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2017年【慰安婦犠牲者の活動と関連記事】

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u  「慰安婦」問題/日韓合意で解決できず/韓国大統領、来月にも対応策

u  韓国に日本政府抗議

u  「慰安婦」韓国作業部会が報告/被害者不在の政府合意

u  「慰安婦」韓国作業部会が報告/韓国政府の立場、慎重に策定する/康外相が会見

u  解説/「慰安婦」問題日韓合意2年/被害者納得の解決を

u  論壇時評/田代忠利/保守とは異質な安倍政権

u  2017年回顧/韓国・新大統領誕生/市民の生活改善へ

u  「慰安婦」像や記録、被害繰り返さぬ力/大阪で講演会

u  NHK受信料「合憲」/問われる公共放送のあり方/強制的徴収に懸念の声

u  大阪・サンフランシスコ姉妹都市解消/山中党市議団幹事長撤回求め談話

u  「慰安婦」の記念日に/毎年8月14日/韓国で法案可決

u  核兵器禁止条約に署名を/マーシャル諸島の詩人訴え/「国際平和の日」イベント/横浜

u  徴用工像、建立相次ぐ/韓国大統領、姿勢を転換

u  平和のために戦争遺跡生かそう/高知で全国シンポ始まる

u  週間日誌/17年8月13日〜19日

u  「慰安婦」問題など解決へ日本側の努力促す/韓国大統領演説

u  「慰安婦」問題解決訴え日韓の女性ら行動/独ベルリン

u  南京市民殺害記述の教科書を選定私立中学に「圧力」/「反日教育」など攻撃はがき次々

u  潮流

u  潮流

u  週間日誌/17年7月23日〜29日

u  「慰安婦」財団理事長が辞意/活動、事実上停止状態に/日韓合意をめぐり被害者らと対立も

u  「慰安婦」被害者金さんが死去/韓国・生存者37人に

u  「慰安婦」関連本の著者に無罪

u  官房長官、竹島上陸「極めて遺憾」

u  少女像の竹島への設置に反対

u  駐韓大使の帰任時期など協議

u  中国に居住の「慰安婦」死去

u  外相が少女像の竹島設置けん制

u  「慰安婦」合意/崔被告は無関係/韓国

u  日韓関係発展に期待

u  外相、日中韓首脳会談の実現目指す

u  少女像の移転/韓国外相「努力」

u  潘氏、大統領選に意欲/「慰安婦」合意「不十分」/韓国帰国

u  少女像対応、政府に抗議/日本の市民団体

u  潘氏「10億円返すべきだ」

u  在日本大韓民国民団新年会での小池書記局長あいさつ

u  在日本大韓民国民団の新年会/小池書記局長が祝辞

u  米報道官、日韓関係は静観

u  慰安婦問題で「10億円返すべきだ」

u  慰安婦問題/「言動自制を」韓国首相訴え/日韓応酬過熱で

u  釜山の少女像設置/駐韓大使の報告、安倍首相が聴取

u  駐韓大使が一時帰国/釜山の少女像への対抗措置

u  NHK・日曜討論/予算の早期成立を強調/安倍首相

u  首相、少女像設置は「建設的でない」

u  日韓外務次官、少女像で会談

u  駐韓大使ら一時帰国へ/日本大使に遺憾を表明/韓国外相

u  駐韓大使ら一時帰国へ/少女像設置で対抗措置/政府

u  釜山少女像は「遺憾」

u  言聞録/2016年12月25日〜31日

 

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(本文)

「慰安婦」問題/日韓合意で解決できず/韓国大統領、来月にも対応策

20171229

 韓国外務省の作業部会が「慰安婦」問題をめぐる日韓合意の検証結果を発表したことを受け、文在寅大統領は28日、「この合意では問題は解決できない」と表明しました。「被害者中心の解決、国民と共に進める外交」という原則のもと、早急に「後続措置」を準備するよう指示しました。現地からの報道によると政府は来年1月初旬に対応策を決定する方針です。
 また「歴史問題の解決とは別に、韓日間の未来志向的な協力のため、正常な外交関係を回復させていく」との考えを示しました。
 文氏は声明で、「交渉には手続き的にも、内容的にも重大な欠陥があったことが確認された」「被害者と国民が排除された政治的な合意だった」と言明しました。「歴史で最も必要なことは真実だ」と強調。「つらい過去こそ、向き合う勇気が必要だ。正面から向き合うことで癒やしと和解、未来が始まる」と訴えました。
 一方、大統領府報道官は「現時点で破棄という用語を使うのは適切ではない。意見を集約し、立場を整理する」と述べました。
 康京和外相は同日、被害者や支援団体との面談について記者から問われ、「当然会う」と答え、被害者全員から意見を聞きたいとの意向を示しました。

韓国に日本政府抗議

20171229

 日本政府は28日、2015年末の日韓合意では「慰安婦」問題を「解決できない」と表明した韓国の文在寅大統領の発言に対し、外務省は「合意の維持以外に政策的な選択肢はない」として韓国側に抗議しました。
 15年12月、日本政府が朴槿恵政権当時の韓国と結んだ日韓合意では、元「慰安婦」を支援する韓国財団に10億円を拠出する一方、日本大使館前の少女像について、韓国側は「適切な解決へ努力する」とした内容です。
 また、韓国軍が28日から2日間の日程で竹島防御訓練を実施すると公表したことを受け、外務省は「竹島の領有権に関するわが国の立場に照らし到底受け入れることはできず、極めて遺憾」と抗議し、訓練の中止を求めました。

「慰安婦」韓国作業部会が報告/被害者不在の政府合意

20171228

 日本軍「慰安婦」問題の日韓合意(2015年12月28日)を検証する韓国外相直属の作業部会は27日、検証結果をまとめた報告書を発表しました。合意は「被害者中心、国民中心ではなく、政府中心で行われた」として、「被害者が受け入れない限り、政府間で最終的かつ不可逆的な解決を宣言したとしても、(「慰安婦」問題は)再燃するしかない」と指摘。合意には非公開部分があることも明らかにしました。
 合意にある「最終的かつ不可逆的に解決」との文言は、日本側の「謝罪の不可逆性」を強調するために韓国側が持ち出したにもかかわらず、合意では「解決の不可逆性」を意味する結果になったとしています。
 日本政府は、韓国政府が第三国で少女像などの設置を支援しないよう求め、韓国政府は「支援することなく」との表現を非公開部分に盛り込むことに同意したといいます。
 また、日本側は「性奴隷」の表現を使わないよう要求し、韓国側は公式呼称を「日本軍慰安婦被害者問題」に限ることを非公開部分で確認。ソウルの日本大使館前の少女像については、日本側が移転計画を明示するよう求め、非公開部分で韓国側は「日本側の発言に対応する形」の表現をしているといいます。
 合意に向けた秘密交渉は正規の局長級協議とは別に、谷内正太郎国家安全保障局長と李丙h(イ・ビョンギ)国家情報院長の間で行われました。
 報告書は、「戦時の女性の人権に関する国際社会の規範として位置付けられている被害者中心のアプローチが、『慰安婦』交渉過程で十分に反映されず、一般的な外交案件のように駆け引きの交渉で合意が行われた」と指摘しました。

「慰安婦」韓国作業部会が報告/韓国政府の立場、慎重に策定する/康外相が会見

20171228

 韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は27日の記者会見で、「慰安婦」問題の日韓合意検証作業部会の報告書発表を受け、「韓日関係に与える影響も勘案しつつ、『慰安婦』合意に対する政府の立場を慎重に策定していく」と述べました。
 康氏は、「政府は作業部会の報告書を基に、『被害者中心アプローチ』を忠実に守り、被害者関係団体および専門家の意見を謙虚に取りまとめていく」と説明しました。

解説/「慰安婦」問題日韓合意2年/被害者納得の解決を

20171227

 「慰安婦」問題の解決に向け日韓外相が「合意」を交わして2年、その交渉過程などを検証した韓国政府の作業部会の調査結果が27日、公表されます。康京和(カン・ギョンファ)外相は26日の会見で、合意に「慰安婦」被害者の声が十分に反映されていなかったと述べました。
 合意で日本側は「おわびと反省」の気持ちを表明し、10億円の拠出を約束、「不可逆的な解決」との文言も盛り込まれました。ただ当時、被害者や支援者は両外相の会見をテレビで見るまで内容を知らされませんでした。
 今年5月、公約に合意の再交渉を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権が誕生。8月15日の光復節の演説では、歴史問題をめぐり「日本の指導者の勇気ある姿勢が必要だ」と日本側の努力を促しました。
 一方、国内では法の整備に着手。韓国政府が「慰安婦」問題に関連した政策を進める場合、被害者の意見を聴取することや、国民に政策内容を積極的に公開することを義務付けました。また政府は今後、存命中の被害者全員へ聞き取りを行うとの報道もあります。
 今年8人が亡くなり、韓国政府に登録している被害者239人のうち生存者は32人となりました。被害者が高齢となるなか、当事者が納得できる真の解決に向け、迅速な対応が求められています。
 (栗原千鶴)

