「慰安婦」論文語り日刊紙拡大/戦争体験した新入党員が訴え/さいたま市大和田支部
国会開会日行動/「地域から共同広げる」/大運動実行委など集結
歴史的岐路に立つ情勢一変革者の党の真価発揮した奮闘を/志位委員長のあいさつ/ 日本共産党国会議員団総会
慰安婦の初報執筆者は別人/朝日新聞が訂正
「歴史を偽造するものは誰か」/赤旗「慰安婦」論文に反響/モヤモヤがすっきり/問題の所在が明確に
朝の風/歴史の事実に向き合う
メディアをよむ/仲築間卓蔵/言論抑圧の風潮再び
「集い」で入党/1週間に5人/市議選勝利へ/どこでも好評/青森・東青地区
「慰安婦」問題/歴史の偽造許さない/論文掲載の見本紙を活用/「赤旗」前進へ/長野県
韓国大統領「『慰安婦』問題、日本は措置を」
日韓首脳会談「年内開催は可能」
歴史を偽造するものは誰かー 「河野談話」否定論と日本軍「慰安婦」問題の核心
「河野談話見直さず」/岸田氏が強調/ 日韓外相会談
「太陽の党」継承発表
道徳「教科化」の狙い/「戦争する国」へ思想統制/国民が求める教育に逆行
旧日本軍慰安所跡/70年苦しむ母と子/「日本政府は謝罪を」/中国・桂林
潮流
民放連賞に琉球放送など
メディアをよむ/阿倍裕/「起てよ!全国の新聞紙!」
ナチスと並んで「慰安婦制度」展示/カナダの人権博物館
悲願の共産党県議必ず/躍進の扉を開こう/笠井議員が応援/愛知・春日井
第8回アジア政党国際会議での発言/ 日本共産党幹部会委員長志位和夫
さいたま市見沼区の大和田支部は27日、6月に入党した男性(78)がベテラン支部員の女性、青柳しんじ県議候補とともに読者拡大で行動し、「赤旗」日刊紙読者1人、日曜版読者4人を増やしています。
新入党員の男性は以前から党を支持し、日刊紙も購読していました。現役時代の自民党とのかかわりもあって決意しきれなかった入党にも、集団的自衛権の行使容認など安倍政権の暴走を話し合う中で「政治を変えなければまずい。地域の人たちと行動したい」と決意しました。以降、支部会議での前向きな発言でベテラン党員を励ましています。
大和田支部は25日の支部会議で、いっせい地方選挙で県都からなんとしても県議を出したいと、後援会員や「赤旗」読者を増やすことを話し合いました。さっそく、27日に行動することにし、新入党員の男性も「ぜひ参加したい」となりました。
27日には以前、「赤旗」を購読していた人や、後援会員を坊間。新入党員の男性は、27日付日刊紙に、日本軍「慰安婦」問題論文「歴史を偽造するものは誰か」が掲載されていることを紹介。「私は78歳です。あの戦争を体験している人間として今の政治に不安を感じて、日本共産党に入党したんです」と積極的に話しました。また、いっせい地方選での共産党の躍進の意義や、29日から国会が始まるなかで、安倍政権の暴走から国民生活を守る共産党国会議員団の役割を語り、「赤旗」を購読することで応援してほしいと訴えました。
(2014年09月30日,「赤旗」)
国民大運動実行委員会や中央社保協、憲法共同センターなどは29日、参院議員会館前と国会図書館前で国会包囲行動をおこないました。
主催者あいさつで全労連の小田川義和議長は「安倍政権は国会閉会中に、集団的自衛権行使容認の閣議決定や、沖縄・辺野古の新基地建設工事を押し付ける姿勢だ。暴走と対決する野党と協力共同しよう」と発言。全国保険医団体連合会の住江憲勇会長は「雇用破壊や社会保障の解体、消費税増税、集団的自衛権行使容認のための法整備などを直ちにやめさせるため臨時国会中も国会に押し寄せよう」と訴えました。
各団体の代表がリレートーク。東京憲法会議の片桐公男事務局長は「慰安婦問題をはじめ歴史を歪曲(わいきょく)するのではなく、未来のために過去の人権侵害に真剣に向き合うべきだ」。日弁連憲法問題対策本部の上柳敏郎事務局長は「尊い命の犠牲のもとにできた憲法を守らなければならない」。福井県民主医療機関連合会事務局の錦織龍彦さんは「原発ゼロになるまで運動を続けようと励まし合っている」。自治労連の猿橋均委員長代行は「国会周辺の行動はもちろん、地域から政治を変える共同を皆さんとつくる決意だ」と語りました。
日本共産党の紙智子、吉良よし子、田村智子の各参院議員があいさつしました。
衆院第1議員会館で開かれた集会には120人が参加。ミニ学習で、自由法曹団事務局次長の横山雅弁護士は、安倍政権の改憲戦略について「日本国憲法が国民主権に基づく以上、国家権力が勝手に基本原理を変えることは許されない」と解釈改憲を批判しました。
当面の行動として、▽宣伝対話を強め、暴走政治の正体を明らかにする▽臨時国会期間中の国会行動を成功させる▽11月29日の大集会・大行動を成功させ、安倍政権を退陣に追い込むーことなどが提起されました。
日本共産党の井上哲士参院議員があいさつしましたC
(2014年09月30日,「赤旗」)
日本共産党の志位和夫委員長が29日の臨時国会開会にあたって開かれた国会議員団総会で行ったあいさつは次の通りです。
みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。国会開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。
御嶽山噴火、土砂災害などへの対応について
はじめに、御嶽山(おんたけさん)噴火によって犠牲となった方々への深い哀悼とともに、被害者の方々に心からのお見舞いを申し上げます。引き続き、捜索・救出に全力をあげることを、政府に強く求めるものです。
また、この夏、広島の土砂災害をはじめ、台風や大雨によって、たくさんの方々が犠牲となり、被害にあわれました。あらためて、心からのお見舞いを申し上げます。日本共産党は、現地の党組織と国会議員団が力を合わせて被災者支援に取り組んできましたが、被災者の生活再建、災害に強い街づくりのために、引き続き力をつくす決意であります。
戦争か平和か―― 戦後最大の歴史的岐路を迎えるもとで
この臨時国会は、日本が、戦争か平和かをめぐって、戦後最大の歴史的岐路を迎えるもとで開かれました。
国会閉会中の7月1日、安倍政権は、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行しました。憲法9条に真っ向から背いて、「海外で戦争する国」づくりを進める歴史的暴挙に強く抗議するとともに、「閣議決定」の撤回を求めて国民とともにたたかいぬく決意を、国会冒頭に固め合いたいと思います。(「よし」の声、拍手)
安倍政権の暴走の一歩一歩が矛盾を広げ、墓穴を掘る
安倍政権のあらゆる分野での反動的暴走は、歴代政権と比べても、戦後政治のなかで最も危険な姿をむき出しにしています。
どうやって安倍政権の暴走を食い止め、日本の政治の平和的・民主的転換をかちとるか。大局にたって日本の情勢をとらえた場合に、私はつぎの三つの点が大切だと思います0
第一は、安倍政権の暴走の一歩一歩が、国民との矛盾を劇的に広げ、自らの墓穴を掘るものとなっていることです。
集団的自衛権行使容認の「閣議決定」以降も、国民の批判はさらに広がっています。どんな世論調査でも5割から6割が反対の声をあげています。8月の広島、長崎の平和式典にさいしては、被爆者代表から「閣議決定」に対する強い批判が突きつけられました。ところが、首相は、この訴えを「見解の相違」と切り捨てました。異論を「見解の相違」と切り捨てるなら、およそ民主政治は成り立たなくなるではありませんか。
国民多数の批判を押し切って強行された消費税増税の打撃が、日本経済にはっきりあらわれてきました。働く人の実質賃金が低下し、家計消費が冷え込み、GDP(国内総生産)が落ち込むという増税不況が始まり、日本経済は「好循環」どころか、悪循環の危険水域に入っています。この事態に正面から向き合い、消費税10%への増税はきっぱり中止すべきであります。
原発再稼働路線に痛打を与える司法の判決が相次いでいます。関西電力に、大飯原発運転差し止めを命じた、5月21日の福井地裁判決。東京電力に、原発事故後の避難中に自死に追い込まれた女性への賠償を命じた、8月26日の福島地裁判決。この二つの画期的判決は、根本的に言えば、「人類と原発は共存できない」ことを示すものとなったのではないでしょうか。
沖縄の情勢は劇的な進展をみせています。強権をもって新基地建設を押し付ける暴政が、県民の怒りの火に油を注いでいます。9月7日に行われた沖縄いっせい地方選挙では、最大の焦点となった名護市議会議員選挙で、新基地建設反対の稲嶺市長を支える与党の当選者が過半数を占め、「新基地建設ノー」の民意が示されました(拍手)。日本共産党は、5市10町村で21人が当選し、前回比3人増、得票を1・3倍に伸ばす躍進を勝ち取りました(拍手)。いよいよ知事選挙であります。翁長雄志(おなが・たけし)さんを何としても知事に押し上げるために、頑張りぬこうではありませんか。(柏手)
安倍政権の「亡国の政治」に対して、大攻勢をかけよう
どの分野でも、安倍政権は大きな矛盾と行き詰まりに直面しています。大局的にみれば、追いつめられているのは安倍政権の側ではないでしょうか。
あらゆる分野で一致点にもとづく共闘――「一点共闘」を広げに広げ、それを安倍政権打倒の国民的大運動へと大合流させましょう。
安倍政権の「亡国の政治」に対して、大攻勢をかけるべき歴史的情勢に、いま私たちは立っているということをしっかり自覚して、この国会を意気高くたたかいぬこうではありませんか。(拍手)
根底に自民党政治そのものの崩壊的危機が盗済も外交もかじ取りの資格なし
第二に、私が強調したいのは、こうした安倍政権の矛盾と行き詰まりの根底に、自民党政治そのものの深刻な危機が横たわっているということです。すなわち、「二つの異常」――
「アメリカいいなり政治の異常」「極端な大企業中心政治の異常」を特質とした自民党政治そのものが、行き詰まりを深刻にし、崩壊的危機に陥っています。このことをお互いに綱領的視野でつかみ、たたかうことを訴えたいのであります。
「異常な財界中心の政治」を続けてきた結果、日本は、長期にわたって働く人の所得が減り続け、経済全体が停滞・縮小するという、世界でも特異な国に落ち込んでいます。この間の経済指標をみてみましても、大企業が空前の利益をあげても、賃金には回らず、巨額の内部留保が積み上がり、経済全体は停滞・縮小していく。日本経済の病理はきわめて深刻であります。
その時に、政府は何をしているかといえば、破綻した「トリクルダウン理論」(おこぼれ経済学)にしがみつき、「成長戦略」「企業の稼ぐ力」という掛け声で、大企業の目先の利益を増やすことを、ひたすら応援するだけです。国民の暮らしはおよそ眼中にありません。彼らなりに日本経済をどうするかの見通しすら持っていません。自民党政治は、もはや日本経済のかじ取りをする資格も能力もなくなったと言わなければなりません。
「異常な対米従属の政治」によって、米軍基地問題の矛盾が限界点を超え、それはとりわけ沖縄に集中的にあらわれています。沖縄県民が選挙で反対の意思を繰り返し突きつけている新基地建設を、力ずくで強行するなどというのは、民主主義国家ならば決して許されない暴政ではないでしょうか。
さらに、アメリカいいなりの政治を続けてきた結果、日本にはまともな外交と呼べるものがなくなってしまっています。いま安倍政権が「地球儀俯瞰(ふかん)外交」と称してやっていることといえば、原発の輸出、武器の輸出、大企業の売り込み、集団的自衛権への支持の取り付け――もっぱらそういうことばかりです。そこには世界とアジアの平和と安定をどう築くかという平和外交の戦略はまったくありません。自民党政治は、日本外交のかじ取りという点でも、もはや資格も能力もなくなっていると言わなければなりません。
古い政治の継続か、新しい日本への転換か―歴史的岐路に立つ日本
こうして、大きな目でみますと、日本社会は、60年余続いた自民党型政治の総決算が求められる時期を迎えています。
「二つの異常」を特徴とする古い自民党型政治の継続か、「国民が主人公」の新しい日本への政治の抜本的転換か。より根本的には、日本の政治はこの点でも歴史的岐路に立っています。
この歴史的情勢の特徴を大きくとらえて、日本共産党国会議員団ここにありの大奮闘をしようではありませんか。(拍手)
日本共産党は「亡国の政治」-の批判、変革の願いを託せる唯一の党に
第三は、こうした歴史の岐路にさいして、日本共産党が、安倍政権の「亡国の政治」への批判と怒り、行き詰まった自民党政治を根本から転換する変革の願いを託しうる、唯一の政党となっているということです。
この臨時国会にさいしても、日本共産党は、安倍政権の暴走と正面から対決するとともに、日本の未来に責任を負う対案をさし示し、国民と共同してたたかうーこの立場を堅持して大いに奮闘したいと思います。
アジア政党国際会議―日本共産党こそ世界とアジアの本流に立つ党
この点にかかわって、最近の二つの取り組みについて、最後にのべておきたいと思います。
一つは、9月18日から20日、スリランカのコロンボで開かれたアジア政党国際会議(ICAPP)での日本共産党の活動であります。
この国際会議で全会一致で採択された「コロンボ宣言」は、ASEAN(東南アジア諸国連合)のような地域の平和協力の枠組みを北東アジアなど全アジア規模に広げることを提起するとともに、核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を世界に向かって呼びかける、画期的な内容となりました。
この二つの内容は、日本共産党の提案が実ったものだということを報告しておきたいと思います。日本共産党こそ、世界とアジアの本流に立つ党だ- これがこの国際会議に参加しての実感であります。
日本軍「慰安婦」問題の論文―歴史をゆがめる逆流の根を断つまで力つくす
いま一つは、9月27日付の「しんぶん赤旗」に掲載された論文「歴史を偽造するものは誰かー河野談話』否定論と日本軍『慰安婦』問題の核心」であります。
この論文は、いわゆる「吉田証言」が虚偽だったことを利用した「河野談話」攻撃の大キャンペーンが氾濫するもとで、それに対する根本的反撃を行ったものであります。
「河野談話」は「吉田証言」を根拠にしていないこと、「吉田証言」が虚偽だったから「河野談話」の根拠もなくなったという議論は成り立つ余地がないこと、「河野談話」否定論が日本軍「慰安婦」問題の本質を覆い隠す問題の「二重の倭小(わいしょう)化」を特徴としていること、そしてこんな議論は国際社会では到底通用しないことなどを、事実と道理にもとづいて明らかにしています。
この論文発表に対して、各界から、「よくぞ『赤旗』は反撃してくれた」という声が、いま続々と寄せられております。
日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた政党として、歴史をゆがめる逆流の根を断つまで、引き続き知恵と力をつくして頑張りぬく決意をここに表明するものであります。(柏手)
変革者の党の真価を発揮した大奮闘を
戦争への道を許さず、平和日本への道を進むことができるかどうか。
行き詰まった古い自民型政治の継続を許さず、「国民が主人公」の日本への抜本的転換をかちとることができるかどうか。
歴史的岐路に立つ日本において、変革者の党の真価を発揮した大奮闘をしようではありませんか。このことをお互いに誓いあって、開会にあたってのあいさつとします。ともに頑張りましょう。(拍手)
(2014年09月30日,「赤旗」)
従軍慰安婦問題に関する報道をめぐり、朝日新聞は29日、韓国・済州島で女性を強制連行したとする吉田滑治氏(故人)の証言を初めて取り上げた記事こついて、8月の特集記事で「大阪社会部の記者(66)」としていた元記者は実際の執筆者ではなかったとする訂正記事を朝刊に掲載しました。
同紙は特集記事でこの元記者が証言を初めて記事にしたと記述。「講演での話の内容は具体的かつ詳細で全く疑わなかった」とする元記者の説明も載せていました。
しかし、元記者が海外への渡航記録を調べたところ、講演当日は国内にいなかったことが判明。ほかの吉田氏の証言記事は実際に書いていましたが、別の元記者が「初報は自分が書いた記事かもしれない」と名乗り出たといいます。
(2014年09月30日,「赤旗」)
本紙27日掲載の論文「歴史を偽造するものは誰かー『河野談話』否定論と日本軍『慰安婦』問題の核心」に対して、赤旗編集局や日本共産党本部に「もやもやしていたがすっきりした」「大変時宜を得た内容で明確だ」との声が続々と寄せられています。
記事を「一気に読んだ」という大阪市の男性は「朝日新聞へのバッシングになんとも言えない怒りを覚えていたが、問題点の所在がはっきりした」との感想を電話で寄せました。また、安倍首相が河野談話への否定論に毅然(きぜん)とした態度をとらないことについて「河野談話はすでに世界に向けて発信され、みずからもこれを継承すると繰り返し述べているのに、これを否定する態度をとれば、それこそ世界の笑いものになる」と語りました。
埼玉県の男性は論文に感銘し、ジャーナリストである学生時代の友人に記事を紹介したことを伝えました。その友人からは「非の打ちどころのない反論。『河野談話』を手直ししたら日本の地位も名誉も地に落とす」との返事がメールで届いたといいます。
感想のなかには「『朝日』に対する攻撃への反論として力になる。頑張ります」(佐賀県・男性)、「今日の記事を知人に送ろうと思う」(横浜市・男性)など、歴史の逆流を許さないたたかいへの決意も寄せられています。
また、吉田証言が虚偽だったことを利用した異常な「朝日」バッシングを一部メディアが続けていることに対して「右派ジャーナリズムの異常さは限度をこえている」との意見も寄せられました。
(2014年09月30日,「赤旗」)
朝日新聞の「慰安婦」報道に関する検証記事に対して、一部の雑誌の批判が激しい。「吉田清治証言」が真実ではなかったといって、これまで日本の裁判において日本軍「慰安婦」制度の強制性を認定してきた事実をすべて否定しようという彼らの論理には明らかに無理がある。
さらに藤岡信勝は『WiLL』で、次は南京大虐殺を取り消せと言い、八木秀次は『正論』で、朝鮮・中国からの強制連行自体がなかったとして教科書の叙述の見直しを求めるなど、戦前・戦中の歴史まで塗り替えようとしている。
八木は、朝鮮人の内地への渡航は、ほとんどが職を求めての「自由渡航」だったなどと言う。しかし、1910年代には土地調査事業や産米増殖計画によって土地を追われ、日中戦争が始まった30年代には朝鮮総督府と企業が協力した「統制募集」が始まり、42年には「官斡旋」によって、邑面(町村)に対する人員供出の割り当てが始まり、さらに有無を言わさぬ「徴用」となっていった。
麻生太郎副総理の父親が経営していた麻生炭鉱で1万人の朝鮮人労働者が過酷な条件で働かされていたことなども、多くの資料で確認されている。歴史の事実から目を背けてはならない。
(豊)
(2014年09月29日,「赤旗」) (Page/Top)
辺野古新基地、原発再稼働、集団的自衛権、TPP、消費税増税など問題山積の中、第2次安倍改造内閣がスタートしました。19人の閣僚のうち15人が、日本の侵略戦争を正当化する改憲・右翼団体「日本会議」を支援するためにつくられた「日本会議国会議員懇談会Jの所属議員だといいます。「戦争ができる国づくり準備内閣」といっていいでしょう。
その日のNHK朝ドラ「花子とアン」で、白蓮は「わたしは戦地へやるために純平を生み育ててはいない」「世の中どこへ向かおうと、時代の波に平伏したりしない。言いたいことを言い、書きたいことは書くわ」といい、「時代に逆らったらいまの生活がなくなってしまう」と心配する花子と決別しました。その花子も英語の本を持っていることが知られ、「非国民」呼ばわりされて石つぶてが投げ込まれます。
今、あの時代に似て言論を抑圧する風潮が身の回りに起きはじめています。「梅雨空に"九条守れ"の女性デモ」と詠んだ市民の俳句を、さいたま市の公民館が月報への掲載を拒否したそうです。東京・国分寺市では「国分寺9条の会」が地域まつりへの出店を「政治的意味合いを持つと認められる」という理由で拒否、市民団体「バイバイ原発国分寺の会」にも同様の通知をしたといいます。
メディアはどうでしょうか。日本軍「慰安婦」の「吉田証言」をめぐって朝日新聞たたきが激化しています。「慰安婦」間煩のすべてをなかったことにするかのような異様さです。このままでいけば、「慰安婦」問題を口にする人々は、「非国民」のレッテルを張られかねません。大手メディアの「良心」と「覚悟」だけに期待するわけにはいきません。「しんぷん赤旗」の役割は、ますます大きくなっています。大手メディアが知らせないことを知らせていくことの大事さを改めて感じています。
(なかつくま・たくぞう-元ワイドショープロデューサー)
(2014年09月28日,「赤旗」)
青森県東青地区委員会は、青森市議選(10月26日投票)の6人全員当選に向け、「すべての議員の活動地域で『躍進月間』から9月までに10人以上の党員拡大を」という目標で全力をあげています。22日からは山田兼三・元兵庫県南光町長が応援に入り、10人に届いていない五つの地域で12回の「集い」を開催。計130人が参加し、5人を党に迎えています。
山田さんは安倍政権の暴走とのたたかいを熱く語るとともに、不公正な同和行政に党員としてたたかってきたエピソードを紹介。「青森市議会に6人の党議員がいることが市政を前向きに変えています」と話し、入党を呼びかけました。
筒井支部が開いた「集い」は、「市政報告会」として位置づけて開催しました。山田さんの話は感動を呼び、参加者が手をあげて「入党したい」と発言したのをきっかけに他の人も入党を申し込み、一気に3人が入党。参加者を驚かせました。
茶屋町支部、駒込支部でも新入党者を迎え、他の「集い」でも、入党に至らなかった人たちが「掃ってから(入党申込番を)書いてくる」と話すなど、どこでも好評です。
「集い」をきっかけに活動が活性化していることも共通しています。
浪打支部は「集い」で「赤旗」日曜版読者を1人増やしたほか、「慰安婦」問題で質問した参加者に、日刊紙27日付く「歴史を偽造するものは誰か」)を届けて働きかけています。支部会議の開催が困難だったある支部も、「集い」に幅広く参加を呼びかける中で市議選に向けた活動に弾みがつきました。
職場支部の党員は山田さんの話に感動し、「次は職場で『集い』を開きたい」。地区は10月にも山田さんを迎えた「集い」にとりくみます。
(2014年09月28日,「赤旗」)
〝一歩もゆずれないたたかいだ〟
長野県委員会は、27、28日を「赤旗」日刊紙デーに設定して、日本軍「慰安婦」問題論文「歴史を偽造するものは誰か」を掲載した27日付日刊紙の見本紙約400部を活用して、読者拡大に取り組んでいます。
長水地区は、朝8時から緊急の地区委員会総会を開き、日本軍「慰安婦」問題で「河野談話」を否定する歴史の偽造を許さないたたかいとして、何としても読者で連続前進をと、党勢拡大の政治的意義を意思統一しました。
長瀬由希子地区委員長は、「単に『赤旗』を連続前進させるだけではない。歴史をゆがめる『靖国派』とのたたかい。一歩もゆずれない。日本の良心を示す党と『赤旗』を大きくしよう」と提起しました。県議候補、議員、県・地区幹部が支部と一緒に行動。論文を見た1人が日刊紙を購読しました
地区総後、飯綱町では、急きょ町委員会を開き、すぐに行動。4人の日曜版読者を増やしました。3日連続して日刊紙の見本紙を届けていた日曜版読者から「毎日の新聞は読みやすくて、おもしろい。毎朝最初に読んでいる」と反響がありました。
同地区では、この日80部の見本紙を活用して、土日で20人の日刊紙読者を増やす目標です。地区独自に設定した「日刊紙デー(25、26日)」では、5人の日刊紙と13人の日曜版の読者が増え、1人の新入党員を迎えています。日刊紙未購読の新入党員に見本紙を届け、購読を呼びかけています。
鮎沢聡県委員長は午前、長野市に入り、原田誠之市議と行動しました。「安倍政権はひどすぎる。極右だ」と話す男性に、「慰安婦」問題論文を掲載した日刊紙を紹介すると、「ぜひ読ませてもらいます。家族と相談して購読を考えたい」と対話が弾みました。
諏肪市では、日刊紙を読んだ党員から「志位見解のパンフを5冊ほしい」と地区に連絡がありました。
(2014年09月28日,「赤旗」)
【ソウル-時事】ニューヨークを訪問中の朴槿恵(バク・クネ)韓国大統領は24日、コリア・ソサエティーなど米民間団体との会合で、日韓関係について、「歴史(問題)の核心には慰安婦被害者問題があり、これは否定することができない歴史的真実であり、普遍的な人権問題だ」と語りました。聯合ニュースが伝えました。
朴大統領は同日の国連総会での一般討論演説で慰安婦問題への直接的言及を避ける一方、民間との会合では、従来の原則的立場は変わっていないことを示しました。
朴大統領は「来年は韓日国交正常化50周年で、これを機に両国がより未来志向的な関係に発展していくことを望んでおり、このためには過去の傷を癒やす努力が必要だ」と強調。「日本の政治指導者は、正しい歴史認識を示さねばならず、特に慰安婦被育者が生きている間に、名誉回復のための前向きな措置を取らねばならない」と訴えました。
(2014*09月28日.「赤旗」)
(ソウル-時事】韓国政府高官は26日(米時間)、ワシントンで記者団に対し、年内の日韓首脳会談の可能性について「日本が十分に準備すれば可能だ」と述べるとともに、慰安婦問題に関し、解決や具体的措置に至らなくても前向きに努力する姿勢を日本側が見せれば、首脳会談は可能だとの考えを示唆しました。聯合ニュースが伝えました。
高官は「われわれが望むのは、元慰安婦が存命中に尊厳と名誉を回復することだ」と強調。一方で「それ(日本側の措置)がなければ(首脳会談を)やらないということではなく、日本が誠意をもって努力する姿を見せれば、われわれも努力することができるという意味だ」とも述べました。
(2014年09月28日.「赤旗」)
「吉田証言」が虚偽だったことを利用した「河野談話」攻撃の大キャンペーン
朝日新聞は8月5、6日付で掲載した「慰安婦問題を考える」と題した報道検証特集で「吉田(清治)氏が(韓国)済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と訂正しました。これをきっかけに、一部右派メディアと過去の侵略戦争を肯定・美化する「靖国」派の政治勢力が一体となって、異常な「朝日」バッシングが続けられています。見過ごせないのは、その攻撃の矛先が、「慰安婦」問題で日本軍の関与と強制位を認め、謝罪を表明した河野洋平官房長官談話(1993年8月4日― 以下「河野談話」)に向けられていることです。
それは、「吉田証言」が虚偽であった以上、「河野洋平官房長官淡話などにおける、慰安婦が強制連行されたとの主張の根幹は、もはや崩れた」(「産経」8月6日付主張)というものです。「靖国」派議員の集団である自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は8月15日に緊急総会を開き、「河野談話の根拠が揺らいだ」などとして、萩生田光一・同会幹事長代行(自民党総裁特別補佐)が「(河野談話を否定する)新しい談話が出てきてもいい」などと発言しています。8月26日には、自民党の高市早苗政調会長(当時)が「河野談話」に代わる「新たな内閣官房長官談話」を出すよう菅義偉官房長官に申し入れています。「河野談話」否定派からは、「河野談話の取り消しなくしてぬれぎぬは晴らせない。潰すべき本丸は河野談話なのである」(ジャーナリストの桜井よしこ氏、「産経」9月1日付)と、本音があからさまに語られています。
「河野談話」を攻撃するキャンべーンは、これまでも繰り返し行われてきました。それがどのような特徴をもっているのか、歴史の真実と国際的道理に照らしていかに成り立たない議論であるかについては、すでに日本共産党の志位和夫委員長が今年3月14日に発表した見解「歴史の偽造は許されない-『河野談話』と日本軍『慰安婦』問題の真実」(以下、「志位見解」)で全面的に明らかにされています。「志位見解」は、「河野談話」の作成過程と、日本の司法による事実認定の両面から、「談話」の真実性を明らかにしつつ、「河野談話」否定論について、「歴史を偽造し、日本軍『慰安婦』問題という重大な戦争犯罪をおかした勢力を免罪しようというものにはかなりません」と批判しました。
ここでは、「志位見解」を踏まえて、「吉田証言」取り消しに乗じた「河野談話」攻撃に反論するとともに、それを通じて日本軍「慰安婦」問題の核心がどこにあるのかを、改めて明らかにするものです。
「河野談話」は「吉田証言」を根拠にせずー 作成当事者が証言
第一に、「河野談話」否定派は、「吉田証言が崩れたので河野談話の根拠は崩れた」などといっていますが、「河野談話」は、「吉田証言」なるものをまったく根拠にしていないということです。
「吉田証言」とは、1942年から3年間、「山口県労務報国会」の動員部長を務めたとする吉田氏が、1943年5月に西部軍の命令書を受けて、韓国・済川島で暴力的に若い女性を強制連行し、「慰安婦」とした(いわゆる「慰安婦狩り」)とする「証言」です。この「証言」は、1982年に「朝日」が初めて報じて以来、同紙が16回にわたって取り上げ、「慰安婦」問題が政治問題に浮上した90年代前半には他の全国紙も連載企画や一般の報道記事のなかで伝えました。「しんぶん赤旗」は92年から93年にかけて、吉田氏の「証言」や著書を3回とりあげました。
この「吉田証言」については、秦郁彦氏(歴史研究家)が92年に現地を調査し、これを否定する証言しかでてこなかったことを明らかにしましたく「産経」92年4月30日付)。また、「慰安婦」問題に取り組んできた吉見義明中央大教授は、93年5月に吉田氏と面談し、反論や資料の公開を求めましたが、吉田氏が応じず、「回想には日時や場所を変えた場合もある」とのべたことなどから、「吉田さんのこの回想は証言としては使えないと確認する」(『「従軍慰安婦」をめぐる30のウノと真実』97年6月出版)としました。
「吉田証言」の信びょう性に疑義があるとの見方が専門家の間で強まり、一方で元「慰安婦」の実名での告発や政府関係資料の公開などによって、「慰安婦」問題の実態が次々に明らかになるなかで、日本軍「慰安婦」問題の真相究明のうえで、「吉田証言」自身が問題にされない状況がうまれていたのです。
そうした状況のなかで、93年8月に発表された「河野談話」は、その作成の過程で、「吉田証言」をどのように扱ったのでしょうか。問題の核心はここにあります。この点で、9月11日に放映されたテレビ朝日系「報道ステーション」の「慰安婦」問題検証特集は、当時、官房副長官として「河野談話」作成に直接かかわった石原信雄氏の注目すべき証言を紹介しました。
そこで石原氏は、「吉田証言」について「あれはこう、なんていうか、眉唾(まゆつば)もんだというふうな議論はしていましたね、当時から」とのべ、日本政府として「吉田証言」をはなから問題にしていなかったことを明らかにしました。
そのうえで石原氏は、「吉田証言をベースにして韓国側と議論したということは、私はありません」「繰り返し申しますが、河野談話の作成の過程で吉田証言を直接根拠にして強制性を認定したものではない」と明言しました。
実際、当時,日本政府は吉田氏をヒアリングの対象にしましたが、証言は採用しませんでした。番組では、当時調査にあたった担当者に取材し、
「私たちは吉田さんに実際会いました。しかし、信びょう性がなく、とても話にならないと。まったく相手にしませんでした」という証言も紹介しています。
石原氏が断言するように、「河野談話」はもともと「吉田証言」を根拠にしていないのですから、「吉田証言が崩れたから河野談話の根拠もなくなったJなどという議論は成り立つ余地などないのです。
元「慰安婦」の証言から強制性を認定―「河野談話」の正当性は揺るがない
それでは、「河野談話」は、何をもって、「慰安婦」とされた過程に強制性があったと認定したのでしょうか。その点で、前出の石原元官房副長官が、同じテレビ番組で、元「慰安婦」の証言によって、「慰安婦」とされた過程での強制性を認定したとあらためて証言したことは重要です。
石原氏は、強制的に「慰安婦」とされたことを立証する日本側の公文書が見つからなかったもとで、韓国の16人の元「慰安婦」からの聞き取り調査をした経過を次のように説明しました。
「政府としては、その(女性の)意に反する形で慰安婦を募集したということがあったのかないのか、これは非常に重大な問題ですから、再度全省庁を督励して当時の戦中の資料の発掘調査を行った」
「慰安所の運営につきまして深く政府が関わっておった」「輸送について安全を図ってほしいとか、あるいは慰安所の運営について衛生管理あるいは治安の維持をしっかり頼むという趣旨の文書は出てきた」
「(募集にあたっての強制性を裏付ける資料は出てこなかったため)当事者(元『慰安婦』)の話を聞いて、その話の心証から、強制位の有無を判定することが必要だと決断した」
そして、石原氏は、元「慰安婦」からの聞き取りを行った結果、「募集の過程で、かなり強引な募集が行われたことがあったようです。結果的に脅かされたとか、だまされたとか、あるいは当時の官憲ですね、まあ巡査なんかが関わってかなり強制的に慰安婦に応募させられたという人がいることが証言から否定できないということになりました」と明らかにしています。
今年3月の「志位見解」は、「河野談話」作成にいたる経過を検証し、強制的に「慰安婦」にされたことを立証する日本側の公文書がみつからないもとで、強制位を検証するために元「慰安婦」の聞き取り調査を行い、他の証言記録や資料も参照したうえで、日本政府が「慰安所」における強制使役とともに、「慰安婦」とされた過程にも強制位があったことは間違いないという判断をするに至ったことを、当時の河野官房長官らの証言によって明らかにしました。そのことが、当時、官房副長官だった石原氏の証言によってあらためて裏付けられたのです。
「志位見解」が明らかにしているように、そもそも強制的に「慰安婦」とされたことを立証する日本側の公文書が見つからなかったことは、不思議でもなんでもありません。当時から、拉致や誘拐などの行為は、国内法でも国際法でも明々白々な犯罪行為でしたから、それを命令する公文書などを作成するはずがないからです。また、日本政府と軍は敗戦を迎える中で、みずからの戦争責任を回避するため重要文書を焼却し証拠隠滅をはかったとされています。
被害者の証言は「被害者でなければ語りえない経験」(河野氏)であり、もっとも重要な証拠です。それに基づいて「河野談話」が、「慰安婦」とされる過程で強制性が存在したと認定したことは公正で正当なものでした。
「河野談話」の正当性は、いささかも揺るがないものであることは、これらの経過に照らしても明らかです。
日本軍「慰安婦」問題の本質を覆い隠す、問題の二重の燥小化は通用しない
「河野談話」否定派による、「吉田証言が虚偽だったので河野談話は崩れた」とする議論の根本には、「『強制連行の有無』が慰安婦問題の本質である」(「読売」8月6日付社説)と、「慰安婦」問題を「強制連行」の有無に矮小(わいしょう)化することで、その全体像と本質を覆い隠そうという立場があります。
「河野談話」が認定した事実は、① 日本軍「慰安所」と「慰安婦」の存在、②「慰安所」の設置、管理等への軍の関与、③「慰安婦」とされる過程が「本人たちの意思に反して」いた=強制性があったこと、④「慰安所」における強制位=強制使役の下におかれたこと、⑤ 日本を別にすれば、多数が日本の植民地の朝鮮半島出身者だった。募集、移送、管理等は「本人たちの意思に反して行われた」=強制性があったことーの5点です。
このうち「談話」否定派が否定しようとしているのは、「もっぱら第3の事実ー「慰安婦』とされる過程が『本人たちの意思に反していた』-強制性があったという一点にしぼられています」(「志位見解」)。
ここには、日本軍「慰安婦」問題の二重の燥小化があります。
第一に、「河野談話」否定派は、「慰安所」における強制使役=性奴隷状憶とされたという事実を無視して、「慰安婦」とされた過程で「強制連行」があったかなかったかだけに、問題を倭小化しています。こうした攻撃の手口そのものが、日本軍「慰安婦」問題の本質をとらえない、一面的なものであることは、すでに「志位見解」が次のようにさびしく批判しています。
「女性たちがどんな形で来たにせよ、それがかりに本人の意思で来たにせよ、強制で連れて来られたにせよ、ひとたび日本軍『慰安所』に入れば監禁拘束され強制使役の下におかれたー
