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2012

【慰安婦犠牲者の活動と関連記事】

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12月)ヘッドライン

*             自公政権復活と国民のたたかい/教育改悪/統制・競争強化に拍車

*             安倍内閣発足/アジアに警戒の声/韓国紙「復古チーム」

*             安倍内閣発足/アジアに警戒の声/中国「強硬内閣再び」

*             新閣僚の会見/「河野談話」継承明言せず/官房長官

*             第2次安倍内閣

*             安倍新内閣から見えるもの/暮らし・憲法・原発・外交

*             ふたたび「民意に背を向ける」のか

*             写真家がニコン提訴/朝鮮人元「慰安婦」展中止通知めぐり

*             総選挙結果で各団体が声明/新婦人/日高教

*             高橋議員、宮城10団体訪問/TPP阻止へ期待/JA・民医連などと懇談

*             韓国次期大統領/「正しい歴史認識土台に」/北東アジアの平和に努力

*             日韓関係/過去の植民地支配のきっぱりした清算を/志位委員長が強調

*             元「慰安婦」ら集会/韓国大統領選投票日/次期政権で補償実現を=^学生も駆けつける

*             NHK受信料どう考える/「経営委と語る会」議論続出/国家からの独立、放送の公正のために

*             総選挙、海外メディアの反応/「戻ってきた右翼」/中国・韓国/欧米

*             朝の風/共通の歴史認識へ日中韓の交流

*             維新石原・橋下両氏の発言歴/上石原氏/障害児に「人格あるの」・下/橋下氏編/「政治に必要なのは独裁」

*             私も期待します/「毎日がアルツハイマー」の映画監督関口祐加さん

*             自民・維新から暴言次々/記者クラブ党首討論

*             「改憲手続きに着手」/自民・安倍氏が表明/日本記者クラブ党首討論

12月(本文)(Page/Top

自公政権復活と国民のたたかい/教育改悪/統制・競争強化に拍車

 前回首相時の2006年に教育基本法を改悪した安倍晋三氏が再び首相になりました。
 今回の総選挙で自民党は「教育再生」を政権公約の柱としました。中身は統制と競争の強化です。

内容にも口出し
 子どもに対しては、「愛国心と規範意識を兼ね備えた教育」として▽国旗、国歌の尊重▽ボランティアや自衛隊などでの体験活動の必修化―などをあげます。教員に対しては「政治的中立を確保」と称して統制強化を掲げています。
 教育内容にも口出しし、「不適切な性教育」や「自虐史観偏向教育」は行わせない―とするなど、特定のイデオロギーを持ち込もうとしています。教科書検定制度を変え、副読本も含めた教科書の内容に国が全面的に介入できるようにすることを掲げ、「近隣諸国条項」の見直しも明記しています。
 もう一つの柱の競争主義の強化では、全国一斉学力テストの義務化、「飛び級」導入などを主張しています。
 文部科学相には、教育委員会制度改変、教育への政治介入をねらう自民党教育再生本部長の下村博文氏が就任しました。同氏は日本軍「慰安婦」を否定し、教科書内容への圧力も公言しています。
 旧自公政権下では、改悪教育基本法にそって教育振興基本計画の策定、教員免許状の更新制など、教育への介入と管理統制が強められました。教員免許状更新制は教員の負担を増やし多忙化に拍車をかけています。
 ピラミッド型の管理が強まり、「首席や指導教諭の導入、『教員評価』を賃金反映させる制度により、先生たちが互いに競わされ、型どおりの指導しか許されないような傾向が生まれている」と大阪教職員組合書記長の小林優さんは指摘します。
 東京都教職員組合書記長の川原泰寛さんは「学校は企業のための『人材育成工場』なのか」と語ります。年間目標、教育目標、子どもの習熟度到達度などが数値化され、「評価≠ナ教員同士は分断され、業務を多数抱えることでパソコンの画面にかぶりついている状態。教職員同士で子どもについての会話がない職員室という異様な状態」と川原氏は言います。
 教職員同士の関係が希薄になり、情報が共有されない、教員と子どもの接触が減ることなどで、いじめの初期段階での発見が困難となり、発覚したころには手をつけられない―現場ではこんな状況を招いています。
 このうえさらに政治の教育介入が強められ、上意下達の学校組織となれば、「教育の自主性と主体性そのものが危うくなる」と小林さんは危惧します。
 近隣諸国条項をなくせば中国、韓国、東南アジア諸国との関係悪化も避けられません。

広がるたたかい
 06年の教育基本法改悪では教育関係者の幅広い共同が広がり、教育現場ではたたかいが続いています。大阪では、「維新の会」が提出した教育基本条例に反対する文化人、作家、教育学者、元教育委員長のアピールが賛同を広げました。教職員やPTA役員の共同も大きく広がり一定の抑制をかけました。
 子どもの健康な発達・成長と教育を守るために、「教員、保護者などあらゆる関係者の結びつきを強めて、子どもを中心においた教育をめざして、たたかいを広げたい」(全日本教職員組合の今谷賢二書記長)との機運が生まれています。

近隣諸国条項
 教科書記述を是正するために設けられた教科書検定基準。「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」としています。

父母・教職員の共同大きく/全日本教職員組合書記長今谷賢二さん
 安倍晋三氏は教育基本法を改悪した首相ですし、「教職員組合の適正化」、教育の「複線化」など、今回の自民党の公約は憂慮すべきものです。憲法改悪も非常に大きなテーマになると思います。
 一方で、この間積み上げられてきたものは簡単に覆せないと思いますし、覆させてはならない。高校授業料無償化や少人数学級の前進を維持・拡充する方向で頑張りたいと思います。
 教育の中心は子どもです。教育のあり方を決めるのは一握りの政党ではなく、主権者である国民だということを確信にする必要があると思います。改悪教育基本法のさらなる具体化を許さず、「競争と管理」を強める教育政策の抜本的な転換をめざして、父母・教職員・国民とともに共同のたたかいをひろげましょう。
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2012年12月30日,「赤旗」) (Page/Top

安倍内閣発足/アジアに警戒の声/韓国紙「復古チーム」

 【ソウル=面川誠】韓国の全国ネット局MBCは27日、安倍内閣の人事について、「『慰安婦』を強制動員した証拠はなかったとして、河野談話を修正する意向を何度も強調してきた考えも、今回の人事にしっかり残っている」と指摘。「総選挙後に安倍首相は融和的な態度を見せてきたが、今回の党・政府人事を通じて、安倍首相と自民党政権がどこに向かっているのかが明らかになった」と報じました。
 朝鮮日報27日付の社説は「妄言、妄動政治家を選んで『復古オールスターチーム』を構成したという感じがする」として、「早くも韓日両国と北東アジアに暗雲が垂れ込め始めた」と警戒感を示しました。
 京郷新聞は同日付社説で、「憂慮した通り極右が大挙、前面に配置された」と指摘。「今年巻き起こった歴史・領土紛争は、国内政治上の必要に合わせて周辺国との関係を揺るがせれば、外交的破局はもちろん経済的打撃も被るという教訓を残した」として、「『安倍の日本』が北東アジアの責任ある一員になりたいなら忘れてならない教訓だ」と強調しました。
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2012年12月28日,「赤旗」)

安倍内閣発足/アジアに警戒の声/中国「強硬内閣再び」

 【北京=小林拓也】安倍内閣発足について、27日付の中国紙・環球時報は1面トップで「安倍強硬内閣が再び登場」との見出しを掲げて警戒感を示しました。
 中国共産党機関紙・人民日報も日本メディアの報道を引用し、「右翼的傾向の色彩が濃厚だ」と指摘。小野寺五典防衛相が集団的自衛権に賛成していることや稲田朋美行政改革担当相が靖国神社などの問題で活発に発言していると伝えました。
 京華時報は、新内閣の閣僚を表付きで紹介し、「日本軍による『慰安婦』強制の事実を否定」(下村博文文部科学相)、「東京裁判に反対、南京大虐殺の存在を否定」(稲田行革担当相)などと警告しています。
 日中関係について、新京報は「2006年に安倍氏は首相に就任してすぐ中国を訪問し、双方の関係改善に役割を果たしたが、今の情勢は当時ほど簡単ではない」とする専門家のコメントを紹介しました。
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2012年12月28日,「赤旗」)

新閣僚の会見/「河野談話」継承明言せず/官房長官

 第2次安倍内閣の閣僚は初閣議後の26日深夜から27日未明にかけて就任の記者会見を行い、新政権で取り組む課題などについて語りました。

 菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、日本軍「慰安婦」問題に関する1993年の河野洋平官房長官談話を見直す可能性を問われ、「この問題を政治問題、外交問題にさせるべきではない」と述べるとともに、「歴史学者、有識者の研究が今行われているので、そういう検討を重ねることが望ましい」と発言しました。菅長官は午後の会見でも、河野談話について「継承するとかしないとかではなく、政治問題、外交問題にさせるべきではない」と繰り返しました。
 河野談話は、日本軍「慰安婦」問題をめぐり、旧日本軍の関与を認め謝罪したもの。「(慰安婦の生活は)強制的な状況の下での痛ましいものであった」「その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意見に反して行われた」と強制だったことを認めています。
 安倍晋三首相は9月の自民党総裁選の共同記者会見で「強制連行を事実上証明する資料はなかった」「新たな談話を出すべきだ」と発言しており、韓国や米国などから警戒の声があがっていました。
 第1次安倍内閣でも河野談話見直しの動きがありましたが、アジア諸国や米政府・議会から強い批判の声が上がり、安倍首相が訪米時に「元慰安婦の方々に申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪する事態に追い込まれた経緯があります。
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2012年12月28日,「赤旗」) (Page/Top

第2次安倍内閣

 第2次安倍内閣で入閣した閣僚の横顔を紹介します。(敬称略)

小泉・安倍路線継いだ元首相/副総理・財務・金融・麻生太郎
 09年に首相として衆院を解散し、歴史的惨敗を喫し、政権交代につながりました。憲法・教育基本法改悪、経済政策で安倍総裁と軌を一にし、総裁選でも応援しました。
 小泉政権で総務相として地方切り捨ての「三位一体」改革を進め、第1次安倍内閣では外相として米国の報復戦争支援のためのアフガニスタン、イラク自衛隊派兵を推進しました。
 故吉田茂元首相の孫。改憲右翼団体・日本会議と連携する日本会議国会議員懇談会の元会長で、天皇の靖国神社参拝実現や「敵基地攻撃」論を唱えるタカ派です。「創氏改名は朝鮮人が『名字をくれ』と言ったのが始まり」との暴言もあります。
 衆院福岡8区、当選11回、72歳、麻生派。

憲法9条「改正」同盟強化主張/総務・新藤義孝
 埼玉県川口市職員、川口市議などを経て96年衆院選で初当選。自身のウェブサイトで「国防軍」創設や憲法9条「改正」、日米同盟強化を主張。「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に属してきたほか、自民党広報本部主催の「靖国神社昇殿参拝ツアー」でたびたび「ナビゲーター」(案内役)を務める「靖国」派です。
 01年の日本歯科医師連盟(日歯連)事件で1億円の小切手=ヤミ献金を受け取った橋本龍太郎元首相から同年末に「モチ代」を受け取っています。
 衆院埼玉2区、当選5回、54歳、額賀派。

民自公談合での消費税増税推進/法務・谷垣禎一
 小泉第2次改造内閣から3年間財務相を務め、社会保障費の毎年2200億円削減路線や地方切り捨ての「三位一体改革」を推進。党政調会長として消費税増税論議を主導し、当時から「消費税10%」が持論。福田改造内閣で国交相。
 09年の政権交代直後、麻生太郎総裁の辞任に伴い党総裁に選ばれました。民自公3党密室合意を推進し、消費税大増税と社会保障改悪の「一体改革」関連法案の成立などに協力しました。
 9月の総裁選では、同じ執行部から石原伸晃幹事長(当時)が出馬。谷垣氏は党内や出身派閥・古賀派の支持を得られず出馬を断念しました。
 衆院京都5区、当選11回、67歳。

国対委員長で増税合意推進/外務・岸田文雄
 11年から今年12月まで党衆院国対委員長を務めました。消費税増税など「税と社会保障の一体改革」をめぐり、民主党との密室談合を続け、衆院小選挙区「0増5減」と引き換えに増税賛成の姿勢を示すなど民自公3党増税連合の立役者≠ニなりました。
 07年の第1次安倍政権、08年の福田政権で沖縄北方相。沖縄県辺野古への米軍新基地建設を推進してきました。10年の沖縄県知事選では仲井真弘多知事の応援演説に立つなど、頻繁に沖縄を訪れています。12月から古賀派会長に就任。
 衆院広島1区、当選7回、55歳、岸田派。

日本軍「慰安婦」軍強制を否定/文部科学・下村博文
 都議をへて96年総選挙で初当選。第1次安倍内閣の官房副長官に就任しました。
 官房副長官当時、日本軍「慰安婦」について「(強制連行への)軍の関与はなかった」と発言し、国際社会から批判を受けました。今年8月23日の予算委員会でも「自民党が政権奪還したときに改める必要がある」ものとして、「慰安所」設置などに日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話をあげています。
 「自虐史観に基づいた歴史教科書も官邸のチェックで改めさせる」と教科書の内容に圧力をかけることも公言していました。
 民主党政権が実施した高校授業料無償化を「バラマキ」と批判しています。
 衆院東京11区、当選6回、58歳、町村派。

派遣法抜本改正骨抜きの責任者/厚生労働・田村憲久
 96年に初当選。厚労政務官、文科政務官、総務副大臣などを歴任。「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーで、総務副大臣時代に集団参拝に加わりました。
 民主党政権下で民自公3党が労働者派遣法改正を「骨抜き」にした際、自民党側の交渉責任者を務めました。その裏で、派遣業界の政治団体である政治連盟・新労働研究会からパーティー券を購入してもらっていました。
 消費税増税法の成立強行にあたっては「首相には胸を張って(増税の)持論をいっていただきたい」と野田内閣をけしかけました。「生活保護制度の抜本的見直し」を信念に掲げています。
 衆院三重4区、当選6回、48歳、額賀派。

改憲主張する世襲4世議員/農林水産・林芳正
 改憲派議員らが組織する「新憲法制定議員同盟」の常任幹事兼事務局次長を務めました。第1次安倍内閣で内閣府副大臣、福田内閣で防衛相、麻生内閣で経済財政相を歴任。新テロ特措法延長、沖縄県辺野古への米軍新基地建設などを推進しました。
 民事再生法違反事件で社長ら幹部が逮捕されたシステム開発会社の子会社の自衛隊紹介番組の制作発表パーティーに現職大臣として出席。生命保険大手4社が国会議員を格付けしたリストに友好議員と記載されました。
 曽祖父からの世襲議員4世。父・林義郎氏(元大蔵相)の政策秘書となり、95年の参院選で自民党から立候補し初当選。集団的自衛権の行使や武器輸出三原則の見直しを主張。先の総裁選に立候補して安倍氏に敗れました。
 参院山口選挙区、当選3回、51歳、岸田派。

イラク特措法強行を支える/経済産業・茂木敏充
 93年に日本新党から立候補し、初当選。95年に自民党に入党。第1次安倍内閣のもと自民党が大敗した07年の参院選の実務を筆頭副幹事長として指揮しました。
 02年に外務副大臣を務め、イラク特措法の強行を支えました。谷垣禎一前総裁のもとで政調会長に就任。民主党の野田佳彦前首相に小沢一郎氏ら消費税増税反対派を切るよう迫りました。原発問題では「必要最小限の電力として原発は必要」と再稼働を容認。日銀に2%の物価上昇目標を取るよう主張してきました。
 衆院栃木5区、当選7回、57歳、額賀派。

構造改革路線自民と推進/国土交通・太田昭宏
 93年総選挙で初当選。06年に公明党代表となるものの09年総選挙で惨敗し辞任。自らも落選しました。その後、党全国代表者会議議長に就任。今回の総選挙で国政に復帰し、初入閣しました。
 党代表時代は、自民党とともに「構造改革」路線を推進。社会保障費を毎年2200億円削減するなど国民の暮らしを破壊しました。イラクへの自衛隊派兵延長も強行しています。
 「政治とカネ」の問題では、下請け業者に支払う代金を不当に減額したとして、公正取引委員会が再発防止を勧告した家具販売大手「ニトリ」から献金を受け取っています。
 衆院東京12区、当選6回、67歳。

3党合意推進生活保護攻撃/環境・原発・石原伸晃
 「胃ろう」患者に対して「エイリアンが人間を食べて生きているみたいだ」「こんなことをやったらお金がかかる」(2月6日、BS朝日番組)、反原発運動を「集団ヒステリー状態」(11年6月14日の会見)と暴言をはくなど、政治家としての資格が疑われます。
 生活保護制度を「ナマポ」と侮蔑的に呼び、生活保護予算を8000億円削れると発言(9月11日、テレビ朝日系番組)。
 先の自民党総裁選に幹事長として出馬し、「日米同盟を更(さら)に強化し、集団的自衛権の一部行使を認める」(政策)と「戦争する国」を強調。消費税増税の民自公3党合意を「実現させるため全力を挙げる」としています。小泉自公政権で国交相、行革担当相を歴任。
 衆院東京8区、当選8回、55歳、石原派。

朝鮮王朝儀軌返還に反対/防衛・小野寺五典
 07年の安倍改造内閣で外務副大臣。09年からは自民党外交部会長を務め、日本が植民地支配時に韓国から持ち出した「朝鮮王朝儀軌」返還の日韓図書協定に反対しました。「緊急事態での在外邦人避難」で自衛隊員に武器使用を認める自衛隊法「改正」案を議員提案しています。
 09年総選挙の「朝日」アンケートで「憲法改正」に「賛成」と回答。会長を務める自民党宮城県連は「TPP(環太平洋連携協定)参加交渉には断固反対する」(11年)と決議しています。
 初当選時に線香セットを配って公選法違反で書類送検され議員を辞職しています。松下政経塾出身。
 衆院宮城6区、当選5回、52歳、岸田派。

安倍氏の側近「大阪都」推進/官房長官・菅義偉
 安倍首相の側近の一人で、第1次安倍内閣で総務相として初入閣。北朝鮮拉致問題を国際放送で重点的に扱うようNHKに命じ、権力の介入、表現の自由の侵害と問題になりました。
 日本会議国会議員懇談会のメンバー。今回の総選挙で、政権公約の改憲や「国防軍」創設に関して「明解に憲法のなかに位置付けようということだ」と説明するタカ派です。地方財政切り捨ての「三位一体改革」を推進し、「大阪都」構想を後押しする大都市制度改革の報告をまとめた党内のチームの座長。
 法人税法違反容疑で前社長が逮捕された会社からの献金や「事務所費」問題で名前がたびたび挙がりました。
 衆院神奈川2区、当選6回、64歳。

公費による酒食会合出席/復興・根本匠
 福島県出身の元建設官僚。2006年、第1次安倍内閣発足時の首相補佐官。安倍晋三、石原伸晃、塩崎恭久と「NAIS」(ナイス、4氏の頭文字)と称されるグループを立ち上げ、政策活動をともにしてきました。
 製薬、生命保険、サラ金、歯科医などの業界から政治献金を受けとっています。石原慎太郎「維新」代表が東京都知事時代に公費を使って開いた私的会合に参加。日本道路公団の公費による酒食会合にも出席していました。
 日本軍「慰安婦」の強制性を否定する「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」「『明るい日本』国会議員連盟」のメンバー。
 衆院福島2区、当選6回。61歳。岸田派。

96条改憲のよびかけ代表/公安・拉致・古屋圭司
 侵略戦争正当化の歴史教科書押しつけに執念を燃やす「靖国」派の急先鋒(せんぽう)。01年1月、日本軍「慰安婦」の証言を放送予定のテレビ番組について「きちんと説明できるようにしておいたほうがいい」とNHK幹部に圧力をかけた疑惑の持ち主。
 05年の郵政民営化「造反」組ですが、安倍氏のおかげで復党(06年)。「憲法96条改正目指す議員連盟」の自民党呼びかけ人代表で、日本軍「慰安婦」の記述の抹殺を狙う「日本の前途と歴史教育を考える議員の会(教科書議連)」会長などを務めてきました。経産副大臣、法務政務次官、安倍晋太郎外相秘書など歴任。成蹊大出身で安倍首相の先輩。
 衆院岐阜5区、当選8回、60歳。

歌までつくり安倍首相応援/沖縄・北方・山本一太
 父の急逝をうけ95年参院選で地盤を引き継ぎ当選した世襲議員。歌までつくった安倍首相応援団。
 米軍普天間基地の「移設」問題をめぐって「苦渋の決断をした現行案(=名護市辺野古への県内移設)を米国政府との合意まで破ってひっくり返そうとしている」と鳩山由紀夫首相(当時)に迫り、移設問題が解決できない場合の「退陣」を要求しました(10年3月)。環太平洋連携協定(TPP)についても「期待をあおって、できないとなったらどうするのか。第3の開国は第3の鎖国にするのか」(11年3月)などと菅直人首相(当時)をけしかけました。
 参院群馬選挙区、当選3回、54歳。

原発推進に反対せず/少子化・森雅子
 弁護士出身。金融庁職員、幹部などを経て06年の福島県知事選に、原発を推進してきた自民、公明両党の推薦を受け出馬し落選。知事選中に市民団体が実施したアンケートで憲法9条2項を「改正する」と言明。また同知事選中の公開討論でプルサーマル計画には反対したものの、原発推進そのものには反対せず、「県民の意見を聞き、議論を公開して慎重に決めたい」として原発新増設凍結を決めていた県方針の変更に含みを残していました。
 07年参院選で自民党の公認を受け初当選。党副幹事長などを歴任。委員会で質疑中に品のないやじを盛んに飛ばす議員の代表格として有名です。
 参院福島選挙区、当選1回、48歳、町村派。

「原発ゼロ」を「大衆迎合」と/経済再生・甘利明
 福田、安倍両内閣で経産相を務め、大企業減税策を提言するなど「構造改革」を進めました。2000年、党内に設置された「エネルギー総合政策小委員会」の委員長に就任し、事務局長で元東京電力副社長(原子力担当)の加納時男元参院議員らと原発を推進した張本人。福島原発の事故後も、原発ゼロに対して「不可能」「ポピュリズム(大衆迎合)政治」(12年10月)と非難しています。小渕内閣で労相だった99年、労働者派遣法や職業安定法を改悪し、不安定雇用を拡大。
 衆院神奈川13区、当選10回、63歳。

侵略戦争正当化根っから靖国派/行革・公務員制度・稲田朋美
 南京大虐殺で旧日本軍将校が「百人切り競争」したとされる報道を「虚偽」だとして損害賠償を求める裁判の原告側弁護士を務めるなど、根っからの侵略戦争正当化論者。05年の郵政選挙で福井1区から「刺客」候補として立候補、初当選しました。
 議員として靖国神社参拝を繰り返し、首相参拝について「非常に意義のあること。次の総理も、次の次の総理も参拝してほしい」と発言。07年6月には米ワシントン・ポスト紙に「慰安婦強制はなかった」とする国会議員連名の意見広告に参加。河野談話の撤回を強く主張し続けています。
 衆院福井1区、当選3回、53歳、町村派。
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2012年12月27日,「赤旗」) (Page/Top

安倍新内閣から見えるもの/暮らし・憲法・原発・外交

 26日に安倍晋三・自民党総裁が国会で首相に指名され、即日閣僚人事を決めました。その顔ぶれから見えてくるものは―。

経済・財政/「構造改革」路線の再起動
 財務、金融相には、バラマキ型の財政出動に積極的な首相経験者の麻生太郎氏を起用しました。国交相に、10年間で100兆円の公共投資を掲げる公明党の太田昭宏氏をあて、タッグで公共事業バラマキを推し進める構えです。
 麻生氏は財政と金融という経済運営の重要ポストを独占。狙いは、大型補正予算と大胆な金融緩和を一体で進め、一過性の景気浮揚≠演出しながら、2014年に消費税増税を実施することにあります。
 さらに、貧困と格差を拡大した「構造改革」路線も再起動させます。安倍晋三首相は、社会保障切り捨てを断行した経済財政諮問会議を3年ぶりに復活して、財界の意向を直接取り込む方針。企業経営者の意向にきめ細かく対応するため経済再生本部も新設しました。
 経済財政諮問会議と再生本部の仕切り役となる経済再生担当相には、大企業減税策を提言してきた甘利明氏を任命しました。一方、厚労相には、労働者派遣法の骨抜きを主導した田村憲久氏をあて、働く人の賃金、社会保障についてより切り縮めることを狙っています。
 公共事業のバラマキと無制限な金融緩和という安倍内閣の姿勢には、「物価高と不況が同居する」という懸念が早くもあがっています。

憲法・教育/改憲派ズラリ異様な状況
 「憲法をまず改正していく。まずは96条、憲法の改正規定から変えていこうと考えている」と繰り返し、さらに9条改定で「国防軍」創設の野望を隠さない安倍首相―。組閣でも、改憲派をずらりと並べ、その強固な「意思」を示しました。
 副総理の麻生太郎元首相は、侵略戦争の美化と改憲を主張してきた日本会議国会議員懇談会の元会長。菅義偉官房長官、甘利明経済再生担当相らも日本会議の盟友です。
 古屋圭司拉致担当相は96条改憲議員連盟で日本維新の会の小沢鋭仁元環境相と共に共同代表を務めます。
 行革担当相に抜てきされた稲田朋美衆院議員は、靖国神社に連続参拝する「靖国」派で、「日本軍」慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた河野官房長官談話(1993年)などの破棄を強硬に主張しています。憲法を真っ向から否定する人物が閣僚に居並ぶ異様な政治状況が復活≠オました。
 安倍首相が改憲と並んで「重視」するのが「教育改革」です。文部科学相には06年の第1次安倍内閣で官房副長官として寄り添った下村博文衆院議員を登用しました。下村氏は、「教育目標を首長が決定する」とし、教育への政治介入を認める大阪府の教育基本条例の動きを称賛≠キる一方、教職員の政治活動を処罰対象にし、教職員組合への統制を強化する法案の整備に強い執念を示しており、教育基本法の改悪を具体化する危険な動きです。

原発/「ゼロ」どころか推進姿勢
 「可能な限り原発依存度を減らす」。自公連立政権合意に「原発ゼロ」という言葉さえ盛り込まず、原発の新増設も検討するとした安倍内閣。その顔ぶれをみると、原発推進の体制が浮かび上がります。
 原子力行政を所管する経産相には「必要最小限の電力として原発は必要」(3月)と主張する茂木敏充元政調会長を起用しました。
 環境相と原発事故担当相を兼務する石原伸晃前幹事長も「感情論に流されない原子力政策を打ち立てないといけない」(9月、外国特派員協会)と唱え、再稼働は「現実的選択肢」と語っています。
 そもそも、安倍首相自身が、原発再稼働を迫る日本経団連との懇談(10月9日)で「原子力の推進なしに経済成長も社会保障もあり得ない。自民党の守るべき一線だ」と表明する原発推進#hです。
 財界と一体に経済政策の「司令塔」となる経済再生担当相に甘利明氏を起用。「エネルギー総合政策小委員会」(2000年設置)の委員長として原発を「国策」として推進してきた張本人です。
 こうした原発推進路線は、国民世論と矛盾を招くだけでなく、活断層の存在など、原発をめぐる現実と衝突することになります。

安保・外交/官邸主導で「日米同盟強化」
 「失われた日米同盟の絆を回復していく」(17日)と声高に叫ぶ安倍首相。連立政権合意でもさっそく「日米同盟の強化」を盛り込み、来年早々にも、自ら訪米、首脳会談に臨む考えを示しています。また、安倍氏の特命を受けて森喜朗元首相が来年2月にもロシア訪問を予定するなど、官邸主導の外交姿勢を示しています。
 安倍首相は21日、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の辺野古(同名護市)「移設」の意向を示していますが、第1次安倍内閣で沖縄・北方担当相を務め、米軍普天間基地の名護市辺野古への「移設」にかかわった岸田文雄元国対委員長を外相に起用しました。防衛相には党外交部会長の小野寺五典氏を起用しました。
 焦点となる環太平洋連携協定(TPP)問題を担う農水相には日米同盟強化論者の林芳正参院議員を起用しました。
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2012年12月27日,「赤旗」)

ふたたび「民意に背を向ける」のか

 「国民の審判を受けても、自分の路線は間違っていないと居座りを決め込むのに、アメリカとの約束が果たせないとなるとにわかに首相の座を投げ出す…自民党のアメリカいいなり≠象徴しています」
 2007年9月、安倍晋三首相が所信表明演説の二日後に辞任した際の本紙論評の一節です。「民意に背を向けた11カ月」と題しました。
 それから5年、安倍氏は選挙中も選挙後も「自民党は変わった」と言い続けています。組閣の日にも、「国民の自民党をみつめる目はいまだに厳しい」とのべました。

米国・財界中心
 しかし、安倍氏の実際の言動は民意とはまったく逆の方向を向いています。
 開票日の翌々日には、米大統領に電話し、日米同盟強化とともに「自由貿易推進」を表明。選挙中、多くの自民党候補が反対を表明した環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に前のめりの姿勢を示したのです。財界団体とも早々に懇談。無制限の金融緩和と公共事業のばらまきを約束しました。
 最初の外国訪問先は米国を予定、小泉「構造改革」の司令塔だった経済財政諮問会議を復活させ、経団連の「全面的協力」もとりつけています。「アメリカいいなり」「財界中心」全開の観があります。
 日銀には2%のインフレ目標に応じなければ、日銀法を改定すると脅しながら、定昇見直しさえ主張する経団連には賃上げの要請もしないありさまです。
 さらに、原発問題では国民多数が「原発ゼロ」をのぞんでいるのに、「新設についてどう考えるか。もう一度見直していきたい」と再稼働容認どころか新増設にまで踏み込み、民意に背く姿勢を早くも示しました。沖縄・米軍基地問題でも、オール沖縄≠ナ反対している県内移設を表明しています。

改憲議論を促進
 「自民党が変わった」とすれば、野党転落後、自民党全体が右傾化している点です。
 安倍氏がくり返し憲法改悪を口にしているだけでなく、当選した自民党議員の90%が9条改定に賛成(「毎日」18日付)。「新議員の志向は前回選挙と大きく変わっている」(同)と指摘されています。
 しかも、自民党と「日本維新の会」という二大改憲政党で衆院の3分の2を超え、公明党との政権合意でも、初めて改憲議論の「促進」を明記しました。
 集団的自衛権の行使を認める解釈改憲や安全保障基本法による立法改憲の動きもあり、きびしく警戒しなければなりません。
 ただ、こうした政策を強行しようとすればするほど、国民とのあいだで深刻な矛盾に突き当たらざるを得ません。TPP問題では自らの公約違反が問われることになります。
 世論調査でも自民「大勝」の理由として「政策を支持したから」はわずか7%。政権交代を余儀なくされた09年総選挙から比例で220万票、小選挙区で166万票も減らしています。国民は改憲や「構造改革」路線復活を支持したわけではありません。
 さらに、侵略戦争と植民地支配との関係では国際的孤立も懸念されます。日米同盟強化派さえ「(慰安婦問題での)河野談話(93年)の見直しと尖閣諸島への公務員常駐施設の建設は日米関係にマイナスの影響を与える可能性がある。…靖国参拝も同様だ」(マイケル・グリーン元東アジア担当米大統領特別補佐官、「東洋経済オンライン」)とけん制しています。
 安倍政権がふたたび民意に背を向け、改憲と「構造改革」路線を突き進めば、5年前よりさらに大きな国民の批判・怒りと、国際的孤立にさらされることになるでしょう。
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2012年12月27日,「赤旗」) (Page/Top

写真家がニコン提訴/朝鮮人元「慰安婦」展中止通知めぐり

 戦後、中国に置き去りにされた朝鮮人元「日本軍慰安婦」を題材にした写真展(6月)が、会場を運営するニコン側から開催直前になって突然中止通知がなされた事件で、韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)さんは25日、東京地裁に株式会社ニコンに対する損害賠償等請求訴訟を起こしました。
 同写真展中止の理由をニコン側は後に「安氏の政治活動の一環と判明したため」としたものの、東京地裁がニコンに対し、施設を使用させる義務があるとして施設使用を命じる仮処分決定を行い、開催されました。しかし、ニコンは仮処分決定後も写真展に協力できないとの態度を変えず、9月に大阪ニコンサロンで予定されていた同写真展は開催できませんでした。
 安さんは、開催への抗議電話などをきっかけとするニコン側の突然の中止通告とそれに続く写真展への協力拒絶行為は、原告に対する債務不履行にあたり、原告の人格権を侵害する不法行為に該当すると指摘。ニコンに約1400万円の損害賠償請求とホームページでの謝罪広告などを求めています。
 会見した安さんは、「ニコンから受けた不当な待遇は私個人に対してだけでなく、写真家、表現する人全体へのものだ。訴訟を通して中止通告の本当の理由を明らかにし、同様の問題が二度と起こらないようにしたい」と支援を訴えました。
 東澤靖弁護団長は、「写真家がその選んだテーマによって不利益な取り扱いをされることは許されない。表現の自由は憲法でも確立した原則です。この事件は表現の自由の諸原則を掘り崩すもの。暴力的な反対者を理由に表現の場を閉ざすことは危険な傾向だ」と話しました。
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2012年12月26日,「赤旗」)

総選挙結果で各団体が声明/新婦人/日高教

新婦人
 新日本婦人の会中央常任委員会は18日に、総選挙結果についての声明を発表しました。
 声明は、憲法9条改悪を公然とかかげる勢力が、衆議院で改憲の発議を議決できる3分の2以上の議席を獲得したことで、「日本軍『慰安婦』問題の解決や民法改正などに背をむける改憲勢力の新たなジェンダーバックラッシュも予想される」と批判。改憲勢力のたくらみを許さず、多様な民意を反映する制度への改革、女性の人権と地位向上をめざす運動を広げる決意をのべています。

日高教
 日本高等学校教職員組合中央執行委員会は20日、総選挙結果についての声明を発表しました。
 声明は、自民党の安倍晋三総裁が首相時代に教育基本法の改悪を強行し、今回も日本を「戦争する国」にすることを政策の柱にしており、暴走を許さない国民的なたたかいが必要だと強調。いかなる憲法改悪の策動も許さず、子どもと教育、教職員・国民の生活と権利、平和と民主主義を守り発展させるために、政治の民主的転換に全力をつくすことを表明しています。
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2012年12月22日,「赤旗」)

高橋議員、宮城10団体訪問/TPP阻止へ期待/JA・民医連などと懇談

 4選を果たした日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は20日、宮城県内のJA宮城中央会や県生協連、県労連など10団体を訪問し、懇談しました。

 どの団体でも自民党政権への懸念が出され、高橋議員は、新しい国会で公約実現に全力をあげる決意を語りました。
 JA宮城中央会では我妻武昭会長秘書が応対し、菅原章夫会長が、「共産党さんが、一貫してブレずにTPP(環太平洋連携協定)に反対し、震災直後、足を運んでくれたことに感謝している」と「しんぶん赤旗」日曜版(12月9日号)のインタビューに答えたことは、「会長の気持ちです」と話しました。
 県生協連では、齋藤昭子会長らが応対し、消費税増税をストップさせる運動の強化や灯油高騰対策への要望が出されました。
 県労連では、日本維新の会の影響で、非正規雇用が拡大しないかなどの懸念が話され、党への期待が出されました。
 宮城県商工団体連合会(宮商連)では、小選挙区制度の弊害が話題となり、新日本婦人の会県本部では、従軍慰安婦問題のパネル展示会が右翼に妨害されたことなど、安倍晋三自民党政権誕生による右傾化に対する懸念が出されました。
 県民医連では、憲法9条を守る運動強化が話し合われ、県保険医協会では消費税増税問題やTPP参加反対への日本共産党への期待が語られました。
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2012年12月21日,「赤旗」)

韓国次期大統領/「正しい歴史認識土台に」/北東アジアの平和に努力

 【ソウル=面川誠】韓国大統領選に当選した朴槿恵(パク・クンヘ)氏は20日の記者会見で、「正しい歴史認識を土台に、北東アジアの和解・協力と平和が広がるよう努力する」と述べました。
 朴氏は日本を名指しすることは避けながら、「北東アジア域内のあつれきと、世界経済危機に対する懸念も大きくなっている」と指摘。「北朝鮮の長距離ミサイル発射」の次に歴史問題に言及しました。
 朴氏の対日政策について与党・セヌリ党報道官は12日、「朴槿恵候補は、日本軍慰安婦問題と独島(竹島)問題は日本との交渉対象ではないという断固たる立場を明らかにしてきた。セヌリ党は慰安婦に対する日本政府の心からの謝罪と正当な賠償を改めて求める」との談話を発表しています。
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2012年12月21日,「赤旗」) (Page/Top

日韓関係/過去の植民地支配のきっぱりした清算を/志位委員長が強調

 日本共産党の志位和夫委員長は20日、国会内で記者会見し、韓国大統領選挙の結果を受けた日韓関係について聞かれ、「末永く友好な関係を築くためには、日本側が過去の侵略戦争と植民地支配の誤りを清算するきっぱりとした対応を取ることが決定的に重要です」と述べました。
 志位氏は、「大統領選では2人の候補とも歴史認識の問題で、日本に前向きな対応を求めた点で共通していました。韓国の国民全体の総意が一致していることの反映です」と指摘。竹島問題をめぐる話し合いのテーブルをつくるうえでも、「過去の植民地支配に対する反省と謝罪を示すことが不可欠です」と述べました。
 そのうえで志位氏は二つの点で日本政府の対応が問われると指摘しました。
 第一は、1910年の韓国併合に対する認識です。志位氏は、日本政府は韓国併合を「すでに無効だ」といって、併合自体は合法だったという姿勢をとりつづけていると批判。「併合は、独立を求める韓国人を軍事的に弾圧して血の海に沈め、力ずくで植民地にした不法不当なものでした。このことを日本側が認めることが必要です」と述べました。
 第二は、日本軍「慰安婦」をめぐる問題です。志位氏は「日本が国として謝罪と補償をおこなう必要があります」と強調しました。
 志位氏は「少なくとも、この2点で日本側が歴史の真実にのっとった対応をおこなえば、竹島問題についても、冷静に歴史的事実をつき合わせて、領有の問題を両国で検討しようという話し合いのテーブルをつくる道が開かれてきます」と述べました。
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2012年12月21日,「赤旗」)

元「慰安婦」ら集会/韓国大統領選投票日/次期政権で補償実現を=^学生も駆けつける

 【ソウル=面川誠】韓国大統領選挙投票日の19日、ソウルの日本大使館前で旧日本軍の元「慰安婦」被害者と支援者が「次期政権でこそ日本政府による謝罪と補償を」と訴える集会を開きました。
 1992年から毎週水曜日に行われている集会は今回で1053回目。大統領選で休日ということもあり、小中高校生、大学生ら約300人が支援に駆け付けました。
 韓国南東・慶尚南道出身の金福童(キム・ポクトン)さん(86)は、東南アジア各地の日本軍駐屯地を連れ回されたといいます。「さっき大統領選の一票を投じてきた。次の大統領はしっかり日本に謝罪と補償をさせると期待している。もう来年は、こんな集会をやらなくてもいい年にしてほしい」と支援者に訴えました。
 数万人規模といわれる元「慰安婦」のうち、実名で名乗り出て韓国政府に被害を申告したのは234人。申告後に亡くなる人が相次ぎ、生存者はわずか59人です。
 日本政府は1997年から民間の「アジア女性基金」を通じた「償い金」の支給を始めましたが、公式補償を回避する姿勢は韓国の被害者から反発を招き、ほとんどの「元被害者」が受け取りを拒否。韓国憲法裁判所は昨年8月、元「慰安婦」の賠償請求権について韓国政府が日本政府と交渉していないのは憲法違反だとの決定を出しました。
 19日の集会に駆け付けた若者は、ほとんどが初めての集会参加。ソウルの淑明女子大学の学生は「高校までの近現代史の授業は受験用ばかりで、『慰安婦』が何だったのか実感がわかなかった。いまは問題解決を訴えるバッジを大学で販売して活動を支援している。これ以上おばあさんが亡くなる前に日本政府が補償を実現してほしい」と語りました。
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2012年12月20日,「赤旗」)

NHK受信料どう考える/「経営委と語る会」議論続出/国家からの独立、放送の公正のために

 今年の10月から受信料の値下げ(月額120円)に踏み切ったNHK。視聴者の意見は「値下げより番組の充実」から「さらなる公平負担」を求める声までさまざまです。8日に前橋市で開かれた「視聴者のみなさまと語る会〜NHK経営委員とともに」でも、「受信料」問題が一つの大きなテーマとして議論されました。

 語る会の冒頭、経営委員会側から3カ年の経営計画(2012年〜14年度)が説明されました。受信料の値下げに伴う減収は1162億円。今年度予算は6489億円で収支均衡となりますが、来年度は47億円の赤字に転落するといいます。
 参加者からは、受信料制度そのものや徴収方法について、厳しい意見が相次ぎました。

スクランブル?
 「公共料金のように、使った量だけ払うというシステムを構築できないか」と、有料チャンネルやオンデマンドのような課金制度にする意見。そして、受信料を支払わなければ見られないようにする「スクランブル化」の導入です。「緊急放送は別にして、ドラマなど趣味の分野ならスクランブルをかけてもいいのではないか」との声も出ました。
 経営委員会の大滝精一委員(東北大学大学院教授)は、放送法でテレビを設置したらNHKと契約する義務が定められていること、同時に罰則的なスクランブル化や「ペイ・パー・ビュー」(見た時間に応じて払う)の考え方は採用していない、と説明します。
 「少なくとも公共放送を国民一人ひとりが担っていくというのが、放送法の原則。また、全国どこでも放送を分け隔てなく視聴できるようにするのが、理念・使命と考えます」

徴収へ強硬姿勢
 一方で、未払い者への強硬姿勢≠燒レ立ってきています。石原進委員(JR九州会長)は「NHKも営業努力はしているが、なおかつ払わない人には訴訟を起こすことを最終手段としてやっている」と強調。実際、NHKでは06年から未払い者への民事手続きの強化に乗り出し、翌年からは契約・収納業務の法人への委託を進めました。今年の9月からは都道府県別の世帯支払率も公表に踏み切っています。
 男性参加者は「ある程度のお金(負担)は仕方がないと考えます」と意見をのべました。広告収入で成り立つ民放や全国紙と対比させ、「公正・中立で権力やスポンサーにおもねらない報道を維持できるとしたら、NHKに託すしかない」。
 別の男性参加者も「太平洋戦争が始まった翌年、すでに東京や大阪で空襲があったのに、権力機構の規制で報道機関は伝えなかった。この反省にたって努力しなければならない」と提起。大滝委員は「なぜ、受信料を税金という形にしないのか。国家の権力機構とは一定の独立性を保つことも、受信料の考え方の中にあることをご理解いただきたい」と答えました。

視聴者が支える「理念」
 しかし、総選挙で自民党政権に逆戻り。安倍晋三総裁といえば、従軍「慰安婦」問題を扱ったETV番組に圧力をかけ、改変事件の背景となった人物です。

安倍自民政権で
 そもそも、受信料の値下げも、安倍政権が経営委員会に送り込んだとされる古森重隆・元委員長が強引に進めたものでした。収支の均衡が崩れれば、自民党が主張してきた受信料の「支払い義務化」の動きが再燃しかねません。
 語る会終了後の会見で、大滝委員は「個人的な見解」と断りながら言いました。
 「視聴者自身の自主性、自立性が良い放送を支えていくという理念自体は崇高なものがある。それをかなぐり捨てて、100%集められるから(義務化が)いいんだという議論というのは、必ずしも公共放送の将来にとっていいことではないのではないかと思います」
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2012年12月18日,「赤旗」) (Page/Top

総選挙、海外メディアの反応/「戻ってきた右翼」/中国・韓国/欧米

憲法改悪に警戒感/中国・韓国
 【北京=小林拓也、ソウル=面川誠】衆院選での自民党大勝を受け、17日付の中国各紙には「戻ってきた右翼・安倍晋三」(新京報)、「タカ派の安倍が再び日本の実権を握る」(環球時報)などの見出しが躍りました。
 新京報は「安倍氏の政策・主張が人々を憂慮させている」として、憲法を改悪し国防軍を創設することや日米同盟強化などの政策について危機感を示しました。
 環球時報は「60年以上施行されてきた日本の平和憲法がいまだかつてない挑戦にさらされている」と報じました。
 17日付の中国共産党機関紙・人民日報は、論評記事のなかで、次期首相に対し「正確な歴史観と大局観をもって、アジアの隣国との関係をどう処理するのか、日本にとって特に重要だ」と強調。靖国神社参拝、尖閣諸島(中国名・釣魚島)、平和憲法の三つの問題を挙げ「重大な原則であり、少しもあいまいにすることはできない」と指摘しました。
 韓国公営放送KBSは17日、総選挙で自民党と公明党が合わせて3分の2を超える議席を獲得したことで「平和憲法の改定案の発議も可能な絶対安定(多数)議席になった」と報じました。
 安倍氏が改憲による国防軍設置を公約し、領土問題や歴史問題で対外的な強硬姿勢を見せていると指摘し、「右傾化した政策を強行すれば、周辺国との摩擦は避けられない」と懸念を示しました。
 韓国最大紙・朝鮮日報17日付は、慰安婦の強制連行を認めた河野談話(1993年)、植民地支配と侵略の誤りを認めた村山談話(95年)などの「修正」を実行すれば、「韓国、中国、日本の関係に一大波乱を引き起こすだろう」と警戒しています。

安倍氏の政治姿勢/利益もたらさない/欧米
 米紙ワシントン・ポスト16日付(電子版)は、2度目の首相就任が確実になった安倍氏の政治方針について、政治アナリストの分析として「優先事項が軍事拡張と平和憲法の改定であることを示すことになる」という点を紹介。憲法改定の動きなどに関心を払っています。
 米紙ニューヨーク・タイムズは、安倍氏が対中タカ派であることを強調。その一方で、「選挙後は、日本にとって最大の貿易相手国である中国との関係を早急に改善することに言及している」と指摘し、安倍氏の特使が緊張緩和のため、北京を訪問したという自民党関係者の話を紹介しました。
 英BBC放送は16日、安倍氏が掲げる政策について、「(大型)公共投資や金融緩和政策に加え、福島の原発事故にもかかわらず原子力エネルギーの容認を約束している」と指摘。これらは「過去の自民党政権が経済再生を果たす上で不成功に終わったもの」であり、新鮮味がないとしています。
 仏紙ルモンド15日付(電子版)は、選挙直前の報道で、「(安倍氏が)日本の戦争放棄の根拠である平和憲法、とりわけ第9条を修正し、(尖閣)諸島に(自衛隊ではなく)通常の′R隊を送ろうとしている」と指摘。日本の再武装や靖国神社参拝を掲げる安倍氏の政治姿勢は「日本に何の利益ももたらさないだろう」と論じました。
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2012年12月18日,「赤旗」)

朝の風/共通の歴史認識へ日中韓の交流

 2001年に侵略戦争美化の「つくる会」教科書が登場したことで、日中韓の間に多くの摩擦が生じた。それを理性的かつ前向きに克服することをめざして、2002年以来、日中韓3国の研究者・教育者・市民が毎年「歴史認識と東アジアの平和」フォーラムを開催し、共通の歴史認識をつくるための交流と討議を続けてきた。
 今年は、日本で脱原発、オスプレイ配備反対、米軍基地と安保を問う運動が大きく発展する一方、領土問題での緊張で軍備増強の動きが起こっている。日本政府のかたくなな態度により「慰安婦」問題が解決しないまま、竹島問題での日韓の対立を激化させている。
 そうしたなかで今年のフォーラムは11月末に東京で開かれた。
 原発と核、軍事同盟の問題も、領土、「慰安婦」など歴史問題も、それぞれが深く関わりあいながら、東アジア市民の共通課題になっていることが、いまはっきりと見えてきた。
 フォーラムでの各国からの報告も、核のない東アジア、平和をつくる歴史認識、平和をめざす市民運動の三つのテーマにそって、かみあった内容となり、共通認識にちかづくことができた。
 課題は深刻であり、問題解決への道のりはまだ遠いが、一歩も二歩も前へ進むことができたようだ。
 (比)
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2012年12月17日,「赤旗」) (Page/Top

維新石原・橋下両氏の発言歴/上石原氏/障害児に「人格あるの」・下/橋下氏編/「政治に必要なのは独裁」

維新/石原・橋下両氏の発言歴/上/

 人権侵害、人間蔑視の暴言を重ねる日本維新の会の石原慎太郎代表、橋下徹代表代行。これまで二人はどのような暴言を繰り返してきたのか。

 石原慎太郎氏は、東京都知事時代にも障害者、女性、若者、震災被災者や外国人などを蔑視し、人権を踏みにじる暴言を繰り返してきました。

女性・青年にも
 石原氏は知事に就任した1999年、都立府中療育センターを視察後、入所している重度の心身障害児を「ああいう人っていうのは人格あるのかね」と発言し、強い批判を浴びました。
 女性には「文明がもたらした最も悪しき有害なものはババァ≠ネんだそうだ。女性が生殖能力を失っても生きてるってのは無駄で罪です≠チて」(「週刊女性」01年11月6日号)と侮蔑発言をしました。抗議した女性が謝罪と損害賠償を求めて提訴し、東京地裁は05年の判決で請求は棄却したものの「発言は憲法、国際社会の基本理念と相いれない」と批判しました。
 正規雇用に就けず不安な生活を送っているニートやフリーターの青年を、石原氏は「ごくつぶしだ」(06年3月都議会)と非難したことも。

「体罰が不可欠」
 知事と議論する会に、傷害致死罪などで有罪判決を受け服役した戸塚宏氏(ヨットスクール校長)を招き、石原氏は「子どもを育てるためには体罰が不可欠だ」(12年5月)と戸塚氏の体罰教育を賛美しました。

外国人差別発言
 陸上自衛隊の観閲式で「不法入国した『三国人』の騒じょう事件さえ予想される」(00年4月)と、朝鮮や台湾など旧植民地の人々への蔑称を使い、内外から抗議が殺到しました。
 03年8月15日には靖国神社を参拝後、「シナ人であろうが、韓国人であろうが、外国人ががたがたいうことはないんだ」と開き直りました。

津波を「天罰だ」
 11年3月11日の東日本大震災を「いい巡り合わせというか、天の声」、津波を「天罰だと思う」と暴言を吐き批判が殺到、撤回に追い込まれました。
 福島原発事故を契機に全国で高まる脱原発の世論に、「戦後の悪しき習い性の典型」(11年9月都議会)と非難。一方で、「東京湾に原発を造ってもいい」とたびたび公言、「鋸山(千葉県)の頂点にでも造ったらいい」(12年3月都議会)と答弁しました。

「ばか」呼ばわり
 「知事と議論する会」(11年9月)では、高校生の前で五輪東京招致に反対する人を「ばかども」と非難。IOC委員に五輪招致をPRすることも、「立ちんぼのストリートガールに女衒(ぜげん)が、あの男をひっかけてこいと、握手するようなもんだよ」と放言、ひんしゅくを買いました。

政治家の資格はない/自由法曹団元団長坂本修弁護士の話
 日本維新の会の「2人の頭(かしら)」、石原慎太郎代表、橋下徹代表代行は、人権侵害と人間蔑視(べっし)の暴言を繰り返してきました。
 誰であっても許されない非行を繰り返し、しかも、批判されても改めない人物に政治家の資格はありません。二人の言動に目をつぶり、持ち上げ、議席欲しさに維新の会にすり寄る、さらには反動政治推進の「突撃隊」として利用しようとする動きを許していいのかが問われています。
 人権侵害、人間蔑視の政治がはびこることは、すべての国民の不幸です。私たち一人ひとりの誇りと人間の尊厳、この国の民主主義と正義を守るために、彼らに厳しい審判を下し、こうした動きに正面から対決している日本共産党の躍進をと強く思うのです。
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2012年12月11日,「赤旗」)

「買春はODA」
 日本維新の会の橋下徹代表代行はタレント弁護士の時代、日本人による中国人の買春について「ODA(政府開発援助)みたいなもの」と語り物議をかもしました。
 日本軍に強制された日本軍「慰安婦」を「風俗業は今でも存在する」と風俗業と同列に論じた最近の暴言の原点も、ここにあります。

「教育とは強制」
 橋下氏が知事に就任(2008年2月)して以降、とくに目立ったのは教育問題での暴言です。全国いっせい学力テストの市町村別の結果公表を迫り、「あのクソ教育委員会が、過度な競争が生まれるからと発表しない」などと罵倒。私学助成を削減しないでと要請する高校生を「なぜ公立に行かなかったのか」と問い詰めて泣かせ、橋下氏の「自己責任」論に反論する高校生に「日本から出るしかない」と冷たく言い放ちました。
 カジノ誘致を掲げ、「ちっちゃいころからギャンブルを積み重ね、勝負師にならないと世界に勝てない」「風俗街、ホテル街、全部引き受ける」などと発言。「教育とは2万%、強制」(ツイッター)との特異な思想に基づき、手始めに教職員への「君が代」起立強制条例を強行(11年6月)しました。憲法でその自由が保障された「思想や良心だなんて、クソガキが考える必要はゼロ」(著書『まっとう勝負!』)だというのです。

民主主義を否定
 人権・民主主義否定は「今の日本の政治に必要なのは独裁」(11年6月)という「独裁」肯定発言に行き着きます。
 11年12月の市長就任後も前年に「(市職員は)負けた時は一族郎党がどうなるか覚悟を決めておけ」と語っていた通り、恐怖政治を展開。自分が民意≠ニの前提で「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」と言い放ち、職員制度を変質させてきました。
 データ破棄に追い込まれた市職員に対する「思想調査」にも「問題ない」と開き直り、市職員には「皆さんは国民に命令する立場」と発言。「(市職員が)市長の顔色をうかがわないで誰の顔色をうかがうのか」とも語っています。

「核廃絶」を敵視
 橋下氏はかつて「日本も核を持つべき」だと述べたり、最近でも「核廃絶だけを叫んでも何も動きませんよ」と言って、核兵器廃絶は無理≠ニの立場を示すなど、平和に対する感覚がたびたび問題になってきました。
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2012年12月12日,「赤旗」) (Page/Top

私も期待します/「毎日がアルツハイマー」の映画監督関口祐加さん

人間の生命の立場でずっと考えてきた党
 私は約29年間、オーストラリアに住み、従軍「慰安婦」を扱ったドキュメンタリー映画「戦場の女たち」は、監督デビュー作品です。
 その経験から思うのは、憲法9条は世界でもすごくユニークなもので、それをフルに活用するのが日本の道だということ。中国や韓国との領土問題を解決するためにも、自国の歴史ときちんと向き合う必要があります。
 ところが自民党は政権公約で憲法9条を変え、「国防軍」を創設するといい、「日本維新の会」代表の石原(慎太郎前東京都知事)さんは核兵器保有のシミュレーションをやればいい≠ネどと言っている。非常に危険な流れです。
 政党が乱立していますが、「第三極」といっても、議席を取るためにいろいろな人とくっついたり、保守からのれん分けされた枝葉だったり…。
 私は、今までの資本主義的な経済発展型社会で果たしていいのかと真剣に思っています。新しい日本社会のあり方を模索しなければならない時です。この選挙は、その始まりです。
 共産党はぶれてない。政党の歴史をみればわかります。選挙後の国会ではキャスチングボートを握る可能性もあると思う。野合の政党はたくさんあるが、原発の問題でもずっと人間の生命の立場から考えてきた共産党に期待したいですね。
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2012年12月09日,「赤旗」)

自民・維新から暴言次々/記者クラブ党首討論

「国防軍」の狙い
 党首討論で、自民党の安倍晋三総裁は、96条改憲以外にも、9条2項を改悪し、「国防軍」を創設する狙いを表明。「外国では軍隊だ。詭弁(きべん)はやめるべきだ」などとのべました。9条2項をなくせば、海外での武力行使を可能とする集団的自衛権も国連軍参加も可能となります。「国防軍」創設は単なる名称変更にとどまらず、日本を「殺し殺される国」に変えてしまうことになります。

侵略戦争を美化
 安倍氏が参拝の意欲を示した靖国神社は侵略戦争推進の精神的支柱になった施設。戦後も、侵略戦争を「アジア解放戦争だ」などと美化しつづける中心となっています。同神社への参拝は、侵略戦争の反省の上にたつ戦後政治を否定するもの。
 また、日本軍「慰安婦」問題では、1993年の河野官房長官談話について「安倍政権時代にそれ(強制連行)を証明する事実がなかったことを閣議決定している」とのべ、「それを内外に知らせたい」と表明しました。
 しかし、安倍政権時代の閣議決定は、国会議員への答弁書で、河野談話の継承を表明したのが趣旨。「強制連行」の事実も、河野談話だけでなく、数々の証言などで裏付けられています。

原発で経済成長
 「2030年代までにフェードアウト(徐々に消滅)する」という自らの党の公約を知らなかった「日本維新の会」の石原慎太郎代表は、原発ゼロに反対する理由に、同氏が主張する「核保有」ができなくなるからではないかと質問され、「それは困る」と認めました。
 原発の大量立地の責任を問われた安倍氏は「安いエネルギーというなかで、原子力発電を推進してきた。そして日本はさらに経済を成長させた」と無反省。中国などを引き合いに「日本だけがやめてしまって大丈夫なのか」と原発に固執する姿勢をみせました。
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2012年12月01日,「赤旗」) (Page/Top

「改憲手続きに着手」/自民・安倍氏が表明/日本記者クラブ党首討論

 「まず96条の(改憲)手続きから変えてきたい」。党首討論で、自民党の安倍晋三総裁は、憲法改定の発議要件を各議院の「3分の2以上」から「2分の1以上」に緩和する改憲に着手する意向を表明しました。要件緩和をしたうえで、9条改悪を狙う姿勢です。石原慎太郎「日本維新の会」代表も、「日本を衰退させた大きな原因の一つは憲法だ」などと根拠もなく悪罵をなげつけました。
 また安倍氏は、歴史問題でも日本軍「慰安婦」問題で、旧日本軍の関与を認めて「おわびと反省」を表明した「河野官房長官談話」(1993年)について、見直す考えを示しました。首相在任中、「慰安婦」の強制連行を否定して国際的批判をあび、訪米の際に謝罪した経過を忘れたかのようでした。
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2012年12月01日,「赤旗」)

11月)ヘッドライン

*             最大の既得権益者・財界を放免の維新/橋下氏らの実態を学習/大阪

*             論壇時評/谷本諭/雇用・貧困・外交、政策転換を模索

*             自民党公約に中韓反発/「歴史を繰り返すな」

*             今も差別されている/「慰安婦」撮影する安さん講演/札幌市

*             いま韓国訪問/対話と共感/「慰安婦」、竹島、儀軌返還/日本共産党衆院議員笠井亮さんにきく

*             本立て/花に水をやってくれないかい?日本軍「慰安婦」にされたファン・クムジュの物語/イ・ギュヒ著

*             歴史欺く橋下氏「慰安婦」発言/吉見義明中央大学教授に聞く/本質は強制連行と強制使役

*             慰安婦」問題/率直に反省を/韓国大統領

*             「慰安婦」問題解決を早く/ひろしまネットが宣伝

*             歴史対話/笠井議員の韓国訪問/下/「慰安婦」追悼VS靖国参拝

*             歴史対話/笠井議員の韓国訪問/上/党の竹島提唱に感動=^与党議員「討論必要ない」の態度から一転

*             中国「慰安婦問題」補償を/国連人権理事会が対日作業部会

 

11月(本文)(Page/Top

最大の既得権益者・財界を放免の維新/橋下氏らの実態を学習/大阪

 日本軍「慰安婦」問題をめぐる橋下徹大阪市長の暴言と橋下旋風≠ノついて考える学習会が25日、大阪市で開かれ、40人が参加しました。主催は市民社会フォーラム。八つのテーマで橋下・「維新」が引き起こしている問題を考える連続学習会の一環です。
 「慰安婦」問題に詳しい石川康宏神戸女学院大学教授が講演し、「慰安所」は「侵略戦争のなかで日本政府と軍が兵士の性欲を満たすためにつくったレイプセンター」と指摘。橋下氏が、「『慰安婦』が軍に暴行・脅迫を受けて連れてこられた証拠がない」「強制連行を直接示すような記述はなかったと2007年の安倍内閣のときに閣議決定している」と述べていることに対し、政府が行った広範な調査・研究をもとに強制性を認めた「河野談話」(1993年)が歴代政府の基本的立場となっていることをはじめ、さまざまな資料を示して「橋下発言の成り立つ余地はない」と批判しました。
 石川氏は、橋下氏について、大阪市職員への「思想調査」など、「思想・信条・良心の自由、教育の自由を蹂躙(じゅうりん)し、人格を丸ごと支配する恐怖政治を行っている」と指摘。石原慎太郎前都知事と合流した「日本維新の会」は、「構造改革」推進、企業献金容認で「弱者の味方ではなく、若者・子育て世代を支援せず、大阪の経済再生はできない」と述べました。
 「最大の既得権益者である財界を放免し、改憲、戦争推進、人権剥奪の復古勢力だ」と強調し、「アメリカ・財界いいなりの政治を根本的に転換するという大きい論でみれば『維新』はなんの役にもたたない」と批判しました。
 難波希美子さん(51)は、「『河野談話』のことは初めて知りました。今度の選挙が大事だと思いました」と話していました。
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2012年11月29日,「赤旗」)

論壇時評/谷本諭/雇用・貧困・外交、政策転換を模索

 11月の論壇各誌では、日本社会の各分野で噴出する矛盾を告発し、経済・外交政策の転換を模索する論考が見られました。

大企業リストラ、人権無視を告発
 『週刊東洋経済』(11月17日号)は、特集「人ごとではない。明日はわが身の解雇・失業」で、日本IBM、リコー、ルネサスエレクトロニクスなど、大企業各社によるリストラを報道。労働者を職場から締め出す「ロックアウト型解雇」、執拗な退職勧奨、屈辱的な配置転換など、人権無視の違法な手口を生々しく告発しています。ここで、雇用者報酬の低迷のために企業利益が増えてもGDP(国内総生産)が向上しない、日本経済の現状に目が向けられ、「内需の反転増を図る政策」の必要性が述べられていることは注目されます。
 電機産業を中心とする大規模リストラについて、藤田実(桜美林大学教授)「電機産業の経営責任とリストラ」(『前衛』)は、今日の電機産業の不振が、短期的経営判断の失敗と、安易な海外展開・リストラによる技術流出のために引き起こされたことを分析。目先の利益獲得に狂奔する企業経営や経済政策の誤りを浮き彫りにしています。
 政府の国家戦略室フロンティア分科会が、新たな雇用政策として「四十歳定年制」を提言したことが各界に波紋を呼んでいます。濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構統括研究員)は、『中央公論』誌上の対談(「管理職をめざさない自由を」)で、この提言は人件費削減を求める企業側の意向を受けた政策に過ぎないと喝破。欧米諸国と違い、年金支給の保障もないまま「年齢を理由にした解雇」がまかり通る、日本の異常を明らかにします。「辞めたくないのに辞めさせられる社会が望ましいとは思えません」という同氏の発言は、リストラ応援の政治に向けられたものです。

生活保護以前で救う仕組み提唱
 『文藝春秋』は、「『世代間格差』大論争 団塊勝ち逃げは許されるか」と題した識者4氏の座談会を掲載。世代間の分断≠あおる意図が感じられる企画ですが、座談会の出席者たちは、非正規雇用の拡大や年金制度の不備など、若い世代の貧困を問題にしていきます。
 ノンフィクション作家の久田恵氏は、生活保護切り捨てを叫ぶバッシングに対し、「生活保護の前段階で救う仕組み」こそ必要と強調。「金持ちも貧乏人も一網打尽にする」消費税ではなく、裕福な人から厚めに徴税する「応能課税」を復活するべきと提唱します。
 埼玉大学客員教授の水野和夫氏も、日本では所得一億円を超えると税負担率が下がっていく事実をあげ、金融資産への課税強化を求めています。いずれも日本共産党の「経済提言」と響きあう提起です。

「慰安婦」問題で「ガラパゴス化」
 東郷和彦(京都産業大学世界問題研究所長)「私たちはどのような日韓関係を残したいのか」(『世界』)は、竹島問題で顕在化した、日韓の「緊張状況」の真の要因は日本軍「慰安婦」問題にあると指摘。性・ジェンダー・女性の権利にかかわる世界の認識の到達点からすれば、「狭義の強制連行はなかった」式の議論はまったく相手にされず、奴隷制など歴史上の制度も批判の目で見る国際社会の意識からすれば、「慰安婦制度は歴史的にはやむをえなかった」式の弁護論も通用しないことを、筆者と米国市民との対話など、実体験をつうじて明らかにします。同氏が、日本政府は元「慰安婦」に「国の予算を使って償い金を払うことができるはずである」と断言しているのは重要です。
 日米同盟堅持≠フ立場からの論考ですが、日本の政治の「ガラパゴス化」(周りの進化から取り残されること)を憂い、「国際社会の一員として尊敬をもたれる」外交への転換を説く東郷氏の発言は、長年、外務省幹部をつとめてきた同氏だけに、説得力があります。
 ◇
 民主党政権が衆院解散に追い込まれて以後、「民主か、自民か、第三極か」という論調があおられ、政策など問題ではない≠ニ公言する諸潮流の離合集散が繰り返されていますが、その一方で、日本社会の実情に憤り、政治の大本に目をむける模索が各分野に広がっています。経済・外交の閉塞状況を打開するビジョンを持つのはどの党か。総選挙では根本から問われます。
 (たにもと・さとし)
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2012年11月28日,「赤旗」)

自民党公約に中韓反発/「歴史を繰り返すな」

 【ソウル=時事】韓国外交通商省報道官は22日の記者会見で、自民党が衆院選公約に集団的自衛権行使の容認などを盛り込んだことについて「日本は歴史を繰り返すのではなく、歴史をつくってほしい。一部勢力が目指す日本がどのようなものなのか、鋭意注視したい」とけん制しました。
 報道官は「日本は平和な世界をつくるためにやるべきことが多い」と強調。「隣国や国際社会の信頼を得ながら、こうした役割を果たしてほしい」と求めました。
 22日付の韓国各紙も自民党の公約を批判的に報じました。朝鮮日報は「日本、歴史の時計が100年前に逆戻り」との1面トップの記事で、「公約は侵略戦争の責任を根本的に否定するものだ」と指摘。「今後、周辺国との対立が深まり、軍拡競争が触発される可能性が高い」と懸念を示しました。
 東亜日報は社説で、公約が従軍慰安婦問題での反論・反証などを盛り込んでいる点を挙げ、「自民党が進もうとしている道は国際社会の要求と懸け離れている」と主張しました。
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2012年11月23日,「赤旗」) (Page/Top

今も差別されている/「慰安婦」撮影する安さん講演/札幌市

 中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たちを撮影する写真家・安世鴻(アン・セホン)さんの講演会が、札幌市で18日、行われました。
 安氏は、「慰安婦」とされた女性たちの心の傷が深いことなどから3年の月日をかけて「慰安所の1坪に満たないところで毎日、暴行を受け、寒さと飢えに耐えていた」などの凄惨(せいさん)な話を聞くことができました。
 安氏は「ハルモニ(おばあさん)たちはいまなお、家族や母国にも見放され、病気でも誰も救ってくれる人がいない厳しい状況に置かれている人が多いです」と語ります。
 写真展や講演会を行う重重プロジェクト代表の安氏は「写真家として人々の心を動かす写真を撮り、中国に残された『慰安婦』がいるということや正しい歴史を知らせたい」と話しました。
 この講演会は、札幌市共同参画センター(エルプラザ)が「男女共同参画活動団体企画事業」として主催し、日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会が企画したものです。
 同会運営委員の畠山紀子さん(66)は「残酷すぎることだからこそ、闇に葬られてきたと思います。彼女たちは戦争が終わった後もトラウマに苦しみ、自国でも受け入れてもらえないなど二重、三重の差別を受けています。『慰安婦』問題をもっと多くの人に知ってほしいと思います」と語ります。
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2012年11月22日,「赤旗」)

いま韓国訪問/対話と共感/「慰安婦」、竹島、儀軌返還/日本共産党衆院議員笠井亮さんにきく

「慰安婦」・ハルモニが歌った日本の歌/竹島・党提案に与党議員も「同意」
 日本共産党の笠井亮衆院議員が10月17〜20日、朝鮮王朝の末裔(まつえい)、李源(イ・ウォン)皇室文化院総裁と、戦時中に日本軍「慰安婦」とされた女性たちが暮らす「ナヌムの家」からの招待を受け、韓国を訪問しました。対話を重ねる中で日本共産党の立場に共感が広がった今回の訪問―。その内容を笠井氏に聞きました。

 最初に私が訪問したのは、ソウルから車で1時間の京畿道広州市にある「ナヌムの家」でした。
 安信権(アン・シンコン)所長によると、日本軍「慰安婦」とされて韓国政府に届け出た国内の被害者は234人で、生存者はわずか60人。そのうち、「ナヌムの家」には現在、8人のハルモニ(おばあさん)たちが生活をしています。
 ハルモニたちは今年8月、橋下徹大阪市長らが「慰安婦」問題で日本軍の強制性を否定していることを知りました。
 「すぐ日本で真実を証言したいが、高齢で難しいので、ぜひ来てもらい話を聞いてほしい」と強く要望し、安所長が、橋下市長や日本の衆参全国会議員ら724人に招待状を送りました。
 これに初めて応えた国会議員が、日本共産党の私でした。
 ハルモニたちは平均年齢87歳。涙ながらに訴えました。
 「うそつき呼ばわりされると胸が張り裂けそうだ」「日本政府の心からの謝罪を聞くまでは死ねない」「気持ちの底から楽になりたい」―。
 被害女性たちは、人間の尊厳や人権を蹂躙(じゅうりん)されました。「生きているうちに謝罪を」という言葉の重さを感じました。
 私は、母が広島の被爆者であることを述べながら「侵略戦争と植民地支配に命がけでたたかってきた党として、被害者が生きている間に日本政府の謝罪と賠償が行われるよう全力をあげます」と約束しました。
 すると朴玉善(パク・オクソン)さん(90)がすっくと立ち上がり、「ありがとうございます。よろしくお願いします」と述べ、手を握ってくれました。
 昼食後の交流でも、あるハルモニが「あなたに会えてうれしい。いままでは嫌だったけど、きょうはあなたのために日本語で歌いたい」と歌ってくれました。胸がいっぱいになりました。

