、『新たな次元の韓日関係』に言及するとみられる」と展望。一方で「国内的には合意への批判が強く、混乱が続くとみられる」と予測しました。
( ２０１６年０８月１４日，「赤旗」)

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１０億円使途、日韓合意／元「慰安婦」への具体的支援／両政府が発表

　日韓両政府は１２日、昨年末の政府間合意に基づく旧日本軍「慰安婦」への具体的な支援策を発表しました。韓国側が設立した財団に日本側が拠出する１０億円の使途については、医療や福祉目的で元「慰安婦」に行き渡る形とすることで合意しました。
　発表に先立ち、岸田文雄外相と韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は同日夕、電話会談し、合意を着実に履行していくことを確認しました。元「慰安婦」支援は、韓国側が７月に設立した「和解・癒やし財団」を通じて実施します。
　日本政府は、１９６５年の日韓請求権協定で賠償請求権は「解決済み」との立場をとっているため、１０億円の使途をめぐっては、法的な賠償とは異なる形態を模索し、韓国側と詰めの協議を続けてきました。
　昨年１２月２８日の「慰安婦」問題に関わる日韓合意では、日本政府は同問題への当時の軍の関与を認め、安倍首相が「心からのおわびと反省の気持ち」を表明。韓国側が設立する財団に１０億円を拠出することを盛り込むとともに、韓国政府が日本大使館前に設置された慰安婦少女像問題の「適切な解決への努力」を図ることで合意しています。
　日本政府は、ソウルの日本大使館前の慰安婦少女像の撤去を求めていますが、１０億円拠出の前提条件とはしない方針。電話会談で尹外相は、少女像撤去に関し「誠実に実施していく」と述べました。
( ２０１６年０８月１３日，「赤旗」)

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元慰安婦支援で進展

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は１１日、ソウルで９日に行われた日韓局長級協議で、元慰安婦支援のための「和解・癒やし財団」の事業や、日本からの１０億円の拠出問題に関し「相当な進展があった」と強調、「極めて近いうちに関連内容を説明する機会があるだろう」と語りました。別の韓国外務省当局者は「来週中には発表されるだろう」という見通しを示しました。
　報道官は「協議の具体的内容について、上部への報告手続きが進められているところだ」と説明、詳細には言及しませんでした。
( ２０１６年０８月１２日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題、解決を早急に／市民団体、政府に要請

　「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール（吉川春子代表）は９日、「慰安婦」問題解決のための申し入れ書を安倍首相に提出しました。同日、国会内で政府関係者と交渉。吉川氏らは「一刻も早い解決は国際社会に対する責務」であり、「女性への暴力の典型である『慰安婦』問題の先送りは、女性の人権を軽視するものだ」と訴えました。
　「慰安婦」問題をめぐっては昨年１２月、日韓政府が合意。しかし被害者を置き去りにした政府交渉だったことなどから韓国では世論を二分しています。
　申し入れでは、日本政府の責任を認めた「河野談話」にそった解決を要求。▽被害者の求める謝罪、補償を早急に具体化する▽削除された中学教科書の「慰安婦」記述の復活▽政府の拠出金は「謝罪の証」であることを明確にする▽中国、アセアン諸国等の被害者への謝罪・補償▽日本人「慰安婦」の調査―などを求めました。
　副代表の大森典子弁護士は「日韓合意は一つのステップ。被害者が納得できる解決策を政府に求めつづけたい」と話しました。
　日本共産党の池内さおり衆院議員も出席。政府からは内閣官房、外務省、文部科学省の担当者が出席しました。
( ２０１６年０８月１０日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援「一定の進展」

　【ソウル＝時事】日韓両政府は９日、慰安婦問題に関する政府間合意に基づき外務省局長級協議をソウルで行いました。この後、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は記者団に、元慰安婦を支援する財団の事業の実施について「一定の進展があった」と述べました。「双方が政府の上層部に報告して、緊密に連携していくことを確認した」とも語りました。
( ２０１６年０８月１０日，「赤旗」)

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戦争の加害の面学ぼう／ＡＡＬＡが講演会／新潟

　終戦記念日を控え、新潟県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会（ＡＡＬＡ）は６日、新潟市で吉澤文寿・新潟国際情報大学教授（新潟ＡＡＬＡ代表理事）を講師に講演会を開きました。３０人が参加しました。
　吉澤氏は「日韓『慰安婦』合意と私たちの未来」と題し講演。冒頭、８月６日が広島に原爆が投下された日にあたることから、広島・長崎原爆被害者に強制連行などによる朝鮮人や台湾出身者がいたことから、戦争被害の歴史は語り継ぐが、侵略や植民地加害の歴史を語ろうとしない政府などの姿勢を指摘しました。
　吉澤氏は、昨年末の「慰安婦」問題解決の日韓政府合意で財団が設立されたが、韓国内に合意に反対する声もあるが、白紙撤回するよりも合意を基礎に進展させるかが焦点だと強調。日韓合意と財団に望むことは、事実認定と何に対する「責任」なのかを明確にするとともに、韓国市民が自主的に行っている事実発掘、記念館設立などを支援することが重要で、歴史を考えることを通して、平和をつくることを実践しようと訴えました。
　参加者から「合意に日本政府がどれだけ誠意を持って対処するか責任を負っている」「戦争被害の歴史は多く語るが、加害を語るのは少ない。これは戦後の社会化教育の後退とも言える。近代史を学び返すことが必要だ」との意見が出ました。
(２０１６年０８月０９日，「赤旗」)

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１０ｓ２０ｓＹモード／〝買われた〟中高生当事者が企画展／「Ｃｏｌａｂｏ」代表仁藤夢乃さん（２６）

相談や衣食住確保し自立支援／親の養育放棄、福祉から漏れ、体差し出した…
　家や学校に居場所が無く、行き場を失い「売春」をする中高生たちがいます。その当事者がおとなへの訴えを表現する「私たちは『買われた』展」が１１日から東京都新宿区で始まります。企画をサポートする「Ｃｏｌａｂｏ」（コラボ）代表の仁藤夢乃さん（２６）に話を聞きました。
　佐藤幸治記者

　東京の夜の街で女子中高生に声を掛け、相談に乗る仁藤さん。「親の養育放棄や性虐待から逃れ、衣食住を確保するために売春した中高生もいます。『物乞いをしていた』という子もいます｡福祉から漏れ､おとなに傷つけられている、そうした背景を知ってほしい」と話します。
　Ｃｏｌａｂｏは２０１１年に設立。困難を抱える少女らの相談にのり、衣食住を確保して自立を助ける活動に取り組んでいます。少女たちを取り巻く実態を知ってほしいと夜の繁華街を歩いて解説するスタディーツアーや講演などの啓発も行っています。
　仁藤さんは、年間１００人前後の相談を受けています。
　繁華街で中高生に声を掛けるのは、性産業などのスカウトや、「買春するおじさん」がほとんど。買春したおとなから暴言や暴力を振るわれたり、写真をとられたり、カッターで傷付けられるといった被害を受けて、人間不信やトラウマを抱えて生きる少女たちも多くいるといいます。

おとなに伝えたい
　そうした経験を経た１０代、２０代が「Ｔｓｕｂｏｍｉ」というグループをつくり､アクセサリーづくりや､バザーへの出店など、支えあう活動をしています｡｢私たちは『買われた』展」も彼女たちの発案です。
　企画のきっかけは、仁藤さんが大学生に少女たちの売春をどう思うか聞いたことでした。返ってきた答えは「遊ぶ金がほしいからしているのでは」など、実態とかけ離れた認識でした。
　もう一つの大きなきっかけは、Ｔｓｕｂｏｍｉのメンバーが、旧日本軍の「慰安婦」にさせられた女性たちの写真展を見たことでした。メンバーの一人が、自分たちの置かれた境遇を知ってもらうために「何か表現したい｣と提案しました｡
　「体を差し出す代わりにおにぎり一つもらった｣―｡企画展では自身の体験をもとに書いた「大人へ伝えたいこと」や現実、日常を表現した写真を中心に展示します。
　中高生が性産業に取り込まれる背景には、自己責任論を強調する社会の風潮があります。仁藤さんは「女の子はまず、自分の力で困難な状況を何とかしようとします。そこに少女を売り物にしたいおとなが必要なものを与えるかのように近づいてくる｣と指摘します｡
　子どもだけでなく親が問題を抱えている家庭も多く、困難を抱えた子どもの受け皿になる福祉を改善しないかぎりは、性的搾取の被害にあう少女は減らないと仁藤さんは訴えます。
　「その子の問題、家庭の問題とせず、社会で子どもを育てるという目線が必要です。相談を寄せた女の子と実際に会ってみると普通の子です。買春するおとなが放置されている問題もあります。身近に起きていることとして考えてほしいと思います」

私たちは『買われた』展
　１１日～２１日正午～午後８時（最終日は５時閉館）、神楽坂セッションハウス２階ギャラリー（東京メトロ東西線神楽坂駅から徒歩２分）、入場料＝おとな１５００円。高校生以下無料
(２０１６年０８月０７日，「赤旗」)

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豪初の「慰安婦」像が除幕式

　【シドニー＝時事】オーストラリアの韓国系市民団体は６日、最大都市シドニー近郊にある「シドニー韓人会館」で、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像の除幕式を行いました。豪州での慰安婦像設置は初めて。日本人団体は設置反対を唱えています。
( ２０１６年０８月０７日，「赤旗」)

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世界に生きる／文・工藤律子／写真・篠田有史／フィリピン／歴史の真実を伝える

　「慰安婦という言葉は知っていましたが、その現実はまったく知りませんでした。学校では戦争の詳しい歴史を教えません。だから、私が伝えなければ、と思いました」
　大学のマルチメディア学科に在籍するカスリーズさん（２０）は、インターネットで卒業制作のテーマを探していて、偶然出会った情報に衝撃を受けた。そして、アジア・太平洋戦争の時、フィリピンを占領した日本軍に「慰安婦」にされた女性たちに関するドキュメンタリーを、卒業制作とする決意をした。マニラ首都圏にある元「慰安婦」のための団体「リラ・ピリピーナ」を通してインタビューを依頼すると、まだ「自分の足で歩ける」４人の「ロラ（おばあさん）」たちが話をしてくれることに。
　「ロラの一人はすでに９０歳ですが、それでも当時のことをはっきりと覚えています。それだけすさまじい体験だったのでしょう」
　カメラに向かって証言をしながら涙ぐむロラたちを前に、その思いを自分と重ね合わせて考えた。
　「ロラたちは当時、今の私よりも若い、１０代の少女でした。その気持ちを想像するだけで、心が痛みます」
　フィリピンの元「慰安婦」の多くは当時未成年で、自宅や道ばたなどで兵士に拉致され、監禁されてレイプされた性犯罪の被害者だ。日本との経済関係を重視するフィリピン政府は、この問題の解決に消極的で、歴史的事実は国内でもあまり知られていないため、日本政府に謝罪と補償を求めるロラたちの声は、人々の耳に届いていない。
　「納得のいく作品に仕上げて、できるだけ多くの人に見てもらいたいです」
　カスリーズさんは、完成した作品を映像コンテストに出品しようと考えている。賞をとれば、テレビで放映される可能性があるからだ。（月１回掲載）
( ２０１６年０８月０７日，「赤旗」)

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慰安婦像撤去訴えを退ける／米連邦高裁

　【ロサンゼルス＝時事】米ロサンゼルス近郊のグレンデール市に設置された旧日本軍の韓国人従軍慰安婦を象徴する少女像をめぐり、地元在住の日本人らが像の撤去を市に求めた訴訟で、連邦第９巡回控訴裁判所（高裁）は４日、原告の訴えを退け、撤去を認めない判断を示しました。
　原告は、市が像を設置し、慰安婦問題で特定の立場を取ることは連邦政府に付与された外交権限の侵害に当たると主張。しかし、高裁は「慰安婦を追悼する記念碑の設置によって、市に認められた権限を逸脱したとは言えない」と判断しました。
( ２０１６年０８月０６日，「赤旗」)

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「慰安婦」日韓合意、批判の声多く／財団設立も厳しい船出／少女像撤去、野党が強く反発／韓国

　旧日本軍「慰安婦」問題に関する日韓合意（昨年１２月２８日）に基づいて韓国の「和解・癒やし財団」が７月２８日、発足しました。現地からの報道によると、同財団の金兌玄（キム・テヒョン）理事長は同日の第１回理事会後の会見で、生存中の被害者４０人と個別に面談したことを明かしました。合意への支持が広がっていると強調しましたが、当事者や支援者から、いまだ批判の声が上がっており、財団にとって厳しい船出となりました。
　日本政府は合意に基づき同財団へ１０億円を拠出します。日韓合意の際に、韓国政府が「適切に解決されるよう努力」するとした在韓日本大使館前の少女像の撤去について、金理事長は「１０億円とはまったく別の話だ」と語り、拠出の前提条件ではないとの考えを示しました。

被害者らが反対
　韓国の最大野党「共に民主党」は発足直後の声明で「発足直後から日本政府は１０億円に関し、『賠償金ではない』という立場を示すなど、本音をあらわにし始めた」と指摘。第２野党「国民の党」も８月３日声明で、少女像は正しい歴史を語る象徴であり「どんな理由であれ撤去することはできない」と強調しました。
　合意に反発している支援団体、韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会と、被害者が共同で暮らす「ナヌムの家」の関係者は７月２７日に記者会見を開き、財団設立に反対の意思を表明しました。
　ナヌムの家の安信権（アン・シングォン）所長は「日本の公式謝罪と法的賠償が含まれていない合意は無効であり、その合意のもとにつくられる財団は違法だ」と主張。支援者らは、被害者支援や資料の収集などを行う「正義記憶財団」を独自に設立しており、韓国政府に１０億円を拒否するよう求めています。

世論「評価せず」
　韓国のシンクタンク東アジア研究院が財団設立前に行った世論調査によると、日韓合意について「評価しない」が３７・６％で、「評価する」が２８・１％でした。評価していない理由として「当事者の意見が反映されていない」が６６％と最も多く、「法的責任が明確でなく謝罪が不十分だ」とした人は５１％でした。
　財団の金理事長は、「財団を受け入れない方もいることは知っているが、意思疎通の努力を続ければいつかともに歩むことができる」と語り、被害者や支援者、世論に改めて理解を求めました。
　（栗原千鶴）
( ２０１６年０８月０５日，「赤旗」)

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第３次安倍再改造内閣の閣僚の横顔／留任除く

　３日に発足した第３次安倍再改造内閣の閣僚の横顔を紹介します。（閣僚名簿順。留任閣僚を除く。敬称略）

「カジノ議連」の副会長務める／法務・金田勝年
　旧大蔵省出身。１９９５年に参院秋田選挙区で初当選。２００５年に小泉内閣で外務副大臣に就き、０９年からは衆院議員。
　改憲派の国会議員でつくる「憲法調査推進議員連盟」に参加。日本の侵略戦争を美化する「日本会議国会議員懇談会」にも名を連ねました。
　カジノ合法化を狙う「国際観光産業振興議員連盟」（カジノ議連）の副会長を務めるカジノ推進派でもあります。地元秋田をカジノで活性化しようと提唱する団体にも参加しています。
　衆院秋田２区、当選３回。参院当選２回。６６歳、額賀派。

侵略戦争を美化／教科書を攻撃／文科・松野博一
　侵略戦争美化の日本会議や神道政治連盟の議連に参加する改憲派です。自民党教育再生実行本部の本部長代行や、教科書検定・採択改革分科会の座長を務め、現行の教科書は「自虐史観」だと提言で攻撃。検定基準を改悪させるなど、侵略戦争美化の教科書の押し付けを求めてきました。
　偏狭的な「愛国心」などを明記した０６年の教育基本改悪法に関し、「国がより強い指導性を発揮しないといけない」（１２年４月）と主張。安倍政権の「戦争する国づくり」に向けた〝人材づくり〟を求めてきました。
　衆院千葉３区、当選６回、５３歳、細田派。

慰安婦を否定し核武装を／「検討」農水・山本有二
　第１次安倍内閣で金融相。先立つ自民党総裁選で安倍氏の応援団の「再チャレンジ支援議員連盟」の会長を務めました。
　米紙に掲載された日本軍「慰安婦」問題を否定する意見広告（２０１２年）に賛同。改憲発議の要件緩和を狙う「憲法９６条改正を目指す議員連盟」の幹事になりました。
　０３年の「毎日」候補者アンケートで「日本の核武装」について「国際情勢によっては検討すべきだ」と回答。みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会、神道政治連盟国会議員懇談会に所属しています。
　衆院高知２区、当選９回、６４歳、石破派。

〝メディア対策〟／番組をやり玉に／経産・世耕弘成
　安倍晋三首相の側近として、第２次安倍内閣発足の１２年から内閣官房副長官を務め、〝メディア対策〟を担ってきました。
　０８年３月の参院総務委員会では、ＮＨＫスペシャルをやり玉にあげて「ワーキングプアの問題とか貧困の問題に偏り過ぎている」と攻撃し、制作現場の監督強化を求めました。
　安倍首相が会長を務め、憲法改定を掲げている議員グループ「創生『日本』」の副会長です。神道政治連盟国会議員懇談会のメンバーでもあり、改憲・タカ派の人物です。
　参院和歌山選挙区、当選４回、５３歳、細田派。

新基準を満たす原発再稼働主張／環境・山本公一
　愛媛県議から９３年に初当選。第２次橋本内閣で環境政務次官、第２次から第３次小泉内閣で副総務相を歴任しました。
　これまで原発について「新基準を満たした原発は再稼働すべきだ」と主張。安倍政権が公約を破って署名した環太平洋連携協定（ＴＰＰ）については「国益を損なうＴＰＰ交渉参加には断固反対」と断言していました。日本会議議連に名前を連ね、たびたび靖国神社を参拝しています。
　偽装献金事件で経営トップが逮捕された、準大手ゼネコン「西松建設」のダミー政治団体から資金提供を受け取っていました。
　衆院愛媛４区、当選８回、６８歳、谷垣グループ。

憲法９条を攻撃／「核保有を検討」／防衛・稲田朋美
　靖国神社参拝の常連｡｢靖国神社は『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけない」（『ＷｉＬＬ』２００６年９月号）と公言。「国民一人ひとりが、自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならない」（１０年１２月の講演）と主張する、根っからの靖国派。
　憲法９条を改憲し、自衛隊を「軍」と位置付けるべきだと主張。国会でも改憲を強く迫ります。「核保有を国家戦略として検討すべきだ」（『正論』１１年３月号）、「（男子も女子も）一時期、自衛隊に体験入隊することは重要」（『女性自身』１５年１１月１０日号）との持論も。
　衆院福井１区、当選４回、５７歳、細田派。

靖国派メンバー／道州制を推進／復興・今村雅弘
　旧国鉄、ＪＲ九州を経て１９９６年の衆院選で政界入り。
　歴史問題で侵略戦争を美化し、「靖国」派の価値観を押し出す議連「価値観外交を推進する議員の会」のメンバー。２００５年に自民党を離党し、翌０６年に復党。日本会議国会議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会、神道政治連盟国会議員懇談会に所属しています。
　党道州制推進本部長として、国の仕事を外交や防衛に限定し社会保障などに対する責任を投げ捨てる道州制の法案化を進めました。
　衆院比例九州、当選７回、６９歳、二階派。

医薬業界団体が巨額の政治献金／公安・防災・松本純
　自民党政調会長代理で、麻生太郎副総理の側近。第２次小泉内閣で総務大臣政務官、麻生内閣で内閣官房副長官、第２次安倍内閣で衆院厚労委員長を歴任しました。秘密保護法の運用をチェックすると称して設置され、国会を秘密保全体制に組み込む「情報監視審査会」の委員。戦争法衆院通過の際には集団的自衛権の限定容認は違憲ではないと賛成討論しました。
　０１年、０２年に医薬業界６団体から、公的資金である医療保険財政を原資とする巨額の政治献金を受け取っていました。
　衆院神奈川１区、当選６回、６６歳、麻生派。

憲法改正の中身〝早急に議論を〟／沖縄北方・鶴保庸介
　７月の参院選で４選。６月５日のＮＨＫ「日曜討論」では、参院自民党政審会長として「（憲法改正の中身について）早急に議論を開始したい」と表明しました。
　二階俊博自民党幹事長（当時・自由党）に白羽の矢を立てられ９８年参院選で自由党公認として出馬し、和歌山選挙区で初当選。二階氏とともに保守党、保守新党、自民党と渡り歩きました。
　新憲法制定議員同盟、神道政治連盟国会議員懇談会に所属。自身が代表の自民党支部が政治資金を「ゴルフ代」として、１３回（１１～１４年分）をゴルフ場に支出していたことも判明しています。
　参院和歌山県選挙区、当選４回、４９歳、二階派。

消費税１０％増税、交付税削減主張／地方創生・行革・山本幸三
　旧大蔵官僚で経済産業副大臣などを歴任。自民党の「アベノミクスを成功させる会」の会長として、異次元の金融緩和や規制緩和による大企業優遇政策を主張してきました。
　５月に「単純な延期表明だけで経済は好転しない」として、増税分に見合う公共投資と引き換えに、税率１０％への消費税増税を国民に押し付ける提言を発表。
　自治体に対しては、病院や学校など公的施設を投資対象にする手法で財政資金を集めるよう主張。「地方財政を甘やかしてはいけない」として地方交付税削減を求めています。
　衆院福岡１０区、当選７回、６７歳、岸田派。
( ２０１６年０８月０４日，「赤旗」)

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稲田防衛相に警戒感／中国メディア／韓国メディア

中国メディア
　【北京＝時事】第３次安倍再改造内閣で防衛相に就いた稲田朋美氏について、中国メディアは靖国神社を参拝してきたことなどを取り上げ、警戒感を隠していません。
　３日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は「安倍晋三首相の右翼の側近女性」との見出しを掲げ、「稲田氏は侵略戦争の責任と東京裁判を否定し、南京大虐殺はなかったと主張している」と紹介。国営中央テレビも稲田氏の歴史認識を説明した上で、「日本の防衛政策は一層右傾化する」と伝えました。

韓国メディア
　【ソウル＝時事】韓国メディアは３日、第３次安倍再改造内閣について「文部科学相と防衛相に強硬右派抜てき」（聯合ニュース）などと報じ、「右派路線を強化」（毎日経済新聞電子版）と懸念を示しました。
　毎日経済新聞は「最も目を引くのは、稲田朋美防衛相と松野博一文部科学相だ」と指摘。「稲田氏は日本の戦争責任を否定する発言をしてきた代表的保守・右派で、稲田、松野両氏とも慰安婦問題で強制性を否定している」と解説しました。
　京郷新聞電子版は、松野氏に関し「河野談話や村山談話を見直すべきだという立場を表明し、安倍政権の歴史修正主義の流れをけん引してきた人物」と紹介。「今後、日本の歴史教育が後退する可能性が指摘されている」と伝えました。
( ２０１６年０８月０４日，「赤旗」)

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元朝日記者の娘をネットで中傷／投稿者に賠償命令

　ツイッターに「従軍慰安婦捏造（ねつぞう）記者の娘」と名前と写真を投稿され、名誉を毀損（きそん）されたとして、元朝日新聞記者の長女（１９）が関東地方の４０代男性に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁（朝倉佳秀裁判長）は３日、請求通り慰謝料など１７０万円の支払いを命じました。
　朝倉裁判長は「父の仕事上の行為に対する反感から未成年の娘を人格攻撃しており、悪質で違法性が高い」と指摘。長女側は慰謝料の請求を１００万円にとどめていましたが、同裁判長は「２００万円が相当だ」とも述べました。
　長女は弁護団を通じ、「判決が不当な攻撃をやめさせる契機になってほしい」とコメント。弁護団は「一般の個人に対する慰謝料としては異例の高額を認めた。インターネットの無法化に対する抑止力となる判決だ」と評価しました。
( ２０１６年０８月０４日，「赤旗」)

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潮流

　重要閣僚に起用―。自民党の稲田朋美前政調会長にそのような話が浮上した時、筆者が抱いた不安が的中しました。３日に行われた安倍内閣改造。よりによって対外関係にも大きな影響を与える防衛大臣への起用です▼名うての９条改憲派で知られる稲田氏の入閣。衆参｢３分の２｣を背景に改憲を強力に推進しようという安倍政権の意思であることは間違いありません。しかし、稲田氏の言動にはそれにとどまらない深刻さがあります▼旧日本軍「慰安婦」や南京大虐殺、東京裁判を否定し、靖国神社への参拝を繰り返してきた稲田氏。対外的には侵略戦争美化の立場だと受け取られ、中国や韓国、さらに米国内からも反発の声が出るのは確実です▼加えて深刻なのは、「ヘイトスピーチ」を繰り返している在日特権を許さない市民の会（在特会）関係者からの献金授受、日本版ネオナチ団体関係者との記念撮影など、差別・排外主義者との親密ぶりです。夫婦別姓に反対し、古い家族観への固執ぶりもうかがえます▼世間の反発を覚悟で、このような人物をあえて重要閣僚にすえる。その背景には、自民党そのものの極右化に加え、衆参で議席の多数を占めたことによる「数のおごり」があります▼しかし、参院選で自公両党は憲法改定をひた隠しにしてきました。国民は安倍政権に改憲の信任を与えていないどころか、安倍改憲を許さない野党共闘候補は１１の１人区を制しました。世論を軽視し暴走に突き進めば、その先には破たんが待っています。
( ２０１６年０８月０４日，「赤旗」)

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小池都知事任命の野田特別秘書／帝国憲法復活に賛成／都議時代

　東京都の小池百合子知事は２日、特別秘書に元都議の野田数（かずさ）氏（４２）を任命しました。特別秘書は知事が任命し、議会の同意は不要。専用の公用車がつきますが、都は特別秘書の給料額は「個人情報だ」として公開していません。
　野田氏は２００９年に自民党で都議に当選しましたが、１２年に離党し、橋下徹大阪市長（当時）と連携する「東京維新の会」を結成。１２月の総選挙に「日本維新の会」（当時）から立候補し落選しました。
　１２年９月都議会で同氏は、「我々臣民としては、国民主権という傲慢（ごうまん）な思想を直ちに放棄」して、現行の日本国憲法を無効とし大日本帝国憲法の復活を求める時代錯誤の請願に紹介議員となり、賛成しました。（日本共産党、自民党、公明党、民主党などの反対で不採択）
　また、９月議会一般質問で「日本政府や軍が『従軍慰安婦』なるものを、暴行・脅迫・拉致を行い強制連行した事実はない」、「正しい知識と正しい歴史観を東京都の子どもたちに教えるべきだ」と主張しました。
(２０１６年０８月０３日，「赤旗」)

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日韓局長級が協議へ

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は２日の記者会見で、慰安婦問題をめぐる日韓合意の履行を話し合う局長級協議が来週開かれることを明らかにしました。慰安婦支援などを行う韓国の財団発足後初めてで、ソウルで開催とみられる協議では、事業内容や日本からの１０億円の資金拠出時期が焦点となります。
　日本側は８月中の拠出を目指し、資金の使途を明確にするよう韓国側に求めます。ソウルの日本大使館前の少女像撤去については、資金拠出の前提条件にはしない方針。
( ２０１６年０８月０３日，「赤旗」)

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「慰安婦」登録へ支援

　【ソウル＝時事】韓国のソウル市は２日までに、旧日本軍の慰安婦問題関連資料について、国連教育科学文化機関（ユネスコ）の「世界の記憶」への登録実現に向け、関連団体に財政支援を行う計画を明らかにしました。月内に支援対象を選定する予定で、予算は最大９０００万ウォン（約８２０万円）。
　市は「登録を通じ、慰安婦の歴史に関して正しい歴史観を確立するとともに、被害者の名誉を回復するため」と説明しています。
( ２０１６年０８月０３日，「赤旗」)

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ＮＨＫ経営委動向注視を／ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ醍醐聰共同代表

　この間のＮＨＫ経営委員会と会長選考をめぐる動きについて、「ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聰さんに寄稿してもらいました。

　６月２８日のＮＨＫ経営委員会で石原進氏が委員全員の一致で新しい経営委員長に選ばれた。しかし、その石原氏の言行歴には数々の重大な問題がある。
　１．石原氏は３年前のＮＨＫ会長選考の時、籾井（もみい）勝人氏を会長候補に推薦し、籾井氏選任に中心的役割を果たした委員だった。その籾井氏は会長就任後、「政府が右と言うことを左とは言えない」、「ＮＨＫが従軍慰安婦問題をどう扱うかは政府のスタンスを見極めてから」、「原発報道は、国民の不安をかき立てないよう、公的発表をベースにしてほしい」等々、ＮＨＫを国策報道機関のようにみなす発言を繰り返してきた。
　にもかかわらず、石原氏は経営委員長就任直後の記者会見でも、籾井会長には「誤解を生む発言があった」と述べて済ませた。「誤解」とは、誰の誤解なのか、籾井会長の発言を公共放送のトップと真逆と受け取るのは「正解」である。

前代未聞の会食
　２．石原氏は経営委員在任中の２０１４年７月１８日、福岡市内で開かれた九州財界人と安倍首相の会食に出席し、川内原発の早期再稼働を要請した。これに対し、安倍首相は「川内はなんとかしますよ」と応じたと伝えられている。さらに、石原氏は会食後、まるでスポークスマンかのように首相とのやりとりを記者団に明らかにしたとのことである。ＮＨＫの監督機関の委員が時の政権トップと会食をし、率先して原発再稼働を求めるとは前代未聞のことである。

戦後体制を敵視
　３.つい最近まで､石原氏は｢日本会議福岡｣の名誉顧問の職に就いていた｡しかし､｢日本会議福岡｣は､｢わが国の中心的慰霊施設である靖國神社への首相の参拝を支持し｣､｢占領軍の圧力によって制定された現行憲法も約６０年｡制定過程や内容､わが国を取り巻く現在の諸情勢からも憲法改正は必至｣などと謳(うた)う団体である。
　これほどまで露骨に、戦後の民主主義、憲法体制を敵視する団体の役員に現職のＮＨＫ経営委員が就いていたのでは、たとえ放送に直結しないこととはいえ、健全な民主主義の発達に資することをＮＨＫの役職員の職責とした放送法の精神に反することは明らかである。
　来年１月に籾井現会長の任期が切れるのに伴い、ＮＨＫ経営委員会は次期会長を選考する指名部会を７月末に立ち上げた。全国の２７の市民団体は経営委員会に対し連名で、①籾井氏の再選は絶対許されない、②視聴者の声を広く取り入れる候補者推薦制の採用を、という申し入れを行った。この要望を実現するため、各団体は目下、各界の団体にＮＨＫ会長候補を推薦し、経営委員会に提出してもらうよう呼びかけている。
　国策放送に傾斜したＮＨＫの報道を、国民の知る権利に応えるよう刷新することが、国民主権の政治を実現させる上で必須の課題となっている。そのためにも、多くの市民の方々にＮＨＫの番組を注視し、意見を発信していただくと同時に、経営委員会の動向に関心を向け、意見を届けていただくよう強く要望したい。
　（だいご・さとし）
( ２０１６年０８月０１日，「赤旗」)

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（７月ヘッドライン）

*         各地で戦争展／若い人見て・大阪／親子熱心に・奈良／派兵が心配・滋賀

*         来月第２週にも日韓局長級協議

*         元「慰安婦」財団が発足／韓国と緊密連携／官房長官

*         元「慰安婦」財団が発足／１０億円を拠出／来月にも日本政府

*         元「慰安婦」財団が発足／日韓「合意」履行へ努力／金理事長

*         「慰安婦」報道で名誉毀損認めず／東京地裁

*         財団設立の中止要求

*         日韓合意の履行確認

*         元慰安婦支援財団の設立申請

*         外相、ラオス訪問へ

*         元「慰安婦」ら特別法制定を要請

*         元「慰安婦」支援の「和解・癒やし財団」発足へ

*         日韓での相手国の印象／双方で初めて改善／世論調査

*         「慰安婦」財団発足へ

*         「慰安婦」資料の記憶遺産、各国市民団体が共同申請／上海師範大学中国慰安婦問題研究センター主任蘇智良さんに聞く／歴史から教訓引き出す

*         「慰安婦」合意／誠実に履行へ／日韓首脳

*         「日韓合意」から半年／「慰安婦」被害者、相次ぐ死去／平均年齢９０歳、残された時間わずか

*         日韓高官「着実に慰安婦合意実施」

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【７月本文】

各地で戦争展／若い人見て・大阪／親子熱心に・奈良／派兵が心配・滋賀

若い人見て／大阪
　大阪市天王寺区の大阪市立社会福祉センターで「平和のための戦争展」が開かれています。３０日まで。天王寺区平和委員会や年金者組合天王寺支部などでつくる実行委員会の主催です。
　戦争展は今回で５回目。大阪国際平和センター（ピースおおさか）から借りた大阪空襲の写真や資料、原爆が投下された広島・長崎の写真などを展示。アニメの上映や戦時中の新聞・雑誌なども展示しています。
　２９日には、１８歳のときに広島で被爆した末広千鶴子さん(８９)が被爆体験を、天王寺区在住の込山章さん(９０)が空襲の体験を語りました。
　インターネットで知り、展示を見に来た男性(２５)＝東大阪市＝は「当時の資料が展示されているのがすごい。若年層にも見てほしい。もっといろんな場所で戦争展を開いてほしい」と話しました。
　３０日は午前１０時～午後４時まで。大阪空襲や原爆の展示に加え、戦争法についての講演や楽器演奏などの文化行事を行います。

親子熱心に／奈良
「第２３回（２０１６年）平和のための奈良市戦争展」（同実行委員会主催）が３１日まで、奈良市生涯学習センターで開催されています。
　会場には、原爆や沖縄戦などの写真パネル、戦争体験者や日本軍「慰安婦」の証言、防空頭巾や旧日本軍の飛行服とマフラーなど当時を物語るものが多数展示され、年配の人や親子連れが熱心に見ていました。
　２９日には、奈良市在住の中田郁江さん(９１)が「わたしの受けた軍国教育」と題し、戦時中に受けた思想教育などについて語り、「（平和について）どんな小さなことでも、私たちが、一生懸命に考え行動することが、（子どもたちへの）大事な『種まくしごと』になっていきます」と話しました｡
　展示を見た、小学６年生の女の子は「授業で知らないことも知れて良かった」と話しました。
　３１日、午後１時半から同会場のロビーで同戦争展関連行事「ピースフェスタｉｎなら」が開催され、フラダンスや合唱、朗読などが行われます。

派兵が心配／滋賀
　滋賀県高島市の安曇（あど）川ふれあいセンター（ＪＲ安曇川駅下車徒歩９分）で、平和のための美術展･戦争展（実行委員会主催）が開かれています｡３１日まで｡
　会場には、県平和祈念館の貸し出し資料や戦時中の雑誌、学徒動員で配布された鉢巻き「神風」、市内在住の美術家・川合徹氏の彫刻作品、市民が出展した絵画、絵手紙、書など２００点以上が展示されています。
　２カ月の長女を抱いた夫といっしょに来場した女性(２５)は「自衛隊員の友人が今津駐屯（とん）地（高島市）にいます。安保法制で外国に行って、もしものことがないか心配です」と語りました。
　実行委員長の木津清司さん(６８)は「戦争法廃止の願いを込め、かつてない１００人を超える市民が美術作品を出展してくれました。ぜひ見に来てください」と話しています。
(２０１６年０７月３０日，「赤旗」)

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来月第２週にも日韓局長級協議

　【ソウル＝時事】韓国の聯合ニュースは２９日、日韓両政府が８月第２週にもソウルで局長級協議を行う方向で調整していると報じました。元慰安婦への支援などを行う韓国の「和解・癒やし財団」発足を受けた初の局長級協議となります。聯合は、日本から財団への１０億円の拠出時期に関し結論を出そうとする可能性もあると伝える一方、日本側は財団の具体的事業内容と１０億円の拠出時期を関連付ける可能性を示唆していると報じました。
　財団の金兌玄（キム・テヒョン）理事長は２８日の記者会見で、「恐らく１０億円はすべて、元慰安婦を支援するために使うだろう。それぞれに合わせた支援を行いたい」と述べています。
　これに関し２９日付の韓国日報は「拠出金の使途は韓日両国の協議で決定されるため、財団が思い通りに事業を進められるかどうかは不透明だ」と指摘。「日本は一部を韓国人留学生の奨学金に使うことを提案しており、財団とは見解の相違が表面化している」と報じました。
( ２０１６年０７月３０日，「赤旗」)

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元「慰安婦」財団が発足／韓国と緊密連携／官房長官

　菅義偉官房長官は２８日の記者会見で、昨年末の日韓合意に基づき韓国政府が元「慰安婦」を支援する財団を設立したことについて、「日韓両政府が合意を責任を持って実施することが重要だ。韓国側と緊密に連携したい」と述べました。
　政府は合意に沿って約１０億円の資金を８月にも財団に拠出することになっています。
　これに関し、菅長官は「日韓両政府で事業の詳細を調整中で、具体的な時期は未定だ」と説明。懸案となっているソウルの日本大使館前の少女像撤去については「韓国政府が適切に対応するのだろう」と語りました。
( ２０１６年０７月２９日，「赤旗」)

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元「慰安婦」財団が発足／１０億円を拠出／来月にも日本政府

　政府は昨年１２月の日韓合意に基づき、韓国政府が２８日に設立する元「慰安婦」を支援するための財団に対し、来月にも１０億円を拠出する方針を固めました。政府関係者が２６日、明らかにしました。日本側が求めていたソウルの日本大使館前の少女像撤去について、撤去に先立つ資金拠出を容認するもので、日韓関係改善を優先した判断とみられます。
　「慰安婦」問題をめぐる日韓合意は、韓国政府が元「慰安婦」を支援するため財団を設立し、日本政府が１０億円を拠出することなどが柱。少女像については、韓国政府が適切に解決させるよう努力することで合意しましたが、日本側には像の撤去を資金拠出の条件とすべきだとの声もありました。
( ２０１６年０７月２９日，「赤旗」)

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元「慰安婦」財団が発足／日韓「合意」履行へ努力／金理事長

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意に基づき元慰安婦への支援などを行う「和解・癒やし財団」が２８日午前、ソウル市内で初の理事会を開き、発足しました。日本政府は８月にも１０億円を拠出する方針で、合意の履行に向けて本格的に動きだしました。
　理事長の金兌玄（キム・テヒョン）誠信女子大名誉教授（６６）の記者会見前、会場には男女十数人が乱入し、演壇を一時占拠。会見後には、何者かが金理事長に液体を浴びせ救急搬送される事件も起き、波乱の船出となりました。
　金理事長は記者会見で「真心を尽くし、努力することが財団の歴史的責任、義務だと考えている」と抱負を語りました。「財団を受け入れない方もいることは知っているが、意思疎通の努力を続ければ、いつか共に歩むことができる日が来ると考えている」と期待をにじませました。
　日本大使館前に設置された少女像については「（日本の）１０億円の拠出とは別問題だ。少女像と関連付けて出資されることは絶対ない」と断言しました。　合意に反発している元慰安婦支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」は財団設立の中止を求め、ソウル市内の財団事務所前で２８日、抗議デモを行いました。
( ２０１６年０７月２９日，「赤旗」)

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「慰安婦」報道で名誉毀損認めず／東京地裁

　朝日新聞社の従軍「慰安婦」報道によって日本国民としての人格権や名誉権を傷つけられたとして約２万５０００人が同社に謝罪広告掲載と１人１万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁（脇博人裁判長）は２８日、「原告個人の名誉が毀損（きそん）されたとは言えない」として請求を棄却しました。
　原告側は、朝日新聞が１９８２～９４年に掲載した１３本の記事について、「『旧日本軍はアジア各地で多くの女性を強制連行し性奴隷とした』との汚名を着せ、日本国民の国際的評価を著しく低下させた」と訴えていました。
　脇裁判長は「報道により、日本政府に対する批判的評価が生じることがあるとしても、個人の人格権を侵害するとは言えない」と述べました。
( ２０１６年０７月２９日，「赤旗」)

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財団設立の中止要求

　【ソウル＝時事】韓国の元慰安婦支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」などは２７日、ソウル中心部の日本大使館前に設置された少女像を囲んで水曜日恒例の集会を開催し、日韓合意に基づく財団の設立中止を要求する声明を発表しました。
　声明は「（慰安婦問題に関する日韓合意は）被害者の人権回復を無視した拙速な野合であり、少女像まで撤去させようとする屈辱的合意」と主張。財団設立について「被害者の同意を得ずに進められており、被害者への冒涜（ぼうとく）だ」と非難しました。
( ２０１６年０７月２８日，「赤旗」)

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日韓合意の履行確認

　【ビエンチャン＝時事】岸田文雄外相は２５日、ラオスのビエンチャンで韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相と会談し、慰安婦問題に関する昨年１２月の日韓合意を誠実かつ着実に履行していくことを確認しました。合意に基づき韓国側が２８日にも発足させる元慰安婦支援財団についてもすり合わせを行いました。
　岸田氏は席上、「昨年１２月の日韓合意以来、日本と韓国の関係は、前向きに進展していると感じている」と強調。財団には、日本側が約１０億円を拠出することが決まっています。資金拠出の時期などについて調整を進めたとみられます。
　両外相はまた、核・ミサイル実験などを繰り返す北朝鮮への対応についても連携を確認。岸田氏は、北朝鮮ミサイルに備える最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」の在韓米軍への配備を支持すると伝えました。
　仲裁裁判で中国の主張が退けられた南シナ海問題については、「紛争の平和的解決に向け日韓両国で連携していく」との方針で一致しました。
( ２０１６年０７月２６日，「赤旗」)

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元慰安婦支援財団の設立申請

　【ソウル＝時事】日韓合意に基づく元慰安婦支援財団設立の準備委員会は、女性家族省に対し、財団設立申請書を提出しました。週明けに承認される見通し。発足は当初予定された２７日から２８日に変更されました。準備委の金兌玄（キム・テヒョン）委員長（誠信女子大名誉教授）が２３日、明らかにしました。
　金委員長は「さまざまな状況により、設立の日取りは２８日に延期された」と述べました。財団の名称は「和解・癒やし財団」に確定、金氏が理事長に就任します。
( ２０１６年０７月２５日，「赤旗」)