自由のない生活を強いられ、強制的に兵士の性の相手をさせられた――性奴隷状態とされたという事実は、多数の被害者の証言とともに、旧日本軍の公文書などに照らしても動かすことができない事実です。それは、『河野談話』が、『慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった』と認めている通りのものでした。この事実に対しては、『河野談話』見直し派は、口を閉ざし、語ろうとしません。しかし、この事実こそ、『軍性奴隷制』として世界からきびしく批判されている、日本軍『慰安婦』制度の最大の問題であることを、まず強調しなくてはなりません」
第二は、そのうえで、「河野談話」否定派は、「慰安婦」とされた過程における強制性についても、「官憲による人さらいのような強制連行」があったか否かに問題を倭小化しています。
安倍首相は「家に乗り込んでいって強引に連れて行ったのか」(衆議院予算委員会、2006年10月6日)どうかを問題にして、そんな事例はないと繰り返してきました。首相は、「人さらい」のような「強制連行」だけをことさらに問題にしますが、甘言やだまし、脅迫や人身売買などによって「慰安婦」とされた場合は、問題がないとでもいうつもりでしょうか。「人さらい」のようなものでなくても、「慰安婦」とされた過程に「本人たちの意思に反した」強制があったかどうかが問題なのです。この点で強制位が働いていたという事実は、「河野談話」が明瞭に認定している通りです。
くわえて、「人さらい」のような「強制連行」もあったことは、インドネシア(当時オランダ領東インド)のスマランや中国南部の桂林での事件などでも明確であること、「軍や官憲による強制連行を直接示す記述はなかった」とする第1次安倍政権時代の政府答弁書は事実と違うことは、すでに「志位見解」で詳しくのべている通りです。
日本軍「慰安婦」問題の本質を覆い隠す、「河野談話」否定派による問題の二重の倭小化は、到底通用するものではありません。
「河野談話」否定派の議論は、国際社会では到底通用しない
国際社会が問題にしているのは、すでにのべた日本軍「慰安婦」問題の最大の問題―女性の人権を無視し、じゆうりんした、「慰安所」における強制使役=性奴隷制度にはかなりません。これまでに、米国下院、オランダ下院、カナダ下院、欧州議会、韓国国会、台湾立法院、フィリピン下院外交委員会と、七つの国・地域の議会から日本政府に対する抗議や勧告の決議があげられていますが、そのいずれもが問題にしているのは、「強制連行」の有無ではありません。軍(政府)による「慰安所」における強制使役=性奴隷制度こそが、国際社会からきびしく批判されている問題の核心なのです。
たとえば、2007年7月に米下院で採択された対日謝罪要求決議は、「河野談話」を弱めたり、撤回させようとする動きを非難し、「(日本政府は)世界に『慰安婦』として知られる若い女性たちに性的奴隷制を強いた日本皇軍の強制行為について、明確かつ曖昧さのない形で、歴史的責任を公式に認め、謝罪し、受け入れるべきである」と求めています。
「朝日」が「吉田証言」を取り消したからといって、この国際的立場はまったく変わるものではありません。英誌『エコノミスト』8月30日号は「『朝日』は済州島の件で間違ったのだろうが、戦時中、女性たちに売春を強制した日本の責任は疑いない」と指摘。同じく英紙のフィナンシャル・タイムズ(8月15日付)も、「日本の保守派の一部は、兵士や当局者が直接女性たちを力で狩り集めたかどうかの問題に焦点をあて、そうでなかったなら日本には責任がないと主張している。しかし、これは醜い言い訳だ」とする慶応大の小熊英二氏のコメン
トを紹介しています。
日本軍「慰安婦」問題の核心である軍「慰安所」における強制使役=性奴隷状態とされたことを無視し、「慰安婦」とされた過程における強制性も「強制連行」だけに倭小化する「河野談話」否定派の議論は、国際的にも到底通用するものではありません。
それは、「慰安婦」問題の本質と実態を隠し、重大な戦争犯罪を行った勢力を免罪するものにはかなりません。
「河野談話」攻撃の「論拠」が覆るもとでの悪あがき
「吉田証言」取り消しに乗じた「河野談話」攻撃は、みてきたように、実体的な根拠がないばかりか、国際的な道理ももたないものです。
経過を振り返ると、「河野談話」否定派は、「談話」が出た直後から、歴史的事実や被害者の証言も無視して、「河野談話」を"日本の名誉をおとしめるもの"などと攻撃してきました。2012年に第2次安倍政権が誕生すると「河野談話」否定派は勢いづき、今年2月20日には衆議院予算委員会で日本維新の会(当時)議員が「河野談話」見直しを求める質問を行い、同月28日には政府として「河野談話検証チーム」を発足させて作成過程を検討する事態にまでなりました。
こうしたなか、3月14日には、「河野談話」見直し論への徹底反論を通じて、「慰安婦」問題の真実を明らかにした「志位見解」が発表されます。その後にこの「見解」に対して「談話」否定派からの反論はいっさいありませんでした。
さらに、6月20日には政府による「河野談話検証チーム」が、検証結果を報告しますが、これを受け政府は「河野談話の継承」を表明せざるをえませんでした。政府自身が「河野談話の継承」を表明したことで、「談話」否定派は、その足場を失うことになりました。そこに飛び出したのが「朝日」の「吉田証言」取り消しです。「談話」否定派は、これに飛びついて、起死回生の大キャンペーンを開始しました。しかし、「河野談話」を否定する大キャンペーンは、国内外で矛盾をいっそう深めることにしかなりません。
すでに、「志位見解」は、元「慰安婦」らが日本政府に謝罪と賠償を求めた裁判では、①八つの判決での被害者35人全員について、強制的に「慰安婦」にされたとの事実認定がなされていること、②「慰安所」での生活は文字通りの「性奴隷」としての悲惨極まるものだったことを、35人の一人ひとりについて、具体的に事実認定されていることを、明らかにしています。そして、こうした強制が国家的犯罪として断罪されるべき反人道的行為であることを「極めて反人道的かつ改悪な行為」「ナチスの蛮行にも準ずべき重大な人権侵害」などの峻烈(しゅんれつ)な言葉で告発していることを示しています。
「河野談話J否定派がどんなに事実をねじ曲げようとしても、加害国日本の司法によって認定された事実の重みを否定することは決してできません。
「河野談話」否定派がいま行っているキャンペーンは、自らの攻撃の「論拠」が根底から覆されるもとでの、悪あがきにすぎません。歴史を偽造するものは誰か。すでに答えはあまりにも明らかです。
安倍政権、一部メディアの姿勢が厳しく問われている
最後に指摘しておきたいのは、安倍政権が、「河野談話」攻撃に一切反論しないどころか、同調さえするという態度をとっていることです。
安倍政権は「河野談話」を継承するとの態度を繰り返し表明し、検証チームの結論も受けて、「河野談話の継承」を明確にしたはずです。ところが、「朝日」報道をきっかけに「河野談話」攻撃が強められているのに、それにいっさい反論していません。これは、政府としての重大な責任放棄といわなければなりません。
安倍首相は9月14日のNHK番組で朝日新聞に対し「世界に向かって取り消していくことが求められている」としたうえで、「事実ではないと国際的に明らかにすることを、われわれも考えなければならない」などとのべています。首相は、一体何を「取り消せ」というのでしょうか。「吉田証言」が虚偽であったことにかこつけて、日本軍「慰安婦」制度が「性奴隷制」であったこと、「慰安婦」とされた過程に強制位があったことを、「取り消せ」というのでしょうか。そうであるとするならば、「河野談話の継承」といいながら、「河野談話」否定の立場に自らの身を置く、不誠実な二枚舌といわねばなりません。
安倍政権が、「河野談話」否定論に毅然(きぜん)とした態度をとらず、同調する態度をとるならば、国際的信頼をさらに大きく損なうことは避けられないことを、私たちは強く警告しなければなりません。
「河野談話」攻撃こ象徴される歴史偽造のキャンペーンに、日本の言論機関、大手メディアの一部がかかわっていることも重大です。戦前の侵略戦争に対して、現在の全国紙の前身である新開各社は、その片棒をかつぎ、「蒙古は日本の生命線」とする議論をあおり、はては「大本営発表」を垂れ流すことで国民を侵略戦争に駆り立てました。今日のメディア状況をこの時代と重ねあわせ、深い憂慮を抱く人は少なくありません。
歴史偽造の逆流を決して許さない
「しんぶん赤旗」は、日本の良心を代表する新聞の一つとして、そうした心ある人々とともに歴史偽造の逆流を決して許さないたたかいに全力をあげるものです。そして、日本社会の一部に生まれている排外主義の風潮を許さず、女性の尊厳、人間の尊厳が守られる日本社会をつくるうえでも、歴史の真実を広く国民の共通認識にしていくために努力を続けるものです。
資料
慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話/1993年8月4日
いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。
今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多(あまた)の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫(わ)びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
なお、本問題については、本邦において訴訟が握起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。
(外務省ホームページから)
日本の司法による事実認定―「河野談話」の真実性は歴史によって検証された/「志位見解」から抜粋
各国の元「慰安婦」が、日本政府を被告として謝罪と賠償を求めた裁判で認定された事実について、「志位見解」は、つぎのようにまとめています。
◇
一連の判決は、「各自の事実経過」として、元「慰安婦」が被った被害について、一人ひとりについて詳細な事実認定をおこなっています。
八つの裁判の判決で、被害を事実認定されている女性は35人にのぼります。内訳は韓国人10人、中国人24人、オランダ人1人です。一人ひとりの被害に関する事実認定は、読み通すことに大きな苦痛を感じる、たいへん残酷かつ悲惨な、生なましい事実が列挙されています。その特徴点をまとめると、以下のことが確認できます。
(1)35人の被害者全員が強制的に「慰安婦」にさせられたと事実認定した
八つの裁判の判決では、35人全員について、「慰安婦」とされた過程が「その意に反していた」=強制性があったことを認定しています。「慰安婦」とされた年齢については、裁判記録で確認できるものだけでも、35人のうち26人が10代の未成年でした。
韓国人の被害者のケース。甘言など詐欺によるものとともに、強圧をもちいての強制的な連行の事実が認定されています。たとえば、「アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求訴訟」の東京高裁判決(2003年7月22日)、「釜山『従軍慰安婦』・女子勤労挺身隊公式謝罪等請求訴訟」の広島高裁判決(2001年3月29日)で認定された個々の被害事実のうち、4名のケースについて示すことにします。(()内は引用者)。
〇「帰宅する途中、釜山駅近くの路地で日本人と朝鮮人の男性二人に呼び止められ、『倉敷の軍服工場にお金を稼ぎに行かないか。』と言われ、承諾もしないうちに、船に押し乗せられてラバウルに連行された」。
〇「『日本人の紹介するいい働き口がある』と聞いて行ったところ、日本人と朝鮮人に、芙江から京城、天津を経て(中国各地の慰安所に)連れて行かれた」。
〇「日本人と朝鮮人が来て、『日本の工場こ働きに行けば、1年もすれば嫁入り支度もできる。』と持ちかけられ、断ったものの、強制的にラングーンに連れて行かれ、慰安所に入れられ(た)」。
〇「日本人と朝鮮人の青年から『金儲(もう)けができる仕事があるからついてこないか。』と誘われて、これに応じたところ、釜山から船と汽車で上海まで連れて行かれ、窓のない三〇ぐらいの小さな部屋に区切られた『陸軍部隊慰安所』という看板が掲げられた長屋の一室に入れられた」。
中国人の被害者のケース。そのすべてについて、日本軍人による暴力を用いての文字通りの強制連行が認定されています。「中国人『慰安婦』損害賠償請求訴訟(第一次)」の東京高裁判決(2004年12月15日)が認定した4名の被害事実について示すことにします。
〇「日本軍兵士によって自宅から日本軍の駐屯地のあった進圭村に拉致・連行され、駐屯地内のヤオドン(岩山の横穴を利用した住居。転じて、横穴を穿(うが)ったものではなく、煉瓦(れんが)や石を積み重ねて造った建物も指す。)に監禁された」。
〇「3人の中国人と3人の武装した日本軍兵士らによって無理やり自宅から連れ出され、銃底で左肩を強打されたり、後ろ手に両手を縛られるなどして抵抗を排除された上、進圭村にある日本軍駐屯地に拉致・連行され、ヤオドンの中に監禁された」。
O
〇「日本軍が襲い、…銃底で左腕を殴られたり、後ろ手に縛られたりして進圭村に連行され、一軒の民家に監禁された」。
〇「日本軍兵士によって強制的に進圭村の日本軍駐屯地に拉致・連行され、日本軍兵士などから『夫の居場所を吐け』などと尋問されたり、何回も殴打されるなどした上、ヤオドンの中に監禁され(た)」。
(2)「慰安所」での生活は、文字通りの「性奴隷」としての悲惨極まるものだった
被害者の女性たちが、「慰安所」に入れられた後の生活は、一切の自由を奪われる状況のもとで、連日にわたって多数の軍人相手の性行為を強要されるという、文字通りの「性奴隷」としての悲惨極まりないものだったことが、35人の一人ひとりについて、具体的に事実認定されています。「慰安所」での生活は、性行為の強要だけでなく、殴打など野蛮な暴力のもとにおかれていたことも、明らかにされています。
(2014年09月27日,「赤旗」)
[ニューヨーク、ソウル-時事】岸田文雄外相は25日午後(日本時間26日午前)、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相と米ニューヨークの国連本部で会談しました。ただ、慰安婦問題をめぐる双方の溝は埋まらず、日本が模索する今秋の国際会議の際の首脳会談開催では合意できませんでした。
岸田氏は会談で、慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めて謝罪した河野洋平官房長官談話について「継承し、見直すことはない」と強調。「この間題は双方が努力していく必要がある」と韓国側にも努力を促しました。
韓国外務省によると、尹氏は「関係改善には、慰安婦問題など歴史の傷を癒やすための(日本側の)誠意ある努力が先行する必要がある」と指摘。河野談話の検証や朝日新聞が慰安婦報道の一部を誤報と認めたことなどが関係改善に影響しかねないとの懸念も示しました。
(2014年09月27日,「赤旗」)
西村真悟衆院議員と元航空幕僚長の田母神俊雄氏は25日、2012年に石原慎太郎元東京都知事らが立ち上げ、1週間もたたずに日本維新の会に合流し休眠状態にあった「太陽の党」を継承すると発表しました。代表に西村氏、代表幹事・国民運動本部長に田母神氏が就きます。会見で西村氏は「誇りある日本の再興をめざす」とのべ、国軍の創設や東京裁判史観からの脱却などに関して国民運動を展開していく考えを表明しました。
西村氏は13年5月,「大阪の繁華街で韓国人に『慰安婦』と言ったらいい」などと暴言を吐き、日本維新の会を除名された人物。「独自に核抑止力を持つべきだ」と主張する核武装論者です。
田母神氏は戦前の中国侵略を否定した論文を執筆し、空第・長を更迭された経歴を持ちます。
(2014年09月26日,「赤旗」)
中央教育審議会の分科会で24日、了承された「道徳の教科化」で何がねらわれているのでしょうか。
安倍晋三首相はこれまで教育基本法改悪(2006年)で教育の目的に「愛国心」や「公共の精神」が書き込まれたことをあげて、「いじめなんかしちやいけないということを『規範意識』として教えていくことが大切だ。『日本人としてのアイデンティティー(帰属意識)』をしっかりと確立していくことも大切だ」(2月3日、衆院予算委)と表明してきました。
市民道徳の教育が重要なことはいうまでもありません。しかし、それは国家が特定の価値観を押し付けるものではなく、国民一人ひとりが主体的に考え、選び取っていくべきものです。憲法で定める思想・良心の自由を国が侵すことは許されません。
国家が考え強制
ところが、「道徳の教科化」によって国が道徳の内容を決め、教科書に書いて教えさせ、身に付いたかどうか心の中まで評価しようというのです。天皇が教育勅語で「道徳」の内容を定め、「修身」などで教え込み、子どもたちを戦争に駆り立てた戦前の軍国主義教育をほうふつさせます。下村博文文部科学相が、教育勅語の「中身はまっとうなことが書かれている」と美化したことに示されています。
呼応するように過去の侵略戦争を肯定・美化する「靖国派」は昨年、『はじめての道徳教科書』(育鵬社)を発行。「歴史的に受けつがれた日本人の心」を教えると打ち出しました。今年6月には、下村氏が会長、安倍首相が最高顧問を務める「人格教養教育推進議連」が自民、民主、公明、維新など70人で発足。「規範形成教育の再興」を主要な柱に掲げました。市民社会の道徳ではなく、戦前の「修身」に近づく方向です。
いじめは「規範意識」を教え込めばなくなるものではありません。滋賀県大津市のいじめに関する第三者委員会の報告書でも「道徳教育の限界」を指摘し、背景にある「競争原理と効率」を求める社会のあり方や「競争教育」の問題を指摘しています。ところが安倍内閣は、全国学力テスト実施と学校別ランキング結果の公表容認など競争主義をいっそう助長しようとしています。
ゆがんだ愛国心
「日本人のアイデンティティー」に関して安倍首相がねらっているのも、日本軍「慰安婦」の否定など侵略戦争美化のゆがんだ愛国心の押し付けです。
昨年策定した「国家安全保障戦略」では、日米同盟強化のために「我が国と郷土を愛する心を養う」と明記。
「慰安婦」問題などで政府見解に従うように教科書検定基準と検定制度を改悪し、ゆがんだ愛国心を子どもたちに押し付ける体制を確立しました。
すでに安倍内閣は、「私たちの道徳」という国定の教材を作成して全ての児童・生徒に配布し、使用するよう求めています。道徳教科化が実施されれば、検定教科書ができるまではこれが国定教科書となって、児童・生徒に公然と押し付けられることになるのです。
学校だけではありません。自民党の山谷えり子参院議員(現国家公安委員長)は3月の国会質問で、図書館・公民館での閲覧や市販など活用を要求。下村文科相は積極的活用を表明し、フェイスブックで「子どもが家に持ち帰っているか調べて」と呼びかけ、教育に対する支配介入だと大問題になりました。
「戦争する国づくり」に向けて国民の思想統制をはかる「道徳の教科化」は、憲法にもとづく市民道徳や他民族蔑視でない愛国心など国民が求める道徳教育と相いれません。
(深山直人)
(2014年09月25日,「赤旗」)
日本兵に捕まり、閉じ込められ…
中国の広西チワン族自治区桂林市の郊外に旧日本軍が「慰安所」として使った建物が残されています。この慰安所で旧日本軍が引き起こした一つの悲劇が、ある親子を70年近く苦しめ続けています。(桂林(中国広酉チワン族自治区)-小林拓也)
山水画のような美しい景色で知られ、観光地として人気が高い桂林の中心部から南へ80㌔ほどの場所にある桂林市零浦(れいほ)県の馬嶺鎮に元慰安所の建物があります。
面積約100平方㍍二の2階建てで、外側の黄色い壁は黒ずんでいました。1階と2階にそれぞれ5部屋ありますが、いまは使われておらず荒れ果てたままです。
建物の南東と北西にトーチカがあり、銃を撃つ穴が残っています。この場所が軍隊に使われていたことを物語っています。県政府は建物を調査・改修し、来年中に記念館として一般公開する方針です。
元慰安所近くに住む陳治林さん(86)は「日本軍が使っていた建物の中に、何人もの若い女性がいるのを見た」と当時の様子を語ります。
父親に嫌われ
旧日本軍は1944年から約50万の兵力を投入し、中国の河南省から湖南省、広西チワン族自治区を占領する「大陸打通作戦」を展開。地元メディアによると、日本軍は44年11月から45年7月まで8カ月にわたり零浦県を占領しました。
その間、6600人を殺害。地元の女性を捕まえては強制的に「慰安婦」とし、その人権を踏みにじりました。
当時、すでに結婚していた韋紹蘭さん(90)はその一人です。44年11月、日本兵にこの慰安所へ閉じ込められ、毎日のように強姦(ごうかん)されました。3カ月後のある日、監視が緩んだすきにトイレの窓から逃げ、まる2日歩いて夫の待つ自宅にたどり着きました。
喜んだのもつかの間、韋さんが慰安所で妊娠させられていたことが発覚。45年8月に息子の羅善学さん(69)を産みました。しかし夫は、日本兵の子どもだと羅さんをきらい、後に生まれた妹、弟とは差別して教育も受けさせず、けがをしても病院に連れて行きませんでした。
東京で告発も
羅さんは左足が不自由で右目が見えません。「日本兵の子ども」と侮辱され、結婚もできませんでした。妹と弟は結婚して独立。今は韋さんと親子2人で暮らしています。
韋さんは今年7月、バイクと接触して転んで以来、急激に心身が衰えています。意識がぼんやりとして、受け答えもできなくなりました。食事の量も減り、体も細くなってきました。
韋さんと羅さんの親子は2010年12月、東京で開かれた国際シンポジウムで証言し、「日本政府に謝罪してほしい」と訴えたこともあります。桂林郊外の農村で、日本政府の謝罪を待つこの親子に残された時間は決して長くありません。
(2014年09月23日,「赤旗」)
東京大学などで教壇に立った故・川田侃氏が、日本初の国際関係論の教科書「国際関係概論」を出版したのは1958年。国連加盟から2年後です▼川田氏は後年、アジア・太平洋戦争中に出征した中国戦線で「盗賊の一団に成り下がった日本軍の兵士」を目撃したと告白。国際関係論を志した理由をr若いころのささやかな戦争体験にもとづいている」と述懐しました。「国際関係概論」は反戦の教科書でした▼ 日本共産党が提唱する「北東アジア平和協力構想」も、日本と近隣国の友好・協力のために「侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる」として、「慰安婦」問題などの早期解決を主張しています▼
日韓の国交を正常化した65年の日韓基本条約は、両国関係の原則の一つに「両国民間の関係の歴史的背景」を明記。しかし当時は議題にならなかった日本軍「慰安婦」問題がいま、「両国民間の関係」を大きく傷つけています▼先週訪韓した日本共産党の笠井亮衆院諸員が元「慰安婦」や与野党幹部らと懇談。国交正常化50周年となる来年を「心通う新たな友好の一歩にしよう」と語り合いました。韓国側が重視するのは、日本政府が93年に発表した河野談話です。談話は「慰安婦」問題でお詫びと反省、真実の直視、歴史教育を約束しました▼安倍政権も〝河野談話を継承する〟と言う以上、その実践が問題解決の鍵となるはずです。「お金がほしいのではない。明確な謝罪があれば安らかに死ねる」。「慰安婦」だった金福童さんの言葉です。
(2014年09月23日,「赤旗」)
日本民間放送連盟は18日、今年度の民放連賞を発表しました。最優秀賞はテレビ報道が琉球放送の「戦場のうた元"慰安婦"の胸痛む現実と歴史」、同教養が信越放送の「刻印~不都合な史実を誇り継ぐ」。
その他の最優秀賞は次の通り。
【テレビ】エンターティンメント「人間神様」(長崎放送)▽ドラマ「Woman」(日本テレビ)
【ラジオ】報道「ダウン症は不幸ですか?新型出生前診断スタートから1年ダウン症への思い」(朝日放送)▽教養「看取りのカタチ」(CBCラジオ)▽エンターテインメント「風の男BUZAEMON」(南海放送)
(2014年09月22日,「赤旗」)
女性活躍・地方創生…を金看板に第2次安倍改造政権は喧伝(けんでん)していますが、お寒い現実を覆い隠す世論誘導でしかありません。
「女性就業率、OECD34カ国中24位」(雇用アウトルック2013)―トップのスウェーデン82・9%など北欧諸国に遠く及ばぬ69・2%。OECDから「女性活用のために政府が質の高い保育サービス提供と長時間労働の削減を急ぐべき」だと勧告されていたのです。
一方、「自治体、2040年に半数消滅の恐れ人口減で存続厳しく」(「日経」5月8日)と、3・11被災地はじめ、地方の経済・財政や生活基盤が危機に陥っています。
民間の「日本創成会議」推計によると、2040年に「全体の49・8%にあたる896市区町村が消滅」「523市区町村が人口1万人未満になり、存続が厳しくなる」と。
こうした地域崩壊、生活基盤の危機を長年放置し、助長してきたのが、歴代自民党政権です。
にもかかわらず、安倍政権は、消費税増税、雇用破壊、原発再稼働、集団的自衛権の行使容認、辺野古に新基地建設…民意とは真逆の政策を押し進めているのです。
こういう時こそ、新聞ジャーナリズムが一致団結して、権力の暴走を阻止すべきです。ところが、福島原発事故と従軍慰安婦報道での朝日新聞の「吉田調書」「吉田証言」誤報をめぐって、「読売」、「産経」などが「国益を損ねた」と、安倍政権のお先棒をかつぐようにバッシング。「産経」は、「廃刊せよ」との識者の講演を大きく伝えるなど、常軌を逸しています。
戦前、反骨のジャーナリスト・桐生悠々が寺内正毅内閣の暴政に対して「起(た)てよ全国の新聞紙!」(新愛知新聞社説)と論陣を張り、内閣総辞職に追い込みました(「東京」11日付社説)。いまこそ、政権の暴走を打ち破る新聞同士の連帯が求められているのです。
(あべ・ひろし=新聞ジャーナリスト)
(2014年09月21日,「赤旗」)
【ニューヨーク-時事】カナダ中部のウィニペグで19日、世界各地の人権侵害などについて展示・説明した「国立カナダ人権博物館」の開館式典が行われました。館内にはナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)やアフリカのルワンダ大虐殺などと並んで、旧日本軍の慰安婦制度が残虐行為の一つとして展示されています。
博物館の説明によると、慰安婦に関する展示は「沈黙を破って」と題したギャラリー内に設置。パネルで「慰安婦制度」を説明し、来館者は被害者女性のビデオ証言を見ることができます。
このギャラリーには中国系カナダ人のコミュニティーから200万㌦を超える寄付金が寄せられています。博物館のフイツツヘンリー広報担当は、展示物の選定について「すべての展示は、市民との協議や調査研究、専門家の助言、博物館の内部審査などを経て決められた」と述べました。博物館は27日から一般公開され、年間25万人の来訪者を見込んでいます。
(2014年09月21日,「赤旗」)
「今度こそ柳沢さんを県議に」。20日、日本共産党の笠井亮衆院議員を迎えた党大演説会が愛知県春日井市民会館で行われ、県議、市議選勝利へ熱気があふれました。主催は党尾中地区委員会。
柳沢けさみ県議候補(春日井市区)はリニア中央新幹線が春日井の亜炭鉱跡のど真ん中を通る危険などを指摘。「県議会は推進ばかり。県議になり中止を訴えます」と決意表明しました。
笠井氏は、沖縄、消費税、原発…どの問題を取っても安倍首相のやることは国民の願いと逆だと訴えました。訪問したばかりの韓国で保守の人の集まりに出席し、日本軍「慰安婦」問題を認め謝罪することを訴えると、一番の人気者になったと紹介。「大いに打って出て、春日井から躍進の扉を開こう」と呼びかけました。
宮地ゆたか、内田けん、伊藤けんじの3市議と原田ゆうじ市議候補が決意表明し、もとむら伸子参院選挙区候補があいさつしました。
(2014年09月21日.「赤旗」)
アジアの平和協力、核兵器のない世界をめざして
日本共産党の志位和夫委員長が19日、スリランカのコロンボで開催の第8回アジア政党国際会議で行った発言は次の通りです。
アジア政党国際会議と「アジアの共同体」への可能性
尊敬する議長、親愛な友人のみなさん。
私は、日本共産党を代表して、第8回アジア政党国際会議(lCAPP)の開催を歓迎し、アジア全域から参加された友人のみなさんに、心からの祝福と連帯を表明します。
私は、ここスリランカのコロンボで開かれる今回の総会のメーンテーマが「アジアの共同体の構築」とされていることに、歓迎の気持ちをのべるものです。
私たちのすむアジア大陸では、大局で見るならば、20世紀から21世紀にかけて、分断と敵対から平和と協力への歴史的転換の流れがおこっています。この大陸で生まれたアジア政党国際会議が、イデオロギーの違いを超え、アジアで活動するすべての政党に開かれたフォーラムとして発展し、対話と信頼康成、友好と協力、アジアと世界の平和秩序のために重要な役割を果たしていることそのものが、「アジアの共同体」への可能性を示すものであると、私は確信するものです。
私は、コロンボでの総会が、これまでの7回の総会の到達点を踏まえ、さらに新しい前進の一ページを刻むことを願いつつ、「アジアの平和協力、核兵器のない世界をめざして」というテーマで発言いたします。
「北東アジア平和協力構想」を提唱する
友人のみなさん。
「アジアの共同体」という問題を考えるさいに、すでにこの大陸の各地で、「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」の担い手として、さまざまな形で地域の平和協力の枠組みが形成・発展しつつあることは、重要です。
とりわけ私たちが大きな注目を寄せているのは、東南アジアの国ぐにの取り組みです。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げた東南アジア友好協力条約(TAC)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、東アジアサミット(EAS)、東南アジア非核地帯条約、南シナ海行動宣言(DOC)など、重層的な平和と安全保障の枠組みをつくりあげ、それを域外に広げています。
それは、軍事ブロックのように外部に仮想敵を設けず、地域のすべての国を迎え入れるとともに、アジアと世界に開かれた、平和の地域共同体となっています。徹底した対話と信頼醸成によって、「紛争を戦争にしない」―紛争の平和解決を実践しています。政治・社会体制の違い、経済の発展段階の違い、文明の違いを、互いに尊重しあい、「多様性のもとで共同の発展をはかる」という考え方に立っています。私は、ASEANの取り組みは、私たちが学ぶべき豊かな教訓を含む、未来あるものであると考えるものです。
この点で、私たちのすむ北東アジアには、さまざまな紛争と緊張の火種が存在しています。いかにしてこの地域に平和的環境を構築していくか。それは、北東アジアの国ぐににとって大きな課題であるということにとどまらず、アジア全体の平和と安定にとっても重要な課題となっているといえるでしょう。
さまざまな紛争問題に対して、「抑止力」の強化、軍事力増強で構えたらどうなるでしょう。相手も軍事力増強を加速することになります。そうなれば、「軍事対軍事」という危険な軍事的緊張の拡大と悪循環に陥ることになるでしょう。どんな問題も、道理に立った外交交渉による解決、平和的解決に徹することが重要であり、そのための枠組みを構築することが強く求められています。
日本共産党は、今年1月に開催した第26回党大会で、以下の目標と原則にたった、「北東アジア平和協力構想」を提唱しました。
―関係諸国を律する平和のルールとして、武力の行使の放棄、紛争の平和的解決、内政不干渉、信頼醸成のための効果的な対話と協力の促進などを定める北東アジア規模の「友好協力条約」の締結をめざす。
―北朝鮮問題について、「6カ国協議」の2005年9月の「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・ミサイル・拉致・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させる。
―この地域に存在する領土に関する紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹する。力による現状変更、武力の行使および威嚇など、紛争をエスカレートさせる行動を厳に慎み、国際法にのっとり、友好的な協議および交渉をつうじて紛争を解決する行動規範を結ぶことをめざす。
―北東アジアで友好と協力を発展させるうえで、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる。日本軍「慰安婦」問題など未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さない。
以上が、私たちの提案です。
平和、友好、協力、繁栄の「アジアの共同体」をめざして
友人のみなさん。
私たちの構想は、決して理想論ではありません。それは、ASEAN諸国による友好協力条約(TAC)のような平和の地域共同の枠組みを、北東アジアでも構築しようというものにほかなりません。
さらに、私たちは、東アジアの政府の中から、北東アジアの平和の地域共同をつくろうという提唱がなされていることに注目しています。韓国の朴槿恵大統領は、米国議会での演説で、「北東アジアの平和協力構想」を提起し、北東アジア全体で多国間対話のプロセスをすすめ、平和と協力のメカニズムを構築することを訴えました。インドネシア政府は、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを原則とする「インド・太平洋友好協力条約」の締結をよぴかけ、TACのような平和の地域共同の枠組みを,インド・太平洋全域に広げることを提唱しています。今年8月のASEAN外相会議の共同声明では、インドネシア政府のこの提案を歓迎するとの表明がされました。
これらは、わが党の提唱と重なり合うものです。私は、わが党が提唱する「北東アジア平和協力構想」の方向こそ、この地域に平和と安定をもたらす最も現実的かつ抜本的な方策であると確信しています。この構想をもって、関係各国の政府や政党と広く語り合い、その実現のために力をつくす決意を表明するものです。
提案されている「コロンボ宣言」案は、次のようにのべています。
「われわれは、ASEAN加盟国による友好協力条約(TAC)のような地域的な協力と統合の枠組み、南アジア地域協力連合(SAARC)、湾岸協力会議(GCC)、上海協力機構(SCO)の加盟諸国による、より緊密な一体化が、われわれの地域の他の部分でも形成され、これらが、最終的にはすべてを包摂する汎アジアレベルに適用されるというわれわれの希望を表明した」
私は、この提起を心から歓迎します。アジア大陸の各地域で、それぞれの実情に応じて、地域の平和協力の枠組みを構築・発展させ、やがてはそれを合流させて、平和、友好、協力、繁栄の「アジアの共同体」をめざそうではありませんか。
核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を世界に呼びかけよう
友人のみなさん。
私が、いま一つ、訴えたいのは、アジアと世界の平和と安定にとって深刻な脅威となっている核兵器の問題についてです。
来年、2015年は、広島と長崎に原爆が投下されてから70周年となります。5年ぶりに核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催される年ともなります。この年を、「核兵器のない世界」への決定的な転機の年とすることが強く求められています。
1945年8月、2発の原子爆弾は、広島と長崎という美しい二つの都市を言語に絶する地獄に変え、その年の末までに21万人の命が奪われ、かろうじて生き延びた人々も、放射能などによる病と心身の傷、健康不安など、今なお苦しみを強いられ続けています。この地獄を、世界のどこであれ再現させてはなりません。そのために、国際社会が責任ある行動をただちに開始することが必要です。