論壇時評/田代忠利/保守とは異質な安倍政権

20171227

 北朝鮮問題でトランプ米大統領は振幅の大きい発言をしています。それに対して安倍首相は「圧力」一辺倒の立場をトランプ大統領に働きかけてきました。
 美根慶樹(平和外交研究所代表)「トランプ大統領のアジア歴訪と安倍外交」(『世界』)は、トランプ大統領の東アジア訪問の際、「日本国民は情報を正しく与えられているか、日本が戦争に巻き込まれる危険が増大しているのではないか、という疑念」が生まれたと危惧します。
 トランプ大統領は日本では安倍首相と「最大限の圧力」を加える必要性で一致したのに、韓国の文在寅大統領とは条件付きながら「対話の門が開かれている」ことで一致し、中国の習近平主席とは北朝鮮にかけるべき「圧力」は「経済的圧力」だと限定しました。
 美根氏は、安倍首相が「圧力」強化での一致ばかりを強調する理由として、北朝鮮が「邪悪かつ危険」である方が、「安保体制の強化」や「憲法改正」にも役立つと考えているからではないか、と推察しています。

寛容性を失い軍事力一辺倒
 安倍首相の軍事力依存の姿勢に、「保守とは違う」という見方が広がっています。倉重篤郎(毎日新聞専門編集委員)「バブル前の『寛容なる保守』から財政余力と寛容性喪失の時代へ」(『エコノミスト』12日号)は、保守の持ち味は「寛容性」であったといいます。しかし安倍首相は、中国に対して「対決的な姿勢」が強く、田中、大平両元首相らが日中国交回復の際に見せた「寛容性とは本質的に異なる」と分析しています。
 山崎拓(元自民党副総裁)「理念なく権力維持重視の時代に」(同)は、軍事大国にならないよう「専守防衛政策」や「非核三原則」など「伝統的な防衛政策」を守れと提言します。山崎氏は、「現在の安倍政権の安保政策について、一番タカ派だと思われている私が心配している」とのべます。米国軍事力の「補完勢力となって戦おうと、戦争を惹起する方向に動いている」からです。北朝鮮問題でも、「片方が軍事力を強化すれば相手も強化して、いつかは衝突する。未来永劫、戦争を起こしてはならない」と警告します。防衛庁長官を務めた山崎氏の発言だけに、重みがあります。
 不破哲三(前日本共産党議長)「保守を単純な定義付けできない時代に」(同)も、野党から誤りを指摘され、それが事実であれば認めたり、野党党首との対話をしていた過去の自民党政権と比べて、安倍政権には「異質なものへの変質を感じる」とのべています。そこから、「自分を保守派と考えている人たちとの間に線引き」することなく、「国民的な重大問題で一致する全ての人たちとの間で共闘を広げること」が、今必要な「市民と野党の共闘」の精神だと展望を語っています。

真実の発信を続ける大事さ
 真実を発信し続けることの大事さを教えられた発言がありました。一つは伊藤詩織(ジャーナリスト)「『話せる社会』に変えられる」(『世界』)です。伊藤氏は自分が受けた性暴力の加害者が不起訴にされた問題について、バッシングを受けながらも発言し続けています。伊藤氏は、「このままネガティブな行為に潰されてしまったら、『話すとこんなバッシングにあうの?』と、悪い前例をつくってしまう。発言を続けなければ意味がない、そう考えるようになった」と語っています。伊藤氏は、性暴力告発の声が増えているので「いまだからこそ変えられることもある」と前進をみています。
 もう一つは米山隆一(新潟県知事)「憎悪の言論放置するな」(『AERA』25日号)です。米山氏は「炎上」をものともせず、ツイッターで「悪意のある言論」への批判を続けています。たとえば中学校武道への銃剣道の導入や、「慰安婦」像を受け入れたサンフランシスコ市への旅行自粛の呼びかけを批判しました。米山氏は「偏狭な国家主義に向かう傾向に危機感を覚え」ています。「悪意に満ちた言論を放置すれば、知らぬ間にそれが事実だと思う人が出てくる」ので、「労力がかかっても悪いものは悪いと言う努力が必要だ」との指摘は傾聴に値します。
 (たしろ・ただとし)

今月の動向
・稲嶺進(名護市長)「名護の未来と辺野古新基地」(『世界』) 辺野古新基地建設には今後も踏むべき行政手続きが多く、このまま知事や市長の権限を無視して工事の強行はできないと述べ、新たな護岸工事の開始は「序の口」ですらないと主張。
・水島朝穂(早稲田大学教授)「安倍『九条加憲』に対案は必要ない」(同) 憲法を変える側に必要な「高度の説明責任」などの作法を全く踏まえない安倍首相を批判し、自衛隊明記の改憲は9条2項による自衛隊の統制を崩壊させると分析。
 (編集部)

2017年回顧/韓国・新大統領誕生/市民の生活改善へ

20171218

 韓国で5月、中道左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)新大統領が誕生しました。

朴政権退陣デモ
 朴槿恵(パク・クネ)大統領による国政私物化を糾弾し、同政権の退陣を求めて2016年11月に始まった市民の大規模デモは全国に広がり、国会は同年12月、朴大統領の弾劾訴追案を可決。今年3月に憲法裁判所が弾劾は妥当だったと判断したことを受け、7カ月前倒しの大統領選が行われました。
 文氏が就任初日に行ったのは雇用委員会の設置です。公共部門での非正規職員ゼロも宣言。来年度予算案にも雇用のための支出が盛り込まれました。また政労使による最低賃金の前年比16%の引き上げ決定に伴い、政府は翌日、中小企業の人件費などを支援する政策を発表。さらに格差是正に向け、法人税の引き上げを盛り込んだ法人税法の改正を行うなど、市民の生活改善に取り組んできました。
 環境問題では日本の福島第1原発事故の教訓から、老朽化原発の廃炉や新規建設の白紙化を宣言しました。
 「慰安婦」問題は、日本政府に努力を促し、朴政権だった15年12月に取り交わした「日韓合意」の交渉過程などの検証を開始。国内では「慰安婦被害者生活安定支援法」を改正し、この問題に関連した政策をすすめる場合には被害者の意見を聞くことや、政策内容を国民に積極的に公開することなどを義務付けました。

対話解決を主張
 中国とは、在韓米軍が北朝鮮の脅威を理由にすすめた最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の配備をめぐり、冷たい関係が続いていました。12月の韓中首脳会談で北朝鮮の核・ミサイル問題を平和的に解決することや朝鮮半島の非核化で合意。関係改善の努力も確認しました。
 文氏は大統領選でも、北朝鮮問題の対話解決を主張し、就任後も、南北軍事会談や離散家族再会行事の開催などを提案。つねに「朝鮮半島での武力衝突はあってはならない」と強調しています。来年2月には平昌冬季五輪も控えており、南北の緊張緩和がすすむか注目されます。
 民間調査会社が今月初旬に行った世論調査で、文政権は70%の支持率を得ています。
 (栗原千鶴)

「慰安婦」像や記録、被害繰り返さぬ力/大阪で講演会

20171218

 日本軍「慰安婦」の問題を考える講演会「国際社会の声とかけ離れる日本の今」が17日、大阪市内で開かれ90人が参加しました。米サンフランシスコ市の日本軍「慰安婦」像の市有化をめぐり、吉村洋文大阪市長が60年続く両市の姉妹都市解消を表明したことに抗議する、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークが主催しました。
 渡辺美奈「女たちの戦争と平和資料館」事務局長が講演。ユネスコ「世界の記憶」への「慰安婦」記録の登録を、日本政府や右翼勢力が妨害する動きにふれ、「慰安婦」の記録保存は、戦時性暴力を受けた女性たちの被害を回復していく力にもなると述べました。
 関西ネットワークの中川加代子さんは、大阪市長の姉妹都市解消表明には、「慰安婦」の歴史をなかったことにする潮流が背景にあると指摘。戦場で「慰安婦」制度は必要≠ニした橋下徹前大阪市長の発言からサンフランシスコ市の「慰安婦」像建立に至る経過にふれ、「像の建立は同じ被害を繰り返さないためです」と語りました。