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外相、ラオス訪問へ

　岸田文雄外相は２４日から、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）関連外相会議出席のため、ラオスの首都ビエンチャンを訪問します。一連の会議では、南シナ海の領有権に関する中国の主張を退けた仲裁裁判判決を受けた対応が主要議論になる見通し。岸田氏は、国際法に従って紛争を解決する重要性を訴え、中国に判決の順守を求めるとともに、各国に連携を働き掛ける方針です。
　岸田氏は、日本とＡＳＥＡＮの外相会談やＡＳＥＡＮ地域フォーラム（ＡＲＦ）閣僚会合などで日本の立場を表明します。
　ＡＳＥＡＮ議長国を務めるラオスのサルムサイ外相や、判決の当事国であるフィリピンのヤサイ外相らとも個別に会談します。
　岸田氏は、中国の王毅外相とも会談する方向で、判決を受け入れない考えを示している中国に対し、判決に従うよう直接迫ります。中国軍の活動が活発化する東シナ海情勢についても懸念を伝える見通し。
　一方で、９月に中国・杭州で開催される２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議に合わせた日中首脳会談の実現に向けて、２国間の対話促進について意見を交わします。
　ＡＲＦ閣僚会合には、北朝鮮の李容浩（リ・ヨンホ）外相が出席する予定で、岸田氏と李氏が接触する可能性もあります。岸田氏は韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相との会談も調整しており、慰安婦問題をめぐる日韓合意を誠実に履行することを確認する方針。
( ２０１６年０７月２４日，「赤旗」)

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元「慰安婦」ら特別法制定を要請

　【ソウル＝時事】韓国の元慰安婦３人と支援団体代表らが２１日、国会を訪れ、慰安婦問題をめぐる日韓合意に反対を表明、元慰安婦の生活支援や記念事業を推進するための特別法を改めて制定するよう求める請願書を提出しました。
　請願書は、特別法により、元慰安婦支援や記念事業を担当する大統領直属の委員会を設置し、国会への活動報告を義務付けるよう要請。また、８月１４日を「慰安婦被害者追悼の日」と定めるよう求めています。
　元慰安婦らは国会で発表した声明文で「われわれ当事者を失望させた（慰安婦問題に関する）韓日合意は無効だ」と主張しました。
( ２０１６年０７月２２日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援の「和解・癒やし財団」発足へ

　【ソウル＝時事】日韓合意に基づく元慰安婦支援財団が２７日に発足することが確定しました。名称は「和解・癒やし財団」に決まりました。設立準備委員会の金兌玄（キム・テヒョン）委員長（誠信女子大名誉教授）が２１日、明らかにしました。財団の理事長には金氏が就任します。
( ２０１６年０７月２２日，「赤旗」)

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日韓での相手国の印象／双方で初めて改善／世論調査

　日本の民間シンクタンク「言論ＮＰＯ」（工藤泰志代表）は２０日、韓国のシンクタンク「東アジア研究院」と共同で実施した「日韓共同世論調査」の結果を公表しました。相手国に対する印象を「良くない」「どちらかといえば良くない」とする回答は、日本人約４割（４４・６％、前年５２・４％）、韓国人約６割（６１％、前年７２・５％）に達するものの、調査を開始した２０１３年以来、日韓双方で初めて前年と比べ改善しました。
　現在の日韓関係についても「非常に悪い」「どちらかといえば悪い」とする回答が、日本人は５０・９％（前年６５・４％）、韓国人６２・３％（同７８・３％）となったものの、いずれも前年と比べ改善しています。
　工藤代表は同日の記者会見で、両国世論の変化について、「昨年秋以降、政府間のコミュニケーションが活発になり、１２月には慰安婦問題で合意がなされたことなど政府間関係の改善が反映されたのではないか」と述べました。一方、「この改善傾向が将来にわたって続くと両国民が確信するまでには至っていない」と指摘。「日韓関係を長期的により良いものにするためには、未来に向けた共通の課題に協力して取り組んでいく必要がある」と述べました。
( ２０１６年０７月２２日，「赤旗」)

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「慰安婦」財団発足へ

　【ソウル＝時事】日韓合意に基づく元慰安婦支援財団が２７日にも発足する見通しとなりました。設立準備委員会関係者が１９日、明らかにしました。
　財団の理事長には準備委の金兌玄（キム・テヒョン）委員長（誠信女子大名誉教授）が就任します。
　準備委関係者は「財団は２７日にも発足すると聞いている。ただ、具体的な日程が正式に決まったわけではない」と語りました。
( ２０１６年０７月２１日，「赤旗」)

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「慰安婦」資料の記憶遺産、各国市民団体が共同申請／上海師範大学中国慰安婦問題研究センター主任蘇智良さんに聞く／歴史から教訓引き出す

　日中韓など１０以上の国・地域の市民団体が５月、旧日本軍の「慰安婦」問題関連資料を国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界記憶遺産へ共同で申請しました。来年１０月にも結論が出る見込みです。中国の代表を務める上海師範大学中国慰安婦問題研究センターの蘇智良（そちりょう）主任に申請の意義を聞きました。
　（上海＝小林拓也　写真も)

　ユネスコは昨年１０月、中国が申請した２件のうち、南京大虐殺の関連資料を世界記憶遺産へ登録しましたが、「慰安婦」問題の関連資料の登録は見送りました。その後、ユネスコの専門家委員会は、旧日本軍「慰安婦」問題は中国だけではなく、日本軍に占領された地域すべての問題であり、共同申請が望ましいとする意見を伝えてきました。

１０超す国・地域
　ユネスコの意見を受け、日中韓、フィリピンやインドネシア、オランダ、オーストラリア、台湾など１０以上の国・地域の市民団体が共同で申請することになりました。「慰安婦」問題に関し、各国の市民団体は２０年以上にわたり、共同で調査や研究、被害者支援をしてきた歴史があります。ほぼ毎年、会議などで顔を合わせており、申請に向けた合意づくりにそれほど困難はありませんでした。
　申請した資料は計２７４４件です。資料は二つの部分に分かれています。一つは、「慰安婦」問題の歴史的資料です。旧日本軍や日本政府の関連資料、旧日本兵や関係者の証言などです。
　もう一つは、１９９０年代から続いている「慰安婦」問題の調査・研究、裁判記録などの真実を求めるたたかいに関わる資料です。
　第２次世界大戦中の資料などは貴重であり、世界記憶遺産への登録を通じて確実に次世代に伝えていきたい。

罪の忘却を拒絶
　「慰安婦」制度は、旧日本軍が推進した性奴隷制度で、人類の歴史上でもまれに見る反人道的罪です。世界記憶遺産への申請は、日本に対抗するものではなく、戦争が引き起こした罪の忘却の拒絶が目的です。歴史から教訓を引き出し、アジアと世界の平和を維持するという大きな意義があると考えています。
　日本政府は昨年末、韓国政府と「慰安婦」問題の「不可逆的な解決」で合意しました。日本政府が真に「不可逆的な解決」を望むのなら、今回の記憶遺産申請に対し、公然とした反対を控えるべきです。もし昨年のように強く反対するのなら、日本のイメージを傷つけることになります。
( ２０１６年０７月１８日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意／誠実に履行へ／日韓首脳

　【ウランバートル＝時事】安倍晋三首相は１５日、韓国の朴槿恵大統領とモンゴル・ウランバートルで開かれたアジア欧州会議（ＡＳＥＭ）の夕食会で対話し、慰安婦問題に関する昨年１２月の日韓合意を誠実に履行していくことを確認しました。
　両首脳は夕食会の席で隣り合わせました。日韓首脳の直接対話は３月のワシントン以来。韓国政府は日韓合意に基づき元慰安婦を支援する財団を近く設立することにしており、朴大統領は韓国国内に根強い反対論にかかわらず、合意履行への決意を示した形です。
　両首脳は、挑発行為を繰り返す北朝鮮に、緊密に連携して対処していくことでも一致。首相は、北朝鮮弾道ミサイルに備える最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」の在韓米軍への配備に支持を表明しました。
( ２０１６年０７月１７日，「赤旗」)

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「日韓合意」から半年／「慰安婦」被害者、相次ぐ死去／平均年齢９０歳、残された時間わずか

　韓国の日本軍「慰安婦」被害者で、日本に謝罪と賠償を求める活動にも参加してきた柳喜男（ユ・ヒナム）さんが１０日、ソウル市内の病院で息を引き取りました。８７歳でした。柳ハルモニ（おばあさん）は生前、「再びこのようなつらい歴史が繰り返されてはいけない」と語っていました。

　日韓両外相による「慰安婦」問題の解決に向けた「合意」から半年。この間、６人の被害者が亡くなりました。
　「『ビール工場で働かせてあげる』と言われて連れていかれた」「仕事を紹介するとだまされた」―。被害を受けた状況はまちまちです。また声をあげられずに亡くなった被害者もいます。

心身に深い傷
　柳ハルモニは１５歳のときに日本の下関に連れてこられ、「慰安婦」としての生活を強いられます。戦後、帰国しますが、慰安所での生活を知られるのが怖くて、両親のもとに戻ることはできませんでした。体と心に負った傷は深く、最後まで不眠症などに悩まされました。
　被害者だと公にするようになったのは２０１２年、夫と死別し、被害者たちが共同生活する「ナヌムの家」で暮らすようになってからのことでした。
　中国の黒竜江省東寧市に住んでいた李寿段（イ・スダン）さんは今年５月、同地の老人施設で亡くなりました。９５歳でした。
　晩年は認知症となり、赤ちゃんの人形をわが子のようにかわいがっていた様子は、「慰安婦」被害者を撮り続けている韓国人写真家の安世鴻（アン・セホン）さんの作品で紹介されています。
　李ハルモニは故郷の平壌で「工人（工場などの作業員）」の募集広告を見て、中国のハルビンへ行きましたが、ロシア国境沿いの慰安所へ連れていかれます。終戦後は、中国に置き去りにされ、その後、故郷に帰ることはできませんでした。

生存者４０人に
　韓国政府に登録されている被害者２３８人のうち、生存者は４０人となりました。昨年は９人が亡くなっており、現在、平均年齢は９０歳に迫っています。生き証人である被害者の声を聞くことができる時間は、もう、わずかしか残されていません。
　（栗原千鶴）
( ２０１６年０７月１５日，「赤旗」)

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日韓高官「着実に慰安婦合意実施」

　ハワイでの日米韓外務次官協議に出席するためホノルル入りした外務省の杉山晋輔事務次官は１３日（日本時間１４日）、韓国の林聖男（イム・ソンナム）外務第１次官と会談し、「慰安婦」問題をめぐる昨年末の日韓合意を着実に実施する方針で一致しました。外務省が発表しました。北朝鮮問題に関する日韓、日米韓の緊密な連携も確認しました。
( ２０１６年０７月１５日，「赤旗」)

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（６月ヘッドライン）

*         旧日本軍「慰安婦」追悼公園の起工式

*         文化庁戦争遺跡調査／発表遅れ〝お蔵入り〟も／沖縄戦の評価めぐり

*         朝の風／韓国の「慰安婦」被害者の物語

*         憲法９条守り生かす／青森母親大会／たなぶ統一候補あいさつ

*         日本の加害性、理解度低く／大学生に２０世紀の歴史アンケート／〝大学で基礎知識の講義を〟／市民ネット

*         命が大切にされる社会を／静岡県母親大会が決議

*         歴史学研究会大会から／全体会・売春女性と海外膨張政策／現代史部会・基地たらい回しの構図

*         戦争法／違憲訴訟へ原告団／「女の会」が発足集会開く

*         「戦争写真展」涙ぐむ姿も／秋田・大館

*         「慰安婦」合意を批判／韓国で独自財団を創設

*         元「慰安婦」支援の団体が財団

*         「慰安婦」資料を記憶遺産に／ユネスコに申請／日中韓など８カ国・地域の連帯組織

*         元「慰安婦」支援の団体が財団

*         「慰安婦」資料を記憶遺産に／ユネスコに申請／日中韓など８カ国・地域の連帯組織

*         「慰安婦」問題／被害者置き去りを批判／歴史学関係１５団体が声明

*         少女像問題切り離す／「慰安婦」財団準備委が初会合

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【６月本文】

旧日本軍「慰安婦」追悼公園の起工式

　【ソウル＝時事】ソウルの韓国統監官邸跡地で２９日、旧日本軍の慰安婦を追悼する公園「記憶の場」の起工式が行われました。市民団体が募金で造成を推進、日本の植民地支配からの解放記念日（光復節）である８月１５日完成を目指します。
　朴元淳ソウル市長はあいさつで「わが民族の苦悩と痛みの象徴だ。多くの国民が訪れ、このような悲しみが繰り返されないよう決意を新たにする場になればいい」と述べました。
　元慰安婦の金福童さんは「（日本は）法的責任を認め、謝罪すべきだ。お金は後の問題だ」と語り、慰安婦問題に関する日韓合意を批判。合意に基づいて支給される資金を受け取らない考えを強調しました。
( ２０１６年０６月３０日，「赤旗」)

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文化庁戦争遺跡調査／発表遅れ〝お蔵入り〟も／沖縄戦の評価めぐり

　文化庁が実施してきた、幕末から太平洋戦争終結までの全国に残る軍事遺跡の調査報告書が、２００８年度に公表が予定されていながら、沖縄戦関連の評価、記述をめぐって現在も発表のめどがたっていないことが戦跡保存研究者と文化庁への取材で分かりました。
　（山本眞直）

　大幅に遅れているのは文化庁が取り組む、近代遺跡調査の一つ、「近代遺跡調査９政治軍事」。
　調査は、１９９６年の原爆ドーム世界遺産登録を契機に戦争遺跡の文化財指定が拡大され、９８年からの文化庁の近代遺跡全国調査に「政治・軍事」分野が入りました。

０８年の予定が
　文化庁は沖縄県の南風原陸軍病院壕（ごう）、旧海軍司令部跡など全国の軍事遺跡５０カ所を詳細調査の対象に選定しました。
　同時に２９都道府県の戦争遺跡についても調査が必要と判断。建築史、歴史分野の研究者、専門家に遺跡の由来や文化的価値、保存状況についての調査を依頼、報告書にまとめるとしてきました。
　沖縄では県民を巻き込んだ唯一の地上戦、沖縄戦の実相を踏まえた「沖縄の軍事遺跡」のテーマで池田栄史琉球大学教授（考古学）らが調査、執筆しました。
　ところが０８年当時、戦争遺跡保存関係者などでつくる「戦争遺跡保存全国ネットワーク」が文化庁の担当者に公表の見通しを問い合わせた際、返ってきたのが「３５０㌻分そろっているが上からストップがかかっている」という回答でした。
　池田教授は「発表が遅れているのは国の刊行物として、国際的な影響など政治レベルの判断、議論があるようだ」としています。
　本紙の取材に同庁記念物課は、現在も「沖縄戦は微妙で、公表の見通しはたっていない」こと、沖縄戦の評価、記述が〝公表見送り〟の主な要因になっていることを事実上、認めました。

政権の意向も
　沖縄戦問題をめぐっては０６年に安倍政権による高校日本史教科書検定で「日本軍による集団自決の強制」を削除、１２年には自民、公明党が支える仲井真県政が旧第３２軍の首里司令部壕説明板から「慰安婦」「住民虐殺」の記述を削除しました。
　さらに１５年６月には仲里利信衆院議員の質問主意書への答弁で「集団自決が軍による住民への直接的な強制を示す根拠は確認できなかった」として検定撤回はしないとの閣議決定をしました。
　全国ネットワークの十菱駿武共同代表はこう指摘します。「文化庁の公表先送り、事実上の〝お蔵入り〟が沖縄戦の実相をゆがめようとしている安倍政権の意向を受けた判断とすれば許されない。早期に公表すべきだ」
( ２０１６年０６月２９日，「赤旗」)

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朝の風／韓国の「慰安婦」被害者の物語

　日本軍「慰安婦」の韓国人被害者を描いた絵本『終わらない冬』日本語版が刊行されている。これは絵本『終わらない冬』出版日本の会の尽力で、昨年８月、日本機関紙出版センターから発行されたものだ。
　原書の刊行は日本が韓国を併合して１００年になる２０１０年８月１５日。日本語版はそのちょうど５年後に出たことになる。
　主人公「わたし」は被害者のハルモニ（おばあさん）。彼女は１５歳で日本軍に連行され、他の娘たちと沖縄のある島へ送られて、兵士の「性」の相手を強制される。体と心が壊れる生活が始まった。食事はごく少量。娘たちはいつも見張られ、話もできず、彼女の同郷の友は海に身を投げた。
　やがて米軍の猛攻で島は大混乱になる。日本軍に置き去りにされた娘たちは村人と山中へ。日本の敗戦。故郷へ引き揚げ…。
　物語の作者は韓国の平和運動家カン・ジェスクさん、絵は韓国生まれで米国籍の画家イ・ダムさん。日本語訳はヤン・ユハさんと都築寿美枝さん。本文は露骨な表現を極力避け、抑制のきいた平易な筆致で感性に訴える象徴性豊かな創作。ワックス画法の絵は暗い色調と重厚なタッチで具体性をもって力強く心に迫る。
　（千）
( ２０１６年０６月２９日，「赤旗」)

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憲法９条守り生かす／青森母親大会／たなぶ統一候補あいさつ

　第６０回青森県母親大会が２６日、八戸市で開かれ、４７５人が参加しました。年金、ＴＰＰ、憲法、原発など８分科会、２見学分科会､２講座､｢うたごえ喫茶｣が行われました｡
　全体会には、たなぶまさよ野党統一候補（民進）が来賓あいさつ。「子どもの貧困・格差の問題が広がる日本の現状から目をそらしてはいけない。安保法制に反対し、いのちを守ろう。力を合わせ平和・未来を守っていこう｣と呼びかけ､大きな拍手を受けました。
　元ＮＨＫディレクターの池田恵理子さんが講演。「慰安婦」問題を無視するような報道の変化は、戦争への道につながる恐れが大きいと語り、「政府・自民党のＮＨＫへの圧力はメディアの魂を奪い、メディアがその使命を果たすことを困難にしている」と述べました。
　戦争法廃止、立憲主義の原則回復、憲法９条を守り生かすことを決議しました。
(２０１６年０６月２８日，「赤旗」)

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日本の加害性、理解度低く／大学生に２０世紀の歴史アンケート／〝大学で基礎知識の講義を〟／市民ネット

　大学に、戦後世界史と日本史の関わりを総合的に学ぶ教養科目を設けようと運動している市民ネットワークは１４日、大学生の歴史認識に関する調査結果を発表しました。全国１３大学の学生２５００人を対象に今年４月、２０世紀の歴史理解度をアンケート調査したものです。
　近代の日本による台湾・朝鮮の植民地化と、日中戦争については、約８割が「知っている」と回答。「あまりよく知らない」「知らなかった」は約２割でした。
　７０項目にわたる具体的な歴史事象についての設問では、アジア太平洋戦域において日本の加害性が問われる「日韓併合条約」「三・一独立運動」「従軍慰安婦」「南京事件」「７３１部隊」「中国人朝鮮人徴用」などを「説明できる」と答えたのは、いずれも５０％以下。「琉球処分」「沖縄占領継続」「沖縄施政権返還」については、「説明できる」が３０％台でした。
　「説明できる」が多かったのは、「原爆投下」７７％、「ポツダム宣言」７０％、「真珠湾攻撃」６８％、「日露戦争」６６％でした。
　調査結果について市民ネットワークは、アジア太平洋戦争における日本の被害や、ポツダム宣言から日本国憲法制定、サンフランシスコ条約、日米安保条約にいたる歴史的経緯の理解度は高いものの、日本の加害性や沖縄問題の理解度が低いと指摘。文科省の学習指導要領などの統制を受けない大学で、２０世紀史の基礎知識を補修する講義が必要だと提言しました。
　同ネット代表の清眞人・元近畿大学教授は、「歴史に興味をもった契機は高校の授業だと答えた学生が大半だったが、高校の歴史の先生は大変な制約の中で苦労している。高校と大学の教員が連携し、若者に２０世紀史の学習機会を提供していくために議論しなければならない」と訴えました。
　同ネット呼びかけ人の柿崎繁・明治大学教授は、卒業生たちの海外での経験を紹介し、「語学ができても歴史を知らなければ、ビジネスの場でも冷たい目で見られる」と話しました。
　呼びかけ人の大日方純夫・早稲田大学教授は、「自然科学の分野でも、その学問をどう生かし、どう歴史に位置づけるのかと捉えることが不可欠だ」とのべ、歴史教育が必要なのは人文系の学生に限らないと強調し、未来を展望するための歴史教育の充実を訴えました。
( ２０１６年０６月２８日，「赤旗」)

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命が大切にされる社会を／静岡県母親大会が決議

　第５４回静岡県母親大会が１９日、島田市の県立島田工業高校で行われました。母親ら１６２３人が参加し、「あなたこそたからもの、いのちが大切にされる社会に」をスローガンに学び、語り合い、最後に安保法制（戦争法）廃止へ行動する特別決議を採択しました。
　全体会で、粕谷たか子・県実行委員長は「安保法制により命が危惧される今だからこそ、一人ひとりの命と人権が大事にされる社会の実現をめざし行動していきましょう」と訴えました。松木廣美・開催地実行委員長は「今ある平和は多くの人々の運動と平和憲法によって守られてきました。今度は私たちが子どもや孫にこの平和のバトンを渡そう」と呼びかけました。
　記念講演で、池田恵理子氏（元ＮＨＫディレクター）が、日本軍「慰安婦」問題が政府の圧力で報道規制されてきたことを説明。「ＮＨＫが安保法制や秘密保護法で政府広報となっている。日本を戦争する国にさせないために国民が声をあげよう」と訴えました。
　ママの会、レッドアクションのメンバーが運動報告。染谷絹代・島田市長があいさつしました。
　「子育て、教育」「暮らし」「平和と民主主義」などをテーマにした２４の分科会も行われました。
(２０１６年０６月２２日「赤旗」)

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歴史学研究会大会から／全体会・売春女性と海外膨張政策／現代史部会・基地たらい回しの構図

　歴史学研究会の大会が５月２８・２９の両日、東京で開かれました。移動にともなう性と権力をテーマにした全体会と、軍事と社会空間に焦点を当てた現代史部会の報告を紹介します｡
　（清水博、田中佐知子）

全体会／売春女性と海外膨張政策
　全体会では、地域や国を越えた移動によって生まれる男女の性的関係から、社会のありかたを考察しようと３人が報告に立ちました。
　嶽本新奈・立教大学ジェンダーフォーラム教育研究嘱託員は、明治期以降の海外の日本人娼婦「からゆきさん」の渡航をもたらした社会的条件や、当時の議論を分析しました。
　開国後、上海に日本人娼婦が増加。日本政府は、国家の体裁をおとしめるとして取り締まりの対象にします。１８９１年、帝国議会には売春目的の女性、渡航あっせん業者、ほう助者らを処罰する法律が提出されますが、翌月には撤回。売春女性や業者の海外渡航を禁じた１８９６年の「移民保護法」も、「清国」と朝鮮を適用除外とし、むしろ渡航の便宜を図りました。
　嶽本氏は｢政府資料には､海外膨張を政策の中心に据え、日本人男性の移動や定住を促すために日本人女性による性的慰安が必要との認識が示されている」と指摘｡女性の身体を管理し、日本人男性に「供給」しようとする点で、後の日本軍「慰安婦」制度にもつながり、これらの主張が常に海外膨張論と抱き合わせになっている点を強調しました。
　「からゆきさん」は、政府・国家から末端のあっせん業者まで複層的な権力に取り巻かれていたと指摘。権力構造の中に置かれた女性の主体性をどう捉えるかが今後の課題だと述べました。
　九州大学の清水和裕教授は、７～１３世紀の初期イスラム時代の奴隷女性の役割を検証。イスラム社会の外から奴隷として連れてこられる女性は、「家族」として家長の支配下に置かれて、主人の子を産んだと述べ、「他者」を社会に統合していく奴隷制度の一側面を報告しました。
　松本悠子・中央大学教授は、１８００年代後半から１９２０年代における米国の移民法が、アジアからの売春女性たちの入国を阻止しようとしている点に触れ、性をめぐる権力は、人種の混合を好ましくないと考える社会の規範と密接に関わっていると話しました。

現代史部会／基地たらい回しの構図
　現代史部会は、米軍と接触を余儀なくされた側の視点から、「軍事的なもの」との接触による社会の変容を考察しました。
　明田川融・法政大学講師は横浜市中心部の米軍接収施設をめぐり、１９５１～５２年に接収解除を陳情していた同市と神奈川県の政界・財界が、県内の他の地域への米軍基地移転は容認していたことを、地位協定関連の県文書から指摘。日本政府と沖縄の関係で指摘される、強者が弱者に負担をたらい回しする「小突き」の構図が起きていたことを明らかにしました。
　基地外での米兵犯罪で、日本側が第１次裁判権を自発的に放棄する密約や、米兵の「公の催事」での飲酒を公務扱いとする密約の経過も検討し、具体的な密約の手法は日本側が提案したことを示し、米側の要求だけでない日米「合作」の産物だと結論付けました。
　５０年代の日米交渉後、海兵隊の沖縄移駐などで占領下の沖縄の米兵犯罪が急増し、住民と米軍が衝突した経緯も考察しました。
　長島怜央・法政大学講師はグアムの先住民の運動について報告しました。日本軍からの「解放者」である米軍の存在に肯定的だった先住民チャモロ人のなかで、１９７０年代以降台頭し、９０年代から先鋭化してきたチャモロ・ナショナリズムについて分析。米軍に入隊したことで、かえってマイノリティー意識に目覚めた退役軍人らが担い手になっていること、一方で、功績や男らしさの誇示などアメリカの軍隊文化も共有していることなど、運動の複雑な性格を紹介しました。
　木戸衛一・大阪大学准教授が、「対テロ戦争」を推進し軍事化を強めるドイツの現実を指摘。ロメロ・イサミ帯広畜産大学講師が、米軍が撤退したパナマと存続するグアンタナモ米軍基地を比較しました。各地の差異や共通点をめぐり、活発な討論が行われました。
( ２０１６年０６月１４日，「赤旗」)

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戦争法／違憲訴訟へ原告団／「女の会」が発足集会開く

　戦争法によって憲法で保障された女性としての人権が侵害されているとして、国家賠償訴訟を起こそうと、女性でつくる原告団「安保法制違憲訴訟・女の会」の発足集会が１０日夜、東京都文京区で開かれました。
　同日までに、全国から６０人が原告団に参加。今後も増える見込みです。終戦記念日の８月１５日、東京地裁に提訴を予定。集団的自衛権の行使を容認する閣議決定や戦争法施行などにより、テロや戦争のほか、女性に対する差別や暴力の危険性を高めたと主張することにしています。
　集会では原告団の女性が、提訴への思いを語りました。
　東京都小金井市の柴山恵美子さん（８５）は、戦前の〝産めよ増やせよ〟の国策や自身の母の体験を告発し､｢戦争によって女性たちの母性が破壊された」と訴え、安倍政権が同じことを繰り返そうとしていると批判しました。
　「女たちの戦争と平和資料館」館長の池田恵理子さん（６５）は、日本軍「慰安婦」など戦時性暴力をめぐり「安倍政権のもとで戦争が起こったら、どんな恐ろしい人権侵害と女性への被害が及ぶかを考えると許せない」と述べました。
( ２０１６年０６月１２日，「赤旗」)

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「戦争写真展」涙ぐむ姿も／秋田・大館

　秋田県大館市で「平和のための戦争写真展」（大館平和委員会、大館地域労連、大館年金者組合、日中不再戦友好碑をまもる会などでつくる同実行委員会の主催）が４、５の両日、開かれました。
　原爆、沖縄戦、日本軍「慰安婦」、中国南京事件、花岡事件、大館の平和運動などの写真、版画が展示され４００人以上が入場。涙ぐみ見入る人や「こんな事は絶対に起こしてはならない」などの感想が寄せられました。
　５日は１９６８年に花岡小学校６年生が平和学習の一環として花岡事件を題材に作った「紙芝居」を上演。初めて見る人たちも多く、驚いた様子でした。青森県平和委員会代表理事の中屋敷泰一さんが三沢基地の実態について講演しました。
　会場では戦争法廃止２０００万署名と原水爆禁止の世界署名を呼びかけ、多くの人が署名しました。
(２０１６年０６月１１日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意を批判／韓国で独自財団を創設

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に反対する民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」が中心となり、元慰安婦支援や関連資料収集などを行う「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」が９日、創設されました。理事長には盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権で女性相を務めた池銀姫（チ・ウンヒ）氏（６８）が就任しました。
　理事には挺対協の尹美香（ユン・ミヒャン）常任代表が加わり、顧問として元慰安婦６人が名を連ねました。
　池理事長はソウル市内で記者会見し、「韓国政府は被害者や関連団体と協議せず、国民の同意も求めないまま、（日本政府との）『最終的かつ不可逆的な解決』に合意した」と批判。「問題の正しい解決に向け、財団に参加することにした」と決意を語りました。
　また、日韓合意に基づいて設立される財団には「合流する考えはない」と強調。「慰安婦という概念は正確ではない」と主張し、「日本軍性奴隷制問題解決のための財団だ」と訴えました。
( ２０１６年０６月１０日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援の団体が財団

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に反対している民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」は８日、韓国政府が設立を目指している財団に対抗し、元慰安婦を独自に支援していくため、「正義と記憶財団」を創設すると発表しました。
( ２０１６年０６月０９日，

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「慰安婦」資料を記憶遺産に／ユネスコに申請／日中韓など８カ国・地域の連帯組織

　【ソウル＝時事】日中韓など８カ国・地域の市民団体の連帯組織が旧日本軍の慰安婦問題関連資料２７４４件について、国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界記憶遺産への登録申請を行いました。準備を主導した申恵秀（シン・ヘス）梨花女子大教授が１日、記者会見し発表しました。
　昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意には、両国が互いに国際社会での非難を控えることも盛り込まれていますが、申教授は「被害者の名誉と尊厳回復の道であり、日本を誹謗（ひぼう）するわけではない」と説明。「通常は政府主導で申請するが、今回は市民団体が中心に進めた点に意味がある」と指摘しました。
　資料は元慰安婦の証言記録や第２次大戦当時の関連文書、元慰安婦支援団体の活動記録など。申教授は「記憶遺産申請としては、過去最大規模」と強調、「来年１０月までには決定されるのではないかとみている」と語りました。
( ２０１６年０６月０３日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援の団体が財団

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に反対している民間団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」は８日、韓国政府が設立を目指している財団に対抗し、元慰安婦を独自に支援していくため、「正義と記憶財団」を創設すると発表しました。
( ２０１６年０６月０９日，「赤旗」)

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「慰安婦」資料を記憶遺産に／ユネスコに申請／日中韓など８カ国・地域の連帯組織

　【ソウル＝時事】日中韓など８カ国・地域の市民団体の連帯組織が旧日本軍の慰安婦問題関連資料２７４４件について、国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界記憶遺産への登録申請を行いました。準備を主導した申恵秀（シン・ヘス）梨花女子大教授が１日、記者会見し発表しました。
　昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意には、両国が互いに国際社会での非難を控えることも盛り込まれていますが、申教授は「被害者の名誉と尊厳回復の道であり、日本を誹謗（ひぼう）するわけではない」と説明。「通常は政府主導で申請するが、今回は市民団体が中心に進めた点に意味がある」と指摘しました。
　資料は元慰安婦の証言記録や第２次大戦当時の関連文書、元慰安婦支援団体の活動記録など。申教授は「記憶遺産申請としては、過去最大規模」と強調、「来年１０月までには決定されるのではないかとみている」と語りました。
( ２０１６年０６月０３日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／被害者置き去りを批判／歴史学関係１５団体が声明

　歴史学研究会など歴史学関係の１５団体が３０日、国会内で会見し、昨年末の日本軍「慰安婦」問題の日韓合意以降の動向に対し、被害者を置き去りにしたまま政府間で一方的に決着をはかろうとしていると批判の声明を発表しました。
　声明は、日韓合意が「慰安婦」制度の責任を「軍の関与」と曖昧にし、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」したことについて、「今後、歴史研究の進展にともなう新たな評価と問題解決の可能性が失われるのは不適切」と主張。加えて、合意は歴史教育に言及していないと指摘し、教育によって歴史的事実を伝えていくことを求めています。
　吉見義明・中央大学教授の著書を、「捏造」と発言した日本維新の会（当時）の桜内文城衆院議員（当時）を名誉毀損で訴えた訴訟で、原告敗訴とした地裁判決についても、「学界で広く受け入れられてきた研究成果を、『捏造』と公言することの重大さを理解していない」と批判。日韓両政府と日本の司法関係者に「慰安婦」問題の真に根本的な解決への取り組みを求めています。
　歴史学研究会前委員長の久保亨・信州大学教授は声明について、「日韓合意で最終的に解決したという雰囲気が日本にあるのは問題。多くの未解決の問題があることを歴史研究者の立場から提起するべきだと考えた」とのべました。
　吉見裁判支援の会事務局長の加藤圭木・一橋大学専任講師は、「不当な判決によって、吉見氏の研究を『捏造』とする風潮が強まっている。声明は、この判決を歴史学会が自らに対する全面的な挑戦と受け止め、強く抗議したものだ」と話しました。
　声明は、歴史学研究会、日本史研究会、歴史科学協議会、歴史教育者協議会などが呼びかけ、現在１５の団体から賛同が寄せられています。
( ２０１６年０６月０１日，「赤旗」)

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少女像問題切り離す／「慰安婦」財団準備委が初会合

　【ソウル＝時事】日韓両政府の合意に基づく元慰安婦支援財団の設立に向け、準備委員会の初会合が３１日午前、ソウルで開かれました。準備委は民間の専門家や関係省庁の局長計１１人で構成され、委員長に女性の福祉問題専門家、金兌玄（キム・テヒョン）誠信女子大名誉教授（６６）を選出しました。財団の理事長にも就任する見通し。
　金委員長は初会合終了後、記者会見し、「被害者の考えに耳を傾けることから始めなければならない。被害者の痛みを共有し、対応していく」と抱負を語りました。また、「どんな形であれ、関連団体の参加を歓迎する」と述べ、日韓合意に反対する勢力を取り込んでいきたいとの意向も示しました。
　準備委は財団の目的や活動に関する定款を取りまとめ、基本的な事業計画を策定。６月の財団立ち上げを目指します。
　日韓両政府は昨年１２月２８日、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった合意を発表。韓国政府が元慰安婦支援のための財団をつくり、日本側は１０億円程度を拠出することになりました。
　合意にはソウルの日本大使館前に設置された慰安婦を象徴する少女像について、「（韓国政府として）適切に解決されるよう努力する」と明記されています。ただ金委員長は記者会見で、少女像に関し「（韓国政府や財団とは）関係がない」と述べ、切り離して考えるべきだとの立場を強調しました。
( ２０１６年０６月０１日，「赤旗」)

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（5月ヘッドライン）

*         日韓が責任持ち実施

*         元「慰安婦」支援財団の準備委員長内定

*         梅村さえこ、清水忠史、畑野君枝衆院議員　「慰安婦」問題の解決を求める請願

*         沖縄女性遺棄事件／女性蔑視発言に反省なし／橋下前大阪市長と、おおさか維新

*         日韓議会未来対話開く／国会の交流、発展めざす／笠井氏が出席

*         韓国の大統領秘書室長が交代

*         元「慰安婦」支援財団、来月にも設立／元韓国外相柳明桓氏に聞く／「少女像問題は解決できる」

*         女性の地位向上必ず／婦団連が省庁要請

*         「慰安婦」合意履行へ日韓議会の協力を

*         文化／ドキュメンタリー『太陽がほしい』監督班忠義さん／中国人「慰安婦」の苦しみ撮り続け２０年

*         勧告を力に女性の権利前進へ／国連委の傍聴報告集会／婦団連

*         「慰安婦」財団／月内に準備委／韓国

*         語り継ぐ日本の侵略と植民地支配／赤旗編集局編／評者大日方純夫早稲田大学教授

*         元慰安婦訴え審理へ

*         元慰安婦との面会を

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【5月本文】

日韓が責任持ち実施

　菅義偉官房長官は３０日の記者会見で、元日本軍「慰安婦」支援の財団設立に向け、韓国政府が発足させる準備委員会の初会合が３１日に開かれることについて、「（日韓両政府）それぞれが合意を責任を持って実施することが重要だ」と述べました。
( ２０１６年０５月３１日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援財団の準備委員長内定

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づいて設置される元慰安婦支援のための財団の準備委員長に、女性の福祉問題専門家、金兌玄（キム・テヒョン）誠信女子大名誉教授（６６）が内定しました。３１日の準備委員会初会合で正式決定されます。金氏は財団の理事長も務める見通しです。
　準備委員会設置作業に参加した柳明桓（ユ・ミョンファン）元韓国外相が３０日、明らかにしました。柳元外相は「今後は金氏中心に準備が進められる」と語りました。
　日韓両政府が昨年１２月２８日、慰安婦合意を発表して以来、５カ月を経てようやく設立準備作業が本格化、６月中の財団設置を目指します。日韓合意では、韓国政府が財団をつくり、日本側は１０億円程度を拠出することになっています。
( ２０１６年０５月３１日，「赤旗」)

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5/16　梅村さえこ、清水忠史、畑野君枝衆院議員　「慰安婦」問題の解決を求める請願、女性差別撤廃条約選択議定書のすみやかな批准を求める請願、民法・戸籍法の差別的規定の廃止・法改正を求める請願、所得税法５６条の廃止を求める請願提出集会（日本婦人団体連合会）あいさつ

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沖縄女性遺棄事件／女性蔑視発言に反省なし／橋下前大阪市長と、おおさか維新

　沖縄県で起きた元米海兵隊員による女性遺体遺棄事件で、過去の「風俗活用」発言を正当化する人物がいます。おおさか維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹・前大阪市長です。
　橋下氏は２０１３年５月１３日、旧日本軍による「慰安婦制度は必要だった」と持論を展開しました。同日午後には、沖縄の米軍普天間基地を視察した際に司令官に、米兵による性犯罪抑止策として「もっと日本の風俗業を活用してほしい」と勧めたことを明らかにしました。
　「問題解決の方法として（風俗利用を）検討するのはばかげている」（米国防総省当局者）など、世界中から厳しい批判を受け謝罪に追い込まれました。
　しかし今回、橋下氏は自身のツイッターに「（以前に）風俗の活用でも検討したらどうだ、と言ってやった。まあこれは言い過ぎだとして発言撤回したけど、やっぱり撤回しない方がよかった」と投稿。何の反省もなく、開き直っています。
　おおさか維新の会の松井一郎代表（大阪府知事）は２３日、「（橋下氏の提案に対して）米軍の方がタブーにしておこうということでは、軍人のストレスは解消されない」と語り、橋下氏に同調しました。
　基地があるがゆえに米軍による犯罪・事件が続いてきた沖縄の歴史を無視し、女性を男性の性欲を処理する対象として捉える橋下氏と、おおさか維新の会の主張は、女性はもちろん男性をもおとしめるものです。
　基地撤去こそ米兵犯罪をなくす最も有効な解決策という声に背を向け、沖縄での米軍新基地建設に固執する安倍政権。米兵犯罪の本質から目をそらさせようとする点で、おおさか維新の会は、やはり安倍政権の危険な補完勢力です。異常な人権感覚を恥じない、おおさか維新の会に、改憲勢力として期待を寄せる安倍首相の姿勢もまた問われます。
　（笹）
( ２０１６年０５月２５日，「赤旗」)

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日韓議会未来対話開く／国会の交流、発展めざす／笠井氏が出席

　日本と韓国の国会の交流、発展をめざす「第１回日韓議会未来対話」が１７日、国会内で開かれ、日本共産党から笠井亮衆院議員が出席しました。同対話は昨年１０月、大島理森衆院議長が訪韓した際に開催が話し合われ、実現したもの。日韓超党派の議員が参加し、韓国からは専門家を含め９人が来日しました。
　開会式では、大島議長と韓国の鄭義和（チョン・ウィファ）国会議長があいさつ。大島氏は、「重要なことは、困難なときでも対話を継続することだ。両議会の信頼関係を強固のものとすることを期待する」と述べました。鄭氏は自身が議長になった２０１４年は日韓関係が冷え込んでいたと語り、「対話は両議会にとって歴史深いものになる」と語りました。
　「日韓関係および北東アジアにおける協力」を議題とした第１セッションで笠井氏が発言。昨年末に日韓政府が「慰安婦」問題で合意したことは「解決に向けた前進」だとし、「全面的な解決に向け、日本側が過去の歴史に向き合い、反省し教訓にすることを明確にし、その姿勢を堅持し続けることが大事だ」と強調しました。
　笠井氏は今年１月の北朝鮮の核実験強行について改めて抗議を表明。国連で採択された北朝鮮に対する制裁決議に触れ、６カ国協議の再開に向け、「国際社会の一致結束した外交努力が何よりも大切」と述べました。
　また、日本共産党はいかなる問題も外交的解決に徹する外交戦略を日本が確立することを訴え、「北東アジア平和協力構想」を提唱してきたと紹介。「『構想』の実現のために関係各国との対話を続けてきたが、引き続き意見交換をしたい」と語りました。
　これに対し、セヌリ党の鄭柄国（チョン・ビョングク）議員、「共に民主党」の尹厚徳（ユン・フドク）議員から共感の意見が述べられました。
( ２０１６年０５月１８日，「赤旗」)

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韓国の大統領秘書室長が交代

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は１５日、知日派として知られる李丙琪（イ・ビョンギ）秘書室長の辞表を受理し、後任に大統領直属の地域発展委員会の李元鐘（イ・ウォンジョン）委員長を任命しました。大統領府が発表しました。李丙琪氏は、慰安婦問題の日韓合意実現などに尽力しました。
( ２０１６年０５月１７日，「赤旗」)

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元「慰安婦」支援財団、来月にも設立／元韓国外相柳明桓氏に聞く／「少女像問題は解決できる」

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づいて設立される元慰安婦支援財団の準備作業に参加している柳明桓（ユ・ミョンファン）元韓国外相は、ソウルの日本大使館前の少女像撤去問題について「解決できると考えている。ただ、今話し合う段階ではない」と強調しました。時事通信のインタビューに応じました。
　財団設立に向けた非公式作業グループの諮問役を務める柳氏は、「近く設立準備のための発起委員会を開き、６月にも財団を設立できるように努力している」と述べました。財団設立と少女像問題を切り離し、合意履行を進めていくべきだという立場を明確にしました。
　財団設立の準備に関しては「活動の目的、方法などに関する定款をつくり、財団を構成する理事の候補を広い範囲から募る」と説明。「誰が理事になるかは、まだ分からない。民間人の女性指導者が担わなければならないだろう」と語りました。
　少女像問題では「（韓国）政府が先に『ああしろ、こうしろ』と言えば、むしろ反発を招く」と指摘。「政府は政府がやるべきことをやり、元慰安婦が政府の措置に賛成するようになったら、次の段階で元慰安婦や設置した団体と話し合い、解決方法を検討しなければならない」と述べました。