2010年のNPT再検討会議は、核保有国を含む全会一致で最終文書を採択し、「自国の核兵器の完全廃絶を実現するという核兵器国の明確な約束を再確認する」とともに、「核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう」ことを確認しました。さらに最終文書には、核兵器禁止条約の交渉を提案している潘基文国連事務総長の5項目提案に「注目する」ことが明記されました。この国際社会の一致した到達点を具体化し、実践に移すことが求められています。
さらにこの間、国際社会では、核兵器の非人道性、残虐性を追及し、その廃絶を求める流れが大きく発展しています。2013年10月、国連総会第1委員会で、「核兵器の人道上の影響に関する共同声明」が125カ国の連名で発表されました。この「声明」は、核兵器が「無差別的な破壊力」によって「人道的に受け入れがたい結果」をもたらすことを指摘し、「いかなる状況の下でも決してふたたび使われないことが人類の生存にとって利益」であるとし、それを「保証する唯一の道は、その全面廃絶である」と訴えています。核兵器の非人道性と残虐性は、被爆者を先頭とする日本の反核運動が一貫して訴えてきたことですが、これに国際社会があ
らためて注目したことは、たいへん重要な動きです。
私は、こうした国際社会の動きにてらして、「コロンボ宣言」案がつぎのようにのべていることは、きわめて積極的な意義をもつものだと考えます。
「われわれは、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会社で核兵器国によって合意された核兵器の廃絶という明白な約束を実施する必要を再び強調し、潘基文国連事務総長によって提案されているように、核兵器禁止条約についてのすみやかな交渉開始を呼びかけた」
私は、この提起を心から歓迎するものです。「核兵器のない世界」に進むためには、核兵器禁止条約一核兵器を全面的に禁止し、廃絶する条約の交渉をすみやかに開始することが不可欠です。それは、国連総会で3分の2以上の賛成で決議されている、国際社会の大多数の声となっています。この「コロンボ宣言」案が採択されるならば、「核兵器のない世界」をめざす国際社会の努力と各国諸国民の運動への大きな励ましになることは間違いないと、私は確信するものです。
これまでも、アジア政党国際会議は、「核兵器のない世界」の実現を、繰り返し呼びかけてきました。2009年の「アスクナ宣言」は、「あらゆる地域で核兵器のない世界を目標とすべきだ」と世界に呼びかけました.2010年の「プノンペン宣言」は、「核兵器禁止条約の交渉を支持する」ことを明記しました。これらの到達点をふまえ、このコロンボの地から、「核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始」を世界に向かって呼びかけようではありませんか。
私は、被爆国・日本で、戦後一質して核兵器廃絶のためにたたかいつづけてきた政党を代表して、「核兵器のない世界」への扉を開くために、知恵と力をつくすことを誓って、発言を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。
(2014年09月21日,「赤旗」) (Page/Top)
市内で開かれました。全体会で元NHKディレクターの池田恵理子氏(女たちの戦争と平和資
料館館長)が「公共放送と女性の人権~NHK籾井新会長と『慰安婦』問題など」と題して講演
し、会場いっぱいの1250人が熱心に聞き入りました。
主催者あいさつで、長沢やよい代表委員は「母親大会は『生命(いのち)を生みだす母親は、
生命を育て生命を守ることをのぞみます』のスローガンを掲げて始め、今回で60回目になる。
安倍政権の『戦争をする国づくり』を許さず、憲法が息づく社会めざし学び合い、共同の運動をしよう」と呼びかけました。
生活保護の引き下げ取り消しと国家賠償を求める「生存権裁判」の原告、消費税増税反対署
名に取り組む中小業者、環太平洋連携協定(TPP)加盟反対の運動をしている農家、来年の
核不拡散条約(NTP)再検討会議にむけ署名や宣伝に取り組む県原水協の女性ら各団体の
代表が報告しました。
大会は集団的自衛権反対、原発ゼロ、消費税増税反対を求める大会決議と、憲法を守り生
かす社会めざす共同の運動を呼びかけるアピールを採択しました。
全体会終了後、参加者は「安倍さん、戦争する国にしないで」「学校にクーラーを」などと書い
た横断幕を掲げ、繁華街をパレードしました。
全体会に先立ち、「憲法と女性の人権」をテーマにしたシンポジウムなど17分科会が開かれ
ました。
母親を自宅で介護している小暮真理子さん(61)は「子どもに母の世話を痛み参加した。来
年から介護保険制度が大きく変わる。母の症状が重くなると家族で世話するのは無理。安倍首相は自衛隊増強などに税金を使わず、特養老人ホーム増設など福祉や社会保障施策に使ってほしい」と語りました。
(2014年09月19日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-時事】韓国の尹炳世(ユン・ピョンセ)外相は18日付の韓国紙・中央日報に掲載さ
れたインタビューで、冷え込んでいる日韓関係について、「両国とも関係改善の意志が強いので、近く多くの動きがあるだろう。外相も年内に会う可能性が高い」と述べました。その上で、「首脳会談がないから全ての関係が良くないと言うのは言い過ぎだ」と語りました。
日韓は19日、慰安婦問題などを話し合う外務省局長級協議を開催。また、外務次官による
戦略対話の開催を調整しているほか、国連総会に合わせたダ外相と岸田文雄外相との協議も取り沙汰されています。
日韓首脳会談の実現には、「日本側が慰安婦問題で具体的な案を提示し、進展があることが
重要だ」と改めて強調しました。
また、朴槿恵(パク・クネ)政権の対日姿勢に関し、「安定かつ不可逆的な関係を築くために、
目標を低くした」と説明。「これまでの政権は最初に日本に誠意ある措置を取ったが、末期にはいつも(関係が)悪化した。歩みは遅くても方向性を定めて進みたい。戦略があるので辛抱強く見守ってほしい」と求めました。
(2014年09月19日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-面川誠】日本共産党の笠井亮衆院議員は16日から18日にかけてソウルの韓国国
会で、与野党の幹部らと懇淡しました。笠井氏と韓国与野党幹部らは、北東アジアの平和のためにも日韓国交正常化から50周年となる来年を"心通う新たな友好の一歩"にしようとの思いを語り合いました。
18日に懇談した与党・セヌリ党最高委員の李貞鉱(イ・ジョンヒョン)議員は、朝鮮王朝儀軌
(ぎき)返還の取り組み以来の旧知の間柄。笠井氏は、日本共産党が「北東アジア平和協力構
想」を提唱し、日本軍「慰安婦」などの歴史問題の解決を重視していることを紹介。李氏は、「私たちと同じ心で韓日友好と北東アジアの平和を実現しようとしていることに敬意を表する」と述べ、「来年を韓日関係の新しい始まりの年にしたい」と強調しました。
17日には国会女性家族委員会の兪承希(ユ・スンヒ)委員長(野党・新政治民主連合)と懇談。
笠井氏が「植民地支配の傷跡がいろんな形で韓国に残っていると思う」と述べたのに対して、兪氏は「正確な事実認識と教育が大事で、事実をわい曲しようとする人々がいることは残念だ」と語りました。
16日にはセヌリ党院内報道官の金賢淑(キム・ヒョンスク)議員と懇談し、歴史問題解決や北
東アジアの平和を目指した日韓議員交流について意見交換しました。
笠井氏は18日、元日本軍「慰安婦」が生活するソウル市内の施設「ウリチプ(わが家)」を訪問
しました。同施設は1990年代から「慰安婦」問題解決のために活動している韓国挺身(ていし
ん)隊問題対策協態会(挺対協)が運営しています。
笠井氏は元「慰安婦」の金福童(キム・ボクトン)さん(89)と懇談し、「みなさんが生きておられる間に『慰安婦』問題を解決しなければ、日本政府は永遠に解決の機会を逃しかねない。日韓間の心通う友好関係を築くためにも、今が大事だ」とし、一日も早い解決のために日本の国会で政府に強く求めていきたいと述べました。
金氏は「私たちはお金がほしくて解決を求めているのではない。日本政府が明確に謝罪すれ
ば、安らかになれる」と語りました。
(2014年09月19日,「赤旗」) (Page/Top)
新日本婦人の会大阪府本部(川本幹子会長)は16日、大阪市議会で9日に採択された「『慰
安婦問題』に関する適切な対応を求める意見書」の撤回を求める床田正勝議長あての申し入
れ文を提出しました。
同意見書は維新の会と自民党が共同提案し、賛成多数で可決したものです。朝日新聞が
「慰安婦」に関する一部の記事の誤りを認めたことに関連し、政府に「適切な対応」を要求。「正しい歴史認識」を周知するための広報の推進や、「河野談話」に代わる新たな官房長官談話の発表を求めています。
新婦人の申し入れ文では、今回の意見書は2010年10月に市議会で採択された「日本軍
『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」とは正反対のものだと指摘。朝日新聞が認めた吉田清治氏個人の証言の虚偽だけで、多くの資料や元「慰安婦」たちの証言を覆い隠せるものではないと意見書の歴史歪曲(わいきょく)の狙いを厳しく批判しています。
日韓関係を悪化させてきたのは、歴史をゆがめ加害の事実にふたをしてきた日本政府自身
の態度にはかならないと指摘。意見書は国際社会からいっそう孤立する危険な内容だと撤回を求めています。
(2014年09月18日,「赤旗」) (Page/Top)
9月18日は、戦前の日本が、1931年に中国への侵略(満州事変)を始めた歴史的な日です。
1945年8月15日にいたる戦争で、日本はアメリカに敗れただけではなく、中国との戦争に敗
れました。
今年は、第1次世界大戦から100年でもあり、西欧の政界や論壇では戦争とは何だったのか
というまじめな議論がされています。またヨーロッパでは今年、第2次世界大戦の死命を制したノルマンディー上陸作戦(44年6月)から70年で、6月6日には敗戦国ドイツも含め、勝者と敗者が現地で顔を合わせました。ウクライナ問題で緊張していたロシアのプーチン大統領ですらやってきました。
アジアでは、戦後70年となる来年の8月15日、日本の国民一人ひとりが自分の思いを確かめ
ると同時に、日本国としての立ち位置をいかに世界に示すのか、われわれの尊厳が問われて
います。その際、日本国憲法、とりわけ第9条を持っていることの意味をどうとらえるのかが問われます。
「裏口入学」の自覚
その中で、日本を外に向かって代表する安倍晋三首相は、集団的自衛権行使容認の「閣議
決定」を強行し、憲法第9条を攻撃しています。
自衛隊の創設から90年代以降の海外派兵など「解釈改憲」は、これまでもおこなわれてきま
した。しかし、これまでの自民党政権下では、内閣法制局がいろいろな論理を編み出し、「解釈改憲」で憲法の規範性を傷つける一方で、それ以上の拡大に歯止めをかけ、「海外での戦争」はしないという客観的な役割をもってきた。いわば、政府自身にも「裏口入学」だという自覚があったのです。
しかし今回は、9条を含めて憲法全体を"屈辱的な戦後のシンボルだからこれを排除する"
という立場に立って、憲法秩序を壊すことを、あからさまに看板に掲げて強行する点に本質的な違いがあります。その第一歩としていきなり中心点=9条に攻撃を集中している。この重大さを、私たちは十分認識しておく必要があります。
虚無主義者の政権
安倍首相は、改憲手続きを定めた96条を蹴散らすため「国民が直接決めるのだからその前
のハードルを下げよう」と言い、反論にぶつかると、国民主権を言わなくなる。立憲でも民主でもない。日本とアジア、世界の現在と未来に重大な意味をもつ決定であるにもかかわらず、非常に軽い言動を繰り返しています。政治家としての心棒がなく、日本を代表する人間として、戦後70年の節目にどんな世界をつくるのかの発信がない。いわばニヒリスト(虚無主義者)の政権です。
聞き手・中祖寅一
被害・加害体験の結晶手放さずにきた9条を意味あるものに運用する役割が
憲法第9条、とりわけ2項の戦力不保持と交戦権否認が成立した前提には、戦争と軍事による
途方もない国民の被害体験があり、それに加えてアジアの近隣諸国に対する加害体験があります。さらに二つの世界大戦を経て、国際平和を強く求める世界史的趨勢でもありました。
国民が広島・長崎での被爆も含め、被害・加害体験の結晶として手に入れ、それを今まで69
年間、手放さずにきた9条こそ、世界に対して胸を張って掲げられる日本のアイデンティティー(自己同一性)です。
9条2項で「戦力を保持しない」としていることに対しては、攻められたらどうするのかという「問い」が反9条の側から出されます。攻められることはない、絶対に安全だという論証はできません。絶対安全という論証ができないことを国是とし、それほどの決心を求めたのが9条です。他国から攻められることのない、外交をはじめその前提をみたす努力を要求しているのが9条なのです。
かつてドイツは、歴史修正ではない、むしろその反対に徹底した謝罪を天下に示しつつ、軍
事力を正式なものとする再軍備の道を進みました。私はその立場に立ちませんが、それはありうる選択肢ともいえる。
しかし、安倍首相は憲法修正と歴史修正を同時に進めています。歴史修正と憲法修正が重
なって出てくるのは、倫理的にも従うことのできない最悪の組み合わせです。
歴史修正は英語では「レグィジョニズム」(修正主義)ですが、フランス語では「ネガシオニズム」です。端的に「否定」「なかったことにする」という意味です。つまり「アウシュビッツはなかった」「南京事件はなかった」「その意に反する慰安婦の調達はなかった」という論法を批判する、「修正」よりはるかに辛らつな表現です。それをやる限り、集団的自衛権で結びつこうとする相手、米国の価値観とも相いれず、安倍首相自身がどうにもならない自己矛盾を抱えている。
さらに、そもそも首相が掲げる「戦後レジームからの脱却Jとは、ただ日本国憲法をなしにしようというにとどまらず、平和条約によって復帰したはずの戦後世界秩序を総否定するものです。
安倍首相は、「価値観を共有する」と恥じらいもなく言いますが、否定するものを共有するということで、それ自体が一種のアイデンティティー・クライシス(自己喪失の危機)です。
国民が憲法育てる
安倍首相が、偽善的にせよ「民主」の名において憲法破壊を強行する状況は、国民主権=
自己決定が、自己(国民)を助けるだけでなく自己を滅ぼす権利も含むという、緊張意識を国民に促しています。
新憲法施行記念童謡で「育てる役目は私たち」(仙台文学館収蔵『とうはくうたのほん』)という歌があり、「おい雲さん」「広い世界の友達に仲よくしようと云ってくれ」とうたっています。
戦後、新憲法に触れたときの朗らかなうれしさを素直に表現した歌ですが、その半面、国民が憲法を育て伸ばす役割を担うことの厳しさの点で甘さがあった。現在の政治状況の中で重要なのは、安倍首相にこのような政治を続けさせていいのかと国民自身が厳しく自問することです。
憲法を無視して政治を進める安倍流政治のもとで、立憲主義という言葉に注目が集まっています。私は1973年に研究者として初めてまとめた単行本のタイトルに「立憲主義」という言葉を意識的に使いました。当時は、革新自治体の全国的な広がりがあり、いい意味で民主が大いに元気だった時代です。
私は、「民主」の名のもとにおいても、権力は制限されるべきだということを、何度でも言わねばならないという考えでした。立憲主義が危機的状況にある現在、あたり前のことを、いっそう繰り返していかなければならないと思います。
蓄積の一つが9条
第1次大戦から100年を経て、戦争は明確に違法化され、植民地はなくなり、基本的人権の
保障が世界に広がりました。そういう大所では、人間の歴史は少しずつさまざまな蓄積をしています。その中で、日本が一つの意思を積み重ねるとしたらやはり9条です。
ひとりひとりの人間にとって、「個人の尊厳」が大事であるように、外へのメッセージでも、これがわれわれの尊厳がかかっているのだといえるものがなければ寂しいと思うのです。それが9条ではないのか。
何事によらず、自分が選び取った価値を、揺らぐことのない一つの線として持つ。その時、周
囲との摩擦は避けられませんが、一生のうち何度かは損得覚悟で、義理を欠くことも覚悟で決めなければならない、言わなければならないこともあります。そこで「決める」ことが個人の尊厳の根幹なのです。
日本が9条にもとづいて、海外で軍事力を自らが直接使ってはならないという、最低限度のコンセンサスをつい最近まで維持してきたことの意味は大きい。決して「形骸化」と単純化させてはならないのです。
9条を持たないドイツ、フランスは「この戦争はやるべきではない」としてイラク参戦を拒否しました。日本政府は、アメリカを応援したいが、9条があるから戦争はできないといいました。
この対比は、日本の国民世論の弱さを示すと同時に、それを補う9条の強さ、同時に、9条を
支える世論の強さを示したのです。
さらには、日本国民が9条を媒介としなくとも、一つ一つの戦争について外交的、経済的コストを覚悟しながら反対を貫けるかが本当の問題です。
日本にとって憲法という文化は、古い幕藩時代の歴史の中から直接につくりだしたものではなく・西欧をモデルとしたものです。しかし、「九条の会」の加藤周一さん(故人)が言われたように、9条によって「モデル(手本)よりもましなものをつくる可能性」をわれわれは手にしている。9条を意味あるものに運用していくこと、それは地道で継続的な積み重ねを必要とするでしょうが、モデルとした西欧の立憲主義が持ち得なかったものを備えることができる可能性を秘めているのです。
ひぐち・よういち1934年仙台市生まれ。憲法学。東北大学名誉教授、東京大学名誉教授。
「96条の会」代表。著書に『近代立憲主義と現代国家』(勤葦書房)、『比較のなかの日本国憲
法』(岩波新書)、『いま、憲法は「時代遅れ」かー 〈主権〉と〈人権〉のための弁明』(平凡社)、『いま「意法改正」をどう考えるか-「戦後日本」を「保守」することの意味』(岩波書店)など多数。
(2014年09月18日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-時事】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、ロイターが17日伝えたインタビュ
ーで、旧日本軍の従軍慰安婦問題などで冷え込んでいる日韓関係改善に向け、日本側の「勇
気ある決断」を求めました。
朴大統領は「われわれが望んでいるのは、元慰安婦の被害者-の謝罪のほか、元慰安婦の
名誉回復措置を取るための日本の政治指導者の勇気ある決断だ」と強調。「それが(日韓間の)関係の緊張緩和の近道となる」と語りました。
一方、韓国が北朝鮮に高官協議を提案していることに関し、「(南北の)外相同士で、そうした
問題を話し合う機会があれば望ましい」との考えを示しました。16日に開幕した国連総会には南北の外相が出席する予定ですが、両者の会談が実現するかは不透明な状況です。
また、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記との会談の可能性について、「朝鮮半島分
断の痛みを乗り越え、平和統一-の助けとなるのなら誰とでも対話をする。しかし、対話のための対話ではなく、誠意と、言ったことを実行する決意がより重要だ」と述べました。
(2014年09月18日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-面川誠】韓国訪問中の日本共産党の笠井亮衆院議員はソウルで17日、日本軍「慰
安婦」問題をテーマにした「国家元老会議」主催の国民フォーラム・セミナーに出席し、この問題を担当する金姫廷(キム・ヒジョン)女性家族相と懇談しました。
セミナーで金氏は、「日本軍『慰安婦』問題、どう解決するのか」と題して講演。河野談話が
「慰安婦」の強制性を認めていると指摘し、解決のためには①事実認定②公式謝罪③次世代
への教育ーが必要だと強調しました。
笠井氏はセミナーであいさつし、「日韓両国・国民の末永い心通う友情、北東アジアの平和と
安定を築く上で、F慰安婦』問題の一刻も早い解決など両国間の懸案を解決するため、今後も
全力を尽くす決意だ」と述べました。
笠井氏は金氏との懇談で、「来年は日韓国交正常化50周年の節目の年だ。日韓関係をより
良い関係にし、北東アジアの平和と安定を実現するために、『慰安婦』問題をしっかり解決したい」と強調。金氏は「ありがとうございます。その考えに賛同する日本の議員が増えることを望む。良心的な日本人のおかげで韓日関係が維持されると思う」と語りました。
国家元老会議は、首相、閣僚、国会議長などの要職経験者で構成する民間団体で、重要な
国政課題での大統領への建議が主な活動。今回、笠井氏を来賓として招待しました。
これに先立ち笠井氏は16日、元「慰安婦」が共同生活を送る「ナヌムの家」(ソウル南東約30
㌔)を訪問。元「慰安婦」との懇談で、「3年連続の訪問だが、来るたびに亡くなられた方がいる。
みなさんの命のろうそくがともっている間に解決しなければと痛感する」と語りました。
笠井氏は「歴史は消し去ったり書き換えたりすることはできないが、向き合うことはできる。いま日本政府には、それが求められている」と強調。元「慰安婦」らは笠井氏の手を握り、「本当にありがたい。私たちが死ぬ前に解決してほしい」と訴えました。
これまで韓国政府に申告した元「慰安婦」は238人ですが、生存しているのは55人。このうち
50人は韓国内で、5人は海外で暮らしています。
(2014年09月18日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-時事】韓国外務省報道官は16日の記者会見で、日本が河野洋平官房長官談話作
成の際に行った元従軍慰安婦に対する聞き取り調査の映像の一部を韓国の民間団体が公開
したことについて、「これまで公開していなかったものを、この時点で公開した背景を考える必要がある」と述べ、理解を示しました。
菅義偉官房長官は16日、映像公開に遺憾の意を示しましたが、報道官は、河野談話の検証
結果を公表した日本政府に責任があると暗に批判したとみられます。
(2014年09月17日,「赤旗」) (Page/Top)
菅義偉官房長官は16日の記者会見で、日本政府が河野洋平官房長官談話作成の際に行
った元日本軍「慰安婦」とされる女性への聞き取り調査の映像の一部を韓国の民間団体が公
開したことについて、「調査は非公開を前提に行われたもので、公開には慎重であるべきだ。
理解に苦しむ。大変遺憾だ」と非難しました。
(2014年09月17日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-時事】韓国で戦後補償訴訟などを支援する民間団体「太平洋戦争犠牲者達族会」
は15日、日本政府が従軍慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めて謝罪した河野洋平官房長
官談話の作成に当たり、韓国の元慰安婦とされる女性に対して行った聞き取り調査の映像の一部を公開しました。
遺族会は当時、聞き取り調査に深く関わり、映像は非公開とすることで日本側と合意.しかし、「日本で河野談話を傷つける動きが極度に高まっているため、証拠の存在を知らしめる」として、公開することにしました。
約17分に編集された映像では、日本の総理府(当時)関係者に対し、元慰安婦だったという
女性が「外出は原則禁止で、常に軍人に監視された」「給料はなかった」などと話しています。
(2014年09月17日,「赤旗」) (Page/Top)
自民党の稲田朋美政調会長は14日のフジテレビの番組で、慰安婦問題に関する河野洋平
官房長官散話をめぐり河野氏の国会招致を求める声が一部で上がっていることについて、「呼んで何を明らかにするかは冷静に考えなければならない。単に、個人的な非難や攻撃をするためであってはならない」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
(2014年09月15日,「赤旗」) (Page/Top)
宮崎県日中友好運動懇談会はこのほど、中国人「慰安婦」訴訟弁護団長を務めた大森典子氏の講演会を開きました。大森氏は橋下徹大阪市長などの歴史的事実を認めない努力を「国
際社会とはかけはなれた人権感覚」と批判しました。
(2014年09月14日,「赤旗」) (Page/Top)
軍は戦地で何をした
父親の死後、数十年の時を経て仏塩下奥の袋戸棚から見つかった3冊の従軍日記。誰も存在を知らなかった日記には、1937年9月、日中戦争に駆り出された父がつづった足かけ3年に
わたる戦地での日々が…。京都市右京区の俊正(としまさ)和寛さん(78)は、中国に父、正利くまさり)さんの足跡をたどり、8月、従軍日記を出版しました。
「徴発」繰り返す
建築・設計の専門家だった正利さんが36歳で召集されたとき、子どもは5人、末っ子の和寛さ
んは1歳半でした。日記は37年9月から39年3月16日まで、ほぼ欠かすことなくつづられてい
ます。
正利さんの所属は第18師団(福岡・久留米)の工兵第12連隊。37年、日本は中国への全面
的な侵略に乗り出し、部隊は"苦境"の上海攻略戦に投入されました。11月、杭州湾に上陸
し、当時の首都南京を占領、さらに広東へ。
工兵隊の任務は、陣地の構築や架橋、道路整備・鉄橋の修復、侵攻先での炊事場、風呂の
確保、トイレの築造など。兵士や馬、武器弾薬などを対岸に渡す応急的な架橋なども担いました。
「民家に食料品の徴発に出かける」など、日記には「徴発」という言葉が頻繁に出てきます。
「人家から食料や家畜を略奪し、住民も徴用し強制労働させる。必要なものはすべて現地で、
と徴発行為が繰り返された」と和寛さん。「聖戦」に疑いをもたず命令に従う父の姿がありました。
日記には「日本ピーにいく」「支那ピー」「朝鮮ピー」などの言葉も日常的に登場します。ピーとは慰安婦・慰安所のことです。
「軍用車病める娼婦(おんな)も送らるる」ー正利さんの一句です。兵士たちの行軍に伴い、
病気の慰安婦までも軍の管理下で軍用車に乗せられ、新たな占領地に移送されました。
実態知らせたい
日記を読み進めるうちに、「紛れもない侵略戦争の実相を、自分の体と心でつかみたいとの
思いが募った」と和寛さん。中国に留学して中国語を学び、後に妻・とし子さん(75)と父たちの侵攻ルートをたどる旅へ出ました。
行く先々で、日本兵に肉親を殺された人々の体験、証言を開きました。日本軍が展開した「三
光作戦」(殺し尽くす・焼き尽くす・奪い尽くす)の実態はすさまじく、いたたまれなくなるほどの厳しい時間でした。
同時に、「遠路をよくきてくれた」と歓迎してくれた人々も多く、「胸が熱くなった」といいます。
「つらい記憶を語ってくれた方たちに深く感謝しています。私たちは過去の過ちから真実をくみ取り、それを次の世代に伝えていくことの大切さを教えられた」と2人。3度にわたる旅の記録を『父の征(い)った「支那事変」』(2009年)にまとめました。
『俊正正利の従軍日記』の出版について和寛さんは「人に見てほしくないことも書かれていてためらいましたが、日本軍が戦地で何をしたのか、若い人に戦争のリアルな姿を知ってほしいと決断した」と話します。
長年、小学校教員を務めた2人。「いま時代は海外で戦争をする国へと一色に塗り固められよ
うとしている」と危倶しています。「政治家がふりまく"危機意識"にのらないように、大切なのはだまされない力を蓄えること」と、とし子さん。「国民同士の交流の力」を確信し、中国で縁を結んだ人々との友好を深めています。
(西口友紀恵)
(2014年09月14日,「赤旗」) (Page/Top)
私たちにとってNHKとはどのような存在なのか、根本的に問い直したい、と考える市民はいま増えているのではないか。安倍政権から送り込まれた極右の経営委員、政府支持の姿勢を公言した会長、こうした事態に懸念と批判が広がっている。しかし、批判、検討する対象としてのNHKのことを私たちはどれだけ知っているのだろうか。
戦前、戦中から小田桐誠著『NHKはなぜ金持ちなのか?』(双葉新書・880円)は、この巨大
な放送機関の実像に迫っている。NHKの財政に関する基礎的なデータはもちろん、受信料収
納の現場の実態や、各種の受信料収納システムなどをリアルに伝える。
参考になるのは戦前、戦中から現在に至るまでの受信料をめぐる政府とNHKの関係の歴史
の部分で、繰り返される受信料義務化の動き、NHKの在り方が議論された重要文書の内容などが手際よく整理されている。
記述を通じて浮かび上がるのは、NHKがたえず政治の圧力、介入を受けてきた歴史である。
その延長線上に、現会長の選任があり、本書はその裏面も明らかにした。NHKをめぐる制度
改革も提案されており、本書はいささかセンセーショナルなタイトルとは裏腹に、トータルな視点をもつNHK論となっている。
「慰安婦」の改変政治権力の圧力をNHK内で体験した証言として注目されるのが、永田浩
三著『NHKと政治権力』(岩波現代文庫・1240円)である。永田氏は2001年、政治家の圧力
を受けた局幹部が日本軍「慰安婦」を扱った番組を無残に改変したとき、その番組の担当プロデューサーだった。圧力をかけたのは、当時の安倍晋三官房副長官をリーダーとする「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の右派政治家たちだった。
本書は、現場での生々しい番組介入の経過とともに、最近の会長問題、事件後の関係者へ
の取材、裁判記録などを付加し、NHKと政治権力の関係を、番組改変事件を例に改めて世に
問うものとなっている。
受信料で支えられるNHKは政府からの独立が建前であり、これが政権の道具になってはならないというのが本書を貫く主張である。痛切な実体験に基づく永田氏の言葉は重い。
永田氏の著作が示すように、日本軍「慰安婦」問題はNHKへの政治圧力を象徴するテーマ
である。近年、「慰安婦」の歴史的事実を否定し、日本の戦争責任を問う主張に対する恥知らずな攻撃、圧力が強まっている。ほかならぬNHKの会長がこの恥知らずな勢力に属すること
が就任記者会見で明らかになった。
永田氏と池田恵理子氏、評者が共著の『NHXが危ない!』(あけび書房・1600円)も参考にしてもらえたら幸いである。NHKで何本もの「慰安婦」関連番組を担当した池田氏は、籾井会
長就任が人道的にも許し難い事態であることを明らかにし、厳しく告発している。
(とざき・けんじ元NHKディレクター)
(2014年09月14日,「赤旗」) (Page/Top)
朝日新聞社の木村伊量社長は11日、東京都中央区の東京本社で記者会見し、東京電力福島第1原発事故で政府の事故調査・検証委員会が行った吉田昌郎元所長(故人)の聴取記録(吉田調書)を基に「所見が吉田氏の命令に連反し撤退した」などと報じた記事は誤りで、取り消すと発表しました。
木村社長は「命令違反とした表現を取り消す。東電の関係者に深くおわびを申し上げる」と謝罪。杉浦信之編集担当の職を解くとともに関係者を処分し、社長自身も社内改革後に進退を判断する意向を示しました。
問題となったのは、5月20日付朝刊。独自に入手した吉田調書などを基に、「所長命令に違
反原発撤退」の大見出しで、「所員の9割に当たる約650人が吉田氏の待機命令に連反し、福島第2原発へ撤退していた」などと報じました。
政府は11日に吉田調書の全文を公開。吉田元所長の発言の中で、「命令に違反」との記述はありませんでした。木村社長はまた、「従軍慰安婦問題」の記事を取り消した点についても、
「誤った記事を掲載し、訂正が遅きに失したことを読者におわびする」と話しました。
(2014年09月12日.「赤旗」) (Page/Top)
安倍晋三首相を含む19人の閣僚のうち15人が、改憲・右翼団体「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)に加盟している第2次安倍改造内閣(本紙6日付1面既報).その日本会議と同議連が展開する主張や活動はどのようなものなのでしょうか-。
侵略戦争を「正義の戦争」
「諸悪の根源は、東京裁判史観」。日本会議議連の平沼赴夫会長(次世代の党党首)が日本会議設立10周年のさいに寄せたあいさつ文の言葉です。戦後、日本がサンフランシスコ条約で受諾し、国際社会復帰の基礎となった極東国際軍事裁判(東京裁判)が下した日本の侵略戦争に対する断罪を否定しようというのが、日本会議の根本思想です。
日本会議は、過去の日本の侵略戦争を「アジア解放」の「正義の戦争」と美化してきた靖国神社への「二十万人参拝運動」を展開。天皇参拝実現に向け、歴代首相に参拝を強く要求してきました。
改憲目指して「愛国心」強制
日本会議は、日本国憲法、とりわけ不戦と戦力不保持を定めた憲法9条への攻撃を続け、「国防体制」充実のための改憲を主張。日本会議議連や「靖国」派の地方議員でつくる「日本会議地方議員連盟」が地方議会で「憲法改正の早期実現を求める意見書」を採択させる先頭に立っています。3日の内閣改造を受け、「この日が憲法改正運動のスタートとなる」(日本会議大阪のフェイスブック)と改憲に期待を寄せています。
日本会議は改憲に向けた世論構築のために「愛国心」教育強化などを求めてきました。
女性活躍相に就任した有村治子氏は、昨年の参院選で日本会議推薦候補として当選。推薦を受け有村氏は「戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。そこから始めていかなければいけない」(日本会議の月刊誌『日本の息吹』13年6月号)などと天皇中心の「日本の国柄」を教育に持ち込む狙いを語っています。
「慰安婦」記述教科書を攻撃
日本会議は、南京大虐殺や旧日本軍「慰安婦」問題での教科書の記述などを指して「わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育」(「日本会議がめざすもの」=同会議ウェブサイト)などと攻撃しています。
通常国会で「慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認め公式に謝罪した「河野談話」(1993年)の検証や見直しを政府に求めたのは山田宏議員(当時-日本維新の会所属、現・次世代の党幹事長)ら、日本会議議連所属の国会議員です。
今回入閣した山谷えり子国家公安委員長は12年5月、「慰安婦」記念碑を設置した米東部ニュージャージー州パリセーズパーク市を訪問し、同市市長らに記念碑撤去を求める行動に及んでいます。
「男女共同参画」に反対
男女の社会的差別をなくす「ジェンダーフリー」の運動や教育が世界で広がっていますが、これを否定しているのも日本会議です。
日本会議連所属議員らも「性差別」の廃止をうたう改府や各県の「男女共同参画」の動きまで「男らしさや女らしさを否定する」ものと批判。10年3月に「日本の国柄と家族の拝を守るためストップ!夫婦別姓」と題して開いた集会には、今回初入閣した高市早苗総務相や山谷、有村両氏のほか、自民党政調会長に就任した稲田朋美氏が参加しました。
(2014年09月07日,「赤旗」) (Page/Top)
菅義健官房長官は5日の記者会見で、旧日本軍の従軍慰安婦を「性奴隷」と位置付け、日本政府に賠償と謝罪を勧告した1996年の国連人権委員会「クマラスワミ報告」について、「わが国の基本的立場や取り組みを踏まえていないことは遺憾だ」と述べました。
菅長官は、朝日新聞が先月、韓国・済州島で女性を強制連行したとする吉田清治氏の証言は虚偽だとして、過去の記事を取り消したことにも触れ、「朝日新聞が取り消した記事内容に、報告書が影響を受けていることは間違いない」と指摘。「国連を含む国際社会にわが国の立場をしっかり説明したい」と語りました。
(2014年09月06日,「赤旗」) (Page/Top)
安倍晋三首相が3日に行った内閣改造と自民党役員人事をどう見るかについて、「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人で、上智大学国際教養学部教授の中野晃一さんに話を聞きました。