NHK受信料「合憲」/問われる公共放送のあり方/強制的徴収に懸念の声

2017127

 最高裁は、テレビ受信機の設置者とNHKとの受信契約を定めた放送法64条1項を「合憲」と判断しました。「憲法の保障する国民の知る権利を実質的に充足すべく採用され、その目的にかなう」というのが理由です。
 放送法は戦前、NHKの前身の「日本放送協会」が国民を戦争に駆り立てた反省から生まれました。時の権力に左右されない「自主・自律」の公共放送を、国民が支える受信料制度には合理性があるといえます。
 しかし、制度の大前提となる国民との信頼関係をNHKは損ねてきました。2001年には、安倍晋三官房副長官(当時)の指示で日本軍「慰安婦」問題を取り上げた「ETV2001」が改変される事件が発生。14年、「政府が右というものを左というわけにはいかない」という籾井勝人前会長の登場で、「政権寄り」の報道姿勢に拍車がかかりました。
 各地でNHK問題を考える視聴者団体が立ち上げられ、受信料の支払いを一時凍結する運動も広がりました。一方、NHKは06年から未払い者への民事手続きを強化し、約4000件で訴訟に発展しています。
 判決が「NHKからの一方的な申し込みのみによって受信料支払い義務を発生させるものではなく、双方の意思表示の合致が必要である」と指摘していることは重要です。NHKが強制的な取り立てを強めれば、「受信料の税金化≠ェ進み、政権の放送内容への干渉が強まる」との懸念も識者から表明されています。
 政権との距離をどうとるのか、公共放送としての役割をどう発揮していくのか―。NHKの明確な説明と対応が求められています。
 (佐藤研二)

大阪・サンフランシスコ姉妹都市解消/山中党市議団幹事長撤回求め談話

2017122

 米サンフランシスコ市の日本軍「慰安婦」像の市有化で、吉村洋文大阪市長が両市の姉妹都市関係を解消する意向を示したことに対し、日本共産党の山中智子大阪市議団幹事長は1日、姉妹都市解消の撤回を求める談話を発表しました。
 サンフランシスコ市が民間団体から寄贈された「慰安婦」像の碑文の内容が「日本政府の見解と違う」「信頼関係が損なわれた」などとして、吉村市長は60年間続く大阪市とサ市の姉妹都市関係解消を表明していました。
 山中幹事長は談話で、「慰安婦」の存在は歴史的な真実であり、1993年の河野洋平官房長官談話でも認めているとして、碑文を「不確かな一方的な主張」という吉村市長には道理がないと指摘。
 姉妹都市提携はさまざまな考えの違いを超えて親善交流を強める意思の下に成り立つものであり、今回のような「政治的な考え方」の違いを理由に解消することは、60年にわたり築いてきた両都市の文化交流や親善の歴史を一瞬にして無に帰すことに他ならない、と強調。吉村市長の思い込みや独断で大きなマイナスの影響が生じるとして、解消を撤回し、両都市の友好・親善・交流を発展させるよう求めています。

「慰安婦」の記念日に/毎年8月14日/韓国で法案可決

20171125

 韓国国会は24日、本会議を開催し、毎年8月14日を「慰安婦」被害者をたたえる記念日にすることを盛り込んだ「慰安婦被害者生活安定支援法改正案」を可決しました。来年から法定の記念日となります。
 法改正では、「慰安婦」問題に関連した政策をすすめる場合、当事者である被害者の意見を聴取することや、政策内容を国民に積極的に公開することを義務付けました。
 また、「慰安婦」問題を国内外に広く知らせ、被害者を記憶にとどめるためのさまざまなイベントや広報をすることが努力義務とされ、追悼行事を行うことなども盛り込まれています。
 8月14日は、1991年に故金学順(キム・ハクスン)さんが「慰安婦」だったと初めて公に名乗り出て、被害の事実を証言した日です。2012年に開かれたアジア連帯会議では、アジアの被害者や支援者たちが集まり、被害の実相と、たたかいの歴史を忘れないためにこの日を国連の記念日にしようと決定。韓国国内をはじめ世界各地で集会やデモを行って国際社会に呼びかけてきました。
 韓国で登録された被害者の数は239人で、今年7人の被害者が亡くなっています。生存者は33人、平均年齢は90歳を超えます。
 (栗原千鶴)

核兵器禁止条約に署名を/マーシャル諸島の詩人訴え/「国際平和の日」イベント/横浜

2017925

 国連が定める「国際平和の日」(21日)の取り組み「国際平和映像祭(UFPFF)2017」(主催は一般社団法人国際平和映像祭)がこのほど、横浜市内で行われ、太平洋マーシャル諸島の詩人キャシー・ジェトニル・キジナー氏が核兵器禁止条約の署名推進を訴えました。

 UFPFF2017は「平和の日」の世界325の取り組みの一つ。平和をテーマにした5分間の映像作品を国内外から事前に募集し選考、授賞式を行いました。
 キジナー氏は、自身が広島の原爆ドームの前に立って詩を朗読する作品「モンスター(怪物)」を応募。審査員特別賞を受賞しました。
 詩は、米国がマーシャル諸島で行った水爆実験の放射能被害によって死産や流産が相次ぐ同諸島の女性の悲しみを告発しています。
 同氏はこの日、ビデオメッセージと国際電話を通じて発言。詩は7月に国連で採択された核兵器禁止条約のために作ったと説明し、「モンスター」を「多くの人に見てもらい、核兵器禁止条約の署名と批准を広げたい」と述べました。
 東京から参加した大学2年の男性は「マーシャル諸島の核の被害に驚いた。核兵器をなくしたい気持ちは自分も同じ。日本政府も条約に署名してほしい」と話しました。
 UFPFFは11年から毎年開催され、映像を通して平和な社会の実現を求めています。今年は、戦闘が続くアフガニスタンの子どもを描いたアニメーションや戦争体験をつづった紙芝居の映像など、50作品中11作品が最終選考に残りました。
 大賞は「春と夏の間に、夜と朝の間に。」(小林令奈監督、慶応義塾大学3年)が獲得。同作は、「慰安婦」問題の解決に向けた15年の日韓合意を受け、日本軍「慰安婦」を象徴した韓国の「平和の少女像」が撤去されないよう座り込みを続ける同国学生を取り上げました。
 (日隈広志)

徴用工像、建立相次ぐ/韓国大統領、姿勢を転換

2017820

 日本の植民地下で強制動員された朝鮮人労働者を象徴する像(徴用工像)の建立が、韓国内で相次いでいます。徴用工を題材にした映画がヒットし、「解決済み」としていた韓国政府の立場を大統領が転換する発言をするなど、いまこの問題が新たな焦点になりつつあります。
 現地からの報道によると、二大労働組合を中心に構成する市民団体は12日、ソウル市内の竜山駅前に徴用工像を設置しました。歴史を記憶し、悲劇を繰り返さないとの思いが込められています。この場所は、戦時中、朝鮮人労働者の集結地で、北海道の炭鉱や名古屋や広島などの軍事工場をはじめサハリン、千島列島などに連行されたといいます。
 12日の除幕式には被害者の一人が参加。長崎の三菱重工の工場で働き、1945年8月9日の原爆で被爆しました。「日本は若者を連れて行ったのに一言の謝罪もない。韓国政府もその責任を問わなかった。情けない」と日韓両政府を批判しました。
 日本は31年の満州事変以降、植民地だった朝鮮半島の人々を軍人・軍属、労務者、「慰安婦」などとして、戦争に駆り出しました。現在、韓国政府が強制動員被害者として認定している被害者数は約22万人です。
 日本政府は、この問題は日韓両政府が65年に結んだ請求権協定で、「解決済み」との立場です。他方、韓国政府も、盧武鉉政権時代の2005年に徴用工問題は請求権協定に含まれているとの政府見解を発表。当時、盧氏の側近だった文在寅現大統領も加わっていました。
 しかし強制動員の被害者からは、三菱重工や新日鉄などの日本企業に対して、賠償を求める裁判が相次いでいるのが現状です。12年5月には元労働者らが日本企業を相手に賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁が、強制徴用は反人道的不法行為であり、「請求権協定の対象には含まれていない。個人の請求権は消滅していない」とする判決を出しました。
 文氏は17日、就任100日に合わせて行った記者会見で徴用工問題を問われ、最高裁判決に言及。「両国の合意があったとしても個人の権利を侵害することはできない」「政府は最高裁判決の立場で問題に取り組んでいく」と語り、日本企業に賠償を求める被害者側の動きを否定しませんでした。
 この発言を受けて日本の外務省は17、18の両日、在ソウル大使館ルートを通じて抗議しました。
 (栗原千鶴)