少女像問題
　２０１１年１２月にソウルの日本大使館前に元慰安婦支援団体が設置した慰安婦を象徴する少女像をめぐる問題。日本政府は外交施設の品位維持をうたったウィーン条約に違反するとして、撤去を求めています。昨年１２月の日韓合意は「韓国政府は（少女像問題が）適切に解決されるよう努力する」と明記。
　（ソウル＝時事）
( ２０１６年０５月１７日，「赤旗」)

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女性の地位向上必ず／婦団連が省庁要請

　日本婦人団体連合会（婦団連）は１６日、衆院第１議員会館で、男女平等と女性の地位向上の実現を求めて各省庁に要請しました。
　柴田真佐子会長は、今年３月に国連女性差別撤廃委員会が、家族従業者の労働を正当に評価しない所得税法５６条の見直しを勧告し、運動を前進させる力になっていると紹介。また、民法改正など野党共同の議員立法が提出されたことは大変力強いと強調しました。
　厚労省、外務省、内閣府などに対して、▽選択的夫婦別姓制度の導入など民法・戸籍法の改正▽所得税法５６条の廃止▽男女賃金格差の是正▽認可保育所の増設・保育士の待遇改善▽最低保障年金制度の確立▽「慰安婦」問題の解決―などを求めました。
　参加者は、「人手不足の職場で妊娠に関する制度も知らずにマタハラを受けて苦しんでいる」（全労連女性部）、「妊娠や育休中に行う保育園探しのストレスで母乳が出なくなるなど体調を崩す女性がいる」（新日本婦人の会）など、実態を示して早急な改善を求めました。
　要請に先立ち、９万人の署名を日本共産党の梅村さえこ、清水忠史、畑野君枝の各衆院議員に手渡しました。
　署名は、▽民法の差別的規定の撤廃▽「慰安婦」問題の解決▽個人通報による救済を認める選択議定書の批准▽所得税法５６条の廃止―を求めるものです。柴田会長は、「今回の請願が採択されるよう力を尽くします」と話しました。
( ２０１６年０５月１７日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意履行へ日韓議会の協力を

　大島理森衆院議長は１６日、韓国国会の鄭義和（チョン・ウィファ）議長ら超党派議員団と国会内で会談しました。大島議長は、昨年末の「慰安婦」問題に関する日韓合意について「私どもも誠実に実行していかなければならない。サポートしたい」と述べ、履行に向けた日韓の議会の協力を提起しました。日本側によると、韓国側はこの問題に言及しませんでした。
( ２０１６年０５月１７日，「赤旗」)

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文化／ドキュメンタリー『太陽がほしい』監督班忠義さん／中国人「慰安婦」の苦しみ撮り続け２０年

真理の光求めて
　中国で日本軍「慰安婦」の被害女性を撮り続けてきた映画監督の班忠義さんが『太陽がほしい―「慰安婦」とよばれた中国女性たちの人生の記録』を出版しました。同名のドキュメンタリー映画のシナリオを中心にまとめたものです。被害女性に寄り添う思いとは―。
　本吉真希記者

　班さんが中国人「慰安婦」被害者の存在を初めて知ったのは１９９２年１２月でした。きっかけは「日本の戦後補償に関する国際公聴会」（東京）に、中国山西省から参加していた万愛花さん（２０１３年死去）との出会いでした。
　万さんは１０代で日本軍に拉致され、ヤオトン（横穴式住居）に監禁されました。拷問と性暴力を繰り返し受け、背中や骨盤を骨折。体が変形し、身長が２０㌢ほど縮む被害を受けました。戦後、絶望し、殺虫剤を飲んで自殺を図ったこともあります。
　「私は日本軍のせいで家も何もかも失った。うらみを聞いてもらうため日本に来た」
　万さんは公聴会でこう訴えた直後、失神し、演壇に倒れました。
　班さんはこの光景に「圧迫された女性の姿」を見た思いでした。当時、日本に留学していた班さんは、万さんと出会った衝撃が忘れられませんでした。９５年８月、真相を調べるため山西省の省都・太原に住む万さんに会いに行きました。
　それから約２０年間、班さんは毎年のように万さんや他の被害女性を訪ね、聞き取り調査や医療費支援などをしてきました。その数８０余人に上ります。
　映画「太陽がほしい」には７人の被害女性が登場します。班さんは「多くの女性が恐怖の情景と被害の瞬間を鮮明に語る一方、時期や場所など客観的な情報は不鮮明だった」と振り返ります。
　劉面換さん（１２年死去）は銃床で左肩を強打され、日本軍の拠点に連行されました。劉さんは当時についてこう証言しました。
　「真っ暗なヤオトンに監禁され、用をたすときだけ外に出られた。食べていないので何も出ないが、外に出たいのでトイレに行って背をのばす。太陽の光がほしかった」
　班さんはいいます。
　「『太陽がほしい』というタイトルには、苦しい監禁状態のなかで発した『太陽の光を浴びたい』という劉さんの心の叫びと、日本政府を相手に裁判をたたかった『正義を取り戻す光がほしい』という万さんの心情がある」

正しい歴史認識
　１３年夏、班さんが危篤の万さんを見舞うと、万さんはうっすらと目を開け、班さんに消え入るような声で話しました。
　「（日本政府は）罪を認め、頭を下げて賠償をするべきです。…何といっても真理がほしい」
　被害者の願いは、日本が加害の事実を明確に認めることです。ところが１３年、当時の橋下徹大阪市長が「慰安婦制度は必要」と暴言を吐きました。翌年には過去の「慰安婦」報道の一部を取り消した朝日新聞を攻撃し、歴史を偽造する動きが起きました。
　「歴史を覆すことは新たな犯罪」と危惧した班さん。２０年かけて撮りためた４００時間に及ぶ証言を１本の映画にすることを決意し、製作支援を日本の市民に呼びかけました。映画は１５年夏に完成し、現在８００人近くが賛同。上映会は全国に広がっています。
　映画で日本軍の元兵士も証言しています。登場する被害女性は全員亡くなりました。
　班さんは「当時の話に触れるたび、手が震えるほどの恐怖に襲われるおばあさんもいた。多くが健康被害を訴えていた。映画を通して事実を明らかにし、若い人たちが正しい歴史認識をもつ手助けになれば｣と話します｡
　◇
　自主上映の問い合わせ＝「ドキュメンタリー映画舎・人間の手」℡０８０（９３７４）１２９４

各地の上映予定
▼５月１５日＝松江市市民活動センター。監督トークあり。主催＝アムネスティ・インターナショナル松江グループ℡０８５３(２２)５４７９（岡田）
▼２０日＝東京・牛込箪笥地域センター。監督トーク。主催＝上映実行委員会℡０９０(８６４４)１２４７（相賀）
▼２１日＝つくばイノベーションプラザ。監督トーク。主催＝実行委員会℡０２９(８３８)１４４０（山下）
▼６月１１日＝北九州市生涯学習総合センター。監督トーク。主催＝日本軍「慰安婦」問題解決のために行動する会・北九州℡０９０(６６３５)５９１９（野口）
▼９月１０日＝盛岡市プラザおでって。主催＝岩手からアジアを考える会℡０１９(６４６)４６６６
▼詳しくはhuman-hands.com

はん・ちゅうぎ＝ドキュメンタリー映画監督。１９５８年､中国･撫順市生まれ。『曽おばさんの海』(朝日新聞出版）で第７回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞受賞。監督作品に｢チョンおばさんのクニ｣「ガイサンシーとその姉妹たち」「亡命」
(２０１６年０５月１５日，「赤旗」)

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勧告を力に女性の権利前進へ／国連委の傍聴報告集会／婦団連

 

　日本婦人団体連合会（婦団連）は１０日、東京都内で、国連女性差別撤廃委員会の日本審議について報告集会を開き、審議内容や特徴などを報告し、勧告の実施にむけて意見交流しました。
　女性差別撤廃委員会は、２月に日本政府の女性差別撤廃条約の実施状況を審議し、勧告を含む「総括所見」を３月に公表。女性差別の問題にとりくむＮＧＯ（非政府組織）は、婦団連を含む４５団体８０人からなる代表団を国連に派遣し審議を傍聴しました。
　婦団連の柴田真佐子会長は、「慰安婦」問題の事実を否定する安倍政権のもと、異常な緊張感の中で審議されたと指摘。条約を実施しない政府の姿勢が、今回も厳しく問われたと強調しました。「総括所見」では、新たに最低保障年金制度や家族従業者の給料を認めない所得税法５６条の見直しが勧告されたとし、「勧告を力に運動を前進させましょう」と呼びかけました。
　審議の様子を記録したＤＶＤが上映された後、傍聴参加者が報告。「世界に例のない所得税法５６条の見直しが勧告され、運動を勇気づけている。全国の自治体に同法廃止を求める意見書を採択させる取り組みを進める」（全国商工団体連合会婦人部協議会）
　「『慰安婦』問題が、独立した項目を立てて勧告された。被害者の人権への視点を欠き、問題解決を強調する日本政府の姿勢が厳しく批判された」（新日本婦人の会）
　「委員がＮＧＯの情報提供を生かし賃金の男女差解消、セクハラ禁止の法整備、保育制度の充実などを勧告した。私たちの要求こそ国際標準であると確信した」（全労連女性部）などと話しました。
　会場から、マタハラ裁判でたたかう女性が発言。「みなさんの活動が日々の女性の生き方に結びついている。勧告をすべての企業に波及させていきたい」と感想を語りました。
( ２０１６年０５月１２日，「赤旗」)

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「慰安婦」財団／月内に準備委／韓国

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は１０日の記者会見で、昨年末に日韓が合意した元慰安婦を支援する財団の設立に関し、「上半期の設立を目標としており、月内にも準備委員会を発足させる方針だ」と述べました。
　報道官は「合意履行に当たって最も重要なのは被害者の意見」と強調。関連省庁の当局者が元慰安婦を訪ね、合意内容の説明を続けていることを明らかにし、「財団設立に際し、被害者の意見が十分反映されるよう努めている」と語りました。
( ２０１６年０５月１１日，「赤旗」)

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語り継ぐ日本の侵略と植民地支配／赤旗編集局編／評者大日方純夫早稲田大学教授

全体と個の視点から戦争を究明
　「しんぶん赤旗」日刊紙と日曜版に掲載された日本の戦争を考える企画のなかから、侵略戦争と植民地支配に関する特集記事を選んで再構成した本です。日本が引き起こした戦争が何だったのか、そのもとで何があったのかが、とてもわかりやすく、読みやすく書かれています。
　平和を主体的に構築するためには、戦争認識を磨いていくことが欠かせません。その際、戦争全体の目的・経過・結果を正確に押さえるマクロの視点と、具体的な個々の局面・個人に即して実態をリアルにとらえるミクロの視点が大切です。とくに、アジア各地で何を起こしたのか、何が起こったのかを明らかにしていくことが欠かせません。
　「Ⅰ部　侵略戦争と植民地支配の実態」では、まず、日清戦争からアジア・太平洋戦争までの、半世紀間の戦争と植民地支配の流れが、専門研究者へのインタビューを交えながら追跡されています。マクロの視点です。
　つづいて、南京大虐殺・七三一部隊・日本軍「慰安婦」の事実を、史料や証言にもとづいて究明します。さらに、アジア各地での侵略・虐殺・占領の傷痕を、現地ルポや証言を組み込んで追跡します。「Ⅱ部　無謀な戦争で日本国民が犠牲」では、原爆・沖縄戦・無差別空襲などの実態を、体験者の証言に即して具体的に明らかにします。いずれもミクロの視点からの追究です。
　現在、日本の人口の８割以上が戦後生まれです。生々しい体験と記憶を「語り継ぐ」ことの大切さが痛感されます。「政府の行為によつて再び戦争の惨禍」（憲法前文）を起こさせないため、ぜひ、読んでほしい本です。

　記事は２０１４年と１５年に掲載
( ２０１６年０５月０１日，「赤旗」)

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元慰安婦訴え審理へ

　【ソウル＝時事】韓国憲法裁判所は２９日、慰安婦問題の最終決着をうたった日韓両政府の合意に関し、「財産権などを侵害し、憲法違反だ」と主張する元慰安婦らの訴えを審理することを決めました。
　元慰安婦２９人と死亡した元慰安婦８人の遺族らは３月、「韓国政府は合意によって、元慰安婦らの日本に対する賠償請求権行使の道を封じた」と批判。「財産権や人間としての尊厳、国家から外交的に保護を受ける権利などを侵害し、憲法に違反した」と提訴していました。
( ２０１６年０５月０１日，「赤旗」)

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元慰安婦との面会を

　【ソウル＝時事】別所浩郎駐韓大使は２９日、韓国第２の野党「国民の党」の千正培（チョン・ジョンベ）共同代表と会談しました。千代表は慰安婦問題をめぐる日韓合意の「無効化」を要求し、「被害者の実質的権利を考慮した交渉が新たに行われなければならない」と指摘。また、元慰安婦と面会するよう大使に求めました。党側が発言内容を発表しました。
　これに対し、別所大使は「両政府が最大限努力して達成した合意であり、誠実に履行していくことが重要だ」と強調しました。
　国民の党は先の総選挙（国会定数３００）で３８議席を獲得して躍進。安哲秀（アン・チョルス）共同代表は来年１２月の大統領選挙への出馬に意欲を見せています。
( ２０１６年０５月０１日，「赤旗」)

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（4月ヘッドライン）

 

*         韓国最大野党「慰安婦合意は再交渉」

*         沖縄戦と孤児院／浅井春夫著／評者石原昌家沖縄国際大学名誉教授

*         池田恵理子さんが「慰安婦」問題講演／徹底した国家統制指摘／メディアの奮起求める

*         元朝日新聞記者名誉毀損裁判／植村氏「脅迫から守って」

*         報道の独立性脅かす／日本政府に懸念／国連報告者

*         韓国総選挙／変革求める人々／上／政権への厳しい審判

*         戦争法整備を特集／ＰＫＯ駆け付け警護などを明記／「外交青書」

*         女性の願い実現こそ／国際女性デー中央大会実行委、政府に要請

*         日韓合意、菅長官「責任持ち実施を」

*         潮流

*         高校教科書検定／原発、侵略も「安倍色」修正／再稼働推進の意向通りに変更／自民党の「自虐史観」問題視が背景に

*         韓国少女像脇、追悼プレート／市民団体が貼る

*         韓国の柳興洙駐日大使が辞意

*         なんだっけ／教科書検定の仕組み、狙いは？

*         日韓合意履行を確認

*         韓国大統領「慰安婦合意の精神尊重を」

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【4月本文】

韓国最大野党「慰安婦合意は再交渉」

　【ソウル＝時事】韓国最大野党「共に民主党」スポークスマンは２７日、慰安婦問題をめぐる日韓合意について「受け入れられない」と強調、再交渉を求める立場を改めて表明しました。
　「共に民主党」は先の総選挙で、慰安婦合意の再交渉を公約として掲げましたが、トップの金鍾仁（キム・ジョンイン）非常対策委員会代表は２６日、別所浩郎駐韓大使と会談した際、再交渉に言及せず、合意の迅速な履行を求めました。
　これを受けて、元慰安婦の支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」は「国民の期待を裏切る発言」と強く反発していました。
( ２０１６年０４月２８日，「赤旗」)

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沖縄戦と孤児院／浅井春夫著／評者石原昌家沖縄国際大学名誉教授

綿密な調査で孤児の無念に応答
　１９７０年前後から始まった沖縄戦体験記録とその研究に携わってきた人たちは、県市町村字史での記録活動に没頭してきた。それ故、ハンセン病、身体障がい者、戦争孤児、朝鮮人強制連行（「慰安婦」・軍夫）、戦争後遺症などの体験記録と研究にその世代は着手しえずにいた。それは、収容所で衰弱死・ネグレクト死していった孤児たちの無惨な死に対する冒とくだったと深く内省させるものであった。本書は、戦場の孤児たちやその死に深い思いを引き寄せる書として、かつ戦争孤児の本格的研究・歴史的書物として注目されるべく登場した。
　「孤児院生」と称されていた戦争孤児たちと小学校の同窓生だった私にとって、本書は長年の心のとげを抜いてくれるような特別な書だ。彼らを皆と同様に「腫れもの」に触るように接していたので、ずっと後ろめたさを引きずっていた。私は、サイパンで孤児になった少年が収容所内で家畜以下の扱いをうけ、沖縄引き揚げ後もいじめに遭って自殺未遂した体験までは聴き取りしてきたが、著者はサイパンにまで足を運び、綿密な調査結果をまとめている。孤児の言い知れぬ悔しさや無念の死に、研究者として誠実に応答したものだ。
　また、激戦場で即死した母親から引き離され、名も知らずに孤児になる瞬間を私は聴き取りしてきたが、孤児（院）の研究をしてきた著者が戦争の死を「戦場死（者）」と称すべきと提起しているのも、その研究から必然的に導かれた認識だといえる。戦争の本質を根っこの部分から掘り起こす著者の研究成果が相次いで発刊されるのを（元）孤児たちともども待っている。

　あさい・はるお　５１年生まれ。立教大学教授
( ２０１６年０４月２４日，「赤旗」)

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池田恵理子さんが「慰安婦」問題講演／徹底した国家統制指摘／メディアの奮起求める

　「不戦大学『慰安婦問題』とは何か～その歴史の真実と報道の危機」をテーマにした講演会がこのほど、東京都新宿区の早稲田大学で開かれました。不戦兵士・市民の会などが主催。元ＮＨＫディレクターで、「女たちの戦争と平和資料館」館長の池田恵理子さんが語りました。
　池田さんは「『慰安婦』が重大な人権侵害、戦争犯罪だと認識されるようになったのは、１９９１年に韓国の金学順さんが被害者として名乗り出てから」と指摘。９３年の国連の世界人権会議（ウィーン会議）などの提起をへて、９５年の村山首相謝罪につながった経過をたどりました。
　ＮＨＫで池田さんは主に女性問題などでの番組を制作。「しかし９０年代後半から、右派の政治家・文化人の攻撃激化で、『慰安婦』報道が抑えられてきた」と述べました。
　池田さんが一市民として関わった２０００年１２月の「女性国際戦犯法廷」は「慰安婦」制度を断罪。ＮＨＫはこの催しを取材し、翌年１月の「ＥＴＶ２００１」で放送したものの、「乱暴な編集と基本情報の欠落した異様な番組」（池田さん）となりました。
　自ら原告団の一員としてＮＨＫに説明と謝罪を求めて提訴｡その過程で、当時の安倍晋三官房副長官（現首相）らの番組への圧力、ＮＨＫ上層部の屈服が明らかになりました。原告敗訴とはなりましたが、池田さんは改めて「『慰安婦』報道の政治介入の全貌が具体的に明らかにされた重要な事件でした」と振り返りました｡
　さらに一昨年の籾井会長就任以来のＮＨＫの政治報道について、いかに「政府の広報機関」化しているかを解明。「いまＮＨＫには『慰安婦』、南京大虐殺、昭和天皇の戦争責任という３大タブーがある。特に『慰安婦』については徹底した国家統制が敷かれている」と指摘、メディアの奮起を求めました。
( ２０１６年０４月２３日，「赤旗」)

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元朝日新聞記者名誉毀損裁判／植村氏「脅迫から守って」

　元朝日新聞記者で日本軍「慰安婦」報道に関わった植村隆氏（５７）＝元北星学園大学非常勤講師＝が、「捏造（ねつぞう）記事」などと書かれて名誉を毀損（きそん）されたとして、ジャーナリストの桜井よしこ氏や新潮社などに対して損害賠償や謝罪広告を求めている裁判の第１回口頭弁論が２２日、札幌地裁（岡山忠広裁判長）で開かれました。
　植村氏と桜井氏が意見陳述しました。
　植村氏は、桜井氏が事実に基づかない決めつけで「私や朝日新聞への憎悪をあおっている」と主張。大学や家族あてに届いた脅迫状が殺人予告にまでエスカレートしていった恐怖を述べるとともに、「捏造記者の汚名を晴らし、家族や大学を脅迫から守ってほしい」と訴えました。
　桜井氏は「私は断固として植村氏の記事に対する評価を変えない」と述べました。
( ２０１６年０４月２３日，「赤旗」)

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報道の独立性脅かす／日本政府に懸念／国連報告者

　日本の「表現の自由」の状況を調査するため来日した国連人権理事会のデービッド・ケイ特別報告者は１９日、放送局への停波命令の可能性に触れた高市早苗総務相の発言などによって、日本のメディアの独立性が脅かされているとの認識を示しました。その上で、放送法は政府の介入を許しかねないとして「一部改正する必要がある」と述べました。東京都内での記者会見で語りました。
　ケイ氏は、政治的公平を規定する放送法第４条に違反した場合、同第１７４条により政府が停波を命じる権限があることに「非常に大きな懸念」を表明。「公平か不公平かは、非常に大きな議論を要する。政府がコントロールすべきではない」と語りました。来日に合わせた高市総務相との面会を何度か申し入れましたが、国会会期中を理由に断られたとも明かしました。
　特定秘密保護法については「安全保障や原発政策など国民の関心が高い問題も、特定秘密ということで規制され得る」と警告。「法改正という根本的手段」を取った方がいいと語りました。また、メディアの独立性を保つため、「記者クラブ制度は廃止すべきだ」とも述べました。
　慰安婦問題を含む歴史問題については「（日本の）教科書の中で十分な議論がなされておらず、情報が非常に限られている。政治的影響が及んでいると感じた」と指摘。文部科学省から「影響は受けていない」と説明されたとしながらも、「懸念は残る」と語りました。ケイ氏は今回の来日に基づいて報告書を作成し、国連人権理事会に来年提出する見通し。
( ２０１６年０４月２１日，「赤旗」)

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韓国総選挙／変革求める人々／上／政権への厳しい審判

　１３日に行われた韓国国会（定数３００）総選挙は、１６年ぶりに与野党の勢力が逆転しました。与党「セヌリ党」は第２党に転落。野党「共に民主党」が第１党となり、「国民の党」「正義党」と合わせ、野党は１６７議席を獲得しました。有権者は一票にどのような思いを込めたのでしょうか。
　（ソウル＝栗原千鶴　写真も）

　「社会を変えたいという、国民の意志が表れた選挙結果だった」と分析するのは慶北大学法学部の金昌禄（キム・チャンロク）教授（５５）。「朴槿恵（パク・クネ）政権３年間の失政、李明博（イ・ミョンバク）前政権以来８年も続いた保守政権の下で、民主主義の後退に国民が非常に厳しい審判を下した」と分析します。
　朴政権は国民の反対が強い国定教科書の改訂を一方的に進め、在韓米軍による高高度防衛（ＴＨＡＡＤ）ミサイル配備に向けた議論を米国と開始しました。

強引さに危機感
　総選挙ではセヌリ党内の公認候補決定にかかわり、朴大統領が自分に近い新人を積極的に擁立させる一方、政策や国会運営をめぐって対立した有力政治家を公認から除外。強引なやり方に「危機感を募らせた」という市民の声を地元メディアは報じています。
　朴大統領やセヌリ党の政策に期待した層は、裏切られたという思いを抱きました。恵泉女子学園大学（東京・多摩市）の李泳采（イ・ヨンチェ）准教授（４４）は「経済政策の失敗も大きかった」と分析します。
　青年失業率が２月に１２・５％と過去最悪を記録しているにもかかわらず、朴政権は解雇条件の緩和を含む労働法の改定を狙っています。李准教授は労働運動出身の無所属候補が当選したことを挙げ、「現場の労働者、青年、中間層の不安が投票行動に結びついた」と語ります。
　「外交問題は争点にならなかったが、投票の判断材料にはなったと思う」とソウル大学の南基正（ナム・キジョン）副教授（５２）は分析します。

アジアより米国
　２０１２年の大統領選挙で朴大統領は、北朝鮮との「信頼と平和」を訴え、前政権より柔軟な姿勢が期待されました。政権発足後は「北東アジア平和協力構想」や「朝鮮半島信頼プロセス」などの政策を掲げました。
　「米国寄りだった前政権より柔軟で、そこに期待した層が朴大統領を推した。しかし今は北朝鮮に強硬で、アジアより米国重視になっており、裏切られたという状況だ」と南副教授は語ります。
　また、今回の選挙結果は「昨年末の『慰安婦』問題に関して、韓国政府には警告であり、日本政府には『もっと考えてほしい』というメッセージだ」と指摘します。
　「合意後の韓国政府の態度は、あまりにも高圧的で被害者に寄り添ったものではなかった。一方、日本政府からも合意の真意を疑わせるような発言が相次いだ。両政府ともに選挙結果を謙虚に受け止めて、解決に向けた努力をしてほしい」
　（つづく）
( ２０１６年０４月１７日，「赤旗」)

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戦争法整備を特集／ＰＫＯ駆け付け警護などを明記／「外交青書」

　岸田文雄外相は１５日の閣議で、２０１６年版外交青書を報告しました。「平和安全法制の整備」とする特集ページをもうけ、戦争法＝安保法制の施行後、国連平和維持活動（ＰＫＯ）での自衛隊の任務拡大を強調。「いわゆる安全確保業務、いわゆる駆け付け警護、司令部業務等を追加」と明記するとともに、国連が統括しない国際的な平和協力活動への参加が可能になると紹介しました。
　安倍政権は参院選後に、南スーダンＰＫＯに参加する自衛隊に「駆け付け警護」などの任務を付与することを狙っています。
　南シナ海の情勢について、中国を名指しし、「大規模かつ急速な埋立て、拠点構築及びその軍事目的での利用等現状を変更し緊張を高める一方的な行動、既成事実化の試みが一段と進められている」と懸念を表明しました。
　北朝鮮の核・ミサイル開発は「国際社会全体の重大な脅威」との認識を示し、６カ国協議の共同声明や国連安保理決議に沿って、「非核化などに向けた具体的行動を強く求める」と明記しました。
　旧日本軍「慰安婦」問題の「最終的かつ不可逆的解決」を確認した昨年１２月の日韓両外相による合意にふれ、「この合意を受け、日韓関係を未来志向の新時代へと発展させていく」と表明しました。
( ２０１６年０４月１６日，「赤旗」)

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女性の願い実現こそ／国際女性デー中央大会実行委、政府に要請

　国際女性デー中央大会実行委員会は１４日、内閣府を訪問し、３月８日の中央大会で採択した日本政府への決議の実現を求めました。
　決議は、▽集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、憲法違反の戦争法を廃止すること▽沖縄・辺野古への新基地建設をやめ、普天間基地を無条件で返還させること▽生涯派遣・残業代ゼロなど労働法制を改悪しないこと▽消費税１０％増税を中止すること▽民法の差別的条項を改正し選択的夫婦別姓制度などを実現すること―などを要望しています。
　実行委員会の柴田真佐子委員長（日本婦人団体連合会会長）は「平和で命と暮らしを守る政治、ジェンダー平等の実現を強く求めます」と決議を内閣府の担当者に手渡しました。柴田氏は、「保育の問題では、子育てと仕事の両立ができるように公的な保育所を増やし、待機児を解消することが必要です」とのべました。また、国連の女性差別撤廃委員会が、民法改正や「慰安婦」問題の解決、賃金格差の是正などを勧告したことを指摘し、勧告の実行を求めました。
　参加者は、日本航空による解雇問題の一日も早い解決や公務員の増員、非正規雇用の均等待遇、社会保障の拡充などを求めました。
　内閣府の担当者は「決議書とみなさんの要望を官邸に届けます」と答えました。

国際女性デー
　毎年３月８日、世界の女性が連帯して｢くらし､権利､平和｣のために行動する日｡１９７７年に｢国連デー｣として国連総会で決議されました。東京都内で開催された今年の中央大会は､｢廃止しよう！戦争法　取り戻そう！立憲主義」をスローガンに講演や全国の運動交流が行われ６００人以上が参加しました。
( ２０１６年０４月１５日，「赤旗」)

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日韓合意、菅長官「責任持ち実施を」

　菅義偉官房長官は１４日の記者会見で、韓国総選挙で与党セヌリ党が惨敗したことに関し、「日韓関係の重要性については、韓国の与野党を問わず共通認識が存在している。さらに前に進めていきたい」と述べました。その上で、日本軍「慰安婦」問題に関する日韓合意について「両国にとって、責任を持って実施することが極めて重要だ」との考えを強調しました。
　対北朝鮮に関しては、「朴槿恵大統領はまだ任期があり、大統領の考え方は全く変わらないと思う」と述べ、日韓の連携を維持していく方針を示しました。
( ２０１６年０４月１５日，「赤旗」)

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潮流

　健在だったら、ラジオで朗読する「かわいそうなぞう｣は､この夏にちょうど５０回になるはず。９９歳で亡くなった評論家・秋山ちえ子さんのライフワークでした▼太平洋戦争末期、東京の上野動物園で餓死した３頭の象の物語。毎年１回、８月１５日の終戦の日にちなんで心を込めてマイクに向かってきました。「読むたびに戦争はとんでもないと新たな気持ちになる」と語る姿が思い出されます▼朗読は、１９５７年から４５年間続いた｢秋山ちえ子の談話室｣の中でスタートしました。「談話室」は月曜から金曜に放送された１０分番組。自らが取材したことをテーマに話すラジオルポルタージュでした▼青函トンネルの工事現場、朝鮮半島など海外にも足を運びました。３人の子を育てながらとあって、時には子連れで取材に出かけたこともありました。見つめてきたのは働く人々の横顔です▼もう一つのライフワークともいえるのは「慰安婦」問題でした。８４年、千葉県にある保護施設・かにた婦人の村で暮らす一人の女性が慰安婦であったことを告白すると、「談話室」でも取り上げました｡１９９６年には、当時の橋本龍太郎首相に対して元慰安婦への謝罪と国家補償を求める学者・文化人の中に加わっています▼各紙が折々に記してきた秋山さんの仕事と人柄｡｢『赤旗』の記事がいちばんうれしい｣とご本人｡マスコミ９条の会の呼びかけ人であり、平和の種まきと言い続けた、その願いは戦争法を拒否する多くの市民にしっかりと引き継がれています。
( ２０１６年０４月１４日，「赤旗」)

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高校教科書検定／原発、侵略も「安倍色」修正／再稼働推進の意向通りに変更／自民党の「自虐史観」問題視が背景に

　集団的自衛権の行使容認をめぐり文部科学省の検定意見が相次いだ２０１７年度から使用される高校教科書（３月２７日号）。安倍政権の主張に沿うものに修正されたのは集団的自衛権問題だけでなく、原発や植民地支配・侵略、戦後補償問題にも及んでいます。
　本吉真希記者

　福島原発事故後、国民からは原発再稼働反対、自然エネルギーを求める声が高まっています。Ａ社はこのような社会状況を反映させるため「原子力エネルギーの開発」についてこう記しました。
　「安全性を求める国民の要求に応える政策に転換する必要がある」（「政治・経済」）（写真左上）
　この記述に文科省は「生徒が誤解するおそれのある表現」との検定意見をつけ、「安全性の確保にいままで以上に配慮することが求められる」と修正されました。「いままで」も安全性を確保していたという、原発再稼働を推進する安倍政権の意向に沿う内容になりました。
　日本の侵略と植民地支配の記述に関しても同様です。
　Ｂ社は南京大虐殺をテーマの中心に据え、日本の侵略について２㌻にわたって課題を提起（「日本史」）。そのなかで日本軍の虐殺を記録した当時の報告書や、南京大虐殺を事実認定した極東国際軍事裁判（東京裁判）の判決など、大虐殺の実相を示す資料の記述が削除されました。
　Ｃ社は「韓国併合」後の土地調査事業について「日本の植民地としての基礎をつくるため…朝鮮人農民から収奪した土地…」と記していました。（「日本史」）
　これも「植民地」や「収奪」の言葉が消され、日本の加害の歴史が薄められました。
　これは昨年、安倍晋三首相が出した「７０年談話」を反映したものです。「談話」には、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫（わ）び」などの文言がちりばめられていますが、日本が「国策を誤り」、「植民地支配と侵略」を行ったという「村山談話」に示された歴史認識はまったく語られていませんでした。

意図通す仕組み
　安倍政権は１４年１月、政府の主張を教科書に書き込ませる仕組みをつくりました。「自虐史観」を問題視する自民党の提言を受け、文科省が教科書検定基準に３項目を追加。この適用は高校教科書では今回が初めてで、うち二つの項目が適用されました。
　一つは、通説的な見解がない事項はそれを明示することです。これをめぐっては、南京大虐殺や関東大震災の際の朝鮮人虐殺の犠牲者数について計４件の検定意見がつきました。
　南京大虐殺の犠牲者数の「２０万人」（写真右）や朝鮮人虐殺の犠牲者数の「６０００人以上」などの記述は「おびただしい数」と修正。側注で「人数は定まっていない」と書かせ、犠牲者数をあいまいにしました。（Ｄ社「日本史」）
　二つ目は、閣議決定など政府の統一的見解に基づいた記述をすること。同項目で１件、検定意見がつきました。
　日本軍「慰安婦」や戦時中の中国人に対する強制労働など戦後補償問題では、被害者らが人権の回復を求め続けています。その声を無視して「解決済み」との政府の主張を書き込ませました。（同前）
(２０１６年０４月１０日「赤旗」)

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韓国少女像脇、追悼プレート／市民団体が貼る

　【ソウル＝時事】元慰安婦の支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」は６日、ソウルの日本大使館前の慰安婦問題を象徴する少女像の脇に、元慰安婦を追悼する金属プレート５枚を貼り付けました。
　少女像をつくった韓国の彫刻家や、ドイツの彫刻家が製作し、挺対協に寄贈。３枚には、故金学順さんら、元慰安婦と名乗り出て証言し、既に亡くなった３人の名前や生没年月日、被害地域などが記されています。２枚には「名もない日本軍慰安婦犠牲者を記憶して」と刻まれています。
　この日は昨年末の慰安婦問題に関する日韓合意から１００日目に当たり、市民団体が相次いで反対集会を開きました。
( ２０１６年０４月０８日，「赤旗」)

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韓国の柳興洙駐日大使が辞意

　【ソウル時事】韓国外務省関係者は６日、柳興洙駐日大使（７８）が最近、高齢や「大使としての役目を果たした」という理由で、韓国政府に辞意を伝えたことを明らかにしました。
　これに関し、柳氏は聯合ニュースに対し「完全に解決したわけではないが、慰安婦問題に関する合意も成し遂げたため、今年に入って辞めようと思っていた」と語りました。
　柳氏は２０１４年８月に着任。幼少期を日本で過ごし、国会議員を４期務めました。
( ２０１６年０４月０８日，「赤旗」)

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なんだっけ／教科書検定の仕組み、狙いは？

　Ｑ　教科書検定の制度って、どういう仕組みなの。
　Ａ　教科書会社が編集した教科書が学習指導要領に沿っているかなどを文部科学省が点検する制度です。検定基準に基づき審査、合格しなければ、小中学校や高校で教科書として使えません。実際の審査は文科省の教科書調査官が行い、学者などからなる教科用図書検定調査審議会の審議を経て、教科書会社に検定意見書を出して修正させます。
　Ｑ　３月にあった高校教科書検定結果の特徴は？
　Ａ　２０１７年４月から使われる教科書です。とくに地理歴史、公民の教科書で、政権の主張通りに記述内容を書き直させた事例が続出しました。集団的自衛権の行使容認、「積極的平和主義」、日本軍「慰安婦」などの戦後補償問題、領土問題などで政権の主張を一方的に書かせています。関東大震災のさいの朝鮮人虐殺や中国への侵略戦争での南京大虐殺などの犠牲者数などで〝通説的な見解がないことを明示せよ〟としました。犠牲をできるだけ小さくみせようという意図があることは明らかです。
　Ｑ　安倍政権はどんなことをたくらんでいるの？
　Ａ　２００６年の教育基本法改悪で、教育の目標に「愛国心」などを盛り込んだ第１次安倍晋三政権。再び政権につくと、１４年に教科書検定基準や教育内容の基準を改悪し、社会科などの教科書の記述を〝政府見解に基づいた記述にせよ〟としたのです。暴走する安倍政権は、「戦争をする国」の「人材づくり」に教育・教科書を最大限に利用しようとしています。
( ２０１６年０４月０３日，「赤旗」)

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日韓合意履行を確認

　【ワシントン＝時事】訪米中の安倍晋三首相は３１日午後（日本時間１日未明）、韓国の朴槿恵大統領と会談し、慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を着実に履行することを確認しました。日韓合意後、両首脳による会談は初めて。
　両首脳は日韓関係の一層の改善でも一致。首相は「今後も首脳会談をできる限り頻繁に開催し、日韓関係のさらなる前進に向けて努力したい」と述べ、大統領も同様の考えを示しました。
　両首脳は、北朝鮮の核・ミサイル問題でも意見交換。首相は日韓両国がそれぞれ独自制裁を科したことに言及し、「強い内容の国連安保理決議の採択につなげることができた」と強調。「日韓、日韓米の安全保障協力をさまざまな形で一層深めたい」と呼び掛けました。大統領は「油断せずに連携しながら注視していこう」と語りました。
( ２０１６年０４月０２日，「赤旗」)

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韓国大統領「慰安婦合意の精神尊重を」

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は、米ブルームバーグ通信との書面インタビューで、日本政府に対し、昨年末の慰安婦問題をめぐる合意の精神を尊重するよう求めました。
　韓国大統領府が３１日、発言内容を公表。「歴史を直視し、過去の過ちを忘れずに、将来の世代に対する正しい教育に努めなければならない」と強調しました。歴史教科書の検定などを念頭に置いた発言とみられます。
　朴大統領は、安倍晋三首相との間で、首脳会談や電話会談を通じて意思疎通を図っており、「こうした基調が続くよう期待している」と述べました。
( ２０１６年０４月０１日，「赤旗」)

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（3月ヘッドライン）

 

*         潮流

*         主張／高校教科書検定／政治による教育支配をやめよ

*         おはようニュース問答／日本政府に国連女性差別撤廃委が勧告したね

*         主張／女性差別是正勧告／指摘を受け止め本気の改善を

*         国際女性デー京都集会開く

*         富山市で６０人余「戦争法廃止を」／レッドアクション

*         読書のページ／本の窓／日本メディアへの苦言と提言

*         アジア政党国際会議・ワークショップ／緒方副委員長の発言／要旨

*         国連事務総長が元「慰安婦」と面会

*         国際女性デー／各地で行動／北海道／青森／岩手／山形／宮城／福島

*         国連女性差別撤廃委の勧告／「国連委勧告受け入れを」／「慰安婦」問題解決全国行動

*         台湾「慰安婦」記念館／看板除幕式を開催／馬総統出席／９月オープン

*         政府、国連女子差別撤廃委見解に抗議

*         民法の女性差別撤廃再勧告／「慰安婦」問題で遺憾表明／国連委

*         〝女性が輝く社会こそ〟／国際女性デー、各地で行動／福岡市／北九州市／山口／広島市／佐賀／香川

*         元「慰安婦」の証言を基に作製／映画「鬼郷」が大ヒット／「誰もが見るべき」と反響／韓国

*         女性差別撤廃へ国連で議論／日本政府の本気度問われる／新日本婦人の会国際部長平野恵美子さん

*         植村隆さんを激励する集会／札幌

*         韓国大統領、「慰安婦」名誉回復に最善尽くす

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【3月本文】

 

潮流

　ＮＨＫの慰安婦番組が政治の圧力を受けて作り変えられたのは、１５年前のことでした。介入したのは自民党幹部だった安倍晋三氏。首相となった今、放送全体を統制しようと企てます▼高市早苗総務相の「電波停止」発言。ジャーナリストらの抗議の声が高まっています。２４日には日本外国特派員協会で記者会見。高市氏の「停波」発言は、憲法と放送法の精神に反し、背景には安倍政権の戦争法強行に続き憲法改定の策動があると指摘しました▼圧力はどういうふうにかかってくるのか。記者の質問に、ＴＢＳ「ＮＥＷＳ２３」のアンカー岸井成格氏が答えます。「政権のやり方は狡猾。これにどう対応するかは現在進行形だ」と。放送人の連帯の広がりをうかがわせました▼ＮＨＫの「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターが、最後の出演となった１７日に提示したテーマは〝未来への風〟です。過酷な労働、貧困、痛みとあきらめの中でもがき、社会に向き合うようになった若者たちをとらえました▼戦争法反対を訴え、沖縄の基地問題を考え、ブラック企業に立ち向かう姿が生きいきと伝わってきます。ゲストのノンフィクション作家・柳田邦男氏は、１８歳選挙権を実現しながら政治活動を規制する政府の政策を批判しました▼籾井勝人会長のもとで管理が強まるＮＨＫ。「クロ現」は政府や自民党から名指しで攻撃され続けてきました。国谷キャスターが番組に託したのは､言論･表現の自由への弾圧には屈しないとのメッセージと受け取りました。
( ２０１６年０３月２８日，「赤旗」)

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主張／高校教科書検定／政治による教育支配をやめよ

　安倍晋三政権が教科書への統制をエスカレートさせています。２０１７年度から使われる高校教科書の検定結果では、集団的自衛権の行使容認などにかかわって、文部科学省が政権の主張通りに記述内容を書き直させた事例が続出しました。国民の間で見解が分かれる問題で、政府が自らの言い分を「正解」として教科書に書かせるのは、政治による教育支配そのものです。民主主義社会ではあってはならないことで許されません。

安倍政権の主張にそって
　安倍政権は１４年に教科書検定基準や教育内容の基準を改悪し、社会科などの教科書の記述を政府の統一見解にそったものにするように教科書会社に要求しています。
　今回の高校教科書検定で、ある現代社会の教科書は、自衛隊についての記述に「第９条の実質的な改変」とのタイトルをつけていましたが、「自衛隊の海外派遣」に変えられました。「実質的改変」などしていないというわけです。
　別の現代社会の教科書は安倍政権が掲げる「積極的平和主義」について、「アジア地域をはじめとする広範な地域で自衛隊の活動を認めようという考え方」と書いていましたが、「国際社会の平和と安定および繁栄の確保に、積極的に寄与していこうとするもの」と変えられました。これも安倍政権の言い分そのままです。
　日本軍「慰安婦」や戦時下の強制労働など戦後補償問題では「法的には解決済み」との日本政府の主張を書きこませました。「慰安婦」問題で「政府、強制連行を謝罪」との見出しを付けた新聞記事は教科書から削除させました。領土問題でも「日本と中国の間に領土問題は存在しない」との政府の主張を一方的に書かせています。
　関東大震災のさいの朝鮮人虐殺や南京大虐殺などの犠牲者数については、１４年の改悪で設けられた「通説的な見解がないことを明示せよ」との検定基準を適用し、人数をあいまいにしました。犠牲をできるだけ小さく見せようという意図であることは明らかです。国家が「通説がない」などとごまかし、事実を直視させないというのは、きわめて問題です。
　戦前の日本は、軍国主義推進の教育をするために、神話を歴史的事実として扱うなど国に都合のいい国定教科書をつくり、子どもたちを戦場に駆り立てました。戦後はその反省から、民間のさまざまな教科書会社や執筆者が、学問の到達点を反映した教科書をつくることにしました。ところが、教科書の内容を検定でチェックし、政権の意向にそって書き直させることがこれまでも繰り返し問題になっています。政権に都合の悪いことは書かせないということでは、国定教科書への逆戻りです。