 李源総裁とお会いしたのは今回で3回目。昨年5月の訪日以来、朝鮮王朝儀軌(注)返還問題で交流を重ねてきました。
 今回の「ナヌムの家」訪問でも「最も正しい歴史認識を持ち、(『慰安婦』の強制連行を認めた)河野談話の否定を許さず、国家的謝罪を引き出せる人と信じてお連れした」と紹介してくれました。
 今回は、儀軌返還問題で交流してきた各界関係者とも懇談しました。
 与党セヌリ党の金在原(キム・ジェウォン)議員との懇談では、竹島(韓国名・独島)問題での日本共産党の立場を詳しく説明しました。
 竹島が歴史的にも国際法的にも日本の領土であると同時に、日本編入の1905年が韓国植民地化の時期と重なっていること。そして、日本政府が▽1910年の韓国併合を不法・不当だと認める▽「慰安婦」問題などの植民地犯罪について謝罪と賠償を行う―ことが重要だと話しました。
 金議員は当初、「独島の領土問題は存在しない」と話しましたが、私は、どうやって冷静な話し合いのテーブルをつくるかが大事ではないかと問いかけ、「日本側が過去の侵略戦争と植民地支配の真剣な反省を土台にしてこそ、道理ある解決の道が開ける」と説明しました。
 時折うなずきながら聞いてくれた金議員は「感動的に受けとめた。基本的には同意できる」と語ってくれました。さらに、「日本が韓国の親密な友人になってほしい。笠井議員のような方が多くなれば、可能だと思う」とも話してくれました。
 今回、感じたのは2006年に志位和夫委員長が訪韓して交流の扉を本格的に開いて以来、党への信頼が強まっていることです。特に儀軌返還に取り組み、実現した意味は大きい。竹島問題での党の提唱も理性的に受け止められました。改めて党の役割に注目が集まったと思います。
 聞き手 本吉真希記者
 撮影 山内 聡秘書

(注)朝鮮王朝の国家行事を記録した文化財。朝鮮半島を植民地化していた時代に日本が持ち去りましたが、関係団体の運動と日本共産党の努力が実り昨年12月に返還が完了しました。
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2012年11月18日,「赤旗」) (Page/Top

本立て/花に水をやってくれないかい?日本軍「慰安婦」にされたファン・クムジュの物語/イ・ギュヒ著

 戦時中、日本軍「慰安婦」にされた韓国の黄錦周(ファン・クムジュ)ハルモニ(おばあさん)をモデルにした物語。ハルモニはベランダいっぱいの鉢植えの花を見て「花のようにきれいな娘時代にもどったような気がする」と話します。
 隣に住む小学5年の少女は、自身が受けた性暴力を誰にも話せず、苦悩します。「慰安婦」問題と出合う中で、ハルモニの怒りと心の傷の深さに気づきます。少女の目を通し、「慰安婦」問題がいまに続く性暴力の問題であることを問いかけます。
 (梨の木舎 1500円)
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2012年11月18日,「赤旗」)

歴史欺く橋下氏「慰安婦」発言/吉見義明中央大学教授に聞く/本質は強制連行と強制使役

 橋下徹大阪市長による日本軍「慰安婦」暴言に抗議するため、10月23日に来阪して講演した歴史学者の吉見義明中央大学教授に聞きました。
 (大阪府・小浜明代)

 日本軍「慰安婦」問題は強制連行と強制性の両方が本質ですが、橋下氏は「強制」を軍・官憲による暴行・脅迫を用いた拉致に限定し、その証拠がないと言っています。
 しかし、軍による暴行・脅迫を用いた連行は中国・東南アジアでは数多く確認されています。例えば、日本軍がインドネシアのスマラン近郊の抑留所に収容されていたオランダの女性たちを無理やり連行し慰安所で使役した事件や、1994年にオランダ政府がまとめた「慰安婦」被害報告書があります。
 中国についても山西省などの被害が日本で裁判になり、被害者の請求は棄却されましたが、裁判所は軍によって暴力的に連行されたと認定しています。
 朝鮮・台湾では、軍または総督府が業者を選定し、業者が誘拐や人身売買などにより連行しましたが、これも強制連行です。
 日本・朝鮮・台湾から女性たちを略取・誘拐・人身売買により海外に連れていくことは当時でも犯罪でしたが、日本軍が使った業者は誘拐や人身売買を日常的にしている人たちです。
 ビルマに派遣された読売新聞記者は、朝鮮人女性がだまされて慰安所に連れてこられていたという回想本を残していますし、中国で女性の性病検査を行ったある軍医は、日本人女性が誘拐・人身売買されたと分かっても軍はこの女性を解放しなかったことを語っています。
 さらに、女性たちがどんな形で連れてこられたにしても、慰安所で強制されれば「強制使役」というほかありません。ここが重要な問題です。
 93年の「河野談話」は「慰安所における生活は、強制的な状況のもとでの痛ましいものであった」と認定しています。いくつかの軍の慰安所規定をみると、外出は許可制で、外出の自由はなく、兵隊の性の相手の拒否はほとんど不可能で、拒否すれば業者や軍人に殴られるなどしています。軍「慰安婦」制度は軍法下のむき出しの「性奴隷制度」で強制使役されたといわざるをえません。
 橋下氏は、軍の関与は公安委員会が風俗営業を管理するのと同じだとしていますが、明らかに大きな違いがあります。慰安所制度を創設し、維持、拡大した主役は軍だったからです。それは公文書からも明らかで、慰安所は軍の命令でつくられ、利用は軍人と軍属に限られ、料金や利用日も軍が決め、業者に運営させる場合も軍が監督・統制しています。
 橋下氏は「河野談話」での「本人たちの意思に反して行われた」という強制の定義は広すぎると主張します。
 しかし北朝鮮による拉致被害者として警察庁が認定した田中実さんは官憲が直接手を下した例ではありませんが、甘言により本人の意思に反して連れて行かれたとしています。これを強制と定義するのは当たり前です。
 証拠を公文書に限定しようとする向きがありますが、加害者が犯行を記録したものが見つからないから無罪だと判定するのは乱暴な議論です。
 田中さんの拉致を認定したのも供述等によってですが、「慰安婦」問題でも、軍人の回想などとあわせて、資料批判を経た被害女性の証言を事実でないと反証するのは難しいと思います。
 「慰安婦」問題の解決をどうしたらいいのか。例として2007年の欧州連合(EU)議会の日本政府への勧告があります。あいまいさのない明確な認知と謝罪を行うことや事実を歪曲(わいきょく)する言動に対して政府が公式に否定すること、史実を日本の現在と未来の世代に教育することなどを求めています。日本が東アジアと世界で生きていくためにはこういうことが必要でしょう。

 吉見義明氏 1946年生まれ。東京大学文学部卒業。現在中央大学商学部教授。専攻日本近現代史。『日本軍「慰安婦」制度とは何か』、『従軍慰安婦』(以上岩波書店)、『従軍慰安婦資料集』(編著、大月書店)など著書多数
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2012年11月14日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題/率直に反省を/韓国大統領

 【ハノイ=面川誠】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は8日、インドネシアのバリ島で開かれている第5回バリ民主主義フォーラムで演説し、「第2次世界大戦中の『慰安婦』被害者の人権蹂躙(じゅうりん)について当事国は率直に反省すべきだ」と述べました。
 現地からの報道によると、李大統領は日本を名指しすることは避けながら、「北東アジアの歴史問題について、人類普遍の価値と正しい歴史認識に基づいて解決策を見つけるべきだ」と訴えました。
 李大統領はインドネシア紙コンパスの8日付に掲載されたインタビューでも、「『慰安婦』被害者の人権蹂躙に対する過った歴史認識を憂慮している」と語りました。
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2012年11月09日,「赤旗」)

「慰安婦」問題解決を早く/ひろしまネットが宣伝

 日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは7日、広島市中区のメルパルク前で「問題の早期解決を!」と書いた横断幕を掲げて宣伝しました。
 韓国の被害者ハルモニらが日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して、毎月第1水曜日に宣伝しているもの。約20人が参加してビラを配り、ハンドマイクでリレートークをしました。
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2012年11月08日,「赤旗」)

歴史対話/笠井議員の韓国訪問/下/「慰安婦」追悼VS靖国参拝

 「あなたと会えてうれしい。今まで嫌だったけど、今日はあなたのために日本語で歌いたい」。日本の植民地時代に「慰安婦」とされた被害者の女性は、笠井氏にこう語りかけました。

熱い握手
 10月18日、笠井氏は、朝鮮王朝儀軌の返還で知己を得た朝鮮王家の末裔、李源皇室文化院総裁とともに、元「慰安婦」の女性8人が共同生活する「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪問。笠井氏らを安信権所長と、韓日メディアの取材カメラと記者の列が出迎えました。
 この訪問は、安所長の招待にこたえたもの。橋下徹大阪市長をはじめ、「慰安婦」問題で強制性を否定する発言が相次ぐ中、被害女性らが「うそだと言うなら、すぐにでも日本に行って証言したい。しかし高齢で難しいので、ぜひ来てほしい」と8月、橋下氏らや日本の衆参全国会議員、合わせて724人に招待状を送りました。
 これを受けて実際に訪問したのは、笠井氏が初めて。「この日を待っていた。よく来てくれた」と歓迎の声があがりました。
 笠井氏は、亡くなった元「慰安婦」が眠る追悼碑に献花した後、日本政府に謝罪と賠償を求める活動を紹介するビデオを視聴。歓迎の横断幕が張られたホールで被害女性6人と懇談しました。彼女たちの平均年齢は87歳。韓国政府に届け出た被害者は234人ですが、生存者は現在わずか60人です。
 自らの苦痛に満ちた体験を語り、「日本政府の心からの謝罪を聞くまでは死ねない」と涙ながらに訴える女性らに、笠井氏は、「生きている間に、日本政府の謝罪と賠償が行われるよう努力する」と約束。これを聞いた朴玉善さんはすっくと立ち上がり、「ありがとうございます。よろしくお願いします」と手を握りました。

対比報道
 笠井氏の訪問が、自民党・安倍総裁が、侵略戦争を美化する靖国神社に参拝した翌日だったこともあり、韓国メディアは、両者を対比して報道。ハンギョレ新聞の論説委員は、10月23日付のコラムで「個人レベルではなく、彼が所属する日本共産党の方針の中で行われたものだ」と指摘し、「韓国政界にも示唆するところが大きい」と評価しました。
 韓国では、北朝鮮とのことから反共意識が根強く、韓国メディアが日本共産党の活動を紹介する際に党名を書かないこともこれまで多くありましたが、今回は、例外なく党名を書き、「(笠井氏の訪問が)日本共産党の衆参全議員を代表した」と伝えました。
 日本メディアの韓国駐在特派員からは「日本人として救われた思いがした」との感想も寄せられました。
 今回の訪問を通じた成果について、笠井氏は、こう語ります。
 「2006年の志位(和夫)委員長の訪韓で交流の扉を本格的に開いて以来、日本共産党への信頼が日々、強まっていくのを感じます。とりわけ、朝鮮王朝儀軌の返還にともにとりくみ、実現した意味は大きい。日韓関係が行き詰まっている中で、竹島問題も日本が過去の植民地支配を根本的に反省・清算し、冷静な話し合いのテーブルをつくり、両国で歴史的事実を突き合わせた共同研究を行い、解決への道を開く以外にない。この党の提唱が理性的に受け止められました。今回の訪問で、改めて日本共産党が日本政界で果たす役割に注目が集まったと思います」
 (おわり)
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2012年11月07日,「赤旗」) (Page/Top

歴史対話/笠井議員の韓国訪問/上/党の竹島提唱に感動=^与党議員「討論必要ない」の態度から一転

 日本共産党の笠井亮衆院議員は10月17〜20日、韓国を訪問し、朝鮮王朝儀軌の返還問題で交流した各界関係者と交流しました。
 日本軍「慰安婦」問題の解決に背を向ける日本政府の無責任な姿勢とあわせ、竹島(韓国名・独島)問題がいま、日韓関係を過去最悪の状態にまで悪化させています。韓国訪問を通じて笠井氏は、日本共産党の第5回中央委員会総会(10月14、15日)で採択された幹部会報告の竹島関係部分(韓国語訳)を各界関係者に手渡し、打開の方向性を率直に話し合いました。
 与党セヌリ党の金在原議員とは10月19日、同議員が国会農林水産食品委員会の行政監査のために訪れていた水産業協同組合(水協)中央会で懇談。水協は、全国92漁業組合56万人を組織する漁業団体で、玄関ホールに「独島は水協が守る」と大書した横断幕を掲げるなど、領有権問題で強硬な主張をする団体の一つです。

四面楚歌
 2階に設けられた議員控室での懇談は、農水族°c員らが会話に耳をそばだて「独島は韓国の領土だよなぁ」と話しながら圧迫する四面楚歌≠フ雰囲気で行われました。
 笠井氏は、竹島は歴史的にも国際法的にも日本の領土であると同時に、この島を日本に編入した1905年という時期は、日本による韓国の植民地化の時期と重なっていることなどをはじめ、5中総報告の内容を詳しく説明。その上で、冷静な話し合いのテーブルをつくるために、▽日本政府が1910年の韓国併合について、不法・不当なものだったということを認めること▽日本軍「慰安婦」問題などの植民地犯罪について謝罪と賠償を行うこと―の二つが特に重要だと語りました。
 これに対し、金議員は「独島の領土問題は存在しない。韓国が実効支配しているので、討論も必要ない」と韓国側の立場を表明。「尖閣問題で、日本が『領土問題は存在しない』と言っているのと同じだ。独島になると、違うことを言うのはおかしい」と、日本政府の態度の矛盾も指摘しました。
 笠井氏は「それでは解決できない。どうやって冷静な話し合いのテーブルをつくるかが大事ではないか」とさらに詳しく、日本共産党の見解を説明。「竹島問題で立場は違うが、日本が過去の侵略戦争と植民地支配の真剣な反省を土台にしてこそ、道理ある解決の道が開ける。侵略戦争と植民地支配に反対した政党だからこそ、このような提唱ができる」と党の90年の歴史にもふれて語りました。
 笠井氏の話を時折、うなずきながら聞いていた金議員は「笠井議員のお話を感動的に受け止めた。基本的には、議員のお考えに同意できる」と表明。自身の祖父が、日本の植民地時代に(麻生太郎元総理の曽祖父が創業した、福岡県の)麻生炭鉱で働かされ、じん肺を患って帰国したというエピソードを明かし、「侵略戦争を正当化する日本側の話を聞くたびに、事実と違うと思っていた。笠井議員のような方が日本で増えれば、日本と韓国がもっと親密な友人になれると思う」と語りました。

がんばれ
 別の国会関係者との懇談では「(提唱は)おっしゃる通りだ。結局は歴史認識の問題だと思う」「領土問題では、やはり、日本側が全体的な戦略を立てて、アプローチしてくれれば、一気に解決できなくても、現在のような状況にはならないと思う。日本共産党、がんばってください」と期待の声が寄せられました。「ダウムカフェ」など、韓国のインターネットコミュニティーでも、日本共産党の領土問題での提唱に「日韓関係についてだけは、いつも正しいことを言っている」「(右からの攻撃で)今後の政治活動が大丈夫か心配だが、信念のある政治家だ」との感想が出されています。
 (つづく)
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2012年11月06日,「赤旗」)

中国「慰安婦問題」補償を/国連人権理事会が対日作業部会

 【ジュネーブ=時事】国連人権理事会は10月31日、全加盟国の人権政策を各国が評価・勧告する「普遍的定期審査」に基づく対日作業部会を4年ぶりに開きました。中国は旧日本軍の従軍慰安婦問題を取り上げ、「過去の問題に責任ある対応を取り、被害者に補償すべきだ」と強く批判しました。
 会合で中国は、日本が慰安婦問題を謝罪していないとした上で、「(問題を)多くの国が懸念している」と批判しました。また韓国は「日本は法的責任を認識し、被害者を救済すべきだ」と主張。北朝鮮も「慰安婦問題に時効はない」と謝罪と補償を要求しました。
 死刑制度に関しては、英国やスイスなど欧州を中心に多くの国が制度存続に懸念を表明。廃止に向けまずは死刑執行を停止するよう勧告しました。
 日本政府は慰安婦問題について、1993年の河野洋平官房長官談話で「心からのおわびと反省の気持ち」を表明し、基金を設け償いを行ったと改めて説明しました。死刑制度は「国民が支持している」とし、理解を求めました。
 定期審査は国連に加盟する全193カ国が対象。作業部会は11月2日に審査報告書を採択し、来年3月の人権理本会合で正式採択する予定です。
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2012年11月02日,「赤旗」)

10月)ヘッドライン

*             論壇時評/堤文俊/「領土問題」挑発的な言辞避けよ

*             空襲被害者等援護法制定を/空襲連関西ブロック結成

*             原発ゼロでええやんか/思い込め「おおさか女性行進」

*             「慰安婦」強制使役が本質/吉見中大教授、橋下市長暴言を批判/大阪市で講演

*             橋下市長の日本軍「慰安婦」暴言/吉見中大教授が抗議の会見

*             スマラン事件認める

*             「慰安婦」問題は軍国主義の遺産/英紙が報道

*             「謝罪聞くまで死ねない」/笠井議員に「慰安婦」女性、涙の訴え/「ナヌムの家」訪問

*             笠井氏が韓国訪問し各界懇談/党の竹島見解手渡す

*             安倍総裁が靖国参拝

*             韓国「慰安婦」で発言

*             第5回中央委員会総会/志位委員長の幹部会報告と結語

*             5中総/竹島問題解決を提唱/植民地支配の反省不可欠/志位氏

*             維新「期待急落」/くら替え議員、無節操な顔ぶれ

*             思想調査・「慰安婦」発言…「橋下・維新暴走ストップ」400人/報告に怒り、風刺に爆笑/大阪

*             領土問題などの3意見書/宮城県議会で可決強行/日本共産党は反対/冷静な交渉で解決を

*             ニコン「慰安婦」写真展中止/ジャーナリストら抗議

*             朝鮮人「慰安婦」/悲しみと歩んだ人生/大阪で写真展始まる

*             「日本維新の会」への合流国会議員/極端なタカ派に新自由主義者

*             朝の風/教科書・教育内容を市民の立場で

*             「慰安婦」問題の意見書運動講演/広島市

*             「決着済み」虚構浮き彫り/日本軍「慰安婦」解決へ国際シンポ

*             潮流

*             文化/「アジアの女性アーティスト展」/社会、戦争、歴史を問う

*             「軍慰安婦」写真展中止に抗議/日本マスコミ文化情報労組会議

*             「慰安婦」問題/日本に謝罪求める/タイムズスクエアに看板

*             「慰安婦」写真展大阪で/ニコンに抗議こめ開催/多くの人に知ってほしい

*             「慰安婦」問題謝罪と賠償を/広島市で宣伝

*             橋下氏の人権感覚批判/「慰安婦」発言で抗議/オール連帯

*             橋下政治、事実で反撃/「市政改革」の本質学ぶ/滋賀

*             日本軍「慰安婦」の被害事実は明白/無知さらけ出す橋下大阪市長/大森典子

*             高校歴史教科書新たな攻撃/教委が現場の採択くつがえす/俵義文

10月(本文)(Page/Top

論壇時評/堤文俊/「領土問題」挑発的な言辞避けよ

 領土に関する紛争問題をめぐって、理性的で平和的な解決をめざすのか、それとも、物理的・軍事的対応を許すのかが、論壇上でも問われています。

中江元中国大使、冷静な外交説く
 中江要介(元中国大使)「ともに築き上げた平和と友好を踏みにじってはならない」(『世界』)は、外交で問われる姿勢として「相手を侮り、挑発的な言辞を弄することは一番避けなければならない」と理性的で冷静な外交交渉の必要性を説いています。そして、「ろくに歴史や外交を学ぶことなく、口先だけで勇ましいことを喚くのは『国を憂える』ことではない」とのべています。このことは、尖閣問題を奇貨として、自衛隊を増強し、憲法改正せよと強調している石破茂(自民党幹事長)「安倍さんと日本を建て直す」(『文芸春秋』)などへの痛烈な批判となっています。国益を守っているようなふりをして、一番国益を損ねていることを、肌で感じているからでしょう。
 日本軍「慰安婦」問題に関連して橋下徹大阪市長は、「強制連行はなかった」と発言し、自民党の安倍晋三総裁は、「心からのお詫びと反省」をのべた「河野談話」の見直しに言及しています。これにたいして、坂本義和(東京大学名誉教授)「歴史的責任への意識が問われている」(『世界』)は、「慰安婦」問題の存在を立証していきます。その上で、アメリカ、オランダ、カナダの下院議会、欧州議会の決議を紹介して「国際的な倫理基準に照らし、普遍的な人権問題として、広く国際社会が日本政府の公式の責任を問うている」ことを明らかにしました。竹島問題の解決の上でも、「日本は、自己反省を先ず行動で示し、その上で竹島問題の解決に取り組むという、順序を誤らないことが重要」との指摘は、その第一歩になるでしょう。
 月刊誌ではありませんが、『週刊朝日』(10月26日号)が、日本共産党の志位和夫委員長のインタビューを掲載し、「『領土問題は存在しない』と繰り返すだけの日本政府の姿勢を『だらしない』と一蹴し、解決に向けた要諦を説いてみせる」としていることは注目されます。

「貧困の撲滅」と協同組合の役割
 2009年に国連総会は、2012年を「国際協同組合年」とすることを「宣言」しました。内橋克人(経済評論家)「『社会変革の力』としての協同」(『世界』)は、まず「宣言」に至る経過をのべ、意義を強調しています。
 リーマン・ショックの後遺症がさめやらぬ2009年11月、「国際協同組合同盟」は「われわれは、いまこそ世界経済の行き詰まりをもたらした市場原理主義の克服、そのための運動の新たな発展を必要としている」との特別決議をあげました。国連は1999年の「ミレニアム宣言」で、「貧困の撲滅」を掲げましたが、成果があげられませんでした。そこで、あらたな「宣言」では、この特別決議の内容を取り入れ、@行き過ぎた市場原理主義の制御、Aグローバル化がもたらす恩恵・代価が不平等に配分されている現実を糾すこと、先進国での「内なる貧困の解決」、B経済安定・成長の新たな経済モデルの構築―を掲げたことを紹介しています。
 国連とともに、「協同組合は、終わりなき貧困の撲滅へと立ち向かわなければならない」とのミッションを与えられました。

新自由主義下の新しい公共とは
 氏はまた、「新しい公共」「絆」の名で、協同組合などによる「共助」が強調されていることに危惧を述べています。民、自、公3党は、社会保障と税の改悪で、共助・自助・公助の組み合わせなどといって、国の責任を放棄しようとしています。そして、社会保障の担い手として「新しい公共」や「絆」を強調してきました。
 氏は、「社会保障とは、自助、共助をまつまでもなく、公が担うべき正当な政府機能」と述べています。そして、新自由主義のもとで強調される「新しい公共」「絆」の正体を、本当の意味での「公」がなすべきことをやらずに、「個人、かつての家族制度、村制度、地縁・血縁、これらによって人間復興を成し遂げなさいという」ことと暴きます。これは、社会保障の改悪を阻止する上でも重要な指摘です。
 (つつみ・ふみとし)

今月の動向(編集部)
 吉田敏浩「沖縄 日本で最も戦場に近い場所」(『サンデー毎日』9月16日号〜11月4日号)は、オスプレイ配備やヘリコプター訓練など米軍のやりたい放題を「(日本政府は)『無制限かつ無条件的な』特権を認めているのが実態である。その特権を裏で保障しているのが『基地権の密約』だ」と告発します。普天間基地移設・新基地建設の狙いを「沖縄本島北部を恒久的な海兵隊の一大軍事拠点とし、米軍の出撃基地としての沖縄の役割を増大させること」と指摘します。
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2012年10月31日,「赤旗」)

空襲被害者等援護法制定を/空襲連関西ブロック結成

 アジア太平洋戦争での米軍の空襲による被害者を救済する「空襲被害者等援護法」(仮称)の制定をめざす「全国空襲被害者連絡協議会」(全国空襲連)の関西ブロックが27日、結成されました。大阪市旭区で開かれた「関西ブロックはじまりの集い」には100人が参加。「援護法」の実現へ、請願署名の促進、地方議会での「決議」「意見書」の採択・可決、支援・理解者を広げる世論づくりなどにとりくむことを決めました。
 全国空襲連の中山武敏共同代表が「未解決の戦後補償の解決に向けて」と題して講演。「援護法」を成立させることは、放置されたままの、各地の空襲被害をはじめ「従軍慰安婦」問題など戦争被害者の戦後補償問題解決に道を開くと強調しました。
 1945年3月24日の名古屋市への空襲によって左目を失い戦災傷害者となった全国空襲連顧問の杉山千佐子さん(97)が「あと3年で100歳。それまでには何とか『援護法』を制定させたい」と訴えました。
 同ブロックの共同代表に選出された大阪原告団代表世話人の安野輝子さん(73)は「被害者の多くは高齢者で早く『援護法』を成立させたい」と語りました。
 全国空襲連の現状と「援護法」案の総案について足立史郎全国空襲連事務局長が報告し、大阪大学大学院の木戸衛一准教授がドイツの空襲被害者補償について発言。日本共産党の宮本岳志衆院議員が駆けつけ連帯のあいさつをしました。
 堺市中区の女性(74)は「本当にあと数年のうちに何とか法案を成立させないといけないと強く思いました。いっしょに運動をしていきたい」と話しました。
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2012年10月28日,「赤旗」) (Page/Top

原発ゼロでええやんか/思い込め「おおさか女性行進」

 暮らしや平和など女性のさまざまな思いを込めて大阪市のメーン通り・御堂筋をパレードする「おおさか女性行進」が27日、行われました。200人の女性たちが横断幕やプラカード、ハロウィーンの衣装などで「原発ゼロでええやんか」「消費税増税やめてんか」と元気いっぱいアピールしました。
 女性行進は毎年行われており、今年のテーマは「さよなら原発!なくしたい貧困・格差 平和を守る憲法にYES」。西区で行われた出発前集会で川本幹子新日本婦人の会府本部会長が、女性を「ばばあ」と言い、国政への転身をはかる石原慎太郎都知事が現憲法を醜いと発言したことや、橋下徹大阪市長が日本軍「慰安婦」の強制連行の証拠がないと暴言を繰り返していることを述べ、「女性蔑視の人に平和は守れません。女性の思いをアピールしましょう」とあいさつ。呼びかけ人の石田法子弁護士、渡辺和恵弁護士が、憲法を変えようという動きや橋下市長の「慰安婦」問題の暴言を批判。「女性のパワーで世の中を変えていこう」とよびかけました。
 集会には日本共産党の寺戸月見大阪市議、北原洋子衆院6区候補、吉井よし子同12区候補も参加しました。
 女性行進の呼びかけ人に今年はジャーナリストの竹信三恵子さんら3氏が新たに名前を連ね18人になりました。
 幅広い女性団体で実行委員会を結成しています。
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2012年10月28日,「赤旗」)

「慰安婦」強制使役が本質/吉見中大教授、橋下市長暴言を批判/大阪市で講演

 橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題をめぐる暴言に反論するとして、吉見義明中央大学教授を招いた学習会が23日、大阪市で開かれました。主催は日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク。
 橋下市長は、軍や官憲による暴行・脅迫を用いた強制連行の証拠がない∞(慰安所の軍管理は)公安委員会が風俗営業を管理するのと同様≠ネどと主張しています。
 吉見氏は「木を見ず、森も見ない議論」と批判。軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行は数多くあり、戦後、日本で行われた裁判でも事実が認定されていると指摘しました。
 朝鮮・台湾でおこなわれていた業者による連行も、業者は軍、総督府が選定し、誘拐や甘言、人身売買をもちいて連行したのであり、「強制連行」だと指摘。当時でもそれらは犯罪であったにもかかわらず軍は業者を逮捕せず、女性たちを解放しなかったと述べ、橋下市長は「強制」の定義を極小化していると批判しました。
 慰安所を設置、管理、維持、拡大したのは軍であることを軍の公文書で示し、「風俗営業への公的管理と同一視するのは軍の責任を否定するもの」と指摘。本人の意思に反して性奴隷化された「強制」の実態を性病検査を行った軍医や慰安所を訪れた記者の記録から明らかにしました。
 吉見氏は「強制連行、強制使役が問題の本質」とし、「軍の犯した責任は国家の責任」と指摘。国家としての明確な認知と謝罪の必要性を強調しました。
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2012年10月25日,「赤旗」)

橋下市長の日本軍「慰安婦」暴言/吉見中大教授が抗議の会見

 日本軍「慰安婦」問題で暴言を繰り返している橋下徹大阪市長に抗議するため吉見義明中央大学教授が23日、市民団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」と市役所を訪れ、橋下氏の吉見氏に関する発言は事実誤認だと撤回と謝罪を申し入れました。9日から面談を要請していましたが橋下氏は拒否しました。
 撤回を求めたのは、橋下氏の「吉見さんが強制連行の事実までは認められないと発言」した(8月24日の囲み取材)という発言です。吉見氏は会見で、「私は日本軍『慰安婦』制度は軍がつくり、維持・拡大していった『性奴隷制度』で、被害者の女性は強制連行され、強制使役されたと述べてきた」と指摘。「橋下氏の発言は私の人格を否定し、名誉を棄損するものだ」と批判しました。
 橋下氏の立場は、軍や官憲が、暴行や脅迫を用いて女性を連行する場合(=略取)以外は強制連行ではないとし、それはなかったというものだが、中国や東南アジアでは数多くあると話しました。
 また、日本・朝鮮・台湾から女性たちを略取・誘拐・人身売買によって海外に連れていくことは当時でも犯罪で、誘拐や人身売買も強制連行だと指摘。実行者が業者でも軍や官憲が業者を選定して女性を集めさせたのであり、違法が判明しても業者を逮捕せず、女性たちを解放しなかった軍には重い責任があると強調しました。
 また橋下氏の「(他国も)同じようなことをやっている」という主張には「仮にどの国がやっていたとしても人権に反する」「軍が直接介入した(日本のような)ケースは多くない」と述べました。
 吉見氏らと面談した市政策企画室秘書部の大谷豊係長は「慰安婦の問題に関して大阪市は行政的に扱っていない」と発言。市民からは「市長が発言しているではないか」と批判の声があがりました。
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2012年10月24日,「赤旗」) (Page/Top

スマラン事件認める

 日本軍「慰安婦」問題で暴言を繰り返してきた橋下徹大阪市長は23日、第2次世界大戦中、インドネシアで起きたスマラン事件について「あれを慰安婦強制の、慰安婦の象徴例ということであれば、それは事実としては認めますけど、それは戦争犯罪として処罰されている」などと語りました。市役所で記者団に語りました。
 同事件は、1944年、スマラン近郊のオランダ人抑留所から女性たちが連行され売春を強制されたというものです。同日、市役所を訪問して市長あての抗議文を提出した吉見義明中央大学教授が、橋下氏が証拠がないとしてきた軍や官憲が暴行・脅迫を用いて連行したケースの象徴例として例示していました。
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2012年10月24日,「赤旗」)

「慰安婦」問題は軍国主義の遺産/英紙が報道

 【ロンドン=小玉純一】英紙ガーディアン18日付は、「『私たちの苦痛を長引かせるな』と戦時中の性奴隷たちが今も謝罪を待っている」との見出しで、日本と韓国の間で問題になっている「慰安婦」について報じました。
 記事は「日本の敗北後ほぼ70年たった今も、『慰安婦』の扱いが韓国との関係につきまとっている。領土紛争に巻き込まれた地域は再び日本軍国主義の遺産に直面している」と指摘。反日感情による怒りや反応の背景に「第2次大戦中の残虐行為への長引く憤りと、日本が深い反省を十分示していないという見方」があると述べています。
 記事は、日本が性奴隷を使ったことを公式に認め、「慰安婦」へ賠償することを韓国が要求していることを紹介。また、1993年の河野官房長官談話などに言及しながら、野田首相がアジアの女性に性奴隷を強制したことを証明する資料が無いとする発言や、自民党の安倍総裁が河野氏の謝罪見直しを求めていることを伝えています。
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2012年10月21日,「赤旗」)

「謝罪聞くまで死ねない」/笠井議員に「慰安婦」女性、涙の訴え/「ナヌムの家」訪問

 韓国を訪問した日本共産党の笠井亮衆院議員は18日、日本が朝鮮半島を植民地支配した時期に日本軍の「慰安婦」とされた女性たちが暮らす「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪問しました。
 笠井氏は、朝鮮王朝時代の文化財の返還問題で交流してきた李源(イ・ウォン)大韓皇室文化院総裁とともに訪問。李氏は、大韓帝国初代皇帝・高宗(コジョン)のひ孫にあたります。
 笠井氏の訪問は、ナヌムの家からの招待によるもの。ナヌムの家の説明によると、日本の政界で「慰安婦」の強制性を否定する発言が相次いだことを受け、日本の全国会議員に招待状を送ったものの、実際に訪問したのは笠井氏が初めてだといいます。
 笠井氏は、日本政府に謝罪と賠償を求めながら亡くなった元「慰安婦」が眠る追悼碑に献花。被害女性6人と面会しました。
 「私たちが生きた証人だ。日本政府の心からの謝罪を聞くまでは死ねない」と涙ながらに訴える被害者の体験を聞いた笠井氏は、「生きている間に、日本政府の謝罪と賠償が行われるよう努力する」と表明。これを聞いた被害者の朴玉善(パク・オクソン)さん(90)は立ち上がり、「ありがとうございます。よろしくお願いします」と述べました。
 笠井氏は、「日本が過去の植民地支配に対する根本的反省と清算をすることが、みなさんの苦しみと悲しみにこたえる道であり、日韓関係の諸問題の解決につながることになります」と語りました。
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2012年10月20日,「赤旗」) (Page/Top

笠井氏が韓国訪問し各界懇談/党の竹島見解手渡す

 韓国を訪問中の日本共産党の笠井亮衆院議員は、朝鮮王朝の文化財「朝鮮王室儀軌」返還問題で交流してきた各界の関係者と懇談しました。笠井氏は再会を喜びあうとともに、竹島(韓国名・独島)問題についての第5回中央委員会総会の幹部会報告(韓国語訳)を手渡し、日韓関係の懸案、両国の情勢、文化財問題などについて意見交換しました。
 (関連4面)
 19日には、与党セヌリ党の金在原議員とソウル市内で懇談。金議員は、「儀軌」の返還実現への笠井氏の尽力に感謝を述べるとともに、最近の日本政界の右傾化について懸念を表明。笠井氏は、日本の政治情勢の特徴を語りました。
 竹島問題について笠井氏は、日本共産党がこの問題の解決に向けて、日本が植民地支配への根本的反省と清算を行うことが冷静な話し合いのテーブルをつくる上で不可欠だと提唱していることを紹介。特に日本政府が▽1910年の「韓国併合」について不法・不当なものであったことを認めること、▽植民地支配下で行われた犯罪に対する謝罪と賠償――という二つの措置をとることが重要だと述べました。
 金議員は、「領土問題は存在しない」とする韓国側の立場を述べつつ、「日本との間には、慰安婦、独島、靖国参拝などの問題があるが、親密な友人になってほしいと思っている」「互いに知恵を出し合うことは大切です」と応じました。
 滞在中の懇談の中では、笠井氏の話を聞き、「おっしゃる通り。本質は歴史問題だ。互いの主張はぶつかりあうが、それは専門家に任せるべきだ。静かな外交が必要だ」との意見も出されました。
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2012年10月20日,「赤旗」)

安倍総裁が靖国参拝

 自民党の安倍晋三総裁は17日、東京・九段北の靖国神社の秋季例大祭が始まったのに合わせて同神社を参拝しました。
 安倍氏は首相退陣後は毎年、終戦記念日などに靖国神社を参拝。先月開かれた党内の勉強会では「(首相在任当時も)どこかの時点で行こうと考えていた(が行かなかった)。英霊に対して申し訳ない」と述べていました。
 安倍氏は、自民党の政権奪還を掲げ、日本の侵略戦争を正当化する立場から、植民地支配などに対する反省とおわびを示した「村山談話」(1995年)、「従軍慰安婦」問題についておわびと反省を表明した「河野談話」(1993年)の見直しや憲法改定を公言。自民党政治に対する国民の審判を無視し、反動的逆流を強めています。尖閣・竹島問題で中韓両国との深刻な状況が深まる中、歴史問題に無反省な姿勢を露骨にする靖国参拝は、問題解決に逆行する愚行です。
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2012年10月18日,「赤旗」)

韓国「慰安婦」で発言

 【ニューヨーク=時事】国連総会第3委員会(人権)で15日、韓国が旧日本軍の慰安婦問題を取り上げ、日本に法的責任を認めるよう改めて要求しました。
 韓国国連代表部の辛東益(シン・ドンイク)次席大使が慰安婦被害者問題は「いまだに解決していない」と憂慮を表明。これに対し、日本の兒玉和夫次席大使が「多数の女性の尊厳と名誉を傷つけたのは問題だと認識している」としつつ、賠償請求権問題は法的に解決済みだと反論しました。
 辛次席大使は慰安婦問題が「戦争犯罪、人道に対する罪にもなり得る」とした上で、日本政府の法的責任は残っていると改めて強調。「この問題は日本の法的責任の認知によってのみ解決する」と譲りませんでした。
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2012年10月17日,「赤旗」) (Page/Top

第5回中央委員会総会/志位委員長の幹部会報告

 志位和夫委員長が14日、第5回中央委員会総会でおこなった幹部会報告は次のとおりです。

 参加されたみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、おはようございます。私は、幹部会を代表して、第5回中央委員会総会への報告をおこないます。
 5中総の任務は、来るべき解散・総選挙にむけて、現在の政治情勢と党の値打ち、総選挙にむけた政治的対決の焦点を明らかにし、日本共産党の躍進のための活動方針を提起することにあります。
 日本共産党は、民主党・野田政権に対して、すみやかな解散・総選挙によって国民の審判を仰ぐことを強く求めてたたかいます。同時に、解散の時期は、年内の可能性から、年明け以降の可能性まで、流動的な状況です。このきわめて重要な時期に、わが党は、いつ解散・総選挙となっても、必ず躍進をかちとれるよう、政治的・組織的高揚をつくりだすために、全力をあげるものです。

1、現在の政治情勢をどうとらえ、日本共産党の値打ちをどう語るか

 報告の第一の主題として、現在の政治情勢をどうとらえ、日本共産党の値打ちをどう語るかについてのべます。

「二大政党づくり」の破たんのもとで、二つの流れの対決が

 4中総決定は、野田政権のもとで民主・自民・公明の3党体制――事実上の「オール与党」体制がつくられるなかで、「二大政党づくり」という反動的戦略が破たんに直面し、日本の政治が「大きな歴史的岐路にたっている」と指摘しました。
 それから10カ月。大きな二つの流れの対決の構図が浮き彫りになってきました。一つは、政治の閉塞(へいそく)を反動的に打開しようとする、反動的逆流が台頭してきたことです。いま一つは、新しい政治を求める国民のたたかいが各分野で歴史的高揚をみせ、そのなかで日本共産党が重要な役割を発揮していることです。

反動的逆流の台頭――危険を直視しつつ恐れず立ち向かう

民主、自民、「維新」が競いあい、相呼応して、反動的逆流をつくりだしている
 まず反動的逆流の台頭についてのべます。三つの要素が競いあい、相呼応しながら、反動的逆流をつくりだしています。
 第一は、民主党の自民党化が完成したことです。「政権交代」から3年。民主党が3年前の総選挙で掲げた、国民要求を部分的にせよ反映した公約は、すべて投げ捨てられました。民主党政権は、財界いいなりに、公約を踏みにじって、消費税大増税と社会保障大改悪計画を、「民自公」の3党談合で強行しました。原発再稼働を強行し、原発固執政策を続けています。アメリカいいなりに、普天間基地の「辺野古移設」、オスプレイ(垂直離着陸機)の配備、TPP(環太平洋連携協定)参加への暴走を続けています。「動的防衛協力」の名のもとに、米軍と自衛隊の軍事一体化をすすめ、集団的自衛権行使にむけて憲法解釈の「見直しを検討する」としています。民主党内でも「自民党野田派」という言葉が使われ、「いつの間にか自民党よりも自民党らしくなってしまった」という嘆きの声が語られるほど、その政治的堕落はいちじるしいものがあります。
 第二は、自民党のいっそうの反動化がすすんだことです。自民党総裁選挙では、自民党内でも最も右翼的反動的立場を鮮明にしている安倍晋三氏が新総裁に選出されました。安倍新総裁は、集団的自衛権行使と憲法9条改定など、「海外で戦争をする国づくり」の推進を公然と主張しています。破たんした弱肉強食の「構造改革」路線をすすめることを宣言しています。さらに、靖国神社への参拝、「村山談話」と「河野談話」の見直しを公言するなど、破たんした「靖国」派の路線を再び国政に持ち込もうとしています。民主党の自民党化のもとで、自民党が、民主党との「違い」を出すために、いっそうの反動化路線に突き進むという、きわめて危険な状況が生まれています。
 第三に、「日本維新の会」が、反動的逆流の「突撃隊」となっていることです。橋下「維新の会」は、「政権交代」への失望感、政治への閉塞感につけこむ形で国政進出を狙っています。この動きは、二つの反動的・反国民的な特徴を持っています。一つは、古い政治をより強権的にすすめるということです。「維新八策」の中身は、小泉「構造改革」をより極端にした弱肉強食の新自由主義の経済政策であり、憲法改悪を志向しながら、日米軍事同盟強化とTPP参加を推進するという、アメリカいいなり政治にほかなりません。いま一つは、すべての大阪市職員を対象とした「思想調査」に象徴されるように、民主主義を窒息させる恐怖政治と独裁政治、ファシズムにつながる特別の危険を持っているということです。「維新の会」は、すでに大阪でそれを実行に移し、全国に押し広げようとしています。彼らは、歴史に逆行する主張を声高に唱えることによって、日本の政界全体を反動的に再編成する「突撃隊」としての役割を担っています。
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この逆流に未来はない――行き詰まった「二つの害悪」が共通の基盤
 これらの反動的逆流の台頭の危険性は、もとより重大であります。弱肉強食の「構造改革」路線の復活・強化、集団的自衛権行使と憲法改定、さらに「靖国」派の路線の国政への持ち込みなど、歴史に逆行する暗雲が日本の政治を覆う危険をいささかも軽視することはできません。
 同時に、これを恐れないことが重要であります。何よりも、この逆流は、3年前、国民が「ノー」の審判をくだした古い政治を、何の反省もなく、より乱暴に、国民に押し付けようというものでしかありません。それは「政治を変えたい」という多くの国民の願いに、真っ向から背くものではありませんか。
 さらに、この逆流は、日本がいま、解決を迫られている問題に対して、何一つ展望を示すことができません。社会保障と財政危機をどうするか、長期にわたる日本経済の低迷をどう打開するか、原発・エネルギー問題をどうするか、日本外交の行き詰まりの打開をどうはかるかなど、日本が直面する問題について、反動勢力なりの「展望」や「戦略」も示すことができません。その根底には、これらの反動的逆流が、共通の基盤としている古い政治――「アメリカいいなり」「財界中心」という「二つの害悪」を特徴とする政治が、深刻な危機と行き詰まりに突き当たっているという大問題があります。
 この逆流に未来はありません。日本共産党は、この逆流に恐れず正面から立ち向かい、「政治を変えたい」と願う国民とともにそれを打ち破り、日本の明るい前途を切り開くために全力をあげる決意を表明するものです。

各分野の国民運動の歴史的な高揚――日本共産党が重要な役割を発揮

「一点共闘」が空前の規模で広がり、世論と政治を動かす力を発揮している
 もう一つの流れは、各分野の国民運動の歴史的高揚であります。
 民主党政権が、国民の期待と公約を裏切る政治を、自民・公明両党とともに強行するもとで、国民の怒りがあらゆる分野で高まり、新しい政治を求める国民のたたかいが各分野で歴史的高揚をみせています。
 消費税増税反対、原発ゼロ、TPP参加阻止、オスプレイ配備反対など、国政の中心問題で、「一点共闘」が空前の規模で広がり、世論を変え、政治を動かす力を発揮しています。あらゆる国民のたたかいを、全国に草の根の組織を持つ日本共産党と自覚的民主勢力が支え、信頼を高めています。

国民運動の高揚のなかで、注目すべき三つの特徴が
 国民運動の高揚のなかで、注目すべき特徴があらわれています。
 一つは、これまでにない広範な人々が、閉塞状況を自らの力で打破しようと自覚的に立ち上がっていることです。広大な無党派の人々や、これまで政治とは距離があった広範な人々が、行動に立ち上がっています。「ただちに原発なくせ」「再稼働反対」を掲げた毎週金曜日の首相官邸前行動と、この動きの全国約100カ所への広がりなど、幅広い市民が街頭に出て声をあげていることは、日本の政治を変える歴史的出来事であります。また、TPP参加反対、消費税増税反対などで、従来の保守といわれてきた人々との共同が空前の規模で広がっています。さらに、オスプレイ配備反対を掲げた沖縄10万人集会、TPP参加反対の「オール北海道」の動きなど、自治体ぐるみのたたかいがさまざまな課題で広がっています。
 二つは、どの問題でも国民運動が掲げている旗が、国民多数の声に発展しつつあることです。消費税問題では、巨大メディアあげての大キャンペーンのもとでも、国民の多数が消費税増税に反対という状況は、増税法案強行後も揺るぎがありません。原発問題では、政府自身が、「過半の国民が原発に依存しない社会の実現を望んでいる」と認めざるをえなくなるなどの、国民世論の大きな変化が起こっています。TPP問題でも、「TPPに参加すれば農業や日本経済に悪影響が出る」ことが国民多数の認識となり、参加の賛否も相半ばで拮抗(きっこう)するところまで国民世論が変わってきています。オスプレイ配備に対しては、島ぐるみで反対している沖縄はもとより、日本国民全体を対象とした世論調査でも反対が6〜7割と圧倒的多数となっています。これらの悪政を強行している諸勢力は、国会では多数でも、国民の中では少数となり孤立を深めているのであります。国民のたたかいが世論を変え、国民多数の声となっていることに、大いに確信を持とうではありませんか。
 三つは、問題の根本にある日本の政治の「二つの害悪」に怒りの矛先がむけられつつあることです。それぞれのたたかいを通じて、「アメリカいいなり」「財界中心」の政治が、国民の願いを実現するうえで最大の障害になっているという自覚が広がっています。「原発ゼロ」を求める運動の障害が、アメリカと財界にあることが明瞭になるもとで、首相官邸前の抗議行動が、日本経団連前の抗議行動に広がっています。オスプレイ配備反対のたたかいのなかで、沖縄では、「日米安保条約が問われている」「安保をもっと知らなければ」という声が、広範な人々のなかで広がっています。

日本共産党と「しんぶん赤旗」への新たな信頼と共感が広がる
 日本共産党と「しんぶん赤旗」は、広大な国民的共同のうねりのなかで、それぞれの一致点を大切にして、運動の発展に誠実に力をつくすという姿勢を貫いてきました。同時に、たたかいの「大義」を明らかにし、その「展望」を指し示し、「草の根」からそれを支えて奮闘してきました。あらゆる「一点共闘」に参加し、それぞれの「一点共闘」が互いに連帯を強め、日本を変える統一戦線に発展していくよう、力をつくしてきました。こうした姿勢が、新たな信頼と共感を広げています。
 原子力規制委員会の記者会見からの「しんぶん赤旗」排除問題は、国民運動における「赤旗」の役割を浮き彫りにするものとなりました。多くの市民が「これは『赤旗』だけの問題ではない。国民の知る権利にかかわる大問題だ」と批判の声をあげるもとで、原子力規制庁はついに「赤旗」排除方針を撤回し、会見参加を認めざるをえなくなりました。これは、国民共同の新聞としての「赤旗」への信頼と共感がかつてなく広がっていることを象徴的に示す出来事となりました。
 保守をふくむ無党派の人々と日本共産党との共同をさらに広げ、強めることこそ、日本の未来を開く最大の力であります。この力が現実の政治を動かしていることに確信を持って、国民運動の発展のためにさらに奮闘しようではありませんか。
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領土に関する紛争問題と日本共産党の立場

 この間、尖閣諸島(中国名・釣魚島)、竹島(韓国名・独島)をめぐって、日中、日韓の緊張と対立が深刻となっています。

尖閣諸島問題――冷静な外交交渉による解決を
 まず尖閣諸島問題について報告します。
 私は、9月20日、「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」と題する「提言」を発表し、日本政府および中国大使館に、わが党の立場を提起しました。
 「提言」では、尖閣諸島について、日本の領有は歴史的にも国際法上も正当であるとの見解を表明したうえで、日本政府の対応として、つぎの二つの問題点があることを指摘しました。第一は、1972年の日中国交正常化、78年の日中平和友好条約締結のさいに、尖閣諸島の領有問題を事実上「棚上げ」にするというだらしない外交態度をとったことです。第二は、にもかかわらず、その後、「領土問題は存在しない」という立場をとり、それに拘束されて日本の領有の正当性を理を尽くして主張することができず、中国側の主張にも反論できないという自縄自縛(じじょうじばく)に陥(おちい)っていることです。
 こうした問題点を踏まえて、「提言」では、「尖閣諸島の問題を解決するためには、『領土問題は存在しない』という立場をあらため、領土に関わる紛争問題が存在することを正面から認め、冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を堂々と主張し、解決をはかるという立場に立つべきである」と提案しました。これは日本政府に、この問題での「外交不在」から「外交攻勢」に転ずることを求めたものです。私たちは、この方向にこそ、問題解決の唯一の道があると確信するものであります。
 さらに、「提言」では、物理的対応の強化や軍事的対応論を、日中双方がきびしく自制すべきであることを強調しています。日本では、尖閣問題を利用して、軍事力強化、軍事同盟強化をあおる論調が起こっていますが、これは冷静な外交的解決に逆行する危険な主張であり、きびしく戒める必要があります。同時に、中国側にも、監視船による繰り返しの日本の領海内の航行など、冷静な外交的解決に逆行する動きがあることについて、わが党は先方に率直に指摘し、その自制を求めてきました。
 日本政府のだらしない外交態度の根本には何があるのか。そこには、過去の侵略戦争への根本的反省を欠いているという問題が横たわっています。そのために、日本政府は、台湾と澎湖(ほうこ)列島は日清戦争で不当に強奪したものであるのに対して、尖閣諸島は正当な手続きで領有したものであるという歴史認識上の区別ができず、「日清戦争に乗じて盗み取った」という中国側の非難に対して、有効な反論ができないでいるのです。
 わが党の「提言」に対しては、立場の違いを超えて、共感と賛同の声が広がっています。日本共産党は、この方向で事態の打開がはかられるよう、今後もあらゆる努力をはらうものであります。

竹島問題――どうやって冷静な話し合いのテーブルをつくるか
 つぎに竹島問題について報告します。
 日本共産党は、竹島は、歴史的にも国際法的にも、日本の領土であるという見解を発表しています。同時に、この島を日本に編入した1905年という時期は、日本による韓国の植民地化の時期と重なっているという問題があります。日本は、1904年に「日韓議定書」、「第1次日韓協約」を強制して、韓国の外交権を事実上奪っており、かりに韓国が日本の竹島領有に異議を持っていたとしても実際上異議を唱えることはできなかったのは事実であります。
 そうした歴史的事情を考えるならば、日本が過去の植民地支配に対する根本的反省と清算をおこなうことが、この問題での冷静な話し合いのテーブルをつくるうえで不可欠になってきます。とりわけ、1910年の韓国併合について、不法・不当なものだったということを認めること、日本軍「慰安婦」問題などの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが必要であります。そうした立場のうえに、両国で歴史的事実をつきあわせた共同研究をおこない、解決への道を開くことを提唱するものです。
侵略戦争と植民地支配の真剣な反省を土台においてこそ解決の道が開かれる
 二つの領土に関する紛争問題は、それぞれ性格を異にしますし、解決の方法もそれぞれですが、日本側の姿勢として、過去の侵略戦争と植民地支配への真剣な反省を土台においてこそ、どちらの問題についても道理ある解決の道が開かれることを、私は、強調したいと思います。
 そして、日本共産党の提案は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた歴史をもつ党ならではの提案であります。このことへの誇りとともに責任を自覚して、冷静な外交交渉による解決のためにあらゆる知恵と力をつくす決意であります。

総選挙で日本共産党の値打ちをどう語るか

 こうした政治情勢のもとでたたかわれる、来るべき総選挙で、日本共産党の値打ちをどう語るか。わが党は、つぎの諸点を重視してたたかいます。

あらゆる分野で日本改革のビジョンを示し行動する党
 第一は、「あらゆる分野で日本改革のビジョンを示し行動する党」ということであります。日本共産党は、国民の利益に反する政治と正面から対決するとともに、どの問題でも、「二つの害悪」を断ち切り、「国民が主人公」の新しい日本をつくる、日本改革のビジョンを示し、その実現のために行動する党であります。
 4中総以降、日本共産党は、一連の政策提言を発表してきました。2月7日には「経済提言」――「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開へ」を発表しました。5月12日には「外交ビジョン」――「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」を提唱しました。9月20日には尖閣問題での「提言」――「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」を明らかにしました。9月25日には「『即時原発ゼロ』の実現を――日本共産党の提言」を発表しました。国政のあらゆる熱い焦点の問題で、反対だけでなく、別の道を示し、打開の展望を語ることのできる政党が日本共産党であります。その意味でいつでも政権を担える党が日本共産党であります。
 わが党が、こうした改革ビジョンを示せるのは、日本の未来を開く綱領をもつ唯一の党であるからです。そのことは、他党が、政党にとって命≠ニもいうべき綱領を持たず、あるいは軽く、粗末にあつかっていることと対比しても、きわだっています。

反動的逆流を許さない最大のよりどころとなる党
 第二は、「反動的逆流を許さない最大のよりどころとなる党」ということであります。民主党の自民党化が完成し、自民党のいっそうの反動化がすすみ、「維新の会」が逆流の「突撃隊」の役割を果たす――こうした動きに正面から立ち向かい、それを許さない国民のたたかい、国民の理性の声の最大のよりどころとなっている党が、日本共産党であります。
 「維新の会」との関係でも、民主党、自民党、公明党、みんなの党など、他の諸党が、「橋下人気」に恐れをなし、「できればともに組みたい」と秋波(しゅうは)を送っているときに、この潮流の危険性に警鐘を鳴らし、毅然(きぜん)と対決している政党は、日本共産党だけです。その姿勢は、この動きに危機感を持ち、理性の声をあげている人々の信頼を広げています。
 反動的逆流とのたたかいという点では、日本共産党は、戦前の天皇専制の暗黒政治と侵略戦争のもとでの暴圧と迫害に対して、理性の旗を掲げて不屈にたたかい抜いた唯一の党であります。わが党の立場は、一貫した歴史に裏付けられたものであることを強調したいと思います。
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国民の選択にたる政党らしい政党
 第三は、「国民の選択にたる政党らしい政党」ということであります。いま、国民のなかに深刻な「政党不信」が広がっています。国民への公約を簡単に投げ捨てる。選挙目当てに離合集散を繰り返す。国民との結びつきを持たない風頼みの「浮き草」のような姿。財政も企業・団体献金や政党助成金頼みで、自前で活動資金をつくることもできない。「維新の会」も、「改革者」のようなポーズをとっていますが、まともな政党の体をなしていないことにおいては、何ら変わりはありません。
 こういう政党状況のもとで、「どんな政策を掲げ、何を国民に公約しているか」だけでは、国民は選挙で政党を選択できません。公約を裏切らない∞一貫した歴史と路線を持っている∞「草の根」の組織を持ち、国民の苦難軽減のために日夜奮闘している∞企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、自前の努力で財政をまかなっている=\―国民の選択にたる政党らしい政党が、日本共産党であります。

1世紀近い歴史で試された党
 第四は、「1世紀近い歴史で試された党」ということであります。戦前の天皇専制の暗黒政治とそのもとでの侵略戦争に命がけで反対を貫いた歴史は、今日、わが党がアジアと世界で道理に立った野党外交をすすめるうえでも、生きた財産となっています。
 戦後、日本共産党は、自主独立の路線を確立し、旧ソ連と中国・毛沢東派という二つの大国による無法な干渉をはね返し、「社会主義」を看板にした覇権主義、自由と民主主義の抑圧をきびしく批判し続けてきました。これは、日本の運動の自主性を守り抜くとともに、科学的社会主義の本来の立場を守り発展させた、歴史的偉業でありました。
 わが党は、このたたかいのなかで、世界論、未来社会論などで、旧来の理論の抱えていた問題点を大胆に清算し、画期的な理論的到達点を築きました。そのなかで、「すべての人間の自由な発展」を最大の特質とするマルクスの未来社会論の輝きが豊かによみがえりました。日本共産党という党名は、こうした不屈の歴史と結びついた名前であるとともに、わが党がめざす未来社会の理想が刻まれた名前であります。
 来るべき総選挙は、反動的逆流と未来を開く本流が、正面からぶつかりあう歴史的たたかいになります。すべての党員のみなさんが、日本共産党の値打ちを誇りを持って語り抜き、力をあわせて躍進をつかみとることを、心から訴えるものであります。
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2、総選挙にむけた政治的対決の焦点

 報告の第二の主題として、総選挙にむけた政治的対決の焦点についてのべます。

消費税増税実施を阻止――「経済提言」を語り広げよう

 まず、消費税増税問題と、わが党の「経済提言」について報告します。
 消費税増税法案が強行されましたが、実施は2014年4月からであり、わが党は、国政選挙での審判で実施を阻止するために全力をあげます。

法案は強行されたが、国民の怒りと矛盾は広がっている
 実施を前にして、大増税計画と国民との矛盾が噴出しています。大増税が、暮らしと経済に大打撃を与えることは、誰の目にも明瞭であり、多くの国民が不安と怒りを強めています。「毎日」の世論調査では、92%が「増税が暮らしに影響する」と答えました。政府は、「景気への影響は小さい」とごまかしていますが、民間シンクタンクの試算は、どれをとっても政府試算よりもはるかに深刻な影響を予測しています。
 消費税を増税しても、社会保障が良くならないうえに、財政も良くならないことが、いよいよ明瞭になっています。とくに、増税推進の各党が、いっせいに巨額の公共事業ばらまき計画を立てていることに、国民の怒りが広がっています。

「民自公増税連合ノー」とともに、どの党が増税実施阻止の一番の力かを訴えよう
 日本共産党は、総選挙で、消費税大増税の実施を阻止するために、「二重の審判」を訴えてたたかいます。
 第一は、民意を踏みつけにして増税法案を強行した「民自公増税連合」に「ノー」の審判をくだすことであります。
 第二に、どの党が伸びれば増税実施阻止の一番の力になるかが問われます。「経済提言」で、「消費税に頼らない別の道がある」ことを具体的に提案している日本共産党を伸ばすことこそ、増税阻止の一番の力となることを広く訴えてたたかいます。
 「増税の前にやるべきことがある」という立場では展望がありません。この立場では、「やるべきこと」をやった後には増税が待っています。そして、「やるべきこと」の中身も、公務員削減、社会保障費削減、比例定数削減など、国民の暮らしを壊し、国民の民意を削るものになっています。
 「維新の会」は、「消費税の地方税化」「地方交付税の廃止」を掲げていますが、これが実施されるとすると、@全国平均で約5%の税率引き上げになることにくわえ、A大多数の自治体で財政が悪化し、住民サービス切り捨てに拍車がかかることになります。大増税・地方切り捨ての党に、国民の暮らしをゆだねるわけにはいきません。

「経済提言」――人間らしい生活と雇用、社会保障充実、財政危機打開の展望を語り広げよう
 いま社会保障制度は、民自公3党が強行した社会保障制度改革推進法に見られるように、予算削減のための制度改悪から、国民の権利としての社会保障の否定へと、改悪の質が加速されようとしています。生活保護バッシングと切り捨てはその典型であります。
 雇用破壊の面でも、賃金の下落が続き、若者の就職難は引き続き深刻です。そのもとで、労働者派遣法改正を完全に「骨抜き」にし、非正規雇用労働者を拡大するとともに、日本航空や電機産業などで大量の正社員の無法なリストラ・首切りがすすめられていることは、絶対に許すわけにはいきません。
 日本共産党は、国民のたたかいに連帯し、暮らしと権利への攻撃に対して、正面からたたかい抜きます。そのなかで、「経済提言」が提案している二つの転換――消費税頼みから、「応能負担」の原則への抜本的転換、大企業応援の「成長戦略」から「国民の所得を増やす経済改革」への抜本的転換を主張し、その実行を強く求めます。
 「経済提言」を実行すれば、人間らしい生活と雇用が保障されるとともに、消費税に頼らずに、社会保障充実と財政危機を打開していくことができる――この展望を大いに語り広げようではありませんか。

原発問題――原発固執勢力に審判をくだし、「即時原発ゼロ」の実現を

原発固執勢力の背景には財界とアメリカの圧力がある
 つぎに原発問題について報告します。
 この間、「原発ゼロの日本」を願う世論と運動が広がり、政府も、「過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」と認めざるをえなくなりました。ところが、政府・民主党や自民党・公明党などは、「原発ゼロ」だとか「脱原発依存」を口ではいいながら、原発再稼働や原発建設の再開を容認・推進するなど、原発への固執を続けています。その背景には、財界やアメリカからの圧力があることは、いまや明瞭となっています。
 来るべき総選挙で、日本共産党は、国民世論に逆らって、原発に固執しつづける勢力に審判をくだし、「即時原発ゼロ」の実現を訴えてたたかいます。

「即時原発ゼロ」の新「提言」を活用し、原発固執勢力を追い詰めよう
 わが党は、9月25日に、「『即時原発ゼロ』の実現を」と題する新しい「提言」を発表しました。新「提言」では、昨年6月に発表した「原発撤退提言」からさらに一歩踏み込み、「即時原発ゼロ」を提起しました。それは、原発の危険を除去する必要性、緊急性がいっそう切実になるとともに、その条件もあることが明らかになったからです。
 すなわち――、
 ――事故被害は拡大し続けており、二度と原発事故を起こしてはならないこと。
 ――原発稼働を続ける限り、処理する方法のない「核のゴミ」が増え続けること。
 ――原発の再稼働の条件も必要性も存在しないこと。
 ――国民世論が大きく変化し、「原発ゼロ」をめざす声が国民多数になっていること。
 こうした状況を踏まえ、新「提言」では、「すべての原発からただちに撤退する政治決断をおこない、『即時原発ゼロ』の実現をはかること」を提起しました。
 そのうえで、新「提言」では、「即時原発ゼロ」は可能であることを、再生可能エネルギーの最大限の普及、電気料金問題、日本経済の持続可能な成長など、原発固執勢力の論点ともかみあって、明らかにしています。
 さらに、新「提言」では、福島の被災者支援と復興に総力をあげてとりくむことを、「原発ゼロの日本」をめざすたたかいと一体にとりくむことを提起しています。無責任な「収束宣言」を撤回し、「線引き」をせずにすべての被災者・被害者を支援すること、不当な「打ち切り」をやめ長期にわたる復興の過程を支援することなどを、提案しています。
 わが党の新「提言」は、全国で「原発ゼロ」をめざして声をあげ、立ち上がっている多くの人々から歓迎をもって迎えられています。
 ツイッターにはこういう書き込みがありました。「1年半にわたる一般市民による反原発運動の積み重ねを踏まえて、ついに政界から示された、原発即時全廃のための具体的提言です。必読」
 新「提言」を活用し、原発固執勢力を追い詰め、日本共産党の躍進で「即時原発ゼロ」実現への道を開こうではありませんか。
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東日本大震災からの復興――国の災害政策の根本的転換を

政府の復興対策は、あまりに遅く、不十分で、最低限の真剣ささえ欠いている
 つぎに大震災からの復興問題について報告します。
 大震災から1年7カ月。政府の復興対策は、あまりに遅く、不十分であり、復興予算の流用問題が示すように最低限の真剣ささえ欠いています。被災地の復旧は遅れ、被災者のいのちと暮らしが脅かされる状況が続いています。
 復興の最大の課題は、生活と生業(なりわい)の再建、安定した住宅の確保となっています。しかし、被災地の懸命の努力にもかかわらず、多数の被災事業所が事業を再開できず、農林水産業の復旧の遅れも深刻です。住宅の再建のめどがたたず、多くの被災者が、今後の生活設計すらできない状態に追い込まれています。

国の災害政策の三つの根本的転換で本格的な復興を
 この1年7カ月の経験は、従来、政府がとってきた災害政策の枠組みが、被災地の本格的な復興をはかるうえで重大な制約となり、障害となっていることを明らかにしました。わが党は、被災者の緊急の要求にもとづく施策を一つひとつすすめる努力を引き続きはかりながら、つぎの三つの点で、国の災害政策の根本的転換をはかることを求めるものです。
 第一に、「個人財産の形成になる」などといって、住宅、商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという古い「原則」に固執していることが、復興の最大の障害になっています。これを根本からあらため、生活と生業の再建に必要な公的支援をおこなうことを基本原則にすえることを求めます。
 第二に、現在の支援策では、事業者の「規模」や「競争力」を口実にした「上からの線引き」によって、支援に差別を持ち込むことが公然とおこなわれています。また、同じ被害でも、区域指定の有無によって支援に大きな差がでるなど、被災者・被災地の実情や実態を反映しない「線引き」もおこなわれています。こうしたやり方を転換し、すべての被災者を支援の対象とすることを求めます。大型開発を優先するやり方を転換し、高台移転、住宅再建、漁港整備など被災者の生活再建にかかわる公共事業に、財政をふりむけるべきです。
 第三は、被災者を見捨てる「期限切れ」での支援打ち切りをやめ、生活と生業の再建を最後まで支援し、被災者とともに歩む姿勢を明確にすることです。恒久住宅のめども立たないまま、仮設住宅の期限が「2年」とされていることが、被災者の不安を大きくしています。国が、被災者の医療・介護の減免措置を9月末で打ち切ったことも大問題です。
 今後の災害対策を考えても、東日本大震災からの復興事業において、国の災害政策の根本的転換をはかることを、日本共産党は強く求めるものであります。

TPP参加絶対阻止の審判をくだそう

TPP参加阻止のたたかいは、引き続き重大な正念場にある
 つぎにTPP問題について報告します。
 野田内閣は、この間の一連の国際会議、日米首脳会談などで、TPP参加表明を画策してきましたが、先送りせざるをえなくなっています。この背景には、TPPにたいする国民の強い批判の高まりがあります。JA全中(全国農業協同組合中央会)とともに、日本医師会も絶対反対を決めるなど、たたかいの戦線が広がっていることは重要であります。
 しかし一方で、日本経団連、アメリカの圧力のもと、野田内閣は、表向きは「情報収集」といいながら、国民に隠れて実質的な交渉をすすめ、なし崩し的にTPPに参加しようとしています。牛肉のBSE(牛海綿状脳症)輸入規制の緩和など、TPP参加を先取りする動きも起こっています。たたかいは、引き続き重大な正念場にあります。

どの党が亡国のたくらみを打ち砕く最もたしかな力かを広く訴えよう
 TPPに参加すれば、農林水産業が壊され、医療が壊され、雇用が壊され、食の安全が危険にさらされ、経済主権が奪われ、国民にとって「百害あって一利なし」となります。日本共産党は、総選挙でTPP参加絶対阻止の審判をくだすことをよびかけます。
 民主党は、政権与党としてTPP交渉を推進しています。自民党は、「『聖域なき関税撤廃』など日本の国益に反する形でのTPP交渉参加に反対」という立場――すなわち条件付き反対=A言い換えれば条件付き賛成≠ニいう立場です。みんなの党と「維新の会」は、TPP参加を公然と推進しています。これらの諸党では、日本の食料主権、経済主権を守ることはできません。
TPP参加に政党として断固反対を貫き、食料主権、経済主権を尊重した貿易ルールの確立を求める日本共産党を躍進させることこそ、この亡国のたくらみを打ち砕く、最もたしかな力となることを、広く訴えてたたかおうではありませんか。