請求権協定
 1965年に日韓両政府が国交を正常化するにあたり結んだ「日韓条約」と共に締結。協定の2条1項には請求権問題が「完全かつ最終的に解決された」と明記されています。これにより日本政府は韓国へ有償・無償5億jの経済協力を行いました。同時に日本の外務省は、日韓間で対立する見解≠ェ生じた場合、外交上の努力で解決するとした「条約解説」をまとめています。「解説」では「今後生じることのある、すべての紛争が対象になるべき」だとしています。

平和のために戦争遺跡生かそう/高知で全国シンポ始まる

2017820

 戦後72年、戦争体験世代が減る中、空襲跡や、戦争のために造られた施設、壕(ごう)など戦争遺跡を「今こそ平和のために」生かすことを主テーマとした第21回戦争遺跡保存全国シンポジウムが19日、高知市内で始まりました。21日まで。
 主催する戦争遺跡保存全国ネットワーク共同代表の十菱駿武さん(山梨学院大客員教授)が基調報告しました。戦争遺跡は日本全国で5万カ所あり、近代史の研究資料や歴史教育・生涯学習の教材、平和学習の物証としても重要だと指摘。しかし、遺跡建築物は耐用年数を超えて解体・消滅の危機にあり、指定・登録文化財として保護保存が急務だとしました。同ネットの調べによると、国や県などの指定・登録文化財は274件に上ります。
 戦争遺跡の保存は、靖国史観・英霊顕彰のためではなく、平和のために加害・被害・抵抗の歴史を調べ伝えることだとしました。その保存は、文化・観光や町づくりにも生かすことができると述べました。
 文化庁に対し、従軍慰安婦など歴史認識や政治的な理由で遅れている『近代遺跡調査報告書9 政治軍事』の早期刊行を求めるとしました。
 地域報告として、愛知県豊川市にある豊川海軍工廠(こうしょう)の跡地保存運動と、高知の戦争遺跡と保存運動についての発言がありました。高知近代史研究会会長の公文豪さんが、自由民権運動の思想家・植木枝盛(うえき・えもり)の憲法草案と日本国憲法との関わりなどについて講演しました。

週間日誌/17年8月13日〜19日

2017820日【国際】

政治・経済
 ◆首相、靖国参拝見送り 安倍晋三首相は終戦記念日の靖国神社(東京・九段北)参拝を見送り、代理人の柴山昌彦・自民党総裁特別補佐を通じて同神社に玉串料を私費で奉納。このほか、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー161人(議員本人63人・代理98人)が集団参拝。稲田朋美元防衛相らも個別に参拝(15日)
 ◆共産党が終戦72年で街頭宣伝 終戦から72年にあたり、日本共産党が東京・新宿駅前で街頭宣伝。笠井亮政策委員長が二度と戦争をくり返させない決意を表明しつつ、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発をめぐる米朝間の緊張に触れ、軍事衝突回避と平和的・外交的解決のため、米朝両国の無条件での対話を呼びかけ(15日)
 ◆日米2プラス2開催 日米両政府がワシントンで外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をトランプ米政権下では初めて開催。日米同盟下での「日本の役割拡大」「防衛能力強化」を共同発表文に明記。沖縄県名護市辺野古での新基地建設の「早期の完了」に加え、「米国の核戦力を含むあらゆる種類の能力」による関与も盛り込む(17日)

社会・国民運動
 ◆小型機墜落2人死亡 奈良県山添村の山中に小型機が墜落し、機体は全壊して炎上。残骸からは大阪市在住の夫妻が発見され、死亡が確認された。事故機は八尾空港から福島空港に行く予定だったが、事故の2分前に「八尾へ引き返す」と連絡していた(14日)
 ◆終戦から72年の追悼式 終戦から72年を迎え、政府主催の全国戦没者追悼式が行われる。全国各地から戦没者の遺族など6200人が参列。安倍晋三首相は歴代首相が踏襲してきたアジア諸国への「深い反省」に5年連続言及せず(15日)
 ◆児童虐待が最多の12万件 2016年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、前年度比1万9292件(18・7%)増の12万2578件に上ったことが厚生労働省のまとめでわかった。統計の残る1990年度から26年連続で最多を更新(17日)
 ◆対馬にカワウソ生息 琉球大学が長崎県対馬でカワウソの動画を撮影したと発表。環境省の調査、分析の結果、カワウソの生息を確認。国内では38年ぶり(17日)

国際
 ◆韓国大統領、米朝に自制訴え 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はソウルの官邸で、「朝鮮半島で戦争を起こしてはならない」と語り、北朝鮮に脅迫行為をやめ、米国に冷静な対応を要求(14日)
 ◆韓国「慰安婦」問題解決呼びかけ 韓国の文在寅大統領は光復節の記念式典で演説し、「慰安婦」問題などの解決に向け「日本の指導者の勇気ある行動が必要」と日本の側に努力促す(15日)
 ◆米国務長官が外交解決の姿勢 北朝鮮が米領グアム周辺へのミサイル発射計画について米国の動向見守ると発表したことを受け、ティラーソン米国務長官は「対話に至る道」に関心があると語り、改めて外交解決を目指す姿勢を示す(15日)
 ◆スペインで車両テロ スペイン北東部バルセロナの中心部のランブラス通りの歩道に車両が突っ込み、13人が死亡、100人超が負傷。警察当局はテロ事件として捜査を開始(17日)

「慰安婦」問題など解決へ日本側の努力促す/韓国大統領演説

2017816

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、光復節の記念式典で演説し「慰安婦」問題などの解決に向け、「日本の指導者の勇気ある姿勢が必要だ」と述べ、日本側の努力を促しました。歴史問題と安保・経済協力などは切り離して対応する姿勢を表明しました。
 (栗原千鶴)

 文氏は演説で、歴史問題を適切に解決することで「両国の信頼が深まる」と強調。「日本の多くの政治家や知識人が両国間の過去と日本の責任を直視しようとする努力をしてきた」と述べ、「こうした歴史認識が、日本の国内政治の状況に応じて変化しないようにする必要がある」と指摘しました。
 さらに「慰安婦」問題と強制動員問題など、「韓日の歴史問題の解決には、人類の普遍的な価値と国民的合意に基づいた被害者の名誉回復と補償、真相究明と再発防止の約束という国際社会の原則がある」と述べ、「韓国政府はこの原則を必ず守る」と約束しました。
 式典には「慰安婦」被害者や、強制徴用された元労働者が招待されました。

「慰安婦」問題解決訴え日韓の女性ら行動/独ベルリン

2017816

 【ベルリン=伊藤寿庸】日本軍「慰安婦」問題を広く知らせ、日本政府の公式な謝罪、補償を求める行動が14日、ベルリン中心部のブランデンブルク門前で行われました。ドイツに住む日本人女性たちの会「ベルリン女の会」や、在独韓国人の団体コリア協議会などが主催し、被害者が生きている間に尊厳を回復させようと訴えました。
 行動では、浴衣や、韓服などの民族衣装を着た女性たちが韓国、北朝鮮、インドネシア、フィリピン、オランダ、東ティモールなど9人の「慰安婦」被害者の肖像を掲げました。
 主催者の一人、コリア評議会の韓静和(ハン・ジョンファ)議長は、2015年12月に「慰安婦」問題で日韓合意が結ばれたときを振り返り、「日本社会が変わらなければならないということが一項目もなかった。古い合意は破棄して、両国の社会が関与する新しい合意を結んでほしい」と述べました。
 参加者は、「日本がこの問題に正しく向き合ってほしい」=ベルリン自由大学でコリア学を専攻するAさん(21)=、「日本にいる時はこの問題を知りませんでした。次の世代に引き継いでいきたい」=Bさん(38)=と語っていました。

南京市民殺害記述の教科書を選定私立中学に「圧力」/「反日教育」など攻撃はがき次々

2017812

 私立灘中学(兵庫県東灘区)が、日本軍「慰安婦」問題や南京占領時の市民への暴行・殺害についての記述がある「学び舎(しゃ)」の歴史教科書を選定したことに対し、外部から攻撃や「圧力」があったと告発する同校の和田孫博校長が同人誌に寄稿した文書が話題です。
 (仁田桃)