「国定」への逆行許さず
　今回の検定は、安倍政権が集団的自衛権の行使容認、戦争法の強行など「戦争をする国づくり」をすすめるなかで行われました。教育を「戦争をする国」の「人材づくり」の場にしようという政権の暴走が、検定による教育支配に拍車をかけています。
　学問・研究の成果に立って事実を学び、多様な見解を知って自ら判断する力を養える教科書づくりを保障するべきです。自らの主張だけが正しいかのように書かせる安倍政権に、教育をゆだねることはできません。
( ２０１６年０３月２７日，「赤旗」)

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おはようニュース問答／日本政府に国連女性差別撤廃委が勧告したね

　みどり　ねぇお母さん、女性差別撤廃委員会って知ってる？
　陽子　この前、日本政府に勧告を出した国連の委員会よね。新聞で読んだわ。

是正状況を審議
　みどり　何をやっているところなの？
　陽子　国連の女性差別撤廃条約に基づいて設置された委員会で、締約国の差別是正の取り組みを審議して勧告を出しているわ。女性差別撤廃条約って知ってる？
　みどり　女性差別をなくす条約なのよねぇ。
　陽子　そう、根強く残る女性差別をなくすために１９７９年に国連総会で採択された条約で、法律だけじゃなく、慣習の是正も求めているのが特徴ね。日本は８５年に批准したわ。締約国は定期的に取り組みを国連に報告する義務があるよ。
　みどり　そっか、条約の実施を確実にするために委員会があるのね。どんな人たちが委員なの？
　陽子　条約に参加している国から選ばれた２３人の人権や法律などの専門家で任期は４年。自国の政府からは独立した「個人の資格」で任務を遂行しているよ。
　みどり　世界中の女性の権利を守る役割ね。同じ女性として心強いわ。
　陽子　審議においては、ＮＧＯ（非政府組織）の情報提供も活用して政府報告には盛り込まれない各国の実態把握に努めているね。

民法改正求める
　みどり　今回はどんな勧告を出したの？
　陽子　７日に委員会が出した勧告は、民法改正や日本軍「慰安婦」問題の解決、賃金格差の是正などを要求しているよ。
　みどり　たとえば？
　陽子　民法について、夫婦同姓の強制や結婚最低年齢の男女差、女性のみに課された再婚禁止期間の廃止を委員会は繰り返し勧告していて、今回も改正が求められたの。
　みどり　雇用については？
　陽子　同一価値労働同一賃金の原則に基づいて男女の賃金格差を縮小することや職場のセクハラを禁止・処罰する法律の整備が勧告されたよ。
　みどり　多くの分野にわたって具体的な措置を求めているのね。
　陽子　そうね。勧告を生かして女性差別撤廃条約を全面的に実施する締約国としての責任が、日本政府に改めて問われているわ。
( ２０１６年０３月２１日，「赤旗」)

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主張／女性差別是正勧告／指摘を受け止め本気の改善を

　国連女性差別撤廃条約にもとづく日本政府の実施状況について、今年２月、国連女性差別撤廃委員会（ジュネーブで開催）で検討がおこなわれ、今月７日に、同委員会は、日本についての評価と勧告を盛り込んだ文書（「総括所見」）を発表しました。

問われ続ける日本政府
　日本についての審議は、今回で５回目です｡｢総括所見｣では､前回（２００９年）の審議後７年間の政府の取り組みの評価すべき点、女性差別の実情と解決への取り組みの到達､今後の改善･是正の方向について政府に提言されました。
　今回の審議で浮き彫りになったのは、前回勧告に真摯に向き合わない日本政府の姿勢です。前回の審議で、日本政府の対応は「（条約を）宣言のようにしか受け止めていない」と批判され、条約を法的拘束力ある国際文書と認めて完全な実施を求める勧告が出されていました。にもかかわらず、今回も「進捗があまりに遅い」「不平等が続く」「具体的な政策がない」など締約国会合で選ばれた女性差別撤廃委員から厳しい声が相次ぎました。
　｢総括所見｣には､〝日本の法律には条約が掲げる差別の定義がない〟ことをはじめ､いくつもの課題で､〝前回勧告を繰り返す〟〝前回勧告を想起し〟と表現した上での指摘が目立つのも特徴の一つです。
　具体的に改善が求められた課題は、多岐にわたります。賃金格差、管理職への登用、マタハラ（妊娠・出産にかかわるハラスメント）、セクハラ、非正規雇用など雇用の場での平等、２０２０年までに政策意思決定の場での女性比率３０％目標の達成、女性への暴力、マイノリティーなどの人権の問題、「慰安婦」問題の真の解決、貧困の解決など、どれも繰り返されてきたテーマです。前回の勧告で、とくに重視した民法改正の問題は、この間の最高裁判決で婚外子への相続差別の是正がなされ、女性のみの再婚禁止期間は短縮方向に踏み出したものの、選択的夫婦別姓の実現はまだでした。一刻も早く是正をはかることを勧告は繰り返し求めています。ＮＧＯから女性差別の改善として委員会に報告されていた、業者や農漁村女性の働き分を認めない所得税法５６条廃止も勧告に盛り込まれています。
　とりわけ今回の審議で日本政府は、日本軍「慰安婦」をめぐる問題で異常な姿を示しました。日本政府代表団（団長・杉山晋輔外務審議官）は、〝強制連行はなかった〟〝性奴隷という表現は事実に反する〟〝条約批准以前の問題だ。報告は必要ない〟などの主張を居丈高に展開しました。女性差別撤廃委員からの厳しい批判とともに、審議をジュネーブで傍聴した日本のＮＧＯから、「安倍政権下での異常な事態」という声が出されたのは当然です。

条約と勧告を力にして
　条約の実現を求める日本の女性たちが多くの報告を女性差別撤廃委員会に寄せた中での審議でした。日本政府は、同委員会からの勧告を真摯に受け止め、男女平等実現の世界のルールとして条約にもとづく改善の取り組みを本気ですすめることが、条約批准国の責任として求められています。
　国連女性差別撤廃条約と勧告を力に主権者としての女性の運動と共同がいっそう大きく広がることは間違いありません。
( ２０１６年０３月２０日，「赤旗」)

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国際女性デー京都集会開く

　「世界の女性と手をつなぎ、ジェンダー平等へ」をかかげ１６日、「３・８国際女性デー京都集会」（同実行委員会主催）が京都市内で行われました。
　女性差別撤廃条約批准３０年を迎え、日本政府の条約実施の進捗（しんちょく）状況を検討する国連女性差別撤廃委員会（ＣＥＤＡＷ）が、２月１６日、ジュネーブ国連欧州本部で開催されました。日本女性差別撤廃条約ＮＧＯネットワーク（ＪＮＮＣ）のメンバーとして参加した柴田真佐子日本婦人団体連合会会長が講演しました。
　柴田氏は、前回（６年前）に勧告されたことを誠実に実行していない日本政府に対して、今回「慰安婦」問題も含めて、差別撤廃の勧告が厳しく出されていることを詳しく報告。講演の最後に、故市川房枝さんの「平和なくして平等なし」の言葉を引き、「これは今も女性運動の合言葉。来る参院選にむけて野党共闘を広げ、女性の一票で社会を変えましょう」と結びました。
(２０１６年０３月１９日，「赤旗」)

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富山市で６０人余「戦争法廃止を」／レッドアクション

　女性のレッドアクションとやま実行委員会は１３日、富山市のＣｉＣ前広場で６０人余が参加して「戦争法廃止、改憲は許さない」とスタンディングアピールしました。
　「慰安婦」や原発、沖縄基地問題などさまざまな社会問題にとりくむ女性が次々にマイクを握り、それぞれの思いを訴えました。
　女性賃金差別裁判原告の本間啓子さん（６４）は「安倍首相は〝１億総活躍社会〟というが、女性と子どもの貧困がすすんでいるのが実態。戦争法、原発、秘密保護法など安倍首相がすすめている一つひとつが許せない」と話しました。
　同会は宣伝終了後、富山国際大学の彼谷環教授を講師に「憲法・基本の『き』」を学習しました。
(２０１６年０３月１９日，「赤旗」)

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読書のページ／本の窓／日本メディアへの苦言と提言

　挑発的な書名『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』(双葉社･１０００円)の著者は､ニューヨーク･タイムズのマーティン・ファクラー前東京支局長です。
　冒頭、昨年９月にニューヨークで安倍首相がおこなった内外記者会見での事件を紹介しています。ロイター通信の記者が予定にないシリア難民について質問したところ、安倍首相は難民と移民を混同して答えたといいます。
　「民主主義国家｣で｢不規則発言」は当たり前だが、日本では官邸が記者クラブをコントロールしているからこんなことは起きないと、しんらつです。ただ、苦言はここまで。以後は日本メディアへの提言です。
　―北海道猿払村役場が戦争中に朝鮮人強制連行・強制労働で死なせた人たちの石碑を建てようとしたところネット右翼に攻撃され、メディアは黙殺した。
　―２０１４年に「朝日」が日本軍「慰安婦」関連記事の取り消しで政権からも攻撃されたとき、他のメディアも政権と一緒になってバッシングした。
　著者は、ネット右翼とは「ノイジー・マイノリティー」（声の大きな少数派）にすぎず、その攻撃からメディアは恐れず猿払村を守るべきだったし、政権から攻撃を受けるメディアがあれば他のメディアは垣根を越えて擁護すべきだと強調し、「言論の自由を守る戦いに右も左もない」と力説します。滞日２０年の記者の眼です。
　（神）
(２０１６年０３月１３日，「赤旗」) （Page/Top）

アジア政党国際会議・ワークショップ／緒方副委員長の発言／要旨

　１２日、イスラマバードで開かれたアジア政党国際会議主催のワークショップで日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者が行った発言(要旨)は次の通りです。

　日本は、日本人・外国人の性的搾取、強制労働が横行し、人身取引被害が最も深刻な先進国の一つだ。国際社会から「人身取引根絶の最低基準を満たさない国」と厳しく批判されている。しかし国内では十分な世論喚起がなされず、〝隠された社会問題〟となっている。
　【性的搾取】第１は性の商品化を舞台とした性的搾取の被害だ。日本には営業登録数で３万を超える性風俗業、４００億円規模のポルノ産業の存在と児童ポルノの洪水があり、組織犯罪等とあいまって、性的搾取の土壌となっている。
　レイプ被害者が個人情報を押さえられ、売春を強制された、スカウトにだまされ、ポルノビデオへの出演を強制されたなどの被害をＮＧＯとメディアは告発している。出稼ぎにきた外国人女性が、来日後「借金」があると脅され、性産業での従事を強制される。
　性的搾取の被害者は推計５万４０００人以上（ＮＰＯ法人「ライトハウス」）いる。しかし、人身売買罪は人の「売買」だけを禁じており、「人身取引」では訴追されない。警察による人身取引の摘発は昨年４４件だけだった。
　【「慰安婦」問題】今日の人身取引問題は、日本軍「慰安婦」問題への政府の態度と無関係ではない。軍、国家権力による女性の搾取と尊厳の否定が、組織的かつ体系的に行われたことが問題の本質だ。「慰安婦」たちは意思に反して連行され、監禁、拘束、強制使役という性隷属状態に置かれた。
　昨年末、「日韓政府合意」があり、両国関係は改善されたが、すべての元「慰安婦」の名誉と尊厳の回復には至っていない。日本政府は国連の場で、「軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できなかった」と「河野談話」の核心部分を事実上否定した。「最終的」という「合意」に反して、日本側から蒸し返した。
　国連の女性差別撤廃委員会は７日、日本政府に対し、「被害者の権利を認識し、完全で効果的な癒やしと償いを提供する」ことを勧告した。日本政府が、歴史的事実に向き合い、謝罪、賠償することが求められている未解決の問題だ。
　【労働搾取】日本政府の「技能実習制度」は、日本で強制労働を生んできた。東アジア諸国などからの外国人「技能実習生」は約１７万人（２０１４年）おり、工場や農場などでの「実習」中、最低賃金をはるかに下回る低賃金での長時間労働など強制労働の条件で働かされてきた。社内強制貯金、パスポートとりあげ、実習生の立場の弱さに乗じたセクハラや暴力も起きている。
　【対策】人身取引はグローバルな問題であり、国際協力が不可欠だ。労働者の状況を共有するなど、送り出し国と受け入れ国間の協力が重要だ。
　同時に人身取引の〝受け入れ大国〟で、搾取や人権侵害を止めることが喫緊の課題だ。人身取引根絶のためには､法による摘発､悪質な産業の規制から、経済格差の縮小、人権意識の向上など包括的な行動が必要だ。
　日本人の８１・３％が「日本人が国内で人身取引の被害者となっている」ことを知らないとの調査がある。人々の問題意識を劇的に向上させ、包括的な行動への国民参加を拡大する必要があると強調したい。
　けん引役となってきたＮＧＯ・市民社会と、政党との協力は不可欠だ。人間の尊厳を守るために全力をあげる。
( ２０１６年０３月１３日，「赤旗」)

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国連事務総長が元「慰安婦」と面会

　国連の潘基文（パン・ギムン）事務総長は１１日、ニューヨークの国連本部で韓国人の元日本軍「慰安婦」犠牲者吉元玉（キル・ウォンオク）さんと面会しました。
　国連の発表によると潘氏は、「吉さんや他の『慰安婦』犠牲者の苦しみと痛みへの共感」を表明。「犠牲者と生存者の声が届くようにすることが決定的に重要だ」と述べました。
　昨年１２月の日韓両国政府による「慰安婦」問題の合意について「人権の原則に基づいて誠実に履行されることを希望する」と表明。「関係当事者はこの問題の包括的解決へ向け、人権の原則に沿って、犠牲者を中心に置いて対話を継続するよう呼び掛ける」と述べました。
( ２０１６年０３月１３日，「赤旗」)

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アジア政党国際会議／日本での人身取引深刻／緒方副委員長が発言

　【イスラマバード＝井上歩】日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者は１２日、イスラマバードで開かれたアジア政党国際会議（ＩＣＡＰＰ）主催の「人身取引問題ワークショップ」に出席し、日本での人身取引被害の深刻な実情と対策について発言しました。
　（発言要旨４面）

　緒方氏は、性風俗産業などでの性的搾取、政府の外国人「技能実習制度」のもとでの強制労働の２点で、日本に広範な人身取引被害があると報告。国際社会から「人身取引根絶の最低基準を満たさない国」と批判されながら、国内では「〝隠された社会問題〟とされてきた」と指摘しました。
　緒方氏は、国際協力とともに〝受け入れ大国〟での人権侵害を止めることが喫緊の課題だと強調。人身取引根絶のためには法による摘発、貧困削減など包括的な行動が必要となるが、とくに「国民の意識向上と市民運動の発展、ＮＧＯと政党の協力強化が重要だ」と強調しました。
　緒方氏は日本軍「慰安婦」問題に言及し、「軍、国家権力による女性の搾取と尊厳の否定」が問題の本質であり、被害者への癒やしがなされず、名誉と尊厳が回復されていない未解決の問題だと指摘しました。

人身取引
　人を金銭で売買するだけでなく、暴力その他の強制力による脅迫やその行使、詐欺、弱い立場につけこむなどの手段で人を支配下に置き、強制的に売春や労働をさせて搾取する行為。２０００年採択の「国際組織犯罪防止条約人身取引議定書」（パレルモ議定書）で広く定義されました。重大な人権問題、「現代の奴隷制」だとして、近年その対策・根絶のための市民運動や国際的取り組みが強められています。
( ２０１６年０３月１３日，「赤旗」)

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国際女性デー／各地で行動／北海道／青森／岩手／山形／宮城／福島

　女性の権利確立と世界平和をめざす「国際女性デー」の８日、各地で行動しました。

改憲阻止の声を一緒に／北海道
　国際女性デー全道集会実行委員会は札幌市で集会を開き、６４７人が参加しました。
　女性デー合唱団の熱唱で始まり、年金者組合道本部女性の会、道農民連女性部、ユナイト＆ファイト北海道の３団体が「消費税増税には一かけらの道理もない」「ＴＰＰで食の安全が脅かされる。そんな状態を子どもや孫に残すわけにはいかない」「市民が野党共闘のプレッシャーをかけてきたことが５区補選で実現した。たたかいはこれからだ」と活動交流しました。
　「八法亭みややっこ」こと飯田美弥子弁護士が落語調で講演。「立憲主義の柱は二つ。人権保障と国民主権。２文字で言うと自由と民主。どこかにそんな名前の党名がありましたよね？」などユーモアを交え憲法や自民党改憲案について語り、「子どもたちに絶望を手渡してはならない。戦争法廃止、改憲阻止の声を一緒に上げよう」と締めました。

幅広い年齢層がアピール／青森
　２０１６年国際女性デー青森県中央集会・青森集会実行委員会は青森市で「廃止しよう！戦争法！」スタンディングアピールをおこないました。
　戦争体験者から乳児を背負い「だれの子どもも殺させない」のポスターを掲げるママまで幅広い年齢層の３０人が参加し、「広げよう世界へ憲法９条」の大看板前で肩を並べ、アピールしました。
　国賠同盟女性委員会や新婦人、共産党県委員会のメンバーらがリレートーク。「女性が参政権を得て７０年。参院選では安倍自公政権を少数派へ追い込み、戦争法を廃止させよう」など、戦争法廃止、男女平等、平和への思いを語りました。

政治を変える運動が必要／岩手
　盛岡市では、国際女性デー岩手県集会（実行委員会主催）が開かれ、４９人が参加しました。
　いわて労連の金野耕治議長が「安倍さん流で、女性が輝けますか？」と題して講演。職場での大幅賃上げや増員を実現させるとともに、戦争法廃止や消費税１０％増税中止など政治を変える運動が必要だと指摘しました。
　会場から「中学校卒業まで医療費無料化を」「年金改悪反対の裁判に取り組む」との発言がありました。
　▽被災住民・女性の視点での復興の推進▽戦争法廃止▽ＴＰＰからの撤退―など１４項目を求める「日本政府に対する決議」を採択。日本共産党の吉田恭子参院岩手選挙区候補があいさつしました。

個人が尊重される社会に／山形
　山形市では、「国際女性デーやまがたのつどい」が開かれ、佐藤匡子実行委員長があいさつし、吉村美栄子知事のメッセージ、国連の潘基文（パン・ギムン）事務総長が国際女性デーに寄せたメッセージが紹介されました。
　県歴史教育者協議会事務局長の佐藤光康氏が講演。「演題の『一人ひとりが尊重される社会をつくりたい』の実現のために、まず安倍首相には辞めていただきたい」と訴え。学校現場での実態を報告するとともに、「自民党憲法改正草案」が「個人の尊重」（１３条）や、国会議員らの「憲法尊重擁護義務」（９９条）を否定していることを解説し、「独裁政治と戦争への道にストップを」とよびかけました。
　山形県鶴岡市では、国際女性デー田川地区集会が鶴岡こぴあで開かれ、１３５人が参加しました。伊藤恵理実行委員長があいさつ。
　戦争法反対のスタンディングを毎週している女性が活動報告。介護施設の女性は、厳しい労働環境を変えていこうと話しました。
　新婦人の女性は、学校統廃合で地域のつながりも弱くなってしまうと指摘しました。
　辺野古基金共同代表の菅原文子さんが、「幸福度が高く、徳ある国を目指す」と題して講演しました。

平和な社会へ力を合わせ／宮城
　国際女性デー第５６回宮城県集会が仙台市内で開かれ、１２３人が参加しました。
　小林俊道県労連副議長と日本共産党の遠藤いく子県議があいさつ。遠藤県議が「戦争法廃止の野党共闘が実現した」と話すと大きな拍手がわきました。
　女優の有馬理恵さんが、芝居「釈迦内柩唄」の一部を熱演し、「人間の尊厳を否定することはできない」と日本軍「慰安婦」にされた女性になりきって訴えました。
　「いのちとくらしを守る平和な社会、女性と子どもたちの権利のために、力を合わせて憲法を守り抜いていきましょう」とのアピールを採択しました。

戦争も原発もない世界を／福島
　国際女性デー福島県集会が福島市で開かれ、希望をもって生活でき、人の命が大切にされる、戦争も核兵器も原発もない世界をつくるため、多くの女性と手をつなごうとアピールを採択しました。
　全国学校事務職員制度研究会常任委員の鈴木久之氏が「学校現場からみえる子どもの貧困」と題して講演。「貧困は子どもや保護者に責任があるのではなく、次代をになう子どもの成長をどう社会的に保障し、育んでいくかということで、制度や政策の貧困こそ問題だ」と強調し、憲法を生かし花開くようにしていくことが大事だと述べました。
　参加者が「学校給食費無料化を求める運動に取り組んでいる。請願を出しているが不採択続き。運動を強め、ぜひ実現したい」などと発言しました。
(２０１６年０３月１１日，「赤旗」)

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国連女性差別撤廃委の勧告／「国連委勧告受け入れを」／「慰安婦」問題解決全国行動

　国連の女性差別撤廃委員会による総括所見を受けて、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は１０日、外務省に対し、女性差別撤廃委員会の勧告を受け入れるよう要請しました。
　要請書では、日韓政府の「合意」は被害者中心のアプローチを十分採用していないとする委員会の評価を、重く受け止めるよう強調しています。また、他の国の被害者について国際人権上の責務を果たしていないことは遺憾だとする委員会の見解を、受け入れるよう要望。女性差別撤廃条約を批准した１９８５年以前の課題は委員会の管轄外だとする日本政府の主張に対しては、人権侵害は過去のことではなく現在進行形だとする見解に反論するような恥ずかしい行為はやめ、教科書に「慰安婦」問題の記述を復活するよう求めました。
　参院議員会館での記者会見で、共同代表の渡辺美奈さん（女たちの戦争と平和資料館＝ｗａｍ＝事務局長）は、総括所見の意義をのべるとともに、ジュネーブでの審議の様子を紹介。外務審議官が「慰安婦」部分だけを日本語で主張したことについては「（歴史）修正主義者や日本の人たちへのアピールだと思われてもしょうがない」と指摘。「国際社会にアピールしたいのであれば、きっちりと（委員の）質問に答えるべきだし、主張だけをのべるのは逆効果」と批判しました。
( ２０１６年０３月１１日，「赤旗」)

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台湾「慰安婦」記念館／看板除幕式を開催／馬総統出席／９月オープン

　【台北＝時事】台湾の女性人権団体「婦女救援基金会」は８日午前、台湾初となる慰安婦記念館の９月オープンに向け、台北市内の予定地で看板除幕式を開催しました。元慰安婦の陳蓮花（ちんれんか）さん（９１）らと共に馬英九総統も出席しました。
　馬総統はあいさつで、「私は反日派ではない」と強調。その上で第２次大戦直後の１９４７年に台湾で起きた「２・２８事件」に巻き込まれた日本人犠牲者の遺族に対して賠償が認められたことに触れ、「われわれは外国人にも平等に対応している」と述べ、日本側に慰安婦問題の早期解決を求めました。
　同館の名称は「おばあちゃんの家―平和と女性人権館」。観光スポットとして知られる台北市迪化街に残る築８０年以上の旧商店を改築し、慰安婦の関連資料を展示するほか、性暴力を予防する教育の場として活用します。
　基金会は、１年目に必要な資金として１２００万台湾㌦（約４２００万円）を見込みます。政府の補助はなく、大半を募金で賄う予定。
　台湾の元慰安婦の生存者は陳さんを含めて３人。慰安婦問題に関する日韓合意を受け、台湾政府は日本に対して改めて賠償と謝罪を求めています。
( ２０１６年０３月１０日，「赤旗」)

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政府、国連女子差別撤廃委見解に抗議

　昨年１２月の慰安婦問題に関する日韓合意を不十分と指摘した国連女子差別撤廃委員会の最終見解に対し、日本政府は８日、「合意内容を正当に評価していない」として、国連に対して抗議しました。合意への異議が広がれば、韓国国内にある反対論が勢いを増す懸念があるためです。
　菅義偉官房長官は８日の記者会見で最終見解について、「日本政府の説明内容を踏まえておらず、極めて遺憾であり、受け入れられない」と強調。既に国連側に抗議したことを明らかにしました。さらに、米英や国連の潘基文事務総長も合意を評価していると紹介し、「最終見解の内容は、こうした国際社会の受け止めと大きく懸け離れている」と批判しました。
　女性差別に関する課題で審査、勧告を行う女子差別撤廃委員会は、これまでも慰安婦問題に関し「恒久的な解決」などを日本に求めてきましたが、２国間合意の内容について「被害者中心の対応」が徹底されていないなどと踏み込んだ今回の見解は異例。日韓合意の見直しと安倍晋三首相の直接謝罪などを求める韓国の支援団体が主張を強めることも考えられます。外務省幹部は「今さら閉じた箱を開くことはあり得ない」として、韓国世論の硬化に警戒感を示しました。
( ２０１６年０３月０９日，「赤旗」)

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民法の女性差別撤廃再勧告／「慰安婦」問題で遺憾表明／国連委

　国連の女性差別撤廃委員会は７日、女性差別撤廃条約の日本の実施状況に関する審議の結果をまとめた「総括所見」を公表しました。
　総括所見は、日本政府に対し、政治参加や雇用、教育、暴力防止などあらゆる分野で差別根絶・女性の権利保護を推進するうえでの懸念と改善すべき課題を勧告。随所にこれまでの勧告が実行されていない現状が指摘され、締約国としての責任を問う内容になっています。
　前回勧告で「直ちに是正すべき」とされた夫婦同姓の強制、結婚最低年齢の男女差、女性のみに適用される再婚禁止期間などの民法の差別的規定が改正されていないことに対し、改正のための即時措置を再び勧告しています。
　日本軍「慰安婦」問題については、被害者への補償、加害者処罰、教育を含む「永続的な解決」など、同委員会をはじめ国際諸機関からの勧告が実施されていないと遺憾を表明。日韓合意も、「被害者中心の対応」が全面的には行われていないと指摘しています。被害者の権利を認識し、被害の回復と同時に、公人や政治家の「加害を否定する発言」の防止を求めました。
　今回の総括所見では、同一価値労働同一賃金の原則に基づいて男女の賃金格差を縮小すること、雇用差別にあった女性の司法へのアクセスを保証し職場でのセクハラを禁止・防止する法的措置をとることを要請しています。
　勧告の中で特に改善が急がれ、２年以内の報告提出を求める「フォローアップ」項目の一つに、民法改正が再度盛り込まれました。
( ２０１６年０３月０９日，「赤旗」)

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〝女性が輝く社会こそ〟／国際女性デー、各地で行動／福岡市／北九州市／山口／広島市／佐賀／香川

福岡市／ミモザの花を身につけ宣伝
　国際女性デー福岡集会が６日、福岡市で６０人の参加で開かれました。集会後の街頭宣伝には日本共産党の、いせだ良子参院比例候補と、しばた雅子福岡選挙区候補が駆けつけ、女性の地位向上と２０００万署名への協力を呼びかけました。
　いせだ候補は「子どもが生まれても預ける保育所が無い、働いても非正規の仕事しかない、これのどこが『女性が輝く社会』なのでしょうか。野党の共同で安倍政権を終わらせ、女性の皆さん、国民の皆さんが本当に輝ける社会をつくりましょう」と訴えました。
　宣伝で参加者は黄色い花の咲くミモザの枝を身につけて戦争法廃止の２０００万署名を集め、４５人分の署名が寄せられました。
　集会では、前田牧弁護士が「ブラック企業」問題や自民党の憲法改悪の内容について講演し、労働運動と社会運動の連帯が必要と訴えました。参院選に向け憲法守れの声を広げ、政治の転換への行動を呼びかける集会アピールを採択しました。

北九州市／リレー方式で署名呼びかけ
　北九州市の国際女性デー小倉地区集会（主催・同集会実行委員会）が６日、小倉駅前で行われました。屋外でさまざまな職場や団体の代表がリレー方式で訴え、戦争法廃止の署名を呼びかけました。
　集まった６０人はミモザを胸に着けて宣伝。兼築香保里実行委員長が「強行された戦争法を絶対に許してはならない」と訴え、学校給食調理員や保育士らが次つぎとマイクで、女性の真の平等、職場の環境、戦争を許さない思いを市民にアピールしました。日本共産党の高瀬菜穂子県議も訴えました。

山口／吉川春子氏と「慰安婦」学ぶ
　「春のつどい国際女性デーin山口」（実行委員会主催）が６日、山口市で開かれました。「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール代表で日本共産党元参院議員の吉川春子氏を招き、「慰安婦」問題を学習しました。
　吉川氏は「慰安婦」問題解決立法の提案や、強制連行を認めさせる追及など議員時代の取り組みを紹介。昨年末の「慰安婦」問題に関する日韓合意を問題解決につなげるため、①安倍首相は直接「慰安婦」被害者の心に響く謝罪を行う②衆参両院で謝罪決議をあげる③教科書への掲載や「慰安婦」の碑建立で後世に語り伝えることが必要だとのべ、「解決のカギは日本の世論。日本の加害の歴史を次代に引き継ごう」と訴えました。
　日本の女性の人権法規の遅れや、憲法２４条改悪で戦前の家族制度回帰を狙う安倍政権の動きも指摘。約１００人の参加者は熱心な様子で聞き入りました。

広島市／２０００万署名運動成功させよう
　広島市中区の市男女共同参画推進センターゆいぽーとで６日、国際女性デーの記念集会が「あふれる情報からホントを見つけよう」のテーマで開かれました。実行委員会が主催、市が共催したもので約１８０人が参加しました。
　ストップ！戦争法ヒロシマ実行委員会事務局長で日本ジャーナリスト会議（ＪＣＪ）広島支部代表幹事の難波健治氏が「あなたの知らないメディアの世界」と　題して講演しました。
　難波氏は「戦争法には三つの名前がある。安倍首相は平和・安全法案という名前で提案したが、メディアは、さすがに平和と言えないので、安全保障関連法案と報道した。そして私たちは、戦争ができる国に変えてしまうから戦争法案と呼んでいる」と解説。戦争法廃止の２０００万署名運動を成功させようと訴えました。

佐賀／プラカードで「９条壊すな」
　２０１６年国際女性デー佐賀県集会（同・実行委員会）が５日、佐賀市内で行われ、約５０人が参加しました。
　講師の板井優弁護士（熊本中央法律事務所）が水俣病訴訟でのたたかいを紹介。「市民連合さが」と「安保関連法案に反対するママの会＠さが」から連帯の発言がありました。
　戦争法を廃止させるとの集会アピールを採択。集会後、参加者は「戦争させない」「９条壊すな」と書かれたプラカードを掲げ、市民に向けた宣伝行動をしました。
　集会に参加した看護師の女性（３０）は水俣のたたかいをきき、「無関心ではいられない。今後いろんなことを学習していきたい」と話しました。

香川／女性の権利を熱く語り合う
　２０１６年国際女性デー香川のつどい（同実行委員会主催）がこのほど、高松市で開かれ９０人が参加しました。
　岡山の弁護士・呉裕麻氏が講演。女性の権利について、夫婦同姓、再婚禁止規定に関する最高裁の見解も踏まえ「個人の自由が後回しにされ、男尊女卑の発想がある。女性の権利は憲法のもと拡張されてはきたが、これから先どうするのか一人ひとりに課せられた課題だ」と話しました。
　医療、保育、学校現場などから、「業者婦人は、所得税法５６条により、給与所得が大幅に制限されるのはおかしい」（香商連婦人部）、「職場は過密で、過酷な夜勤は過失を犯しかねない。誰もが安心できる医療を」（香川民医労）と訴え、新日本婦人の会は、「学童保育の施設が老朽化している学校があり、保護者とともに現地視察や市との交渉も行い、改修の予算がついた」と報告しました。
(２０１６年０３月０８日，「赤旗」)

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元「慰安婦」の証言を基に作製／映画「鬼郷」が大ヒット／「誰もが見るべき」と反響／韓国

　【ソウル＝時事】旧日本軍の慰安婦の悲惨な体験を描いた韓国映画「鬼郷」がこのほど公開され、大ヒットとなっています。

　映画は、元慰安婦の姜日出（カン・イルチュル）さんの証言を基に作られ、１４歳で慰安婦として中国吉林省の慰安所に連れて行かれた少女が主人公。病気になったり、脱走を試みたりした慰安婦が虐殺されるなど、日本軍の残忍な行為が多数登場し、女性への暴力、戦争が生み出す狂気といったテーマも浮かび上がらせる内容です。
　脚本は２００２年に完成しましたが、商業的な成功が見込めないとして製作費が集まらず、半分以上を募金でまかないました。俳優陣の多くも出演料なしで参加しました。
　上映する映画館も、当初は２０館程度の見込みでしたが、前売り券の販売が好調だったため、公開直前に財閥系の大手映画館が一転上映を決定。２月２８日までに７９３館に達しました。
　２８日までの観客数は約１０６万人。映画が終わってもなかなか立ち上がらない人も多く、ネット上には「心が苦しくなった」「誰もが見るべき映画」といったコメントが並びます。
　重い内容にもかかわらずヒットした背景として、製作会社関係者は「それだけ国民の慰安婦問題への関心が高いということ。『見たい映画』というより『見なければならない映画』と位置付けられたのではないか」と指摘。さらに「映画を見た人の評価が、さらに観客動員を後押しした」との見方を示しました。
　２９日付の韓国紙・中央日報は、コラムで「映画、小説、漫画など慰安婦関連の作品は生まれ続けるだろう。いくら政府が『終わった』と主張しても、第２の『鬼郷』が作られれば、再び民族感情が噴出するのは間違いない」と指摘。２７日付の毎日経済新聞は、社説で「日本政府は妥結後、『最終的・不可逆的な解決』を強調したが、民間の芸術活動には通じない」と強調しました。
( ２０１６年０３月０８日，「赤旗」)

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女性差別撤廃へ国連で議論／日本政府の本気度問われる／新日本婦人の会国際部長平野恵美子さん

　今回の審議では、差別をなくしジェンダー平等を実現するために、条約や勧告に沿った法律や政策を実施する政府の本気度が改めて問われました。
　民法改正や選択議定書の批准、賃金格差是正、日本軍「慰安婦」問題解決など繰り返し勧告されてきたことをなぜ実行できないのか、何が障害となっているのかを委員から問われても、日本政府はなんら具体的な回答をしませんでした。委員会は、審議の場を「建設的対話」と呼んでいますが、程遠い結果です。
　「慰安婦」問題について「日韓合意で不可逆的かつ最終的に解決した」「強制連行を示す証拠はない」「朝日新聞の誤報により誤った認識が広まった」と主張する日本政府に対して、委員たちは「人権侵害は被害者が納得して初めて解決する」「歴史は変えられない」と厳しく指摘しました。
　「慰安婦」問題をめぐるやりとりの中で、「女性活躍」「女性の人権擁護の先頭に立つ」とアピールする安倍政権の本質が浮き彫りになったと思います。
　審議に先立って行われたＮＧＯからの意見聴取ではＪＮＮＣや日弁連のほか、３人の右派が「慰安婦」問題で発言しました。政府と右派が同じ主張をしていることが印象的でした。
　これまで同様、委員は、私たちＮＧＯが提出したリポートをよく読み、その内容を活用して質問をしていました。女性の政治参加について質問した委員は、小選挙区制の問題を指摘した新日本婦人の会のリポートをそのまま引用し、多様な民意を反映する比例中心の選挙制度への転換が必要だとのべました。
　日本政府の姿勢は、パブリックコメントの募集や「意見を聞く会」などを行っても、形式的なものにとどまっています。差別是正のためにＮＧＯの情報や現場の声を重視する委員会との姿勢の違いは鮮明です。
　女性・市民の声が届く政治への転換が必要だと、改めて感じました。
( ２０１６年０３月０５日，「赤旗」)

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植村隆さんを激励する集会／札幌

　元朝日新聞記者で、４月から韓国のカトリック大学校で招聘（しょうへい）教授として学生たちの前に立つことになった植村隆氏は２月２７日、札幌市内で開かれた「植村隆さんを激励する札幌集会」で講演し「東アジアの平和をつくっていける若者たちを育てたい」と語りました。
　植村氏は記者時代の１９９１年、韓国人元日本軍「慰安婦」の証言を日本に初めて紹介する記事を執筆。右派メディアから「ねつ造だ」と攻撃を受けました。北星学園大学（札幌市）で講師をしていた２０１４年には、大学や学生、家族に対する脅迫にまで攻撃がエスカレートしました。
　植村氏は、攻撃にともに立ち向かった田村信一学長らに感謝を述べ、「『慰安婦』は過去の問題ではない。一人ひとりの女性のつらい記憶だ。これからも声として伝えていきたい」と述べました。
　田村学長や上田文雄前札幌市長らが激励スピーチ。植村氏が桜井よしこ氏や新潮社などを名誉毀損（きそん）で訴えている訴訟の口頭弁論が、札幌地裁で４月２２日から始まることも紹介されました。
(２０１６年０３月０４日，「赤旗」)

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韓国大統領、「慰安婦」名誉回復に最善尽くす

　韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は１日、日本による植民地支配からの解放を目指した三・一独立運動（１９１９年）を記念するソウルでの式典で演説し、「『慰安婦』被害者一人ひとりの名誉を回復し、心の傷を癒やすとともに、実質的な支援を拡大することに最善を尽くす」と述べました。
　「慰安婦」問題解決をめざした昨年１２月の日韓合意について、大統領は「被害者がひとりでも生きているときに問題を解決すべきだという切迫した心情」に基づくものだと理解を求めました。
　その上で、「日本政府も歴史の過ちを忘れず、今回の合意の趣旨と精神を完全に実践に移し、未来の世代に教訓として記憶されるよう努力すべきだ」と要求。「歴史を直視するなかで、手を取り合って韓日関係の新しいページを開いていけるよう願う」と呼び掛けました。
( ２０１６年０３月０２日，「赤旗」)

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（2月ヘッドライン）

 

*         波動／言葉の魔術と橋下政治／隅井孝雄

*         戦場の性　独ソ戦下のドイツ兵と女性たち／レギーナ・ミュールホイザー著、姫岡とし子監訳／評者岡野八代同志社大学大学院教授

*         ＮＨＫを国民の手に取り戻そう／「福岡の会」が発足

*         台湾戦後の暴動事件で犠牲／日本人遺族に初の賠償へ／沖縄県浦添市青山惠昭さん／政府側が上訴断念

*         論壇時評／「貧困と格差」が焦点に浮上／問題は政府が本腰入れるか／入沢隆文

*         おはようニュース問答／「慰安婦」問題正しい歴史認識が必要だよ

*         潮流

*         台湾で「慰安婦」記念館を予定

*         「慰安婦」問題事実ゆがめる政府代表の発言に日本平和委が抗議

*        米に慰安婦像設置、日米議連会長懸念

*         慰安婦説明、官房長官「合意に反せず」

*         日本政府「慰安婦」強制連行を否定／国連委で強い批判／女性差別の撤廃を審議

*         女性差別の撤廃、日本政府は軽視／国連委でＮＧＯ告発

*         各地で「建国記念の日」反対集会／愛知／岐阜／金沢／福井／津／富山

*         立憲主義・民主主義に基づく平和な未来をひらこう／東京で「建国記念の日」反対集会

*         「慰安婦」問題／合意に基づく真の解決を／笠井、紙両議員が被害者と懇談

*         韓国元「慰安婦」が証言／私たちの苦しみ聞いて／首相は性奴隷の事実を認めよ

*         日韓合意うけ緊急シンポ／国会内

*         祖父の戦争犯罪に向き合って／沖縄本島、宮古島への平和の旅／有馬理恵

*         台湾「慰安婦」問題／謝罪と名誉回復を／台北市婦女救援基金会康淑華執行長に聞く

*         「慰安婦」問題・吉見裁判／「捏造」の検討なく論理破綻の不当判決／穂積剛

*         改憲右翼団体「日本会議」／「緊急事態条項」は結成時からの〝悲願〟／９７年、橋本内閣に要望書

*         韓国が「慰安婦」問題で日本に反論

 

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２月（本文）

波動／言葉の魔術と橋下政治／隅井孝雄

　巧みな話術を武器に政治に旋風を起こした橋下徹前大阪市長、引退を機に、天敵とみられていた「毎日放送」がドキュメンタリー「映像’１６」で「テレビの中の橋下政治」を振り返った（１月３１日　深夜０・５０　関西地区)｡副題は〝ことば舞い散る８年〟。
　８年前、大阪府知事として登場した橋下氏の言動にテレビは魅了され、発言の場をひんぱんに提供、橋下政治と一体化していると批判された。その中にあって毎日放送は孤塁を守ってことばの魔術を打ち破ろうと努力したことで知られている。囲み取材の場で橋下市長と渡りあった女性記者（２０１２年５月）、地下鉄民営化で食い下がった市政記者（１３年１０月）、大阪都構想の問題点指摘の先鞭をつけたワイド番組「ちちんぷいぷい」（１５年４月）などである。
　番組は８年間３０００本１万５０００時間の映像記録から橋下氏の〝ことば〟を掘り起こした。結果として、前半は「引退へのご祝儀番組か？」と見まごう。市庁舎を笑顔で去る橋下氏を市民、主婦たちが盛大な拍手で送る。ＷＴＣ庁舎移転は二転三転、東日本大震災もあって瓦解、市役所を壊すと宣言、市長に鞍替えしたが、都構想住民投票は敗北。だが「将棋で言えば詰んでしまった」のに、その都度立ち上がる希有な手腕がえがかれる。
　後半では、橋下氏の「ことばマジック」の手法を解き明かした。
　最大の失点として記録される慰安婦発言だが「慰安婦を容認していない。新聞、テレビの大誤報」と主張、「（争うなら）マスコミも選挙に出たらいい。わたしは選挙で支持されている」と強弁した。それは「立場を入れ替えて相手を追い込む、逆転の交渉術」だとの解説がされた。大阪府立大学の統合中止を求めて訪れた藤本義一氏（２００９年１２月)に対しては｢改革とりまとめの長をやってほしい」と煙に巻いた場面が印象的だった。
　４月から橋下氏がタレントとして出演する番組がすでに用意されている（テレビ朝日　月曜午後１１・１５、朝日放送は深夜０・３０）。引退したとはいえ「大阪維新の会法律政策顧問」の肩書を持つ彼の発言が政治的に公正だといえるかどうか。テレビ朝日の見解を問いたい。
　（すみい・たかお　ジャーナリスト）
( ２０１６年０２月２８日，「赤旗」)

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戦場の性　独ソ戦下のドイツ兵と女性たち／レギーナ・ミュールホイザー著、姫岡とし子監訳／評者岡野八代同志社大学大学院教授