(聞き手・林信誠)
内閣改造直後の一部全国紙の世論調査で、安倍内閣支持率が10ポイント程度上昇していますが、問題は新聞を含むマスメディアが閣僚の実相をどこまで報じたのかということです。「赤旗」の「横顔」報道のように、閣僚の多くが過去の日本の侵略戦争を肯定・美化する「靖国」派だという実態を伝えているなら別ですが、"女性登用を重視"などのご祝儀記事があふれるなら、好感を持つ人が多少出てくるのも当然です。
"裸の王様"
安倍首相は改造直後の記者会見で「女性が輝く社会」の実現などと語りましたが、そもそも女性議員が1割未満と少ないのが自民党の現状です。今回、国政経験の浅い女性議員も相当無理して入閣させました。"予備"の女性議員は極めて少ないので、これほどの女性閣僚数を今後維持できるはずがありません。
さらに、女性閣僚の多くが、山谷えり子国家公安委員長のように「夫婦別姓」に反対し、「ジェンダー平等」という言葉さえ許しがたいという復古主義的な家庭観、ジェンダー観を持っている人たちだということです。
自民党政権は「男女共同参画社会の実現」「女性の活用」と称しながら、財界の要求に応じて派遣労働を原則自由化し、女性や子どもの貧困を悪化させてきました。それで「女性が輝く」とか「女性活躍」などというのは、全くわけがわかりません。
「地方創生相」もそうですが、"こうあったらいいな"という夢物語を閣僚ポストの名前にしているのがこの間の特徴です。しかし、「女性活躍相」や「地方創生相」のもとで手足となって動く官僚組織は貧弱で、要するに"ハダカの王様"です。
しかも、「地方創生相」や「女性活躍相」と既存の総務省や厚労省との役割の分担もはっきりしていません。このままでは、主導権争いだとか、責任の押し付け合いが起きるのは目に見えています。
保身の表れ
もうーつの特徴は、自民党役員人事で谷垣禎一前総裁を幹事長に、二階俊博氏を総務会長に充てたほか、高村正彦副総裁を留任させ、閣僚でも岸田文雄外相を留任させるなど他派閥の領袖(りょうしゆう)や重鎮の重用です。これは、自分の地位を脅かしかねない勢力を取り込もうという安倍首相の保身の表れです。
「日本会議国会議員懇談会」に所属している稲田朋美政調会長は就任の3日、さっそく旧日本軍「慰安婦」問題は「虚偽」であり日本の「名誉回復」に全力をあげると言いました。こういう政権執行部の陣容は、日本の今後の外交にとって大きな火種となる可能性があります。
沖縄県名護市辺野古での新基地建設も、原発再稼働も、国民の多数が反対しています。消費税の10%への増税一つとっても、強行すれば経済もめちゃくちゃになります。改造内閣の陣容をみる限り、国民の声を真筆(しんし)に聞く方向への転換など全く期待できません。やはりデモ・集会や地方選挙を通じて批判の声を結集し、政権の暴走に終止符を打つことです。
(2014年09月06日,「赤旗」) (Page/Top)
自民党の稲田朋美政調会長は3日夜のBSフジ番組で、旧日本軍「慰安婦」問題についての見解を問われ、「虚偽でもって自分の国の名誉が世界中で失墜している状況は本当に嘆かわしい。全力でその名誉回復のために、政府も、与党も、言論人も、またマスコミもみんなで頑張っていく必要がある」と発言。さらに、「私は日本全体でもって、私たちの先人が犯罪国家であるということが流布されている現状は変えていく」と述べ、「慰安婦」に対する強制性を認めて公式に謝罪した「河野談話」の撤回を求める姿勢を明確にしました。
「慰安婦」問題をめぐっては、今回の内閣改造で総務相に就任した高市早苗前政調会長が、「河野談話」に代わる新談話を出すよう求める文書を首相官邸に提出(8月26日)。一方、菅義偉官房長官は同日の会見で新談話策定については「考えていない」と否定しています。
ところが、今度の内閣改造では、高市氏を入閣させ、政調会長の後任に「靖国」派の若手代表格の稲田氏を抜てき。その稲田氏が河野談話を攻撃する事態となっています。
(2014年09月05日,「赤旗」) (Page/Top)
第2次安倍改造内閣の閣僚の横顔は次の通りです。(敬称略)
憲法改定でナチス肯定/副総理・財務・金融(留任)・麻生太郎
消費税率8%への引き上げを実施。10%への再引き上げも「財政再建のためにやらなければいけない」と述べています。
昨年、憲法改定にからみ「(ナチスの)手口を学んだらどうか」というナチス肯定の発音で、内外から批判を浴びました。高齢者の終末期の高額医療費を問題視し「さっさと死ねるように」と暴言も吐いています。
09年に首相として衆院を解散し、総選挙で惨敗。「日本会議」国会議員懇談会の会長も務めたことがあるタカ派です。
衆院福岡8区、当選11回、73歳、麻生派。
国会周辺デモ法規制に言及/総務・高市早苗
松下政経塾出身。93年総選挙に出馬し無所属で初当選。新進党をへて自民党へ。第1次安倍内閣で沖縄北方担当相に就任。「靖国」派の「日本会議」国会議員懇談会に所属。
第2次安倍政権発足で党政調会長に就任。ヘイトスピーチ対策プロジェクトチームの初会合(8月28日)で国会周辺の抗議行動を指し「批判を恐れることなく議論を進める」と法規制強化に言及(後日発言を取り消し)。13年6月の講演で、福島原発事故で死者は出ていないとして、原発は「活用するしかない」と発言しました。
衆院奈良2区、当選6回、53歳、町村派を離れ無派閥。
予算委員会に"出入り禁止"/法務・松島みどり
元朝日新聞記者。第1次安倍内閣、改造内閣、第2次安倍内閣でそれぞれ外務大臣政務官、経済産業副大臣などを歴任しています。
自民党初の公募候補で00年に比例1位当選。翌年、当選前の約5年間に帝京大学のグループ会社から勤務実態がないのに給与を受け取ったとして約5千万円の所得隠しが発覚(雑所得として修正)。国交副大臣時代、道路財源に関する答弁がそれまでの主張と違うと指摘され、委員長の制止を無視して延々と言い訳答弁。予算委員会への"出入り禁止"を言い渡されました。
衆院東京14区、当選4回、58歳、町村派。
核兵器使用を容箆の発言も/外務(留任)・岸田文雄
07年の第1次安倍改造内閣、08年の福田康夫内閣で沖縄北方相を担当。11年から党衆院国対委員長として民自公3党増税連合の"立役者"に。
集団的自衛権行使容認の「閣議決定」後の衆院予算委員会で、「日米同盟に基づく米国の存在と活動は、我が国の平和維持のため死活的に重要だ。米国に対する武力攻撃は『新3原則』に当てはまる可能性が高い」と述べました。今年1月、「極限の状態」に限定すれば核兵器の使用も容認すると発言して批判を受けています。
衆院広島1区、当選7回、57歳、岸田派。
「教育勅語」を称賛の靖国派/文部科学(留任)・下村博文
戦前の軍国主義教育を推進する主柱となった教育勅語を「至極まっとうなことが書かれている」と称賛。教育に対する首長の支配・介入を強化する教育委員会制度の改悪、侵略戦争美化の教科書検定制度改悪など安倍政権の「戦争する国づくり」「国際競争力強化の人材育成」を教育分野で推進しています。
改憲・右巽団体「日本会議」国会議員懇談会で幹事長を務め、野党時代にも「村山談話」「河野談話」
について「これらは明らかな禍根を残した。間違いであった」と述べ、政府の立場を否定してきました。
衆院東京11区、当選6回、60歳、町村派。
規制緩和・歳出削減推進/厚労・塩崎恭久
「お友達内閣」とやゆされた第1次安倍政権で官房長官を務め、第2次政権で政調会長代理に就任。増税へ規制緩和や歳出削減を徹底する「上げ潮派」。社会保障では、財界の要求に応えて国民皆保険を壊す混合診療の拡大、年金積立金の危険な株式運用を主張し、過労死促進の「残業代ゼロ」を求めてきました。
原発問題でも党プロジェクトチーム座長として、原発再稼働に向けて原子力規制委員会に圧力をかけるなど、「原発ゼロ」の世論に敵対してきました。父である元総務庁長官の秘書官を経て、1993年に初当選。
衆院愛媛1区、当選6回、63歳、無派閥。
公約投げ捨てTPPを推進/農水・西川公也
環太平洋連携協定(TPP)推進の先陣役である党対策委員長。12年総選挙で掲げた交渉参加反対の公約を投げ捨てて国民を裏切り、「どんな小さな状況(の変化)も勘案しない姿勢をとり続けられるかという問題がある」(13年)と、コメや牛・豚肉など農産物重要5項目の関税撤廃に踏み出しました。
県庁職員、県議を経て1996年初当選。昨年の参院選では、「いま自民党を敵にして農業が大丈夫だと思っているのか」と農業関係者らをどう喝したとの報道も。
衆院栃木2区、当選5回、71歳、二階派。
TPP交渉に「反対」を公約/経済産業・小渕優子
故・小渕恵三元首相の次女。東京放送(TBS)を退職し、00年6月の総選挙で初当選。文科政務官、麻生内閣で内閣府特命担当相(男女共同参画・少子化対策を担当)となりましたが、保育所の詰め込みがすすみ、待機児童も激増しました。第2次安倍政権発足で財務副大臣に就任しましたが、13年10月に衆院文部科学委員長にかわりました。
12年総選挙では「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します」と選挙公報で公約。東京放送ホールディングスの株式1000株を保有(13年5月の衆院議員資産公開)。
衆院群馬5区、当選5回、40歳、額賀派。
不要不急の公共事業主導/国土交通(留任)・太田昭宏
集団的自衛権行使容認の「閣議決定」に公明党所属の閣僚として署。.国会答弁でも「集団的自衛権の行使は憲法上許される」と述べています。
「国土のグランドデザイン2050」を発表し、三大都市圏環状道路やリニア中央新幹線の建設推進を盛り込みました。「国土強靭(きょうじん)化」の名で国際コンテナ戦略港湾や八ツ場ダム、規制緩和による都市乱開発など不要不急の大型公共事業を主導しています。
06年に党代表となるものの、09年総選挙で惨敗し辞任。党全国代表者会議議長に就任し、12年総選挙で国政に復帰しました。
衆院東京12区、当選6回、68歳、公明党。
不明瞭な資金提供を受ける/環境・原子力防災・望月義夫
静岡県譲を経て96年衆院選に無所属で初当選。その後自民党に入党。第1次小泉改造内閣で環境大臣政務官、第1次安倍内閣で国土交通副大臣などを歴任。05年、年金共済金の運用失敗や使途不明などで国税庁が改善勧告を出していた全国小売酒販組合中央会の政治団体から、自民党議員らが約8700万円の不明瞭な資金提供を受けていたことが本紙調査で発覚。望月氏には20万円が支払われていました。
衆院静岡4区、当選6回、67歳、岸田派。
首相に忠実な「戦争」担当相/防衛・安保法制・江渡聡徳
短期大学講師などを経て、96年に初当選。第1次安倍改造内閣で防衛副大臣に起用され、第2次安倍内閣でも13年9月まで同職を歴任。第2次内閣では、防衛省内で現「防衛計画の大綱」や省改革の議論を主導してきました。
首相の推進する「戦争できる国」づくりを忠実に継続する「イエスマン」を、集団的自衛権の法整備に向けた要職に置く人事です。解釈改憲を主導した高村正彦党副総裁は所属する派閥の前会長。「日本会議」など改憲・右翼団体に所属する点でも、首相と近い立場にあります。
衆院青森2区、当選5回、58歳、大島派.
首相と一体で暴走政治推進/官房長官(留任)・沖縄基地・菅義偉
安倍首相の側近。暴走政治を首相と一体で進めてきました。
集団的自衛権行使容認の解釈改憲の議論で、首相の「最高責任者は私だ」という立憲主義否定の発言を「(首相は)当たり前のことを申し上げた」と擁護。「慰安婦」問題では、旧日本軍の関与を認めた「河野洋平官房長官談話」を継承するとしながら、「(談話の作成過程を)検証する必要がある」と、矛盾する態度をとりました。
第1次安倍内閣で総務相として初入閣。「日本会議」と連携する「日本会議」国会議員懇談会に参加しています。
衆院神奈川2区、当選6回、65歳、無派閥。
沖縄基地では県民を愚弄/復興・竹下亘
初入閣。NHK職員から、兄である竹下登元首相の秘事を経て、00年の総選挙で初当選。05年に環境大臣政務官、08年に福田内閣の財務副大臣に就いています。
「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に参加し、侵略戦争を美化する靖国神社へ副大臣時代も含めて参拝を続けています。
10年の沖縄県知事選では、仲井真弘多知事支援のため現地に張り付き「(米軍基地反対と)騒げば騒ぐほど基地は減らない」と、沖縄県民を愚弄(ぐろう)しました。
衆院島根2区、当選5回、67歳、額賀派。
教育基本法改悪を推進/国家公安・校数・山谷えり子
産経新聞記者をへて、00年総選挙で民主党公課で初当選。04年参院選の比例区で自民党にくらがえし当選しました。
自民党のプロジェクトチームの事務局長としてrジェンダーフリー教育」やr過激な性教育」への攻撃を展開.小泉内閣で内閣府大臣政務官、第1次安倍、福田康夫両内閣で教育再生担当の首相補佐官を歴任し教育基本法改悪を推進。「日本会議」と一体の嶺連「日本会議」国会議員懇談会の政審会長、神道政治連盟国会議員懇談会の副幹事長などを歴任しました。
参院比例区で当選2回、衆院東海ブロックで当選1回、63歳、町村派。
郵政法案に一転、賛成/沖縄北方・科学技術・山口俊一
徳島県議を4期務め、90年の総選挙で自民党公認で初当選。94年の首相指名選挙で自社さ連立の村山富市社会党委員長への投票に反対し、新生党などが擁立した海部俊樹元首相に投棄。05年の郵政国会でも郵政民営化法案-の投棄で造反C勧告を受け離党するも、05年総選挙で当選後、一転して賛成に回り復党しました。
小泉内閣で総務副大臣、麻生内閣で首相補佐官を歴任。第2次安倍内閣では財務副大臣に就任し、13年4月には靖国集団参拝に参加しています.
衆院徳島2区、当選8回、64歳、麻生派。
改憲・右翼団体の役員/女性活躍・少子化・有村治子
01年参院選に比例で初当選。文部科学大臣政務官(第3次小泉内閣)、参議院環境委員長を歴任。歴史教科書の押しつけや首相の靖国参拝を促進している改憲・右翼団体「日本会議」国会議員懇談会の政策審議副会長や、神道政治連盟国会議員懇談会の副幹事長を務めています。
08年に、映画「靖国YASUKUNI」に芸術文化振興基金から助成金が出ていることを稲田朋美議員らとともに問題視。国会で「(同作は)特定の政治的意図がある」と主張して公開直前に上映中止に追い込みました。
参院比例、当選3回、43歳.大島派。
TPP交渉で国会決議ほご/経済再生(留任)・甘利明
4月の消費税大増税後の個人消費の大幅な落ち込みについて「想定内」と誇り、国民の苦しみを当然祝しました。
環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議をめぐり、TPP担当相として、農産物重要5項目の一部品目を関税削減・撤廃の対象にする意向を表明。公約や国会決議を反故(ほご)にし、米国と財界の言いなりに国民を裏切る姿勢を示しました。
原発推進の中心人物で、第1次安倍政権でも経産相。福島第1原発事故後の12年、将来的な原発ゼロについて「不可能だ」と述べました。
衆院神奈川13区、当選10回、65歳、無派閥。
改憲タカ派の「国防族」議員/地方創生・石破茂
旧三井銀行社員などをへて86年総選挙で自民党公認で初当選。政治改革法案をめぐり離党。新進党などをへて97年に自民党に復党。イラクやインド洋への自衛隊派兵を推進した改憲・タカ派の「国防族」として防衛庁長官、防衛相を歴任。解釈改憲とともに、集団的自衛権行使のための国家安全保障基本法制定が持論です。
1月の沖縄県名護市長選では、辺野古新基地建設推進派候補の応援で「500億円の名護振興基金をつくる」と発言。その後、政府が決定ずみの一括交付金の"看板"の掛け替えにすぎないごまかしだと判明しました。
衆院鳥取1区、当選9回、57歳、無派閥。
(2014年09月04日,「赤旗」) (Page/Top)
歴史の真実否定するのか
アジア・太平洋戦争での日本の加害記述をめぐって、外部からクレームがあったことなどを理由に、一部自治体が事実を記した碑を撤去したり、説明板の文字を削除したりする動きが起きています。その一つ、群馬県立公園「群馬の森」(高崎市)にある朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑について、県は7月、碑の設置許可を更新しないと発表、市民団体に碑の撤去を求めました。この間題の背景を考えます。
(党学術・文化委員会事務局朝岡晶子)
全会派賛成で建立
「群馬の森」の朝鮮人追悼碑は、東京ドームの5・6倍(26・2㌶)の広大な面積を有した公園の中心部から、少し離れた静かな場所に建っています。2004年に市民団体が県の許可を得て建立したもので、今年が10年間の設置許可の更新をする年でした。
1937年に北京郊外で起きた虚構橋事件を機に日中戦争-日本による侵略戦争が中国全土に広がり、さらに41年、アジア・太平洋戦争へと拡大しました。この戦争で日本人男性の多くが軍隊に召集されたため、国内では労働力不足に追い込まれます。そこで日本政府と企業が行ったのが、朝鮮人・中国人の「強制連行」です。
群馬県には当時、世界有数の航空機メーカーだった中島飛行機の工場が数カ所ありました。これらが米軍の爆撃から逃れることを目的として地下工場をつくるため、多くの朝鮮人が県内に強制連行されてきました。
こうした歴史を「広く国民に伝え、正しい歴史認識を確立する」ことを目的として結成された「群馬県朝鮮人・韓国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」(碑建立後「記憶反省そして友好」の追悼碑を守る会に改称)が2001年2月、県議会に追悼碑建立の請願を提出し、全会派が賛成して採択されました。
「政治的発言」理由に
今年なぜ、県は追悼碑の設置許可を更新しなかったのかー。
「追悼碑を守る会」は毎年、碑の前で追悼集会を行ってきました。この集会の中であった発言について、「公園の設置許可条件にある政治的行事はしないことに違反している」などとして、三つの団体が「追悼碑の設置許可取り消しを求める請願」を県に堤出したのです。
永井正取・日朝協会群馬県支部会長は「追悼集会での政治的な発言とされているのは、『朝鮮高校の授業料無償化を求めたい』『平壌宣言にのっとって日朝国交回復を望みたい』という朝鮮総連の方のあいさつ。これは事実に基づいた訴えであって、この発言のどこが政治的なのか。たとえこれを政治的だと言う人がいるとしても、そのことによって碑を撤去するなどという偏狭な県民であっていいのかと問いたい」と言います。
県は、碑文の内容に「反日的だJというクレームが寄せられていたことや、碑文に反対する団体が公園内で抗議行動を行ったことなども更新不許可の理由に挙げています。しかし、この碑文は「建てる会」の原案に県が数点にわたる意見をつけたため、両者で議論したのちに合意して作成したという経過があります。今回の更新不許可の理由にはなりません。
右派団体・メディアが
設置許可の取り消しを求めてきた団体の中心は「群馬の森の朝鮮人追悼碑撤去を求める県民の会」ですが、この会の背後には「頑張れ日本! 全国行動委員会」群馬県支部の存在があります(全国組織の会長は田母神俊雄氏)。また産経新聞(群馬版含む)が追悼碑についてくり返し批判記事を掲載。右派色の強い衛星放送「日本文化チャンネル桜」は昨年、「群馬の森に立つトンデモ追悼碑」という特集を組み、番組内で県庁などに抗議するよう求めていました。ヘイトスピーチ(憎悪表現)をくり返す在特会や右翼団体の「維新政党・新風」などが街頭活動の協賛団体として名を連ねています。
6月県議会での更新不許可を求める請席には、自民党・公明党・新星会が賛成し、日本共産党とリベラル群馬が反対しました。日本共産党の伊藤祐司県議は反対討論で、追悼碑について「二度と過ちを犯さない誓いとして県議会の全会派が賛成して建てられたものだ」「こんな動きの先にどんな未来があるのか。近隣諸国といがみ合い、再び世界から孤立する道だ」と述べて請願の不採択を主張しました。
加害の事実に向き合ってこそ
県が追悼碑の設置更新不許可を発表した後、各方面から反発の声があがっています。
8月7日、在日韓国大使館の金容吉総領事が群馬県庁を訪れて副知事と会談し、日韓関係に「悪影響が出るのは望ましくない」と述べました。
東京歴史科学研究会は7月22日、追悼碑を撤去することは「憲法で保障された集会や言論の自由を侵すもの」であり、「歴史の事実を否定し、朝鮮人犠牲者の尊厳を冒涜する行為」だとして反対し、存続を求める声明を公表しました。同会代表委員の須田努明治大学教授は「追悼碑の撤去とそれに至る経過は、安倍政権の右翼的で管理的な体質と無関係ではありません。日本軍『慰安婦』問題も同様ですが、このようなことをくり返している限り、アジアの中で友好関係は築けない」と指摘します。
猪上輝雄「追悼碑を守る会」事務局長は、「碑の撤去は考えていません。全国の心ある人に呼びかけて存続運動をつくっていきたい。会として行政訴訟に踏み切ることや、請願署名を集めることも検討している」と語ります。
須田氏はいいます。「へイトスピーチについて国連が対処勧告をし、国内でも民事訴訟で裁判所が損害賠償を命じました。世論調査でも嫌悪感をもつ国民が7割近い。一部行政の人権感覚が国際社会といかに温度差があるか、自覚すべきです」
戦後70年を来年に控えたいま、加害の歴史の真実に向き合い、未来への教訓とすることのできる社会への歩みが求められています。
碑文「追悼碑建立にあたって」(一部)
20世紀の一時期、わが国は朝鮮を植民地として支配した。また、先の大戦のさなか、政府の労務動員計画により、多くの朝鮮人が全国の鉱山や軍需工場などに動員され、この群馬の地においても、事故や過労などで尊い命を失った人も少なくなかった。
21世紀を迎えたいま、私たちは、かつてわが国が朝鮮人に対し、多大の損害と苦痛を与えた歴史の事実を深く記憶にとどめ、心から反省し、二度と過ちを繰り返さない決意を表明する。
長野・奈良では
長野市の「松代大本営地下壕」入口の説明板では、朝鮮人労働者が工事にかかわったことを記した部分の「強制的に」という文言を、昨年8月から市がテープで葎いました。奈良県天理市では「大和海軍航空隊大和基地」跡地に設置した説明板を、市が今年4月に撤去しています。
(2014年09月03日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-時事】韓国外務省報道官は2日の記者会見で、従軍慰安婦問題をめぐり、朝日新聞が韓国・済州島で女性を強制連行したとする吉田清治氏の証言に基づく記事を取り消したことに関し「従軍慰安婦の強制性を立証するものは数え切れないほど多い」と述べ、強制性があったという主張は揺るがないと強調しました。
報道官は「最も生々しいのは被害者の肉声による証言だ」と指摘。さらに「証拠」の例として、中国の中央档案館が最近公開した中国で裁かれた日本人戦犯の供述書を挙げました。
また「慰安婦の強制性を認める内容が盛り込まれている河野談話自体も、その人(吉田氏)の証言に基づいてつくられたわけではない」と述べました。
(2014年09月03日,「赤旗」) (Page/Top)
私の子どものころは、戦争の時代でした。
長野県塩尻の小学校1年生のとき、日中戦争がはじまり、学校の用務員さんが徴兵され、戦死しました。父親が校長で、用務員さんとも仲が良かったので、ショックでした。
身近に戦争が
私たちは勤労動員で田植えや稲刈りに駆り出されました。私の2年先輩が少年飛行兵としてビルマで戦死した計報も届きました。中学3年生のとき終戦。戦争は身近なものでしたO
安倍首相の発想には戦前回帰が感じられます。靖国神社の参拝が問題なのは、一兵卒で戦争にとられ戦死した人たちだけではなく、東条英機(当時首相)など戦争を起こした人が合祀されていることです。そこに首相が行く。それは、戦争を肯定することだと中国や韓国に受けとめられます。
日本は戦後、戦争で自衛隊員が死ぬことはありませんでした。憲法があったからです。それを突如、憲法の解釈を変えて戦争できるように集団的自衛権の行使を容認する。姑息です。政治家が、堂々と憲法を無視する。どんな憲法をつくっても、解釈で変えられるとなったら、ないのといっしょです。
国民の意思で
ただ、集団的自衛権の行使容認は、安倍さんが言うほど強固に決まったものではありません。憲法は変えていませんからね。国民と政権のせめぎ合いです。国民の意思しだいで、正当な解釈に戻すことは可能だと思います。
安倍内閣や自民党の高支持率は、民主党がつくったようなもの。民主党政権が、国民の期待を裏切り、原発問題でも何もできなかった。公約もしていない消費税10%をやると言い出す。民主党不信が自民党支持へといき、安倍さんがそれに乗ったにすぎません。
安倍政権を右からけしかけてきた維新も、いまやガタガタしています。一時の支持を失ったのは、おごりですね。なんでもできるという錯覚です。堺を「大阪都」構想に組み込もうとして、「堺はひとつ」と反撃を受け、堺市長選で敗れたのが、市民の支持を失うきっかけになりました。もうひとつは、「慰安婦」発言で女性層が離れました。清潔感に期待もありましたが、裏切られました。
いまの政党混迷のなかで、日本共産党は、政党らしい政党として、みずからをおおいにアピールするチャンスだと思いますよ。
聞き手・写真渡辺健
こいけ・しゆんじ1930年、長野県生まれ。東京大学法学部卒。66年、ユニホームメーカーのサンリット産業を創立。現在、会長。
(2014年09月03日,「赤旗」) (Page/Top)
日本共産党の志位和夫委員長の地元・千葉県船橋市の夏見地域で31日、志位氏を迎えた「トーク集会」(同実行重点会主催)が開かれました。会場の夏見公民館は、集会告知のポスターを見て来た人など無党派の初参加者が大半で、満席。前回の集会を上回る参加者で、講演の節々で共感の拍手や笑い声がわきました。
志位氏は、集団的自衛権問題、暮らしと経済、原発、米軍沖縄新基地の四つの角度から安倍政権の「亡国政治」を告発し、どの問題でも対案を示し、国民的共同を進める日本共産党の立場を縦横に誇りました。
志位氏は、安倍政権の暴走は際立っているが「どの分野でも国民の民意に逆らい、解決の見通しすら持っていない『亡国の政治』という特徴があります」と強調。「国民の力で安倍政権を早くやめさせ、平和、民主主義、暮らしを大切にする新しい政治に切り替えよう」と呼びかけ、拍手がおきました。
講演のなかで志位氏は、安倍首相が「経済の好循環」というものの、4-6月期の家計消費が20年間で最大のマイナス幅となっていることを指摘。「社会保障のため」、「財政再建のため」と言って強行した消井税8%増税にまったく道理がないことを明らかにしたうえで、①税金は負担能力に応じてという「応能負担」の原則にたった税制改革を進める②
大企業の内部留保を日本経掛こ連流させ、国民の所得を増やす経済改革-という日本共産党の対案を誇りました。
講演後は参加者が次々挙手。「日本軍『慰安婦』問題をどうみるか」「なぜ不況下で内部留保が膨れ上がっているのか」「政党として力をつけるには政党助成金をもらわないのか」「自衛隊を平和的に有効活用できないのか」「本来行政がやるべき仕事が自治会に押し付けられている問題をどうみるか」など、国政から地域の問題まで多彩な質問が出ました。志位氏がユーモアをまじえて一つひとつ丁寧に答えると、会場は明るい熱気と笑いにつつまれました。
ビラをみて参加した濱川一郎さん(49)は「やりとりを含めて非常に分かりやすい話だった。共産党には笑顔が広がる政治の活動を増やしてほしい」と要望。同じくポストに入ったチラシをみて参加した鈴木義則さん(41)は「共産党の姿勢は一貫している。共産党は反対のイメージが強いが、よい部分が多いのでそれをもっと声に出していけばいろんな人たちに受け入れられると思う」と希っていました。
(2014年09月01日,「赤旗」) (Page/Top)
【パリ-浅田信幸】国連人種差別撤廃委員会(ジュネーブ)は29日、日本における人種差別撤廃条約の順守状況に関する 「最終見解」を発表し、人種や国籍で差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を法律で規制するよう日本政府に勧告しました。また旧日本軍「慰安婦」問題への対応も不十分だとし、謝罪と補償を求めました。
最終見解は、右翼団体の街頭宣伝活動でのヘイトスビーチの広がりや、公職者、政治家による人種差別発言に懸念を表明。①街宣やインターネットを含むメディアでの差別的行為・表現に対する厳正な対応② 差別行為にかかわった個人と組織への捜査と訴追③ヘイトスビーチを広げる公職者と政治家の処罰④教育などを通じた人種差別問題への取り組みへなどを勧告しました。
同時に、ヘイトスビーチ対策を、その他の抗議行動などを規制する「口実にしてはならない」とくぎを刺しています。
人種差別撤廃条約は差別を助長する表現を「犯罪」と定義し、処罰立法措置を義務付けています。ただ日本政府は「表現の自由」を保障する憲法との整合性を考慮すべきだとして、履行を留保しています。最終見解は留保の取り下げを要請しました。
「慰安婦」問題では、日本政府による実態の認識や被害者への謝罪、補償が不十分だと懸念を表明。①人権侵害
の訴状を終え、侵害に関与した責任者の処罰②真摯な謝罪と適切な補償による「慰安婦」問題の永続的解決「慰安婦」問題を否定する試みの糾弾へを日本政府に求めました。
人種差別撤廃委員会による対日審査は2010年以来、4年ぶり。
(2014年08月31日,「赤旗」) (Page/Top)
【ソウル-時事】韓国外務省報道官は30日、旧日本軍の慰安婦問題に関し「日本政府は問題の本質と性格を直視
し、現在行われている局長級協議で、被害者が納得できる具体的な解決方法を早く示すべきだ」とする論評を発表しました。
論評は、2011年8月30日に韓国の憲法裁判所が、元慰安婦の賠償請求権に関し、韓国政府が日本と交渉努力をしないのは違憲との判断を示してから3年になることを受けたもの。
報道官は「日本政府は、来年の国交正常化50周年が両国関係の未来志向の発展への転換点となるためにも、河野談話検証やそれに伴う措置といった名の下に、被害者の名誉と尊厳を再び傷つける言動を控えなければならない」と強調しました。
(2014年08月31日,「赤旗」) (Page/Top)
ロシアのプーチン大統領は29日、欧米緒国がロシアによるウクライナへの介入に非難を強めていることに対して、「ロシアは強力な核大国であることを思い起こしてほしい。これは口先だけではなく現実だ」と述べ、核兵器保有を誇示して威嚇しました。西部トベリ州で開かれた青年との対話集会で語りました。
ロイター(通信会社)などによるとプーチン氏は、「ロシアは大規模な紛争を望んでいない」とする一方、「いかなる侵略も撃退する備えをしなければならない」と強訴。「核抑止力を強化している。(核兵器は)いっそう小型化し、効率的になっている」と核敬力を誇示し、「われわれに手を出さないのが最善だと知るべきだ」と述べました。
プーチン氏は「ロシア人とウクライナ人は事実上、一つの国民だ」と主張。ウクライナ軍による親口派武装勢力-の攻撃は、第2次世界大戦中、ナチスによる攻勢で約100万人のロシア市民が死亡した「レニングラード(現サンクトペテルブルク)包囲」を思い起こさせると語り、ウクライナ-の干渉を正当化する姿勢を示しました。
(2014年08月31日,「赤旗」) (Page/Top)
ナチス時代と現代を巧みに交錯
1998年のある日、一人の中年男性が、亡父の遺品のなかに知らない人間の身分証明事と若い女性の写真を見つける。身分証明書は武装親衛隊のものだ。父親との葛藤に悩まされてきたその男性は、戦争末期の体験について父が姓晩も語ってくれた、幸せな交流のひとときを思い出す。自分は父の経歴をよく知っているつもりだった。
しかし、若い女性の写真については一度も説明を聞いた記憶がない。この人は誰なんだろう。まだ生きているのだろうか。写真の裏に記されていた写真館の名前を手がかりに、男性は父の過去を探り始める。そのことで、封印されていたある事件を明るみに出し、「長年かけて父がつくりあげた非の打ちどころのないぴかぴかの外装」の裏にあった大きな虚偽に気づくことになる。
「ドイツ・ミステリ大賞」を受賞した本番は、抑制の効いた筆でじっくりと過去に光を当てる、知的で読みごたえのある作品だ。一人一人の登場人物の心情が丁寧に描き込まれ、ナチ時代の歪んだ政治によって、6人の若者たちの親聴な関係が壊れていく様子が説得力をもって語られている。わが物顔で関歩する親衛隊負.反体制派の活動に加担したことを疑われて拷問を受ける医師。占領地域から連れてこられ、家畜同然の扱いを受ける外国人労働者。小さな町のなかで、負の歴史を体現する事件が次々と起こる。
作者はこうした歴史的な背景を現代と巧みに交錯させ、緊迫感のあるストーリー構築に成功している。上質の心理ドラマでありながら、謎解きには意外性もある。結未で知らされる真実は、読者の心に深い余韻を残すだろう。
60年独ケルン生まれ。『ヴァイオリニスト』ほか。
(2014年08月31日,「赤旗」) (Page/Top)
見えない放射能への意識、昔から
作家の小林エリカさんが、放射能を「光」にイメージ化して描いた′小説『マダム・キュリーと朝食を』を出しました。放射能への関心は、東京電力福島第1原発の事故以前から。新しい「震災後文学」と評される物語はどのように生まれたのか-。
金子徹記者
『マダム・キュリーと朝食を』は、三島由紀夫賞や芥川賞の候補になった注目作。放射能の名付け親の科学者キュリーや発明王エジソンの時代と現代を、時空を超えて旅する小説です。電気と放射能の歴史の起点を描き現代への問題提起をはらむテーマをファンタジー的要素豊かに描きます。これまでアニメや漫画、ノンフィクションと、ジャンルにとらわれない表現活動を展開してきた小林さんの、初の長編小説です。
「目に見えないものに興味があって、放射能や心、時間など見えないものを書きたかったんです。デビュー作(アニメ「爆弾娘の憂鬱恋の放射能」)も放射能をあっかいましたし、マリ・キュリーにはずっと興味をもっていたのですが、実際に書き始めるまでには10年くらいかかってしまいました(笑い)」
名も無い猫ユニークなのは主人公の設定。大東災後の世界を生きる猶と少女の視点を交差させる展開です。
放射能に汚染され町から人間が消え、自由を満喫していた猶の「私」。ある日、人間により「東の都市」に連れていかれ家族と離別。望郷の念を募らせるなか、猶は「東の都市」で懐かしい「光」をみつけます。故郷にあふれていたのと同じ「光」。それはき削こは見える放射能でした。食べ物に含まれた「光」を猫が食べると、意識は100年前のアメリカに1903年にエジソンが、電気で見せ物のように公開処刑した象がいたこと。それに先立ち多くの動物が実験材料として殺されたことなど、電気や放射能の歴史の出発点での残酷な史実を多数、盛り込んでいます。
「当時の記録を調べたら、1匹25㌢で猫が集められ、町から猫が減ったという記述がありました。同時期にアメリカ初のワールドキャットフェアが開催され、優勝した猫には25㌦の賞金が贈られ写真も残っている。この違いって何だろうと。殺された、名も無い猫に価値がなかったわけではないはず。だったら私が、もしかしてあったかもしれない命のことを書こうと。それぞれの出来事をどう紡いでいくか。布を織っていくような気持ちで書きました」
「いったいなぜ自分はここにいて、いま起きていることはいったいどんな過去につながるものなのか。それを考えていくことでこの小説ができました」
時空超えて
ノンフィクション『親愛なるキティーたちへ』(2011年)は3冊の日記が題材に。1冊は、ナチスの迫害により15歳で死去したアンネ・フランクの日記。もう1冊は、アンネと同じ年に生まれた小林さんの父親が1945年、16歳で書いた日記。
そしてそれらをつなぐ、現代の小林さんの旅日記。アンネの足跡を死から生へ向かってたどる旅での出会いや思いを記し、時空を超えた三重奏になりました。
「アンネの生涯をさかのぼりながら、もしアメリカに逃げていたらとか、もしナチスが政権をとらなければと考え、ひとりの女の子の未来がたくさんの人の手にかかわっていると感じました。同時に、いまの私の選択が未来を左右する可能性があるんだと。未来はひとりひとりの手に握られているということをすごく感じます」
昨年刊行した放射能がテーマの漫画『光の子ども1』の続きも執筆中。