 寄稿文の題名は「謂(いわ)れのない圧力の中で―ある教科書の選定について―」。同人誌は2016年9月、ネットに公開されました。17年8月になり、短文投稿サイト「ツイッター」を中心に拡散され始めました。
 「学び舎」の歴史教科書は、他社にはない日本軍「慰安婦」問題の記述があります。慰安婦にされた女性たちへのおわびと反省を表明した「河野談話」と、強制連行を直接示す資料は発見されていないという政府見解が併記されています。

自民議員から電話
 和田校長は寄稿文のなかで、「自民党の一県会議員から『なぜあの教科書を採択したのか』と詰問された」「本校出身の自民党衆院議員から電話がかかり『政府筋からの問い合わせなのだが』と断った上で同様の質問を投げかけてきた」と述べています。
 地元紙「神戸新聞」は、「インターネット上でも『政治圧力ではないか』と問題視する声が上がっている」と報道しました。
 16年2月ごろから、同校に「反日教育」「OBとして失望した」など、文面が共通する内容の批判のはがきが約200通届いたといいます。和田校長によると、この共通はがきは南京陥落後の難民区の市民が日本軍を歓迎し、医療や食料を受けている写真が使用されていました。「プロデュース」として個人名を記していました。
 はがきの出どころをインターネットで調べてみるとブログがありました。灘中学のほかに「学び舎」の歴史教科書を採用した中学校を列挙し、「南京歴史戦ポストカードで対抗しましょう」と呼びかけていました。
 列挙された一つ、麻布中学は本紙の取材に「昨年の一時期はかなりの数のはがきがきましたが、今は全くない」と話しました。
 灘中学の和田校長は本紙の取材に「政治的圧力というより、得体の知れないところからはがきがきたというところに圧力を感じた。有名学校が相次いで『学び舎』を採用したので、阻止しようとしたのではないか」と話しました。
 「学び舎」を採用した理由については「読み物風になっており、近現代より古い時代のことも、農村で生きる一般の人びとの生活を取り上げている」と説明しています。

潮流

201788

 戦後72年、初めてテレビカメラの前で明かされた証言に胸を突かれました。NHKで5日放送のETV特集「告白〜満蒙開拓団の女たち」▼戦中、岐阜県の山間地から満州(中国東北部)に入植した650人の黒川開拓団の話でした。敗戦で現地住民から逃れるためにソ連軍を頼りました。引き換えになったのは15人の若い女性。「接待所」が造られ、性の相手にされたのです▼3人の当事者が番組で証言します。共通するのは「生きて帰らにゃ」「そのために犠牲になっても」。70年余の間、秘めていた悲しさ、苦しさがにじみます。亡くなった女性は録音テープを残していました。「私のたどった道は歩ませたくない」▼制作者はこの声を視聴者に届けたかった。しかし、NHKの一部の管理職は苦々しく思ったのか、番組を封じ込めようとする動きを見せました。そこで思い出すのが、16年前のETV番組改変事件です▼日本軍慰安婦を取り上げたところ、安倍晋三官房副長官(当時)の圧力で、加害兵士らの証言がカットされました。市民が裁判に訴えて、「政治家の意向を忖度して番組が作り変えられた」とする判決が出ました。今もNHKに忖度の体質が残っているとしたら問題です▼安倍政権が強行した戦争法のもとで、日本がいつか来た道へ踏み出そうとするのではないか。終戦の日の15日にかけて放送される、戦争の実相を伝える特集番組がつづきます。いいものには視聴者としてのひとことをNHKへ。「忖度」を吹き飛ばす力になるはずです。

潮流

201784

 ちょうど1年前。安倍首相は内閣改造で稲田朋美氏をよりによって防衛相に起用しました。9条改憲派で鳴らす人物の入閣は首相にとっても野望を達成するための布石でした▼従軍慰安婦や南京大虐殺を否定し、靖国神社参拝をくり返してきた稲田氏。古い価値観にとらわれた極右思想の持ち主に内外からの反発は必至でした。案の定、「日報」隠し疑惑をはじめ数々の問題を起こし、1年足らずで辞任に追い込まれました▼この間、資質が問われた閣僚は稲田氏にとどまりません。加計問題の文書を「怪文書」と断じた菅官房長官、東日本大震災を「あっちの方だったから良かった」と発言した今村復興相、沖縄での機動隊員による「土人」発言を「差別であるとは断定できない」とした鶴保・沖縄北方相―▼共謀罪やTPPといった重大な法案をめぐっても担当相の失言や暴言が相次ぎました。枚挙にいとまがないほどのそれは自公政権のおごりの表れでした▼支持率急落にあえぐ安倍首相がまた内閣の顔ぶれを変えました。防衛相には集団的自衛権の行使容認を閣議決定したときの担当相だった改憲派の小野寺五典氏を再び。いくら適材適所を強調しても、中身が同じでは破たんはすでに▼人心一新で政権の立て直しをねらう安倍首相ですが、国民が嫌悪しているのは自分たちのやりたいことは問答無用で押し通す、都合の悪いことは隠すといった体質そのもの。心を改め、新たにするというのであれば、首相みずからを代えるしかありません。

週間日誌/17年7月23日〜29日

2017730

政治・経済
 ◆加計問題で衆院予算委閉会中審査 「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設が「総理のご意向」とされる問題や稲田朋美防衛相の日報隠ぺい疑惑に関し、衆院予算委員会は安倍首相出席のもと閉会中審査を開く。日本共産党は宮本徹、笠井亮の両議員が質問(24日)
 ◆小池書記局長が安倍首相の責任追及 「加計学園」問題などをめぐって参院予算委員会閉会中審査が開かれ、従来の答弁をくつがえす安倍首相を日本共産党の小池晃書記局長が追及(25日)
 ◆蓮舫代表が辞意 民進党の蓮舫代表が国会内で会見し、「代表を引く決断をした」と表明。同党執行役員会は、蓮舫氏の辞任の申し出を了承(27日)
 ◆稲田防衛相が辞任 陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の「日報」隠ぺい問題に関し、稲田朋美防衛相は防衛省監察本部による特別防衛監察の結果を公表、安倍首相に辞表を提出(28日)
 ◆家計消費が1年4カ月ぶりに増加 総務省の6月の家計調査で1世帯当たりの消費支出が実質で前年同月比2・3%増。「うるう年効果」で増えた2016年2月以来、1年4カ月ぶりのプラス(28日)
 ◆正社員の有効求人倍率が初めて1倍超 厚生労働省によると6月の有効求人倍率(季節調整値)は1・51倍で、4カ月連続上昇。正社員の求人倍率は1・01倍に上昇し、初めて1倍を超える(28日)

社会・国民運動
 ◆空自F15から部品落下 那覇空港(那覇市)で、滑走路を共用する航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機から着陸灯のガラスが割れ滑走路に飛散。滑走路が47分間閉鎖され、民間機35便に遅れ・欠航などの影響(26日)
 ◆相模原障害者殺傷事件から1年 19人の障害者が死亡し、27人が重軽傷を負った事件の現場となった相模原市の「津久井やまゆり園」内に献花台が設けられ、多くの人が犠牲者を悼む(26日)
 ◆「森友学園」前理事長夫妻を聴取 安倍晋三首相夫人の昭恵氏が名誉校長を務めていた私立小学校建設計画をめぐり、大阪地検特捜部が籠池泰典前理事長と妻の諄子氏を聴取。建設工事に絡み、国と大阪府から不正に補助金を受け取った疑い(27日)

国際
 ◆韓国「慰安婦」財団理事長辞意 「慰安婦」問題をめぐる日韓政府間合意によって設立された韓国の「和解・癒やし財団」の金兌玄(キム・テヒョン)理事長が辞任の意向と示したと地元メディア。「慰安婦」被害者は同財団が当事者の同意を得ていないと批判(24日)
 ◆ポーランド「司法改革」大統領が拒否権 ポーランドのドゥダ大統領は、司法の独立を破壊すると批判される司法改革法について、議会通過の3法律のうち二つに拒否権発動と発表(24日)
 ◆リビア停戦・早期選挙へ 内戦が続くリビアで国連が支持するシラージュ首相と民兵組織「リビア国民軍」のハフタル将軍がパリ郊外で会談。停戦と早期の大統領選、議会選の実施で合意(25日)
 ◆イスラエル・モスク監視撤去完了 イスラエル当局はエルサレム旧市街にあるアルアクサ・モスクの敷地入り口に14日の銃撃事件後に導入した高性能カメラ敷設のためのインフラなど、全ての治安装置の撤去を完了したとエルサレムの報道(27日)

「慰安婦」財団理事長が辞意/活動、事実上停止状態に/日韓合意をめぐり被害者らと対立も

2017725

 「慰安婦」問題をめぐる日韓政府間合意によって設立された韓国の「和解・癒やし財団」の金兌玄(キム・テヒョン)理事長が辞任の意向を示しました。同財団については、「慰安婦」被害者らが、当事者の同意を得ていない合意や財団の設立に反発していました。
 (栗原千鶴)