オスプレイ配備撤回、日米安保条約の是非を問う

沖縄と本土の連帯したたたかいで配備撤回と低空飛行訓練中止を
 つぎに米軍基地問題と日米安保条約の問題について報告します。
 9月9日、10万人以上が結集した沖縄県民大会は、オスプレイ配備計画の撤回、米軍普天間基地の閉鎖・撤去を、島ぐるみの揺るがぬ意思として宣言しました。にもかかわらず、日米両政府は、10月1日、オスプレイの普天間基地配備を強行しました。この恐るべき蛮行・暴挙にたいして県民の怒りが沸騰しています。
 オスプレイの危険は、低空飛行訓練が予定されている本土の七つの訓練ルートなど日本全土に及びます。これまでに、沖縄では県議会を含む全42自治体で配備反対決議が可決され、本土も含めて、全国24都道府県の123自治体で配備や訓練に反対する意見書・決議が可決されました。日本共産党は、普天間基地へのオスプレイ配備の撤回、全国での無法な低空飛行訓練の中止を求め、沖縄と本土の連帯したたたかいを発展させるために、全力をつくします。
 オスプレイの配備は、「日本の防衛」とは何の関係もありません。海兵隊の海外遠征による「殴り込み」任務を遂行するため、迅速に「敵地」に侵入して戦闘作戦を実施する「侵略力」を高めることがその目的であります。低空飛行訓練を非常に重視しているのも、そのためです。海兵隊の「侵略力」を高めるために、沖縄県民と日本国民を危険にさらす。こんな暴挙を絶対に許すわけにはいきません。
 オスプレイ配備に対して、民主党は与党として推進し、自民党、公明党、みんなの党、「維新の会」も、事実上の容認・推進の態度です。この屈辱的な暴挙を撤回させ、普天間基地の無条件撤去をかちとるためには、日本共産党の躍進がどうしても必要であります。
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安保の是非を問う声にこたえ、「外交ビジョン」を大いに語り広げよう
 この問題は、日米安保条約の是非を、直接に問うものとなっています。米国政府は、配備は「日米安保条約上の権利だ」(パネッタ国防長官)と公言し、日本政府は「日本政府に条約上の権限はない」という。首相は「(日本政府が)どうしろ、こうしろという話ではない」という。こうして日米両国政府が、安保を盾(たて)にこの暴挙を押し付けようとすればするほど、安保の是非が問われ、「安保をなくせ」という声は高まらざるをえないでしょう。
 日米安保の是非を問う声が、沖縄でも本土でも広がり始めたいま、日本共産党の「外交ビジョン」の重要性はますます浮き彫りとなっています。
 8月、イランのテヘランでおこなわれた非同盟諸国首脳会議に、緒方副委員長が参加しました。この会議参加にあたって、日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)が、「外交ビジョン」の英語版を各国代表に手渡してくれました。
 各国政府代表から感想が寄せられましたが、あるラテンアメリカの政府の代表は、「日本のように発達した国にこれだけ強大な米軍基地があることは驚きです。まさに時代錯誤です。そうした実態をもつ日本に、軍事同盟を廃棄しようという勢力があり、現に非同盟会議に参加していることはとても大事です。成功を祈ります」とのべました。
 あるアフリカの政府の代表は、「『外交ビジョン』には、非同盟の根幹であり、今日の国際情勢のもとで、当然の提起がおこなわれています。アメリカとの同盟をなくそうという提起は、時代の要請に合致したものです。日本は先進国なのに、政治の点では後進的です。その後進性を乗り越え、新しい日本をつくる提案として興味深く読みました」と感想を語ってくれました。
 ある東南アジアの政府の代表は、「ASEAN(東南アジア諸国連合)についての評価をうれしく思います。斬新な発想と政策を示したものだと思います。日本にこうした政策をもつ党があることを初めて知りました。こうした提案は、もっとアジアで、ASEANで知らせてほしい」とのべました。
 非同盟運動は「すべての外国軍事基地の撤去」を一貫して掲げています。「外交ビジョン」での提起は、こうした世界の大勢とも合致した、未来あるものであることが、この首脳会議という国際会議の場の反応からも裏付けられたということを、ご報告しておきたいと思います。
 ここに大いに確信をもって、「外交ビジョン」を語り広げ、日米安保条約廃棄の旗を高々と掲げる日本共産党の躍進を実現しようではありませんか。

憲法問題――明文・解釈改憲の策動と正面からたたかう

集団的自衛権の行使へむけた解釈改憲の危険な動き
 この問題の最後に、憲法問題について報告します。
 自民党新総裁に、名うての改憲論者の安倍晋三氏が選出され、憲法改定を掲げる「維新の会」が国政に進出しようとするもとで、憲法改悪への危機感が広がっています。
 その一つの焦点となっているのが、集団的自衛権の行使へむけた解釈改憲の危険な動きです。この間、自民党は、党の方針として、「集団的自衛権の一部行使」を公式に打ち出しました。民主党・野田政権も、「集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行を見直すことも検討されるべきである」とする見解をまとめました。
 この動きは、単なる憲法解釈の見直しにとどまるものではありません。5月の日米首脳会談の「共同声明」は、日米の「動的防衛協力」なるものを初めてうたいました。これは米軍と自衛隊が地球的規模で打って出て、共同の軍事行動をおこなうというものです。さらに、8月の森本防衛大臣とパネッタ国防長官との会談で、ガイドラインの再改定をめざして協議に入ることで合意したことも、きわめて重大であります。これらは、集団的自衛権を現実に行使する――「米国と共同して海外で戦争をする国づくり」にむけた重大な歩みをすすめるものにほかなりません。

憲法問題を攻勢的に語り、憲法9条を守るたしかな力を大きく
 並行して、明文改憲の動きも露骨になっています。自民党は、憲法9条を改変して、自衛隊を「国防軍」とすることなどを打ち出した「日本国憲法改正草案」を発表し、「維新の会」は、「維新八策」のなかに改憲発議の要件緩和、憲法9条の是非を問う国民投票を盛り込みました。
 憲法9条を守るたたかいは、新たな正念場を迎えています。「9条の会」をはじめ、憲法改悪に反対し、憲法を生かした平和日本をつくるための共同のたたかいを、大きく発展させましょう。
 日本共産党は、綱領に「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」と明記し、首尾一貫した憲法政策をもつ政党であります。憲法問題を、総選挙で大いに攻勢的に語り、日本共産党の躍進によって改憲勢力に痛打を与え、憲法9条を守るたしかな力を大きくするために全力をあげようではありませんか。
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3、総選挙躍進をめざす活動方針について

 報告の第三の主題として、総選挙躍進をめざす活動方針についてのべます。

総選挙の歴史的意義――「650万、議席倍増」に挑戦しよう

二つの流れの対決のもとで、日本の進路が問われる歴史的選挙
 来るべき総選挙は、「二大政党づくり」の動きが破たんに直面するという新しい情勢のもとでたたかわれます。わが党は、この反動・反共戦略と、この10年にわたってたたかい、国政選挙でも厳しいたたかいを余儀なくされました。しかし、いま、少なくない国民が「民主か、自民か」という偽りの「対決」の押し付けに愛想をつかし、日本の政治を変える真の道はどこにあるのかを真剣に探求しています。日本共産党の躍進の新たな条件が大きく広がり、私たちの奮闘いかんでそれを現実のものとすることは可能であります。
 同時に、来るべき総選挙は、一方で、古い政治の行き詰まりを反動的に打開しようとする反動的逆流が台頭し、他方で、新しい政治を求める国民のたたかいが各分野で歴史的高揚をみせるという、二つの流れの対決のもとで、文字通り日本の進路が問われる歴史的選挙となります。そこで問われる課題も、消費税、原発、震災復興、TPP、米軍基地と安保条約、憲法、領土など、どれ一つをとっても、日本の命運のかかった大争点が、国民の審判を受けることになります。
 来るべき総選挙は、歴史的岐路における歴史的意義をもつたたかいです。日本共産党が躍進をかちとることは、国民にたいする重大な責任であります。

650万以上の得票と議席倍増――18議席以上を目標に全力をあげる
 以上を踏まえ、総選挙にのぞむ目標としては、650万票以上の得票、10%以上の得票率を獲得し、現有9議席の倍増――18議席以上を目標に奮闘します。
 すでにのべた総選挙の重大な歴史的意義にてらすならば、日本の政治全体に衝撃をもたらすような、日本共産党の大きな躍進がどうしても必要です。反動的逆流の台頭を阻(はば)み、新しい政治を開く国民のたたかいを激励する躍進が必要です。直面する熱い政治的対決において、増税推進、原発固執、米国追随勢力に痛打をあたえる躍進が必要です。21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立するという目標にむけて、新たな本格的スタートを切る躍進が必要です。日本共産党は、650万票以上の得票とともに、議席倍増を目標に掲げ、その達成に全力をあげるものであります。
 4中総決定では、総選挙の目標として、綱領実現をめざし中期的展望にたった「成長・発展目標」を自覚化するとともに、「『比例を軸に』を貫き、650万以上の得票、10%以上の得票率を獲得し、すべての比例代表ブロックで議席獲得・議席増をめざす」「5%以下の県をなくす」と提起しています。各都道府県では、この決定を受け、得票目標を決定していますが、その合計は765万票になります。
 議席倍増という目標は、すでに各都道府県が決定した「650万以上」に対応する得票目標に責任を持ち、それを実現すれば、十分に達成が可能な目標です。「比例を軸に」、「全国は一つ」で、全党・後援会の総力を結集し、選挙の担い手を広げに広げ、この目標の達成に正面から挑戦しようではありませんか。1970年代の第1の躍進、1990年代後半の第2の躍進につづく、日本共産党の第3の躍進が開始されたといえる選挙にしようではありませんか。

「議席倍増」の全国目標を、すべての比例ブロックの共同の仕事として達成しよう
 「650万、議席倍増」という目標を達成するうえで、全国11の比例ブロックが、「650万、議席倍増」との関係で、自らのブロックが負っている責任を自覚的にとらえ、ブロックの政治目標を実現するために知恵と力をつくすことが大切です。
 前回の総選挙、参院選の得票実績との関係で、議席増に比較的近い比例ブロックでは、その目標を確実にやりきることが、「議席倍増」にとって絶対不可欠となります。議席増のためには大きな飛躍が求められる比例ブロックでは、そうした比例ブロックで議席増をかちとってこそ、「議席倍増」が現実のものとなることを自覚して、それに正面から挑戦することが求められます。それぞれの比例ブロックが、「議席倍増」という全国目標との関係で、自らの目標を自覚的に位置づけ、達成に全力をあげようではありませんか。
 4中総決定にそくして、全国11の比例ブロックごとに、得票目標を具体化し、議席増のための政治・組織戦略を具体化するとりくみがすすめられています。必勝をめざす「政治スローガン」が決められ、比例代表選挙を「顔の見える選挙」にしていくための努力がはらわれ、すべてのブロックで後援会連絡会が結成されるなど、新たな努力が始まっています。この努力をいっそう強め、「議席倍増」という全国目標を、すべての比例ブロックの共同の仕事としてやりとげようではありませんか。

情勢の激変のもとで「すべての小選挙区での候補者擁立」の意義と役割
 4中総決定の「すべての小選挙区で候補者擁立をめざす」という方針にもとづき、9月末までに272人の候補者が決定され、未決定の選挙区でも候補者擁立の努力がおこなわれています。前回総選挙は152人の立候補であり、2倍近い候補者を擁立してたたかうことは、総選挙で躍進をかちとる大きな主体的条件となります。勇気をもって立候補され、活動の先頭にたっているすべての予定候補者のみなさんに、中央委員会総会として、心からの敬意を表明するものであります。
 候補者のみなさんから共通して寄せられている感想は、前回総選挙とは情勢が激変しているということです。民主党への怒りが渦巻き、自民党にも戻るわけにはいかない。「維新の会」への幻想もあるが、不安も広がっている。「二大政党づくり」が破たんに直面するもとで、どこに託していいかを真剣に模索している。日本共産党の姿が見えているところでは、共産党を真剣に選択肢として考えよう、期待してみようという動きが広がっている。こうした感想が共通して寄せられています。
 多くの国民が、閉塞状況を打破する新しい政治を真剣に模索・探求するもとで、日本共産党が、選挙戦の基礎単位である小選挙区のすべてに候補者を擁立してたたかうことは、有権者に進歩と革新の政治的選択肢を示し、比例代表の躍進に貢献する、はかりしれない意義を持つものであります。
 前回の総選挙で立候補を見送り、今回、立候補を表明した選挙区で、保守を含む無党派の多くの人々から歓迎され、党への新たな関心と期待を広げ、党活動に新たな活気をつくりだしていることは、きわめて重要です。
 来るべき総選挙は、「二大政党づくり」が破たんに直面するもとで、有権者の動向が大きく変化するたたかいとなります。従来の政党間の力関係を固定的にとらえず、「比例を軸に」を揺るがずに貫きつつ、小選挙区のたたかいでも議席獲得を念頭におき、勝利をめざして全力をあげます。議席を現実に争う局面が生まれた場合には、機動的に対応をはかります。中央として、要望にこたえて、選挙体制問題や候補者活動への援助などをさらに強めます。
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参議院選挙・都議会議員選挙、中間地方選挙のたたかいについて
 参議院選挙・都議会議員選挙まで、あと9カ月余となっています。これらの選挙を総選挙と一体にたたかうことが重要であります。その共通の土台は、党を語り、「比例を軸に」、「650万以上の得票」を達成することです。
 年内の定例の地方議員選挙は46自治体で実施され、来春早々の北九州市議選、大分、前橋、静岡、富山、松江、那覇、奈良など県都の選挙が連続します。一つひとつの中間地方選挙で確実に勝利し、得票を伸ばし、国政選挙の躍進への波を起こしていこうではありませんか。

「総選挙躍進募金」をよびかけます
 選挙募金、供託金募金の目標を達成することは、選挙勝利のためにいよいよ重要となっています。「こんどこそ勝ってほしい」という思いで、募金を寄せてくれる有権者は確実に増えています。
 そこで、第5回中央委員会総会として、「総選挙躍進募金」をよびかけることを提案するものです。「躍進募金」は1口千円とし、お一人おひとりの条件に応じて、1口、さらに5口、10口とお寄せいただければ幸いです。また、少額の募金もぜひお願いします。後援会員、「しんぶん赤旗」読者、支持者の方々に広く訴えていきたいと思います。
 同時に、党機関としての独自の募金のとりくみも大いにすすめます。選挙躍進のための財政的土台をつくる活動に思い切ってとりくむことを心から訴えるものであります。

「総選挙躍進をめざす1千万対話・党勢拡大大運動」(「総選挙躍進大運動」)をよびかける

「総選挙躍進大運動」の目標と期限
 総選挙で、「650万、議席倍増」という目標を達成するためには、勝利のために不可欠な課題をやり抜き、政治的・組織的高揚のなかで解散をかちとり、選挙本番のたたかいにのぞむことが、どうしても必要であります。
 そのために、中央委員会総会として「総選挙躍進をめざす1千万対話・党勢拡大大運動」(「総選挙躍進大運動」)をよびかけることを提案するものです。

「総選挙躍進大運動」の目標と期限は、つぎのとおりとします。
 ――「一人ひとりの党員の結びつきを生かし、広げる」という本来のあり方にたった対話と支持拡大運動をすすめ、1千万人との対話をおこないます。
 ――党勢拡大では、4中総で決定した「党勢拡大大運動」の目標を総達成します。党員拡大を中心にすえ、すべての支部が「大運動」期間中に新しい党員を迎え、新たに3万人の同志を増やすことを目標とします。「しんぶん赤旗」読者拡大では、すべての支部が毎月読者を増やし、日刊紙、日曜版の前回総選挙時を回復、突破することを目標として、独自の追求と手だてをはかります。
 ――「大運動」の期限は衆院解散までとします。党組織ごとに適切な節目標をもってとりくみます。とくに年内目標を設定するようにします。

 以上が、「総選挙躍進大運動」の提案であります。

対話と党勢拡大は、特別の自覚的なとりくみが求められる課題
 総選挙躍進をめざす活動方針としては、国民要求にこたえた活動、全有権者を対象とした大量宣伝、対話と支持拡大、党勢拡大、運動団体との協力・共同と後援会活動など、総合的な活動を発展させることが必要です。
 同時に、そのなかでも、対話と党勢拡大は、特別の自覚的なとりくみが必要な課題であることを、強調しなければなりません。
 私たちは、これまでの国政選挙でも、「早い段階からの対話」を方針に掲げて、とりくんできました。しかし、「対話が際限なく遅れる」という弱点を、克服できないでいます。また、対話の内容も、「一人ひとりの党員がもっている結びつきを生かし、広げる」という本来のあり方が弱まっていることは、2010年の参議院選挙を総括した2中総決定で、党活動の弱点として突っ込んで教訓とした問題でした。こうした弱点を繰り返していては、選挙戦の躍進はありえません。それを思い切って打開する新しい挑戦をおこなおう――解散までに「1千万対話」をやり抜き、解散後の選挙本番ではさらに青天井で対話を広げるというのが、「総選挙躍進大運動」の提起であります。
 党勢拡大については、私たちは、昨年7月の3中総決定で、「党創立90周年をめざす党員拡大を中心とする党勢拡大大運動」をよびかけ、12月の4中総決定で、この「大運動」を総選挙勝利を前面にしたものへと発展させ、さらに5月の全国活動者会議で、6、7月を目標総達成のための「特別期間」に設定して力をつくしてきました。その結果、9月末までに新規の入党者が約2万人という重要な成果をあげました。第5回中央委員会総会として、新しく入党され、党のさまざまな活動で新鮮な力を発揮しているすべての仲間のみなさんに、心からの歓迎のあいさつを送ります。
 同時に、党員拡大は、なお目標の5万人に届かず、この成果に安住するわけにはいきません。「しんぶん赤旗」の読者拡大では、安定的な前進の軌道にのせるにいたっておらず、9月末の段階で、「党勢拡大大運動」の開始時点から、日刊紙1541人、日曜版2813人の後退、前回総選挙時比では日刊紙89・4%、日曜版86・5%にとどまっています。
 私たちは、党勢拡大目標について、「『やれるか、やれないか』ではなく、やりきらなければ総選挙の勝利の保障はないという目標」(全活への報告)としてとりくんできましたが、この選挙勝利に不可欠な課題で、私たちの活動はなお道半ばであります。この目標をやり抜き、何としても党勢の上げ潮のなかで解散を迎え、どんな情勢のもとでも自らの力で勝利への道を開こうではありませんか。
 総選挙をめざす総合的活動を展開しつつ、「1千万対話」と、「党勢拡大目標の総達成」という、特別の目的意識性を必要とする課題をやり抜き、解散までに選挙躍進に不可欠の土台を築きあげようではありませんか。
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「大運動」をどう成功させるか――「支部が主役」で「四つの原点」にもとづく選挙活動を

すべての支部が得票目標と、「総選挙躍進大運動」の目標を持とう
 「総選挙躍進大運動」をどうやって成功させるか。
 選挙勝利をめざす活動の基本は、支部の「政策と計画」のなかに得票目標をしっかりと位置づけて、「四つの原点」――@要求実現活動、A宣伝、対話と支持拡大、B党員拡大と読者拡大、C運動団体との協力・共同と後援会活動――にもとづく活動を、「支部が主役」でとりくむことにあります。
 こうした「支部が主役」の総合的活動のなかで、「1千万対話」と「党勢拡大目標の総達成」を、自覚的に位置づけ、特別の意識性を持って追求するようにします。
 その大前提となるのは、すべての支部が自覚的に得票目標を持って活動することです。現在、得票目標を持っている支部は53%にとどまっています。5中総決定を受けて、すべての支部が得票目標を持ち、「四つの原点」を具体化し、「総選挙躍進大運動」の目標を持ってとりくむことが、まず何よりも重要であります。

国民の切実な要求にもとづく活動にとりくもう
 まず、国民の切実な要求にもとづく活動について報告します。
 要求実現活動という場合に、消費税、雇用、原発、震災復興、TPP、米軍基地、安保問題など、直面する国政の大問題での要求にこたえる活動を、支部がとりくむことは、もちろん重要です。同時に、支部が、地域・職場・学園の身近な要求を生き生きとつかみ、その実現のために努力し、信頼を高めることも重要であります。
 また、全活の報告でものべたように、「要求」という場合に、いまの情勢のもとで、多くの国民ははっきりとした「要求」までいっていなくても、現状に対するさまざまな「不安」「懸念」「関心」「怒り」をたくさん持っています。それらを受け止め、耳を傾け、「聞く力」が大切であり、それにこたえる活動をおこなうという見地が大切です。たとえば、多くの国民は、「原発をどうしたらいいのか」「領土問題をどう解決したらいいのか」と考え、その答えを求めています。そうした国民の気持ちにこたえた活動をおこなうことも、いまの情勢のもとできわめて重要であります。

大量宣伝、対話と支持拡大――「1千万対話」を達成して選挙を迎えよう
 つぎに大量宣伝、対話と支持拡大について報告します。
 それぞれの地域で、ポスターの張り出し、ハンドマイクなどを使っての声の宣伝を重視し、幅広い有権者に日本共産党の元気と勢いが伝わる活動にとりくみましょう。比例・小選挙区・参議院あわせて約300人の国政候補者、2700人の地方議員が、「党の顔」として先頭に立ちましょう。全国2万の支部が、「草の根」の宣伝力を総発揮しましょう。インターネットなど新しい媒体を積極的に活用するとりくみを、全党的に強化しましょう。

 「1千万対話」運動では、各種名簿や台帳にあたり、「対話名簿」を整理しながら、つぎの四つのとりくみをおこなうことをよびかけます。
 ――一つは、約360万人の後援会員、約130万人の読者を総訪問し、対話してその願いをよく聞くとともに、選挙の協力依頼をおこなうことです。
 ――二つは、いっせい地方選挙、中間選挙で支持を訴えたすべての人と対話し、支持をよびかけることです。地方選挙では、比例票を超える得票を獲得した選挙が数多くあります。そのすべてを国政選挙での得票に結びつければ、650万票以上は可能となります。
 ――三つは、さまざまな要求実現活動で結びついた人との対話を広げることです。消費税、原発、TPP、オスプレイ問題などでの署名運動をはじめ、多面的な要求運動を強め、これらのとりくみで結びついた人々との対話と支持拡大をすすめます。
 ――四つは、「全国は一つ」の立場で、党員のあらゆる結びつきを生かした対話にとりくむことです。家族や親せき、知人や友人、同窓会など、一人ひとりの党員のあらゆる結びつきに光をあて、生かしたとりくみをおこないます。

 「1千万対話」という目標は、わが党の持つ結びつきを考えるならば、達成可能な目標であることを強調したいと思います。2010年参院選を総括した2中総決定では、この選挙で「有権者の過半数対話を目標とする」という方針をとったことについて、「党組織の実情の違いを考慮の外においた一律の目標の提起となり、適切ではなかった」という教訓を引き出しました。「1千万対話」という目標は、それぞれの党組織の力の大小、到達点にそくして具体化すべきものであり、全党の努力によって十分に達成可能なものであります。
 「総選挙躍進大運動」の全体を推進する「軸」として、10月から12月にかけてとりくんでいる第2次全国遊説の成功とともに、「集い」を100万人規模で展開する大作戦をよびかけます。「集い」の到達点は、2万2千回、参加者は35万1千人、とりくみ支部・グループは48%です。100%の支部・グループがとりくみ、100万人規模に広げようではありませんか。

党勢拡大の高揚のなかで選挙戦をたたかおう
 つぎに党勢拡大の高揚のなかで選挙戦をたたかうことについて報告します。
 参院選を総括した2中総決定、いっせい地方選挙を総括した3中総決定は、「自力が足らなかった」ことを教訓の根本として引き出しました。
 この教訓を踏まえ、昨年7月の3中総決定以来、1年余にわたってとりくんできた「党勢拡大大運動」は、全党のみなさんの奮闘によって、今後の党活動にとって、「宝」ともいうべき重要な教訓をつくりだしています。
 その第一は、わが党には党員を拡大する力があること、党勢拡大で飛躍をかちとりうる力があることを、全党の奮闘によって証明したことであります。とくに「特別期間」のとりくみは、特筆に値するものとなりました。7月の入党決意者は7千人を超え、1カ月の成果としては、1987年11月以来四半世紀ぶりの成果となりました。
 第二は、党員拡大を党勢拡大の中心・根幹にすえ、そのなかで「しんぶん赤旗」読者拡大のための独自の努力をはらうことによって、党勢拡大全体が前進するということが、証明されたことであります。「党員拡大を党勢拡大の中心にすえる」という方針は、これからとりくむ「総選挙躍進大運動」においても、揺るがず堅持していきたいと思います。
 第三は、新入党員を迎えた党組織で大きな変化が生まれていることであります。新入党員を迎えた支部ではどこでも、それが支部に新しい活力をつくりだし、支部のさまざまな困難を打開する契機となっています。「支部が主役」の配達・集金体制の確立のうえでも、大きな力を発揮しつつあります。すべての都道府県で、5人、10人以上の新入党員を迎えた支部が生まれ、その総数は855支部となり、支部活動に見違える変化が生まれています。数十年ぶりに25歳の青年労働者を迎えたある職場支部で、「長年支部会議を休んでいた党員が『若者が入党したと聞き、顔を見たくて参加した。頼もしい若者で感動した』と発言し、大爆笑になった」などの経験が、全国各地から寄せられています。
 これらは、今後の党活動を発展させる大きな「宝」であります。ここに確信を持って、党勢拡大の目標総達成に挑もうではありませんか。
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 党勢拡大運動は、道半ばです。「総選挙躍進大運動」で、どのようにして目標総達成をかちとるか。カギとなる三つの問題を提起します。
 一つは、この運動を、すべての支部の自覚的な運動にしていくことこそ、目標総達成の最大の保障だということです。「党勢拡大大運動」で、党員拡大に踏み出した支部は6割、成果をあげた支部は4割です。読者拡大では、月単位でみると、成果をあげている支部は3〜4割です。党員拡大でも、読者拡大でも、いかにすべての支部の自覚的な運動にしていくかが、目標達成の最大のカギとなっています。
 二つは、量とともに質を重視した党建設をすすめるということです。とりわけ、約2万人の新入党員、これから迎える新しい党員の初心を大切にし、ともに成長する党づくりが大切であります。支部も機関も、新入党員を温かく歓迎し、新入党員学習の100%修了に責任を持ち、「党生活確立の3原則」の確立のために、力をそそぎたいと思います。こうした努力は、新入党員への党としての当然の責任であり、さらに多くの新入党員を迎えるうえでも大きな力となるものです。
 三つは、党勢拡大運動を全支部の運動にしていくうえでの党機関の指導と援助の問題です。率直にいって、私たちには、「特別期間」のように「日報」など特別の体制をとったときには一定の前進・飛躍をかちとることができるが、そうでないときには大きな前進ができないという問題があります。これを脱する機関活動の根本的な改善・強化に中央も地方も挑戦したいと思います。総選挙の歴史的意義と、「650万、議席倍増」という目標を全党の共通のものとする、燃えるような政治指導とともに、党機関が、支部に入り、支部の意見をよく聞き、相談にのり、直面している困難をつかみ、支部と協力してその打開のために力をつくす活動にとりくむことがとりわけ重要であります。

 すべての党員は、「今度こそ勝ちたい」という熱い思いを持っておられると思います。その思いを総結集して、党勢拡大の目標を必ず総達成し、党勢拡大の高揚のなかで総選挙をたたかおうではありませんか。

運動組織・団体との協力・共同と、後援会活動の強化をはかろう
 つぎに運動組織・団体との協力・共同と、後援会活動の強化について報告します。
 各分野の国民運動が歴史的高揚を見せ、どの問題でも日本共産党が重要な役割を果たしています。運動の広がりのなかで、わが党への信頼と期待が広がり、「日本共産党にぜひ勝ってほしい」という声が、どこでも聞こえます。そうした人々の思いをくみつくし、党躍進に結実させるとりくみに、新たな知恵と力をそそぎましょう。
 運動組織・団体への「協力・共同」の申し入れを、大いにすすめたいと思います。政党支持の自由の尊重を大原則としつつ、つぎの観点でとりくみの発展をはかります。
 第一に、共通する要求・課題を実現するため、それぞれの立場を尊重しつつ、共同してたたかうことを確認します。
 第二に、事務所などへの日本共産党の宣伝物の掲示、政策やビラなどを、構成員に資料として配布してもらうことを依頼します。
 第三に、それぞれの団体の要求を実現する立場に立った党議員・候補者を含む政策討論会や、党との懇談会などの場を設けてもらうことを依頼します。
 第四に、党の開催する演説会への参加案内などを、構成員に伝えていただくことを依頼します。
 第五に、その他、可能な「協力・共同」の方法を双方で相談します。
 これらは新しい情勢のもとでの新しい問題提起ですが、党躍進に期待を寄せてくださる方々の思いをくみつくすとりくみに、知恵と力をそそごうではありませんか。
 後援会活動について、「後援会ニュース」を読んでもらう人を増やし、ニュースを定期的に届け、人間的・政治的結びつきを強めることは重要であります。同時に、すべての支部が対応する単位後援会を確立し、日常的に活動を発展させることを、後援会活動の土台として位置づけ、力をそそぎましょう。

職場支部、若い世代が輝く選挙戦――変化をとらえ、変化に働きかけよう

 職場支部と若い世代の中での活動では、「二つの変化をとらえ、変化に働きかけよう」ということを強調したいと思います。
 一つは、「政権交代」とその後の裏切り、大震災と原発事故、国民運動の歴史的高揚などの政治的体験を積むなかで、多くの労働者や若い世代のなかで、政治や社会に対する見方、生き方や働き方に対する意識に大きな変化が起こっていることです。原発ゼロ、消費税、TPP、雇用問題、オスプレイ問題など、政治のウソを見抜き、現状を変えるために自ら行動に立ち上がる人々が大きく広がっています。
 いま一つは、「党勢拡大大運動」をつうじて、この二つの分野で、萌芽(ほうが)的ではありますが、新しい前進の経験が生まれていることです。
 教職員分野や自治体分野、医療・福祉分野で党員拡大の新しい前進が始まっています。職場支部の比率の高い、いくつかの地区委員会から、約4割の職場支部が新しい党員を迎え、「職場でも本気で努力すれば前進できる実感をつかんだ」との声が寄せられています。民間大経営など厳しい条件の職場でも、多数の党組織が、党員拡大の目標を持ち、対象者をあげ、入党の働きかけに足を踏み出したことは、たとえ入党に至らない場合であっても、今後に生きる重要な第一歩であります。
 全党が党勢拡大運動にとりくむなかで、党が青年・学生との結びつきを多面的に持っていることに光があてられ、青年・学生分野で新しい前進への転機がつくられつつあります。この1年間、学生党員の拡大数は昨年の1・4倍、民青同盟員、民青新聞読者の拡大数は昨年の1・2倍、2・4倍となりました。新たな学園に、党支部や準備支部が生まれています。9・1学生現勢調査では、12年ぶりに前年比で前進をかちとりました。
 これらの二つの前向きの変化をよくとらえ、選挙戦のなかで絶対に中断することなく、変化を促進するために働きかけを強め、職場支部と若い世代が輝く選挙にしていくために、知恵と力をつくそうではありませんか。

これまでの努力が実るかどうか――ここからがいよいよ勝負の時期

 全党の同志のみなさん。この間、全党は、総選挙での躍進をめざして、政治的にも組織的にも、新しい探究と挑戦にとりくんできました。経済、原発、外交などあらゆる分野で日本改革のビジョンを具体化し、国民と大いに語り合い、現実政治に働きかけてきました。1年余にわたる「党勢拡大大運動」にとりくみ、今度こそ自力をつけて選挙に勝つために、力をつくしてきました。
 その努力が実るかどうか。ここからがいよいよ勝負の時期となります。全党の力を一つに集め、「総選挙躍進大運動」を必ず成功させ、政治的・組織的高揚のなかで解散を迎え、必ず躍進をつかみとろうではありませんか。
 以上をもって、幹部会報告をおわります。

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第5回中央委員会総会/志位委員長の結語

 日本共産党の第5回中央委員会総会で15日、志位和夫委員長がおこなった討論の結語は次のとおりです。

 みなさん、2日間の会議、ご苦労さまでした。私は、幹部会を代表して討論の結語をおこないます。
 この総会では、2日間で60人の同志が発言しました。そのすべてが幹部会報告を積極的に受け止め、深め、躍進への決意が語られた、きわめて充実した討論となりました。緊張のなかにも笑いありの明るい総会になったと思います。全国では、インターネット中継で、約1万3千人が幹部会報告を視聴し、1000通をこえる感想が寄せられました。これは、第25回党大会期の中央委員会総会では最高のものです。

「日本共産党は『議席倍増』をめざします」――この一言で党の構えが伝わる
 討論でも、感想でも、幹部会報告が提起した「650万、議席倍増」という総選挙の目標が衝撃的に受け止められ、強く歓迎されています。
 討論では、全国すべての比例ブロックから、「議席倍増」という全国目標との関係で、自らの負っている責任、決意が語られました。「議席倍増」という目標とのかかわりで、比例ブロックの目標に生きた魂≠ェ入ったと言えるのではないでしょうか。
 何よりもこの目標は、来るべき総選挙にのぞむ日本共産党の構えを、国民にたいして一言で訴えるものになっています。「日本共産党は『議席倍増』をめざします」。この一言で私たちの政治的構えが伝わります。討論のなかでも出されましたが、国民のなかで、わが党の「経済提言」などを語ると、「言うだけではなく実行してほしい」「早く政権をとってほしい」という声が寄せられます。あらゆる問題で、国民からそういう期待が寄せられます。「議席倍増」という目標は、総選挙にのぞむわが党の構え、覚悟を、国民に一言で訴えるものであり、大きな力を発揮することは間違いありません。
 討論のなかで、「全国は一つ」がいよいよ大切という発言がありました。「議席倍増」という目標は、全国すべての比例ブロック、都道府県、地区委員会、支部が、一つ残らず自らの責任をやり抜いてこそ達成ができます。「全国は一つ」で、「650万、議席倍増」を必ず達成し、日本の政治に衝撃を与える躍進を必ずかちとろうではありませんか。

国民運動の歴史的高揚と党の改革ビジョンの力が、生き生きと反映された
 この目標をやりきる条件と可能性はあるのか。討論では、二つの前進の流れの息吹が生き生きと反映されました。
 第一の息吹は、各分野で、国民運動が歴史的高揚を見せ、その中で党の改革ビジョンが大きな力を発揮していることです。
 討論では、消費税、原発、TPP、米軍基地など、「一点共闘」があらゆる分野で広がり、その中で、JA、医師会、商工会議所など、従来の保守と言われる人々との心通う共同がかつてない広がりを示していることが報告されました。
 なかでも「原発ゼロ」を願う新しい運動の広がりは、日本の政治を変える巨大な可能性を感じさせるものです。これまで政治に距離を置いてきた広大な人々が、自ら声を上げ、立ち上がっています。そうした人々に、日本共産党の「即時原発ゼロ」提言を伝えると、求めていた回答に出あった、ひっかかっていた疑問への答えが出たと、心にしみこむように、深い共感を持って受け止められています。
 尖閣問題での、日本共産党の「提言」についても、討論で多く語られました。この問題はたんなる外交問題にとどまりません。尖閣問題を契機に、日中の経済関係が冷え込むなかで、暮らしと生活に直結する、より深刻な問題に進展しています。観光業や製造業などに、すでに深刻な影響が起こっています。そうしたもとで、討論では、中小企業、商工会、観光業界など、経済界の方々にも、党の「提言」を話したところ、強い共感が寄せられたという経験が、語られました。「自衛隊を出すしかない」と考えていた保守の人々にも、党の「提言」を語ると、「自民党も民主党もまともな外交をやってこなかったことが問題だ。冷静な外交交渉による解決しかない」と変化したとの発言もありました。この問題は、日中、日韓という重要な隣国との紛争問題をどう解決したらよいかを示す、最も建設的提言を示す党として、立場の違いを超えて、深いところから党への信頼を高めています。「日本共産党を見直した」ということが共通した感想として寄せられています。
 討論のなかで、「日本共産党は、何を聞かれても、何でも答えられる」という発言がありました。その通りであります。日本共産党は、日本が直面するあらゆる問題に対して、建設的な回答を示し、希望ある改革のビジョンを示し、その実現のために行動する党であります。この党の値打ちに確信をもって、頑張り抜こうではありませんか。

1年余にわたる「党勢拡大大運動」が党を大きく変えつつある
 第二の息吹は、1年余にわたって、全党のみなさんの奮闘によってとりくんできた「党勢拡大大運動」が党を大きく変えつつあるということです。
 党員拡大にとりくみ、新入党員を迎えたことが、党に大きな活力をもたらし、変化をつくっていることが、多くの発言のなかで語られました。
 発言では、「支部が一気に生まれ変わった」、「新入党員が、得手、条件、新鮮な結びつきを生かして、住民運動でも、党勢拡大でも生き生きとした力を発揮している」、「これまで打開できなかった困難が、新しい党員を迎えることで、打開の道筋が見えた」、「市内のすべての地域支部で新たな党員を迎え、ともに成長する温かい党風をつくり、党の質的水準を引き上げるうえで大きな転機となった」、「支部を立て直すためにがむしゃらに党員拡大にとりくみ、党員拡大と支部の立て直しが一体ですすんだ」など、大きな変化が起こっていることが語られました。
 「党勢拡大大運動」にとりくむなかで、青年・学生分野と職場支部で新しい前進の流れが起こっていることがたくさん報告されました。大震災と原発事故が、若い世代の社会や政治を見る目を大きく変え、日本共産党への新しい注目や接近が、さまざまな形で起こっていることが報告されました。
 ある党組織からは、3中総以降、「次世代継承委員会」をつくり、学生分野、職場支部の党員拡大、子育て世代のなかでの活動、党員の身近にいる青年・学生に入党を呼びかける――という四つの分野で、総合的な活動にとりくんでいることが報告されました。ここでの前向きの変化をよくとらえ、絶対に中断することなく、変化を促進する働きを強め、若い世代と職場支部が輝く選挙戦にしていくことを重ねて訴えるものです。

地区委員長の特別発言――多くの党組織が悩んでいる問題への生きた回答示す
 7人の地区委員長から特別発言をしていただきました。この特別発言は、「どうすれば前進できるか」ということについて、多くの党組織が悩んでいる問題に対する生きた回答を示すものとなったと思います。
 それぞれの発言が教訓にあふれていましたが、ある地区委員長は、党勢拡大をすべての支部の運動にしていくために、@地区委員会の活動を思い切って改善し、いっしょに苦労する地区委員長になるための努力、A地区委員会総会の報告をできるだけ簡潔にし、政治討議や経験交流を時間をとっておこない、地区委員の自主性を発揮できるようにする努力、B支部長からの報告のあり方も、課題の到達を求めることだけでなく、支部が何をしているかを自由に記載できる内容に改善する努力など、機関活動の抜本的な改善・改革のための努力を語ってくれました。
 7人の地区委員長の特別発言は、それぞれの発言が、全党の前進にとって大切な財産となるものだと思います。そこで地区委員長の発言については、冊子にして全党が学べるようにしたいと考えます。

二つの前進の流れを生かし切れば、「総選挙躍進大運動」は必ず成功できる
 国民運動の歴史的高揚と党の改革ビジョンが発揮している大きな力、「党勢拡大大運動」が党を大きく変えつつあること――二つの前進の流れを生かし切れば、「総選挙躍進をめざす1千万対話・党勢拡大大運動」は、必ず成功できます。そのことが、討論を通じてみんなの確信になったのではないでしょうか。
 「総選挙躍進大運動」を、この総会の成果を生かして、みんなで力を合わせて何としても成功させようではありませんか。

大激動の情勢にふさわしく、あらゆる面で「攻めのとりくみ」をおこなおう
 「総選挙躍進大運動」を成功させるために、何が大切か。
 幹部会報告で基本点はのべていますが、さらに討論を踏まえて、三つの点を強調したいと思います。
 第一は、大激動の情勢にふさわしく、あらゆる面で「攻めのとりくみ」をおこなおうということであります。
 ある比例候補者の同志から、党員のいない地域でも「集い」を開き、他党の地盤となっている地域でも「集い」を開いている、「攻めの活動にとりくんでいる」という経験が語られました。この姿勢はたいへんに重要な姿勢だと思います。
 「躍進大運動」での「1千万対話・党勢拡大目標総達成」という目標は、これまでやったことのない、文字通り「攻めのとりくみ」への挑戦であります。解散までに、党が手の届く有権者は確実に支持を固める、党勢の上げ潮を必ずつくりだす。そうしてこそ、いざ解散となった場合に、さらに広範な国民のなかでの支持を広げに広げる活動に打って出て、躍進を確実なものとすることができます。これは選挙戦の鉄則でありますが、この数回の国政選挙ではそれができていません。今度こそ、解散までに躍進に不可欠な課題をやりぬき、躍進の流れをつくりだして解散を迎えるという、文字通り攻勢的な活動にとりくむことを呼びかけたのが「総選挙躍進大運動」であります。
 「攻めのとりくみ」という点では、議席獲得のためには大きな飛躍が求められる比例ブロックからも、「ここで勝利をつかむことなしに、議席倍増なし」との立場で奮闘する高い決意がそれぞれ表明されました。
 また、「比例を軸に」を貫きつつ、小選挙区でも議席獲得を念頭においたとりくみという点で、ある党組織から、日本共産党以外の政党の「液状化」ともいうべき事態が進行するなかで、「今度こそ小選挙区でも日本共産党に勝ってほしい」という声が従来になく広がっているとの報告がありました。「比例を軸に」を貫きつつ、すべての小選挙区で攻めに攻めるたたかいを、果敢に、自由闊達(かったつ)に展開することを呼びかけるものであります。
 幹部会報告では、運動組織・団体との協力・共同について、新しい問題提起をおこないました。ここでも大いに「攻めのとりくみ」をおこないたいと思います。この問題にかかわって、「従来の保守の団体などから、日本共産党を推薦するという動きがあった場合にどうするか」という質問が出されました。従来の保守の団体などが、その掲げる要求――TPP反対、国民皆保険を守り抜く、消費税増税反対、原発ゼロなどで、それを託せるもっとも確かな党として、日本共産党を推薦する動きが起こることはありうることですし、現にそうした動きが起こっています。こうした団体との懇談の場などで、先方から「推薦要請を出してほしい」などがあった場合には、「推薦していただけることは大歓迎です」という立場で、積極的にお願いするようにしたいと思います。

2中総以降の全党の苦労が実るかどうか――悔いないたたかいをやり抜こう
 第二に強調したいのは、これまでのあらゆる教訓と努力を、これからの活動に実らせようということであります。
 私たちは、5中総の幹部会報告をつくるさいに、あらためて2010年参議院選挙を総括した、同年9月の2中総決定に立ち戻り、そこで確認した教訓を総選挙方針にすべて生かそうということを、一つの重要な指針として、この中央委員会総会を準備しました。
 2中総は、3議席、365万票に後退した参議院選挙から、徹底した総括と教訓を引き出した中央委員会総会でした。第25回党大会で選出された、この中央委員会が、最初の重大な試練に直面したのが、2010年参院選であり、それをみんなの力で乗り越えたのが、2中総決定でありました。この決定で私たちが明らかにした教訓の中心点を、振り返ってみますと、次のような内容でありました。
 一つは、政治論戦では、国民の新しい政治への「探求にこたえ」「展望を示す」ことが、何より大切であるということです。日本改革の方針を語り具体化する、新たな政治的・政策的努力を、中央を先頭にはかることであります。
 二つは、対話と支持拡大では、「一人ひとりの党員が持っている結びつきを生かし、広げる」という本来のあり方が弱まっており、この点での活動の抜本的改善・強化が必要であることです。そのために、「集い」を選挙活動の軸にすえるとともに、支部に対応する「単位後援会」を後援会活動の土台に位置づけ、抜本的再構築をはかることです。
 三つは、支部は国民のなかに、地区委員会は支部のなかにという方向で、党機関の活動の重心を支部への指導と援助にうつす、活動の改善・刷新をおこなうことです。
 四つは、党の自力の問題にこそ、最大の教訓があり、根幹である党員の拡大と活動参加、「しんぶん赤旗」読者の拡大ぬきに、勝利の保証はないことです。
 こうした点を、2中総ではつっこんで明らかにしました。それから2年がたちました。この2年間、私たちは、この教訓を胸に刻んで、一連の努力をしてきました。日本改革の方針を具体化する一連の政策提言を発表し、それにもとづいて広く国民と語りあってきました。1年余にわたって「党勢拡大大運動」のとりくみをおこなってきました。「綱領・古典の連続教室」という大事業にもとりくんできました。さまざまな新しい探求と挑戦をおこなってきました。5中総の幹部会報告は、2中総決定とその後の努力をあますところなく生かすものとなっていることを、読み取っていただければと思います。
 5中総の幹部会報告は、これまで私たちが選挙戦で得たあらゆる教訓――そのなかにはさまざまな失敗もあり、弱点もありました――、それを含めたあらゆる教訓、それにもとづくあらゆる全党の努力のうえにつくられたものであります。
 幹部会報告の最後にのべた言葉を、私は結語で重ねてのべたいと思います。「これまでの努力が実るかどうか。ここからがいよいよ勝負の時期となります」。2中総以降の全党の苦労が実るかどうか。それは、これからの時期の奮闘にかかっています。悔いないたたかいをやり抜こうではないかということを心から訴えたいと思います。

5中総決定の文字通りの全党員、全支部への徹底を
 第三に、決定されるであろう5中総決定の徹底の問題です。ここでは「急ぎながら、あせらない」ということを強調したいと思います。
 「総選挙躍進大運動」を成功させる最大のカギは、これをすべての支部と党員の運動にしていくことができるかどうかにあります。そのために、今度こそ、5中総決定の文字通りの全党員、全支部への徹底をやり抜きたいと思います。
 決定の徹底については、読了を基本にします。
 幹部会報告は、第1章で、政治的対決の構図と日本共産党の値打ちがスケール大きく明らかにされ、第2章で、総選挙にむけた政治的対決の焦点として、それを読めばすぐに党員のみなさんが対話に足を踏み出すことができるように中心点がのべられ、第3章で、「650万、議席倍増」という目標と、それを実現するための「総選挙躍進大運動」が提起されています。たいへんにシンプルな構造です。そして報告の時間も、休憩時間を含めて2時間弱であり、実質では1時間45分となっています。この間の中央委員会総会の報告では一番短いものです。そしてこれを読めばだれでも元気がわき、総選挙に勇躍して立ち上がる力となることは、確信をもって言えると思います。
 この決定を、どれぐらいのスピードで、どれだけの支部と党員に徹底できるかが、すべてを決めます。その意気込みで、参加された中央役員と地区委員長のみなさんが、先頭に立って奮闘されることを心から訴えるものであります。

この総会が、第3の躍進の出発点となったといえるよう、奮闘しよう
 同志のみなさん。この中央委員会総会は、歴史的な時期に開かれた、歴史的な総会となりました。この総会が、来るべき総選挙での「650万、議席倍増」、日本共産党の第3の躍進の出発点となったと言えるように、参加された中央役員、地区委員長のみなさんが、「全国は一つ」の立場で奮闘されることを重ねて訴えて、討論の結語といたします。頑張りましょう。
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2012年10月16日,「赤旗」) (Page/Top

5中総/竹島問題解決を提唱/植民地支配の反省不可欠/志位氏

 日本共産党の志位和夫委員長は、14日に行った第5回中央委員会総会での幹部会報告で「領土に関する紛争問題と日本共産党の立場」を述べました。
 このなかで、島根県の竹島(韓国名・独島)問題について報告。「日本共産党は、竹島は、歴史的にも、国際法的にも、日本の領土であるという見解を発表しています。同時に、この島を日本に編入した1905年という時期は、日本による韓国の植民地化の時期と重なっているという問題があります」と述べ、日本が韓国の外交権を事実上奪い、かりに韓国が竹島領有に異議をもっていたとしても実際上異議をとなえることができなかった事実を指摘しました。
 そして「そうした歴史的事情を考えるならば、日本が過去の植民地支配に対する根本的反省と清算をおこなうことが、この問題での冷静な話し合いのテーブルをつくるうえで不可欠になってきます」と指摘。とりわけ、@1910年の韓国併合について、不法・不当なものだったということを認めることA日本軍「慰安婦」問題などの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが必要だと述べ、そうした立場のうえに、両国で歴史的事実をつきあわせた共同研究をおこない、解決への道を開くことを提唱しました。
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2012年10月16日,「赤旗」)

維新「期待急落」/くら替え議員、無節操な顔ぶれ

国会議員団代表、元民主党/幹事長、元自民党/政調会長、元みんな
 日本維新の会(代表・橋下徹大阪市長)に対する世論調査の支持率が急激にダウンしています。民主、自民、みんなの党の国会議員を寄せ集めて「国政政党」となり、実像≠ェ鮮明になる中での急落ぶり。くら替え議員の言動をみても、米国と財界いいなり、国民生活破壊の政治を推進する正体が、ますますはっきりします。
 豊田栄光記者

 「『比例投票先』維新3位に転落/地盤近畿でも自民下回る」―。「産経」(9日付)は、同社とFNN(フジニュースネットワーク)が6、7両日実施した世論調査結果をこう報じました。
 次の衆院選比例代表の投票先を尋ねたところ、前回(9月1、2日)全体で23・8%とトップだった維新は14・2%と10ポイント近い大幅ダウン。自民(32・1%)、民主(16・8%)に次ぐ3位です。
 大阪を含む近畿ブロックでも、34・6%から24・5%へと下落し、自民を下回りました。
 「読売」3日付も「維新 人気に陰り」と、世論調査(1、2日実施)をもとに報道。近畿ブロックで衆院比例代表の投票先に維新を選んだのは22%、前回9月の27%から5ポイント落ち込みました。

離党で公約ほご
 「期待急落」の要因の一つは節操のない維新国会議員団の顔ぶれです。まずは三役―。
 国会議員団代表の松野頼久衆院議員(熊本1区)は、民主党では鳩山由紀夫元首相の側近。民主党内の議員連盟「TPP(環太平洋連携協定)を慎重に考える会」の幹事長でしたが、TPP参加を目玉≠ノ掲げる維新に入党しました。
 合流直前の8月23日に出演したテレビ番組では、「(TPPなど)民主党議員の公約として約束したことは、(党から)出たら離れる」と、無節操な政策転換を正当化しました。

福祉に冷たい
 国会議員団幹事長は、自民党を離党した松浪健太衆院議員(近畿比例、大阪10区)。「生活保護を受給する見返りに奉仕作業などの義務付けをすべきだ」が持論。道州制の政策として「救急車を有料化せよ」と提言しています。
 国会議員団政調会長の桜内文城参院議員(比例)はみんなの党を離党。「集団的自衛権に関する法整備」や「法人税率を20%に半減」などと米国と財界が大喜びする政策を主張。
 「年間21兆円の公的年金・医療保険に関する社会保障関係費を最大で約10兆円程度圧縮すること」も唱えています。今年8月15日には靖国神社に参拝しました。

「解同」べったり
 三役以外の議員も負けず劣らずのひどさです。
 谷畑孝衆院議員(自民、近畿比例、大阪14区)は社会党参院議員だった人物。大阪府の「解同」(部落解放同盟)の元幹部で、国産牛肉偽装事件を引き起こした「ハンナングループ」の関係企業から100万円のパーティー券を購入してもらったことも。

靖国・復古派も
 石関貴史衆院議員(民主、群馬2区)は、旧日本軍による慰安婦の強制連行はなかった、との立場で活動してきた人物です。
 水戸将史参院議員(民主、神奈川選挙区)は、「道徳教育は修身教育から」「教育勅語にある規範の提唱」を唱える復古的教育論者です。

米国と財界奉仕
 今井雅人衆院議員(民主、東海比例、岐阜4区)は、大金持ちに有利な証券優遇税制延長に尽力。消費税増税法案にも賛成しました。
 上野宏史参院議員(みんな、比例)は、無駄な公共事業の典型である群馬県の八ツ場ダム建設再開に奔走しました。
 小熊慎司参院議員(みんな、比例)は、「在日米軍のプレゼンスをしっかり確保しながら…適切な予算の執行をしていかなければならない」(10年9月9日外交防衛委員会)と、思いやり予算の継続を強調しました。
 東京都の石原慎太郎知事ですら、「あの顔ぶれでは周りも失望するんじゃないか」と酷評する国会議員ですが、橋下代表は「価値観が同じ」といい、議員の言動も「維新八策」の基本方向と一致しています。この党にして、この議員ありです。
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2012年10月14日,「赤旗」) (Page/Top

思想調査・「慰安婦」発言…「橋下・維新暴走ストップ」400人/報告に怒り、風刺に爆笑/大阪

 「維新の暴走を許すな!」と「ストップ!ハシズム大集会」が12日夜、大阪市内で開かれ、約400人が参加しました。席を追加しても座りきれないほどの盛況で、橋下徹市長への風刺や各界からの怒りの報告に会場は沸き返りました。

 ジャーナリストの西谷文和さんがDVD「維新のトオルちゃん」最新作を上映。公募校長の面接にきた民間人に扮(ふん)した女性が、「橋下市長のファン」だと称し字をまちがった「橋本命」の入れ墨を見せたり、「2万%素晴らしい学校長になる」と宣言する演技が爆笑を誘いました。
 浪花のシンガー・ソングライター趙博(ちょう・ばく)さんの替え歌でも会場は爆笑。一転、各界からの発言では橋下市長の「思想調査」の非を認めさせるために職員55人が勇気をもって立ち上がった訴訟の報告が感動を呼びました。
 「慰安婦」問題を風俗業とからめて話すほど汚い橋下市長の暴言に抗議している日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークが報告。公開質問状に市側が「発言内容が行政機関の長として発せられたものではない」と回答を拒否していることを告発すると、会場からひどい≠ニどよめきが起きました。
 入れ墨調査を拒否した市職員への不当処分や放射能がれき処理問題、府立公衆衛生研究所の独立行政法人化問題や黒字の地下鉄を民営化する問題などでも怒りの報告が。笑福亭竹林さんの「ハシズム落語」には会場が再び爆笑に包まれました。
 WTC住民訴訟原告弁護団の梅田章二さんが「いろんな力を結集し、ファッショ的な体質をもった政治勢力を市民の手で打倒しよう」と強調。西谷さんが、同訴訟の第4回口頭弁論(30日、大阪地裁)など今後の市民の取り組みへの参加を呼びかけました。集会には日本共産党の清水忠史衆院近畿比例候補も参加しました。
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2012年10月14日,「赤旗」)

領土問題などの3意見書/宮城県議会で可決強行/日本共産党は反対/冷静な交渉で解決を

 宮城県議会は議会最終日の11日、自民党・県民会議提出の竹島や尖閣の領土問題などの意見書3本を可決しました。日本共産党県議団は、各意見書に反対し、討論しました。
 「李明博韓国大統領の言動に抗議し、対韓外交等の見直しを求める意見書」に対して、遠藤いく子県議は、「(領土問題は)過去の植民地支配の真摯(しんし)な反省に立ってこそ、冷静な外交交渉で解決を図ることができる」と指摘。「感情的な対応で緊張をエスカレートすることは双方が自制すべきだ」と主張しました。また、遠藤県議は、同意見書の文言にある「強制連行された被害者に対して国として補償すべき『従軍慰安婦問題』は存在しなかった」との記述に対し、1993年の河野洋平官房長官(当時)の談話や2007年の米下院での決議をあげ、「(意見書には)重大な事実誤認がある」と厳しく批判しました。
 「中国の監視船の領海侵犯及び民間団体による尖閣諸島不法上陸に関する意見書」については、横田有史県議団長が反対討論しました。意見書案も強調している「『領土問題は存在しない』として、あらゆる外交交渉を回避する態度をとり続けてきたことが問題解決の道を自ら閉ざす結果となっている」と指摘し、領土問題の存在を認め、冷静で理性的な外交交渉で日本領有の正当性を主張し、解決を図るべきだと訴えました。
 「台湾出身者の国籍表記の是正を求める意見書」について、三浦一敏県議は、「一つの中国」の立場を否定し、国際連合をはじめ国際社会の合意に反するとして反対しました。
 いずれの意見書も自民党やみんなの党の賛成多数で可決。日本共産党、改革みやぎ、社民党は3意見書に反対、公明党は尖閣問題の意見書に賛成しました。
 党県議団は前日、「意見書案提出は全会派一致が原則だ」として、自民党に3意見書案の撤回を申し入れ、「日本軍『慰安婦』問題の早期解決をめざす宮城の会」も11日、各会派を回り、李大統領の言動に抗議する意見書案の撤回や反対を求める要請をしました。

市民からも批判
 議会を傍聴した同会共同代表の青柳優子さんは、「外交的国際的感覚が非常に欠如している。あまりにも議員が不勉強なことに驚いた」と語り、同会事務局長の一戸葉子さんは、「(『従軍慰安婦』問題は)被害者・加害者双方の証言も多く出され、世界中が知っている。こんな意見書が県民の意見として出されると思うと非常に恥ずかしい」と憤りました。
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2012年10月13日,「赤旗」)

ニコン「慰安婦」写真展中止/ジャーナリストら抗議

 大阪ニコンサロンで9月開催予定だった旧日本軍「慰安婦」の写真展をニコン側が一方的に中止した問題で、ジャーナリストや写真家らがこのほど、抗議の声明を出しました。
 写真展は、韓国人写真家の安世鴻(アン・セホン)さん(41)が戦後、中国に置き去りにされた朝鮮人元日本軍「慰安婦」のハルモニ(おばあさん)たちの生涯をきりとったものです。
 声明では、「写真家に対する写真展示はく奪行為で、憲法で保障された『表現の自由』『言論の自由』を損なうもの」と批判。ニコンサロン公式ホームページは「写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場」と記載しているとし、「今回のような一方的な中止通告・措置は極めて不当」とのべています。
 ジャーナリストの石村次郎さん(アジアプレス)ら5氏が代表呼びかけ人、82の個人・団体が呼びかけ人に名前を寄せています。 
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2012年10月12日,「赤旗」) (Page/Top

朝鮮人「慰安婦」/悲しみと歩んだ人生/大阪で写真展始まる

 旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」を題材にした写真展が11日、大阪市中央区の「ピルゼンギャラリー」で始まりました。
 写真展は、韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)を代表とする「重重・安世鴻日本軍『慰安婦』写真展実行委員会」が主催しました。深い悲しみとともに生きる9人の元「慰安婦」の今を切りとった作品42点が展示されています。
 写真展は、ニコンサロンが大阪の会場使用を中止したため、表現の自由を奪ったニコンに抗議して開催。安さんは「被害女性の苦痛はいまでも続いています。記憶にとどめ、歴史をただされることで戦争と女性の人権の問題が解決していくと思います」と言います。
 岡山県から夫婦で来た新美耕治さん(71)は「悲惨だ。いまだに政府が解決もしていないことは国際社会との関係でもマイナスだ」といいます。
 安さんから招待状を送られていた橋下徹大阪市長は10日、「官憲が暴行脅迫したという写真であればうかがわねばならないが、『慰安婦』の存在は否定していないので行く必要はない」と拒否。安さんは「一部だけでなく全体的にみてほしい」と話しています。
 16日まで。午前11時から午後7時(最終日は午後5時まで)。
 ギャラリーへは、地下鉄心斎橋駅下車徒歩1分(NTTドコモが入っているビル)。
 連絡先=080(3208)2425(重重プロジェクト)。
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2012年10月12日,「赤旗」)

「日本維新の会」への合流国会議員/極端なタカ派に新自由主義者

 民主、自民、みんなの各党から国会議員9人を引き抜いて発足した「日本維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)。衆院に会派届を出したものの、国会議員団の運営をめぐる主導権争いや参院議員の会派離脱問題を抱え、支持率の低迷が続いています。

乏しい人材
 集まった国会議員は松野頼久氏が鳩山内閣の官房副長官を務めたほかは、ほとんどが無名の当選1、2回生議員。選挙基盤は弱く、週刊誌などでは「落選しそうな議員の救命ボート政党」とやゆされています。
 その顔ぶれに橋下代表も「(存在感といっても)この人数では無理」とぼやき、一時協議を打ち切った、みんなの党との連携を早くも模索しはじめました。
 みんなの党の渡辺喜美代表は「敵対しあう関係ではないだろう」と応じる構えですが、日本維新の会の党内に広がる不協和音については「まだどういう状況かわからない」と静観の構え。みんなの党から参院議員3人を引き抜かれたことへの反発も消えず、3人の会派離脱を認めないなど、ギクシャクした関係が続いています。

しぼむ期待
 橋下人気≠ノ集まった国会議員の立場も憲法改定を掲げるタカ派と福祉切り捨てぶりを際立たせるものばかり。乏しい人材に加え、今後の論戦への期待も急速にしぼんでいます。
 たとえば、国会議員団の代表に就任した松野氏は、超党派の国防族議員でつくる「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」メンバー。侵略戦争を正当化する靖国派議員の改憲団体「日本会議国会議員懇談会」で副幹事長を務めていたこともあります。
 一方、幹事長の松浪健太氏は「生活保護Gメンを入れる」「(生活保護受給者は)奉仕活動とか義務づけた方がいい」と生活保護攻撃の先頭に立ち、「GHQ(連合国軍総司令部)から押し付けられた憲法をいまだ変えていない」と本会議で改憲論をぶったことも。政調会長の桜内文城氏も社会保障削減論を積極的に主張する新自由主義論者です。

野合の実態
 「近いうち」に行われる解散・総選挙をにらんで国政政党に名乗りをあげ、政党間の連携も模索する日本維新の会。橋下代表は「国会の過半数を形成していく役割、第三の選択肢を担わなくてはいけない」と、二大政党に割って入る狙いを示し続けています。
 しかし、掲げる大風呂敷とは裏腹に、国民生活そっちのけの野合集団の実態が徐々に浮き彫りになってきています。

「日本維新の会」国会議員団役員の横顔
【議員団代表】衆・松野頼久(元民主、熊本1区、当選4回)
 日本会議国会議員懇談会で副幹事長、新世紀の安全保障を確立する若手議員の会のメンバー
【幹事長】衆・松浪健太(元自民、比例近畿、当選3回)
 麻生内閣時代、価値観外交を推進する議員の会を結成。生活保護者について「憲法で保障される権限を制限される」のが当然と生活保護を攻撃。
【政調会長】参・桜内文城(元みんな、比例、当選1回)
 「社会保障関係費は年間60兆円を超えている。ここにメスを入れなければ世代間格差の是正をはかれない」と社会保障削減論を展開。
【総務会長】参・上野宏史(元みんな、比例、当選1回)
 義父は建設省OBの上野公成・元参院議員。八ツ場ダム建設推進派の群馬県知事の支援を受けて当選。
【選挙対策委員長】参・水戸将史(元民主、神奈川、当選1回)
 高速増殖炉「もんじゅ」について「1兆4000億円を超える国費が投入されている。100かゼロの世界ですぐに廃止をしろというのは早急かもしれない」と核燃サイクルに固執。
【財務委員長】衆・石関貴史(元民主、群馬2区、当選2回)
 「憲法96条改正を目指す議員連盟」の幹事。「従軍慰安婦」の強制連行はなかったと主張する意見広告に連名
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2012年10月12日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/教科書・教育内容を市民の立場で

 学校が選定した高校日本史教科書を東京都と横浜市の教育委員会が圧力をかけて、他社の教科書に変えさせた。この暴挙は「国旗・国歌」、日本軍「慰安婦」などの記述に対する右翼や政治家の攻撃を背景に起きている。
 アジア・太平洋戦争の侵略性と残虐性に対するみじんの反省もみられない歴史認識の根底には、抜きがたい人種差別、性差別意識があるように思う。高校授業料無償化を朝鮮高校へ適用することに反対する右翼団体の論理も、日本に生活拠点があっても日本国籍を持たない者は、教育・福祉適用外という排他的な考え方にある。
 しかし、教育分野では十数年前から、各国でシティズンシップ(市民性)教育が強調されるようになっている。国籍に関係なく、そのコミュニティーに居住するメンバーを対象に、主権者を育てるという教育だ。日本でも、日本国籍を有する者だけを念頭にした「国民教育」の枠組を越えた教育が求められている。
 NHK「産みたいのに産めない」(6月放映)や『週刊東洋経済』「みんな不妊に悩んでいる」(7月21日号)などで、市民に必要な生理学的知識が学校で教えられていないことが指摘されている。今、市民が教科書・教育内容に注目し、声を挙げる時ではないか。
 (香)
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2012年10月10日,「赤旗」)

「慰安婦」問題の意見書運動講演/広島市

 日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークは5日、広島市中区で地方議会の意見書運動についての講演会を開き、約40人が参加しました。日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会運営委員で、強制動員真相究明ネットワーク事務局長の小林久公(ひさとも)氏が講演しました。
 ネットワークによると、全国で38市町村議会が意見書を可決していますが、広島県内ではありません。土井桂子共同代表は「広島でも意見書運動に取り組みたい」と開会あいさつ。小林氏は「誰にでもできる意見書の取り組み」と題して、札幌市議会で意見書を可決させた活動について報告しました。
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2012年10月09日,「赤旗」) (Page/Top

「決着済み」虚構浮き彫り/日本軍「慰安婦」解決へ国際シンポ

 日本軍「慰安婦」問題を1965年の「日韓請求権協定」(※)に基づく両国政府の交渉、仲裁によって解決できないか―。そんなシンポジウムが9月22日、東京都内で200人が参加して開かれ、勧告書を野田内閣に提出しました。
 シンポは、昨年8月韓国の憲法裁判所が、韓国政府が問題解決のための努力を怠ってきたのは違憲という判決を出した後もなんら進展がないことを受け、日韓豪の国際法学者が意見を述べ合いました。
 韓国の金昌禄・慶北大学法学専門大学院教授は、日本政府が「慰安婦」問題を認めたのは92年であり、65年の日韓基本条約をもって「解決済み」と片付ける論理矛盾を指摘。韓国政府も、反人道的な不法行為に対して「請求権協定」によって解決されたとみることはできず日本政府に法的責任が残るという解釈(2005年「韓日会談文書公開後続対策関連官民共同委員会決定」)をしており両政府は正面から食い違っている、「65年体制は崩壊寸前だ」とのべました。
 そして両締約国間の紛争は外交で解決できなかったら仲裁の場に付託するよう定めた「請求権協定」第3条に基づき解決すべきだとのべました。
 戸塚悦朗・元龍谷大学法科大学院教授は、「慰安婦」に対する犯罪について日本はただ一人の責任者の捜査も処罰もしなかったが、これは世界史上最悪の事実上の不処罰事例の一つだと批判しました。
 阿部浩己・神奈川大学教授は、国連の自由権規約委員会総括所見(2008年)が日本に対し「『慰安婦』制度に対する法的責任を認め率直に謝罪し、全ての生存者の権利として適切な賠償をおこなう」よう求めているなど、国際社会も解決を促していると話しました。
 国連の有力NGO、国際法律家委員会の「慰安婦」問題に関する調査報告書(1994年公表)作成を主導したオーストラリア・フリンダース大学准教授のティナ・ドルゴポルさんは、国際紛争の存在の単なる否定はその不在を証明するものではない(国際司法裁判所の意見)のであり、論争が生じていないと信じていたのならば協定3条などを設ける意味はなかったとのべました。
 討論を通じ、法的には「決着済み」という野田内閣や歴代政府のかたくなな態度は、国際社会には通用しないことが浮き彫りになりました。
 ※「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」。日韓基本条約と同時日1965年12月18日発効。
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2012年10月09日,「赤旗」)

潮流

 3日亡くなった女優、馬渕晴子さんは美貌と気品を備えていただけでなく、侵略戦争美化の映画には出演しないと公言して実行した人でもあります▼その訳を約20年前、インタビューした時に聞きました。馬渕さんは祖父が陸軍中将、父は陸軍中佐で叔父は陸軍報道部長という軍人一家に育ちました。そのことと関係があるのだと、こう話しました▼「男性として誠実で、妻や子を思ういい父親だったけど、彼が職業軍人として歴史に果たした役割は別のもの。だから私は父親に批判をもつ以上、生き方で別の選択をしたいと思った」▼この取材は、戦争に翻弄される中国残留婦人の芝居「再会」に主演した時でした。主人公・治は、生き別れた夫と日本で再会を果たすものの夫は再婚しており、息子、その嫁、孫娘と暮らしています。戦後生まれの息子たちから「日本人に忘れられた日本人」と迎えられ、みじめさに思わず叫び慟哭します▼〈日本人は中国人や、私たち中国に残された人間を蔑視し、差別してはいませんか? 私たちは中国で日本人としての罪と罰を一身に受けて生きてきました。でも、その中国人に、私たちは助けられて生きてきたんです。どうしても私は日本に帰る。執念です〉。客席に涙をぬぐう姿がありました▼靖国問題で「赤旗」に寄せた批判談話も、歴史への責任を果たそうとする内容でした。日本軍慰安婦問題を否定する勢力が国政や地方政治で息を吹き返しつつある今、馬渕さんの死は惜しまれてなりません。
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2012年10月08日、「赤旗」) (Page/Top

文化/「アジアの女性アーティスト展」/社会、戦争、歴史を問う

 「アジアの女性アーティスト展 アジアをつなぐ―境界を生きる女たち 1984―2012」が今秋から来年にかけて、福岡、沖縄、栃木、三重の各県を巡回します。女性と社会、歴史などへの問いかけをはらんだ作品が並ぶ美術展です。
 金子徹記者

 「アジアをつなぐ」展は、日本、韓国、中国、ベトナム、シンガポールなどの45人の女性作家による約120点の作品を集めています。
 1980年代から現代にかけて、アジア諸国が急速な経済発展をとげ、社会が激変するなかで、女性作家はどのような問題提起をしてきたのか。「身体」「社会」「歴史」「生活」などのテーマに沿って、女性からの発信を紹介しています。
 女性の身体、産む性に着目したのは、中国のリン・ティエンミャオ。「卵♯3」という立体作品は作家本人の写真に糸でつながる大小無数の玉を配置し、放出される卵子や、女性を束縛するものを象徴しています。
 女性の視点から歴史の暗部に光を当てようとする作品も目立ちます。
 韓国出身でドイツ在住のソン・ヒョンスクの作品は、抽象度の高い作品ながら、日本軍による従軍慰安婦の歴史や、ナチスによるユダヤ人の迫害を下敷きにしています。「靴の集積の上に13筆」は、女性の靴が山積みにされた状態を描いたもの。アウシュビッツに送られたユダヤ人たちの、品目ごとに仕分けされた遺品の山を連想させます。無数の靴が、持ち主たちの「不在」を意識させる絵です。
 出光真子の「直前の過去」は、薄いスクリーンを通して二つの映像を重ねて見せる映像作品です。作者が生まれた1940年の、裕福そうな家庭のモノクロ写真を映すスクリーンが手前にあり、その奥のスクリーンには、同時代の光景としての戦闘、「慰安所」、処刑などの映像が短く編集されて流れてゆきます。幼少期だったとはいえ、自身の生涯に、まぎれもなく戦争がかかわっていたことを直視しようとする作者の姿勢がうかがえます。
 中国のツァオ・フェイの「影夢人生」は、巧みな手さばきで動物から機械までを表す手影絵師の手腕を生かした映像作品。一見メルヘンチックな表現のなかに、「文化大革命」や環境破壊への風刺が盛り込まれています。
 沖縄出身の山城知佳子の「オキナワTOURIST」は3部構成の映像作品。米軍基地のフェンス前で、若い女性がスイーツ(甘味。甘言の意味もある)をうれしそうにほおばる様子を写したものなど、沖縄の抱える問題を皮肉とユーモアを交えながらあぶりだしています。
 アートを通じ、女性を虐げてきた制度や風潮の存在や、組織的暴力としての戦争の残酷さなどが浮き彫りになる展覧会。日本の近代史が広くアジアに影を落としていることも気付かせます。