「書くことが本当に好きで、漫画も小説も毎日書かずにはいられません。アンネが、書くことで新たにすべてを把握し直すことができる、と書いていて。私も、書くことで自分の見ている現実を把握し直したいという気持ちがあります」
こぼやし・えりか-1978年東京都生まれ。アンネ・フランクと実父の日記をモチーフにしたノンフィクション「親愛なるキティーたちへよ作品集『忘れられないのよ放射能の歴史をめぐる漫画『光の子ども1』など
(2014年08月31日.「赤旗」) (Page/Top)
医療は貧富の差なく公平であるべきです。そのために国民皆保険制度があり国民の命と健康を守ってきました。ところがいま政府は、保険医療費を抑制するために診療や入院を厳しく規制する一方、国民皆保険制度を形骸化させ、医療を成長産業と位置づけ、企業などのもうけの対象にしようとしています。
実態無視して
先の国会で成立した医療・介護総合推進法にもとづいて、医療機関は10月から、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つの病床機能から一つを選び都道府県に報告することになります。都道府県は報告にもとづき「地域医療ビジョン」を策定し、病床の再編を進めます。
しかし地方では、急性期から慢性期まで一つの病棟ですべてをやっている病院がほとんどです。急患が来たら治療して回復期までいるし、慢性期の人も入院しています。こんな実態を無視して計画を立てれば、地域住民が必要な医療を受けられなくなる事態になりかねません。
自由診療狙う
保険のきかない自由診療と保険診療を併用する「混合診療」を認めろという声が大きくなっています。安倍首相が導入を打ち出した「患者申し出療養」もその一つです。患者さんのためといいますが、何百万円もする自由診療に混合診療を 認めても保険適用される部分はわずかです。
ではなんのためかというと、自由診療を日本国民に定着させたいのです。アメリカが環太平洋連携協定(TPP)で参入をねらう病院では自由診療を目指します。自由診療をカバーする医療保険をアメリカの会社が売り出します。医療も医療保険も全部アメリカの企業に売り渡すことになりますD
こうした方針は財界の人が中心の経済財政務間会議などで決まり、その結論が押し付けられて法案になる。最近、そのスピードが速くなったと感じています。
安倍首相は多数議席を背景に、集団的自衛権行使容認を決めました。戦争を知らない世代が歴史を逆行させているように思います。国民は先の戦争に負けてこりごりだったはず。同じ過ちを繰り返してはいけません。
聞き手・内藤兵己子
しおみ・しゆんじ1949年生まれ。奈良県立医大卒.爪立五俵病院整形外科部長を経て開業。日本医師会元理事
(2014年08月31日,「赤旗」) (Page/Top)
菅義偉官房長官は27日の記者会見で、旧日本軍「慰安婦」問題をめぐる新たな官房長官故話の発出に否定的な見解を示しました。自民党の高市早苗政調会長から新談話の作成を要請されたことに関し、「(新談話を)検討するとは言っていない。(要請を)受けただけだ」と語りました。
(2014年08月30日,「赤旗」) (Page/Top)
今年はアジア太平洋戦争終結から69年、来年には70年の節目を迎える中、安倍晋三政権による「戦争する国」づくりに危快を抱く著名人から、自らの戦争体験などを踏まえ、異議が続出しています。
死の現妨知らず自衛口実に戦争
「集団的自衛権、ありゃ何だい。安倍さん(晋三首相)みたいに『死の現場』を知らねえ連中に限って、『自衛だ』とか言って戦争に首を突っ込みたがるんだよなあ」こう憤激するのは、戦後の俳壇をリードしてきた金子兜太氏(俳人)です(「毎日」6日付夕刊)。戦時中、海軍主計士官として赴任した酉太平洋トラック諸島で、自らが指揮した軍属が次々と死んでいった体験を語りながら、「70年たってもつらいですな。戦争で苦しむ人間は我々の世代だけでたくさんです。なのにまた、集団的ナントカとか妙な理屈をこねて命を軽く扱う世の中にしようとしている」と怒りをあらわにしています。
戦後生まれの作家・精神科医の帚木蓮生氏も、安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定について「何か架空の物語を押しつけられている感じがします」と語ります(「朝日」6日付)。「抑止力とか言って、戦争はどこか遠い南の島の話だと思い込んでいませんか。でも戦争はいったん始まったら制御できないんです。真っ先にやられるのは東京であり、原発ですよ。日本の破局につながり、勝ちも負けもない。戦争が始まったらどうなっていくか、想像する力がいまの社会は弱まっているのではありませんか」と問いかけます。
日本国悪法9条朗読し涙が出る
集団的自衛権行使容瓢の解釈改善の動きに抗し、日本国者法の値打ちを訴える著名人もいます。
「憲法の前文や9灸を朗読すると涙が出るほど美しいでしょう」。こう語る映画作家の大林宣彦氏は「武器があるから平和が保てるという理屈上は意法9条は非常識なんでしょう。でも、いつの時代も戦争で犠牲になるのは最も立場の弱い庶民です。理屈より、本能を思い出すべき時なんじゃないですか」「人類が生き残るには、日本の恵法を美しいと思う感性を大切にすべきだと思います」と訴えます。(「朝日」9日付)
「小さいおうち」で直木賞を受賞した作家の中島京子氏は、人々の無関心によって毒に身体を慣らすように
「平和な日常」に「戦争の非日常」が入り込んでいった戦前と、今とがよく似ていると指楕します。「でも、戦前の日本は、民主主義国家ではなかった。日本国東法を得る以前は、一般市民は主権者ではなかった。だいじなのは、関心を持つ状態をこそ『日常』化させることではないだろうか」と語っています。(「朝日」8日付)
河野談話の検討、見直し派に打撃
日本軍「慰安婦」問題も、大きな政治的な焦点になっています。
一部勢力がこの間、r慰安婦」問題に関するEl本政府の見解を示した河野洋平官房長官放話(1993年8月)を「姦付けのない元慰安婦16人の証言だけに基づいて作成された」「韓国政府と事前のすり合わせがあった」などと攻撃し見直しを主張。これを受け政府は6月、河野談話の検討報告番を発表しました。
川上詩朗(弁護士)「なぜ戦後補償が求められているのか」、吉見義明(中央大学教授)「河野談話検証は何を検証したか」(いずれも『世界』)は、検討報告書について、河野談話の原案が元「慰安婦」の聞き取り調査終了前にできており、韓国政府との協議でも不当な譲歩はしていないことを明らかにしているとし、談話見
直し派にとって「大きな打撃」(吉見氏)になったと指摘しています。
川上氏は、「慰安婦」問題をはじめ裁判所が証拠に基づいて加害と被害の事実を認定していることを指摘。中国人の「慰安婦」問題や強制連行問題に関して、被害者の「裁判上訴求する権能」以外の請求権を認めた最高裁(2007年)の論理を用いれば、日本政府による自発的な賠償の道は開かれているという見解は示唆に富みます。
(えのもと・よしたか)
今月の動向
小田切徳美(明治大学教授)「『農村たたみ』に抗する田園回帰『増田レポート』批判」(『世界』)は、増田
寛也元総務相が中心となって作成した「市町村消滅」予測レポートを批判。同レポートを契機に、「消滅」しつつある農村地域をrたたむ」政策が各方面から出され、それが、環太平洋連携協定(TPP)、道州制、東京の国際都市化などの安倍政権の路線と軌を一にしていることを指摘します。「農村たたみ」の対抗軸として、若
者を中心とした「田圃回帰」の動きに注目し、地域再生の道を歩む必要を訴えています。
(編集部)
(2014年08月27日.「赤旗」)
千葉県市川市の民間職場支部は24日、一般紙の購読を理由に「赤旗」日刊紙の購読を中止していた女性に呼びかけて日刊紙を再購読してもらいました。
女性は、以前同じ職場で働いていた人で、7月の党演説会に参加したときに日本軍『慰安婦』の問題が気になる」と話していました。
支部はその声を受けて、「慰安婦」問題の学習会を計画。支部長が、そのおお誘いで電話をかけたときに、「また、日刊紙を読みませんか」と声をかけました。すると女性は、「一般紙が景品を持ってしつこく勧誘してくるので、仕方なくとっていたが、報道の中身があまりにひどいので、購読をやめた。また日刊紙をいれてもいいですよ」とこたえました。
(2014年08月27日,「赤旗」)
自民党の高市早苗政調会長は26日、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、政府が6月に公表した従軍慰安婦をめぐる1993年の河野洋平官房長官談話の検証内容を踏まえ、新たな官房長官淡話を発表するよう申し入れました。菅氏は要請を聞き置くにとどめました。
自民党が21日に開いた河野談話などに関する会合では、朝日新聞が従軍慰安婦問題に関する過去の報道の一部を誤りと認めたことなどを受けて、出席議員から新談話の発表を求める声が相次いでいました。
(2014年08月27日,「赤旗」)
敗戦から69年が過ぎ、戦争体敗者の高齢化がすすみ、悲惨な体験を語ることができる人が少なくなっています。一方で、再び「戦争する国」に向けた動きが強まるなか、重い口を開き始めた人たちもおり、痛苦の体験を語る人たちの証言を文書や映像などで記録・保存することが急がれます。
戦争の実億を"物的に証言、する遺跡や遺品、資料を展示・公開する資料館などの役割も注目されます。
惨禍の実態を伝える戦争遺跡などを保存・活用し、「平和を発信する遺産」として次世代に引き継ぐことが必要となっています。
平和の発信に貢献
戦争遺跡は、主に1894年開戦の日露戦争前後から1945年のアジア・太平洋戦争終結頃まで、旧日本軍の司令部跡や壕などの軍事施設や軍需工場の跡、戦争で被害を受けた建物などを指し、日本国内に約3万カ所あるといわれています。世界遺産にも登録された広島の原爆ドームが有名です。
「戦争遺跡保存全国ネットワーク」など各地の平和や歴史教育にかかわる団体などの保存を求める運動が広がっていますが、国と地方自治体によって保護されているのは約200カ所です。継承の弱まりや施設の老朽化、再開発などによって姿を消してしまう例も少なくありません。遺品の散逸も心配されています。
川崎市の明治大学構内にある旧陸軍登戸研究所も長く埋もれていましたが、地元高校生や市民の振り起こしによって戦前戦中の実態に光があたり、大学が建物保存と資料館建設を決めました。
日本の侵略を謀略戦の側面から明らかにする建物や資料の数々は平和を発信するうえで貴重な役割を果たしています。地域に残る戦争の傷痕をとどめ、戦争を繰り返さないための「財産」にしていく取り組みが大切です。
そのためには職争追跡の歴史的背景や事実が正確に伝えられる必要があります。第2次大戦末期に建設された長野市の「松代大本営地下壕」の鋭明文で、朝鮮人労働者の動員についてr強制的に」の文字がテープなどで隠されたことが最近問題になりました。多数の朝鮮人労働者を強制的に連行した事実を隠すようなことは、戦争遺跡のもつ意味を損なうものです。
自治体が設置した戦争資料館で、日本の加害責任の展示を後退させる動きがあることも見逃せません。昨年新装した埼玉県平和資料館では年表から「南京大虐殺」「慰安婦」などの記述がなくなりました。8月末で一時閉館し来春新装する大阪府の「ピースおおさか」では、日本の中国侵略や朝鮮の植民地支配などの展
示を変更・見直す方向が検討されているため、府民らから「加害の事実を隠してはならない」との声があがっています。
加害の過去を直視して
日本の侵略と植民地支配がアジアの人たちに多大な被害をもたらした事実をゆがめることは、現在と未来にも目をつむるものです。アジアや世界の国々との友好の発展のうえでも重大な妨げです。
侵略戦争と植民地支配に無反省な安倍政権が「戦争する国」-暴走するもと、戦争の実相を次代に継承することがいよいよ重要です。戦争体験者が人口の約2割へ減少するなか、戦争の記憶をしっかりとどめ、二度と戦争を起こさない力にすることが求められます。
(2014年08月27日,「赤旗」)
日本カトリック司教協議会の常任司教委月会は、7月3日、安倍首相に「集団的自衛権行使容認の閣議決定についての抗議声明」を提出した。「立憲主義の否定」であり、「(憲法)9条を葬り去る暴挙」で、「断固として抗議」する、「即座に-見直し、撤回」せよ、と。
「抗議声明」は、町の小さな教会でも読み合わせられ、内容が深められているという。(本紙7月29日付「読者の広場」)
カトリックといえば、大阪の池長澗大司教の本紙(7月22日付)での証言が注目される。「1937年、日本陸軍が中国河北の正定に侵攻し、多くの中国人婦女子が、女子修道院に身を寄せ」た。「日本兵は200人を『慰安婦』として差し出すよう要求」、これを拒否したシュラーペン司教はじめ9人のヨーロッパ宣教師が「捕まえられ、焼き殺され」た。
「事件は、北京のフランス大使館に報告され、同大使館はEl本大使館に調査を依頼」。その結果、「慰謝料」が支払われ、「慰霊碑」が建てられ、「追悼式」も行われたというが、「いったいだれが、占領した相手国の罪もない婦女子を、性的虐待の対象にする権限をもっことができるのでしょうか」という池長大司教の、怒りの叫びが胸を打つ。
ことの経緯を、くわしく知りたい。(許)
(2014年08月25日,「赤旗」)
だまされ逮捕、カリブの刑務所-
韓国で話題の映画rマルティニークからの祈り」が29El、日本で公開されます。来日した女性監督、パン・ウンジンさんに聞きました。山本長春記者
舞台はカリブ海の仏領、マルティニーク鳥の刑務所。2004年に起きた事件の映画化です。
ジョンヨン(チョン・ドヨン)はソウルの平凡な主婦。夫ジョンべ(コ・ス)、幼い娘と3人暮らし。夫が友人の保証人になったため返済に追われることに。彼女は、知人から誘われるまま、夫には内緒で「金の原石」運びを引き受けます。実際の中身は麻薬。フランス・オルリー空港で逮捕されます。
だまされたと訴えても認められず、異国で投獄されます。
逮捕から2年余り。自分を責めます。家に帰りたい、娘を抱きしめたい-その思いが支えでした。一主婦の救済に冷淡な韓国の在仏大使館。夫は妻を信じ、マスコミも動きます。
長身に濃紺のジャケット姿の監督。笑みをたたえ熱く語ります。
「家賃も払えず、冬が近づいています。母親なら娘にダウンジャケットの1枚も買ってやりたかった。同じ女性として、彼女の気持ちに共感しました」
1965年生まれ。「オーロラ姫」で2006年、韓国の新人監督賞を受賞。「容疑者X 天才数学者のアリバイ」(原作・東野重吉)は日本でもおなじみ。女優出身で、俳優との対話を大事にしている、と語ります。
チョン・ドヨンさんの母親役がすごい。07年、カンヌ国際映画弟主演女優賞に輝き、映画復帰は2年ぶり。
「彼女も幼い娘さんがいて全身全霊で演じてくれました。娘が母親に買ってほしいとねだる人形の事など、シナリオでも助けられました。夫役のコ・スさんも新鮮です」と監督。
海外ロケが大変でした。刑務所シーンの撮影は、カリブ海のドミニカ共和国で。韓国から1万2400㌔も遠方。真冬のソウルからいきなり熱帯です。
「実際の服役者も出演しています。撮影が進むにつれ、俳優と服役者の区別がつかないくらい溶け合ってしまって(笑い)」
今、日韓間は日本軍「慰安婦」問題などでぎくしゃくしています。
「その中でも文化交流が大切ですね。日韓ま本当に近い国どうLです。慰安婦問題や教科書問題の解決を心から願っています」
今後の映画の構想は-。「韓国ではセウオル号沈没事件が尾を引いています。政府不信が増し、国民の心は沈んでいます。希望や勇気を届けられる作品をつくりたいですね」
(2014年08月24日,r赤旗」)
政権との近さに頓着しないNHKの籾井勝人会長。「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」などの発言に、NHK退職者は強い危機感を抱いています。21日には、退職者有志1527人が経営委員会に対して籾井勝人会長の辞任勧告と罷免を求め、代表が同委員会あてに申し入れ書と賛同者名簿を届けました。呼びかけ人代表の7人が都内で開いた紀者会見は、予定時間を超える熱気でした。
(和田肇)
冒頭、元ディレクターで日本軍「慰安婦」問題を手がけてきた池田恵理子さん(女たちの戦争と平和資料館館長)が発言しました。
籾井会長が就任会見で慰安婦は「どこにでもあった」とのべたことについて、「慰安婦と売春を一緒にしています。女性の人権認識がまるでない」と批判。さらに「国際的にとんでもない人が公共放送のトップにいるとは、NHKの信用を薄めてしまう」と危惧を表明しました。
公共放送の在り方の点で問題視されたのが政権との距離です。
元社会部記者で、盛岡放送局長を務めた大治浩之輔さんは、「ジャーナリズムのトップの資格がない」と断じます。終戦時は10歳。日本は神国と教えられた軍国少年で、二度と国にだまされないという思いだったといいます。「言論・表現の自由によって立つリーダーに『政府が右・・・』という人はふさわしくない。公共放送の公共放送たるゆえんは、権力からの自立なんだ」
「恥ずかしい」
退職者には「恥ずかしい」の思いが広がっているといいます。
作家の小中陽太郎さん(元ディレクター)は「退職してもNHKには誇りを持っていた。ところがああいう会長が出てきて、人間として恥ずかしい」。退職後もNHK関連で働いている人は多く「私たちには力がある」と強調します。賛同者には元専務理事や、地方局長の経験者らも加わっています。
退職者間で「会長罷免を」の話が出たのは6月上旬でした。7月には有志157人の名で辞職を求めます。
その157人が「呼びかけ人」となり、連絡先の分かる退職者1万人余のうち3分の1ほどに電話やはがきで連絡。21日までに賛同者は1527人になりました。
現場に一石を
放送法によると会長の罷免権は経営委員会にありますが、過去に行使した例はありません。そのため「経営委員会への申し入れでは、とにかく議論してほしいと強調してきた」(呼びかけ世話人)といいます。
現役職員と交流がある永田浩三さん(元プロデューサー)は、「職員には会長を辞めさせる力はありません。じくじたる思いでいる。1500人を超す退職者が罷免を求めたことで、声を上げられない現場に一石を投じることができれば」と期待を寄せます。
元政治部記者の川崎泰資さんは、NHK労組(日本放送労働組合)の役割が重要だと指摘。「身を捨ててアピールして初めて賛同が集まる。NHKを大事に思うなら声を上げたらどうか。強圧的な安倍政権とたたかえない情けない状態だ」と叱噂(しった)しました。
行く先で柏手
元アナウンサーの村上信夫さんは2年前の退職後、「うれしい言葉」を広げようと各地で講演しています。
「最近、NHK退職者の今回の動きを話したら、行く先々で柏手が起きるんです。視聴者の思いがそこにある。
かつての職場のリーダーについて、こんな言葉は使いたくないけれども、情けない思いです」
「NHK問題は、情報・文化にかかわる人の多くが関心を持っている」というのは元美術デザイナーの小池晴二さん。「NHKに国の介入が出てくると、やがて映画や絵画にも国のコントロールが広がるのではないかと不安がっている。これはNHKだけでなく、日本の文化・情報をどうするかという問題でもあります」
(2014年08月24日,「赤旗」)
テレビで秘密保護法や集団的自衛権などのニュースを見ていると気持ちが暗くなるので切ってしまったりして。その後で、まてよこういう市民の政治意識の衰えはこの国を昔の姿に引き戻そうとしている権力者たちには都合がいいのだろうな、などと思い悩む暑い夏です。
記憶消えない
ぼくは旧満州で戦前の軍国主義の教育をシャワーのように浴びながら育った世代です。あの頃の日本人は中国、朝鮮の人たちに恐ろしいような差別意識を持っていた、中国の兵隊が殺されるのは当たり前だし朝鮮の娘さんが慰安婦になっていることは小学生のぼくまでが知っていて、それを当たり前のことのように考えていた。あの恥ずべき差別意識は、資料では残されていないし残しょうもないけど、それがあの戦争の根底にあったことを、戦争は他民族に対する憎しみや差別視というおぞましい国民感情をあおり立てることから始まることを、ナチスのユダヤ人排斥の例を引くまでもなくぼくの世代は身にしみて知っているのです。
差別され迫害された側の記憶はいつまでも消えないということを、戦後生まれの日本の政治家はよく考えなければいけない。そしてなぜ戦争をしたのか、どうしたら平和を守れるのかをアジアの歴史学者が集まって研究をする、そのための費用を日本政府が出す、戦闘機を1機買う費用で簡単にできることです。そういう努力をしないとぼくたちの国がアジアの国々と仲良くつき合っていくのはますます難しくなると思う。
平和守る力に
69年前の戦争で三百数十万人が死んだ。一口に三百万というけどそれがどれほど膨大な人数なのか、その一人ひとりにどんな人生がありどのような酷い死に方だったのか、家族の人たちはいかに悲しみ嘆いただろうかを考える、資料を調べ、想像する、イメージを懸命に浮かべる、そういう喪の仕事というべき作業を日本人はくり返しくり返しするべきです。それが平和を守り抜く力になる。そのイメージを持たずに「国のための尊い犠牲」などという言葉で簡単にくくってしまうくらい死者に失礼なことはないと思います。
新憲法が公布されたとき引き揚げ者のぼくは貧しい中学生だった。栄養失調でやせ細った社会の先生が、戦争を放棄した日本はこれからは永世中立国、東洋のスイスになるんだぞと、真剣なまなざしで語った時のクラスの高揚した気分が無性に懐かしい今日この頃です。
聞き手児玉由紀恵
やまだ・ようじ-1931年生まれ。61年監督デビュー。「男はつらいよ」シリーズ48作、「家族」「学校」「たそがれ清兵衛」「母べえ」「小さいおうち」など82本監督。日本芸術院会員
(2014年08月24日,「赤旗」)
若者・学生の行動/「読んで元気」と感想
「安倍政権打倒」を掲げる学生と若者たちの行動が全国に広がっています。「赤旗」はこの行動をいち早く取り上げ、その思いを伝えてきました。「若者が立ち上がっている姿を読んで元気が出た」などの感想も寄せられています。
「安倍政権打倒」を掲げる最初の行動は5月24日、東京・新宿駅周辺でおこなわれました。学生や若者ら約300人が「安倍はやめろ」「ファシズム許すな」とコールしながらデモ行進。回を重ねるごとに参加者と沿道からの飛び入りが増えました。「赤旗」は1両や特番で報道して、新しい動きを紹介しました。
集団的自衛権容認の閣議決定」に反対する6月30日、7月1日の首相官邸前抗議行動では、若者たちが主役に躍り出ました。「赤旗」は「『戦場へ』若者は拒否」と1面トップで報道。3面の「2014焦点・冷点」で「『閣議決定』若者は抗議する」の見出しで安倍打倒デモを呼びかける「怒りのドラムデモ」の井手実さんと「SASPL」(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)の奥田愛基(あき)さんに思いのたけを語ってもらいました
(7月11日付)。
8月2日、東京・渋谷と原宿の繁華街を若者たちのデモ行進がすすみました。「ファシズム潰(つぶ)せ!怒りのブルドーザーデモ」です。「赤旗」は1面で「安倍政権まかせられない沿道共鳴膨れる打倒デモ」と報じました。
秋から各地で若者たちの行動が計画されています。「赤旗」は一つひとつの行動を大切に報道しながら、安倍政権打倒をめざす国民的運動の一翼を担います。
原発審査/新基準ずさんさ告発
従来の審査よりも後退したずさんな審査で九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が規制基準に「合格」とされてしまう恐れを「しんぶん赤放」はいち早くつかみ、今年1月に「原発手抜き審査」と報じました。
東京電力福島第1原発事故以前は、原発の設置・変更許可申請の審査で、クロスチェック解析として、電力会社が提出した解析結果を規制当局が同じ条件で異なる解析ソフトを使って独自解析を実施していました。
ところが、新規制基準が過酷事故を含む重大事故の対策を義務付けたのに、対策が有効かどうかを審査する際、この独自解析が実施されない懸念がある、福島第1原発事故が起きた国の審査が、電力会社任せのこんな手抜きでいいのかと告発したものです。
この懸念は、規制委が7月に川内原発の審査事案をまとめた後、規制庁への取材で事実と判明。「規制委ずさん審査」(8月14日付)と報道しました。
さらに、この間題を国会で追及した日本共産党の笠井亮衆院議員に対し、規制委の田中俊一委員長が、事実と異なる内容を答弁していたことも明らかになり、「規制委員長が虚偽答弁」と追及しました。政府も規制委も「世界最高」などと持ち上げる新規制基準。その審査のずさんさを浮き彫りにしたのです。
カジノ問題/他紙にさきがけ報道
刑法が禁じる賭博場・カジノを「日本の成長戦略の目玉」と位置づける安倍晋三首相のもと、カジノの合法化に向けた政権の暴走が加速しています。この動きを他紙にさきがけ、いち早く問題視してきたのが本解です。
安倍政権のカジノ推進への異常なまでの前のめり姿勢や地方でのカジノ誘致の動きを批判しています。パチンコ、パチスロなどで、日本がすでに、世界に例がないほどの日常的なギャンブル大国となり、精神疾患であるギャンブル依存症の有病率が成人男性で9・6%、女性1・6%(08年の厚生労働省委託研究結果)と世界でもずば抜けて高い割合で、人口に換井すれば560万人が依存症という衝撃的な実態を告発してきました。
日本弁護士連合会はじめ、各地で盛り上がる反対運動の動きも取材。他の全国紙も、取材に力を入れ始めており、カジノ誘致を大きな社会問題に発展させる上で本紙は大きな役割を果たしました。
(2014年08月28日,「赤旗」)
【パリ-島崎桂】第2次世界大戦中にパリがナチス・ドイツの占領から解放されて70年となった25日、同地で記念式典が開かれました。会場となったパリ市役所は、同国国旗と同じ青、白、赤の3色にライトアップされ、雨の中、数千人の市民が訪れました。
式典には、パリ解放に貢献した当時のレジスタンス(抵抗運動)活動家も多数参加。あいさつに立ったオランド仏大統領は、ナチス占領下のレジスタンスによる「4年間の地下活動と一斉蜂起の準備」をたたえました。
同日の内閣総辞職を受け、新内閣の組閣を命じたオランド氏は、市民が一丸となってナチスに抵抗した当時と現在を比較。「政府の目的は今も、フランスの独立を保証するために(経済的な)競争力を回復し、社会的団結を維持するために不平等とたたかうことだ」と、自身の政策への理解を求めました。
会場外に設置された大型モニターにも、多くの市民が詰めかけました。オランド氏のあいさつが始まると、その場を離れる人の姿が目立ち、仏大統領として最低支持率を更新し続ける同氏への不満が示されました。
(2014年08月27日,「赤旗」)
京都市内で開かれている日本自治体労働組合総連合(自治労連)の第36回定期大会は25日、前日に引き続いて要求実現などをめざす運動について討論しました。
憲法キャラバンについて、三重の代表は、各自治体との懇談を進める中で、集団的自衛権の行使容認への賛成はゼロだったと発言。静岡の代表は、35自治体のうち32自治体を訪問し、安倍政権の暴走に対し、「ナチスのやり方と似ている」などの声が出されていると報告。人口減をストップさせるため、雇用・貸金問題で意見交換していると語りました。
維新とたたかう
大阪市労組の代表は、維新の会とたたかうもとで、加入者が増えているとのべ、「維新の会の政治を終わらせ、憲法が生きる自治体をつくる」と表明。滋賀の代表は、県知事選について安倍政権の暴走にストップをかける選挙だったとして、「戦争する国づくり」を許さないたたかいを報告。埼玉の代表は、三橋公民館だよりに俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」が掲載拒否された問題で、謝罪と掲載を求める取り組みをのべました。
広島市職労の代表は、豪雨に伴う土砂災害について、危険箇所が多いにもかかわらず、防災予算は増えないという住民不在が背景にあると批判し、災害に強い街づくり、復旧・復興に全力をつくすと表明。岩手・大槌町職の代表は、地元求人は期間雇用やパートが多く、「安心して働き続けることができない」と報告しました。
賃下げと地域間・世代間格差を拡大させる「給与制度の総合的見直し」について、茨城の代表は、学習を基礎に運動をすすめると発言。福岡の代表は、直方市での公契約条例制定について報告しました。
パートにも手当
臨時・非常勤職員の待遇改善で、愛媛・宇和島病院労組の代表は、運動を通じてパートの通勤手当が6月から支給されるようになったと発言。京都・宇治市野外活動センター嘱託労組の代表は、正規職員との不当な賃金格差をきっかけに組合を結成し、処遇改善を勝ち取りつつあることを報告。新潟の代表は、非正規雇用の保育士で産休を実現し、取得1人日の組合員が、赤ちゃんを抱えて団体交渉に参加し、「保育士が大好きです。これからも働き続けたい」と語るなどの運動を紹介。新潟市では、4時間パート職具の育休を勝ち取ったと語りました。栃木の代表も、非常勤の保育士で産休・育休を実現した経験をのべました。
神奈川県職労連の代表は、神奈川フィル楽団員の不当解雇で、県労委で不当労働行為と認定する判定を勝ち取ったとのべ、中労委、裁判での勝利をめざすと語りました。
原発再稼働反対
鹿児島・与論町職の代表は、川内原発の再稼働に対して、地元住民のアンケートで85%が反対していると発言。福島・郡山市職労の代表は、原発ゼロにむけた運動と共同を広げると語り、佐賀・唐津市労連の代表は、玄海原発の再稼働を許さない決意をのべました。
日本婦人団体連合会の柴田真佐子会長らが来賓あいさつしました。
(2014年08月26日,「赤旗」)
2012年12月の総選挙の直前、私は東京で開かれたEl本平和大会に参加しました。日比谷公会堂での集会前、自民党のデモ行進に出くわしました。軍国主義的な雰囲気に驚いたのを覚えています。日本の軍国化を目指す安倍内閣誕生を象徴していたように思います。
集団的自衛権行使を容認する閣議決定以前に、数十年にわたる米国政府からの圧力で、日本はすでに軍国化しています。日本の軍事費は世界で10位内です。核兵器は保有していませんが、海軍力・空軍力は中国を上回っているでしょう。
安倍首相は日中戦争が侵略戦争だったということをいまだに認めていません.旧日本軍の慰安婦問題に関する「河野談話」の見直しに着手しました。NHKの新会長や経営委員会の指名も私には驚きでした。
オバマ米政権も安倍首相には懸念を抱いています。歴代の米政権は日本に改憲を求めてはきました。しかし現在の懸念は、実際に改憲を実施すれば中国が態度を硬化させかねないというところにあります。
さらに、安倍政権が米国を中国との戦争に巻き込むのではないかという懸念もあります。尖閣諸島問題をめぐる日中の対立で安倍政権に抑制的な態度を求めたのはそのためです。
安倍首相は岸信介(元首相)の孫です。私の日本の友人は、安倍首相を米国の南部出身者にたとえています。南北戦争(1861-65年)に負けた南部諸州には今も「敗戦意識」が残っています。安倍首相にも同じ傾向を感じます。古い考え方を捨て去ることができない。
日本では「閣議決定」以来、安倍内閣の支持率が下がり気味だと聞いています。自民党内部にも軍国化に不満があるとの報道にも接しています。安倍政権は永遠に続きません。「閣議決定」も将来の政権がそれを覆すことができます。
米国ではアフガンイラク戦争の帰還兵の自殺者が、戦闘での死者を上回りました。日本の若い人たちにはそのことを知ってほしいと思います。
2005年の日本平和大会に私は、イラク帰還兵を連れてきました。彼は戦場で24時間以内に30人殺すよう命じられ、それが心の傷となりました。日本が戦争する国になれば、そうし経験をする若者が出てくるということです。 (おわり)
(このシリーズは野村説と山崎伸治が担当しました)
(2014年08月22日,「赤旗」)
【ジュネーブ-時事】国連の人種差別撤廃委員会の対日審査会合で20日、中国の黄永安委員が旧日本軍の慰安婦問題を取り上げ、安倍晋三首相や閣僚らが「慰安婦を正当化している」と批判するとともに、事実に向き合わない姿勢は「旧日本軍による性奴隷の歴史を隠蔽(いんぺい)する試みだ」と断じました。
黄委員は会合で「慰安婦は旧日本軍に強制連行された性奴隷だ」と強調。大阪市の橋下徹
市長や一部の政治家がこの見解に否定的だと指摘しました。
また、ピレイ人権高等弁務官が慰安婦問題で日本政府を批判した6日の声明を読み上げ、
「(慰安婦問題は)深刻な人権侵害、人種差別だ」と訴えました。
黄委員はさらに、国連の拷問禁止委員会が昨年、「日本政府や公人による(慰安婦問題の)事実否定、被害者を傷つけようとする試みに反対すべきだ」とした勧告を政府は受け入れなかったと主張。「人種差別撤廃委の勧告にも同じ姿勢を示すのではないかとの疑念が持たれている」と警告しました。
(2014年08月22日,「赤旗」)
自民党政務調査会は21日、党本部で河野散話と慰安婦問題に関する会合を開き、戦後70年を迎える来年に向け新しい官房長官談話を発表するよう政府に要請することを決めました。
会合後、高市早苗政調会長は記者団に対し「国と国民の名誉を将来にわたって傷つける誤った情報が海外に発信されているので、それを打ち消していく」と強調D「新しく調査によって判明した新たな談話を発出してもらいたい」と述べ、来週にも菅義偉官房長官に対し要望書を手渡す考えを示しました。
(2014年08月22日,「赤旗」)
山梨県南アルプス市の同市9条の会(小笠原達夫代表世話人)はこのほど、市桃源文化会館で終戦69周年記念講演会を開き、80人が参加しました。
小笠原代表世話人が「今日の講演会を第一歩に、草の根の力で、戦争関連法を許さないたたかいを広げよう」とあいさつしました。
都留文科大学の笠原十九司名誉教授(中国近代史)が、「歴史の真実に学び、再び『戦争す
る国』にしないために-・」と題して講演。
笠原氏は、安倍内閣の学校教育統制や歴史教科書攻撃の流れを詳しく紹介し、「マスメディアをも利用しながら『南京大虐殺事件はなかった』『従軍慰安婦制度はなかった』という歴史認識を次世代の国民の共通認識にしようとするものだ」と指摘。
「結論として、多くの人の自覚を高め、安倍内閣を倒す以外に『戦争する国』に向かう日本を救う道はありません」と強調しました。
(2014年08月21日,「赤旗」)
日本婦人団体連合会は19日、東京都内で「2014年戦争はごめん女性のつどい」を開催し、「戦争する国づくり」を許さない女性の共同をさらに強めようと語り合いました。100人が参加しました。
柴田真佐子会長はあいさつで、安倍晋三内閣の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」に抗議して全国津々浦々で行動が広がり、不戦の誓いを新たにした夏だと指摘。「『戦争はごめん』の声をもっともっと大きくし、憲法9条のもとで平和な日本をつくっていこう」と呼びかけました。
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」の池田恵理子館長が講演。教科書とメディアから日本軍「慰安婦」の事実を消そうとしてきた安倍首相の足どりを振り返り、「被事を二度と繰り返さないと勇気を出して証言した女性たちの声を真に受け止め、『記憶の暗殺者』とたたかいつづけなければならない」と訴えました。
「部活の合宿所に産経新聞しかなく、『慰安婦』問題をどう考えたらよいか知りたい」と合宿帰りに参加した私立中学校教員の男性は「おとなも事実を知り、子どもたちに伝えていきたい」と発言。「元日本軍兵士が生きている間に『慰安婦』-の加害証言を聞き取っている」などの発言が続きました。
同日発売が開始された『女性自書2014―アべノミクスで女性は活躍できるのか』が紹介されました。
(2014年08月21日,「赤旗」)
【ソウル-時事】韓国外務省高官は19日、旧日本軍の従軍慰安婦問題に関し、「河野談話の検証など日本で逆行的な動きもあるが、(日韓)双方が、何らかの結果を出すことを望んでいることは明確だ」と語りました。聯合ニュースが報じました。
韓国高官は、ミャンマーでの9日の日韓外相会談に関連し、「(外務省の)局長級協議を加速させねばならないとの考えを(日韓外相が)共有しているのではないか」と指摘。「国連、米国、欧州連合(EU)などで、慰安婦問題で日本政府に誠意ある措置を求める声が増えていることが一つの背景では」と述べました.
