「戦争立法」法案の閣議決定と国会上程に断固抗議し、即時撤回を求める

 

                        2015年5月14日

               治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟中央本部

                     会長代行  増本 一彦

 

1 安倍内閣は、本日、広範な国民が反対と深い危惧を表明している「戦争立法」法案を閣議決定し、国会への上程を決めました。

  私たち治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟は、かつての植民地支配と侵略戦争に反対して、平和と民主主義のために闘った治安維持法犠牲者の歴史と伝統を受け継ぐ者として、安倍内閣の憲法9条を踏みにじる暴挙に対して断固抗議し、「戦争立法」法案の閣議決定の速やかな撤回を求めるものです。

2 この「戦争立法」は、戦後70年間、国民的合意となっている平和主義を一内閣の解釈で憲法を壊し、我が国を『海外で戦争をする国』へとつくり変える大転換を企てる法案であって、以下に述べるとおり少なくとも三つの点で憲法の平和主義を蹂躙し、国民の生命を犠牲にする重大な危険をもたらすものです。

第一点は、アメリカが世界各地で起こす戦争に自衛隊が「戦闘地域」にまで行って軍事支援活動を行い、アメリカと戦争をしている相手国の兵士との間で「殺し、殺される」危険がきわだって高まることです。

第二点は、PKO活動が国連の枠を超えて可能になり、自衛隊が「国際治安支援部隊」として戦乱状態のなかで治安維持活動や捜索活動などをになうことによって、自爆テロや地雷や狙撃をはじめとする相手方の攻撃の対象とされるという危険きわまりない活動に参加することです。アフガンのISAFでは3500名もの死傷者を出しているのです。

  第三点は、我が国がどこからも武力攻撃を受けていないのに、集団的自衛権の行使によって、アメリカとともに海外で戦争をするという憲法9条の公然たる蹂躙です。

3 この「戦争立法」法案こそ、「ふたたび、戦争と暗黒政治をゆるさない」という私たち治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の基本要求に対する改憲勢力と歴史を歪曲する歴史修正主義による真正面からの挑戦であります。

私たちは、かつての日本軍国主義による朝鮮半島、中国そして東南アジア諸国民に対する侵略と加害と日本国民に対する戦争被害を深く認識して、治安維持法犠牲者など先達たちの苦闘によって生み出された日本国憲法を断固擁護する立場から、安倍内閣に対して「戦争立法」法案の閣議決定に断固抗議し、この憲法違反の法案の即時撤回を要求し、この実現のために平和を愛する広範な国民各層の人々と団結し、共同して奮闘することを表明するものです。

以上