「アジアの女性アーティスト展 アジアをつなぐ―境界を生きる女たち 1984―2012」=21日まで、福岡市・福岡アジア美術館рO92(263)1100
 11月27日〜2013年1月6日、沖縄県立博物館・美術館。以後、栃木県立美術館、三重県立美術館に巡回

 福岡アジア美術館では「民衆/美術―版画と社会運動」展も同時開催しています。12月11日まで。
 1980年代の韓国で、軍部の独裁に抗議し、民主化のため立ちあがった人々の運動を、美術の側面から支えたキム・ボンジュンらの版画を特集しています。
 社会変革を求め、1930年代の中国で興隆した木版画運動や、戦前の日本のプロレタリア美術などに通じる、力強さと素朴さが特徴的な表現です。韓国ではこの潮流が、イ・ユニョプらの美術家によって現代にも継承されていることを伝えます。
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2012年10月07日,「赤旗」)

「軍慰安婦」写真展中止に抗議/日本マスコミ文化情報労組会議

 大阪ニコンサロンで開催予定だった、写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)の「日本軍慰安婦」の写真展をニコンが中止した問題で、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は4日、抗議声明を発表しました。
 声明は、「憲法が保障する表現の自由と言論の自由に反する行為だ」と指摘。「多様な意見と主張、批判を認め合う社会を維持、発展させるためには、自由な表現を行える場が不可欠」とのべています。安氏が中止の理由と経緯の開示、改めての展示開催と謝罪を求めていることを紹介し、グローバル企業としてのニコンの社会的責任と義務を果たすよう求めています。
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2012年10月07日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題/日本に謝罪求める/タイムズスクエアに看板

 【ニューヨーク=山崎伸治】米ニューヨーク一番の繁華街タイムズスクエアに、旧日本軍の「慰安婦」問題で、日本に謝罪を求める看板が掲げられています。これまでも竹島問題などで米紙に広告を掲載してきた韓国の民間団体によるものです。
 看板は、旧西ドイツのブラント首相が1971年にポーランドで、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺について謝罪した際の写真ともに、「彼の行動が欧州の和解を進めた」と指摘。
 そして「2012年、第2次世界大戦中に日本兵の性的奴隷として強制的に働かされた韓国の女性はいまも、日本による心からの謝罪を待っている」と記されています。
 広告主の名前はありませんが、英語で「次の世代のために」というウェブサイトのアドレスがあり、そこにつなぐと、これまで米紙に掲載された慰安婦問題や竹島問題などの広告が閲覧できるようになっています。
 看板が掲示されているタイムズスクエアはいつも観光客でにぎわっているニューヨークでも有数の名所。市内観光バスを待つ観光客からよく見える場所にあります。
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2012年10月07日,「赤旗」)

「慰安婦」写真展大阪で/ニコンに抗議こめ開催/多くの人に知ってほしい

 戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」の写真展が11日から16日まで、大阪市中央区のギャラリーで開かれます。
 韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)が2001〜05年にかけて中国各地で12人のハルモニ(おばあさん)を取材し、そのなかから約40点を展示する予定です。
 同写真展は、6月に東京、9月に大阪のニコンサロンで開催することが決まっていましたが、ニコンサロン側は一部の抗議をうけて「政治活動の一環だ」と開催を中止。安さんが会場使用を認める仮処分を裁判所に申し立て、裁判所が「政治性をもっていたとしてもニコンサロンの使用規定にある『写真文化の向上』という目的にもあっている」と判断したことを受け、東京会場では予定通り開催されました。しかし大阪のサロンでの開催は中止にしたままのため、大阪での写真展は抗議の意をこめて開くものです。
 安さんは5日、大阪市役所内で記者会見し、「こういう女性たちがいたということを多くの人に知ってほしい。それを認識しないと今後また戦争が起これば新しい『慰安婦』制度が生まれるのではないか。そうなってはならないと思っています」と述べました。ニコンに対しては近く、損害賠償請求訴訟を起こすといいます。
 会見後、「慰安婦」の「強制連行の証拠がない」とする橋下徹市長あてに写真展への招待状を届けました。
 会場は、大阪市中央区の「ピルゼンギャラリー」(地下鉄「心斎橋」駅徒歩1分、NTTドコモが入っているビル)。午前11時〜午後7時(最終日は午後5時まで)。問い合わせは080(3208)2425(「重重プロジェクト」)まで。
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2012年10月06日,「赤旗」)

「慰安婦」問題謝罪と賠償を/広島市で宣伝

 日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは3日、広島市中区で「問題の早期解決を!」と書いた横断幕を掲げて宣伝しました。
 韓国の被害者ハルモニらが日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して、毎月第1水曜日に宣伝しているもの。
 24人が参加し、慰安所の設置・管理や慰安婦の移送に旧日本軍が関与したと内閣官房長官が1993年8月に発表した談話を紹介するビラを配布。土井桂子共同代表が「日本軍性奴隷被害者たちの要求に真摯(しんし)に耳を傾け、一日も早く謝罪と賠償を実現しなければならない」と訴えました。
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2012年10月05日,「赤旗」) (Page/Top

橋下氏の人権感覚批判/「慰安婦」発言で抗議/オール連帯

 市民や研究者、弁護士がつくる「『慰安婦』問題解決オール連帯ネットワーク」(略称・オール連帯)はこのほど、橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題に対する発言に抗議し撤回を求める抗議文を提出しました。
 抗議文は、「河野談話は歴代内閣が踏襲し、日本政府の基本的立場としていることは、閣議決定を経た答弁書自身が認めている」と指摘。「河野談話は日本政府の基本的立場として国内外を問わず公式に表明してきており、日本政府の国際公約といえるものである」とのべています。
 また、橋下氏が河野談話を見直すべきだと発言したことについて、「『慰安婦』とされた被害者の置かれていた実態に関する事実認識の欠如と、それを重大な人権侵害であると把握できない人権感覚の欠如を自ら露呈している」と批判。橋下氏は市長や政治家としての資質が欠如し、日本国憲法を尊重しない姿勢に問題がある、とのべています。
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2012年10月04日,「赤旗」)

橋下政治、事実で反撃/「市政改革」の本質学ぶ/滋賀

 橋下徹大阪市長が進める「市政改革」の本質について学ぶ講演会が9月30日、滋賀県大津市で開かれました。
 未来をひらく労働者ねっと・大津(大津職場革新懇)と平和・民主・革新の日本をめざす滋賀の会が呼びかけ、暴風雨のなか約20人が参加しました。
 成瀬明彦大阪市をよくする会事務局次長(元市役所労組委員長)は、橋下市長が行った職員アンケートが違憲違法な「思想調査」であること、黒字の地下鉄を民営化し財界・大企業のための街づくりにまい進しようとしている実態などを詳しく説明しました。
 「具体的な事実を知らせることが大事」と強調し、学童保育の補助金全廃を13万人の署名で撤回させたことなど住民のたたかいを紹介しました。
 参加した会社員の男性(53)=大津市=は「リアルな話が聞けてよかった。橋下氏の改憲、『慰安婦』発言は大阪だけの問題ではない」と語りました。
 大津職場革新懇の中島康隆代表世話人は「TPP(環太平洋連携協定)やオスプレイへの態度など、アメリカや財界との関係で橋下・『維新の会』を見ることが大事だ。滋賀からもたたかいをつくっていきたい」と話しました。
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2012年10月02日,「赤旗」)

日本軍「慰安婦」の被害事実は明白/無知さらけ出す橋下大阪市長/大森典子

 最近、橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題にたいする発言が報じられた。「軍による強制連行を示す確たる証拠はなかったと言うのが日本の考え方。韓国側が問題視するなら証拠を示してくださいと言うことになる」とのべたという。橋下氏の「慰安婦」問題についての発言はその後も続いている。
 「日韓関係を一番こじらせている最大の元凶です」として、1993年の河野官房長官(当時)の談話への批判にも及んでいる。しかし、これら一連の橋下氏の発言は、基本的な事実についての無知をさらけ出しているものでおよそ公人として許されない発言である。

「河野談話」は国際的に公認
 第1に、日本政府の基本的な立場は、河野談話の立場であり、河野談話は政府が1992年から93年にかけて政府をあげて行った事実調査に基づいて発せられたものである。そして河野談話は1993年以来、現在の野田総理に至るまで歴代総理がその立場を踏襲すると内外に表明してきたもので、いわば国際的にも日本政府の立場として公認されてきたものである。「軍による強制連行を示す確たる証拠はなかったと言うのが日本の考え方」という発言はもっとも基本的で重大な誤りである。
 第2に、「強制連行を示す確たる証拠はなかった」という問題設定自身が、およそこの問題についてのとらえ方を誤っている。確かに安倍元総理をはじめとして、「慰安婦」問題をなかったことにしようとする一部の言説では、被害女性たちが日本の軍や警察などの官憲によって、「慰安所」に強制連行されたか否かが最大の問題であるように描く。すなわち官憲による強制連行がなければ、彼女たちは自らそこに「稼ぎに行った売春婦であって日本政府に何の責任もない」とする。
 しかしながら彼女たちが「慰安所」で強制された生活の実態を見ればどのようないきさつでその場所に行ったかはまさに問題ではない。「慰安婦」とされた女性たちは、「慰安所」から逃れる自由も、日本軍兵士の相手を拒むことも許されず、自分の小部屋(時にはむしろ一枚で仕切られた空間)に体を横たえ、その小部屋の前に並んで順番を待つ何十人という兵士のなすがままにされてその日その日を送ったのである。
 このような被害者の被害事実は、実際に体験した者でなければ語れない貴重な歴史的証言としてすでにさまざまな形に客観化されている。この被害事実を直視すれば、このような女性たちの被害は「性奴隷」とされた被害であるとする国際社会の共通の理解に到達するはずである。橋下氏はこのような証言の一つでも読んだことがあるのであろうか? また彼が弁護士なら、証言も「証拠」のひとつとして事実認定において重要な価値を有することを知っているはずである。

基本を知って発言すべきだ
 第3に、公人として発言するからにはこの問題について、国際社会はどのように扱ってきたのか、知っていなければならない。国際社会は1992年以来、この問題を現在も繰り返されている女性に対する暴力の問題として重視し、日本政府に対し、上記のような被害を与えた責任を認め、これを真摯に謝罪し賠償すべきことを求め続けて来た。
 河野談話はこのような国際社会の要求に一応答えたものとして扱われ、これを現実の政策で実行することこそが求められてきた。これを見直すようなことになれば日本に対する信頼はさらに崩れることになろう。
 国政に乗り出そうというなら、最低限、上記のような歴史的事実と国際社会の情勢の基本を知った上で、この問題についての発言をすべきである。
 (おおもり・のりこ 弁護士、中国人元「慰安婦」訴訟弁護団長)
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2012年10月02日,「赤旗」) (Page/Top

高校歴史教科書新たな攻撃/教委が現場の採択くつがえす/俵義文

 学校現場が選定した高校日本史教科書を教育委員会がくつがえすという、前代未聞の不法・不当な事態が東京都と横浜市で起こっている。

事実を指摘した問題ない記述が
 東京都教育委員会は、今年3月に検定合格した新課程用の実教出版『高校日本史A』を採択しないように都立学校長に執拗に電話などで圧力をかけ、同教科書は、2012年度1学年用で6校が採択していたが、2013年度はゼロになってしまった。
 都教委が採択に介入したのは、同教科書の「国旗・国歌」についての側注「政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱を強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし、一部の自治体では公務員への強制の動きがある。」が気に入らないという理由である。この記述は、事実を指摘したものであり何の問題もない。ところが産経新聞がこれを不適切な記述だとして報道し、都教委は、この「産経」報道を使いながら、「情報提供」と称して、「実教版は都教委の方針と合わない」などと校長に何回も電話で圧力をかけ、採択教科書を変更させた。
 ある学校では、3回目の電話の後、校長・副校長・教科担当で新課程用日本史A4冊を再度検討し、「実教版が良い、学校としてはこれを採択する」と確認したが、その後、4回目の電話が都教委からあり、校長の責任で採択変更を行うという苦渋の選択を強いられた。
 横浜市教委は、実教出版の日本史Aを選定した市立高校2校と同日本史Bを選定した市立高校2校について、市教委事務方が他の教科書に勝手に変更した。実教版を選定した学校に対して、市教委は他の教科書への変更を求めたが学校が拒否したので、勝手に山川出版社に差し替えたのである。
 市教委は差し替えの理由として「横浜市の中学で採択した教科書を使っている生徒が高校に進学してくる」ので、実教版を使うと、「嫌な思いをする生徒も一部にいる」と説明している。横浜市は、09年に自由社版歴史、11年に育鵬社版歴史と公民を採択した。自由社・育鵬社版は日本の侵略・加害を正当化しているが、実教版はこれらをきちんと書いている。さらに「つくる会」系教科書について、アジアや日本でこの教科書に反対する大きな市民運動が起こり、ほとんど採択されなかった、と書いている。横浜市教委が問題にしたのはこのことだと思われる。

広く事態知らせ撤回求め世論を
 この背景には、右翼勢力・政治家による新たな高校教科書への攻撃がある。文科省の検定公開後、「産経」だけでなく、日本教育再生機構や日本会議、自民党文部科学部会・日本の前途と歴史教育を考える議員の会(「教科書議連」)などが、実教版などの「国旗・国歌」、南京大虐殺、日本軍「慰安婦」等の記述に対して、繰り返し不当な攻撃を行っている。
 学校現場が選定した教科書を教育委員会が圧力をかけて変更させたり、勝手に差し替えたのは、戦後初めての出来事である。こうした不法・不当なことを許せば、次は他の教育委員会が追随したり、他社や他教科の教科書にも及ぶことになりかねない。教育委員会が気にいらない記述や教材が掲載された教科書は採択されないことになってしまう。
 子どもと教科書全国ネット21は、この問題を広く知らせるために、9月11日に緊急集会を開催した。今後もこの問題を広く市民や教員に知らせ、両教委に撤回を求める世論を広める取り組みをすすめる方針である。
 (たわら・よしふみ 子どもと教科書全国ネット21事務局長)
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2012年10月01日,「赤旗」)

 

9月)ヘッドライン

*             日本人「慰安婦」実態迫る/市民団体シンポ/「低い人権感覚」指摘

*             改憲派の安倍氏には負けられないと奮起/愛知県豊橋市青陵支部

*             竹島「冷静に収拾を」/日韓外相に対話求める/米国務長官

*             国連で「慰安婦」問題言及/賠償と加害者への裁き要求/韓国外相

*             おはようニュース問答/安倍元首相が自民新総裁になったけど

*             古くて危険「日本維新の会」/人脈も政策も第3自民党

*             戦後世代歴史知らぬ

*             日韓「竹島」で平行線

*             領土問題、外交で解決を/奈良・広陵町で意見書可決

*             大阪市長の「慰安婦」強制否定発言に怒り/韓国「ナヌムの家」を訪ねて/衆院大阪3区候補わたなべ結

*             「慰安婦」問題/橋下市長は訪問を/被害女性がメッセージ/大阪

*             好戦的/「慰安婦」問題後退/安倍新総裁に外国紙懸念/韓国/中国/アメリカ/ドイツ/英・仏

*             安倍自民新総裁に警戒感/「最も強硬な極右派」/欧米・アジアメディア

*             「愛国心」教育迫る/「東京維新」が初質問/都議会

*             安倍新総裁/再登板は国民への挑戦

*             主張/自民党総裁選/右傾化競争≠フ危険な結末

*             安倍自民新総裁/「極右」と警戒感あらわ/韓国報道

*             政治考/民主・自民・「維新」三方ゆきづまり/公約を投げ捨てた現首相/政権を投げ出した元首相

*             論壇時評/田代忠利/「慰安婦」談話否定を元官房長官が批判

*             「草の根の共同拡大」/全国革新懇が代表世話人会

*             自民党総裁選/元党首も嘆く右傾化/集団的自衛権の行使は当然∞英霊のための靖国参拝は必要

*             橋下市長!「慰安婦」問題の真実はこれです/韓国の被害者が証言/大阪市で集会

*             「慰安婦」韓国と協議

*             残された戦後補償/朝鮮半島被害者、解決訴え/李容洙さん/李鶴来さん

*             「慰安婦」問題追及語る/寝屋川で吉川元参院議員/大阪

*             「尖閣・竹島」意見書を可決/党は反対「緊張を激化」/大分県議会

*             レーダー/おかしいぞダブル党首選報道/国民の政治意識とかけ離れる

*             赤旗信州秋まつり/福島の被災者と連帯/原発に頼らない復興目指す

*             政治を動かす/共産党国会議員団/6/TPP・参加阻止へ共同を追求/領土問題・冷静な外交努力迫る

*             主張/民主・自民党首選/閉塞打開の展望がみえない

*             代表選・総裁選/自民総裁選/3党合意「維持」主張/立候補の5氏が会見

*             日本軍「慰安婦」被害者招き集会/生あるうちに解決して/川崎

*             安倍氏出馬/改憲を公約/自民総裁選

*             「日本維新の会」結成/解雇規制緩和・軍事力強化・TPP「参加」…/「古い政治」を強権的に

*             消費税増税実施させぬ国会を/街頭で訴え/愛知

*             日本軍「慰安婦」/問われる人権蹂躙の制度/ジャーナリスト西野瑠美子さん

*             日本軍「慰安婦」―これが事実/女性を強制、甘言で連行/政府も認めた「軍の関与」

*             橋下市長この声を聞け/大阪市役所近くで宣伝・デモ/政治活動規制撤回/市民病院守れ/大阪連絡会など

*             ひと/台湾の元「慰安婦」裁判支援を続ける牧師渡辺信夫さん(89)

*             橋下「維新八策」強権独裁政治でどんな国めざす?/「維新」よりも「復古の会」

*             朝の風/過去を明るみに出すこと

*             元慰安婦へ謝罪要求

*             「慰安婦」発言の橋下市長に抗議/婦団連

*             橋下「慰安婦」暴言は市長の資格問われる/女性らリレートーク/大阪

9月(本文)(Page/Top

日本人「慰安婦」実態迫る/市民団体シンポ/「低い人権感覚」指摘

 戦時下における性暴力の実態調査や告発を行っている市民団体「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(バウラック)は29日、東京都新宿区でシンポジウム「日本人『慰安婦』の被害実態に迫る」を開きました。約100人が参加しました。
 バウラックは昨年から日本人「慰安婦」についての調査・分析を開始。活動の中間報告や被害者の足跡などを発表しました。
 バウラック共同代表の西野瑠美子さんは、日本人「慰安婦」の実態解明が遅れているのは、「公娼制度下にあったため」と指摘しました。「お金をもらっていたら被害者ではないのか。『強制』させられることだけが被害なのか。『慰安婦』問題とは何か捉え直したい」とのべました。近現代日本女性史の研究を行っている立教大学の小野沢あかね教授は、軍が秘密裏に「慰安婦」を募っていたことなどを報告しました。
 「慰安所」が設置されはじめた1930年代は、国際連盟が公娼廃止を日本政府に提言(31年)するなど、国内外で婦女売買禁止の流れが強まっていました。小野沢教授は「政府が婦女売買禁止の措置をとらなかったため、軍の命令で女性を徴集できてしまったことが問題。売春婦だったから『慰安婦』の被害者ではないという考えは、人権感覚の低さがうかがえます」とのべました。
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2012年09月30日,「赤旗」)

改憲派の安倍氏には負けられないと奮起/愛知県豊橋市青陵支部

 愛知県豊橋市の青陵支部の佐藤清純さんは、自民党の新総裁に安倍元首相が選出された翌日の27日、「また安倍氏か。憲法9条をなくそうとし、従軍「慰安婦」問題など政治にゆがんだ歴史認識を持ちこもうとする右派には負けられない。今こそ日本共産党が頑張る時」と奮い立ち、元同僚たちに電話をかけました。
 「選挙でどうしても共産党を勝たせてほしい」「私たちを生きづらくさせている政治と社会のゆがみを直すために力を貸して」と訴え、「赤旗」日曜版読者を5人増やしました。
 支部のほかのメンバーもつながりを生かして読者を増やそうと計画しています。10月からは、宣伝も再開します。
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2012年09月30日,「赤旗」) (Page/Top

竹島「冷静に収拾を」/日韓外相に対話求める/米国務長官

 【ニューヨーク=時事】玄葉光一郎外相は28日午前(日本時間29日未明)、ニューヨーク市内でクリントン米国務長官、金星煥韓国外交通商相と会談しました。北朝鮮情勢や中国の台頭をにらみ、3カ国の連携を図るのが目的。クリントン長官は、日韓の意思疎通を阻害しかねない竹島の領有権問題に関し「冷静さを維持して事態を収拾してほしい」と述べ、両国に対話を促しました。
 これに先立ち、玄葉外相は日米外相会談に臨み、日中対立の原因になっている尖閣問題で「譲れないものは譲れないが、大局的観点を見失うことなく冷静に対応していく」と伝えました。これに対し同長官は「細心の注意を払って、効果的に対中外交を進めてほしい」と要請。両会談を通じ、日本と近隣国の緊張激化は米国の利益と相いれないとの強いメッセージを日韓両国に発しました。
 日米韓外相会談では、同長官が冒頭「域内各国が緊張を緩和するために、責任をいかに果たしていくかを話し合う」と表明。南シナ海を舞台にした中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国との領有権争いも念頭に、対話を通じアジアの安定維持に努めるべきだと主張しました。
 ただ同長官は「どの紛争でも仲介役を務めるつもりはない。いずれの2国間、国・地域関係も、当事者の直接対話で問題を解決し、緊張を取り去るだけの強さを有しているはずだ」と指摘しました。
 3国外相は、ASEANと中国による南シナ海の「行動規範」策定や、ミャンマーの民主化を後押ししていくことも申し合わせました。従軍慰安婦問題は取り上げられませんでした。
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2012年09月30日,「赤旗」)

国連で「慰安婦」問題言及/賠償と加害者への裁き要求/韓国外相

 【ニューヨーク=時事】韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相は28日、国連総会で一般討論演説を行い、「戦時の性的暴力は根本的な人権侵害だ」と述べて実質的に旧日本軍の従軍慰安婦問題に言及し、被害者への賠償と加害者への法の裁きを求めると強調しました。韓国が一般討論演説で慰安婦問題に言及するのは初めて。
 日本は慰安婦問題について、日韓請求権協定により決着済みとしていますが、韓国側は首脳級が集まる国連総会で改めて「責任ある措置」を要求し、日本への圧力を強めた形です。
 金外相は「いかなる国も他国の領土的一体性や主権の侵害を目的に国際法手続きを乱用すべきではない」とも述べました。領有権をめぐって日本と対立する竹島問題を念頭に置いた発言で、「法の支配」の原則の下、国際司法裁判所(ICJ)を通じた問題解決を求める日本側に反論しました。
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2012年09月30日,「赤旗」) (Page/Top

おはようニュース問答/安倍元首相が自民新総裁になったけど

 晴男 まったく、どういう神経なんだろうね!
 秋平 なにをプリプリしているんだい?
 晴男 自民党の総裁選だよ。5年前に政権を放り投げた安倍晋三元首相が、またもや出てきて新総裁に選ばれた。

こりずに「改憲」
 秋平 確か「戦後レジーム(体制)からの脱却」とかいって「憲法改正」を叫んだけど、2007年の参院選で歴史的大敗を喫した人だったね。首相の座に居座る所信表明演説をした2日後に辞任表明したんだよね。
 晴男 辞任は「病気」を理由にしているけど、改憲・タカ派路線、貧困と格差を広げた「構造改革」路線が国民から否定され政権が持たなかったんだよ。その人が、次の首相を狙ってまた登場するっていうんだから、開いた口がふさがらない。
 秋平 少しは反省しているんじゃないの?
 晴男 とんでもない! 総裁選では尖閣諸島などの領土問題を持ち出して、日米同盟の強化や、海外での武力行使に道を開く「集団的自衛権の行使」を説く物騒さだ。自らの手で改憲手続き法を成立させた実績≠誇り、「憲法改正」に突き進む姿勢も変わらない。
 秋平 懲りないね…。
 晴男 「従軍慰安婦」問題で「おわび」を表明した河野談話の「見直し」や、首相として靖国神社に参拝する意欲も語るなど、日本の侵略戦争を正当化する「靖国史観」も相変わらずだ。国際社会から痛烈に批判されたことに反省がない。
 秋平 だけど、ひどい総裁選だったね。現職の総裁を蹴落として出馬する幹事長が「明智光秀」とやゆされたり、次の総理≠ニはやしたてられて、俺が俺が≠ニ5人も立候補した。

まるで右翼政党
 晴男 しかも、そろいもそろって「改憲」「集団的自衛権の行使」を主張する「タカ派」ぶり。河野洋平元総裁が「保守のなかの右翼だけになった」と嘆いていたよ。
 秋平 野党になってから何も反省していなかったってことだね。
 晴男 さっそく総裁選で争い、同じ改憲・タカ派の石破茂元防衛相を幹事長に起用し、右派政治家のツートップ体制だよ。まるで「右翼政党」だね。
 秋平 昔、「国民政党」と自称していた自民党はどこにいったのかね。
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2012年09月29日,「赤旗」) (Page/Top

古くて危険「日本維新の会」/人脈も政策も第3自民党

 橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が、自民・民主など既成保守政党の国会議員をかき集め、国政新党「日本維新の会」を組織、28日に設立届を提出しました。新党といっても、政策も人脈も古くて危険な第3自民党≠ニもいうべき正体が浮き彫りになっています。
 (藤原直)

安倍・竹中ライン/改憲・「構造改革」を狙う
 象徴しているのが人脈です。「維新」は27日、小泉「構造改革」の旗振り役だった竹中平蔵元総務相を次期衆院選の公募候補者の選定委員会の委員長に据えると発表。橋下氏は「竹中さんの考え方には大賛成」「竹中さんの価値観、哲学と僕らの価値観、哲学はまったく一緒」と絶賛しました。財界いいなりに一握りの大企業だけを優遇し「使い捨て」労働と「働く貧困層」を増やした「小泉・竹中路線をさらにもっと推し進める」(橋下氏)政治を国政で展開しようとしています。
 26日には安倍晋三元首相が自民党総裁に返り咲いたことについて、橋下氏は「非常に期待している」とエールを送りました。「教育改革とか憲法問題、公務員改革で価値観ががっちり合うところがある」と表明。安倍氏と橋下氏は「慰安婦」問題での軍の関与と強制性を認めた「河野談話」見直しでも歴史歪曲への連係プレーをみせています。改憲や歴史問題での逆流をつくろうとしているのです。
 25日に開設した「日本維新」の東京事務所の所長には、長く自民党幹事長室長を務めた近江屋信広氏が就任。政策アドバイザーには、侵略戦争を美化する「歴史教科書問題を考える超党派の会」で重要な役割を担い、安倍氏の「同志」だった米田建三・元自民党衆院議員が入っています。

個別政策の実態は/オスプレイ・TPP推進
 「日本維新」は国政で何をするのか。23日の公開討論会での橋下氏の発言で、綱領の「維新八策」では明確にされていなかった個別政策の実態も見えてきました。
 外交では海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使について「当然認めるべきだ」と主張。「日本は米国の防衛力に頼っている」として、沖縄県民あげて反対している欠陥機オスプレイの配備を「(沖縄に)お願いしなきゃいけない」と発言しました。米海兵隊普天間基地の辺野古移設についても「他の案はいま僕の頭にはない」と言い放ちました。
 「競争力強化」一辺倒の経済政策でも、「産業の淘汰を真正面から認めると打ち出しているので農家には申し訳ないが、兼業農家とかには退場してもらわないといけない」と述べ、日本農業を支えてきた中小農家を切り捨ててでも「八策」に明記したTPP(環太平洋連携協定)「参加」を推進するとしました。保険のきかない医療を拡大して患者に重い負担を求める混合診療の完全解禁(「八策」)だけでなく「一定の症例については公的保険の対象から外す」とまで語っています。

米・財界奉仕の新自由主義政党
 「日本維新」は自民党などの保守既成政党からタカ派・新自由主義派人脈を吸収した上で、財界・アメリカ中心でかつ復古派という最悪の古くさい政治を露骨に進めようとしているのです。
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2012年09月29日,「赤旗」) (Page/Top

戦後世代歴史知らぬ

 【ソウル=時事】韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相は27日、ニューヨークの国連本部で韓国記者団と会見し、竹島(韓国名・独島)や従軍慰安婦問題に触れながら、「かつての日本の政治家は、ある程度、自分たちがしたことに申し訳ないとの気持ちがあったが、戦後世代はそのような気持ちがない。これは歴史をしっかりと教えていないからだ」と語りました。聯合ニュースが報じました。
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2012年09月29日,「赤旗」)

日韓「竹島」で平行線

 【ニューヨーク=時事】玄葉光一郎外相は27日夕(日本時間28日朝)、韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相と国連本部で約30分間会談し、経済や安全保障など各分野での協力を推進し、「安定的で未来志向」の日韓関係の構築に努めていくことで一致しました。竹島の領有権問題では、双方の主張は平行線に終わりました。
 会談ではまた、韓国側が旧日本軍の従軍慰安婦問題を提起し、玄葉外相が日本政府の考え方について説明しました。今年8月の李明博(イ・ミョンバク)大統領による竹島上陸後、日韓外相会談は初めて。
 玄葉外相は会談後、記者団に「日韓間に難しい問題はあるが、北朝鮮問題を含む現下の東アジア情勢に鑑み、大局的な観点から経済、人的・文化交流、安全保障などの分野で協力していくことが大切との認識で一致した」と表明。また、李大統領が天皇の訪韓の条件として謝罪を要求したことをめぐり「率直な意見交換」を交わしたと明かしました。
 会談では、玄葉外相が竹島は日本固有の領土であることを重ねて主張した上で、国際司法裁判所(ICJ)への単独提訴に向けた政府の準備状況などを説明。ただ、玄葉外相はICJの強制管轄権を受諾するよう韓国側に直接要求することは避けたもようです。
 一方、日本が日韓請求権協定により決着済みとしている慰安婦問題では、韓国側が改めて「責任ある措置」を要求したとみられます。これに関し、韓国外交通商省は会談後、「歴史認識の問題」として取り上げたとする声明を発表しました。
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2012年09月29日,「赤旗」)

領土問題、外交で解決を/奈良・広陵町で意見書可決

 奈良県広陵町議会は「尖閣諸島・竹島をめぐる領土問題を歴史的事実と冷静な外交努力で解決することを求める意見書」を26日、全会一致で可決しました。
 日本共産党町議団が提案したものです。
 同意見書は、両島を日本領に帰属させた経緯は国際法上も正当であることや、(尖閣の)事態の背景には歴代の日本政府がまともな外交交渉を怠ってきたことがあると指摘し、「日中、日韓両国の緊張を激化させたり、関係を悪化させるような行動や言動は、いずれの政府も慎む必要がある」としています。
 また、同議会は「『慰安婦』問題に関する意見書」を同日、全会一致で可決しました。
 同意見書は、1993年の河野官房長官談話をふまえ、被害者の尊厳回復などを求め、次世代に歴史的事実を伝えるよう努めることを求めています。
 提案の中で日本共産党の八尾春雄町議は、同議会史上初めて女性議員の議席占有率が20%を超える構成の中でぜひ賛成をと訴えました。
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2012年09月28日,「赤旗」) (Page/Top

大阪市長の「慰安婦」強制否定発言に怒り/韓国「ナヌムの家」を訪ねて/衆院大阪3区候補わたなべ結

生の思いにふれる大事さ実感/正しい歴史認識を
 橋下徹大阪市長が「日本軍『慰安婦』を強制連行した証拠はなかった」と発言、歴史の真実をゆがめる言動が強まっています。「アジアの人たちと本当に友好な関係を築くためにも、正しい歴史認識を深めたい」と日本共産党のわたなべ結衆院大阪3区候補(31)は9月の3日間、韓国を訪問しました。手記を紹介します。

 私は、日本大使館前での「水曜集会」(12日)に参加するとともに、旧日本軍「慰安婦」の被害女性が暮らす「ナヌムの家」を訪問しました。
 「水曜集会」は1992年以来続けられ、今回で1039回目。若い世代も参加し、明るい音楽とともに始まりましたが、私は「日本人の自分が参加してもいいのだろうか。ハルモニたちはどう思うだろうか」と緊張していました。平均年齢86歳になるハルモニたちが小さな体から「日本政府は認めろ、謝罪しろ」と訴える姿を間近で見て、日本人として申し訳なくて、情けなくて、恥ずかしくて涙がでました。

帰宅途中に拉致
 日本政府が公式に謝罪しないばかりか、「強制ではなかった」と発言するたびにどれだけハルモニたちを苦しめているか。なぜハルモニたちが20年以上毎週抗議をしているのか、橋下市長も日本政府も考えるべきです。
 私も発言しました。「日本政府に公式の謝罪と賠償を求めます。韓国のみなさんと平和で友好的な関係を築くために、戦争を知らない若い世代に日本の加害の歴史を伝えていくことを求めます」。温かい拍手が寄せられ、参加してよかったと思いました。「ナヌムの家」では、李玉善ハルモニと話ができ、「日本人のあなたのスピーチで、私の心の中がスッとした」と語ってくれました。
 釜山が故郷の李ハルモニは15歳の時、帰宅途中に拉致され、終戦を中国で迎えました。75歳まで故国の地を踏むことなく、10年前に「ナヌムの家」に来ました。家族からは「死亡」届がだされていて、戸籍の回復が大変だったと話してくれました。「日本人みんなを恨んでいるわけではない。私は青春を奪われた。そのことをちゃんと謝罪をしてほしいだけ」。その言葉が胸に響きました。

友好な関係築く
 併設されている「日本軍『慰安婦』歴史館」には、旧日本軍が「慰安所」を管理していたことがわかる文書や「慰安所」の一室を再現した部屋、ハルモニたちが描いた絵が展示されていました。
 薄暗く重苦しい「慰安所」に閉じ込められ、たくさんの兵士の相手をさせられた女性たちのことを思うと、体がこわばりました。ハルモニたちの絵からは、怒り、悲しみ、平和への思いが伝わってきました。「ナヌムの家」で昨年まで唯一の日本人スタッフとして働いていた村山一兵さんの話を聞きました。「被害者のハルモニに『証拠をだせ』という。これほど一方的なことはない。『慰安所』をつくった政府にも証拠はあるし、通った男性もたくさんいる。なぜ被害者が心の傷をえぐって体験を話さなければならないのか」
 現地に行き、生の思いや空気に触れることは本当に大事だと感じました。日本が侵略し、植民地支配をした国だからこそ、きちんと知ることから始め、相手の立場に立って考えることが大事だと思いました。
 「憲法9条をもつ日本だからこそ、侵略と植民地支配の歴史を真摯に反省し、どの国とも信頼関係を強め、対等平等、友好な関係が築ける日本にしたい」。その思いを強くした韓国訪問でした。
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2012年09月28日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題/橋下市長は訪問を/被害女性がメッセージ/大阪

 旧日本軍「慰安婦」問題と日本共産党の役割をテーマに、日本共産党木津川南地区委員会は26日夜、吉川春子元参院議員を迎えての講演と、わたなべ結衆院大阪3区候補の韓国訪問の報告会を大阪市内で開きました。
 「慰安婦」被害女性が暮らす「ナヌムの家」からメッセージが寄せられました。メッセージは、衆参721人の国会議員と野田佳彦首相、石原慎太郎東京都知事、橋下徹大阪市長に訪問するよう求めているが、いまだ回答がないと指摘。また日本共産党を代表して笠井亮衆院議員が訪問を予定していることが紹介されました。
 吉川さんは、14、15歳の少女を強制連行したことを「女性たちに対する人権のかけらもない」と批判し、「日本は戦争で何をしたかという加害を話すべきです。侵略戦争に向き合わないと、諸外国とうまくいかない。侵略戦争に反対した日本共産党の出番です」と訴えました。
 会場いっぱいの参加者が真剣に聞き入り、住吉区の泉谷亨輔さん(29)は「人の人生を狂わせておいて、なかったことにする政治家の発言は許せない」と話していました。
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2012年09月28日,「赤旗」)

好戦的/「慰安婦」問題後退/安倍新総裁に外国紙懸念/韓国/中国/アメリカ/ドイツ/英・仏

韓国
 韓国メディアは27日、自民党新総裁に選出された安倍晋三元首相について「極右の政治家」と紹介し、憂慮する見方を示しました。
 MBCテレビは、安倍氏が元従軍「慰安婦」問題に関して「心からのおわびと反省」を表明した「河野談話」の見直しを主張したり、平和憲法の改正を主張したりしてきたことを紹介。「極右勢力の主張をもっとも忠実に具現している政治家だ」と伝えました。
 東亜日報(電子版)は、安倍氏が新総裁に選出されたことで「北東アジアは荒波を避けるのが困難な見通しだ」と指摘。同紙は安倍氏について「極右傾向を見せている橋下徹大阪市長との連携にも積極的だ」と強調しました。
 ニュース専門チャンネルYTNは「今後、(自民党の)外交安保関係の党論が右傾化一辺倒に流れるという見通しが支配的だ」と述べました。

中国
 【北京=小寺松雄】安倍自民党総裁の誕生について、北京で発行されている新京報27日付は「安倍氏らの右派保守陣営は、日本は侵略戦争について謝り過ぎだと強調している」と警戒感を示しました。
 また安倍氏が、日本がかつて「従軍慰安婦」を強制連行したことを謝罪した1993年の河野官房長官談話の変更を求めていると指摘。「日本の平和憲法や河野談話を変更しようとするなら、アジアの隣国を友人とすることはできない」と述べています。
 同じく北京の京華時報27日付は「いっそう保守的な安倍氏は日本をどこに連れて行くのか」という論評を掲載。「安倍氏のいう『戦後体制の清算』の道を進めば、隣国との摩擦や衝突は明らかだ」と警告。「安倍氏の『国内政治の逆襲』は、近隣外交の『逆流』となるかもしれない。警戒が大切だ」と訴えています。

アメリカ
 【ワシントン=山崎伸治】自民党の安倍晋三新総裁について米メディアは26日、「民族主義者」とそろって報じました。首相時代に改憲を狙い、旧日本軍の「慰安婦」に強制はなかったと主張したことなどを紹介しています。
 ワシントン・ポスト電子版は安倍氏を「元首相として失敗した人物」と呼び、総裁選に立候補した5人がいずれも「対中強硬派」だった中で、安倍氏は「最も好戦的だ」と指摘しています。
 同氏の「強烈な民族主義的傾向によって、すでに損なわれている隣国の中国・韓国との関係を緊張させそうだ」と分析しています。
 ニューヨーク・タイムズ電子版は首相時代よりも「さらに右寄りになっている」と論評。同氏が、再び首相になれば靖国神社を参拝し、日本政府の侵略戦争謝罪を撤回する意向を示していることを挙げています。

ドイツ
 ドイツのメディアでは、南ドイツ新聞26日付電子版が「外交政策のタカ派である安倍氏がふたたび権力の座に就こうとしている。同氏は、対中国強硬派で有名だ」と尖閣諸島問題で先鋭化している日中関係に懸念を示しました。
 同日付の高級紙フランクフルターアルゲマイネ紙電子版は「尖閣諸島問題が、安倍氏の自民党総裁選出に多大に貢献した」とし、同氏が平和憲法を改定しようとするタカ派であると指摘。「次の総選挙で自民党単独で過半数の議席を取れない場合、民族主義では一致する橋下大阪市長と組もうとしている」と両氏の民族主義に警戒感を示しています。

英・仏
 英紙ガーディアン26日付電子版は、「自民党代表選の中、安倍氏は隣国との領土、歴史問題について最もタカ派の候補者として現れた」と指摘。「安倍氏が首相となる見通しは、(尖閣諸島と竹島をめぐる)領土問題の緊張が高まる中、中韓両国の懸念を引き起こすだろう」と論じました。
 仏紙ルモンドは、憲法9条や慰安婦をめぐる安倍氏のこれまでの言動を紹介。「第二次世界大戦での日本の敗北を顧みず、(平和憲法という)遺産の修正に専心した」、「慰安婦*竭閧ノ対する日本の謝罪を後退させた」と報じました。
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2012年09月28日,「赤旗」) (Page/Top

安倍自民新総裁に警戒感/「最も強硬な極右派」/欧米・アジアメディア

 「最も強硬な極右派」「民族主義者」「外交政策のタカ派」―。自民党新総裁に選出された安倍晋三元首相に、アジアや欧米の海外メディアがいっせいに警戒感を表しています。
 特徴的なのは、安倍氏の登場で日中、日韓関係がいっそう悪化するのではないかとの懸念です。韓国の東亜日報(27日付電子版)は「安倍総裁の当選で北東アジアは荒波を避けるのが困難な見通しだ」と分析。米有力紙ワシントン・ポスト(26日付電子版)は「強烈な民族主義的傾向によって、すでに損なわれている隣国の中国、韓国との関係を緊張させそうだ」と指摘しています。英ガーディアン紙(26日付電子版)も「中韓両国の懸念を引き起こすだろう」としています。
 また、仏紙ルモンドが安倍氏の言動について「慰安婦*竭閧ノ対する日本の謝罪を後退させた」と報じたように、歴史問題での逆流を懸念する声も共通しています。
 なかには、「民族主義で一致する橋下大阪市長と組もうとしている」(独紙フランクフルター・アルゲマイネ26日付電子版)など、橋下徹大阪市長が率いる「日本維新の会」との連携に警鐘を鳴らすメディアもあります。
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2012年09月28日,「赤旗」)

「愛国心」教育迫る/「東京維新」が初質問/都議会

 東京都議会本会議で26日、橋下徹大阪市長の「日本維新の会」と連携し10日に結成した「東京維新の会」(3人)が初の一般質問を行いました。
 野田数(かずさ)幹事長は尖閣諸島(沖縄県)・竹島(島根県)問題に関連して、「そもそも日本政府や軍が『従軍慰安婦』なるものを、暴行・脅迫・拉致を行い強制連行した事実はない」と、政府見解でも認めざるを得なかった事実を否定。この立場から「正しい知識と正しい歴史観を、東京都の子どもたちに教えるべきだ」と求めました。
 野田氏は都が「教育基本条例」を制定し、改悪教育基本法で規定する「愛国心」養成を盛り込むことや、都の教育目標、教育振興基本計画でも「愛国心」養成を位置づけることを要求しました。
 また、政府が尖閣諸島を国有化したことを批判し、「私は今でも尖閣諸島はまず東京都が購入し、石原(慎太郎)知事の指揮下で実効支配を強化するのが最善だったと確信している」と主張しました。
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2012年09月27日,「赤旗」)

安倍新総裁/再登板は国民への挑戦

 「またあの人か…」。あきれ果てた声が聞こえてきそうです。安倍晋三元首相が自民党の総裁に再登板しました。
 首相在任中は、侵略戦争を正当化し憲法を敵視する「靖国」派で政権中枢を固め、改憲を中心とする「戦後レジーム(体制)からの脱却」を声高に叫びながら、9条改定のための改憲手続き法や、教育基本法改悪を強硬に推進。小泉「構造改革」路線を継承することで、「貧困と格差」を拡大させてきた人物です。国民の強い警戒と怒りに直面し、2007年の参院選で大惨敗、政権を投げ出したことは、強烈な記憶として残っています。
 今回の総裁選でも「戦後体制の鎖を断ち切る憲法改正に挑む」(15日、東京・有楽町)、「憲法改正への橋となる国民投票法(改憲手続き法)ができた。この橋を渡って、私たちの未来を、新しい憲法を作っていこう」(25日、東京・新宿駅)などと声を張り上げました。相も変わらぬタカ派≠ヤりです。
 海外での武力行使を可能にする「集団的自衛権の行使」や日米同盟の強化を提唱。橋下徹大阪市長が率いる「日本維新の会」にも「憲法改正という大きな目標に向かって大きな力になる」と期待し、連携も視野に入れています。
 そのうえ、「従軍慰安婦」問題について「心からのおわびと反省」を表明した河野洋平官房長官談話(1993年)の見直しに言及。首相として靖国神社へ参拝する意欲をみせるなど、早くも国際社会とのあつれきが予想されます。
 このような人物を再び党首にすえた自民党は、名実ともに「右翼政党」化しました。民主党が自民党と「同質化」して政治が行き詰まるもとで、反動的な打開をはかる危険な動きです。
 国民の側から見れば、今回の総裁選の結果は、一度否定した政治を再び蒸し返そうとする挑戦です。安倍氏の再登板は、この党が政権転落にも、「自公政治ノー」の国民の審判にも、いまなお無反省でいることをはっきり示しています。
 (竹原東吾)
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2012年09月27日,「赤旗」) (Page/Top

主張/自民党総裁選/右傾化競争≠フ危険な結末

 右傾化競争≠ニさえいわれた自民党総裁選の結果、安倍晋三元首相が決選投票で石破茂元防衛相・前政調会長を破り、総裁に選出されました。安倍氏は首相時代、侵略戦争を美化する靖国神社への参拝や教育基本法改悪、改憲路線などを推進した自民党内屈指のタカ派です。民主党に次ぐ第2党の自民党総裁として、野田佳彦民主党代表と政権の座を争う立場です。野田首相も民主党内ではタカ派で知られており、タカ派同士が競い合い、日本の政治の右傾化をいっそう進める危険は重大です。

米紙も指摘した右傾化
 自民党総裁選の終盤、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは右傾化する日本≠ノついての論説を載せ、右傾化は「日本の指導者の反映だ」と、タカ派の野田首相や石破氏ら自民党の動向、「橋下・維新の会」の動きなどを紹介しました。「野田首相のあとに政権を担いそうな自民党は、さらに大胆な措置を取り、9条を徹底的に見直す憲法改定案を提示する」と指摘しています。
 自民党は、政権を民主党に奪われたあと綱領を改定し、保守政党・改憲政党としての立場を鮮明にしています。今回の総裁選には、安倍氏、石破氏らが立候補し、文字通り右傾化≠競い合うものになりました。候補者がそろいもそろって改憲や集団的自衛権の行使、日米同盟強化、緊迫する領土問題での実力対決を主張するなど、まさに異常を極めるものでした。
 そうしたなかでも安倍氏が総裁に選出されたのは文字通り危険な結末です。安倍氏は小泉純一郎政権を引き継いで2006年に自民党総裁と首相に就任、在任中、「構造改革」路線を引き継ぐとともに、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げて「靖国」参拝問題や教育基本法改悪、改憲手続き法などを強行しました。わずか1年後の参院選で大敗、居座りをはかったものの臨時国会で所信表明演説をしただけで、代表質問も受けず辞任することになったのも、国民の批判の広がりによるものです。
 今回首相経験者としては前例がない形で総裁選に出馬した安倍氏の主張にも、国民が「ノー」を突きつけた路線への反省はありません。「憲法改正・教育再生に全力」「日米同盟をより強固に」など、タカ派路線をひた走る姿勢です。
 領土問題でも「国家管理を強める」ことを明言し、韓国が日本政府に謝罪と賠償を求めている日本軍「慰安婦」問題でも日本軍の関与を否定してかつての河野洋平官房長官談話の見直しを公言しているなど、日本の国際的孤立を招く道を突き進もうとしていることは重大です。5年前に国民がきびしい審判を下した、悪夢のような安倍政治の再現は許されません。

「二大政党」の破綻
 今回の総裁選が浮き彫りにした自民党の右傾化と、自らタカ派でもある野田首相の呼応した動きは、「自民か民主か」の「対立」を演出し、日本共産党などを国民の選択の外に置こうとした「二大政党」づくりの破綻を示しています。
 政治学者の小林良彰氏は近著で民主党への政権交代を取り上げ「政権交代をすれば政治が良くなるという神話」は破綻したと指摘しています。国民が願う政治の変革のため、アメリカいいなり・財界本位の政治の異常を根本から正す日本共産党の役割が重大です。
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2012年09月27日,「赤旗」)

安倍自民新総裁/「極右」と警戒感あらわ/韓国報道

 【ソウル=時事】韓国の聯合ニュースは26日、自民党新総裁に安倍晋三元首相が選出されたことを速報で伝えました。「極右」として警戒感をあらわにし、「首相になる場合、日本の軍国主義傾向が露骨になり、韓国、中国など周辺国との摩擦が強まる」と憂慮する見方を示しました。
 聯合は、安倍氏について、憲法改正、集団的自衛権行使容認の立場で、元従軍慰安婦問題に関し「心からのおわびと反省」を表明した「河野談話」の見直しを主張してきたと紹介しました。特に島根県・竹島(韓国名・独島)などの領土問題をめぐり、強硬な対応が結果的に紛争を防ぐという「奇怪な論理」を展開してきたと強調。さらに、「安倍氏は軍国主義日本の復活を夢見ているようにみえる。安倍氏が最大野党の総裁になったことにより、日本政治の右傾化の流れは加速する」と指摘しました。
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2012年09月27日,「赤旗」)

政治考/民主・自民・「維新」三方ゆきづまり/公約を投げ捨てた現首相/政権を投げ出した元首相

「維新の会」は「復古の会」(英語表記)
 公約を投げ捨てた首相と、政権を投げ出した元首相=\マスメディアが大キャンペーンを張った民主党と自民党の「ダブル党首選」の結果、野田佳彦首相と安倍晋三元首相が選ばれました。「二大政党」のゆきづまりを象徴するような結果です。一方、これに代わる「受け皿」として、国政進出を宣言した「日本維新の会」も、一部世論調査で支持率が急落。民主・自民両党からこぼれ落ちた議員の「選挙互助会」との批判が高まっています。
 (政党取材班)

 民主党代表選では33万人の党員サポーターのうち11万人しか投票しなかったとされ、投票率も過去最低(33・7%)に終わりました。
 その結果、選出されたのが、国民的に不信任を突きつけられた野田首相。新執行部人事では、「主流派の間で党役員・閣僚人事をまわすメリーゴーラウンド人事」(中堅議員)と揶揄され、公約投げ捨ての中心だった3人を抜擢しました。
 ◆……◆
 自民党はどうか。総裁選候補者5人がそろって「集団的自衛権の行使」「憲法改正・国防軍設置」を公約する改憲・タカ派ぶり。その結果、最右翼と目された安倍元首相の再任です。
 「日本の右傾化」を特集したワシントン・ポスト紙(電子版21日付)が、「自民党は(民主党より)さらに大胆な措置をとり、9条を徹底的に見直す憲法改定を企画している」と警告するなど、内外から「まるで右翼政党」の指摘が出ました。
 安倍氏の首相時代、従軍「慰安婦」問題での「強制性否定」発言で、米国はじめ国際社会から「ノー」をつきつけられたことを想起させます。マスメディア関係者は「安倍再任は自民党にとって危険な賭け」と指摘します。
 ◆……◆
 衝撃を呼んだのが、12日に結党宣言した「日本維新の会」の支持率。フジテレビの世論調査(20日、首都圏)で前週の9・4%から4・8%へ半減。「朝日」の調査(8、9日実施)でも5%でした。
 26日に開設した同党の東京事務所の所長には、長く自民党幹事長室長を務めた近江屋信広氏が就任。政策アドバイザーには、安倍元首相と「同志」と認め合う米田建三・元自民党衆院議員が入っています。
 最たるものは、「維新の会」の英語表記。「RESTORATION PARTY」とされますが、これは「復古の会」とも訳せます。まさに古くて危険な同党の本質を示しています。
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2012年09月27日,「赤旗」) (Page/Top

論壇時評/田代忠利/「慰安婦」談話否定を元官房長官が批判

 オスプレイ、領土、戦争責任問題など、野田内閣は自民党政治の外交を継続しています。河野洋平(前衆院議員・元自民党総裁)「日本外交に理性と誠実さを」(『世界』)は、民主党政権は武器禁輸措置の緩和、原子力基本法の改変、集団的自衛権の容認の動きなど、「平和国家としての日本の存立を危うくしかねないような数々の法改正などを、さしたる議論もなく進めて」おり、「実に危険なことばかりです」と憂慮しています。

アメリカ追随の精神構造に警告
 河野氏は、アメリカが、国際社会での地位が変化し、複雑な動きをしているにもかかわらず、「とにかくアメリカにくっついていくしかないのだという精神構造だけが引き継がれ、むしろ増大しています」と警告します。河野氏は対米追随を旨とする自民党政権の外相も経験しただけに、注目に値します。
 河野氏は官房長官だった1993年、「慰安婦」問題で、日本軍や官憲の関与による強制連行、虐待を認める談話を発表しました。政府は事前に被害者への聞き取りをしました。その経験から、「強制の証拠がない」として「慰安婦」の存在を否定する議論に、「日本政府の調査に対し、当事者の方々がその辛い体験を話してくださったのは、こちらの姿勢への信頼が生まれて初めて語ってくださったのです。『証拠がない』という批判は、その信頼を裏切るものだと指摘しておきたい」と反論します。重みのある発言です。

社会保障の財源、消費税に頼らず
 社会保障と財政再建のために、消費税増税ではなく、高額所得者と大企業に負担を求めよという見解が広がっています。
 藻谷浩介(エコノミスト)「日本の金持ちに告ぐ」(『週刊現代』9月8日号)は、富裕層の所得が増えても消費には回らない上、消費税増税は人件費のコストダウンを引き起こすので、不景気が続くといいます。大金持ちが保有する金融資産には税金がほとんどかかりません。藻谷氏はフランス、ドイツが導入している金融資産課税を提唱します。
 藻谷氏は、500兆円のGDPにたいして法人税は7兆8千万円と「絶対額で見れば不当に低い」ので、「企業は法人税をもっと払うべき」と主張します。そして「若者に安い給料しか払わない企業こそ、市場縮小の主犯」であり、「生き残りたければ、企業が自ら若者と女性の給料をふやして、消費する層にお金を回すことに尽き」ると強調します。
 「お笑いタレント」の母親の生活保護受給が「バッシング」されましたが、『現代思想』9月号は、生活保護を特集しています。尾藤廣喜(弁護士)「『生活保護バッシング』を超えて」は、「バッシング」のねらいは「生活保護の受給=『悪』のイメージを市民に植え付け」、弱者同士を争わせて「貧困への不満を『下向きの圧力』によって解消」することにあるとのべています。
 尾藤氏によると、今回のケースは「不正受給」にはあたりません。現実の「不正受給」は1%台でしかなく、行政が生活保護を違法に抑圧してきました。また「維新の会」も自民党、厚労省と制度改悪を競っています。尾藤氏は、生活保護制度の国庫負担を100%とし、社会保障費用の「応能負担」強化と累進課税強化を提案しています。
 岩永理恵「『直感』に支配される生活保護」は、自民党議員が、生活保護は「運用を厳しくすれば減る」と発言したことを、野党になって「本音」が出たものと指摘します。生活保護は憲法25条にもとづき、要件をみたす生活困窮者には国が給付すべきものであって、「保護費に上限を設け、予算が足りないという理由で生活困窮者を放置し保護しないことは、理念に反する」という視点は、本質をついています。
 伊藤周平(鹿児島大学教授)「社会保障・税一体改革と生活保護制度改革」は、民自公3党の「社会保障・税一体改革」のなかで、生活保護については、基準の引き下げ、費用の抑制、給付要件の厳格化が「既定路線になりつつある」と警戒しています。そして日本は欧米にならい、大企業や富裕層に課税を強化すべきで、「消費税に頼らずとも、社会保障の財源はある」と主張しています。
 (たしろ・ただとし)
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2012年09月26日,「赤旗」)

「草の根の共同拡大」/全国革新懇が代表世話人会

 全国革新懇は24日、東京都内で代表世話人会を開き、政治情勢や各地の革新懇運動などで意見交換しました。日本共産党の志位和夫委員長が参加しました。
 情勢の特徴として、民主、自民の二大政党体制が破綻するなか、民主党は自民党化し、自民党は総裁選候補がこぞって集団的自衛権行使を打ち出すなど右傾化が顕著になっていることが語られました。その中で、「維新の会」などの反動的逆流が強まっていることが強調されました。
 「日本維新の会」が綱領としている維新八策は、国や地方の財政が成り立たなくなる消費税の地方税化がうたわれるなど荒唐無稽(むけい)なものであるとの指摘がありました。
 「強制連行の確たる証拠はない」との橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦」発言についても、単なる歴史問題にとどまらず世界における人権意識の問題という認識がマスコミ等で広まっている状況が報告されました。
 一方で、原発再稼働、オスプレイ配備、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加、消費税増税と社会保障改悪などの動きに対し、国民運動が「経験したことがないほどの高揚を見せている」ことが強調されました。これらの問題で、全国各地で革新懇との草の根の共同が広がり、オスプレイ反対の申し入れ・抗議行動とともに、「安保条約そのものを問う」学習会が多数開かれていることも紹介されました。
 地域革新懇の結成が7、8両月で八つと相次ぎ、「全国革新懇ニュース」読者が増え最高峰を更新していることが報告されました。
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2012年09月25日,「赤旗」) (Page/Top

自民党総裁選/元党首も嘆く右傾化/集団的自衛権の行使は当然∞英霊のための靖国参拝は必要

 「自民党という政党はずいぶん幅の狭い政党になった。かつて自民党は、日本の保守全体をにらんでいた。保守で護憲もあれば、改憲もある。(いまは)保守のなかの右翼だけになった…」
 自民党の河野洋平元総裁がTBSの番組(16日)でそう嘆くほど、右傾化著しいのが今回の自民党総裁選(26日投開票)です。
 候補者全員が「憲法改正」と、海外での武力行使に道を開く「集団的自衛権の行使」を掲げています。
 なかでも、突出した右翼ぶりを誇るのが安倍晋三元首相です。「従軍慰安婦」問題について「心からのおわびと反省」を表明した河野官房長官談話(1993年)の見直しや、靖国神社参拝についてタカ派%I発言を行っています。
 石破茂元防衛相は、日本も海兵隊を持つべきだとの考えを示しています。「海兵隊の役割は海外で危難にあった日本人を救い出すこと、領土を守ること、それを全部アメリカにまかせとけばいいという考え自体が間違い」と主張しています。
 自民党は野党転落後の2010年に新しい綱領を採択。「常に進歩を目指す保守政党」と自己規定し、政策の基本的な考えとして「新憲法の制定」をいの一番に掲げるなど、右傾化を強めてきました。
 4月に発表した「日本国憲法改正草案」では、「国防軍」の保持や天皇の元首化を明記。7月に決定した「国家安全保障基本法案」には「集団的自衛権の行使」を盛り込み、次期総選挙で「是非を問い、政権奪還後にこの法案の成立を目指します」としています。
 右傾化と同時に、日米同盟絶対≠ニいう点でも各候補は足並みをそろえています。米軍普天間基地問題では、沖縄・那覇市内の街頭演説で、「危険な普天間基地を辺野古に移設することも重要だ」(安倍氏)と無神経に語れば、「(民主党の)『最低でも県外』の公約が裏切られ、県民の願いを踏みにじった」「アメリカとの稚拙な外交で信頼関係が崩れている」(石原伸晃幹事長)とどっちもどっちの無反省さを見せています。

安倍晋三元首相
・「戦後体制の鎖を断ち切る憲法改正に挑む」(15日、東京・有楽町)
・「集団的自衛権の行使、この解釈の変更を行わないといけない。米国の艦船が襲撃されて、日本の自衛隊が助けなかったら、その瞬間に日米同盟は終わる」(15日、東京・有楽町)
・「英霊のために国の指導者が靖国に参拝し、尊崇(そんすう)の念を表するのは当然。総理在任中に靖国参拝できなかったのは痛恨の極み」(14日、共同会見)

石破茂元防衛相
・「『日本でできることは日本がやる』との考えに基づき、互いの役割分担を見直すことにより日米同盟を深化させて抑止力を向上させる」(政策)
・「国の独立を守るのは軍隊。国の独立を守る組織の規定が憲法にない国は、本当の独立国家なのか」(15日、東京・有楽町)
・「(靖国神社は)すべての人が神として奉られる、陛下がご親拝(しんぱい)くださる、これが日本国と兵士の約束。それが実現されるために努めるのが政治の使命だ」(14日、共同会見)

石原伸晃幹事長
・「日米同盟を更に強化し、集団的自衛権の一部行使を認める」(政策)
・「崩れた日米関係の再構築(が必要)。この4人(の候補)はだれが総裁になってもすぐにワシントンに飛んでいく」(19日、討論会)

林芳正政調会長代理
・「自衛隊と海上保安庁が尖閣諸島をいつでも守れるようにしたい」(21日、沖縄・那覇市)
・「集団的自衛権の行使を可能とする」(政策)

町村信孝元官房長官
・「憲法改正を実現し、天皇は元首、自衛権の保有と国防軍保持、緊急事態条項、家族の尊重を明記」(政策)
・「集団的自衛権の行使容認」(政策)
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2012年09月25日,「赤旗」) (Page/Top

橋下市長!「慰安婦」問題の真実はこれです/韓国の被害者が証言/大阪市で集会

 橋下徹大阪市長が日本軍「慰安婦」問題で「強制連行の証拠はない」と歴史をゆがめる暴言をしたことに対し、「橋下市長!『慰安婦』問題の真実はこれです」と韓国の被害者ハルモニ(おばあさん)の体験を証言する集会が23日、大阪市内で開かれました。
 橋下市長に発言の撤回を求めている「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」が呼びかけたもので、480人が参加しました。
 体験を語ったのは金福童(キムポットン)さん(86)です。14歳のとき、日本人と村の区長が家に来て「軍服工場で働く」と聞かされ、台湾経由で広東の「慰安所」へ。逃げ出せない状況のもとで香港、シンガポール、インドネシアへ軍とともに移動させられました。土・日曜は数十人の兵士の性の相手をさせられました。「証人が生きているのに根拠がないとはあまりにひどい」と語り、日本政府が謝罪・賠償し、一日も早い解決を呼びかけました。
 韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会の尹美香(ユンミヒャン)さんが活動報告。在日の慰安婦裁判を支える会の梁澄子(ヤンチンジャ)さんが橋下市長発言を資料をもとに批判しました。
 初めてハルモニの話を聞いたという岡村知子さん(31)は「差別的にみている人が多いけど、みんなで変わっていかないといけないと思いました」と話していました。
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2012年09月24日,「赤旗」)

「慰安婦」韓国と協議

 野田佳彦首相は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、日韓関係悪化の要因の一つとなった旧日本軍の従軍「慰安婦」問題について「今、どういう知恵が出せるか水面下でやりとりがある」と述べ、韓国側と非公式な協議を行っていることを明らかにしました。
 「慰安婦」問題で、韓国の李明博大統領は日本側に「責任ある措置」を要求。首相は昨年12月の日韓首脳会談で「知恵を絞らなければならない」と善処を約束した経緯があります。
 首相はインタビューで、国民の寄付などで発足した「女性のためのアジア平和国民基金」が元慰安婦への「償い金」事業などに取り組んだと指摘。「台湾やフィリピン、インドネシアで肯定的な評価を受け、韓国も当初は肯定的評価があったが、途中から変わってしまった」と不満を示しました。
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2012年09月24日,「赤旗」)

残された戦後補償/朝鮮半島被害者、解決訴え/李容洙さん/李鶴来さん

 日本の侵略戦争はアジア、とくに朝鮮半島や中国の人々に甚大な被害を及ぼしました。戦後67年がたついまも、戦後補償問題は未解決のままです。80歳を超えた被害者が各地の集会で尊厳回復と生あるうちの解決を訴えています。
 本吉真希記者

「慰安婦」、日韓友好へ謝罪こそ/李容洙さん
 「私は歴史に生きている証人だ」―。20年前、日本軍の性奴隷とされた事実を告発した韓国の李容洙(イ・ヨンス)さん(83)が「川崎から日本軍『慰安婦』問題の解決を求める市民の会」主催の集会(12日、川崎市)で証言しました。
 15歳だった1944年秋、自宅で就寝中、女友達に窓をたたかれ、手招きされるまま外に出ると、日本軍人が待ち伏せていました。そのまま連行され「帰りたい」と懇願しても「言うことを聞かなければ殺す」と脅されました。
 台湾の新竹海軍慰安所へ向かう船で海軍の兵士らに強かんされました。慰安所では抵抗すると日本人の経営者に電気拷問されました。軍人に髪を引っ張られ、軍靴でけられたことも。「許して、許して」と両手を合わせ訴えましたが、刀で脅され、「お母さん!」と叫びました。「そのあとのことは覚えていない」と容洙さんは話します。
 46年春、帰還船で父母の待つ故郷へ帰れたものの「誰にも被害を話せなかった」。容洙さんは言います。「韓国と日本は隣の国。若い人たちが仲良く手をつないでいけるようにするのが私の仕事。日本政府はきちんと謝罪して補償しないといけない」
 被害者支援を続ける埼玉県草加市の信川美津子さん。「被害者を助けるつもりでかかわったが、日本に突きつけられた問題だと認識した。証言を多くの人に聞いてもらうことが問題解決の力になる」と力説。「強制連行はなかった」という橋下徹大阪市長や安倍晋三元首相らに対し「証言に耳を傾けるべきだ」と批判しました。

日本軍に強制徴用、援護は対象外/李鶴来さん
 朝鮮半島出身で元B級戦犯の李鶴来(イ・ハンネ)さん(87)=西東京市=。『未解決の戦後補償―問われる日本の過去と未来』(創史社)の出版記念集会(16日、東京都港区)で戦後の差別を訴えました。
 鶴来さんは42年6月、日本軍の捕虜監視員として強制徴用され、タイの収容所へ。朝鮮全土から三千数百人が日本の軍人・軍属として南方の収容所に配属されました。
 当時、日本軍はタイ―ビルマ(現ミャンマー)間の泰緬(たいめん)鉄道の建設に、イギリスやオーストラリアの捕虜を使役。鶴来さんらは監視員として従事しました。
 47年3月、連合国の軍事裁判で捕虜虐待の罪に問われ、B級戦犯として死刑判決を受けました。減刑され、57年に釈放されたものの、日本軍国主義の協力者とされ、帰国できませんでした。
 日本軍に従軍した朝鮮半島、台湾出身者は、321人がBC級戦犯として有罪となり、朝鮮出身の23人、台湾出身の26人が刑死しました。
 「戦時中は『日本人』として利用しながら、援護措置となると『国籍の違い』を理由に対象外。あまりにも不条理だ」と訴える鶴来さん。「刑死した仲間の無念を晴らし、名誉回復するのが生き残った者の使命。日本は加害意識を持って償いをしないといけない」

強制連行、遺棄毒ガス、空襲…/中国や日本でも

 未解決の戦後補償問題は韓国のみならず、占領下にあった中国や、日本国内にも積み残されたままです。朝鮮人や中国人の強制連行・強制労働、中国遺棄毒ガスや住民虐殺、日本各地の空襲など戦争被害者への補償は、国家責任を明確にして行われるべきです。
 16日に行われた前述の集会でも「過去の清算なしに新しい未来はない」との発言が相次ぎました。中国人戦争被害賠償請求事件弁護団幹事長の南典男弁護士は、問題の真の解決に向け「言葉だけではなく事実を踏まえ、心を込めた謝罪が必要。このことを日本の国家および社会の中軸にしっかり形成しなければいけない」と強調しました。
 東京大空襲訴訟原告弁護団長の中山武敏弁護士は、中国・重慶爆撃と東京大空襲の被害者らが互いに語ることで心を通じ合わせ、認識を深めた例を報告。「民衆同士が草の根から連帯の気持ちをつくり、歴史事実をきちんと把握していくことが重要」だと語りました。
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2012年09月23日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題追及語る/寝屋川で吉川元参院議員/大阪

 橋下徹大阪市長が旧日本軍「慰安婦」の強制連行は証拠がないと歴史の真実をゆがめる言動が強まるなか、日本共産党北河内南地区委員会は22日、吉川春子元党参院議員を招いて講演会「慰安婦問題で今考えるべきこと」を大阪府寝屋川市内で開きました。会場いっぱいの140人が参加しました。
 国会議員時代から、「慰安婦」問題の解決に取り組んできた吉川さんは、「『慰安婦』問題は解決済み」とする日本政府と韓国との対立の原因、韓国の「慰安婦」らの証言に基づく強制連行と、「慰安所」の事実、強制連行を認めない安倍首相(当時)との国会論戦、アメリカ下院での性奴隷を強制したことを認め、責任を受け入れるべきだとの決議をはじめ、世界各国や国連機関から非難決議や勧告があがっていること、ナチスの犯罪をいまでも追及するドイツとの違いを詳しく報告しました。
 さらに公的施設で日本の加害事実を展示している「ピースおおさか」の保存、地方議会での解決を求める意見書の採択をよびかけるとともに、侵略戦争に命がけで反対した日本共産党の存在と活動の重要性が増していると訴えました。
 三宅愛未さん(26)は「日本が国際的な信頼を得るためには、ドイツのように過去の過ちに向き合うことが大事だと思いました」と話していました。
 北原洋子衆院大阪6区候補、吉井よし子同12区候補があいさつしました。
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2012年09月23日,「赤旗」)

「尖閣・竹島」意見書を可決/党は反対「緊張を激化」/大分県議会

 大分県議会は9月定例議会最終日の20日、自民党議員などが提出した、尖閣・竹島問題をめぐり国に警備・防衛の強化などを求めた意見書を、自民・公明両党、県民クラブの一部議員などの賛成多数で可決しました。日本共産党の堤栄三議員は反対討論しました。
 堤議員は、意見書が尖閣問題では国に「南西諸島防衛強化」を求めるなど物理的な対応強化に主眼を置いていると主張しました。
 竹島問題では対韓国外交の見直しまで求め、「従軍慰安婦」問題について「完全かつ最終的に解決された」とするなど日本の植民地支配の歴史を無視していると指摘。「領土問題については歴史的事実と国際法上の道理にのっとり冷静な外交交渉で解決をはかることが大事」「緊張を激化させる立場はとるべきでない」とのべ、採決で反対しました。
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2012年09月22日,「赤旗」)