 女性家族省によると金氏は19日の理事会で意向を表明しており、財団側は辞職を受け入れる方針だと地元メディアは24日報じました。今年初めに2人の取締役がすでに辞職し、理事長も辞任することで、同財団の活動が事実上停止状態になるとの見方も出ています。
 財団は2015年12月28日に日韓外相が合意した「日韓合意」に基づき昨年7月28日に発足しました。日本側が合意をもとに10億円を拠出。事業では、合意時点で存命していた「慰安婦」被害者47人に対し、1人当たり約1億ウォン(約1000万円)、死亡者199人には1人当たり約2000万ウォンの現金を支給することになっています。関係者によると、合意を受け入れた存命中の36人への支給は「ほぼ終了」したといいます。
 「慰安婦」被害者や支援者は、「日本の公式謝罪と法的賠償が含まれていない合意は無効であり、その合意のもとにつくられる財団は違法だ」と主張し、解散を求めてきました。
 与党「共に民主党」のパク・ジュミン議員は同財団の解散法案を国会に提出しています。
 今年5月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の諮問機関は19日に発表した「国政運営5カ年計画」で、「被害者と国民が同意できる解決方法を導き出す」と表明しました。

「慰安婦」被害者金さんが死去/韓国・生存者37人に

2017724

 韓国の女性家族省は23日、「慰安婦」被害者で、被害の実相を伝える先頭にたってきた金君子(キム・グンジャ)さんが同日朝、亡くなったと発表しました。91歳でした。存命中の被害者は、37人となりました。韓国メディアが伝えました。
 被害者が共同生活する「ナヌムの家」によると、10代で両親を亡くした金さんは、17歳のとき中国吉林省にあった旧日本軍の慰安所に強制連行されました。何度も脱出を試みましたが失敗に終わり、その際に受けた殴打がもとで左耳の聴覚を失いました。戦後、故郷に戻り、1998年からナヌムの家で暮らしていました。
 金さんは2007年2月、米下院にマイク・ホンダ議員が提出した日本軍に公式な謝罪を求める決議案に関する公聴会で証言。当時、1日何人もの日本兵にレイプされたことを語り、日本政府に対して「謝罪をしないのなら、私の青春を返せ」と訴えました。
 (栗原千鶴)

 

「慰安婦」関連本の著者に無罪

 【ソウル=時事】韓国の学術書「帝国の慰安婦」で「自発的な売春婦」といった描写により元慰安婦の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴された朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(59)の判決公判が25日、ソウル東部地裁で開かれ、無罪を言い渡しました。
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2017年01月26日,「赤旗」)

 

官房長官、竹島上陸「極めて遺憾」

 菅義偉官房長官は25日の記者会見で、韓国の慶尚北道の金寛容(キム・グァンヨン)知事が島根県・竹島(韓国名・独島)に上陸したことに関し、「到底受け入れられない。訪問が強行されたことは極めて遺憾だ」と厳しく非難しました。政府として上陸中止を働き掛けていたことも明らかにしました。
 菅氏は「竹島上陸と慰安婦像の設置の問題は別だ」と述べ、一時帰国させた長嶺安政駐韓大使の帰任時期の判断に対する影響を否定。日韓関係の停滞を打開する方策については「韓国が考えることだ」と述べました。
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2017年01月26日,「赤旗」)

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少女像の竹島への設置に反対

 【ソウル=時事】韓国外務省報道官は19日の記者会見で、慰安婦を象徴する少女像を島根県・竹島に設置する動きに関し、「少女像に関連した事案を、性格が全く異なる独島(竹島)と関連付けることは望ましくない」と述べ、反対する立場を示しました。
 報道官は「少女像は普遍的人権問題で、日本軍の慰安婦被害に関連している一方、独島は、わが国の領土主権に関わる事案であり、性格が全く違う」と指摘しました。
 聯合ニュースによると、中部・京畿道の議会は、竹島での少女像設置を目指し、募金活動を開始。これに対し、韓国で竹島を「管轄」している慶尚北道の知事は「不適切だ」と反対しています。
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2017年01月20日,
「赤旗」)

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駐韓大使の帰任時期など協議

 安倍晋三首相は19日、岸田文雄外相と首相官邸で会談し、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置された問題への対応を協議しました。韓国政府への対抗措置として一時帰国させた長嶺安政大使の帰任時期について、引き続き韓国側の対応を見極めることで一致しました。外務省は早期帰任に前向きですが、首相官邸では反対論が強く、当面見送られる見通しです。
 協議後、外務省幹部は「何も決まっていない。韓国が対応を考えるべき問題だ」と指摘。菅義偉官房長官は記者会見で「引き続き韓国側に粘り強く、あらゆる機会を捉えて慰安婦像の問題を含め、日韓合意の着実な実施を強く求めていく」と語り、韓国政府に少女像撤去に向けた具体的な対応を促しました。
 大使の帰任時期に関し、外務省は「早く帰任させて韓国側と交渉させた方がいい」との立場。自民党の二階俊博幹事長も同様の考えを示しています。首相官邸では韓国側の前向きな対応がないまま帰任させることに反対意見が出ています。
(
2017年01月20日,
「赤旗」)

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中国に居住の「慰安婦」死去

 【ソウル=時事】韓国女性家族省は18日、旧日本軍の元慰安婦として韓国政府に登録されていた中国居住の女性が同日、死去したと発表しました。この女性は昨年、日韓政府間合意で設立された財団からの現金支給を希望し、受け取ったといいます。
 日韓合意が発表された2015年12月28日時点では生存者は46人でしたが、その後8人が死去しました。一方、新たに元慰安婦として1人が登録を認められたため、韓国政府に登録されている存命中の元慰安婦は計39人。
(
2017年01月19日,
「赤旗」)

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外相が少女像の竹島設置けん制

 岸田文雄外相は17日の閣議後の記者会見で、韓国で「慰安婦」を象徴する少女像を島根県・竹島に設置する動きが出ていることについて、「竹島は国際法上も歴史的にもわが国固有の領土だ。受け入れられない」とけん制しました。
(
2017年01月18日,
「赤旗」)

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「慰安婦」合意/崔被告は無関係/韓国

 【ソウル=時事】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件などを調べている特別検察官チームは16日午後、慰安婦問題をめぐる2015年末の日韓合意に崔被告が関与した疑惑について、「確認した結果、崔被告とは関係ないと判断した」と明らかにしました。
 特別検察官チームは14日、崔被告とともに日韓合意に影響力を行使した疑いがあるとして、日韓関係を専門とする在日韓国人学者を事情聴取していました。
(
2017年01月17日,
「赤旗」)

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日韓関係発展に期待

 【ソウル=時事】韓国外務省によると、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相とケリー米国務長官が11日夜に電話会談しました。ケリー長官は会談で「日韓関係が未来志向で発展し、日米韓の協力も継続されることを期待する」と述べました。釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像をめぐり、日韓関係が悪化していることを念頭にした発言とみられます。
 電話会談は米国の要請で行われました。尹外相は2015年末の日韓合意の趣旨と精神を尊重することが重要との立場を示し、日韓関係発展のため「可能な限り努力したい」と語りました。
(
2017年01月15日,
「赤旗」)

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外相、日中韓首脳会談の実現目指す

 岸田文雄外相は13日の閣議後の記者会見で、日本開催で調整中の日中韓首脳会談に関し、韓国・釜山での「慰安婦」を象徴する少女像設置問題とは無関係に実現を目指す考えを示しました。
 岸田氏は「日中韓サミットは協力について議論する枠組みなので、少女像と関連付ける考えはない」と述べました。
 少女像設置に抗議して一時帰国させた長嶺安政駐韓大使の帰任時期については「諸般の事情を総合的に判断し検討していきたい」と繰り返しました。
(
2017年01月15日,
「赤旗」)

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少女像の移転/韓国外相「努力」

 【ソウル=時事】韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は13日、国会の外交統一委員会に出席し、釜山に設置された慰安婦を象徴する少女像の移転について「関係当事者と一緒に可能な解決策を見つけることができるよう努力していきたい」と述べました。
 韓国政府はこれまで「適切な場所について知恵を絞ることを期待する」との表現にとどめていました。ただ尹氏は、市民団体との協議は「特に進展があると言えない」と明かしました。
(
2017年01月15日,
「赤旗」)

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潘氏、大統領選に意欲/「慰安婦」合意「不十分」/韓国帰国