(2014年08月21日,「赤旗」)
40年間、韓国への修学旅行を続けている高校があります。奈良県の智弁学園高校。複雑な歴史の壁を乗り越えて理解を深めあう生徒や教師たちの姿を通じて、日韓関係の在り方を見つめます。読売テレビ制作。
韓国の歴史や文化を学ぼうと、ソウルの漢陽工業高校を訪ねる修学旅行には、これまで2万人が参加してきました。40年の節目となる今回の出発直前、セウオル号の沈没事故が発生。修学旅行を自粛する学校が相次ぐなか、智弁高校は「困難なときこそ、会うことが大切」と決断します。
交流を機に韓国の大学に留学した青年は、友人から「慰安婦」問題などを問われ「どう考えればいいのか」悩みます。それは、韓国の若者も同じ。智弁高校へのホームステイを前に、漠陽工業の生徒たちも「歴史問題を話していいのか」と教師に打ち明けます。この教師も、交流に参加して憎しみを消した一人。「友人を失うから、今は政治の話をしてはいけない」と生徒に諭す表情が切ない。
それでも、日韓両校の取り組みは、紛れもない笑顔と涙を生み出します。「嫌韓」世論をあおって売り上げや視聴率を伸ばすというメディアの風潮の中、あえて困難な題材に挑んだ番組スタッフと、取材に応じた智弁高校に敬意を表したい。
(佐藤研二)
(2014年08月17日,「赤旗」)
「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどいー教育研究全国集会2014」(教育のつどい2014)が16日、香川県高松市で始まりました。開会全体集会の壇上に「教え子を再び戦場に送るな」の文字が掲げられます。憲法を守り、生かし、一人ひとりの子どものための教育を実現しようと教職員や父母、研究者、市民ら1350人が参加。全日本教職員組合など24団体による実行委員会が主催し、18日までフォーラムや分科会で討論、交流します。
集団的自衛権行使容認の「閣議決定」をはじめとする安倍政権の「暴走」は、「戦争する国」、「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりの人材育成を狙う「教育再生」と一体ですすめられようとしています。
実行委員会の茂木俊彦代表委員(民主教育研究所代表運営委員)はあいさつで、日本軍「慰安婦」の事実をねじ曲げ、教育勅語を肯定して道徳の教科化をすすめる安倍「教育再生」の動きを批判。人権の主体者として育てる教育実践を交流し、全国いっせい学力テストなど競争教育の激化が何をもたらすかを学び合い、教職員の過醗な勤務実態の共有が大切だと強調し、参加と共同の学校づくりを呼びかけました。
現地企画「ようこそ香川へ
!」で、勤務評定や学力テストに反対する教育運動の歴史を紹介。
高松空襲の手記を朗読し「世界に誇ることができる宣言、それが憲法9条である」としめくくり拍手に包まれました。
絵本作家の松本春野さんと、九条の会事務局長の小森陽一さん(東京大学大学院教授)が「いま、憲法を守り、生かす」と題して対談。平和、福島、子どもたちに思いをよせて語り合いました。
地元、香川県の小学校教師1年目の女性(23)は、「憲法9条がどうなるのか-呑気になっている。かわいい子どもたちと1学期を過ごし、ますますやる気が出てきた。先輩たちの実践をしっかり学び、2学期に備えたい」と話しました。
(2014年08月17日,「赤旗」)
旧日本軍「慰安婦」問題の一日も早い解決と女性への暴力の根絶を目指して14日、大阪市内でデモが行われ、約200人が「『慰安婦』問題の早期解決を」と訴えて歩きました。主催は、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク。
同ネットワークの方清子(パン・チョンジャ)さんは、「1991年に韓国の金学順(キム・ハクスン)さんが被害者として名乗り出たから明らかになったことで、被害者の勇気ある訴えがあったからだ」と指摘。「国際社会が問題解決や性暴力をなくそうと立ち上がる中、日本だけ逆の動きをしている」と話しました。
守口市の岡田大さん(46)-会社員-は「男性が性暴力に問題意識を持つのはなかなか難しいと思う。でも、被害者も高齢になり、そんなこと言ってられない」と語りました。
奈良県天理市から来た女性(51)は「『慰安婦』問題は、外交ではなく、女性の人権の問題だ。早く解決したい」と話しました。
(2014年08月16日,「赤旗」)
【ソウル-時事】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、日本の植民地支配からの解放記念日である「光復節」の15日、記念式典で演説しました。大統領は、日韓国交正常化50周年の2015年が「(日韓)両国が新たな未来に共に出発する元年になることを願う」と強調し、「このための日本の政治指導者の知恵と決断を期待する」と求めました。
大統領は、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「この間題を正しく解決するとき、韓日関係が健全、着実に発展し、来年を両国民が心から共に祝うことができる」と述べ、15年を迎える前に解決するよう要求。「日本の一部政治家が両国民の心を引き裂き、傷を与えている」とも述べたものの、全体的に批判よりも、慰安婦問題の解決を前提にした関係改善を強く訴えた内容となりました。
また、「北東アジアは原子力発電所が密集する地域だ」として、日中韓を中心とし原子力安全に関する協議体を設けることを提案しました。
(2014年08月16日,「赤旗」)
在日本大韓民国民団(民団)は15日、朝鮮半島の日本の植民地支配からの解放を記念する第69周年光復節中央記念式を都内で開きました。
呉公太(オ・ゴンテ)団長は、来年の韓日国交正常化50年に向け友好促進をはかるとする一方、ヘイトスピーチの横行は「我慢できない」と地方自治体に厳しい対処を要請。来賓の自民党を含む各党国会議員も取り組み強化を表明しました。
日本共産党の吉良よし子参院議員は、「皆さんとの友好、特に若い世代の関係を発展させたい」とあいさつ。ドイツでユダヤ人虐殺の歴史を伝える教育を見聞したことに触れ、日本側が「過去の誤りはきちんと認め清算してこそ、日韓の心の通う友情が築ける」と述べました。
日本軍「慰安婦」問題についても、青春と人生を傷つけられ今も苦しむ女性たち-の日本政府による謝罪と賠償を求めると力を込めました。
吉良氏はまた、日本は憲法9条を守り生かした平和外交を、と力説。永住外国人の地方参政権も、早期実現にむけ、頑張ると述べました。
最後に、日本の学生や若者が、「ヘイトスピーチは人間として許されない」とデモや抗議に参加することで、自治体の対応にも変化がおきていると指摘。「日韓関係が改善され、北東アジアの平和が確かになるよう市民の皆さんと力を尽くす」と表明し、大きな拍手を受けました。
(2014年08月16日,「赤旗」)
【ソウル-時事】韓国の鄭義和(チョン・ウイフア)国会議長は14日、元慰安婦8人が共同生活する京畿道広州市にある施設「ナヌムの家」を訪れ、「人間性に深い傷を残した過去の蛮行を誰もが知っているのに、日本はそれをなかったことにしようとしている」と批判しました。韓国国会議長が同施設を訪問するのは初めて。与野党の国会議員や金姫廷(キム・ヒジョン)女性家族相も同行しました。
鄭議長は「日本は、全世界の人々にざんげし、反省し、再びこのようなことが起きないようにすると決意してほしい」と主張。近く日本の国会の議長と会う考えを明らかにし、「(元慰安婦が)生きている問に恨みを少しでも晴らせるよう努力する」と述べました。
元 慰安婦の李容決(イ・ヨンス)さん(85)は「死ぬ前に政府と国会が努力し、日本が謝罪し、法的賠償をするようにしてほしい」と訴えました。
(2014年08月15日,「赤旗」)
【台北-時事】旧日本軍の慰安婦として働かされたと主張する台湾人女性の支援団体が14日、台北市内の交流協会台北事務所前で抗議集会を開きました。若者を中心に約50人が参加しました。
支援者らは、日本政府に対して、正式な謝罪と賠償のほか、慰安婦の歴史教科書への記載などを求めました。集会には中国の研究者も参加し「全世界が慰安婦問題に関心を持っている。歴史を否定することはできない」と訴えました。
支援団体によると、台湾の元慰安婦の生存者は5人、平均年齢は90歳になるといいます。馬英九総統も慰安婦問題に強い関心を寄せ、2015年に民間団体と協力して「慰安婦歴史展示館」を開設する考えを示しています。
(2014年08月15日,「赤旗」)
【ソウル=遠藤誠二】旧日本軍「慰安婦」問題と戦時性暴力に関する国際シンポジウムが14日、ソウル市内で開かれ、日本、韓国、中国の研究者らが問題解決にむけ意見を出し合いました。
韓国の慰安婦「被害者」は現在54人で平均年齢は88歳です。"「慰安婦」間顔は解決ずみ"として国連の解決勧告を無視する日本政府と、"強制性はなかった"などとする一部勢力の姿勢を、シンポジウム参加者はそろって批判しました。
議長の申蕙秀韓国・国連人権政策センター代表は、「朝鮮半島と中国の被害者は、自分がどんなところに連れて行かれるかもわからなかった性奴隷として扱われた」r(「慰安婦」問題を)議論し解決することは、現在の戦時性暴力にも関連する問題だ」と指摘しました。
日本から岡野八代・同志社大教授、永井和・京大教授、阿部浩己・神奈川大教授が参加。永井氏は、戦時中の日本の内務省史料を示し、慰安所が日本軍の施設であったことを論証しました。
上海師範大学の蘇智良教授は、中国の「慰安婦」被害について説明しました。同国の被害者
は現在23人、平均年齢は87歳。蘇氏は、日本政府が戦時中の犯罪を認めるため努力が必要だと強調。集団的自衛権行使容認の「閣議決定」に懸念を示し、「日本が戦争を起こすことができるよう」になれば「慰安婦」のような人権侵害が再び起きかねないと主張しました。
シンポジウムは韓国女性政策研究院が主催し、韓国女性家族省が後援。1991年、韓国の金学順さんが被害者として初めて名乗りでた8月14日にあわせ開催しました。同省の金姫廷長官があいさつし、「慰安婦」に関する史料をユネスコの世界記録遺産に登録することなど「さまざまな方策で問題の解決をはかっていきたい」と表明しました。
(2014年08月15日,「赤旗」)
安倍さんは昨年4月、「3年間抱っこし放題での職場復帰」と名づけた3年間の育児休業を提案して、"総スカン"を食らいました。現実は、育児休業を取る前に、出産した女性の6割が職場をやめています。子どもを産んで働き続けること自体難しいのです。
嫌悪する首相
安倍さんは「女性の活用」といいますが、「男女共同参画社会」の実現は強調しません。男女平等という建て前すらいわないのです。個人の尊厳と固定的な性別役割の変更を内容とする「男女共同参画社会」の実現を嫌悪しているのがわかります。
安倍さんの女性政策を見るときに、集団的自衛権容認の閣議決定と切り離して考えることはできないですね。集団的自衛権の容認は、日本を戦争できる国にするということです。戦争できる国が、女性の人権を尊重することはないし、性暴力やDV(ドメスティック・バイオレンス、配偶者・恋人などからの暴力)をなくせるはずがありません。
私がDVの研究をはじめたきっかけは1980年代にイギリスで出合った1冊の本です。タイトルを日本語に訳すと『静かに叫びなさい。さもないと隣に聞こえてしまうから』です。著者のエリン・ビッツェイは「離婚困りごと相談」に来た女性たちが相談を終えても家に帰らない理由が夫の暴力だと知ります。エリンたちは、シェルター(女性の家)をつくり、DV防止の法律づくりを働きかけていきました。
振り絞った声
日本でもDV問題があるに違いないと研究会をつくって、初めての全国アンケート調査を実施したのが92年です。DVを女性の人権の問題として顕在化させ、DV防止法につながりました。課題はありますが、法律ができて、被害者が声をあげていいんだよ、というメッセージになったと思います。
日本軍「慰安婦」問題では、90年代の初めに、韓国の元「慰安婦」の訴えがありました。想像を絶するような深い傷を負い、偏見のなかで生きてきた元「慰安婦」たちの、振り絞って出された声を聞くべきです。"強制性を示す国の公文書はない"といって攻撃するのは間違った議論です。日本軍「慰安婦」が性奴隷制だという見方は国際社会で定着しています。歴史を曲げることはできません。聞き手・武田恵子
かいのう・たみえ1944年、中国東北部(旧満州)生まれ、早稲田大学大学院法学研究科博士課程修了。著書に『危機をのりこえる女たち』など。
(2014年08月14日,「赤旗」)
【ソウル-時事】韓国の金姫廷(キム・ヒジョン)女性家族相は12日、国会で開かれた旧日本軍の慰安婦に関する漫画展であいさつし、「歴史に正確に向き合い、全世界に知らしめ、絶対に忘れてはならない」と述べ、慰安婦関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録するため、一層努力する考えを示しました。鄭義和(チョン・ウイ77)国会藷長も「日本が自らが犯した過去の過ちを心から悔い改め、其の解決を示す」よう求めました。
今回の漫画展は、今年1月のフランス・アングレムの漫画祭に出展された作品が展示されました。
(2014年08月13日,「赤旗」)
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は10日、フジテレビの番組で、日本軍「慰安婦」をめぐる1993年の河野洋平官房長官談話に関し、「来年戦後70年、日韓関係は50周年を迎える。ここで過去50年間の誤解など含めたものを(日韓両国で)お互いに確認する意味でも、新たな声明を出したらどうかと思う」と述べました。河野談話については、「否定はしない。それはそれで継承する」と語りました。
この後、萩生田氏は記者団に、談話作成の経緯などについて、河野氏の説明を聞きたいとの考えを重ねて強調。「刑事事件以外で総裁経験者を国会に招致した前例はない。党として調査していく」と述べました。
(2014年08月12日,「赤旗」)
【ネピドー=時事】岸田文雄外相は9日夜(日本時間同)、ミャンマーの首都ネピドーで韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談しました。岸田氏は、安倍晋三首相と朴槿恵(バク・クネ)大統領による首脳会談の早期実現を通じた関係改善を呼び掛けました。これに対し、平氏は従軍慰安婦問題をめぐる日本政府の対応を批判。ただ、双方は外相レベルを含む対話を継続することでは一致しました。
日韓外相会談は昨年9月以来、約1年ぶり。
(2014年08月12日,「赤旗」)
日本共産党の小池晃副委員長は10日放送のフジテレビ番組「新報道2001」に出演し、「朝日」が掲載した旧日本軍「慰安婦」問題の検証記事などをめぐって自民党の萩生田光一総裁特別補佐、日本維新の会の橋下徹代表(大阪市長)らと討論しました。小池氏は「朝日」報道をもって、「慰安婦」問題への旧日本軍の関与を認め、謝罪した1993年の「河野洋平官房長官
談話」の真実性はいささかも揺らぐことはないと強調しました。
「朝日」5、6両日付は、1980年代から取り上げてきた同紙の「慰安婦」問題の報道記事の検証記事を掲載。このなかで「慰安婦」を強制連行したとする吉田清治氏の証言を虚偽だと判断し、同氏を取り上げた記事を取り消しました。
これに対し維新の橋下氏は、「朝日」報道を攻撃するとともに、「アメリカ、イギリスだって民間業者を使って女性を性の対象にしていた。戦地ではフランス、ドイツも慰安所を持っていた」「日本だけを不当に侮辱するなと言い続けなければいけない」と発言。自民党の萩生田氏も「日本が組織的に女性たちを連れ去って慰安婦に仕立てたという話は違う」と述べました。
国際的に通用は
これに対し、小池氏は反論しました。
小池いまの議論は、国際的にはまったく通用しません。(「慰安婦」問題で問われている)強制性というのは、無理やり連れて来たかどうかという手段だけの問題ではない。甘言や人身売買などで、本人の意思に反して連れてくれば、それは強制です。
橋下さんは世界中やっていると言うけれど、軍の中枢も関与して女性を連れて来る、人数も、料金も含めて全部指示を出して、こんなことをやった国はナチス・ドイツと日本だけです。監禁し、毎日何十人もの兵士の相手をさせられる。そういうことに対して国際的に怒りが広がっているわけです。
例えば、アメリカの下院議会の決議にも、欧州議会の決議にも強制連行という言葉は出てきません。問題は、監禁して、兵士の相手をさせられる性奴隷制度であると。ここに女性の人権問題に対する怒り、世界の怒りがあるわけです。
小池氏は、吉田証言の問題について「信懲性がないことははっきりしている」と指摘した上で、その証言の取り消しによって強制性をすべて否定するような言動を批判しました。
金慶珠・東海大学准教授は、吉田証言だけが「慰安婦」問題の根拠になったのではなく、91年8月の元「慰安婦」金学順氏の証言に大きな意味があったと述べました。
一方、萩生田氏は「そもそも『慰安婦』の問題は人権の問題だという話のすりかえはおかしい」と主張。小池氏は、軍の指示のもとに行われた性奴隷制度の問題だと強調しました。
橋下氏は「軍関与も大きな誤解だ」と述べ、性病検査や民間業者の取り締まりなど関与を矮小化しました。
「性奴隷」だった
小池氏は「橋下さんは先ほど、性奴隷もなかったというわけですよね。この吉田証言が否定されたからといって全部なかったかのように言っているわけです。性奴隷じゃないんですか」と質問。橋下氏は「性奴隷だ」と認めながら、「性奴隷という言葉の問題で、もし日本のやったことが性奴隷だったら、世界各国も性奴隷を使っていた」と述べ、軍が直接指示・関与した「慰安婦」問題についての責任を免罪し続けました。
「河野談話」に関して、萩生田氏は「河野談話の根拠に、吉田証言はあった」と主張。小池氏は「河野散話の作成の際にヒアリングをやっています。対象は吉田氏だけでなく、(研究者の)吉見義明さん、秦郁彦さん、みんな意見を聞いている。吉見さん、秦さんは吉田証言を否定している人です。『河野談話』は吉田証言を採用していない」と指摘し、「河野談話」の真実性はいささかも損なわれることはないことを強調しました。
さらに小池氏は、「河野談話」の発表後、日本の八つの裁判所で元「慰安婦」35人が、強制
的に「慰安婦」にされたと事実認定されていると紹介。「強制的に慰安婦にされたことが裁判所の判決で確定している」と強調しました。
(2014年08月12日,「赤旗」)(Page/Top)
埼玉県小川町の町立図書館ギャラリーで7日、「第10回平和のための小川町戦争展」(主催・実行委員会)が始まりました。16日まで。
日本軍「慰安婦」や南京大虐殺などの日本による戦争の加害の事実を否定しようとする動きが強まる中、「戦争の実相を伝えようJと展示に工夫を凝らしています。
壁をいっぱいに使った年表には、明治から昭和にかけての日本の戦争の歴史を記述。国民が自由にものを言えなくなる状況を政府がつくり出す中で、戦争を進めていった実態を示しています。
町民の戦争体験をまとめた「先輩からの伝言」や、町に残る、航空軍司令部をつくろうとした地下壕(ごう)の跡などに関する展示も、歴史の流れの中で理解できるようにしています。
現在の問題として、米軍機が町の空を頻繁に飛び交うようになった背景、集団的自衛権行使容認など安倍内閣の「戦争する国づくり」の狙いなどを解説しています。
(2014年08月09日,「赤旗」)
「全国革新恕ニュース」7・8月合併号は、「慰安婦」番組を制作した元NHKディレクターで「女たちの戦争と平和資料館」館長の池田恵理子さんが登場しています。安倍首相らからの圧力の体験をもとに、NHKの危機を憂い、公共放送のあり方を提起、視聴者が声をあげることをよぴかけています。
視点は、石川康宏神戸女学院大教授(全国革新懇代表世話人)の〝労働者の使い捨て許さず、「人間らしい労働世界」を〟、随想は、沖縄から発信している画家の宮良瑛子さん(沖縄女流美術家協会顧問)が「沖縄・愛と平和と」と題し、思いをつづります。
福島の原発被災地で現地交流した愛知、大阪革新懇の手記のほか、大学教育や革新憩の活動を通じて青年と交流している冨田宏治関西学院大学教授が青年革新鵜の役割を考えます。
購読料は年間1820円(送料込み・1部から自宅に郵送)。連絡先は全国革新怨〒
160- 0004 新宿区四谷3の8三橋ビル5F
電話03 (3357) 5515 ファクス03 (5363)8965
(2014年08月08日,「赤旗」)
【ソウル-時事】韓国外務省報道官は6日、ビレイ国連人権高等弁務官が旧日本軍の従軍慰安婦問題に関し、日本政府の対応を強く批判する声明を出したことを受け、「日本政府が国連の勧告を受け入れ、心からの反省と責任ある措置を取る」よう求める論評を発表しました。
(2014年08月08日,「赤旗」)
「慰安婦問題は現在の懸案」/日本に対応迫る/国連人権高等弁務官
「歴史の隅に置かれた事案ではなく、現在の懸案だ」-。旧日本軍の「慰安婦」問題に関してビレイ国連人権高等弁務官が6日発表した声明は、日本政府の対応を強く批判しました。国連弁務官が「慰安婦」問題で日本政府の対応を批判するのは初めて。
弁務官は声明の中で、日本政府が「戦時中の性奴隷」への対応を怠り、被害者への人権侵害が今も続いていると表明。「たたかい続けてきた勇気ある被害者が、償いを得られないまま、一人、また一人と亡くなっていくのを見るのは苦痛だ」と述べました。8月末の任期切れを控え、「慰安婦」問題を人権問題として重視している姿勢を示しました。
また、弁務官は、6月に日本政府が公表した河野洋平官房長官散話の検証結果にも言及し、「(検証の後)東京の団体が『慰安婦は戦時売春婦だった』と主張しているが、日本政府は公式に反論していない」と指摘しました。
さらに、日本政府に「包括的で公平、長期的な解決策の追求」を要請。被害者救済など、具体的な対策を早急に講じるよう訴えました。
(2014年08月08日,「赤旗」)
【ロサンゼルス-時事】米ロサンゼルス近郊のグレンデール市に設置された旧日本軍の韓国人慰安婦を象徴する少女像をめぐり、地元の日系人らが像の撤去を市に求めた訴訟で、ロサンゼルスの連邦地裁は4日、原告側の訴えを棄却しました。
原告側は、市が像を設置して慰安婦問題で特定の立場を取ることは連邦政府に付与された外交権限を侵害しているなどと主張。しかし、地裁は判決で、2007年に米下院で慰安婦問題での日本政府の公式な謝罪を求める決議が採択されていることなどを理由に「連邦政府の外交政策に合致する」と判断しました。
原告側は「判決は極めて主観的だ。控訴を含め、さまざまな法的手段を検討する」とコメントを発表しました。
(2014年08月07日,「赤旗」)
【ワシントン-時事】米政府は5日、ホワイトハウスや国務省の当局者が旧日本軍の元慰安婦だった韓国人女性2人と7月31日にワシントンで面会したことを確認しました。国務省によれば、2人は元慰安婦の支援施設「ナヌムの家」のメンバー。国務省はこれまでも定期的にナヌムの家のメンバーと面会しており、接触を断つつもりはないといいます。
国務省のサキ報道官によれば、今回の面散は2人の要請で実現。国務省では、実務レベルの当局者が慰安婦としての2人の経験をめぐって意見交換しました。ホワイトハウスでは、市民社会との対話に当たる「公衆関与室」の職員が対応しました。
報道官は慰安婦問題について「旧日本軍が関与した大規模で深刻な人権侵害であり、癒やしをもたらすべくこの問題に取り組むよう日本に促す」と改めて強調。ホワイトハウス当局者も、慰安婦問題をめぐる日韓の対話が「未来志向の関係」構築に寄与することを希望すると述べました。
(2014年08月07日, 「赤旗」)
【ジュネーブ-時事】ビレイ国連人権高等弁務官は6日、旧日本軍の元従軍慰安婦問題に関し声明を発表し、日本政府が対応を怠り、被害者の人権侵害を続けていると強く批判しました。
(2014年08月07日,「赤旗」)
【ニューヨーク-時事】ニューヨーク市近郊のニュージャージー州ユニオンシティーの広場で4日、旧日本軍従軍慰安婦の記念碑除幕式が行われました。広場はハドソン川を隔ててマンハッタンを見渡す場所にあり、米同時テロの記念碑も設置されています。
慰安婦の碑・像は5月末のバージニア州フェアファクス郡に続き、全米で7件目。新たな慰安婦碑は地元の文化財団などの主導で設置されました。除幕式にはスタック市長や州議員、女性活動家らが出席。市長は「このような過ちを繰り返してはならない」とあいさつしました。
韓国から訪れた元慰安婦のイ・オクスンさん(87)は「日本政府は謝罪しようとせず、自分たちだけでは解決できないので米国に来た」と話し、萎日出さん(86)も当時の体験を泣きながら語りました。
(2014年08月06日, 「赤旗」)
【ソウル-時事】聯合ニュースは5日、訪米している旧日本軍慰安婦の韓国人女性2人が最近、ホワイトハウス、国務省の関係者と面会したと報じました。どちらが持ち掛けたかは不明ですが、元慰安婦と米当局者が面会するのは初めてとみられ、米政府が、日韓の火種である慰安婦問題への対応策を探ろうとした可能性もあります。
面会したのはニューヨーク市近郊での慰安婦の記念碑除幕式に参加するために訪米した李玉善(イ・オクソン)さん(87)と妻日出(カン・イルチュル)さん(86)。7月30日にホワイトハウスの関係者と、31日に国務省関係者とそれぞれ約2時間半会ったといいます。
面会で2人は「われわれはもうすぐ死ぬ。慰安婦問題を必ず解決しなければならない」と米政府に関心を持って支援するよう求めました。これに対し、ホワイトハウスの市民・社会問題の責任者は「これ以上遅くならないように、問題を注視していく」と話したといいます。
(2014年08月06日, 「赤旗」)
戦前・現在、資料で比較/さいたま市
「なぜ戦争するの…?なかよくしようよ人間だもの」をメーンテーマに、第31回平和のための埼玉の戦争展が2~4日、さいたま市で開かれました。約7800人が来場しました。
参加者は、パネルや資料、戦争の証言を通じて、戦争をなくし、対話による平和を実現するために何が必要か考えました。
安倍政権が「戦争する国づくり」へと暴走するなか、展示では戦争と教育、戦争とメディアなど戦前と比較しながら現在の問題を明らかにしました。日本軍「慰安婦」問題など過去の戦争の過ちをただしながら、北東アジアの平和を実現する展望を示しました。
会場には中高生など多くの若者が訪れ、展示に見入ったり、各パネルの解説者の話を熱心に聞いたりしていました。
三郷市から来た50代の女性は「集団的自衛権の問題など政治がよくない方向にあるなかで、若い人が興味を持ってもらえる、とてもよい内容です」と話しました。
「学童疎開」をテーマに/所沢市
「2014所沢・平和のための戦争展」が5日まで、埼玉県の所沢市役所1階市民ギャラリーで開かれています。
戦争の実相を伝えるものをはじめ、集団的自衛権や所沢の基地問題など、さまざまな展示が並んでいます。3日には、すいとん試食会や平和のうたの合唱、米軍所沢通信基地の出前講座などが行われました。
受付では、展示をもとに作ったクイズが配布され、クイズを解きながら熱心に解説を聞く中学生もいました。
3日のセレモニーであいさつした、実行委員会の山田裕事務局長は「今年は学童疎開をテーマにした展示をしている。中学校では歴史の事実をゆがめる教科書が押しつけられようとしているなかで、いま平和の活動がとても大事になっています」と述べました。
2歳の息子とともに訪れた市内の男性(32)は「集団的自衛権の話が出ているけど、みんなが理解しないままにことが進んでいて不安。子どもが大きくなったときに心配」と語りました。
(2014年08月05日, 「赤旗」)
韓国の女性家族省は3日、2015年末をめどに、旧日本軍「慰安婦」問題の実態を知らせる「白書」を発刊すると明らかにしました。英語、中国語、日本語など多様な言語に翻訳し、国際社会に配布するといいます。
執筆にあたるのは日韓関係史の研究者や、外交、国際法の専門家ら10人.関係省庁や民間の委員による諮問団も結成されます。
韓国政府は1992年に「慰安婦」問題に関する「中間報告書」を発行しました。「白書」は、その後の20年で新たに発掘した資料や研究成果を盛り込むとともに、国際機関や市民団体の活動、「慰安婦」制度の犯罪性、被害実態を総合的に整理、分析するといいます。
金姫廷(キム・ヒジョン)女性相は、「慰安婦問題に対する、より積極的な対応と解決策の模索のための基礎資料となるだろう」と話しています。
(2014年08月05日,「赤旗」)
菅義偉官房長官は4日の記者会見で、韓国政府が旧日本軍の「慰安婦」の実態を記した「慰安婦白書」を発刊すると発表したことについて、「この(慰安婦)問題を政治、外交問題にすべきではない」と述べました。菅長官は「慰安婦問題を含む日韓間の財産請求権の問題は、日韓請求権協定によって完全に、最終的に解決済みだ」とも語りました。
(2014年08月05日,「赤旗」)
ただ今、稽古の真っ最中!