レーダー/おかしいぞダブル党首選報道/国民の政治意識とかけ離れる

 政権交代から3年、消費税増税を、民主、自民、公明の密室合意で強行したことは、二大政党制が完全に破綻したことを示しました。日本の政治過程が新しい局面に入った中の民主、自民の代表、総裁選です。しかし、その報じ方は二大政党制そのまま、国民の政治意識と、かけ離れたものでした。
 自民党のテレビへの露出が目立ちました。14日の告示日前後、多くの報道が総裁選に割かれました。TBSは13日に5氏討論を企画。ほとんどの局が候補者討論を放送しています。とくにNHKは念の入った報道でした。14日は「おはよう日本」から始まり午後1時の5氏の共同会見を中継、「ニュース7」は5氏のスタジオ討論、「ニュースウオッチ9」総裁選特集のタイトルは「決められる政治を実現できるのは誰か」。「決められる政治」。消費税増税勢力が好んで使った言葉です。15日は、日本記者クラブ主催の「総裁候補討論会」を2時間にわたって中継しました。政策で違いはない5人。「強い日本」「この国を守る」など領土問題での緊張や対立をあおるような発言のオンパレード。安倍晋三氏にいたっては、従軍慰安婦問題を否定する持論を展開します。自民党員の言いたい放題に公共の電波が使われました。さらに、16日の「日曜討論」は「どうなるダブル党首選」と称し、候補者討論を流しました。
 そもそも政党の内部問題である党首選挙を公共の電波を使い大々的に報じることは、放送法上も問題があります。自民党が与党時代、NHKは「事実上の首相選挙だから」という理由を付けてきました。今自民党は一野党にすぎません。NHKはどんな理由をつけるのでしょうか。
 民主党は、野田首相が表に出ない作戦をとったため、自民党ほどではありませんでしたが、多くの局が討論番組、大型インタビューを放送しました。いずれにしても、コップの中の争いです。消費税増税問題、原発、オスプレイ配備、TPP、領土問題の核心など、国政の大問題は隠されてしまいます。
 さらにダブル党首選報道では民主と自民に加えて、橋下徹大阪市長の「維新の会」の動きを入れることもパターン化しています。他の野党は無視。空洞化した二大政党と他の党を「既成政党」とひとくくりにし、新しい(実は古い)集団を持ち上げ、危機の本質をずらす。使い古されたメディアの手法です。
 今、多くの国民が政治の明日をさぐっています。メディアには政権交代後の3年間の総括、政党のあり方、政治を前に進める展望を探る材料、見識を示す責任があります。旧態依然とした政治報道からは新しい枠組みは見えてきません。
 (荻)
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2012年09月22日,「赤旗」)

赤旗信州秋まつり/福島の被災者と連帯/原発に頼らない復興目指す

 長野県松本市で17日開催された第35回赤旗信州秋まつりは、総選挙勝利と、大震災・原発事故による被災地・避難者との連帯をテーマに掲げました。
 被災者との連帯プログラムでは、阿部裕美子・日本共産党福島県議、菊池幸彦・南牧村長、県原爆被害者の会の藤森俊希会長が発言しました。司会は石坂千穂・党県議団長。
 原発事故はいまだ収束しておらず、国民の8割が「原発即時ゼロ」を求めている中、政府・電力会社が大飯原発の再稼働を強行。阿部県議は、「信じられない」と憤ります。
 福島県内は、モモやブドウ、イチゴなどの果物や漁業が盛んですが、「放射能に汚染され、奪われた」と阿部県議。「原発に頼らない福島県の復興を目指し、党派を超え、オール福島で頑張ります」と表明。参加者はあたたかい拍手を送りました。
 菊池村長は昨夏と今夏、福島県伊達市の子どもたち560人を招待しました。「野辺山高原の大自然で思いっきり遊んでほしい」―。プール遊び、自転車乗り、イワナのつかみ取り、牛の乳搾り、星の観察会。菊池村長は「原発はいますぐやめるべきだ」と語りました。
 「政府と東電の対応は腹立たしいほど鈍い。原因は放射線の影響を狭く、小さく、軽く扱う、原爆被爆者への対応と共通する政策があるからだ」―。藤森氏はこう強調します。
 1歳の時、広島で被爆した藤森氏は「多くの被爆者が必要な医療も受けられず、無念の死を遂げた」。憲法前文を読み上げた藤森氏は「憲法に基づく社会をつくりましょう」と呼びかけました。
 福島県から松本市に避難し、避難者のネットワークづくりにとりくむ「手をつなぐ3・11信州」代表の森永敦子さんのメッセージが代読されました。
 会場では、「原発被害で苦しむ福島の被災者支援・復興支援―党機関支援募金」が呼びかけられ、「被災地のみなさんの苦しみは絶対に忘れません。ささやかですが、いつまでも支援します」などのメッセージとともに、募金50万円が石坂県議から阿部県議へ手渡されました。

青年トーク交流/井上議員・藤野候補も参加/仲間と一緒に社会に向き合おう
 井上哲士参院議員、藤野保史衆院北陸信越比例候補が参加した「青年トークセッション」(民青企画)では―。
 信州大学教育学部の学生が、学校のいじめ問題について質問、「テストでいい点をとる子がいい子とされる仕組みでいい? 一人ひとりが大切にされる学校になっていないのでは?」と聞きました。
 井上議員は「子どもの命は何があってもどんな事情でも守られなければならない。学校は命が輝く場でなければならない」と話し、学校現場で教員が報告事務に追われ子どもと触れ合う時間が十分に保障されていない問題を報告、「現場を締め上げるやり方では解決しない」と答えました。
 「維新の会をどう見ているの? 共産党の考えを聞きたい」―学生が質問しました。
 藤野候補は「維新の会の政策は古い政治そのもの。日本軍『慰安婦』問題で国際的非難を浴びた安倍晋三元首相にラブコールを送る外交感覚。経済政策も『競争力の強化』を推進する小泉構造改革路線と同じ代物。それもそのはず、維新の会のブレーンは小泉元首相を担いだ人たちが東京から大阪に来ている」と分かりやすく解説。「国民の声を反映させるのは共産党の議席です」と決意を語りました。
 若者へのメッセージは―。
 藤野候補は「仲間と一緒に社会に向き合うことは大切な経験になる。いろんな問題に真正面からぶつかっていってほしい」と話しました。
 井上議員は「未来は青年のもの。いま若いみなさんが、何かしなければ、意思を示したい、そういう場を求めている。若者と一緒に解決する方向を考える民青同盟を大きくしてください」と激励しました。
 会場で2人が民青同盟に加盟しました。
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2012年09月19日,「赤旗」)

政治を動かす/共産党国会議員団/6/TPP・参加阻止へ共同を追求/領土問題・冷静な外交努力迫る

 野田佳彦首相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加表明を見送りました。

表明できず
 交渉参加表明の見送りは、4月の日米首脳会談と6月のG20首脳会議に続き3度目。世論と運動、国会での論戦が、TPP交渉参加を表明できない状況に追い込んでいます。
 8月30日に開かれた超党派の集会には日本共産党をはじめ、民主、自民、生活、公明、社民など全11党の国会議員が参加。日本共産党の志位和夫委員長は「秘密交渉でなし崩しの参加は許されないとの声を上げよう」と訴えました。
 日本共産党は、関係国とのTPP交渉参加の事前協議を秘密裏に進める政府の姿勢を暴露。「国民に説明せず、参加を前提に交渉することはやめるべきだ」(紙智子参院議員)と求めてきました。
 米国が牛肉の検査基準緩和や米保険・サービス業界の競争条件確保、軽自動車の税金軽減の廃止などを突きつけていることを暴露した質問によって、国内産業や地域経済、国民生活を犠牲にして一部の多国籍企業に利益をもたらすTPPの害悪が浮き彫りになりました。

理を尽くせ
 日本共産党は領土問題では、歴史的事実と国際法上の道理にのっとり、冷静な外交交渉で解決を図ることが大事だと主張してきました。
 尖閣諸島については、歴代政権が本腰をいれて日本の領有の正当性を中国側にも国際社会にも主張してこなかった点を指摘。「領有権の正当性について冷静に理を尽くして堂々と説く外交努力が必要だ」(市田忠義書記局長)と迫りました。
 また、竹島については、「日本の領有の正当性には根拠がある」とした上で、「問題を解決する上で、過去の植民地支配の根本的な清算を日本側がしっかり行い、冷静な話し合いの土台をつくることが何よりも大事だ」(志位和夫委員長)と主張してきました。
 これに対し他党は、「島しょ防衛の能力が不十分だ。法整備を行い、装備を整え、運用をきちんと行え」(自民・石破茂前政調会長)、「(尖閣諸島に)われわれも自衛隊を出動させて、もしくは常駐させる必要がある」(みんな・松田公太参院議員)などと、緊張を激化させ、軍事的対応を求める姿勢に終始しました。
 自民党は、「従軍慰安婦」問題で「心からのおわびと反省」を表明した1993年の河野洋平官房長官談話について、「間違いだった」(下村博文衆院議員)と侵略戦争に無反省な発言まで飛び出し、植民地支配と領土問題を語る資格がないことを浮き彫りにしました。
 (つづく)
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2012年09月16日,「赤旗」) (Page/Top

主張/民主・自民党首選/閉塞打開の展望がみえない

 民主党の代表選挙(21日投票)に続いて自民党の総裁選挙(26日投票)が始まっています。民主党では野田佳彦首相をはじめ4人の候補が、自民党では谷垣禎一総裁が立候補を断念し、石原伸晃幹事長ら5人が争っています。
 第1党と第2党の党首選びは政権を担当する首相指名にもつながるものです。にもかかわらず民主・自民の党首選からは、党内だけでなく両党間でも政策の違いが浮き彫りにならず、国民が不信を強めている政治の閉塞を打開する展望は見えてきません。

増税談合の継承競い合う
 いずれの党首選でも、先の通常国会で国民の反対を押し切って消費税の増税を決めた民主・自民・公明3党の増税談合の継承が論戦の前提となっていることが、違いを浮き立たせない最大の理由です。
 民主党代表選で優勢と見られる野田首相は「3党合意は重い」と、党首選後はあらためて自民党と協力し、消費税増税や社会保障改悪の具体化を進める構えです。他の候補も、自民党が国会最終盤で首相問責に賛成し「合意の基盤が崩れた」などの主張はありますが、3党が合意して強行した消費税増税などを否定する立場はありません。自民党総裁選でも現執行部を引き継ぐ石原幹事長をはじめ3党合意の継続では一致しています。
 民自公3党の合意は、民主党1党では実行できなかった公約違反の消費税増税などを実現するための談合です。国民が反対した消費税増税を3党が寄ってたかって国民に押し付けたものです。自民党が問責に賛成したのは国民の批判が無視しきれなかったための自己矛盾です。当事者の野田首相や石原幹事長をはじめ3党合意を否定しない候補では、誰が党首でも、国民無視の悪政が続くだけです。
 実際、民主党の代表候補も自民党の総裁候補も、消費税増税と社会保障の「一体改革」や日米同盟の強化などの政策で、その主張にほとんど違いがありません。「原発ゼロ」の進め方や環太平洋連携協定(TPP)への対応で多少違っても、その違いは政党によるというより候補者による差です。
 もともと民主党政権は、長年にわたった自民党の政治を変えることを約束してスタートしました。しかし政権交代から3年、公約違反を重ねて、現在の野田政権はすっかり自民党政権と違いがないところに立ち至っています。
 根本には自民党同様民主党にも、アメリカいいなり、財界本位の政治の害悪を正す立場がありません。その結果、大企業優遇の税制を続ける消費税の増税でも、オスプレイの沖縄配備など日米同盟の強化でも、政治の中身は変わらず、国民の閉塞感は深まる一方です。

台頭する右傾化の危険
 こうしたなか見過ごせないのは、自民党総裁選に立候補した5人の候補がそろって「改憲」を掲げるなど、保守色≠競っていることです。「橋下・維新の会」にすりよる動きもあります。日本政治に台頭する右傾化の流れは危険です。
 安倍晋三元首相が、日本軍「慰安婦」問題での河野洋平官房長官談話の「見直し」などタカ派的な発言を突出させているのは重大です。国民の閉塞感につけこんで政治反動を進める策動は許されません。安倍氏が提携を明言する「橋下・維新の会」同様、反動的逆流にはきびしい批判が不可欠です。
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2012年09月16日,「赤旗」)

代表選・総裁選/自民総裁選/3党合意「維持」主張/立候補の5氏が会見

 自民党総裁選(26日投開票)に立候補を届け出た石原伸晃幹事長、石破茂元防衛相、町村信孝元官房長官、安倍晋三元首相、林芳正政調会長代理の5氏による共同記者会見が14日、自民党本部で行われました。谷垣禎一総裁が立候補を取りやめる一方、5候補乱立の様相です。
 消費税増税と社会保障の解体路線を決めた民自公3党合意について、5氏はそろって「維持」を主張。3党協議の実務責任者だった町村氏は、「そもそもこれはわれわれの選挙公約を実現したものだ」と誇示。石原氏は「3党合意をどう具体化するかがポイント。年金一元化や後期高齢者医療制度では違いもあるが、基幹政党である3党で結論を出す」などと述べました。林氏は「3党合意をどうするかで総裁選で争いにならないところが自民党の強さ。民主党との違いは一目瞭然だ」と述べました。
 橋下徹大阪市長の率いる「日本維新の会」との連携については「総選挙を前に、いまは自民党の候補の勝利に尽くす」(石破氏)という姿勢でおおむね一致。安倍氏は「憲法改正という大きな目標にとって、維新が大きな力であることは間違いない」と述べました。
 尖閣諸島問題での強硬姿勢も目立ち、安倍氏は「国家意思で島を断固守る意思を示し、物理的に確保する」とし、石破氏は「実効支配をさらに強め、拒否的抑止力を強める」と強調。石原氏は、「固有の領土であることをもっと世界に発信するべきだ。国有化するなら中国とも事前に打ち合わせるべきだった」としました。
 安倍氏が「従軍慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話(1993年)の見直しや靖国参拝を主張するなど、歴史問題での逆流ぶりが目立ちました。
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2012年09月15日,「赤旗」) (Page/Top

日本軍「慰安婦」被害者招き集会/生あるうちに解決して/川崎

 日本の侵略戦争で日本軍「慰安婦」として、性暴力の被害を受けた韓国の李容洙(イ・ヨンス)さん(83)が実名で被害を告発してから20年になった今年、李さんを招いての集会が12日、川崎市内で開かれました。主催は、川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会。
 現在も日本政府は責任を認めていません。橋下徹大阪市長は「強制連行の事実については確たる証拠がない」などと発言(8月21日)し、地元・大阪や人権団体などから抗議の声があがっています。
 李さんは「証言することは私の命と同じ」と話し、日本語で語り始めました。15歳のときに、自宅で寝ていたところを日本軍によって連行されました。帰りたいと言うと「言うことをきかなければ殺す」と脅され、軍靴や棒で顔や体に暴力を受けました。
 各地を日本軍とともに転々とし、17歳で父母の元に帰るも、「また捕まるのではないかと思うと、顔を上げて歩けない。誰にも話せなかった」といいます。
 李さんは言います。「日本と韓国は隣の国だもの。若い人たちが仲良く手をつないでいけるようにするのが私の仕事。私が生きているうちに解決をしないと」と、日本政府による心からの謝罪と賠償を求めました。
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2012年09月13日,「赤旗」)

安倍氏出馬/改憲を公約/自民総裁選

 自民党の安倍晋三元首相は12日、党本部で総裁選への出馬を正式に表明。総裁選公約を発表しました。
 公約では、新憲法制定、「改正」教育基本法の理念の本格的実現、教員組合活動の「適正化」などを提起。「日米同盟をより強固に」として、集団的自衛権の行使を可能にするとしました。
 また「強固な国づくり」として道州制を前提とした地方分権の推進を掲げ、「自助・自立が基本の社会保障制度確立」として生活保護制度の見直しを進めるなどとしています。
 安倍氏は会見で、従軍慰安婦に関する河野洋平官房長官談話について、「強制性がある」との「誤解」を解くとして、「新たな談話を出す必要がある」と述べました。12日に「日本維新の会」を結党した「大阪維新の会」について問われ、「憲法を変えるには(国会で)3分の2の勢力が必要だから、大きな枠組みの中で維新の会のパワーに期待したい」と述べました。
 総裁選には、町村信孝元官房長官(67)、石破茂前政調会長(55)、石原伸晃幹事長(55)の3人が立候補を表明済み。林芳正政調会長代理(51)は13日に出馬表明する方針を決めました。5氏による争いとなる見通しです。
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2012年09月13日,「赤旗」) (Page/Top

「日本維新の会」結成/解雇規制緩和・軍事力強化・TPP「参加」…/「古い政治」を強権的に

 日本国憲法の下で歩んできたはずの私たちの社会の中で、民主主義を窒息させるような異質の危険をもつ政党が旗揚げされました。
 橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が12日、大阪市内で政治資金パーティーを開き、7人の国会議員を集めて急造した「日本維新の会」の結成を宣言したのです。
 同党が「綱領」と位置付ける「維新八策」の中身はどうでしょうか。経済政策は、派遣法改悪では飽き足らぬとばかりに大企業に都合のいい「解雇規制の緩和」を盛り込むなど、国民生活をどん底に陥れた小泉「構造改革」をより極端にした新自由主義です。外交・安保政策は、憲法9条の改悪を志向し、「日米同盟を基軸」に軍事力の強化と売国の環太平洋連携協定(TPP)「参加」を打ち出すという従来型のアメリカいいなりです。
 財界・アメリカ中心の政治にはメスを入れず、大阪府知事・大阪市長としての橋下氏のこれまでのすべてがそうであったように古い政治の焼き直しにすぎません。

民主主義否定
 同時に橋下氏の政治には、これまでの古い政治をより強権的・独裁的に行おうとする危険な側面があります。
 橋下氏は知事時代の昨年6月、「今の日本に必要なのは『独裁』」と語りました。市長就任後は「今の日本に必要なのは『決定できる民主主義』」と言い出しましたが、それがただの言い換えだったことは、その後の言動を見れば明らかです。
 一般市民の思想・信条にかかわる質問まで答えさせる市職員に対する「思想調査」、教育への露骨な政治介入に道を開く教育関連条例、公務員を橋下氏の下僕とするための職員基本条例、モノ言わぬ市職員をつくる政治活動制限条例…、そのすべてが憲法と民主主義の精神を真っ向から踏みにじる暴挙です。
 それらは、教員や公務員などを既得権者≠ニして攻撃し、それとたたかう自分をヒーローと描き出す手口や、選挙で勝てば何でもあり≠ニばかりに民主主義を歪曲(わいきょく)する思想のもとで進められてきました。
 しかし、公務員攻撃の帰結は、大阪市の解体であり、現在も進行中の「市政改革プラン」による市民施策の約400億円近い削減だったのです。
 新党に集まった議員は、公教育を破壊する教育の市場化について「教育バウチャーでも株式会社(による学校運営)でもなんでもいい」(みんなの党出身の小熊慎司参院議員)などとこともなげに言い放つ議員ばかり。松浪健太衆院議員は、自民党で生活保護攻撃の旗振り役でした。

資格問われる
 橋下氏はいま、こうした議員で設立した新党を足場に次期総選挙で「基本的には過半数を目標にする」などと豪語しています。
 しかし、代表たる橋下氏の「従軍慰安婦強制の事実に確たる証拠はない」という発言一つをとっても「自国の歴史と政治的責任についてあまりに無知であるか、これらを意図的に無視・否認して問題を矮小(わいしょう)化している」(アジア女性資料センターのアピール)卑劣な主張であり、国政を担うに値しないことは明らかです。
 マスコミの洪水のような垂れ流し報道の中で「維新」に期待感を持っている人々も、「政治を変えたい」という思いは一緒です。「維新」の実態を見極め語り合うことの重要性がいよいよ増しています。
 (藤原直)
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2012年09月13日,「赤旗」) (Page/Top

消費税増税実施させぬ国会を/街頭で訴え/愛知

 通常国会が閉幕した8日、愛知県委員会は名古屋市中区の丸栄スカイル前で、雨をついて街頭宣伝を行いました。佐々木憲昭衆院議員、河江明美衆院東海比例候補、大野ひろみつ同愛知1区候補、もとむら伸子参院愛知選挙区候補が訴えました。
 河江候補は、領土問題と橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題についての暴言にふれて政府の外交姿勢を問いました。
 佐々木氏は今国会で成立した消費税増税法案について「国民の6割が反対し、国民は増税を容認していない。解散・総選挙で消費税増税を実施させない国会にしていきましょう。増税ノーの思いを共産党にお寄せください」と呼びかけました。
 宣伝に足を止めた若者が「本当に原発をなくせるんですか」と宣伝隊に声をかけ、対話。「友達にも紹介します」と、「しんぶん赤旗」の見本紙とビラを受け取りました。
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2012年09月11日,「赤旗」)

日本軍「慰安婦」/問われる人権蹂躙の制度/ジャーナリスト西野瑠美子さん

「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(バウラック)共同代表
 橋下市長の発言は、07年に国際社会に大きな反発を呼んだ安倍元首相の主張の繰り返しです。「慰安婦」問題を「狭義」の「強制連行」に矮小(わいしょう)化して「証拠を出せ」というのは本末転倒。悪質な問題のすり替えです。
 アジア各地の被害女性の証言は否定し、一方で強制連行の証拠はない≠ニ言いますが、問題は日本軍が強制的・暴力的に女性たちに性奴隷を強い、その責任を頬かむりしてきたことです。女性の尊厳を侵害し、人権を蹂躙(じゅうりん)した慰安所制度そのものが問われているのです。
 安倍氏や橋下氏は政府が2度にわたって調査した結果、軍関与や強制性を認めた河野談話の「見直し」を主張しますが、こうした動きはアジアの信頼を大きく損ね、東北アジアの平和と安定に水を差すものです。日本政府が歴史認識を正し、過去の清算をきちんとすること、それこそが歴史和解の道筋です。
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2012年09月09日,「赤旗」) (Page/Top

日本軍「慰安婦」―これが事実/女性を強制、甘言で連行/政府も認めた「軍の関与」

 日本軍「慰安婦」問題で、橋下徹大阪市長が「強制連行の確たる証拠はない」と発言(8月21日)するなど、歴史を否定する動きが出ています。歴史的事実はどうか、解決には何が必要か―。あらためて考えます。
 本吉真希記者

 アジア太平洋戦争で、日本軍は侵略、占領したアジア各地で女性を性的奴隷状態に置きました。
 10歳ぐらいの幼子を含む女性たちを強制、甘言で日本軍が関与する「慰安所」に連れて行き、軍人らの性行為の相手にさせました。その数は8万〜20万人以上ともいわれています。慰安所は中国、朝鮮、台湾、フィリピンなどアジア全域につくられました。
 16歳でだまされて連行された朝鮮出身の宋神道(ソン・シンド)さんは「嫌と言えば、ぶん殴られ右耳は聞こえなくなった。軍人に脅され、わき腹や背中に刀傷が残る」と証言しています。
 この問題が表面化したのは1991年8月、韓国の被害者・金学順(キム・ハクスン)さんが名乗り出て、日本政府の責任を告発したことです。
 それ以降、90人を超える各国の女性たちが日本政府に謝罪と賠償などを求めて日本各地で提訴。訴えは退けられましたが、多くの判決で「日本軍や国の関与と強制があった」と認めました。

被害者を聴取し93年「河野談話」
 日本政府では、宮沢内閣が91年12月から関係資料の調査、元軍人や韓国ソウルでの「慰安婦」被害者16人への聴取を実施しました。総合的に分析、検討した末に93年8月、河野洋平官房長官の談話(別項)を発表。日本軍の関与と強制性を認め「おわびと反省」を表明しました。
 これが現在でも日本政府の見解です。他方、被害者に対する国家賠償については「解決済み」と拒んでいます。
 日本政府は95年に「アジア女性基金」を設立。しかし、民間から募った資金で「慰安婦」被害者へ補償≠行うという制度に対し、国の責任を問う被害女性から抗議の声があがりました。
 韓国では昨年8月、韓国政府が問題解決へ努力していないのは「違憲行為」だとする憲法裁判所の決定が出されました。李明博(イ・ミョンバク)大統領はそれを受け、同年12月の日韓首脳会談で、野田佳彦首相に「慰安婦」問題での政府間協議を求めました。
 野田首相は65年の日韓請求権協定を持ちだし「解決済み」と応じませんでした。しかし、この協定に「慰安婦」問題は含まれていません。

河野官房長官談話(抜粋)1993年8月4日
 ◇
 慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。

橋下大阪市長らが見直し求めるが否定できない「河野談話」
 安倍晋三元首相や橋下徹大阪市長・「大阪維新の会」代表らは、日本軍の関与と強制を認めた「河野談話」を攻撃し、その見直しを要求しています。
 2007年3月、安倍内閣は「強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」との答弁書を閣議決定しましたが、ここでも河野談話の「継承」は確認しています。
 「強制連行を直接示す」公的文書が「見当たらない」からといって、被害者らの多くの証言や証拠などで総合判断した河野談話を否定することはできません。
 政府の態度は国内外で怒りを呼びました。米国下院が日本政府に対し「性奴隷」にした事実を認め、謝罪するよう求める決議を全会一致で採択しました。(07年7月)
 玄葉光一郎外相は河野談話について「当時の政府で各種証言集の記述、韓国での聞き取り調査(の結果)を含め総合的に判断した結果」と国会で答弁しています。(8月23日)
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2012年09月09日,「赤旗」) (Page/Top

橋下市長この声を聞け/大阪市役所近くで宣伝・デモ/政治活動規制撤回/市民病院守れ/大阪連絡会など

 大阪市議会開会日の7日昼、教育・職員条例に反対する「大阪連絡会」と大阪市対策連絡会議は、「橋下徹市長は住民の声を聞け」「憲法違反の政治活動規制条例は撤回せよ」と市役所に近い淀屋橋で宣伝しました。
 気温35度、まぶしく太陽が照りつけるなか、105人が参加。「市民の健康といのちを守る市民病院は大切です」「橋下市長 地震・津波への備えは大丈夫?」と書いたビラを元気よく声をかけて配布しました。
 ビラを受け取った旭区に住む武田信一さん(43)は「橋下市長のやっていることは市民に定着していない。市民サービスは次々と悪くなっているでしょう」と話します。
 ビラを読んでいた堺市西区の子育て中の女性は「テレビが流す橋下さんの発言に惑わされません。サービスを充実させるのが市の仕事でしょ。みなさんに頑張ってもらいたい」とエールを送りました。
 マイクを握った新日本婦人の会府本部の沖野純子副会長は、橋下市長がすすめる市民サービス切り捨てや、強権・独裁政治で女性の人権が侵害されていると告発。「軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない」などといって、国際的に大問題となっている「従軍慰安婦」発言で、「橋下市長に謝罪と撤回を求めます」と力を込めました。
 年金者組合大阪市内支部協議会の米田健治事務局長、民主法律協会の中村里香弁護士、大阪公害患者の会連合会の上田敏幸事務局長らが訴えました。
 30分でビラ1000枚が受け取られました。終了後、「政治活動規制条例は撤回せよ」「クレオ大阪を存続させよ」と市役所周辺をデモ行進。手を振る男性もいました。
 堺市北区の男性(78)は「デモをしている人たちの言っていることに賛成です。橋下市長には反対」と話していました。
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2012年09月08日,「赤旗」)

ひと/台湾の元「慰安婦」裁判支援を続ける牧師渡辺信夫さん(89)

 「知的退化!」。橋下徹大阪市長らの日本軍「慰安婦」否定発言を一喝します。
 「強制連行した資料がない≠ニ言えば免罪の根拠になると思うのは、根拠もなく原発は安全だ≠ニ放言してきた政治家と同じです」
 日本軍の性奴隷にされ、苦難と屈辱に生きてきた台湾の阿媽(おばあさん)たちが14年前、日本政府に賠償と謝罪を求めて裁判を起こしました。日本で支援会が設立されて以来、代表を務めています。
 台湾との交流は70年代から。16世紀宗教改革者カルヴァンの研究者として知られ、招かれて台湾長老派教会の神学校へ行き、民衆の苦しみに触れ、各地を講演してつながりを深めます。
 90年代後期まで「慰安婦」の苦しみを知らなかった無知を恥じました。日本統治下の台湾は朝鮮に比べ良かったなどという日本人の無理解には憤慨します。
 「裁判は最高裁まで敗訴ですが、女性国際戦犯法廷では勝訴しました。クリントン米国務長官も『慰安婦ではなく強制性奴隷だ』と発言するように国際世論では勝っています」
 学徒出陣で海軍少尉となり、輸送作戦で無意味な死を「壮烈な戦死」と美化する欺瞞、それが戦争だと気づき、戦後、平和と非戦の道を一路歩んできました。
 「傷ついた隣人の痛みにともにあずかって生きていく」。阿媽支援の今の心境です。14日午後6時半、東京・なかのZEROで学習会を開きます。
 文 神田 晴雄
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2012年09月08日,「赤旗」) (Page/Top

橋下「維新八策」強権独裁政治でどんな国めざす?/「維新」よりも「復古の会」

特異な史観/安倍元首相と連携視野に
 「維新の会」と安倍晋三元首相の接近が目立っています。橋下氏は「今の段階で安倍元首相が維新に入られるという話ではない」(8月30日)としつつ、「安倍さんと共通するのは教育、憲法観」(同前)とのべるなど、将来の連携を否定しません。
 なかでも、橋下氏が「従軍慰安婦強制の事実に確たる証拠はない」(8月21日)と発言し、その証拠≠ノ安倍内閣時代の2007年の「閣議決定」を持ち出したことから、歴史問題での共鳴が注目されています。
 安倍氏も「産経」(8月28日付)掲載のインタビューで、橋下氏の発言について「大変勇気ある発言だ」「戦いにおける同志だ」とまでのべています。
 しかし、橋下氏が持ち出した閣議決定なるもの(実は質問主意書に対する答弁書)は、「従軍慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認めた1993年の河野洋平官房長官談話を「継承する」と回答したのが趣旨。そのなかに、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」との一文はあるものの、河野談話は政府の文書資料だけでなく、元軍人や元「慰安婦」の人からの聞き取りなどを行ったうえで「総合的」な判断で軍による強制を認めたものです。その談話の「継承」を宣言した同答弁書は、強制を否定する根拠にはなりません。
 なにより、河野談話がのべているように、「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり」、慰安所に女性を拘束し多数の兵士の相手を強制した事実の核心はなんら変わりません。その「募集」においても、談話が「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあった」と認めているとおりであり、資料や証言も多数あります。
 そもそも安倍氏自身が首相時代、橋下氏と同じ理屈で強制を否定した際、米国はじめ国際的な批判にさらされ、訪米の際何度も謝罪に追い込まれたことは記憶に新しいことです。
 国際社会で通用しない暴言を持ち出す橋下氏が「日本全体で一番必要なことは、子どもたちに近現代史の教育を与えることだ」(5月29日)として、近現代史教育施設づくりを提唱する資格はありません。しかも、その施設づくりでは、日本の侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」系メンバーに協力を求めると公言しているのですから、「維新の会」というより「復古の会」です。

選挙互助会/「構造改革」人脈受け継ぐ
 橋下「維新の会」は、安倍元首相と改憲や歴史観で共鳴しているだけでなく、小泉・安倍政権時代の人脈と太くつながっています。
 9日に予定されている国会議員らとの「公開討論会」では、「維新新党」への合流の適否を判断する審査員に、竹中平蔵元経財相や堺屋太一元経企庁長官らをあてる方向だと報道されています。竹中氏は、国民に痛みを強いた「小泉改革」を象徴する人物。中小企業つぶしの「不良債権処理」や地方自治体を疲弊させた「三位一体改革」、郵政民営化などを担当しました。堺屋氏も小泉内閣で内閣特別顧問を務めました。
 候補者養成のためといわれた「維新政治塾」の講師には、小泉政権下で首相補佐官だった岡本行夫氏や、国連次席大使をつとめた北岡伸一氏などの面々も。
 大阪府市特別顧問も務める高橋洋一氏や原英史氏らも、小泉・安倍時代に公務員改革や行政改革で登用された官僚でした。
 最近では、次の総選挙に勝ち残ることだけを基準に、自民党や民主党、みんなの党などから維新新党≠ノ合流する動きも目立ちます。橋下氏は「(既成政党は)金で支援、選挙で票になると思い込んでいる人の声だけに左右されている」「既得権益打破が僕の考え」(8月30日)などとのべますが、まさに「既得権益」にどっぷりつかった政治家が、選挙での「票」目当てに合流≠めざしており、「選挙互助会」となっているのが実態です。

統治機構/民意排除で首相の独裁へ
 「維新八策」は、「二大政党」による公約違反と党略優先の政治への批判と国民の不信が極限に達するなか、「決定でき、責任を負う民主主義」、「決定でき、責任を負う統治機構」をおしだしています。
 「決定できる民主主義」とは何か―。橋下氏は集団的自衛権の行使やTPP参加表明を例に、「やっぱり野田首相はすごい」「確実に決める政治をされていると思う」(7月10日)などと野田首相を絶賛しました。
 「八策」の立場は、国民の多数が反対していても、財界や米国の宿願を強行することが「決定できる民主主義」であり、統治機構もそのためにつくり変えるというものです。
 「八策」では、「決定できる統治機構」のために、「首相公選制」、「参院廃止を視野に」「衆議院の議員数を240人(現行480人)に削減」などと明記しました。「参院の廃止」とあわせると、民意を代表する国会議員を3分の1に減らしてしまうもので、まさに「民意などいらない」という暴論です。
 一方で、首相公選制は、国民が首相を選挙で直接選ぶ制度で首相権限の強化が狙い。内閣に対する国会のコントロールを弱めるもので、首相独裁につながる危険をもっています。
 「決定できる統治機構」とは、民意を排除し、強力な権限をもつ首相による独裁体制にほかなりません。
 「八策」が地方の統治機構「改革」の「最終形」として重視するのが「道州制」です。「国の役割を絞り込む」「内政は地方・都市の自立的経営に任せる」という「小さな政府」路線と一体です。
 道州制は、日本経団連が「究極の構造改革」と位置づけるもの。社会保障や教育に対する国の役割を投げ捨て、公務員や地方議員、大学などを大リストラすることで数兆円の財源≠生み出せると試算しています。その財源を都市開発など大型プロジェクトに投入し、海外からも含め参入する大企業に大もうけをさせようというのです。

改憲タカ派/9条敵視・日米同盟基軸
 「維新八策」は、8本目の柱に、「憲法改正〜決定できる統治機構の本格的再構築〜」を掲げ、改憲政党として登場≠キることを改めて宣言しました。
 その対象は、国会の改憲発議要件(96条)の緩和に始まり、首相公選制や参院の廃止、法律を上回る地方の条例制定権などに加え、9条改定の可否を問う国民投票(の実施)にまで及んでいます。
 橋下氏の9条敵視は筋金入りです。今年3月には、がれき処理が進まないことまで「全ては9条が原因」とまで主張。「憲法9条とは、突き詰めると平和には何も労力がいらない、自ら汗はかかない、そういう趣旨だ」などと9条攻撃を展開しました。さらに、「9条がなかったときは、他人のために汗をかこう、場合によっては命の危険もあるかもしれないけど、そういう負担もせざるを得ないとやっていた」として、「お国のために血を流せ」とした戦争中の価値観を礼賛しました。
 橋下氏の主張は単なる倫理観ではすみません。橋下氏は「国際政治は力を背景とした武力行使をしない戦争だ」(8月30日)と主張。「どこが力をもっているか、しっかり連携を結ぶ冷徹な判断がいる。それを考えたら軍事同盟を結んでいるアメリカだ」とのべています。国際政治を単純な力関係でしかみないで、力を持っている国(米国)に従うのは当然とする考えです。
 「日米安保のいま」と題したNHK世論調査(10年11月)では、「これからの安全保障体制」について「日米同盟を基軸に」と答えた人はわずかに19%だったことに示されるように、国民は「日米同盟基軸」論を乗り越えつつあります。ところが、「八策」では「外交・防衛」の大きな枠組みとして「日米同盟を基軸」と明記。「国際平和活動への参加を強化」「豪、韓国との関係強化」など、海外での武力行使を可能とする集団的自衛権の行使へつながる方向を示しました。
 連携が取りざたされる自民党の安倍晋三元首相は、かつて「軍事同盟とは血の同盟=vと著書に書き、「海外での紛争に一緒に肩を並べて武力行使する」ために憲法解釈の変更まで提唱しました。(05年10月)
 いま安倍氏は、改憲の実現にむけ、「彼ら(維新の会)の力は、大きな変革に必要」(民放番組)と期待≠みせています。

肩すかし政党助成金改革
 「維新八策」は、政党助成金(交付金)を「3割削減」としました。「7割維持」ということです。7月に発表した「改訂版」では「抜本改革」としていましたが、拍子抜けもはなはだしい。
 毎年約320億円ものばく大な税金を自由勝手に使う政党助成金制度は、「政治的既得権益」の最たるもの。日本共産党以外のすべての政党が山分けし、民意を無視した政党・政治家による離合集散の財政的基礎ともなってきました。財政改革や特権廃止を言うなら、真っ先に廃止するべきです。
 「八策」は、衆院議員の定数を半減させ、参院の廃止も視野というのですから、国会議員の数は3分の1になるはず。それなのに交付金は3割減だとすれば、議員1人当たりの助成額は2倍以上に増大し特権拡大≠ニもいえます。
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2012年09月07日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/過去を明るみに出すこと

 金石範には、1948年南朝鮮の済州島での四・三蜂起とそれへの大虐殺を背景にした『火山島』があるが、近著の『過去からの行進』(岩波書店)では、1980年代の韓国の軍事政権下、在日韓国人の青年に加えられた暴力が描かれている。
 韓国に留学した韓成三は「北のスパイ」にでっち上げられ拷問により韓国への忠誠を誓わせられる。7年後、外交官として日本にやってきた拷問官が利用しようとしたとき、拷問の傷痕を見せ、犬の格好をしてほえる。
 それは「拷問、屈辱、身心泥まみれ糞まみれ」になった自分を記憶から消そうとしていた韓成三が、傷痕を明るみに出すことで、人間として復権しようとしたものと読める。
 済州島虐殺や軍事政権の暴力という、消されてはならない過去を金石範は描いてきた。そこには無いものとされたことでの苦しみの深さがとらえられている。日本の植民地支配の下での暴虐が、朝鮮半島の人々に与えた苦しみの事実も消されてはならない。橋下大阪市長の、「慰安婦」強制連行の証拠はないといった暴論を聞くとその思いをより強くする。
 竹島をめぐって日韓関係には複雑な状況が生まれているが、日本が過去の事実をきちんととらえることが、双方の隔たりを埋める第一歩となろう。
 (筑)
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2012年09月04日,「赤旗」)

元慰安婦へ謝罪要求

 【ソウル=時事】韓国国会は3日の本会議で、旧日本軍の元従軍慰安婦をめぐり、日本政府が法的責任を認め、謝罪と賠償を行うよう求める決議と、竹島(韓国名・独島=トクト)に対する日本の領有権主張の撤回を求める決議を採択しました。
 慰安婦問題の決議は、「被害者が高齢で、生存者が減っており、賠償と真の名誉回復のための時間はいくらも残っていない」と指摘。同問題が「人類普遍の価値に反する犯罪行為」であり、「解決に消極的な態度を取るのは日本政府の歴史認識の欠如を傍証するものだ」と強調しました。
 その上で、「責任認定、真相究明に加え、真の反省とざんげを基に、被害者に公式に謝罪し、法的に被害を賠償する」ことを強く要求。「不幸な歴史を繰り返さないために正しい歴史教育を行う」よう求めました。韓国政府に対しても、日本との協議、国際社会での問題提起などあらゆる外交努力を尽くすことを要請しました。
 竹島問題の決議は「独島は歴史的、地理的、国際法的に明らかに韓国領土だ」とした上で、「領土主権を侵害する(日本の)挑発行為を強く糾弾する」と強調しました。
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2012年09月04日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」発言の橋下市長に抗議/婦団連

 日本婦人団体連合会(婦団連)は31日、戦時中の「従軍慰安婦」問題について大阪市の橋下徹市長が「強制連行の事実の確たる証拠はない」と発言したことに関連して、「慰安婦」問題の解決を求める声明を橋下市長、野田佳彦首相に送りました。
 公式謝罪、政府による賠償、正しい歴史教育は国際的責務だとのべ、旧日本軍の関与と強制を認定した河野談話を履行する立場で一刻も早く韓国との協議に応じるよう求めています。
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2012年09月01日,「赤旗」)

橋下「慰安婦」暴言は市長の資格問われる/女性らリレートーク/大阪

 「つぶさないでクレオ!大阪の会」は31日朝、橋下徹大阪市長の「慰安婦強制はなかった」との暴言撤回と、男女共同参画施設クレオ大阪の存続を―と市役所前で宣伝しました。各団体から37人が参加し、女性たちがリレートークしました。
 配布したビラは、橋下氏が「慰安婦」問題で「強制連行の事実があったのか、確たる証拠がなかった」といい放ったとして、市政の先頭に立つ市長としても資格が問われると強く抗議し、暴言の撤回を求めています。
 ビラを受け取った堺市東区の池尾剛さん(64)は「発言はナンセンス。橋下氏はもっと歴史を勉強せよ」と憤ります。天王寺区の男性(60)は「発言はむちゃくちゃ。侵略戦争をした歴史と向き合わないと世界から孤立する」。奈良県生駒市の女性(38)は「許せません。事実を直視しないで乱暴に発信している」と語りました。
 新日本婦人の会府本部の川本幹子会長は「橋下市長の暴言に大阪中の女性たちは抗議の声をあげましょう」とよびかけました。
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2012年09月01日,「赤旗」) (Page/Top

 

8月)ヘッドライン

*             「慰安婦」否定暴言撤回を/「不見識極まる」/党大阪市議団、橋下市長に申し入れ

*             首相発言問題ない

*             抗議決議を韓国非難

*             「慰安婦」発言/橋下氏に抗議/日本AALA

*             「過去の反省、無効に」/河野談話見直し論批判/韓国

*             「慰安婦」の事実知って=^安世鴻さん写真展、市民の力で開く/東京・練馬

*             朝の風/ナチスの売春宿

*             「慰安婦」問題/強制否定発言撤回を/2団体が橋下市長に抗議

*             橋下氏「慰安婦」強制否定発言/証言の被害者冒とく/国際的に通用しない

*             首相、「河野談話」踏襲/「従軍慰安婦」問題で言及

*             メディアをよむ/成見暁子/「平和」はどう語られたか

*             尖閣諸島、竹島解決の道は/事実と道理にもとづいた冷静な外交的努力を

*             「強制ない」と暴言/「慰安婦」問題で石原都知事

*             尖閣・竹島冷静な外交を/小池氏が主張/TV討論

*             橋下慰安婦暴言/新婦人府本部抗議

*             橋下市長に抗議文/「慰安婦」問題発言で/すすめる会

*             「慰安婦」発言で橋下市長に抗議/平和委が撤回要求

*             相当に常識から逸脱

*             潮流

*             橋下市長慰安婦否定発言/断じて許せない/日本コリア協会・大阪

*             橋下氏は発言撤回を/「慰安婦」問題で抗議/大阪AALA

*             下・大阪市長の「慰安婦」暴言/安倍発言の蒸し返し/「河野談話」も国連報告書も「強制」認定

*             橋下・大阪市長の「慰安婦」暴言/地元から抗議の声/立石孝行さん/四ツ谷光子さん

*             橋下大阪市長の暴言/要旨

*             「慰安婦」強制証拠ない=^橋下大阪市

*             平和のための戦争展/「慰安婦」問題、政府へ抗議を/広島

*             平和のための戦争展/戦争を風化させない/山口

*             ハルモニ(おばあさん)の痛み写す/写真家安世鴻さん/「慰安婦」問題の解決策探る

*             潮流

*             朝の風/広がる教科書攻撃への対応を

*             竹島問題/「日本政府誠意ない」

*             「慰安婦」問題解決求め宣伝/ひろしまネット

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8月(本文)(Page/Top

「慰安婦」否定暴言撤回を/「不見識極まる」/党大阪市議団、橋下市長に申し入れ

 旧日本軍「慰安婦」をめぐり、強制はなかったとする橋下徹大阪市長の暴言に対し、日本共産党大阪市議団は30日、「不見識極まる」と発言を撤回するよう申し入れました。
 橋下市長は「軍に暴力や脅迫をうけて連れてこられたという証拠はない。あったというなら韓国に出してもらいたい」「(慰安婦制度が)当時の時代においてどういうものだったか議論しなきゃいけない」と強弁し、国内外から厳しい批判が寄せられています。
 「慰安婦」問題をめぐっては1993年、旧日本軍の関与と強制性を認め、「おわびと反省」を表明した河野洋平官房長官談話が出され、98年には国連で、「慰安婦」は事実上の奴隷であり、「当時ですら、奴隷制を禁じた習慣的国際法に違反する」との報告書が採択されています。
 申し入れは、これらを指摘するとともに、2010年10月に市議会で「慰安婦問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復」へ「誠実に対応」するよう国に求める決議が採択されていると紹介。国内外の到達を否定し、旧日本軍の犯罪行為を免罪し、人間としての名誉と尊厳を著しく傷つけられた被害者の心を踏みにじり、「市長として不見識極まる」と批判しています。
 北山良三団長、山中智子幹事長、井上浩政調会長が訪れ、「近隣諸国との関係を悪化させ、議会決議にも反する」と強調。秘書部長が応対し、「市長に伝える」と答えました。
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2012年08月31日,「赤旗」)

首相発言問題ない

 玄葉光一郎外相は29日の記者会見で、旧日本軍が従軍慰安婦を強制連行した証拠がないとした野田佳彦首相の発言に対し、韓国外交通商省報道官が批判したことについて、「首相発言に問題はない。首相は『証拠はないけれども(聞き取り調査などで)心証を得て河野談話がつくられた』と語った。韓国側は正確に理解してもらいたい」と反論しました。
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2012年08月30日,「赤旗」) (Page/Top

抗議決議を韓国非難

 【ソウル=時事】韓国外交通商省報道官は29日、李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島(韓国名・独島)上陸などに抗議する決議が参院で採択されたことを非難する論評を発表しました。また、従軍慰安婦問題について、野田佳彦首相の発言を批判する声明も出しました。
 論評は参院決議は「『日帝植民侵奪』の名残を清算する意思がないことを示すものだ」と指摘。「われわれの領土に対する日本のいかなる無理な主張、不当な要求も絶対に容認できない」と強調しました。
 慰安婦問題をめぐって野田首相らが「強制連行の証拠はない」と述べたことに対しては「日本政府が(『河野談話』で)認めた慰安婦動員の強制性まで否定する発言は、時代の流れに逆らう行為だ」と非難。「『歴史に目をつぶる国に未来はない』という点を深く心に刻み、被害者の傷と苦痛を治癒し得る解決策を一日も早く提示しなければならない」と求めました。
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2012年08月30日,「赤旗」)

「慰安婦」発言/橋下氏に抗議/日本AALA

 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本AALA)は28日、「従軍慰安婦」問題で「強制の事実については確たる証拠がない」と発言した橋下徹大阪市長に抗議文を送り、発言の撤回を求めました。
 被害者からの証言は多数にわたり実証され、裁判も行われていることや、国会で9年間も「謝罪と補償を求める法律案」が出されている事実を無視し、女性の尊厳や人権を侵害した「慰安婦」問題をなきものにしようとした発言だと厳しく批判しています。
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2012年08月29日,「赤旗」) (Page/Top

「過去の反省、無効に」/河野談話見直し論批判/韓国

 【ソウル=時事】韓国外交通商省報道官は28日の記者会見で、従軍慰安婦問題をめぐり、野田佳彦首相が強制連行を示す文書はないと発言したことや、「心からのおわびと反省」を表明した1993年の河野洋平官房長官談話の見直しに松原仁国家公安委員長が言及したことに関し「極めて不適切な発言」とし、「過去の日本政府の謝罪や反省を無効化する行為とみるしかない」と批判しました。
 報道官は「被害者自身が証拠だ」と述べ、野田首相らの発言は「理解できない主張で、本当に残念だ」と指摘。「日本政府が、『河野談話』を通じて認めた強制連行の事実を受け入れ、過去を直視した上で、謙虚な姿勢で被害者が納得できる誠意ある措置を取ることを求める。その反対に向かう行為は決してあってはならない」と語りました。
 また、「慰安婦問題は普遍的な人権問題であり、国際社会の問題だ」として、国連人権理事会でこれまで、慰安婦問題に関し日本政府の法的責任を認め、謝罪と賠償を求めた報告書が何度も採択された例を挙げました。
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2012年08月29日,「赤旗」)

「慰安婦」の事実知って=^安世鴻さん写真展、市民の力で開く/東京・練馬

 写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)の写真展「重重 中国に残された朝鮮人元日本軍『慰安婦』の女性たち」が28日、東京都練馬区のギャラリー古藤(ふるとう)で始まりました。一時開催が危ぶまれた後、今年6月末に新宿ニコンサロンで開かれた安さんの写真展に心を痛めた市民が企画し、実現したもの。運営もボランティアの市民有志で行われます。
 安さんは今回の写真展開催について、「いろんな人に『慰安婦』の事実を知ってもらいたいと写真展に取り組んできた。こんなに多くの人に助けてもらい、うれしい。個人の写真展ではなく、たくさんの人の力で実現できた『協同』の写真展。希望を見いだす場ができた」と話します。
 実行委員の一人・永田浩三さんは「あらゆる写真は社会や政治と無縁ではない。『政治的だ』との一方的理由で写真展を開かせないことは暴力的であり、許せない。健全な市民の良識で実現した写真展に多くの人に来場してもらいたい。心に悲しみを秘めつつも尊厳にみちた『慰安婦』の姿を見てほしい」と話します。
  ◇
 写真展は9月9日(日)までの正午〜午後8時(無休、最終日は午後4時まで)。入場料300円。問い合わせ080(4056)8490。
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2012年08月29日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/ナチスの売春宿

 アウシュビッツ等いくつかの強制収容所には売春宿が設置されていた。ナチスは軍事物資の生産増大のために捕虜、共産主義者、社会民主主義者等ナチスへの敵対者である政治犯、一般の刑事犯など囚人を強制労働に駆り出したが、労働成績の向上のためほんの一部の囚人たちには売春宿のチケットを与えた。
 女性専用のラーヘンスブリュック強制収容所は他の強制収容所に強制売春のために多くの女性が送り出され屈辱、妊娠、死亡等悲惨な体験が最近分かってきた。ドイツは2000年、強制労働に対しては企業と政府が出資した「記憶・責任・未来」基金を創設しユダヤ人や捕虜に対する給付等道義的責任を果たした。
 しかし「90年代半ばになって日本軍慰安婦問題がきっかけでナチ時代に国家が作った売春宿の存在が明らかになった。戦後も被害者はほとんど名乗り出なかったためドイツでは大きな問題になっていない」(ラーヘンスブリュック強制収容所記念館 エシェバッハ館長 クリスタ・パウル『ナチズムと強制売春』)。
 いわゆる戦後処理問題では日本との比較でかなり評価されているドイツでも女性への戦時性暴力についてはタブー視され調査が始まったばかりだという。「ブルータスお前もか」との思いがする。
 (春)
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2012年08月28日,「赤旗」)

「慰安婦」問題/強制否定発言撤回を/2団体が橋下市長に抗議

 大阪府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(大阪AALA)と日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める大阪の会は27日、橋下徹大阪市長が「従軍慰安婦」問題で「強制の事実については確たる証拠がない」と発言したことに抗議し、発言を撤回せよと申し入れました。
 大阪AALAの澤田有理事長や四ツ谷光子副理事長、「大阪の会」の吉田信夫事務局長ら9氏が市役所を訪れ、市政策企画室秘書部が応対しました。
 参加者は「被害者が訴えた裁判でも被害の事実が認定されている。そのことを調べもしないで発言するのは政治家としての資格がない」「『慰安婦』問題を解決するには、日本の侵略戦争の責任をはっきりさせることが大事だ」「市長の政治姿勢には女性の人権や尊厳を大事にしないという考え方が貫かれているのではないか」と指摘しました。
 澤田氏は「発言を撤回してほしい。それができないのであれば、公開の場でも構わないので私たちと会って、撤回しない理由を聞かせてほしい」と重ねて要望しました。
 市側は「各方面からご意見やお叱りをいただいています。一定の判断をして、発表させてもらうことになる」と述べました。
 小川陽太日本共産党市議が同行しました。
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2012年08月28日,「赤旗」) (Page/Top

橋下氏「慰安婦」強制否定発言/証言の被害者冒とく/国際的に通用しない

 「従軍慰安婦強制の事実に確たる証拠はない」「証人が何百人出てきても信用性に足りるかどうかが問題だ」。日本軍「慰安婦」問題で橋下徹大阪市長がタガの外れた発言をして以降、「慰安婦」問題で旧日本軍の強制を否定する暴言が相次いでいます。

 石原慎太郎都知事が「強制ではない」(24日)と暴言を吐いたのに続き、松原仁国家公安委員長は旧日本軍の関与を認めた1993年の河野洋平官房長官談話を閣僚間で議論すると答弁しました(27日)。いずれも、被害者を含む国際社会の前ではとうてい通用しない暴論です。
 旧日本軍による「慰安婦」問題とは軍がつくった慰安所で女性を拘束し、軍人らの性行為の相手を強いた問題です。女性を人間として扱わず、人権を著しく侵害した犯罪行為として、国連人権委員会や国際労働機関などから日本政府に対し、加害者の訴追、謝罪と補償などを求める勧告が何度も出されています。

政府も認めた
 政府も93年の河野長官談話で慰安所が「当時の軍当局の要請により設営された」ものであり「慰安婦」の生活は「強制的な状況の下での痛ましいものであった」「その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」と認めています。
 ところが橋下氏は、同談話の発表までに政府が発見した資料の中には「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とした安倍晋三政権時代の答弁書(2007年3月16日)を根拠に「談話の見直しに入るべき」だと主張しています。
 しかし、軍や官憲による直接の強制連行であれ、軍の要請を受けた業者がだまして連れて行ったのであれ、女性たちが軍の「慰安所」に閉じ込められ、一日に何回も兵士たちの相手を強いられたという事実は変わりません。「強制連行」したかどうかだけに問題を矮小(わいしょう)化する橋下氏らの主張は、日本政府の責任を認めない卑劣な議論であり、すでに破綻ずみです。
 しかも、橋下氏があげた07年の答弁書こそ、当時、安倍首相の「慰安婦」問題での強制性を否定する発言に続いて国際社会の怒りの火に油を注いだ答弁書でした。
 当時、強制を否定した安倍首相らの態度に、シーファー駐日米大使は「(米国内に)破滅的影響を及ぼす」と警告。韓国での抗議行動も当然強まり、元「慰安婦」は「私が生きた証人だ」と訴えました。

謝罪求め決議
 07年4月、国際的な批判に追い込まれた安倍首相は訪米先の議会指導部との会談で「元慰安婦の方々に申し訳ない気持ちでいっぱい」と表明せざるをえなくなり、会談したブッシュ大統領は河野長官談話の継承を前提に「首相の謝罪を受け入れる」と述べました。7月には米下院議会が、日本政府に日本軍が女性たちに「性奴隷」化を強制した事実を承認し、謝罪を求める決議を全会一致で採択。その後、オランダやカナダなども続くという事態に発展します。
 安倍首相自身、任期中、「河野談話を継承している」と繰り返さざるをえなかったのであり、問題の答弁書でも談話「継承」の建前は崩していません。
 河野長官談話で強制を認めたのは「強制的な連行があったとする証言集等も存在し、当時の政府で、各種証言集の記述、韓国での聞き取り調査(の結果)を含め総合的に判断した結果」(8月23日、玄葉光一郎外相の答弁)です。軍や官憲が直接かかわった強制連行の証言はその後も相次いでいます。
 橋下氏は軍の要請を受けた業者が女性をだまして連れてきたケースについても、「民間の問題」「風俗業は今でも世界各国に存在する」「軍が関与していたのは衛生管理上の問題からだ」(24日)などと吹聴しています。
 一連の暴言は、暴虐の限りを尽くされた犠牲者たち、今も証言を続けるハルモニへの冒とくにほかなりません。使い古された「靖国」派の妄言以上の証拠を出すべきなのは橋下氏自身です。
 (藤原直)
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2012年08月28日,「赤旗」) (Page/Top

首相、「河野談話」踏襲/「従軍慰安婦」問題で言及

 野田佳彦首相は27日の参院予算委員会で、「従軍慰安婦」問題について「心からのおわびと反省」を表明した1993年の河野洋平官房長官談話に関し、「歴代政権が踏襲しており、わが政権としても基本的には踏襲する」と述べました。
 新党「国民の生活が第一」の外山斎議員が「河野談話は問題だ。強制連行の証拠はない」などとただしたのに対して答えたもの。
 同時に、野田首相は「強制連行した事実を文書では確認できないし、日本側の証言はなかったが、いわゆる従軍慰安婦への聞き取りを含めて談話ができた」とし、慰安婦問題について「(日韓請求権協定が締結された)65年に法的には決着がついている」としました。
 また、韓国の李明博大統領が竹島に上陸した背景に旧日本軍の「従軍慰安婦」問題に対する日本政府の対応への不満があったとの見方について、「本来、結び付く話ではない。領土の問題は領土の問題だ」と述べました。
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2012年08月28日,「赤旗」)

メディアをよむ/成見暁子/「平和」はどう語られたか

 67年目の8月15日は尖閣諸島や竹島をめぐる緊張が続き、オスプレイ配備への反対と脱原発を求める市民の声が広がる中で迎えた。
 領土問題の背後にある歴史問題。日本政府が「対米関係を優先し、植民地支配や侵略戦争の過去を直視することを後回しにしていた」(「朝日」)という指摘は当然だ。しかし、後回しというにとどまらない。「日本の官憲が組織的、強制的に女性を慰安婦にしたかのような」誤解を広めた、と河野談話を攻撃し、過去をなかったこととする「読売」の主張は、近隣諸国の不信感と反発をいっそう強めるばかりである。
 冷静な外交的解決しかとるべき道はなく、「尖閣諸島の守りを強める」(「産経」)などとオスプレイ配備推進の口実に使うことは許されない。「諸国民の公正と信義に自国の安全を委ねては国家は成り立たない」と憲法を敵視し、「英霊に顔向けできる」「強い国家」(「産経」)を目指すなどは時代錯誤も甚だしい。真の平和構築のためには、「不戦を誓う平和憲法の理念に立ち返ることが欠かせない」(琉球新報)はずだ。
 原子力基本法の目的に「我が国の安全保障に資すること」がこっそり加えられ、長年「平和利用」だと思わされてきた原発と核兵器の境界さえも揺らいでいる。「東京」は、震災後の8月は「戦争と原発に向き合う月になった」とし、核廃棄物の問題を挙げて「脱原発こそが、われわれの未来世代に対する倫理、人の道だ」という。
 平和を守る上で、権力に対し、「自由にものが言える社会」は不可欠である(宮崎日日)。「偽りの大本営発表をそのまま報道し国民を欺いた」(同)ことの反省、「権力を監視し、正確な情報を国民に提供することは新聞の責務」(同)の自覚をすべてのメディアに期待したい。安全保障政策もエネルギー政策も新しい可能性の模索を始めた主権者の知る権利にしっかり応えてほしい。
 (なるみ・あきこ=弁護士)
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2012年08月26日,「赤旗」) (Page/Top

尖閣諸島、竹島解決の道は/事実と道理にもとづいた冷静な外交的努力を

 沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の魚釣島に、15日、自称中国籍の活動家ら14人が上陸、入管難民法違反容疑で逮捕後、17日に強制送還されました。19日には、日本の地方議員ら10人が日本政府の許可なく、尖閣諸島に上陸しました。10日には、日本と韓国が領有権をめぐって対立する竹島(韓国名・独島)に韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が上陸し、波紋を広げています。尖閣諸島と竹島という二つの領土問題の解決にあたって大切なことは何か―。日本共産党の主張を紹介します。

 尖閣諸島や竹島の領土問題をめぐり、日本と中国・韓国の間に緊張を激化させ、関係を悪化させるような発言や行動が続いています。
 日本共産党の市田忠義書記局長は20日、国会内の記者会見で次のように強調しました。
 「日中、日韓両国の緊張を激化させたり、関係を悪化させるような行動や言動は、いずれの政府も慎まないと問題の解決にならない。歴史的な事実と国際的な道理にもとづいて、冷静な外交的努力で解決することが大事だ」
 歴史的な事実と国際的道理にもとづく、冷静な外交的努力とは―。
 日本共産党は、尖閣諸島、竹島の問題について、次のように主張しています。

尖閣諸島/領有の正当性を、中国政府と国際社会に堂々と主張することが大事
 尖閣諸島の日本の領有は、歴史的にも国際法上も正当です。その根拠は、日本共産党が2010年10月4日に発表した見解「尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当―日本政府は堂々とその大義を主張すべき」でくわしく展開しています。(「見解」ポイントは5面)
 「問題は、歴代の政権が1972年の日中国交回復以来、本腰を入れて日本の領有の正当性を中国側にも国際社会にも主張してこなかったこと」(市田氏)です。
 日本政府は、1978年の日中平和条約締結時に、中国のケ小平(とうしょうへい)副首相の棚上げ論≠ノ事実上同意して領有権を主張しませんでした。当時の福田赳夫首相は尖閣諸島の領有権の確認は「まったくいらざること」(78年10月16日、衆院外務委員会)とのべました。
 1992年に中国が国内法に自国領と明記した際にも、外務省の口頭の抗議ですませました。
 日本共産党は前出の「見解」にもとづいて、日本政府に申し入れ、衆院本会議や予算委員会でも取り上げてきました。
 10年10月7日の衆院本会議で代表質問に立った志位和夫委員長は、尖閣諸島問題をめぐる党の立場を示すとともに、日本政府の問題点について、「歴代政府が1972年の日中国交正常化以来、本腰を入れて日本の領有の正当性を主張してきたとはいえない点にある」と指摘しました。
 また、志位氏は、10年9月の中国漁船衝突事件後の民主党政権の対応についても、「国内法で粛々と対処する」というだけで、領有の大義について、根拠を示し理をつくして主張する外交活動を行っているとはいえないと批判。「歴史的事実、国際法の道理にそくして尖閣諸島の領有の正当性を、中国政府と国際社会に堂々と主張する外交努力を強めることを求める」と追及しました。
 これにたいし、菅直人首相(当時)は、「尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」と答弁。その一方で、「正しい理解が得られるよう努力する」とのべました。
 その後、首相は野田佳彦氏、外相は松本剛明氏、玄葉光一郎氏に代わりました。この間、30回以上も日中間の首脳会談・懇談、外相会談(電話も含む)が行われましたが、尖閣諸島問題で、突っ込んだやりとりが交わされた形跡はなく、日本政府が国際社会に主張した例も見当たりません。
 日本政府が尖閣諸島領有の正当性について、国際社会と中国政府に、理をつくして主張する冷静な外交努力をおこたってきたことが、今回のような事態が繰り返される根本にある問題です。
 前出の記者会見で、市田氏はこうした経過にふれ、「今こそ日本政府は領有権の正当性について冷静に理を尽くして堂々と説く外交努力が必要だ」とのべました。

竹島/日韓が冷静に話し合う土台を。侵略戦争と植民地支配に反省と謝罪が必要だ
 記者会見で、市田氏は、竹島問題にもふれて、日本共産党が1977年に見解を発表し、日本が領有権を主張することは歴史的根拠があることを明らかにしていることに言及しました。
 同時に、竹島の日本(島根県)への編入が行われた1905年は、日本が韓国を武力で植民地化していく過程であり、韓国の外交権が奪われていたことも考慮し、しっかり検討する必要があると指摘しました。
 1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上外交権を奪われ、異議申し立てができない状況でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。しかし、日本政府は韓国併合が違法・不当なものだったということも認めていません。
 また、「日本軍従軍慰安婦」問題でも、誠実に歴史に向き合って解決するという立場ではありません。
 記者会見で、市田氏は、「大事なことは(日韓が)冷静に話し合う外交的土台をつくることだ。そのためには侵略戦争と植民地支配に対する真摯(しんし)な反省と謝罪が必要だ」と主張しました。そのうえで、「そうした土台の上で竹島をめぐる歴史的事実とその認識を両国の国民が共有できるための共同作業を行って納得できる方向での問題解決をはかるべきだ」と強調しました。
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2012年08月26日,「赤旗」) (Page/Top

「強制ない」と暴言/「慰安婦」問題で石原都知事

 東京都の石原慎太郎知事は24日の定例記者会見で、旧日本軍の「慰安婦」問題について「強制ではない。日本軍が強制した証拠がどこにあるか」と暴言を吐きました。
 石原知事は「ああいう貧しい時代には日本人だろうと韓国人だろうと何人だろうと、売春は非常に大きな利益の商売だったから、貧しい人はある意味で仕方なしに、しかし決して嫌々じゃなしに、ああいう商売を選んだ」とまで発言しました。
 また、旧日本軍の関与と強制性を明確に認めた1993年の河野洋平官房長官(当時)談話を「そんなものを認めた河野洋平というばかが日韓関係を駄目にした」と非難しました。
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2012年08月26日,「赤旗」)

尖閣・竹島冷静な外交を/小池氏が主張/TV討論

 日本共産党の小池晃政策委員長は25日、TBSの朝のテレビ番組「サタデーずばッと」に出演し、尖閣諸島や竹島、原発問題などで各党代表らと議論を交わしました。

土台つくる努力を
 尖閣諸島について小池氏は「歴史的にも国際法上も明らかに日本の領土だ」と日本共産党の見解を紹介。「自民党時代から議論を棚上げにしてきたことが問題だ。中国政府と本格的な外交交渉をすべきだ」と提起しました。
 竹島については「日本が領有を主張することには歴史的根拠がある」と強調する一方、竹島の日本編入は、日本が韓国を植民地化する過程で、韓国の外交権が奪われていたもとで行われたと指摘。「(竹島編入が)侵略の象徴という韓国側の思いも受け止めるべきだ。『従軍慰安婦』問題の解決を含め、日本がこれに応える冷静な議論をしなければ解決の道は開かれない。外交のテーブルをつくる努力をすべきだ」と主張しました。
 民主党の長妻昭政調副会長は「やるべきことは矢継ぎ早に打ち出した」と発言。日中、日韓間の緊張とその激化をもたらした政府の対応を正当化しました。
全政党「原発ゼロ」
 原発問題について、たちあがれ日本の片山虎之助参院幹事長は「ヒステリックな議論をやるのではなく、なだらかに減らしていくべきだ」と主張しました。
 小池氏は「福島ではいまだに16万人の県民が避難生活を強いられている。あんな苦しみを繰り返したくないという国民の声に応えるのは政治の責任だ。ヒステリックでも何でもない」と反論。「原発をゼロにする決断をすれば(再生可能エネルギーの爆発的普及など)次の手を打てる」と強調しました。
 討論では、すべての政党が「できるだけ早く原発ゼロを実現すべきか」との問いに「イエス」と答えざるを得ませんでした。

解散・総選挙早く
 小池氏は、消費税増税法や原発再稼働を強行してきた民主党政権を「これだけ国民に背を向ける政治は今までなかった」と批判。「多くの国民が審判を下したいと感じている」として、一刻も早く解散・総選挙で国民に信を問うことを求めました。
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2012年08月26日,「赤旗」) (Page/Top

橋下慰安婦暴言/新婦人府本部抗議

 橋下徹大阪市長が元日本軍「慰安婦」問題をめぐり、「強制連行の証拠がない」と暴言を吐いた問題で、新日本婦人の会府本部(川本幹子会長)は24日、市役所を訪れ、強く抗議し、撤回を求める要請書を提出しました。
 要請書は、橋下市長発言を「歴史認識の無知をさらけだすものであり、時代を逆行させる意図を感じずにはいられません」と指摘。「『戦時における性暴力』を『仕方なかった』『時代が時代だった』という立場に固執する暴言は、大阪市政の先頭にたつ市長としても資格が問われる」と批判しています。
 「今回の暴言は、府政・大阪市政の首長としてこの間、男女共同参画施策を後景に追いやってきたことと軌を一にしている」とし、「市長には男女平等の視点がない。『女性の権利は人権』とうたった第4回世界女性会議の宣言を真っ向から否定するもの」と強調。「人権をふみにじられ、一生を台無しにされた元『従軍慰安婦』の方たちの声にも耳をふさぎ、持論を展開することに終始している橋下市長、あなたは国際都市大阪市の市長にふさわしくありません」と厳しく断じています。
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2012年08月25日,「赤旗」)

橋下市長に抗議文/「慰安婦」問題発言で/すすめる会

 橋下徹大阪市長が旧日本軍による性的暴行の被害者の元「慰安婦」を侮辱し、国の進路を危うくしたとして、「『慰安婦』問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会」は24日、発言の撤回と謝罪を求めて、橋下氏に抗議文を送りました。
 抗議文は「強制連行の事実があったのか、確たる証拠はない」と橋下氏が強弁するが、1993年8月の河野洋平官房長官談話が日本政府自身の調査でまとめられたものだと強調。奴隷的な強制労働や非戦闘員への虐待禁止など「当時の時代背景」に照らしても「慰安婦」制度が許されないことはすでに明らかだと指摘しています。
 橋下氏就任前の2010年10月、大阪市議会は「慰安婦」問題の早期解決を求める意見書を可決しています。
 同会は、安達克郎茨木診療所所長、石川康宏神戸女学院大学教授、西欣也甲南大学教授が共同代表です。
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2012年08月25日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」発言で橋下市長に抗議/平和委が撤回要求