 【仁川=時事】国連の前事務総長で、韓国の次期大統領選挙の有力候補とされる潘基文(パン・ギムン)氏(72)が12日、米ニューヨークから韓国に帰国しました。潘氏はソウル近郊の仁川空港で記者会見し、「国を一つにまとめるため、身をささげる覚悟に変わりはない」と述べ、今年行われる大統領選への出馬に強い意欲を示しました。
 また、日韓の慰安婦合意について「完璧な合意は被害者の恨みを晴らす水準になるべきだ」と指摘し、不十分との認識をにじませました。
 潘氏は今後、選挙準備を加速させます。朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する弾劾訴追で選挙日程が早まる見通しの中、有力候補である潘氏の帰国で、大統領選への動きが本格化します。
 11日に記者会見した潘氏の報道担当者によると、潘氏は27日に始まる旧正月連休までは本格的な政治活動を控え、国民の声を聞いて回ります。潘氏は保守色が強いとみられていますが、国内の支持基盤が固まっておらず、今後、どの勢力と連携するか注目されます。
 また、潘氏は会見で2005年と07年に計23万j(約2700万円)の裏金を実業家から受け取っていたとの疑惑報道について「全く理解できない」と関与を改めて否定しました。
(
2017年01月14日,
「赤旗」)

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少女像対応、政府に抗議/日本の市民団体

 日本で「慰安婦」被害者らを支援する市民団体、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動はこのほど、声明を発表し、韓国南部・釜山市にある日本領事館前に「平和の少女像」が設置されたことに対抗して、日本政府が駐韓大使を一時帰国させるなどした対応に抗議しました。
 声明は、一昨年末に日本と韓国が合意した後の日本政府の対応が、韓国国民の怒りをさらに高めたと指摘しています。日本政府が拠出した10億円について「賠償ではない」と繰り返し述べていることや、安倍晋三首相が被害者に、おわびの手紙などは「毛頭考えていない」とした態度をあげ、「おわびと反省を合意でうたいながら実は謝罪する気など全くない」と糾弾。また「韓国民衆を怒らせているのは心からの謝罪どころか『金を出したんだから碑を撤去しろ』と言わんばかりの日本政府の態度」だと述べ、日本政府が加害国としての責任を果たすべく被害者らがまとめた「日本政府への提言」に立脚した根本的解決策を実施するよう求めています。
 また、報道機関に対しても、「問題の本質的な視点にたった報道をするよう求める」としています。
(
2017年01月14日,
「赤旗」)

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潘氏「10億円返すべきだ」

 【ソウル=時事】韓国次期大統領選の有力候補とされる潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が、慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づき日本が拠出した10億円について「少女像撤去に関わるものならば、それは間違ったことだ」と指摘し、「そうならば返した方がよい。話にならない」と発言していたことが分かりました。韓国メディアが13日、伝えました。
 韓国紙・朝鮮日報などによると、12日に帰国した潘氏は、帰国途中の機内で韓国記者団のインタビューに応じました。
 また、潘氏は安倍晋三首相と昨年末に電話で会談したことを明らかにしました。安倍首相に対し、「慰安婦や歴史問題で公平に歩み寄り、未来志向で解決しなければならない」と話したといいます。
(
2017年01月14日,
「赤旗」)

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在日本大韓民国民団新年会での小池書記局長あいさつ

 日本共産党の小池晃書記局長が在日本大韓民国民団(民団)の新年会で行ったあいさつ(大要)は以下の通りです。

 新年明けましておめでとうございます。日本共産党の小池晃です。
 昨年は民団の創立70周年でさまざまな場にお招きいただきました。今年も皆さんと私どもの交流がさらに進むよう希望するとともに、民団の運動のご発展と皆さんのご健康を祈念します。
 今年は日本の憲法が施行されてから70年周年です。この憲法は、日本国民とアジア諸国民に多大な犠牲と被害をもたらした侵略戦争と植民地支配への反省に立って、戦前の政治体制と決別して再出発を誓う国民の宣言といってよいものだったと思います。施行70年の節目の年に、この憲法をいかした政治と社会を実現し、世界とアジア諸国民との真の意味での和解と友好を築けるよう、全力でがんばる決意です。
 日本軍「慰安婦」の問題について、一昨年末に両国政府の間でかわされた合意は、あくまで問題解決の出発点であり、すべての被害者の人間としての名誉と尊厳を回復してこそ、真の解決になると考えます。
 そのために日本政府は、過去、「慰安婦」被害者の方々の人権を著しく侵害したことへの謝罪を誠実に行うことが必要です。韓国政府と協力しながら、冷静に、誠実に問題の解決へと努力しなくてはなりません。
 アメリカやヨーロッパでは、政治指導者による移民や特定宗教への排外的な発言、その下でのヘイト犯罪が問題になっています。日本も人ごとではありません。社会や民族の分断・対立をあおるのではなく、連帯と共同を広げることこそ、21世紀にわれわれが進むべき道だと考えています。日本からヘイトスピーチを根絶するために、引き続き頑張る決意です。
 あわせて、永住外国人の地方参政権の問題についても、超党派で力を合わせ、実現に向けた努力を続けていきます。
 日韓両国・両国民の真の和解と友好のため、また北東アジア全体の平和と安定のため、引き続き日本共産党として努力していきたいと思います。
 カムサハムニダ(ありがとうございます)。
(
2017年01月13日,
「赤旗」)

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在日本大韓民国民団の新年会/小池書記局長が祝辞

 日本共産党の小池晃書記局長は12日、都内で開かれた在日本大韓民国民団(民団)中央本部の新年会に各党代表らとともに来賓出席し、祝辞を述べ、呉公太(オ・ゴンテ)民団中央本部団長、徐清源(ソ・チョンウォン)韓日議連会長、李俊揆(イ・ジュンギュ)駐日韓国大使ら内外の参加者と懇談しました。
 主催者あいさつで呉団長は、年末以来の両国関係とその在日韓国人への影響に懸念を表明し、あらためて韓日友好に力を入れると述べました。またヘイトスピーチ根絶に向けた取り組みも強調しました。
 小池氏は、日本軍「慰安婦」問題での一昨年末の両国合意は、「あくまで問題解決の出発点」であり、日本政府は、過去、「慰安婦」被害者の方々の人権を著しく侵害したことへの謝罪を誠実に行い、韓国政府と協力して、冷静に問題の解決へ努力すべきだと述べました。
 新年会には日本共産党から穀田恵二、笠井亮の両衆院議員も出席し、紹介されました。
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2017年01月13日,「赤旗」)

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米報道官、日韓関係は静観

 【ワシントン=時事】米国務省のカービー報道官は9日の記者会見で、日本政府が慰安婦少女像問題で韓国への対抗措置として長嶺安政駐韓大使らを一時帰国させたことについて「議論は(日韓)両国に任せる。外交官を移動させるのは珍しい行為ではない」と述べ、静観する構えを示しました。
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2017年01月12日,「赤旗」)

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慰安婦問題で「10億円返すべきだ」

 【ソウル=時事】韓国最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は9日の幹部会議で、慰安婦問題をめぐる合意に基づき日本政府が韓国の財団に拠出した10億円について「早期に返すべきだ」と述べました。「予算が足りないなら、国会で予備費を計上すればいい」と指摘しました。
 安倍晋三首相は、釜山の日本総領事館前の少女像設置に関し、「日本は10億円の拠出を既に行った。次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」と述べましたが、禹氏は10億円の拠出と少女像設置問題の関連付けに強く反発した格好です。禹氏は「韓国が日本を相手に詐欺を働いたというような話まで出ている」と述べ、「韓国外相は抗議もできない。このような屈辱があろうか」と批判しました。
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2017年01月12日,「赤旗」)

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慰安婦問題/「言動自制を」韓国首相訴え/日韓応酬過熱で

 【ソウル=時事】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の職務を代行する黄教安(ファン・ギョアン)首相は10日の閣議で、慰安婦問題について「状況悪化をもたらす言動は自制することが望ましい」と述べ、日韓双方に冷静な議論を呼び掛けました。釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像をめぐり、日韓双方で応酬が過熱していることが念頭にあるとみられます。
 黄首相は2015年末の日韓合意に基づく事業では、被害者の名誉と尊厳回復、心の傷の癒やしが重要だと指摘。「両政府だけでなく、すべての利害当事者が合意の趣旨と精神を尊重し、努力することが必要だ」と訴えました。
 安倍晋三首相は8日、日韓合意に基づき日本が10億円を拠出したことを踏まえ、「次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」と発言。韓国野党から「(10億円を)早期に返すべきだ」などと反発する声が出ています。
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2017年01月11日,「赤旗」)

