◆ ひと記録映画「レッド・パージ(仮題)」製作に取り組む鈴木章治さん(81)
◆ 京都市長選 現職陣営の広告に批判殺到 ツイッター炎上「有権者を愚弄」
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2020年9月1日
レッド・パージから70年。「過去の話ではありません。職場の人権侵害、思想差別は今も形を変えて存在し、人間の尊厳を奪う安倍政治と根底でつながっています。戦後日本の民主化路線から逆コースへの転換点となったレッド・パージの本質を知ってほしい」
1949〜51年、GHQ(連合国軍総司令部)の示唆のもと政府・財界が労働運動や民主運動の弱体化を狙い、日本共産党員や支持者ら推定4万人が職場から追放されました。被害者は名誉回復と国家賠償を求め今もたたかっています。責任を認めようとしない政府に、日弁連や各弁護士会が救済勧告を出しました。
高卒で就職した東京電力の反共労務政策で「現代のレッド・パージ」かといわれた賃金・昇格差別は、19年余りの裁判闘争の末、95年に勝利和解。「レッド・パージ被害者が自分たちのことのように喜んでくれました。今度はその人たちの笑顔を見たい」と支援に加わりました。レッド・パージ反対全国連絡センター事務局長を務めます。
「レッド・パージは一体何だったのか、今にどうつながっているのか次の世代に伝えたい」と記録映画製作に取り組みます。監督は治安維持法犠牲者を描いた「種まく人びと」の鶴見昌彦氏。上映権付きDVDとして普及します。「親族がパージされた被害者だったと協賛金を託してくれた人もいます。人間の尊厳を守る政治を求める世論を力に記録映画を成功させたい」
2020年1月28日
京都市長選(2月2日投票)で、現職の門川大作候補の陣営による「共産党の市長は『NO』」との新聞広告(26日付)に対し、ツイッター上では「有権者を愚弄(ぐろう)したもの」「現代のアカ狩りだ」など、市民や野党議員らによる批判が続出しています。
思想家の内田樹さんは「『対立と分断』を煽(あお)って作り上げた高揚感を政治資源に流用するのはデモクラシーの本旨に反するふるまい」と指摘。ある出版社の代表は「一京都市民として、断じて許せない。政治、思想、信条の自由を侵す。門川さんは、それを公然と宣言したようなもの。こんな人が当選したら京都が差別の街になる。落選はもちろん、即刻市長から降りてもらわないといけない」と怒りを込めてツイートしました。
立憲民主党の尾辻かな子衆院議員は「ひどい広告。2020年にレッドパージとは。自治体の首長選挙と国政選挙では構図は一致しないが、このような広告はモラルが問われる。市長になる方は、すべての市民のために仕事をして頂きたい」と述べています。
兵庫県の立憲民主党のある町議も「戦前と同じく漠然としたイメージを民衆に植え付け、相手を貶(おとし)め排除しようとする発想」と語っています。
京都市長選(2月2日投票)で現職の門川大作候補を担ぐ陣営が「共産党の市長は『NO』」との新聞広告を出したことについて、精神科医の香山リカさんと、市民連合よびかけ人の山口二郎法政大学教授から「つなぐ京都2020」に寄せられたコメントを紹介します。
私は総理が国会で発した「共産党!」のヤジに憤り、「#共産党は私だ」と発信しましたが、それは党派を超えて市民に広く拡散されました。時代は変わったのです。それに気づかないあわれな人たちによる愚かな新聞広告に、市民はもうだまされません。
他にいうことがないのか。これからの4年を問われているときに、あまりに中身がない。