 日本平和委員会は22日、大阪市の橋下徹市長が戦時中の「従軍慰安婦」問題について「強制連行があったかどうかの確たる証拠はない」などと発言したことについて強く抗議し、発言の撤回を求める声明を橋下市長に送りました。
 発言は政府も認めた日本軍の犯罪である「従軍慰安婦」強要の事実をなきものにしようとするものであり、女性の名誉と尊厳を傷つけるもので、座視することのできない暴言だとしています。
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2012年08月24日,「赤旗」)

相当に常識から逸脱

 外交・安全保障問題を審議した23日の衆院予算委員会で、尖閣、竹島問題について緊張関係を激化させる発言が相次ぎました。
 野田首相は韓国の李明博大統領の天皇への謝罪要求発言について「相当に常識から逸脱している」と述べました。玄葉光一郎外相も、李大統領にあてた野田首相親書を韓国側が返送してきた場合について「受け取らないことも含めて検討しないといけない」と対抗措置をとる考えを示しました。
 民主党の吉良州司氏は竹島問題での韓国側の対応について「党派を超え断固たる対応をしなければならない」と表明。尖閣諸島の問題については「動的防衛力の構築、島しょ防衛の予算を要求していきたい」と軍事的対応の強化を求めました。
 自民党の石破茂前政調会長も「島しょ防衛能力が自衛隊は十分ではない。水陸両用艦艇などを持たねばならない」と強調。尖閣上陸者らを強制送還したことには「もっと強い対応をとらなければならない」と述べました。
 公明党の東順治氏は「冷静さが大事」と述べつつ、「あるときは力ずくで、国益と国益のぶつかりあいなんですから」と述べました。
 自民党の下村博文氏は、1993年の河野洋平官房長官(当時)談話で、「従軍慰安婦」について旧日本軍の関与を認めたことは「間違いだった」と主張。玄葉外相は「河野談話は踏襲している」と答えました。
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2012年08月24日,「赤旗」) (Page/Top

潮流

 日本軍「慰安婦」の事実を否定しようとした橋下徹大阪市長の暴言は、自らを悪質な詭弁を弄する人物だとさらけ出したようなものです▼「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れて来られたという証拠はない。あるなら韓国に出してもらいたい」。官憲による奴隷狩りのように連行されたケースだけが問題であるかのようにいうのは恐るべき人権感覚です▼実態は、多くの犠牲者が証言しているように、「仕事に就ける」「お金が稼げる」とだまして連れ出され、慰安所に閉じ込めて逃げられないようにされて、日本軍兵士の相手をさせられたのです。まさに性奴隷です▼もちろん腕ずくで連れ去られたと証言する女性もいます。例えば、自宅近くで友だちとゴム跳び遊びをしていた14歳の少女は、突然現れた「巡査と軍人」が乗った車にさらわれました。「私は足をドンドン踏み鳴らし、降ろしてほしいと哀願した。でも、彼らはそんなことには耳も貸さず、泣いたら降ろしてやらないといい、矢のように走りつづけた」(キム・ユンシム著『海南の空へ』現代書館発売)▼以前、暴力や脅迫による連行を「狭義の強制」として、それはなかったと強弁した安倍晋三首相は国際社会から総スカンでした▼米国下院本会議は異例にも「慰安婦」決議を採択し、日本政府と首相に責任を認め公式な謝罪をと求めました。「狭義」うんぬんには一顧だにしませんでした。それが常識です。それさえわきまえない橋下・「維新の会」に国政を語る資格はありません。
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2012年08月24日,「赤旗」)

橋下市長慰安婦否定発言/断じて許せない/日本コリア協会・大阪

 日本コリア協会・大阪(飯田光徳理事長)は22日、「橋下氏の『従軍慰安婦』否定発言を断固糾弾する」とする声明を発表しました。
 声明は、橋下徹大阪市長が21日に「従軍慰安婦」問題について軍や官憲による「強制連行」はなかったとの認識を示したことに対し、見過ごせない重大な誤りで、断じて許せないものだと指摘。「発言を厳しく糾弾し、発言の撤回を求める」としています。
 橋下氏が「証拠がない」ということについて、強制的もしくは半ば強制的に「慰安婦」=性奴隷にされたことは、「慰安婦」自身の証言にとどまらず、慰安所を利用した軍人たちや慰安所の経営にかかわった民間業者などの多くの証言から明白であるとしています。
 負の遺産は負の遺産とし、しっかり認識し対応することが求められ、むやみに偏狭なナショナリズムをあおる言動や行為は、北東アジアの平和と共存に何ら貢献するものではないと指摘しています。
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2012年08月23日,「赤旗」) (Page/Top

橋下氏は発言撤回を/「慰安婦」問題で抗議/大阪AALA

 大阪府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の澤田有理事長は22日、橋下徹大阪市長が「慰安婦」問題に関して「強制の事実については確たる証拠はない」と発言したことに対し、橋下市長あてに抗議文を送付しました。
 抗議文は「政府は、内外の追及に1993年調査を行い、『軍の関与があったことを認め謝罪し、そして政府の責任で何らかの措置をとらなければならない』という河野官房長官談話を発表した」と指摘。しかしその後、教科書からも「慰安婦」の言葉がなくなったと批判し、「日本軍『慰安婦』問題の責任をはっきりさせることが、侵略し被害を与えたアジア諸国と対等平等に国際関係を結ぶためにも重要だ」と強調しています。
 橋下市長の発言は「歴史的事実をただ『強制の証拠はない』として人権侵害の日本軍『慰安婦』問題を無きものにしようとするもの」と糾弾、発言の撤回を求めています。
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2012年08月23日,「赤旗」) (Page/Top

橋下・大阪市長の「慰安婦」暴言/安倍発言の蒸し返し/「河野談話」も国連報告書も「強制」認定

 「従軍慰安婦」問題に関し「強制連行というものの事実があったのかどうなのか、確たる証拠はなかった」という橋下徹大阪市長の発言は、自民党の安倍晋三元首相の発言を蒸し返したもので、すでに破綻した議論です。

強制の核心
 1993年の慰安婦問題に関する河野洋平官房長官の談話は、「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」と明確に認定しています。
 「慰安婦の募集」についても、朝鮮半島は当時日本の統治下にあったと述べ、「その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反しておこなわれた」と断定。「更に、官憲等が直接これに加担した」としています。
 「本人たちの意思に反して集められた」というのは、まさに強制以外の何ものでもありません。
 強制性の核心である慰安所における生活についても、「河野談話」は「強制的な状況の下での痛ましいものであった」と述べています。こうした事実を裏付ける材料は無数にあります。
 橋下氏は「日本政府も日本国民に対して、しっかり従軍慰安婦問題についてもっと明確に見解を示さなければいけない」と言う前に「河野談話」をきちんと読むべきでしょう。
 安倍首相(当時)はこの「河野談話」を「継承している」(2006年10月、衆院予算委員会)と述べざるを得なかったものの、何とか旧日本軍の犯罪行為を免罪しようと、「狭義の強制性」として、「家に乗り込んでいって強引に連れて行った」行為しか強制と認めないという理屈を持ち出しました。しかし、強制性を否定した安倍発言は、米国など国際社会から批判が噴出。米下院は2007年、「日本政府による軍事的強制売春である『慰安婦』システムは、その残酷さと規模の大きさで前例のないもの」との批判決議をあげました。

当時も違法
 橋下氏はまた、「当時の時代背景において、慰安婦制度というものがどういうものだったのかということを真正面から議論しなきゃいけない」などと、当時では許された行為であるかのように発言しています。
 しかし、この問題についても国連人権委員会差別防止と少数者保護小委員会は1998年、慰安婦は事実上の奴隷であり、「当時ですら、奴隷制を禁じた慣習的国際法に明らかに違反していた」との報告書を採択しています。これがこの問題での国際社会の到達点です。
 橋下氏と「大阪維新の会」は国政進出への野望を強めていますが、橋下氏の発言は国政について論じる資格そのものが問われるものです。
 (入沢隆文)
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2012年08月23日,「赤旗」) (Page/Top

橋下・大阪市長の「慰安婦」暴言/地元から抗議の声/立石孝行さん/四ツ谷光子さん

 橋下徹大阪市長が「従軍慰安婦」問題に関し、「強制の事実については確たる証拠はない」などと発言(21日)したことに対し、「許せない」と地元・大阪から抗議の声があがっています。

女性の人権問題その認識がない/日本軍「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会事務局長立石孝行さん
 橋下徹大阪市長は、日本軍「慰安婦」の強制連行は確たる証拠がないという立場ですが、なぜそんなことが言えるのか理解できません。
 「勉強したいならもっと勉強できるところがある」「高い技術を教えてもらってもっとお金が稼げる」と言われて連れて行かれたり、日本の憲兵に連れて行かれたという証言、逃げようとして逃げきれず、足の甲を日本刀で地面にむけて突き刺された傷痕など、私自身、韓国の元日本軍「慰安婦」のハルモニ(おばあさん)たちから見聞きした証言こそ「確たる証拠」です。
 橋下市長は、韓国が強制を問題にしているのか慰安婦という存在自体を問題にしているのかと言いますが、「慰安婦」問題は女性の人権問題であり、日本の侵略と切り離せない問題です。そういう認識が橋下市長には全くみられません。
 ハルモニたちの願いは日本が事実を認めて謝罪し、未来にわたって真実を伝えていくことです。私たちも真実を伝え、広げていかねばならないと思います。

多くの証言がある勉強しなさい/日本AALA代表理事四ツ谷光子さん
 橋下市長が「従軍慰安婦」について、強制連行には確たる証拠がない、あるなら見せろと言っていますが、私は実際に韓国やインドネシアに行ってたくさんの人々に話を聞いています。
 インドネシアでは女性のところに日本刀を持った軍人が3人来て、夫や家族が皆そろっているなかで、来なければ家族を殺すと脅して連れて行ったなど、強制連行や甘言をもって連れて行かれたということは、韓国でもたくさんの人が証言しています。
 そういうものを橋下市長が「証拠がない」と言いきっているのは大問題です。橋下市長はきちんと事実を見て、ちゃんと勉強しなさいと言いたい。
 橋下市長は当時の時代背景を念頭に「慰安婦」制度を議論しなくてはいけないなどと言って、当時としては問題ないと言いたいのだろうが、橋下市長のこのごまかしは許せない。
 「慰安婦」問題の解決ぬきにアジアの人たちと連帯できません。今回の橋下市長の発言は絶対に許せない。私たちは橋下市長に抗議し、この発言の撤回を求めます。
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2012年08月23日,「赤旗」) (Page/Top

橋下大阪市長の暴言/要旨

 「従軍慰安婦」をめぐる21日の橋下徹大阪市長の発言(要旨)は次の通りです。
  ◇
 竹島問題だって従軍慰安婦という日韓の課題が根っこにある。強制連行の事実があったのか、確たる証拠がなかったというのが日本の考え方。韓国と論戦したらいい。それをやろうと思ったら近現代史の知識を国民自体がしっかりと認識しないと議論にならない。日本の教育は問題ありだ。慰安所はあったのかもわからないけれども、慰安婦が軍に暴行脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。あったというのであれば韓国に出してもらいたい。河野談話の中身をもう一度国民に政府が説明したらいい。談話はそのまま本当に踏襲するのか、問題があったんだったらあったといわなければいけない。慰安婦自体の存在が問題なら、それは日本固有の問題なのか。世界的にもそういう制度があったのか。日本政府が説明すればいい。強制の事実については論拠がないといろんなところで僕は聞いていますから論拠がありません。
 慰安婦制度が今から考えると非常に倫理的に問題な制度かもわからないけど、当時の時代背景においてどういうものだったのかは議論しなきゃいけない。
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2012年08月23日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」強制証拠ない=^橋下大阪市長

 大阪市の橋下徹市長は21日、市役所で記者団に、戦時中の「従軍慰安婦」問題に関し「強制の事実については確たる証拠はない」などと述べました。
 橋下氏は「慰安所はあったのかもわからないけど、慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」と主張しました。
 政府は1993年の河野洋平官房長官談話で「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営された」との認識を示し、慰安所の設置、管理、慰安婦の移送についての旧日本軍の関与や慰安婦の募集をめぐる強制性は認めています。
 また、橋下氏は「慰安婦制度はいまから考えると非常に倫理的に問題のある制度なのかもしれないが当時の時代背景において、どういうものだったのかということを真正面から議論しなければいけない」などと述べました。
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2012年08月22日,「赤旗」) (Page/Top

平和のための戦争展/「慰安婦」問題、政府へ抗議を/広島

 広島市中区で開かれた「第18回平和のための広島の戦争展」のイベント広場で17日、日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークの土井桂子共同代表が講演しました。
 土井氏は、この1年間の動きを報告。ソウル市の日本大使館前に昨年12月建立した「平和の碑」やソウル市郊外に今年5月開館した「戦争と女性の人権博物館」に対し、日本政府がクレームをつけたことを批判しました。
 国連や国際労働機関(ILO)をはじめ、欧州連合(EU)、アメリカ、カナダの各議会は「被害女性たちに正義をもたらすように」という決議を日本政府に勧告しています。土井氏は「平和の碑」を囲むハルモニたちの写真入り絵はがきを紹介し、野田佳彦首相らに送付して抗議する運動への協力を呼びかけました。
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2012年08月21日,「赤旗」) (Page/Top

平和のための戦争展/戦争を風化させない/山口

 第15回山口・平和のための戦争展(同実行委員会主催)が、山口市民会館展示ホールで開かれています(写真)。22日まで。入場無料。
 今回は「原爆と原発のいま」をテーマに、低線量内部被ばくの問題や被団協が製作した「原爆と人間」のパネル、自然エネルギーに取り組んでいる岡山県真庭市を訪問した民青同盟県委員会の写真やパネルなどが展示されています。
 さらに、日赤山口県支部の看護師が戦場へ従軍した状況や中国や朝鮮半島からの強制連行、従軍「慰安婦」問題が紹介されています。
 展示された資料を熱心に見ていた22歳の男性は「祖父が中学生のころ工場で働いていたという話を聞きました。戦争を知らない世代が増えてきています。悲惨な戦争が風化しないようにしていかなければいけない」と話しました。
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2012年08月21日,「赤旗」) (Page/Top

ハルモニ(おばあさん)の痛み写す/写真家安世鴻さん/「慰安婦」問題の解決策探る

 日本の侵略戦争で日本軍「慰安婦」にさせられた少女たち。戦後67年間、癒えることのない心身の痛みを深いしわに刻んできました。「そのハルモニ(おばあさん)自身の感情や内心をそのまま写し、伝えたい」。名古屋市在住の写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)の思いです。
 本吉真希記者

 日韓の市民とともにことし3月立ち上げた「重重プロジェクト」。安さんはその代表として、国内外で写真展や講演にとりくんでいます。

苦しみと憤りと
 「重重」という言葉には幾重ものしわ、胸の奥深くに重なる苦しみと憤り、そして「市民が小さな力を重ね合わせたとき、大きな声を出すことができる」との思いが込められています。安さんの作品は、つらい体験を重ね、生きてきたハルモニたちのいまを切り取っています。
 安さんが被害女性と初めて会ったのは1996年。雑誌に掲載する写真の取材でした。それがきっかけとなり、「慰安婦」問題と向き合い始めました。2001年には、故国に帰れず中国に残留した朝鮮人の「慰安婦」被害者と出会いました。「国もなくさまようハルモニたちの悲惨な実情は、過去からずっと続いている」
 05年まで7回、中国を訪れ、ハルモニたちと過ごしました。
 黒竜江省の養老院に暮らすハルモニを訪ねたときです。彼女は戦時中、連行された慰安所で日本語で話すことを強要されました。戦後は置き去りにされた中国で朝鮮語を使えず、母国の言葉を忘れました。「ハルモニは自らの過去を中国語でしか語れないことをとても苦しく、恥ずかしいと思って胸を痛めていた」
 安さんの写真にはハルモニたちのしわが深く刻まれています。「しわにはハルモニたちの苦痛と『恨(ハン)』が深く染みついています。いまも苦しみから解放されていない」と安さん。

写真展妨害され
 ハルモニたちの写真展を今年6月、東京の「新宿ニコンサロン」で開くことにしていました。ところがニコン側は5月、抗議が殺到したとして安さんに開催中止を通告してきました。
 安さんは会場使用を求める仮処分を東京地裁に申請。「写真展は政治活動の一環」だとするニコン側に対し、同地裁は「写真文化は一定の政治性を帯びつつ芸術表現として発展してきた」として会場使用を命じました。
 写真展開催中、右翼が会場内外で妨害を繰り返しました。しかし安さんは「彼らから逃げる理由も、諦める理由もない」と屈しませんでした。「日本軍の汚点を隠したいという意図で写真展を中止し妨害するのは、民主主義社会においてあってはならない。写真史においても前代未聞であり、大きな汚点として残る」
 日本の加害行為に目をふさぎ、侵略戦争を美化・正当化する歴史教科書が歴史の真実をゆがめています。今年度から使用の中学歴史教科書から「慰安婦」の文字が消えました。安さんは言います。
 「私たちが被害女性たちを記憶せず、戦争の痛みを隠すのであれば、残酷な歴史は繰り返されるでしょう。しかし、いまの世代が戦争と過去の反省を通し、責任をとるのなら、子どもたちは堂々と生きていくことができるはずです。写真を通して問題の解決策を探るきっかけにしたい」

「慰安婦」問題とは
 日本軍「慰安婦」問題はいまだに解決されていません。
 日本の侵略戦争では、朝鮮や中国などで女性たちが強制的に集められ、組織的継続的に性行為を強要されました。その数は8万人から20万人以上ともいわれています。
 日本政府は1993年の河野洋平官房長官談話で、日本軍の関与と強制性を認めました。しかし、問題解決や国家賠償には正面から向き合わず、国際労働機関(ILO)や国連人権委員会は再三、勧告を行っています。
 2011年12月には、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が野田佳彦首相との会談で政府間協議を要求しましたが、野田首相は自公政権同様、65年の日韓請求権協定で「解決済み」との立場を表明。しかし、同協定に「慰安婦」問題は含まれていません。
 日本共産党は日本政府に対し、問題の真の解決と国の責任による謝罪と賠償、教科書への記載を行うよう求めています。
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2012年08月19日,「赤旗」) (Page/Top

潮流

 近所の女性が散歩していたときです。神社に入って、おや?≠ニ思いました。境内の歩道の脇に、石碑がたっていました▼東京郊外の、神社から歩いて数分の家に住んで40年近く。どうして今まで気づかなかったのだろう?=B高さ1b半を超すだろう碑の表に、「平和記念碑」と彫られていました▼裏に、太平洋戦争の戦没者23人、従軍者93人の名前が記されています。東京五輪の年、「昭和三九年四月」の建立。が、戦没者がどこの人なのか、誰がどんないきさつで碑を建てたのかも分かりません▼記者も行ってみました。簡単なつくりから、「平和」への願いがまっすぐ伝わってくるようでした。みなさんの身近にも戦争を記憶する記念物がありませんか。そのいわれを知り、地域の次の世代とともに「戦争と平和」について考えられるといいのですが▼「東京の高校生平和のつどい」は17年前から、戦争体験を聞いています。地上で7日しか生きられないセミさえうらやんだ元特攻隊員。中国で古参兵が犯そうとして抵抗された女性を井戸に投げ込み、彼女の幼子も後を追い飛び込むありさまをみた元兵士。元「慰安婦」の韓国人…▼先ごろ、『高校生が心に刻んだ戦争と平和の証言』にまとめました。「目をそむけません。過去の苦しさ、今の世界から」「走り続けます。世界の平和を願う歴史のリレーランナーとして。未来へ」。「つどい」を開いてきた高校生の決意です。老いも若きも、私たち一人一人が歴史のリレーランナーです。
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2012年08月15日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/広がる教科書攻撃への対応を

 昨年の中学教科書採択で、育鵬社版歴史・公民の一定の採択増に気をよくした日本教育再生機構や新しい歴史教科書をつくる会は、今度は、今年検定に合格した高校教科書の検定と採択に躍起となって圧力をかけている。
 第1は、日本会議が編集発行にかかわっている明成社版日本史教科書の採択をねらう請願や決議を、一部の県議会・市議会が採択した。また、育鵬社版教科書を採択した呉市では、呉市立高校で明成社版を採択した。
 第2は、育鵬社版のバックにある日本教育再生機構の機関誌で、「慰安婦」、強制連行、南京虐殺、三光作戦などの記述が高校日本史教科書にあることを非難し、検定で削除すべきだと主張している。
 第3に、4月に行った自民党文部科学部会と日本の前途と歴史教育を考える議員連盟の合同会議で、文科省の担当者をよんでこの第2の点を追及したようだ。日本教育再生機構も同席し、検定のあり方や教科書調査官と検定審議会委員の選任の仕方の再検討も求めたようである。
 第4に、産経新聞の記事や主張で、国旗国歌法に関する記述も含め、名指しで非難された日本史教科書を採択しないよう、圧力がかけられているという。
 次々と広がる教科書攻撃に機敏に対応する必要がある。
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2012年08月14日,「赤旗」) (Page/Top

竹島問題/「日本政府誠意ない」

 【ソウル=時事】13日付の韓国紙・東亜日報は、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が10日の竹島訪問後、同行者と夕食を共にした際、「日本政府はこれまであまりにも誠意がなかった」と指摘し、「訪問に対し日本政府がそのように(批判的な態度に)出るのは理解できない」と強く批判したと伝えました。
 同紙によると、大統領は「大統領として、韓国領土を訪問したのは、私にとっては一種の地方視察」として、当然の行動だと強調。「日本を必要以上に刺激し、対立したいという思いはないが、歴史問題について日本政府がこれまであまりにも誠意がなかった」と背景を説明しました。さらに「日本が国際司法裁判所への提訴の可能性などを論議するのは理解できない」と述べました。
 また、旧日本軍の元「従軍慰安婦」問題をめぐって激論になった昨年12月の日韓首脳会談に何度も言及。「野田佳彦首相は発言をあれこれ変え、誠意がなかった。会談後も日本政府の措置が全くなかった」と不満を示しました。
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2012年08月14日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題解決求め宣伝/ひろしまネット

 日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは1日、広島市中区で「問題の早期解決を!」と書いた横断幕を掲げて宣伝しました。韓国の被害者ハルモニらが日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して、毎月第1水曜日に宣伝しているもの。
 20人が参加し、今月10日午後6時半から中区のゆいぽーとで「性暴力と日本軍」をテーマに開く学習会の案内ビラを配布。土井桂子共同代表らがハンドマイクで「日本軍性奴隷被害者たちの要求に真摯(しんし)に耳を傾け、一日も早く謝罪と賠償を実現しなければならない」と訴えました。
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2012年08月03日,「赤旗」) (Page/Top

 

7月)ヘッドライン

*             消費税増税・社会保障解体許せません/宇治でも広がる共同/党市議団が要求懇談会/京都

*             「慰安婦」問題の意見書を可決/京都・宇治市議会

*             日本軍「慰安婦」/重大な人権侵害/米国務省

*             盧溝橋事件で講演/戦争展前に平和の集い/京都

*             日本大使館にトラック突入/ソウル

*             元「慰安婦」展の中止通告・妨害/写真家がニコンに抗議

*             芸能テレビ/長編動画「毎日がアルツハイマー」関口祐加監督/つらい時こそ笑おう

*             本立て/「ナヌムの家」にくらし、学んで/村山一兵・石川康宏ゼミナール著

*             日隅一雄さんを偲んで/言論の自由求め、信念に生き、夢語る

*             朝の風/ソハの地下水道

*             沖縄の「慰安婦」特別展を開催中/新宿区

 

7月(本文)(Page/Top

消費税増税・社会保障解体許せません/宇治でも広がる共同/党市議団が要求懇談会/京都

 京都府の日本共産党宇治市議団(水谷修団長、6人)はこのほど、宇治生涯学習センターで「市政要求懇談会」を開きました。
 水谷団長があいさつで、共産党と国民との共同が広がる政治情勢に触れ、宇治でも農業関係者らとの懇談の中で、消費税増税や原発再稼働の反対で一致したことを紹介。「原発なくそう宇治の会」の幅広い市民の共同の取り組みも紹介し、「共同の流れを大きくして、新しい政治の流れをつくり出そう」と呼びかけました。
 6月議会の報告では、2011年度収支で大黒字になった国保料の引き下げ条例を提案したほか、▽通学路の安全対策▽保育所の待機児童293人(12年3月1日現在)の解消▽固定資産税などの評価額・課税ミス問題―などを取りあげたと報告。消費税増税反対・大飯原発再稼働反対の意見書、旧日本軍「慰安婦」問題の意見書など、市民のくらしやいのちを守る党議員団の論戦や提案について紹介しました。
 要求懇談では、参加者から給食食材の放射能測定、介護保険料や国保料軽減の要望、生活保護申請書を窓口に設置することや学童保育の土曜開設を求めるなどの意見が出されました。
 日本共産党の、かみじょう亮一衆院6区候補があいさつしました。
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2012年07月12日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題の意見書を可決/京都・宇治市議会

 京都府の宇治市議会6月定例会でこのほど、平和のための宇治の戦争展実行委員会が提出していた請願にともなう「旧日本軍『慰安婦』問題について、政府の誠実な対応を求める意見書」が、日本共産党などの賛成多数で可決しました。
 京都府内(26市町村)では、6自治体目です。
 同実行委員会は、昨年11月に開催した「戦争展」で、「男女平等をすすめる教育全国ネットワーク」作成の紙芝居「戦時性暴力被害者『慰安婦』にされた少女たち」を上演し、「慰安婦」問題を訴え。旧日本軍の関与を認めた1993年の「河野談話」の趣旨を国が誠実に取り組むよう求める請願書を6月議会に620余人分の署名を添えて提出していました。
 採決では、日本共産党のほか、新社会党、公明党などが賛成、自民、民主両党が反対しました。
 同実行委員会は、今後、「慰安婦」問題の事実を市民に知らせるよう、市平和都市推進協議会にも申し入れる予定です。
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2012年07月11日,「赤旗」) (Page/Top

日本軍「慰安婦」/重大な人権侵害/米国務省

 【ワシントン=小林俊哉】米国務省のベントレル報道部長は9日の記者会見で、旧日本軍「慰安婦」問題について、「重大な人権侵害であり、被害者に心からの同情を表明する」と述べました。
 この問題をめぐって韓国紙・朝鮮日報は、クリントン米国務長官が「慰安婦」という表現は誤りで、「強制された性的奴隷」という表現を使用すべきだと国務省高官に指摘したと報じています。
 ベントレル氏はこの報道について、「(クリントン氏の)私的な会合での発言について、発表する用意はない」とした上で、「米政府として、特定の用語を好んで選んでいるかどうかは分からない」と述べました。
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2012年07月11日,「赤旗」) (Page/Top

盧溝橋事件で講演/戦争展前に平和の集い/京都

 平和のための京都の戦争展実行委員会は7日、今年で第32回となる同戦争展の開催を前にしたプレ企画「平和と文化の集い」を京都市内で開き、安井三吉神戸大学名誉教授(孫文記念館館長)が、「日中共同声明から40年、盧溝橋事件から75年」と題して講演しました。
 主催者あいさつで足立恭子さんは、日中国交回復40周年を迎える節目に、いまだ「南京虐殺はなかった」などと歴史をゆがめる勢力の軽視できない動きがあることを指摘し、「反戦、反核、平和の草の根の力を大きくし、ゆがんだ日本を変える力にしよう」と呼びかけました。
 安井氏は、日中共同声明(1972年)の論点の一つである戦争の歴史認識を中心に、日本と中国の四つの公式文書を紹介。中国への侵略を明確にしたことの重要性を指摘し、日中歴史共同研究でも、日本の侵略という共通認識を前提に議論されたと述べました。
 参加者からは、「共通認識をもとに戦争を起こせない仕組みづくりが必要」「宇治市の6月議会で、慰安婦問題について政府に誠実な対応を求める意見書が可決された」などの発言のほか、歴史認識にかかわる質問や領土問題をどう見るのかといった疑問、日中友好関係を展望する意見が活発に出されました。
 講演に先立ち、園奈央子さんが、二胡の演奏を披露しました。
 ◇
 2012年平和のための京都の戦争展は、31日(火)〜8月6日(月)まで、立命館大学国際平和ミュージアム中野記念ホールで開かれます。午前9時半〜午後4時半まで。入場無料。連絡先=同事務局075(231)3149
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2012年07月10日,「赤旗」) (Page/Top

日本大使館にトラック突入/ソウル

 【ソウル=時事】在ソウル日本大使館の正門に9日午前5時前(日本時間同)、韓国人の男(62)が運転する小型トラックが突っ込みました。鉄製の門扉がゆがみ、レールから外れましたが、建物に被害はなく負傷者も出ませんでした。男は警備中の警察官に取り押さえられ、公用建造物破壊の現行犯で逮捕されました。
 日本大使館は外交通商省に厳重に抗議し、再発防止を申し入れました。
 男は貨物車両の運転手で、同大使館前に建てられた従軍慰安婦を象徴する少女像に6月、日本の右翼活動家が「竹島は日本の領土」と書かれたくいを縛り付けたことに抗議するため犯行に及んだと供述しています。
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2012年07月10日,「赤旗」) (Page/Top

元「慰安婦」展の中止通告・妨害/写真家がニコンに抗議

 韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)は9日、東京・新宿ニコンサロンでの写真展「重重・中国に残された朝鮮人元日本軍『慰安婦』の女性たち」に対する株式会社ニコンの中止通告や対応への抗議文を発表。ニコンサロン責任者を通じ、木村眞琴取締役社長に渡しました。
 抗議文は、ニコンの写真展に協力する写真家たちを無視した処置と展示進行妨害の行動は「『写真文化向上』というニコンの理念に反する行動であり、写真家と写真愛好家に大きな失望を与えた」と批判。ニコンに@安世鴻写真展開催への説明・対応の過ちを認め、世界の写真家に公開謝罪するAニコンサロンでの写真展に同じような対応・行為をしないことを約束するB大阪アンコール写真展への積極的協力―などを求めています。
 ニコンは5月下旬に写真展中止を決定しましたが、東京地裁が6月下旬、ニコンに会場使用を命じる仮処分決定をしたことで写真展が開催され、7900人が来場しました(6月26日〜7月9日)。ニコンは同決定に異議を申し立てて抗告しましたが、東京高裁は5日、棄却を決定しました。
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2012年07月10日,「赤旗」) (Page/Top

芸能テレビ/長編動画「毎日がアルツハイマー」関口祐加監督/つらい時こそ笑おう

 アルツハイマーへの認識がすっかり変わりました。認知症の母(81)を撮影した長編動画「毎日がアルツハイマー」。関口祐加(ゆか)監督は、「良妻賢母だった母が、今は自分に正直に生きている。面白いし、感動する」と豪快に笑います。
 湯浅葉子記者

 2009年、母・ひろこさんは初期の認知症と診断されます。父はすでに他界。監督は29年間住んだオーストラリアを離れ、横浜で暮らす母と同居することに。2階には妹家族5人が住み、前夫に預けた一人息子も、長期休みがある時期はオーストラリアから帰国。母を中心にした家族の模様を2年半にわたり記録した作品です。

笑いが満載
 孫にも、嫌なものは嫌とそっぽを向く。「あたす(私)、ボケた〜ボケた〜♪」と歌う。ユーモアと笑いが満載です。
 「今の母の方が好きです。おもろくて。アルツハイマーの力を借りて、ポテンシャル(潜在能力)が出てきた(笑い)」
 おもろい<Vーンばかりではありません。
 急速に減るトイレットペーパー。母は尿漏れパッド代わりに使っているようだ…。遠まわしに尋ねる監督へ、「監視してるのか!」と怒りをむきだしにする母。観客の気まずさを誘うシーンです。
 「人はみんな老い、死んでゆく。どんなに偉い人も。人生における真実です。目を背けるから怖い。事実を見つめれば受け入れられる」
 当たり前の生活を凝視することで、老いや死を覆う負のベールがはがされる。そんな作品です。

介護の極意
 母との暮らしにおける極意は母の立場に立つ=B「一番苦しいのは母。どれだけ母の視点から見られるかが大事です」
 もう一つの極意がちょっと引いてみる=B「チャプリンの言葉ですが、人生は近くで見ると悲劇でも、引いて見ると喜劇。つらい時こそ笑う。これを意識して作りました」
 母が激しく落ち込み、「首をくくりたい」と漏らしたときは、「首じゃなく腹をくくってと返すの。すると母は『あんたみたいなでかい腹じゃないからくくれない!』って。死にたかったことは忘れちゃう」
 この介護生活には前段≠ェあります。
 監督は大学卒業後、オーストラリアの大学院へ。そこで映画監督の道に目覚め、ニューギニア戦線における従軍慰安婦の記録映画「戦場の女たち」などを制作。自身のダイエットを赤裸々につづった「THE ダイエット!」(07年)では母との和解≠熾`きました。
 研究者ではなく映画監督になった娘に、失望していた母。29年の時をかけて、母娘は互いを受け入れます。「そのでこぼこがあったから、今がある。介護は深いですよ」
 面白くて騒がしくて、時々切なくて。毎アル≠ネ日々は続きます。

 *14日から東京・ポレポレ東中野ほかで公開
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2012年07月08日,「赤旗」) (Page/Top

本立て/「ナヌムの家」にくらし、学んで/村山一兵・石川康宏ゼミナール著

 日本軍「慰安婦」被害者たちが暮らす韓国ソウル郊外の「ナヌムの家」。そこに暮らし、ハルモニ(おばあちゃん)たちの心を深く見つめ続けてきた青年と、毎年ゼミ生と同所を訪れ続けた大学教授が対談。青年の思いに迫ります。
 ゼミ生との座談会ではともに悩み、成長し合う女子大生の姿から「自分は何ができるのか、したいのか」を考えさせられます。2人の講演記録も掲載。いまだ解決されない「慰安婦」問題の根源と加害国・日本のこれからを問います。
 (日本機関紙出版センター 1238円)
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2012年07月08日,「赤旗」) (Page/Top

日隅一雄さんを偲んで/言論の自由求め、信念に生き、夢語る

 6月17日深夜に放送されたTBS「報道の魂『バッヂとペンと〜日隅一雄のたたかい』」が、胸に迫りました。
 日隅一雄さんは、放送直前の12日に49歳の若さで亡くなった弁護士。東京電力や政府の記者会見で、原発事故を過小評価しようとする幹部たちを舌鋒(ぜっぽう)鋭く追及する姿は、インターネットの動画サイトを通じて大きな話題になりました。
 そんな日隅さんが末期がんで「余命半年」の宣告を受けたのは昨年の5月。番組は、がんとたたかいながら記者会見に通い続け、本の執筆も精力的にこなす日隅さんの「執念」を淡々と描きます。ナレーションも音楽も一切入れず、息を引き取る間際までを。
 私が日隅さんに最初にお会いしたのは2006年、従軍「慰安婦」問題を扱った番組が改変された「NHK裁判」の控訴審でした。改変の背景に自民党議員の圧力があったと丹念に立証していく様は、東電会見≠サのままでした。
 「僕は憲法21条と心中する覚悟ですよ」。取材の際によく聞いた言葉です。常に言論や表現の自由を守る活動に身を投じてきたのは、産経新聞記者の経験があったからだと言います。「政府と大企業べったりのメディアに嫌気がさして」弁護士に転じた、異色の経歴の持ち主でもありました。
 気さくな人柄。難解な放送法問題のレクチャーをお願いすると、共産党本部まで足を運んで講師を務めていただいたこともありました。そして、本欄「東日本大震災1年目に」のインタビュー企画(3月8日付)でお会いしたのが、最後となりました。
 その時はがんが進行し「痛みで夜も眠れない」状態。約1時間の取材の間は、ほとんど目をつぶったままでした。それでも、原発事故で「主権者は必要な情報を得られたのか」と問いかけ、子どもたちへ情報の大切さを説く絵本をつくる「夢」も熱く語る―。自らの信念の通り、憲法21条とともに生きた真のジャーナリストでした。
 日隅さんのご冥福を、心よりお祈りします。
 (佐藤研二)
 ◇
 「報道の魂『バッヂとペンと〜日隅一雄のたたかい』」は、TBSの動画配信サイト「TBSオンデマンド」で視聴できます(有料)。
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2012年07月05日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/ソハの地下水道

 「地下水道」といえば、アンジェイ・ワイダ監督のワルシャワ蜂起の英雄的な戦いのポーランド映画を思い起こす。今年9月に日本で公開される「ソハの地下水道」は一味違う。
 実話の映画化でソハは地下水道(下水)の修理の仕事をしているが妻子を養うため、ドイツ占領下の騒然とした町でコソ泥を「副業」にしている。敗戦色濃いドイツはますます凶暴化しユダヤ人をアウシュビッツ等の絶滅収容所に送っていた。
 ソハはゲットーから地下水道に穴を掘って逃げてきたユダヤ人たちと遭遇し、彼らに安全な地下水道内の「住居」と食料を保証する契約をする。ユダヤ人をかくまえば本人も家族も処刑される危険な「儲け口」ではある。ユダヤ人側の資金が尽きた時、ソハも危険な仕事から手を引く事にする。しかしすでにユダヤ人たちの間に人間的な絆が生まれていた。
 来日したアグニェシュカ・ホランド監督はこう語った。「ポーランドではユダヤ人を助けた人々は見返り目的と思われがちで戦後も口を閉ざした。ヒーロー視される事がなかったソハのような人に最近目が向けられるようになった」
 この映画はドイツ・ポーランド合作である。日中合作で「南京大虐殺」、日韓の日本軍「慰安婦」が撮られる日はくるのか。
 (春)
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2012年07月04日,「赤旗」) (Page/Top

沖縄の「慰安婦」特別展を開催中/新宿区

 wam(アクティブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館、新宿区西早稲田)で特別展「軍隊は女性を守らない 沖縄の日本軍慰安所と米軍の性暴力」を開催中です。
 朝鮮半島から連行されて晩年は那覇市で暮らした「奉寄(ペ・ポンギ)さんが1975年、「慰安婦」であったことを名乗り出たことで沖縄の「慰安婦」の存在が明らかに。島々の民家や集落の事務所など134カ所の慰安所がつくられ、朝鮮、台湾、沖縄や福岡、長崎などの女性が「慰安婦」にされ、砲弾が降るなかでの水くみや傷病兵の看護にも従事しました。
 元「慰安婦」や旧日本軍兵士の証言のパネル、慰安所マップなどを展示。壁一面にはられた戦後の沖縄でのアメリカ軍兵士による性暴力被害の証言に目を奪われます。
  ◇
 沖縄展は2013年6月30日(日)まで、水〜日の午後1〜6時(月、火、祝日は休館)。入館料・18歳以上500円、中学生〜18歳未満300円、小学生以下は無料。問い合わせ=рO3(3202)4633同資料館。
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2012年07月01日,「赤旗」) (Page/Top

 

6月)ヘッドライン

*             日韓情報協定の署名延期/韓国側が反対意見を考慮

*             おはようニュース問答/中止一転、開催の「慰安婦」写真展よかった

*             防衛協力協定締結へ

*             「慰安婦」写真展始まる/ニコンサロン仮処分うけ

*             沖縄「慰霊の日」/犠牲者悼み平和誓う/赤嶺議員「オスプレイ許さぬ」

*             表現の自由守った/「慰安婦」写真展会場使用/ニコンに仮処分命令

*             沖縄きょう「慰霊の日」/地上戦から67年/平和への願い切実

*             「慰安婦」問題/謝罪・補償が必要/吉川さんが記念講演/新潟AALA総会

*             日本に原発いらない/三重県で第57回母親大会

*             「慰安婦」問題早期に解決を/宮城の会が総会

*             週間日誌/12年6月10日〜16日

*             「慰安婦」謝罪求める/韓国大統領

*             日航不当解雇/働く全女性の問題=^新婦人が国連にリポート

*             「日本は加害者」/従軍慰安婦問題で韓国大統領対応要求

*             国連人権審査へ要請/政府に民法改正など/婦団連

*             育鵬社版地域でも宣伝/総会で活動交流/教科書ネット

*             今、NHKは/数土経営委員長の東電役員就任/背景に政府・財界の取り込み戦略/「放送を語る会」集会

*             慰安婦問題で新提案

6月(本文)(Page/Top

日韓情報協定の署名延期/韓国側が反対意見を考慮

 【ソウル=時事】日韓両国は29日、同日午後に予定されていた秘密情報保護協定の署名を土壇場で延期しました。協定は両国で軍事情報を共有できるようにする内容。韓国側が与野党の反対や慎重意見を考慮し、延期を要請しました。
 延期要請は署名予定時刻の約1時間前といい、極めて異例。植民地支配の歴史に加え、現在でも慰安婦問題や竹島(韓国名・独島)問題でぎくしゃくする中、韓国世論の反発の大きさが浮き彫りになりました。
 韓国政府は、国会が7月2日に始まることから、本会議や委員会での論議を経て、署名する方針。韓国側関係者は「日本側も理解してくれており、外交的非礼には当たらない」としましたが、日本側の説明によると、延期要請を受けた杉山晋輔外務省アジア大洋州局長は韓国側に「本日の署名は行うべきであり、延期は非常に残念だ」と伝えました。
 同協定をめぐっては、韓国内に、自衛隊に軍事情報を提供することへの批判や、「軍事協力が本格化すれば、有事に自衛隊が半島に上陸するのでは」という警戒感が強く、目標としていた5月末の署名を延期した経緯があります。
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2012年06月30日,「赤旗」) (Page/Top

おはようニュース問答/中止一転、開催の「慰安婦」写真展よかった

 晴男 いい写真展だよ。君も見にいったらいいよ。
 秋平 なんの写真展だい?
 晴男 戦後、旧日本軍によって置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」の写真展だよ。
 秋平 内容はどんなものなの?
 晴男 写真展は、元「慰安婦」被害者の生涯を記録し、その人たちの人権回復と「慰安婦」問題の早期解決のために、国内外で開催されているんだ。
 秋平 意味ある写真展だね。確か、会場使用をめぐって、いろいろあったね。

ニコンサロンで
 晴男 そうなんだ。東京・新宿にあるニコンサロンで開催しているけど、ニコンサロン側がいったん開催中止にしたから大問題になった。
 秋平 なんで中止に。
 晴男 韓国人写真家の安世鴻(アン・セホン)さんが代表の実行委員会が主催しているんだけど、開催を知らせる記事が新聞にのったら、ニコンサロンに抗議がきて、それで開催中止にしたんだ。
 秋平 侵略戦争と戦争犯罪、被害を覆い隠そうとする勢力があるからね。
 晴男 だからといって、そういうごく一部の抗議があったからといって、中止するのはいただけないね。
 秋平 そのとおりだ。
 晴男 そこで、安さんは、裁判所に会場使用を認めるよう仮処分を申し立てた。
 秋平 裁判所の判断は?
 晴男 ニコン側は、写真展が政治活動の一環だとわかったので中止したと、主張した。裁判所は、写真展が政治性をもっていたとしても、ニコンサロンの使用規定にある「写真文化の向上」という目的にもあっていると判断した。

過去にもあった
 秋平 表現の自由が守れてよかったね。
 晴男 安さんも記者会見で、「妥当なものだ」と話していた。
 秋平 それにしても、こうした写真展が自由に開催できないのは問題だね。
 晴男 過去にも、右翼などの妨害で、集会や大会、映画会などが中止や延期、会場変更などをした例もあったね。
 秋平 一つひとつの動きは小さくても、民主主義、表現の自由を守っていくことが大切だ。
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2012年06月29日,「赤旗」) (Page/Top

防衛協力協定締結へ

 【ソウル=時事】聯合ニュースは27日、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結することを決め、早ければ今週か来週に日本側と署名を行う見通しだと報じました。実現すれば、日韓間初の防衛協力協定となります。
 26日の閣議で決定したといいます。
 韓国国防省報道官は5月、日韓がGSOMIAと物品役務相互提供協定(ACSA)を締結する方向で詰めの協議をしていることを明らかにしました。これに対し、従軍慰安婦問題など両国間の歴史問題がくすぶる中、韓国メディアが批判的に報じたことから韓国政府は慎重姿勢に転じていました。
 しかし、韓国政府は、長距離弾道ミサイルの発射実験に踏み切るなど強硬姿勢を維持している北朝鮮に関し、日韓で軍事情報を共有する必要性が高いと判断、GSOMIAを優先して締結することにしたもようです。
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2012年06月28日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」写真展始まる/ニコンサロン仮処分うけ

 戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」を題材にした写真展が26日、東京都新宿区の新宿ニコンサロンで始まりました。(7月9日まで開催予定、午前10時30分〜午後6時30分、最終日は午後3時まで)
 同写真展は、韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)を代表とする「重重・安世鴻日本軍『慰安婦』写真展実行委員会」の主催。
 同サロンを運営するニコンが5月下旬に写真展の中止を決定しましたが、東京地裁がニコンに対し今月22日に会場使用を命じる仮処分決定を出したことを受けて、開催が決まったものです。
 会場ビル前で、写真展開催に反対するグループなどが宣伝するなか、多数の市民が来場し、約40点の写真に見入っていました。
 安さんは写真展に「国もなくさまようハルモニたちの悲惨な実情は、苦しい過去の延長のようであった。彼女たちはひたすら冷たい風に吹かれ、歴史の裏道へと散ってしまうのだろうか」とのコメントを寄せています。
 会場内にはニコンサロンのスタッフ数人が立ち、写真撮影やインタビューは認められませんでした。本紙の取材に対し、ニコン広報部は「サロンはニコンが運営し展示場として提供しているので、取材はお断りした。入り口でのボディーチェック、会場内へのスタッフ配置は(写真展を)安全にすすめるためである」とのべました。
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2012年06月27日,「赤旗」) (Page/Top

沖縄「慰霊の日」/犠牲者悼み平和誓う/赤嶺議員「オスプレイ許さぬ」

 「慰霊の日」の23日、日本共産党沖縄県委員長の赤嶺政賢衆院議員は、沖縄県糸満市の平和祈念公園内の「沖縄師範健児の塔慰霊祭」に出席したのを皮切りに、沖縄全戦没者追悼式への参列・献花、県平和祈念資料館や、ひめゆりの塔、「戦時遭難船舶犠牲者慰霊祭」などを巡りました。

 健児の塔は、旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕(ごう)に動員された沖縄師範学校生(鉄血勤皇隊)の犠牲者を悼んで建立されたもの。「慰霊祭」には赤嶺氏や古堅実吉元衆院議員が毎年参列しています。
 赤嶺氏は「多くの若者が犠牲になった戦争の、いわば生き証人である32軍壕の説明板から『住民虐殺』や『慰安婦』の文言を削除したことは許されないこと」と指摘。「サンフランシスコ条約・安保条約で米軍基地を容認し、沖縄をアメリカ世界戦略の足場・出撃基地にしたことは、苛烈な地上戦を体験した県民の歴史を冒涜(ぼうとく)するもの」と語り、オスプレイ配備を許さない決意を改めて強調しました。
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2012年06月24日,「赤旗」) (Page/Top

表現の自由守った/「慰安婦」写真展会場使用/ニコンに仮処分命令

 戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」の写真展が会場を運営するニコンの決定で中止となった問題で東京地裁は22日、会場使用を命じる仮処分命令を出しました。
 申し立てていたのは韓国人写真家の安世鴻(アン・セホン)さん(41)。安さんと李春熙(リ・チュニ)弁護士は同日、東京都内で記者会見。安さんは決定について「表現の自由を理由とした妥当なものだ」と評価。李弁護士は、決定に沿い、ニコンに会場の使用を認めるよう求めました。
 ニコンは仮処分申し立てを受けて、同写真展が政治活動の一環だと判明したため中止通告したと主張。
 東京地裁は、写真展が政治性を有したとしても、写真文化の向上という目的と併存し得るものだと判断し、6月25日から7月9日まで施設の使用を命じました。
 同写真展開催の記事が新聞に掲載されると、インターネット上で開催に抗議する書き込みが急増。ニコンにも多数の抗議電話が寄せられたといいます。5月22日、ニコン担当者から安さんに諸般の理由で開催中止を決定した連絡が入りました。
 写真展は、安さんを代表とし、友人らが加わる「重重〜安世鴻日本軍『慰安婦』写真展実行委員会」(通称・重重プロジェクト)が主催。実行委員会は、元「慰安婦」被害者の生涯を記録し、その人権回復と「慰安婦」問題早期解決のために世界各地で写真と講演の会を開いてきました。
 安さんは昨年12月、ニコンに出展予定の写真40枚を提出して申し込み、写真家らで構成する選考委員会の選考を通り、今年6月26日から7月9日、東京・新宿ニコンサロンでの開催が決定していました。
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2012年06月23日,「赤旗」) (Page/Top

沖縄きょう「慰霊の日」/地上戦から67年/平和への願い切実

 沖縄県は23日、67回目の「慰霊の日」を迎えます。糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では正午前から沖縄全戦没者追悼式が行われます。
 第2次世界大戦で沖縄は国内で唯一、住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な地上戦が行われ、県民の4人に1人が犠牲となりました。23日は日本軍の組織的戦闘が終わった日とされていますが、戦闘はその後も2カ月以上続きました。
 同公園の「平和の礎(いしじ)」には、国籍を問わず沖縄戦で亡くなった全ての犠牲者の名前が刻まれています。今年新たに刻銘されたのは36人(県内13人、県外23人)。総数は24万1167人になりました。
 復帰40年の今年、日米両政府は垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄配備を強行しようとしています。住民を戦闘に巻き込んだ旧日本軍沖縄守備隊・第32軍の司令部壕(ごう)説明板から「慰安婦」「住民の虐殺」「捨て石」の文言を一方的に削除するなど、県民の平和への願いに逆行する動きに怒りが広がるなかで、「慰霊の日」を迎えました。
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2012年06月23日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題/謝罪・補償が必要/吉川さんが記念講演/新潟AALA総会

 新潟アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(新潟AALA)は16日、新潟市内で総会と記念講演会を開き、33人が参加しました。
 元参院議員の吉川春子さんが「従軍『慰安婦』とはなにか? 今、どう考え、どう解決すべきか」と題し、プロジェクターも使って臨場感あふれる講演を行いました。参加者のうち約6割が女性でした。
 吉川さんは、2007年まで24年間参院議員を務め、そのうち15年間、従軍「慰安婦」問題を取り上げ、日本政府に「慰安婦」制度の責任を認め、謝罪と補償を行うよう求めてきたことを紹介しました。
 吉川さんは、勇気ある名乗り出によって、戦後46年後に多くの国民は「慰安婦」問題を知らされ、旧日本軍関与の歴史の真実が明らかになるなかで、政府の加害責任が大きく問われていると強調しました。
 参加者から「今日の問題だけでなく、原発、基地の問題なども政府が悪いだけで終わらせず、自分自身も社会を構成する責任を担う一人だとの認識を忘れず、自分の意思を表に出す行動をしていきたいと思います」などの感想が寄せられました。
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2012年06月20日,「赤旗」) (Page/Top

日本に原発いらない/三重県で第57回母親大会

 第57回三重県(兼第51回南勢地区)母親大会が17日、伊勢市生涯学習センターいせトピアで開かれ、県内各地から約850人が参加しました。
 池山孝子実行委員長の「嫌なことは嫌、間違っていることは間違っていると声に出すことが大事」との呼びかけを受けて、参加者は「日本のどこにも原発はいらない」などとする大会アピールを全員で確認し、消費税増税反対や日米安保破棄、子育て新システム導入反対などを決議しました。
 記念講演では一橋大学名誉教授の渡辺治氏が、民主党政権の変節は財界やアメリカの猛烈な巻き返しによるもので、原発再稼働の背景には財界の原発輸出戦略があることなどを解明しました。
 渡辺氏は「国民の声と運動で政治は変えられる」と強調。9条の会運動の成果や原発反対運動の新たな広がりを生かした取り組みを呼びかけるとともに、国民本位の新たな福祉国家の展望を示す必要があると指摘し、日本共産党が「提言」を出したことを「大変大きな出来事」だと評価しました。
 分科会は九つのテーマで開かれ、「慰安婦」問題の分科会には日本共産党元参院議員の吉川春子氏が助言者として出席し、多くの人の関心を集めました。
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2012年06月20日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題早期に解決を/宮城の会が総会

 日本軍「慰安婦」問題の早期解決をめざす宮城の会は17日、仙台市内で総会を開き、62人が参加。中国人「慰安婦」訴訟弁護団長の大森典子弁護士が記念講演しました。
 大森氏は、1991年「慰安婦」問題が世界に明らかになって以来、日本政府に対して、事実として認めて被害者に公的に謝罪し、補償をすることを求めることが国際世論になっていると強調しました。
 日本が、世界が公知の事実としている「慰安婦」問題を認めない国、自国の歴史を認めない国として評価が定着していると批判し、「私たちは、自身の歴史認識をすえ直さないといけない。加害の歴史を反省し、教訓化しない日本の人権感覚は、現在の女性に対する暴力と差別に続いている」と指摘しました。
 総会では、活動方針と役員体制が提案され、事実を深く知り、広く知らせる取り組みとして、12月8日を中心に「慰安婦」展を開催することや若い世代に伝える手だてとして図書普及や大学との連携を取ることが確認されました。
 日本共産党の福島かずえ衆院宮城2区候補が参加。高橋ちづ子衆院議員と紙智子参院議員からの連帯メッセージが紹介されました。
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2012年06月20日,「赤旗」) (Page/Top

週間日誌/12年6月10日〜16日

政治・経済
 ◆大企業の景況感が3期連続悪化 財務省と内閣府が発表した4〜6月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数がマイナス3・1となり、3期連続で悪化。大企業製造業の指数はマイナス5・7。大企業非製造業の指数はマイナス1・6(11日)
 ◆オスプレイ配備に関する環境審査の米軍報告書を公表 報告書の中で、米軍の新型垂直離着陸輸送機オスプレイが沖縄と本土に設定した低空飛行訓練を想定していることが判明(13日)
 ◆オスプレイがまた墜落 オスプレイが米フロリダ州の演習場で訓練中に墜落。搭乗していた5人が負傷(13日)
 ◆「消費大増税採決に反対する超党派国民集会」開催 自公を除く各党の国会議員152人が参加。日本共産党の志位和夫委員長があいさつ(14日)
 ◆民自公が消費税増税で合意 消費税増税関連法案をめぐり民主、自民、公明3党は実務者協議で合意。消費税率を2段階で10%に引き上げる(15日)
 ◆政府が大飯原発再稼働を決定 政府は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を最終決定。首相官邸前には「再稼働を許すな」と連日、市民がつめかける(16日)(写真)

社会・国民運動
 ◆全国青年大集会活動交流会開催 全労連青年部や民青同盟でつくる全国青年大集会実行委員会が「ひろげよう つなげよう 全国青年大集会活動交流会」を開催。各地に広がる雇用や学費、就職難、震災復興、原発ゼロなどの運動を交流(9日)
 ◆大阪繁華街2人刺殺 大阪市中央区東心斎橋の路上で、男女2人が刺され死亡。犯人は住所不定、無職の容疑者(36)で殺人未遂容疑の現行犯で逮捕(10日)
 ◆消費税増税反対署名1500万人超える 消費税廃止各界連絡会が「消費税増税に反対する」請願署名が1500万人を超えたと発表(13日)
 ◆オウム高橋容疑者逮捕 地下鉄サリン事件などで警察庁から特別手配を受けていたオウム真理教元信者、高橋克也容疑者(54)が東京都大田区内で逮捕(15日)

国際
 ◆フランス国民議会選挙第1回投票 フランス国民議会(下院)選挙で、オランド大統領が率いる社会党などが39・9%を獲得。17日の決選投票で左派勢力が過半数を獲得する見通しに(10日)
 ◆国連高官が「シリアは内戦状態」と発言 アサド政権と反体制派の衝突が続くシリア情勢について国連のラドスース事務次長(国連平和維持活動担当)が、「現状は内戦状態」と発言(12日)
 ◆ロシアで大規模反プーチン政権デモ ロシア主権宣言記念日にあわせ、反プーチン派がモスクワ中心部で大規模なデモを決行。数万人が参加(12日)
 ◆ILOがミャンマーの制裁解除 国際労働機関(ILO)が強制労働を問題視してミャンマーに科していた制裁を解除(13日)。ILO総会にアウン・サン・スー・チー氏が出席(14日)
 ◆韓国大統領が謝罪要求 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が韓国紙のインタビューで、旧日本軍「慰安婦」問題について、日本側に誠意ある謝罪を求めると表明(14日)
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2012年06月18日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」謝罪求める/韓国大統領

 【ソウル=時事】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、韓国紙・毎日経済新聞などのインタビューに応じ、旧日本軍の元従軍慰安婦問題について「法的問題か、人道的問題かというのは重要なことではない。韓国や中国などの被害国家は、そこまで細かく問い詰めない。日本が本当に誠実な気持ちを持って出てくれば、受け入れる姿勢ができている」と述べ、まずは誠意ある謝罪を求める考えを示しました。14日付の同紙(早版)が報じました。
 韓国政府は、慰安婦問題は1965年の日韓請求権協定の対象外で、対日請求権が消滅しておらず、法的な補償を求めるというのが公式の立場。しかし、大統領の発言は、野田佳彦首相の謝罪など日本側の誠実な対応があれば、必ずしも法的な解決にこだわらない可能性を示唆したものとみられ、論議を呼びそうです。
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2012年06月14日,「赤旗」) (Page/Top

日航不当解雇/働く全女性の問題=^新婦人が国連にリポート

 新日本婦人の会(新婦人)は、国連人権理事会(UNHCR)が日本の人権状況を審査することに向け、日本航空が強行した整理解雇などを取り上げたリポートを国連人権高等弁務官事務所に提出しています。日航がパイロットと客室乗務員を解雇し、東京地裁が解雇を容認する判決を出したことは、女性差別撤廃条約など国際法に照らして問題がある、と訴えています。

60歳定年を実現
 リポートは、日航最高経営責任者(稲盛和夫氏)が解雇の必要性はなかったとする証言をしたにもかかわらず、東京地裁が、解雇は合理性があったとする判決を出したことを批判。解雇対象者の人選基準に年齢や過去の病歴などが含まれていること、解雇された客室乗務員の大半が労働組合員であることは人権上問題があるとしています。労働者を差別的な解雇から守る「整理解雇の4要件」の効力を弱めることへの懸念を表明しています。
 日航解雇問題を取り上げた理由について、新婦人の平野恵美子男女平等・働く女性部長は、次のように語っています。
 「日航の不当解雇は、働く女性すべてにかかわる問題です。日航キャビンクルーユニオン(CCU、前身は日航客室乗務員組合)は、結婚退職があたりまえ、女性の定年は30歳があたりまえの職場を、結婚しても出産しても働き続けられる職場にしようと、粘り強くたたかって、60歳定年を実現してきました。このたたかいがあったからこそ、働く女性を守る制度がつくられてきたのです」

今年2回目審査
 2006年に設置された人権理事会では、国連のすべての加盟国を対象に、4年ごとに人権状況を定期審査しており、今年は日本が2回目の審査を受けることになっています。NGO(非政府組織)の報告も審査対象となります。
 新婦人は、NGOとして国連経済社会理事会の特別協議資格をもっており、これまでも女性の地位委員会や女性差別撤廃委員会などに報告を行ってきました。人権理事会へのリポートでは、女性差別問題、東日本大震災・原発事故にかかわる状況、女性の働く権利、女性の政治参加、日本軍「慰安婦」問題などを指摘しています。
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2012年06月13日,「赤旗」) (Page/Top

「日本は加害者」/従軍慰安婦問題で韓国大統領対応要求

 【ソウル=時事】韓国の李明博大統領は11日、韓国メディアなどとのインタビューで、旧日本軍の従軍慰安婦問題に関し「日本は加害者として被害者らに人道的措置を必ず取らねばならない」と強調しました。聯合ニュースが報じました。
 李大統領は「韓日関係を非常に直接的に表現すると、日本は加害者で韓国は被害者の立場だ」と指摘。「昨年12月、京都で野田佳彦首相と会った時も(慰安婦問題で)いろいろと提案したのに、国内の政治問題のためか一歩も進展がない。法律的なことでなくとも、人道主義的な措置を必ず取らねばならない」と語りました。
 韓国政府は慰安婦問題について、交渉努力をしないのは違憲とした昨年8月の憲法裁の初判断を踏まえ、日本側に対応を求めてきました。
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2012年06月12日,「赤旗」) (Page/Top

国連人権審査へ要請/政府に民法改正など/婦団連

 日本婦人団体連合会(婦団連・堀江ゆり会長)の代表は6日、外務省人権人道課を訪れ、10月に国連人権理事会で予定されている日本の第2回UPR(普遍的定期審査)に関する申し入れをおこないました。
 UPRは人権理事会がすべての国連加盟国の人権状況を定期的に審査する制度で、日本の審査は2008年以来2回目となります。婦団連の代表は、女性の人権をめぐるNGOリポートを人権理事会に送ったことを伝え、前回の審査で勧告を受けた女性差別撤廃条約選択議定書の批准、民法改正、「慰安婦」問題解決などの実施を要請しました。
 申し入れには、日本航空不当解雇撤回を求める内田妙子客室乗務員原告団長も参加し、不当解雇は女性の働き続ける権利の侵害として、解雇撤回と職場復帰を強く求めました。
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2012年06月08日,「赤旗」) (Page/Top

育鵬社版地域でも宣伝/総会で活動交流/教科書ネット

 「子どもと教科書全国ネット21」は3日、東京都内で第15回総会を開きました。侵略戦争を美化する日本教育再生機構の育鵬社版歴史・公民教科書が一定の地域で採択されたもとでの取り組みなどについて、各地の活動を交流、討論しました。
 議案の提案に立った俵義文・事務局長は、育鵬社版が採択された地域でも、東京都武蔵村山市で労働組合などが全世帯にビラを配布するなどの活動が行われていると紹介。教科書ネットとして、育鵬社版教科書を批判する『育鵬社教科書をどう読むか』(発行・高文研)を出したことを報告しました。
 各地から教科書や「日の丸・君が代」などをめぐる動きについて報告がありました。育鵬社版教科書が採択された地域で、学習会や宣伝に取り組んでいることが語られました。
 北海道からは、アイヌについての副読本を自民党の義家弘介参院議員らが攻撃し、記述改悪の動きが出ていることが報告されました。
 西野瑠美子・同ネット代表委員があいさつ。沖縄県が、沖縄戦の第32軍司令部壕の説明板から「慰安婦」「日本軍に『スパイ視』された沖縄住民の虐殺」などの文言を削除したことについて話しました。佐藤学・学習院大学教授が記念講演し、大阪の教育基本条例の問題について語りました。
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2012年06月04日,「赤旗」) (Page/Top

今、NHKは/数土経営委員長の東電役員就任/背景に政府・財界の取り込み戦略/「放送を語る会」集会

 NHKの数土(すど)文夫経営委員長の東京電力社外取締役就任問題は、「経営委員長と委員の辞任」で幕が引かれました。「NHKの自主・自立が疑われる」など視聴者・国民の世論が高まった結果ですが、問題の背景に何があったのか―。市民団体「放送を語る会」が5月26日に東京都内で開いた緊急討論集会で明らかになりました。

 パネリストは、『NHK』の著者で放送研究者の松田浩さん、元NHK解説委員の小出五郎さん(科学ジャーナリスト)、元NHKディレクターの永田浩三さん(武蔵大学教授)、元NHK経営委員の小林緑さん(国立音大名誉教授)の4氏。NHKの事情に精通した人たちです。
 経営委員会は、NHKの「最高意思決定機関」。松田さんは、数土氏を含む経営委員12人のうち、「財界出身」が大きな比重を占めている実態に警鐘を鳴らします。「これは政府・財界のNHK取り込み戦略。いま原発の再稼働問題が彼らの最大の関心事だが、NHKの最高責任者を取り込むことによって、NHK全体を政府の意向に沿わせようという思惑が働いている」

安倍首相当時から
 財界出身の流れは、2007年に安倍晋三首相が据えた古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)からつくられ、以後は経営委員会が任命する会長も財界出身者が続いています。「NHKの歴史でもかつてなかった事態」(松田さん)です。
 経営委員を01年から07年まで務めた小林さんは、NHK執行部にトヨタの役員を起用する人事に反対した経験を持ちます。会長選考でも、当時権勢をふるっていた海老沢勝二氏の3選に反対しました。「反対意見があったにもかかわらず、全会一致でないと有効ではないとして『経営委員会として賛成』となった」
 こうした体制で、自主・自立が守られるでしょうか。
 小出さんは、「NHKには『ほのめかし』を読んで行動する体質があり、それを斟酌(しんしゃく)して自己規制してしまうことがしばしば起きる」と言います。

原発、沖縄報道で
 実際、従軍「慰安婦」問題を扱ったETV番組が、安倍氏ら自民党議員の意向を「斟酌」して改ざんされました。番組制作者の一人だった永田さんは、「今回の問題も、そうした体質が具体的に表れたと職場では受け止められている」。現在の松本正之会長(元JR東海副会長)のもと、「原発事故や沖縄問題についていつまでやっているんだ≠ニいう空気があり、現場の心ある人たちが大事にされないNHKになりつつある」と危機感をのべました。
 数土氏の問題は、NHK積年の病理が、さらに根深く進行していることを示しました。松田さんは言います。「この流れを変えるため、国民、視聴者が声を上げ、力量をつけていくことが重要だ」

小出五郎さん
 経営委員会は、NHKが公共放送の理念を達成しているかどうかをチェックするのが本来の仕事のはずです。いろいろな圧力を排除するバリアの役割もあります。そのためには見識のある「人」が重要です。NHKだけではなく放送全体について言えば、独立行政委員会のような仕組みが必要です。

永田浩三さん
 JRで組合つぶしをしてきた会長に代わってからのNHKは氷河期に入り、一生懸命やっている人をないがしろにしているのが現状です。NHKは、国民が大切に育ててきた文化・言論・報道機関です。これを傷つけることは許せない。今は、いきなり理想的な仕組みを目ざすより、あの手この手で、どうすればNHKがよくなるか考えるべきだと思います。

小林緑さん
 経営委員は学識経験者、文化・芸術関係の方がなるべきで、経営の方ばかりというのは本当におかしい。ドイツ政府に原発をやめることを申請した「倫理委員会」のように経営委員会も変わるべきです。BBCはオープンな形で会長を選んでいます。少なくとも経営委員の半数は公選制などにすべきです。

松田浩さん
 政府が経営委員を指名する現在の仕組み、とりわけ政府の息のかかったジャーナリズムの見識に無縁な財界人を、「委員長含み」で経営委員会に送り込む放送法違反の行為を改めさせる必要がある。経営委員選任への公募制、推薦制の導入とあわせて、財界人が経営委員長とNHK会長を独占する現在の体制を変える国民運動が急務になっています。
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2012年06月04日,「赤旗」) (Page/Top

慰安婦問題で新提案

 【ソウル=時事】韓国KBSテレビなどは1日、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、最近、日本が韓国に対し「三つの解決策」を提示したと伝えました。野田佳彦首相が李明博(イ・ミョンバク)大統領に謝罪する案や駐韓日本大使が元慰安婦に謝罪する案も含まれていましたが、韓国側は日本側の法的責任が明確でなく、解決には不十分として拒否したといいます。
 韓国紙・京郷新聞は、日本政府が慰安婦に直接補償する案も含まれており、先月訪韓した斎藤勁官房副長官が伝達したとしています。
 慰安婦問題をめぐり、賠償請求権に関する政府間協議を求める韓国側に対し、日本側は「知恵を絞りたい」としてきました。
 ソウルの日本外交筋は報道を否定する一方、「いろいろ知恵を絞るのは当然だ。ただ、前向きに動いているということはない」と述べ、水面下で議論が行われていることを示唆しました。
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2012年06月02日,「赤旗」) (Page/Top

5月)ヘッドライン

故郷はるかなり 元日本人慰安婦の涙/長山高之著/評者猪野睦詩人

中国残留朝鮮人「慰安婦」写真展/ニコンが中止/「上部の決定」

旧日本軍「慰安婦」碑/桜贈るから撤去を/日本総領事が申し出/副市長「耳を疑った」/米国

訪日引き続き調整中

沖縄県議選来月1日告示10日投票/共産党県議団の役割/下/対案示して「悪政監視」/堂々と、もの言える党

男女平等、女性の地位向上を/婦団連が各省庁に要請

全国革新懇総会/日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか/志位委員長の記念講演/その2

中韓首脳と個別会談/野田首相

「慰安婦」問題/謝罪と賠償を/広島市で宣伝

 

5月(本文)(Page/Top

 

故郷はるかなり 元日本人慰安婦の涙/長山高之著/評者猪野睦詩人

「佳子」を通し戦争・慰安婦問う
 太平洋戦争末期、高知市で路面電車の運転手をしていた八島は、知寄町から花街へむかうみじかい路線で、そこで身を売っていた佳子に声をかけられる。そして身を落とした経緯を聞かされたりするが、戦争末期、花街もさびれ廃業、佳子たちは従軍慰安婦となって満州へ渡っていく。
 ソ満国境、黒龍江沿いの町には朝鮮人慰安婦がつれてこられており、知り合う佳子は過酷な朝鮮人慰安婦への差別の現実の日々を見る。
 やがて敗戦、関東軍は女たちを置きざりにして逃げ、佳子はかろうじて引き揚げてくる。だが故郷へは帰らず、途中で孤児となった開拓団の兄妹の面倒をみながら、その故郷へ送り届ける。孤児たちの親戚は冷たく、佳子は帰ってきた孤児たちの父の死後、その孤児たちを、母となって育てあげる。
 年月がたち八島は佳子の消息が気にかかる。やっと三重県の老人ホームを探しあて訪ねるが、認知症が進んでいるように見える。親子となった兄妹と相談し、記憶ののこる足摺岬へつれてゆき、佳子のたどった年月を知る。
 従軍慰安婦とは何だったのか。戦後身をひそめて生きてきた佳子は、従軍慰安婦を強制されたハルモニたちが、ソウルの日本大使館前で日本政府への謝罪要求と抗議を起こし、そのなかに満州で知りあったジュンコのいることを知る。佳子の没後、八島は遺書のなかにハルモニたちへ、当時の源氏名「夕子」で謝罪と連帯の手紙のあったのを知る。
 年月をこえてうすれゆく従軍慰安婦の問題を佳子のたどった年月とともに日本政府につきつける問題としてあらためて問う作品である。