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釜山の少女像設置/駐韓大使の報告、安倍首相が聴取

 安倍晋三首相は10日、首相官邸で、韓国・釜山の「慰安婦」問題を象徴する新たな少女像設置に抗議して一時帰国させた長嶺安政駐韓大使から報告を受けるとともに、今後の対応について協議しました。
 これに先立ち、長嶺氏は菅義偉官房長官に報告しました。菅氏はこの後の記者会見で、「(『慰安婦』問題に関する日韓)合意を責任を持って実施することが極めて重要だ。引き続き韓国政府に対し、合意の着実な実施を求めていく」と語りました。
 首相との協議には、長嶺氏とともに一時帰国中の森本康敬釜山総領事や、外務省の杉山晋輔事務次官、金杉憲治アジア大洋州局長が同席しました。
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2017年01月11日,「赤旗」)

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駐韓大使が一時帰国/釜山の少女像への対抗措置

 韓国・釜山の日本総領事館前に「慰安婦」を象徴する少女像が新たに設置されたことへの対抗措置として、長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事が9日、それぞれ一時帰国しました。長嶺氏らの日本滞在は数日間となる見通し。10日にも安倍晋三首相や菅義偉官房長官に状況を報告し、今後の対応を協議します。日本としては、少女像撤去を含め、「慰安婦」問題に関する2015年末の日韓合意の着実な履行を韓国側に求めていく方針です。
 長嶺氏は9日午後、羽田空港着の民間機で帰国。これに先立ち、ソウルの金浦空港で記者団に「少女像設立は極めて遺憾だ」と改めて強調しました。
 少女像はソウルの日本大使館前に続き、釜山の総領事館前に昨年12月末に設置。これを受け日本政府は今月6日、日韓合意の精神に反するとして、大使と総領事の一時帰国に加え、通貨スワップ(交換)協議の中断や日韓ハイレベル経済協議の延期などの対抗措置を発表しました。
 駐韓大使の一時帰国は、12年8月の李明博大統領(当時)の竹島上陸への抗議で実施して以来。日韓合意に基づき元「慰安婦」支援のため10億円を拠出した日本としては、少女像の撤去などを求めたい考えですが、朴槿恵(パク・クネ)大統領の職務停止で韓国の内政は混乱しており、見通しが立たない状況です。日本外務省幹部は「出口戦略は描けてない」と語りました。
 韓国内では日本の対抗措置に反発する声が出ており、柳一鎬(ユ・イルホ)副首相兼企画財政相は8日、与野党議員らに「外交問題が経済的な影響を与えるのではないか」と懸念を示しました。
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2017年01月10日,「赤旗」)

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NHK・日曜討論/予算の早期成立を強調/安倍首相

 安倍晋三首相は、衆院解散・総選挙について「(2017年度)予算の早期成立に全力を尽くす。われわれはその間、解散の『か』の字も頭に浮かばないだろう」と述べました。また、「今の仕事に全力を尽くすことに頭は全て占められている。それはしばらく続く」とも強調しました。首相の発言は6日に収録されました。
 首相は韓国・釜山の日本総領事館前に「慰安婦」を象徴する少女像が新たに設置されたことに関し、「(15年末の日韓合意に基づいて)日本は10億円の拠出を既に行った。次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」と述べ、合意の着実な履行を求めました。韓国で年内に政権交代が予想されることも踏まえ、「政権が代わろうとも実行することが国の信用の問題だ」と強調しました。
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊については、「PKO(参加)5原則が守られている状況でも、安全を確保して活動を満足に果たせる状況でなくなれば、ちゅうちょなく撤収したい」と述べました。
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2017年01月09日,「赤旗」)

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首相、少女像設置は「建設的でない」

 安倍晋三首相は6日、バイデン米副大統領と電話で会談しました。
 韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことを念頭に、バイデン氏は「米政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており、着実に履行されることを強く期待する」と述べました。首相は「日韓両政府が責任を持って実施していくことが重要で、これに逆行することは建設的ではない」と応じました。
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2017年01月07日,「赤旗」)

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日韓外務次官、少女像で会談

 【ワシントン=時事】訪米中の杉山晋輔外務事務次官は5日、日米韓3カ国の次官協議に先立って韓国の林聖男(イム・ソンナム)外務第1次官とワシントンで会談し、韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像について「到底許容できない」と述べ、即時撤去するよう求めました。杉山次官が明らかにしました。
 杉山次官は、慰安婦問題の最終解決をうたった2015年末の日韓合意に触れ、「日本は既に(合意に基づく)10億円の拠出を済ませ、ソウルの日本大使館前の少女像撤去について、韓国の努力を固唾をのんで見守っていた」と指摘。「そのような中での新たな像の建立は、韓国が大切な合意の基礎を一方的に崩すことを意味する。直ちに撤去すべきだ」と強調しました。
 林次官は「合意を着実に履行していく立場に変わりはない。申し入れの内容は確実に、中央政府の責任者に伝達する」と応じたといいます。
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2017年01月07日,「赤旗」)

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駐韓大使ら一時帰国へ/日本大使に遺憾を表明/韓国外相

 【ソウル=時事】韓国外務省によると、慰安婦少女像をめぐる日本政府の対抗措置について、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は6日、長嶺安政駐韓大使に遺憾の意を表明しました。尹外相と長嶺大使はまた、慰安婦問題に関する日韓合意を着実に履行していく立場を再確認しました。
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2017年01月07日,「赤旗」)

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駐韓大使ら一時帰国へ/少女像設置で対抗措置/政府

 菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことに関し、「日韓関係に好ましくない影響を与えるとともに、領事機関の威厳を侵害するもので極めて遺憾だ」と表明しました。一昨年の日韓合意の精神に反するとして、当面の間、@長嶺大使、森本康敬釜山総領事の一時帰国A釜山総領事館職員の釜山市関連行事への参加見合わせB日韓通貨スワップ(交換)協議の中断C日韓ハイレベル経済協議の延期―の四つの措置を取ると説明しました。
 政府は6日までに、外交ルートで韓国側に伝達。措置をいつ解除するかについて、菅長官は「状況を総合的に判断する」と述べ、韓国政府の対応を注視する姿勢を示しました。
 2015年12月の日韓合意では、ソウルの日本大使館前に設置された少女像に関し、「韓国政府は関連団体との協議を通じて適切に解決されるよう努力する」とされました。
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2017年01月07日,「赤旗」)

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釜山少女像は「遺憾」

 菅義偉官房長官は4日のBSフジの番組で、韓国南部・釜山の日本総領事館前に「慰安婦」を象徴する少女像が設置されたことについて「極めて遺憾だ。国際条約の中で国家としてしっかり対応してほしい」と述べ、韓国政府に善処を求めました。「慰安婦」をめぐる日韓合意にも触れ、「約束したことだから合意に基づいて努力することが極めて大事なことだ」と指摘しました。
 去年開催が見送られた日中韓首脳会談については、「現時点では決まっていない。韓国の政治状況の流れをもう少し見守る必要がある」と述べるにとどめました。
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2017年01月06日,「赤旗」)

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言聞録/2016年12月25日〜31日

 ○「こうした子どもたちの問いかける声を聞こう」(フランシスコ・ローマ法王)=25日、クリスマスのメッセージで、世界各地の紛争で多くの子どもたちが被害を受けていると強調。

 ○「フィデル(カストロ前国家評議会議長)の闘争心は永遠にキューバの革命家の良心とともにあり続ける」(キューバのラウル・カストロ国家評議会議長)=27日、フィデル氏の偶像化を避けるために銅像などの建立を禁止する法案を可決した国会で演説。

 ○「イスラエルを孤立させているのは安保理決議ではない。入植地建設の政策だ」(米国のケリー国務長官)=28日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地建設を中止するよう求める国連安保理決議に反発するイスラエル政府を批判。

 ○「素人のような無責任な外交にレベルを落とすことはない」(ロシアのプーチン大統領)=30日、サイバー攻撃による報復としてオバマ米政権がロシア外交官35人を追放したことに対して、米外交官を追放しないと表明。

 ○「日本総領事館前の少女像設置は国家間の問題だ。自治体としては、これ以上は耐え難い」(韓国・釜山市東区の朴三碩〈パク・サムソク〉区長=写真、東区ウェブサイトから)=30日、市民団体が設置した日本軍「慰安婦」を象徴する少女像の撤去を謝罪し、設置を認めると表明。
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2017年01月03日,「赤旗」)

 

 

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