暴力構造が生む称揚・隠蔽・沈黙
　「（売春は）はい、食料とパンのために。レイプは見たことがありません。（中略）レイプする必要はなかったのです」（元ドイツ兵の証言）
　戦場の「性」。敵を殲滅することを目的とする戦場と、他者との親密な結びつきを希い、温もりを求める「性」。日本に比べ格段に過去の加害と向き合ってきたと紹介されることの多いドイツでも、戦場と性という異様な組み合わせから目を背けてきた。まずこの組み合わせが、いかに異様かを認識すること、それが本書の第一のメッセージだ。
　本書では、優生思想と反共に貫かれたナチス・ドイツの兵士たちが、ソ連との戦いの中で、ユダヤ人女性を含む現地女性にふるった多様な「性暴力」のあり様とその文脈が丁寧に読み取られていく。
　「性暴力」「取引としての性」「合意の上での関係」「占領下ドイツ兵の子どもたち」と、各章で述べられる全ての事象を、暴力として一くくりにできるのか。軍規に反しているはずの軍用売春施設を、清潔な売春という名目で許容する。戦中は、英雄のたけだけしさとしてむしろ称揚さえされた敵国女性への性暴力が、戦後には軍の「恥」とされ隠蔽される。女性たちは被害者ではなく、裏切り者とされ、沈黙を強いられる。戦場の｢性｣はそうしたさまざまな矛盾を私たちに突きつける。
　しかし、この矛盾が引き起こされるのは、男女の不平等を支え、戦争状態においてむき出しになる暴力構造のなかで、性暴力が生じるからだ。丁寧な序文と訳者解説のなかで触れられる日本軍「慰安婦」問題を、また新たな地平で考えるためにも、貴重な歴史書として読み継がれてほしい労作である。

　７１年生まれ。独ハンブルク社会研究所研究員　
( ２０１６年０２月２８日，「赤旗」)

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ＮＨＫを国民の手に取り戻そう／「福岡の会」が発足

「ＮＨＫを考える福岡の会｣の発足総会が２０日、福岡市で開かれました。会場外まであふれる約１３０人が参加し、「ＮＨＫを国民の手に取り戻そう」の声をあげました。
　会は昨年９月からＮＨＫ福岡放送局への要請や街頭宣伝などの活動を重ねるなかで、７回の準備会議をへて発足にいたりました。
　白垣詔男（つぐお）事務局次長が昨年来の経過を報告しました。代表に選ばれた洗川（あらいかわ）鉄也氏は「権力が報道を抑え込み、憲法を変えてしまえば、『戦争する国』への道が出来上がる。それをねらう安倍政権に立ちはだかる大きな力にしよう」と訴えました。
　元ＮＨＫアナウンサーの青木茂人氏が講演｡ＮＨＫの｢慰安婦」番組の改変など、放送への政治の干渉の実例をあげ、職員らと協力した運動が必要だと語りました。
　ＮＨＫ包囲行動実行委員会の丹原美穂氏が連帯のあいさつ。会場から「批判するだけでなく、良い番組があれば事前に会から連絡して広められないか」などの声があがり、質疑応答が行われました。
　「会」の洗川代表ら７人は２５日、ＮＨＫ福岡放送局の広報担当者に「会」の発足を報告。ＮＨＫが政府・自民党に対しあくまで自律的な対応を貫くよう申し入れました。
( ２０１６年０２月２７日，「赤旗」)

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台湾戦後の暴動事件で犠牲／日本人遺族に初の賠償へ／沖縄県浦添市青山惠昭さん／政府側が上訴断念

　台湾の台北高等行政法院（日本の地裁にあたる）は１７日、鹿児島県与論島出身の青山惠先（えさき）さん＝当時（３８）＝が第２次世界大戦直後の台湾で起きた暴動事件で犠牲になった可能性が高いと認め、台湾政府側に６００万台湾元（約２０００万円）の支払いを命じました。台湾政府側は２４日、上訴を断念。政府から委託された基金会の理事会が同日開かれ、遺族の青山惠昭さん（７２）＝沖縄県浦添市＝に賠償を支払うことが決定しました。

初の事例
　同事件で日本人が賠償金を受ける初の事例となり、全国各地の被害者遺族から問い合わせが相次いでいます。
　惠先さんは戦前、台湾が繁盛していると聞いて、日本人が多く住む基隆・旧社寮島（現・和平島）の沖縄人集落に移り住み、カジキ漁に従事。徴兵で妻と生まれて間もない恵昭さんを残し、ベトナム方面の戦場に送られました。１９４６年５月に復員し、親類の住む鹿児島県にたどり着きました。惠昭さんと母親は長崎に引き揚げていましたが、それを知らずに惠先さんは基隆に２人を迎えに行き、事件に巻き込まれました。

却下通知
　事件は、４７年２月２８日に起きたことから２２８事件と呼ばれています。大陸から渡ってきた国民党政権の専制支配や、台湾人への差別に対する強い不満が爆発し、台湾全土で抗議行動が起こり、２万人以上が犠牲になったとされます。９５年に李登輝総統（当時）が公式に謝罪し、真相究明や賠償が進められていますが、不十分です。
　青山さんは２０１３年に基金会に父への賠償を申請。基金会は関係者の証言などから、惠先さんを事件の犠牲者と認定しましたが、台湾政府は、「慰安婦」など戦争中の台湾人に対する賠償請求に日本政府が応じていないことなどを理由に、１５年７月に却下を通知。青山さんはこれを不服として提訴していました。
　青山さんには、基金会から代理人弁護士を通して、理事会が賠償金を支払うことが多数決で決定したと伝えられました。その中で、台湾側は、戦後補償問題の解決を日本政府に求めていく考えであることが分かりました。
( ２０１６年０２月２６日，「赤旗」)

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論壇時評／「貧困と格差」が焦点に浮上／問題は政府が本腰入れるか／入沢隆文

　「貧困と格差」の問題が通常国会でも焦点の一つに浮かび上がっています。各誌ともこの問題を取り扱った論考が目立ちます。

このままでは社会もたない
　橘木俊詔（京都女子大学客員教授）「経済状況から見た老老格差」（『現代思想』）は、ジニ係数の分析などから「高年層が中年層や若年層よりも不平等性の高いことは確実に言える」とした上で、「もっとも深刻なことは資産保有ゼロという高齢者がかなりの数に達していることであり、何か突発的な不幸が身にふりかかったとき、自分の所得だけでは負担ができず、貯蓄の引き落としができないという悲惨な状況に追い込まれる｣と警告しています｡
　一方、大竹文雄（大阪大学教授）、小原美紀（大阪大学准教授）「高齢者の貧困がなぜ注目されるのか」（『中央公論』)は､高齢層の中での貧困率は低下しているものの高齢者人口の増加によって貧困者が拡大しているとして、「（高年齢層への）貧困対策を強化する理由は弱い｣と主張｡他方で、勤労者の所得格差や子どもの貧困率は上昇していることを示し、「対応を急ぐべきは、将来において貧困高齢者となる可能性が高い、現在の勤労世代や子ども世代の貧困者への政策の強化である｣と強調しています｡
　勤労世代や子ども世代への対策強化は当然ですが、高齢者への対策を対立的にとらえることは、世代間を分離させ、貧困の実態や原因から国民の目をそむけさせることになります。
　藤田孝典（ＮＰＯ法人ほっとプラス代表理事）、春日キスヨ(元松山大学教授)両氏の対談「『下流老人』を生み出す社会の貧困に抗して」（『現代思想』）は、母子家庭や父子家庭、高齢者介護、介護虐待、児童虐待、「多問題家族」などさまざまな貧困の実態と解決の方向を語りあっています。
　その中で藤田氏は「このままでは社会はもたない」「経済活動の下支えをする社会保障や社会福祉の役割が今こそ必要だ」と語っています。「財源がない」という声に対しても、富裕層や企業の内部留保の存在を挙げ、「その部分を今のうちにあてがっておけばいいことは、誰の目にも明らか」だと強調。参院選では「所得再分配、税の再分配、暮らしを底上げしてくれる候補者や政党に投票し、現場に沿った制度改革を目指して政治を少しずつでも変えていくことが重要です」と訴えています。
　格差問題は世界的なテーマとなっています。所得分配と公共経済学の権威とされるアンソニー・Ｂ・アトキンソン（ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授）「格差是正の具体策を提言する」（『フォーリン・アフェアーズ・リポート』）は、「現在のような格差の拡大は必然の流れではない」と述べ、格差是正の具体策として所得税の累進性強化や、誰もが１８歳になったときにもらえる「最低限所得保障」、収入が一定以下の人への給付金などを提唱しています。氏が「実のところ大部分の格差是正策は、すでに私たちの手の中にある。問題は、政府が格差問題に本腰を入れるかどうかだ」と語っていることは重要です。

誠意ある履行、問われる日本
　昨年１２月の日本軍「慰安婦」問題に関する日韓両政府の合意が賛否さまざまに論じられています。
　内田雅敏（弁護士）「通過点としての日韓『合意』」（『世界』）は今回の合意について「慰安婦とされた被害者たる女性たちの声が十分に考慮されたかどうかが見え」ないことを批判しつつ、日本政府に対して軍の関与を認めて「責任を痛感している」と言わせ、安倍首相に「心からのお詫びと反省の気持ちを表明する」と述べさせた点で「意味があろう｣と評価しています｡
　今回の合意は「最終解決」ではなく「出発点」であり、「日韓双方、とりわけ日本側が誠意をもって合意の履行に取り組まなければならない」と述べ、安倍首相などしかるべき日本政府関係者が被害者に直接謝罪することなどを求めています。今回の合意が、その遂行過程を通じて「双方が心底から理解し和解するという深みのあるものになることを心から願う」という言葉に共感します。
　（いりさわ・たかふみ）

〈今月の動向〉
・エマニュエル・トッド（フランスの歴史人口学者）「世界の敵はイスラム恐怖症だ」（『文芸春秋』）　経済的格差の拡大こそがヒステリックなイスラム恐怖症を生み出していると指摘し、瓦解に直面した社会の立て直しこそが喫緊の課題だと主張　
・経済誌が「マイナス金利」を特集。『週刊エコノミスト』（１６日号）「マイナス金利　日銀乾坤一擲の劇薬　早くも賞味期限切れ」、『週刊東洋経済』（１３日号）「日本銀行　黒田総裁は再びルビコン川を渡った」
　（編集部）
( ２０１６年０２月２４日，「赤旗」)

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おはようニュース問答／「慰安婦」問題正しい歴史認識が必要だよ

　秋平　どう考えてもおかしいよ。
　晴男　なにをそんなに怒ってるんだ。
　秋平　吉見裁判だよ。
　晴男　ああ、「慰安婦」問題研究の第一人者、吉見義明・中央大学教授の本を、「日本維新の会」の桜内文城衆議院議員（２０１３年当時）が「捏造」と言ったことに対する名誉毀損裁判だね。

不当な判決だよ
　秋平　そう。先月２０日の東京地裁判決は原告敗訴の不当判決だった。
　晴男　日本外国特派員協会の記者会見で、日本軍「慰安婦」問題に関して司会者が吉見教授の本を引用したら、「これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と公言したんだろ。なぜ裁判所は「名誉毀損じゃない」なんて判断したの？
　秋平　｢捏造｣というのは､｢事実でないことを事実のようにでっちあげること｣だけど､桜内氏は｢適当ではない､誤り｣程度の意味で発言した､と判決は言っているんだ｡
　晴男　「〝捏造〟の意味を捏造した裁判」というわけか。
　秋平　かりに「誤り」程度の意味だったとしても、「捏造した」と言われても仕方がない問題が吉見教授側にあると、裁判所が示さなければならない。「史料批判がいいかげん」とか「重要な史料を見落としている」とか。ところがそれもせずに、「名誉毀損ではない」と判断してるんだ。
　晴男　ひどいな。もちろん吉見教授は控訴したんだよね。間違った判決は高裁でたださないと。
　秋平　日本軍「慰安婦」問題といえば、昨年１２月に日韓両政府が合意を発表したね。

軍の関与認め
　晴男　日本政府が軍の関与を認め、「日本政府の責任を痛感している」と述べたね。「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」した一方、真相究明や歴史教科書への記述の約束などがないという批判もあるね。
　秋平　いま韓国で生存する被害者の平均年齢は８９･２歳だって｡被害者の尊厳が回復されるような､本当の解決に向けて､今後の日本政府の態度こそ厳しく問われている。
　晴男　解決に向けて、僕ら国民自身が正しい歴史認識を持って世論を盛り上げることも大事だね。それは吉見裁判の行方にも影響を与えるよ。
( ２０１６年０２月２４日，「赤旗」)

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潮流

　俳優の斎藤工さんが、ある番組で「安倍首相の〝功績〟は若い人を目覚めさせたこと」という趣旨を話していました。同様に高市早苗総務相の〝功績〟は、「表現の自由」への関心を呼び起こしたことといえるかもしれません▼各紙が高市総務相の〝電波停止発言〟をめぐり、放送法の特集をしています。本紙でも「『放送の自由』とは何か？」を連載。放送法の眼目が、放送の政府からの独立にあることを見つめました▼高市総務相が放送への介入の根拠にしているのが、「政治的に公平であること」などをうたった放送法第４条です。放送の持つ公共的使命を考えれば、これ自体に異論がある人はいないでしょう。しかし番組を公平か否か、政府が審査するとなれば話は別です▼思い出すのは２００１年、当時官房副長官だった安倍氏が「政治的公平」を迫ったことで起きたＥＴＶ番組改ざん事件です。この番組は日本軍「慰安婦」を扱ったものでした。介入の結果、ＮＨＫは加害兵士の証言などを削除。今度の高市総務相答弁では、「憲法９条」をめぐる番組も停波の対象になることを示唆しました。標的にされるのは、常に政権の意に反する放送です▼１４年の総選挙の際、自民党はＮＨＫと民放キー局に、「政治的公平」を文書で要望。その結果、１２年の衆院選の同期間に比べて選挙関連の放送時間が約４割減ったという報道もあります▼権力をチェックするはずのマスメディアが権力にチェックされる。犠牲になるのは国民の｢知る権利｣です。
( ２０１６年０２月２３日，「赤旗」)

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台湾で「慰安婦」記念館を予定

　【台北＝時事】台湾の女性人権団体「婦女救援基金会」は１７日、台湾初となる日本軍慰安婦に関する記念館「おばあちゃんの家―平和と女性人権館」を９月に開館すると発表しました。慰安婦関連の資料を展示するほか、性暴力を予防する教育の場として活用します。入場は無料。
( ２０１６年０２月１９日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題事実ゆがめる政府代表の発言に日本平和委が抗議

　ジュネーブで開かれた国連女性差別撤廃委員会で日本政府代表団の杉山晋輔外務審議官が、「慰安婦」問題に関して「強制連行を確認できるものはなかった」などと発言したことに対し、日本平和委員会は１８日、発言の撤回を求める抗議文を首相官邸と外務省に送りました。
　日本軍「慰安婦」が軍の関与のもと、本人の意思に反して集められたこと、慰安所の生活は強制的な状況のもとで痛ましいものであったことは、安倍首相が「継承する」としている「河野談話」にも明記され、強制連行がおこなわれていたことは多数の資料によって確認されていると指摘。昨年１２月の日韓外相会談の合意にも逆行し、歴史をゆがめる許しがたい暴挙だと批判しています。
( ２０１６年０２月１９日，「赤旗」)

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米に慰安婦像設置、日米議連会長懸念

　日米議員連盟会長の中曽根弘文元外相らは１７日、米民主党のダイアナ・デゲット下院議員ら米議員団と東京都内で会談しました。中曽根氏は米国内で慰安婦像を設置する動きがあることについて、「慎重に対応してほしい。米国の日系人、韓国系社会など、地域のコミュニティーを分断する恐れがある」と懸念を示しました。
　これに対し米側は直接答えず、「慰安婦問題は過去の問題で、もう解決したという認識だ。未来に向かうべきだ」と述べました。
( ２０１６年０２月１８日，「赤旗」)

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慰安婦説明、官房長官「合意に反せず」

　日本政府が慰安婦問題に関し、国連女子差別撤廃委員会で「軍や官憲による強制連行を確認できるものはなかった」と説明したことについて、菅義偉官房長官は１７日の記者会見で「委員側から提起された質問に対し事実関係を述べただけなので、韓国政府への非難や批判には当たらない。日韓合意に反するものではない」と述べました。
　合意は「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。国連など国際社会で、本問題について互いに非難、批判することを控える」としています。
( ２０１６年０２月１８日，「赤旗」)

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日本政府「慰安婦」強制連行を否定／国連委で強い批判／女性差別の撤廃を審議

　【ジュネーブ＝玉田文子】国連女性差別撤廃委員会による日本報告に対する審議が１６日、ジュネーブの国連欧州本部でおこなわれ、日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の対応が厳しく批判されました。（関連５面）
　政府代表団の杉山晋輔外務審議官は「慰安婦」問題について、「日本政府が発見した資料の中には軍や官憲による、いわゆる強制連行を確認できるものはなかった」と説明しました。さらに、「性奴隷という表現は事実に反する」とのべるとともに、昨年１２月の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決した」などと主張しました。
　これに対し委員は、「非常に不満で許容できない。だれも歴史を変えることはできないし、逆行することもできない。問題を否定する一方で、日韓合意をすすめる政府の態度は矛盾している。問題がないのであればなぜ、合意する必要があったのか」と強烈な不満を突きつけました。
　女性差別撤廃委員会は日本政府に対し１９９４年以来繰り返し、日本軍「慰安婦」問題の解決を勧告しています。
　ところが政府は、第７、８回報告で「本条約を締結（１９８５年）する以前に生じた問題に対して遡って適用されないため、慰安婦問題を本条約の実施状況の報告において取り上げることは適切でない」として、開き直ってきました。

「国際社会で通用しない」／審議を傍聴した日本婦人団体連合会の柴田真佐子会長の話
　委員会は、日本軍「慰安婦」問題について被害者への補償、加害者処罰、教育を含む永続的な解決を繰り返し勧告してきました。重大な人権侵害であり、今も続いている紛争下での性暴力を根絶する上で、この問題の解決が欠かせないという立場なのです。日本政府の対応は、人権問題だという認識がまったく欠如していることを示すものであり、国際社会では通用するものではありません。
( ２０１６年０２月１８日，「赤旗」)

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女性差別の撤廃、日本政府は軽視／国連委でＮＧＯ告発

　【ジュネーブ＝玉田文子】女性に対するあらゆる差別の禁止を定めた女性差別撤廃条約をめぐり、日本の進捗状況を検討する国連女性差別撤廃委員会による審議が１５日からジュネーブの国連欧州本部で始まり、日本のＮＧＯ（非政府組織）から意見を聞きました。
　今回の審議には、４５団体で構成される「日本女性差別撤廃条約ＮＧＯネットワーク」（ＪＮＮＣ）が８０人の代表団を国連欧州本部に派遣しています。事前にリポートを提出し、委員会との意見交流や政府審議の傍聴などを行います。
　女性差別撤廃委員会は、締約国の実施状況を審議するにあたって、政府報告には盛り込まれない差別の実態を把握するために、ＮＧＯの情報提供を重視しています。
　女性差別撤廃委員会による意見聴取では、ＪＮＮＣを代表してワーキング・ウィメンズ・ネットワーク（ＷＷＮ）の岡田仁子さんが発言。前回から勧告されている日本政府の条約軽視の姿勢が改められていないと指摘しました。とりわけ緊急の課題として、▽民法と戸籍法の差別的規定の撤廃▽母子家庭や障害のある女性などの貧困の深刻化▽日本軍「慰安婦」問題の解決▽女性の政治参画の拡大▽選択議定書の批准―などを強調しました。
　委員からは、離婚後の女性の経済状況・子育ての実態、政府が作成した第３次男女共同参画基本計画の評価や第４次計画の策定についてＮＧＯとの対話の機会を設けたか否か、人工妊娠中絶に対する処罰法規定の問題、移民女性が入管法で受ける不利益などについて質問を受けました。
　女性差別撤廃委員会は１６日に、日本政府の報告を審議します。

女性差別撤廃条約
　１９７９年に国連で採択された条約。男女平等を達成するために法律上の平等だけでなく、慣習・慣行や人々の意識の変革のために必要な措置をとることを締約国に義務付けています。１８９カ国が批准。日本は８５年に批准しました。各国の取り組みを監視するために女性差別撤廃委員会（ＣＥＤＡＷ）が設置され、定期的に締約国の報告を審議し、結果を「総括所見」として発表します。
( ２０１６年０２月１７日，「赤旗」)

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各地で「建国記念の日」反対集会／愛知／岐阜／金沢／福井／津／富山

　今年５０回目となった「建国記念の日」に反対する集会が１１日、各地で開かれました。

愛知県民のつどいに４００人
　名古屋市では「第５０回『建国記念の日』不承認　愛知県民のつどい」が開かれ、会場いっぱいの４００人が参加しました。３０団体でつくる実行委員会の主催。
　川村治令・愛知県歴史教育者協議会委員長が開会あいさつし、「安倍政権は、参院選で明文改憲できる３分の２以上の議席を狙っている。これを阻止するためにも、しっかり勉強し行動しよう」と話しました。
　愛敬浩二・名古屋大学大学院教授が「安倍政権から『戦後日本』を取り戻す」と題して講演し、「安倍政権は決して強いものではない。しっかりとくさびを打ち込んでいきたい」と強調しました。
　白井聡・京都精華大学専任講師は、敗戦を認めず、戦前に回帰するかのような安倍政治の危険性を指摘し、「戦前への逆行を止めるには野党の結集が鍵であり、好き嫌いを言っている場合ではない」と語りました。
　民主主義・立憲主義を踏みにじる安倍政権の暴走を許さず、日本国憲法の精神が生きる社会をめざす集会アピールを採択しました。
　夫婦で参加した樋口幸雄さん（６９）は「経済政策はガタガタ、閣僚は問題が相次ぎ、安倍首相は言い訳ばかり。こんな人が日本のトップでいいはずはない」と語りました。

岐阜／日本の右傾化を考える
　岐阜市では「日本の右傾化を考える」２０１６ピース・トーク・デイが行われました。主催は同実行委員会。
　パネリストの教科書ネットぎふの石榑亨造さんは、ゆがめられた中学校の教科書採択制度に言及し、「専門家でない教育委員が、教育の専門家である教員の意見を無視して教科書を採択することは間違いだ」と批判しました。
　「メディアの動向」を取り上げた棚橋正明さんは、安倍政権のメディアコントロールの実態やＮＨＫへの攻撃などに触れ、「製作者が誰のため、何のための新聞・放送なのかを自問し、集団で話し合うことが大事であり、マスメディアに意見を言い、育てていく気持ちをもつことだ」と指摘しました。
　参加者との意見交流では「教育基本法の改定でテストの中身まで介入し、真実が伝えられなくなっている」「おかしいことは声を上げていくことだ。必ず歴史は前に進む」などの声が上がりました。

金沢／平和と民主主義考える
　金沢市では石川憲法会議などが「平和と民主主義を考える集い」を開き、６０人が参加しました。
　開会あいさつで、石川憲法会議の東孝二代表委員（元教師）は「わたしは、１回目の集いから参加しているが、この日はスキーに行っている場合でないと教師が集まった。平和でないと教師は務まらない」と平和の大切さを述べました。
　金沢バブテスト教会の田口昭典牧師が「靖国・天皇制・戦争法を考える」と題して講演を行いました。
　田口氏は「人間の記憶は時間とともに薄れる。常に原点に立ち返り、繰り返しこのような集会をやることは大切」と述べました。
　「２月１１日の『建国記念の日』は戦後廃止された『紀元節』の復活で５０年前に佐藤栄作内閣が祝日法を改悪して復活させた」と述べ、靖国神社や天皇制などについて語り「戦争は絶対ダメ。殺しても殺されてもダメ」と強調し「いま運動を展開する時。市民運動はおみこしと同じ、みんなで集まって全体でみこしは動く。ものごとは進んでいく」と述べました。司会者は「戦争法の廃止のとりくみを強め憲法を守り立憲主義を取り戻そう」と運動を広げることを訴えました。

福井／憲法の大切さを強調
　福井市の県教育センターで福井県集会が開かれ、約１１０人が参加しました。
　金沢大学の小林信介准教授が講演し、改憲派とは異なる「日本の伝統」論を展開して日本国憲法の大切さを強調しました。日本国憲法が「時代に即したアレンジゆえ定着」したと指摘し、土台に戦前の民衆の運動や戦争による疲弊などがあったとし、「９条改定は『日本の伝統』の破壊的行為」だとのべました。
　集会では、「戦争する国づくり反対！福井総がかりアクション」の屋敷紘美代表が発言し、戦争法廃止の２０００万署名や「『野党は共闘』　戦争する国づくり反対！県民集会」（２０日、福井市フェニックス・プラザ）の取り組みを訴えました。
　あわら市の男性（６０）は講演に共感し、「平和を掲げる理念が大事で、その土壌は歴史的にあった」と話しました。

津／たたかいグローバル化進む
　三重県津市で、「『建国記念の日』を考える集い」が開かれ、約１００人の市民が参加しました。県歴史教育者協議会などでつくる実行委員会の主催。
　東京造形大学の前田朗教授（刑事人権論、戦争犯罪論）が「平和を希求する構想力を」と題して講演しました。
　前田氏は「９・１１」以降、アメリカなどが対テロ戦争を口実に新植民地主義による世界支配を強めているとし、これを「グローバル・ファシズム」と呼んで警鐘を鳴らしました。平和を求める市民のたたかいのグローバル化にも言及し、軍隊のない国家が２７カ国にも及んでいることや、国連では「平和への権利宣言」が草案作成にまで至っていることを紹介しました。
　質問に答えて、伊勢志摩サミットで「テロ対策と称しての人権侵害」が起きる危険性も指摘しました。
　集いでは、南勢高教組元委員長の貞森義和氏が「みなさんの知らない伊勢神宮」と題して話しました。

富山／ＮＨＫは政権チェックを
　富山市では「『紀元節』復活反対、平和と民主主義を守る２・１１県民集会」が開かれ、１００人が参加しました。
　富山県歴史教育者協議会の松浦晴芳氏は主催者あいさつで、「２０００万署名など『戦争する国』づくりを許さない運動の輪を広げていきたい」とのべました。
　元ＮＨＫプロデューサーで武蔵大学教授の永田浩三氏が「いまメディアが危ない―ＮＨＫと政治権力・安倍政権のメディア支配」と題して講演しました。
　永田氏は、高市早苗総務相が憲法９条改定に反対する内容を放送した放送局の電波停止に言及したことに触れ、憲法２１条と放送法に反するもので、大臣の辞任に値する発言だと厳しく批判しました。日本軍「慰安婦」問題を裁こうとする「女性国際戦犯法廷」をとりあげたＥＴＶ２００１の番組内容が、当時の安倍晋三官房副長官らの圧力で大幅に改編させられたことなどを紹介し、ＮＨＫが政権の暴走をチェックするメディアとなるよう、今後も声をあげていきたいと語りました。
　参加した富山市の女性（６８）は「永田さんのＮＨＫをまっとうにしたいという思いがよくわかった」と話していました。
(２０１６年０２月１３日，「赤旗」)

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立憲主義・民主主義に基づく平和な未来をひらこう／東京で「建国記念の日」反対集会

　５０回目となった「建国記念の日」に反対する集会が１１日、東京・中央区で開かれました。市民・研究者など会場いっぱいの３５０人が参加しました。
　千葉大学の栗田禎子教授(日本中東学会前会長)が講演し、安倍政権が強行した戦争法（安保法）はアメリカの中東介入のすべてに自衛隊が参加できるものになっていると指摘。「冷戦」後のアメリカの主戦場は中東であり、ＮＡＴＯなどを巻き込むために集団的自衛権が行使されてきたこと、シリアやウクライナなどが世界規模の戦争の火種になり、日本がそこに関わっていく可能性に警鐘を鳴らしました。
　一方、日本の復古的な国家主義勢力の誤算として、戦争を直接体験した世代が減っても、体験を聞き「同じ体験を繰り返したくない」と学んだ若い世代が生まれていることを強調。現在の世界の民衆運動にも触れ「自信を持ってたたかいを進め、次の世代へ手渡そう」と呼びかけました。
　高校教師の西村嘉高さんが歴史教育の現場の取り組みを、子どもと教科書全国ネット２１の鈴木敏夫さんが道徳教科化の問題点や１８歳選挙権に関連しての教師や生徒への規制の動きを、一橋大学専任講師の加藤圭木さんが日本軍｢慰安婦｣問題にかかわる吉見裁判の現状を､それぞれ報告しました｡
　歴史の逆行を許さず、立憲主義・民主主義に基づく平和な未来をひらこうと呼びかける集会アピールが採択されました。
( ２０１６年０２月１２日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／合意に基づく真の解決を／笠井、紙両議員が被害者と懇談

　姜日出さんと李玉善さん、「ナヌムの家」の安信権所長は、日本共産党の笠井亮衆院議員、紙智子参院議員と国会内で懇談しました（１月２６日）。
　姜さんらは、ナヌムの家をこれまでに３度訪問している笠井議員との再会を喜びました。笠井議員は、被害者や支援者らのたたかいが、今回の合意で安倍政権に「おわびと反省」「責任を痛感している」といわせたと敬意を表しました。
　その上で、合意後も自民党議員による暴言や、これを放置する政府、合意が履行されてもいないのに「終止符を打った」（同２２日、衆参両院本会議での施政方針演説）などとする安倍首相の言動を批判。「合意に基づき、加害と被害の事実を具体的に認め、それを反省し謝罪することが重要だ。安倍政権をこの立場に立たせるよう一層努力していきたい」と語りました。
　また「被害者の名誉と尊厳が回復され、心の傷が癒やされてこそ真の解決になる」とし、安倍首相が直接出向いて謝罪し、納得を得ることが大事だと語ると、姜さんは「まさにそれが私が望んでいることです」と応じました。
(２０１６年０２月０７日，「赤旗」)

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韓国元「慰安婦」が証言／私たちの苦しみ聞いて／首相は性奴隷の事実を認めよ

　「私たちの苦しみ、痛みを聞いて、考えてほしい」―。韓国の日本軍「慰安婦」被害者らが来日し、性奴隷とされた体験を証言しました。「慰安婦」問題をめぐる日韓両政府の合意から１カ月。被害者の思いは―。
　本吉真希記者

　来日したのはソウル近郊の「ナヌム（分かち合い）の家」に暮らす李玉善（イ・オクソン）さん（８８）と姜日出（カン・イルチュル）さん（８７）。東京と大阪で開かれた記者会見や集会に出席しました。（１月２６～３１日）
　２人はともに数えで１６歳のとき、日本の植民地支配下にあった朝鮮から「満州」（中国東北部）に連行されました。
　「『慰安婦』は兵士にモノとして投げ与えられた」と語る李さん。日本軍の慰安所で一日に４０～５０人の相手を強いられた日もあり、抵抗すると暴力を振るわれました。右手を見せながら「ここに刀で刺された傷がある。足にもある。慰安所は〝死刑場〟のようだった」と話します。
　当時、日本軍は李さんらの目の前で、性行為を拒んだ１４歳の少女を殺しました。「私たちは涙を隠し、耐えるしかなかった」と李さん。道端に捨てられた少女の遺体はのら犬に食べられ、遺骨も残らなかったといいます。
　姜さんは「『慰安婦』は人間扱いされなかった｡泣けばたたかれ､頭に傷が残るほどの暴力を振るわれた」と帽子を脱ぎ、何度も傷跡を指さしました。「安倍（晋三）首相は私たちの被害を明確に認めてほしい。私たちの前に来て、正しく謝罪するべきだ｣と訴えました｡

問題の本質否定
　安倍政権は今回の合意で「軍の関与」を認めました。しかし安倍首相は、その後の国会で「性奴隷といった事実はない」と答弁（１月１８日、参院予算委員会）。女性たちが軍慰安所において、性奴隷状態に置かれたという「慰安婦」問題の本質を否定しています。
　李さんは「慰安所はあまりにつらく、拒めば殴られ、殺された人もいる。自ら命を絶った娘もたくさんいる。それをうそだといわれることが、どれほど悔しくて腹が立つか」と怒りの涙を見せました。
　２人に同行したナヌムの家の安信権（アン・シングォン）所長は「被害者個人の人権と請求権の問題にもかかわらず、政府間で勝手に合意したことをハルモニ（おばあさん）たちは大変残念に思っている」と語り、こういいました。
　「被害者たちが具体的に体験を語るのは、戦時下の性暴力が二度と起こらないようにするためです。だから『軍の関与』という漠然としたものでなく、日本軍が慰安所を設置して管理、統制し、女性たちに性行為を強要したという、人権をじゅうりんした問題であることを日本政府が公式に認め、謝罪してほしい。それがハルモニたちの願いです」
(２０１６年０２月０７日，「赤旗」)

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日韓合意うけ緊急シンポ／国会内

　日韓の外相が昨年１２月、日本軍「慰安婦」問題で「最終的解決」を宣言する日韓合意をしたことをうけ、真の解決を求める緊急シンポジウムが５日、国会内で開かれました。日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の主催。
　日韓合意をめぐっては、被害者を置き去りにした政府間交渉による合意だとして、韓国世論を二分する事態になっています。
　韓国・慶北大の金昌禄（キム・チャンノク）教授は、問題の核心である強制性を認めておらず、「河野談話」からも「著しく後退している」と批判。また日本政府が「賠償金」ではないとして１０億円を拠出することは「法的な責任を否定しており、被害者たちの２０年におよぶたたかいを否定するものだ」とのべました。
　神奈川大の阿部浩己教授は、「慰安婦」問題は「２国間の外交問題に収まらず、人間の尊厳、女性の人権がかかわる普遍的な問題だ」として、日韓合意は「国際基準に照らしても最終的解決にはなりえない」と指摘しました。
( ２０１６年０２月０６日，「赤旗」)

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祖父の戦争犯罪に向き合って／沖縄本島、宮古島への平和の旅／有馬理恵

　私が役者を目指したきっかけは、１７歳のときに水上勉先生作・演出、浅利香津代さん主演の舞台「釈迦内柩唄」を見て気を失うほどの衝撃を受けたことにあります。
　火葬場の家業を継ぐことになった末娘・ふじ子の物語です。死体を扱う火葬業というだけで忌み嫌われていた家族と、朝鮮半島から強制労働で連れてこられた政治犯の人が、どんな社会的迫害を受けようとも生き方に誇りを持ち堂々と生きる姿が描かれていました。
　１８歳で劇団俳優座の研究生になった私は、１０年後、主人公・ふじ子を演じさせていただくことになり、それから１７年間、私のライフワークとして全国各地で上演し続けています。
　■□
　戦後７１年となる２０１６年を迎え、思い起こすのはＢ級戦犯として巣鴨プリズンに服役した祖父のことです。家族の事情で長年会えなかった祖父と初めて話したのは１７歳のときです。「釈迦内柩唄」に衝撃を受け、「自分の原点を見つめ直したい」と思ったことがきっかけでした。
　祖父は戦時中の武勇伝を語り始めました。自分が立てた計画で満州のある村を襲撃し全滅させて勲章をもらった…。そんな勇ましい話が一段落ついたとき､祖父が突然､指先でこめかみをたたきながら大粒の涙を流し叫び出しました｡｢僕の頭の中には天使と悪魔がいて、ずっと悪魔が勝ち続けていたんだぁ！」。軍人の狂気を見た思いでした。
　そのときの祖父の様子は今でも心に焼きついています。「もう二度と頭の中の悪魔を勝たせなければ生きられない世の中にしたくない」と強く考えました。
　戦時中、祖父が所属した第２８師団はおよそ３万人の日本兵を率いて沖縄の宮古島に駐屯し、祖父はその司令部の情報参謀でした。宮古島には現在分かっているだけでも１７カ所の慰安所があったと言われています。司令部の祖父はそのことを知っていたはずです。
　■□
　４月１日から４日まで「祖父の戦争犯罪に向き合って～女優・有馬理恵と行く沖縄本島と宮古島の旅｣を企画しています｡辺野古を激励訪問、宮古島「慰安所」跡めぐり、アリランの碑、ハンセン病国立医療所訪問などの旅です。私は、日本軍「慰安婦」にされた被害者女性の願いを芝居にして宮古島の「慰安婦」の碑の前で演じ、祖父のことを講演会で話します。
　戦争と差別のない、全ての人々がともに生きられる世を求めて、これからも役者として、母として、人として生きたいと思います。
　（ありま・りえ　劇団俳優座・女優）
　＊「女優・有馬理恵と行く沖縄本島と宮古島ツアー」　問い合わせ℡０３（３３５７）３３７７（富士国際旅行社）
( ２０１６年０２月０５日，「赤旗」)

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台湾「慰安婦」問題／謝罪と名誉回復を／台北市婦女救援基金会康淑華執行長に聞く

被害者２０００人以上、生存者は３人に／〝残り時間少ない、早く〟
　旧日本軍「慰安婦」として２０００人以上が被害を受けた台湾。１月に被害者１人が亡くなり、生存者は３人になりました。「慰安婦」被害者を支援する台北市婦女救援基金会の康淑華執行長は「残された時間はほとんどない」と語ります。康執行長に、昨年１２月の「慰安婦」日韓合意などについて聞きました。
　（台北＝小林拓也）

台湾とも対話を
　日韓合意は前進ではありますが、不満もあります。被害者が求めるのは名誉の回復です。日本政府が歴史の責任に向き合い、正式な謝罪をすることが重要です。その上で、歴史教科書に事実を記載し、次世代に伝えることが必要です。
　１月に被害者一人一人と直接会いましたが、彼女たちは日本政府が台湾側と対話をし、謝罪と賠償することを期待していました。台湾外交部は日本政府に正式な謝罪と賠償を求める方針です。日本政府は台湾など他の国と地域の被害者に対する謝罪と賠償のための対話を始めるべきです。
　１月１１日に被害者の１人、鄭陳桃（ていちんとう）さんが９３歳で亡くなりました。彼女は１９歳の時、看護師助手の仕事があるとだまされ、インドのアンダマン諸島で「慰安婦」にさせられました。
　１９９９年に日本政府の謝罪と賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した９人のうちの１人です。２００４年に東京高裁で敗訴した時、彼女は「私の心は負けることはない」と叫び、皆に勇気を与えました。彼女は最期まで日本政府の謝罪を望んでいました。
　生存者は９２歳が２人、８７歳が１人。３人とも高齢で残された時間はほとんどありません。

記念館を開館へ
　今年夏、台湾で初めての「慰安婦」問題に関する記念館を台北市内の迪化街に開館する予定です。「慰安婦」問題と同時に、女性の人権問題を学べる場所にしたいと思っています。ぜひ多くの日本人にも見学してもらい、日本統治時代の事実を知ってほしい。
　婦女救援基金会による民間の記念館で、資金は寄付で賄います。開館には２０００万台湾㌦（約７０００万円）必要です。台湾だけでなく、海外の良識ある人たちにも寄付を呼びかけています。
　また、「慰安婦」被害者の人生をテーマにしたドキュメンタリー映画「蘆葦之歌」（アシの歌）を作成しました。昨年夏に台湾の映画館で上映し、多くの若い世代の支持を得ました。単なる歴史記録映画ではなく、不幸な過去を背負った彼女たちがどのように心の傷を癒やしていくのかという命の物語です。今年夏に日本語版ＤＶＤも発売する予定です。

台湾の｢慰安婦｣
　台北市婦女救援基金会によると、１８９５～１９４５年に日本の植民地だった台湾では２０００人以上が旧日本軍の「慰安婦」にさせられました。９２年からの調査で、５８人の生存被害者を確定。多くが看護師や食堂従業員の仕事で稼げるなどとだまされ、日本軍がいる東南アジアなどの慰安所で日本兵の相手をさせられました。９９年に台湾の被害者９人が日本政府の謝罪と賠償を求めて東京地裁に提訴しましたが、２００５年の最高裁判決で敗訴が確定しました。
( ２０１６年０２月０４日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題・吉見裁判／「捏造」の検討なく論理破綻の不当判決／穂積剛

　弁護士として実務に就いて約１９年になるが、ここまで事実も論理も欠いた判決を見たのは初めてである。東京地方裁判所が１月２０日に出した、吉見義明中央大学教授に対する名誉毀損訴訟の敗訴判決のことだ。吉見教授は慰安婦問題研究の第一人者である。私はこの弁護団（団長・大森典子弁護士）の一員であった。
　２０１３年５月に「日本維新の会」の桜内文城衆議院議員（当時）が、日本外国特派員協会の記者会見で、「ヒストリーブックス（歴史書）ということで吉見さんという方の本を（司会者が）引用されておりましたけれども、これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と公言したことが問われた裁判である。

「事実の摘示」か「意見・論評」か
　歴史学者である吉見教授が自己の著作を「捏造」呼ばわりされたのだから、名誉毀損の成立は明らかである。どうやって裁判所は吉見教授を敗訴させたのか。
　名誉毀損は、その表現行為が「事実の摘示」か「意見・論評」かによって、その成否が大きく異なる。「事実の摘示」であれば名誉毀損が成立しやすくなり、「意見・論評」であれば成立しにくくなる。
　最高裁の判例はこの二つの概念の区別について、「一般の視聴者の通常の聴き方」を基準とし、「証拠等によってその存否を決することができる他人に関する特定の事項」であれば「事実の摘示」であり、それ以外が「意見・論評」に当たるとした。
　例えば「捏造」とは〝存在しない事実を意図的にでっち上げること〟だから事実の摘示だが、「インチキ学者」と公言するのは意見・論評になる。「インチキ」とは評価を含む概念であり、証拠によってその存否を決定できないからだ。
　このときの記者会見では、特派員協会の司会者が〝慰安婦制度は「性奴隷制」だと韓国が主張していること〟および〝慰安婦に関する吉見教授の本〟について言及していた。桜内氏の発言は、この司会者発言を受けてなされたものだった。
　裁判所はこの司会者発言を援用し、〝吉見の本には慰安婦が「性奴隷」だと記述されているが、慰安婦を「性奴隷」とするのは捏造だ〟というのが桜内発言の趣旨だとした。そしてこの意味での「捏造」の使い方は事実の摘示ではなく、意見・論評とすべきだと判断した。
　裁判所のこの「論理」は、おそらく読者にはよくわからないだろう。論理が破綻しており、合理的に理解することが不可能だからだ。