 ながやま・たかゆき 26年生まれ。作家。『夜霧のナロー』『春遠き日々』ほか。
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2012年05月27日,「赤旗」) (Page/Top

中国残留朝鮮人「慰安婦」写真展/ニコンが中止/「上部の決定」

 戦後、旧日本軍によって中国に置き去りにされた朝鮮人「慰安婦」の写真展が、会場を運営するニコンの決定で中止となることが分かりました。

 写真展は、韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)さん(41)=名古屋市=を代表とし、友人らが加わる「重重〜安世鴻日本軍『慰安婦』写真展実行委員会」(通称・重重プロジェクト)が主催するもの。「重重」には、元「慰安婦」が重ねた苦悩に「慰安婦」問題解決の願いを重ねたい、との思いが込められています。
 実行委員会は、元「慰安婦」被害者の生涯を記録し、その人権回復と「慰安婦」問題早期解決のために各地で写真と講演の会を開いてきました。
 昨年12月にニコンに申し込み後、写真家らが構成する選考委員会の選考を通り、今年6月26日〜7月9日、東京・新宿ニコンサロンでの開催が決定していました。
 ところが、22日、ニコンサロン担当者から安さんに、「写真展を中止してほしい。理由についてはお話しできない。(中止)決定には選考委員はかかわっておらず、ニコン上部の決定だ」との電話があったものです。
 安さんは「理由を説明できない写真展中止決定は受理できない。世界に名の知れる大企業ニコンの対応は、表現の自由を侵し、一人の写真家の名誉を傷つけるものだ。写真展開催の再開を求める」と話します。
 本紙の取材に対し、ニコン広報部は「諸般の事情で、会社として中止すべきだと決定した」とのべています。
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2012年05月26日,「赤旗」) (Page/Top

旧日本軍「慰安婦」碑/桜贈るから撤去を/日本総領事が申し出/副市長「耳を疑った」/米国

 米ニュージャージー州パリセイズパーク市の公立図書館敷地に設置されている旧日本軍「慰安婦」碑について、日本側が桜の木などの寄贈を条件に撤去を求めていたことが米紙の報道で明らかになりました。同市当局は、日本側の申し出を拒否。この動きに米メディアも注目しています。
 (西村央)

 パリセイズパーク市はハドソン川をはさんでニューヨーク市に隣接する市。人口約2万人のうち半数以上が韓国系米国人です。
 石碑にはめ込まれた銘には、1930年代から45年までの慰安婦の数をあげて、「人間性に反するおぞましい犯罪を忘れてはならない」と記されています。
 ニューヨーク・タイムズ紙18日付によると、広木重之ニューヨーク総領事が同市のロトゥンド市長を訪問したのは5月1日。ここで、「慰安婦」問題での軍関与の事実を認めて「おわびと反省」を表明した93年の河野洋平官房長官(当時)の談話と、生存している「慰安婦」に宛てた2001年の小泉純一郎首相(当時)の手紙を読み上げて、日本側の対応への理解を求めました。そのうえで、碑の撤去を要請しました。
 広木総領事はその際、桜の木の植樹と公立図書館への本の寄贈の用意があることを市長側に伝えました。
 この申し出に対し、同席していたキム副市長は「わが耳を疑った」「怒りがこみあげて来た」と同紙に語っています。
 6日には自民党の国会議員4人が同市を訪問。慰安婦は強制的に徴集されたのではないなどと表明しつつ、碑の撤去を求めました。
 改憲団体「日本会議」では、メンバーである古屋圭司、竹本直一両衆議院議員、塚田一郎、山谷えり子両参議院議員の4人がパリセイズパーク市の行動に参加したことをホームページ上で明らかにしています。
 日本側のこうした行動について、「裏目に出て、日韓の反目を深めたようだ」と指摘したニューヨーク・タイムズ紙はじめ、ミネソタ州などの地方紙も敏感に反応して報道。インターネット上のメディアも、碑銘を紹介しながら、「戦争の犠牲を伝えるもの」として注目しています。
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2012年05月25日,「赤旗」) (Page/Top

訪日引き続き調整中

 玄葉光一郎外相は18日の記者会見で、韓国政府が今月末で調整していた金寛鎮国防相訪日の延期を決めたことについて、「安全保障分野における協力、特に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が重要であることは両国首脳で一致している。引き続き追求していきたい」と述べました。
 また、田中直紀防衛相は記者会見で金国防相の訪日について「引き続き調整中だ。早期訪日が実現するよう努力している」と語りました。
 両政府は金国防相の訪日時にGSOMIAと物品役務相互提供協定(ACSA)を締結する方向で調整していましたが、韓国側が旧日本軍の「慰安婦」問題などを理由にした国内の反対論に配慮し、延期を決めました。
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2012年05月20日,「赤旗」) (Page/Top

沖縄県議選来月1日告示10日投票/共産党県議団の役割/下/対案示して「悪政監視」/堂々と、もの言える党

 貴重な自然が残る泡瀬干潟の埋め立て事業予算、大資産家優遇税制拡大の県税条例、県立高校・特別支援学校の教員を減らす定数条例など…。
 これらは、県議会で日本共産党だけが反対を貫いた議案です。その数は、この4年間で約80件。他の会派とともに反対したものを含めると136件、全議案の16・6%になります。党県議団はその一つひとつに反対理由と対案を示しました。

苦難軽減に尽力
 「136」「16・6%」は、県民の苦難軽減に尽力し、悪政に反対を貫く日本共産党の存在意義と決意を示すと同時に、何でも反対の共産党≠ニいう言い古された反共攻撃が通用しないことを事実で示しています。
 6月1日告示(10日投票)の県議選を前に、地元紙が始めた連載の冒頭に取り上げられたのが「問われる監視機能」(琉球新報4月22日付)でした。県議会の原案可決率が96・9%に上るとして「知事が出した議案をほとんどそのまま認めている」「行政の追認機関といわれるゆえん」と指摘しました。
 しかし、この批判が唯一、あてはまらないのが日本共産党県議団です。今年の2月定例会では、仲井真弘多知事が事実上の拒否権である「再議」を連発して議会無視の暴挙にでましたが、日本共産党は本会議場の壇上から「県議会は知事の追認機関ではない」(3月29日)と正面から批判し、「再議」に道理がないことを明らかにしました。地元紙も「苦しい再議理由」「高まる批判」(30日付)と報じました。

文言削除を追及
 今年2月には、旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕(ごう)の説明板から「慰安婦」「沖縄住民の虐殺」「捨て石」などの文言が削除される問題が発覚しました。カヨウ宗儀団長が直ちに代表質問で取り上げました。
 「歴史の真実を隠蔽(いんぺい)するもの。戦跡保全は『二度と繰り返さない』との決意で行われるものだ」
 自民党は議事をとめ、激しいヤジで妨害しましたが、カヨウ団長は仲井真知事に文言削除を了承したことを認めさせました。
 日本共産党県議団は、その後の一般質問や各委員会などあらゆる機会に、5人の県議全員がさまざまな角度からこの問題を取り上げる一方、議会報告などで事態を広く知らせて県民の取り組みを励ましました。

古い政治と対決
 基地問題でも暮らしの問題でも、県民の願いに正面から応えることができるのは、アメリカいいなり・財界中心≠フ古い政治の「二つの害悪」ときっぱり対決できる日本共産党だけです。
 県議選を前に、どの政党・会派も普天間基地は「県外・国外へ」と口をそろえますが、民主も自民も公明も党本部は「県内移設推進」です。
 日米安保条約をなくすことを主張し、財界にも堂々と物がいえる唯一の党・日本共産党が県議選で躍進してこそ、沖縄から「新基地建設ノー」「消費税増税・TPP参加反対」を全国に発信できます。
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2012年05月19日,「赤旗」) (Page/Top

男女平等、女性の地位向上を/婦団連が各省庁に要請

 日本婦人団体連合会は16日、第3次男女共同参画基本計画に沿って「2012年男女平等・女性の地位向上を求める要望」を各省庁にたいし、国会内で要請しました。
 要請に先立ち、選択的夫婦別姓などの民法改正、日本軍「慰安婦」問題の最終解決、選択議定書の推進―を求める三つの請願署名8万8307人分を日本共産党の高橋ちづ子衆院議員に提出しました。
 要請は、政策・方針決定過程への女性参画の拡大、雇用等の分野における男女均等機会と待遇の確保、防災における男女共同参画の推進など各分野にわたって行われました。内閣府、厚生労働、農林水産、文部科学、法務の各省庁の担当者が対応しました。
 内閣府への要請では、国会での審議が始まる子ども・子育て新システムについて、新日本婦人の会の代表が、「0〜2歳の保育を義務付けていないことから、待機児解消にはつながらない」と訴え、日本自治体労働組合総連合の代表は「直接契約では必要な人が保育を受けられなくなるのではないか。新システムは撤回を」と要請しました。
 内閣府の担当者は「保育ニーズがどれだけあるのか自治体に調査してもらい、保育所を建てることを責務でしっかりやってもらう」などと応じました。
 参加者は厚労省などへの要請で男女雇用機会均等法や民法改正の対応の遅れについて「行政の怠慢ではないか」などと厳しく指摘しました。
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2012年05月17日,「赤旗」) (Page/Top

全国革新懇総会/日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか/志位委員長の記念講演/その2


 一方で、中国が、経済的に成長するもとで、軍事力を増大させ、2011年度の国防予算は円換算で7兆円をこえ(中国政府の発表による)、米国についで世界第2位となっているという問題があります。
 日米安保条約を解消し、この地域の軍事的緊張の最大の根源となっている在日米軍基地を撤去してこそ、日本は、中国や東アジアの国々にたいして、「ともに軍縮の道に転じよう」と、軍拡から軍縮への転換を提起する、憲法9条を生かした平和のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができます。
 それは、東アジア地域の平和と安定にとって、歴史的な転換点になりうるものだということを、私は確信をもって申し上げたいと思います。

日本と東アジアの安全保障――軍事に頼らない平和的安全保障≠追求する
 それでは、安保条約を廃棄したあとの日本と東アジアの安全保障をどうするか。
 国民世論は、その方向を示しています。さきに紹介したNHK世論調査に示されたように、「アジアの多くの国々との関係を軸に、国際的な安全保障体制を築いていく」――この方向で知恵と力をつくすことが大切だと考えます。
 東アジア地域というのは、どういう地域でしょうか。社会体制を見ても、発達した資本主義国、発展途上国、社会主義をめざす探求を行っている国など、さまざまな国々が存在しています。文明という点から見ても、仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教など、異なる文明が存在しています。同時に、この地域は、全体として大きな経済的発展のなかにあり、経済的な交流と相互依存が、年を追うごとに緊密になりつつあります。それだけに、この地域での国と国との戦争は、もはやありえないし、また絶対に起こしてはならないということは、明らかだと思います。
 私は、この地域の安全保障で何よりも重要なことは、こうした現実に立って、軍事依存の安全保障≠ゥら脱却し、異なる体制、発展段階、文明を、相互に尊重する対話と信頼醸成の努力をはかり、紛争の平和的解決に徹するなど、道理に立った外交で安全保障をはかる、平和的安全保障≠追求することにあると考えるものです。

ASEANでつくられている重層的な平和と安全保障の仕組み
 これは理想論でしょうか。決してそうではありません。東南アジアに見習うべき先駆的実例があります。
 この地域には、かつて米国中心の軍事同盟――SEATO(東南アジア条約機構)がありました。東南アジアの一部の国は、アメリカの側に立ってベトナム侵略戦争に参戦しました。地域に深刻な分断が持ち込まれ、互いに傷つけあうことになりました。ベトナム戦争でのアメリカの敗北と撤退の後、軍事同盟によっては平和や安定は守れないとの反省から、SEATOは解消されました。
 軍事同盟が解消されるもとで、東南アジアの国々は、ASEAN(東南アジア諸国連合)を発展させることに力をそそぎました。私たちは、野党外交のなかで、その教訓をASEANの各国の政府から直接聞く機会がありましたが、いまASEANが平和と安全保障の枠組みとして重視しているものが四つあるとの説明でありました。
 第一は、TAC――東南アジア友好協力条約であります。1976年に締結されたTACは、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げ、まずASEAN域内の関係を律する行動規範となり、87年以降はこれを国際条約として域外に広げてきました。すでにTACは、ユーラシア大陸のほぼ全域とアメリカ大陸にまでおよぶ55カ国・地域に広がり、世界人口の7割が参加する巨大な流れに成長しています。
 第二は、東南アジア非核地帯条約であります。「核兵器のない世界」をつくるうえで、東南アジアが先駆的役割を発揮しようというものです。
 第三は、ARF――ASEAN地域フォーラムであります。27カ国が参加する機構に発展しているARFは、「対話と信頼醸成」のための機構と位置づけられ、「予防外交」「紛争の平和的解決」の機構に発展させるという展望をもって活動しています。注目すべきは、ARFには、韓国と北朝鮮の双方が加入しているということです。双方で紛争問題が起こったさいに、ARFは外交的解決に力を発揮してきました。
 第四は、「南シナ海行動宣言」です。ASEANと中国が締結しているもので、南シナ海の諸島の領有をめぐる紛争を、エスカレートさせず、平和的方法で解決をめざすものです。この「行動宣言」を、さらに、法的拘束力のある「行動規範」に発展させようと、交渉を続けているのが現状であります。
 これらの重層的な仕組みの全体をつらぬいている考え方は、軍事的手段・軍事的抑止力に依存した安全保障という考え方から脱却し、地域のすべての国を迎え入れ、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的なアプローチで安全保障を追求する――平和的安全保障≠ニいう新しい考え方であります。
 最近、日本共産党の緒方靖夫副委員長(国際委員会責任者)が、ASEANの国の一つ、フィリピンを訪問し、政府・議会の要人と会談しました。フィリピンは、マルコス独裁政権を打倒した86年の「ピープル・パワー革命」の後の92年、アジアで最大級のスービック海軍基地とクラーク空軍基地という二つの米軍基地を閉鎖・返還させました。緒方さんが先方と話しますと、そのことによって「抑止力がなくなって心配」という声は一つもなかったとのことであります。政治的立場を問わず共通していたのは、「基地撤去で何も問題は起こらなかった」ということだったといいます。
 中国との関係も経済関係を強化し、領土をめぐる紛争問題をかかえていますが、紛争が起こっても拡大せずに、外交的に解決する関係をつくっています。
 米軍とフィリピン軍との共同訓練などが行われていますが、外国軍事基地の再設置は、「ピープル・パワー革命」以後に制定された憲法のもとでは、考えられないとのことでありました。

北東アジアに平和の地域共同体を広げる
  みなさん。こういう東南アジアで発展している平和の地域共同体を、北東アジアにも広げようというのが、私たちの提案であります。
 北東アジアに、平和の地域共同体を築く条件はあるでしょうか。
 この地域には、北朝鮮問題という難しい問題があります。北朝鮮の国際合意を無視した行動には、もとよりきびしい批判が必要です。同時に、「この地域で絶対に戦争をやってはならない」というのは、すべての国の共通の強い思いだと思います。それならば、平和的・外交的に解決することが最善かつ唯一の道ではないですか。困難はあっても、「6カ国協議」という枠組みを活用した外交的解決に力を傾注する必要があります。
 「6カ国協議」には、この地域に関連するすべての国々が参加しています。2005年9月の「共同声明」では、朝鮮半島の非核化とともに、この枠組みを北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させていくという展望も明記されました。この「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・拉致・ミサイル・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和の地域共同の枠組みに発展させる外交努力をつくすことこそ、何よりも大切ではないでしょうか。
 くわえて強調したいのは、「6カ国協議」に参加するすべての国が、TACとARFの参加国ともなっているということです。これらの機構を、北東アジアの平和と安定のためにも、積極的に活用していく外交努力も重要だと考えます。
 憲法9条を生かした平和外交、軍事に頼らない平和的安全保障≠ニいう考え方にたって、日本と東アジアの安全保障をはかろうというのが、私たちの提案であります。

憲法9条を生かした平和外交によって、世界平和に貢献する
  安保条約から抜け出した日本は、憲法9条を生かした平和外交の力によって、世界平和に貢献する新しい日本へと生まれ変わります。
 国連憲章に規定された平和の国際秩序をつくる、「核兵器のない世界」をつくる、異なる文明間の対話と共存の関係の確立をはかる――これらは世界の大多数の国々が追求している世界平和の大目標ですが、安保条約のもとでの日本は、米国の覇権主義の戦略に拘束され、それらの課題にまともに取り組むどころか、逆行する役割さえ果たしてきました。
 安保条約の廃棄は、この状況を一変させるでしょう。日本が、憲法9条を生かして世界平和に貢献する、すばらしい役割を発揮できるようになることは、間違いありません。
 核兵器廃絶の取り組みでも、安保条約をなくし、米国の「核の傘」から抜け出し、名実ともに「非核の日本」となってこそ、被爆国の政府にふさわしい、「核兵器のない世界」へのイニシアチブが発揮できることになるでしょう。ヒロシマ・ナガサキの惨禍を体験した日本が、そうしたイニシアチブを発揮すれば、この人類的課題の実現にむけて、どんなに大きな貢献となるかは、はかりしれません。

第三。日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられる
 第三の変化は、安保条約をなくせば、日本の経済主権を確立するたしかな保障がつくられるということです。
 経済の面でも、アメリカいいなりで、どれだけ日本経済がゆがめられてきたか。
 農業では、小麦から始まって、牛肉・オレンジ、そしてコメまでも輸入自由化の対象とされ、日本の食料自給率は約4割と、世界の主要国で他に類をみない異常な水準に落ち込んでいます。
 エネルギーでも、日本が「原発列島」にされた根源には、アメリカによる濃縮ウランと原子炉の押し付けがありました。
 金融自由化と超低金利政策の押し付けによって、日本国民から莫大(ばくだい)な富が吸い上げられてきました。
 労働でも、規制緩和の押し付けで派遣労働が自由化されるなど、「人間らしい労働」が破壊されています。
 「日米構造協議」、「年次改革要望書」など、経済的従属の異常な「制度化」も進みました。TPP参加は、これらの流れの総仕上げであり、日本の経済主権を根こそぎ奪うものにほかなりません。
 これらの根底には、日米安保条約第2条の「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努める」という規定づけがあります。「くい違いを除け」と条文にうたわれている。このもとで、アメリカ型のルールの日本への押し付けが、横暴勝手に進められてきたのであります。
 安保条約をなくせば、日本経済をあらゆる面でゆがめ、国民を苦しめてきた経済の面でのアメリカいいなり≠根本から断ち切ることができます。日本経済は、従属の枷(かせ)から解放されて、自主的発展の道を進むことができるでしょう。
 そうしますと、たとえば地球環境の問題、投機マネーの規制の問題など、世界が直面する経済問題でも、日本が自主的イニシアチブを発揮し、民主的な国際経済秩序をつくるための貢献を果たすことができるようになると、私は考えるものであります。

日米友好条約の締結、非同盟諸国首脳会議への参加
 みなさん。日米安保条約をなくせば、これだけの素晴らしい展望が開けてきます。
 アメリカとの関係も、私たちが望むのは決して対立や敵対ではありません。日米安保条約に代えて日米友好条約を結ぶというのが、私たちの提案であります。支配・従属のもとでは真の友好は決してつくれない、対等・平等の関係になってこそ日米両国、両国民の真の友好を築くことができるというのが、私たちの確信であります。
 非同盟諸国首脳会議は、すでに138カ国、54億人が参加(オブザーバーを含む)し、非軍事同盟・中立、国連憲章にもとづく平和の国際秩序、核兵器の廃絶、公正で民主的な国際経済秩序をめざす巨大な潮流として発展しています。安保条約をなくした日本は、この世界史の本流と合流しようではないか、というのが私たちの提案です。それは、世界の進歩への巨大な貢献となることは疑いない、ここにこそ21世紀の日本が進むべき道はあると訴えたいのであります。

東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を

 最後にのべておきたいのは、日米安保条約の廃棄をめざす取り組みとともに、東アジアに平和的環境をつくる緊急の外交努力を、一貫して追求することが重要だということであります。4点ほどのべておきたいと思います。

軍事的対応の拡大と悪循環をきびしくしりぞける
 一つは、「軍事には軍事」という軍事的緊張の拡大と悪循環は、いかなる形であれきびしくしりぞけるということです。
 北朝鮮が、国際法や国際合意に違反する行動をとった場合に、日本の対応として、外交的解決の努力よりも軍事対応が突出する傾向が、しばしばみられますが、こうした態度はきびしく戒めることが必要であります。
 この問題は、今後も複雑な局面が予想されますが、どんな場合でも、国際社会が一致して、外交的解決に徹するという態度を堅持することが、北朝鮮に違法行為をやめさせ、国際社会の責任ある一員としていくうえで、何よりも重要であるということを、強調しておきたいと思います。

米中・日中関係――軍事力で対抗する思考から抜け出し、軍拡から軍縮に
 二つ目に、日中両国が「戦略的互恵関係」を確立し、米中両国も「戦略・経済対話」のしくみを制度化し、それぞれが経済関係、人的交流をいよいよ深化させるもとで、これらの国と国との戦争は決しておこしてはならないし、もはやおこせないことは誰の目にも明らかになっています。
 その現実に立って、双方が、軍事力で対抗するという思考から脱却し、軍拡から軍縮に転じることを、わが党は強く求めるものであります。

領土をめぐる紛争問題――歴史的事実と国際法にもとづく外交的解決に徹する
 三つ目に、この地域に存在する領土をめぐる紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹することが何よりも重要であります。
 日本政府にこの点での弱点があることが、紛争解決の障害となっていることを、私たちは率直に指摘し、道理に立った領土問題解決の提案を行ってきました。
 同時に、領土問題にかかわって、紛争当事国の一部から、一方的措置や武力行使容認論などが主張されていることは、相互不信を増幅するものとなっており、私は、是正する努力を求めたいと思います。

歴史問題の解決は、東アジアに平和的環境をつくる土台
 四つ目に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、東アジアに平和的環境をつくる土台になるということです。
 わが党は、「従軍慰安婦」問題など、未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さないことを、日本政府に強く求めます。
 過去を変えることはできませんが、過去を直視し、そこから反省と教訓を引き出し、未来に生かすことができます。そういう姿勢を貫いてこそ、日本は、東アジア諸国との本当の友情をつくることができるというのが、私たちの確信であります。

日米安保条約をなくす国民的多数派をつくろう

 みなさん。日米安保条約をなくすためには、それを求める国民的多数派をつくることが必要であります。そのためには平和を願う国民要求から出発して、日米軍事同盟の他に類のない異常を一つひとつただすたたかいを発展させるとともに、「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広く国民のものにしていく取り組みが大切であります。
 沖縄をはじめとする米軍基地撤去、治外法権的な日米地位協定の改定、「米軍再編」の名での地球的規模での日米軍事共同をやめさせる、米軍への「思いやり予算」を廃止する、国民を欺く「核密約」など秘密取り決めを撤廃する、TPP参加を阻止するなど、国民の切実な要求にもとづくたたかいを、それぞれの一致点を大切にしながら、大きく発展させようではありませんか。
 そのなかで「安保をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広い国民のものにしていく努力を一貫して強めようではありませんか。
 日米安保条約廃棄を求める国民的多数派をつくることは、民主連合政府を樹立する大きな条件を開くことにもなります。
 みなさん。力をあわせて、本当の独立国といえる、平和・中立の新しい日本をつくりましょう。そのことを、最後に訴えて、私の話とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
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2012年05月15日,「赤旗」) (Page/Top

中韓首脳と個別会談/野田首相

 【北京=小寺松雄】野田佳彦首相は13日午後、北京で中国の温家宝首相、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と個別に会談しました。
 日中首脳会談で両首相は、尖閣諸島(中国名釣魚島)問題についてそれぞれの主張を展開。そのうえで「この問題が両国関係の大局に影響を与えることは望ましくない」との認識で一致しました。
 野田首相は「尖閣付近を含む中国の海洋活動の活発化」に懸念を表明し、中国に冷静な対応を求めました。
 同行筋によると、温首相は会談で「核心的利益と重大な関心事項を尊重することが重要」と述べました。
 また野田首相は中国の人権問題に関し「国際社会の普遍的価値の一層の前進を望む」と表明しました。
 日韓首脳会談では、李大統領が旧日本軍の「従軍慰安婦」問題を念頭に「(昨年の)京都での首脳会談で取り上げた案件について前向きの検討をお願いしたい」と改めて要望。野田首相は「大統領とともに知恵をしぼりたい」と応じました。韓国側からは法的対応や賠償など具体的な話は出ませんでした。
 この会談で野田首相は「両国はともに米国と同盟関係にある」ことを強調し、「日韓米3国でアジア太平洋での挑発や紛争に対応していこう」と訴えました。
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2012年05月14日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題/謝罪と賠償を/広島市で宣伝

 日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは2日、広島市中区で問題の早期解決を求める宣伝をしました。韓国の被害者ハルモニ(おばあさん)らが日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会に連帯して、毎月第1水曜日に宣伝しているもの。
 20人が参加し、同ネットの設立記念集会で採択した宣言文を載せたビラを配布。土井桂子共同代表らがハンドマイクで「日本軍性奴隷被害者たちの要求に真摯(しんし)に耳を傾け、一日も早く謝罪と賠償を実現しなければならない」と訴えました。
 韓国から留学中のチョン・ミョンスクさん(24)はビラを受け取って「被害者は高齢なので、歴史を歪曲(わいきょく)せず、早く解決してほしい」と語りました。
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2012年05月10日,「赤旗」) (Page/Top

 

4月)ヘッドライン

*         「慰安婦」問題解決へ/広島・「ネット」設立講演会

*         朝の風/ある日本軍「慰安婦」の死

*         司令部壕説明板/削除部分、沖縄戦の核心/シンポで告発/那覇

*         「慰安婦」問題で「ネット」設立へ/あす広島市で集会

*         署名4.3万超を提出/「慰安婦」問題解決など/新婦人

*         「慰安婦」問題解決へ学習会/新婦人道本部

*         朝の風/草の根で戦争犠牲者を悼む

*         「慰安婦」問題/被害者に謝罪と補償を/戦時性暴力連絡協が要請

4月(本文)(Page/Top

「慰安婦」問題解決へ/広島・「ネット」設立講演会

 日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは21日、広島市中区の原爆資料館で設立記念講演会を開きました。94人が参加し、「軍都であった『ヒロシマ』が果たすべき戦争責任だ」として、一日も早い謝罪と賠償を求める宣言を採択しました。
 高雄きくえ共同代表は「戦争と軍隊に関わる性暴力事件は、過去のものではない」と開会あいさつし、土井桂子共同代表兼事務局長が設立までの経過を報告。韓国で元「慰安婦」を支援する韓国挺身隊問題対策協議会のユン・ミヒャン共同代表が「日本軍性奴隷サバイバーと共にした21年、これから進む明日」と題して講演しました。
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2012年04月25日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/ある日本軍「慰安婦」の死

 重篤が伝えられていた中国の劉面換さんが85歳で亡くなった。私が最初に会ったのは、以前、裁判所で証言した帰りに弁護士とともに訪問してくれた時だ。その時、彼女の生い立ちを聞いた。
 両親は8人の子がいたがみんな8歳になるまでに死んでしまった。彼女が生まれると7軒の農家で引かせた小麦粉で赤ん坊と同じ人形を作り、彼女と並んで寝かせた。お乳もやり3日間同じように育てた後、その人形をわらで包み、赤ん坊についた悪霊を人形に乗り移らせて土中に埋めたという。面換≠ニいう名の由来である。
 幸せに暮らしていた16歳の時に日本軍に連行されて「慰安婦」にされた。父は羊80頭と銀元を工面し日本兵から娘を取り返したが、体はズタズタにされ1年半も寝たきりだった。父は悲しみで早死にした。
 2度目に会ったのは映画「蟻の兵隊」の中だ。元日本兵に会って「あなたも悪い人ではなさそうだ。奥さんに中国で人を殺した事をもう話してはどうか」と諭すシーンは堂々としていた。打ちひしがれていた面影はない。この間の闘いが彼女を大きく成長させたのだろう。でも、謝罪も補償もないまま苦難の人生を終えた。日本はこのままでいいのだろうか。
 (春)
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2012年04月25日,「赤旗」) (Page/Top

司令部壕説明板/削除部分、沖縄戦の核心/シンポで告発/那覇

 旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕の説明板から「慰安婦」「沖縄住民の虐殺」「捨て石」などの文言を県が削除した問題で22日、那覇市内で問題点を考えるシンポジウムが開かれました。
 県が委嘱した説明板設置検討委員会の池田榮史委員長・琉球大教授が経過を報告。同委員の村上有慶氏らがパネリストとして発言。沖縄戦をめぐる核心的部分が一方的に削除され、削除根拠も明示されないまま不誠実な対応の数々が時系列で報告されました。「県民の方々に認められる説明板がつくられるまで活動を続けます」。検討委員の決意に参加者は拍手で応えました。
 質疑では、「県に文言削除を求める意見書を出した一人」と称する男性らから「慰安婦がいたという文献はない」「軍をおとしめるもの」といった発言も出たため、パネリストが旧日本軍の資料を列挙し、「慰安婦」の存在を詳細に実証する場面も見られました。
 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員も空路駆けつけて激励しました。
 前日の21日には、県平和委員会の主催で第32軍壕の現地調査が行われ、村上氏が説明。鉄血勤皇隊として壕にいた古堅実吉・元日本共産党衆院議員も参加して、当時の様子を語りました。
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2012年04月23日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題で「ネット」設立へ/あす広島市で集会

 日本軍「慰安婦」問題解決・ひろしまネットワークは21日午後2時から、広島市中区の原爆資料館で設立記念集会を開きます。今月設立した同ネットの足立修一、高雄さくえ、田中利幸、土井桂子の4共同代表らが17日、広島市役所で記者会見をしました。
 元「慰安婦」らが韓国日本大使館前で毎週水曜日に開く抗議集会が昨年12月に1000回に達し、足立氏ら43人と広島YWCAを呼びかけ人として今年3月から同ネットへの賛同を募集。土井氏は会見で「この問題を放置すれば、日本は平和と人権の問題で国際的に発言力を持たない国になる」と述べました。
 設立記念集会では、元「慰安婦」を支援する韓国挺身隊問題対策協議会のユン・ミヒャン共同代表が来日して講演し、21年間の支援活動を報告します。入場無料。連絡先=土井氏090(3632)1410
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2012年04月20日,「赤旗」) (Page/Top

署名4.3万超を提出/「慰安婦」問題解決など/新婦人

 新日本婦人の会(新婦人)は19日、男女平等・女性の地位向上をめざす「春の行動」で取り組んだ署名4万3215人分を国会に提出しました。笠井貴美代会長、平野恵美子男女平等・働く女性部長が代表して、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員と井上哲士、紙智子両参院議員に託しました。
 新婦人は、ことし創立50周年を記念し、国際女性デーの3月8日から婦人参政記念日の4月10日までを「春の行動」として諸要求実現をめざす署名行動に取り組んできました。提出した署名の内訳は▽「日本軍『慰安婦』問題の法的解決を急ぐことを求める請願」2万6790人▽「民法改正を求める請願」1万6425人、です。
 笠井会長は「『慰安婦』問題と民法改正は待ったなしの課題として、春の行動にとどまらず今後も重視して取り組むことを呼びかけています。特に『慰安婦』問題は署名行動でも新婦人が発行したパンフレットでも大きな反響が寄せられています。さらに世論を高め広げていきたいと考えています」と話しました。
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2012年04月20日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題解決へ学習会/新婦人道本部

 新日本婦人の会北海道本部は11日、ジェンダー平等講座「日本軍『慰安婦』問題からみえるもの」を開催しました。「日本軍『慰安婦』問題の解決をめざす北海道の会」共同代表である金時江(キム・シガン)さんの講演に、42人が真剣に耳を傾けました。
 金さんは@日本軍が慰安所をつくった理由Aどういう女性が「慰安婦」にされたかB連行の方法Cその後の人生―などを当事者の証言を紹介しながら話しました。「慰安婦」問題の経過について、日本政府は「慰安婦」被害者の存在を否定していましたが、1991年、金学順(キム・ハクスン)さんが名乗り出て日本政府に補償を求めて提訴し、1993年の「河野官房長官談話」でようやく「おわびと反省」が表明されたことなどを詳しく語りました。
 金さんは、日本政府が「軍の関与」を認めて「謝罪」したものの、「国の関与と責任、償いは認めていない」と訴えました。
 参加者は「『慰安婦』への筆舌に尽くしがたい性暴力の実態、踏みにじられた人生に、あらためて衝撃を受けた」と講演に聞き入っていました。
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2012年04月14日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/草の根で戦争犠牲者を悼む

 芝憲子「日本軍慰安婦、軍夫と現在」(『詩人会議』5月号)は、表題の戦争犠牲者をめぐる現在の状況を、芝さんの関係する最近のいくつかの催しを通して伝えている。
 芝さんは昨年11月12日の「沖縄女性九条の会」の日本軍慰安所めぐりで、沖縄に慰安所が140カ所もあったことを知る。けれど、県生活環境部は仲井真知事の承認で、首里の第32軍司令部壕跡の説明板から「慰安婦」と「住民虐殺」の文を削った。これらが史実なのは住民の目撃証言からも明白で、文を元に戻せという声があいついでいるという。
 今年2月18日、「没後二〇年、ペ・ポンギさんを偲ぶ会」が開かれた。ペさんは渡嘉敷島の「慰安婦」だった。朝鮮に帰らず91年に沖縄で亡くなった。芝さんは「映画が切れた」という詩を、遺骨のある大典寺に供えた。
 2月5日には山口県宇部で「長生炭鉱水没事故七〇周年犠牲者追悼集会」が開かれた。42年2月3日、宇部の海底炭鉱の水没事故で183人が死亡。うち137人は朝鮮人で、集会には4人の韓国人遺族も白衣を着て参加した。追悼碑の建設も決めた。芝さんが作詞し池辺晋一郎氏が作曲した組曲「海の墓標」も合唱された。史実を隠蔽し、日本軍を美化する動きとの、草の根の闘いはつづく。
 (槐)
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2012年04月13日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題/被害者に謝罪と補償を/戦時性暴力連絡協が要請

 戦時性暴力問題連絡協議会は5日、野田佳彦首相あてに、日本軍「慰安婦」問題についての要請書を送り、あわせて各党国会議員に要請しました。
 要請書は、3月26日の参院予算委員会で自民党・山谷えり子議員が行った「慰安婦」問題についての質問に関連して提出したもの。
 山谷氏が「拉致、誘拐、性奴隷の事実はなかった」と断定して、見解をただしたのに対し、首相が、経緯や実態は正確なことが記されていない、と答弁したことにふれ、「事実から『大きく乖離(かいり)』している」と批判。▽被害者に直接会い被害の実態を正しく認識する▽被害者が存命中の謝罪と補償▽被害等の調査の再開―などを求めています。
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2012年04月07日,「赤旗」) (Page/Top

 

 

3月)ヘッドライン

*         旧日本軍壕説明板問題/検討委員が県部長に抗議/沖縄

*         朝の風/だって女の子だもの

*         「慰安婦・住民虐殺」削除の不見識/沖縄・戦跡説明文をめぐって/大城将保

*         元慰安婦が出馬表明

*         国際女性デー各地で集会/男女共同参画・「慰安婦」問題・原発ゼロ…

*         女性の視点いかし大いに/国際女性デー各地で行動/愛知/福井/富山/岐阜/長野/静岡/石川/新潟

*         国際女性デー/復興・原発ゼロへ連帯強め/福島/青森/岩手/宮城/北海道/山形

*         生存者の証言紹介/中国人強制労働調査報告会/愛知

*         政府に早期解決迫る/「慰安婦」被害者ら集会

*         「慰安婦」早期解決を/韓国大統領、独立運動式典で言及

*         「慰安婦」問題解決へ学習会/埼玉・飯能

*         戦跡説明文/設置検討委員が削除撤回求める/沖縄

*         戦跡説明文/沖縄戦の実相伝えよ/削除問題で知事追及/党県議

 

*  3月(本文)(Page/Top

旧日本軍壕説明板問題/検討委員が県部長に抗議/沖縄

 那覇市・首里城公園の旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕(ごう)の説明板から「慰安婦」「住民の虐殺」「捨て石」などの文言が削除された問題で28日、説明板設置検討委員会が下地寛・県環境生活部長を訪ね、同委員会の再開を求めました。
 訪ねたのは専門家の4委員全員。委員らは話し合いの日時が決まっていた23日、文言を削除したままの説明板を県が一方的に設置したことに抗議する声明を読み上げ、「あまりにも不誠実」「いったん撤去し、沖縄県民が納得のゆく説明板の記述にやり直す」よう求めました。
 池田榮史委員長ら委員は「このままでは不幸な説明板になる。共通認識を得るため、関係者を招き、資料も準備して十分討議する場を設けてほしい」と繰り返し求めました。
 しかし、下地部長は「行政の判断」を強調し、「開くつもりはない」と再検討をかたくなに拒みました。
 委員らは「検討委員会の目的は沖縄戦の実相を語ることと設置要綱に明記されている。多くの方が納得できる説明板ができるまでが委員の任期。今後も委員会として活動させていただく」と語りました。
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2012年03月29日,「赤旗」) (Page/Top

朝の風/だって女の子だもの

 東日本大震災・原発事故から1年、鎮魂の祈りとすすまぬ復興への怒りをこめて3月が終わろうとしている。水仙や福寿草、サンシュユの黄色から、桃や桜のピンクに彩られる季節がめぐってきた。
 ところで、かつて3月3日のひな祭りは「やさしい女の子」というイメージだったが、今年は「なでしこジャパン雛」や「ゲゲゲの女房雛」も登場、女性の元気をみせてくれた。もちろん国際女性デーも3月8日である。
 そこで3月にちなんだ話題を提供したい。昨年12月の国連総会で、毎年10月11日を「国際女の子デー」とする決議が採択された。これまで発展途上国の子どもたちを支援してきた国際NGOが「Because I am a Girl」を合言葉に運動した成果だという。
 もちろん男の子も守られなければならないが、性的虐待や人身売買など女の子の直面する困難を見据える意味は大きい。途上国だけではなく、日本でも多くの女の子が自分に誇りを持てない状況にあり、DVやレイプの犠牲になる例も多い。旧日本軍の「慰安婦」問題も、じつはあどけない少女たちへの性犯罪でもあったのだ。
 すべての国と地域の少女たちが「だって女の子だもの」と胸を張っていえる日のために、「国際女の子デー」を祝福したい。
 (佐)
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2012年03月28日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦・住民虐殺」削除の不見識/沖縄・戦跡説明文をめぐって/大城将保

 世界遺産の首里城の地下に旧沖縄守備軍(第32軍)の司令部壕跡(那覇市内)が残っている。観光客のために説明板を設置することになって、県では説明板設置検討委員会(専門家5氏でつくる)に文案を作成させた。ところが今年2月になって、県当局の一方的な判断で文案中から「慰安婦」と「(日本軍による)住民虐殺」の部分が削除されたことがわかり、大騒ぎになった。県は今後設置される説明板の文章へのこれらの文言の復活を拒否している。

公然の事実と目撃者の証言
 県幹部は議会答弁で、日本軍「慰安婦」も住民虐殺についても「確証がないと判断した」とか「賛否両論を併記するスペースがない」などと苦しい言い訳をしているが、不見識もはなはだしい。軍司令部壕内に三十数名の日本軍「慰安婦」が配属されていた事実は、軍司令部日録に名簿まで記載されている公然の事実である。また、一人の沖縄婦人が壕付近で逮捕され、スパイ容疑で衆人環視のなかで斬殺された事件は多くの目撃者の証言で広く知られており、その後も数件のスパイ事件があったという証言もある。これらの否定できない公然の事実を、あえて「なかったという証言もある」などと、論理矛盾の苦しい言い訳までしてなお「削除」を撤回しようとしない県当局の真意は何だろうか。
 戦争体験を歴史的に位置づけるときに、被害体験・加害体験・抵抗体験の三つの角度から光をあてる、というのが平和教育のあるべき立場である。沖縄の戦跡を歩くと、この三つの局面がもろに見えてくる。被害体験は住民虐殺・スパイ嫌疑事件・食料強奪・避難壕追い出し、日本軍「慰安婦」、等々。同時に、防衛隊・学徒隊・義勇隊・挺身隊などに根こそぎ動員された立場からすれば、客観的には日本軍の加害の片棒をかつがされたことにもなる。
 そして抵抗体験は「集団自決」の強要や、「捕虜になる者はスパイとみなして処刑する」という軍命令に逆らって、「命どぅ宝」を合い言葉に集団で投降、あるいは脱走する行為に象徴される。

危険な動きと無関係でない 沖縄の戦場体験者たちが長い沈黙をやぶって友軍(日本軍)の残虐行為の数々を証言記録に公表するようにな
ったのは、本土復帰と同時に自衛隊が進駐してきて新たな不安を感じてからである。そして、住民虐殺や集団自決強要のような日本軍の加害行為がようやく歴史教科書にも記述されるようになると、「日本軍の名誉回復」と「愛国心教育」を推し進めようとする歴史修正主義の一派は、歴史教科書から「沖縄住民虐殺」や「集団自決の関与」の事実を削除させようと文部省に圧力をかけてきた。
 82年、歴史教科書検定で「日本軍による住民虐殺」削除問題。05年、座間味島の集団自決を記述・出版した大江健三郎氏と岩波書店を名誉毀損で裁判に訴えた元隊長と連携して、文科省に圧力をかけて歴史教科書から「集団自決」を削除させた問題。
 前者は県民の島ぐるみの抗議運動で「住民虐殺」を復活させ、また後者は大江・岩波側が勝訴を勝ち取り、軍の関与による「集団自決」という真実をまもりぬいたが、今度は「新防衛大綱」に基づいた自衛隊基地誘致と並行して八重山での育鵬社版教科書の採択をねらった強行策で混乱をまきおこしている。
 今回の文案削除問題でも再び戦争の道へ傾斜していく危険な動きと無関係とは思えない。去る3月17日には、平和ガイドや平和教育などで活動する市民団体が緊急学習会を開いたところ、予想を上回る約250人が会場を埋め、歴史事実の確認と県当局に文言復活をもとめるアピールを採択した。
 (おおしろ・まさやす 沖縄平和ネットワーク代表世話人)
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2012年03月23日,「赤旗」) (Page/Top

元慰安婦が出馬表明

 【ソウル=時事】旧日本軍の元従軍慰安婦である李容洙(イ・ヨンス)さん(83)が14日、ソウルの日本大使館前で記者会見し、来月11日の韓国国会総選挙に、最大野党民主統合党の比例代表候補として出馬する意思を表明しました。
 昨年12月に建てられた慰安婦問題を象徴する「少女の像」の横で李さんは、「議員になったら、慰安婦問題を解決し、多くのおばあさんの恨みを晴らしたい。だから、もう年だが(出馬を)決心した。アジアや北朝鮮の問題も解決したい」と語りました。
 李さんは13日に出馬を申請しました。民主統合党は来週初めにも比例代表名簿を発表します。
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2012年03月15日,「赤旗」) (Page/Top

国際女性デー各地で集会/男女共同参画・「慰安婦」問題・原発ゼロ…

高知

 国際女性デー高知県中央集会が8日、高知市で開かれ、高知大学の森田美佐准教授がさまざまな分野で男女間格差が存在する日本の現状を指摘し、男女共同参画の必要性を訴えました。同集会実行委員会が主催しました。
 森田さんは、女性があらゆる分野で意思決定できる環境をつくることが必要で、日本は経済、政治、教育、慣習など公的な領域で世界の指数からみても参画できる場が少ないと話し、「こうした現状をおかしい≠ニ知らせ気付かせることが大事で、男性と一緒にどうしたら変えることができるか考え行動することが必要です」と話しました。
 日本共産党の春名なおあき衆院高知1区候補が来賓あいさつしました。

福岡

北九州市
 国際女性デー北九州市小倉地区集会(同実行委員会主催)が7日開かれ、環太平洋連携協定(TPP)参加断固反対、消費税増税ストップ、「原発ゼロ」と自然エネルギーへの転換などの世論を広げる特別アピールを採択しました。
 日本軍「慰安婦」問題などを裁く「女性国際戦犯法廷」(2000年、東京)に参加した具島順子さんが「私たちは待てません!『慰安婦』問題の早急な解決のために」と題して講演。日本の国会議員らがワシントン・ポスト紙に「慰安婦」への強制を否定する「意見広告」を出したことなどにふれ、「ばかげたことの発信で、世界の笑いもの。日本は『人権無視国家』と扱われている」と語りました。
 集会では▽最低賃金1000円以上の確保▽自校方式の学校給食実施▽「原発なくそう!九州玄海訴訟」第3陣提訴への参加などの活動が報告され、日本共産党の高瀬菜穂子衆院福岡10区候補も発言しました。

福岡市
 国際女性デー福岡集会は8日、福岡市内で開かれ、広島県立大学の都留民子教授が「労働者のたたかいを支える社会保障」と題して講演しました。
 都留さんは、ヨーロッパの労働者が最低賃金時給2500円のデンマークなど先進的な社会保障をたたかいとってきたことを紹介。「税と社会保障の一体改革」に反対するストなどを力説しました。
 団体交流では4人が発言。千葉から子ども2人と福岡に避難してきているママは原発いりません≠フ女性は「子どもたちの未来のために原発いらない≠フ声を上げ続けたい」と訴え、大きな拍手に包まれました。

長崎

 「3・8国際女性デー長崎集会」(=同実行委員会)が8日、長崎市であり、45人が参加しました。
 萩原文子実行委員長は「女性が勝ち取ってきた権利を学び、暮らしに生かしましょう」とあいさつしました。
 東日本大震災支援ボランティアに生徒とともに参加した県立佐世保工業高校定時制教諭の江頭清隆さんが講演。昨年3回、宮城県石巻市と岩手県陸前高田市に出向き、ヘドロ除去作業などに携わった経験を語りました。
 ボランティアに行った生徒は「被災地の状況を見て、『やれることをやろう』という気持ちになった」とのべました。

熊本

 「国際女性デー」熊本県集会が8日、熊本市で行われ、60人が参加しました。
 新婦人県本部の上田たかこ事務局長が子ども医療費無料化拡充を進める運動、県原水協の川端眞須代事務局長は核兵器全面撤廃を求める取り組みを報告。NEC重層偽装請負訴訟原告団の柴田勝之さんや大劇不当解雇訴訟原告団の河野雅子さんと久野綾さんが支援を訴えました。
 25日投票の県知事選をたたかっている久保山啓介候補が「くらし・福祉を守り、憲法を生活に生かす県政をめざします」とあいさつしました。
 阿部広子弁護士が「男女平等ジェンダー視点」と題し講演しました。

宮崎

 国際女性デーの8日夜、宮崎市内で集会が開かれました。女性を中心に80人を超える参加がありました。会場には花が飾られ、華やいだ雰囲気を添えていました。
 あいさつした成見幸子実行委員長は、女性に対する差別や平和と安心を脅かす動きに反対して行動する必要性を訴えました。
 元高校教師、堀田孝一さんが原発の危険性と原子力政策の問題点について講演。震災と放射能被害からの避難者会「うみがめのたまご」代表の古田ひろみさんは、多くの母子避難者同士や支援者とのつながりの心強さを紹介。「原発問題に関心をもってもらえるように語っていきたい」と話しました。
 集会は、安全安心に暮らせる世の中をめざし連帯を呼びかけるアピールを全員の拍手で採択しました。

愛媛

 国際女性デー第53回愛媛中央集会が8日、松山市で開催され、80人が参加しました。「社会保障と税の『一体改革』の撤回、伊方原発などすべての原発の廃止、TPP交渉に参加しない」ことを求める野田首相あての特別決議を採択しました。
 愛媛大学法文学部の小淵港教授が「社会保障のための消費税増税?」と題して記念講演。「野田民主党政権の『一体改革』は、消費税率の引き上げを大前提に、社会保障の水準を引き下げる改悪=vと強調しました。
 JAL客室乗務員不当解雇撤回裁判原告団の林惠美事務局次長らが、裁判の支援を訴えました。
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2012年03月10日,「赤旗」) (Page/Top

女性の視点いかし大いに/国際女性デー各地で行動/愛知/福井/富山/岐阜/長野/静岡/石川/新潟

 「2012年国際女性デー」の8日、東海北陸信越の各地で集会が開かれました。

憲法が生きる社会を/愛知
 愛知県集会が名古屋市中区で開かれ、150人が参加しました。二宮厚美神戸大学教授が講演しました。
 主催者あいさつした安藤満寿江実行委員長は、「河村名古屋市長による南京大虐殺や『日本軍慰安婦』の否定、橋下大阪市長の不当な教育介入は断じて許せません。大いに学習・交流し、運動を広げ、憲法が生きる社会を実現しましょう」と呼びかけました。
 二宮氏は「橋下市長らの策動は、『二大政党』の悪政のゆきづまりを反動的に打開する危険な企てであり、反独裁政治の広範な共同が求められる。同時に、消費税増税や環太平洋連携協定(TPP)参加、原発再稼働、普天間基地固定化を阻止するため、女性の視点をいかした運動をおおいに広げることが必要だ」と強調しました。
 参加者交流では「福祉制度の解体をすすめる橋下、河村市政のもとでは、障害者は生きていけない」「野田政権による『保育新システム』導入を阻止するために署名、宣伝を繰り広げる」などの発言がありました。
 日本共産党の河江明美衆院東海比例候補と、水野磯子「愛知・日本軍『慰安婦』問題の解決をすすめる会」呼びかけ人代表があいさつしました。

「慰安婦」問題を学習/福井
 新日本婦人の会福井県本部は日本軍「慰安婦」問題をテーマに、福井市のアオッサで集いを開き、約30人が参加しました。
 山根清志・福井大学教授が、戦前の日本軍の「従軍慰安婦」問題をとりわけ若い世代が学ぶ大切さを語りました。
 山根氏は、日本軍が慰安所設置を指示した動かぬ証拠として、一人の研究者が当時の防衛庁防衛研究所図書館から発見し、1992年に発表した公文書を紹介。日本政府は当時、これを受け、謝罪の談話を発表し、軍が関与したことや、「慰安婦」の徴収・使役を強制や甘言で行ったことを認めました。しかし、1997年度使用の中学校教科書に「慰安婦」が記述されると、歴史を改ざんする勢力の巻き返しが強まり、教科書会社では記述をやめるなどの「自主規制」に至ります。
 山根氏は、「問われているのは、被害者の声に真摯(しんし)に応えることだ」として、国家が事実解明して関係者に謝罪と賠償を行うとともに、若い世代を中心にこの歴史事実を学ばせ、記憶に刻む重要性を指摘しました。
 参加者からは「『従軍慰安婦』問題の歴史事実を否定することは世界に通用しない」「福井県内の各議会では、この問題の早期解決を求める意見書をどこも採択していない」などの意見が出されました。

性差別撤廃をともに/富山
 富山県集会が富山市内で開かれました。
 「社会を変える女性たち―平和・平等・人権」と題して、日本平和委員会常任理事・日本平和学会会員の川田忠明氏が記念講演しました。川田氏は、女性差別撤廃と全面的な社会参画をめざし世界各地で行われている運動を紹介。戦争下で性暴力が構造的に行われることを説明し、「戦争は本質的に女性を蹂躙(じゅうりん)するシステムを持っている。戦争をなくすことと女性への差別をなくすことは潜在的に結びついている」と述べ、男女ともに協力していこうと呼びかけました。
 子どもの医療費助成制度の拡充を求める運動や消費税増税反対、公務員給与引き下げ反対の運動などを交流。「消費税10%への増税は、業者にとって死活問題。消費が伸びなくなり、零細企業が立ち行かなくなる」(富山民商婦人部)など5人が訴えました。
 集会では、アジアと世界の女性たちと連帯して差別のない平和な世界の実現を呼びかけた「アピール」を採択。新日本婦人の会高岡支部オカリナサークルが演奏しました。

ママと子ども、ダンスを披露/岐阜
 岐阜県では4日に岐阜市内で集会が開かれ、約160人が参加しました。
 新婦人の小組に集う、若いママと子どもたちがオープニングでフラダンスを披露、参加者を魅了しました。
 神戸女学院大学教授の石川康宏氏が「知らずにはすまされない!日本軍『慰安婦』問題」と題して講演。石川氏は、日本軍「慰安婦」問題について、何ら解決の道筋をつくってこなかった政府を批判し、一刻も早い解決を求めることを強調しました。
 参加者からは、「こんな歴史があったことを初めて知りました」「もっと学び、行動していきたい」「ぜひ韓国を訪ねて、ハルモニたちと大使館前で抗議行動をしたい」などの感想が寄せられました。
 集会アピール採択後、「慰安婦」問題の早期解決を図る要請書を決議としてあげ、県に提出することを確認しました。

歴史を学んで力合わせよう/長野
 長野県上田市では3日、上小地区記念集会が開かれ、120人が参加しました。
 らいてうの家の米田佐代子館長が「世界の女性たちが編む絆―青鞜百年から新しい百年へ」と講演しました。
 米田氏は、震災と原発事故という国難にたいし、「女性の果たす役割と視点が大切で、さまざまな人たちと共同・行動していきましょう」と結びました。
 参加者からは、橋下徹・大阪市長、子ども子育て新システム、消費税増税などに対して意見が出されました。
 国際女性デーの歴史に学び、力を合わせて前進しましょうとまとめました。

福島原発事故、人ごとでない/静岡
 静岡県集会(同実行委員会主催)が3日、静岡市清水区で行われ、約80人が参加しました。
 実行委員長の永井花子新婦人県本部会長は、「東日本大震災と福島原発事故は浜岡原発(御前崎市)のある静岡県民には人ごとでない。何よりも救援復興が急がれる時に悪政のオンパレード。今こそ女性が立ち上がらなければならない。女性の視線から憲法を暮らしにいかし守る社会を実現させましょう」とあいさつしました。
 岸松江新婦人中央委員が、憲法に基づき男女平等にすることこそ社会発展になると記念講演をしました。
 文化企画として、陬波靖行氏が心に響くハーモニカ演奏を行いました。

リレートークで思いを訴え/石川
 憲法を生かし、命と暮らしを守る社会を考える「石川県集会」が金沢市内で開かれ、約90人が参加しました。
 「いしがき女性9条の会」の藤井幸子事務局長が「沖縄の平和の願い、子らに手渡すために」と題して講演。新基地建設に反対し、基地の無い沖縄を求める県民の運動について報告し、「日本各地から平和な世界をつくる運動を広げ、憲法が輝く基地の無い日本を実現しましょう」と語りました。
 リレートークでは、6団体の代表らが「私たちは言いたい」をテーマに発言。「社会保障削減や消費税増税は許さない」「原発からの撤退を実現し、安心・安全の生活を守ろう」などと訴え、運動の前進を誓い合いました。
 集会では日本共産党の佐藤正幸県議、農民運動石川県連合会の西忠恭事務局長が来賓あいさつ。住民本位の震災復興や原発ゼロなどを求める運動をいっそう強め、集会を女性の要求実現のたたかいの出発点として、県内でも大きく行動を広げていくことを呼びかける行動決議を採択して閉会しました。

人間らしい雇用守れ/新潟
 新潟県集会が新潟市内で開かれ、80人が参加しました。
 坂井希美子実行委員長が「人間らしい雇用と社会保障、女性の権利実現、原発ゼロの社会実現を誓い合いたい」とあいさつ。
 講演した「いのち・原発を考える新潟女性の会」の桑原三恵さんは、福島原発事故での国民の命を軽視する政府の対応のまずさを批判し、「子どもたちの未来を考え、原発をなくすために、今自分たちができる行動を起こそう」と訴えました。
 各分野の活動交流で、大和ハウスパワハラ解雇裁判をたたかっている吉田民愛さんが「パワハラは人権侵害。裁判がパワハラをなくすきっかけにしたい。しばらくたたかいは続くが、もっと頑張るのでご支援を」と訴え。介護施設で働く吉田美里さんは「同僚との連携で元気になったお年寄りから、『皆さんのおかげです』と何度も言われ、うれしかった。介護職場は大変なイメージだが、やりがいもある職場だと分かってもらえるよう頑張りたい」と話しました。
 私立加茂暁星高校で長年非常勤講師を務めながら解雇され、裁判闘争している赤井くるみさんと山田ユリ子さんが、高裁逆転敗訴したことで「判決をこのまま残す訳にいかないので上告した」「気落ちしてない。これからも勝利のため頑張る」と決意を述べました。
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2012年03月10日,「赤旗」) (Page/Top

国際女性デー/復興・原発ゼロへ連帯強め/福島/青森/岩手/宮城/北海道/山形

 国際女性デーの8日、東北地方と北海道の各地で集会が開かれました。東日本大震災と原発事故を考えるテーマが目立ち、「子どもを放射能から守ろう」「原発をゼロに」という声があがっています。

福島の子、まだ外で思い切り遊べない/福島

 国際女性デー福島県集会が、福島市内で開かれました。同集会実行委員会が開いたもので、参加者は大震災からの復興と「原発ゼロ」へ力をあわせ、安心して暮らせる安全な福島を取り戻すため、女性たちの連帯を強めようと決意を新たにしました。
 数年前に浪江町に家を新築し、移り住んだという人が「原発事故で何カ所も避難を繰り返した。最初に行った場所が後で放射線量の高いことを知り、国と電力会社への不信でいっぱい」と怒りをぶつけました。
 放射能から子どもを守る活動を続ける村上裕美さんは「福島の子は、事故から1年たった今も外で思い切り遊べない。発育も心配です。きっちり除染し、遊べる環境にしてほしい」と訴えました。
 集会では吉原泰助氏(福島大学名誉教授・元学長、福島県九条の会代表)が「あらためて憲法を見つめ直す―原発・九条・人権」と題して記念講演。「原発がひとたび爆発すると日常が破壊される。平穏に生活する権利を守ることは、戦争を起こしてはならない、9条を守るということに通じる」とのべ、参加者に感銘を与えました。
 集会実行委員会は集会前、JR福島駅前通りで子どもを守る署名にとりくみました。

放射能から子を守ろう/いわき
 福島県いわき市の母親連絡会などでつくる「3・8国際女性デー実行委員会」は同日午後、JRいわき駅前で宣伝、署名をよびかけました。
 各団体から21人が参加し、国際女性デーの歴史を紹介し、「ふくしまの子どもたちを放射能から守るための署名」への協力を呼びかけました。
 学校帰りの高校生たちが「これは私たちの問題よ」と連れだって応えるなど、187人が署名しました。

政治の春呼びこもう/青森

 青森県中央集会・青森集会は、73人が参加して青森市の「アピオあおもり」で開かれ、「差別のない平和な世界の実現をめざし、本物の政治の春を呼び込みましょう」というアピールを採択しました。日本共産党の安藤はるみ県議もかけつけ、激励のあいさつをしました。
 集会では、「子どもたちに核のない未来を実行委員会」の加藤小百合代表が「ストップ! 原発! クリスマスパレード」を成功させた青年の活動を生き生きと報告。「脱『原発・核燃』≠ヨの一歩を踏み出しただけであり、これからも運動を広げたい」と決意をのべました。
 ひだまりユニオン青森保健生協分会の赤平明子分会長は、離婚し、2人の子どもを抱えて必死に働くなかで、自分も、やがて子どももうつ状態になり、そこから脱け出してきた体験を語り、「子育てして初めて人生を学んだ。子育ては一生のこと」と話しました。
 NPO法人子育て応援隊ココネットあおもりの沼田久美代表が、活動を詳しく紹介し、「子育て支援は、子育てで困っている人に寄り添うこと」と強調しました。

被災地支援をさらに/岩手

 2012年国際女性デー岩手県集会(主催=同実行委員会)が盛岡市勤労福祉会館で開かれ、75人が参加しました。
 盛岡医療生協・川久保病院医師の小野寺けい子さんが、「被災地支援に取り組んで」と題して講演しました。
 小野寺さんは、被災地の大船渡市や陸前高田市での医療支援の様子を説明するとともに、医療支援後の「はつらつお茶っこ会」「リハビリ日曜日支援」など現在のとりくみも報告。「大震災では、多くの高齢者、子どもなど、社会的弱者が犠牲になる」と指摘しました。また小野寺さんは、野田政権が狙う「社会保障と税の一体改革」を批判し、それをストップさせるために力を合わせようと呼びかけました。
 いわて労連の金野耕治副議長、日本共産党の斉藤信県議団長が来賓あいさつ。「東日本大震災からの復興に全力をあげる」ことなどを盛り込んだ、日本政府にたいする決議を採択しました。

自然エネ生かすとき/宮城

 宮城県では第52回宮城県集会が仙台市で開かれ、ジャーナリストの伊藤千尋氏が、「脱原発に向かう世界と日本 地球を活(い)かす 市民が創(つく)る自然エネルギー」と題し、約130人を前に講演しました。
 伊藤氏は「原発の安全神話は、福島の事故で崩れたが、原発なしではやっていけないという神話はまだ崩れていない」と指摘。「この神話を崩すには、具体的説得力を持って示せばいい」と提起し、アイスランドの地熱発電を例に、「地震の多い日本は世界で3番目に地熱発電がやりやすい国。地熱発電で原発20基分の電力がまかなえる」と紹介しました。また、日本は石油などの資源は少ないが、潮の干満を利用した潮力発電など「自然エネルギーという資源大国だ」と語りました。
 伊藤氏は、脱原発に向かうドイツで市民運動が原発をとめた経験や、高知県梼原(ゆすはら)町で元町長が町民と一緒になって自然エネルギーの町に変えてきた経緯を紹介し、「今は女性が前面に出ていく時代。まず、みなさんが自分の周りから変えていき、運動を広げていこうじゃないですか」と呼びかけました。
 集会では、新婦人宮城県本部前会長の西澤晴代実行委員長が主催者あいさつ、来賓として宮城県労連の佐藤孝志副議長と日本共産党の遠藤いく子県議があいさつしました。
 参加した太白区の女性(76)は、「原発やエネルギー問題について世界的な目で話を聞く機会がなかったので、とても勉強になりました」と話しました。

暮らし・平和守ろう/北海道

 2012年国際女性デー全道集会が、札幌市の「かでる2・7」ホールで開かれ、600人が参加しました。
 「なくそう原発、安心・安全な社会を、生かそう憲法、ジェンダー平等へ、広げよう雇用・暮らし・平和守る女性の共同を」をスローガンに開かれました。
 映画「ミツバチの羽音と地球の回転」のドキュメンタリー映画監督の鎌仲ひとみさんが「スウェーデンに学ぶ『持続可能』なエネルギーとくらし」と題して講演しました。
 鎌仲さんは、「エネルギーゼロハウス」などの例を紹介しながら、自然エネルギーを国策として進めているスウェーデンの実情を報告。「原発をなくすには女性が大きな役割を果たします。知識、情報を身につけた女たちの力が時代を変えます」と強調しました。
 福島県鏡石町から札幌市に避難してきた本田淳子さん(46)は、札幌市で美容室を開業するまでの1年間を振り返り「安心して暮らせる日本を子どもに残すため、一緒に行動しましょう」と訴えました。
 日本共産党の、はたやま和也衆院道比例候補が来賓あいさつをしました。

「原発ゼロを」特別決議採択/釧路
 北海道釧路市で「3・8国際女性デー釧路集会」(島田一恵実行委員長)が開かれ、約70人が参加しました。
 フリージャーナリストの影山あさ子さんが、「被曝(ひばく)の時代を生きる」をテーマに講演。3月11日の震災に始まる原子力災害で、戦時中と同じような大本営発表≠ェ一方的に流されるなかで、「自分の頭で考えることが何より大切」と、京都大学原子炉実験所の小出裕章氏らに話を聞きながら、12種類のDVDを作製・普及していることや、事故後、何度も福島を訪れ、自ら放射能量の測定や取材を続けていくなかで、「真実が公表されずに被ばくさせられてしまったたくさんの人たちがいる」と指摘しました。
 影山さんは「事実を隠すことに真剣になっている人たちがいる以上、私たちも事実を伝えることに本当に真剣に取り組むことが必要だ」と力強く訴えました。
 集会は、特別決議「原発ゼロをめざして」を満場一致で採択しました。

被災地支援の経験を語って/標茶町
 北海道標茶(しべちゃ)町で、「国際女性デー標茶集会」が開かれました。新日本婦人の会標茶支部と全釧路教組女性部でつくる標茶母親連絡会の主催です。
 宮城県石巻市、岩手県陸前高田市と2度にわたって東日本大震災被災地でボランティア活動をしてきた同町在住の高倉徹夫さんが自分で撮った写真を見せながら話しました。
 高倉さんは、「復旧は困難を極めるだろうが、全国から駆けつけた多くの人々の活動が途切れず続く限り大丈夫だと思った。また、若者にとって厳しい社会であるにもかかわらず、若い人たちが一生懸命に力を発揮しているのを見て励まされた」と話しました。
 参加者は、東北のがれきの受け入れについても私たちの町でも早く協力したい≠ニいうことと、放射線量は大丈夫だろうか≠ニいうことについて話し合いました。「この震災によって、今後、私たちの生活は例外なく変わっていくだろう。震災や原発の事故という事実に真正面から向き合わなければならない」と参加者の気持ちが一つになりました。

多彩にリレートーク/山形

 山形県の鶴岡市、酒田市、山形市で集会が開かれました。
 鶴岡市の「2012年国際女性デー田川地区集会」は、鶴岡こぴあを会場に開かれ150人が参加。
 春らしいオカリナの演奏で始まり、職場、地域からの報告がありました。
 息子をなくしたIさんの「過労死をなくそう」との訴えや、鶴岡民主商工会の消費税増税反対のプラカードを持ってのリレートーク、医療生協労組の医療従事者の現状と環太平洋連携協定(TPP)反対の話などです。
 「フクシマの子どもの未来を守る家」の高橋裕子さんから、学校が休みの時、福島の家族を受け入れる活動と原発の問題を話しました。
 第2部の記念講演では、JALの不当解雇撤回裁判の原告の1人で、鶴岡市出身の桑原佳子さんが「すべてはフライトの安全のために」と題して講演。これまでの活動と団体交渉について報告。参加者から「知らないことばかりだった。最後まで応援する」などの声が寄せられました。
 山形市では、「3・8国際女性デー山形のつどい」が開かれました。
 高吉嬉山形大学准教授が、「いま、植民地・戦争責任を考える 日本軍『慰安婦』と38度線を軸に」と題して講演。「『慰安婦』問題の解決が日本の信頼を回復する最後のチャンス」と述べました。
 集会に吉村美栄子知事からメッセージが寄せられました。
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2012年03月10日,「赤旗」) (Page/Top

生存者の証言紹介/中国人強制労働調査報告会/愛知

 大府飛行場中国人強制連行問題愛知県対策委員会(事務局・日中友好協会愛知県連合会)は4日、昨年10月の中国人被害者・遺族聞き取り調査の報告会を開きました。
 同問題は第2次世界大戦中に中国人が日本に強制連行され、現在の大府市と東海市境にあった大府飛行場(三菱重工名古屋航空機製作所知多飛行場)の拡張工事のため480人が働かされ、5人が死亡したものです。
 南守夫・愛知教育大学教授が生存者の生の証言を紹介し、「ドイツでも同様の強制連行・強制労働がおこなわれたが政府・企業が謝罪し補償がなされた。日本では一部企業を除き謝罪や補償がなされていない」と述べました。
 「全国では何人の中国人が働かされたのか」との質問に、南教授は「3万8935人を強制連行し、35企業135事業所で強制労働させられ、6830人が死亡したと外務省報告書に記載されている」と答えました。
 参加者から「三菱女子勤労挺身隊のように朝鮮の人たちの強制労働も多数ある」、「河村たかし名古屋市長の『南京大虐殺や従軍慰安婦』の否定発言は日中友好に悪影響を与える」などの意見がだされました。
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2012年03月07日,「赤旗」) (Page/Top

政府に早期解決迫る/「慰安婦」被害者ら集会

 「慰安婦」問題解決をすすめる国内市民団体がつくる「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動2010」は2日、東京都千代田区の参議院議員会館内で、日本政府に旧日本軍「慰安婦」問題早期解決を求める集会を開きました。市民や国会議員120人が参加しました。
 ソウルの日本大使館前で、「慰安婦」被害者女性と「水曜デモ」を開いてきた尹美香(ユン・ミヒャン)さん(韓国挺身隊問題対策協議会常任代表)が報告。尹さんは、昨年8月に韓国憲法裁判所が違憲決定を下したことや、12月14日に9カ国44都市で行われた1000回目の水曜デモにふれ、「2011年は(解決への運動が実を結んだ)意義深い年だった」と話しました。
 また、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が1日の「三・一独立運動」(1919年)の記念式典演説で、旧日本軍「慰安婦」問題は早急に解決せねばならない人道的問題、と日本政府に対応を求めたことを紹介。「8月の決定以降、6人の被害者が亡くなった。日本政府、社会を変えるために力を発揮してほしい。みなさんの運動の一つひとつが被害者に笑顔を与えている」と訴えました。
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2012年03月03日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」早期解決を/韓国大統領、独立運動式典で言及