苦しんでいます!
私の役は、日本軍「慰安婦」にさせられた原告女性の代理人弁護士です。モデルになったのは「慰安婦」問題解決オール連帯共同代表の大森典子弁護士。元日本兵と被害女性の原告証言からなる30分間のリーディング形式の構成劇で、劇団俳優座特別公演「戦争とは・・・2014」で上漬します。
高齢になった元「慰安婦」の女性たちは、PTSD (心的外傷後ストレス障害)や後遺症に苦しみながら次々と亡くなられています。俳優である私がこの間題でできることは何かー。ここ数年、「慰安婦」をテーマにしたミュージカルへの出演や、芝居を交えた講演会などを続けています。
演じるにあたっては、被害女性から話を聞いたり、「女たちの戦争と平和資料館」(wam)に通いつめて被害者の証言や法廷のビデオを見たり、本を読んだり、他の出演者とともに考えたり・・・。できる限り、彼女達の苦しみを追体験しようと努力します。しかし、どんなにがんばっても、俳優の私が被害女性になりきることはできないし、代理人の弁護士さんになりきることもできません。彼女達の哀しみや口惜しさ、痛み、闘いは、私の想像をはるかに超えるものです。
それでも、「慰安婦」問題を風化させたくない、過ちを繰り返さないという思いを未来につなげたい-。どのように伝えれば、人々の心に彼女達の事実をまっすぐに届ける事ができるのか? 俳優の限界と可能性のはぎまで、周りの人にアドバイスをもらいながら暗中模索しています。(女優)
(2014年08月03日,「赤旗」) (Page/Top)
第60回日本母親大会(同実行委負会主催)が2、3の両日、神奈川県内で開かれます。おもな日程を紹介します。当日受け付けもあります。
2日(土)全体会
午後0時30分~5時。横浜市のパシフイコ横浜・国立大ホール(みなとみらい線みなとみらい駅より徒歩3分)で。記念講演「子どもたちに憲法が輝く明日を」(東京大学大学院の小森陽一教授)。文化行事「ジャズ演奏」(神奈川県立金沢総合高校吹奏楽部&OB)。大ホールに当日受け付けの席も設けますが、満席の場合は別会場に案内します。
3日(日)分科会
子どもと教育、くらし・権利、女性の地位向上、平和と民主主義、親子で遊ぼう、学ぼうなど38のテーマで話し合います。時間はいずれも午前10時~午後3時です。
パシフイコ横浜・会議センター
○すべての子どもに安全安心な保育・子育てを
○教育にもっとお金を
○安倍政権の「教育再生」とどう向き合うか
○教科書が変えられる? !
○すべての子どもにおいしい給食を
○メディアと向き合う力を育てる
○子どもの心によりそって「登校拒否・不登校のもんだい」「ひきこもりのもんだい」「『非行』のもんだい」
○障害のある子もない
子も豊かな発達を
○原発・放射能汚染から子どもを守ろう
○障害者も一人の大人として社会のなかでくらしたい
○映画「モンサントの不自然な食べもの」を戟(み)て、TPPと食の安全安心について考える
○原発ゼロの日本をめざして
○わが子を戦争に行かせません
○ 日本軍「慰安婦」問題を若い世代に語りつごう
○特別企画「生涯現役、自分らしく生きる」
○親子で遊ぼう、学ぼう「親子リズム・人形劇・性を話そう」「数楽のひろば」「科学のひろば」「つくって遊ぼう」
神奈川学園中学・高等学校(横浜駅西口から徒歩10分)
○ 労働法を使って人間らしい働き方を
○消費税が8%にあげられてどうなった?
私たちのくらしと地域経済
○今、生存権があぶない!?
○若者も女性も高齢者も安心できる年金制度に
○いつでもだれでも安心して診てもらえる医療を
○安心して地域でくらしつづけられる介護保険制度に
○大震災、自然災害から子ども・生命・くらしを守るために
○公害のないまちづくり
○ メンタルヘルスを考える
○「女性の活躍」戦略で女性の力は桔(い)かせるか
○ しゃべり場わたしらしく輝きたい
○母親運動
○ ビキニ被災から60年
○講座「『社会保障プログラム法』で年金・介護・医療はどう変わる」
○特別企画「ビッグてい談世界とアジアからみた日本」「無言館『声なき声』を語りつぐ」「宮本百合子」
事前申し込みが必要な企画や分科会は掲載していません。
参加するには、会員券(1日2500円)が必要です。
(2014年08月02日,「赤旗」)
データは語る/東南アジアからの訪日客急増
戦争の真実を/第12回平和展/愛媛
日本母親大会/子育てママ大集合/魅力あふれる38分科会/来月2・3日、神奈川で
韓国、来月の外相会談に慎重姿勢
国連勧告、政府は履行を/秘密法など/NGO1O団体が会見
韓国・民青学連事件/ 日本政府は「抗議意思なし」/日本国民の不当拘束に/柳田常樹さんの投稿
国連の勧告に「残念」
「慰安婦」問題解決訴え/韓国大統領、舛添都知事と会談
ヘイトスピーチ処罰を/ 「慰安婦」国家責任認めよ/国連、日本政府に勧告
俳優座朗読「戦争とは…」20周年/平和への願いこめ/有馬理恵
女性差別撤廃条約批准国としての責任を果たし、女性差別の改善へ、条約の全面実施を/要旨
2014焦点・論点/北東アジアに平和協力機構を/インドネシア副大統領補佐官デビイ・フオルトナ・アンワルさん
河野談話検証、局長級協議で韓国反発
2014夏・黙ってはいられない/カトリック大阪大司教区大司教池長潤さん/非人道的時代に戻さぬ
墓穴掘る「靖国」派/全国紙に「河野談話」見直し意見広告/検証に反論材料示さず攻撃
キャスター・アナウンサー・プロデューサー、NHK退職者172氏声明/籾井会長の辞任・罷免迫る
23日局長級協議、日本が外相会談打診へ
「慰安婦」問題/其の解決訴える/不戦の決意、試金石に/笠井議員が講演/さいたま
国連人権委が-イトスピーチ対策迫る
各地の集い・宣伝から/「日本軍『慰安婦』問題と安倍政権歴史認識を考える」学習交流会(5) /札幌市
母親大会開く「慰安婦」向き合う/高知
水曜エッセー/「日本よい国」の時代/愛国者たちの暗黒郷/早川タダノリ/5/放送が盛り上げた総力戦体制
台湾が「抗日記念館」
「慰安婦」閉居と「河野談話」学ぶ/党文化後援会例会
中韓首脳会談/6カ国協議推進で一致/安倍政権の歴史認識、地域平和の障害
中韓、集団的自衛権容認に憂慮
「慰安婦」解決へ町議会意見書/鳥取
北朝鮮非核化で一致/ 「慰安婦問題」共同研究も/中韓首脳
社長らの書間要求/ニコン裁判原告側
韓国大統領,河野談話の検証結果公表を批判
政権は歴史に逆行/ 「慰安婦」問題考える集い/大阪
各地の集い・宣伝など/札幌市北区・新日本婦人の会プラタナス班の憲法学習会(24日)
印の見/歴史の真実と向き合う若手作家
ローマ法王,元「慰安婦」と面会へ/来月の訪韓時に
集団的自衛権/残虐行為に謝罪・賠償なく/ "裏口開放する、やり方だ/重慶・ニコン訴訟関係者の声
データは語る/東南アジアからの訪日客急増
日本を訪れる外国人が急増しています。日本政府観光局が23日に発表した今年1-6月(上期)の訪日外国人は626万人で、初めて1000万人を超えた昨年の同時期よりも26・4%増えました。
上期ではこれまで最多だった2013年を130万人余り上回りました。6月の月間でも105万7000人と3月から4カ月連続で100万人を超えました。
国・地域別では、昨年7月に短期滞在査証(ビザ)の発給条件を緩和した東南アジアが急増したほか、関係が冷え込んでいた中国からの客は前年同期比88・2%増の100万人と過去最高を記録しました。一方、1999年から国・地域別の訪日客数で1位だった韓国は、前年同期より3・3%少ない127万人となり、台湾に抜かれました。調査対象のほかのアジア諸国が大幅に増やし過去最高だったのに比べて対照的な結果です。
韓国の減少には、安倍晋三首相の靖国神社参拝や日本軍「慰安婦間題など、政権の歴史認識に起因する関係悪化が影響しているとみられます。政府は2020年に訪日外国人2000万人を目指すとしていますが、隣国との良好な関係抜きに観光の発展もありません。
(矢守一英)
(2014年07月31日,「赤旗」) (Page/Top)
戦争の真実を/第12回平和展/愛媛
第12回平和展が25日から29日まで、松山市のコミュニティセンターで開かれました。松山市平和資料館をつくる市民の会の主催。
市民の会の畑野稔会長は「平和展は、1945年7月26日の松山大空襲の犠牲者を追悼することをきっかけに始まりました。この事実だけは永遠に伝えていかなければなりません。そのことが日本の平和、世界の平和を守ることにつながると思います」と開会あいさつしました。
松山空襲の記録、日本軍「慰安婦」問題の展示や、焼夷(しょうい)弾、出征幟(しゆつせいばた)、千人針などの戦争遺品等、戦争資料約500点を展示。ことしは、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を報道する全国・地方の新聞を展示しました。
(2014年07月30日,「赤旗」) (Page/Top)
日本母親大会/子育てママ大集合/魅力あふれる38分科会/来月2・3日、神奈川で
「生命(いのち)を生みだす母親は生命を育て生命を守ることをのぞみます」をスローガンに、第60回日本母親大会が8月2、3の両日、神奈川県で行われます。「子どもや孫を戦場に送らない」と7月1日の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」以降、参加希望者が急増。38ある分科会も魅力にあふれています。
分科会は、子どもと教育、くらし・権利、女性の地位向上、平和と民主主義、親子で遊ぼう、学ぼうなどのテーマで話し合います。
大会は60年の歴史を若い世代に引き継ごうと、子育て中の若い世代向けの分科会を多数準備しています。
「親子で遊ぼう、学ぼう」として「親子リズム・人形劇・性を話そう」「数楽のひろば」「科学のひろば」「つくって遊ぼう」の四つの分科会が行われます。
「親子で学ぼう」
「親子リズム・人形劇・性を話そう」の分科会を、実行委員会をつくって準備する新日本婦人の会神奈川県本部の坂田綾子副会長は話します。
「親子リズムは幼稚園や保育園の子、小学生も楽しく参加できます。性犯罪が低年齢化する今、子どもを被害者にも加害者にもさせたくないという願いから、性教育も行います。性教育は、憲法と同じように命と人権を大切にするもの。家庭で困っていることを交流し、親子で正しい知識を学ぶきっかけにしたいです」坂田さんたちは「子育てママ大集合!」とチラシを作り、分科会-の参加を呼びかけています。
分科会「わが子を戦争に行かせません」では、憲法カフェにとりくむ太田啓子弁護士を助言者に憲法を守り、秘密保護法の廃止を求める運動を交流。戦争体験を語り継ぎます。
「日本軍『慰安婦』問題を若い世代に語りつごう」も侵略戦争の真実を若い世代に引き継ごうと企画されています。「若者も女性も高齢者も安心できる年金制度に」などもあります。
神奈川ならでは
開催地・神奈川ならではの分科会も多彩です。
「すべての子どもにおいしい給食を」では、中学校給食実現をめざす神奈川県や全国のとりくみ、アレルギーやデリバリー給食、給食費の問題を話し合います。
「教科書が変えられる?!」では、安倍晋三首相が採択率アップを呼びかけ、横浜市などでの採択を歓迎した育鵬社の中学歴史教科書を使い、模擬授業を行います。閣議決定の内容を子どもにおしつける教科書検定制度や採択制度を考えます。
「公害のないまちづくり」の分科会も数年ぶりに復活し、大気汚染やpM2.5、アスベスト被害などの救済制度を考えます。
「私らしく」もキーワードです。開催地実行委員長の野末悦子医師と脚本家の小山内美江子さんによる特別企画「生涯現役、自分らしく生きる」を準備。「わたしらしく輝きたい」というテーマでしゃべり場も行います。
8月2日(土)全体会
午後0時30分~5時。横浜市のパシフイコ横浜・国立大ホール(みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩3分)で。記念講演「子どもたちに憲法が輝く明日を」(東京大学の小森陽一教授)。文化行事「ジャズ演奏」(神奈川県立金沢総合高校吹奏楽部&OB)
3日(日)横浜市内2カ所で分科会
子どもと教育、くらし・権利、女性の地位向上、平和と民主主義、親子で遊ぼう、学ぼうなど38のテーマで話し合います。時間はいずれも午前10時~午後3時です。
場所はパシフイコ横浜・会議センターと神奈川学園中学・高等学校(横浜駅西口から徒歩10分)です。
参加するには、会員券(1日2500円)が必要です。ペア券(2枚)は4000円、大学生は500円です。当日参加も可能です。見学分科会の申し込みは締め切りました。
問い合わせ先=神奈川県母親大会実行委員会℡045(641)8815
(2014年07月30日,「赤旗」) (Page/Top)
韓国、来月の外相会談に慎重姿勢
【ソウル-時事】韓国政府高官は27日、ミャンマーで8月10日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の際に日韓外相会談を行う可能性に関し「まだ決定できない」と慎重な姿勢を示しました。聯合ニュースが伝えました。
高官は、現在の日韓の対話の構図について「非対称的だ。一方(日本)は対話するだけで有利な半面、一方(韓国)は対話の結果がプラスにならなければならない状況だ」と指摘しました。日本を批判する立場の韓国側は、譲歩を勝ち取らない限り国内世論の批判を避けられないため、容易に対話に臨めないという認識を示したものとみられます.
これまで3回行われた慰安婦問題などに関する日韓外務省の局長級協議に対しても「日本がより前向きに、実質的なものを示してこそ、進展できる」と日本側の譲歩を求めました。
(2014年07月29日,「赤旗」) (Page/Top)
国連勧告、政府は履行を/秘密法など/NGO1O団体が会見
国連自由権規約委員会が日本政府に対して「袴田事件」「秘密保護法」「ヘイトスピーチ(差別をあおる言動)」などの問題に勧告したことを受け、日本国内のNGO(非政府組織)は25日、国会内で共同記者会見を開きました。人権問題に取り組むNGO1O団体の代表は、「勧告を歓迎し、日本政府の誠実な履行を求める」と口々に語りました。
日本弁護士連合会の代表団長として同委員会へのロビー活動を行い、オブザーバーとして審査を傍聴した海渡雄一弁護士が「日本の主だったNGOが一丸となって取り組んだことが今回の特徴」と話すように、日本のNGOが初めて共同で「秘密保護法」「へイトスピーチ」問題のリポートを提出しました。
秘密保護法について同委員会は「自由権規約第19条に定められた市民とメディアの知る権利を侵害する」とし、情報の開示・是正請求権の侵害を除くために、抜本的な措置を取るよう勧告しました。
ヒューマンライツ・ナウの小川隆太郎さん(弁護士)は、「秘密の対象が広範囲なことや、同法に反対するみなさんの声が、世界に届いたと思う」と話しました。
今回の審査で対象になったのは他に「東京電力福島第1原発事故問題」「イスラム教徒に対する監視」「死刑制度」「『慰安婦』問題」「男女平等」「性的マイノリティー」など。
同委員会のナイジェル・ロドリー議長は最終発言で「日本政府は国際社会に抵抗しているように見える」と厳しく指摘したといいます。
(2014年07月28日,「赤旗」) (Page/Top)
韓国・民青学連事件/ 日本政府は「抗議意思なし」/日本国民の不当拘束に/柳田常樹さんの投稿
韓国で1974年に起きた「民青学連事件」(別項)についての柳田常樹さん(69)=名古屋市=の投稿を紹介します。
事件で有罪とされた義兄の早川嘉春氏は、2005年に韓国国家情報院が事件についての調査結果を発表後、名誉回復のため、韓国政府に再審請求をし、13年6月19日、ソウル地裁で無罪宣告を受けた。その際、ソウル地裁の裁判長、検事から謝罪の言葉があったという。
その後、韓国政府に対し損害賠償を求め、受理された。事件発生から無罪確定、損害賠償まで40年かかった。
事件発生時から、私と妻は義兄の救援活動に奔走した。「早川は朝鮮語を研究するためにソウル大に留学したのであってスパイではない」と訴え続けた。
今でも腹に据えかねるのは、当時の日本政府の姿勢だ。政府は不当な拘束に対して一度たりとも韓国政府に抗議をしなかった。
きわめつきは、義兄の帰国2日後(75年2月19日)、当時の宮沢喜一外相の衆院外務委員会での答弁。宮沢氏は「韓国の裁判が適正に行われていると考える限り、でっち上げとは言えず、抗議する意思もない」と答えた。
日本政府は自国民を保護するという国家の役割を投げ捨て、海外でどのように自国民が不当に扱われようと全く問題としなかった。
私は40年の月日のなかで、韓国政府への怒りは少なくなり、むしろ評価する気持ちさえ持つようになった。人はだれでも、誤りを認め、謝罪され、償いを受ければ、怒りの気持ちが収まっていく。
いま日本と韓国との間でトゲのように刺さっている日本軍「慰安婦」問題も、日本政府が性奴隷にされた人たちに向き合い、謝罪し、償えば、彼女たちの心の傷は無くならなくても、今のようなわだかまりは、時がかかるかもしれないが、良い方向に向いていくと思うo
民青学連事件
韓国政府を武力で転覆しようとしたとして1974年4月、大学生など1000人以上が逮捕され、8人が処刑された弾圧事件。2005年12月に国家情報院(旧韓国中央情報局=KCIA)は事件の再調査結果を発表し、当時の朴正照(バク・チョンヒ)軍事独裁政権のでっちあげだったと結論づけました。事件では、青年たちを取材したジャーナリストの太刀川正樹氏、その通訳を務めた早川嘉春氏が「内乱扇動罪」で懲役20年に処され、事件10カ月後の75年2月に有罪のまま日本に強制送還されました。
(2014年07月28日,「赤旗」)
国連の勧告に「残念」
菅義偉官房長官は25日の記者会見で、国連人権規約委員会が日本政府に対してヘイトスピーチ(憎悪表現)を禁じ、処罰するよう勧告したことについて「慰安婦問題をはじめ、わが国の基本的立場や取り組みが十分に理解されなかったことは非常に残念だ」と述べました。
(2014年07月27日, 「赤旗」) (Page/Top)
「慰安婦」問題解決訴え/韓国大統領、舛添都知事と会談
【ソウル-時事】韓国の朴棲息(バク・クネ)大統領は25日、ソウルの韓国大統領府で、舛添要一東京都知事と約40分間会談しました。冒頭、朴大統領は慰安婦問題について「普遍的な人権問題だ」と述べ、日本政府が解決に努力するよう要請。歴史問題などに関し「一部の政治家の言動により、両国関係が難しくなっている」と安倍政権の対応を批判する一方、関係改善ヘの期待もにじませました。
朴大統領が日本の要人と個別に会釈するのは昨年2月の就任直後以来初めて。舛添知事は会散後、記者団に「日本に対して大統領がいつも言っていることで、特別新しい認識が示されたとは思っていない」と述べました。
会談は舛添知事側が申し入れ。知事は会談で、日韓関係改善に向けた安倍晋三首相のメッセージを伝達。また、304人の死者・行方不明者を出した客船「セウオル号」沈没事故に対する哀悼の意を表しました。
朴大統額は会釈で、「両国国民は互いに友情を分かち合いたいが、政治的な困難により、国民の心まで遠くなっていくようで残念だ」と強調。「正しい歴史認弦を共有しつつ、両国関係を発展させられるよう、知事の努力をお願いする」と求めました。
舛添知事によると、両者は在日韓国・朝鮮人らへのヘイトスピーチ(憎悪表現)は許さないとの認識で一致。舛添知事は会談後、「厳しい歴史認織はあるが、関係改善の気持ちがひしひしと伝わる良い会合だった」と述べました。
(2014年07月26日, 「赤旗」)
ヘイトスピーチ処罰を/ 「慰安婦」国家責任認めよ/国連、日本政府に勧告
【ジュネーブ-時事】拷問禁止、表現の自由などに関する国連人権規約委員会は24日、日本政府に対し、ヘイトスビーチ(憎悪表現)など、人種や国籍差別を助長する街宣活動を禁じ、犯罪者を処罰するよう勧告しました。また、旧日本軍の慰安婦問題についても、「国家責任」を認めるよう明記しました。
規約委は勧告となる「最終見解」の中で、ヘイトスピーチや「Japaneらe only」の表示など、外国人への差別をあおる行為が広がっているとして問題視。差別される側が「刑法、民法で
十分に保護されていない」と懸念を示しました。
その上で、「差別や暴力を添う人種的優位や憎悪を助長するプロパガンダをすべて禁止すべきだ」と提言。日本政府に対し、犯罪者を処罰するルールを整備するよう促しました。
一方、慰安婦問題に関しては、元慰安婦-の人権侵害が続いており、教科書への十分な記述を含めた教育の重要性を指摘。「公式謝罪、国家責任を公式に認めること」を求めました。
このほか、死刑確定後に再審が認められ釈放された袴田巌さんの事例を踏まえ、死刑制度の廃止検討を盛り込みました。また特定秘密保護法の厳格な運用も勧告しました。
規約委の対日審査は15、16両日、ジュネーブの国連欧州本部で約6年ぶりに行われました。勧告の解釈は各批准国に委ねられ、法的拘束力はありません。
(2014年07月26日, 「赤旗」) (Page/Top)
俳優座朗読「戦争とは…」20周年/平和への願いこめ/有馬理恵
集団的自衛権の行使容認が閣議決定されました。蒸し暑く天候も不安定な毎日、心も体もまったく寝苦しい今日この頃です。そんな夜、私の頭の中では、
一つのせりふがリフレインし続けています。
劇団俳優座創立70周年記念6月公演「先生のオリザニン」(堀江安夫作・眞鍋卓嗣演出)のラストシーン、主人公・鈴木梅太郎博士(加藤剛さん)が妻・須磨子(私)に語る場面。
梅太郎「『其の文明は山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さざるべし』…身の程知らずなんだよ(田中正造氏の言葉を引用)」
須磨子「?」
梅太郎「日本人は戦争が好きで困る。日支事変などやらなくてすんだものを、戦争好きと外交下手のお陰で泥沼に入り込んでしまった。緒戦の華々しい戦果も、1年も経てばこの有りさまじゃないか…」
過去の過ちから学び、平和な未来を切り開くことに願いをこめて、今年も8月1日から朗読「戦争とは-2014」を上演します。
毎年夏、「世の中の平和を願い、俳優の自分たちにも何かできることはないか」と有志が集まり企画上演を続け、今年で20周年を迎えます。今回は、憲法9条、米軍基地、広島、長崎の被爆、日本軍「慰安婦」、靖国神社参拝などのテーマで、現代日本を取り巻く問題に向き合い、集団的自衛権行使容認の動きに抗したいと思います。
今年創立70周年を迎えた劇団俳優座だからこそできる、俳優座だからこそ続けなければいけない公演が、この「戦争とは…」だと決意を新たにしています。熱い思いを持ち寄った20代から80代の俳優たち24人が、今こそ届けたい14の作品で、その思いをつづります。
これまでのお客さまのリクエストから、今年は次世代を生きる子どもたち、若者たちとともに、考え感じあえたらと希望を抱き、新たな試みとして、子どもたちと考える「戦争とは…」の回(子ども班)を設けました。幅広い年齢層対象のA班B班もあわせ合計3班に分かれ、朗読、絵本、リーディング、うたひ語りとバラエティーにとんだ形式でお送りします。
俳優たちの平和への強い願いを、感じ取っていただけたらと思います。
(ありま・りえ俳優)
*8月1~4日、東京・劇団俳優座稽古場TELO3 (3470)2888 (劇団)
(2014年07月25日,「赤旗」)
女性差別撤廃条約批准国としての責任を果たし、女性差別の改善へ、条約の全面実施を/要旨
女性差別撤廃委員会への政府報告にあたって/日本共産党国会議員団男女平等推進委員会・日本共産党女性委員会
日本共産党国会議員団男女平等推進委員会と党女性委員会は連名で22日、女性差別撤廃条約の批准国としての責任を果たし、条約を全面実施するよう内閣府に申し入れました。今回の申し入れは、
国連女性差別撤廃委員会が日本政府に追加報告を求めた二つの課題(民法改正、女性の参加促進)と、改善が求められた中心課題にしぼって要請したもの。政府からの国連女性差別撤廃委員会への報告書の提出期限が7月となっています。申し入れの要旨を紹介します。全文は日本共産党ホームページに掲載しています。
国連女性差別撤廃条約が国連で採択されてから今年で35年、日本が批准して来年で30年を迎えます。
日本でもこの約30年間に、さまざまな分野へ女性の進出がひろがっています。にもかかわらず実質的な改善は十分にすすんでおらず、日本の男女平等度は世界105位(2013年)です。世界の努力と到達点から大きく取り残されています。
女性差別撤廃委員会からは、日本政府の対応の遅れと不十分さが繰り返し指摘され、改善が求められてきました。前回の報告に対する最終見解(2009年)では、約20分野、46項目におよぷ懸念と改善すべき課題が指摘されました。
ところが明らかな改善が認められるのは、婚外子差別撤廃の民法改正などごく一部です。
日本共産党は、条約の全面実施の立場から男女平等のための施策の充実を求めてきました。今回の政府報告にあたって、世界の到達をふまえ、とりわけ前回の女性差別撤廃委員会の最終見解を真摯(しんし)に受け止め、批准国としての責任を果たし、実効ある措置を明らかにするよう求めるものです。
1、女性差別撤廃委員会が追加報告を求めた課題について
女性差別撤廃委員会が前回の最終見解で、とりわけ重視し、勧告の実施に関する継続的な情報提出を求めた課題があります。民法など法律に残された差別的規定の撤廃と、遅れている職場、政治的・公的活動、政策決定過程への女性の参加拡大のための暫定的特別措置を導入することです。
(1)差別的法制度の改正をただちに
婚外子への相続差別を違憲とした最高裁判断を受けて、政府は、民法の婚外子差別規定を撤廃しましたが、婚姻年齢の男女差別、女性だけの再婚禁止期間、夫婦同姓を強制する規定の是正は、いまだにおこなっていません。
- 民法改正を一刻も早く
批准国には、女性差別となる法律を改め、「本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務」があります。国内でも、民法改正を望む女性の願いは切実です。ところが政府は、国連からの勧告にも、国民の願いにも背を向けつづけています。女性差別撤廃委員会が、1回の追加報告では不十分として、さらに2回目の追加報告を求め、その結果「勧告が履行されていないものと判断する」(2013年9月)ときびしく批判したのは当然です。日本政府の立場が問われていることを深く認識すべきです。
(2)雇用、政治的・公的活動-の女性の参加促進へ、暫定的特別措置の実施を
日本軟府は、「指導的地位に立つ女性候補者が少なかった」などと遅れの原因を女性におしつけたうえに、国家公務員の採用者や管理職の女性比率などの目標の設定や、政党や各団体への要請などにとどまっています。
- 政府が目標達成に責任を
2020年までに指導的地位の女性割合を少なくとも30%にするという政府目標の達成のうえで、政府が直接責任をおう国家公務員の管理職に女性を登用し、責任をもって推進し、明確に結果をだすことが求められています。そのためにも、男女ともに長時間労働の是正をはじめ、仕事と家庭の両立を保障する労働環境の抜本的改善が不可欠です.