吉見教授は控訴／正常な判決必ず
　前述のように最高裁はこの区別を、「一般の視聴者の通常の聴き方」を基準として判断すべきとしている。普通の人が発言を聞いて、どう受け止めるかを基準にしろということである。
　しかし、司会者発言は英語でなされ、翻訳もされていない。普通の視聴者は、司会者発言の中身を知らず、司会者発言と関連させて桜内発言を理解することはできない。ここが、判決で最も破綻をきたした箇所となっている。
　百歩譲って、仮に「インチキ」と同じように「捏造」が意見・論評だったとしよう。その場合でも、学者である吉見教授に、「インチキ」とか「捏造」とか言われても仕方のないような前提問題があることを裁判所は認定しなければならない。「史料批判がいいかげん」とか、「重要な史料を見落としている」といった指摘である。
　ところがこの判決は、こうした検討を何一つせずに、名誉毀損は成立しないと判断した。明らかに異常な判決を、東京地裁の３人の裁判官がどうして出せたのか。一つ言えるのは、裁判所が実は世相に敏感に左右されるという実態である。
　吉見教授は控訴した。弁護団としては、高裁で必ず正常な判決を勝ち取る決意である。
　（ほづみ・たけし　弁護士）
　◇
　判決全文はｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｙｏｉｓｓｈｏｎ．ｎｅｔ／
( ２０１６年０２月０３日，「赤旗」)

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改憲右翼団体「日本会議」／「緊急事態条項」は結成時からの〝悲願〟／９７年、橋本内閣に要望書

　安倍晋三政権を強く後押ししている改憲右翼団体「日本会議」が結成直後の１９９７年７月に、早くも当時の橋本龍太郎内閣に「緊急事態法制」の整備を求める要望書を提出していたことがわかりました。
　「日本会議」機関誌の『日本の息吹』９７年８月号の記事によると、同会議の結成（同年５月）直後の７月１４日、初代会長の塚本幸一氏（ワコール会長＝当時、故人）ら同会議の幹部とともに、同会議と行動をともにする「日本会議国会議員懇談会」所属の国会議員が首相官邸を訪問。橋本首相（当時）に対し、「緊急事態における法制の整備」を筆頭に、▽学校教科書からの従軍慰安婦についての記述の削除▽首相の靖国神社参拝実現など５項目の「要望書」を手渡していました。
　同記事によると、塚本会長らは同会議結成後「初の首相会見」（約２０分）として、橋本首相に直接、要望書を手渡しました。橋本首相は「その趣旨は十分理解している」と返答したといいます。
　その後、日本会議側は改憲に「緊急事態条項」を盛り込むようシンポジウムなどで何度も要請。２０１２年４月に発表された「自民党憲法改正草案」に「緊急事態条項」が盛り込まれました。
　「緊急事態条項」は、外部からの攻撃や自然災害だけでなく、「内乱」などの口実でも内閣が「緊急事態」を宣言することで、国会と同様の立法権を内閣に持たせ、基本的人権まで制約できるようにする危険なもの。１９３３年にナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラー首相（当時）のもとで制定された「全権委任法」と同様、政権に対する憲法の制約を取り払う狙いがあります。
( ２０１６年０２月０３日，「赤旗」)

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韓国が「慰安婦」問題で日本に反論

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は３１日、慰安婦問題に関し、日本が「政府が発見した資料の中に軍や官憲による強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」という立場を示していることについて「慰安婦の動員、募集、移送の強制性は否定できない歴史的事実だ。国際社会が明確に判断を下している」と反論しました。聯合ニュースは３１日、日本政府が昨年末、国連の女性差別撤廃委員会にこうした立場を記した答弁書を提出したと報道。報道官のコメントはこれを受けたものです。
　報道官は「日本政府が、慰安婦問題の（日韓）合意の精神、趣旨を損なう言動を控え、被害者の名誉と尊厳を回復し、傷を癒やすという立場を行動で示すよう」求めました。
( ２０１６年０２月０１日，「赤旗」)

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（1月）ヘッドライン

*         「上々颱風」リーダー紅龍さん／無国籍じゃなく多国籍音楽／アイヌも朝鮮も…日本は多様だから面白い

*         「慰安婦」被害者が証言／大阪で集い、真の解決誓う／わたなべ候補参加

*         女性差別撤廃条約／現状を７年ぶり国連審議へ／進まぬ日本政府の取り組み／あらゆる分野で地位向上を

*         元「慰安婦」ら解決求めデモ／フィリピン

*         「慰安婦」問題で各界声明／日本政府は誠実な行動を／保団連女性部

*         「慰安婦」問題で各界声明／「解決済み」としてはならない／バウラック声明

*         笠井・紙議員、「慰安婦」被害者と懇談／安倍首相は合意基づき具体的事実認め謝罪を

*         「慰安婦」問題／法的責任認めて／日韓合意受け提言／宮城の会

*         安倍首相、直接謝って／元「慰安婦」訴え「加害の事実認めよ」／国会内で証言集会

*         少女像早期撤去決議

*         日本軍「慰安婦」問題日韓合意／問われる日本政府の姿勢／川上詩朗弁護士に聞く

*         戦争に抗する／岡野八代著／評者三浦まり上智大学教授

*         波動／ポーランド公共放送は／隅井孝雄

*         韓国「日韓合意、忠実な履行が重要」

*         首相の施政方針演説／要旨

*         日韓友好へ市民集会／韓国の教育現場から報告／奈良

*         「慰安婦本」著者、名誉毀損を否認／韓国・初公判

*         日韓合意〝実現へ誠実に〟／岸田外相、都内での講演で表明

*         捏造発言、賠償認めず／「慰安婦」研究者「強い憤り」／吉見教授ら会見／東京地裁

*         選挙ズーム／自民の参院比例区公認候補、高級官僚ズラリ／関係業界団体あげて支援

*         「慰安婦」問題研究者の名誉毀損／桜内元議員を訴え／あす地裁判決

*         参院予算委質問から／「慰安婦」強制連行を否定／安倍首相

*         首相と公明議員会食

*         台湾との協力さらに深化を／岸田外相

*         文化／ニコン「慰安婦」写真展中止は不当／ＳＯＳ出せるかがカギ／武蔵大学教授・元ＮＨＫプロデューサー永田浩三さん

*         文化／ニコン「慰安婦」写真展中止は不当／表現脅かす圧力はね返す／安世鴻さん勝訴

*         週間日誌／１６年１月１０日～１６日

*         河野元議長が日韓合意で双方評価

*         慰安婦傷つけた桜田議員辞めよ／新婦人が抗議文

*         「慰安婦本」著者に地裁が賠償命令／韓国

*         「桜田発言」に強い不快感／韓国外務省

*         日韓合意否定の暴言／桜田元文科副大臣「慰安婦はビジネスだ」

*         北朝鮮制裁／中国の役割を強調／朴大統領が談話発表／韓国

*         在日本大韓民国民団新年会での山下書記局長の祝辞

*         日韓合意「努力した」

*         在日本大韓民国民団の新年会／山下書記局長が祝辞

*         共産党国会議員、各地で活動／民団福岡県本部賀詞交歓会、真島氏が祝辞

*         おわび自分で言わぬ

*         文化通信／吉見裁判で歴科協が声明

*         旧日本大使館敷地から遺物／韓国

*         戦争の火種消す日本に／核兵器全面禁止を／非核政府の会シンポ

*         像撤去が解決の前提

*         年内訪ロに含み／首相

*         日韓外相会談について／日本共産党幹部会委員長志位和夫

*         日本軍「慰安婦」問題で日韓合意／〝当事者不在〟と反発／被害女性ら韓国政府説明に

*         日本軍「慰安婦」問題で日韓合意／日本政府、軍関与認める／おわびと反省を表明

*         倉本聰さん「僕の集大成」／戦前戦後生きた人々描く舞台「屋根」再演／自分の軸をブレずに進む

*         日英が「２プラス２」

*         韓国大統領「元慰安婦に留意した言動を」

*         挺対協、慰安婦合意撤回へ国連に要請

*         緊急事態条項は重大事態／小池氏、自民を批判／ＢＳ日テレ番組

*         「慰安婦」ネット３５人参加し宣伝／広島

*         日韓首脳も電話会談で対応協議

*         日米首脳が対北朝鮮で連携確認

*         慰安婦問題の日韓合意評価／米大統領

*         「慰安婦」合意／日本の態度、中国が疑念

*         「慰安婦」合意／韓国の外相、再交渉拒否

*         「慰安婦」問題解決、成果強調

*         台湾追加支援消極的

*         韓国政府、慰安婦白書発刊へ

*         「慰安婦」合意／約６割「最終解決」不同意／韓国世論調査

*         「慰安婦」合意、日韓が発言／少女像撤去／韓国努力と認識／菅官房長官

*         「慰安婦」合意、日韓が発言／少女像の撤去は政府事案でない／韓国外務省

*         ２０１６新春対談／日本共産党委員長志位和夫さん／元朝日新聞コラムニスト早野透さん／その４

*         「慰安婦」問題、日本政府との合意／韓国世論を二分／強制徴用・原爆被害者らから批判

*         「慰安婦」合意／北朝鮮が批判

*         「慰安婦」合意／韓国大統領に国連総長祝意

*         １０億円拠出、像撤去が前提／元「慰安婦」支援で首相意向

*         「慰安婦」問題／日韓合意は「誤り」／韓国調査で５０．７％

*         「慰安婦」問題／合意への理解、国民向け訴え／韓国大統領府

*         募金集める運動検討／「慰安婦」の支援団体／韓国

*         慰安婦問題／日本と今月協議へ／台湾外交部長、進展に期待

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1月（本文）

「上々颱風」リーダー紅龍さん／無国籍じゃなく多国籍音楽／アイヌも朝鮮も…日本は多様だから面白い

音楽活動３０周年・全作品収録スペシャルボックス
　沖縄民謡をはじめ、アジア各地の音楽を取り入れて、明るくにぎやかな楽曲を送り出してきたバンド「上々颱風（シャンシャンタイフーン）」。音楽活動３０周年を記念し全作品を収録したスペシャルボックスを出しました。リーダーの紅龍（こうりゅう）さんの思いとは…。
　金子徹記者

　「アジアのあけぼのと民衆のお祭り的な音楽をずっとやってきた」といいます。
　「もし現代に、流浪の旅芸人の集団があったら楽しいよね、というのが最初の発想です。金もうけでなく、何かの種をまくようなつもりで全国に行けたらと妄想したら、上々颱風になりました。人間が無条件に元気になれる、歌と踊りって必要なものだと思いました」

三線バンジョー
　「愛より青い海」など数々のヒット曲をもち､ホールはもちろん､神社仏閣の境内や河川敷、市場、酒蔵などでライブを開催。海外公演もしてきました。
　「日本人として、日本のリズムや歌で踊りたい。そうした大衆音楽を、高みからお説教するのでなく、お客さんと交わりながら作っていく。そのために、全国のお祭りを相当見物して歩きました。祭りに合わせて公演スケジュールを組んだり、そんなところから日本文化の多様性が体感できたのがよかった」
　バンジョーに三味線の弦を張る「三線バンジョー」を発案し、独自の音作りを展開。
　「バンジョーを三味線のように弾いていた人の演奏を見たのがきっかけです。私は他人から習うということができない性格で、学校へ行けばまず逆らう（笑い）。だから自分で工夫しました」
　当初は｢無国籍音楽｣と呼ばれ…。
　「ほかに言いようがなかったのかもしれないけれど、無国籍じゃなくて、むしろ多国籍の音楽だと思います。日本の文化は、一枚皮をはがせば多様です。北のアイヌから、南から、朝鮮半島からと、いろんな文化が折り重なっている。それがおもしろいから、いろいろ取り入れたんです」
　漫画家の、ますむらひろし氏の描き下ろしイラストが印象的なボックスには、アルバム７枚とアルバム未収録シングル集、ＤＶＤと７冊の復刻パンフレットを収めています。３０年を振り返り…。
　「最初は勢いでやっていましたが、１０年目ごろから苦難の道になりました。バンドも組織ですから人間関係が大変です。私は中小企業の経営者というか、リーダーでありながら労働組合の委員長でもあるような気持ちでした」

アベちゃんにストレス

　収録曲には、「平和が戦車でやってくる」など、戦争と平和を題材にした作品も。
　「アベちゃん（安倍晋三首相）が政権をとって以来、こっちはずっとストレスがたまっているので、いまこそ歌いたいと思う曲もあります。Ａ級戦犯として逮捕された岸信介（安倍首相の祖父）を尊敬し、目標とするような人には、とてもついていけません」
　テレビは見ません。
　「テレビをみると、どうしてもアベちゃんのような見たくもない顔を見ることになる。ＮＨＫのニュースの最悪なところは、アベちゃんなど自民党の言い分をそのまま流すだけで、全然突っ込まないところ。見ると後悔するので、テレビは見ないようになりました」
　日本共産党の「国民連合政府」の提案に。
　「感心しました。野党が戦争法廃止の一致点で連合政府をつくるというのは、良い提案です｡これまでも､民主党と共産党を足せば自民党に勝てそうな選挙は結構あったのに、と感じていたので、この提案には、〝おお、やるなあ〟と思いました｡それなのに、民主党はビビリまくってますね」
　初のソロアルバム「バルド」には、同時代への警告を込めた楽曲も収録しています。
　「結局、私のしてきたことは、どこを切り取っても日本はなんで戦争をしたのか、戦後とはなにか、戦争と個人とは、といった大きなテーマにぶつかります。でも、日本の戦争についての最近の議論をみると、とても危険な状態になってきている。南京大虐殺で、犠牲者が３０万人というのは多すぎるという人がいるけれど、では仮に２０万人や１０万人だったら大虐殺ではないのか。日本軍『慰安婦』は商売だった、という国会議員の発言など、悲しくなります」
　幅広い問題意識を下敷きに、こつこつ仕事を続けます。
　「歌がうまいわけじゃない。バンドでなくソロでのライブは大変な面もある｡だけど､作品にしていくことがおもしろく、それがあるから生きていけます。漫画家は絵を描く。私は曲を作り歌を作る。これが楽しい｡あとは､もうちょっとお金になればいいんだけど（笑い）」

こうりゅう＝１９５５年、神奈川県生まれ。西川郷子さんらと８０年に結成した「紅龍＆ひまわりシスターズ」を母体に、８６年から上々颱風のリーダー。上々颱風は現在、活動休止中
(２０１６年０１月３１日，「赤旗」)

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「慰安婦」被害者が証言／大阪で集い、真の解決誓う／わたなべ候補参加

　韓国から来日中の日本軍「慰安婦」被害者、李玉善（イ・オクソン）さん（８８）、姜日出（カン・イルチュル）さん（８７）、被害者が暮らす「ナヌムの家」の安信権（アン・シンゴン）所長を招いた「ナヌムの家ハルモニ『証言』のつどいin大阪」が３０日、大阪市内で開かれ、１１０人が参加しました。主催は同実行委員会。
　李さんは１５歳で中国に連行され、抵抗したり逃げようとすると暴行をうけ、自殺した人もいたと証言。昨年末の日韓合意について、被害者の前で協議し謝罪すべきだと述べました。姜さんは、人間扱いされなかったと訴えました。
　安所長は、ハルモニたちが高齢になり生存者が少なくなっていると述べ、被害者を抜きに行われた日韓合意を批判しました。
　安達克郎実行委員長が開会あいさつし、元中学校教員の米澤清恵さんが講演しました。
　３年前に「ナヌムの家」を訪れた日本共産党の、わたなべ結参院大阪選挙区候補が参加。ハルモニに花束を手渡し、真の解決へ頑張りたいとあいさつしました。
( ２０１６年０１月３１日，「赤旗」)

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女性差別撤廃条約／現状を７年ぶり国連審議へ／進まぬ日本政府の取り組み／あらゆる分野で地位向上を

　日本の女性差別を改善する動きはどこまで進んだでしょうか。この２月、女性差別撤廃条約にもとづいて、日本の現状と政府の取り組みが７年ぶりに国連で審議されます。日本婦人団体連合会（婦団連）の柴田真佐子会長に条約の意義や審議の焦点について聞きました。
　（聞き手　玉田文子）

婦団連・柴田真佐子会長に聞く
　日本が女性差別撤廃条約を批准した１９８５年以来、政府は女性差別撤廃の取り組みについて報告を定期的に国連に提出してきました。（図）
　この報告を審議する国連の女性差別撤廃委員会（ＣＥＤＡＷ）が、２月にジュネーブで、日本政府の提出した第７回と８回の報告を審議することになっています。
　審議結果は「総括所見」として公表され、ここで指摘された内容が、次の報告までに締約国が取り組む課題になります。
　前回２００９年の「総括所見」で日本政府は、多くの分野にわたって４８項目の懸念と改善すべき課題について勧告を受けました。(別項)

■民法規定
　そのうち進展した課題は、２０１３年の婚外子相続分規定の改正など、一部のみです。日本政府による差別是正は進んでいないのが現状です。
　とりわけ前回の「総括所見」で、２年以内の追加報告を求められた課題が二つあります。
　一つは、民法など法律に残された差別規定の撤廃です。二つ目は、雇用および政治的・公的活動、政策決定過程への女性の参加拡大のための積極的改善措置の実施です。
　民法改正について、ＣＥＤＡＷは、▽男性１８歳・女性１６歳という婚姻年齢を男女ともに１８歳にする▽女性のみに課している６カ月の再婚禁止期間の撤廃▽選択的夫婦別姓制度の導入―の３点を求めています。
　日本政府は第７回・８回報告でも「議論の裾野を広げる」という記述にとどまり、改善の具体策を示していません。前々回審議（０３年）から勧告されていますが、遅々として進んでいません。
　昨年末、民法の夫婦同姓の強制について最高裁は「違憲」と判断しませんでした。しかし、選択的夫婦別姓にむけた議論をするように国会に要請しています。この実施にむけて、世論を広げる必要があると考えています。

■参加拡大
　次に、あらゆる分野における女性の参加拡大のための積極的改善措置の実施です。国連は２０３０年までに、あらゆる分野の女性参画割合を５０％に引き上げることを求めています。
　日本政府は１９９９年に、男女共同参画社会基本法を制定しました。第７回・８回報告では、この法律にもとづく基本計画を策定し、各分野に女性参画を働きかけていると強調しています。
　しかし、ここでも実態は大変遅れています。
　政治分野では、国会の女性議員割合が、列国議会同盟の２０１５年結果報告によると衆議院は９・５％で世界１５３位の最低クラスです。雇用分野では、非正規雇用化や妊娠・出産を契機にした離職など、女性が働き続けることが困難な状況が深刻化しています。
　「報告制度」は、各国の状況を把握するために重要な制度です。そのために政府だけでなく、ＮＧＯ（非政府組織）からの報告も広く受け入れています。政府報告とは異なる角度のリポートを審議に生かしています。
　日本には、この条約実施のために専門的に活動するＮＧＯがあります。婦団連や新日本婦人の会なども加わる日本女性差別撤廃条約ＮＧＯネットワーク（ＪＮＮＣ）です。ＪＮＮＣは、日本国内のさまざまな団体が参加し、リポート作成や審議傍聴、「総括所見」実施状況の監視を行っています。
　婦団連はＪＮＮＣの一員として、来月の審議の傍聴・ロビー活動に参加します。婦団連で作成したリポートも提出済みです。
　婦団連リポートでは、政治参画、雇用など１０分野にわたる日本の現状を報告しています。
　婦団連は、個人通報による救済を認める選択議定書の批准、民法の差別的規定の撤廃、「慰安婦」問題の解決にむけて署名運動に取り組んできました。
　また、家族従業者の労働に対する報酬を必要経費として認めない所得税法５６条の廃止や雇用、医療、教育、農業などあらゆる分野の女性の地位向上を求めています。
　日本の女性差別是正に十分な進展が見られない背景には、条約を軽視し、実施に真剣に取り組まない政府の姿勢があります。
　差別是正は運動がないと前進しません｡婦団連は､さまざまな人びとと連帯して女性の人権確立に向けて、今後もさらに運動を強めていきます。

２００９年の「総括所見」で受けた主な勧告
○民法の差別的な法規定の撤廃
○暫定的特別措置
○条約選択議定書の批准
○「慰安婦」問題の解決
○女性に対する暴力
　保護命令の発令迅速化、２４時間の無料ホットラインの開設
○雇用
　男女の賃金格差をなくすための具体的な措置、妊娠・出産による違法な解雇を防止する措置、セクハラに対する制裁措置

女性差別撤廃条約
　１９７９年に国連で採択された女性の権利全般を規定した条約です。１８９カ国が批准。日本は８５年に批准しました。条約は、社会、経済、文化、政治の「あらゆる分野」における男女平等達成に必要な措置をとることを締約国に要求。撤廃の対象は､「法律上の差別」だけでなく、慣習・慣行による「事実上の差別」も含まれます。また、条約は「報告制度」を規定し、締約国が取り組む是正措置を定期的に国連に報告する義務を課しています。
( ２０１６年０１月２９日，「赤旗」)

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元「慰安婦」ら解決求めデモ／フィリピン

　【マニラ＝時事】天皇、皇后がフィリピンを訪問中の２７日、首都マニラでフィリピン人の旧日本軍元従軍慰安婦らによるデモが行われました。日韓の慰安婦問題合意を受け、参加者は「同様の解決を」と求めました。
　デモは女性団体が主催し、元慰安婦６人を含む数百人が歓迎式典が行われたマラカニアン宮殿（大統領府）近くの街頭に集まりました。
( ２０１６年０１月２８日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題で各界声明／日本政府は誠実な行動を／保団連女性部

　全国保険医団体連合会（住江憲勇会長）は２７日、女性部名（板井八重子部長）で「日韓両政府が『日本軍慰安婦問題』を決着させるとした合意」についての声明を発表しました。
　日本政府が日本軍「慰安婦」問題について「当時の軍の関与」を認め、「責任を痛感している」と表明したことなどを指摘。言葉通りの解決、性被害を受けた人たちの「名誉と尊厳の回復」「心の傷の癒やし」の達成を求めています。
　今回の協議は「終始一貫、被害当事者不在で進められた」と指摘し、今回の合意を最終的な解決とせず、「被害者に受け入れられる形での謝罪や賠償措置など、日本政府が不断の努力と誠実な行動を続ける」ことを求めています。
( ２０１６年０１月２８日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題で各界声明／「解決済み」としてはならない／バウラック声明

　「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター（ＶＡＷＷ　ＲＡＣ＝バウラック）はこのほど、「『合意』では加害国日本の責任は果たせない」とする声明を発表しました。
　声明は昨年１２月に日韓両外相が発表した日本軍「慰安婦」問題に関する合意について「責任の主体を明示していない」「被害者を完全に無視」「歴史教育や記憶の継承への決意が消失」など５点にわたって問題点を指摘。
　「被害女性が望んでいない、加害国日本の責任を果たしていない日韓両国だけの『合意』で『解決済み』としてはならない。被害者は韓国以外にもいることを忘れてはならない」としています。
( ２０１６年０１月２８日，「赤旗」)

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笠井・紙議員、「慰安婦」被害者と懇談／安倍首相は合意基づき具体的事実認め謝罪を

　韓国から来日中の「慰安婦」被害者、姜日出さん（８７）と李玉善さん（８８）が２６日、日本共産党の笠井亮衆院議員、紙智子参院議員を訪れ、国会内で懇談しました。２人が共同生活を送っている「ナヌムの家」の安信権所長も同席しました。
　李さんは昨年末に日韓政府が交わした合意について、「責任を取るべき人々が私たちのことを分かっていない。（日本）政府が公式に謝罪して賠償してほしい。望みはこれだけです。必ず解決をしてください」と語りました。
　笠井議員は、被害者や支援者らの粘り強いたたかいが今回の合意で安倍政権に「おわび」と「反省」を言わせたと敬意を表し、「当事者抜きの解決ではなく、これからが大事だ」と強調しました。合意後も、自民党議員による暴言を放置する政府や、まだ合意が履行もされていないのに「終止符を打った」などとする安倍首相の言動を批判。「今回の合意に基づき加害と被害の事実を具体的に認め、それを反省し謝罪することが重要だ。安倍政権をこの立場に立たせるよう、一層努力していきたい」と語りました。
　また、「ハルモニ（おばあさん）のみなさんの名誉と尊厳が回復され、心の傷が癒やされてこそ、真の解決になる」とし、安倍首相が直接、被害者らに謝罪の気持ちを伝えて、納得をえることが大事だと語ると、姜さんが「まさにそれが、私が望んでいることです」と応じました。
　紙議員は「議員になったころに、日本で『慰安婦』裁判を起こしたハルモニのみなさんが思い出したくない、つらい体験を話してくださり衝撃を受けた」と語り、問題解決に向け力を尽くすことを約束しました。
( ２０１６年０１月２８日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／法的責任認めて／日韓合意受け提言／宮城の会

　日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす宮城の会は２６日、「慰安婦」問題の日韓合意について、真の解決をめざし、政府の法的責任を認め、謝罪と賠償をすべきだとする提言を発表しました。
　県庁で記者会見した共同代表の野呂アイ氏らは、日本政府として反省とおわびを表明しているなど一定の評価はできるが、具体的な加害の内容に触れないなど、不十分な点があると指摘し、「被害者が納得できるものでなければ解決にはならない。真の解決につながるように提言をまとめた」と話しました。
　同提言は、軍の関与と政府の責任を認め、国が拠出金を負担することは解決への前進面だとしながら、法的責任をあいまいにし、在ソウル日本大使館前の少女像撤去を条件にするなど、真に責任を認めていないと批判。法的責任を認め、明確な謝罪と被害に対する賠償で被害者の名誉と尊厳を回復すべきだと強調し、「慰安婦」問題を現在と未来の国民に正しく伝えることが必要だと強調しています。
　同会は同日、安倍晋三首相と外務大臣、衆参両院議長、県内選出国会議員や県議・仙台市議に送りました。
(２０１６年０１月２７日，「赤旗」)

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安倍首相、直接謝って／元「慰安婦」訴え「加害の事実認めよ」／国会内で証言集会

　「安倍首相は直接私たちに会って」―。日本軍「慰安婦」被害者の姜日出（カン・イルチュル）さん（８７）、李玉善（イ・オクソン）さん（８８）、被害者が暮らす「ナヌムの家」の安信権（アン・シンゴン）所長が来日し、２６日、国会内で証言集会がありました。主催は、民医連や新婦人、全労連などでつくる「２０１６ナヌムの家のハルモニを迎える会」。学生や市民ら約３００人が参加しました。

　所長はあいさつで「被害者個人の人権、請求権の問題であるにもかかわらず、日韓政府間で勝手に合意したことをハルモニたちは大変残念に思っている」と語りました。あいさつの途中で、姜さんが「私たちは（合意について）知らなかった」と叫ぶ場面もありました。所長は同会が東京と大阪で証言集会を開くことを紹介。「若い世代に伝えたい。悲惨な歴史を繰り返さないために、きちんと解決しなければならない」と訴えました。
　李さんと姜さんはともに数え年で１６歳の時に中国に連行されました。李さんは、時おり手を振りかざしながら「拒めば殺された人もいる。『慰安所』でなく『死刑場』だった」と話し、「安倍首相と直接、話をしたい」と述べました。
　姜さんは、帽子を取り、「慰安所」で受けた暴力による傷あとを見せながら、「人間扱いされなかった」と話しました。日韓合意に関して「『慰安婦』被害者をばかにした合意」と語り、「日本政府は、加害の事実について具体的に認め、私たちに直接謝罪をするべきだ」と語気を強めて語りました。
　中央大学の吉見義明教授が「『慰安婦』問題の歴史と現状について」と題して講演。証言を聞いた千葉県の勤医会東葛看護専門学校の女子学生は、「『慰安婦』問題の歴史を正しく伝えていくことが大事だと思った。学びを深めたい」と語りました。
( ２０１６年０１月２７日，「赤旗」)

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少女像早期撤去決議

　自民党は２６日、党本部で外交部会などの合同会議を開き先の「慰安婦」問題をめぐる日韓合意に関する決議を採択しました。ソウルの日本大使館前に設置された少女像の早期撤去に向け、政府に働き掛けを強化するよう求めます。
( ２０１６年０１月２７日，「赤旗」)

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日本軍「慰安婦」問題日韓合意／問われる日本政府の姿勢／川上詩朗弁護士に聞く

　日本政府は昨年末の日韓合意（１２月２８日）で、日本軍「慰安婦」問題について「軍の関与」を認めたうえで「責任を痛感している」と表明しました。ところが合意を壊すような暴言が自民党から出ています。日韓合意を受け、日本政府がすべきことは何か。長年、被害者らと真の問題解決に向け、とりくんできた弁護士の川上詩朗さんにききました。
　本吉真希記者

　―日韓合意後の共同記者発表で、岸田文雄外相は「軍の関与」を認め、「責任を痛感している」として「おわびと反省の気持ち」を表明しました。韓国政府が設立する財団に日本政府が国の予算から１０億円を拠出するとしています。合意をどう見ますか。
　今回、合意で「軍の関与」を認めた部分は、安倍内閣も含めて歴代内閣が踏襲するとしてきた河野談話（河野洋平官房長官談話、１９９３年８月）の一節（※）とほぼ同じです。
　いま安倍首相は、最終的に解決したかのような雰囲気をつくり出し、韓国側にボールは投げられたという構図をつくろうとしているように感じますが、それは責任の取り方として、主客転倒しています。
　岸田外相が語った合意には「日本政府は…全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる」とあります。「（これらの）措置を着実に実施するとの前提で…この問題が最終的かつ不可逆的に解決される」と確認しているのです。
　つまり、「最終的かつ不可逆的に解決される」かは、日本政府の言動にかかっています。

ビジネスと暴言
　―今月１４日、「（慰安婦は）職業としての娼婦（しょうふ）、ビジネスだった」という自民党の桜田義孝・元文部科学副大臣の暴言が飛び出しました。（同党の外交関係合同会議）
　菅義偉官房長官は「政府としてコメントは控えたい」と合意以前の従来の姿勢を繰り返しました。しかし日本政府には、歴史事実を歪曲（わいきょく）する発言を正す責任があります。
　桜田氏のような言動を許さず、河野談話が表明した歴史研究、歴史教育を通じて再発防止を行うことは日本自身の課題です。
　―被害者が求める最終的解決とは。
　合意後、日本の支援者らと韓国の関係者に会いました。被害者の李容洙（イ・ヨンス）さん（８７）は「私たちはこんな合意のために、たたかってきたわけじゃない」と再交渉を求めました。
　李さんら被害者が日本政府に求め続けているのは、軍が主体で女性たちを性奴隷状態にした事実と責任を明確に認め、謝罪し、その証しとしての賠償、真相究明、再発防止措置です。
　その要求を具体的に示したのが「日本政府への提言」（別項）です。韓国や中国、フィリピンなど各国被害者と支援者が参加した「第１２回日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」（１４年６月）で協議・採択しました。
　日本政府として「責任を痛感」するのであれば、その責任に伴う行動を一つ一つ積み重ねるべきです。それを被害者が受け入れて初めて真の最終的解決になるのだと思います。
　私たちは合意を足がかりに、真の最終的解決を安倍内閣に迫っていく必要があります。

　※河野談話は「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」と認めています。

「第１２回日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」が採択した「日本政府への提言」

　日本政府が次のような「事実と責任」を認めるよう要求しています。①政府と軍が、軍の施設として「慰安所」を立案・設置し、管理・統制した②女性たちが本人たちの意に反して「慰安婦・性奴隷」にされ、「慰安所」等に強制的な状況に置かれた③被害は多様で甚大であり、現在も続いている④当時の国内法・国際法違反の重大な人権侵害であった―などです。
　「被害回復措置」として①明確で公式な謝罪②謝罪の証しとしての賠償③真相究明④再発防止措置（教科書記述、追悼事業、事実歪曲の発言に反ばく）―などを求めています。
(２０１６年０１月２４日，「赤旗」)

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戦争に抗する／岡野八代著／評者三浦まり上智大学教授

反暴力から平和を見いだす思索
　本書は日本のフェミニズム政治思想を牽引する岡野八代の過去十年の思索をまとめた大著だ。安倍政権が立憲主義と平和主義に対して牙を隠さない今日、どのようにわたしたちが反暴力・反戦争の思想と実践を紡ぎ出せるか、本書ほど示唆に富むものはない。
　圧倒的なのは「慰安婦」問題をめぐる考察だ。犯罪によって損なわれた関係性の修復をめざす修復的正義の立場から、被害者たちが平等な存在として認められていなかったからこそ危害の対象とされたことを見つめ、彼女たちを道徳的に傷つきやすい立場に置き去りにする不正義を許容してきた社会そのものが変革されなければ、彼女たちに正義が為されたとはいえないと説く。昨年末の日韓合意が被害者を置き去りにしたことを考えると、日本政府の態度がいかに「侮蔑的」であるのか容易に理解されよう。
　被害者の尊厳を認めることが和解に向け何よりも必要であるとの主張は、本書後半の立憲主義論と通底する。個人の尊厳が立憲主義の核心にある以上、被害者の声を聴こうとしない政府が立憲主義を踏みにじるのは偶然ではない。
　岡野はさらにケアの倫理の観点から平和論を展開する。誰もが傷つきやすく、他者への依存を余儀なくさせられる存在であることを認識し、同時に暴力に加担する可能性を秘めていることに自覚的になることで、平和への可能性を見いだそうとする。岡野の思想は常に未来に開かれており、他者と向き合い、自省し、新たな関係性を結ぶ中で自由を獲得しようとする。こうした個人の生き方を国家に保障させることが戦争へ抗する道であると本書は示している。

　おかの・やよ　６７年生まれ。同志社大教授。京都９６条の会代表｡『法の政治学』
( ２０１６年０１月２４日，「赤旗」)

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波動／ポーランド公共放送は／隅井孝雄

　ポーランド公共ラジオが１月１日から毎時正時に「ポーランド国歌」とベートーベンの「歓喜の歌」（事実上のＥＵ歌）を流している。１月８日にはワルシャワの公共放送センターを数千人の市民が取り巻いた。言論の自由擁護の意思表示とみられる。
　ポーランドでは昨年末に右派「法と正義党」の政権が発足、公共ラジオテレビ放送のＴＶＰを支配下に置こうとしている。新設のメディア法はこれまで第三者委員会によって選任されていた会長、放送局長などを政府が直接任命する。会長ら首脳役員４名が抗議辞任、政府は即座に政権の黒幕として知られるジャセク・クルスキー氏を新会長に据えた。「今までの政権はリベラル思想の宣伝に放送を利用した、それをただす」という。事実上の国営化、２７年前に逆戻りだ。
　ＥＵ委員会は報道の独立と多様性が民主主義の基礎だとして、ポーランド、ドゥダ大統領にメディア法の撤回を求める書簡を送った。２００９年に採択された「報道の自由憲章」（Ｅｕｒｏｐｅａｎ　Ｃｈａｒｔｅｒ　ｏｎ　Ｆｒｅｅｄｏｍ　Ｐｒｅｓｓ）第２項は「検閲は認められない、メディアの独立を妨げる立法をしてはならない」と明記、加盟各国にその遵守を求めている。また８５局加盟の「ヨーロッパ放送連盟（ＥＢＵ）」も政府に抗議文を送った。
　ニュースに接して私はＮＨＫを思った。２年前に就任した籾井勝人会長は、政権によって送り込まれた人物との批判が絶えない。「政府が右ということを左とはいえない」（２０１４年１月２５日）、「（慰安婦問題の）政府のスタンスがまだ見えない。慎重に考える」（１５年５月１５日）などの発言を繰り返している。また「クローズアップ現代」の放送倫理問題で、総務相が警告文を送ったことが、ＢＰＯによって「放送の自主性、独立性に反する介入だ」と批判された。しかし現政権のＮＨＫ、民放への介入、干渉が繰り返され、国谷裕子、古舘伊知郎、岸井成格ら３人のキャスターが３月末に揃って降板する、という事態が起きている。
　政治権力から報道の自律と、独立性を守ることは、民主主義の基礎だとする精神を改めてかみしめたい。
　（すみい・たかお　ジャーナリスト）
( ２０１６年０１月２４日，「赤旗」)

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韓国「日韓合意、忠実な履行が重要」

　【ソウル＝時事】韓国の尹炳世外相は２２日の記者会見で、慰安婦問題に関する日韓合意をめぐり、双方の解釈の違いが指摘されることについて「大枠で両国政府は共に合意を忠実に履行していくことが最も重要だと認識している」と述べました。
　尹氏は「今後、元慰安婦の心の傷を癒やす具体的な措置を取る」と語り、合意に反対している元慰安婦らへの説得を粘り強く行う考えを示しました。
　一方、韓国外務省は、岸田文雄外相が２２日の外交演説で「日本固有の領土である竹島」と言及したことを批判する論評を発表。「正しい歴史認識が韓日関係の根幹だ。慰安婦問題に関する合意を契機に新しい関係を築こうとする努力に、日本政府が積極的に応えることを願う」と強調しました。
( ２０１６年０１月２４日，「赤旗」)