 【ソウル=時事】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は1日、日本による植民地支配下の1919年に起きた「三・一独立運動」の記念式典で演説し、旧日本軍の慰安婦問題について、「早急に解決せねばならない人道的問題だ」と述べ、日本政府に対応を求めました。李大統領が、同式典でこの問題に言及したのは初めて。
 対日関係を重視する李大統領は8月15日の植民地解放記念式典の演説など、同様の演説で日本批判を避けてきました。しかし、昨年8月、憲法裁判所が、慰安婦問題で韓国政府が日本側と交渉努力をしないのは違憲と判断したことなどを受け、厳しい姿勢に転換。昨年12月の日韓首脳会談でも、野田佳彦首相に解決を迫っていました。
 李大統領は「韓日は未来を共に開いていかねばならない同伴者だ」と強調。その上で、「緊密な協力のためには、歴史の真実から目をそらさない真の勇気と知恵が必要」とし、高齢となっている元慰安婦たちが生存中の解決を呼び掛けました。
 李大統領は同日、元慰安婦たちに慰労の手紙を送りました。
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2012年03月02日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」問題解決へ学習会/埼玉・飯能

 埼玉アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会飯能支部は19日、飯能市富士見公民館で結成3周年記念の学習会を開き、46人が参加しました。
 日本軍「慰安婦」問題について、吉川春子元参院議員が講演。旧日本軍が兵士の性病対策、士気高揚などの目的で「慰安所」を設けてアジア、ヨーロッパの女性を強制連行したことや、国際社会が日本に責任者の訴追、被害女性への謝罪と補償を求めていること、問題の解決は女性の人権・人間の尊厳を回復するたたかいであることなどを話しました。
 13歳で「慰安婦」にされた中国人少女を題材にした紙芝居が、参加者の胸を打ちました。
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2012年03月01日,「赤旗」) (Page/Top

戦跡説明文/設置検討委員が削除撤回求める/沖縄

 第32軍司令部壕(ごう)の説明文から「慰安婦」などの文言が削除された問題で29日、説明文を作成した説明板設置検討委員会(池田榮史委員長)の検討委員全員が、県環境生活部の下地寛部長と面談して削除撤回を求めました。
 説明文は、委員全員が一致してまとめたものですが、下地部長は削除した文言の復活を拒否。検討委員らは今後も復活を求めていく意向です。
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2012年03月01日,「赤旗」) (Page/Top

戦跡説明文/沖縄戦の実相伝えよ/削除問題で知事追及/党県議

 旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕の説明板から「慰安婦」「住民の虐殺」の文言が沖縄県知事の承諾のもとで削除された問題を重視した日本共産党は、県議会で党県議団5人全員が代表・一般質問で文言復活を求めました。
 玉城ノブ子議員(28日)は、説明板の目的について、検討委員会設置要綱に「沖縄戦の実相を語る重要な戦跡」と明記されていることを指摘。「『実相を語る』とは、史実をありのまま語り伝えること」と迫りました。
 玉城氏は、サイパン島にいた実父が米軍の砲爆撃で妻と2人の娘を亡くし、瀕死(ひんし)の重傷を負ったことを紹介。「多くの県民があの戦争を体験し、平和への決意はここから生まれています。歴史の史実と向き合わずに平和な沖縄を築くことができますか」と語ると議場は静まりかえり、知事も「おっしゃる通り。同感」と答えざるを得ませんでした。
 玉城氏は「戦争体験の証言者は、勇気をもって触れたくない思い出を語ったのです。証言を軽んじることは許せない」といいます。
 数年前から第32軍壕を現地調査し、保存・公開を提言してきた渡久地修議員(28日)は「県は『住民の虐殺』『慰安婦』についての目撃証言を否定するのか」と追及。県は「『住民虐殺』の事実を否定したものではない」「証言を否定しない」とのべる一方、「記述は変えない」と繰り返しました。
 「知事の歴史認識そのものが問われている」と追及する前田政明議員(29日)に仲井真弘多知事は「32軍壕の説明に『慰安婦』『住民虐殺』があったかなかったかを書くかは常識で分かるでしょう。書きません」と強弁。県民総意に背を向けました。
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2012年03月01日,「赤旗」) (Page/Top

 

2月)ヘッドライン

*         日朝協会埼玉学習会

*         米軍基地なくそう/太平洋越え平和の連帯/日本平和委員会代表理事佐藤光雄さん

*         「慰安婦」削除は背信行為/西銘議員が復活要求/沖縄県議会

*         名古屋市長の南京虐殺否定発言/抗議・撤回要求相次ぐ

*         解説/沖縄県戦跡説明文「慰安婦」と住民虐殺削除/歴史の改ざん繰り返させない

*         戦跡説明文/「慰安婦」と住民虐殺削除/嘉陽議員が隠蔽追及/沖縄県

*         ひと/ビキニデーに向け奮闘する日本原水協の青年事務局員梶原渉さん(25)

*         慧門著・李素玲訳『儀軌 取り戻した朝鮮の宝物』/文化遺産返還させた一大叙事詩/渡辺貢

*         慰安婦問題で面談へ

*         ひと/日本初?紛争解決の平和教育アニメを製作した高部優子さん(44)

 

*  2月(本文)(Page/Top

日朝協会埼玉学習会

 日朝協会埼玉県連の小川支部はこのほど、小川町で朝鮮問題研究者・日朝協会代表理事の岩本正光氏を招き「どうなる金正日後の北朝鮮」と題した学習会を開催し、16人が参加しました。
 岩本氏は、金正日総書記の後継者問題について説明し、「日本政府は拉致問題一本やりでなく、従軍慰安婦問題、植民地支配の清算・補償など、平壌宣言に基づき主体的な交渉を行うべきである」と訴えました。
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2012年02月29日,「赤旗」) (Page/Top

米軍基地なくそう/太平洋越え平和の連帯/日本平和委員会代表理事佐藤光雄さん

日本沖縄から米領グアムへ
 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設や、在沖縄海兵隊のグアム移転を同時に狙う「米軍再編」に対し、本土、沖縄、グアムの連帯したたたかいが発展しています。グアムへの「ピースツアー」(6〜10日)を実施した日本平和委員会の佐藤光雄代表理事に、ツアーについて寄稿してもらいました。

 ピースツアーには、全国から28人が参加しました。昨年11月の日本平和大会沖縄に、グアムから11人の代表団を送ってきたことへの返礼をかねたものです。

■写真も撮れず
 グアムは16世紀からスペイン、アメリカ、日本に支配され、第2次世界大戦後、アメリカの「未編入領土」(合衆国に組み込まれない領土)となりました。人口約18万人で、先住民のチャモロ人が約39%を占めています。淡路島より小さな島の約30%を米国防省が所有しています。
 グアム観光局の責任者で元議員のホープ・クリストバルさんが「地元の人が本当に紹介したいグアム」を案内してくれました。ホープさんは「基地には監視カメラがあり、バスの中からでも絶対に写真を撮らないように。すぐ警察が来るから」と繰り返し注意。米軍基地の有刺鉄線のフェンスに沿ってバスをゆっくり走らせました。
 海軍基地のあるアプラ湾は、漁業の盛んな湾でしたが、いまでは基地公害による汚染がすすんでいるといいます。漁民は、強制撤去させられ、原子力潜水艦の修理工場建設や原子力空母入港を可能にする工事が続けられています。追い出された漁民たちは、遠く離れた急傾斜地に小さな家で集落を形成していました。一方、見晴らしのよい高台は米軍将校らの大きな家に占拠されており、鮮やかな対比に怒りを禁じえませんでした。
 ホープさんは、行く先々で「放射能被害と思われるが白血病、がんの発症率が本土と比較して明らかに高い」と説明しました。

■日本兵が虐殺
 9日には東海岸の見学を予定していましたが、軍事増強計画の一環である道路拡張工事に伴う橋の閉鎖で、急きょ変更せざるを得なくなりました。この工事は島の南部に新しく建設される予定の廃棄物処理場と、北部のアンダーセン空軍基地を結ぶ道路を2車線から6車線にする計画とのことでした。
 南部中央部フィナ湖はきれいな貯水池ですが、アメリカ軍が管理し、一般住民は水を買わされています。
 マネンゴンの「強制収容所慰霊碑」やフアハの日本兵による虐殺跡地は観光地図にない所です。
 日本軍は住民のうち12歳以上の男性を強制労働に駆り出し、虐殺し、女性に食べ物を収集させたといいます。まとめ役だったホープさんの母親は始終見せしめの罰を受けたそうです。日本軍「慰安婦」にされた女性もいたようで、「チャモロの人びとみんなでかばった」と声をつまらせ、語ることができなくなりました。

■議長や活動家
 訪問団が、グアム議会のウォンパット議長を表敬訪問した8日は、ちょうど「米軍再編見直しの日米共同発表」が予定されており、議会庁舎全体は緊張感につつまれていました。
 議長との会見は、テレビで生中継されました。地元日刊紙「パシフィック・デイリー・ニュース」は翌朝、紙面をさいて訪問団の活動を紹介しました。
 議長は「沖縄から4千700人の海兵隊が移転してきたときに使う予定になっている射撃訓練場建設について今朝から研究委員会で議論していた。皆さんの話を聞いて学びたい」「グアムは『やりの先』つまり『最前線』だといわれている」などと話しました。
 沖縄から参加した古謝章代さんが、沖縄でのたたかいの記録、写真集を渡し、「住民が水を買わされているのは、占領時代の沖縄と同じだ」と発言。議長は「私たちも若者中心の大きな集会を開く努力をしている」と語りました。
 現在、実弾演習場の候補地として、元チャモロの村と墓地のあった場所が接収されようとしています。市民団体「われらグアム人」による裁判闘争や情報宣伝ハイキング≠ネど、反対闘争がくり広げられています。
 先祖の土地を強制収用され、反対運動を続けたサントス元上院議員が変死したことが過去にありました。グアムの活動家は「アメリカ本国とたたかう私たちはいつ殺されるかもわからないと覚悟している」と語りました。
 8日の交流会、夕食懇談会は熱い連帯で大いに盛り上がりました。「われらグアム人」のメンバーが海外代表として参加する「3・1ビキニデー」も話題になりました。
 参加者は異口同音に「沖縄、日本、グアムから米軍基地の無条件撤去が必要」と感想をのべました。草の根の平和運動で築かれた連帯によって実施した貴重なツアー体験を一人でも多くの人に伝えたいと語り合いました。
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2012年02月28日,「赤旗」) (Page/Top

「慰安婦」削除は背信行為/西銘議員が復活要求/沖縄県議会

 旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕(那覇市)の説明板から「慰安婦」「住民の虐殺」などの文言が、仲井真弘多沖縄県知事の了承のもと削除された問題が、27日の県議会で取り上げられました。
 日本共産党の西銘純恵議員は、仲井真知事が「慰安婦」「虐殺」で異なる証言があり、説明板に入れるのは適切でない。削除は撤回しない≠ニ答弁(24日)したことに触れ、「知事の歴史認識を疑わせる。日本軍による住民虐殺、慰安婦問題は定説で、削除は県民に対する重大な背信行為」と指摘。削除した文言の即時復活を求めました。
 知事は答えず、下地寛・環境生活部長が「さまざまな証言があり、県として事実の確認ができない」と従来の答弁を繰り返しました。
 西銘議員は、1992年6月25日付「琉球新報」の「第三十二軍司令部日々命令綴」記事を示し、「ここに慰安婦の記述がある。しっかり読んで歴史の真実を記述してほしい」と事実確認を求めました。下地部長は、説明板が「限られたスペース」だったとのべるだけで、史実についての言及を避けました。
 24日に削除問題を日本共産党の嘉陽宗儀議員が取り上げた際には、自民県連会長の議員が妨害しましたが、西銘議員の質問では、元自民県連会長で九州・沖縄防衛議連会長の議員が難癖をつけて議事を妨害しました。
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2012年02月28日,「赤旗」) (Page/Top

名古屋市長の南京虐殺否定発言/抗議・撤回要求相次ぐ

 河村たかし名古屋市長の南京大虐殺否定発言に対し、県内の各団体から抗議や発言撤回の申し入れが相次いでいます。
 日本中国友好協会愛知県連合会は24日、石川賢作会長らが市長室国際交流課を訪れ、抗議文を手渡し、発言を直ちに撤回するよう強く求めました。
 石川会長は、河村氏が国会議員時代から南京大虐殺の事実を否定し、市長になってからもくりかえす歴史認識の問題点を指摘。河村市長が根拠にしている「自分の父親が敗戦後、南京付近で中国人に温かくしてもらった」「目撃者がいなかった」というのも、「中国東北部で少年時代を過ごした私個人の経験からしてもなりたたない。旧日本軍の上級将校の出版物でさえ多数の捕虜を虐殺したと記しており、日中両政府も虐殺・略奪・放火の事実を認めている」と批判しました。
 愛知県労働組合総連合(榑松佐一議長)も同日、「日中国交正常化40周年の年に、市民を代表する市長の発言は言語道断だ」とする抗議声明を届けました。県平和委員会、県原水協、新婦人県本部、慰安婦問題の解決をすすめる会も同様の抗議文・声明を市秘書課などに提出しています。
 河村市長は20日、姉妹友好都市を結んでいる南京市(1978年提携)の訪問団との懇談で、「通常の戦闘行為はあったが、一般人への虐殺行為はなかったと聞いている」と発言しました。
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2012年02月26日,「赤旗」) (Page/Top

解説/沖縄県戦跡説明文「慰安婦」と住民虐殺削除/歴史の改ざん繰り返させない

 沖縄県が説明文から削除したのは、「慰安婦」と「司令部壕周辺では、日本軍に『スパイ視』された沖縄住民の虐殺などもおこりました」の2カ所。
 説明文案を作成した検討委員会は、考古学や沖縄歴史教育研究など県が指名した専門家で構成され、文案は全員一致でまとめられたものでした。しかし、県は「慰安婦の存在について肯定・否定の両方の証言があった」などとして「県として確証がもてないので削除した」(県環境生活部長)と強弁しました。
 これは、異論の存在を理由に、沖縄戦における「集団自決」の教科書記述に難癖をつけ、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・訂正した2007年の教科書検定意見を想起させるものです。
 この時、沖縄県民は歴史の真実をゆがめる動きを許しませんでした。県議会は検定意見の撤回を求める抗議決議を全会一致で2度可決。さらに、11万人が参加する「9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会」を開いて反撃しました。
 今回の動きは、9・29県民大会が示した県民総意に真っ向から挑戦するものです。嘉陽県議が質問を始めるとヤジが飛び、自民党県連会長を務める県議が議事を止め、質問の緊急性に疑義を唱えました。
 同司令部壕は、保存と公開を求めて、日本共産党の渡久地修県議が調査・要求していました。「歴史の偽造また」。24日の地元紙は、住民虐殺を目撃した沖縄戦体験者の声や、削除を批判する研究者の談話を掲載。ニュースを知った市民が県議会の傍聴に訪れるなど県民の間に怒りが広がっています。
 (青野圭)
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2012年02月25日,「赤旗」) (Page/Top

戦跡説明文/「慰安婦」と住民虐殺削除/嘉陽議員が隠蔽追及/沖縄県

 那覇市首里城公園近くにある旧日本軍沖縄守備隊・第32軍司令部壕(ごう)内の様子を紹介する説明板の文面から「慰安婦」「(日本軍による)住民の虐殺」の文言が削除された問題が、24日の沖縄県議会で取り上げられ、仲井真弘多知事は「私が説明を受けて承諾した」と関与を認めました。日本共産党の嘉陽宗儀(かようそうぎ)議員の質問に答えたもの。
 説明文は、県が指名した専門家5人でつくる検討委員会が昨年11月に最終案をまとめたもの。今月17日以降、県から記述削除の説明を受けたとして検討委員会が23日、下地寛環境生活部長に「削除撤回を要求する意見書」を提出して問題が発覚しました。
 嘉陽議員の削除撤回要求に下地部長は「知事の承諾をいただき私が決定した。元に戻す考えはない」と強弁。嘉陽議員は「歴史の真実を隠蔽(いんぺい)するものだ。沖縄県民は『あの悲劇を二度と繰り返してはいけない』と立ち上がり、県民大会も開いて改ざん攻撃をはね返してきた。戦跡保全は『沖縄戦を繰り返してはならない』との決意で行われるもの」と厳しく批判しました。
 仲井真知事は「1月20日ごろに説明を受けて了承した」と答え、「日本軍による住民虐殺」や「慰安婦」について「(異なる)証言が二つあり、県が責任を持つ説明板にその表現を入れるのは適切でない。(削除は)撤回しない」とかたくなな態度に終始しました。
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2012年02月25日,「赤旗」) (Page/Top

ひと/ビキニデーに向け奮闘する日本原水協の青年事務局員梶原渉さん(25)

 原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の若き事務局員です。「被爆の実相を伝えるのが核兵器をなくす大きなカギです」と意気込みます。28日から静岡県で開かれる3・1ビキニデー。被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」元乗組員の大石又七さんを講師に、ビキニ事件を考える青年分科会の事務局を担当します。
 高校生だった2003年3月20日、アメリカはイラク戦争を始めました。「イラクが大量破壊兵器を保有している」というのが口実です。「テレビにしがみついて、市民が犠牲になる戦争に歯ぎしりしていた」。でも、進学校に通っていたため、「行動には移せなかった」。
 大学入学後すぐに平和運動を始めます。憲法9条改悪反対などを訴えたピースウオーク。学園祭に元日本軍「慰安婦」の韓国人女性を招くため、カンパ集めに奔走しました。原水爆禁止世界大会に初参加したのは1年生の夏。広島に1万人以上が集いました。「核兵器廃絶を求めて大勢の人が連帯する光景に励まされた」。平和を求めて運動している人は少数しかいない、と思いこんでいました。
 鹿児島県出身、東京大学法学部卒。ミステリーが大好きで、綾辻行人さんの小説にはまっています。昨年7月から日本原水協に勤めています。進路を決めた理由を尋ねると、「研究者になろうと考えたこともあったけど、やっぱり平和を実現する運動に直接関わって生きていきたかった」
 文 秋山 豊
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2012年02月22日,「赤旗」) (Page/Top

慧門著・李素玲訳『儀軌 取り戻した朝鮮の宝物』/文化遺産返還させた一大叙事詩/渡辺貢

 この『儀軌 取り戻した朝鮮の宝物』(東國大学校出版部・1800円)を手にしたとき、私の胸はときめきました。若き仏僧・ヘムン師と初めて会ったとき、彼は柔和な面もちでしたが、その痩身にはエネルギーが満ちあふれていました。
 いま改めて日本からの朝鮮王朝儀軌の還収(戻し収めること)が実現したことを喜ぶとともに、それを記録した本書の発行に敬意を表したいと思います。

分厚い壁をやぶる地道な運動詳細に
 本の裏表紙を見ると真実は常に想像もできないような力を発揮する。魂を込めた卵が岩をも砕く≠ニあります。日本のことわざにも一心岩をも貫く≠ェありますが、波瀾万丈の活動で、朝鮮民族の宝物を取り戻したことの歴史的な意味を改めて認識しました。
 本書は、プロローグ「『明成皇后国葬都監儀軌』を探しての萬行の旅」から始まります。萬行(万行)とは仏教徒などが修める行のことです。1895年に日本の朝鮮公使らの主導で殺害された朝鮮王妃、その悲しい葬儀の記録、ヘムン師らが真相究明の旅のなかで福岡のある神社で王妃を斬ったといわれる肥前刀を目前にする…。読み物としても含蓄があります。
 2006年に「儀軌還収委員会」を結成し、日本の宮内庁に保管されている王室儀軌を返還させるまでの、分厚い壁をつきやぶる4年間にわたる地道でねばり強い運動が、詳細に記録されています。

日本共産党議員の国会質問と交流も
 返還までの旅で出会った人々との交流が生きいきと描かれています。とりわけ、緒方靖夫参院議員(当時)、笠井亮衆院議員など日本共産党議員の国会での質問、両議員が訪韓して韓国の議員と返還の実現で一致したことや、王朝儀軌がもともと所蔵されていた五台山のお寺の訪問など、議員外交が記録されています。そして「彼らの訪問により儀軌問題は、政界の関心を高めるうえで決定的役割をはたした」と述べられています。
 私たち日朝協会がヘムン師と初めて会ったのは07年、笠井議員の紹介で、私が会長に就任した直後でした。これを機に、協会が福田康夫首相にたいして儀軌の早期返還を求めたことが、その要請文とともに掲載されています。私たちはこの運動に携わったと胸を張っていうことができます。
 本書を読みながら、朝鮮の歴史的文化遺産をとりもどす運動を、近現代における朝鮮の変化、民族を踏みにじる日本軍国主義による植民地支配を背景として描いている一大叙事詩でもある、との感を深めました。
 1965年の日韓基本条約の締結で、日本による植民地支配の清算が終わったのではないこと、また日本軍「慰安婦」問題、歴史認識の正しい共有など、克服すべき課題が多いことを、本書を読み、痛感したところです。
 この本を手にする人は、日本・朝鮮間の歴史的出来事とともに、韓流テレビドラマの王朝時代ものの場面を思い起こすこともあるでしょう。儀軌は王室付きの画員が克明に描いた記録だからです。ぜひ本書をお勧めします。
 (わたなべ・みつぐ 前日朝協会会長)

朝鮮王朝儀軌
 朝鮮王朝(1392〜1910年)の国家行事を記録した文化財。菅直人首相が10年8月、植民地支配を謝罪する談話を発表。昨年12月6日に返還が完了。
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2012年02月19日,「赤旗」) (Page/Top

慰安婦問題で面談へ

 【ソウル時事】韓国外交通商省は14日、金星煥(キム・ソンファン)外相が17日に国連人権委員会の元特別報告官マクドゥーガル氏とソウルで面談し、旧日本軍の元従軍慰安婦問題について意見交換すると発表しました。
 マクドゥーガル氏は1998年、日本政府に元慰安婦への国家賠償を求める報告書を国連人権委の小委に提出したことで知られます。学術会議に出席するため16日に訪韓します。
 慰安婦問題をめぐっては、日本側と交渉努力をしないのは違憲とする昨年8月の憲法裁判断を受け、韓国政府は日本政府に協議を求めていますが、日本側は「解決済み」として応じていません。
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2012年02月15日,「赤旗」) (Page/Top

ひと/日本初?紛争解決の平和教育アニメを製作した高部優子さん(44)

 もし「桃太郎」がたたかうのが嫌いで鬼退治をしないとしたら…。「この『みんながHappyになる方法』は、紛争解決をテーマにしたアニメでは日本初かも」とほほ笑みます。
 構想から5年。資金集めから人形製作、撮影、映像編集と、手間のかかる作業をこなす粘り強い人です。
 きっかけはテレビ局の国際放送の仕事をしていたときに清泉女子大学の松井ケティ先生の平和教育の授業を見学したこと。「おもしろかったんです。暴力を使わずに、対立している者同士が互いに認め合い、自分の意見を出し合って紛争解決する方法があるんだ、と」。ケティ先生から学んだ紛争解決の理論を多くの人に知ってほしいと映像化を思い立ちました。
 東京都出身。大学時代にアジアを旅して回り、フィリピンで元日本軍「慰安婦」の人に出会いました。「日本による戦争被害者のことをまったく知らず恥ずかしかった」。それが平和問題に取り組む原点です。
 NGO職員などを経て都内の私立女子高校の社会科教師に。授業で「慰安婦」の証言映像を使ったときに生徒が「なんでこんなひどいことが?」と活発な話し合いになりました。「映像の力はすごいと思って、映像を仕事に選びました」
 子どもたちに伝えたいのは「いじめとか苦しいことがたくさんあるけれど解決方法は一つではない。たくさんの方法があり一歩踏み出せばもっと道は開かれるということ」。
 文 武田 祐一
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2012年02月02日,「赤旗」) (Page/Top

(1月)ヘッドライン

*         朝の風/善き人たらん、と

*         「日本が克服すべき課題」/戦後補償裁判考えるフォーラム

*         外相に元慰安婦、不満をぶつける/韓国

*         放送展望2012/倉本頼一/視聴者の運動から/NHKと話し合いの場原発報道など意見率直に

*         ひと/日本軍「慰安婦」の被害者を支援する梁澄子さん(54)

*         野田改造内閣閣僚の横顔

*         在日本大韓民国民団新年会での志位委員長の祝辞

*         日本大使館に火炎瓶/中国人の男を逮捕/韓国・ソウル

*         沖縄返還40年/海兵隊を問う/第1部/6/菅英輝西南女学院大教授に聞く/新アジア戦略が必要

*         日本軍「慰安婦」問題/大森典子弁護士に聞く/下/政府の謝罪・補償が基本

*         日本軍「慰安婦」問題/大森典子弁護士に聞く/上/日本は法的責任負う

*         2012外交展望/「国のあり方」問う課題山積/各国の首脳交代も影響

*         志位委員長新春インタビュー/創立90周年の年にふさわしい躍進を

 

*  1月(本文)

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朝の風/善き人たらん、と

 映画「善き人」(独・英)をみた。母親の介護と病気がちな妻に代わって2人の子の面倒をみるベルリンの大学教授ハルダーは、過去に書いた小説をヒトラーに気に入られてナチス党への入党を勧められた時、断れる状況になかった。ずるずるとナチに協力させられた結果、ヒトラーの親衛隊(SS)幹部の地位にありながら親友のユダヤ人医師の強制収容所送りを止められずにがくぜんとする。
 もし善き人たらんとナチへの協力を拒否したらどうなるか。エリートの歴史学者ストラスブール大学教授のマルク・ブロックはナチスに銃殺された。同じく歴史学者のフランクフルト大学教授E・カントロビッチは故国を捨て渡米を余儀なくされた。ナチズムによって学問も痛恨の歴史をたどった。映画から欧州では今日も過去の歴史を忘れずに向き合う姿勢を感じた。
 昨年末の日韓首脳会談で、イ・ミョンバク大統領は日本軍「慰安婦」問題の解決を野田首相に迫った。野田氏は「慰安婦」問題は解決済みと表明し、逆にソウルの日本大使館前の「慰安婦」を象徴する「少女の像」の撤去を求めた。国際社会が一致して求めているのはドイツのホロコースト、日本の「慰安婦」問題への反省である。過去の歴史に向き合わないで未来はない。
 (春)
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2012年01月31日,「赤旗」) (Page/Top

「日本が克服すべき課題」/戦後補償裁判考えるフォーラム

 戦後補償裁判の到達点と今後の課題を考える公開フォーラムが26日夜、東京都内で開かれました。
 旧日本軍による強制連行・強制労働、「慰安婦」問題など、侵略戦争被害者が日本政府や企業の責任を問い補償を求めた裁判の弁護団、支援者ら80人が参加しました。
 戦後補償裁判を考える弁護士連絡協議会(弁連協)と戦後補償ネットワークの主催。
 弁連協事務局主任の高木喜孝弁護士が、「戦後補償問題は、日本の歴史的な課題として克服しなければならない戦争責任の問題である」と1992年12月の結成以来、80を超える戦後補償裁判を支え、たたかってきた弁連協の歩みを報告しました。
 昨年8月、韓国憲法裁判所が宣告した決定について報告がされました。日韓両国に解釈上の違いがある場合、外交的に解決することを明記した日韓請求権協定の3条1項に基づき、「慰安婦」問題早期解決のため日本政府は韓国政府との協議に応じるべきであるとする決定の意義が、改めて強調されました。
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2012年01月28日,「赤旗」) (Page/Top

外相に元慰安婦、不満をぶつける/韓国

 【ソウル=時事】韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相は25日、旧日本軍の元従軍慰安婦の女性2人を庁舎に招き、面談しました。女性たちは、慰安婦問題の解決に向けて日本側と話し合うよう要請。金外相は積極的に取り組むことを約束しました。
 韓国外相が元慰安婦と面談するのは初めて。冒頭、李容洙(イ・ヨンス)さん(83)は「(問題が表面化してから)20年間、(元慰安婦が)一人また一人と死んでいったのに、何をしていたのか。日本の外交省なのか韓国の外交省なのか分からない」と不満をぶつけました。金外相は「申し訳なく思う」と答えました。
 慰安婦問題では、日本側と交渉しないのは違憲との昨年8月の憲法裁の判断を受け、韓国政府は日本政府に賠償請求権をめぐる協議を求めていますが、日本側は「解決済み」として応じていません。
 李明博(イ・ミョンバク)大統領は同12月の野田佳彦首相との会談で、政治決断を強く求めました。
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2012年01月27日,「赤旗」) (Page/Top

放送展望2012/倉本頼一/視聴者の運動から/NHKと話し合いの場原発報道など意見率直に

 「NHK問題京都連絡会」は2005年2月、「慰安婦」番組改ざん問題、連続した不祥事等を契機に、公共放送について考える、ゆるやかな市民組織として発足しました。私は京都平和遺族会から参加しています。

3団体の共同で
 大阪、兵庫の連絡会と共同で、視聴者の声をまとめて3、4カ月に1回、NHK大阪放送局と話し合いをもってきました。数年前から続いています。
 昨年は東日本大震災、福島第1原発事故があり、私たちはとくに力を入れて、原発震災報道に関して申し入れをしました。
 「かんさい熱視線」(金、午後7・30)の、「関西と原発」シリーズが好評であることを、伝えました。大阪放送局が制作して、関西で放送している番組です。
 意見も率直に出しました。「福井の原発群は30、40年たつ古い原子炉が多い。原発がどうなっているのか、関西電力や日本原子力発電の発表をそのまま流すだけでなく、カメラを原子力発電所に入れて安全性を検証するのが、公共放送の使命ではないか」「全国で若いお母さんが原発・放射線問題で学習会、集会を多数開いているのに、報道が少ない」
 大阪の市長・知事選報道は、短い演説映像の繰り返しばかりで、不満が募りました。「冷静な政策分析がなく、候補者の政策の解説が少なかった」「大阪都構想、教育基本条例の中身があまり放送されなかった」
 NHKからは、熱心に見ていただいていると感謝が述べられ、「かんさい熱視線」は若いお母さんたちから反響があったことが話されました。
 「『なくせ原発10・30福島集会』をはじめ、福岡の集会、浜岡原発集会など、NHKは全国ニュースで、脱原発集会をほとんど取り上げない。もっと報道すべきではないか」と要望すると、NHKは「わかりました」と答えました。

松本会長発言で
 新年、NHKの松本正之会長は、視聴者の声に耳を傾けて放送を充実させることが公共放送の存在感に直結すると発言されました。私たちの活動が求められていると強く感じています。
 私は戦没者遺族です。0歳児で出征した父の骨は未だに帰っていません。再び私たちのような戦没遺族をつくってはなりません。そのため「平和・政治問題」と「教育問題」そして「マスコミ問題」は重要です。原発問題はこの三つの課題が重なった最大の問題です。
 テレビ小説「カーネーション」で「ご主人の戦死は中国湖南省です」と放映。実は私の父親も湖南省ピーヨー県で戦死しました。戦前・戦中・戦後のリアルなドラマに共感しています。(NHK問題京都連絡会共同代表)
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2012年01月21日,「赤旗」) (Page/Top

ひと/日本軍「慰安婦」の被害者を支援する梁澄子さん(54)

 朝鮮半島をはじめアジア諸国の女性が日本兵との性行為を強いられた日本軍「慰安婦」問題。身も心も傷つけられ今も苦しむ被害者に寄り添い、日本政府の責任を問い続けています。
 「被害者は高齢でもう時間がありません。彼女たちに日本政府が心から謝罪し、補償するまで問題は解決しません」
 自身は東京在住の在日朝鮮人2世。被害者との出会いは20年前、在日の仲間とつくった歴史を学ぶサークル活動を通してでした。「衝撃でした。彼女たちの無念と怒り。たいへんなことを知ってしまったという責任感が私を動かしました」
 通訳・翻訳の仕事をしながら、在日の被害者・宋神道さんの裁判を支援。ソウルの日本大使館前で被害者たちが20年間続けてきた「水曜デモ」に連帯し、昨年12月には東京で1300人の外務省包囲行動の先頭に立ちました。
 「被害を名乗り出た女性は人々に体験を話すことで心を癒やされ、運動の中で自身の尊厳を回復してきました。でも、大勢の被害者が一人で身を潜めたままでいます」
 大学などで非常勤講師として朝鮮語を教えています。「学生たちにこの問題を話すと、素直に聞いてくれます。私たちにとって大切なのは、人間として被害者への想像力を働かせることです。そうしたら理解できます」。2人の娘は社会人になりました。「自己肯定感をもって育ってくれたことがうれしい」
 文・写真 隅田 哲
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2012年01月16日,「赤旗」) (Page/Top

野田改造内閣閣僚の横顔

 13日に発足した野田改造内閣の新任の閣僚と民主党の新役員の横顔を紹介します。(敬称略)

消費税増税を一貫して主張/副総理・一体改革・岡田克也
 2010年9月から党幹事長を務め、菅政権を支えました。参院で野党が多数を握る「ねじれ国会」のもと、自民・公明両党との3党協議を仕切り、密室協議の中で、同党が09年総選挙マニフェスト(政権公約)で看板政策にした「子ども手当」や高校授業料無償化などを軒並み「見直し」としました。
 野党時代から一貫して消費税増税と衆院比例定数80削減を主張。消費税増税を含む「社会保障・税一体改革」について、「全体として今回の(消費税)10%ですべてまかなえるわけではない」と述べ、さらに増税が必要との考えを示しています。
 1990年総選挙で初当選。自民党経世会(竹下派)に所属。新生党、新進党を経て、98年に民主党入り。党代表、幹事長、外相などを歴任しました。
 衆院三重3区、当選7回、58歳。

給費制の廃止「延期しない」/法務・小川敏夫
 裁判官、検察官、弁護士を経て、「新党さきがけ」に入党。96年総選挙では民主党公認で初出馬しましたが落選し、98年参院選で初当選。菅政権の法務副大臣当時の参院法務委員会(10年10月26日)で司法修習生給費制廃止を「延期する考えは持っていない」と答弁し、貸与制への改悪を推し進めました。党参院幹事長、参院選挙制度協議会座長を務め、定数削減を含む参院選挙制度の「抜本改革」を目指したほか、参院憲法審査会の始動にむけた規程可決強行や名簿提出を推進しました。参院東京選挙区、当選3回、63歳。

「住民移住を」基地問題暴言/文部科学・平野博文
 民主党国対委員長から再入閣。鳩山政権では官房長官を務め、沖縄・普天間基地「移設」問題で、「基地から地域住民の距離を離す(移住させる)とかを実現可能な方法として考えなければならない」と暴言。同県名護市辺野古への新基地建設を進める政府案の取りまとめに動きました。官房機密費についても「そんなのあるんですか」としらを切り、その後も使途などの情報開示を一切拒否し続けました。
 松下電器労組を経て、96年の総選挙で無所属ながら電機連合の支持を受け初当選。党国対委員長代理、幹事長代理、役員室長、党総務委員長代理などを務めました。
 衆院大阪11区。当選5回、62歳。

新基地の建設、参院枠3人目/防衛・田中直紀
 民主党総務委員長。閣僚就任は初。沖縄防衛局長の侮蔑発言などをめぐり前任の一川保夫防衛相が事実上更迭≠ウれたのを受け、沖縄新基地建設という重大問題を任されます。09年に参院外交防衛委員長を務めましたが、軍事や安全保障に精通しているわけではありません。北沢、一川両氏に続き、参院枠が担当することになります。
 故田中角栄元首相の娘・真紀子氏と結婚し、自民党公認で福島第1、第2原発のある衆院旧福島3区から当選。その後、真紀子氏とともに同党を離党し、09年にそろって民主党に入党しました。
 現在の地元新潟には柏崎・刈羽原発があり、昨年11月の参院本会議では、東京電力を分社化し、同原発の本社を柏崎にした上で再稼働することを主張しました。
 参院新潟選挙区、当選衆院3回、参院3回、71歳

侵略美化する「靖国派」議員/国家公安委員長・消費者・拉致問題・松原仁
 野田内閣で国土交通副大臣を務め、今回初入閣しました。戦前の侵略戦争を美化・正当化する「靖国派」議員。首相の靖国神社参拝を推し進め、改憲を求める日本会議国会議員懇談会のメンバー。「従軍慰安婦」問題では、日本軍による強制と関与を認めた河野官房長官談話の撤回を求めてきました。07年には、「慰安婦」を若い女性への性奴隷の強要≠ニ指摘した米下院決議案に対し、「性奴隷≠ナはなく公娼(こうしょう)である」と反論した意見広告(米紙ワシントン・ポスト)の賛同議員にもなっています。
 「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」の事務局長。
 松下政経塾出身。
 衆院東京3区、当選4回、55歳。

100万円不記載「裏金」で処理/国対委員長・城島光力
 味の素社員、味の素労組委員長出身で、旧民社党系グループ「民社協会」に所属。96年総選挙で新進党公認で衆院東京比例区で立候補し初当選(当時は本名の「正光」で出馬)。新党友愛を経て民主党結成に参加し、05年総選挙では同党公認で出馬しましたが落選。09年総選挙では「光力」名で返り咲きました。
 落選中の08年10月に自身の資金管理団体が鳩山由紀夫元首相側から100万円を受け取りながら政治資金収支報告書に記載せず、事実上の「裏金」として処理しました(1年4カ月後「記載ミス」として訂正)。
 党国対副委員長、政調会長代理、幹事長代理を歴任し、党内の消費税増税論議や与野党協議などを推進。菅直人首相への代表質問(11年1月26日)で、法人実効税率引き下げが11年度「税制改正」の「最大のポイント」だと誇りました。
 衆院神奈川10区、当選4回、65歳。
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2012年01月14日,「赤旗」) (Page/Top

在日本大韓民国民団新年会での志位委員長の祝辞

 日本共産党の志位和夫委員長が11日、在日本大韓民国民団の新年会で述べた祝辞(要旨)は、次のとおりです。

 セヘボクマニパドゥセヨ(あけましておめでとうございます)。
 昨年は東日本大震災の折に、韓国民団、韓国政府の方々に被災者に対する心からの救援、ご支援をいただきました。心からの御礼を申し上げたいと思います。(拍手)
 私ども日本共産党は一昨年、日韓議員連盟に衆参の全議員が加入し、昨年11月には議員連盟の一員として私も訪韓いたしました。初めて青瓦台に足を踏み入れ、李明博(イ・ミョンバク)大統領とも懇談する機会がございました。李大統領の方からも、日本共産党が加入したことを韓国としても歓迎するという温かいお言葉をいただきました。(拍手)

北東アジアの平和の問題で
 今年、私は、日韓関係に関わって三つの仕事にとりくんでまいりたいと思います。
 一つ目は、北東アジアの平和の問題です。昨年末の北朝鮮の事態(金正日〔キム・ジョンイル〕総書記の死去)に際して、私は、2002年の日朝平壌宣言、2005年の6カ国協議共同声明に基づいて、核兵器、拉致、過去の清算の問題を包括的に解決する、北朝鮮が、国際社会の責任ある一員としての道を歩むことが必要だという内容の談話を発表しましたが、やはり、この問題は、対話による外交的解決が大切です。
 この点で、李大統領が新年のあいさつの中で「対話の窓は開かれている」とおっしゃったことはたいへん大切なことだと考えております。
 この地域に、平和的環境をつくり、ひいては、南北の平和的統一の環境をつくるために、私どもも力を尽くしてまいる所存です。(拍手)

歴史の問題を解決してこそ
 二つ目は、歴史の問題の清算です。
 まず、この点で、昨年、朝鮮王朝儀軌(ぎき)が返還されたということをみなさんとともに喜びあいたいと思います。(拍手)
 同時に、いわゆる「従軍慰安婦」問題が残されております。この問題は、1965年の日韓請求権協定において、両国間に紛争が生じた場合は、「外交ルートで解決する」ことが決められています。ぜひ、日本政府がこの協定を順守し、誠実に協議に応じ、問題解決をはかることが大事だと考えています。(拍手)
 過去の問題としっかり向き合って、そしていずれは乗り越えなければならない問題をすべてクリアしてこそ、未来に向かっての友情が築かれるものだと私たちは確信しています。(拍手)

永住外国人に地方参政権を
 そして三つ目に、永住外国人の地方参政権の問題です。
 私たちはかねてより、選挙権はもとより被選挙権も含めて、これは当然、付与されるべきだと主張してまいりました。ぜひ、この問題で、超党派で、一歩でも二歩でも、今年は前に向かって進む年になるように力を尽くしてまいります。(拍手)
 以上をもちましてごあいさつといたします。カムサハムニダ(ありがとうございます)。(拍手)
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2012年01月12日,「赤旗」) (Page/Top

日本大使館に火炎瓶/中国人の男を逮捕/韓国・ソウル

 【ソウル=時事】韓国警察などによると、8日午前8時15分ごろ、ソウルの日本大使館に中国人の男(37)が火炎瓶4本を投げて逃走、現場で機動隊員に逮捕されました。被害はありませんでした。男は「旧日本軍の元従軍慰安婦の孫」を名乗り、慰安婦問題をめぐる野田佳彦首相の発言に腹が立ったと供述。昨年12月26日に靖国神社の門に火を付けたとも話しています。警察当局は日本政府が容疑者の事情聴取を希望する場合は前向きに検討します。
 投げられた4本のうち2本が大使館のバルコニーに入りましたが、火はすぐ消し止められました。警察によると、男は中国南部・広州出身で、先月26日に日本から観光ビザで韓国に入国。韓国焼酎の瓶で計11本の火炎瓶を用意したといいます。
 男は「母方の祖母が太平洋戦争時に平壌から連れて来られた元慰安婦だ」と供述。「野田首相が12月初めの記者会見で慰安婦問題の論議すら拒否するなど無責任な発言をしたことに激憤した」と動機を語りました。
 供述によると、男は中国で精神科医として働いていましたが、昨年10月3日に広州から大阪に渡り、その後福島県で2カ月間、東日本大震災のボランティア活動をした後に韓国入り。「日本政府に不満があるが、被災者にはそういう感情はなく、人道的見地から、精神的にダメージを受けた被災者の相談や心理治療を行った」と話しています。
 男は靖国神社の門扉に放火したとも話しています。靖国神社では先月26日午前4時すぎ、神社境内の「神門」が放火される事件があり、警察当局は供述の裏付けを進めています。精神鑑定も実施する方針。
 韓国外交通商省の朴錫煥(パク・ソクファン)第1次官は武藤正敏駐韓大使に電話し、金星煥(キム・ソンファン)外交通商相の遺憾の意を伝達。武藤大使は徹底調査と再発防止を要請しました。
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2012年01月09日,「赤旗」) (Page/Top

沖縄返還40年/海兵隊を問う/第1部/6/菅英輝西南女学院大教授に聞く/新アジア戦略が必要

 昨年11月の豪州議会演説で、オバマ大統領は、「在日米軍、在韓米軍を維持する」と表明しました。その狙いは何か。米軍事戦略に詳しい菅英輝・西南女学院大教授に聞きました。

 4年前、「ブッシュ・ドクトリン」を批判して登場したオバマ米政権は、辺野古への新基地建設を柱とする米軍再編計画をそのまま引き継ぎ、沖縄の人々を失望させています。

軍事力が基礎
 単独での軍事力行使もいとわないブッシュ政権と、国際法遵守・多国間協調主義を掲げるオバマ政権とのちがいはあります。しかし、ナイ元国防次官補らが口にする「スマートパワー」(外交と軍事力の組み合わせ)という考え方に見られるように、外交の基礎に軍事力があるという考え方は不変です。
 豪州でのオバマ演説は、米主導の自由経済圏の創設や中国海軍の外洋進出を念頭に置いた「航行の自由」、中国がいやがる人権問題をミャンマーで持ち出すなど、明らかに中国を意識しています。とりわけ中国が相手だと、軍事力がなければ足元を見られるとの思いがあるのでしょう。ダーウィンへの海兵隊配備がその具体化です。
 一方、米国は軍事費削減を余儀なくされるなかで、同盟国の役割を重要視しています。そもそも、同盟国をうまく使いこなせるのが、真のヘゲモニー国家です。弱体化しても同盟国に負担を求め、覇権を維持する。今後、対中戦略のなかで、日本の役割分担は高まるでしょう。

幻想の抑止力
 では、沖縄の海兵隊はどう位置づけられているのか。基本的には朝鮮半島有事への対応という伝統的な任務は変わりません。しかも、中心任務は韓国にいる米国民保護です。
 さらに、一年間通して、東南アジア・グアム・豪州を動き回っており、日本防衛の「抑止力」と考えるのは無理がある。対中軍事戦略上も空軍や海軍が中心で、海兵隊が沖縄にいなければならない必然性はありません。
 それでも、日本政府は海兵隊を「抑止力」だと信じ、駐留経費を負担してくれる。米国にとって願ってもないことです。
 米国はどうやって「海兵隊=抑止力」論を信じ込ませたのか。
 内部告発サイト「ウィキリークス」が昨年、暴露した米秘密公電を見ると、キャンベル国務次官補らは「中国脅威」論を前面に出して、沖縄の基地の必要性を迫っています。
 歴史・領土問題を抱える中国との関係は、日本外交の弱点です。中国を持ち出されたら何も言えなくなる。そこにつけこんでいるのです。日中関係の前進を真剣に考えないと、日本の対米依存は強まっていくばかりです。
 一方、中国にも大国主義的な姿勢が見られます。日本は従軍慰安婦などの歴史問題を早急に解決して、韓国や東南アジアなどとの連携を強め、そこを基礎に米中に向き合っていくというような、新しいアジア戦略が必要だと考えています。

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2012年01月09日,「赤旗」) (Page/Top

日本軍「慰安婦」問題/大森典子弁護士に聞く/下/政府の謝罪・補償が基本

 日本政府は1993年、「慰安婦」調査を行い、その結果を受けて河野洋平官房長官談話を発表しました。「慰安所」の設置、管理及び「慰安婦」の移送については日本軍が直接、間接的に関与していたと断定し、「慰安婦」の募集についても、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、「官憲等が直接これに加担したこともあった」と日本軍の関与を認めました。その後、首相を務めた安倍晋三氏はじめ、一部の政治家は、この談話を激しく攻撃し、それに逆行する姿勢を示しました。

「償いといえぬ」
 村山政権時の95年に、被害者に「償い金」を支払う「アジア女性基金」が設立され(07年に解散)ました。しかし、これをもって補償は終わったというわけではないのです。基金は政府として償うお金ではなく、法的にも道義的にも日本政府の責任を明確にしていません。民間の基金で、国民に寄付を募り、そのお金を「償い金」として被害者に渡していたものです。「償いとはいえない」「金を払えばいいのか」と多くの被害者は怒り、韓国の234人の元「慰安婦」のうち、当初これを公に受け取った被害者はわずか7人です。その後、最終的に韓国で何人が受け取ったかは公にされていません。
 戦後66年がたち、被害者は80歳以上になり、存命する元「慰安婦」は、韓国で登録された234人のうちでは63人になりました。中国やフィリピンなど、他の国でも同じように亡くなる方が相次いでいます。認知症になった方もいます。彼女らにとって残された時間はわずかで切迫しています。生きていることの意味があったと思える瞬間がないまま彼女たちが亡くなることは許しがたいことです。
 「慰安婦」たちによるソウルの日本大使館前での水曜デモも1000回を超えました。少女像(平和の碑)が設置されたことで、野田佳彦首相は昨年末の日韓首脳会談でその撤去を求めました。日本側がきちんとした問題の解決をしないから少女像が建てられたということを理解しないで外交の場で撤去要求するのは恥ずかしいことです。

法的責任は明確
 野田首相は、法的に解決済み∞人道的な立場で努力≠ニいいますが、ジュネーブ条約は、非人道的な行為に基づく賠償請求権の放棄は認めない、免責はないというのが基本的な立場です。日本に法的な責任があるのは明確です。まず日本政府は、韓国から求められている請求権協定3条(解釈の違いがある場合の外交的解決)に基づく2国間交渉に速やかに応じ、さらにこの問題の最終的な解決である被害者への謝罪と補償を行う姿勢に立つべきです。これが基本中の基本です。
 (おわり)

「慰安婦」問題をめぐるこれまでの動き

1991年8月 韓国で被害者が初めて名乗りをあげ、その後日本政府を相手に提訴
   12月 日本政府が調査を開始
 92年9月 フィリピンの被害者も名乗り出て、その後提訴
 93年8月 河野洋平官房長官が「おわびと反省の気持ち」表明の談話発表
 94年1月 オランダ人被害者が提訴
 95年7月 アジア女性基金発足(07年3月に解散)
   8月 中国人被害者が提訴
 96年1月 クマラスワミ国連人権委員会「女性への暴力」特別報告官が「慰安婦」問題で日本政府は謝罪と補償を行うべきだとの報告書提出
   3月 国際労働機関(ILO)専門家委員会が「慰安婦」は強制労働条約違反だと日本政府に勧告(以降、数次にわたり勧告)
 98年4月 山口地裁下関支部が立法不作為で国に慰謝料支払い命じる
   8月 マクドゥーガル国連人権委員会特別報告官が「慰安婦」問題で法的責任と責任者の処罰を含む報告書提出
 99年8月 国連人権小委員会が武力紛争下の性暴力に関して、個人請求権と国家責任は条約や2国間協定で消滅しないと決議
2001年3月 参議院に「戦時性的強制被害者問題の解決促進に関する法律案」が日本共産党、民主党、社民党により共同提出
   12月 オランダ・ハーグで女性国際戦犯法廷最終判決。天皇を最高責任者とする日本軍の組織的犯罪と認定
 07年7月 米議会下院「慰安婦」決議採択
   11月 オランダ議会下院「慰安婦」決議採択。カナダ議会下院でも決議採択
   12月 欧州議会で「慰安婦」決議採択
 11年8月 韓国憲法裁、韓国政府が請求権協定の規定に基づく解決のための手続きをとらないのは違憲と決定
   12月 日本大使館前の水曜デモ1000回目。平和の碑建立。日韓首脳会談で李大統領が「慰安婦」問題解決を要求
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2012年01月06日,「赤旗」) (Page/Top

日本軍「慰安婦」問題/大森典子弁護士に聞く/上/日本は法的責任負う

 韓国の元「慰安婦」が初めて名乗りをあげてから20年がたちました。昨年末の日韓首脳会談で李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「慰安婦」問題の解決を野田佳彦首相に要求しましたが、野田首相は、「問題は決着済み」として拒絶しました。問題解決には何が求められているのか、長年、「慰安婦」訴訟に関わってきた大森典子弁護士に聞きました。

 日韓首脳会談などを通じ、「慰安婦」問題が改めて世間の関心をよんでいます。しかし、マスコミ報道も含め、日本国民の間に歴史的事実がしっかり理解されていないと痛感しています。

政府による犯罪
 「戦時中、日本軍は強制的に女性たちを連行していない、その証拠はないから責任はない」と日本政府は問題をすりかえて主張します。しかし、軍中央が「慰安所」制度をつくり、女性たちを兵士にあてがったのですから、そこに女性らを連行した態様が官憲による強制か、民間人を使ったかで日本政府の責任が変わるものではありません。
 戦時では性暴力はつきものだ、という意見も一部ありますが、日本軍が組織的に慰安所を設けていたことと一兵士が女性に乱暴するという問題とは性質が違います。
 「慰安所」に女性たちを事実上監禁し、多いときは1日に何十回も兵士の相手を強要することは、女性を人として扱わない、女性の尊厳を根底から奪う行為です。著しく人権を侵害する凄惨(せいさん)な犯罪行為が政府によって行われたのです。国連の各委員会、国際労働機関(ILO)がこれまで、日本政府に対し、被害者の訴追、謝罪と補償などを求める勧告を幾度も出し、米国、オランダ、カナダの3カ国と欧州連合(EU)の議会が謝罪や補償をもとめる決議をあげました。戦時下における性暴力を二度と繰り返さないための努力を続ける国際社会が、日本政府の責任逃れは許さないという姿勢を示したものです。

協議応じる義務
 韓国の憲法裁判所は昨年8月30日、「慰安婦」の損害賠償請求をめぐる日韓両政府の解釈上の違い(紛争)について、韓国政府が請求権協定に定める手続きをとってこなかったのは違憲であるとの決定を下しました。日韓両政府は1965年に、日韓基本条約と請求権協定を締結しました。韓国側は、そこにいたる外交交渉の文書を2005年に公開し、協定で放棄した請求権には、日本政府が関与した反人道的不法行為である「慰安婦」問題は含まれないという立場を明確にしました。そして憲法裁判所の決定と首脳会談での大統領の解決要求となったわけです。
 これに対して野田首相は、65年の請求権協定で、韓国側はすべての個人の賠償請求権を放棄したとの解釈から、「決着済み」だと述べています。しかし、この協定の3条1項は、日韓両国に解釈上の違いがある場合、「外交的に解決する」ことを明記しています。
 韓国憲法裁の決定はこの3条に基づく手続きをとることを要求し、韓国政府は9月と11月に日本政府に対し、文書で協議に応じるよう求めました。日本側はそれに応える条約上の責務を負っているのです。
 (聞き手 遠藤誠二)
 (つづく)

日本軍「慰安婦」問題
 戦時中、日本軍は、侵略した朝鮮半島、中国、東南アジアなどの地域に設置した「慰安所」で、連れてきた女性たちを奴隷状態に置き、兵士らとの性行為を強要しました。被害者の数は数万人から20万人といわれます。
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2012年01月05日,「赤旗」) (Page/Top

2012外交展望/「国のあり方」問う課題山積/各国の首脳交代も影響

「政治の季節」に
 2012年は主要国で大統領選や指導者の交代が行われ、世界的に政治の季節を迎えます。各国での結果は国際問題への対応や対日関係、安全保障環境の形成に大きな影響を与えます。日本も民主党政権のゆきづまりで総選挙の可能性が高まり、波乱含みです。
 1月の台湾総統選を皮切りに、ロシア(3月)、フランス(4月)、米国(11月)、韓国(12月)で大統領選が行われます。
 米仏では現職のオバマ、サルコジ両氏が勝利するかどうか予断を許さず、ロシアでは、昨年の下院選での不正投票問題でプーチン前大統領が支持を大きく減らしています。
 北朝鮮では金正日総書記の死去に伴う後継体制への移行が本格化。秋には中国で国家主席が交代します。
 激変・混沌(こんとん)の国際情勢は日本外交にも大きな影響を与えます。

TPPへの対応
 最大の問題は、オバマ米政権が自国の雇用拡大を図るために、アジア太平洋地域に環太平洋連携協定(TPP)を核とした米主導の自由経済圏をつくろうとしていることへの対応です。
 日本が参加すればTPP参加国の国内総生産(GDP)の総計のうち9割以上を日米が占め、事実上の日米自由貿易協定(FTA)になります。
 農業・医療・公共事情など、あらゆる分野で例外なく規制を撤廃するTPP。日本の経済主権を侵害し、農業に根本的な打撃を与え、国のあり方を変えてしまいます。
 オバマ大統領は昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、参加9カ国が「大筋合意した」と表明。大統領選を念頭に置き、今年中の決着をめざす考えです。すでに水面下で日米交渉が始まっているとされますが、広範な国民の反対を置き去りにした外交交渉は許されません。
 米国によるアジア太平洋での権益確保と一体で、日米同盟の強化が進められています。その柱となるのが米軍再編。野田政権は「対米公約」に沿って、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う環境影響評価書を昨年末に、県に「提出」しました。
 しかし、「提出」をめぐる混乱でかえって県民の怒りに油を注ぎました。野田政権は6月の沖縄県議選後にも新基地建設に向けた埋め立て申請を提出する予定ですが、実現の見通しはありません。
 辺野古の新基地建設とセットで進められている沖縄からグアムへの海兵隊移転も、米議会が予算を却下。2月に出される2013会計年度予算案で、米政府が計上するかどうか注目されます。

韓国と北朝鮮は
 東アジア外交では、韓国・北朝鮮との関係が焦点になります。
 韓国では、旧日本軍による「慰安婦」問題で、法的な決着を求める声が高まっています。昨年12月の日韓首脳会談では、李明博(イ・ミョンバク)大統領が初めて、韓国の賠償請求権に言及しました。この問題は今年、日韓関係の最大焦点になりそうです。
 北朝鮮は金日成(キム・イルソン)生誕100年となる今年を「強盛大国」実現の年としています。新体制のゆくえは未知数ですが、02年の日朝平壌宣言と05年の6カ国協議共同声明にたちかえり、国際社会の責任ある一員としての道を進むことが、東アジアの平和と安定にとっても、北朝鮮自身の今後にとっても、最も理性的な方向です。日本も、これら宣言・声明に基づいた外交的努力が求められています。
 領土問題では大統領選後のロシアの対応に変化が表れるのか、注目されます。

2012年 主な外交・海外日程
 1月  台湾総統選
     世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス)
 3月  ロシア大統領選
 4月  フランス大統領選(決選投票=5月)
 5月  G8主要国首脳会議(シカゴ)
 6月  G20首脳会議(メキシコ・ロスカボス)
 9月  アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ウラジオストク)
     第67回国連総会開幕(ニューヨーク)
 11月  米大統領選
     東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、東アジア首脳会議(プノンペン)
 12月  韓国大統領選
 秋   中国共産党大会
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2012年01月04日,「赤旗」)

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志位委員長新春インタビュー/創立90周年の年にふさわしい躍進を

 先日の訪韓では、李明博大統領と懇談し、あいさつを交わす機会がありました。私が、「昨年(2010年)10月に日本共産党は日韓議連に加盟しました。全議員が加入しており、私は副会長を務めています。日本共産党は、崩壊した旧ソ連の党などとは違う平和的で民主的な政党ですから、ご安心ください」と語りますと、李大統領は笑顔で応じて、「日本共産党の志位委員長から日韓議員連盟に参加されたとのお話を聞き、ありがとうございます。韓国としても歓迎します」と語りました。
 韓国とは、「従軍慰安婦」問題など、清算すべき過去の問題が残されています。この問題は、昨年末の日韓首脳会談でも大きな問題になりました。過去に正面から向き合い、過ちを清算する。そうしてこそ、真に未来に向けた友好が可能になります。
 90年の「党史の力」というのは、私たちの野党外交で、アジアにおいても、世界においても、絶大な力を発揮する。これがこの間、この分野にとりくんできた私たちの実感です。ここに確信を持って、アジア諸国、世界の国々との友好と交流をさらに発展させていく年にしていきたいと思っています。
 大内田 戦前・戦後のたたかいが野党外交にもしっかり生きているということを聞いて、本当にうれしく思うし、確信を持ちました。

綱領路線の半世紀でどこまで来たか

「第1の躍進」―自主独立、綱領路線にもとづく全党の努力が実った
 小木曽 それでは「第3の時期」、1961年に綱領路線を決めたあとの半世紀の流れについてうかがいたいと思います。
 志位 さきほどお話ししたように、正確な路線をつくれば一路前進というわけにいかないんですね。この半世紀というのは、私たちが「政治対決の弁証法」と呼んでいる曲折と波乱と試練が続いた半世紀でした。この半世紀に私たちは2度の躍進のピークとともに、2度の反共作戦を経験しています。
 「第1の躍進」は、1960年代の終わりから70年代にかけての日本共産党の国政選挙での連続躍進でした。ちょうど私が入党したころですが、1972年の総選挙では、日本共産党は563万票、14議席から39議席、野党第2党に躍進しました。自主独立の路線と綱領路線を確立し、1960年代に、それを力に、国内政治でも、国際政治でも、党が打って出た。その全党の努力の結実が、こういう形で実りました。
 革新自治体が全国に広がり、そこに暮らす人口は日本の総人口の約43%になりました。その流れは、国政にも及び、1967年につくられた革新都政から始まった老人医療費無料化が、1973年には国の制度にもなるなど前向きの変化が起こりました。

反共デマキャンペーンと、1980年の「社公合意」
 小木曽 そのあとに反共作戦がやってくるのですね。
 志位 そうです。この流れに恐れおののいた支配勢力は、1976年に、「共産党=人殺し」とする「春日質問」――これは衆議院の本会議の壇上から民社党の春日一幸委員長がおこなったデマ攻撃でしたけれども――、これに始まる「日本共産党は暴力と独裁の党だ」という反共キャンペーンを開始します。
 わが党はこれに正面から大反撃をくわえます。反共キャンペーンはわが党の前進に障害を持ち込むものでしたけれども、それだけでは日本共産党を封じ込めることはできません。政治戦線の再編成が必要になってきます。そこで支配勢力が打った手というのは、社会党・総評ブロックを反革新の側に取り込む革新分断作戦でした。
 その決定的転機になったのが、1980年の社会党と公明党との間で結ばれた日本共産党排除、日米安保条約容認の「社公合意」でした。いま「社公合意」を読み直してみますと、たとえば「原発容認」なども書いてあるのですよ。社会党がもっていた革新的要素を、ローラーをかけるように根こそぎ押しつぶした協定だということがよくわかります。
 小木曽 その結果、「共産党をのぞく」があらゆる分野に持ち込まれました。
 志位 1980年を境に、日本共産党をのぞく事実上の「オール与党」体制がつくられました。国会運営も、「共産党をのぞく」というものに変わっていきます。革新自治体は、社会党の脱落という形で次々とつぶされ、地方自治も「オール与党」体制に変えられていく。国民運動のいろいろな分野でも分断が持ち込まれ、一時期は統一開催された原水爆禁止世界大会も分裂させられます。
 日本共産党は、この反動攻勢に対して不屈に立ち向かいました。統一戦線運動では、1980年の第15回党大会で、「日本共産党と無党派との共同」という大方針を提唱して、1981年には全国革新懇が結成され、今日大きく発展しています。
 しかし、この反共作戦のもとで、わが党は国政選挙での後退、停滞を余儀なくされます。そういう点では苦しい時代が続きます。

反共作戦は「反国民作戦」でもあった
 志位 私は、この時期をとらえるさいに、この反動攻勢の時期に破壊的な影響を受けたのは、わが党だけではない、日本の政治全体、国民全体が大被害を受けたということが、たいへん大事な点だったと思うのです。
 大内田 反共作戦は、「反国民作戦」でもあったということですね。
 志位 その通りです。実はこの指摘は、不破委員長(当時)が、1999年の党創立77周年記念講演会で、「現代史のなかで日本共産党を考える」と題する記念講演のなかでのべたものですが、私はこの講演を聴いて、この箇所がとても強い印象として残っています。「そうか。その通りだ」とヒザを打つ思いで聞いたことを思い出します。
 大企業中心の政治という点でみますと、1970年代までは、物価問題、公害問題などが噴き出して、「大企業中心主義に反対する」ということは、野党ならどの党も、ある程度はのべたものでした。ところが、1980年代に入ってすっかり様子が変わる。1980年に「臨時行政調査会(臨調)設置法」が成立して、「臨調行革」路線が始まります。
 小木曽 「メザシの土光」ですね。(笑い)
 志位 土光経団連会長、財界が直接指揮をとって、国民の暮らしへの総攻撃を始めます。まず標的にされたのは社会保障でした。1982年には老人医療費の有料化、84年には健康保険の本人1割窓口負担の導入、85年には年金の給付カットと保険料の引き上げなど、あらゆる分野で社会保障の破壊が開始されます。
 そのうえ「福祉のため」といって、国民のごうごうたる批判に逆らって、1989年には消費税の導入を強行する。
 小木曽 日米軍事同盟の問題でも大きな変化がありましたね。
 志位 そうです。アメリカいいなり政治という点でも、80年代に入って質が変わってきました。1970年代までは、日米安保の問題といえば、在日米軍基地の問題が中心でした。米軍基地をベトナム侵略などに使わせない、というのがたたかいの焦点でした。ところが、80年代に入りますと、基地問題だけではなくて、中曽根内閣のもとで、「日本列島不沈空母」「三海峡封鎖」「シーレーン防衛」が叫ばれるなど、米軍と自衛隊の共同軍事作戦が問題になってきます。
 こうして、内政でも外交でも、反共作戦は「反国民作戦」と一体のものだったのです。そういうもとで、日本共産党をのぞく「オール与党」体制と国民との矛盾が、どんどん累積していく。そして、そのもとで、反共・反動の「時流」にくみせず、国民の立場で筋を貫く党への新たな注目と共感が広がっていきます。

「オール与党」体制の破たんと、「二大政党づくり」の開始
 志位 新たな躍進の予兆が現れたのが、80年代の最後の時期で、1989年4月の消費税導入によって、「列島騒然」という状況になり、千葉県知事選挙、名古屋市長選挙などで、日本共産党の推薦候補が、あと一歩という大善戦をする。躍進の予兆が起こります。マスコミでも、「地殻変動」という言葉が盛んに使われました。
 小木曽 ところが、その直後、参議院選挙の直前の89年6月に、中国で天安門事件が起きて、これが大きな逆風になっていったわけですね。
 志位 そうですね。このときは躍進は予兆で終わり、実現しませんでした。天安門事件を利用した反共大キャンペーンがおこなわれ、それに続くソ連・東欧崩壊を利用したいわゆる「体制選択論」攻撃で、たいへんな逆風が吹き荒れた。
 この逆風のさなかにおこなわれた1990年の第19回党大会で、私は書記局長に選任されたのですが、最初の時期というのは、下りのエスカレーターを逆に登っているような、頑張っても、頑張ってもなかなか党の前進に結びつかないという、そういう逆風とのたたかいだったことを思い出します。
 しかし、どんなに外国ネタで日本共産党を攻撃しても、支配勢力と国民との矛盾は解決されません。それは深いところでいよいよ広がっていく。そこに、ゼネコン汚職、金権腐敗政治が噴き出してくる。自民党政治への怒りが沸騰しました。
 1980年に始まる「オール与党」体制というのは、一見強そうですが、失敗したら大変なのです。「受け皿」となるのは、日本共産党しかない。たいへんにもろい体制だったのです。支配勢力は、この体制ではもう限界だということを感じ始めた。
 そこで彼らは新しい反共作戦を始めます。それは、日本の政党戦線を無理やり「二大政党」の枠にはめ込もうという動きです。1993年に自民党が分裂し、「自民か、非自民か」という大キャンペーンが始まる。94年には小選挙区制が導入される。こういう一連の動きのなかで、「二大政党づくり」が開始されました。
 この体制が完成すれば、片方が失敗しても、別の片割れが「受け皿」となって、悪い政治が安泰になるし、なによりも日本共産党を抑え込める。こういう思惑で始まりました。「二大政党づくり」の走りがこの時期です。

「第2の躍進」―筋をつらぬいてきた日本共産党への期待が大きく広がる
 大内田 委員長が初めて国政選挙に挑戦された1993年の総選挙は、本当にたいへんな選挙でした。私も、お料理の村上昭子先生(故人)と、委員長のところに応援にいったのをおぼえています。(笑い)
 志位 ありがとうございます(笑い)。93年の総選挙は、私が旧千葉1区で初めて国政に挑戦した選挙でしたが、二重の逆風のなかでの選挙でした。「体制選択論」攻撃の逆風と、「自民か、非自民か」という逆風です。マスコミからも「当選は無理」といわれましたが、地元のみなさんの大奮闘、全党のみなさんのご支援によって、なんとか押し上げていただいた。
 選挙戦のさなかにNHKのインタビューに出演すると、司会者の方は、「共産党はカヤの外になるではないですか」と聞いてくる。そこで私は、「『カヤの外』というけれど、『カヤの中』こそ問題です。そこにあるのは古い腐った政治ではないですか。そんな汚いカヤには頼まれても入りません」(笑い)と答えたことを思い出します。
 しかし、支配勢力の「二大政党づくり」のこの最初の試みは、あえなく失敗に終わります。細川政権など「非自民政権」と呼ばれる勢力は、八つの党派の寄せ集めで、まとまりがなかった。その内部矛盾によって自壊していく。そして、自民党政権が復活します。その後なんとか、自民党に対抗する形での「二大政党」をつくろうと、「新進党」という党が結成されますが、この党は住専問題で国会の中で「座り込み」をやったあげく大失敗し、自ら政党を解散する。
 「二大政党づくり」の最初の試みが大失敗するもとで、筋を貫いてきた日本共産党への期待が大きく広がって、日本共産党の「第2の躍進」が始まります。
 この「第2の躍進」は、「第1の躍進」の峰をはるかに越えるもので、1996年の総選挙では、726万票の得票をえて大きく躍進する。98年の参議院選挙では820万票と、史上最高の峰を更新しました。
 苦しいなかでも、国民の立場で筋を貫くことがいかに大切かを痛感したものでした。「汚いカヤ」に入らなくてよかったと本当に思いました。(笑い)
 小木曽 本当にそうですね。(笑い)

熱い政治問題での党の値打ちとともに、「日本改革の方針」を大きく示す
 志位 この時期の躍進を振り返ってみますと、1996年の住専問題、97年の消費税増税問題など、熱い政治問題、その時々の矛盾の焦点で、党の値打ちを光らせるたたかいとともに、日本共産党の「日本改革の方針」を大きく示していった。「日本共産党はどういう日本をつくるか」ということを正面から語り抜いていった。これが、躍進の大きな力になったというのは、たいへんに大事な教訓だったと思います。
 この時期に、私たちは、1997年に第21回党大会、2000年に第22回党大会を開いて、「日本改革の方針」をまとまった形で発展させ、それはやがて新綱領に結実することになりました。

第2の反共作戦の発動―反共謀略から本格的な「二大政党づくり」
 小木曽 「第2の躍進」のあとに、第2の反共作戦が本格的に発動されるということになるわけですね。
 志位 第2の反共作戦も、はじめは反共キャンペーンから始まりました。2000年6月の総選挙では、空前の反共謀略ビラがまかれました。またもや「暴力と独裁の党」というデマ攻撃ですが、今度は「名無しの権兵衛」、出所不明の謀略ビラに訴えた点で、反共攻撃の質は一段と悪くなりました。私も選挙戦を走りながら、街の空気が一気に冷え込んだことを思い出します。
 それに続いて、今度は財界が直接乗り出しての、本格的な「二大政党づくり」がすすめられます。それが発動されたのは、2003年の総選挙でした。今度は寄せ集めではなく、「民主党」という政党を財界が仲介までしてつくりあげて、「自民か、民主か」という枠内に国民の選択を押し込めるという大キャンペーンがすすめられました。
 私たちにとって、この反共作戦による逆風は、それまでのどんな反共作戦をも上回る逆風だったと思います。国政選挙でも後退・停滞を余儀なくされました。
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2012年01月01日,「赤旗」)


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