- 大企業の男女格差是正の義務化
民間企業に対しては、自主的な取り組みを要請するだけでは不十分です。男女格差の大きい大企業に対し、格差是正のための目標と計画作成、実施と報告を義務づける法改正など資任ある施策をとるべきです。
政治的分野では、女性議員を増やすうえでも、小選挙区制を廃止し、比例代表など民意を正しく反映できる選挙制度改革をすすめることが不可欠です。
2、改善が求められてきた主な課題について
(1)雇用における「事実上の男女平等」-実効ある法整備、対策こそ条約と最終勧告が求めているのは「労働市場における事実上の男女平等の実現を優先させる」ことです。間接差別の原則禁止、雇用区分の違いによる差別を容認する指針廃止、同一価値労働同一賃金の原則の法制化、派遣やパートの均等待遇、妊娠・出産による違法解雇の根絶など、実効ある措置が
必要です。
(2)男女がともに安心して子育てしながら働き続けられる社会的条件整備
女性差別撤廃条約は、子育ては「男女及び社会全体が共に責任を負うことが必要である」と明記しています。しかし待機児童問題の深刻化、長時間労働、保育に対する国・自治体の責任を後退させ、
保育の営利化をすすめる新制度の強行など、条約の立場と逆行しています。認可保育所を中心とした保育、学童保育の充実、安心してとれる育児休業制度-の改善、長時間労働の是正と人間らしい働き方のルール確立が不可欠です。
(3)ひとり親家庭、高齢者など、深刻な女性の貧困の改善と社会保障充実
社会保障の改悪、生活保護や児童扶養手当、年金等の給付削減、消費税増税強行のもと、女性の貧困は深刻化しています。女性の貧困克服へ、母子家庭の支援強化、無年金・低年金の解消、医療・介護の充実などの対策をとるべきです。
(4) 日本軍「慰安婦」問題の解決ただちに
女性差別撤廃委員会が求める、被害者への謝罪・賠償をふくむ、「『慰安婦』の状況の恒久的な解決のための方策」を早急にとることを求めます。
(5)女性の人権が尊重される社会を
女性差別撤廃条約の立場で、政府が、女性蔑視と人権侵害を許さず解決の先頭にたっこと、「あらゆる暴力は容認されない」社会的合意づくりをすすめることを求めます。
3、女性差別撤廃条約選択識定番の早期批准を
女性差別撤廃条約の選択議定書の批准に、政府は、国内の法、制度との整合性を理由にして「慎重」な立場をとり続けています。条約より国内事情を優先する日本政府の姿勢が問われています。国際的ルールに立った一刻も早い批准を求めます。
4、経済成長のための「女性活用」ではなく、条約の立場で男女平等杏
政府の成長戦略と「女性活用」戦略は、男女平等と人権の立場からではなく、〝経済成長〟の立場のものであり、女性の願いにも、条約の見地にも逆行しています。
女性差別撤廃委員会は、日本政府には個別の課題の指摘とあわせて、女性差別撤廃条約が実施責任と法的拘束力をもつものであるという認識が欠けている、との厳しい批判をおこなっています。
女性差別撤廃条約と最終見解の指摘、憲法の立場にたって、真剣な検討をおこない、実施したことだけでなく、やらなかったこと、なぜやれないかの理由をあきらかにし、期限を区切って法整備を含む実施方向を報告に盛りこむこと、NGO・女性関係諸団体の意見を真摯に取り入れること、条約の実施と女性の地位向上のため機構にふさわしい権限と予算をもつ国内本部機構の確立などを求めるものです。
(2014年07月25日, 「赤旗」)
2014焦点・論点/北東アジアに平和協力機構を/インドネシア副大統領補佐官デビイ・フオルトナ・アンワルさん
「力の均衡」より共通利益追求
アジア・太平洋地域の平和構築について、インドネシアのデビイ・フオルトナ・アンワル副大統領補佐官(政務担当)に聞きました。アンワル氏はストックホルム国際平和研究所(SIPR I)理事も務める国際政治学者。今年5月にシンガポールで行われたアジア安全保障会議(英国国際問題研究所主催)では、ヘーゲル米国防長官の講演で質疑に立ち、東南アジア諸国連合(ASEAN)の平和構想と米国の軍事同盟強化は両立しないと論陣を張りました。
(ジャカルタ-松本眞志)
ヘーゲル長官との質疑での私の意見は、インドネシアの意見でもあります。アジア・太平洋地域は非常に複雑な地域で、複数の大国や多くの中小規模の国があります。
オランダの植民地支配と日本による占領などをへて、独立を勝ち取ったインドネシアは、独立当初から自由で積極的な外交政策を堅持してきました。
インドネシアは(1961年の)非同盟運動の創立メンバーの一つです。冷戦を通じて、アジア、アフリカ、ラテンアメリカから構成される非同盟運動は、大国や軍事同盟の支配を許しませんでした。
その考えはインドネシアの外交政策の核となっています。インドネシアはいかなる軍事大国とも同盟を結ばず、旧ソ連陣営にも西側陣営にも加担しませんでした。
私たちはこの立場をASEANにも取り入れました。ASEAN内部には大国と軍事同盟を結んで
いる国もあります。しかし、ASEANそれ自体は、大国の傘下に入ったことはありません。
私たちは「動的均衡」の国家関係を提起しています。「動的均衡」とは、相互協力を目的とするすべての国が参加する権利を持つ包括的地域機構を特徴とします。敵か味方かという「力の均衡」とは異なります。
「動的均衡」は、戦争に道を開く意見の相違を防ぎ、共通の利益に導く一致点を見いだせる機構の構築で、「力の均衡」よりもっと快適な、〝均衡〟をめざすものです。それは、ある国が特定の大国のもとで補助的役割を果たすような関係ではありません。
具体的にいえば、私たちは日本が米国のアジア太平洋地域の軍事戦略に加担することを絶対に望みません。東南アジア諸国にとっても、そうした状況は非常に不愉快なことです。
東南アジアは大国間の紛争の舞台となることを望んでいません。なぜなら、過去にこの地域は大きな惨害を被ってきたからです。
第2次世界大戦終結から70年近くが経過しましたが、人々はいまでもそれを記憶しています。特に北東アジアの人々は完全には忘れていないし、許していません。
ですから、日本が軍事力に関して取るいかなる措置も近隣国とのコミュニケーションが必要だし、軍事力が近隣国に敵対に用いられない保証が必要なのです。
さらに、もっと明確に、率直に、日本が軍事的冒険主義をとらないこと、軍事力が他国のために使用されないこと、域内とより広範な国際社会の平和と安定を促進することが求められています。
日本は国際社会における平和構築のために、もっと積極的な役割を果たすことができると思います。
ASEANは紛争解決のために設立(1967年)されました。当時、紛争を抱えていたインドネシアとマレーシアは、良好な関係を持てるような地域機構を緊急に必要としていたのです。
こうした地域機構は共通の利益を発展させ、具体的な協同を発展させることができます。それによって仮に互いが同意できない問題があっても,仲たがいしにくくなります。
北東アジアにはこうした地域機構が存在しません。しかし私たちには(北東アジア諸国を含む)東アジア首脳会議があります。東アジア首脳会議には、北朝鮮を除くすべての北東アジア諸国が参加しています。
また、ASEANは日本、韓国、中国が会合するフォーラム(ASEANプラス3)を提供しています。日中韓は互いに問題を抱えているときでも、ASEANが提供するさまざまな場で会合を持つことができます。
ASEANブラス3も、東アジア首脳会議も、日中韓が接触できるフォーラムなのです。しかし、こうしたフォーラムは、2国間問題を話し合うにはあまりにも規模が大きすぎます。
ですから私は、ASEANプラス3や東アジア首脳会議、ASEAN地域フォーラム(ARF)に参加する北東アジア諸国が、自分たち自身の地域協力機構をつくり上げることを希望しています。
そのために、日本はアジアでもっと積極的になるべき国の一つです。なぜなら、日本は第2次世界大戦での侵略国だからです。過去の軍国主義から本当に生まれ変わったということを近隣国に確信してもらう必要があります。
私は日本が近隣国からの信頼を得てこなかったことを憂慮しています。第2次世界大戦の歴史の書き換えを試み、日本軍「慰安婦」問題での言い訳を試み、良い結果は得られませんでした。近隣国の多くは失望し、日本が誠実さを欠いていると感じています。
日本で最も影響力のある人々が靖国神社に参拝したことは、さらなる問題を生み出しました。日本は近隣国に、過去の日本とは違うのだという新しい日本像を示す必要があるでしょう。
(2014年07月25日,「赤旗」)
河野談話検証、局長級協議で韓国反発
【ソウル-時事】日韓両政府は23日、両国の諸懸案を話し合う外務省局長級協議をソウルで開きました。両国の説明によると、日本側は従軍慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話の検証結果について理解を要請。しかし、韓国側は「強い遺憾」の意を示し、「河野談話の継承」を行動で示すよう求めました。
協議こは、日本から伊原純一アジア大洋州局長、韓国から李相徳東北アジア局長が出席。慰安婦問題に関し、「解決済み」との立場の日本と、「被害者が納得できる措置」を求める韓国側との溝は埋まりませんでした。伊原氏は協議後、記者団に新たな打開策を示していないと述べました。
両局長は、拉致問題を含む北朝鮮情勢や日本の集団的自衛権行使容認などをめぐっても幅広く議論。韓国側によると、伊原氏は「安倍晋三首相の訪朝計画はない」と説明しました。また、李氏は日本の「嫌韓デモ」に懸念を示し、日本政府が適切に対応するよう求めました。
ミャンマーで8月10日に開かれる東南アジア諸国連合 (ASEAN)地域フォーラム(ARF)
の機会を利用した日米韓や、日韓の外相会談の開催についても話し合われたとみられますが、日韓とも詳細は明らかにしませんでした。
協議は4月にソウル、5月は東京で行われましたが、6月は河野談話検証に韓国側が反発し、見送られました。両氏は8月に次回協議を行うことを確認しました。
(2014年07月25日,「赤旗」)
2014夏・黙ってはいられない/カトリック大阪大司教区大司教池長潤さん/非人道的時代に戻さぬ
わが国人々の幸せとは何か。幸福を損なったり、破壊する行為には敏感にならなくてはいけません。言い換えれば、私たちが信仰している神の目からみて、善しとするのか。たとえ政府であっても善しとしない動きがあれば、教会の立場から発言します。
戦後史の転換
集団的自衛権の行使容認は、戦後歴史うえ非常に大きな転換です。閣僚だけで決定する事柄なのか国民は置き去りです。
憲法9条をどのように読めば、安倍首相のような解釈ができるか私はさっぱりわかりません。
いくら安倍さんが、弁解的な説明をしても日本は戦争に巻き込まれてしまう。大きな戦争になれば戦闘員の数が確保できず、「徴兵制だ」と言い始めるに違いありません。
日本政府は日本軍「慰安婦」問題についても、いまだに正式謝罪していません。
志位さん(日本共産党の志位和夫委員長)が、(見解『歴史の偽造は許されない』で)書いたように、「河野談話」が認め事実があります。政府は、今からでもその責任をとらないといけません。
私はオランダのシュラーベン財団の依頼で、2012年、「シュラーベン大司教と同志殉教者の死に思う」という手紙を書きました。
1937年日本陸軍が中国河北の正定に侵攻し、多くの中国人婦女子が、女子修道院に身寄せました。日本兵は200人を「慰安婦」とて差し出すよう要求。シュラーベン司教は、「あなたちは私を殺すがいい」と拒否しまた。その結果年10月9日夜、司教はじめ同家に住むヨーロッパ宣教師9人が、日本兵によって捕まえられ焼き殺されました。
この事件は、北京フランス大館に報告され同大使館使は日本大使館に調査依頼。日本陸軍少佐率いる調査の結果謝料支払い、慰霊碑を建て、追悼式を行いました。
尊厳と品位は
いったいだれが、占領した相手国の罪もない婦女子を、性的虐待の対象にする権限をもつことができるのでしょうか。
基本的人権とは何なのか。人間としての尊厳と品位とはどういうものなのか。それすら考えぬ非人道的行為が生まれる時代、日本国民全体を「戦闘員」にするような時代に、戻してはなりません。聞き手渡辺健
(2014年07月22日, 「赤旗」) (Page/Top)
墓穴掘る「靖国」派/全国紙に「河野談話」見直し意見広告/検証に反論材料示さず攻撃
ジャーナリストの桜井よしこ氏が理事長を務める国家基本問題研究所が17~19日付の全国紙に「『河野談話』の検証はまだ終わっていません」とする意見広告を掲載しました。
「慰安婦」問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」(1993年)の政府の検証結果(6月)について「その内容は、当時の河野洋平官房長官と外務省が行った謝罪外交の失敗を覆い隠すものでしかありませんでした」と攻撃しています。
継承の立場示す
政府の検証は、「河野談話」の見直しを求める日本維新の会(当時)の「靖国」派議員の質問を受けて行われたものです。しかし検証は、見直し派が求めていた元「慰安婦」からの聞き取り調査の「検証」はできず、談話発表前の「日韓両政府の事前のすり合わせ」なるものについても、〝最終的な談話は日本側が主体的に決定した〟との見方を打ち出すものとなりました。これを受けて政府は、「河野談話」の見直しはせず、継承するという立場をあらためて示しました。これらは、「河野談話」の見直しを画策した「靖国」派への痛打となりました。
意見広告は、政府の検証を求めた勢力が自らの意図とかけ離れた結果となったことに慌てて出したものでしょうが、検証に対して何の反論材料も示せず、「国益と名誉を回復するために、政府と国会は外務省の自己弁護を許すことなく、検証を継続していかなければなりません」と言うだけ。自らの道理のなさを示すものに終わっています。思惑外れた広告思い返されるのは、やはり桜井氏が名を連ねる歴史事実委員会が「靖国」派国会議員とともに2007年6月、「慰安婦は〝性奴隷〟ではなく公娼(こうしょう)である」などと主張した全面広告を米ワシントン・ポスト紙に掲載したことです。
しかし、この広告は、桜井氏らの思惑とは逆に米国内外から厳しい批判を招き、米下院が「慰安婦」問題で日本政府に明確な謝罪を求める決議を異論のないほぼ満場一致で採択する動きを促進するものとなりました。第1次安倍内閣への痛打となってはね返ったのでした。
「靖国」派が「慰安婦」問題での強制性を否定し、「河野談話」を否定しようと策動すればするほど、事実と道理、内外の批判の前に墓穴を掘っていくだけです。
(入沢隆文)
(2014年07月21日, 「赤旗」) (Page/Top)
キャスター・アナウンサー・プロデューサー、NHK退職者172氏声明/籾井会長の辞任・罷免迫る
NHKでニュースキャスター、アナウンサー、プロデューサーなどを務めた退職者有志172人は18日、NHK経営委員会に「籾井(もみい)勝人会長の辞任勧告か罷免を求める」声明を提出しました。
声明は次の3点をあげて、経営委員会が籾井氏に辞任を勧告するよう求め、「会長が応じない場合は罷免を」と訴えています。
① 就任記者会見での「政府が右というのを左とは言えない」などの発言は、NHKの基本的性格の理解を欠く。政府支持の姿勢を公的に発言した人物がNHKのトップに座り続けているという異常な事態は一刻も早く解消すべきだ。
② 日本軍「慰安婦」に関して「戦争している国にはどこにもあった」と発言した。これは歴史の偽造であり、日本の戦争責任を考えるうえで到底受け入れがたい。
③ 国内外で現場は取材に困難を生じており、受信料の凍結や留保が広がっている。NHKが政府から独立した報道機関となることを改めて求める。
声明には、元ディレクターの′小中(こなか)陽太郎、元ニュースキャスターの勝部領樹(りょうじゆ)、元アナウンサーの酒井廣、下重(しもじゆう)暁子、山根基世(もとよ)の各氏らが名を連ねています。
(2014年07月19日,「赤旗」) (Page/Top)
23日局長級協議、日本が外相会談打診へ
日韓両政府は18日、両国が抱える諸懸案を話し合う3回目の外務省局長級協議を23日にソウルで開くと発表しました。
日本側は日本軍「慰安婦」問題に関する河野洋平官房長官談話の作成過程の検証結果について説明し、理解を求める考えです。 日本側はまた、ミャンマーで8月上旬に開かれる東南アジア諸国連令(A SEAN)地域フォーラム(ARF)の機会を使った日米韓外相会談に加え、日韓の2国間会談の開催を打診する見通しです。
協議には日本から伊原純一アジア大洋州局長、韓国側は李相徳東北アジア局長が出席します。当初は6月中に開かれる予定でしたが、河野談話検証結果の公表に韓国側が反発し、先送りされていました。
(2014年07月19日,「赤旗」) (Page/Top)
「慰安婦」問題/其の解決訴える/不戦の決意、試金石に/笠井議員が講演/さいたま
日本共産党埼玉県委員会は11日、笠井亮衆院議員を招いて、「日本軍『慰安婦』問題を考える講演と交流の集い」を、さいたま市で開き、320人が参加しました。
笠井氏は、日本維新の会などが国会で公然と「慰安婦」の存在を否定し、政府の「河野談話」を葬り去ろうとする攻撃を行い、安倍内閣も迎合する異様な状況の中、日本共産党は日本の政党の責任として歴史の真実を明らかにするために志位委員長が見解を発表したと述べました。
笠井氏は、被害女性への謝罪と賠償など一刻も早い解決に政府は取り組むべきだと訴えたうえで、「日本軍『慰安婦』問題の真実を明らかにすることは、過去の戦争を肯定、美化する靖国派とのたたかいの最大の熱い焦点になっている」と指摘。「慰安婦」問題を真に解決することが、日本が侵略戦争と植民地支配を反省し、二度と戦争をしないと決意するための試金石になっていると強調しました。
中国人「慰安婦」訴訟弁護団長の大森典子弁護士が特別発言。「慰安婦」制度の背景に戦場における膨大な性暴力があったと指摘し、侵略戦争の実態を認識して二度と繰り返さないと決意することが、日本が世界とつながる重要な柱になると述べました。
憲法学習などに取り組んでいる青木努弁護士は、県議会文教委員会が決議で台湾への植民地支配を否定するなど歴史をゆがめる動きがあると指摘し、「足元で誤った歴史認織が広がらないよう目を光らせよう」と訴えました。
(2014年07月17日,「赤旗」) (Page/Top)
国連人権委が-イトスピーチ対策迫る
【ジュネーブ-時事】拷問禁止や表現の自由などに関する国連人権規約委員会の対日審査が15日、ジュネーブの国連欧州本部で開かれ、街宣活動で人種や国籍などによる差別をあおるヘイトスビーチ(憎悪表現)対策で法整備の必要性が指摘されました。審査は16日まで。
審査でイスラエルの委員が、日本では昨年、主に在日韓国・朝鮮人らに対する差別的デモが360回以上行われたと指摘。日本政府にヘイトスピーチや人種差別行為を処罰する法整備を進めるかどうかをただしました。
このほか、死刑制度や男女機会均等などで、人権がどの程度保障されているのかが問われました。16日は「慰安婦」問題も議題となる見通し。
対日審査は2008年以来、約6年ぶり。規約委の改善勧告に当たる「最終見解」が24日に公表されます。
(2014年07月17日,「赤旗」) (Page/Top)
各地の集い・宣伝から/「日本軍『慰安婦』開度と倍政権歴史認識を考える」学習交流会(5日)/札幌市
札幌東区革新懇の主催で80人参加しまた。高崎裕子弁護士が、「『慰安婦』問題は女性の人権問題、日本戦争責任でもある。『河野談話』見直へ一部勢力の攻撃を許さず、憲法九条守り抜くかいと根はひとつ」説明しまた。参加者らは「安倍政権暴走政治対決したかいと『慰安婦』問題の早期解へ道はひとつとの認識を深めた」「日本人して心痛い。話を聞き、涙が出る」などの感想が寄せられました。
(2014年07月12日,「赤旗」) (Page/Top)
母親大会開く「慰安婦」向き合う/高知
県母親6日高知市開かれ50人が参加ました。大会では、「集団的自衛権行使容認の『決定』に反対撤回求める」特別決議を採択ました。
ルポライターの西野瑠美子さんが、「従軍慰安婦」問題取材した経験をもとに最近出され強制否定論や商行為だから問題ないとする論」について「被害者の排除と加害者を免責する」と批判。「『慰安婦』は当時の内や国際法でも明確な人権侵害です。被害者を飛び超えて国との解決はあり得い。さまざな資料や証言もあり、事実と向き合い認めるこが大事」と話ました。
午前は、「学校のこと何でも話そう」など10の分科会が開かれ熱心に討論ました。
(2014年07月10日,「赤旗」) (Page/Top)
水曜エッセー/ 「日本よい国」の時代/愛国者たちの暗黒郷/早川タダノリ/5/放送が盛り上げた総力戦体制
NHK会長・籾井某を筆頭として経営委員に妄言連発の「お友だち」を送りこんだ自民党安倍政権。2001年、内閣官房副長官時代に「慰安婦」問題をとりあげたNHKの番組に対して介入をくわだてた安倍晋三首相は、NHKを好きなようにいじりたくてしかたがないかのようだ。
銃後を支える
戦前の社団法人日本放送協会時代は国営放送だったので、その時々の政権が求めるプロパガンダをたっぷりとお茶の間へと届け続けた。1941年の「大東亜戦争」勃発以降の悪名高き「大本営発表」はもちろんのことだが、「支那事変」(37年)以降、銃後で戦争を支える国内体制づくりにおいて同協会が果たした役割は非常に大きなものであった。
例えば、『ラジオ年鑑昭和13年』(日本放送協会編、1938年。同協会の業務活動をまとめた年報)を見てみると、高度国防国家づくりに向けた怒涛のような宣伝放送にたじろぐほどだ。
国中にかけ声
国民精神総動員運動の一環として設定された「国民協力週間」「国民精神総動員強調週間」「国民精神総動員産業週間」といった総動員イベントに際しては、「国民精神総動員運動特別番組」として政治家や識者によるありがたいお話満載の講演を放送。特に1937年10月の「強調週間」では(1)午前6時に信時潔作曲「海ゆかば」合唱を放送(2)午前7時30分にはまたまた「海ゆかば」合唱を放送(3)それでも足りないとみえて、午前8時に「国民朝礼の時間」を設けて、国歌放送にひきつづき宮城遥拝(東京にある皇居の方向に向かって敬礼すること)のかけ声を日本国中に流すー という朝っぱらから猛烈な国民精神総動員ぶりである。
ただ、この年の締めくくりは何と言っても12月の「南京陥落」で、占領直前の8日には同協会の肝いりで制作した新作交響楽「南京攻略戦勝譜」と「千人の合唱」を放送して国内の機運を盛り上げ、南京を占額した翌日の14日には「南京陥落の夕」として陸海軍合同の吹奏楽をはじめ「越後獅子」「戦捷音頭」(!)などを組み合わせた「豪華番組」を流した- という。安倍首相も、こんな放送が流せるNHKが欲しいんだろうな。
(はやかわ・ただのり編集者)
(2014年07月09日, 「赤旗」) (Page/Top)
台湾が「抗日記念館」
【台北-時事】台湾の馬英九総統は7日、「抗日戦争勝利70周年」となる2015年に「抗日戦争記念館」と「慰安婦歴史展示館」を開設する考えを示しました。
馬総統は同日、日中戦争の発端となった盧溝橋事件77年の関連イベントに出席しました。節目となる15年について、「台湾にとって非常に重要だ」と強調。歴史的事実の保存を目的に国防部など関係部署に二つの施設開設を指示したことを明らかにしました。
(2014年07月09日, 「赤旗」) (Page/Top)
「慰安婦」問題と「河野談話」学ぶ/党文化後援会例会
日本共産党文化後援会は6月26日、党本部で例会を開き、小松公生党政策委員を講師に河野談話と日本軍「慰安婦」問題を学習、約50人が参加しました。小松氏は、日本共産党の見解(3月)を説明。政府の「検証チーム」が談話は妥当だと認めざるをえなくなるなど、談話否定派に痛打を与えたと指摘しました。政府・軍の関与を示す多くの新資料が発見されてきたことも紹介し、歴史に背を向ける安倍政権を批判しました。
(2014年07月08日, 「赤旗」) (Page/Top)
中韓首脳会談/6カ国協議推進で一致/安倍政権の歴史常識、地域平和の障害
中国の習近平国家主席と韓国の朴槿恵(バク・クネ)大統領は3日にソウルで会談し、北朝鮮の核問題などの解決を目指す6カ国協議を再開、推進することで一致しました。会談後に発表された中韓共同声明は、北朝鮮の核兵器開発に「断固として反対する」ことを確認しました。
(面川誠)
2008年から中断状態にある6カ国協議について、共同声明は「2国間、多国間の意思疎通と協調を強化し、(05年9月の6カ国協議の)共同声明に沿った関係当事国の関心事を解決すべき」だとして、「再開のための条件を整えるべき」だと各国に呼び掛けました。
6カ国協議の共同声明は、北朝鮮の核兵器開発放棄とともに、米朝・日朝国交正常化、協議参加国(中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国)が「北東アジア地域における安全保障面での協力を推進する」ことを明記しています。
今回の中韓共同声明は、北朝鮮の核兵器開発を容認しない姿勢を強調する一方で、北東アジア地域の平和と安定を目指す多国間協力の基盤が6カ国協議であることを改めて示すものとなりました。首脳会談で合意した文書には、日本軍「慰安婦」問題で中韓が資料の共同研究などの協力を進めることが盛り込まれました。
韓国政府高官は同国紙・朝鮮日報に「両首脳は『慰安婦』問題解決の方法や河野談話検証などについて時間を割いて話し合った。日本に対する批判的な発言がかなりあった」と述べています。
中韓首脳会談を通じて、安倍政権の歴史認識も北東アジアの平和と安定の障害になっていることが、改めて浮き彫りになりました。
一方で、中韓共同声明や共同記者会見で歴史問題に触れなかったことについて、韓国外務省高官はハンギョレ紙に「公式文書には第三国を明記しないのが通例」と述べた上で、「中国に近づきすぎて日本を批判すれば、米国の懸念を引き起こさざるを得ない」と説明しました。
(2014年07月05日,「赤旗」) (Page/Top)
中韓、集団的自衛権容認に憂慮
「韓国大統領府の朱鉄基(チュ・チョルギ)外交安保首席秘書官は4日の記者会見で、朴槿恵(バク・クネ)大統領と中国の習近平国家主席が同日の昼食会で、安倍政権について「歴史修正主義的な態度が続き、自衛権の拡大まで推進しており、憂慮するという認識を共有した」と述べました。
朱秘書官は日本軍「慰安婦」問題について、「日本が河野談話を継承すると言いながら、実際の行動ではそれを損なおうとしているようにみえることについて、両首脳は遺憾の意を共有した」と述べました。
また、日本が北朝鮮-の独自制裁を一部解除したことについて、両首脳は「核開発を理由にした(国際的)制裁の扱いを間違えれば、国際協調を壊しかねないとの認識で一致した」と語りました。
(2014年07月05日, 「赤旗」) (Page/Top)
「慰安婦」解決へ町議会意見書/鳥取
鳥取県の湯梨浜町議会がこのほど、「日本軍『慰安婦』問題への誠実な対応を求める意見書」を可決しました。
新日本婦人の会県本部(山内淳子会長)は同趣旨の陳情・請顔を県内各自治体に提出。両町は、同陳情を採択し意見書を上げました。湯梨浜町は全会一致です。
意見書は「日本軍『慰安婦』問題は女性の人権、人間の尊厳にかかわる問題」だと指摘し、日本政府に「河野談話」を踏まえ、その内容を誠実に実行し、被害女性の名誉と尊厳を守るべく、真摯(しんし)な対応をおこなうことを求めています。
(2014年07月04日,「赤旗」) (Page/Top)
北朝鮮非核化で一致/ 「慰安婦問題」共同研究も/中韓首脳
【ソウル-時事】中国の習近平国家主席と韓国の朴槿恵(バク・クネ)大統領は3日の首脳会談で、北朝鮮の非核化を実現し、核実験に反対する考えで一致しました。中韓首脳会談の共同声明と記者会見では、日本や歴史問題に関する言及はありませんでした。
ただ、共同声明の付属文書によると、両国は慰安婦問題に関連した共同研究などで協力していくことで一致しました。
(2014年07月04日,「赤旗」) (Page/Top)
社長らの尋問要求/ニコン裁判原告側
韓国人写真家の安世鴻(アン・セホン)さん=名古屋市=の日本軍「慰安婦」を題材にした写真展が、会場だったニコンサロンを運営するニコンから一方的に中止された問題で、同社に損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の口頭弁論が6月30日、東京地裁(谷口園恵裁判長)でありました。
原告弁護団(東澤靖団長)は、憲法で保障された「表現の自由」を守る裁判だとし、中止理由の解明に、同社社長と担当役員を尋問する必要性を指摘。ニコン側は「私企業の営利のためのサロンであり、憲法とは関係ない」旨の説明をしました。
(2014年07月03日, 「赤旗」) (Page/Top)
韓国大統領、河野談話の検証結果公表を批判
【ソウル-時事】韓国の朴槿恵(バク・クネ)大統領は2日放映された中国中央テレビとのインタビューで、従軍慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話の検証結果公表について、「談話を傷つけようとしている。被害者の心に大きな傷を与え、国家間の信頼に背く行為だ」と強く批判しました。ソウルで3日に行われる中国の習近平国家主席との首脳会談を前に、厳しい対日姿勢を示した格好です。
朴大統領は「日本は北東アジアの繁栄と平和のために協力していかねばならない重要な国だが、一部の政治指導者の誤った歴史観、退行的な言行で、韓日関係は前に進めない」と主張。「特に慰安婦問題は人類普遍の人権問題で、被害者の生々しい証言が続いている今日の問題だ」と強調しました。
さらに、「歴史の歯車は逆に回せない。日本の指導者が正しい歴史認識を基に周辺国と協力関係を築いていくことを願う」と語りました。
(2014年07月03日,「赤旗」) (Page/Top)
政権は歴史に逆行/ 「慰安婦」問題考える集い/大阪
靖国参拝と日本軍「慰安婦」問題を通して、歴史に逆行する安倍政権と私たちの未来を考える集いが6月29日、大阪市内で開かれ、78人が参加しました。「慰安婦」問題の解決に向けた意見書可決をすすめる会が開きました。
シンポジウムでは石川康宏神戸女学院大学教授をコーディネーターに、関西勤労者教育協会の西尾泰広さんと子どもと教科書大阪ネット21の平井美津子事務局長(中学校教諭)が報告しました。
西尾さんは、「歴史認識」としての侵略と植民地支配-の反省の広がりと、その到達点を破壊する第2次安倍政権の逆流を解明し、ドイツの歴史認識との違いを説明。「日本社会でも『歴史問題』をめぐっての国民的、市民的学習と成長が必要で苦闘、葛藤を伴うが避けて通ることはできない」と話しました。
「慰安婦」問題の授業を20年近く続けている平井さんは「戦争責任と戦後補償の面で意味を持つ『慰安婦』間借を教えることが、教師としての責任だという思いを強くしている」と述べ、「安倍政権が狙う学校を戦争に行く子どもを育てる場にさせてはならない」と呼びかけました。
参加した女性(66)は「歴史の逆行を許さないと、声を出していきたい。憲法があったから日本が守られているということに気がつかないといけない」と話しました.
(2014年07月02日,「赤旗」) (Page/Top)
各地の集い・宣伝など/札幌市北区・新日本婦人の会プラタナス班の憲法学習会(24日)
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟北海道本部の宮田汎会長が、朝の連続ドラマ「花子とアン」の花子や白蓮を例に、戦前の女性の人権がいかに無視されていたか、それとのたたかいの中で日本国患法が作られてきたことを紹介。東京都議会での人権侵害やじや「従軍慰安婦」問題での安倍内閣の対応、自民党改憲草案に触れ、女性の人権を推し進めるたたかいがますます重要ですと話しました。
(2014年07月02日, 「赤旗」) (Page/Top)
朝の風/歴史の真実と向き合う若手作家
中村文則は、今、注目されている若手作家の1人だ。芥川賞、大江健三郎貨、そして今年は、米国の文学賞を受賞した。社会的な問題-の関心が広く、『新潮』6月号に発表した「B」という掌編は、日本軍「慰安婦」を取り扱った作品だ。性奴隷とされた女性の悲しみを訴えかけている。
ところで、6月26日、日本軍「慰安婦」問題の学習会が日本共産党文化後援会の例会で行われた。軍の関与と強制性を認めた「河野談話」を葬り去ろうという動きがある中で、全面的に論破する見解を志位委員長が発表した(3月)。例会はその内容を学ぼうと計画された。講師の党政策委員会の小松公生さんは、今日まで強制を示す無数の事実が発掘されているとして詳細に報告。彼らの攻撃の手口が、「ガス室はなかった」というナチスの蛮行を否定する論理と同じだと解明し、歴史を学ばない者に未来はないと批判した。
「河野談話」を否定しようとする「靖国」派に、政府は迎合して「検証」をおこなった。しかし結論は、談話は「妥当」(6月20日)というもので、「靖国」派には痛打となった。
安倍政権の軍国主義復活-の暴走と並行して歴史をねじ曲げる策動があるなか、中村のような若手作家が歴史の真実に向き合ったことに注目したい。(鷲)
(2014年07月02日,「赤旗」) (Page/Top)
ローマ法王、元「慰安婦」と面会へ/来月の訪韓時に
【ソウル-時事】聯合ニュースによると、韓国のカトリック関係者は6月30日、フランシスコ・ローマ法王が8月に訪韓する際、旧日本軍の元慰安婦とミサを通じて面会する計画が進められていることを明らかにしました。
訪韓準備委員会が、8月18日にソウルで行われる「平和と和解のミサ」に、元慰安婦を招待しました。元慰安婦の中にはカトリック信徒も多いといいます。
法王がミサの途中に元慰安婦-のメッセージを述べる見通しで、直接対話する時間を持つかどうかは未定としています。
(2014年07月02日, 「赤旗」) (Page/Top)
集団的自衛権/残虐行為に謝罪・賠償なく/ =〝裏口開放する〟やり方だ/重慶・ニコン訴訟関係者の声
30日、東京地裁であった重慶大爆撃賠償請求訴訟と「慰安婦」写真展訴訟(「ニコン」裁判)の関係者に集団的自衛権行使容認の閣議決定の動きについて、意見を聞きました。
残虐行為に謝罪・賠償なく
重慶大嘩撃賠償請求訴訟・原告弁護団長の田代博之弁護士行政権が平和憲法の土台を揺るがそうとする暴挙に強い憤りを感じますO 日本政府は、重慶大爆撃という戦時中の残虐行為に対し、何の謝罪も賠償もしないまま、戦争準備の集団的自衛権の行使容認をしようとしています。しかし、各世論調査を見ても、国民の反対の声は明らかです。この声を確信に、いろんな民主勢力が力を団結して、安倍政権の暴挙を粉砕しましょう。
〝裏口開放する〟やり方だ
「ニコン裁判」で原告の安世鴻(アン・セホン)さんを支援している在日韓国人三世の女性(51) 世界と日本の国民に「武力行使をしない」と約束した憲法9条ができて、日本は約70年間、ずっとそれでやってきた。集団的自衛権の行使容認は、憲法の平和主義を根底からくつがえすもの。正当な手続きを経ないで、まるで"裏口を開放しました"というようなやり方は許せません。血は流れていないけど、個人的にはクーデターだと思います。首相によってころころと憲法の解釈を変えるのは、立憲主義に反します。
(2014年07月01日, 「赤旗」) (Page/Top)