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首相の施政方針演説／要旨

　安倍晋三首相が２２日の衆参両院の本会議で行った施政方針演説の要旨は次のとおりです。

【１・はじめに】
（未来へ挑戦する国会）
　国民から負託を受けた私たち国会議員は、「どうにかなる」ではいけない。自分たちの手で「どうにかする」。現実を直視し、解決策を示し、そして実行する。その大きな責任がある。
　経済成長、少子高齢化、厳しさを増す安全保障環境。この国会に求められていることは、こうした懸案に真正面から「挑戦」する。答えを出すことだ。
　批判だけに明け暮れ、対案を示さず、後は「どうにかなる」。そういう態度は、国民に対して誠に無責任だ。具体的な政策をぶつけ合い、建設的な議論を行おうではないか。
　私たち自民党と公明党の連立与党は、決して逃げない。安定した政治基盤の下、そして、この３年間の大きな実績の上に、いかなる困難な課題にも、果敢に「挑戦」していく。
（世界経済の新しい成長軌道への挑戦）
　模倣、過酷な労働、環境への負荷。安かろう悪かろうは、世界のマーケットから一掃すべきだ。２１世紀にふさわしい経済ルールを世界へと広げる、大いなる「挑戦」。ＴＰＰ（環太平洋連携協定）は、その最初の一歩だ。
【２・地方創生への挑戦】
（ＴＰＰは大きなチャンス）
　ＴＰＰの誕生は、わが国のＧＤＰを１４兆円押し上げ、８０万人もの新しい雇用を生み出す。
　一方で、「ＴＰＰによって農業を続けることができなくなるのではないか」。多くの農家の皆さんが不安を抱いている。
　美しい田園風景、伝統あるふるさと、助け合いの農村文化。日本が誇るこうした国柄をしっかりと守っていく。
　米や麦、砂糖・でんぷん、牛肉・豚肉、そして乳製品。日本の農業を長らく支えてきた重要品目については関税撤廃の例外を確保した。２年半にわたる粘り強い交渉によって、国益にかなう最善の結果を得ることができた。農業の体質強化と経営安定化のための万全の対策を講じる。
　「２０２０年までに農林水産物の輸出を１兆円に増やす」。この目標を３年前に掲げたとき、「無理だ」という声が上がった。「できない」とも言われた。しかし、輸出額は昨年７０００億円規模に達し、その結果、「過去最高」を３年連続で更新した。
　１兆円目標も２０年より前倒しで達成する。ＴＰＰは、ピンチではない。世界に売り込む大きなチャンスだ。
　朝早く起き、額に汗して草を引き、精魂込めて作物をこしらえてきた、農家の皆さんの手間暇が、全うに評価されるようになる。それがＴＰＰだ。
　農産物の地理的表示をはじめ、投資、労働、環境など幅広い分野で、透明で公正なルールが共有される。日米両国が主導して、「良いものが良い」と評価される経済ルールを世界へと広げる。ＴＰＰはまさに「国家百年の計」だ。
（農政新時代）
　この機に、農林水産業の付加価値をさらに高め、農業・農村の所得倍増へ取り組みを加速する。
　意欲ある担い手への農地集約を加速する。農地集積バンクに貸し付けられた農地への固定資産税を半減する一方、耕作放棄地への課税を強化する。大規模化、大区画化を進め、国際競争力を強化していく。
　「攻めの農政」の下、４０代以下の新規就農者が年間２万人を超え、この８年間で最も多くなった。若者が将来に夢や希望を持てる農業へと改革する。
（中小・小規模事業者、中堅企業の海外展開）
　ＴＰＰの下では、技術移転を強制するような不当な要求が行われることは一切なくなる。知的財産も保護される。高い技術力を持つ全国津々浦々の中小・小規模事業者、中堅企業にとって、ＴＰＰは大きなチャンスだ。
（被災地の復興）
　来年春までに、計画の８５％に当たる２万５０００戸の災害公営住宅が完成し、高台移転も７割で工事が完了する見込みだ。
　この春、ほぼ全ての漁港が復旧する。来年には、全ての水産加工施設の再開を目指す。農地は８割が作付け可能となる予定だ。なりわいの復興も本格化し、復興は新たなステージへと入る。
　今後５年間を復興・創生期間と位置付け、６兆５０００億円の財源を確保し、被災地の自立につながる支援を行っていく。
　福島では、来年春までに帰還困難区域を除く避難指示を解除し、１人でも多くの方にふるさとへと戻ってもらえるよう、廃炉・汚染水対策を着実に進め、中間貯蔵施設の建設と除染を一層加速し、生活インフラの復旧に全力で取り組んでいく。
【３･１億総活躍への挑戦】
　最も重要な課題は、一人ひとりの事情に応じた多様な働き方が可能な社会への変革。そしてワーク・ライフ・バランスの確保だ。
　労働時間に画一的な枠をはめる、従来の労働制度、社会の発想を大きく改めていかなければならない。フレックスタイム制度を拡充する。専門性の高い仕事では、時間ではなく成果で評価する新しい労働制度を選択できるようにする。
　時間外労働への割増賃金の引き上げなどにより長時間労働を抑制する。さらに、年次有給休暇を確実に取得できるようにする仕組みをつくり、働き過ぎを防ぐ。
　女性が活躍できる社会づくりを加速する。妊娠や出産、育児休業などを理由とする上司や同僚による嫌がらせ＝「マタハラ」の防止措置を事業者に義務付ける。男性による育児休業を積極的に促す事業者には、新しい助成金を創設する。
　非正規雇用の皆さんの均衡待遇確保に取り組む。短時間労働者への被用者保険の適用を拡大する。正社員化や処遇改善を進める事業者へのキャリアアップ助成金を拡充する。契約社員でも、原則１年以上働いていれば育児休業や介護休業を取得できるようにする。本年取りまとめる「ニッポン１億総活躍プラン」では同一労働同一賃金の実現に踏み込む。
（介護離職ゼロ）
　「介護離職ゼロ」という明確な目標を掲げ、現役世代の「安心」も確保する社会保障制度へと改革を進める。
　在宅介護の負担を軽減する。特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅など多様な介護の受け皿を、２０年代初頭までに５０万人分整備する。介護施設には、首都圏などの国有地を安く提供する。
　高齢者も雇用保険の適用対象とし、再就職を支援するなど、多様な就労機会を提供する。さらに「ニッポン１億総活躍プラン」では、定年延長に積極的な企業への支援など、定年引き上げに向けた環境を整え、働きたいと願う高齢者の皆さんに道を開いていく。
（希望出生率１・８）
　「希望出生率１・８」の実現を目指す。
　所得の低い若者たちには新婚生活への経済的支援を行う。不妊治療への支援を拡充する。産前産後期間の年金保険料を免除し出産の負担を軽減する。妊娠から出産、子育てまでさまざまな不安の相談に応じる「子育て世代包括支援センター」を全国に展開していく。
　病児保育充実など子ども・子育て支援を強化する。目標を上積みし、１７年度末までに合計５０万人分の保育の受け皿を整備していく。返還免除型の奨学金の拡充、再就職準備金などの支援を行い、９万人の保育士を確保する。「待機児童ゼロ」を必ず実現していく。
　子どもたちの未来が、家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはならない。ひとり親家庭への支援を拡充する。所得の低い世帯には児童扶養手当の加算を倍増し、第２子は月１万円、第３子以降は月６０００円を支給する。
　幼児教育無償化の実現に一歩一歩進んでいく。所得の低い世帯については、兄弟姉妹の年齢に関係なく、第２子は半額、第３子以降は無償にする。
　高校生への奨学給付金を拡充する。本年採用する大学進学予定者から、卒業後の所得に応じて返還額が変わる新たな奨学金制度がスタートする。希望すれば誰もが高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整える。
　日本の未来。それは、子どもたちだ。子どもたちの誰もが、頑張れば、大きな夢を紡いでいくことができる。
（アベノミクスの果実）
　３年間のアベノミクスは大きな果実を生み出した。名目ＧＤＰは２８兆円増えた。国民総所得は４０兆円近く増加し、政権交代選挙で国民の皆さまに約束した「失われた国民総所得５０兆円」の奪還は本年、実現する見込みだ。
　来年度予算の税収は１５兆円増えている。社会保障をはじめとする歳出の伸びを抑制し、基礎的財政収支の赤字は、政権交代前の半分以下、１０兆円余りにまで減った。
　経済再生なくして財政再建なし。２０年度の財政健全化目標を堅持する。行政改革も不断に進めていく。来年４月の消費税率引き上げでは、酒類と外食を除く全ての食品について、１０％に引き上げることなく８％に軽減し、日々の生活で幅広い消費者の皆さんに負担軽減を実感してもらえるよう、準備を進める。
　企業収益は過去最高となった。中小企業の倒産は政権交代前と比べて２割減り、一昨年、２４年ぶりに１万件を下回った。昨年はさらに１割近く減少した。
　雇用は１１０万人以上増え、正社員も増加に転じた。正社員の有効求人倍率は政権交代前より５割上昇し統計開始以来最高の水準だ。昨年は１７年ぶりの高い賃上げも実現した。
（ＧＤＰ６００兆円）
　強い経済、「成長」の果実なくして、「分配」を続けることはできない。「成長と分配の好循環」をつくり上げていく。
　「介護離職ゼロ」、「希望出生率１・８」という二つの「的」を射抜くためにも、またその安定的な基盤の上に、「戦後最大のＧＤＰ６００兆円」というもう一つの「的」を掲げ、新しい「３本の矢」を放つ。
　この春も企業収益の拡大を賃金の上昇へとつなげる。昨年を上回る賃上げを目指すことで政府と経済界の認識が一致した。原材料コストの価格への転嫁など下請け企業の取引条件の改善に官民で取り組みながら、最低賃金についても１０００円を目指し、年率３％を目途に引き上げる。
　昨年の７月８月９月、企業の設備投資は１年前と比べ１１％以上伸びた。３年後にはさらに１０兆円上積みできる。その認識で経済界と一致した。法人実効税率を来年度から一気に２０％台へと引き下げ、国際的に遜色のない水準へと法人税改革を断行する。中小・小規模事業者には固定資産税の大胆な減税を行い、投資収益率を高め、国内の設備投資を後押しする。
　経済の好循環によって、内需を押し上げていく。
　地球温暖化対策は、新しいイノベーションを生み出すチャンスだ。温室効果ガスの排出量を３０年度までに１３年度比で２６％削減するとの目標の下、省エネルギーと再生可能エネルギーの大胆な技術革新、最大限の導入を進めていく。
【４・より良い世界への挑戦】
（地球儀を俯瞰〈ふかん〉する外交）
　地球儀を大きく俯瞰しながら、積極的な平和外交、経済外交を展開する。そして、アジアから環太平洋地域に及ぶ、この地域の平和と繁栄を、確固たるものとしていく。日本こそがそのけん引役であり、私たちはその大きな責任を果たしていかなければならない。
　自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々との連携を、一層深める。
　ＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）、豪州、インド、欧州とは、これまでも戦略的なパートナーとしてその絆を深めてきた。この協力関係をより広く、より深く強化していく。
　韓国とは昨年末、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認し長年の懸案に終止符を打った。戦略的利益を共有する最も重要な隣国として新しい時代の協力関係を築き東アジアの平和と繁栄を確かなものとしていく。
　中国の平和的な台頭は、日本にとっても、世界にとっても、大きなチャンスだ。戦略的互恵関係の原則の下、関係改善の流れを一層強化する。地域の平和と繁栄に大きな責任を持つ日中両国が、大局的な観点から、安定的に友好関係を発展させることで、国際社会の期待に応えていく。
（希望の同盟）
　こうした外交を展開する、その基軸は、日米同盟だ。普遍的な価値で結ばれた日米同盟、世界第１位と第３位の経済大国による日米同盟は世界の平和と繁栄のため、共に行動する「希望の同盟」だ。
　その強い信頼関係の下に、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組む。
　西普天間住宅地区は、昨年返還が実現し、病院の建設が決まった。アクセス道路の設置も日米で合意し、前進を続けている。オスプレイの定期整備は千葉・木更津駐屯地で行う。普天間飛行場や牧港補給地区の一部の返還前倒しも決まった。一歩一歩、確実に結果を出しながら、負担軽減を進めている。
　学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある、普天間飛行場の全面返還を、日米で合意してから２０年。もはや先送りは許されない。名護市辺野古沖への移設による埋め立て面積は、現在の普天間の３分の１以下に縮小する。普天間が有する三つの機能のうち、二つは本土に移転し、オスプレイの運用機能だけに限られる。日常の飛行経路も海上へ変更され、騒音対策が必要な住宅はゼロになる。
　沖縄の皆さんと対話を重ね、理解を得る努力を粘り強く続けながら、あすの沖縄を共に切り開いていく。
（積極的平和主義）
　世界のため黙々と汗を流す自衛隊の姿を世界が称賛し、感謝し、頼りにしている。
　その自衛隊が、積極的平和主義の旗の下、これまで以上に国際平和に力を尽くす。平和安全法制は、世界から、支持され、高く評価されている。「戦争法案」などという批判は、全く根拠のないレッテル貼りであった。その証しだ。
　先般、北朝鮮が核実験を強行したことは、断じて容認できない。強く非難する。国連安全保障理事会決議への明確な違反であり、国際社会と連携して、断固たる対応を取っていく。「対話と圧力」、「行動対行動」の原則を貫きながら、拉致問題の解決に全力を尽くす。拉致、核、ミサイルの諸懸案の包括的な解決に向けて具体的な行動を取るよう、北朝鮮に強く求める。
　もはやどの国も一国だけで自国の安全を守れない時代だ。自国防衛のための集団的自衛権の一部行使容認を含め、切れ目のない対応を可能とし、抑止力を高める。平和安全法制の施行に向けて万全の準備を進める。国民の命と平和な暮らしを守り抜くという政府の最も重い責任をしっかりと果たしていく。
　国際社会と共にテロとのたたかいを進める。水際対策の強化など国内のテロ対策、危機管理を強化し、安全の確保に万全を期していく。
【５・おわりに】
　３年間の内政、外交の実績の上に、今後もぶれることなく、この道を真っすぐに進んで行く。
　安倍内閣は「挑戦」を続けていく。
　皆さん、共に「挑戦」しよう。そして「結果」を出していこうではないか。それが、私たち国会議員に課せられた使命だ。ただ「反対」と唱える。政策の違いを棚上げする。それでは国民への責任は果たせない。
　経済のかじ取りをどうするのか、国民の命と平和な暮らしをどのようにして守るのか。互いの政策を明らかにして、建設的な論戦を行おうではないか。
　民主主義の土俵である選挙制度の改革、国のかたちを決める憲法改正。国民から負託を受けた、私たち国会議員は、正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく。その責任を果たしていこうではないか。
( ２０１６年０１月２３日，「赤旗」)

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日韓友好へ市民集会／韓国の教育現場から報告／奈良

　子どもと教科書奈良ネット２１とピースバトンの会は２０日、「ともに歩もう！前へ　日本と韓国の友好のための市民集会」を奈良市内で開催しました。
　集会では、韓国で小学校の先生をしている崔鐘順（チェジョンスン）さんが、韓国の政治状況や過度の学歴社会の矛盾、学校現場の厳しい現状などを語りました。
　崔さんは、「検定教科書から国定教科書になると、慰安婦の事などが書かれなくなる」と国定教科書の問題点を話し、政府が国定化に反対する署名をした人に対して、処罰する通達を出したことなどを話すと、会場からは驚きの声があがりました。
　参加者からは「北朝鮮の水爆実験について、韓国の人はどう思っているのか」「韓国は学歴社会と聞いたが、教育の格差や貧富の差はどうなっているのか」など質問が相次ぎました。
　参加した高校３年生の男性（１８）は、「韓国の情勢を知ることができて良かった」と話しました。
(２０１６年０１月２１日，「赤旗」)

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「慰安婦本」著者、名誉毀損を否認／韓国・初公判

　【ソウル＝時事】韓国の学術書「帝国の慰安婦」で、元慰安婦の名誉を傷つけたとして、名誉毀損（きそん）罪で在宅起訴された朴裕河（パク・ユハ）世宗大教授（５８）の初公判が２０日、ソウル東部地裁で開かれました。朴氏側は「名誉毀損の故意性はなく、虚偽事実でもない。公共の利益が目的だった」と起訴内容を全面的に否認しました。
　元慰安婦らは２０１４年６月、同書について、「自発的な売春婦」「日本軍と同志的な関係にあった」などの表現で名誉が傷つけられたとして、告訴。検察は昨年１１月、「元慰安婦の社会的評価を著しくおとしめ、学問の自由を逸脱した」として朴氏を在宅起訴しました。
　朴氏側は初公判に先立ち、一般国民が陪審員として事実認定や量刑について意見を述べることができる国民参加裁判による審理を申請しました。地裁は、検察側の意見なども聞いた上で検討する考えを示しました。
( ２０１６年０１月２１日，「赤旗」)

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日韓合意〝実現へ誠実に〟／岸田外相、都内での講演で表明

　岸田文雄外相は１９日、東京都内で講演し、日本軍「慰安婦」問題の解決に向けた昨年１２月の日韓合意にふれ、「日本人は世代を超えて過去の歴史に真正面から向き合わなければならない。日本政府は誠実に合意の実現に取り組むことを約束する」と表明しました。
　岸田氏は、「慰安婦」問題をめぐる協議が「両国とも難しい国内事情を背負っての協議だった」と指摘。「朴槿恵（パク・クネ）大統領が日韓の未来を見据え、勇気ある決断をされたことに心から敬意を表する」と述べるとともに、「合意の履行に積極的に取り組む朴大統領と尹炳世（ユン・ビョンセ）長官に感謝申し上げる」と語りました。
　また、日中関係について「改善の基調にある」との見方を示し、今春にも中国を訪問し、王毅外相と会談する意向を明らかにしました。
　一方、岸田氏は南・東シナ海での中国の活動を念頭に、「わが国は中国によるいかなる一方的な現状変更の試みに反対だ」と強調。「中国が透明性を高め、ルールを守り、法の支配を尊重するよう、国際社会と連携し中国に働きかけたい」と述べました。
　１月６日に核実験を行った北朝鮮への対応について、「新たな制裁を含む強い国連安全保障理事会決議が必要だ」と指摘。中国に対し「安保理常任理事国として責任を果たし、期待に応えることを求めていく」との考えを示しました。
( ２０１６年０１月２１日，「赤旗」)

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捏造発言、賠償認めず／「慰安婦」研究者「強い憤り」／吉見教授ら会見／東京地裁

　日本軍「慰安婦」問題を研究する吉見義明・中央大教授が、記者会見で自著を捏造（ねつぞう）と言われ名誉を傷つけられたとして、発言者の日本維新の会（当時）の桜内文城・元衆院議員に１２００万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の判決が２０日、東京地裁でありました。原克也裁判長は「発言は原告の社会的評価を低下させる名誉毀損に該当するものの、意見ないし論評の域」であるとして、原告の請求を棄却しました。
　判決後の記者会見で吉見氏は「自分の本が捏造と言われることは研究者にとって最大の侮辱であり名誉毀損。当然のことを裁判所が判断しなかった。強い憤りを感じる」とのべました。
　川上詩朗・弁護団事務局長は、確立した判例基準にも反する「不当判決」と強く批判。大森典子・弁護団長は「『捏造』の意味について裁判所は、双方の主張とはまったく別の解釈を持ち出し、『論評』であるとした。あきれかえる」とのべ、ただちに控訴することを明らかにました。
　裁判のもう一つの争点となった「慰安婦＝性奴隷は捏造」とする桜内氏の主張について裁判所はいっさい判断をしませんでした。
　問題の発言は２０１３年５月、日本維新の会共同代表だった橋下徹大阪市長（当時）が外国特派員協会で「慰安婦」問題について記者会見した際、桜内氏が言ったもの。「吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども〝これは〟すでに捏造であることが、いろんな証拠によって明らか」と発言しました。
( ２０１６年０１月２１日，「赤旗」)

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選挙ズーム／自民の参院比例区公認候補、高級官僚ズラリ／関係業界団体あげて支援

　安倍首相が年頭の記者会見で、改憲を争点にする考えを表明、「自公で過半数を確保したい」とのべた夏の参院選。自民党は比例区に現職８、元職１、新人１３の計２２人を公認しています。その顔ぶれをみてみると、経歴と密接に関係する業界団体などを支持基盤として立候補している高級官僚ＯＢが目立ちます。

献金受け取り
　現職では、３期目をめざす藤井基之文部科学副大臣。厚生省薬務局麻薬課長などを歴任、１９９７年に退官後、日本薬剤師会の常務理事、その政治団体である日本薬剤師連盟の副会長に就任、薬剤師業界の支援を受けています。藤井氏が代表を務める政党支部の政治資金収支報告書（２０１４年）によると、日本薬剤師連盟から３７００万円の献金を受け取っています。
　脇雅史元党参院幹事長（元建設省近畿地方建設局長）の後を継いで、立候補する国土交通省ＯＢは足立敏之氏。建設省中部地方整備局長や国交省水管理・国土保全局長などを経て、２０１４年７月、同省の技術畑トップの技監を退任した高級官僚です。ゼネコン業界の日本建設業連合会はじめ、日本道路建設業協会、建設コンサルタンツ協会、日本橋梁建設協会などの推薦が相次いでいます。
　昨年４月に、自民党の二階俊博総務会長が会長に就任、１６年度予算案で、土地改良事業予算が前年度比で大幅に増え、注目されている全国土地改良事業団体連合会（全土連）は、０７年の参院選以来の組織内候補を擁立します。農水省構造改善局設計課企画係長、関東農政局設計課長、農林振興局中山間地域振興課長などを歴任した進藤金日子（かねひこ）氏です。昨年６月に辞職し、現在は全土連の政治団体「全国土地改良政治連盟」の顧問です。

天下りの末に
　資源エネルギー庁の省エネルギー・新エネルギー部政策課長や北海道経済産業局長などを歴任した経産官僚ＯＢは増山壽一氏。１４年６月、独立行政法人「中小企業基盤整備機構」の筆頭理事に天下りしたあと、昨年８月、全国商工会連合会の中小・小規模企業成長実行本部長に就任、候補者として全国商工政治連盟の各地方組織を精力的に回っています。
　再選をめざす片山さつき自民党総務副会長は、大蔵省証券局係長や財務省の大臣官房政策評価室長、主計局主計官などを務めた経歴の持ち主。ホームぺージで、「某人気グループの『選抜総選挙』のように名前を書かないと順位が上がらない仕組みなんです！」と呼びかけています。
　（藤沢忠明）

政党〝渡り歩き〟候補も

　自民党の参院選比例候補のなかには、政党を渡り歩いてきた元国会議員が２人います。
　参院議員を２期務めた大江康弘氏は、２００１年の参院選比例区で自由党から初当選。０７年、民主党で再選後、離党し、０８年８月に「改革クラブ」結成に参加しましたが、１０年４月の「新党改革」への衣替えに反発して、また離党。同年５月、宗教法人「幸福の科学」の政治団体「幸福実現党」に入党し、同党初の国会議員となったものの同年１２月にまたまた離党。１１年９月に参院自民党会派に入会した経歴の持ち主です。
　もう一人は、東京・杉並区長も務めたこともある山田宏元衆院議員。１９９３年７月の総選挙で、日本新党公認で当選して以降、新進党、日本創新党、「日本維新の会」、「次世代の党」という、めまぐるしさ。在職中、「慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認めた「河野談話」の見直しを求める質問を繰り返してきた人物で、今回の自民党からの出馬について、自身のツイッターで、「安倍総理からのご要請もあり…｣などと書いています｡

自民党の官僚ＯＢの参院選比例候補
候補者名　　経歴など
片山さつき　財務省主計局主計官
藤井基之　　厚生省麻薬課長
足立敏之　　国土交通省技監
進藤金日子　農水省中山間地域振興課長
増山壽一　　北海道経済産業局長
《注》敬称略。片山、藤井両氏以外は新人
( ２０１６年０１月２０日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題研究者の名誉毀損／桜内元議員を訴え／あす地裁判決

　日本軍「慰安婦」問題研究の第一人者である吉見義明・中央大学教授が「記者会見で自著の内容を捏造（ねつぞう）と言われ、名誉を傷つけられた」として、日本維新の会（当時）の桜内文城・元衆院議員を名誉毀損（きそん）で訴えた裁判の判決が東京地裁で２０日、あります。

橋下氏と会見
　問題の発言は２０１３年５月２７日、日本維新の会共同代表だった橋下徹大阪市長（当時）が外国特派員協会で「慰安婦」問題について記者会見した際、同席した桜内氏が言ったもの。司会者の発言についてコメントし、「吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども〝これは〟すでに捏造であることが、いろんな証拠によって明らか」などと発言しました。
　発言の撤回、謝罪を桜内氏が拒否したことから同年７月２６日、吉見氏が桜内氏に対して１２００万円の損害賠償と謝罪広告を求め訴えました。
　裁判で桜内氏は発言中の「これは」は吉見氏の著書ではなく、発言の前段でふれた「性奴隷」を指しており、名誉毀損にあたらないと主張。吉見氏は自著を指したことは明らかであり、研究者の人格をも否定する重大な名誉毀損だと訴えています。

「性奴隷」争点
　桜内氏は裁判で「慰安婦＝性奴隷は捏造」であると主張し、もう一つの争点になっています。
　吉見氏は「慰安婦は居住、外出、接客拒否、廃業の自由がない無権利状態にあり、慰安婦制度は性奴隷制度だった」として、歴史学と国際法の根拠を示し反論しています。
　「慰安婦」が「性奴隷」とよぶべき状況であったことは国内外の研究者の共通認識となっており、吉見氏側は「日本と世界の歴史学の学問研究成果に対する暴言」と批判。歴史認識を問い直す裁判としてたたかってきました。
　日本軍「慰安婦」問題をめぐっては昨年１２月２８日、日本と韓国の両政府が合意。日本政府が「軍の関与」を認め、「日本政府の責任を痛感した」としています。
( ２０１６年０１月１９日，「赤旗」)

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参院予算委質問から／「慰安婦」強制連行を否定／安倍首相

　参院予算委員会で１８日、安倍晋三首相をはじめ全閣僚が出席して２０１５年度補正予算案などをめぐる基本的質疑が行われました。

　安倍晋三首相は、「慰安婦」の日本軍による拉致・強制連行の事実への認識を問われ、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」という２００７年の政府の答弁書について、「その立場に何ら変更はない」と答えました。自民党の宇都隆史議員への答弁。
　宇都氏は、「慰安婦」問題の昨年末の日韓合意では日本軍の関与について「日本政府の責任を感じるという内容になっている」と指摘しつつも、「拉致あるいは強制連行してはいないのだという認識で私はいる」として、０７年の答弁書を持ち出し、政府の認識をただしました。
　また首相は、１９６５年の日韓請求権協定で「慰安婦」問題は法的に解決済みとした立場を強調。「今回の合意によって、戦争犯罪にあたるたぐいのものを認めたわけではない」と述べました。
( ２０１６年０１月１９日，「赤旗」)

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首相と公明議員会食

　安倍晋三首相は１６日夜、東京都内で衆院初当選同期の上田勇衆院議員と、富田茂之衆院議員、若松謙維参院議員の公明党３議員とそれぞれ夫人同伴で会食しました。出席者によると、首相は日本軍「慰安婦」問題をめぐる韓国との合意を振り返り、「自分がやるしかなかった」と成果を強調。首相が主導し、公明党の主張に沿って与党協議が決着した消費税の「軽減税率」について、「やって良かった」などと語りました。
( ２０１６年０１月１８日，「赤旗」)

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台湾との協力さらに深化を／岸田外相

　台湾総統選で最大野党・民進党の蔡英文主席が初当選したことを受け、岸田文雄外相は１６日、「台湾は基本的価値を共有する重要なパートナーであり、非政府間の実務関係として協力と交流のさらなる深化を図っていく」との談話を発表しました。中台をめぐる問題に関しては「当事者間の直接の対話により平和的に解決され、地域の平和と安定に寄与することを期待する」と表明しました。
　蔡氏は選挙戦で、対中政策について「現状維持」を掲げていました。日本政府内では「（中国と対立した）陳水扁政権の失敗を経験しており、今の中台交流の流れが変わることはない」（外務省幹部）との見方が支配的です。
　一方、日台間には沖縄県・尖閣諸島の領有権をめぐる対立や日本軍「慰安婦」問題などの懸案もあります。
( ２０１６年０１月１８日，「赤旗」)

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文化／ニコン「慰安婦」写真展中止は不当／ＳＯＳ出せるかがカギ／武蔵大学教授・元ＮＨＫプロデューサー永田浩三さん

　ニコン側は当初、安さんが写真展を「慰安婦」問題の政治活動の道具として使おうとした、これは表現行為を逸脱しており約束違反だと主張しました。
　しかし本来、表現にはさまざまなものを含んでいます。政治的だとレッテルを張って排除してしまうのが今の風潮です。だから今回、〝安さんは政治活動をしませんでした。よかったね〟ですまないのです。慰安婦問題の解決を求めるという表現活動がなぜ悪いのかということだと思います。
　表現への弾圧や圧力は水面下で行われ、経過も結果も世間に知らされません。私の事件（「女性国際戦犯法廷」を特集したＥＴＶ番組改ざん事件）でＮＨＫはＳＯＳを社会に発しませんでした。在特会の攻撃を受けたニコンの対応が裁判を通じて一部明らかになったことは、大きな意味があります。攻撃されたら表現にたずさわる人たちはＳＯＳを出せるかどうかがカギだと思います。
(２０１６年０１月１７日，「赤旗」)

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文化／ニコン「慰安婦」写真展中止は不当／表現脅かす圧力はね返す／安世鴻さん勝訴

　右派グループの攻撃で日本軍「慰安婦」写真展が中止になった事件で、これを不当だと訴えていた原告の韓国人写真家が勝訴（先月２５日）しました。表現の自由を脅かす事件が相次ぐ中で、意義ある判決です。双方が控訴せず８日、判決が確定しました。
　神田晴雄記者

　訴えていたのは安世鴻（アン・セホン）さん。写真展会場（ニコンサロン）を運営する大手光学機器メーカー、ニコン（東京都港区）が２０１２年５月、開催直前になって一方的に中止しました。
　判決によると、写真展開催が報道されると、ニコンに「開催を非難する電話、メール、電子掲示板への書き込みが集中し」、不買運動の予告や「暗殺」をほのめかす書き込みもありました｡ニコン側は､これまでに「在日特権を許さない市民の会」（在特会）の圧力行動にさらされた企業の例を「重視」し、「原告と協議せずに一方的に写真展開催を拒否」しました。
　判決は会場提供を約束しながら、安さんになんら相談なく中止したのは「不法行為」だとして、ニコンに損害賠償を命じました。
　判決を受けて安さんは、「表現の場、表現の自由を守るために訴訟を起こしました。判決は１０点満点で９点」と笑顔でこう語りました。
　「表現者（写真家）と鑑賞者の権利は守られなければならないという判決でした。表現の自由を守るためには表現の場が保障されなければならないとしています。この写真展をあきらめてしまったら私ひとりの問題では済まないと感じました。外的な力によって写真展が中止されるのは明らかに誤りです」

民間にも責任
　弁護団の李春熙（リ・チュニ）弁護士はこう指摘しました。「判決は、抗議を受けたり安全性について危惧が生じた場合、『会社としてはまずは契約相手方である原告と誠実に協議したうえ、互いに協力し警察当局にも支援を要請するなどして混乱防止に必要な措置をとり、契約の目的実現に向けて努力すべきであった』とニコンの法的責任を認めました。司法が表現の場の重要性を正面から認定しました」
　公共施設の場合、市民から利用申請があったら、自治体は「拒んだり、差別的扱いをしてはならない」と地方自治法で定められています。弁護団はこの判決の援用について説明します。
　―いったん「貸す」と言った後、「やっぱり危険があるからだめ」と取り消すのは民間施設だって許されないというのが今回の判決だ。公の施設はもっと許されない。
(２０１６年０１月１７日，「赤旗」)

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週間日誌／１６年１月１０日～１６日

政治・経済
　◆改憲派で３分の２狙う　安倍晋三首相はＮＨＫ番組「日曜討論」で、夏の参院選について、改憲発議に必要な参院議席の３分の２以上の議席を、自民、公明両党に加えて、おおさか維新の会などを含めて目指す考えを表明（１０日）
　◆補正予算案が衆院通過　一般会計総額３兆３２１３億円の２０１５年度補正予算案が衆院本会議で自民・公明両党の賛成多数で可決。共産党の宮本徹議員が、反対討論（１４日）
　◆「慰安婦はビジネス」と暴言　桜田義孝元文部科学副大臣が自民党の外交関係合同会議で、「（慰安婦は）職業としての娼婦、ビジネスだ」と暴言、その後、撤回（１４日）
　◆衆院選挙制度調査会が答申　衆院議長の諮問機関「衆議院議員選挙制度に関する調査会」（座長・佐々木毅東大元総長）が、現行４７５の衆院定数を１０削減するなどした答申を大島理森衆院議長に提出。答申は削減を求めながら「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難い」と記述（１４日）
　◆東京株、３カ月半ぶり安値　東京株式市場の日経平均株価が続落、終値は１万７１４７円１１銭で２０１５年９月２９日以来、３カ月半ぶりの安値(１５日)

社会・国民運動
　◆杭打ち不正、３社を行政処分　杭（くい）打ちデータ偽装問題で国土交通省は、傾斜した横浜市のマンションを施工した元請けの三井住友建設と１次下請けの日立ハイテクノロジーズ、２次下請けの旭化成建材の計３社を建設業法に基づき処分（１３日）
　◆国民春闘共闘が経団連会館を包囲　東京都内で２０１６年春闘の｢闘争宣言行動｣を展開。５００人が経団連会館を包囲し訴え(１３日)
　◆廃棄の冷凍カツ転売　「カレーハウスＣｏＣｏ壱番屋」を展開する壱番屋が廃棄処分した冷凍ビーフカツを産業廃棄物処理会社「ダイコー」が一部不正転売。壱番屋が市販していない賞味期限切れの冷凍チキンカツも外部に流出（１５日）
　◆スキーバスが転落１４人死亡　長野県軽井沢町の国道１８号でスキー客らを乗せた大型バスが転落事故を起こし、乗客・乗員計４１人のうち運転手２人を含む計１４人が死亡、２７人が重軽傷（１５日）

国際
　◆国連総会第１回会合から７０年　国連総会が第１回会合を開いてから７０年を記念する非公式会合がニューヨークの国連本部で開催｡第１回会合は１９４６年１月１０日で原加盟国５１カ国が参加(写真=１１日)
　◆ミャンマー､初の政治対話　ミャンマーの首都ネピドーで少数民族武装組織との本格的な和平プロセスとなる｢連邦和平会議｣第１回会合が開始｡昨年１０月に政府と８組織との間で調印された全土停戦協定に基づくもの(１２日)
　◆米大統領、最後の一般教書演説　オバマ米大統領が任期最後となる今年の施政方針を示す一般教書演説。最賃引き上げや移民制度改革の実現など表明（１２日）
　◆英研修医が２４時間スト　英国で日本の研修医に相当する「ジュニアドクター」が２４時間ストを実施。政府が提案した公共医療サービスの新計画に対し、労働時間延長や実質的な賃金削減につながると反対（１２日）
　◆ジャカルタでテロ　インドネシアの首都ジャカルタで複数の爆発と銃撃戦が発生し、容疑者を含む７人が死亡。過激組織ＩＳが犯行声明（１４日）
( ２０１６年０１月１７日，「赤旗」)

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河野元議長が日韓合意で双方評価

　河野洋平元衆院議長は１４日のＢＳフジの番組で、「慰安婦」問題をめぐる日韓合意について「よくぞ決断したと敬意を表したい」と双方を評価、「大事な両国首脳の決断だから前に進める力を出さなければいけない」と合意の着実な履行を求めました。日本政府が撤去を求めているソウルの日本大使館前の少女像に関しては「基本的には韓国政府の努力を待たなければいけない」と指摘しました。
( ２０１６年０１月１７日，「赤旗」)

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慰安婦傷つけた桜田議員辞めよ／新婦人が抗議文

　自民党の桜田義孝元文部科学副大臣・衆院議員が「慰安婦はビジネスだ」などと歴史的事実に反する発言をした問題で、新日本婦人の会（笠井貴美代会長）は１５日、抗議文を桜田議員と安倍首相に送りました。
　桜田議員には｢ただちに議員辞職を｣､安倍首相には｢桜田氏の暴言に対して公式の反駁(ばく)を行い､厳しい措置を｣求めています｡
　抗議文は、昨年１２月末に行われた日韓外相会談で日本政府が「当時の軍の関与」を認めて安倍首相が「心から反省の気持ちを表明」したことを指摘。桜田議員が「不見識な発言で日韓合意さえも否定し、被害者の人権を傷つける発言をしたことは重大」と批判しています。
( ２０１６年０１月１６日，「赤旗」)

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「慰安婦本」著者に地裁が賠償命令／韓国

　【ソウル＝時事】韓国の元慰安婦９人が、学術書「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河（パク・ユハ）世宗大教授らに対し、名誉毀損（きそん）で１人当たり３０００万ウォン（約２９０万円）、計２億７０００万ウォン（約２６５０万円）の慰謝料を求めた裁判で、ソウル東部地裁は１３日、朴氏に対し、１人当たり１０００万ウォン（約１００万円）の支払いを命じる判決を言い渡しました。
　元慰安婦らは「自発的な売春婦」「日本軍の同志だった」といった表現が、虚偽事実による名誉毀損に当たると抗議して提訴していました。
　判決は、こうした表現が「原告の社会的評価を下げる具体的事実に当たる」と指摘。「原告が（日本軍の）被害者という事実をゆがめ人格権を侵害している」と結論付けました。
　朴氏の支援者らは「学問の自由の範囲内」と主張しています。しかし、判決は「（対象が）生存者の場合は、人格権の保護が学問の自由の保護より重視され得る」と指摘。「表現は、学問の自由の限界を逸脱したもので、違法だ」と退けました。
　原告側弁護士は判決後、「正確な判断で、歓迎すべき判決だ」と評価しました。
( ２０１６年０１月１５日，「赤旗」)

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「桜田発言」に強い不快感／韓国外務省

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は１４日の記者会見で、自民党の桜田義孝元文部科学副大臣が「慰安婦はビジネスだ」などと発言したことに関し、「歴史の前で恥を知らない一介の国会議員の無知蒙昧（もうまい）な妄言に、いちいち反論する一顧の価値も感じない」と強い不快感を示しました。
　報道官は、慰安婦問題に関する日韓合意で、日本政府が責任を認め、安倍晋三首相が謝罪したことに言及。「重要なことは、被害者の心を再び傷つけることなく、合意を着実に履行できるよう環境、雰囲気を醸成することだ」と注文を付けました。
　一方、元慰安婦の支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」の尹美香常任代表は１４日、桜田氏の発言に関し「日本の首相が、自国民や政治家に対しても『被害者を再び傷つける妄言はあってはならない』という立場を明確に示すべきだ」と求めました。
( ２０１６年０１月１５日，「赤旗」)

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日韓合意否定の暴言／桜田元文科副大臣「慰安婦はビジネスだ」

　１４日の自民党の外交関係合同会議で、同党の桜田義孝元文部科学副大臣が、旧日本軍「慰安婦」問題に関し、「（慰安婦は）職業としての娼婦、ビジネスだ。犠牲者のような宣伝工作に（日本は）惑わされ過ぎている」と暴言をはきました。旧日本軍によって本人の意思に反して強制使役の下におかれ、性奴隷状態におかれた歴史的事実を否定するもので、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」とする政府の見解すら覆す認識を示しました。
　桜田氏はさらに、「（慰安婦を）職業としての売春婦と言うことを、遠慮することない」と求めました。桜田氏はその後「誤解を招くところがあったので撤回する」とのコメントを発表しました。
　桜田氏の発言について菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「いちいち議員の発言に答えることはすべきでない」と述べ、無責任な態度に終始しました。
　昨年末の日韓合意で政府は、旧日本軍「慰安婦」問題について、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」と認め、「責任を痛感している」と表明。安倍首相も「心からおわびと反省の気持ち」を明言しています。その上で政府は「元慰安婦の方々の心の傷を癒す措置を講じる」と表明するとともに、同合意によって「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」としました。
　桜田氏の発言は、こうした合意を真っ向から否定し、不可逆的（蒸し返さない）とする言明にも反するものです。政府はこうした発言を許さない立場を内外にはっきりさせることが求められます。
( ２０１６年０１月１５日，「赤旗」)

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北朝鮮制裁／中国の役割を強調／朴大統領が談話発表／韓国

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は１３日、国民向け談話を発表し、記者会見しました。北朝鮮の４回目の核実験に関して「北朝鮮の態度を変化させる程度の新たな制裁を含む、最も強力な（国連安保理）制裁決議案が採択されるよう、あらゆる外交努力を尽くす」と述べ、「この過程で中国の役割が重要だ」と強調しました。慰安婦問題の日韓合意に関しても国民の理解を求めました。
　朴大統領は「今回の核実験に対する国際対応は以前と異なるものになるべきだ」と主張しました。国連安保理決議以外の制裁に関しても、米国などと協議していると語りました。
　韓国軍の拡声器による対北朝鮮宣伝放送の再開については「最も確実で効果的な心理戦だ」と説明。「北朝鮮住民に真実を知らせるための努力を続けていく」と述べました。
　また、北朝鮮のさらなる軍事挑発の可能性に触れ、「韓米両国が米国の戦略兵器の追加の展開を含む防衛力強化を通じ、北朝鮮の挑発の意志自体を無力化させる」と言明しました。
( ２０１６年０１月１４日，

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在日本大韓民国民団新年会での山下書記局長の祝辞

　日本共産党の山下芳生書記局長が１３日、在日本大韓民国民団の新年会で述べた祝辞（要旨）は次の通りです。

　新年明けましておめでとうございます（拍手）。日本共産党の山下芳生です。
　今年は民団が結成されて７０年の節目の年とうかがいました。長年にわたり在日韓国人の権利の擁護と向上、日韓両国の友好のために心血を注いでこられた民団の皆さんの活動に、心より敬意を表するとともに、今年が皆さんにとって実り多い年になることを心より願っています。
　昨年は、３年半ぶりに日韓の首脳会談がおこなわれ、年末には日本軍「慰安婦」問題についての両国政府の合意がおこなわれました。
　今回の合意で日本政府は、当時の「軍の関与」を認め、「責任を痛感している」と表明し、安倍首相も「心からお詫（わ）びと反省の気持ちを表明する」としました。そのうえで、日本政府が予算を出し、韓国と協力して「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業」をおこなうことを発表しました。私は、これらは、問題解決に向けての前進といえると考えます。
　今回の合意とそれにもとづく措置が、元「慰安婦」の方々の、人間としての名誉と尊厳を回復し、問題の全面的な解決につながるよう、努力しなければなりません。
　その点で私は、日本側が、過去の歴史に正面から向き合い、過ちを真摯（しんし）に反省し、未来への教訓として生かす――この姿勢を明確にし、堅持し続けることが、何よりも大事だと考えます（拍手）。それが、日本軍「慰安婦」問題の解決はもちろん、日韓の本当に心の通った友好を発展させる土台だと確信するものです。
　問題となっているヘイトスピーチについても、根絶に向けた新たな前進をつくりたい。在日の方々などに対する、人間としての尊厳を深く傷つける差別扇動行為は、一刻も早く根絶しなければなりません。この問題には、与党も野党もありません（そうだ、の声）。法整備を速やかに進めるためにしっかり議論し、よいものをつくって、ヘイトスピーチを規制する方向に足を踏み出したいと思います（拍手）。
　あわせて、永住外国人の地方参政権の問題についても、超党派で力を合わせ、実現に向けた努力を続けたいと思います。
　年明けから北朝鮮が４回目の核実験を強行しました。この暴挙を厳しく糾弾するとともに、北朝鮮を６カ国協議の場に戻し、核開発を放棄させるため、国際社会が一致して政治的、外交的努力をおこなうことを求めます。
　日韓両国・両国民の友好親善とともに、北東アジア全体の平和と安定のために、私たちも力を尽くす決意を申し上げ、ごあいさつといたします。
( ２０１６年０１月１４日，「赤旗」)

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日韓合意「努力した」

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は１３日発表した国民向け談話のなかで、慰安婦問題をめぐる日韓合意について「最大限の誠意をもって努力した」と述べ、国民の理解を求めました。また、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像に関しては「政府がどうこうできる問題ではない」と述べました。
( ２０１６年０１月１４日，「赤旗」)

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在日本大韓民国民団の新年会／山下書記局長が祝辞

　日本共産党の山下芳生書記局長は１３日、都内で開かれた在日本大韓民国民団（民団）中央本部の新年会に各党代表らとともに出席し来賓の祝辞を述べ、呉公太民団中央本部団長、徐清源韓日議連会長、柳興洙駐日韓国大使ら内外の参加者と懇談しました。
　（山下氏の祝辞４面）
　主催者あいさつで呉団長は、昨年末の日本軍「慰安婦」問題での日韓両国政府の合意を歓迎するとのべたうえで、緊急の課題は、在日韓国人に対するヘイトスピーチや「嫌韓報道」など露骨な差別・攻撃の根絶だと指摘。ヘイトスピーチの規制立法のため組織をあげ国会へ働きかけるとのべました。
　来賓あいさつで山下氏は、「慰安婦」問題の全面解決にむけては、日本側が「過去の歴史に正面から向き合い、過ちを真摯（しんし）に反省し、未来への教訓として生かす姿勢を明確にし、堅持し続けることが何よりも大事だ」と強調し、大きな拍手を受けました。
　ヘイトスピーチ規制の法整備については、しっかり議論し、よいものをつくりたいと決意を表明しました。
　新年会には日本共産党から市田忠義参院議員、穀田恵二、笠井亮両衆院議員が出席しました。
( ２０１６年０１月１４日，「赤旗」)

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共産党国会議員、各地で活動／民団福岡県本部賀詞交歓会、真島氏が祝辞

　日本共産党の真島省三衆院議員は９日、福岡市内で開かれた在日本大韓民国民団福岡県地方本部の新春賀詞交歓会に各党の国会議員、地方議員らとともに出席し、来賓の祝辞をのべました。
　真島議員は、昨年１２月の日韓外相会談で「慰安婦」問題解決に向けた事業が決定されたことについて「問題解決のための大事な前進」とのべるとともに、「私はまだ解放されていない」という元「慰安婦」の言葉にふれ「解決に向けた入り口に立ったにすぎない。事業の早急な実施を求める」と語りました。党が提唱した「日本の政治がとるべき五つの基本姿勢」を紹介、日本とアジア諸国の和解と友好に向けた決意を示し、大きな拍手を受けました。
　呉政夫（オ・ジョンブ）団長は、「慰安婦」問題解決への前進について「一つの大きな壁を乗り越えることができた」とのべ、「韓日の懸け橋の役目を果たしていきたい」とあいさつしました。
　朴鎭雄（パク・ジンウン）駐福岡大韓民国総領事が朴槿恵（パク・クネ）大統領の新年辞を代読しました。
　高瀬菜穂子党県議があいさつしました。
　党議員のあいさつをうなずいて聞いていた張百合子婦人会副会長は「私たちの思いを代弁していると感じた。共産党には複雑な思いもあるが、歴史問題の教科書記載などの提案は賛成。頑張ってください」と語りました。
(２０１６年０１月１３日，「赤旗」)

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おわび自分で言わぬ

　安倍晋三首相は、１２日の衆院予算委員会で、旧日本軍「慰安婦」問題でのおわびと反省の気持ちの表明について、自身の言葉で述べるべきだと問われたのに対し、日韓首脳電話会談で「私と朴槿恵（パク・クネ）大統領との間において伝えている」とする答弁を繰り返しました。
　首相の「おわびと反省の気持ち」の表明は、昨年１２月２８日の日韓外相会談の合意内容に盛り込まれていますが、民主党の緒方林太郎議員は「発言を総理本人から聞いたことがない」と指摘。「自分の言葉で発言しないと、最終的に不可逆的に解決する意思があるのかということが不透明になる」としました。
　首相は「それを言えと繰り返すことは、最終的不可逆的に終わったことにはならない」などと述べました。
( ２０１６年０１月１３日，「赤旗」)

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文化通信／吉見裁判で歴科協が声明

　歴史科学協議会は、吉見裁判への公正な判決を求める声明（昨年１２月２５日）を発表しました。日本軍「慰安婦」問題で吉見義明中央大学教授の著書を、「ねつ造」と発言した日本維新の会（当時）の桜内文城衆院議員（当時）を名誉毀損で訴えた裁判で、２０日に判決が出されます。
　声明は、吉見さんの研究を「緻密な史料調査と手堅い実証に裏打ちされたもの」であり、「歴史学界において広く共有された定説となっている」と指摘。桜内氏の発言は明確な名誉毀損だとして、公正な裁判を強く求めています。
( ２０１６年０１月１２日，「赤旗」)

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旧日本大使館敷地から遺物／韓国

　【ソウル＝時事】韓国文化財庁関係者は１１日、老朽化のため建て替え工事が行われているソウルの旧日本大使館の敷地から、李氏朝鮮時代のものとみられる建物の基礎の一部と陶磁器の破片が見つかったことを明らかにしました。
　工事を中断して精密な発掘調査を行います。調査期間は未定で、２０２０年に予定される工事完了が遅れる可能性もあります。
　１９７０年に建てられた旧日本大使館は、昨年７月から建て替え工事に入り、大使館は隣接するオフィスビルに移転しました。旧大使館前には、慰安婦問題を象徴する少女像が建てられています。
( ２０１６年０１月１２日，「赤旗」)

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戦争の火種消す日本に／核兵器全面禁止を／非核政府の会シンポ

　非核の政府を求める会は１１日、新春シンポジウム「『戦争法』推進と『核抑止力』依存―戦後最悪の安倍暴走政治打破の道を探る」を東京都内で開きました。軍事対軍事でなく、話し合いの枠組みをつくる上で核兵器全面禁止の重要性が語られました｡１００人余が参加しました｡

　明治学院大学生でＳＥＡＬＤｓ（シールズ）メンバーの林田光弘さんが「戦争法によって奪われた個人を取り戻す運動と核兵器を廃絶する運動は一緒にできる。私は被爆３世としてシールズとして橋渡ししたい」と発言。安保関連法に反対するママの会＠東京の小川佳代子さんが「昨年から安倍さんと憲法の一色になった生活。なぜなら誰の子どもも殺させたくないからです」と話しました。
　４人のパネリストが登壇。前長崎総合科学大学教授の藤田俊彦さんが、国連総会決議をもとに「核兵器全面禁止の流れはどこまできたか」、東京慈恵会医科大学教授の小澤隆一さんが「米核戦略下の『日米ガイドライン』・『戦争法』の危険」について報告しました。
　同志社大学教授の岡野八代さんは、日本軍「慰安婦」問題で反省できない安倍政権の危険性を、戦争と相いれない立憲主義の精神から解き明かしました。「民主主義には特効薬はありません。自分たちの手で今の生活を守らなければいけない状態だと伝えることです」と訴えました。
　日本共産党衆院議員の笠井亮さんは、国会開会冒頭から安倍政権が戦争法廃止を求める国民の自発的な声に追い詰められていると述べました。戦争法廃止の国民連合政府提案の衝撃を紹介し、戦争法廃止の２０００万署名達成の意義を強調しました。「憲法公布７０年、広島・長崎を体験した日本こそ、世界の戦争の火種を消す非核の役割発揮がいよいよ大事です」としました。
　専修大学教授の白藤博行さんが特別報告しました。
( ２０１６年０１月１２日，「赤旗」)

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像撤去が解決の前提

　自民党の稲田朋美政調会長は６日、党本部で開かれた外交部会などの合同会議であいさつし、先の慰安婦問題をめぐる日韓合意に関し、「慰安婦像撤去が問題解決の大前提だ」と述べ、ソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去が不可欠との認識を強調しました。
　合同会議では、出席議員から「安倍晋三首相が決断した」として、合意を評価する声が大勢を占めました。一方で、少女像が撤去されない限り、韓国政府が設立する財団への１０億円拠出は行うべきではないとの意見も相次ぎました。
　また、慰安婦問題への旧日本軍の関与を日本政府が認めたことに関し、「政治決着はしても事実は事実として明らかにすべきだ」として、強制性の有無などについて、党が調査を行うべきだとの声も上がりました。
( ２０１６年０１月１２日，「赤旗」)

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年内訪ロに含み／首相

　安倍晋三首相は１０日のＮＨＫ番組「日曜討論」で、自らが年内にロシアを訪問する可能性に関し、「平和条約問題については話し合いをしなければいけない。主要国首脳会議（伊勢志摩サミット）議長として、プーチン大統領と会って話し合うことも重要だろう」と含みを持たせました。
　大統領の来日については「適切な時期に実現したい」と重ねて強調。ただ、時期のめどが立たないことを踏まえ、首相は春にもロシアの地方都市で大統領と会談することを模索しています。
　ソウルの日本大使館前に設置された「慰安婦」問題を象徴する少女像について、首相は「韓国政府が適切に対応すると確信している」と述べ、日韓合意の着実な履行に期待を表明。環太平洋連携協定（ＴＰＰ）に関しては「署名ができ次第、条約として、関連法案も含めて提出をしたい」と、今国会での承認を目指す考えを示しました。
( ２０１６年０１月１１日，「赤旗」)

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日韓外相会談について／日本共産党幹部会委員長志位和夫

　一､日韓外相会談で､日本政府は、日本軍「慰安婦」問題について、「当時の軍の関与」を認め、「責任を痛感している」と表明した。また、安倍首相は、「心からおわびと反省の気持ちを表明する」とした。そのうえで、日本政府が予算を出し、韓国政府と協力して「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業」を行うことを発表した。これらは、問題解決に向けての前進と評価できる。
　一、今回の日韓両国政府の合意とそれにもとづく措置が、元「慰安婦」の方々の人間としての名誉と尊厳を回復し、問題の全面的解決につながることを願う。
(２０１６年０１月１０日，「赤旗」)

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日本軍「慰安婦」問題で日韓合意／〝当事者不在〟と反発／被害女性ら韓国政府説明に

　合意の翌２９日、韓国外務省の高官は被害女性たちを訪ね、理解を求めましたが、女性たちは当事者抜きに「最終的な解決」を合意したことに強く反発しました。
　このうち金福童（キム・ボクトン）さん（８９）は「交渉する前に私たちに説明すべきだ。どうすれば解決できるか、私たちの話を聞くべきだ」と批判。同じく被害者の李容洙（イ・ヨンス）さん（８７）は、少女像を移転しないよう求めました。
　５日付の韓国紙、中央日報の世論調査では、合意で「慰安婦」問題が「不可逆的」に解決したとうたったことに「同意しない」が５８・２％。少女像の移転に「反対」は７４・４％でした。
(２０１６年０１月１０日，「赤旗」)

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日本軍「慰安婦」問題で日韓合意／日本政府、軍関与認める／おわびと反省を表明

　岸田文雄外相と韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は昨年１２月２８日、ソウルで会談し、日本軍「慰安婦」問題について合意しました。

　会談後の共同記者発表（別項）で、岸田氏は「慰安婦」問題について「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題」と日本軍の関与を公式に認めました。「日本政府は責任を痛感している。安倍晋三首相は元慰安婦に対して心からおわびと反省の気持ちを表明する」とのべました。
　元｢慰安婦｣支援で韓国政府が財団を設立し、日本政府が１０億円程度を拠出すると表明しました。
　尹氏は、日本政府が撤去を求めている日本大使館前に設置された少女像について「関連団体との協議などを通じて適切に解決されるよう努力する」と発言しました。
　両外相は「今回の発表により、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」としています。
　日本の一部勢力が、軍の関与と強制を認めた「河野談話」を攻撃するなか、日本と韓国の間で「慰安婦」問題が大きな問題となっていました。
　日本共産党は、日本軍の性奴隷とされた被害女性への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すよう求めています。

日韓共同記者発表（骨子）

【岸田外相】
　（１）慰安婦問題は当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題。日本政府は責任を痛感。安倍首相は心からおわびと反省の気持ちを表明
　（２）日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる
　（３）今回の発表により、この問題の最終的・不可逆的な解決を確認

【尹外相】
　（１）韓国政府は、この問題の最終的・不可逆的な解決を確認。日本政府の措置に協力
　（２）日本大使館前の少女像で、関連団体との協議を通じて適切な解決へ努力
　（３）日本政府とともに国連など国際社会で、本問題について相互非難、批判を控える
(２０１６年０１月１０日，「赤旗」)

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倉本聰さん「僕の集大成」／戦前戦後生きた人々描く舞台「屋根」再演／自分の軸をブレずに進む

いつの間にか志位さんと考え近くなった
　脚本家・倉本聰さん（８１）が、作・演出を手がけた舞台「屋根」（２００１年初演）が、７年ぶりによみがえります。戦前・戦中・戦後、激動の時代を生き抜いた人々の暮らしを「屋根」の目線で描いた物語です。なぜ今、「屋根」なのか。作品に込めた思いを聞きました。
　板倉三枝記者

　「屋根」は、倉本さんが作品を通じて時代に警鐘を鳴らしてきたメッセージを、すべて盛り込んだ作品です。
　「僕も、もうあまり長くできないと思うので、戦後７０年の節目に集大成のようなことをやろうと思ったんです」
　舞台は、北海道・富良野。大正１２（１９２３）年、小さな開拓小屋で結ばれたひと組の夫婦の歩みを７０年余にわたって見つめます。９人の子宝に恵まれ、貧しいながらも幸せに暮らしていた明治生まれの夫婦。一家だんらんの幸せを突然、壊したのは、国家が起こした戦争でした。
　屋根がワラからかやぶきに変わる頃、農村の若者はクワを武器に持ち替えます。国の領土拡大の方針に疑問を抱きながらも、戦争の渦に巻き込まれていく夫婦。やがて太平洋戦争が始まり、「戦争は嫌だ。オラ逃げる」と言っていた三男にも召集令状が届きます。
　「『お国のために働け､尽くせ』と大声で叫ぶ軍国主義者の前で、農民は苦労して成長させた子どもを、心ならずも戦地に送り出すしかなかった。子どもを取られて何がメデタイか。親にしてみたら断腸の思いです」

歌は「民衆史」
　重くシリアスなテーマをエンターテインメントにするために、歌を随所に織り込みました。始まりは、底抜けに明るい「秋田音頭」。満州事変の後は、朝鮮人の日本軍「慰安婦」の歌「満鉄小唄」。太平洋戦争ぼっ発後は、陸軍大臣・東条英機をやゆする｢愛国行進曲｣の替え歌。風刺の精神が息づきます。
　「『東条のはげ頭…』で始まる替え歌は、僕が子どもの頃、よく歌いました｡歌は民衆史｡〝反骨〟があります」
　そして戦後―。世の中は｢浪費が美徳｣とされ、子どもたちは末の息子を残して出ていきます。末の息子夫婦は借金で農地の規模を拡大。長女の夫は炭鉱閉鎖で原発労働者に。エネルギーの変遷の過程で翻弄（ほんろう）される家族の様子も描かれます。
　東京で広告代理店・電通に勤める四男が唱える｢もっと使わせろ｣「捨てさせろ」「ムダ使いさせろ」「流行遅れにさせろ」「混乱を作り出せ｣といった｢広告戦略十訓｣が､大量生産・大量廃棄社会を象徴的に表現します。とどめは十訓に対抗して倉本さんが作った「立腹数え唄」。通底するのは「本当の幸せとは何か」という根源的な問いです。

安保法に異議
　なぜ７年ぶりの上演か｡意識したのは､再び戦争へと向かう現政権への批判です。倉本さんは昨年、「戦争をさせない北海道委員会」の呼びかけ人になり、戦争法案（安保法案）に異議を唱えました。
　「僕はね､昔､作家仲間に右翼だって言われてたんですよ。ところがいつの間にか左翼だって言われるんです。実際、今は共産党の志位さん（和夫委員長）が言ってることが、一番僕の頭に近い。僕は自分の座標軸の上をブレずに進んでいるつもりでも、世の中が変わると、右になったり左になったり。こっちが曲がったと決めつけられるんです」
　「雨にぬれながら、反対を懸命に叫ぶ人々の声を無視し、憲法学者や元最高裁判事の意見にも真剣に耳を傾けようとしない現政権は絶望的な政権｣と｡自民党が「圧勝」したといわれる２０１４年１２月１４日の総選挙は、「日本人にとって、３・１１と同じぐらい大きな問題」とも。
　「あの頃、安倍政権はアベノミクスと称して３本の矢を放って、景気回復をあおっていました｡しかし､４番目の矢に解釈改憲という怖い矢があった。『景気』の影に安保法案が全部隠れていたんですね。伝えなかったマスコミも結果として自民党を勝たせてしまった国民も問われます」
　戦争を体験した世代として、戦争を知らない一部の右派勢力が、都合の良い書籍の知識のみで虐殺や日本軍「慰安婦」がいなかったと言い切ることに危惧を覚えます。
　「実際にあの頃の戦時下の空気、硝煙と血のにおいをかいだものには、そんなことは絶対になかったと言い切る傲慢（ごうまん）さは、とても持てない」と。
　「日本人が７０年間、戦争に巻き込まれなかったという奇跡は、憲法第９条という自律のおきてが自らの短慮を抑えたからです」
　給料の大半を貧しい人のために寄付し、〝世界一貧しい大統領〟と言われたウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領を尊敬します。
　「彼の思想は、すべてが幸せをベースに考えています。『貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、無限に欲があることだ』と。幸せ度を測る〝幸せ計〟があるとしたら、一家だんらんのぬくもり、周囲の人との愛の交歓、未来への安心、深い睡眠、良好な便通…などで計れるんじゃないでしょうか。明治・大正生まれの人たちが、どんな姿勢で生きてきたか。この芝居を通して考えてほしいのです」

富良野ＧＲＯＵＰ公演「屋根」（作・演出／倉本聰）は、１６日～３月２４日まで全国２５カ所で公演。℡０１６７（２３）４２４５。東京は２月５日～７日＝新国立劇場、℡０５７０（００）３３３７

くらもと･そう＝１９３５年、東京生まれ。脚本家、作家、劇作家、演出家。代表作は「北の国から」「前略おふくろ様」「風のガーデン」など。富良野塾の卒業生と「富良野ＧＲＯＵＰ」を立ち上げ、舞台公演を中心に活動
(２０１６年０１月１０日，「赤旗」)

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日英が「２プラス２」

　日英両政府は８日、外交・軍事担当閣僚協議（２プラス２）を東京都内で開きました。北朝鮮の核実験を強く非難するとともに、日英が国連安全保障理事会のメンバーとして、新たな制裁決議の採択に向け調整を急ぐ方針で一致しました。
　協議には、日本から岸田文雄外相と中谷元防衛相、英国からハモンド外相とファロン国防相が出席しました。日英２プラス２の開催は昨年１月以来２回目。両国の閣僚は、中国が進出を強める南シナ海や東シナ海の情勢に懸念を表明し、大規模な埋め立てなど一方的な行動に反対することを確認しました。
　また、自衛隊と英軍が物資を融通し合う物品役務相互提供協定（ＡＣＳＡ）の交渉を、できるだけ早期に妥結させることで合意。英国側は、慰安婦問題に関する日韓合意を歓迎すると表明しました。
( ２０１６年０１月１０日，「赤旗」)

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韓国大統領「元慰安婦に留意した言動を」

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は７日、安倍晋三首相との電話会談で、慰安婦問題に関する合意の精神にそぐわない言動が報道され、被害者を傷つけることがないよう留意し、管理することが重要だと述べました。韓国大統領府が発言内容を発表しました。
　朴大統領は「こうした言動は、合意を通じて問題を解決する上で、まったく助けにならない」と指摘しました。
　韓国政府はこれまでも、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像の移設問題をはじめ、合意をめぐる日本側の報道に不満を表明し、反論してきましたが、首脳レベルで取り上げ、注文を付けたのは初めて。
( ２０１６年０１月０９日，「赤旗」)

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挺対協、慰安婦合意撤回へ国連に要請

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に強く反発している支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」は７日、国連の潘基文（パン・ギムン）事務総長らに対して、合意の撤回に向けた協力を求める書簡を送ったことを明らかにしました。国際機関に働き掛ける運動に本格的に乗り出しました。
　挺対協は書簡の中で、日韓合意では日本の国家的犯罪が認定されておらず、「被害者たちは失望している」と強調し、問題解決と見なすことはできないと主張しました。
( ２０１６年０１月０９日，「赤旗」)

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緊急事態条項は重大事態／小池氏、自民を批判／ＢＳ日テレ番組

　日本共産党の小池晃副委員長は７日放送のＢＳ日テレ「深層ＮＥＷＳ」に出演し、自民、公明、民主、おおさか維新の各党議員と「２０１６年　日本の政治展望」をテーマに討論しました。
　番組の中で小池氏は、安倍晋三首相が改憲テーマとして狙う「緊急事態条項」の新設について「重大事態だ」と強調。自民党の「改憲草案」では、緊急事態になった場合、基本的人権の制約や地方自治体に対する指示、法律と同一の効力を有する政令の制定ができるとしていることを挙げ、「その中身は『戒厳令』であり、人権制約になる。これは民主主義の根幹をひっくり返すことになる。絶対に許すわけにはいかない」と指摘しました。
　自民党の武見敬三参院議員は、改憲は「参院選の争点の一つだ」と明言。「自民党は従来から、公約で憲法改正を訴えてきた。この点は一貫している」と述べました。
　日韓両政府の「慰安婦」合意がテーマになりました。
　小池氏は、今回の合意で、日本政府が当時の軍の関与を認め、責任を痛感していることを表明し、安倍首相も心からおわびと反省の気持ちを表明するとしたことを指摘。「問題を解決していく上で前進になる」と述べました。
　その上で、「両政府が合意をした以上は、この努力を実らせる責任が与党にはある。『今まで通りの主張をする』といった稲田朋美自民党政調会長の発言のように、蒸し返してはいけない」とクギをさしました。武見氏も、「合意した内容を（日韓双方が）互いに責任をもってやるのが当然だ」と発言しました。
　安倍政権が２０１６年度予算案に盛り込んだ低年金者への３万円給付金について小池氏は、「一回限りの給付であり、消費税率１０％への増税は延々と続く。低所得者対策というなら消費税増税そのものを見直すべきだ」と批判しました。おおさか維新の会の片山虎之助参院議員も「あまり筋のよくない政策であり、参院選対策と疑われる可能性もある」と指摘しました。
( ２０１６年０１月０９日，「赤旗」)

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「慰安婦」ネット３５人参加し宣伝／広島

　日本軍｢慰安婦｣問題解決ひろしまネットワークは６日、広島市中区で宣伝しました。韓国の日本大使館前の毎週水曜日の抗議行動に連帯して、毎月第１水曜日に実施しているものです。
　３５人が参加し、日韓の両政府が昨年末に「慰安婦」問題解決策として合意した内容について、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動が発表した声明を印刷したビラを配布。土井桂子共同代表らがハンドマイクでリレートークし、「今回の協議は終始一貫、被害者不在で進められ、『最終的な解決』にするには、被害者にとってあまりにも課題の多いものとなった｣と訴えました｡
(２０１６年０１月０８日，「赤旗」)

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日韓首脳も電話会談で対応協議

　安倍晋三首相は７日、韓国の朴槿恵大統領と電話で約１５分間会談し、北朝鮮の核実験を受けた対応を協議しました。両首脳は、国連の場などで日韓が緊密に連携していくことを確認しました。日韓両政府は米国とも歩調を合わせ、北朝鮮に厳しく対処していく方針です。
　会談で首相は、「米韓をはじめとする関係国と緊密に連携し、国連安全保障理事会決議の採択を含め、迅速に対応したい」と表明。これに対し、朴大統領は「強い対応が必要だ。日本と緊密に協力し、安保理非常任理事国として日本の役割に大きな期待をする」と応じました。
　また、首相は昨年末の「慰安婦」問題の合意に言及し、「この合意があったからこそ、一層緊密な連携を首脳間で確認できるようになった」と指摘。朴大統領も同様の認識を示し、両首脳は２０１６年を「日韓新時代のスタート」とすることを申し合わせました。
( ２０１６年０１月０８日，「赤旗」)

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日米首脳が対北朝鮮で連携確認

　安倍晋三首相は７日、オバマ米大統領と電話で会談し、北朝鮮が水爆実験実施を発表したことについて、対応を協議しました。両首脳は、韓国を含め関係国と連携して対処することで一致。国連安全保障理事会でも、日米の主導で協力態勢を構築し、北朝鮮に対する新たな制裁に向けた決議を一日も早く協議することを確認しました。
　首相は「国際社会が断固とした対応を取ることが、さらなる挑発行動を防ぐためにも極めて重要だ」と強調。「関係国と連携して、迅速に対応したい」との考えを伝えた。
　これに対し、オバマ大統領は「北朝鮮の行動は、地域と国際社会を脅かす卑劣な行為だ」と非難。「日本や同盟国の安全を守るためのあらゆる措置を取る」と強調しました。
　首相は韓国と「慰安婦」問題について最終的かつ不可逆的な解決で合意したと説明。大統領は「首相の勇気と決断に祝意を申し上げる」とした上で、「今回の決断によって、日米韓の協力が（地域の）平和と安定に大きく貢献するだろう」と評価しました。
( ２０１６年０１月０８日，「赤旗」)

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慰安婦問題の日韓合意評価／米大統領

　【ワシントン＝時事】オバマ米大統領は６日、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領との電話会談で、慰安婦問題の日韓合意について「勇気と展望を持って、困難な問題の解決に取り組んだ」と称賛しました。ホワイトハウスが発表しました。オバマ大統領が日韓合意に関して論評したのは初めて。
　韓国大統領府によると、オバマ大統領は日韓合意に祝意を示した上で、合意の履行を積極的に支援していく考えを表明しました。
　オバマ大統領は同日（日本時間７日）、安倍晋三首相との電話会談でも慰安婦問題に言及。大統領は「首相の勇気と決断に祝意を申し上げる」とした上で、「今回の決断によって、日米韓の協力が（地域の）平和と安定に大きく貢献するだろう」と評価しました。
( ２０１６年０１月０８日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意／日本の態度、中国が疑念

　【北京＝時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は５日の定例記者会見で、慰安婦に関する世界記憶遺産登録申請や少女像をめぐり、日韓政府間で立場の違いが浮上していることについて、「歴史を否定しようとするいかなる言行も歴史問題における日本の真の意図や態度に疑念を持たせるだけだ」と述べ、日本政府を批判しました。
　慰安婦資料に関しては「人類共同の記憶になるべきであり、歴史を心に刻み、人類の尊厳を守る上で積極的な役割を果たすべきものだ」と訴え、今後も国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界記憶遺産登録を目指す立場を強調しました。
　その上で華副局長は「日本は誠実で責任ある態度に基づき、深刻に歴史を反省し、実際の行動で問題を適切に解決してもらいたい」と歴史問題で改めて日本をけん制しました。
( ２０１６年０１月０７日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意／韓国の外相、再交渉拒否

　【ソウル＝時事】聯合ニュースによると、韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は５日、慰安婦問題に関する日韓合意をめぐり、最大野党「共に民主党」の幹部と会談しました。野党側が「屈辱的合意だ」と主張し、再交渉を求めたのに対し、外相は「再交渉は考えていない」と拒否しました。
　外相は、日本の首相名での公式なおわび表明や日本政府の予算による財団設立は極めて重要と強調しました。
( ２０１６年０１月０７日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題解決、成果強調

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領は５日、今年最初の閣議を開き、慰安婦問題をめぐる日韓合意や中韓自由貿易協定（ＦＴＡ）発効などを昨年の成果として挙げました。また、「南北関係の正常化に力を尽くしてほしい」と指示しました。
( ２０１６年０１月０６日，「赤旗」)

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台湾追加支援消極的

　菅義偉官房長官は４日夜のＢＳフジ番組で、台湾の元日本軍慰安婦の問題について「（日本は）今日まで誠実に対応してきている」と述べ、追加的な支援措置を講じることに消極的な考えを示しました。昨年末の日韓合意は「あくまでも日韓の長年の問題を解決した」とし、他の地域に同様の対応をすることは困難との認識を明らかにしました。
( ２０１６年０１月０６日，「赤旗」)

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韓国政府、慰安婦白書発刊へ

　【ソウル＝時事】韓国外務省報道官は５日の定例記者会見で、旧日本軍の慰安婦問題の実態を国内外に知らせるため女性家族省が編集する「慰安婦白書」について、「韓日合意とは関係ない」と強調、「予定通り発刊されると理解している」と述べました。
　昨年１２月２８日に日韓外相が発表した合意は「国連など国際社会において、この問題で互いに非難、批判することを控える」とうたっています。ただ、報道官は、発刊の具体的な方法について「関連部署間の協議が行われている」と語りました。
　一方、報道官は、元慰安婦支援のための財団設立に向け「各種手続きを迅速に進める」と述べました。
( ２０１６年０１月０６日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意／約６割「最終解決」不同意／韓国世論調査

　【ソウル＝時事】５日付の韓国紙・中央日報は、慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する世論調査結果を掲載しました。それによると「最終的かつ不可逆的な解決」と確認したことについて「同意できない」が５８．２％に上り、「同意する」の３７．３％を大きく上回りました。
　合意に「不満」は５３．７％で、「満足」は３５．６％。「安倍晋三首相の謝罪に誠意があると思うか」という質問に対しては「ない」が７６．６％と圧倒的多数で、「ある」は２１．５％にとどまりました。ソウルの日本大使館前の慰安婦問題を象徴する少女像の移転に「韓国政府が努力すべきか」という質問でも「反対」が７４．４％に上りました。
( ２０１６年０１月０６日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意、日韓が発言／少女像撤去／韓国努力と認識／菅官房長官

　菅義偉官房長官は５日の記者会見で、ソウルの日本大使館前に設置された少女像撤去に関し、韓国が「政府がどうこうできる事案ではない」との見解を示したことについて、「（日韓）合意に従って韓国側において適切に解決されるよう努力をされるだろうと認識している」と述べました。
　菅氏は、台湾の慰安婦問題に関し、今月にも日台協議が行われるとした現地メディアなどの報道に対し、「事実はない」と否定。中国人元慰安婦に関する同国側からの交渉申し入れの有無は、「私自身は今のところ承知していない」と語りました。
( ２０１６年０１月０６日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意、日韓が発言／少女像の撤去は政府事案でない／韓国外務省

　【ソウル＝時事】韓国外務省は４日、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像について「民間が自発的に設置したものであり、政府がどうこうできる事案ではない」と強調するコメントを出しました。
　先月２８日の日韓合意で、韓国政府は少女像に関し「日本政府の懸念を認知し、関連団体との協議などを通じて適切に解決されるよう努力する」と表明。これについて、岸田文雄外相は４日の記者会見で「適切に移設されるものと認識している」と発言しました。コメントはこれに反論したものです。
　岸田氏が、慰安婦問題をめぐり「韓国が国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界記憶遺産登録の申請に加わることはないと認識している」と述べたことに対しても「民間主導で進めており、政府は関与できない。会談でも尹炳世（ユン･ビョンセ）外相がこうした立場をはっきり明らかにした」と強調しました。
　その上で「合意の円満な履行のためには、誤解を招きかねない日本側の言動はこれ以上あってはならない。誠実に合意を履行する姿勢を示すべきだ」と訴えました。
( ２０１６年０１月０６日，「赤旗」)

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２０１６新春対談／日本共産党委員長志位和夫さん／元朝日新聞コラムニスト早野透さん／その４

自民倒す流れつくれる

実現へ最後まで粘りづよく

　志位　率直にいって、「国民連合政府」構想の実現には、いろいろな困難があります。党首会談で、社民党と生活の党からはおおむね賛同をいただきましたが、民主党とは、安保法廃止という政治的合意も、そのための連立政府という政権合意も、選挙協力の協議に入るという合意もまだつくられていません。
　しかし、何よりも、この構想に大きな期待を寄せてくださっているたくさんの方々がいる。先日、東京の「安保関連法に反対するママの会」のみなさんと懇談したおりに、あるママから、「家族で話し合ったことだけれども、最後まであきらめないで粘りに粘ってほしい」と激励されました。それに、今の日本の危機的事態を立て直すには、この道以外にはないでしょう。最後まで粘り強く追求したいと決意しています。
　早野　根底的な提案ですからね。そのときの風の具合があっても、しがみついてやってほしい。

世論と運動で
　志位　やっぱり成否は国民の世論と運動にかかっています｡｢総がかり行動実行委員会」をはじめ２９団体の呼びかけで、今年５月３日の憲法記念日を目指して、２０００万人の戦争法廃止署名を集める動きがあるでしょう。
　早野　本気でやってほしいなあ。
　志位　本気でやりぬいたら、情勢は変わると思いますよ。巨大な平和の流れをつくりだしていくなかで、この構想を実らせたい。

自民党６０年と安倍政権／かつての自民きく耳あった・早野／灰色単色の安倍政権は弱い・志位

　早野　私は長いこと政治記者やっていますが、どうも自民党が変わったという感じがしています。
　昔は（田中）角栄さん（元首相）にしても、金丸（信・元自民党副総裁）さんにしても、「金権」といわれながらも、聞く耳を持っていました。

論戦かみ合う面白さ／志位

　志位　私が実感もって語れるのは９０年代以降です。国会に入ったのが１９９３年。まず論戦の相手になったのは橋本内閣と、そのときの自民党幹事長だった加藤紘一さんでした。この当時の自民党は面白かった。共産党と正面から論争しようというところがありましたね。
　例えば、橋本（龍太郎首相）さんとは、国会で住専問題をはじめ、いろんなテーマで論戦しても、官僚に任せず、立場は違っても、かみ合った議論になるんです。だから、終わったあとも、わりとすがすがしい感じになりました。私も、まだ若かったから、ずいぶん強引な質問もやりましたが、それでも受けて立ってかみ合わせてくれる（笑い）。論戦のかみ合いの面白さがありましたね。
　それから、加藤さんとはよくテレビの〝自共討論〟で、２人の対決討論をやりました。新米の共産党書記局長でも、加藤さんは受けて立って討論する。
　厚い資料を持っていて、「加藤さん、その資料は何ですか」と聞くと「役所が持ってくるんだ」という。そこには「志位書記局長の主張がだいたいこうで、反論はこうだ」と書いてある｡｢役に立ちましたか」と聞くと、「あんまり役に立たない」と（笑い）。それでも直前までその資料を見て、真剣な討論になる。
　早野　議論したいと思ったんでしょうなあ。保守の側として、自分の政治教養のなかに共産党の議論の仕方をちゃんと位置づけないとまずい、と思っていたんですね。
　志位　もう一つ、当時の自民党で思い出深いのは、野中広務さん（元幹事長）です。
　当時（１９９７年）、沖縄の米軍基地用地を強奪する特別措置法というのがつくられました。私も断固反対で論陣を張ったんですが、そのときの衆院特別委員会の委員長が野中さんでした。
　強行されたんですが、野中さんが衆院本会議の委員長報告で、最後にどうしてもいいたいことがあるとおっしゃって、「この法律が沖縄県民を軍靴で踏みにじるような、そんな結果にならないことを、そして…再び国会の審議が大政翼賛会のような形にならないように若いみなさんにお願いしたい」といわれました｡それを聞いて､野中さんの本心はここにあったのかと強い感銘を受けたことを思い出します。
　早野　思い出した。そういうふうにいわれていたなあ。

野中さんの本心
　志位　その野中さんが一昨年の知事選のさなか、翁長（雄志）知事候補に、熱烈な激励メッセージを寄せてこられ、とてもうれしく思いました。そういう方が、自民党の中枢にいたんですね。
　河野洋平さん（元官房長官）もそうです。河野さんが宮沢内閣の官房長官のときに日本軍「慰安婦」問題で旧日本軍の関与と強制を認めた「河野談話」（９３年８月４日)を出した｡自民党の「落城」直前です（同月９日に細川内閣発足）。「慰安婦」のみなさんから直接の聞き取りもして、いろんな調査もやった。全体を見るならば、強制性があったのは明らかだと。やらずに済んだかもしれないのに、談話を残しておかなければいけないということで踏み切ったのでしょう。よくやったと思います。河野さんはその後も一貫して、被害者の苦難に心を寄せた発言をされています。
　早野　政治というのは歴史をつくっているわけですからね。自分がどんな役割をするのか、ある一部にしかすぎないかもしれないけれど、しかし自分として精いっぱい誠実に生きたいという、そんな感じがありますね。
　志位　もちろん、政治的立場では対立していたわけですが、そういう相手であっても、保守としての大きな幅もあったし、良識や見識を感じました。
　それがだんだんなくなっていき、まったくなくなっちゃったのが安倍政権です。本当にいま、安倍さんのもとで、自民党という政党がまったく灰色の単色政党になってしまっている。

〝真正ハト派〟共産党／早野

　早野　昔は「角福戦争｣､角栄さんと福田赳夫(元首相)さんのたたかい(権力闘争)がありました｡簡単に言えば､福田さんは〝節約派のタカ派〟で、角栄さんは〝金権のハト派〟という感じだったんです。いまは安倍さんと､金権ではない､〝真正ハト派の共産党〟の対決構図になっている気がします。安倍さんの対抗軸は共産党だけになっている。そういう自覚はありますか？
　志位　対極にありますね。そのうえで言いたいのは、「安倍一強」は違うということです。
　自民党は､昨年､結党６０年でした。１９５５年に結党して最初の総選挙が５８年で、そのときの絶対得票率を見たら４４％です。この前の総選挙での絶対得票率は１７％｡そんな少数で､なぜ多数の議席を得ているかといったら、もっぱら小選挙区制のおかげです。
　それから安倍さんが進めている主要政策は、戦争法を筆頭に、沖縄、原発、ＴＰＰ、消費税、すべてが国民世論のなかでは少数派です。二重、三重に国民的な基盤は弱く、もろいんですよ。
　もう一つの弱さ、もろさというのは、灰色の単色政党になってしまったということです｡いまの自民党は､非常に狭隘(きょうあい)な幅しか持たない、ウルトラ右翼の政党になってしまった。こういう政党は、強いようでたいへん弱く､もろい｡
　昨年は、国民の側から大反撃の運動が起こりました。これを圧倒的なものにすれば、必ず倒せます。
　早野　政治というのは一進一退で、照る日も曇る日もあるけれど、やはり、国会前のみんなの思いを感じると、そんな簡単に安倍さんにやっつけられているわけじゃありませんよね。
(２０１６年０１月０３日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題、日本政府との合意／韓国世論を二分／強制徴用・原爆被害者らから批判

　日本と韓国の両政府が昨年１２月２８日に「慰安婦」問題解決策として合意した内容について、複数の世論調査が発表されました。世論は二分していますが、若い世代で合意が「誤り」という否定的な回答が過半数だったことが特徴。また、強制徴用被害者やサハリン残留被害者遺族、原爆被害者など、「慰安婦」被害以外の戦後補償を求める団体からも批判の声が上がっています。
　（栗原千鶴）

　全国ネットＳＢＳテレビが民間調査会社と共同で行った調査では、合意は「正しい」が５３・３％、「誤り」が４０・４％。年代別では６０代以上で「正しい」が７８％に達したのに対し、１９歳から２９歳では｢誤り｣が５６％、３０代では５９％を占めました。
　民間調査会社リアルメーターの調査では賛否が逆転し、「間違い」が５０・７％、「正しい」は４３・２％。なかでも、２０～３０代では「間違い」が７割に達しました。
　在韓日本大使館前に設置された「慰安婦」を象徴する少女像の移転については、反対が６６・３％、賛成は１９・３％。どの世代でも移転に反対する声が多く、２０代では８割が反対しています。
　別の世論調査でも、合意に否定的な意見が６２・２％に達し、少女像についても「そのままにする」が７４・６％でした。
　今回の合意を受け、「慰安婦」以外の被害者らからも日本政府と交渉するよう求める声が上がっています。
　韓国政府は２００５年に、「慰安婦」問題、サハリン残留問題、原爆被爆者問題は１９６５年に締結された日韓請求権協定では解決していないという立場を表明しました。
　強制徴用被害者を支援する「勤労挺身（ていしん）隊ハルモニとともにする市民の会」共同代表イ・クグォンさんは、韓国メディアに対し「日本政府は『慰安婦』問題も６５年の協定で解決済みとしてきたが、国際世論もあり交渉のテーブルについた。象徴的である『慰安婦』問題の解決に法的責任を問わない結果になれば、強制連行問題が（両政府に）言及されるきっかけさえあるのか、ということだ」と語りました。
　「日帝強占下サハリン強制動員抑留被害者韓国残留遺族会」のシン・ユンスン会長は「（サハリン問題で）韓国政府が自主的に交渉する姿を見せてほしい」と語ります。サハリンから帰国できなかった韓国人の墓地調査の予算は韓国政府が出しています。シンさんは「日本が強制動員を謝罪する気持ちなら、遺骸だけでも日本が自ら韓国の遺族に返すべきだ」と語りました。
　ハンギョレ新聞によると、原爆被害者たちは今回の外相会談で原爆問題も議論してほしいと韓国外務省に要請しましたが、拒否されたと報じました。
( ２０１６年０１月０３日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意／北朝鮮が批判

　【ソウル＝時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省スポークスマンは１日、慰安婦問題に関する日韓合意について「被害者の正当な要求を無視した政治的駆け引きの産物」と批判、「絶対に容認できない」と強調しました。
　また「被害者は朝鮮半島の北側や他のアジア諸国、欧州にもいる」と指摘。日本政府に対し「すべての被害者が納得し得る謝罪と賠償」を要求しました。
( ２０１６年０１月０３日，「赤旗」)

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「慰安婦」合意／韓国大統領に国連総長祝意

　【ソウル＝時事】韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領と潘基文（パン・ギムン）国連事務総長は１日、電話で会談し、慰安婦問題をめぐる日韓合意に事務総長が祝意を表し「歴史は朴大統領の勇断を高く評価するだろう」と伝えました。事務総長からの新年のあいさつの電話で、韓国大統領府が会話の内容を発表しました。
　事務総長は「国交正常化５０周年の年が終わる前に交渉が妥結したのは、大変好ましい」とたたえました。
( ２０１６年０１月０３日，「赤旗」)

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１０億円拠出、像撤去が前提／元「慰安婦」支援で首相意向

　元慰安婦支援で、韓国政府が設立する財団に日本政府が１０億円を資金拠出することをめぐり、安倍晋三首相がソウルの日本大使館前の少女像撤去が前提との意向を示していることが２日までに分かりました。政府関係者が明らかにしました。像撤去に先立って資金を拠出すれば、国内世論の反発が避けられないと判断しているためで、韓国政府の対応を注視する考えです。
　日韓両政府は１２月２８日に慰安婦問題で合意した。韓国の尹炳世（ユン・ビョンセ）外相は外相会談後の共同記者発表で少女像撤去について「関連団体との協議などを通じ、適切に解決されるよう努力する」と表明しましたが、実現時期などは明確になっていません。岸田文雄外相は１２月２８日、日本側記者団に「適切な移転がなされる」と説明しました。一方、韓国の元慰安婦支援団体は撤去に強く反発しています。
　日本側は一連の交渉で資金拠出について、「少女像撤去が前提」との方針を伝えているとみられています。これに関し、政府関係者は「像が撤去されない限り、資金は出さないというのが首相の意向だ」と指摘しました。
　安倍政権としては、像撤去の見通しが立たないまま１０億円を拠出すれば、首相の支持基盤である保守派などが反発しかねないとの強い懸念があります。このため、当面、合意履行へ向けた朴槿恵（パク・クネ）政権の「努力」を見極めていく方針です。
( ２０１６年０１月０３日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／日韓合意は「誤り」／韓国調査で５０．７％

　【ソウル＝時事】韓国の民間世論調査機関「リアルメーター」は３１日、慰安婦問題をめぐる日韓合意に関する調査結果を発表しました。「正しい」と肯定的に評価する人が４３・２％なのに対し、「誤りだ」が５０・７％に上りました。
　支持政党別では、最大野党「共に民主党」支持層は「正しい」がわずか８・５％で、「誤りだ」が８５・４％。与党セヌリ党の支持層では肯定評価が７８・１％と圧倒的多数で、「誤りだ」は１６・０％にとどまりました。
　賛否は世代別でも分かれ、５０代、６０代以上では多数が肯定的ですが、４０代以下では否定的評価が上回りました。朴槿恵（パク・クネ）大統領への支持、不支持と傾向がほぼ一致しました。
( ２０１６年０１月０１日，「赤旗」)

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「慰安婦」問題／合意への理解、国民向け訴え／韓国大統領府

　【ソウル＝時事】韓国大統領府は３１日、慰安婦問題をめぐる日韓合意に関して国民向けメッセージを発表し、「合意を受け入れず、白紙に戻せと言うなら、政府には元慰安婦の存命中にこれ以上何もする余地がないということを分かってほしい」と理解を求めました。
　メッセージは金声宇（キム・ソンウ）大統領府広報首席秘書官が読み上げ、現政権は「銃声のない戦場のような外交の現場で、国益を守るため、崖っぷちに立った心情で（交渉に）臨んだ」「日本政府の責任認定、公式の反省、謝罪を得るために努力を尽くし、可能な範囲で十分に進展したと判断し、合意した」と説明しました。
　その上で、野党や元慰安婦の支援団体を念頭に「今やるべきことは、日本政府が歴史を直視して着実に合意を履行し、両国が一緒に未来に進むきっかけにすることだ。大局的に理解し、力を結集してほしい」と呼び掛けました。
( ２０１６年０１月０１日，「赤旗」)

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募金集める運動検討／「慰安婦」の支援団体／韓国

　【ソウル＝時事】慰安婦問題をめぐる日韓合意に強く反発している支援団体「韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会（挺対協）」が、独自に財団を創設し、１００億ウォン（約１０億２０００万円）の募金を集める運動を検討していることが明らかになりました。
　１２月２８日の日韓外相会談では、日本政府が元慰安婦支援のため、韓国政府が設立する財団に１０億円程度を一括拠出することで合意しました。
　挺対協の尹美香（ユン・ミヒャン）常任代表は３０日、自身のフェイスブックで、一部の研究家らから財団設立の提案を受けたことを明らかにし、「元慰安婦と手をつなぐキャンペーン」と銘打った募金活動を通じ、財団の設立を検討する考えを示しました。別の挺対協幹部も３１日、電話取材に対し、財団創設が論議されていることを確認しました。
( ２０１６年０１月０１日，「赤旗」)

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慰安婦問題／日本と今月協議へ／台湾外交部長、進展に期待

　【台北＝時事】台湾の林永楽外交部長は１２月３０日、１月に日本と慰安婦問題について協議を行うと語りました。日本側も原則合意しているといいます。台湾メディアが報じました。
　台湾は日韓合意を受け、台湾人元慰安婦にも謝罪、賠償するよう日本に求めています。林外交部長は「前向きな進展があるだろう」と協議の見通しを示しました。
　協議に先立ち１月６日に政府機関や、元慰安婦の関係者、支援団体などで構成する委員会が会合を開き、具体的な交渉内容を詰めます。支援団体によると、台湾の元慰安婦の生存者は４人。
( ２０１６年０１月０１日，「赤旗」)

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